(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-12
(45)【発行日】2024-04-22
(54)【発明の名称】ポリシロカルブに基づいた炭化ケイ素材料、用途および装置
(51)【国際特許分類】
C01B 32/977 20170101AFI20240415BHJP
C01B 32/40 20170101ALI20240415BHJP
C04B 35/571 20060101ALI20240415BHJP
【FI】
C01B32/977
C01B32/40
C04B35/571
(21)【出願番号】P 2022091771
(22)【出願日】2022-06-06
(62)【分割の表示】P 2020177808の分割
【原出願日】2015-09-24
【審査請求日】2022-06-28
(32)【優先日】2014-09-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2015-02-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2014-09-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2014-09-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】519350764
【氏名又は名称】パリデュス インク
【氏名又は名称原語表記】PALLIDUS, INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100175983
【氏名又は名称】海老 裕介
(72)【発明者】
【氏名】ディワンジ, アシシュ, ピー.
(72)【発明者】
【氏名】ホプキンス, アンドリュー, アール.
(72)【発明者】
【氏名】シャーウッド, ウォルター, ジェイ.
(72)【発明者】
【氏名】デュークス, ダグラス, エム.
(72)【発明者】
【氏名】サンドグレン, グレン
(72)【発明者】
【氏名】ランド, マーク, エス.
(72)【発明者】
【氏名】ベナック, ブライアン, エル.
【審査官】▲高▼橋 真由
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2014/0274658(US,A1)
【文献】国際公開第2004/043876(WO,A1)
【文献】特開平10-275617(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C01B 32/977
C01B 32/40
C04B 35/571
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下を含む炭化ケイ素の製造方法:
a.シリコン、炭素および酸素を含み、溶剤を含まない
ポリシロカルブ前駆物質配合物である液体を提供すること;
b.該液体を硬化して、シリコン、炭素および酸素から本質的に成る硬化物であって、少なくとも99.99%の純度である硬化物を提供すること;
c.シリコン、炭素および酸素から本質的に成るセラミック材料へ硬化物を変換すること;および
d.セラミック材料から酸素を本質的にすべて取り除くこと;それにより少なくとも99.99%の純度である炭化ケイ素を提供すること。
【請求項2】
該液体は、50%から65%の炭素、20%から30%の酸素、15%から20%のシリコンのモル比を有するポリシロカルブ前駆物質配合物である、請求項1記載の方法。
【請求項3】
COを生産することを含む、請求項1記載の方法。
【請求項4】
炭化ケイ素が生成され、該炭化ケイ素は少なくとも99.9999%の純度である、請求項1記載の方法。
【請求項5】
炭化ケイ素が生成され、該炭化ケイ素は100ppm未満のAlを含む、請求項1記載の方法。
【請求項6】
炭化ケイ素が生成され、該炭化ケイ素は10ppm未満のAlを含む、請求項1記載の方法。
【請求項7】
炭化ケイ素は1ppm未満のAlを含む、請求項4記載の方法。
【請求項8】
炭化ケイ素が生成され、該炭化ケイ素は100ppm未満のBを含む、請求項1記載の方法。
【請求項9】
炭化ケイ素が生成され、該炭化ケイ素は10ppm未満のBを含む、請求項1記載の方法。
【請求項10】
該炭化ケイ素は1ppm未満のBを含む、請求項4記載の方法。
【請求項11】
炭化ケイ素が生成され、該炭化ケイ素は合計の元素の10ppm未満の、Ti、Al、Fe、B、P、Pt、Ca、Mg、Li、Na、Ni、V、Pr、Ce、Cr、SおよびAsからなる群から選択される不純物を含む、請求項1記載の方法。
【請求項12】
炭化ケイ素が生成され、該炭化ケイ素は合計の元素の1ppm未満の、Ti、Al、Fe、B、P、Pt、Ca、Mg、Li、Na、Ni、V、Ce、Cr、SおよびAsから選択される不純物を含む、請求項1記載の方法。
【請求項13】
炭化ケイ素はアルファ・タイプである、請求項4記載の方法。
【請求項14】
炭化ケイ素はベータ・タイプである、請求項4記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は:(i)35U.S.C.§119(e)(1)の下で2014年9月25日に出願された米国仮出願番号62/055,397の優先権を要求する;(ii)35U.S.C.§119(e)(1)の下で2014年9月25日に出願された米国仮出願番号62/055,461の優先権を要求する;(iii)35U.S.C.§119(e)(1)の下で2014年9月25日に出願された米国仮出願番号62/055,497の優先権を要求する;そして(iv)35U.S.C.§119(e)(1)の下で2015年2月4日に出願された米国仮出願番号62/112,025の優先権を要求する;各々の全ての開示は、参照され本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
本発明の技術分野
本発明はポリオーガニックな組成物(polyorganic compositions)、方法、構造および物質;ポリマー由来のプレセラミックおよびセラミック材料および方法;および特にはポリシロカルブ組成物(polysilocarb composition)、方法、構造および物質に関する。本発明は、さらに炭化ケイ素(SiC)およびSiC組成物の製造方法、これらのアイテムを作るための構造、成分、物質および装置に関する;さらに炭化ケイ素(SiC)およびSiOC組成物の製造方法、これらのアイテムを作るための構造、成分、物質および装置に関する;特にはポリシロカルブ物質から作られるSiCに関する。ポリシロカルブ物質、およびそれらの物質を作る方法は、米国特許出願番号14/212,896、14/324,056、14/268,150および14/634,819に開示され、教示されており、それらの開示の全体は参照され、本明細書に組込まれる。
【0003】
カルボシランまたはポリカルボシラン(Si-C)、シランまたはポリシラン(Si-SI)、シラザンまたはポリシラザン(Si-N-Si)、シリコンカーバイド(SIC)、カルボシラザンまたはポリカルボシラザン(Si-N-Si-C-Si)、シロキサンまたはポリシロキサン(Si-O)から作られたかこれらから導かれた物質は知られている。一般的なタイプの材料は非常に有望であるが、実現されておらず、大規模用途や市場での受け入れが見られない。代わりに、それらの使用は、非常に狭く、制限された、低容量、高価格で非常に特定された用途(たとえばロケットノズル中のセラミック部品またはスペースシャトルのためのパッチ)に限定されていた。したがって、それらはセラミックスとして広範囲に使用されていない。また、それらは他の用途についてほとんど受け入れられていない。
【0004】
多かれ少なかれ、これらの物質およびその製造プロセスは、すべてたとえば以下の問題があった:それらは非常に高価であり、それらの製造は困難であり、1ポンド当たり何千から何万ドルのコストがかかった;それらは高い、または非常に高い純度の出発原料を要求する;一般にプロセスは、高純度の材料を生産できない;そのプロセスは危険な有機溶媒(たとえばトルエン、テトラヒドロフラン(THF)およびヘキサン)を要求する;材料は、任意の使用可能な強さを有する強化されていない構造を作ることができない;そのプロセスは不適当で危険な副産物、たとえば塩酸とマグネシウムを含む場合のあるスラッジを生産する;そのプロセスは、硬化と熱分解を含み、複数の溶剤および反応物に基づいた反応工程を要求する;材料は有用なプリプレグを形成することができない;そしてそれらの全面的な物性は、例えばよい温度特性を有するが、非常に脆い。
【0005】
その結果、大きな可能性があると考えられていたが、これらのタイプの材料は大規模用途や市場の支持を見つけられず、本質的に科学的な興味の対象でしかなかった。
【0006】
炭化ケイ素(SiC)は、広範な使用、用途および将来の用途の可能性を持っているシリコン(Si)および炭素(C)の化合物である。Eugene Achesonは、炭化ケイ素の商用製造過程の最初の開発者とされ、その方法は米国特許番号492,767および560,291に開示されている。それらは、参照され本明細書の一部として組込まれる。炭化ケイ素は非常に用途の広い材料である。炭化ケイ素にはいくつかの形式があり、例えば、無定形、様々なポリタイプを持っている結晶があり、単一(あるいはモノ-)および多結晶構造を形成する。炭化ケイ素は、研磨材、摩擦部材およびエレクトロニクスに用途が見いだされている。炭化ケイ素粉末、微粒子、ペレット、または他のより小さな賦形された形状は、焼結操作により互いに結合して構成部品と構造を形成することができる。
【0007】
一般に、炭化ケイ素は半導体として機能することができる。材料として、非常に安定している。炭化ケイ素は非常に硬い材料である。それは本質的に、化学的に不活性で、室温でどんな材料とも反応しないだろう。
【0008】
近年、最終生産物(たとえば半導体)で使用されるための高純度炭化ケイ素、および特には高純度単結晶の炭化物材料に対する要求が増加しているが、まだ満たされていないと信じられている。例えば、「単結晶は、高周波および高いパワー炭化ケイ素電子装置用の基体としてますます多くの重要性を獲得している。」Wang,et.al,Synthesis of High Power Sic Powder for High-resistivity SiC Single crystals Growth,p.118(J.Mater.Sic.Technol.Vol.23,No1,2007)(hereinafter Wang)。これらの高純度炭化ケイ素最終生産物を得るためには、出発物質または原料としての炭化ケイ素粉末は、非常に純粋でなければならない。しかしながら、「商業的に利用可能なSiC粉末は、シリカの炭素熱還元法によって通常合成される。不運にも、典型的にはそれはSiC成長に適さなくするレベルに汚染される。Wang,atp.118。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
高純度炭化ケイ素を得るための長期間の必要と、利用可能な(技術的および経済的な見地から)方法を提供する技術における課題は、Zwieback et al.,2013/0309496("Zwieback")でも認識されていた。これは「一般に高純度SiCソース材料の利用はSiC単結晶成長にとって重要である。また、それは半絶縁SiC結晶にとって重要である。」(Zwiebackの0007)。Zwiebackは、液体ベースの方法を含む従来方法は、一貫してこの必要を満たしていないと述べる:「アチソン法の多数の改良法がこの数年にわたって開発されているが、生成されたSiC材料は常にホウ素、窒素アルミニウムおよび他の金属の高濃度を含み、半導体SiC結晶の成長のための原料物質として不適当である」(Zwiebackの0009);「CVDによって生産された商用グレードのバルクのSiCは、SiC結晶成長での源としての使用には十分に純粋ではない」(Zwiebackの0010)液体のプロセスは、「大きな濃度の不純物を含むSiC材料を生成し、半導体SiC結晶の成長に適さない」(Zwiebackの0011)また、SiCの直接合成法は、「そのような材料の使用を妨げる」不純な材料を提供する(Zwiebackの0015)。Zwiebackは彼自身、高純度SiCを提供しようとする、直接法であるように見える、複雑な、多重ステップ・バージョンの長年の必要に答えようと長年努力した。このプロセスは技術的にまたは経済的に利用可能ではないと信じられている;そのために、それは長年の課題を解決することができず、商用レベルの高純度SiCを提供する必要がある。
【0010】
したがって、炭化ケイ素を得る他の既知の方法があるが、これらの方法のどれも純度レベル、量、および商用利用および用途に必要な低コストを提供するために必要な技術的、キャパシティーおよび経済的利用可能性を提供しないと信じられている;また特に、半導体グレード材料の常に増加する需要および他の商用利用および用途を満たしていないと信じられている。「これらの合成方法の中で、CVDだけが高純度SiC粉末を生成するために成功裡に使用された。それは、CVD技術に関連した高いコストのために大量製造に適していない。」Wang,at p.118。
【0011】
CVDは一般に化学蒸着法を指す。CVDは一種の蒸着技術である。CVDに加えて、蒸着技術はPVD(物理的蒸着)、プラズマエンハンストCVD、物理的輸送成長法(PVT)などを含む。
【0012】
これらの最終生産物、使用、および高純度材料を要求する用途において、少なくとも約99.9%、少なくとも約99.99%、少なくとも約99.999%、少なくとも約99.9999%および少なくとも約99.99999%、またはそれ以上の純度の低コスト炭化ケイ素原料への必要は常に増加している、しかしながら、本発明の実施態様の以前には、すべての実際的な目的のために、この必要は満たされていなかった。
【0013】
さらに、本発明の実施態様の以前には、高純度および超高純度のSiOC材料は、特には数オンスの小さな研究所バッチより大きな量では得られていない。したがってそれらの重要性、有益性、またそのような材料の必要性は、認められず理解されていなかった。
【0014】
高純度単結晶炭化ケイ素材料には多くの望ましい特徴および特性がある。例えば、それは約424GPaのヤング率を有する非常に硬い材料である。その粒状組織および他の要因によって、多結晶シリコン炭化物も非常に高い硬度を有する。
【0015】
本明細書に使用される時、特記が無ければ、用語「比重」(これは「みかけ密度」とも呼ばれる)は、最も広い意味で使用され、一般には構造物の単位体積当たりの平均重量、たとえば材料の容積あたりの重量をいう。この特性は、その体積の一部として粒子の内部気泡を含んでいるだろう。それは、粒子表面を湿らせる低粘度流体で測定することができる。
【0016】
本明細書に使用される時、特記が無ければ、用語「実際の密度」(これは「真密度」とも呼ばれる)は、最も広い意味で使用され、一般には、材料の中に気孔がない場合の構造物の単位体積当たりの平均重量をいう。この測定と特性は、本質的に材料からすべての内部気泡も除去し、例えば、材料内に空間を含んでいない。
【0017】
したがって、多孔性の泡ボール(例えばNerf(登録商標)ボール)のコレクションは、3つの密度特性の関係を説明するために使用することができる。包装容器を満たすボールの重量はボールのかさ密度になるだろう:
【0018】
かさ密度=ボールの総重量/満たされる容器の体積
【0019】
ボールの球状の体積当たりの単一のボールの重量は、そのみかけ密度になるだろう:
【0020】
みかけ密度=1個のボールの重量/そのボールの体積
【0021】
ボールの骨格を構成する材料の重量、すなわちすべてのボイドが除去されたボールの、その材料の残された体積当たりの重量が実際の密度になるだろう:
【0022】
実際の密度=材料の重量/ボイドの無い材料の体積
【0023】
本明細書に使用される時、特記が無ければ、室温は25℃である。また、標準周囲温度および圧力は25℃および1大気圧である。
【0024】
一般に、用語「約」は、本明細書に使用される時、特記が無ければ、示された値を得ることに関連した実験または機器の誤差として±10%の範囲を包含することを意味し、好ましくはより大きな範囲を包含する。
【課題を解決するための手段】
【0025】
SiCの製造方法、コスト効率が良く、低減されたコストの高純度SiCの製造方法および装置、およびSiCおよび高純度SiCを利用する装置に対する長期間の満たされていない要求がある。極めて高い純度(例えば5-ナイン)、およびより大きなSiOCセラミックスに対する、長期間の満たされていない要求がある。
【0026】
本発明は、本明細書および特許請求の範囲に開示され記載される組成物、材料、製品、物品の製造、装置およびプロセスを提供することにより、これらのニーズを解決する。
【0027】
すなわち、以下を含む炭化ケイ素の製造方法が提供される:シリコン、炭素および酸素を含み、溶剤を含まない液体を提供すること;該液体を硬化して、シリコン、炭素および酸素から本質的に成る硬化物を提供すること;150℃未満の温度で硬化物を保持すること;シリコン、炭素および酸素から本質的に成るセラミック材料へ硬化物を変換すること;およびセラミック材料から酸素をすべて本質的に取り除くこと。
【0028】
さらに、以下の特徴の1以上を有する組成物、方法および物品が提供される:液体は、約30%から85%の炭素、約5%から40%の酸素、約5%から35%のシリコンのモル比を有するポリシロカルブ前駆物質配合物である;液体は、約50%から65%の炭素、約20%から30%の酸素、約15%から20%のシリコンのモル比を有するポリシロカルブ前駆物質配合物である;COの生産を含む;CO2の生産を含む;炭化ケイ素が生成され、炭化ケイ素は少なくとも99.99%の純度である;炭化ケイ素が生成され、炭化ケイ素は少なくとも99.999%の純度である;炭化ケイ素が生成され、炭化ケイ素は少なくとも99.9999%の純度である;炭化ケイ素が生成され、炭化ケイ素は少なくとも99.999999%(8ナイン)の純度である;炭化ケイ素が生成され、炭化ケイ素は少なくとも99.99999%の純度である;炭化ケイ素が生成され、炭化ケイ素は約100ppm未満のAlを含む;炭化ケイ素が生成され、炭化ケイ素は約10ppm未満のAlを含む;炭化ケイ素は約1ppm未満のAlを含む;炭化ケイ素が生成され、炭化ケイ素は約100ppm未満のBを含む;炭化ケイ素が生成され、炭化ケイ素は約10ppm未満のBを含む;炭化ケイ素は約1ppm未満のBを含む;炭化ケイ素が生成され、炭化ケイ素は合計の元素の約1000ppm未満の、Ti、Al、Fe、B、P、Pt、Ca、Mg、Li、Na、Ni、V、Ce、Cr、SおよびAsから選択される不純物を含む;炭化ケイ素が生成され、炭化ケイ素は合計の元素の約500ppm未満のTi、Al、Fe、B、P、Pt、Ca、Mg、Li、Na、Ni、V、Ce、Cr、SおよびAsから選択される不純物を含む;炭化ケイ素が生成され、炭化ケイ素は合計の元素の約100ppm未満の、Ti、Al、Fe、B、P、Pt、Ca、Mg、Li、Na、Ni、V、Pr、Ce、Cr、SおよびAsから選択される不純物を含む;炭化ケイ素が生成され、炭化ケイ素は合計の元素の約100ppm未満の、Al、Fe、B、P、Pt、Ca、Mg、Li、Na、Ni、V、Ce、Cr、SおよびAsから選択される不純物を含む;炭化ケイ素が生成され、炭化ケイ素は合計の元素の約50ppm未満の、Ti、Al、Fe、B、P、Pt、Ca、Mg、Li、Na、Ni、V、Ce、Cr、SおよびAsから選択される不純物を含む;液体はポリシロカルブ前駆物質配合物であり、炭化ケイ素はアルファ・タイプである;液体はポリシロカルブ前駆物質配合物であり、炭化ケイ素はベータ・タイプである;液体は、約30%から85%の炭素、約5%から40%の酸素、約5%から35%のシリコンのモル比を有するポリシロカルブ前駆物質配合物であり、炭化ケイ素はアルファ・タイプである;液体は、約30%から85%の炭素、約5%から40%の酸素、約5%から35%のシリコンのモル比を有するポリシロカルブ前駆物質配合物であり、炭化ケイ素はベータ・タイプである;炭化ケイ素が生産され、炭化ケイ素は少なくとも99.9999%の純度であり、炭化ケイ素はアルファ・タイプである;炭化ケイ素が生産され、炭化ケイ素は約100ppm未満のAlを含み、炭化ケイ素はベータ・タイプである;炭化ケイ素が生産され、炭化ケイ素は約1ppm未満のAlを含み、炭化ケイ素はベータ・タイプである:シリコンはベータ・タイプである;炭化ケイ素が生産され、炭化ケイ素は約1ppm未満のBを含み、炭化ケイ素はベータ・タイプである;炭化ケイ素が生成され、炭化ケイ素は合計の元素の約2000ppm未満の、Al、Fe、B、P、Pt、Ca、Mg、Li、Na、Ni、V、Ti、Ce、Cr、SおよびAsから選択される不純物を含み、炭化ケイ素はアルファ・タイプである;炭化ケイ素が生成され、炭化ケイ素は合計の元素の約500ppm未満の、Al、Fe、B、P、Pt、Ca、Mg、Li、Na、Ni、V、Ti、Ce、Cr、SおよびAsから選択される不純物を含み、炭化ケイ素はアルファ・タイプである;炭化ケイ素が生成され、炭化ケイ素は合計の元素の約100ppm未満の、Al、Fe、B、P、Pt、Ca、Mg、Li、Na、Ni、V、Ce、Cr、SおよびAsから選択される不純物を含み、炭化ケイ素はベータ・タイプである;炭化ケイ素が生成され、炭化ケイ素は合計の元素の約50ppm未満の、Al、Fe、B、P、およびPtから成る郡から選択される不純物を含み、炭化ケイ素はベータ・タイプである。
【0029】
さらに、以下を含む炭化ケイ素を製造する方法を提供される:シリコン、炭素および酸素を含む液体を提供すること;ここで該液体は、約30%から85%の炭素、約5%から40%の酸素、約5%から35%のシリコンのモル比を有するポリシロカルブ前駆物質配合物である;ここで液状材料は合計の元素の約100ppm未満のAl、Fe、B、およびPから成る群から選択される元素を含む;液体を硬化して、シリコン、炭素および酸素から本質的に成る硬化物を得ること;ここで、硬化物は合計の元素の約100ppm未満のAl、Fe、B、およびPから成る群から選択される元素を含む;硬化物を、シリコン、炭素および酸素を含むセラミック材料へ変換すること;ここで、セラミックス材料は合計の元素の約100ppm未満のAl、Fe、B、およびPから成る群から選択される元素を含む;およびセラミック材料から酸素を本質的にすべて取り除くこと;それによりSiCが提供される;ここで、SiCは合計の元素の約100ppm未満のAl、Fe、B、およびPから成る群から選択される元素を含む;
【0030】
さらに、1以上の以下の特徴を有する組成物、方法および物品が提供される:炭化ケイ素は多結晶である;炭化ケイ素はモノ結晶質である;炭化ケイ素は99%を超えるアルファ・タイプである;炭化ケイ素は50%を超えるベータ・タイプである;炭化ケイ素は、パック、ブリケット、ブリック、錠剤、ディスクおよびタブレットから成る形の群から選ばれた形状である;炭化ケイ素は体積形状物(volumetric shape)であり、該体積形状物は、炭化ケイ素の1/3未満の硬さを有する;炭化ケイ素は体積形状にあり、該体積形状物は、炭化ケイ素の1/3未満の硬さを有する;炭化ケイ素は50%を超えるベータ・タイプである;液体は、約50%から65%の炭素、約20%から30%の酸素、約15%から20%のシリコンのモル比を有するポリシロカルブ前駆物質配合物である;
【0031】
さらに以下を含む炭化ケイ素の製造方法が提供される:シリコン、炭素、酸素を含む液体を触媒すること;ここで該液体は、約30%から85%の炭素、約5%から40%の酸素、約5%から35%のシリコンのモル比を有するポリシロカルブ前駆物質配合物である;シリコン、炭素および酸素を含み、少なくとも約99.99%の純度を持っている固形材料を不活性ガスの存在下で70℃以上の温度で触媒された液体を硬化すること;硬化物を1,750℃以上の温度で、炭化ケイ素粒子状物質から本質的に成り、硬度を有し、粒子状物質は合計で10ppm未満のAl、FeおよびBを含むセラミック材料へ変換すること;および体積形状物を炭化ケイ素粒子状物質から作ること、ここで体積形状物は炭化ケイ素粒子状物質の硬度の1/4未満の硬度を有する。
【0032】
さらに、以下の1以上の特徴を有する組成物、方法および物品が提供される:炭化ケイ素は、3C、2H、4H、6H、8Hおよび15Rから成る群から選ばれるポリタイプである;体積形状物は、パック、ブリケット、ブリック、ペレット、ディスク、ピルおよびタブレットから成る形のグループから選ばれる;体積形状物硬度は炭化ケイ素粒子状物質の硬度の1/10未満である;体積形状物硬度は炭化ケイ素粒子状物質の硬度の1/20未満である;炭化ケイ素は、3C、2H、4H、6H、8Hおよび15Rから成る群から選ばれるポリタイプである;体積形状物は、パック、ブリケット、ブリック、ペレット、ディスク、ピルおよびタブレットから成る形のグループから選ばれる;体積形状物硬度は炭化ケイ素粒子状物質の硬度の1/10未満である;体積形状物には炭化ケイ素粒子状物質の硬度の1/30未満である;炭化ケイ素は、3C、2H、4H、6H、8Hおよび15Rから成る群から選ばれるポリタイプである;体積形状物は、パック、ブリケット、ブリック、ペレット、ディスク、ピルおよびタブレットから成る形のグループから選ばれる;体積形状物硬度は炭化ケイ素粒子状物質の硬度の1/10未満である;液体中の酸素、炭素、およびシリコンのモル比は、約25%のSi、約50%のCおよび約25%のOである;液体中の酸素、炭素、およびシリコンのモル比は、約20%のSi、約60%のCおよび約20%のOである;液体中の酸素、炭素、およびシリコンのモル比は、約23%のSi、約54%のCおよび約23%のOである;炭化ケイ素は、3C、2H、4H、6H、8Hおよび15Rから成る群から選ばれるポリタイプである;体積形状物は、パック、ブリケット、ブリック、ペレット、ディスク、ピルおよびタブレットから成る形のグループから選ばれる;体積形状物硬度は炭化ケイ素粒子状物質の硬度の1/10未満である;液体中の酸素、炭素、およびシリコンのモル比は、約22%のSi、約56%のCおよび約22%のOである;液体中の酸素、炭素、およびシリコンのモル比は、約1.37Si、約2.73Cおよび約1.37Oである;
【0033】
さらに、1つ以上の以下の特徴を有する組成物、方法および物品が提供される:炭化ケイ素の体積形状物は、合計で約50ppm未満の、Al、Fe、BおよびPから成るグループから選択される元素を含む;炭化ケイ素の体積形状物は、合計で約40ppm未満の、Al、Fe、BおよびPから成るグループから選択される元素を含む;炭化ケイ素の体積形状物は、合計で約100ppm未満の、Al、Fe、BおよびPから成るグループから選択される元素を含む;炭化ケイ素の体積形状物は、合計で約1000ppm未満の、Al、Fe、BおよびPから成るグループから選択される元素を含む;炭化ケイ素の体積形状物は、合計で約50ppm未満のTi、Al、Fe、B、P、Pt、Ca、Mg、LiおよびNaから成るグループから選択される元素を含む;炭化ケイ素の体積形状物は、合計で約50ppm未満のAl、Fe、B、P、Pt、Ca、Mg、Li、Na、Ni、V、Pr、Ce、Cr、SおよびAsから成るグループから選択される元素を含む;炭化ケイ素の体積形状物は、合計で約50ppm未満のAl、Fe、B、P、Pt、Ca、Mg、Li、Na、Ni、V、Ti、Ce、Cr、SおよびAsから成るグループから選択される元素を含む;炭化ケイ素の体積形状物は、合計で約50ppm未満のAl、Fe、B、P、Pt、Ca、Mg、Li、Na、Ni、V、Pr、Ce、Cr、SおよびAsから成るグループから選択される元素を含む;
【0034】
さらに、1つ以上の以下の特徴を有する組成物、方法および物品が提供される:ここで、炭化ケイ素は合計で約90ppm未満のTi、Al、Fe、B、P、Pt、Ca、Ce、Cr、SおよびAsから成るグループから選択される元素を含む;ここで、炭化ケイ素は炭化ケイ素は合計で約90ppm未満のTi、Fe、P、Pt、Ca、Mg、Li、Na、Ni、CrおよびAsから成るグループから選択される元素を含む;ここで、炭化ケイ素は炭化ケイ素は合計で約90ppm未満のAl、Fe、B、P、Mg、Li、V、Ce、Cr、およびSから成るグループから選択される元素を含む;ここで、炭化ケイ素は炭化ケイ素は合計で約90ppm未満のAl、Fe、B、およびPから成るグループから選択される元素を含む;ここで、炭化ケイ素は炭化ケイ素は合計で約90ppm未満のTi、Al、Fe、B、P、Pt、Ca、Ce、Cr、SおよびAsから成るグループから選択される元素を含む;ここで、炭化ケイ素は炭化ケイ素は合計で約90ppm未満のTi、Fe、P、Pt、Ca、Mg、Li、Na、Ni、CrおよびAsから成るグループから選択される元素を含む;ここで、炭化ケイ素は炭化ケイ素は合計で約90ppm未満のAl、Fe、B、P、Mg、Li、V、Ce、CrおよびSから成るグループから選択される元素を含む;ここで、炭化ケイ素が生産され、炭化ケイ素は少なくとも99.9999%の純度である;また、炭化ケイ素はベータ・タイプである。
【0035】
従って、以下を含む、高純度ポリマー由来のセラミックSiC組成物が提供される:SiC4構造物;表面を規定する組成物、ここで組成物表面は標準周囲温度および圧力下で耐酸化性であり、該表面は標準周囲温度および圧力で酸化被膜が本質的にない;および組成物は、不純物が本質的になく、合計の不純物は1ppm未満である。
【0036】
1以上の以下の特徴を有する方法、組成物および物品が提供される:ここで、SiC4構造(SiC4 configuration)は立方体構造および四面体構造から成る群から選ばれる;ここで、SiC4構造は、六方晶系の構造、斜方面体晶系の構造および三方晶系の構造から成る群から選ばれる;ここで、SiC4構造は、3C-SiC、β-SiC、2H-SiC、4H-SiC、6H-SiC、8H、10H、16H、18H、19H、15R、21R、24H、33R、39R、27R、48H、および51Rから成る群から選択される;ここで、SiC4構造は、ABCABCの積層順序、ABABの積層順序、ABCBABCBの積層順序およびABCACBABCACBの積層順序から成る群から選ばれる。
【0037】
さらに、高純度ポリマー由来の、バンドギャップを有するセラミックSiC組成物から作られたSiCウェハを含む半導体であって、バンドギャップが約2.26eVから約3.33eVまでである半導体が提供される。
【0038】
さらに、高純度ポリマー由来の、バンドギャップを有するセラミックSiC組成物から作られたSiCウェハを含む半導体であって、バンドギャップが約2.20eVよりも大きい半導体が提供される。
【0039】
さらに、高純度ポリマー由来の、バンドギャップを有するセラミックSiC組成物から作られたSiCウェハを含む半導体であって、バンドギャップが約2.26eVから約3.33eVまでである半導体が提供される。
【0040】
さらに、高純度ポリマー由来の、Eマックスを有するセラミックSiC組成物から作られたSiCウェハを含むパワー素子であって、Eマックスが約1MV/cmより大きいパワー素子が提供される。
【0041】
さらに、高純度ポリマー由来の、Eマックスを有するセラミックSiC組成物から作られたSiCウェハを含むパワー素子であって、Eマックスが約1.5MV/cmより大きいパワー素子が提供される。
【0042】
さらに、高純度ポリマー由来の、Eマックスを有するセラミックSiC組成物から作られたSiCウェハを含むパワー素子であって、Eマックスが約2MV/cmより大きいパワー素子が提供される。
【0043】
さらに、高純度ポリマー由来の、Eマックスを有するセラミックSiC組成物から作られたSiCウェハを含むパワー素子であって、Eマックスが約2.5MV/cmより大きいパワー素子が提供される。
【0044】
さらに、高純度ポリマー由来の、2x107cm/sec2の飽和ドリフト速度を有するセラミックSiC組成物から作られたSiCウェハを含む高周波装置が提供される。
【0045】
さらに、高純度ポリマー由来の、室温で約4.0W/(cm-K)より大きい熱伝導性を有するセラミックSiC組成物から作られた物品が提供される。
【0046】
さらに、高純度ポリマー由来の、室温で約4.5W/(cm-K)より大きい熱伝導性を有するセラミックSiC組成物から作られた物品が提供される。
【0047】
さらに、以下を含む、高純度ポリマー由来のセラミックSiCの破砕性物質が提供される:ポリマー由来のSiCの粒状の粒子状物質であって、SiC4構造を含む粒子状物質;体積形状物を定義する粒状の粒子状物質;約3.0g/ccから約3.5g/ccの実際の密度、約410GPaの弾性率および約3,900MPaの圧縮強度を有する粒状の粒子状物質;約2.5g/cc未満のみかけ密度、約205GPa未満の弾性率および約2,000MPa未満の圧縮強度を持っている体積形状物;ここで、体積形状物は不純物が本質的になく、Al、Fe、BおよびPから成る群から選ばれた不純物は、全体で10ppm未満である。
【0048】
さらに、1以上の以下の特徴を有する方法、組成物、および物品が提供される:ここで、体積形状物は表面を画定し、該表面には酸化被膜が本質的にない;ここで、体積形状物は、パック、ブリケット、ブリック、ペレット、ディスク、錠剤およびタブレットから成る形の群から選ばれる;ここで、体積形状物は、パック、ブリケット、ブリック、ペレット、ディスク、錠剤およびタブレットから成る形の群から選ばれる;ここで、体積形状物は約100GPa未満の弾性率、および約1,000MPa未満の圧縮強度を有する;ここで、体積形状物は約100GPa未満の弾性率、および約1,000MPa未満の圧縮強度を有する;ここで、体積形状物は約10GPa未満の弾性率、および約500MPa未満の圧縮強度を有する;ここで、体積形状物は約10GPa未満の弾性率、および約500MPa未満の圧縮強度を有する;不純物が約1ppm未満である破砕性物質である;立方体構造および四面体構造から成る群からSiC4構造が選ばれる破砕性物質(friable mass)である;六方晶系構造、斜方面体晶系の構造および三方晶系の構造から成る群からSiC4構造が選ばれる破砕性物質;3C-SiC、β-SiC、2H-SiC、4H-SiC、6H-SiC、8H、10H、16H、18H、19H、15R、21R、24H、33R、39R、27R、48H、および51Rから成る群からSiC4構造が選ばれる破砕性物質;ABCABCの積層順序、ABABの積層順序、ABCBABCBの積層順序およびABCACBABCACBの積層順序から成る群からSiC4構造が選ばれる破砕性物質;ABCABCの積層順序、ABABの積層順序およびABCBABCBの積層順序から成る群からSiC4構造が選ばれる破砕性物質。
【0049】
基体上のエピタキシアル・ポリシロカルブ由来のSiC層であって、エピタキシアル・ポリシロカルブ由来のSiC層が以下から作られるものが提供される:以下を含む高純度ポリマー由来のセラミックSiC組成物:SiC4構造;表面を規定する組成物、ここで組成物表面は標準周囲温度および圧力下で耐酸化性であり、該表面は標準周囲温度および圧力で酸化被膜が本質的にない;およびここで、組成物は本質的に不純物を含まず、合計の不純物は1ppm未満である;エピタキシアル・ポリシロカルブ由来のSiC層は、本質的に不純物を含まず、不純物は1ppm未満である。
【0050】
さらに、1以上の以下の特徴を有する方法、組成物、および物品が提供される:不純物はAl、Fe、B、P、Pt、Ca、Mg、Li、Na、Ni、V、Ti、Ce、Cr、SおよびAsから成る群から選ばれる;不純物はAl、Fe、B、P、Pt、Ca、Mg、Li、Na、Ni、V、Ti、Ce、Cr、SおよびAsから成る群から選ばれる;ここで、不純物は、Al、Fe、B、PおよびNから成る群から選ばれる;ここで、不純物は、Al、Fe、B、PおよびNaから成る群から選ばれる;ここで、不純物は、Al、Fe、B、PおよびNaから成る群から選ばれる;ここで、不純物はAl、BおよびPから成る群から選ばれる;ここで、基体はSiCで構成される;そして、ここで基体はSiで構成される;ここで、基体は結合層およびSiOCで構成される。
【0051】
さらに基体上のエピタキシアル・ポリシロカルブ由来のSiC層であって、エピタキシアル・ポリシロカルブ由来のSiC層が以下から作られるものが提供される:以下を含む高純度ポリマー由来のセラミックSiC破砕性物質:ポリマー由来のSiCの粒状の粒子状物質であって、SiC4構造を含む粒子状物質;体積形状物を定義する粒状の粒子状物質;約3.0g/ccから約3.5g/ccの実際の密度、約410GPaの弾性率、および約3,900MPaの圧縮強度を有する粒状の粒子状物質;約2.5g/cc未満のみかけ密度、約205GPa未満の弾性率および約2,000MPa未満の圧縮強度を有する体積形状物;ここで、体積形状物は、不純物を本質的に含まず、Al、FeおよびBから成る群から選ばれた不純物は合計で10ppm未満である。
【0052】
さらに、以下を含む、ポリシロカルブ由来のSiCブール(SiC boule)が提供される:ポリシロカルブ由来のSiCブールは長さと直径を画定し、長さは約1インチより長く、直径は約2インチより大きい;ここで、ポリシロカルブ由来のSiCブールは、以下を含む高純度ポリマー由来のセラミックSiC組成物の蒸着によって作られる;SiC4構造;表面を規定する組成物、ここで組成物表面は標準周囲温度および圧力下で耐酸化性であり、該表面には標準周囲温度および圧力で酸化被膜が本質的にない;およびここで、組成物には不純物が本質的になく、合計の不純物は1ppm未満である;ポリシロカルブ由来のSiCブールには不純物が本質的になく、不純物は1ppm未満であり、マイクロパイプ(micropipes)が本質的にない。
【0053】
さらに、以下の1つ以上の特徴を有する方法、組成物、および物品が提供される:長さが少なくとも3インチであることを特徴とするポリシロカルブ由来のSiCブール;長さが少なくとも5インチであることを特徴とするポリシロカルブ由来のSiCブール;長さが少なくとも8インチであることを特徴とするポリシロカルブ由来のSiCブール;長さが少なくとも12インチであることを特徴とするポリシロカルブ由来のSiCブール;直径が少なくとも4インチであることを特徴とするポリシロカルブ由来のSiCブール;直径が少なくとも8インチであることを特徴とするポリシロカルブ由来のSiCブール;直径が少なくとも10インチであることを特徴とするポリシロカルブ由来のSiCブール;直径が少なくとも12インチであることを特徴とするポリシロカルブ由来のSiCブール;直径が少なくとも9インチであり、長さが少なくとも4インチであるポリシロカルブ由来のSiCブール;直径が少なくとも10インチであり、長さが少なくとも4インチであるポリシロカルブ由来のSiCブール;直径が少なくとも12インチであり、長さが少なくとも4インチであるポリシロカルブ由来のSiCブール;直径が少なくとも11インチであり、長さが少なくとも4インチであるポリシロカルブ由来のSiCブール。
【0054】
さらに、次のものを含むポリシロカルブ由来のSiCブールが供給される:ポリシロカルブ由来のSiCブールは長さと直径を画定し、長さは約1インチより長く、直径は約2インチより大きい;ここで、ポリシロカルブ由来のSiCブールは、以下を含む高純度ポリマー由来のセラミックSiC破砕性物質の蒸着によって作られる;ポリマー由来のSiCの粒状の粒子状物質、該粒子はSiC4構造を含む;体積形状物を定義する粒状の粒子状物質;約3.0g/ccから約3.5g/ccの実際の密度、約410GPaの弾性率、および約3,900MPaの圧縮強度を有する粒状の粒子状物質;約2.0g/cc未満のみかけ密度、約100GPa未満の弾性率および約1,000MPa未満の圧縮強度を有する体積形状物;ここで、体積形状物には不純物が本質的になく、Al、Fe、B、P、Ca、Mg、Na、Ni、Cr、SおよびAsから成る群から選択される合計の不純物が10ppm未満である;ポリシロカルブ由来のSiCブールには、マイクロパイプが本質的にない。
【0055】
ポリシロカルブ由来のSiCブールがさらに提供される:ここで、ブールは5マイクロパイプ/cm2未満である;ここで、ブールは1マイクロパイプ/cm2未満である;ここで、ブールは0.5マイクロパイプ/cm2未満である;そして、ブールは0.1マイクロパイプ/cm2未満である;
【0056】
さらに、ポリシロカルブ由来のSiCブールは長さと直径を画定し、長さは約1インチより長く、直径は約2インチより大きいポリシロカルブ由来のSiCブールの製造方法であって、以下を含む方法が提供される:ここで、ポリシロカルブ由来のSiCブールは、高純度ポリマー由来のセラミックSiC物質の蒸着によって作られ、該物質は以下を含む:ポリマー由来のSiCの粒状の粒子状物質、該粒子状物質はSiC4構造を含む;粒状の粒子状物質は体積形状物を規定し;約3.0g/ccから約3.5g/ccの実際の密度、約410GPaの弾性率、および約3,900MPaの圧縮強度を有する粒状の粒子状物質;約2.0g/cc未満のかさ密度、約100GPa未満の弾性率および約1,000MPa未満の圧縮強度を有する体積形状物;ここで、体積形状物には不純物が本質的になく、Al、FeおよびBから成る群から選択した合計の不純物は10ppm未満である;そして、ポリシロカルブ由来のSiCブールは、1マイクロパイプ/cm2未満である。
【0057】
さらに、ポリシロカルブ由来のSiCブールは長さと直径を画定し、長さは約1インチより長く、直径は約2インチより大きいポリシロカルブ由来のSiCブールの製造方法であって、以下を含む方法が提供される:ここで、ポリシロカルブ由来のSiCブールは、高純度ポリマー由来のセラミックSiC破砕性物質の蒸着によって作られ、該物質は以下を含む:ポリマー由来のSiCの粒状の粒子状物質、該粒子状物質はSiC4構造を含む;粒状の粒子状物質は体積形状物を規定し;約3.0g/ccから約3.5g/ccの実際の密度、約410GPaの弾性率、および約3,900MPaの圧縮強度を有する粒状の粒子状物質;約2.0g/cc未満のみかけ密度、約100GPa未満の弾性率および約1,000MPa未満の圧縮強度を有する体積形状物;ここで、体積形状物には不純物が本質的になく、Al、Fe、B、P、Ca、Mg、Na、Ni、Cr、SおよびAsから成る群から選択した合計の不純物は10ppm未満である;そして、ポリシロカルブ由来のSiCブールには、マイクロパイプが本質的にない。
【0058】
以下を含む高純度シリコン・オキシカーバイドの製造方法が提供される:シリコン、炭素および酸素を含む液体の蒸留;硬化物へ液体を硬化すること;ここで、硬化物は少なくとも99.999%の純度である。
【0059】
1以上の以下の特徴を有する方法、組成物、および物品が提供される:ここで、液体はポリシロカルブ前駆物質配合物である;ここで、液体は、約30%から85%の炭素、約5%から40%の酸素、および約5%から35%のシリコンのモル比を有するポリシロカルブ前駆物質配合物である;ここで、液体は、約50%から65%の炭素、約20%から30%の酸素、および約15%から20%のシリコンのモル比を有するポリシロカルブ前駆物質配合物である;ここで、硬化物は少なくとも99.999%の純度である;ここで、硬化物は少なくとも99.9999%の純度である;ここで、硬化物は約100ppm未満のAlを含む;ここで、硬化物は約10ppm未満のAlを含む;ここで、硬化物は約1ppm未満のAlを含む;ここで、硬化物は約10ppm未満のBを含む;ここで、硬化物は、Al、Ti、Fe、BおよびPから成る群から選択される元素を合計で約100ppm以下で含む;硬化物は、Al、Ti、Fe、BおよびPから成る群から選択される元素を合計で約50ppm以下で含む;
【0060】
さらに、以下を含むシリコン・オキシカーバイドの製造方法が提供される:シリコン、炭素および酸素を含む液体の蒸留;硬化物へ液体を硬化すること;シリコン、炭素および酸素から本質的に成るセラミック材料へ硬化物を変換すること。
【0061】
1つ以上の以下の特徴を有する方法、組成物、および物品がさらに提供される:ここで、セラミック材料は、パック、ブリケット、ブリック、錠剤およびタブレットから成る形の群から選ばれた形である;ここで、セラミック材料は体積形状物にあり、体積形状物はセラミック材料の硬度の1/3未満の硬度を有する;ここで、セラミック材料は体積形状物にあり、体積形状物はセラミック材料の硬度の1/4未満の硬度を有する;
【0062】
さらに、以下を含むシリコン・オキシカーバイドの製造方法が提供される:シリコン、酸素および炭素を含む液体の蒸留;ここで、蒸留して得た液体には、不純物が本質的にない;シリコン、炭素、および酸素を含む蒸留して得た液体を硬化物に硬化すること、ここで硬化物には不純物が本質的にない;またシリコン、炭素および酸素から本質的に成る固形物へ硬化物を熱分解すること。
【0063】
1つ以上の以下の特徴を有する方法、組成物、および物品がさらに提供される:ここで、蒸留して得た液体を、第2の液体と一緒にする;ここで、蒸留して得た液体を、ポリシロカルブ前駆物質と一緒にする;ここで、硬化物中のシリコン、炭素、酸素の比率は、約25%のSi、約50%のCおよび約25%のOである;ここで、硬化物中のシリコン、炭素、酸素の比率は、約20%のSi、約60%のCおよび約20%のOである;ここで、硬化物中のシリコン、炭素、酸素の比率は、約23%のSi、約54%のCおよび約23%のOである;ここで、硬化物中のシリコン、炭素、酸素の比率は、約22%のSi、約56%のCおよび約22%のOである;そして、ここで硬化物中のシリコン、炭素、酸素のモル比は、約1.37のSi、約2.73のCおよび約1.37のOである;ここで、熱分解された材料は少なくとも99.99%の純度である;ここで、熱分解された材料は少なくとも99.999%の純度である;そしてここで熱分解された材料は少なくとも99.9999%の純度である。
【0064】
さらに以下を含むシリコン・オキシカーバイドの製造方法が提供される:シリコン、酸素および炭素を含む液体を蒸留し、不純物が本質的にない蒸留して得た液体を提供すること;そして、蒸留して得た液体を硬化し、シリコン、炭素、および酸素を含む硬化物であって、不純物が本質的にない硬化物にすること。
【0065】
さらに以下を含む高純度材料の製造方法が提供される:シリコン酸素および炭素を含む液体を提供すること;液体を蒸留して蒸留して得た液体を提供すること;蒸留して得た液体を硬化し、シリコン、炭素および酸素を含む硬化物にすること;シリコン、炭素および酸素から本質的に成るセラミック材料へ液体を熱分解すること。
【0066】
さらに、以下を含む高純度材料の製造方法が提供される:シリコンと炭素を含む液体の提供;液体を蒸留し、蒸留して得た液体を提供すること;蒸留して得た液体を硬化し、シリコン、炭素および酸素を含む硬化物にすること。
【0067】
さらに以下を含むシリコン・オキシカーバイドの製造方法を提供する:シリコン、炭素および酸素を含む液体を蒸留すること;液体をシリコン、炭素および酸素を含む第1の材料に変換すること;そして、第1の材料から酸素を本質的にすべて取り除き、それによって第2の材料を提供すること。
【0068】
さらに以下を含む、高純度シリコン・オキシカーバイドの製造方法が提供される:シリコン、炭素および酸素を含む液体を蒸留すること;シリコン、酸素および炭素から本質的に成る固形物へ液体を変換すること。
【0069】
さらに、以下を含むシリコン・オキシカーバイドの製造方法が提供される:シリコン、炭素および酸素の所定の量を含む液体材料を提供すること;液体を蒸留し、不純物を本質的に含まない蒸留して得た液体を提供すること;第1のセグメントおよび第2のセグメントを行なうことにより材料を変換すること;ここで、第1のセグメントは、O、SiおよびCを含む硬化物を提供し、第2のセグメントは、O、SiおよびCを含むセラミック材料を提供する;そして、それによって、セラミック材料は少なくとも約99.99%の純度である。
【0070】
以下の1以上の特徴を含む方法、組成物、および物品が提供される:ここで、オフガスが生成され、集められ、処理される;ここでオフガスの処理は、アフターバーナー中でオフガスを燃焼し、オフガスから出発原料を回収し、オフガスをスクラブすることから成る群から選ばれたプロセスである。
【図面の簡単な説明】
【0071】
【
図1】
図1は本発明に従う処理フローダイアグラムの実施態様である。
【0072】
【
図2A】
図2Aは本発明に従う単一の立方体構造ポリマー由来のSiCの側面の透視図である。
【0073】
【0074】
【
図3A】
図3Aは本発明に従う四面体構造ポリマー由来のSiCの側面の透視図である。
【0075】
【0076】
【0077】
【
図4A】
図4Aは、本発明に従う
図4の三相図にもとづく、配合物の実施態様のエリアを示す。
【0078】
【
図4B】
図4Bは、
図4の三相図に基づく、本発明に従うプロセスの実施態様中に起こる変換の実施態様を示す。
【0079】
【
図5】
図5は、本発明に従うポリマー由来のSiOCおよびSiCを作るためのシステムの実施態様の略図である。
【0080】
【
図6】
図6は本発明に従うポリマー由来のSiCのスペクトルである。
【0081】
【
図7】
図7は本発明に従う蒸着装置の概要の断面図である。
【0082】
【
図8】
図8は本発明に従う蒸着装置の概要の断面図である。
【0083】
【
図9】
図9は本発明に従う蒸着装置の概要の断面図である。
【0084】
【
図10】
図10は、SiC、Si
2CおよびSiC
2についての分圧硬化を示す。好ましい実施態様の記述
【発明を実施するための形態】
【0085】
一般に、本発明は有機ケイ素化学、ポリマー由来のセラミック材料および方法に関する;特には、そのような材料、ポリシロカルブ(SiOC)および良好な、高い、また非常に高純度の炭化ケイ素(SiC)材料を作るため方法;およびSiOCとSiCの成分、構造および装置を作ることに関する。さらに、本発明の実施態様は、特にポリシロカルブ材料から、高純度SiC、SiC装置およびSiCを含む装置および器具の生産に関係する。
【0086】
したがって、本発明は、新規な材料システムおよび多くの様々な配合物、用途および使用のプラットフォームを提供し、それらは従来のシリコンに基づいた生成物で得ることができなかったものである。特には、受容可能なコスト、体積、製造条件、純度レベル、取扱の必要条件および加工条件で従来のシリコンに基づいた生成物で得ることができなかったものを提供する。
【0087】
一般に、本発明は、「ポリシロカルブ」材料、例えばシリコン(Si)、酸素(O)、および炭素(C)を含む材料、およびそのような材料からSiCの様々な形式に変換された材料に関する。ポリシロカルブ材料はさらに他の元素を含んでいてもよい。ポリシロカルブ材料は1つ以上のポリシロカルブ前駆物質配合物または前駆物質配合物から作られる。ポリシロカルブ前駆物質配合物は、1つ以上の官能性ケイ素ポリマーまたはモノマー、並びに、潜在的に他の成分、たとえば阻害剤、触媒、イニシエーター、変成剤、ドーパント、およびそれらの組み合わせ、これらおよび他の材料および添加剤の組み合わせを含む。シリコン・オキシカーバイド材料、またはSiOC組成物および類似の用語は、特に別記しない限り、Si、OおよびCを含むプラスチックまたは固体に硬化されたポリシロカルブ材料、およびSi、OおよびCを含むセラミック材料へ熱分解されたポリシロカルブ材料をいう。
【0088】
ポリシロカルブ配合物、プロセスおよび方法、用途、生成物および物品は、2014年5月2日に出願された米国特許出願番号14/268,150、2015年2月28日に出願された米国特許出願番号14/634,814、および2014年3月14日に出願された米国特許出願番号14/212,896に教示され開示されている。各々の全開示は、参照され本明細書に組込まれる。
【0089】
典型的に、好ましくは、ポリシロカルブ前駆物質配合物は最初は液体である。その後、この液体のポリシロカルブ前駆物質配合物は固体または半-固体の材料(例えばプラスチック)を形成するために硬化される。ポリシロカルブ前駆物質配合物は最初の硬化を通じて処理されて、部分的な硬化物を提供する。部分的な硬化物は、例えば、プリフォーム、グリーン材料(green material)、あるいはグリーン硬化物(材料の色に関しての記載ではない)。その後、グリーン材料はさらに硬化されてもよい。1以上の硬化ステップが行われてもよい。材料は「最終硬化」することができる、つまり、材料が必要な物理的強度およびその意図した目的の他の特性を持っているポイントまで硬化される。硬化の量は最終硬化(あるいは「硬い硬化(hard cure)」)であることができる。つまり、すべてまたは本質的にすべての化学反応が止まったポイント(たとえば時間による反応性基の減少、または材料中の反応性基の非存在により測定される)まで硬化することができる。したがって、材料は、その意図した使用および目的に依存して程度を変えて硬化することができる。例えば、いくつかの状況では、最終硬化と硬い硬化は同じであることができる。
【0090】
硬化は、標準周囲温度および圧力(「SATP」、1大気圧、25℃)で、その温度の上またはその温度の下の温度で、その圧力の上またはその圧力の下の圧力で、および期間(連続的に、またはサイクルで、例えば、冷却と再加熱を続けて加熱する)を変えて行われて、1分、数分、数時間から数日(または潜在的により長く)の間であることができる。また空気中、液体中、またはあらかじめ選ばれた雰囲気(例えばアルゴン(Ar)、窒素(N2))中で行うことができる。
【0091】
ポリシロカルブ前駆物質配合物は、強化されていない、充填されていない複合材、強化された、また充填された構造物、中間物および最終生産物、およびこれらの材料の組み合わせおよび変化、および他のタイプに作られることができる。さらに、これらの構造、中間物および最終生産物は硬化され(例えば硬化グリーン体、最終硬化体、または硬い硬化体)ることができ、未硬化の、熱分解されてセラミックにされるか、またはこれらの組み合わせまたは変化(例えば、硬化物は、硬化物と同じポリシロカルブに由来した熱分解されたビーズで充填することができる)であることができる。
【0092】
前駆物質配合物は「ニートな」材料(「ニート」な材料は、すべてまたは実質的に全ての構造が前駆物質材料または充填されていない配合物から作られ、したがって、充填剤も強化材もない)を形成するために使用されることができる。それらは、複合材料(例えば強化された生成物)を形成するために使用されることができる。それらは非強化材料を形成するために使用されることができる。それは、主として前駆物質材料から作られ、実質的に、好ましくは前駆物質材料のみから作られる材料であり、例えば、単に前駆物質材料と着色剤から作られた着色されたポリシロキサン構造は、非強化材料と考えられる。
【0093】
ポリシロカルブ前駆物質配合物を構造、部分、中間物または最終生産物にする際に、ポリシロカルブ配合物は例えば、スプレーされ、フローされ、重合体エマルジョン加工され、熱スプレーされ、ペイントされ、成型され、賦形され、押し出され、スパンされ、ドロップされ、射出され、または他の方法で操作され、本質的に任意の体積形状物、平面形状(それは依然として体積を持っている、より多くはコーティングと同等で有り、スキン、フィルム、カウンタートップ(ここで厚さは数桁ではないが著しく小さい)、これらの組合わせおよび変化であることができる。
【0094】
ポリシロカルブ前駆物質配合物は補強剤と共に使用されて、複合材料を形成することができる。したがって、配合物は、強化材、たとえば炭素繊維、ガラス繊維、織地、不織布、チョップトファイバー、金属粉、金属フォーム、セラミックフォーム、ファイバー、ロープ、組構造、セラミック粉、ガラス粉末、カーボン粉、黒鉛粉末、セラミック繊維、金属粉、炭化物ペレットまたは成分、ステープル繊維、タウ(tow)、上記のもののナノ構造体、ポリマー由来のセラミック、プロセスと最終生産物の温度必要条件を満たす他の材料、およびこれらの組み合わせおよび変化の中に流し入れられ、含浸され、吸着されることができる。例えばしたがって、補強剤は、現在使用されているかまたは使用することができる任意の耐高温性の補強剤、既存のプラスチックおよびセラミックス複合材料であることができる。さらに、ポリシロカルブ前駆物質配合物はより低い温度(例えばSATP)で配合されるか、または100°Fから400°Fの硬化温度で硬化することができるので、強化材はポリマー、有機ポリマー、たとえばナイロン、ポリプロピレンおよびポリエチレン、並びにアラミド繊維(たとえばNOMEXまたはKEVLAR(登録商標))であることができる。
【0095】
強化材は、ファイバーにされるかまたはセラミックへ熱分解された配合物と同じ材料から作られるか、または材料に由来するものであってもよく、あるいは異なる前駆物質配合物材料から作られた、ファイバーにされたものまたはセラミックへ熱分解されたものであることができる。強化材として使用されることができる前駆物質配合物材料に由来したセラミック繊維に加えて、前駆物質配合物材料に由来した他の多孔性の構造物、本質的に多孔性の構造物および非多孔性セラミック構造物を使用されることができる。
【0096】
ポリシロカルブ前駆物質配合物は、充填された材料を形成するために使用されることができる。充填された材料は他の固体または半固形、任意のポリシロカルブ前駆物質配合物に添加された材料であることができる。フィラー材は硬化生成物、セラミック生成物または両方である特徴を提供するように選択されてもよい。これらの特徴は審美性、触覚、熱、密度、放射線、化学薬品、磁気、電気、またこれらおよび他の特徴の組み合わせおよび変化に関係する。これらの特徴はさらに強さであってもよい。したがって、フィラー材は硬化された材料またはセラミック材料の強さに影響しなくてもよく、強さを大きくしてもよいか、またはいくつかの状況では強さを低減することもできる。
【0097】
フィラー材は例えば、電気絶縁性、磁気能力、バンドギャップ特性、PN接合特性、p-型特性、n-型特性、ドーパント、電気伝導率、半導体特性、帯電防止、光学的性質(例えば反射率、屈折性および変色現象)、化学抵抗性、耐蝕性、磨耗抵抗、磨耗抵抗、断熱材、UV安定性、UV被覆性、そして生成物または材料における、望ましく、必要なまたはその両方である他の特性を与えるか、規制するか、高めることができる。
【0098】
したがって、フィラー材は銅リード線、熱導電性フィラー、導電性フィラー、鉛、光ファイバー、セラミック着色剤、色素、酸化物、染料、粉末、セラミック微粒子、ポリマー由来セラミック粒子、多孔質発泡体、カルボシラン、シラン、シラザン、炭化ケイ素、カルボシラザン、シロキサン、金属粉、セラミック粉、金属、金属複合物、炭素、タウ、ファイバー、ステープル繊維、ホウ素を含む材料、ミルドファイバ、ガラス、ガラス繊維、ファイバーガラスおよび上記のナノ構造体などであることができる。例えば、粉砕物、ポリマー由来のセラミック粒子、例えば微粒子、ビーズが、ポリシロカルブ配合物に加えられ、次に、充填された硬化されたプラスチック材料を形成するために硬化することができる。そして、それは、コーティングまたは装置、または装置の要素の中で重要な防火性を持っている。
【0099】
その配合物に由来したかそれから作られたポリシロカルブ配合物および生成物は金属または金属複合物であることができる。したがって、酸化物、炭化物またはケイ素化合物としての金属は前駆物質配合物内へ導入することができ、したがって抑制された態様でシリカ・マトリックス内に導入することができる。したがって、有機金属化合物、金属ハロゲン化物(塩化物、臭化物、ヨウ化物)、遷移金属の金属アルコキシドおよび金属アミド化合物の使用、および、次いで前駆物質配合物の中へのとり込みによってシリカ・マトリックスの中で共重合することが意図される。
【0100】
例えば、遷移金属のシクロペンタジエニル(Cydopentadienyl)化合物を利用することができる。遷移金属のシクロペンタジエニル化合物は2つのクラスへ分類することができる:ビス・シクロペンタジエニル錯体;およびモノ・シクロペンタジエニル錯体。シクロペンタジエニル錯体はC5H5、C5Me5、C5H4Me、CH5R5(ここで、R=Me、Et、プロピル、i-プロピル、ブチル、イソブチル、sec-ブチル)を含むことができる。これらの場合のどちらかでは、Siは直接シクロペンタジエニル・リガンドに結合することができるか、Si中心をアルキル鎖に取り付けることができ、次にシクロペンタジエニル・リガンドに結合するものであることができる。
【0101】
シクロペンタジエニル錯体(それは前駆物質配合物で、および生成物の中で利用することができる)は次のものを含むことができる:第1列遷移金属(チタン、バナジウム、クロム、鉄、コバルト、ニッケル);第2列遷移金属(ジルコニウム、モリブデン、ルテニウム、ロジウム、パラジウム);第3列遷移金属(ハフニウム、タンタル、タングステン、イリジウム、オスミウム、白金);ランタノイド;(La、Ce、Pr、Nd、Pm、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho)およびアクチニド系列(Ac、Th、Pa、U、Np)のビス-シクロペンタジエニル金属錯体。
【0102】
モノシクロペンタジエニル錯体は、前駆物質配合物に金属官能基を提供するために利用され、第1列遷移金属(チタン、バナジウム、クロム、鉄、コバルト、ニッケル);第2列遷移金属(ジルコニウム、モリブデン、ルテニウム、ロジウム、パラジウム);適切なリガンド(例えば塩化物またはカルボニル)で安定させられた時に、第3列遷移金属(ハフニウム、タンタル、タングステン、イリジウム、オスミウム、白金)の、モノシクロペンタジエニル錯体を含むことができる。
【0103】
金属のアルキル錯体も、前駆物質配合物および生成物に金属官能基を供給するために使用されてもよい。これらのアルキル錯体では、Siセンターはシグマ結合を通じて直接遷移金属に結合することができるアルキル基(エチル、プロピル、ブチル、ビニル、プロペニル、ブテニル)を有する。さらに、これは後ろの遷移金属(Pd、Rh、Pt、Ir)についてより一般的だろう。
【0104】
金属の配位化合物も前駆物質配合物および生成物に金属官能基を提供するために使用されてもよい。これらの配位化合物では、Siセンターに、Cr、Mo、W、Mn、Re、Fe、Ru、Os、Co、Rh、Ir、Niのカルボニル錯体またはエン錯体に結合することができる、不飽和のアルキル基(ビニル、プロペニル、ブテニル、アセチレン、ブタジエニル)を有する。Siセンターは、フェニル、置換されたフェニルまたは他のアリール化合物(ピリジン、ピリミジン)に結合されてもよく、または、アリール基は、金属中心上のカルボニルを置き換えることができる。
【0105】
金属アルコキシドも前駆物質配合物および生成物に金属官能基を提供するために使用されてもよい。金属アルコキシド化合物はシリコン前駆物質化合物と混合し、次に重合および共重合する際に酸化物を形成するために水で処理することができる。これは金属ハロゲン化物および金属アミドについても行うことができる。好ましくは、これは、前周期遷移金属、たとえばアルミニウム、ガリウムおよびインジウム、および後周期遷移金属Fe、Mn、Cuおよびアルカリ土類金属:Ca、Sr、Ba、Mgと共に使用して行われてもよい:
【0106】
Siがハロゲン化物または有機基によって安定させられている金属中心に直接結合される場合、化合物も前駆物質配合物および生成物に金属官能基を提供するために利用されてもよい。
【0107】
さらに、金属と金属錯体は熱分解または引き続く熱処理の後の連続相であってもよいことは理解されるだろう。配合物は、一般にサーメット(例えばセラミック金属化合物)として知られる、金属炭化物、酸化物および他の金属化合物への選択された金属とイン・シトゥー形式で反応するように具体的に設計することができる。イン・シトゥー化合物(たとえばムライト、アルミノケイ酸塩他)を形成するために選択された金属とその配合物を反応させることができる。配合物または最終生産物でのシリカ量と金属の量は、約0.1モル%から99.9モル%まで、または1モル%以上、約10モル%以上、約20モル以上、またはそれ以上のモル・パーセントであることができる。本発明の前駆物質式と金属の使用は、前もって定義した化学量論をコントロールし提供するために使用することができる。
【0108】
ポリシロカルブ・バッチは、複合構造でのバインダー(金属、セラミックおよび無機のマトリックス用のバインダー)として使用されてもよい。
【0109】
充填された材料は強化材料を含んでいるだろう。ポリシロカルブを熱分解したと同様に多くの場合では、硬化され、充填された材料は複合材料として見ることができる。一般に、この見方の下では、ポリシロカルブはバルクまたはマトリックス相(例えば、連続的、あるいは本質的に連続した相)を構成するだろう。また、充填剤は分散した(例えば、非連続)相を構成するだろう。
【0110】
しかしながら、「充填されるか」、「強化された」材料を参照することによって、その材料の過半(重量、体積またはその両方)がポリシロカルブであることを示唆しないことは留意されるべきである。したがって、一般に、ポリシロカルブ対フィラー材の比率(重量または体積のいずれか)は0.1:99.9から99.9:0.1であることができる。少量のフィラー材またはポリシロカルブは、存在することができるか、または利用することができるが、添加物または他の態様で言及されるものとしてより典型的に見られる。したがって、複合材、充填された材料、ポリシロカルブ充填材料、強化材料、ポリシロカルブ強化材料、ポリシロカルブ充填材料、ポリシロカルブ強化材料、および類似の用語は、材料の量および比率に関して制限しないものとして見られるべきであり、そしてこのコンテキストの中で、それらのできるだけ広い意味を与えられる。
【0111】
具体的な用途、生成物または最終用途によって、充填剤は、前駆物質配合物中で沈降の予定速度により均等に分配することができ、また不均等に分配されることができ、また異なる配合物で異なる量を含むことができ、その後、予定地点の増量剤の所定量、例えば、階段状の異なる充填剤濃度を有する生成物を作ることができる。
【0112】
本明細書に使用される時、他の方法で指定されなかったならば、用語%、重量%、および質量%は交換可能に使用され、例えば、配合物、混合物、材料または生成物の合計の重量に対する第1成分の重量の割合をいう。本明細書に使用される時、他の方法で指定されなかったならば、「体積%」および「%体積」および類似した用語は、例えば、配合物、混合物、材料または生成物の合計の体積に対する第1成分の体積の割合をいう。
【0113】
製造工程中の様々なポイントで、ポリシロカルブ構造物、中間物および最終生産物、およびこれらの組み合わせおよび変化は、機械加工されるか、粉砕されるか、成型されるか、賦形されるか、穴が空けられるか、機械的に処理されて成形されることができる。
【0114】
前駆物質配合物は好ましくは透明または本質的に無色であり、可視波長を一般に透過する。それらは配合物に応じて、不透明か、白濁しているか、曇っている外観を有することができる。さらに、それらは、着色体、色素または着色剤、着色充填剤(それはセラミック最終生産物のための熱分解に耐えることができ、たとえばセラミック上薬で使用されるもの)を含んでいてもよい。前駆物質は、さらに着色剤の追加の必要なしに、黄色、琥珀色の色または色調を有していてもよい。
【0115】
前駆物質配合物は生成物(例えば構造物、部品)の後の使用のために包装され、出荷され、保存されることができる。またそれらはこれらのプロセス(例えば生成物を作る連続工程)の中で直接使用されることができる。したがって、前駆物質配合物は、たとえば55ガロンのドラム、タンクローリー、鉄道輸送車、数百ガロンの容量のオンサイト貯溜タンク、およびに1,000リットルの出荷用携帯缶に貯蔵されることができる。製造工程の中で、配合物は、連続的、また半連続工程で作られ使用されることができる。
【0116】
本発明の配合物は、設計プロセス、システム、セラミックについて、加工特性および最終生産物の性能特性をあらかじめ決定された具体的な性能基準を満たすために実質的な柔軟性を提供する。したがって、たとえば前駆物質配合物の粘性は、強化材の特定のモルホロジーと一致するように配合物によってあらかじめ決定されることができる。また、前駆物質配合物の硬化温度は、プリプレグが延長された貯蔵期間を持つことを可能にするように配合物によってあらかじめ決定されることができる。前駆物質配合物の粘性は、前駆物質がプリプレグの強化材に容易に流れ込むようにされ、かつ同時に前駆物質配合物が強化材から流出することを防ぐことができるほど十分に大きいように確立されることができる。前駆物質配合物の配合は、さらに硬化されたプリフォームの強さが、熱分解に先立って、プリフォームとの荒いか最初の機械加工を許可するのに十分なようにされる。
【0117】
化学反応が原料から最終最終生産物までプロセスの諸工程で生じた時、特別なコントロールおよび前もって定義したコントロールは、コストの低減、増加したプロセス制御、増加した信頼度、高められた効率、高められた生成物特性、増加した純度、またこれらおよび他の有益性の組み合わせおよび変化を提供することができる。化学反応が起きた時のシーケンシングは、主として前駆物質の処理または成形、および前駆物質配合物の処理または成形に基づくことができる;そして、さらに硬化と熱分解の条件に基づいてもよい。さらに、これらのステップ、配合物および条件の特別な選択および前もって定義した選択は、化学反応、分子配列および再配列を介して、好ましくはあらかじめ決定されコントロールされた、高められた生成物および加工特性、微構造配列および再配列を提供することができる。
【0118】
図1に戻る。本発明のプロセスおよびシステムのいくつかの実施態様である集合的な実施態様のための工程経路
図100が提供される。ポリシロカルブ前駆物質配合物が調製される、前駆物質メークアップセグメント101がある。液体前駆物質配合物103aが後のセグメントのために調製される、形成と分布のセグメント102がある。
【0119】
液体前駆物質103aが硬化物103b(それは本質的に固体であり、好ましくは固体である)に硬化される、硬化セグメント104がある。硬化物103bがセラミック103cに変換される、熱分解セグメント105がある。セラミックは好ましくはSiOCまたはSiCであり、そしてより好ましくは高い、または高純度SiOCまたはSiCである。セラミック103cがさらに処理される、後加工セグメント108があり、例えば、洗浄、ペレット化、抽出、粉砕、ふるいかけなどが行われる。SiOCセラミック114は、他のセグメント106の任意の数(図の中の「n」)で、中間物および最終生産物を作るために、使用することができる。同様に、ポスト処理されたセラミックSiOC114pは、各種用途のために中間物と最終生産物を作るために他のセグメント109の任意の数(図の中の「n」)で使用することができる。セグメント106および109は、同じか異なるセグメントであることができる。セラミックSiC113は、各種用途のために中間物と最終生産物を作るために他のセグメント107の任意の数で使用することができる。同様に、ポスト処理されたセラミックSiC113pは、セグメント110(例えば焼結法)の中で使用することができる。ポスト処理されたセラミックSiC113pは、セグメント111で使用することができ、例えばセグメント112のSiCのブールを形成するための蒸着プロセス、たとえばSiCウェハを半導体に使用することができる。後工程セラミックSiC113pは、中間物と最終生産物および各種用途のために他のセグメント115の任意の数(図の中の「n」)で使用することができる。
【0120】
本発明の多くの利点のうちの1つは、セグメント106、107、109、110、111および115が、一般に交換可能になりえるということである。さらに、これらのセグメントは、伝統的にSi向けであるプロセス、方法、用途、および使用であることができる。したがって、本発明の多くの利点のうちの1つは、SiOC、SiC、およびSiOCとSiCの組み合わせ、および特定の高純度および極めて高い純度のSiOC、SiCおよびその組み合わせを、Si中間物質、Si最終生産物、Si用途およびSiの使用、および特にはSiCが従来、経済、純度および他の論理的根拠により有用ではないと考えられたSi用途に使用することができる能力である。より好ましくは、本発明の多くの利点のうちの1つは、Siと等しいかよりよい性能、たとえば特性および機能を提供するSiCの純度レベルを得る能力である。さらに、本発明の多くの利点のうちの1つは、Siが高温センサーおよび他のものの中でのように、貧弱にしか機能しないか、全く機能しなかった用途で、SiOCまたは中間物質、最終生産物および用途中のSiCを使用する能力および新しい用途である。
【0121】
高純度および極めて高い純度の用途では、前駆物質調製セグメント101および102、たとえば装置および手順は、出発物質の全ての汚染(例えば、最終生成物で不純物とされる材料)の除去、回避、防止およびそれらの組み合わせができるべきである。したがって、実施態様では、セグメントは、次の物質を含まない(例えば、ほとんどまたは本質的に含まないか、完全に含まない)べきである:B、Na、Al、P、Fe、重金属およびハロゲン。蒸留、イオン交換ろ過および他のタイプの浄化技術は、出発原料と原料から不純物を取り除くために使用することができる。
【0122】
セグメント105、106、107、108、109、110(かつそれが別のセグメントと結合するならば104)、加熱設備、例えば任意のタイプの炉であって、所要の温度に達し、維持することのできる炉が使用でき、例えば、SiCへの熱分解および転換のために、約2,900℃まで、約2,800℃まで、2,300℃以上、好ましくは約1,200℃から約2,800℃の範囲で使用される。プロセスでの硬化段階(例えば、セグメント104)用の加熱設備は、液状ポリマー由来のセラミック前駆物質材料(例えば液体のSiOC配合物)を、硬化物(例えば固体または半固形物)へ硬化するための硬化温度に達することができる任意の炉であることができる。したがって、1つの炉が、液状ポリマー由来のセラミックスからSiCへの全プロセスを行なうために使用されることができる。2つまたは3つの異なる炉を使用することができる。実施態様では、1つの炉が液体前駆物質を硬化されたSiOC材料へ硬化するために使用されることができ、また、第2または異なる炉がSiOC材料をSiCに転換するために使用される。
【0123】
好ましくは高純度および極めて高い純度の用途、材料および用途:たとえば、SiOC生産、SiC生産、焼結、プレス、光学形成、ブール生産、信号結晶成長、結晶層形成、層形成、コーティングまたはウエハー生産、加熱設備(例えば炉)は、最終用途で不純物と考えられるあらゆる材料を実質的に含まず、好ましくは含まない。例えば加熱設備、そして特には内部成分、および内部成分と流体連通のあるすべての成分は、次の物質を含まない(例えば、ほとんどまたは本質的に含まず、完全に含まない):B、Na、Al、P、Feおよび重金属。清浄化または除去するサイクルは、ポリマー由来のセラミック材料の加工の前に、全ての不純物または汚染物質も除去するために炉で実行することができる。したがって、例えば、真空、高温加熱サイクル、不活性ガス、たとえばアルゴンをパージすること、これらのステップの組み合わせおよび変化は、炉から汚染物質をなくするために好ましくは使用することができる。
【0124】
例として、これらの炉は次のものを含むことができる。RF炉、マイクロウェーブ炉、ボックス炉、金属管状炉、結晶-成長炉、アーク溶解炉、誘導電気炉、窯、MoSi2発熱体炉、ガス燃焼炉、炭素炉、真空加熱炉。炉はスペーサ材料を含んでもよく、高温で互いに材料が接触することを防ぐことができる。例えば、高温(>1500℃)でアルミナに接する黒鉛は、最終生産物の中でアルミニウム汚染に結びつく場合がある。したがって、スペーサーはこれが生じることを最小限にするか、緩和するか、防ぐために使用されることができる。好ましくは、炉成分はすべて高純度黒鉛から構築される。さらに、それらは高純度SiCで構築されるか、またはSiCで覆われてもよい。
【0125】
セグメント104、105、106、107、108、109、および110において、炉をコントロールすることができ、または炉の内の環境をコントロールする装置および装置を持っていてもよい;また特には、硬化されているか、熱分解されるか、変換される材料に隣接している環境をコントロールしてもよい。したがって、真空条件、減圧、あらかじめ選ばれた雰囲気(例えばアルゴン)、なだらかなガス流またはスイープガス流、ならびにそれらの組み合わせを提供する装置およびこれらの変化を使用することができる。これらのシステムと装置は、炉の中への汚染が無いべきで有り、また炉の中、特には加工される材料の中への汚染物または不純物の導入を最小限にし、好ましくは防ぐように構築される。
【0126】
多くのポリマー由来のセラミック材料で、特にはいくつかのSiOC材料で、熱分解および変換中に、オフガス処理することができる。いくつかの状況で、生産されたオフガスは可燃性である場合があり、回収価値のある材料(例えばSi)およびこれらの組み合わせであることができる。したがって、また好ましくは、炉にはオフガス取り扱い装置(例えばアフターバーナー)を取り付けて可燃性の問題を緩和することができ、またそれはガス流(例えばガス精製装置)からの任意の価値のある材料を除去し回収することができ、およびこれらの組み合わせおよび他のオフガス流処理および取り扱い装置を取り付けることができる。
【0127】
図1のプロセスの様々なセグメントの中で、硬化、熱分解、変換、あるいは他のトランスフォーム中に液体前駆物質配合物を保持するための材料把持装置は、例えばアルミナ、バインダーの少ないh-BN、黒鉛、ハロゲン純化黒鉛、熱分解黒鉛、SiC、CVD-SiCおよびポリマー由来SiC、PVT-SiCであることができる。様々なコーティング、たとえばTaC、SiC、熱分解黒鉛をこれらの材料上で使用することができる。包装容器はそれ自体、ルツボ、ボート、機械加工されて、任意の希望の幾何学(錠剤、パック、回転楕円体、楕円体など)に形成することができる。それは完全に囲まれるか、囲まれなくてもよいが、ガスが逃げることを可能にするガス抜き孔があってもよい。好ましくは、容器へ付属された蓋が使用される。また、容器は、熱分解と変換中にガスのベントを可能にするように設計されている。最も好ましくは、不活性ガスも容器を通ってベントされ、例えば、毎時容器の約0.5から約20までの体積交換割合で、毎時容器の約5から約15までの体積交換割合で、好ましくは毎時容器の約10までの体積交換割合で除去される。
【0128】
処理フローの矢印(例えば150)は
図1の実施態様の一般的な例示の目的のためにある:様々なセグメントはステップごとに、またはバッチ操作で行なうことができる。バッチ操作では、セグメントが異なる場所で行われたり、時間(例えば数時間、数日、数ヶ月またはそれ以上)を隔てて行われたり、またはその両方であることができる。様々なセグメントは連続工程として行なうこともできる;様々なセグメントの1つ以上を組み合わすことができる。例えば、装置の単一ピースは、異なるセグメントの操作の1以上を行なうことができる;またこれらの組み合わせおよび変化であることができる。
【0129】
図1のセグメントの実施態様では、液体前駆物質は固体のSiOCに硬化される。その後、固体のSiOCは熱分解され、SiCに変換される。これらの実施態様のうちの1つで、SiOC、中間の処理ステップの必要なしで、体積形状物(volumetric shape)(例えばパック、錠剤、ディスク)であることができ、その後、それは直接SiC破砕性物質に変換される。これらの実施態様のうちの1つでは、SiOCは粒状のSiOCへ粉砕され、次に粒状のSiCに変換される。その後、それは体積形状物(例えばSiC破砕性物質)に形成される。これらの実施態様のうちの1つでは、SiOCは種々のサイズの粒子状物質のSiCに形成される。その後、これらの粒子状物質はより小さく粉砕され、好ましくはより一定のサイズ、または顆粒にされ、そして次にこれらの顆粒は成形され、例えば体積形状物、またはSiCの塊に圧縮された。これらの中で、同様に、高純度または極めて高い純度のSiCを作る他の実施態様では、システムの要素は、SiCの後の用途またはSiCのプロセス中で不純物として見られる物質がないことが好ましい;またはこれらの要素には、プロセスおよびSiCへの不純物の導入を回避するために、シールド、囲いまたは他の緩和ステップが有ってもよい。
【0130】
一般に、好ましくは、前駆物質配合物の実施態様では、コントロールされた所定量(例えばO、CおよびSiの比率)を有する。この態様では、SiCのスターティング構築ブロックは、液状ポリマーに好ましくは組み込まれ、好ましくは硬化物へロックされる。その後、あらかじめ決定された構築されたスターティング・ブロックの加工条件はあらかじめ選択されコントロールされることができ、希望の最終生産物(例えば化学量論的な高純度、および極めて高い純度のSiC)を得ることができる。スターティング構築ブロックの比率は、さらにあらかじめ決定することができ、影響を与えることができるか、または他の方法で反応と再配列に影響を与えることができ、これはプロセスの間に起こることができ、1つの成分の最初の過剰は例えば、SiOよりCOの生成を優先するために特定の方向にプロセスを導くことができる。したがって、さらに、これらの構築ブロック、任意の添加物の比率および処理パラメータをあらかじめ決定されコントロールすることにより、得られるSiCのタイプ、特性または形式(例えばポリタイプ)をコントロールしあらかじめ決定することが可能である。
【0131】
例示のために、スタート構築ブロック、処理条件および最終生産物の関係は、部分的に、
図4の三相
図400を参照して説明することができる。
図400のそれぞれの角は、ビルディングブロックの100%に相当する。したがって角401は100%の炭素であり、角402は100%の酸素であり、角403は100%のシリコンである。
図400上のポイント404はSiCに相当し、
図400上のポイント405はSO
2に相当し、
図400上のポイント406および407はCO
2とCOにそれぞれ相当する。さらに、ベース410はCのモル%に相当する。右側の411はOのモル%に相当する。また、左側の412はSiのモル%に相当する。(モル%Xによって、O、CおよびSiのモルの合計に対するXのモル割合を意味する。)したがって、前駆物質配合物バッチ中の出発原料のモル比は、一般に、非制限的に、約30%から約85%の炭素、約5%から約40%の酸素、および約5%から約35%のシリコンである。好ましくは、SiOC出発原料および硬化物の実施態様の中で、C、SiおよびOのモル比は
図4Aのクロスハッチされたエリア430であることができる。しかし、そのエリアの外側の比率も考慮される。
【0132】
一般に、SiCを得るプロセスは、液体前駆物質配合物から硬化物とし、SiOC材料を熱分解し、SiC材料(アルファ、ベータまたは両方)に変換される。硬化、熱分解および変換のプロセス中、様々な構築ブロックのうちのいくつかは典型的に失われ、典型的にはCおよびOが失われる。Siも失われるが、好ましくはプロセスと前駆物質はSiロスが最小ないし無いようにされる。例えば超過C、前駆物質内へのビルト、または外部源から、例えばオーブンの中で、Siのより少ない損失に帰着して、SiOよりもCOの形成を導く。硬化物の中で起こるより大きな架橋は、熱分解と変換の間のより低いSiロス、そしてしたがって、より大きなSiCの収率をもたらす。
【0133】
図4Bの三相
図400を参照する。様々なプロセスで予想することができる比率の一般的な変化が示される。様々な矢印は処理活性の例のための動作の一般的方向である;それらの傾斜は、たとえば炭化水素およびCO
2が両方とも出される場合、実情によって変わってもよい。したがって、揮発性の炭化水素の除去は、矢印450の方向に比率を一般に変えるだろう。その後の硬化または貯蔵中に、材料は大気からいくらかの水をピックアップする場合が有り、その場合の変化は矢451(水のピックアップと揮発減量との組み合わせ)によって示される。SiOの生成からの比率変化は矢454によって示される。COの生成からの比率変化は矢453によって示される。また、CO
2の生成からの比率変化は矢452によって示される。理解されるように、プロセスの究極のゴールは、それらの材料の出発比率をベース・ライン410で得て、およびいくつかの状況では最も好ましくは化学量論的なSiC、ポイント404を得ることである。
【0134】
例えば前駆物質バッチの液状材料から始める能力は、SiCを作るために必要なビルディングブロック、たとえばSiおよびCを本質的に有し、不純物および汚染をコントロールするための顕著な利点を備えており、これは高純度SiCに変換することができる高純度SiOCの製造をもたらすか、あるいは単一の組み合わされたプロセスまたはステップでつくることができる。したがって、本発明の実施態様は、少なくとも約99.9%(3ナイン)、少なくとも約99.99%(4-ナイン)、少なくとも約99.999%(5-ナイン)、少なくとも約99.9999%(6-ナイン)および少なくとも約99.99999%(7-ナイン)またはそれ以上の純度であるSiOCの形成を提供する。同様に、本発明の実施態様は、少なくとも約99.9%(3ナイン)、少なくとも約99.99%(4-ナイン)、少なくとも約99.999%(5-ナイン)、少なくとも約99.9999%(6-ナイン)および少なくとも約99.99999%(7-ナイン)またはそれ以上の純度であるSiCの形成を提供する。これらの純度の値は、SiOCまたはSiCの量に基づき、場合によってはSiOCまたはSiC生成物の与えられたサンプル内に含まれるか存在する全ての材料に基づく。
【0135】
本発明のポリシロカルブ由来のSiCおよびプロセスの実施態様は、高純度および極めて高い純度SiCのコストを下げつつ、増加した純度を提供する。すなわち、たとえばより低いコストの高純度SiC材料を提供する。したがって、従来技術と比較された時、ポリシロカルブSiC材料および物品の実施態様は、コストを低減し特性を向上する。したがって、ポリシロカルブSiC材料および物品の実施態様は、多くの用途においてSiCおよびSi材料を置き換えることができ、技術的、経済的、またはその両方の理由によりSiCとSiの材料が使用できなかった多くの新規な追加の用途を提供する可能性がある。
【0136】
ポリマー由来のSiCウェハの実施態様は、直径約2インチのウエハーまたはより小さなウエハー、直径約3インチのウエハー、直径約4インチのウエハー、直径約5インチのウエハー、直径約6インチのウエハー、直径約7インチのウエハー、直径12インチのウエハーまたはより大きなウエハー、および潜在的に直径約2インチから約8インチのウエハー、直径約4インチから約6インチのウエハー、四角い形、丸および他の形のウエハー、1面の表面積が約1平方インチ、約4平方インチ、約10平方インチまたはそれ以上またはそれ以下のもの、厚さが約100ミリミクロン、厚さが約200ミリミクロン、厚さが約300ミリミクロン、厚さが約500ミリミクロン、厚さが約700ミリミクロン、厚さが約50ミリミクロンから800ミリミクロン、厚さが約100ミリミクロンから700ミリミクロン、厚さが約100ミリミクロンから400ミリミクロン、またはより薄いか厚いもの、およびそれらの組み合わせのウエハーであることができる。
【0137】
本発明の実施態様では、高純度SiCは著しい問題を引き起こす材料または不純物を含み、アイテムの後処理および製造の中で、例えば、ブール、ウエハー、電子部品、光学部品および他のSiCに基づいた中間物、また最終生産物において著しい問題を引き起こす材料または不純物を、低い、非常に低い、または検出限界以下の量で含む。
【0138】
したがって、ポリマー由来の高純度SiC、特にはポリシロカルブ由来の高純度SiOC、並びにSiOCが変換される高純度SiCは、少なくとも約99.9%、少なくとも約99.99%、少なくとも約99.999%、約99.9999%、および少なくとも約99.99999%、またはより大きな純度を有する。さらに、本発明の実施態様は、より低いレベルの純度、たとえば99.0%、95%、90%およびより低い純度の任意の純度レベルのポリマー由来のSiCおよびSiOCを含むことは留意される。これらのより低い、例えば、高くない純度の実施態様は本質的な使用および用途があり、また見いだされるだろう。同様に、高純度SiCの実施態様は用途を見つけるだろう。また本発明に先立ってSiC以外、あるいはSi材料に制限された用途に新しく驚くべき利点を提供すると信じられている。
【0139】
本発明の実施態様は、エレクトロニクスと半導体の用途での使用のためのウエハーを作る際に高純度SiCを使用することを含んでいる。後の使用のためのブール細工およびウエハーを作成するために、蒸着装置およびプロセスの両方で、高純度SiCは必要である。特に表3に述べられたように、高純度ポリマー由来のSiOCおよびSiCの実施態様は、蒸着装置、エレクトロニクス用途および半導体用途の中で不純物であると考えられる、表3に示される元素の1つ、1以上または全ての元素が低レベルでありえる。したがって、ポリシロカルブ由来のSiCの実施態様では、不純物が本質的になく、不純物は表3に示された量またはそれらの組み合わせ以下の量でしか含まない。
【0140】
【0141】
実施態様では、Prもいくつかの用途での不純物と考えられてもよい。もしそう考えられるならば、表3の範囲および量をPrに適用することができる。
【0142】
本明細書において特記の無い限り、純度のレベル、高純度、%純度、%不純物、および類似した用語においては、超過炭素、つまり化学量論のSiCを越えた炭素は含まれず、材料の特徴の計算において参照されず、考慮されず、使用されない。いくつかの用途では、超過炭素は用途または製品に対する影響を何も持たず、不純物とは考えられないだろう。他の用途では、超過炭素は有益かもしれない。例えば、炭素は焼結助剤として働くことができる;超過炭素は、蒸着装置およびプロセスの不規則性を解決し、補うために使用することができる。
【0143】
窒素が汚染物質として見られる用途では、ポリシロカルブ由来のSiCとSiOCの実施態様は、約1000ppm未満、約100ppm未満、約10ppm未満、約1ppm未満および約0.1ppm未満の窒素、またはそれ以下の窒素を含むことができる。
【0144】
ポリシロカルブ由来のSiCの実施態様で、それは本質的に酸素を含まず、SiまたはCへ結合したもの、あるいは酸化被膜などのいかなる形態でも存在しない。したがって、ポリシロカルブ由来のSiCの実施態様では、約1000ppm未満、約100ppm未満、約10ppm未満、約1ppmおよび約0.1ppm未満、またはそれ以下の酸素が存在しうる。ポリシロカルブ由来のSiCは、標準温度と圧力の下で空気に露出された時に酸化被膜を形成しない抵抗性を持っている。周囲条件の下で格納された時、酸化被膜の非存在、つまり、酸化被膜の無いSiCは、不純物として酸化被膜が認識されるかそうでなければ製造工程を害する場合に、後の製造工程において利点を備えている。
【0145】
ポリシロカルブ由来のSiCの実施態様は、非常に用途の広い材料である。それらはいくつかの形式がありえる。例えば、無定形、様々なポリタイプを持つ結晶であることができ、および単一(あるいはモノ-)および多結晶の構造を形成することができる。1および1以上の様々な形式のコンビネーションは、単一のバッチ、体積形状物、またはポリシロカルブ由来のSiCのサンプルであることができる。したがって、本発明のポリシロカルブ由来のSiC材料は、多くの他の用途、研磨材、摩擦部材、光学部材、耐弾および耐衝撃性材料、絶縁およびエレクトロニクス分野に用途が見いだせる。
【0146】
ポリシロカルブ由来のSiC粉末、微粒子、ペレットあるいはより小さなサイズと形状のものは、構成部品と構造物を形成するための焼結操作を介して連結することができる。
【0147】
本発明のポリマー由来のSiCの実施態様を互いに結合、たとえば、プレス、焼結およびレディ-トウ-プレス(ready-to-press)は、任意の従来のプロセスで行われることができ、従来のプロセスで現在使用されている焼結助剤および他の添加物の使用して行うことができる。本発明の超純粋なポリマー由来のSiCの実施態様は、ユニークで、従来のSiCでは存在せず、任意の焼結助剤または加工助剤の必要なしでそれらの粒子をともに連結する能力がある。したがって、本発明の超純粋なSiCの実施態様は、連結または他の方法での成形、たとえば焼結またはプレスにより固体、好ましくは単一体の固体の形状にされるために焼結助剤あるいは添加物の存在を要求しない。自己焼結させられた超純粋なSiCは、焼結助剤を使用して作られた対応するものより著しく強くなりえる。したがって、自己焼結させられたSiC成形品は、焼結助剤を使用した同様のSiC成形品よりも、2x、3x、4x、あるいはそれ以上強い。理論的には、焼結助剤はSiC粒子間の結合あるいは連結を形成しており、これらの焼結助剤の結合は、自己焼結されたSiCとSiCの結合(例えば直接の結合)より本質的に弱い。
【0148】
本発明のポリマー由来のSiCの実施態様、および特には超純粋なSiCの中の実施態様は、蒸着プロセス、結晶成長プロセス、結合プロセスおよび他のプロセスを通じて、広帯域アンプ、軍事通信、レーダー、テレコム、データリンクおよび戦術上のデータリンク、通信衛星追跡センターおよびポイント・ツー・ポイントのラジオ・パワー・エレクトロニクス、LED、レーザー、照明およびセンサーに用途と利用を見いだすことができる。さらに、これらの実施態様は、HEMTベースのモノリシックマイクロ波集積回路(MMIC)を含む高い電子可動性トランジスター(HEMT)などの、トランジスターに用途と利用を見いだすことができる。これらのトランジスターは分配された(進行波)アンプ設計アプローチを使用することができる。そしてSiCのより大きなバンドギャップにより、非常に広い帯域幅が小さなフットプリント中で達成されることを可能にする。したがって、本発明の実施態様は、ポリマー由来のSiCから作られるか、またはそれに基づくこれらの装置および物品を含む。
【0149】
本発明のポリマー由来のSiCの実施態様、また特には超純粋なSiCの実施態様は、蒸着プロセス、結晶成長プロセス、結合プロセスおよび他のプロセスを通じて、ブレーキロータとアセンブリー、ブレーキディスクおよびパッド、宝石と半宝石を作るための原料、宝石、モアッサナイト(moissanite)、また切断および摩耗の用途に利用することができる。したがって、本発明の実施態様は、ポリマー由来のSiCから作られるか、そうでなければそれに基づくこれらの装置および品物を含んでいる。
【0150】
本発明のポリマー由来のSiC、および特には超純粋なSiCの実施態様は、他のセラミック粉末配合物と一緒することができ、向上された特性と低減されたコストの両方を、これらの他のセラミック粉末を使用するプロセスに提供する。例えば、BN/SiC/ZrO2組成物、および他の耐火性/エンジニアリングセラミック粉末、例えばAIN、BC、BN、AI2O3、ZrO2、C、SiC、WCおよびSiNとのブレンドが意図される。したがって、本発明の実施態様は、ポリマー由来のSiCから作られるか、そうでなければSiCに基づくこれらの装置および品物を含む。さらに、それらは例えば、サーメット、あるいは他の冶金学混合物および合金を作るための、金属の合金化において使用されてもよい。例えば、それらは、Ti、Fe、NiおよびCoなどと組み合わせることができる。したがって、例えば、それらはポリマー由来のSiC-Ti合金、ポリマー由来のSiC-鉄合金、ポリマー由来のSiC-Ni合金およびポリマー由来のSiC-Co合金を形成することができる。
【0151】
本発明のポリマー由来のSiCセラミック粉末配合物の実施態様は、例えば以下の構成要素として利用することができる:窯炉、炉管、炉ベルト・リンク、炉ローラー、ノズル、ベアリング、耐腐食性のシール、ルツボ、耐火構造物、断熱システム、RAMジェット/SCRAMジェット、あるいはマッハ3以上で飛ぶものすべて、ロケット、スペースシャトル、ロケット・ノーズコーンおよび最先端インパクト保護システム、SiC/SiC強化複合材、SiC/C強化複合材、DCマグネトロンスパッタリングターゲット、熱電対被覆、ポンプ・シールおよびバルブ・スリーブ。
【0152】
本発明のポリマー由来のSiC、SiOC、また特には超純粋なSiCおよびSiOCの実施態様では、蒸着プロセス、結晶成長プロセス、連結プロセスおよび他のプロセスを介して、マルチ層構造、例えば基板上の層に利用することができる。この層は結晶、モノクリスタル、多結晶、または無定形であることができる。構造は、多くの様々な層(例えば基板層、結合層、SiC層、SiOC層、および他の物質)がある構造であることができる。実施態様では、サファイアを基板として、エピタキシアルSiC層に使用することができる。GaNも受理可能な基板でありえる。結合層は相違する結晶格子パラメーター間の格子間のミスマッチを緩和するために使用することができる。したがって、例えば、SiOCが基板として使用される場合、基板上に成長したSiCあるいはGaN層をサポートするために結合層を使用することができる。
【0153】
このプロセスの実施態様の中で、高純度、ポリマー由来のSiCは、好ましくは非常に小さなサイズであり、例えば約100μm未満、約10μm未満であり、約99.999%、好ましくは約99.9999%以上、好ましくは約99.99999%の純度を有し、光学部品へ焼結させることができる。これらの光学部品は選択された波長(例えば360-800nm)を透過することができる。それらは、可視スペクトル領域で約2.65の屈折率を持つことができる。それらは優れた高い光学的性質を持つことができる。また光行差、遮蔽および他の光学的欠点がない。それらは頑丈さ(例えばSiCの耐化学性、摩滅抵抗、温度抵抗、硬度)を提供する。それらは、例えば携帯電話、タブレット、タッチスクリーンなどのスクリーンなどのウインドーまたは透明スクリーンに著しい改良を提供することができる。それらは、これらの装置のボディに同様に使用されることができる。これらのポリマー由来のSiCウィンドウは、例えば、厳しい環境での使用における要求において特に有利になりえる。それらは次のものを含む多くの光学用途で使用することができる:光の発生、例えばレーザー、レーザーダイオード、および他の発光源;光(例えば光ファイバー、ウィンドウ、プリズム、レンズ、オプティックス、鏡、内部反射率要素(例えば光を向けるために内部反射に依存するブロックおよびプリズム))の形作りおよび送信。
【0154】
UV、可視光およびIR光に加えて、SiC光学部品は、電磁放射、たとえばマイクロ波、ミリ波、X線および高エネルギー線の波長にわたり使用することができる。
【0155】
ポリシロカルブ由来のSiCの実施態様、特には高純度SiCで、電機、ソーラー、および送電産業における使用において望ましいという、多くのユニークな特性を有する。それらは、高電力、高周波数、高温および腐食環境での使用を含む、いくつかの要求する用途で非常に安定していて、適切な半導体として機能することができる。ポリマー由来のSiCは、424GPaのヤング率を有する非常に硬い材料である。それは本質的に、化学的に不活性で、室温でどんな材料とも反応しないだろう。
【0156】
さらに、本発明の前は実際的見地から、炭化ケイ素内に物質を拡散させることは不可能であり、材料にドーパントを要求される程度まで加えることが必要とされた。またドーパントは、前駆体経由で加えられ、コントロールされた方法と量で存在し、ブールまたは他の構造の中へ成長した。前駆体配合物の実施態様はドーパントを有することができ、またはドーパントをセラミック内に運び結合する複合物を有することができ、それは次いでSiCへ変換され、蒸着の際にドーパントが利用可能で有り、使用可能な形となる。
【0157】
さらに、ポリマー由来のSiCおよびSiOCの実施態様から作られるウエハー、層および構造をカスタマイズしあるいは前もって定義したプロパティを提供するドーパントあるいは他の添加物は、本発明のポリマー由来の材料と共に使用することができ、またその一部として使用することができる。これらの実施態様では、そのような特性向上添加剤は、不純物とは考えられず、それらは最終生産物中に存在することが意図される。特性向上添加剤は、液体の前駆体材料に組み入れることができる。特性向上添加剤の性質によって、それは前駆物質の一部であることができ、それは複合体あるいは複合体の一部であってもよく、液体前駆物質にそれを組み入れることができ、あるいはそれが残存することを(例えば、最終材料中で意図されるように機能させる形式である)可能にする他の形でありえる。特性向上添加剤は、コーティングとしてSiCまたはSiOC粉末素材に加えることができるか、あるいは処理中に蒸気またはガスとして加えることができるか、粉末形態でポリマー由来のSiCまたはSiOCの粒子状物質と混合することができる。さらに、特性向上添加剤が存在する形式および方法は、それが最小、または好ましくは全く、最終生産物の加工条件、処理時間および品質に対する悪影響がないべきである。したがって、5-ナイン以上、6-ナイン以上、および7-ナイン以上の純度を有するポリシロカルブ由来のSiCは、特性向上添加剤を含むことができる。これらの量は約0.01%から約50%まで、約0.1%~約5%、約1%~約10%、25%未満、20%未満、10%未満および1%未満であることができるが、より大きい量またはより小さな量の添加物も、前もって定義した特性を与えるために使用できる。
【0158】
炭化ケイ素は一般に液相がない、約1800℃以上の温度で真空下で昇華する。
図10を参照する。SiCのための分圧カーブの図が提供される。典型的には、産業および商用用途では、昇華が約2,500以上℃の温度で起こるように、条件が確立される。炭化ケイ素が昇華する場合、典型的にはSi、SiCおよびSiC
2から成る蒸気を形成する。一般に、温度は炭化ケイ素蒸気中のこれらの異なる成分の比率を決定すると信じられていた。しかしながら本発明は、たとえばポリシロカルブ由来のSiC中に存在する過剰炭素の量のコントロールにより、SiC蒸気のこれらの成分の比率をあらかじめ選びコントロールする能力を提供する。さらにコントロールされた態様で、ポリシロカルブ由来のSiCの孔隙率、存在する過剰炭素の量、および両方(蒸着プロセスの中で出発原料として使用された時)、例えば、異なる所定量の過剰炭素を含むSiC材料の層を有することにより、SiC蒸気の組成をコントロールされた方法で変えることができ、また時間にわたるコントロールされた方法で変えることができる。
【0159】
ポリシロカルブ由来のSiC、SiCブール、ウエハーおよびポリシロカルブ由来のSiCから作られた他の構造は、多型性を示す。また一般に、1次元の多型性はポリタイプと呼ばれる。したがって、ポリシロカルブ由来のSiCは、多数の理論上無限の異なるポリタイプでありえる。もし明らかに特記がなければ、本明細書に使用された用語「多型性(polytypism)」、「ポリタイプ(polytypes)」、および類似した用語は、それらのできるだけ広い意味を与えられるべきであり、炭化ケイ素四面体(SiC
4)が構成される様々な異なるフレーム、構造または配置を含む。一般に、これらのポリタイプは2つのカテゴリー-アルファ(α)およびベータ(β)に分類される。
図2A、2B、3Aおよび3Bは、SiC構造由来の単一の立方体および四面体のポリマーの側面図と平面図をそれぞれ示す。
図2AおよびBでは、SiCの単一の立方体の配置を示し、Siは白丸、例えば200であり、Cは黒丸、たとえば201である。
図3AおよびBでは、SiCの単一の四面体の配置を示し、Siは白丸、例えば300であり、Cは黒丸、たとえば301である。
【0160】
ポリシロカルブ由来のSiCのアルファ・カテゴリーの実施態様は、典型的には六方晶系(H)、斜方面体晶系(R)、三方晶系(T)の構造、およびこれらの組み合わせを含む。ベータ・カテゴリーは典型的には立方体(C)または閃亜鉛鉱型構造を含む。したがって、例えば、ポリシロカルブ由来の炭化ケイ素のポリタイプは次のものを含む:3C-SiC(β-SiCまたはβ3C-SiC)(それはABCABC...の積層順序をしている);2H-SiC(それはABAB...の積層順序をしている);4H-SiC(それはABCBABCB...の積層順序をしている);6H-SiC(α炭化硅素の一般的な形式、α6H-SiC)(それはABCACBABCACB...の積層順序をしている)。たとえば、α炭化硅素の他の形式は、8H、10H、16H、18H、19H、15R、21R、24H、33R、39R、27R、48Hおよび51Rを含む。
【0161】
ポリシロカルブ由来のSiCの実施態様は、多結晶、または単一(モノ-)結晶であることができる。一般に、多結晶材料では、材料の2つのグレインの間のインターフェースとして粒界が存在する。これらの粒界は、異なるオリエンテーションを有する同じポリタイプの間、または同じか異なるオリエンテーションを有する異なるポリタイプの間、およびこれらの組み合わせの間にあることができる。モノ結晶性構造は単一のポリタイプから構成され、粒界が本質的にない。
【0162】
本発明の実施態様は、たとえば半導体のような最終生産物で使用される、高純度炭化ケイ素、および特には高純度の単一結晶の炭化物材料に対する需要を満たす能力を提供する。高純度材料を要求するこれらの最終生産物および使用について、少なくとも約99.9%、少なくとも約99.99%、少なくとも約99.999%、約99.9999%、および少なくとも約99.99999%、またはより大きな純度を有する低コスト炭化ケイ素原料が望まれる。
【0163】
高純度単結晶炭化ケイ素材料には多くの望ましい特徴および特性がある。例えば、それは424GPaのヤング率を有する非常に硬い材料である。その粒状組織および他の要因によって、多結晶シリコン炭化物も非常に高い硬度を有する。
【0164】
本発明のポリシロカルブ由来のSiCの実施態様は、より大きな直径または、断面(例えば5インチ、5インチよりも大、約6インチ、約7インチよりも大、約8インチ、8インチよりも大、9インチよりも大、約12インチ、およびそれ以上)の種結晶、ブールおよび他の構造を提供する能力を有する。そのような、より大きな直径または断面構造は、少なくとも約99.9%、少なくとも約99.99%、少なくとも約99.999%、約99.9999%、および少なくとも約99.99999%、またはより大きな純度を有する。
【0165】
本発明の実施態様は、ベータSiCの3C-SiCについての2.39eVから2H-SiCについての3.33eVまでの間でポリタイプによって変わる、バンドギャップを有する炭化ケイ素の物品(例えば半導体)を含む。4H-SiCは3.265eVのバンドギャップがある。α炭化硅素(6H-SiC)は3.023eVのバンドギャップがある。これらのバンドギャップは1.11eVのバンドギャップがあるSiよりも大きい。ハイ・バンド・ギャップは、センサー(例えばガスセンサー、それは高温(例えば約1000℃まで)の環境の中で操作される)内で炭化ケイ素材料が作動することを可能にする。例えば、炭化ケイ素に基づいたガスセンサーは、約1000℃の温度の中で作動する際、わずか数ミリセカンドの応答時間を有することができる。
【0166】
ポリマー由来のSiCとSiOCから作られた材料、特には高純度ポリマー由来のSiCとSiOCから作られた材料の実施態様は、パワー素子およびパワー素子の用途で利用することができる。パワー素子の用途については、ブレークダウン電界強度Eマックスは重要な特性になりえる。この特性は、材料ブレークダウンが生じる(例えば破滅的なブレークダウン)前の、材料内の最大のフィールドを量子化する。Eマックスはドープのレベルに依存するが、同じドープレベルのSiC材料およびSi材料を比較すると、一般にSiCのEマックスは、約4~10倍大きくなりえる。Eマックスおよび相対的なEマックスも、同じブロッキング電圧を有するように構築された装置の相対的強度の観点から見ることができる。したがって、1kVのブロッキング電圧を有するように構成されたSi装置は、約0.2mV/cmの臨界磁場強度を持つだろう。また、同様のSiC装置は、約2.49mV/cmの臨界磁場強度を持つだろう。
【0167】
ポリマー由来のSiC、SiOCから作られた材料の実施態様、特には高純度ポリマー由来のSiC、SiOCから作られた材料の実施態様は、高周波装置および高周波用途で利用することができる。飽和ドリフト速度は高周波装置の重要な特性になりえる。炭化ケイ素は2x107cm/sec2の飽和ドリフト速度を持っており、同様のシリコンの飽和ドリフト速度はその半分である。高い飽和ドリフト速度は高い利点を有し、高いゲインのソリッドステイトデバイスには有利である(必要でないにしても)。したがって、高純度、低コスト(例えば、コスト効率の良い)炭化ケイ素を提供する本発明の実施態様は、そのような装置のための好ましい選択になることができる。しかしながら、一般に、本発明以前には、利用する炭化ケイ素に関連したコストのために;および必要とされる純度を得ることが不可能ではなかったとしても困難だったために、そのような装置は得ることができなかった。
【0168】
ポリマー由来のSiC、SiOCから作られた材料の実施態様、特には高純度ポリマー由来のSiC、SiOCから作られた材料の実施態様は、高い熱伝導性用途で利用することができる。炭化ケイ素の熱伝導性は、室温で銅より高い。また、すべての金属ではないが大部分の金属よりも優れていると考えられる。例えば、室温で銀の熱伝導性は4.18W/(cm-K)であり、そして銅のそれは4.0W/(cm-K)である。高純度炭化ケイ素は室温で、約4.0W/(cm-K)を超える、約4.5W/(cm-K)を超える、約4.9W/(cm-K)を超える熱伝導性でありえる。
【0169】
本発明の実施態様、および本発明によって提供されるSiC処理および材料中の進歩は、すべてではないが、エレクトロニクスおよび他の用途の多くでシリコン材料を置き換えるすることができる;並びに、従来のシリコンに基づいた半導体および電子用途を越えて使用できる、付加的で新しい用途が提供される。
【0170】
ポリシロカルブ由来の高純度SiCの実施態様は、例えば、少なくとも約99.9%、少なくとも約99.99%、少なくとも約99.999%、約99.9999%、および少なくとも約99.99999%、またはより大きな純度を有し、様々なポリタイプを持つことができる。ポリシロカルブの由来の高純度SiCおよびSiOCは、アルファ(α)、ベータ(β)、およびこれらの組み合わせとして存在することができる。ポリシロカルブ由来の高純度SiCのアルファ・カテゴリーの実施態様は、典型的には六方晶系(H)、斜方面体晶系(R)、三方晶系(T)構造、およびこれらの組み合わせを含む。ポリシロカルブ由来の高純度SiCのベータ・カテゴリーは典型的には立方体(C)または閃亜鉛鉱型構造を含む。例えばポリシロカルブ由来の高純度炭化ケイ素のポリタイプは以下を含む:3C-SiC(β-SiCまたはβ3C-SiC);2H-SiC;4H-SiC;および6H-SiC(α炭化硅素の一般的なα6H-SiCの形式)(それはABCACBABCACB...の積層順序をしている)。たとえば、α炭化硅素の他の形式は、8H、10H、16H、18H、19H、15R、21R、24H、33R、39R、27R、48Hおよび51Rを含む。ポリシロカルブ由来の高純度SiCの実施態様は、多結晶、または単一(モノ-)結晶質であることができる。高純度SiOCおよびSiOC由来のSiCは、非晶形であることができる。
【0171】
本発明の実施態様は、体積構造物の形をしている高純度SiOCおよびSiC、例えば、パック、ブリケット、ブリック、ブロック、タブレット、錠剤、プレート、ディスク、正方形、ボール、棒、ランダム形状であることができる。これらの体積構造物は、一般に約1/16in3から約1ft3の広範囲のサイズを有するが、より大きなまたは小さなサイズも意図される。体積構造物の実施態様は非常に柔軟でもろく砕けやすく、好ましくは平均的な手の圧力でばらばらになる能力を有する。したがって、これらの破砕性のSiCの体積構造物は以下の特性を持つことができる:約200GPa未満、約150GPa未満、約75GPa未満、約10GPa未満およびより小さい弾性率;約1,400kg/mm2未満、約800kg/mm2未満、約400kg/mm2未満、約100kg/mm2未満、およびより小さい硬度;および約1,850MPa未満、約1,000MPa未満、約750MPa未満、約200MPa未満、約50MPa未満、およびより小さい圧縮強度。したがって、これらの破砕性のSiCの体積構造物は、それらの構造を構成している下層のSiC材料より本質的に弱く、約410GPaの弾性率、約2,800kg/mm2の硬度および約3,900MPaの圧縮強度の値が報告されている。ヘリウム比重測定によって測定されたSiCの実際の密度は、約3.0~3.5g/cc、約3.1~3.4g/cc、または約3.2~3.3g/ccである。SiC(例えばペレット、錠剤など)の破砕性の体積構造物のかさ密度(すなわち比重)は、著しく低い場合がある。
【0172】
SiC(例えば粒状のSiC粒子状物質の体積形状物、破砕性物質)の質量は、好ましくは、典型的には、その実際の密度より有意に低いみかけ密度を持っている。例えば、SiC顆粒の実際の密度は、約3.1g/ccから3.3g/ccである。一般に、そして典型的に、破砕性物質を砕くことから得られる粒状のSiCの実際の密度と見かけの密度は本質的に同一である。破砕性物質(例えばパック、ペレット、ディスクまたはプレート)のみかけ密度は、約3g/cc未満、約2g/cc未満、約1g/cc未満、またはそれ以下であり、また約0.5g/ccから約1.5g/cc、約0.4g/ccから約2g/ccまででありえる。SiC粒子のかさ密度は、約3.0g/cc未満、約2.0g/cc未満、約1g/cc未満であり、約0.1g/ccから約2g/cc、約0.5g/ccから1.5g/ccである。より大きいかより低いみかけ密度およびかさ密度も意図される。さらに、ポリマー由来のSiC破砕性物質についてのあらかじめ決定された正確なみかけ密度は、後の製造工程のために大きくされ、より望ましくは最適化される。例えば、CVDウエハー成形では、SiC顆粒の破砕性物質は、特定の化学蒸着法装置に適合するために特に設計され調整されたみかけ密度を持つことができる。このように、設備中の化学蒸着法装置はそれぞれカスタマイズされた供給原料を持つことができる。各装置の特性は前もって定義した正確なみかけ密度を持っている供給原料(例えばSiC破砕性物質)の使用によって最適化することができる。
【0173】
破砕性SiCの体積形状物は、容易に速くSiCの典型的な強度特性があるSiCの小さな粒子状物質に破砕することができる。より小さな粒子状物質は直径約10mm未満、直径約1mm未満、直径約0.01mm未満、直径約100μm(ミリミクロン)未満、直径約10μm未満、また約1μm未満、約500nm(ナノメーター)未満、約100nm未満であることができ、より小さいかより大きなサイズも意図される。
【0174】
したがって、本発明の実施態様は、SiOC前駆物質から、SiC破砕性物質または体積形状物を形成すること、およびSiCのこの破砕性物質から粒状のSiCを得ることを提供する。SiC破砕性物質のバルク特性よりも、粒状のSiCは著しく大きな強さを有する。例えば、粒状のSiCは、SiC塊(mass of SiC)の約2倍、約3倍、約4倍またはそれ以上の弾性率を持つことができ;粒状のSiCは、SiC塊の約2倍、約3倍、約4倍またはそれ以上の硬さを持つことができ;粒状のSiCは、SiC塊の約2倍、約3倍、約4倍またはそれ以上の圧縮強度を持つことができ;また、これらの増加された強度の組み合わせの特徴を有することができる。
【0175】
例えば
図1(たとえばセグメント108の103c)の実施態様のプロセスから得られるSiC破砕性物質は、破砕装置(たとえばボールミル、アトリションミル、ローター固定子粉砕機、ハンマーミル、ジェットミル、ローラーミル、ビーズミル、メディア粉砕機、グラインダー、ホモジナイザー、2-プレート粉砕機、ドウミキサー、他のタイプの研削、粉砕および処理装置)で粒状のSiCにすることができる。
【0176】
SiC破砕性物質は固有の孔隙率を持っている。この孔隙には好ましくはオープン・ホールであり、または本質的に開いた孔隙である。このように、顆粒が互いにパックされるので、もろい物質は典型的には粒状のSiCより本質的に大きな利用可能な表面積を提供する。したがって、例えばSiCの破砕性のディスクは、蒸着プロセスの中で使用され、SiCブール(SiCウェハへの後の転換用の)を作り、これらの破砕性のSiCディスクは、SiC蒸気を生成する実質的により大きな表面積を提供し、そのようなプロセスでの粒状のSiCの使用から典型的に得ることができたものよりも本質的により大きなSiC蒸気の移動用のパスを提供するだろう。増加した表面積および増加したパスは、SiCブールの成長速度、SiCブール(したがって後のウエハー)の質、およびこれら両方を増加させる能力を提供することが理論的に考えられる。破砕性のSiCディスク(例えばSiCの塊)は、粒状のSiC材料より取扱、測定および使用が簡単である。
【0177】
SiC破砕性物質は、好ましくはおよび典型的に、その実際の密度より著しく低いみかけ密度を持っており、例えば、実際の密度は約3.2g/ccである。一般に、粒状のSiC(それはもろい物質を砕くことから得られる)は本質的に同一のみかけ密度と実際の密度を持っており、例えば約3.1~3.3g/ccである。
【0178】
SiC(例えば、シリカの炭素熱還元、Achesonタイプ、あるいはそれに基づくもの)を作る従来方式に必要だった力と比較して、顆粒状にSiC破砕性物質を砕くのに必要な力は最小である。従来方式は、典型的にはSiCの強度を有するモノリスなSiCのバッチを生産し、これは典型的には破砕、切断、研削または粉砕により有用なサイズにされなければならない。したがって、本発明の実施態様は、SiCのモノリスを顆粒にする、そのような重いか丈夫な研削装置の必要を回避する。それらは、そのような研削装置を操作するための力(例えば電気)の高いコストをさらに回避する。それらは、SiCを顆粒にする時間の必要をさらに大幅に低減する。有用なサイズへモノリスSiCを顆粒にするために重い研削装置を使用すると最大数週間かかった。一方、本発明のSiC破砕性物質の実施態様は、数時間、1時間、1時間未満、30分未満、数分またはそれ以下で顆粒にすることができる。この粉砕工程は、例えば例えば
図1の実施態様のポスト処理セグメント108である。
【0179】
高純度ポリシロカルブSiCは使用においていくつかの利点および有益性を備え、例えば、Siと炭素のソースあるいは出発原料、蒸着プロセス、システムおよび装置、SiC塊、構造物、物品または体積形状物を育てるか作成するための他の技術において利点および有益性を備えている。これらの特徴は次のものを含んでいる:高純度レベルを持つ能力、高純度レベル、粒度分布(形、サイズおよび両方)をコントロールする能力;前もって定義した粒度分布;体積形状物を持つ能力;前もって定義した体積形状物の形(例えばパック、錠剤、ディスクなど);孔隙率およびコントロールされた孔隙率を持つ能力;前もって定義した孔隙率;炭素の量をコントロールする能力;前もって定義した炭素量(つまり、化学量論以上または化学量論的未満および化学量論的な以上で);またこれらおよび他の特性の組み合わせ。本発明のための追加の利点は、例を介して示される。蒸着プロセスでのこれらの利点としては、ブールまたは他の構造の成長時間を短くすること、洗浄の前のより長いランタイム、装置を最適化する能力、ブールまたは他の構造をより大きな直径に成長させる能力、品質向上の能力、問題のあるエリアを低減する能力、ブールまたは他の構造での問題の領域または問題の発生(例えば、パイプ、閉塞、欠陥)を低減する能力、低減したコスト、プロセスに対するより大きなコントロール、およびこれらの組み合わせが挙げられる。
【0180】
本明細書における使用は明瞭さのために示され、いかなる意味においても制限するものではないことは理解されるべきである。したがって、以下に記述されたプロセスと開示は、本明細書の全体の開示における文脈として理解されるべきであり、様々な例を含む。本明細書における使用は、本発明の保護の範囲を制限するものではない。
【0181】
ポリシロカルブ前駆物質を得る一般的な過程
典型的に、ポリマーの由来のセラミック前駆物質配合物、そして特定のポリシロカルブ前駆物質配合物は、一般に3つのタイプのプロセスによって作ることができるが、他のプロセスおよびこれらのプロセスの変化および組み合わせも利用されることができる。これらのプロセスは、一般に前駆物質配合物を形成するために前駆物質を組み合わせることを必要とする。1つのタイプのプロセスは、一般に好ましくは溶剤を含まず、本質的に化学反応のないプロセスで、前駆物質材料をともに混合するプロセス、例えば「混合タイププロセス」を含む。別のタイプのプロセスは、一般に化学反応を含み、例えばモノマー、二量体、三量体およびポリマーでありえるカスタマイズされた前駆物質配合物を形成する「反応タイププロセス」を含んでいる。第3のタイプのプロセスは、溶剤を含まない環境での2つ以上の成分の化学反応(例えば「反応ブレンディングタイププロセス」を含む。一般に混合処理中では、本質的にすべて、好ましくはすべての化学反応が、後のプロセス、たとえば硬化、熱分解および両方の間に起こる。
【0182】
これらの用語(「反応タイププロセス」、「反応ブレンディングタイププロセス」および「混合タイププロセス」は、便宜的に従来のプロセスを呼ぶために使用されることが理解されるべきである。これらの用語は制限として見られるべきではない。例えば、反応プロセスはその後、別の前駆物質材料との混合処理の中で使用される前駆物質材料を作成するために使用することができる。
【0183】
これらのプロセス・タイプはそれぞれ本明細書の他の場所でも使用される。1つの標題もとでの1つのプロセス、および他のプロセスでの教示は、他の標題の下で、互いに適用可能でありうることは理解されるべきである。同様に、この本明細書の中の他のセクション、実施態様および教示も適用可能である。1つのタイプのプロセスでの出発材料または前駆物質材料は、別のタイプのプロセスの中で使用されてもよい。さらに、これらの標題の下で記述されたプロセスは、様々な例および実施態様を含む本明細書の文脈を踏まえて読まれるべきことは理解されるだろう。
【0184】
これらのプロセスの組み合わせおよび変化が、前駆物質配合物、中間物、最終生産物を得るために使用されることができることは理解されるだろう。特定のプロセスおよび生成物の特徴に応じて、1つのプロセス・タイプのための前駆物質および出発原料が他のプロセスで使用することができる。混合タイププロセスからの配合物は、前駆物質、反応型プロセスでの成分、または反応ブレンディングタイププロセスの成分として使用されることができる。同様に、反応タイププロセスからの配合物は混合タイププロセスおよび反応ブレンディングタイププロセスの中で使用されてもよい。同様に、反応ブレンディングタイププロセスからの配合物は、混合タイププロセスと反応タイププロセスの中で使用されてもよい。したがって、好ましくは、他のプロセスからの最適のパフォーマンスおよび特徴は組み合わせられ、コスト効率が良い効率的なプロセスおよび最終生産物を提供するために利用することができる。これらのプロセスは、中間物、および最終生産物のためのカスタマイズされた特徴を生成する大きな柔軟性を提供する。そしてしたがって、これらのプロセスのいずれかおよびそれらの組み合わせは、特定の前もって定義した生成物を提供することができる。どのタイプのプロセスが望ましいか選択し、コスト、管理可能性、貯蔵寿命、スケールアップ性および製造の容易さなどの要因を考慮することができる。
【0185】
市販で入手可能なものに加えて、前駆物質は、アルコキシル化タイプのプロセス(例えばエトキシ化プロセス)経由で作られてもよい。このプロセスでは、前駆物質材料を提供するために触媒(例えばHCl)が存在する状態でエタノールとクロロシランを反応させる。より長い鎖の前駆物質を提供するためにさらに材料を反応させてもよい。他のアルコール、例えば、メタノールも使用できる。例えば、SiCl4、SiCl3H、SiCl2(CH3)2、SiCl2(CH3)H、Si(CH3)3Cl、(Si(CH3)ClH)を、前駆物質を形成するためにエタノールCH3CH2OHと反応させる。これらの反応において、フェノールはフェノキシ基のソースであることができる。それは、シリコン上の水素化基と置換される。1、2またはそれ以上逐次反応が起こる必要がある場合がある。
【0186】
前駆物質材料をアセチレン反応ルート経由で得てもよい。一般に、アセチレンをSi-Hに付加するためのいくつかの既知のパスがある。したがって、例えば、テトラメチルテトラビニルシクロテトラシロキサンを生産するために、触媒が存在する状態でアセチレンとテトラメチルシクロテトラシロキサンを反応させることができる。その後、この生成物は開環され重合されて、線形のビニルメチルシロキサンを形成するすることができる。あるいは、典型的なビニルシランはアセチレンと、メチル,ジクロロシラン(直接法またはRochowプロセスから得られた)を反応させることにより生産することができる。その後、これらのモノマーはビニル、メチル、ジクロロシランを形成するために清浄化(スクラビングすることができるので)されることができる。その後、ビニルモノマーは加水分解によって重合することができる、環式および線形の様々な鎖長のシロキサンを形成することができ、たとえば様々なシクロテトラシロキサン(例えば「D4’」)、および様々なシクロペンタシロキサン(例えば「D5’」)を形成することができる。しかしながら、これらのパスは高価である。また、ビニルシランを生産するために低いコストの原料源に対する長期間にわたる増加した必要があった。本発明の前は、ビニルシランを得るためのアセチレン付加プロセスの中でMHFを使用することができるかもしれないとは信じられていなかった。MHFはビニル、メチル(線形あるいは環式のどちらか)よりも安く、MHFへのアセチレンの付加によりビニルを作ることは、よりコスト効率の良い材料を比較的安いコストで提供するとの長期間の必要を満たす。この付加を行う際に、次の変数が考慮されコントロールされるべきである:材料(D4’、線形メチルおよび水素シロキサン流体);温度;Si-Hに対するアセチレンの比率;均一触媒(Karstedt、ジブチルチンジラウレート、触媒なし、禁止剤とKarstedt、塩化白金酸、アッシュビー);担持された触媒(炭素上のPt、アルミナ上のPt、アルミナ上のPd);流量(液体フィード、アセチレン材料);圧力;および触媒濃度。MHF(環式および線形)のアセチレンの付加を提供するための反応の実施態様の例は、表AとBに提供される、表Aはバッチ・アセチレン反応である。表Bは連続的なアセチレン反応である。バッチ、連続、対向流れのMHFとアセチレンフィード、より高い変換を達成するための1パス材料の連続的な再循環、これらおよび他のプロセスとの組み合わせが利用できることが理解されるべきである。
【0187】
【0188】
【0189】
連続的な高圧反応装置(「CHPR」)の実施態様は、以下の理由により有利である:液相では反応転化率が必要なアセチレンを低減する;チューブ・リアクターは圧力を提供するので、アセチレンの可溶性を増加させる;ヘキシンとの反応は濃度および時間(例えば100時間)を低減する;均一触媒を除去することができ、したがって、一旦得られたビニルとのヒドロシリル化反応を排除することができる;そして、不均一(固体)触媒の使用により生成物の完全性、増加した貯蔵寿命、増加したポットライフおよびそれらの組み合わせを維持する。
【0190】
アセチレン付加反応で様々な状態に対応するには、以下のいくつかの要因がある;稀釈、アセチレンおよびより低い触媒濃度による交差結合の遅延;また、より小さな分子と比較して、より大きな直線状分子においては転化率(不均一触媒を使用して)はより低いかもしれない。
【0191】
ビニルの存在と品質、およびビニル転化率は以下により決定することができる:ビニル吸収の存在についてFT-IR、SiH吸収の減少;ビニルの存在について1HNMR、SiH減少;ビニルの存在について13CNMR。
【0192】
本明細書に使用される時、もし、他の方法で指定されなかったならば、用語%および重量%、質量%は交換可能に使用され、第1成分の重量の、例えば、配合物、混合物、材料または生成物の合計の重量に対する割合をいう。本明細書に使用される時、もし、他の方法で指定されなかったならば、用語「体積%」および「%体積」、および類似した用語は、第1成分の体積の、例えば、配合物、混合物、材料または生成物の合計の体積に対する割合をいう。
【0193】
混合タイププロセス
前駆物質材料としては、メチル水素、また置換され変性されたメチル水素、シロキサンバックボーン付加物、反応性モノマー、シラン変成剤または有機変成剤とシロキサンバックボーン付加物との反応生成物、また他の同様のタイプの材料、たとえばシランベースの材料、シラザンベースの材料、カルボシランベースの材料、フェノール/ホルムアルデヒドベースの材料、またこれらの組み合わせが挙げられる。前駆物質は好ましくは室温で液体であるが、それらは溶融されることができ、他の前駆物質のうちの1つに可溶性の固体であることができる。(しかしながら、この状況では、1つの前駆物質が別のものを溶かす場合でも「溶剤」と考えられない。なぜなら、構成物ではない溶剤(例えば最終生産物の一部や成分を形成しないか、廃棄物または両方として扱われる溶剤)を意味するものとして先行技術において使用されていると理解されるからである。
【0194】
前駆物質は、好ましくは室温で、容器の中でともに混合される。好ましくは、溶剤(例えば水、有機溶媒、極性溶媒、無極性の溶剤、ヘキサン、THF、トルエン)は、前駆物質材料のこの混合物にほとんどまたは全く加えられない。好ましくは、前駆物質材料はそれぞれ他のものと混和性である。例えば、それらは任意の相対量で、または任意の割合で混合することができ、分離も沈殿もしない。このポイントでは、「前駆体混合物」または「ポリシロカルブ前駆物質配合物」は競争的である(もし1つの前駆物質のみが使用されれば材料は単に「ポリシロカルブ前駆物質」または「ポリシロカルブ前駆物質配合物」または「配合物」である)。フィラーおよび補強材を配合物に加えることができる。配合物の好ましい実施態様では、化学反応(例えば、架橋または重合)は、配合物が混合されるとき、配合物が容器の中にある時、プリプレグである時、または硬化前の時間保持されている場合。配合物内では本質的に無いか、または全く無い。
【0195】
前駆物質は、多数のタイプの雰囲気および条件、例えば空気、不活性雰囲気、窒素、アルゴン、流動ガス、静置ガス、減圧、加圧、雰囲気圧、およびそれらの組み合わせの下で混合することができる。
【0196】
さらに禁止剤、たとえばシクロヘキサン、1-エチニル-1-シクロヘキサノール(それはALDRICHから得ることができる)、オクタメチルシクロテトラシロキサン、およびテトラメチルテトラビニルシクロテトラシロキサンを、ポリシロカルブ前駆物質配合物(例えば禁止されたポリシロカルブ前駆物質配合物)に加えられることができる)。存在量および温度によって、テトラメチルテトラビニルシクロテトラシロキサンは反応物または反応遅延剤(例えば禁止剤)の両方として働くことができることは留意されるべきである。たとえば室温では、それは禁止剤として作用し、高温ではそれは反応物として作用する。他の材料も、ポリシロカルブ前駆物質配合物に加えられることができ、例えば、加工中の充填されたポリシロカルブ前駆物質配合物にこのポイントで、充填剤、たとえばSiC粉末、カーボンブラック、砂、ポリマー由来のセラミック粒子、色素、粒子状物質、ナノチューブ、ウイスカー、あるいは他の材料、本明細書で議論された、あるいは、公知のものを加えることができる。さらに、禁止剤と充填剤の両方を備えた配合物は、禁止された充填されたポリシロカルブ前駆物質配合物と考えられるだろう。
【0197】
ポリシロカルブ前駆物質配合物中の特定の前駆物質およびそれらの相対量によって、ポリシロカルブ前駆物質配合物は、室温で12時間を超える、1日を超える、1週を超える、1か月を超える、および何年もの貯蔵寿命を有することができる。例えば、これらの前駆物質配合物は高温で、たとえば90°Fで、12時間を超える、1日を超える、1週を超える、1か月を超える、および何年もの貯蔵寿命を有することができる。禁止剤の使用はさらに貯蔵寿命を伸ばし、より高い温度での貯蔵を可能とし、またはこれらの組み合わせを提供する。禁止剤の使用は、さらに反応速度をコントロールし、プロセスまたは生産装置の希望で意図した部分で起こるようにすることで、生産および商用プロセスの開発における有益性を有する。
【0198】
本明細書に使用される時、用語「貯蔵寿命」は、特記がなければそのできるだけ広い意味で理解され、例えば、配合物がその意図した目的に使用されることができること、あるいは特性を発揮すること、例えば、その意図した使用のための機能を発揮し、新鮮な配合物と100%パーセント同じ、新鮮な配合物の少なくとも約90%、新鮮な配合物の少なくとも約80%、新鮮な配合物の約70%の特性を発揮する期間をいう。
【0199】
前駆物質および前駆物質配合物は好ましくは非危険性物質である。それらは好ましくは約70℃以上、約80℃以上、約100℃以上、および約300℃以上の引火点を有する。好ましくは、それらは腐食性ではない。好ましくは、それらは低い蒸気圧を有し、臭気は少ないかまたは全く無い。また皮膚に対する刺激性は無いかまたは少ない。
【0200】
触媒またはイニシエーターは使用されることができ、前駆物質配合物の硬化に先立って、配合物が形成されるか構造物を作られる時に、その前に、直前にまたはより早期に加えることができる。触媒は前駆物質配合物の硬化をすすめ、促進し、プリフォームを形成する。
【0201】
触媒作用が加えられた後、前駆物質配合物が硬化に役立つままである時限は、「ポットライフ」と呼ばれる、例えば、長く続くはできるか(どのように)触媒された配合物、それが使用されるべき前に、その保持容器に残る。具体的な配合物に応じて、禁止剤が使用され、使用される場合には使用量、貯蔵条件、例えば温度、低O2雰囲気、潜在的な他の要因が、前駆物質配合物は約5分から約10日、約1日から約6日、約4から5日、約30分、約15分、約1時間から約24時間、約12時間~約24時間のポットライフを有する様にされる。
【0202】
触媒は任意の白金(Pt)に基づいた触媒であることができ、たとえば以下の範囲に希釈することができる;約0.01ppmのPtから約250ppmのPt、約0.03ppmのPt、約0.1ppmのPt、約0.2ppmのPt、約0.5ppmのPt、0.02から0.5ppmのPt、約1ppmのPtから約200ppmのPt、好ましくはいくつかの実施態様および用途において約5ppmのPtから約50ppmのPtである。触媒は過酸化物ベースの触媒であることができ、たとえば90℃以上で10時間の半減期を有し、濃度は0.1%から3%の間、または約0.5%から2%の間である。それは有機過酸化物でありえる。それは、Si-H結合、Si-OH結合または不飽和の炭素結合と反応することができる任意の有機金属触媒でありえる。これらの触媒としては以下が挙げられる:ジブチル錫ジラウレート、亜鉛オクトエート、過酸化物、有機金属化合物、例えばチタン、ジルコニウム、ロジウム、イリジウム、パラジウム、コバルト、ニッケルの化合物。触媒は、さらに他のロジウム、レニウム、イリジウム、パラジウム、ニッケルおよびルテニウムタイプまたはこれらに基づく触媒であることができる。これらおよび他の触媒の組み合わせおよび変化が使用されてもよい。触媒はARKEMAから得られる商品名LUPEROX(例えばLUPEROX231)であることができる;またはJohnson Mattheyから得られる商品名:Karstedt触媒、アッシュビー触媒、Speier触媒であることができる。
【0203】
さらに、これらおよび他の触媒のカスタム化されたものおよび特定の組み合わせが使用され、特定の配合物にマッチされ、および選択され、特定成分の反応を触媒するようにすることができる。さらに、これらのタイプのマッチした触媒配合物システムの使用は、前もって定義した生成物の特徴、たとえば孔隙構造、孔隙率、密度、密度プロフィール、高純度、極めて高い純度、他の形態学的特徴、または硬化された構造およびセラミックの特徴を提供するために使用されることができる。
【0204】
前駆物質配合物を作るためのこの混合タイププロセスでは、好ましくは、化学反応または分子内転位は、出発原料の成形、硬化工程、または熱分解プロセスのみで起こる。化学反応(例えば重合、還元、縮合、置換)は、出発原料または前駆物質の生成の中で起こるか利用される。混合タイププロセスによるポリシロカルブ前駆物質配合物を作る際に、化学反応と分子内転位は好ましくは起こらず、または本質的に起こらない。本発明の混合タイププロセスのこれらの実施態様は、前駆物質配合物の生成中に重合または他の反応を利用する必要を回避する。これはポリマー由来のセラミックを生成する従来方法に対して著しい利点を備えている。好ましくは、これらの混合タイプの配合物およびプロセス、重合、架橋、あるいは他の化学反応の実施態様は、好ましくは主として、本質的に、より好ましくは硬化工程中にのみ起こる。
【0205】
前駆物質はシロキサン・バックボーン付加物、たとえばメチル水素(MH)であり、式は以下に示される。
【0206】
【0207】
MHは約400mwから約10,000mw、約600mwから約3,000mwまでの分子量(「mw」は原子質量単位(amu)またはg/molとしての重量平均分子量として測定することができる)を有し、好ましくは約20cpsから60cpsの粘性を有することができる。メチルシロキサン・ユニット「X」のパーセンテージは1%から100%であってもよい。ジメチルシロキサンユニット「Y」のパーセンテージは0%から99%であってもよい。この前駆物質は架橋された構造のバックボーンを提供するために使用されてもよく、同様に、硬化されたプリフォームおよびセラミック材料へ他の特徴および特性を提供するために使用されてもよい。この前駆物質も、不飽和炭素化合物と反応して変成することができ、新規なまたはさらなる前駆物質を生成することができる。典型的には、メチル水素流体(MHF)は最小量の「Y」を含む、より好ましくは「Y」はすべての実際的な目的において0である。
【0208】
前駆物質はシロキサン・バックボーン付加物、たとえばビニル置換ポリジメチルシロキサンであり、式は以下に示される。
【0209】
【0210】
この前駆物質は約400mwから約10,000mwを有し、好ましくは約50cpsから2,000cpsの粘性を有することができる。メチルビニルシロキサンユニット「X」のパーセンテージは1%から100%であってもよい。ジメチルシロキサン・ユニットのパーセンテージは、0%から99%までであることができる。好ましくは、Xは約100%である。この前駆物質は、架橋密度を減少させて、かつ頑丈さを改善するため、また、硬化されたプリフォームおよびセラミック材料への他の特徴および特性を改善するために使用されることができる。
【0211】
前駆物質は、シロキサンバックボーン付加物、たとえばビニル置換されビニル末端のポリジメチル・シロキサンであり、式は以下に示される。
【0212】
【0213】
この前駆物質は約500mwから約15,000mw、好ましくは約500mwから約1,000mwまでの分子量を有し、好ましくは約10cpsから200cpsの粘性を有することができる。メチルビニルシロキサン・ユニット「X」のパーセンテージは1%から100%であってもよい。ジメチルシロキサンユニット「Y」のパーセンテージは0%から99%であってもよい。この前駆物質は、分岐を提供し、かつ硬化温度を減少させるために使用され、また、硬化されたプリフォームおよびセラミック材料への他の特徴および特性を改善するために使用されることができる。
【0214】
前駆物質は、シロキサンバックボーン付加物、たとえばビニル置換され、水素末端のポリジメチル・シロキサンであり、式は以下に示される。
【0215】
【0216】
この前駆物質は約300mwから約10,000mw、好ましくは約400mwから約800mwまでの分子量を有し、好ましくは約20cpsから300cpsの粘性を有することができる。メチルビニルシロキサン・ユニット「X」のパーセンテージは1%から100%であってもよい。ジメチルシロキサンユニット「Y」のパーセンテージは0%から99%であってもよい。この前駆物質は、分岐を提供し、かつ硬化温度を減少させるために使用され、また、硬化されたプリフォームおよびセラミック材料への他の特徴および特性を改善するために使用されることができる。
【0217】
前駆物質は、シロキサンバックボーン付加物、たとえばアリル末端のポリジメチル・シロキサンであり、式は以下に示される。
【0218】
【0219】
この前駆物質は約400mwから約10,000mwの分子量を有し、好ましくは約40cpsから400cpsの粘性を有することができる。反復単位は同じである。この前駆物質は、UV硬化可能性を提供し、かつ重合体の鎖を伸張するために使用され、また、硬化されたプリフォームおよびセラミック材料への他の特徴および特性を改善するために使用されることができる。
【0220】
前駆物質は、シロキサンバックボーン付加物、たとえばビニル末端ポリジメチル・シロキサンであり、式は以下に示される。
【0221】
【0222】
この前駆物質は約200mwから約5,000mw、好ましくは約400mwから約1,500mwまでの分子量を有し、好ましくは約10cpsから400cpsの粘性を有することができる。反復単位は同じである。この前駆物質は、重合体の連鎖を伸張し、頑丈さを改善し、そしてより低い硬化温度、例えば室温での硬化を提供するために使用され、また、硬化されたプリフォームおよびセラミック材料への他の特徴および特性を改善するために使用されることができる。
【0223】
前駆物質は、シロキサンバックボーン付加物、たとえばシラノール(ヒドロキシ)末端のポリジメチル・シロキサンであり、式は以下に示される。
【0224】
【0225】
この前駆物質は約400mwから約10,000mw、好ましくは約600mwから約1,000mwの分子量を有し、好ましくは約30cpsから400cpsの粘性を有することができる。反復単位は同じである。この前駆物質は、重合体の連鎖を伸張し、強靭になる機構を提供し、ナノ-およびマイクロ-スケールの孔隙を生成し、室温での硬化を許容し、また、硬化されたプリフォームおよびセラミック材料への他の特徴および特性を改善するために使用されることができる。
【0226】
前駆物質は、シロキサンバックボーン付加物、たとえばシラノール(ヒドロキシ)末端ビニル置換ジメチル・シロキサンであり、式は以下に示される。
【0227】
【0228】
この前駆物質は約400mwから約10,000mw、好ましくは約600mwから約1,000mwの分子量を有し、好ましくは約30cpsから400cpsの粘性を有することができる。メチルビニルシロキサン・ユニット「X」のパーセンテージは1%から100%であってもよい。ジメチルシロキサンユニット「Y」のパーセンテージは0%から99%であってもよい。この前駆物質は、デュアル-硬化システムの中使用されることができる;デュアル-硬化は、単一の配合物で多数の硬化機構の使用を認めることができる。例えば、縮合タイプ硬化および付加タイプ硬化の両方を利用することができる。これは、複雑な硬化プロフィールを持つ能力を提供する。それは、例えば1つのタイプの硬化によって最初の硬化を行い、異なるタイプの硬化により最終硬化を行うことを提供する。
【0229】
前駆物質は、シロキサンバックボーン付加物、たとえば水素(水素化物)末端のポリジメチル・シロキサンであり、式は以下に示される。
【0230】
【0231】
この前駆物質は約200mwから約10,000mw、好ましくは約500mwから約1,500mwの分子量を有し、好ましくは約20cpsから400cpsの粘性を有することができる。反復単位は同じである。この前駆物質は重合体の連鎖伸張剤を強靭化剤として提供し、たとえば室温での低温硬化性を許容し、また、硬化されたプリフォームおよびセラミック材料への他の特徴および特性を改善するために使用されることができる。
【0232】
前駆物質は、シロキサンバックボーン付加物、たとえばジ・フェニル末端シロキサン(さらに、それはフェニル末端と呼ばれてもよい)であり、式は以下に示される。
【0233】
【0234】
ここで、Rは反応性基、たとえばビニル、ヒドロキシまたは水素化物である。この前駆物質は約500mwから約20,000mwの分子量を有し、好ましくは約80cpsから300cpsの粘性を有することができる。メチル-R-シロキサン単位「X」のパーセンテージは1%から100%であってもよい。ジメチルシロキサン・ユニット「Y」のパーセンテージは0%から99%であってもよい。この前駆物質は強化材を提供し、様々なタイプのガラスの屈折率と一致するようにポリマーの屈折率を調節するために使用されて、例えば透明な繊維ガラスを提供するためであることができる、また、硬化されたプリフォームおよびセラミック材料への他の特徴および特性を提供するためであることができる。
【0235】
前駆物質は、シロキサンバックボーン付加物、たとえばモノ・フェニル末端シロキサン(さらに、それはトリメチル末端、フェニル末端シロキサンと呼ばれることもできる)であり、式は以下に示される。
【0236】
【0237】
Rは反応性基、たとえばビニル、ヒドロキシまたは水素化物である。この前駆物質は約500mwから約20,000mwの分子量を有し、好ましくは約80cpsから300cpsの粘性を有することができる。メチル-R-シロキサン単位「X」のパーセンテージは、1%から100%であることができる。ジメチルシロキサン・ユニット「Y」のパーセンテージは0%から99%であってもよい。この前駆物質は強化材を提供し、かつ様々なタイプのガラスの屈折率と一致するポリマーの屈折率を調節するために使用されて、例えば透明な繊維ガラスを提供するために使用されることができ、また、硬化されたプリフォームおよびセラミック材料への他の特徴および特性を改善するために使用されることができる。
【0238】
前駆物質は、シロキサンバックボーン付加物、たとえばジフェニル・ジメチル・ポリシロキサンであり、式は以下に示される。
【0239】
【0240】
この前駆物質は約500mwから約20,000mw、好ましくは約800mwから約4,000mwの分子量を有し、好ましくは約100cpsから800cpsの粘性を有することができる。ジメチルシロキサン・ユニット「X」のパーセンテージは25%から95%であってもよい。ジフェニル・シロキサン単位「Y」のパーセンテージは5%から75%であってもよい。この前駆物質は、モノ・フェニル末端シロキサンと同様の特性を提供するために使用されることができ、また、硬化されたプリフォームおよびセラミック材料への他の特徴および特性を改善するために使用されることができる。
【0241】
前駆物質は、シロキサンバックボーン付加物、たとえばビニル末端ジフェニル・ジメチル・ポリシロキサンであり、式は以下に示される。
【0242】
【0243】
この前駆物質は約400mwから約20,000mw、好ましくは約800mwから約2,000mwの分子量を有し、好ましくは約80cpsから約600cpsの粘性を有することができる。ジメチルシロキサン・ユニット「X」のパーセンテージは25%から95%であってもよい。ジフェニル・シロキサン単位「Y」のパーセンテージは5%から75%であってもよい。この前駆物質は、鎖伸張、強化材、変更されたか調整された屈折率および硬化物の高温熱安定性の改良を提供するために使用されることができ、また、硬化されたプリフォームおよびセラミック材料への他の特徴および特性を改善するために使用されることができる。
【0244】
前駆物質は、シロキサンバックボーン付加物、たとえばヒドロキシ末端ジフェニル・ジメチル・ポリシロキサンであり、式は以下に示される。
【0245】
【0246】
この前駆物質は約400mwから約20,000mw、好ましくは約800mwから約2,000mwの分子量を有し、好ましくは約80cpsから約400cpsの粘性を有することができる。ジメチルシロキサン・ユニット「X」のパーセンテージは25%から95%であってもよい。ジフェニル・シロキサン単位「Y」のパーセンテージは5%から75%であってもよい。この前駆物質は、鎖伸張、強化材、変更されたか調整された屈折率および硬化物の高温熱安定性の改良の提供、ナノまたマイクロ-スケール孔隙の提供、また、硬化されたプリフォームおよびセラミック材料への他の特徴および特性を改善するために使用されることができる。
【0247】
この前駆物質は、シロキサンバックボーン付加物、たとえばメチル末端フェニルエチル・ポリシロキサン(さらに、それはスチレン・ビニルベンゼン・ジメチル・ポリシロキサンと呼ばれることができる)であり、式は以下に示される。
【0248】
【0249】
この前駆物質は約800mwから少なくとも約10,000mw、少なくとも約20,000mwの分子量を有し、好ましくは約50cpsから約350cpsの粘性を有することができる。スチレン・ビニルベンゼン・シロキサン単位「X」のパーセンテージは1%から60%であってもよい。ジメチルシロキサン・ユニット「Y」のパーセンテージは40%から99%であってもよい。この前駆物質は、改善された頑丈さ、反応硬化発熱の減少、かつ様々なタイプのガラスの屈折率と一致するポリマーの屈折率を調節するために使用されて、例えば透明な繊維ガラスを提供するために使用されることができ、また、硬化されたプリフォームおよびセラミック材料への他の特徴および特性を改善するために使用されることができる。
【0250】
様々な環状シロキサンは配合物の中で反応的な分子として使用することができる。次の命名法システムまたは式によりそれらを記述することができる:DxD*y、ここで「D」はジメチルシロキシユニットを表わす。そして「D*」は置換メチルシロキシユニットを表わす。「*」基はビニル、アリル、水素化物、ヒドロキシ、フェニル、スチリル、アルキル、シクロペンタジエニルまたは他の有機基であることができる。xは0-8、y>=1、x+yは3-8である。
【0251】
前駆物質バッチはさらに非シリコンベースの架橋剤であって、非シリコンベースの架橋剤とシロキサンバックボーン付加物の反応生成物およびこれらの組み合わせを含むことができる。非シリコンベースの架橋剤は、硬化中に架橋する能力を意図し提供する。例えば、使用することができる非シリコンベースの架橋剤は次のものを含む:シクロペンタジエン(CP)、メチルシクロペンタジエン(MeCP)、ジシクロペンタジエン(「DCPD」)、メチルジシクロペンタジエン(MeDCPD)、トリシクロペンタジエン(TCPD)、ピペリレン、ジビニルベンゼン、イソプレン、ノルボルナジエン、ビニルノルボルネン、プロペニルノルボルネン、イソプロペニルノルボルネン、メチルビニルノルボルネン、ビシクロノナジエン、メチルビシクロノナジエン、プロパジエン、4-ビニルシクロヘキセン、1,3-ヘプタジエン、シクロヘプタジエン、1,3-ブタジエン、シクロオクタジエンおよびその異性体。一般に、2(またはより多くの)不飽和、C=C結合であって、前駆物質の中のSi-H、Si-OH、または他のSi結合と反応することができるあらゆる炭化水素を、架橋剤として使用することができる。酸素、窒素および硫黄を含むいくつかの有機物も、架橋部位として機能してもよい。
【0252】
前駆物質は反応性モノマーであることができる。これらは以下の式で示される分子、たとえばテトラメチルテトラビニルシクロテトラシロキサン(「TV」)を含む。
【0253】
【0254】
この前駆物質は、分岐剤であり、三次元の架橋剤を提供するために使用されて、また、硬化されたプリフォームおよびセラミック材料への他の特徴および特性を改善するために使用されることができる。(さらに配合物においては、例えば、2%以上およびある温度以上、例えば室温から約60℃の温度で、この前駆物質は架橋への禁止剤として働くことがあり、たとえば水素化物とビニル基の架橋を禁じることがある。)
【0255】
前駆物質は、反応性モノマー、たとえばトリビニル・シクロテトラシロキサン;
【0256】
【0257】
ジビニルシクロテトラシロキサン;
【0258】
【0259】
トリビニル・モノ水素化シクロテトラシロキサン;
【0260】
【0261】
ジビニル二水素化シクロテトラシロキサン;
【0262】
【0263】
ヘキサメチルシクロテトラシロキサン、たとえば、以下であることができる。
【0264】
【0265】
前駆物質は、シラン変性剤、たとえばビニルフェニル・メチル・シラン、ジフェニル・シラン、ジフェニル・メチル・シランおよびフェニル・メチル・シラン(それらのうちのいくらかは端部キャップまたは端部終了基として使用されることができる)。これらのシラン変性剤は連鎖延長剤と分岐剤を提供することができる。さらに、それらは頑丈さを改善し、屈折率を変更し、硬化物の高温硬化安定性を改善し、硬化物の強さを高める。前駆物質、たとえばジフェニル・メチル・シランは、端部カップリング剤として作用してもよく、それはさらに頑丈さを改善し、屈折率を変更し、硬化物の高温硬化安定性を改善してもよく、さらに硬化物の強さを高める。
【0266】
前駆物質は、シラン変性剤とビニル末端シロキサンバックボーン付加物との反応生成物であることができる。前駆物質は、シラン変性剤とヒドロキシ末端シロキサンバックボーン付加物との反応生成物であることができる。前駆物質は、シラン変性剤と水化物末端シロキサンバックボーン付加物との反応生成物であることができる。前駆物質はシラン変性剤とTVとの反応生成物であることができる。前駆物質はシランの反応生成物であることができる。前駆物質は、立体障害を考慮に入れてシラン変性剤と環状シロキサンとの反応生成物であることができる。前駆物質は部分的に加水分解されたテトラエチルオルト珪酸塩、たとえばTES40またはSilbond40であることができる。前駆物質は、メチルセスキシロキサン、たとえばゼネラルエレクトリック社、Wilton、Connから利用可能なSR-350であることができる。前駆物質は、フェニル・メチル・シロキサン、たとえばWacker Chemie AGから利用可能な604であることができる。前駆物質は、メチルフェニルビニルシロキサン、たとえばWacker Chemie AGから利用可能なH62Cであることができる。
【0267】
前駆物質は下記から選ばれることができる:SiSiB(登録商標)HF2020、トリメチルシリル末端メチル水素シリコーン流体63148-57-2;SiSiB(登録商標)HF2050、トリメチルシリル末端メチルヒドロシロキサンジメチルシロキサン・コポリマー68037-59-2;SiSiB(登録商標)HF2060、水素化物末端メチルヒドロ・シロキサン・ジメチルシロキサン・コポリマー69013-23-6;SiSiB(登録商標)HF2038、水素末端ポリジフェニル・シロキサン;SiSiB(登録商標)HF2068、水素化物末端メチルヒドロ・シロキサン・ジメチルシロキサン・コポリマー115487-49-5;SiSiB(登録商標)HF2078、水素化物末端ポリ(フェニルジメチルシロキシ)シロキサン・フェニル・シルセスキオキサン、水素末端68952-30-7;SiSiB(登録商標)VF6060、ビニルジメチル末端ビニルメチル・ジメチル・ポリシロキサン・コポリマー68083-18-1;SiSiB(登録商標)VF6862、ビニルジメチル末端ジメチルジフェニル・ポリシロキサン・コポリマー68951-96-2;SiSiB(登録商標)VF6872、ビニルジメチル末端ジメチル・メチルビニル・ジフェニル・ポリシロキサン・コポリマー;SiSiB(登録商標)PC9401、1,1,3,3-テトラメチル-1,3-ジビニルジシロキサン2627-95-4;SiSiB(登録商標)PF1070、シラノール末端ポリジメチルシロキサン(OF1070)70131-67-8;SiSiB(登録商標)OF1070、シラノール末端ポリジメチルシロキサン(70131-67-8;OH-エンドキャップされたポリジメチルシロキサン・ヒドロキシ末端ポリジメチルシロキサン73138-87-1;SiSiB(登録商標)VF6030、ビニル末端ポリジメチル・シロキサン68083-19-2;SiSiB(登録商標)HF2030、水素末端ポリ・ジメチルシロキサン流体、70900-21-9。
【0268】
上記のタイプの前駆物質に加えて、以下の一般式を有する化合物も前駆物質として意図される:
【0269】
【0270】
ここで、エンドキャッパーE1およびE2は、たとえばトリメチルシリコン(Si(CH3)3)、ジメチル・シリコン・ヒドロキシ(Si(CH3)2OH)、ジメチル水素化珪素(Si(CH3)2H)、ジメチル・ビニル・シリコン(Si(CH3)2(CH=CH2))(Si(CH3)2(C6H5))およびジメチルアルコキシ・シリコン(Si(CH3)2(OR)))の群から選ばれる。R、R1、R2、R3およびR4はすべて異なってもよい。または、1つ以上が同じであることができる。したがって、例えば、R2はR3と同じであり、R3はR4と同じであり、R1およびR2は、同じ基であるR3とR4とは異なる。R基は、たとえば水素化物(-H)、メチル(Me)(-C)、エチル(-C-C)、ビニル(-C=C)、アルキル(-R)(-CnH2n+1)、アリル(-C-C=C)、アリール(-R)、フェニル(-Ph)(-C6H5)、メトキシ(-O-C)、エトキシル(-O-C-C)、シロキシ(-O-Si-R3)、アルコキシ(-O-R)、ヒドロキシ(-O-H)、フェニルエチル(-C-C-C6H5)およびメチル、フェニルエチル(-C-C(-C)(-C6H5))の群から選ばれる。
【0271】
一般に、ポリシロカルブ配合物のための配合物の実施態様は、例えば、約0%から50%のMH、約20%から約99%のMH、約0%から約30%のシロキサンバックボーン付加物、約1%から約60%の反応性モノマー、約30%から約100%のTV、および0%から約90%のシロキサンバックボーン付加物と、シラン変性剤または有機変性剤との反応生成物であることができる。
【0272】
配合物を混合する際に十分な時間は、前駆物質が混合され分散されるに十分な時間であるべきである。一般に、約15分から1時間の混合で十分である。典型的には、前駆物質配合物は、比較的および本質的に、剪断力に感受性では無いので、ポンプまたは混合のタイプは重要ではない。より高い粘性配合物では、追加の混合時間が必要であることは留意される。混合中の配合物の温度は好ましくは約45℃以下、およびより好ましくは10℃以下に維持されるべきである。(これらの混合条件はあらかじめ触媒された配合物に対するものであることが留意される。)
【0273】
反応タイププロセス
反応タイププロセスでは、一般に、化学反応を1つ、2つまたはそれ以上の前駆物質を、典型的には溶剤が存在する状態で反応させ、その後、触媒されて硬化され、熱分解されることのできる1つの重合体にされる前駆物質配合物を形成するために使用される。このプロセスは、カスタム前駆物質配合物を構築する能力を提供する。これは硬化された時、ユニークで望ましい特徴、たとえば高温耐性、難燃性および不燃性、強さおよび他の特徴を有するプラスチックを提供することができる。硬化物もユニークな特徴があるセラミックを形成するために熱分解することができる。反応タイププロセスは、前駆物質配合物を構築するポリマーの中へ加えられる官能基を選択することにより、最終生成物の官能基の異なるタイプの前もって定義したバランスを許容する。例えば、フェニルは典型的にはセラミックに使用されないが、高温特性をプラスチックに対して提供し、スチレンは典型的にはプラスチックに高温特徴を提供しないが、セラミックに対して利点を備えている。
【0274】
一般に、前駆物質配合物として使用されるカスタム・ポリマーは、縮合反応で前駆物質を反応させ、ポリマー前駆物質配合物を形成することにより作られる。その後、この前駆物質配合物は加水分解反応を通じてプリフォームへ硬化される。縮合反応は、下に示されたタイプのポリマーを形成する。
【0275】
【0276】
重合体のユニット内のR1およびR2は、水素化物(-H)、メチル(Me)(-C)、エチル(-C-C)、ビニル(-C=C)、アルキル(-R)(-CnH2n+1)、不飽和アルキル(-CnH2n-1)、環式アルキル(-CnH2n-1)、アリル(-C-C=C)、ブテニル(-C4H7)、ペンテニル(-C5H9)、シクロペンテニル(-C5H7)、メチル・シクロペンテニル(-C5H6(CH3))、ノルボネニル(-CxHY、ここで、X=7-15およびY=9-18)、アリール(-R)、フェニル(-Ph)(-C6H5)、シクロヘプテニル(-C7H11)、シクロオクテニル(-C8H13)、エトキシル(-O-C-C)、シロキシ(-O-Si-R3)、メトキシ(-O-C)、アルコキシ(-O-R)、ヒドロキシ(-O-H)、フェニルエチル(-C-C(C)(C-C-C6H5)、メチル、フェニル・エチル(-C6H5))、ビニルフェニル-エチル(-C-C(C6H4(C=C)))であることができる。R1およびR2は同じか異なることができる。カスタム前駆物質ポリマーはいくつかの異なる重合体のユニット、例えばA1,A2、Anを持つことができ、10、20、またはそれ以上のユニットを含んでもよく、また例えば単一のユニットだけを含んでもよく、たとえば、反応プロセスによって作られたMHFは単一のユニットだけを含んでいてもよい。
【0277】
実施態様は前駆物質を含んでもよく、トリエトキシ・メチル・シラン、ジエトキシ・メチル・フェニル・シラン、ジエトキシ水素化メチル・シラン、ジエトキシ・メチル・ビニルシラン、ジメチルエトキシルビニルシラン、ジエトキシ・ジメチル・シラン、エトキシルむジメチルフェニル・シラン、ジエトキシ二水素化物シラン、トリエトキシ・フェニル・シラン、ジエトキシ水素化物トリメチルシロキサン、ジエトキシ・メチルトリメチルシロキサン、トリメチルエトキシルシラン、ジフェニル・ジエトキシ・シラン、ジメチルエトキシル水素化物シロキサン、並びにこれらおよび、本明細書記載された他の前駆物質との組み合わせを含んでもよい。
【0278】
端部ユニット、Si端部1およびSi端部2は、ジメチルエトキシルビニルシラン、エトキシルジメチルフェニル・シランおよびトリメチルエトキシルシランの前駆物質に由来することができる。さらに、重合工程が適切にコントロールされる場合、ヒドロキシ・エンドキャップは前駆物質から得ることができ、ポリマーの反復単位を提供することができる。
【0279】
一般に、前駆物質は、エタノール(あるいは例えば、熱マスを提供するために熱を吸収する他の材料)、過剰の水および塩酸(あるいは他のプロトン源)を有する容器に加えられる。混合物がその活性化エネルギーに達するまで加熱され、反応は典型的にはその後発熱する。一般に、この反応では、水は前駆物質モノマーのシリコンのエトキシ基と反応し、ヒドロキシ(および副産物としてのエタノール)を形成する。一旦形成されたならば、このヒドロキシは、別の前駆物質モノマーのシリコン上のエトキシと反応し、重合反応に帰着する。希望の鎖長が構築されるまで、この重合反応が継続される。
【0280】
鎖長を決定するための制御因子は、次のとおりである:選ばれたモノマー(一般に、より小さなモノマーほど、それらがそれら自身のまわりに巻きつき始める前に加えることができる量がより多くなる);端部キャッパーが導入される反応の量およびポイント;水の量および添加速度。したがって、鎖長は、約180mw(約5cpsの粘度)から約65,000mw(約10,000cpsの粘度)、約1000mwより大きく、約10,000mwより大きく、約50,000mwより大きく、より大きい。さらに、重合された前駆物質配合物は、典型的には、異なる分子量のポリマーを含み、それは配合物を提供し、硬化し、セラミック製品性能を提供するためにあらかじめ決定されている。
【0281】
重合反応の完了に際して、材料は分離装置(例えば分離漏斗)へ移される。それには例えば、材料の質量の約1.2倍から約1.5倍の脱イオン水を含んでいる。この混合物はほぼ1分未満、好ましくは約5~30秒間激しく撹拌される。材料を撹拌したら、分離し沈殿させる。それには約1~2時間を要する。ポリマーはより高密度材料であり、容器から取り除かれる。回収されたポリマーは、約2時間90℃で浅いトレー中で加温されるか、または、好ましくはワイプトフィルム蒸溜装置を通過させて、すべての残留水およびエタノールを除去することにより乾燥する。あるいは、約4~約7のpHへ水層をバッファーするのに十分な重炭酸ナトリウムが加えられる。それはさらに、その他の市販の混合、反応、および材料からポリマーを分ける方法が使用されることができる。
【0282】
好ましくは、触媒は、反応タイププロセスからのポリマー前駆物質配合物の硬化工程の中で使用される。混合タイププロセスからの前駆物質配合物を硬化するために使用されたものと同じポリマーを使用することができる。一般に、混合タイプ配合物と異なり、触媒は反応型ポリマーを硬化するためには必ずしも要求されない。禁止剤も使用されてもよい。しかしながら、触媒が使用されなければ、反応時間と速度はより遅くなるだろう。硬化、および反応プロセスからの硬化物の熱分解は、本質的に混合プロセスおよび反応ブレンディングプロセスからの硬化物の硬化および熱分解と同じである。
【0283】
反応タイププロセスは、多数のタイプの雰囲気および条件、例えば空気、不活性、N2、アルゴン、流動ガス、静的なガス、減圧、雰囲気圧、高い圧力、およびそれらの組み合わせの下で行うことができる。
【0284】
反応ブレンディングタイププロセス
反応ブレンディングタイププロセスでは、前駆物質は反応され、溶剤がない状態で前駆物質配合物が形成される。たとえば、反応ブレンディングタイププロセスの実施態様では、ジシクロペンタジエン(「DCPD」)とMHFから調製されている前駆物質配合物がある。反応ブレンディングタイププロセスを使用して、MHF/DCPDポリマーが生成され、このポリマーは前駆物質配合物として使用される。(それは硬化されたか熱分解された生成物を形成するために単独で使用することができ、または混合または反応プロセス中の前駆物質として使用することができる。)既知の分子量および水素化物等価質量のMHF;”Ρ01”(P01は、テトラビニルシクロテトラシロキサン中の2%Pt(0)テトラビニルシクロテトラシロキサン錯体を、Pt(0)錯体の0.1%までテトラビニルシクロテトラシロキサンで20倍に薄めた。このようにして、バルクの触媒1%添加で10ppmのPtが提供された。触媒0.20重量%のMHF出発物質(既知の活性当量)、40~90%;および>83%の純度のジシクロペンタジエン、10~60%が利用される。プロセスの実施態様では、ミキサーを備えた密封できる反応器が使用することができる。その反応は密封され反応器内で、空気中で行なわれる;他のタイプの大気を利用することもできる。好ましくは、その反応は大気圧で行なわれるが、より高いかより低い圧力も利用することができる。さらに、反応ブレンディングタイププロセスは多数のタイプの雰囲気および条件、例えば空気、不活性、N2、アルゴン、流動ガス、静的なガス、減圧、雰囲気圧、高い圧力、およびそれらの組み合わせの下で行うことができる。
【0285】
実施態様では、850グラムのMHF(ポリマー混合物の合計の85%)は、反応器に加えられ、約50℃に加熱された。一旦、この温度に到達したら、ヒーターは切られる。0.20重量%のP01白金触媒が反応器中のMHFに加えられる。典型的には触媒の追加により泡が発生し、およそ2-20℃の発熱がある。
【0286】
温度が下がり始めた時、約150gのDCPD(ポリマー混合物の合計の15重量%)が、反応器に加えられる。温度はさらに下がる(例えば約5-7℃)。
【0287】
反応プロセスでのこのポイントでは、反応器の温度はコントロールされ、時間にわたり所定の温度プロフィールを維持し、そして発熱曲線を伴い温度増加を管理することができる。好ましくは、反応器の温度は規制され、モニターされて、プロセスの全体にわたってコントロールされた。
【0288】
反応プロセス実施態様のMHF/DCPD実施態様では、温度プロフィールは以下のとおりであることができる:温度を約80℃に上げる(存在する材料の量によって、15-40分かかってもよい);その後、温度が下が始めるとすぐに、温度は上昇し104℃でピークに達する。ヒーター設定温度は100℃に上げられる。また、反応液の温度は最短約2時間から最長約4時間、80℃以上にポリマー温度を維持することを保証するためにモニターされる。80℃以上に2-4時間保持した後、ヒーターは切られ、ポリマーは周囲温度に冷却される。より大きいかより小さなバッチ、連続的、半連続的、および他のタイプのプロセスでは、温度と時間プロファイルは異なることができる。
【0289】
大規模および商業運転で、バッチ、連続、およびこれらの組み合わせを使用することができる。産業ファクトリー・オートメーションおよびコントロールシステムは、反応の間に反応、温度プロフィールおよび他のプロセスをコントロールするために利用することができる。
【0290】
表Cは、反応ブレンディングプロセスの様々な実施態様を示す。
【0291】
【0292】
上記の表では、「重合度」は、ポリマーを形成するために結合されたモノマー単位またはすなわち反復単位の数である。「当量/mol」はモル当量を指す。「ビニルのグラム/モル」は、ビニル官能基の1モル当量を提供するために必要とされる所定のポリマーの量を指す。「VMH」はメチル・ビニル流体(エトキシルプロセスからの直鎖ビニル材料)を指す。これはTVの代わりになりえる。VTについての数「0200」などはそのVTのセンチポアズとしての粘度である。
【0293】
硬化と熱分解
他のものと同様に上記のタイプのプロセスからのポリシロカルブ前駆物質配合物を含む前駆物質配合物は硬化されて、固体、半固体またはプラスチック様の材料となりえる。典型的には、前駆物質配合物は伸ばされるか、賦形されるか、または他の方法でプリフォームにされ、それは薄いおよび厚い膜を含む任意の体積構造物または賦形物を包含する。硬化中、ポリシロカルブ前駆物質配合物は、初期硬化を通じて処理されて、部分的な硬化物を提供し、これはたとえばプリフォーム、グリーン材料、あるいはグリーン硬化物(材料の色に関する記載ではない)とも呼ばれる。その後、グリーン材料はさらに硬化されてもよい。したがって、1以上の硬化ステップが使用されてもよい。材料は「最終硬化」、つまり、その意図した目的に対して材料が必要な物理的強度および他の特性を持つポイントに硬化されることができる。硬化の量は最終硬化(あるいは「硬い硬化」)であることができる。そのポイントでは、すべてまたは本質的にすべての化学反応が停止する(たとえば、材料中の反応基の非存在、または経時的な反応性基の減少の欠如により測定される)。したがって、材料は様々な程度で、その意図した使用および目的に依存して硬化されることができる。例えば、いくつかの状況では、最終硬化と硬い硬化は同じであることができる。硬化条件、たとえば雰囲気と温度は、硬化材料組成物に影響を与えることができる。
【0294】
前駆物質配合物を構造またはプリフォームにする際に、前駆物質配合物(例えばポリシロカルブ配合物)は例えば、次の技術を使用して形成することができる:スプレー、噴霧乾燥、アトマイゼーション、噴霧化、相転移分離、流展、溶射、引っ張り、ドリッピング、液体および液体の界面活性剤系中の小滴形成、塗布、成型、賦形、押し出すこと、紡糸、超音波賦形、振動賦形、溶液重合、エマルジョン重合、ミクロエマルジョン重合、射出、射出成形、あるいは本質的に任意の体積形状物に成形する他の方法。体積形状物の形は、例えば以下を包含する:球体、ペレット、リング、レンズ、ディスク、パネル、コヘーン、円錐台形、正方形、長方形、トラス、アングルズ、チャンネル、中空の密封したチャンバー、中空球、ブロック、シート、コーティング、フィルム、スキン、微粒子、ビーム、ロッド、スラブ、カラム、ファイバー、ステープル繊維、チューブ、カップ、パイプ、およびこれらの組み合わせ、他のより複雑な形であって、エンジニアリングおよび構造用の両方であることができる。
【0295】
成形工程、硬化工程および熱分解工程はバッチプロセス、逐次的、連続的プロセスであって時間遅れを有するもの(例えば、材料はステップ間で貯蔵されるか保持される)およびそれらの組み合わせ、またこれらの変化および他のタイプの処理シーケンスであることができる。さらに、前駆物質は部分的に硬化することができる。または、硬化プロセスは前駆物質が体積形状物にされる前に始めることができ、進行させることができる。これらのステップ、そしてそれらの様々な組み合わせは、コントロールされた所定条件(例えば、材料は前もって定義した雰囲気および温度プロフィールに、その処理の全体にわたり暴露され、たとえば低減された酸素、熱分解に先立って約140℃で保持された硬化されたプリフォームの温度)であることができ、いくつかの実施態様では好ましい。成形加工、硬化、熱分解のためのシステム、装置または処理ステップは、同じ装置、連続的な装置、バッチおよびリンクした装置、またこれらの組み合わせおよび他のタイプの工業プロセスであることができる。したがって、例えば、噴霧乾燥技術は硬化された粒子状物質を形成することができ、これは熱分解のために流動床リアクターへ直接供給されることができる。
【0296】
ポリシロカルブ前駆物質配合物は、ニートの、強化されていない、充填されていない複合材、強化された、充填された中間体、構造物、最終生産物、これらの組み合わせ、および材料の他のタイプの構成物にされることができる。さらに、これらの構造物、中間物および最終生産物は硬化され(例えばグリーン硬化され、最終硬化され、または硬く硬化される)、硬化されず、セラミックに熱分解され、およびこれらの組み合わせ(例えば、硬化材料は、硬化物と同じポリシロカルブ由来の熱分解された材料で充填されることができる)であることができる。
前駆物質配合物は「ニート」な材料(「ニート」材料とは、すべて、または本質的にすべての構造物が前駆物質材料または充填されていない配合物から作られる;またしたがって、充填剤も強化材もない)を形成するために使用されることができる。
【0297】
ポリシロカルブ前駆物質配合物は、例えば炭素繊維、ガラス繊維またはポリシロカルブ前駆物質配合物(同じか異なる配合物)から作られたファイバーから作られた織布または不織布をコーティングまたは含浸してプリプレグ材を形成するために使用することができる。したがって、ポリシロカルブ前駆物質配合物は、複合材料(例えば強化された生成物)を形成するために使用されることができる。例えば、配合物は、強化材。たとえば炭素繊維、ガラス繊維、織布、グラフェン(grapheme)、カーボンナノチューブ、薄膜、沈殿、砂、不織布、チョップトファイバー、ファイバー、ロープ、組み構造、セラミック粉、ガラス粉末、カーボン粉、黒鉛粉末、セラミック繊維、金属粉、炭化物、ペレットまたは組成物を、ステープル繊維、タウ、上記のもののナノ構造体、ポリマー由来のセラミック、プロセスと最終生産物の温度必要条件を満たす任意の他の材料、またこれらの組み合わせを流し入れ、含浸させ、吸収させることにより強化材と組み合わせることができる。強化材は、ファイバーに形成され、セラミックへ熱分解された配合物と同じ材料から作られるかまたはそれに由来することができ、またはそれはファイバーにされ、セラミックへ熱分解された異なる前駆体配合物であることができる。
【0298】
ポリシロカルブ前駆物質配合物は、充填された材料を形成するために使用されることができる。充填された材料はポリシロカルブ前駆物質配合物に加えられた他の固体、半固形材料だろう。フィラー材は硬化生成物、セラミック生成物および両方に、ある特徴を提供するように選択されてもよい。例えば、これらの特徴は、たとえば審美的、触覚、熱、密度、放射線、化学薬品、コスト、磁気、電気的、またこれらおよび他の特徴の組み合わせであることができる。これらの特徴はさらに強さであってもよい。したがって、フィラー材は硬化物またはセラミック材料の強さに影響しなくてもよい。それはいくつかの状況では強さを低減することができる。フィラー材は、色、磁気能力、耐火性、難燃性、耐熱性、電気伝導率、帯電防止性、光学的性質(例えば反射率、屈折性および変色現象)、審美特性(建築物の構築における石のような外観)、化学抵抗性、耐蝕性、耐摩擦性、低コスト、磨耗抵抗、断熱性、UV安定性、UV保護特性および、最終生成物または材料に望ましいかまたは必要な、または両方の他の特徴を付与することができる。したがって、フィラー材としては、カーボンブラック、銅リード線、熱伝導性フィラー、導電性フィラー、鉛、光ファイバー、セラミック着色剤、色素、酸化物、砂、染料、粉末、セラミック粉末、ポリマー由来のセラミック粒子、孔-形成剤、カルボシラン、シラン、シラザン、炭化ケイ素、カルボシラザン、シロキサン、粉末、セラミック粉、金属、金属複合物、炭素、タウ、ファイバー、ステープル繊維、ホウ素含有材料、ミルドファイバ、ガラス、ガラス繊維、繊維ガラスおよびナノ構造体(上記物質のナノ構造体を含む)を含む。
【0299】
ポリシロカルブ配合物、およびその配合物由来かその配合物から作られた生成は金属および金属複合物を含んでいてもよい。充填された材料は強化材料を含んでいるだろう。多くの場合では、熱分解されたポリシロカルブ充填材料は、複合材料として見ることができる。一般に、この見方の下では、ポリシロカルブはバルクまたはマトリックス相(例えば、連続相あるいは本質的に連続相である)を構成するだろう。また、充填剤は分散相(例えば、非連続相)を構成するだろう。具体的な用途、生成物または最終用途に応じて、充填剤は、前駆物質配合物内に均一に分散されることができ、不均等に分散されることができ、あらかじめ決定され制御された分布勾配(たとえばあることができる。あらかじめ決定された沈殿割合)で分散されることができ、異なる配合物の中に異なる量を含むことができる。これは次いで、あらかじめ決定された領域にあらかじめ決定された量の充填剤を有する生成物に成形される(例えば異なる充填剤濃度を縞状の層)。しかしながら、「充填される」か、「強化された」材料は、過半のその材料(重量、体積または両方のいずれか)がポリシロカルブであることを示唆しないことは留意されるべきである。したがって、一般に、ポリシロカルブ対フィラー材の比率(重量または体積のいずれか)は約0.1:99.9から99.9:0.1でありえる。
【0300】
ポリシロカルブ前駆物質配合物は非強化材料を形成するために使用されてもよい。それは、主として、本質的に、好ましくは前駆物質材料のみから作られる;しかし、さらに強さを影響を与えない充填剤または添加物を含む配合物を包含する。
【0301】
硬化は、標準周囲温度および圧力(「SATP」、1大気圧、25℃)で、その温度の上またはその温度より下の温度で、その圧力の上またはその圧力より下の圧力で、および時間により変えて行われてもよい。硬化は様々な加熱、加熱速度および温度プロフィール(例えば保圧時間および温度、連続的な温度変化、循環させられた温度変化、例えば、加熱、維持、冷却、再加熱など)の下で行うことができる。硬化のための時間は、数秒(例えば約1秒未満または5秒未満)から1分未満、数分、数時間または数日、または潜在的により長い時間である場合がある。硬化も任意のタイプの周辺環境の中で行われてもよく、たとえばガス、液体、空気、水、界面活性剤を含む液体、不活性雰囲気、N2、アルゴン、流動ガス(例えばスイープガス)、静的なガス、O2低減、減圧、高い圧力、雰囲気圧、制御された分圧およびそれらの組み合わせ、これらと他の加工条件の組み合わせが挙げられる。高純度材料については、炉、包装容器、取り扱い装置、大気、および加工装置とプロセスの他の要素は、清浄で、本質的に硬化物において不純物または汚染物質と考えられる物質は含まない。実施態様では、硬化環境、例えば炉、大気、包装容器、およびこれらの組み合わせは、プリフォーム、セラミックおよび生成物に影響、たとえば、組成物、触媒、化学量論、特性、および性能、およびそれらの組み合わせを与える材料を含むことができる。
【0302】
好ましくは、硬化工程の実施態様では、硬化は約5℃以上、約20℃から約250℃、約20℃から約150℃、約75℃から約125℃、約80℃から約90℃の範囲の温度で行われる。より高い、より低い温度および様々な加熱プロフィール(例えば時間にわたる温度変化(「昇温速度」(例えば増加温度/時間)、保圧時間および温度)を利用することができる。
【0303】
硬化条件、例えば温度、時間、昇温速度は、たとえば、プリフォームのサイズ、プリフォームの形または応力亀裂を防ぐための型保持、オフガスおよび硬化工程に関連した他の現象に応じて、またはいくつかの実施態様において、配合物が適合するように、部分的にまたは全体的にあらかじめ決定されることができる。さらに、硬化条件は、先に硬化工程に関連した問題と考えられたものに対して、好ましくは抑制された方法で利用される。ガス抜きは、例えば開放または閉じた構造の発泡材料を形成するために使用されることができる。同様に、硬化条件は材料の微構造およびナノ構造を作成するかコントロールするために使用することができる。一般に、硬化条件はプロセスの動力学および熱力学(それは形態学、パフォーマンス、特徴および機能に影響することができる)に影響するか、コントロールするか、修正するために使用することができる。
【0304】
ポリシロカルブ前駆物質配合物を硬化する際、架橋反応が起こり、いくつかの実施態様では、-Ri-Si-C-C-Si-O-Si-C-C-Si-R2-、ここでRiとR2は配合物の中で使用された前駆物質に応じて、またはそれは基づいて変化する、の架橋された構造を提供する。硬化物の実施態様では、シリコン間が5未満の原子によって分離された別のシリコン原子と3-配位されたシリコン・センターを有する架橋された構造を有してもよい。
【0305】
硬化工程中に、いくつかの配合物は発熱(つまり自己加熱反応)を示し、それは硬化反応を支援するか促進するために小さな熱量を生ずることができる。または、それは問題(たとえば圧力破壊)を回避するために管理され、除去される必要がある、大きな熱量を生ずることもある。典型的に硬化中のオフガスは材料の損失を伴い、例えば硬化収率により、残りの材料の量によって一般に定義される。本発明の実施態様の配合物では、硬化条件およびポリシロカルブ前駆物質配合物の実施態様は少なくとも約90%、約92%、および約100%の硬化収率である。実際、空気中での硬化では、大気から吸収される酸素の結果として材料は、100%以上の(例えば約101-105%)の硬化収率を示す場合がある。さらに、硬化中に、材料は典型的には収縮する。この収縮は、配合物、硬化条件およびプリフォーム形の性質によって変化し、また、プリフォームが強化されているか、充填されているか、ニートであるか、あるいは強化されていないかにより変化し、約20%から、20%未満、約15%未満、約5%未満、約1%未満、約0.5%未満、約0.25%未満、およびより小さいことができる。
【0306】
プリフォームの硬化は、温度と環境管理の必要なレベルを有する任意のタイプの加熱装置、機構、技術、あるいはモルホロジーによって行うことができ、例えば、熱した水浴、電気炉、マイクロ波炉、ガス炉、炉、強制加熱空気、タワー、噴霧乾燥、流下薄膜リアクター、流動床リアクター、レーザー、間接加熱要素、直接加熱、赤外線加熱、UV照射、RF炉、高い剪断混合によるその場での乳化、超音波処理によるその場での乳化を利用できる。
【0307】
硬化されたプリフォームは、非強化、ニート、充填された、あるいは強化されたに関わらず、単独の生成物、最終生産物、最終製品または後の機械加工または処理が行なわれる予備生成物であることができる。プリフォームはさらに熱分解の対象であることができ、それはプリフォーム材料をセラミックに変換する。
【0308】
プリフォーム、硬化された構造、または硬化物を熱分解する際に、それは約600℃から約2,300℃、約650から1,200℃、約800℃から約1300℃、約900℃から約1200℃、および約950℃から約1,150℃にに加熱される。これらの温度で、典型的に、有機的な構造はすべて除去されるか、または無機の元素と結合してセラミックを形成する。典型的には、温度は約650から1,200℃そであり、結果として生じる材料は無定形のガラス質のセラミックである。約1,200℃以上に加熱すると、ナノ結晶性構造またはすなわちミクロ結晶性構造、たとえばSiC、Si3N4、SiCN、β-SiCが形成され、1,900℃以上の時SiC構造が形成され、2,200℃以上ではαSiCが典型的に形成される。熱分解された、例えば、セラミック材料は単結晶、多結晶質、無定形、またこれらの組み合わせ、変化、およびこれらおよび他のタイプの形態学のサブグループとなることができる。
【0309】
熱分解は異なる加熱および条件で行うことができ、好ましくは温度コントロール、速度コントロール、およびこれらの組み合わせおよび変化を含む。例えば、熱分解には様々な昇温速度、加熱サイクルおよび環境要因がある。いくつかの実施態様の中で、温度は上げられ、あらかじめ決定された温度で保持され、既知の転換(例えばガス化、揮発、分子内転位など)を促進し、次いで次のホールド温度に上げられることができる。熱分解は還元雰囲気、酸化性雰囲気、低O2、ガス豊化(例えば、炎の内部またはごく近く)、不活性、N2、アルゴン、空気、減圧、雰囲気圧力、加圧、流動ガス(例えばスイープガス、例えば約15.0GHSVから約0.1GHSV、および約6.3GHSVから約3.1GHSV、約3.9GHSVの流量を有する)静的なガス、およびそれらの組み合わせで行うことができる。
【0310】
熱分解は、好ましくはプリフォームの完全な熱分解に帰着する時間行われる。高純度材料については、炉、包装容器、取り扱い装置および熱分解装置の他の要素は清浄で、本質的に熱分解された材料において不純物または汚染物質と考えられる材料を含まないか、全く含まない。「スイープ」の一定の流量は、揮発性物質の生成の間に炉をパージすることを支援することができる。実施態様では、熱分解環境(例えば炉、雰囲気、包装容器、それらの組み合わせ)は、セラミック、最終用途または生成物の特性に寄与する材料(例えば組成物、化学量論、特徴、パフォーマンス、およびこれらの組み合わせ)を含むことができる。
【0311】
熱分解材料中に、ガス化により材料が失われることがある。熱分解ステップまたはサイクルの後に残る材料の量は、炭素収率(あるいは熱分解収率)と呼ばれる。本発明の配合物の実施態様の配合物およびポリシロカルブ前駆物質配合物は、少なくとも約60%、約70%、約80%および少なくとも約90%、少なくとも約91%以上のSiOC形成のための炭素収率を有することができる。実際、空気中での熱分解では、炭素収率は、91%以上であり、それは100%に接近することができる。空気中の熱分解による材料の劣化(典型的に、熱分解は不活性雰囲気、低減された酸素雰囲気、本質的に不活性な雰囲気、最小の酸素雰囲気、およびそれらの組み合わせ)を回避するために、特別にあつらえられた配合物を使用することができる。例えばフェニル含有率が高い(フェニルの重量が少なくとも約11重量%、好ましくは約20重量%)配合物、アリル含有率が高い(少なくとも約15%~約60%)配合物が、空気中での熱分解で材料の劣化を緩和するために使用することができる。
【0312】
いくつかの実施態様では、SiOC形成用の最初または第1の熱分解ステップは、一般にあまり稠密でなく、例えば意図される用途に必要な密度に達しない構造を与える。しかしながら、いくつかの例では、たとえば軽量の球体、プロッパント(proppants)、色素などを使用する例では、第1の熱分解で典型的に十分である。したがって一般に、再浸潤プロセスが、熱分解された材料について行なわれて、ポリシロカルブ前駆物質配合物材料に加え、構造中の空間およびスペースを充填するかまたは満たすことができる。その後、この再浸潤された材料は硬化され再熱分解されてもよい。いくつかの実施態様の中で、再度浸潤された材料は、硬化されるが熱分解されない。この熱分解プロセスでは、再浸潤は、1、2、3、10およびそれ以上の回数で繰り返され、最終生産物の希望の密度を得る。
【0313】
いくつかの実施態様では、熱分解に際して、グラフェニック(graphenic)、黒鉛酸無定形炭素構造、およびこれらの組み合わせおよび変化が、Si-O-Cセラミックの中に存在する。SiO4、SiO3C、SiO2C2、SiOC3およびSiC4に帰着するSiOxCy構造から成るシリコン種の分布は、前駆物質選択およびそれらの加工履歴から発生する変化する比率で形成される。炭素は、近隣の炭素および/またはシリコン原子の間で一般に結合する。一般に、セラミック状態で、大部分の炭素は酸素原子と配位せず、したがって、大部分の酸素はシリコンと配位する。
【0314】
熱分解は、必要とされる温度および環境を維持できる任意の加熱装置の中で行うことができる。例えばしたがって、熱分解は、ガス炉、電気炉、直接加熱、間接加熱、流動床、窯、トンネル窯、箱窯、シャトル窯、コーキングタイプ装置、レーザー、マイクロ波、および組み合わせおよび変化である装置およびシステムであって、熱分解に必要とされる温度を得ることができるもので行うことができる。
【0315】
化学反応、配列と再配列が、原料から決勝最終生産物までプロセスの諸工程でのカスタムおよび前もって定義したコントロールは、低減されたコスト、増加したプロセス制御、増加した信頼度、高められた効率、高められた生成物特性、増加した純度、およびこれらと他の有益性の組み合わせおよび変化を提供することができる。これらの変換が起こる時のシーケンシングは、前駆物質の処理または成形、および前駆物質配合物の処理または成形に基づくことができる;そして、さらに硬化と熱分解の条件に基づくことがある。さらに、これらのステップ、配合物および条件のカスタムおよび前もって定義した選択は、様々な変換、例えば化学反応;分子配列と再配列;また微構造配列および再配列;によって高められた生成物および処理特性を提供することができる。
【0316】
製造工程中の様々なポイントで、ポリマー由来のセラミック構造体(例えばポリシロカルブ構造物、中間物、最終生産物、およびそれらの組み合わせ、これらの変化)は、機械加工され、粉砕され、成型され、賦形され、ドリリングされ、エッチングされ、あるいは他の方法で機械的に処理され形作られることができる。
【0317】
出発原料、前駆物質配合物、ポリシロカルブ前駆物質配合物、および配合、製作、形成、硬化および熱分解する方法、ポリマー由来の材料、構造およびセラミックを形成する前駆物質材料は、公表された米国特許公開番号2014/0274658、2014/0343220、2014/0326453および2015/0175750、米国特許出願番号62/106,094および62/193,046に記載されており、各々の全開示は参照され本明細書に組込まれる。
【0318】
好ましいSiOC由来のSiC硬化および熱分解
好ましくはSiC製造、およびSiC製造に使用される材料において、好ましい実施態様では、ポリシロカルブ前駆物質は約1大気圧の清浄な空気中で混合することができる。
【0319】
好ましくはSiC製造、およびSiC製造に使用される材料において、硬化は、約20℃から約150℃までの、約75℃から約125℃、および約80℃から90℃までの範囲の温度で起こる。硬化は、硬い硬化物に好ましくは帰着する時間で行われる。硬化は空気または不活性雰囲気中で、また好ましくは、硬化は雰囲気圧でアルゴン雰囲気中で起こる。最も好ましくは、高純度材料については、炉、包装容器、取り扱い装置および他の硬化装置の他の要素は清浄で、本質的に硬化物の不純物または汚染物質と考えられる全ての元素または材料を含まない。
【0320】
好ましくは、SiC製造、およびSiC製造に使用される材料において、熱分解は約800℃から約1300℃、約900℃から約1200℃、および約950℃から1150℃までの範囲の温度で起こる。熱分解は、好ましくはプリフォームの完全な熱分解に帰着する時間で行われる。好ましくは、熱分解は不活性ガス(例えばアルゴン)中、およびより好ましくは流動アルゴンガス中で大気圧下で行われる。ガスは、約1,200cc/分から約200cc/分、約800cc/分から約400cc/分、および約500cc/分で流れることができる。好ましくは、処理炉の最初の真空排気により少なくとも1E-3トル以下の減圧にされ、不活性ガス(例えばアルゴン)で100トル以上に再加圧される。より好ましくは、真空排気は、不活性ガスで再加圧する前に1E-5トル以下にされる。真空排気プロセスは、処理の前に零から>4回までで完了することができる。最も好ましくは、高純度材料については、炉、包装容器、取り扱い装置および他の硬化装置の他の要素は清浄で、本質的に硬化物の不純物または汚染物質と考えられる全ての元素または材料を含まない。
【0321】
実施態様の中で、要求される低いNおよびOのレベルであり、真空、好ましくはターボポンプの使用により10E-6トルを達成し、不活性ガスを充填する。このパージ処理は低レベルを達成するために一度または複数回行うことができる。ガスの「スイーピング」の一定の流量は、揮発性物質の生成の間に炉をパージすることを支援することができる。
【0322】
好ましくは、SiCを作る際に、セラミックSiOCはSiCに変換され、次いでまたは継続して熱分解または転換ステップが行われる。SiOCからの転換ステップはSiOCプリフォームの熱分解の一部分、例えば連続的であることができる。または完全に別個の時間または場所またはその両方で行うことができる。望まれるSiCのタイプに依存して、変換ステップは約1,200℃から約2,550℃、および約1,300℃から1,700℃で行なうことができる。一般に、約1,600℃から1,900℃までの温度では、ベータ・タイプの形成が有利である。1,900℃以上の温度では、アルファ・タイプの形成が有利である。好ましくは、変換は不活性ガス(例えばアルゴン)、およびより好ましくは流動アルゴンガスの中で、大気圧またはその近傍で起こる。ガスは、約600cc/分から約10cc/分まで、約300cc/分から約50cc/分まで、および約80cc/分から約40cc/分までで流れることができる。最も好ましくは、高純度材料については、炉、包装容器、取り扱い装置および他の硬化装置の他の要素は清浄で、本質的に硬化物の不純物または汚染物質と考えられる全ての元素または材料を含まない。
【0323】
SiOC由来のSiCの収率は一般に約10%から50%まで、典型的には30%から40%までであるが、その上下であることができる。
【0324】
最も好ましくは、高純度SiCを作る際に、製造、硬化、熱分解、および材料の変換を行う活性化は、クリーン・ルーム条件、例えば、少なくともISO5、少なくともISO4、少なくともISO3、少なくともISO2、また少なくともISO1の、1ISO14644-1のクリーン・ルーム標準の下で行われる。実施態様では、材料取扱ステップは少なくともISO5のクリーン・ルーム内で行われるが、ISO>5のより少ない清浄度が熱分解と変換のステップには使用される。
【0325】
次の例は様々な実施態様を説明するために提供される、の、本発明の他のもの、前駆物質配合物、プロセス、方法、装置、物品、組成物および用途の中に。これらの例は説明の目的のためにあり、本発明の範囲を制限するものではない。例の中で使用されるパーセンテージは、もし特記がなければ、バッチ、プリフォームまたは構造の合計に対する重量パーセントである。
【実施例】
【0326】
例1
混合タイプ法を使用するポリシロカルブ配合物の調製配合物は、室温、41%のMHFおよび59%のTVをともに混合することにより作られる。この前駆物質配合物は水素化物を0.68モル、ビニルを0.68モルおよびメチルを1.37モル含む。前駆物質配合物は、100gの配合物に基づいて以下のモル量のSi、CおよびOを含む。
【0327】
【0328】
計算では、この配合物に由来するSiOCは、1.37モルのCを全てのCOが除去された後に含み、0%の超過Cを含む。
【0329】
例2
混合タイプ法を使用するポリシロカルブ配合物の調製配合物は室温で、90%のメチル末端フェニルエチル・ポリシロキサン(27%のXを含む)と10%のTVをともに混合することにより作られる。この前駆物質配合物は、水素化物を1.05モル、ビニルを0.38モル、フェニルを0.26モルおよびメチルを1.17モル含む。前駆物質配合物は、100gの配合物に基づいて以下のモル量のSi、CおよびOを含む。
【0330】
【0331】
計算では、この配合物に由来するSiOCは、2.31モルのCを全てのCOが除去された後に含み、98%の超過Cを含む。
【0332】
例3
混合タイプ法を使用するポリシロカルブ配合物の調製配合物は室温で、70%のメチル末端フェニルエチル・ポリシロキサン(14%のXを含む)と30%のTVをともに混合することにより作られる。この前駆物質配合物は水素化物を0.93モル、ビニルを0.48モル、フェニルを0.13モルおよびメチルを1.28モル含む。前駆物質配合物は、100gの配合物に基づいて以下のモル量のSi、CおよびOを含む。
【0333】
【0334】
計算では、この配合物に由来するSiOCは、1.77モルのCを全てのCOが除去された後に含み、38%の超過Cを含む。
【0335】
例4
混合タイプ法を使用するポリシロカルブ配合物の調製配合物は室温で、50%のメチル末端フェニルエチル・ポリシロキサン(20%のXを含む)と50%のTVをともに混合することにより作られる。この前駆物質配合物は水素化物を0.67モル、ビニルを0.68モル、フェニルを0.10モルおよびメチルを1.25モル含む。前駆物質配合物は、100gの配合物に基づいて以下のモル量のSi、CおよびOを含む。
【0336】
【0337】
計算では、この配合物に由来するSiOCは、1.93モルのCを全てのCOが除去された後に含み、55%の超過Cを含む。
【0338】
例5
混合タイプ法を使用するポリシロカルブ配合物の調製配合物は室温で、65%のメチル末端フェニルエチル・ポリシロキサン(40%のXを含む)と35%のTVをともに混合することにより作られる。この前駆物質配合物は水素化物を0.65モル、ビニルを0.66モル、フェニルを0.25モルおよびメチルを1.06モル含む。前駆物質配合物は、100gの配合物に基づいて以下のモル量のSi、CおよびOを含む。
【0339】
【0340】
計算では、この配合物に由来するSiOCは、2.81モルのCを全てのCOが除去された後に含み、166%の超過Cを含む。
【0341】
例6
混合タイプ法を使用するポリシロカルブ配合物の調製配合物は、室温で65%のMHFおよび35%のジシクロペンタジエン(DCPD)をともに混合することにより作られる。この前駆物質配合物は水素化物を1.08モル、ビニルを0.53モル、フェニルを0.0モルおよびメチルを1.08モル含む。前駆物質配合物は、100gの配合物に基づいて以下のモル量のSi、CおよびOを含む。
【0342】
【0343】
計算では、この配合物に由来するSiOCは、2.65モルのCを全てのCOが除去された後に含み、144%の超過Cを含む。
【0344】
例7
混合タイプ法を使用するポリシロカルブ配合物の調製配合物は、室温で82%のMHFおよび18%のジシクロペンタジエン(DCPD)をともに混合することにより作られる。この前駆物質配合物は水素化物を1.37モル、ビニルを0.27モル、フェニルを0.0モルおよびメチルを1.37モル含む。前駆物質配合物は、100gの配合物に基づいて以下のモル量のSi、CおよびOを含む。
【0345】
計算では、この配合物に由来するSiOCは、1.37モルのCを全てのCOが除去された後に含み、0%の超過Cを含む。
【0346】
【0347】
例8
混合タイプ法を使用するポリシロカルブ配合物の調製配合物は、室温で46%のMHF、34%のTVおよび20%のVTをともに混合することにより作られる。この前駆物質配合物には水素化物を0.77モル、ビニルを0.40モル、フェニルを0.0モルおよびメチルを1.43モル含む。前駆物質配合物は、100gの配合物に基づいて以下のモル量のSi、CおよびOを含む。
【0348】
【0349】
計算では、この配合物に由来するSiOCは、0.53モルのCを全てのCOが除去された後に含み、63%のC欠乏または63%のC不足である。
【0350】
例9
混合タイプ法を使用するポリシロカルブ配合物の調製配合物は、室温で70%のMHF、20%のTVおよび10%のVTをともに混合することにより作られる。この前駆物質配合物は水素化物を1.17モル、ビニルを0.23モル、フェニルを0.0モルおよびメチルを1.53モル含む。前駆物質配合物は、100gの配合物に基づいて以下のモル量のSi、CおよびOを含む。
【0351】
【0352】
計算では、この配合物に由来するSiOCは、0.33モルのCを全てのCOが除去された後に含み、78%のC欠乏または78%のC不足である。
【0353】
例10
混合タイプ法を使用するポリシロカルブ配合物の調製配合物は、室温で95%のMHF、5%のTVをともに混合することにより作られる。
【0354】
例11
混合タイプ法を使用するポリシロカルブ配合物の調製配合物は、室温で50%のメチル末端フェニルエチル・ポリシロキサン(20%のXを含む)および50%のTV、95%のMHFをともに混合することにより作られる。
【0355】
例12
混合タイプ法を使用するポリシロカルブ配合物の調製配合物は、室温で54%のメチル末端フェニルエチル・ポリシロキサン(25%のXを含む)および46%のTVをともに混合することにより作られる。
【0356】
例13
混合タイプ法を使用するポリシロカルブ配合物の調製配合物は、室温で57%のメチル末端フェニルエチル・ポリシロキサン(30%のXを含む)および43%のTVをともに混合することにより作られる。
【0357】
例14
約100グラムのポリシロカルブ配合物が作られる。配合物は15分間室温で混合される。次に、1%の触媒が加えられ、混合物はさらに10分間撹拌される。触媒は短鎖ビニル末端ポリシロキサンに10ppmのPtを含んでいる。
【0358】
配合物は、テフロン(登録商標)(PTFE、ポリテトラフルオロエチレン)-被覆アルミホイル鍋に注がれ、アルゴンまたは空気中で90℃で2.5時間硬化された。
【0359】
硬化されたポリマーは、機械的にセラミック・ボート(例えば、長さ3.5インチ、幅2.5インチ、深さ5/8インチのルツボ)に入るサイズへ砕かれる;そして、それらのセラミック・ボート内に置かれる。硬化されたポリマーを含むセラミックのボートは、500cc/分nで流れるアルゴンガスで満たされたステンレス鋼レトルト中で以下のように加熱される:
・ 82.2℃/時の加熱速度で室温から82.2℃へ加熱し、82.2℃で1時間のホールド;
・ 48.9℃/時の加熱速度で82.2℃から182℃へ加熱し、182℃で1時間のホールド;
・ 48.9℃/時の加熱速度で182℃から210℃へ加熱し、210℃で2時間のホールド;
。 115.6℃/時の加熱速度で210℃から1,110℃へ加熱し、1,110℃で2時間のホールド;そして、204.4℃へ冷却し、開口した。
【0360】
熱分解された材料は、粉末形態または塊にされ、黒鉛ボート内に置かれる。黒鉛ボートはアルミナ金属管状炉に入れられ、ガスの流入と排ガスの流出を許可するために、絶縁体とキャップで両端をブロックする。50cc/分の速度でアルゴンガスは金属管状炉を通って流される。その後、材料は10時間(約3℃/分の加熱速度)にわたり1,650℃に加熱され、さらに10時間この温度で保持される。その後、炉は、5時間にわたり700℃にゆっくり冷却される。その後、温度が少なくとも300未満℃となった時にエンドキャップが取り除かれて、炉はさらに冷却される。
結果として生ずるポリシロカルブ由来のSiCは炉から回収される。
【0361】
例15
ポリシロカルブ配合物は、特にはAl、FeおよびBである潜在的な不純物をすべて本質的に除去するように、清浄なガラス器を使用して、クリーン・ルーム環境の中で作られる。その配合物は約10~20分間室温で混合され次に、0.25%から2%の触媒溶液が加えられ、混合物はさらに10分間撹拌される。触媒溶液は10ppmのPtを含む。最終的に触媒された配合物は、10から50ppbのPtを含む。
クリーン・ルーム環境では、配合物はアルゴンでパージされた、PFA(ペルフルオロアルコキシポリマー)のボトルまたはジャーに入れられ、蓋を閉じた。配合物は1.5時間から4時間の間、75℃から160℃で硬化される。
【0362】
クリーン・ルーム環境で、硬化されたポリマーは、セラミック・ルツボに入れられる。その後、充填されたルツボは、セラミックキャップで覆われ、500cc/分で流れるアルゴンガスで満たされたセラミックレトルト内に置いた。ルツボ、炉および付随する装置は、清浄で、本質的に汚染物質を含まない;特にはそれらはAlまたはBのソースを提供しない。ルツボは、約30℃から約180℃/時まで以下のように加熱される:
・ 室温から1、000℃まで180℃/時の加熱速度で加熱し、1,000℃で2時間ホールド;そして、
・ 204.4℃へ冷却し、開口した。
【0363】
熱分解された材料は、粉末形態または塊にされ、黒鉛ボート内に置かれる。黒鉛ボートはアルミナ金属管状炉に入れられ、ガスの流入と排ガスの流出を許可するために、絶縁体とキャップで両端をブロックする。ルツボ、炉および付随する装置は、清浄で、本質的に汚染物質を含まない;特にはそれらはAl、FeまたはBのソースを提供しない。50cc/分の速度でアルゴンガスは金属管状炉を通って流される。その後、材料は7から15時間(約3℃/分の加熱速度)にわたり1,400℃から1,650℃に加熱され、さらに10時間この温度で保持される。その後、炉は、5時間にわたり700℃にゆっくり冷却される。炉はさらに冷却され、温度が少なくとも300未満℃となった時にエンドキャップが取り除かれる。 結果として生ずるポリシロカルブ由来のSiCは炉から回収される。
【0364】
例15a
例15のプロセスは、ガス流入および排ガス流出/真空排気を許可する、清浄化された黒鉛絶縁体およびポートを備えた黒鉛の真空対応の炉を使用して行なわれる。その後、毎時ホットゾーンの1~6体積交換の速度でアルゴンガスが黒鉛炉に流される。その後、材料は25℃から2100℃まで加熱される。このプロセスは6ナイン以上の純度のSiCを提供することができる。
【0365】
例15b
例15および15aのプロセスに類似するプロセスで、熱分解および変換中の冷却、加熱および両方は、約1℃/分から約30℃/分、約3℃/分から約20℃/分、約10℃/分約から20℃/分、およびより遅くまたはより速く、並びに様々な速さの組み合わせ、例えば約5℃/分で1時間および約10℃/分で3時間であることができる。特定の高い温度での保持時間は、約0.25時間から約24時間、約1時間~約12時間、約3時間~約8時間、24時間未満、12時間未満、8時間未満、より長くより短い時間も使用されてもよい。同様に、特定の加熱サイクルでの保持時間の組み合わせおよび変化も使用できる。
【0366】
例16
ポリシロカルブ配合物は本質的に潜在的な不純物をすべて除去するように清浄にされたガラス器を使用して、クリーン・ルーム環境の中で作られる。均一に混ぜ合わせられるまで、その配合物は室温で混合される。次に、触媒が加えられ、混合物は触媒を分散するためにさらに撹拌される。その後、ポリシロカルブ配合物は、連続工程で高純度SiCへ以下のように処理される。
【0367】
クリーン・ルーム環境では、配合物は黒鉛容器に入れられ、硬い硬化物に硬化される。炉から硬化物を取り除かずに、硬化物はSiOC、その後SiCに変換される。これらの加熱中に、不活性の非反応性のガスは炉を通って流され、硬化されたポリマーは、セラミック・ルツボに入れられる。(N2は場合によっては不活性物として認められるが、高純度SiOCおよびSiCの成形では、それは熱分解または転換の加熱中には好ましくは回避される。なぜなら窒素はSiと反応することができ、窒化物を含む種、たとえばシリコンオキシニトリド、窒化ケイ素、またシリコン炭窒化物を形成することができるからである。
結果として生ずるポリシロカルブ由来のSiCは炉から回収される。
【0368】
例17
図5を参照する。SiOC由来のSiCを作るため、およびより低い純度およびより好ましくは高純度(例えば3ナイン、4ナイン、5ナイン、さらに好ましくは6ナイン、またはそれ以上)の材料を作るためのシステムおよび方法の実施態様のフロー図が提供される。前駆物質および他の材料を含むシステムのライン、バルブおよび内表面は、SiOCおよび誘導されるSiCを汚染しない、たとえば不純物のソースを含まない材料から作られるか、またはそのような材料で被覆される。貯溜タンク150a、150bは液体のポリシロカルブ前駆物質を保持する。この実施態様の中で、前駆物質は蒸溜装置151aを通り、蒸溜装置151bを通り、液体前駆物質から全ての不純物を取り除く。その後、液体前駆物質は混合容器152に転送され、そこで混合されて前駆物質バッチを形成し、触媒される。クリーン・ルーム環境157aでは、前駆物質バッチは炉154に配置されるために容器153で包装される。炉154はスイープガス入り口161およびオフガス出口162を有する。包装され硬化された材料は、その後クリーン・ルーム条件下で、いくつかの熱分解炉155a、155b、155cに転送され、そこでSiOCからSiCに転換される。炉にはスイープガス入り口ライン158a、158b、158cと、2つのオフガス出口ライン159a、160a、159b、160b、169cおよび160cを有する。結果として生ずるSiOC由来のSiCは次いで、出荷あるいは他のプロセスでの使用のために、クリーン・ルーム環境157b中で、包装156される。オフガスは処理され、清浄化され、システムでの様々なユニットからオフガスを集める入り口ライン164を有するオフガス処理装置163中の出発原料は回収される。
【0369】
例18
例16のプロセスで作られたSiCは、純度99.999であり、
図6のX線回折スペクトルを持っている。スペクトルは位置[°2シータ](銅)」に基づき、スペクトルのエリア601は7.551[°]に相当する;2.496[°]、スペクトルのエリア602が16.737[°に相当する;3.994[°]、スペクトルのエリア603が35.644[°に相当する;SiC;1.498[°]、スペクトルのエリア604が41.357[°]に相当する;SiC;1.498[°]、スペクトルのエリア605が59.977[°]に相当する;SiC;1.498[°]、スペクトルのエリア606が71.730[°]に相当する;SiC;1.498[°]、スペクトルのエリア607が75.461[°]に相当する;SiC;1.498[°]、スペクトルのエリア608が89.958[°に相当する;SiC;1.498[°]、スペクトルのエリア609が100.722[°]に相当する;SiC;1.498[°]、スペクトルのエリア610が104.874[°]に相当する;SiC;1.997[°]、また、スペクトルのエリア611が119.903[°に相当する;SiC;1.498[°]。
【0370】
例19
40%のMHFおよび60%のTVを含むポリシロカルブ配合物は、2%のPt触媒と混合された。触媒された配合物には97.4ppb(10億分率)のAl、108.6ppbのFe、214ppbのB、測定不可能なPおよび96ppbのPtを含んでいた。触媒された配合物は、金属管状炉に置かれた、アルミニウム・チューブを含み内側が黒鉛である黒鉛容器内に注がれた。温度が温度が1675℃に達するまで、炉は3℃/分の割合で加熱され、10時間保持された。アルゴンは加熱処理全体で炉を通して流れられた。得られたSiCは3ナインの純度(つまり純度99.9%)であり、以下の不純物(ppm)を含んでいた:Al9.8、Fe3.4、B4.1、P0.97、Pt30、Ca70、Mg70、Li53、Na26、Ni1.5、V0.3、Pr0.35、Ce0.08、Cr0.67、S0.18、As0.5。
【0371】
例20
例19の純度3ナインのSiC材料は、酸洗浄剤(10%HNO3+5%HCl溶液)の中でソーキングされ、次に、脱イオン水ですすがれる。洗われたSiCは5ナインの純度を有する。
【0372】
例21
例19のプロセスはクリーン・ルーム条件およびプロトコルの下で行なわれた。アルミナ炉管はセラミックの炉で置き換えられた。出発原料(つまりMHFおよびTV)からB、FeおよびPが、イオン交換樹脂(たとえばアンバーライトIRA743)によって取り除かれ、ストリップされ、または蒸留された。結果として生じる炭化ケイ素の純度は5ナインである。
【0373】
例22
例21のSiC物質は洗われすすがれる。また、清浄化された材料の純度は6ナインである。
【0374】
例23
出発原料は当初500ppb(10億分率)のAl、5,000ppbのFe、500ppbのB、1,700ppbのPを含む。クリーン・ルーム条件およびプロトコルをこの例に使用して、出発原料はろ過によって清浄にされる。40%のMHFおよび60%のTVを有するポリシロカルブ配合物は、清浄化された出発原料から作られ、混合され、0.25%のPt触媒溶液が加えられる。触媒された配合物は、約50ppb未満のAl、約50ppb未満のFe、約50ppb未満のB、約50ppb未満のP、および約96ppbのPtを含む。触媒された配合物は、黒鉛容器へ注がれ、セラミックの内部を有する炉に置かれる。シールドは、少なくとも部分的に黒鉛容器から発熱体を隔てるために炉の中に配置される。温度が1700℃に達するまで、炉は2.5℃/分の速度で加熱され、温度が12時間保持される。アルゴンは加熱処理の全体にわたり炉を通って流される。得られたSiCは5ナインの純度であり、以下の不純物(ppm)を含む:Al2.1、Fe0.58、B0.24、P0.97、Pt0.41、Ca<0.5、Mg<0.05、Li<0.01、Na0.09、Ni1.5、V<0.01、Pr<0.05、Ce<0.05、Cr<0.1、S<0.1、As<0.5。SiCは主としてベータ・タイプである。
【0375】
例24
例23のSiC物質は洗われすすがれる。また、清浄化された材料の純度は6ナインである。
【0376】
例25
クリーン・ルーム条件およびプロトコルを使用して、40%のMHFおよび60%のTVを含むポリシロカルブ配合物を清浄化された出発原料から作り、混合され、0.25%のPt触媒が加えられる。触媒された配合物は、セラミックの内部を有し炉に置かれた黒鉛容器へ注がれる。温度が2250℃に達するまで、炉は3℃/分の速度で加熱され、12時間保持される。アルゴンは加熱処理の全体にわたり炉を通って流される。得られたSiCは6ナインの純度である。SiCはアルファ・タイプである。
【0377】
例26
ポリシロカルブ配合物は本質的に潜在的な不純物をすべて除去するように清浄化されたガラス器を使用して、クリーン・ルーム環境の中で作られる。均一に混ぜ合わせられるまでその配合物は室温で混合され、次に触媒が加えられ、混合物は触媒を分配するためにさらに撹拌される。その後、ポリシロカルブ配合物は、連続工程で高純度SiOCへ以下のように処理される。
【0378】
クリーン・ルーム環境では、配合物は黒鉛容器に入れられ、硬い硬化物に硬化される。炉から硬化物を取り除かずに、硬化物はSiOCに変換される。この加熱の間、不活性の非反応性のガス、例えば、Arが炉を通して流される。得られるポリシロカルブ由来のSiOCは炉から回収された。それは洗うことができ、AlとBのレベルが0.1ppm未満である、約99.9999(例えば6ナイン)の純度を持っている。SiOCは、後の使用のために汚染から保護するよう、クリーン・ルーム条件およびプロトコルの下で格納される。
【0379】
例27
混合タイプ法を使用してポリシロカルブ配合物が形成される。配合物は、約500の分子量のTV前駆物質アリル末端ポリジメチル・シロキサン70%と、約800の分子量のMHF前駆物質30%をともに容器内で混合することにより作られ、後のSiOCとSiCを作るための使用ために貯蔵容器内に入れられる。ポリシロカルブ配合物は室温で良好な貯蔵寿命を有し、前駆物質は互いに反応しない。ポリシロカルブ配合物は約10cpsの粘性を有する。
【0380】
例28
混合タイプ法を使用してポリシロカルブ配合物が形成される。配合物は、約800の分子量のMHF前駆物質10%、約1000の分子量のメチル末端フェニルエチルポリシロキサン(10%のXを含む)の73%、16%のTV前駆物質、および約1000の分子量のOH末端前駆体シラノール(ヒドロキシ)末端ポリジメチルシロキサンの1%をともに容器内で混合することにより作られ、後のSiOCとSiCを作るための使用ために貯蔵容器内に入れられる。ポリシロカルブ配合物は室温で良好な貯蔵寿命を有し、前駆物質は互いに反応しない。ポリシロカルブ配合物は約18cpsの粘性を有する。
【0381】
例29
混合タイプ法を使用してポリシロカルブ配合物が形成される。配合物は、約800の分子量のMH前駆物質の0-90%、約1000の分子量のメチル末端フェニルエチルポリシロキサン(10%のXを含む)の0-90%、TV前駆物質の0-30%、約9400の分子量のビニル末端前駆体アリル末端ポリジメチルシロキサンの0-30%、および約800の分子量のOH末端前駆体シラノール(ヒドロキシ)末端ポリジメチルシロキサンの0-20%をともに容器内で混合することにより作られ、後のSiOCとSiCを作るための使用ために貯蔵容器内に入れられる。ポリシロカルブ配合物は室温で良好な貯蔵寿命を有し、前駆物質は互いに反応しない。ポリシロカルブ配合物は約100cpsの粘性を有する。
【0382】
例30
混合タイプ法を使用してポリシロカルブ配合物が形成される。配合物は、約800の分子量のMH前駆物質の20-80%、TV前駆物質の0-10%、ビニル末端前駆体アリル末端ポリジメチルシロキサンの5-80%をともに容器内で混合することにより作られ、後のSiOCとSiCを作るための使用ために貯蔵容器内に入れられる。ポリシロカルブ配合物は室温で良好な貯蔵寿命を有し、前駆物質は互いに反応しない。ポリシロカルブ配合物は約300cpsの粘性を有する。
【0383】
例31
反応タイププロセスを使用して、前駆物質配合物が次の配合を使用して作られた。反応の温度は21時間61℃で維持された。
【0384】
【0385】
例32
反応タイププロセスを使用して、前駆物質配合物が次の配合を使用して作られた。反応の温度は21時間72℃で維持された。
【0386】
【0387】
例33
反応タイププロセスを使用して、前駆物質配合物が次の配合を使用して作られた。反応の温度は21時間61℃で維持された。
【0388】
【0389】
例34
反応タイププロセスを使用して、前駆物質配合物が次の配合を使用して作られた。反応の温度は21時間61℃で維持された。
【0390】
【0391】
例35
反応タイププロセスを使用して、前駆物質配合物が次の配合を使用して作られた。反応の温度は21時間61℃で維持された。
【0392】
【0393】
例36
図7を参照する。
図7はSiC結晶および結晶性構造を成長させるための装置の概要の断面図である。蒸着装置700は様々な発熱体(例えば702)を、例えば、熱的に関係され、電磁エネルギーを提供するように配置され、周囲にまかれ)が提供される容器701を有する。発熱体は少なくとも2つの異なる温度帯、ゾーンA、702a、およびゾーンB、702bを提供するように構成され操作される。容器701の内部には、ポリマー由来セラミック703(それはSiとCのソースである)がある。容器701の内部には、さらに、結晶成長開始物品704がある。
【0394】
一般に、ポリマー由来セラミック703が加熱されゾーンA702aでSiCが昇華する温度、一般には約2,000℃より高い温度に加熱される。その後、SiC蒸気は温度帯Bへ上昇する。ゾーンBの温度はゾーンAより温度が低い。SiC蒸気はSiCとして開始物品704上にSiCとして蒸着する。
【0395】
装置700の模式図は非常に単純化され示されている。商業的および工業装置は追加要素(たとえばコントロールシステム、モニター、ガス取り扱い装置および他の装置を備えることができ、当業者に既知の異なる構造、並びに本明細書の開示に基づく、一部基づく新しい装置および構造を備えることができる。
【0396】
例35a
蒸着装置701内のポリマー由来のセラミック703は高純度SiOCである。ゾーンAの温度は徐々に増加され、SiCへSiOCを変換する設定温度に維持され、SiCの昇華を起こし、開始物品704上へSiC結晶を形成する。
【0397】
例35b
この例において、開始物品704は種結晶であり、ゾーンAのポリマー由来のSiCから蒸着されるSiCはアルファモノ結晶のブールを形成する。その後、このブールはポリシロカルブ由来のSiCウエハーを形成するために区分される。
【0398】
例35c
この例において、開始物品704はSi基体であり、ゾーンAのポリマー由来のSiCからのSiCは、SiC基体上にエピタキシアル・ポリシロカルブ由来のSiC層として蒸着する。
【0399】
例35d
蒸着装置701では、ポリマー由来のセラミック703は6ナインの純度を有する高純度SiOCである。ゾーンAの温度は徐々に増加され、SiCへSiOCを変換する設定温度に維持され、SiCの昇華を起こし、開始物品704上へSiC結晶を形成する。
【0400】
例35e
蒸着装置701では、ポリマー由来のセラミック703は20ppm未満のAlを含む高純度SiOCである。ゾーンAの温度は徐々に増加され、SiCへSiOCを変換する設定温度に維持され、SiCの昇華を起こし、開始物品704上へSiC結晶を形成する。
【0401】
例35f
蒸着装置701では、ポリマー由来のセラミック703は20ppm未満のAlを含む高純度ポリシロカルブ由来のSiCである。SiCの昇華は開始物品704上にSiC結晶を形成し、これは種結晶となる。
【0402】
例36
蒸着装置701は熱壁リアクターである。
【0403】
例37
蒸着装置701はマルチウエハー・リアクターである。
【0404】
例38
蒸着装置701はチムニーリアクターである。
【0405】
例39
約1インチの長さおよび約4インチの直径を持つポリシロカルブ由来のSiCのブール。ブールはアルファ・タイプで、マイクロパイプがない。ブールは100未満、10未満、望ましくは1つのマイクロポアもない。
【0406】
例39a
ポリシロカルブ由来のSiCのブールは、<10/cm2、<5/cm2、<1/cm2、<0.5/cm2、そして最も好ましくは<0.1/cm2のマイクロパイプ密度を有する。
【0407】
例40
金属半導体電界効果トランジスタ(MESFET)は、ポリシロカルブ由来のSiCから作られる。このMESFETは45GHzの周波数範囲で作動する、化合物半導体装置に組み入れられる。
【0408】
例41
金属半導体電界効果トランジスタ(MESFET)は、ポリシロカルブ由来のSiCから作られる。このMESFETはセルラ基地局の要素に組み入れられる。
【0409】
例42
長さ約2インチおよび約4インチの直径を持っているポリシロカルブ由来のSiCのブール。ブールは半導体装置用のpウエハーを形成するためにドープされる。
【0410】
例43
約2インチの長さおよび約4インチの直径を持っているポリシロカルブ由来のSiCのブール。ブールは半導体装置用のnウエハーを形成するためにドープされる。
【0411】
例44
図8を参照する。
図8は、SiC結晶および結晶性構造を成長させるための装置の概要の断面図である。蒸着装置800は熱源802を備えた容器801を有する。熱源並びに容器および熱源は、本明細書に述べられていた任意の構成または公知のものであることができる。熱源は少なくとも2つの異なる温度帯、ゾーンA802a、およびゾーンB802bを提供するように構成され操作される。容器801の内部には、ポリマー由来のセラミック803があり、それはSiとCのソースである。ポリマー由来のセラミック803は、例14にしたがって硬化され、SiCに転換された、例6のポリシロカルブである。容器801の内部には、さらに結晶成長開始物品804がある。
【0412】
したがって一般に、ポリマー由来のセラミック803はゾーンA802aで、SiCが昇華する温度、一般には約2,400℃より高い温度に加熱される。その後、SiC蒸気は温度帯Bへ上昇する。ゾーンBの温度はゾーンAの温度より低い。SiC蒸気はSiCとして開始物品804上に蒸着する。
【0413】
装置800の模式図は非常に単純化され示されている。商業的および工業装置は追加要素(たとえばコントロールシステム、モニター、ガス取り扱い装置および他の装置を備えることができ、当業者に既知の異なる構造、並びに本明細書の開示に基づく、一部基づく新しい装置および構造を備えることができる。
【0414】
例45
図9を参照する。
図9は、SiC結晶および結晶性構造を成長させるための装置の概要の断面図である。蒸着装置900は熱源902を備えた容器901を有する。熱源並びに容器および熱源は、本明細書に述べられていた任意の構成または公知のものであることができる。熱源は少なくとも2つの異なる温度帯、ゾーンA902a、およびゾーンB902bを提供するように構成され操作される。容器901の内部には、ポリマー由来のセラミック903があり、それはSiとCのソースである。ポリマー由来のセラミック903は、例15にしたがって硬化され、SiCに転換された、例7のポリシロカルブである。容器901の内部には、さらに結晶成長開始物品904がある。
【0415】
したがって一般に、ポリマー由来のセラミック903はゾーンA902aで、SiCが昇華する温度、一般には約2,500℃より高い温度に加熱される。その後、SiC蒸気は温度帯Bへ上昇する。ゾーンBの温度はゾーンAより温度が低い。SiC蒸気はSiCとして開始物品904上に蒸着する。
【0416】
装置900の模式図は非常に単純化され示されている。商業的および工業装置は追加要素(たとえばコントロールシステム、モニター、ガス取り扱い装置および他の装置を備えることができ、当業者に既知の異なる構造、並びに本明細書の開示に基づく、一部基づく新しい装置および構造を備えることができる。
【0417】
例46
ポリシロカルブ由来のSiC材料の過剰の炭素または追加された炭素は、焼結助剤として機能すると理論づけられる。ポリシロカルブ由来のSiCは、7ナインの純度を有し、約0.05%から0.5%の過剰炭素を有し、約1μmの小さな粒子状物質に形成される。その後、これらの粒子状物質はSiC物品を形成するためにともに焼結させられる。追加の焼結助剤は、固体のSiC物品を形成するために要求されない。この「炭素焼結された」物品は、従来の焼結助剤を使用して作られる同様の物品より本質的に強い。
【0418】
例46a
ポリシロカルブ由来のSiCは、7ナインの純度を有し、約0.1μmの小さな粒子状物質に形成される。その後、これらの粒子状物質はSiC物品を形成するためにともに焼結させられる。追加の焼結助剤は、固体のSiC物品を形成するために要求されない。この「自己」焼結物品は、従来の焼結助剤を使用して作られる同様の物品より本質的に強い。
【0419】
例47
高純度ポリシロカルブ由来のSiCは小さな粒子状物質に形成される。粒度は光のあらかじめ選ばれた波長または波長領域に影響しないように十分に小さい。SiC粒子状物質は光学エレメント(それはあらかじめ選ばれた波長を透過性である)を形成するためにともに焼結させられる。
【0420】
例48
ポリシロカルブ由来のSiCのブロックは多孔性である。ポリシロカルブ材料のブロックは蒸着装置で使用するためのものである。
【0421】
例49
その表面上に酸化被膜が本質的にないポリシロカルブ由来のSiC粒子。
【0422】
例50
約3.2eVのバンドギャップがあるSiC半導体を備えたポリシロカルブ由来のSiC高温電界効果ガスセンサー。このセンサーは1000℃の高い温度で作動することができる。
【0423】
例51
ポリシロカルブ由来のSiCGTO(ゲートターンオフ・サイリスター)は三相dc-acインバーターの要素である。この装置は約1、200-Vの順方向ブロック電圧(forward blocking voltage)および500A/cm2の制御可能な密度を提供することができる。
【0424】
例52
0.25μm未満(および好ましくは約0.1μmおよびより小さい)の平均直径を持っているポリシロカルブ由来のSiC粒子状物質は、それらの表面上に酸化被膜が本質的にない。このSiCの粒子は容易にプレスされるSiC粒子状物質(RTP)であり、例えば、それらは焼結助剤の最小の使用で、好ましくは焼結助剤の必要の無しに体積形状物へ焼結させることができる。この「自己」焼結SiC物品は、焼結助剤を使用して作られる同様のSiC物品より本質的に強い。
【0425】
例52a
ポリシロカルブ由来の高純度SiC粒子状物質が少なくとも5ナインの純度である例52のSiC粒子状物質は、焼結されてSiCオプティックを形成する。
【0426】
例52b
ポリシロカルブ由来の高純度SiC粒子状物質が少なくとも3ナインの純度である例52のSiC粒子状物質は、焼結されてSiCウェハを形成する。
【0427】
例52c
ポリシロカルブ由来の高純度SiC粒子状物質が少なくとも7ナインの純度である例52のSiC粒子状物質は、焼結されてSiCウェハを形成し、好ましくは焼結助剤の使用なしで焼結される。
【0428】
例53
前駆物質配合物は、Luperox231過酸化物触媒の0.5%を使用して20gのテトラビニルテトラメチルシクロテトラシロキサンの重合により作られた。その配合物は60分間115℃で硬化された。硬化されたポリマーは、1675℃でSiCに変換された。最終密度は3.2g/ccと測定された。
【0429】
例54
200gのテトラビニルテトラメチルシクロテトラシロキサンは使用に先立って蒸留によって純化された。蒸留された20gのテトラビニルテトラメチルシクロテトラシロキサンを使用し、Luperox231の0.5%で触媒されて、前駆物質配合物が作られた。その配合物は60分間115℃で硬化された。硬化されたポリマーは、1675℃でSiCに変換された。最終密度は3.2g/ccと測定された。
【0430】
例55
前駆物質配合物は2gのMHおよび18gのTVを使用して作られた。Luperox 231の0.5%と、2ppmのPt触媒が加えられた。その配合物は60分間115℃で硬化された。硬化されたポリマーは、1675℃でSiCに変換された。最終密度は3.2g/ccと測定された。
【0431】
例56
前駆物質配合物は、99%のMHおよび1%のPt触媒溶液(10ppm)を使用して作られた。その配合物は60分間115℃で硬化され、2時間1000℃で熱分解された。
【0432】
例57
過酸化物触媒が例-31のポリシロカルブ配合物に加えられ、これらの触媒された配合物を、50-120の℃湯浴に滴下(配合物の液滴が落下される)し、配合物を硬化する。湯浴での時間は約1-2分だった。その後、硬化された液滴構造物は、約60分間950℃で熱分解された。熱分解された構造物は、約1g/cc未満の密度、約60ミクロンから約2mmの直径および約0.5-2ksiのクラッシュ強度を備えた中空球だった。その後、これらの中空球は1ミクロン未満のサイズに粉砕された。
【0433】
例58
10ppmの白金触媒が例4-10のポリシロカルブ・バッチの各々に加えられる。これらの触媒されたバッチは、小滴を形成するためにトレーに落とされ、約30分間約125℃で空気炉の中で硬化される。硬化された液滴構造物は、約1.1-1.7g/ccの密度、約200ミクロンから約2mmの直径および約3-7ksiのクラッシュ強度を備えたわずかに球形ではないビーズだった。
【0434】
例59
過酸化物で触媒されたポリシロカルブ・バッチは、50-95℃で、強い撹拌下で、および好ましくは界面活性剤の存在下で水浴に加えられる。それはより好ましくは不純物を構成しない。その後、水浴の中で形成されるグリーン硬化されたミクロン以下のビーズ(例えば<1μm)は、水浴から回収される。グリーン硬化されたビーズは次いで、硬化され、熱分解され、SiCに変換された。
【0435】
例60
過酸化物で触媒されたポリシロカルブ・バッチは、50-95℃で、強い撹拌下で、および好ましくは界面活性剤の存在下で水浴に加えられる。それはより好ましくは不純物を構成しない。その後、水浴の中で形成されたグリーン硬化されたビーズは、水浴から回収された。その後、グリーン硬化されたビーズは、後の使用、例えばSiCへの変換のために、水から回収されるか、または水の中で保持されてもよい。
【0436】
例61
過酸化物で触媒された例1-13からのポリシロカルブ・バッチは、80℃で、強い撹拌下で、および好ましくは界面活性剤の存在下で水浴に加えられる。それはより好ましくは不純物を構成しない。水浴の中で形成されたグリーン硬化された2μmのビーズは次いで水浴から回収された。グリーン硬化されたビーズは硬化され、熱分解される。
【0437】
例62
白金で触媒された例1-13からのポリシロカルブ・バッチは、撹拌下で100℃で水浴に加えられる。その後、水浴の中で形成されるグリーン硬化された2mmのビーズは水浴から回収される。グリーン硬化されたビーズは、硬化され、熱分解されて、SiCに変換された。
【0438】
例63
過酸化物で触媒されたポリシロカルブ・バッチは、50-95℃で、強い撹拌下で、および好ましくは界面活性剤の存在下で水浴に加えられる。それはより好ましくは不純物を構成しない。その後、水浴の中で形成されるグリーン硬化された5μmビーズ(例えば<1)は、水浴から回収された。グリーン硬化されたビーズは、硬化され、熱分解されて、SiCに変換された。
【0439】
例64
過酸化物で触媒されたポリシロカルブ・バッチは、95℃で、強い撹拌下で、および好ましくは界面活性剤の存在下で水浴に加えられる。それはより好ましくは不純物を構成しない。その後、水浴の中で形成されるグリーン硬化されたビーズは水浴から回収される。その後、グリーン硬化されたビーズは、後の使用、例えばSiCへの変換のために、水から回収されるか、または水の中で保持されてもよい。
【0440】
例65
過酸化物で触媒された例1-13からのポリシロカルブ・バッチは、80℃で、強い撹拌下で、および好ましくは界面活性剤の存在下で水浴に加えられる。それはより好ましくは不純物を構成しない。その後、水浴の中で形成されるグリーン硬化された2μmのビーズは、水浴から回収される。グリーン硬化されたビーズは、硬化され、熱分解されて、SiCに変換された。
【0441】
例66
白金で触媒された例1-13からのポリシロカルブ・バッチは、撹拌下で100℃で水浴に加えられる。その後、水浴の中で形成されるグリーン硬化された2mmのビーズは水浴から回収される。グリーン硬化されたビーズは、硬化され、熱分解されて、SiCに変換された。
【0442】
例67
約0.4μmの平均直径を持っているポリシロカルブ由来のSiC粒子状物質は、それらの表面上の酸化被膜が本質的にない。容易にプレスされるSiC粒子状物質(RTP)、例えば、それらは焼結助剤の最小の使用で、好ましくは焼結助剤の必要の無しに体積形状物へ焼結させることができる。
【0443】
例68
約0.6μmの平均直径を持っているポリシロカルブ由来のSiC粒子状物質は、それらの表面上の酸化被膜が本質的にない。容易にプレスされるSiC粒子状物質(RTP)、例えば、それらは焼結助剤の最小の使用で、好ましくは焼結助剤の必要の無しに体積形状物へ焼結させることができる。
【0444】
例69
約0.4~0.6μmの平均直径を持っているポリシロカルブ由来のSiC粒子状物質は、それらの表面上の酸化被膜が本質的にない。容易にプレスされるSiC粒子状物質(RTP)、例えば、それらは焼結助剤の最小の使用で、好ましくは焼結助剤の必要の無しに体積形状物へ焼結させることができる。
【0445】
例70
プラストと衝撃に対するシールドは、シート材料へ焼結させられた高純度ポリシロカルブ炭化ケイ素の1以上の層を使用して形成される。ポリシロカルブ由来の炭化ケイ素シートの層は基体に結合される。層は強化され、層の間の様々な織目を形成することができる。複合層構造は、ブラスト、プロジェクタイルおよび爆発からの保護を提供する。等しいかよりよい保護を提供しつつ、このシールドは従来のシールドおよびアーマーよりも軽い。
【0446】
例71
プラストと衝撃に対するシールドは、シート材料へ焼結させられた高純度ポリシロカルブ炭化ケイ素の1以上の層を使用して形成される。この高純度ポリシロカルブ炭化ケイ素は6ナインの純度を有し、酸素を含まず、また0.1ミクロンの粒子が、焼結助剤の必要なしに、シート材料へ焼結される。ポリシロカルブ由来の炭化ケイ素シートはブラストとインパクトに対するシールドの要素として使用される。それは個人の防弾服および自動車アーマーに使用されることができる。
【0447】
例72
防弾用の複合構造は、1200g/平方メートルのガラス繊維の12の層、0、45、-45、90で一方向配向された炭素繊維の5つのセクションで形成された20層、および表面シートとしてのポリシロカルブの由来の炭化ケイ素の1つの層を有する。ガラス繊維はポリシロカルブ・バッチを使用して、1-2時間150-160℃で、最低500psiの圧力で熱プレスをすることにより互いに結合され、ガラス繊維プレートを形成することができる。炭素繊維クロスの20の層は、同じ条件の下で結合し、炭素繊維プレートを形成することができる。ガラス繊維プレート、炭素繊維プレートおよびポリシロカルブ炭化ケイ素由来のシートは、炭化ケイ素シートと炭素繊維プレートの間、および炭素繊維プレートとガラス繊維プレートの間に結合材としてポリシロカルブ・バッチを使用して、1ステップで結合することができる。
【0448】
例73
本明細書の中で提供される少なくとも5ナイン、好ましくは6ナインの純度を有する超高純度SiOCの配合物は、米国特許5,180,694に開示され教示されたプロセスで、透明なSiOC物品を作るために使用される。上記特許の全ての記載は参照され本明細書に組込まれる。
【0449】
例74
本明細書の中で提供される少なくとも5ナイン、好ましくは6ナインの純度を有する超高純度SiOCの配合物は、米国特許8,981,564に開示され教示されたプロセスで、SiOC層およびコーティングを作るために使用される。
【0450】
例75
本明細書の中で提供される少なくとも5ナイン、好ましくは6ナインの純度を有する超高純度SiOCの配合物は、米国特許8,778,814に開示され教示されたプロセスで、SiOC層およびコーティングを作るために使用される。
【0451】
本発明の実施態様の新規で革新的なプロセス、材料、パフォーマンスまたは他の有益な特徴および特性を提供する基礎となる理論を提供する要求がないことは留意される。しかしながら、さらにこの領域の技術を進めるために、様々な理論が本明細書で提供される。本明細書で示されたこれらの理論は、明示的に述べられていなければ、特許請求の範囲に記載された発明に与えられる保護の範囲を限定し、制限し、狭くするものではない。これらの理論は、本発明を利用するためには必要では無く実行されるものでもない。本発明の方法、物品、材料、装置およびシステムの実施態様の機能-特徴について説明するために、本発明が新しく、未知の理論に結びついてもよいことは、さらに理解される;そして将来的に開発される理論は、本発明に与えられる保護の範囲を制限しないものとする。
【0452】
本明細書に記載された配合物、バッチ、材料、組成物、器具、システム、装置、運転、および方法の様々な実施態様は、SiCとSiが適用可能である様々な分野の中で使用されることができ、同様に、SiC、Siおよび両方が適用可能でない分野(コスト、パフォーマンスまたは両方のため)でも使用することができる。さらに、本明細書で記載されたこれらの様々な実施態様は、様々な組み合わせの中で使用されてもよい。したがって、例えば、本明細書の様々な実施態様の中で提供される構造は、互いに使用されてもよい;また、本発明に与えられる保護の範囲は、特定の実施態様、例、または特定の図の中に記載される特定の実施態様、構造または配置に制限されるべきではない。
【0453】
本発明は、その本質的特質から離れずに、具体的に本明細書に開示したもの以外の形式で具体化されてもよい。記述された実施態様は例示にすぎず、限定的でないものとして、すべての点で認識されるべきである。