IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ テサロ, インコーポレイテッドの特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-12
(45)【発行日】2024-04-22
(54)【発明の名称】ニラパリブ塩
(51)【国際特許分類】
   C07D 401/10 20060101AFI20240415BHJP
   A61K 31/454 20060101ALI20240415BHJP
   A61P 35/00 20060101ALI20240415BHJP
   A61P 9/10 20060101ALI20240415BHJP
   A61P 3/10 20060101ALI20240415BHJP
   A61P 25/00 20060101ALI20240415BHJP
   A61P 29/00 20060101ALI20240415BHJP
   A61P 3/00 20060101ALI20240415BHJP
   A61P 9/00 20060101ALI20240415BHJP
【FI】
C07D401/10 CSP
A61K31/454
A61P35/00
A61P9/10
A61P3/10
A61P25/00
A61P29/00
A61P3/00
A61P9/00
【請求項の数】 20
(21)【出願番号】P 2021518561
(86)(22)【出願日】2019-10-03
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-01-13
(86)【国際出願番号】 US2019054534
(87)【国際公開番号】W WO2020072797
(87)【国際公開日】2020-04-09
【審査請求日】2022-10-03
(31)【優先権主張番号】62/740,872
(32)【優先日】2018-10-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】514118169
【氏名又は名称】テサロ, インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100091487
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 行孝
(74)【代理人】
【識別番号】100120031
【弁理士】
【氏名又は名称】宮嶋 学
(74)【代理人】
【識別番号】100120617
【弁理士】
【氏名又は名称】浅野 真理
(74)【代理人】
【識別番号】100172557
【弁理士】
【氏名又は名称】鈴木 啓靖
(72)【発明者】
【氏名】アリスター、ジェームズ、スチュアート
(72)【発明者】
【氏名】イー、ワン
(72)【発明者】
【氏名】ジョージ、ウー
(72)【発明者】
【氏名】ジャングオ、イン
【審査官】池上 佳菜子
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2018/108160(WO,A1)
【文献】国際公開第2009/087381(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07D
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
2-{4-[(3S)-ピペリジン-3-イル]フェニル}-2H-インダゾール-7-カルボキサミド(1R,3S)-(+)-カンフォレート、
2-{4-[(3S)-ピペリジン-3-イル]フェニル}-2H-インダゾール-7-カルボキサミド(1S,3R)-(-)-カンフォレート、
2-{4-[(3S)-ピペリジン-3-イル]フェニル}-2H-インダゾール-7-カルボキサミド(R)-(-)-マンデレート、および
2-{4-[(3S)-ピペリジン-3-イル]フェニル}-2H-インダゾール-7-カルボキサミド(1S)-(+)-カムシレート
からなる群から選択される、2-{4-[(3S)-ピペリジン-3-イル]フェニル}-2H-インダゾール-7-カルボキサミド塩。
【請求項2】
前記2-{4-[(3S)-ピペリジン-3-イル]フェニル}-2H-インダゾール-7-カルボキサミド塩が、結晶形態である、請求項1に記載の2-{4-[(3S)-ピペリジン-3-イル]フェニル}-2H-インダゾール-7-カルボキサミド塩。
【請求項3】
前記2-{4-[(3S)-ピペリジン-3-イル]フェニル}-2H-インダゾール-7-カルボキサミド塩が、2-{4-[(3S)-ピペリジン-3-イル]フェニル}-2H-インダゾール-7-カルボキサミド(1R,3S)-(+)-カンフォレートである、請求項2に記載の2-{4-[(3S)-ピペリジン-3-イル]フェニル}-2H-インダゾール-7-カルボキサミド塩。
【請求項4】
前記2-{4-[(3S)-ピペリジン-3-イル]フェニル}-2H-インダゾール-7-カルボキサミド(1R,3S)-(+)-カンフォレートの結晶形態が、Cu K線を使用して測定した場合に、13.4°±0.2°、15.2°±0.2°、16.2°±0.2°、17.5°±0.2°、18.0°±0.2°、20.0°±0.2°、20.4°±0.2°、21.6°±0.2°および24.0°±0.2°の2θからなる群から選択される少なくとも3つの回折角を含むX線粉末回折(XRPD)パターンを特徴とする、請求項3に記載の2-{4-[(3S)-ピペリジン-3-イル]フェニル}-2H-インダゾール-7-カルボキサミド塩。
【請求項5】
前記2-{4-[(3S)-ピペリジン-3-イル]フェニル}-2H-インダゾール-7-カルボキサミド(1R,3S)-(+)-カンフォレートの結晶形態が、Cu K線を使用して測定した場合に、6.5°±0.2°、11.7°±0.2°、13.4°±0.2°、14.1°±0.2°、14.5°±0.2°、14.8°±0.2°、15.2°±0.2°、16.2°±0.2°、17.5°±0.2°、18.0°±0.2°、18.9°±0.2°、20.0°±0.2°、20.4°±0.2°、21.6°±0.2°、22.3°±0.2°、22.8°±0.2°、24.0°±0.2°、24.5°±0.2°、26.9°±0.2°および27.6°±0.2°の2θの回折角を含むX線粉末回折(XRPD)パターンを特徴とする、請求項3に記載の2-{4-[(3S)-ピペリジン-3-イル]フェニル}-2H-インダゾール-7-カルボキサミド塩。
【請求項6】
前記2-{4-[(3S)-ピペリジン-3-イル]フェニル}-2H-インダゾール-7-カルボキサミド塩が、2-{4-[(3S)-ピペリジン-3-イル]フェニル}-2H-インダゾール-7-カルボキサミド(1S,3R)-(-)-カンフォレートである、請求項2に記載の2-{4-[(3S)-ピペリジン-3-イル]フェニル}-2H-インダゾール-7-カルボキサミド塩。
【請求項7】
前記2-{4-[(3S)-ピペリジン-3-イル]フェニル}-2H-インダゾール-7-カルボキサミド(1S,3R)-(-)-カンフォレートの結晶形態が、Cu K線を使用して測定した場合に、11.6°±0.2°、15.1°±0.2°、16.2°±0.2°、17.4°±0.2°、19.9°±0.2°、20.2°±0.2°、20.3°±0.2°、22.3°±0.2°および24.4°±0.2°の2θからなる群から選択される少なくとも3つの回折角を含むX線粉末回折(XRPD)パターンを特徴とする、請求項6に記載の2-{4-[(3S)-ピペリジン-3-イル]フェニル}-2H-インダゾール-7-カルボキサミド塩。
【請求項8】
前記2-{4-[(3S)-ピペリジン-3-イル]フェニル}-2H-インダゾール-7-カルボキサミド(1S,3R)-(-)-カンフォレートの結晶形態が、Cu K線を使用して測定した場合に、6.5°±0.2°、11.6°±0.2°、13.4°±0.2°、14.0°±0.2°、14.5°±0.2°、15.1°±0.2°、16.0°±0.2°、16.2°±0.2°、17.4°±0.2°、18.9°±0.2°、19.9°±0.2°、20.2°±0.2°、20.3°±0.2°、21.5°±0.2°、21.9°±0.2°、22.2°±0.2°、22.3°±0.2°、23.9°±0.2°、24.4°±0.2°および26.9°±0.2°の2θの回折角を含むX線粉末回折(XRPD)パターンを特徴とする、請求項6に記載の2-{4-[(3S)-ピペリジン-3-イル]フェニル}-2H-インダゾール-7-カルボキサミド塩。
【請求項9】
前記2-{4-[(3S)-ピペリジン-3-イル]フェニル}-2H-インダゾール-7-カルボキサミド塩が、2-{4-[(3S)-ピペリジン-3-イル]フェニル}-2H-インダゾール-7-カルボキサミド(R)-(-)-マンデレートである、請求項2に記載の2-{4-[(3S)-ピペリジン-3-イル]フェニル}-2H-インダゾール-7-カルボキサミド塩。
【請求項10】
前記2-{4-[(3S)-ピペリジン-3-イル]フェニル}-2H-インダゾール-7-カルボキサミド(R)-(-)-マンデレートの結晶形態が、Cu K線を使用して測定した場合に、8.6°±0.2°、8.7°±0.2°、13.7°±0.2°、16.4°±0.2°、17.4°±0.2°、18.4°±0.2°、18.5°±0.2°、21.5°±0.2°、25.1°±0.2°、27.3°±0.2°、27.6°±0.2°、28.0°±0.2°および28.7°±0.2°の2θからなる群から選択される少なくとも3つの回折角を含むX線粉末回折(XRPD)パターンを特徴とする、請求項9に記載の2-{4-[(3S)-ピペリジン-3-イル]フェニル}-2H-インダゾール-7-カルボキサミド塩。
【請求項11】
前記2-{4-[(3S)-ピペリジン-3-イル]フェニル}-2H-インダゾール-7-カルボキサミド(R)-(-)-マンデレートの結晶形態が、Cu K線を使用して測定した場合に、4.3°±0.2°、8.4°±0.2°、8.6°±0.2°、8.7°±0.2°、12.4°±0.2°、13.7°±0.2°、14.1°±0.2°、16.1°±0.2°、16.4°±0.2°、17.4°±0.2°、17.6°±0.2°、18.4°±0.2°、18.5°±0.2°、21.5°±0.2°、25.1°±0.2°、27.3°±0.2°、27.6°±0.2°、27.7°±0.2°、28.0°±0.2°および28.7°±0.2°の2θの回折角を含むX線粉末回折(XRPD)パターンを特徴とする、請求項9に記載の2-{4-[(3S)-ピペリジン-3-イル]フェニル}-2H-インダゾール-7-カルボキサミド塩。
【請求項12】
前記2-{4-[(3S)-ピペリジン-3-イル]フェニル}-2H-インダゾール-7-カルボキサミド塩が、2-{4-[(3S)-ピペリジン-3-イル]フェニル}-2H-インダゾール-7-カルボキサミド(1S)-(+)-カムシレートである、請求項2に記載の2-{4-[(3S)-ピペリジン-3-イル]フェニル}-2H-インダゾール-7-カルボキサミド塩。
【請求項13】
前記2-{4-[(3S)-ピペリジン-3-イル]フェニル}-2H-インダゾール-7-カルボキサミド(1S)-(+)-カムシレートの結晶形態が、Cu K線を使用して測定した場合に、11.1°±0.2°、13.5°±0.2°、16.0°±0.2°、16.4°±0.2°、16、7°±0.2°、17.6°±0.2°、20.3°±0.2°、23.7°±0.2°、24.3°±0.2°および24.6°±0.2°の2θからなる群から選択される少なくとも3つの回折角を含むX線粉末回折(XRPD)パターンを特徴とする、請求項12に記載の2-{4-[(3S)-ピペリジン-3-イル]フェニル}-2H-インダゾール-7-カルボキサミド塩。
【請求項14】
前記2-{4-[(3S)-ピペリジン-3-イル]フェニル}-2H-インダゾール-7-カルボキサミド(1S)-(+)-カムシレートの結晶形態が、Cu K線を使用して測定した場合に、6.7°±0.2°、7.7°±0.2°、9.5°±0.2°、11.1°±0.2°、13.5°±0.2°、14.3°±0.2°、16.0°±0.2°、16.4°±0.2°、16.7°±0.2°、16.9°±0.2°、17.6°±0.2°、20.3°±0.2°、22.8°±0.2°、23.7°±0.2°、24.3°±0.2°、24.6°±0.2°、25.0°±0.2°、25.2°±0.2°、25.8°±0.2°および26.8°±0.2°の2θの回折角を含むX線粉末回折(XRPD)パターンを特徴とする、請求項12に記載の2-{4-[(3S)-ピペリジン-3-イル]フェニル}-2H-インダゾール-7-カルボキサミド塩。
【請求項15】
請求項1~14のいずれか一項に記載の2-{4-[(3S)-ピペリジン-3-イル]フェニル}-2H-インダゾール-7-カルボキサミド塩と、少なくとも1種の薬学的に許容可能な賦形剤とを含んでなる医薬組成物。
【請求項16】
経口投与に適合している、請求項15に記載の医薬組成物。
【請求項17】
それを必要とするヒトにおいて癌、脳卒中、自己免疫性糖尿病、神経疾患、炎症性疾患、代謝性疾患または心血管疾患を処置するための医薬の製造における、請求項15または16に記載の医薬組成物の使用。
【請求項18】
前記医薬が、癌を処置するための医薬である、請求項17に記載の使用。
【請求項19】
前記癌が、ATM、ATR、BAP1、BARD1、BLM、BRCA1、BRCA2、BR1P1、MRE11A、NBN、PALB2、RAD51、RAD51B、RAD51C、RAD51D、RAD52、RAD54LもしくはXRCC2の変異またはそれらの任意の組み合わせに関連する、請求項18に記載の使用。
【請求項20】
前記癌が、上皮性卵巣癌、卵管癌または原発性腹膜癌である、請求項18または19に記載の使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2018年10月3日に出願された米国仮出願第62/740,872号の優先権を主張するものであり、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
発明の分野
本開示は、ニラパリブの新規塩、該塩を含んでなる医薬組成物、およびその使用に関する。
【背景技術】
【0003】
ニラパリブは、2-{4-[(3S)-ピペリジン-3-イル]フェニル}-2H-インダゾール-7-カルボキサミドの国際一般的名称である。この化合物は、以下の構造:
【化1】
を有する。
【0004】
ニラパリブの合成方法は、Jones et al., J. Med. Chem., 52:7170-7185, 2009に示されている。
【0005】
ニラパリブは、経口投与可能な選択的ポリ(ADPリボース)ポリメラーゼ(PARP)1および2阻害剤である。ニラパリブは、それぞれ3.8nMおよび2.1nMのIC50でPARP-1およびPARP-2の阻害を示し、全細胞アッセイにおいて、PARP活性を阻害し(EC50=4nM)、変異体BRCA1および変異体BRCA2を有する癌細胞の増殖を阻害する(CC50 10~100nMの範囲)(Jones et al., J. Med. Chem., 52:7170-7185, 2009参照)。ニラパリブはまた、相同組換え修復(HRR)経路に関与する特定の遺伝子(非BRCAl/2であるHRR遺伝子を含む)の欠損を特徴とする癌の処置にも有用である可能性がある。ニラパリブの活性は、癌(特に白金に基づく化学療法に抵抗性の癌)を含む幅広い状態、ならびに脳卒中、自己免疫性糖尿病、神経疾患、炎症性疾患、代謝性疾患、心血管疾患などの状態を処置する可能性を提供する。
【0006】
最近、ニラパリブは、白金に基づく化学療法に対する完全奏功後または部分奏功後の再発性上皮性卵巣癌、卵管癌または原発性腹膜癌の成人患者の維持または処置に承認された。承認された製品(ゼジューラ(商標))は、100mgのニラパリブを一水和トシレート塩(ニラパリブトシレート一水和物)の形態で含むカプセルである。
【0007】
原薬として、ニラパリブトシレート一水和物(すなわち、2-{4-[(3S)-ピペリジン-3-イル]フェニル}-2H-インダゾール-7-カルボキサミド 4-メチルベンゼンスルホネート 水和物 1:1:1)は、水溶解度が低く、白色からオフホワイトの非吸湿性の結晶性固体である。ニラパリブトシレート一水和物の調製方法には、PCT/US2018/029131に記載のものが含まれる。
【0008】
ニラパリブトシレート一水和物の商業的成功にもかかわらず、特に固体(例えば、経口)医薬剤形への調合のために、望ましい医薬特性を有するさらなる形態のニラパリブを提供する必要性が存在する。
【発明の概要】
【0009】
驚くことに、ニラパリブのカンフォレート塩、マンデル酸塩およびカムシル酸塩は、改善された水溶性、低い吸湿性および/または良好な安定性を含む、そのような望ましい特性を有することが今回見出された。
【0010】
したがって、一態様において、本発明は、
2-{4-[(3S)-ピペリジン-3-イル]フェニル}-2H-インダゾール-7-カルボキサミド(ニラパリブ)カンフォレート、
2-{4-[(3S)-ピペリジン-3-イル]フェニル}-2H-インダゾール-7-カルボキサミド(ニラパリブ)マンデレート、および
2-{4-[(3S)-ピペリジン-3-イル]フェニル}-2H-インダゾール-7-カルボキサミド(ニラパリブ)カムシレート
から選択される、2-{4-[(3S)-ピペリジン-3-イル]フェニル}-2H-インダゾール-7-カルボキサミド(ニラパリブ)塩を提供する。
【0011】
複数の態様および実施形態において、本発明は、2-{4-[(3S)-ピペリジン-3-イル]フェニル}-2H-インダゾール-7-カルボキサミド(ニラパリブ)カンフォレートを提供する。
【0012】
複数の態様および実施形態において、本発明は、2-{4-[(3S)-ピペリジン-3-イル]フェニル}-2H-インダゾール-7-カルボキサミド(ニラパリブ)(lR,3S)-(+)-カンフォレートを提供する。
【0013】
複数の態様および実施形態において、本発明は、2-{4-[(3S)-ピペリジン-3-イル]フェニル}-2H-インダゾール-7-カルボキサミド(ニラパリブ)(lR,3S)-(+)-カンフォレートの結晶形態を提供する。
【0014】
複数の態様および実施形態において、本発明は、2-{4-[(3S)-ピペリジン-3-イル]フェニル}-2H-インダゾール-7-カルボキサミド(ニラパリブ)(lR,3S)-(+)-カンフォレートの結晶形態1を提供する。
【0015】
複数の実施形態において、2-{4-[(3S)-ピペリジン-3-イル]フェニル}-2H-インダゾール-7-カルボキサミド(ニラパリブ)(lR,3S)-(+)-カンフォレートの結晶形態は、Cu K線を使用して測定した場合に、約6.5°、約11.7°、約13.4°、約14.1°、約14.5°、約15.2°、約16.2°、約17.5°、約18.0°、約20.0°、約20.4°、約21.6°、約22.3°、約22.8°、約24.0°、約24.5°、約26.9°および約27.6°の2θからなる群から選択される少なくとも3つの回折角を含むX線粉末回折(XRPD)パターンを特徴とする。
【0016】
複数の実施形態において、2-{4-[(3S)-ピペリジン-3-イル]フェニル}-2H-インダゾール-7-カルボキサミド(ニラパリブ)(lR,3S)-(+)-カンフォレートの結晶形態は、Cu K線を使用して測定した場合に、約11.7°、約13.4°、約15.2°、約16.2°、約17.5°、約18.0°、約20.0°、約20.4°、約21.6°、約22.8°および約24.0°の2θからなる群から選択される少なくとも3つの回折角を含むX線粉末回折(XRPD)パターンを特徴とする。
【0017】
複数の実施形態において、2-{4-[(3S)-ピペリジン-3-イル]フェニル}-2H-インダゾール-7-カルボキサミド(ニラパリブ)(lR,3S)-(+)-カンフォレートの結晶形態は、Cu K線を使用して測定した場合に、約13.4°、約15.2°、約16.2°、約17.5°、約18.0°、約20.0°、約20.4°、約21.6°および約24.0°の2θからなる群から選択される少なくとも3つの回折角を含むX線粉末回折(XRPD)パターンを特徴とする。
【0018】
複数の実施形態において、2-{4-[(3S)-ピペリジン-3-イル]フェニル}-2H-インダゾール-7-カルボキサミド(ニラパリブ)(lR,3S)-(+)-カンフォレートの結晶形態は、16.2°±0.2°、17.5°±0.2°、20.0°±0.2°、13.4°±0.2°および/または15.2°±0.2°の2θのうちの1つまたは複数のXRPD回折角を含むX線粉末回折(XRPD)パターンを有する。
【0019】
複数の実施形態において、2-{4-[(3S)-ピペリジン-3-イル]フェニル}-2H-インダゾール-7-カルボキサミド(ニラパリブ)(lR,3S)-(+)-カンフォレートの結晶形態は、16.2°±0.2°、17.5°±0.2°、20.0°±0.2°、13.4°±0.2°および/または15.2°±0.2°の2θのうちの少なくとも2つの回折角を含むXRPDパターンを有する。
【0020】
複数の実施形態において、2-{4-[(3S)-ピペリジン-3-イル]フェニル}-2H-インダゾール-7-カルボキサミド(ニラパリブ)(lR,3S)-(+)-カンフォレートの結晶形態は、16.2°±0.2°、17.5°±0.2°、20.0°±0.2°、13.4°±0.2°および/または15.2°±0.2°の2θのうちの少なくとも3つの回折角を含むXRPDパターンを有する。
【0021】
複数の実施形態において、2-{4-[(3S)-ピペリジン-3-イル]フェニル}-2H-インダゾール-7-カルボキサミド(ニラパリブ)(lR,3S)-(+)-カンフォレートの結晶形態は、16.2°±0.2°、17.5°±0.2°、20.0°±0.2°、13.4°±0.2°および/または15.2°±0.2°の2θのうちの少なくとも4つの回折角を含むXRPDパターンを有する。
【0022】
複数の実施形態において、2-{4-[(3S)-ピペリジン-3-イル]フェニル}-2H-インダゾール-7-カルボキサミド(ニラパリブ)(lR,3S)-(+)-カンフォレートの結晶形態は、16.2°±0.2°、17.5°±0.2°、20.0°±0.2°、13.4°±0.2°および15.2°±0.2°の2θの回折角を含むXRPDパターンを有する。
【0023】
複数の実施形態において、2-{4-[(3S)-ピペリジン-3-イル]フェニル}-2H-インダゾール-7-カルボキサミド(ニラパリブ)(lR,3S)-(+)-カンフォレートの結晶形態は、20.4°±0.2°、21.6°±0.2°、24.0°±0.2°、11.7°±0.2°および/または18.0°±0.2°の2θのうちの1つまたは複数のXRPD回折角を含むXRPDパターンを有する。
【0024】
複数の実施形態において、2-{4-[(3S)-ピペリジン-3-イル]フェニル}-2H-インダゾール-7-カルボキサミド(ニラパリブ)(lR,3S)-(+)-カンフォレートの結晶形態は、20.4°±0.2°、21.6°±0.2°、24.0°±0.2°、11.7°±0.2°および/または18.0°±0.2°の2θのうちの2つまたは3つ以上の回折角を含むXRPDパターンを有する。
【0025】
複数の実施形態において、2-{4-[(3S)-ピペリジン-3-イル]フェニル}-2H-インダゾール-7-カルボキサミド(ニラパリブ)(lR,3S)-(+)-カンフォレートの結晶形態は、20.4°±0.2°、21.6°±0.2°、24.0°±0.2°、11.7°±0.2°および/または18.0°±0.2°の2θのうちの3つまたは4つ以上の回折角を含むXRPDパターンを有する。
【0026】
複数の実施形態において、2-{4-[(3S)-ピペリジン-3-イル]フェニル}-2H-インダゾール-7-カルボキサミド(ニラパリブ)(lR,3S)-(+)-カンフォレートの結晶形態は、20.4°±0.2°、21.6°±0.2°、24.0°±0.2°、11.7°±0.2°および/または18.0°±0.2°の2θのうちの4つまたは5つ以上の回折角を含むXRPDパターンを有する。
【0027】
複数の実施形態において、2-{4-[(3S)-ピペリジン-3-イル]フェニル}-2H-インダゾール-7-カルボキサミド(ニラパリブ)(lR,3S)-(+)-カンフォレートの結晶形態は、20.4°±0.2°、21.6°±0.2°、24.0°±0.2°、11.7°±0.2°および18.0°±0.2°の2θのうちの回折角を含むXRPDパターンを有する。
【0028】
複数の実施形態において、2-{4-[(3S)-ピペリジン-3-イル]フェニル}-2H-インダゾール-7-カルボキサミド(ニラパリブ)(lR,3S)-(+)-カンフォレートの結晶形態は、16.2°±0.2°、17.5°±0.2°、20.0°±0.2°、13.4°±0.2°、15.2°±0.2°、20.4°±0.2°、21.6°±0.2°、24.0°±0.2°、11.7°±0.2°および18.0°±0.2°の2θの回折角を含むXRPDパターンを有する。
【0029】
複数の実施形態において、2-{4-[(3S)-ピペリジン-3-イル]フェニル}-2H-インダゾール-7-カルボキサミド(ニラパリブ)(lR,3S)-(+)-カンフォレートの結晶形態は、14.8°±0.2°、18.0°±0.2°、22.8°±0.2°および/または27.6°±0.2°の2θのうちの少なくとも1つの回折角を含むXRPDパターンを有する。
【0030】
複数の実施形態において、2-{4-[(3S)-ピペリジン-3-イル]フェニル}-2H-インダゾール-7-カルボキサミド(ニラパリブ)(lR,3S)-(+)-カンフォレートの結晶形態は、14.8°±0.2°、18.0°±0.2°、22.8°±0.2°および/または27.6°±0.2°の2θのうちの少なくとも2つの回折角を含むXRPDパターンを有する。
【0031】
複数の実施形態において、2-{4-[(3S)-ピペリジン-3-イル]フェニル}-2H-インダゾール-7-カルボキサミド(ニラパリブ)(lR,3S)-(+)-カンフォレートの結晶形態は、14.8°±0.2°、18.0°±0.2°、22.8°±0.2°および/または27.6°±0.2°の2θのうちの少なくとも3つの回折角を含むXRPDパターンを有する。
【0032】
複数の実施形態において、2-{4-[(3S)-ピペリジン-3-イル]フェニル}-2H-インダゾール-7-カルボキサミド(ニラパリブ)(lR,3S)-(+)-カンフォレートの結晶形態は、14.8°±0.2°、18.0°±0.2°、22.8°±0.2°および27.6°±0.2°の2θの回折角を含むXRPDパターンを有する。
【0033】
複数の実施形態において、2-{4-[(3S)-ピペリジン-3-イル]フェニル}-2H-インダゾール-7-カルボキサミド(ニラパリブ)(lR,3S)-(+)-カンフォレートの結晶形態は、16.2°±0.2°、17.5°±0.2°、20.0°±0.2°、13.4°±0.2°、15.2°±0.2°、20.4°±0.2°、21.6°±0.2°、24.0°±0.2°、11.7°±0.2°、18.0°±0.2°、22.8°±0.2°、18.9°±0.2°、14.5°±0.2°、14.1°±0.2°、14.8°±0.2°、27.6°±0.2°、26.9°±0.2°、6.5°±0.2°、22.3°±0.2°および/または24.5°±0.2°の2θのうちの1つまたは複数の回折角を含むXRPDパターンを有する。
【0034】
複数の実施形態において、2-{4-[(3S)-ピペリジン-3-イル]フェニル}-2H-インダゾール-7-カルボキサミド(ニラパリブ)(lR,3S)-(+)-カンフォレートの結晶形態は、以下の表:
【表1】
に従う、2θ値(±0.2°2θ)を有する回折角と場合によりまた相対強度とを含むXRPDパターンを有する。
【0035】
複数の実施形態において、2-{4-[(3S)-ピペリジン-3-イル]フェニル}-2H-インダゾール-7-カルボキサミド(ニラパリブ)(lR,3S)-(+)-カンフォレートの結晶形態は、実質的に図3に従うXRPDパターンを特徴とする。
【0036】
複数の実施形態において、2-{4-[(3S)-ピペリジン-3-イル]フェニル}-2H-インダゾール-7-カルボキサミド(ニラパリブ)(lR,3S)-(+)-カンフォレートの結晶形態は、約260℃~約270℃の融点を特徴とする。
【0037】
複数の実施形態において、2-{4-[(3S)-ピペリジン-3-イル]フェニル}-2H-インダゾール-7-カルボキサミド(ニラパリブ)(lR,3S)-(+)-カンフォレートの結晶形態は、約264℃の融点を特徴とする。
【0038】
複数の実施形態において、2-{4-[(3S)-ピペリジン-3-イル]フェニル}-2H-インダゾール-7-カルボキサミド(ニラパリブ)(lR,3S)-(+)-カンフォレートの結晶形態は、融解の開始(吸熱ピーク)が約264℃であり、かつ/あるいは、ピークの最小値が約268℃であるDSCサーモグラムを特徴とする。
【0039】
複数の実施形態において、2-{4-[(3S)-ピペリジン-3-イル]フェニル}-2H-インダゾール-7-カルボキサミド(ニラパリブ)(lR,3S)-(+)-カンフォレートの結晶形態は、実質的に図5に示されるDSCサーモグラムを特徴とする。
【0040】
複数の実施形態において、2-{4-[(3S)-ピペリジン-3-イル]フェニル}-2H-インダゾール-7-カルボキサミド(ニラパリブ)(lR,3S)-(+)-カンフォレートの結晶形態は、約3359cm-1、約1693cm-1および約1649cm-1のピークを含む赤外線スペクトルを特徴とする。
【0041】
複数の実施形態において、2-{4-[(3S)-ピペリジン-3-イル]フェニル}-2H-インダゾール-7-カルボキサミド(ニラパリブ)(lR,3S)-(+)-カンフォレートの結晶形態は、実質的に図2に示される赤外線スペクトルを特徴とする。
【0042】
複数の実施形態において、2-{4-[(3S)-ピペリジン-3-イル]フェニル}-2H-インダゾール-7-カルボキサミド(ニラパリブ)(lR,3S)-(+)-カンフォレートの結晶形態は、約25℃および約90%の相対湿度において約0.3重量%以下の水を吸着することを特徴とする。
【0043】
複数の実施形態において、2-{4-[(3S)-ピペリジン-3-イル]フェニル}-2H-インダゾール-7-カルボキサミド(ニラパリブ)(lR,3S)-(+)-カンフォレートの結晶形態は、実質的に図6に示されるGVSサーモグラムを特徴とする。
【0044】
複数の態様および実施形態において、本発明は、2-{4-[(3S)-ピペリジン-3-イル]フェニル}-2H-インダゾール-7-カルボキサミド(ニラパリブ)(1S,3R)-(-)-カンフォレートを提供する。
【0045】
複数の態様および実施形態において、本発明は、2-{4-[(3S)-ピペリジン-3-イル]フェニル}-2H-インダゾール-7-カルボキサミド(ニラパリブ)(1S,3R)-(-)-カンフォレートの結晶形態を提供する。
【0046】
複数の態様および実施形態において、本発明は、2-{4-[(3S)-ピペリジン-3-イル]フェニル}-2H-インダゾール-7-カルボキサミド(ニラパリブ)(1S,3R)-(-)-カンフォレートの結晶形態1を提供する。
【0047】
複数の実施形態において、2-{4-[(3S)-ピペリジン-3-イル]フェニル}-2H-インダゾール-7-カルボキサミド(ニラパリブ)(1S,3R)-(-)-カンフォレートの結晶形態は、Cu K線を使用して測定した場合に、約6.5°、約11.6°、約13.4°、約14.0°、約14.5°、約15.1°、約16.2°、約17.4°、約18.9°、約19.9°、約20.2°、約20.3°、約21.5°、約21.9°、約22.2°、約22.3°、約23.9°、約24.4°および約26.9°の2θからなる群から選択される少なくとも3つの回折角を含むX線粉末回折(XRPD)パターンを特徴とする。
【0048】
複数の実施形態において、2-{4-[(3S)-ピペリジン-3-イル]フェニル}-2H-インダゾール-7-カルボキサミド(ニラパリブ)(1S,3R)-(-)-カンフォレートの結晶形態は、Cu K線を使用して測定した場合に、約11.6°、約13.4°、約15.1°、約16.2°、約17.4°、約19.9°、約20.2°、約20.3°、約22.2°、約22.3°、約24.4°および約26.9°の2θからなる群から選択される少なくとも3つの回折角を含むX線粉末回折(XRPD)パターンを特徴とする。
【0049】
複数の実施形態において、2-{4-[(3S)-ピペリジン-3-イル]フェニル}-2H-インダゾール-7-カルボキサミド(ニラパリブ)(1S,3R)-(-)-カンフォレートの結晶形態は、Cu K線を使用して測定した場合に、約11.6°、約15.1°、約16.2°、約17.4°、約19.9°、約20.2°、約20.3°、約22.3°および約24.4°の2θからなる群から選択される少なくとも3つの回折角を含むX線粉末回折(XRPD)パターンを特徴とする。
【0050】
複数の実施形態において、2-{4-[(3S)-ピペリジン-3-イル]フェニル}-2H-インダゾール-7-カルボキサミド(ニラパリブ)(1S,3R)-(-)-カンフォレートの結晶形態は、20.3°±0.2°、17.4°±0.2°、16.2°±0.2°、15.1°±0.2°および/または20.2°±0.2°の2θのうちの1つまたは複数の回折角を含むXRPDパターンを有する。
【0051】
複数の実施形態において、2-{4-[(3S)-ピペリジン-3-イル]フェニル}-2H-インダゾール-7-カルボキサミド(ニラパリブ)(1S,3R)-(-)-カンフォレートの結晶形態は、20.3°±0.2°、17.4°±0.2°、16.2°±0.2°、15.1°±0.2°および/または20.2°±0.2°の2θのうちの少なくとも2つの回折角を含むXRPDパターンを有する。
【0052】
複数の実施形態において、2-{4-[(3S)-ピペリジン-3-イル]フェニル}-2H-インダゾール-7-カルボキサミド(ニラパリブ)(1S,3R)-(-)-カンフォレートの結晶形態は、20.3°±0.2°、17.4°±0.2°、16.2°±0.2°、15.1°±0.2°および/または20.2°±0.2°の2θのうちの少なくとも3つの回折角を含むXRPDパターンを有する。
【0053】
複数の実施形態において、2-{4-[(3S)-ピペリジン-3-イル]フェニル}-2H-インダゾール-7-カルボキサミド(ニラパリブ)(1S,3R)-(-)-カンフォレートの結晶形態は、20.3°±0.2°、17.4°±0.2°、16.2°±0.2°、15.1°±0.2°および/または20.2°±0.2°の2θのうちの少なくとも4つの回折角を含むXRPDパターンを有する。
【0054】
複数の実施形態において、2-{4-[(3S)-ピペリジン-3-イル]フェニル}-2H-インダゾール-7-カルボキサミド(ニラパリブ)(1S,3R)-(-)-カンフォレートの結晶形態は、20.3°±0.2°、17.4°±0.2°、16.2°±0.2°、15.1°±0.2°および20.2°±0.2°の2θの回折角を含むXRPDパターンを有する。
【0055】
複数の実施形態において、2-{4-[(3S)-ピペリジン-3-イル]フェニル}-2H-インダゾール-7-カルボキサミド(ニラパリブ)(1S,3R)-(-)-カンフォレートの結晶形態は、24.4°±0.2°、19.9°±0.2°、11.6°±0.2°、22.3°±0.2°および/または22.2°±0.2°の2θのうちの1つまたは複数の回折角を含むXRPDパターンを有する。
【0056】
複数の実施形態において、2-{4-[(3S)-ピペリジン-3-イル]フェニル}-2H-インダゾール-7-カルボキサミド(ニラパリブ)(1S,3R)-(-)-カンフォレートの結晶形態は、24.4°±0.2°、19.9°±0.2°、11.6°±0.2°、22.3°±0.2°および/または22.2°±0.2°の2θのうちの少なくとも2つの回折角を含むXRPDパターンを有する。
【0057】
複数の実施形態において、2-{4-[(3S)-ピペリジン-3-イル]フェニル}-2H-インダゾール-7-カルボキサミド(ニラパリブ)(1S,3R)-(-)-カンフォレートの結晶形態は、24.4°±0.2°、19.9°±0.2°、11.6°±0.2°、22.3°±0.2°および/または22.2°±0.2°の2θのうちの少なくとも3つの回折角を含むXRPDパターンを有する。
【0058】
複数の実施形態において、2-{4-[(3S)-ピペリジン-3-イル]フェニル}-2H-インダゾール-7-カルボキサミド(ニラパリブ)(1S,3R)-(-)-カンフォレートの結晶形態は、24.4°±0.2°、19.9°±0.2°、11.6°±0.2°、22.3°±0.2°および/または22.2°±0.2°の2θのうちの少なくとも4つの回折角を含むXRPDパターンを有する。
【0059】
複数の実施形態において、2-{4-[(3S)-ピペリジン-3-イル]フェニル}-2H-インダゾール-7-カルボキサミド(ニラパリブ)(1S,3R)-(-)-カンフォレートの結晶形態は、24.4°±0.2°、19.9°±0.2°、11.6°±0.2°、22.3°±0.2°および22.2°±0.2°の2θの回折角を含むXRPDパターンを有する。
【0060】
複数の実施形態において、2-{4-[(3S)-ピペリジン-3-イル]フェニル}-2H-インダゾール-7-カルボキサミド(ニラパリブ)(1S,3R)-(-)-カンフォレートの結晶形態は、20.3°±0.2°、17.4°±0.2°、16.2°±0.2°、15.1°±0.2°、20.2±0.2°、24.4°±0.2°、19.9°±0.2°、11.6°±0.2°、22.3°±0.2°および22.2±0.2°の2θの回折角を含むXRPDパターンを有する。
【0061】
複数の実施形態において、2-{4-[(3S)-ピペリジン-3-イル]フェニル}-2H-インダゾール-7-カルボキサミド(ニラパリブ)(1S,3R)-(-)-カンフォレートの結晶形態は、16.0°±0.2°の2θの回折角を含むXRPDパターンを有する。
【0062】
複数の実施形態において、2-{4-[(3S)-ピペリジン-3-イル]フェニル}-2H-インダゾール-7-カルボキサミド(ニラパリブ)(1S,3R)-(-)-カンフォレートの結晶形態は、21.9°±0.2°の2θの回折角を含むXRPDパターンを有する。
【0063】
複数の実施形態において、2-{4-[(3S)-ピペリジン-3-イル]フェニル}-2H-インダゾール-7-カルボキサミド(ニラパリブ)(1S,3R)-(-)-カンフォレートの結晶形態は、16.0°±0.2°および21.9°±0.2°の2θにおいて回折角を含むXRPDパターンを有する。
【0064】
複数の実施形態において、2-{4-[(3S)-ピペリジン-3-イル]フェニル}-2H-インダゾール-7-カルボキサミド(ニラパリブ)(1S,3R)-(-)-カンフォレートの結晶形態は、20.3°±0.2°、17.4°±0.2°、16.2°±0.2°、15.1°±0.2°、20.2±0.2°、24.4°±0.2°、19.9°±0.2°、11.6°±0.2°、22.3°±0.2°、22.2±0.2°、13.4°±0.2°、16.0±0.2°、26.9°±0.2°、6.5°±0.2°、23.9°±0.2°、18.9°±0.2°、14.5°±0.2°、14.0°±0.2°、21.9°±0.2°および/または21.5°±0.2°の2θのうちの少なくとも1つの回折角を含むXRPDパターンを有する。
【0065】
複数の実施形態において、2-{4-[(3S)-ピペリジン-3-イル]フェニル}-2H-インダゾール-7-カルボキサミド(ニラパリブ)(1S,3R)-(-)-カンフォレートの結晶形態は、以下の表:
【表2】
に従う、2θ値(±0.2°2θ)を有する回折角と場合によりまた相対強度とを含むXRPDパターンを有する。
【0066】
複数の実施形態において、2-{4-[(3S)-ピペリジン-3-イル]フェニル}-2H-インダゾール-7-カルボキサミド(ニラパリブ)(1S,3R)-(-)-カンフォレートの結晶形態は、実質的に図9に示されるXRPDパターンを特徴とする。
【0067】
複数の実施形態において、2-{4-[(3S)-ピペリジン-3-イル]フェニル}-2H-インダゾール-7-カルボキサミド(ニラパリブ)(1S,3R)-(-)-カンフォレートの結晶形態は、約220℃~約230℃の融点を特徴とする。
【0068】
複数の実施形態において、2-{4-[(3S)-ピペリジン-3-イル]フェニル}-2H-インダゾール-7-カルボキサミド(ニラパリブ)(1S,3R)-(-)-カンフォレートの結晶形態は、約226℃の融点を特徴とする。
【0069】
複数の実施形態において、2-{4-[(3S)-ピペリジン-3-イル]フェニル}-2H-インダゾール-7-カルボキサミド(ニラパリブ)(1S,3R)-(-)-カンフォレートの結晶形態は、融解の開始(吸熱ピーク)が約226℃であり、かつ/あるいは、ピークの最小値が約230℃であるDSCサーモグラムを特徴とする。
【0070】
複数の実施形態において、2-{4-[(3S)-ピペリジン-3-イル]フェニル}-2H-インダゾール-7-カルボキサミド(ニラパリブ)(1S,3R)-(-)-カンフォレートの結晶形態は、実質的に図11に示されるDSCサーモグラムを特徴とする。
【0071】
複数の実施形態において、2-{4-[(3S)-ピペリジン-3-イル]フェニル}-2H-インダゾール-7-カルボキサミド(ニラパリブ)(1S,3R)-(-)-カンフォレートの結晶形態は、約3367cm-1、約1693cm-1および約1648cm-1のピークを含む赤外線スペクトルを特徴とする。
【0072】
複数の実施形態において、2-{4-[(3S)-ピペリジン-3-イル]フェニル}-2H-インダゾール-7-カルボキサミド(ニラパリブ)(1S,3R)-(-)-カンフォレートの結晶形態は、実質的に図8に示される赤外線スペクトルを特徴とする。
【0073】
複数の実施形態において、2-{4-[(3S)-ピペリジン-3-イル]フェニル}-2H-インダゾール-7-カルボキサミド(ニラパリブ)(1S,3R)-(-)-カンフォレートの結晶形態は、約25℃および約90%の相対湿度において約1重量%未満の水を吸着することを特徴とする。
【0074】
複数の実施形態において、2-{4-[(3S)-ピペリジン-3-イル]フェニル}-2H-インダゾール-7-カルボキサミド(ニラパリブ)(1S,3R)-(-)-カンフォレートの結晶形態は、実質的に図12に示されるGVSサーモグラムを特徴とする。
【0075】
複数の態様および実施形態において、本発明は、2-{4-[(3S)-ピペリジン-3-イル]フェニル}-2H-インダゾール-7-カルボキサミド(ニラパリブ)マンデレートを提供する。
【0076】
複数の態様および実施形態において、本発明は、2-{4-[(3S)-ピペリジン-3-イル]フェニル}-2H-インダゾール-7-カルボキサミド(ニラパリブ)(R)-(-)-マンデレートを提供する。
【0077】
複数の態様および実施形態において、本発明は、2-{4-[(3S)-ピペリジン-3-イル]フェニル}-2H-インダゾール-7-カルボキサミド(ニラパリブ)(R)-(-)-マンデレートの結晶形態を提供する。
【0078】
複数の態様および実施形態において、本発明は、2-{4-[(3S)-ピペリジン-3-イル]フェニル}-2H-インダゾール-7-カルボキサミド(ニラパリブ)(R)-(-)-マンデレートの結晶形態1を提供する。
【0079】
複数の実施形態において、2-{4-[(3S)-ピペリジン-3-イル]フェニル}-2H-インダゾール-7-カルボキサミド(ニラパリブ)(R)-(-)-マンデレートの結晶形態は、Cu K線を使用して測定した場合に、約4.3°、約8.4°、約8.6°、約8.7°、約12.4°、約13.7°、約14.1°、約16.1°、約16.4°、約17.4°、約18.4°、約18.5°、約21.5°、約25.1°、約27.3°、約27.6°、約27.7°、約28.0°および約28.7°の2θからなる群から選択される少なくとも3つの回折角を含むX線粉末回折(XRPD)パターンを特徴とする。
【0080】
複数の実施形態において、2-{4-[(3S)-ピペリジン-3-イル]フェニル}-2H-インダゾール-7-カルボキサミド(ニラパリブ)(R)-(-)-マンデレートの結晶形態は、Cu K線を使用して測定した場合に、約8.4°、約8.6°、約8.7°、約13.7°、約14.1°、約16.4°、約17.4°、約18.4°、約18.5°、約21.5°、約25.1°、約27.3°、約27.6°、約27.7°、約28.0°および約28.7°の2θからなる群から選択される少なくとも3つの回折角を含むX線粉末回折(XRPD)パターンを特徴とする。
【0081】
複数の実施形態において、2-{4-[(3S)-ピペリジン-3-イル]フェニル}-2H-インダゾール-7-カルボキサミド(ニラパリブ)(R)-(-)-マンデレートの結晶形態は、Cu K線を使用して測定した場合に、約8.6°、約8.7°、約13.7°、約16.4°、約17.4°、約18.4°、約18.5°、約21.5°、約25.1°、約27.3°、約27.6°、約28.0°および約28.7°の2θからなる群から選択される少なくとも3つの回折角を含むX線粉末回折(XRPD)パターンを特徴とする。
【0082】
複数の実施形態において、2-{4-[(3S)-ピペリジン-3-イル]フェニル}-2H-インダゾール-7-カルボキサミド(ニラパリブ)(R)-(-)-マンデレートの結晶形態は、18.5°±0.2°、16.4°±0.2°、17.4°±0.2°、8.6°±0.2°および/または17.6°±0.2°の2θのうちの1つまたは複数の回折角を含むXRPDパターンを有する。
【0083】
複数の実施形態において、2-{4-[(3S)-ピペリジン-3-イル]フェニル}-2H-インダゾール-7-カルボキサミド(ニラパリブ)(R)-(-)-マンデレートの結晶形態は、18.5°±0.2°、16.4°±0.2°、17.4°±0.2°、8.6°±0.2°および/または17.6°±0.2°の2θのうちの少なくとも2つの回折角を含むXRPDパターンを有する。
【0084】
複数の実施形態において、2-{4-[(3S)-ピペリジン-3-イル]フェニル}-2H-インダゾール-7-カルボキサミド(ニラパリブ)(R)-(-)-マンデレートの結晶形態は、18.5°±0.2°、16.4°±0.2°、17.4°±0.2°、8.6°±0.2°および/または17.6°±0.2°の2θのうちの少なくとも3つの回折角を含むXRPDパターンを有する。
【0085】
複数の実施形態において、2-{4-[(3S)-ピペリジン-3-イル]フェニル}-2H-インダゾール-7-カルボキサミド(ニラパリブ)(R)-(-)-マンデレートの結晶形態は、18.5°±0.2°、16.4°±0.2°、17.4°±0.2°、8.6°±0.2°および/または17.6°±0.2°の2θのうちの少なくとも4つの回折角を含むXRPDパターンを有する。
【0086】
複数の実施形態において、2-{4-[(3S)-ピペリジン-3-イル]フェニル}-2H-インダゾール-7-カルボキサミド(ニラパリブ)(R)-(-)-マンデレートの結晶形態は、18.5°±0.2°、16.4°±0.2°、17.4°±0.2°、8.6°±0.2°および17.6°±0.2°の2θの回折角を含むXRPDパターンを有する。
【0087】
複数の実施形態において、2-{4-[(3S)-ピペリジン-3-イル]フェニル}-2H-インダゾール-7-カルボキサミド(ニラパリブ)(R)-(-)-マンデレートの結晶形態は、8.7°±0.2°、18.4°±0.2°、25.1°±0.2°、27.6°±0.2°および/または13.7°±0.2°の2θのうちの1つまたは複数の回折角を含むXRPDパターンを有する。
【0088】
複数の実施形態において、2-{4-[(3S)-ピペリジン-3-イル]フェニル}-2H-インダゾール-7-カルボキサミド(ニラパリブ)(R)-(-)-マンデレートの結晶形態は、8.7°±0.2°、18.4°±0.2°、25.1°±0.2°、27.6°±0.2°および/または13.7°±0.2°の2θのうちの2つまたは3つ以上の回折角を含むXRPDパターンを有する。
【0089】
複数の実施形態において、2-{4-[(3S)-ピペリジン-3-イル]フェニル}-2H-インダゾール-7-カルボキサミド(ニラパリブ)(R)-(-)-マンデレートの結晶形態は、8.7°±0.2°、18.4°±0.2°、25.1°±0.2°、27.6°±0.2°および/または13.7°±0.2°の2θのうちの3つまたは4つ以上の回折角を含むXRPDパターンを有する。
【0090】
複数の実施形態において、2-{4-[(3S)-ピペリジン-3-イル]フェニル}-2H-インダゾール-7-カルボキサミド(ニラパリブ)(R)-(-)-マンデレートの結晶形態は、8.7°±0.2°、18.4°±0.2°、25.1°±0.2°、27.6°±0.2°および/または13.7°±0.2°の2θのうちの4つまたは5つ以上の回折角を含むXRPDパターンを有する。
【0091】
複数の実施形態において、2-{4-[(3S)-ピペリジン-3-イル]フェニル}-2H-インダゾール-7-カルボキサミド(ニラパリブ)(R)-(-)-マンデレートの結晶形態は、8.7°±0.2°、18.4°±0.2°、25.1°±0.2°、27.6°±0.2°および13.7°±0.2°の2θの回折角を含むXRPDパターンを有する。
【0092】
複数の実施形態において、2-{4-[(3S)-ピペリジン-3-イル]フェニル}-2H-インダゾール-7-カルボキサミド(ニラパリブ)(R)-(-)-マンデレートの結晶形態は、18.5°±0.2°、16.4°±0.2°、17.4°±0.2°、8.6°±0.2°、17.6°±0.2°、8.7°±0.2°、18.4°±0.2°、25.1°±0.2°、27.6°±0.2°および13.7°±0.2°の2θの回折角を含むXRPDパターンを有する。
【0093】
複数の実施形態において、2-{4-[(3S)-ピペリジン-3-イル]フェニル}-2H-インダゾール-7-カルボキサミド(ニラパリブ)(R)-(-)-マンデレートの結晶形態は、18.5°±0.2°、16.4°±0.2°、17.4°±0.2°、8.6°±0.2°、17.6°±0.2°、8.7°±0.2°、18.4°±0.2°、25.1°±0.2°、27.6°±0.2°、13.7°±0.2°、8.4°±0.2°、28.7°±0.2°、28.0°±0.2°、4.3°±0.2°、21.5°±0.2°、27.3°±0.2°、14.1°±0.2°、27.7°±0.2°、12.4°±0.2°および/または16.1°±0.2°の2θのうちの1つまたは複数の回折角を含むXRPDパターンを有する。
【0094】
複数の実施形態において、2-{4-[(3S)-ピペリジン-3-イル]フェニル}-2H-インダゾール-7-カルボキサミド(ニラパリブ)(R)-(-)-マンデレートの結晶形態は、以下の表:
【表3】
に従う、2θ値(±0.2°2θ)を有する回折角と場合によりまた相対強度とを含むXRPDパターンを有する。
【0095】
複数の実施形態において、2-{4-[(3S)-ピペリジン-3-イル]フェニル}-2H-インダゾール-7-カルボキサミド(ニラパリブ)(R)-(-)-マンデレートの結晶形態は、実質的に図15に示されるXRPDパターンを特徴とする。
【0096】
複数の実施形態において、2-{4-[(3S)-ピペリジン-3-イル]フェニル}-2H-インダゾール-7-カルボキサミド(ニラパリブ)(R)-(-)-マンデレートの結晶形態は、約190℃~約200℃の融点を特徴とする。
【0097】
複数の実施形態において、2-{4-[(3S)-ピペリジン-3-イル]フェニル}-2H-インダゾール-7-カルボキサミド(ニラパリブ)(R)-(-)-マンデレートの結晶形態は、約197℃の融点を特徴とする。
【0098】
複数の実施形態において、2-{4-[(3S)-ピペリジン-3-イル]フェニル}-2H-インダゾール-7-カルボキサミド(ニラパリブ)(R)-(-)-マンデレートの結晶形態は、融解の開始(吸熱ピーク)が約197℃であり、かつ/あるいは、ピークの最小値が約201℃であるDSCサーモグラムを特徴とする。
【0099】
複数の実施形態において、2-{4-[(3S)-ピペリジン-3-イル]フェニル}-2H-インダゾール-7-カルボキサミド(ニラパリブ)(R)-(-)-マンデレートの結晶形態は、実質的に図18に示されるDSCサーモグラムを特徴とする。
【0100】
複数の実施形態において、2-{4-[(3S)-ピペリジン-3-イル]フェニル}-2H-インダゾール-7-カルボキサミド(ニラパリブ)(R)-(-)-マンデレートの結晶形態は、約3443cm-1、約3340cm-1、約1671cm-1および約1638cm-1のピークを含む赤外線スペクトルを特徴とする。
【0101】
複数の実施形態において、2-{4-[(3S)-ピペリジン-3-イル]フェニル}-2H-インダゾール-7-カルボキサミド(ニラパリブ)(R)-(-)-マンデレートの結晶形態は、実質的に図14に示される赤外線スペクトルを特徴とする。
【0102】
複数の実施形態において、2-{4-[(3S)-ピペリジン-3-イル]フェニル}-2H-インダゾール-7-カルボキサミド(ニラパリブ)(R)-(-)-マンデレートの結晶形態は、実質的に図19に示されるDVSサーモグラムを特徴とする。
【0103】
複数の態様および実施形態において、本発明は、2-{4-[(3S)-ピペリジン-3-イル]フェニル}-2H-インダゾール-7-カルボキサミド(ニラパリブ)カムシレートを提供する。
【0104】
複数の態様および実施形態において、本発明は、2-{4-[(3S)-ピペリジン-3-イル]フェニル}-2H-インダゾール-7-カルボキサミド(ニラパリブ)(1S)-(+)カムシレートを提供する。
【0105】
複数の態様および実施形態において、本発明は、2-{4-[(3S)-ピペリジン-3-イル]フェニル}-2H-インダゾール-7-カルボキサミド(ニラパリブ)(1S)-(+)カムシレートの結晶形態を提供する。
【0106】
複数の態様および実施形態において、本発明は、2-{4-[(3S)-ピペリジン-3-イル]フェニル}-2H-インダゾール-7-カルボキサミド(ニラパリブ)(1S)-(+)カムシレートの結晶形態1を提供する。
【0107】
複数の実施形態において、2-{4-[(3S)-ピペリジン-3-イル]フェニル}-2H-インダゾール-7-カルボキサミド(ニラパリブ)(1S)-(+)カムシレートの結晶形態は、Cu K線を使用して測定した場合に、約6.7°、約9.5°、約11.1°、約13.5°、約14.3°、約16.0°、約16.4°、約16、7°、約16.9°、約17.6°、約20.3°、約22.8°、約23.7°、約24.3°、約24.6°、約25.0°、約25.2°、約25.8°および約26.8°の2θからなる群から選択される少なくとも3つの回折角を含むX線粉末回折(XRPD)パターンを特徴とする。
【0108】
複数の実施形態において、2-{4-[(3S)-ピペリジン-3-イル]フェニル}-2H-インダゾール-7-カルボキサミド(ニラパリブ)(1S)-(+)カムシレートの結晶形態は、Cu K線を使用して測定した場合に、約11.1°、約13.5°、約16.0°、約16.4°、約16、7°、約17.6°、約20.3°、約23.7°、約24.3°、約24.6°、約25.0°、約25.2°および約25.8°の2θからなる群から選択される少なくとも3つの回折角を含むX線粉末回折(XRPD)パターンを特徴とする。
【0109】
複数の実施形態において、2-{4-[(3S)-ピペリジン-3-イル]フェニル}-2H-インダゾール-7-カルボキサミド(ニラパリブ)(1S)-(+)カムシレートの結晶形態は、Cu K線を使用して測定した場合に、約11.1°、約13.5°、約16.0°、約16.4°、約16、7°、約17.6°、約20.3°、約23.7°、約24.3°および約24.6°の2θからなる群から選択される少なくとも3つの回折角を含むX線粉末回折(XRPD)パターンを特徴とする。
【0110】
複数の実施形態において、2-{4-[(3S)-ピペリジン-3-イル]フェニル}-2H-インダゾール-7-カルボキサミド(ニラパリブ)(1S)-(+)カムシレートの結晶形態は、16.0°±0.2°、13.5°±0.2°、17.6°±0.2°、24.3°±0.2°および/または24.6°±0.2°の2θのうちの1つまたは複数の回折角を含むXRPDパターンを有する。
【0111】
複数の実施形態において、2-{4-[(3S)-ピペリジン-3-イル]フェニル}-2H-インダゾール-7-カルボキサミド(ニラパリブ)(1S)-(+)カムシレートの結晶形態は、16.0°±0.2°、13.5°±0.2°、17.6°±0.2°、24.3°±0.2°および/または24.6°±0.2°の2θのうちの少なくとも2つの回折角を含むXRPDパターンを有する。
【0112】
複数の実施形態において、2-{4-[(3S)-ピペリジン-3-イル]フェニル}-2H-インダゾール-7-カルボキサミド(ニラパリブ)(1S)-(+)カムシレートの結晶形態は、16.0°±0.2°、13.5°±0.2°、17.6°±0.2°、24.3°±0.2°および/または24.6°±0.2°の2θのうちの少なくとも3つの回折角を含むXRPDパターンを有する。
【0113】
複数の実施形態において、2-{4-[(3S)-ピペリジン-3-イル]フェニル}-2H-インダゾール-7-カルボキサミド(ニラパリブ)(1S)-(+)カムシレートの結晶形態は、16.0°±0.2°、13.5°±0.2°、17.6°±0.2°、24.3°±0.2°および/または24.6°±0.2°の2θのうちの少なくとも4つの回折角を含むXRPDパターンを有する。
【0114】
複数の実施形態において、2-{4-[(3S)-ピペリジン-3-イル]フェニル}-2H-インダゾール-7-カルボキサミド(ニラパリブ)(1S)-(+)カムシレートの結晶形態は、16.0°±0.2°、13.5°±0.2°、17.6°±0.2°、24.3°±0.2°および24.6°±0.2°の2θの回折角を含むXRPDパターンを有する。
【0115】
複数の実施形態において、2-{4-[(3S)-ピペリジン-3-イル]フェニル}-2H-インダゾール-7-カルボキサミド(ニラパリブ)(1S)-(+)カムシレートの結晶形態は、11.1°±0.2°、16.4°±0.2°、23.7°±0.2°、16.7°±0.2°および/または20.3°±0.2°の2θのうちの1つまたは複数の回折角を含むXRPDパターンを有する。
【0116】
複数の実施形態において、2-{4-[(3S)-ピペリジン-3-イル]フェニル}-2H-インダゾール-7-カルボキサミド(ニラパリブ)(1S)-(+)カムシレートの結晶形態は、11.1°±0.2°、16.4°±0.2°、23.7°±0.2°、16.7°±0.2°および/または20.3°±0.2°の2θのうちの2つまたは3つ以上の回折角を含むXRPDパターンを有する。
【0117】
複数の実施形態において、2-{4-[(3S)-ピペリジン-3-イル]フェニル}-2H-インダゾール-7-カルボキサミド(ニラパリブ)(1S)-(+)カムシレートの結晶形態は、11.1°±0.2°、16.4°±0.2°、23.7°±0.2°、16.7°±0.2°および/または20.3°±0.2°の2θのうちの3つまたは4つ以上の回折角を含むXRPDパターンを有する。
【0118】
複数の実施形態において、2-{4-[(3S)-ピペリジン-3-イル]フェニル}-2H-インダゾール-7-カルボキサミド(ニラパリブ)(1S)-(+)カムシレートの結晶形態は、11.1°±0.2°、16.4°±0.2°、23.7°±0.2°、16.7°±0.2°および/または20.3°±0.2°の2θのうちの4つまたは5つ以上の回折角を含むXRPDパターンを有する。
【0119】
複数の実施形態において、2-{4-[(3S)-ピペリジン-3-イル]フェニル}-2H-インダゾール-7-カルボキサミド(ニラパリブ)(1S)-(+)カムシレートの結晶形態は、11.1°±0.2°、16.4°±0.2°、23.7°±0.2°、16.7°±0.2°および20.3°±0.2°の2θの回折角を含むXRPDパターンを有する。
【0120】
複数の実施形態において、2-{4-[(3S)-ピペリジン-3-イル]フェニル}-2H-インダゾール-7-カルボキサミド(ニラパリブ)(1S)-(+)カムシレートの結晶形態は、16.0°±0.2°、13.5°±0.2°、17.6°±0.2°、24.3°±0.2°、24.6°±0.2°、11.1°±0.2°、16.4°±0.2°、23.7°±0.2°、16.7°±0.2°および20.3°±0.2°の2θの回折角を含むXRPDパターンを有する。
【0121】
複数の実施形態において、2-{4-[(3S)-ピペリジン-3-イル]フェニル}-2H-インダゾール-7-カルボキサミド(ニラパリブ)(1S)-(+)カムシレートの結晶形態は、6.7°±0.2°、16.4°±0.2°、23.7°±0.2°および/または25.2°±0.2°の2θのうちの1つまたは複数のXRPD回折角を含むXRPDパターンを有する。
【0122】
複数の実施形態において、2-{4-[(3S)-ピペリジン-3-イル]フェニル}-2H-インダゾール-7-カルボキサミド(ニラパリブ)(1S)-(+)カムシレートの結晶形態は、6.7°±0.2°、16.4°±0.2°、23.7°±0.2°および/または25.2°±0.2°の2θのうちの少なくとも2つの回折角を含むXRPDパターンを有する。
【0123】
複数の実施形態において、2-{4-[(3S)-ピペリジン-3-イル]フェニル}-2H-インダゾール-7-カルボキサミド(ニラパリブ)(1S)-(+)カムシレートの結晶形態は、6.7°±0.2°、16.4°±0.2°、23.7°±0.2°および/または25.2°±0.2°の2θのうちの少なくとも3つの回折角を含むXRPDパターンを有する。
【0124】
複数の実施形態において、2-{4-[(3S)-ピペリジン-3-イル]フェニル}-2H-インダゾール-7-カルボキサミド(ニラパリブ)(1S)-(+)カムシレートの結晶形態は、6.7°±0.2°、16.4°±0.2°、23.7°±0.2°および25.2°±0.2°の2θの回折角を含むXRPDパターンを有する。
【0125】
複数の実施形態において、2-{4-[(3S)-ピペリジン-3-イル]フェニル}-2H-インダゾール-7-カルボキサミド(ニラパリブ)(1S)-(+)カムシレートの結晶形態は、16.0°±0.2°、13.5°±0.2°、17.6°±0.2°、24.3°±0.2°、24.6°±0.2°、11.1°±0.2°、16.4°±0.2°、23.7°±0.2°、16.7°±0.2°、20.3°±0.2°、6.7°±0.2°、25.2°±0.2°、25.0°±0.2°、25.8°±0.2°、26.8°±0.2°、22.8°±0.2°、9.5°±0.2°、16.9°±0.2°、14.3°±0.2°および/または7.7°±0.2°の2θのうちの少なくとも1つの回折角を含むXRPDパターンを有する。
【0126】
複数の実施形態において、2-{4-[(3S)-ピペリジン-3-イル]フェニル}-2H-インダゾール-7-カルボキサミド(ニラパリブ)(1S)-(+)カムシレートの結晶形態は、以下の表:
【表4】
に従う、2θ値(±0.2°2θ)を有する回折角と場合によりまた相対強度とを含むXRPDパターンを有する。
【0127】
複数の実施形態において、2-{4-[(3S)-ピペリジン-3-イル]フェニル}-2H-インダゾール-7-カルボキサミド(ニラパリブ)(1S)-(+)カムシレートの結晶形態は、実質的に図22に示されるXRPDパターンを特徴とする。
【0128】
複数の実施形態において、2-{4-[(3S)-ピペリジン-3-イル]フェニル}-2H-インダゾール-7-カルボキサミド(ニラパリブ)(1S)-(+)カムシレートの結晶形態は、約235℃~約245℃の融点を特徴とする。
【0129】
複数の実施形態において、2-{4-[(3S)-ピペリジン-3-イル]フェニル}-2H-インダゾール-7-カルボキサミド(ニラパリブ)(1S)-(+)カムシレートの結晶形態は、約239℃の融点を特徴とする。
【0130】
複数の実施形態において、2-{4-[(3S)-ピペリジン-3-イル]フェニル}-2H-インダゾール-7-カルボキサミド(ニラパリブ)(1S)-(+)カムシレートの結晶形態は、融解の開始(吸熱ピーク)が約235℃であり、かつ/あるいは、ピークの最小値が約246℃であるDSCサーモグラムを特徴とする。
【0131】
複数の実施形態において、2-{4-[(3S)-ピペリジン-3-イル]フェニル}-2H-インダゾール-7-カルボキサミド(ニラパリブ)(1S)-(+)カムシレートの結晶形態は、実質的に図24に示されるDSCサーモグラムを特徴とする。
【0132】
複数の実施形態において、2-{4-[(3S)-ピペリジン-3-イル]フェニル}-2H-インダゾール-7-カルボキサミド(ニラパリブ)(1S)-(+)カムシレートの結晶形態は、約3467cm-1、約3306cm-1、約1724cm-1、約1660cm-1および約1611cm-1のピークを含む赤外線スペクトルを特徴とする。
【0133】
複数の実施形態において、2-{4-[(3S)-ピペリジン-3-イル]フェニル}-2H-インダゾール-7-カルボキサミド(ニラパリブ)(1S)-(+)カムシレートの結晶形態は、実質的に図21に示される赤外線スペクトルを特徴とする。
【0134】
複数の実施形態において、2-{4-[(3S)-ピペリジン-3-イル]フェニル}-2H-インダゾール-7-カルボキサミド(ニラパリブ)(1S)-(+)カムシレートの結晶形態は、約25℃および約90%の相対湿度において約2重量%未満の水を吸着することを特徴とする。
【0135】
複数の実施形態において、2-{4-[(3S)-ピペリジン-3-イル]フェニル}-2H-インダゾール-7-カルボキサミド(ニラパリブ)(1S)-(+)カムシレートの結晶形態は、約25℃および約90%の相対湿度において約1.3重量%の水を吸着することを特徴とする。
【0136】
複数の実施形態において、2-{4-[(3S)-ピペリジン-3-イル]フェニル}-2H-インダゾール-7-カルボキサミド(ニラパリブ)(1S)-(+)カムシレートの結晶形態は、実質的に図25に示されるGVSサーモグラムを特徴とする。
【0137】
その他の態様において、本発明は、上記で定義された2-{4-[(3S)-ピペリジン-3-イル]フェニル}-2H-インダゾール-7-カルボキサミド(ニラパリブ)カンフォレート、2-{4-[(3S)-ピペリジン-3-イル]フェニル}-2H-インダゾール-7-カルボキサミド(ニラパリブ)マンデレートまたは2-{4-[(3S)-ピペリジン-3-イル]フェニル}-2H-インダゾール-7-カルボキサミド(ニラパリブ)カムシレートと、少なくとも1種の薬学的に許容可能な賦形剤とを含んでなる医薬組成物を提供する。複数の実施形態において、医薬組成物は経口投与に適合している。
【0138】
その他の態様において、本発明は、上記で定義された2-{4-[(3S)-ピペリジン-3-イル]フェニル}-2H-インダゾール-7-カルボキサミド(ニラパリブ)カンフォレート、2-{4-[(3S)-ピペリジン-3-イル]フェニル}-2H-インダゾール-7-カルボキサミド(ニラパリブ)マンデレートまたは2-{4-[(3S)-ピペリジン-3-イル]フェニル}-2H-インダゾール-7-カルボキサミド(ニラパリブ)カムシレートの結晶形態と、少なくとも1種の薬学的に許容可能な賦形剤とを含んでなる医薬組成物を提供する。複数の実施形態において、医薬組成物は経口投与に適合している。
【0139】
複数の実施形態において、医薬組成物は、2-{4-[(3S)-ピペリジン-3-イル]フェニル}-2H-インダゾール-7-カルボキサミド(ニラパリブ)(1R,3S)-(+)-カンフォレートの結晶形態と、少なくとも1種の薬学的に許容可能な賦形剤とを含んでなる。複数の実施形態において、医薬組成物は経口投与に適合している。
【0140】
複数の実施形態において、医薬組成物は、2-{4-[(3S)-ピペリジン-3-イル]フェニル}-2H-インダゾール-7-カルボキサミド(ニラパリブ)(1S,3R)-(-)-カンフォレートの結晶形態と、少なくとも1種の薬学的に許容可能な賦形剤とを含んでなる。複数の実施形態において、医薬組成物は経口投与に適合している。
【0141】
複数の実施形態において、医薬組成物は、2-{4-[(3S)-ピペリジン-3-イル]フェニル}-2H-インダゾール-7-カルボキサミド(ニラパリブ)(R)-(-)-マンデレートの結晶形態と、少なくとも1種の薬学的に許容可能な賦形剤とを含んでなる。複数の実施形態において、医薬組成物は経口投与に適合している。
【0142】
複数の実施形態において、医薬組成物は、2-{4-[(3S)-ピペリジン-3-イル]フェニル}-2H-インダゾール-7-カルボキサミド(ニラパリブ)(1S)-(+)-カムシレートの結晶形態と、少なくとも1種の薬学的に許容可能な賦形剤とを含んでなる。複数の実施形態において、医薬組成物は経口投与に適合している。
【0143】
その他の態様において、本発明は、療法に使用するための、2-{4-[(3S)-ピペリジン-3-イル]フェニル}-2H-インダゾール-7-カルボキサミド(ニラパリブ)カンフォレート、2-{4-[(3S)-ピペリジン-3-イル]フェニル}-2H-インダゾール-7-カルボキサミド(ニラパリブ)マンデレート、2-{4-[(3S)-ピペリジン-3-イル]フェニル}-2H-インダゾール-7-カルボキサミド(ニラパリブ)カムシレートまたは上記で定義されたそれらの医薬組成物を提供する。複数の実施形態において、本発明は、療法に使用するための、2-{4-[(3S)-ピペリジン-3-イル]フェニル}-2H-インダゾール-7-カルボキサミド(ニラパリブ)カンフォレート、2-{4-[(3S)-ピペリジン-3-イル]フェニル}-2H-インダゾール-7-カルボキサミド(ニラパリブ)マンデレート、2-{4-[(3S)-ピペリジン-3-イル]フェニル}-2H-インダゾール-7-カルボキサミド(ニラパリブ)カムシレートの結晶形態または上記で定義されたそれらの医薬組成物を提供する。
【0144】
その他の態様において、本発明は、医薬の製造における、2-{4-[(3S)-ピペリジン-3-イル]フェニル}-2H-インダゾール-7-カルボキサミド(ニラパリブ)カンフォレート、2-{4-[(3S)-ピペリジン-3-イル]フェニル}-2H-インダゾール-7-カルボキサミド(ニラパリブ)マンデレート、2-{4-[(3S)-ピペリジン-3-イル]フェニル}-2H-インダゾール-7-カルボキサミド(ニラパリブ)カムシレートまたは上記で定義されたそれらの医薬組成物の使用を提供する。複数の実施形態において、本発明は、医薬の製造における、2-{4-[(3S)-ピペリジン-3-イル]フェニル}-2H-インダゾール-7-カルボキサミド(ニラパリブ)カンフォレート、2-{4-[(3S)-ピペリジン-3-イル]フェニル}-2H-インダゾール-7-カルボキサミド(ニラパリブ)マンデレート、2-{4-[(3S)-ピペリジン-3-イル]フェニル}-2H-インダゾール-7-カルボキサミド(ニラパリブ)カムシレートの結晶形態または上記で定義されたそれらの医薬組成物の使用を提供する。
【0145】
その他の態様において、本発明は、それを必要とするヒトの癌、脳卒中、自己免疫性糖尿病、神経疾患、炎症性疾患、代謝性疾患または心血管疾患を処置する方法であって、上記で定義された2-{4-[(3S)-ピペリジン-3-イル]フェニル}-2H-インダゾール-7-カルボキサミド(ニラパリブ)カンフォレート、2-{4-[(3S)-ピペリジン-3-イル]フェニル}-2H-インダゾール-7-カルボキサミド(ニラパリブ)マンデレートもしくは2-{4-[(3S)-ピペリジン-3-イル]フェニル}-2H-インダゾール-7-カルボキサミド(ニラパリブ)カムシレートまたは上記で定義された医薬組成物の有効量を前記ヒトに投与することを含んでなる、前記方法を提供する。複数の実施形態において、方法は、上記で定義された2-{4-[(3S)-ピペリジン-3-イル]フェニル}-2H-インダゾール-7-カルボキサミド(ニラパリブ)カンフォレート、2-{4-[(3S)-ピペリジン-3-イル]フェニル}-2H-インダゾール-7-カルボキサミド(ニラパリブ)マンデレートもしくは2-{4-[(3S)-ピペリジン-3-イル]フェニル}-2H-インダゾール-7-カルボキサミド(ニラパリブ)カムシレートの結晶形態または上記で定義された医薬組成物の有効量をヒトに投与することを含んでなる。
【0146】
複数の実施形態において、本方法は、癌を処置する方法である。
【0147】
複数の実施形態において、癌は、BRCA1変異および/またはBRCA2変異に関連する。
【0148】
複数の実施形態において、癌はATM、ATR、BAP1、BARD1、BLM、BR1P1、MRE11A、NBN、PALB2、RAD51、RAD51B、RAD51C、RAD51D、RAD52、RAD54LもしくはXRCC2の変異またはそれらの任意の組み合わせに関連する。
【0149】
複数の実施形態において、癌は、上皮性卵巣癌、卵管癌または原発性腹膜癌である。
【0150】
その他の態様において、本発明は、上記で定義された方法で使用するための、上記で定義された2-{4-[(3S)-ピペリジン-3-イル]フェニル}-2H-インダゾール-7-カルボキサミド(ニラパリブ)カンフォレート、2-{4-[(3S)-ピペリジン-3-イル]フェニル}-2H-インダゾール-7-カルボキサミド(ニラパリブ)マンデレートもしくは2-{4-[(3S)-ピペリジン-3-イル]フェニル}-2H-インダゾール-7-カルボキサミド(ニラパリブ)カムシレートまたは上記で定義された医薬組成物を提供する。複数の実施形態において、本発明は、上記で定義された方法で使用するための、上記で定義された2-{4-[(3S)-ピペリジン-3-イル]フェニル}-2H-インダゾール-7-カルボキサミド(ニラパリブ)カンフォレート、2-{4-[(3S)-ピペリジン-3-イル]フェニル}-2H-インダゾール-7-カルボキサミド(ニラパリブ)マンデレートもしくは2-{4-[(3S)-ピペリジン-3-イル]フェニル}-2H-インダゾール-7-カルボキサミド(ニラパリブ)カムシレートの結晶形態または上記で定義された医薬組成物を提供する。
【0151】
その他の態様において、本発明は、上記で定義された方法で使用するための医薬の製造における、上記で定義された2-{4-[(3S)-ピペリジン-3-イル]フェニル}-2H-インダゾール-7-カルボキサミド(ニラパリブ)カンフォレート、2-{4-[(3S)-ピペリジン-3-イル]フェニル}-2H-インダゾール-7-カルボキサミド(ニラパリブ)マンデレートもしくは2-{4-[(3S)-ピペリジン-3-イル]フェニル}-2H-インダゾール-7-カルボキサミド(ニラパリブ)カムシレートまたは上記で定義された医薬組成物の使用を提供する。複数の実施形態において、本発明は、上記で定義された方法で使用するための医薬の製造における、上記で定義された2-{4-[(3S)-ピペリジン-3-イル]フェニル}-2H-インダゾール-7-カルボキサミド(ニラパリブ)カンフォレート、2-{4-[(3S)-ピペリジン-3-イル]フェニル}-2H-インダゾール-7-カルボキサミド(ニラパリブ)マンデレートもしくは2-{4-[(3S)-ピペリジン-3-イル]フェニル}-2H-インダゾール-7-カルボキサミド(ニラパリブ)カムシレートの結晶形態または上記で定義された医薬組成物の使用を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0152】
図1図1は、実施例10で使用した2-{4-[(3S)-ピペリジン-3-イル]フェニル}-2H-インダゾール-7-カルボキサミド(ニラパリブ)トシレート一水和物の例示的なXRPDパターンを示す図である。
図2図2は、2-{4-[(3S)-ピペリジン-3-イル]フェニル}-2H-インダゾール-7-カルボキサミド(ニラパリブ)の(1R,3S)-(+)-カンフォレート塩の結晶形態1に対する例示的なFT-IRスペクトルを示す図である。
図3図3は、2-{4-[(3S)-ピペリジン-3-イル]フェニル}-2H-インダゾール-7-カルボキサミド(ニラパリブ)の(1R,3S)-(+)-カンフォレート塩の結晶形態1に対する例示的なXRPDパターンを示す図である。
図4図4は、40℃および相対湿度75%において24時間保存後の2-{4-[(3S)-ピペリジン-3-イル]フェニル}-2H-インダゾール-7-カルボキサミド(ニラパリブ)の(1R,3S)-(+)-カンフォレート塩の結晶形態1に対する例示的なXRPDパターンを示す図である。
図5図5は、2-{4-[(3S)-ピペリジン-3-イル]フェニル}-2H-インダゾール-7-カルボキサミド(ニラパリブ)の(1R,3S)-(+)-カンフォレート塩の結晶形態1に対する例示的な示差走査熱量測定サーモグラムを示す図である。
図6図6は、2-{4-[(3S)-ピペリジン-3-イル]フェニル}-2H-インダゾール-7-カルボキサミド(ニラパリブ)の(1R,3S)-(+)-カンフォレート塩の結晶形態1に対する例示的な走査型の重量法蒸気吸着測定によるサーモグラムを示す図である。
図7図7は、2-{4-[(3S)-ピペリジン-3-イル]フェニル}-2H-インダゾール-7-カルボキサミド(ニラパリブ)の(1R,3S)-(+)-カンフォレート塩の結晶形態1に対する可視光顕微鏡画像を示す図である(上:非偏光、下:偏光)。
図8図8は、2-{4-[(3S)-ピペリジン-3-イル]フェニル}-2H-インダゾール-7-カルボキサミド(ニラパリブ)の(1S,3R)-(-)-カンフォレート塩の結晶形態1に対する例示的なFT-IRスペクトルを示す図である。
図9図9は、2-{4-[(3S)-ピペリジン-3-イル]フェニル}-2H-インダゾール-7-カルボキサミド(ニラパリブ)の(1S,3R)-(-)-カンフォレート塩の結晶形態1に対する例示的なXRPDパターンを示す図である。
図10図10は、40℃および相対湿度75%において24時間保存後の2-{4-[(3S)-ピペリジン-3-イル]フェニル}-2H-インダゾール-7-カルボキサミド(ニラパリブ)の(1S,3R)-(-)-カンフォレート塩の結晶形態1に対する例示的なXRPDパターンを示す図である。
図11図11は、2-{4-[(3S)-ピペリジン-3-イル]フェニル}-2H-インダゾール-7-カルボキサミド(ニラパリブ)の(1S,3R)-(-)-カンフォレート塩の結晶形態1に対する例示的な示差走査熱量測定サーモグラムを示す図である。
図12図12は、2-{4-[(3S)-ピペリジン-3-イル]フェニル}-2H-インダゾール-7-カルボキサミド(ニラパリブ)の(1S,3R)-(-)-カンフォレート塩の結晶形態1に対する例示的な走査型の重量法蒸気吸着測定によるサーモグラムを示す図である。
図13図13は、2-{4-[(3S)-ピペリジン-3-イル]フェニル}-2H-インダゾール-7-カルボキサミド(ニラパリブ)の(1S,3R)-(-)-カンフォレート塩の結晶形態1に対する可視光顕微鏡画像を示す図である(上:非偏光、下:偏光)。
図14図14は、2-{4-[(3S)-ピペリジン-3-イル]フェニル}-2H-インダゾール-7-カルボキサミド(ニラパリブ)の(R)-(-)-マンデレート塩の結晶形態1に対する例示的なFT-IRスペクトルを示す図である。
図15図15は、2-{4-[(3S)-ピペリジン-3-イル]フェニル}-2H-インダゾール-7-カルボキサミド(ニラパリブ)の(R)-(-)-マンデレート塩の結晶形態1に対する例示的なXRPDパターンを示す図である。
図16図16は、40℃、相対湿度75%で24時間保存後の2-{4-[(3S)-ピペリジン-3-イル]フェニル}-2H-インダゾール-7-カルボキサミド(ニラパリブ)の(R)-(-)-マンデレート塩の結晶形態1に対する例示的なXRPDパターンを示す図である。
図17図17は、単結晶X線結晶構造解析によって決定された2-{4-[(3S)-ピペリジン-3-イル]フェニル}-2H-インダゾール-7-カルボキサミド(ニラパリブ)の(R)-(-)-マンデレート塩の結晶形態1の構造を示す図である。
図18図18は、2-{4-[(3S)-ピペリジン-3-イル]フェニル}-2H-インダゾール-7-カルボキサミド(ニラパリブ)の(R)-(-)-マンデレート塩の結晶形態1に対する例示的な示差走査熱量測定サーモグラムを示す図である。
図19図19は、2-{4-[(3S)-ピペリジン-3-イル]フェニル}-2H-インダゾール-7-カルボキサミド(ニラパリブ)の(R)-(-)-マンデレート塩の結晶形態1に対する例示的な動的蒸気吸着によるサーモグラムを示す図である。
図20図20は、2-{4-[(3S)-ピペリジン-3-イル]フェニル}-2H-インダゾール-7-カルボキサミド(ニラパリブ)の(R)-(-)-マンデレート塩の結晶形態1に対する可視光顕微鏡画像を示す図である(上:非偏光、下:偏光)。
図21図21は、2-{4-[(3S)-ピペリジン-3-イル]フェニル}-2H-インダゾール-7-カルボキサミド(ニラパリブ)の(1S)-(+)-カムシレート塩の結晶形態1に対する例示的なFT-IRスペクトルを示す図である。
図22図22は、2-{4-[(3S)-ピペリジン-3-イル]フェニル}-2H-インダゾール-7-カルボキサミド(ニラパリブ)の(1S)-(+)-カムシレート塩の結晶形態1に対する例示的なXRPDパターンを示す図である。
図23図23は、40℃および相対湿度75%において24時間保存後の2-{4-[(3S)-ピペリジン-3-イル]フェニル}-2H-インダゾール-7-カルボキサミド(ニラパリブ)の(1S)-(+)-カムシレート塩の結晶形態1に対する例示的なXRPDパターンを示す図である。
図24図24は、(2-{4-[(3S)-ピペリジン-3-イル]フェニル}-2H-インダゾール-7-カルボキサミド(ニラパリブ)の(1S)-(+)-カムシレート塩の結晶形態1に対する例示的な示差走査熱量測定サーモグラムを示す図である。
図25図25は、2-{4-[(3S)-ピペリジン-3-イル]フェニル}-2H-インダゾール-7-カルボキサミド(ニラパリブ)の(1S)-(+)-カムシレート塩の結晶形態1に対する例示的な走査型の重量法蒸気吸着測定によるサーモグラムを示す図である。
図26図26は、(2-{4-[(3S)-ピペリジン-3-イル]フェニル}-2H-インダゾール-7-カルボキサミド(ニラパリブ)の(1S)-(+)-カムシレート塩の結晶形態1に対する可視光顕微鏡画像を示す図である(上:非偏光、下:偏光)。
【発明を実施するための形態】
【0153】
詳細な説明
本開示の具体的な実施形態は、説明および実施例を参照して説明されるが、そのような実施形態は、ほんの一例であり、本開示の原理の適用を示すことができる多くの可能な具体的な実施形態のほんの少数のうちの単なる例示であることが理解されるべきである。様々な変更および修正は、本開示の利益を考えると当業者には明らかであり、添付の特許請求の範囲でさらに定義されるように、本開示の趣旨および範囲内であると見なされる。
【0154】
定義
別段の定義がない限り、本明細書で使用されるすべての技術用語および科学用語は、本開示が属する当業者によって一般に理解されるのと同じ意味を有する。本明細書に記載されたものと類似または同等の任意の方法および材料を本発明の実施または試験に使用することができるが、例示的な方法、装置および材料を次に説明する。本明細書で引用されたすべての技術文献および特許文献は、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。本明細書のいかなるものも、本発明が先行発明のためにそのような開示に先行する権利がないことを認めるものと解釈されるべきではない。
【0155】
本開示の実施は、他に示されない限り、当技術分野の技術の範囲内である、化学合成、組織培養、免疫学、分子生物学、微生物学、細胞生物学および組換えDNAの従来の技術を使用する(例えば、Michael R. Green and Joseph Sambrook, Molecular Cloning; 4th ed., Cold Spring Harbor Laboratory Press 2012を参照)。
【0156】
範囲を含む数値特定、例えば、pH、温度、時間、濃度、分子量などは、必要に応じて0.1または1.0の増分で(+)または(-)に変化する近似値である。すべての数値特定の前に「約」という用語が付いていることを常に明示的に述べているわけではないが、理解されるべきである。常に明示的に述べられているわけではないが、本明細書に記載の試薬は単なる例示であり、そのような同等物が当技術分野で知られている可能性があることも理解されるべきである。
【0157】
明細書および特許請求の範囲で使用されるように、単数形「a」、「an」および「the」は、文脈が明確に別段の指示をしない限り、複数形への言及を含む。例えば、「細胞」(“a cell”)という用語は、複数の細胞(それらの混合物を含む)を含む。本明細書で使用される場合、具体的に述べられているか、文脈から明らかでない限り、「または」という用語は両立的であると理解される。「含む」という用語は、本明細書では、「含むがこれに限定されない」という句を意味するために使用され、互換的に使用される。
【0158】
本明細書で使用される場合、特に明記されていない限り、「約」および「およそ」という用語は、組成物または剤形の成分の用量、量または重量パーセントに関連して使用される場合、特定された用量、量または重量パーセントから得られる効果と同等の薬理学的効果を提供するために当業者によって認識される用量、量または重量パーセントを意味する。具体的には、「約」および「およそ」という用語は、この文脈で使用される場合、特定された用量、量または重量パーセントの15%以内、より具体的には10%以内、より具体的には5%以内の用量、量または重量パーセントを企図する。本明細書で使用される場合、特に明記しない限り、「約」および「およそ」という用語は、特定の固体形態を特徴づけるために提供される数値または値の範囲(例えば、特定の温度または温度範囲、例えば、融解、脱水、脱溶媒和またはガラス転移温度を説明する温度または温度範囲;質量変化、例えば、温度または湿度の作用としての質量変化;溶媒または水分含有量、例えば、質量またはパーセンテージの観点からの溶媒または水分含有量;または、ピーク位置または回折角、例えば、IRまたはラマン分光法またはXRPDによる分析におけるピーク位置または回折角)に関連して使用される際には、特定の固体形態を説明する限り、その数値または値の範囲が当業者に合理的であるとみなされる程度まで逸脱する可能性があることを示す。具体的には、「約」および「およそ」という用語は、この文脈で使用される場合、数値または値の範囲が、特定の実施形態では、記載されている数値または値の範囲の20%以内、10%以内、9%以内、8%以内、7%以内、6%以内、5%以内、4%以内、3%以内、2%以内、1.5%以内、1%以内、0.5%以内または0.25%以内で変化する可能性がある。XRPDに関しては、明示的に特定されていない限り、所与の値は±0.2°の2θである。
【0159】
本明細書で使用される場合、「含んでなる」(“comprising”)または「含んでなる」(“comprises”)という用語は、組成物および方法が記載された要素を含むが、その他のものを除外しないことを意味することを意図されている。組成物および方法を定義するために使用される場合には、「本質的にからなる」とは、記載された目的のための組み合わせに対して任意の本質的に重要なその他の要素を除外することを意味する。したがって、本質的に本明細書で定義される要素からなる組成物は、単離および精製方法からの汚染物質を除外せず、薬学的に許容可能な担体、例えば、リン酸緩衝生理食塩水、防腐剤などを除外しない。「からなる」とは、その他の成分の微量元素以外を除外すること、および本開示の組成物を投与するための実質的な方法ステップ以外を除外すること、あるいは組成物を生成するか、または意図した結果を達成するためのプロセスステップ以外を除外すること意味するものとする。これらの移行部の用語のそれぞれによって定義される実施形態は、本発明の範囲内である。本明細書における「含んでなる」という用語の使用は、「含んでなる」という用語が「本質的にからなる」または「からなる」に置き換えられた対応する記載を包含し、開示することを意図している。
【0160】
「対象」という用語は、動物、好ましくはヒトまたは非ヒトを含む哺乳動物を意味するために使用される。「患者」および「対象」という用語は、交換可能に使用され得る。
【0161】
「投与すること」は、本明細書において、薬剤が対象の体内にあるという結果をもたらす方法で、薬剤または薬剤を含む組成物を対象に提供する手段として定義される。そのような投与は、経口、経皮(例えば、膣、直腸または口腔粘膜による)、注射(例えば、皮下、静脈内、非経口、腹腔内または中枢神経系への)または吸入(例えば、経口または経鼻)を含むがこれらに限定されない任意の経路によることができる。当然、医薬品は各投与経路に適した形態で提供される。
【0162】
「治療有効量」または「有効量」は、薬理学的効果を達成するための薬剤の量である。「治療有効量」という用語には、例えば、予防有効量が含まれる。ニラパリブの「有効量」は、過度の有害な副作用なしに、所望の薬理学的効果または治療的改善を達成するために必要な量である。ニラパリブの有効量は、特定の患者および疾患に応じて当業者によって選択される。「有効量」または「治療有効量」は、ニラパリブの代謝、年齢、体重、対象の全身状態、処置される状態、処置される状態の重症度および処方する医師の判断における変動により、対象ごとに異なり得ることが理解される。本明細書で使用される場合、特定の化合物または医薬組成物の投与による特定の疾患、障害または状態の症状の改善または軽減は、化合物または組成物の投与に起因または関連する永続的または一時的な、重症度の低下、発症の遅延、進行の遅延または期間の短縮を指す。
【0163】
本明細書で使用される「処置する」、「処置する」または「処置」という用語は、予防的および/または治療的に、疾患または状態(例えば、癌および症状)を軽減、低減または改善すること、追加の症状を予防すること、症状の根本的な代謝原因の改善または予防すること、疾患または状態を阻害すること(例えば、疾患または状態の発症を阻止すること)、疾患または状態を緩和すること、疾患または状態の退行を引き起こすこと、疾患または状態によって引き起こされる状態を緩和すること、または疾患または状態の症状を停止させることを含む。
【0164】
「処置」という用語に関連する「罹患している」という用語は、疾患と診断された、または疾患の素因がある患者または個人を指す。患者はまた、家族の血統における疾患の病歴のため、または疾患に関連する遺伝子変異の存在のために、疾患に「罹患するリスクがある」ことを指す場合もある。疾患のリスクがある患者は、病気の特徴的な病状の全部または一部を未だ発症していない。
【0165】
本明細書で使用される場合、「重量パーセント」、「重量%」、「重量パーセント」、「重量%」およびそれらの変形は、ある物質の重量を組成物の総重量で割り、100を掛けた、その物質の濃度を指す。
【0166】
本明細書で使用される「アモルファス」および「アモルファス形態」という用語、ならびに関連する用語は、対象の物質、成分または生成物が、X線回折によって測定されたときに実質的に結晶性ではないことを意味する。特定の実施形態において、物質のアモルファス形態を含むサンプルは、その他のアモルファス形態および/または結晶形を実質的に含まなくてもよい。
【0167】
本明細書で使用される「結晶性」という用語および関連する用語は、物質、成分、生成物または形態を説明するために使用される場合には、物質、成分または生成物が、X線回折によって測定されたときに実質的に結晶性であることを意味する(例えば、Remington’s Pharmaceutical Sciences, 22nd ed., Pharmaceutical Press, 2012; The United States Pharmacopoeia, 30th ed., 2011を参照)。
【0168】
本明細書における「結晶形」および「結晶形態」という用語ならびに関連する用語は、化合物を含む結晶性固体形態を指し、特定の単一成分結晶形または多成分結晶形(多形、溶媒和物、水和物、その他の分子複合体、塩、塩の溶媒和物、塩の水和物、塩のその他の分子複合体またはそれらの多形を含むがこれらに限定されない)を指し得る。
【0169】
本明細書における「多形」および「多形形態」という用語ならびに関連する用語は、同一の分子、同一の複数の分子または同一の複数のイオンを含む2または3以上の結晶形を指す。異なる多形は、結晶格子内の分子またはイオンの配置または立体配座の結果として異なる物理的特性、例えば、融解温度、融解熱、溶解度、溶解速度および/または振動スペクトルを有し得る。多形によって示される物理的特性の違いは、医薬パラメータ、例えば、保存安定性、圧縮性および密度(調合物および製品製造において重要)、ならびに溶解速度(バイオアベイラビリティにおいて重要な要因)に影響を与える。安定性の違いは、化学反応性の変化(例えば、剤形がある多形で構成される場合に別の多形で構成される場合よりも急速に変色するような酸化の違い)または機械的変化(例えば、速度論的に有利な多形が熱力学的により安定した多形に変換されるために、保存時に錠剤が砕ける)またはその両方(例えば、ある多形の錠剤は高湿度で崩壊しやすい)から生じる可能性がある。溶解度/溶解の違いの結果として、極端な場合、いくつかの多形転移は、有効性の欠如またはその一方で毒性をもたらし、望ましくない副作用の発生率の増減または望ましくない副作用の重症度の変化を起こす可能性がある。加えて、結晶の物理的特性は加工において重要である場合がある。例えば、ある多形が溶媒和物を形成する可能性が高いか、あるいは、不純物を除去して洗浄するのが困難な場合がある(例えば、粒子の形状およびサイズ分布が多形間で異なる場合がある)。
【0170】
本明細書で記載される対イオン(特に塩中の陰イオン)が1種または2種以上の立体異性体を有し、上記対イオンの特定の立体化学が記載されていない場合、その記載は対イオンおよびそれらの混合物のすべての立体異性体を包含することが意図される。立体異性体には、エナンチオマーおよびジアステレオマーの形態およびそれらの混合物が含まれる。例えば、本明細書において立体化学的な指定のない「マンデレート」に対する記載は、(R)-α-ヒドロキシフェニル酢酸、(S)-α-ヒドロキシフェニル酢酸およびそれらのラセミ混合物を含むそれらの混合物を指すことを意図する。
【0171】
結晶形およびアモルファス形態を特徴付けるための技術には、熱重量分析(TGA)、融点、示差走査熱量測定(DSC)、X線粉末回折法(XRPD)、単結晶X線回折法、振動分光法(例えば、赤外線(IR)およびラマン分光法)、固体および溶液の核磁気共鳴(NMR)分光法、光学顕微鏡(例えば、偏光顕微鏡)、ホットステージ光学顕微鏡、走査型電子顕微鏡(SEM)、電子結晶構造解析、動的蒸気吸着(DVS)および定量分析、粒子サイズ分析(PSA)、表面積測定、溶解度試験および溶解試験が含まれるが、これらに限定されない。本明細書に記載の例示的な実験値は、その分野の標準的な尺度、例えば、本明細書に記載の例示的な変動に従って可変であり得る。
【0172】
結晶形態が1つまたは複数のXRPD回折角を特徴とする場合、特に明記しない限り、XRPDパターンは標準条件下(例えば、本明細書に記載される)で得られ、2θ値は分野での標準的な測定に従って可変であり得ることが理解されるべきである。例えば、本明細書に記載されている2θ値は、±0.2°で変動し得る。さらに、結晶形態が1つまたは複数の特定されたXRPD回折角を特徴とする場合、それらの回折角は、典型的には、ディフラクトグラム内で少なくとも1%の相対強度、例えば、少なくとも2%、少なくとも5%または少なくとも10%の相対強度を有する回折角を表す。
【0173】
本明細書における変数または態様のための実施形態の記載は、その実施形態を任意の単一の実施形態として、またはその実施形態を任意のその他の実施形態またはその一部と組み合わせて含む。
【0174】
本明細書で提供される組成物および方法は、本明細書で提供されるその他の組成物および方法のいずれか1つまたは複数と組み合わせることができる。
【0175】
以下の略語が本明細書では使用される。
℃=摂氏
DMSO=ジメチルスルホキシド
DSC=示差走査熱量測定
ESI=エレクトロスプレーイオン化
FT-IR=赤外分光法
GVS=重量法蒸気吸着測定
h=時間
HPLC=高圧液体クロマトグラフィー
Hz=ヘルツ
2-MeTHF=2-メチルテトラヒドロフラン
MHz=メガヘルツ;
min=分
MS=質量分析
NMR=核磁気共鳴
rt/RT=室温
SXRD=単結晶X線回折
TBME=tert-ブチルメチルエーテル
THF=テトラヒドロフラン
【0176】

本発明は、医薬調合物に望ましい特性(例えば、改善された水溶性、低い吸湿性および/または良好な安定性)を有する薬剤2-{4-[(3S)-ピペリジン-3-イル]フェニル}-2H-インダゾール-7-カルボキサミド(ニラパリブ)の新規な塩形態に関する。
【0177】
したがって、本発明は、2-{4-[(3S)-ピペリジン-3-イル]フェニル}-2H-インダゾール-7-カルボキサミド(ニラパリブ)のカンフォレート塩、マンデレート塩またはカムシレート塩を提供する。特に、本発明は、結晶形態における2-{4-[(3S)-ピペリジン-3-イル]フェニル}-2H-インダゾール-7-カルボキサミド(ニラパリブ)のカンフォレート塩、マンデレート塩またはカムシレート塩(例えば、以下に詳細に記載される)を提供する。
【0178】
2-{4-[(3S)-ピペリジン-3-イル]フェニル}-2H-インダゾール-7-カルボキサミド(ニラパリブ)の塩の例示的な結晶形態も本明細書に記載されている。例示的なX線粉末回折(XRPD)パターンも本明細書に記載されている。複数の実施形態において、XRPDパターンは、Cu K線を使用して測定される。複数の実施形態において、XRPDパターンは、本明細書に記載される特定の回折角(ピーク)を特徴とする。
【0179】
ニラパリブカンフォレート
一態様において、本発明は、2-{4-[(3S)-ピペリジン-3-イル]フェニル}-2H-インダゾール-7-カルボキサミド(ニラパリブ)のカンフォレート塩(「ニラパリブカンフォレート」)を提供する。好ましい態様において、本発明は、結晶性ニラパリブカンフォレートを提供する。
【0180】
カンフォレート塩は、(1R,3S)-(+)-カンフォレート、(1S,3R)-(+)-カンフォレート、(+/-)-カンフォレートおよびそれらの混合物から選択され得る。
【0181】
一実施形態において、カンフォレートは(lR,3S)-(+)-カンフォレート(以下、「(+)-カンフォレート」と呼ぶ)である。(+)-カンフォレート塩は、イオン化された形態の(1R,3S)-(+)-カンファー酸を含み、これは以下の構造を有する。
【化2】
【0182】
この態様から見た場合、本発明は、2-{4-[(3S)-ピペリジン-3-イル]フェニル}-2H-インダゾール-7-カルボキサミド(ニラパリブ)(+)-カンフォレート、例えば、2-{4-[(3S)-ピペリジン-3-イル]フェニル}-2H-インダゾール-7-カルボキサミド(ニラパリブ)(+)-カンフォレートの結晶形態を提供する。複数の実施形態において、2-{4-[(3S)-ピペリジン-3-イル]フェニル}-2H-インダゾール-7-カルボキサミド(ニラパリブ)(+)-カンフォレートの結晶形態は、2-{4-[(3S)-ピペリジン-3-イル]フェニル}-2H-インダゾール-7-カルボキサミド(ニラパリブ)(+)-カンフォレートの形態1(例えば本明細書に記載)を含む。
【0183】
複数の実施形態において、ニラパリブ(+)-カンフォレートの結晶形態(結晶形態1)は、16.2°、17.5°、20.0°、13.4°および/または15.2°の2θ値のうちの1つまたは複数(例えば、1つ、2つ、3つ、4つまたは5つ)のXRPD回折角を特徴とする。その他の実施形態において、ニラパリブ(+)-カンフォレートの結晶形態は、16.2°、17.5°、20.0°、13.4°および/または15.2°の2θ値のうちの少なくとも2つのXRPD回折角を特徴とする。その他の実施形態において、ニラパリブ(+)-カンフォレートの結晶形態(結晶形態1)は、16.2°、17.5°、20.0°、13.4°および/または15.2°の2θ値のうちの少なくとも3つのXRPD回折角を特徴とする。その他の実施形態において、ニラパリブ(+)-カンフォレートの結晶形態(結晶形態1)は、16.2°、17.5°、20.0°、13.4°および/または15.2°の2θ値のうちの少なくとも4つのXRPD回折角を特徴とする。
【0184】
複数の実施形態において、ニラパリブ(+)-カンフォレートの結晶形態(結晶形態1)は、16.2°の2θ値のXRPD回折角を特徴とする。複数の実施形態において、ニラパリブ(+)-カンフォレートの結晶形態(結晶形態1)は、17.5°の2θ値のXRPD回折角を特徴とする。複数の実施形態において、ニラパリブ(+)-カンフォレートの結晶形態(結晶形態1)は、16.2°および17.5°の2θ値のXRPD回折角を特徴とする。複数の実施形態において、ニラパリブ(+)-カンフォレートの結晶形態(結晶形態1)は、16.2°、17.5°および20.0°の2θ値でのXRPD回折角を特徴とする。複数の実施形態において、ニラパリブ(+)-カンフォレートの結晶形態(結晶形態1)は、16.2°、17.5°、20.0°および13.4°の2θ値のXRPD回折角を特徴とする。複数の実施形態において、ニラパリブ(+)-カンフォレートの結晶形態(結晶形態1)は、16.2°、17.5°、20.0°、13.4°および15.2°の2θ値のXRPD回折角を特徴とする。
【0185】
複数の実施形態において、ニラパリブ(+)-カンフォレートの結晶形態(結晶形態1)は、20.4°、21.6°、24.0°、11.7°および/または18.0°の2θ値のうちの1つまたは複数(例えば、1つ、2つ、3つ、4つまたは5つ)のXRPD回折角を特徴とする。その他の実施形態において、ニラパリブ(+)-カンフォレートの結晶形態(結晶形態1)は、20.4°、21.6°、24.0°、11.7°および/または18.0°の2θ値のうちの少なくとも2つのXRPD回折角を特徴とする。その他の実施形態において、ニラパリブ(+)-カンフォレートの結晶形態(結晶形態1)は、20.4°、21.6°、24.0°、11.7°および/または18.0°の2θ値のうちの少なくとも3つのXRPD回折角を特徴とする。その他の実施形態において、ニラパリブ(+)-カンフォレートの結晶形態(結晶形態1)は、20.4°、21.6°、24.0°、11.7°および/または18.0°の2θ値のうちの少なくとも4つのXRPD回折角を特徴とする。複数の実施形態において、ニラパリブ(+)-カンフォレートの結晶形態(結晶形態1)は、20.4°、21.6°、24.0°、11.7°および/または18.0°の2θ値のXRPD回折角を特徴とする。
【0186】
複数の実施形態において、ニラパリブ(+)-カンフォレートの結晶形態(結晶形態1)は、16.2°、17.5°、20.0°、13.4°、15.2°、20.4°、21.6°、24.0°、11.7°および/または18.0°の2θ値のうちの1つまたは複数(例えば、6つ、7つ、8つ、9つまたは10)のXRPD回折角を特徴とする。その他の実施形態において、ニラパリブ(+)-カンフォレートの結晶形態(結晶形態1)は、16.2°、17.5°、20.0°、13.4°、15.2°、20.4°、21.6°、24.0°、11.7°および/または18.0°の2θ値のうちの少なくとも6つのXRPD回折角を特徴とする。その他の実施形態において、ニラパリブ(+)-カンフォレートの結晶形態(結晶形態1)は、16.2°、17.5°、20.0°、13.4°、15.2°、20.4°、21.6°、24.0°、11.7°および/または18.0°の2θ値のうちの少なくとも7つのXRPD回折角を特徴とする。その他の実施形態において、ニラパリブ(+)-カンフォレートの結晶形態(結晶形態1)は、16.2°、17.5°、20.0°、13.4°、15.2°、20.4°、21.6°、24.0°、11.7°および/または18.0°の2θ値のうちの少なくとも8つのXRPD回折角を特徴とする。その他の実施形態において、ニラパリブ(+)-カンフォレートの結晶形態(結晶形態1)は、16.2°、17.5°、20.0°、13.4°、15.2°、20.4°、21.6°、24.0°、11.7°および/または18.0°の2θ値のうちの少なくとも9つのXRPD回折角を特徴とする。
【0187】
複数の実施形態において、ニラパリブ(+)-カンフォレートの結晶形態(結晶形態1)は、16.2°、17.5°、20.0°、13.4°、15.2°および20.4°の2θ値のXRPD回折角を特徴とする。複数の実施形態において、ニラパリブ(+)-カンフォレートの結晶形態(結晶形態1)は、16.2°、17.5°、20.0°、13.4°、15.2°、20.4°および21.6°の2θ値のXRPD回折角を特徴とする。複数の実施形態において、ニラパリブ(+)-カンフォレートの結晶形態(結晶形態1)は、16.2°、17.5°、20.0°、13.4°、15.2°、20.4°、21.6°および24.0の2θ値のXRPD回折角を特徴とする。複数の実施形態において、ニラパリブ(+)-カンフォレートの結晶形態(結晶形態1)は、16.2°、17.5°、20.0°、13.4°、15.2°、20.4°、21.6°、24.0°および11.7°の2θ値のXRPD回折角を特徴とする。複数の実施形態において、ニラパリブ(+)-カンフォレートの結晶形態(結晶形態1)は、16.2°、17.5°、20.0°、13.4°、15.2°、20.4°、21.6°、24.0°、11.7°および18.0°の2θ値のXRPD回折角を特徴とする。
【0188】
複数の実施形態において、ニラパリブ(+)-カンフォレートの結晶形態(結晶形態1)は、16.2°、17.5°、20.0°、13.4°、15.2°、20.4°、21.6°、24.0°、11.7°、18.0°、22.8°、18.9°、14.5°、l4.1°および14.8°の2θ値のうちの1つまたは複数(例えば、10、11、12、13、14または15)のXRPD回折角を特徴とする。その他の実施形態において、ニラパリブ(+)-カンフォレートの結晶形態(結晶形態1)は、16.2°、17.5°、20.0°、13.4°、15.2°、20.4°、21.6°、24.0°、11.7°、18.0°、22.8°、18.9°、14.5°、l4.1°および14.8°の2θ値のうちの少なくとも10;少なくとも11;少なくとも12;少なくとも13;または少なくとも14のXRPD回折角を特徴とする。その他の実施形態において、ニラパリブ(+)-カンフォレートの結晶形態(結晶形態1)は、16.2°、17.5°、20.0°、13.4°、15.2°、20.4°、21.6°、24.0°、11.7°、18.0°、22.8°、18.9°、14.5°、l4.1°および14.8°の2θ値のXRPD回折角を特徴とする。
【0189】
複数の実施形態において、ニラパリブ(+)-カンフォレートの結晶形態(結晶形態1)は、16.2°、17.5°、20.0°、13.4°、15.2°、20.4°、21.6°、24.0°、11.7°、18.0°、22.8°、18.9°、14.5°、14.1°、14.8°、27.6°、26.9°、6.5°、22.3°および/または24.5°の2θ値のうちの1つまたは複数(例えば、15、16、17、18、19または20)のXRPD回折角を特徴とする。その他の実施形態において、ニラパリブ(+)-カンフォレートの結晶形態(結晶形態1)は、16.2°、17.5°、20.0°、13.4°、15.2°、20.4°、21.6°、24.0°、11.7°、18.0°、22.8°、18.9°、14.5°、14.1°、14.8°、27.6°、26.9°、6.5°、22.3°および/または24.5°の2θ値のうちの少なくとも15;少なくとも16;少なくとも17;少なくとも18;または少なくとも19のXRPD回折角を特徴とする。その他の実施形態において、ニラパリブ(+)-カンフォレートの結晶形態(結晶形態1)は、16.2°、17.5°、20.0°、13.4°、15.2°、20.4°、21.6°、24.0°、11.7°、18.0°、22.8°、18.9°、14.5°、14.1°、14.8°、27.6°、26.9°、6.5°、22.3°および24.5°の2θ値のXRPD回折角を特徴とする。
【0190】
上記の任意の実施形態において、ニラパリブ(+)-カンフォレートの結晶形態(結晶形態1)のXRPDパターンは、14.8°、18.0°、22.8°および27.6°の2θ値のうちの1つまたは複数の回折角を含み得る。複数の実施形態において、ニラパリブ(+)-カンフォレートの結晶形態(結晶形態1)のXRPDパターンは、14.8°、18.0°、22.8°および/または27.6°の2θ値のうちの少なくとも2つの回折角を含む。その他の実施形態において、ニラパリブ(+)-カンフォレートの結晶形態(結晶形態1)のXRPDパターンは、14.8°、18.0°、22.8°および/または27.6°の2θ値のうちの少なくとも3つの回折角を含む。
【0191】
複数の実施形態において、ニラパリブ(+)-カンフォレート塩の結晶形態(結晶形態1)のXRPDパターンは、18.0°および/または22.8°の2θ値の回折角を含む。その他の実施形態において、ニラパリブ(+)-カンフォレート塩の結晶形態(結晶形態1)のXRPDパターンは、14.8°、18.0°および22.8°の2θ値の回折角を含む。その他の実施形態において、ニラパリブ(+)-カンフォレート塩の結晶形態(結晶形態1)のXRPDパターンは、18.0°、22.8°および27.6°の2θ値の回折角を含む。その他の実施形態において、ニラパリブ(+)-カンフォレート塩の結晶形態(結晶形態1)のXRPDパターンは、14.8°、18.0°、22.8°および27.6°の2θ値の回折角を含む。
【0192】
複数の実施形態において、ニラパリブ(+)-カンフォレートの結晶形態(結晶形態1)は、実質的に実施例4の表1に記載される2θ値(および場合により相対強度値)を有するXRPD回折角を特徴とする。複数の実施形態において、XRPD回折角の位置は、表1に指定された値の±0.2000°の2θ以内であり、かつ/あるいは、d-面間隔は、表1に指定された値の±0.20000Å以内または±0.10000Å以内である。複数の実施形態において、回折角の高さおよび/または面積は、表1に指定された値の±10%以内または±5%以内である。複数の実施形態において、相対強度は、表1に指定された値の±10%以内または±5%以内である。
【0193】
複数の実施形態において、ニラパリブ(+)-カンフォレートの結晶形態(結晶形態1)は、図3に示される(または実質的に示される)XRPDパターンを特徴とする。
【0194】
複数の実施形態において、ニラパリブ(+)-カンフォレートの結晶形態(結晶形態1)は、約260℃~約270℃の融点を特徴とする。複数の実施形態において、ニラパリブ(+)-カンフォレートの結晶形態(結晶形態1)は、約264℃の融点を特徴とする。
【0195】
例えば、ニラパリブ(+)-カンフォレートの結晶形態(結晶形態1)は、融解の開始(吸熱ピーク)が約264℃であり、かつ/あるいは、ピークの最小値が約268℃であるDSCサーモグラムを特徴とし得る。複数の実施形態において、ニラパリブ(+)-カンフォレートの結晶形態(結晶形態1)は、図5に示される(または実質的に示される)DSCサーモグラムを有することを特徴とし得る。
【0196】
複数の実施形態において、ニラパリブ(+)-カンフォレートの結晶形態(結晶形態1)は、約3359cm-1のピーク、約1693cm-1のピークおよび約1649cm-1のピークを含む赤外線スペクトルを有する(例えば、本明細書に記載のFT-IR法を使用して測定した場合)ことを特徴とする。複数の実施形態において、ニラパリブ(+)-カンフォレートの結晶形態(結晶形態1)は、図2に示される(または実質的に示される)FT-IRスペクトルを有することを特徴とする。
【0197】
複数の実施形態において、ニラパリブ(+)-カンフォレートの結晶形態(結晶形態1)は、吸湿性ではないことを特徴とする。吸湿性は、例えば、GVSによって(例えば、以下の実施例に記載されるように)測定され得る。したがって、複数の実施形態において、ニラパリブ(+)-カンフォレートの結晶形態(結晶形態1)は、90%の相対湿度(例えば、25℃で)において1重量%未満の水を吸着することを特徴とし得る。複数の実施形態において、ニラパリブ(+)-カンフォレートの結晶形態(結晶形態1)は、90%の相対湿度(例えば、25℃で)において約0.3重量%の水を吸着することを特徴とする。複数の実施形態において、ニラパリブ(+)-カンフォレートの結晶形態(結晶形態1)は、図6に示される(または実質的に示される)GVSサーモグラムを特徴とし得る。
【0198】
複数の実施形態において、ニラパリブ(+)-カンフォレートの結晶形態(結晶形態1)は、高温および/または高湿の条件下において安定であることを特徴とし得る。
【0199】
複数の実施形態において、ニラパリブ(+)-カンフォレートの結晶形態(結晶形態1)の実質的にすべて(例えば、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも99%または約100%)は、室温(例えば約25℃)および90%の相対湿度にさらされた場合、同じ形態を保持する(例えば、XRPDによって評価した場合)。その他の実施形態において、ニラパリブ(+)-カンフォレートの結晶形態(結晶形態1)の実質的にすべて(例えば、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも99%または約100%)は、高温(例えば、約30℃、約40℃、約50℃、約60℃または約75℃)および90%の相対湿度にさらされた場合、同じ形態を保持する(例えば、XRPDによって評価した場合)。
【0200】
ニラパリブ(+)-カンフォレートの結晶形態(結晶形態1)は、本明細書に記載の特性安定性、融点、FT-IRスペクトル、示差走査熱量測定サーモグラム、重量法蒸気吸着測定によるサーモグラムまたはXRPD回折角値の任意の組み合わせをさらに特徴とし得る。
【0201】
複数の実施形態において、塩中のカンファー酸に対するニラパリブのモル比は、約1:1である。
【0202】
別の実施形態において、カンフォレートは(lS,3R)-(-)-カンフォレート(以下、「(-)-カンフォレート」と呼ぶ)である。(-)-カンフォレート塩は、イオン化された形態の(1S,3R)-(-)-カンファー酸を含み、これは以下の構造を有する。
【化3】
【0203】
この態様から見た場合、本発明は、2-{4-[(3S)-ピペリジン-3-イル]フェニル}-2H-インダゾール-7-カルボキサミド(ニラパリブ)(-)-カンフォレート、例えば、2-{4-[(3S)-ピペリジン-3-イル]フェニル}-2H-インダゾール-7-カルボキサミド(ニラパリブ)(-)-カンフォレートの結晶形態を提供する。複数の実施形態において、2-{4-[(3S)-ピペリジン-3-イル]フェニル}-2H-インダゾール-7-カルボキサミド(ニラパリブ)(-)-カンフォレートの結晶形態は、2-{4-[(3S)-ピペリジン-3-イル]フェニル}-2H-インダゾール-7-カルボキサミド(ニラパリブ)(-)-カンフォレートの形態1(例えば本明細書に記載)を含む。
【0204】
複数の実施形態において、ニラパリブ(-)-カンフォレートの結晶形態(結晶形態1)は、20.3°、17.4°、16.2°、15.1°および20.2°の2θ値のうちの1つまたは複数(例えば、1つ、2つ、3つ、4つまたは5つ)のXRPD回折角を特徴とする。その他の実施形態において、ニラパリブ(-)-カンフォレートの結晶形態(結晶形態1)は、20.3°、17.4°、16.2°、15.1°および/または20.2°の2θ値のうちの少なくとも2つのXRPD回折角を特徴とする。その他の実施形態において、ニラパリブ(-)-カンフォレートの結晶形態(結晶形態1)は、20.3°、17.4°、16.2°、15.1°および/または20.2°の2θ値のうちの少なくとも3つのXRPD回折角を特徴とする。その他の実施形態において、ニラパリブ(-)-カンフォレートの結晶形態(結晶形態1)は、20.3°、17.4°、16.2°、15.1°および/または20.2°の2θ値のうちの少なくとも4つのXRPD回折角を特徴とする。[0263]
【0205】
複数の実施形態において、ニラパリブ(-)-カンフォレートの結晶形態(結晶形態1)は、20.3°の2θ値のXRPD回折角を特徴とする。複数の実施形態において、ニラパリブ(-)-カンフォレートの結晶形態(結晶形態1)は、20.3°および17.4°の2θ値のXRPD回折角を特徴とする。複数の実施形態において、ニラパリブ(-)-カンフォレートの結晶形態(結晶形態1)は、20.3°、17.4°および16.2°の2θ値のXRPD回折角を特徴とする。複数の実施形態において、ニラパリブ(-)-カンフォレートの結晶形態(結晶形態1)は、20.3°、17.4°および15.1°の2θ値のXRPD回折角を特徴とする。複数の実施形態において、ニラパリブ(-)-カンフォレートの結晶形態(結晶形態1)は、20.3°、17.4°、16.2°および15.1°の2θ値のXRPD回折角を特徴とする。複数の実施形態において、ニラパリブ(-)-カンフォレートの結晶形態は、20.3°、17.4°、16.2°、15.1°および20.2°の2θ値のXRPD回折角を特徴とする。
【0206】
複数の実施形態において、ニラパリブ(-)-カンフォレートの結晶形態(結晶形態1)は、24.4°、19.9°、11.6°、22.3°および22.2°の2θ値のうちの1つまたは複数(例えば、1つ、2つ、3つ、4つまたは5つ)のXRPD回折角を特徴とする。その他の実施形態において、ニラパリブ(-)-カンフォレートの結晶形態(結晶形態1)は、24.4°、19.9°、11.6°、22.3°および/または22.2°の2θ値のうちの少なくとも2つのXRPD回折角を特徴とする。その他の実施形態において、ニラパリブ(-)-カンフォレートの結晶形態(結晶形態1)は、24.4°、19.9°、11.6°、22.3°および/または22.2°の2θ値のうちの少なくとも3つのXRPD回折角を特徴とする。その他の実施形態において、ニラパリブ(-)-カンフォレートの結晶形態(結晶形態1)は、24.4°、19.9°、11.6°、22.3°および/または22.2°の2θ値のうちの少なくとも4つのXRPD回折角を特徴とする。その他の実施形態において、ニラパリブ(-)-カンフォレートの結晶形態(結晶形態1)は、24.4°、19.9°、11.6°、22.3°および22.2°の2θ値のXRPD回折角を特徴とする。
【0207】
複数の実施形態において、ニラパリブ(-)-カンフォレートの結晶形態(結晶形態1)は、20.3°、17.4°、16.2°、15.1°、20.2°、24.4°、19.9°、11.6°、22.3°および/または22.2°の2θ値のうちの1つまたは複数(例えば、6つ、7つ、8つ、9つまたは10)のXRPD回折角を特徴とする。その他の実施形態において、ニラパリブ(-)-カンフォレートの結晶形態(結晶形態1)は、20.3°、17.4°、16.2°、15.1°、20.2°、24.4°、19.9°、11.6°、22.3°および/または22.2°の2θ値のうちの少なくとも6つのXRPD回折角を特徴とする。その他の実施形態において、ニラパリブ(-)-カンフォレートの結晶形態(結晶形態1)は、20.3°、17.4°、16.2°、15.1°、20.2°、24.4°、19.9°、11.6°、22.3°および/または22.2°の2θ値のうちの少なくとも7つのXRPD回折角を特徴とする。その他の実施形態において、ニラパリブ(-)-カンフォレートの結晶形態(結晶形態1)は、20.3°、17.4°、16.2°、15.1°、20.2°、24.4°、19.9°、11.6°、22.3°および/または22.2°の2θ値のうちの少なくとも8つのXRPD回折角を特徴とする。その他の実施形態において、ニラパリブ(-)-カンフォレートの結晶形態(結晶形態1)は、20.3°、17.4°、16.2°、15.1°、20.2°、24.4°、19.9°、11.6°、22.3°および/または22.2°の2θ値のうちの少なくとも9つのXRPD回折角を特徴とする。
【0208】
複数の実施形態において、ニラパリブ(-)-カンフォレートの結晶形態(結晶形態1)は、20.3°、17.4°、16.2°、15.1°、20.2°および24.4°の2θ値のXRPD回折角を特徴とする。複数の実施形態において、ニラパリブ(-)-カンフォレートの結晶形態(結晶形態1)は、20.3°、17.4°、16.2°、15.1°、20.2°、24.4°および19.9°の2θ値のXRPD回折角を特徴とする。複数の実施形態において、ニラパリブ(-)-カンフォレートの結晶形態(結晶形態1)は、20.3°、17.4°、16.2°、15.1°、20.2°、24.4°、19.9°および11.6°の2θ値のXRPD回折角を特徴とする。複数の実施形態において、ニラパリブ(-)-カンフォレートの結晶形態(結晶形態1)は、20.3°、17.4°、16.2°、15.1°、20.2°、24.4°、19.9°、11.6°および22.3°の2θ値のXRPD回折角を特徴とする。ニラパリブ(-)-カンフォレートの結晶形態(結晶形態1)は、20.3°、17.4°、16.2°、15.1°、20.2°、24.4°、19.9°、11.6°、22.3°および22.2°の2θ値のXRPD回折角を特徴とする。
【0209】
複数の実施形態において、ニラパリブ(-)-カンフォレートの結晶形態(結晶形態1)は、20.3°、17.4°、16.2°、15.1°、20.2°、24.4°、19.9°、11.6°、22.3°、22.2°、13.4°、16.0°、26.9°、6.5°および23.9°の2θ値のうちの1つまたは複数(例えば、10、11、12、13、14または15)のXRPD回折角を特徴とする。その他の実施形態において、ニラパリブ(-)-カンフォレートの結晶形態(結晶形態1)は、20.3°、17.4°、16.2°、15.1°、20.2°、24.4°、19.9°、11.6°、22.3°、22.2°、13.4°、16.0°、26.9°、6.5°および/または23.9°の2θ値のうちの少なくとも10;少なくとも11;少なくとも12;少なくとも13;または少なくとも14のXRPD回折角を特徴とする。その他の実施形態において、ニラパリブ(-)-カンフォレートの結晶形態(結晶形態1)は、20.3°、17.4°、16.2°、15.1°、20.2°、24.4°、19.9°、11.6°、22.3°、22.2°、13.4°、16.0°、26.9°、6.5°および23.9°の2θ値のXRPD回折角を特徴とする。
【0210】
複数の実施形態において、ニラパリブ(-)-カンフォレートの結晶形態(結晶形態1)は、20.3°、17.4°、16.2°、15.1°、20.2°、24.4°、19.9°、11.6°、22.3°、22.2°、13.4°、16.0°、26.9°、6.5°、23.9°、18.9°、14.5°、14.0°、21.9°および21.5°の2θ値のうちの1つまたは複数(例えば、15、16、17、18、19または20)のXRPD回折角を特徴とする。その他の実施形態において、ニラパリブ(-)-カンフォレートの結晶形態(結晶形態1)は、20.3°、17.4°、16.2°、15.1°、20.2°、24.4°、19.9°、11.6°、22.3°、22.2°、13.4°、16.0°、26.9°、6.5°、23.9°、18.9°、14.5°、14.0°、21.9°および/または21.5°の2θ値のうちの少なくとも15;少なくとも16;少なくとも17;少なくとも18;または少なくとも19のXRPD回折角を特徴とする。その他の実施形態において、ニラパリブ(-)-カンフォレートの結晶形態(結晶形態1)は、20.3°、17.4°、16.2°、15.1°、20.2°、24.4°、19.9°、11.6°、22.3°、22.2°、13.4°、16.0°、26.9°、6.5°、23.9°、18.9°、14.5°、14.0°、21.9°および21.5°の2θ値のXRPD回折角を特徴とする。
【0211】
上記の任意の実施形態において、ニラパリブ(-)-カンフォレートの結晶形態(結晶形態1)のXRPDパターンは、16.0°および/または21.9°の2θ値の回折角を含み得る。複数の実施形態において、ニラパリブ(-)-カンフォレートの結晶形態(結晶形態1)のXRPDパターンは、16.0°の2θ値の回折角を含む。その他の実施形態において、ニラパリブ(-)-カンフォレートの結晶形態(結晶形態1)のXRPDパターンは、21.9°の2θ値の回折角を含む。その他の実施形態において、ニラパリブ(-)-カンフォレートの結晶形態(結晶形態1)のXRPDパターンは、16.0°および21.9°の2θ値の回折角を含む。
【0212】
複数の実施形態において、ニラパリブ(-)-カンフォレートの結晶形態(結晶形態1)は、実質的に実施例4の表2に記載される2θ値(および場合により相対強度値)を有するXRPD回折角を特徴とする。複数の実施形態において、XRPD回折角の位置は、表2で指定された値の±0.2000°の2θ以内であり、かつ/あるいは、d-面間隔は、表2で指定された値の±0.20000Å以内または±0.10000Å以内である。複数の実施形態において、回折角の高さおよび/または面積は、表2に指定された値の±10%以内または±5%以内である。複数の実施形態において、相対強度は、表2に指定された値の±10%以内または±5%以内である。
【0213】
複数の実施形態において、ニラパリブ(-)-カンフォレートの結晶形態(結晶形態1)は、図9に示される(または実質的に示される)XRPDパターンを特徴とする。
【0214】
複数の実施形態において、ニラパリブ(-)-カンフォレートの結晶形態(結晶形態1)は、約220℃~約230℃の融点を特徴とする。複数の実施形態において、ニラパリブ(-)-カンフォレートの結晶形態(結晶形態1)は、約226℃の融点を特徴とする。
【0215】
例えば、ニラパリブ(-)-カンフォレートの結晶形態(結晶形態1)は、融解の開始(吸熱ピーク)が約226℃であり、かつ/あるいは、ピークの最小値が約230℃であるDSCサーモグラムを特徴とし得る。複数の実施形態において、ニラパリブ(-)-カンフォレートの結晶形態(結晶形態1)は、図11に示される(または実質的に示される)DSCサーモグラムを有することを特徴とし得る。
【0216】
複数の実施形態において、ニラパリブ(-)-カンフォレートの結晶形態(結晶形態1)は、約3367cm-1のピーク、約1693cm-1のピークおよび約1648cm-1のピークを含む赤外線スペクトルを有する(例えば、本明細書に記載のFT-IR法を使用して測定した場合)ことを特徴とする。複数の実施形態において、ニラパリブ(-)-カンフォレートの結晶形態(結晶形態1)は、図8に示される(または実質的に示される)FT-IRスペクトルを有することを特徴とする。
【0217】
複数の実施形態において、ニラパリブ(-)-カンフォレートの結晶形態(結晶形態1)は、吸湿性ではないことを特徴とする。吸湿性は、例えば、GVSによって(例えば、以下の実施例に記載されるように)測定され得る。したがって、複数の実施形態において、ニラパリブ(-)-カンフォレートの結晶形態(結晶形態1)は、90%の相対湿度(例えば、25℃で)において1重量%未満の水を吸着することを特徴とし得る。複数の実施形態において、ニラパリブ(-)-カンフォレートの結晶形態(結晶形態1)は、90%の相対湿度(例えば、25℃で)において約0.2重量%の水を吸着することを特徴とする。複数の実施形態において、ニラパリブ(-)-カンフォレートの結晶形態(結晶形態1)は、図12に示される(または実質的に示される)GVSサーモグラムを特徴とし得る。
【0218】
複数の実施形態において、ニラパリブ(-)-カンフォレートの結晶形態(結晶形態1)は、高温および/または高湿の条件下において安定であることを特徴とし得る。
【0219】
複数の実施形態において、ニラパリブ(-)-カンフォレートの結晶形態(結晶形態1)の実質的にすべて(例えば、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも99%または約100%)は、室温(例えば約25℃)で90%の相対湿度にさらされた場合、同じ形態を保持する(例えば、XRPDによって評価した場合)。その他の実施形態において、ニラパリブ(-)-カンフォレートの結晶形態(結晶形態1)の実質的にすべて(例えば、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも99%または約100%)は、高温(例えば、約30℃、約40℃、約50℃、約60℃または約75℃)で90%の相対湿度にさらされた場合、同じ形態を保持する(例えば、XRPDによって評価した場合)。
【0220】
ニラパリブ(-)-カンフォレートの結晶形態(結晶形態1)は、本明細書に記載の特性安定性、融点、FT-IRスペクトル、示差走査熱量測定サーモグラム、重量法蒸気吸着測定によるサーモグラムまたはXRPD回折角値の任意の組み合わせをさらに特徴とし得る。
【0221】
複数の実施形態において、塩中のカンファー酸に対するニラパリブのモル比は、約1:1である。
【0222】
ニラパリブマンデレート
別の態様において、本発明は、2-{4-[(3S)-ピペリジン-3-イル]フェニル}-2H-インダゾール-7-カルボキサミド(ニラパリブ)のマンデレート塩(「ニラパリブマンデレート」)を提供する。マンデレート塩は、マンデル酸、α-ヒドロキシフェニル酢酸のイオン化形態を含む。好ましい態様において、本発明は、2-{4-[(3S)-ピペリジン-3-イル]フェニル}-2H-インダゾール-7-カルボキサミド(ニラパリブ)マンデレートの結晶形態を提供する。
【0223】
マンデレート塩は、(R)-(-)-マンデレート、(S)-(+)-マンデレート、(rac)-マンデレートおよびそれらの混合物から選択され得る。
【0224】
一実施形態において、マンデレートは(R)-(-)-マンデレートである。(R)-(-)-マンデレート塩は、イオン化された形態の(R)-(-)-マンデレート酸を含み、これは以下の構造を有する。
【化4】
【0225】
この態様から見た場合、本発明は、2-{4-[(3S)-ピペリジン-3-イル]フェニル}-2H-インダゾール-7-カルボキサミド(ニラパリブ)(R)-(-)-マンデレート、例えば、2-{4-[(3S)-ピペリジン-3-イル]フェニル}-2H-インダゾール-7-カルボキサミド(ニラパリブ)(R)-(-)-マンデレートの結晶形態を提供する。複数の実施形態において、2-{4-[(3S)-ピペリジン-3-イル]フェニル}-2H-インダゾール-7-カルボキサミド(ニラパリブ)(R)-(-)-マンデレートの結晶形態は、2-{4-[(3S)-ピペリジン-3-イル]フェニル}-2H-インダゾール-7-カルボキサミド(ニラパリブ)(R)-(-)-マンデレートの形態1(例えば本明細書に記載)を含む。
【0226】
複数の実施形態において、ニラパリブ(R)-(-)-マンデレートの結晶形態(結晶形態1)は、18.5°、16.4°、17.4°、8.6°および/または17.6°の2θ値のうちの1つまたは複数(例えば、1つ、2つ、3つ、4つまたは5つ)のXRPD回折角を特徴とする。その他の実施形態において、ニラパリブ(R)-(-)-マンデレートの結晶形態(結晶形態1)は、18.5°、16.4°、17.4°、8.6°および/または17.6°の2θ値のうちの少なくとも2つのXRPD回折角を特徴とする。その他の実施形態において、ニラパリブ(R)-(-)-マンデレートの結晶形態(結晶形態1)は、18.5°、16.4°、17.4°、8.6°および/または17.6°の2θ値のうちの少なくとも3つのXRPD回折角を特徴とする。その他の実施形態において、ニラパリブ(R)-(-)-マンデレートの結晶形態(結晶形態1)は、18.5°、16.4°、17.4°、8.6°および/または17.6°の2θ値のうちの少なくとも4つのXRPD回折角を特徴とする。
【0227】
複数の実施形態において、ニラパリブ(R)-(-)-マンデレートの結晶形態は、18.5°の2θ値のXRPD回折角を特徴とする。複数の実施形態において、ニラパリブ(R)-(-)-マンデレートの結晶形態(結晶形態1)は、16.4°の2θ値のXRPD回折角を特徴とする。複数の実施形態において、ニラパリブ(R)-(-)-マンデレートの結晶形態(結晶形態1)は、18.5°および16.4°の2θ値のXRPD回折角を特徴とする。複数の実施形態において、ニラパリブ(R)-(-)-マンデレートの結晶形態(結晶形態1)は、18.5°、16.4°および17.4°の2θ値のXRPD回折角を特徴とする。複数の実施形態において、ニラパリブ(R)-(-)-マンデレートの結晶形態(結晶形態1)は、18.5°、16.4°、17.4°および8.6°の2θ値のXRPD回折角を特徴とする。複数の実施形態において、ニラパリブ(R)-(-)-マンデレートの結晶形態(結晶形態1)は、18.5°、16.4°、17.4°、8.6°および17.6°の2θ値のXRPD回折角を特徴とする。
【0228】
複数の実施形態において、ニラパリブ(R)-(-)-マンデレートの結晶形態(結晶形態1)は、8.7°、18.4°、25.1°、27.6°および/または13.7°の2θ値のうちの1つまたは複数(例えば、1つ、2つ、3つ、4つまたは5つ)のXRPD回折角を特徴とする。その他の実施形態において、ニラパリブ(R)-(-)-マンデレートの結晶形態(結晶形態1)は、8.7°、18.4°、25.1°、27.6°および/または13.7°の2θ値のうちの少なくとも2つのXRPD回折角を特徴とする。その他の実施形態において、ニラパリブ(R)-(-)-マンデレートの結晶形態(結晶形態1)は、8.7°、18.4°、25.1°、27.6°および/または13.7°の2θ値のうちの少なくとも3つのXRPD回折角を特徴とする。その他の実施形態において、ニラパリブ(R)-(-)-マンデレートの結晶形態(結晶形態1)は、8.7°、18.4°、25.1°、27.6°および/または13.7°の2θ値のうちの少なくとも4つのXRPD回折角を特徴とする。または13.7°。その他の実施形態において、ニラパリブ(R)-(-)-マンデレートの結晶形態(結晶形態1)は、8.7°、18.4°、25.1°、27.6°および13.7°の2θ値のXRPD回折角を特徴とする。
【0229】
複数の実施形態において、ニラパリブ(R)-(-)-マンデレートの結晶形態(結晶形態1)は、18.5°、16.4°、17.4°、8.6°、17.6°、8.7°、18.4°、25.1°、27.6°および/または13.7°の2θ値のうちの1つまたは複数(例えば、6つ、7つ、8つ、9つまたは10)のXRPD回折角を特徴とする。その他の実施形態において、ニラパリブ(R)-(-)-マンデレートの結晶形態(結晶形態1)は、18.5°、16.4°、17.4°、8.6°、17.6°、8.7°、18.4°、25.1°、27.6°および/または13.7°の2θ値のうちの少なくとも6つのXRPD回折角を特徴とする。その他の実施形態において、ニラパリブ(R)-(-)-マンデレートの結晶形態(結晶形態1)は、18.5°、16.4°、17.4°、8.6°、17.6°、8.7°、18.4°、25.1°、27.6°および/または13.7°の2θ値のうちの少なくとも7つのXRPD回折角を特徴とする。その他の実施形態において、ニラパリブ(R)-(-)-マンデレートの結晶形態(結晶形態1)は、18.5°、16.4°、17.4°、8.6°、17.6°、8.7°、18.4°、25.1°、27.6°および/または13.7°の2θ値のうちの少なくとも8つのXRPD回折角を特徴とする。その他の実施形態において、ニラパリブ(R)-(-)-マンデレートの結晶形態(結晶形態1)は、18.5°、16.4°、17.4°、8.6°、17.6°、8.7°、18.4°、25.1°、27.6°および/または13.7°の2θ値のうちの少なくとも9つのXRPD回折角を特徴とする。
【0230】
複数の実施形態において、ニラパリブ(R)-(-)-マンデレートの結晶形態は、18.5°、16.4°、17.4°、8.6°、17.6°および8.7°の2θ値のXRPD回折角を特徴とする。複数の実施形態において、ニラパリブ(R)-(-)-マンデレートの結晶形態は、18.5°、16.4°、17.4°、8.6°、17.6°、8.7°および18.4°の2θ値のXRPD回折角を特徴とする。複数の実施形態において、ニラパリブ(R)-(-)-マンデレートの結晶形態(結晶形態1)は、18.5°、16.4°、17.4°、8.6°、17.6°、8.7°、18.4°および25.1°の2θ値のXRPD回折角を特徴とする。複数の実施形態において、ニラパリブ(R)-(-)-マンデレートの結晶形態(結晶形態1)は、18.5°、16.4°、17.4°、8.6°、17.6°、8.7°、18.4°、25.1°および27.6°の2θ値のXRPD回折角を特徴とする。複数の実施形態において、ニラパリブ(R)-(-)-マンデレートの結晶形態(結晶形態1)は、18.5°、16.4°、17.4°、8.6°、17.6°、8.7°、18.4°、25.1°、27.6°および13.7°の2θ値のXRPD回折角を特徴とする。
【0231】
複数の実施形態において、ニラパリブ(R)-(-)-マンデレートの結晶形態(結晶形態1)は、18.5°、16.4°、17.4°、8.6°、17.6°、8.7°、18.4°、25.1°、27.6°、13.7°、8.4°、28.7°、28.0°、4.3°および/または21.5°の2θ値のうちの1つまたは複数(例えば、10、11、12、13、14または15)のXRPD回折角を特徴とする。複数の実施形態において、ニラパリブ(R)-(-)-マンデレートの結晶形態(結晶形態1)は、18.5°、16.4°、17.4°、8.6°、17.6°、8.7°、18.4°、25.1°、27.6°、13.7°、8.4°、28.7°、28.0°、4.3°および/または21.5°の2θ値のうちの少なくとも10;少なくとも11;少なくとも12;少なくとも13;または少なくとも14を特徴とする。その他の実施形態において、ニラパリブ(R)-(-)-マンデレートの結晶形態(結晶形態1)は、18.5°、16.4°、17.4°、8.6°、17.6°、8.7°、18.4°、25.1°、27.6°、13.7°、8.4°、28.7°、28.0°、4.3°および21.5°の2θ値のXRPD回折角を特徴とする。
【0232】
複数の実施形態において、ニラパリブ(R)-(-)-マンデレートの結晶形態(結晶形態1)は、18.5°、16.4°、17.4°、8.6°、17.6°、8.7°、18.4°、25.1°、27.6°、13.7°、8.4°、28.7°、28.0°、4.3°、21.5°、27.3°、14.1°、27.7°、12.4°および/または16.1°の2θ値のうちの1つまたは複数(例えば、15、16、17、18、19または20)のXRPD回折角を特徴とする。その他の実施形態において、ニラパリブ(R)-(-)-マンデレートの結晶形態(結晶形態1)は、18.5°、16.4°、17.4°、8.6°、17.6°、8.7°、18.4°、25.1°、27.6°、13.7°、8.4°、28.7°、28.0°、4.3°、21.5°、27.3°、14.1°、27.7°、12.4°および/または16.1°の2θ値のうちの少なくとも15;少なくとも16;少なくとも17;少なくとも18;または少なくとも19のXRPD回折角を特徴とする。その他の実施形態において、ニラパリブ(R)-(-)-マンデレートの結晶形態(結晶形態1)は、18.5°、16.4°、17.4°、8.6°、17.6°、8.7°、18.4°、25.1°、27.6°、13.7°、8.4°、28.7°、28.0°、4.3°、21.5°、27.3°、14.1°、27.7°、12.4°および16.1°の2θ値のXRPD回折角を特徴とする。
【0233】
複数の実施形態において、ニラパリブ(R)-(-)-マンデレートの結晶形態(結晶形態1)は、実質的に実施例4の表3に記載される2θ値(および場合により相対強度値)を有するXRPD回折角を特徴とする。複数の実施形態において、XRPD回折角の位置は、表3で指定された値の±0.2000°の2θ以内であり、かつ/あるいは、d-面間隔は、表3で指定された値の±0.20000Å以内または±0.10000Å以内である。複数の実施形態において、回折角の高さおよび/または面積は、表3に指定された値の±10%以内または±5%以内である。複数の実施形態において、相対強度は、表3に指定された値の±10%以内または±5%以内である。
【0234】
複数の実施形態において、ニラパリブ(R)-(-)-マンデレートの結晶形態(結晶形態1)は、図15に示される(または実質的に示される)XRPDパターンを特徴とする。
【0235】
複数の実施形態において、ニラパリブ(R)-(-)-マンデレートの結晶形態(結晶形態1)は、約190℃~約200℃の融点を特徴とする。複数の実施形態において、ニラパリブ(R)-(-)-マンデレートの結晶形態(結晶形態1)は、約197℃の融点を特徴とする。
【0236】
複数の実施形態において、ニラパリブ(R)-(-)-マンデレートの結晶形態(結晶形態1)は、融解の開始(吸熱ピーク)が約197℃であり、かつ/あるいは、ピークの最小値が約201℃であるDSCサーモグラムを特徴とする。複数の実施形態において、ニラパリブ(R)-(-)-マンデレートの結晶形態(結晶形態1)は、図18に示される(または実質的に示される)DSCサーモグラムを有することを特徴とする。
【0237】
複数の実施形態において、ニラパリブ(R)-(-)-マンデレートの結晶形態(結晶形態1)は、約3443cm-1のピーク、約3340cm-1のピーク、約1671cm-1のピークおよび約1638cm-1のピークを含む赤外線スペクトルを有する(例えば、本明細書に記載のFT-IR法を使用して測定した場合)ことを特徴とする。複数の実施形態において、ニラパリブ(R)-(-)-マンデレートの結晶形態(結晶形態1)は、図14に示される(または実質的に示される)FT-IRスペクトルを有することを特徴とする。
【0238】
複数の実施形態において、ニラパリブ(R)-(-)-マンデレートの結晶形態(結晶形態1)は、吸湿性ではないことを特徴とする。吸湿性は、例えば、GVSによって(例えば、以下の実施例に記載されるように)測定され得る。したがって、複数の実施形態において、ニラパリブ(R)-(-)-マンデレートの結晶形態(結晶形態1)は、90%の相対湿度(例えば、25℃で)において1重量%未満の水を吸着することを特徴とし得る。複数の実施形態において、ニラパリブ(R)-(-)-マンデレートの結晶形態(結晶形態1)は、90%の相対湿度(例えば、25℃で)において約0.5重量%の水を吸着することを特徴とする。複数の実施形態において、ニラパリブ(R)-(-)-マンデレートの結晶形態(結晶形態1)は、図19に示される(または実質的に示される)DVSサーモグラムを特徴とし得る。
【0239】
複数の実施形態において、ニラパリブ(R)-(-)-マンデレートの結晶形態(結晶形態1)は、高温および/または高湿の条件下において安定であることを特徴とし得る。
【0240】
複数の実施形態において、ニラパリブ(R)-(-)-マンデレートの結晶形態(結晶形態1)の実質的にすべて(例えば、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも99%または約100%)は、室温(例えば約25℃)および90%の相対湿度にさらされた場合、同じ形態を保持する(例えば、XRPDによって評価した場合)。その他の実施形態において、ニラパリブ(R)-(-)-マンデレートの結晶形態(結晶形態1)の実質的にすべて(例えば、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも99%または約100%)は、高温(例えば、約30℃、約40℃、約50℃、約60℃または約75℃)および90%の相対湿度にさらされた場合、同じ形態を保持する(例えば、XRPDによって評価した場合)。
【0241】
複数の実施形態において、ニラパリブ((R)-(-)-マンデレートの結晶形態(結晶形態1)は、図18に示される(または実質的に示される)構造を特徴とし得る。
【0242】
ニラパリブ(R)-(-)-マンデレートの結晶形態(結晶形態1)は、本明細書に記載の特性安定性、融点、FT-IRスペクトル、示差走査熱量測定サーモグラム、走査型の動的蒸気吸着によるサーモグラムまたは単結晶X線結晶解析もしくはXRPD回折角値により決定される構造の任意の組み合わせをさらに特徴とし得る。
【0243】
ニラパリブカムシレート
別の態様において、本発明は、2-{4-[(3S)-ピペリジン-3-イル]フェニル}-2H-インダゾール-7-カルボキサミド(ニラパリブ)のカムシレート塩(「ニラパリブカムシレート」)を提供する。カムシレート塩は、7,7-ジメチル-2-オキソビシクロ[2.2.1]ヘプタン-1-イル)メタンスルホン酸のイオン化形態を含む。好ましい態様において、本発明は、結晶性2-{4-[(3S)-ピペリジン-3-イル]フェニル}-2H-インダゾール-7-カルボキサミド(ニラパリブ)カムシレートを提供する。
【0244】
カムシレート塩は、(1S)-(+)-カムシレート、(1R)-(-)-カムシレート、(rac)-マンデレートおよびそれらの混合物から選択され得る。
【0245】
一実施形態において、カムシレートは(1S)-(+)-カムシレートである。(1S)-(+)-カムシレート塩は、イオン化された形態の(1S)-(+)-7,7-ジメチル-2-オキソビシクロ[2.2.1]ヘプタン-1-イル)メタンスルホン酸を含み、これは以下の構造を有する。
【化5】
【0246】
この態様から見た場合、本発明は、2-{4-[(3S)-ピペリジン-3-イル]フェニル}-2H-インダゾール-7-カルボキサミド(ニラパリブ)(1S)-(+)-カムシレート、例えば、2-{4-[(3S)-ピペリジン-3-イル]フェニル}-2H-インダゾール-7-カルボキサミド(ニラパリブ)(1S)-(+)-カムシレートの結晶形態を提供する。複数の実施形態において、2-{4-[(3S)-ピペリジン-3-イル]フェニル}-2H-インダゾール-7-カルボキサミド(ニラパリブ)(1S)-(+)-カムシレートの結晶形態は、2-{4-[(3S)-ピペリジン-3-イル]フェニル}-2H-インダゾール-7-カルボキサミド(ニラパリブ)(1S)-(+)-カムシレートの形態1(例えば本明細書に記載)を含む。
【0247】
複数の実施形態において、ニラパリブ(1S)-(+)-カムシレートの結晶形態(結晶形態1)は、16.0°、13.5°、17.6°、24.3°および/または24.6°の2θ値のうちの1つまたは複数(例えば、1つ、2つ、3つ、4つまたは5つ)のXRPD回折角を特徴とする。その他の実施形態において、ニラパリブ(1S)-(+)-カムシレートの結晶形態は、16.0°、13.5°、17.6°、24.3°および/または24.6°の2θ値のうちの少なくとも2つのXRPD回折角を特徴とする。その他の実施形態において、ニラパリブ(1S)-(+)-カムシレートの結晶形態は、16.0°、13.5°、17.6°、24.3°および/または24.6°の2θ値のうちの少なくとも3つのXRPD回折角を特徴とする。その他の実施形態において、ニラパリブ(1S)-(+)-カムシレートの結晶形態は、16.0°、13.5°、17.6°、24.3°および/または24.6°の2θ値のうちの少なくとも4つのXRPD回折角を特徴とする。
【0248】
複数の実施形態において、ニラパリブ(1S)-(+)-カムシレートの結晶形態(結晶形態1)は、16.0°の2θ値のXRPD回折角を特徴とする。複数の実施形態において、ニラパリブ(1S)-(+)-カムシレートの結晶形態(結晶形態1)は、16.0°および13.5°の2θ値のXRPD回折角を特徴とする。複数の実施形態において、ニラパリブ(1S)-(+)-カムシレートの結晶形態(結晶形態1)は、16.0°および17.6°の2θ値のXRPD回折角を特徴とする。複数の実施形態において、ニラパリブ(1S)-(+)-カムシレートの結晶形態(結晶形態1)は、16.0°、13.5°および17.6°の2θ値のXRPD回折角を特徴とする。複数の実施形態において、ニラパリブ(1S)-(+)-カムシレートの結晶形態(結晶形態1)は、16.0°、13.5°、17.6°および24.3°の2θ値のXRPD回折角を特徴とする。複数の実施形態において、ニラパリブ(1S)-(+)-カムシレートの結晶形態(結晶形態1)は、16.0°、13.5°、17.6°、24.3°および24.6°の2θ値のXRPD回折角を特徴とする。
【0249】
複数の実施形態において、ニラパリブ(1S)-(+)-カムシレートの結晶形態(結晶形態1)は、11.1°、16.4°、23.7°、16.7°および/または20.3°の2θ値のうちの1つまたは複数(例えば、1つ、2つ、3つ、4つまたは5つ)のXRPD回折角を特徴とする。その他の実施形態において、ニラパリブ(1S)-(+)-カムシレートの結晶形態(結晶形態1)は、11.1°、16.4°、23.7°、16.7°および/または20.3°の2θ値のうちの少なくとも2つのXRPD回折角を特徴とする。その他の実施形態において、ニラパリブ(1S)-(+)-カムシレートの結晶形態(結晶形態1)は、11.1°、16.4°、23.7°、16.7°および/または20.3°の2θ値のうちの少なくとも3つのXRPD回折角を特徴とする。その他の実施形態において、ニラパリブ(1S)-(+)-カムシレートの結晶形態(結晶形態1)は、11.1°、16.4°、23.7°、16.7°および/または20.3°の2θ値のうちの少なくとも4つのXRPD回折角を特徴とする。その他の実施形態において、ニラパリブ(1S)-(+)-カムシレートの結晶形態(結晶形態1)は、11.1°、16.4°、23.7°、16.7°および/または20.3°の2θ値のXRPD回折角を特徴とする。
【0250】
複数の実施形態において、ニラパリブ(1S)-(+)-カムシレートの結晶形態(結晶形態1)は、16.0°、13.5°、17.6°、24.3°、24.6°、11.1°、16.4°、23.7°、16.7°および/または20.3°の2θ値のうちの1つまたは複数(例えば、6つ、7つ、8つ、9つまたは10)のXRPD回折角を特徴とする。その他の実施形態において、ニラパリブ(1S)-(+)-カムシレートの結晶形態は、16.0°、13.5°、17.6°、24.3°、24.6°、11.1°、16.4°、23.7°、16.7°および/または20.3°の2θ値のうちの少なくとも6つのXRPD回折角を特徴とする。その他の実施形態において、ニラパリブ(1S)-(+)-カムシレートの結晶形態(結晶形態1)は、16.0°、13.5°、17.6°、24.3°、24.6°、11.1°、16.4°、23.7°、16.7°および/または20.3°の2θ値のうちの少なくとも7つのXRPD回折角を特徴とする。その他の実施形態において、ニラパリブ(1S)-(+)-カムシレートの結晶形態(結晶形態1)は、16.0°、13.5°、17.6°、24.3°、24.6°、11.1°、16.4°、23.7°、16.7°および/または20.3°の2θ値のうちの少なくとも8つのXRPD回折角を特徴とする。その他の実施形態において、ニラパリブ(1S)-(+)-カムシレートの結晶形態(結晶形態1)は、16.0°、13.5°、17.6°、24.3°、24.6°、11.1°、16.4°、23.7°、16.7°および/または20.3°の2θ値のうちの少なくとも9つのXRPD回折角を特徴とする。
【0251】
複数の実施形態において、ニラパリブ(1S)-(+)-カムシレートの結晶形態(結晶形態1)は、16.0°、13.5°、17.6°、24.3°、24.6°および11.1°の2θ値のXRPD回折角を特徴とする。複数の実施形態において、ニラパリブ(1S)-(+)-カムシレートの結晶形態(結晶形態1)は、16.0°、13.5°、17.6°、24.3°、24.6°、11.1°および16.4°の2θ値のXRPD回折角を特徴とする。複数の実施形態において、ニラパリブ(1S)-(+)-カムシレートの結晶形態(結晶形態1)は、16.0°、13.5°、17.6°、24.3°、24.6°、11.1°、16.4°および23.7°の2θ値のXRPD回折角を特徴とする。複数の実施形態において、ニラパリブ(1S)-(+)-カムシレートの結晶形態(結晶形態1)は、16.0°、13.5°、17.6°、24.3°、24.6°、11.1°、16.4°、23.7°および16.7°の2θ値のXRPD回折角を特徴とする。複数の実施形態において、ニラパリブ(1S)-(+)-カムシレートの結晶形態(結晶形態1)は、16.0°、13.5°、17.6°、24.3°、24.6°、11.1°、16.4°、23.7°、16.7°および20.3°の2θ値のXRPD回折角を特徴とする。
【0252】
複数の実施形態において、ニラパリブ(1S)-(+)-カムシレートの結晶形態(結晶形態1)は、16.0°、13.5°、17.6°、24.3°、24.6°、11.1°、16.4°、23.7°、16.7°、20.3°、6.7°、25.2°、25.0°、25.8°および/または26.8°の2θ値のうちの1つまたは複数(例えば、10、11、12、13、14または15)のXRPD回折角を特徴とする。その他の実施形態において、ニラパリブ(1S)-(+)-カムシレートの結晶形態は、16.0°、13.5°、17.6°、24.3°、24.6°、11.1°、16.4°、23.7°、16.7°、20.3°、6.7°、25.2°、25.0°、25.8°および/または26.8°の2θ値のうちの少なくとも10個;少なくとも11;少なくとも12;少なくとも13;または少なくとも14のXRPD回折角を特徴とする。その他の実施形態において、ニラパリブ(1S)-(+)-カムシレートの結晶形態は、16.0°、13.5°、17.6°、24.3°、24.6°、11.1°、16.4°、23.7°、16.7°、20.3°、6.7°、25.2°、25.0°、25.8°および26.8°のXRPD回折角を特徴とする。
【0253】
複数の実施形態において、ニラパリブ(1S)-(+)-カムシレートの結晶形態(結晶形態1)は、16.0°、13.5°、17.6°、24.3°、24.6°、11.1°、16.4°、23.7°、16.7°、20.3°、6.7°、25.2°、25.0°、25.8°、26.8°、22.8°、9.5°、16.9°、14.3°および/または7.7°の2θ値のうちの1つまたは複数(例えば、15、16、17、18、19または20)のXRPD回折角を特徴とする。その他の実施形態において、ニラパリブ(1S)-(+)-カムシレートの結晶形態(結晶形態1)は、16.0°、13.5°、17.6°、24.3°、24.6°、11.1°、16.4°、23.7°、16.7°、20.3°、6.7°、25.2°、25.0°、25.8°、26.8°、22.8°、9.5°、16.9°、14.3°および/または7.7°の2θ値のうちの少なくとも15;少なくとも16;少なくとも17;少なくとも18;または少なくとも19のXRPD回折角を特徴とする。その他の実施形態において、ニラパリブ(1S)-(+)-カムシレートの結晶形態(結晶形態1)は、16.0°、13.5°、17.6°、24.3°、24.6°、11.1°、16.4°、23.7°、16.7°、20.3°、6.7°、25.2°、25.0°、25.8°、26.8°、22.8°、9.5°、16.9°、14.3°および/または7.7°の2θ値のXRPD回折角を特徴とする。
【0254】
上記の任意の実施形態において、ニラパリブ(1S)-(+)-カムシレートの結晶形態(結晶形態1)のXRPDパターンは、6.7°、16.4°、23.7°および/または25.2°の2θ値のうちの1つまたは複数の回折角を含み得る。複数の実施形態において、ニラパリブ(1S)-(+)-カムシレートの結晶形態(結晶形態1)のXRPDパターンは、6.7°、16.4°、23.7°および/または25.2°の2θ値のうちの少なくとも2つの回折角を含む。その他の実施形態において、ニラパリブ(1S)-(+)-カムシレートの結晶形態のXRPDパターンは、6.7°、16.4°、23.7°および/または25.2°の2θ値のうち少なくとも3つの回折角を含む。
【0255】
複数の実施形態において、ニラパリブ(1S)-(+)-カムシレートの結晶形態(結晶形態1)のXRPDパターンは、16.4°の2θ値の回折角を含む。複数の実施形態において、ニラパリブ(1S)-(+)-カムシレートの結晶形態(結晶形態1)のXRPDパターンは、16.4°および23.7°の2θ値の回折角を含む。複数の実施形態において、ニラパリブ(1S)-(+)-カムシレートの結晶形態(結晶形態1)のXRPDパターンは、6.7°、16.4°および23.7°の2θ値の回折角を含む。複数の実施形態において、ニラパリブ(1S)-(+)-カムシレートの結晶形態(結晶形態1)のXRPDパターンは、6.7°、16.4°、23.7°および25.2°の2θ値の回折角を含む。
【0256】
複数の実施形態において、ニラパリブ(1S)-(+)-カムシレートの結晶形態(結晶形態1)は、実質的に実施例4の表4に記載される2θ値(および場合により相対強度値)を有するXRPD回折角を特徴とする。複数の実施形態において、XRPD回折角の位置は、表4で指定された値の±0.2000°の2θ以内であり、かつ/あるいは、d-面間隔は、表4で指定された値の±0.20000Å以内または±0.10000Å以内である。複数の実施形態において、回折角の高さおよび/または面積は、表4に指定された値の±10%以内または±5%以内である。複数の実施形態において、相対強度は、表4に指定された値の±10%以内または±5%以内である。
【0257】
複数の実施形態において、ニラパリブ(1S)-(+)-カムシレートの結晶形態(結晶形態1)は、図22に示される(または実質的に示される)XRPDパターンを特徴とする。
【0258】
複数の実施形態において、ニラパリブ(1S)-(+)-カムシレートの結晶形態(結晶形態1)は、約235℃~約245℃の融点を特徴とする。複数の実施形態において、ニラパリブ(1S)-(+)-カムシレートの結晶形態(結晶形態1)は、約239℃の融点を特徴とする。
【0259】
複数の実施形態において、ニラパリブ(1S)-(+)-カムシレートの結晶形態(結晶形態1)は、融解の開始(吸熱ピーク)が約235℃であり、かつ/あるいは、ピークの最小値が約246℃であるDSCサーモグラムを特徴とする。複数の実施形態において、ニラパリブ(1S)-(+)-カムシレートの結晶形態は、図24に示される(または実質的に示される)DSCサーモグラムを有することを特徴とする。
【0260】
複数の実施形態において、ニラパリブ(1S)-(+)-カムシレートの結晶形態(結晶形態1)は、約3306cm-1のピーク、約1724cm-1のピーク、約1660cm-1のピークおよび約1611cm-1のピークを含む赤外線スペクトルを有する(例えば、本明細書に記載のFT-IR法を使用して測定した場合)ことを特徴とする。複数の実施形態において、ニラパリブ(1S)-(+)-カムシレートの結晶形態(結晶形態1)は、図21に示される(または実質的に示される)FT-IRスペクトルを有することを特徴とする。
【0261】
複数の実施形態において、ニラパリブ(1S)-(+)-カムシレートの結晶形態(結晶形態1)は、わずかに吸湿性であることを特徴とする。吸湿性は、例えば、GVSによって(例えば、以下の実施例に記載されるように)測定され得る。したがって、複数の実施形態において、ニラパリブ(1S)-(+)-カムシレートの結晶形態(結晶形態1)は、90%の相対湿度(例えば、25℃で)において2重量%未満の水を吸着することを特徴とし得る。複数の実施形態において、ニラパリブ(1S)-(+)-カムシレートの結晶形態(結晶形態1)は、90%の相対湿度(例えば、25℃で)において約1.3重量%の水を吸着することを特徴とする。複数の実施形態において、ニラパリブ(1S)-(+)-カムシレートの結晶形態(結晶形態1)は、図25に示される(または実質的に示される)GVSサーモグラムを特徴とし得る。
【0262】
複数の実施形態において、ニラパリブ(1S)-(+)-カムシレートの結晶形態(結晶形態1)は、高温および/または高湿の条件下において安定であることを特徴とし得る。
【0263】
複数の実施形態において、ニラパリブ(1S)-(+)-カムシレートの結晶形態(結晶形態1)の実質的にすべて(例えば、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも99%または約100%)は、室温(例えば約25℃)および90%の相対湿度にさらされた場合、同じ形態を保持する(例えば、XRPDによって評価した場合)。その他の実施形態において、ニラパリブ(1S)-(+)-カムシレートの結晶形態(結晶形態1)の実質的にすべて(例えば、少なくとも90%、少なくとも95%、少なくとも99%または約100%)は、高温(例えば、約30℃、約40℃、約50℃、約60℃または約75℃)および90%の相対湿度にさらされた場合、同じ形態を保持する(例えば、XRPDによって評価した場合)。
【0264】
ニラパリブ(1S)-(+)-カムシレートの結晶形態(結晶形態1)は、本明細書に記載の特性安定性、融点、FT-IRスペクトル、示差走査熱量測定サーモグラム、重量法蒸気吸着測定によるサーモグラムまたはXRPD回折角値の任意の組み合わせをさらに特徴とし得る。
【0265】
溶解度
本発明のニラパリブ塩は、医薬調合物にとって望ましい特性(特に、望ましい溶解度特性を含む)を有する。この態様から見た場合、本発明は、少なくとも水性媒体において1mg/mLの溶解度を有する(例えば、本明細書に記載の)2-{4-[(3S)-ピペリジン-3-イル]フェニル}-2H-インダゾール-7-カルボキサミド(ニラパリブ)カンフォレート、2-{4-[(3S)-ピペリジン-3-イル]フェニル}-2H-インダゾール-7-カルボキサミド(ニラパリブ)マンデレートまたは2-{4-[(3S)-ピペリジン-3-イル]フェニル}-2H-インダゾール-7-カルボキサミド(ニラパリブ)カムシレートを提供する。
【0266】
「水性媒体」とは、水と場合により緩衝剤および/またはpH調製剤として作用する1つまたは複数のイオン種とを含む液体媒体を意味する。別の溶媒、例えば有機溶媒は、媒体中に存在し、これは、好ましくは、溶液の50体積%未満(例えば、溶液の20体積%未満、15%体積未満、10%体積未満、5体積%未満または1体積%未満)を表す。例示的な水性媒体には、水と実施例10に記載の緩衝液とが含まれる。
【0267】
複数の実施形態において、2-{4-[(3S)-ピペリジン-3-イル]フェニル}-2H-インダゾール-7-カルボキサミド(ニラパリブ)塩は、水性媒体において少なくとも1mg/mLの溶解度を有し、ここで、水性媒体のpHは1~7である。複数の実施形態において、ニラパリブ塩は、水性媒体において少なくとも1mg/mLの溶解度を有し、ここで、水性媒体のpHは、1~5、例えば、1~3、1~2または約1である。その他の実施形態において、ニラパリブ塩は、水性媒体において少なくとも1mg/mLの溶解度を有し、ここで、水性媒体のpHは、約4.5または約6.8である。複数の実施形態において、水性媒体は、7未満のpHを有する。複数の実施形態において、水性媒体は水のみからなるわけではない。
【0268】
複数の実施形態において、ニラパリブ塩の溶解度は、少なくとも1.2mg/mLである。複数の実施形態において、ニラパリブ塩の溶解度は、少なくとも1.5mg/mL、例えば、少なくとも2.0mg/mL、少なくとも2.5mg/mL、少なくとも3.0mg/mL、少なくとも3.5mg/mL、少なくとも4.0mg/mL、少なくとも4.5mg/mLまたは少なくとも5.0mg/mLである。複数の実施形態において、ニラパリブ塩の溶解度は、少なくとも7mg/mL、例えば、少なくとも少なくとも8mg/mL、少なくとも9mg/mL、少なくとも10mg/mL、少なくとも11mg/mL、少なくとも12mg/mL、少なくとも13mg/mL、少なくとも14mg/mL、少なくとも15mg/mL、少なくとも16mg/mL、少なくとも17mg/mL、少なくとも18mg/mL、少なくとも19mg/mLまたは少なくとも20mg/mLである。複数の実施形態において、ニラパリブ塩の溶解度は、少なくとも25mg/mL、例えば、少なくとも30mg/mL、少なくとも35mg/mL、少なくとも40mg/mL、少なくとも45mg/mL、少なくとも50mg/mL、少なくとも60mg/mL、少なくとも70mg/mL、少なくとも80mg/mL、少なくとも90mg/mLまたは少なくとも100mg/mLである。複数の実施形態において、ニラパリブ塩の溶解度は、少なくとも125mg/mL、例えば、少なくとも150mg/mL、少なくとも175mg/mLまたは少なくとも200mg/mLである。
【0269】
複数の実施形態において、(例えば、ニラパリブ(1R,3S)-(+)-カンフォレートの結晶形態1などの、本明細書に記載の)2-{4-[(3S)-ピペリジン-3-イル]フェニル}-2H-インダゾール-7-カルボキサミド(ニラパリブ)カンフォレートは、約6.8のpHを有する水性媒体において少なくとも1mg/mL(例えば、約1.2mg/mL)の溶解度を有する。複数の実施形態において、ニラパリブカンフォレートは、p約1のpHを有する水性媒体において少なくとも10mg/mL(例えば、少なくとも15mg/mL、少なくとも20mg/mLまたは約21mg/mL)の溶解度を有する。
【0270】
複数の実施形態において、(例えば、ニラパリブ(R)-(-)-マンデレートの結晶形態1などの、本明細書に定義の)2-{4-[(3S)-ピペリジン-3-イル]フェニル}-2H-インダゾール-7-カルボキサミド(ニラパリブ)マンデレートは、約6.8のpHを有する水性媒体において少なくとも5mg/mL(例えば、約7.8mg/mL)の溶解度を有する。複数の実施形態において、ニラパリブマンデレートは、水において少なくとも10mg/mL(例えば、少なくとも20mg/mL、少なくとも30mg/mL、少なくとも40mg/mLまたは約45mg/mL)の溶解度を有する。複数の実施形態において、ニラパリブマンデレートは、約4.5のpHを有する水性媒体において少なくとも20mg/mL(例えば、少なくとも30mg/mL、少なくとも40mg/mL、少なくとも50mg/mLまたは約54mg/mL)の溶解度を有する。複数の実施形態において、ニラパリブマンデレートは、約1のpHを有する水性媒体において少なくとも50mg/mL(例えば、少なくとも75mg/mL、少なくとも100mg/mL、少なくとも125mg/mL、少なくとも150mg/mLまたは約163mg/mL)の溶解度を有する。
【0271】
複数の実施形態において、(例えば、ニラパリブ(1S)-(+)-カムシレートの結晶形態1などの、本明細書に定義の)2-{4-[(3S)-ピペリジン-3-イル]フェニル}-2H-インダゾール-7-カルボキサミド(ニラパリブ)カムシレートは、約6.8のpHを有する水性媒体において少なくとも1mg/mL(例えば、少なくとも1.5mg/mLまたは約1.7mg/mL)の溶解度を有する。複数の実施形態において、ニラパリブカムシレートは、水において少なくとも2.5mg/mL(例えば、少なくとも3.0mg/mL、少なくとも4.0mg/mL、少なくとも5.0mg/mLまたは約5.9mg/mL)の溶解度を有する。複数の実施形態において、ニラパリブカムシレートは、約4.5のpHを有する水性媒体において少なくとも3.0mg/mL(例えば、少なくとも4.0mg/mL、少なくとも5.0mg/mL、少なくとも6.0mg/mLまたは約7.1mg/mL)の溶解度を有する。複数の実施形態において、ニラパリブカムシレートは、約1のpHを有する水性媒体において少なくとも5.0mg/mL(例えば、少なくとも7.5mg/mL、少なくとも10.0mg/mLまたは約11.5mg/mL)の溶解度を有する。
【0272】
本明細書で定義される2-{4-[(3S)-ピペリジン-3-イル]フェニル}-2H-インダゾール-7-カルボキサミド(ニラパリブ)塩の溶解度を測定するための方法は、当業者には明らかであろう。複数の実施形態において、本明細書で定義される塩の溶解度を測定するための方法は、実施例10に記載の方法である。
【0273】
医薬組成物
別の態様において、本発明は、2-{4-[(3S)-ピペリジン-3-イル]フェニル}-2H-インダゾール-7-カルボキサミド(ニラパリブ)のカンフォレート塩、マンデレート塩またはカムシレート塩(例えば、本明細書に記載の塩)と、少なくとも1種の薬学的に許容される賦形剤とを含んでなる医薬組成物を提供する。
【0274】
複数の実施形態において、医薬組成物は、結晶性2-{4-[(3S)-ピペリジン-3-イル]フェニル}-2H-インダゾール-7-カルボキサミド(ニラパリブ)カンフォレート(例えば、本明細書に記載の結晶性2-{4-[(3S)-ピペリジン-3-イル]フェニル}-2H-インダゾール-7-カルボキサミド(ニラパリブ)(+)-カンフォレートまたは結晶性2-{4-[(3S)-ピペリジン-3-イル]フェニル}-2H-インダゾール-7-カルボキサミド(ニラパリブ)(-)-カンフォレート)を含んでなる。複数の実施形態において、医薬組成物は、結晶性2-{4-[(3S)-ピペリジン-3-イル]フェニル}-2H-インダゾール-7-カルボキサミド(ニラパリブ)マンデレート(例えば、本明細書に記載の結晶性2-{4-[(3S)-ピペリジン-3-イル]フェニル}-2H-インダゾール-7-カルボキサミド(ニラパリブ)(R)-(-)-マンデレート)を含んでなる。複数の実施形態において、医薬組成物は、結晶性2-{4-[(3S)-ピペリジン-3-イル]フェニル}-2H-インダゾール-7-カルボキサミド(ニラパリブ)カムシレート(例えば、本明細書に記載の結晶性2-{4-[(3S)-ピペリジン-3-イル]フェニル}-2H-インダゾール-7-カルボキサミド(ニラパリブ)(1S)-(+)-カムシレートを含んでなる。
【0275】
複数の実施形態において、医薬組成物は、約20~80重量%の上記ニラパリブ塩、例えば、約45~70重量%、約40~50重量%、約45~55重量%、約50~60重量%、約55~65重量%、約60~70重量%、約65~75重量%、約70~80重量%または約40~60重量%の上記ニラパリブ塩を含んでなる(ここで、重量%は、医薬組成物の重量のパーセンテージとして上記塩中に存在するニラパリブ遊離塩基の重量に基づく)。
【0276】
医薬組成物は、少なくとも1種の薬学的に許容可能な賦形剤を含んでなる。薬学的に許容可能な賦形剤は、当技術分野で既知の任意の賦形剤、例えば、Remington's Pharmaceutical Sciences, Mack Publishing Co. (A. R. Gennaro edit. 1985)に記載の賦形剤であり得る。本開示の化合物の医薬組成物は、当技術分野で既知の従来の手段、例えば、少なくとも1種の本開示の化合物を薬学的に許容可能な賦形剤と混合することによって調製することができる。
【0277】
本明細書に開示される医薬組成物の目的のための例示的な薬学的に許容可能な賦形剤には、結合剤、崩壊剤、超崩壊剤、潤滑剤、希釈剤、充填剤、香味料、流動促進剤、吸着剤(sorbent)、可溶化剤、キレート剤、乳化剤、増粘剤、分散剤、安定化剤、懸濁剤、吸着剤(adsorbent)、造粒剤、防腐剤、緩衝剤、着色剤および甘味料、またはそれらの組み合わせが含まれるが、これらに限定されない。複数の実施形態において、薬学的に許容可能な賦形剤は、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、例えば、低置換ヒドロキシプロピルメチルセルロースを含む。複数の実施形態において、薬学的に許容可能な賦形剤は、ラクトース、例えば、ラクトース一水和物を含む。複数の実施形態において、薬学的に許容可能な賦形剤は、ステアリン酸マグネシウムを含む。いくつかの実施形態において、薬学的に許容可能な賦形剤は、ラクトース一水和物およびステアリン酸マグネシウムである。
【0278】
様々な有用な充填剤または希釈剤には、炭酸カルシウム(Barcroft(商標)、MagGran(商標)、Millicarb(商標)、Pharma-Carb(商標)、Precarb(商標)、Sturcal(商標)、VivapresCa(商標))、リン酸カルシウム無水二塩基(EmcompressAnhydrous(商標)、Fujicalin(商標))、リン酸カルシウム二塩基性二水和物(Calstar(商標)、Di-Cafos(商標)、Emcompress(商標))、リン酸カルシウム三塩基性(Tri-Cafos(商標)、TRI-TAB(商標))、硫酸カルシウム(Destab(商標)、Drierite(商標)、SnowWhite(商標)、Cal-Tab(商標)、Compactrol(商標))、粉末セルロース(Arbocel(商標)、Elcema(商標)、Sanacet(商標))、シリカ化微結晶性セルロース、酢酸セルロース、圧縮性糖(Di-Pac(商標))、製菓用糖、デキストレート(dextrates)(Candex(商標)、Emdex(商標))、デキストリン(Avedex(商標)、Caloreen(商標)、Primogran W(商標))、デキストロース(Caridex(商標)、Dextrofin(商標)、Tab fine D-IOO(商標))、フルクトース(Fructofin(商標)、Krystar(商標))、カオリン(Lion(商標)、Sim 90(商標))、ラクチトール(Finlac DC(商標)、Finlac MCX(商標))、ラクトース(Anhydrox(商標)、CapsuLac(商標)、Fast-Flo(商標)、FlowLac(商標)、GranuLac(商標)、InhaLac(商標)、Lactochem(商標)、Lactohaie(商標)、Lactopress(商標)、Microfme(商標)、Microtose(商標)、Pharmatose(商標)、Prisma Lac(商標)、Respitose(商標)、SacheLac(商標)、SorboLac(商標)、Super-Tab(商標)、Tablettose(商標)、Wyndale(商標)、Zeparox(商標))、ラクトース一水和物、炭酸マグネシウム、酸化マグネシウム(MagGran MO(商標))、マルトデキストリン(C*Dry MD(商標)、Lycatab DSH(商標)、Maldex(商標)、Maitagran(商標)、Maltrin(商標)、Maltrin QD(商標)、Paselli MD 10 PH(商標)、Star-Dri(商標))、マルトース(Advantose 100(商標))、マンニトール(Mannogem(商標)、Pearlitol(商標))、微結晶性セルロース(AvicelPH(商標)、Celex(商標)、Celphere(商標)、Ceolus KG(商標)、Emcocel(商標)、Pharmacel(商標)、Tabulose(商標)、Vivapur(商標))、ポリデキストロース(Litesse(商標))、シメチコン(Dow Corning Q7-2243 LVA(商標)、Cow Corning Q7-2587(商標)、Sentry Simethicone(商標))、アルギン酸ナトリウム(Keltone(商標)、Protanal(商標))、塩化ナトリウム(Alberger(商標))、ソルビトール(Liponec 70-NC(商標)、Liponic 76-NCv、Meritol(商標)、Neosorb(商標)、Sorbitol Instant(商標)、Sorbogem(商標))、でんぷん(FlufiexW(商標)、Instant Pure-Cote(商標)、Melojei(商標)、Meritena Paygel 55(商標)、Perfectamyl D6PH(商標)、Pure-Cote(商標)、Pure-Dent(商標)、Pure-Gel(商標)、Pure-Set(商標)、Purity 21(商標)、Purity 826(商標)、Tablet White(商標))、アルファ化デンプン、スクロース、トレハロースおよびキシリトール、またはそれらの混合物が含まれるが、これらに限定されない。複数の実施形態において、充填剤は、ラクトース一水和物を含む。
【0279】
複数の実施形態において、組成物は、約5~90重量%の充填剤を含んでなり、例えば、充填剤は、約10~80重量%、約15~70重量%、約20~60重量%または約25~50重量%の量で存在する。例えば、組成物は、約40重量%、約45重量%、約50重量%、約55重量%、約60重量%、約65重量%、約70重量%、約75重量%または約80重量%の充填剤を含んでなってもよい。複数の実施形態において、組成物は、約25mg~約1000mgの充填剤を含んでなり、例えば、充填剤は、約50mg~約750mg、約100mg~約600mg、約150mg~約500mgまたは約200mg~約450mgの量で存在する。例えば、組成物は、約250mg、約275mg、約300mg、約325mg、約350mg、約375mg、約400mg、約425mg、約450mg、約475mgまたは約500mgの充填剤を含んでなってもよい。
【0280】
様々な有用な潤滑剤には、ステアリン酸カルシウム(HyQual(商標))、モノステアリン酸グリセリン(Imwitor(商標)191および900;Kessco GMS5(商標)、450および600;Myvaplex 600P(商標);Myvatex(商標);Rita GMS(商標);Stepan GMS(商標);Tegin(商標);Tegin(商標)503および515;Tegin 4100(商標);Tegin M(商標);Unimate GMS(商標))、ベヘン酸グリセリル(Compritol 888 ATO(商標))、パルミトステアリン酸グリセリル(Precirol ATO 5(商標))、硬化ヒマシ油(Castorwax MP 80(商標)、Croduret(商標)、Cutina HR(商標)、Fancol(商標)、Simulsol 1293(商標))、硬化植物油0タイプI(Sterotex(商標)、Dynasan P60(商標)、Hydrocote(商標)、Lipovol HS-K(商標)、Sterotex HM(商標))、ラウリル硫酸マグネシウム、ステアリン酸マグネシウム、中鎖トリグリセリド(Captex 300(商標)、Labrafac CC(商標)、Miglyol 810(商標)、Neobee M5(商標)、Nesatol(商標)、Waglinol 3/9280(商標))、ポロキサマー(Pluronic(商標)、Synperonic(商標))、ポリエチレン 5 グリコール(Carbowax Sentry(商標)、Lipo(商標)、Lipoxol(商標)、Lutrol E(商標)、Pluriol E(商標))、ナトリウム安息香酸塩(Antimol(商標))、塩化ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム(Elfan 240(商標)、Texapon K1 2P(商標))、ステアリルフマル酸ナトリウム(Pruv(商標))、ステアリン酸(Hystrene(商標)、industrene(商標)、Kortacid 1895(商標)、Pristerene(商標))、タルク(Altaic(商標)、Luzenac(商標)、Luzenac Pharma(商標)、Magsil Osmanthus(商標)、0 Magsil Star(商標)、Superiore(商標))、ステアリン酸スクロース(Surfhope SE Pharma D-1803 F(商標))およびステアリン酸亜鉛(HyQual(商標))またはそれらの混合物が含まれるが、これらに限定されない。適切な潤滑剤の例には、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸、タルク、ベヘン酸グリセリル、ポリエチレングリコール、ポリエチレンオキシドポリマー、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸マグネシウム、オレイン酸ナトリウム、ステアリルフマル酸ナトリウム、DL-ロイシン、コロイダルシリカが含まれるが、これらに限定されない。複数の実施形態において、潤滑剤はステアリン酸マグネシウムを含む。
【0281】
複数の実施形態において、組成物は、約0.1~5重量%の潤滑剤を含んでなり、例えば、潤滑剤は、約0.2~2重量%、約0.3~1重量%、約0.4~0.75重量%または約0.5~0.7重量%の量で存在する。例えば、組成物は、約0.3重量%、約0.4重量%、約0.5重量%、約0.6重量%、約0.7重量%または約0.8重量%の潤滑剤を含んでなってもよい。複数の実施形態において、組成物は、約0.01mg~約10mgの潤滑剤を含んでなり、潤滑剤は、約0.01mg~約0.05mg、約0.05mg~約0.1mg、約0.1mg~約0.2mg、約0.2mg~約0.25mg、約0.25mg~約0.5mg、約0.5mg~約0.75mg、約0.7mg~約0.95mg、約0.9mg~約1.15mg、約1.1mg~約1.35mg、約1.3mg~約1.5mg、約1.5mg~約1.75mg、約1.75mg~約1.95mg、約1.9mg~約2.15mg、約2.1mg~約2.35mg、約2.3mg~約2.55mg、約2.5mg~約2.75mg、約2.7mg~約3.0mg、約2.9mg~約3.15mg、約3.1mg~約3.35mg、約3.3mg~約3.5mg、約3.5mg~約3.75mg、約3.7mg~約4.0mg、約4.0mg~約4.5mg、約4.5mg~約5.0mg、約5.0mg~約5.5mg、約5.5mg~約6.0mg、約6.0mg~約6.5mg、約6.5mg~約7.0mg、約7.0mg~約7.5mg、約7.5mg~約8.0mg、約8.0mg~約8.5mg、約8.5mg~約9.0mg、約9.0mg~約9.5mgまたは約9.5mg~約10.0mgの量で存在する。例えば、組成物は、重量で約0.01mg、約0.05mg、約0.1mg、約0.2mg、約0.25mg、約0.5mg、約0.7mg、約0.9mg、約1.1mg、約1.3mg、約1.5mg、約1.7mg、約1.9mg、約2.mg、約2.3mg、約2.5mg、約2.75mg、約3.0mg、約3.1mg、約3.3mg、約3.5mg、約3.7mg、約4.0mg、約4.5mg、約5.0mg、約5.5mg、約6.0mg、約6.5mg、約7.0mg、約7.5mg、約8.0mg、約8.5mg、約9.0mg、約9.5mgまたは約10.0mgの潤滑剤を含んでなってもよい。
【0282】
様々な有用な崩壊剤には、アルギン酸(Protacid(商標)、SatialgineH8(商標))、リン酸カルシウム三塩基性(TRI-TAB(商標))、カルボキシメチルセルロースカルシウム(ECG505(商標))、カルボキシメチルセルロースナトリウム(Akucell(商標)、Finnfix(商標)、Nymcel TyloseCB(商標))、コロイド状二酸化ケイ素(Aerosil(商標)、Cab-O-Sil(商標)、WackerHDK(商標))、クロスカルメロースナトリウム(Ac-Di-Sol(商標)、Pharmacel XL(商標)、Primellose(商標)、Solutab(商標)、Vivasol(商標))、クロスポビドン(Collison CL(商標)、Collison CL-M(商標)、Polyplasdone XL(商標))、ドキュセートナトリウム、グアーガム(Meyprodor(商標)、Meyprofm(商標)、Meyproguar(商標))、低置換ヒドロキシプロピルセルロース、ケイ酸アルミニウムマグネシウム(Magnabite(商標)、Neusilin(商標)、Pharmsorb(商標)、Veegum(商標))、メチルセルロース(Methocel(商標)、Metolose(商標))、微結晶性セルロース(Avicel PH(商標)、Ceoius KG(商標)、Emcoel(商標)、Ethispheres(商標)、Fibrocel(商標)、Pharmacel(商標)、Vivapur(商標))、ポピドン(Collison(商標)、Plasdone(商標))アルギン酸ナトリウム(Kelcosol(商標)、Ketone(商標)、Protanal(商標))、デンプングリコール酸ナトリウム、ポラクリリンカリウム(Amberlite IRP88(商標))、シリカ化微結晶性セルロース(ProSotv(商標))、デンプン(Aytex P(商標)、Fluftex W(商標)、Melojel(商標)、Meritena(商標)、Paygel 55(商標)、Perfectamyl D6PH(商標)、Pure-Bind(商標)、Pure-Cote(商標)、Pure-Dent(商標)、Purity 21(商標)、Purity 826(商標)、Tablet White(商標))またはアルファ化デンプン(LycatabPGS(商標)、Merigel(商標)、National 78-1551(商標)、Pharma-Gel(商標)、Prejel(商標)、Sepistab ST 200(商標)、Spress B820(商標)、Starch 1500 G(商標)、Tablitz(商標)、Unipure LD(商標))、またはそれらの混合物が含まれるが、これらに限定されない。複数の実施形態において、組成物は、約0~約10重量%の崩壊剤を含んでなる。
【0283】
様々な有用な流動促進剤には、三塩基性リン酸カルシウム(TRI-TAB(商標))、ケイ酸カルシウム、粉末セルロース(Sanacel(商標)、Solka-Floe(商標))、コロイド状二酸化ケイ素(Aerosil(商標)、Cab-O-Sil M-5P(商標)、Wacker HDK(商標))、ケイ酸マグネシウム、三ケイ酸マグネシウム、デンプン(Melojel(商標)、Meritena(商標)、Paygel 55(商標)、Perfectamyl D6PH(商標)、Pure-Bind(商標)、Pure-Cote(商標)、Pure-Dent(商標)、Pure-Gel(商標)、Pure-Set(商標)、Purity 21(商標)、Purity 826(商標)、Tablet White(商標))およびタルク(Luzenac Pharma(商標)、Magsil Osmanthus(商標)、Magsil Star(商標)、Superiore(商標))、またはそれらの混合物が含まれるが、これらに限定されない。複数の実施形態において、組成物は、約0~約15重量%の流動促進剤を含んでなる。
【0284】
薬学的に許容可能な界面活性剤には、医薬剤形での使用に適した非イオン性およびイオン性界面活性剤の両方が含まれるが、これらに限定されない。イオン性界面活性剤は、陰イオン性、陽イオン性または双性イオン性界面活性剤のうちの1種または2種以上を含み得る。様々な有用な界面活性剤には、ラウリル硫酸ナトリウム;オリオキシエチレンソルビタンのモノオレエート、モノラウレート、モノパルミテート、モノステアレートもしくは別のエステル;ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム;レシチン;ステアリン酸アルコール;セトステアリルアルコール;コレステロール;ポリオキシエチレンリシンオイル;ポリオキシエチレン脂肪酸グリセリド;ポロキサマー;またはその他の市販の共処理界面活性剤(co-processed surfactant)、例えば、SEPITRAP(登録商標)80もしくはSEPITRAP(登録商標)4000;およびそれらの混合物が含まれるが、これらに限定されない。複数の実施形態において、組成物は、約0~約5重量%の界面活性剤を含んでなる。
【0285】
複数の実施形態において、本開示の固形医薬組成物は、ニラパリブのカンフォレート塩、マンデレート塩またはカムシレート塩(例えば、本明細書に記載の塩)、希釈剤および潤滑剤を含んでなる。複数の実施形態において、固形医薬組成物は、ニラパリブのカンフォレート塩、マンデレート塩またはカムシレート塩(例えば、本明細書に記載の塩)、ラクトース一水和物およびステアリン酸マグネシウムを含んでなる。
【0286】
複数の実施形態において、本開示の固形医薬組成物は、(組成物の重量で)約20~60%の2-{4-[(3S)-ピペリジン-3-イル]フェニル}-2H-インダゾール-7-カルボキサミド(ニラパリブ)塩、約20~80%の希釈剤および約0.1~5%の潤滑剤を含んでなる。複数の実施形態において、医薬組成物は、(組成物の重量で)約40~60%のニラパリブ塩、約40~70%の希釈剤(例えば、ラクトース一水和物)および約0.2~2%の潤滑剤(例えば、ステアリン酸マグネシウム)を含んでなる。
【0287】
医薬組成物は、例えば、所望の放出プロファイルを提供するための様々な比率のヒドロキシプロピルメチルセルロース;その他のポリマーマトリックス、リポソームおよび/またはミクロスフェアを使用することにより、その活性成分の徐放、持続放出または制御放出を提供するように調合することができる。医薬組成物はまた、場合により乳白剤を含んでなることができ、例えば、腸溶コーティングを使用することにより、有効成分のみを、または有効成分を優先的に、胃腸管の特定の部分で、放出する(場合により遅延して放出する)組成物であり得る。埋め込み組成物の例には、高分子物質およびワックスが含まれる。有効成分はまた、適切な場合には、当技術分野で周知の1種または2種以上の薬学的に許容可能な担体、賦形剤または希釈剤(例えば、Remington’sを参照)とともにマイクロカプセル化された形態であり得る。現在開示されている化合物は、当業者に周知の方法に従って持続送達用に調合することができる。そのような調合物の例は、米国特許第3,119,742号、第3,492,397号、第3,538,214号、第4,060,598号および第4,173,626号に見出すことができる。
【0288】
合成
本開示の2-{4-[(3S)-ピペリジン-3-イル]フェニル}-2H-インダゾール-7-カルボキサミド(ニラパリブ)塩は、例えば、ニラパリブ遊離塩基から、例えば、適切な酸の存在下でニラパリブ遊離塩基をスラリー化することにより、調製され得る。
【0289】
本開示のニラパリブ塩は、結晶形態で調製可能である。結晶形態の塩を得るために様々な技術を使用することができる。これらの技術には、溶媒系からの調製、例えば、溶媒の蒸発、冷却、および/または1種または2種以上の貧溶媒(例えば、TBME)の添加による調製が含まれる。これらの技術はまた、塩を加熱(例えば、融点に近いかそれを超えて)して、冷却することをも含み得る。溶液中での結晶化は、種(seeding)の有無にかかわらず実行可能である。本明細書に開示されるニラパリブの結晶性塩を調製する際に使用するための例示的な溶媒には、アセトン、アセトニトリル、エタノール、酢酸エチル、メタノール、THFおよびそれらの混合物が含まれる。場合によっては、本開示の結晶性塩は、有機溶媒、例えば、メタノールからの再結晶化によって得られてもよい。
【0290】
本開示のニラパリブ塩、例えば、結晶性塩の調製方法は、以下の実施例に示されている。
【0291】
本開示のニラパリブ塩およびその結晶形態を調製するための代替方法は、当業者の一般的な知識および本出願の教示に基づいて、当業者には明らかであろう。例えば、当業者は、本開示のニラパリブ塩のアモルファス形態を、例えば、適切な塩の溶液を噴霧乾燥することによって得られ得ることを理解するであろう。
【0292】
医学的適応
本明細書に記載の2-{4-[(3S)-ピペリジン-3-イル]フェニル}-2H-インダゾール-7-カルボキサミド(ニラパリブ)塩および医薬組成物は、療法、特に対象におけるPARP-1およびPARP-2媒介性の状態の治療的処置において有用である。PARP-1およびPARP-2媒介性の状態を処置する方法は、WO2018/005818に記載されている。
【0293】
特定の実施形態において、本明細書に記載のニラパリブ塩は、異なる形態のニラパリブ(例えば、結晶性ニラパリブトシレート一水和物)の投与と比較して、改善された治療上の利益を提供し得る。複数の実施形態において、改善された治療上の利益は、異なる形態のニラパリブで観察される望ましくない副作用の発生率および/または重症度の変化(例えば、低下)であり得る。複数の実施形態において、望ましくない副作用は、血小板減少症、貧血、好中球減少症、白血球減少症、動悸、悪心、便秘、嘔吐、腹痛/腹部膨満、粘膜炎/口内炎、下痢、消化不良、口渇、倦怠感/無力症、食欲減退、尿路感染症、AST/ALT上昇、筋肉痛、背中の痛み、関節痛、頭痛、めまい、味覚異常、不眠症、不安、鼻咽頭炎、呼吸困難、咳、発疹または高血圧である。複数の実施形態において、望ましくない副作用は、血液学的副作用(例えば、血小板減少症、貧血、好中球減少症または白血球減少症)である。複数の実施形態において、望ましくない副作用は、非血液学的副作用である。複数の実施形態において、望ましくない副作用は、心血管作用(例えば、動悸)である。複数の実施形態において、望ましくない副作用は、胃腸障害(例えば、悪心、便秘、嘔吐、腹痛/腹部膨満、粘膜炎/口内炎、下痢、消化不良または口渇)である。複数の実施形態において、望ましくない副作用は、倦怠感または無力症である。複数の実施形態において、望ましくない副作用は、代謝または栄養障害(例えば、食欲減退)である。複数の実施形態において、望ましくない副作用は、感染または侵入(infestation)(例えば、尿路感染症)である。複数の実施形態において、望ましくない副作用は、AST/ALTの上昇である。複数の実施形態において、望ましくない副作用は、筋骨格または結合組織障害(例えば、筋肉痛、背中の痛みまたは関節痛)である。複数の実施形態において、望ましくない副作用は、神経系障害(頭痛、めまいまたは味覚障害)である。複数の実施形態において、望ましくない副作用は、精神障害(例えば、不眠症または不安)である。複数の実施形態において、望ましくない副作用は、呼吸器、胸腔または縦隔の障害(例えば、鼻咽頭炎、呼吸困難または咳)である。複数の実施形態において、望ましくない副作用は、皮膚または皮下組織の障害(例えば、発疹)である。複数の実施形態において、望ましくない副作用は、血管障害(例えば、高血圧症)である。
【0294】
複数の実施形態において、望ましくない副作用は、骨髄異形成症候群/急性骨髄性白血病である。複数の実施形態において、望ましくない副作用は、骨髄抑制である。
【0295】
本明細書に記載の方法に従って処置される対象には、脊椎動物、例えば、哺乳動物が含まれる。好ましい実施形態において、哺乳動物はヒト患者である。
【0296】
一態様において、本開示は、療法に使用するための、ニラパリブのカンフォレート塩、マンデレート塩またはカムシレート塩(例えば、本明細書に記載の塩)を提供する。また、医薬の製造における、ニラパリブのカンフォレート塩、マンデレート塩またはカムシレート塩(例えば、本明細書に記載の塩)の使用も提供される。
【0297】
別の態様において、本開示は、対象における癌、脳卒中、自己免疫性糖尿病、神経疾患、炎症性疾患、代謝性疾患または心血管疾患を処置する方法であって、ニラパリブのカンフォレート塩、マンデレート塩またはカムシレート塩(例えば、本明細書に記載の塩)の有効量を対象に投与することを含んでなる、方法を提供する。また、癌、脳卒中、自己免疫性糖尿病、神経疾患、炎症性疾患、代謝性疾患または心血管疾患を処置する方法に使用するためのニラパリブのカンフォレート塩、マンデレート塩またはカムシレート塩(例えば、本明細書に記載の塩)も提供される。さらに提供されるのは、癌、脳卒中、自己免疫性糖尿病、神経疾患、炎症性疾患、代謝性疾患または心血管疾患を処置する方法で使用するための医薬の製造におけるニラパリブのカンフォレート塩、マンデレート塩またはカムシレート塩(例えば、本明細書に記載の塩)の使用である。
【0298】
さらなる態様において、本開示は、対象におけるPARP-1および/またはPARP-2媒介性の状態を処置する方法であって、ニラパリブのカンフォレート塩、マンデレート塩またはカムシレート塩(例えば、本明細書に記載の塩)の有効量を対象に投与する方法を提供する。また、PARP-1および/またはPARP-2媒介性の状態を処置する方法で使用するためのニラパリブのカンフォレート塩、マンデレート塩またはカムシレート塩(例えば、本明細書に記載の塩)も提供される。さらに提供されるのは、PARP-1および/またはPARP-2媒介性の状態を処置する方法で使用するための医薬の製造におけるニラパリブのカンフォレート塩、マンデレート塩またはカムシレート塩(例えば、本明細書に記載の塩)の使用である。
【0299】
腫瘍性状態(癌)
PARP阻害剤は、BRCA1やBRCA2などの既存のDNA修復欠陥を伴う腫瘍に対する単剤療法としての、およびDNA損傷を誘発する抗がん剤と併用した場合の併用療法としての活性を示す。卵巣癌の処置におけるいくつかの進歩にもかかわらず、ほとんどの患者は最終的に再発し、追加の処置に対するその後の応答はしばしば期間が限定される。生殖細胞系におけるBRCA1変異またはBRCA2変異を有する女性は、高悪性度漿液性卵巣癌(HGSOC)を発症するリスクが高く、その腫瘍はPARP阻害剤による処置に特に感受性であるようである。さらに、公表された科学文献では、生殖細胞系におけるBRCA1変異もBRCA2変異も有さない白金感受性HGSOCの患者も、PARP阻害剤による処置から臨床的利益を経験する可能性があることが示されている。PARP阻害剤はDNA修復を阻害するため、BRCA変異を有する癌細胞との関連で、PARP阻害は合成致死性をもたらす。このため、BRCA遺伝子に生殖細胞変異がある患者は、PARP阻害剤による処置後に顕著な臨床的利益を示す。
【0300】
一実施形態において、処置される状態は、癌、特に、DNA修復欠陥、例えば、BRCA1変異および/またはBRCA2変異に関連する癌である。
【0301】
複数の実施形態において、癌は再発性癌である。
【0302】
複数の実施形態において、癌は、乳癌、卵巣癌、子宮頸癌、上皮性卵巣癌、卵管癌、原発性腹膜癌、子宮内膜癌、前立腺癌、精巣癌、膵臓癌、食道癌、頭頸部癌、胃癌、膀胱癌、肺癌(例えば、腺癌、NSCLCおよびSCLC)、骨癌(例えば、骨肉腫)、結腸癌、直腸癌、甲状腺癌、脳および中枢神経系癌、神経膠芽細胞腫、神経芽細胞腫、神経内分泌癌、ラブドイド癌、角化棘細胞腫、類表皮癌、セミノーマ、黒色腫、肉腫(例、脂肪肉腫)、膀胱癌、肝臓癌(例えば、肝細胞癌)、腎臓癌(例えば、腎細胞癌)、骨髄性障害(例えば、AML、CML、骨髄異形成症候群および前骨髄球性白血病)、およびリンパ性障害(例えば、白血病、多発性骨髄腫、マントル細胞リンパ腫、ALL、CLL、B細胞リンパ腫、T細胞リンパ腫、ホジキンリンパ腫、非ホジキンリンパ腫、毛細胞リンパ腫)であり、本明細書に記載の化合物および方法で処置し得る
【0303】
癌は、頭頸部癌、乳癌(例えば、転移性乳癌)、前立腺癌(例えば、転移性前立腺癌)、精巣癌、卵巣癌、子宮内膜癌、結腸癌、直腸癌、肺癌(例えば、非小細胞性肺癌)、膀胱癌、膵臓癌(例えば、転移性膵臓癌)、脳および中枢神経系癌(例えば、原発性悪性脳腫瘍)、神経内分泌癌、ラブドイド癌、婦人科癌、腹膜癌、皮膚癌、甲状腺癌、食道癌、子宮頸癌、胃癌、肝臓癌、胃癌、腎細胞癌、胆道癌、血液癌、骨癌、血液癌から選択され得る。
【0304】
複数の実施形態において、癌は、結腸直腸癌、大腸癌、頭頸部癌、セミノーマ、肉腫、肺癌、肺腺癌、膀胱癌、バレット腺癌、腎臓癌、類表皮癌および肝臓癌から選択される。複数の実施形態において、癌は、膠芽腫、星状細胞腫、黒色腫(例えば、転移性黒色腫)、中皮腫、骨髄腫、角化棘細胞腫、神経芽細胞腫、組織球性リンパ腫およびリンパ球性白血病から選択される。複数の実施形態において、癌は、進行期の固形腫瘍であり得る固形腫瘍(例えば、悪性固形腫瘍)である。
【0305】
複数の実施形態において、癌は婦人科癌であり、例えば、卵巣癌、卵管癌、腹膜癌、乳癌から選択される。いくつかの実施形態において、婦人科癌は、HRDおよび/またはBRCA1/2変異に関連する。いくつかの実施形態において、婦人科癌は白金感受性である。その他の実施形態において、婦人科癌は白金感受性ではない。複数の実施形態において、婦人科癌は、以前は白金に基づく療法に(例えば、部分的または完全に)応答したが、その後に白金に基づく療法に対する耐性を発達させている。
【0306】
複数の実施形態において、癌は、卵巣癌(例えば、上皮性卵巣癌)、卵管癌または腹膜癌(例えば、原発性腹膜癌)である。その他の実施形態において、癌は乳癌である。
【0307】
いくつかの実施形態において、本発明の方法は、卵巣癌を有する対象を処置する。いくつかの実施形態において、本発明の方法は、上皮性卵巣癌を有する対象を処置する。いくつかの実施形態において、本発明の方法は、卵管癌を有する対象を処置する。いくつかの実施形態において、本発明の方法は、原発性腹膜癌を有する対象を処置する。いくつかの実施形態において、本発明の方法は、再発性卵巣癌を有する対象を処置する。いくつかの実施形態において、本発明の方法は、再発性上皮性卵巣癌を有する対象を処置する。いくつかの実施形態において、本発明の方法は、再発性卵管癌を有する対象を処置する。いくつかの実施形態において、本発明の方法は、再発性原発性腹膜癌を有する対象を処置する。
【0308】
いくつかの実施形態において、本発明の方法は、化学療法、例えば、白金に基づく化学療法に対する完全または部分的な応答の後に再発性卵巣癌を有する対象を処置する。いくつかの実施形態において、本発明の方法は、化学療法、例えば、白金に基づく化学療法に対する完全または部分的な応答の後に再発性上皮性卵巣癌を有する対象を処置する。いくつかの実施形態において、本発明の方法は、化学療法、例えば、白金に基づく化学療法に対する完全または部分的な応答の後に再発性卵管癌を有する対象を処置する。いくつかの実施形態において、本発明の方法は、化学療法、例えば、白金に基づく化学療法に対する完全または部分的な応答の後に再発性原発性腹膜癌を有する対象を処置する。
【0309】
いくつかの実施形態において、本発明の方法は、白金に基づく化学療法に対する完全または部分的な応答後の再発性卵巣癌、再発性上皮性卵巣癌、再発性卵管癌および/または再発性原発性腹膜癌を有する対象を治療し、ここで、対象は最新の白金含有レジメンから8週間以内に処置を開始する。例えば、対象は、最新の白金含有レジメンの約7週間後にニラパリブによる処置を開始することができる。例えば、対象は、最新の白金含有レジメンの約6週間後にニラパリブによる治療を開始することができる。例えば、対象は、最新の白金含有レジメンの約6週間後にニラパリブによる治療を開始することができる。例えば、対象は、最新の白金含有レジメンの約5週間後にニラパリブによる治療を開始することができる。例えば、対象は、最新の白金含有レジメンの約4週間後にニラパリブによる治療を開始することができる。例えば、対象は、最新の白金含有レジメンの約3週間後にニラパリブによる治療を開始することができる。例えば、対象は、最新の白金含有レジメンの約2週間後にニラパリブによる治療を開始することができる。例えば、対象は、最新の白金含有レジメンの約1週間後にニラパリブによる治療を開始することができる。
【0310】
複数の実施形態において、この方法は、HRD陽性状態を示す対象の癌を処置する。いくつかの実施形態において、対象は、BRCA1および/またはBRCA2に変異がないことをさらに特徴とする。HRD陽性状態は、患者サンプルにおいていくつかの指標となる染色体異常領域(Indicator Chromosomal Aberration region)を定量化することによって決定され得る。いくつかの実施形態において、対象からの腫瘍サンプルは、HRD陽性状態を有する。
【0311】
その他の実施形態において、方法は、HRDの非存在を示す対象、例えば、白金感受性の再発性卵巣癌を有する対象の癌を処置する。HRDの欠如は、染色体異常(3つの重複するカテゴリー:ヘテロ接合性の喪失、対立遺伝子の不均衡(例えば、テロメアの対立遺伝子の不均衡)または大規模な転移のうちの少なくとも1つに分類され得る染色体DNAの検出可能な変異)の欠如を特徴とし得る。
【0312】
複数の実施形態において、本明細書に記載の方法は、DNA修復経路に関与する少なくとも1種の遺伝子の欠損に関連する癌を処置する。DNA修復には、様々な経路、例えば、塩基除去修復(BER)、直接修復(DR)、二本鎖切断(DSB)修復、相同組換え修復(HRR)、ミスマッチ修復(MMR)、ヌクレオチド除去修復(NER)および非相同末端結合(NHEJ)修復が存在する。これらの経路の混乱は、癌の発症および/または成長につながる可能性がある(例えば、Kelley et al., Future Oncol., 10(7):1215-1237, 2014参照)。
【0313】
DNA修復経路に関与する例示的な遺伝子を表Aに記載する。
【表5】
【0314】
複数の実施形態において、方法は、BRCA1にもBRCA2にも生殖細胞変異がないことを示す対象の癌を処置する。いくつかの実施形態において、この方法は、BRCA1にもBRCA2にも生殖細胞変異がないことを示す白金感受性腫瘍を有する対象の癌を処置する。
【0315】
一態様において、本発明は、表Aに記載された少なくとも1種の遺伝子が欠損している癌患者を特定することを含む、癌を処置する方法を特徴とする。
【0316】
複数の実施形態において、本明細書に記載の方法は、相同組換え修復(HRR)経路に関与する少なくとも1種の遺伝子の欠損に関連する癌を処置する。複数の実施形態において、欠損は非BRCA欠損である。複数の実施形態において、欠損は、RFC2、XRCC6、POLD2、PCNA、RPA1、RPA2、ERCC3、UNG、ERCC5、MLH1、LIG1、MSH6、POLD4、RFC5、DDB2///LHX3、POLD1、FANCG、POLB、XRCC1、MPG、ERCC1、TDG、FANCA、RFC4、RFC3、APEX2、RADI、EXO1、FEN1、MLH3、MGMT、RAD51、XRCC4、RECQL、ERCC8、FANCC、OGGI、MRE11A、RAD52、WRN、XPA、BLM、MSH3、POLE2、RAD51C、LIG4、ERCC6、LIG3、RAD17、XRCC2、MUTYH、RFC1、RAD50、DDB1、XRCC5、PARP1、POLE3、XPC、MSH2、RPA3、MBD4、NTHL1、PMS2///PMS2CL、UNG2、APEX1、ERCC4、RECQL5、MSH5、POLD3、ERCC2、RECQL4、PMS1、ZFP276、POLE、XRCC3、NBN、SMUG1、FANCF、NEILI、FANCE、ATM、ATR、BAP1、BARD1、BRIP1、PALB2、RAD51B、RAD51DおよびRAD54Lからなる群から選択された2種もしくは3種以上、3種もしくは4種以上、4種もしくは5種以上、5種もしくは6種以上、6種もしくは7種以上、7種もしくは8種以上、8種もしくは9種以上、9種もしくは10種以上、10種もしくは11種以上、11種もしくは12種以上、12種もしくは13種以上、13種もしくは14種以上、14種もしくは15種以上、15種もしくは16種以上、16種もしくは17種以上、17種もしくは18種以上、18種もしくは19種以上、19種もしくは20種以上、20種もしくは21種以上、21種もしくは22種以上、22種もしくは23種以上、23種もしくは24種以上、24種もしくは25種以上、25種もしくは26種以上、26種もしくは27種以上、27種もしくは28種以上、28種もしくは29種以上、29種もしくは30種以上、または30種もしくは31種以上の遺伝子に存在する。
【0317】
複数の実施形態において、表Bに記載された16種の遺伝子のうちの少なくとも1種に起因するHRR欠損を有する癌患者は、本明細書に記載された方法から利益を得ることができる。
【0318】
【表6】
【0319】
複数の実施形態において、HRR経路に関与する遺伝子の欠損は、事前に指定された遺伝子パネルを使用して特定される。複数の実施形態において、事前に指定された遺伝子パネルは、表Aまたは表Bに記載された遺伝子、あるいはそれらの任意の組み合わせを含む。複数の実施形態において、事前に指定された遺伝子パネルは、ATM、ATR、BAP1、BARD1、BLM、BRIP1、MRE11A、NBN、PALB2、RAD51、RAD51B、RAD51C、RAD51D、RAD52、RAD54LおよびXRCC2のうちの少なくとも1種、ならびにそれらの任意の組み合わせと;BRCA1およびBRCA2のうちの少なくとも1種とを含む。複数の実施形態において、事前に指定された遺伝子パネルは、ATM、ATR、BAP1、BARD1、BLM、BRIP1、MRE11A、NBN、PALB2、RAD51、RAD51B、RAD51C、RAD51D、RAD52、RAD54LおよびXRCC2のそれぞれと;BRCA1およびBRCA2のうちの少なくとも1種とを含む。複数の実施形態において、事前に指定された遺伝子パネルは、ATM、ATR、BAP1、BARD1、BLM、BRIP1、MRE11A、NBN、PALB2、RAD51、RAD51B、RAD51C、RAD51D、RAD52、RAD54L、XRCC2、BRCA1およびBRCA2を含む。
【0320】
複数の実施形態において、この方法は単剤療法処置である。その他の実施形態において、この方法は、併用療法処置である。
【0321】
複数の実施形態において、この方法は、ニラパリブのカンフォレート塩、マンデレート塩またはカムシレート塩(例えば、本明細書に記載の塩)の投与が、DNA損傷を誘発する第2の療法と併用される併用療法処置である。複数の実施形態において、第2の療法は、放射線増感(電離放射線の投与)および/または化学増感(1種または2種以上のDNA損傷剤の投与)を含む。DNA損傷剤は、例えば、DNAメチル化剤(例えば、ダカルバジンまたはテモゾロミドなど)、トポイソメラーゼI阻害剤(例えば、カンプトテシン、トポテカンまたはイリノテカンなど)、および細胞障害剤(例えば、白金に基づく薬剤、例えば、シスプラチンまたはカルボプラチン)から選択される。ニラパリブ塩の投与は、第2の療法による処置の前、最中および/または後に行うことができる。このような併用療法のレジメンは、臨床医によって容易に決定可能である。
【0322】
非腫瘍性状態
複数の実施形態において、本開示の方法は、神経学的疾患または神経変性疾患、炎症性疾患、代謝性疾患、および心血管疾患または心血管状態から選択される対象の状態を処置するために使用される。そのような病気の例は、Curtinら(Mol Aspects Med. (2013) 34(6):1217-1256)によって記載されている。
【0323】
一実施形態において、この方法は、脳卒中に罹患している対象または罹患するリスクがある対象を処置する。別の実施形態において、この方法は、外傷性脳損傷に苦しんでいる対象を処置する。さらなる実施形態において、この方法は、自己免疫性糖尿病に罹患している対象または罹患するリスクがある対象を処置する。
【0324】
複数の実施形態において、神経変性疾患はパーキンソン病である。複数の実施形態において、炎症性疾患は喘息または多発性硬化症である。複数の実施形態において、心血管疾患または心血管状態は、心筋梗塞、循環ショック、多発外傷または急性呼吸窮迫症候群である。
【0325】
投与および用量
本明細書に記載の2-{4-[(3S)-ピペリジン-3-イル]フェニル}-2H-インダゾール-7-カルボキサミド(ニラパリブ)塩は、経口、頬側、非経口(例えば静脈内、腹腔内、筋肉内または皮下)、局所、直腸または鼻腔内投与用の医薬組成物、あるいは吸入または吹送による投与に適した形態の医薬組成物として調合されてもよい。そのような投与様式および適切な医薬組成物を調製するための方法は、例えば、Gibaldi’s Drug Delivery Systems in Pharmaceutical Care (1st ed., American Society of 15 Health-System Pharmacists 2007)に記載されている。
【0326】
複数の実施形態において、ニラパリブの例示的な投与レジメンは、1日1回経口摂取される1つまたは複数の100mg用量(例えば、200mgの総1日用量に相当する2用量または300mgの総1日用量に相当する3用量)である。患者は毎日ほぼ同じ時間にこれらの用量を摂取するように勧められる場合がある。就寝時の投与は、吐き気に対処するための方法の可能性である場合がある。
【0327】
いくつかの実施形態において、本発明の方法は、1mg、5mg、10mg、20mg、25mg、35mg、50mg、75mg、100mg、125mg、150mg、175mg、200mg、225mg、250mg~275mg、300mg、325mg、350mg、375mg、400mg、425mg、450mg、475mg、500mg、550mg、600mg、650mg、700mg、750mg、800mg、850mg、900mg、950mg、1000mg、1050mg、1100mg、1150mg、1200mg、1250mg、1300mg、1350mg、1400mg、1450mg、1500mg、1550mg、1600mg、1650mg、1700mg、1750mg、1800mg、1850mg、1900mg、1950mgまたは2000mgの用量のニラパリブまたはその薬学的に許容可能な塩で、癌を有する対象を1日1回、1日2回または1日3回処置する。いくつかの実施形態において、本発明の方法は、150mg~175mg、170mg~195mg、190mg~215mg、210mg~235mg、230mg~255mg、250mg~275mg、270~295mg、290mg~315mg、310mg~335mg、330mg~355mg、350mg~375mg、または370mg~400mgの用量のニラパリブまたはその薬学的に許容可能な塩で、癌を有する対象を1日1回、1日2回または1日3回処置する。いくつかの実施形態において、本発明の方法は、5mg、7.5mg、10mg、12.5mg、15mg、17.5mg、20mg、22.5mg、25mg、27.5mg、30mg、35mg、40mg、45mg、50mg、55mg、60mg、65mg、70mg、75mg、80mg、85mg、90mg、95mgまたは100mgの用量のニラパリブまたはその薬学的に許容可能な塩で、癌を有する対象を1日1回、1日2回または1日3回処置する。
【0328】
いくつかの実施形態において、本発明の方法は、約1mg~5mg、5mg~10mg、10mg~20mg、20mg~25mg、35mg~50mg、50mg~75mg、70mg~95mg、90mg~115mg、110mg~135mg、130mg~155mg、150mg~175mg、170~195mg、190mg~215mg、210mg~235mg、230mg~255mg、250mg~275mg、270mg~300mg、290mg~315mg、310mg~335mg、330mg~355mg、350mg~375mg、370mg~400mg、400mg~450mg、450mg~500mg、500mg~550mg、550mg~600mg、600mg~650mg、650mg~700mg、700mg~750mg、750mg~800mg、800mg~850mg、850mg~900mg、900mg~950mg、950mg~1000mg、1000mg~1050mg、1050mg~1100mg、1100mg~1150mg、1150mg~1200mg、1200mg~約1250mg、1250mg~1300mg、1300mg~1350mg、1350mg~1400mg、1400mg~1450mg、1450mg~1500mg、1500mg~1550mg、1550mg~1600mg、1600mg~1650mg、1650mg~1700mg、1700mg~1750mg、1750mg~1800mg、1800mg~1850mg、1850mg~1900mg、1900mg~1950mgまたは1950mg~2000mgの用量のニラパリブまたはその薬学的に許容可能な塩で、癌を有する対象を1日1回、1日2回または1日3回処置する。いくつかの実施形態において、本発明の方法は、約5mg~7.5mg、7mg~9.5mg、9mg~11.5mg、11mg~13.5mg、13mg~15.5mg、15mg~17.5mg、17~19.5mg、19mg~21.5mg、21mg~23/5mg、23mg~25.5mg、25mg~27.5mg、27mg~30mg、30mg~35mg、35mg~40mg、40mg~45mg、45mg~50mg、50mg~55mg、55mg~60mg、60~65mg、65mg~70mg、70mg~75mg、75mg~80mg、80mg~85mg、85mg~90mg、90mg~95mgまたは95mg~100mgの用量のニラパリブまたはその薬学的に許容可能な塩で、癌を有する対象を1日1回、1日2回または1日3回処置する。
【0329】
好ましい実施形態において、ニラパリブ塩は、経口投与用に、例えば、固形形態に調合される。
【0330】
好ましい実施形態において、医薬組成物は、経口組成物、より好ましくは固形経口剤形(例えば、錠剤、カプセル、粉末、顆粒または小袋)である。経口組成物は、単位用量の形態で提供され得、ここで、1つまたは複数の単位用量は、一緒にされて、対象への投与のための有効量を提供する。
【0331】
経口投与用の固形剤形(例えば、カプセル、錠剤、ピル、糖衣錠、粉末、顆粒など)において、有効成分は、1種または2種以上の本明細書に記載の薬学的に許容可能な賦形剤と混合される。カプセル、錠剤およびピルの場合には、医薬組成物はまた、緩衝剤を含むことができる。同様のタイプの固形組成物はまた、軟質および硬質充填ゼラチンカプセル中の充填剤、賦形剤(例えば、ラクトースまたは乳糖)ならびに高分子量ポリエチレングリコールなどを使用して調製可能である。一例として、医薬組成物がカプセルの形態で提供される場合には、組成物は、カプセルを満たすために使用される粉末ブレンドを作製するために組み合わされる1種または2種以上の成分を含むことができる。粉末ブレンドは、ゼラチンカプセル、例えば、サイズ0のゼラチンカプセルに充填可能である。そのような場合には、「医薬組成物」という用語は、一般に、カプセルの内容物、すなわち粉末ブレンドを指すものとして理解されるべきである。
【0332】
タブレットは、圧縮または成形によって、場合により1つまたは複数の補助的な成分を使用して、作製されてもよい。圧縮錠剤は、結合剤(例えば、ゼラチンまたはヒドロキシプロピルメチルセルロース)、潤滑剤、不活性希釈剤、防腐剤、崩壊剤(例えば、デンプングリコール酸ナトリウムまたは架橋カルボキシメチルセルロースナトリウム)、表面活性剤および/または分散剤を使用して調製可能である。成形錠剤は、不活性液体希釈剤で湿らせた粉末有効成分の混合物を適切な機械で成形することによって製造可能である。錠剤およびその他の固形剤形(例えば、糖衣錠、カプセル、ピルおよび顆粒)は、場合により、コーティングおよびシェル、例えば、腸溶コーティングおよび当技術分野で周知のその他のコーティングでスコアリングまたは調製可能である。
【0333】
複数の実施形態において、治療有効量のニラパリブを対象に投与するための固形剤形は、ニラパリブ塩を約1mg~約1000mgの量(塩中のニラパリブ遊離塩基当量の重量に基づく)で含む。複数の実施形態において、固形剤形は、約25mg~約750mgのニラパリブ塩、例えば、約50mg~約500mg、約60mg~約400mgまたは約75mg~約300mgのニラパリブ塩(塩中のニラパリブ遊離塩基当量の重量に基づく)を含む。その他の実施形態において、固形剤形は、約50~約300mgのニラパリブ塩(塩中のニラパリブ遊離塩基当量の重量に基づく)を含む。複数の実施形態において、固形剤形は、約50mg、75mg、100mg、125mg、150mg、175mg、200mg、225mg、250mg、275mg、300mg、325mgまたは350mgのニラパリブ塩(塩中のニラパリブ遊離塩基当量の重量に基づく)を含む。複数の実施形態において、治療有効量のニラパリブを対象に投与するための固形剤形は、約100mgを超える量のニラパリブ塩(塩中のニラパリブ遊離塩基当量の重量に基づく)を含む。複数の実施形態において、固形剤形は、約120mg、140mg、160mg、180mg、200mg、220mg、240mg、260mgまたは280mgを超える量のニラパリブ塩(塩中のニラパリブ遊離塩基当量の重量に基づく)を含む。
【0334】
複数の実施形態において、固形剤形は、1つ、2つまたは3つの単位用量として提示される。複数の実施形態において、固形経口剤形は、本明細書に記載の方法で使用のための治療有効量のニラパリブを提供するように、1日1回、1日2回または1日3回投与される。好ましい実施形態において、固形剤形は、1日1回投与される単回単位用量として提示される。すなわち、それは、治療上有効な1日量のニラパリブ(例えば、約300mgのニラパリブ遊離塩基に対応する量の塩)を提供する。別の好ましい実施形態において、固形剤形は、一緒にまたは別々に投与される2つの単位剤形として提示される。すなわち、それらの間で治療上有効な1日量のニラパリブ(例えば、単位用量あたり約150mg)を提供する。別の好ましい実施形態において、固形剤形は、一緒にまたは別々に投与される3つの単位剤形として提示される。すなわち、それらの間で治療上有効な1日量のニラパリブ(例えば、単位用量あたり約100mg)を提供する。
【0335】
頬側投与の場合、組成物は、従来の方法で調合された錠剤またはロゼンジの形態をとることができる。
【0336】
いくつかの実施形態において、医薬組成物は、非経口手段、例えば、局所適用、経皮適用、注射などによって投与される。関連する実施形態において、医薬組成物は、注射、注入または移植(例えば、静脈内、筋肉内、動脈内、皮下など)によって非経口的に投与される。いずれの場合も、ニラパリブ塩の特性を利用するために、医薬組成物が固形形態で保存および/または使用されることが好ましい。
【0337】
医薬組成物は、非経口投与(従来のカテーテル法または注入を使用することを含む)のための注射可能な調合物の調製に適している可能性がある。注射用調合物は、防腐剤を加えた単位剤形(例えば、アンプルまたは複数回投与容器)で提示されてもよい。組成物は、油性または水性ビヒクル中の懸濁液または乳濁液などの形態をとることができ、当業者によって認識される配合剤、例えば、懸濁剤、安定剤および/または分散剤を含むことができる。あるいは、有効成分は、使用前に適切なビヒクル、例えば、無菌パイロジェンフリー水で再構成するための粉末形態であり得る。
【0338】
医薬組成物は、無菌の注射可能な調合物の調製に適している可能性がある。これらの調合物は、例えば、細菌保持フィルターによる濾過によって、または使用直前に滅菌水もしくはその他の滅菌注射媒体に溶解可能な滅菌固形組成物の形態の滅菌剤を組み込むことによって滅菌可能である。そのような組成物を調製するために、有効成分は、非経口的に許容可能な液体ビヒクルに溶解または懸濁される。例示的なビヒクルおよび溶媒には、水;適切な量の塩酸、水酸化ナトリウムまたは適切な緩衝液の添加によって適切なpHに調整された水;1,3-ブタンジオール;リンゲル液;および等張塩化ナトリウム溶液が含まれるが、これらに限定されない。医薬組成物はまた、1種または2種以上の防腐剤、例えば、メチル、エチルまたはn-プロピルp-ヒドロキシベンゾエートを含み得る。溶解性を改善するために、溶解促進剤または可溶化剤を添加することができ、あるいは、溶媒は10~60重量%のプロピレングリコールなどを含むことができる。
【0339】
医薬組成物は、1種または2種以上の薬学的に許容可能な滅菌等張性の水性もしくは非水性の溶液、分散液、懸濁液もしくは乳濁液、または滅菌粉末を含むことができ、これらは使用直前に滅菌注射可能溶液または分散液に再構成可能である。そのような医薬組成物は、抗酸化剤;緩衝液;静菌薬;調合物を目的のレシピエントの血液と等張にさせる溶質;懸濁剤;増粘剤;防腐剤などを含むことができる。
【0340】
本発明の医薬組成物に使用することができる適切な水性および非水性担体の例には、水;エタノール;ポリオール(例えば、グリセロール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコールなど)およびそれらの適切な混合物;植物油(例えば、オリーブオイル);ならびに注射可能な有機エステル(例えば、オレイン酸エチル)が含まれる。適切な流動性は、例えば、コーティング材料(例えば、レシチン)の使用、分散液の場合には必要な粒子サイズの維持、および界面活性剤の使用によって維持され得る。いくつかの実施形態において、有効成分の効果を延長するために、皮下または筋肉内注射からの化合物の吸収を遅延させることが望ましい。これは、水溶性の低い結晶性材料の液体懸濁液を使用することによって達成され得る。この場合には、有効成分の吸収速度はその溶解速度に依存し、ひいては、結晶サイズおよび結晶形態に依存し得る。あるいは、非経口的に投与された有効成分の吸収遅延は、化合物を油性ビヒクルに溶解させるまたは懸濁することによって達成される。さらに、注射可能な医薬形態の持続的吸収は、吸収を遅延させる薬剤、例えば、モノステアリン酸アルミニウムおよびゼラチンを含めることによってもたらすことができる。
【0341】
放出制御される非経口組成物は、水性懸濁液、ミクロスフェア、マイクロカプセル、磁性ミクロスフェア、油溶液、油懸濁液、乳濁液の形態であり得、あるいは有効成分は、生体適合性担体、リポソーム、ナノ粒子、インプラントまたは注入デバイスに組み込まれ得る。ミクロスフェアおよび/またはマイクロカプセルの調製に使用するための材料には、生分解性ポリマー/生体内分解性ポリマー、例えば、ポリグラクチン、ポリ-(イソブチルシアノアクリレート)、ポリ(2-ヒドロキシエチル-L-グルタミン)およびポリ(乳酸)が含まれるが、これらに限定されない。制御放出される非経口調合物を調合するときに使用され得る生体適合性担体には、炭水化物、例えば、デキストラン;タンパク質、例えば、アルブミン、リポタンパク質または抗体が含まれる。インプラントに使用する材料は、非生分解性、例えば、ポリジメチルシロキサン、または生分解性、例えば、ポリ(カプロラクトン)、ポリ(乳酸)、ポリ(グリコール酸)またはポリ(オルトエステル)であり得る。
【0342】
局所投与の場合、ニラパリブ塩は、軟膏またはクリームとして調合されてもよい。ニラパリブ塩はまた、直腸組成物、例えば、坐剤または保持浣腸に調合され得、直腸組成物は、例えば、従来の坐剤ベース、例えば、カカオバターまたはその他のグリコシドを含む。
【0343】
鼻腔内投与または吸入による投与の場合、ニラパリブ塩は、患者によって圧搾または圧送されるポンプスプレー容器からの溶液または懸濁液の形態で、または適切な推進剤、例えば、ジクロロジフルオロメタン、トリクロロフルオロメタン、ジクロロテトラフルオロエタン、二酸化炭素またはその他の適切なガスの使用を伴う加圧容器またはネブライザーからのエアロゾルスプレーの提示として都合よく送達され得る。加圧エアロゾルの場合、用量単位は、計量された量を供給するためのバルブを提供することによって決定され得る。加圧された容器またはネブライザーは、溶液または懸濁液を含み得る。吸入器または吹送器で使用するためのカプセルおよびカートリッジ(例えば、ゼラチンから作製される)は、ニラパリブ塩と適切な粉末ベース(例えば、ラクトースまたはデンプン)との粉末混合物を含むように調合され得る。
【0344】
その他の態様において、本発明は、療法において使用するための、例えば、本明細書で定義される方法で使用するための本明細書に記載されるような剤形または医薬組成物を提供する。
【0345】
その他の態様において、本発明は、使用説明が記載された密封容器内に本明細書に記載の医薬組成物の複数の単位用量を含む製造品(例えば、キット)を提供する。複数の実施形態において、製造品は、誘導シール、乾燥剤またはそれらの組み合わせをさらに含む。
【0346】
併用療法
2-{4-[(3S)-ピペリジン-3-イル]フェニル}-2H-インダゾール-7-カルボキサミド(ニラパリブ)塩の結晶形態は、単剤療法として、または1つまたは複数の追加の治療薬の投与または治療ラインとの併用療法として有用であり得る。
【0347】
例えば、2-{4-[(3S)-ピペリジン-3-イル]フェニル}-2H-インダゾール-7-カルボキサミド(ニラパリブ)塩の結晶形態は、外科手術、放射線療法、化学療法、免疫療法、抗血管新生剤または抗炎症剤と組み合わせて投与され得る。
【0348】
2-{4-[(3S)-ピペリジン-3-イル]フェニル}-2H-インダゾール-7-カルボキサミド(ニラパリブ)塩の結晶形態が1種または2種以上の異なる治療薬(例えば、本明細書に記載されるような)と組み合わせて投与される場合、ニラパリブ塩の結晶形態の投与は、1種または2種以上の異なる治療薬の投与と連続して起こり得る。例えば、ニラパリブ塩の結晶形態の投与は、1種または2種以上の異なる治療薬の投与の前に行われる。複数の実施形態において、ニラパリブ塩の結晶形態の投与は、1種または2種以上の異なる治療薬の投与後に行われる。その他の実施形態において、ニラパリブ塩の結晶形態の投与は、1種または2種以上の異なる治療薬の投与と同時に行われる。
【0349】
複数の実施形態において、本明細書に記載のニラパリブ塩の結晶形態は、1種または2種以上の免疫チェックポイント阻害剤と組み合わせて投与される。複数の実施形態において、チェックポイント阻害剤は、PD-1(例えば、抗PD-1、抗PD-L1または抗PD-L2療法による阻害)、CTLA-4、TIM-3、TIGIT、LAG(例えば、LAG-3)、CEACAM(例えば、CEACAM-1、-3および/または-5)、VISTA、BTLA、LAIR1、CD160、2B4、CD80、CD86、B7-H3(CD276)、B7-H4(VTCN1)、HVEM(TNFRSF14またはCD270)、KIR、A2aR、MHCクラスI、MHCクラスII、GALS、アデノシン、TGFR(例えば、TGFRベータ)、B7-H1、B7-H4(VTCN1)、OX-40、CD137、CD40、IDOまたはCSF-1Rのいずれかを阻害することができる薬剤である。複数の実施形態において、チェックポイント阻害剤は、小分子、核酸、ポリペプチド(例えば、抗体)、炭水化物、脂質、金属または毒素である。複数の実施形態において、チェックポイント阻害剤は、抗体、抗体コンジュゲートまたはそれらの抗原結合フラグメントである。
【0350】
複数の実施形態において、免疫チェックポイント阻害剤は、PD-1阻害剤である。複数の実施形態において、PD-1阻害剤は、小分子、核酸、ポリペプチド(例えば、抗体、抗体コンジュゲートまたはそれらの抗原結合フラグメント)、炭水化物、脂質、金属または毒素である。複数の実施形態において、PD-1阻害剤は、PD-1結合剤(例えば、抗体、抗体コンジュゲートまたはそれらの抗原結合フラグメント)である。複数の実施形態において、PD-1結合剤は、抗体、抗体コンジュゲートまたはそれらの抗原結合フラグメントである。複数の実施形態において、PD-1結合剤は、TSR-042、ニボルマブ、ペンブロリズマブ、アテゾリズマブ、デュルバルマブ、アベルマブ、PDR-001、チスレリズマブ(BGB-A317)、セミプリマブ(REGN2810)、LY-3300054、JNJ-63723283、MGA012、BI-754091、IBI-308、カムレリズマブ(HR-301210)、BCD-100、JS-001、CX-072、BGB-A333、AMP-514(MEDI-0680)、AGEN-2034、CS1001、Sym-02l、SHR-1316、PF-06801591、LZM009、KN-035、AB122、ジェノリムズマブ(CBT-501)、FAZ-053、CK-301、AK 104またはGLS-010である。複数の実施形態において、PD-1阻害剤は、PD-L1またはPD-L2結合剤、例えば、デュルバルマブ、アテゾリズマブ、アベルマブ、BGB-A333、SHR-1316、FAZ-053、CK-301またはPD-L1ミラモレキュールまたはそれらの誘導体である。複数の実施形態において、抗PD-1剤はペンブロリズマブである。複数の実施形態において、抗PD-1剤はニボルマブである。いくつかの実施形態において、PD-1抗体剤は、国際特許出願公開番号WO2014/179664、WO2018/085468またはWO2018/129559に開示されている通りである。さらなる実施形態において、PD-1抗体剤は、国際特許出願公開番号WO2014/179664、WO2018/085468またはWO2018/129559に開示された方法に従って投与される。複数の実施形態において、抗PD-1剤は、TSR-042である。
【0351】
複数の実施形態において、免疫チェックポイント阻害剤は、TIM-3阻害剤である。複数の実施形態において、TIM-3阻害剤は、小分子、核酸、ポリペプチド(例えば、抗体、抗体コンジュゲートまたはそれらの抗原結合フラグメント)、炭水化物、脂質、金属または毒素である。複数の実施形態において、TIM-3阻害剤は、TIM-3結合剤(例えば、抗体、抗体コンジュゲートまたはそれらの抗原結合フラグメント)である。複数の実施形態において、TIM-3結合剤は、抗体、抗体コンジュゲート、またはそれらの抗原結合フラグメントである。いくつかの実施形態において、TIM-3抗体剤は、MBG453、LY3321367、Sym023、TSR-022またはそれらの誘導体である。いくつかの実施形態において、TIM-3抗体剤は、国際特許出願公開番号WO2016/161270、WO2018/085469、またはWO2018/129553に開示されている通りである。いくつかの実施形態において、TIM-3抗体剤は、国際特許出願公開番号WO2016/161270、WO2018/085469、またはWO2018/129553に開示されているように投与される。いくつかの実施形態において、TIM-3抗体剤は、TSR-022である。
【0352】
複数の実施形態において、免疫チェックポイント阻害剤は、LAG-3阻害剤である。複数の実施形態において、抗LAG-3剤は、抗体、抗体コンジュゲートまたはそれらの抗原結合フラグメントである。複数の実施形態において、抗LAG-3剤は、小分子、核酸、ポリペプチド(例えば、抗体)、炭水化物、脂質、金属または毒素である。複数の実施形態において、抗LAG-3剤は小分子である。複数の実施形態において、抗LAG-3剤は、LAG-3結合剤である。複数の実施形態において、抗LAG-3剤は、抗体、抗体コンジュゲートまたはそれらの抗原結合フラグメントである。複数の実施形態において、抗LAG-3剤は、IMP321、レラトリマブ(BMS-986016)、BI 754111、GSK2831781(IMP-731)、ノバルティスLAG525(IMP701)、REGN3767、MK-4280、MGD-013、GSK-2831781、FS-118、XmAb2284l、INCAGN-2385、FS-18、ENUM-006、AVA-017、AM-0003、Avacta PD-L1/LAG-3二重特異性抗体、iOnctura抗LAG-3抗体、Arcus抗LAG-3抗体、Sym022またはTSR-033である。いくつかの実施形態において、LAG-3抗体剤は、国際特許出願公開WO2016/126858または国際特許出願番号PCT/US18/30027に開示されている通りである。いくつかの実施形態において、LAG-3抗体剤は、国際特許出願公開WO2016/126858または国際特許出願番号PCT/US18/30027に開示されているように投与される。複数の実施形態において、LAG-3抗体剤は、TSR-033である。
【0353】
複数の実施形態において、ニラパリブ錠剤組成物は、PD-1阻害剤(例えば、TSR-042、ペンブロリズマブまたはニボルマブ)と組み合わせて投与される。複数の実施形態において、ニラパリブ錠剤組成物は、TIM-3阻害剤(例えば、TSR-022)と組み合わせて投与される。複数の実施形態において、ニラパリブ錠剤組成物は、LAG-3阻害剤(例えば、TSR-033)と組み合わせて投与される。複数の実施形態において、ニラパリブ錠剤組成物は、PD-1阻害剤(例えば、TSR-042、ペンブロリズマブまたはニボルマブ)およびTIM-3阻害剤(例えば、TSR-022)と組み合わせて投与される。複数の実施形態において、ニラパリブ錠剤組成物は、PD-1阻害剤(例えば、TSR-042、ペンブロリズマブまたはニボルマブ)およびLAG-3阻害剤(例えば、TSR-033)と組み合わせて投与される。複数の実施形態において、ニラパリブ錠剤組成物は、TIM-3阻害剤(例えば、TSR-022)およびLAG-3阻害剤(例えば、TSR-033)と組み合わせて投与される。複数の実施形態において、ニラパリブ錠剤組成物は、PD-1阻害剤(例えば、TSR-042、ペンブロリズマブまたはニボルマブ)、TIM-3阻害剤(例えば、TSR-022)およびLAG-3阻害剤(例えば、TSR-033)と組み合わせて投与される。
【0354】
複数の実施形態において、ニラパリブ錠剤組成物は、1種または2種以上の化学療法剤と組み合わせて投与される。
【0355】
複数の実施形態において、ニラパリブ錠剤組成物は、白金に基づく化学療法剤(例えば、シスプラチン、カルボプラチン、オキサリプラチン、ネダプラチン、四硝酸トリプラチン、フェナントリプラチン、ピコプラチンおよびサトラプラチンのうちの1種または2種以上)と組み合わせて投与される。
【0356】
複数の実施形態において、ニラパリブ錠剤組成物は、アミノグルテチミド、アムサクリン、アナストロゾール、アスパラギナーゼ、bcg、ビカルタミド、ブレオマイシン、ブセレリン、ブスルファン、カンプトテシン(campothecin)、カペシタビン、カルボプラチン、カルムスチン、クロラムブシル、シスプラチン、クラドリビン、コルヒチン、シクロホスファミド、シプロテロン、シタラビン、ダカルバジン、ダクチノマイシン、ダウノルビシン、ジエネストロール、ジエチルスチルベストロール、ドセタキセル、ドキソルビシン、エピルビシン、エストラジオール、エストラムヌスチン、エトポシド、エキセメスタン、フィルグラスチム、フルダラビン、フルドロコルチゾン、フルオロウラシル、フルオキシメステロン、フルタミド、ゲムシタビン、ゲニスタイン、ゴセレリン、ヒドロキシ尿素、イダルビシン、イフォスファミド、イマチニブ、インターフェロン、イリノテカン、レトロゾール、ロイコボリン、ロイプロリド、レバミソール、ロムスチン、メクロレタミン、メドロキシプロゲステロン、メゲストロール、メルファラン、メルカプトプリン、メスナ、メトトレキサート、マイトマイシン、ミトタン、ミトキサントロン、ニルタミド、ノコダゾール、オクトレオチド、オキサリプラチン、パクリタキセル、パミドロネート、ペントスタチン、プリカマイシン、ポルフィマー、プロカルバジン、ラルチトレキセド、リツキシマブ、ストレプトゾシン、スラミン、タモキシフェン、テモゾロミド、テニポシド、テストステロン、チオグアニン、チオテパ、二塩化チタノセン、トポテカン、トラスツズマブ、トレチノイン、ビンブラスチン、ビンクリスチン、ビンデシンまたはビノレルビンである化学療法剤と組み合わせて投与される。
【0357】
複数の実施形態において、ニラパリブ錠剤組成物は、制御性T細胞(Treg)阻害剤、マクロファージ阻害剤、抗原特異的免疫応答増強剤、抗血管新生剤化学療法剤またはそれらの組み合わせである第2の薬剤と組み合わせて投与される。複数の実施形態において、第2の薬剤は、国際出願番号PCT/US18/33437(その全体が参照により本明細書に組み込まれる)に記載されている任意の第2の薬剤である。
【0358】
複数の実施形態において、マクロファージ阻害剤は、マクロファージ動員阻害剤(例えば、抗CCL2/CCR2剤、抗IL6剤、抗M-CSFR剤およびそれらの組み合わせ)、M2マクロファージ抗生存剤、M1マクロファージ増強剤、M2からM1への分極剤、マクロファージ活性阻害剤およびそれらの組み合わせからなる群から選択される。複数の実施形態において、マクロファージ動員阻害剤は、トラベクテジン、RS102895、PF-04136309、CNTO888、MLN1202、シルツキシマブ、JNJ-28312141、GW2580、IMC-CS4(LY3022855)、エマクツズマブ、AMG820、ペキシダルチニブ、リニファニブ、OSI-930、CEP-32496、PLX7846、BLZ945、ARRY-382、JNJ-40346527、MCS110、PLX3397、PLX6134、PD-0360324、FPA008およびそれらの組み合わせからなる群から選択される。複数の実施形態において、M2マクロファージ抗生存剤は、MMP阻害剤、クロドロネート、ゾレドロン酸、ジクロロメチレンビスホスホネート、トラベクテジン、ダサチニブ、レチノイン酸、弱毒化細菌(例えば、Shigella flexneri、Salmonella typhimurium、Listeria monocytogens、Chlamydia psittaci、Legionella pneumophila)およびそれらの組み合わせからなる群から選択される。複数の実施形態において、M1マクロファージ増強剤またはM2からM1への分極剤は、抗CD40剤、抗IL-10R剤、CD47アンタゴニスト(例えば、Hu5F9-G4、CC-90002およびCD47-Fc融合タンパク質TTI-621)PolyI:C、LPS、モノホスホリルA、イミキモド、R-848、CpG-ODN、IFN-α、IFN-β、IFN-γ、GM-CSF、IL-12、IL-2、IL-15、Tαl、イブルチニブ、EF-022およびそれらの組み合わせからなる群から選択される。複数の実施形態において、マクロファージ活性阻害剤は、STAT3阻害剤、STAT6阻害剤または抗腫瘍薬剤からなる群から選択される(例えば、マクロファージ活性阻害剤は、WP1066、スニチニブ、ソラフェニブ、STA-21、IS3 295、S3I-M2001、AS1517499、レフルノミド、TMC-264、ヒスチジンリッチ糖タンパク質(HRG)、銅キレート(CuNG)、5,6-ジメチルキサンテノン-4-酢酸(MDXAA)、バジメザン(ASA404)、シスプラチン、シリビニン、プロトンポンプ阻害剤パントプラゾール(PPZ)、CNI-1493またはそれらの組み合わせである)。複数の実施形態において、マクロファージ阻害剤は、抗IL-1α剤(例えば、キシロニックス)である。
【0359】
複数の実施形態において、制御性T細胞(Treg)阻害剤は、Treg除去剤、Treg遊走阻害剤、Treg機能阻害剤およびそれらの組み合わせからなる群から選択される。複数の実施形態において、Treg除去剤は、シクロホスファミド、パクリタキセル、イマチニブ、スニチニブ、ソラフェニブ、ダサチニブ、テモゾロミド、ダクリズマブ、デニロイキンジフチトックスおよびそれらの組み合わせからなる群から選択される。複数の実施形態において、Treg遊走阻害剤は、AMD3100、モガムリズマブ、カジュアリニン、フコイダンおよびそれらの組み合わせからなる群から選択される。複数の実施形態において、Treg機能阻害剤は、抗CTLA4剤(例えば、イピリムマブ、トレメリムマブ)、抗OX40剤、抗GITR剤、アデノシン受容体アンタゴニスト(例えば、カフェイン、テオフィリン、テオブロミンおよび8-フェニルキサンチン)、P60およびそれらの組み合わせからなる群から選択される。
【0360】
複数の実施形態において、抗原特異的免疫応答増強剤は、抗PD-1剤、抗PD-L1剤、GITR(グルココルチコイド誘発性TNFR関連タンパク質)刺激剤、抗CTLA4剤、抗TIM-3剤、抗LAG-3剤、抗IDO剤、腫瘍抗原提示を増強する薬剤(例えば、個別化癌ワクチン、自己抗原提示細胞、自己樹状細胞、人工抗原提示細胞)、ケモカインシグナル伝達剤、抗VEGF剤、サイトカインシグナル刺激剤およびそれらの組み合わせからなる群から選択される。
【0361】
複数の実施形態において、GITR刺激剤は、DTA-1、mGITRL、pGITRLおよびそれらの組み合わせからなる群から選択される。複数の実施形態において、抗CTLA4剤は、イピリムマブ、トレメリムマブおよびそれらの組み合わせからなる群から選択される。複数の実施形態において、ケモカインシグナル伝達剤は、CXCL16、CXCR6ケモカイン受容体(CD186)アゴニストおよびそれらの組み合わせからなる群から選択される。複数の実施形態において、抗VEGF剤は、ベバシズマブ、パゾパニブ、スニチニブ、ソラフェニブ、アキシチニブ、ポナチニブ、レゴラフェニブ、カボザンチニブ、バンデタニブ、ラムシルマブ、レンバチニブ、ジブアフリベルセプトおよびそれらの組み合わせからなる群から選択される。複数の実施形態において、サイトカインシグナル刺激剤は、インターロイキンまたはインターフェロンである。複数の実施形態において、インターロイキンは、IL-2、IL-1、IL-7、IL-15、IL-12、IL-18およびそれらの組み合わせからなる群から選択される。複数の実施形態において、インターフェロンは、IFNアルファである。
【0362】
複数の実施形態において、抗原特異的免疫応答増強剤は、フラボノイド(例えば、フラボノイド配糖体)、リドカイン、ラモトリジン、スルファメトキサゾール、フェニトイン、カルバマゼピン、スルファメトキサゾール、フェニトイン、アロプリノール、パラセタモール、メピバカイン、p-フェニレンジアミンおよびモキシフロキサシンからなる群から選択される。
【0363】
複数の実施形態において、抗血管新生剤は、TNP-470、血小板第4因子、トロンボスポンジン-1、メタロプロテアーゼの組織阻害剤(TIMP1およびTIMP2)、プロラクチン、アンギオスタチン、エンドスタチン、bFGF可溶性受容体、トランスフォーミング成長因子ベータ、インターフェロンアルファ、可溶性KDR受容体、可溶性FLT-1受容体、胎盤プロリフェリン関連タンパク質およびそれらの組み合わせである。複数の実施形態において、抗血管新生剤は、血管新生促進因子の産生の減少、血管新生促進因子と血管新生促進受容体との間の相互作用の阻害、血管新生促進因子の機能の阻害、血管新生促進受容体の機能の阻害、血管の破壊による血流の減少、血管の成長の阻害、またはそれらの任意の組み合わせを引き起こす。複数の実施形態において、抗血管新生剤は、小さな有機または無機分子;サッカリン;オリゴ糖;多糖類;炭水化物;ペプチド;タンパク質;ペプチド類似体;ペプチド誘導体;脂質;抗体;抗体フラグメント、ペプチド模倣物;核酸;核酸類似体;核酸誘導体;生体材料から作られた抽出物;天然または合成の組成物;金属;毒素;またはそれらの任意の組み合わせである。複数の実施形態において、抗血管新生剤は、ベバシズマブ、イトラコナゾール、カルボキシアミドトリアゾール、TNP-470、フマギリン、CM101、IL-12、血小板第4因子、スラミン、SU5416、トロンボスポンジン、血管新生抑制ステロイド、ヘパリン、軟骨由来血管新生阻害因子、マトリックスメタロプロテアーゼ阻害剤、アンギオスタチン、エンドスタチン、2-メトキシエストラジオール、テコガラン、テトラチオモリブデート、トロンボスポンジン、サリドマイド、プロラクチン、αVβ3阻害剤、レナリドミド、リノミド、ラムシルマブ、タスキニモド、ラニビズマブ、ソラフェニブ、スニチニブ、パソパニブ、エベロリムス、組織メタロプロテアーゼ阻害物質(TIMP1およびTIMP2)、bFGF可溶性受容体、トランスフォーミング成長因子ベータ、インターフェロンアルファ、可溶性KDR受容体、可溶性FLT-1受容体、胎盤プロリフェリン関連タンパク質、パゾパニブ、スニチニブ、ソラフェニブ、アキシチニブ、ポナチニブ、カボザンチニブ、レゴラフェニブ、バンデタニブ、レンバチニブ、セマキサニブ、SU6668、バタラニブ、チボザニブ、セディラニブ、プロタミン、ヘパリン、ステロイド、アスコルビン酸エーテル、硫酸化多糖類DS4152、フマギリン、AGM 12470、ネオバスタット、RO4929097、MRK-003、MK-0752、PF03084014、MEDI0639、クルクミン、3,3’-ジインドリルメタン(DIM)、レスベラトロール、3,5-ビス(2,4-ジフルオロベンジリデン)-4-ピペリドン(DiFiD)およびエピガロカテキン-3-ガレート(EGCG)、ホノキオール、OMP-21M18、navicixizumab(OMP-305B83)、Flt2-11、CBO-P11、Je-ll、V1およびそれらの任意の組み合わせからなる群から選択される。
【0364】
いくつかの実施形態において、抗血管新生剤は、DLL4/Notchシグナル伝達経路を阻害する。
【0365】
いくつかの実施形態において、DLL4/Notchシグナル伝達経路を阻害する血管新生阻害剤は、ガンマ-セクレターゼ阻害剤(GSI)、siRNA、またはNotch受容体もしくはリガンドに対するモノクローナル抗体である。いくつかの実施形態において、抗血管新生剤は、RO4929097、MRK-003、MK-0752、PF03084014、MEDI0639、クルクミン、3,3’-ジインドリルメタン(DIM)、レスベラトロール、3,5-ビス(2,4-ジフルオロベンジリデン)-4-ピペリドン(DiFiD)およびエピガロカテキン-3-ガレート(EGCG)、ホノキオールおよびそれらの任意の組み合わせからなる群から選択される。
【0366】
いくつかの実施形態において、抗血管新生剤は、血管内皮増殖因子(VEGF)/血管内皮増殖因子受容体(VEGFR)経路を阻害する。いくつかの実施形態において、抗血管新生剤は、Akt阻害剤、カルシニューリン自己阻害ペプチド、ET-18-OCH3、Go 6983、NG-ニトロ-L-アルギニンメチルエステル、p2l活性化キナーゼ阻害剤、cPLA2α阻害剤、PI-103、PP2、SB203580、U0126、VEGFRチロシンキナーゼ阻害剤V、VEGFR2キナーゼ阻害剤VI、VEGFR2キナーゼ阻害剤III、ZM336372およびそれらの任意の組み合わせからなる群から選択される。
【0367】
いくつかの実施形態において、抗血管新生剤は、VEGFファミリータンパク質および/またはVEGFRファミリータンパク質を阻害する。いくつかの実施形態において、VEGFファミリータンパク質は、VEGF-A、VEGF-B、VEGF-C、VEGF-D、PlGF(胎盤成長因子)、VEGF-E(Orf-VEGF)、ハブsvVEGFまたはそれらの任意の組み合わせを含む。いくつかの実施形態において、抗血管新生剤は、ベバシズマブ、ラニビズマブ、OPT-302、ジブアフリベルセプト、またはそれらの任意の組み合わせである。いくつかの実施形態において、抗血管新生剤は、Flt2-11、CBO-P11、Je-11、V1またはそれらの任意の組み合わせである。いくつかの実施形態において、抗血管新生剤は、パゾパニブ、スニチニブ、ソラフェニブ、アキシチニブ、ポナチニブ、カボザンチニブ、レゴラフェニブ、バンデタニブ、レンバチニブ、セマキサニブ、SU6668、バタラニブ、チボザニブ、セディラニブ、またはそれらの任意の組み合わせである。
【0368】
本明細書で一般的に説明されてきたが、本発明をさらに説明するために、以下の非限定的な例が提供される。
【0369】
本発明の例示的な態様および実施形態
本発明の例示的な態様および実施形態は、本明細書に記載されており、項1~125を含む。
【0370】
項1
ニラパリブカンフォレート、ニラパリブマンデレートおよびニラパリブカムシレートから選択される、2-{4-[(3S)-ピペリジン-3-イル]フェニル}-2H-インダゾール-7-カルボキサミド(ニラパリブ)塩。
【0371】
項2
2-{4-[(3S)-ピペリジン-3-イル]フェニル}-2H-インダゾール-7-カルボキサミド(ニラパリブ)カンフォレート。
【0372】
項3
2-{4-[(3S)-ピペリジン-3-イル]フェニル}-2H-インダゾール-7-カルボキサミド(ニラパリブ)(1R,3S)-(+)-カンフォレート。
【0373】
項4
結晶性2-{4-[(3S)-ピペリジン-3-イル]フェニル}-2H-インダゾール-7-カルボキサミド(ニラパリブ)(1R,3S)-(+)-カンフォレート。
【0374】
項5
2-{4-[(3S)-ピペリジン-3-イル]フェニル}-2H-インダゾール-7-カルボキサミド(ニラパリブ)(1R,3S)-(+)-カンフォレートの結晶形態1。
【0375】
項6
16.2°±0.2°、17.5°±0.2°、20.0°±0.2°、13.4°±0.2°および/または15.2°±0.2°の2θのうちの1つまたは複数のXRPDピークを含むX線粉末回折(XRPD)パターンを有する、項5に記載のニラパリブ(1R,3S)-(+)-カンフォレートの結晶形態1。
【0376】
項7
16.2°±0.2°、17.5°±0.2°、20.0°±0.2°、13.4°±0.2°および/または15.2°±0.2°の2θのうちの少なくとも2つのピークを含むXRPDパターンを有する、項5または6に記載のニラパリブ(1R,3S)-(+)-カンフォレートの結晶形態1。
【0377】
項8
16.2°±0.2°、17.5°±0.2°、20.0°±0.2°、13.4°±0.2°および/または15.2°±0.2°の2θのうちの少なくとも3つのピークを含むXRPDパターンを有する、項5~7のいずれか一項に記載のニラパリブ(1R,3S)-(+)-カンフォレートの結晶形態1。
【0378】
項9
16.2°±0.2°、17.5°±0.2°、20.0°±0.2°、13.4°±0.2°および/または15.2°±0.2°の2θのうちの少なくとも4つのピークを含むXRPDパターンを有する、項5~8のいずれか一項に記載のニラパリブ(1R,3S)-(+)-カンフォレートの結晶形態1。
【0379】
項10
16.2°±0.2°、17.5°±0.2°、20.0°±0.2°、13.4°±0.2°および15.2°±0.2°の2θのピークを含むXRPDパターンを有する、項5~9のいずれか一項に記載のニラパリブ(1R,3S)-(+)-カンフォレートの結晶形態1。
【0380】
項11
20.4°±0.2°、21.6°±0.2°、24.0°±0.2°、11.7°±0.2°および/または18.0°±0.2°の2θのうちの1つまたは複数のXRPDピークを含むXRPDパターンを有する、項目5~10のいずれか一項に記載のニラパリブ(1R,3S)-(+)-カンフォレートの結晶形態1。
【0381】
項12
20.4°±0.2°、21.6°±0.2°、24.0°±0.2°、11.7°±0.2°および/または18.0°±0.2°の2θのうちの2つまたは3つ以上のピークを含むXRPDパターンを有する、項5~11のいずれか一項に記載のニラパリブ(1R,3S)-(+)-カンフォレートの結晶形態1。
【0382】
項13
20.4°±0.2°、21.6°±0.2°、24.0°±0.2°、11.7°±0.2°および/または18.0°±0.2°の2θのうちの3つまたは4つ以上のピークを含むXRPDパターンを有する、項5~12のいずれか一項に記載のニラパリブ(1R,3S)-(+)-カンフォレートの結晶形態1。
【0383】
項14
20.4°±0.2°、21.6°±0.2°、24.0°±0.2°、11.7°±0.2°および/または18.0°±0.2°の2θのうちの4つまたは5つ以上のピークを含むXRPDパターンを有する、項5~13のいずれか一項に記載のニラパリブ(1R,3S)-(+)-カンフォレートの結晶形態1。
【0384】
項15
20.4°±0.2°、21.6°±0.2°、24.0°±0.2°、11.7°±0.2°および18.0°±0.2°の2θのピークを含むXRPDパターンを有する、項5~14のいずれか一項に記載のニラパリブ(1R,3S)-(+)-カンフォレートの結晶形態1。
【0385】
項16
16.2°±0.2°、17.5°±0.2°、20.0°±0.2°、13.4°±0.2°、15.2°±0.2°、20.4°±0.2°、21.6°±0.2°、24.0°±0.2°、11.7°±0.2°および18.0°±0.2°のピークを含むXRPDパターンを有する、項5~15のいずれか一項に記載のニラパリブ(1R,3S)-(+)-カンフォレートの結晶形態1。
【0386】
項17
14.8°±0.2°、18.0°±0.2°、22.8°±0.2°および/または27.6°±0.2°の2θのうちの少なくとも1つのピークを含むXRPDパターンを有する、項5~16のいずれか一項に記載のニラパリブ(1R,3S)-(+)-カンフォレートの結晶形態1。
【0387】
項18
14.8°±0.2°、18.0°±0.2°、22.8°±0.2°および/または27.6°±0.2°の2θのうちの少なくとも2つのピークを含むXRPDパターンを有する、項5~17のいずれか一項に記載のニラパリブ(1R,3S)-(+)-カンフォレートの結晶形態1。
【0388】
項19
14.8°±0.2°、18.0°±0.2°、22.8°±0.2°および/または27.6°±0.2°の2θのうちの少なくとも3つのピークを含むXRPDパターンを有する、項5~18のいずれか一項に記載のニラパリブ(1R,3S)-(+)-カンフォレートの結晶形態1。
【0389】
項20
14.8°±0.2°、18.0°±0.2°、22.8°±0.2°および27.6°±0.2°の2θのピークを含むXRPDパターンを有する、項5~19のいずれか一項に記載のニラパリブ(1R,3S)-(+)-カンフォレートの結晶形態1。
【0390】
項21
16.2°±0.2°、17.5°±0.2°、20.0°±0.2°、13.4°±0.2°、15.2°±0.2°、20.4°±0.2°、21.6°±0.2°、24.0°±0.2°、11.7°±0.2°、18.0°±0.2°、22.8°±0.2°、18.9°±0.2°、14.5°±0.2°、14.1°±0.2°、14.8°±0.2°、27.6°±0.2°、26.9°±0.2°、6.5°±0.2°、22.3°±0.2°および/または24.5°±0.2°の2θのうちの1つまたは複数のピークを含むXRPDパターンを有する、項5~20のいずれか一項に記載のニラパリブ(1R,3S)-(+)-カンフォレートの結晶形態1。
【0391】
項22
以下の表:
【表7】
に記載の、2θ値(±0.2°2θ)を有するピークと場合によりまた相対強度とを含むXRPDパターンを有する、項5~21のいずれか一項に記載のニラパリブ(1R,3S)-(+)-カンフォレートの結晶形態1。
【0392】
項23
実質的に図3に示されるXRPDパターンを特徴とする、項5~22のいずれか一項に記載のニラパリブ(1R,3S)-(+)-カンフォレートの結晶形態1。
【0393】
項24
約260℃~約270℃の融点を特徴とする、項5~23のいずれか一項に記載のニラパリブ(1R,3S)-(+)-カンフォレートの結晶形態1。
【0394】
項25
約264℃の融点を特徴とする、項5~24のいずれか一項に記載のニラパリブ(1R,3S)-(+)-カンフォレートの結晶形態1。
【0395】
項26
融解の開始(吸熱ピーク)が約264℃であり、かつ/あるいは、ピークの最小値が約268℃であるDSCサーモグラムを特徴とする、項5~25のいずれか一項に記載のニラパリブ(1R,3S)-(+)-カンフォレートの結晶形態1。
【0396】
項27
実質的に図5に示されるDSCサーモグラムを特徴とする、項5~26のいずれか一項に記載のニラパリブ(1R,3S)-(+)-カンフォレートの結晶形態1。
【0397】
項28
約3359cm-1、約1693cm-1および約1649cm-1のピークを含む赤外線スペクトルを特徴とする、項5~27のいずれか一項に記載のニラパリブ(1R,3S)-(+)-カンフォレートの結晶形態1。
【0398】
項29
実質的に図2に示される赤外線スペクトルを特徴とする、項5~28のいずれか一項に記載のニラパリブ(1R,3S)-(+)-カンフォレートの結晶形態1。
【0399】
項30
約25℃および約90%の相対湿度において約0.3重量%以下の水を吸着することを特徴とする、項5~29のいずれか一項に記載のニラパリブ(1R,3S)-(+)-カンフォレートの結晶形態1。
【0400】
項31
実質的に図6に示されるGVSサーモグラムを特徴とする、項5~30のいずれか一項に記載のニラパリブ(1R,3S)-(+)-カンフォレートの結晶形態1。
【0401】
項32
2-{4-[(3S)-ピペリジン-3-イル]フェニル}-2H-インダゾール-7-カルボキサミド(ニラパリブ)(1S,3R)-(-)-カンフォレート。
【0402】
項33
結晶性2-{4-[(3S)-ピペリジン-3-イル]フェニル}-2H-インダゾール-7-カルボキサミド(ニラパリブ)(1S,3R)-(-)-カンフォレート。
【0403】
項34
2-{4-[(3S)-ピペリジン-3-イル]フェニル}-2H-インダゾール-7-カルボキサミド(ニラパリブ)(1S,3R)-(-)-カンフォレートの結晶形態1。
【0404】
項35
20.3°±0.2°、17.4°±0.2°、16.2°±0.2°、15.1°±0.2°および/または20.2°±0.2°の2θのうちの1つまたは複数のピークを含むXRPDパターンを有する、項34に記載のニラパリブ(1S,3R)-(-)-カンフォレートの結晶形態1。
【0405】
項36
20.3°±0.2°、17.4°±0.2°、16.2°±0.2°、15.1°±0.2°および/または20.2°±0.2°の2θのうちの少なくとも2つのピークを含むXRPDパターンを有する、項34または35に記載のニラパリブ(1S,3R)-(-)-カンフォレートの結晶形態1。
【0406】
項37
20.3°±0.2°、17.4°±0.2°、16.2°±0.2°、15.1°±0.2°および/または20.2°±0.2°の2θのうちの少なくとも3つのピークを含むXRPDパターンを有する、項34~36のいずれか一項に記載のニラパリブ(1S,3R)-(-)-カンフォレートの結晶形態1。
【0407】
項38
20.3°±0.2°、17.4°±0.2°、16.2°±0.2°、15.1°±0.2°および/または20.2°±0.2°の2θのうちの少なくとも4つのピークを含むXRPDパターンを有する、項34~37のいずれか一項に記載のニラパリブ(1S,3R)-(-)-カンフォレートの結晶形態1。
【0408】
項39
20.3°±0.2°、17.4°±0.2°、16.2°±0.2°、15.1°±0.2°および20.2°±0.2°の2θのピークを含むXRPDパターンを有する、項34~38のいずれか一項に記載のニラパリブ(1S,3R)-(-)-カンフォレートの結晶形態1。
【0409】
項40
24.4°±0.2°、19.9°±0.2°、11.6°±0.2°、22.3°±0.2°および/または22.2°±0.2°の2θのうちの1つまたは複数のピークを含むXRPDパターンを有する、項34~39のいずれか一項に記載のニラパリブ(1S,3R)-(-)-カンフォレートの結晶形態1。
【0410】
項41
24.4°±0.2°、19.9°±0.2°、11.6°±0.2°、22.3°±0.2°および/または22.2°±0.2°の2θのうちの少なくとも2つのピークを含むXRPDパターンを有する、項34~40のいずれか一項に記載のニラパリブ(1S,3R)-(-)-カンフォレートの結晶形態1。
【0411】
項42
24.4°±0.2°、19.9°±0.2°、11.6°±0.2°、22.3°±0.2°および/または22.2°±0.2°の2θのうちの少なくとも3つのピークを含むXRPDパターンを有する、項34~41のいずれか一項に記載のニラパリブ(1S,3R)-(-)-カンフォレートの結晶形態1。
【0412】
項43
24.4°±0.2°、19.9°±0.2°、11.6°±0.2°、22.3°±0.2°および/または22.2°±0.2°の2θのうちの少なくとも4つのピークを含むXRPDパターンを有する、項34~42のいずれか一項に記載のニラパリブ(1S,3R)-(-)-カンフォレートの結晶形態1。
【0413】
項44
24.4°±0.2°、19.9°±0.2°、11.6°±0.2°、22.3°±0.2°および/または22.°2±0.2°の2θのピークを含むXRPDパターンを有する、項34~43のいずれか一項に記載のニラパリブ(1S,3R)-(-)-カンフォレートの結晶形態1。
【0414】
項45
20.3°±0.2°、17.4°±0.2°、16.2°±0.2°、15.1°±0.2°、20.2±0.2°、24.4°±0.2°、19.9°±0.2°、11.6°±0.2°、22.3°±0.2°および22.2°±0.2°の2θのピークを含むXRPDパターンを有する、項34~44のいずれか一項に記載のニラパリブ(1S,3R)-(-)-カンフォレートの結晶形態1。
【0415】
項46
16.0°±0.2°の2θのピークを含むXRPDパターンを有する、項34~45のいずれか一項に記載のニラパリブ(1S,3R)-(-)-カンフォレートの結晶形態1。
【0416】
項47
21.9°±0.2°の2θのピークを含むXRPDパターンを有する、項34~46のいずれか一項に記載のニラパリブ(1S,3R)-(-)-カンフォレートの結晶形態1。
【0417】
項48
16.0°±0.2°および21.9°±0.2°の2θのピークを含むXRPDパターンを有する、項34~47のいずれか一項に記載のニラパリブ(1S,3R)-(-)-カンフォレートの結晶形態1。
【0418】
項49
20.3°±0.2°、17.4°±0.2°、16.2°±0.2°、15.1°±0.2°、20.2±0.2°、24.4°±0.2°、19.9°±0.2°、11.6°±0.2°、22.3°±0.2°、22.2±0.2°、13.4°±0.2°、16.0±0.2°、26.9°±0.2°、6.5°±0.2°、23.9°±0.2°、18.9°±0.2°、14.5°±0.2°、14.0°±0.2°、21.9°±0.2°および/または21.5°±0.2°の2θのうちの少なくとも1つのピークを含むXRPDパターンを有する、項34~48のいずれか一項に記載のニラパリブ(1S,3R)-(-)-カンフォレートの結晶形態1。
【0419】
項50
以下の表:
【表8】
に記載の、2θ値(±0.2°2θ)を有するピークと場合によりまた相対強度とを含むXRPDパターンを有する、項34~49のいずれか一項に記載のニラパリブ(1S,3R)-(-)-カンフォレートの結晶形態1。
【0420】
項51
実質的に図9に示されるXRPDパターンを特徴とする、項34~50のいずれか一項に記載のニラパリブ(1S,3R)-(-)-カンフォレートの結晶形態1。
【0421】
項52
約220℃~約230℃の融点を特徴とする、項34~51のいずれか一項に記載のニラパリブ(1S,3R)-(-)-カンフォレートの結晶形態1。
【0422】
項53
約226℃の融点を特徴とする、項34~52のいずれか一項に記載のニラパリブ(1S,3R)-(-)-カンフォレートの結晶形態1。
【0423】
項54
融解の開始(吸熱ピーク)が約226℃であり、かつ/あるいは、ピークの最小値が約230℃であるDSCサーモグラムを特徴とする、項34~53のいずれか一項に記載のニラパリブ(1S,3R)-(-)-カンフォレートの結晶形態1。
【0424】
項55
実質的に図11に示されるDSCサーモグラムを特徴とする、項34~54のいずれか一項に記載のニラパリブ(1S,3R)-(-)-カンフォレートの結晶形態1。
【0425】
項56
約3367cm-1、約1693cm-1および約1648cm-1のピークを含む赤外線スペクトルを特徴とする、項34~55のいずれか一項に記載のニラパリブ(1S,3R)-(-)-カンフォレートの結晶形態1。
【0426】
項57
実質的に図8に示される赤外線スペクトルを特徴とする、項34~56のいずれか一項に記載のニラパリブ(1S,3R)-(-)-カンフォレートの結晶形態1。
【0427】
項58
約25℃および約90%の相対湿度における約1重量%未満の水を吸着することを特徴とする、項34~57のいずれか一項に記載のニラパリブ(1S,3R)-(-)-カンフォレートの結晶形態1。
【0428】
項59
実質的に図12に示されるGVSサーモグラムを特徴とする、項34~58のいずれか一項に記載のニラパリブ(1S,3R)-(-)-カンフォレートの結晶形態1。
【0429】
項60
2-{4-[(3S)-ピペリジン-3-イル]フェニル}-2H-インダゾール-7-カルボキサミド(ニラパリブ)マンデレート。
【0430】
項61
2-{4-[(3S)-ピペリジン-3-イル]フェニル}-2H-インダゾール-7-カルボキサミド(ニラパリブ)(R)-(-)-マンデレート。
【0431】
項62
結晶性2-{4-[(3S)-ピペリジン-3-イル]フェニル}-2H-インダゾール-7-カルボキサミド(ニラパリブ)(R)-(-)-マンデレート。
【0432】
項63
2-{4-[(3S)-ピペリジン-3-イル]フェニル}-2H-インダゾール-7-カルボキサミド(ニラパリブ)(R)-(-)-マンデレートの結晶形態1。
【0433】
項64
18.5°±0.2°、16.4°±0.2°、17.4°±0.2°、8.6°±0.2°および/または17.6°±0.2°の2θのうちの1つまたは複数のピークを含むXRPDパターンを有する、項63に記載のニラパリブ(R)-(-)-マンデレートの結晶形態1。
【0434】
項65
18.5°±0.2°、16.4°±0.2°、17.4°±0.2°、8.6°±0.2°および/または17.6°±0.2°の2θのうちの少なくとも2つのピークを含むXRPDパターンを有する、項63または64に記載のニラパリブ(R)-(-)-マンデレートの結晶形態1。
【0435】
項66
18.5°±0.2°、16.4°±0.2°、17.4°±0.2°、8.6°±0.2°および/または17.6°±0.2°の2θのうちの少なくとも3つのピークを含むXRPDパターンを有する、項63~65のいずれか一項に記載のニラパリブ(R)-(-)-マンデレートの結晶形態1。
【0436】
項67
18.5°±0.2°、16.4°±0.2°、17.4°±0.2°、8.6°±0.2°および/または17.6°±0.2°の2θのうちの少なくとも4つのピークを含むXRPDパターンを有する、項63~66のいずれか一項に記載のニラパリブ(R)-(-)-マンデレートの結晶形態1。
【0437】
項68
18.5°±0.2°、16.4°±0.2°、17.4°±0.2°、8.6°±0.2°および/または17.6°±0.2°の2θのピークを含むXRPDパターンを有する、項63~67のいずれか一項に記載のニラパリブ(R)-(-)-マンデレートの結晶形態1。
【0438】
項69
8.7°±0.2°、18.4°±0.2°、25.1°±0.2°、27.6°±0.2°および/または13.7°±0.2°の2θのうちの1つまたは複数のピークを含むXRPDパターンを有する、項63~68に記載のニラパリブ(R)-(-)-マンデレートの結晶形態1。
【0439】
項70
8.7°±0.2°、18.4°±0.2°、25.1°±0.2°、27.6°±0.2°および/または13.7°±0.2°の2θのうちの2つまたは3つ以上のピークを含むXRPDパターンを有する、項63~69に記載のニラパリブ(R)-(-)-マンデレートの結晶形態1。
【0440】
項71
8.7°±0.2°、18.4°±0.2°、25.1°±0.2°、27.6°±0.2°および/または13.7°±0.2°の2θのうちの3つまたは4つ以上のピークを含むXRPDパターンを有する、項63~70に記載のニラパリブ(R)-(-)-マンデレートの結晶形態1。
【0441】
項72
8.7°±0.2°、18.4°±0.2°、25.1°±0.2°、27.6°±0.2°および/または13.7°±0.2°の2θのうちの4つまたは5つ以上のピークを含むXRPDパターンを有する、項63~71に記載のニラパリブ(R)-(-)-マンデレートの結晶形態1。
【0442】
項73
8.7°±0.2°、18.4°±0.2°、25.1°±0.2°、27.6°±0.2°および13.7°±0.2°の2θのピークを含むXRPDパターンを有する、項63~72に記載のニラパリブ(R)-(-)-マンデレートの結晶形態1。
【0443】
項74
18.5°±0.2°、16.4°±0.2°、17.4°±0.2°、8.6°±0.2°、17.6°±0.2°、8.7°±0.2°、18.4°±0.2°、25.1°±0.2°、27.6°±0.2°および13.7°±0.2°の2θのピークを含むXRPDパターンを有する、項63~73に記載のニラパリブ(R)-(-)-マンデレートの結晶形態1。
【0444】
項75
18.5°±0.2°、16.4°±0.2°、17.4°±0.2°、8.6°±0.2°、17.6°±0.2°、8.7°±0.2°、18.4°±0.2°、25.1°±0.2°、27.6°±0.2°、13.7°±0.2°、8.4°±0.2°、28.7°±0.2°、28.0°±0.2°、4.3°±0.2°、21.5°±0.2°、27.3°±0.2°、14.1°±0.2°、27.7°±0.2°、12.4°±0.2°および/または16.1°±0.2°の2θのうちの1つまたは複数のピークを含むXRPDパターンを有する、項63~74に記載のニラパリブ(R)-(-)-マンデレートの結晶形態1。
【0445】
項76
以下の表:
【表9】
に記載の、2θ値(±0.2°2θ)を有するピークと場合によりまた相対強度とを含むXRPDパターンを有する、項63~75のいずれか一項に記載のニラパリブ(R)-(-)-マンデレートの結晶形態1。
【0446】
項77
実質的に図15に示されるXRPDパターンを特徴とする、項63~76のいずれか一項に記載のニラパリブ(R)-(-)-マンデレートの結晶形態1。
【0447】
項78
約190℃~約200℃の融点を特徴とする、項63~77のいずれか一項に記載のニラパリブ(R)-(-)-マンデレートの結晶形態1。
【0448】
項79
約197℃の融点を特徴とする、項63~78のいずれか一項に記載のニラパリブ(R)-(-)-マンデレートの結晶形態1。
【0449】
項80
融解の開始(吸熱ピーク)が約197℃であり、かつ/あるいは、ピークの最小値が約201℃であるDSCサーモグラムを特徴とする、項63~79のいずれか一項に記載のニラパリブ(R)-(-)-マンデレートの結晶形態1。
【0450】
項81
実質的に図18に示されるDSCサーモグラムを特徴とする、項63~80のいずれか一項に記載のニラパリブ(R)-(-)-マンデレートの結晶形態1。
【0451】
項82
約3443cm-1、約3340cm-1、約1671cm-1および約1638cm-1のピークを含む赤外線スペクトルを特徴とする、項63~81のいずれか一項に記載のニラパリブ(R)-(-)-マンデレートの結晶形態1。
【0452】
項83
実質的に図14に示される赤外線スペクトルを特徴とする、項63~82のいずれか一項に記載のニラパリブ(R)-(-)-マンデレートの結晶形態1。
【0453】
項84
実質的に図19に示されるDVSサーモグラムを特徴とする、項63~83のいずれか一項に記載のニラパリブ(R)-(-)-マンデレートの結晶形態1。
【0454】
項85
2-{4-[(3S)-ピペリジン-3-イル]フェニル}-2H-インダゾール-7-カルボキサミド(ニラパリブ)カムシレート。
【0455】
項86
2-{4-[(3S)-ピペリジン-3-イル]フェニル}-2H-インダゾール-7-カルボキサミド(ニラパリブ)(1S)-(+)-カムシレート。
【0456】
項87
結晶性2-{4-[(3S)-ピペリジン-3-イル]フェニル}-2H-インダゾール-7-カルボキサミド(ニラパリブ)(1S)-(+)-カムシレート。
【0457】
項88
2-{4-[(3S)-ピペリジン-3-イル]フェニル}-2H-インダゾール-7-カルボキサミド(ニラパリブ)(1S)-(+)-カムシレートの結晶形態1。
【0458】
項89
16.0°±0.2°、13.5°±0.2°、17.6°±0.2°、24.3°±0.2°および/または24.6°±0.2°の2θのうちの1つまたは複数のピークを含むXRPDパターンを有する、項88に記載のニラパリブ(1S)-(+)-カムシレートの結晶形態1。
【0459】
項90
16.0°±0.2°、13.5°±0.2°、17.6°±0.2°、24.3°±0.2°および/または24.6°±0.2°の2θのうちの少なくとも2つのピークを含むXRPDパターンを有する、項88または89に記載のニラパリブ(1S)-(+)-カムシレートの結晶形態1。
【0460】
項91
16.0°±0.2°、13.5°±0.2°、17.6°±0.2°、24.3°±0.2°および/または24.6°±0.2°の2θのうちの少なくとも3つのピークを含むXRPDパターンを有する、項88~90のいずれか一項に記載のニラパリブ(1S)-(+)-カムシレートの結晶形態1。
【0461】
項92
16.0°±0.2°、13.5°±0.2°、17.6°±0.2°、24.3°±0.2°および/または24.6°±0.2°の2θのうちの少なくとも4つのピークを含むXRPDパターンを有する、項88~91のいずれか一項に記載のニラパリブ(1S)-(+)-カムシレートの結晶形態1。
【0462】
項93
16.0°±0.2°、13.5°±0.2°、17.6°±0.2°、24.3°±0.2°および24.6°±0.2°の2θのピークを含むXRPDパターンを有する、項88~92のいずれか一項に記載のニラパリブ(1S)-(+)-カムシレートの結晶形態1。
【0463】
項94
11.1°±0.2°、16.4°±0.2°、23.7°±0.2°、16.7°±0.2°および/または20.3°±0.2°の2θのうちの1つまたは複数のピークを含むXRPDパターンを有する、項88~93のいずれか一項に記載のニラパリブ(1S)-(+)-カムシレートの結晶形態1。
【0464】
項95
11.1°±0.2°、16.4°±0.2°、23.7°±0.2°、16.7°±0.2°および/または20.3°±0.2°の2θのうちの2つまたは3つ以上のピークを含むXRPDパターンを有する、項88~94のいずれか一項に記載のニラパリブ(1S)-(+)-カムシレートの結晶形態1。
【0465】
項96
11.1°±0.2°、16.4°±0.2°、23.7°±0.2°、16.7°±0.2°および/または20.3°±0.2°の2θのうちの3つまたは4つ以上のピークを含むXRPDパターンを有する、項88~95のいずれか一項に記載のニラパリブ(1S)-(+)-カムシレートの結晶形態1。
【0466】
項97
11.1°±0.2°、16.4°±0.2°、23.7°±0.2°、16.7°±0.2°および/または20.3°±0.2°の2θのうちの4つまたは5つ以上のピークを含むXRPDパターンを有する、項88~96のいずれか一項に記載のニラパリブ(1S)-(+)-カムシレートの結晶形態1。
【0467】
項98
11.1°±0.2°、16.4°±0.2°、23.7°±0.2°、16.7°±0.2°および20.3°±0.2°の2θのピークを含むXRPDパターンを有する、項88~97のいずれか一項に記載のニラパリブ(1S)-(+)-カムシレートの結晶形態1。
【0468】
項99
16.0°±0.2°、13.5°±0.2°、17.6°±0.2°、24.3°±0.2°、24.6°±0.2°、11.1°±0.2°、16.4°±0.2°、23.7°±0.2°、16.7°±0.2°および20.3°±0.2°の2θのピークを含むXRPDパターンを有する、項88~98のいずれか一項に記載のニラパリブ(1S)-(+)-カムシレートの結晶形態1。
【0469】
項100
6.7°±0.2°、16.4°±0.2°、23.7°±0.2°および/または25.2°±0.2°の2θのうちの1つまたは複数のXRPDピークを含むXRPDパターンを有する、項88~99のいずれか一項に記載のニラパリブ(1S)-(+)-カムシレートの結晶形態1。
【0470】
項101
6.7°±0.2°、16.4°±0.2°、23.7°±0.2°および/または25.2°±0.2°の2θのうちの少なくとも2つのピークを含むXRPDパターンを有する、項88~100のいずれか一項に記載のニラパリブ(1S)-(+)-カムシレートの結晶形態1。
【0471】
項102
6.7°±0.2°、16.4°±0.2°、23.7°±0.2°および/または25.2°±0.2°の2θのうちの少なくとも3つのピークを含むXRPDパターンを有する、項88~101のいずれか一項に記載のニラパリブ(1S)-(+)-カムシレートの結晶形態1。
【0472】
項103
6.7°±0.2°、16.4°±0.2°、23.7°±0.2°および25.2°±0.2°のピークを含むXRPDパターンを有する、項88~102のいずれか一項に記載のニラパリブ(1S)-(+)-カムシレートの結晶形態1。
【0473】
項104
16.0°±0.2°、13.5°±0.2°、17.6°±0.2°、24.3°±0.2°、24.6°±0.2°、11.1°±0.2°、16.4°±0.2°、23.7°±0.2°、16.7°±0.2°、20.3°±0.2°、6.7°±0.2°、25.2°±0.2°、25.0°±0.2°、25.8°±0.2°、26.8°±0.2°、22.8°±0.2°、9.5°±0.2°、16.9°±0.2°、14.3°±0.2°および/または7.7°±0.2°の2θのうちの少なくとも1つのピークを含むXRPDパターンを有する、項88~103のいずれか一項に記載のニラパリブ(1S)-(+)-カムシレートの結晶形態1。
【0474】
項105
以下の表:
【表10】
に記載の、2θ値(±0.2°2θ)を有するピークと場合によりまた相対強度とを含むXRPDパターンを有する、項88~104のいずれか一項に記載のニラパリブ(1S)-(+)-カムシレートの結晶形態1。
【0475】
項106
実質的に図22に示されるXRPDパターンを特徴とする、項88~105のいずれか一項に記載のニラパリブ(1S)-(+)-カムシレートの結晶形態1。
【0476】
項107
約235℃~約245℃の融点を特徴とする、項88~106のいずれか一項に記載のニラパリブ(1S)-(+)-カムシレートの結晶形態1。
【0477】
項108
約239℃の融点を特徴とする、項88~107のいずれか一項に記載のニラパリブ(1S)-(+)-カムシレートの結晶形態1。
【0478】
項109
融解の開始(吸熱ピーク)が約235℃であり、かつ/あるいは、ピークの最小値が約246℃であるDSCサーモグラムを特徴とする、項88~108のいずれか一項に記載のニラパリブ(1S)-(+)-カムシレートの結晶形態1。
【0479】
項110
実質的に図24に示されるDSCサーモグラムを特徴とする、項88~109のいずれか一項に記載のニラパリブ(1S)-(+)-カムシレートの結晶形態1。
【0480】
項111
約3467cm-1、約3306cm-1、約1724cm-1、約1660cm-1および約1611cm-1のピークを含む赤外線スペクトルを特徴とする、項88~110のいずれか一項に記載のニラパリブ(1S)-(+)-カムシレートの結晶形態1。
【0481】
項112
実質的に図21に示される赤外線スペクトルを特徴とする、項88~112のいずれか一項に記載のニラパリブ(1S)-(+)-カムシレートの結晶形態1。
【0482】
項113
約25℃および約90%の相対湿度における約2重量%未満の水を吸着することを特徴とする、項88~112のいずれか一項に記載のニラパリブ(1S)-(+)-カムシレートの結晶形態1。
【0483】
項114
約25℃および約90%の相対湿度における約1.3重量%の水を吸着することを特徴とする、項88~113のいずれか一項に記載のニラパリブ(1S)-(+)-カムシレートの結晶形態1。
【0484】
項115
実質的に図25に示されるGVSサーモグラムを特徴とする、項88~114のいずれか一項に記載のニラパリブ(1S)-(+)-カムシレートの結晶形態1。
【0485】
項116
項1~115のいずれか一項に記載のニラパリブカンフォレート、ニラパリブマンデレートまたはニラパリブカムシレートと、少なくとも1種の薬学的に許容可能な賦形剤とを含んでなる医薬組成物。
【0486】
項117
療法に使用するための、項1~115のいずれか一項に記載のニラパリブカンフォレート、ニラパリブマンデレートもしくはニラパリブカムシレートまたは項116に記載の医薬組成物。
【0487】
項118
医薬品の製造における、項1~115のいずれか一項に記載のニラパリブカンフォレート、ニラパリブマンデレートもしくはニラパリブカムシレートまたは項116に記載の医薬組成物の使用。
【0488】
項119
対象における癌、脳卒中、自己免疫性糖尿病、神経疾患、炎症性疾患、代謝性疾患または心血管疾患を処置する方法であって、項1~115のいずれか一項に記載のニラパリブカンフォレート、ニラパリブマンデレートもしくはニラパリブカムシレートまたは項116に記載の医薬組成物の有効量を対象に投与することを含んでなる方法。
【0489】
項120
前記方法が癌を処置する方法である、項119に記載の方法。
【0490】
項121
前記癌が、BRCA1変異および/またはBRCA2変異に関連する、項120に記載の方法。
【0491】
項122
前記癌が、ATM、ATR、BAP1、BARD1、BLM、BRIP1、MRE11A、NBN、PALB2、RAD51、RAD51B、RAD51C、RAD51D、RAD52、RAD54LもしくはXRCC2の変異またはそれらの任意の組み合わせに関連する、項120または121に記載の方法。
【0492】
項123
前記癌が、上皮性卵巣癌、卵管癌または原発性腹膜癌である、項120~122のいずれか一項に記載の方法。
【0493】
項124
項119~123のいずれか一項で定義された方法で使用するための、項1~115のいずれか一項に記載のニラパリブカンフォレート、ニラパリブマンデレートもしくはニラパリブカムシレートまたは項116に記載の医薬組成物。
【0494】
項125
項119~123のいずれか一項で定義された方法で使用するための医薬の製造における、項1~115のいずれか一項に記載のニラパリブカンフォレート、ニラパリブマンデレートもしくはニラパリブカムシレートまたは項116に記載の医薬組成物の使用。
【実施例
【0495】
分析手順
X線粉末回折(XRPD)
X線粉末回折
通常、PANalytical X’pert proでXRPD分析を実施し、3~35°の2θにおいてサンプルをスキャンした。試料を穏やかに粉砕して、凝集をなくし、サンプルをサポートするためのカプトンまたはマイラーポリマーフィルムを備えたマルチウェルプレートにロードした。次いで、マルチウェルプレートを回折計に配置し、40kV/40mAジェネレーター設定を使用する透過モード(ステップサイズ0.0130°の2θ)で実行するCu K線(αλ=1.54060Å;α=1.54443Å;β=1.39225Å;α:α比=0.5)を使用して分析した。
【0496】
特に明記しない限り、XRPD分析は、室温および室内圧力で、約30~約50%の相対湿度(例えば、約40%の相対湿度)で実施された。
【0497】
NMR分析
通常、DCHクライオプローブを備えたBrukerAVIIIHD分光計でNMR法を実施した。試験を重水素化DMSO中で行い、各サンプルを約10mMの濃度に調製した。特に明記しない限り、NMRスペクトルは室温(例えば約300K)で取得された。
【0498】
高速液体クロマトグラフィー-紫外線検出(HPLC-UV)
通常、以下のパラメータを使用してHPLCを実行した。
カラム:Waters Symmetry C18、150×3.9mm、5μm
カラム温度:40℃
オートサンプラー温度:5℃
UV波長:220nm
注入量:4.3μL
流量:1.962mL/min
移動相A:0.1%過塩素酸水溶液
移動相B:アセトニトリル
【0499】
通常使用される勾配プログラムは以下の通りであった。
【表11】
【0500】
偏光顕微鏡(PLM)
通常、Moticのカメラおよび画像キャプチャソフトウェア(Motic Images Plus 2.0)を備えたOlympusBX50偏光顕微鏡を使用して、結晶化度(複屈折)の存在を決定した。特に明記しない限り、20倍の対物レンズを使用して、すべての画像を記録した。
【0501】
赤外分光法(FT-IR)
通常、Bruker ALPHA P分光計で赤外分光法を実施した。十分な試料を分光計のプレートの中央に配置し、以下のパラメータを使用してスペクトルを取得した。
解像度:4cm-1
バックグラウンドスキャン時間:16スキャン
サンプルスキャン時間:16スキャン
データ収集:4000~400cm-1
結果スペクトル:透過率
ソフトウェア:OPUSバージョン6
【0502】
熱重量分析(TGA)
通常、約5mgの試料を開いたアルミニウムパンに量り取り、熱重量/示差熱同時測定装置(TG/DTA)にロードし、室温で保持した。次いで、10℃/minの速度で20℃から350℃にサンプルを加熱した。その間、サンプル重量の変化を温度差イベント(DTA)とともに記録した。パージガスとして窒素を300cm/minの流量で使用した。
【0503】
示差走査熱量測定(DSC)
通常、約5mgの試料をアルミニウムDSCパンに量り取り、穴の開いたアルミニウム蓋で非密封的に閉じた。次いで、サンプルパンをセイコーDSC6200(クーラーを装備)にロードし、冷却して20℃に保持した。安定した熱流応答が得られたら、サンプルおよびリファレンスを10℃/minのスキャン速度で、(可能であれば)融解するまで、加熱し、得られた熱流応答をモニターした。パージガスとして窒素を50cm/minの流量で使用した。
【0504】
重量法蒸気吸着測定(GVS)
通常、約10~20mgのサンプルをメッシュ蒸気吸着秤量皿に入れ、Hiden Analytical製のIGASorp水分吸着測定装置の天秤に載置した。サンプルを10%の増分で40%から90%の相対湿度(RH)までの傾斜プロファイルに供し、安定した重量が達成されるまで各ステップでサンプルを25℃で維持した(98%でステップ完了、最小ステップ長30分、最大ステップ長60分)。吸着サイクルの完了後、サンプルを同じ手順を使用して0%RHまで乾燥させ、最後に開始点の40%RHに戻した。2度のサイクルを実施した。吸着/脱着サイクル中の重量変化をプロットし、サンプルの吸湿性を測定できるようにした。
【0505】
動的蒸気吸着(DVS)
通常、約10mgのサンプルをメッシュ蒸気吸着秤量皿に入れ、Surface Measurement Systems製のDVS-1/DVS Intrinsic/DVS Advantageの動的蒸気吸着測定装置の天秤に載置した。サンプルを10%の増分で40%から90%の相対湿度(RH)までの傾斜プロファイルに供し、安定した重量が達成されるまで各ステップでサンプルを25℃で維持した(dm/dt 0.004%、最小ステップ長30分、最大ステップ長500分)。吸着サイクルの完了後、サンプルを同じ手順を使用して0%RHまで乾燥させ、次いで、2回目の吸着サイクルで40%RHまで戻した。2度のサイクルを実施した。吸着/脱着サイクル中の重量変化をプロットし、サンプルの吸湿性を測定できるようにした。
【0506】
ニラパリブトシレート塩およびニラパリブ遊離塩基の合成
ニラパリブトシレート一水和物
ニラパリブトシレート一水和物は、ニラパリブから、例えば、WO2014/088983またはPCT/US2018/029131に記載のように得られる。ニラパリブトシレート一水和物の例示的なXRPDパターンを図1に示す。
【0507】
ニラパリブ遊離塩基
【化6】
【0508】
50.0g(97.9mmol)のニラパリブトシレート一水和物の2-MeTHF(1L)混合液に、室温で1%NaOH溶液(500mL)を添加した。混合液を30分間撹拌した後、水層を分離し、2-MeTHF(500mL)で2回抽出した。合わせた有機層を水(1L)で洗浄した。溶液を30℃未満でゆっくりと部分真空下で濃縮し、約20mLの懸濁液を得た。混合液を室温で30分間撹拌し、濾過して、オフホワイトの固体(23.8g、収率75.9%)を得た。MS (ESI) C19H20N4O requires: 320, found: 321 [M+H]+.
【0509】
1H NMR (500.12 MHz, DMSO-d6) δ 9.27 (s, 1H), 8.59 (dd, 1H, J=1.8, 4.7 Hz), 8.07 (dd, 1H, J=1.1, 7.0 Hz), 8.04 (d, 2H, J=8.7 Hz), 8.02 (dd, 1H, J=1.1, 8.1 Hz), 7.90 (br. s, 1H), 7.46 (d, 2H, J=8.5 Hz), 7.27 (dd, 1H, J=7.2, 8.3 Hz), 3.00 (br. d, 1H, J=12.1 Hz), 2.94 (br. d, 1H, J=12.1 Hz), 2.70 (m, 1H), 2.51 (m, 2H), 1.91, (d, 1H, J=13.0 Hz), 1.68 (m, 1H), 1.61 (m, 1H), 1.49 (m, 1H).
【0510】
13C NMR (125.77 MHz, DMSO-d6) δ 166.1, 146.5, 146.4, 138.0, 130.1, 128.7, 125.8, 123.9, 123.8, 122.3, 121.9, 121.1, 54.0, 46.4, 43.6, 40.6, 40.4, 40.3, 40.1, 39.9, 32.3, 27.0.
【0511】
実施例1:結晶性ニラパリブカンフォレート
1.1:ニラパリブ(1R,3S)-(+)-カンフォレート(形態1)-「(+)-カンフォレート」塩
【化7】
【0512】
ニラパリブ遊離塩基(5g、15.6mmol)をバイアルに量り入れ、次いで、メタノール(17.5mL)を量り入れた。(1R,3S)-(+)-カンファー酸(16.4mmol、1.05当量)のTHF溶液(16.4mL)の添加後、得られたスラリーを72時間撹拌しながら熱サイクル(周囲条件で4時間、次いで、40℃で4時間)に供した。熱サイクルから取り出し、存在する固体物質を遠心濾過によって単離し、粗ニラパリブ(1R,3S)-(+)-カンフォレート塩(5.69g)を得た。粗ニラパリブ(1R,3S)-(+)-カンフォレート塩(5.24g)および(1R,3S)-(+)-カンファー酸(4.0g;12.5mmol;0.8当量)をメタノール(200mL)中で、40℃でスラリー化した。約0.5時間撹拌した後、バッチを室温まで冷却し、さらに24時間撹拌した。得られたスラリーをさらに24時間冷蔵庫で静置した後、濾過により固体を単離し、濾過した固体を真空オーブン内で、40℃で3時間乾燥させた。これにより、結晶性固体(融点264℃)としてニラパリブ(1R,3S)-(+)-カンフォレート塩(6.48g、全体の収率75.0%)を得た。
【0513】
1H NMR (500 MHz, DMSO-d6) δ 9.28 (s, 1H), 8.57 (br. s, 1H), 8.07 (dt, 2H, J=1.9, 8.7 Hz), 8.06 (dd, 1H, J=1.0, 6.9 Hz), 8.02 (dd, 1H, J=1.0, 8.3 Hz), 7.89 (br. s, 1H), 7.49 (d, 2H, J=8.8 Hz), 7.27 (dd, 1H, J=7.1, 8.1 Hz), 3.11 (br. d, 1H, J=12.0 Hz), 3.06 (br. d, 1H, J=12.3 Hz), 2.80 (tt, 1H, J=3.5, 11.3 Hz), 2.75 - 2.56 (m, 3H), 2.39 - 2.27 (m, 1H), 2.05 - 1.88 (m, 2H), 1.79 - 1.54 (m, 4H), 1.41 - 1.32 (m, 1H), 1.18, (s, 3H), 1.11 (s, 3H), 0.80 (s, 3H).
【0514】
FT-IR (cm-1): 3359.44, 3182.612, 3120.66, 2980.97, 2964.28, 2886.27, 2860.66, 2701.37, 2513.23, 1692.94, 1648.76, 1557.44, 1523.02, 1434.04, 1396.55, 1377.75, 1331.85, 1304.91, 1264.73, 1229.82, 1203.47, 1156.66, 1127.69, 1091.44, 1060.29, 1001.87, 946.70, 871.18, 827.13, 794.09, 755.21, 717.77, 678.26, 615.99, 551.87, 535.68, 494.00, 463.87, 411.96. ニラパリブ(1R,3S)-(+)-カンフォレートのIRスペクトルを図2に示す。
【0515】
1.2:ニラパリブ(lS,3R)-(-)-カンフォレート(形態1)-「(-)-カンフォレート」塩
【化8】
【0516】
ニラパリブ遊離塩基(250mg;0.78mmol)のエタノール懸濁液(2.5mL)に、(lS,3R)-(-)-カンファー酸のTHF溶液(1.58mL、1.0M、2.1当量)を40℃で1時間かけてゆっくりと添加した。得られた溶液を40℃で1時間撹拌した。得られた懸濁液を1時間かけて室温まで冷却した。混合物を濾過し、湿ケーキを真空下、40℃で3時間乾燥させて、結晶性固体(融点226℃)としてニラパリブ(lS,3R)-(-)-カンフォレート(331mg)を得た。
【0517】
1H NMR (500 MHz, DMSO-d6) δ 9.28 (s, 1H), 8.58 (br. s, 1H), 8.08 (dt, 2H, J=2.0, 8.6 Hz), 8.07 (dd, 1H, J=1.1, 7.0 Hz), 8.02 (dd, 1H, J=1.1, 8.3 Hz), 7.89 (br. s, 1H), 7.49 (d, 2H, J=8.6 Hz), 7.27 (dd, 1H, J=6.9, 8.2 Hz), 3.11 (br. d, 1H, J=11.9 Hz), 3.05 (br. d, 1H, J=12.5 Hz), 2.88 - 2.75 (m, 1H), 2.75 - 2.56 (m, 3H), 2.40 - 2.26 (m, 1H), 2.05 - 1.85 (m, 2H), 1.80 - 1.52 (m, 4H), 1.42 - 1.31 (m, 1H), 1.18 (s, 3H), 1.11 (s, 3H), 0.79 (s, 3H).
【0518】
FT-IR (cm-1): 3366.88, 3177.98, 3120.30, 3036.66, 2978.54, 2879.58, 2790.08, 2719.08, 2507.15, 2529.46, 2371.80, 2228.38, 2030.21, 1693.10, 1648.46, 1560.66, 1523.93, 1458.02, 1429.67, 1377.32, 1331.43, 1303.71, 1269.54, 1200.70, 1156.87, 1127.25, 1085.34, 1058.93, 1000.35, 932.27, 914.62, 869.18, 839.71, 794.24, 780.48, 753.71, 721.16, 673.17, 604.09, 543.75, 522.65, 487.43, 453.97, 409.48.ニラパリブ(lS,3R)-(-)-カンフォレートのIRスペクトルを図8に示す。
【0519】
実施例2:結晶性ニラパリブマンデレート
【化9】
【0520】
ニラパリブ遊離塩基5.0g(15.6mmol)のアセトニトリル懸濁液(100mL)に、(R)-(-)-マンデル酸のTHF溶液(15.8mL、1.0M、1.05当量)をバルク溶液として室温で添加した。得られた混合物を、72時間撹拌しながら、室温で4時間、次いで、40℃で4時間の熱サイクルに供した。混合物を室温で濾過して、表題化合物(5.9g)を得た。得られた固体(約5.5g)を40℃でMeOH(80mL)に溶解させた。室温まで冷却した後、10~20mLの溶媒を蒸発させた。24時間後、多くの沈殿が観察された。懸濁液をさらに24時間冷蔵庫に静置した後、濾過により固体を単離し、濾過した固体を40℃の真空オーブンで3時間乾燥させた。これにより、結晶性の塩(融点197℃)としての表題の塩(3.8g、全体の収率50.6%)を得た。
【0521】
1H NMR (500 MHz, DMSO-d6) δ 9.30 (s, 1H), 8.58 (br. s, 1H), 8.10 (dt, 2H, J=1.9, 8.7 Hz), 8.08 (dd, 1H, J=1.1, 6.9 Hz), 8.02 (dd, 1H, J=1.1, 8.4 Hz), 7.90 (br. s, 1H), 7.48 (d, 2H, J=8.6 Hz), 7.41 (m, 2H), 7.27 (m, 3H), 7.17 (tt, 1H, J=1.9, 8.0 Hz), 4.65 (s, 1H), 3.30 - 3.19 (m, 2H), 3.00 - 2.90 (m, 2H), 2.87 - 2.76 (m, 1H), 1.90 - 1.64 (m, 4H).
【0522】
FT-IR (cm-1): 3443.90, 3340.48, 3150.83, 3030.33, 2982.99, 2939.97, 2621.21, 2513.33, 2442.51, 1671.47, 1637.65, 1584.33, 1524.97, 1433.06, 1465.81, 1369.51, 1320.36, 1263.54, 1204.03, 1186.23, 1142.43, 1098.65, 1062.22, 961.17, 905.79, 870.89, 828.56, 764.89, 730.97, 693.15, 674.78, 622.88, 591.13, 555.73, 536.97, 508.16, 455.43, 406.54. ニラパリブ(R)-(-)-マンデレートのIRスペクトルを図14に示す。
【0523】
実施例3:結晶性ニラパリブカムシレート
【化10】
【0524】
ニラパリブ遊離塩基(2.5g;7.8mmol)のアセトニトリル懸濁液(100mL)に、(1S)-(+)-カンファー-10-スルホン酸のTHF溶液(7.9mL、1.0M、1.05当量)をバルク溶液として室温で添加した。混合物を撹拌しながら熱サイクル(周囲温度と40℃との間で4時間サイクル)に供した。固体を濾過により回収し、メタノール(50mL)に完全に溶解させた。得られた溶液中の約10~20mLの溶媒を、室温で24時間かけて非常にゆっくりと蒸発させた。沈殿が観察された。サンプルをさらに24時間冷蔵庫に静置した。混合物を濾過し、真空オーブンで湿ケーキを乾燥させて、結晶性固体(融点239℃)としてニラパリブカムシレート(1.6g;収率37%)を得た。
【0525】
1H NMR (500 MHz, DMSO-d6) δ 9.32 (s, 1H), 8.56 (br. s, 1H), 8.14 (dt, 2H, J=1.9, 8.7 Hz), 8.07 (dd, 1H, J=1.1, 7.0 Hz), 8.03 (dd, 1H, J=1.1, 8.4 Hz), 7.90 (br. s, 1H), 7.56 (d, 2H, J=8.6 Hz), 7.29 (dd, 1H, J=7.1, 8.4 Hz), 3.47 - 3.21 (m, 2H), 3.19 - 3.02 (m, 2H), 2.99 - 2.87 (m, 2H), 2.74 - 2.63 (m, 1H), 2.41 (d, 1H, J=14.7 Hz), 2.24 (dt, 1H, J=4.0, 18.0 Hz), 2.02 - 1.71 (m, 7H), 1.36 - 1.22 (m, 2H), 1.06 (s, 3H), 0.75 (s, 3H).
【0526】
FT-IR (cm-1): 3466.56, 3305.79, 3134.98, 2983.48, 2966.85, 2924.72, 2855.25, 2629.88, 2529.59, 2443.22, 1724.23, 1660.68, 1611.04, 1594.54, 1525.74, 1458.86, 1378.40, 1351.19, 1305.30, 1277.01, 1254.07, 1196.23, 1110.37, 1032.65, 941.09, 906.51, 867.55, 826.34, 784.10, 756.64, 717.04, 668.42, 689.10, 618.76, 599.80, 583.63, 558.36, 514.62, 497.92, 456.56, 432.40. ニラパリブカムシレートのIRスペクトルを図21に示す。
【0527】
実施例4:X線粉末回折(XRPD)
実施例1~3で生成した結晶性固体のXRPDパターンを図3、9、15および22に示す。XRPD分析の前に、ニラパリブ(R)-(-)-マンデレート塩を粉砕して、より均一な粒子サイズにした。それぞれの場合に観察される結晶形態は「形態1」として割り当てられる。
【0528】
以下の表1~4は、それぞれ図3、8、13および19のXRPD回折角を示す。
【0529】
【表12】
【0530】
【表13】
【0531】
【表14】
【0532】
【表15】
【0533】
実施例5:融解特性
実施例1~3で生成した結晶性固体に対してDSCを実施した。DSCサーモグラムは、図5、11、18および24で確認することができる。以下の表5に、これらのサーモグラムのパラメータを示す。
【0534】
【表16】
【0535】
実施例6:吸湿性
実施例1および3で生成した結晶性固体に対してGVSを実施した。実施例2で生成した結晶性固体に対してDVSを実施した。結果を図6、12、19および25に示す。90%RHにおいて観察されたサンプルの質量増加率を以下の表6に示す。カンフォレート塩およびマンデレート塩は吸湿性でなく(0.5%以下の質量増加)、カムシレート塩はわずかに吸湿性である。
【0536】
【表17】
【0537】
実施例7:保存安定性
上記の実施例1~3で生成した各結晶性固体のサンプルを、40℃かつ75%RHにおいて24時間保存し、次いで、XRPDによって分析した。40℃/75%RHにおいて24時間保存後のすべての試料に変化はなかった。
【0538】
実施例8:ニラパリブ(R)-(-)-マンデレート(形態1)の単結晶構造
単色化されたCu Kα(λ=1.54184Å)線を使用して、Agilent Technologies(Dual Source)SuperNova回折計によりSXRD分析を実施した。回折計にはOxford Cryosystems低温装置が取り付けられており、120(1)Kでのデータ収集を実行することができた。結晶をPratoneオイルの保護層に包んだ。収集されたデータは、CrysAlisProソフトウェアパッケージ(Agilent Technologies、2014年)の一部として実装された、多面的な結晶モデルでのガウス積分に基づく吸収効果のために補正された。
【0539】
構造を直接法(SHELXS97)1によって解析し、OLEX2ソフトウェアパッケージを介してインターフェイスされたF2(SHELXL97)1の完全最小二乗による精密化によって展開された。画像の生成は、OLEX2を介して行われた。斜方晶系空間群P212121においてデータを収集し、解析し、精密化した。PLATON4のADDSYMM3ルーチンを使用してより高いメトリック対称性を検索したが、より高次の対称性を明らかにすることはできなかった。
【0540】
すべての非水素原子をフーリエマップに配置し、すべての非水素原子の熱的挙動(thermal movement)を記載する前に、それらの位置を非等方性に精密化した。構造内で、完全な化学量論の関連するマンデル酸式単位とともに、1つの完全な結晶学的に独立したニラパリブ式単位が非対称単位内に見つかった。構造内では、親ニラパリブ分子と、関連するマンデル酸との両方が、2つの位置でディスオーダー(disorder)であり、占有率は50%であることが見出された。最終的な構造にはそれ以上のディスオーダーは見られなかった。ディスオーダーな単位内では、以下の距離:C22A-C21およびC22B-C21を、esd0.01で1.54Åに制限した。
【0541】
すべての水素原子を、すべてのCH、CH、およびNH基に対して1.2倍、すべてのOH基に対して1.5倍の固定Uisoによるライディングモデル(riding model)を使用して計算された位置に配置した。最高の残留フーリエピークは0.58e.Å-3、N2から約0.30Åであり、最も深いフーリエホールは-0.37e.Å-3、N2から約1.55Åであることが見出された。
【0542】
【表18】
【0543】
実施例9:光学顕微鏡
実施例1~3で生成した結晶性固体を、可視およびPLMを使用する光学顕微鏡法によって評価した。顕微鏡写真を図7、13、20および26に示し、結果を以下の表7に要約する。
【0544】
【表19】
【0545】
例10:溶解度試験
上記の実施例1.1、2および3で生成した結晶性固体の溶解度を、以下のプロトコルを使用して、結晶性ニラパリブトシレート一水和物(XRPDパターン図1を特徴とする)の溶解度と比較した。
【0546】
最初の手順(3回実行)では、飽和が達成されるまで、塩を少量ずつ脱イオン水または緩衝液(10mL)に添加し(最初に約20mgを添加)、得られたスラリーを37℃で24時間振とうした。以下の緩衝液(いずれの場合も50mM)を使用した。
pH1:25mLのKCl溶液(1.49gを100mLの水に溶解)および42.5mLのHCl溶液(1.66mLの濃塩酸(約37%)を水で100mLにしたもの)を一緒に添加し、水で100mLにした。
pH4.5:無水酢酸ナトリウム(1.07g)を水(約150mL)に溶解した後、5.9mLの酢酸溶液(11.6mLの氷酢酸を水で100mLにしたもの)を添加した。得られた溶液を水で500mLにした。
pH6.8:25mLのKHPO溶液(2.72gを約80mLの水に溶解し、水で100mLにした)および11.2mLのNaOH溶液(800mgの水酸化ナトリウムを溶解し、水で100mLに希釈した)を一緒に添加し、水で100mLにした。
【0547】
最初の1時間後に、さらに約20~30mgの適切な塩を以下のサンプル:(i)pH1の緩衝液中の(1R,3S)-(+)-カンフォレート;(ii)水、pH1の緩衝液およびpH4.5の緩衝液中の(R)-(-)-マンデルレート1;および(iii)すべての溶媒中の(lS)-(+)-カムシレートに添加した。
【0548】
次いで、各サンプルを濾過し、母液中のニラパリブの濃度をHPLCで評価した。濾過によって分離された固体をXRPDによって評価し、材料の形態が変化したか否かを判断した。
【0549】
溶解度が30mg/mLを超えるサンプルでは、最初の30mgの固体を添加した後に溶液を観察した。これらのサンプルの溶解度評価は、以下の手順を使用して繰り返された(サンプルは3回調製された)。
【0550】
適切な塩(30mg)をバイアルに量り入れ、水または緩衝液(1mL)を添加する。サンプルを37℃で24時間振とうした。1時間後および約17時間後、マンデレートサンプル(pH1の緩衝液中のサンプルを除く)にさらに塩を添加して、約50~60mgの固体を得た。マンデルレートのpH1サンプルの場合、二相系が観察されたときに飽和に達するまで、さらに試料を加えた。サンプルは上記のように分析された。
【0551】
ニラパリブ塩の溶解度を以下の表8に示す。いずれの場合も、報告された溶解度の値は、溶液中のニラパリブ遊離塩基の濃度に基づき、3回の測定の平均である。
【0552】
【表20】
表8のデータは、カンフォレート塩、マンデルレート塩およびカムシレート塩が、特に低pH媒体において、トシレート塩よりも高い溶解度を有することを示唆している。特に、マンデレート塩は、広範囲のpH値にわたって高い溶解度を示す。これは、有利な特性である(そして、吸湿性がないことを考えると、驚くことである)。
【0553】
本明細書で引用されたすべての特許、公開された出願および参考文献の教示は、それらの全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0554】
本発明は、それらの例示的な実施形態を参照して特に示され、説明されてきたが、当業者には、添付の特許請求の範囲に含まれる本発明の趣旨および範囲から逸脱することなく、形態および詳細の様々な変更を行うことができることが理解される。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26