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特許7472351画像処理装置、画像処理装置の制御方法、及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-12
(45)【発行日】2024-04-22
(54)【発明の名称】画像処理装置、画像処理装置の制御方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   H04N 1/00 20060101AFI20240415BHJP
   H04N 1/04 20060101ALI20240415BHJP
【FI】
H04N1/00 567M
H04N1/04 106A
H04N1/12 Z
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2023059509
(22)【出願日】2023-03-31
(62)【分割の表示】P 2021167269の分割
【原出願日】2016-11-29
(65)【公開番号】P2023073481
(43)【公開日】2023-05-25
【審査請求日】2023-05-01
(73)【特許権者】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002767
【氏名又は名称】弁理士法人ひのき国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】武藤 剛
【審査官】松永 隆志
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-298579(JP,A)
【文献】特開2016-005200(JP,A)
【文献】特開平08-015927(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 1/00
H04N 1/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
搬送手段によって搬送された原稿の画像を読み取る読取手段と、
前記搬送手段によって搬送された前記原稿が綴じられた原稿であることを判定する判定手段と、
前記搬送手段によって搬送された前記原稿が綴じられた原稿であることに基づく通知を行う機能を無効にするためのボタンの表示を、前記判定手段による判定結果に基づいて行う表示手段とを有することを特徴とする画像処理装置。
【請求項2】
前記判定手段による判定結果に基づいて、前記搬送手段による原稿の搬送を停止させる搬送制御手段をさらに有することを特徴とする請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項3】
前記搬送手段は、原稿トレイから1枚ずつ原稿を搬送可能であることを特徴とする請求項1または2に記載の画像処理装置。
【請求項4】
前記機能を無効にする設定をユーザから受け付ける受付手段をさらに有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の画像処理装置。
【請求項5】
前記表示手段は、前記搬送手段による搬送が停止された原稿の読み取りを中止することをユーザから受け付けるための表示を、前記判定手段による判定結果に基づいてさらに行うことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の画像処理装置。
【請求項6】
前記判定手段は、綴じられた原稿が前記搬送手段によって搬送されたことを前記原稿の搬送状態に基づいて判定することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の画像処理装置。
【請求項7】
前記判定手段は、前記搬送手段によって搬送された前記原稿が綴じられた原稿であることを、少なくとも前記原稿の形状の高さ方向の変化の状態に基づいて判定することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の画像処理装置。
【請求項8】
前記搬送手段をさらに有することを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の画像処理装置。
【請求項9】
搬送された原稿の画像を読み取る読取工程と、
搬送された前記原稿が綴じられた原稿であることを判定する判定工程と、
搬送された原稿が綴じられた原稿であることに基づく通知を行う機能を無効にするためのボタンの表示を、前記判定工程における判定結果に基づいて行う表示工程とを有することを特徴とする画像処理装置の制御方法。
【請求項10】
請求項9に記載の画像処理装置の制御方法を、コンピュータに実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像処理装置、画像処理装置の制御方法、及びプログラムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、複写機等に使用される画像読取装置には、自動原稿搬送装置(後述するADF)により原稿を1枚ずつ搬送し、その搬送路上に固定されたCCDセンサにより原稿の画像を読み取るものがある(特許文献1参照)。
【0003】
上記構成を有する画像読取装置では、原稿を搬送する際に、ステイプルやクリップを除去していない原稿束が原稿トレイ上に積載されて、読み取り指示が行われることがある。
自動原稿搬送装置では、搬送部の分離機構によって原稿が1枚ずつ分離されて搬送されるように構成されるので、綴じられた原稿束が積載された状態で搬送動作が開始されると、最上面の原稿が分離、搬送される際に綴じ部分に負荷がかかる。
これにより、原稿がシワになったり、破れてしまったりすることがある。また、綴じられた原稿が分離されずに送り出されることで、搬送経路上で紙詰まりを起こすというトラブルが発生することもある。
【0004】
そこで、このような事態を避けるために、原稿がステイプルやクリップ等で綴じられていることを検知する装置が提案されている。
例えば、原稿トレイ上に積載された原稿に対し、ステイプル、クリップ、糊付け等の綴じ部の有無を判断するために、原稿搬送時の原稿の高さの変化を検出して綴じ部の有無を判断する構成を備えた装置がある(特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2001-285595号公報
【文献】特開2004-182449号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、搬送時に原稿の高さの変化を検出する上記特許文献2記載の技術では、搬送前から原稿に折れやシワが存在している場合、綴じられていないのに、綴じ原稿と誤判定する可能性がある。そして、何度、原稿を置き直しても誤検知し続けるという問題があった。
また、別の課題として、従来の技術では、綴じ原稿を検知した後にどのように原稿読取を実施すれば良いのかについて、対処方法を示しておらず、ユーザに不親切であった。
また、別の課題として、ステイプルされた綴じ原稿を検知した場合、綴じたままの原稿を自動原稿搬送装置で読み取ることは出来ない。そのため、一度ジョブを中止して、原稿台に原稿を載置させ、新しいジョブとして最初から連続して読取を実行させるか、ユーザに適切な操作指示を与えていなかった。
【0007】
本発明は、上記の課題を解決するためになされたものである。本発明の目的は、搬送された原稿が綴じられた原稿であることに基づく通知を行う機能を無効にするためのボタンの表示を、搬送された原稿が綴じられた原稿であることを判定した結果に基づいて行う仕組みを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成する本発明の画像処理装置は、搬送手段によって搬送された原稿の画像を読み取る読取手段と、前記搬送手段によって搬送された前記原稿が綴じられた原稿であることを判定する判定手段と、前記搬送手段によって搬送された前記原稿が綴じられた原稿であることに基づく通知を行う機能を無効にするためのボタンの表示を、前記判定手段による判定結果に基づいて行う表示手段とを有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、搬送された原稿が綴じられた原稿であることに基づく通知を行う機能を無効にするためのボタンの表示を、搬送された原稿が綴じられた原稿であることを判定した結果に基づいて行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】画像形成装置の外観例を示す図である。
図2】ADF、画像読取部の構成例を示す断面図である。
図3】画像形成装置の構成を示すブロック図である。
図4】操作部の構成を説明する平面図である。
図5】LCDタッチパネルに表示するUI画面を説明する図である。
図6】LCDタッチパネルに表示するUI画面を説明する図である。
図7】画像読取装置の制御方法を説明するフローチャートである。
図8】画像読取装置の制御方法を説明するフローチャートである。
図9】LCDタッチパネルに表示するUI画面を説明する図である。
図10】LCDタッチパネルに表示するUI画面を説明する図である。
図11】画像読取装置の制御方法を説明するフローチャートである。
図12】画像読取装置の制御方法を説明するフローチャートである。
図13】LCDタッチパネルに表示するUI画面を説明する図である。
図14】LCDタッチパネルに表示するUI画面を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
次に本発明を実施するための最良の形態について図面を参照して説明する。
<システム構成の説明>
〔第1実施形態〕
【0012】
図1は、本実施形態を示す画像形成装置の外観例を示す図である。本例は、スキャン機能、コピー機能、プリント機能、センド機能等を実行可能なMFP(Multi Function Printer)を例として説明する。
図1において、画像読取手段である画像読取部200は、照明ランプの発光によって原稿上の画像を露光走査して得られた反射光をリニアイメージセンサ(CCDセンサ)に入力することで画像の情報を電気信号に変換する。画像読取部200はさらに電気信号をR、G、B各色からなる輝度信号に変換し、当該輝度信号を画像データとして後述するコントローラ部400に出力する。
【0013】
原稿は、自動原稿搬送装置(以下、ADF)100の原稿トレイ30にセットされる。ユーザが後述する操作部405から読み取り開始を指示すると、コントローラ部400は、画像読取部200に対して原稿読み取り指示を送る。画像読取部200は、この指示を受けとるとADF100の原稿トレイ30から原稿を1枚ずつ分離してフィードして原稿の読み取り動作を行う。また、原稿は後述する原稿台ガラス上に置くことで読み取ることもできる。画像形成部500は、コントローラ部400から受取った画像データを用紙上に形成する画像形成デバイスである。
【0014】
本実施形態における画像形成方式は、感光体ドラムや感光体ベルトを用いた電子写真方式である。また、画像形成部500は、給紙ユニット504として異なる用紙サイズ又は異なる用紙向きに対応可能な複数のカセットを備える。また、排紙ユニット502やフィニッシャユニット505には印字後の用紙が排出される。
【0015】
(ADF100の構成例)
図2は、本実施形態のADF100、画像読取部200の構成例を示す断面図である。以下、ADF100の動作について、図2を参照しながら説明する。
図2において、ADF100は、1枚以上の原稿シートで構成される原稿Sを積載する原稿トレイ30と、原稿の搬送開始前に原稿Sが原稿トレイ30より突出して下流への進出を規制する分離パッド21と、給紙ローラ1とを有する。さらに、ADF100は、原稿トレイ30上に原稿Sが載置されていることを検知する原稿検知センサ23と、原稿Sの最上面との距離を計測する測距センサ22、原稿が分離ローラ2を通過したことを検知する分離センサ24とを有する。
給紙ローラ1は、原稿トレイ30に積載された原稿Sの原稿面に落下し、回転する。これにより、原稿束の最上面の原稿が給紙される。給紙ローラ1によって搬送された原稿は、分離ローラ2と分離パッド21の作用によって1枚に分離される。この分離は周知のリタード分離技術によって実現されている。 このとき、搬送開始から一定時間(t1)経過しても、分離センサ24で原稿を検知出来ない場合、給紙ローラ1等の駆動を停止する。停止するまでの一定時間(t1)は、搬送速度に従って予想した搬送開始から分離センサ24までの到達時間と遅延を考慮した十分な時間を加えたものである。
【0016】
分離ローラ2と分離パッド21によって分離された原稿は、搬送ローラ対3により、レジストローラ4へ搬送され、レジストローラ4に原稿を突き当てられる。これにより、原稿はループ状に形成され、原稿の搬送における斜行が解消される。レジストローラ4の下流側には、レジストローラ4を通過した原稿を流し読みガラス201方向へ搬送する給紙パスが配置されている。
【0017】
給紙パスに送られた原稿は、大ローラ7及び搬送ローラ5によりプラテン上に送られる。ここで、大ローラ7は、流し読みガラス201に接触する。大ローラ7により搬送された原稿は、搬送ローラ6を通過し、ローラ16と移動ガラスの間を移動して、排紙フラッパ及び排紙ローラ8を介して原稿排紙トレイ31へ排出される。
【0018】
図2のADF100は、反転両面することで原稿の裏面画像を読み取るタイプであり、排紙ローラ8に原稿を噛ませた状態で、排紙ローラ8を逆転させて排紙フラッパを切り替えることにより、反転パス19へ原稿を移動させる。移動した原稿を反転パス19からレジストローラ4へ突き当て、再度原稿がループ状に形成されることによって、原稿の搬送における斜行を解消する。その後、搬送ローラ5及び大ローラ7により、再び原稿を流し読みガラス201へ移動させることで、原稿の裏面を流し読みガラス201で読み取ることが可能である。
【0019】
また、原稿トレイ30には、積載された原稿束の副走査方向にスライド可能なガイド規制板15が設けられているとともに、このガイド規制板に連動して原稿幅を検出する原稿幅検知センサ(図示せず)が設けられている。
上記原稿幅検知センサとレジ前センサ11との組み合わせにより、原稿トレイ30上に積載された原稿束の原稿サイズが判別可能となる。また、搬送パス内に設けられた原稿長検知センサ(図示せず)により、搬送中の原稿の先端検知から後端検知までの搬送距離から原稿長を検出することも可能である。また、検知した原稿長と上記原稿幅検知センサとの組み合わせからも、原稿サイズが判別可能である。
【0020】
また、測距センサ22は、原稿トレイ30に積載された原稿Sの最上面との距離を計測するセンサである。例えば、原稿1枚毎に搬送開始前に計測した原稿Sの最上面との距離と搬送開始から一定時間(t2)後に計測した原稿Sの最上面との距離の差を計測することで、ステイプルで綴じられている等の形状異常の原稿を検知することが可能である。また、t1>t2とすることで、ジャムが発生する前に、原稿の形状異常を検知することが可能である。
【0021】
(画像読取部200の構成例)
画像読取部200は、原稿台ガラス202上の原稿については、スキャナユニット209が図1の矢印に示す副走査方向に走査することで、原稿に記録された画像情報を光学的に読み取る。
また、ADF100上の原稿については、原稿トレイ30上の原稿を一枚ずつ読取中心位置へ原稿を搬送する。さらに、スキャナユニット209をADF100の大ローラ7の読取中心位置に来るように移動し、大ローラ7の読取中心位置で原稿を読み取る。ADF100上の原稿、又は原稿台ガラス202上の原稿は、次の光学系で読み取られる。この光学系は、流し読みガラス201、原稿台ガラス202、ランプ203とミラー204を有するスキャナユニット209、ミラー205及び206、レンズ207、CCDセンサユニット210を備える。読み取られた画像情報を光電変換して、図1には図示しないコントローラ部に画像データとして入力する。また、白板219は、シェーディングによる白レベルの基準データを作成するための白板である。本実施形態では、CCDセンサユニット210は、カラー画像読取用(RGB)CCD(3ラインセンサユニット)212、白黒画像読取用CCD(1ラインセンサユニット)211で構成される。
【0022】
(ADF100の制御ブロック)
図3は、本実施形態を示す画像形成装置の構成を示すブロック図である。
【0023】
図3において、ADF100の制御ブロックは、中央演算処理部である制御手段(以下、CPU)300、リードオンリーメモリ(以下、ROM)301、ランダムアクセスメモリ(以下、RAM)302、出力ポート、及び、入力ポートを備えている。ROM301には、制御用プログラムや固定パラメータが格納されており、RAM302には、入力データや作業用データが格納されている。出力ポートには、各種搬送用のローラを駆動するモータ303、ソレノイド306、クラッチ307が接続されており、入力ポートには、各種センサ304がそれぞれ接続されている。
【0024】
CPU300は、バスラインを介して接続されたROM301に格納された制御プログラムにしたがって、紙搬送を制御する。CPU300は、画像読取部200の中央演算処理部(CPU)321と制御通信線351を介してシリアル通信を行い、画像読取部200との間で制御データの授受を行うようになっている。また、原稿画像データの先端の基準となる画先信号も制御通信線351を通して画像読取部200に通知される。
【0025】
またCPU300は、画像読取部200のCPU321からの制御データに応じて、各種センサ304の値を画像読取部200に通知する。なお、各種センサ304の値の中には、測距センサ22で測定したデータも距離データも含まれる。
【0026】
(画像読取部200の制御ブロック)
画像読取部200の制御ブロックにおいて、321がCPUであり、画像読取部200の制御をすべて行っている。CPU321にはプログラムを格納するROM322、ワーク領域を提供するRAM323が接続される。なお、RAM323は不揮発性の記憶を行う領域も含むワーク領域を示している。
【0027】
326は光学系モータドライブ部であり、光学系駆動モータを駆動させるためのドライバ回路である。画像読取部200には、ランプ203、CCDセンサユニット210(表面画像用の白黒画像読取用CCD211/表面画像用のカラー画像読取用CCD212)が接続されている。CPU321は、光学系モータドライバ部326を制御し、画像処理部325を介してCCDセンサユニット210を制御することで画像読取処理を実施している。
【0028】
紙搬送を実現するために、CPU321はADF100の紙搬送制御用のCPU300に制御通信線351を介して紙搬送制御についてのコマンドを送って指示する。指示されたCPU300が、搬送パス上に設置されている各センサ304をモニタし、負荷である搬送用のモータ303、ソレノイド306、クラッチ307を駆動することで、紙搬送を実現している。このように、CPU321はADF100による紙搬送と、画像読取部200による画像読取制御を行っている。324は紙間補正を行う紙間補正処理部である。
【0029】
レンズ207でCCDセンサユニット210(カラー画像読取用(RGB)CCD212、白黒画像読取用CCD211のいずれか)上に結像された画像信号は、デジタル画像データに変換される。変換された画像データは、さらに画像処理部325でシェーディングをはじめとして、画像データ上のスジ画像等を検知して補正するための各種画像処理が実施されて、画像メモリ329に書き込まれる。
【0030】
画像メモリ329に書き込まれたデータは順次、画像転送用クロック信号線を含むコントローラ・インタフェースの画像通信線353を通してコントローラ部400へ送信される。さらに、原稿画像データの先端の基準となる画先信号は、CPU321でタイミングを調整して、コントローラ・インタフェースの制御通信線352を通してコントローラ部400へ通知される。ADF100からの通信ラインで通知される画先信号についても、同様に画像読取部200のCPU321でタイミングを調整して、コントローラ・インタフェースの制御通信線352を通してコントローラ部400へ通知される。
【0031】
CPU321が制御バスライン上に接続された画像処理部325を制御する。さらに、CPU321は、画像処理部325を介して制御通信線354から制御信号をCCDセンサユニット210に伝達することで、CCDセンサユニット210を制御する。CCDセンサユニット210で原稿画像を走査する過程で、カラー画像読取用CCD212あるいは白黒画像読取用CCD211により読み取られる。そして、読み取られた1ラインごとのアナログの画像信号が、画像転送用クロック信号線を含む画像データ通信線214あるいは215からCCD制御部213に出力される。
【0032】
CCD制御部213でアナログ信号がデジタル画像データに変換され、画像転送用クロック信号線を含む画像通信線355から画像メモリ329を経由して、画像通信線353を通してコントローラ部400へ送信される。
【0033】
CPU321は、コントローラ部400の中央演算処理部(CPU)401と画像通信線353を介してシリアル通信を行い、コントローラ部400との間で制御データの授受を行うようになっている。CPU321は、コントローラ部400の中央演算処理部(CPU)401からの制御データに応じて、搬送中の原稿に対する形状異常の検知を行う。形状異常の検知では、原稿1枚毎に搬送開始前に計測した原稿Sの最上面との距離と搬送開始から一定時間(t2)後に計測した原稿Sの最上面との距離の差を計算し、一定以上の差(d1)がある場合に、原稿が形状異常であると判断する。そして、CPU321は、判断結果はコントローラ部400の中央演算処理部(CPU)401に通知する。
【0034】
(コントローラ部400の制御ブロック)
画像処理用のコントローラ部400は、ADF100、画像読取部200、画像形成部500を含む画像形成装置2000の全体を制御する装置である。コントローラ部400は、CPU401、画像処理回路402、スキャナIF403、画像メモリ404、操作部405、ワーク領域を提供するRAM406、プログラムを格納するROM407、プリンタIF408、HDD409を有している。 なお、RAM406は不揮発性の記憶を行う領域も含むワーク領域を示している。
また、プログラムをHDD409からRAM406にロードしてCPU401で実行する構成でもよい。画像通信線353を通じてコントローラ部400へ送信された画像データは、スキャナIF403を通じて、画像メモリ404に保存される。
【0035】
画像処理回路402は、画像メモリ404上にある画像を、画像変換し、再度、画像メモリ404に戻す。画像処理回路402が行う画像変換処理には、32画素×32画素単位の画像を指定された角度で回転する回転処理、画像の解像度を変換する解像度変換処理がある。
さらに、画像処理回路402が行う画像変換処理に画像を変倍する変倍処理、多値入力された画像をマトリクス演算、およびLUTによりYUV画像をLab画像に変換する色空間変換処理がある。この色空間変換は3×8のマトリクス演算および、1次元LUTをもち、公知の下地とばしや裏写り防止を行うことができる。
【0036】
操作部405は液晶表示部(LCD)と液晶表示部上に張り付けられたタッチパネル入力装置と、複数個のハードキーを有する。タッチパネルまたはハードキーにより入力された信号はCPU401に伝えられ、液晶表示部には、本画像形成装置の操作における機能表示や画像データ等を表示する。
【0037】
コントローラ・インタフェースの制御通信線356を通して、画像形成部500から画先信号を受信する。画像データの先端の基準となる画先信号に基づいて画像メモリ404に書き込まれたデータは順次、プリンタIF408を介して画像転送用クロック信号線を含むコントローラ・インタフェースの画像通信線357を通して画像形成部500へ送信される。
【0038】
(画像形成部500の制御ブロック)
画像形成部500は、記録紙を搬送し、その上に画像データを可視画像として印字して装置外に排紙する。画像形成部500は、画像形成部500を制御する制御部501と、複数種類の記録紙カセットを持つ給紙ユニット504と、画像データを記録紙に転写、定着させる機能を持つマーキングユニット503から構成されている。さらに印字された記録紙を機外へ出力する機能を持つ排紙ユニット502、パンチ処理、ソート処理を行うフィニッシャ部(フィニッシャユニット)505とで構成される。
【0039】
制御部501は、マーキングユニット503で画像形成の準備が整った場合に、先端の基準となる画先信号をコントローラ・インタフェースの制御通信線356を通してコントローラ部400へ送信する。そして、マーキングユニット503は、コントローラ・インタフェースの画像通信線357を通して送られてきた画像データを記録紙に転写、定着させる。
【0040】
〔操作部405の構成〕
図4は、図1に示した操作部405の構成を説明する平面図である。
図4において、600はLCDタッチパネルで、主なモード設定、状況表示はここで行われる。601は0~9までの数値を入力するためのテンキーである。602はIDキーで、装置が部門管理されている場合に部門番号と暗証モードを入力する際に使用されるものである。
【0041】
603は設定されたモードをリセットするためのリセットキー、604は各モードについての説明画面を表示するためのガイドキー、606は割り込みコピーを行うための割り込みキーになっている。607はコピーやスキャン動作をスタートさせるためのスタートキー、608は実行中のジョブを中止させるためのストップキーである。
605はユーザモード画面に入るためのユーザモードキーであり、ユーザモード画面では、装置に関する各種の設定を行うことが可能である。609は節電キーで、これを押下することで節電状態に入り、再度押下することで節電状態から復帰する。610はカウンタ確認キーで、このキーを押下することでそれまでに使用したコピー枚数の集計を表示するカウント画面がLCD上に表示される。
【0042】
611はジョブの実行中、画像メモリへの画像蓄積中を示すLED、612がジャム、ドアオープン等装置がエラー状態にあることを示すエラーLED、613は装置のメインスイッチがONになっていることを示す電源LEDになっている。
【0043】
〔コピー画面〕
図5図6は、図4に示したLCDタッチパネル600に表示するUI画面を説明する図である。図5に示すUI画面は、コピー画面の例を示す。
図5に示すように、基本的な設定として、カラー選択651、倍率652、用紙選択653を設定するためのボタンが図5のように配置され、それらの設定状況が650に表示されている。基本的な設定以外の設定はその他の機能658を押下することによって選択可能である。
ここでは図示しないがその他の機能658には、ページ印字やページ集約や製本など様々な機能が用意されている。それら機能の中でユーザが頻繁に使う機能については、コピー画面にショートカットボタンを作成可能となっている。ここでは、両面印刷を設定するための両面654、印刷濃度を設定するための濃度655を配置している。
さらに、異なるサイズが混在した原稿を読み取るための原稿サイズ混載656を、自動原稿搬送装置100で搬送された原稿Sが形状異常の原稿かどうかを検知するための綴じ原稿検知657を配置している。
【0044】
図6に示すUI画面は、綴じ原稿検知657のショートカットボタンを押下されたときに、LCDタッチパネル600に表示する綴じ原稿検知設定画面である。
図6において、701はコピージョブにおいて自動原稿搬送装置100で搬送された原稿Sが形状異常の原稿かどうかを検知する綴じ原稿検知モードを有効するためのボタンである。OKボタン703が押下されると、有効・無効を示すデータがRAM406に保存される。
702は反対にコピージョブにおいて自動原稿搬送装置100で搬送された原稿Sが形状異常の原稿かどうかを検知する綴じ原稿検知モードを無効にするためのボタンである。綴じ原稿検知モードが有効な場合、形状異常の原稿が搬送中であると検知されたジョブはスキャンを中断する。
【0045】
図7は、本実施形態を示す画像読取装置の制御方法を説明するフローチャートである。各ステップに示す処理は、コントローラ部400のCPU401が、ROM407から読み出してRAM406に展開された制御プログラムを実行することで実現される。なお、図5に示すコピー画面がLCDタッチパネル600に表示されていて、且つ、綴じ原稿検知が検知するに設定されている状態で、図7に係る一連の処理が開始される。
【0046】
S701で、CPU401は、コピージョブの実行指示を受け付けたか否かを判定する。CPU401は、受け付けたと判定した場合(S701でYES)、処理をS702に進める。一方、CPU401は、S701でNOと判定した場合、受け付けたと判定するまでS701の処理を繰り返す。なお、図5に示すコピー画面がLCDタッチパネル600に表示されている状態で、スタートキー607がユーザによって押下されたことに従って、コピージョブの実行指示が受け付けられる。
【0047】
S702で、CPU401は、原稿トレイ30上に原稿Sが載置されているか否かを判定する。なお、CPU401は、原稿トレイ30上に原稿Sが載置されていることを、原稿検知センサ23による検知信号を受信することによって判断可能である。
【0048】
S702で、CPU401きち原稿トレイ30上に原稿Sが載置されていると判定した場合(S702でYES)、処理をS703に進める。一方、CPU401は、S702でNOと判定した場合、図7に係る一連の処理を終了する。
【0049】
S703で、CPU401は、原稿Sの画像の読み取り(スキャン)に係る一連の処理が正常に終了したか否かを表すためのフラグ(以降、スキャン終了フラグと呼ぶ)の値を「FALSE」に設定(初期化)する。なお、スキャン終了フラグの値はRAM406に記憶される。
【0050】
なお、スキャン終了フラグの値が「TRUE」である場合は、スキャンが正常に終了したことを表す。一方、スキャン終了フラグの値が「FALSE」である場合は、スキャンが正常に終了しなかったことを表す。
例えば、スキャンの中止指示を受け付けた場合や、コピージョブの実行がキャンセルされた場合等において、CPU401は、スキャンが正常に終了しなかったと判断し、スキャン終了フラグの値を「FALSE」で上書きする。
CPU401は、S703の処理を実行した後、処理をS800に進める。なお、S800のスキャン処理の詳細は、後述する。
【0051】
続いて、図7のS704において、CPU401は、RAM406に記憶されているスキャン終了フラグの値を参照し、スキャン終了フラグの値は「TRUE」であるか否かを判定する。CPU401は、「TRUE」であると判定した場合(S704でYES)、処理をS705に進める。一方、CPU401は、S704でNOと判定した場合、処理をS706に進める。
【0052】
CPU401は、後述するS808によってHDD409に保存された原稿Sの画像データを読み出して、RAM406に一時格納する(S705)。そして、CPU401は、RAM406に一時格納された原稿Sの画像データに基づいて、画像形成部500によって印刷処理を実行するよう指示する(S705)。
【0053】
CPU401は、S705の処理を実行した後、処理をS706に進める。S706で、CPU401は、前述したS808によってHDD409に保存された原稿Sの画像データを削除して、図7に係る一連の処理を終了する。以上が、コピージョブの実行指示を受け付けて、受け付けたコピージョブを実行するための一連の処理の詳細である。
【0054】
〔スキャンに係る一連の処理〕
図8は、本実施形態を示す画像読取装置の制御方法を説明するフローチャートである。本例は、CPU401によるスキャンに係る一連の処理(S800)の詳細手順に対応する。なお、各ステップに示す処理は、コントローラ部400のCPU401が、ROM407から読み出してRAM406に展開された制御プログラムを実行することで実現される。
【0055】
S801で、CPU401は、形状異常OFFフラグの値を「FALSE」に設定(初期化)して、処理をS802に進める。なお、形状異常OFFフラグとは、測距センサ22による原稿Sの最上面との距離の変化から形状異常と判断した場合に、スキャンが終了するまでスキャンを継続するか否かを表すためのフラグのことである。なお、形状異常OFFフラグの値は、RAM406に記憶される。ここで、形状異常OFFフラグの値が「TRUE」である場合は、原稿Sの形状異常が検知されたとしても、スキャンが終了するまでスキャンが継続される。一方、形状異常OFFフラグの値が「FALSE」である場合は、原稿Sの形状異常が検知されたことに従って、スキャンが中断される。
【0056】
CPU401は、S801の処理を実行した後、処理をS802に進める。S802で、CPU401は、画像読取部200の制御部(CPU321)に対して、原稿トレイ30上に載置された原稿Sを搬送させるように指示する。
【0057】
CPU401は、S802の処理を実行した後、処理をS803に進める。S803で、CPU401は、画像読取部200の制御部(CPU321)に対して、S802で搬送された原稿Sの形状に異常が無いかを検知するように指示する。画像読取部200の制御部(CPU321)は、原稿の形状異常の検知を行い、検知結果をCPU401に通知する。(S803)
【0058】
CPU401は、S803の処理を実行した後、処理をS804に進める。CPU401は、CPU401は、形状異常を受け取った場合(S804でYES)、処理をS805に進める。一方、CPU401は、S804でNOと判定した場合、処理をS808に進める。
【0059】
S805で、CPU401は、RAM406に記憶されている設定情報を参照し、綴じ原稿検知モードが有効であるか否かを判定する。CPU401は、綴じ原稿検知モードは有効であると判定した場合(S805でYES)、処理をS806に進める。一方、CPU401は、S805で無効と判定した場合、処理をS818に進める。
【0060】
S806で、CPU401は、RAM406に記憶されている形状異常OFFフラグの値を参照し、形状異常OFFフラグの値は「TRUE」でないと判定した場合(S806でNO)、処理をS811に進める。
一方、CPU401は、S806でYESと判定した場合は、処理をS807に進める。S807で、CPU401は、画像読取部200の制御部(CPU321)に対して、搬送させた原稿Sの画像を読み取るように指示する。
【0061】
CPU401は、S807の処理を実行した後、処理をS808に進める。CPU401は、画像読取部200の制御部(CPU321)に対して、読み取った画像データをコントローラ部400に転送するように指示する。そして、CPU401は、コントローラ部400に転送された原稿Sの画像データをHDD409に格納する(S808)。
【0062】
CPU401は、S808の処理を実行した処理を後、S809に進める。CPU401は、原稿トレイ30上に原稿Sが載置されているか否かを判定する(S809)。CPU401は、原稿トレイ30上に原稿Sが載置されていると判定した場合(S809でYES)、処理をS802に進める。一方、CPU401は、S809でNOと判定した場合、処理をS810に進める。
【0063】
S810で、CPU401は、RAM406に記憶されているスキャン終了フラグの値を「TRUE」として上書きする。CPU401は、S810の処理を実行した後、図8に係る一連の処理(S800)を終了し、上述した図7のS704に処理を進める。
【0064】
S811で、CPU401は、画像読取部200の制御部(CPU321)に対して、原稿の搬送を中断するよう指示する。スキャンの中断に伴い、原稿Sの搬送や、原稿Sの画像の読み取りを停止させる。
【0065】
CPU401は、S811の処理を実行した後、S812に処理を進める。S812で、CPU401は、図9に示す通知画面900をLCDタッチパネル600に表示する。
なお、図9に示す通知画面900は、ADF100の原稿トレイ30上に原稿Sを再度載置するようユーザに促すための画面である。また、通知画面900は、原稿Sの形状異常を検知したとしても、スキャンが終了するまではスキャンを継続することをユーザに促すための画面である。なお、CPU401は、綴じ原稿を検知しないことを受付ける画面として、通知画面900をLCDタッチパネル600に表示する。
【0066】
CPU401は、S812の処理を実行した後、処理をS813に進める。S813で、CPU401は、スキャンの中止指示を受け付けたか否かを判定する。CPU401は、例えば、通知画面900上の中止ボタン901がユーザによって押下されたことに従って、スキャンの中止指示を受け付けたと判定する。CPU401は、スキャンの中止指示を受け付けたと判定した場合(S813でYES)、図8に係る一連の処理(S800)を終了し、図7のS704に処理を進める。一方、CPU401は、S813でNOと判定した場合、処理をS814に進める。
【0067】
S814で、CPU401は、スキャンの再開指示を受け付けたか否かを判定する。CPU401は、例えば、操作部405上のスタートキー607がユーザによって押下されたことに従って、スキャンの再開指示を受け付けたと判定する。
【0068】
CPU401は、スキャンの再開指示を受け付けたと判定した場合(S814でYES)、処理をS815に進める。一方、CPU401は、S814でNOと判定した場合、処理をS813に戻す。
【0069】
S815で、CPU401は、図9に示す通知画面900上の綴じ原稿検知OFFボタン902が押下されているかどうか判断する。CPU401は、綴じ原稿検知OFFボタン902が押下されていると判断した場合(S815でYES)、処理をS816に進める。一方、S815で、CPU401は、綴じ原稿検知モードを一時的にOFFにすることをユーザが選択したかどうか判断する。
例えば、図9に示す通知画面900上の原稿検知OFFボタン902が押下されている場合OFFと判断する。CPU401は、綴じ原稿検知モードを一時的にOFFにすることをユーザが選択したと判断した場合(S815でYES)、S処理を816に進める。一方、CPU401は、S815でNOと判断した場合、処理をS817に進める。
S816で、CPU401は、RAM406に記憶されている形状異常OFFフラグの値を「TRUE」として上書きする。
【0070】
CPU401は、S816の処理を実行した後、処理をS817に進める。
【0071】
S817で、CPU401は、原稿トレイ30上に原稿Sが載置されているか否かを判定する。CPU401は、原稿トレイ30上に原稿Sが載置されていると判定した場合(S817でYES)、処理をS802に進める。
一方、CPU401は、S817でNOと判定した場合、載置されていると判定するまで、S817の処理を繰り返す。
S818で、CPU401は、ADF100で紙ジャムが発生したか否かを判定する。例えば、画像読取部200のCPU321は、搬送開始から一定時間(t1)経過しても、分離センサ24で原稿を検知出来ない場合、ジャムが発生したと判断する。
そして、CPU321は、コントローラ部400のCPU401にジャム発生を通知する。ジャム発生を通知されたCPU401は、紙ジャムが発生したと判断する。CPU401はADF100で紙ジャムが発生したと判断した場合(S818でYES)、処理をS819に進める。一方、CPU401は、S818でNOと判断した場合は、処理をS807に進める。
【0072】
S819で、CPU401は、画像読取部200の制御部(CPU321)に対して、原稿の搬送を中断するよう指示する。スキャンの中断に伴い、原稿Sの搬送や、原稿Sの画像の読み取りを停止させる。
【0073】
CPU401は、S819の処理を実行した後、処理をS820に進める。S820で、CPU401は、ADF100で発生した紙ジャムが解除されたか否かを判断する。例えば、画像読取部200のCPU321は、ADF100のCPU300から通知される各種センサ304の値を確認し、分離センサ24以降(下流)で原稿Sが検知されない場合に、ジャムが解除されたと判断する。
そして、CPU321は、コントローラ部400のCPU401にジャム解除を通知する。ジャム解除を通知されたCPU401は、紙ジャムが解除されたと判断する。CPU401はADF100で紙ジャムが解除されたと判断した場合(S820でYES)、処理をS821に進める。一方、CPU401は、S820でNOと判断した場合は、S820の処理を繰り返す。
【0074】
S821で、CPU401は、図10に示す通知画面1000をLCDタッチパネル600に表示する。なお、図10に示す通知画面1000は、原稿トレイ30上に原稿Sを再度載置するようユーザに促すための画面である。
【0075】
CPU401は、S821の処理を実行した後、処理をS822に進める。S822で、CPU401は、スキャンの中止指示を受け付けたか否かを判定する。CPU401は、例えば、通知画面1000上の中止ボタン1001がユーザによって押下されたことに従って、スキャンの中止指示を受け付けたと判定する。CPU401は、スキャンの中止指示を受け付けたと判定した場合(S822でYES)、図8に係る一連の処理(S800)を終了し、処理を図7のS704に進める。一方、CPU401は、S822でNOと判定した場合、処理をS823に進める。
【0076】
S823で、CPU401は、スキャンの再開指示を受け付けたか否かを判定する。CPU401は、例えば、操作部405上のスタートキー607がユーザによって押下されたことに従って、スキャンの再開指示を受け付けたと判定する。
【0077】
CPU401は、スキャンの再開指示を受け付けたと判定した場合(S823でYES)、処理をS809に進める。一方、CPU401は、S823でNOと判定した場合、処理をS822に戻す。以上が、スキャンに係る一連の処理(S800)の詳細である。
第1実施形態によれば、搬送する原稿の形状状態が正常でないことが原稿の状態に起因している場合、原稿の形状異常かどうかを検知せずに、原稿読取を行う指示をユーザから受け付けることができる。
【0078】
〔第2実施形態〕
本実施形態では、次のような例を説明する。まず、ステイプルされた原稿であることをユーザに提示した後、ユーザが当該原稿を、ADF100を使用しないで、手作業により原稿台に検知された原稿を載置する。そして、ユーザがスターボタン607を押下する指示を繰り返す連続読み込み処理に切り替える指示を受け付け可能とする例を説明する。
図11は、本実施形態を示す画像読取装置の制御方法を説明するフローチャートである。なお、各ステップに示す処理は、コントローラ部400のCPU401が、ROM407から読み出してRAM406に展開された制御プログラムを実行することで実現される。なお、図5に示すコピー画面がLCDタッチパネル600に表示されていて、且つ、綴じ原稿検知が検知するに設定されている状態で、図11に係る一連の処理が開始される。なお、図7と同一のステップには同一のステップ番号を付している。
【0079】
S701で、CPU401は、コピージョブの実行指示を受け付けたか否かを判定する。CPU401は、受け付けたと判定した場合(S701でYES)、処理をS1101に進める。一方、CPU401は、S701でNOと判定した場合、受け付けたと判定するまでS701の処理を繰り返す。なお、図5に示すコピー画面がLCDタッチパネル600に表示されている状態で、スタートキー607がユーザによって押下されたことに従って、コピージョブの実行指示が受け付けられる。
【0080】
S1101で、CPU401は、原稿Sの画像の読み取り(スキャン)に係る一連の処理が正常に終了したか否かを表すためのフラグ(以降、スキャン終了フラグと呼ぶ)の値を「FALSE」に設定(初期化)する。なお、スキャン終了フラグの値はRAM406に記憶される。
【0081】
なお、スキャン終了フラグの値が「TRUE」である場合は、スキャンが正常に終了したことを表す。一方、スキャン終了フラグの値が「FALSE」である場合は、スキャンが正常に終了しなかったことを表す。例えば、スキャンの中止指示を受け付けた場合や、コピージョブの実行がキャンセルされた場合等において、CPU401は、スキャンが正常に終了しなかったと判断し、スキャン終了フラグの値を「FALSE」で上書きする。
【0082】
S702で、CPU401は、原稿トレイ30上に原稿Sが載置されているか否かを判定する。なお、CPU401は、原稿トレイ30上に原稿Sが載置されていることを、原稿検知センサ23による検知信号を受信することによって判断可能である。
【0083】
S702で、CPU401は、原稿トレイ30上に原稿Sが載置されていると判定した場合(YES)、処理をS1102に進める。一方、CPU401は、S703でNOと判定した場合、処理をS1103に進める。
【0084】
S1102で、CPU401は、原稿台の原稿読み込み、ADF100の原稿読み込み、及び、それらの組み合わせで原稿読み込みを複数回繰り返すか否かを示すためのフラグ(以降、連続読みフラグと呼ぶ)の値を「FALSE」に設定(初期化)する。なお、連続読みフラグの値はRAM406に記憶される。CPU401は、S1102の処理を実行した後、S1200に処理を進める。
S1103で、CPU401は、連続読みフラグの値を「TRUE」に設定し、S1200に処理を進める。なお、S1200の処理の詳細は、図12を用いて後述する。
【0085】
続いて、図7のS704において、CPU401は、RAM406に記憶されているスキャン終了フラグの値を参照し、スキャン終了フラグの値は「TRUE」であるか否かを判定する。S704でCPU401は、「TRUE」であると判定した場合(YES)、処理をS705に進める。一方、CPU401は、S7046でNOと判定した場合、処理をS706に進める。
【0086】
CPU401は、後述するS1219、及び、S1224によってHDD409に保存された原稿Sの画像データを読み出して、RAM406に一時格納する。その後、CPU401は、RAM406に一時格納された原稿Sの画像データに基づいて、画像形成部500によって印刷処理を実行するよう指示する(S705)。
【0087】
CPU401は、S705の処理を実行した後、処理をS706に進める。S706で、CPU401は、後述するS1219、及び、S1224によってHDD409に保存された原稿Sの画像データを削除して、図7に係る一連の処理を終了する。以上が、コピージョブの実行指示を受け付けて、受け付けたコピージョブを実行するための一連の処理の詳細である。
【0088】
〔スキャンに係る一連の処理〕
図12は、本実施形態を示す画像読取装置の制御方法を説明するフローチャートである。本例は、CPU401によるスキャンに係る一連の処理(S1200)の詳細手順に対応する。なお、各ステップに示す処理は、コントローラ部400のCPU401が、ROM407から読み出してRAM406に展開された制御プログラムを実行することで実現される。
【0089】
S1201で、CPU401は、原稿トレイ30上に原稿Sが載置されているか否かを判定する。CPU401は、原稿トレイ30上に原稿Sが載置されていると判定した場合(S1201でYES)、処理をS1202に進める。一方、CPU401は、S1201でNOと判定した場合、処理をS1222に進める。
【0090】
S1202で、CPU401は、画像読取部200の制御部(CPU321)に対して、原稿トレイ30上に載置された原稿Sを搬送させるように指示する。CPU401は、S1202の処理を実行した後、処理をS1203に進める。S1203で、CPU401は、画像読取部200の制御部(CPU321)に対して、S1202で搬送された原稿Sの形状に異常が無いかを検知するように指示する。画像読取部200の制御部(CPU321)は、原稿の形状異常の検知を行い、検知結果をCPU401に通知する(S1203)。
【0091】
CPU401は、S1203の処理を実行した後、処理をS1204に進める。CPU401は、形状異常を受け取った場合(S1204でYES)、処理をS1205に進める。一方、CPU401は、S1204でNOと判定した場合、処理をS1212に進める。
【0092】
S1205で、CPU401は、RAM406に記憶されている設定情報を参照し、綴じ原稿検知モードが有効であるか否かを判定する。CPU401は、綴じ原稿検知モードは有効であると判定した場合(S1205でYES)、処理をS1206に進める。一方、CPU401は、S1205で無効と判定した場合、処理をS1212に進める。
【0093】
S1206で、CPU401は、画像読取部200の制御部(CPU321)に対して、原稿の搬送を中断するよう指示する。スキャンの中断に伴い、原稿Sの搬送や、原稿Sの画像の読み取りを停止させる。
【0094】
CPU401は、S1206の処理を実行した後、処理をS1207に進める。S1207で、CPU401は、図13に示す通知画面1300をLCDタッチパネル600に表示する。なお、図13に示す通知画面1300は、原稿トレイ30上に原稿Sを再度載置するようユーザに促すための画面である。また、通知画面1300は、原稿Sの形状異常を検知した場合に、原稿台の原稿を読み込むことで、スキャンを継続することをユーザに確認するための画面である。なお、通知画面1300は、ADF100が搬送する原稿を読み取る第1の読取処理から、原稿台に載置される原稿を連続して読み取る第2の読取処理に切り替える切替指示を受け付ける画面として表示される。
【0095】
CPU401は、S1207の処理を実行した後、処理をS1208に進める。S1208で、CPU401は、スキャンの中止指示を受け付けたか否かを判定する。CPU401は、例えば、通知画面1300上の中止ボタン1301がユーザによって押下されたことに従って、スキャンの中止指示を受け付けたと判定する。CPU401は、スキャンの中止指示を受け付けたと判定した場合(S1208でYES)、図12に係る一連の処理(S1200)を終了し、処理を図11のS704に進める。一方、CPU401は、S1208でNOと判定した場合、処理をS1209に進める。
【0096】
S1209で、CPU401は、スキャンの再開指示を受け付けたか否かを判定する。CPU401は、例えば、操作部405上のスタートキー607がユーザによって押下されたことに従って、スキャンの再開指示を受け付けたと判定する。
【0097】
CPU401は、スキャンの再開指示を受け付けたと判定した場合(S1209でYES)、処理をS1210に進める。一方、CPU401は、S1209でNOと判定した場合、処理をS1208に戻す。
【0098】
S1210で、CPU401は、図13に示す通知画面1300上の原稿台で読み取るボタン1302が押下されているかどうか判断する。CPU401は、原稿台で読み取るボタン1302が押下されていると判断した場合(S1210でYES)、処理をS1211に進める。一方、CPU401は、S1210でNOと判断した場合、処理をS1201に戻す。
S1211で、CPU401は、RAM406に記憶されている連続読みフラグの値を「TRUE」として上書きし、処理をS1201に戻す。
【0099】
S1212で、CPU401は、ADF100で紙ジャムが発生したか否かを判定する。例えば、画像読取部200のCPU321は、搬送開始から一定時間(t1)経過しても、分離センサ24で原稿を検知出来ない場合、ジャムが発生したと判断する。
そして、CPU321は、コントローラ部400のCPU401にジャム発生を通知する。ジャム発生を通知されたCPU401は、紙ジャムが発生したと判断する。CPU401はADF100で紙ジャムが発生したと判断した場合(S1212でYES)、処理をS1213に進める。一方、CPU401は、S1212でNOと判断した場合は、処理をS1218に進める。
【0100】
S1213で、CPU401は、画像読取部200の制御部(CPU321)に対して、原稿の搬送を中断するよう指示する。スキャンの中断に伴い、原稿Sの搬送や、原稿Sの画像の読み取りを停止させる。
【0101】
CPU401は、S1213の処理を実行した後、処理をS1214に進める。S1214で、CPU401は、ADF100で発生した紙ジャムが解除されたか否かを判断する。例えば、画像読取部200のCPU321は、ADF100のCPU300から通知される各種センサ304の値を確認し、分離センサ24以降(下流)で原稿Sが検知されない場合に、ジャムが解除されたと判断する。
そして、CPU321は、コントローラ部400のCPU401にジャム解除を通知する。ジャム解除を通知されたCPU401は、紙ジャムが解除されたと判断する。CPU401はADF100で紙ジャムが解除されたと判断した場合(S1214でYES)、処理をS1215に進める。一方、CPU401は、S1214でNOと判断した場合は、S1214に示す処理を繰り返す。
【0102】
S1215で、CPU401は、図14に示す通知画面1400をLCDタッチパネル600に表示する。なお、図14に示す通知画面1400は、原稿トレイ30上に原稿Sを再度載置するようユーザに促すための画面である。
【0103】
CPU401は、S1215の処理を実行した後、処理をS1216に進める。S1216で、CPU401は、スキャンの中止指示を受け付けたか否かを判定する。CPU401は、例えば、通知画面1400上の中止ボタン1402がユーザによって押下されたことに従って、スキャンの中止指示を受け付けたと判定する。CPU401は、スキャンの中止指示を受け付けたと判定した場合(S1216でYES)、図12に係る一連の処理(S1200)を終了し、処理を図11のS704に進める。一方、CPU401は、S1216でNOと判定した場合、処理をS1217に進める。
【0104】
S1217で、CPU401は、スキャンの再開指示を受け付けたか否かを判定する。CPU401は、例えば、操作部405上のスタートキー607がユーザによって押下されたことに従って、スキャンの再開指示を受け付けたと判定する。
【0105】
CPU401は、スキャンの再開指示を受け付けたと判定した場合(S1217でYES)、処理をS1201に戻す。一方、CPU401は、S1217でNOと判定した場合、処理をS1216に戻す。
S1218で、CPU401は、画像読取部200の制御部(CPU321)に対して、搬送させた原稿Sの画像を読み取るように指示する。
【0106】
CPU401は、S1218の処理を実行した後、S1219に処理を進める。CPU401は、画像読取部200の制御部(CPU321)に対して、読み取った画像データをコントローラ部400に転送するように指示する。そして、CPU401は、コントローラ部400に転送された原稿Sの画像データをHDD409に格納する(S1219)。
【0107】
CPU401は、S1219の処理を実行した後、処理をS1220に進める。CPU401は、原稿トレイ30上に原稿Sが載置されているか否かを判定する。CPU401は、原稿トレイ30上に原稿Sが載置されていると判定した場合(S1220でYES)、処理をS1202に進める。一方、CPU401は、S1220でNOと判定した場合、処理をS1221に進める。
【0108】
S1221で、CPU401は、連続読みフラグの値が「TRUE」か否かを判定する。CPU401は、連続読みフラグの値が「TRUE」の場合(S1221でYES)、処理をS1225に進める。一方、CPU401は、S1221でNOと判定した場合、処理をS1229に進める。
【0109】
S1222で、CPU401は、連続読みフラグの値が「TRUE」か否かを判定する。CPU401は、連続読みフラグの値が「TRUE」の場合(S1222でYES)、処理をS1223に進める。一方、CPU401は、S1222でNOと判定した場合、処理をS1201に戻す。S1223で、CPU401は、画像読取部200の制御部(CPU321)に対して、原稿台の原稿Sの画像を読み取るように指示する。
【0110】
CPU401は、S1223の処理を実行した後、処理をS1224に進める。CPU401は、画像読取部200の制御部(CPU321)に対して、読み取った画像データをコントローラ部400に転送するように指示する。そして、CPU401は、コントローラ部400に転送された原稿Sの画像データをHDD409に格納する(S1224)。
【0111】
CPU401は、S1224の処理を実行した後、処理をS1225に進める。S1225で、CPU401は、図14に示す通知画面1400をLCDタッチパネル600に表示する。なお、図14に示す通知画面1400は、次の原稿を読み取るか否かをユーザに選択させるための画面である。
【0112】
CPU401は、S1225の処理を実行した後、処理をS1226に進める。S1226で、CPU401は、スキャンの中止指示を受け付けたか否かを判定する。CPU401は、例えば、通知画面1400上の中止ボタン1402がユーザによって押下されたことに従って、スキャンの中止指示を受け付けたと判定する。CPU401は、スキャンの中止指示を受け付けたと判定した場合(S1226でYES)、図12に係る一連の処理(S1200)を終了し、図11のS704に処理を進める。一方、CPU401は、S1226でNOと判定した場合、処理をS1227に進める。
【0113】
S1227で、CPU401は、次の原稿の読み取り指示を受け付けたか否かを判定する。CPU401は、例えば、操作部405上のスタートキー607がユーザによって押下されたことに従って、スキャンの再開指示を受け付けたと判定する。
【0114】
CPU401は、次の原稿の読み取り指示を受け付けたと判定した場合(S1227でYES)、S処理を1201に戻す。一方、CPU401は、S1227でNOと判定した場合、処理をS1228に進める。
【0115】
S1228で、CPU401は、スキャンの終了を受け付けたか否かを判定する。CPU401は、例えば、通知画面1100上の中止ボタン1101がユーザによって押下されたことに従って、スキャンの終了指示を受け付けたと判定する。
【0116】
CPU401は、スキャンの終了指示を受け付けたと判定した場合(S1228でYES)、処理をS1229に進める。一方、CPU401は、S1228でNOと判定した場合、処理をS1226に戻す。
【0117】
S1229で、CPU401は、RAM406に記憶されているスキャン終了フラグの値を「TRUE」として上書きする。CPU401は、S1227の処理を実行した後、図12に係る一連の処理(S1200)を終了し、図11のS704に処理を進める。以上が、スキャンに係る一連の処理(S1200)の詳細である。
第2実施形態によれば、ジョブが中断した要因をユーザに提示して、そのリカバリ処理をユーザの手作業による連続読み込み処理に切り替える指示を行うかどうかをユーザの選択に委ねることができる。
つまり、搬送される原稿の形状状態が正常でないことがステイプル等の綴じ込みによる場合には、その要因を提示し、かつユーザにより連続して原稿台に載置される原稿を読取りできる指示を受け付けることができる。
【0118】
本発明は、上述の実施形態の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステムまたは装置に供給する。そして、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサがプログラムを読み出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えばASIC)によっても実現可能である。具体的には、各フローチャートに基づく処理を実行するよう設計された制御回路(ASIC)がCPU300、CPU321、CPU401による処理を実行することで実現できる。
【符号の説明】
【0119】
100 ADF
200 画像読取部
400 コントローラ部
405 操作部
500 画像形成部
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