(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-12
(45)【発行日】2024-04-22
(54)【発明の名称】シールドコネクタ
(51)【国際特許分類】
H01R 13/6592 20110101AFI20240415BHJP
H01R 13/52 20060101ALI20240415BHJP
【FI】
H01R13/6592
H01R13/52 301E
(21)【出願番号】P 2022190784
(22)【出願日】2022-11-29
【審査請求日】2022-11-29
(31)【優先権主張番号】10-2021-0185253
(32)【優先日】2021-12-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】520125977
【氏名又は名称】ユラ カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000154
【氏名又は名称】弁理士法人はるか国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】セオ ジョン ホ
(72)【発明者】
【氏名】ユゥ ビョン ジュン
【審査官】高橋 裕一
(56)【参考文献】
【文献】韓国公開特許第10-2013-0011430(KR,A)
【文献】特開2020-170651(JP,A)
【文献】特開2020-123445(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01R13/40-13/533
H01R13/56-13/72
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユニット内側の端子結合部にケーブルの端子が直接締結できるように、ケーブルを支持するシールドコネクタにおいて、
ケーブルが貫通可能な固定部ケーブル貫通孔が形成され、固定用締結部が形成された固定プレート;及び
前記ケーブルが貫通可能な遊動部ケーブル貫通孔が形成され、一面が前記固定プレートに支持されるサブアセンブリ;を含み、
前記サブアセンブリは、
前記ケーブルの遮蔽部と接触すると同時に、外周部に前記ユニットの遮蔽部と接触することができる遮蔽板
;
一面に前記遮蔽板を固定する遮蔽板固定プレート;
及び
前記遮蔽板固定プレートの他面に固定され、前記ユニットとの接触面を密閉する内側シール;
を含むことを特徴とするシールドコネクタ。
【請求項2】
前記サブアセンブリと前記固定プレートとの間に位置し、前記ユニットと接触面を密閉する外側シール;
をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載のシールドコネクタ。
【請求項3】
前記遮蔽板は、
前記遮蔽板固定プレートの側面を包み込むように形成され、前記遮蔽板固定プレートに固定される側面固定板;及び
前記の側面固定板に突出するスプリング状に形成されたユニット部弾性接触部;
を含むことを特徴とする請求項1
又は2に記載のシールドコネクタ。
【請求項4】
前記遮蔽板固定プレートの前記の側面には、固定用溝が凹んで形成され、
前記の側面固定板は、
前記固定用溝に嵌合する固定用ランス;
をさらに含むことを特徴とする請求項
3に記載のシールドコネクタ。
【請求項5】
前記サブアセンブリは、
前記遮蔽板固定プレートの他面に突出したシール固定用突起;及び
前記
シール固定用突起が挿入できるように、前記内側シールに貫通して形成されたシール締結孔;
をさらに含むことを特徴とする請求項
1又は
2に記載のシールドコネクタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シールドコネクタに関し、より詳細には、電磁波遮蔽機能を備えた遮蔽用コネクタに関するものである。
【背景技術】
【0002】
車両には、様々な電装機器ユニットが使用されており、このような電装機器ユニットに電源を供給するためにバッテリを備えている。 また、バッテリとこのような電装機器ユニットとを接続するための様々なケーブルを含み、このようなケーブルとケーブルと間の接続又はケーブルとユニットとを接続するために様々なコネクタが使用されている。
【0003】
また、最近には、部品の電動化及び、電気自動車、水素自動車などの環境に優しい車両の開発と、電装機器ユニットの効率化のために、高電圧が採択されている。 その結果、車両に使用されるケーブル及びこれらを接続するコネクタも高電圧に合わせて開発しなければならない。 高電圧ケーブル及びコネクタに高電圧の電流が流れると、電磁波が発生し、近接する電装機器ユニットに影響を及ぼすことになる。 このような影響を遮断するために、高電圧ケーブルに遮蔽シールドを適用し、このような高電圧ケーブルを接続するコネクタにも遮蔽シールドを連結するための構造が適用される。 このような遮蔽シールドが適用されたコネクタをシールドコネクタ及び高電圧コネクタと称する。
【0004】
図1は、従来のユニットに適用されたコネクタを示した側面図である。従来には、ユニット1の側壁に固定されたオスコネクタ2とオスコネクタ2に着脱できるように形成されたメスコネクタ3を介して、ユニット1内側のワイヤ4とユニット1外側のワイヤ5を連結する。このように、ユニット1にケーブルを連結するために、別途のオスコネクタ及びメスコネクタを使用することにより、部品数が増大し、コスト高の原因になるだけでなく、軽量化が非常に重要な最近の車両の設計方向に反するという短所があった。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、前記のような問題点を解決するために案出されたものであり、部品数を減らしてコストを削減することができ、所要部品の重量を減らすことができるシールドコネクタを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、前記のような課題を解決するために、ユニット内側の端子結合部にケーブルの端子が直接締結できるように、ケーブルを支持するシールドコネクタにおいて、ケーブルが貫通可能な固定部ケーブル貫通孔が形成され、固定用締結部が形成された固定プレート;及び前記ケーブルが貫通可能な遊動部ケーブル貫通孔が形成され、一面が前記固定プレートに支持されるサブアセンブリ;を含み、前記サブアセンブリは、前記ケーブルの遮蔽部と接触すると同時に、外周部に前記ユニットの遮蔽部と接触することができる遮蔽板;一面に前記遮蔽板を固定する遮蔽板固定プレート;及び前記遮蔽板固定プレートの他面に固定され、前記ユニットとの触面を密閉する内側シール;を含むことを特徴とするシールドコネクタを提供する。
【0008】
前記サブアセンブリと前記固定プレートとの間に位置し、前記ユニットと接触面を密閉する外側シール;をさらに含むのが効果的である。
【0009】
前記遮蔽板は、前記遮蔽板固定プレートの側面を包み込むように形成され、前記遮蔽板固定プレートに固定される側面固定板;及び前記の側面固定板に突出するスプリング状に形成されたユニット部弾性接触部;を含む。
【0010】
前記遮蔽板固定プレートの前記の側面には、固定用溝が凹んで形成され、前記の側面固定板は、前記固定用溝に嵌合する固定用ランス;をさらに含む。
【0011】
前記サブアセンブリは、前記遮蔽板固定プレートの他面に突出したシール固定用突起;及び前記シール固定用突起が挿入できるように、前記内側シールに貫通して形成されたシール締結溝;をさらに含むのが好ましい。
【発明の効果】
【0012】
以上で記載したような本発明の課題解決手段によると、以下のような事項を含む様々な効果を期待することができる。 ただし、本発明が、以下の効果をすべて発揮しなければ成立するわけではない。
【0013】
本発明の一実施例のシールドコネクタは、別途のオスコネクタ及びメスコネクタを備える必要はなく、ユニットに直接ケーブルを設置できるようにする。 その結果、部品数を減らすことができ、コストを削減することができ、所要重量も大幅に減らすことができる。
【0014】
また、遮蔽とシーリングを効果的に行うことができるという長所もある。
【0015】
また、ユニットに締結時に、ワイヤの長さを柔軟に調節することができ、ユニットに締結作業が非常に容易になるという長所がある。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】従来のユニットに適用されたコネクタを示す側面図である。
【
図2】本発明の一実施例のシールドコネクタにケーブルが結合された状態の斜視図である。
【
図6】
図2の遮蔽板と固定プレートとが結合された状態の断面図である。
【
図8】
図2の遮蔽板固定プレートと内側シールとが結合された状態の断面図である。
【
図9】本発明の一実施例のシールドコネクタの組立工程を順次に示す斜視図である。
【
図10】本発明の一実施例のシールドコネクタの組立工程を順次に示す斜視図である。
【
図11】本発明の一実施例のシールドコネクタの組立工程を順次に示す斜視図である。
【
図12】本発明の一実施例のシールドコネクタの組立工程を順次に示す斜視図である。
【
図13】本発明の一実施例のシールドコネクタの組立工程を順次に示す斜視図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、図面を参照して本発明の具体的な実施例を詳細に説明する。
【0018】
図2は、本発明の一実施例のシールドコネクタにケーブルが結合された状態の斜視図、
図3は、
図2の分解斜視図である。
【0019】
図2及び
図3に示さエル様に、本発明は、ユニット1内側の端子結合部にケーブルの端子12、21が直接締結されるように、ケーブル10、20を支持するシールドコネクタに関するものである。ユニットは、車両内に使用される様々な接続箱、エンジン及びミッションなどを制御するための制御ユニットなど様々な電装機器を適用することができる。 ユニット1内側の端子結合部(未図示)は、端子12、21が締結されるように形成された様々な締結部を含む。
【0020】
ケーブル10、20は、高電圧用遮蔽ケーブル10と信号用低電圧ケーブル20とを含む。 高電圧用遮蔽ケーブル10は、導電用芯線13と、芯線13を包む内部被覆14と、内部被覆14を包む遮蔽線15と、遮蔽線15を包む外部被覆16を含む。 高電圧端子12は芯線13と電気的に接続され、内部被覆14に固定される。
図2の例示では、高電圧端子12はワッシャ状形成され、端子結合部(未図示)にボルトで結合することができる。 遮蔽線15は、一部が外部被覆16を覆うように形成された後、遮蔽リング11により固定される。 ケーブル10の遮蔽部11、15は、遮蔽線15と遮蔽リング11とを含む概念だ。
【0021】
低電圧ケーブル20は、芯線と、芯線を保護する被覆を含み、端子21は、芯線と電気的に接続される。 低電圧ケーブルは、インターロック機能などの制御信号を伝達するために使用される。
【0022】
本発明の一実施例のシールドコネクタは、ケーブル10、20が貫通可能な固定部ケーブル貫通孔111、112が形成され、固定用締結部113が形成された固定プレート100と、前記ケーブル10、20が貫通可能な遊動部ケーブル貫通孔が形成され、一面が前記固定プレート100に支持されるサブアセンブリ200を含む。
【0023】
固定プレート100は、平板状に形成され、固定部ケーブル貫通孔111、112及び固定用締結部113が貫通して形成される。 固定部ケーブル貫通孔111、112は、高電圧ケーブル10が貫通する高電圧固定部ケーブル貫通孔111と、低電圧ケーブル20が貫通する低電圧固定部ケーブル貫通孔112とを含む。 固定用締結部113は、ボルトなどを挿入できるように形成される。 加えて、固定プレート100のユニット1に接する面には、仮固定用突起114が突出して形成される。
【0024】
前記サブアセンブリ200は、前記ケーブル10の遮蔽部11と接触すると同時に、外周部に前記ユニット1の遮蔽部と接触ですることがきる遮蔽板210と、一面に前記遮蔽板210を固定する遮蔽板固定プレート220と、前記遮蔽板固定プレート220の他面に固定され、前記ユニットとの接触面を密閉する内側シール230を含む。
【0025】
また、前記サブアセンブリ200と前記固定プレート100との間に位置し、前記ユニットと接触面を密閉する外側シール300をさらに含む。 外側シールは、弾性材質で形成されると板状に形成される。 外側シール300には、外側シールケーブル貫通孔301、302が貫通して形成される。
【0026】
図4は、
図2の遮蔽板の斜視図、
図5は、
図2の固定プレートの斜視図、
図6は、
図2の遮蔽板と固定プレートとが結合された状態の断面図、
図7は、
図2の内側シールの斜視図、
図8は、
図2の遮蔽板固定プレートと内側シールとが結合された状態の断面図である。
【0027】
前記遮蔽板210は、前記遮蔽板固定プレート220の側面を包み込むように形成され、前記遮蔽板固定プレート220に固定される側面固定板211と、前記の側面固定板211に突出してスプリング状に形成されたユニット部弾性接触部212を含む。
【0028】
遮蔽板210は、導電性材質(例えば、金属)の板状に形成された本体板219の上下側に折り曲げられて形成された側面固定板211を含む。 本体板219には、遮蔽板ケーブル貫通孔217、218が貫通して形成される。 遮蔽板ケーブル貫通孔217、218は、高電圧ケーブル用遮蔽板ケーブル貫通孔217と、低電圧ケーブル用遮蔽板ケーブル貫通孔218とを含む。 高電圧ケーブル用遮蔽板ケーブル貫通孔217の内周面には、ケーブルの遮蔽部11、15と弾性的に接触することができるようにスプリング構造の弾性接触部216が形成される。
【0029】
側面固定板211には、ユニット部弾性接触部212と、遮蔽板固定プレート220の固定用溝221に嵌合する固定用ランス213を含む。 ユニット部弾性接触部212は、ユニットの内側面に弾性接触するように、側面固定板211の外周に向かって凸状に形成される。 固定用ランス213は、遮蔽板固定プレート220に向かう面から反対面に向かうにつれて傾斜するように形成され、終端が自由端に形成される。 遮蔽板固定プレート220は、一面に遮蔽板210を支持し、他面が内側シール230を支持する合成樹脂などの非導電性材質の板状に形成される。 側面固定板211は、上側面及び下側面に支持できる程度の厚さに形成される。
【0030】
遮蔽板固定プレート220にも、固定部ケーブル貫通孔223、224が貫通して形成される。 固定部ケーブル貫通孔223に前述した弾性接触部216が嵌め込まれる。 遮蔽板固定プレート220の他面、すなわち内側シール230を見る面には、シール固定用突起222が突出して形成される。 本発明の実施例では、上下に2個の固定用突起222が突出して形成される。 前記遮蔽板固定プレート220の上側面及び下側面には、固定用溝221が凹んで形成される。
【0031】
したがって、
図6に示すように、遮蔽板固定プレート220と遮蔽板210とが結合された場合、固定用ランス213が固定用溝221に嵌め込まれた状態で、遮蔽板210が遮蔽板固定プレート220から分離することを防止することができる。
【0032】
内側シール230は、弾性材質で形成され、板状に形成される。 内側シール230には、前記固定用突起222が挿入できるように、前記内側シール230に貫通して形成されたシール締結孔231と、内側シールケーブル貫通孔232、233とが貫通して形成される。
【0033】
内側シールは、
図8に示すように、シール固定用突起222がシール締結孔231に嵌め込まれ、遮蔽板固定プレート220に固定される。
【0034】
サブアセンブリ200の遊動部ケーブル貫通孔は、遮蔽板ケーブル貫通孔217、218と、固定部ケーブル貫通孔223、224と内側シールケーブル貫通孔232、233を含むものである。
【0035】
以下、本発明の一実施例のシールドコネクタの組立工程について説明する。
【0036】
図9乃至
図13は、本発明の一実施例のシールドコネクタの組立工程を順次に示す斜視図である。
【0037】
まず、
図9に示されるように、高電圧ケーブル10を固定部ケーブル貫通孔111及び外側シールケーブル貫通孔301を介して設置する。
【0038】
次に、
図10に示されるように、遮蔽リング11を利用して、遮蔽線15をクランプする。
【0039】
その後、
図11に示されるように、低電圧ケーブル20を固定部ケーブル貫通孔112及び外側シールケーブル貫通孔302を介して設置する。
【0040】
次に、
図12に示されるように、遊動部ケーブル貫通孔を介して、高電圧ケーブル10及び低電圧ケーブル20をサブアセンブリ200に挿入する。
【0041】
その後、
図13に示されるように、高電圧端子12を高電圧用遮蔽ケーブル10に結合する。
【0042】
このように、組み立てが完了した状態で、ユニット1の取付孔にシールドコネクタを仮固定した後、ボルト締結する。 このとき、端子12、21は、ユニット1内側の端子結合部(未図示)に締結する。
【0043】
前記のように、本発明の一実施例のシールドコネクタは、別途のオスコネクタ及びメスコネクタを備える必要がなく、ユニットに直接ケーブルを設置できる。その結果、部品数を減らすことができ、コストを削減することができ、所要重量も大幅に減らすことができる。
【0044】
また、遮蔽とシーリングを効果的にできるという長所もある。
【0045】
また、ユニットに締結時、ワイヤの長さを柔軟に調節することができ、ユニットに締結作業が非常に容易になるという所がある。
【0046】
以上、本発明の好ましい実施例を例示的に説明したが、本発明の範囲は、このような特定実施例のみに限定されるのではなく、特許請求の範囲に記載された範疇内で適宜変更可能である。
【符号の説明】
【0047】
10、20:ケーブル
12、21:ケーブルの端子
100:固定プレート
111、112:固定部ケーブル貫通孔
113:固定用締結部
200:サブアセンブリ
210:遮蔽板
211:面固定板
212:ユニット部弾性接触部
213:固定用ランス
217、218:遮蔽板ケーブル貫通孔
220:遮蔽板固定プレート
221:固定用溝
222:シール固定用突起
223、224:固定部ケーブル貫通孔
230:内側シール
231:シール締結孔
232、233:内側シールケーブル貫通孔
300:外側シール