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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-12
(45)【発行日】2024-04-22
(54)【発明の名称】自転車用表示装置
(51)【国際特許分類】
   B62J 50/22 20200101AFI20240415BHJP
【FI】
B62J50/22
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2023032538
(22)【出願日】2023-03-03
(62)【分割の表示】P 2021031761の分割
【原出願日】2016-06-14
(65)【公開番号】P2023060129
(43)【公開日】2023-04-27
【審査請求日】2023-03-03
(73)【特許権者】
【識別番号】000002439
【氏名又は名称】株式会社シマノ
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】竹下 裕章
(72)【発明者】
【氏名】謝花 聡
(72)【発明者】
【氏名】野間 夏樹
(72)【発明者】
【氏名】加藤 歩美
【審査官】中島 昭浩
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-043528(JP,A)
【文献】特開平04-273016(JP,A)
【文献】特開昭60-092130(JP,A)
【文献】国際公開第2012/153395(WO,A1)
【文献】特開2005-310004(JP,A)
【文献】特開2005-181732(JP,A)
【文献】特開2001-250065(JP,A)
【文献】韓国登録特許第10-0917588(KR,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B62J 1/00 - 99/00
B62M 6/40 - 6/75
B60R 16/02
B60K 35/00 - 37/06
G01D 7/00 - 7/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
操作装置の操作に応じて少なくとも第1の動作モードおよび第2の動作モードを選択可能な自転車コンポーネントの前記第1の動作モードおよび前記第2の動作モードに対応する情報を表示可能な表示部を含む自転車用表示装置であって、
前記自転車コンポーネントは、自転車の推進をアシストするモータを含み、
前記表示部は、前記第1の動作モードまたは前記第2の動作モードにおける前記モータの出力状態をグラフで表示可能な出力表示領域を含み、
前記出力表示領域の前記グラフは、バーグラフであり、
前記表示部の表示領域は、短辺および長辺を有する長方形に形成され、
前記バーグラフは、前記短辺に沿う方向に延びる部分と前記長辺に沿う方向に延びる部分とを有し、
前記バーグラフは、前記バーグラフの延びる方向における両端部よりも中間部分において、前記バーグラフの延びる方向と直交する方向の寸法が大きくなるように構成され
前記出力表示領域は、前記バーグラフの延びる方向における中間部が、前記表示部の長方形の角に配置される、自転車用表示装置。
【請求項2】
前記出力表示領域は、前記モータの出力が大きいほど、前記グラフまたは前記グラフのうちの色を表示している部分の面積が大きい、請求項1に記載の自転車用表示装置。
【請求項3】
前記表示部は、前記第1の動作モードが選択されているときに第1の色を表示する第1の表示状態と、前記第2の動作モードが選択されているときに第2の色を表示する第2の表示状態とが切り替わる切替領域をさらに含む、請求項1または2に記載の自転車用表示装置。
【請求項4】
前記自転車コンポーネントは、前記操作装置の操作に応じて第3の動作モードを選択可能であり、
前記表示部は、前記第3の動作モードに対応する情報を表示可能であり、
前記切替領域は、前記第3の動作モードが選択されているときに第3の色を表示する第3の表示状態に切り替えられる、請求項に記載の自転車用表示装置。
【請求項5】
前記表示部は、前記自転車の車速を表示可能な車速表示領域をさらに含み、
前記切替領域および前記車速表示領域は、1つのディスプレイ内の異なる領域である、請求項またはに記載の自転車用表示装置。
【請求項6】
前記出力表示領域は、前記切替領域および前記車速表示領域に隣接して配置される、請求項に記載の自転車用表示装置。
【請求項7】
前記出力表示領域は、前記切替領域が前記第1の表示状態のときに前記グラフを前記第1の色で表示し、前記切替領域が前記第2の表示状態のとき、前記グラフを前記第2の色で表示する、請求項からのいずれか一項に記載の自転車用表示装置。
【請求項8】
前記表示部は、バッテリの残量を表示可能な残量表示領域をさらに含む、請求項1からのいずれか一項に記載の自転車用表示装置。
【請求項9】
前記表示部は、バッテリの残量を表示可能な残量表示領域をさらに含み、
前記残量表示領域は、前記バッテリの残量を前記第1の色および前記第2の色とは異なる色で表示する、請求項に記載の自転車用表示装置。
【請求項10】
前記第1の動作モードと前記第2の動作モードとでは、人力駆動力に対する前記モータの駆動力の比率、および、前記モータの出力トルクの上限値の少なくとも一方が異なる、請求項1からのいずれか一項に記載の自転車用表示装置。
【請求項11】
前記自転車に取り付け可能な取付部をさらに含む、請求項1から10のいずれか一項に記載の自転車用表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自転車用表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、自転車に取り付けられ、様々な情報を表示する自転車用表示装置が知られている。特許文献1の自転車用表示装置は、クランク回転数に応じて複数のセグメントの点灯面積を段階的に変更して表示する段階表示部を備える。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特許第4272217号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の自転車用表示装置は、自転車コンポーネントの動作状態について表示可能であるが、自転車コンポーネントの動作モードをユーザに認識させることについて考慮されていない。
【0005】
本発明の目的は、選択されている動作モードをユーザが認識しやすい自転車用表示装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
〔1〕本発明に従う自転車用表示装置の一形態は、操作装置の操作に応じて少なくとも第1の動作モードおよび第2の動作モードを選択可能な自転車コンポーネントの前記第1の動作モードおよび前記第2の動作モードに対応する情報を表示可能な表示部を含む自転車用表示装置であって、前記表示部は、前記第1の動作モードが選択されているときに第1の色を表示する第1の表示状態と、前記第2の動作モードが選択されているときに第2の色を表示する第2の表示状態とが切り替わる切替領域を含む。
【0007】
この自転車用表示装置によれば、表示部の切替領域が自転車コンポーネントの動作モードに応じて異なる色を表示する。このため、選択されている動作モードをユーザが認識しやすい。
【0008】
〔2〕本発明に従う自転車用表示装置の一形態は、第1の動作モードおよび第2の動作モードを選択可能な自転車コンポーネントの前記第1の動作モードおよび前記第2の動作モードに対応する情報を表示可能な表示部を含む自転車用表示装置であって、前記自転車コンポーネントは、自転車の推進をアシストするモータを含み、前記第1の動作モードと前記第2の動作モードとでは、人力駆動力に対する前記モータの駆動力の比率、および、前記モータの出力トルクの上限値の少なくとも一方が異なり、前記表示部は、前記第1の動作モードが選択されているときに第1の色を表示する第1の表示状態と前記第2の動作モードが選択されているときに第2の色を表示する第2の表示状態とが切り替わる切替領域を含む。
【0009】
この自転車用表示装置によれば、表示部の切替領域が自転車コンポーネントの動作モードに応じて異なる色を表示する。このため、選択されている動作モードをユーザが認識しやすい。
【0010】
〔3〕前記自転車用表示装置の一例によれば、前記切替領域は、前記第1の表示状態において前記第1の動作モードに対応する文字または図形を表示し、前記第2の表示状態において前記第2の動作モードに対応する文字または図形を表示する。
【0011】
この自転車表示装置によれば、切替領域が選択されている動作モードに対応する文字または図形を表示するため、選択されている動作モードをユーザがより認識しやすい。
〔4〕前記自転車用表示装置の一例によれば、前記自転車コンポーネントは、自転車の推進をアシストするモータを含み、前記第1の動作モードと前記第2の動作モードとでは、人力駆動力に対する前記モータの駆動力の比率、および、前記モータの出力トルクの上限値の少なくとも一方が異なる。この自転車用表示装置によれば、人力駆動力に対するモータの駆動力の比率、および、モータの出力トルクの上限値の少なくとも一方が変更されたことをユーザが認識しやすい。
【0012】
〔5〕前記自転車用表示装置の一例によれば、前記表示部は、前記第1の動作モードまたは前記第2の動作モードにおける前記モータの出力状態をグラフで表示可能な出力表示領域をさらに含む。
【0013】
この自転車用表示装置によれば、表示部の出力表示領域は、動作モードに対応するモータの出力状態をグラフで表示するため、モータの出力状態をユーザが認識しやすい。
〔6〕前記自転車用表示装置の一例によれば、前記出力表示領域は、前記切替領域に隣接して配置される。この自転車用表示装置によれば、ユーザが動作モードとモータの出力状態とを認識しやすい。
【0014】
〔7〕前記自転車用表示装置の一例によれば、前記出力表示領域は、前記切替領域が前記第1の表示状態のときに前記グラフを前記第1の色で表示し、前記切替領域が前記第2の表示状態のとき、前記グラフを前記第2の色で表示する。
【0015】
この自転車用表示装置によれば、切替領域と出力表示領域とが動作モードに対応する同じ色を表示するため、選択されている動作モードをユーザがより認識しやすい。
〔8〕前記自転車用表示装置の一例によれば、前記表示部のうちの前記出力表示領域の面積は、前記切替領域の面積よりも大きい。この自転車用表示装置によれば、モータの出力状態をよりユーザが認識しやすい。
【0016】
〔9〕前記自転車用表示装置の一例によれば、前記出力表示領域は、前記第1の動作モードまたは前記第2の動作モードにおける前記モータの出力が大きいほど、前記グラフまたは前記グラフのうちの色を表示している部分の面積が大きい。
【0017】
この自転車用表示装置によれば、出力表示領域のグラフの表示面積またはグラフのうち色を表示している部分の面積と、動作モードにおけるモータの出力トルクの大きさとが相関関係を有するため、ユーザにモータの出力の大きさを認識させやすい。
【0018】
〔10〕前記自転車用表示装置の一例によれば、前記出力表示領域の前記グラフは、バーグラフである。この自転車用表示装置によれば、バーグラフの表示面積を変更することによって動作モードにおけるモータの出力の大きさをユーザに認識させることができる。
【0019】
〔11〕前記自転車用表示装置の一例によれば、前記表示部は、バッテリの残量を表示可能な残量表示領域をさらに含む。この自転車用表示装置によれば、残量表示領域は、バッテリの残量を表示するため、バッテリの残量をユーザが認識することができる。
【0020】
〔12〕前記自転車用表示装置の一例によれば、前記残量表示領域は、前記バッテリの残量を前記第1の色および前記第2の色とは異なる色で表示する。この自転車用表示装置によれば、残量表示領域が表示する色と切替領域が表示する色とが異なるため、ユーザに動作モードとバッテリの残量とを区別して認識させやすい。
【0021】
〔13〕前記自転車用表示装置の一例によれば、前記切替領域および前記出力表示領域の少なくとも一方は、前記バッテリの残量が所定値未満であることに基づいて、前記第1の色および前記第2の色とは異なる色を表示する警告表示状態に切り替えられる。
【0022】
この自転車用表示装置によれば、バッテリの残量が少ないときに、切替領域および出力表示領域の少なくとも一方が警告表示状態に切り替えられるため、ユーザにバッテリの残量が少ないことを認識させやすい。
【0023】
〔14〕前記自転車用表示装置の一例によれば、前記警告表示状態において、前記切替領域および前記出力表示領域の少なくとも一方は、表示する色が点滅する。この自転車用表示装置によれば、警告表示状態において単に色を表示させる場合よりも、ユーザにバッテリの残量が少ないことをより認識させやすい。
【0024】
〔15〕前記自転車用表示装置の一例によれば、前記警告表示状態において、前記切替領域および前記出力表示領域は、同じ色を表示する。この自転車用表示装置によれば、警告表示状態において切替領域と出力表示領域とが異なる色を表示する場合よりも、ユーザにバッテリの残量が少ないことをより認識させやすい。
【0025】
〔16〕前記自転車用表示装置の一例によれば、前記表示部は、自転車の車速を表示可能な車速表示領域をさらに含む。この自転車用表示装置によれば、自転車の車速をユーザが認識することができる。
【0026】
〔17〕前記自転車用表示装置の一例によれば、前記自転車コンポーネントは、前記操作装置の操作に応じて第3の動作モードを選択可能であり、前記表示部は、前記第3の動作モードに対応する情報を表示可能であり、前記切替領域は、前記第3の動作モードが選択されているときに第3の色を表示する第3の表示状態に切り替えられる。この自転車用表示装置によれば、3つの動作モードを選択可能な自転車用コンポーネントにおいて、選択されている動作モードをユーザが認識しやすい。
【0027】
〔18〕本発明に従う自転車用表示装置の一形態は、自転車コンポーネントの動作モードおよび動作状態のいずれか一方に対応する図形を、前記自転車コンポーネントの前記動作モードおよび前記動作状態の他方に対応する色により表示する表示部を含む、自転車用表示装置。
【0028】
この自転車用表示装置によれば、自転車コンポーネントの動作モードおよび動作状態の2つの異なる情報を、纏めて表示することができる。このため、表示領域が小さい場合でも、複数の情報を表示することができる。
【0029】
〔19〕前記自転車用表示装置の一例によれば、前記自転車コンポーネントは、自転車の推進をアシストするモータを含み、第1の動作モードおよび第2の動作モードを選択可能であり、前記自転車コンポーネントの前記動作状態は、前記モータの出力状態を含み、前記図形は、グラフを含み、前記表示部は、前記モータの出力状態を前記グラフで表示し、前記第1の動作モードが選択されているときに前記グラフを第1の色で表示する第1の表示状態と、前記第2の動作モードが選択されているときに前記グラフを第2の色で表示する第2の表示状態とを切り替える。
【0030】
この自転車用表示装置によれば、モータの出力状態が動作モードに対応する色で表示されるため、ユーザが動作モードおよびモータの出力状態を同時に認識しやすい。
〔20〕本発明に従う自転車用表示装置の一形態は、第1の自転車コンポーネントの動作モードおよび動作状態のいずれか一方に対応する図形を、前記第1の自転車コンポーネントとは異なる第2の自転車コンポーネントの動作モードおよび動作状態のいずれか一方に対応する色により表示する表示部を含む。
【0031】
この自転車用表示装置によれば、第1の自転車コンポーネントの動作モードおよび動作状態のいずれか一方と、第2の自転車コンポーネントの動作モードおよび動作状態のいずれか一方との2つの異なる情報を、纏めて表示することができる。このため、表示領域が小さい場合でも、複数の情報を表示することができる。
【0032】
〔21〕前記自転車用表示装置の一例によれば、自転車に取り付け可能な取付部をさらに含む。この自転車用表示装置によれば、自転車に取り付けやすい。
【発明の効果】
【0033】
上記自転車用表示装置によれば、選択されている動作モードをユーザが認識しやすい。
【図面の簡単な説明】
【0034】
図1】実施の形態の自転車用表示装置が搭載される自転車の電気的構成を示すブロック図。
図2】実施の形態の自転車用表示装置の正面図。
図3図2の自転車用表示装置の側面図。
図4図2の切替領域が第1の表示状態のときの表示部の正面図。
図5図2の切替領域が第2の表示状態のときの表示部の正面図。
図6図2の切替領域が第3の表示状態のときの表示部の正面図。
図7図2の切替領域が第4の表示状態のときの表示部の正面図。
図8図2の切替領域が第5の表示状態のときの表示部の正面図。
図9図2の切替領域が警告表示状態のときの表示部の正面図。
【発明を実施するための形態】
【0035】
(実施の形態)
図1は、自転車用表示装置50が搭載される自転車の電気的構成を示すブロック図である。自転車は、バッテリ12、操作装置14、制御装置16、変速装置18、アシスト用ドライブユニット20、および、自転車用表示装置50を備える。以下アシスト用ドライブユニット20を、ドライブユニット20と記載する。変速装置18およびドライブユニット20は、自転車コンポーネントの一例である。変速装置18は、外装変速機22およびアクチュエータ24を含む。変速装置18は、外装変速機22に代えて内装変速機を含んでいてもよい。
【0036】
外装変速機22は、フロントディレーラおよびリアディレーラの少なくとも一方を含む。アクチュエータ24は、電気モータを含む。アクチュエータ24は、電気モータの回転速度を減速する減速機を含んでいてもよい。
【0037】
ドライブユニット20は、駆動回路26およびモータ28を含む。駆動回路26は、バッテリ12からモータ28に供給される電力を制御する。モータ28は、自転車の推進をアシストする。モータ28は、自転車に入力される人力駆動力をアシストする。モータ28は、電気モータを含む。モータ28は、自転車のクランク軸からリアスプロケットまでの間の動力伝達経路に結合される。モータ28は、クランク軸からフロントスプロケットまでの間の動力伝達経路に連結されるのが好ましい。ドライブユニット20は、モータ28の回転を減速する減速機を含んでいてもよい。ドライブユニット20は、フロントハブまたはリアアブに含まれていてもよく、この場合、モータ28は、フロントハブまたはリアアブのハブシェルに結合される。
【0038】
ドライブユニット20は、複数の動作モードで動作可能である。複数の動作モードは、乗車モードおよび歩行モードを含む。乗車モードは、自転車にユーザが乗っている状態(以下では、「乗車状態」)において実行される動作モードである。歩行モードは、歩行しているユーザによって自転車が押されている状態(以下では、「押し歩き状態」)において実行される動作モードである。
【0039】
乗車モードは、第1の動作モード、第2の動作モード、第3の動作モード、および、第4の動作モードを含む。第1の動作モードは、例えば、BOOSTモードと表現される。第2の動作モードは、例えば、TRAILモードと表現される。第3の動作モードは、例えば、ECOモードと表現される。第4の動作モードは、例えば、OFFモードと表現される。
【0040】
第1の動作モード、第2の動作モード、および、第3の動作モードは、人力駆動力に対するモータ28の駆動力の比率であるアシスト比、および、モータ28の出力トルクの上限値が互いに異なる。モータ28に減速機が接続されている場合、アシスト比は、人力駆動力に対するモータ28の減速機の出力における駆動力の比率であり、モータ28の出力トルクは、モータ28の減速機における出力トルクとするのが好ましい。
【0041】
第1の動作モードにおけるアシスト比は、第2の動作モードにおけるアシスト比よりも大きい。第2の動作モードにおけるアシスト比は、第3の動作モードにおけるアシスト比よりも大きい。第1の動作モードにおけるモータ28の出力トルクの上限値は、第2の動作モードにおけるモータ28の出力トルクの上限値よりも大きい。第2の動作モードにおけるモータ28の出力トルクの上限値は、第3の動作モードにおけるモータ28の出力トルクの上限値よりも大きい。
【0042】
第4の動作モードは、モータ28を駆動しない動作モードである。歩行モードは、歩行しているユーザによって押されている自転車にアシスト力を付与することによって、自転車の推進をアシストする。歩行モードにおいては、自転車の車速が予め定める値よりも大きくならないように、モータ28が駆動される。駆動回路26は、各動作モードでのモータ28の出力トルクが、各動作モードに応じて設定されている上限値を超えないように、モータ28の出力トルクを設定されている上限値に制限する。第1の動作モード~第3の動作モードにおけるアシスト比の大小については、各動作モードにおいてモータ28の出力トルクが上限値に達するまでのアシスト比の比較である。
【0043】
操作装置14は、自転車のハンドルバー(図示略)に取り付けられる。操作装置14は、制御装置16の制御部34と有線または無線によって通信可能に接続される。操作装置14は、変速操作装置30および動作モード操作装置32を含む。
【0044】
変速操作装置30は、変速比を変更するためにユーザによって操作される。変速操作装置30は、第1の操作部30Aおよび第2の操作部30Bを含む。第1の操作部30Aおよび第2の操作部30Bは、スイッチまたはレバーを含む。ユーザによって第1の操作部30Aが操作されると、変速操作装置30は自転車の変速比を大きくする変速信号を制御部34に送信する。ユーザによって第2の操作部30Bが操作されると、変速操作装置30は自転車の変速比を小さくする変速信号を制御部34に送信する。
【0045】
動作モード操作装置32は、ドライブユニット20の動作モードを変更するためにユーザによって操作される。動作モード操作装置32は、第1の操作部32Aおよび第2の操作部32Bを含む。第1の操作部32Aおよび第2の操作部32Bは、スイッチまたはレバーを含む。ユーザによって第1の操作部32Aまたは第2の操作部32Bが操作されることによって、ドライブユニット20の動作モードが、第1の動作モード、第2の動作モード、第3の動作モード、第4の動作モード、および、歩行モードの間で切り替わる。歩行モードのときに、ユーザが第1の操作部32Aを操作することによって、ドライブユニット20の動作モードが第4の動作モード、第3の動作モード、第2の動作モード、および、第1の動作モードの順に切り替わる。第1の動作モードのときに、ユーザが第2の操作部32Bを操作することによって、ドライブユニット20の動作モードが、第2の動作モード、第3の動作モード、第4の動作モード、および、歩行モードの順に切り替わる。動作モード操作装置32は、ユーザによって選択されている動作モードに対応する信号を制御部34に送信する。制御部34は、操作装置14の操作に基づいて、ドライブユニット20の動作モードを切り替える。
【0046】
バッテリ12は、1または複数のバッテリセルを含む。バッテリ12は、変速装置18のアクチュエータ24、および、ドライブユニット20のモータ28に電気的に接続されて、アクチュエータ24およびモータ28に電力を供給する。バッテリ12は、制御装置16、表示装置50、および、操作装置14にも電力を供給する。
【0047】
制御装置16は、制御部34、車速センサ36、トルクセンサ38、および、変速段数センサ40を含む。
制御部34は、ドライブユニット20、バッテリ12、操作装置14、車速センサ36、トルクセンサ38、変速段数センサ40、および、自転車用表示装置50と電気的に接続される。制御部34は、アクチュエータ24を駆動することによって、外装変速機22を動作させる。制御部34は、駆動回路26を制御することによって、モータ28を駆動する。制御部34は、入力インタフェース回路および出力インタフェース回路のような一般的な回路を含んでいてもよい。制御部34は、好ましくは、1または複数のプロセッサを含む演算ユニットを有するマイクロコンピュータを含む。制御部34は、さらにプログラムを記憶している記憶装置を含むことが好ましい。記憶装置は、ROM、RAM、および、ハードディスクのようなメモリを含む。制御部34は、ドライブユニット20、自転車用表示装置50、操作装置14、および、変速装置18のいずれかに設けられてもよく、これらとは別に設けられてもよい。なお、自転車用表示装置50、変速装置18、ドライブユニット20、および、変速装置18のそれぞれに制御部34を構成するマイクロコンピュータを設けてもよい。この場合、1つのマイクロコンピュータがマスタとなり、他のマイクロコンピュータがスレーブとなって、分担して制御を行う。
【0048】
車速センサ36は、制御部34と有線または無線によって通信可能である。車速センサ36は、例えば自転車のフロントフォーク(図示略)に取り付けられる。車速センサ36は、前輪のスポーク(図示略)に取り付けられる磁石(図示略)との相対位置の変化に応じた値を制御部34に出力する。車速センサ36は、リードスイッチを構成する磁性体リード、または、ホール素子を含むことが好ましい。車速センサ36は、自転車のチェーンステイに取り付けられてもよい。この場合、後輪のスポークに磁石が取り付けられる。車速センサは、GPSを含んでいてもよい。
【0049】
トルクセンサ38は、制御部34と有線または無線によって通信可能である。トルクセンサ38は、クランクアームまたはペダルに加えられる人力駆動力に応じた信号を出力するセンサである。トルクセンサ38は、例えば、歪センサ、磁歪センサ、光学センサ、または、圧力センサである。トルクセンサ38は、例えば、ペダルから後輪までの人力駆動力の伝達経路に設けられる。
【0050】
変速段数センサ40は、制御部34と有線または無線によって通信可能である。変速段数センサ40は、例えば、アクチュエータ24の回転を検出することによって、変速装置18の変速段を検出する。外装変速機22の場合、変速段は、複数のフロントスプロケット、または、複数のリアスプロケットに掛けられているチェーンの位置に対応する。変速段数センサ40は、検出した変速段に応じた信号を制御部34に出力する。
【0051】
自転車用表示装置50は、操作装置14の操作に応じて少なくとも第1の動作モードおよび第2の動作モードを選択可能なドライブユニット20の第1の動作モードおよび第2の動作モードに対応する情報を表示可能な表示部52を含む。自転車用表示装置50は、好ましくは、表示部52を駆動するドライバ54、および、電源スイッチ56を含む。
【0052】
ドライバ54は、制御部34と有線または無線によって通信可能である。ドライバ54は、制御部34および表示部52と電気的に接続される。ドライバ54は、制御部34と有線または無線によって通信可能に接続される。ドライバ54は、バッテリ12、操作装置14、車速センサ36、トルクセンサ38、および、変速段数センサ40から制御部34に入力された情報に基づいて、表示部52の表示状態を切り替える。
【0053】
電源スイッチ56は、自転車用表示装置50およびドライブユニット20のオンとオフとを切り替える。ユーザにより電源スイッチ56がオン操作されることによって、自転車用表示装置50およびドライブユニット20がオンの状態となる。ユーザにより電源スイッチ56がオフ操作されることによって、自転車用表示装置50およびドライブユニット20がオフの状態となる。なお、電源スイッチ56を例えば、操作装置14に設けることもできる。電源スイッチ56は、さらに変速装置18のオンとオフ、および、制御装置16のオンとオフを切り替えることができる。
【0054】
図2に示されるように、自転車用表示装置50は、好ましくは、表示部52が設けられる本体部58、および、自転車に取り付け可能な取付部60を含む。表示部52は、例えば、透過型の液晶ディスプレイである。表示部52は、反射型の液晶ディスプレイであってもよく、有機ELディスプレイであってもよい。表示部52は、第1の動作モードが選択されているときに第1の色を表示する第1の表示状態と、第2の動作モードが選択されているときに第2の色を表示する第2の表示状態とが切り替わる切替領域62を含む。切替領域62は、第1の表示状態および第2の表示状態に加えて、さらに第3の表示状態と、第4の表示状態と、第5の表示状態とが切り替わることが好ましい。切替領域62は、第3の動作モードが選択されているときに第3の色を表示する第3の表示状態に切り替わる。切替領域62は、第4の動作モードが選択されているときに第4の色を表示する第4の表示状態に切り替わる。切替領域62は、歩行モードが選択され、モータ28が動作しているときに、第4の色、または、切替領域62に表示される文字または図形が点滅する第5の表示状態に切り替わる。切替領域62の各表示状態は、ドライバ54(図1参照)によって切り替えられる。なお、本実施の形態において色が異なるとは、明度、彩度、および、色相の少なくとも1つが異なることであり、好ましくは、色相が異なることである。第1の色、第2の色、第3の色、および、第4の色は、明度、彩度、および、色相の少なくとも1つが互いに異なり、好ましくは色相が互いに異なる。第1の色は、例えば橙である。第2の色は、例えば黄である。第3の色は、例えば、緑である。第4の色は例えば、白である。表示部52の表示領域は、どのような形状に形成されてもよいが、長方形に形成されることが好ましい。本実施の形態では、表示部52の表示領域は、直交する第1方向および第2方向の長さが異なる長方形に形成されている。第1方向の長さは、第2方向の長さよりも短い。切替領域62は、表示部52の表示領域のうちの第1方向の第1端部に配置される。
【0055】
切替領域62は、第1の表示状態において第1の動作モードに対応する文字または図形を表示し、第2の表示状態において第2の動作モードに対応する文字または図形を表示する。切替領域62は、第3の表示状態において第3の動作モードに対応する文字または図形を表示し、第4の表示状態において第4の動作モードに対応する文字または図形を表示し、第5の表示状態において、第5の動作モードに対応する文字または図形を表示する。本実施の形態では、切替領域62には、各表示状態において、各動作モードに対応する文字が表示される。
【0056】
切替領域62は、表示部52の表示領域の第2方向の第1端部から第2端部まで延びている。切替領域62は、第1の部分62Aおよび第2の部分62Bを含む。第1の部分62Aは、各表示状態において、各動作モードに対応する文字を表示する。第1の部分62Aは、第2方向の第1端部に位置する。第2の部分62Bは、第1の部分62Aと繋がり、表示部52の表示領域の第2方向に延びる。
【0057】
表示部52は、第1の動作モードまたは第2の動作モードにおけるモータ28の出力状態をグラフで表示可能である出力表示領域64を含む。出力表示領域64は、第1の動作モードまたは第2の動作モードにおけるモータ28の出力状態に加えて、第3の動作モードおよび歩行モードにおけるモータ28の出力状態をグラフで表示可能である。モータ28の出力状態は、自転車コンポーネントの動作状態の一例である。
【0058】
出力表示領域64は、切替領域62に隣接して配置される。出力表示領域64は、切替領域62が第1の表示状態のときにグラフを第1の色で表示し、切替領域62が第2の表示状態のとき、グラフを第2の色で表示する。出力表示領域64は、切替領域62が第3の表示状態のときにグラフを第3の色で表示し、切替領域62が第4の表示状態のとき、グラフを表示しない。出力表示領域64は、切替領域62が第5の表示状態のとき、グラフを第4の色で点滅させる。表示部52のうちの出力表示領域64の面積は、切替領域62の面積よりも大きい。出力表示領域64は、自転車コンポーネントの動作モードおよび動作状態のいずれか一方に対応する図形を、自転車コンポーネントの動作モードおよび動作状態の他方に対応する色によって表示する。出力表示領域64は、ドライブユニット20の動作モードおよび動作状態のいずれか一方に対応する図形を、ドライブユニットの動作モードおよび動作状態の他方に対応する色によって表示する。本実施の形態では、出力表示領域64は、ドライブユニット20の動作状態であるモータ28の出力状態に対応する図形を、ドライブユニット20の動作モードに対応する色によって表示する。
【0059】
出力表示領域64のグラフは、バーグラフである。出力表示領域64は、第1の部分64A、第2の部分64B、第3の部分64C、第4の部分64D、および、第5の部分64Eに分割されている。ドライバ54(図1参照)は、ドライブユニット20のモータ28の出力トルクの大きさに応じて第1の部分64A~第5の部分64Eの表示を変更する。本実施の形態では出力表示領域64は、L字形状に形成されており、第1の部分64A、第2の部分64B、および、第3の部分64Cは、第2方向に並んで配置されて、第4の部分64Dおよび第5の部分64Eは、第1方向に並んで配置されている。出力表示領域64は、ドライブユニット20の現在の動作モードにおけるモータ28の出力トルクが、現在の動作モードに設定されている最大出力トルクに対して、どの程度の割合であるのかを表示する。
【0060】
出力表示領域64は、ドライブユニット20の各動作モードにおけるモータ28の出力トルクが、各動作モードに設定されている最大出力トルクの0%以上~20%未満の範囲に含まれる場合、出力表示領域64のうちの第1の部分64Aにのみ各動作モードに対応する色を表示する。
【0061】
出力表示領域64は、ドライブユニット20の各動作モードにおけるモータ28の出力トルクが、各動作モードに設定されている最大出力トルクの20%以上かつ40%未満の範囲に含まれる場合、出力表示領域64のうちの第1の部分64Aおよび第2の部分64Bにのみ各動作モードに対応する色を表示する。
【0062】
出力表示領域64は、ドライブユニット20の各動作モードにおけるモータ28の出力トルクが、各動作モードに設定されている最大出力トルクの40%以上かつ60%未満の範囲に含まれる場合、出力表示領域64のうちの第1の部分64A~第3の部分64Cにのみ各動作モードに対応する色を表示する。
【0063】
出力表示領域64は、ドライブユニット20の各動作モードにおけるモータ28の出力トルクが、各動作モードに設定されている最大出力トルクの60%以上かつ80%未満の範囲に含まれる場合、出力表示領域64のうちの第1の部分64A~第4の部分64Dにのみ各動作モードに対応する色を表示する。
【0064】
出力表示領域64は、ドライブユニット20の各動作モードにおけるモータ28の出力トルクが、各動作モードごとに設定されている最大出力トルクの80%以上かつ100%以下の範囲に含まれる場合、出力表示領域64のうちの第1の部分64A~第5の部分64Eの全てに各動作モードに対応する色を表示する。
【0065】
以上のように、出力表示領域64は、モータ28の出力が大きいほど、グラフの表示面積またはグラフのうちの色を表示している部分の面積が大きい。
切替領域62および出力表示領域64の少なくとも一方は、バッテリ12の残量が所定値未満であることに基づいて、第1の色および第2の色とは異なる色を表示する警告表示状態に切り替えられる。本実施の形態では、バッテリ12の残量が所定値未満であることに基づいて、切替領域62および出力表示領域64が警告表示状態に切り替えられる。
【0066】
警告表示状態において、切替領域62および出力表示領域64は、同じ色を表示する。警告表示状態において、切替領域62および出力表示領域64は、第5の色を表示する。第5の色は例えば、赤である。警告表示状態において、切替領域62および出力表示領域64の少なくとも一方は、表示する色が点滅する。本実施の形態では、警告表示状態において、切替領域62および出力表示領域64は、表示する色が点滅する。
【0067】
表示部52は、バッテリ12(図1参照)の残量を表示可能である残量表示領域66を含む。残量表示領域66は、バッテリ12の残量を第1の色および第2の色とは異なる色で表示する。残量表示領域66は、バッテリ12の残量を第3の色とは異なる色で表示する。残量表示領域66は、バッテリ12の残量を例えば、第4の色で表示する。残量表示領域66は電池を模した形状である。残量表示領域66は、表示部52の表示領域のうちの第1方向の第2端部で、かつ第2方向の第1端部に位置する。残量表示領域66は、第2方向において第1の部分66A、第2の部分66B、第3の部分66C、第4の部分66D、および、第5の部分66Eに分割される。ドライバ54(図1参照)は、バッテリ12の残量に応じて第1の部分66A~第5の部分66Eに表示する色を変更する。
【0068】
残量表示領域66は、バッテリ12の残量が0%以上かつ20%未満の範囲に含まれる場合、残量表示領域66のうちの第1の部分66Aにのみ第4の色を表示する。残量表示領域66は、バッテリ12の残量が20%以上かつ40%未満の範囲に含まれる場合、残量表示領域66のうちの第1の部分66Aおよび第2の部分66Bにのみ第4の色を表示する。残量表示領域66は、バッテリ12の残量が40%以上かつ60%未満の範囲に含まれる場合、残量表示領域66のうちの第1の部分66A~第3の部分66Cにのみ第4の色を表示する。残量表示領域66は、バッテリ12の残量が60%以上かつ80%未満の範囲に含まれる場合、残量表示領域66のうちの第1の部分66A~第4の部分66Dにのみ第4の色を表示する。残量表示領域66は、バッテリ12の残量が80%以上かつ100%以下の範囲に含まれる場合、残量表示領域66のうちの第1の部分66A~第5の部分66Eの全てに第4の色を表示する。
【0069】
表示部52は、自転車の車速を表示可能である車速表示領域68を含む。車速表示領域68は、表示部52の表示領域の中央部に位置する。車速表示領域68は、車速センサ36の検出結果に基づいて、自転車の車速を例えば、第4の色で表示する。
【0070】
表示部52は、自転車の変速段数を表示可能である変速段数表示領域70を含む。変速段数表示領域70は、表示部52のうちの車速表示領域68に対して第2方向の第2端部側で、かつ第1方向の第2端部側に位置する。変速段数表示領域70は、変速段数センサ40の検出結果に基づいて、変速装置18の変速段数を例えば、第4の色で表示する。
【0071】
図3に示されるように、取付部60は、自転車のハンドルバーが挿入可能である略円環形状である。取付部60は、周方向の第1端部61と、第2端部65と、第1端部61および第2端部65と一体に形成される本体部63を含む。第1端部61と第2端部65とは、互いに向き合う。本体部63は、弾性を有する。取付部60は、合成樹脂によって形成されている。第1端部61には、雄ねじ72が挿入される孔60Aが形成される。第2端部65には、雄ねじ72と噛み合う雌ねじ60Bが形成され、または、雌ねじが形成されるナットが設けられる。雄ねじ72を雌ねじ60Bに締め込むことによって本体部63が縮径してハンドルバーに自転車用表示装置50が固定される。本体部63には、表示部52が設けられるハウジングが設けられている。ハウジングは、本体部63と一体に形成されていてもよい。
【0072】
図1、および、図4図8を参照して、自転車用表示装置50の作用を説明する。なお、図4図8において、表示部52のうちのドットが付されている部分は、色を表示していない領域を示し、表示部52のうちの白抜きの部分は、色を表示している領域を示している。
【0073】
ユーザが電源スイッチ56をオン操作することにより、自転車用表示装置50およびドライブユニット20がオンとなる。このため、表示部52の切替領域62が第1の表示状態、第2の表示状態、第3の表示状態、第4の表示状態、第5の表示状態、または、警告表示状態に切り替え可能となる。また、残量表示領域66、車速表示領域68、および、変速段数表示領域70は、対応する情報を第4の色で表示する。
【0074】
ユーザによりドライブユニット20の動作モードとして第1の動作モードが選択された場合、切替領域62は第1の表示状態に切り替えられる。
図4に示されるように、第1の表示状態において、切替領域62は、第1の部分62Aに第1の動作モードに対応する文字である「BOOST」を表示し、第1の部分62Aおよび第2の部分62Bに第1の色を表示する。出力表示領域64は、モータ28の出力状態を第1の色で表示する。なお、図4は、第1の動作モードにおけるモータ28の出力が第1の動作モードで設定されている最大出力の80%以上かつ100%以下の範囲に含まれている場合の例として、出力表示領域64が第1の部分64A~第5の部分64Eに第1の色を表示している状態を示している。
【0075】
ユーザによりドライブユニット20の動作モードとして第1の動作モードが選択されている状態において、ユーザが動作モード操作装置32の第2の操作部32Bを操作した場合、ドライブユニット20の動作モードが第1の動作モードから第2の動作モードに切り替えられる。このため、切替領域62は、第1の表示状態から第2の表示状態に切り替えられる。
【0076】
図5に示されるように、第2の表示状態において、切替領域62は、第1の部分62Aに第2の動作モードに対応する文字である「TRAIL」を表示し、第1の部分62Aおよび第2の部分62Bに第2の色を表示する。出力表示領域64は、モータ28の出力状態を第2の色で表示する。なお、図5は、第2の動作モードにおけるモータ28の出力が第2の動作モードで設定されている最大出力の60%以上かつ80%未満の範囲に含まれている場合の例として、出力表示領域64が第1の部分64A~第4の部分64Dに第2の色を表示している状態を示している。
【0077】
ユーザによりドライブユニット20の動作モードとして第2の動作モードが選択されている状態において、ユーザが動作モード操作装置32の第2の操作部32Bを操作した場合、ドライブユニット20の動作モードが第2の動作モードから第3の動作モードに切り替えられる。このため、切替領域62は、第2の表示状態から第3の表示状態に切り替えられる。
【0078】
図6に示されるように、第3の表示状態において、切替領域62は、第1の部分62Aに第3の動作モードに対応する文字である「ECO」を表示し、第1の部分62Aおよび第2の部分62Bに第3の色を表示する。出力表示領域64は、モータ28の出力状態を第2の色で表示する。なお、図6は、第3の動作モードにおけるモータ28の出力が第2の動作モードで設定されている最大出力の40%以上かつ60%未満の範囲に含まれている場合の例として、出力表示領域64が第1の部分64A~第3の部分64Cに第3の色を表示している状態を示している。
【0079】
ユーザによりドライブユニット20の動作モードとして第3の動作モードが選択されている状態において、ユーザが動作モード操作装置32の第2の操作部32Bを操作した場合、ドライブユニット20の動作モードが第3の動作モードから第4の動作モードに切り替えられる。このため、切替領域62は、第3の表示状態から第4の表示状態に切り替えられる。
【0080】
図7に示されるように、第4の表示状態において、切替領域62は、第1の部分62Aに第4の動作モードに対応する文字である「OFF」を表示し、第1の部分62Aおよび第2の部分62Bに第4の色を表示する。第4の動作モードは、モータ28を駆動しない動作モードであるため、切替領域62が第4の表示状態のとき出力表示領域64は、色を表示しない。出力表示領域64は、自転車用表示装置50がオフのときの表示領域の色と同じ色になる。
【0081】
ユーザによりドライブユニット20の動作モードとして第4の動作モードが選択されている状態において、ユーザが動作モード操作装置32の第2の操作部32Bを操作した場合、ドライブユニット20の動作モードが第4の動作モードから歩行モードに切り替えられる。歩行モードでモータ28が動作していないとき、切替領域62は、第4の色を表示し、第1の部分62Aに歩行モードに対応する文字である「WALK」を表示する。出力表示領域64は、第1の部分64A~第5の部分64Eの全てに第4の色を表示する。
【0082】
歩行モードで、ユーザが第2の操作部32Bを操作すると、モータ28が動作し、図8に示されるように、第5の表示状態において、切替領域62は、第1の部分62Aに歩行モードに対応する文字である「WALK」を表示し、第1の部分62Aの文字を点滅して表示する。出力表示領域64は、第1の部分64A~第5の部分64Eの全てに第4の色を表示する。歩行モードが選択されている状態において、ユーザが第2の操作部32Bの操作を停止すると、第1の部分62Aの文字の点滅が停止する。
【0083】
ユーザによりドライブユニット20の動作モードとして歩行モードが選択されている状態において、ユーザが動作モード操作装置32の第1の操作部32Aを操作した場合、ドライブユニット20の動作モードが歩行モードから第4の動作モードに切り替えられる。
【0084】
図9に示されるように、バッテリ12の残量が0%以上~20%未満の範囲に含まれる場合、バッテリ12の残量が所定値未満であるとして、切替領域62は、第1の表示状態、第2の表示状態、第3の表示状態、第4の表示状態、または、第5の表示状態から警告表示状態に切り替えられる。警告表示状態において、切替領域62および出力表示領域64は、第5の色を表示する。
【0085】
(変形例)
本自転車用表示装置が取り得る具体的な形態は、上記実施形態に例示された形態に限定されない。本自転車用表示装置は、上記実施形態とは異なる各種の形態を取り得る。以下に示される上記実施形態の変形例は、本自転車用表示装置が取り得る各種の形態の一例である。
【0086】
・制御部34は、車速センサ36およびトルクセンサ38の少なくとも一方の検出結果に基づいて、第1の動作モード~第4の動作モードを自動で切り替えてもよい。
・変形例の自転車用表示装置50は、自転車コンポーネントの一例としてのサスペンション装置の第1の動作モードおよび第2の動作モードに対応する情報を表示する表示部52を備える。この変形例の第1の動作モードは、サスペンション装置がロックされている動作モードである。第2の動作モードは、サスペンション装置がロックされていない動作モードである。
【0087】
・変形例の自転車用表示装置50は、自転車コンポーネントの一例としての変速装置の第1の動作モードおよび第2の動作モードに対応する情報を表示する表示部52を備える。この変形例の第1の動作モードは、例えば、マニュアルで変速装置を変速するマニュアル変速モードである。第2の動作モードは、例えば、車速センサ36およびトルクセンサ38の少なくとも一方の検出結果に基づいて、変速装置を自動で切り替えるオート変速モードである。
【0088】
・変形例の自転車用表示装置50は、例えば、切替領域62を省略してもよい。
・変形例の自転車用表示装置50は、自転車コンポーネントの動作モードおよび動作状態のいずれか一方に対応する図形を、自転車コンポーネントの動作モードおよび動作状態の他方に対応する色によって表示する表示部52を含む。自転車コンポーネントの動作状態としては、ドライブユニット20のモータ28の出力状態の他に、サスペンション装置の動作状態、オート変速装置の変速段数、マニュアル変速装置の変速段数、および、アジャスタブルシートポストの動作状態が挙げられる。サスペンション装置の動作状態の一例は、サスペンション装置の高さ、硬さ、および、ダンピング量である。アジャスタブルシートポストの動作状態の一例は、シートポストの高さである。自転車コンポーネントの動作モードとしては、ドライブユニット20の動作モードの他に、例えば、変速装置の動作モード、および、サスペンション装置の動作モードである。
【0089】
・変形例の自転車用表示装置50は、第1の自転車コンポーネントの動作モードおよび動作状態のいずれか一方に対応する図形を、第1の自転車コンポーネントとは異なる第2の自転車コンポーネントの動作モードおよび動作状態のいずれか一方に対応する色によって表示する表示部52を備える。第1の自転車コンポーネントの一例は、ドライブユニット20、サスペンション装置、アジャスタブルシートポスト、および、変速装置のうちの1つである。第2の自転車コンポーネントの一例は、第1の自転車コンポーネントとは異なるライブユニット、サスペンション装置、アジャスタブルシートポスト、および、変速装置18のうちの1つである。この変形例の自転車用表示装置50は、例えば、ドライブユニット20の動作状態の一例であるモータ28の出力状態に対応する図形を、変速装置18の動作状態の一例である変速段数に対応する色によって表示することができる。
【0090】
・変形例の自転車用表示装置50は、表示部52のうちの出力表示領域64、残量表示領域66、車速表示領域68、および、変速段数表示領域70の少なくとも一つが省略される。
【0091】
・変形例の自転車用表示装置50は、制御装置16と接続された電子デバイス、または、操作装置を用いて、ユーザが第1の色~第5の色、または、各動作モードに対応する第1の色~第5の色の組み合わせを変更可能である。電子デバイスは、例えば、パーソナルコンピュータまたはスマートフォンである。
【0092】
・変形例の自転車用表示装置50は、動作モード操作装置32が設けられる。この変形例の自転車用表示装置において、動作モード操作装置32は、第1の動作モード、第2の動作モード、第3の動作モード、第4の動作モード、および、歩行モードのそれぞれに対応する操作スイッチを含んでいてもよい。
【0093】
・変形例の自転車用表示装置50は、切替領域62と繋がり、1つの動作モードに対応する色のみを表示可能であり、動作モードを切り替えた時に他の動作モードに対応する色に切り替わらない1つまたは複数の領域を含む。
【符号の説明】
【0094】
12…バッテリ、14…操作装置、20…ドライブユニット(自転車コンポーネント)、28…モータ、50…自転車用表示装置、52…表示部、62…切替領域、64…出力表示領域、66…残量表示領域、68…車速表示領域。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9