(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-12
(45)【発行日】2024-04-22
(54)【発明の名称】電子機器及びフォーカス方法
(51)【国際特許分類】
G02B 7/28 20210101AFI20240415BHJP
G03B 13/36 20210101ALI20240415BHJP
G03B 19/07 20210101ALI20240415BHJP
H04N 23/67 20230101ALI20240415BHJP
H04N 23/54 20230101ALI20240415BHJP
H04N 23/45 20230101ALI20240415BHJP
G02B 7/34 20210101ALI20240415BHJP
【FI】
G02B7/28 N
G03B13/36
G03B19/07
H04N23/67
H04N23/54
H04N23/45
G02B7/34
(21)【出願番号】P 2022527786
(86)(22)【出願日】2020-11-24
(86)【国際出願番号】 CN2020131165
(87)【国際公開番号】W WO2021104265
(87)【国際公開日】2021-06-03
【審査請求日】2022-05-12
(31)【優先権主張番号】201911194022.5
(32)【優先日】2019-11-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】517372494
【氏名又は名称】維沃移動通信有限公司
【氏名又は名称原語表記】VIVO MOBILE COMMUNICATION CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】No.1, vivo Road, Chang’an, Dongguan,Guangdong 523863, China
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ワン、チアオミン
(72)【発明者】
【氏名】シエ、チアタオ
【審査官】岡田 弘
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-169517(JP,A)
【文献】特開2016-192645(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0065833(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B 7/28-7/40
H04N 5/222-5/257
H04N 23/00
H04N 23/40-23/76
H04N 23/90-23/959
G03B 35/00-37/06
G03B 19/00-19/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも2つのカメラを含み、前記少なくとも2つのカメラのいずれにも位相差PD点対集合が設定される電子機器であって、
前記少なくとも2つのカメラは第1カメラ及び第2カメラを含み、
前記少なくとも2つのカメラのうちのそれぞれ2つのカメラ上のPD点対集合が存在する直線方向間の角度値は第1所定角度の範囲内であり、
前記少なくとも2つのカメラの各々について、1つのカメラ上のPD点対集合は、位相パラメータが取得されるためのものであり、
前記位相パラメータは前記1つのカメラの対応する方向の位相差であり、
前記位相差はフォーカスするように前記1つのカメラを制御するためのものであ
り、
前記第1カメラの対応する方向の位相差は、前記第1カメラにより画像を収集する時の位相パラメータを前記第2カメラにマッピングすることで計算されるものであり、
前記第2カメラの対応する方向の位相差は、前記第2カメラにより画像を収集する時の位相パラメータを前記第1カメラにマッピングすることで計算されるものである、
電子機器。
【請求項2】
前記第1カメラに第1PD点対集合が設定され、前記第2カメラに第2PD点対集合が設定され、
前記第1PD点対集合が存在する直線方向と前記第2PD点対集合が存在する直線方向との間の角度値は第2所定角度の範囲内である、請求項1に記載の電子機器。
【請求項3】
電子機器に応用されるフォーカス方法であって、前記電子機器は、少なくとも2つのカメラを含み、
前記少なくとも2つのカメラは第1カメラ及び第2カメラを含み、前記少なくとも2つのカメラのいずれにも位相差PD点対集合が設定され、前記フォーカス方法は、
少なくとも2つの目標パラメータを取得するステップであって、各目標パラメータはそれぞれ、1つのカメラ上のPD点対集合から取得された位相パラメータであり、前記少なくとも2つのカメラのうちのそれぞれ2つのカメラ上のPD点対集合が存在する直線方向間の角度値は第1所定角度の範囲内であるステップと、
前記少なくとも2つの目標パラメータに基づき、少なくとも2つの目標位相差を決定するステップであって、各目標位相差はそれぞれ、1つのカメラの対応する方向の位相差であ
り、前記第1カメラの対応する方向の位相差は、前記第1カメラにより画像を収集する時の位相パラメータを前記第2カメラにマッピングすることで計算されるものであり、前記第2カメラの対応する方向の位相差は、前記第2カメラにより画像を収集する時の位相パラメータを前記第1カメラにマッピングすることで計算されるものであるステップと、
前記少なくとも2つの目標位相差に基づき、それぞれフォーカスするように前記少なくとも2つのカメラを制御するステップと、を含む、フォーカス方法。
【請求項4】
前記第1カメラに第1PD点対集合が設定され、前記第2カメラに第2PD点対集合が設定され、前記第1PD点対集合が存在する直線方向と前記第2PD点対集合が存在する直線方向との間の角度値は第2所定角度の範囲内であり、
前記少なくとも2つの目標パラメータの各々は位相差と信頼度値を含む、請求項3に記載のフォーカス方法。
【請求項5】
前記少なくとも2つの目標パラメータに基づき、少なくとも2つの目標位相差を決定する前記ステップは、
前記少なくとも2つのカメラの固有位相パラメータが同じである場合、第1アルゴリズムを採用し、前記少なくとも2つの目標パラメータに基づき、前記少なくとも2つの目標位相差を決定するステップ、又は
前記少なくとも2つのカメラの固有位相パラメータが異なる場合、第2アルゴリズムを採用し、前記少なくとも2つの目標パラメータと各カメラの固有位相パラメータに基づき、前記少なくとも2つの目標位相差を決定するステップ、を含む、請求項3又は請求項4に記載のフォーカス方法。
【請求項6】
少なくとも2つのカメラを含み、前記少なくとも2つのカメラのいずれにも位相差PD点対集合が設定される電子機器であって、
前記少なくとも2つのカメラは第1カメラ及び第2カメラを含み、取得モジュール、決定モジュール及び制御モジュールを含み、
前記取得モジュールは、少なくとも2つの目標パラメータを取得するために用いられ、各目標パラメータはそれぞれ、1つのカメラ上のPD点対集合から取得された位相パラメータであり、前記少なくとも2つのカメラのうちのそれぞれ2つのカメラ上のPD点対集合が存在する直線方向間の角度値は第1所定角度の範囲内であり、
前記決定モジュールは、前記取得モジュールにより取得された前記少なくとも2つの目標パラメータに基づき、少なくとも2つの目標位相差を決定するために用いられ、各目標位相差はそれぞれ、1つのカメラの対応する方向の位相差であり、
前記第1カメラの対応する方向の位相差は、前記第1カメラにより画像を収集する時の位相パラメータを前記第2カメラにマッピングすることで計算されるものであり、前記第2カメラの対応する方向の位相差は、前記第2カメラにより画像を収集する時の位相パラメータを前記第1カメラにマッピングすることで計算されるものであり、
前記制御モジュールは、前記決定モジュールにより決定された前記少なくとも2つの目標位相差に基づき、それぞれフォーカスするように前記少なくとも2つのカメラを制御するために用いられる、電子機器。
【請求項7】
前記第1カメラに第1PD点対集合が設定され、前記第2カメラに第2PD点対集合が設定され、前記第1PD点対集合が存在する直線方向と前記第2PD点対集合が存在する直線方向との間の角度値は第2所定角度の範囲内であり、
前記少なくとも2つの目標パラメータの各々は位相差と信頼度値を含む、請求項6に記載の電子機器。
【請求項8】
前記決定モジュールは、具体的に、前記少なくとも2つのカメラの固有位相パラメータが同じである場合、第1アルゴリズムを採用し、前記少なくとも2つの目標パラメータに基づき、前記少なくとも2つの目標位相差を決定するために、又は、前記少なくとも2つのカメラの固有位相パラメータが異なる場合、第2アルゴリズムを採用し、前記少なくとも2つの目標パラメータと各カメラの固有位相パラメータに基づき、前記少なくとも2つの目標位相差を決定するために用いられる、請求項6又は請求項7に記載の電子機器。
【請求項9】
プロセッサと、メモリと、前記メモリに記憶され、前記プロセッサによって実行可能なコンピュータプログラムとを含み、前記コンピュータプログラムが前記プロセッサによって実行されると、請求項3から請求項5のいずれか1項に記載のフォーカス方法のステップが実現される、電子機器。
【請求項10】
コンピュータプログラムが記憶されており、前記コンピュータプログラムがプロセッサによって実行されると、請求項3から請求項5のいずれか1項に記載のフォーカス方法のステップが実現される、コンピュータ可読記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施例は、通信の技術分野に関し、特に、電子機器及びフォーカス方法に関する。
【背景技術】
【0002】
通常、ユーザが電子機器で写真を撮る時、電子機器は、比較的鮮明な写真を得るように、位相差オートフォーカス(Phase Difference Auto Focus,PDAF)方式でフォーカスを行うことができる。具体的に、電子機器は、センサに設定されるPD点対から計算して位相差を得て、該位相差をレンズモジュール内のモータの移動距離に変換することができ、それによって、電子機器は、該移動距離からフォーカスポイントを決定して、フォーカスを実現することができる。
【0003】
しかし、電子機器内のPD点対の配列は固定されており、上記方法により、電子機器は一方向の画像の位相差を得ることができるが、他の方向においては、位相差を正確に得られない場合があるため、電子機器のフォーカス精度が低い。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の実施例は、電子機器のフォーカス精度が低い問題を解決可能な電子機器及びフォーカス方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記技術問題を解決するために、本発明の実施例は、以下の技術的解決手段を採用する。
【0006】
本発明の実施例の第1側面は電子機器を提供する。該電子機器は、少なくとも2つのカメラを含み、該少なくとも2つのカメラのいずれにもPD点対集合が設定される。少なくとも2つのカメラのうちのそれぞれ2つのカメラ上のPD点対集合が存在する直線方向間の角度値は第1所定角度の範囲内である。
【0007】
本発明の実施例の第2側面は、電子機器に応用されるフォーカス方法であって、該電子機器は、少なくとも2つのカメラを含み、少なくとも2つのカメラのいずれにもPD点対集合が設定されるフォーカス方法を提供する。該フォーカス方法は、少なくとも2つの目標パラメータを取得するステップであって、各目標パラメータはそれぞれ、1つのカメラ上のPD点対集合から取得された位相パラメータであり、少なくとも2つのカメラのうちのそれぞれ2つのカメラ上のPD点対集合が存在する直線方向間の角度値は第1所定角度の範囲内であるステップと、少なくとも2つの目標パラメータに基づき、少なくとも2つの目標位相差を決定するステップであって、各目標位相差はそれぞれ、1つのカメラの対応する方向の位相差であるステップと、少なくとも2つの目標位相差に基づき、それぞれフォーカスするように少なくとも2つのカメラを制御するステップと、を含む。
【0008】
本発明の実施例の第3側面は、少なくとも2つのカメラを含み、該少なくとも2つのカメラのいずれにもPD点対集合が設定される電子機器を提供し、該電子機器は、取得モジュール、決定モジュール及び制御モジュールを含む。ここで、取得モジュールは、少なくとも2つの目標パラメータを取得するために用いられ、各目標パラメータはそれぞれ、1つのカメラ上のPD点対集合から取得された位相パラメータであり、少なくとも2つのカメラのうちのそれぞれ2つのカメラ上のPD点対集合が存在する直線方向間の角度値は第1所定角度の範囲内である。決定モジュールは、取得モジュールにより取得された少なくとも2つの目標パラメータに基づき、少なくとも2つの目標位相差を決定するために用いられ、各目標位相差はそれぞれ、1つのカメラの対応する方向の位相差である。制御モジュールは、決定モジュールにより決定された少なくとも2つの目標位相差に基づき、それぞれフォーカスするように少なくとも2つのカメラを制御するために用いられる。
【0009】
本発明の実施例の第4側面は、プロセッサと、メモリと、メモリに記憶され、プロセッサによって実行可能なコンピュータプログラムとを含み、該コンピュータプログラムがプロセッサによって実行されると、第2側面に記載のフォーカス方法のステップが実現される、電子機器を提供する。
【0010】
本発明の実施例の第5側面は、コンピュータプログラムが記憶されており、該コンピュータプログラムがプロセッサによって実行されると、第2側面に記載のフォーカス方法のステップが実現される、コンピュータ可読記憶媒体を提供する。
【発明の効果】
【0011】
本発明の実施例において、電子機器は、少なくとも2つのカメラを含んでもよく、該少なくとも2つのカメラのいずれにもPD点対集合が設定され、該少なくとも2つのカメラのうちのそれぞれ2つのカメラ上のPD点対集合が存在する直線方向間の角度値は第1所定角度の範囲内である。それぞれ2つのカメラ上のPD点対集合が存在する直線方向間の角度値は第1所定角度の範囲内であると、電子機器は複数の異なる方向の位相パラメータを取得することができるため、対応する方向の合焦位置を正確に決定することができ、それによって、電子機器のフォーカス精度を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本発明の実施例によって提供されるAndroid(登録商標)オペレーティングシステムのアーキテクチャ模式図である。
【
図2】本発明の実施例によって提供されるフォーカス方法の模式
図1である。
【
図3】本発明の実施例によって提供されるフォーカス方法の模式
図2である。
【
図4】本発明の実施例によって提供されるフォーカス方法の模式
図3である。
【
図5】本発明の実施例によって提供される電子機器の構造模式図である。
【
図6】本発明の実施例によって提供される電子機器のハードウェア模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下において、本発明の実施例における図面を参照しながら、本発明の実施例における技術的解決手段を明確に、完全に説明し、当然ながら、説明される実施例は本発明の実施例の一部であり、全ての実施例ではない。本発明における実施例に基づき、当業者が創造的な労力を要することなく得られた他の全ての実施例は、いずれも本発明の保護範囲に属する。
【0014】
本発明実施例の明細書及び特許請求の範囲における「第1」、「第2」等の用語は、対象の特定の順序を記述するものではなく、異なる対象を区別するためのものである。例えば、第1カメラ、第2カメラ等は、カメラの特定の順序を記述するものではなく、異なるカメラを区別するためのものである。
【0015】
本発明実施例の説明では、特に断らない限り、「複数」の意味は2つ又は2つ以上ということである。例えば、複数の要素とは、2つの要素又は2つ以上の要素を意味する。
【0016】
本明細書における用語「及び/又は」は、関連対象の関連関係を記述するためのものであり、3つの関係が存在可能であることを示し、例えば、表示パネル及び/又はバックライトは、表示パネルのみが存在すること、表示パネルとバックライトが同時に存在すること、及びバックライトのみが存在することの3つの場合を示してもよい。本明細書における符号「/」は、関連する対象物の間の「又は」の関係を示し、例えば、入力/出力は、入力又は出力を示す。
【0017】
本発明の実施例において、「例示的」又は「例えば」等の用語は、例、例証又は説明を示すためのものである。本発明の実施例において、「例示的」又は「例えば」で述べられるあらゆる実施例又は設計方案は、他の実施例又は設計方案よりも好ましい又は優位的であると解釈されるべきではない。厳密に言えば、「例示的」又は「例えば」等の用語は具体的な形態で関連概念を示す目的で使用される。
【0018】
本発明の実施例は、電子機器及びフォーカス方法を提供する。電子機器は、少なくとも2つのカメラを含んでもよく、該少なくとも2つのカメラのいずれにもPD点対集合が設定され、該少なくとも2つのカメラのうちのそれぞれ2つのカメラ上のPD点対集合が存在する直線方向間の角度値は第1所定角度の範囲内である。それぞれ2つのカメラ上のPD点対集合が存在する直線方向間の角度値は第1所定角度の範囲内であると、電子機器は複数の異なる方向の位相パラメータを取得することができるため、対応する方向の合焦位置を正確に決定することができ、それによって、電子機器のフォーカス精度を向上することができる。
【0019】
本発明の実施例によって提供される電子機器及びフォーカス方法は、電子機器がカメラをフォーカスするプロセスに応用可能である。
【0020】
本発明の実施例における電子機器は、オペレーティングシステムを有する電子機器であってもよい。該オペレーティングシステムは、アンドロイド(Android)オペレーティングシステムであってもよく、iosオペレーティングシステムであってもよく、他の可能なオペレーティングシステムであってもよく、本発明の実施例では具体的に限定しない。
【0021】
以下において、Androidオペレーティングシステムを例にして、本発明の実施例によって提供されるフォーカス方法が適用されるソフトウェア環境を説明する。
【0022】
図1は、本発明の実施例によって提供される可能な一Androidオペレーティングシステムのアーキテクチャ模式図である。
図1において、Androidオペレーティングシステムのアーキテクチャは4つの層を含み、それぞれアプリケーション層、アプリケーションフレームワーク層、システム実行ライブラリ層及びカーネル層(具体的に、Linux(登録商標)カーネル層であってもよい)である。
【0023】
アプリケーション層は、Androidオペレーティングシステム内の各アプリケーション(システムアプリケーションと第三者アプリケーションを含む)を含む。
【0024】
アプリケーションフレームワーク層は、アプリケーションのフレームワークであり、開発者は、アプリケーションフレームワークの開発原則を遵守するうえで、アプリケーションフレームワーク層に基づいて幾つかのアプリケーションを開発することができる。
【0025】
システム実行ライブラリ層は、ライブラリ(システムライブラリとも呼ばれる)とAndroidオペレーティングシステム実行環境を含む。ライブラリは主として、Androidオペレーティングシステムに必要な各種リソースを提供するものである。Androidオペレーティングシステム実行環境は、Androidオペレーティングシステムにソフトウェア環境を提供するためのものである。
【0026】
カーネル層は、Androidオペレーティングシステムのオペレーティングシステム層であり、Androidオペレーティングシステムのソフトウェア階層の最下位層である。カーネル層は、Linuxカーネルをもとに、Androidオペレーティングシステムにコアシステムサービスとハードウェア関連のドライバプログラムを提供する。
【0027】
Androidオペレーティングシステムを例にし、本発明の実施例において、開発者は、上述した
図1に示すAndroidオペレーティングシステムのシステムアーキテクチャをもとに、本発明の実施例によって提供されるフォーカス方法を実現するソフトウェアプログラムを開発することができ、それによって、該フォーカス方法は、
図1に示すようなAndroidオペレーティングシステムのもとで実行可能となる。つまり、プロセッサ又は電子機器は、Androidオペレーティングシステムにおいて該ソフトウェアプログラムを実行することで本発明の実施例によって提供されるフォーカス方法を実現することができる。
【0028】
本発明の実施例における電子機器は、可動型の電子機器であっても、又は非可動型の電子機器であってもよい。例示的に、可動型の電子機器は、携帯電話、タブレットコンピュータ、ノートパソコン、携帯情報端末、車載電子機器、ウェアラブル機器、ウルトラモバイルパーソナルコンピュータ(ultra-mobile personal computer,UMPC)、ネットブック又はパーソナルディジタルアシスタント(personal digital assistant,PDA)等であってもよく、非可動型の電子機器は、パーソナルコンピュータ(personal computer,PC)、テレビジョン(television,TV)、現金自動預払機又はキオスク等であってもよく、本発明の実施例では具体的に限定しない。
【0029】
以下において、図面を参照しながら、本発明の実施例によって提供される電子機器及びフォーカス方法を、具体的な実施例及びその応用シーンにより詳しく説明する。
【0030】
本発明の実施例は、電子機器を提供する。該電子機器は、少なくとも2つのカメラを含み、該少なくとも2つのカメラのいずれにもPD点対集合が設定される。
【0031】
本発明の実施例において、上記少なくとも2つのカメラのうちのそれぞれ2つのカメラ上のPD点対集合が存在する直線方向間の角度値は第1所定角度の範囲内である。
【0032】
本発明の実施例において、上記PD点対集合は、少なくとも2つのPD点対を含むことができる。
【0033】
説明すべきこととして、PD点対は、位相を検出するためのカメラのセンサ(sensor)上の特殊画素点と理解されてもよく、通常は対で存在する。PDセンサは、PD点対を備えるカメラとして理解されてもよい。
【0034】
選択的に、本発明の実施例において、上記少なくとも2つのカメラは第1カメラと第2カメラを含み、該第1カメラに第1PD点対集合が設定され、該第2カメラに第2PD点対集合が設定される。第1PD点対集合が存在する直線方向と第2PD点対集合が存在する直線方向との間の角度値は第2所定角度の範囲内である。
【0035】
説明すべきこととして、PD点対集合の詳細な説明は、後述する実施例にて説明するが、ここでは詳しく述べない。
【0036】
本発明の実施例は、電子機器を提供する。該電子機器は、少なくとも2つのカメラを含んでもよく、該少なくとも2つのカメラのいずれにもPD点対集合が設定され、該少なくとも2つのカメラのうちのそれぞれ2つのカメラ上のPD点対集合が存在する直線方向間の角度値は第1所定角度の範囲内である。それぞれ2つのカメラ上のPD点対集合が存在する直線方向間の角度値は第1所定角度の範囲内であると、電子機器は複数の異なる方向の位相パラメータを取得することができるため、対応する方向の合焦位置を正確に決定することができ、それによって、電子機器のフォーカス精度を向上することができる。
【0037】
本発明の実施例は、フォーカス方法を提供する。
図2は、本発明の実施例によって提供される一フォーカス方法のフローチャートを示し、該方法は、
図1に示すようなAndroidオペレーティングシステムを有する電子機器に応用可能である。
図2に示すように、本発明の実施例によって提供されるフォーカス方法は、下記のステップ201~ステップ203を含んでもよい。
【0038】
ステップ201で、電子機器は少なくとも2つの目標パラメータを取得する。
【0039】
本発明の実施例において、電子機器は、少なくとも2つのカメラを含んでもよく、該少なくとも2つのカメラのいずれにもPD点対集合が設定される。
【0040】
本発明の実施例において、上記少なくとも2つの目標パラメータの各々はそれぞれ、1つのカメラ上のPD点対集合から取得された位相パラメータであり、少なくとも2つのカメラのうちのそれぞれ2つのカメラ上のPD点対集合が存在する直線方向間の角度値は第1所定角度の範囲内である。
【0041】
選択的に、本発明の実施例において、上記少なくとも2つのカメラは、第1カメラと第2カメラを含んでもよく、該第1カメラに第1PD点対集合が設定され、該第2カメラに第2PD点対集合が設定され、該第1PD点対集合が存在する直線方向と第2PD点対集合が存在する直線方向との間の角度値は第2所定角度の範囲内である。
【0042】
選択的に、本発明の実施例において、電子機器がN個(N≧3)のカメラを含む場合、それぞれ2つのカメラ上のPD点対集合が存在する直線方向間の角度値は、180°/N(例えば、第1所定角度の範囲)としてもよい。
【0043】
選択的に、本発明の実施例において、上記少なくとも2つの目標パラメータの各々は位相差と信頼度値を含む。
【0044】
選択的に、本発明の実施例において、上記少なくとも2つのカメラは第1カメラと第2カメラを含み、上記少なくとも2つの目標パラメータは第1パラメータと第2パラメータを含んでもよい。
【0045】
選択的に、本発明の実施例において、上記第1パラメータは、第1カメラにより画像を収集する時の位相パラメータであり、上記第2パラメータは、第2カメラにより画像を収集する時の位相パラメータである。
【0046】
理解できることとして、ユーザにより電子機器の撮影モードがトリガされる場合、電子機器は、第1カメラによって収集待ち画像の位相パラメータを取得し、第2カメラによって収集待ち画像の位相パラメータを取得することができる。
【0047】
選択的に、本発明の実施例において、電子機器は、第1PD点対集合から第1パラメータを取得し、第2PD点対集合から第2パラメータを取得することができる。
【0048】
理解できることとして、第1カメラに複数の第1PD点対(即ち、第1PD点対集合)が設定され、該複数の第1PD点対は、一方向に配列している。第2カメラに、複数の第2PD点対(即ち、第2PD点対集合)が設定され、該複数の第2PD点対は、一方向に配列している。この2つの方向の間の角度値は第2所定角度の範囲内である。
【0049】
説明すべきこととして、第1カメラの位置と第2カメラの位置関係によって、第1PD点対集合が存在する直線方向と第2PD点対集合が存在する直線方向との間の角度値を第2所定角度の範囲内にすることができる。
【0050】
選択的に、本発明の実施例において、上記第2所定角度の範囲は、所定の角度値であってもよく、該所定の角度値は90°である。
【0051】
選択的に、本発明の実施例において、上記第1PD点対集合の配列方向は第1方向(例えば、横方向)であり、第2PD点対集合の配列方向は第2方向(例えば、縦方向)であり、第1方向と第2方向は垂直である。
【0052】
選択的に、本発明の実施例において、上記第1パラメータは、第1位相差と第1位相差に対応する第1信頼度値を含んでもよく、上記第2パラメータは、第2位相差と第2位相差に対応する第2信頼度値を含んでもよい。
【0053】
理解できることとして、上記第1位相差は第1カメラの実際の出力位相差であり、上記第2位相差は第2カメラの実際の出力位相差である。上記第1信頼度値は、第1カメラの実際の出力信頼度値であり、該第1信頼度値は、第1位相差の信頼度を指示するためのものである。上記第2信頼度値は、第2カメラの実際の出力信頼度値であり、該第2信頼度値は、第2位相差の信頼度を指示するためのものである。
【0054】
本発明の実施例において、それぞれ2つのカメラ上のPD点対集合が存在する直線方向間の角度値は第1所定角度の範囲内であると、電子機器は、複数の異なる方向の位相パラメータを取得することによって、対応する方向の合焦位置を決定することができ、従って、電子機器により合焦位置(又はフォーカス位置)を決定する精度を向上可能である。
【0055】
本発明の実施例において、第1PD点対集合が存在する直線方向と第2PD点対集合が存在する直線方向との間の角度値は第2所定角度の範囲内であると、電子機器は、2つの異なる方向の位相パラメータを取得することによって、対応する方向の合焦位置を決定することができ、従って、電子機器により合焦位置(又はフォーカス位置)を決定する精度を向上可能である。
【0056】
ステップ202で、電子機器は、少なくとも2つの目標パラメータに基づき、少なくとも2つの目標位相差を決定する。
【0057】
本発明の実施例において、上記少なくとも2つの目標位相差の各々はそれぞれ、1つのカメラの対応する方向の位相差である。
【0058】
選択的に、本発明の実施例において、
図2を参照し、そして
図3に示すように、上記ステップ202は、具体的に下記のステップ202aによって実現されてもよい。
【0059】
ステップ202aで、少なくとも2つのカメラの固有位相パラメータが同じである場合、電子機器は、第1アルゴリズムを採用し、少なくとも2つの目標パラメータに基づき、少なくとも2つの目標位相差を決定する。
【0060】
選択的に、本発明の実施例において、固有位相パラメータのそれぞれは、固有位相差と固有信頼度値を含んでもよい。
【0061】
説明すべきこととして、上述した少なくとも2つのカメラの固有位相パラメータが同じであることは、各カメラの固有位相差の数値範囲が同じであり、且つ各カメラの固有信頼度値の数値範囲が同じであると理解されてもよい。
【0062】
選択的に、本発明の実施例において、少なくとも2つのカメラは第1カメラと第2カメラを含む場合、電子機器は、第1パラメータと第2パラメータに基づき、第1カメラの対応する目標位相差と第2カメラの対応する目標位相差を決定することができる。
【0063】
理解できることとして、電子機器は、第1パラメータと第2パラメータに基づき、PD点対から各カメラの対応する方向の位相差を計算することができる。
【0064】
説明すべきこととして、各目標位相差はそれぞれ、1つのカメラの対応する合焦位相差である。
【0065】
選択的に、本発明の実施例において、第1カメラの第1固有位相パラメータと第2カメラの第2固有位相パラメータが同じである場合、電子機器は、第1アルゴリズムを採用し、第1パラメータと第2パラメータに基づき、第1カメラの対応する目標位相差と第2カメラの対応する目標位相差を決定することができる。
【0066】
選択的に、本発明の実施例において、上記第1固有位相パラメータは、第1固有位相差と第1固有信頼度値を含んでもよく、上記第2固有位相パラメータは、第2固有位相差と第2固有信頼度値を含んでもよい。
【0067】
説明すべきこととして、上述した第1カメラの第1固有位相パラメータと第2カメラの第2固有位相パラメータが同じであることは、第1固有位相差の数値範囲と第2固有位相差の数値範囲が同じであり、且つ第1固有信頼度値の数値範囲と第2固有信頼度値の数値範囲が同じであると理解されてもよい。
【0068】
理解できることとして、第1固有位相パラメータと第2固有位相パラメータが同じである場合、電子機器によって算出される第1カメラの対応する方向の位相差と第2カメラの対応する方向の位相差は同じである。
【0069】
選択的に、本発明の実施例において、上記第1アルゴリズムは、「数1」であってもよい。
【数1】
【0070】
選択的に、本発明の実施例において、
図2を参照し、そして
図4に示すように、上記ステップ202は具体的に、下記のステップ202bによって実現されてもよい。
【0071】
ステップ202bで、少なくとも2つのカメラの固有位相パラメータが異なる場合、電子機器は、第2アルゴリズムを採用し、少なくとも2つの目標パラメータと各カメラの固有位相パラメータに基づき、少なくとも2つの目標位相差を決定する。
【0072】
説明すべきこととして、上述した少なくとも2つのカメラの固有位相パラメータが異なることは、各カメラの固有位相差の数値範囲が異なり、且つ各カメラの固有信頼度値の数値範囲が異なると理解されてもよい。
【0073】
選択的に、本発明の実施例において、第1カメラの第1固有位相パラメータと第2カメラの第2固有位相パラメータが異なる場合、電子機器は、第2アルゴリズムを採用し、第1固有位相パラメータ、第2固有位相パラメータ、第1パラメータ及び第2パラメータに基づき、目標位相差を決定することができる。
【0074】
説明すべきこととして、上述した第1カメラの第1固有位相パラメータと第2カメラの第2固有位相パラメータが異なることは、第1固有位相差の数値範囲と第2固有位相差の数値範囲が異なり、且つ第1固有信頼度値の数値範囲と第2固有信頼度値の数値範囲が異なると理解されてもよい。
【0075】
選択的に、本発明の実施例において、電子機器は、第1パラメータを第2カメラにマッピングし、又は、第2パラメータを第1カメラにマッピングすることで、第1カメラの対応する位相差又は第2カメラの対応する位相差を計算することができる。
【0076】
選択的に、本発明の実施例において、第1固有位相差の数値範囲は[F10,F11]、第1固有信頼度値の数値範囲は[C10,C11]、第2固有位相差の数値範囲は[F20,F21]、第2固有信頼度値の数値範囲は[C20,C21]であり得ると仮定する。
【0077】
例示的に、第1カメラを例にして説明すると、第1パラメータを第2カメラにマッピングすることができる。上記第2アルゴリズムは〔数2〕であってもよい。
【数2】
【0078】
【0079】
【0080】
ステップ203で、電子機器は、少なくとも2つの目標位相差に基づき、それぞれフォーカスするように少なくとも2つのカメラを制御する。
【0081】
本発明の実施例において、電子機器は、少なくとも2つの目標位相差に基づき、まず少なくとも2つのカメラの各々の合焦位置(即ち、フォーカス位置)を決定し、それから、各合焦位置に基づき、フォーカスする(即ち、撮影待ち画像又はプレビューインターフェース内の一箇所をフォーカスする)ように対応するカメラをそれぞれ制御することができる。
【0082】
【0083】
【0084】
選択的に、本発明の実施例において、電子機器は、PD点対から位相差を計算し、位相差をモータ移動の距離に変換することで、合焦位置を決定することができる。
【0085】
説明すべきこととして、2つのカメラ(即ち、第1カメラと第2カメラ)が直交して配列する(即ち、第1カメラ上のPD点対と第2カメラ上のPD点対が直交して配列する)場合、2つのカメラのいずれにも垂直な勾配方向(即ち、物体グレースケールの変化方向)は存在し得ず、つまり、高信頼度値を有するカメラは常に1つ存在する。従って、本解決手段によって任意の勾配方向の位相差は検出可能となる。
【0086】
本発明の実施例においては、2つのカメラでフォーカスしており、2つのカメラのPD点対の配列方向がほぼ完全に直交していることが満たされればよく、位相差出力の精度を向上することができ、それによって、画像品質を損なうことなく、フォーカスの成功率を向上する。
【0087】
本発明の実施例は、フォーカス方法を提供する。電子機器は、取得された少なくとも2つの目標パラメータに基づき、少なくとも2つの目標位相差を決定し(各目標位相差はそれぞれ、1つのカメラの対応する方向の位相差である)、そして、少なくとも2つの目標位相差に基づき、それぞれフォーカスするように少なくとも2つのカメラを制御することができる。それぞれ2つのカメラ上のPD点対集合が存在する直線方向間の角度値は第1所定角度の範囲内であると、電子機器は複数の異なる方向の位相パラメータを取得することができるため、対応する方向の合焦位置を正確に決定することができ、それによって、電子機器のフォーカス精度を向上することができる。
【0088】
図5は、本発明の実施例に係る電子機器の一可能な構造模式図を示す。電子機器は、少なくとも2つのカメラを含み、該少なくとも2つのカメラのいずれにもPD点対集合が設定される。
図5に示すように、電子機器50は、取得モジュール51、決定モジュール52及び制御モジュール53を含んでもよい。
【0089】
取得モジュール51は、少なくとも2つの目標パラメータを取得するために用いられ、各目標パラメータはそれぞれ、1つのカメラ上のPD点対集合から取得された位相パラメータであり、少なくとも2つのカメラのうちのそれぞれ2つのカメラ上のPD点対集合が存在する直線方向間の角度値は第1所定角度の範囲内である。決定モジュール52は、取得モジュール51により取得された少なくとも2つの目標パラメータに基づき、少なくとも2つの目標位相差を決定するために用いられ、各目標位相差はそれぞれ、1つのカメラの対応する方向の位相差である。制御モジュール53は、決定モジュール52により決定された少なくとも2つの目標位相差に基づき、それぞれフォーカスするように少なくとも2つのカメラを制御するために用いられる。
【0090】
可能な一実現形態において、上記少なくとも2つのカメラは第1カメラと第2カメラを含み、該第1カメラに第1PD点対集合が設定され、該第2カメラに第2PD点対集合が設定され、該第1PD点対集合が存在する直線方向と第2PD点対集合が存在する直線方向との間の角度値は第2所定角度の範囲内である。上記少なくとも2つの目標パラメータの各々は位相差と信頼度値を含む。
【0091】
可能な一実現形態において、上記決定モジュール52は、具体的に、少なくとも2つのカメラの固有位相パラメータが同じである場合、第1アルゴリズムを採用し、少なくとも2つの目標パラメータに基づき、少なくとも2つの目標位相差を決定するために、又は、少なくとも2つのカメラの固有位相パラメータが異なる場合、第2アルゴリズムを採用し、少なくとも2つの目標パラメータと各カメラの固有位相パラメータに基づき、少なくとも2つの目標位相差を決定するために用いられる。
【0092】
本発明の実施例によって提供される電子機器は、上記方法実施例において電子機器によって実現される各プロセスを実現することができる。重複を避けるために、ここでは詳しく述べない。
【0093】
本発明の実施例は電子機器を提供する。該電子機器は、少なくとも2つのカメラを含んでもよく、該少なくとも2つのカメラのいずれにもPD点対集合が設定され、該少なくとも2つのカメラのうちのそれぞれ2つのカメラ上のPD点対集合が存在する直線方向間の角度値は第1所定角度の範囲内である。それぞれ2つのカメラ上のPD点対集合が存在する直線方向間の角度値は第1所定角度の範囲内であると、電子機器は複数の異なる方向の位相パラメータを取得することができるため、対応する方向の合焦位置を正確に決定することができ、それによって、電子機器のフォーカス精度を向上することができる。
【0094】
図6は、本発明の各実施例を実現する電子機器のハードウェア模式図である。
図6に示すように、電子機器100は、無線周波ユニット101、ネットワークモジュール102、オーディオ出力ユニット103、入力ユニット104、センサ105、表示ユニット106、ユーザ入力ユニット107、インターフェースユニット108、メモリ109、プロセッサ110、及び電源111等の部材を備えるが、これらに限られない。
【0095】
説明すべきこととして、当業者であれば、
図6に示す電子機器の構造は、電子機器を限定するものではなく、電子機器は、
図6に示す部材よりも多く又は少ない部材、又は一部の部材の組合せ、又は異なる部材配置を含んでもよいことが理解可能である。本発明の実施例において、電子機器は、携帯電話、タブレットコンピュータ、ノートパソコン、携帯情報端末、車載端末、ウェアラブル機器、及び万歩計(登録商標)等を含むが、これらに限られない。
【0096】
プロセッサ110は、少なくとも2つの目標パラメータを取得するステップであって、各目標パラメータはそれぞれ、1つのカメラ上のPD点対集合から取得された位相パラメータであり、少なくとも2つのカメラのうちのそれぞれ2つのカメラ上のPD点対集合が存在する直線方向間の角度値は第1所定角度の範囲内であるステップと、少なくとも2つの目標パラメータに基づき、少なくとも2つの目標位相差を決定するステップであって、各目標位相差は、1つのカメラの対応する方向の位相差であるステップと、少なくとも2つの目標位相差に基づき、それぞれフォーカスするように少なくとも2つのカメラを制御するステップと、に用いる。
【0097】
本発明の実施例は、電子機器を提供する。該電子機器は、取得された少なくとも2つの目標パラメータに基づき、少なくとも2つの目標位相差を決定し(各目標位相差はそれぞれ、1つのカメラの対応する方向の位相差である)、そして、少なくとも2つの目標位相差に基づき、それぞれフォーカスするように少なくとも2つのカメラを制御することができる。それぞれ2つのカメラ上のPD点対集合が存在する直線方向間の角度値は第1所定角度の範囲内であると、電子機器は複数の異なる方向の位相パラメータを取得することができるため、対応する方向の合焦位置を正確に決定することができ、それによって、電子機器のフォーカス精度を向上することができる。
【0098】
理解すべきこととして、本発明の実施例において、無線周波ユニット101は、情報の送受信又は通話過程中の、信号の受信及び送信に用いることができ、具体的に、基地局からのダウンリンクデータを受信したら、プロセッサ110に送信して処理を行う。また、アップリンクデータを基地局に送信する。通常、無線周波ユニット101はアンテナ、少なくとも1つのアンプ、送受信機、カップラー、ローノイズアンプ、デュプレクサ等を含むが、これらに限られない。また、無線周波ユニット101は、無線通信システムを介してネットワーク及びその他の機器と通信してもよい。
【0099】
電子機器は、ネットワークモジュール102によって無線ブロードバンドインターネットアクセスをユーザに提供し、例えば、ユーザの電子メールの送受信、ウェブページの閲覧、及びストリーミングメディアへのアクセス等を助ける。
【0100】
オーディオ出力ユニット103は、無線周波ユニット101又はネットワークモジュール102によって受信された、又はメモリ109に記憶されたオーディオデータをオーディオ信号に変換して音として出力することができる。また、オーディオ出力ユニット103は、電子機器100によって実行される特定の機能に関連するオーディオ出力(例えば、呼出信号の受信音、メッセージ受信音等)を提供することもできる。オーディオ出力ユニット103は、スピーカー、ブザー及び受話器等を含む。
【0101】
入力ユニット104は、オーディオ又はビデオ信号を受信するためのものである。入力ユニット104は、グラフィックスプロセッシングユニット(Graphics Processing Unit,GPU)1041及びマイクロフォン1042を含んでもよい。グラフィックスプロセッシングユニット1041は、ビデオ取り込みモード又は画像取り込みモードにおいて画像取り込み装置(例えば、カメラ)で取得されたスチル画像又はビデオの画像データを処理する。処理後の画像フレームを表示ユニット106に表示してもよい。グラフィックスプロセッシングユニット1041によって処理された画像フレームは、メモリ109(又は他の記憶媒体)に記憶され、又は無線周波ユニット101もしくはネットワークモジュール102によって送信されてもよい。マイクロフォン1042は、音を受信可能であり、オーディオデータとなるようにこのような音を処理することができる。処理後のオーディオデータは、通話モードで無線周波ユニット101によって移動通信基地局に送信可能なフォーマットに変換して出力することができる。
【0102】
電子機器100は、光センサ、運動センサ及び他のセンサのような少なくとも1つのセンサ105をさらに含む。具体的に、光センサは、環境光センサ及び近接センサを含み、環境光センサは、環境光線の明るさに応じて表示パネル1061の明るさを調節することができ、近接センサは、電子機器100が耳元に移動されるときに表示パネル1061及び/又はバックライトをオフにすることができる。運動センサの1つとして、加速度センサは、各方向(一般的に3軸)における加速度の大きさを検出することができ、静止時、重力の大きさ及び方向を検出することができ、電子機器の姿勢(例えばスクリーンの横方向きと縦向きの切り替え、関連ゲーム、磁力計の姿勢校正)の識別、振動識別の関連機能(例えば万歩計、叩き)等に用いることができる。センサ105は、指紋センサ、圧力センサ、虹彩センサ、分子センサ、ジャイロ、気圧計、湿度計、温度計、赤外線センサ等をさらに含んでもよいが、ここでは詳しく述べない。
【0103】
表示ユニット106は、ユーザによって入力される情報又はユーザに提供される情報を表示するためのものである。表示ユニット106は、表示パネル1061を含んでもよく、表示パネル1061は、液晶ディスプレイ(Liquid Crystal Display,LCD)、有機発光ダイオード(Organic Light-Emitting Diode,OLED)等として配置されてもよい。
【0104】
ユーザ入力ユニット107は、入力される数字又は文字情報の受信、及び電子機器のユーザ設定や機能制御に関するキーイング信号入力の生成に用いることができる。具体的に、ユーザ入力ユニット107は、タッチパネル1071及び他の入力機器1072を含む。タッチパネル1071は、タッチスクリーンとも呼ばれ、その上又は付近でのユーザのタッチ操作(例えば、ユーザが指、タッチペン等、あらゆる適切な物体又はアタッチメントを使用してタッチパネル1071上又はタッチパネル1071付近で行う操作)を検出することができる。タッチパネル1071は、タッチ検出装置及びタッチコントローラという2つの部分を含んでもよい。タッチ検出装置は、ユーザのタッチ方位を検出するとともに、タッチ操作による信号を検出し、信号をタッチコントローラに送信する。タッチコントローラは、タッチ検出装置からタッチ情報を受信し、それをタッチポイント座標に変換してから、プロセッサ110に送信し、また、プロセッサ110からのコマンドを受信して実行する。また、タッチパネル1071は、抵抗式、容量式、赤外線及び表面弾性波等の様々なタイプで実現されてもよい。タッチパネル1071のほか、ユーザ入力ユニット107は、他の入力機器1072を含んでもよい。具体的に、他の入力機器1072は、物理キーボード、機能ボタン(例えば音量制御ボタン、スイッチボタン等)、トラックボール、マウス、操作レバーを含んでもよいが、これらに限られない。ここでは詳しく述べない。
【0105】
さらに、タッチパネル1071が表示パネル1061を覆い、タッチパネル1071によってその上又は付近でのタッチ操作が検出されると、プロセッサ110に送信してタッチイベントのタイプを決定してから、プロセッサ110がタッチイベントのタイプに応じて表示パネル1061において対応する視覚出力を提供するようにしてもよい。
図6において、タッチパネル1071と表示パネル1061は、2つの独立した部材として電子機器の入力及び出力機能を実現するが、一部の実施例において、タッチパネル1071と表示パネル1061を一体化して電子機器の入力及び出力機能を実現してもよく、ここでは具体的に限定しない。
【0106】
インターフェースユニット108は、外部装置と電子機器100との接続インターフェースである。例えば、外部装置は、有線又は無線のヘッドホンポート、外部電源(又は電池充電器)ポート、有線又は無線のデータポート、メモリカードポート、識別モジュールを有する装置を接続するためのポート、オーディオ入力/出力(I/O)ポート、ビデオI/Oポート、イヤホンポート等を含んでもよい。インターフェースユニット108は、外部装置からの入力(例えば、データ情報、電力等)を受信するとともに、受信した入力を電子機器100内の1つの又は複数の素子へ伝送するか、又はいは電子機器100と外部装置との間でデータを伝送するために用いられてもよい。
【0107】
メモリ109は、ソフトウェアプログラム及び各種のデータを記憶するために用いることができる。メモリ109は、主に、プログラム記憶エリア及びデータ記憶エリアを含んでもよい。プログラム記憶エリアはオペレーティングシステム、少なくとも1つの機能に必要なアプリケーション(例えば音声再生機能、画像再生機能等)等を記憶することができる。データ記憶エリアは、携帯電話の使用により作成されるデータ(例えばオーディオデータ、電話帳等)等を記憶することができる。また、メモリ109は、高速ランダムアクセスメモリを含んでもよく、さらに、少なくとも1つの磁気ディスク記憶装置、フラッシュメモリのような不揮発性メモリ、又は他の揮発性ソリッドステートメモリデバイスを含んでもよい。
【0108】
プロセッサ110は電子機器の制御センターであり、各種のインターフェース及び線路によって電子機器全体の各部分を接続し、メモリ109に記憶されたソフトウェアプログラム及び/又はモジュールを実行又は作動し、及びメモリ109に記憶されたデータを呼び出すことで、電子機器の各種機能を実行し、データを処理することによって、電子機器を全体的に監視する。プロセッサ110は、1つの又は複数の処理ユニットを含んでもよい。選択的に、プロセッサ110に、アプリケーションプロセッサ及びモデムプロセッサが集積されてもよい。アプリケーションプロセッサは、主にオペレーティングシステム、ユーザインターフェース及びアプリケーション等を処理するものであり、モデムプロセッサは、主に無線通信を処理するものである。上記モデムプロセッサはプロセッサ110に集積されなくてもよいことが理解可能である。
【0109】
電子機器100は、各部材に給電するための電源111(例えば電池)を備えてもよい。選択的に、電源111は、電源管理システムによってプロセッサ110と論理的に接続されることによって、電源管理システムで充放電の管理、及び電力消費の管理等の機能を実現してもよい。
【0110】
また、電子機器100は、幾つかの未図示の機能モジュールを備えるが、ここでは詳しく述べない。
【0111】
選択的に、本発明の実施例は電子機器をさらに提供する。該電子機器は、
図6に示すプロセッサ110と、メモリ109と、メモリ109に記憶され、前記プロセッサ110によって実行可能なコンピュータプログラムとを含み、該コンピュータプログラムがプロセッサ110によって実行されると、上記方法実施例の各プロセスが実現され、同様な技術効果を達成できる。重複を避けるために、ここでは詳しく述べない。
【0112】
本発明の実施例は、コンピュータ可読記憶媒体をさらに提供する。該コンピュータ可読記憶媒体には、コンピュータプログラムが記憶されており、該コンピュータプログラムがプロセッサによって実行されると、上記方法実施例の各プロセスが実現され、同様な技術効果を達成できる。重複を避けるために、ここでは詳しく述べない。前記コンピュータ可読記憶媒体は、例えばリードオンリーメモリ(Read-Only Memory,ROM)、ランダムアクセスメモリ(Random Access Memory,RAM)、磁気ディスク又は光ディスク等である。
【0113】
説明すべきこととして、本文において、用語「含む」、「包含」又はそのあらゆる他の変形は、非排他的な包含をカバーすることを意図し、これによって、一連の要素を含むプロセス、方法、物品又は装置は、これらの要素を含むのみならず、明確に挙げられなかった他の要素、又は、このようなプロセス、方法、物品又は装置に固有の要素をさらに含む。特に制限しない限り、「…の1つを含む」という表現によって限定される要素は、該要素を含むプロセス、方法、物品又は装置において、他の同一要素がさらに存在することを排除しない。
【0114】
以上の実施形態の説明によって、当業者であれば、上記実施例の方法は、ソフトウェアと必要な汎用のハードウェアプラットフォームとの組合せによって実現することができ、もちろんハードウェアによって実現することもできるが、通常、前者がより好ましい実施形態であることを理解できる。このような理解に基づき、本発明の技術手段は、本質的部分、換言すれば、従来技術に寄与する部分がソフトウェア製品として実現することができる。該コンピュータソフトウェア製品は、記憶媒体(例えば、ROM/RAM、磁気ディスク、光ディスク)に記憶され、本発明の各実施例に記載の方法を電子機器(携帯電話、コンピュータ、サーバー、エアーコンディショナー、又はネットワーク機器等であってもよい)に実行させるための幾つかの指令を含む。
【0115】
以上、図面を参照しながら本発明の実施例を説明したが、本発明は、上記具体的な実施形態に限定されず、上記具体的な実施形態は、例示的なものに過ぎず、制限的なものではない。当業者は、本発明の教示によって、本発明の主旨及び特許請求の範囲で保護される範囲を逸脱することなく、多種の形式を実現することができ、これらはいずれも本発明の保護範囲内に含まれる。
【0116】
〔関連出願の相互参照〕
本出願は、2019年11月28日に中国で出願した中国特許出願番号201911194022.5の優先権を主張し、その全ての内容は引用によって本文に取り込まれる。