(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-12
(45)【発行日】2024-04-22
(54)【発明の名称】部品供給装置および部品実装装置
(51)【国際特許分類】
H05K 13/02 20060101AFI20240415BHJP
【FI】
H05K13/02 B
(21)【出願番号】P 2022569360
(86)(22)【出願日】2020-12-15
(86)【国際出願番号】 JP2020046698
(87)【国際公開番号】W WO2022130490
(87)【国際公開日】2022-06-23
【審査請求日】2023-04-06
(73)【特許権者】
【識別番号】000010076
【氏名又は名称】ヤマハ発動機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104433
【氏名又は名称】宮園 博一
(72)【発明者】
【氏名】渕上 叔泰
【審査官】加藤 三慶
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-071257(JP,A)
【文献】特開2011-146544(JP,A)
【文献】特開2014-112579(JP,A)
【文献】特開2000-013093(JP,A)
【文献】特開平11-289190(JP,A)
【文献】特開2014-093424(JP,A)
【文献】特開昭54-012836(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05K 13/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
リールに巻き回され、基板に実装する部品が保持された部品供給テープを部品供給位置に向けて送り出すフィーダ部と、
複数の前記フィーダ部を保持するための複数のフィーダ保持部を含み、部品を実装する部品実装装置本体に接続される台車と、
部品供給テープの幅方向をガイドする側面部を有し、前記フィーダ部と分離して設けられた排出ガイドと、を備え、
前記排出ガイドは、回動軸を中心に上下に回動するように構成されている、部品供給装置。
【請求項2】
前記排出ガイドの下方に設けられ、複数の部品供給テープをガイドする排出スロープを含み、部品が取り出された後に前記フィーダ部から排出される部品供給テープをガイドするとともに、前記フィーダ部と分離して設けられたガイド部を備える、請求項1に記載の部品供給装置。
【請求項3】
前記排出ガイドの前記側面部は、
平坦面形状に形成されている、請求項2に記載の部品供給装置。
【請求項4】
前記排出ガイドは、部品供給テープの幅方向に対向し、かつ、部品供給テープを幅方向に挟むように前記側面部が一対設けられるとともに、一対の前記側面部の上端部同士を接続する上面部をさらに含み、前記排出スロープを覆うように配置され、
一対の前記側面部および前記上面部は、各々平坦面形状を有する板状部材により形成されている、請求項3に記載の部品供給装置。
【請求項5】
前記ガイド部の下流に接続するとともに、排出される部品供給テープを切断するカッター部をさらに備え、
前記ガイド部は、前記カッター部に部品供給テープをガイドするように構成されている、請求項2~4のいずれか1項に記載の部品供給装置。
【請求項6】
前記カッター部には、前記ガイド部が前記カッター部に接続されていない場合に、前記カッター部を覆う閉状態となり、前記ガイド部が前記カッター部に接続されている場合に、部品供給テープを前記カッター部にガイドする開状態となるカッターカバー部が設けられている、請求項5に記載の部品供給装置。
【請求項7】
前記カッターカバー部は、前記ガイド部に押されることにより閉状態から開状態に移動するように構成されている、請求項6に記載の部品供給装置。
【請求項8】
リールに巻き回され、基板に実装する部品が保持された部品供給テープを部品供給位置に向けて送り出すフィーダ部と、
複数の前記フィーダ部を保持するための複数のフィーダ保持部を含み、部品を実装する部品実装装置本体に接続される台車と、
部品供給テープの幅方向をガイドする側面部を有し、前記フィーダ部と分離して設けられた排出ガイドと、
前記排出ガイドの下方に設けられ、複数の部品供給テープをガイドする排出スロープを含み、部品が取り出された後に前記フィーダ部から排出される部品供給テープをガイドするとともに、前記フィーダ部と分離して設けられたガイド部と、を備え、
前記ガイド部は、回動軸を中心に上下に回動するように構成されている、部品供給装置。
【請求項9】
前記排出ガイドは、前記回動軸に係合することにより、前記排出スロープに取り付けられる、請求項8に記載の部品供給装置。
【請求項10】
前記回動軸は、最小幅の前記フィーダ部の幅に応じて設けられた複数の溝を含み、
前記排出ガイドは、前記回動軸の複数の溝のうち一部の溝に係合するように構成されている、請求項9に記載の部品供給装置。
【請求項11】
前記回動軸の延びる方向に見て前記回動軸の下方に回動可能に設けられた第1回動端部と、前記第1回動端部に対して部品供給テープの排出方向に離間した位置の前記排出スロープに設けられた第2回動端部と、前記第1回動端部に対して前記第2回動端部を離す方向に付勢する付勢部材と、を含み、前記ガイド部が上方の回動位置に位置する状態において、前記ガイド部を上方にはね上げるように付勢する、付勢部をさらに備える、請求項8~10のいずれか1項に記載の部品供給装置。
【請求項12】
前記付勢部は、前記回動軸の延びる方向に見て、前記回動軸と前記第1回動端部とが、鉛直方向に沿って並んで配置されており、前記ガイド部が下方の回動位置に位置する状態において、前記ガイド部を上方にはね上げる方向とは反対方向に付勢するように構成されている、請求項11に記載の部品供給装置。
【請求項13】
前記ガイド部は、前記排出スロープおよび前記排出ガイドを覆うように設けられたスロープカバー部をさらに含む、請求項8~12のいずれか1項に記載の部品供給装置。
【請求項14】
前記スロープカバー部は、前記回動軸に係合することにより、前記排出スロープに取り付けられる、請求項13に記載の部品供給装置。
【請求項15】
前記ガイド部は、前記台車に取り付けられている、請求項8~14のいずれか1項に記載の部品供給装置。
【請求項16】
基板に部品を実装する部品実装部と、
前記部品実装部に対して実装する部品を供給する部品供給部と、を備え、
前記部品供給部は、リールに巻き回され、基板に実装する部品が保持された部品供給テープを部品供給位置に向けて送り出すフィーダ部と、複数の前記フィーダ部を保持するための複数のフィーダ保持部を含み、部品を実装する部品実装装置本体に接続される台車と、部品供給テープの幅方向をガイドする側面部を有し、前記フィーダ部と分離して設けられた排出ガイドと、を備え、
前記排出ガイドは、回動軸を中心に上下に回動するように構成されている、部品実装装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、部品供給装置および部品実装装置に関し、特に、基板に実装する部品が保持された部品供給テープを部品供給位置に向けて送り出すフィーダ部を備える部品供給装置および部品実装装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、基板に実装する部品が保持された部品供給テープを部品供給位置に向けて送り出すフィーダ部を備える部品供給装置が知られている。このような部品供給装置は、たとえば、特許第5438525号公報に開示されている。
【0003】
上記特許第5438525号公報には、基板に実装する部品が保持された部品供給テープを部品供給位置に向けて送り出すテープフィーダ(フィーダ部)と、複数のテープフィーダを搭載可能な一括交換台車と、テープフィーダから排出される空の部品供給テープを下方に案内して排出させるガイド部とを備える部品供給装置が開示されている。また、このガイド部は、複数の隣接する部品供給テープを厚み方向(部品供給テープの表面と直交する方向)に挟むように設けられた前方案内板および後方案内板を含んでいる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記特許第5438525号公報の部品供給装置では、ガイド部は、複数の隣接する部品供給テープを厚み方向に挟むように設けられた前方案内板および後方案内板により構成されているため、複数のテープフィーダから排出される複数の部品供給テープが、ガイド部の前方案内板および後方案内板に挟まれた空間において、互いに干渉して絡まるおそれがあるという不都合がある。このため、テープフィーダ(フィーダ部)から排出される部品供給テープを確実に排出することが困難であるという問題点がある。
【0006】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、この発明の1つの目的は、フィーダ部から排出される部品供給テープを確実に排出することが可能な部品供給装置および部品実装装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、この発明の第1の局面による部品供給装置は、リールに巻き回され、基板に実装する部品が保持された部品供給テープを部品供給位置に向けて送り出すフィーダ部と、複数のフィーダ部を保持するための複数のフィーダ保持部を含み、部品を実装する部品実装装置本体に接続される台車と、部品供給テープの幅方向をガイドする側面部を有し、フィーダ部と分離して設けられた排出ガイドと、を備え、排出ガイドは、回動軸を中心に上下に回動するように構成されている。
【0008】
この発明の第1の局面による部品供給装置では、上記のように、部品供給テープの幅方向をガイドする側面部を有し、フィーダ部と分離して設けられた排出ガイドを設ける。これにより、複数のフィーダ部から排出される複数の部品供給テープの通路を、排出ガイドの側面部により仕切ることができるので、複数のフィーダ部から排出される複数の部品供給テープが互いに干渉して絡まるのを抑制することができる。その結果、フィーダ部から排出される部品供給テープを確実に排出することができる。また、排出ガイドを、フィーダ部と分離して設けることにより、一部のフィーダ部を台車から取り外す場合に、排出ガイドも一緒に取り外す必要がない。これにより、台車を部品実装装置本体に接続した状態で、一部のフィーダ部を容易に台車から取り外すことができる。
【0009】
上記第1の局面による部品供給装置において、好ましくは、排出ガイドの下方に設けられ、複数の部品供給テープをガイドする排出スロープ、を含み、部品が取り出された後にフィーダ部から排出される部品供給テープをガイドするとともに、フィーダ部と分離して設けられたガイド部を備える。このように構成すれば、ガイド部を、フィーダ部と分離して設けることにより、一部のフィーダ部を台車から取り外す場合に、ガイド部も一緒に取り外す必要がない。これにより、台車を部品実装装置本体に接続した状態で、一部のフィーダ部をより容易に台車から取り外すことができる。
【0010】
上記ガイド部を備える部品供給装置において、好ましくは、排出ガイドの側面部は、平坦面形状に形成されている。このように構成すれば、排出ガイドの側面部によりガイドされる部品供給テープが側面部に引っ掛かるのを抑制することができるので、フィーダ部から排出される部品供給テープをより確実に排出することができる。
【0011】
この場合、好ましくは、排出ガイドは、部品供給テープの幅方向に対向し、かつ、部品供給テープを幅方向に挟むように側面部が一対設けられるとともに、一対の側面部の上端部同士を接続する上面部をさらに含み、排出スロープを覆うように配置され、一対の側面部および上面部は、各々平坦面形状を有する板状部材により形成されている。このように構成すれば、部品供給テープを排出ガイドの側面部および上面部により囲むことができるので、部品供給テープが排出ガイドの外に出るのを抑制することができるとともに、排出ガイドに隣接して排出される部品供給テープが排出ガイド内に侵入するのを抑制することができる。また、排出ガイドの側面部および上面部が各々平坦面形状を有する板状部材により形成されていることにより、排出ガイド内の部品供給テープおよび排出ガイドに隣接して排出される部品供給テープが排出ガイドに引っ掛かるのを抑制することができる。
【0012】
上記ガイド部を備える部品供給装置において、好ましくは、ガイド部の下流に接続するとともに、排出される部品供給テープを切断するカッター部をさらに備え、ガイド部は、カッター部に部品供給テープをガイドするように構成されている。このように構成すれば、フィーダ部から排出され、ガイド部によりカッター部にガイドされた部品供給テープをカッター部により切断することにより、排出される部品供給テープが嵩張るのを抑制することができるので、排出された部品供給テープを収容するスペースを大きく設ける必要がない。
【0013】
この場合、好ましくは、カッター部には、ガイド部がカッター部に接続されていない場合に、カッター部を覆う閉状態となり、ガイド部がカッター部に接続されている場合に、部品供給テープをカッター部にガイドする開状態となるカッターカバー部が設けられている。このように構成すれば、カッター部にガイド部が接続されていない場合には、カッターカバー部によりカッター部の刃が露出しないようにすることができる。
【0014】
上記カッター部にカッターカバー部が設けられている構成の部品供給装置において、好ましくは、カッターカバー部は、ガイド部に押されることにより閉状態から開状態に移動するように構成されている。このように構成すれば、カッターカバー部にガイド部を接続する場合に、予めカッターカバー部を閉状態から開状態にする必要がないので、カッターカバー部にガイド部を接続する際の作業負担が増大するのを抑制することができる。
【0015】
この発明の第2の局面による部品供給装置は、リールに巻き回され、基板に実装する部品が保持された部品供給テープを部品供給位置に向けて送り出すフィーダ部と、複数のフィーダ部を保持するための複数のフィーダ保持部を含み、部品を実装する部品実装装置本体に接続される台車と、部品供給テープの幅方向をガイドする側面部を有し、フィーダ部と分離して設けられた排出ガイドと、排出ガイドの下方に設けられ、複数の部品供給テープをガイドする排出スロープを含み、部品が取り出された後にフィーダ部から排出される部品供給テープをガイドするとともに、フィーダ部と分離して設けられたガイド部と、を備え、ガイド部は、回動軸を中心に上下に回動するように構成されている。これにより、フィーダ部から排出される部品供給テープを確実に排出することができる。また、ガイド部を部品実装装置本体に接続する場合に、ガイド部を上方に回動させることにより、ガイド部が下方に位置する部材に干渉するのを抑制することができる。また、ガイド部を部品実装装置本体に接続した後は、ガイド部を下方に回動させた状態にすることができるので、排出された部品供給テープを容易に下方に向けてガイドすることができる。
【0016】
上記第2の局面による部品供給装置において、好ましくは、排出ガイドは、回動軸に係合することにより、排出スロープに取り付けられる。このように構成すれば、排出ガイドを係合させるための部材と、回動軸とを別個に設ける必要がないので、部品点数が増加するのを抑制することができる。
【0017】
この場合、好ましくは、回動軸は、最小幅のフィーダ部の幅に応じて設けられた複数の溝を含み、排出ガイドは、回動軸の複数の溝のうち一部の溝に係合するように構成されている。このように構成すれば、複数のフィーダ保持部のうちフィーダ部を配置するフィーダ保持部の位置に応じて、排出ガイドを取り付ける幅方向の位置を容易に調整することができる。
【0018】
上記第2の局面による部品供給装置において、好ましくは、回動軸の延びる方向に見て回動軸の下方に回動可能に設けられた第1回動端部と、第1回動端部に対して部品供給テープの排出方向に離間した位置の排出スロープに設けられた第2回動端部と、第1回動端部に対して第2回動端部を離す方向に付勢する付勢部材と、を含み、ガイド部が上方の回動位置に位置する状態において、ガイド部を上方にはね上げるように付勢する、付勢部をさらに備える。このように構成すれば、付勢部によりガイド部を上方の回動位置に維持することができるので、ガイド部が意図せずに下方に回動するのを抑制することができる。
【0019】
この場合、好ましくは、付勢部は、回動軸の延びる方向に見て、回動軸と第1回動端部とが、鉛直方向に沿って並んで配置されており、ガイド部が下方の回動位置に位置する状態において、ガイド部を上方にはね上げる方向とは反対方向に付勢するように構成されている。このように構成すれば、ガイド部を下方の回動位置に移動させた場合に、付勢部によりガイド部を下方の回動位置に維持することができる。
【0020】
上記第2の局面による部品供給装置において、好ましくは、ガイド部は、排出スロープおよび排出ガイドを覆うように設けられたスロープカバー部をさらに含む。このように構成すれば、排出スロープが露出するのを抑制することができるので、部品供給テープがガイド部から外にはみ出すのを抑制することができる。
【0021】
この場合、好ましくは、スロープカバー部は、回動軸に係合することにより、排出スロープに取り付けられる。このように構成すれば、スロープカバー部を係合させるための部材と、回動軸とを別個に設ける必要がないので、部品点数が増加するのを抑制することができる。
【0022】
上記第2の局面による部品供給装置において、好ましくは、ガイド部は、台車に取り付けられている。このように構成すれば、台車を部品実装装置本体から外した状態で、台車に複数のフィーダ部を設置する段取り時に、台車に設置するフィーダ部に応じてガイド部の段取りも行うことができる。これにより、ガイド部を部品実装装置本体に設ける場合に比べて、部品実装装置本体の実装動作を停止させる時間を短くすることができる。
【0023】
この発明の第3の局面による部品実装装置は、基板に部品を実装する部品実装部と、部品実装部に対して実装する部品を供給する部品供給部と、を備え、部品供給部は、リールに巻き回され、基板に実装する部品が保持された部品供給テープを部品供給位置に向けて送り出すフィーダ部と、複数のフィーダ部を保持するための複数のフィーダ保持部を含み、部品を実装する部品実装装置本体に接続される台車と、部品供給テープの幅方向をガイドする側面部を有し、フィーダ部と分離して設けられた排出ガイドと、を備え、排出ガイドは、回動軸を中心に上下に回動するように構成されている。
【0024】
この発明の第3の局面による部品実装装置では、上記のように、部品供給テープの幅方向をガイドする側面部を有し、フィーダ部と分離して設けられた排出ガイドを設ける。これにより、複数のフィーダ部から排出される複数の部品供給テープの通路を、排出ガイドの側面部により仕切ることができるので、複数のフィーダ部から排出される複数の部品供給テープが互いに干渉して絡まるのを抑制することができる。その結果、フィーダ部から排出される部品供給テープを確実に排出することが可能な部品実装装置を提供することができる。また、排出ガイドを、フィーダ部と分離して設けることにより、一部のフィーダ部を台車から取り外す場合に、排出ガイドも一緒に取り外す必要がない。これにより、台車を部品実装装置本体に接続した状態で、一部のフィーダ部を容易に台車から取り外すことが可能な部品実装装置を提供することができる。
【発明の効果】
【0025】
本発明によれば、上記のように、フィーダ部から排出される部品供給テープを確実に排出することができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【
図1】本発明の一実施形態による部品供給装置が設けられた部品実装装置の構成を示した平面図である。
【
図2】本発明の一実施形態による部品供給装置を示した側面図である。
【
図3】本発明の一実施形態による部品供給装置のガイド部のスロープカバー部を外した状態を示した斜視図である。
【
図4】本発明の一実施形態による部品供給装置の排出ガイドを示した側面図である。
【
図5】本発明の一実施形態による部品供給装置が部品実装装置本体から離間した位置にいる状態を示した側面図である。
【
図6】本発明の一実施形態による部品供給装置のガイド部がカッター部に当接し始めた状態を示した側面図である。
【
図7】本発明の一実施形態による部品供給装置のガイド部がカッター部のカッターカバー部を開状態に移動させている状態を示した側面図である。
【
図8】本発明の一実施形態による部品供給装置のガイド部が回動している状態を示した側面図である。
【
図9】本発明の一実施形態による部品供給装置のガイド部の回動軸と付勢部とが直線状に並んだ状態を示した側面図である。
【
図10】本発明の一実施形態による部品供給装置が部品実装装置本体に取り付けられた状態を示した側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、本発明を具体化した実施形態を図面に基づいて説明する。
【0028】
(部品実装装置の構成)
図1を参照して、本発明の実施形態による部品供給装置10が設けられた部品実装装置100の構成について説明する。
【0029】
図1に示すように、部品実装装置100は、一対のコンベア2により基板SをX方向に搬送し、実装作業位置Mにおいて基板Sに部品31を実装する部品実装装置である。部品実装装置100は、部品実装装置本体100aと、部品供給装置10とを備えている。なお、部品供給装置10は、請求の範囲の「部品供給部」の一例である。
【0030】
部品実装装置100は、基台1と、一対のコンベア2と、部品供給部3と、ヘッドユニット4と、支持部5と、一対のレール部6と、部品認識撮像部7と、制御部8とを備えている。なお、ヘッドユニット4は、請求の範囲の「部品実装部」の一例である。
【0031】
一対のコンベア2は、基台1上に設置され、基板SをX方向に搬送するように構成されている。また、一対のコンベア2には、搬送中の基板Sを実装作業位置Mで停止させた状態で保持する保持機構が設けられている。また、一対のコンベア2は、基板Sの寸法に合わせてY方向の間隔を調整可能に構成されている。
【0032】
部品供給部3は、一対のコンベア2の外側(Y1側およびY2側)に配置されている。また、部品供給部3には、部品供給装置10が設けられている。部品供給部3の部品供給装置10は、それぞれ、後述する実装ヘッド42に対して部品31を供給するように構成されている。
【0033】
部品供給装置10は、
図2に示すように、複数の部品31を所定の間隔を隔てて保持した部品供給テープ33が巻き付けられたリール34を保持している。部品供給装置10は、台車11と、テープフィーダ12と、ガイド部13と、カッター部14と、を含んでいる。なお、テープフィーダ12は、請求の範囲の「フィーダ部」の一例である。
【0034】
台車11は、複数のテープフィーダ12を保持するための複数のフィーダ保持部111を含んでいる。また、台車11は、部品31を実装する部品実装装置本体100aに接続される。複数のフィーダ保持部111は、X方向に沿って配列されている。テープフィーダ12は、リール配置部に載置されたリール34の部品供給テープ33を部品供給位置32に向けて送り出すように構成されている。部品供給装置10のテープフィーダ12は、部品供給装置10のY方向の先端から部品31を供給するように構成されている。ここで、部品31は、IC、トランジスタ、コンデンサ、抵抗、コネクタなどの電子部品を含む。なお、部品供給装置10の詳細な説明については、後述する。
【0035】
図1に示すように、ヘッドユニット4は、一対のコンベア2および部品供給部3の上方位置に配置されており、ノズル41が下端に取り付けられた複数(5つ)の実装ヘッド42と、基板認識カメラ43とを含んでいる。
【0036】
実装ヘッド42は、部品供給装置10から供給される部品31を基板Sに実装するように構成されている。具体的には、実装ヘッド42は、部品供給部3により供給される部品31を吸着して、実装作業位置Mに配置された基板Sに対して吸着した部品31を装着するように構成されている。また、実装ヘッド42は、昇降可能(Z方向に移動可能)に構成されている。また、実装ヘッド42は、負圧発生機(図示せず)によりノズル41の先端部に発生された負圧によって、部品供給装置10から供給される部品31を吸着して保持し、基板Sにおける実装位置に部品31を装着(実装)するように構成されている。
【0037】
基板認識カメラ43は、基板Sの位置および姿勢を認識するために、基板SのフィデューシャルマークFを撮像するように構成されている。そして、フィデューシャルマークFの位置を撮像して認識することにより、基板Sにおける部品31の実装位置を正確に取得することが可能である。
【0038】
支持部5は、モータ51を含んでいる。支持部5は、モータ51を駆動させることにより、支持部5に沿ってヘッドユニット4をX方向に移動させるように構成されている。支持部5は、両端部が一対のレール部6により支持されている。
【0039】
一対のレール部6は、基台1上に固定されている。X1側のレール部6は、モータ61を含んでいる。レール部6は、モータ61を駆動させることにより、支持部5を一対のレール部6に沿ってX方向と直交するY方向に移動させるように構成されている。ヘッドユニット4が支持部5に沿ってX方向に移動可能であるとともに、支持部5がレール部6に沿ってY方向に移動可能であることによって、ヘッドユニット4は水平方向(XY方向)に移動可能である。
【0040】
部品認識撮像部7は、基台1の上面上に固定されている。部品認識撮像部7は、一対のコンベア2の外側(Y1側およびY2側)に配置されている。部品認識撮像部7は、部品31の実装に先立って部品31の吸着状態(吸着姿勢)を認識するために、実装ヘッド42のノズル41に吸着された部品31を下側(Z2側)から撮像するように構成されている。これにより、実装ヘッド42のノズル41に吸着された部品31の吸着状態を制御部8により取得することが可能である。
【0041】
制御部8は、CPU、メモリを含んでおり、一対のコンベア2による基板Sの搬送動作、ヘッドユニット4による実装動作、部品認識撮像部7および基板認識カメラ43による撮像動作などの部品実装装置100の全体の動作を制御するように構成されている。また、制御部8は、テープフィーダ12の制御部(図示せず)と通信可能に構成されている。制御部8は、複数のテープフィーダ12の各々の制御部と連携して、実装動作を制御するように構成されている。
【0042】
(部品供給装置の構成)
図2~
図10を参照して、本発明の実施形態による部品供給装置10の構成について説明する。
【0043】
図2に示すように、部品供給装置10は、ヘッドユニット4(実装ヘッド42)に対して実装する部品31を供給するように構成されている。部品供給装置10の台車11は、複数のテープフィーダ12を保持するとともに、複数のテープフィーダ12を、一括して部品実装装置本体100aに装着することが可能に構成されている。台車11のフィーダ保持部111は、複数設けられている。また、フィーダ保持部111は、部品31の大きさに合わせた複数種類の幅のテープフィーダ12を保持することが可能に構成されている。
【0044】
また、台車11には、部品31が取り出された後の部品供給テープ33を収容するテープ箱112が設けられている。テープ箱112は、台車11に対して引き出すことが可能に構成されている。つまり、テープ箱112を引き出した状態で、中の部品供給テープ33を取り出して処分することが可能である。
【0045】
テープフィーダ12は、部品31の大きさに合わせた複数種類の部品供給テープ33の幅に合わせて、複数種類設けられている。部品供給テープ33の幅は、たとえば、4mm、8mm、12mmまたは16mm等である。また、部品供給テープ33の幅は、さらに広い72mmまたは104mm等のテープもあり得る。フィーダ保持部111は、最小幅の部品供給テープ33を保持するテープフィーダ12の幅を基準として、X方向(幅方向)に複数設けられている。幅が大きなテープフィーダ12を台車11に配置する場合は、隣接する複数のフィーダ保持部111が用いられる。
【0046】
テープフィーダ12は、自動で部品供給テープ33をローディング可能なフィーダである。つまり、テープフィーダ12は、先行のリール34の部品供給テープ33が終了した場合、後続のリール34から部品供給テープ33が供給されるように自動的に切り替えて、部品31の供給が継続されるように構成されている。テープフィーダ12は、スプロケット121と、スプロケット122とを含んでいる。スプロケット121および122は、各々、部品供給テープ33の送り孔に嵌合して、部品供給テープ33を送るように構成されている。
【0047】
ここで本実施形態では、ガイド部13は、部品31が取り出された後にテープフィーダ12から排出される部品供給テープ33をガイドするように構成されている。具体的には、ガイド部13は、カッター部14に部品供給テープ33をガイドするように構成されている。また、ガイド部13は、テープフィーダ12の下流側の直後から、カッター部14の直前まで、部品供給テープ33をガイドするように構成されている。また、ガイド部13は、テープフィーダ12と分離して設けられている。具体的には、ガイド部13は、台車11に取り付けられている。
【0048】
また、ガイド部13は、
図3に示すように、部品供給テープ33の幅方向(X方向)をガイドする側面部132bを有する排出ガイド132と、排出ガイド132の下方に配置され、複数の部品供給テープ33をガイドする排出スロープ131と、を含んでいる。また、ガイド部13は、排出スロープ131および排出ガイド132を覆うように設けられたスロープカバー部133を含んでいる。
【0049】
また、ガイド部13は、回動軸134を中心に上下に回動するように構成されている。ガイド部13は、台車11を部品実装装置本体100aに取り付ける際、および、取り外す際に、部品実装装置本体100aの部材に干渉しない回動位置(上方の回動位置)に位置するように構成されている。また、ガイド部13は、台車11が部品実装装置本体100aに取り付けられた場合に、カッター部14に接続する回動位置(下方の回動位置)に位置するように構成されている。また、ガイド部13は、台車11を部品実装装置本体100aから取り外して保管する場合に、下方の回動位置に位置させて畳むことが可能に構成されている。回動軸134は、X方向に延びるように配置されている。また、回動軸134は、最小幅のテープフィーダ12の幅に応じて設けられた複数の溝134aを含んでいる。複数の溝134aは、X方向に沿って配列されている。複数の溝134aは、各々、回動軸134に周状に設けられている。
【0050】
排出スロープ131は、下方に設けられたスロープ部131aと、側方に設けられた一対の側板131bとを有している。排出スロープ131のスロープ部131aおよび側板131bは、各々平坦面形状を有する板状部材により形成されている。排出スロープ131は、台車11の幅方向(X方向)の全体に渡って配置されている。また、排出スロープ131は、たとえば、ステンレス板により形成されている。
【0051】
排出ガイド132は、排出される部品供給テープ33を仕切るように構成されている。具体的には、排出ガイド132は、比較的大きい幅の部品供給テープ33が隣接して排出される部品供給テープ33と干渉しないように、大きい幅の部品供給テープ33を囲うように構成されている。なお、
図3に示す例では、排出ガイド132が1つ設けられてるが、排出ガイド132は、必要に応じて複数設けられていてもよい。排出ガイド132は、幅が大きな大型や中型のテープフィーダ12毎に設けられている。また、排出ガイド132は、ガイドする部品供給テープ33の幅(テープフィーダ12の幅)に応じて異なる幅を有する複数種類が用意されている。また、排出ガイド132は、幅が小さな小型のテープフィーダ12に対しては設けなくてもよい。排出ガイド132は、台車11を部品実装装置本体100aから取り外した状態で、台車11に複数のテープフィーダ12を設置する際に、対応するテープフィーダ12の下流の位置に設置される。また、排出ガイド132は、テープフィーダ12と分離して設けられている。
【0052】
排出ガイド132は、部品供給テープ33の幅方向(X方向)に対向し、かつ、部品供給テープ33を幅方向に挟むように側面部132bが一対設けられるとともに、一対の側面部132bの上端部同士を接続する上面部132aを有している。また、排出ガイド132の側面部132bは、引っ掛りのない形状に形成されている。また、排出ガイド132の上面部132aは、引っ掛りのない形状に形成されている。また、排出ガイド132は、排出スロープ131を覆うように配置されている。排出ガイド132の一対の側面部132bおよび上面部132aは、各々平坦面形状を有する板状部材により形成されている。排出ガイド132は、たとえば、ステンレス板により形成されている。
【0053】
排出ガイド132は、回動軸134に係合することにより、排出スロープ131に取り付けられる。具体的には、
図3および
図4に示すように、排出ガイド132には、フック状の係合部132cが設けられている。係合部132cは、X方向における両端部に一対設けられている。
【0054】
排出ガイド132は、最小幅のテープフィーダ12の幅に応じて回動軸134に複数設けられた溝134aのうち一部の溝134aに係合するように構成されている。つまり、排出ガイド132は、部品供給テープ33をガイドする位置および部品供給テープ33の幅に合わせて位置を調整して設置することが可能である。
【0055】
スロープカバー部133は、上方に設けられたカバー部133aと、側方に設けられた一対の側板133bとを有している。スロープカバー部133のカバー部133aおよび側板133bは、各々平坦面形状を有する板状部材により形成されている。スロープカバー部133は、たとえば、ステンレス板により形成されている。
【0056】
スロープカバー部133は、回動軸134に係合することにより、排出スロープ131に取り付けられる。具体的には、
図3に示すように、スロープカバー部133には、フック状の係合部133cが設けられている。係合部133cは、X方向における両端部に一対設けられている。スロープカバー部133は、排出ガイド132を設置後に排出スロープ131に対して取り付けられる。
【0057】
ガイド部13には、ガイド部13を上方の回動位置または下方の回動位置に向けて付勢する付勢部135が設けられている。付勢部135は、回動軸134の延びる方向に見て(X方向に見て)回動軸134の下方に回動可能に設けられた第1回動端部135aと、第1回動端部135aに対して部品供給テープ33の排出方向に離間した位置の排出スロープ131に設けられた第2回動端部135bと、第1回動端部135aに対して第2回動端部135bを離す方向に付勢する付勢部材135cと、を有している。
【0058】
また、付勢部135は、
図5に示すように、ガイド部13が上方の回動位置に位置する状態において、ガイド部13を上方にはね上げるように付勢する。
【0059】
また、付勢部135は、回動軸134の延びる方向に見て(X方向に見て)、回動軸134と第1回動端部135aとが、鉛直方向に沿って並んで配置されている。つまり、第1回動端部135aは、回動軸134の真下に配置されている。また、付勢部135は、
図10に示すように、ガイド部13が下方の回動位置に位置する状態において、ガイド部13を上方にはね上げる方向とは反対方向に付勢するように構成されている。
【0060】
付勢部材135cは、たとえば、封入された圧縮気体の力により付勢力を発生させるガススプリングを含んでいる。また、付勢部135は、
図5~
図9に示すように、第2回動端部135bが第1回動端部135aに対して
図5~
図9における右方向側(部品実装装置本体100a側)に位置する場合に、ガイド部13を上方にはね上げるように図中右方向に付勢する。一方、付勢部135は、
図2および
図10に示すように、第2回動端部135bが第1回動端部135aに対して
図2および
図10における左方向側(部品実装装置本体100aと反対方向側)に位置する場合に、ガイド部13を左方向に付勢する。
【0061】
カッター部14は、排出される部品供給テープ33を切断するように構成されている。具体的には、カッター部14は、所定時間毎に作動して、部品供給テープ33を切断するように構成されている。また、カッター部14は、複数の部品供給テープ33をまとめて切断するように構成されている。また、カッター部14は、
図2に示すように、部品供給テープ33を切断するカッター141と、閉状態(
図5参照)ではカッター部14のカッター141を覆い、開状態(
図2参照)では部品供給テープ33をカッター部14にガイドするカッターカバー部142と、カッターカバー部142とともにカッター141を覆う板部材143と、切断した部品供給テープ33をテープ箱112に導くシュート144と、を有している。また、
図6に示すように、カッター部14は、カッターカバー部142を回動可能に支持する回動軸142aと、カッターカバー部142を閉じる方向に付勢する付勢部材142bを有している。付勢部材142bは、ねじりコイルばねを含んでいる。また、付勢部材142bのコイル部は、回動軸142aに挿入されている。
【0062】
カッターカバー部142は、
図5示すように、ガイド部13がカッター部14に接続されていない場合に、カッター部14(カッター141)を覆う閉状態となる。また、カッターカバー部142は、
図2に示すように、ガイド部13がカッター部14に接続されている場合に、部品供給テープ33をカッター部14(カッター141)にガイドする開状態となる。また、カッターカバー部142は、
図6~
図8に示すように、ガイド部13に押されることにより閉状態から開状態に移動するように構成されている。板部材143は、幅方向(X方向)に延びるように形成されている。また、板部材143は、カッターカバー部142が閉状態において当接するように構成されている。これにより、カッターカバー部142と板部材143とにより、カッター141への通路が覆われる。
【0063】
次に、
図5~
図10を参照して、台車11を部品実装装置本体100aに取り付けて、部品供給装置10のガイド部13をカッター部14に接続させる方法について説明する。
【0064】
図5に示すように、台車11を、Y方向に移動させて、部品実装装置本体100aに近づける。この際、ガイド部13は、付勢部135により上方にはね上げられている。また、カッターカバー部142は、閉状態である。
【0065】
図6に示すように、台車11を、さらに部品実装装置本体100aに近づけると、ガイド部13が、カッターカバー部142に当接する。これにより、カッターカバー部142は、ガイド部13により押されて、閉状態から図中右方向に回動され始める。なお、付勢部135によりガイド部13をはね上げる力は、付勢部材142bによりカッターカバー部142を閉状態に向けて回動させる力よりも大きいため、ガイド部13はこの時点において回動しない。これにより、ガイド部13ははね上げられた状態であるため、ガイド部13はカッター部14の板部材143の上方を通過することが可能である。
【0066】
図7に示すように、台車11を、さらに部品実装装置本体100aに近づけると、ガイド部13により押されたカッターカバー部142は、開状態まで移動されて、ストッパ(図示せず)に突き当たることにより回動が停止される。
【0067】
図8に示すように、台車11を、さらに部品実装装置本体100aに近づけると、カッターカバー部142に当接しているガイド部13は、付勢部135の付勢力に抗して下方向に回動し始める。
【0068】
図9に示すように、台車11を、さらに部品実装装置本体100aに近づけると、ガイド部13の回動軸134と、付勢部135の第1回動端部135aと、付勢部135の第2回動端部135bとが上下方向に直線状に配置される。この場合、付勢部135の第1回動端部135aおよび第2回動端部135bとが最も近づく位置となる。また、付勢部135による付勢力は、真下方向に作用するため、カッターカバー部142には、図中における右方向にも左方向にも回動させる力は作用しない。
【0069】
図10に示すように、台車11を、さらに部品実装装置本体100aに近づけると、ガイド部13がさらに回動して、ガイド部13とカッターカバー部142とが接続される。また、台車11は、部品実装装置本体100aに接続される。この状態では、付勢部135の第2回動端部135bは、付勢部135の第1回動端部135aに対して、図中において左方向(部品実装装置本体100aとは反対側の方向)に配置される。これにより、付勢部135は、ガイド部13を台車11側に押し付けるように付勢力を作用させる。これにより、台車11が部品実装装置本体100aに取り付けられる。
【0070】
なお、台車11を、部品実装装置本体100aから取り外す場合は、台車11をY方向において、部品実装装置本体100aから遠ざけることにより、ガイド部13がはね上がるとともに、カッターカバー部142が開状態から閉状態に回動される。
【0071】
(実施形態の効果)
本実施形態では、以下のような効果を得ることができる。
【0072】
本実施形態では、上記のように、部品供給テープ33の幅方向(X方向)をガイドする側面部132bを有し、テープフィーダ12と分離して設けられた排出ガイド132を設ける。これにより、複数のテープフィーダ12から排出される複数の部品供給テープ33の通路を、排出ガイド132の側面部132bにより仕切ることができるので、複数のテープフィーダ12から排出される複数の部品供給テープ33が互いに干渉して絡まるのを抑制することができる。その結果、テープフィーダ12から排出される部品供給テープ33を確実に排出することができる。また、排出ガイド132を、テープフィーダ12と分離して設けることにより、一部のテープフィーダ12を台車11から取り外す場合に、排出ガイド132も一緒に取り外す必要がない。これにより、台車11を部品実装装置本体100aに接続した状態で、一部のテープフィーダ12を容易に台車11から取り外すことができる。
【0073】
また、本実施形態では、上記のように、排出ガイド132の下方に設けられ、複数の部品供給テープ33をガイドする排出スロープ131、を含み、部品31が取り出された後にテープフィーダ12から排出される部品供給テープ33をガイドするとともに、テープフィーダ12と分離して設けられたガイド部13を設ける。これにより、ガイド部13を、テープフィーダ12と分離して設けることにより、一部のテープフィーダ12を台車11から取り外す場合に、ガイド部13も一緒に取り外す必要がない。これにより、台車11を部品実装装置本体100aに接続した状態で、一部のテープフィーダ12をより容易に台車11から取り外すことができる。
【0074】
また、本実施形態では、上記のように、排出ガイド132の側面部132bを、引っ掛りのない形状に形成する。これにより、排出ガイド132の側面部132bによりガイドされる部品供給テープ33が側面部132bに引っ掛かるのを抑制することができるので、テープフィーダ12から排出される部品供給テープ33をより確実に排出することができる。
【0075】
また、本実施形態では、上記のように、排出ガイド132は、部品供給テープ33の幅方向に対向し、かつ、部品供給テープ33を幅方向に挟むように側面部132bが一対設けられるとともに、一対の側面部132bの上端部同士を接続する上面部132aを含む。また、排出ガイド132は、排出スロープ131を覆うように配置され、一対の側面部132bおよび上面部132aを、各々平坦面形状を有する板状部材により形成する。これにより、部品供給テープ33を排出ガイド132の側面部132bおよび上面部132aにより囲むことができるので、部品供給テープ33が排出ガイド132の外に出るのを抑制することができるとともに、排出ガイド132に隣接して排出される部品供給テープ33が排出ガイド132内に侵入するのを抑制することができる。また、排出ガイド132の側面部132bおよび上面部132aが各々平坦面形状を有する板状部材により形成されていることにより、排出ガイド132内の部品供給テープ33および排出ガイド132に隣接して排出される部品供給テープ33が排出ガイド132に引っ掛かるのを抑制することができる。
【0076】
また、本実施形態では、上記のように、ガイド部13の下流に接続するとともに、排出される部品供給テープ33を切断するカッター部14を設ける。また、ガイド部13を、カッター部14に部品供給テープ33をガイドするように構成する。これにより、テープフィーダ12から排出され、ガイド部13によりカッター部14にガイドされた部品供給テープ33をカッター部14により切断することにより、排出される部品供給テープ33が嵩張るのを抑制することができるので、排出された部品供給テープ33を収容するスペースを大きく設ける必要がない。
【0077】
また、本実施形態では、上記のように、カッター部14に、ガイド部13がカッター部14に接続されていない場合に、カッター部14を覆う閉状態となり、ガイド部13がカッター部14に接続されている場合に、部品供給テープ33をカッター部14にガイドする開状態となるカッターカバー部142を設ける。これにより、カッター部14にガイド部13が接続されていない場合には、カッターカバー部142によりカッター部14の刃が露出しないようにすることができる。
【0078】
また、本実施形態では、上記のように、カッターカバー部142を、ガイド部13に押されることにより閉状態から開状態に移動するように構成する。これにより、カッターカバー部142にガイド部13を接続する場合に、予めカッターカバー部142を閉状態から開状態にする必要がないので、カッターカバー部142にガイド部13を接続する際の作業負担が増大するのを抑制することができる。
【0079】
また、本実施形態では、上記のように、ガイド部13を、回動軸134を中心に上下に回動するように構成する。これにより、ガイド部13を部品実装装置本体100aに接続する場合に、ガイド部13を上方に回動させることにより、ガイド部13が下方に位置する部材に干渉するのを抑制することができる。また、ガイド部13を部品実装装置本体100aに接続した後は、ガイド部13を下方に回動させた状態にすることができるので、排出された部品供給テープ33を容易に下方に向けてガイドすることができる。
【0080】
また、本実施形態では、上記のように、排出ガイド132は、回動軸134に係合することにより、排出スロープ131に取り付けられる。これにより、排出ガイド132を係合させるための部材と、回動軸134とを別個に設ける必要がないので、部品点数が増加するのを抑制することができる。
【0081】
また、本実施形態では、上記のように、回動軸134は、最小幅のテープフィーダ12の幅に応じて設けられた複数の溝134aを含み、排出ガイド132を、回動軸134の複数の溝134aのうち一部の溝134aに係合するように構成する。これにより、複数のフィーダ保持部111のうちテープフィーダ12を配置するフィーダ保持部111の位置に応じて、排出ガイド132を取り付ける幅方向の位置を容易に調整することができる。
【0082】
また、本実施形態では、上記のように、回動軸134の延びる方向に見て(X方向に見て)回動軸134の下方に回動可能に設けられた第1回動端部135aと、第1回動端部135aに対して部品供給テープ33の排出方向に離間した位置の排出スロープ131に設けられた第2回動端部135bと、第1回動端部135aに対して第2回動端部135bを離す方向に付勢する付勢部材135cと、を含み、ガイド部13が上方の回動位置に位置する状態において、ガイド部13を上方にはね上げるように付勢する、付勢部135を設ける。これにより、付勢部135によりガイド部13を上方の回動位置に維持することができるので、ガイド部13が意図せずに下方に回動するのを抑制することができる。
【0083】
また、本実施形態では、上記のように、付勢部135を、回動軸134の延びる方向に見て、回動軸134と第1回動端部135aとが、鉛直方向に沿って並んで配置する。また、付勢部135を、ガイド部13が下方の回動位置に位置する状態において、ガイド部13を上方にはね上げる方向とは反対方向に付勢するように構成する。これにより、ガイド部13を下方の回動位置に移動させた場合に、付勢部135によりガイド部13を下方の回動位置に維持することができる。
【0084】
また、本実施形態では、上記のように、ガイド部13は、排出スロープ131および排出ガイド132を覆うように設けられたスロープカバー部133を含む。これにより、排出スロープ131が露出するのを抑制することができるので、部品供給テープ33がガイド部13から外に出るのを抑制することができる。
【0085】
また、本実施形態では、上記のように、スロープカバー部133は、回動軸134に係合することにより、排出スロープ131に取り付けられる。これにより、スロープカバー部133を係合させるための部材と、回動軸134とを別個に設ける必要がないので、部品点数が増加するのを抑制することができる。
【0086】
また、本実施形態では、上記のように、ガイド部13は、台車11に取り付けられている。これにより、台車11を部品実装装置本体100aから外した状態で、台車11に複数のテープフィーダ12を設置する段取り時に、台車11に設置するテープフィーダ12に応じてガイド部13の段取りも行うことができる。これにより、ガイド部13を部品実装装置本体100aに設ける場合に比べて、部品実装装置本体100aの実装動作を停止させる時間を短くすることができる。
【0087】
(変形例)
なお、今回開示された実施形態は、全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく請求の範囲によって示され、さらに請求の範囲と均等の意味および範囲内での全ての変更(変形例)が含まれる。
【0088】
たとえば、上記実施形態では、ガイド部を、幅が大きなテープフィーダ(フィーダ部)に対して設ける構成の例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、ガイド部を幅が小さなフィーダ部に対して設けてもよい。
【0089】
また、上記実施形態では、ガイド部が回動するように付勢する付勢部が付勢部材としてのガススプリングを含む構成の例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、付勢部はガススプリング以外の付勢部材を含んでいてもよい。たとえば、付勢部は、付勢部材として圧縮コイルばね、ねじりコイルばね、または、オイルダンパーなどを含んでいてもよい。
【0090】
また、上記実施形態では、テープフィーダ(フィーダ部)は、自動で部品供給テープをローディング可能である構成の例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、フィーダ部は、作業者の作業により部品供給テープがローディングされてもよい。
【0091】
また、上記実施形態では、ヘッドユニット(部品実装部)が1つ設けられている構成の例を示したが、本発明はこれに限られない。本発明では、部品実装部が複数設けてもよい。
【符号の説明】
【0092】
4 ヘッドユニット(部品実装部)
10 部品供給装置(部品供給部)
11 台車
12 テープフィーダ(フィーダ部)
13 ガイド部
14 カッター部
31 部品
32 部品供給位置
33 部品供給テープ
34 リール
100 部品実装装置
100a 部品実装装置本体
111 フィーダ保持部
131 排出スロープ
132 排出ガイド
132a 上面部
132b 側面部
133 スロープカバー部
134 回動軸
134a 溝
135 付勢部
135a 第1回動端部
135b 第2回動端部
135c 付勢部材
142 カッターカバー部
S 基板