(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-12
(45)【発行日】2024-04-22
(54)【発明の名称】高高度長航続時間航空機の上昇及び滑空動作の方法
(51)【国際特許分類】
B64D 27/353 20240101AFI20240415BHJP
B64C 39/02 20060101ALI20240415BHJP
B64D 27/357 20240101ALI20240415BHJP
B64U 10/25 20230101ALI20240415BHJP
B64U 50/19 20230101ALI20240415BHJP
B64U 50/31 20230101ALI20240415BHJP
H02J 7/00 20060101ALI20240415BHJP
H02J 7/35 20060101ALI20240415BHJP
【FI】
B64D27/353
B64C39/02
B64D27/357
B64U10/25
B64U50/19
B64U50/31
H02J7/00 302A
H02J7/35 A
(21)【出願番号】P 2021563007
(86)(22)【出願日】2020-04-23
(86)【国際出願番号】 US2020029652
(87)【国際公開番号】W WO2020223115
(87)【国際公開日】2020-11-05
【審査請求日】2023-04-14
(32)【優先日】2019-05-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2019-04-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2019-04-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】517211229
【氏名又は名称】エアロバイロメント,インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】AeroVironment,Inc.
(74)【代理人】
【識別番号】110001302
【氏名又は名称】弁理士法人北青山インターナショナル
(72)【発明者】
【氏名】リソスキ,デレク
(72)【発明者】
【氏名】ヒブス,バート,ディーン
【審査官】諸星 圭祐
(56)【参考文献】
【文献】米国特許第05810284(US,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0048160(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2014/0021288(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2016/0368590(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2015/0097071(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2009/0008507(US,A1)
【文献】中国特許出願公開第108820230(CN,A)
【文献】特開2019-054490(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B64C 39/02
B64C 39/10
B64D 27/353
B64D 27/357
B64U 10/25
B64U 50/19
B64U 50/31
G05D 1/00 - 1/12
H02J 7/00 - 7/12
H02J 7/34 - 7/36
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つの無人航空機(UAV)(108A、B)と、
少なくとも1つの太陽電池(110)と、
少なくとも1つのバッテリ(120
)および少なくとも1つのパワートラッカ(130)を備える少なくとも1つのバッテリパック(114)
であって、
前記パワートラッカが、
前記太陽電池からエネルギーを受け取り、
その日の時刻に基づいて、受け取った前記エネルギーを前記少なくとも1つのバッテリに調整して供給するように構成されている、少なくとも1つのバッテリパック(114)と、
前記少なくとも1つのUAVの少なくとも1つのモータ(112)であって、前記少なくとも1つのバッテリは前記少なくとも1つのモータにエネルギーを伝達するように構成される、少なくとも1つのモータ(112)と、を備え、
前記少なくとも1つのモータからの電力は、前記少なくとも1つのバッテリが容量又はほぼ容量にあるときに前記少なくとも1つのUAVを第2高度(142)に上昇(124)させるように構成され、前記第2高度は
第1高度よりも高く、
前記少なくとも1つのモータからの電力は、前記少なくとも1つのバッテリに蓄えられたエネルギーを節約するために、太陽が沈んだ後に前記少なくとも1つのUAVを前記第1高度に降下(128)させるように構成される、システム。
【請求項2】
前記少なくとも1つの太陽電池が、各UAVの翼の表面の少なくとも一部を覆っている、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記第1高度から前記第2高度に上昇するために必要とされるエネルギーは、前記第2高度から前記第1高度に降下するために必要とされるエネルギーより大きい、請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記少なくとも1つのモータからの電力は、少なくとも1つのバッテリに蓄えられたエネルギーを節約するために、前記少なくとも1つのUAVの降下後、太陽が昇るまで、前記第1高度で前記少なくとも1つのUAVをロイター飛行させるように構成される、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記ロイター飛行させることは、前記UAVの前記少なくとも1つのモータを停止させることと、前記UAVの前記少なくとも1つのモータを減速させることと、のうちの少なくとも1つを含む、請求項
4に記載のシステム。
【請求項6】
前記第2高度は前記第1高度より10000フィート~15000フィート高く、前記第1高度は60000フィート~70000フィートである、請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
前記第2高度は、前記第1高度を上回る高度での風速に基づいている、請求項
6に記載のシステム。
【請求項8】
前記少なくとも1つのUAVの
上昇率(144)は前記少なくとも1つのUAVの降下率(146)より大きい、請求項1に記載のシステム。
【請求項9】
少なくとも1つのバッテリ(120)に蓄えられたエネルギーを、少なくとも1つの無人航空機(UAV)(108A、B)の少なくとも1つのモータ(112)に伝達することであって、前記少なくとも1つのバッテリは容量又はほぼ容量にあり、前記少なくとも1つのバッテリは前記UAVの太陽電池(110)から電力を受け取り、前記少なくとも1つのUAVが第1高度(140)にある、伝達することと、
前記少なくとも1つのUAVの前記少なくとも1つのバッテリの伝達されたエネルギーを使用することによって、第2高度(142)に上昇することであって、前記第2高度は前記第1高度より高い、上昇することと、
前記少なくとも1つのバッテリに蓄えられたエネルギーを節約するために、太陽が沈んだ後、前記少なくとも1つのUAVによって、前記第2高度から前記第1高度に降下することと、を含み、
バッテリパックが前記少なくとも1つのバッテリ及び少なくとも1つのパワートラッカ(130)を備え、前記パワートラッカは、前記太陽電池からエネルギーを受け取り、その日の時刻に基づいて、受け取った前記エネルギーを前記少なくとも1つのバッテリに調整して供給することを特徴とする方法。
【請求項10】
前記少なくとも1つのバッテリに蓄えられたエネルギーを節約するために、太陽が昇るまで、前記少なくとも1つのUAVによって、前記第2高度でロイター飛行することをさらに含む、請求項
9に記載の方法。
【請求項11】
前記第2高度でロイター飛行することは、前記少なくとも1つのUAVの前記少なくとも1つのモータを停止させることを含む、請求項
10に記載の方法。
【請求項12】
前記第2高度でロイター飛行することは、前記少なくとも1つのUAVの前記少なくとも1つのモータを減速させることを含む、請求項
10に記載の方法。
【請求項13】
前記太陽電池は前記少なくとも1つのUAVの翼の表面の少なくとも一部を覆う、請求項
9に記載の方法。
【請求項14】
前記第1高度から前記第2高度に上昇するために必要とされるエネルギーは、前記第2高度から前記第1高度に降下するために必要とされるエネルギーより大きい、請求項
9に記載の方法。
【請求項15】
前記第2高度は前記第1高度より10,000フィート~15,000フィート高く、前記第1高度は60,000フィート~70,000フィートである、請求項
9に記載の方法。
【請求項16】
前記第2高度は、前記第1高度を上回る高度での風速に基づいている、請求項
15に記載の方法。
【請求項17】
前記少なくとも1つのUAVの
上昇率(144)は、前記少なくとも1つのUAVの降下率(146)より大きい、請求項
9に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
[0001] 本願は、2019年4月25日に出願された米国仮特許出願第62/838,783号、2019年4月25日に出願された米国仮特許出願第62/838,833号及び2019年5月30日に出願された米国仮特許出願第62/854,830号の優先権及び利益を主張し、これらのすべての内容があらゆる目的のために参照によって本明細書に組み込まれる。
【0002】
[0002] 本発明は、概して無人航空機(UAV)に関し、より具体的にはUAVへの電力供給に関する。
【背景技術】
【0003】
[0003] 高高度長航続時間航空機などの無人航空機(UAV)は、制御された持続的な飛行が可能な軽量の飛行機である。一般的に言えば、UAVは、航空機に電力を供給するために少なくとも1つのバッテリに依存している。バッテリは通常、航空機に搭載された太陽電池を介して終日にわたって充電される。充電されたバッテリのエネルギーが、その後、1つのモータ(又は複数のモータ)に適用されて、太陽光の捕捉が不可能になる夜間にUAVの推進力を持続させ得る。
【発明の概要】
【0004】
[0004] システムの実施形態は、少なくとも1つの無人航空機(UAV)と、少なくとも1つのバッテリを備える少なくとも1つのバッテリパックと、少なくとも1つのUAVの少なくとも1つのモータと、を含んでもよく、少なくとも1つのバッテリは少なくとも1つのモータにエネルギーを伝達するように構成されてもよく、少なくとも1つのモータからの電力は、少なくとも1つのバッテリが容量又はほぼ容量にあり得るときに少なくとも1つのUAVを第2高度に上昇させるように構成されてもよく、第2高度は第1高度よりも高くてもよく、少なくとも1つのモータからの電力は、少なくとも1つのバッテリに蓄えられたエネルギーを節約するために、太陽が沈んだ後に少なくとも1つのUAVを第1高度に降下させるように構成されてもよい。
【0005】
[0005] 追加のシステムの実施形態は、各UAVの翼の表面の少なくとも一部を覆う少なくとも1つの太陽電池を含んでもよい。追加のシステムの実施形態では、少なくとも1つのバッテリパックは少なくとも1つのパワートラッカをさらに含んでもよい。追加のシステムの実施形態では、パワートラッカは、太陽電池からエネルギーを受け取るように構成されてもよく、かつ、少なくとも1つのバッテリは、パワートラッカからエネルギーを受け取って少なくとも1つのバッテリを充電するように構成されてもよい。追加のシステムの実施形態では、第1高度から第2高度に上昇するために必要とされるエネルギーは、第2高度から第1高度に降下するために必要とされるエネルギーより大きくてもよい。
【0006】
[0006] 追加のシステムの実施形態では、少なくとも1つのモータからの電力は、少なくとも1つのUAVの降下後、太陽が昇るまで、少なくとも1つのバッテリに蓄えられたエネルギーを節約するために、第1高度で少なくとも1つのUAVをロイター飛行させるように構成されてもよい。追加のシステムの実施形態では、ロイター飛行させることは、UAVの少なくとも1つのモータを停止させることと、UAVの少なくとも1つのモータを減速させることと、のうちの少なくとも1つを含む。
【0007】
[0007] 追加のシステムの実施形態では、第2高度は第1高度より10000フィート~15000フィート高く、第1高度は60000フィート~70000フィートであってもよい。追加のシステムの実施形態では、第2高度は、第1高度を上回る高度での風速に基づいてもよい。追加のシステムの実施形態では、少なくとも1つのUAVの上昇速度は少なくとも1つのUAVの降下率より大きくてもよい。
【0008】
[0008] 方法の実施形態は、少なくとも1つのバッテリに蓄えられれたエネルギーを、少なくとも1つの無人航空機(UAV)の少なくとも1つのモータに伝達することであって、少なくとも1つのバッテリは容量又はほぼ容量にあってもよく、少なくとも1つのバッテリはUAVの太陽電池から電力を受け取り、少なくとも1つのUAVが第1高度にあり得る、伝達することと、少なくとも1つのUAVの少なくとも1つのバッテリの伝達されたエネルギーを使用することによって、第2高度まで上昇することであって、第2高度は第1高度より高くてもよい、上昇することと、少なくとも1つのバッテリに蓄えられたエネルギーを節約するために、太陽が沈んだ後、少なくとも1つのUAVによって、第2高度から第1高度に降下することと、を含んでもよい。
【0009】
[0009] 追加の方法の実施形態は、少なくとも1つのバッテリに蓄えられたエネルギーを節約するために、太陽が昇るまで、少なくとも1つのUAVによって、第2高度でロイター飛行することをさらに含んでもよい。追加の方法の実施形態では、第2高度でロイター飛行することは、少なくとも1つのUAVの少なくとも1つのモータを停止させることを含む。追加の方法の実施形態では、第2高度でロイター飛行することは、少なくとも1つのUAVの少なくとも1つのモータを減速させることを含む。
【0010】
[0010] 追加の方法の実施形態では、太陽電池は、少なくとも1つのUAVの翼の表面の少なくとも一部を覆う。追加の方法の実施形態では、バッテリパックは、少なくとも1つのバッテリ及び少なくとも1つのパワートラッカを備え、パワートラッカは太陽電池からエネルギーを受け取り、少なくとも1つのバッテリはパワートラッカからエネルギーを受け取って少なくとも1つのバッテリを充電する。追加の方法の実施形態では、第1高度から第2高度に上昇するために必要とされるエネルギーは、第2高度から第1高度に降下するために必要とされるエネルギーより大きくてもよい。
【0011】
[0011] 追加の方法の実施形態では、第2高度は第1高度より10000フィート~15000フィート高く、第1高度は60000フィート~70000フィートであってもよい。追加の方法の実施形態では、第2高度は、第1高度を上回る高度での風速に基づいてもよい。追加の方法の実施形態では、少なくとも1つのUAVの上昇速度は少なくとも1つのUAVの降下率より大きくてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0012】
[0012] 図面中の構成要素は必ずしも一定の縮尺である必要はなく、代わりに本発明の原理を説明することに重点が置かれている。同様の参照符号は、様々な図を通じて対応の部品を示す。実施形態は、例として示されており、かつ、添付の図面の図に限定されるものではない。
【0013】
【
図1】[0013] 一実施形態に係る、無人航空機の上昇及び滑空動作のためのシステムを示している。
【
図2】[0014] 一実施形態に係る、
図1の無人航空機に電力を供給するためのシステムを示している。
【
図3A】[0015] 一実施形態に係る、日中により高い高度まで上昇する
図1の無人航空機を示している。
【
図3B】[0016] 一実施形態に係る、太陽が地平線の下に沈むにつれてより低い高い高度に滑空する
図1の無人航空機を示している。
【
図3C】[0017] 一実施形態に係る、夜間により低い高度でロイター飛行する
図1の無人航空機を示している。
【
図3D】[0018] 一実施形態に係る、太陽が地平線より上に昇るにつれてより低い高度でロイター飛行する
図1の無人航空機を示している。
【
図3E】[0019] 一実施形態に係る、終日、ロイター飛行し、上昇し、滑空し及びロイター飛行する
図1の無人航空機の機団を示している。
【
図4】[0020] 一実施形態に係る、無人航空機の上昇及び滑空動作の方法のフローチャートを示している。
【
図5】[0021] コンピューティングデバイスの実施形態の例示的なトップレベルの機能ブロック図を示している。
【
図6】[0022] システム及びプロセスの一実施形態を実施するためのコンピューティングシステムのハイレベルブロック図及びプロセスを示している。
【
図7】[0023] 一実施形態が実施され得る例示的なシステムのブロック図及びプロセスを示している。
【
図8】[0024] 本明細書に開示されるシステム及びプロセスの一実施形態を実施するためのクラウドコンピューティング環境を示している。
【発明を実施するための形態】
【0014】
[0025] 以下の説明は、本明細書に開示される実施形態の一般的原理を説明する目的で行われ、かつ、本明細書に開示される概念を限定することを意味するものではない。さらに、本明細書で説明する特定の特徴は、様々な可能な組み合わせ及び順列の各々において、他の説明する特徴と組み合わせて使用されることができる。本明細書で他の方法で特に定義されない限り、すべての用語は、説明から暗示される意味、並びに、当業者によって理解される及び/又は辞書、論文などで定義される意味を含む、可能な限りより広い解釈を与えられるべきである。
【0015】
[0026] 一日の終わり近くに、無人航空機(UAV)のバッテリは、太陽が地平線より上にあるときに一日中太陽放射に曝されていたため、ほぼ完全に充電される。この時点で、余分なエネルギーが利用可能になり得る。UAVに配置されたバッテリは、飛行を持続させるために、この余分なエネルギーを利用してUAVに電力を供給し続け得る。しかしながら、追加のバッテリは高価である。さらに、UAV航空機は軽量であり、かつ、バッテリはUAVの総重量のかなりの部分を占める可能性がある。したがって、追加のバッテリを含めると、UAVの機内に望ましくない重量が発生し、UAVの性能を低下させ得る。
【0016】
[0027] システムの実施形態は、太陽光発電UAVに関連する完全に充電されたバッテリにもはや蓄えられることのできない、太陽電池からの余分なエネルギーを使用することを含み得る。本明細書に開示されるシステム及び方法は、夜間など、太陽エネルギーが航空機に利用可能でないときに航空機の推進を支援し得る。一実施形態では、UAVは高高度長航続時間太陽光発電航空機である。余分なエネルギーは、UAVがより高い高度に上昇するために使用されてもよい。その後、航空機はより低い高度まで滑空してもよく、滑空プロセスは、一日の終わりまでに蓄えられたバッテリの蓄え(stores)にアクセスするために必要とされる時間を遅らせ、それによって、エネルギーを節約し得る。
【0017】
[0028] 一実施形態では、UAVのバッテリは、リチウムイオン(Li-ion)バッテリである。リチウムイオンバッテリがほぼ完全に充電されると、バッテリは急速に充電することができなくなる場合があり、充電をゆっくりと徐々に低減させる必要がある。完全に充電されたバッテリは、未使用のままにされると放電し、効果(例えば、急速に充電する機能)を失い得る。さらに、バッテリの過充電は、バッテリを過熱させ、さらには燃焼させる可能性がある。バッテリが完全に充電されると、充電電流は消費されなければならない。その結果、熱及びガスが発生し、その両方ともがバッテリに有害である。したがって、バッテリに損傷を与える前に充電プロセスを停止させる一方で、常にバッテリの温度をバッテリの既定の制限内に維持することが望ましい。バッテリはバッテリ電圧に関連する。バッテリに接続されたバスは、バッテリ電圧より高く維持されてもよく、かつ、バスは、バッテリに適切な速度でバッテリを充電してもよい。バッテリに過剰な電力が供給されることを回避するために、バス電圧をバッテリよりはるかに高くすることは望ましくない。
【0018】
[0029] バッテリが充電されると、バッテリ及びバス電圧の両方が上昇し得る。バッテリがフル充電に近づくと、バッテリを過充電しないように充電量が次第に低減され得る。この時点で、太陽電池が依然として太陽放射を捕捉している可能性があるので、余分なエネルギーが生成され得る。バッテリの過充電を回避するために太陽エネルギーを浪費するのではなく、余分な太陽エネルギーが利用されてモータを作動させ、航空機をより高い高度に上昇させてもよい。
【0019】
[0030] 航空機の上昇によって達成されたより高い高度から、その後、UAVは以前の又はより低い高度に滑空してもよい。滑空プロセスは、システムがバッテリの蓄えにアクセスするために必要な時間を遅らせる。本明細書に開示される上昇及び滑空方法は、UAVが自由な余分な太陽エネルギーにアクセスしてより高い高度に上昇することによって飛行を持続させることを可能にすると同時に、追加のバッテリを搭載することから生じる追加の重量を回避することも可能にする。
【0020】
[0031]
図1に関して、無人航空機(UAV)108の上昇及び滑空動作のためのシステム(100)が示されている。UAVは、パイロットが搭乗していない航空機であり、かつ、自律的に又は遠隔で飛行してもよい。一実施形態では、UAV108は高高度長航続時間航空機である。UAV108は、1~40個のモータと、100フィート~400フィートの翼幅と、を有してもよい。一実施形態では、UAV108は、約260フィートの翼幅を有し、かつ、10個の電気モータによって推進され、電気モータは、翼の表面の少なくとも一部を覆う太陽電池110によって動力を供給され、その結果、ゼロエミッションをもたらす。UAV108は、海抜約65,000フィートの高度で雲の上方を飛行し、着陸せずに最大数か月の継続的な長期ミッション用に設計されている。
【0021】
[0032] UAV108は、少なくとも部分的にUAVの軽量ペイロードにより、高高度で最適に機能し、かつ、着陸する必要なしにかなりの期間の持続飛行が可能である。一実施形態では、UAV108は、約3,000ポンドの重量を有してもよく、かつ、翼パネルセクション及び中央パネルを含んでもよく、翼パネルセクションの相互及び/又は中央パネルへの取付性及び取外性のために、航空機108の効率的な組立及び分解を提供する。
【0022】
[0033]
図2に関して、UAV108は、UAV108の推進のためにUAV108に結合された少なくとも1つのモータ112をさらに含む。一実施形態では、UAV108は、10個の電気モータ112を有している。UAV108は、太陽が地平線より上にあるときに太陽から太陽エネルギーを捕捉するように構成された太陽電池110をさらに含んでもよい。太陽エネルギーは、今度は、UAVの推進力の全部又は一部に動力を供給するために使用される。太陽電池110は、UAV108の翼の上面に配置されてもよい。UAVが太陽に向かって又は太陽から離れる方向を指す際、太陽電池110は太陽に面して太陽放射を効率的に捕捉する。これは、太陽に曝される太陽電池の面積が広いほど、太陽電池によってより多くの太陽放射が捕捉されることが理由である。一実施形態では、太陽が沈むと、太陽電池110はもはや太陽放射を捕捉しない。しかしながら、太陽が地平線より上にあったときに太陽電池110によって終日にわたって捕捉されたエネルギーは、電気エネルギーに変換されてバッテリを充電又はバッテリに電力を供給し得る。より具体的には、太陽電池110は複数の太陽電池セル111を包含してもよい。セル111は光起電力(PV)セルであってもよい。一実施形態では、セル111は、捕捉された太陽エネルギーを直流(DC)電気エネルギーに変換する。一実施形態では、太陽電池110は約150ボルトを生成し得る。
【0023】
[0034] 電気への太陽エネルギーのこの変換は、光(すなわち、光子)が電気(すなわち、電圧)に変換される光起電力効果を示すPVセル内の半導体材料を使用して達成され得る。一例では、セル111の半導体材料はガリウムヒ素(GaAs)である。別の例では、半導体材料はケイ素である。他の半導体材料が可能であり検討される。
【0024】
[0035] バッテリパック114は、UAVに電力を供給するためのバッテリ120を含む。一実施形態では、バッテリ120はリチウムイオン(Li-ion)バッテリである。「サイクル寿命」及び「カレンダ寿命」などのバッテリ120の寿命を最大化することが望まれる。サイクル寿命は、バッテリ120の全体的な動作(又は使用)時間に基づくバッテリ120の経年劣化を指す。より具体的には、サイクル寿命は、バッテリ120の完全な放電-充電サイクルの数である。カレンダ寿命は、ちょうど時間の関数としてのバッテリ120の経年劣化である。サイクル寿命は、次のような多くの要因によって減少し得る:(1)高すぎる又は低すぎる電圧状態の動作によって引き起こされるひずみ、(2)高い充電率、(3)非常に低い温度での充電、及び、(4)高い放電率。リチウムイオンバッテリ120のカレンダ寿命は、時間とともに容量を失う可能性があり、容量の損失は、一般に非常に高温及び低温で動作し、かつ、保管中に高い充電状態であまりにも多くの時間を費やすことによって悪化し得る。バッテリ寿命を維持するには、高い充電状態で多くの時間を費やさないようにカットオフポイントを検出して充電を終了させることが重要である。既定の上限電圧制限又は「終了電圧」があってもよく、それを超えると充電が終了され得る。これは、過充電の危険性が高い急速充電器では特に重要である。一実施形態では、バッテリ120は、長い寿命を有し得、延長されたミッションのサポートを可能にし、かつ、低温などの極端な環境条件で動作させられることができる。
【0025】
[0036] バッテリパック114は、バッテリ120の近位に少なくとも1つのパワートラッカ130をさらに含んでもよい。別の実施形態では、パワートラッカ130は、バッテリパック114の外側に配置されてもよい。パワートラッカ130は、太陽電池110と通信し、パワートラッカ130は、太陽電池110によって生成された電気エネルギーを受け取るように構成される。より具体的には、太陽電池のセル111は、太陽光を電気エネルギーに変換し、パワートラッカ130は、太陽電池110のバスなどの出力132から太陽電池110から電気を受け取る。太陽電池110は、バスよりも低い電圧で動作する。一実施形態では、パワートラッカは、太陽電池110から出力132への電圧をブーストし、かつ、ブースト比を調整して太陽電池から最大電力を得るように構成された最大電力点追従(MPPT)コントローラである。
【0026】
[0037] パワートラッカ130は、バッテリ120に電荷を供給するように構成された出力134を有している。一実施形態では、パワートラッカ130は、太陽電池110からの電力を最大化し、かつ、バッテリに送信される電圧を調整するように構成される。例えば、太陽の位置が空で変化するにつれて、捕捉され、及びしたがって、太陽電池110によって生成される太陽放射の量は1日を通じて変化し得る。パワートラッカ130が使用されて、バッテリ120に安定した電圧が提供され得る。一実施形態では、バッテリ120は、太陽電池からのみ来る約150ボルトとは対照的に、約270~380ボルトを維持し得る。一実施形態では、バッテリ120の所望の動作温度は10℃~50℃の範囲である。
【0027】
[0038] バッテリ120が完全に充電に近づくと、バッテリはもはや急速に充電されることができなくなる可能性があり、充電をゆっくりと次第に減少させる必要がある。バッテリ120が完全に充電される場合、バッテリ120が未使用のままであるとき、バッテリ120は、放電する可能性があり、かつ、例えば、急速に充電する能力などの効果を失い得る。さらに、バッテリ120の過充電は、熱及びガスの発生を引き起こす可能性があり、これらは両方とも、バッテリ120に有害であるか、又は、バッテリ120を過熱させ、さらには燃焼させる可能性がある。
【0028】
[0039] バッテリ120が完全に充電されると、バッテリ120の温度を常に既定の制限内に維持しながら、バッテリ120への損傷が発生する前に充電プロセスを次第に低減させることが望ましいので、充電電流は低減される必要があり得る。一実施形態では、バッテリ120の温度は、太陽電池110のエネルギー出力を低下させ得る太陽電池110の条件を動作させるようにパワートラッカ130の電圧ブースト比を調整することによって、その既定の制限内に維持される。別の実施形態では、バッテリ120の温度は、航空機推進システムで余分な電流を吸収することによってその既定の制限内に維持される。別の実施形態では、バッテリ120の温度は、航空機推進システムと組み合わせてパワートラッカ130の電圧ブースト比を調整することによってその既定の制限内に維持される。
【0029】
[0040] この時点で、太陽電池110は、バッテリ120に伝達され得る太陽放射を依然として捕捉している可能性があるので、利用可能な余分なエネルギーが存在する可能性がある。したがって、バッテリ120の過充電を回避するためにエネルギーを浪費するのではなく、余分な太陽エネルギーが利用されて、1以上のモータ112を作動させて、UAV108の高度を上昇させてもよい。充電されたバッテリ120は、UAV108の1以上のモータ112を駆動するように構成され、バッテリパックシステム114は、バッテリ120が、連続飛行のためにモータ112に電力を供給するのに十分に蓄えられたエネルギーを有することを保証する。
【0030】
[0041] 一実施形態では、バッテリ120は、電気エネルギーをモータ112に伝達するように構成された出力136を有している。一例では、電気エネルギーはDC電流である。モータ112は、UAV108の推進のためにバッテリ120から電気エネルギーを受け取る。
【0031】
[0042]
図3A~
図3Dに関して、追加のバッテリを搭載することから生じる追加の重量を回避しながら、自由な余分なエネルギーにアクセスしてより高い高度に上昇することによって、UAV108の飛行を持続させるための上昇及び滑空方法が示されている。バッテリ120はその日のうちにはほぼ完全に充電されるので、バッテリ120を充電する必要がない太陽電池110から放散された余分なエネルギーは、
図2に示すように、UAVモータ112に伝達され得る。
図2に示すように、モータ112に提供される追加の電力は、
図3Aに示すように、UAV108をより高い高度に上昇させ得る。一実施形態では、上昇角度は約10°である。一実施形態では、UAV108パワートラッカ130は、バッテリ120がほぼフルであり得るので、その日のうちにバッテリ120に伝達される電流を次第に低減させてもよい。
図3Bに関して、UAV108は、太陽が地平線の下に沈むときなど、上昇又は水平飛行を維持するのに十分な太陽光発電がもはやないときに、より低い高度に滑空することによってエネルギーを節約し得る。一実施形態では、降下角は約6°である。滑空プロセスは、UAV108がバッテリの蓄えにアクセスするために必要な時間を遅らせる。一実施形態では、UAV108は、開始高度からさらに10,000~15,000フィート上昇し、かつ、同じ開始高度まで10,000フィート下に滑空し得る。一実施形態では、UAV108は、60,000フィートの開始高度から上昇を開始して70,000フィートに到達し、その後、70,000フィートから下に60,000フィートに滑空して戻る。別の実施形態では、UAV108は、65,000フィートの開始高度から上昇を開始して75,000フィートに到達し、その後、75,000フィートから65,000フィートに滑空して戻る。一実施形態では、UAV108は、65,000フィートの開始高度から上昇を開始して80,000フィートに到達し、その後、80,000フィートから65,000フィートに滑空して戻る。60,000フィート~70,000フィートの他の開始高度も可能である。その後、UAV108は、
図3Cに示すように、モータ112を停止又は減速させ、かつ、より低い高度でロイター飛行することによって、夜間にエネルギーをさらに節約してもよい。
図3Dに関して、太陽が地平線より上に昇る際、UAV108は、太陽が地平線より十分に高くなり、UAV108が太陽電池110で太陽エネルギーを捕捉し始めるまで、より低い高度でロイター飛行し続けてもよい。
【0032】
[0043] 別の実施形態では、上昇及び滑空方法は、強風の事象などの悪天候時に適用されてもよい。例えば、強風が予測され、さらに2,000フィート高くなることが有利である場合は、上昇及び滑空方法が使用されて、より高い高度及び風よりも上方に上昇し得る。強風に比べてより弱い風では、バッテリから必要なエネルギーが少なくて済み得る。第1又は開始高度から第2又は最大高度への各UAVの上昇は、第1又は開始高度より上方の高度での風速、気象条件、天気予報などに基づいてもよい。
【0033】
[0044] さらに別の実施形態では、UAV108の機団が、上述した実施形態の方法のいずれか1つで一斉に上昇及び滑空してもよい。別の実施形態では、機団のUAV108は、わずかに異なる時間に上昇してもよい。
【0034】
[0045] 本明細書に開示された上昇及び滑空方法によれば、UAV108が、太陽電池110によって提供される自由な余分なエネルギーにアクセスしてより高い高度に上昇することによって飛行を持続することを可能にすると同時に、追加のバッテリを搭載することから生じる追加の重量を回避することも可能にする。
【0035】
[0046]
図3Eは、一実施形態に係る、1日を通じたロイター飛行、上昇、滑空及びロイター飛行する
図1のUAV108A、Bの機団122を示している。UAVの機団は、3以上のUAV108A、Bを含んでもよい。例示の目的で2つのUAV108A、Bが示されているが、2以上の任意の数のUAVが示されてもよい。本明細書に開示される方法及びシステムはUAV108A、Bの機団122に適用されてもよい。ある実施形態では、機団122は数百又は数千のUAVを含んでもよい。
【0036】
[0047] UAV108A、Bは、日中の65,000フィートなどの第1高度140でロイター飛行してもよい。各UAV108A、Bは、1以上のバッテリを充電するため、
図2に示すように、太陽電池110を含んでもよい。バッテリが容量に達する又は容量に近づくと、各UAV108A、Bは、75,000フィートなどの第2又は最大高度142まで上昇124してもよい。ある実施形態では、各UAV108A、Bは同時に上昇124してもよい。他の実施形態では、各UAV108A、Bは、異なる時間に、例えば、各それぞれのUAVがフル容量又は設定容量のバッテリを有している場合などに、上昇124してもよい。ある実施形態では、上昇率144は、地平線に対して約10°であってもよい。ある実施形態では、各UAV108A、Bは、上昇124の間に消耗するバッテリに電力を提供するために太陽光がまだ利用可能であるときに上昇124してもよい。
【0037】
[0048] 各UAV108A、Bがより高い高度142に到達すると、各UAVは、より高い高度142でロイター飛行してもよく又は降下128し始めてもよい。ある実施形態では、各UAV108A、Bは同時に128降下してもよい。他の実施形態では、各UAV108A、Bは、例えば、
図2に示すように、各それぞれのUAVがそれらのそれぞれの太陽電池110からの電荷の受け取りを停止するとき、異なる時間に降下128してもよい。降下率146は、ある実施形態では、地平線に対して約6°又は約-6°であってもよい。上昇率124は、対応の降下率128よりも急勾配であってもよい。各UAV108A、108Bは、太陽光が依然として利用可能であるときに上昇124するためにより多くのエネルギーを消費してもよく、かつ、太陽光が利用可能でないときに降下128しながらより多くのエネルギーを節約し得る。ある実施形態では、各UAV108A、Bは、太陽光が利用可能でなくなったときに降下128してもよい。各UAV108A、Bは、
図2に示すように、それらのそれぞれの太陽電池110がバッテリの充電を開始し得るときに、日の出時又はその前後に第1高度140に到達することが望ましい場合がある。各UAV108A、Bが日の出前に第1高度140に到達した場合、各UAV108A、Bは、
図2に示すように、それらのそれぞれの太陽電池110がバッテリの充電を開始し得るまで、ロイター飛行、例えば、水平飛行又はほぼ水平飛行を維持し続けてもよい。ある実施形態では、より高い高度142は、各UAV108A、Bの性能、各UAV108A、Bの各バッテリの充電、日々の太陽光及び暗闇の量に関連する季節などに基づいて調整されてもよい。上昇後により低高度140でロイター飛行するために必要とされるエネルギーは、上昇せずにより低高度140に留まるために必要とされるエネルギーと同じであり得る。しかしながら、第2高度142に上昇することによって、各UAV108A、Bは、より低い高度140でロイター飛行するよりも、降下128するときにエネルギーの使用をより少なくすることができる。したがって、各UAV108A、Bは、UAVバッテリが完全に充電されるときに日の終わりにエネルギーを使用して上昇124し、及びその後、例えば、日没後でバッテリが充電されていない日の出前の夜間に、より低い高度140に降下128することによって及び/又は必要に応じてロイター飛行することによって、エネルギーを節約する。
【0038】
[0049]
図4に関して、無人航空機(UAV)の上昇及び滑空動作のための方法200のフローチャートが示されている。一実施形態では、この方法は、より高い高度に上昇するために自由な余分なエネルギーにアクセスすると同時に、追加のバッテリを搭載することから生じる追加の重量を回避することを提供する。UAVの太陽電池からの余分なエネルギーは、UAVの少なくとも1つのモータに伝達されてもよい(ステップ202)。その日のうちにバッテリがほぼ完全に充電されているためにUAVのバッテリの充電には必要とされないUAVの太陽電池から放散されるこの余分なエネルギーはUAVの少なくとも1つのモータに伝達され得る。モータに提供される追加の電力により、UAVがより高い高度に上昇してもよい(ステップ204)。一実施形態では、上昇角度は約10°である。一実施形態では、UAVのパワートラッカは、バッテリがほぼフルであり得るので、その日のうちにバッテリに伝達される電流を次第に低減させてもよい。その後、UAVは、太陽が地平線の下に沈むときなど、上昇又は水平飛行を維持するために十分な太陽光発電がなくなったときに、より低い高度に滑空することによってエネルギーを節約し得る(ステップ206)。一実施形態では、降下角は約6°である。滑空プロセスは、UAVがバッテリの蓄えにアクセスするために必要な時間を遅らせる。一実施形態では、UAV108は、開始高度からさらに10,000~15,000フィート上昇し、かつ、同じ開始高度まで10,000フィート下に滑空してもよい。一実施形態では、UAVは、60,000フィートの開始高度から上昇し始めて70,000フィートに到達し、その後、70,000フィートから60,000フィートに滑空して戻る。別の実施形態では、UAVは、65,000フィートの開始高度から上昇し始めて75,000フィートに到達し、その後、75,000フィートから65,000フィートに滑空して戻る。一実施形態では、UAVは、65,000フィートの開始高度から上昇し始めて80,000フィートに到達し、その後、80,000フィートから65,000フィートに滑空して戻る。60,000フィート~70,000フィートの他の開始高度が可能である。
【0039】
[0050] その後、UAVは、モータを停止又は減速させ、かつ、より低高度でロイター飛行することによって、夜間にさらにエネルギーを節約してもよい(ステップ208)。太陽が地平線より上に昇ると、UAVが太陽電池で太陽エネルギーの捕捉を開始するために太陽が十分な高さになるまで、UAVはより低高度でロイター飛行し続けてもよい(ステップ210)。
【0040】
[0051] 別の実施形態では、上昇及び滑空方法は、強風の事象などの悪天候時に適用されてもよい。例えば、強風が予測され、かつ、さらに2000フィート高くなることが有利である場合、上昇及び滑空方法が使用されて、より高い高度及び風の上方まで上昇してもよい。さらに別の実施形態では、UAVの機団は、上述した実施形態の方法のいずれか1つで一斉に上昇及び滑空してもよい。別の実施形態では、機団のUAVは、わずかに異なる時間に上昇してもよい。
【0041】
[0052] 上昇及び滑空方法200は、太陽電池によって提供される自由な余分なエネルギーにアクセスしてより高い高度に上昇すると同時に、追加のバッテリを搭載することから生じる追加の重量を回避することによって、UAVが飛行を持続することを可能にする。
【0042】
[0053]
図5は、コンピューティングデバイスの実施形態400のトップレベル機能ブロック図の一例を示している。例示的な動作環境は、中央処理装置(CPU)などのプロセッサ424と、アドレス可能メモリ427と、例えば、任意選択的なユニバーサルシリアルバスポート及び関連の処理及び/又はイーサネットポート及び関連の処理などの外部デバイスインタフェース429と、例えば、ステータスライトのアレイ及び1以上のトグルスイッチ及び/又はディスプレイ及び/又はキーボード及び/又はポインタ-マウスシステム及び/又はタッチスクリーンなどの任意選択的なユーザインタフェース429と、を備えるコンピューティングデバイス420として示されている。任意選択的に、アドレス可能なメモリは、例えば、フラッシュメモリ、eprom及び/若しくはディスクドライブ又は他のハードドライブであってもよい。これらの要素は、データバス428を介して互いに通信してもよい。ある実施形態では、ウェブブラウザ423及びアプリケーション422をサポートするものなどのオペレーティングシステム425を介して、プロセッサ424は、上述した実施形態にしたがって通信チャネルを確立して処理するプロセスのステップを実行するように構成され得る。一実施形態では、プロセッサ424は、UAVの上昇、降下及びロイター飛行を制御してもよい。一実施形態では、プロセッサ424は、バッテリ状態、充電レベルなどを測定及び/又は追跡してもよい。一実施形態では、プロセッサ424は、太陽の位置、気象条件、天気予報、雲量などに関する情報を追跡及び/又は受信してもよい。ある実施形態では、プロセッサ424は、地上管制局及び/又は外部ソースから受信した1以上のコマンドに基づいて、上昇、降下又はロイター飛行してもよい。他の実施形態では、プロセッサ424は、UAVを自律的又は半自律的に上昇、降下及び/又はロイター飛行させてもよい。
【0043】
[0054]
図6は、本明細書に開示される、システム及びプロセスの一実施形態を実施するのに有用なコンピュータシステムを備えるコンピューティングシステムを示すハイレベルブロック
図500である。システムの実施形態は、異なるコンピューティング環境で実施され得る。コンピュータシステムは、1以上のプロセッサ502を含み、かつさらに、(例えば、グラフィックス、テキスト及び他のデータを表示するための)電子ディスプレイデバイス504と、メインメモリ506(例えば、ランダムアクセスメモリ(RAM))と、ストレージデバイス508と、リムーバブルストレージデバイス510(例えば、リムーバブルストレージドライブ、リムーバブルメモリモジュール、磁気テープドライブ、光ディスクドライブ、コンピュータソフトウェア及び/又はデータをその中に格納したコンピュータ可読媒体)と、ユーザインタフェースデバイス511(例えば、キーボード、タッチスクリーン、キーパッド、ポインティングデバイス)と、通信インタフェース512(例えば、モデム、ネットワークインタフェース(イーサネットカードなど)、通信ポート、又はPCMCIAスロット及びカード)と、を含むことができる。通信インタフェース512は、ソフトウェア及びデータがコンピュータシステムと外部デバイスとの間で転送されることを可能にする。システムはさらに、前述のデバイス/モジュールが示されるように接続される通信インフラストラクチャ514(例えば、通信バス、クロスオーバーバー又はネットワーク)を含む。
【0044】
[0055] 通信インタフェース514を介して転送される情報は、信号を伝送し、かつ、ワイヤ又はケーブル、光ファイバ、電話回線、携帯電話/携帯電話リンク、無線周波数(RF)リンク及び/又は他の通信チャネルを使用して実装され得る通信リンク516を介して、通信インタフェース514によって受信されることができる電子、電磁、光又は他の信号などの信号の形態であり得る。本明細書のブロック図及び/又はフローチャートを表すコンピュータプログラム命令は、コンピュータ、プログラム可能なデータ処理装置又は処理装置にロードされて、そこで一連の操作を実行させて、コンピュータ実装プロセスを生成し得る。
【0045】
[0056] 実施形態は、実施形態に係る方法、装置(システム)及びコンピュータプログラム製品のフローチャート図及び/又はブロック図を参照して説明された。そうした例/図の各ブロック又はそれらの組み合わせは、コンピュータプログラム命令によって実施されることができる。コンピュータプログラム命令は、プロセッサに提供されると、プロセッサを介して実行する命令がフローチャート及び/又はブロック図で特定された機能/動作を実施するための手段を作成するように、機械を生成する。フローチャート/ブロック図の各ブロックは、実施形態を実施するハードウェア及び/又はソフトウェアモジュール又はロジックを表し得る。代替の実施では、ブロックに示されている機能は、図に示されている順序から外れて、同時に発生し得る。
【0046】
[0057] コンピュータプログラム(すなわち、コンピュータ制御ロジック)は、メインメモリ及び/又は補助メモリに格納される。コンピュータプログラムはまた、通信インタフェース512を介して受信され得る。そうしたコンピュータプログラムは、実行されると、コンピュータシステムが本明細書で論じられるような実施形態の特徴を実行することを可能にする。特に、コンピュータプログラムは、実行されると、プロセッサ及び/又はマルチコアプロセッサがコンピュータシステムの特徴を実行することを可能にする。そうしたコンピュータプログラムはコンピュータシステムのコントローラを表す。
【0047】
[0058]
図7は、一実施形態が実施され得る例示的なシステム600のブロック図を示している。システム600は、1以上のサーバコンピューティングシステム630に接続された、家庭用電子機器などの1以上のクライアントデバイス601を含む。サーバ630は、情報を通信するためのバス602又は他の通信メカニズムと、情報を処理するためのバス602に結合されたプロセッサ(CPU)604と、を含む。サーバ630はまた、プロセッサ604によって実行される情報及び命令を格納するための、バス602に結合された、ランダムアクセスメモリ(RAM)又は他の動的ストレージデバイスなどのメインメモリ606を含む。メインメモリ606はまた、実行中の一時変数又は他の中間情報、若しくは、プロセッサ604によって実行される命令を格納するために使用され得る。サーバコンピュータシステム630は、プロセッサ604のための静的情報及び命令を格納するための、バス602に結合されたリードオンリーメモリ(ROM)608又は他の静的ストレージデバイスをさらに含む。磁気ディスク又は光ディスクなどのストレージデバイス610が、提供され、かつ、情報及び命令を格納するためにバス602に結合される。バス602は、例えば、ビデオメモリ又はメインメモリ606をアドレス指定するための32本のアドレスラインを包含し得る。バス602はまた、例えば、CPU604、メインメモリ606、ビデオメモリ及びストレージ610などのコンポーネント間及びコンポーネントの中でデータを転送するための32ビットデータバスを含み得る。代替として、別個のデータライン及びアドレスラインの代わりに、多重化データ/アドレスラインが使用され得る。
【0048】
[0059] サーバ630は、バス602を介して、コンピュータユーザに情報を表示するためのディスプレイ612に結合され得る。情報及びコマンド選択をプロセッサ604に通信するための英数字及び他のキーを含む入力デバイス614がバス602に結合される。別のタイプ又はユーザ入力デバイスは、プロセッサ604への方向情報及びコマンド選択を通信するため、かつ、ディスプレイ612上のカーソル移動を制御するためのマウス、トラックボール又はカーソル方向キーなどのカーソル制御616を備える。
【0049】
[0060] 一実施形態によれば、メインメモリ606に包含される1以上の命令の1以上のシーケンスを実行するプロセッサ604によって機能が実行される。そうした命令は、ストレージデバイス610などの別のコンピュータ可読媒体からメインメモリ606に読み込まれ得る。メインメモリ606に包含される命令のシーケンスの実行により、プロセッサ604は、本明細書に記載のプロセスステップを実行する。マルチプロセッシング構成の1以上のプロセッサが採用されて、メインメモリ606に包含される命令のシーケンスを実行し得る。代替の実施形態では、ハードワイヤード回路が、ソフトウェア命令に代えて又はソフトウェア命令と組み合わせて使用されて実施形態を実施し得る。したがって、実施形態は、ハードウェア回路及びソフトウェアの特定の組み合わせに限定されない。
【0050】
[0061] 「コンピュータプログラム媒体」、「コンピュータ使用可能媒体」、「コンピュータ可読媒体」及び「コンピュータプログラム製品」という用語は、一般に、メインメモリ、補助メモリ、リムーバブルストレージドライブ、ハードディスクドライブにインストールされたハードディスク及び信号などの媒体を示すために使用される。これらのコンピュータプログラム製品は、コンピュータシステムにソフトウェアを提供するための手段である。コンピュータ可読媒体は、コンピュータシステムが、コンピュータ可読媒体からデータ、命令、メッセージ又はメッセージパケット及び他のコンピュータ可読情報を読み取ることを可能にする。コンピュータ可読媒体は、例えば、フロッピーディスク、ROM、フラッシュメモリ、ディスクドライブメモリ、CD-ROM及び他のパーマネントストレージなどの不揮発性メモリを含み得る。例えば、データ及びコンピュータ命令などの情報をコンピュータシステム間で転送する場合に役立つ。さらに、コンピュータ可読媒体は、コンピュータがそうしたコンピュータ可読情報を読み取ることを可能にする有線ネットワーク又は無線ネットワークを含むネットワークリンク及び/又はネットワークインタフェースなどの一時的な状態媒体(transitory state medium)におけるコンピュータ可読情報を含み得る。コンピュータプログラム(コンピュータ制御ロジックとも呼ばれる)は、メインメモリ及び/又は補助メモリに格納される。コンピュータプログラムはまた、通信インタフェースを介して受信され得る。そうしたコンピュータプログラムは、実行されると、コンピュータシステムが本明細書で論じられるような実施形態の特徴を実行することを可能にする。特に、コンピュータプログラムは、実行されると、プロセッサマルチコアプロセッサがコンピュータシステムの特徴を実行することができるようにする。したがって、そうしたコンピュータプログラムは、コンピュータシステムのコントローラを表す。
【0051】
[0062] 一般に、本明細書で使用される「コンピュータ可読媒体」という用語は、実行のためにプロセッサ604に命令を提供することに参加した任意の媒体を指す。そうした媒体は、不揮発性媒体、揮発性媒体及び伝送媒体を含むがこれらに限定されない多くの形態をとり得る。不揮発性媒体は、例えば、ストレージデバイス610などの光学ディスク又は磁気ディスクを含む。揮発性媒体は、メインメモリ606などの動的メモリを含む。伝送媒体は、バス602を構成するワイヤを含む同軸ケーブル、銅線及び光ファイバを含む。伝送媒体は、電波や赤外線データ通信中に生成されるものなど、音響波又は光波の形態をとることもできる。
【0052】
[0063] コンピュータ可読媒体の一般的な形態は、例えば、フロッピーディスク、フレキシブルディスク、ハードディスク、磁気テープ又は他の任意の磁気媒体、CD-ROM、他の任意の光学媒体、パンチカード、紙テープ、孔のパターンを有するその他の任意の物理媒体、RAM、PROM、EPROM、FLASH-EPROM、その他のメモリチップ又はカートリッジ、以下で説明する搬送波又はコンピュータが読み取ることができる任意の他の媒体を含む。
【0053】
[0064] 様々な形態のコンピュータ可読媒体は、実行のためにプロセッサ604に1以上の命令の1以上のシーケンスを保持することに関与され得る。例えば、命令は、最初に、リモートコンピュータの磁気ディスク上で実行され得る。リモートコンピュータは、命令を動的メモリにロードし、かつ、モデムを使用して電話回線を介して命令を送信することができる。サーバ630にローカルなモデムは、電話回線でデータを受信し、かつ、赤外線送信機を使用してデータを赤外線信号に変換することができる。バス602に結合された赤外線検出器は、赤外線信号で保持されたデータを受信し、かつ、そのデータをバス602に配置することができる。バス602は、データをメインメモリ606に伝送し、そこからプロセッサ604が命令を読み出して実行する。メインメモリ606から受信された命令は、任意選択的に、プロセッサ604による実行の前又は後のいずれかで、ストレージデバイス610に格納され得る。
【0054】
[0065] サーバ630はまた、バス602に結合された通信インタフェース618を含む。通信インタフェース618は、現在一般にインターネット628と呼ばれている世界規模のパケットデータ通信ネットワークに接続されているネットワークリンク620に結合する双方向データ通信を提供する。インターネット628は、デジタルデータストリームを保持する電気信号、電磁気信号又は光信号を使用する。様々なネットワークを介した信号及びネットワークリンク620上の信号並びにサーバ630へ及びサーバ630からデジタルデータを保持する通信インタフェース618を通じた信号は、情報を伝送する例示的な形態又は搬送波である。
【0055】
[0066] サーバ630の別の実施形態では、インタフェース618は通信リンク620を介してネットワーク622に接続されている。例えば、通信インタフェース618は、ネットワークリンク620の一部を構成することができる対応のタイプの電話回線へのデータ通信接続を提供するための統合サービスデジタルネットワーク(ISDN)カード又はモデムであり得る。別の例として、通信インタフェース618は、互換性のあるLANへのデータ通信接続を提供するためのローカルエリアネットワーク(LAN)カードであり得る。無線リンクも実装され得る。そうした任意の実装において、通信インタフェース618は、様々なタイプの情報を表すデジタルデータストリームを保持する電気電磁信号又は光信号を送受信する。
【0056】
[0067] ネットワークリンク620は、通常、1以上のネットワークを通じて他のデータデバイスへのデータ通信を提供する。例えば、ネットワークリンク620は、ローカルネットワーク622を通じて、ホストコンピュータ624又はインターネットサービスプロバイダ(ISP)によって操作されるデータ機器への接続を提供し得る。次に、ISPは、インターネット628を通じてデータ通信サービスを提供する。ローカルネットワーク622及びインターネット628は両方とも、デジタルデータストリームを保持する電気信号、電磁気信号又は光信号を使用する。様々なネットワークを通じた信号及びネットワークリンク620上の信号並びにサーバ630へ及びサーバ630からデジタルデータを保持する通信インタフェース618を通じた信号は、情報を伝送する例示的な形態又は搬送波である。
【0057】
[0068] サーバ630は、ネットワーク、ネットワークリンク620及び通信インタフェース618を通じて、電子メールを含むメッセージ及びデータ、プログラムコードを送受信することができる。さらに、通信インタフェース618は、USB/チューナを備えることができ、ネットワークリンク620は、サーバ630をケーブルプロバイダ、衛星プロバイダ、又は、別のソースからのメッセージ、データ及びプログラムコードを受信するための他の地上伝送システムに接続するためのアンテナ又はケーブルであり得る。
【0058】
[0069] 本明細書で説明される実施形態の例示的なバージョンは、サーバ630を含むシステム600などの分散処理システムにおける論理演算として実装され得る。実施形態の論理演算は、サーバ630内で実行される一連のステップとして、及び、システム600内の相互接続された機械モジュールとして実装され得る。実装は、選択の問題であり、実施形態を実施するシステム600の性能に依存することができる。したがって、実施形態の前記例示的なバージョンを構成する論理演算は、例えば、演算、ステップ又はモジュールと呼ばれる。
【0059】
[0070] 上述したサーバ630と同様に、クライアントデバイス601は、プロセッサ、メモリ、ストレージデバイス、ディスプレイ、入力デバイス、及び、サーバ630との通信用のインターネット628、ISP又はLAN622にクライアントデバイスを接続するための通信インタフェース(例えば、電子メールインタフェース)を含むことができる。
【0060】
[0071] システム600は、クライアントデバイス601と同じ方法で動作するコンピュータ(例えば、パーソナルコンピュータ、コンピューティングノード)605をさらに含むことができ、ユーザは、1以上のコンピュータ605を利用して、サーバ630内のデータを管理することができる。
【0061】
[0072] ここで
図8を参照すると、例示的なクラウドコンピューティング環境50が示されている。示されるように、クラウドコンピューティング環境50は、例えば、携帯情報端末(PDA)、スマートフォン、スマートウォッチ、セットトップボックス、ビデオゲームシステム、タブレット、モバイルコンピューティングデバイス又は携帯電話54A、デスクトップコンピュータ54B、ラップトップコンピュータ54C、及び/又は、自動車コンピュータシステム54Nなどのクラウド消費者によって使用されるローカルコンピューティングデバイスが通信し得る1以上のクラウドコンピューティングノード10を備える。ノード10は互いに通信し得る。それらは、物理的又は仮想的に、上述したプライベート、コミュニティ、パブリック又はハイブリッドクラウド、若しくは、それらの組み合わせなどの1以上のネットワークにグループ化され得る(図示せず)。これにより、クラウドコンピューティング環境50は、クラウド消費者がローカルコンピューティングデバイス上でリソースを維持する必要がないサービスとして、インフラストラクチャ、プラットフォーム及び/又はソフトウェアを提供することができる。
図8に示すコンピューティングデバイス54A~Nのタイプが例示のみを意図していること、並びに、コンピューティングノード10及びクラウドコンピューティング環境50が、任意のタイプのネットワーク及び/又はネットワークアドレス可能接続を介して(例えば、ウェブブラウザを使用して)任意のタイプのコンピュータ化されたデバイスと通信することができることが理解される。
【0062】
[0073] 上記の実施形態の特定の特徴及び態様の様々な組み合わせ及び/又は部分的組み合わせが、行われてもよく、かつ、依然として本発明の範囲内にあるものと考えられる。したがって、開示された実施形態の様々な特徴及び態様は、開示された発明の様々なモードを形成するために、互いに組み合わせられるか又は互いに置き換えられ得ることが理解されるべきである。さらに、例として本明細書に開示される本発明の範囲は、上述した特定の開示された実施形態によって限定されるべきではないことが意図される。