(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-15
(45)【発行日】2024-04-23
(54)【発明の名称】油圧制御システム
(51)【国際特許分類】
F15B 11/22 20060101AFI20240416BHJP
【FI】
F15B11/22 F
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022057047
(22)【出願日】2022-03-30
【審査請求日】2022-04-01
(31)【優先権主張番号】202110518660.9
(32)【優先日】2021-05-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】522128479
【氏名又は名称】ハーヴェー ハイドローリック (ウーシー) カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】HAWE Hydraulik (Wuxi) Co., Ltd.
【住所又は居所原語表記】No. 2129, Anzhen Dongsheng Rd., Xishan Economic & Technological Development Zone 214105 Wuxi, Jiangsu Province P.R. China
(73)【特許権者】
【識別番号】518097316
【氏名又は名称】ハーヴェー ハイドローリック エスイー
(74)【代理人】
【識別番号】100107456
【氏名又は名称】池田 成人
(74)【代理人】
【識別番号】100162352
【氏名又は名称】酒巻 順一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100123995
【氏名又は名称】野田 雅一
(72)【発明者】
【氏名】ファン, チャンファ
【審査官】藤原 弘
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-298085(JP,A)
【文献】特開昭56-015947(JP,A)
【文献】国際公開第2016/061797(WO,A1)
【文献】独国特許出願公開第102005029822(DE,A1)
【文献】米国特許出願公開第2002/0162446(US,A1)
【文献】特開平02-096028(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F15B 11/00-11/22
F15B 21/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の油圧シリンダ(1)と、第2の油圧シリンダ(2)と、流体供給装置であって、流体搬送ポート(31)と流体戻しポート(32)とが設けられている流体供給装置とを備える、油圧制御システムであって、
当該油圧制御システムは、
第1の制御弁バンク(4)であって、前記第1の油圧シリンダ(1)が、前記第1の制御弁バンク(4)を使用することによって前記流体搬送ポート(31)および前記流体戻しポート(32)に接続され、前記第1の制御弁バンク(4)が、前記第1の油圧シリンダ(1)を独立して制御するように構成される、第1の制御弁バンク(4)と、
第2の制御弁バンク(5)であって、前記第2の油圧シリンダ(2)が、前記第2の制御弁バンク(5)を使用することによって前記流体搬送ポート(31)および前記流体戻しポート(32)に接続され、前記第2の制御弁バンク(5)が、前記第2の油圧シリンダ(2)を独立して制御するように構成される、第2の制御弁バンク(5)と、
第3の制御弁バンク(6)であって、前記第1の油圧シリンダ(1)の一方のポート(12)および前記第2の油圧シリンダ(2)の一方のポート(22)が、直列に接続され、前記第1の油圧シリンダ(1)の他方のポート(11)および前記第2の油圧シリンダ(2)の他方のポート(21)が、前記第3の制御弁バンク(6)を使用することによって前記流体搬送ポート(31)および前記流体戻しポート(32)にそれぞれ接続され、前記第3の制御弁バンク(6)が、前記第1の油圧シリンダ(1)および前記第2の油圧シリンダ(2)を同期して制御するように構成される、第3の制御弁バンク(6)と、
第1の逆止弁(7)であって、前記第1の油圧シリンダ(1)および前記第2の油圧シリンダ(2)の直列接続流路上に配設され、前記第1の逆止弁(7)の検知接続部が、前記第3の制御弁バンク(6)に接続される、第1の逆止弁と、
を備
え、
前記第3の制御弁バンク(6)が、第1のソレノイド弁(61)と第2のソレノイド弁(62)とを備え、前記第1のソレノイド弁(61)の第1のポートおよび前記第2のソレノイド弁(62)の第1のポートの両方が、前記流体搬送ポート(31)に接続され、前記第1のソレノイド弁(61)の第2のポートおよび前記第2のソレノイド弁(62)の第2のポートの両方が、前記流体戻しポート(32)に接続され、前記第1のソレノイド弁(61)の第3のポートが、前記第1の油圧シリンダ(1)のポートに接続され、前記第2のソレノイド弁(62)の第3のポートが、前記第2の油圧シリンダ(2)のポートに接続され、
前記第3の制御弁バンク(6)が、さらに、第2の逆止弁(63)と第3の逆止弁(64)とを備え、前記第1のソレノイド弁(61)の前記第3のポートが、前記第2の逆止弁(63)を使用することによって前記第1の油圧シリンダ(1)の1つのポートに接続され、前記第2のソレノイド弁(62)の前記第3のポートが、前記第3の逆止弁(64)を使用することによって前記第2の油圧シリンダ(2)の1つのポートに接続され、前記第2の逆止弁(63)の検知接続部が、前記第2のソレノイド弁(62)と前記第3の逆止弁(64)との間に接続され、前記第3の逆止弁(64)の検知接続部が、前記第1のソレノイド弁(61)と前記第2の逆止弁(63)との間に接続される、油圧制御システム。
【請求項2】
前記第1の制御弁バンク(4)が、第3のソレノイド弁(41)と第4のソレノイド弁(42)とを備え、前記第3のソレノイド弁(41)の第1のポートおよび前記第4のソレノイド弁(42)の第1のポートの両方が、前記流体搬送ポート(31)に接続され、前記第3のソレノイド弁(41)の第2のポートおよび前記第4のソレノイド弁(42)の第2のポートの両方が、前記流体戻しポート(32)に接続され、前記第3のソレノイド弁(41)の第3のポートが、前記第1の油圧シリンダ(1)の一方のポートに接続され、前記第4のソレノイド弁(42)の第3のポートが、前記第1の油圧シリンダ(1)の他方のポートに接続される、請求項
1に記載の油圧制御システム。
【請求項3】
前記第1の制御弁バンク(4)が、さらに、第4の逆止弁(43)と第5の逆止弁(44)とを備え、前記第3のソレノイド弁(41)の前記第3のポートが、前記第4の逆止弁(43)を使用することによって前記第1の油圧シリンダ(1)の一方のポートに接続され、前記第4のソレノイド弁(42)の前記第3のポートが、前記第5の逆止弁(44)を使用することによって前記第1の油圧シリンダ(1)の他方のポートに接続され、前記第4の逆止弁(43)の検知接続部が、前記第4のソレノイド弁(42)と前記第5の逆止弁(44)との間に接続され、前記第5の逆止弁(44)の検知接続部が、前記第3のソレノイド弁(41)と前記第4の逆止弁(43)との間に接続される、請求項
2に記載の油圧制御システム。
【請求項4】
第1のソレノイド弁(61)の第3のポートが、前記第3のソレノイド弁(41)と前記第1の油圧シリンダ(1)との間で収束することによって前記第1の油圧シリンダ(1)の1つのポートに接続され、前記第1のソレノイド弁(61)の前記第2のポートが、前記第3のソレノイド弁(41)と前記流体戻しポート(32)との間で収束することによって前記流体戻しポート(32)に接続される、請求項
2または
3に記載の油圧制御システム。
【請求項5】
前記第2の制御弁バンク(5)が、第5のソレノイド弁(51)と第6のソレノイド弁(52)とを備え、前記第5のソレノイド弁(51)の第1のポートおよび前記第6のソレノイド弁(52)の第1のポートの両方が、前記流体搬送ポート(31)に接続され、前記第5のソレノイド弁(51)の第2のポートおよび前記第6のソレノイド弁(52)の第2のポートの両方が、前記流体戻しポート(32)に接続され、前記第5のソレノイド弁(51)の第3のポートが、前記第2の油圧シリンダ(2)の一方のポートに接続され、前記第6のソレノイド弁(52)の第3のポートが、前記第2の油圧シリンダ(2)の他方のポートに接続される、請求項1~
4のいずれか一項に記載の油圧制御システム。
【請求項6】
前記第2の制御弁バンク(5)が、さらに、第6の逆止弁(53)と第7の逆止弁(54)とを備え、前記第5のソレノイド弁(51)の前記第3のポートが、前記第6の逆止弁(53)を使用することによって前記第2の油圧シリンダ(2)の一方のポートに接続され、前記第6のソレノイド弁(52)の前記第3のポートが、第5の逆止弁(44)を使用することによって前記第2の油圧シリンダ(2)の他方のポートに接続され、前記第6の逆止弁(53)の検知接続部が、前記第6のソレノイド弁(52)と前記第7の逆止弁(54)との間に接続され、前記第7の逆止弁(54)の検知接続部が、前記第5のソレノイド弁(51)と前記第6の逆止弁(53)との間に接続される、請求項
5に記載の油圧制御システム。
【請求項7】
第2のソレノイド弁(62)の第3のポートが、前記第6のソレノイド弁(52)と前記第2の油圧シリンダ(2)との間で収束することによって前記第2の油圧シリンダ(2)の1つのポートに接続され、前記第2のソレノイド弁(62)の第2のポートが、前記第6のソレノイド弁(52)と前記流体戻しポート(32)との間で収束することによって前記流体戻しポート(32)に接続される、請求項
5または
6に記載の油圧制御システム。
【請求項8】
前記第1の制御弁バンク(4)、前記第2の制御弁バンク(5)、および前記第3の制御弁バンク(6)を前記流体戻しポート(32)に接続する接続部には、それぞれ絞り弁(8)が設けられる、請求項1~
7のいずれか一項に記載の油圧制御システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、油圧制御技術に関し、特に油圧制御システムに関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、油圧制御装置またはデバイスは、2つのアクチュエータの同期制御および独立動作に適用される。
【0003】
従来の同期制御方法には、独立したトーションビーム構造の機械的同期、収束および収集制御の同期、モータの同期、直列油圧シリンダの容積同期、電気速度制御の閉ループ同期などが含まれる。前述の同期制御原理は、速度制御を除いて独立した動作の要件を満たすことができない。しかしながら、速度制御は、コストが比較的高い。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、現在2つのアクチュエータが角度または位置関係を調整するために独立して動作する必要があり、調整された相対角度または位置関係の場合に同期して動作する必要がさらにあるという問題を解決することができる油圧システムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の一態様によれば、油圧制御システムであって、第1の油圧シリンダと、第2の油圧シリンダと、流体供給装置であって、流体搬送ポートと流体戻しポートとが設けられる、流体供給装置とを含み、油圧制御システムは、さらに、第1の制御弁バンクであって、第1の油圧シリンダが、第1の制御弁バンクを使用することによって流体搬送ポートおよび流体戻しポートに接続され、第1の制御弁バンクが、第1の油圧シリンダを独立して制御するように構成される、第1の制御弁バンクと、第2の制御弁バンクであって、第2の油圧シリンダが、第2の制御弁バンクを使用することによって流体搬送ポートおよび流体戻しポートに接続され、第2の制御弁バンクが、第2の油圧シリンダを独立して制御するように構成される、第2の制御弁バンクと、第3の制御弁バンクであって、第1の油圧シリンダの一方のポートおよび第2の油圧シリンダの一方のポートが、直列に接続され、第1の油圧シリンダの他方のポートおよび第2の油圧シリンダの他方のポートが、第3の制御弁バンクを使用することによって流体搬送ポートおよび流体戻しポートにそれぞれ接続され、第3の制御弁バンクが、第1の油圧シリンダおよび第2の油圧シリンダを同期して制御するように構成される、第3の制御弁バンクと、第1の逆止弁であって、第1の油圧シリンダおよび第2の油圧シリンダの直列接続流路上に配設され、第1の逆止弁の検知接続部が、第3の制御弁バンクに接続される、第1の逆止弁とを含む、油圧制御システムが、提供される。
【0006】
本発明で提供される油圧制御システムは、第1の油圧シリンダおよび第2の油圧シリンダを独立してまたは同期して制御することができる。第1の制御弁バンクは、第1の油圧シリンダの伸縮動作を制御し、第2の制御弁バンクは、第2の油圧シリンダの伸縮動作を制御し、第3の制御弁バンクは、第1の油圧シリンダおよび第2の油圧シリンダの同期伸縮動作を制御する。同期制御では、第1の油圧シリンダ、第2の油圧シリンダ、第3の制御弁バンク、および流体供給装置は、直列に接続される。同期容積制御は、油圧シリンダの直列接続を通して実施され、最大2パーセントと測定される非常に高い同期精度を有する。本発明は、主に、独立した動作と同期動作とを組み合わせる機能が実施されるという点において先行技術と異なる。同期動作油圧シリンダのみが同期して動作することができ、独立動作油圧シリンダのみが独立して動作することができる先行技術と比較して、本発明は、2つの油圧シリンダが、同期のための2つの動作油圧シリンダを必要とせずに独立動作に使用されるという点で主に異なる。
【0007】
いくつかの実施形態では、第3の制御弁バンクは、第1のソレノイド弁と第2のソレノイド弁とを含み、第1のソレノイド弁の第1のポートおよび第2のソレノイド弁の第1のポートの両方は、流体搬送ポートに接続され、第1のソレノイド弁の第2のポートおよび第2のソレノイド弁の第2のポートの両方は、流体戻しポートに接続され、第1のソレノイド弁の第3のポートは、第1の油圧シリンダのポートに接続され、第2のソレノイド弁の第3のポートは、第2の油圧シリンダのポートに接続される。
【0008】
したがって、第1のソレノイド弁および第2のソレノイド弁を制御することにより、第1の油圧シリンダおよび第2の油圧シリンダの同期伸縮動作が、制御される。第1のソレノイド弁が通電されると、第1の油圧シリンダおよび第2の油圧シリンダは、同期して後退する。第2のソレノイド弁が通電されると、第1の油圧シリンダおよび第2の油圧シリンダは、同期して伸長する。
【0009】
いくつかの実施形態では、第3の制御弁バンクは、さらに、第2の逆止弁と第3の逆止弁とを含み、第1のソレノイド弁の第3のポートは、第2の逆止弁を使用することによって第1の油圧シリンダの1つのポートに接続され、第2のソレノイド弁の第3のポートは、第3の逆止弁を使用することによって第2の油圧シリンダの1つのポートに接続され、第2の逆止弁の検知接続部は、第2のソレノイド弁と第3の逆止弁との間に接続され、第3の逆止弁の検知接続部は、第1のソレノイド弁と第2の逆止弁との間に接続される。
【0010】
したがって、第2の逆止弁および第3の逆止弁は、システム流路による安定した供給を確保する。
【0011】
いくつかの実施形態では、第1の制御弁バンクは、第3のソレノイド弁と第4のソレノイド弁とを含み、第3のソレノイド弁の第1のポートおよび第4のソレノイド弁の第1のポートの両方は、流体搬送ポートに接続され、第3のソレノイド弁の第2のポートおよび第4のソレノイド弁の第2のポートの両方は、流体戻しポートに接続され、第3のソレノイド弁の第3のポートは、第1の油圧シリンダの一方のポートに接続され、第4のソレノイド弁の第3のポートは、第1の油圧シリンダの他方のポートに接続される。
【0012】
したがって、第3のソレノイド弁および第4のソレノイド弁を制御することにより、第1の油圧シリンダの独立した伸縮動作が、制御される。第3のソレノイド弁が通電されると、第1の油圧シリンダは後退する。第4のソレノイド弁が通電されると、第1の油圧シリンダは伸長する。
【0013】
いくつかの実施形態では、第1の制御弁バンクは、さらに、第4の逆止弁と第5の逆止弁とを含み、第3のソレノイド弁の第3のポートは、第4の逆止弁を使用することによって第1の油圧シリンダの一方のポートに接続され、第4のソレノイド弁の第3のポートは、第5の逆止弁を使用することによって第1の油圧シリンダの他方のポートに接続され、第4の逆止弁の検知接続部は、第4のソレノイド弁と前記第5の逆止弁との間に接続され、第5の逆止弁の検知接続部は、第3のソレノイド弁と第4の逆止弁との間に接続される。
【0014】
したがって、第4の逆止弁および第5の逆止弁は、システム流路による安定した供給を確保する。
【0015】
いくつかの実施態様では、第1のソレノイド弁の第3のポートは、第3のソレノイド弁と第1の油圧シリンダとの間で収束することによって第1の油圧シリンダの1つのポートに接続され、第1のソレノイド弁の第2のポートは、第3のソレノイド弁と流体戻しポートとの間で収束することによって流体戻しポートに接続される。
【0016】
したがって、流路レイアウトが簡素化され、管路長が短縮され、コストが削減される。
【0017】
いくつかの実施形態では、第2の制御弁バンクは、第5のソレノイド弁と第6のソレノイド弁とを含み、第5のソレノイド弁の第1のポートおよび第6のソレノイド弁の第1のポートの両方は、流体搬送ポートに接続され、第5のソレノイド弁の第2のポートおよび第6のソレノイド弁の第2のポートの両方は、流体戻しポートに接続され、第5のソレノイド弁の第3のポートは、第2の油圧シリンダの一方のポートに接続され、第6のソレノイド弁の第3のポートは、第2の油圧シリンダの他方のポートに接続される。
【0018】
したがって、第5のソレノイド弁および第6のソレノイド弁を制御することにより、第2の油圧シリンダの独立した伸縮動作が、制御される。第5のソレノイド弁が通電されると、第2の油圧シリンダは後退する。第6のソレノイド弁が通電されると、第2の油圧シリンダは伸長する。
【0019】
いくつかの実施形態では、第2の制御弁バンクは、さらに、第6の逆止弁と第7の逆止弁とを含み、第5のソレノイド弁の第3のポートは、第6の逆止弁を使用することによって第2の油圧シリンダの一方のポートに接続され、第6のソレノイド弁の第3のポートは、第5の逆止弁を使用することによって第2の油圧シリンダの他方のポートに接続され、第6の逆止弁の検知接続部は、第6のソレノイド弁と第7の逆止弁との間に接続され、第7の逆止弁の検知接続部は、第5のソレノイド弁と第6の逆止弁との間に接続される。
【0020】
したがって、第6の逆止弁および第7の逆止弁は、システム流路による安定した供給を確保する。
【0021】
いくつかの実施形態では、第2のソレノイド弁の第3のポートは、第6のソレノイド弁と第2の油圧シリンダとの間で収束することによって第2の油圧シリンダの1つのポートに接続され、第2のソレノイド弁の第2のポートは、第6のソレノイド弁と流体戻しポートとの間で収束することによって流体戻しポートに接続される。
【0022】
したがって、流路レイアウトが簡素化され、管路長が短縮され、コストが削減される。
【0023】
いくつかの実施形態では、第1の制御弁バンク、第2の制御弁バンク、および第3の制御弁バンクを流体戻しポートに接続する接続部には、それぞれ絞り弁が設けられる。
【0024】
したがって、絞り弁は、システム内の流体の流速を制御して、第1の油圧シリンダおよび第2の油圧シリンダの伸縮動作の速度を制御する。
【0025】
本発明は、以下の有益な効果を有する。
(1)同期容積制御は、油圧シリンダの直列接続を通して実施され、最大2パーセントであると測定される非常に高い同期精度を有する。
(2)外部電気機器のサーボコントローラまたは制御弁が設けられていないため、コスト面で大きな利点がある。
(3)システムは強力な汚染物質保持能力を有し、温度変動に敏感ではなく、システムの流体汚染制御の要件は低く、同期精度は温度差の影響を受けない。
(4)1つの油圧シリンダに100%の極端な偏荷重が作用した場合でも、偏荷重抵抗が強く、高精度な同期を依然として実施できる。
(5)独立動作と同期動作の両方が必要な場面に適用可能である。
(6)システムは、構造が簡単で低コストである。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【
図1】本発明の一実施態様による油圧制御システムの流路構造の概略図である。
【
図2】
図1に示す油圧制御システム内の第1の油圧シリンダが独立して制御される流路構造の概略図である。
【
図3】
図1に示す油圧制御システム内の第1の油圧シリンダが独立して制御される別の流路構造の概略図である。
【
図4】
図1に示す油圧制御システム内の第2の油圧シリンダが独立して制御される流路構造の概略図である。
【
図5】
図1に示す油圧制御システム内の第2の油圧シリンダが独立して制御される別の流路構造の概略図である。
【
図6】
図1に示す油圧制御システム内の第1の油圧シリンダおよび第2の油圧シリンダが同期して制御される流路構造の概略図である。
【
図7】
図1に示す油圧制御システム内の第1の油圧シリンダおよび第2の油圧シリンダが同期して制御される別の流路構造の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、添付の図面を参照して本発明を詳細にさらに説明する。
【0028】
図1は、本発明の一実施態様による油圧制御システムの一例を示す。油圧制御システムは、第1の油圧シリンダ1と、第2の油圧シリンダ2と、流体供給装置とを含み、流体供給装置には、流体搬送ポート31および流体戻しポート32が設けられ、流体搬送ポート31および流体戻しポート32は、それぞれPおよびTとして示されている。第1の油圧シリンダ1には、第1の流体ポート11および第2の流体ポート12が設けられている。第2の油圧シリンダ2には、第3の流体ポート21および第4の流体ポート22が設けられている。油圧制御システムは、さらに、
第1の制御弁バンク4であって、第1の油圧シリンダ1が、第1の制御弁バンク4を使用することによって流体搬送ポート31および流体戻しポート32に接続され、第1の制御弁バンク4が、第1の油圧シリンダ1を独立して制御するように構成される、第1の制御弁バンク4と、
第2の制御弁バンク5であって、第2の油圧シリンダ2が、第2の制御弁バンク5を使用することによって流体搬送ポート31および流体戻しポート32に接続され、第2の制御弁バンク5が、第2の油圧シリンダ2を独立して制御するように構成される、第2の制御弁バンク5と、
第3の制御弁バンク6であって、第1の油圧シリンダ1の一方のポートおよび第2の油圧シリンダ2の一方のポートが、直列に接続され、第1の油圧シリンダ1の第2の流体ポート12が、第2の油圧シリンダ2の第3の流体ポート21に接続され、第1の油圧シリンダ1の他方のポートおよび第2の油圧シリンダ2の他方のポートが、第3の制御弁バンク6を使用することによって流体搬送ポート31および流体戻しポート32にそれぞれ接続され、第1の油圧シリンダ1の第1の流体ポート11が、第3の制御弁バンク6を使用することによって第2の油圧シリンダ2の第4の流体ポート22に接続され、第3の制御弁バンク6が、流体搬送ポート31および流体戻しポート32に接続され、第3の制御弁バンク6が、第1の油圧シリンダ1および第2の油圧シリンダ2を同期して制御するように構成される、第3の制御弁バンク6と、
第1の逆止弁7であって、第1の油圧シリンダ1および第2の油圧シリンダ2の直列接続流路上に配設され、第1の逆止弁7の検知接続部が、第3の制御弁バンク6に接続される、第1の逆止弁と
を含む。
【0029】
本発明で提供される油圧制御システムは、第1の油圧シリンダ1および第2の油圧シリンダ2を独立してまたは同期して制御することができる。第1の制御弁バンク4は、第1の油圧シリンダ1の伸縮動作を制御し、第2の制御弁バンク5は、第2の油圧シリンダ2の伸縮動作を制御し、第3の制御弁バンク6は、第1の油圧シリンダ1および第2の油圧シリンダ2の同期伸縮動作を制御する。同期制御では、第1の油圧シリンダ1、第2の油圧シリンダ2、第3の制御弁バンク6、および流体供給装置は、直列に接続される。同期容積制御は、油圧シリンダの直列接続を通して実施され、最大2パーセントと測定される非常に高い同期精度を有する。本発明は、主に、独立した動作と同期動作とを組み合わせる機能が実施されるという点において先行技術と異なる。同期動作油圧シリンダのみが同期して動作することができ、独立動作油圧シリンダのみが独立して動作することができる先行技術と比較して、本発明は、2つの油圧シリンダが、同期のための2つの動作油圧シリンダを必要とせずに独立動作に使用されるという点で主に異なる。
【0030】
図1、
図6および
図7を参照すると、第3の制御弁バンク6は、第1のソレノイド弁61と第2のソレノイド弁62とを含む。第1のソレノイド弁61および第2のソレノイド弁62は、二位置三方ソレノイド切換弁である。したがって、第1のソレノイド弁61および第2のソレノイド弁62には、それぞれ第1のポートと、第2のポートと、第3のポートとが設けられており、第1のソレノイド弁61の第1のポート、第2のポート、および第3のポートは、それぞれP1、T1、およびA1と記されている。第2のソレノイド弁62の第1のポート、第2のポートおよび第3のポートは、それぞれP2、T2、およびA2と記される。
【0031】
第1のソレノイド弁61の第1のポートおよび第2のソレノイド弁62の第1のポートの両方は、流体搬送ポート31に接続され、第1のソレノイド弁61の第2のポートおよび第2のソレノイド弁62の第2のポートの両方は、流体戻しポート32に接続され、第1のソレノイド弁61の第3のポートは、第1の油圧シリンダ1の第1の流体ポート11に接続され、第2のソレノイド弁62の第3のポートは、第2の油圧シリンダ2の第4の流体ポート22に接続される。第1のソレノイド弁61および第2のソレノイド弁62を制御することにより、第1の油圧シリンダ1および第2の油圧シリンダ2の同期伸縮動作が、制御される。第1のソレノイド弁61が通電されると、第1の油圧シリンダ1および第2の油圧シリンダ2は、同期して後退する。第2のソレノイド弁62が通電されると、第1の油圧シリンダ1および第2の油圧シリンダ2は、同期して伸長する。
【0032】
図1、
図6および
図7を参照すると、第3の制御弁バンク6は、さらに、第2の逆止弁63と第3の逆止弁64とを含み、第1のソレノイド弁61の第3のポートは、第2の逆止弁63を使用することによって第1の油圧シリンダ1の第1の流体ポート11にポートに接続され、第2のソレノイド弁62の第3のポートは、第3の逆止弁64を使用することによって第2の油圧シリンダ2の第4の流体ポート22に接続され、第2の逆止弁63の検知接続部は、第2のソレノイド弁62と第3の逆止弁64との間に接続され、第3の逆止弁64の検知接続部は、第1のソレノイド弁61と第2の逆止弁63との間に接続される。第2の逆止弁63および第3の逆止弁64は、システム流路による安定した供給を確保する。第1の逆止弁7の検知接続部は、第3の制御弁バンク6内の第1のソレノイド弁61と第2の逆止弁63との間の管路に接続される。
【0033】
図1から
図3を参照すると、第1の制御弁バンク4は、第3のソレノイド弁41と、第4のソレノイド弁42とを含む。第3のソレノイド弁41および第4のソレノイド弁42は、二位置三方ソレノイド切換弁である。したがって、第3のソレノイド弁41および第4のソレノイド弁42には、それぞれ第1のポートと、第2のポートと、第3のポートとが設けられ、第3のソレノイド弁41の第1のポート、第2のポート、および第3のポートは、それぞれP3、T3、およびA3と記され、第4のソレノイド弁42の第1のポート、第2のポート、および第3のポートは、それぞれP4、T4、およびA4と記される。
【0034】
第3のソレノイド弁41の第1のポートおよび第4のソレノイド弁42の第1のポートの両方は、流体搬送ポート31に接続され、第3のソレノイド弁41の第2のポートおよび第4のソレノイド弁42の第2のポートの両方は、流体戻しポート32に接続され、第3のソレノイド弁41の第3のポートは、第1の油圧シリンダ1の第1の流体ポート11に接続され、第4のソレノイド弁42の第3のポートは、第1の油圧シリンダ1の第2の流体ポート12に接続される。第3のソレノイド弁41および第4のソレノイド弁42を制御することにより、第1の油圧シリンダ1の独立した伸縮動作が、制御される。第3のソレノイド弁41が通電されると、第1の油圧シリンダ1は後退する。第4のソレノイド弁42が通電されると、第1の油圧シリンダ1は伸長する。
【0035】
図1から
図3を参照すると、第1の制御弁バンク4は、さらに、第4の逆止弁43と第5の逆止弁44とを含み、第3のソレノイド弁41の第3のポートは、第4の逆止弁43を使用することによって第1の油圧シリンダ1の第1の流体ポート11に接続され、第4のソレノイド弁42の第3のポートは、第5の逆止弁44を使用することによって第1の油圧シリンダ1の第2の流体ポートに接続され、第4の逆止弁43の検知接続部は、第4のソレノイド弁42と第5の逆止弁44との間の管路に接続され、第5の逆止弁44の検知接続部は、第3のソレノイド弁41と第4の逆止弁43との間の管路に接続される。第4の逆止弁43および第5の逆止弁44は、システム流路による安定した供給を確保する。
【0036】
図1を参照すると、第1のソレノイド弁61の第3のポートは、第3のソレノイド弁41と第1の油圧シリンダ1との間で収束することによって第1の油圧シリンダ1の1つのポートに接続され、第1のソレノイド弁61の第2のポートは、第3のソレノイド弁41と流体戻しポート32との間で収束することによって流体戻しポート32に接続される。流路レイアウトが簡素化され、管路長が短縮され、コストが削減される。
【0037】
図1、
図4および
図5を参照すると、第2の制御弁バンク5は、第5のソレノイド弁51と第6のソレノイド弁52とを含む。第5のソレノイド弁51および第6のソレノイド弁52はそれぞれ、二位置三方ソレノイド切換弁である。したがって、第5のソレノイド弁51および第6のソレノイド弁52には、それぞれ第1のポートと、第2のポートと、第3のポートとが設けられ、第5のソレノイド弁の第1のポート、第2のポート、および第3のポートは、それぞれP5、T5、およびA5と記され、第6のソレノイド弁52の第1のポート、第2のポート、および第3のポートは、P6、T6、およびA6と記される。
【0038】
第5のソレノイド弁51の第1のポートおよび第6のソレノイド弁52の第1のポートの両方は、流体搬送ポート31に接続され、第5のソレノイド弁51の第2のポートおよび第6のソレノイド弁52の第2のポートの両方は、流体戻しポート32に接続され、第5のソレノイド弁51の第3のポートは、第2の油圧シリンダ2の第3の流体ポート21に接続され、第6のソレノイド弁52の第3のポートは、第2の油圧シリンダ2の第4の流体ポート22に接続される。第5のソレノイド弁51および第6のソレノイド弁52を制御することにより、第2の油圧シリンダ2の独立した伸縮動作が、制御される。第5のソレノイド弁51が通電されると、第2の油圧シリンダ2は後退する。第6のソレノイド弁52が通電されると、第2の油圧シリンダ2は伸長する。
【0039】
図1、
図4および
図5を参照すると、第2の制御弁バンク5は、さらに、第6の逆止弁53と第7の逆止弁54とを含み、第5のソレノイド弁51の第3のポートは、第6の逆止弁53を使用することによって第2の油圧シリンダ2の第3の流体ポート21に接続され、第6のソレノイド弁52の第3のポートは、第5の逆止弁44を使用することによって第2の油圧シリンダ2の第4の流体ポート22に接続され、第6の逆止弁53の検知接続部は、第6のソレノイド弁52と第7の逆止弁54との間に接続され、第7の逆止弁54の検知接続部は、第5のソレノイド弁51と第6の逆止弁53との間に接続される。第6の逆止弁53および第7の逆止弁54は、システム流路による安定した供給を確保する。
【0040】
図1を参照すると、第2のソレノイド弁62の第3のポートは、第6のソレノイド弁52と第2の油圧シリンダ2との間で収束することによって第2の油圧シリンダ2の1つのポートに接続され、第2のソレノイド弁62の第2のポートは、第6のソレノイド弁52と流体戻しポート32との間で収束することによって流体戻しポート32に接続される。流路レイアウトが簡素化され、管路長が短縮され、コストが削減される。
【0041】
図1を参照すると、第1の制御弁バンク4、第2の制御弁バンク5、および第3の制御弁バンク6を流体戻しポート32に接続する接続部には、それぞれ絞り弁8が設けられる。絞り弁8は、システム内の流体の流速を制御して、第1の油圧シリンダ1および第2の油圧シリンダ2の伸縮動作の速度を制御する。
【0042】
この実施形態では、第3のソレノイド弁41、第4のソレノイド弁42、第5のソレノイド弁51および第6のソレノイド弁52と流体戻しポート32を接続する接続部には、それぞれ絞り弁8が設けられており、第1のソレノイド弁61の第2のポートは、第3のソレノイド弁41と流体戻しポート32との間の接続管路に収束して、絞り機能を実施する。第2のソレノイド弁62の第2のポートは、第6のソレノイド弁52と流体戻しポート32との間の接続管路に収束して絞り機能を実施する。
【0043】
この実施形態では、第1の逆止弁7、第2の逆止弁63、第3の逆止弁64、第4の逆止弁43、第5の逆止弁44、第6の逆止弁53および第7の逆止弁54は、それぞれパイロット逆止弁であり、第1の逆止弁7、第2の逆止弁63、第3の逆止弁64、第4の逆止弁43、第5の逆止弁44、第6の逆止弁53および第7の逆止弁54は、それぞれC1、C2、C3、C4、C5、C6およびC7と記されている。
【0044】
第1のソレノイド弁61、第2のソレノイド弁62、第3のソレノイド弁41、第4のソレノイド弁42、第5のソレノイド弁51および第6のソレノイド弁52は、二位置三方ソレノイド切換弁であり、第1のソレノイド弁61、第2のソレノイド弁62、第3のソレノイド弁41、第4のソレノイド弁42、第5のソレノイド弁51および第6のソレノイド弁52は、それぞれDT1、DT2、DT3、DT4、DT5およびDT6と記されている。
【0045】
このシステムは、以下のような具体的な動作原理を有する。
【0046】
1.1 第1の油圧シリンダ1が伸長する。
図2に示すように、ポンプからの加圧流体が流体搬送ポート31Pのポートに入り、第4のソレノイド弁42DT4が通電され、第4のソレノイド弁42DT4の
P4およびA4が開かれる。圧力流体は、第4のソレノイド弁42DT4の
P4およびA4を通過して第5の逆止弁44C5に投入され、第5の逆止弁44C5を一方向に順方向にオンに切り替える。第4の逆止弁43C4の検知接続部は、第5の逆止弁44C5に入る圧力を検知し、第4の逆止弁43C4は、能動的にオンに切り替えられる。第5の逆止弁44C5から流出した圧力流体は、第1の油圧シリンダ1のロッドレス空洞に進入して第1の油圧シリンダ1のピストンを前方に押し、それによって第1の油圧シリンダ1が伸長する。加えて、第1の油圧シリンダ1のロッド空洞内の流体は、絞り出され、能動的にオンに切り替えられた第4の逆止弁43C4を流れ抜け、次いで、第3のソレノイド弁41DT3のA3およびT3のポートを流れ抜け、その後流体戻しポート32Tに戻る。
【0047】
1.2 第1の油圧シリンダ1が後退する。
図3に示すように、ポンプからの圧力流体が流体搬送ポート31Pのポートに入り、第3のソレノイド弁41DT3が通電され、第3のソレノイド弁41DT3の
P3およびA3が開かれる。圧力流体は、第3のソレノイド弁41DT3の
P3およびA3を通過して、第4の逆止弁43C4に投入され、第4の逆止弁43C4を一方向に順方向にオンに切り替える。第5の逆止弁44C5の検知接続部は、第4の逆止弁43C4に入る圧力を検知し、第5の逆止弁44C5は、能動的にオンに切り替えられる。第4の逆止弁43C4から流出した圧力流体は、第1の油圧シリンダ1のロッド空洞に入って、第1の油圧シリンダ1のピストンを押して後退させ、それにより、第1の油圧シリンダ1は後退する。加えて、第1の油圧シリンダ1のロッドレス空洞内の流体は、絞り出され、能動的にオンに切り替えられた第5の逆止弁44C5を流れ抜け、次いで第3のソレノイド弁41DT4のA4およびT4ポートを流れ抜け、その後流体戻しポート32Tに戻る。
【0048】
2.1 第2の油圧シリンダ2が伸長する。
図4に示すように、ポンプからの加圧流体が流体搬送ポート31Pのポートに入り、第6のソレノイド弁52DT6が通電され、第6のソレノイド弁52DT6の
P6およびA6
(A6は図5参照)が開かれる。圧力流体は、第6のソレノイド弁52DT6の
P6およびA6を通過して第7の逆止弁54C7に投入され、第7の逆止弁54C7を一方向に順方向にオンに切り替える。第6の逆止弁53C6の検知接続部は、第7の逆止弁54C7に入る圧力を検知し、第6の逆止弁53C6は、能動的にオンに切り替えられる。第7の逆止弁54C7から流出した圧力流体は、第2の油圧シリンダ2のロッドレス空洞に入って第2の油圧シリンダ2のピストンを前方に押し、それにより、
第2の油圧シリンダ2は伸長する。加えて、第2の油圧シリンダ2のロッド空洞内の流体は絞り出され、能動的にオンに切り替えられた第6の逆止弁53C6を流れ抜け、次いで、第5のソレノイド弁51DT5のA5およびT5のポートを流れ、その後流体戻しポート32Tに戻る。
【0049】
2.2 第2の油圧シリンダ2が後退する。
図5に示すように、ポンプからの加圧流体が流体搬送ポート31Pのポートに入り、第5のソレノイド弁51DT5が通電され、第5のソレノイド弁51DT5の
P5およびA5が開かれる。圧力流体は、第5のソレノイド弁51DT5の
P5およびA5を通過して第6の逆止弁53C6に投入され、第6の逆止弁53C6を順方向に切り替える。第7の逆止弁54C7の検知接続部は、第7の逆止弁54C7に入る圧力を検知し、第7の逆止弁54C7は、能動的にオンに切り替えられる。第6の逆止弁53C6から流出した圧力流体は、第2の油圧シリンダのロッド空洞に入って第2の油圧シリンダ2のピストンを押して後退させ、それにより、第2の油圧シリンダ2は後退する。加えて、第2の油圧シリンダ2のロッドレス空洞内の流体は絞り出され、能動的にオンされた第5の逆止弁44C5を流れ抜け、次いで第6のソレノイド弁52DT6のA6およびT6のポートを流れ向け、その後流体戻しポート32Tに戻る。
【0050】
3.1 同期伸長
図6に示すように、ポンプからの加圧流体が流体搬送ポート31Pのポートに入り、第2のソレノイド弁62DT2が通電され、第2のソレノイド弁62DT2の
P2およびA2が開かれる。圧力流体は、第2のソレノイド弁62DT2の
P2およびA2を通過し、第3の逆止弁64C3に投入され、第3の逆止弁64C3を順方向にオンに切り替える。第2の逆止弁63C2の検知接続部は、第3の逆止弁64C3に入る圧力を検知し、第2の逆止弁63C2は、能動的にオンに切り替えられる。
【0051】
第3の逆止弁64C3から流出した圧力流体は、第2の油圧シリンダ2のロッドレス空洞に進入してピストンを前方向に押し、それにより、第2の油圧シリンダ2は伸長する。加えて、第2の油圧シリンダ2のロッド空洞内の流体が絞り出され、絞り出された流体は、油圧制御される第1の逆止弁7C1を順方向にオンに切り替え、第1の逆止弁7C1から流出した作動油は、第1の油圧シリンダ1のロッドレス空洞に進入して、第1の油圧シリンダ1のピストンを前方に押し、それにより、第1の油圧シリンダ1は伸長する。第1の油圧シリンダ1は、伸長し、ロッド空洞内の流体を絞り出し、流体は、能動的にオンに切り替えられた、油圧制御される第2の逆止弁63C2を流れ抜け、次いで第1のソレノイド弁61DT1のA1およびT1のポートを流れ抜け、流体戻しポート32Tに戻る。第2の油圧シリンダ2のロッド空洞の断面積は、第1の油圧シリンダ1のロッドレス空洞の断面積に等しいため、同期延伸機能が実施される。
【0052】
3.2 同期後退
図7に示すように、ポンプからの加圧流体が流体搬送ポート31Pのポートに入り、第1のソレノイド弁61DT1が通電され、第1のソレノイド弁61DT1の
P1およびA1が開かれる。圧力流体は、第1のソレノイド弁61DT1の
P1およびA1を通過して、第2の逆止弁63C2に投入され、第2の逆止弁63C2を順方向にオンに切り替える。第1の逆止弁7C1の検知接続部および第3の逆止弁64C3の検知接続部は、第2の逆止弁63C2に入る圧力を検知し、第1の逆止弁7C1および第3の逆止弁64C3は、能動的にオンに切り替えられる。
【0053】
第2の逆止弁63C2から流出した圧力流体は、第1の油圧シリンダ1のロッド空洞に入ってピストンを押して後退させ、それにより、第1の油圧シリンダ1は後退する。加えて、第1の油圧シリンダ1のロッドレス空洞内の流体は、絞り出され、絞り出された流体は第1の逆止弁7を通過する。第1の逆止弁7C1から流出した油圧流体は、第2の油圧シリンダ2のロッド空洞に入って第2の油圧シリンダ2のピストンを押して後退させ、それにより、第2の油圧シリンダ2は後退する。第2の油圧シリンダ2は、後退し、ロッドレス空洞内の流体を絞り出し、流体は、能動的にオンに切り替えられた、油圧制御される第3の逆止弁64C3を流れ抜け、次いで第2のソレノイド弁62DT2のポートA2およびT2を流れ抜け、流体戻しポート32Tに戻る。
【0054】
前述は、本発明のいくつかの実施態様を説明しているにすぎない。当業者は、本発明の創造的な概念から逸脱することなく、いくつかの変形および改良をさらに行うことができ、これらの変形および改良はすべて、本発明の保護範囲内に入る。さらに、「第1の」、「第2の」などの用語は、それらの要素を言語的に互いに区別するための単なる数字であることを強調しなければならない。数字は、特定の順序を意味するものではない。
【符号の説明】
【0055】
1 第1の油圧シリンダ
2 第2の油圧シリンダ
4 第1の制御弁バンク
5 第2の制御弁バンク
6 第3の制御弁バンク
7 第1の逆止弁
8 絞り弁
11 第1の流体ポート
12 第2の流体ポート
21 第3の流体ポート
22 第4の流体ポート
31 流体搬送ポート
32 流体戻しポート
43 第4の逆止弁
44 第5の逆止弁
41 第3のソレノイド弁
42 第4のソレノイド弁
51 第5のソレノイド弁
52 第6のソレノイド弁
53 第6の逆止弁
54 第7の逆止弁
61 第1のソレノイド弁
62 第2のソレノイド弁
63 第2の逆止弁
64 第3の逆止弁