(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-12
(45)【発行日】2024-04-22
(54)【発明の名称】冷却装置
(51)【国際特許分類】
F04D 29/58 20060101AFI20240415BHJP
【FI】
F04D29/58 S
(21)【出願番号】P 2022190832
(22)【出願日】2022-11-29
【審査請求日】2022-11-29
(32)【優先日】2021-11-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】202211447510.4
(32)【優先日】2022-11-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】502330713
【氏名又は名称】台達電子工業股▲ふん▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】DELTA ELECTRONICS, INC.
【住所又は居所原語表記】No.252,ShanYing Rd.,Guishan Dist.,Taoyuan City 333,Taiwan
(74)【代理人】
【識別番号】110001139
【氏名又は名称】SK弁理士法人
(74)【代理人】
【識別番号】100130328
【氏名又は名称】奥野 彰彦
(74)【代理人】
【識別番号】100130672
【氏名又は名称】伊藤 寛之
(72)【発明者】
【氏名】汪逸涵
(72)【発明者】
【氏名】楊朝富
(72)【発明者】
【氏名】陳志仲
(72)【発明者】
【氏名】徐国棟
(72)【発明者】
【氏名】陳孟▲ユィ▼
【審査官】大瀬 円
(56)【参考文献】
【文献】特開平02-168697(JP,A)
【文献】特開2001-057493(JP,A)
【文献】特開2016-092328(JP,A)
【文献】特開平03-168399(JP,A)
【文献】特開2017-112190(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2020/0375064(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F04D 29/58
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに対向して設置された前端部と後端部とを備える底板と、
前記底板上に設置され、互いに間隔をあけて配置され且つ前記前端部から前記後端部に向かう方向に延在する複数の放熱フィンと、
第1平面と、インレットを有する第2平面と、前記第1平面と前記第2平面との間に設置される斜面とを備え、前記複数の放熱フィンを覆いて前記底板上に設置される筐体と、
トップカバーと、前記トップカバーに収容される羽根車と、を備えるファンと、
を備え、
前記筐体
が前記複数の放熱フィンと前記底板とともに、熱伝導経路と前記前端部に隣接する空気流入口とを形成し、
前記筐体の前記第1平面は前記前端部に隣接して設けられ、且つ前記複数の放熱フィン
と対向し、前記筐体の前記第2平面は前記後端部に隣接して設けられ、
前記ファンの前記トップカバー
は、前記インレットと対向しかつ前記筐体とともに
、アウトレットを形成し、
前記熱伝導経路は、前記空気流入口から前記複数の放熱フィン間の隙間に通じて前記インレットまで繋がり、かつ前記インレットを介して前記アウトレットに連通され、
前記熱伝導経路の前記空気流入口に近接する側の断面積は、前記熱伝導経路の前記インレットに近接する側の断面積よりも大きい、ことを特徴とする冷却装置。
【請求項2】
前記筐体は、ガイド壁と第1側壁と第2側壁とを備え、前記第1側壁と前記第2側壁は互いに対向して配置され、且つ、それぞれ、前記第1平面の対向する両側に接続され、前記ガイド壁は前記第1平面に設置され、前記筐体の前記第1側壁に接続し、前記底板の前記前端部から前記後端部に向かう方向に沿って前記第1側壁と一定の間隔距離をあけるように延在する、ことを特徴とする請求項1に記載の冷却装置。
【請求項3】
前記第1平面、前記第1側壁、前記第2側壁および前記底板は、前記空気流入口に近接する箇所で共に形成される第1断面積を有し、
前記第1平面、前記ガイド壁、前記第2側壁および前記底板は、前記ガイド壁の中央部に近接する箇所で共に形成される第2断面積を有し、
前記第2断面積は前記第1断面積の2/3倍である、ことを特徴とする請求項2に記載の冷却装置。
【請求項4】
前記第1平面、前記第1側壁、前記第2側壁および前記底板は、前記空気流入口に近接する箇所で共に形成される第1断面積を有し、前記熱伝導経路の前記インレットに近接する箇所において、前記第2平面、
前記ガイド壁、前記第2側壁および前記底板は、前記インレットに近接する箇所で共に形成される第3断面積を有し、前記第3断面積は前記第1断面積の1/2倍である、ことを特徴とする請求項2に記載の冷却装置。
【請求項5】
前記第1平面と前記底板との高さ距離は、前記第2平面と前記底板との高さ距離よりも大きい、ことを特徴とする請求項1に記載の冷却装置。
【請求項6】
前記羽根車のブレード高さは、前記第2平面と前記底板との高さ距離よりも大きい、ことを特徴とする請求項1に記載の冷却装置。
【請求項7】
各前記放熱フィンは、互いに対向して配置される、第1端部と第2端部とを備え、前記放熱フィンの前記第1端部は前記空気流入口に隣接して設けられ且つ第1面取り構造を有し、前記第1面取り構造は、前記底板の水平面に対して第1傾斜角を形成し、前記放熱フィンの前記第2端部は前記インレットに隣接して設けられ且つ第2面取り構造を有し、前記第2面取り構造は前記底板の水平面に対して第2傾斜角を形成する、ことを特徴とする請求項1に記載の冷却装置。
【請求項8】
前記羽根車のハブには、ガイド斜面を有し、前記ガイド斜面は、前記底板の水平面に対して第3傾斜角を形成し、前記第3傾斜角が前記第1傾斜角または前記第2傾斜角に等しい、ことを特徴とする請求項7に記載の冷却装置。
【請求項9】
前記インレットは、前縁と後縁とを備え、前記前縁と前記後縁は、それぞれ、前記底板の前記前端部および前記後端部に対向し、
前記羽根車の中心から前記後縁までの距離を第1水平距離とし、前記羽根車の中心から前記前縁までの距離を第2水平距離とし、前記第1水平距離は前記第2水平距離の85%未満である、ことを特徴とする請求項1に記載の冷却装置。
【請求項10】
前記羽根車の中心から前記熱伝導経路
の末端までの距離を第3水平距離とし、前記第3水平距離は前記第1水平距離の120%未満である、ことを特徴とする請求項9に記載の冷却装置。
【請求項11】
前記空気流入口は第1幅を有し、前記インレ
ットは第2幅を有し、前記第1幅は前記第2幅よりも大きい、ことを特徴とする請求項1に記載の冷却装置。
【請求項12】
前記空気流入口は第1開口面積を有し、前記アウトレットは第2開口面積を有し、前記第1開口面積は前記第2開口面積よりも大きい、ことを特徴とする請求項1に記載の冷却装置。
【請求項13】
前記筐体は、ガイド壁と第1側壁と第2側壁とを備え、前記第1側壁と前記第2側壁とが互いに対向して設置され、且つ、それぞれ、前記第1平面の対向する両側に接続され、前記ガイド壁は、前記筐体の前記第1側壁に接続され、前記前端部から前記後端部に向かう方向に沿って前記第1側壁から徐々に離れるように延在する、ことを特徴とする請求項1に記載の冷却装置。
【請求項14】
前記複数の放熱フィンの上縁は前記第1平面、前記斜面および前記第2平面に近接する、ことを特徴とする請求項1に記載の冷却装置。
【請求項15】
前記空気流入口と前記アウトレットは、前記底板に対して異なる水平高さを有する、ことを特徴とする請求項1に記載の冷却装置。
【請求項16】
熱伝導経路と、空気流入口と、第1平面と、インレットを備える第2平面と、前記第1平面と前記第2平面との間に接続される斜面とを備える筐体と、
トップカバーと羽根車とを備えるファンと、を備え、
前記空気流入口は前記筐体の一端に隣接して設けられ、
前記熱伝導経路は、前記空気流入口を介して外部に連通され、
前記第1平面は、前記空気流入口に隣接して設けられ、
前記熱伝導経路は、前記空気流入口と前記インレットとの間に連通し、前記熱伝導経路の前記空気流入口に近接する側の断面積は、前記熱伝導経路の前記インレットに近接する側の断面積よりも大きく、
前記羽根車は、前記トップカバーに配置され、
前記トップカバーは前記インレット
と対向し且つ前記筐
体とともに、アウトレットを形成し、
前記空気流入口および前記熱伝導経路は、前記インレットを介して前記アウトレットに連通する、ことを特徴とする冷却装置。
【請求項17】
前記斜面は、前記インレットに対して円弧形状を形成する、ことを特徴とする請求項16に記載の冷却装置。
【請求項18】
前記空気流入口から前記熱伝導経路を通って前記インレットに至る気流と前記インレットから前記アウトレットに至る気流とは、異なる水平高さを有する、ことを特徴とする請求項16に記載の冷却装置。
【請求項19】
前記空気流入口と前記アウトレットは、それぞれ、前記筐体の異なる側に位置される、ことを特徴とする請求項16に記載の冷却装置。
【請求項20】
前記空気流入口と前記アウトレットは、それぞれ、前記インレットの異なる側に位置される、ことを特徴とする請求項16に記載の冷却装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、冷却装置に関し、特に、特定の断面積の制御および関連する特徴との相乗効果によって熱伝導経路の性能および騒音水平を改善する冷却装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的な電子装置は、内部の熱を放散するために冷却装置と組み合わされることが多い。従来の冷却装置は、主に遠心ファンと放熱フィンを備え、放熱フィンは遠心ファンのアウトレットに配置され且つ遠心ファンに接続されている。放熱フィンは、電子装置内の発熱体と熱伝導可能に接続され、発熱体が発熱すると、発生した熱エネルギーが放熱フィンに伝導され、遠心ファンによって生成された冷却風がアウトレットから放熱フィンに直接吹き付けることで、放熱効果が得られる。
【0003】
熱放散要件の改善に伴い、放熱フィンは、遠心ファンのアウトレットからの高速気流と協働する熱伝導経路の形に設計される場合がある。しかしながら、遠心ファンからの高速気流が熱伝導経路の放熱フィンに直接吹き付ける合、気流の変化を制御するのは容易ではなく、多くの騒音の発生を伴う問題が生じる。羽根車の軸方向から空気が遠心ファンに流れ込む場合、気流が羽根車の半径方向に沿って流れ、ファン流路を通って高圧流体になり、半径方向にあるアウトレットから熱伝導流路に吹き込む。気流の流速が速すぎると、生成された高圧流体がブレード通過周波数(blade passing frequency)に影響を与えやすくなり、騒音が発生し、ユーザ体験が悪くなる。したがって、遠心ファンと熱伝導経路の組合せによって発生する騒音をどのように低減するかは、この技術分野では常に関心を寄せている。
【0004】
このような事情に鑑み、従来技術の欠点を解決できる特定の断面積の制御および関連する特徴との相乗効果を利用して熱伝導経路の性能および騒音水平を改善する冷却装置を提供する必要がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、放熱フィンで形成された熱伝導経路を遠心ファンのインレットに配置し、異なる散熱効果を生み出す冷却装置を提供することを目的とする。熱伝導経路内の放熱フィンの熱放散は、排気流よりも遠心ファンの吸気流に作用されている。熱伝導経路は、遠心ファンのインレットの上流側に接続され、放熱フィンは、遠心ファンからの気流の流れ込みに整流効果を提供できる。また、熱伝導経路の断面設計の変化および関連する特徴との相乗効果により、熱伝導経路の性能および騒音水平をさらに改善することができる。
【0006】
本発明のもう一つの目的は、冷却装置を提供することである。筐体と放熱フィンおよび底板とが導熱経路を形成し、導熱経路の末端は、筐体におけるインレットを介して水平高さが異なるファンおよびアウトレットに連通する。ファンのインレットの上流側にある導熱経路は、放熱フィンの特性変化設計および流路の縮径により整流効果を実現する。ファンの羽根車の中心とインレットとが偏心するように設計されており、且つファンの羽根車のハブと放熱フィンの面取り構造とでガイド斜面を形成し、整流効果をさらに実現する。放熱フィンの空気流入口に近接する第1端部と、インレットに近接する第2端部とがガイド傾斜角を形成し、羽根車のハブのガイド斜面の傾斜角と組み合わせて流れ場が他の領域に流れ込む時の整流効果を発揮し、乱流エネルギーを15%抑える。空気流入口に近接する側の高さとインレットに近接する箇所の高さとの差は(空気流入口に近接する側の高さの)50%に達するので、ファンのインレット側の気流が集中され、放熱フィンが配置されている熱伝導経路の断面積変化を特定の比率で変化させることで、流れ場の集中効果を20%増加させることができる。また、異なる圧力設計に応じて、インレットは羽根車の中心に対して偏心設計を採用しており、熱伝導経路の末端から羽根車中心までの距離、熱伝導経路に対するインレットの幅比率、および空気流入口に対するアウトレットの開口面積の大きさを調整し、流れ場を有効に利用するとともに、効率の向上および騒音の低減を実現することができる。また、放熱フィンをインレットの上流側にある熱伝導経路内に設けることで、ファンの回転速度が同じである場合、本発明の冷却装置の散熱効率は15%向上し、騒音品質も改善され、騒音を10%低減する効果を有する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の目的を達成するために、本発明は、互いに対向して設置された前端部と後端部とを備える底板と、底板上に設置され、互いに間隔をあけて配置され且つ前端部から後端部に向かう方向に延在する複数の放熱フィンと、第1平面と、インレットを有する第2平面と、第1平面と第2平面との間に設置される斜面とを備え、複数の放熱フィンを覆いて底板上に設置される筐体と、トップカバーと、トップカバーに収容される羽根車と、を備えるファンと、を備え、筐体と複数の放熱フィンと底板とともに、熱伝導経路と前端部に隣接する空気流入口とを形成し、筐体の前記第1平面は前端部に隣接して設けられ、且つ複数の放熱フィンと空間的に対向し、筐体の第2平面は後端部に隣接して設けられ、ファンのトップカバーと筐体とともに、インレットと空間的に対向するアウトレットを形成し、熱伝導経路は、空気流入口から複数の放熱フィン間の隙間に通じてインレットまで繋がり、かつインレットを介してアウトレットに連通され、熱伝導経路の空気流入口に近接する側の断面積は、熱伝導経路のインレットに近接する側の断面積よりも大きい冷却装置を提供する。。
【0008】
好ましくは、筐体は、ガイド壁と第1側壁と第2側壁とを備え、第1側壁と第2側壁は互いに対向して配置され、且つ、それぞれ、第1平面の対向する両側に接続され、ガイド壁は第1平面に設置され、筐体の第1側壁に接続し、底板の前端部から後端部に向かう方向に沿って第1側壁と一定の間隔距離をあけるように延在する。
【0009】
好ましくは、第1平面、第1側壁、第2側壁および底板は、空気流入口に近接する箇所で共に形成される第1断面積を有し、第1平面、ガイド壁、第2側壁および底板は、ガイド壁の中央部に近接する箇所で共に形成される第2断面積を有し、第2断面積は第1断面積の2/3倍である。
【0010】
好ましくは、熱伝導経路の空気流入口に近接する箇所において、第1平面、第1側壁、第2側壁および底板が第1断面積を形成し、熱伝導経路のインレットに近接する箇所において、第2平面、第2側壁および底板が第3断面積を形成し、3断面積は第1断面積の1/2倍である。
【0011】
好ましくは、第1平面と底板との高さ距離は、第2平面と底板との高さ距離よりも大きい。
【0012】
好ましくは、羽根車のブレード高さは、第2平面と底板との高さ距離よりも大きい。
【0013】
好ましくは、各放熱フィンは、互いに対向して配置される、第1端部と第2端部とを備え、放熱フィンの第1端部は空気流入口に隣接して設けられ且つ第1面取り構造を有し、第1面取り構造は、底板の水平面に対して第1傾斜角を形成し、放熱フィンの第2端部はインレットに隣接して設けられ且つ第2面取り構造を有し、第2面取り構造は底板の水平面に対して第2傾斜角を形成する。
【0014】
好ましくは、羽根車のハブには、ガイド斜面を有し、ガイド斜面は、底板の水平面に対して第3傾斜角を形成し、第3傾斜角が第1傾斜角または第2傾斜角に等しい。
【0015】
好ましくは、インレットは、前縁と後縁とを備え、前縁と後縁は、それぞれ、底板の前端部および後端部に対向し、羽根車の中心から後縁までの距離を第1水平距離とし、羽根車の中心から前縁までの距離を第2水平距離とし、第1水平距離は第2水平距離の85%未満である。
【0016】
好ましくは、羽根車の中心から熱伝導経路までの距離を第3水平距離とし、第3水平距離は第1水平距離の120%未満である。
【0017】
好ましくは、空気流入口は第1幅を有し、インレット32は第2幅を有し、第1幅は第2幅よりも大きい。
【0018】
好ましくは、空気流入口は第1開口面積を有し、アウトレットは第2開口面積を有し、第1開口面積は第2開口面積よりも大きい。
【0019】
好ましくは、筐体は、ガイド壁と第1側壁と第2側壁とを備え、第1側壁と第2側壁とが互いに対向して設置され、且つ、それぞれ、第1平面の対向する両側に接続され、ガイド壁は、筐体の第1側壁に接続され、前端部から後端部に向かう方向に沿って第1側壁から徐々に離れるように延在する。
【0020】
好ましくは、複数の放熱フィンの上縁は第1平面、斜面および第2平面に近接する。
【0021】
好ましくは、空気流入口とアウトレットは、前端部から後端部に向かう方向に沿って見る時、互いに位置ずれて設置され、且つ底板に対して異なる水平高さを有する。
【0022】
上記の目的を達成するために、本発明は、熱伝導経路と、空気流入口と、第1平面と、インレットを備える第2平面と、第1平面と第2平面との間に接続される斜面とを備える筐体と、トップカバーと羽根車とを備えるファンと、を備え、空気流入口は筐体の一端に隣接して設けられ、熱伝導経路は、空気流入口を介して外部に連通され、第1平面は、空気流入口に隣接して設けられ、熱伝導経路は、空気流入口とインレットとの間に連通し、熱伝導経路の空気流入口に近接する側の断面積は、熱伝導経路のインレットに近接する側の断面積よりも大きく、羽根車は、トップカバーに配置され、トップカバーはインレットと空間的に対向し且つ筐体ととともに、アウトレットを形成し、空気流入口および熱伝導経路は、インレットを介してアウトレットに連通することを特徴とする冷却装置を提供する。
【0023】
好ましくは、斜面はインレットに対して円弧形状を形成する。
【0024】
好ましくは、空気流入口から熱伝導経路を通ってインレットに至る気流とインレットからアウトレットに至る気流とは、異なる水平高さを有する。
【0025】
好ましくは、空気流入口とアウトレットは、それぞれ、筐体の異なる側に位置される。
【0026】
好ましくは、空気流入口とアウトレットは、それぞれ、インレットの異なる側に位置される。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【
図1】本発明の第1実施形態における冷却装置の立体図である。
【
図2】本発明の第1実施形態における冷却装置の構造分解図である。
【
図3】本発明の第1実施形態における冷却装置を別の角度から見た時の構造分解図である。
【
図4】
図1の冷却装置の第1区域における横断面図である。
【
図5】
図1の冷却装置の第2区域における横断面図である。
【
図6】
図1の冷却装置の第3区域における横断面図である。
【
図9】本発明の第1実施形態における冷却装置の各構成要素の対応関係を示す概略図である。
【
図10】本発明の第1実施形態における冷却装置の正面図である。
【
図11】本発明の第1実施形態における冷却装置の背面図である。
【
図12】本発明の第2実施形態における冷却装置の構造分解図である。
【
図13】本発明の第2実施形態における冷却装置を別の角度から見た時の構造分解図である。
【
図14】本発明の第3実施形態における冷却装置の構造分解図である。
【
図15】本発明の第3実施形態における冷却装置を別の角度から見た時の構造分解図である。
【
図16】本発明の第4実施形態における冷却装置の構造分解図である。
【
図17】本発明の第4実施形態における冷却装置の縦方向の断面構造図である。
【
図18】本発明の第5実施形態における冷却装置の立体図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、本発明の特徴および利点を具体化するいくつかの典型的な実施形態について詳細に説明する。本発明は、発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更を加えることができ、本明細の記載及び図面は、例示として用いたものにすぎず、本発明の範囲を限定するものではない。例えば、本明細書の以下の内容において、第1の特徴が第2の特徴の上または上方に配置されていると記載されている場合、上記第1の特徴と上記第2の特徴とが直接接触する形態と、上記第1の特徴と上記第2の特徴とが直接接触せず、上記第1の特徴と上記第2の特徴との間に付加的な構造特徴が配置された形態とを含む。さらに、本発明の異なる実施形態は、同じ符号および/または記号を重複使用することができる。これらの符号および/または記号の重複使用は、単純化および明確化を目的としており、さまざまな実施形態および/または記載された外観構造の間の関係を限定することを意図していない。また、図面において、ある構成要素または特徴部分と別の(複数の)構成要素または(複数の)特徴部分との関係を便宜的に説明するために、「前」、「後」、「頂」、「底」、「上」、「下」などの紙面に関する用語を使用している。空間的に相対的な用語は、図に示されている向きに加えて、使用中または動作中の装置のさまざまな向きを包含することを意図している。装置は別の方法で配置することができ(例えば、90度回転させたり、他の向きにしたりすることができ)、使用される空間的に相対的な用語の説明はそれに応じて解釈される。また、構成要素が別の構成要素に「接続」または「結合」されていると記載される場合、他の構成要素に直接接続または結合でき、または介在する構成要素を介して接続または結合してもよい。さらに、範囲を示す数値およびパラメータは近似値であるにもかかわらず、特定の例に示す数値は可能な限り正確に記載されている。また、「第1」、「第2」、および「第3」などの用語は、異なる構成要素を説明するために特許請求の範囲で使用される場合があるが、これらの構成要素はこれらの用語によって限定されるべきではない。また、実施形態では、異なる構成要素符号によって表される。これらの用語は、さまざまな構成要素を区別するために使用されている。例えば、第1の構成要素を第2の構成要素と呼ぶことができ、同様に、第2の構成要素を第1の構成要素と呼ぶこともできので、それらはいずれも実施形態の範囲から逸脱するものではない。
【0029】
図1は、本発明の第1実施形態における冷却装置の立体構造を示している。本実施形態において、本発明は、冷却装置(heat dissipation assembly)1を提供し、底板(bottom plate)10と、複数の放熱フィン(fin)20と、筐体(frame)30と、ファン(fan)40とを備える。底板10は、互いに対向して設けられる、前端部(front end)11と後端部(rear end)12とを備える。複数の放熱フィン20は、底板10上に設置され、互いに離間して配置され且つ前端部11から後端部12に向かって延在して設けられている。筐体30は、底板10上に配置され、複数の放熱フィン20を覆い且つ底板10と組み合わせて空気流入口(airflow inlet)31を形成する。空気流入口31は、前端部11に隣接して設けられる。ファン40は、筐体30上に設けられる。ファン40のトップカバー(top cover)41は、筐体30に組み付けられてアウトレット(outlet)42を形成する。本実施形態において、放熱フィン20は、底板10を介して発熱素子(図示せず)に熱的(熱伝導可能に)に接続され、熱を発散する。必要な散熱気流がファン40によって空気流入口31から吸引され、放熱フィン20を通過した気流がファン40によってアウトレット42から排出される。本実施形態において、ファン40が遠心ファンである。吸気流を放熱フィン20に作用させるために、空気流入口31とアウトレット42とは、前端部11から後端部12を見る時の視点においてずれた位置(互いに位置ずれるように)に配置され、且つ底板10に対して異なる高さを有する。
【0030】
なお、本発明のすべての実施形態では、前端部11および後端部12は断面構造ではないことに留意されたい。すなわち、底板10は、より大きな延在平面のようにすることができ、この場合、1つの領域のみに放熱フィン20が設けられ且つ筐体30によって覆われるようにすることができる。
【0031】
図2は、本発明の第1実施形態における冷却装置の構造分解図である。本実施形態において、筐体30は、底板10上に設けられ且つ複数の放熱フィン20を覆い、第1側壁30a、第2側壁30b及び底板10とともに(を組み合せて)、熱伝導経路(heat conduction channel)23を形成する。熱伝導経路23は、空気流入口31より、前端部11から後端部12に向かう方向に沿って複数の放熱フィン20の第1端部(first end)21及び第2端部(second end)22を通過する。筐体30は、筐体30を貫通し且つ熱伝導経路23に連通されるインレット(inlet)32を備える。ファン40は、トップカバー41と、羽根車(impeller)43とを備え、羽根車43は、トップカバー41に設置され、トップカバー41は、インレット32と空間的に対向し且つ筐体30と組み合わせてアウトレット42を形成する。空気流入口31と熱伝導経路23は、インレット32を介してアウトレット42に連通している。
【0032】
図3は、本発明の第1実施形態における冷却装置を別の角度から見た時の構造分解図である。本実施形態において、筐体30は、第1平面(first plane)33と、第2平面(second plane)35と、斜面(inclined plane)34とを備える。第1平面33は、前端部11に隣接して設けられ、複数の放熱フィン20と空間的に対向する。第2平面35は、後端部12に隣接して設けられ、インレット32は、第2平面35上に設けられる。筐体30と底板10とを組み合わせて形成された熱伝導経路23は、空気流入口31とインレット32との間に連通されている。斜面34は、第1平面33と第2平面35との間に接続されている。本実施形態において、筐体30は、第1側壁30aと第2側壁30bとの間に設けられるガイド壁(guiding wall)36をを備える。第1側壁30aと第2側壁30bは互いに対向して設置され、且つ、それぞれ、第1平面33、斜面34および第2平面35の対向する両側に接続されている。ガイド壁36は少なくとも第1平面33に設置され、筐体30の第1側壁30aに連通し、前端部11から後端部12に向かう方向に沿って第1側壁30aと一定の間隔距離を離れるように延在する。換言すれば、ガイド壁36は、例えば2つの部分に設計することができ、前段は、第2側壁30bに対して縮径するように設計されており、後段は、第2側壁30bに対して平行するように設計されている。別の実施形態では、ガイド壁36の後段は、斜面34および第2平面35にまで延在し、インレット32の側縁に近接する。なお、本発明はこれに限定されない。ガイド壁36を設けることによって、空気流入口31に近接する熱伝導経路23の断面積は、インレット32に近接する熱伝導経路23断面積よりも大きく、気流が熱伝導経路23を通過する際に、整流効果を実現するための流路の縮径に役立つことができる。
【0033】
図4は、
図1の冷却装置の第1区域CS1における横断面図である。本実施形態において、第1区域CS1は、熱伝導経路23の空気流入口31に近い(近接する)部分であり、第1平面33、第1側壁30a、第2側壁30bおよび底板10は、第1断面積S1を形成する。
【0034】
図5は、
図1の冷却装置の第2区域CS2における横断面図である。第2区域CS2は、熱伝導経路23がガイド壁36を通過する部分であり、第1平面33、ガイド壁36、第2側壁30bおよび底板10は、第2断面積S2を形成する。
図4および
図5に示すように、本実施形態において、第2断面積S2は、第1断面積S1の2/3倍である。これによって、熱伝導経路23の前段は、流路の縮径によって整流効果の最適化を実現することができる。
【0035】
図6は、
図1の冷却装置の第3区域CS3における横断面図である。本実施形態において、第3区域CS3は、熱伝導経路23のインレット32に近い(近接する)部分であり、第2平面35、第2側壁30bおよび底板10は、第3断面積S3を形成する。
図4および
図6に示すように、本実施形態において、第3断面積S3は、第1断面積S1の1/2倍である。これによって、熱伝導経路23の後段は、流路の縮径によって整流効果の最適化を実現することができる。
【0036】
図7は、
図1の冷却装置の縦断面図である。本実施形態において、第1平面33と底板10との間の高さ距離H2は、第2平面35と底板10との間の高さ距離H1よりも大きい。換言すれば、第1平面33が斜面34を介して第2平面35に接続されると、熱伝導経路23の高さを低くすることで、空気流入口31に近接する熱伝導経路23の断面積は、インレット32に近接する熱伝導経路23の断面積よりも大きくなるので、気流が熱伝導経路23を通過する際に流路の縮径による整流効果に役立つ。本実施形態において、複数の放熱フィン20の上縁が第1平面33、斜面34および第2平面35に隣接し、気流が熱伝導経路23を通過する時、放熱フィン20に効果的に作用させることができ、散熱効率を発揮することができる。また、本実施形態において、各放熱フィン20は、互いに対向して設置される、第1端部21と第2端部22とを備え、放熱フィン20の第1端部21が空気流入口31に隣接して設置され、且つ第1面取り構造(angle of chamfer, chamfer)を有する。第1面取り構造は、底板10の水平面に対して第1傾斜角A1を有する。空気流入口31に近接する放熱フィン20のガイド傾斜角の設計により、気流が空気流入口31を介して熱伝導経路23に流れ込む時の整流効果を実現することができる。また、空気流入口31およびアウトレット42は、前端部11から後端部12向かう視線方向において底板10に対して水平高さが異なっている。空気流入口31に近接する位置の高さとインレット32に近接する位置の高さとの差は、(空気流入口31に近接する位置の高さの)50%に達することができ、ファン40のインレット32側の気流は集中的に流入し、また、放熱フィン20と協働して、熱伝導経路23の断面積を特定の比率で変化させることで、
図4~
図6に示すように、流れ場の集中効果を20%増加させることができる。
【0037】
図8は、
図7の領域Pの拡大図である。
図7および
図8に示すように、本実施形態において、羽根車43は、第2平面35と底板10との高さ距離H1よりも大きいブレード高さH3を有する。放熱フィン20の第2端部22は、インレット32に隣接して設けられ且つ第2面取り構造を有する。第2面取り構造は、底板10の水平面に対して第2傾斜角A2を形成する。本実施形態において、羽根車43のハブ(hub)431は、底板10の水平面に対して第3傾斜角A3を形成するガイド斜面を備える。第3傾斜角A3は、第1傾斜角A1または第2傾斜角A2に等しい。本実施形態において、ファン40羽根車43のハブ431は、放熱フィン20の面取り構造に対応してガイド斜面を備えており、整流効果をさらに実現することができる。放熱フィン20の空気流入口31に近接する第1端部21とインレット32に近接する第2端部22のガイド傾斜角は、羽根車43のハブ431のガイド斜面の傾斜角と組み合せることで、気流が他の領域に流れ込む時の整流効果を奏することができ、乱気流のエネルギーを15%減らすことができる。
【0038】
図9は、本発明の第1実施形態における冷却装置の各構成要素の対応関係を示す概略図である。異なる圧力設計に対応するために、インレット32は、羽根車43の中心Cに対して偏心設計を採用しており、インレット32は、例えば、羽根車43のハブ431およびブレード(blade)432に対してX軸方向に変位する(位置ずれるように設置する)。本実施形態において、インレット32は、前縁321と後縁322とを備え、X軸方向において、それぞれ、前端部11および後端部12に対向する。羽根車43の中心Cと後縁322とは、X軸方向において、第1水平距離BD1を有する(X軸方向において、羽根車43の中心Cから後縁322までの距離を第1水平距離BD1とする)。羽根車43の中心と前縁321とは、X軸方向において、第2水平距離BD2を有する(X軸方向において、羽根車43の中心から前縁321までの距離を第2水平距離BD2とする)。第1水平距離BD1は、第2水平距離BD2の85%未満である。また、本実施形態において、羽根車43の中心Cと熱伝導経路23の末端231は、X軸方向において第3水平距離BD3を有し(X軸方向において、羽根車43の中心Cから熱伝導経路23の末端231までの距離を第3水平距離BD3とする)、第3水平距離BD3は、第1水平距離BD1の120%未満である。本実施形態において、空気流入口31は、Y軸方向において、第1幅W1を有する。インレット32は、Y軸方向において、第2幅W2を有する。第1幅W1は、第2幅W2よりも大きい。以上の内容より、本発明の冷却装置1では、インレット32に羽根車43の中心Cとの偏心設計を組み合せることで、熱伝導経路23の末端231から羽根車43の中心Cまでの距離および熱伝導経路23に対するインレット32の幅比率を調整することができ、流れ場を有効に利用するとともに、効率の向上および騒音の低減を実現することができる。なお、本発明はこれに限定されない。
【0039】
図10は、本発明の第1実施形態における冷却装置の正面図である。本実施形態において、空気流入口31は、第1開口面積O1を有する。
図11は、本発明の第1実施形態における冷却装置の背面図である。本実施形態において、アウトレット42は、第2開口面積O2を有する。
図10および
図11に示すように、本実施形態において、第1開口面積O1は第2開口面積O2よりも大きい。空気流入口31に対するアウトレット42の開口面積の大きさを調整することによって、流れ場を効率的に利用することができ、効率の向上および騒音の低減を実現することができる。
【0040】
図12は、本発明の第2実施形態における冷却装置の構造分解図である。本実施形態において、冷却装置1aは、
図1~
図11に示した冷却装置1と類似し、同じ符号で同じ構成要素または構造を示しているので、ここでは詳細を省略する。本実施形態において、複数の放熱フィン20は、前端部11から後端部12に向かう方向に沿って延在する延在長さが異なる複数の放熱フィンであり、前記複数の放熱フィンは、底板10上に間隔をあけて配置され、これによって、筐体30には、第1側壁30a、第2側壁30bおよび底板10が互いに接続されることで、熱伝導経路23を形成することができる。熱伝導経路23内の放熱フィン20は、底板10が発熱素子(図示せず)に熱伝導可能に接続されることで、熱を発散することができる。放熱フィン20が必要な散熱気流は、ファン40によって空気流入口31から吸引され、放熱フィン20を通した気流がファン40を介してアウトレット42から排出される。
【0041】
図13は、本発明の第2実施形態における冷却装置を別の角度から見た時の構造分解図である。本実施形態において、筐体30は、第1平面33と、第2平面35と、斜面34とを備える。第1平面33は、前端部11に隣接して設けられ、複数の放熱フィン20と空間的に対向する。第2平面35は、後端部12に隣接して設けられ、インレット32は、第2平面35上に配置される。筐体30と底板10とで形成された熱伝導経路23は、空気流入口31とインレット32との間を連通する。斜面34は、第1平面33と第2平面35との間に接続されている。本実施形態において、筐体30は、ガイド壁36aと、第1側壁30aと、第2側壁30bとを備え、第1側壁30aと第2側壁30bは互いに対向して設けられ且つ第1平面33、斜面34および第2平面35の対向する両側のそれぞれに接続されている。ガイド壁36aは、筐体30の第1側壁30aに接続され、且つ前端部11から後端部12に向かう方向に沿って延在して第1側壁30aから離れるように設けられ、ガイド壁36aの末端は、インレット32の側縁に近接する。なお、本発明はこれに限定されない。第1平面33、斜面34および第2平面35が連結してガイド壁36aと組み合せる設計によって、熱伝導経路23の空気流入口31に近接する側の断面積は、熱伝導経路23のインレット32に近接する側の断面積よりも大きく、気流が熱伝導経路23を通過する際に流路の縮径による整流効果の実現に有利である。
【0042】
図14は、本発明の第3実施形態における冷却装置の構造分解図である。本実施形態において、冷却装置1bは、
図1~
図11に示す冷却装置1と類似し、同じ符号で同じ構成要素または構造を示しているので、ここでは詳細を省略する。本実施形態において、複数の放熱フィン20は、前端部11から後端部12に向かう方向に沿って延在する延在長さが同じである複数放熱フィンであり、底板10上に間隔をあけて配置され、これによって、筐体30には、第1側壁30a、第2側壁30bおよび底板10が互いに接続された際に、熱伝導経路23を形成することができる。なお、本発明放熱フィン20は、熱伝導経路23に収容され、且つファン40のインレット32の上流側に位置されているので、熱伝導経路23内の放熱フィン20の熱放散は、ファン40の排気流ではなく、吸気流に作用される。ファンに気流が流れ込む前に放熱フィンのない従来の導流経路設計と比較して、本発明では、放熱フィン20をインレット32の上流側にある熱伝導経路23内に設けることによって、同じファン回転数の場合、本発明の冷却装置1の散熱効率は15%向上し、騒音抑制品質も改善され、騒音を10%低減することができる。
【0043】
図15は、本発明の第3実施形態における冷却装置を別の角度から見た時の構造分解図である。本実施形態において、筐体30は、第1平面33と、第2平面35と、斜面34とを備えている。第1平面33は、前端部11に隣接して設けられ、複数の放熱フィン20と空間的に対向する。第2平面35は、後端部12に隣接して設けられ、斜面34は、第1平面33と第2平面35との間に接続されている。インレット32は、第2平面35上に配置されている。前述した実施形態と比較して、本実施形態において、筐体30には、ガイド壁36、36aを備えず、省略している。筐体30は、第1側壁30aおよび第2側壁30bを介して底板10に接続され、第1平面33と第2平面35との高さの差によって、熱伝導経路23の空気流入口31に近接する側の断面積が熱伝導経路23のインレット32に近接する側の断面積よりも大きいことを実現し、気流が熱伝導経路23を通過する際に流路の縮径による整流効果を実現することができる。なお、本発明はこれに限定されない。
【0044】
図16は、本発明の第4実施形態における冷却装置の構造分解図である。本実施形態において、冷却装置1cは、
図1~
図11に示す冷却装置1と類似し、同じ符号で同じ構成要素または構造を示しているので、ここでは詳細を省略する。本実施形態において、等長に延在する複数の放熱フィン20が底板10上に間隔をあけて設けられ、且つ前端部11から後端部12に向かう方向に沿って延在している。羽根車43も底板10上に設けられ、且つ底板10の後端部12に隣接している。筐体50が底板10上に複数の放熱フィン20および羽根車43を覆うように設けられている。筐体50と底板10とが組み付けられると、底板10の前端部11において、筐体50と底板10の前端部11とが空気流入口31を形成する。底板10の後端部12において、筐体50と底板10の後端部12とがアウトレット42を形成する。本実施形態において、放熱フィン20は、底板10が発熱素子(図示せず)に熱伝導可能に接続されることで散熱し、必要な散熱気流が空気流入口31より吸引され、放熱フィン20を通した気流がアウトレット42より排出される。
【0045】
図17は、本発明の第4実施形態における冷却装置の縦方向の断面構造図である。本実施形態において、筐体50は、内カバー51を備え、内カバー51には、羽根車43と空間的に対向するインレット32が設けられている。筐体50と底板10とが組み付けられると、筐体50の内カバー51が羽根車43を覆い、熱伝導経路23は、インレット32を介してアウトレット42に連通される。本実施形態において、熱伝導経路23は、2つの区域に分割され、放熱フィン20箇所は、底板10と筐体50の頂部平面で構成され、インレット32に近接する箇所は、内カバー51と筐体50の頂部平面で構成されている。底板10と筐体50の頂部平面との高さ距離は内カバー51と筐体50の頂部平面との高さ距離よりも大きいので、熱伝導経路23の空気流入口31に近接する側の断面積は熱伝導経路23のインレット32に近接する側の断面積よりも大きくなり、気流が熱伝導経路23を通過する際に流路の縮径による整流効果の実現に役立つ。なお、本発明はこれに限定されない。
【0046】
図18は、本発明の第5実施形態における冷却装置の立体図である。本実施形態において、冷却装置1dは、
図1~
図11に示す冷却装置1と類似し、同じ符号で同じ構成要素または構造を示しているので、ここでは詳細を省略する。本実施形態において、冷却装置1dは、筐体30'と、ファン40とで構成されている。筐体30'は、例えば、発熱素子(図示せず)を含む構成要素(これに限定されない)を覆い、筐体30'は、熱伝導経路37と空気流入口31とを備えている。空気流入口31は、筐体30'の一端に隣接して設けられ、熱伝導経路37は、空気流入口31を介して外部に連通されている。本実施形態において、筐体30'は、第1平面33と、第2平面35と、斜面34'とを備える。第1平面33は、空気流入口31に隣接して設けられ、斜面34'は、第1平面33と第2平面35との間に接続されている。第2平面35は、インレット32を備え、熱伝導経路37は、空気流入口31とインレット32との間を連通する。斜面34'は、インレット32に対して円弧形状を形成する。本実施形態において、熱伝導経路37の空気流入口31に近接する側の断面積は、熱伝導経路37のインレット32に近接する側の断面積よりも大きいので、気流が熱伝導経路37を通過する際に流路の縮径による整流効果を役立つ。また、ファン40は、トップカバー41と羽根車43とを備えており、羽根車43がトップカバー41に設けられ、トップカバー41がインレット32と空間的に対向し且つ筐体30'と組み合わせてアウトレット42を形成する。空気流入口31と熱伝導経路37とは、インレット32を介してアウトレット42に連通されている。なお、本実施形態において、空気流入口31とアウトレット42とは、それぞれ、筐体30'(インレット32を含む)の異なる側に配置されている。空気流入口31から熱伝導経路37を通ってインレット32に至る吸入気流と、インレット32からアウトレット42に至る気流とは、異なる水平高さを有する。熱伝導経路37が流路の縮径による整流効果または前述した実施形態の様々な特性的な変化の設計と組み合わせて、冷却装置1dの流れ場を有効に利用することができ、効率の向上および騒音の低減を実現することができる。
【0047】
以上のように、放熱フィン20を備えた熱伝導経路23をファン40のインレット32の上流側に設けることで、熱伝導経路23内の放熱フィン20による熱放散は、ファン40の吸気流によって作用され、散熱効率が向上するとともに、騒音の低減を実現し、音質効果を改善することができる。なお、熱伝導経路23の流通経路の縮減は、筐体30、ガイド壁36、36a、筐体30'または筐体50を変化することで実現し、実際の需要に応じて前述した技術的な特徴を組み合わせたり変更したりして実現することができる。本発明はこれに限定されず、詳細を省略する。
【0048】
上述したように、本発明は、冷却装置を提供している。放熱フィンによって形成された熱伝導経路は、遠心ファンのインレットに配置されることで、異なる散熱効果を実現する。熱伝導経路内の放熱フィンによる熱放散は、遠心ファンの排気流ではなく、吸気流の影響を受ける。熱伝導経路は、遠心ファンのインレットに接続され、放熱フィンは、遠心ファンの空気吸い込みに整流効果を奏することができる。また、熱伝導経路の断面積の変化および関連機能の相乗効果を変更することにより、熱伝導経路の性能および騒音水平を改善することができる。さらに、筐体と放熱フィンおよび底板とが導熱経路を形成し、導熱経路の末端は、筐体上のインレットを介して異なる水平高さを有するファンおよびアウトレットに連通している。インレットの上流側にある導熱経路は、放熱フィンの特性変更設計および流路の縮径により整流効果を実現することができる。ファン羽根車の中心とインレットは偏心して設計されており、且つファン羽根車のハブと放熱フィンの面取り構造とでガイド斜面を形成することで、整流効果をさらに向上させることができる。また、放熱フィンの空気流入口に近い側にある第1端部とインレットに近接する第2端部とが形成されたガイド傾斜角と、羽根車のハブのガイド斜面の傾斜角とにより、流れ場が他の領域に流れ込む時に整流効果を持たせることができ、乱流エネルギーを15%低減することができる。また、空気流入口に近接する側の高さと、インレットに近接する箇所の高さとの差は、50%に達することができるため、ファンのインレット側の気流が集中して流れ込み、放熱フィンが配置されている熱伝導経路の断面積に特定の比率を採用することで、流れ場の集中効果を20%増加させることができる。一方、異なる圧力設計に対応するために、インレットに羽根車の中心偏心設計を組み合わせ、また、熱伝導経路の末端から羽根車の中心までの距離、熱伝導経路に対するインレットの幅比率、およびアウトレットに対する空気流入口の開口面積の大きさを調整することで、流れ場を有効に利用するとともに、効率の向上および騒音の低減を実現することができる。また、放熱フィンをインレットの上流側にある熱伝導経路内に設けることで、ファンの回転速度が同じである場合、本発明の冷却装置の散熱効率は15%向上し、騒音品質も改善され、騒音を10%低減する効果を有する。
【0049】
本発明は、技術に精通する当業者が変更または改良することができ、その変更および改良はいずれも本出願の特許請求の範囲から逸脱するものではない。
【符号の説明】
【0050】
1、1a、1b、1c、1d:冷却装置
10:底板
11:前端部
12:後端部
20:放熱フィン
21:第1端部
22:第2端部
23:熱伝導経路
231:末端
30:筐体
30a:第1側壁
30b:第2側壁
31:空気流入口
32:インレット
33:第1平面
34、34':斜面
35:第2平面
36、36a:ガイド壁
37:熱伝導経路
40:ファン
41:トップカバー
42:アウトレット
43:羽根車
431:ハブ
432:ブレード
50:筐体
51:内カバー
A1:第1傾斜角
A2:第2傾斜角
A3:第3傾斜角
BD1:第1水平距離
BD2:第2水平距離
BD3:第3水平距離
C:中心
CS1、CS2、CS3:区域
H1、H2:高さ距離
O1:第1開口面積
O2:第2開口面積
P:領域
S1:第1断面積
S2:第2断面積
S3:第3断面積
W1:第1幅
W2:第2幅
X、Y、Z:軸