(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-12
(45)【発行日】2024-04-22
(54)【発明の名称】ベルトの張力を測定する、装置、測定制御方法、及び、それを実行するプログラム
(51)【国際特許分類】
G01M 13/023 20190101AFI20240415BHJP
G01L 5/102 20200101ALI20240415BHJP
【FI】
G01M13/023
G01L5/102
(21)【出願番号】P 2021123934
(22)【出願日】2021-07-29
【審査請求日】2023-03-13
(73)【特許権者】
【識別番号】000006068
【氏名又は名称】三ツ星ベルト株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001841
【氏名又は名称】弁理士法人ATEN
(72)【発明者】
【氏名】今岡 照善
(72)【発明者】
【氏名】長谷川 新
【審査官】岩永 寛道
(56)【参考文献】
【文献】特開2005-257350(JP,A)
【文献】特開2003-028759(JP,A)
【文献】特開2016-075485(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0247769(US,A1)
【文献】特開2014-112097(JP,A)
【文献】音波式ベルト張力計U-550取扱説明書,2021年03月26日,p.1-14,<URL: https://www.unitta.co.jp/data/support/pdf/u550/550_torisetu.pdf>
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01L 5/10
G01M 13/023
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
プーリ間に巻き掛けられたベルトの張力Tを表示可能な表示装置と、
音を集音可能なマイクと、
カメラと、
前記ベルトの仕様を示す識別情報と、前記ベルトの単位長さ当たりの質量W
及び前記ベルトに記載されている前記識別情報のベルト長手方向の実際の長さMとが対応付けられたベルト仕様テーブルが記憶されている記憶装置と、
(1a)
前記カメラで撮影された、各プーリと前記ベルトの接点間の距離であるスパン長さsと、前記カメラで撮影された、前記ベルトに記載されている前記識別情報のベルト長手方向の長さmとの比、及び、前記カメラで撮影された、前記ベルトに記載されている前記識別情報と、前記ベルト仕様テーブルとを参照して得られた、当該ベルトに記載されている前記識別情報のベルト長手方向の実際の長さMに基づいて、各プーリと前記ベルトの接点間の実際の距離であるスパン長さSを算出し、前記記憶装置に記憶させる処理、
(1b)前記カメラで撮影された、前記ベルトに記載されている前記識別情報と、前記ベルト仕様テーブルとを参照し、当該ベルトの単位長さ当たりの質量Wを決定し、前記記憶装置に記憶させる処理、
(1c)前記マイクで集音された、前記ベルトを振動させた際に発生する音から共振周波数Fを算出し、前記記憶装置に記憶させる処理、
(1d)前記記憶装置に記憶された、前記スパン長さS、前記単位長さ当たりの質量W、前記共振周波数Fを、T=W(2SF)
2の式に代入し、前記ベルトの張力Tを算出する処理、
(1e)前記(1d)の処理で算出した、前記ベルトの張力Tの値を、前記表示装置に表示する処理、を実行する制御装置と、
を備えた情報処理装置。
【請求項2】
前記記憶装置に、前記ベルトの張力Tの適正値を示す、所定の閾値を記憶可能とし、
前記制御装置は、
(1f)前記(1d)の処理で算出した、前記ベルトの張力Tの値が、前記所定の閾値を上回る又は下回った場合に、前記ベルトの張力Tが適切でないことを、前記表示装置に表示する処理を実行する、
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記ベルトに記載されている前記識別情報は、QRコード(登録商標)又は1次元バーコードを含む、
請求項1又は2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記制御装置は、
算出された過去複数回分の前記ベルトの張力Tの平均を算出し、前記表示装置に表示する処理を実行する、
請求項1~3の何れかに記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記制御装置は、前記マイクの音圧を測定し、測定した音圧を高低順に複数段階に分けて、前記表示装置に表示可能であって、更に、前記マイクの集音感度の調整が可能である、
請求項1~4の何れかに記載の情報処理装置。
【請求項6】
プーリ間に巻き掛けられたベルトの張力Tの測定制御方法であって、
(2a)
カメラで撮影された、各プーリと前記ベルトの接点間の距離であるスパン長さsと、前記カメラで撮影された、前記ベルトに記載されている、当該ベルトの仕様を示す識別情報のベルト長手方向の長さmとの比、及び、前記カメラで撮影された、前記ベルトに記載されている前記識別情報と、記憶装置に記憶された、前記識別情報に、前記ベルトに記載されている前記識別情報のベルト長手方向の実際の長さMが対応付けられたベルト仕様テーブルとを参照して得られた、当該ベルトに記載されている前記識別情報のベルト長手方向の実際の長さMに基づいて、各プーリと前記ベルトの接点間の実際の距離であるスパン長さSを算出し、前記記憶装置に記憶させるステップ、
(2b)
前記カメラで撮影された、前記ベルトに記載されている
前記識別情報、及び、前記記憶装置に記憶された、前記識別情報と前記ベルトの単位長さ当たりの質量Wとが対応付けられた
前記ベルト仕様テーブルを参照し、当該ベルトの単位長さ当たりの質量Wを決定し、前記記憶装置に記憶させるステップ、
(2c)マイクで集音された、前記ベルトを振動させた際に発生する音から共振周波数Fを算出し、前記記憶装置に記憶させるステップ、
(2d)前記記憶装置に記憶された、前記スパン長さS、前記単位長さ当たりの質量W、前記共振周波数Fを、T=W(2SF)
2の式に代入し、前記ベルトの張力Tを算出するステップ、
(2e)前記(2d)のステップで算出した、前記ベルトの張力Tの値を、表示装置に表示するステップを実行する、測定制御方法。
【請求項7】
情報処理装置のコンピュータで実行されるプログラムであって、
当該コンピュータに、
(3a)
カメラで撮影された、プーリ間に巻き掛けられたベルトにおける各プーリと前記ベルトの接点間の距離であるスパン長さsと、前記カメラで撮影された、前記ベルトに記載されている、当該ベルトの仕様を示す識別情報のベルト長手方向の長さmとの比、及び、前記カメラで撮影された、前記ベルトに記載されている前記識別情報と、記憶装置に記憶された、前記識別情報に、前記ベルトに記載されている前記識別情報のベルト長手方向の実際の長さMが対応付けられたベルト仕様テーブルとを参照して得られた、当該ベルトに記載されている前記識別情報のベルト長手方向の実際の長さMに基づいて、各プーリと前記ベルトの接点間の実際の距離であるスパン長さSを算出し、前記記憶装置に記憶させる処理、
(3b)
前記カメラで撮影された、前記ベルトに記載されている前
記識別情報、及び、前記記憶装置に記憶された、前記識別情報と前記ベルトの単位長さ当たりの質量Wとが対応付けられた
前記ベルト仕様テーブルを参照し、当該ベルトの単位長さ当たりの質量Wを決定し、前記記憶装置に記憶させる処理、
(3c)マイクで集音された、前記ベルトを振動させた際に発生する音から共振周波数Fを算出し、前記記憶装置に記憶させる処理、
(3d)前記記憶装置に記憶された、前記スパン長さS、前記単位長さ当たりの質量W、前記共振周波数Fを、T=W(2SF)
2の式に代入し、前記ベルトの張力Tを算出する処理、
(3e)前記(3d)の処理で算出した、前記ベルトの張力Tの値を、表示装置に表示する処理、を実行させる、プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プーリ間に巻き掛けられたベルトの張力を測定する、装置、測定制御方法、及び、それを実行するプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
プーリ間に巻き掛けた、伝動ベルトおよび搬送ベルトを使用する際には、ベルトに適切な張力を付与する必要がある。ベルトの張力を計算する測定する方法としては、共振周波数を利用する方法が知られている。張力と共振周波数との間には、下記の関係式が成り立つ。
【0003】
T=W(2LF)2
T:張力(N)
W:単位長さ当たりの質量(kg/m)
L:共振部分の長さ(m)
F:共振周波数(Hz)
【0004】
そのため、共振周波数を測定し、単位長さ当たりの質量(単位質量)、共振部分の長さ(もしくはスパン長さ:各プーリとベルトの接点間の距離)の条件と合わせることで、ベルトの張力を求めることができる。そして、共振周波数の測定と種々の計算を一連の動作として行うことを可能とした方法や機器が種々提案されている。
【0005】
例えば、特許文献1には、振動検出手段、振動解析手段、ベルトの型番、ベルト幅、スパン長さを入力するための入力手段などを備えたベルト張力計が開示されている。また、ベルト型番を入力することで、単位質量をカタログ等で確認する必要がなく、作業効率を向上できることが記載されている。
【0006】
しかしながら、特許文献1の
図1に示されるように、当該発明はベルトの張力を測定するための専用機に関するものであり、高価な機器を購入する必要があるために誰もが気軽に利用できるものではなかった。
【0007】
昨今、スマートフォンに代表される情報処理機器の普及により、これらを利用した、より簡便なベルト張力測定方法も提案されている。例えば、特許文献2には、振動検出手段や入力手段として、モバイルコンピュータや携帯電話などの汎用機器を利用する方法が開示されている。また、特許文献3には、加速度センサなどの外部装置で共振周波数を測定し、別途スマートフォンなどを利用してベルト張力を計算する方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【文献】特開2005-257350号公報
【文献】DE102011055576 A1
【文献】国際公開第2014/068888号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
特許文献2に開示される方法は、必要とされるハードウェアはスマートフォンなどの汎用機器のみであり、利用者にとって利便性が高いものである。しかしながら、特許文献1、3などと同様に、単位長さ当たりの質量および共振部分の長さといった、ベルトの張力を計算するために必要な情報を逐一入力する必要があり、ユーザーにとっては煩わしいものであった。
【0010】
そこで、本発明の目的は、共振周波数を利用してベルトの張力を測定する方法において、測定の作業効率を向上させることである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、プーリ間に巻き掛けられたベルトの張力Tを表示可能な表示装置と、
音を集音可能なマイクと、
カメラと、
前記ベルトの仕様を示す識別情報と、前記ベルトの単位長さ当たりの質量Wとが対応付けられたベルト仕様テーブルが記憶されている記憶装置と、
下記の処理を実行する制御装置と、
を備えた情報処理装置である。
(1a)入力された、各プーリと前記ベルトの接点間の実際の距離であるスパン長さSを、前記記憶装置に記憶させる処理、
(1b)前記カメラで撮影された、前記ベルトに記載されている前記識別情報と、前記ベルト仕様テーブルとを参照し、当該ベルトの単位長さ当たりの質量Wを決定し、前記記憶装置に記憶させる処理、
(1c)前記マイクで集音された、前記ベルトを振動させた際に発生する音から共振周波数Fを算出し、前記記憶装置に記憶させる処理、
(1d)前記記憶装置に記憶された、前記スパン長さS、前記単位長さ当たりの質量W、前記共振周波数Fを、T=W(2SF)2の式に代入し、前記ベルトの張力Tを算出する処理、
(1e)前記(1d)の処理で算出した、前記ベルトの張力Tの値を、前記表示装置に表示する処理。
【0012】
上記構成によれば、スパン長さSの入力、ベルトに記載されている識別情報の写真撮影、及び、プーリ間に巻き掛けられたベルトを振動させた際に発生する音をマイクで集音することにより、ベルトの仕様を詳細に入力せずとも効率的に、プーリ間に巻き掛けられたベルトの張力Tを測定することができる。
【0013】
また、本発明は、上記情報処理装置であって、
前記ベルト仕様テーブルには、前記ベルトの仕様を示す識別情報と、前記ベルトに記載されている前記識別情報のベルト長手方向の実際の長さMとが対応付けられて記憶されており、
前記(1a)の処理において、
前記カメラで撮影された、各プーリと前記ベルトの接点間の距離であるスパン長さsと、前記カメラで撮影された、前記ベルトに記載されている前記識別情報のベルト長手方向の長さmとの比、及び、前記カメラで撮影された、前記ベルトに記載されている前記識別情報と、前記ベルト仕様テーブルとを参照して得られた、当該ベルトに記載されている前記識別情報のベルト長手方向の実際の長さMとに基づいて、各プーリと前記ベルトの接点間の実際の距離であるスパン長さSを算出し、前記記憶装置に記憶させてもよい。
【0014】
上記構成によれば、カメラで撮影された、各プーリとベルトの接点間の距離であるスパン長さs、ベルトに記載されている識別情報のベルト長手方向の長さm、及び、ベルトに記載されている識別情報に基づき、ベルトの実際のスパン長さSを入力することができ、より効率的に、プーリ間に巻き掛けられたベルトの張力Tを測定することができる。
【0015】
また、本発明は、上記情報処理装置であって、
前記記憶装置に、前記ベルトの張力Tの適正値を示す、所定の閾値を記憶可能とし、
前記制御装置は、
(1f)前記(1d)の処理で算出した、前記ベルトの張力Tの値が、前記所定の閾値を上回る又は下回った場合に、前記ベルトの張力Tが適切でないことを、前記表示装置に表示する処理を実行してもよい。
【0016】
上記構成によれば、プーリ間に巻き掛けられたベルトの張力Tが適正か否かを報知することができる。
【0017】
また、本発明は、上記情報処理装置において、
前記ベルトに記載されている前記識別情報が、QRコード(登録商標)又は1次元バーコードを含んでいてもよい。
【0018】
上記構成によれば、ベルトの仕様を示す識別情報を定型化することができ、カメラでの撮影が容易になる。
【0019】
また、本発明は、上記情報処理装置であって、
前記制御装置は、
算出された過去複数回分の前記ベルトの張力Tの平均を算出し、前記表示装置に表示する処理を実行してもよい。
【0020】
上記構成によれば、過去複数回分の測定値が安定していれば、正常に測定できていると判断することができ、ベルトの張力Tの測定精度を高めることができる。
【0021】
また、本発明は、上記情報処理装置であって、
前記制御装置は、前記マイクの音圧を測定し、測定した音圧を高低順に複数段階に分けて、前記表示装置に表示可能であって、更に、前記マイクの集音感度の調整が可能であってもよい。
【0022】
上記構成によれば、測定した音圧の高低を把握し、音圧を測定に適した範囲に調整することができ、ベルトの張力Tの測定の作用効率を向上させることができる。
【0023】
また、本発明は、プーリ間に巻き掛けられたベルトの張力Tの測定制御方法であって、
(2a)入力された、各プーリと前記ベルトの接点間の実際の距離であるスパン長さSを、記憶装置に記憶させるステップ、
(2b)カメラで撮影された、前記ベルトに記載されている前記ベルトの仕様を示す識別情報、及び、前記記憶装置に記憶された、前記識別情報と前記ベルトの単位長さ当たりの質量Wとが対応付けられたベルト仕様テーブルを参照し、当該ベルトの単位長さ当たりの質量Wを決定し、前記記憶装置に記憶させるステップ、
(2c)マイクで集音された、前記ベルトを振動させた際に発生する音から共振周波数Fを算出し、前記記憶装置に記憶させるステップ、
(2d)前記記憶装置に記憶された、前記スパン長さS、前記単位長さ当たりの質量W、前記共振周波数Fを、T=W(2SF)2の式に代入し、前記ベルトの張力Tを算出するステップ、
(2e)前記(2d)のステップで算出した、前記ベルトの張力Tの値を、表示装置に表示するステップを実行する。
【0024】
また、本発明は、情報処理装置のコンピュータで実行されるプログラムであって、
当該コンピュータに、
(3a)入力された、各プーリと前記ベルトの接点間の実際の距離であるスパン長さSを、記憶装置に記憶させる処理、
(3b)カメラで撮影された、前記ベルトに記載されている前記ベルトの仕様を示す識別情報、及び、前記記憶装置に記憶された、前記識別情報と前記ベルトの単位長さ当たりの質量Wとが対応付けられたベルト仕様テーブルを参照し、当該ベルトの単位長さ当たりの質量Wを決定し、前記記憶装置に記憶させる処理、
(3c)マイクで集音された、前記ベルトを振動させた際に発生する音から共振周波数Fを算出し、前記記憶装置に記憶させる処理、
(3d)前記記憶装置に記憶された、前記スパン長さS、前記単位長さ当たりの質量W、前記共振周波数Fを、T=W(2SF)2の式に代入し、前記ベルトの張力Tを算出する処理、
(3e)前記(3d)の処理で算出した、前記ベルトの張力Tの値を、表示装置に表示する処理、を実行させる。
【発明の効果】
【0025】
共振周波数を利用してベルトの張力を測定する方法において、測定の作業効率を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【
図1】本実施形態に係る、駆動プーリと従動プーリとの間にVベルトが巻き掛けられた動力伝達機構の説明図である。
【
図3】情報処理装置の表示部に表示される項目・タッチボタンの説明図である。
【
図4】(A)カメラで撮影された画像 (B)カメラで撮影された画像の解析画像
【
図5】本実施形態に係るベルトの張力の測定方法のフローである。
【
図6】Vベルトに印字された、QRコードを含む識別情報の説明図である。
【
図7】従来技術に係るベルトの張力の測定方法のフローである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
(実施形態)
以下、本発明の実施形態について図面を参照しつつ説明する。
本実施形態では、
図1に示す、駆動プーリDRと従動プーリDNとの間に巻き掛けられたVベルト1(伝動ベルト)の張力を測定する態様を例示して説明する。
【0028】
Vベルト1は、
図1に示すように、駆動回転軸に連結される駆動プーリDRと、従動回転軸に連結される従動プーリDNとの間に巻き掛けられて使用される。これにより、駆動回転軸が回転すると、駆動プーリDRが回転し、その回転運動がVベルト1を介して従動プーリDNに伝達されることで、従動回転軸が回転し、動力が伝達される。
【0029】
(Vベルト1)
Vベルト1は、環状であって、ベルト周方向に直交する断面の形状がV字状(台形状)である。ベルト内周側は幅狭側であり、ベルト外周側は幅広側である。Vベルト1は、ベルト幅方向の両側に、プーリのV溝と接触する摩擦伝動面を有する。本実施形態では、Vベルト1の張力測定を例示しているが、各種伝動ベルト(Vリブドベルト、平ベルト、歯付ベルト)や搬送ベルトなどを張力測定の対象としてもよい。
【0030】
本実施形態では、
図4(A)に示すように、Vベルト1の外周面に、当該Vベルト1の仕様を示す識別情報(例えば「ABC product A-40 20C15 012」)が印字されている(詳細は後述)。
【0031】
(駆動プーリDR及び従動プーリDN)
駆動プーリDRは、外周にVベルト1の摩擦伝動面が接触するV形状の溝が形成されている。また、従動プーリDNの外周にもVベルト1の摩擦伝動面が接触するV形状の溝が形成されている。
【0032】
(情報処理装置10)
情報処理装置10は、
図2に示すように、Vベルト1の張力の測定を行う携帯端末装置(スマートフォン、タブレット、パーソナルコンピュータに接続可能な専用端末装置など)であり、ユーザーが操作することにより、各種のデータやリクエストの入力、データの記憶保存、計算を行うことができる。本実施形態の情報処理装置10は、制御部11(制御装置)と、記憶部12(記憶装置)と、入力部13と、表示部14(表示装置)とカメラ15と、マイク16を有している。
【0033】
制御部11は、情報処理装置10でのコンピュータ制御を行うものである(CPU等)。
記憶部12は、システムプログラムが記憶されたROM(Read Only Memory)と、書き換え可能な記憶領域であるRAM(Random Access Memory)と、フラッシュメモリ等によって構成されている。
入力部13は、ユーザー等が、様々な各種のデータやリクエストやコマンドを入力するための操作機器であり、例えば、タッチパネル等が使用される。
表示部14は、制御部11からの指令等に基づいた情報等を表示する。
カメラ15は、画像や映像を撮影可能な機器である。
マイク16は、音を集音可能な機器である。
【0034】
(記憶装置12:ベルト仕様テーブル)
ここで、本実施形態では、記憶部12には、各種ベルトの仕様を示す識別情報と、各種ベルトの単位長さ当たりの質量Wとが対応付けられたベルト仕様テーブルが記憶されている。この各種ベルトの仕様を示す識別情報は、張力測定の対象となるベルトに印字された識別情報(
図4(A)参照)に対応するものであり、当該ベルトの種類(Vベルト、Vリブドベルト、平ベルト、歯付きベルト、搬送ベルトなど)、ベルトのタイプ、ベルトのサイズ(ベルト幅、リブ数、ベルト周長など)を示す文字である。
【0035】
例えば、ベルトの種類がVベルトの場合は、Vベルトのタイプ(A形、B形、C形など)によってベルト幅、ベルトの単位長さ当たりの質量W等も決まっているため、Vベルトのタイプが判別できれば、ベルト仕様テーブルを参照して、単位長さ当たりの質量Wを決定することができる。例えば、
図4(A)に示すように、Vベルト1に印字された識別情報にA-40と記載されていれば、Vベルト1に印字された識別情報を、カメラ15で撮影し、撮影した画像から識別情報を解析し判別し、ベルト仕様テーブルを参照することにより、判別された識別情報に対応するVベルトのタイプがA形であり、単位長さ当たりの質量Wは0.12kg/mであると決定することができる。
【0036】
また、Vリブドベルトの場合は、Vリブドベルトのタイプ(J形、K形、L形など)と合わせて、リブ数の情報も識別情報に含まれている。例えば、Vリブドベルトに印字された識別情報に4PK1200と記載されていれば、ベルト仕様テーブルを参照することにより、当該VリブドベルトはK形であると判断でき、1リブ、1m長さ当たりの質量は0.015kg/(リブ・m)であると決定される。そして、識別情報の4PK1200の記載から、リブ数は4であると判断でき、単位長さ当たりの質量Wは0.015×4=0.06kg/mと決定することができる。つまり、Vリブドベルトの場合は、識別情報に対応するVリブドベルトのタイプ(J形、K形、L形など)や1リブ、1m長さ当たりの質量がベルト仕様テーブルに記憶されており、識別情報から読み取ったリブ数を掛け合わせることで単位長さ当たりの質量Wが計算される。
【0037】
また、歯付ベルトの場合は、歯付ベルトのタイプ(S2M形、S5M形、S8M形など)と合わせて、ベルト幅の情報も識別情報に含まれている。例えば、歯付ベルトに印字された識別情報に150S8M1000と記載されていれば、ベルト仕様テーブルを参照することにより、当該歯付ベルトはS8M形であると判断でき、10mm幅、1m長さ当たりの質量は0.052kg/(10mm・m)であると決定される。そして、識別情報の150S8M1000の記載から、ベルト幅は15mmであると判断でき、単位長さ当たりの質量Wは0.052×15/10=0.078kg/mと決定することができる。つまり、歯付ベルトの場合は、識別情報に対応する歯付ベルトのタイプ(S2M形、S5M形、S8M形など)や10mm幅、1m長さ当たりの質量がベルト仕様テーブルに記憶されており、識別情報から読み取ったベルト幅を掛け合わせることで単位長さ当たりの質量Wが計算される。
【0038】
なお、ベルトに印字される識別情報には、必ずしもベルトの種類、ベルトのタイプ、およびベルトのサイズを直接的に表示する必要はなく、10桁程度の部品ナンバーを付してもよい。この場合、ベルト仕様テーブルには部品ナンバーと単位長さ当たりの質量Wとが1対1で対応して記憶されていてもよい。つまり、部品ナンバーを利用する場合、ベルトの種類やベルトのタイプを判別することなく、単位長さ当たりの質量Wを決定することができる。
【0039】
また、ベルトに印字される識別情報としては、
図6に示すように、2次元コードの一種であるQRコード201を含んでいてもよいし、縦及び横の2方向(平面的)に情報を持つ、他の2次元コードを含んでいてもよいし、縦又は横の1方向(直線的)に情報を持つ、1次元コード(例えば、バーコード)を含んでいてもよい。この場合、ベルトの仕様を示す識別情報を定型化することができ、カメラ15での撮影が容易になる。
【0040】
また、本実施形態のベルト仕様テーブルには、各種ベルトの仕様を示す識別情報と、各ベルトに印字されている識別情報のベルト長手方向の実際の長さM(
図4(A)参照)とが対応付けられて記憶されている。
【0041】
また、本実施形態のベルト仕様テーブルには、各種ベルトの仕様を示す識別情報と、ベルトの張力Tの適正値を示す、所定の適正範囲(閾値)とが対応付けられて記憶されている。この所定の適正範囲は、ベルトの張力Tの適正値を示す閾値を意味するものであり、所定の範囲であってもよいし、所定の値であってもよい。
【0042】
(記憶装置12:プログラム等)
記憶部12には、カメラ15で撮影された、ベルトに印字された識別情報を、画像解析により判別させるソフトウェア(後述)や、カメラ15で撮影された、駆動プーリDRとベルトの接点と従動プーリDNとベルトの接点との間の距離であるスパン長さs、及び、カメラ15で撮影された、ベルトに印字された識別情報のベルト長手方向の長さmから、実際のベルトのスパン長さSを算出するプログラム(後述)や、マイク16で集音された音から共振周波数Fを算出するプログラムや、ベルトの張力を算出するプログラム等が格納されている。
【0043】
ベルトの張力Tを算出するプログラムとしては、実際のベルトのスパン長さS、ベルトの単位長さ当たりの質量W、集音した音の共振周波数Fを、T=W(2SF)
2の式に代入し、ベルトの張力Tを計算する。
なお、駆動プーリDRとベルトの接点と従動プーリDNとベルトの接点との間の距離である実際のスパン長さS(
図4(A)参照)は、張力Tと共振周波数Fとの間の関係式『T=W(2LF)
2』における共振部分の長さLよりも若干長くなるが、本実施形態では、スパン長さSは、共振部分の長さLと見做して計算している。
【0044】
(ベルトの張力Tの測定処理)
次に、情報処理装置10を使用した、Vベルト1の張力Tの測定処理について説明する。
【0045】
(1)ベルトをプーリ間に装着
まず、ユーザーは、駆動プーリDRと従動プーリDNとの間にVベルト1を巻き掛ける。
【0046】
(2)カメラで撮影
次に、ユーザーは、情報処理装置10のカメラ15を使用して、
図4(A)に示すように、駆動プーリDR及び従動プーリDNにVベルト1が巻き掛けられた状態で、駆動プーリDRの側面、従動プーリDNの側面、Vベルト1の外周に印字された識別情報が見える位置から写真をとる。この際、制御部11は、とった写真を、
図4(A)に示す画像81として記憶装置12に記憶する。
【0047】
(3)撮影された画像から識別情報を判別
次に、制御部11は、記憶装置12に記憶された画像81のVベルト1の外周に印字されている識別情報の画像部分から識別情報を解析し判別する。そして、判別した識別情報を記憶装置12に記憶するとともに、
図4(B)に示すように、情報処理装置10の表示部14に、判別した識別情報を表示する。
【0048】
(4)単位長さ当たりの質量Wの決定処理
次に、判別した識別情報と、ベルト仕様テーブルとを参照し、Vベルト1の単位長さ当たりの質量Wを決定し、記憶装置12に記憶させる。例えば、Vベルト1に印字された識別情報を判別した結果、識別情報にA-40が含まれていた場合、ベルト仕様テーブルを参照し、判別された識別情報に対応するVベルトのタイプがA形であり、単位長さ当たりの質量Wが0.12kg/mであると決定し、記憶装置12に記憶する。
【0049】
(5)スパン長さSの算出処理
次に、制御部11は、記憶装置12に記憶された画像81の駆動プーリDR及び従動プーリDNにVベルト1が巻き掛けられた状態の画像部分から、
図4(B)に示す解析画像82に示すように、Vベルト1の外周に印字されている識別情報部分を長方形として認識させ、解析画像82上でのVベルト1の外周に印字された識別情報のベルト長手方向の長さmを算出する。
また、
図4(B)に示す解析画像82に示すように、駆動プーリDR及び従動プーリDNを楕円として認識させ、2つの楕円の接線のうち、長方形として認識した識別情報に最も近い接線を描き、この接線の2つの接点の直線距離をスパン長さsとして算出する。即ち、解析画像82上での「駆動プーリDRとVベルト1との接点r1」と「従動プーリDNとVベルト1との接点n1」との間の距離であるスパン長さsを算出する。
【0050】
また、判別した識別情報と、ベルト仕様テーブルとを参照し、Vベルト1に印字されている識別情報のベルト長手方向の実際の長さM(
図4(A)参照)を読み出す。
【0051】
そして、制御部11は、スパン長さsとベルト長手方向の長さmとの比、Vベルト1に印字されている識別情報のベルト長手方向の実際の長さMとに基づいて、「駆動プーリDRとVベルト1との接点r1」と「従動プーリDNとVベルト1との接点n1」との間の実際の距離であるスパン長さSを算出し、記憶装置12に記憶する。例えば、
図4(B)に示す解析画像82から、スパン長さsが「5」であり、識別情報のベルト長手方向の長さmが「2」と算出され、ベルト仕様テーブルに基づき識別情報の実際のベルト長手方向の長さMが「0.2m」と読み出された場合、「5:2=S:0.2m」との関係が成立することから、スパン長さSは「0.5m」と算出され、記憶装置12に記憶される。
【0052】
なお、本実施形態では、スパン長さSは、カメラ15で撮影された、画像81の駆動プーリDR及び従動プーリDNにVベルト1が巻き掛けられた状態の画像部分から自動で算出されるようにしているが、ユーザーが実際に測定したスパン長さSを情報処理装置10に入力部13により直接入力してもよい。この場合、単位長さ当たりの質量Wの決定処理((4)の処理)で判別した識別情報と、ベルト仕様テーブルとを参照し、単位長さ当たりの質量Wのみ自動的に決定され、記憶装置12に記憶される。
【0053】
(6)共振周波数Fの測定
次に、ユーザーは、表示部14の測定開始ボタン143をタッチして、マイク16による集音機能をオンにする。その後、ユーザーは、駆動プーリDRと従動プーリDNとの間に巻き掛けられた状態のVベルト1に物理的に衝撃を付与しVベルト1を振動させ、その際発せられる振動音をマイク16により集音する。
【0054】
この際、制御部11は、
図3に示すように、マイク16で集音した音圧を、表示部14の音圧レベルゲージ142に、高低順に複数段階(本実施形態では、10段階)に分けて表示する。また、制御部11は、マイク16の集音感度を調整可能としている。具体的には、表示部14のマイク感度ボタン145をタッチすることにより、マイク16の感度を調節することができる。
【0055】
ベルトの種類やタイプやスパン長さSなどによっては、マイク16で音波を拾う際に音圧が高すぎたり(音圧レベルゲージ142が右の方まで伸び、最高の10段階を示す)、低すぎたりして(音圧レベルゲージ142が左の方に留まり、最低の0又は1段階を示す)、共振周波数Fをうまく測定できない場合がある。しかし、音圧レベルゲージ142及びマイク16の感度の調節機能を備えることにより、音圧レベルゲージ142を見つつ、マイク16で集音する音圧を測定に適した範囲に調整することができ、測定の作用効率を向上させることができる。
【0056】
そして、マイク16による集音が完了したら、制御部11は、集音した音を周波数解析し、共振周波数Fを算出し、記憶装置12に記憶する。
【0057】
なお、ベルト仕様表示窓144には、判別された識別情報に対応するVベルト1の仕様等の情報が表示される。
【0058】
(7)張力Tの算出処理
次に、制御部11は、上記各処理により記憶装置12に記憶された、スパン長さS、単位長さ当たりの質量W、共振周波数Fを、T=W(2SF)2の式に代入し、駆動プーリDRと従動プーリDNとの間に巻き掛けられたVベルト1の張力Tを算出する。例えば、スパン長さSが「0.5m」、単位長さ当たりの質量Wが「0.12kg/m」、共振周波数Fが「50Hz」の場合、張力Tは「300N」と算出される。
【0059】
(8)張力Tの表示処理
そして、制御部11は、算出した張力Tを、カメラ15で撮影したVベルト1の張力Tとして、表示部14の張力表示窓141に表示する(
図3参照)。
【0060】
なお、ユーザーは、共振周波数Fの測定((6)の処理)における、駆動プーリDRと従動プーリDNとの間に巻き掛けられた状態のVベルト1に物理的に衝撃を付与しVベルト1を振動させ、その際発せられる振動音をマイク16により集音する作業を、独立に複数回(本実施形態では、3回)行ってもよい。この場合、算出された複数回分の共振周波数Fに基づき算出された、複数回分のVベルト1の張力Tの平均を算出し、張力表示窓141に表示する(
図3参照)。即ち、算出された過去複数回分のベルトの張力Tの平均を算出することができる。このように、過去複数回分の測定値が安定していれば、正常に測定できていると判断することができ、ベルトの張力Tの測定精度を高めることができる。
【0061】
(9)張力適正・不適正判定表示
更に、制御部11は、算出した張力Tが、ベルト仕様テーブルに記憶された、当該Vベルト1の識別情報に対応する、ベルトの張力Tの適正値を示す、適正範囲内にあるか否かを判定する。そして、算出した張力Tが、適正範囲内にあれば、表示部14の張力表示窓141に青や緑(波長が450~550nm程度)の色を表示するとともに、張力が適正である旨、または、測定が終了した旨のメッセージを表示する。
一方、算出した張力Tが、適正範囲の上限値を上回った場合であれば、表示部14の張力表示窓141に赤や黄(波長が570~750nm程度)の色を表示するとともに、張力が高すぎる旨、または、張力を下げるように促す旨のメッセージを表示する。また、算出した張力Tが、適正範囲の下限値を下回った場合であれば、表示部14の張力表示窓141に赤や黄の色を表示するとともに、張力が低すぎる旨、または、張力を上げるように促す旨のメッセージを表示する。このように、算出した張力Tが、適正範囲内になく、適正でない場合、警告のメッセージだけではなく、表示部14に色も合わせて表示することで、適正か適正でないかをユーザーに直感的に報知することができる。
【0062】
上記構成によれば、スパン長さSの入力、Vベルト1に記載されている識別情報の写真撮影、及び、駆動プーリDRと従動プーリDNとの間に巻き掛けられたVベルト1を振動させた際に発生する音をマイクで集音することにより、ベルトの仕様を詳細に入力せずとも効率的に、駆動プーリDRと従動プーリDNとの間に巻き掛けられたVベルト1の張力Tを測定することができる。
【0063】
また、カメラ15で撮影された、スパン長さs、Vベルト1に印字されている識別情報のベルト長手方向の長さm、及び、Vベルト1に記載されている識別情報に基づき、Vベルト1の実際のスパン長さSを入力することができ、より効率的に、駆動プーリDRと従動プーリDNとの間に巻き掛けられたVベルト1の張力Tを測定することができる。
【0064】
また、上記背景技術(特許文献1~3参照)で記載したように、張力と共振周波数との間には、T=W(2LF)
2の関係式が成り立つ(T:張力、W:単位長さ当たりの質量、L:共振部分の長さ、F:共振周波数)。ここで、従来技術では、共振周波数Fは上記の通り、スマートフォンのマイクを通して測定するが、単位長さ当たりの質量Wと共振部分の長さLは、ユーザーが入力する必要がある。また、共振部分の長さLはスパン長さSで代用されるが、このスパン長さSは、プーリレイアウトから幾何学的に計算するか、ベルトをプーリ間に装着した後にメジャーなどで実際に測定する必要がある。また、単位長さ当たりの質量Wは、ベルトの種類およびベルトのタイプが多岐に渡ることもあって、特許文献3に記載されているような多くのステップを踏む必要があり、煩わしさを感じさせるものとなっている(
図7参照)。
【0065】
本発明では、情報処理装置10のカメラ15を利用することで、単位長さ当たりの質量Wを決定するために必要な条件を入力(選択)する作業、共振部分の長さL(スパン長さS)を測定(計算)、入力する作業を代替することができる。こうすることで、ユーザーはベルトの張力Tの計算に必要な諸条件を入力させられる煩わしさから解放される。即ち、
図7の従来のベルトの張力の測定方法に比べて、
図5の破線部に示す処理を自動入力化することができる。
【0066】
(その他の実施形態)
上記実施形態で実行されるベルトの張力Tを測定する処理は、ソフトウェア(プログラム、データ)として、スマートフォン等の携帯情報機器、ポータブルコンピュータやラップトップコンピュータ、ノートパソコン、タブレット型パソコン、ハンドヘルド型パソコン、PDA(Personal Data Assistant)などに例示される情報処理装置にインストールされて実行されてもよい。この場合、ソフトウェアは、サーバ等から通信手段によりダウンロードされて携帯情報機器内の記憶装置(フラッシュメモリ等)に格納されてもよい。なお、通信手段は、インターネットやケーブルテレビ等の双方向に通信可能な伝送路であってもよいし、一方向にだけ情報を送信する放送であってもよい。
【0067】
また、ベルトの張力Tを測定する処理を実行するソフトウェアは、CD-ROM、DVD-ROM、MO(光磁気ディスク)、ハードディスク、フラッシュメモリ等の記憶媒体に格納され、必要に応じて記憶媒体から読み出されて、情報処理装置10の記憶部12にインストールされてもよい。
【0068】
また、上記実施形態での説明内容は、インターネット(通信回線)を介してスマートフォンやPC等の情報端末(各種情報の入力)と情報処理装置10(ベルトの張力Tの計算)との間で実行されるサービスとして実施されてもよい。
【0069】
また、上記実施形態で実行される処理は、スマートフォンやPCにインストールされるプログラムであってもよい。また、上記プログラムは記憶媒体(MEDIUM)に記憶されていてもよい。
【0070】
また、上記実施形態で実行される処理は、情報処理装置10を使用した、ベルトの張力Tの測定制御方法として実現されてもよい。
【0071】
以上、本発明の実施形態を説明したが、具体例を例示したに過ぎず、特に本発明を限定するものではなく、各手段等の具体的構成は、適宜設計変更可能である。また、本発明の実施形態に記載された効果は、本発明から生じる最も好適な効果を列挙したに過ぎず、本発明による効果は、本発明の実施形態に記載されたものに限定されるものではない。
【符号の説明】
【0072】
1 Vベルト
10 情報処理装置
11 制御部
12 記憶部
13 入力部
14 表示部
15 カメラ
16 マイク
DR 駆動プーリ
DN 従動プーリ
81 画像
82 解析画像