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特許7472411皮膚の特性を測定し、剃毛体験を向上させるための装置および方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-15
(45)【発行日】2024-04-23
(54)【発明の名称】皮膚の特性を測定し、剃毛体験を向上させるための装置および方法
(51)【国際特許分類】
   B26B 21/40 20060101AFI20240416BHJP
   B26B 21/14 20060101ALI20240416BHJP
【FI】
B26B21/40 Z
B26B21/14 Z
【請求項の数】 4
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022116425
(22)【出願日】2022-07-21
(62)【分割の表示】P 2019572397の分割
【原出願日】2018-06-01
(65)【公開番号】P2022141861
(43)【公開日】2022-09-29
【審査請求日】2022-07-22
(31)【優先権主張番号】62/532,518
(32)【優先日】2017-07-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/532,534
(32)【優先日】2017-07-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】62/532,682
(32)【優先日】2017-07-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】507020417
【氏名又は名称】ビック バイオレクス シングル メンバー エス.エー
(74)【代理人】
【識別番号】110001656
【氏名又は名称】弁理士法人谷川国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】パナギオトポウロウ,ヴァシリキ
(72)【発明者】
【氏名】パノウ,アサナシア
(72)【発明者】
【氏名】モウスタカス,パナギオティス
(72)【発明者】
【氏名】ピリス,ジョージオス
(72)【発明者】
【氏名】ガラニス,クリストス
(72)【発明者】
【氏名】ゴウデリス,ジョージオス
(72)【発明者】
【氏名】コウツォウリディス,グリゴリオス ゲラシモス
(72)【発明者】
【氏名】アッゲロポウロウ,パラスケヴィ
【審査官】大光 太朗
(56)【参考文献】
【文献】特開平07-204370(JP,A)
【文献】特開2001-029674(JP,A)
【文献】特表2013-528116(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B26B 21/40
B26B 21/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
シェーバシステム(12)であって、
ハンドル本体(14)と、
前記ハンドル本体(14)に結合されたカートリッジ(16)と、
皮膚弾性ンサ(48)と、を備え
前記ハンドル本体(14)は、カートリッジ取り付け部分を含み、
前記皮膚弾性センサ(48)は、前記カートリッジ取り付け部分と反対の前記ハンドル本体(14)の一部上に配置される、シェーバシステム(12)。
【請求項2】
前記皮膚弾性センサ(48)は、吸引源(52)、光源(54)、および光検出器(56)を含む、請求項に記載のシェーバシステム。
【請求項3】
前記皮膚弾性センサ(48)は、ユーザの皮膚に隣接して配置されるように構成される、請求項に記載のシェーバシステム。
【請求項4】
前記皮膚弾性センサ(48)は、ブレード形状の推奨を提供するように構成される、請求項1に記載のシェーバシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2017年7月14日に出願された米国仮出願第62/532,518号、2017年7月14日に出願された第62/532,534号、および2017年7月14日に出願された第62/532,682号の利益を主張し、そのそれぞれの開示は、その全体が参照により本明細書に組み込まれている。
【0002】
本開示の態様は、一般に、シェービング技術に関し、具体的には、ユーザの皮膚の1つ以上の特性を測定して皮膚特性および/または皮膚弾性を判定する、かつ/あるいは剃毛によって引き起こされる皮膚への刺激を測定するためのシェービングシステムおよび関連する方法に関する。本開示の態様はまた、一般に、剃毛体験を向上させることに関し、具体的には、皮膚特性の判定、皮膚の弾力性の判定、および/または判定された刺激レベルに基づいてユーザに推奨を行うことに関する。
【背景技術】
【0003】
シェーバは一般に、ハンドルとハンドルの一端に取り外し可能に取り付けられたかみそりカートリッジを含む。かみそりカートリッジは、体毛を切るための少なくとも1つのブレードを含む。ユーザは、ハンドルを保持し、剃毛する体の領域を横切って1つまたは複数のブレードを繰り返し動かして、その領域の体毛を切る。多くの場合、剃毛中にユーザの肌を保湿して保護するために、潤滑剤が使用されることがある。不十分または不適切な潤滑、不適切なブレードの種類または角度、ならびに/あるいは剃毛中の不適切な技術は、皮膚の刺激および/または刻み目や切り傷を引き起こす可能性がある。
【0004】
一般に、皮膚の特性はユーザごとに異なり、ユーザの体の異なる部分でさえも異なる場合がある。異なる特性の皮膚は、さまざまなかみそりカートリッジブレードの配置(たとえば、ブレードの角度や間隔)に対して異なる応答をする場合がある。例えば、低い弾力性を有する特定の皮膚特性は、第1の距離だけ離間した第1の数のブレードを有するかみそりカートリッジで快適な剃毛を経験する場合がある。より高い弾力性を有する他の皮膚特性は、比較的近い間隔で配置されたより多数のブレードを有するかみそりカートリッジで快適な剃毛を経験する場合がある。この変動性を理解し、その理解に基づいて推奨を作成できると、ユーザの剃毛体験が向上する場合がある。
【図面の簡単な説明】
【0005】
本開示に組み込まれ、その一部を構成する添付の図面は、様々な例示的な実施形態を示し、説明とともに、本開示の原理を説明するのに役立つ。
【0006】
本開示の態様は、添付の図面に示される実施形態に関連して実施され得る。これらの図面は、本開示の異なる態様を示し、適切な場合、異なる図面の同様の構造、構成要素、材料および/または要素を示す参照番号は同様にラベル付けされる。具体的に示されたもの以外の構造、構成要素、および/または要素の様々な組み合わせが企図され、本開示の範囲内であることが理解される。本明細書には多くの態様および実施形態が記載されている。当業者は、特定の態様または実施形態の特徴を、本開示で説明する他の態様または実施形態のいずれかまたはすべての特徴と併せて使用できることを容易に認識するであろう。
【0007】
図1図1は、本開示の態様による、例示的なシェービングシステムを示す。
図2図2は、本開示の態様による、例示的なシェーバを示す。
図3図3は、本開示の態様による、例示的なかみそりカートリッジを示す。
図4図4は、本開示の態様による、例示的なセンサデバイスを示す。
図5図5は、本開示の態様による、別の例示的なセンサデバイスを示す。
図6図6は、本開示の態様による、例示的なセンサデバイスの様々な態様を示す断面図を示す。
図7図7は、本開示の態様による、例示的なセンサデバイスの様々な態様を示す断面図を示す。
図8図8は、本開示の態様による、分解状態の例示的なかみそりカートリッジの構成要素を示す。
図9図9は、本開示の態様による、図8の例示的なかみそりカートリッジの一部の断面図を示す。
図10図10は、本開示の態様による、皮膚特性を判定する方法の流れ図を示す。
図11図11は、本開示の態様による、皮膚刺激を判定する方法の流れ図を示す。
図12図12は、本開示の態様による、皮膚の弾力性を判定する方法の流れ図である。
図13図13は、本開示の態様による、シェービングセッションを改善するための方法の流れ図を示す。
図14図14は、本開示の態様による、シェービングセッションを改善するための方法の態様の流れ図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0008】
本開示の例は、剃毛の体験を容易にし、改善するためのシステム、デバイス、および方法を含む。例えば、本開示の態様は、ユーザに彼または彼女の皮膚の1つまたは複数の特徴を測定、決定、またはさもなければ特定する能力を提供し、少なくとも特定された特徴に基づいて、ユーザの肌に最も適している特徴(例えば、ブレードの幾何学形状または構成)を有するかみそりカートリッジを選択することができる。より具体的には、本開示の特定の態様は、皮膚コンダクタンス、皮膚弾性、皮膚刺激、および/または他の皮膚特性を特定するための1つまたは複数のセンサデバイスを含むシェーバについて説明し、フィードバックおよび/または推奨を提供する。
【0009】
前述の一般的な説明と以下の詳細な説明の両方は、例示的かつ説明的なものにすぎず、特許請求される特徴を制限するものではない。本明細書で使用される用語「含む(comprises)」、「含んでいる(comprising)」、またはその他の変形は、要素の列記を含むプロセス、方法、物品、または装置がそれらのみを含まないように、非排他的な包含を網羅することを意図するが、明示的に列記されていないか、そのようなプロセス、方法、物品、または装置に固有のものではない他の要素を含めることができる。さらに、「例示的」という用語は、「理想」ではなく「例」の意味で本明細書で使用される。本明細書で開示または請求されるすべての数値(すべての開示値、制限、および範囲を含む)は、開示された数値から+/-10%の変動(異なる変動が指定されない限り)を有することができることに留意されたい。さらに、クレームでは、値、制限、および/または範囲は、値、制限、および/または範囲+/-10%を意味する。用語「近位」および「遠位」は、例示的なデバイスの構成要素の相対位置を指すために本明細書で使用される。本明細書で使用される場合、「近位」とは、ユーザが保持するか、さもなければ処理するデバイスの部分に比較的近い位置を指す。対照的に、「遠位」は、剃られている身体の一部と接触しているデバイスの一部を指す。本明細書に記載される例示的なシェーバの文脈において、デバイスの遠位部分は、剃られている皮膚に接触し、一方、デバイスの近位部分は、剃られている皮膚からさらに離れており、ユーザによって保持され得る。
【0010】
次に、以下に説明され、添付の図面に示される本開示の例示的な態様を詳細に参照する。可能な限り、同じまたは類似の部品を指すために、図面全体を通して同じ参照番号が使用される。
【0011】
本開示の態様のさらなる目的および利点は、以下の説明に部分的に記載され、そして部分的にはその説明から明らかになり、または本実施形態の実施によって習得され得る。前述の一般的な説明および以下の詳細な説明の両方は、例示的かつ説明的なものにすぎず、特許請求の範囲を制限するものではないことを理解されたい。
【0012】
本開示の実施形態は、各ユーザの皮膚特性、皮膚の弾力性、および/または剃毛からの皮膚刺激を特定することにより、多数のユーザのためのより効率的で楽しいシェービングセッションを作成し、いくつかの例ではそれに基づいてユーザに推奨を提供することにより、より良い剃毛習慣を促進することができる。
【0013】
シェービングシステム10が図1に示されている。システム10は、皮膚の特性、皮膚の弾力性、および/または皮膚の刺激を特定し、例えば、ユーザに提供される推奨または他のフィードバックを介して改善された剃毛体験のための効率的なシェービング技術を容易にし、かつ促進し得る。シェービングシステム10は、ハンドル14と、取り外し可能に取り付けられたかみそりカートリッジ16と、ベース18と、1つまたは複数のユーザデバイス20と、1つまたは複数のマーチャントユニット22とを有するシェーバ12を含むことができる。シェーバ12、ベース18、ユーザデバイス20、およびマーチャントユニット22のそれぞれは、他のコンポーネントの1つ以上と動作可能に通信することができる。通信は、例えば、ブルートゥース(登録商標)接続、AirDrop(商標)、有線および/または無線インターネット、ならびに/あるいは任意の他の適切な接続24などの有線または無線接続を介してデータ信号を送受信することを伴い得る。シェーバ12、ベース18、ユーザデバイス20、およびマーチャントユニット22のうちの1つ以上が、情報を格納する1つまたは複数のメモリ要素、情報を処理する1つまたは複数のプロセッサ、およびその中の電子コンポーネントおよびデバイスに電力を供給するバッテリおよび/またはコンセント用の外部プラグなど、1つまたは複数の電源を含むことも考えられる。
【0014】
図2に示すように、ハンドル14は、ユーザによって保持されるように構成されたハンドル本体30を含むことができる。ハンドル本体30は、ユーザによる快適な把持を促進するための任意の適切な構成を含み得る。例えば、ハンドル本体30は、コーティングまたは、例えば、ゴムカバーなどのカバーを含むことができ、または特にハンドル14が濡れている場合にハンドル14がユーザの手の中で滑らないようにする幾何学的特徴を含むことができる。ハンドル14はまた、ハンドル本体28の一端にハンドル取り付けインターフェース32を含むことができる。ハンドル取り付けインターフェース32は、シェービングハンドルを備えたカートリッジを取り付けおよび解放することが知られている任意の機構を介して、ハンドル14にカートリッジ16を選択的に取り付けおよび解放するように構成され得る。加えて、ハンドル取り付けインターフェース32は、様々な種類のかみそりカートリッジ16に連結するように構成されてもよい。図示されていないが、ハンドル14は、例えばボタンまたはスイッチなどの1つまたは複数の入力をさらに含み、以下に説明する1つまたは複数のセンサデバイスなどの1つまたは複数の電子部品の動作を作動、非作動、および/または調整することができる。
【0015】
カートリッジ16は、様々な異なるブレード形状および/または構成を含むことができる。例えば、様々なブレードの形状/構成は、さまざまな数のかみそり刃34を含んでもよい。様々なブレードの形状および/または構成はまた、隣接するかみそり刃間の異なる間隔距離を含んでもよい。隣接するかみそり刃の間の空間は、例えば、ブレード間スパン(IBS)と呼ばれる場合がある。一例では、カートリッジ16は、少なくとも2つのかみそり刃34、少なくとも3つのかみそり刃34、少なくとも4つのかみそり刃34、または少なくとも5つのかみそり刃34を含むことができる。カートリッジ16は、約0.4mm~約1.8mmのIBSを有する複数のかみそり刃34を含むことができる。上述したカートリッジ16の例のいずれかのかみそり刃34は、異なる刃間隔、刃厚、刃角、および/または減摩刃コーティングを含むことができる。カートリッジ16は、異なる種類のかみそり刃34、例えば、固定刃、可動刃、曲げ刃などを含むことができる。カートリッジ16は、かみそり刃34に隣接する保湿ストリップ35および/または他の快適性向上特徴を含むことができる。図示されていないが、カートリッジ16は、トリマブレードも含み得る。カートリッジ16はまた、カートリッジ16がハンドル14に選択的に結合され得、ハンドル14から解放され得るように、ハンドル取り付けインターフェース32を取り外し可能に係合するように構成された(図示せず)ハンドル結合部を含むことができる。
【0016】
シェーバ12のハンドル14は、例えば、使用の間、旅行中、、または小売またはメーカからの出荷中、ハンドル14をベース18に取り外し可能に固定するスナップ嵌め、ラッチ、またはロック機構26(図1)によって、ベース18に取り外し可能に結合され得る。追加的または代替的に、カートリッジ16を含む、シェーバ12の任意の他の部分は、ベース18に取り外し可能に結合されてもよい。さらに、ベース18は、ハンドル14、カートリッジ16、および/またはシェーバ12の任意のその他の部分内の任意の電子要素用の有線または無線充電装置(例えば、電極または誘導コイル)を含むことができるマウントまたはクレードル28を含むことができる。ロック機構26は、シェーバ12をクレードル28内に保持することができる。
【0017】
ベース18はディスプレイ30も含むことができる。ディスプレイ30は、液晶ディスプレイ(LCD)ユニットを含むがこれに限定されない任意の適切なディスプレイであり得る。ディスプレイ30は、例えば、ユーザ情報、シェーバ12の推奨、フィードバックまたは他の教育的または有益なコンテンツ、および/または剃毛または他の使用提案などの情報をユーザに視覚的またはグラフィカルに表示することができる。表示される情報は、シェーバ12から受信したデータまたは情報に基づいていてもよく、あるいはそうでなければ、例えば、手動のユーザ入力を介してユーザから受信したものでもよい。代替的または追加的に、ベース18は、スピーカを介して音声でユーザに情報を提供してもよい。
【0018】
ベース18は、例えばディスプレイ30を介してユーザからの入力またはフィードバックを要請するか、さもなければ要求することができる。たとえば、情報は、プロンプトの形態で、シェービングセッション中、シェービングセッションの前、シェービングセッションの後、またはユーザ入力に応じて表示され得る。入力32により、ユーザは、ディスプレイ30に表示されたプロンプトに応答することができる。1つの入力32のみが示されているが、ベース18は複数の入力32を含むことができる。入力32は、タッチセンシティブであってもよく、かつ/またはユーザがベース18にコマンドを話すことができるように音声起動技術を含んでもよい。
【0019】
一態様では、ベース18に関して上述した特徴のいずれか1つまたはすべてを、ハンドル14またはユーザデバイス20の一方または両方に組み込むことができる。例えば、図示されていないが、ハンドル14は、ディスプレイおよび/またはユーザ入力ボタンあるいはスイッチをさらに含み得る。いくつかの態様では、ベース18によって提供される機能のすべてをシェーバ12、例えばハンドル14に組み込むことができ、ベース18を完全に省略することができる。そのような態様では、シェーバ12は、ユーザデバイス20と直接情報を送受信するように構成されてもよい。
【0020】
図示されていないが、ベース18は、シェーバ12、ユーザデバイス20、および/またはマーチャントユニット22との間でデータまたは他の信号を送信および/または受信するように構成されたトランシーバをさらに含み得る。トランシーバは、接続24を介して他の要素と電子情報を交換することができます。さらに、ベース18は、シェーバ12に関連する情報(例えば、その中の任意のセンサデバイスに関する情報を含む)を保存するためのメモリ、カートリッジ16、かみそり刃34、および/またはユーザ入力情報を含み得る。ベース18は、電源を含んでもよく、または110V~260Vの間の電気エネルギーを提供する家庭用電気ソケットに結合されるように構成されてもよい。
【0021】
ベース18の前述の要素は、受信および/または処理された情報がユーザデバイス20および/またはマーチャントユニット22に表示および/または送信され、メモリを介して記憶またはアクセスされるように電子的に接続され得る。いくつかの態様では、ベース18は、シェーバ12がハンドルマウント28に配置されているときに、シェーバ12の電子要素(例えば、ハンドル14および/またはカートリッジ16の電子要素)を充電できるように、無線アンテナ充電接続を含むことができる。ハンドル接続が配線されている場合、ベース18は、シェーバ12内の電子素子のバッテリを再充電するのに適した特定の電圧レベルのケーブル出力を含んでもよい。あるいは、ベース18は、電子素子を再充電できるようにシェーバ12を配置できる充電ピン(図示せず)を含む空洞(図示せず)および/または延長要素(図示せず)を含むことができる。
【0022】
さらなる態様によれば、ベース18は、例えばディスプレイ30を介してユーザからの入力またはフィードバックを要請するか、さもなければ要求することができる。たとえば、情報は、シェービングセッション中、シェービングセッション前、シェービングセッション後、またはユーザ入力に応じて表示され得る。入力32により、ユーザは、ディスプレイ30に表示されたプロンプトに応答することができ、例えば、ブレードの構成または注文操作を確認することができる。いくつかの態様によれば、入力32は、例えばボタンなどのタッチセンシティブであってもよい。しかしながら、他の態様によれば、ユーザがベース18にコマンドを話すことができるように、入力32を音声起動技術に置き換えることができる。したがって、ベース18はまた、音声命令を提供および受信するためのスピーカおよびマイクロフォンを含み得る。入力32により、ユーザは、例えば、ユーザ情報を入力する、情報セットを切り替える、設定を変更する、カートリッジまたはブレードの構成をリセットする、あるいはカートリッジまたは他のユーザの好みに対する注文を調整するなど、ディスプレイ30に表示される情報を修正することができる。さらなる態様によれば、ディスプレイ30は、ユーザがプロンプトに応答し、かつ/またはディスプレイ30に触れるだけでディスプレイ30に提示される情報を変更できるように、タッチセンシティブであってもよい。入力32はまた、ベース18の電子部品(および/またはシェーバ12の電子部品)をオンおよびオフにする電源スイッチを含むことができる。一態様では、以下のセンサデバイスの1つ以上は、1つまたは複数の入力32を介して制御され得る。別の態様において、ハンドル14は、センサデバイスの1つ以上を制御するための同様の入力(図示せず)を含み得る。
【0023】
ユーザデバイス20は、スマートフォン、タブレット、スマートウォッチ、コンピュータ、またはダウンロード可能なアプリケーションまたはインターネットを介してアクセスされるアプリケーションを実行できる他のデバイスを含み得る。アプリケーションは、例えば、システム10のユーザインターフェースを含んでもよい。アプリケーションは、システム10の他の部分から情報を受信し、他の部品に情報を送信するように構成できる。アプリケーションは、情報を受信、処理、および/または生成するための1つまたは複数のソフトウェア要素を含む場合がある。ユーザデバイス20に関連付けられた特徴のいずれか1つまたはすべては、ベース18のシェーバ12(例えば、ハンドル14内)の一方または両方に組み込まれてもよい。
【0024】
一例では、モバイルアプリケーションは、ユーザデバイス20とシステム10の他の要素との間の接続を通じて、またはユーザデバイス20とインターネットとの間の接続を通じて、ハンドル14、カートリッジ16、1つまたは複数のセンサデバイス、ベース18、および/またはマーチャントユニット22から情報を受信するように構成され得る。モバイルアプリケーションはまた、マーチャントユニットにユーザデータを提供し、発注するなどのために、マーチャントユニット22に情報を送信してもよい。モバイルアプリケーションは、ベース18上のディスプレイ30に対して上述したのと同じ情報およびユーザインタラクションを提供してもよい。
【0025】
シェーバ12の拡大図が図2に示されている。シェーバ12は、ハンドル14とカミソリカートリッジ16とを含み、カートリッジ16は、体毛を切るための1つまたは複数のかみそり刃34を有する。カートリッジ16の拡大図が図3に示され、カートリッジ16の表面のさらに詳細な図が図4および図5に示されている。ハンドル14の近位端の拡大図が図6および図7に示されている。カートリッジ16の部分分解図が図8に示され、カートリッジ16の一部の拡大断面図が図9に示されている。
【0026】
シェーバ12はまた、1つまたは複数のセンサデバイスを含み得る。センサデバイスは、皮膚の特性、皮膚の弾力性、および/または剃毛によって引き起こされる皮膚の刺激を特定するために、現在知られているかまたは将来開発される任意の適切なセンサを含み得る。センサデバイスの例については、以下の段落で詳しく説明する。シェーバ12は、単一のセンサデバイスのみを含んでもよい。あるいは、シェーバ12は、複数のセンサデバイスを含んでもよい。例えば、シェーバ12は、複数の測定を同時におよび/または異なる手段によって行うことができるグリッドまたはセンサデバイスの他の配置を含むことができる。センサデバイスは、シェービングセッション中にユーザの皮膚に接触および/または直面し得るシェーバ12の任意の適切な表面(例えば、ハンドル14および/またはカートリッジ16上)に配置され得る。測定は、シェービングセッションの前および/または最中に1回、シェービングセッション中に1つまたは複数の時間間隔で繰り返され、またはシェービングセッション中またはシェービングセッション後でも継続してセンサデバイスによって行われ得る。
【0027】
一例では、1つまたは複数のセンサデバイスがカートリッジ16上にあってもよく、その結果、センサデバイスはユーザの皮膚と接触させられてもよい(例えば、図4および5を参照)。追加的または代替的に、1つまたは複数のセンサデバイスは、1つまたはハンドル14内にあってもよい(例えば、図6および図7を参照)。追加的または代替的に、カートリッジ16内に1つまたは複数のセンサデバイスを収容することができる(例えば、図8および9を参照)。シェーバ12は、単独で、または他と組み合わせたセンサデバイスのいずれかを含むことができる。以下の段落では、さまざまな形式のセンサデバイスの例示的な態様の概要を説明する。ただし、特定のセンサデバイスに関して説明した態様は、他のセンサデバイスのいずれにも適用できることを理解されたい。
【0028】
本開示の態様によれば、1つまたは複数のセンサデバイスは、コンダクタンスセンサデバイス38(図4)を含み得る。一例では、コンダクタンスセンサデバイス38は、コンダクタンスセンサデバイス38と接触したときにユーザの皮膚の部分のコンダクタンスを測定するように構成されてもよい。ユーザの皮膚の部分の測定されたコンダクタンスは、ユーザの皮膚の部分の1つまたは複数の物理的特性の指標であり、したがって、測定されたコンダクタンスに基づいてユーザの皮膚特性が特定され得る。ユーザの皮膚のコンダクタンスは、多数の要因の影響を受ける場合がある。たとえば、スキンは、人によって特性が異なるさまざまな層で構成されている。外部電流が皮膚に印加されると、皮膚は抵抗器とコンデンサで構築された電気ネットワークのように機能する場合がある。皮膚の組織、血液、および間質液は、イオン濃度に応じて異なるコンダクタンスを持つ場合があり、可変抵抗器のように機能する場合がある。皮膚の膜によって形成された細胞の境界は、よりコンデンサのような特性を持っている場合がある。これらおよび他の皮膚の特徴の特性が皮膚のコンダクタンスを定義する場合があり、これらの特徴の品質はユーザごとに異なる場合がある。いくつかの態様において、企図される外部電流は、例えば以下に記載される電極などのコンダクタンスセンサデバイス38を介して、またはブレード34の1つ以上を介して印加され得る。例えば、以下に説明する電極は、単一のブレード34に設けられてもよく、あるいは、一対のブレード34に一対の電極が設けられてもよい(各ブレード34に一つの電極を有する)。また、ブレード34自体が電極であってもよいと考えられる。
【0029】
次に、例示的な皮膚コンダクタンスセンサデバイス38の態様について説明する。一例では、コンダクタンスセンサデバイス38は、カートリッジ16上(例えば、図3の破線円で囲まれた領域)にあってもよく、第1の電極40および第2の電極42を含む一対の電極39を含んでもよい(図4を参照)。第1の電極40および第2の電極42は、シェーバ12の使用中にユーザの皮膚と接触するようになり得るカートリッジ16の表面に搭載または埋め込まれてもよい。例えば、第1の電極40および第2の電極42は、ブレード34を含むカートリッジ16の領域で、またはそれに隣接して、カートリッジ16の周囲に配置されてもよい。第1の電極40および第2の電極42は、周囲の反対側にあってもよい。あるいは、第1の電極40および第2の電極42は周辺の同じ側にあってもよいが、第1の電極40および第2の電極42の間を流れる電流がユーザの皮膚を通って流れなければならないように適切に分離される。例えば、記載された電極の1つ以上は、カートリッジ16上のブレード34を保持する1つ以上のクリップ44上に配置され得る。第1の電極40および第2の電極42は、それらが配置されるカートリッジ16の表面の部分から突出してもよい。あるいは、第1の電極40および第2の電極42は、それらが配置されるカートリッジ16の表面の部分と均一であってもよい。あるいは、第1の電極40および第2の電極42は、十分な量の圧力がカートリッジ16によってユーザの皮膚に加えられたときにユーザの皮膚と接触することができるように、それらが配置されるカートリッジ16の表面の部分から凹んでもよい。あるいは、第1の電極40および第2の電極42は、ブレード34の1つ以上の上にあってもよく、またはそれによって形成されてもよい。
【0030】
シェーバ12は、単一のコンダクタンスセンサデバイスのみを含み得る。あるいは、シェーバ12は、複数のコンダクタンスセンサを含んでもよい。例えば、シェーバ12は、複数のコンダクタンス測定を同時に行うためにカートリッジ16の周囲に配置され得る電極対のグリッドを含み得る。
【0031】
コンダクタンスセンサデバイス38の1つの追加の態様について以下に説明する。カートリッジ16上のコンダクタンスセンサデバイス38のそれぞれは、コンダクタンスセンサデバイス38と同一または類似であってもよいことを理解されたい。コンダクタンスセンサデバイス38は、1つまたは複数の導電性ワイヤおよび/または接点を介して、内部バッテリなどのハンドル14内の電源に電気的に結合されてもよい。一態様では、交流電圧を第1の電極40および第2の電極42に印加することができ、コンダクタンスセンサデバイス38は、第1の電極40および第2の電極42の間のユーザの皮膚の部分の電気抵抗を測定することができる。電気抵抗は、ユーザの皮膚の物理的組成の指標を提供し得る。コンダクタンスは抵抗の逆数であるため、ユーザの皮膚のコンダクタンスは抵抗に基づいて判定される。いくつかの態様において、コンダクタンス測定は、シェービングセッションの前および/または最中に1回、シェービングセッション中に1つまたは複数の時間間隔で繰り返し、またはシェービングセッション中またはシェービングセッション後でさえ連続して行われ得る。
【0032】
第1の電極40および第2の電極42は、電極40および42の所望のコンダクタンス、耐食性、硬度、電流負荷、形状およびサイズに応じて、例えば、ステンレス鋼、銅、グラファイト、チタン、黄銅、銀、および白金を含む任意の適切な材料で作られてもよい。第1の電極40および第2の電極42は、プレート電極、変圧器コイルであってもよく、かつ/または任意の他の適切な形態をとってもよい。いくつかの実施形態では、電極40および42は、カートリッジ16の表面と比較的面一であってもよい。他の実施形態では、電極40および42は、カートリッジ16の表面に非外傷性突起を形成し得る。
【0033】
シェーバ12は、コンダクタンスセンサデバイス38と動作可能に通信する1つまたは複数のプロセッサ46を含むか、そうでなければ結合することができる。プロセッサ46は、ハンドル14内、またはベース18、ユーザデバイス20、および/またはマーチャントユニット22などの外部コンポーネント内にあってもよい。プロセッサ46は、コンダクタンスセンサデバイス38からのアナログ信号を処理のためにデジタル信号に変換するアナログデジタル変換器を含むことができる。プロセッサ46は、データ(例えば、コンダクタンス測定値)を分析して、ユーザの皮膚特性を特定し、かつ/またはそれに基づいて提案を行うように構成されたソフトウェアを備えていてもよい。他の例示的なセンサデバイスの1つ以上(例えば、以下の段落で詳細に説明するハンドル14および/またはカートリッジ16のセンサデバイス)は、コンダクタンスセンサ装置38を含むことができると考えられる。
【0034】
別の例では、センサデバイスのうちの1つ以上は、抵抗温度検出器、熱電対、および/またはサーミスタ(図5)など、ユーザの皮膚に接触し得る温度センサ47を含み得る。これらの種類のセンサデバイスは、シェービングセッション中にユーザの皮膚に接触するように配置できる。皮膚刺激のような皮膚の特性を感知する1つの方法は、シェービングセッションの前、最中、および/または後に、ユーザの皮膚の温度および/またはユーザの皮膚の温度の変化を測定することを含み得る。ユーザの皮膚の測定温度は、多数の要因の影響を受ける場合がある。ユーザの皮膚には多数の血管が含まれている。シェービングセッション中に皮膚の領域が傷ついた場合(例えば、擦り傷、引っ掻き傷、刻み目、切り傷、またはその他の損傷)、それらの血管を介して血液が患部に押し寄せることがある。血液の急増は熱を患部に運び、それらの部位の温度を上昇させる可能性がある。
【0035】
センサデバイス47は、ユーザの皮膚の1つ以上の特性を遠隔的に感知するセンサを含み得ることも考えられる。そのようなセンサデバイスは、電気光学センサを含み得る。これらのセンサデバイスは、センサデバイス47がユーザの皮膚と直接接触しているかどうかに関係なく、ユーザの皮膚の特性を測定するように構成されてもよい。そのようなセンサデバイスは、ユーザの皮膚の温度を測定してもよい。追加的または代替的に、そのようなセンサデバイスは、温度以外のユーザの皮膚に関連する特性に関する情報を提供してもよい。例えば、センサデバイス47は、ユーザの皮膚の色を測定して、皮膚刺激の指標となり得るユーザの皮膚の血流または血中濃度の変化から生じる色の変化を検出することができる。別の例では、センサデバイス47は、皮膚のモニタリングを介してユーザの皮膚の血圧を測定し、皮膚刺激を示す可能性のある圧力の変化を検出することができる。例えば、紅潮した皮膚は、損傷したまたは刺激された皮膚領域への血流の増加から生じる比較的高い血圧を示している可能性がある。
【0036】
センサデバイス47の1つ以上は、シェービングセッション中にユーザの皮膚に面するおよび/または接触するカートリッジ16の表面上に配置されてもよい(図5を参照)。例えば、センサデバイス47の1つ以上は、ブレード34を囲むカートリッジ16の1つまたは複数の周辺部分上(例えば、カートリッジ16上でブレード34を保持する1つまたは複数のクリップ44上、および/またはブレード34の長手方向に沿ってブレード34に隣接して延びるカートリッジの1つ以上の部分)にあってもよい。これらの場所にセンサデバイス47を配置することは、シェービングセッション中に場所がユーザの皮膚と接触する傾向があるため、ユーザの皮膚との接触を介して感知するセンサデバイスに適している場合がある。にもかかわらず、このようなセンサデバイスはユーザの皮膚への視線を持っている可能性があるため、この位置は、リモートで(たとえば、ユーザの肌に直接触れることなく)感知するセンサデバイスにも適している。
【0037】
センサデバイス47の1つ以上がシェーバ12の他の表面に配置され得ることも考えられる。例えば、センサ装置47の1つ以上は、カートリッジ16の1つ以上の側壁部分、カートリッジ16内、ハンドル14上、および/またはハンドル14内に配置されてもよい。追加的または代替的に、センサ36の1つ以上を、ブレード34の後ろのカートリッジ16の表面に配置することができる。これらの場所は、センサデバイスが、センサデバイスが置かれている可能性のある表面から、ブレード34の間および/または他のカートリッジ構造の間の隙間を通るユーザの皮膚への視線を含む、ユーザの皮膚への視線を持っている場合(たとえば、ユーザの皮膚に直接接触せずに)遠隔で感知するセンサデバイスに適している場合がある。
【0038】
1つのリモートまたは電気光学センサデバイス47の追加の態様を以下に説明する。センサデバイス47は、1つまたは複数の導電性ワイヤおよび/または接点を介して、内部バッテリなどのハンドル14内の電源に電気的に結合されてもよい。
【0039】
一態様では、電気光学センサデバイス47は、光源および受信機を含み得る。光源は、ユーザの皮膚に光を放射する場合がある。光源は、赤色発光LED、緑色発光LED、赤外線発光LED、または他の適切な発光体、LEDなどの発光ダイオード(LED)を含んでもよい。ユーザの皮膚は少なくとも一部の光を反射することができ、受信機は反射光を受信できる。ユーザは、剃毛前に自分の皮膚の色調の「スナップショット」を撮ることができるため、シェーバ12は、ユーザの皮膚の色調のベースライン測定を行い、それに応じて刺激/発赤を感知することができる。ユーザの皮膚が光を反射する程度は、ユーザの皮膚の色調または色の関数であり得、これは、ユーザの皮膚の血中濃度および/またはユーザの皮膚の血圧を示し得る。ユーザの皮膚が刺激されていない場合、ユーザの皮膚は1つの光反射値を持ち、ユーザの肌が刺激されている場合は、異なる光反射値を持つ場合がある。さらに、光反射率の値は、ユーザの皮膚が刺激される程度に基づいて変化する場合がある。したがって、センサデバイス47は、ユーザの皮膚の光反射率を監視することにより、皮膚刺激を特定および/または定量化することができる。センサデバイス47は、受信機によって受信された反射光の1つ以上の特性を示す電気信号を出力し得る。
【0040】
別の態様では、電気光学センサデバイス47は、ユーザの皮膚から放出される赤外線熱放射を検出器に集束させることができるレンズを含むことができる。センサデバイス47は、ユーザの皮膚に光を放射するための光源を含む必要はないが、必要に応じて、検出を支援するために光源を含めることができる。ユーザの皮膚が赤外線熱放射を放出する程度は、ユーザの皮膚の血中濃度および/またはユーザの皮膚の血圧の関数であり得る。ユーザの皮膚は、ユーザの皮膚が刺激されていない場合はあるレベルで赤外線熱放射を放出し、ユーザの皮膚が刺激されている場合は異なるレベルで赤外線熱放射を放出する場合がある。さらに、赤外線熱放射のレベルは、ユーザの皮膚が刺激される程度に基づいて変化する場合がある。したがって、センサデバイス47は、ユーザの皮膚の赤外線熱放射を監視することにより、皮膚刺激を特定および/または定量化することができる。センサデバイス47は、検出器によって検出された赤外線熱放射の1つ以上の特性を示す電気信号を出力してもよい。
【0041】
シェーバ12は、センサデバイス47と動作可能に通信する1つまたは複数のプロセッサ46を含み得るか、そうでなければそれに結合し得ることが考えられる。プロセッサ46は、データ(例えば、温度、色、血圧、および/または血中濃度の測定値)を分析して皮膚の特性(例えば、皮膚刺激)を特定および定量化し、かつ/またはそれに基づいて提案するように構成されたソフトウェアを備えることができる。他の例示的なセンサデバイスの1つ以上(例えば、以下の段落で詳細に説明するハンドル14および/またはカートリッジ16のセンサデバイス)は、センサデバイス47を含むことができると考えられる。
【0042】
シェーバ12で複数のセンサデバイスが使用される場合、センサデバイスは、ユーザの皮膚の異なる領域を検出するように構成されてもよい。例えば、あるセンサデバイスは、剃毛されることになるユーザの皮膚の領域に向けられてもよく(例えば、シェーバ12の前縁またはその付近)、別のセンサデバイスは、剃毛されたユーザの皮膚の領域(例えば、シェーバ12の後縁またはその近く)に向けられてもよい。センサデバイスからの読み取り値の比較は、シェービングストロークに起因する皮膚刺激のレベルの指標を提供する場合がある。また、異なる種類のセンサデバイス(例えば、上記および下記の段落に記載されている種類)を同時に使用できることも考えられる。したがって、ある種のセンサデバイスが皮膚温度の検出に優れている程度に、別の種類のセンサデバイスは皮膚の色の検出に優れ、別の種類のセンサデバイスは血圧の検出に優れ、別の種類のセンサデバイスは血中濃度の検出に優れ、別の種類のセンサデバイスは皮膚コンダクタンスの検出に優れ、別の種類のセンサデバイスは皮膚の弾力性の検出に優れ、異なる種類のセンサデバイスの組み合わせを同時に使用して、より高い精度および/または精度で、皮膚の特性を感知する複数の手段を提供できる。
【0043】
本開示の別の態様によれば、図6および図7に示され、以下でより詳細に説明されるように、センサデバイス48は、開いた凹部、管腔、または空洞50、吸引源52、光源54、および光検出器56を含み得る。センサデバイス48は、ハンドル取り付けインターフェース32とは反対側の端部でハンドル本体30に組み込まれてもよい。一例では、吸引源52、光源54、および光検出器56は、空洞50上または空洞50内に組み込むことができる。空洞50は、ハンドル14の近位部分に配置されてもよく、ハンドル取り付けインターフェース32は、ハンドル14の遠位部分に配置されてもよい。あるいは、センサデバイス48は、ハンドル14に取り付けおよび取り外しするように構成されたハンドル本体30とは別個の要素に含まれてもよく、ハンドル本体30に取り外し可能に結合可能であってもよい。上述のように、センサデバイス48は、ハンドル14またはベース18に配置され得るボタンまたはスイッチ(図示せず)を介してユーザにより操作され得るか、あるいは、センサデバイス48はユーザデバイス20または別のリモートデバイスにより制御され得る。以下でより詳細に議論されるように、センサデバイス48は、プロセッサ46と同様のプロセッサ(図示せず)に作動可能に結合され得るか、またはプロセッサを含み得る。例えば、プロセッサは、生のセンサデータを受信および分析するように構成されたソフトウェアおよび/または1つ以上のアルゴリズムを格納することができる。センサアセンブリ48またはハンドル14は、電源および通信ユニットをさらに含むことができ、それにより、ベース18、ユーザデバイス20、またはマーチャントユニット22のうちの1つ以上との間でデータまたは他の信号を送受信できる。一例では、センサデバイス48は、Courage+Khazaka electronic GmbHによって販売されているCutometer(登録商標)センサを含むことができる。
【0044】
図6および図7は、ユーザの皮膚の皮膚弾性などの特性を測定するために使用することができるハンドル14の近位部分の態様の断面図を示している。一態様では、ハンドル本体30の端部をユーザの皮膚58に押し付けて、皮膚58を少なくとも部分的に変形させることができる。吸引源52は、空洞50の開口端に負圧を加えるように構成されてもよく、空洞50は、ユーザの皮膚58上またはそれに隣接して配置されてもよい。したがって、1つまたは複数の上部皮膚層60、例えば表皮を空洞50に引き込むことができる。図示されていないが、吸引源52は、出口を備えた負圧ポンプを含むことができる。負圧ポンプは、ハンドル本体30内のどこにでも(または動作可能に結合して)配置することができ、出口はハンドル本体30のどこにでも、たとえば遠位部分に配置して、引き込まれた空気が負圧ポンプとハンドル本体30からの外に流れるようにできる。
【0045】
光源54は、光を放射し得、次いで、光は、光検出器56によって検出され得る。いくつかの態様では、光源54は、皮膚に有害ではない波長の光、例えば有害な熱を発生させないように低強度の可視光を放射することができる。光検出器56は、光源54の反対側に配置することができ、空洞50を横断する光源54からの光を検出することができる。一態様では、光源54および光検出器56はそれぞれプリズムを含むことができ、プリズムは光源54からの光を光検出器56に向けることができる。さらに、光検出器56によって検出される光の強度および/または量は、吸引源52が吸引を適用するときに、ユーザの皮膚の組織が空洞50に引き込まれるかどうかおよびどれだけ引き込まれるかに基づいて変わり得る。吸引源52、光源54、および光検出器56のそれぞれは、ハンドル本体30内に含まれる電池で電池駆動されてもよく、または例えばベース18との有線接続または家庭用コンセントを介して外部電源により駆動されてもよい。
【0046】
吸引源52が作動すると、皮膚58の引き込まれた部分60は、少なくとも部分的に光源54と光検出器56との間にあり、それにより、光源54から光検出器56へと進む光線の経路を少なくとも部分的に遮ることができる。その結果、光検出器56は、吸引源20によって空洞50に引き込まれた引き込み部分60がない場合よりも少ない量の光を検出することができる。吸引源52からの一定量の負圧(または真空力)であっても、異なる種類の皮膚58を異なる程度まで空洞60に引き込むことができる。したがって、吸引源52から加えられた負圧と光検出器56によって検出された光の量に基づいて、センサデバイス48は、皮膚58の弾性の判定を容易にするように構成され得る。
【0047】
センサデバイス48は、皮膚の弾力性を示す測定情報をベース18、ユーザデバイス20、および/またはマーチャントデバイス22に送信してもよい。判定された皮膚の弾力性、および任意の追加のユーザ情報に基づいて、ベース18、ユーザデバイス20、および/またはマーチャントデバイス22は、特定の種類のカートリッジ16および/またはかみそり刃34の構成を推奨してもよい。あるいは、ハンドル14は、判定された皮膚の弾力性に基づいて、ハンドル14に結合された特定のカートリッジ16がユーザの皮膚58に対して適切または不適切であることを示すことができるディスプレイおよび/または光インジケータを含み得る。
【0048】
図9は、シェービングセッション中に皮膚58がどのように反応するかを示している。例えば、カートリッジ16は、等間隔に配置された5つのかみそり刃34を含むことができ、かみそり刃34の間にある皮膚58の部分59は、カートリッジ16が皮膚に押し付けられ、皮膚58を横切るとカートリッジ16に向かって(および隣接する刃34の間に)上方に突出することができる。皮膚58が比較的高い皮膚弾性を有する場合、かみそり刃34の間にある皮膚58の部分59は幅広であり、かつ/またはカートリッジ16に向かって突出し得る。そのため、シェービングセッション中に切り傷、刻み目、刺激、またはその他の皮膚外傷の可能性が高くなる可能性がある。しかしながら、皮膚58が比較的低い皮膚弾性を有する場合、かみそり刃34の間にある皮膚58の部分59は狭くてもよく、かつ/またはカートリッジ16に向かって、および隣接する刃34の間の領域に非常に遠く突出できない。そのため、シェービングセッション中に切り傷、刻み目、刺激、またはその他の皮膚外傷が発生する可能性は低くなる。
【0049】
ユーザの皮膚58の皮膚弾性とシェービングセッションの快適さおよび/または容易さとの間のこの相関に基づいて、システム10は、センサデバイス48からの情報に基づいてユーザに適合するようにかみそり刃34の特定の構成を有するカートリッジ16を推奨することができる。例えば、ユーザの皮膚58の皮膚弾性が比較的高い場合、システム10は、比較的接近して間隔を空けた多数のかみそり刃34を備えたカートリッジ16を推奨することができ、これにより、切り傷、刻み目、刺激、およびシェービングセッションに起因する他の皮膚外傷を低減することができる。あるいは、ユーザの皮膚58の皮膚弾性が比較的低い場合、システム10は、ユーザが比較的接近して間隔をあけて配置されているより多くの数のかみそりの刃34から恩恵を受けない場合があるため、各かみそり刃34の間に比較的大きな空間を有するより少ないかみそり刃34を有するカートリッジ16を推奨することができる。多数のかみそり刃34を備えたカートリッジは、より少ないかみそり刃34を備えたカートリッジよりも高価になる可能性があるため、システム10は、ユーザにとって最も適切で費用効果の高いカートリッジ16を推奨することができる。前述の推奨はまた、たとえば、皮膚の特性、皮膚の感度および/または乾燥、シェービングセッションの頻度、ユーザが剃毛している皮膚の領域58、皮膚の刺激、および他のユーザの好みもしくは情報など、他の入力情報に基づいてもよい。
【0050】
さらなる態様では、センサデバイス62は、カートリッジ16内のかみそり刃34に結合され得る(図8を参照)。この態様では、かみそりの刃34は、かみそりばね64に結合され、かみそりばね64は、皮膚40に接触しないかみそり刃34の側でかみそり刃34に結合される。次に、かみそりばね64は、歪みゲージ、圧力センサ、光学センサ、変位センサ、近接センサ、および/または他の任意の適切なセンサを含み得るセンサデバイス62に結合され得る。ユーザは、剃毛されるべき皮膚の部分に対してかみそり刃34を押し付けてもよいが、皮膚の表面に沿ってかみそり刃34を動かさない。かみそりばね64の変形および/または屈曲に基づいて、センサデバイス62は、皮膚の一部の皮膚弾性を測定することができる。上記のように、システム10は、カートリッジ16がユーザの皮膚に適したかみそり刃34の構成を含むことを確認してもよく、またはシステム10は、ユーザにとってより快適なシェービングセッションを提供可能なかみそり刃34の異なる構成のカートリッジを推奨してもよい。
【0051】
いくつかの態様では、かみそり刃34の代わりに複数のスプリングフィンガを含む試験カートリッジが提供されてもよい。ユーザは、このようなテストカートリッジを使用して、皮膚弾性を判定でき、判定された皮膚弾性に基づいて、特定のブレードの数、構成、または間隔がユーザの皮膚に最適かどうかを判定できる。さらに、そのようなテストカートリッジは、さまざまなカートリッジを備えたディスペンサに含めることができ、各カートリッジは、かみそり刃34の異なる構成を含む。そのため、ユーザはテストカートリッジを使用して皮膚弾性を判定し、特定のブレード番号、構成、または間隔がユーザの皮膚に最適かどうかに基づいて、ディスペンサの特定のカートリッジを使用できる。
【0052】
ユーザの身体の異なる部分の皮膚は、異なる皮膚弾性を示す場合があることに留意されたい。したがって、システム10は、顔を剃るユーザに1つのカートリッジを推奨し、脚または身体の他の部分を剃るユーザに異なるカートリッジを推奨することができる。
【0053】
上記の段落で説明したように、システム10は、剃毛体験を改善するための方法の実行を促進する可能性がある。例えば、図10に示すように、使用において、ユーザは、プロセッサ46によって実行されるアプリケーションをダウンロードすることができる(ステップ64)。アプリケーションをダウンロードする代わりに、ユーザは、インターネット上のウェブサイトなどからアプリケーションにアクセスできる。ユーザは、アプリケーションのユーザプロファイルを完成させることができる(ステップ66)。ユーザプロファイルには、ユーザ、ユーザがシェービングセッションに使用する製品、ユーザが使用するシェービング技術、ユーザの好み、ユーザの皮膚および/またはスキンケア習慣に関する情報を特定する情報が含まれる。その情報が定位置にあると、ユーザはシェービングセッションを実行することができる(ステップ68)。
【0054】
シェービングセッション中、皮膚コンダクタンスデータはコンダクタンスセンサデバイス38によって捕捉されてもよい(ステップ70)。ただし、いくつかの態様では、アプリケーションは、シェービングセッションの前に1つ以上のコンダクタンス測定を行うようにユーザに促す場合がある。例えば、ユーザは、シェービング剤または水を適用することなく、ユーザの皮膚上の1つまたは複数の位置にカートリッジ16に触れるように促されてもよい。そのような事前剃毛測定は、「ベースライン」コンダクタンス測定を提供する場合がある。追加的または代替的に、ユーザは、シェービングセッション後に1つまたは複数のコンダクタンス測定を行うように促されてもよい。その後、これらの結果を「ベースライン」コンダクタンス測定値と組み合わせて、さらに正確に皮膚の特性を判定するだけでなく、シェービングセッション後の皮膚の挙動を判定することができる。カートリッジ16上、カートリッジ16ない、および/またはハンドル14内のセンサデバイスを含む、上記の段落で説明したセンサデバイスのいずれも、コンダクタンス測定を行うように構成されてもよい。
【0055】
コンダクタンスセンサデバイス38によって捕捉されたデータは、プロセッサ46によって分析されてもよい(ステップ72)。プロセッサ46は、捕捉されたデータ、データの分析、および/またはユーザ入力/プロファイルに基づいて、ユーザの皮膚の特性を特定してもよい(ステップ74)。例えば、ユーザの皮膚の測定されたコンダクタンスを、1つまたは複数の皮膚特性カテゴリに関連する1つまたは複数の閾値範囲または値と比較することに基づいて、ユーザの皮膚を分類することができる。皮膚特性カテゴリの例には、正常肌、乾燥肌、脂性肌、コンビネーション肌、敏感肌、成熟肌、および/またはその他のカテゴリが含まれる。分析の結果は、ユーザおよび/またはシェービングシステム10のコンポーネントのいずれかに伝達されてもよい(ステップ76)。
【0056】
正常な皮膚には、比較的滑らかな質感とバラ色の透明な表面を持ち、細かい毛穴がある皮膚が含まれる。正常な皮膚には、目に見える傷、脂っこいパッチ、または薄片状の領域がほとんどまたはまったくない場合がある。正常な皮膚では、皮脂産生、水分含有量、角質化および落屑のバランスが取れている場合がある。乾燥肌は、角質層に水分が不足している可能性があり、その結果、圧迫感および/または剥離が生じる。乾燥肌はくすんだように見えたり、弾力性に欠けたり、小じわやしわが目立つことがある。より深刻なケースでは、かゆみや熱感が生じることがある。非常に乾燥した肌には、ひび割れや割れ目が見られる場合がある。脂性肌は、過活動の皮脂腺のために、皮膚表面に比較的多量の脂質を含む場合がある。光沢があり厚く、毛穴が大きくなることがある。混合肌は、体の一部で乾燥しており、他の局部では脂性である場合がある。敏感肌は、剃毛などで興奮すると、赤み、かゆみ、熱感、または乾燥に反応することがある。成熟肌では、皮膚の皮脂産生が遅くなることがあり、多くの場合、乾燥の増加、小じわやしわの強調、ひび割れにつながる。皮膚がくすんで見えたり、かゆみや火傷をすることがある。
【0057】
追加的または代替的に、図11に示すように、図10のステップ64、66、および68と同様のステップ78、80、および82を備えた使用方法が示されている。この方法では、ユーザプロファイルは、剃毛前のユーザの皮膚の色調の「スナップショット」を含むことができ、「スナップショット」は、センサデバイス47および/またはユーザデバイス20によって撮影され、その結果、シェービングシステム10は、プロセッサ46を含めて、ユーザの皮膚の色調のベースライン測定値を有し、それに応じて刺激/発赤を感知することができる。
【0058】
シェービングセッション中に、皮膚刺激データは、1つまたは複数のセンサデバイス47によって捕捉され得る(ステップ84)。ただし、一部の態様では、アプリケーションは、シェービングセッションの前に1つまたは複数の測定を行うようにユーザに促す場合がある。例えば、ユーザは、シェービング剤または水を適用することなく、ユーザの皮膚上の1つまたは複数の位置にシェーバ12を近づけるかまたは接触させるように促されてもよい。そのような事前剃毛測定は、「ベースライン」測定を提供し、そこから、剃毛によって引き起こされる皮膚刺激のレベルが判定され得る。ベースライン測定の1つの種類には、前述の「スナップショット」が含まれる。ユーザは、シェービングセッション後に1つまたは複数の測定を行うように求められる場合もある。次に、これらの結果を「ベースライン」測定値と組み合わせて、シェービングセッション後の皮膚の挙動(刺激など)を判定できる。カートリッジ16上、カートリッジ16内、および/またはハンドル14内のセンサデバイスを含む、上記の段落で説明したセンサデバイスのいずれも、皮膚刺激測定を行うように構成されてもよい。
【0059】
センサデバイス47によって捕捉されたデータは、プロセッサ46によって分析され得る(ステップ86)。プロセッサ46は、捕捉されたデータ、データの分析、および/またはユーザ入力/プロファイルに基づいて、皮膚刺激を特定および/または定量化することができる(ステップ88)。例えば、皮膚刺激は、測定された皮膚温度、色、血中濃度、および/または血圧を、皮膚刺激および/またはその欠如を示す1つまたは複数の閾値範囲または値と比較することに基づいて特定および/または定量化され得る。分析の結果は、ユーザおよび/またはシェービングシステム10のコンポーネントのいずれかに伝達されてもよい(ステップ90)。
【0060】
分析の結果は、任意の適切な形式で伝達することができる。結果は、ディスプレイ30上で音声および/または視覚的アラートの形で伝達されてもよい。追加的または代替的に、シェーバ12からの皮膚刺激データは、シェービングセッションの前に捕捉されたユーザの画像またはユーザに関する情報と併せて分析されてもよい。たとえば、剃毛を実行する前に、ユーザは自分のスマートフォンまたはコンピュータにアプリケーションをダウンロードしたり、アプリケーションと同じ機能を備えるウェブサイトにアクセスしたりできる。ユーザは、剃毛する関連する身体部分の1つまたは複数の写真もしくはビデオを撮影あるいはアップロードするように求められる場合がある。ユーザの画像を捕捉するために使用されるカメラデバイスは、スマートフォンまたはコンピュータに内蔵または接続されたカメラ、あるいはハードまたはワイヤレス接続を介して画像をダウンロードしてアップロードできる別のカメラであってもよい。
【0061】
写真情報はデータベースに保存されてもよく、写真情報に基づいて、ユーザの身体部分の三次元(3-D)モデルが生成されてもよい。いくつかの実施形態では、解剖学的特徴に対応する特定のランドマークおよび/またはデジタルフラッグポストが生成され得る。いくつかの実施形態では、撮影された身体領域は、剃毛領域に分割され得る。たとえば、ユーザは身体領域のどの領域を剃毛するかを定義できる。または、アプリケーションは、一般的にまたは特定のユーザの平均的な剃毛パターンを表す領域に画像を自動的に分割できる。ユーザが剃毛すると、皮膚刺激が検出された場所に関するフィードバックをユーザに提供するために、画像、3Dモデル、および/または剃毛領域と併せて皮膚刺激情報を分析することができる。シェーバ12は、ユーザの解剖学的構造に対するシェーバ12の位置、その向き、および/またはユーザの皮膚に沿った移動経路を判定するのを助けることができるグローバルポジショニングシステムまたは同様のデバイスを含むことができ、それは、3-Dモデル上の皮膚の刺激データの配置を容易にすることができる。皮膚のコンダクタンスおよび/または皮膚弾性を同様の方法で追跡およびモデル化できることも考えられる。
【0062】
追加的または代替的に、図12に示すように、図10のステップ64および66と同様のステップ92および94を備えた使用方法が示されている。シェービングセッションの前、最中、および/または後に、皮膚弾性データがセンサデバイス48によって捕捉され得る(ステップ96)。たとえば、一部の態様では、アプリケーションは、シェービングセッションの前に1つまたは複数の測定を行うようにユーザに促す場合がある。ユーザは、シェーバ12をユーザの皮膚上の1つまたは複数の場所に近づけるか、接触させるように促されてもよい。これは、シェービング剤または水を適用せずに実行できる。カートリッジ16上、カートリッジ16内、および/またはハンドル14内のセンサデバイスを含む、上記の段落で説明したセンサデバイスのいずれも、皮膚弾性測定を行うために構成されてもよい。
【0063】
ステップ96の一部として、空洞50の開口端をユーザの皮膚の領域に隣接して配置することができ、吸引源52は負圧を加えて皮膚の一部を空洞50に引き込むことができる。光源54は光を放射してもよく、光検出器56が受け取った光の量に基づいて、センサアセンブリ48は皮膚のその領域の皮膚弾性を測定してもよい。具体的には、光検出器56によって受け取られた光は、皮膚の弾力性を判定するために(ステップ100)プロセッサ(例えば、プロセッサ46)に伝達されてもよい(ステップ98)。システム10はまた、ハンドル14、ベース18、および/またはユーザデバイス20を介して、皮膚弾性測定を繰り返すか、皮膚の異なる部分で皮膚弾性測定を実行するか、または別の操作を実行してもよい。あるいは、センサアセンブリ62は、上述のように、カートリッジ16上/内に提供されてもよい。分析の結果は、ユーザおよび/またはシェービングシステム10のコンポーネントのいずれかに伝達されてもよい(ステップ102)。
【0064】
図13に移ると、プロセッサ46は、ユーザが1つまたは複数の専用品目(例えば、敏感肌に最適化されたシェービングカートリッジ)または剃毛性能および快適性を最適化する技術の恩恵を受けるかどうかを判定するように構成され得る。例えば、ステップ76、90、または102を実行した後、またはステップ76、90、または102を実行する一環として、プロセッサ46はユーザの皮膚特性、皮膚の刺激、または皮膚弾性に基づいて、シェービング製品(シェーバ、潤滑剤、保湿剤、異なるブレードの種類のカートリッジなど)、シェービング技術、および/または治療レジメンを推奨する場合がある(ステップ104)。推奨は、シェービングシステム10の任意の適切なディスプレイを介してユーザに伝達されてもよい。ユーザは、例えばダウンロードされたアプリケーションを介してシステム10のマーチャントユニット22と通信することにより、システム10の任意の適切な入力手段を使用して1つまたは複数の小売り店に推奨シェービング製品および/または治療レジメンを注文することができる(ステップ106)。追加的または代替的に、推奨シェービング製品および/または治療レジメンは、アプリケーションによって自動的に注文することができる。後続のシェービングセッション中に、ユーザの皮膚のコンダクタンス、ユーザの皮膚の刺激、またはユーザの皮膚の弾性を測定し、測定値の変化を探すことにより、推奨の有効性を追跡できる(ステップ108)。追跡の結果に基づいて、追加または代替の推奨が行われてもよい(ステップ110)。
【0065】
追加的または代替的に、プロセッサ46は、ユーザが第1の剃毛製品(例えば、第1の潤滑剤またはブレードカートリッジ)で実行する1つまたは複数のシェービングセッション中に捕捉したデータを、第2の剃毛製品(第2の潤滑剤またはブレードカートリッジなど)を有するユーザが実行した1つまたは複数の他のシェービングセッション中に捕捉したデータと比較して、セッション間のユーザの皮膚のコンダクタンス、刺激、または弾性の測定値の違いを特定することができる。プロセッサ46は、コンダクタンス、刺激、または弾性の違いの存在または範囲に基づいて提案を行うことができる。例えば、コンダクタンス、刺激、または弾性の変化が、ユーザの皮膚の特性が1つまたは複数の望ましい範囲外にあることを示す場合、プロセッサ46は、特性を1つまたは複数の望ましい範囲に戻すようにユーザに提案することができる。プロセッサ46は、1つまたは複数のシェービングセッションを使用してシステム10を較正し、将来のシェービングセッションを比較することができる開始点として使用することができ、したがって、シェービングセッション間の変数を排除し、かつ/または治療の進行の追跡および/または他の介入を容易にする。この例では、ユーザの皮膚の特性を所定のカテゴリに割り当てるステップをバイパスまたは省略できる。
【0066】
いくつかの態様では、カートリッジは、かみそり刃34の調整可能な構成または幾何学形状を含むことができる。例えば、カートリッジは、例えば磁石を介してかみそり刃34に直接または間接的に結合されたダイヤル、レバー、ねじ、または他の入力デバイスを含み、これにより、ユーザはかみそり刃34間の間隔および/またはその角度を調整できる。システム10は、センサデバイス(例えば、センサデバイス48および/または上述の他のセンサデバイス)からの情報に基づいて、かみそり刃34の特定の間隔または角度をユーザに推奨することができる。したがって、ユーザは、シェービングセッションを開始する前に、かみそり刃34の間隔または角度を調整してもよい。
【0067】
さらに、カートリッジは、パッケージ化されて、かつ/またはディスペンサに入れて配布することができ、ディスペンサは異なるカートリッジを含み、ディスペンサ内の各カートリッジは、異なるブレード番号、ブレード間隔、ブレード形状、角度、コーティング、厚さなどのうちの1つ以上を含み、カートリッジは、例えば、無線周波数識別子、バーコード、QRコード(登録商標)、モデル番号、シリアル番号またはセンサデバイスの1つ以上によって読み取られるか入力され得る他のインジケータ(例えば、センサデバイス48または上記の他のセンサデバイス)などの識別インジケータ、ベース18、および/またはユーザデバイス20をさらに含んでもよい。例えば、ユーザは、ユーザデバイス20に組み込まれたカメラでカートリッジのQRコード(登録商標)をスキャンしてもよい。カートリッジの識別および/またはセンサデバイス(たとえば、センサデバイス48および/または上記の他のセンサデバイス)からの読み取りに基づいて、センサデバイス、ベース18、ユーザデバイス20、およびマーチャントデバイス22のうちの少なくとも1つは、カートリッジ16がユーザに対して適切なブレード形状を含むかどうかをユーザに示し、特定のシェービング技術を推奨し、かつ/または例えば、ディスペンサ内の別のカートリッジなどかみそり刃34の異なる構成を有するカートリッジを推奨することができる。
【0068】
別の例では、カートリッジは、同じカートリッジ内にかみそり刃34の複数の幾何学的形状または構成を含み得る。例えば、カートリッジは、2つまたは3つのシェービング表面または側面を含むことができ、各シェービング表面は、異なる数または構成のかみそり刃34を含む。シェービング表面は、カートリッジが上記のようにハンドル14に取り付けられ、ユーザがシェービング表面の1つ以上で皮膚を剃ることができるように構成されてもよい。例えば、センサデバイス(例えば、センサデバイス48および/または上記の他のセンサデバイス)によって得られた情報に基づいて、システム10は、切り傷、刻み目、刺激、またはその他の皮膚外傷の可能性を減少したユーザの皮膚に特定のシェービング表面を推奨することができる。代替的または追加的に、ユーザは、各シェービング面で剃毛を試みてもよく、システム10からの推奨および/または様々な種類のカートリッジの推定コストに照らして、ユーザがどのシェービング面を好むかを決定してもよい。
【0069】
追加的または代替的に、図14は、図13のプロセスの代わりに、その一部として、またはそれに加えて実行され得るプロセスを示す。例えば、ステップ104および106(図13)は、システム10が推奨カートリッジ16および/またはかみそり刃34の構成を提供することを伴い得る(ステップ112)。システム10は、ハンドル14に結合されたカートリッジ16を特定することができる。システム10は、ハンドル14、ベース18、またはユーザデバイス20を介して、ハンドル14に結合されたカートリッジ16が、例えばコンダクタンス、刺激、および/またはユーザの皮膚弾性に基づいてユーザの皮膚に適切なカートリッジであると確認できる。あるいは、システム10は、ハンドル14、ベース18、またはユーザデバイス20を介して、ユーザの皮膚に特定のカートリッジ16および/またはかみそり刃34の構成を推奨することができる。さらに、カートリッジ16が調整可能なかみそり刃34を含む場合、システム10は、ユーザがカートリッジ16上で入力または調整できる特定の刃の構成、刃の数、刃の間隔、および/または刃の形状を推奨してもよい。
【0070】
ステップ114において、システム10は、推奨カートリッジおよび/またはかみそり刃の構成の注文を開始または確認するようユーザに促すことができる。例えば、システム10は、推奨カートリッジ16および/またはかみそり刃34の構成を表示してもよい。システム10は、ハンドル14に現在結合されているカートリッジ16を特定し、かつ/または前述の識別ステップに基づいて、またはユーザの以前に入力された在庫に基づいて、近接するまたはユーザの在庫内のカートリッジ16を特定することができる。ハンドル14に現在結合されているカートリッジ16がユーザの皮膚に推奨される場合、システム10は、シェービングセッションの提案を含むシェービングセッションを開始する表示をユーザに提供し得る。ハンドル14に現在結合されているカートリッジ16がユーザの皮膚に推奨されておらず、ユーザが推奨カートリッジ16を自由に使用できない場合、システム10は、ユーザに、例えば、複数の推奨カートリッジ16を含むディスペンサなど推奨カートリッジ16の1つ以上に対するマーチャントユニット22からの注文を開始または確認するオプションを提供することができる。さらに、システム10は、例えば、シェービングクリーム、アフターシェーブローション、保湿剤、追加のハンドル、およびその他のシェービングまたはスキンケアアクセサリなどの追加の品目を購入するオプションをユーザに提供してもよい。あるいは、注文はシステム10によって自動的に行われてもよく、または事前に選択されたユーザの好みに基づいてもよい。システム10は、ユーザ選択および/または購入をさらに追跡し、選択をさらなるプロンプトおよび注文に組み込むことができる。
【0071】
上記の要素およびシステムのいずれかに追加の態様を組み込むことができることに留意されたい。例えば、システム10は、例えば、ユーザが体重を減らすか、皮膚の調色処置を使用している場合、ユーザが自分の皮膚コンダクタンス、皮膚刺激、または皮膚弾性を追跡することを可能にし得る。システム10は、例えば月に1回など、定期的に皮膚を測定するようにユーザに促し、ベース18および/またはユーザデバイス20上のセンサデバイスからの情報を表示することができる。ベース18および/またはユーザデバイス20はまた、ユーザの測定された皮膚属性、ユーザの好み、ユーザのシェービング頻度、ユーザが剃毛しているユーザの体の部分、ユーザの体毛および体型などに基づいて、ユーザに剃毛のヒントおよび/または推奨を提供し得る。ユーザの体毛および体型は、カートリッジ16および/またはハンドル14に結合された要素、例えばカメラまたは他の検知要素によって監視され得る。
【0072】
さらに、ベース18および/またはユーザデバイス20は、例えば、システム10がユーザデータを取得することを可能にするカメラまたは追加の感知要素を含むことができ、これにより、例えばシェービングセッションの前、最中、および/またはその後に、ユーザの皮膚の一部の写真を撮ることができる。カートリッジ16が推奨使用回数を超えて使用された場合、ベース18は可聴または可視通知を生成して、カートリッジ16を交換する必要があることをユーザに示すことができる。この通知は、ユーザデバイス20にも送信され得る。この通知は、ベース18のディスプレイ30に表示される場合があり、点滅ライト、または任意の他の表示である場合がある。ベース18は、カートリッジ使用通知を無効にするための手動リセットを含むことができる。通知は、使用回数に加えて、カートリッジ16またはハンドル14に結合されたストローク検知要素あるいはカートリッジ16またはハンドル14の一部によって検出されたユーザストロークの数に基づいてもよい。例えば、ユーザがひげの縁だけをトリミングしている場合、ユーザは使用するストロークが少なくなる可能性があり、したがって、カートリッジ16は、ユーザが顔または脚を剃り、より多くの数のストロークを使用する場合よりも推奨される使用回数が多くなる可能性がある。
【0073】
システム10および関連する方法は、ユーザに快適な剃毛体験を提供する可能性が最も高いかみそり刃34の構成を有するカートリッジ16に対する推奨をユーザに提供することができる。結果として、ユーザは、シェービングセッション中に快適な剃毛を達成することができ、切り傷、刻み目、刺激、または他の皮膚外傷の可能性が低減される。さらに、ハンドル14またはカートリッジ16に結合されたセンサデバイスを用いて、ユーザは、剃毛する皮膚の部分のコンダクタンス、刺激、および/または弾性を便利に測定することができる。ユーザが以前に皮膚のコンダクタンス、刺激、および/または弾性を測定し、ユーザの皮膚が、たとえば年齢、体重、日光曝露などに基づいて変化した可能性がある場合、ユーザは以前に示したカートリッジ16はユーザの皮膚に未だ適切であることを容易に確認することができるか、または、システム10は、上記の原理に従って行われた追加の測定に基づいて、異なるカートリッジ16またはかみそり刃34の構成をユーザに推奨してもよい。システム10はまた、ユーザがカートリッジ16の注文、例えば交換注文を容易に行うことを可能にし得る。
【0074】
開示されたシステム10および関連する方法はまた、小売店に、ユーザの皮膚コンダクタンス、刺激、および/または弾性、カートリッジおよびブレードの形状の推奨、カートリッジの使用、購入パターン、および/または他のユーザ情報を追跡する能力を提供し得る。例えば、システム10および関連する方法は、各システム10の各センサデバイスがハンドル14、ベース18、および/またはユーザデバイス20の通信ユニットに動作可能に結合されて、複数のユーザによって使用および実行され得る。通信ユニットは、マーチャントデータベースまたは小売店がアクセスできるデータベースにユーザデータを送信してもよい。ユーザデータは、データベース内で保存、蓄積、および/または処理され得る。小売店は、データベース内のユーザデータにアクセスして、平均皮膚コンダクタンス、刺激、弾性、一般的なカートリッジおよびブレードの形状の推奨、平均カートリッジ使用量、一般的な購入パターン、およびその他のユーザ情報を判定できる。ユーザデータは、例えば、地域、年齢、民族、性別、およびその他の人口統計情報によってフィルタリング可能および/またはソート可能であってもよい。このユーザデータに基づいて、小売店は、特定のユーザ、または特定の地域、年齢層、人口統計などの他の潜在的な消費者にターゲット広告またはオファーを提供することができる。さらに、本明細書に開示のシステムおよび方法は、他のさまざまなアプリケーションにも適用可能であることが理解される。
【0075】
本開示の多くの特徴および利点は、詳細な明細書から明らかであり、したがって、添付の特許請求の範囲は、本開示の真の精神および範囲内にある本開示のそのような特徴および利点をすべて包含するものとする。さらに、多数の修正および変形が当業者には容易に思い浮かぶため、本開示を図示および説明された正確な構造および動作に限定することは望ましくなく、したがって、すべての適切な修正および等価物は本開示の範囲内で利用可能であってもよい。
【0076】
さらに、当業者は、本開示の基礎となる概念が、本開示のいくつかの目的を実行するための他の構造、方法、およびシステムを設計するための基礎として容易に使用できることを理解するであろう。したがって、特許請求の範囲は、前述の説明によって限定されると見なされるべきではない。
【0077】
本明細書で使用される技術用語および科学用語は、特に明記しない限り、本開示が属する技術分野の当業者に一般的に理解されるのと同じ意味を有する。本明細書で使用される単数形「1つの(a)」、「1つの(an)」、および「その(the)」は、文脈からそうでないことが明確に示されない限り、複数形の参照を含む。したがって、例えば、「1つのセンサ」への言及は複数のそのようなセンサを含み、「そのセンサ」への言及は1つまたは複数のセンサおよび当業者に知られているその同等物などへの言及を含み得る。
【0078】
上記の説明は例示であり、制限することを意図したものではない。当業者は、本開示の一般的な範囲から逸脱することなく、多数の修正および/または変更を行うことができる。例えば、説明されたように、上記の実施形態(および/またはその態様)は、互いに組み合わせて使用されてもよい。さらに、上記の実施形態の一部は、本開示の範囲から逸脱することなく除去され得る。加えて、特定の状況または材料を、その範囲から逸脱することなく、様々な実施形態の教示に適合させるために修正が行われてもよい。上記の説明を検討すると、他の多くの実施形態も当業者には明らかであろう。
図1
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