(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-12
(45)【発行日】2024-04-22
(54)【発明の名称】再構成可能な磁気デテントを画定するための電気モータを組み込む車両用セレクタダイヤル
(51)【国際特許分類】
B60K 20/02 20060101AFI20240415BHJP
H01H 19/60 20060101ALI20240415BHJP
B60K 20/08 20060101ALI20240415BHJP
G05G 1/08 20060101ALI20240415BHJP
G05G 5/03 20080401ALI20240415BHJP
G05G 1/015 20080401ALI20240415BHJP
【FI】
B60K20/02 A
H01H19/60
B60K20/08
G05G1/08 B
G05G5/03 B
G05G1/015 A
(21)【出願番号】P 2021525558
(86)(22)【出願日】2019-11-12
(86)【国際出願番号】 IB2019059720
(87)【国際公開番号】W WO2020100043
(87)【国際公開日】2020-05-22
【審査請求日】2022-10-21
(32)【優先日】2018-11-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】516173429
【氏名又は名称】ジーエイチエスピー・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】GHSP, INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100096758
【氏名又は名称】高橋 剛
(74)【代理人】
【識別番号】100114845
【氏名又は名称】高橋 雅和
(74)【代理人】
【識別番号】100148781
【氏名又は名称】高橋 友和
(72)【発明者】
【氏名】バグレー, ジョン トーマス
(72)【発明者】
【氏名】ベイズ, ジェフリー
【審査官】前田 浩
(56)【参考文献】
【文献】独国実用新案第202016005830(DE,U1)
【文献】実開平04-124885(JP,U)
【文献】実開昭64-030673(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60K 20/00
H01H 19/00
G05G 1/00
G05G 5/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両用のセレクタであって、
ステッパモータと、
前記ステッパモータと通信する、手動操作可能な回転部分と、
前記ステッパモータおよび前記手動操作可能な回転部分と通信する位置センサであって、
前記位置センサがまた、前記回転部分と通信するように位置決めされた表示画面とも通信する、位置センサと、
ユーザインターフェースであって、前記ユーザインターフェースが、前記表示画面に選択的および代替的に表示される複数のセレクタカテゴリを動作させ、前記ユーザインターフェースの動作が、前記複数のセレクタカテゴリのうちの識別されたカテゴリに対応する複数の回転設定点を含むように前記表示画面を変更する、ユーザインターフェースとを備え、
前記回転部分が、前記ステッパモータの駆動シャフトにおいて前記ステッパモータに結合され、
前記回転部分の手動操作がまた、前記駆動シャフトを回転させ、前記ステッパモータが、
前記複数の回転設定点に関して、前記回転部分の前記手動操作に触覚構成要素を適用する、位置センサと、を備える、セレクタ。
【請求項2】
前記ステッパモータが、バイポーラハイブリッドステッパモータである、請求項1に記載のセレクタ。
【請求項3】
前記ステッパモータが、複数の歯を有し、ロータ磁石が、前記複数の歯の各歯に配置される、ロータを含む、請求項1に記載のセレクタ。
【請求項4】
前記ステッパモータが、少なくとも200個の歯を有するロータと、対応するロータ磁石と、を含む、請求項3に記載のセレクタ。
【請求項5】
前記ステッパモータが、2相ステータを含む、請求項1に記載のセレクタ。
【請求項6】
前記ステッパモータが、前記回転設定点の各々において前記触覚構成要素を生成するように動作する、請求項1に記載のセレクタ。
【請求項7】
前記複数のセレクタカテゴリの各識別されたカテゴリが、対応する一組の回転設定点を含み、各識別されたカテゴリの前記回転設定点が、前記表示画面に表示される、請求項6に記載のセレクタ。
【請求項8】
前記触覚構成要素が、前記回転部分の手動操作に部分的に対抗する一貫した抗力構成要素である、請求項1~7のいずれか一項以上に記載のセレクタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概して、車両用のセレクタダイヤルに関し、より具体的には、磁気デテントおよび使用中に再構成することができる他の触覚フィードバックを画定するための電気モータを含む、車両用の手動操作式セレクタダイヤルに関する。
【背景技術】
【0002】
従来の車両内では、回転操作式セレクタダイヤルを利用して、車両の様々な態様を制御するための選択を行うことができる。これらのセレクタダイヤルは、セレクタダイヤルの周囲に位置決めされた様々なデテントによって識別することができる複数の位置を含むことができる。機械式デテントが使用される場合、これらは、セレクタダイヤルに対する場所に固定される。このため、セレクタダイヤルは、典型的に、ユーザによってアクセスすることができる特定の数の潜在的選択位置を含むことしかできない。
【発明の概要】
【0003】
本発明の一態様によれば、車両用のセレクタは、ステッパモータを含む。手動操作可能な回転部分は、ステッパモータと通信する。表示画面は、回転部分と通信する。位置センサは、ステッパモータおよび手動操作可能な回転部分と通信する。回転部分は、ステッパモータの駆動シャフトにおいてステッパモータに結合される。回転部分の手動操作はまた、駆動シャフトも回転させる。ステッパモータは、回転部分の手動操作に触覚構成要素を適用する。
【0004】
本発明の別の態様によれば、車両用の回転セレクタノブは、駆動シャフトを有する2相ステッパモータと、複数のロータ磁石を有するロータと、を含む。手動操作可能な回転部分は、駆動シャフトに結合される。表示画面は、回転部分と通信する。ユーザインターフェースは、表示画面と通信する。位置センサは、ステッパモータおよび手動操作可能な回転部分と通信する。ユーザインターフェースは、表示画面に選択的および代替的に表示される複数のセレクタカテゴリを動作させる。ユーザインターフェースの動作は、複数のセレクタカテゴリの識別されたカテゴリに対応する複数の回転設定点を含むように表示画面を変更する。回転部分は、識別されたカテゴリの複数の回転設定点の間を、選択的におよび手動で回転する。位置センサは、複数の回転設定点に対する回転部分の位置を監視する。位置センサは、ステッパモータと通信する。複数の設定点のうちの1つの設定点への回転部分の動作は、回転部分内の触覚構成要素を画定するようにステッパモータを動作させる。
【0005】
本発明の別の態様によれば、車両セレクタノブを動作させるための方法。ユーザインターフェースは、複数のセレクタカテゴリのうちの識別されたカテゴリを選択するように動作する。複数の回転設定点は、識別されたカテゴリに対応する。ステッパモータの駆動シャフトに取り付けられた回転部分は、手動で操作される。回転部分が複数の回転設定点のうちの1つの回転設定点に到達したときに、触覚構成要素は、回転部分の手動操作に適用される。触覚構成要素は、回転部分を回転設定点に少なくとも部分的に位置付けるデテント力、および回転部分の手動操作に対抗する一貫した抗力構成要素、のうちの1つを含む。
【0006】
本発明のこれらおよび他の態様、目的、および特徴は、以下の明細書、特許請求の範囲、および添付図面を研究することにより、当業者によって理解および認識されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図面において、
【0008】
【
図1】再構成可能な磁気デテントの態様を組み込んだセレクタノブの上面斜視図である。
【
図2】再構成可能な磁気デテントの態様を組み込んだセレクタノブの態様の断面図である。
【
図4】再構成可能な磁気デテントを動作させるためのセレクタノブ内に含まれたステッパモータの概略断面図である。
【
図5】再構成可能な磁気デテントに関する表示画面の態様を示すセレクタノブの平面図である。
【
図6】セレクタノブの、およびユーザが経験する反抗力の形態で触覚フィードバックを生成するためのステッパモータの操作を示す、概略平面図である。
【
図7】複数のセレクタカテゴリのうちの識別されたカテゴリに関連する複数の設定点の例示的な態様を示す、セレクタノブの表示画面の態様の平面図である。
【
図8】複数のセレクタカテゴリの識別されたカテゴリに対応する複数の設定点を示すセレクタダイヤルの概略図である。
【
図9】複数の選択カテゴリのうちの別々の識別されたカテゴリに対応する、再構成された設定点を示す
図8の表示画面の概略図である。
【
図10】複数の再構成可能な磁気デテントを利用してセレクタノブを動作させるための方法を例示する概略フロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本明細書における説明の目的のために、用語「上部」、「下部」、「右」、「左」、「後部」、「前部」、「垂直」、「水平」、およびそれらの派生語は、
図1で配向された本発明に関連するものとする。しかしながら、それとは反対のことが明記されている場合を除いて、本発明は、様々な代替的な配向が想定され得ることを理解されたい。また、添付図面に例示され、以下の明細書において説明する特定のデバイスおよびプロセスは、添付の特許請求の範囲で定義される発明性のある概念の単なる例示的な実施形態であることも理解されたい。したがって、本明細書で開示する実施形態に関連する特定の寸法および他の物理的特性は、特許請求の範囲で別途明記されていない限り、限定するものと見なされるべきではない。
【0010】
図1~
図9に例示するように、参照番号10は、一般に、車両12の態様に関して様々な選択を行うための、車両12内で利用されるセレクタノブを指す。セレクタノブ10は、インストルメントパネル、コンソール14、ハンドル、または車両12の乗員室16内の他の類似の領域内に組み込むことができる。デバイスの様々な態様によれば、車両12用のセレクタノブ10は、ステッパモータ18と、ステッパモータ18と通信する手動操作可能な回転部分20と、を含むことができる。表示画面22は、回転部分20と通信するように位置決めされる。位置センサ24は、ステッパモータ18および手動操作可能な回転部分20と通信する。典型的に、回転部分20は、ステッパモータ18の駆動シャフト26において、ステッパモータ18に結合される。回転部分20の手動操作28はまた、駆動シャフト26を手動で操作する役割も果たす。位置センサ24およびステッパモータ18を利用して、回転部分20が中心回転軸32の周りを移動するときに、ステッパモータ18は、回転部分20の手動操作28に、起電触覚構成要素30を適用する。
【0011】
図1~
図9を再度参照すると、セレクタノブ10は、別個の部品とすることができる、またはセレクタノブ10の一部分に組み込むことができる、ユーザインターフェース40を含むことができる。ユーザインターフェース40は、セレクタノブ10を再構成して、複数のセレクタカテゴリ42のいずれか1つに対応するように動作させることができる。これらの複数のセレクタカテゴリ42は、複数のセレクタカテゴリ42の識別されたカテゴリ46に対応する複数の設定点44の形態で、表示画面22に選択的および代替的に表示することができる。ユーザインターフェース40の動作に応じて、識別されたカテゴリ46に対応する複数の回転設定点44を含むように、表示画面22を再構成することができる。このように、複数のセレクタカテゴリ42の各識別されたカテゴリ46は、一意の一組の対応する回転設定点44を含むことができる。表示画面22は、車両12の様々な場所のうちの任意の1つ以上に位置決めすることができる。そのような場所としては、インストルメントパネル、中央コンソール、ヘッドアップディスプレイの一部、セレクタノブ10上、または車両12内の他の場所が挙げられるが、これらに限定されない。
【0012】
例示であって、限定するものではないが、1つの識別されたカテゴリ46は、車両12用の様々なトランスミッション設定に対応する複数の回転設定点44を含むギヤシフト50(
図1および
図7に例示する)を含むことができる。
図7に示すように、これらの回転設定点44は、ドライブ(D)、ニュートラル(N)、リバース(R)、ならびにD、N、およびRに加えて、複数の個々のギヤ設定に対応することができる。これらの複数の設定点44はまた、パーク(P)の設定も含むことができる。加えて、「パーク」の特定の設定は、所望される際、車両12がパーク位置にあることを確実にするための別個のインターフェース内に含むことができる。この別個のセレクタは、セレクタボタン52などの別個のインターフェースの形態とすることができる。このセレクタボタン52は、セレクタノブ10の近くに、ディスプレイ22の近くに、ハンドル上に、または車両の別の部分内に位置決めすることができる。
【0013】
加えて、様々な実施形態において、表示画面22は、表示画面22を、ならびにセレクタボタン52の頂面54を、それぞれ、ユーザインターフェース40によってアクセスされる識別されたカテゴリ46に基づいて再構成することができるように、セレクタボタン52を含むことができ、かつ取り囲むことができる。別個の識別されたカテゴリ46にアクセスした場合、表示画面22およびセレクタボタン52の頂面54を再構成して、それぞれの一組の回転設定点44に対応する別個のおよび再構成されたしるし56を表示することができる。
【0014】
デバイスの様々な態様によれば、ユーザインターフェース40は、セレクタノブ10の近くに位置決めすることができる。また、ユーザインターフェース40を、手動操作可能な回転部分20の近くに位置決めされる第2の回転セレクタ58とすることができることも想到される。この第2の回転セレクタ58は、複数のセレクタカテゴリ42をスクロールさせて、ユーザが所望する識別されたカテゴリ46に到達するように操作することができる。ユーザインターフェース40はまた、インストルメントパネル、コンソール14、ハンドル、またはユーザインターフェース40を動作させるための車両12の他の好都合にアクセス可能な部分内などの、車両12の別個の部分内に位置決めすることもできる。
【0015】
図2~
図4を再度参照すると、セレクタノブ10は、駆動シャフト26を介してセレクタノブ10の回転部分20に結合される電気モータを含むことができる。様々な態様によれば、電気モータは、バイポーラハイブリッドステッパモータ、ダイレクトドライブモータ、サーボモータ、または他の類似の電気モータなどの、ステッパモータ18とすることができる。典型的に、電気モータは、ステッパモータ18の形態である。セレクタノブ10の様々な態様で使用されるステッパモータ18は、ロータ70の外周74内に画定された複数の歯72を有する歯の外形を有するロータ70を含むことができる。一例として、限定されないが、ロータ70の歯の外形は、2つの歯72しか含まないこと、またはより典型的に、ロータ70の外周74内に画定された200個または400個の歯72を含むことができる。加えて、ロータ磁石76は、典型的に、ロータ70の各歯72の端部に配置される。したがって、200個の歯72を有するステッパモータ18は、200個の磁石を含むことができる。デバイスの様々な態様によれば、ステッパモータ18は、最高で約400個以上の歯72を有するロータ70を含むことができる。これらの歯72の各々は、それぞれの歯72の一部分に取り付けられる専用のロータ磁石76を含むことができる。多数の歯72およびロータ磁石76を使用して、各回転設定点44は、特定の歯72に、ロータ70の特定の回転位置に、またはロータ70がステータ80のポール122に対して移動する回転距離に対応することができる。
【0016】
多数の磁石をステッパモータ18のロータ70内に含むことによって、セレクタノブ10の回転部分20の非常に正確な手動操作28を達成することができる。加えて、多数のロータ磁石76を使用することによって、セレクタノブ10によって制御することができる、任意の所与の識別されたカテゴリ46の複数の設定点44を再構成することができる。
【0017】
デバイスの様々な態様において、ステッパモータ18は、典型的に、ロータ70のロータ磁石76と連動して動作することができる2相ステータ80を含むことができる。ステッパモータ18の動作中に、ステッパモータ18の2つの相は、電流82を介して交替作動されて、2相ステータ80からロータ70に伝達される回転起電力84を生成することができる。次に、ロータ70は、この回転起電力84を、駆動シャフト26を通して、起電触覚構成要素30の形態で、セレクタノブ10の回転部分20に伝達する。
【0018】
図1~
図9を再度参照すると、セレクタノブ10の回転部分20は、ユーザによって手動操作可能であることが想到される。ステッパモータ18の包含は、触覚構成要素30を回転部分20に加えることによって、この手動操作28を補う役割を果たす。この触覚構成要素30は、セレクタノブ10の回転部分20の手動操作28中に、ユーザによって受容および知覚することができる。例示であって限定するものではないが、ユーザがセレクタノブ10の回転部分20を回転させたときに、回転部分20が特定の回転設定点44に到達すると、ステッパモータ18が作動して、最小の振動130またはデテント様の起電力84を生じさせることができる。ユーザは、回転部分20を連続的に回転させ、一方でまた、駆動シャフト26およびロータ70を介して回転部分20に送達される触覚構成要素30を知覚することも可能である。
【0019】
図2および
図3に例示するように、位置センサ24は、ステッパモータ18およびセレクタノブ10の回転部分20と通信するステッパモータ18の近くに配置される。位置センサ24は、ユーザインターフェース40によって選択された識別されたカテゴリ46に対応する様々な回転設定点44の相対位置を監視する。ユーザが回転部分20を手動で操作するとき、位置センサ24は、回転部分20の回転位置を監視する。回転部分20が回転設定点44に到達しそうであること、または到達したことを位置センサ24が感知すると、位置センサ24は、ステッパモータ18に通信して、触覚構成要素30を回転部分20に提供することができる。また、回転設定点44は、ロータ70の特定のロータ磁石76に対応することができる。位置センサ24とステッパモータ18との間の通信は、これらの2つの構成要素の間の直接通信とすることができる。この通信はまた、回転部分20の位置に関する様々な情報、および複数のセレクタカテゴリ42の各々の複数の回転設定点44を処理する、プロセッサまたはコントローラ90を通して生じさせることもできる。コントローラ90は、この情報を組み合わせて、セレクタノブ10の回転部分20に特定の触覚構成要素30を提供するように、ステッパモータ18に指示する。
【0020】
触覚構成要素30を提供するために、ステッパモータ18は、2相ステータ80の一対の相を交替作動させることによって達成される様々なステップを通して動作させることができる。ステッパモータ18の2つの相のこの交替動作中に、ロータ磁石76は、2相ステータ80と複数のロータ磁石76との間の電磁通信を通して操作される。ステータ80とロータ磁石76との間で生成される電磁力の強度は、特定の大きさの起電力84を生成する。この起電力84は、触覚構成要素30を生成するのに十分であるように構成される。しかしながら、典型的に、この起電力84は、ユーザによる回転部分20の手動操作28に打ち勝つのに十分ではない。また、ステータ80とロータ磁石76との間で生成された起電力84が、少なくとも1つの方向において、ロータ70の動作、さらには回転部分20を停止させるのに十分である場合に、特定の設定点44が、停止状態を含むことができることも想到される。
【0021】
図2~
図4に例示するように、ステッパモータ18のステータ80の2つの相はまた、交替および同時の様式で動作させて、ステータ80に対するロータ70の半ステップ移動を生成することができる。これらのロータの半ステップ移動は、起電触覚構成要素30、ならびに複数のセレクタカテゴリ42の各識別されたカテゴリ46の隣接するロータ磁石76の間にあり得る回転設定点44のより有限な制御を生成することができる。
【0022】
ステッパモータ18を使用することにより、回転部分20が摩擦をほとんど経験することなく、セレクタノブ10の回転部分20の動作を行わせることができる。ステッパモータ18のロータ70およびステータ80が電磁通信するので、これらの構成要素は、互いに直接物理的に接触しない。したがって、セレクタノブ10の回転部分20の回転は、駆動シャフト26およびロータ70の同時回転を生成する。この回転は、ステータ80と直接物理的に係合することなく行われる。したがって、セレクタノブ10の回転部分20の手動操作28中には、ユーザによって最小の摩擦が知覚される。回転部分20の手動操作28中にユーザが経験する摩擦または抗力100の知覚量は、ステッパモータ18の作動によって変更することができる。そのような実施形態において、位置センサ24は、ユーザが手動で回転部分20に及ぼす回転の方向および速度を感知することができる。位置付けセンサは、この手動操作28を評価し、情報をコントローラ90に送信して、ステッパモータ18に、特定の大きさの、および回転部分20の手動操作28の反対方向の起電力84を印加するように指示することができる。この反起電力84は、回転部分20上の一貫した抗力構成要素100として、ユーザによって知覚することができる。この抗力100は、セレクタノブ10の回転部分20のより正確な制御の感触を与えることができる。加えて、2相ステータ80のポール122の作動によって生成されるロータ70のステップ移動および半ステップ移動のため、反抗力100の形態の触覚構成要素30を、実質的に一定で一貫した感触としてユーザに知覚させることができる。
【0023】
例示であって限定するものではないが、ユーザが回転部分20を時計回り方向110に動作させる場合、位置センサ24は、この運動を感知して、ステッパモータ18に、ロータ70および反時計回り方向112に反起電力84を及ぼすように指示することができる。加えて、この起電力84は、セレクタノブ10の回転部分20の手動操作28によって打ち勝つことができる特定の大きさであるように構成することができる。このように、ステッパモータ18によって生成された反起電力84は、反起電力84または抗力100によって生成される、より粘着性のある感触を回転部分20に提供することができる。この粘着性の感触は、特定の識別されたカテゴリ46がいかなる特定の個々のまたは回転設定点44も含まず、むしろ選択温度、選択無線周波数、選択無線ボリューム、および他の類似の範囲関連のカテゴリなどの連続選択範囲を含む場合に利用することができる。
【0024】
セレクタノブ10の回転部分20の手動操作28は、触覚構成要素30と組み合わせられているので、位置センサ24は、回転部分20の回転位置を連続的に、または実質的に連続的に監視するように構成される。このように、位置センサ24は、ステータ80のポール122に送達される電流82を動作させるための位置付けデータ120を、毎秒複数回プロセッサまたはコントローラ90に提供するように構成される。この構成において、位置センサ24は、ステータ80の2つのポール122に送達される電流82の大きさおよび電流82の場所を較正するのを補助する。位置センサ24およびコントローラ90はまた、協働して、どのポール122がロータ70の特定の回転位置に対して電流82を受信するべきかを決定することもできる。
【0025】
図1~
図9に例示するように、触覚構成要素30は、セレクタノブ10の回転部分20の振動130の形態とすることができる。この振動130は、位置センサ24が、回転部分20が特定の回転設定点44にある、またはその近くにあることを感知する場合に生成することができる。この状態において、位置センサ24は、コントローラ90と通信して、2相ステータ80のポール122の間で交流電流82を即時に送達する。これは、回転設定点44に関して、時計回り方向110と反時計回りの方向112との間の起電力84の即事の交替をもたらす。各回転方向の起電力84のこの即時の交替は、セレクタノブ10の回転部分20の振動130として知覚される。この振動130は、回転部分20が特定の回転設定点44に到達したことを示すことができる。
【0026】
デバイスの様々な態様によれば、回転部分20に送達される触覚構成要素30は、ユーザによって触覚の感覚で知覚される磁気デテント140の形態とすることができる。この磁気デテント140は、セレクタノブ10の回転部分20が特定の回転設定点44に到達した、またはそこに移動して整列したときに、わずかに大きい起電力84を生成することによって達成することができる。セレクタノブ10が特定の回転設定点44から離れて移動すると、起電力84の停止または減少のいずれかが行われる。ステッパモータ18によって生成される起電力84を増加および減少させることによって、ユーザは、回転部分20の手動操作28中に、様々な回転設定点44におけるデテントの存在を知覚することができる。
【0027】
デバイスの様々な態様によれば、触覚構成要素30は、第1の停止位置150および第2の停止位置152などの様々な停止位置の形態とすることができる。これらの第1の停止位置150および第2の停止位置152の各々において、ステッパモータ18は、第1の停止位置150における時計回り方向110の過回転を防止するように動作させることができ、さらに、第2の停止位置152における反時計回り方向112の過回転を防止するように動作させることができる。これらの第1の停止位置150および第2の停止位置152は、セレクタノブ10の回転部分20が選択されたまたは所望の回転範囲154内でだけ回転することが所望される場合に使用することができる。第1の停止位置150および第2の停止位置152の各々では、起電力84を作動させて、少なくとも1つの方向における回転部分20の回転を完全に停止させることができる。反対方向への回転部分20の手動操作28は、起電力84を停止または減少させて、ユーザが、第1の停止位置150または第2の停止位置152から離れた方向に回転部分20を手動で操作することを可能にする。したがって、これらの第1の停止位置150および第2の停止位置152を利用して、指定された回転範囲154内で複数の回転設定点44の選択を提供することができる。加えて、この回転範囲154内では、様々な選択カテゴリの選択は、この回転範囲154内に異なる数の回転設定点44を生成することができる。ロータ70の歯72上に位置決めされた複数のロータ磁石76を使用することで、ステータ80とロータ70との間の電磁気係合が、複数の選択カテゴリの各識別されたカテゴリ46に対応することができる多数の構成の回転設定点44を生成することができる。
【0028】
デバイスの様々な態様によれば、ステッパモータ18を作動させて、特定の識別されたカテゴリ46の複数の回転設定点44の各回転設定点44において触覚構成要素30を生成することができることが想到される。また、識別されたカテゴリ46が、複数の回転設定点44を含むことができ、その一部分だけが、セレクタノブ10の回転部分20に送達される触覚構成要素30を生成し得る、または送達を必要とし得ることも想到される。
【0029】
以下、
図5~
図9を参照すると、表示画面22は、セレクタノブ10の回転部分20内に位置決めすることができることが想到される。そのような実施形態において、回転部分20は、セレクタノブ10の外側縁部160の周囲で動作するリングである。回転部分20内の中央には表示画面22を位置決めすることができ、ならびに、表示画面22内には、中央セレクタボタン52が位置決めされる。
【0030】
デバイスの様々な態様によれば、
図1~
図9に例示するように、セレクタノブ10の回転部分20の動作中に表示画面22を連続的に再構成することができるように、位置センサ24が表示画面22と通信することができることが想到される。例示であって限定するものではないが、回転部分20の手動操作28中に、表示画面22を通して仮想インジケータ162を移動させて、識別されたカテゴリ46の複数の回転設定点44に対する回転部分20の相対位置に関する視覚フィードバックをユーザに提供することができる。このように、ユーザは、触覚構成要素30および視覚のフィードバックの両方を利用して、セレクタノブ10の回転部分20を動作させることができる。
【0031】
例示であって限定するものではないが、識別されたカテゴリ46が選択された場合、表示画面22は、複数の回転設定点44の相対位置を反映することができる。ユーザがセレクタノブ10の回転部分20、およびステッパモータ18のロータ70を回転させると、表示画面22に表示される回転設定点44各々に対して表示画面22を通して移動させるようにアニメーション化されたグラフィックとして、仮想インジケータ162を示すことができる。ユーザが回転部分20を動作させ続けると、仮想インジケータ162は、表示画面22を通してアニメーションとして移動し続ける。このアニメーションは、少なくとも部分的に、回転部分20が中心回転軸32の周囲を移動するときに、該回転部分の位置、ならびに回転部分20および/またはロータ70の速度を監視および感知する位置センサ24の動作を通して制御することができる。セレクタノブ10の特定の態様が、表示画面22に接続されない場合、または別様にそれと通信しない場合が想到される。そのような実施形態において、触覚構成要素30は、ユーザに提供される主要なしるしである。
【0032】
デバイスの様々な態様によれば、
図1~
図9に例示するように、回転セレクタノブ10は、駆動シャフト26を有する2相ステッパモータ18と、ロータ70の外周74に位置決めされた複数のロータ磁石76を有するロータ70と、を含むことができる。手動操作可能な回転部分20は、駆動シャフト26に結合される。表示画面22は、回転部分20と通信するように位置決めされ、ユーザインターフェース40は、表示画面22と通信する。位置センサ24は、ステッパモータ18および手動操作可能な回転部分20、ならびに表示画面22と通信する。ユーザインターフェース40は、表示画面22に選択的および代替的に表示される複数のセレクタカテゴリ42の中で選択するように動作する。ユーザインターフェース40の動作は、複数のセレクタカテゴリ42のうちの識別されたカテゴリ46に対応する複数の回転設定点44を含むように表示画面22を変更する役割を果たすことができる。回転部分20は、識別されたカテゴリ46の複数の回転設定点44の間で選択的に、および手動で回転する。位置センサ24は、複数の回転設定点44に対する回転部分20および/またはロータ70の位置を監視する。位置センサ24がステッパモータ18と通信するので、複数の設定点44のうちの特定の設定点44への回転部分20の動作は、位置センサ24を介して、回転部分20内に触覚構成要素30を画定するようにステッパモータ18を動作させる。触覚構成要素30は、ステッパモータ18の動作を介して、および駆動シャフト26とステッパモータ18および回転部分20の各々との接続部を通して、回転部分20に送達され得る。
【0033】
以下、
図1~
図10を参照すると、再構成可能な回転設定点44を提供するためのステッパモータ18を含むセレクタノブ10の様々な態様が記載されており、車両セレクタノブ10を動作させるための方法400が開示されている。方法400の様々な態様によれば、ユーザインターフェース40は、複数のセレクタカテゴリ42の識別されたカテゴリ46を選択するように動作する(ステップ402)。複数の回転設定点44は、識別されたカテゴリ46に対応する表示画面22に表示される(ステップ404)。次いで、セレクタノブ10の回転部分20を手動で操作する(ステップ406)。セレクタノブ10の回転部分20の手動操作28はまた、ステッパモータ18の駆動シャフト26の回転ももたらす。次に、回転部分20の手動操作28により、起電触覚構成要素30の回転部分20の手動操作28への適用をもたらす(ステップ408)。回転部分20が複数の回転設定点44のうちの1つの回転設定点44に到達した、またはそこに接近したときに、少なくとも駆動シャフト26を介して、回転部分20に起電触覚構成要素30が送達される。デバイスの様々な態様によれば、起電触覚構成要素30は、回転設定点44に、またはその近くに回転部分20を部分的に位置付けるデテント力の1つを含むことができる。起電触覚構成要素30はまた、回転部分20の手動操作28に対抗する、一貫したまたは実質的に一貫した抗力100も含むことができる。
【0034】
デバイスの様々な態様によれば、再構成可能な回転設定点44を提供するためのステッパモータ18を有するセレクタノブ10の使用は、車両12の複数のシステムを制御することができる単一のユーザインターフェース40として使用することができる。例示であって、限定するものではないが、ユーザインターフェース40は、回転部分20を有するセレクタノブ10と併せたユーザインターフェース40の使用を通して、HVAC制御、エンタテインメントオーディオシステム制御、ナビゲーション制御、駆動条件セレクタ、シート快適条件、照明条件、および他の類似の条件の間で選択することができる。ユーザインターフェース40およびセレクタノブ10を動作させることによって、より少ないユーザインターフェース40の制御を含むように、車両12のパッセンジャー・コンパートメント16の内部制御を単純化することができる。単一のセレクタノブ10を使用することにより、いくつかのシステムは、車両12内の単一の接点においてアクセスすることができる。この単一の接点をセレクタノブ10の形態で利用することによって、車両12の運転者が経験し得る注意散漫を最小にすることもできる。
【0035】
デバイスの様々な態様によれば、セレクタノブ10の表示画面22としては、LEDディスプレイ、液晶ディスプレイ、高解像度ディスプレイ、タッチスクリーンディスプレイ、および車両12のユーザまたは乗員によって好都合に視認することができる他の類似のディスプレイ機構が挙げられるが、これらに限定されない、様々なデジタルディスプレイを挙げることができる。また、セレクタノブ10の動作を通して車両の運転者12に提供される視覚フィードバックを、インストルメントパネルの、さらにはフロントガラスの一部分に組み込まれたヘッドアップディスプレイに提示することができることも想到される。ヘッドアップディスプレイの使用は、車両12を取り囲む環境から運転者の注意を実質的にそらすことなく、車両12の運転者が様々な選択を行うのを支援することができる。
【0036】
本発明の概念から逸脱することなく、上述した構造に対して変形および変更を行うことができることが理解され、さらに、そのような概念が、以下の特許請求の範囲がそれらの文言によって別途明記されていない限り、これらの特許請求の範囲によって網羅されるよう意図されることが理解される。