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特許7472190抗TIM-3抗体を用いてがんを処置する方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-12
(45)【発行日】2024-04-22
(54)【発明の名称】抗TIM-3抗体を用いてがんを処置する方法
(51)【国際特許分類】
   A61K 39/395 20060101AFI20240415BHJP
   A61P 1/02 20060101ALI20240415BHJP
   A61P 1/04 20060101ALI20240415BHJP
   A61P 1/16 20060101ALI20240415BHJP
   A61P 1/18 20060101ALI20240415BHJP
   A61P 11/00 20060101ALI20240415BHJP
   A61P 11/02 20060101ALI20240415BHJP
   A61P 11/04 20060101ALI20240415BHJP
   A61P 13/08 20060101ALI20240415BHJP
   A61P 13/10 20060101ALI20240415BHJP
   A61P 13/12 20060101ALI20240415BHJP
   A61P 15/00 20060101ALI20240415BHJP
   A61P 15/02 20060101ALI20240415BHJP
   A61P 17/00 20060101ALI20240415BHJP
   A61P 19/08 20060101ALI20240415BHJP
   A61P 21/00 20060101ALI20240415BHJP
   A61P 25/00 20060101ALI20240415BHJP
   A61P 27/16 20060101ALI20240415BHJP
   A61P 35/00 20060101ALI20240415BHJP
   A61P 35/02 20060101ALI20240415BHJP
   A61P 37/04 20060101ALI20240415BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20240415BHJP
   C07K 16/28 20060101ALI20240415BHJP
   C07K 16/46 20060101ALI20240415BHJP
   C12N 15/13 20060101ALI20240415BHJP
   C12P 21/08 20060101ALN20240415BHJP
【FI】
A61K39/395 T ZNA
A61P1/02
A61P1/04
A61P1/16
A61P1/18
A61P11/00
A61P11/02
A61P11/04
A61P13/08
A61P13/10
A61P13/12
A61P15/00
A61P15/02
A61P17/00
A61P19/08
A61P21/00
A61P25/00
A61P27/16
A61P35/00
A61P35/02
A61P37/04
A61P43/00 105
A61P43/00 111
A61P43/00 121
C07K16/28
C07K16/46
C12N15/13
C12P21/08
【請求項の数】 30
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022062862
(22)【出願日】2022-04-05
(62)【分割の表示】P 2019537099の分割
【原出願日】2018-01-09
(65)【公開番号】P2022087185
(43)【公開日】2022-06-09
【審査請求日】2022-04-05
(31)【優先権主張番号】62/582,272
(32)【優先日】2017-11-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/444,354
(32)【優先日】2017-01-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】514118169
【氏名又は名称】テサロ, インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100120031
【弁理士】
【氏名又は名称】宮嶋 学
(74)【代理人】
【識別番号】100120617
【弁理士】
【氏名又は名称】浅野 真理
(74)【代理人】
【識別番号】100126099
【弁理士】
【氏名又は名称】反町 洋
(72)【発明者】
【氏名】ディミトリー ボビレフ
(72)【発明者】
【氏名】アンドリュー アール. ファーガソン
(72)【発明者】
【氏名】クリステン アン マッキーカーン
(72)【発明者】
【氏名】ジン ワン
【審査官】菊池 美香
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2016/161270(WO,A1)
【文献】特許第7118073(JP,B2)
【文献】European Journal of Cancer, 2016, Vol.69, Suppl. 1, S102, Abstract No. 311
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 39/395
A61P 1/02
A61P 1/04
A61P 1/16
A61P 1/18
A61P 11/00
A61P 11/02
A61P 11/04
A61P 13/08
A61P 13/10
A61P 13/12
A61P 15/00
A61P 15/02
A61P 17/00
A61P 19/08
A61P 21/00
A61P 25/00
A61P 27/16
A61P 35/00
A61P 35/02
A61P 37/04
A61P 43/00
C07K 16/28
C07K 16/46
C12N 15/13
C12P 21/08
CAplus/REGISTRY/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヒトにおけるがんの処置における使用のための組成物であって、該組成物が、T細胞免疫グロブリンおよびムチンタンパク質3(TIM-3)結合剤を含み、該TIM-3結合剤が、約100mg~約1200mgのフラット用量で投与されることを特徴とし、該TIM-3結合剤が、抗体、抗体結合体、またはその抗原結合断片を含み、かつ、配列番号21(HCDR1)、配列番号22(HCDR2)および配列番号23(HCDR3)の3つのCDR配列を有する重鎖可変領域と、配列番号24(LCDR1)、配列番号25(LCDR2)および配列番号26(LCDR3)の3つのCDR配列を有する軽鎖可変領域とを含み、該TIM-3結合剤が、抗PD-1抗体と一緒に投与される、組成物。
【請求項2】
前記TIM-3結合剤が、約100mg~約500mgのフラット用量で投与されることを特徴とする、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記TIM-3結合剤が、約100mg~約300mgのフラット用量で投与されることを特徴とする、請求項2に記載の組成物。
【請求項4】
前記TIM-3結合剤が、約200mg~約500mgのフラット用量で投与されることを特徴とする、請求項2に記載の組成物。
【請求項5】
前記TIM-3結合剤が、3週間に一回(Q3W)投与されることを特徴とする、請求項1~4のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項6】
前記TIM-3結合剤が、抗体である、請求項1~5のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項7】
前記TIM-3結合剤が、配列番号1または配列番号7と少なくとも約90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む免疫グロブリン重鎖可変ドメイン、および/または配列番号2または配列番号8と少なくとも約90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む免疫グロブリン軽鎖を含む、請求項6に記載の組成物。
【請求項8】
前記TIM-3結合剤が、配列番号1または配列番号7のアミノ酸配列を含む免疫グロブリン重鎖可変ドメイン、および配列番号2または配列番号8のアミノ酸配列を含む免疫グロブリン軽鎖を含む、請求項7に記載の組成物。
【請求項9】
前記TIM-3結合剤が、免疫グロブリンG4(IgG4)ヒト化モノクローナル抗体である、請求項7または8に記載の組成物。
【請求項10】
前記TIM-3結合剤が、配列番号3と少なくとも約90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む免疫グロブリン重鎖、および/または配列番号4と少なくとも約90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%または100%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む免疫グロブリン軽鎖を含む、請求項7~9のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項11】
前記TIM-3結合剤が、配列番号3のアミノ酸配列を含む免疫グロブリン重鎖および配列番号4のアミノ酸配列を含む免疫グロブリン軽鎖を含む、請求項10に記載の組成物。
【請求項12】
前記組成物が、静脈内に、必要に応じて、静脈内注入によって投与されることを特徴とする、請求項1~11のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項13】
前記がんが、固形腫瘍、必要に応じて進行期の固形腫瘍である、請求項1~12のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項14】
前記がんが、
i.高い腫瘍遺伝子変異量(TMB)を伴うがん;
ii.マイクロサテライト安定性(MSS)であるがん;
iii.マイクロサテライト不安定性により特徴づけられるがん;
iv.高頻度マイクロサテライト不安定性状態(MSI-H)を有するがん;
v.低頻度マイクロサテライト不安定性状態(MSI-L)を有するがん;
vi.高TMB及びMSI-Hを伴うがん;
vii.高TMB及びMSI-LまたはMSSを伴うがん;
viii.不完全なDNAミスマッチ修復システムを有するがん;
ix.DNAミスマッチ修復遺伝子における欠陥を有するがん;
x.超変異性がん;
xi.ポリメラーゼデルタ(POLD)における変異を含むがん;
xii.ポリメラーゼイプシロン(POLE)における変異を含むがん;
xiii.相同組換え修復異常/相同修復異常(HRD)を有するがん;
xiv.腺がん、子宮内膜がん、乳がん、卵巣がん、子宮頚がん、ファロピウス管がん、精巣がん、原発性腹膜がん、結腸がん、結腸直腸がん、胃がん、小腸がん、肛門の扁平上皮がん、陰茎の扁平上皮がん、子宮頸部の扁平上皮がん、膣の扁平上皮がん、外陰部の扁平上皮がん、軟部組織肉腫、黒色腫、腎細胞がん、肺がん、非小細胞肺がん、肺の腺がん、肺の扁平上皮がん、胃がん、膀胱がん、胆嚢がん、肝臓がん、甲状腺がん、喉頭がん、唾液腺がん、食道がん、頭頚部がん、頭頸部の扁平上皮がん、前立腺がん、膵臓のがん、中皮腫、メルケル細胞がん、肉腫、神経膠芽腫、血液がん、多発性骨髄腫、B細胞リンパ腫、T細胞リンパ腫、ホジキンリンパ腫/原発性縦隔B細胞リンパ腫、慢性骨髄性白血病、急性骨髄性白血病、非ホジキンリンパ腫、神経芽細胞腫、CNS腫瘍、びまん性内在性橋膠腫(DIPG)、ユーイング肉腫、胎児性横紋筋肉腫、骨肉腫、またはウィルムス腫瘍;または
xv.MSSもしくはMSI-Lである、マイクロサテライト不安定性により特徴づけられる、MSI-Hである、高TMBを有する、高TMBを有しかつMSSもしくはMSI-Lである、高TMBを有しかつMSI-Hである、不完全なDNAミスマッチ修復システムを有する、DNAミスマッチ修復遺伝子における欠陥を有する、超変異性がんである、HRDがんである、ポリメラーゼデルタ(POLD)における変異を含む、またはポリメラーゼイプシロン(POLE)における変異を含む、xiv.のがん
である、請求項1~13のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項15】
前記がんが、肺がんである、請求項14に記載の組成物。
【請求項16】
前記がんが、非小細胞肺がんである、請求項14に記載の組成物。
【請求項17】
前記がんが、黒色腫である、請求項14に記載の組成物。
【請求項18】
前記がんが、肝細胞がんである、請求項1~13のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項19】
前記ヒトが、免疫チェックポイント阻害剤またはポリ(ADP-リボース)ポリメラーゼ(PARP)を阻害する薬剤を投与されたか、または投与されることを特徴とする、請求項1~1のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項20】
前記ヒトが、PD-1阻害剤を用いた処置に対し抵抗性または難治性である、請求項1~1のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項21】
前記ヒトが、過去に一つ以上の異なるがんモダリティー、必要に応じて、手術、放射線療法、化学療法、または免疫療法のうちの一つ以上を用いて処置されたことがある、請求項1~20のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項22】
前記TIM-3結合剤が、前記抗PD-1抗体の投与前に投与される、請求項1~21のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項23】
前記TIM-3結合剤が、前記抗PD-1抗体の投与の30分前に投与される、請求項22に記載の組成物。
【請求項24】
前記TIM-3結合剤が、前記抗PD-1抗体の投与の45分前に投与される、請求項22に記載の組成物。
【請求項25】
前記抗PD-1抗体が、ニボルマブまたはペムブロリズマブである、請求項1~24のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項26】
前記抗PD-1抗体が、配列番号13を含む重鎖と配列番号14を含む軽鎖とを含む、請求項1~24のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項27】
前記抗PD-1抗体が、500mgのフラット用量で投与される、請求項26に記載の組成物。
【請求項28】
前記抗PD-1抗体が、3週間に一回投与される、請求項26または27に記載の組成物。
【請求項29】
前記TIM-3結合剤が、前記抗PD-1抗体および化学療法剤と一緒に投与される、請求項1~28のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項30】
前記TIM-3結合剤が、前記化学療法剤の投与前に投与される、請求項29に記載の組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2017年1月9日出願の米国仮出願第62/444,354号及び2017年11月6日出願の米国仮出願第62/582,272号の利益を主張するものであり、これらの各々は、参照によりその全体が本明細書に組み入れられる。
配列表
本明細書は、「TSR-002 SEQ LIST_ST25」という名称のASCII.txtファイル(2018年1月8日作成、サイズ39,647バイト)として電子形態で提供される配列表を参照する。
【背景技術】
【0002】
がんは、重大な公衆衛生問題であり、American Cancer Society,Cancer Facts & Figures 2017(https://www.cancer.org/research/cancer-facts-statistics/all-cancer-facts-figures/cancer-facts-figures-2017.html)によれば、アメリカ合衆国では、2017年だけで約600,920人ががんで死亡すると予測されている。したがって、がん患者を処置する有効な治療が引き続き必要とされている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
【文献】American Cancer Society,Cancer Facts & Figures 2017(https://www.cancer.org/research/cancer-facts-statistics/all-cancer-facts-figures/cancer-facts-figures-2017.html)
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明は、T細胞免疫グロブリン及びムチンドメイン-3(TIM-3)シグナリングを阻害可能な薬剤(例えば、抗TIM-3抗体薬剤)のためのある特定の投薬レジメンが、がんのような障害の処置に有用であるという認識を包含する。
【0005】
一部の実施形態において、本開示は、がんのような障害を処置する方法であって、特定のTIM-3阻害剤(例えば、抗TIM-3抗体薬剤)を送達する組成物を、少なくとも一部の患者において臨床的利益を達成し得る投与レジメンに従って投与することを含む、方法を提供する。
【0006】
実施形態において、TIM-3阻害剤は、TIM-3結合剤である。実施形態において、TIM-3結合剤は、抗体、抗体結合体、またはその抗原結合断片である。実施形態において、TIM-3結合剤は、抗体薬剤(すなわち、抗TIM-3抗体薬剤)である。
【0007】
実施形態において、抗TIM-3抗体薬剤は、配列番号21、22、及び23より選択される一つ以上のCDR配列を含む重鎖可変領域、ならびに/または配列番号24、25、及び26より選択される一つ以上のCDR配列を含む軽鎖可変領域を含む。実施形態において、抗TIM-3抗体薬剤は、配列番号21、22、及び23より選択される二つもしくは三つのCDR配列を含む重鎖可変領域、ならびに/または配列番号24、25、及び26より選択される二つもしくは三つのCDR配列を含む軽鎖可変領域を含む。実施形態において、抗TIM-3抗体薬剤は、配列番号21、22、及び23の三つのCDR配列を含む重鎖可変領域、ならびに/または配列番号24、25、及び26の三つのCDR配列を含む軽鎖可変領域を含む。実施形態において、抗TIM-3抗体薬剤は、配列番号21、22、及び23の三つのCDR配列を含む重鎖可変領域、ならびに配列番号24、25、及び26の三つのCDR配列を含む軽鎖可変領域を含む。
【0008】
実施形態において、抗TIM-3抗体薬剤は、配列番号1または配列番号7に対し、少なくとも約80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の配列同一性を有するアミノ酸配列を有する免疫グロブリン重鎖可変ドメインを含む。実施形態において、抗TIM-3抗体薬剤は、配列番号2または配列番号8に対し、少なくとも約80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の配列同一性を有するアミノ酸配列を有する免疫グロブリン軽鎖可変ドメインを含む。一部の実施形態において、抗TIM-3抗体薬剤は、配列番号1もしくは配列番号7を含むアミノ酸配列を有する免疫グロブリン重鎖可変ドメイン、及び/または配列番号2もしくは配列番号8を含むアミノ酸配列を有する免疫グロブリン軽鎖可変ドメインを含む。一部の実施形態において、抗TIM-3抗体薬剤は、配列番号1または配列番号7を含むアミノ酸配列を有する免疫グロブリン重鎖可変ドメイン、及び配列番号2または配列番号8を含むアミノ酸配列を有する免疫グロブリン軽鎖可変ドメインを含む。
【0009】
一部の実施形態において、抗TIM-3抗体薬剤は、配列番号3に対し、約80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む免疫グロブリン重鎖ポリペプチドを含む。一部の実施形態において、抗TIM-3抗体薬剤は、配列番号4に対し、約80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む免疫グロブリン軽鎖ポリペプチドを含む。一部の実施形態において、抗TIM-3抗体薬剤は、配列番号3を含むアミノ酸配列を有する免疫グロブリン重鎖、及び/または配列番号4を含むアミノ酸配列を有する免疫グロブリン軽鎖を含む。一部の実施形態において、抗TIM-3抗体薬剤は、配列番号3を含むアミノ酸配列を有する免疫グロブリン重鎖、及び配列番号4を含むアミノ酸配列を有する免疫グロブリン軽鎖を含む。
【0010】
本開示は、一部の実施形態において、T細胞免疫グロブリン及びムチンタンパク質3(TIM-3)阻害に対し応答性を有する対象における障害を処置する方法であって、治療有効用量の、TIM-3シグナリングを阻害可能な薬剤を投与することを含む、方法を提供する。実施形態において、治療有効用量は、約1、3、または10mg/kgのTIM-3阻害剤である。実施形態において、治療有効用量は、約100~1500mgのTIM-3阻害剤である。実施形態において、治療有効用量は、約100mgのフラット用量;約200mgのフラット用量;約300mgのフラット用量;約400mgのフラット用量;約500mgのフラット用量;約600mgのフラット用量;約700mgのフラット用量;約800mgのフラット用量;約900mgのフラット用量;約1000mgのフラット用量;約1100mgのフラット用量;約1200mgのフラット用量;約1300mgのフラット用量;約1400mgのフラット用量;または約1500mgのフラット用量のTIM-3阻害剤である。実施形態において、治療有効用量は約1mg/kgである。実施形態において、治療有効用量は約3mg/kgである。実施形態において、治療有効用量は約10mg/kgである。実施形態において、治療有効用量は、約100mgのフラット用量のTIM-3阻害剤である。実施形態において、治療有効用量は、約300mgのフラット用量のTIM-3阻害剤である。実施形態において、治療有効用量は、約1200mgのフラット用量のTIM-3阻害剤である。実施形態において、TIM-3阻害剤は、本明細書に記載の抗TIM-3抗体薬剤である。
【0011】
本開示は、一部の実施形態において、T細胞免疫グロブリン及びムチンタンパク質3(TIM-3)阻害に対し応答性を有する対象におけるT細胞活性化またはT細胞エフェクター機能を増大させる方法であって、治療有効用量の、TIM-3シグナリングを阻害可能な薬剤を投与することを含む、方法を提供する。実施形態において、治療有効用量は、約1、3、または10mg/kgのTIM-3阻害剤である。実施形態において、治療有効用量は、約100~1500mgのTIM-3阻害剤である。実施形態において、治療有効用量は、約100mgのフラット用量;約200mgのフラット用量;約300mgのフラット用量;約400mgのフラット用量;約500mgのフラット用量;約600mgのフラット用量;約700mgのフラット用量;約800mgのフラット用量;約900mgのフラット用量;約1000mgのフラット用量;約1100mgのフラット用量;約1200mgのフラット用量;約1300mgのフラット用量;約1400mgのフラット用量;または約1500mgのフラット用量のTIM-3阻害剤である。実施形態において、治療有効用量は約1mg/kgである。実施形態において、治療有効用量は約3mg/kgである。実施形態において、治療有効用量は約10mg/kgである。実施形態において、治療有効用量は、約100mgのフラット用量のTIM-3阻害剤である。実施形態において、治療有効用量は、約300mgのフラット用量のTIM-3阻害剤である。実施形態において、治療有効用量は、約500mgのフラット用量のTIM-3阻害剤である。実施形態において、治療有効用量は、約900mgのフラット用量のTIM-3阻害剤である。実施形態において、治療有効用量は、約1200mgのフラット用量のTIM-3阻害剤である。実施形態において、TIM-3阻害剤は、本明細書に記載の抗TIM-3抗体薬剤である。
【0012】
本開示は、一部の実施形態において、T細胞免疫グロブリン及びムチンタンパク質3(TIM-3)阻害に対し応答性を有する対象における腫瘍を低減するまたは腫瘍細胞の成長を阻害する方法であって、治療有効用量の、TIM-3シグナリングを阻害可能な薬剤を投与することを含む、方法を提供する。実施形態において、治療有効用量は、約1、3、または10mg/kgのTIM-3阻害剤である。実施形態において、治療有効用量は、約100~1500mgのTIM-3阻害剤である。実施形態において、治療有効用量は、約100mgのフラット用量;約200mgのフラット用量;約300mgのフラット用量;約400mgのフラット用量;約500mgのフラット用量;約600mgのフラット用量;約700mgのフラット用量;約800mgのフラット用量;約900mgのフラット用量;約1000mgのフラット用量;約1100mgのフラット用量;約1200mgのフラット用量;約1300mgのフラット用量;約1400mgのフラット用量;または約1500mgのフラット用量のTIM-3阻害剤である。実施形態において、治療有効用量は約1mg/kgである。実施形態において、治療有効用量は約3mg/kgである。実施形態において、治療有効用量は約10mg/kgである。実施形態において、治療有効用量は、約100mgのフラット用量のTIM-3阻害剤である。実施形態において、治療有効用量は、約300mgのフラット用量のTIM-3阻害剤である。実施形態において、治療有効用量は、約500mgのフラット用量のTIM-3阻害剤である。実施形態において、治療有効用量は、約900mgのフラット用量のTIM-3阻害剤である。実施形態において、治療有効用量は、約1200mgのフラット用量のTIM-3阻害剤である。実施形態において、TIM-3阻害剤は、本明細書に記載の抗TIM-3抗体薬剤である。
【0013】
本開示は、一部の実施形態において、T細胞免疫グロブリン及びムチンタンパク質3(TIM-3)阻害に対し応答性を有する対象における免疫応答を誘導する方法であって、治療有効用量の、TIM-3シグナリングを阻害可能な薬剤を投与することを含む、方法を提供する。実施形態において、治療有効用量は、約1、3、または10mg/kgのTIM-3阻害剤である。実施形態において、治療有効用量は、約100~1500mgのTIM-3阻害剤である。実施形態において、治療有効用量は、約100mgのフラット用量;約200mgのフラット用量;約300mgのフラット用量;約400mgのフラット用量;約500mgのフラット用量;約600mgのフラット用量;約700mgのフラット用量;約800mgのフラット用量;約900mgのフラット用量;約1000mgのフラット用量;約1100mgのフラット用量;約1200mgのフラット用量;約1300mgのフラット用量;約1400mgのフラット用量;または約1500mgのフラット用量のTIM-3阻害剤である。実施形態において、治療有効用量は約1mg/kgである。実施形態において、治療有効用量は約3mg/kgである。実施形態において、治療有効用量は約10mg/kgである。実施形態において、治療有効用量は、約100mgのフラット用量のTIM-3阻害剤である。実施形態において、治療有効用量は、約300mgのフラット用量のTIM-3阻害剤である。実施形態において、治療有効用量は、約500mgのフラット用量のTIM-3阻害剤である。実施形態において、治療有効用量は、約900mgのフラット用量のTIM-3阻害剤である。実施形態において、治療有効用量は、約1200mgのフラット用量のTIM-3阻害剤である。実施形態において、TIM-3阻害剤は、本明細書に記載の抗TIM-3抗体薬剤である。
【0014】
本開示は、一部の実施形態において、T細胞免疫グロブリン及びムチンタンパク質3(TIM-3)阻害に対し応答性を有する対象における免疫応答を強化するまたは免疫細胞の活性を増大させる方法であって、治療有効用量の、TIM-3シグナリングを阻害可能な薬剤を投与することを含む、方法を提供する。一部の実施形態では、免疫応答は体液媒介性または細胞媒介性の免疫応答である。一部の実施形態では、免疫応答はCD4 T細胞応答またはCD8 T細胞応答である。一部の実施形態では、免疫応答はB細胞応答である。実施形態において、治療有効用量は、約1、3、または10mg/kgのTIM-3阻害剤である。実施形態において、治療有効用量は、約100~1500mgのTIM-3阻害剤である。実施形態において、治療有効用量は、約100mgのフラット用量;約200mgのフラット用量;約300mgのフラット用量;約400mgのフラット用量;約500mgのフラット用量;約600mgのフラット用量;約700mgのフラット用量;約800mgのフラット用量;約900mgのフラット用量;約1000mgのフラット用量;約1100mgのフラット用量;約1200mgのフラット用量;約1300mgのフラット用量;約1400mgのフラット用量;または約1500mgのフラット用量のTIM-3阻害剤である。実施形態において、治療有効用量は約1mg/kgである。実施形態において、治療有効用量は約3mg/kgである。実施形態において、治療有効用量は約10mg/kgである。実施形態において、治療有効用量は、約100mgのフラット用量のTIM-3阻害剤である。実施形態において、治療有効用量は、約300mgのフラット用量のTIM-3阻害剤である。実施形態において、治療有効用量は、約500mgのフラット用量のTIM-3阻害剤である。実施形態において、治療有効用量は、約900mgのフラット用量のTIM-3阻害剤である。実施形態において、治療有効用量は、約1200mgのフラット用量のTIM-3阻害剤である。実施形態において、TIM-3阻害剤は、本明細書に記載の抗TIM-3抗体薬剤である。
【0015】
本開示は、一部の実施形態において、がんを処置する方法であって、処置を必要とする患者に、治療有効用量の抗T細胞免疫グロブリン及びムチンドメイン-3(TIM-3)を投与することを含む、方法を提供する。実施形態において、治療有効用量は、約1、3、または10mg/kgのTIM-3阻害剤である。実施形態において、治療有効用量は、約100~1500mgのTIM-3阻害剤である。実施形態において、治療有効用量は、約100mgのフラット用量;約200mgのフラット用量;約300mgのフラット用量;約400mgのフラット用量;約500mgのフラット用量;約600mgのフラット用量;約700mgのフラット用量;約800mgのフラット用量;約900mgのフラット用量;約1000mgのフラット用量;約1100mgのフラット用量;約1200mgのフラット用量;約1300mgのフラット用量;約1400mgのフラット用量;または約1500mgのフラット用量のTIM-3阻害剤である。実施形態において、治療有効用量は約1mg/kgである。実施形態において、治療有効用量は約3mg/kgである。実施形態において、治療有効用量は約10mg/kgである。実施形態において、治療有効用量は、約100mgのフラット用量のTIM-3阻害剤である。実施形態において、治療有効用量は、約300mgのフラット用量のTIM-3阻害剤である。実施形態において、治療有効用量は、約500mgのフラット用量のTIM-3阻害剤である。実施形態において、治療有効用量は、約900mgのフラット用量のTIM-3阻害剤である。実施形態において、治療有効用量は、約1200mgのフラット用量のTIM-3阻害剤である。実施形態において、TIM-3阻害剤は、本明細書に記載の抗TIM-3抗体薬剤である。
【0016】
本開示は、一部の実施形態において、がんを処置する方法であって、処置を必要とする患者に、治療有効用量の抗T細胞免疫グロブリン及びムチンドメイン-3(TIM-3)抗体を、臨床的利益を達成するのに十分な期間の間、ある投与間隔にて投与することを含む、方法を提供する。実施形態において、抗TIM-3抗体は、配列番号21、22、もしくは23の配列を有する三つのCDRを含む重鎖;及び/または配列番号24、25、もしくは26の配列を有する三つのCDRを含む軽鎖を含む。実施形態において、抗TIM-3抗体は、配列番号1または配列番号7を含む免疫グロブリン重鎖可変ドメイン、及び配列番号2または配列番号8を含む免疫グロブリン軽鎖可変ドメインを含む。実施形態において、抗TIM-3抗体は、配列番号3を含む重鎖ポリペプチド、及び配列番号4を含む軽鎖ポリペプチドを含む。実施形態において、治療有効用量は、約1、3、または10mg/kgの抗TIM-3抗体である。実施形態において、約100~1500mgの抗TIM-3抗体である。実施形態において、治療有効用量は、約100mgのフラット用量;約200mgのフラット用量;約300mgのフラット用量;約400mgのフラット用量;約500mgのフラット用量;約600mgのフラット用量;約700mgのフラット用量;約800mgのフラット用量;約900mgのフラット用量;約1000mgのフラット用量;約1100mgのフラット用量;約1200mgのフラット用量;約1300mgのフラット用量;約1400mgのフラット用量;または約1500mgのフラット用量の抗TIM-3抗体である。実施形態において、治療有効用量は、約1mg/kgの抗TIM-3抗体である。実施形態において、治療有効用量は、約3mg/kgの抗TIM-3抗体である。実施形態において、治療有効用量は、約10mg/kgの抗TIM-3抗体である。実施形態において、治療有効用量は、約100mgのフラット用量の抗TIM-3抗体である。実施形態において、治療有効用量は、約300mgのフラット用量の抗TIM-3抗体である。実施形態において、治療有効用量は、約500mgのフラット用量のTIM-3阻害剤である。実施形態において、治療有効用量は、約900mgのフラット用量のTIM-3阻害剤である。実施形態において、治療有効用量は、約1200mgのフラット用量の抗TIM-3抗体である。
【0017】
本明細書に記載の方法のいずれかにおいて、治療有効用量は、約1mg/kgのTIM-3阻害剤である。本明細書に記載の方法のいずれかにおいて、治療有効用量は、約3mg/kgのTIM-3阻害剤である。本明細書に記載の方法のいずれかにおいて、治療有効用量は、約5mg/kgのTIM-3阻害剤である。実施形態において、TIM-3阻害剤は、本明細書に記載の抗TIM-3抗体薬剤である。
【0018】
本明細書に記載の方法のいずれかにおいて、治療有効用量は、約100mgのTIM-3阻害剤である。本明細書に記載の方法のいずれかにおいて、治療有効用量は、約200mgのTIM-3阻害剤である。本明細書に記載の方法のいずれかにおいて、治療有効用量は、約300mgのTIM-3阻害剤である。本明細書に記載の方法のいずれかにおいて、治療有効用量は、約400mgのTIM-3阻害剤である。本明細書に記載の方法のいずれかにおいて、治療有効用量は、約500mgのTIM-3阻害剤である。本明細書に記載の方法のいずれかにおいて、治療有効用量は、約600mgのTIM-3阻害剤である。本明細書に記載の方法のいずれかにおいて、治療有効用量は、約700mgのTIM-3阻害剤である。本明細書に記載の方法のいずれかにおいて、治療有効用量は、約800mgのTIM-3阻害剤である。本明細書に記載の方法のいずれかにおいて、治療有効用量は、約900mgのTIM-3阻害剤である。本明細書に記載の方法のいずれかにおいて、治療有効用量は、約1000mgのTIM-3阻害剤である。本明細書に記載の方法のいずれかにおいて、治療有効用量は、約1100mgのTIM-3阻害剤である。本明細書に記載の方法のいずれかにおいて、治療有効用量は、約1200mgのTIM-3阻害剤である。本明細書に記載の方法のいずれかにおいて、治療有効用量は、約1300mgのTIM-3阻害剤である。本明細書に記載の方法のいずれかにおいて、治療有効用量は、約1400mgのTIM-3阻害剤である。本明細書に記載の方法のいずれかにおいて、治療有効用量は、約1500mgのTIM-3阻害剤である。実施形態において、TIM-3阻害剤は、本明細書に記載の抗TIM-3抗体薬剤である。
【0019】
実施形態において、TIM-3阻害剤は、1週間に一回(Q1W)、2週間に一回(Q2W)、3週間に一回(Q3W)、4週間に一回(Q4W)、5週間に一回(Q5W)、または6週間に一回(Q6W)の投与間隔(または処置サイクル)にて投与される。実施形態において、TIM-3阻害剤は、少なくとも約2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20週間、またはそれ以上の期間の間投与される。実施形態において、TIM-3阻害剤は、1週間に一回(Q1W)の投与間隔(または処置サイクル)にて投与される。実施形態において、TIM-3阻害剤は、2週間に一回(Q2W)の投与間隔(または処置サイクル)にて投与される。実施形態において、TIM-3阻害剤は、3週間に一回(Q3W)の投与間隔(または処置サイクル)にて投与される。実施形態において、TIM-3阻害剤は、4週間に一回(Q4W)の投与間隔(または処置サイクル)にて投与される。実施形態において、TIM-3阻害剤は、5週間に一回(Q5W)の投与間隔(または処置サイクル)にて投与される。実施形態において、TIM-3阻害剤は、6週間に一回(Q6W)の投与間隔(または処置サイクル)にて投与される。
【0020】
実施形態において、TIM-3阻害剤(例えば、約100mg、300mg、500mg、または900mgの治療有効用量)は、3週間に一回の投与間隔(または処置サイクル)にて投与される。実施形態において、治療有効用量約100mgは、3週間に一回の投与間隔(または処置サイクル)にて投与される。実施形態において、治療有効用量約300mgは、3週間に一回の投与間隔(または処置サイクル)にて投与される。実施形態において、治療有効用量約500mgは、3週間に一回の投与間隔(または処置サイクル)にて投与される。実施形態において、治療有効用量約900mgは、3週間に一回の投与間隔(または処置サイクル)にて投与される。
【0021】
実施形態において、TIM-3阻害剤は、処置サイクルの第一日目に、または処置サイクルの第一日目から1、2、または3日以内に投与される。実施形態において、TIM-3阻害剤は、本明細書に記載の抗TIM-3抗体薬剤である。
【0022】
実施形態において、本明細書に記載のTIM-3阻害剤は、一部の患者において臨床的利益を達成することが実証された投与レジメンに従って(例えば、投与変更を含めて医師により決定されたレジメンに従って)投与される。実施形態において、本明細書に記載のTIM-3阻害剤は、例えば、疾患進行もしくは有害反応により、または医師の決定により処置が中止されるまで、投与される。実施形態において、臨床的利益は、安定病態(「SD」)、部分奏効(「PR」)、及び/または完全奏効(「CR」)である。実施形態において、臨床的利益は、安定病態(「SD」)である。実施形態において、臨床的利益は、部分奏効(「PR」)である。実施形態において、臨床的利益は、完全奏効(「CR」)である。実施形態において、PRまたはCRは、固形がんの治療効果判定基準(RECIST)に従って決定される。実施形態において、TIM-3阻害剤は、臨床的利益を維持するために、より長い期間の間投与される。実施形態において、TIM-3阻害剤は、本明細書に記載の抗TIM-3抗体薬剤である。
【0023】
実施形態において、TIM-3阻害剤は、約100mg、約300mg、または約1200mgの用量にて定期的に対象に投与される。実施形態において、TIM-3阻害剤は、約100mgの用量にて定期的に対象に投与される(例えば、3週間に一回(Q3W)、及び/または2、3、4、5、6サイクルもしくはそれ以上の間)。実施形態において、TIM-3阻害剤は、約300mgの用量にて定期的に対象に投与される(例えば、3週間に一回(Q3W)、及び/または2、3、4、5、6サイクルもしくはそれ以上の間)。実施形態において、TIM-3阻害剤は、約1200mgの用量にて定期的に対象に投与される(例えば、3週間に一回(Q3W)、及び/または2、3、4、5、6サイクルもしくはそれ以上の間)。実施形態において、TIM-3阻害剤は、本明細書に記載の抗TIM-3抗体薬剤である。
【0024】
実施形態において、対象は、さらなる治療剤をさらに投与されたか、または今後投与され、その結果、対象はTIM-3阻害剤(例えば、本明細書に記載の任意の抗TIM-3抗体薬剤)及びさらなる治療剤(例えば、一つ、二つ、三つ、四つ、またはそれ以上のさらなる治療剤)を受ける。
【0025】
実施形態において、対象は、免疫チェックポイント阻害剤をさらに投与されたか、または今後投与され、その結果、対象はTIM-3阻害剤(例えば、本明細書に記載の任意の抗TIM-3抗体薬剤)及び免疫チェックポイント阻害剤を受ける。すなわち、対象は、少なくとも一つの免疫チェックポイント阻害剤と組み合わせてTIM-3阻害剤を投与され得る。
【0026】
実施形態において、チェックポイント阻害剤は、下記のいずれかを阻害可能な薬剤である:PD-1(例えば、抗PD-1、抗PD-L1、または抗PD-L2療法を介した阻害)、CTLA-4、TIM-3、TIGIT、LAG(例えば、LAG-3)、CEACAM(例えば、CEACAM-1、-3及び/もしくは-5)、VISTA、BTLA、LAIR1、CD160、2B4、CD80、CD86、B7-H3(CD276)、B7-H4(VTCN1)、HVEM(TNFRSF14またはCD270)、KIR、A2aR、MHCクラスI、MHCクラスII、GALS、アデノシン、TGFR(例えば、TGFRベータ)、B7-H1、B7-H4(VTCN1)、OX-40、CD137、CD40、IDO、またはCSF-1R。実施形態において、チェックポイント阻害剤は、小分子、核酸、ポリペプチド(例えば、抗体)、炭水化物、脂質、金属、または毒素である。実施形態において、チェックポイント阻害剤は、抗体、抗体結合体、またはその抗原結合断片である。
【0027】
実施形態において、免疫チェックポイント阻害剤は、プログラム細胞死タンパク質1(PD-1)シグナリング、細胞傷害性Tリンパ球関連タンパク質4(CTLA-4)、リンパ球活性化遺伝子3(LAG-3)、T細胞免疫グロブリン及びITIMドメイン(TIGIT)、インドールアミン2,3-ジオキシゲナーゼ(IDO)、またはコロニー刺激因子1受容体(CSF1R)を阻害する薬剤である。
【0028】
実施形態において、免疫チェックポイント阻害剤は、PD-1阻害剤である。実施形態において、PD-1阻害剤は、PD-1結合剤(例えば、抗体、抗体結合体、またはその抗原結合断片)である。実施形態において、PD-1結合剤は、ニボルマブ、ペムブロリズマブ、TSR-042、PDR-001、チスレリズマブ(BGB-A317)、セミプリマブ(REGN2810)、LY-3300054、JNJ-63723283、MGA012、BI-754091、IBI-308、カムレリズマブ(HR-301210)、BCD-100、JS-001、CX-072、AMP-514/MEDI-0680、AGEN-2034、CS1001、TSR-042、Sym-021、PF-06801591、LZM009、KN-035、AB122、ゲノリムズマブ(CBT-501)、AK104、もしくはGLS-010、またはこれらの誘導体である。実施形態において、PD-1阻害剤は、PD-L1またはPD-L2結合剤(例えば、抗体、抗体結合体、またはその抗原結合断片)である。実施形態において、PD-1結合剤は、PD-L1またはPD-L2結合剤であり、デュルバルマブ、アテゾリズマブ、アベルマブ、BGB-A333、SHR-1316、FAZ-053、CK-301、もしくはPD-L1ミラモレキュール、またはこれらの誘導体である。実施形態において、PD-1阻害剤(例えば、TSR-042)は、対象に、定期的に約500mgまたは1000mgの用量にて投与される。実施形態において、PD-1阻害剤(例えば、TSR-042)は、対象に、定期的に約500mgまたは1000mgの用量にて投与される。実施形態において、PD-1阻害剤(例えば、TSR-042)は、対象に、定期的に約500mgの用量にて投与される。実施形態において、PD-1阻害剤(例えば、TSR-042)は、対象に3週間に一回投与される。実施形態において、PD-1阻害剤(例えば、TSR-042)は、2、3、4、5、6サイクル、またはそれ以上の間投与される。実施形態において、PD-1阻害剤(例えば、TSR-042)は、4サイクルの間投与される。実施形態において、PD-1阻害剤(例えば、TSR-042)は、対象に、定期的に約1000mgの用量にて投与される。実施形態において、PD-1阻害剤(例えば、TSR-042)は、対象に6週間に一回投与される。実施形態において、PD-1阻害剤(例えば、TSR-042)は、約500mgの第一用量にて3週間に一回、4サイクルの間投与され、次に約1000mgの第二用量にて6週間に一回(例えば、処置が中止されるまで)投与される。
【0029】
実施形態において、免疫チェックポイント阻害剤は、CTLA-4阻害剤(例えば、抗体、抗体結合体、またはその抗原結合断片)である。実施形態において、CTLA-4阻害剤は、小分子、核酸、ポリペプチド(例えば、抗体)、炭水化物、脂質、金属、または毒素である。実施形態において、CTLA-4阻害剤は、小分子である。実施形態において、CTLA-4阻害剤は、CTLA-4結合剤である。実施形態において、CTLA-4阻害剤は、抗体、抗体結合体、またはその抗原結合断片である。実施形態において、CTLA-4阻害剤は、イピリムマブ(Yervoy)、AGEN1884、またはトレメリムマブである。
【0030】
実施形態において、免疫チェックポイント阻害剤は、LAG-3阻害剤(例えば、抗体、抗体結合体、またはその抗原結合断片)である。実施形態において、LAG-3阻害剤は、小分子、核酸、ポリペプチド(例えば、抗体)、炭水化物、脂質、金属、または毒素である。実施形態において、LAG-3阻害剤は、小分子である。実施形態において、LAG-3阻害剤は、LAG-3結合剤である。実施形態において、LAG-3阻害剤は、抗体、抗体結合体、またはその抗原結合断片である。実施形態において、LAG-3阻害剤は、IMP321、BMS-986016、GSK2831781、Novartis
LAG525、またはWO2016/126858、WO2017/019894、もしくはWO2015/138920(これらの各々の全体が参照により本明細書に組み入れられる)に記載のLAG-3阻害剤である。
【0031】
実施形態において、免疫チェックポイント阻害剤は、TIGIT阻害剤(例えば、抗体、抗体結合体、またはその抗原結合断片)である。実施形態において、TIGIT阻害剤は、小分子、核酸、ポリペプチド(例えば、抗体)、炭水化物、脂質、金属、または毒素である。実施形態において、TIGIT阻害剤は、小分子である。実施形態において、TIGIT阻害剤は、TIGIT結合剤である。実施形態において、TIGIT阻害剤は、抗体、抗体結合体、またはその抗原結合断片である。実施形態において、TIGIT阻害剤は、MTIG7192A、BMS-986207、またはOMP-31M32である。
【0032】
実施形態において、免疫チェックポイント阻害剤は、IDO阻害剤である。実施形態において、IDO阻害剤は、小分子、核酸、ポリペプチド(例えば、抗体)、炭水化物、脂質、金属、または毒素である。実施形態において、IDO阻害剤は、小分子である。実施形態において、IDO阻害剤は、IDO結合剤である。実施形態において、IDO阻害剤は、抗体、抗体結合体、またはその抗原結合断片である。
【0033】
実施形態において、免疫チェックポイント阻害剤は、CSF1R阻害剤である。実施形態において、CSF1R阻害剤は、小分子、核酸、ポリペプチド(例えば、抗体)、炭水化物、脂質、金属、または毒素である。実施形態において、CSF1R阻害剤は、小分子である。実施形態において、CSF1R阻害剤は、CSF1R結合剤である。実施形態において、CSF1R阻害剤は、抗体、抗体結合体、またはその抗原結合断片である。
【0034】
実施形態において、方法は、TIM-3阻害剤(例えば、本明細書に記載の任意の抗TIM-3抗体薬剤)を、免疫チェックポイント阻害剤のうちの少なくとも二つと共に投与することを含む。実施形態において、方法は、第三のチェックポイント阻害剤を投与することを含む。実施形態において、方法は、TIM-3阻害剤を、PD-1阻害剤及びLAG-3阻害剤と共に投与し、その結果、対象が三つ全てを受けることを含む。実施形態において、方法は、TIM-3阻害剤を、PD-1阻害剤、LAG-3阻害剤、及びCTLA-4阻害剤と共に投与し、その結果、対象が四つ全てを受けることを含む。
【0035】
実施形態において、対象は、ポリ(ADP-リボース)ポリメラーゼ(PARP)を阻害する薬剤をさらに投与されたか、または今後投与され、その結果、対象は、TIM-3阻害剤及びPARP阻害剤を用いた処置を受ける。
【0036】
実施形態において、PARP阻害剤は、小分子、核酸、ポリペプチド(例えば、抗体)、炭水化物、脂質、金属、または毒素である。実施形態において、PARP阻害剤は、下記からなる群より選択される:ABT-767、AZD 2461、BGB-290、BGP 15、CEP 8983、CEP 9722、DR 2313、E7016、E7449、フルゾパリブ、IMP 4297、INO1001、JPI 289、JPI 547、モノクローナル抗体B3-LysPE40結合体、MP 124、ニラパリブ、NU 1025、NU 1064、NU 1076、NU1085、オラパリブ、ONO2231、PD 128763、R 503、R554、ルカパリブ、SBP 101、SC 101914、シムミパリブ(simmiparib)、タラゾパリブ、ベリパリブ、WW 46、2-(4-(トリフルオロメチル)フェニル)-7,8-ジヒドロ-5H-チオピラノ[4,3-d]ピリミジン-4-オール、及びこれらの塩または誘導体。実施形態において、PARP阻害剤は、ニラパリブ、オラパリブ、ルカパリブ、タラゾパリブ、またはベリパリブである。実施形態において、PARP阻害剤は、ニラパリブ(例えば、ニラパリブ遊離塩基、ニラパリブトシル酸塩、もしくはニラパリブトシル酸一水和物、またはこれらの任意の組合せ)である。
【0037】
実施形態において、対象は、一つ以上の免疫チェックポイント阻害剤(例えば、PD-1阻害剤及び/またはLAG-3阻害剤)をさらに投与されたか、または今後投与され、その結果、対象は、TIM-3阻害剤、PARP阻害剤(例えば、ニラパリブ)、及び一つ以上の免疫チェックポイント阻害剤を用いた処置を受ける。実施形態において、対象は、TIM-3阻害剤、PD-1阻害剤(例えば、TSR-042)、及びPARP阻害剤(例えば、ニラパリブ)を投与される。実施形態において、対象は、TIM-3阻害剤、PD-1阻害剤(例えば、TSR-042)、LAG-3阻害剤、及びPARP阻害剤(例えば、ニラパリブ)を投与される。
【0038】
実施形態において、患者は、T細胞機能不全障害である障害を有する。
【0039】
実施形態において、患者は、がんである障害を有する。
【0040】
実施形態において、がんは、高い腫瘍遺伝子変異量(TMB)を伴う。
【0041】
実施形態において、がんは、マイクロサテライト安定性(MSS)である。
【0042】
実施形態において、がんは、マイクロサテライト不安定性により特徴づけられる。
【0043】
実施形態において、がんは、高頻度マイクロサテライト不安定性状態(MSI-H)を有する。
【0044】
実施形態において、がんは、低頻度マイクロサテライト不安定性状態(MSI-L)を有する。
【0045】
実施形態において、がんは、高TMB及びMSI-Hを伴う。
【0046】
実施形態において、がんは、高TMB及びMSI-LまたはMSSを伴う。実施形態において、がんは、高TMB及びMSI-Lを伴う。実施形態において、がんは、高TMB及びMSSを伴う。
【0047】
実施形態において、がんは、不完全なDNAミスマッチ修復システムを有する。
【0048】
実施形態において、がんは、DNAミスマッチ修復遺伝子における欠陥を有する。
【0049】
実施形態において、がんは、超変異性がんである。
【0050】
実施形態において、がんは、相同組換え修復異常/相同修復異常(「HRD」)を有する。
【0051】
実施形態において、がんは、ポリメラーゼデルタ(POLD)における変異を含む。
【0052】
実施形態において、がんは、ポリメラーゼイプシロン(POLE)における変異を含む。
【0053】
実施形態において、がんは、腺がん、子宮内膜がん、乳がん、卵巣がん、子宮頚がん、ファロピウス管がん、精巣がん、原発性腹膜がん、結腸がん、結腸直腸がん、胃がん、小腸がん、肛門生殖器領域の扁平上皮がん(例えば、肛門、陰茎、子宮頸部、膣、または外陰部の扁平上皮がん)、軟部組織肉腫(例えば、平滑筋肉腫)、黒色腫、腎細胞がん、肺がん、非小細胞肺がん、肺の腺がん、肺の扁平上皮がん、胃がん、膀胱がん、胆嚢がん、肝臓がん、甲状腺がん、喉頭がん、唾液腺がん、食道がん、頭頚部がん、頭頸部の扁平上皮がん、前立腺がん、膵臓のがん、中皮腫、メルケル細胞がん、肉腫、神経膠芽腫、血液がん、多発性骨髄腫、B細胞リンパ腫、T細胞リンパ腫、ホジキンリンパ腫(HL)/原発性縦隔B細胞リンパ腫、慢性骨髄性白血病、急性骨髄性白血病、急性リンパ性白血病、非ホジキンリンパ腫、神経芽細胞腫、中枢神経系腫瘍、びまん性内在性橋膠腫(DIPG)、ユーイング肉腫、胎児性横紋筋肉腫、骨肉腫、またはウィルムス腫瘍である。実施形態において、がんは、MSSもしくはMSI-Lである、マイクロサテライト不安定性により特徴づけられる、MSI-Hである、高TMBを有しかつMSSもしくはMSI-Lである、高TMBを有しかつMSI-Hである、不完全なDNAミスマッチ修復システムを有する、DNAミスマッチ修復遺伝子における欠陥を有する、超変異性がんである、HRDがんである、ポリメラーゼデルタ(POLD)における変異を含む、またはポリメラーゼイプシロン(POLE)における変異を含む。
【0054】
実施形態において、がんは、子宮内膜がん(例えば、MSI-HまたはMSS/MSI-L子宮内膜がん)である。実施形態において、がんは、POLEまたはPOLDにおける変異を含むMSI-Hがん(例えば、POLEまたはPOLDにおける変異を含むMSI-H非子宮内膜がん)である。実施形態において、がんは、乳がん(トリプルネガティブ乳がん(TNBC))である。実施形態において、がんは、肺がん(例えば、非小細胞肺がん)である。実施形態において、がんは、黒色腫である。実施形態において、がんは、結腸直腸がんである。実施形態において、がんは、肛門の扁平上皮がん、陰茎の扁平上皮がん、子宮頸部の扁平上皮がん、膣の扁平上皮がん、または外陰部の扁平上皮がんである。
【0055】
実施形態において、がんは、相同組換え修復異常/相同修復異常(「HRD」)を有する。実施形態において、がんは、急性骨髄性白血病である。実施形態において、がんは、急性リンパ芽球性白血病である。実施形態において、がんは、非ホジキンリンパ腫である。実施形態において、がんは、ホジキンリンパ腫である。実施形態において、がんは、神経芽細胞腫である。実施形態において、がんは、中枢神経系腫瘍である。実施形態において、がんは、びまん性内在性橋膠腫(DIPG)である。実施形態において、がんは、ユーイング肉腫である。実施形態において、がんは、胎児性横紋筋肉腫である。実施形態において、がんは、骨肉腫である。実施形態において、がんは、ウィルムス腫瘍である。実施形態において、がんは、軟部組織肉腫(例えば、平滑筋肉腫)である。
【0056】
一部の実施形態において、患者は、がん、例えば、非小細胞肺がん(NSCLC)、肝細胞がん、腎臓がん、黒色腫、子宮頸がん、結腸直腸がん、肛門生殖器領域の扁平上皮がん、頭頸部がん、トリプルネガティブ乳がん、卵巣がん、または子宮内膜がんを有する。一部の実施形態において、患者は、マイクロサテライト不安定性を有するがんを有する。一部の実施形態において、マイクロサテライト不安定性は、対照細胞で観察される不安定性よりも顕著に高い場合、高頻度とみなされる。一部の実施形態において、患者は、固形腫瘍を有する。一部の実施形態において、患者は、進行期の固形腫瘍を有する。一部の実施形態において、患者は、進行期の固形腫瘍、例えば、非小細胞肺がん(NSCLC)、肝細胞がん、腎臓がん、黒色腫、子宮頸がん、結腸直腸がん、肛門生殖器領域の扁平上皮がん、頭頸部がん、トリプルネガティブ乳がん、卵巣がん、または子宮内膜がんを有する。一部の実施形態において、患者は、マイクロサテライト不安定性を有する進行期の固形腫瘍を有する。
【0057】
一部の実施形態において、患者は、血液がんを有する。一部の実施形態において、患者は、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(「DLBCL」)、ホジキンリンパ腫(「HL」)、非ホジキンリンパ腫(「NHL」)、濾胞性リンパ腫(「FL」)、急性骨髄性白血病(「AML」)、急性リンパ芽球性白血病(「ALL」)、または多発性骨髄腫(「MM」)のような血液がんを有する。一部の実施形態において、患者は、マイクロサテライト不安定性を有する血液がんを有する。
【0058】
一部の実施形態において、患者は、PD-1及び/またはPD-L1発現により特徴づけられるがんを有する。一部の実施形態において、がんは、(例えば、高いPD-1及び/または高いPD-L1発現により)高いPD-1及び/またはPD-L1発現を有する。一部の実施形態において、PD-1及び/またはPD-L1発現により特徴づけられるがんは、頭頸部がん、肺がん(例えば、非小細胞肺がん(NSCLC))、腎臓がん、膀胱がん、黒色腫、メルケル細胞がん、子宮頸がん、膣がん、外陰がん、子宮がん、子宮内膜がん、卵巣がん、ファロピウス管がん、乳がん、前立腺がん、口腔腺がん、胸腺腫、副腎皮質がん、食道がん、胃がん、結腸直腸がん、虫垂がん、尿路上皮細胞がん、または扁平上皮がん(例えば、肺;肛門、陰茎、子宮頸部、膣、もしくは外陰部を含めた肛門生殖器領域;または食道の扁平上皮がん)である。一部のある特定の実施形態において、PD-1及び/またはPD-L1発現により特徴づけられるがんは、肛門がん、ファロピウス管がん、卵巣がん、または肺がんである。
【0059】
一部の実施形態において、患者は、頭頸部がん、肺がん(例えば、非小細胞肺がん(NSCLC))、腎臓がん、膀胱がん、黒色腫、メルケル細胞がん、子宮頸がん、膣がん、外陰がん、子宮がん、子宮内膜がん、卵巣がん、ファロピウス管がん、乳がん、前立腺がん、口腔腺がん、胸腺腫、副腎皮質がん、食道がん、胃がん、結腸直腸がん、虫垂がん、尿路上皮細胞がん、または扁平上皮がんを有する。
【0060】
実施形態において、がんは、進行したがんである。実施形態において、がんは、転移性がんである。実施形態において、がんは、MSI-Hがんである。実施形態において、がんは、MSSがんである。実施形態において、がんは、POLE変異がんである。実施形態において、がんは、POLD変異がんである。実施形態において、がんは、高TMBがんである。実施形態において、がんは、相同組換え修復異常/相同修復異常(「HRD」)を伴う。
【0061】
実施形態において、がんは、固形腫瘍である。実施形態において、固形腫瘍は、進行している。実施形態において、固形腫瘍は、転移性固形腫瘍である。実施形態において、固形腫瘍は、MSI-H固形腫瘍である。実施形態において、固形腫瘍は、MSS固形腫瘍である。実施形態において、固形腫瘍は、POLE変異固形腫瘍である。実施形態において、固形腫瘍は、POLD変異固形腫瘍である。実施形態において、固形腫瘍は、高TMB固形腫瘍である。実施形態において、固形腫瘍は、相同組換え修復異常/相同修復異常(「HRD」)を伴う。
【0062】
実施形態において、がんは、非子宮内膜がん(例えば、非子宮内膜固形腫瘍)である。実施形態において、非子宮内膜がんは、進行したがんである。実施形態において、非子宮内膜がんは、転移性がんである。実施形態において、非子宮内膜がんは、MSI-Hがんである。実施形態において、非子宮内膜がんは、MSSがんである。実施形態において、非子宮内膜がんは、POLE変異がんである。実施形態において、非子宮内膜がんは、固形腫瘍(例えば、MSS固形腫瘍、MSI-H固形腫瘍、POLD変異固形腫瘍、またはPOLE変異固形腫瘍)である。実施形態において、非子宮内膜がんは、高TMBがんである。実施形態において、非子宮内膜がんは、相同組換え修復異常/相同修復異常(「HRD」)を伴う。
【0063】
実施形態において、がんは、子宮内膜がん(例えば、固形腫瘍)である。実施形態において、子宮内膜がんは、進行したがんである。実施形態において、子宮内膜がんは、転移性がんである。実施形態において、子宮内膜がんは、MSI-H子宮内膜がんである。実施形態において、子宮内膜がんは、MSS子宮内膜がんである。実施形態において、子宮内膜がんは、POLE変異子宮内膜がんである。実施形態において、子宮内膜がんは、POLD変異子宮内膜がんである。実施形態において、子宮内膜がんは、高TMB子宮内膜がんである。実施形態において、子宮内膜がんは、相同組換え修復異常/相同修復異常(「HRD」)を伴う。
【0064】
実施形態において、がんは、肺がん(例えば、固形腫瘍)である。実施形態において、肺がんは、進行した肺がんである。実施形態において、肺がんは、転移性肺がんである。実施形態において、肺がんは、肺の扁平上皮がんである。実施形態において、肺がんは、小細胞肺がん(SCLC)である。実施形態において、肺がんは、非小細胞肺がん(NSCLC)である。実施形態において、肺がんは、ALK転座肺がん(例えば、既知のALK転座を有する肺がん)である。実施形態において、肺がんは、EGFR変異肺がん(例えば、既知のEGFR変異を有する肺がん)である。実施形態において、肺がんは、MSI-H肺がんである。実施形態において、肺がんは、MSS肺がんである。実施形態において、肺がんは、POLE変異肺がんである。実施形態において、肺がんは、POLD変異肺がんである。実施形態において、肺がんは、高TMB肺がんである。実施形態において、肺がんは、相同組換え修復異常/相同修復異常(「HRD」)を伴う。
【0065】
実施形態において、がんは、結腸直腸(CRC)がん(例えば、固形腫瘍)である。実施形態において、結腸直腸がんは、進行した結腸直腸がんである。実施形態において、結腸直腸がんは、転移性結腸直腸がんである。実施形態において、結腸直腸がんは、MSI-H結腸直腸がんである。実施形態において、結腸直腸がんは、MSS結腸直腸がんである。実施形態において、結腸直腸がんは、POLE変異結腸直腸がんである。実施形態において、結腸直腸がんは、POLD変異結腸直腸がんである。実施形態において、結腸直腸がんは、高TMB結腸直腸がんである。実施形態において、結腸直腸がんは、相同組換え修復異常/相同修復異常(「HRD」)を伴う。
【0066】
実施形態において、がんは、黒色腫である。実施形態において、黒色腫は、進行した黒色腫である。実施形態において、黒色腫は、転移性黒色腫である。実施形態において、黒色腫は、MSI-H黒色腫である。実施形態において、黒色腫は、MSS黒色腫である。実施形態において、黒色腫は、POLE変異黒色腫である。実施形態において、黒色腫は、POLD変異黒色腫である。実施形態において、黒色腫は、高TMB黒色腫である。実施形態において、黒色腫は、相同組換え修復異常/相同修復異常(「HRD」)を伴う。
【0067】
実施形態において、がんは、肛門生殖器領域(例えば、肛門、陰茎、子宮頸部、膣、または外陰部)の扁平上皮がんである。実施形態において、肛門生殖器領域(例えば、肛門、陰茎、子宮頸部、膣、または外陰部)の扁平上皮がんは、進行したがんである。実施形態において、肛門生殖器領域(例えば、肛門、陰茎、子宮頸部、膣、または外陰部)の扁平上皮がんは、転移性がんである。実施形態において、肛門生殖器領域(例えば、肛門、陰茎、子宮頸部、膣、または外陰部)の扁平上皮がんは、MSI-Hである。実施形態において、肛門生殖器領域(例えば、肛門、陰茎、子宮頸部、膣、または外陰部)の扁平上皮がんは、MSSである。実施形態において、肺がんは、POLE変異がんである。実施形態において、肛門生殖器領域(例えば、肛門、陰茎、子宮頸部、膣、または外陰部)の扁平上皮がんは、相同組換え修復異常/相同修復異常(「HRD」)を伴う。
【0068】
実施形態において、がんは、卵巣がんである。実施形態において、卵巣がんは、進行した卵巣がんである。実施形態において、卵巣がんは、転移性卵巣がんである。実施形態において、卵巣がんは、MSI-H卵巣がんである。実施形態において、卵巣がんは、MSS卵巣がんである。実施形態において、卵巣がんは、POLE変異卵巣がんである。実施形態において、卵巣がんは、POLD変異卵巣がんである。実施形態において、卵巣がんは、高TMB卵巣がんである。実施形態において、卵巣がんは、相同組換え修復異常/相同修復異常(「HRD」)を伴う。実施形態において、卵巣がんは、漿液細胞卵巣がんである。実施形態において、卵巣がんは、明細胞卵巣がんである。
【0069】
実施形態において、がんは、ファロピウスがん(fallopian cancer)である。実施形態において、ファロピウスがんは、進行したファロピウスがんである。実施形態において、ファロピウスがんは、転移性ファロピウスがんである。実施形態において、ファロピウスがんは、MSI-Hファロピウスがんである。実施形態において、ファロピウスがんは、MSSファロピウスがんである。実施形態において、ファロピウスがんは、POLE変異ファロピウスがんである。実施形態において、ファロピウスがんは、POLD変異ファロピウスがんである。実施形態において、ファロピウスがんは、高TMBファロピウスがんである。実施形態において、ファロピウスがんは、相同組換え修復異常/相同修復異常(「HRD」)を伴う。実施形態において、ファロピウスがんは、漿液細胞ファロピウスがんである。実施形態において、ファロピウスがんは、明細胞ファロピウスがんである。
【0070】
実施形態において、がんは、原発性腹膜がんである。実施形態において、原発性腹膜がんは、進行した原発性腹膜がんである。実施形態において、原発性腹膜がんは、転移性原発性腹膜がんがんである。実施形態において、原発性腹膜がんは、MSI-H原発性腹膜がんである。実施形態において、原発性腹膜がんは、MSS原発性腹膜がんである。実施形態において、原発性腹膜がんは、POLE変異原発性腹膜がんがんである。実施形態において、原発性腹膜がんは、POLD変異原発性腹膜がんである。実施形態において、原発性腹膜がんは、高TMB原発性腹膜がんである。実施形態において、原発性腹膜がんは、相同組換え修復異常/相同修復異常(「HRD」)を伴う。実施形態において、原発性腹膜がんは、漿液細胞原発性腹膜がんである。実施形態において、原発性腹膜がんは、明細胞原発性腹膜がんである。
【0071】
実施形態において、がんは、急性リンパ芽球性白血病(「ALL」)である。実施形態において、急性リンパ芽球性白血病は、進行した急性リンパ芽球性白血病である。実施形態において、急性リンパ芽球性白血病は、転移性急性リンパ芽球性白血病である。実施形態において、急性リンパ芽球性白血病は、MSI-H急性リンパ芽球性白血病である。実施形態において、急性リンパ芽球性白血病は、MSS急性リンパ芽球性白血病である。実施形態において、急性リンパ芽球性白血病は、POLE変異急性リンパ芽球性白血病である。実施形態において、急性リンパ芽球性白血病は、POLD変異急性リンパ芽球性白血病である。実施形態において、急性リンパ芽球性白血病は、相同組換え修復異常/相同修復異常(「HRD」)を伴う。
【0072】
実施形態において、がんは、急性骨髄性白血病(「AML」)である。実施形態において、急性骨髄性白血病は、進行した急性骨髄性白血病である。実施形態において、急性骨髄性白血病は、転移性急性骨髄性白血病である。実施形態において、急性骨髄性白血病は、MSI-H急性骨髄性白血病である。実施形態において、急性骨髄性白血病は、MSS急性骨髄性白血病である。実施形態において、急性骨髄性白血病は、POLE変異急性骨髄性白血病である。実施形態において、急性骨髄性白血病は、POLD変異急性骨髄性白血病である。実施形態において、急性骨髄性白血病は、相同組換え修復異常/相同修復異常(「HRD」)を伴う。
【0073】
実施形態において、がんは、非ホジキンリンパ腫(NHL)である。実施形態において、非ホジキンリンパ腫は、進行した非ホジキンリンパ腫である。実施形態において、非ホジキンリンパ腫は、転移性非ホジキンリンパ腫である。実施形態において、非ホジキンリンパ腫は、MSI-H非ホジキンリンパ腫である。実施形態において、非ホジキンリンパ腫は、MSS非ホジキンリンパ腫である。実施形態において、非ホジキンリンパ腫は、POLE変異非ホジキンリンパ腫である。実施形態において、非ホジキンリンパ腫は、POLD変異非ホジキンリンパ腫である。実施形態において、非ホジキンリンパ腫は、相同組換え修復異常/相同修復異常(「HRD」)を伴う。
【0074】
実施形態において、がんは、ホジキンリンパ腫(HL)である。実施形態において、ホジキンリンパ腫は、進行したホジキンリンパ腫である。実施形態において、ホジキンリンパ腫は、転移性ホジキンリンパ腫である。実施形態において、ホジキンリンパ腫は、MSI-Hホジキンリンパ腫である。実施形態において、ホジキンリンパ腫は、MSSホジキンリンパ腫である。実施形態において、ホジキンリンパ腫は、POLE変異ホジキンリンパ腫である。実施形態において、ホジキンリンパ腫は、POLD変異ホジキンリンパ腫である。実施形態において、ホジキンリンパ腫は、相同組換え修復異常/相同修復異常(「HRD」)を伴う。
【0075】
実施形態において、がんは、神経芽細胞腫(NB)である。実施形態において、神経芽細胞腫は、進行した神経芽細胞腫である。実施形態において、神経芽細胞腫は、転移性神経芽細胞腫である。実施形態において、神経芽細胞腫は、MSI-H神経芽細胞腫である。実施形態において、神経芽細胞腫は、MSS神経芽細胞腫である。実施形態において、神経芽細胞腫は、POLE変異神経芽細胞腫である。実施形態において、神経芽細胞腫は、POLD変異神経芽細胞腫である。実施形態において、神経芽細胞腫は、高TMB神経芽細胞腫である。実施形態において、神経芽細胞腫は、相同組換え修復異常/相同修復異常(「HRD」)を伴う。
【0076】
実施形態において、がんは、中枢神経系腫瘍である。実施形態において、中枢神経系腫瘍は、進行している。実施形態において、中枢神経系腫瘍は、転移性中枢神経系腫瘍である。実施形態において、中枢神経系腫瘍は、MSI-H中枢神経系腫瘍である。実施形態において、中枢神経系腫瘍は、MSS中枢神経系腫瘍である。実施形態において、中枢神経系腫瘍は、POLE変異中枢神経系腫瘍である。実施形態において、中枢神経系腫瘍は、POLD変異中枢神経系腫瘍である。実施形態において、中枢神経系腫瘍は、高TMB中枢神経系腫瘍である。実施形態において、中枢神経系腫瘍は、相同組換え修復異常/相同修復異常(「HRD」)を伴う。
【0077】
実施形態において、がんは、びまん性内在性橋膠腫(DIPG)である。実施形態において、DIPGは、進行したDIPGである。実施形態において、DIPGは、転移性DIPGである。実施形態において、DIPGは、MSI-H DIPGである。実施形態において、DIPGは、MSS DIPGである。実施形態において、DIPGは、POLE変異DIPGである。実施形態において、DIPGは、POLD変異DIPGである。実施形態において、DIPGは、高TMB DIPGである。実施形態において、DIPGは、相同組換え修復異常/相同修復異常(「HRD」)を伴う。
【0078】
実施形態において、がんは、ユーイング肉腫である。実施形態において、ユーイング肉腫は、進行したユーイング肉腫である。実施形態において、ユーイング肉腫は、転移性ユーイング肉腫である。実施形態において、ユーイング肉腫は、MSI-Hユーイング肉腫である。実施形態において、ユーイング肉腫は、MSSユーイング肉腫である。実施形態において、ユーイング肉腫は、POLE変異ユーイング肉腫である。実施形態において、ユーイング肉腫は、POLD変異ユーイング肉腫である。実施形態において、ユーイング肉腫は、高TMBユーイング肉腫である。実施形態において、ユーイング肉腫は、相同組換え修復異常/相同修復異常(「HRD」)を伴う。
【0079】
実施形態において、がんは、胎児性横紋筋肉腫(ERS)である。実施形態において、胎児性横紋筋肉腫は、進行した胎児性横紋筋肉腫である。実施形態において、胎児性横紋筋肉腫は、転移性胎児性横紋筋肉腫である。実施形態において、胎児性横紋筋肉腫は、MSI-H胎児性横紋筋肉腫である。実施形態において、胎児性横紋筋肉腫は、MSS胎児性横紋筋肉腫である。実施形態において、胎児性横紋筋肉腫は、POLE変異胎児性横紋筋肉腫である。実施形態において、胎児性横紋筋肉腫は、POLD変異胎児性横紋筋肉腫である。実施形態において、胎児性横紋筋肉腫は、高TMB胎児性横紋筋肉腫である。実施形態において、胎児性横紋筋肉腫は、相同組換え修復異常/相同修復異常(「HRD」)を伴う。
【0080】
実施形態において、がんは、骨肉腫(OS)である。実施形態において、骨肉腫は、進行した骨肉腫である。実施形態において、骨肉腫は、転移性骨肉腫である。実施形態において、骨肉腫は、MSI-H骨肉腫である。実施形態において、骨肉腫は、MSS骨肉腫である。実施形態において、骨肉腫は、POLE変異骨肉腫である。実施形態において、骨肉腫は、POLD変異骨肉腫である。実施形態において、骨肉腫は、高TMB骨肉腫である。実施形態において、骨肉腫は、相同組換え修復異常/相同修復異常(「HRD」)を伴う。
【0081】
実施形態において、がんは、軟部組織肉腫である。実施形態において、軟部組織肉腫は、進行した軟部組織肉腫である。実施形態において、軟部組織肉腫は、転移性軟部組織肉腫である。実施形態において、軟部組織肉腫は、MSI-H軟部組織肉腫である。実施形態において、軟部組織肉腫は、MSS軟部組織肉腫である。実施形態において、軟部組織肉腫は、POLE変異軟部組織肉腫である。実施形態において、軟部組織肉腫は、POLD変異軟部組織肉腫である。実施形態において、軟部組織肉腫は、高TMB軟部組織肉腫である。実施形態において、軟部組織肉腫は、相同組換え修復異常/相同修復異常(「HRD」)を伴う。実施形態において、軟部組織肉腫は、平滑筋肉腫である。
【0082】
実施形態において、がんは、ウィルムス腫瘍である。実施形態において、ウィルムス腫瘍は、進行したウィルムス腫瘍である。実施形態において、ウィルムス腫瘍は、転移性ウィルムス腫瘍である。実施形態において、ウィルムス腫瘍は、MSI-Hウィルムス腫瘍である。実施形態において、ウィルムス腫瘍は、MSSウィルムス腫瘍である。実施形態において、ウィルムス腫瘍は、POLE変異ウィルムス腫瘍である。実施形態において、ウィルムス腫瘍は、POLD変異ウィルムス腫瘍である。実施形態において、ウィルムス腫瘍は、高TMBウィルムス腫瘍である。実施形態において、ウィルムス腫瘍は、相同組換え修復異常/相同修復異常(「HRD」)を伴う。
【0083】
実施形態において、対象は、過去に一つ以上の異なるがん処置モダリティー(例えば、手術、放射線療法、化学療法、または免疫療法のうちの一つ以上)を用いて処置されたことがある。
【0084】
実施形態において、対象は、過去に一つの異なるがん処置モダリティー(例えば、手術、放射線療法、化学療法、または免疫療法のうちの一つ以上)を用いて処置されたことがある。実施形態において、対象は、過去に二つ以上の異なるがん処置モダリティー(例えば、手術、放射線療法、化学療法、または免疫療法のうちの一つ以上)を用いて処置されたことがある。実施形態において、対象は、過去に細胞傷害性療法を用いて処置されたことがある。実施形態において、対象は、過去に化学療法を用いて処置されたことがある。実施形態において、対象は、過去に二つの異なるがん処置モダリティー(例えば、手術、放射線療法、化学療法、または免疫療法のうちの一つ以上)を用いて処置されたことがある。実施形態において、対象は、過去に三つの異なるがん処置モダリティー(例えば、手術、放射線療法、化学療法、または免疫療法のうちの一つ以上)を用いて処置されたことがある。
【0085】
本明細書に記載の方法の実施形態において、方法は、手術、放射線療法、化学療法、免疫療法、抗血管新生剤、または抗炎症薬のうちの一つ以上を投与することをさらに含む。実施形態において、方法は、化学療法を投与することをさらに含む。
【0086】
一部の実施形態において、がん患者集団における少なくとも一部の患者は、過去に化学療法(例えば、白金ベース化学療法)を用いた処置を受けたことがある。例えば、二ラインのがん処置を受けた患者は、2Lがん患者(例えば、2L NSCLC患者)として識別され得る。実施形態において、患者は、二ライン以上のがん処置を受けたことがある(例えば、2L+がん患者、例えば、2L+子宮内膜がん患者)。実施形態において、患者は、過去に抗PD-1療法を用いて処置されたことがない。実施形態において、患者は、過去に少なくとも一ラインのがん処置を受けたことがある(例えば、患者は、過去に少なくとも一ラインまたは少なくとも二ラインのがん処置を受けたことがある)。実施形態において、患者は、過去に少なくとも一ラインの転移性がんの処置を受けたことがある(例えば、患者は、過去に一ラインまたは二ラインの転移性がんの処置を受けたことがある)。
【0087】
実施形態において、対象は、PD-1を阻害する薬剤を用いた処置に対し抵抗性である。
【0088】
実施形態において、対象は、PD-1を阻害する薬剤を用いた処置に対し難治性である。
【0089】
実施形態において、本明細書に記載の方法は、対象を、PD-1を阻害する薬剤を用いた処置に感作させる。
【0090】
実施形態において、対象は、疲弊した免疫細胞(例えば、疲弊したT細胞である疲弊した免疫細胞)を含む。
【0091】
本明細書に記載の方法の実施形態において、対象は、動物(例えば、哺乳類)である。実施形態において、対象は、ヒトである。実施形態において、対象は、非ヒト哺乳類(例えば、マウス、ラット、ウサギ、または非ヒト霊長類)である。したがって、本明細書に記載の方法は、ヒトの処置及び獣医学の両方において有用であり得る。
【0092】
実施形態において、TIM-3阻害剤は、(例えば、静脈内注入により)静脈内に投与される。
【0093】
本開示は、一部の実施形態において、がんの処置を必要とする患者におけるがんを処置する方法であって、抗TIM-3抗体薬剤を送達する組成物を投与することを含む、方法を提供する。
【0094】
一部の実施形態において、患者は、過去にがん処置モダリティーを用いて処置されたことがない。
【0095】
一部の実施形態において、患者は、過去に一つ以上の異なるがん処置モダリティーを用いて処置されたことがある。一部の実施形態において、患者は、過去に放射線療法、化学療法、または免疫療法のうちの一つ以上を用いて処置されたことがある。一部の実施形態において、患者は、過去に化学療法(例えば、白金ベース化学療法)を用いた処置を受けたことがある。
【0096】
一部の実施形態において、TIM-3阻害剤を送達する組成物(例えば、抗TIM-3抗体薬剤)は、1、3、または10mg/kgの用量にて投与される。一部の実施形態において、抗TIM-3抗体薬剤を送達する組成物は、2週間に一回の1、3、または10mg/kgの用量を含むレジメンに従って投与される。一部の実施形態において、抗TIM-3抗体薬剤を送達する組成物は、3週間に一回の1、3、または10mg/kgの用量を含むレジメンに従って投与される。一部の実施形態において、抗TIM-3抗体薬剤を送達する組成物は、4週間に一回の1、3、または10mg/kgの用量を含むレジメンに従って投与される。
【0097】
一部の実施形態において、抗TIM-3抗体薬剤を送達する組成物は、約100mg~約1500mgの範囲内(例えば、約100mg~1500mg)の固定用量である。一部の実施形態において、抗TIM-3抗体薬剤を送達する組成物は、約100mg~約300mg、約300mg~1,000mg、または約1000mg~約1200mgの範囲内の固定用量である。実施形態において、固定用量は約100mgである。実施形態において、固定用量は約300mgである。実施形態において、固定用量は約500mgである。実施形態において、固定用量は約900mgである。実施形態において、固定用量は約1200mgである。一部の実施形態において、抗TIM-3抗体薬剤を送達する組成物は、2週間に一回(Q2W)の固定用量を含むレジメンに従って投与される。一部の実施形態において、抗TIM-3抗体薬剤を送達する組成物は、3週間に一回(Q3W)の固定用量を含むレジメンに従って投与される。一部の実施形態において、抗TIM-3抗体薬剤を送達する組成物は、4週間に一回(Q4W)の固定用量を含むレジメンに従って投与される。実施形態において、抗TIM-3抗体は、1週間に一回(Q1W)、2週間に一回(Q2W)、3週間に一回(S3W)、4週間に一回(Q4W)、5週間に一回(Q5W)、または6週間に一回(Q6W)の投与間隔にて投与される。実施形態において、抗TIM-3抗体は、少なくとも2、4、6、8、10、12、14、16、18、または20週間の期間の間投与される。実施形態において、用量は、単剤療法として投与される(例えば、治療有効量の1200mgの抗TIM-3抗体がQ2WまたはQ3Wで投与される)か、または、用量は、一つ以上の他の療法と組み合わせて投与される。例えば、100mg、300mg、500mg、または900mg(例えば、100mgまたは300mg)の抗TIM-3抗体が、抗PD-1抗体と組み合わせて、本明細書に記載のレジメンに従って投与され得る(例えば、500mgの抗PD-1抗体がQ3Wで四処置サイクルの間投与され、その後に、1000mgの抗PD-1抗体がQ6Wで(例えば、疾患進行を理由に)処置が中止されるまで投与される)。
【0098】
一部の実施形態において、組成物は、静脈内に投与される。一部の実施形態において、組成物は、静脈内注入により投与される。
【0099】
一部の実施形態において、臨床的利益は、完全奏効(「CR」)、部分奏効(「PR」)、または安定病態(「SD」)である。一部の実施形態において、臨床的利益は、少なくともSDに対応する。一部の実施形態において、臨床的利益は、少なくともPRに対応する。一部の実施形態において、臨床的利益は、CRに対応する。一部の実施形態において、少なくとも1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、または95%の患者が、臨床的利益を達成する。一部の実施形態において、少なくとも5%の患者が、臨床的利益を達成する。一部の実施形態において、少なくとも5%の患者が、SDを達成する。一部の実施形態において、少なくとも5%の患者が、少なくともPRを達成する。一部の実施形態において、少なくとも5%の患者が、CRを達成する。一部の実施形態において、少なくとも20%の患者が、臨床的利益を達成する。一部の実施形態において、少なくとも20%の患者が、SDを達成する。
【0100】
一部の実施形態において、臨床的利益(例えば、SD、PR、及び/またはCR)は、固形がんの治療効果判定基準(RECIST)に従って決定される。一部の実施形態において、臨床的利益(例えば、SD、PR、及び/またはCR)は、RECISTガイドラインに従って決定される。一部の実施形態において、臨床的利益(例えば、SD、PR、及び/またはCR)は、RECISTガイドライン(バージョン1.1)に従って決定される。一部の実施形態において、臨床的利益(例えば、SD、PR、及び/またはCR)は、免疫関連RECIST(irRECIST)ガイドラインに従って決定される。一部の実施形態において、腫瘍応答は、irRECISTまたはRECISTバージョン1.1のいずれかによって評価され得る。一部の実施形態において、腫瘍応答は、irRECIST及びRECISTバージョン1.1の両方によって評価され得る。本明細書で使用される場合、「RECISTガイドライン」という用語は、RECIST 1.0、RECIST 1.1、またはirRECISTを互換的に指すことができる。
【0101】
一部の実施形態において、患者は、抗TIM-3抗体薬剤と組み合わせて追加療法を受けているか、または今後受ける。一部の実施形態において、追加療法は、放射線療法、化学療法、または免疫療法である。一部の実施形態において、追加療法は、PD-1阻害剤(例えば、PD-1結合剤)及び/またはLAG-3結合剤を送達する組成物を用いた療法を含む。一部の実施形態において、追加のPD-1阻害剤は、ニボルマブ、ペムブロリズマブ、アテゾリズマブ、デュルバルマブ、アベルマブ、TSR-042、PDR-001、チスレリズマブ(BGB-A317)、セミプリマブ(REGN2810)、LY-3300054、JNJ-63723283、MGA012、BI-754091、IBI-308、カムレリズマブ(HR-301210)、BCD-100、JS-001、CX-072、BGB-A333/AMP-514(MEDI-0680)、AGEN-2034、CS1001、Sym-021、SHR-1316、PF-06801591、LZM009、KN-035、AB122、ゲノリムズマブ(CBT-501)、FAZ-053、CK-301、AK 104、GSL-010、PD-1VR、もしくはPD-1FL、またはWO2014/179664に開示されているPD-1抗体のいずれかである。一部の実施形態において、追加療法は、PARP阻害剤である。一部の実施形態において、PARP阻害剤は、ニラパリブ、オラパリブ、ルカパリブ、タラゾパリブ、及びベリパリブである。一部の実施形態において、PARP阻害剤は、ニラパリブである。
【0102】
本開示は、一部の実施形態において、がんの処置を必要とする患者におけるがんを処置する方法であって、PD-1結合剤と組み合わせて抗TIM-3抗体薬剤を送達する一つ以上の組成物を投与することを含む、方法を提供する。一部の実施形態において、患者または患者集団は、抗TIM-3抗体薬剤及びPD-1結合剤(例えば、抗PD-1抗体)の投与を含む併用療法を受けている。
【0103】
一部の実施形態において、抗TIM-3抗体薬剤は、配列番号1または配列番号7を含むアミノ酸配列を有する免疫グロブリン重鎖可変ドメイン、及び配列番号2または配列番号8を含むアミノ酸配列を有する免疫グロブリン軽鎖可変ドメインを含む。一部の実施形態において、抗TIM-3抗体薬剤は、配列番号3を含むアミノ酸配列を有する免疫グロブリン重鎖、及び配列番号4を含むアミノ酸配列を有する免疫グロブリン軽鎖を含む。
【0104】
一部の実施形態において、PD-1結合剤は、配列番号11または配列番号17を含むアミノ酸配列を有する免疫グロブリン重鎖可変ドメイン、及び配列番号12または配列番号18を含むアミノ酸配列を有する免疫グロブリン軽鎖可変ドメイン(「PD-1VR」)を含む。一部の実施形態において、PD-1結合剤は、配列番号13を含むアミノ酸配列を有する免疫グロブリン重鎖、及び配列番号14を含むアミノ酸配列を有する免疫グロブリン軽鎖(「PD1-FL」)を含む。
【0105】
一部の実施形態において、抗TIM-3抗体薬剤(例えば、抗TIM-3抗体)は、約1、3、または10mg/kgの用量にて投与される。一部の実施形態において、抗TIM-3抗体薬剤は、2週間に一回の1、3、または10mg/kgの用量を含むレジメンに従って投与される。一部の実施形態において、抗TIM-3抗体薬剤は、3週間に一回の約1、3、または10mg/kgの用量を含むレジメンに従って投与される。一部の実施形態において、抗TIM-3抗体薬剤は、4週間に一回の1、3、または10mg/kgの用量を含むレジメンに従って投与される。一部の実施形態において、抗TIM-3抗体薬剤は、約100mg~1,500mgの範囲内の固定用量にて投与される。一部の実施形態において、抗TIM-3抗体薬剤は、約300mg~1,000mg、約100mg~約500mg、約100mg~約1200mg、または約1000mg~約1500mgの範囲内の固定用量にて投与される。一部の実施形態において、抗TIM-3抗体薬剤は、約100、200mg、300mg、400mg、500mg、600mg、700mg、800mg、900mg、1000mg、1100mg、1200mg、1300mg、1400mg、または1500mgの固定用量にて投与される。一部の実施形態において、抗TIM-3抗体薬剤は、約100mgの固定用量にて投与される。一部の実施形態において、抗TIM-3抗体薬剤は、約300mgの固定用量にて投与される。一部の実施形態において、抗TIM-3抗体薬剤は、約500mgの固定用量にて投与される。一部の実施形態において、抗TIM-3抗体薬剤は、約900mgの固定用量にて投与される。一部の実施形態において、抗TIM-3抗体薬剤は、約1200mgの固定用量にて投与される。一部の実施形態において、抗TIM-3抗体薬剤は、2週間に一回(Q2W)の固定用量を含むレジメンに従って投与される。一部の実施形態において、抗TIM-3抗体薬剤は、3週間に一回(Q3W)の固定用量を含むレジメンに従って投与される。一部の実施形態において、抗TIM-3抗体薬剤は、4週間に一回(Q4W)の固定用量を含むレジメンに従って投与される。
【0106】
一部の実施形態において、治療有効用量は、約100mg~約1500mgの抗TIM-3抗体の用量、例えば、約100、200、300、400、500、600、700、800、900、1000、1100、1200mg、1300mg、1400mg、または1500mgである用量である。実施形態において、治療有効用量は、約100mgである(例えば、Q2WまたはQ3Wで投与される)。実施形態において、治療有効用量は、約300mgである(例えば、Q2WまたはQ3Wで投与される)。実施形態において、治療有効用量は、約500mgである(例えば、Q2WまたはQ3Wで投与される)。実施形態において、治療有効用量は、約900mgである(例えば、Q2WまたはQ3Wで投与される)。実施形態において、治療有効用量は、約1200mgである(例えば、Q2WまたはQ3Wで投与される)。実施形態において、抗TIM-3抗体は、1週間に一回(Q1W)、2週間に一回(Q2W)、3週間に一回(S3W)、4週間に一回(Q4W)、5週間に一回(Q5W)、または6週間に一回(Q6W)の投与間隔にて投与される。実施形態において、抗TIM-3抗体は、少なくとも2、4、6、8、10、12、14、16、18、または20週間の期間の間投与される。
【0107】
実施形態において、治療有効用量は約100mgであり、薬剤は、2週間に一回の投与間隔にて投与される。実施形態において、治療有効用量は約100mgであり、薬剤は、3週間に一回の投与間隔にて投与される。
【0108】
実施形態において、治療有効用量は約300mgであり、薬剤は、2週間に一回の投与間隔にて投与される。実施形態において、治療有効用量は約300mgであり、薬剤は、3週間に一回の投与間隔にて投与される。
【0109】
実施形態において、治療有効用量は約500mgであり、薬剤は、2週間に一回の投与間隔にて投与される。実施形態において、治療有効用量は約500mgであり、薬剤は、3週間に一回の投与間隔にて投与される。
【0110】
実施形態において、治療有効用量は約900mgであり、薬剤は、2週間に一回の投与間隔にて投与される。実施形態において、治療有効用量は約900mgであり、薬剤は、3週間に一回の投与間隔にて投与される。
【0111】
実施形態において、治療有効用量は約1200mgであり、薬剤は、2週間に一回の投与間隔にて投与される。実施形態において、治療有効用量は約1200mgであり、薬剤は、3週間に一回の投与間隔にて投与される。
【0112】
実施形態において、用量は、単剤療法として投与される(例えば、治療有効量の1200mgの抗TIM-3抗体がQ2WまたはQ3Wで投与される)か、または、用量は、一つ以上の他の療法と組み合わせて投与される。例えば、100mgまたは300mgの抗TIM-3抗体が、抗PD-1抗体と組み合わせて、本明細書に記載のレジメンに従って投与され得る(例えば、500mgの抗PD-1抗体がQ3Wで四処置サイクルの間投与され、その後に、1000mgの抗PD-1抗体がQ6Wで(例えば、疾患進行を理由に)処置が中止されるまで投与される)。
【0113】
一部の実施形態において、PD-1結合剤(例えば、抗PD-1抗体)は、0.1、1、3、10、または20mg/kgの用量にて投与される。一部の実施形態において、PD-1結合剤(例えば、抗PD-1抗体)は、2週間に一回の1、3、または10mg/kgの用量を含むレジメンに従って投与される。一部の実施形態において、PD-1結合剤(例えば、抗PD-1抗体)は、3週間に一回の1、3、または10mg/kgの用量を含むレジメンに従って投与される。一部の実施形態において、PD-1結合剤(例えば、抗PD-1抗体)は、4週間に一回の1、3、または10mg/kgの用量を含むレジメンに従って投与される。一部の実施形態において、PD-1結合剤(例えば、抗PD-1抗体)は、500mg/kgの用量にて投与される。一部の実施形態において、PD-1結合剤(例えば、抗PD-1抗体)は、2週間に一回の500mg/kgの用量を含むレジメンに従って投与される。一部の実施形態において、PD-1結合剤(例えば、抗PD-1抗体)は、3週間に一回の500mg/kgの用量を含むレジメンに従って投与される。一部の実施形態において、PD-1結合剤(例えば、抗PD-1抗体)は、4週間に一回の500mg/kgの用量を含むレジメンに従って投与される。一部の実施形態において、PD-1結合剤(例えば、抗PD-1抗体)は、3週間に一回、少なくとも一処置サイクル(例えば、少なくとも一、二、三、四処置サイクル)の間の500mg/kgの用量を含むレジメンに従って投与され、その後に投与される。一部の実施形態において、PD-1結合剤(例えば、抗PD-1抗体)は、3週間に一回の1000mg/kgの用量を含むレジメンに従って投与される。一部の実施形態において、PD-1結合剤(例えば、抗PD-1抗体)は、4週間に一回の1000mg/kgの用量を含むレジメンに従って投与される。一部の実施形態において、PD-1結合剤(例えば、抗PD-1抗体)は、5週間に一回の1000mg/kgの用量を含むレジメンに従って投与される。一部の実施形態において、PD-1結合剤(例えば、抗PD-1抗体)は、6週間に一回の1000mg/kgの用量を含むレジメンに従って投与される。実施形態において、PD-1結合剤(例えば、抗PD-1抗体)は、3週間に一回、四処置サイクルの間の500mgの用量を含むレジメンに従って投与され、その後に、1000mgの用量が6週間に一回(例えば、疾患進行を理由に)処置が中止されるまで投与される。実施形態において、抗TIM-3抗体薬剤は、Q2WまたはQ3Wで、約100、200、300、400、500、600、700、800、900、1000、1100、もしくは1200mgである用量で、または約1~10mg/kgである用量(例えば、約1、約3、または約10mg/kgである用量)で投与される。実施形態において、抗TIM-3抗体薬剤は、Q2WまたはQ3Wで、約100mgである用量で投与される。実施形態において、抗TIM-3抗体薬剤は、Q2WまたはQ3Wで、約300mgである用量で投与される。
【0114】
実施形態において、PD-1阻害剤(例えば、本明細書に記載の任意の抗PD-1抗体)は、約500mgの第一用量にて3週間に一回、3、4、または5サイクルの間投与され、次に約1000mgの第二用量にて6週間に一回以上(例えば、約1000mgの第二用量を6週間に一回)投与される。実施形態において、薬剤(例えば、抗TIM-3抗体)の治療有効用量は、約100mgのフラット用量である。実施形態において、薬剤(例えば、抗TIM-3抗体)の治療有効用量は、約300mgのフラット用量である。実施形態において、薬剤(例えば、抗TIM-3抗体)の治療有効用量は、約500mgのフラット用量である。実施形態において、薬剤(例えば、抗TIM-3抗体)の治療有効用量は、約900mgのフラット用量である。実施形態において、薬剤(例えば、抗TIM-3抗体)の治療有効用量は、3週間に一回投与される。
【0115】
実施形態において、PD-1阻害剤(例えば、本明細書に記載の任意の抗PD-1抗体)は、約500mgの第一用量にて3週間に一回、3サイクルの間投与され、次に約1000mgの第二用量にて6週間に一回以上(例えば、約1000mgの第二用量を6週間に一回)投与される。実施形態において、薬剤(例えば、抗TIM-3抗体)の治療有効用量は、約100mgのフラット用量である。実施形態において、薬剤(例えば、抗TIM-3抗体)の治療有効用量は、約300mgのフラット用量である。実施形態において、薬剤(例えば、抗TIM-3抗体)の治療有効用量は、約500mgのフラット用量である。実施形態において、薬剤(例えば、抗TIM-3抗体)の治療有効用量は、約900mgのフラット用量である。実施形態において、薬剤(例えば、抗TIM-3抗体)の治療有効用量は、3週間に一回投与される。
【0116】
実施形態において、PD-1阻害剤(例えば、本明細書に記載の任意の抗PD-1抗体)は、約500mgの第一用量にて3週間に一回、4サイクルの間投与され、次に約1000mgの第二用量にて6週間に一回以上(例えば、約1000mgの第二用量を6週間に一回)投与される。実施形態において、薬剤(例えば、抗TIM-3抗体)の治療有効用量は、約100mgのフラット用量である。実施形態において、薬剤(例えば、抗TIM-3抗体)の治療有効用量は、約300mgのフラット用量である。実施形態において、薬剤(例えば、抗TIM-3抗体)の治療有効用量は、約500mgのフラット用量である。実施形態において、薬剤(例えば、抗TIM-3抗体)の治療有効用量は、約900mgのフラット用量である。実施形態において、薬剤(例えば、抗TIM-3抗体)の治療有効用量は、3週間に一回投与される。
【0117】
実施形態において、PD-1阻害剤(例えば、本明細書に記載の任意の抗PD-1抗体)は、約500mgの第一用量にて3週間に一回、5サイクルの間投与され、次に約1000mgの第二用量にて6週間に一回以上(例えば、約1000mgの第二用量を6週間に一回)投与される。実施形態において、薬剤(例えば、抗TIM-3抗体)の治療有効用量は、約100mgのフラット用量である。実施形態において、薬剤(例えば、抗TIM-3抗体)の治療有効用量は、約300mgのフラット用量である。実施形態において、薬剤(例えば、抗TIM-3抗体)の治療有効用量は、約500mgのフラット用量である。実施形態において、薬剤(例えば、抗TIM-3抗体)の治療有効用量は、約900mgのフラット用量である。実施形態において、薬剤(例えば、抗TIM-3抗体)の治療有効用量は、3週間に一回投与される。
【0118】
本開示は、一部の実施形態において、選択されたがん患者集団におけるがんの処置で使用するための、抗TIM-3抗体薬剤を含む組成物を提供する。一部の実施形態において、抗TIM-3抗体薬剤は、配列番号21、22、または23の配列を有する三つのCDRを含む重鎖を含む。一部の実施形態において、抗TIM-3抗体薬剤は、配列番号24、25、または26の配列を有する三つのCDRを含む軽鎖を含む。一部の実施形態において、抗TIM-3抗体薬剤は、配列番号21、22、もしくは23の配列を有する三つのCDRを含む重鎖;及び配列番号24、25、もしくは26の配列を有する三つのCDRを含む軽鎖を含む。一部の実施形態において、抗TIM-3抗体薬剤は、配列番号1または配列番号7を含むアミノ酸配列を有する免疫グロブリン重鎖可変ドメインを含む。一部の実施形態において、抗TIM-3抗体薬剤は、配列番号2または配列番号8を含むアミノ酸配列を有する免疫グロブリン軽鎖可変ドメインを含む。一部の実施形態において、抗TIM-3抗体薬剤は、配列番号1または配列番号7を含むアミノ酸配列を有する免疫グロブリン重鎖可変ドメイン、及び配列番号2または配列番号8を含むアミノ酸配列を有する免疫グロブリン軽鎖可変ドメインを含む。一部の実施形態において、抗TIM-3抗体薬剤は、配列番号3を含むアミノ酸配列を有する免疫グロブリン重鎖を含む。一部の実施形態において、抗TIM-3抗体薬剤は、配列番号4を含むアミノ酸配列を有する免疫グロブリン軽鎖を含む。一部の実施形態において、抗TIM-3抗体薬剤は、配列番号3を含むアミノ酸配列を有する免疫グロブリン重鎖、及び配列番号4を含むアミノ酸配列を有する免疫グロブリン軽鎖を含む。
【0119】
一部の実施形態において、がん患者集団における患者は、各々が腫瘍を有する。一部の実施形態において、がん患者集団における患者は、各々が固形腫瘍を有する。一部の実施形態において、がん患者集団における患者の少なくとも一部は、進行期の固形腫瘍を有する。一部の実施形態において、がん患者集団における患者の少なくとも一部は、転移性固形腫瘍を有する。一部の実施形態において、患者は、MSI-H固形腫瘍を有する。一部の実施形態において、がん患者集団における患者は、それぞれ、非小細胞肺がん(NSCLC)、肝細胞がん、腎臓がん、黒色腫、子宮頸がん、結腸直腸がん、肛門生殖器領域の扁平上皮がん(例えば、肛門、陰茎、子宮頸部、膣、または外陰部の扁平上皮がん)、頭頸部がん、トリプルネガティブ乳がん、卵巣がん、または子宮内膜がんのようながんを有する。
【0120】
実施形態において、患者は、肺がん(例えば、非小細胞肺がん(NSCLC))を有する。実施形態において、患者は、黒色腫を有する。
【0121】
一部の実施形態において、患者は、POLE(DNAポリメラーゼイプシロン)またはPOLD(DNAポリメラーゼデルタ)変異に関連するがんを有する。一部の実施形態において、POLEまたはPOLD変異は、エキソヌクレアーゼドメイン内にある。一部の実施形態において、POLEまたはPOLD変異は、生殖系列変異である。一部の実施形態において、POLEまたはPOLD変異は、散発性変異である。一部の実施形態において、本明細書に記載の方法は、POLEまたはPOLD変異を有するがんを有する患者を最初に同定するステップをさらに含む。一部の実施形態において、POLEまたはPOLD変異は、シークエンシングを用いて同定される。
【0122】
一部の実施形態において、がん患者集団における患者は、各々がマイクロサテライト不安定性を有するがんを有する。一部の実施形態において、マイクロサテライト不安定性は、対照細胞で観察される不安定性よりも顕著に高い場合、高頻度とみなされる。一部の実施形態において、マイクロサテライト不安定性は、低頻度MSI(MSI-L)である。一部の実施形態において、マイクロサテライト不安定性は、マイクロサテライト安定性(例えば、MSS状態)である。一部の実施形態において、患者は、マイクロサテライト不安定性を有する進行期の固形腫瘍を有する。
【0123】
一部の実施形態において、がん患者集団における患者は、各々が血液がんを有する。一部の実施形態において、がん患者集団における患者は、各々がびまん性大細胞型B細胞リンパ腫(「DLBCL」)、ホジキンリンパ腫(「HL」)、非ホジキンリンパ腫(「NHL」)、濾胞性リンパ腫(「FL」)、急性骨髄性白血病(「AML」)、急性リンパ芽球性白血病(「ALL」)、または多発性骨髄腫(「MM」)のような血液がんを有する。一部の実施形態において、がん患者集団における患者は、各々がマイクロサテライト不安定性を有する血液がんを有する。
【0124】
一部の実施形態において、がん患者集団における少なくとも一部の患者は、過去に一つ以上のがん処置モダリティーを用いて処置されたことがある。一部の実施形態において、がん患者集団における少なくとも一部の患者は、過去に放射線療法、化学療法、または免疫療法のうちの一つ以上を用いた処置を受けたことがある。一部の実施形態において、がん患者集団における少なくとも一部の患者は、過去に化学療法(例えば、白金ベース化学療法)を用いた処置を受けたことがある。
【0125】
一部の実施形態において、がん患者集団における少なくとも一部の患者は、過去に一つ以上のがん処置モダリティーを用いて処置されたことがない。
【0126】
本開示は、一部の実施形態において、選択されたがん患者集団におけるがんの処置で使用するための併用療法であって、抗TIM-3抗体薬剤及びPD-1結合剤を投与することを含む、併用療法を提供する。
本発明は、例えば、以下の項目を提供する。
(項目1)
T細胞免疫グロブリン及びムチンタンパク質3(TIM-3)阻害に応答性を有する対象における障害を処置する方法であって、治療有効用量の、TIM-3シグナリングを阻害可能な薬剤を投与することを含み、前記治療有効用量が、約1、3、もしくは10mg/kg;約100~1500mgの間のフラット用量;約100mgのフラット用量;約200mgのフラット用量;約300mgのフラット用量;約400mgのフラット用量;約500mgのフラット用量;約600mgのフラット用量;約700mgのフラット用量;約800mgのフラット用量;約900mgのフラット用量;約1000mgのフラット用量;約1100mgのフラット用量;約1200mgのフラット用量;約1300mgのフラット用量;約1400mgのフラット用量;約1500mgのフラット用量;約1mg/kg;約3mg/kg;または約10mg/kgである、方法。
(項目2)
T細胞免疫グロブリン及びムチンタンパク質3(TIM-3)阻害に応答性を有する対象におけるT細胞活性化またはT細胞エフェクター機能を増大させる方法であって、治療有効用量の、TIM-3シグナリングを阻害可能な薬剤を投与することを含み、前記治療有効用量が、約1、3、もしくは10mg/kg;約100~1500mgの間のフラット用量;約100mgのフラット用量;約200mgのフラット用量;約300mgのフラット用量;約400mgのフラット用量;約500mgのフラット用量;約600mgのフラット用量;約700mgのフラット用量;約800mgのフラット用量;約900mgのフラット用量;約1000mgのフラット用量;約1100mgのフラット用量;約1200mgのフラット用量;約1300mgのフラット用量;約1400mgのフラット用量;約1500mgのフラット用量;約1mg/kg;約3mg/kg;または約10mg/kgである、方法。
(項目3)
T細胞免疫グロブリン及びムチンタンパク質3(TIM-3)阻害に応答性を有する対象における腫瘍を低減するまたは腫瘍細胞成長を阻害する方法であって、治療有効用量の、TIM-3シグナリングを阻害可能な薬剤を投与することを含み、前記治療有効用量が、約1、3、もしくは10mg/kg;約100~1500mgの間のフラット用量;約100mgのフラット用量;約200mgのフラット用量;約300mgのフラット用量;約400mgのフラット用量;約500mgのフラット用量;約600mgのフラット用量;約700mgのフラット用量;約800mgのフラット用量;約900mgのフラット用量;約1000mgのフラット用量;約1100mgのフラット用量;約1200mgのフラット用量;約1300mgのフラット用量;約1400mgのフラット用量;約1500mgのフラット用量;約1mg/kg;約3mg/kg;または約10mg/kgである、方法。
(項目4)
T細胞免疫グロブリン及びムチンタンパク質3(TIM-3)阻害に応答性を有する対象における免疫応答を誘導する方法であって、治療有効用量の、TIM-3シグナリングを阻害可能な薬剤を投与することを含み、前記治療有効用量が、約1、3、もしくは10mg/kg;約100~1500mgの間のフラット用量;約100mgのフラット用量;約200mgのフラット用量;約300mgのフラット用量;約400mgのフラット用量;約500mgのフラット用量;約600mgのフラット用量;約700mgのフラット用量;約800mgのフラット用量;約900mgのフラット用量;約1000mgのフラット用量;約1100mgのフラット用量;約1200mgのフラット用量;約1300mgのフラット用量;約1400mgのフラット用量;約1500mgのフラット用量;約1mg/kg;約3mg/kg;または約10mg/kgである、方法。
(項目5)
T細胞免疫グロブリン及びムチンタンパク質3(TIM-3)阻害に応答性を有する対象における免疫応答を強化するまたは免疫細胞活性を増大させる方法であって、治療有効用量の、TIM-3シグナリングを阻害可能な薬剤を投与することを含み、前記治療有効用量が、約1、3、もしくは10mg/kg;約100~1500mgの間のフラット用量;約100mgのフラット用量;約200mgのフラット用量;約300mgのフラット用量;約400mgのフラット用量;約500mgのフラット用量;約600mgのフラット用量;約700mgのフラット用量;約800mgのフラット用量;約900mgのフラット用量;約1000mgのフラット用量;約1100mgのフラット用量;約1200mgのフラット用量;約1300mgのフラット用量;約1400mgのフラット用量;約1500mgのフラット用量;約1mg/kg;約3mg/kg;または約10mg/kgである、方法。
(項目6)
前記免疫応答が、液性または細胞媒介免疫応答である、項目5に記載の方法。
(項目7)
前記免疫応答がCD4またはCD8T細胞応答である、項目6に記載の方法。
(項目8)
前記免疫応答がB細胞応答である、項目6に記載の方法。
(項目9)
前記治療有効用量が約1mg/kgである、項目1~8のいずれか一項に記載の方法。(項目10)
前記治療有効用量が約3mg/kgである、項目1~8のいずれか一項に記載の方法。(項目11)
前記治療有効用量が約10mg/kgである、項目1~8のいずれか一項に記載の方法。
(項目12)
前記治療有効用量が約100mgのフラット用量である、項目1~8のいずれか一項に記載の方法。
(項目13)
前記治療有効用量が約200mgのフラット用量である、項目1~8のいずれか一項に記載の方法。
(項目14)
前記治療有効用量が約300mgのフラット用量である、項目1~8のいずれか一項に記載の方法。
(項目15)
前記治療有効用量が約400mgのフラット用量である、項目1~8のいずれか一項に記載の方法。
(項目16)
前記治療有効用量が約500mgのフラット用量である、項目1~8のいずれか一項に記載の方法。
(項目17)
前記治療有効用量が約600mgのフラット用量である、項目1~8のいずれか一項に記載の方法。
(項目18)
前記治療有効用量が約700mgのフラット用量である、項目1~8のいずれか一項に記載の方法。
(項目19)
前記治療有効用量が約800mgのフラット用量である、項目1~8のいずれか一項に記載の方法。
(項目20)
前記治療有効用量が約900mgのフラット用量である、項目1~8のいずれか一項に記載の方法。
(項目21)
前記治療有効用量が約1000mgのフラット用量である、項目1~8のいずれか一項に記載の方法。
(項目22)
前記治療有効用量が約1100mgのフラット用量である、項目1~8のいずれか一項に記載の方法。
(項目23)
前記治療有効用量が約1200mgのフラット用量である、項目1~8のいずれか一項に記載の方法。
(項目24)
前記治療有効用量が約1300mgのフラット用量である、項目1~8のいずれか一項に記載の方法。
(項目25)
前記治療有効用量が約1400mgのフラット用量である、項目1~8のいずれか一項に記載の方法。
(項目26)
前記治療有効用量が約1500mgのフラット用量である、項目1~8のいずれか一項に記載の方法。
(項目27)
前記薬剤が、1週間に一回、2週間に一回、3週間に一回、4週間に一回、5週間に一回、または6週間に一回の投与間隔にて投与される、項目1~26のいずれか一項に記載の方法。
(項目28)
前記薬剤が3週間に一回の投与間隔にて投与される、項目27に記載の方法。
(項目29)
前記治療有効用量が、約100mg、300mg、500mg、または900mgのフラット用量である、項目28に記載の方法。
(項目30)
前記薬剤が、臨床的利益を達成するのに十分な期間の間投与される、項目1~29のいずれか一項に記載の方法。
(項目31)
前記臨床的利益が、安定病態(「SD」)、部分奏効(「PR」)、及び/または完全奏効(「CR」)である、項目30に記載の方法。
(項目32)
前記PRまたはCRが、固形がんの治療効果判定基準(RECIST)に従って決定される、項目31に記載の方法。
(項目33)
前記薬剤が、臨床的利益を維持するためにより長い期間の間投与される、項目30~32のいずれか一項に記載の方法。
(項目34)
前記薬剤が、少なくとも2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20週間、またはそれ以上の期間の間投与される、項目1~33のいずれか一項に記載の方法。
(項目35)
前記障害がT細胞機能不全障害である、項目1~34のいずれか一項に記載の方法。
(項目36)
前記障害ががんである、項目1~35のいずれか一項に記載の方法。
(項目37)
前記がんが:
i) 高い腫瘍遺伝子変異量(TMB)を伴うがん、
ii) マイクロサテライト安定性(MSS)であるがん、
iii) マイクロサテライト不安定性により特徴づけられるがん、
iv) 高頻度マイクロサテライト不安定性状態(MSI-H)を有するがん、
v) 低頻度マイクロサテライト不安定性状態(MSI-L)を有するがん、
vi) 高TMB及びMSI-Hを伴うがん、
vii) 高TMB及びMSI-LまたはMSSを伴うがん、
viii) 不完全なDNAミスマッチ修復システムを有するがん、
ix) DNAミスマッチ修復遺伝子における欠陥を有するがん、
x) 超変異性がん、
xi) ポリメラーゼデルタ(POLD)における変異を含むがん、
xii) ポリメラーゼイプシロン(POLE)における変異を含むがん、
xiii) 相同組換え修復異常/相同修復異常(「HRD」)を有するがん、
xiv) 腺がん、子宮内膜がん、乳がん、卵巣がん、子宮頚がん、ファロピウス管がん、精巣がん、原発性腹膜がん、結腸がん、結腸直腸がん、胃がん、小腸がん、肛門の扁平上皮がん、陰茎の扁平上皮がん、子宮頸部の扁平上皮がん、膣の扁平上皮がん、外陰部の扁平上皮がん、軟部組織肉腫、黒色腫、腎細胞がん、肺がん、非小細胞肺がん、肺の腺がん、肺の扁平上皮がん、胃がん、膀胱がん、胆嚢がん、肝臓がん、甲状腺がん、喉頭がん、唾液腺がん、食道がん、頭頚部がん、頭頸部の扁平上皮がん、前立腺がん、膵臓のがん、中皮腫、メルケル細胞がん、肉腫、神経膠芽腫、血液がん、多発性骨髄腫、B細胞リンパ腫、T細胞リンパ腫、ホジキンリンパ腫/原発性縦隔B細胞リンパ腫、慢性骨髄性白血病、急性骨髄性白血病、急性リンパ性白血病、非ホジキンリンパ腫、神経芽細胞腫、中枢神経系腫瘍、びまん性内在性橋膠腫(DIPG)、ユーイング肉腫、胎児性横紋筋肉腫、骨肉腫、もしくはウィルムス腫瘍、または
xiii) xiv)のがんであって、MSSもしくはMSI-Lである、マイクロサテライト不安定性により特徴づけられる、MSI-Hである、高TMBを有す、高TMBを有しかつMSSもしくはMSI-Lである、高TMBを有しかつMSI-Hである、不完全なDNAミスマッチ修復システムを有する、DNAミスマッチ修復遺伝子における欠陥を有する、超変異性がんである、HRDがんである、ポリメラーゼデルタ(POLD)における変異を含む、またはポリメラーゼイプシロン(POLE)における変異を含むがん、のいずれかである、項目36に記載の方法。
(項目38)
前記がんが、相同組換え修復異常/相同修復異常(「HRD」)を有するがんである、項目36に記載の方法。
(項目39)
前記がんが子宮内膜がんであり、任意選択でMSI-HまたはMSS/MSI-Lの子宮内膜がんである、項目35に記載の方法。
(項目40)
前記がんが、POLEまたはPOLDにおける変異を含むMSI-Hがんであり、任意選択でPOLEまたはPOLDにおける変異を含むMSI-H非子宮内膜がんである、項目35に記載の方法。
(項目41)
前記がんが、乳がんであり、任意選択でトリプルネガティブ乳がん(TNBC)である、項目35に記載の方法。
(項目42)
前記がんが、卵巣がんであり、任意選択で上皮性卵巣がんである、項目35に記載の方法。
(項目43)
前記がんが、肺がんであり、任意選択で非小細胞肺がんである、項目35に記載の方法。
(項目44)
前記がんが黒色腫である、項目35に記載の方法。
(項目45)
前記がんが結腸直腸がんである、項目35に記載の方法。
(項目46)
前記がんが、肛門の扁平上皮がん、陰茎の扁平上皮がん、子宮頸部の扁平上皮がん、膣の扁平上皮がん、または外陰部の扁平上皮がんである、項目35に記載の方法。
(項目47)
前記がんが急性骨髄性白血病である、項目35に記載の方法。
(項目48)
前記がんが急性リンパ芽球性白血病である、項目35に記載の方法。
(項目49)
前記がんが非ホジキンリンパ腫である、項目35に記載の方法。
(項目50)
前記がんがホジキンリンパ腫である、項目35に記載の方法。
(項目51)
前記がんが神経芽細胞腫である、項目35に記載の方法。
(項目52)
前記がんが中枢神経系腫瘍である、項目35に記載の方法。
(項目53)
前記がんがびまん性内在性橋膠腫(DIPG)である、項目35に記載の方法。
(項目54)
前記がんがユーイング肉腫である、項目35に記載の方法。
(項目55)
前記がんが胎児性横紋筋肉腫である、項目35に記載の方法。
(項目56)
前記がんが骨肉腫である、項目35に記載の方法。
(項目57)
前記がんがウィルムス腫瘍である、項目35に記載の方法。
(項目58)
前記がんが軟部組織肉腫である、項目35に記載の方法。
(項目59)
前記がんが平滑筋肉腫である、項目48に記載の方法。
(項目60)
前記対象が、免疫チェックポイント阻害剤をさらに投与されたか、または今後投与され、その結果、前記哺乳類が前記薬剤及び前記免疫チェックポイント阻害剤を受ける、項目1~59のいずれか一項に記載の方法。
(項目61)
一種、二種、または三種の免疫チェックポイント阻害剤を投与することを含む、項目60に記載の方法。
(項目62)
前記免疫チェックポイント阻害剤が、プログラム細胞死タンパク質1(PD-1)シグナリング、細胞傷害性Tリンパ球関連タンパク質4(CTLA-4)、リンパ球活性化遺伝子3(LAG-3)、T細胞免疫グロブリン及びITIMドメイン(TIGIT)、インドールアミン2,3-ジオキシゲナーゼ(IDO)、またはコロニー刺激因子1受容体(CSF1R)を阻害する薬剤である、項目60または61に記載の方法。
(項目63)
前記免疫チェックポイント阻害剤がPD-1阻害剤である、項目62に記載の方法。
(項目64)
前記PD-1阻害剤が、小分子、核酸、ポリペプチド(例えば、抗体)、炭水化物、脂質、金属、毒素、またはPD-1結合剤である、項目63に記載の方法。
(項目65)
前記PD-1阻害剤がPD-1結合剤である、項目63または64に記載の方法。
(項目66)
前記PD-1結合剤が、抗体、抗体結合体、またはその抗原結合断片である、項目65に記載の方法。
(項目67)
前記PD-1阻害剤が、ニボルマブ、ペムブロリズマブ、PDR-001、チスレリズマブ(BGB-A317)、セミプリマブ(REGN2810)、LY-3300054、JNJ-63723283、MGA012、BI-754091、IBI-308、カムレリズマブ(HR-301210)、BCD-100、JS-001、CX-072、AMP-514/MEDI-0680、AGEN-2034、CS1001、TSR-042、Sym-021、PF-06801591、LZM009、KN-035、AB122、ゲノリムズマブ(CBT-501)、AK 104、もしくはGLS-010、またはこれらの誘導体である、項目66に記載の方法。
(項目68)
前記PD-1阻害剤がPD-L1/L2結合剤である、項目63または64に記載の方法。
(項目69)
前記PD-L1/L2結合剤が、抗体、抗体結合体、またはその抗原結合断片である、項目68に記載の方法。
(項目70)
前記PD-L1/L2結合剤が、デュルバルマブ、アテゾリズマブ、アベルマブ、BGB-A333、SHR-1316、FAZ-053、CK-301、もしくはPD-L1ミラモレキュール、またはこれらの誘導体である、項目69に記載の方法。
(項目71)
前記PD-1結合剤が、配列番号13を含む重鎖及び配列番号14の軽鎖を含む抗PD-1抗体である、項目63~65のいずれか一項に記載の方法。
(項目72)
PD-1阻害剤が、前記対象に、定期的に約500mgまたは1000mgの用量にて投与される、項目63~71のいずれか一項に記載の方法。
(項目73)
前記PD-1阻害剤が、前記対象に、定期的に約500mgの用量にて投与される、項目72に記載の方法。
(項目74)
前記PD-1阻害剤が、前記対象に、3週間に一回投与される、項目72または73に記載の方法。
(項目75)
前記PD-1阻害剤が、2、3、4、5、6サイクルまたはそれ以上のサイクルの間投与される、項目71~74のいずれか一項に記載の方法。
(項目76)
前記PD-1阻害剤が、3、4、または5サイクルの間投与される、項目75に記載の方法。
(項目77)
前記PD-1阻害剤が、前記対象に、定期的に約1000mgの用量にて投与される、項目72に記載の方法。
(項目78)
前記PD-1阻害剤が、前記対象に、6週間に一回以上投与される、項目72または77に記載の方法。
(項目79)
前記PD-1阻害剤が、前記対象に、6週間に一回投与される、項目78に記載の方法。
(項目80)
前記PD-1阻害剤が、約500mgの第一用量にて3週間に一回、3、4、または5サイクルの間投与され、次に約1000mgの第二用量にて6週間に一回以上投与される、項目78に記載の方法。
(項目81)
前記PD-1阻害剤が、約500mgの第一用量にて3週間に一回、3、4、または5サイクルの間投与され、次に約1000mgの第二用量にて6週間に一回投与される、項目80に記載の方法。
(項目82)
前記PD-1阻害剤が、約500mgの第一用量にて3週間に一回、3サイクルの間投与され、次に約1000mgの第二用量にて6週間に一回以上投与される、項目80に記載の方法。
(項目83)
前記PD-1阻害剤が、約500mgの第一用量にて3週間に一回、4サイクルの間投与され、次に約1000mgの第二用量にて6週間に一回以上投与される、項目80に記載の方法。
(項目84)
前記PD-1阻害剤が、約500mgの第一用量にて3週間に一回、5サイクルの間投与され、次に約1000mgの第二用量にて6週間に一回以上投与される、項目80に記載の方法。
(項目85)
前記1000mgの第二用量が6週間に一回投与される、項目82~74のいずれか一項に記載の方法。
(項目86)
前記免疫チェックポイント阻害剤がCTLA-4阻害剤である、項目60または61に記載の方法。
(項目87)
前記CTLA-4阻害剤が、小分子、核酸、ポリペプチド(例えば、抗体)、炭水化物、脂質、金属、毒素、またはCTLA-4結合剤である、項目86に記載の方法。
(項目88)
前記CTLA-4阻害剤がCTLA-4結合剤である、項目87に記載の方法。
(項目89)
前記CTLA-4結合剤が、抗体、抗体結合体、またはその抗原結合断片である、項目88に記載の方法。
(項目90)
前記免疫チェックポイント阻害剤がLAG-3阻害剤である、項目60または61に記載の方法。
(項目91)
前記LAG-3阻害剤が、小分子、核酸、ポリペプチド(例えば、抗体)、炭水化物、脂質、金属、毒素、またはLAG-3結合剤である、項目90に記載の方法。
(項目92)
前記LAG-3阻害剤がLAG-3結合剤である、項目91に記載の方法。
(項目93)
前記LAG-3結合剤が、抗体、抗体結合体、またはその抗原結合断片である、項目92に記載の方法。
(項目94)
前記免疫チェックポイント阻害剤がTIGIT阻害剤である、項目60または61に記載の方法。
(項目95)
前記TIGIT阻害剤が、小分子、核酸、ポリペプチド(例えば、抗体)、炭水化物、脂質、金属、毒素、またはTIGIT結合剤である、項目94に記載の方法。
(項目96)
前記TIGIT阻害剤がTIGIT結合剤である、項目95に記載の方法。
(項目97)
前記TIGIT結合剤が、抗体、抗体結合体、またはその抗原結合断片である、項目96に記載の方法。
(項目98)
前記免疫チェックポイント阻害剤がIDO阻害剤である、項目60または61に記載の方法。
(項目99)
前記IDO阻害剤が、小分子、核酸、ポリペプチド(例えば、抗体)、炭水化物、脂質、金属、毒素、またはIDO結合剤である、項目98に記載の方法。
(項目100)
前記IDO阻害剤が小分子である、項目99に記載の方法。
(項目101)
前記IDO阻害剤が、IDO結合剤であり、任意選択で抗体、抗体結合体、またはその抗原結合断片であるIDO結合剤である、項目99に記載の方法。
(項目102)
前記免疫チェックポイント阻害剤がCSF1R阻害剤である、項目60または61に記載の方法。
(項目103)
前記CSF1R阻害剤が、小分子、核酸、ポリペプチド(例えば、抗体)、炭水化物、脂質、金属、毒素、またはIDO結合剤である、項目102に記載の方法。
(項目104)
前記CSF1R阻害剤が小分子である、項目103に記載の方法。
(項目105)
前記CSF1R阻害剤が、CSF1R結合剤であり、任意選択で抗体、抗体結合体、またはその抗原結合断片であるCSF1R結合剤である、項目103に記載の方法。
(項目106)
免疫チェックポイント阻害剤のうちの少なくとも二つを投与することを含む、項目60~105のいずれか一項に記載の方法。
(項目107)
第三のチェックポイント阻害剤を投与することをさらに含む、項目106に記載の方法。
(項目108)
前記対象が、前記薬剤、PD-1阻害剤、及びLAG-3阻害剤の各々を用いた処置を受けて、その結果前記対象が三つ全てを受ける、項目106または107に記載の方法。(項目109)
前記対象がCTLA-4阻害剤を用いた処置を受けて、その結果前記対象が四つ全てを受けることをさらに含む、項目108に記載の方法。
(項目110)
前記対象が、ポリ(ADP-リボース)ポリメラーゼ(PARP)を阻害する薬剤をさらに投与されたか、または今後投与される、項目1~109のいずれか一項に記載の方法。
(項目111)
前記PARPを阻害する薬剤が、小分子、核酸、ポリペプチド(例えば、抗体)、炭水化物、脂質、金属、または毒素である、項目110に記載の方法。
(項目112)
前記PARPを阻害する薬剤が:ABT-767、AZD 2461、BGB-290、BGP 15、CEP 8983、CEP 9722、DR 2313、E7016、E7449、フルゾパリブ(SHR 3162)、IMP 4297、INO1001、JPI 289、JPI 547、モノクローナル抗体B3-LysPE40結合体、MP 124、ニラパリブ(ZEJULA)(MK-4827)、NU 1025、NU 1064、NU 1076、NU1085、オラパリブ(AZD2281)、ONO2231、PD 128763、R 503、R554、ルカパリブ(RUBRACA)(AG-014699、PF-01367338)、SBP 101、SC 101914、シムミパリブ(simmiparib)、タラゾパリブ(BMN-673)、ベリパリブ(ABT-888)、WW 46、2-(4-(トリフルオロメチル)フェニル)-7,8-ジヒドロ-5H-チオピラノ[4,3-d]ピリミジン-4-オール、及びこれらの塩または誘導体からなる群より選択される、項目110または111に記載の方法。
(項目113)
前記対象が、前記薬剤、PD-1阻害剤、及びPARPを阻害する阻害剤の各々を用いた処置を受けて、その結果前記対象が三つ全てを受ける、項目110~112のいずれか一項に記載の方法。
(項目114)
前記対象がLAG-3阻害剤を用いた処置を受けて、その結果前記哺乳類が四つ全てを受けることをさらに含む、項目113に記載の方法。
(項目115)
前記薬剤の治療有効用量が約100mgのフラット用量である、項目60~114のいずれか一項に記載の方法。
(項目116)
前記薬剤の治療有効用量が約300mgのフラット用量である、項目60~114のいずれか一項に記載の方法。
(項目117)
前記薬剤の治療有効用量が約500mgのフラット用量である、項目60~114のいずれか一項に記載の方法。
(項目118)
前記薬剤の治療有効用量が約900mgのフラット用量である、項目60~114のいずれか一項に記載の方法。
(項目119)
前記対象が、PD-1阻害剤を用いた処置に対し抵抗性である、項目1~118のいずれか一項に記載の方法。
(項目120)
前記対象が、PD-1阻害剤を用いた処置に対し難治性である、項目1~119のいずれか一項に記載の方法。
(項目121)
前記対象を、PD-1阻害剤を用いた処置に感作させる、項目1~120のいずれか一項に記載の方法。
(項目122)
前記対象が疲弊した免疫細胞を含む、項目1~121のいずれか一項に記載の方法。
(項目123)
前記疲弊した免疫細胞が疲弊したT細胞である、項目122に記載の方法。
(項目124)
前記対象がヒトである、項目1~123のいずれか一項に記載の方法。
(項目125)
前記対象が、過去に一つ以上の異なるがん処置モダリティーを用いて処置されたことがある、項目1~124のいずれか一項に記載の方法。
(項目126)
前記対象が、過去に手術、放射線療法、化学療法、または免疫療法のうちの一つ以上を用いて処置されたことがある、項目125に記載の方法。
(項目127)
前記対象が、過去に細胞傷害性療法を用いて処置されたことがある、項目125または126に記載の方法。
(項目128)
前記対象が、過去に化学療法を用いて処置されたことがある、項目125~127のいずれか一項に記載の方法。
(項目129)
別の治療剤または処置を投与することをさらに含む、項目1~128のいずれか一項に記載の方法。
(項目130)
手術、放射線療法、化学療法、免疫療法、抗血管新生剤、または抗炎症薬のうちの一つ以上を投与することをさらに含む、項目129に記載の方法。
(項目131)
化学療法を投与することをさらに含む、項目129に記載の方法。
(項目132)
前記薬剤がTIM-3結合剤である、項目1~131のいずれか一項に記載の方法。
(項目133)
前記TIM-3結合剤が、抗体、抗体結合体、またはその抗原結合断片である、項目132に記載の方法。
(項目134)
前記TIM-3結合剤が抗体である、項目133に記載の方法。
(項目135)
前記TIM-3結合剤が、配列番号21、22、または23に対し少なくとも約80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の配列同一性を有する一つ以上のCDR配列を含む重鎖を含む、項目132~134に記載の方法。
(項目136)
前記TIM-3結合剤が、配列番号21、22、または23の配列を有する二つまたは三つのCDRを含む重鎖を含む、項目135に記載の方法。
(項目137)
前記TIM-3結合剤が、配列番号24、25、または26に対し少なくとも約80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の配列同一性を有する一つ以上のCDR配列を含む軽鎖を含む、項目132~136のいずれか一項に記載の方法。
(項目138)
前記TIM-3結合剤が、配列番号24、25、または26の配列を有する二つまたは三つのCDRを含む軽鎖を含む、項目137に記載の方法。
(項目139)
前記TIM-3結合剤が、配列番号21、22、もしくは23より選択される一つ以上のCDR配列を含む重鎖;及び/または配列番号24、25、もしくは26より選択される一つ以上のCDR配列を含む軽鎖可変領域を含む、項目132~134のいずれか一項に記載の方法。
(項目140)
前記TIM-3結合剤が、配列番号21、22、もしくは23の配列を有する三つのCDRを含む重鎖;及び/または配列番号24、25、もしくは26の配列を有する三つのCDRを含む軽鎖を含む、項目139に記載の方法。
(項目141)
前記TIM-3結合剤が:
配列番号1もしくは配列番号7に対し、少なくとも約80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、もしくは99%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む免疫グロブリン重鎖可変ドメイン;及び/または
配列番号2もしくは配列番号8に対し、少なくとも約80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、もしくは99%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む免疫グロブリン軽鎖可変ドメイン、を含む、項目132~134のいずれか一項に記載の方法。
(項目142)
前記TIM-3結合剤が、配列番号1または配列番号7のアミノ酸配列を含む免疫グロブリン重鎖可変ドメイン、及び配列番号2または配列番号8のアミノ酸配列を含む免疫グロブリン軽鎖可変ドメインを含む、項目141に記載の方法。
(項目143)
前記TIM-3結合剤が、配列番号3に対し約80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む免疫グロブリン重鎖ポリペプチドを含む、項目132~134のいずれか一項に記載の方法。
(項目144)
前記TIM-3結合剤が、配列番号4に対し少なくとも約80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の配列同一性を有するアミノ酸配列を含む免疫グロブリン軽鎖ポリペプチドを含む、項目132~134及び143のいずれか一項に記載の方法。
(項目145)
前記TIM-3結合剤が、配列番号3を含む重鎖ポリペプチド及び配列番号4の軽鎖ポリペプチドを含む、項目132~134のいずれか一項に記載の方法。
(項目146)
前記TIM-3結合剤が、約1mg/kg、3mg/kg、もしくは10mg/kgの量で;または約100mgのフラット用量;約200mgのフラット用量;約300mgのフラット用量;約400mgのフラット用量;約500mgのフラット用量;約600mgのフラット用量;約700mgのフラット用量;約800mgのフラット用量;約900mgのフラット用量;約1000mgのフラット用量;約1100mgのフラット用量;約1200mgのフラット用量;約1300mgのフラット用量;約1400mgのフラット用量;もしくは約1500mgのフラット用量の量で、投与される、項目132~145のいずれか一項に記載の方法。
(項目147)
前記TIM-3結合剤が、約100mgのフラット用量;約200mgのフラット用量;約300mgのフラット用量;約400mgのフラット用量;約500mgのフラット用量;約600mgのフラット用量;約700mgのフラット用量;約800mgのフラット用量;または約900mgのフラット用量で投与される、項目146に記載の方法。(項目148)
前記TIM-3結合剤が、2週間に一回、3週間に一回、または4週間に一回投与される、項目146に記載の方法。
(項目149)
前記TIM-3結合剤が3週間に一回投与される、項目132~148のいずれか一項に記載の方法。
(項目150)
前記薬剤が静脈内に投与される、項目1~149のいずれか一項に記載の方法。
(項目151)
前記薬剤が静脈内注入によって投与される、項目150に記載の方法。
(項目152)
がんを治療するための方法であって、
処置を必要とする患者に、治療有効用量の抗T細胞免疫グロブリン及びムチンドメイン-3(TIM-3)抗体を、臨床的利益を達成するのに十分な期間の間、ある投与間隔にて投与することを含み、
前記抗体が、配列番号21、22、もしくは23の配列を有する三つのCDRを含む重鎖;及び/または配列番号24、25、もしくは26の配列を有する三つのCDRを含む軽鎖を含む、方法。
(項目153)
がんを治療するための方法であって、
処置を必要とする患者に、治療有効用量の抗T細胞免疫グロブリン及びムチンドメイン-3(TIM-3)抗体を、臨床的利益を達成するのに十分な期間の間、ある投与間隔にて投与することを含み、
前記抗TIM-3抗体が、配列番号1または配列番号7を含む免疫グロブリン重鎖可変ドメイン、及び配列番号2または配列番号8を含む免疫グロブリン軽鎖可変ドメインを含む、方法。
(項目154)
がんを治療するための方法であって、
処置を必要とする患者に、治療有効用量の抗T細胞免疫グロブリン及びムチンドメイン-3(TIM-3)抗体を、臨床的利益を達成するのに十分な期間の間、ある投与間隔にて投与することを含み、
前記抗TIM-3抗体が、配列番号3を含む重鎖ポリペプチドと、配列番号4を含む軽鎖ポリペプチドとを含む、方法。
(項目155)
前記臨床的利益が、安定病態(「SD」)、部分奏効(「PR」)、及び/または完全奏効(「CR」)である、項目152~154のいずれか一項に記載の方法。
(項目156)
前記PRまたはCRが、固形がんの治療効果判定基準(RECIST)に従って決定される、項目152~155のいずれか一項に記載の方法。
(項目157)
前記患者が、POLE(DNAポリメラーゼイプシロン)またはPOLD(DNAポリメラーゼデルタ)変異に関連するがんを有する、項目152~157のいずれか一項に記載の方法。
(項目158)
前記POLEまたはPOLD変異がエキソヌクレアーゼドメイン内にある、項目157に記載の方法。
(項目159)
前記POLEまたはPOLD変異が生殖系列変異である、項目157または158に記載の方法。
(項目160)
前記POLEまたはPOLD変異が散発性変異である、項目157または159に記載の方法。
(項目161)
POLEまたはPOLD変異を有するがんを有する患者を最初に同定するステップをさらに含む、項目157~160のいずれか一項に記載の方法。
(項目162)
前記POLEまたはPOLD変異がシークエンシングを用いて同定される、項目161に記載の方法。
(項目163)
前記患者がマイクロサテライト不安定性を有するがんを有する、項目152~162のいずれか一項に記載の方法。
(項目164)
前記患者がMSI-Hがんを有する、項目163に記載の方法。
(項目165)
前記がんが、POLEまたはPOLDにおける変異を含むMSI-Hがんであり、任意選択でPOLEまたはPOLDにおける変異を含むMSI-H非子宮内膜がんである、項目164に記載の方法。
(項目166)
前記患者がMSI-Lがんを有する、項目164に記載の方法。
(項目167)
前記患者がマイクロサテライト安定性(MSS)がんを有する、項目152~162のいずれか一項に記載の方法。
(項目168)
前記患者が固形腫瘍を有する、項目152~167のいずれか一項に記載の方法。
(項目169)
前記患者が進行期の固形腫瘍を有する、項目168に記載の方法。
(項目170)
前記患者が転移性固形腫瘍を有する、項目168に記載の方法。
(項目171)
前記患者が、頭頸部がん、肺がん、腎臓がん、膀胱がん、黒色腫、メルケル細胞がん、子宮頸がん、膣がん、外陰がん、子宮がん、子宮内膜がん、卵巣がん、ファロピウス管がん、乳がん、前立腺がん、口腔腺がん、胸腺腫、副腎皮質がん、食道がん、胃がん、結腸直腸がん、虫垂がん、尿路上皮細胞がん、扁平上皮がん、軟部組織肉腫、急性骨髄性白血病(AML)、急性リンパ芽球性白血病(ALL)、非ホジキンリンパ腫、ホジキンリンパ腫、神経芽細胞腫、中枢神経系腫瘍、びまん性内在性橋膠腫(DIPG)、ユーイング肉腫、胎児性横紋筋肉腫(ERS)、骨肉腫、またはウィルムス腫瘍より選択されるがんを有する、項目152~170のいずれか一項に記載の方法。
(項目172)
前記がんが相同組換え修復異常/相同修復異常(「HRD」)を有する、項目152~171のいずれか一項に記載の方法。
(項目173)
前記患者が子宮内膜がんを有する、項目171に記載の方法。
(項目174)
前記患者がマイクロサテライト不安定性を有する子宮内膜がんを有する、項目173に記載の方法。
(項目175)
前記患者がMSI-H子宮内膜がんを有する、項目173に記載の方法。
(項目176)
前記患者がMSS/MSI-L子宮内膜がんを有する、項目173に記載の方法。
(項目177)
前記患者が乳がんを有する、項目171に記載の方法。
(項目178)
前記患者がトリプルネガティブ乳がん(TNBC)を有する、項目177に記載の方法。
(項目179)
前記患者が卵巣がんを有する、項目171に記載の方法。
(項目180)
前記卵巣がんが上皮性卵巣がんである、項目179に記載の方法。
(項目181)
前記患者が肺がんを有する、項目171に記載の方法。
(項目182)
前記肺がんが非小細胞肺がん(NSCLC)である、項目181に記載の方法。
(項目183)
前記患者が黒色腫を有する、項目171に記載の方法。
(項目184)
前記患者が結腸直腸がんを有する、項目171に記載の方法。
(項目185)
前記患者が扁平上皮がんを有する、項目171に記載の方法。
(項目186)
前記扁平上皮がんが、肛門の扁平上皮がん、陰茎の扁平上皮がん、子宮頸部の扁平上皮がん、膣の扁平上皮がん、または外陰部の扁平上皮がんである、項目185に記載の方法。
(項目187)
前記患者が軟部組織肉腫を有する、項目171に記載の方法。
(項目188)
前記患者が平滑筋肉腫を有する、項目187に記載の方法。
(項目189)
前記患者が血液がんを有する、項目152~167のいずれか一項に記載の方法。
(項目190)
前記血液がんが、DLBCL、HL、NHL、FL、AML、ALL、またはMMである、項目189に記載の方法。
(項目191)
前記患者が、過去にがん処置モダリティーを用いて処置されたことがない、項目152~190のいずれか一項に記載の方法。
(項目192)
前記患者が、過去に一つ以上の異なるがん処置モダリティーを用いて処置されたことがある、項目152~190のいずれか一項に記載の方法。
(項目193)
前記一つ以上の異なるがん処置モダリティーが、手術、放射線療法、化学療法、または免疫療法を含む、項目192に記載の方法。
(項目194)
前記治療有効用量が約1、3、または10mg/kgである、項目152~193のいずれか一項に記載の方法。
(項目195)
前記治療有効用量が約100~1500mgの間のフラット用量である、項目152~193のいずれか一項に記載の方法。
(項目196)
前記治療有効用量が、約100mgのフラット用量;約200mgのフラット用量;約300mgのフラット用量;約400mgのフラット用量;約500mgのフラット用量;約600mgのフラット用量;約700mgのフラット用量;約800mgのフラット用量;約900mgのフラット用量;約1000mgのフラット用量;約1100mgのフラット用量;約1200mgのフラット用量;約1300mgのフラット用量;約1400mgのフラット用量;または約1500mgのフラット用量である、項目195に記載の方法。
(項目197)
前記治療有効用量が約100mg~500mgの間のフラット用量である、項目195に記載の方法。
(項目198)
前記治療有効用量が約1000~1500mgの間のフラット用量である、項目195に記載の方法。
(項目199)
前記治療有効用量が約100mgのフラット用量である、項目195に記載の方法。
(項目200)
前記治療有効用量が約200mgのフラット用量である、項目195に記載の方法。
(項目201)
前記治療有効用量が約300mgのフラット用量である、項目195に記載の方法。
(項目202)
前記治療有効用量が約500mgのフラット用量である、項目195に記載の方法。
(項目203)
前記治療有効用量が約900mgのフラット用量である、項目195に記載の方法。
(項目204)
前記治療有効用量が約1000mgのフラット用量である、項目195に記載の方法。(項目205)
前記治療有効用量が約1100mgのフラット用量である、項目195に記載の方法。(項目206)
前記治療有効用量が約1200mgのフラット用量である、項目195に記載の方法。(項目207)
前記治療有効用量が約1300mgのフラット用量である、項目195に記載の方法。(項目208)
前記治療有効用量が約1400mgのフラット用量である、項目195に記載の方法。(項目209)
前記治療有効用量が約1500mgのフラット用量である、項目195に記載の方法。(項目210)
前記抗TIM-3抗体が、1週間に一回、2週間に一回、3週間に一回、4週間に一回、5週間に一回、または6週間に一回の投与間隔にて投与される、項目152~209のいずれか一項に記載の方法。
(項目211)
前記抗TIM-3抗体が2週間に一回の投与間隔にて投与される、項目210に記載の方法。
(項目212)
前記抗TIM-3抗体が3週間に一回の投与間隔にて投与される、項目210に記載の方法。
(項目213)
約100mgの前記抗TIM-3抗体が投与される、項目212に記載の方法。
(項目214)
約300mgの前記抗TIM-3抗体が投与される、項目212に記載の方法。
(項目215)
約500mgの前記抗TIM-3抗体が投与される、項目212に記載の方法。
(項目216)
約900mgの前記抗TIM-3抗体が投与される、項目212に記載の方法。
(項目217)
前記抗TIM-3抗体が、少なくとも2、4、6、8、10、12、14、16、18、または20週間の期間の間投与される、項目152~216のいずれか一項に記載の方法。
(項目218)
前記抗TIM-3抗体が静脈内に投与される、項目152~217のいずれか一項に記載の方法。
(項目219)
前記抗TIM-3抗体が静脈内注入によって投与される、項目218に記載の方法。
(項目220)
前記抗TIM-3抗体が追加療法と共に投与される、項目152~219のいずれか一項に記載の方法。
(項目221)
前記追加療法が、手術、放射線療法、化学療法、または免疫療法である、項目220に記載の方法。
(項目222)
前記追加療法がPARP阻害剤を用いた処置である、項目220に記載の方法。
(項目223)
前記PARP阻害剤が、ニラパリブ、オラパリブ、ルカパリブ、タラゾパリブ、またはベリパリブである、項目222に記載の方法。
(項目224)
前記追加療法が抗PD-1抗体を用いた処置である、項目220に記載の方法。
(項目225)
前記抗PD-1抗体が、TSR-042、ニボルマブ、ペムブロリズマブ、PD-1VR、またはPD-1FLである、またはこれを含む、項目224に記載の方法。
(項目226)
前記抗PD-1抗体がTSR-042である、またはこれを含む、項目224または225に記載の方法。
(項目227)
前記抗PD-1抗体が、配列番号13を含む重鎖と、配列番号14を含む軽鎖とを含む、項目224~226のいずれか一項に記載の方法。
(項目228)
前記抗PD-1抗体が、前記患者に、定期的に約100~1000mgの間の用量にて投与される、項目224~227のいずれか一項に記載の方法。
(項目229)
前記抗PD-1抗体が、前記患者に、定期的に約500mgの用量にて投与される、項目228に記載の方法。
(項目230)
前記抗PD-1抗体が、前記患者に、3週間に一回投与される、項目229に記載の方法。
(項目231)
前記抗PD-1抗体が2~6サイクルの間投与される、項目229または230に記載の方法。
(項目232)
前記抗PD-1抗体が3サイクルの間投与される、項目231に記載の方法。
(項目233)
前記抗PD-1抗体が4サイクルの間投与される、項目231に記載の方法。
(項目234)
前記抗PD-1抗体が5サイクルの間投与される、項目231に記載の方法。
(項目235)
前記抗PD-1抗体が、前記患者に、定期的に約1000mgの用量にて投与される、項目228に記載の方法。
(項目236)
前記抗PD-1抗体が、前記患者に、6週間に一回以上投与される、項目235に記載の方法。
(項目237)
前記抗PD-1抗体が、約500mgの第一用量にて3週間に一回、3、4、または5サイクルの間投与され、次に約1000mgの第二用量にて6週間に一回以上投与される、項目228に記載の方法。
(項目238)
前記抗PD-1抗体が、約500mgの第一用量にて3週間に一回、3サイクルの間投与され、次に約1000mgの第二用量にて6週間に一回以上投与される、項目237に記載の方法。
(項目239)
前記抗PD-1抗体が、約500mgの第一用量にて3週間に一回、4サイクルの間投与され、次に約1000mgの第二用量にて6週間に一回以上投与される、項目237に記載の方法。
(項目240)
前記抗PD-1抗体が、約500mgの第一用量にて3週間に一回、5サイクルの間投与され、次に約1000mgの第二用量にて6週間に一回以上投与される、項目237に記載の方法。
(項目241)
前記1000mgの第二用量が6週間に一回投与される、項目237~240のいずれか一項に記載の方法。
(項目242)
前記抗TIM-3抗体の治療有効用量が約100mgのフラット用量である、項目237~241のいずれか一項に記載の方法。
(項目243)
前記抗TIM-3抗体の治療有効用量が約300mgのフラット用量である、項目237~241のいずれか一項に記載の方法。
(項目244)
前記抗TIM-3抗体の治療有効用量が約500mgのフラット用量である、項目237~241のいずれか一項に記載の方法。
(項目245)
前記抗TIM-3抗体の治療有効用量が約900mgのフラット用量である、項目237~241のいずれか一項に記載の方法。
(項目246)
前記抗TIM-3抗体が3週間に一回投与される、項目242~245のいずれか一項に記載の方法。
【図面の簡単な説明】
【0127】
図1図1は、抗TIM-3及び抗PD1による免疫細胞活性化の強化の概略図(縮尺通りではない)を示している。
【0128】
図2図2A~2Bは、例示的なT細胞疲弊モデルからの結果を示している。(A)応答性(刺激前)細胞及び疲弊(刺激後)細胞におけるPD-1及びTIM-3の標的発現。(B)抗PD-1抗体薬剤及び抗TIM-3抗体薬剤の組合せ、抗PD-1抗体薬剤、抗TIM-3抗体薬剤、及びアイソタイプ対照を用いて処置した疲弊(刺激後)細胞におけるIFNγ産生の定量化。
【0129】
図3図3は、例示的な抗PD-1抗体(TSR-042)及び例示的なTIM-3抗体(TSR-022)の組合せにおけるin vivo効力試験からの結果を示している。この試験では、CD34+造血幹細胞を新生仔期に移植されたhuNOG-EXLマウスにA549 NSCLC細胞を移植し、単一薬剤ならびに抗PD-1及び抗TIM-3抗体の組合せを用いて処置した。
【0130】
図4図4Aは、単剤療法としての、または抗PD-1抗体と組み合わせた例示的な抗TIM-3抗体(TSR-022)における用量漸増試験に関する。
【0131】
図4Bは、特定の腫瘍タイプを有する患者における、単剤療法としての、または抗PD-1抗体と組み合わせた例示的な抗TIM-3抗体(TSR-022)の抗腫瘍活性を評価するための拡大コホートに関する。
【0132】
図5図5は、用量漸増試験における患者の人口統計学的特徴及び参加者のベースライン特徴を記載している。
【0133】
図6図6Aは、例示的な抗TIM-3抗体(TSR-022)の第一用量後における平均PKプロファイルを示している。
【0134】
図6Bは、例示的な抗TIM-3抗体(TSR-022)で処置した患者からの全血試料からフローサイトメトリーにより測定された循環単球上のTIM-3占有率を示している。
【0135】
図7図7A~7Cは、2週間に一回(Q2W)投与した1mg/kg(図7A)、3mg/kg(図7B)、及び10mg/kg(図7C)の用量での、例示的な抗TIM-3抗体(TSR-022)におけるTIM-3受容体占有率をそれぞれ示している。
【0136】
図8図8は、例示的な抗TIM-3抗体(TSR-022)を用いた処置の効果を示している。特定の投薬量に関連する処置期間が示されており、部分奏効は黒い四角形で示され、安定病態は黒い三角形で示されている。
【0137】
図9図9は、肺及び腎臓に転移した平滑筋肉腫を有し、再ステージングのイメージング前に10mg/kgの例示的な抗TIM-3抗体(TSR-022)の三回用量を受けた患者における脳スキャンを示している。
【0138】
図10図10は、3週間に一回(Q3W)投与された100mgのフラット用量の例示的な抗TIM-3抗体(TSR-022)における受容体占有率試験を示している。
【0139】
図11図11は、500mgのフラット用量の例示的な抗PD-1抗体(TSR-042)と組み合わせて投与された300mgのフラット用量の例示的な抗TIM-3抗体(TSR-022)における受容体占有率試験を示している。第二用量のTSR-022を22日目に投与し、RO試料は第二用量の前に収集した。
【0140】
図12図12は、例示的な抗TIM-3抗体(TSR-022)の1mg/kg、3mg/kg、10mg/kgの用量、ならびに100mg、300mg、及び1200mgのフラット用量における平均受容体占有率データを合わせたものである。この図は、一連の日数にわたる測定による占有率(遊離TIM-3:総TIM-3)を示している。
【発明を実施するための形態】
【0141】
ある特定の実施形態の詳細な説明
定義
「約」:「約」という用語は、本明細書で値に関して使用される場合、言及された値と文脈上類似する値を指す。概して、文脈に精通する当業者であれば、その文脈における「約」が包含する適切な程度の変動を理解するであろう。例えば、一部の実施形態において、「約」という用語は、言及された値に対するいずれかの方向で25%、20%、19%、18%、17%、16%、15%、14%、13%、12%、11%、10%、9%、8%、7%、6%、5%、4%、3%、2%、1%、またはそれ以下の範囲内の一連の値を包含し得る。
【0142】
投与:本明細書で使用する「投与」という用語は、典型的には、対象またはシステムに、組成物を、その組成物そのものである薬剤またはその組成物に含まれる薬剤の送達を達成するために投与することを指す。当業者であれば、妥当な状況において、対象、例えばヒトへの投与に利用され得る、様々な経路を認識するであろう。投与経路の例としては、非経口、例えば、静脈内、皮内、皮下、経口(例えば、吸入)、経皮(すなわち、局所)、経粘膜、及び直腸投与が挙げられる。例えば、一部の実施形態において、投与は、眼内、経口、非経口、局所等であり得る。実施形態において、投与は、非経口的(例えば、静脈内投与)である。実施形態において、静脈内投与は、静脈内注入である。一部の特定の実施形態において、投与は、気管支(例えば、気管支注入)、頬側、皮膚(例えば、真皮への局所、皮内、皮膚間、経皮等のうちの一つ以上であり得るか、またはそれを含み得る)、経腸、動脈内、皮内、胃内、髄内、筋肉内、鼻腔内、腹腔内、髄腔内、静脈内、心室内、特定の臓器内(例えば、肝臓内)、粘膜、経鼻、経口、直腸、皮下、舌下、局所、気管(例えば、気管内注入)、膣、硝子体等であり得る。一部の実施形態において、投与は、単回用量のみを伴い得る。一部の実施形態において、投与は、固定回数の用量の適用を伴い得る。一部の実施形態において、投与は、断続的(例えば、時間で隔てられた複数の用量)及び/または定期的(例えば、共通の時間期間で隔てられた個々の用量)投薬である投薬を伴い得る。一部の実施形態において、投与は、少なくとも選択された時間期間の間の持続的投薬(例えば、灌流)を伴い得る。
【0143】
非経口、皮内、または皮下適用に使用される溶液または懸濁液としては、以下の構成要素が挙げられ得る:無菌希釈剤、例えば、注射用水、食塩液、固定油、ポリエチレングリコール、グリセリン、プロピレングリコール、または他の合成溶媒;抗菌剤、例えば、ベンジルアルコールまたはメチルパラベン;抗酸化剤、例えば、アスコルビン酸または重亜硫酸ナトリウム;キレート剤、例えば、エチレンジアミン四酢酸(EDTA);緩衝液、例えば、酢酸、クエン酸、またはリン酸、ならびに浸透圧調整用薬剤、例えば、塩化ナトリウムまたはデキストロース。pHは、塩酸または水酸化ナトリウムのような酸または塩基を用いて調整することができる。非経口用調製物は、ガラスまたはプラスチック製のアンプル、使い捨て注射器、または複数の用量バイアルに密閉されてもよい。
【0144】
吸入による投与向けには、化合物は、好適な噴射剤(例えば、二酸化炭素のようなガス)を含有する加圧された容器もしくはディスペンサーまたはネブライザーから、エアロゾルスプレーの形態で送達される。
【0145】
全身投与は、経粘膜または経皮手段によるものであってもよい。経粘膜または経皮投与向けには、透過されるべきバリアに妥当な透過剤が製剤で使用される。このような透過剤は、当技術分野で広く公知であり、例えば、経粘膜投与向けには、洗浄剤、胆汁酸塩、及びフシジン酸誘導体が挙げられる。経粘膜投与は、経鼻スプレーまたは座薬の使用により遂行され得る。経皮投与向けには、活性化合物は、当技術分野で広く公知であるように、軟膏、膏薬、ゲル、またはクリームに製剤化される。
【0146】
また、化合物は、直腸送達向けに座薬(例えば、ココアバター及び他のグリセリドのような従来的な座薬基剤を用いて)または停留浣腸の形態で調製されてもよい。
【0147】
親和性:当技術分野において公知であるように、「親和性」とは、特定のリガンドが自らのパートナーと結合する堅固さの尺度である。親和性は、種々の方法で測定することができる。一部の実施形態において、親和性は定量的アッセイによって測定する。一部の実施形態において、結合パートナー濃度は、生理的条件を模倣できるようにリガンド濃度を超過して固定され得る。代替的にまたは追加的に、一部の実施形態において、結合パートナー濃度及び/またはリガンド濃度は変動され得る。このような一部の実施形態において、親和性は、同等の条件(例えば、濃度)下の基準と比較され得る。
【0148】
抗体:本明細書で使用する「抗体」という用語は、特定の標的抗原に対する特異的結合を付与するのに十分なカノニカル免疫グロブリン配列要素を含むポリペプチドを指す。当技術分野で公知のように、自然界で産生されるインタクトな抗体は、二つの同一な重鎖ポリペプチド(それぞれ約50kD)と、二つの同一な軽鎖ポリペプチド(それぞれ25kD)とから構成されたおよそ150kDの四量体の作用物質であり、重鎖ポリペプチド及び軽鎖ポリペプチドは互いに会合して、一般に「Y字型」構造と呼ばれる構造をもたらす。各重鎖は、少なくとも四つのドメイン(それぞれ約110アミノ酸長)から構成され、アミノ末端可変(VH)ドメイン(Y構造の先端に位置する)の次に三つの定常ドメイン:CH1、CH2、及びカルボキシ末端側のCH3(Y字の幹部分の底部にある)が続く。「スイッチ」として知られている短い領域は、重鎖可変領域及び定常領域を接続する。「ヒンジ」は、CH2及びCH3ドメインを抗体の残り部分と接続する。このヒンジ領域における二つのジスルフィド結合は、インタクトな抗体内の二つの重鎖ポリペプチドを相互に接続する。各軽鎖は二つのドメインから構成され、アミノ末端側の可変(VL)ドメインの次にカルボキシ末端側の定常(CL)ドメインが続き、これらは別の「スイッチ」により互いから分離されている。当業者は、抗体構造及び配列要素に十分精通しており、提供された配列内の「可変」及び「定常」領域を認識し、そして、このようなドメイン間の「境界」の定義においていくらかの柔軟性が存在し得るため、同じ抗体鎖配列の異なる提示が、例えば、このような境界を、同じ抗体鎖配列の異なる提示との対比で一個または数個の残基だけずれている位置に示す場合があるということを理解する。インタクトな抗体の四量体は二つの重鎖-軽鎖二量体から構成されており、重鎖及び軽鎖は一つのジスルフィド結合によって互いに連結し、二つの他のジスルフィド結合は重鎖ヒンジ領域を互いに接続し、その結果ダイマーが互いに接続して四量体が形成される。また、天然産生抗体は、典型的にはCH2ドメイン上で、グリコシル化もされている。天然抗体内の各ドメインは、「免疫グロブリンフォールド」によって特徴づけられる構造を有し、この免疫グロブリンフォールドは、圧縮された逆平行ベータバレル内で互いに対し詰め込まれた二つのベータシート(例えば、3、4、または5ストランドシート)から形成されている。各可変ドメインは、「相補性決定領域」(CDR1、CDR2、及びCDR3)として知られている三つの超可変ループと、ある程度インバリアントな四つの「フレームワーク」領域(FR1、FR2、FR3、及びFR4)とを含有する。天然抗体がフォールディングするとき、FR領域は、ドメインに構造フレームワークをもたらすベータシートを形成し、重鎖及び軽鎖の両方からのCDRループ領域は、Y構造の先端に位置する一つの超可変抗原結合部位を創出するように、三次元スペース内に一緒にまとめられる。天然存在の抗体のFc領域は、補体システムの要素に結合し、さらにエフェクター細胞(例えば、細胞傷害性を媒介するエフェクター細胞を含む)上の受容体にも結合する。当技術分野で公知のように、Fc受容体に対するFc領域の親和性/及び他の結合属性は、グリコシル化または他の修飾を介して調節することができる。一部の実施形態において、本発明に従って産生及び/または利用される抗体にはグリコシル化Fcドメインが含まれ、これには修飾または改変されているこのようなグリコシル化を伴うFcドメインが含まれる。本発明の目的において、天然抗体に見いだされるような十分な免疫グロブリンドメイン配列を含む任意のポリペプチドまたはポリペプチド複合体は、このようなポリペプチドが天然に産生される(例えば、抗原に反応する生物により生成される)か、あるいは組換え改変、化学合成、または他の人工システムもしくは方法論により産生されるかにかかわらず、「抗体」と呼ばれ得、かつ/または「抗体」として使用され得る。一部の実施形態において、抗体はポリクローナルであり、一部の実施形態において、抗体はモノクローナルである。一部の実施形態において、抗体は、マウス、ウサギ、霊長類、またはヒト抗体に特徴的な一つ以上の定常領域配列を有する。いくつかの実施形態では、抗体配列要素は、当技術分野で公知のように、ヒト化、霊長類化、キメラ化等されている。さらに、本明細書で使用する「抗体」とは、妥当な実施形態において(別段の明記がないまたは文脈から明らかでない限り)、代替的提示において抗体の構造的及び機能的な特徴を利用するための、当技術分野で公知のまたは開発されたコンストラクトまたは形式のいずれかを指すことができる。例えば、実施形態において、本発明に従って利用される抗体は、以下に限定されないが、インタクトなIgA、IgG、IgE、またはIgM抗体;二重または多重特異的抗体(例えば、Zybodies(登録商標)等);抗体断片、例えば、Fab断片、Fab’断片、F(ab’)2断片、Fd’断片、Fd断片、及び単離されたCDRまたはそのセット;一本鎖Fv;ポリペプチド-Fc融合体;単一ドメイン抗体(例えば、IgNARまたはその断片のようなサメ単一ドメイン抗体);ラクダ様(cameloid)抗体;マスク抗体(例えば、Probodies(登録商標));Small Modular
ImmunoPharmaceuticals(「SMIP(商標)」);一本鎖またはタンデムダイアボディ(TandAb(登録商標));VHH;Anticalins(登録商標);Nanobodies(登録商標)ミニボディ;BiTE(登録商標);アンキリンリピートタンパク質またはDARPIN(登録商標);Avimers(登録商標);DART;TCR様抗体;Adnectins(登録商標);Affilins(登録商標)、Trans-bodies(登録商標);Affibodies(登録商標);TrimerX(登録商標);MicroProteins;Fynomers(登録商標)、Centyrins(登録商標);及びKALBITOR(登録商標)から選択される形式をとる。一部の実施形態において、抗体は、天然産生された場合に有するであろう共有結合的修飾(例えば、グリカンの付着)が欠如している場合がある。一部の実施形態において、抗体は、共有結合的修飾(例えば、グリカンの付着)、ペイロード[例えば、検出可能部分、治療部分、触媒的部分等]、または他のペンダント基[例えば、ポリ-エチレングリコール等]を含有し得る。
【0149】
抗体には、抗体断片が含まれる。また、抗体には、以下に限定されないが、ポリクローナル、モノクローナル、キメラdAb(ドメイン抗体)、一本鎖、Fab、Fab’、F(ab’)2断片、scFv、及びFab発現ライブラリーが含まれる。抗体は、全抗体、または免疫グロブリン、または抗体断片であり得る。
【0150】
抗体薬剤:本明細書で使用する「抗体薬剤」という用語は、特定の抗原に特異的に結合する薬剤を指す。一部の実施形態において、この用語は、特異的結合を付与するのに十分な免疫グロブリン構造要素を含む任意のポリペプチドまたはポリペプチド複合体を包含する。例示的な抗体薬剤としては、以下に限定されないが、モノクローナル抗体またはポリクローナル抗体が挙げられる。一部の実施形態において、抗体薬剤は、マウス、ウサギ、霊長類、またはヒト抗体に特徴的な一つ以上の定常領域配列を含むことができる。一部の実施形態において、抗体薬剤は、当技術分野で公知のように、ヒト化、霊長類化、キメラ化等がなされた一つ以上の配列要素を含むことができる。多くの実施形態において、「抗体薬剤」という用語は、代替的提示における抗体の構造的及び機能的特徴を利用するための、当技術分野で公知のまたは開発されたコンストラクトまたは形式のうちの一つ以上を指すように使用される。例えば、実施形態において、本発明に従って利用される抗体薬剤は、以下に限定されないが、インタクトなIgA、IgG、IgE、またはIgM抗体;二重または多重特異的抗体(例えば、Zybodies(登録商標)等);抗体断片、例えば、Fab断片、Fab’断片、F(ab’)2断片、Fd’断片、Fd断片、及び単離されたCDRまたはそのセット;一本鎖Fv;ポリペプチド-Fc融合体;単一ドメイン抗体(例えば、IgNARまたはその断片のようなサメ単一ドメイン抗体);ラクダ様(cameloid)抗体;マスク抗体(例えば、Probodies(登録商標));Small Modular ImmunoPharmaceuticals(「SMIP(商標)」);一本鎖またはタンデムダイアボディ(TandAb(登録商標));VHH;Anticalins(登録商標);Nanobodies(登録商標)ミニボディ;BiTE(登録商標);アンキリンリピートタンパク質またはDARPIN(登録商標);Avimers(登録商標);DART;TCR様抗体;Adnectins(登録商標);Affilins(登録商標)、Trans-bodies(登録商標);Affibodies(登録商標);TrimerX(登録商標);MicroProteins;Fynomers(登録商標)、Centyrins(登録商標);及びKALBITOR(登録商標)から選択される形式をとる。一部の実施形態において、抗体は、天然産生された場合に有するであろう共有結合的修飾(例えば、グリカンの付着)が欠如している場合がある。一部の実施形態において、抗体は、共有結合的修飾(例えば、グリカンの付着)、ペイロード[例えば、検出可能部分、治療部分、触媒的部分等]、または他のペンダント基[例えば、ポリ-エチレングリコール等]を含有し得る。多くの実施形態において、抗体薬剤は、当業者により相補性決定領域(CDR)と認識される一つ以上の構造的要素を含むアミノ酸配列を有するポリペプチドであるか、またはこのようなポリペプチドを含む。一部の実施形態において、抗体薬剤は、基準抗体に見いだされるCDRと実質的に同一である少なくとも一つのCDR(例えば、少なくとも一つの重鎖CDR及び/または少なくとも一つの軽鎖CDR)を含むアミノ酸配列を有するポリペプチドであるか、またはこのようなポリペプチドを含む。一部の実施形態において、含まれるCDRは、配列において同一であるか、または基準CDRと比較して1~5つの間のアミノ酸置換を含有することから、基準CDRと実質的に同一である。一部の実施形態において、含まれるCDRは、基準CDRに対し、少なくとも85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%の配列同一性を示すことにより、基準CDRと実質的に同一である。一部の実施形態において、含まれるCDRは、基準CDRに対し、少なくとも、96%、96%、97%、98%、99%、または100%の配列同一性を示すことにより、基準CDRと実質的に同一である。一部の実施形態において、含まれるCDRは、基準CDRと比較して、含まれるCDR内の少なくとも一つのアミノ酸が欠失、付加、または置換されているが、含まれるCDRがそれ以外では基準CDRのアミノ酸配列と同一のアミノ酸配列を有することにより、基準CDRと実質的に同一である。一部の実施形態において、含まれるCDRは、基準CDRと比較して、含まれるCDR内の1~5つのアミノ酸が欠失、付加、または置換されているが、含まれるCDRがそれ以外では基準CDRと同一のアミノ酸配列を有することにより、基準CDRと実質的に同一である。一部の実施形態において、含まれるCDRは、基準CDRと比較して、含まれるCDR内の少なくとも一つのアミノ酸が置換されているが、含まれるCDRがそれ以外では基準CDRのアミノ酸配列と同一のアミノ酸配列を有することにより、基準CDRと実質的に同一である。一部の実施形態において、含まれるCDRは、基準CDRと比較して、含まれるCDR内の1~5つのアミノ酸が欠失、付加、または置換されているが、含まれるCDRがそれ以外では基準CDRと同一のアミノ酸配列を有することにより、基準CDRと実質的に同一である。一部の実施形態において、抗体薬剤は、当業者により免疫グロブリン可変ドメインと認識される構造的要素を含むアミノ酸配列を有するポリペプチドであるか、またはこのようなポリペプチドを含む。一部の実施形態において、抗体薬剤は、免疫グロブリン結合ドメインと相同であるまたは大部分が相同である結合ドメインを有する、ポリペプチドタンパク質である。
【0151】
結合:本明細書で使用する「結合」という用語は、典型的には、二つ以上の実体間のまたはそれらの中での非共有結合的な会合を指すことが理解されよう。「直接」結合は、実体または部分の間の物理的接触を伴い、間接結合は、一つ以上の中間実体との物理的接触を介した物理的相互作用を伴う。二つ以上の実体の間の結合は、典型的には、相互作用する実体または部分が、分離してまたはより複雑なシステムの文脈で研究される場合(例えば、共有結合的にまたは他の形で担体実体と関連しながら、かつ/または生物学的システムまたは細胞において)を含めた、様々な文脈のいずれかにおいて評価され得る。一部の実施形態において、「結合」とは、免疫グロブリン分子とこの免疫グロブリンが特異的な抗原との間に生じるタイプの非共有結合的な相互作用を指す。免疫学的結合相互作用の強度、または親和性は、相互作用の解離定数(K)の観点で表現することができ、Kが小さいほど親和性が大きいことを表す。選択されたポリペプチドの免疫学的結合特性は、当技術分野で周知の方法を用いて定量化することができる。一つのこのような方法は、抗原結合部位/抗原複合体の形成及び解離の速度を測定することを伴い、このような速度は、複合体パートナーの濃度、相互作用の親和性、及び両方向における速度に等しく影響を及ぼす幾何的パラメータに依存する。したがって、「オン速度定数」(Kon)及び「オフ速度定数」(Koff)の両方は、濃度の計算ならびに会合及び解離の実際の速度によって決定することができる。(Nature 361:186-87(1993)を参照)Koff/Konの比は、親和性に関係しない全てのパラメータの解除を可能にし、また解離定数Kに等しい。(全般的には、Daviesら(1990)Annual Rev Biochem 59:439-473を参照)。
【0152】
結合剤:概して、「結合剤」という用語は、本明細書では、本明細書に記載されるような目的標的に結合する任意の実体を指すように使用される。多くの実施形態において、目的結合剤は、特定の相互作用の文脈で他の潜在的結合パートナーからその標的を識別する点において、標的と特異的に結合する結合剤である。概して、結合剤は、任意の化学クラス(例えば、ポリマー、非ポリマー、小分子、ポリペプチド、炭水化物、脂質、核酸等)の実体であり得るか、またはそれを含み得る。一部の実施形態において、結合剤は、単一の化学的実体である。一部の実施形態において、結合剤は、非共有結合的相互作用により適切な条件下で互いに会合している、二つ以上の別々の化学的実体の複合体である。例えば、当業者であれば、一部の実施形態において、結合剤は、「ジェネリック」結合部分(例えば、ビオチン/アビジン/ストレプトアビジン及び/またはクラス特異的抗体)と、ジェネリック結合部分のパートナーに連結している「特異的」結合部分(例えば、特定の分子標的を有する抗体またはアプタマー)とを含み得ることを理解するであろう。一部の実施形態において、このようなアプローチは、異なる特異的結合部分と同じジェネリック結合部分パートナーとの連結を通じて、複数の結合剤のモジュラーアセンブリーを可能にし得る。一部の実施形態において、結合剤は、ポリペプチド(例えば、抗体または抗体断片を含む)であるか、またはそれを含む。一部の実施形態において、結合剤は、小分子であるか、またはそれを含む。一部の実施形態において、結合剤は、核酸であるか、またはそれを含む。一部の実施形態において、結合剤は、アプタマーである。一部の実施形態において、結合剤はポリマーであり、一部の実施形態において、結合剤はポリマーではない。一部の実施形態において、結合剤は、ポリマー部分が欠如している点において、非ポリマーである。一部の実施形態において、結合剤は、炭水化物であるか、またはそれを含む。一部の実施形態において、結合剤は、レクチンであるか、またはそれを含む。一部の実施形態において、結合剤は、ペプチド模倣体であるか、またはそれを含む。一部の実施形態において、結合剤は、スキャフォールドタンパク質であるか、またはそれを含む。一部の実施形態において、結合剤は、ミメオトープ(mimeotope)であるか、またはそれを含む。一部の実施形態において、結合剤は、核酸(例えば、DNAまたはRNA)であるか、またはそれを含む。
【0153】
がん:「がん」、「悪性腫瘍」、「新生物」、「腫瘍」、及び「がん腫」という用語は、比較的異常な、制御されない、かつ/または自律的な成長を示し、その結果、顕著な細胞増殖制御喪失を特徴とする異常成長表現型を示す細胞を指すように本明細書で使用される。一部の実施形態において、腫瘍は、前がん性(例えば、良性)、悪性、前転移性、転移性、及び/または非転移性である細胞であり得るか、またはそれを含み得る。本開示は、教示が特に適切であり得るある特定のがんを明確に同定する。一部の実施形態において、適切ながんは、固形腫瘍により特徴づけられ得る。一部の実施形態において、適切ながんは、血液腫瘍により特徴づけられ得る。概して、当技術分野で公知の異なるタイプのがんとしては、例えば、白血病を含めた造血性がん、リンパ腫(ホジキン及び非ホジキン)、骨髄腫及び骨髄増殖性障害、肉腫、黒色腫、腺腫、固形組織のがん、口腔、咽喉、咽頭、及び肺の扁平上皮がん、肝臓がん、泌尿生殖器がん、例えば、前立腺、子宮頸部、膀胱、子宮、及び子宮内膜がん、ならびに腎細胞がん、骨がん、膵臓がん、皮膚がん、皮膚及び眼球内黒色腫、内分泌系のがん、甲状腺がん、副甲状腺のがん、頭頸部がん、乳がん、胃腸がん、ならびに神経系がん、乳頭腫のような良性病変などが挙げられる。
【0154】
担体:本明細書で使用する「担体」とは、組成物と共に投与される希釈剤、アジュバント、賦形剤、またはビヒクルを指す。一部の例示的な実施形態において、担体としては、無菌の液体、例えば、水及び油を挙げることができ、油には、石油、動物、野菜、または合成由来の油、例えば、ピーナツ油、大豆油、鉱油、ゴマ油などが含まれる。一部の実施形態において、担体は、一つ以上の固体の構成要素であるか、またはそれを含む。一部の実施形態において、担体は、例えば、水、エタノール、ポリオール(例えば、グリセロール、プロピレングリコール、及び液体ポリエチレングリコールなど)、ならびにこれらの好適な混合物を含有する溶媒または分散媒であり得る。適正な流動性は、例えば、レシチンのようなコーティングの使用により、分散させる場合には必要な粒径の維持により、そして界面活性剤の使用により、維持することができる。微生物作用の予防は、様々な抗菌剤及び抗真菌剤、例えば、パラベン、クロロブタノール、フェノール、アスコルビン酸、チメロサールなどによって達成することができる。多くの場合、組成物中に等張剤、例えば、糖、マンニトール、ソルビトールのようなポリアルコール、塩化ナトリウムを含むのが好ましいと考えられる。注射用組成物の持続的吸収は、組成物中に吸収を遅延させる薬剤、例えば、モノステアリン酸アルミニウム及びゼラチンを含めることによりもたらされ得る。
【0155】
併用療法:本明細書で使用する「併用療法」という用語は、対象が、二つ以上の治療レジメン(例えば、二つ以上の治療剤)に同時に曝露される臨床的介入を指す。一部の実施形態において、二つ以上の治療レジメンは、同時に投与され得る。一部の実施形態において、二つ以上の治療レジメンは、経時的に投与され得る(例えば、第一レジメンを投与してから任意用量の第二レジメンの投与)。一部の実施形態において、二つ以上の治療レジメンは、重複投与レジメンで投与される。一部の実施形態において、併用療法の投与は、他の薬剤またはモダリティーを受ける対象に対する一つ以上の治療剤またはモダリティーの投与を伴い得る。一部の実施形態において、併用療法は、必ずしも、個々の薬剤が単一の組成物で一緒に投与されることを要件としない(また、同時に投与されることすらも要件としない)。一部の実施形態において、併用療法の二つ以上の治療剤またはモダリティーは、別々に、例えば、別々の組成物で、別々の投与経路を介し(例えば、ある薬剤は経口的に、別の薬剤は静脈内に)、かつ/または異なる時点において、対象に投与される。一部の実施形態において、二つ以上の治療剤は、配合組成物で、またはさらに配合化合物で(例えば、単一の化学的複合体または共有結合的実体の一部として)、同じ投与経路を介し、かつ/または同時に、一緒に投与され得る。
【0156】
完全奏効:本明細書で使用する「完全奏効」または「CR」は、全てまたは実質的に全ての標的病変の消失を意味するように使用される。一部の実施形態において、CRとは、ベースラインの直径和を基準として、標的病変の直径和における約80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、99%、または100%の減少(すなわち、病変の喪失)を指す。一部の実施形態において、CRは、処置後に総病変直径の約10%、9%、8%、7%、6%、5%、4%、3%、2%、1%未満またはそれ以下が残存することを示す。完全奏効を評価する例示的な方法は、RECISTガイドラインにより明らかにされている。例えば、E.A.Eisenhauerら、”New response evaluation criteria in solid tumors:Revised RECIST guideline(version 1.1.),”Eur.J.of Cancer,45:228-247(2009)を参照。
【0157】
剤形または単位剤形:当業者であれば、「剤形」という用語が、対象への投与用の活性薬剤(例えば、治療用または診断用の薬剤)における物理的に分かれた単位を指すように使用されてもよいことを理解するであろう。典型的には、このような単位の各々は、所定量の活性薬剤を含有する。一部の実施形態において、このような量は、適切な集団に(すなわち、治療投与レジメンを用いて)投与したときに所望のまたは有益な結果に相関するように決定された投与レジメンに従った投与に妥当な、単位投薬量(または、その全体の画分)である。当業者は、特定の対象に投与される治療組成物または治療剤の総量が、一人以上の主治医により決定され、また複数の剤形の投与を伴い得ることを理解する。
【0158】
投与レジメンまたはレジメン:当業者であれば、「レジメン」という用語が、典型的には時間期間により隔てられて、対象に個別に投与される単位用量のセット(典型的には二つ以上)を指すように使用され得ることを理解するであろう。一部の実施形態において、所与の治療剤は、一つ以上の用量を伴い得る推奨の投与レジメンを有する。一部の実施形態において、投与レジメンは複数の用量を含み、各用量は他の用量から時間で隔てられている。一部の実施形態において、個々の用量は、同じ長さの時間期間により互いに隔てられ、一部の実施形態において、投与レジメンは、複数の用量と、個々の用量を隔てる少なくとも二つの異なる時間期間とを含む。一部の実施形態において、投与レジメン内の全ての用量は、同じ単位用量分量(unit dose amount)である。一部の実施形態において、投与レジメン内の異なる用量は、異なる量である。一部の実施形態において、投与レジメンは、第一用量分量における第一用量と、その後に続く第一用量分量とは異なる第二用量分量における一つ以上の追加的用量とを含む。一部の実施形態において、投与レジメンは、第一用量分量における第一用量と、その後に続く第一用量分量と同じ第二用量分量の一つ以上の追加的用量とを含む。一部の実施形態において、投与レジメンは、適切な集団に投与したときに、所望のまたは有益な結果に相関する(すなわち、治療投与レジメンである)。一部の実施形態において、レジメンは、少なくとも一つの用量を含み、この用量は、一つの単位用量の治療薬剤(例えば、抗TIM-3抗体薬剤)を含む。一部の実施形態において、レジメンは少なくとも一つの用量を含み、この用量は、二つ以上の単位用量の治療薬剤を含む。例えば、500mgの用量は、単回の500mg単位用量として、または二回の250mg単位用量として投与され得る。一部の実施形態において、レジメンは、適切な集団に投与したときに、所望のまたは有益な結果に相関するか、またはそれをもたらす(すなわち、治療レジメンである)。
【0159】
ハザード比:本明細書で使用する「ハザード比」とは、処置アームで生じる事象の危険または見込みを、対照アームで生じる事象の比として表現したものである。ハザード比は、生存データの回帰モデルであるコックスモデルにより決定することができ、コックスモデルにより、ハザード比及びその信頼区間の推定値がもたらされる。ハザード比は、処置群対対照群におけるハザード率の比の推定値である。ハザード率は、問題となる事象が既に生じていない場合に、それが次の時間間隔で生じる可能性であり、その間隔の長さで割ったものである。比例ハザード回帰は、ハザード比が時間にわたり一定であると仮定している。
【0160】
相同性:本明細書で使用する「相同性」という用語は、ポリマー分子間、例えば、核酸分子(例えば、DNA分子及び/もしくはRNA分子)間、ならびに/またはポリペプチド分子間における全体的関連性を指す。一部の実施形態において、ポリマー分子は、配列が少なくとも25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、または99%同一である場合、互いに「相同」であるとみなされる。一部の実施形態において、ポリマー分子は、配列が少なくとも25%、30%、35%、40%、45%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、または99%類似する(例えば、対応する位置に、関連化学特性を有する残基を含有する)場合、互いに「相同」であるとみなされる。例えば、当業者には周知であるように、ある特定のアミノ酸は、典型的には、「疎水性」または「親水性」アミノ酸として、及び/または「極性」または「非極性」の側鎖を有するとして互いに類似のものとして分類される。あるアミノ酸が同じタイプの別のアミノ酸から置換されたものである場合、しばしば「相同的」置換とみなされ得る。
【0161】
当業者には理解されるように、相同性の程度を決定するための配列比較を可能にする様々なアルゴリズムが利用可能であり、これには、異なる配列においてどの残基が互いに「対応」するか検討する際に、ある配列内の別の配列に対する指示された長さのギャップを許容することにより行われるものが含まれる。二つの核酸配列間の相同性パーセントの計算は、例えば、二つの配列を最適な比較目的のためにアラインメントすることにより実施することができる(例えば、最適なアラインメントのために第一及び第二の核酸配列の一方または両方にギャップを導入することができ、また、対応しない配列は、比較目的のために無視することができる)。ある特定の実施形態において、比較目的のためにアラインメントされた配列の長さは、基準配列の長さの少なくとも30%、少なくとも40%、少なくとも50%、少なくとも60%、少なくとも70%、少なくとも80%、少なくとも90%、少なくとも95%、または実質的に100%である。次に、対応するヌクレオチド位置におけるヌクレオチドを比較する。第一の配列内のある位置が、第二の配列内の対応位置と同じヌクレオチドにより占有されている場合、その位置における分子は同一であり、第一の配列内のある位置が、第二の配列内の対応位置と類似するヌクレオチドにより占有されている場合、その位置における分子は類似している。二つの配列間の相同性パーセントは、配列が共有する同一及び同様の位置の数の関数であり、二つの配列の最適なアラインメントのために導入される必要のあるギャップの数及び各ギャップの長さを考慮に入れている。二つのヌクレオチド配列間の相同性パーセントの決定に有用な代表的なアルゴリズム及びコンピュータープログラムとしては、例えば、MeyersおよびMiller(CABIOS,1989,4:11-17)のアルゴリズムが挙げられ、これは、PAM120加重残基表(weight residue table)、ギャップ長ペナルティー12及びギャップペナルティー4を用いてALIGNプログラム(バージョン2.0)に組み込まれている。代替的に、二つのヌクレオチド配列間の相同性パーセントは、NWSgapdna CMPマトリックスを用いたGCGソフトウェアパッケージ内のGAPプログラムを用いて決定することができる。
【0162】
D:本明細書で使用する場合、結合剤(例えば、抗体またはその結合構成要素)における、自らのパートナー(例えば、抗体またはその結合構成要素が結合するエピトープ)との複合体からの解離定数を指す。
【0163】
off:本明細書で使用する場合、結合剤(例えば、抗体またはその結合構成要素)における、自らのパートナー(例えば、抗体またはその結合構成要素が結合するエピトープ)との複合体からの解離についてのオフ速度定数を指す。
【0164】
on:本明細書で使用する場合、結合剤(例えば、抗体またはその結合構成要素)における、自らのパートナー(例えば、抗体またはその結合構成要素が結合するエピトープ)との会合についてのオン速度定数を指す。
【0165】
患者または対象:本明細書で使用する「患者」または「対象」とは、本明細書に記載の示された化合物(一つまたは複数)が、例えば、実験、診断、予防、及び/または治療目的で、本明細書に従って投与される任意の生物を指す。典型的な対象には、動物が含まれる。「動物」という用語は、動物界の任意のメンバーを指す。一部の実施形態において、「動物」とは、任意の発達段階におけるヒトを指す。一部の実施形態において、「動物」とは、任意の発達段階における非ヒト動物を指す。ある特定の実施形態において、非ヒト動物は、哺乳類(例えば、げっ歯類、マウス、ラット、ウサギ、サル、イヌ、ネコ、ヒツジ、ウシ、霊長類、及び/またはブタ)である。一部の実施形態において、動物には、以下に限定されないが、哺乳類、鳥類、爬虫類、両生類、魚類、昆虫、及び/または虫が含まれる。一部の実施形態において、動物は、トランスジェニック動物、遺伝子改変動物、及び/またはクローンであり得る。実施形態において、動物は、マウス、ラット、ウサギ、非ヒト霊長類、及びヒトのような哺乳類、昆虫、虫等である。好ましい実施形態において、対象はヒトである。一部の実施形態において、対象は、疾患、障害、及び/または状態(例えば、がん)を患っているか、またはそれに感受性を有する可能性がある。本明細書で使用する「患者集団」または「対象の集団」とは、複数の患者または対象を指す。
【0166】
部分奏効:本明細書で使用する「部分奏効」(「PR」)という用語は、ベースライン直径和を基準とした標的病変の直径和の減少によって示されるような、対象における腫瘍進行の低下を指す。一部の実施形態において、PRとは、ベースライン直径和を基準として、標的病変の直径和における少なくとも30%の減少を指す。部分奏効を評価する例示的な方法は、RECISTガイドラインにより明らかにされている。例えば、E.A.Eisenhauerら、“New response evaluation criteria in solid tumors:Revised RECIST guideline(version 1.1.),”Eur.J.of Cancer,45:228-247(2009)を参照。
【0167】
薬学的組成物:本明細書で使用する「薬学的組成物」という用語は、活性薬剤(例えば、抗TIM-3抗体薬剤及び/またはPD-1結合剤)が一つ以上の薬学的に許容される担体と一緒に製剤化された組成物を指す。一部の実施形態において、活性薬剤は、適切な集団に投与したときに統計的に有意な所定治療効果の達成可能性を示す治療レジメンでの投与に妥当な単位用量分量で存在する。一部の実施形態において、薬学的組成物は、以下に示す投与向けに適応させたものを含めて、固体または液体の形態での投与向けに特別に製剤化されてもよい:経口投与、例えば、水薬(水性もしくは非水性溶液または懸濁液)、錠剤、例えば、頬側、舌下、及び全身吸収に標的化されたもの、ボーラス、粉末、顆粒、舌への適用向けのペースト;非経口投与、例えば、皮下、筋肉内、静脈内、または硬膜外注射による投与を、例えば、無菌の溶液もしくは懸濁液、または徐放製剤として;局所的適用、例えば、クリーム、軟膏、または徐放パッチもしくはスプレーとして、例えば、皮膚、肺、または口腔に適用;膣内または直腸内、例えば、ペッサリー、クリーム、または泡沫として;舌下、眼球;経皮;あるいは経鼻、肺、及び他の粘膜表面に。一部の好ましい実施形態において、活性薬剤(例えば、抗TIM-3抗体薬剤及び/またはPD-1結合剤)は、非経口投与向けに製剤化される。
【0168】
薬学的に許容される:本明細書で開示されている組成物の製剤化に使用される担体、希釈剤、または賦形剤に対し適用される、本明細書で使用する「薬学的に許容される」という用語は、その担体、希釈剤、または賦形剤が、組成物の他の成分と適合していなければならず、かつ組成物のレシピエントに対し有害であってはならないことを意味する。
【0169】
無憎悪生存期間:本明細書で使用する「無憎悪生存期間」という用語は、疾患(例えば、がん)を有する対象が、疾患状態の顕著な悪化を伴うことなく生存する時間期間を意味する。無憎悪生存期間は、腫瘍成長の進行がない、かつ/または患者の疾患状態が進行性疾患として判定されない時間期間として査定され得る。一部の実施形態において、がんを有する対象の無憎悪生存期間は、腫瘍(病変)サイズ、腫瘍(病変)数、及び/または転移を評価することによって査定される。
【0170】
進行または進行性疾患:がんの状態に関し本明細書で使用する「腫瘍成長」の「進行」または「進行性疾患」(「PD」)という用語は、標的病変(腫瘍)の直径和における増加を示す。一部の実施形態において、腫瘍成長の進行とは、試験上の最小和(ベースライン和が試験上最小である場合、ベースライン和が含まれる)を基準として、標的病変の直径和における少なくとも20%の増加を指す。一部の実施形態において、標的病変の直径和は、20%の相対的増加に加えて、少なくとも5mmの絶対的増加も示さなければならない。一つ以上の新たな病変の外観も、腫瘍成長の進行の判定に考慮され得る。また、無憎悪生存期間の判定を目的とした進行は、以下の判断基準のうちの少なくとも一つを満たすかについても判定され得る。1)CT/MRIによる腫瘍査定が、RECIST 1.1またはirRECIST判定基準に従った進行性疾患を示す;または2)追加的診断検査(例えば、組織診断/細胞診断、超音波技法、内視鏡検査、陽電子放出断層撮影)により、新たな病変が同定されるか、または既存の病変が、明白な進行性疾患、及びGynecologic Cancer Intergroup(GCIG)判断基準(Rustinら、Int J Gynecol Cancer 2011;21:419-423(この全体が参照により本明細書に組み入れられる)を参照)に従うCA-125の進行に適格であると判定される;3)非悪性または医原性の原因と無関係のPDの決定的な臨床徴候及び症状([i]難治性がんに関連する疼痛;[ii]悪性の腸閉塞/機能不全悪化;または[iii]腹水もしくは胸水の明白な症状悪化)ならびにGCIG判断基準に従うCA-125の進行。
【0171】
固形腫瘍:本明細書で使用する「固形腫瘍」という用語は、嚢胞も液体領域も通常は含有しない異常な組織塊を指す。一部の実施形態において、固形腫瘍は良性であり得、一部の実施形態において、固形腫瘍は悪性であり得る。当業者であれば、異なるタイプの固形腫瘍が、典型的には、それを形成する細胞タイプにちなんで名付けられることを理解するであろう。固形腫瘍の例として、がん腫、リンパ腫、及び肉腫がある。一部の実施形態において、固形腫瘍は、副腎、胆管、膀胱、骨、脳、乳房、子宮頸部、結腸、子宮内膜、食道、眼、胆嚢、消化管、腎臓、咽頭、肝臓、肺、鼻腔、上咽頭、口腔、卵巣、陰茎、下垂体、前立腺、網膜、唾液腺、皮膚、小腸、胃、精巣、胸腺、甲状腺、子宮、膣、及び/または外陰部の腫瘍であり得るか、またはそれを含み得る。
【0172】
安定化または安定病態:本明細書で使用する腫瘍成長の「安定化」または「安定病態」(「SD」)とは、PRに適格であるほど十分な縮小でもなく、PDに適格であるほど十分な増加でもないものを指す。一部の実施形態において、安定化とは、ベースラインの直径和を基準として、標的病変の直径和における30%、25%、20%、15%、10%、または5%未満の変化(増加もしくは減少)を指す。腫瘍成長の安定化または安定病態を評価するための例示的な方法は、RECISTガイドラインにより明らかにされている。例えば、E.A.Eisenhauerら、”New response evaluation criteria in solid tumors:Revised RECIST guideline(version 1.1.),”Eur.J.of Cancer,45:228-247(2009)を参照。
【0173】
治療有効量:本明細書で使用する場合、投与対象にとって所望の効果をもたらす量を指す。一部の実施形態において、この用語は、ある疾患、障害、及び/または状態を患うまたはそれに感受性を有する集団に投与される場合に、この疾患、障害、及び/または状態を処置するのに十分である量を指す。一部の実施形態において、治療有効量は、疾患、障害、及び/または状態の一つ以上の症状に対し、その発生率及び/もしくは重症度を低減する量、ならびに/またはその発症を遅延させる量である。当業者であれば、「治療有効量」という用語が、実際には、特定の個体における好結果の処置の達成を要件としないことを理解するであろう。そうではなく、治療有効量は、このような処置を必要とする患者に投与したときに、意義ある数の対象において特定の所望の薬理学的応答をもたらす量と考えられる。一部の実施形態において、治療有効量に対する言及は、一つ以上の特定の組織(例えば、疾患、障害、もしくは状態により冒されている組織)または体液(例えば、血液、唾液、血清、汗、涙液、尿等)において測定されるような量に対する言及であり得る。当業者であれば、一部の実施形態において、治療有効量の特定の薬剤または療法は、単回用量で製剤化及び/または投与され得ることを理解するであろう。一部の実施形態において、治療的に有効な薬剤は、例えば、投与レジメンの一部として、複数の用量で製剤化及び/または投与され得る。
【0174】
処置:本明細書で使用する「処置」(及び「処置する」または「処置すること」)という用語は、特定の疾患、障害、及び/または状態の一つ以上の症状、特徴、及び/または原因を、部分的にまたは完全に軽減する、寛解させる、緩和する、阻害する、その発症を遅延させる、その重症度を低減する、及び/またはその発症率を低減する任意の投与を指す。一部の実施形態において、このような処置は、適切な疾患、障害、及び/もしくは状態の徴候を示さない対象のもの、ならびに/またはその疾患、障害、及び/もしくは状態の早期の徴候のみを示す対象のものであり得る。代替的または追加的に、このような処置は、適切な疾患、障害、及び/または状態の一つ以上の確立した徴候を示す対象のものであり得る。一部の実施形態において、処置は、適切な疾患、障害、及び/または状態を患っていると診断された対象のものであり得る。一部の実施形態において、処置は、適切な疾患、障害、及び/または状態の発生リスクの増加と統計的に相関する一つ以上の感受性因子を有することが知られている対象のものであり得る。
処置の方法(がんの処置の方法を含む)
【0175】
本明細書では、対象における障害(例えば、抗TIM-3療法の投与から利益を受ける障害)を処置する方法が記載されている。例えば、本明細書に記載の抗TIM-3療法は、例えば、単剤療法として、または併用療法において、臨床的利益を達成するのに十分な期間の間、または医師によって決定されるレジメンに従って、投与される(例えば、抗TIM-3療法は、医師によって決定される投薬量及び処置サイクル数で投与される)。
【0176】
実施形態において、本明細書に記載の方法は、対象におけるT細胞活性化またはT細胞エフェクター機能の増加に有用である。
【0177】
実施形態において、本明細書に記載の方法は、対象における免疫応答の誘導に有用である。
【0178】
実施形態において、本明細書に記載の方法は、対象における免疫応答の強化または免疫細胞の活性の増加に有用である。
【0179】
本発明の方法は、任意のタイプの感染性疾患(すなわち、細菌、ウイルス、真菌、または寄生虫によって引き起こされる疾患または障害)の処置に使用され得る。本発明の方法により処置され得る感染性疾患の例としては、以下に限定されないが、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)、呼吸器合胞体ウイルス(RSV)、インフルエンザウイルス、デングウイルス、B型肝炎ウイルス(HBV)、またはC型肝炎ウイルス(HCV)により引き起こされる疾患が挙げられる。本発明の方法が感染性疾患を処置する場合、抗TIM-3抗体薬剤は、少なくとも一つの抗菌剤または少なくとも一つの抗ウイルス剤と組み合わせて投与され得る。この点において、抗菌剤は、当技術分野で公知の任意の好適な抗生物質であり得る。抗ウイルス剤は、特定のウイルスを特異的に標的化する任意の好適なタイプの任意のワクチン(例えば、弱毒生ワクチン、サブユニットワクチン、組換えベクターワクチン、ならびに小分子抗ウイルス療法(例えば、ウイルス複製阻害剤及びヌクレオシドアナログ))であり得る。
【0180】
本発明の方法は、任意のタイプの自己免疫疾患(すなわち、身体が自らの組織を攻撃及び損傷する免疫系の活動過剰によって引き起こされる疾患または障害としての自己免疫疾患)、例えば、MacKay I.R.and Rose N.R.,eds.,The
Autoimmune Diseases,Fifth Edition,Academic Press,Waltham,MA(2014)に記載されている疾患の処置に使用され得る。本発明の方法により処置され得る自己免疫疾患の例としては、以下に限定されないが、多発性骨髄腫、1型糖尿病、関節リウマチ、強皮症、クローン病、乾癬、全身性エリテマトーデス(SLE)、及び潰瘍性大腸炎が挙げられる。本発明の方法が自己免疫疾患を処置する場合、抗TIM-3抗体薬剤は、抗炎症剤(例えば、コルチコステロイド(例えば、プレドニゾン及びフルチカゾン)ならびに非ステロイド系抗炎症薬物(NSAID)(例えば、アスピリン、イブプロフェン、及びナプロキセン)を含む)と組み合わせて使用され得る。
【0181】
実施形態において、本明細書に記載の方法は、T細胞機能不全障害(例えば、がん)の処置に有用である。
【0182】
実施形態において、本明細書に記載の方法は、対象における腫瘍の低減または腫瘍細胞の成長の阻害に有用である。
【0183】
本発明の方法は、当技術分野で公知の任意のタイプのがんの処置に使用され得る。
【0184】
実施形態において、がんは、腺がん、肺の腺がん、急性骨髄性白血病(「AML」)、急性リンパ芽球性白血病(「ALL」)、副腎皮質がん、肛門がん、虫垂がん、B細胞由来白血病、B細胞由来リンパ腫、膀胱がん、脳がん、乳がん(例えば、トリプルネガティブ乳がん(TNBC))、ファロピウス管のがん、精巣のがん、大脳がん、子宮頸がん、絨毛がん、慢性骨髄性白血病、中枢神経系腫瘍、結腸腺がん、結腸がん、結腸直腸がん、びまん性内在性橋膠腫(DIPG)、びまん性大細胞性リンパ腫(「DLBCL」)、胎児性横紋筋肉腫(ERMS)、子宮内膜がん、上皮がん、食道がん、ユーイング肉腫、濾胞性リンパ腫(「FL」)、胆嚢がん、胃がん、胃腸がん、神経膠腫、頭頸部がん、血液がん、肝細胞がん、ホジキンリンパ腫(HL)/原発性縦隔B細胞リンパ腫、腎臓がん、腎明細胞がん、咽頭がん、白血病、肝臓がん、肺がん、リンパ腫、黒色腫、メルケル細胞がん、中皮腫、単球性白血病、多発性骨髄腫、骨髄腫、神経芽細胞由来中枢神経系腫瘍(例えば、神経芽細胞腫(NB))、非ホジキンリンパ腫(NHL)、非小細胞肺がん(NSCLC)、口腔がん、骨肉腫、卵巣がん(ovarian cancer)、卵巣がん(ovarian carcinoma)、膵臓がん、腹膜がん、原発性腹膜がん、前立腺がん、再発性もしくは難治性古典型ホジキンリンパ腫(cHL)、腎細胞がん、直腸がん、唾液腺がん(例えば、唾液腺腫瘍)、肉腫、皮膚がん、小細胞肺がん、小腸がん、肛門生殖器領域の扁平上皮がん(例えば、肛門、陰茎、子宮頸部、膣、もしくは外陰部)、食道の扁平上皮がん、頭頸部の扁平上皮がん(SCHNC)、肺の扁平上皮がん、胃がん、T細胞由来白血病、T細胞由来リンパ腫、胸腺がん、胸腺腫、甲状腺がん、ぶどう膜黒色腫、尿路上皮細胞がん、子宮がん、子宮内膜がん、子宮肉腫、膣がん、外陰がん、またはウィルムス腫瘍である。
【0185】
他の実施形態において、がんは、頭頸部がん、肺がん(例えば、非小細胞肺がん(NSCLC))、腎臓がん、膀胱がん、黒色腫、メルケル細胞がん(例えば、Bhatiaら、Curr.Oncol.BRep.,13(6):488-497(2011)を参照)、子宮頸がん、膣がん、外陰がん、子宮がん、子宮内膜がん、卵巣がん、ファロピウス管がん、乳がん、前立腺がん、口腔腺がん、胸腺腫、副腎皮質がん、食道がん、胃がん、結腸直腸がん、虫垂がん、尿路上皮細胞がん、または扁平上皮がん(例えば、肺;肛門、陰茎、子宮頸部、膣、もしくは外陰部を含めた肛門生殖器領域;または食道の扁平上皮がん)である。一部の実施形態において、本開示の文脈における処置向けのがんは、黒色腫、腎細胞がん、肺がん、膀胱がん、乳がん、子宮頸がん、結腸がん、胆嚢がん、咽頭がん、肝臓がん、甲状腺がん、胃がん、唾液腺がん、前立腺がん、膵臓がん、またはメルケル細胞がんである。
【0186】
実施形態において、がんは、ホジキン病、非ホジキンリンパ腫、多発性骨髄腫、ワルデンシュトレームマクログロブリン血症、重鎖疾患、及び真性多血症のようなリンパ腫である。
【0187】
実施形態において、がんは、扁平上皮がんである。実施形態において、がんは、肺の扁平上皮がんである。実施形態において、がんは、食道の扁平上皮がんである。実施形態において、がんは、肛門生殖器領域(例えば、肛門、陰茎、子宮頸部、膣、または外陰部)の扁平上皮がんである。実施形態において、がんは、頭頸部扁平上皮がん(HNSCC)である。
【0188】
実施形態において、がんは、膀胱がん、乳がん(例えば、トリプルネガティブ乳がん(TNBC))、ファロピウス管のがん、胆管がん、結腸腺がん、子宮内膜がん、食道がん、ユーイング肉腫、胃がん、腎明細胞がん、肺がん(例えば、肺腺がんまたは肺扁平上皮がん)、中皮腫、卵巣がん、膵臓がん、腹膜がん、前立腺がん、子宮内膜がん、またはぶどう膜黒色腫である。実施形態において、がんは、卵巣がん、ファロピウス管のがん、または腹膜がんである。実施形態において、がんは、乳がん(例えば、TNBC)である。実施形態において、がんは、肺がん(例えば、非小細胞肺がん)である。実施形態において、がんは、前立腺がんである。
【0189】
実施形態において、がんは、中枢神経系または脳のがん、例えば、神経芽細胞腫(NB)、神経膠腫、びまん性内在性橋膠腫(DIPG)、毛様細胞性星状細胞腫星細胞腫、未分化星状細胞腫、多形神経膠芽腫、髄芽細胞腫、頭蓋咽頭腫、脳室上皮腫、松果体腫、血管芽細胞腫、聴神経腫、乏突起神経膠腫、髄膜腫、前庭神経鞘腫、腺腫、転移性脳腫瘍、髄膜腫、脊髄腫瘍、または髄芽細胞腫である。実施形態において、がんは、中枢神経系腫瘍である。
【0190】
他の実施形態においてがんは、黒色腫、腎細胞がん、肺がん、膀胱がん、乳がん、子宮頸がん、結腸がん、胆嚢がん、咽頭がん、肝臓がん、甲状腺がん、胃がん、唾液腺がん、前立腺がん、膵臓がん、またはメルケル細胞がんである(例えば、Bhatiaら、Curr.Oncol.Rep.,13(6):488-497(2011)を参照)。
【0191】
一部の実施形態において、患者または患者集団は、血液がんを有する。一部の実施形態において、患者は、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(「DLBCL」)、ホジキンリンパ腫(「HL」)、非ホジキンリンパ腫(「NHL」)、濾胞性リンパ腫(「FL」)、急性骨髄性白血病(「AML」)、急性リンパ芽球性白血病(「ALL」)、または多発性骨髄腫(「MM」)のような血液がんを有する。実施形態において、がんは、血液由来のがん、例えば、急性リンパ芽球性白血病(「ALL」)、急性リンパ芽球性B細胞白血病、急性リンパ芽球性T細胞白血病、急性骨髄芽球性白血病(「AML」)、急性リンパ芽球性白血病(「ALL」)、急性前骨髄球性白血病(「APL」)、急性単芽球性白血病、急性赤白血病性白血病、急性巨核芽球性白血病、急性骨髄単球性白血病、急性非リンパ球性白血病、急性未分化白血病、慢性骨髄球性白血病(「CML」)、慢性リンパ球性白血病(「CLL」)、有毛細胞白血病及び多発性骨髄腫、急性及び慢性白血病、例えば、リンパ芽球性、骨髄性、リンパ球性、及び骨髄球性白血病である。
【0192】
一部の実施形態において、患者または患者集団は、固形腫瘍を有する。実施形態において、がんは、固形腫瘍、例えば、線維肉腫、粘液肉腫、脂肪肉腫、軟骨肉腫、骨肉腫、脊索腫、血管肉腫、内皮肉腫、リンパ管肉腫、リンパ管内皮肉腫、滑膜腫、中皮腫、ユーイング腫瘍、平滑筋肉腫、横紋筋肉腫、骨肉腫、結腸がん、結腸直腸がん、腎臓がん、膵臓がん、骨がん、乳がん、卵巣がん、前立腺がん、食道がん、胃がん、口腔がん、鼻腔がん、咽喉がん、扁平上皮がん、基底細胞がん、腺がん、汗腺がん、皮脂腺がん、乳頭がん、乳頭腺がん、嚢胞腺がん、髄様がん、気管支原性肺がん、腎細胞がん、ヘパトーマ、胆管がん、絨毛がん、セミノーマ、胚性がん腫、ウィルムス腫瘍、子宮頸がん、子宮がん、精巣がん、非小細胞肺がん(NSCLC)、小細胞肺がん、膀胱がん、肺がん、上皮がん、皮膚がん、黒色腫、神経芽細胞腫(NB)、または網膜芽腫である。一部の実施形態において、腫瘍は、進行期の固形腫瘍である。一部の実施形態において、腫瘍は、転移性固形腫瘍である。一部の実施形態において、患者は、MSI-H固形腫瘍を有する。
【0193】
一部の実施形態において、本発明の方法により処置される患者または患者集団は、頭頸部がん、肺がん(例えば、非小細胞肺がん(NSCLC))、腎臓がん、膀胱がん、黒色腫、メルケル細胞がん、子宮頸がん、膣がん、外陰がん、子宮がん、子宮内膜がん、卵巣がん、ファロピウス管がん、乳がん、前立腺がん、口腔腺がん、胸腺腫、副腎皮質がん、食道がん、胃がん、結腸直腸がん、虫垂がん、尿路上皮細胞がん、または扁平上皮がん(例えば、肺;肛門、陰茎、子宮頸部、膣、もしくは外陰部を含めた肛門生殖器領域;または食道の扁平上皮がん)のようながんを有するか、またはこれらに対し感受性を有する。一部の実施形態において、本発明の方法により処置される患者または患者集団は、肺がん(例えば、NSCLC)、腎臓がん、黒色腫、子宮頸がん、結腸直腸がん、または子宮内膜がん(例えば、MSS子宮内膜がんまたはMSI-H子宮内膜がん)を有するか、これらに対し感受性を有する。
【0194】
一部の実施形態において、本発明の方法により処置される患者または患者集団は、非小細胞肺がん(NSCLC)、肝細胞がん、腎臓がん、黒色腫、子宮頸がん、結腸直腸がん、肛門生殖器領域の扁平上皮がん(例えば、肛門、陰茎、子宮頸部、膣、または外陰部の扁平上皮がん)、頭頸部がん、トリプルネガティブ乳がん、卵巣がん、または子宮内膜がんを有するか、またはこれらに対し感受性を有する。一部の実施形態において、患者は、進行期の固形腫瘍、例えば、非小細胞肺がん(NSCLC)、肝細胞がん、腎臓がん、黒色腫、子宮頸がん、結腸直腸がん、肛門生殖器領域の扁平上皮がん(例えば、肛門、陰茎、子宮頸部、膣、または外陰部の扁平上皮がん)、頭頸部がん、トリプルネガティブ乳がん、卵巣がん、または子宮内膜がんを有する。一部の実施形態において、患者は、マイクロサテライト不安定性を有する進行期の固形腫瘍を有する。
【0195】
一部の実施形態において、がんは、婦人科がん(すなわち、女性生殖器系のがん、例えば、卵巣がん、ファロピウス管がん、子宮頸がん、膣がん、外陰がん、子宮がん、または原発性腹膜がん、または乳がん)である。一部の実施形態において、女性生殖器系のがんとしては、以下に限定されないが、卵巣がん、ファロピウス管のがん、腹膜がん、及び乳がんが挙げられる。
【0196】
実施形態において、がんは、卵巣がん(例えば、漿液または明細胞卵巣がん)である。実施形態において、がんは、ファロピウス管がん(例えば、漿液または明細胞ファロピウス管がん)である。実施形態において、がんは、原発性腹膜がん(例えば、漿液または明細胞原発性腹膜がん)である。
【0197】
一部の実施形態において、卵巣がんは、上皮がんである。上皮がんは、卵巣がんの85%または90%を占める。歴史的には卵巣の表面で開始すると考えられていたが、新たなエビデンスからは、少なくとも一部の卵巣がんはファロピウス管の一部分にある特別な細胞内で開始することが示唆されている。ファロピウス管は、女性生殖器系の一部である女性の卵巣につながる小さな導管である。正常な女性生殖器系においては、ファロピウス管は二本存在し、一本ずつ子宮の各側面にある。ファロピウス管内で開始したがん細胞は、早期段階で卵巣の表面に移動し得る。「卵巣がん」という用語は、多くの場合、卵巣において、ファロピウス管において、及び腹膜と呼ばれる腹腔の内層から開始する上皮がんを言い表すために使用される。一部の実施形態において、がんは、生殖細胞腫瘍であるか、またはそれを含む。生殖細胞腫瘍は、卵巣の卵産生細胞内で発生する卵巣がんの一タイプである。一部の実施形態において、がんは、間質性腫瘍であるか、またはそれを含む。間質性腫瘍は、卵巣を一緒に保持する結合組織細胞内で発生し、この結合組織は、エストロゲンと呼ばれる女性ホルモンを作る組織である場合もある。一部の実施形態において、がんは、顆粒膜細胞腫瘍であるか、またはそれを含む。顆粒膜細胞腫は、エストロゲンを分泌し、その結果、診断時に異常な腟出血が生じる場合がある。一部の実施形態において、婦人科がんは、相同組換え修復異常/相同修復異常(「HRD」)及び/またはBRCA1/2変異を伴う。一部の実施形態において、婦人科がんは、白金感受性である。一部の実施形態において、婦人科がんは、白金ベース療法に応答したことがある。一部の実施形態において、婦人科がんは、白金ベース療法に対する耐性を発生したことがある。一部の実施形態において、婦人科がんは、一時、白金ベース療法に対する部分または完全奏効(例えば、最後の白金ベース療法または最後から二番目の白金ベース療法に対する部分または完全奏効)を示したことがある。一部の実施形態において、婦人科がんは、現在、白金ベース療法に対し抵抗性である。
【0198】
実施形態において、がんは、乳がんである。通常、乳がんは、小葉として知られる乳汁産生腺細胞内、または導管内のいずれかで開始する。それより一般的ではないが、乳がんが間質組織内で生じる場合もある。このような組織には、乳房の脂肪及び線維性結合組織が含まれる。時間と共に、乳がん細胞は、転移として知られるプロセスにおいて脇の下のリンパ節または肺のような付近の組織を浸潤し得る。乳がんのステージ、腫瘍のサイズ、及びその成長速度は全て、提案する処置タイプを決定する因子である。処置選択としては、腫瘍を除去する手術、化学療法及びホルモン療法を含む薬物処置、放射線療法、及び免疫療法が挙げられる。予後及び生存期間は広く変動し、五年相対生存率は、生じる乳がんのタイプに応じて98%~23%と様々である。乳がんは、世界において二番目に一般的ながんであり、2012年にはおよそ170万人の新規症例があり、がんによる死因としては五番目に一般的であり、およそ521,000人が死亡している。これらの症例のうち、およそ15%が、エストロゲン受容体もプロゲステロン受容体(PR)もHER2も発現しないトリプルネガティブである。一部の実施形態において、トリプルネガティブ乳がん(TNBC)は、エストロゲン受容体発現陰性(細胞の<1%)、プロゲステロン受容体発現陰性(細胞の<1%)、及びHER2陰性である乳がん細胞によって特徴づけられる。
【0199】
実施形態において、がんは、ER陽性乳がん、ER陰性乳がん、PR陽性乳がん、PR陰性乳がん、HER2陽性乳がん、HER2陰性乳がん、BRCA1/2陽性乳がん、BRCA1/2陰性乳がん、またはトリプルネガティブ乳がん(TNBC)である。実施形態では、がんは、トリプルネガティブ乳がん(TNBC)である。一部の実施形態において、乳がんは、転移性乳がんである。一部の実施形態において、乳がんは、進行した乳がんである。一部の実施形態において、がんは、ステージII、ステージIII、またはステージIVの乳がんである。一部の実施形態において、がんは、ステージIVの乳がんである。一部の実施形態において、乳がんは、トリプルネガティブ乳がんである。
【0200】
一部の実施形態において、本開示の方法により処置される患者または患者集団は、子宮内膜がん(「EC」)を有するか、またはそれに対し感受性を有する。子宮内膜がんは、女性の生殖器官における最も一般的ながんであり、100,000人年当たり10~20例を占める。子宮内膜がん(EC)の年当たりの新規症例数は、世界で約325,000例と推定されている。さらに、ECは、閉経後の女性において最も一般的に生じるがんである。子宮内膜がん症例のうち約53%が先進諸国で生じている。2015年には、およそ55,000例のECが米国で診断されたが、現時点では、ECでの使用向けに承認された標的療法はない。1L及び2L設定において、進行したEC及び再発性ECに対する生存期間を改善する薬剤及びレジメンが必要とされている。米国では、2016年におよそ10,170人がECにより死亡すると予測されている。最も一般的な組織学的形態は類内膜腺がんであり、診断例の約75~80%に相当する。他の組織学的形態としては、子宮乳頭漿液(10%未満)、明細胞4%、粘液性1%、扁平上皮1%未満、及び混合約10%が挙げられる。
【0201】
病原性の観点からは、ECは二つの異なるタイプ、いわゆるI型及びII型に分類される。I型腫瘍は低グレードのエストロゲン関連類内膜がん(EEC)であり、一方II型は非類内膜(NEEC)(主に漿液性及び明細胞)がんである。最近、世界保健機関はECの病理学的分類を改訂し、ECの九つの異なるサブタイプを認識しているが、EEC及び漿液性がん(SC)が症例の大多数を占める。EECは、閉経期前後の患者に生じるエストロゲン関連がんであり、先に前駆的病変(子宮内膜過形成/類内膜上皮内新生物)が発生する。顕微鏡的には、低グレードEEC(EEC 1-2)は、増殖性の子宮内膜にいくらか似ている管状腺を含有し、腺及び篩状パターンが融合した構造的な複雑さを伴う。高グレードEECは、堅実な成長パターンを示す。これに対し、SCは、エストロゲン分泌過多の不在下で閉経後の患者に生じる。顕微鏡においては、SCは、大きな好酸球性細胞質を有する腫瘍細胞、細胞出芽、及び未分化細胞の顕著な層化を伴った厚い線維性または浮腫状の乳頭を示す。EECの大多数が低グレード腫瘍(グレード1及び2)であり、子宮に制限されている場合は良好な予後を伴う。グレード3のEEC(EEC3)はアグレッシブな腫瘍であり、リンパ節転移の発生頻度が高い。SCは非常にアグレッシブであり、エストロゲン刺激とは無関係であり、主に高齢の女性に生じる。EEC3及びSCは、高グレード腫瘍とみなされる。SC及びEEC3は、1988~2001年の監視疫学遠隔成績(SEER)プログラムデータを用いて比較された。それぞれECの10%及び15%となったが、がんによる死亡はそれぞれ39%及び27%を占めた。子宮内膜がんは、以下の四つの分子サブグループに分類することもできる:(1)ウルトラ変異/POLE変異;(2)超変異MSI+(例えば、MSI-HまたはMSI-L);(3)低コピー数/マイクロサテライト安定性(MSS);及び(4)高コピー数/漿液様。およそ症例の28%がMSI高頻度である。(Murali,Lancet Oncol.(2014))。一部の実施形態において、患者は、2L子宮内膜がんのミスマッチ修復不完全サブセットを有する。実施形態において、子宮内膜がんは、転移性子宮内膜がんである。実施形態において、患者は、MSS子宮内膜がんを有する。実施形態において、患者は、MSI-H子宮内膜がんを有する。
【0202】
実施形態において、がんは、肺がんである。実施形態において、肺がんは、肺の扁平上皮がんである。実施形態において、肺がんは、小細胞肺がん(SCLC)である。実施形態において、肺がんは、非小細胞肺がん(NSCLC)(例えば、扁平上皮NSCLC)である。実施形態において、肺がんは、ALK転座肺がん(例えば、ALK転座NSCLC)である。実施形態において、がんは、同定されたALK転座を有するNSCLCである。実施形態において、肺がんは、EGFR変異肺がん(例えば、EGFR変異NSCLC)である。実施形態において、がんは、同定されたEGFR変異を有するNSCLCである。
【0203】
実施形態において、がんは、結腸直腸(CRC)がん(例えば、固形腫瘍)である。実施形態において、結腸直腸がんは、進行した結腸直腸がんである。実施形態において、結腸直腸がんは、転移性結腸直腸がんである。実施形態において、結腸直腸がんは、MSI-H結腸直腸がんである。実施形態において、結腸直腸がんは、MSS結腸直腸がんである。実施形態において、結腸直腸がんは、POLE変異結腸直腸がんである。実施形態において、結腸直腸がんは、POLD変異結腸直腸がんである。実施形態において、結腸直腸がんは、高TMB結腸直腸がんである。
【0204】
実施形態において、がんは、黒色腫である。実施形態において、黒色腫は、進行した黒色腫である。実施形態において、黒色腫は、転移性黒色腫である。実施形態において、黒色腫は、MSI-H黒色腫である。実施形態において、黒色腫は、MSS黒色腫である。実施形態において、黒色腫は、POLE変異黒色腫である。実施形態において、黒色腫は、POLD変異黒色腫である。実施形態において、黒色腫は、高TMB黒色腫である。
【0205】
実施形態において、がんは、進行したがんである。
【0206】
実施形態において、がんは、転移性がんである。
【0207】
実施形態において、がんは、再発性のがん(例えば、再発性の婦人科系がん、例えば、再発性の上皮性卵巣がん、再発性のファロピウス管がん、再発性の原発性腹膜がん、または再発性の子宮内膜がん)である。
【0208】
本明細書に記載の方法を用いて処置され得るがんとしては、高腫瘍遺伝子変異量(TMC)を伴うがん、マイクロサテライト安定性(MSS)のがん、マイクロサテライト不安定性により特徴づけられるがん、高頻度マイクロサテライト不安定性状態(MSI-H)を有するがん、低頻度マイクロサテライト不安定性状態(MSI-L)を有するがん、高TMB及びMSI-Hを伴うがん(例えば、高TMB及びMSI-LまたはMSSを伴うがん)、不完全なDNAミスマッチ修復システムを有するがん、DNAミスマッチ修復遺伝子における異常を有するがん、超変異性がん、相同組換え修復異常/相同修復異常(「HRD」)、ポリメラーゼデルタ(POLD)における変異を含むがん、ならびにポリメラーゼイプシロン(POLE)における変異を含むがんが挙げられる。
【0209】
一部の実施形態において、処置対象の腫瘍は、マイクロサテライト不安定性により特徴づけられる。一部の実施形態において、腫瘍は、マイクロサテライト不安定性高頻度状態(MSI-H)により特徴づけられる。マイクロサテライト不安定性(「MSI」)は、マイクロサテライトのリピート数(DNAの短い反復配列)が、遺伝で受け継がれたDNAに含まれたリピート数と異なる、ある特定の細胞(例えば、腫瘍細胞)のDNAにおける変化であるか、またはそれを含む。散発性の結腸直腸がん(CRC)の約15%が、マイクロサテライト(MS)配列の長さに広範な変更を有し、これはマイクロサテライト不安定性(MSI)として公知である(BolandおよびGoel,2010)。散発性MSI CRC腫瘍は、偽性二倍体核型、比較的高齢の集団及び女性における高い発生頻度、及び比較的良好な予後を含めた固有の臨床病理学的特徴を示す(de la Chapelle and Hampel,2010;Popatら、2005)。また、MSIは、他の腫瘍、例えば、最も一般的な婦人科悪性腫瘍である子宮の内膜がん(EC)にも存在する(Dugganら、1994)。現在、同じ基準ベセスダパネル(元は遺伝性の遺伝子障害(リンチ症候群)をスクリーニングするために開発されたもの(Umarら、2004))が、CRC及びECに対するMSIの試験に適用されている。しかし、CRCゲノム内でMSIに標的化される頻度が高い遺伝子は、ECゲノム内でDNAスリッページ事象を有する場合が少ない(Gurinら、1999)。
【0210】
マイクロサテライト不安定性は、不完全なDNAミスマッチ修復(MMR)システムに起因した複製関連エラー修復の失敗から生じる。この失敗により、ゲノム全体にわたりミスマッチ塩基の残存が可能となるが、特に、マイクロサテライトとして知られる反復的DNAの領域では変異荷重の増加がもたらされる。MSI-Hにより特徴づけられる少なくとも一部の腫瘍が、ある特定の抗PD-1薬剤に対し応答改善を有したことが実証されている(Leら、(2015)N.Engl.J.Med.372(26):2509-2520;Westdorpら(2016)Cancer Immunol.Immunother.65(10):1249-1259)。一部の実施形態において、がんは、高頻度マイクロサテライト不安定性(例えば、MSI-H状態)のマイクロサテライト不安定性を有する。一部の実施形態において、がんは、低頻度マイクロサテライト不安定性(例えば、MSI-低頻度)のマイクロサテライト不安定性状態を有する。一部の実施形態において、がんは、マイクロサテライト安定性(例えば、MSS状態)のマイクロサテライト不安定性状態を有する。一部の実施形態において、マイクロサテライト不安定性状態は、次世代シークエンシング(NGS)ベースアッセイ、免疫組織化学検査(IHC)ベースアッセイ、及びPCRベースアッセイにより評価される。一部の実施形態において、マイクロサテライト不安定性は、NGSにより検出される。一部の実施形態において、マイクロサテライト不安定性は、IHCにより検出される。一部の実施形態において、マイクロサテライト不安定性は、PCRにより検出される。
【0211】
実施形態において、患者は、MSI-Lがんを有する。
【0212】
実施形態において、患者は、MSI-Hがんを有する。一部の実施形態において、患者は、MSI-H固形腫瘍を有する。実施形態において、MSI-Hがんは、MSI-H子宮内膜がんである。実施形態において、MSI-Hがんは、固形腫瘍である。実施形態において、MSI-Hがんは、転移性腫瘍である。実施形態において、MSI-Hがんは、子宮内膜がんである。実施形態において、MSI-Hがんは、非子宮内膜がんである。実施形態において、MSI-Hがんは、結腸直腸がんである。
【0213】
実施形態において、患者は、MSSがんを有する。実施形態において、MSSがんは、MSS子宮内膜がんである。
【0214】
実施形態において、がんは、POLE(DNAポリメラーゼイプシロン)変異を伴う(すなわち、がんは、POLE変異がんである)。実施形態において、POLE変異は、エンドヌクレアーゼドメインにおける変異である。一部の実施形態において、POLE変異は、生殖系列変異である。一部の実施形態において、POLE変異は、散発性変異である。実施形態において、MSIがんも、POLE変異を伴う。実施形態において、MSSがんも、POLE変異を伴う。実施形態において、POLE変異は、シークエンシングを用いて同定される。実施形態において、POLE変異がんは、子宮内膜がんである。実施形態において、POLE変異がんは、結腸がんである。実施形態において、POLE変異がんは、膵臓がん、卵巣がん、または小腸のがんである。
【0215】
実施形態において、がんは、POLD(DNAポリメラーゼデルタ)変異を伴う(すなわち、がんは、POLD変異がんである)。実施形態において、POLD変異は、エンドヌクレアーゼドメインにおける変異である。一部の実施形態において、POLD変異は、体細胞変異である。一部の実施形態において、POLD変異は、生殖系列変異である。実施形態において、POLD変異がんは、シークエンシングを用いて同定される。実施形態において、POLD変異がんは、子宮内膜がんである。実施形態において、POLD変異がんは、結腸直腸がんである。実施形態において、POLD変異がんは、脳がんである。
【0216】
一部の実施形態において、患者は、ミスマッチ修復不完全がんを有する。
【0217】
実施形態において、MMRdがんは、結腸直腸がんである。
【0218】
マイクロサテライト不安定性は、不完全なDNAミスマッチ修復(MMR)システムに起因した複製関連エラー修復の失敗から生じ得る。この失敗により、ゲノム全体にわたりミスマッチ塩基の残存が可能となるが、特に、マイクロサテライトとして知られる反復的DNAの領域では変異荷重の増加がもたらされ、これがある特定の抗PD-1薬剤に対する応答を改善する可能性がある。同上。一部の実施形態において、MSI-H状態は、NGSベースアッセイ及び/またはPCRベースMSIアッセイにより評価される。一部の実施形態において、マイクロサテライト不安定性は、次世代シークエンシングにより検出される。実施形態において、マイクロサテライト不安定性は、免疫組織化学(IHC)試験を用いて検出される。
【0219】
実施形態において、がん(例えば、MMRdがん)は、高い腫瘍遺伝子変異量により特徴づけられる(すなわち、がんは、高TMBがんである)。一部の実施形態において、がんは、高TMB及びMSI-Hを伴う。一部の実施形態において、がんは、高TMB及びMSI-LまたはMSSを伴う。一部の実施形態において、がんは、高TMBを伴う子宮内膜がんである。一部の関連実施形態において、子宮内膜がんは、高TMB及びMSI-Hを伴う。一部の関連実施形態において、子宮内膜がんは、高TMB及びMSI-LまたはMSSを伴う。実施形態において、高TMBがんは、結腸直腸がんである。実施形態において、高TMBがんは、肺がん(例えば、小細胞肺がん(SCLC)または非小細胞肺がん(NSCLC)、例えば、扁平上皮NSCLCまたは非扁平上皮NSCLC)である。実施形態において、高TMBがんは、黒色腫である。実施形態において、高TMBがんは、尿路上皮がんである。
【0220】
実施形態において、患者は、腫瘍浸潤リンパ球(TIL)の高発現を伴うがんを有し、すなわち、患者は高TILがんを有する。実施形態において、高TILがんは、乳がん(例えば、トリプルネガティブ乳がん(TNBC)、またはHER2陽性乳がん)である。実施形態において、高TILがんは、転移性がん(例えば、転移性乳がん)である。
【0221】
実施形態において、免疫関連遺伝子発現シグネチャーは、本明細書に記載されているようながんの抗PD-1療法に対する応答を予測し得る。例えば、IFN-γシグナリングを伴う遺伝子を含む遺伝子パネルは、抗PD-1療法から利益を得られると考えられるがん患者の同定に有用であり得る。例示的な遺伝子パネルは、Ayersら、J.Clin.Invest.,127(8):2930-2940,2017に記載されている。実施形態において、がん患者は、乳がん(TNBC)または卵巣がんであるがんを有する。実施形態において、がん患者は、膀胱がん、胃がん、胆管がん、食道がん、または頭頸部扁平上皮がん(HNSCC)であるがんを有する。実施形態において、がん患者は、肛門がんまたは結腸直腸がんであるがんを有する。
【0222】
一部の実施形態において、患者は、PD-L1を発現する腫瘍を有する。一部の実施形態において、PD-L1状態は、患者または患者集団において評価される。一部の実施形態において、アーカイブまたは新鮮な処置前生検における変異荷重及びベースライン遺伝子発現プロファイルは、抗PD-1薬剤を用いた処置の前、最中、及び/または後に評価される。一部の実施形態において、患者におけるTIM-3及び/またはLAG-3の状態及び/または発現が評価される。
【0223】
一部の実施形態において、患者は、過去に一つ以上の異なるがん処置モダリティーを用いて処置されたことがある。一部の実施形態において、がん患者集団における少なくとも一部の患者は、過去に手術、放射線療法、化学療法、または免疫療法のうちの一つ以上を用いた処置を受けたことがある。一部の実施形態において、がん患者集団における少なくとも一部の患者は、過去に化学療法(例えば、白金ベース化学療法)を用いた処置を受けたことがある。例えば、二ラインのがん処置を受けた患者は、2Lがん患者(例えば、2L NSCLC患者)として識別され得る。実施形態において、患者は、二ライン以上のがん処置を受けたことがある(例えば、2L+がん患者、例えば、2L+子宮内膜がん患者)。実施形態において、患者は、過去に抗PD-1療法を用いて処置されたことがない。実施形態において、患者は、過去に少なくとも一ラインのがん処置を受けたことがある(例えば、患者は、過去に少なくとも一ラインまたは少なくとも二ラインのがん処置を受けたことがある)。実施形態において、患者は、過去に少なくとも一ラインの転移性がんの処置を受けたことがある(例えば、患者は、過去に一ラインまたは二ラインの転移性がんの処置を受けたことがある)。実施形態において、対象は、PD-1を阻害する薬剤を用いた処置に対し抵抗性である。実施形態において、対象は、PD-1を阻害する薬剤を用いた処置に対し難治性である。実施形態において、本明細書に記載の方法は、対象を、PD-1を阻害する薬剤を用いた処置に感作させる。
T細胞免疫グロブリン及びムチンドメイン-3(TIM-3)
【0224】
T細胞及びムチンドメイン-3(TIM-3)タンパク質は、A型肝炎ウイルス細胞受容体2(HAVCR2)の別名でも知られ、マクロファージ活性化を制御し、マウスにおける実験的な自己免疫性脳脊髄炎の重症度を強化する、Th1-特異的細胞表面タンパク質である。TIM-3は、複数の免疫細胞タイプ(例えば、Th1 IFN-γ+細胞、Th17細胞、ナチュラルキラー(NK)細胞、単球、及び腫瘍関連樹状細胞(DC)を含む)の表面上で高度に発現する(例えば、Claytonら、J.Immunol.,192(2):782-791(2014);Jonesら、J.Exp.Med.,205:2763-2779(2008);Monneyら、Nature,415:536-541(2002);Hastingsら、Eur.J.Immunol.,39:2492-2501(2009);Sekiら、Clin.Immunol.,127:78-88(2008);Juら、B.J.Hepatol.,52:322-329(2010);Andersonら、Science,318:1141-1143(2007);Baitschら、PLoS ONE,7:e30852(2012);Ndhlovuら、Blood,119:3734-3743(2012)を参照)。また、TIM-3は、様々な慢性ウイルス感染症(例えば、HIV、HCV、及びHBV)及びある特定のがんにおける「疲弊」または「不良」CD8+ T細胞上にも高度に発現する(例えば、McMahanら、J.Clin.Invest.,120(12):4546-4557(2010);Jinら、Proc Natl Acad Sci USA,107(33):14733-14738(2010);Golden-Masonら、J.Virol.,83(18):9122-9130(2009);Jonesら、上記;Fourcadeら、J.Exp.Med.,207(10):2175-2186(2010);Sakuishiら、J.Exp.Med.,207(10):2187-2194(2010);Zhouら、Blood,117(17):4501-4510(2011);Ngiowら、Cancer Res.,71(10):3540-3551(2011))。
【0225】
TIM-3の推定リガンドとしては、ホスファチジルセリン(Nakayamaら、Blood,113:3821-3830(2009))、ガレクチン-9(Zhuら、Nat.Immunol.,6:1245-1252(2005))、高移動度タンパク質1(HMGB1)(Chibaら、Nature Immunology,13:832-842(2012))、及びがん胎児性抗原細胞接着分子1(CEACAM1)(Huangら、Nature,517(7534):386-90(2015))が挙げられる。
【0226】
TIM-3は、様々な態様の免疫応答を制御するように機能する。TIM-3及びガレクチン-9(Gal-9)の相互作用は細胞死を誘導し、実験モデルにおいてこの相互作用のin vivo遮断が自己免疫を悪化させ忍容性を抑止することから、TIM-3が負の制御分子であることが強く示唆される。T細胞に及ぼす効果とは対照的に、TIM-3-Gal-9相互作用は、 細胞内病原体のマクロファージクリアランス を促進することにより、抗菌効果を示す(例えば、Sakuishiら、Trends in Immunology,32(8):345-349(2011)を参照)。in vivoでのTIM-3の抑制は、実験的な自己免疫性脳脊髄炎の病理学的重症度を強化することが示されている(Monneyら、上記;およびAnderson,A.C.およびAnderson,D.E.,Curr.Opin.Immunol.,18:665-669(2006))。また、諸研究からは、TIM-3-Gal-9経路の制御不全が、多発性硬化症のような慢性自己免疫疾患において役割を果たし得ることも示唆される(AndersonおよびAnderson、上記)。TIM-3は、その固有の結合裂を介してホスファチジルセリンに結合することにより、アポトーシス細胞のクリアランスを促進する(例えば、DeKruyffら、J.Immunol.,184(4):1918-1930(2010)を参照)。
【0227】
TIM-3活性の阻害(例えば、モノクローナル抗体の使用を介した阻害)については、現在、前臨床研究に基づいた腫瘍の免疫療法として調査中である(例えば、Ngiowら、Cancer Res.,71(21):1-5(2011);Guoら、Journal of Translational Medicine,11:215(2013);およびNgiowら、Cancer Res.,71(21):6567-6571(2011))を参照)。
【0228】
本開示は、がんの治療のための特定の抗体薬剤及びそれに関する方法を提供する。
抗TIM-3抗体薬剤
【0229】
本開示は、がんを処置する方法であって、特定の抗TIM-3抗体薬剤を送達する組成物を、臨床的利益を達成し得るレジメンに従って投与することを含む、方法を提供する。本開示は、少なくとも部分的には、抗TIM-3抗体薬剤及び様々な組成物ならびにそれに関する方法を記載する。
【0230】
一部の実施形態において、抗TIM-3抗体薬剤は、配列番号1または配列番号7を含むアミノ酸配列を有する免疫グロブリン重鎖可変ドメインを含む。
配列番号1
EVQLLESGGGLVQPGGSLRLSCAAASGFTFSSYDMSWVRQAPGKGLDWVSTISGGGTYTYYQDSVKGRFTISRDNSKNTLYLQMNSLRAEDTAVYYCASMDYWGQGTTVTVSSA
配列番号7
EVQLLESGGGLVQPGGSLRLSCAAASGFTFSSYDMSWVRQAPGKGLDWVSTISGGGTYTYYQDSVKGRFTISRDNSKNTLYLQMNSLRAEDTAVYYCASMDYWGQGTTVTVSS
【0231】
一部の実施形態において、抗TIM-3抗体薬剤は、配列番号2または配列番号8を含むアミノ酸配列を有する免疫グロブリン軽鎖可変ドメインを含む。
配列番号2
DIQMTQSPSSLSASVGDRVTITCRASQSIRRYLNWYHQKPGKAPKLLIYGASTLQSGVPSRFSGSGSGTDFTLTISSLQPEDFAVYYCQQSHSAPLTFGGGTKVEIKR
配列番号8
DIQMTQSPSSLSASVGDRVTITCRASQSIRRYLNWYHQKPGKAPKLLIYGASTLQSGVPSRFSGSGSGTDFTLTISSLQPEDFAVYYCQQSHSAPLTFGGGTKVEIK
【0232】
一部の実施形態において、抗TIM-3抗体薬剤は、配列番号1もしくは配列番号7を含むアミノ酸配列を有する免疫グロブリン重鎖可変ドメイン、及び/または配列番号2もしくは配列番号8を含むアミノ酸配列を有する免疫グロブリン軽鎖可変ドメインを含む。
【0233】
一部の実施形態において、抗TIM-3抗体薬剤は、可変重鎖相補性決定領域1、2、及び/または3(VH-CDR)を含み、これらはそれぞれ、アミノ酸配列GFTFSSYDMS(配列番号21)、TISGGGTYTYYQDSVK(配列番号22)、及び/またはMDY(配列番号23)を含む。一部の実施形態において、抗TIM-3抗体薬剤は、可変軽鎖相補性決定領域1、2、及び/または3(VH-CDR)を含み、これらはそれぞれ、アミノ酸配列RASQSIRRYLN(配列番号24)、GASTLQS(配列番号25)、及び/またはQQSHSAPLT(配列番号26)を含む。一部の実施形態において、抗TIM-3抗体薬剤は、配列番号21、22、及び23のVH-CDR配列、ならびに配列番号24、25、及び26のVL-CDR配列を含む。表1を参照。
【表1】
【0234】
一部の実施形態において、抗TIM-3抗体薬剤は、モノクローナル抗体である。本発明の特定の抗体は、高親和性でTIM-3に結合し、TIM-3活性を有効に無効化する。特定の抗体重鎖ポリペプチド(配列番号3)及び軽鎖ポリペプチド(配列番号4)配列が明示的に提供される。
抗TIM-3抗体重鎖ポリペプチド(配列番号3)
EVQLLESGGGLVQPGGSLRLSCAAASGFTFSSYDMSWVRQAPGKGLDWVSTISGGGTYTYYQDSVKGRFTISRDNSKNTLYLQMNSLRAEDTAVYYCASMDYWGQGTTVTVSSASTKGPSVFPLAPCSRSTSESTAALGCLVKDYFPEPVTVSWNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVPSSSLGTKTYTCNVDHKPSNTKVDKRVESKYGPPCPPCPAPEFLGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSQEDPEVQFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQFNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKGLPSSIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSQEEMTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSRLTVDKSRWQEGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSLGK抗TIM-3抗体軽鎖ポリペプチド(配列番号4)
DIQMTQSPSSLSASVGDRVTITCRASQSIRRYLNWYHQKPGKAPKLLIYGASTLQSGVPSRFSGSGSGTDFTLTISSLQPEDFAVYYCQQSHSAPLTFGGGTKVEIKRTVAAPSVFIFPPSDEQLKSGTASVVCLLNNFYPREAKVQWKVDNALQSGNSQESVTEQDSKDSTYSLSSTLTLSKADYEKHKVYACEVTHQGLSSPVTKSFNRGEC
【0235】
本開示は、配列番号3に記載のアミノ酸配列を有する、単離された免疫グロブリン重鎖ポリペプチドを提供する。さらに、本開示は、配列番号3に記載のアミノ酸配列に対し、少なくとも約80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の全体的な同一性を共有するアミノ酸配列を有する免疫グロブリン重鎖ポリペプチドを提供する。一部の実施形態において、配列番号3に記載の配列に対する配列の違いは、CDR内にはない。一部の実施形態において、単離された免疫グロブリン重鎖ポリペプチドは、配列番号3の三つのCDR全てを含む。一部の実施形態において、免疫グロブリン重鎖ポリペプチドは、シグナルペプチドを含む。一部の実施形態において、シグナルペプチドを含む免疫グロブリン重鎖ポリペプチドは、配列番号5に記載のアミノ酸配列を有する。
シグナル配列を有する抗TIM-3抗体重鎖ポリペプチド(配列番号5)
MEFGLSWLFLVAILKGVQCEVQLLESGGGLVQPGGSLRLSCAAASGFTFSSYDMSWVRQAPGKGLDWVSTISGGGTYTYYQDSVKGRFTISRDNSKNTLYLQMNSLRAEDTAVYYCASMDYWGQGTTVTVSSASTKGPSVFPLAPCSRSTSESTAALGCLVKDYFPEPVTVSWNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVPSSSLGTKTYTCNVDHKPSNTKVDKRVESKYGPPCPPCPAPEFLGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSQEDPEVQFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQFNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKGLPSSIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSQEEMTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSRLTVDKSRWQEGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSLGK
【0236】
一部の実施形態において、提供される免疫グロブリン重鎖ポリペプチドは、IgG4ポリペプチドであるか、またはそれを含む。一部の実施形態において、提供される免疫グロブリン重鎖ポリペプチドは、ヒトIGHG4*01ポリペプチドを含む。一部の実施形態において、提供される免疫グロブリン重鎖ポリペプチドは、IgG重鎖領域内に一つ以上の変異を含む。一部の実施形態において、提供される免疫グロブリン重鎖ポリペプチドは、重鎖定常領域に一つ以上の変異を有するIgG4重鎖定常領域を含む。一部の実施形態において、提供される免疫グロブリン重鎖ポリペプチドは、ヒンジ領域に一つ以上の変異を有するIgG4重鎖定常領域を含む。一部の実施形態において、IgG4ヒンジ領域における変異は、他のIgG4分子との半分子交換(half molecule exchange)を予防し得ることが想定されている。一部の実施形態において、IgG4のヒンジ領域における一つ以上の変異は、他のIgG4分子との半分子交換を予防するセリンからプロリンへの安定化変異を含み得る。一部の実施形態において、IgG4のヒンジ領域における一つ以上の変異は、S228P変異を含み得る。例えば、J.Biol.Chem.2015;290(9):5462-5469を参照。
【0237】
本開示は、配列番号4に記載のアミノ酸配列を有する、単離された免疫グロブリン軽鎖ポリペプチドを提供する。さらに、本開示は、配列番号4に記載のアミノ酸配列に対し、少なくとも約80%、85%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の全体的な同一性を共有するアミノ酸配列を有する免疫グロブリン軽鎖ポリペプチドを提供する。一部の実施形態において、配列番号4に記載の配列に対する配列の違いは、CDR内にはない。一部の実施形態において、単離された免疫グロブリン軽鎖ポリペプチドは、配列番号4の三つのCDR全てを含む。一部の実施形態において、提供される免疫グロブリン軽鎖ポリペプチドは、カッパ軽鎖である。一部の実施形態において、提供される免疫グロブリン軽鎖ポリペプチドは、ヒトIGKC*01ポリペプチドを含む。一部の実施形態において、免疫グロブリン軽鎖ポリペプチドは、シグナルペプチドを含む。一部の実施形態において、シグナルペプチドを含む免疫グロブリン軽鎖ポリペプチドは、配列番号6に記載のアミノ酸配列を有する。
シグナル配列を有する抗TIM-3抗体軽鎖ポリペプチド(配列番号6)
MDMRVPAQLLGLLLLWLRGARCDIQMTQSPSSLSASVGDRVTITCRASQSIRRYLNWYHQKPGKAPKLLIYGASTLQSGVPSRFSGSGSGTDFTLTISSLQPEDFAVYYCQQSHSAPLTFGGGTKVEIKRTVAAPSVFIFPPSDEQLKSGTASVVCLLNNFYPREAKVQWKVDNALQSGNSQESVTEQDSKDSTYSLSSTLTLSKADYEKHKVYACEVTHQGLSSPVTKSFNRGEC
【0238】
一部の実施形態において、本開示は、配列番号3に記載のアミノ酸配列を有する少なくとも一つの免疫グロブリン重鎖と、配列番号4に記載のアミノ酸配列を有する少なくとも一つの免疫グロブリン軽鎖とを含む、抗TIM-3抗体薬剤を提供する。一部の実施形態において、抗TIM-3抗体薬剤は、各々が配列番号3に記載のアミノ酸配列を有する二つの免疫グロブリン重鎖を含む。代替的または追加的に、一部の実施形態において、抗TIM-3抗体薬剤は、各々が配列番号4に記載のアミノ酸配列を有する二つの免疫グロブリン軽鎖を含む。一部の実施形態において、抗TIM-3抗体薬剤は、カノニカル抗体形式を有する。
【0239】
一部の実施形態において、提供される重鎖、軽鎖、及び/または抗体薬剤は、グリコシル化され、一つ以上の部位である。一部の実施形態において、グリカンは、Fc領域にN-連結している。一部の実施形態において、抗体薬剤は、Asn297(Kabatナンバリング)にてグリコシル化されている。一部の実施形態において、本開示は、本明細書に記載されているような一つ以上のグリコフォームの重鎖、軽鎖、及び/または抗体薬剤を含む組成物を提供する。一部の実施形態において、提供される組成物は、指定された絶対的及び/または相対的量で存在する、複数のこのようなグリコフォームを含む。一部の実施形態において、本開示は、本明細書に記載されているような一つ以上の特定のグリコフォームの重鎖、軽鎖、及び/または抗体薬剤を実質的に含まない可能性のある組成物を提供する。
【0240】
実施形態において、TIM-3結合剤は、TSR-022である抗TIM-3抗体であり、TSR-022は、配列番号3を含むアミノ酸配列を有する重鎖と、配列番号4を含むアミノ酸配列を有する軽鎖とを含む、ヒト化モノクローナル抗TIM-3抗体を含む。この抗TIM-3抗体は、ヒトIGHG4*01重鎖遺伝子及びヒトIGKC*01軽鎖遺伝子をスキャフォールドとして利用する。さらに、シグナル配列を含む配列番号5の残基240に対応する、IgG4重鎖のヒンジ領域内のカノニカルなS228位にて、一つのSerからProの点変異が存在する。理論に拘泥されることは望まないが、この点変異が抗体重鎖のヒンジを安定化するように働くことが想定されている。
【0241】
この例示的なモノクローナル抗TIM-3抗体におけるさらなる生物物理学的及び生化学的特徴づけは、観察されるジスルフィド連結及びグリコシル化に関しても提供される。Lys-C及びトリプシン消化ペプチドを十分に分離し、オンラインLC-MS解析により検出した。ジスルフィド結合の連結は、非還元(NR)条件と還元条件との総イオンクロマトグラムの比較により確認された。ジスルフィド連結は、IgG4分子における予測ジスルフィド連結パターンと一致している。予測された鎖間及び鎖内のジスルフィド連結に関与する残基を、表として下記にまとめた(表2、3、及び4)。
【表2】

【表3】

【表4】
【0242】
この例示的な抗TIM-3抗体は、成熟タンパク質配列(配列番号1)における各重鎖のCH2ドメイン内のアスパラギン残基290にて、占有されたN-グリコシル化部位を示す。この部位における発現N-グリコシル化は、典型的には哺乳類細胞培養物中で発現したIgG上で観察されるオリゴ糖種の混合物であり、例えば、下記に示すのは、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞内で培養したこの例示的な抗TIM-3抗体の調製物からのグリカン種の相対的存在量である(表5)。
【表5】

PD-1結合剤
【0243】
本開示は、がんを処置する方法であって、特定のプログラム死タンパク質1(PD-1)結合剤を送達する組成物を、臨床的利益を達成し得るレジメンに従って投与することをさらに含む、方法を提供する。本開示は、少なくとも部分的には、PD-1結合剤(例えば、抗PD-1抗体薬剤)及び様々な組成物ならびにそれに関する方法を記載する。一部の実施形態において、PD-1結合剤は、モノクローナル抗体である。
【0244】
一部の実施形態において、PD-1結合剤は、配列番号11または配列番号17を含むアミノ酸配列を有する免疫グロブリン重鎖可変ドメインを含む。
配列番号11
EVQLLESGGGLVQPGGSLRLSCAASGFTFSSYDMSWVRQAPGKGLEWVSTISGGGSYTYYQDSVKGRFTISRDNSKNTLYLQMNSLRAEDTAVYYCASPYYAMDYWGQGTTVTVSSA
配列番号17
EVQLLESGGGLVQPGGSLRLSCAASGFTFSSYDMSWVRQAPGKGLEWVSTISGGGSYTYYQDSVKGRFTISRDNSKNTLYLQMNSLRAEDTAVYYCASPYYAMDYWGQGTTVTVSS
【0245】
一部の実施形態において、PD-1結合剤は、配列番号12または配列番号18を含むアミノ酸配列を有する免疫グロブリン軽鎖可変ドメインを含む。
配列番号12
DIQLTQSPSFLSAYVGDRVTITCKASQDVGTAVAWYQQKPGKAPKLLIYWASTLHTGVPSRFSGSGSGTEFTLTISSLQPEDFATYYCQHYSSYPWTFGQGTKLEIKR
配列番号18
DIQLTQSPSFLSAYVGDRVTITCKASQDVGTAVAWYQQKPGKAPKLLIYWASTLHTGVPSRFSGSGSGTEFTLTISSLQPEDFATYYCQHYSSYPWTFGQGTKLEIK
【0246】
一部の実施形態において、PD-1結合剤は、配列番号11または配列番号17を含むアミノ酸配列を有する免疫グロブリン重鎖可変ドメイン、及び/または配列番号12もしくは配列番号18を含むアミノ酸配列を有する免疫グロブリン軽鎖可変ドメインを含む。一部の実施形態において、PD-1結合剤は、免疫グロブリンG4(IgG4)ヒト化モノクローナル抗体(mAb)であるか、またはそれを含む。一部の実施形態において、PD-1結合剤は、ヒトIGHG4*01ポリペプチドを含む。一部の実施形態において、PD-1結合剤は、IgG重鎖領域内に一つ以上の変異を含む。一部の実施形態において、PD-1結合剤は、重鎖定常領域に一つ以上の変異を有するIgG4重鎖定常領域を含む。一部の実施形態において、PD-1結合剤は、ヒンジ領域に一つ以上の変異を有するIgG4重鎖定常領域を含む。一部の実施形態において、IgG4ヒンジ領域における変異は、他のIgG4分子との半分子交換(half molecule exchange)を予防し得ることが想定されている。一部の実施形態において、IgG4のヒンジ領域における一つ以上の変異は、他のIgG4分子との半分子交換を予防するセリンからプロリンへの安定化変異を含み得る。一部の実施形態において、IgG4のヒンジ領域における一つ以上の変異は、S228P変異を含み得る。例えば、J.Biol.Chem.2015;290(9):5462-5469を参照。
【0247】
一部の実施形態において、PD-1結合剤は、配列番号13を含むアミノ酸配列を有する免疫グロブリン重鎖ポリペプチドを含む。
配列番号13-抗PD-1抗体重鎖ポリペプチド(CDR配列
EVQLLESGGGLVQPGGSLRLSCAASGFTFSSYDMSWVRQAPGKGLEWVSTISGGGSYTYYQDSVKGRFTISRDNSKNTLYLQMNSLRAEDTAVYYCASPYYAMDYWGQGTTVTVSSASTKGPSVFPLAPCSRSTSESTAALGCLVKDYFPEPVTVSWNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVPSSSLGTKTYTCNVDHKPSNTKVDKRVESKYGPPCPPCPAPEFLGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSQEDPEVQFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQFNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKGLPSSIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSQEEMTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSRLTVDKSRWQEGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSLGK
【0248】
一部の実施形態において、PD-1結合剤は、配列番号14を含むアミノ酸配列を有する免疫グロブリン軽鎖ポリペプチドを含む。
配列番号14-抗PD-1抗体軽鎖ポリペプチド(CDR配列
DIQLTQSPSFLSAYVGDRVTITCKASQDVGTAVAWYQQKPGKAPKLLIYWASTLHTGVPSRFSGSGSGTEFTLTISSLQPEDFATYYCQHYSSYPWTFGQGTKLEIKRTVAAPSVFIFPPSDEQLKSGTASVVCLLNNFYPREAKVQWKVDNALQSGNSQESVTEQDSKDSTYSLSSTLTLSKADYEKHKVYACEVTHQGLSSPVTKSFNRGEC
【0249】
本開示は、配列番号13に記載のアミノ酸配列を有する、単離された免疫グロブリン重鎖ポリペプチドを提供する。さらに、本開示は、配列番号13に記載のアミノ酸配列に対し、少なくとも約90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の全体的な同一性を共有するアミノ酸配列を有する免疫グロブリン重鎖ポリペプチドを提供する。一部の実施形態において、配列番号13に記載の配列に対する配列の違いは、CDR内にはない。一部の実施形態において、単離された免疫グロブリン重鎖ポリペプチドは、配列番号13の三つのCDR全てを含む。一部の実施形態において、免疫グロブリン重鎖ポリペプチドは、シグナルペプチドを含む。一部の実施形態において、シグナルペプチドを含む免疫グロブリン重鎖ポリペプチドは、配列番号15に記載のアミノ酸配列を有する。
シグナル配列を有する抗PD-1抗体重鎖ポリペプチド(配列番号15)
MEFGLSWLFLVAILKGVQCEVQLLESGGGLVQPGGSLRLSCAASGFTFSSYDMSWVRQAPGKGLEWVSTISGGGSYTYYQDSVKGRFTISRDNSKNTLYLQMNSLRAEDTAVYYCASPYYAMDYWGQGTTVTVSSASTKGPSVFPLAPCSRSTSESTAALGCLVKDYFPEPVTVSWNSGALTSGVHTFPAVLQSSGLYSLSSVVTVPSSSLGTKTYTCNVDHKPSNTKVDKRVESKYGPPCPPCPAPEFLGGPSVFLFPPKPKDTLMISRTPEVTCVVVDVSQEDPEVQFNWYVDGVEVHNAKTKPREEQFNSTYRVVSVLTVLHQDWLNGKEYKCKVSNKGLPSSIEKTISKAKGQPREPQVYTLPPSQEEMTKNQVSLTCLVKGFYPSDIAVEWESNGQPENNYKTTPPVLDSDGSFFLYSRLTVDKSRWQEGNVFSCSVMHEALHNHYTQKSLSLSLGK
【0250】
本開示は、配列番号14に記載のアミノ酸配列を有する、単離された免疫グロブリン軽鎖ポリペプチドを提供する。さらに、本開示は、配列番号14に記載のアミノ酸配列に対し、少なくとも約90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の全体的な同一性を共有するアミノ酸配列を有する免疫グロブリン軽鎖ポリペプチドを提供する。一部の実施形態において、配列番号14に記載の配列に対する配列の違いは、CDR内にはない。一部の実施形態において、単離された免疫グロブリン軽鎖ポリペプチドは、配列番号14の三つのCDR全てを含む。一部の実施形態において、提供される免疫グロブリン軽鎖ポリペプチドは、カッパ軽鎖である。一部の実施形態において、提供される免疫グロブリン軽鎖ポリペプチドは、ヒトIGKC*01ポリペプチドを含む。一部の実施形態において、免疫グロブリン軽鎖ポリペプチドは、シグナルペプチドを含む。一部の実施形態において、シグナルペプチドを含む免疫グロブリン軽鎖ポリペプチドは、配列番号16に記載のアミノ酸配列を有する。
シグナル配列を有する抗PD-1抗体軽鎖ポリペプチド(配列番号16)
MDMRVPAQLLGLLLLWLPGARCDIQLTQSPSFLSAYVGDRVTITCKASQDVGTAVAWYQQKPGKAPKLLIYWASTLHTGVPSRFSGSGSGTEFTLTISSLQPEDFATYYCQHYSSYPWTFGQGTKLEIKRTVAAPSVFIFPPSDEQLKSGTASVVCLLNNFYPREAKVQWKVDNALQSGNSQESVTEQDSKDSTYSLSSTLTLSKADYEKHKVYACEVTHQGLSSPVTKSFNRGEC
【0251】
配列番号13及び14は、ヒトIGHG4*01重鎖遺伝子及びヒトIGKC*01軽鎖遺伝子をスキャフォールドとして利用する例示的なヒト化モノクローナル抗PD-1抗体(TSR-042)を記載する。IgG4重鎖のヒンジ領域内に一つのSerからProの点変異が存在する。この変異は、カノニカルS228位置にある。理論に拘泥されることは望まないが、この点変異が抗体重鎖のヒンジを安定化するように働くことが想定されている。
【0252】
本明細書では、この例示的なヒト化モノクローナル抗PD-1抗体のさらなる生物物理学的及び生化学的特徴づけが提供され、これは、IgG4分子における予測ジスルフィド連結パターンと一致している。予測された鎖間及び鎖内のジスルフィド連結に関与する残基を、表として下記にまとめた(表6及び7)。
【表6】

【表7】
【0253】
この例示的な抗PD-1抗体は、成熟タンパク質配列(配列番号13)における各重鎖のCH2ドメイン内のアスパラギン残基293にて、占有されたN-グリコシル化部位を示す。この部位における発現N-グリコシル化は、典型的には哺乳類細胞培養物中で発現したIgG上で観察されるオリゴ糖種の混合物であり、例えば、下記に示すのは、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞内で培養したこの例示的な抗PD-1抗体の調製物からのグリカン種の相対的存在量である(表8)。
【表8】
【0254】
一部の実施形態において、本開示は、配列番号13に記載のアミノ酸配列を有する少なくとも一つの免疫グロブリン重鎖と、配列番号14に記載のアミノ酸配列を有する少なくとも一つの免疫グロブリン軽鎖とを含む、抗PD-1抗体薬剤を提供する。一部の実施形態において、抗PD-1抗体薬剤は、各々が配列番号13に記載のアミノ酸配列を有する二つの免疫グロブリン重鎖を含む。代替的または追加的に、一部の実施形態において、抗PD-1抗体薬剤は、各々が配列番号14に記載のアミノ酸配列を有する二つの免疫グロブリン軽鎖を含む。一部の実施形態において、抗PD-1抗体薬剤は、カノニカル抗体形式を有する。
【0255】
一部の実施形態において、提供される重鎖、軽鎖、及び/または抗体薬剤は、一つ以上のジスルフィド結合を含む構造を有する。一部の実施形態において、一つ以上のジスルフィド結合は、IgG4免疫グロブリンにおける予測位置にあるジスルフィド結合であるか、またはそれを含む。
【0256】
一部の実施形態において、PD-1結合剤は、グリコシル化され、一つ以上の部位である。本明細書で使用する「グリカン」とは、糖タンパク質の糖ポリマー(部分)構成要素である。「グリカン」という用語は、遊離グリカンを包含し、これには糖タンパク質から切断されたか、または別の方法で放出されたグリカンが含まれる。一部の実施形態において、本開示は、本明細書に記載されているような一つ以上のグリコフォームの重鎖、軽鎖、及び/または抗体薬剤を含む組成物を提供する。一部の実施形態において、グリカンは、Fc領域にN-連結している。一部の実施形態において、PD-1結合剤は、Asn297(Kabatナンバリング)にてグリコシル化されている。
【0257】
本明細書で使用する「グリコフォーム」という用語は、特定の形態の糖タンパク質を指す。すなわち、糖タンパク質が、異なるグリカンまたはグリカンのセットと連結する潜在可能性を有する特定のポリペプチドを含む場合、それぞれの異なるバージョンの糖タンパク質(すなわち、そのポリペプチドが特定のグリカンまたはグリカンのセットと連結する場合)は、「グリコフォーム」と呼ばれる。一部の実施形態において、提供される組成物は、本明細書に記載されているような重鎖、軽鎖、及び/または抗体薬剤のうちの一つ以上における複数のグリコフォームを含む。
【0258】
一部の実施形態において、PD-1/PD-L1またはPD-L2相互作用のブロックにおけるPD-1結合剤のアンタゴニスト活性は、マウスIgG1融合タンパク質として発現した標識PD-L1及びPD-L2(PD-L1 mFcまたはPD-L2 mFc)とPD-1発現細胞との結合を測定したフローサイトメトリーを用いて確認または決定することができる。一部の実施形態において、PD-1結合剤は、IgG4アイソタイプ対照に比べて、PD-1/PD-L1及びPD-1/PD-L2結合を効率的にブロックすることができる。
【0259】
一部の実施形態において、PD-1結合剤は、PD-1活性を有効に無効化することができる(例えば、PD-1とPD-L1及びPD-L2との結合を阻害することができる)。一部の実施形態において、PD-1結合剤の機能的アンタゴニスト活性は、PD-1結合剤の添加時のインターロイキン(IL)-2産生強化を実証する混合リンパ球反応(MLR)で確認または決定することができる。一部の実施形態において、MLRアッセイは、初代ヒトCD4+ T細胞を応答物質として、ヒト樹状細胞を刺激物質として用いて実行することができる。
発現及び製剤化
【0260】
一部の実施形態において、抗TIM-3抗体薬剤及び/またはPD-1結合剤は、一つ以上の核酸配列を含むベクターから発現される。
【0261】
一部の実施形態において、抗TIM-3抗体薬剤は、配列番号9を含むヌクレオチド配列によりコードされる免疫グロブリン重鎖ポリペプチドを含む。
抗TIM-3抗体重鎖ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列(配列番号9)
GAG GTG CAG CTG TTG GAG TCT GGG GGA GGC TTG GTA CAG CCT GGG GGG TCC CTG AGA CTC TCC TGT GCA GCA GCC TCT GGA TTC ACT TTC AGT AGC TAT GAC ATG TCT TGG GTC CGC CAG GCT CCA GGG AAG GGG CTG GAC TGG GTC TCA ACC ATT AGT GGT GGT GGT ACT TAC ACC TAC TAT CAA GAC AGT GTG AAG GGG CGG TTC ACC ATC TCC AGA GAC AAT TCC AAG AAC ACG CTG TAT CTG CAA ATG AAC AGC CTG AGA GCC GAG GAC ACG GCC GTA TAT TAC TGT GCG TCC ATG GAC TAC TGG GGG CAA GGG ACC ACG GTC ACC GTC TCC TCA GCA TCC ACC AAG GGC CCA TCG GTC TTC CCG CTA GCA CCC TGC TCC AGG AGC ACC TCC GAG AGC ACA GCC GCC CTG GGC TGC CTG GTC AAG GAC TAC TTC CCC GAA CCA GTG ACG GTG TCG TGG AAC TCA GGC GCC CTG ACC AGC GGC GTG CAC ACC TTC CCG GCT GTC CTA CAG TCC TCA GGA CTC TAC TCC CTC AGC AGC GTG GTG ACC GTG CCC TCC AGC AGC TTG GGC ACG AAG ACC TAC ACC TGC AAC GTA GAT CAC AAG CCC AGC AAC ACC AAG GTG GAC AAG AGA GTT GAG TCC AAA TAT GGT CCC CCA TGC CCA CCA TGC CCA GCA CCT GAG TTC CTG GGG GGA CCA TCA GTC TTC CTG TTC CCC CCA AAA CCC AAG GAC ACT CTC ATG ATC TCC CGG ACC CCT GAG GTC ACG TGC GTG GTG GTG GAC GTG AGC CAG GAA GAC CCC GAG GTC CAG TTC AAC TGG TAC GTG GAT GGC GTG GAG GTG CAT AAT GCC AAG ACA AAG CCG CGG GAG GAG CAG TTC AAC AGC ACG TAC CGT GTG GTC AGC GTC CTC ACC GTC CTG CAC CAG GAC TGG CTG AAC GGC AAG GAG TAC AAG TGC AAG GTC TCC AAC AAA GGC CTC CCG TCC TCC ATC GAG AAA ACC ATC TCC AAA GCC AAA GGG CAG CCC CGA GAG CCA CAG GTG TAC ACC CTG CCC CCA TCC CAG GAG GAG ATG ACC AAG AAC CAG GTC AGC CTG ACC TGC CTG GTC AAA GGC TTC TAC CCC AGC GAC ATC GCC GTG GAG TGG GAG AGC AAT GGG CAG CCG GAG AAC AAC TAC AAG ACC ACG CCT CCC GTG CTG GAC TCC GAC GGC TCC TTC TTC CTC TAC AGC AGG CTA ACC GTG GAC AAG AGC AGG TGG CAG GAG GGG AAT GTC TTC TCA TGC TCC GTG ATG CAT GAG GCT CTG CAC AAC CAC TAC ACA CAG AAG AGC CTC TCC CTG TCT CTG GGT AAA
【0262】
一部の実施形態において、抗TIM-3抗体薬剤は、配列番号10を含むヌクレオチド配列によりコードされる免疫グロブリン軽鎖ポリペプチドを含む。
抗TIM-3抗体軽鎖ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列(配列番号10)
GAC ATC CAG ATG ACC CAG TCT CCA TCC TCC CTG TCT GCA TCT GTA GGA GAC AGA GTC ACC ATC ACT TGC CGG GCA AGT CAG AGC ATT AGG AGG TAT TTA AAT TGG TAT CAC CAG AAA CCA GGG AAA GCC CCT AAG CTC CTG ATC TAT GGT GCA TCC ACC TTG CAA AGT GGG GTC CCA TCA AGG TTC AGT GGT AGT GGA TCT GGG ACA GAT TTC ACT CTC ACC ATC AGC AGT CTG CAA CCT GAA GAT TTT GCA GTG TAT TAC TGT CAA CAG AGT CAC AGT GCC CCC CTC ACT TTC GGC GGA GGG ACC AAG GTG GAG ATC AAA CGA ACT GTG GCT GCA CCA TCT GTC TTC ATC TTC CCG CCA TCT GAT GAG CAA TTG AAA TCT GGA ACT GCC TCT GTT GTG TGC CTG CTG AAT AAC TTC TAT CCC AGA GAG GCC AAA GTA CAG TGG AAG GTG GAT AAC GCC CTC CAA TCG GGT AAC TCC CAG GAG AGT GTC ACA GAG CAG GAC AGC AAG GAC AGC ACC TAC AGC CTC AGC AGC ACC CTG ACG CTG AGC AAA GCA GAC TAC GAG AAA CAC AAA GTC TAC GCC TGC GAA GTC ACC CAT CAG GGC CTC AGC TCG CCC GTC ACA AAG AGC TTC AAC AGG GGA GAG TGT
【0263】
一部の実施形態において、PD-1結合剤は、配列番号19を含むヌクレオチド配列によりコードされる免疫グロブリン重鎖ポリペプチドを含む。
配列番号19-PD-1結合剤の免疫グロブリン重鎖ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列
GAG GTG CAG CTG TTG GAG TCT GGG GGA GGC TTG GTA CAG CCT GGG GGG TCC CTG AGA CTC TCC TGT GCA GCC TCT GGA TTC ACT TTC AGT AGC TAT GAC ATG TCT TGG GTC CGC CAG GCT CCA GGG AAG GGG CTG GAG TGG GTC TCA ACC ATT AGT GGT GGT GGT AGT TAC ACC TAC TAT CAA GAC AGT GTG AAG GGG CGG TTC ACC ATC TCC AGA GAC AAT TCC AAG AAC ACG CTG TAT CTG CAA ATG AAC AGC CTG AGA GCC GAG GAC ACG GCC GTA TAT TAC TGT GCG TCC CCT TAC TAT GCT ATG GAC TAC TGG GGG CAA GGG ACC ACG GTC ACC GTC TCC TCA GCA TCC ACC AAG GGC CCA TCG GTC TTC CCG CTA GCA CCC TGC TCC AGG AGC ACC TCC GAG AGC ACA GCC GCC CTG GGC TGC CTG GTC AAG GAC TAC TTC CCC GAA CCA GTG ACG GTG TCG TGG AAC TCA GGC GCC CTG ACC AGC GGC GTG CAC ACC TTC CCG GCT GTC CTA CAG TCC TCA GGA CTC TAC TCC CTC AGC AGC GTG GTG ACC GTG CCC TCC AGC AGC TTG GGC ACG AAG ACC TAC ACC TGC AAC GTA GAT CAC AAG CCC AGC AAC ACC AAG GTG GAC AAG AGA GTT GAG TCC AAA TAT GGT CCC CCA TGC CCA CCA TGC CCA GCA CCT GAG TTC CTG GGG GGA CCA TCA GTC TTC CTG TTC CCC CCA AAA CCC AAG GAC ACT CTC ATG ATC TCC CGG ACC CCT GAG GTC ACG TGC GTG GTG GTG GAC GTG AGC CAG GAA GAC CCC GAG GTC CAG TTC AAC TGG TAC GTG GAT GGC GTG GAG GTG CAT AAT GCC AAG ACA AAG CCG CGG GAG GAG CAG TTC AAC AGC ACG TAC CGT GTG GTC AGC GTC CTC ACC GTC CTG CAC CAG GAC TGG CTG AAC GGC AAG GAG TAC AAG TGC AAG GTC TCC AAC AAA GGC CTC CCG TCC TCC ATC GAG AAA ACC ATC TCC AAA GCC AAA GGG CAG CCC CGA GAG CCA CAG GTG TAC ACC CTG CCC CCA TCC CAG GAG GAG ATG ACC AAG AAC CAG GTC AGC CTG ACC TGC CTG GTC AAA GGC TTC TAC CCC AGC GAC ATC GCC GTG GAG TGG GAG AGC AAT GGG CAG CCG GAG AAC AAC TAC AAG ACC ACG CCT CCC GTG CTG GAC TCC GAC GGC TCC TTC TTC CTC TAC AGC AGG CTA ACC GTG GAC AAG AGC AGG TGG CAG GAG GGG AAT GTC TTC TCA TGC TCC GTG ATG CAT GAG GCT CTG CAC AAC CAC TAC ACA CAG AAG AGC CTC TCC CTG TCT CTG GGT AAA
【0264】
一部の実施形態において、PD-1結合剤は、配列番号20を含むヌクレオチド配列によりコードされる免疫グロブリン軽鎖ポリペプチドを含む。
配列番号20-PD-1結合剤の免疫グロブリン軽鎖ポリペプチドをコードするヌクレオチド配列
GAC ATC CAG TTG ACC CAG TCT CCA TCC TTC CTG TCT GCA TAT GTA GGA GAC AGA GTC ACC ATC ACT TGC AAG GCC AGT CAG GAT GTG GGT ACT GCT GTA GCC TGG TAT CAG CAA AAA CCA GGG AAA GCC CCT AAG CTC CTG ATC TAT TGG GCA TCC ACC CTG CAC ACT GGG GTC CCA TCA AGG TTC AGC GGC AGT GGA TCT GGG ACA GAA TTC ACT CTC ACA ATC AGC AGC CTG CAG CCT GAA GAT TTT GCA ACT TAT TAC TGT CAG CAT TAT AGC AGC TAT CCG TGG ACG TTT GGC CAG GGG ACC AAG CTG GAG ATC AAA CGG ACT GTG GCT GCA CCA TCT GTC TTC ATC TTC CCG CCA TCT GAT GAG CAA TTG AAA TCT GGA ACT GCC TCT GTT GTG TGC CTG CTG AAT AAC TTC TAT CCC AGA GAG GCC AAA GTA CAG TGG AAG GTG GAT AAC GCC CTC CAA TCG GGT AAC TCC CAG GAG AGT GTC ACA GAG CAG GAC AGC AAG GAC AGC ACC TAC AGC CTC AGC AGC ACC CTG ACG CTG AGC AAA GCA GAC TAC GAG AAA CAC AAA GTC TAC GCC TGC GAA GTC ACC CAT CAG GGC CTC AGC TCG CCC GTC ACA AAG AGC TTC AAC AGG GGA GAG TGT
【0265】
一部の実施形態において、抗TIM-3抗体薬剤及び/またはPD-1結合剤は、免疫グロブリン重鎖可変ドメインポリペプチド及び/または免疫グロブリン軽鎖可変ドメインポリペプチドをコードする一つ以上の核酸配列を含むベクターから発現される。一部の実施形態において、抗TIM-3抗体薬剤及び/またはPD-1結合剤は、免疫グロブリン重鎖ポリペプチド及び/または免疫グロブリン軽鎖ポリペプチドをコードする一つ以上の核酸配列を含むベクターから発現される。ベクターは、例えば、プラスミド、エピソーム、コスミド、ウイルスベクター(例えば、レトロウイルスもしくはアデノウイルスの)、またはファージであり得る。好適なベクター及びベクター調製の方法は、当技術分野で周知されている(例えば、Sambrookら、Molecular Cloning,a
Laboratory Manual,3rd edition,Cold Spring Harbor Press,Cold Spring Harbor,N.Y.(2001)、及びAusubelら、Current Protocols in Molecular Biology,Greene Publishing Associates and John Wiley & Sons,New York,N.Y.(1994)を参照)。
【0266】
一部の実施形態において、抗TIM-3抗体薬剤及び/またはPD-1結合剤の発現用のベクターは、宿主細胞内でのコード配列の発現をもたらす発現制御配列、例えば、プロモーター、エンハンサー、ポリアデニル化シグナル、転写終結因子、配列内リボソーム進入部位(IRES)などをさらに含む。例示的な発現制御配列は当技術分野において公知であり、例えば、Goeddel,Gene Expression Technology:Methods in Enzymology,Vol.185,Academic Press,San Diego,Calif.(1990)に記載されている。
【0267】
本開示の抗TIM-3抗体薬剤及び/またはPD-1結合剤をコードする核酸を含むベクターは、当該核酸によりコードされるポリペプチドを発現可能な宿主細胞に導入することができ、このような細胞には、任意の好適な原核細胞または真核細胞が含まれる。一部の好ましい質の宿主細胞は、容易かつ信頼できる成長、合理的に速い成長速度、十分に特性決定された発現システムを有すること、及び/または容易/効率的な形質転換またはトランスフェクションを含む。
【0268】
一部の実施形態において、哺乳類細胞が利用される。複数の好適な哺乳類宿主細胞が当技術分野において公知であり、多くのものがAmerican Type Culture Collection(ATCC,Manassas,VA)から入手可能である。好適な哺乳類細胞の例としては、以下に限定されないが、チャイニーズハムスター卵巣細胞(CHO)(ATCC No.CCL61)、CHO DHFR細胞(Urlaubら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA,97:4216-4220(1980))、ヒト胎児由来腎臓(HEK)293または293T細胞(ATCC No.CRL1573)、及び3T3細胞(ATCC No.CCL92)が挙げられる。他の好適な哺乳類細胞株は、サルCOS-1(ATCC No.CRL1650)及びCOS-7細胞株(ATCC No.CRL1651)、ならびにCV-1細胞株(ATCC No.CCL70)である。
【0269】
さらなる例示的な哺乳類宿主細胞としては、霊長類細胞株及びげっ歯類細胞株(形質転換細胞株を含む)が挙げられる。通常の二倍体細胞、初代組織のin vitro培養物に由来する細胞株、及び初代外植片も好適である。他の好適な哺乳類細胞株としては、以下に限定されないが、マウス神経芽細胞腫N2A細胞、HeLa、マウスL-929細胞、及びBHKまたはHaKハムスター細胞株が挙げられ、これらの全てはATCCから入手可能である。好適な哺乳類宿主細胞を選択するための方法ならびに細胞の形質転換、培養、増幅、スクリーニング、及び精製の方法は、当技術分野において公知である。
【0270】
一部の実施形態において、哺乳類細胞は、ヒト細胞である。例えば、哺乳類細胞は、ヒトのリンパ系またはリンパ系由来細胞株、例えば、前Bリンパ球起源の細胞株であり得る。ヒトリンパ系細胞株の例としては、以下に限定されないが、RAMOS(CRL-1596)、Daudi(CCL-213)、EB-3(CCL-85)、DT40(CRL-2111)、18-81(Jackら、Proc.Natl.Acad.Sci.USA,85:1581-1585(1988))、Raji細胞(CCL-86)、及びこれらの派生物が挙げられる。
【0271】
一部の実施形態において、抗TIM-3抗体薬剤は、モノクローナル抗体またはその抗原結合部分のうちのひとつまたは組合せを含有する薬学的組成物として製剤化され、薬学的に許容される担体と共に製剤化される。抗TIM-3抗体薬剤は、単体で製剤化されても、他の薬物と組み合わせて(例えば、アジュバントとして)製剤化されてもよい。例えば、抗TIM-3抗体薬剤は、本明細書で開示されている疾患(例えば、がん)の処置または予防のために他の薬剤と組み合わせて投与されてもよい。
【0272】
治療組成物は、典型的には、製造及び保管の条件下で無菌かつ安定していなければならない。組成物は、溶液、マイクロエマルジョン、リポソーム、または高薬物濃度に適した規則構造として製剤化され得る。担体は、例えば、水、エタノール、ポリオール(例えば、グリセロール、プロピレングリコール、及び液体ポリエチレングリコールなど)、ならびにこれらの好適な混合物を含有する溶媒または分散媒であり得る。適正な流動性は、例えば、レシチンのようなコーティングの使用により、分散させる場合には必要な粒径の維持により、そして界面活性剤の使用により、維持することができる。多くの場合、組成物中に等張剤、例えば、糖、マンニトール、ソルビトールのようなポリアルコール、または塩化ナトリウムを含むのが好ましいと考えられる。注射用組成物の持続的吸収は、組成物中に吸収を遅延させる薬剤、例えば、モノステアリン酸塩及びゼラチンを含めることによりもたらされ得る。
【0273】
無菌注射溶液は、必要量の活性化合物を、必要に応じて上に挙げた成分のうちのひとつまたは組合せと共に適切な溶媒中に組み込み、次に滅菌精密濾過することによって調製され得る。概して、分散液は、活性化合物を、基本分散媒と上に挙げた他の成分のうち必要な成分とを含有する無菌ビヒクルに組み込むことによって調製される。無菌粉末を容易にするのは無菌注射溶液調製であり、好ましい調製方法は真空乾燥及び冷凍乾燥(凍結乾燥)であり、これらを用いることで事前に滅菌濾過した溶液から活性成分及び任意の追加的な所望成分を含む粉末がもたらされる。
【0274】
一部の実施形態において、治療組成物は、無菌液体として製剤化される。一部の実施形態において、組成物は、可視の粒子を含まない。一部の実施形態において、組成物は緩衝液で製剤化される。一部の実施形態において、抗TIM-3抗体薬剤は、2~8℃にて保管される。一部の実施形態において、本開示の薬物製品は、保存料を含まない。
一般プロトコル
【0275】
本明細書に記載のように、提供される方法は、抗TIM-3抗体薬剤を患者、対象、または対象集団に(例えば、臨床的利益を達成するレジメンに従って)投与することを含む。
【0276】
提供される方法は、様々な利益(例えば、臨床的利益)をもたらし得る。実施形態において、本明細書に記載の方法は、臨床的利益を達成する。実施形態において、臨床的利益は、安定病態(SD)である。実施形態において、臨床的利益は、部分奏効(PR)である。実施形態において、臨床的利益は、完全奏効(CR)である。
【0277】
実施形態において、併用療法は、患者に投与される各療法における臨床的利益を達成する。例えば、対象がPD-1を阻害する薬剤を用いた処置に対し抵抗性である場合もあれば、対象がPD-1を阻害する薬剤を用いた処置に対し難治性である場合もある。実施形態において、本明細書に記載の方法は、対象を、PD-1を阻害する薬剤を用いた処置に感作させる。そのため、実施形態において、TIM-3阻害剤(例えば、本明細書に記載の抗TIM-3抗体)及びPD-1阻害剤(例えば、本明細書に記載の任意の抗PD-1抗体)の投与を含む併用療法の利益は、PD-1阻害剤(例えば、本明細書に記載の任意の抗PD-1抗体)による臨床的利益を達成すること、または臨床的利益を向上させることである。
【0278】
実施形態において、患者または対象は、動物である。実施形態において、患者または対象は、ヒトである。
【0279】
実施形態において、抗TIM-3抗体薬剤の投与は、非経口投与である。実施形態において、非経口投与は、静脈内投与である。実施形態において、静脈内投与は、静脈内注入である。
【0280】
一部の実施形態において、レジメンは、少なくとも一つの非経口用量の抗TIM-3抗体薬剤を含む。一部の実施形態において、レジメンは、複数の非経口用量を含む。
【0281】
一部の実施形態において、非経口用量は、抗TIM-3抗体薬剤の用量であり、約5~約5000mgの範囲内(例えば、約5mg、約10mg、約50mg、約100mg、約500mg、約600mg、約700mg、約800mg、約900mg、約1000mg、約1100mg、約1200mg、約1300mg、約1400mg、約1500mg、約2000mg、約3000mg、約4000mg、約5000mg、または前述の値の任意の二つにより規定される範囲)である。一部の実施形態において、抗TIM-3抗体薬剤の非経口用量は、500mgまたは1000mgである。一部の実施形態において、抗TIM-3抗体薬剤の非経口用量は、約100mg、約300mg、または約1200mgである。
【0282】
一部の実施形態において、用量は、体重に対する量である。一部の実施形態において、抗TIM-3抗体薬剤の非経口用量は、約0.01mg/kg~100mg/kg動物またはヒト体重の範囲内であるが、この例示的範囲を下回るまたは上回る用量も本発明の範囲内である。用量(例えば、一日当たりの非経口用量)は、約0.01mg/kg~約50mg/kg総体重(例えば、約0.1mg/kg、約0.5mg/kg、約1mg/kg、約2mg/kg、約3mg/kg、約4mg/kg、約5mg/kg、約6mg/kg、約7mg/kg、約8mg/kg、約9mg/kg、約10mg/kg、約12mg/kg、約15mg/kg、約20mg/kg、または前述の値の任意の二つにより規定される範囲)であり得る。
【0283】
一部の実施形態において、抗TIM-3抗体薬剤を送達する組成物は、0.1、1、3、または10mg/kgの用量にて患者に投与される。一部の実施形態において、抗TIM-3抗体薬剤を送達する組成物は、2週間に一回の0.1、1、3、または10mg/kgの用量を含むレジメンに従って投与される。一部の実施形態において、抗TIM-3抗体薬剤を送達する組成物は、3週間に一回の0.1、1、3、または10mg/kgの用量を含むレジメンに従って投与される。一部の実施形態において、抗TIM-3抗体薬剤を送達する組成物は、4週間に一回の0.1、1、3、または10mg/kgの用量を含むレジメンに従って投与される。
【0284】
一部の実施形態において、抗TIM-3抗体薬剤を送達する組成物は、約100~約500mg(例えば、200~500mg)の用量にて患者に投与される。一部の実施形態において、抗TIM-3抗体薬剤を送達する組成物は、2週間に一回の約100~約500mg(例えば、200mg、300mg、400mg、500mg)の用量を含むレジメンに従って投与される。一部の実施形態において、抗TIM-3抗体薬剤を送達する組成物は、3週間に一回の約100~約500mg(例えば、200mg、300mg、400mg、500mg)の用量を含むレジメンに従って投与される。一部の実施形態において、抗TIM-3抗体薬剤を送達する組成物は、4週間に一回の約100~約500mg(例えば、200mg、300mg、400mg、500mg)の用量を含むレジメンに従って投与される。
【0285】
一部の実施形態において、抗TIM-3抗体薬剤を送達する組成物は、約800~約1500mg(例えば、800mg、900mg、1000mg、1100mg、1200mg、1300mg、1400mg、1500mg)の用量にて患者に投与される。一部の実施形態において、抗TIM-3抗体薬剤を送達する組成物は、4週間に一回の約800~約1500mg(例えば、800mg、900mg、1000mg、1100mg、1200mg、1300mg、1400mg、1500mg)の用量を含むレジメンに従って投与される。一部の実施形態において、抗TIM-3抗体薬剤を送達する組成物は、6週間に一回の約800~約1500mg(例えば、800mg、900mg、1000mg、1100mg、1200mg、1300mg、1400mg、1500mg)の用量を含むレジメンに従って投与される。一部の実施形態において、抗TIM-3抗体薬剤を送達する組成物は、8週間に一回の約800~約1500mg(例えば、800mg、900mg、1000mg、1100mg、1200mg、1300mg、1400mg、1500mg)の用量を含むレジメンに従って投与される。
【0286】
実施形態において、用量(例えば、治療有効用量、抗TIM-3抗体薬剤を送達する組成物により投与される用量、または非経口用量)は、約1mg/kgのTIM-3阻害剤(例えば、抗TIM-3抗体薬剤)である。実施形態において、用量の投与(例えば、静脈内注入のような静脈内投与)は、2週間に一回(Q2W)である。実施形態において、用量の投与(例えば、静脈内注入のような静脈内投与)は、3週間に一回(Q3W)である。実施形態において、用量の投与(例えば、静脈内注入のような静脈内投与)は、4週間に一回(Q4W)である。実施形態において、用量の投与(例えば、静脈内注入のような静脈内投与)は、5週間に一回(Q5W)である。実施形態において、用量の投与(例えば、静脈内注入のような静脈内投与)は、6週間に一回(Q6W)である。実施形態において、TIM-3阻害剤(例えば、抗TIM-3抗体薬剤)の投与は、静脈内である。実施形態において、TIM-3阻害剤(例えば、抗TIM-3抗体薬剤)は、静脈内注入である。実施形態において、TIM-3阻害剤(例えば、抗TIM-3抗体薬剤)の投与は、単剤療法向けである。実施形態において、TIM-3阻害剤(例えば、抗TIM-3抗体薬剤)の投与は、併用療法(例えば、免疫チェックポイント阻害剤(例えば、TSR-042のような抗PD-1抗体)との組合せ)向けである。実施形態において、TIM-3阻害剤は、抗TIM-3抗体薬剤である。実施形態において、抗TIM-3抗体薬剤は、TSR-022である。実施形態において、抗TIM-3抗体薬剤は、配列番号3に対し少なくとも約90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の全体的な同一性を有するアミノ酸配列を含む免疫グロブリン重鎖と、配列番号4に対し少なくとも約90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の全体的な同一性を有するアミノ酸配列を含む免疫グロブリン軽鎖とを含む。
【0287】
実施形態において、用量(例えば、治療有効用量、抗TIM-3抗体薬剤を送達する組成物により投与される用量、または非経口用量)は、約3mg/kgのTIM-3阻害剤(例えば、抗TIM-3抗体薬剤)である。実施形態において、用量の投与(例えば、静脈内注入のような静脈内投与)は、2週間に一回(Q2W)である。実施形態において、用量の投与(例えば、静脈内注入のような静脈内投与)は、3週間に一回(Q3W)である。実施形態において、用量の投与(例えば、静脈内注入のような静脈内投与)は、4週間に一回(Q4W)である。実施形態において、用量の投与(例えば、静脈内注入のような静脈内投与)は、5週間に一回(Q5W)である。実施形態において、用量の投与(例えば、静脈内注入のような静脈内投与)は、6週間に一回(Q6W)である。実施形態において、TIM-3阻害剤(例えば、抗TIM-3抗体薬剤)の投与は、静脈内である。実施形態において、TIM-3阻害剤(例えば、抗TIM-3抗体薬剤)は、静脈内注入である。実施形態において、TIM-3阻害剤(例えば、抗TIM-3抗体薬剤)の投与は、単剤療法向けである。実施形態において、TIM-3阻害剤(例えば、抗TIM-3抗体薬剤)の投与は、併用療法(例えば、免疫チェックポイント阻害剤(例えば、TSR-042のような抗PD-1抗体)との組合せ)向けである。実施形態において、TIM-3阻害剤は、抗TIM-3抗体薬剤である。実施形態において、TIM-3阻害剤は、TSR-022である。実施形態において、抗TIM-3抗体薬剤は、配列番号3に対し少なくとも約90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の全体的な同一性を有するアミノ酸配列を含む免疫グロブリン重鎖と、配列番号4に対し少なくとも約90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の全体的な同一性を有するアミノ酸配列を含む免疫グロブリン軽鎖とを含む。
【0288】
実施形態において、用量(例えば、治療有効用量、抗TIM-3抗体薬剤を送達する組成物により投与される用量、または非経口用量)は、約10mg/kgのTIM-3阻害剤(例えば、抗TIM-3抗体薬剤)である。実施形態において、用量の投与(例えば、静脈内注入のような静脈内投与)は、2週間に一回(Q2W)である。実施形態において、用量の投与(例えば、静脈内注入のような静脈内投与)は、3週間に一回(Q3W)である。実施形態において、用量の投与(例えば、静脈内注入のような静脈内投与)は、4週間に一回(Q4W)である。実施形態において、用量の投与(例えば、静脈内注入のような静脈内投与)は、5週間に一回(Q5W)である。実施形態において、用量の投与(例えば、静脈内注入のような静脈内投与)は、6週間に一回(Q6W)である。実施形態において、TIM-3阻害剤(例えば、抗TIM-3抗体薬剤)の投与は、静脈内である。実施形態において、TIM-3阻害剤(例えば、抗TIM-3抗体薬剤)は、静脈内注入である。実施形態において、TIM-3阻害剤(例えば、抗TIM-3抗体薬剤)の投与は、単剤療法向けである。実施形態において、TIM-3阻害剤(例えば、抗TIM-3抗体薬剤)の投与は、併用療法(例えば、免疫チェックポイント阻害剤(例えば、TSR-042のような抗PD-1抗体)との組合せ)向けである。実施形態において、TIM-3阻害剤は、抗TIM-3抗体薬剤である。実施形態において、TIM-3阻害剤は、TSR-022である。実施形態において、抗TIM-3抗体薬剤は、配列番号3に対し少なくとも約90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の全体的な同一性を有するアミノ酸配列を含む免疫グロブリン重鎖と、配列番号4に対し少なくとも約90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の全体的な同一性を有するアミノ酸配列を含む免疫グロブリン軽鎖とを含む。
【0289】
実施形態において、用量(例えば、治療有効用量、抗TIM-3抗体薬剤を送達する組成物により投与される用量、または非経口用量)は、約100~1500mgのTIM-3阻害剤(例えば、抗TIM-3抗体薬剤)である。実施形態において、用量の投与(例えば、静脈内注入のような静脈内投与)は、1週間に一回(Q1W)である。実施形態において、用量の投与(例えば、静脈内注入のような静脈内投与)は、2週間に一回(Q2W)である。実施形態において、用量の投与(例えば、静脈内注入のような静脈内投与)は、3週間に一回(Q3W)である。実施形態において、用量の投与(例えば、静脈内注入のような静脈内投与)は、4週間に一回(Q4W)である。実施形態において、用量の投与(例えば、静脈内注入のような静脈内投与)は、5週間に一回(Q5W)である。実施形態において、用量の投与(例えば、静脈内注入のような静脈内投与)は、6週間に一回(Q6W)である。実施形態において、TIM-3阻害剤(例えば、抗TIM-3抗体薬剤)の投与は、静脈内である。実施形態において、TIM-3阻害剤(例えば、抗TIM-3抗体薬剤)は、静脈内注入である。実施形態において、TIM-3阻害剤(例えば、抗TIM-3抗体薬剤)の投与は、単剤療法向けである。実施形態において、TIM-3阻害剤(例えば、抗TIM-3抗体薬剤)の投与は、併用療法(例えば、免疫チェックポイント阻害剤(例えば、TSR-042のような抗PD-1抗体)との組合せ)向けである。実施形態において、TIM-3阻害剤は、抗TIM-3抗体薬剤である。実施形態において、TIM-3阻害剤は、TSR-022である。実施形態において、抗TIM-3抗体薬剤は、配列番号3に対し少なくとも約90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の全体的な同一性を有するアミノ酸配列を含む免疫グロブリン重鎖と、配列番号4に対し少なくとも約90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の全体的な同一性を有するアミノ酸配列を含む免疫グロブリン軽鎖とを含む。
【0290】
実施形態において、用量(例えば、治療有効用量、抗TIM-3抗体薬剤を送達する組成物により投与される用量、または非経口用量)は、約100mgのTIM-3阻害剤(例えば、抗TIM-3抗体薬剤)である。実施形態において、用量の投与(例えば、静脈内注入のような静脈内投与)は、2週間に一回(Q2W)である。実施形態において、用量の投与(例えば、静脈内注入のような静脈内投与)は、3週間に一回(Q3W)である。実施形態において、用量の投与(例えば、静脈内注入のような静脈内投与)は、4週間に一回(Q4W)である。実施形態において、用量の投与(例えば、静脈内注入のような静脈内投与)は、5週間に一回(Q5W)である。実施形態において、用量の投与(例えば、静脈内注入のような静脈内投与)は、6週間に一回(Q6W)である。実施形態において、TIM-3阻害剤(例えば、抗TIM-3抗体薬剤)の投与は、静脈内である。実施形態において、TIM-3阻害剤(例えば、抗TIM-3抗体薬剤)は、静脈内注入である。実施形態において、TIM-3阻害剤(例えば、抗TIM-3抗体薬剤)の投与は、単剤療法向けである。実施形態において、TIM-3阻害剤(例えば、抗TIM-3抗体薬剤)の投与は、併用療法(例えば、免疫チェックポイント阻害剤(例えば、TSR-042のような抗PD-1抗体)との組合せ)向けである。実施形態において、TIM-3阻害剤は、抗TIM-3抗体薬剤である。実施形態において、TIM-3阻害剤は、TSR-022である。実施形態において、抗TIM-3抗体薬剤は、配列番号3に対し少なくとも約90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の全体的な同一性を有するアミノ酸配列を含む免疫グロブリン重鎖と、配列番号4に対し少なくとも約90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の全体的な同一性を有するアミノ酸配列を含む免疫グロブリン軽鎖とを含む。
【0291】
本明細書に記載の方法のいずれかにおいて、用量(例えば、治療有効用量、抗TIM-3抗体薬剤を送達する組成物により投与される用量、または非経口用量)は、約200mgのTIM-3阻害剤(例えば、抗TIM-3抗体薬剤)である。実施形態において、用量の投与(例えば、静脈内注入のような静脈内投与)は、2週間に一回(Q2W)である。実施形態において、用量の投与(例えば、静脈内注入のような静脈内投与)は、3週間に一回(Q3W)である。実施形態において、用量の投与(例えば、静脈内注入のような静脈内投与)は、4週間に一回(Q4W)である。実施形態において、用量の投与(例えば、静脈内注入のような静脈内投与)は、5週間に一回(Q5W)である。実施形態において、用量の投与(例えば、静脈内注入のような静脈内投与)は、6週間に一回(Q6W)である。実施形態において、TIM-3阻害剤(例えば、抗TIM-3抗体薬剤)の投与は、静脈内である。実施形態において、TIM-3阻害剤(例えば、抗TIM-3抗体薬剤)は、静脈内注入である。実施形態において、TIM-3阻害剤(例えば、抗TIM-3抗体薬剤)の投与は、単剤療法向けである。実施形態において、TIM-3阻害剤(例えば、抗TIM-3抗体薬剤)の投与は、併用療法(例えば、免疫チェックポイント阻害剤(例えば、TSR-042のような抗PD-1抗体)との組合せ)向けである。実施形態において、TIM-3阻害剤は、抗TIM-3抗体薬剤である。実施形態において、TIM-3阻害剤は、TSR-022である。実施形態において、抗TIM-3抗体薬剤は、配列番号3に対し少なくとも約90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の全体的な同一性を有するアミノ酸配列を含む免疫グロブリン重鎖と、配列番号4に対し少なくとも約90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の全体的な同一性を有するアミノ酸配列を含む免疫グロブリン軽鎖とを含む。
【0292】
本明細書に記載の方法のいずれかにおいて、用量(例えば、治療有効用量、抗TIM-3抗体薬剤を送達する組成物により投与される用量、または非経口用量)は、約300mgのTIM-3阻害剤(例えば、抗TIM-3抗体薬剤)である。実施形態において、用量の投与(例えば、静脈内注入のような静脈内投与)は、2週間に一回(Q2W)である。実施形態において、用量の投与(例えば、静脈内注入のような静脈内投与)は、3週間に一回(Q3W)である。実施形態において、用量の投与(例えば、静脈内注入のような静脈内投与)は、4週間に一回(Q4W)である。実施形態において、用量の投与(例えば、静脈内注入のような静脈内投与)は、5週間に一回(Q5W)である。実施形態において、用量の投与(例えば、静脈内注入のような静脈内投与)は、6週間に一回(Q6W)である。実施形態において、TIM-3阻害剤(例えば、抗TIM-3抗体薬剤)の投与は、静脈内である。実施形態において、TIM-3阻害剤(例えば、抗TIM-3抗体薬剤)は、静脈内注入である。実施形態において、TIM-3阻害剤(例えば、抗TIM-3抗体薬剤)の投与は、単剤療法向けである。実施形態において、TIM-3阻害剤(例えば、抗TIM-3抗体薬剤)の投与は、併用療法(例えば、免疫チェックポイント阻害剤(例えば、TSR-042のような抗PD-1抗体)との組合せ)向けである。実施形態において、TIM-3阻害剤は、抗TIM-3抗体薬剤である。実施形態において、TIM-3阻害剤は、TSR-022である。実施形態において、抗TIM-3抗体薬剤は、配列番号3に対し少なくとも約90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の全体的な同一性を有するアミノ酸配列を含む免疫グロブリン重鎖と、配列番号4に対し少なくとも約90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の全体的な同一性を有するアミノ酸配列を含む免疫グロブリン軽鎖とを含む。
【0293】
本明細書に記載の方法のいずれかにおいて、用量(例えば、治療有効用量、抗TIM-3抗体薬剤を送達する組成物により投与される用量、または非経口用量)は、約400mgのTIM-3阻害剤(例えば、抗TIM-3抗体薬剤)である。実施形態において、用量の投与(例えば、静脈内注入のような静脈内投与)は、2週間に一回(Q2W)である。実施形態において、用量の投与(例えば、静脈内注入のような静脈内投与)は、3週間に一回(Q3W)である。実施形態において、用量の投与(例えば、静脈内注入のような静脈内投与)は、4週間に一回(Q4W)である。実施形態において、用量の投与(例えば、静脈内注入のような静脈内投与)は、5週間に一回(Q5W)である。実施形態において、用量の投与(例えば、静脈内注入のような静脈内投与)は、6週間に一回(Q6W)である。実施形態において、TIM-3阻害剤(例えば、抗TIM-3抗体薬剤)の投与は、静脈内である。実施形態において、TIM-3阻害剤(例えば、抗TIM-3抗体薬剤)は、静脈内注入である。実施形態において、TIM-3阻害剤(例えば、抗TIM-3抗体薬剤)の投与は、単剤療法向けである。実施形態において、TIM-3阻害剤(例えば、抗TIM-3抗体薬剤)の投与は、併用療法(例えば、免疫チェックポイント阻害剤(例えば、TSR-042のような抗PD-1抗体)との組合せ)向けである。実施形態において、TIM-3阻害剤は、抗TIM-3抗体薬剤である。実施形態において、TIM-3阻害剤は、TSR-022である。実施形態において、抗TIM-3抗体薬剤は、配列番号3に対し少なくとも約90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の全体的な同一性を有するアミノ酸配列を含む免疫グロブリン重鎖と、配列番号4に対し少なくとも約90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の全体的な同一性を有するアミノ酸配列を含む免疫グロブリン軽鎖とを含む。
【0294】
本明細書に記載の方法のいずれかにおいて、用量(例えば、治療有効用量、抗TIM-3抗体薬剤を送達する組成物により投与される用量、または非経口用量)は、約500mgのTIM-3阻害剤(例えば、抗TIM-3抗体薬剤)である。実施形態において、用量の投与(例えば、静脈内注入のような静脈内投与)は、2週間に一回(Q2W)である。実施形態において、用量の投与(例えば、静脈内注入のような静脈内投与)は、3週間に一回(Q3W)である。実施形態において、用量の投与(例えば、静脈内注入のような静脈内投与)は、4週間に一回(Q4W)である。実施形態において、用量の投与(例えば、静脈内注入のような静脈内投与)は、5週間に一回(Q5W)である。実施形態において、用量の投与(例えば、静脈内注入のような静脈内投与)は、6週間に一回(Q6W)である。実施形態において、TIM-3阻害剤(例えば、抗TIM-3抗体薬剤)の投与は、静脈内である。実施形態において、TIM-3阻害剤(例えば、抗TIM-3抗体薬剤)は、静脈内注入である。実施形態において、TIM-3阻害剤(例えば、抗TIM-3抗体薬剤)の投与は、単剤療法向けである。実施形態において、TIM-3阻害剤(例えば、抗TIM-3抗体薬剤)の投与は、併用療法(例えば、免疫チェックポイント阻害剤(例えば、TSR-042のような抗PD-1抗体)との組合せ)向けである。実施形態において、TIM-3阻害剤は、抗TIM-3抗体薬剤である。実施形態において、TIM-3阻害剤は、TSR-022である。実施形態において、抗TIM-3抗体薬剤は、配列番号3に対し少なくとも約90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の全体的な同一性を有するアミノ酸配列を含む免疫グロブリン重鎖と、配列番号4に対し少なくとも約90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の全体的な同一性を有するアミノ酸配列を含む免疫グロブリン軽鎖とを含む。
【0295】
本明細書に記載の方法のいずれかにおいて、用量(例えば、治療有効用量、抗TIM-3抗体薬剤を送達する組成物により投与される用量、または非経口用量)は、約600mgのTIM-3阻害剤(例えば、抗TIM-3抗体薬剤)である。実施形態において、用量の投与(例えば、静脈内注入のような静脈内投与)は、2週間に一回(Q2W)である。実施形態において、用量の投与(例えば、静脈内注入のような静脈内投与)は、3週間に一回(Q3W)である。実施形態において、用量の投与(例えば、静脈内注入のような静脈内投与)は、4週間に一回(Q4W)である。実施形態において、用量の投与(例えば、静脈内注入のような静脈内投与)は、5週間に一回(Q5W)である。実施形態において、用量の投与(例えば、静脈内注入のような静脈内投与)は、6週間に一回(Q6W)である。実施形態において、TIM-3阻害剤(例えば、抗TIM-3抗体薬剤)の投与は、静脈内である。実施形態において、TIM-3阻害剤(例えば、抗TIM-3抗体薬剤)は、静脈内注入である。実施形態において、TIM-3阻害剤(例えば、抗TIM-3抗体薬剤)の投与は、単剤療法向けである。実施形態において、TIM-3阻害剤(例えば、抗TIM-3抗体薬剤)の投与は、併用療法(例えば、免疫チェックポイント阻害剤(例えば、TSR-042のような抗PD-1抗体)との組合せ)向けである。実施形態において、TIM-3阻害剤は、抗TIM-3抗体薬剤である。実施形態において、TIM-3阻害剤は、TSR-022である。実施形態において、抗TIM-3抗体薬剤は、配列番号3に対し少なくとも約90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の全体的な同一性を有するアミノ酸配列を含む免疫グロブリン重鎖と、配列番号4に対し少なくとも約90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の全体的な同一性を有するアミノ酸配列を含む免疫グロブリン軽鎖とを含む。
【0296】
本明細書に記載の方法のいずれかにおいて、用量(例えば、治療有効用量、抗TIM-3抗体薬剤を送達する組成物により投与される用量、または非経口用量)は、約700mgのTIM-3阻害剤(例えば、抗TIM-3抗体薬剤)である。実施形態において、用量の投与(例えば、静脈内注入のような静脈内投与)は、2週間に一回(Q2W)である。実施形態において、用量の投与(例えば、静脈内注入のような静脈内投与)は、3週間に一回(Q3W)である。実施形態において、用量の投与(例えば、静脈内注入のような静脈内投与)は、4週間に一回(Q4W)である。実施形態において、用量の投与(例えば、静脈内注入のような静脈内投与)は、5週間に一回(Q5W)である。実施形態において、用量の投与(例えば、静脈内注入のような静脈内投与)は、6週間に一回(Q6W)である。実施形態において、TIM-3阻害剤(例えば、抗TIM-3抗体薬剤)の投与は、静脈内である。実施形態において、TIM-3阻害剤(例えば、抗TIM-3抗体薬剤)は、静脈内注入である。実施形態において、TIM-3阻害剤(例えば、抗TIM-3抗体薬剤)の投与は、単剤療法向けである。実施形態において、TIM-3阻害剤(例えば、抗TIM-3抗体薬剤)の投与は、併用療法(例えば、免疫チェックポイント阻害剤(例えば、TSR-042のような抗PD-1抗体)との組合せ)向けである。実施形態において、TIM-3阻害剤は、抗TIM-3抗体薬剤である。実施形態において、TIM-3阻害剤は、TSR-022である。実施形態において、抗TIM-3抗体薬剤は、配列番号3に対し少なくとも約90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の全体的な同一性を有するアミノ酸配列を含む免疫グロブリン重鎖と、配列番号4に対し少なくとも約90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の全体的な同一性を有するアミノ酸配列を含む免疫グロブリン軽鎖とを含む。
【0297】
本明細書に記載の方法のいずれかにおいて、用量(例えば、治療有効用量、抗TIM-3抗体薬剤を送達する組成物により投与される用量、または非経口用量)は、約800mgのTIM-3阻害剤(例えば、抗TIM-3抗体薬剤)である。実施形態において、用量の投与(例えば、静脈内注入のような静脈内投与)は、2週間に一回(Q2W)である。実施形態において、用量の投与(例えば、静脈内注入のような静脈内投与)は、3週間に一回(Q3W)である。実施形態において、用量の投与(例えば、静脈内注入のような静脈内投与)は、4週間に一回(Q4W)である。実施形態において、用量の投与(例えば、静脈内注入のような静脈内投与)は、5週間に一回(Q5W)である。実施形態において、用量の投与(例えば、静脈内注入のような静脈内投与)は、6週間に一回(Q6W)である。実施形態において、TIM-3阻害剤(例えば、抗TIM-3抗体薬剤)の投与は、静脈内である。実施形態において、TIM-3阻害剤(例えば、抗TIM-3抗体薬剤)は、静脈内注入である。実施形態において、TIM-3阻害剤(例えば、抗TIM-3抗体薬剤)の投与は、単剤療法向けである。実施形態において、TIM-3阻害剤(例えば、抗TIM-3抗体薬剤)の投与は、併用療法(例えば、免疫チェックポイント阻害剤(例えば、TSR-042のような抗PD-1抗体)との組合せ)向けである。実施形態において、TIM-3阻害剤は、抗TIM-3抗体薬剤である。実施形態において、TIM-3阻害剤は、TSR-022である。実施形態において、抗TIM-3抗体薬剤は、配列番号3に対し少なくとも約90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の全体的な同一性を有するアミノ酸配列を含む免疫グロブリン重鎖と、配列番号4に対し少なくとも約90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の全体的な同一性を有するアミノ酸配列を含む免疫グロブリン軽鎖とを含む。
【0298】
本明細書に記載の方法のいずれかにおいて、用量(例えば、治療有効用量、抗TIM-3抗体薬剤を送達する組成物により投与される用量、または非経口用量)は、約900mgのTIM-3阻害剤(例えば、抗TIM-3抗体薬剤)である。実施形態において、用量の投与(例えば、静脈内注入のような静脈内投与)は、2週間に一回(Q2W)である。実施形態において、用量の投与(例えば、静脈内注入のような静脈内投与)は、3週間に一回(Q3W)である。実施形態において、用量の投与(例えば、静脈内注入のような静脈内投与)は、4週間に一回(Q4W)である。実施形態において、用量の投与(例えば、静脈内注入のような静脈内投与)は、5週間に一回(Q5W)である。実施形態において、用量の投与(例えば、静脈内注入のような静脈内投与)は、6週間に一回(Q6W)である。実施形態において、TIM-3阻害剤(例えば、抗TIM-3抗体薬剤)の投与は、静脈内である。実施形態において、TIM-3阻害剤(例えば、抗TIM-3抗体薬剤)は、静脈内注入である。実施形態において、TIM-3阻害剤(例えば、抗TIM-3抗体薬剤)の投与は、単剤療法向けである。実施形態において、TIM-3阻害剤(例えば、抗TIM-3抗体薬剤)の投与は、併用療法(例えば、免疫チェックポイント阻害剤(例えば、TSR-042のような抗PD-1抗体)との組合せ)向けである。実施形態において、TIM-3阻害剤は、抗TIM-3抗体薬剤である。実施形態において、TIM-3阻害剤は、TSR-022である。実施形態において、抗TIM-3抗体薬剤は、配列番号3に対し少なくとも約90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の全体的な同一性を有するアミノ酸配列を含む免疫グロブリン重鎖と、配列番号4に対し少なくとも約90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の全体的な同一性を有するアミノ酸配列を含む免疫グロブリン軽鎖とを含む。
【0299】
本明細書に記載の方法のいずれかにおいて、用量(例えば、治療有効用量、抗TIM-3抗体薬剤を送達する組成物により投与される用量、または非経口用量)は、約1000mgのTIM-3阻害剤(例えば、抗TIM-3抗体薬剤)である。実施形態において、用量の投与(例えば、静脈内注入のような静脈内投与)は、2週間に一回(Q2W)である。実施形態において、用量の投与(例えば、静脈内注入のような静脈内投与)は、3週間に一回(Q3W)である。実施形態において、用量の投与(例えば、静脈内注入のような静脈内投与)は、4週間に一回(Q4W)である。実施形態において、用量の投与(例えば、静脈内注入のような静脈内投与)は、5週間に一回(Q5W)である。実施形態において、用量の投与(例えば、静脈内注入のような静脈内投与)は、6週間に一回(Q6W)である。実施形態において、TIM-3阻害剤(例えば、抗TIM-3抗体薬剤)の投与は、静脈内である。実施形態において、TIM-3阻害剤(例えば、抗TIM-3抗体薬剤)は、静脈内注入である。実施形態において、TIM-3阻害剤(例えば、抗TIM-3抗体薬剤)の投与は、単剤療法向けである。実施形態において、TIM-3阻害剤(例えば、抗TIM-3抗体薬剤)の投与は、併用療法(例えば、免疫チェックポイント阻害剤(例えば、TSR-042のような抗PD-1抗体)との組合せ)向けである。実施形態において、TIM-3阻害剤は、抗TIM-3抗体薬剤である。実施形態において、TIM-3阻害剤は、TSR-022である。実施形態において、抗TIM-3抗体薬剤は、配列番号3に対し少なくとも約90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の全体的な同一性を有するアミノ酸配列を含む免疫グロブリン重鎖と、配列番号4に対し少なくとも約90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の全体的な同一性を有するアミノ酸配列を含む免疫グロブリン軽鎖とを含む。
【0300】
本明細書に記載の方法のいずれかにおいて、用量(例えば、治療有効用量、抗TIM-3抗体薬剤を送達する組成物により投与される用量、または非経口用量)は、約1100mgのTIM-3阻害剤(例えば、抗TIM-3抗体薬剤)である。実施形態において、用量の投与(例えば、静脈内注入のような静脈内投与)は、2週間に一回(Q2W)である。実施形態において、用量の投与(例えば、静脈内注入のような静脈内投与)は、3週間に一回(Q3W)である。実施形態において、用量の投与(例えば、静脈内注入のような静脈内投与)は、4週間に一回(Q4W)である。実施形態において、用量の投与(例えば、静脈内注入のような静脈内投与)は、5週間に一回(Q5W)である。実施形態において、用量の投与(例えば、静脈内注入のような静脈内投与)は、6週間に一回(Q6W)である。実施形態において、TIM-3阻害剤(例えば、抗TIM-3抗体薬剤)の投与は、静脈内である。実施形態において、TIM-3阻害剤(例えば、抗TIM-3抗体薬剤)は、静脈内注入である。実施形態において、TIM-3阻害剤(例えば、抗TIM-3抗体薬剤)の投与は、単剤療法向けである。実施形態において、TIM-3阻害剤(例えば、抗TIM-3抗体薬剤)の投与は、併用療法(例えば、免疫チェックポイント阻害剤(例えば、TSR-042のような抗PD-1抗体)との組合せ)向けである。実施形態において、TIM-3阻害剤は、抗TIM-3抗体薬剤である。実施形態において、TIM-3阻害剤は、TSR-022である。実施形態において、抗TIM-3抗体薬剤は、配列番号3に対し少なくとも約90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の全体的な同一性を有するアミノ酸配列を含む免疫グロブリン重鎖と、配列番号4に対し少なくとも約90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の全体的な同一性を有するアミノ酸配列を含む免疫グロブリン軽鎖とを含む。
【0301】
本明細書に記載の方法のいずれかにおいて、用量(例えば、治療有効用量、抗TIM-3抗体薬剤を送達する組成物により投与される用量、または非経口用量)は、約1200mgのTIM-3阻害剤(例えば、抗TIM-3抗体薬剤)である。実施形態において、用量の投与(例えば、静脈内注入のような静脈内投与)は、2週間に一回(Q2W)である。実施形態において、用量の投与(例えば、静脈内注入のような静脈内投与)は、3週間に一回(Q3W)である。実施形態において、用量の投与(例えば、静脈内注入のような静脈内投与)は、4週間に一回(Q4W)である。実施形態において、用量の投与(例えば、静脈内注入のような静脈内投与)は、5週間に一回(Q5W)である。実施形態において、用量の投与(例えば、静脈内注入のような静脈内投与)は、6週間に一回(Q6W)である。実施形態において、TIM-3阻害剤(例えば、抗TIM-3抗体薬剤)の投与は、静脈内である。実施形態において、TIM-3阻害剤(例えば、抗TIM-3抗体薬剤)は、静脈内注入である。実施形態において、TIM-3阻害剤(例えば、抗TIM-3抗体薬剤)の投与は、単剤療法向けである。実施形態において、TIM-3阻害剤(例えば、抗TIM-3抗体薬剤)の投与は、併用療法(例えば、免疫チェックポイント阻害剤(例えば、TSR-042のような抗PD-1抗体)との組合せ)向けである。実施形態において、TIM-3阻害剤は、抗TIM-3抗体薬剤である。実施形態において、TIM-3阻害剤は、TSR-022である。実施形態において、抗TIM-3抗体薬剤は、配列番号3に対し少なくとも約90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の全体的な同一性を有するアミノ酸配列を含む免疫グロブリン重鎖と、配列番号4に対し少なくとも約90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の全体的な同一性を有するアミノ酸配列を含む免疫グロブリン軽鎖とを含む。
【0302】
本明細書に記載の方法のいずれかにおいて、用量(例えば、治療有効用量、抗TIM-3抗体薬剤を送達する組成物により投与される用量、または非経口用量)は、約1300mgのTIM-3阻害剤(例えば、抗TIM-3抗体薬剤)である。実施形態において、用量の投与(例えば、静脈内注入のような静脈内投与)は、2週間に一回(Q2W)である。実施形態において、用量の投与(例えば、静脈内注入のような静脈内投与)は、3週間に一回(Q3W)である。実施形態において、用量の投与(例えば、静脈内注入のような静脈内投与)は、4週間に一回(Q4W)である。実施形態において、用量の投与(例えば、静脈内注入のような静脈内投与)は、5週間に一回(Q5W)である。実施形態において、用量の投与(例えば、静脈内注入のような静脈内投与)は、6週間に一回(Q6W)である。実施形態において、TIM-3阻害剤(例えば、抗TIM-3抗体薬剤)の投与は、静脈内である。実施形態において、TIM-3阻害剤(例えば、抗TIM-3抗体薬剤)は、静脈内注入である。実施形態において、TIM-3阻害剤(例えば、抗TIM-3抗体薬剤)の投与は、単剤療法向けである。実施形態において、TIM-3阻害剤(例えば、抗TIM-3抗体薬剤)の投与は、併用療法(例えば、免疫チェックポイント阻害剤(例えば、TSR-042のような抗PD-1抗体)との組合せ)向けである。実施形態において、TIM-3阻害剤は、抗TIM-3抗体薬剤である。実施形態において、TIM-3阻害剤は、TSR-022である。実施形態において、抗TIM-3抗体薬剤は、配列番号3に対し少なくとも約90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の全体的な同一性を有するアミノ酸配列を含む免疫グロブリン重鎖と、配列番号4に対し少なくとも約90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の全体的な同一性を有するアミノ酸配列を含む免疫グロブリン軽鎖とを含む。
【0303】
本明細書に記載の方法のいずれかにおいて、用量(例えば、治療有効用量、抗TIM-3抗体薬剤を送達する組成物により投与される用量、または非経口用量)は、約1400mgのTIM-3阻害剤(例えば、抗TIM-3抗体薬剤)である。実施形態において、用量の投与(例えば、静脈内注入のような静脈内投与)は、2週間に一回(Q2W)である。実施形態において、用量の投与(例えば、静脈内注入のような静脈内投与)は、3週間に一回(Q3W)である。実施形態において、用量の投与(例えば、静脈内注入のような静脈内投与)は、4週間に一回(Q4W)である。実施形態において、用量の投与(例えば、静脈内注入のような静脈内投与)は、5週間に一回(Q5W)である。実施形態において、用量の投与(例えば、静脈内注入のような静脈内投与)は、6週間に一回(Q6W)である。実施形態において、TIM-3阻害剤(例えば、抗TIM-3抗体薬剤)の投与は、静脈内である。実施形態において、TIM-3阻害剤(例えば、抗TIM-3抗体薬剤)は、静脈内注入である。実施形態において、TIM-3阻害剤(例えば、抗TIM-3抗体薬剤)の投与は、単剤療法向けである。実施形態において、TIM-3阻害剤(例えば、抗TIM-3抗体薬剤)の投与は、併用療法(例えば、免疫チェックポイント阻害剤(例えば、TSR-042のような抗PD-1抗体)との組合せ)向けである。実施形態において、TIM-3阻害剤は、抗TIM-3抗体薬剤である。実施形態において、TIM-3阻害剤は、TSR-022である。実施形態において、抗TIM-3抗体薬剤は、配列番号3に対し少なくとも約90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の全体的な同一性を有するアミノ酸配列を含む免疫グロブリン重鎖と、配列番号4に対し少なくとも約90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の全体的な同一性を有するアミノ酸配列を含む免疫グロブリン軽鎖とを含む。
【0304】
本明細書に記載の方法のいずれかにおいて、用量(例えば、治療有効用量、抗TIM-3抗体薬剤を送達する組成物により投与される用量、または非経口用量)は、約1500mgのTIM-3阻害剤(例えば、抗TIM-3抗体薬剤)である。実施形態において、用量の投与(例えば、静脈内注入のような静脈内投与)は、2週間に一回(Q2W)である。実施形態において、用量の投与(例えば、静脈内注入のような静脈内投与)は、3週間に一回(Q3W)である。実施形態において、用量の投与(例えば、静脈内注入のような静脈内投与)は、4週間に一回(Q4W)である。実施形態において、用量の投与(例えば、静脈内注入のような静脈内投与)は、5週間に一回(Q5W)である。実施形態において、用量の投与(例えば、静脈内注入のような静脈内投与)は、6週間に一回(Q6W)である。実施形態において、TIM-3阻害剤(例えば、抗TIM-3抗体薬剤)の投与は、静脈内である。実施形態において、TIM-3阻害剤(例えば、抗TIM-3抗体薬剤)は、静脈内注入である。実施形態において、TIM-3阻害剤(例えば、抗TIM-3抗体薬剤)の投与は、単剤療法向けである。実施形態において、TIM-3阻害剤(例えば、抗TIM-3抗体薬剤)の投与は、併用療法(例えば、免疫チェックポイント阻害剤(例えば、TSR-042のような抗PD-1抗体)との組合せ)向けである。実施形態において、TIM-3阻害剤は、抗TIM-3抗体薬剤である。実施形態において、TIM-3阻害剤は、TSR-022である。実施形態において、抗TIM-3抗体薬剤は、配列番号3に対し少なくとも約90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の全体的な同一性を有するアミノ酸配列を含む免疫グロブリン重鎖と、配列番号4に対し少なくとも約90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、または99%の全体的な同一性を有するアミノ酸配列を含む免疫グロブリン軽鎖とを含む。
【0305】
治療的または予防的効力は、処置対象患者の定期的な評価によりモニターすることができる。状態に応じた数日以上にわたる反復投与に関しては、処置は、疾患症状に対する所望の抑制が生じるまで繰り返され得る。しかし、他の投薬レジメンも有用である場合があり、これらも本発明の範囲内である。所望の投薬量は、組成物の単回ボーラス投与により、組成物の複数回ボーラス投与により、または組成物の持続的注入投与により送達され得る。
【0306】
一部の実施形態において、抗TIM-3抗体薬剤は、事前療法に応答を示したことがある患者または対象集団に投与される。一部の実施形態において、患者または対象集団は、事前がん療法に応答を示したことがある。
【0307】
一部の実施形態において、抗TIM-3抗体薬剤は、事前療法に応答を示したことがない患者または対象集団に投与される。一部の実施形態において、患者または対象集団は、事前がん療法を受けたことがないか、またはそれに応答を示したことがない。
【0308】
実施形態において、対象は、PD-1を阻害する薬剤を用いた処置に対し抵抗性である。実施形態において、対象は、PD-1を阻害する薬剤を用いた処置に対し難治性である。実施形態において、本明細書に記載の方法は、対象を、PD-1を阻害する薬剤を用いた処置に感作させる。
【0309】
実施形態において、本明細書に記載の抗TIM-3抗体薬剤は、一つ以上の追加療法(例えば、本明細書に記載の療法)と組み合わせて投与される。すなわち、対象は、抗TIM-3抗体薬剤を用いて処置され、一つ以上の追加療法が対象に投与され、その結果、対象はそれぞれの療法を受ける。
【0310】
実施形態において、追加療法は、手術である。実施形態において、追加療法は、放射線療法である。実施形態において、追加療法は、化学療法である。実施形態において、追加療法は、免疫療法である。
【0311】
一部の実施形態において、抗TIM-3抗体薬剤は、単剤療法として投与される。
【0312】
一部の実施形態において、抗TIM-3抗体薬剤は、併用療法で投与される。実施形態において、抗TIM-3抗体薬剤は、別の処置モダリティー(例えば、手術、放射線療法、化学療法、または免疫療法のうちの一つ以上)と組み合わせて投与される。実施形態において、抗TIM-3抗体薬剤は、手術と組み合わせて投与される。実施形態において、抗TIM-3抗体薬剤は、放射線療法と組み合わせて投与される。一部の実施形態において、抗TIM-3抗体薬剤は、化学療法と組み合わせて投与される。実施形態において、抗TIM-3抗体薬剤は、免疫療法と組み合わせて投与される。
【0313】
一部の実施形態において、抗TIM-3抗体薬剤は、追加の治療剤、例えば、別の抗体薬剤(例えば、PD-1に結合する抗体薬剤)及び/または化学療法剤(例えば、ニラパリブ)と同時または経時的に投与される。一部の実施形態において、抗TIM-3抗体薬剤は、追加の治療剤を投与する前、最中、または後に投与される。一部の実施形態において、抗TIM-3抗体薬剤は、化学療法剤(例えば、ニラパリブ)を投与する前、最中、または後に投与される。
【0314】
抗TIM-3抗体薬剤は、単体で投与されても、他の薬物と組み合わせて(例えば、アジュバントとして)投与されてもよい。例えば、抗TIM-3抗体薬剤は、本明細書で開示されている疾患(例えば、がん)の処置または予防のために他の薬剤と組み合わせて投与されてもよい。この観点において、抗TIM-3抗体薬剤は、例えば、当技術分野で公知の任意の化学療法剤、イオン化放射線、小分子抗がん剤、がんワクチン、生物学的療法(例えば、他のモノクローナル抗体、がん殺滅ウイルス、遺伝子療法、及び養子T細胞移入)、ならびに/または手術を含めた、少なくとも一つの他の抗がん剤と組み合わせて使用され得る。
【0315】
抗TIM-3抗体薬剤と追加の治療剤との同時または経時投与は、本明細書では「併用療法」と呼ばれる。併用療法において、抗TIM-3抗体薬剤は、投与を必要とする対象に追加の治療剤を投与する前(例えば、5分前、15分前、30分前、45分前、1時間前、2時間前、4時間前、6時間前、12時間前、24時間前、48時間前、72時間前、96時間前、1週間前、2週間前、3週間前、4週間前、5週間前、6週間前、8週間前、または12週間前)に投与されても、その後(例えば、5分後、15分後、30分後、45分後、1時間後、2時間後、4時間後、6時間後、12時間後、24時間後、48時間後、72時間後、96時間後、1週間後、2週間後、3週間後、4週間後、5週間後、6週間後、8週間後、または12週間後)に投与されてもよい。一部の実施形態において、抗TIM-3抗体薬剤及び追加の治療剤は、1分の間隔を空けて、10分の間隔を空けて、30分の間隔を空けて、1時間未満の間隔を空けて、1時間~2時間の間隔を空けて、2時間~3時間の間隔を空けて、3時間~4時間の間隔を空けて、4時間~5時間の間隔を空けて、5時間~6時間の間隔を空けて、6時間~7時間の間隔を空けて、7時間~8時間の間隔を空けて、8時間~9時間の間隔を空けて、9時間~10時間の間隔を空けて、10時間~11時間の間隔を空けて、11時間~12時間の間隔を空けて、24時間以下の間隔を空けて、または48時間以下の間隔を空けて投与される。
PARP阻害剤
【0316】
実施形態において、追加療法は、ポリ(ADP-リボース)ポリメラーゼ(PARP)阻害剤である。
【0317】
実施形態において、PARP阻害剤は、PARP-1及び/またはPARP-2を阻害する。一部の実施形態において、薬剤は、小分子、核酸、ポリペプチド(例えば、抗体)、炭水化物、脂質、金属、または毒素である。関連する実施形態において、薬剤は、ABT-767、AZD 2461、BGB-290、BGP 15、CEP 8983、CEP 9722、DR 2313、E7016、E7449、フルゾパリブ(SHR 3162)、IMP 4297、INO1001、JPI 289、JPI 547、モノクローナル抗体B3-LysPE40結合体、MP 124、ニラパリブ(ZEJULA)(MK-4827)、NU 1025、NU 1064、NU 1076、NU1085、オラパリブ(AZD2281)、ONO2231、PD 128763、R 503、R554、ルカパリブ(RUBRACA)(AG-014699、PF-01367338)、SBP 101、SC 101914、シムミパリブ(simmiparib)、タラゾパリブ(BMN-673)、ベリパリブ(ABT-888)、WW 46、2-(4-(トリフルオロメチル)フェニル)-7,8-ジヒドロ-5H-チオピラノ[4,3-d]ピリミジン-4-オール、及びこれらの塩または誘導体である。関連する実施形態において、薬剤は、ニラパリブ、オラパリブ、ルカパリブ、タラゾパリブ、ベリパリブ、またはこれらの塩もしくは誘導体である。ある特定の実施形態において、薬剤は、ニラパリブまたはその塩もしくは誘導体である。ある特定の実施形態において、薬剤は、オラパリブまたはその塩もしくは誘導体である。ある特定の実施形態において、薬剤は、ルカパリブまたはその塩もしくは誘導体である。ある特定の実施形態において、薬剤は、タラゾパリブまたはその塩もしくは誘導体である。ある特定の実施形態において、薬剤は、ベリパリブまたはその塩もしくは誘導体である。
【0318】
ニラパリブ((3S)-3-[4-{7-(アミノカルボニル)-2H-インダゾール-2-イル}フェニル]ピペリジン)は、経口利用可能で強力なポリ(アデノシン二リン酸[ADP]-リボース)ポリメラーゼ(PARP)-1及び-2阻害剤である。WO2008/084261(2008年7月17日発行)、WO2009/087381(2009年7月16日発行)、及びPCT/US17/40039(2017年6月29日出願)を参照(これらの各々の全体が参照により本明細書に組み入れられる)。ニラパリブは、WO2008/084261のスキーム1に従って調製することができる。
【0319】
一部の実施形態において、ニラパリブは、薬学的に許容される塩として調製され得る。当業者であれば、このような塩形態は、溶媒和または水和多形形態として存在し得ることを理解するであろう。一部の実施形態において、ニラパリブは、水和物の形態で調製される。
【0320】
ある特定の実施形態において、ニラパリブは、トシル酸塩の形態で調製される。一部の実施形態において、ニラパリブは、トシル酸一水和物の形態で調製される。ニラパリブのトシル酸塩一水和物の分子構造を以下に示す。
【化1】
【0321】
ニラパリブは、強力かつ選択的なPARP-1及びPARP-2阻害剤であり、対照の50%における阻害濃度(IC50)はそれぞれ3.8及び2.1nMであり、他のPARPファミリーメンバーよりも少なくとも100倍選択的である。ニラパリブは、様々な細胞株において、過酸化水素の添加により引き起こされるDNA損傷の結果として刺激されるPARP活性を、約4nMのIC50で、及び50nMの対照の90%における阻害濃度(IC90)で阻害する。
【0322】
実施形態において、ニラパリブは、約100mgのニラパリブ遊離塩基に相当する用量にて投与される(例えば、ニラパリブトシル酸塩一水和物のようなニラパリブの薬学的に許容される塩が、約100mgのニラパリブ遊離塩基に相当する用量にて投与される)。実施形態において、ニラパリブは、約200mgのニラパリブ遊離塩基に相当する用量にて投与される(例えば、ニラパリブトシル酸塩一水和物のようなニラパリブの薬学的に許容される塩が、約200mgのニラパリブ遊離塩基に相当する用量にて投与される)。実施形態において、ニラパリブは、約300mgのニラパリブ遊離塩基に相当する用量にて投与される(例えば、ニラパリブトシル酸塩一水和物のようなニラパリブの薬学的に許容される塩が、約300mgのニラパリブ遊離塩基に相当する用量にて投与される)。
チェックポイント阻害剤
【0323】
実施形態において、追加療法は、免疫療法である。実施形態において、免疫療法は、さらなる免疫チェックポイント阻害剤(例えば、一つ、二つ、三つ、四つ、またはそれ以上のさらなる免疫チェックポイント阻害剤)のうちの一つ以上の投与を含む。
【0324】
例示的な免疫チェックポイント阻害標的としては、以下のものが挙げられる:PD-1(例えば、抗PD-1、抗PD-L1、または抗PD-L2療法を介した阻害)、CTLA-4、TIM-3、TIGIT、LAG(例えば、LAG-3)、CEACAM(例えば、CEACAM-1、-3及び/もしくは-5)、VISTA、BTLA、LAIR1、CD160、2B4、CD80、CD86、B7-H3(CD276)、B7-H4(VTCN1)、HVEM(TNFRSF14またはCD270)、KIR、A2aR、MHCクラスI、MHCクラスII、GALS、アデノシン、TGFR(例えば、TGFRベータ)、B7-H1、B7-H4(VTCN1)、OX-40、CD137、CD40、IDO、及びCSF1R。したがって、これらの分子のいずれかを阻害する薬剤は、本明細書に記載の抗TiM-3療法と組み合わせて使用することができる。
【0325】
実施形態において、免疫チェックポイント阻害剤は、PD-1、CTLA-4、LAG-3、TIGIT、IDO、またはCSF1Rを阻害する薬剤である。
【0326】
実施形態において、免疫チェックポイント阻害剤は、PD-1阻害剤である。実施形態において、PD-1阻害剤は、PD-1結合剤(例えば、抗体、抗体結合体、またはその抗原結合断片)である。実施形態において、PD-1阻害剤は、PD-L1またはPD-L2結合剤(例えば、抗体、抗体結合体、またはその抗原結合断片)である。実施形態において、PD-1阻害剤は、ニボルマブ、ペムブロリズマブ、アテゾリズマブ、デュルバルマブ、アベルマブ、TSR-042、PDR-001、チスレリズマブ(BGB-A317)、セミプリマブ(REGN2810)、LY-3300054、JNJ-63723283、MGA012、BI-754091、IBI-308、カムレリズマブ(HR-301210)、BCD-100、JS-001、CX-072、BGB-A333/AMP-514(MEDI-0680)、AGEN-2034、CS1001、Sym-021、SHR-1316、PF-06801591、LZM009、KN-035、AB122、ゲノリムズマブ(CBT-501)、FAZ-053、CK-301、AK 104、もしくはGLS-010、またはWO2014/179664に開示されているPD-1抗体のいずれかである。実施形態において、PD-1阻害剤は、TSR-042である。一部の実施形態において、PD-1阻害剤(例えば、TSR-042)は、約500mg用量を3週間に一回、四回用量を投与し、次に、約500mgの第四用量の後に、少なくとも一回の約1,000mg用量を6週間に一回投与することを含むレジメンに従って投与される。一部の実施形態において、追加の約1,000mg用量は、約1000mgの第一用量の後に、さらなる臨床的利益が達成されなくなるまで、6週間に一回投与される。一部の特定の実施形態において、PD-1阻害剤(例えば、TSR-042)は、Q3Wで4サイクルの間の500mgと、その後のQ6Wでの1000mgを含む投与レジメンに従って投与される。
【0327】
実施形態において、免疫チェックポイント阻害剤は、CTLA-4阻害剤(例えば、抗体、抗体結合体、またはその抗原結合断片)である。実施形態において、CTLA-4阻害剤は、小分子、核酸、ポリペプチド(例えば、抗体)、炭水化物、脂質、金属、または毒素である。実施形態において、CTLA-4阻害剤は、小分子である。実施形態において、CTLA-4阻害剤は、CTLA-4結合剤である。実施形態において、CTLA-4阻害剤は、抗体、抗体結合体、またはその抗原結合断片である。実施形態において、CTLA-4阻害剤は、イピリムマブ(Yervoy)、AGEN1884、またはトレメリムマブである。
【0328】
実施形態において、免疫チェックポイント阻害剤は、LAG-3阻害剤(例えば、抗体、抗体結合体、またはその抗原結合断片)である。実施形態において、LAG-3阻害剤は、小分子、核酸、ポリペプチド(例えば、抗体)、炭水化物、脂質、金属、または毒素である。実施形態において、LAG-3阻害剤は、小分子である。実施形態において、LAG-3阻害剤は、LAG-3結合剤である。実施形態において、LAG-3阻害剤は、抗体、抗体結合体、またはその抗原結合断片である。実施形態において、LAG-3阻害剤は、IMP321、BMS-986016、GSK2831781、Novartis
LAG525、またはWO2016/126858、WO2017/019894、もしくはWO2015/138920(これらの各々の全体が参照により本明細書に組み入れられる)に記載のLAG-3阻害剤である。
【0329】
実施形態において、免疫チェックポイント阻害剤は、TIGIT阻害剤(例えば、抗体、抗体結合体、またはその抗原結合断片)である。実施形態において、TIGIT阻害剤は、小分子、核酸、ポリペプチド(例えば、抗体)、炭水化物、脂質、金属、または毒素である。実施形態において、TIGIT阻害剤は、小分子である。実施形態において、TIGIT阻害剤は、TIGIT結合剤である。実施形態において、TIGIT阻害剤は、抗体、抗体結合体、またはその抗原結合断片である。実施形態において、TIGIT阻害剤は、MTIG7192A、BMS-986207、またはOMP-31M32である。
【0330】
実施形態において、免疫チェックポイント阻害剤は、IDO阻害剤である。実施形態において、IDO阻害剤は、小分子、核酸、ポリペプチド(例えば、抗体)、炭水化物、脂質、金属、または毒素である。実施形態において、IDO阻害剤は、小分子である。実施形態において、IDO阻害剤は、IDO結合剤である。実施形態において、IDO阻害剤は、抗体、抗体結合体、またはその抗原結合断片である。
【0331】
実施形態において、免疫チェックポイント阻害剤は、CSF1R阻害剤である。実施形態において、CSF1R阻害剤は、小分子、核酸、ポリペプチド(例えば、抗体)、炭水化物、脂質、金属、または毒素である。実施形態において、CSF1R阻害剤は、小分子である。実施形態において、CSF1R阻害剤は、CSF1R結合剤である。実施形態において、CSF1R阻害剤は、抗体、抗体結合体、またはその抗原結合断片である。
【0332】
実施形態において、方法は、TIM-3阻害剤を、免疫チェックポイント阻害剤のうちの少なくとも二つと共に投与することを含む。実施形態において、方法は、第三のチェックポイント阻害剤を投与することを含む。実施形態において、方法は、TIM-3阻害剤を、PD-1阻害剤及びLAG-3阻害剤と共に投与し、その結果、対象が三つ全てを受けることを含む。実施形態において、方法は、TIM-3阻害剤を、PD-1阻害剤、LAG-3阻害剤、及びCTLA-4阻害剤と共に投与し、その結果、対象が四つ全てを受けることを含む。
【0333】
実施形態において、対象は、ポリ(ADP-リボース)ポリメラーゼ(PARP)を阻害する薬剤をさらに投与されたか、または今後投与され、その結果、対象は、TIM-3阻害剤及びPARP阻害剤を用いた処置を受ける。
【0334】
実施形態において、対象は、一つ以上の免疫チェックポイント阻害剤(例えば、PD-1阻害剤及び/またはLAG-3阻害剤)をさらに投与されたか、または今後投与され、その結果、対象は、TIM-3阻害剤、PARP阻害剤(例えば、ニラパリブ)、及び一つ以上の免疫チェックポイント阻害剤を用いた処置を受ける。実施形態において、対象は、TIM-3阻害剤、PD-1阻害剤(例えば、TSR-042)、及びPARP阻害剤(例えば、ニラパリブ)を投与される。実施形態において、対象は、TIM-3阻害剤、PD-1阻害剤(例えば、TSR-042)、LAG-3阻害剤、及びPARP阻害剤(例えば、ニラパリブ)を投与される。
【0335】
妊娠可能な女性患者に関しては、当該患者は、第一用量の抗TIM-3抗体薬剤の投与日の72時間以内に血清妊娠検査が陰性であることが好ましい。また、妊娠可能な女性患者及び男性患者は、2つの妥当な避妊法をパートナーと使用することに同意することも好ましい。一部の実施形態において、患者は、スクリーニング診察から開始して試験療法の最終用量から150日に至るまで、2つの避妊法の使用に同意する。
【0336】
本開示は、一部の実施形態において、がんの処置を必要とする患者におけるがんを処置する方法であって、PD-1結合剤(例えば、抗PD-1抗体のようなPD-1結合剤)と組み合わせて抗TIM-3抗体薬剤を送達する一つ以上の組成物を投与することを含む、方法を提供する。図1は、抗腫瘍効率を強化するための抗TIM-3及び抗PD-1抗体の組合せにおける例示的な概略図を示している。一部の実施形態において、患者または患者集団は、抗TIM-3抗体薬剤及びPD-1結合剤の投与を含む併用療法を受けている。一部の実施形態において、PD-1結合剤は、ニボルマブまたはペムブロリズマブである。実施形態において、PD-1阻害剤は、PD-1結合剤(例えば、抗体、抗体結合体、またはその抗原結合断片)である。実施形態において、PD-1結合剤は、ニボルマブ、ペムブロリズマブ、TSR-042、PDR-001、チスレリズマブ(BGB-A317)、セミプリマブ(REGN2810)、LY-3300054、JNJ-63723283、MGA012、BI-754091、IBI-308、カムレリズマブ(HR-301210)、BCD-100、JS-001、CX-072、AMP-514/MEDI-0680、AGEN-2034、CS1001、TSR-042、Sym-021、PF-06801591、LZM009、KN-035、AB122、ゲノリムズマブ(CBT-501)、AK 104、もしくはGLS-010、またはこれらの誘導体である。実施形態において、PD-1阻害剤は、PD-L1またはPD-L2結合剤(例えば、抗体、抗体結合体、またはその抗原結合断片)である。実施形態において、PD-1結合剤は、PD-L1またはPD-L2結合剤であり、デュルバルマブ、アテゾリズマブ、アベルマブ、BGB-A333、SHR-1316、FAZ-053、CK-301、もしくはPD-L1ミラモレキュール、またはこれらの誘導体である。
【0337】
一部の実施形態において、患者または患者集団は、配列番号1または配列番号7を含むアミノ酸配列を有する免疫グロブリン重鎖可変ドメインと、配列番号2または配列番号8を含むアミノ酸配列を有する免疫グロブリン軽鎖可変ドメインとを含む抗TIM-3抗体薬剤の投与を含む併用療法を受けている。一部の実施形態において、抗TIM-3抗体薬剤は、配列番号3を含むアミノ酸配列を有する免疫グロブリン重鎖、及び配列番号4を含むアミノ酸配列を有する免疫グロブリン軽鎖を含む。
【0338】
一部の実施形態において、患者または患者集団は、配列番号11または配列番号17を含むアミノ酸配列を有する免疫グロブリン重鎖可変ドメインと、配列番号12もしくは配列番号18を含むアミノ酸配列を有する免疫グロブリン軽鎖可変ドメインとを含むPD-1結合剤の投与を含む併用療法を受けている。組合せを含む一部の実施形態において、PD-1結合剤は、配列番号13を含むアミノ酸配列を有する免疫グロブリン重鎖、及び配列番号14を含むアミノ酸配列を有する免疫グロブリン軽鎖を含む。
【0339】
一部の実施形態において、抗TIM-3抗体薬剤(例えば、抗TIM-3抗体)は、0.1、1、3、または10mg/kgの用量にて投与される。一部の実施形態において、抗TIM-3抗体薬剤は、2週間に一回の0.1、1、3、または10mg/kgの用量を含むレジメンに従って投与される。一部の実施形態において、抗TIM-3抗体薬剤は、3週間に一回の1、3、または10mg/kgの用量を含むレジメンに従って投与される。
【0340】
一部の実施形態において、抗TIM-3抗体薬剤は、4週間に一回の1、3、または10mg/kgの用量を含むレジメンに従って投与される。一部の実施形態において、約200mg~1,500mgの範囲内の固定用量における抗TIM-3抗体薬剤。一部の実施形態において、約300mg~1,000mgの範囲内の固定用量における抗TIM-3抗体薬剤。一部の実施形態において、抗TIM-3抗体薬剤は、2週間に一回の固定用量を含むレジメンに従って投与される。一部の実施形態において、抗TIM-3抗体薬剤は、3週間に一回の固定用量を含むレジメンに従って投与される。一部の実施形態において、抗TIM-3抗体薬剤は、4週間に一回の固定用量を含むレジメンに従って投与される。
【0341】
一部の実施形態において、PD-1結合剤(例えば、TSR-042のような抗PD-1抗体)は、約1、3、または10mg/kgの用量にて投与される。一部の実施形態において、PD-1結合剤(例えば、TSR-042のような抗PD-1抗体)は、2週間に一回の約1、3、または10mg/kgの用量を含むレジメンに従って投与される。一部の実施形態において、PD-1結合剤(例えば、TSR-042のような抗PD-1抗体)は、3週間に一回の約1、3、または10mg/kgの用量を含むレジメンに従って投与される。一部の実施形態において、PD-1結合剤(例えば、抗PD-1抗体)は、4週間に一回の約1、3、または10mg/kgの用量を含むレジメンに従って投与される。一部の実施形態において、約500mgの用量におけるPD-1結合剤(例えば、TSR-042のような抗PD-1抗体)。一部の実施形態において、PD-1結合剤(例えば、TSR-042のような抗PD-1抗体)は、2週間に一回の約500mg/kgの用量を含むレジメンに従って投与される。一部の実施形態において、PD-1結合剤(例えば、TSR-042のような抗PD-1抗体)は、3週間に一回の約500mg/kgの用量を含むレジメンに従って投与される。一部の実施形態において、PD-1結合剤(例えば、TSR-042のような抗PD-1抗体)は、4週間に一回の約500mg/kgの用量を含むレジメンに従って投与される。一部の実施形態において、PD-1結合剤(例えば、TSR-042のような抗PD-1抗体)は、6週間に一回の約1000mg/kgの用量を含むレジメンに従って投与される。一部の実施形態において、PD-1結合剤(例えば、TSR-042のような抗PD-1抗体)は、最初の2~6(例えば、最初の2、3、4、5、または6)投薬サイクルの間における3週間に一回(Q3W)の約500mgの第一用量と、(例えば、疾患進行、有害作用、または医師の決定により)処置を中止するまでの6週間に一回の(Q6W)約1000mgの第二用量とを含むレジメンに従って投与される。一部の実施形態において、PD-1結合剤(例えば、TSR-042のような抗PD-1抗体)は、最初の四投薬サイクルの間における3週間に一回(Q3W)の約500mgの第一用量と、(例えば、疾患進行、有害作用、または医師の決定により)処置を中止するまでの6週間に一回の(Q6W)約1000mgの第二用量とを含むレジメンに従って投与される。実施形態において、PD-1結合剤は、抗PD-1抗体である。実施形態において、抗PD-1結合剤は、TSR-042である。
【0342】
ある特定の方法において、抗TIM-3抗体薬剤は、投与を必要とする対象にPD-1結合剤を投与する前(例えば、5分前、15分前、30分前、45分前、1時間前、2時間前、4時間前、6時間前、12時間前、24時間前、48時間前、72時間前、96時間前、1週間前、2週間前、3週間前、4週間前、5週間前、6週間前、8週間前、または12週間前)に投与されても、その後(例えば、5分後、15分後、30分後、45分後、1時間後、2時間後、4時間後、6時間後、12時間後、24時間後、48時間後、72時間後、96時間後、1週間後、2週間後、3週間後、4週間後、5週間後、6週間後、8週間後、または12週間後)に投与されてもよい。
腫瘍応答の測定
【0343】
一部の実施形態において、臨床的利益は、完全奏効(「CR」)、部分奏効(「PR」)、または安定病態(「SD」)である。一部の実施形態において、臨床的利益は、少なくともSDに対応する。一部の実施形態において、臨床的利益は、少なくともPRに対応する。一部の実施形態において、臨床的利益は、CRに対応する。一部の実施形態において、少なくとも1%、2%、3%、4%、5%、6%、7%、8%、9%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、50%、55%、60%、65%、70%、75%、80%、85%、90%、または95%の患者が、臨床的利益を達成する。一部の実施形態において、少なくとも5%の患者が、臨床的利益を達成する。一部の実施形態において、少なくとも5%の患者が、SDを達成する。一部の実施形態において、少なくとも5%の患者が、少なくともPRを達成する。一部の実施形態において、少なくとも5%の患者が、CRを達成する。一部の実施形態において、少なくとも20%の患者が、臨床的利益を達成する。一部の実施形態において、少なくとも20%の患者が、SDを達成する。
【0344】
一部の実施形態において、臨床的利益(例えば、SD、PR、及び/またはCR)は、固形がんの治療効果判定基準(RECIST)に従って決定される。一部の実施形態において、臨床的利益(例えば、SD、PR、及び/またはCR)は、RECISTガイドラインに従って決定される。
【0345】
一部の実施形態において、腫瘍応答は、例えば、RECIST v1.1ガイドラインによって測定され得る。ガイドラインは、E.A.Eisenhauerら、”New response evaluation criteria in solid tumors:Revised RECIST guideline(version 1.1.),”Eur.J.of Cancer,45:228-247(2009)により提供され、この全体が参照により本明細書に組み入れられる。このガイドラインは、最初にベースラインにおける全体的な腫瘍負荷の推定を要件としており、これはその後の測定値に対する比較として使用される。腫瘍は、当技術分野で公知の任意のイメージングシステムを介し(例えば、CTスキャンまたはX線により)測定することができる。測定可能な疾患は、少なくとも一つの測定可能な病変の存在により定義される。プライマリーエンドポイントが腫瘍進行(無進行期間または固定日における進行の割合)である試験では、プロトコルは、エントリーが測定可能な疾患を有する者に制限されているか、または測定不可能な疾患のみを有する患者も適格であるかどうかを指定しなければならない。
【0346】
ベースラインにおいて二つ以上の測定可能な病変が存在する場合、全ての関与臓器を代表する最大で合計五つの病変(かつ臓器当たり最大二つの病変)までの全ての病変は、標的病変として同定されるべきであり、ベースラインにおいて記録及び測定される(これは、患者が一つまたは二つのみの関与臓器部位を有する場合には、最大でそれぞれ二つ及び四つの病変が記録されることを意味する)。
【0347】
標的病変は、サイズに基づいて(直径が最も長い病変)選択されるべきであり、全ての関与臓器を代表するべきであるが、加えて、測定の反復を再現可能にするような病変であるべきである。
【0348】
リンパ節は、腫瘍が関与しない場合であってもイメージングにより可視的であり得る正常な解剖学的構造であるため、特別な言及に値する。測定可能と定義され、かつ標的病変として同定され得る病理学的結節は、CTスキャンによるP15mmの短軸の基準を満たさなければならない。このような結節の短軸のみがベースライン和に寄与する。結節の短軸は、放射線科医が、結節に固形腫瘍が関与しているかを判断するために通常使用する直径である。結節のサイズは、通常、イメージが得られる平面における二つの寸法として報告される(CTスキャンの場合、この平面はほぼ常に軸平面であり、MRIの場合、獲得平面は、軸、矢状、または冠状であり得る)。これらの測定値のうちの小さい方が短軸である。
【0349】
例えば、20mm、30mmであるとして報告された腹部結節の短軸は20mmであり、悪性の測定可能な結節として適格である。この例では、20mmが結節の測定値として記録されるべきである。他の全ての病理学的結節(P10mmただし<15mmの短軸を有するもの)は、非標的病変とみなされるべきである。短軸が<10mmである結節は、非病理学的とみなされ、記録または追跡をするべきではない。
【0350】
全ての標的病変における直径の和(非結節病変の場合は最長直径、結節病変の場合は短軸)が計算され、ベースライン直径和として報告される。リンパ節が和に含まれる場合、上述のように、短軸のみが和に加えられる。ベースライン直径和は、疾患の測定可能な寸法における任意の客観的腫瘍退縮をさらに特徴づけるための基準として使用される。
【0351】
病理学的結節を含めた他の全ての病変(または疾患部位)は、非標的病変として同定されるべきであり、これらもベースラインにおいて記録されるべきである。測定値は要件とされず、これらの病変は、「存在」、「不在」、または稀な場合における「明白な進行」として追跡されるべきである。加えて、同じ臓器に関与する複数の非標的病変を単一項目として(例えば、「複数の拡大した骨盤リンパ節」または「複数の肝臓転移」)症例記録フォームに記録することが考えられる。
【0352】
一部の実施形態において、腫瘍応答は、例えば、免疫関連応答基準(immune related Response Criteria)(irRC)を含む免疫関連RECIST(irRECIST)ガイドラインにより測定され得る。irRCでは、少なくとも一つの寸法が、非結節病変の場合は最小サイズ10mm(CTまたはMRIスキャンによる最長直径において)、結節病変の場合は15mm以上、または胸部X線で少なくとも20mmである、測定可能な病変が測定される。
【0353】
一部の実施形態において、免疫関連応答基準には、CR(全病変(測定可能なまたは不可能な病変、かつ新規病変なし)の完全な消失);PR(ベースラインに対する腫瘍負荷の50%以上の減少);SD(PDの不在下でCRの基準もPRの基準も満たさない);またはPD(最下点に対し25%以上の腫瘍負荷増加)が含まれる。irRECISTの詳細な説明は、Bohnsackら(2014)ESMO,ABSTRACT 4958及びNishinoら(2013)Clin.Cancer Res.19(14):3936-43に見いだすことができる。
【0354】
一部の実施形態において、腫瘍応答は、irRECISTまたはRECISTバージョン1.1のいずれかによって評価され得る。一部の実施形態において、腫瘍応答は、irRECIST及びRECISTバージョン1.1の両方によって評価され得る。
薬物動態
【0355】
薬物動態データは、当技術分野で公知の技法により得ることができる。ヒト対象における薬物代謝の薬物動態及び薬物力学パラメータには固有のバリエーションがあるため、特定の組成物を説明する適切な薬物動態及び薬物力学プロファイル構成要素は様々なものとなり得る。典型的には、薬物動態及び薬物力学プロファイルは、対象のグループにおける平均パラメータの決定に基づいている。対象のグループは、代表的な平均値を決定するのに適した任意の妥当な数の対象、例えば、5名の対象、10名の対象、16名の対象、20名の対象、25名の対象、30名の対象、35名の対象、またはそれ以上を含む。平均値は、測定された各パラメータに対する全対象の測定値の平均を計算することにより決定される。
【0356】
一部の実施形態において、患者集団には、転移性疾患を患っている一名以上の対象(「対象の集団」)が含まれる。
【0357】
一部の実施形態において、患者集団には、がんを患っているか、またはがんに対し感受性の一名以上の対象が含まれる。一部のこのような実施形態において、がんは、非小細胞肺がん(NSCLC)、肝細胞がん、腎臓がん、黒色腫、子宮頸がん、結腸直腸がん、肛門生殖器領域の扁平上皮がん(例えば、肛門、陰茎、子宮頸部、膣、または外陰部の扁平上皮がん)、頭頸部がん、トリプルネガティブ乳がん、卵巣がん、または子宮内膜がんである。実施形態において、がんは、固形腫瘍(例えば、進行した固形腫瘍、転移性固形腫瘍、MSS固形腫瘍、MSI-H固形腫瘍、またはPOLE変異固形腫瘍)である。実施形態において、がんは、黒色腫(例えば、進行した黒色腫、転移性黒色腫、MSS黒色腫、MSI-H黒色腫、またはPOLE変異黒色腫)である。実施形態において、がんは、NSCLC(例えば、進行したNSCLC、転移性NSCLC、MSI-H NSCLC、MSS NSCLC、POLE変異NSCLC、EGFR変異NSCLC、またはALK転座NSCLC)のような肺がんである。実施形態において、がんは、結腸直腸がん(例えば、進行した結腸直腸がん、転移性結腸直腸がん、MSS結腸直腸がん、MSI-H結腸直腸がん、MSI-H結腸直腸がん、またはPOLE変異結腸直腸がん)である。一部の実施形態において、患者集団には、がんを患っている一名以上の対象が含まれる(例えば、対象を含む、または対象からなる)。例えば、一部の実施形態において、がんを患っている患者集団は、過去に事前療法(例えば、放射線及び/または化学療法)を用いて処置されたことがあり得る。
【0358】
一部の実施形態において、薬物動態パラメータ-は、本発明の組成物を説明するのに適した任意のパラメータであり得る。
【0359】
一部の実施形態において、薬物動態パラメータ-は、本発明の組成物を説明するのに適した任意のパラメータであり得る。例えば、一部の実施形態において、Cmaxは、約1μg/ml;約5μg/ml、約10μg/ml、約15μg/ml、約20μg/ml、約25μg/ml、約30μg/ml、約35μg/ml、約40μg/ml、約45μg/ml、約50μg/ml、約55μg/ml、約60μg/ml、約65μg/ml、約70μg/ml、約75μg/ml、約80μg/ml、約85μg/ml、約90μg/ml、約95μg/ml、約100μg/ml、約150μg/ml、約200μg/ml、約250μg/ml、約300μg/ml、または抗TIM-3抗体の薬物動態プロファイルを説明するのに適切な任意の他のCmaxである。
【0360】
一部の実施形態において、Tmaxは、例えば、約0.5時間以下、約1.0時間以下、約1.5時間以下、約2.0時間以下、約2.5時間以下、もしくは約3.0時間以下、または抗TIM-3抗体の薬物動態プロファイルを説明するのに適切な任意の他のTmaxである。
【0361】
概して、本明細書に記載のAUCは、ある用量の治療剤を投与した後の、選択された時間期間にわたるアナライトの濃度に対応する曲線下面積の尺度である。一部の実施形態において、このような時間期間は、用量投与時(例えば、用量投与後0時間)に開始し、用量投与後約2、約6、約12、約36、約48、約72、約168、約336、約514、約682時間、またはそれ以上の時間に及ぶ。一部の実施形態において、AUCは、本明細書に記載の用量の投与後0時間~336時間に達成されるものである。
【0362】
AUC(0-336h)は、例えば、約500μ・hr/mL、約1000μ・hr/mL、約1500μ・hr/mL、約2000μ・hr/mL、約2500μ・hr/mL、約3000μ・hr/mL、約3500μ・hr/mL、約4000μ・hr/mL、約4500μ・hr/mL、約5000μ・hr/mL、約7500μ・hr/mL、約10,000μ・hr/mL、約15,000μ・hr/mL、約20,000μ・hr/mL、約25,000μ・hr/mL、約30,000μ・hr/mL、約35,000μ・hr/mL、約40,000μ・hr/mL、約45,000μ・hr/mL、約50,000μ・hr/mL、約65,000μ・hr/mL、約75,000μ・hr/mL、約90,000μ・hr/mL、または治療剤(例えば、抗TIM-3抗体)の薬物動態プロファイルを説明するのに適切な任意の他の(0-336h)であり得る。一部の実施形態において、抗TIM-3抗体は、患者集団において2500h*μg/mL~50000h*μg/mLの抗TIM-3抗体濃度-時間曲線の平均AUC0-336hを達成することが実証されているレジメンに従って投与される。
【0363】
一部の実施形態において、0時間から投与期間終了までのAUCが決定される(AUC(0-Tau))。一部の実施形態において、投与期間は、1週間、2週間、3週間、4週間、5週間、6週間、7週間、8週間、9週間、または10週間である。一部の実施形態において、投与期間は、2週間である。一部の実施形態において、投与期間は、3週間である。
【0364】
一部の実施形態において、抗TIM-3抗体は、関連する患者集団において、患者の50%~80%以下が、処置開始から2、4、6、8、10、12、14、16、18、または20週間後に進行性疾患を示すような応答率を達成することが実証されているレジメンに従って投与される。一部の実施形態において、患者の80%以下が、処置開始から少なくとも10週間後に進行性疾患を示す。
【0365】
一部の実施形態において、抗TIM-3抗体は、組成物の一回用量から1、2、3、4、または5日後に少なくとも50%~90%の平均TIM-3受容体占有率を達成するのに十分であるレジメンに従って投与される。一部の実施形態において、組成物の一回用量から3日後に少なくとも50%、少なくとも55%、少なくとも60%、少なくとも65%、少なくとも70%、少なくとも75%、少なくとも80%、少なくとも85%、少なくとも90%の平均TIM-3受容体占有率を達成するのに十分な抗TIM-3抗体を送達する組成物の投与。
【0366】
一部の実施形態において、抗TIM-3抗体は、TIM-3結合剤の一回用量から3日後に、機能的TIM-3受容体占有率アッセイにおいて少なくとも1の平均刺激率を達成するのに十分なレジメンに従って投与される。
【0367】
一部の実施形態において、抗TIM-3抗体は、抗TIM-3抗体tの一回用量から第一の時間期間、例えば、約14日~約60日にわたり、少なくとも75%の平均TIM-3受容体占有率を達成するのに十分なレジメンに従って投与される。一部の実施形態において、抗TIM-3抗体は、抗TIM-3抗体の一回用量から第一の時間期間(例えば、約15日~約60日;一部の実施形態において約29日)にわたり、少なくとも75%の平均TIM-3受容体占有率を達成するのに十分であるレジメンに従って投与される。
【0368】
一部の実施形態において、抗TIM-3抗体は、抗TIM-3抗体の一回用量から第一の時間期間、例えば、約14日~約60日にわたり、機能的TIM-3受容体占有率アッセイにおいて少なくとも1の平均刺激率を達成するのに十分なレジメンに従って投与される。一部の実施形態において、抗TIM-3抗体は、抗TIM-3抗体の第一用量から第一の時間期間(例えば、約15日~約60日、一部の実施形態において約29日)にわたり、機能的TIM-3受容体占有率アッセイにおいて少なくとも1の平均刺激率を達成するのに十分なレジメンに従って投与される。
【実施例
【0369】
以下の実施例は例示のために提供され、特許請求対象の発明を限定するものではない。実施例1 マウスモデル系におけるTIM-3及びPD-1のコンビナトリアル遮断
【0370】
マウスT細胞疲弊アッセイにおけるTIM-3及びPD-1阻害の効果を試験した(Burkhartら、Int Immunol.1999;11:1625-1634)。この系では、スーパーアゴニスト改変ペプチドリガンドを有するマウスCD4+ T細胞受容体トランスジェニックT細胞のin vitro刺激が、PD-1及びTIM-3の発現増加により特徴づけられる疲弊表現型をもたらす(図2A)。図2Bに示されるように、抗PD-1及び抗TIM-3抗体の組合せは、この系におけるIFNγ産生をいずれかの薬剤単体よりも有効に強化した。
実施例2 TSR-042及びTSR-022の組合せにおけるin vivo有効性試験
【0371】
in vitroでのPD-1及びTIM-3の標的化におけるコンビナトリアル効果を評価することに加えて、肺がんの動物モデルでもこの組合せを試験した。huNOG-EXLマウスに移植したA549ヒト肺がん細胞(マウス当たり5×10細胞)からなるヒト化マウス腫瘍モデルを用いた。新生仔由来CD34+造血幹細胞をマウスに移植し、PD-1(TSR-042)及びTIM-3(TSR-022)を標的化するモノクローナルブロッキング抗体を用いてマウスを処置した。ここで、発明者らは、抗PD-1及び抗TIM-3の組合せがいずれかの薬剤単体に比べて有益な抗腫瘍作用を有することを示す(図3)。
実施例3 例示的なTIM-3結合剤向けの投与レジメン
【0372】
この実施例では、腫瘍を有する患者においてTIM-3結合剤(抗TIM-3抗体)を評価した、多施設非盲検ファースト・イン・ヒューマン第1相試験について説明する。具体的には、投薬は、特定のTIM-3結合剤を用いて処置した進行固形腫瘍を有する患者において効果をもたらす。本試験に記載のTIM-3結合剤(TSR-022)は、配列番号3を含むアミノ酸配列を有する重鎖と、配列番号4を含むアミノ酸配列を有する軽鎖とを含むヒト化モノクローナル抗TIM-3抗体を含む。この抗TIM-3抗体は、ヒトIGHG4*01重鎖遺伝子及びヒトIGKC*01軽鎖遺伝子をスキャフォールドとして利用する。さらに、IgG4重鎖のヒンジ領域内のカノニカルなS228位にて、一つのSerからProの点変異が存在する。
【0373】
含まれた患者は、組織学的または細胞学的に判明している進行した(切除不能な)または転移性の固形腫瘍を有し、臨床的利益を付与することが知られている利用可能な療法による処置後に疾患が進行したか、または他の既知の処置に対し不耐容性である。
【0374】
本試験は、いくつかのパート:用量漸増及びコホート拡大を含む。試験のパート1a(用量漸増)は、特に、抗TIM-3抗体の安全性、PK、及びPDyプロファイル、耐容性ならびに抗がん効果の評価を意図している。修正版の3+3デザインを使用して、TIM-3抗体の用量について2週間に一回(Q2W)の0.03mg/kg、0.1mg/kg、0.3mg/kg、1.0mg/kg、3mg/kg、及び10mg/kgならびにそれ以上の用量漸増とし、20mg/kgを超えないようにした。用量漸増を1.0mg/kg Q2Wまで継続したところ、MTDは依然同定されなかった。またパート1aは、(体重ベースの投与mg/kgとは対照的に)「フラット」用量、すなわち特定の固定ミリグラム数の抗体の試験も含むことができた。フラット用量は、200mg~1500mgの抗TIM-3抗体を範囲とすることができた。本試験のパート1b(PD1用量漸増コホートとの組合せ)は、特に、抗TIM-3抗体と抗PD-1抗体との組合せにおける安全性、PK、及びPDyプロファイル、耐容性ならびに抗がん効果の評価を意図しており、抗TIM-3抗体は用量漸増として投与される。投与は、2週間に一回(Q2W)または3週間に一回(Q3W)の1.0mg/kg、3mg/kg、及び10mg/kgまたはそれ以上の各抗TIM-3(ただし本試験のパート1aで規定されたMTDを超えない抗TIM-3の用量とする)と、抗PD-1との組合せを含むことになる(例示的な抗PD-1抗体は、配列番号13を含むアミノ酸配列を有する重鎖と、配列番号14を含むアミノ酸配列を有する軽鎖とを含むヒト化モノクローナル抗PD-1抗体、ニボルマブ、またはペムブロリズマブである)。抗PD-1抗体は、修正版の3+3デザインを用いることにより、承認された用量及び市販薬剤のスケジュールにて、ならびにQ2WもしくはQ3Wの3もしくは10mg/kgの用量における体重基準、またはQ2WもしくはQ3Wの抗体500mgのフラット用量基準で投与され得る。
【0375】
プライマリーエンドポイントは、有害事象共通用語規準(CTCAE v4)によりTSR-022の安全性及び耐容性を決定することと、推奨第二相用量(recommended phase 2 dose)(RP2D)及び抗PD-1抗体との組合せを決定することとを含む。セカンダリーエンドポイントは、薬物動態(PK)、奏効率、応答期間、疾患コントロール率、無憎悪生存期間、全生存期間、及び免疫原性を含む。探索的エンドポイントは、薬物力学を含む。
【0376】
図4Aは、パート1aの用量漸増試験でTSR-022単剤療法に関し使用された用量を示している。用量漸増試験では、10月27日時点で38名の進行がんを有する患者が登録していた。0.03mg/kg、0.1mg/kg、0.3mg/kg、1mg/kg、3mg/kg、及び10mg/kgの用量を患者に投与した。
【0377】
進行したまたは転移性の固形腫瘍を有する成人患者であって、利用可能な療法による処置後に疾患進行または耐容性における処置を有し、かつ妥当な臓器機能及びECOG[米国東海岸がん臨床試験グループ]パフォーマンスステータスを有する成人患者を処置した。免疫チェックポイント阻害剤を用いた事前療法を許容した。登録した38名の患者について、患者の人口統計学的特徴の概要を図5に示す。パート1a試験では、21名の男性患者及び17名の女性患者が存在した。平均年齢は60.1歳(SD=13.5)、中央値は61.0歳(最小値=25;最大値=85)であった。事前処置ライン数の平均は3.2(SD=2.3)、中央値は2.0(最小値=1;最大値=10)であった。10名の患者のECOGパフォーマンスステータスは0であり、28名のECOGパフォーマンスステータスは1であった。腫瘍部位には、結腸、皮膚、卵巣、乳房、脳、頭頸部、精巣、胸膜、肺、直腸、甲状腺、肝臓、または食道が含まれた。
【0378】
患者が第一用量のTSR-022を様々なレベル(0.03~10mg/kg)にて受けた後、血清中のTSR-022濃度を2週間モニターし、薬物動態(PK)挙動を特徴づけた。図6Aは、パート1における前処置群の血清濃度対時間プロファイルを示している。TSR-022は、試験対象用量の0.03~10mg/kgにおいて線形的なPK挙動を示した。
【0379】
図6Bは、抗TIM-3で処置した患者からの全血試料からフローサイトメトリーにより測定された循環単球上のTIM-3占有率を示している。末梢単球上の末梢単球上の受容体占有率はTSR-022曝露と相関するように示された。
【0380】
フローサイトメトリーにより、TSR-022による循環CD14単球上のTIM-3受容体占有率(RO)を測定した。簡潔に述べると、TSR-022で処置した患者からの全血試料を、非競合抗TIM-3抗体である抗CD14(総TIM-3を示す)と、競合抗TIM-3抗体(非結合または遊離TIM-3を示す)とで染色した。注入されたTSR-022によるTIM-3占有率は、CD14+細胞上の総TIM-3に対するCD14+細胞上の遊離TIM-3の比率として推定した。比率の低下は、TSR-022結合TIM-3受容体の増加を示す。ROアッセイにおける結合を測定するため、患者から、Q2Wスケジュールにおけるベースライン(1日目の投与前)、第一用量後48時間(3日目)、及び第二用量前(15日目の投与前)の全血を収集した。第二用量を投与しなかった患者のサブセットにおいて、第一用量後の22日目及び29日目に追加の試料を収集した。Q3Wスケジュールにおける占有率測定向けの試料を以下のように収集した:1日目の投与前、5日目、15日目、及び22日目。ex vivoのTSR-022が飽和した健康ドナー試料(「飽和」)及び検出抗体が欠如した対照(「バックグラウンド」)を対照に含めた。
【0381】
図7A~7Cはそれぞれ、2週間に一回(Q2W)、1mg/kgの用量(図7A)、3mg/kg(図7B)、及び10mg/kg(図7C)で投与した抗TIM-3抗体(TSR-022)の受容体占有率試験を示している。前試料は投与前であり、1日目の一回用量後に占有率を測定した。占有率(遊離TIM-3:総TIM-3)は、様々な時点において決定される(例えば、時点には1日目、3日目、15日目、22日目、及び29日目が含まれ得る)。受容体占有率は、TSR-022の各用量にわたり3日目に最大となっている。3mg/kgでは最大占有率が29日目まで維持されており、10mg/kgについても利用可能なデータにおける日数にわたり同等の結果が得られている。
【0382】
図8は、患者に投与した投薬量(0.03~10mg/kg)及びパート1a試験中の処置期間の概要を示している。
【0383】
効力評価可能な患者(例えば、少なくとも二回の投与を受け、かつ少なくとも一回のベースライン後評価を受けたか、またはベースライン後の腫瘍評価前に臨床的進行が見られたために処置を中止した患者)において観察された最良応答も評価した。直腸がん、甲状腺がん、神経内分泌がん、もしくは頭頸部がん、または軟部組織肉腫の患者において、安定病態(5/25名の患者)及び部分奏効(10mg/kgにおける1/25名の患者)が最良応答として観察された。
【0384】
図9は、10/mgレベルにおける部分奏効を伴う患者からの脳スキャンを示している。この患者は42歳であり、肺及び腎臓に転移した平滑筋肉腫を有する(腎臓の生検により、平滑筋肉腫が確認された:PTENスプライス部位、MYC増幅、ATRX変異、CD36変異、RB損失、p53損失;低変異負荷)。この患者には、再ステージングのイメージング前に10mg/kgのTSR-022の3回用量が投与された。加えて、この患者には、5ヵ月間ゲムシタビン及びドセタキセルが投与され、本試験に入る前に進行が示されていた。確証的イメージングは未決定であるが、10mg/kg用量レベルにて32%の腫瘍低減があるように思われ、処置は継続中である。
【0385】
本試験から、TSR-022単剤療法は、複数の用量レベルにわたり耐容性が十分であることが示されている。
【0386】
本試験のパート2では、特に、(i)Q2WもしくはQ3Wの固定用量における抗TIM-3抗体、または(ii)Q2WもしくはQ3Wの固定用量における抗TIM-3抗体と、上記で示されているような体重ベースもしくは固定用量における抗PD-1抗体との組合せとにおける安全性及び耐容性、PK、及びPDyプロファイルならびに抗がん効果を評価することが意図されている。抗PD-1抗体は、最初の処置サイクルの間3週間に一回(Q3W)の500mg(例えば、500mgをQ3Wで四処置サイクルの間投与)、その後に(例えば、疾患進行により)処置を中止するまで6週間に一回(Q6W)の1000mgの投与というレジメンに従って、投与され得る。
【0387】
約100mg~1500mgのフラット用量の抗TIM-3抗体は、単剤療法でも併用療法でも投与され得る。例えば、約100mg、200mg、300mg、400mg、500mg、600mg、700mg、800mg、900mg、1000mg、1100mg、1200mg、1300mg、1400mg、または1500mgの用量の抗TIM-3抗体は、Q1W、Q2W、Q3W、Q4W、Q5W、またはQ6Wで、単剤療法として、または500mgをQ3Wで四処置サイクルの間投与され、次に(例えば、疾患進行により)処置を中止するまで1000mgをQ6Wで投与される抗PD-1抗体と組み合わせて、投与され得る。実施形態において、約100mg、200mg、300mg、400mg、500mg、600mg、700mg、800mg、900mg、1000mg、1100mg、1200mg、1300mg、1400mg、または1500mgの用量の抗TIM-3抗体は、Q2WまたはQ3Wで、単剤療法として、または500mgをQ3Wで四処置サイクルの間投与され、次に(例えば、疾患進行により)処置を中止するまで1000mgをQ6Wで投与される抗PD-1抗体と組み合わせて、投与され得る。100mg、200mg、300mg、500mg、800mg、1000mg、または1200mgの用量の抗TIM-3抗体は、単剤療法として、1週間に一回(Q1W)、2週間に一回(Q2W)、3週間に一回(Q3W)、4週間に一回(Q4W)、5週間に一回(Q5W)、または3週間に一回(Q6W)投与され得る。100mg、200mg、300mg、500mg、800mg、1000mg、または1200mgの用量の抗TIM-3抗体は、単剤療法として2週間に一回(Q2W)または3週間に一回(Q3W)投与され得る。
【0388】
受容体占有率試験は、100mgのフラット用量の抗TIM-3抗体を3週間に一回(Q3W)投与することに基づいて行った。前試料は投与前であり、1日目の一回用量後に占有率を測定した。図10に示されるように、末梢における標的カバレージは、投与間隔の期間の間100mgにて達成されている。さらに、100mg Q3Wにおける受容体占有率は、3mg/kg Q2Wと同等である(図7B)。
【0389】
300mgのフラット用量の例示的な抗TIM-3抗体(TSR-022)を500mgのフラット用量の例示的な抗PD-1抗体(TSR-042)と組み合わせて投与した後の受容体占有率試験も、本明細書に記載の方法に従って行った。データは図11に示されている。第二用量のTSR-022を22日目に投与し、RO試料は第二用量の前に収集した。300mgのフラット用量のTSR-022を使用すると、測定された時間期間にわたり高いROが維持され得る。
【0390】
図12は、例示的な抗TIM-3抗体(TSR-022)の1mg/kg、3mg/kg、10mg/kgの用量、ならびに100mg、300mg、及び1200mgのフラット用量における平均受容体占有率データを合わせたものである。この図は、様々な用量のTSR-022を用いて、一連の日数にわたる測定によれば高い占有率(遊離TIM-3:総TIM-3)が達成され得ることを示している。
【0391】
これらの単剤療法及び併用レジメンは、特定の腫瘍タイプ(抗PD1/L1処置黒色腫、抗PD1/L1処置NSCLC、結腸直腸がん、卵巣がん、腎細胞がん、肝細胞がん、及び/または乳がんが含まれ得る)において試験予定である。図4Bは、パート2の拡大コホート試験の概要を示している。
等価物
【0392】
本明細書において、明細書中及び請求項中の「一つの(a)」及び「一つの(an)」という冠詞は、反対のことが明確に示されない限り、複数の指示対象を含むように理解されるべきである。あるグループの一つ以上のメンバー間に「または」を含む請求項または説明は、反対のことが示されない限り、または文脈から別のことが明らかでない限り、そのグループメンバーの一つ、二つ以上、または全てが、所与の生成物またはプロセスにおいて存在する、用いられている、または他の点で関連する場合、満たされているとみなされる。本発明は、グループのうちのちょうど一つのメンバーが所与の生成物またはプロセスにおいて存在する、用いられている、または他の点で関連する実施形態を含む。また本発明は、二つ以上の、または全てのグループメンバーが所与の生成物またはプロセスにおいて存在する、用いられている、または他の点で関連する実施形態を含む。さらに、本発明が、全ての変形形態、組合せ、及び並べ替えを包含し、別段の指示がない限り、または矛盾または不一致が生じるであろうことが当業者に明らかであると考えられない限り、挙げられた請求項の一つ以上の請求項からの一つ以上の限定、要素、条項、説明的用語等は、同じ基本請求項に従属する(または、関連する任意の他の請求項として)別の請求項に導入されることも理解されたい。要素がリストとして提示されている場合(例えば、マルクーシュグループまたは同様の形式で)、要素の各サブグループも開示されており、任意の要素がそのグループから取り除かれてもよいということを理解されたい。概して、本発明、または本発明の態様が特定の要素、特徴等を含むものとして言及されている場合、本発明のある特定の実施形態または本発明の態様は、このような要素、特徴等からなる、またはこれらから本質的になると理解されるべきである。明快にするため、このような実施形態は、あらゆる場合において、本明細書で文字通りに具体的に記載されているわけではない。また、本発明の任意の実施形態または態様は、本明細書において具体的な除外について挙げられているかどうかにかかわらず、明白に請求項から除外され得ることも理解されるべきである。本発明の背景を説明し、その実施に関しさらなる詳細を提供するために本明細書で参照されている刊行物、ウェブサイト、及びその他の参考資料は、参照により本明細書に組み入れられる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
【配列表】
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