(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-12
(45)【発行日】2024-04-22
(54)【発明の名称】システム、プログラムおよび情報処理方法
(51)【国際特許分類】
G06Q 10/08 20240101AFI20240415BHJP
【FI】
G06Q10/08
(21)【出願番号】P 2023177406
(22)【出願日】2023-10-13
【審査請求日】2023-10-13
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】523389419
【氏名又は名称】ミガロホールディングス株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】520318074
【氏名又は名称】DXYZ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100131842
【氏名又は名称】加島 広基
(74)【代理人】
【識別番号】100215267
【氏名又は名称】古屋 秀人
(74)【代理人】
【識別番号】100215555
【氏名又は名称】今井 貴裕
(72)【発明者】
【氏名】中西 聖
(72)【発明者】
【氏名】安永 郁哉
【審査官】上田 威
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-012341(JP,A)
【文献】特開2022-035373(JP,A)
【文献】特開2003-276849(JP,A)
【文献】特開2020-114527(JP,A)
【文献】特開2022-023559(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 ー 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定のエリア内への入場を選択的に規制する入場規制装置と、
前記入場規制装置による所定のエリア内への入場の規制が解除されるべきユーザの顔画像の撮像を行う第1撮像装置と、
荷物を収納する収納部および前記収納部へのアクセスを選択的に規制する規制部を有する宅配ボックスと、
前記宅配ボックスに対して操作を行うユーザの顔画像を撮像する第2撮像装置と、
コンピュータと、
を備えたシステムであって、
前記システムは、プログラムを実行することにより配達員登録手段と、入場規制解除手段と、荷物預け入れ許可手段として機能し、
前記配達員登録手段は、配達員の顔画像に関する情報の登録を行い、
前記入場規制解除手段は、前記第1撮像装置により撮像された画像と、登録された配達員の顔画像に関する情報とに基づいて配達員の認証が行われると前記入場規制装置による所定のエリア内への入場の規制を解除し、
前記荷物預け入れ許可手段は、前記第2撮像装置により撮像された画像と、登録された配達員の顔画像に関する情報とに基づいて配達員の認証が行われると、前記宅配ボックスの前記規制部による規制を解除して前記収納部に荷物を預け入れ可能とする、システム。
【請求項2】
前記システムは、前記プログラムを実行することにより入居者登録手段と、荷物取り出し許可手段として更に機能し、
前記入居者登録手段は、入居者の顔画像に関する情報の登録を行い、
前記荷物取り出し許可手段は、前記第2撮像装置により撮像された画像と、登録された入居者の顔画像に関する情報とに基づいて入居者の認証が行われると、前記宅配ボックスの前記規制部による規制を解除して配達員により前記収納部に収納された荷物を前記収納部から取り出し可能とする、請求項1記載のシステム。
【請求項3】
前記システムは、前記プログラムを実行することにより不審者通知手段として更に機能し、
前記不審者通知手段は、前記第2撮像装置により撮像された画像と、登録された配達員の顔画像に関する情報および入居者の顔画像に関する情報とによって、前記宅配ボックスに対して操作を行うユーザの認証を行うことができなかった場合は、前記入居者登録手段により登録されている入居者の端末に不審者情報を送信する、請求項2記載のシステム。
【請求項4】
前記システムは、前記プログラムを実行することにより入居者登録手段と、預け入れ通知手段として更に機能し、
前記入居者登録手段は、入居者の顔画像に関する情報の登録を行い、
前記預け入れ通知手段は、配達員により前記宅配ボックスの前記収納部に荷物が預け入れられると、前記宅配ボックスの前記収納部に預け入れられた荷物に関する情報を、前記入居者登録手段により登録されている入居者の端末に送信する、請求項1記載のシステム。
【請求項5】
前記システムは、前記プログラムを実行することにより入居者登録手段と、不審者通知手段として更に機能し、
前記入居者登録手段は、入居者の顔画像に関する情報の登録を行い、
前記不審者通知手段は、前記入場規制装置による所定のエリア内への入場の規制が解除された後、前記第2撮像装置により撮像された画像に基づく配達員の認証が行われずに予め設定されている所定の時間が経過すると、前記入居者登録手段により登録されている入居者の端末に不審者情報を送信する、請求項1記載のシステム。
【請求項6】
前記システムは、前記プログラムを実行することにより記憶手段として更に機能し、
前記記憶手段は、前記入場規制装置による所定のエリア内への入場の規制を解除した配達員の少なくとも識別情報を記憶部に記憶させる、請求項1記載のシステム。
【請求項7】
前記システムは、前記プログラムを実行することにより記憶手段として更に機能し、
前記記憶手段は、前記宅配ボックスの前記規制部による規制を解除した配達員の少なくとも識別情報を記憶部に記憶させる、請求項1記載のシステム。
【請求項8】
前記コンピュータは第1制御部を有しており、
前記第1制御部は、前記プログラムを実行することにより前記配達員登録手段と、前記入場規制解除手段と、前記荷物預け入れ許可手段として機能する、請求項1乃至7のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項9】
前記コンピュータは第1制御部を有しており、
前記入場規制装置は第2制御部を有しており、
前記第1制御部は、前記プログラムを実行することにより少なくとも前記配達員登録手段として機能し、前記第2制御部は、前記プログラムを実行することにより少なくとも前記入場規制解除手段として機能する、請求項1乃至7のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項10】
前記コンピュータは第1制御部を有しており、
前記宅配ボックスは第3制御部を有しており、
前記第1制御部は、前記プログラムを実行することにより少なくとも前記配達員登録手段として機能し、前記第3制御部は、前記プログラムを実行することにより少なくとも前記荷物預け入れ許可手段として機能する、請求項1乃至7のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項11】
所定のエリア内への入場を選択的に規制する入場規制装置と、
前記入場規制装置による所定のエリア内への入場の規制が解除されるべきユーザの顔画像の撮像を行う第1撮像装置と、
荷物を収納する収納部および前記収納部へのアクセスを選択的に規制する規制部を有する宅配ボックスと、
前記宅配ボックスに対して操作を行うユーザの顔画像を撮像する第2撮像装置と、
コンピュータと、
を備えたシステムの制御部が実行することにより配達員登録手段と、入場規制解除手段と、荷物預け入れ許可手段として機能させるプログラムであって、
前記配達員登録手段は、配達員の顔画像に関する情報の登録を行い、
前記入場規制解除手段は、前記第1撮像装置により撮像された画像と、登録された配達員の顔画像に関する情報とに基づいて配達員の認証が行われると前記入場規制装置による所定のエリア内への入場の規制を解除し、
前記荷物預け入れ許可手段は、前記第2撮像装置により撮像された画像と、登録された配達員の顔画像に関する情報とに基づいて配達員の認証が行われると、前記宅配ボックスの前記規制部による規制を解除して前記収納部に荷物を預け入れ可能とする、プログラム。
【請求項12】
所定のエリア内への入場を選択的に規制する入場規制装置と、
前記入場規制装置による所定のエリア内への入場の規制が解除されるべきユーザの顔画像の撮像を行う第1撮像装置と、
荷物を収納する収納部および前記収納部へのアクセスを選択的に規制する規制部を有する宅配ボックスと、
前記宅配ボックスに対して操作を行うユーザの顔画像を撮像する第2撮像装置と、
コンピュータと、
を備えたシステムの制御部により実行される情報処理方法であって、
配達員の顔画像に関する情報の登録を行う工程と、
前記第1撮像装置により撮像された画像と、登録された配達員の顔画像に関する情報とに基づいて配達員の認証が行われると前記入場規制装置による所定のエリア内への入場の規制を解除する工程と、
前記第2撮像装置により撮像された画像と、登録された配達員の顔画像に関する情報とに基づいて配達員の認証が行われると、前記宅配ボックスの前記規制部による規制を解除して前記収納部に荷物を預け入れ可能とする工程と、
を備えた、情報処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、システム、プログラムおよび情報処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
オートロック設備のある集合住宅に配達会社の配達員が荷物を配達する際に、適切にオートロックを開錠する必要がある。このような課題を解決するにあたり、特許文献1には、建築物のエントランス入口に設置されたオートロックの自動ドアを開くための開錠装置を制御する制御サーバに係る発明が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
近年、配達会社による荷物の配達業務において、受取人の不在時には配達員が荷物を宅配ボックスに預け入れるサービスが用いられるようになっている。配達員が荷物を配達する際に、上述したオートロックの解除および宅配ボックスへの荷物の預け入れの効率化が求められている。
【0005】
本発明は、このような点を考慮してなされたものであり、所定の配達員のみが所定のスペースに入ることを認容するとともに、宅配ボックスへの荷物の預け入れの利便性を向上させることができるシステム、プログラムおよび情報処理方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明のシステムは、
所定のエリア内への入場を選択的に規制する入場規制装置と、
前記入場規制装置による所定のエリア内への入場の規制が解除されるべきユーザの顔画像の撮像を行う第1撮像装置と、
荷物を収納する収納部および前記収納部へのアクセスを選択的に規制する規制部を有する宅配ボックスと、
前記宅配ボックスに対して操作を行うユーザの顔画像を撮像する第2撮像装置と、
コンピュータと、
を備えたシステムであって、
前記システムは、プログラムを実行することにより配達員登録手段と、入場規制解除手段と、荷物預け入れ許可手段として機能し、
前記配達員登録手段は、配達員の顔画像に関する情報の登録を行い、
前記入場規制解除手段は、前記第1撮像装置により撮像された画像と、登録された配達員の顔画像に関する情報とに基づいて配達員の認証が行われると前記入場規制装置による所定のエリア内への入場の規制を解除し、
前記荷物預け入れ許可手段は、前記第2撮像装置により撮像された画像と、登録された配達員の顔画像に関する情報とに基づいて配達員の認証が行われると、前記宅配ボックスの前記規制部による規制を解除して前記収納部に荷物を預け入れ可能とすることを特徴とする。
【0007】
前記システムは、前記プログラムを実行することにより入居者登録手段と、荷物取り出し許可手段として更に機能し、
前記入居者登録手段は、入居者の顔画像に関する情報の登録を行い、
前記荷物取り出し許可手段は、前記第2撮像装置により撮像された画像と、登録された入居者の顔画像に関する情報とに基づいて入居者の認証が行われると、前記宅配ボックスの前記規制部による規制を解除して配達員により前記収納部に収納された荷物を前記収納部から取り出し可能としてもよい。
【0008】
また、前記システムは、前記プログラムを実行することにより不審者通知手段として更に機能し、
前記不審者通知手段は、前記第2撮像装置により撮像された画像と、登録された配達員の顔画像に関する情報および入居者の顔画像に関する情報とによって、前記宅配ボックスに対して操作を行うユーザの認証を行うことができなかった場合は、前記入居者登録手段により登録されている入居者の端末に不審者情報を送信してもよい。
【0009】
また、前記システムは、前記プログラムを実行することにより入居者登録手段と、預け入れ通知手段として更に機能し、
前記入居者登録手段は、入居者の顔画像に関する情報の登録を行い、
前記預け入れ通知手段は、配達員により前記宅配ボックスの前記収納部に荷物が預け入れられると、前記宅配ボックスの前記収納部に預け入れられた荷物に関する情報を、前記入居者登録手段により登録されている入居者の端末に送信してもよい。
【0010】
また、前記システムは、前記プログラムを実行することにより入居者登録手段と、不審者通知手段として更に機能し、
前記入居者登録手段は、入居者の顔画像に関する情報の登録を行い、
前記不審者通知手段は、前記入場規制装置による所定のエリア内への入場の規制が解除された後、前記第2撮像装置により撮像された画像に基づく配達員の認証が行われずに予め設定されている所定の時間が経過すると、前記入居者登録手段により登録されている入居者の端末に不審者情報を送信してもよい。
【0011】
また、前記システムは、前記プログラムを実行することにより記憶手段として更に機能し、
前記記憶手段は、前記入場規制装置による所定のエリア内への入場の規制を解除した配達員の少なくとも識別情報を記憶部に記憶させてもよい。
【0012】
また、前記システムは、前記プログラムを実行することにより記憶手段として更に機能し、
前記記憶手段は、前記宅配ボックスの前記規制部による規制を解除した配達員の少なくとも識別情報を記憶部に記憶させてもよい。
【0013】
また、前記コンピュータは第1制御部を有しており、
前記第1制御部は、前記プログラムを実行することにより前記配達員登録手段と、前記入場規制解除手段と、前記荷物預け入れ許可手段として機能してもよい。
【0014】
また、前記コンピュータは第1制御部を有しており、
前記入場規制装置は第2制御部を有しており、
前記第1制御部は、前記プログラムを実行することにより少なくとも前記配達員登録手段として機能し、前記第2制御部は、前記プログラムを実行することにより少なくとも前記入場規制解除手段として機能してもよい。
【0015】
また、前記コンピュータは第1制御部を有しており、
前記宅配ボックスは第3制御部を有しており、
前記第1制御部は、前記プログラムを実行することにより少なくとも前記配達員登録手段として機能し、前記第3制御部は、前記プログラムを実行することにより少なくとも前記荷物預け入れ許可手段として機能してもよい。
【0016】
本発明のプログラムは、
所定のエリア内への入場を選択的に規制する入場規制装置と、
前記入場規制装置による所定のエリア内への入場の規制が解除されるべきユーザの顔画像の撮像を行う第1撮像装置と、
荷物を収納する収納部および前記収納部へのアクセスを選択的に規制する規制部を有する宅配ボックスと、
前記宅配ボックスに対して操作を行うユーザの顔画像を撮像する第2撮像装置と、
コンピュータと、
を備えたシステムの制御部が実行することにより配達員登録手段と、入場規制解除手段と、荷物預け入れ許可手段として機能させるプログラムであって、
前記配達員登録手段は、配達員の顔画像に関する情報の登録を行い、
前記入場規制解除手段は、前記第1撮像装置により撮像された画像と、登録された配達員の顔画像に関する情報とに基づいて配達員の認証が行われると前記入場規制装置による所定のエリア内への入場の規制を解除し、
前記荷物預け入れ許可手段は、前記第2撮像装置により撮像された画像と、登録された配達員の顔画像に関する情報とに基づいて配達員の認証が行われると、前記宅配ボックスの前記規制部による規制を解除して前記収納部に荷物を預け入れ可能とすることを特徴とする。
【0017】
本発明の情報処理方法は、
所定のエリア内への入場を選択的に規制する入場規制装置と、
前記入場規制装置による所定のエリア内への入場の規制が解除されるべきユーザの顔画像の撮像を行う第1撮像装置と、
荷物を収納する収納部および前記収納部へのアクセスを選択的に規制する規制部を有する宅配ボックスと、
前記宅配ボックスに対して操作を行うユーザの顔画像を撮像する第2撮像装置と、
コンピュータと、
を備えたシステムの制御部により実行される情報処理方法であって、
配達員の顔画像に関する情報の登録を行う工程と、
前記第1撮像装置により撮像された画像と、登録された配達員の顔画像に関する情報とに基づいて配達員の認証が行われると前記入場規制装置による所定のエリア内への入場の規制を解除する工程と、
前記第2撮像装置により撮像された画像と、登録された配達員の顔画像に関する情報とに基づいて配達員の認証が行われると、前記宅配ボックスの前記規制部による規制を解除して前記収納部に荷物を預け入れ可能とする工程と、
を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
本発明のシステム、プログラムおよび情報処理方法によれば、所定の配達員のみが所定のスペースに入ることを認容するとともに、宅配ボックスへの荷物の預け入れの利便性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】本発明の形態による情報処理システムの全体の構成を示す概略図である。
【
図2】
図1に示す情報処理システムにおいて配達員の登録が行われるときの各構成要素間の情報の流れを示すチャート図である。
【
図3】
図1に示す情報処理システムにおいて入居者の登録が行われるときの各構成要素間の情報の流れを示すチャート図である。
【
図4】
図1に示す情報処理システムにおいて配達員が宅配ボックスに荷物の預け入れを行うときの各構成要素間の情報の流れを示すチャート図である。
【
図5】
図1に示す情報処理システムにおいて入居者が宅配ボックスから荷物の取り出しを行うときの各構成要素間の情報の流れを示すチャート図である。
【
図6】
図1に示す情報処理システムにおいて配達員の登録が行われるときの動作を示すフローチャートである。
【
図7】
図1に示す情報処理システムにおいて入居者の登録が行われるときの動作を示すフローチャートである。
【
図8】
図1に示す情報処理システムにおいて配達員が宅配ボックスに荷物の預け入れを行うときの動作を示すフローチャートである。
【
図9】
図1に示す情報処理システムにおいて入居者が宅配ボックスから荷物の取り出しを行うときの動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
図1乃至
図9は、本実施の形態による情報処理システム1およびこのような情報処理システム1により行われる情報処理方法を示す図である。
【0021】
<情報処理システム1>
本実施の形態による情報処理システム1は、予め顔認証プラットフォーム10に顔画像に関する情報の登録を行った配達会社の配達員が、第1撮像装置70により撮像された顔画像に関する情報に基づいて入場規制装置60による所定のエリア(具体的には、集合住宅の共有スペース)への入場の規制を解除するとともに、第2撮像装置90により撮像された顔画像に関する情報に基づいて宅配ボックス80の収納部への荷物の預け入れを可能とするものである。また、本実施の形態による情報処理システム1によれば、宅配ボックス80に荷物が預け入れられたという情報を入居者が入居者の端末50で受け付けると、第2撮像装置90により撮像された顔画像に関する情報に基づいて入居者は宅配ボックス80の収納部からの荷物の取り出しが可能となる。このような情報処理システム1の構成について
図1を用いて説明する。
【0022】
図1に示すように、情報処理システム1は、顔認証プラットフォーム10と、オペレータ端末40と、入場規制装置60と、第1撮像装置70と、宅配ボックス80と、第2撮像装置90とを備えている。顔認証プラットフォーム10は、オペレータ端末40、入場規制装置60、第1撮像装置70、宅配ボックス80および第2撮像装置90の各々とインターネット回線等のネットワークを介して通信可能に接続されている。また、入場規制装置60および第1撮像装置70は無線または有線により互いに通信可能に接続されている。また、宅配ボックス80および第2撮像装置90は無線または有線により互いに通信可能に接続されている。また、配達員の端末30および入居者の端末50はインターネット回線等のネットワークを介して顔認証プラットフォーム10に通信可能に接続されている。また、配達員の端末30は配達会社のサーバやコンピュータ(図示せず)にインターネット回線等のネットワークを介して通信可能に接続されている。また、配達会社のサーバやコンピュータは顔認証プラットフォーム10にもインターネット回線等のネットワークを介して通信可能に接続されている。
【0023】
<顔認証プラットフォーム10>
顔認証プラットフォーム10は、例えばシステム会社のコンピュータ等である。顔認証プラットフォーム10は、制御部12と、記憶部26と、通信部28とを有している。制御部12は例えばCPU等であり、記憶部26に記憶されているプログラムを実行することにより、配達員登録手段14、入居者登録手段16、不審者通知手段18、預け入れ通知手段20および記憶手段22として機能する。配達員登録手段14は、配達員の顔画像に関する情報の登録を行う。入居者登録手段16は、入居者の顔画像に関する情報の登録を行う。不審者通知手段18は、宅配ボックス80に対して操作を行うユーザの認証を行うことができなかった場合は、入居者登録手段16により登録されている入居者の端末50に不審者情報を送信する。預け入れ通知手段20は、配達員により宅配ボックス80の収納部に荷物が預け入れられると、宅配ボックス80の収納部に預け入れられた荷物に関する情報を、入居者登録手段16により登録されている入居者の端末50に送信する。記憶手段22は、入場規制装置60による所定のエリア内への入場の規制を解除した配達員の少なくとも識別情報を記憶部26に記憶させたり、宅配ボックス80の規制部87(後述)による規制を解除した配達員の少なくとも識別情報を記憶部26に記憶させたりする。これらの各手段14、16、18、20、22の機能の詳細については後述する。
【0024】
なお、制御部12により実行されるプログラムは記憶部26に記憶されているものに限定されない。制御部12により実行されるプログラムとして、外部装置から通信部28を介して制御部12に送信されるものや、顔認証プラットフォーム10に装着されたUSBメモリ等の記憶媒体に記憶されているもの、顔認証プラットフォーム10とは別のサーバ(例えば、クラウドサーバ)等に記憶されているもの等が用いられてもよい。
【0025】
記憶部26は、HDD(Hard Disk Drive)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)またはSSD(Solid State Drive)等から構成されている。記憶部26には、制御部12により実行されるプログラムを含む各種プログラムが記憶されている。また、記憶部26には、登録された配達員の顔画像に関する情報や登録された入居者の顔画像に関する情報が記憶されている。また、記憶部26には、入場規制装置60による所定のエリア内への入場の規制を解除した配達員の少なくとも識別情報や、宅配ボックス80の規制部87(後述)による規制を解除した配達員の少なくとも識別情報が記憶されている。記憶部26に記憶されている情報の詳細については後述する。
【0026】
通信部28は、例えば、有線LAN(Local Area Network)モジュール、無線LANモジュール等であり、有線または無線通信を行うためのインターフェースを含む。すなわち、通信部28は、インターネット回線等の通信ネットワークを介して他の装置と通信を行うように構成された通信インターフェースから構成されている。
【0027】
<配達員の端末30>
配達員の端末30は、配達会社の配達員が所持するスマートフォン、携帯可能なタブレットコンピュータ、配達専用の端末等である。配達員の端末30は、制御部32、表示部34、操作部35、撮像部36、記憶部37および通信部38を有しており、これらの構成要素が電気的に接続されている。
【0028】
制御部32は、CPU、RAM、ROM等を含み、プログラムおよびデータに基づいて各種情報処理を実行するように構成される。
【0029】
表示部34は、例えば、ディスプレイであり、入力、出力等を表示するのに利用される。ディスプレイは、公知の液晶ディスプレイ等を用いることができる。操作部35は、キーボードや操作キーなどであり、上述した入力を行うためのものである。また、表示部34および操作部35を兼ねたタッチパネルディスプレイを用いることもできる。以下では、一例として、操作部35による入力は、タッチ入力で行うこととする。撮像部36は、配達員の顔画像や身分証明書、配達される荷物等を撮像可能なカメラ等である。
【0030】
記憶部37は、例えば、HDD、SSD等の補助記憶装置で構成され、配達員の端末30を駆動するための種々のデータやプログラムを記憶する。プログラムは、後述する各種の処理を行うためのものである。制御部32は、このプログラムを解釈および実行することで、様々な処理を実行するように構成される。
【0031】
通信部38は、例えば、有線LAN(Local Area Network)モジュール、無線LANモジュール等であり、有線または無線通信を行うためのインターフェースを含む。すなわち、通信部38は、インターネット回線等の通信ネットワークを介して他の装置と通信を行うように構成された通信インターフェースから構成されている。
図1では配達員の端末30と顔認証プラットフォーム10との間で通信部38により信号の送受信が行われる態様が示されているが、配達員の端末30と配達会社のサーバやコンピュータ(図示せず)との間でも通信部38により信号の送受信が行われるようになっている。
【0032】
なお、配達員の端末30の具体的なハードウェア構成は、実施形態に応じて、適宜、構成要素の省略、置換および追加が可能である。例えば、制御部32は、複数のプロセッサを含んでもよい。制御部32は、FPGAにより構成されてもよい。記憶部37は、制御部32に含まれるRAMおよびROMにより構成されてもよい。また、配達員の端末30は、本システム用の専用の端末であってもよいし、汎用のスマートフォンなどに、上述したプログラムをインストールして使用することもできる。
【0033】
配達員の端末30においては、以下の処理が行われる。すなわち、配達員の端末30の制御部32は、記憶部37に記憶されたプログラムをRAMに展開すると、そのプログラムをCPUにより解釈および実行する。
【0034】
<オペレータ端末40>
オペレータ端末40は、顔認証プラットフォーム10の管理を行うシステム会社のオフィス等に設置されるパーソナルコンピュータ等であり、オペレータ端末40を操作するシステム会社の社員は、当該オペレータ端末40により配達員の端末30や入居者の端末50と情報の送受信を行うことができるようになっている。
【0035】
<入居者の端末50>
入居者の端末50は、本実施の形態の情報処理システム1により管理される集合住宅の入居者が所持するスマートフォン、携帯可能なタブレットコンピュータ、パーソナルコンピュータ等である。入居者の端末50は、制御部52、表示部54、操作部55、撮像部56、記憶部57および通信部58を有しており、これらの構成要素が電気的に接続されている。
【0036】
制御部52は、CPU、RAM、ROM等を含み、プログラムおよびデータに基づいて各種情報処理を実行するように構成される。
【0037】
表示部54は、例えば、ディスプレイであり、入力、出力等を表示するのに利用される。ディスプレイは、公知の液晶ディスプレイ等を用いることができる。操作部55は、キーボードや操作キーなどであり、上述した入力を行うためのものである。また、表示部54および操作部55を兼ねたタッチパネルディスプレイを用いることもできる。以下では、一例として、操作部55による入力は、タッチ入力で行うこととする。撮像部56は、入居者の顔画像や身分証明書等を撮像可能なカメラ等である。
【0038】
記憶部57は、例えば、HDD、SSD等の補助記憶装置で構成され、入居者の端末50を駆動するための種々のデータやプログラムを記憶する。プログラムは、後述する各種の処理を行うためのものである。制御部52は、このプログラムを解釈および実行することで、様々な処理を実行するように構成される。
【0039】
通信部58は、例えば、有線LAN(Local Area Network)モジュール、無線LANモジュール等であり、有線または無線通信を行うためのインターフェースを含む。すなわち、通信部58は、インターネット回線等の通信ネットワークを介して他の装置と通信を行うように構成された通信インターフェースから構成されている。
【0040】
なお、入居者の端末50の具体的なハードウェア構成は、実施形態に応じて、適宜、構成要素の省略、置換および追加が可能である。例えば、制御部52は、複数のプロセッサを含んでもよい。制御部52は、FPGAにより構成されてもよい。記憶部57は、制御部52に含まれるRAMおよびROMにより構成されてもよい。また、入居者の端末50は、本システム用の専用の端末であってもよいし、汎用のスマートフォンなどに、上述したプログラムをインストールして使用することもできる。
【0041】
入居者の端末50においては、以下の処理が行われる。すなわち、入居者の端末50の制御部52は、記憶部57に記憶されたプログラムをRAMに展開すると、そのプログラムをCPUにより解釈および実行する。
【0042】
<入場規制装置60および第1撮像装置70>
入場規制装置60および第1撮像装置70は、それぞれ集合住宅の入口の近傍に設置されている。入場規制装置60は、集合住宅の外部から共有スペースや専有スペースへの移動を選択的に規制するものである。例えば、共有スペースの入口に扉が設置されている場合に、入場規制装置60は、この扉の施錠および解錠を行う施錠装置を含む。具体的には、通常時は共有スペースの入口に設置される扉の施錠を施錠装置によって行うことにより、集合住宅の外部から第三者が共有スペースや専有スペースに入るのを規制している。一方、第1撮像装置70から送信された顔画像に関する情報に基づいて第1撮像装置70により顔画像が撮像された人が予め登録されている配達員または入居者であるという認証が行われると、入場規制装置60(具体的には、施錠装置)は扉の解錠を行い、配達員または入居者は集合住宅の外部から共有スペースや専有スペースに入ることができるようになる。なお、扉の解錠が行われる期間は予め定められており、この期間が経過すると施錠装置は扉を再び自動的に施錠する。
【0043】
また、集合住宅の共有スペースの入口にスライド式の自動扉が設けられている場合は、入場規制装置60はこの自動扉をスライドさせるスライド装置を含む。具体的には、通常時は共有スペースの入口を自動扉によって塞ぐようスライド装置が自動扉を閉位置に維持することにより、集合住宅の外部から第三者が共有スペースに入るのを規制している。一方、第1撮像装置70から送信された顔画像に関する情報に基づいて第1撮像装置70により顔画像が撮像された人が予め登録されている配達員または入居者であるという認証が行われると、入場規制装置60(具体的には、スライド装置)は自動扉をスライドさせて開位置に移動させることにより、共有スペースの入口が自動扉により塞がれなくなるため、配達員または入居者のユーザは集合住宅の外部から共有スペースや専有スペースに入ることができるようになる。なお、自動扉が開位置にいる期間は予め定められており、この期間が経過するとスライド装置は自動扉を再び開位置から閉位置に移動させる。
【0044】
入場規制装置60は、制御部62と、記憶部66とを有している。制御部62は例えばCPU等であり、記憶部66に記憶されているプログラムを実行することにより、認証手段63と、入場規制解除手段64として機能する。認証手段63は、記憶部66に記憶されている配達員や入居者の顔画像に関する情報と、第1撮像装置70から送信された顔画像に関する情報とを照合することにより、第1撮像装置70により撮像された人が予め登録されている配達員や入居者であるか否かの認証を行う。入場規制解除手段64は、認証が行われた配達員や入居者について所定のエリア内への入場の規制を解除する。これらの各手段の機能の詳細については後述する。
【0045】
なお、制御部62により実行されるプログラムは記憶部66に記憶されているものに限定されない。制御部62により実行されるプログラムとして、外部装置から通信部(図示せず)を介して制御部62に送信されるものや、入場規制装置60に装着されたUSBメモリ等の記憶媒体に記憶されているもの、入場規制装置60とは別のサーバ(例えば、クラウドサーバ)等に記憶されているもの等が用いられてもよい。
【0046】
記憶部66は、HDD(Hard Disk Drive)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)またはSSD(Solid State Drive)等から構成されている。記憶部66には、制御部62により実行されるプログラムを含む各種プログラムが記憶されている。また、記憶部66には、登録された配達員の顔画像に関する情報や登録された入居者の顔画像に関する情報が記憶されている。記憶部66に記憶されている情報の詳細については後述する。
【0047】
第1撮像装置70は、制御部72と、撮像部74と、通信部76とを有している。撮像部74および通信部76は例えばバス等により制御部72に接続されている。制御部72はCPU等であり、撮像部74および通信部76の制御を行うようになっている。撮像部74は、配達員の顔画像を撮像可能なカメラ等である。通信部76は、例えば、有線LAN(Local Area Network)モジュール、無線LANモジュール等であり、有線または無線通信を行うためのインターフェースを含む。すなわち、通信部76は、インターネット回線等の通信ネットワークを介して他の装置と通信を行うように構成された通信インターフェースから構成されている。なお、第1撮像装置70がインターネット回線等のネットワークを介して顔認証プラットフォーム10に通信可能に接続されておらず、第1撮像装置70が入場規制装置60のみと有線または無線にて通信可能に接続されていてもよい。
【0048】
<宅配ボックス80および第2撮像装置90>
宅配ボックス80および第2撮像装置90は、それぞれ集合住宅の内部の共有スペースに設置されている。宅配ボックス80は、荷物を収納する複数の収納部および各収納部へのアクセスを選択的に規制する規制部87(具体的には、扉および扉ロック機構)を有している。入居者が不在時に配達会社の配達員は宅配ボックス80のある収納部に荷物を入れる。そして、入居者が集合住宅に戻ると、配達員が預け入れた荷物が収容されている収納部の扉を開くことにより、宅配ボックス80の収納部に収納されている荷物を取り出す。
【0049】
宅配ボックス80は、制御部82と、規制部87と、記憶部88とを有している。制御部82は例えばCPU等であり、記憶部88に記憶されているプログラムを実行することにより、認証手段83と、荷物預け入れ許可手段84と、荷物取り出し許可手段86として機能する。認証手段83は、記憶部88に記憶されている配達員や入居者の顔画像に関する情報と、第2撮像装置90から送信された顔画像に関する情報とを照合することにより、第2撮像装置90により撮像された人が予め登録されている配達員や入居者であるか否かの認証を行う。荷物預け入れ許可手段84は、認証手段83により配達員の認証が行われると、宅配ボックス80の規制部87による規制を解除して収納部に荷物を預け入れ可能とする。荷物取り出し許可手段86は、認証手段83により入居者の認証が行われると、宅配ボックス80の規制部87による規制を解除して配達員により収納部に収納された荷物を収納部から取り出し可能とする。これらの各手段の機能の詳細については後述する。また、規制部87は、荷物を収納する収納部へのアクセスを選択的に規制する。
【0050】
なお、制御部82により実行されるプログラムは記憶部88に記憶されているものに限定されない。制御部82により実行されるプログラムとして、外部装置から通信部(図示せず)を介して制御部82に送信されるものや、宅配ボックス80に装着されたUSBメモリ等の記憶媒体に記憶されているもの、宅配ボックス80とは別のサーバ(例えば、クラウドサーバ)等に記憶されているもの等が用いられてもよい。
【0051】
記憶部88は、HDD(Hard Disk Drive)、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)またはSSD(Solid State Drive)等から構成されている。記憶部88には、制御部82により実行されるプログラムを含む各種プログラムが記憶されている。また、記憶部88には、登録された配達員の顔画像に関する情報や登録された入居者の顔画像に関する情報が記憶されている。記憶部88に記憶されている情報の詳細については後述する。
【0052】
第2撮像装置90は、制御部92と、撮像部94と、通信部96とを有している。撮像部94および通信部96は例えばバス等により制御部92に接続されている。制御部92はCPU等であり、撮像部94および通信部96の制御を行うようになっている。撮像部94は、配達員の顔画像を撮像可能なカメラ等である。通信部96は、例えば、有線LAN(Local Area Network)モジュール、無線LANモジュール等であり、有線または無線通信を行うためのインターフェースを含む。すなわち、通信部96は、インターネット回線等の通信ネットワークを介して他の装置と通信を行うように構成された通信インターフェースから構成されている。なお、第2撮像装置90がインターネット回線等のネットワークを介して顔認証プラットフォーム10に通信可能に接続されておらず、第2撮像装置90が宅配ボックス80のみと有線または無線にて通信可能に接続されていてもよい。
【0053】
<配達員の登録>
次に、
図1に示す情報処理システム1において配達員の登録が行われるときの動作について
図2および
図6を用いて説明する。
図2は、
図1に示す情報処理システム1において配達員の登録が行われるときの各構成要素間の情報の流れを示すチャート図であり、
図6は、
図1に示す情報処理システム1において配達員の登録が行われるときの動作を示すフローチャートである。
【0054】
配達員の端末30ではオンラインストア等により顔認証アプリをインストールすることができるようになっている。このような顔認証アプリをインストールすると、配達員は配達員の端末30により顔画像データの登録、サービスを利用するサービス機関の登録等を行うことができるようになる。このような顔認証アプリの処理内容については後述する。なお、このような顔認証アプリはオンラインストアではなく顔認証プラットフォーム10から提供されるようになっていてもよく、あるいは顔認証プラットフォーム10とは別のシステムから提供されるようになっていてもよい。
【0055】
配達員が顔認証アプリを配達員の端末30にインストールした後、配達員は顔認証アプリで最初にユーザ登録を行う。具体的には、ユーザ登録画面で配達員が氏名、生年月日、電話番号、メールアドレス、パスワード、配達会社の識別情報、配達員番号、配達エリア等の登録情報を入力し、利用規約に同意する欄にチェックを入れた後に登録ボタンを押下すると、配達員の端末30には顔画像の撮像画面が表示される。このような撮像画面で配達員が撮像部36により顔画像を撮像すると、ユーザ登録画面で入力された様々な情報および配達員の顔画像データが配達員の端末30からオペレータ端末40に送信される(
図6のステップS1)。次に、配達員の端末30とオペレータ端末40との間で本人確認が行われる(
図6のステップS2)。より詳細に説明すると、オペレータ端末40を操作するオペレータは、本人確認通知を配達員の端末30に送信する。具体的には、配達員の運転免許証等の身分証明書の情報を配達員に求める指令をオペレータはオペレータ端末40により配達員の端末30に送信する。本人確認通知を受け取った配達員は、撮像部36により運転免許証等の身分証明書を撮像し、撮像された画像を本人確認情報として配達員の端末30からオペレータ端末40に送信すると、オペレータは、身分証明書の情報と、配達員の端末30から最初に送信された登録情報や配達員の顔画像データとを比べることにより、本人確認を行う。なお、配達会社からオペレータ端末40に配達員の氏名、配達員番号、配達エリア等の情報が送信されることにより、配達会社からオペレータ端末40に送信された情報に基づいてオペレータが本人確認を行ってもよい。
【0056】
オペレータにより配達員の本人確認が行われると、配達員登録情報がオペレータ端末40から顔認証プラットフォーム10に送信される。具体的には、配達員登録情報として、登録情報および配達員の顔画像データが顔認証プラットフォーム10に送信される(
図6のステップS3)。顔認証プラットフォーム10の制御部12がオペレータ端末40から配達員登録情報を受け取ると、制御部12は配達員の識別情報として配達員IDを発行する。その後、顔認証プラットフォーム10から配達員の端末30に配達員IDを含む登録完了情報が送信される(
図6のステップS4)。また、配達員の登録情報、顔画像に関する情報および配達員の識別情報は記憶手段22により記憶部26に記憶される。この際に、顔画像に関する情報として、配達員の顔画像データそのものが記憶部26に記憶されてもよく、また、配達員の顔画像データから所定のハッシュ関数により抽出されたハッシュ値が顔画像に関する情報が記憶部26に記憶されてもよい。また、顔認証プラットフォーム10から入場規制装置60および宅配ボックス80にそれぞれ配達員の顔画像に関する情報として配達員の顔画像データから抽出されたハッシュ値が送信され、入場規制装置60の記憶部66および宅配ボックス80の記憶部88に配達員の顔画像に関するハッシュ値がそれぞれ記憶される(
図6のステップS5)。
【0057】
また、配達員が配達員の端末30に顔認証アプリをインストールして顔画像を顔認証プラットフォーム10に登録しているが顔認証アプリで配達サービスをオプトインしていない場合は、配達員は顔画像アプリで配達サービスのオプトインを行ってもよい。配達員が顔画像アプリで配達サービスのオプトインを行うと、顔認証プラットフォーム10の記憶部26に記憶されている配達員の顔画像データから抽出されたハッシュ値が配達員の顔画像に関する情報として入場規制装置60および宅配ボックス80にそれぞれ送信され、入場規制装置60の記憶部66および宅配ボックス80の記憶部88に配達員の顔画像に関するハッシュ値がそれぞれ記憶される。
【0058】
また、本実施の形態の情報処理システム1では、配達会社において配達員が荷物を配達する地域が予め設定されている。このため、配達員が顔認証アプリによりユーザ登録を行う際に、顔認証プラットフォーム10の制御部12が配達員の識別情報として配達員IDを発行すると、予め設定されている地域にある集合住宅の入場規制装置60および宅配ボックス80に配達員の顔画像に関するハッシュ値がそれぞれ顔認証プラットフォーム10から送信され、入場規制装置60の記憶部66および宅配ボックス80の記憶部88に配達員の顔画像に関するハッシュ値がそれぞれ記憶される。なお、本実施の形態の情報処理システム1はこのような態様に限定されることはない。他の態様として、配達員が顔認証アプリにより荷物の配達先の集合住宅を配達員の端末30により指定し、指定された集合住宅の入場規制装置60および宅配ボックス80に配達員の顔画像に関するハッシュ値がそれぞれ顔認証プラットフォーム10から送信されるようになっていてもよい。
【0059】
<登録された配達員の情報の削除>
次に、
図1に示す情報処理システム1において登録された配達員の情報の削除が行われるときの動作について説明する。上述したように、顔認証プラットフォーム10の制御部12がオペレータ端末40から配達員登録情報を受け取り、制御部12が配達員の識別情報として配達員IDを発行し、配達員の登録情報、顔画像に関する情報および配達員の識別情報が記憶手段22により記憶部26に記憶された後、入居者に対する荷物の配達や後述するような配達員による宅配ボックスへの荷物の預け入れ動作が一定期間行われないと、記憶部26に記憶されている配達員の登録情報、顔画像に関する情報および配達員の識別情報が削除される。また、この際に、顔認証プラットフォーム10から入場規制装置60および宅配ボックス80にそれぞれ登録されている配達員の情報の削除に関する指令が送信され、入場規制装置60の記憶部66および宅配ボックス80の記憶部88にそれぞれ記憶されている配達員の顔画像に関するハッシュ値が削除される。なお、このような登録された配達員の情報の削除は、配達員による宅配ボックスへの荷物の預け入れ動作が予め設定されている一定期間行われない場合に限定されることはない。他の態様として、配達員は荷物の配達を行う度に登録を行い、この配達員により入居者に対して荷物の配達が行われたり宅配ボックスへの荷物の預け入れ動作が行われたりすると、記憶部26に記憶されている配達員の登録情報、顔画像に関する情報および配達員の識別情報が削除されるとともに、入場規制装置60の記憶部66および宅配ボックス80の記憶部88にそれぞれ記憶されている配達員の顔画像に関するハッシュ値が削除されるようになっていてもよい。
【0060】
<入居者の登録>
次に、
図1に示す情報処理システム1において入居者の登録が行われるときの動作について
図3および
図7を用いて説明する。
図3は、
図1に示す情報処理システム1において入居者の登録が行われるときの各構成要素間の情報の流れを示すチャート図であり、
図7は、
図1に示す情報処理システム1において入居者の登録が行われるときの動作を示すフローチャートである。
【0061】
入居者の端末50ではオンラインストア等により顔認証アプリをインストールすることができるようになっている。このような顔認証アプリをインストールすると、入居者は入居者の端末50により顔画像データの登録、サービスを利用するサービス機関の登録等を行うことができるようになる。このような顔認証アプリの処理内容については後述する。なお、このような顔認証アプリはオンラインストアではなく顔認証プラットフォーム10から提供されるようになっていてもよく、あるいは顔認証プラットフォーム10とは別のシステムから提供されるようになっていてもよい。
【0062】
入居者が顔認証アプリを入居者の端末50にインストールした後、入居者は顔認証アプリで最初にユーザ登録を行う。具体的には、ユーザ登録画面で入居者が氏名、生年月日、電話番号、メールアドレス、パスワード、集合住宅の識別情報、部屋番号等の登録情報を入力し、利用規約に同意する欄にチェックを入れた後に登録ボタンを押下すると、入居者の端末50には顔画像の撮像画面が表示される。このような撮像画面で入居者が撮像部56により顔画像を撮像すると、ユーザ登録画面で入力された様々な情報および入居者の顔画像データが入居者の端末50からオペレータ端末40に送信される(
図7のステップS11)。次に、入居者の端末50とオペレータ端末40との間で本人確認が行われる(
図7のステップS12)。より詳細に説明すると、オペレータ端末40を操作するオペレータは、本人確認通知を入居者の端末50に送信する。具体的には、入居者の運転免許証等の身分証明書の情報を入居者に求める指令をオペレータはオペレータ端末40により入居者の端末50に送信する。本人確認通知を受け取った入居者は、撮像部56により運転免許証等の身分証明書を撮像し、撮像された画像を本人確認情報として入居者の端末50からオペレータ端末40に送信すると、オペレータは、身分証明書の情報と、入居者の端末50から最初に送信された登録情報や入居者の顔画像データとを比べることにより、本人確認を行う。
【0063】
また、入居者が入居者の端末50に顔認証アプリをインストールして顔画像を顔認証プラットフォーム10に登録しているが顔認証アプリで配達サービスをオプトインしていない場合は、入居者は顔画像アプリで配達サービスのオプトインを行ってもよい。入居者が顔画像アプリで配達サービスのオプトインを行うと、顔認証プラットフォーム10の記憶部26に記憶されている入居者の顔画像データから抽出されたハッシュ値が入居者の顔画像に関する情報として入場規制装置60および宅配ボックス80にそれぞれ送信され、入場規制装置60の記憶部66および宅配ボックス80の記憶部88に入居者の顔画像に関するハッシュ値がそれぞれ記憶される。
【0064】
オペレータにより入居者の本人確認が行われると、入居者登録情報がオペレータ端末40から顔認証プラットフォーム10に送信される。具体的には、入居者登録情報として、登録情報および入居者の顔画像データが顔認証プラットフォーム10に送信される(
図7のステップS13)。顔認証プラットフォーム10の制御部12がオペレータ端末40から入居者登録情報を受け取ると、制御部12は入居者の識別情報として入居者IDを発行する。その後、顔認証プラットフォーム10から入居者の端末50に入居者IDを含む登録完了情報が送信される(
図7のステップS14)。また、入居者の登録情報、顔画像に関する情報および入居者の識別情報は記憶手段22により記憶部26に記憶される。この際に、顔画像に関する情報として、入居者の顔画像データそのものが記憶部26に記憶されてもよく、また、入居者の顔画像データから所定のハッシュ関数により抽出されたハッシュ値が顔画像に関する情報が記憶部26に記憶されてもよい。また、顔認証プラットフォーム10から入場規制装置60および宅配ボックス80にそれぞれ入居者の顔画像に関する情報として入居者の顔画像データから抽出されたハッシュ値が送信され、入場規制装置60の記憶部66および宅配ボックス80の記憶部88に入居者の顔画像に関するハッシュ値がそれぞれ記憶される(
図7のステップS15)。
【0065】
<配達員による宅配ボックスへの荷物の預け入れ>
次に、
図1に示す情報処理システム1において配達員による宅配ボックス80への荷物の預け入れが行われるときの動作について
図4および
図8を用いて説明する。
図4は、
図1に示す情報処理システム1において配達員が宅配ボックス80に荷物の預け入れを行うときの各構成要素間の情報の流れを示すチャート図であり、
図8は、
図1に示す情報処理システム1において配達員が宅配ボックス80に荷物の預け入れを行うときの動作を示すフローチャートである。
【0066】
配達員が荷物を入居者に配達する際に、入居者が不在の場合は、配達員は集合住宅の共有スペースにある宅配ボックス80に荷物を預け入れる。具体的には、配達員はまず自分の顔画像を集合住宅の入口にある第1撮像装置70の撮像部74により撮像させる。第1撮像装置70の撮像部74により配達員の顔画像が撮像されると、撮像された配達員の顔画像データは第1撮像装置70から入場規制装置60に送信され、入場規制装置60の制御部62によりこの顔画像データから所定のハッシュ関数によりハッシュ値が抽出される。入場規制装置60の認証手段63は、第1撮像装置70の撮像部74により撮像された配達員の顔画像データから抽出されたハッシュ値と、記憶部66に記憶されている配達員の顔画像のハッシュ値とを比較することにより、配達員の認証を行う。認証手段63により配達員の認証が行われると、入場規制解除手段64は、入場規制装置60による所定のエリア内(具体的には、集合住宅の共有スペース)への入場の規制を解除する(
図8のステップS21)。このことにより、配達員は集合住宅の共有スペースに入ることができるようになる。
【0067】
そして、配達員が集合住宅の共有スペースにおいて宅配ボックス80の近傍に移動すると、自分の顔画像を宅配ボックス80の近傍にある第2撮像装置90の撮像部94により撮像させる。第2撮像装置90の撮像部94により配達員の顔画像が撮像されると、撮像された配達員の顔画像データは第2撮像装置90から宅配ボックス80に送信され、宅配ボックス80の制御部82によりこの顔画像データから所定のハッシュ関数によりハッシュ値が抽出される。宅配ボックス80の認証手段83は、第2撮像装置90の撮像部94により撮像された配達員の顔画像データから抽出されたハッシュ値と、記憶部88に記憶されている配達員の顔画像のハッシュ値とを比較することにより、配達員の認証を行う。認証手段83により配達員の認証が行われると(
図8のステップS22の「YES」)、荷物預け入れ許可手段84は、宅配ボックス80の規制部87による規制を解除して収納部に荷物を預け入れ可能とする(
図8のステップS25)。この際に、例えば顔認証プラットフォーム10から配達員の端末30に収納部の扉の解錠番号が送信され、配達員の端末30における顔認証アプリで解錠番号を表示させることができるようになっていてもよい。そして、配達員が解錠番号を宅配ボックス80に入力すると、ある収納部の扉が解錠されてこの収納部に配達員が荷物を入れることができるようになっていてもよい。このようにして、配達員は宅配ボックス80の収納部に荷物を預け入れることができるようになる。配達員が宅配ボックス80の収納部に荷物を預け入れた後に、配達員は荷物の配達追跡番号、配達員の識別情報および荷物の受取人である入居者の識別情報を宅配ボックス80に入力する。なお、後述するようにこのような配達員による宅配ボックス80への情報の入力を省略することもできる。配達員が宅配ボックス80の収納部に荷物を預け入れた後、当該配達員は配達員の端末30により宅配ボックス80の収納部に荷物を預け入れたという情報を、荷物の配達追跡番号等とともに配達会社のサーバやコンピュータ等に送信する。このことにより、配達会社のサーバやコンピュータ等には、宅配ボックス80の収納部に荷物を預け入れたという情報が荷物の配達追跡番号等とともに記憶される。また、宅配ボックス80の収納部に荷物を預け入れたという情報は、荷物の配達追跡番号等とともに配達員の端末30から顔認証プラットフォーム10にも送信される。また、配達員は宅配ボックス80の収納部に荷物を預け入れる前に配達員の端末30の撮像部36により荷物の画像を撮像してもよい。この場合は、配達員により撮像された荷物の画像も配達会社のサーバやコンピュータ、顔認証プラットフォーム10等に送信される。
【0068】
なお、入場規制装置60による所定のエリア内への入場の規制が解除された後、宅配ボックス80の認証手段83により配達員の認証が行われずに予め設定されている所定の時間が経過すると(
図8のステップS22の「NO」およびステップS23の「YES」)、不審者通知手段18は、入居者登録手段16により登録されている入居者の端末50に不審者情報を送信する(
図8のステップS24)。このことにより、入居者は共有スペースに不審者がいることを認識することができるようになる。
【0069】
また、第2撮像装置90の撮像部94により撮像された画像と、記憶部66に記憶されている登録された配達員の顔画像に関する情報および入居者の顔画像に関する情報(具体的には、配達員や入居者の顔画像のハッシュ値)とによって、宅配ボックス80に対して操作を行うユーザの認証を行うことができなかった場合は、不審者通知手段18は、入居者登録手段16により登録されている入居者の端末50に不審者情報を送信してもよい。この場合も、入居者は共有スペースに不審者がいることを認識することができるようになる。
【0070】
荷物預け入れ許可手段84により、宅配ボックス80の規制部87による規制が解除されて収納部に荷物を預け入れ可能となり、配達員が宅配ボックス80の収納部に荷物を預け入れると(
図8のステップS26の「YES」)、荷物預け入れ情報(具体的には、宅配ボックス80における収納部の番号や配達員の識別情報、荷物の配達追跡番号、荷物の受取人としての入居者の情報等)が宅配ボックス80から顔認証プラットフォーム10に送信される。顔認証プラットフォーム10の制御部12が荷物預け入れ情報を受け付けると、記憶手段22は入場規制装置60から受け付けた荷物預け入れ情報を記憶部26に記憶させる。また、顔認証プラットフォーム10から配達員の端末30に荷物預け入れ情報が送信される(
図8のステップS27)。また、宅配ボックス80に荷物の受取人として入力された入居者の端末50にも顔認証プラットフォーム10から荷物預け入れ情報が送信される(
図8のステップS27)。また、配達員が宅配ボックス80の収納部に荷物を預け入れる前に配達員の端末30の撮像部36により荷物の画像を撮像した場合は、配達員により撮像された荷物の画像も配達員の端末30から顔認証プラットフォーム10に送信され、顔認証プラットフォーム10から入居者の端末50に送信される。このことにより、入居者は自分が不在のうちに宅配ボックス80に荷物が預けられたことを認識することができるようになる。
【0071】
<入居者による宅配ボックスからの荷物の取り出し>
次に、
図1に示す情報処理システム1において入居者による宅配ボックス80からの荷物の取り出しが行われるときの動作について
図5および
図9を用いて説明する。
図5は、
図1に示す情報処理システム1において入居者により宅配ボックス80から荷物の取り出しが行われるときの各構成要素間の情報の流れを示すチャート図であり、
図9は、
図1に示す情報処理システム1において入居者により宅配ボックス80から荷物の取り出しが行われるときの動作を示すフローチャートである。
【0072】
顔認証プラットフォーム10から入居者の端末50に荷物預け入れ情報が送信されることにより宅配ボックス80に荷物が預けられたことを入居者が認識した後、入居者が宅配ボックス80から荷物を取り出すにあたり、まず、自分の顔画像を宅配ボックス80の近傍にある第2撮像装置90の撮像部94により撮像させる。第2撮像装置90の撮像部94により入居者の顔画像が撮像されると、撮像された入居者の顔画像データは第2撮像装置90から宅配ボックス80に送信され、宅配ボックス80の制御部82によりこの顔画像データから所定のハッシュ関数によりハッシュ値が抽出される。宅配ボックス80の認証手段83は、第2撮像装置90の撮像部94により撮像された入居者の顔画像データから抽出されたハッシュ値と、記憶部88に記憶されている入居者の顔画像のハッシュ値とを比較することにより、入居者の認証を行う。認証手段83により入居者の認証が行われると、荷物取り出し許可手段86は、宅配ボックス80の規制部87による規制を解除して収納部からの荷物の取り出しを可能とする(
図9のステップS31)。このことにより、入居者は宅配ボックス80の収納部から荷物を取り出すことができるようになる。この際に、例えば顔認証プラットフォーム10から入居者の端末50に収納部の扉の解錠番号が送信され、入居者の端末50における顔認証アプリで解錠番号を表示させることができるようになっていてもよい。そして、入居者が解錠番号を宅配ボックス80に入力すると、ある収納部の扉が解錠されてこの収納部から入居者が荷物を取り出すことができるようになっていてもよい。
【0073】
荷物取り出し許可手段86により、宅配ボックス80の規制部87による規制が解除されて収納部からの荷物の取り出しが可能となり、配達員が宅配ボックス80の収納部から荷物を取り出すと(
図9のステップS32の「YES」)、荷物取り出し情報(具体的には、宅配ボックス80における収納部の番号や入居者の識別情報等)が入場規制装置60から顔認証プラットフォーム10に送信される。顔認証プラットフォーム10の制御部12が荷物取り出し情報を受け付けると、記憶手段22は入場規制装置60から受け付けた荷物取り出し情報を記憶部26に記憶させる。また、顔認証プラットフォーム10から配達員の端末30および入居者の端末50にそれぞれ荷物取り出し情報が送信される(
図9のステップS33)。このことにより、配達員は宅配ボックス80に預け入れた荷物が入居者により取り出されたことを認識することができるようになる。また、入居者により宅配ボックス80の収納部から荷物が取り出されると、荷物が取り出されたという情報が宅配ボックス80から顔認証プラットフォーム10に送信され、この情報が顔認証プラットフォーム10から更に配達会社のサーバやコンピュータに送信されてもよい。この場合は、配達員が配達員の端末30により宅配ボックス80の収納部から荷物が取り出されたという情報を配達会社のサーバやコンピュータ等に送信しなくても、配達会社のサーバやコンピュータ等において宅配ボックス80の収納部から荷物が取り出され、荷物の配達が完了したという情報を管理することができる。
【0074】
以上のような構成からなる本実施の形態の情報処理システム1、プログラムおよび情報処理方法によれば、情報処理システム1は、所定のエリア内への入場を選択的に規制する入場規制装置60と、入場規制装置60による所定のエリア内への入場の規制が解除されるべきユーザの顔画像の撮像を行う第1撮像装置70と、荷物を収納する収納部および収納部へのアクセスを選択的に規制する規制部87を有する宅配ボックス80と、宅配ボックス80に対して操作を行うユーザの顔画像を撮像する第2撮像装置90とを備えている。また、情報処理システム1は、プログラムを実行することにより配達員登録手段14と、入場規制解除手段64と、荷物預け入れ許可手段84として機能する制御部12、62、82を有している。配達員登録手段14は、配達員の顔画像に関する情報の登録を行い、入場規制解除手段64は、第1撮像装置70により撮像された画像と、登録された配達員の顔画像に関する情報とに基づいて配達員の認証が行われると入場規制装置60による所定のエリア内への入場の規制を解除する。また、荷物預け入れ許可手段84は、第2撮像装置90により撮像された画像と、登録された配達員の顔画像に関する情報とに基づいて配達員の認証が行われると、宅配ボックス80の規制部87による規制を解除して収納部に荷物を預け入れ可能とする。このような情報処理システム1、プログラムおよび情報処理方法によれば、所定の配達員のみが所定のスペースに入ることを認容するとともに、宅配ボックス80への荷物の預け入れの効率化を図ることができる。具体的には、配達員は事前に登録を行っておけば、荷物の配達を行う際に顔認証によって入場規制装置60による規制を解除して所定のエリア内に入場するとともに顔認証によって宅配ボックス80の収納部に荷物を入れることができるようになる。この場合は、例えば大きな荷物を持つ際に両手が塞がっている場合でも荷物を一旦下ろすことなく所定のエリア内に入場して宅配ボックス80の収納部に荷物を入れることができるため、宅配員にとっての宅配ボックス80への荷物の預け入れの利便性を向上させることができる。
【0075】
なお、情報処理システム1により実行されるプログラムは複数に分割されたものであってもよい。例えば、プログラムが分割された状態で記憶部26、記憶部66および記憶部88にそれぞれに記憶され、各制御部12、62、82がそれぞれ記憶部26、記憶部66および記憶部88に分割した状態で記憶されているプログラムを実行することにより、情報処理システム1が配達員登録手段14と、入場規制解除手段64と、荷物預け入れ許可手段84として機能してもよい。
【0076】
また、本実施の形態の情報処理システム1、プログラムおよび情報処理方法においては、上述したように、情報処理システム1は、プログラムを実行することにより入居者登録手段16と、荷物取り出し許可手段86として更に機能する。入居者登録手段16は、入居者の顔画像に関する情報の登録を行い、荷物取り出し許可手段86は、第2撮像装置90により撮像された画像と、登録された入居者の顔画像に関する情報とに基づいて入居者の認証が行われると、宅配ボックス80の規制部87による規制を解除して配達員により収納部に収納された荷物を収納部から取り出し可能とする。この場合は、入居者は手を使わなくても顔認証により宅配ボックス80の収納部から荷物を取り出すことができるようになるため、入居者にとっての利便性も向上させることができる。また、プログラムが分割された状態で記憶部26および記憶部88にそれぞれに記憶され、各制御部12、82がそれぞれ記憶部26および記憶部88に分割した状態で記憶されているプログラムを実行することにより、情報処理システム1が入居者登録手段16と、荷物取り出し許可手段86として機能してもよい。
【0077】
また、本実施の形態の情報処理システム1、プログラムおよび情報処理方法においては、上述したように、情報処理システム1は、プログラムを実行することにより不審者通知手段18として更に機能する。不審者通知手段18は、第2撮像装置90により撮像された画像と、登録された配達員の顔画像に関する情報および入居者の顔画像に関する情報とによって、宅配ボックス80に対して操作を行うユーザの認証を行うことができなかった場合は、入居者登録手段16により登録されている入居者の端末50に不審者情報を送信する。この場合は、入場規制装置60による入場の規制にもかかわらず第三者が何らかの手段で所定のエリア内に入場して宅配ボックス80に対して操作を行っていることを入居者に通知することができるようになる。
【0078】
また、本実施の形態の情報処理システム1、プログラムおよび情報処理方法においては、上述したように、情報処理システム1は、プログラムを実行することにより入居者登録手段16と、預け入れ通知手段20として更に機能する。入居者登録手段16は、入居者の顔画像に関する情報の登録を行う。預け入れ通知手段20は、配達員により宅配ボックス80の収納部に荷物が預け入れられると、宅配ボックス80の収納部に預け入れられた荷物に関する情報を、入居者登録手段16により登録されている入居者の端末50に送信する。この場合には、配達員により宅配ボックス80の収納部に荷物が預け入れられると入居者の端末50にこのことが通知されるため、入居者は不在時に宅配ボックス80の収納部に自分宛の荷物が預け入れられたことを認識することができるようになる。
【0079】
また、本実施の形態の情報処理システム1、プログラムおよび情報処理方法においては、上述したように、情報処理システム1は、プログラムを実行することにより不審者通知手段18として更に機能し、不審者通知手段18は、入場規制装置60による所定のエリア内への入場の規制が解除された後、第2撮像装置90により撮像された画像に基づく配達員の認証が行われずに予め設定されている所定の時間が経過すると、入居者登録手段16により登録されている入居者の端末50に不審者情報を送信する。この場合は、配達員以外の第三者が配達員を装って所定のエリア内に入場して宅配ボックス80に荷物を預け入れなかったり、荷物の預け入れを行う予定のない配達員が所定のエリア内に入場したりした場合には、入居者の端末50に不審者情報を送信することにより入居者に注意喚起を促すことができるようになる。
【0080】
また、本実施の形態の情報処理システム1、プログラムおよび情報処理方法においては、上述したように、情報処理システム1は、プログラムを実行することにより記憶手段22として更に機能し、記憶手段22は、入場規制装置60による所定のエリア内への入場の規制を解除した配達員の少なくとも識別情報を記憶部26に記憶させる。このことにより、所定のエリア内に入場した配達員についての入場履歴を記憶部26に記憶させることができるようになる。
【0081】
また、本実施の形態の情報処理システム1、プログラムおよび情報処理方法においては、上述したように、情報処理システム1は、プログラムを実行することにより記憶手段22として更に機能し、記憶手段22は、宅配ボックス80の規制部87による規制を解除した配達員の少なくとも識別情報を記憶部26に記憶させる。このことにより、宅配ボックス80の収納部に荷物を預け入れた配達員についての配達履歴を記憶部26に記憶させることができるようになる。
【0082】
また、本実施の形態の情報処理システム1、プログラムおよび情報処理方法においては、上述したように、顔認証プラットフォーム10(コンピュータ)は制御部12(第1制御部)を有しており、入場規制装置60は制御部62(第2制御部)を有しており、第1制御部としての制御部12は、プログラムを実行することにより少なくとも配達員登録手段14として機能し、第2制御部としての制御部62は、プログラムを実行することにより少なくとも入場規制解除手段64として機能する。また、宅配ボックス80は制御部82(第3制御部)を有しており、第3制御部としての制御部82は、プログラムを実行することにより少なくとも荷物預け入れ許可手段84として機能する。このことにより、複数の手段として機能する主体を複数の装置(顔認証プラットフォーム10、入場規制装置60、宅配ボックス80等)に分担させることができる。
【0083】
なお、本発明による情報処理システム、プログラムおよび情報処理方法は、上述したような態様に限定されることはなく、様々な変更を加えることができる。
【0084】
例えば、第1撮像装置70により撮像された顔画像に基づいてユーザの認証を行うのは入場規制装置60ではなく顔認証プラットフォーム10でもよい。具体的には、認証手段63が入場規制装置60に設けられる代わりに顔認証プラットフォーム10に設けられていてもよい。この場合は、第1撮像装置70により撮像された顔画像データが第1撮像装置70から顔認証プラットフォーム10に送信され、顔認証プラットフォーム10において制御部12がプログラムを実行することにより認証手段として機能することによってユーザの顔認証が行われ、認証結果が顔認証プラットフォーム10から入場規制装置60に送信されるようになる。そして、入場規制装置60の制御部62は、顔認証プラットフォーム10から送信された認証結果に基づいて入場規制解除手段64により所定のエリア内への入場の規制を解除する。
【0085】
また、第1撮像装置70により撮像された顔画像に基づいてユーザの認証を行うのは入場規制装置60ではなく第1撮像装置70でもよい。具体的には、配達員登録手段14により登録が行われた配達員の顔画像に関する情報や入居者登録手段16により登録が行われた入居者の顔画像に関する情報は顔認証プラットフォーム10から入場規制装置60に送信される代わりに第1撮像装置70に送信され、この第1撮像装置70に設けられている記憶部(図示せず)に記憶される。この場合は、第1撮像装置70により撮像された顔画像データと第1撮像装置70の記憶部に記憶されている顔画像に関する情報とに基づいてユーザの顔認証が行われ、認証結果が第1撮像装置70から入場規制装置60に送信されるようになる。そして、入場規制装置60の制御部62は、第1撮像装置70から送信された認証結果に基づいて入場規制解除手段64により所定のエリア内への入場の規制を解除する。
【0086】
また、第2撮像装置90により撮像された顔画像に基づいてユーザの認証を行うのは宅配ボックス80ではなく顔認証プラットフォーム10でもよい。具体的には、認証手段83が宅配ボックス80に設けられる代わりに顔認証プラットフォーム10に設けられていてもよい。この場合は、第2撮像装置90により撮像された顔画像データが第2撮像装置90から顔認証プラットフォーム10に送信され、顔認証プラットフォーム10において制御部12がプログラムを実行することにより認証手段として機能することによってユーザの顔認証が行われ、認証結果が顔認証プラットフォーム10から宅配ボックス80に送信されるようになる。そして、宅配ボックス80の制御部82は、顔認証プラットフォーム10から送信された認証結果に基づいて、荷物預け入れ許可手段84や荷物取り出し許可手段86によって規制部87による規制を解除して収納部への荷物の預け入れや収納部からの荷物の取り出しを許可する。
【0087】
また、第2撮像装置90により撮像された顔画像に基づいてユーザの認証を行うのは宅配ボックス80ではなく第2撮像装置90でもよい。具体的には、配達員登録手段14により登録が行われた配達員の顔画像に関する情報や入居者登録手段16により登録が行われた入居者の顔画像に関する情報は顔認証プラットフォーム10から宅配ボックス80に送信される代わりに第2撮像装置90に送信され、この第2撮像装置90に設けられている記憶部(図示せず)に記憶される。この場合は、第2撮像装置90により撮像された顔画像データと第2撮像装置90の記憶部に記憶されている顔画像に関する情報とに基づいてユーザの顔認証が行われ、認証結果が第2撮像装置90から宅配ボックス80に送信されるようになる。そして、宅配ボックス80の制御部82は、第2撮像装置90から送信された認証結果に基づいて、荷物預け入れ許可手段84や荷物取り出し許可手段86によって規制部87による規制を解除して収納部への荷物の預け入れや収納部からの荷物の取り出しを許可する。
【0088】
また、集合住宅の入口に設置される入場規制装置60および第1撮像装置70は別々のものであることに限定されない。入場規制装置60と第1撮像装置70とが一体化した装置が集合住宅の入口に設置されていてもよい。また、所定のエリア内に設置される宅配ボックス80および第2撮像装置90は別々のものであることに限定されない。宅配ボックス80と第2撮像装置90とが一体化した装置が所定のエリア内に設置されていてもよい。
【0089】
また、配達員の端末30や入居者の端末50において用いられる顔認証アプリは、これらの端末30、50のカメラにより撮像された訪問者の顔画像データそのものを顔認証プラットフォーム10に送信にする代わりに、配達員の端末30や入居者の端末50のカメラにより撮像された訪問者の顔画像データに基づいて、所定のハッシュ関数によりハッシュ値を抽出し、抽出されたハッシュ値を顔認証プラットフォーム10に送信してもよい。
【符号の説明】
【0090】
1 情報処理システム
10 顔認証プラットフォーム
12 制御部
14 配達員登録手段
16 入居者登録手段
18 不審者通知手段
20 入れ通知手段
22 記憶手段
26 記憶部
28 通信部
30 端末
32 制御部
34 表示部
35 操作部
36 撮像部
37 記憶部
38 通信部
40 オペレータ端末
50 端末
52 制御部
54 表示部
55 操作部
56 撮像部
57 記憶部
58 通信部
60 入場規制装置
62 制御部
63 認証手段
64 入場規制解除手段
66 記憶部
70 第1撮像装置
72 制御部
74 撮像部
76 通信部
80 宅配ボックス
82 制御部
83 認証手段
84 入れ許可手段
86 荷物取り出し許可手段
87 規制部
88 記憶部
90 第2撮像装置
92 制御部
94 撮像部
96 通信部
【要約】
【課題】所定の配達員のみが所定のスペースに入ることを認容するとともに、宅配ボックスへの荷物の預け入れの利便性を向上させることができるシステム、プログラムおよび情報処理方法を提供する。
【解決手段】情報処理システム1は、入場規制装置60と、第1撮像装置70と、宅配ボックス80と、第2撮像装置90と、コンピュータとを備えている。入場規制解除手段64は、第1撮像装置70により撮像された画像と、登録された配達員の顔画像に関する情報とに基づいて配達員の認証が行われると入場規制装置60による所定のエリア内への入場の規制を解除する。荷物預け入れ許可手段86は、第2撮像装置90により撮像された画像と、登録された配達員の顔画像に関する情報とに基づいて配達員の認証が行われると、宅配ボックス80の規制部87による規制を解除して収納部に荷物を預け入れ可能とする。
【選択図】
図1