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特許7472149取り外し可能なストレージの性能を向上させるための方法及び機器
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-12
(45)【発行日】2024-04-22
(54)【発明の名称】取り外し可能なストレージの性能を向上させるための方法及び機器
(51)【国際特許分類】
   G06F 1/20 20060101AFI20240415BHJP
   G06F 1/3234 20190101ALI20240415BHJP
   G06F 13/14 20060101ALI20240415BHJP
   G06K 7/00 20060101ALI20240415BHJP
   G06K 19/07 20060101ALI20240415BHJP
   G06K 19/073 20060101ALI20240415BHJP
   G06K 19/077 20060101ALI20240415BHJP
【FI】
G06F1/20 D
G06F1/20 C
G06F1/3234
G06F13/14 330B
G06K7/00 056
G06K19/07 170
G06K19/073
G06K19/077 160
G06K19/077 188
G06K19/077 164
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2021540490
(86)(22)【出願日】2020-01-04
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-03-03
(86)【国際出願番号】 US2020012282
(87)【国際公開番号】W WO2020150017
(87)【国際公開日】2020-07-23
【審査請求日】2022-11-28
(31)【優先権主張番号】16/248,139
(32)【優先日】2019-01-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】314015767
【氏名又は名称】マイクロソフト テクノロジー ライセンシング,エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】スコット,ジョージ イーストン,サード
【審査官】白石 圭吾
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2018/0350410(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2018/0349243(US,A1)
【文献】特開2011-181731(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 1/20
G06F 1/26-1/3296
G06F 13/00-13/14
G06K 7/00-7/14
G06K 19/00-19/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
取り外し可能な記憶装置であって、当該取り外し可能な記憶装置は、
データを記憶するように構成されるメモリと、
該メモリと通信するプロセッサと、を含み、
該プロセッサは、
当該取り外し可能な記憶装置の動作の初期化に応答して、当該取り外し可能な記憶装置の周りの環境を熱的に強化した環境又は熱的に強化していない環境として識別し、
該識別した環境に基づいて、当該取り外し可能な記憶装置の熱制御ループアルゴリズムを調整し、前記熱的に強化した環境を識別することに応答して、前記プロセッサによる処理作業の単位当たりの予想温度上昇を減らし、及び
前記熱制御ループアルゴリズムに応答して、前記プロセッサの処理動作を制御する、ように実行可能である、
取り外し可能な記憶装置。
【請求項2】
前記熱制御ループアルゴリズムを調整するために、前記プロセッサは、
前記熱的に強化した環境の識別に応答して、前記熱制御ループアルゴリズムで使用するための1つ又は複数の制御ループパラメータの第1のセットを選択し、及び
前記熱的に強化していない環境の識別に応答して、前記熱制御ループアルゴリズムの1つ又は複数の制御ループパラメータの第2のセットを選択する、ように構成され、
前記1つ又は複数の制御ループパラメータの前記第1のセットを使用する前記熱制御ループアルゴリズムは、前記1つ又は複数の制御ループパラメータの前記第2のセットを使用する前記熱制御ループアルゴリズムと比較して、前記プロセッサによる処理作業の単位当たりの予測温度上昇を低くする、請求項1に記載の取り外し可能な記憶装置。
【請求項3】
前記熱制御ループアルゴリズムは第1の熱制御ループアルゴリズムであり、前記熱制御ループアルゴリズムを調整するために、前記プロセッサは、
前記熱的に強化した環境の識別に応答して、第2の熱制御ループアルゴリズムを選択し、及び
前記熱的に強化していない環境の識別に応答して、第3の熱制御ループアルゴリズムを選択する、ように構成され、
前記第2の熱制御ループアルゴリズムは、前記第3の熱制御ループアルゴリズムと比較して、処理作業の単位当たりの予測温度上昇を低くする、請求項1に記載の取り外し可能な記憶装置。
【請求項4】
前記プロセッサの処理動作を制御するために、前記プロセッサは、
プロセッサ作業要求を受信し、
前記熱制御ループアルゴリズムに従って予想温度上昇を決定し、
現在の温度を特定し、
該現在の温度と前記予想温度上昇との合計を熱しきい値と比較し、
前記合計が前記熱しきい値以下であることに応答して、前記プロセッサ作業要求を受け入れ、及び
前記合計が前記熱しきい値よりも大きいことに応答して、前記プロセッサ作業要求を遅らせる、ようにさらに構成される、請求項1に記載の取り外し可能な記憶装置。
【請求項5】
前記メモリは不揮発性メモリを含み、当該取り外し可能な記憶装置は、
前記プロセッサの現在の温度を検出するように構成されるプロセッサ温度センサ、又は前記不揮発性メモリの現在の温度を検出するように構成されるメモリ温度センサの少なくとも一方をさらに含み、
前記予想温度上昇を決定するために、前記プロセッサは、プロセッサの予想温度上昇又は不揮発性メモリの予想温度上昇の少なくとも一方を決定するようにさらに構成され、
前記現在の温度を特定するために、前記プロセッサは、前記プロセッサの前記現在の温度又は前記不揮発性メモリの前記現在の温度の少なくとも一方を特定するようにさらに構成され、
前記熱しきい値には、プロセッサ熱しきい値又はメモリ熱しきい値の少なくとも一方が含まれ、
前記合計を前記熱しきい値と比較するために、前記プロセッサは、前記プロセッサの前記現在の温度と前記プロセッサの予想温度上昇との第1の合計を前記プロセッサ熱しきい値と比較すること、又は前記不揮発性メモリの前記現在の温度と前記不揮発性メモリの予想上昇温度との第2の合計を前記メモリ熱しきい値と比較することの少なくとも一方を行うようにさらに構成され、
前記プロセッサは、前記第1の合計が前記プロセッサ熱しきい値以下であること、又は前記第2の合計が前記メモリ熱しきい値以下であることの少なくとも一方に応答して、前記プロセッサ作業要求を受け入れるようにさらに構成され、
前記プロセッサは、前記第1の合計が前記プロセッサ熱しきい値よりも大きいこと、又は前記第2の合計が前記メモリ熱しきい値よりも大きいことの少なくとも一方に応答して、前記プロセッサ作業要求を遅らさせる、ようにさらに構成される請求項4に記載の取り外し可能な記憶装置。
【請求項6】
前記プロセッサは、
前記初期化後に、前記熱的に強化した環境の変化を検出し、
前記熱的に強化した環境の前記変化に基づいて、当該取り外し可能な記憶装置の前記熱制御ループアルゴリズムを更新することによって、更新した熱制御ループを生成し、及び
該更新した熱制御ループアルゴリズムに応答して、前記プロセッサの処理動作を制御する、ようにさらに構成される、請求項1に記載の取り外し可能な記憶装置。
【請求項7】
前記熱的に強化した環境の変化を検出するために、前記プロセッサは、
前記熱的に強化した環境においてオンになっている冷却装置、
前記熱的に強化した環境においてオフになっている冷却装置、又は
前記熱的に強化した環境の熱放散率の変化、の少なくとも1つを検出する、ようにさらに構成される、請求項6に記載の取り外し可能な記憶装置。
【請求項8】
前記プロセッサと通信する少なくとも1つの入力/出力(I/O)ピンをさらに含み、該入力/出力(I/O)ピンは、前記初期化中に、前記熱的に強化した環境又は前記熱的に強化していない環境のいずれかを識別する環境識別信号を受信するように構成される、請求項1に記載の取り外し可能な記憶装置。
【請求項9】
前記メモリ及び前記プロセッサが取り付けられるハウジングであって、外面を有するハウジングと、
該ハウジングの前記外面の一部を規定するか、又は前記外面に接続される熱伝導要素であって、前記ハウジング内から少なくともいくらかの熱を放散するように構成される熱伝導要素と、をさらに含む、請求項1に記載の取り外し可能な記憶装置。
【請求項10】
前記プロセッサと通信し、且つ前記熱伝導要素に接続する電気経路を有する少なくとも1つの入力/出力(I/O)ピンをさらに含み、該I/Oピンは、前記初期化中に、前記熱的に強化した環境又は前記熱的に強化していない環境のいずれかを識別する環境識別信号を前記電気経路を介して受信するように構成される、請求項9に記載の取り外し可能な記憶装置。
【請求項11】
前記熱伝導要素は、前記取り外し可能な記憶装置がホスト装置に対して第2の位置に移動することに応答して、前記ホスト装置の熱インターフェイス部材の接触領域と整列する、前記ハウジング上の第1の位置を有しており、前記第2の位置には挿入位置が含まれる、請求項9に記載の取り外し可能な記憶装置。
【請求項12】
前記プロセッサは、当該取り外し可能な記憶装置がホスト装置に接続されているかどうかを判定することによって前記初期化を検出するようにさらに構成され、
前記ホスト装置は、当該取り外し可能な記憶装置の周りの前記環境を規定する構造を含み、前記ホスト装置に接続されていると判定された場合は、当該取り外し可能な記憶装置の前記動作が初期化されていることを示す、請求項1に記載の取り外し可能な記憶装置。
【請求項13】
取り外し可能な記憶装置の動作方法であって、当該動作方法は、
前記取り外し可能な記憶装置の動作の初期化に応答して、前記取り外し可能な記憶装置の周りの環境を熱的に強化した環境又は熱的に強化していない環境として識別するステップと、
該識別した環境に基づいて、前記取り外し可能な記憶装置の熱制御ループアルゴリズムを調整するステップと、
前記熱制御ループアルゴリズムに応答して、プロセッサの処理動作を制御するステップと、を含み、
処理動作を制御するステップは、
前記熱制御ループアルゴリズムに従って予想温度上昇を決定するステップと、
予想温度上昇及び現在の温度に基づいてプロセッサ作業要求を受け入れる又は遅らせるステップと、を含む、
動作方法。
【請求項14】
前記熱制御ループアルゴリズムを調整するステップは、
前記熱的に強化した環境の識別に応答して、前記熱制御ループアルゴリズムで使用するための1つ又は複数の制御ループパラメータの第1のセットを選択するステップと、
前記熱的に強化していない環境の識別に応答して、前記熱制御ループアルゴリズムの1つ又は複数の制御ループパラメータの第2のセットを選択するステップと、を含み、
前記1つ又は複数の制御ループパラメータの前記第1のセットを使用する前記熱制御ループアルゴリズムは、前記1つ又は複数の制御ループパラメータの前記第2のセットを使用する前記熱制御ループアルゴリズムと比較して、前記プロセッサによる処理作業の単位当たりの予測温度上昇を低くする、請求項13に記載の動作方法。
【請求項15】
前記熱制御ループアルゴリズムは第1の熱制御ループアルゴリズムであり、前記熱制御ループアルゴリズムを調整するステップは、
前記熱的に強化した環境の識別に応答して、第2の熱制御ループアルゴリズムを選択するステップと、
前記熱的に強化していない環境の識別に応答して、第3の熱制御ループアルゴリズムを選択するステップと、を含み、
前記第2の熱制御ループアルゴリズムは、前記第3の熱制御ループアルゴリズムと比較して、処理作業の単位当たりの予測温度上昇を低くする、請求項13に記載の動作方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、概して、記憶(storage:ストレージ)システム、より具体的には、取り外し可能な記憶(removable
storage)カードの性能を向上させるための1つ又は複数の方法又は機器に関する。
【背景技術】
【0002】
いくつかの電子装置、例えばゲームシステム、コンピュータ、タブレット、及び携帯電話は、ファイルを記憶するための内部メモリが限られている。限られた内部メモリを補償するために、そのような装置は、セキュアデジタル(SD)メモリカード、マイクロSDカード、又はコンパクトフラッシュ(登録商標)(CF)メモリカードを含むがこれらに限定されない、外部の取り外し可能なメモリカードを使用することにより、装置のストレージ容量を拡張することができる。外部メモリカードは電子装置のストレージ容量を大幅に増やすことができるが、その性能は熱によって制限される可能性がある。外部メモリカードは、それ自体の性能及び/又はそのカードが挿入されている電子装置からの熱によって温度が上昇する可能性がある。外部メモリカードの温度が急激に上昇すると、メモリカード及び/又はそのカードが挿入されている電子装置の性能に悪影響を与える可能性がある。
【0003】
コンピュータ及びゲームシステム等の、外部記憶装置を利用する電子装置の速度及び性能の向上の結果として、改良された外部記憶装置の必要性が生じてきた。
【発明の概要】
【0004】
以下では、そのような態様の基本的な理解を与えるために、1つ又は複数の態様の簡略化した概要を提示する。この概要は、企図される全ての態様の広範な概要ではなく、全ての態様の重要な又は重大な要素を特定したり、一部又は全ての態様の範囲を説明したりすることを目的としたものではない。その唯一の目的は、後で提示するより詳細な説明の前置きとして、1つ又は複数の態様のいくつかの概念を簡略化した形式で提示することである。
【0005】
本開示の一態様では、方法、コンピュータ可読媒体、及び機器が提供される。機器は、取り外し可能な記憶装置(removable storage device)であり得る。機器は、命令を記憶するように構成されるメモリと、メモリと通信するプロセッサとを含むことができる。機器は、装置の動作の初期化に応答して、装置の周りの環境を熱的に強化した環境又は熱的に強化していない環境として識別することができる。機器は、識別した環境に基づいて、装置の熱制御ループアルゴリズムを調整することもできる。さらに、機器は、調整した熱制御ループアルゴリズムに応答して、プロセッサの処理動作を制御することができる。
【0006】
本開示の別の態様では、方法、コンピュータ可読媒体、及び機器が提供される。機器は、ホスト装置であり得る。機器は、貫通孔を規定する内壁を有するハウジングを含むことができ、ハウジングは、少なくとも取り外し可能なメモリカード環境及び別個の追加のコンポーネント環境を含むことができる。機器は、取り外し可能なメモリカード環境内に取り付けられた取り外し可能なメモリカードインターフェイスも含むことができ、貫通孔と整列したスロットを有することができる。機器は、スロット内に取り外し可能に位置付け可能であり、熱インターフェイス部材と接触可能である取り外し可能な記憶カードを含むことができる。取り外し可能な記憶カードは、カードの動作の初期化に応答して、取り外し可能なメモリカード環境を熱的に強化した環境又は熱的に強化していない環境として識別するように実行可能なプロセッサを含むことができる。プロセッサは、識別した環境に基づいて、カードの熱制御ループアルゴリズムを調整することもできる。また、プロセッサは、調整した熱制御ループアルゴリズムに応答して、処理動作を制御することができる。
【0007】
本開示の別の態様では、方法、コンピュータ可読媒体、及び機器が提供される。機器は、取り外し可能な記憶装置であり得る。機器は、ホスト装置等を使用して、取り外し可能な記憶装置の動作を初期化することができる。機器は、装置の動作の初期化に応答して、装置の周りの環境を、熱的に強化した環境又は熱的に強化していない環境として識別することもできる。さらに、機器は、識別した環境に基づいて、取り外し可能な記憶装置の熱制御ループアルゴリズムを選択することができる。機器は、識別した環境に基づいて、装置の熱制御ループアルゴリズムを調整することもできる。さらに、機器は、調整した熱制御ループアルゴリズムに応答して、プロセッサの処理動作を制御することができる。
【0008】
本開示の1つ又は複数の例の詳細は、添付の図面及び以下の説明に記載される。本開示の他の特徴、目的、及び利点は、詳細な説明及び図面、並びに特許請求の範囲から明らかになろう。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本開示の1つ又は複数の技術による例示的なコンピュータメモリ記憶システムの概略図である。
図2A】本開示の1つ又は複数の技術による例示的な取り外し可能な記憶装置の上面図である。
図2B】本開示の1つ又は複数の技術による例示的な取り外し可能な記憶装置の正面図である。
図2C】本開示の1つ又は複数の技術による例示的な取り外し可能な記憶装置の底面図である。
図2D】本開示の1つ又は複数の技術による例示的な取り外し可能な記憶装置の右側面図である(左側面図は右側面図と同一である)。
図3A】本開示の1つ又は複数の技術による取り外し可能な記憶カードインターフェイスのカードスロット内に挿入された例示的な取り外し可能な記憶装置の上面図である。
図3B】本開示の1つ又は複数の技術による取り外し可能な記憶カードインターフェイスのカードスロット内に挿入された例示的な取り外し可能な記憶装置の正面図である。
図3C】本開示の1つ又は複数の技術による取り外し可能な記憶カードインターフェイスのカードスロット内に挿入された例示的な取り外し可能な記憶装置の底面図である。
図3D】本開示の1つ又は複数の技術による取り外し可能な記憶カードインターフェイスのカードスロット内に挿入された例示的な取り外し可能な記憶装置の右側面図である(左側面図は右側面図の鏡像である)。
図4A】本開示の1つ又は複数の技術による取り外し可能な記憶カードインターフェイスのカードスロット内に挿入された例示的な取り外し可能な記憶装置を含むホスト装置の概略左側断面図である。
図4B】本開示の1つ又は複数の技術による取り外し可能な記憶カードインターフェイスのカードスロット内に挿入された例示的な取り外し可能な記憶装置を含むホスト装置の概略左側断面図である。
図5】本開示の1つ又は複数の技術による、予想温度変化対取り外し可能な記憶装置によって行われる作業量(例えば、読取り、書込み)の異なる取り外し可能な記憶装置環境の異なる例示的な曲線のグラフである。
図6A】本開示の1つ又は複数の技術による、予想動作温度(例えば、現在の温度プラス特定の作業量に対する予想温度変化)を臨界温度しきい値と比較する例における、熱的に強化していない環境の例及び熱的に強化した環境の例についての温度対単位作業のグラフである。
図6B】本開示の1つ又は複数の技術による、予想動作温度(例えば、現在の温度プラス特定の作業量に対する予想温度変化)を臨界温度しきい値と比較する例における、熱的に強化していない環境の例及び熱的に強化した環境の例についての温度対単位作業のグラフである。
図7】本開示の1つ又は複数の技術による、作業によって現在の動作温度が臨界温度しきい値まで上昇する場合の熱的に強化していない環境の例及び熱的に強化した環境の例における、作業を行うための温度対時間のグラフである。
図8】本開示の1つ又は複数の技術による例示的な方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
システム、機器、コンピュータプログラム製品、及び方法の様々な態様について、添付の図面を参照して以下により完全に説明する。しかしながら、本開示は、多くの異なる形態で具体化され得るものであり、本開示全体を通して提示される任意の特定の構造又は機能に限定されると解釈すべきではない。むしろ、これらの態様は、本開示が全体的且つ完全であり、本開示の範囲を当業者に完全に伝えるように提供される。本明細書の教示に基づいて、当業者は、本開示の範囲が、本開示の他の態様とは独立して、又は組み合わせて実施されるかどうかにかかわらず、本明細書に開示されるシステム、機器、コンピュータプログラム製品、及び方法の任意の態様を網羅することを意図することを理解すべきである。例えば、機器を実装することができ、又は方法を、本明細書に記載の任意の数の態様を使用して実施することができる。さらに、本開示の範囲は、本明細書に記載の本開示の様々な態様に加えて、又はその態様以外に、他の構造、機能、又は構造及び機能を使用して実施されるそのような機器又は方法を網羅することを意図している。本明細書に開示される任意の態様は、特許請求の範囲の1つ又は複数の要素によって具体化することができる。
【0011】
取り外し可能な記憶装置又は外部メモリカードは、電子装置のストレージ又はメモリ容量を増大させるのに役立ち得る。メモリカード又は取り外し可能な記憶カード、例えばフラッシュ又は不揮発性メモリベースの取り外し可能な記憶カードの性能は、そのカードが動作している熱環境又は環境によって制限される可能性がある。いくつかの態様では、メモリカードの熱管理システムは、カードの熱動作限界を超えないように、周囲環境に関して悲観的(pessimistic)な想定を行う可能性がある。そのような動作限界は、例えばプロセッサ(例えば、特定用途向け集積回路(ASIC))及び/又はメモリ(例えば、NANDタイプのフラッシュ)及び/又はカードの熱動作しきい値を含み得る。悲観的な想定は、熱動作限界に達する前に、性能レート制限、つまり「スロットリング(throttling)」をもたらす可能性がある。例えば、メモリカードは、予測動作温度が熱しきい値を超えないようにするのに十分な速さで、カードによって生成される予想熱量が周囲環境に放散されない場合に、熱スロットリングが実行され得る。つまり、カードの性能及び対応する熱出力を制限する。
【0012】
場合によっては、メモリカードは、典型的な動作環境を想定し得る熱管理システム又は熱制御ループを含み得る。このような場合に、例えば、動作環境に熱放散を改善するための強化した熱機能が含まれている場合等に、メモリカードは必要以上に早くスロットリングを開始することがある。さらに、フラッシュダイ温度の読取り速度の制限、及び結果の値の不正確さにより、熱管理システム又は熱制御ループが、周囲環境の熱特性に関して過度に保守的な想定を行うことを余儀なくされる可能性がある。これらの想定により、メモリカードの実際の熱制限に達するかなり前に熱スロットリングが発生する可能性がある。
【0013】
いくつかの態様では、メモリカードは、カードが挿入されている装置から瞬時の最大作業要求を受信することができる。メモリカードが既に自己負担の熱制限に近づいている場合に、熱制限を超えないように、この作業要求の処理を延期する必要がある。しかしながら、本態様で開示されるように、メモリカードが周囲の熱環境に関する正確な情報を有する場合に、余分な熱作業負荷を周囲環境によって放散することができることが理解され得る。従って、メモリカードは、作業要求を受け入れることができ、将来の作業要求を続行することさえ可能にする。そのため、メモリカード又は取り外し可能な記憶装置が周囲環境の熱放散特性を考慮できることは有利である可能性がある。
【0014】
取り外し可能な記憶装置又はメモリカード、例えばSDカード、マイクロSDカード、又はCFカードは、典型的に、機能するために多くの電力を必要としない可能性がある低性能装置である。以前の取り外し可能な記憶カードが主に低性能環境で動作していたため、高性能記憶カードはそれほど必要ではなかった。しかしながら、高性能装置及び環境の出現により、メモリカードは、高性能環境に挿入されるとき等、高性能装置として機能する必要性が高まっている。いくつかの態様では、低電力メモリカードが高電力環境に挿入される場合に、そのカードは周囲環境の可能性に応えることができないかもしれない。従って、メモリカードが高性能環境を完全に処理して評価することができれば、メモリカードと周囲環境との両方にとって有益である可能性がある。本明細書に開示されるように、例えば、メモリカードが高性能環境にある場合に、メモリカードが環境で活性化又はインストールされることに応答して増大した性能及び/又は温度で動作することを可能にするために、正確な作業環境を決定することが有益であり得る。
【0015】
本解決策の前に、特定のSD、マイクロSD、又はCFメモリカード等のいくつかの比較的高性能の取り外し可能な記憶カードは、それらカードが動作する熱環境及び対応する作業(例えば、読取り、書込み)の熱影響について特定の想定を行うことができる。場合によっては、これらの想定は、追加の熱除去機能が存在しない典型的な熱環境を想定し、想定は、作業の熱影響を誤って決定することによってメモリカードの性能を制限する可能性があるという点で悲観的である可能性がある。いくつかの態様では、メモリカードの作業負荷は、動的な性質を有する可能性がある。例えば、高性能カードが未知の環境又は低性能環境で動作している場合に、臨界温度を超えないようにするために、カードは作業量を徐々に増やすことがある。これらの態様では、カードは、例えば臨界温度の直ぐ下等の最終動作温度に到達するのに長い時間がかかる可能性があり、また、高性能環境で動作する高性能カードと比較して、単位時間当たりの作業が少ない。
【0016】
しかしながら、本開示によれば、メモリカードが、想定を行うのではなく、その周囲環境を検出できる場合に、次に、以前の解決策の不正確な想定を、作業の熱影響を決定する際に使用するための正確な既知の値に置き換えることができる。従って、メモリカードは、周囲環境をより完全に理解することで性能を向上させることができる。
【0017】
一例の実施態様では、本開示は、周囲環境及び/又はメモリカードが挿入されている装置を検出し、それに応じて熱制御を調整することができるメモリカードを提供する。例えば、初期化(例えば、ホスト装置への挿入)の際に、本開示によるメモリカードは、周囲環境のタイプを示す信号を受信することができる。応答して、本開示によるメモリカードは、異なる熱放散特性を有する異なる動作環境と関連する複数の異なる熱制御パラメータ及び/又は複数の異なる熱制御アルゴリズムから、対応する熱制御パラメータ及び/又は対応する熱制御アルゴリズムを選択又は他に決定することができる。例えば、一実施態様では、信号は、熱的に強化した環境又は熱的に強化していない環境のいずれかを示し得、そのような環境は、メモリカードに直ぐ隣接する及び/又はメモリカードの周りにあるホスト装置内又はホスト装置上の領域によって規定される。熱的に強化した環境は、メモリカードのローカル環境から特に熱を除去するように設計された1つ又は複数の特徴を含み得る。対照的に、熱的に強化していない環境には、メモリカードによって生成された熱を特に除去するためのメモリカードのローカル環境にそのような特徴はない。いくつかの実施態様では、例えば、メモリカードのローカル環境に存在する熱放散コンポーネントの数、タイプ、又は現在の状態(例えば、オン又はオフ)に基づいて、複数の異なる熱的に強化した環境が存在し得る。そのような熱放散コンポーネントは、例えば、メモリカードのローカル環境を冷却するように特別に構成されたファン、及び/又はメモリカードからの熱経路を提供する他のコンポーネントを含み得る。いずれにせよ、メモリカードの検出した環境に基づいて、メモリカードは、環境の熱特性に対応するように熱制御パラメータ及び/又はアルゴリズムを調整することができ、それにより、メモリカードによって実行される作業に対してより環境固有の熱制御を提供することができる。
【0018】
いくつかの実施態様では、追加の態様によれば、本開示のメモリカードは、メモリカードコンポーネント(例えば、プロセッサ及び/又はメモリ)及び/又は環境の温度を測定し、そのような測定値を使用して、熱制御パラメータ及び/又はアルゴリズムをさらに調整することができる。さらに、本明細書のメモリカードは、ある期間に亘ってそのような温度測定値を監視及び記憶して、熱環境がどのように変化するかを決定することもでき、これは、性能を増減させることができ、それに応答して、監視した性能に基づいて熱制御パラメータ及び/又はアルゴリズムを定期的に調整することができる。
【0019】
さらに、実施態様では、本開示は、周囲環境又はメモリカードが挿入されるもの等のホスト装置を含み、これは、メモリカードの環境に関する情報をメモリカードに通信する。このようにして、メモリカードは、そのカードが挿入されている環境又は装置から熱情報を取得することができる。周囲環境又は装置は、環境の様々な熱制限、例えば、冷却装置が有効になる熱制限、熱時定数等をメモリカードに通知することもできる。例えば、メモリカードが挿入されているカードソケット又はカードスロットは、環境に関する情報のシグナリングを伝達するための、カードとの通信インターフェイスを含むことができる。
【0020】
さらに、周囲環境又はホスト装置の特定のコンポーネント、例えば装置のカードスロット又はシャーシは、熱環境の感知及び/又はメモリカードからの熱の放散を支援することができる。こうして、本開示によれば、ホスト装置での初期化時に、メモリカード又は取り外し可能な記憶装置は、これらカード等が動作している環境をよりよく理解し、それに応じて熱制御パラメータ及び/又はアルゴリズムを調整することができる。
【0021】
図1を参照すると、例示的なコンピュータメモリ記憶システム100は、ホスト装置140の初期化(例えば、ホスト装置140への挿入)時に、識別した周囲環境130に応答して熱制御パラメータ及び/又はアルゴリズムを調整し、それによりメモリカード110の性能を向上させるように動作する熱管理システムを有するメモリカード110を含む。システム100は、メモリカード110を含み、これ(システム100)は、カードスロット又はソケット120に取り外し可能に挿入可能な保護メモリカードシェル112を含み得る。カードスロット120は、メモリカード110とホスト装置140との間で、例えば対応する電気接点の係合を介して、通信インターフェイスを提供する。カードスロット120は、コネクタベース122に取り付けることができ、さらに、ホスト装置140のハウジング内、例えばシャーシ188にカードスロット120を取り付ける際に使用するためのコネクタタブ124を含むことができる。
【0022】
いくつかの態様では、メモリカードシェル112は、カードから熱を放散するために、金属又は熱伝導性材料であり得る。カードスロット120は、メモリカード110及び/又はカードスロット120からの熱の放散を助けることができる金属又は熱伝導性材料、例えば銅を含むこともできる。コネクタベース122は、熱放散を促進するために、金属又は熱伝導性材料を含むこともできる。
【0023】
周囲環境130は、メモリカード110、メモリカードシェル112、カードスロット又はソケット120、コネクタベース122、又はコネクタタブ124の周囲に又は直ぐ隣にある領域であり得る。特に、周囲環境130はまた、ホスト装置140内にあり得、ホスト装置140内の他の環境150から分離又は離間され得る。例えば、周囲環境130は、メモリカード110又はそのコンポーネントの温度を下げるために、周囲環境130から熱を除去するように特に設計及び/又は構成された1つ又は複数の熱放散コンポーネント132を有し得る。対照的に、別個の他の環境150は、他のホスト装置コンポーネントが、他の環境150から熱を除去するように特に構成された1つ又は複数のプロセッサ152、1つ又は複数のメモリ154、及び/又は1つ又は複数の熱放散コンポーネント156等であり得るがこれらに限定されないものに取り付けられるホスト装置140内の領域であり得る。この例では、熱放散コンポーネント132及び156は、それぞれの領域から熱を引き出すことができるファン及び/又は他の任意の熱伝導性コンポーネントを含み得る。
【0024】
本解決策によれば、メモリカード110は、熱管理システム160を利用して、システム100の環境、例えば環境130をよりよく理解し、それに応じてその内部動作パラメータを調整する。例えば、メモリカード110は、熱的に強化した環境168又は熱的に強化していない環境170等の周囲環境130のタイプを示す環境識別情報166を含む環境識別信号を受信することができる。場合によっては、環境識別情報166は、例えば、周囲環境130内の熱放散コンポーネント132の数、タイプ、及び/又はモード(例えば、オン/オフ)に対応する、複数の異なるタイプの熱的に強化した環境168のうちの1つを示し得る。信号は、メモリカード110のカードスロット120への挿入、及び/又はホスト装置140によって送信される信号に基づき得る。実施態様では、環境識別コンポーネント164は、環境識別情報166を読み取り又はデコードすることができ、そして周囲環境130が、熱的に強化していない環境170、例えば低性能の熱環境であるか、又は熱的に強化した環境168、高性能の熱環境130であるかどうかを識別することができる。
【0025】
例えば、いくつかの態様では、周囲環境130の熱的に強化した環境168タイプは、ホスト装置140に挿入されたときにメモリカード110に隣接する領域から熱を除去する能力を有することができ、この熱除去は、積極的又は間接的に達成され得る。例えば、熱的に強化した環境168は、例えばメモリカード110から熱を放散するために、熱放散のための熱経路を含むことができる。場合によっては、この熱放散経路は、メモリカード110から周囲環境内の別のコンポーネント、例えばホスト装置140のカードスロット120、コネクタベース122、コネクタタブ124、又はシャーシ188への経路であり得る。さらに、熱的に強化した環境168は、冷却装置、例えば冷却ファン等であるがこれらに限定されない1つ又は複数の熱放散コンポーネント132を含むことができる。一例では、冷却装置は、ホスト装置140のメモリカード関連コンポーネント、例えばカードスロット120、コネクタベース122、コネクタタブ124、又はシャーシ188に直ぐ隣接及び/又は接触して配置することができ、関連コンポーネントは、コンポーネントを冷却し、メモリカード110から間接的に熱を取り除くことができる。
【0026】
いくつかの態様では、メモリカード110は、金属ケース又はシェル、例えばメモリカードシェル112等であるがこれらに限定されない、1つ又は複数の熱伝導要素を有することができ、熱伝導要素は、メモリカード110と熱的に強化した環境168との間の熱調整を促進するのを助けることができる。
【0027】
さらに、メモリカード110のこれらの熱伝導要素は、導電性でもあり得、これらの熱伝導要素は、環境識別情報166を含む環境識別信号を伝達又は生成することができる。例えば、メモリカード110が挿入されるカードスロット120を介してカードシェル112と熱的に強化した環境168との間に接触がある場合に、メモリカード110は、周囲環境130及び/又はホスト装置140と通信することができる。例えば、周囲環境130、例えばカードスロット120、及び/又はホスト装置140は、メモリカード110に、そのカードが周囲環境130の熱的に強化した環境168タイプで動作していることを通知することができる。
【0028】
例えば、メモリカード110をカードスロット120内に挿入すると、電気的及び熱的接触が行われ、これにより、メモリカード110と周囲環境130及び/又はホスト装置140との間の通信が開始される。カードシェル112が接地されるか、又はある電位まで上げられる場合に、次に、メモリカード110又は環境識別コンポーネント164は、この接触を検出し、この状態をメモリカード110及び/又は熱管理システム160に示すことができる。さらに、メモリカード110が接触しておらず、電気信号又は電荷が検出されていない場合に、次に、環境識別コンポーネント164は、そのカードが熱的に強化していない環境170にあると想定することができる。
【0029】
さらに、メモリカード110が、それが熱的に強化した環境168又は熱的に強化していない環境170のいずれかにあることを確認すると、そのメモリカード110は、熱環境を反映するようにそのスロットルアルゴリズムを変更することができる。例えば、一態様では、メモリカード110は、熱制御コンポーネント172を実行して、周囲環境130の識別した異なる熱環境タイプに対応する複数の異なるパラメータ/アルゴリズムから、熱制御パラメータのセット及び/又は熱制御アルゴリズム174を選択することができる。例えば、熱的に強化した環境168の指標を受信することに応答して、熱制御コンポーネント172は、検出した熱的に強化していない環境170に応答して、熱の放散を推定するために使用される設定と比較して、周囲環境130からの熱の放散をより積極的に推定するように設定を調整することができる。例えば、熱制御パラメータのセット及び/又は熱制御アルゴリズム174は、例えば、カード読取り及び/又はカード書込みを実行する際に、プロセッサ114(例えば、ASIC)及び/又はメモリカード110のメモリ116(例えば、NAND(Not AND)フラッシュタイプメモリ)によって実行される単位作業毎に関連する温度の変化の量を推定することができる。結果として、例えば、実行される同じタイプの作業について、熱制御パラメータのセット及び/又は熱制御アルゴリズム174は、熱的に強化していない環境170と比較して、メモリカード110が熱的に強化した環境168に対してより速い速度で作業を行うことができるように設定され得る。換言すると、実行される同じタイプの作業について、熱的に強化した環境168の熱制御パラメータのセット及び/又は熱制御アルゴリズム174は、熱的に強化していない環境170のそれら設定と比較して、臨界温度しきい値に対する温度上昇がより小さい及び/又はより遅い温度上昇を推定する。
【0030】
同様に、作業を行う要求が受信されると、メモリカード110は、動作制御コンポーネント176を実行して、熱制御コンポーネント172と通信し、動作温度を超えることなく作業(例えば、読取り又は書込み)を実行できるかどうかを判定することができる。この判定に基づいて、動作制御コンポーネント176は、要求された作業を受け入れるか、又は遅らせることができる。
【0031】
こうして、本開示のメモリカード110は、熱制御パラメータ及び/又はアルゴリズムを動的に調整して、メモリカード110が、熱的に強化した環境168で動作するときに単位時間当たりにより多くの作業を引き受けるのを可能にし得る。
【0032】
さらに、記憶システム100は、周囲環境130の温度測定を実行又は提供することができる。これらの場合に、メモリカード110は、ホスト装置140から熱情報を取得することができる。ホスト装置140は、周囲環境の様々な熱制限をメモリカード110に通知することもできる。例えば、記憶システム100の特定のコンポーネント、例えばカードスロット120、コネクタベース122、コネクタタブ124、又はシャーシ188は、メモリカード110と通信することができる。記憶システム100のこれらのコンポーネントは、特定の熱レベルに関する情報、例えば冷却装置が有効になる熱限界、熱時定数、又は他の任意の熱パラメータをメモリカード110に提供することもできる。さらに、記憶システム100は、特定のコンポーネント、例えばカードスロット120、コネクタベース122、コネクタタブ124、又はシャーシ188等を用いて、周囲環境130の熱感知を有効又は強化することができる。記憶システム100のこれらの特性に基づいて、メモリカード110は、周囲環境130をよりよく理解し、カードの内部動作パラメータを調整することができる。
【0033】
図2A図2Dを参照すると、メモリカード又は取り外し可能な記憶装置110の一例は、図2Aの上面メモリカードシェル210又は図2Cの底面メモリカードシェル260等の、1つ又は複数の熱伝導要素を有するメモリカードシェル112を含む。いくつかの態様では、メモリカードシェル210、260は、金属又は熱伝導性材料であり得る。図2A図2Dに示されるように、いくつかの態様では、メモリカードシェル210、260は、熱をより容易に放散又は伝達するために、メモリカード110の上部及び/又は下部の両方に置くことができる。
【0034】
さらに、メモリカード110は、メモリカード110が熱的に強化した環境168又は熱的に強化していない環境170に位置するかどうかを識別する環境識別情報166を含む環境識別信号を受信するための入力/出力(I/O)ピン262も含むことができる。
【0035】
図1に戻ると、メモリカード110は、命令を記憶するように構成されるメモリを含むことができる。メモリカード110は、メモリ116と通信するプロセッサ114も含むことができる。プロセッサ114は、メモリカード110の動作の初期化等に応答して、メモリカード110の周りの環境130を、熱的に強化した環境168又は熱的に強化していない環境170として識別するように実行可能である。いくつかの態様では、環境130は、メモリカード110に直ぐ隣接することができる。環境130は、メモリカード110を含む空間、及びメモリカードに接触する熱導電性要素を有するエンクロージャでもあり得る。メモリカード110のプロセッサ114は、識別した環境に基づいて、熱制御アルゴリズム、例えば熱制御アルゴリズム174を調整することもできる。熱制御アルゴリズム174は、異なるパラメータを有する単一のアルゴリズムを含むか、又は複数の異なるアルゴリズムを含むことができる。さらに、メモリカード110のプロセッサ114は、調整した熱制御ループアルゴリズム、例えば熱制御アルゴリズム174に応答して、例えば動作制御コンポーネント176を介して、プロセッサ114の処理動作を制御することができる。場合によっては、プロセッサ114は、どれ位の作業負荷(workload:作業量)が予想され、しきい値温度に対してメモリカード110の温度をどれ位上昇させるかに基づいて、追加の作業負荷を受け入れることができる。通常の環境、例えば熱的に強化していない環境170では、熱制御アルゴリズム174は、熱的に強化した環境、例えば熱的に強化した環境168における熱制御アルゴリズム174と比較して、作業単位当たりより高い温度を予測することができる。
【0036】
いくつかの態様では、メモリカード110のプロセッサ114は、例えば熱的に強化した環境168の識別に応答して、熱制御アルゴリズム174で使用するための1つ又は複数の制御パラメータの第1のセットを選択することができる。また、メモリカード110のプロセッサ114は、熱的に強化していない環境170の識別に応答して、熱制御アルゴリズム174の1つ又は複数の制御パラメータの第2のセットを選択することができる。いくつかの態様では、1つ又は複数の制御パラメータの第1のセットを使用する熱制御アルゴリズム174は、1つ又は複数の制御パラメータの第2のセットを使用する熱制御アルゴリズム174と比較して、プロセッサ114による処理作業の単位当たりの予測温度上昇を低くすることができる。さらに、本開示は、制御パラメータの複数の異なるセットを含むことができ、各セットは、識別した異なる環境に対応することができる。
【0037】
他の態様では、メモリカード110のプロセッサ114は、熱的に強化した環境168の識別に応答して、熱制御アルゴリズム174の第1の熱制御アルゴリズムを選択することもできる。また、プロセッサ114は、熱的に強化していない環境170の識別に応答して、熱制御アルゴリズム174の第2の熱制御アルゴリズムを選択することができる。場合によっては、熱制御アルゴリズム174の第1の熱制御アルゴリズムは、熱制御アルゴリズム174の第2の熱制御アルゴリズムと比較して、処理作業の単位当たりの予測温度上昇を低くすることができる。本開示は、複数の異なる熱制御アルゴリズムを含むことができ、各アルゴリズムは、識別した異なる環境に対応することができる。
【0038】
さらに、メモリカード110のプロセッサ114は、プロセッサ作業要求を受信し、熱制御アルゴリズム174に従って予想温度上昇を決定し、及び/又は現在の温度を特定することができる。プロセッサ114は、現在の温度と予想温度上昇との合計を熱しきい値と比較することもできる。さらに、プロセッサ114は、合計が熱しきい値以下であることに応答して、プロセッサ作業要求を受け入れることができる。さらに、プロセッサ114は、合計が熱しきい値よりも大きいことに応答して、プロセッサ作業要求を遅らせることができる。メモリカード110のメモリ116は、不揮発性メモリ、例えばNANDメモリも含むことができ、このメモリは、プロセッサ114の現在の温度を検出するように構成されるプロセッサ温度センサ184及び/又は不揮発性メモリの現在の温度を検出するように構成されるメモリ温度センサ186の少なくとも一方を含む。予想温度上昇を決定するために、プロセッサ114は、プロセッサの予想温度上昇又は不揮発性メモリの予想温度上昇の少なくとも一方を決定するようにさらに構成することができる。現在の温度を特定するために、プロセッサ114は、例えばプロセッサ温度センサ184又はメモリ温度センサ186を使用することによって、プロセッサ114の現在の温度又は不揮発性メモリの現在の温度の少なくとも一方を特定するようにさらに構成することができる。また、熱しきい値は、プロセッサ熱しきい値又はメモリ熱しきい値の少なくとも一方を含むことができる。合計を熱しきい値と比較するために、プロセッサ114は、プロセッサ114の現在の温度とプロセッサの予想温度上昇との第1の合計をプロセッサ熱しきい値と比較すること、又は不揮発性メモリの現在の温度と不揮発性メモリの予想温度上昇との第2の合計をメモリ熱しきい値と比較することの少なくとも一方を行うようにさらに構成することができる。プロセッサ114は、第1の合計がプロセッサ熱しきい値以下であること、又は第2の合計がメモリ熱しきい値以下であることの少なくとも一方に応答して、プロセッサ作業要求を受け入れるようにさらに構成することができる。さらに、プロセッサ114は、第1の合計がプロセッサ熱しきい値よりも大きいこと、又は第2の合計がメモリ熱しきい値よりも大きいことの少なくとも一方に応答して、プロセッサ作業要求を遅らさせるように構成することができる。
【0039】
いくつかの態様では、プロセッサ114は、初期化後に、熱的に強化した環境の変化を検出するようにさらに構成することができる。プロセッサ114は、熱的に強化した環境168の変化に基づいて、装置の調整した熱制御ループアルゴリズムを更新することもできる。また、プロセッサ114は、更新した熱制御アルゴリズム174に応答して、プロセッサの処理動作を制御することができる。プロセッサ114は、熱的に強化した環境168でオンになっているファン、熱的に強化した環境168でオフになっているファン、又は熱的に強化した環境168の熱放散率の変化の少なくとも1つを検出するように構成することもできる。本明細書で述べるように、本開示は、経時的なメモリカード110の性能を測定し、作業負荷又はレートの対応する調整を行うことができる。そうすることにより、本開示は、経時的なそのカードの性能に基づいて、メモリカード110のレート制御を適応的に調整することができる。さらに、本開示は、測定した周囲環境130に基づいて、作業負荷又はレート又はカードを調整することができる。
【0040】
いくつかの態様では、メモリカード110は、プロセッサ114と通信する少なくとも1つの入力/出力(I/O)ピン262を含むことができる。I/Oピン262は、初期化中に、熱的に強化した環境168又は熱的に強化していない環境170等の周囲環境130のタイプを示す環境識別情報166を含む環境識別信号を受信するように構成することができる。メモリカード110は、その中にメモリ116及びプロセッサ114が取り付けられるハウジングも含むことができ、ハウジングは外面を含み得る。メモリカード110は、ハウジングの外面の一部を規定するか、又はその外面に接続される熱伝導要素、例えばメモリカードシェル112、210、260を含むことができ、熱伝導要素は、ハウジング内からの熱を少なくともいくらかを放散するように構成することができる。さらに、I/Oピン262は、プロセッサ114と通信することができ、熱伝導要素、例えばメモリカードシェル112、210、260に接続する電気経路を有することができる。熱伝導要素は、取り外し可能な記憶装置110がホスト装置140に対して第2の位置に移動することに応答して、ホスト装置140の熱インターフェイス部材の接触領域と整列する、ハウジング上の第1の位置を有し得る。第2の位置は挿入位置も含み得る。また、プロセッサ114は、装置がホスト装置、例えばホスト装置140に接続されているかどうかを判定することによって、初期化を検出するようにさらに構成することができる。ホスト装置140は、装置の周りの環境、例えば周囲環境130を規定する構造を含み得る。場合によっては、ホスト装置に接続されているという判定は、例えば、初期化検出コンポーネント162を介して、装置の動作の初期化を示すことができる。
【0041】
前述のように、本開示によるメモリカードは、カードの性能を管理等するために、複数の熱アルゴリズムを使用することができる。例えば、メモリカード110は、その熱アルゴリズム、例えば熱制御アルゴリズム174を変更して、そのカードが挿入される熱環境、例えば環境130を反映することができる。そうすることによって、カードが、このカードが低性能環境、例えば熱的に強化していない環境170にあることを感知した場合に、そのカードは、特定の熱的想定を行うことができる。同様に、カードが、このカードが高性能環境、例えば熱的に強化した環境168にあることを感知した場合に、そのカードは、高性能環境を決定し、及び/又は正確な環境温度を測定することができる。いくつかの態様では、高性能環境を識別し及び/又は周囲環境を測定することができるメモリカードは、高性能カードと呼ばれることがある。
【0042】
高熱環境での使用に加えて、メモリカード110は、最大又は利用可能な熱出力範囲を利用するように設計することができる。いくつかの態様では、最大熱出力範囲は2Wであり得る。他の態様では、最大熱出力範囲は、例えば、3.88Wであり得るが、この例示的な値に限定されない。従って、メモリカード110は、指定した最大熱出力範囲に基づいてその作業負荷を調整することができる。最大熱出力範囲は、任意の許容レベルにすることができる。メモリカード110は、いくつかの異なる方法で熱を発生させることもできる。例えば、メモリに書込み行われるときに、これは、メモリカード110のNADフラッシュメモリ温度を上昇させる可能性がある。また、メモリで読取りが行われるときに、これは、メモリカード110のASIC温度だけでなく、NAND温度も上昇させる可能性がある。いくつかの態様では、この温度以上での動作に関する保証がないので、メモリカード110がNAD臨界温度を超えないことが重要となり得る。場合によっては、NAND臨界温度は70℃であり得る。他の例では、NAND臨界温度は70℃より高い又は低い場合がある。メモリカード110は、周囲環境、例えば環境130の温度を反映するようにその作業負荷を調整することができる。そのため、メモリカード110の性能アルゴリズム、例えば熱制御アルゴリズム174は、周囲環境、例えば環境130の温度に基づいて、カードの作業負荷を調整することができる。上述したように、性能アルゴリズム、例えば熱制御アルゴリズム174は、NAD又はASICの臨界温度を超えないことを保証することもできる。これらの性能アルゴリズム、例えば熱制御アルゴリズム174は、予想されるNAND又はASIC臨界温度に基づいて作成することもできる。
【0043】
メモリカード110は、バースト又は短い時間間隔で作業を行うこともでき、これは、カードによって生成される熱のバーストをもたらす可能性がある。いくつかの態様では、メモリカード110が、そのカードが熱的に強化した環境168にあると認識する場合に、カードは、これらの作業負荷バースト及び対応する熱バーストを処理するためにより多く装備され得る。従って、環境、例えば環境130を理解することによって、メモリカード110は、差し迫った作業負荷に対してよりよく準備することができる。熱的に強化した環境、例えば熱的に強化した環境168では、環境130の温度が制御されるので、メモリカード110の予想される温度を下げることができる。温度変数が、熱的に強化した環境、例えば熱的に強化した環境168において既知であるので、メモリカード110は、温度に関して悲観的な想定をする必要がない場合がある。
【0044】
いくつかの態様では、環境の温度が既知である場合に、メモリカード110は、特に環境を理解していない及び/又は温度に関して悲観的な想定を行うことと比較して、追加の作業を処理できる可能性がある。これは、カードの温度がNAND又はASICの臨界温度に近い場合でも当てはまり得る。例えば、メモリカード110が熱的に強化した環境、例えば熱的に強化した環境168にあり、カードが環境の正確な温度を知っている場合に、カードは、例えばカードの温度が臨界温度又は最高温度に近い場合であっても、追加の作業を受け入れることができる。さらに、本開示によるメモリカード及び熱的に強化した環境は、カードからの熱をより効率的に放散するために一緒に機能することができる。従って、メモリカード110は、このカードが熱的に強化した環境にあることを確認するか、又は周囲環境がカードをサポートできることを確認すると、より多くの作業量を引き受けることができる。
【0045】
いくつかの態様では、メモリカード110は、臨界温度まで温度が対応して上昇するように徐々に作業を引き受けることができる。例えば、カードはメモリ作業を送信又は受信し、次に、温度を測定してカードが作業を処理できるかどうかを判定することができる。これは、カードが特定の温度、例えば臨界温度又は最高温度に達するまで続く可能性がある。しかしながら、熱的に強化した環境、例えば熱的に強化した環境168と組み合わせて使用される場合に、メモリカード110は、環境の温度を測定する必要がないように、カード温度を常に理解することができる。さらに、メモリカード110は、異なる減衰率を有することができる。例えば、減衰率を高めたカードは、通常の減衰率のカードと比較して、熱の放散が速くなることを意味し得る。他の態様では、メモリカード110は、周囲環境、例えば環境130の温度を測定し、後日使用するために測定値を記憶することができる。
【0046】
いくつかの態様では、メモリカード110が熱的に強化した環境、例えば熱的に強化した環境168にある場合に、カードは、温度を測定し、及び/又は温度に関する想定を行うことができる。測定した温度又は想定した温度に基づいて、メモリカード110は、1つ又は複数の性能アルゴリズム、例えば熱制御アルゴリズム174を調整して、カードの作業負荷を調整することができる。例えば、メモリカード110は、カードの温度が臨界温度に近づき過ぎたときにカードの作業負荷を調整するためのアルゴリズム、例えば熱制御アルゴリズム174を含むことができる。そのため、メモリカード110は、アルゴリズム、例えば熱制御アルゴリズム174を利用して、温度に基づいて性能を調整(throttle)することができる。さらに、メモリカード110は、カード及び周囲環境、例えば環境130の温度をより完全に理解するために、ファームウェアを実行し、及び/又はプロセッサ114を含むことができる。
【0047】
熱的に強化していない環境、例えば熱的に強化していない環境170では、メモリカード110は、環境内の特定の温度を想定するか、又は温度を実際に測定することができる。熱的に強化した環境、例えば熱的に強化した環境168では、メモリカード110は、周囲環境、例えば環境130に対して初期化又は同期することができる。初期化又は同期されると、メモリカード110は、熱的に強化した環境168又は熱的に強化していない環境170等の周囲環境130のタイプを示す環境識別情報166を含む環境識別信号を受信することができる。本明細書で述べたように、熱的に強化した環境168は、それ自体の温度を調整する、及び/又は又別の装置、例えばメモリカード110と通信することができる高性能環境であり得る。例えば、熱的に強化した環境168は、環境を加熱又は冷却すること等によって、環境、例えば環境130の温度を能動的に制御することができる。対照的に、熱的に強化していない環境、例えば熱的に強化していない環境170は、他の装置と通信せず、温度制御を有さない低性能環境であり得る。
【0048】
図3A図3Dを参照すると、カードスロット120(メモリカード110が挿入された状態で示される)は、本開示の1つ又は複数の技術による1つ又は複数の熱放散特徴を含み得る。本明細書で述べたように、いくつかの態様では、メモリカード110は、カードから熱を放散するために、金属又は熱伝導性材料であり得るシェルを含むことができる。カードスロット120は、カードスロット又はメモリカード110からの熱の放散を助けることもできる金属又は熱伝導性材料、例えば銅を含むこともできる。図1にも示されるように、カードスロット120は、コネクタベース122を含むことができる。コネクタベース122は、熱放散を促進するために、金属又は熱伝導性材料を含むこともできる。さらに、カードスロット120は、カードスロット120を別の装置に取り付けるために使用することができるコネクタタブ124を含むことができる。カードスロット120は、カードスロット120及び/又はメモリカード110から熱を放散するのを助けることができる上部開口部128及びカードスロット開口部316も含むことができる。以下に説明するように、いくつかの態様では、メモリカード110がカードスロット120に挿入される場合に、上部開口部128は、メモリカード110の一部、例えばメモリカードシェル112又は上面メモリカードシェル210と整列することができる。また、コネクタベース122は、カードスロット120及び/又はメモリカード110から熱を放散するためのコネクタベース開口部318を含むことができる。
【0049】
カードスロット120は、本開示による環境又はホスト装置における特徴の一例である。そのため、カードスロット120は、メモリカード110の周りの環境、例えば環境130内の熱の量を調整することができる。例えば、カードスロット120は、能動的又は間接的に環境から熱を取り除くことができる。場合によっては、カードスロット120は、例えば、メモリカード110から熱を放散するための熱放散用の熱経路を含むことができる。これらの場合に、熱放散経路は、メモリカード110から周囲環境内の別のコンポーネント、例えばカードスロット120、コネクタベース122、及び/又はコネクタタブ124への経路であり得る。
【0050】
特に図3Cを参照すると、カードスロット120は、オプション又は追加で、コネクタベース122に接続されたヒートスプレッダ372を含み得る。ヒートスプレッダ372は、他のコンポーネント、例えばカードスロット120、コネクタベース122、コネクタタブ124、及び/又はメモリカード110からの熱放散を促進するために、金属又は熱伝導性材料も含み得る。上述したように、コネクタベース122は、カードスロット120、コネクタベース122、コネクタタブ124、及び/又はメモリカード110から熱を放散するためのコネクタベース開口部318も含むことができる。
【0051】
本明細書で述べたように、いくつかの態様では、カードスロット120は、熱放散を促進することができる材料を含むことができる。例えば、カードスロット120において、コネクタベース122、コネクタタブ124、及び/又はヒートスプレッダ372は、熱インターフェイス材料又は他の熱伝導性材料を含むことができる。本明細書で述べたように、カードスロット120は、1つ又は複数のコンポーネントから発する熱経路も含むことができる。例えば、いくつかの態様では、カードスロット120、コネクタベース122、及び/又はコネクタタブ124から離れる熱経路があり得、それによって、これらのコンポーネントからの熱放散を助け、及び/又はメモリカード110から熱を間接的に放散することができる。さらに、ホスト装置140は、これらの装置を直接冷却する及び/又はメモリカード110を間接的に冷却するために、冷却装置、例えばカードスロット120、コネクタベース122、及び/又はコネクタタブ124の近くの冷却ファンを含むことができる。
【0052】
図1を再び参照すると、いくつかの態様では、ホスト装置140は、貫通孔182を規定する内壁を有するハウジング180を含むことができる。ハウジング180は、少なくとも取り外し可能なメモリカード環境、例えば環境130、及び別個の追加の環境、例えば他の環境150を含み得る。ホスト装置140は、取り外し可能なメモリカード環境、例えば環境130内に取り付けられ、且つ貫通孔182と整列したスロットを有する取り外し可能なメモリカードインターフェイス、例えばカードスロット120を含むこともできる。ホスト装置140は、カードスロット120内に取り外し可能に位置付け可能であり、且つ熱インターフェイス部材と接触可能である取り外し可能な記憶カード、例えばメモリカード110も含む。取り外し可能な記憶カード、例えばメモリカード110は、カードの動作の初期化に応答して、取り外し可能なメモリカード環境、例えば環境130を、熱的に強化した環境、例えば熱的に強化した環境168又は熱的に強化していない環境、例えば熱的に強化していない環境170として識別するために実行可能なプロセッサ、例えばプロセッサ114を含むことができる。プロセッサ114は、識別した環境に基づいて、メモリカード110の熱制御アルゴリズム174を調整することもできる。さらに、プロセッサ114は、調整した熱制御アルゴリズム174に応答して、処理動作を制御することができる。さらに、ホスト装置140は、シャーシ188と、スロット、例えばカードスロット120に隣接して位置付けされた熱インターフェイス部材とを含むことができる。場合によっては、取り外し可能なメモリカードインターフェイスをシャーシ188に取り付けることができる。さらに、熱伝導要素をシャーシ188に接続することができる。
【0053】
本明細書で述べたように、メモリカード110がカードスロット120に挿入される場合に、そのカードは、カードスロット120が熱的に強化した環境であるかどうかを識別又は判定することができる。いくつかの態様では、カードスロット120が熱的に強化した環境、例えば熱的に強化した環境168であると判定された場合に、次に、メモリカード110は、それに応じてその作業負荷を調整することができる。例えば、メモリカード110は、カードスロット120が熱的に強化した環境であるかどうかに基づいて、複数の性能アルゴリズムのうちの1つ、例えば熱制御アルゴリズム174を選択することができる。メモリカード110は、カードスロット120が熱的に強化した環境、例えば熱的に強化した環境168にある場合に、高レベルの性能アルゴリズムを選択するか、又はカードスロット120が熱的に強化した環境にない場合、熱的に強化していない環境170にある場合に、低レベルの性能アルゴリズムを選択することができる。そのため、熱環境のタイプは、メモリカード110が異なるレベルで機能する結果となり得る。従って、メモリカード110は、カードスロット120が熱的に強化した環境、例えば熱的に強化した環境168として識別され、それによって、メモリカード110は、より高い電力レベル及び/又はより高い熱で機能することができる場合に、単位時間当たりにより多くの作業を引き受けることができる。
【0054】
本開示の態様は、いくつかの異なる方法で熱的に強化した環境を決定することができる。本明細書で述べたように、メモリカード110は、カードスロット120が熱的に強化した環境にあるかどうかを判定又は識別するためのI/Oピン262を含むことができる。I/Oピン262は、メモリカード110がカードスロット120に挿入されているかどうかを測定又は識別することができる。さらに、メモリカード110は、カードスロット120又は別のコンポーネントからI/Oピン262を介して信号を受信することができ、それによって、メモリカード110は、この信号に基づいて、熱的に強化した状態の判定を行うことができる。さらに、メモリカード110は、周囲環境、例えば環境130を識別し、及び/又は周囲環境の温度を測定するための熱(thermal)ダイオード等の他の装置を含むことができる。いくつかの態様では、熱ダイオードは、カードの別のコンポーネント、例えばプロセッサ114に存在し得る。これらの態様では、熱ダイオードは、例えばプロセッサ温度センサ184の一部として、プロセッサ114の熱を測定し、及び/又はカード110が加熱している速度を測定することができる。そうすることにより、熱ダイオードは環境の温度を間接的に測定することができる。他の態様では、熱ダイオードは、メモリカード110のNAND温度又はASIC温度を直接測定することができる。また、カードスロット120は、それ自体を決定し、メモリカード110に環境の熱的に強化した状態を直接通知することができる。さらに、メモリカード110は、カードが配置されている環境を測定又は決定する能力を有することができるシェル又はケース、例えばシェル112、210、260を含むことができる。
【0055】
本開示は、メモリカード及び/又は熱的に強化した環境の様々な異なる実施態様を含むこともできる。一実施態様では、メモリカード110は、カード110から熱を放散するのを助けるために、金属製熱コンポーネント、例えばシェル112、210、260に接続されたI/Oピン262を含むことができる。メモリカード110は、I/Oピン262を測定し、そのカードがカードスロット120又は他のコンポーネントと接触しているかどうかを判定するためのプロセッサ114も含むことができる。I/Oピン262がソケット又はカードスロット120に接触していない場合に、そのカードはフローティング又は接地されていると識別され得る。これらの場合に、メモリカード110は、I/Oピン262を読み取ることによって、カードスロット120又は他のコンポーネントとの接触を測定することができる。さらに、I/Oピン262は、デジタル又はアナログ入力を含むことができる。
【0056】
本開示の態様は、熱インターフェイス材料、例えばカードスロット120、コネクタベース122、コネクタタブ124、ヒートスプレッダ372、及び/又はシャーシ188を含むコンポーネントも含むことができる。いくつかの態様では、熱インターフェイス材料を含むコンポーネントがメモリカード110に接触すると、それは、カードから熱を放散するための熱経路を形成することができる。熱インターフェイス材料は、導電性でもあり得、そのため、場合によっては、それは、熱経路に比例して伝導することができる。熱インターフェイス材料が導電性であり得るので、メモリカード110のプロセッサ114は、例えば初期化検出コンポーネント162を介して、カードが別のコンポーネントと接触しているかどうかをより容易に判定することができる。
【0057】
上述したように、いくつかの態様では、メモリカード110が、カードスロット120又は他のコンポーネントと接触するか、又は初期化されると、そのカードは、I/Oピン262を読み取ることによって周囲環境を測定又は決定することができる。メモリカード110は、I/Oピン262を読み取ることにより、熱経路を測定して周囲温度を決定することもできる。ピン262がデジタル入力を含む場合に、それは、接触指標又は非接触指標等を提供することによって、周囲環境が熱的に強化されている又は熱的に強化されていないかどうかを示すことができる。ピン262がアナログ入力を含む場合に、それは、例えば、接続の品質を示すことによって、熱強化のレベルを示すことができる。
【0058】
場合によっては、熱経路の接触レベルが測定されると、その測定を使用して、熱制御パラメータ、例えば熱制御アルゴリズム174を調整することができる。接触がないか、又は低品質の接触指標がある場合に、次に、悲観的な熱制御値を使用して、熱制限を超えないようにすることができる。それ以外の場合に、熱的に強化した環境が示されている場合に、公称制御値を使用することができる。いくつかの態様では、パラメータ、例えば熱制御アルゴリズム174を更新又は調整するために、新しい測定が定期的に実行され得る。例えば、ホスト装置140は、熱経路の品質に影響を及ぼし得る測定の間に、冷却装置、例えば冷却ファンを作動させ得る、又は熱インターフェイス材料は、熱劣化に屈する可能性があり、それぞれが熱パラメータに影響を与える可能性がある。そのため、熱接続又は経路は時間の経過とともに調整され得る。周囲環境、例えば環境130内のコントローラ又はプロセッサは、環境の熱的に強化した状態をカードに通知することに加えて、熱環境が変化したかどうかをメモリカード110に通知することもできる。さらに、周囲環境の温度が上昇した場合に、次に、ホスト装置140は、冷却装置又はファンを作動させて、周囲環境、例えば環境130の温度を低下させることができる。
【0059】
別の態様では、メモリカード110は、熱管理のために適応レート制御を使用することができ、これは、時間の経過に伴う作業負荷又は温度の調整を可能にし得る。最終的に、適応レート制御を使用する場合に、カード110は、最適な作業負荷レートに到達することができる。場合によっては、適応レート制御アプローチは、周囲環境、例えば環境130の温度応答を決定するのに時間がかかることがあり、環境の突然の変化にうまく応答しないことがある。いくつかの態様では、本開示は、欠点を低減又は排除するために、適応レート制御を前述の特徴と組み合わせることができる。例えば、性能アルゴリズム、例えば熱制御アルゴリズム174を、任意の環境測定に基づくパラメータで初期化することが可能であり、これにより、起動又は適応期間の遅れを低減することができる。さらに、環境測定を行い、熱パラメータを更新することにより、環境、例えば環境130が温度変化を経験するときの適応レート制御応答時間を短縮することができる。
【0060】
さらに他の態様では、システム100、ホスト装置140、又は環境130は、それが熱的に強化した環境にあることをメモリカード110に通知することができる。この情報は、静的であり得、すなわち、設計に基づいてシステム100、ホスト装置140、又は環境130で既知であり得るか、又は測定又は他の決定を通じてシステム100、ホスト装置140、又は環境130によって導出され得る。場合によっては、本開示は、メモリカード110及びシステム100、ホスト装置140、又は環境130が熱制御パラメータの性能について合意できるように、標準的な測定値が使用されることを保証し得る。他の例では、カードの熱制御パラメータが定期的に更新される場合に、次に、システムは、定期的な測定を行い、それら測定値をカードに供給することができる。
【0061】
図4A及び図4Bを参照すると、本開示によるホスト装置、例えばホスト装置400及びホスト装置450は、1つ又は複数の実施形態又は構成を含むことができる。ホスト装置400及び450は、ホスト装置140(図1)と同じ又は類似していてもよい。カードスロット120(メモリカード110が挿入された状態で示される)及びコネクタベース122は、ハウジング180とシャーシ188との間にあり得る。いくつかの態様では、コネクタタブ124は、メモリカード110から熱を放散するための熱経路を提供し得るシャーシ188に装着される又は取り付けられ得る。
【0062】
特に図4Aを参照すると、シャーシ188は、導電性及び/又は熱伝導性材料から形成されたタング又はフィンガー等の接点402を含むことができ、これは、メモリカード110から熱を運び去り、及び/又は熱的に強化した環境の存在の信号をメモリカード110に、例えば挿入直後に提供することができる。いくつかの実施態様では、接点402は、シャーシ188の底部とカードスロット120との間に配置され得る。いくつかの態様では、接点402は、カードスロット120の上部開口部128と整列しており、それによって、接点402が上部開口部128を介してメモリカード110の一部と物理的に係合することができる。例えば、接点402は、上部開口部128を介してメモリカードシェル112又は上面メモリカードシェル210と取り外し可能に接続することができる。いくつかの態様では、メモリカード110は、熱スラグを含むこともでき、これは、カードの上部にあり、且つ接点402と接触して比較的大きなヒートシンクとして機能し、熱の放散を高めることができる。そのため、接点402の熱伝導性又は導電性の特性は、メモリカード110の熱放散を改善し、及び/又はメモリカード110が、このカードが挿入される環境のタイプを決定するのを可能にする。例えば、接点402をカードシェル112、210又は熱スラグと接触させることによって、メモリカード110は、環境が熱的に強化されているか、又は熱的に強化されていないかを判定することができる。
【0063】
特に図4Bを参照すると、ホスト装置450は、メモリカード110からの熱放散を高めるために熱インターフェイス材料(TIM)454を含むこともできる。いくつかの実施態様では、TIM454は、シャーシ188とカードスロット120との間に位置付けされ得る。いくつかの態様では、TIM454は、シャーシ188に接触し、カードスロット120の上部開口部128と整列することができる。上述した接点402と同様に、TIM454は、上部開口部128を介してメモリカード110の一部に接触して、熱放散のための熱経路を提供することができる。例えば、TIM454は、上部開口部128を介してメモリカードシェル112、210又はカード110上の熱スラグに接触することができる。TIM454は、カードスロット120内への挿入直後に環境のタイプをメモリカード110に信号伝達することを可能にする導電性であり得る。いくつかの態様では、シャーシ188が接地され、TIM454が、例えばその熱輸送能力に比例して導電性である場合に、カード110は、熱経路又は熱放散特性を理解するためにアナログ測定を行うことができる。さらに、TIM454は、メモリカード110が、カードシェル112、210又は熱スラグに接触等することによって、環境が熱的に強化されているか、又は熱的に強化されていないかを判定することを可能にすることもできる。
【0064】
図5を参照すると、本開示の1つ又は複数の技術によるグラフ500は、実行される対応する作業量と比較したメモリカードの予想される温度が、異なる環境に基づいてどのように変化し得るかに関する。グラフ500は、メモリカードの異なる環境に対応する異なる曲線、例えば曲線又は関数502、504、506、508、及び510を含む。関数502は、メモリカード、例えばメモリカード110が通常の環境、例えば熱的に強化していない環境170にあるときのメモリカードの性能を示す。関数504は、メモリカード、例えばメモリカード110が熱的に強化した環境、例えば熱的に強化した環境168にあり、熱経路がカードから離れる方向に延びる場合のメモリカードの性能を示す。関数506は、メモリカード、例えばメモリカード110が熱的に強化した環境、例えば熱的に強化した環境168にあり、冷却装置、例えばファンがカードに隣接する場合のメモリカードの性能を示す。関数508は、メモリカード、例えばメモリカード110が熱的に強化した環境、例えば熱的に強化した環境168にあり、熱経路がカードから離れる方向に延び、冷却装置がカードに隣接しており、冷却装置が低速になっている場合のメモリカードの性能を示す。関数510は、メモリカード、例えばメモリカード110が熱的に強化した環境、例えば熱的に強化した環境168にあり、熱経路がカードから離れる方向に延び、冷却装置がカードに隣接しており、冷却装置が高速になっている場合のメモリカードの性能を示す。
【0065】
図5を参照すると、熱制御コンポーネント172は、熱制御パラメータを使用して動作することができ、及び/又はアルゴリズム174は、そのカードが挿入される環境のタイプに基づいて、単位作業当たりメモリカード、例えばメモリカード110の予想温度変化の異なる曲線又は関数502、504、506、508、510を生成するように調整することができる。例えば、実行された同じ作業量に基づいて、予想される温度は様々な環境に基づいて変化する可能性がある。例えば、関数510は、メモリカード、例えばメモリカード110が熱的に強化した環境168に挿入されるときに使用され得、一方、関数502は、メモリカードが熱的に強化されない環境170に挿入されるときに使用され得る。例えば、関数510は、通常の環境と比較して、カードのより低い予想温度変化を予測することができる。場合によっては、関数510、508、506、及び504は、例えばファン、様々な速度のファンを含む、他の熱放散コンポーネントを含む熱的に強化した環境168の異なるレベルに合わせて調整した熱制御パラメータ及び/又はアルゴリズム174からの結果を表すことができる。
【0066】
図6A及び図6Bを参照すると、例示的なグラフ600及び650は、本開示の1つ又は複数の技術に従って、熱的に強化していない環境170及び熱的に強化した環境168をそれぞれ識別することに応答して、作業量が臨界温度を超えて温度を上昇させると予想されるかどうかを判定するために熱制御コンポーネント172によって行われる比較に関する。これらのグラフでは、熱制御コンポーネント172は、異なる熱制御パラメータ及び/又はアルゴリズム174を使用して、異なる周囲環境、例えば環境130について、異なる予想温度上昇、及び臨界温度に対して潜在的に異なる予想結果を予測する。図6Aは、熱的に強化していない環境、例えば熱的に強化していない環境170で行われる作業量と比較したメモリカードの温度に関する。グラフ600は、カードの現在の温度、カードの臨界温度、作業量X、及び温度差ΔTを含む。
【0067】
図6Bは、熱的に強化した環境、例えば熱的に強化した環境168で行われる作業量と比較したメモリカードの温度に関する。グラフ650は、カードの現在の温度、カードの臨界温度、作業量X、及び温度差ΔTを含む。グラフ600と650との両方には、同じ作業期間Xが含まれており、ここで、カードは、通常の熱環境と熱的に強化した環境との両方で同じ作業量を行っている。グラフ600によれば、通常の熱環境、例えば熱的に強化していない環境170において、作業量Xの後に、カードは臨界温度を超える可能性がある。対照的に、グラフ650によれば、熱的に強化した環境、例えば熱的に強化した環境168において、同じ作業量Xの後に、カードは臨界温度を超えないことができる。こうして、同じ作業量Xに基づいて、臨界温度は通常の熱環境では超えるが、熱的に強化した環境では超えない。従って、グラフ600及び650は、熱的に強化した環境、例えば熱的に強化した環境168が、メモリカード、例えばメモリカード110の温度を制御するのを助けることができることを示す。
【0068】
図7を参照すると、例示的なグラフ700は、例示的な熱的に強化した環境702及び例示的な熱的に強化していない環境704において作業を行うメモリカード110(図1)の経過時間に温度を関連付ける。熱的に強化した環境704と熱的に強化していない環境704との両方は、現在の動作温度T現在で開始し、それら環境が臨界温度しきい値T臨界に達するまで作業を行う。図7に示されるように、熱的に強化した環境702内のメモリカード110は、熱的に強化した環境702のカードが環境の周りの正確な温度を理解し、それに対応して識別した環境に基づく装置の熱制御ループアルゴリズムを調整し、及び調整した熱制御ループアルゴリズムに応答して処理動作をさらに制御できるので、熱的に強化していない環境704内のメモリカードよりも速い速度で作業を行うことができる。例えば、熱的に強化した環境702内のメモリカード110は、時間AでT臨界に到達することができるが、熱的に強化していない環境704内のメモリカード110は、周囲環境を理解していない可能性があるため、より遅いペースで動作しなければならないので、時間BまでT臨界に到達しない可能性がある。
【0069】
領域710は、熱的に強化した環境702内のメモリカード110と熱的に強化していない環境704内のメモリカード110との間の作業率の差を表す。より具体的には、熱的に強化した環境702内のメモリカード110は、熱的に強化していない環境704内のカードよりも速く臨界温度T臨界に達することができ、次に、温度を臨界温度よりもわずかに低く保つために、時間の経過とともに低レベルの作業を維持する。従って、領域710は、熱的に強化した環境702内のカードが、熱的に強化していない環境704内のカードと同じ作業量をより短い期間で行うことができることを表すことができる。領域710は、メモリカード110がT臨界に達すると、低レベルの作業を行うことができるため、熱的に強化した環境702内のメモリカード110によって行うことができる追加の作業量も表すことができる。そのため、領域710は、熱的に強化した環境702内のメモリカード110が、熱的に強化していない環境704内のメモリカード110と比較して、同じ期間に追加の作業を行うことができることを表す。換言すると、例えばT臨界の直ぐ下で熱平衡に達すると、熱的に強化した環境702は、生成した熱が同等の速度で放散され得るので、ある作業量をこの温度で行なうのを可能にし得る。しかしながら、熱的に強化していない環境704では、メモリカード110は、カードが冷却するのに一定の時間、例えば熱的に強化した環境で使用される想定よりも長い時間単位が経過するはずであると想定することができる。そのため、熱的に強化した環境702は、メモリカード110が熱を放散するか又は冷却するための期間を短縮するのを可能にし得る。いくつかの態様では、メモリカード110は、新しい作業要求を受け入れる前に、環境の温度が下がるのを待つことができる。さらに、この待機時間は、メモリカード110が挿入される環境のタイプ、例えば熱的に強化した環境702又は熱的に強化していない環境704に依存し得る。
【0070】
図8を参照すると、本開示の1つ又は複数の技術による例示的な方法800は、取り外し可能な記憶装置又はメモリカード110によって実行され、識別した周囲環境130のタイプ、例えば熱的に強化した環境168又は熱的に強化されていない環境170に基づいて、熱制御パラメータ/アルゴリズム、例えば熱制御アルゴリズム174を調整することができる。
【0071】
802において、図1図2A図2D図3A図3D図4A、及び図4Bの例に関連して説明したように、取り外し可能な記憶装置は、ホスト装置のソケット又はカードスロットとの接続等を介して、取り外し可能な記憶装置の動作を初期化することができる。
【0072】
804において、図1図2A図2D図3A図3D図4A、及び図4Bに関連して説明したように、取り外し可能な記憶装置は、装置の動作の初期化に応答して、装置の周りの環境を熱的に強化した環境又は熱的に強化していない環境として識別し得る。
【0073】
806において、図1図2A図2D図3A図3D図4A、及び図4Bの例に関連して説明したように、取り外し可能な記憶装置は、識別した環境に基づいて、取り外し可能な記憶装置の熱制御ループアルゴリズムを選択することができる。例えば、図1図2A図2D図3A図3D図4A、及び図4Bに関連して説明したように、装置は、熱的に強化した環境の識別に応答して、熱制御アルゴリズムで使用するための1つ又は複数の制御ループパラメータの第1のセットを選択することができる。図1図2A図2D図3A図3D図4A、及び図4Bに関連して説明したように、装置は、熱的に強化していない環境の識別に応答して、熱制御アルゴリズムにおける1つ又は複数の制御ループパラメータの第2のセットを選択することもできる。1つ又は複数の制御ループパラメータの第1のセットを使用する熱制御ループアルゴリズムは、1つ又は複数の制御ループパラメータの第2のセットを使用する熱制御ループアルゴリズムと比較して、プロセッサによる処理作業の単位当たりの予測温度上昇をより低くすることができる。さらに、図1図2A図2D図3A図3D図4A、及び図4Bの例に関連して説明したように、装置は、熱的に強化した環境の識別に応答して、第1の熱制御アルゴリズムを選択することができる。図1図2A図2D図3A図3D図4A、及び図4Bに関連して説明したように、装置は、熱的に強化していない環境の識別に応答して、第2の熱制御アルゴリズムを選択することもできる。第1の熱制御ループアルゴリズムは、第2の熱制御ループアルゴリズムと比較して、処理作業の単位当たりの予測温度上昇をより低くすることができる。
【0074】
808において、図1図2A図2D図3A図3D図4A、及び図4Bに関連して説明したように、取り外し可能な記憶装置は、識別した環境に基づいて、装置の熱制御ループアルゴリズムを調整することができる。
【0075】
810において、図1図2A図2D図3A図3D図4A、及び図4Bの例に関連して説明したように、取り外し可能な記憶装置は、調整した熱制御ループアルゴリズムに応答して、プロセッサの処理動作を制御することができる。
【0076】
さらに、図1図2A図2D図3A図3D図4A、及び図4Bに関連して説明したように、取り外し可能な記憶装置は、プロセッサ作業要求を受信し、調整した熱制御アルゴリズムに従って予想温度上昇を決定し、及び/又は現在の温度を特定することができる。図1図2A図2D図3A図3D図4A、及び図4Bに関連して説明したように、取り外し可能な記憶装置は、現在の温度と予想温度上昇との合計を熱しきい値と比較することもできる。図1図2A図2D図3A図3D図4A、及び図4Bに関連して説明したように、取り外し可能な記憶装置は、合計が熱しきい値以下であることに応答して、プロセッサ作業要求を受け入れることもできる。さらに、図1図2A図2D図3A図3D図4A、及び図4Bに関連して説明したように、取り外し可能な記憶装置は、合計が熱しきい値よりも大きいことに応答して、プロセッサ作業要求を遅らせることができる。
【0077】
図1図2A図2D図3A図3D図4A、及び図4Bに関連して説明したように、取り外し可能な記憶装置は、プロセッサ又は不揮発性メモリの現在の温度を検出することができる。場合によっては、取り外し可能な記憶装置は、プロセッサの予想温度上昇又は不揮発性メモリの予想温度上昇の少なくとも一方を決定することができる。図1図2A図2D図3A図3D図4A、及び図4Bに関連して説明したように、取り外し可能な記憶装置は、プロセッサの現在の温度又は不揮発性メモリの現在の温度の少なくとも一方を識別することもできる。さらに、熱しきい値は、プロセッサ熱しきい値又はメモリ熱しきい値の少なくとも一方を含む。取り外し可能な記憶装置は、プロセッサの現在の温度とプロセッサの予想温度上昇との第1の合計をプロセッサ熱しきい値と比較すること、又は不揮発性メモリの現在の温度と不揮発性メモリの予想温度上昇との第2の合計をメモリ熱しきい値と比較することの少なくとも一方を行うこともできる。いくつかの態様では、図1図2A図2D図3A図3D図4A、及び図4Bに関連して説明したように、プロセッサは、第1の合計がプロセッサ熱しきい値以下であること、又は第2の合計がメモリ熱しきい値以下であることの少なくとも一方に応答して、プロセッサ作業要求を受け入れるようにさらに構成することができる。さらに、プロセッサは、第1の合計がプロセッサ熱しきい値よりも大きいこと、又は第2の合計がメモリ熱しきい値よりも大きいことの少なくとも一方に応答して、プロセッサ作業要求を遅らさせるように構成することができる。
【0078】
さらに、図1図2A図2D図3A図3D図4A、及び図4Bに関連して説明したように、取り外し可能な記憶装置は、初期化後に、熱的に強化した環境の変化を検出することができる。図1図2A図2D図3A図3D図4A、及び図4Bの例に関連して説明したように、取り外し可能な記憶装置は、熱的に強化した環境の変化に基づいて、装置の調整した熱制御ループアルゴリズムを更新することもできる。さらに、図1図2A図2D図3A図3D図4A、及び図4Bに関連して説明したように、取り外し可能な記憶装置は、更新され、調整した熱制御ループアルゴリズムに応答して、プロセッサの処理動作を制御することができる。
【0079】
いくつかの態様では、図1図2A図2D図3A図3D図4A、及び図4Bに関連して説明したように、取り外し可能な記憶装置は、熱的に強化した環境においてオンになっているファン、熱的に強化した環境においてオフになっているファン、又は熱的に強化した環境の熱放散率の変化の少なくとも1つを検出することができる。また、図1図2A図2D図3A図3D図4A、及び図4Bに関連して説明したように、取り外し可能な記憶装置は、プロセッサと通信し、初期化中に、熱的に強化した環境又は熱的に強化していない環境のいずれかを識別する環境識別信号を受信するように構成された少なくとも1つのI/Oピンを含み得る。取り外し可能な記憶装置は、メモリ及びプロセッサが取り付けられるハウジングをさらに含むことができ、ハウジングは外面を有することができる。取り外し可能な記憶装置は、ハウジングの外面の一部を規定するか、又は外面に接続される熱伝導要素も含むことができ、熱伝導要素は、ハウジング内から少なくともいくらかの熱を放散するように構成することができる。
【0080】
さらに他の態様では、図1図2A図2D図3A図3D図4A、及び図4Bに関連して説明したように、取り外し可能な記憶装置は、プロセッサと通信し、熱伝導要素に接続する電気経路を有する少なくとも1つのI/Oピンを含むことができる。I/Oピンは、初期化中に、熱的に強化した環境又は熱的に強化していない環境のいずれかを識別する環境識別信号を電気経路を介して受信するように構成することができる。さらに、図1図2A図2D図3A図3D図4A、及び図4Bに関連して説明したように、熱伝導要素は、取り外し可能な記憶装置がホスト装置に対して第2の位置に移動することに応答して、ホスト装置の熱インターフェイス部材の接触領域と整列するハウジング上の第1の位置を有することができ、第2の位置は挿入位置を含み得る。さらに、図1図2A図2D図3A図3D図4A、及び図4Bに関連して説明したように、取り外し可能な記憶装置は、装置がホスト装置に接続されているかどうかを判定することによって初期化を検出することができ、ホスト装置には、装置の周囲環境を規定する構造を含めることができ、ホスト装置に接続されているという判定は、装置の動作の初期化を示すことができる。
【0081】
本明細書に記載の主題は、1つ又は複数の利益又は利点を実現するために実施することができる。例えば、本開示は、メモリカード又は取り外し可能な記憶装置の利用可能な作業負荷をより正確且つ効率的に予測することができる。説明した技術は、メモリカード又は取り外し可能な記憶装置で使用され、カードによって実行される作業負荷を制御することもできる。本開示は、ホスト装置又はメモリカードの温度をより正確に予測することもできる。本開示は、メモリカード又はホスト装置の前述した機能を利用することによって、時間、労力、及びコストを節約することができる。
【0082】
様々な態様が本明細書に記載されているが、これらの態様の多くの変形及び順列は、本開示の範囲内にある。本開示の態様のいくつかの潜在的な利益及び利点が言及されているが、本開示の範囲は、特定の利益、用途、又は目的に限定されることを意図するものではない。むしろ、本開示の態様は、異なる取り外し可能なストレージ技術に広く適用可能であることを意図しており、それらのいくつかは、図及び以下の説明に例として示される。詳細な説明及び図面は、限定ではなく、本開示の単なる例示であり、本開示の範囲は、添付の特許請求の範囲及びその均等物によって規定される。
【0083】
いくつかの態様は、様々な機器及び方法を参照して提示される。これらの機器及び方法は、以下の詳細な説明で説明され、添付の図面に、まとめて「要素」と呼ばれ得る様々なブロック、コンポーネント、回路、プロセス、アルゴリズム等によって示される。これらの要素は、電子ハードウェア、コンピュータソフトウェア、又はそれらの任意の組合せを使用して実装することができる。このような要素がハードウェア又はソフトウェアとして実装されるかは、システム全体に課せられる特定の用途及び設計上の制約によって異なる。
【0084】
本開示を通して、例示される好ましい実施形態及び例は、本開示に対する制限としてではなく、例としてみなすべきである。本明細書で使用される場合に、「発明」、「装置」、「機器」、「方法」、「開示」、「本発明」、「本装置」、「本機器」、「本方法」、又は「本開示」という用語は、本明細書に記載の本開示の実施形態のいずれか1つ、及び任意の均等物を指す。さらに、本明細書全体を通して、「発明」、「装置」、「機器」、「方法」、「本発明」、「本装置」、「本機器」、又は「本方法」の様々な特徴への言及は、特許請求の範囲に記載された全ての実施形態又は方法が参照した特徴を含まなければならないことを意味するものではない。
【0085】
要素又は特徴が別の要素又は特徴「上に」又はこれに「隣接」していると言及される場合に、それは、他の要素又は特徴上又はこれに隣接することができ、或いは介在要素又は特徴も存在し得る。対照的に、要素が別の要素「上に直接」又はこれに「直接上」に延びる言及される場合に、介在要素は存在しない。さらに、要素が別の要素に「接続される」又は「結合される」と言及される場合に、それは、他の要素に直接接続又は結合され得るか、又は介在要素が存在し得る。対照的に、要素が別の要素に「直接接続される」又は「直接結合される」と言及される場合に、介在要素は存在しない。
【0086】
さらに、「内側」、「外側」、「上部」、「上」、「~より上」、「下部」、「下」、「~より下」、「~の下」等の相対的な用語、及び同様の用語は、本明細書では、ある要素と別の要素との関係を説明するために使用され得る。「より高い」、「より低い」、「より広い」、「より狭い」等の用語、及び同様の用語は、本明細書では、角度関係を説明するために使用され得る。これらの用語は、図に示されている向きに加えて、要素又はシステムの様々な向きを包含することを意図している。
【0087】
本明細書では、第1、第2、第3等の用語を使用して、様々な要素、コンポーネント、領域、及び/又はセクションを説明する場合があるが、これらの要素、コンポーネント、領域、及び/又はセクションは、これらの用語によって限定すべきではない。これらの用語は、1つの要素、コンポーネント、領域、又はセクションを別の要素、コンポーネント、領域、又はセクションと区別するためにのみ使用される。こうして、特に明記しない限り、以下で論じる第1の要素、コンポーネント、領域、又はセクションは、本開示の教示から逸脱することなく、第2の要素、コンポーネント、領域、又はセクションと呼ぶことができる。本明細書で使用される場合に、「及び/又は」という用語は、1つ又は複数の関連するリスト項目の任意の全ての組合せを含む。
【0088】
本明細書で使用される用語は、特定の実施形態を説明することのみを目的としており、本開示を限定することを意図するものではない。本明細書で使用される場合に、単数形「1つの(a, an)」、及び「その(the)」は、文脈が明らかに他のことを示さない限り、複数形も含むことを意図している。例えば、本明細書が「アセンブリ」に言及する場合に、この言語は、単一のアセンブリ或いは複数の又はアレイのアセンブリを包含する。さらに、本明細書で使用される場合に、「備える、有する、含む(comprises, comprising)」、及び/又は「含む、有する(includes,
including)」という用語は、記載された特徴、整数、ステップ、動作、要素、及び/又はコンポーネントの存在を指定するが、1つ又は複数の他の特徴、整数、ステップ、動作、要素、コンポーネント、及び/又はそれらのグループの存在又は追加を排除するものではない。
【0089】
明確にするために、ソフトウェアベースの実装の特定の選択した態様のみを説明している。当技術分野でよく知られている他の詳細は省略される。例えば、開示する技術は、特定のコンピュータ言語又はプログラムに限定されない。例えば、開示する技術は、適切なプログラミング言語、例えば、C++、Java、Perl、JavaScript、Adob Flash、又は任意の他の適切なプログラミング言語で書かれたソフトウェアによって実装することができる。同様に、開示する技術は、特定のコンピュータ又はハードウェアのタイプに限定されない。適切なコンピュータ及びハードウェアの特定の詳細はよく知られており、本開示で詳細に説明する必要はない。
【0090】
さらに、ソフトウェアベースの実施形態(例えば、コンピュータに開示した方法のいずれかを実行させるためのコンピュータ実行可能命令を含む)のいずれかを、適切な通信手段を介してアップロード、ダウンロード、又はリモートアクセスすることができる。そのような適切な通信手段には、例えば、インターネット、ワールドワイドウェブ、イントラネット、ソフトウェアアプリケーション、光ファイバーケーブルを含むケーブル、磁気通信、電磁通信、例えば、RF、マイクロ波、及び赤外線通信、電子通信、又は他のそのような通信手段が含まれる。
【0091】
開示した方法、機器、及びシステムは、いかなる方法でも限定的であると解釈すべきではない。代わりに、本開示は、単独で、及び互いに様々な組合せ及びサブ組合せで、開示した様々な実施形態の全ての新規で非自明な特徴及び態様を対象としている。開示した方法、機器、及びシステムは、特定の態様、特徴、又はそれらの組合せに限定されず、開示した実施形態は、任意の1つ又は複数の特定の利点が存在すること、又は問題が解決されることを必要としない。
【0092】
任意の例による技術は、任意の1つ又は複数の他の例に記載されている技術と組み合わせることができる。開示する技術の原理が適用され得る多くの可能な実施形態を考慮して、図示した実施形態は開示した技術の例であり、開示した技術の範囲に対する制限として解釈すべきではないことを認識すべきである。むしろ、開示した技術の範囲には、以下の特許請求の範囲によって網羅されるものが含まれる。従って、我々は、特許請求の範囲及び精神の範囲内にある全てのものを主張する。
【0093】
本開示によれば、「又は」という用語は、文脈が他のことを指示しない場合に、「及び/又は」として解釈され得る。さらに、「1つ又は複数」又は「少なくとも1つ」等の句が、本明細書に開示されるいくつかの特徴に使用されているが、他の特徴には使用されていない場合があるが、そのような言語が使用されなかった機能は、文脈が他のことを指示しない場合に、そのような意味を暗示していると解釈される場合がある。
【0094】
1つ又は複数の例では、本明細書に記載の機能は、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、又はそれらの任意の組合せで実装され得る。例えば、「処理ユニット」という用語は、本開示全体を通して使用してきたが、そのような処理ユニットは、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、又はそれらの任意の組合せで実装され得る。本明細書に記載の機能、処理ユニット、技術、又は他のモジュールがソフトウェアで実装される場合に、本明細書に記載の機能、処理ユニット、技術、又は他のモジュールは、コンピュータ可読媒体上の1つ又は複数の命令又はコードとして格納又は送信され得る。コンピュータ可読媒体は、ある場所から別の場所へのコンピュータプログラムの転送を容易にする任意の媒体を含む、コンピュータデータ記憶媒体又は通信媒体を含み得る。このようにして、コンピュータ可読媒体は、一般に、(1)非一時的である有形のコンピュータ可読記憶媒体、又は(2)信号又は搬送波等の通信媒体に対応し得る。データ記憶媒体は、本開示に記載した技術の実装のための命令、コード、及び/又はデータ構造を検索するために、1つ又は複数のコンピュータ又は1つ又は複数のプロセッサによってアクセスできる任意の利用可能な媒体であり得る。限定ではなく例として、そのようなコンピュータ可読媒体は、RAM、ROM、EEPROM、CD-ROM、又は他の光ディスクストレージ、磁気ディスクストレージ又は他の磁気記憶装置を含むことができる。本明細書で使用されるディスク(disk)及びディスク(disc)には、コンパクトディスク(CD)、レーザーディスク(登録商標)、光ディスク、デジタル多用途ディスク(DVD)、フロッピーディスク及びBlu-ray(登録商標)ディスクが含まれ、ディスク(disk)は通常データを磁気的に再生し、ディスク(disc)はレーザを使用して光学的にデータを再生する。上記の組合せも、コンピュータ可読媒体の範囲に含める必要がある。コンピュータプログラム製品は、コンピュータ可読媒体を含み得る。
【0095】
コードは、1つ又は複数のデジタル信号プロセッサ(DSP)、汎用マイクロプロセッサ、特定用途向け集積回路(ASIC)、算術論理演算装置(ALU)、フィールドプログラマブルロジックアレイ(FPGA)、又は他の同等の統合又はディスクリートロジック回路によって実行され得る。従って、本明細書で使用される「プロセッサ」という用語は、前述の構造、又は本明細書に記載の技術の実装に適した他の任意の構造のいずれかを指し得る。また、これらの技術は、1つ又は複数の回路又は論理要素に完全に実装することができる。
【0096】
本開示の技術は、無線ハンドセット、集積回路(IC)、又は一組のIC、例えば、チップセットを含む、多種多様な装置又は機器に実装され得る。開示された技術を実行するように構成された装置の機能的態様を強調するために、本開示では様々なコンポーネント、モジュール、又はユニットが説明されているが、必ずしも異なるハードウェアユニットによる実現を必要としない。むしろ、上述したように、様々なユニットを任意のハードウェアユニットに組み合わせるか、又は適切なソフトウェア及び/又はファームウェアと組み合わせて、上記の1つ又は複数のプロセッサを含む相互運用ハードウェアユニットの集合によって提供することができる。
【0097】
様々な例を説明してきた。これら及び他の例は、以下の特許請求の範囲内にある。

図1
図2A
図2B
図2C
図2D
図3A
図3B
図3C
図3D
図4A
図4B
図5
図6A
図6B
図7
図8