(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-15
(45)【発行日】2024-04-23
(54)【発明の名称】ミスト及び蒸気除去フィルタ、装置、システム及び使用方法
(51)【国際特許分類】
B64D 13/06 20060101AFI20240416BHJP
B01D 46/52 20060101ALI20240416BHJP
B01D 46/64 20220101ALI20240416BHJP
B01D 46/24 20060101ALI20240416BHJP
B01D 53/26 20060101ALI20240416BHJP
【FI】
B64D13/06
B01D46/52 A
B01D46/52 C
B01D46/64
B01D46/24 A
B01D53/26 220
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022201962
(22)【出願日】2022-12-19
【審査請求日】2022-12-19
(32)【優先日】2022-02-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】596064112
【氏名又は名称】ポール・コーポレーション
【氏名又は名称原語表記】Pall Corporation
(74)【代理人】
【識別番号】100107456
【氏名又は名称】池田 成人
(74)【代理人】
【識別番号】100162352
【氏名又は名称】酒巻 順一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100123995
【氏名又は名称】野田 雅一
(72)【発明者】
【氏名】ロブ, ジェームズ
(72)【発明者】
【氏名】スカル, スチュアート エム.
(72)【発明者】
【氏名】ルー, ポール ディー.
【審査官】山本 賢明
(56)【参考文献】
【文献】米国特許第06302932(US,B1)
【文献】米国特許第02823760(US,A)
【文献】米国特許第03266227(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B64D 13/06
B01D 46/52
B01D 46/64
B01D 46/24
B01D 53/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ミスト及び蒸気除去(MaVE)フィルタ装置と、バイパスバルブとを備える、航空機空気を濾過するためのシステムであって、
(A)前記ミスト及び蒸気除去(MaVE)フィルタ装置が、
主ハウジング本体と、前記主ハウジング本体の第1の端部に連結された入口ダクトと、前記主ハウジング本体の第2の端部に連結された出口ダクトとを含む主ハウジングと、
第1段フィルタ及び第2段フィルタを備えるミスト及び蒸気除去(MaVE)フィルタと
を備え、
(a)中空の前記第1段フィルタが、第1の端部及び第2の端部を有する第1のハウジングを備え、前記第1のハウジング内には、
(i)活性炭及び/又は活性粘土を含む第1の吸着要素、及び
(ii)前記第1の吸着要素を取り囲む第1の疎水性プリーツ付き中空多孔質媒体
が配置され、中空の前記第1段フィルタが、前記第1のハウジングの第1の端部に連結された第1のエンドキャップを含み、
(b)中空の前記第2段フィルタが、第1の端部及び第2の端部を有する第2のハウジングを備え、前記第2のハウジング内には、
(iii)活性炭及び/又は活性粘土を含む第2の吸着要素、及び
(iv)前記第2の吸着要素を取り囲む第2の疎水性プリーツ付き中空多孔質媒体
が配置され、中空の前記第2段フィルタが、前記第2のハウジングの第2の端部に連結された第2のエンドキャップを含み、
前記第1のハウジングの第2の端部が、中間エンドキャップによって前記第2のハウジングの第1の端部に連結され、
前記中間エンドキャップが、前記第1のハウジングの第2の端部と前記第2のハウジングの第1の端部との間に第1のドレインチャネルを含み、
前記第2のエンドキャップが、前記第2のハウジングの第2の端部に第2のドレインチャネルを含み、
前記ミスト及び蒸気除去フィルタ装置が、前記入口ダクトと前記出口ダクトとの間の前記主ハウジング内に配置されており、
(B)前記バイパスバルブが、前記主ハウジング本体と前記出口ダクトとの間に配置される中空スリーブ内に配置さ
れ、旋回可能なバイパスプレートを含み、
前記バイパスバルブが開放されると、前記中空スリーブが、前記MaVEフィルタを部分的にバイパスする、前記MaVEフィルタ装置を通る航空機空気流路を提供する、システム。
【請求項2】
前記第1の吸着要素及び前記第1の疎水性プリーツ付き中空多孔質媒体がそれぞれ、テーパ状構成を有する、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記MaVEフィルタが、
前記第1の吸着要素の端部に封止された第1の吸着要素エンドキャップであって、前記中間エンドキャップに接触する、第1の吸着要素エンドキャップと、
前記第2の吸着要素の端部に封止された第2の吸着要素エンドキャップであって、前記第2のエンドキャップに接触する、第2の吸着要素エンドキャップと
をさらに備える、請求項1又は2に記載のシステム。
【請求項4】
前記第1の疎水性プリーツ付き中空多孔質媒体が、前記中間エンドキャップによって保持され、前記第2の疎水性プリーツ付き中空多孔質媒体が、前記
第2のエンドキャップによって保持される、請求項1又は2に記載のシステム。
【請求項5】
前記中間エンドキャップが、前記第1のドレインチャネルに対して6mm~18mmの範囲のドレインギャップを提供し、前記第2のエンドキャップが、前記第2のドレインチャネルに対して6mm~18mmの範囲のドレインギャップを提供する、請求項1又は2に記載のシステム。
【請求項6】
前記MaVEフィルタが、前記第1のハウジングの第2の端部を前記中間エンドキャップに連結する少なくとも2つの接合構成体と、前記第2のハウジングの第2の端部を前記第2のエンドキャップに連結する少なくとも2つの追加の接合構成体とを含む、請求項1又は2に記載のシステム。
【請求項7】
中空の前記第1段フィルタが、第1段外側ケージ及び第1段内側コアを含み、中空の前記第2段フィルタが、第2段外側ケージ及び第2段内側コアを含む、請求項1又は2に記載のシステム。
【請求項8】
航空機客室空気を濾過する方法であって、
航空機空気を請求項1に記載のシステムに通すステップと、
前記バイパスバルブを開放するステップと、
前記MaVEフィルタを部分的にバイパスさせながら、前記MaVEフィルタ装置に航空機空気を流通させるステップと
を含む、方法。
【請求項9】
前記バイパスバルブを閉鎖して、前
記MaVEフィルタに航空機空気を流通させるステップをさらに含む、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記第1の疎水性プリーツ付き中空多孔質媒体の上流表面で自由水を収集するステップと、前記第2の疎水性プリーツ付き中空多孔質媒体の上流表面で自由水を収集するステップとを含む、請求項8又は9に記載の方法。
【請求項11】
前記第1の疎水性プリーツ付き中空多孔質媒体の上流表面上の収集された自由水を前記第1のドレインチャネルに通過させるステップと、前記第2の疎水性プリーツ付き中空多孔質媒体の上流表面上の収集された自由水を前記第2のドレインチャネルに通過させるステップとを含む、請求項8又は9に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【発明の背景】
【0001】
[0001]飛行機内の環境制御システム(ECS)によってもたらされる客室空気質を、特に地上運転中に改善する必要がある。本発明は、従来技術の欠点の少なくともいくつかを改善することを提供する。本発明のこれら及び他の利点は、以下に記載される説明から明らかになるであろう。
【発明の概要】
【0002】
[0002]本発明の一態様は、第1段中空フィルタ及び第2段中空フィルタを備えるミストと蒸気の除去フィルタ(本書では「ミスト及び蒸気除去フィルタ」と称する)を提供し、(a)第1段中空フィルタは、第1のハウジングの第1の端部及び第1のハウジングの第2の端部を有する第1のハウジングを備え、第1のハウジング内には、(i)活性炭及び/又は活性粘土を含む第1の吸着要素、及び(ii)第1の吸着要素を取り囲む第1の疎水性プリーツ付き中空多孔質媒体が配置され、第1段中空フィルタは、第1のハウジングの第1の端部に連結された第1のエンドキャップを含み、(b)第2段中空フィルタは、第2のハウジングの第1の端部及び第2のハウジングの第2の端部を有する第2のハウジングを備え、第2のハウジング内には、(iii)活性炭及び/又は活性粘土を含む第2の吸着要素、及び(iv)第2の吸着要素を取り囲む第2の疎水性プリーツ付き中空多孔質媒体が配置され、第2段中空フィルタは、第2のハウジングの第2の端部に連結された第2のエンドキャップを含み、(c)第1のハウジングの第2の端部は、中間エンドキャップによって第2のハウジングの第1の端部に連結され、中間エンドキャップは、第1のハウジングの第2の端部と第2のハウジングの第1の端部との間に第1のドレインチャネルを含み、第2のエンドキャップは、第2のハウジングの第2の端部に第2のドレインチャネルを含む。
【0003】
[0003]本発明の別の態様は、(a)主ハウジング本体と、主ハウジング本体の第1の端部に連結された入口ダクトと、主ハウジング本体の第2の端部に連結された出口ダクトとを含む主ハウジング、及び(b)入口ダクトと出口ダクトとの間の主ハウジング内に配置されたミスト及び蒸気除去フィルタの一態様を備えるミスト及び蒸気除去フィルタ装置を提供する。
【0004】
[0004]本発明のさらに別の態様では、航空機客室空気を濾過する方法は、航空機空気をミスト及び蒸気除去フィルタ装置の一態様に通すことを含む。
【0005】
[0005]本発明の別の態様は、航空機空気を濾過するためのシステムを提供し、システムは、(A)主ハウジング本体、主ハウジング本体の第1の端部に連結された入口ダクト、及び主ハウジング本体の第2の端部に連結された出口ダクトを含む主ハウジングを備えるミスト及び蒸気除去フィルタ装置、並びに第1段フィルタ及び第2段フィルタを備えるミスト及び蒸気除去(MaVE)フィルタを備えるミスト及び蒸気除去フィルタ装置であって、(a)第1段中空フィルタは、第1のハウジングの第1の端部及び第1のハウジングの第2の端部を有する第1のハウジングを備え、第1のハウジング内には、(i)活性炭及び/又は活性粘土を含む第1の吸着要素、及び(ii)第1の吸着要素を取り囲む第1の疎水性プリーツ付き中空多孔質媒体が配置され、第1段中空フィルタは、第1のハウジングの第1の端部に連結された第1のエンドキャップを含み、(b)第2段中空フィルタは、第2のハウジングの第1の端部及び第2のハウジングの第2の端部を有する第2のハウジングを備え、第2のハウジング内には、(iii)活性炭及び/又は活性粘土を含む第2の吸着要素、及び(iv)第2の吸着要素を取り囲む第2の疎水性プリーツ付き中空多孔質媒体が配置され、第2段中空フィルタは、第2のハウジングの第2の端部に連結された第2のエンドキャップを含み、第1のハウジングの第2の端部は、中間エンドキャップによって第2のハウジングの第1の端部に連結され、中間エンドキャップは、第1のハウジングの第2の端部と第2のハウジングの第1の端部との間に第1のドレインチャネルを含み、第2のエンドキャップは、第2のハウジングの第2の端部に第2のドレインチャネルを含み、ミスト及び蒸気除去フィルタ装置は、入口ダクトと出口ダクトとの間の主ハウジング内に配置されている、ミスト及び蒸気除去フィルタ装置を備え、システムはさらに、(B)主ハウジング本体と出口ダクトとの間に配置される中空スリーブ内に配置された、旋回可能なバイパスプレートを含むバイパスバルブであって、バイパスバルブが開放されると、中空スリーブが、MaVEフィルタを部分的にバイパスするMaVEフィルタ装置を通る航空機空気流路を提供する、バイパスバルブ備える。
【0006】
[0006]本発明の別の態様は、航空機客室空気を濾過する方法を提供し、方法は、航空機空気を濾過するためのシステムの態様に航空機空気を通過させること含み、システムは、(A)主ハウジング本体、主ハウジング本体の第1の端部に連結された入口ダクト、及び主ハウジング本体の第2の端部に連結された出口ダクトを含む主ハウジングを備えるミスト及び蒸気除去フィルタ装置、並びに第1段フィルタ及び第2段フィルタを備えるミスト及び蒸気除去(MaVE)フィルタを備えるミスト及び蒸気除去フィルタ装置であって、(a)第1段中空フィルタは、第1のハウジングの第1の端部及び第1のハウジングの第2の端部を有する第1のハウジングを備え、第1のハウジング内には、(i)活性炭及び/又は活性粘土を含む第1の吸着要素、及び(ii)第1の吸着要素を取り囲む第1の疎水性プリーツ付き中空多孔質媒体が配置され、第1段中空フィルタは、第1のハウジングの第1の端部に連結された第1のエンドキャップを含み、(b)第2段中空フィルタは、第2のハウジングの第1の端部及び第2のハウジングの第2の端部を有する第2のハウジングを備え、第2のハウジング内には、(iii)活性炭及び/又は活性粘土を含む第2の吸着要素、及び(iv)第2の吸着要素を取り囲む第2の疎水性プリーツ付き中空多孔質媒体が配置され、第2段中空フィルタは、第2のハウジングの第2の端部に連結された第2のエンドキャップを含み、第1のハウジングの第2の端部は、中間エンドキャップによって第2のハウジングの第1の端部に連結され、中間エンドキャップは、第1のハウジングの第2の端部と第2のハウジングの第1の端部との間に第1のドレインチャネルを含み、第2のエンドキャップは、第2のハウジングの第2の端部に第2のドレインチャネルを含み、ミスト及び蒸気除去フィルタ装置は、入口ダクトと出口ダクトとの間の主ハウジング内に配置されている、ミスト及び蒸気除去フィルタ装置、を備え、システムはさらに、(B)主ハウジング本体と出口ダクトとの間に配置される中空スリーブ内に配置された、旋回可能なバイパスプレートを含むバイパスバルブであって、バイパスバルブが開放されると、中空スリーブが、MaVEフィルタを部分的にバイパスするMaVEフィルタ装置を通る航空機空気流路を提供する、バイパスバルブを備える。好ましくは、方法はまた、バイパスバルブを閉じることと、MaVEフィルタを通して航空機空気を流すこととを含む。
【0007】
[0007]別の態様では、航空機空気をミスト及び蒸気除去フィルタ装置の一態様及び/又はシステムの一態様を通過させることを含む航空機客室空気を濾過する方法はまた、第1の疎水性プリーツ付き中空多孔質媒体の上流表面に自由水(free water)を収集することと、第2の疎水性プリーツ付き中空多孔質媒体の上流表面に自由水を収集することとを含む。好ましい態様では、方法は、第1の疎水性プリーツ付き中空多孔質媒体の上流表面に収集された自由水を第1のドレインチャネルに通すことと、第2の疎水性プリーツ付き中空多孔質媒体の上流表面に集められた自由水を第2のドレインチャネルに通すこととを含む。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1A】本発明の一態様によるミスト及び蒸気除去(MaVE)フィルタの背面図を示し、フィルタの第2のエンドキャップ上の3つの戻り止め構成体も示す図である。
【
図1B】第1のエンドキャップ、第1段中空フィルタ、及び第2段中空フィルタに連結されたノーズコーンを示す、
図1Aの線A-Aに沿ったMaVEフィルタの断面図を示す図である。
【
図1D】第2のハウジングの第2の端部及び第2のエンドキャップが取り外された、
図1Cに示されたMaVEフィルタの背面等角図を示し、第2のエンドキャップによって保持されているが、第2のエンドキャップに封止されていない第2の疎水性プリーツ付き中空多孔質媒体の開放した第2の端部を示す図である。
【
図1E】第2のエンドキャップ上の戻り止め構成体を示す、
図1Bに示された詳細Cの拡大図を示す図である。
【
図1F】MaVEフィルタのノーズコーンを第1のエンドキャップに接合する接合構成体を示す、
図1Bに示された詳細Eの拡大図を示す図である。
【
図1G】第1段中空フィルタの第1の内側ケージの第2の端部に第1のハウジングの第2の端部を接合する第1のクリップロック、及び第2段中空フィルタの第2の内側ケージの第1の端部に中間エンドキャップを接合する第2のクリップロックの
図1Bの詳細Bの拡大図を示す図である。
【
図1H】第1段中空フィルタの断面図を示す図である。
【
図2A】ノーズコーンの背面等角図を示す図である。
【
図3A】第1のエンドキャップの背面等角図を示す図である。
【
図3B】第1のエンドキャップの背面図を示す図である。
【
図3C】第1のエンドキャップの側面図を示す図である。
【
図4A】第1の吸着要素エンドキャップの背面等角図を示す図である。
【
図4B】第1の吸着要素エンドキャップの背面図を示す図である。
【
図4C】第1の吸着要素エンドキャップの側面図を示す図である。
【
図5A】中間エンドキャップの背面等角図を示す図である。
【
図5B】中間エンドキャップの背面図を示す図である。
【
図5C】中間エンドキャップの側面図を示す図である。
【
図6A】第2の吸着要素エンドキャップの背面等角図を示す図である。
【
図6B】第2の吸着要素エンドキャップの背面図を示す図である。
【
図6C】第2の吸着要素エンドキャップの側面図を示す図である。
【
図7A】第2のエンドキャップの背面等角図を示す図である。
【
図7B】第2のエンドキャップの背面図を示す図である。
【
図7C】第2のエンドキャップの側面図を示す図である。
【
図8A】
図1Bの詳細Dに示されたMaVEフィルタの一態様の拡大部分断面図を示す図である。
【
図8B】航空機空気が外部から内部への流れを介して
図1A及び
図8Aに示されたミスト及び蒸気除去フィルタ装置を通過するときに凝縮した水蒸気を収集して排出する概略図を示し、航空機空気は、第1及び第2の疎水性プリーツ付き中空多孔質媒体によって最初に存在するミスト及び蒸気の少なくとも一部を除去され、第1及び第2の吸着要素を通過し、エンドキャップに封止された吸着要素、及びエンドキャップによって保持された疎水性プリーツ付き中空多孔質媒体も示す。
【
図9A】主ハウジング本体と、第1のクランプ構成体によって主ハウジング本体の第1の端部に連結された入口ダクトと、第2のクランプ構成体によって主ハウジング本体の第2の端部に連結された出口ダクトと、MaVEフィルタを部分的にバイパスするMaVEフィルタ装置を通る航空機空気流路を提供するために、主ハウジング本体と出口ダクトとの間に配置されたスリーブ内のバイパスバルブとを含む、主ハウジング内に配置された
図1Aに示されるMaVEフィルタを含む、本発明の一態様によるMaVEフィルタ装置を含む航空機空気を濾過するためのシステムの断面図を示し、また、MaVEフィルタの上流及び下流に配置されたセンサを示す図である。
【
図9B】フィルタを主ハウジング内の所定の位置にロックすることができるように、MaVEフィルタ上の第2のエンドキャップ上の戻り止め構成体(
図1Bの詳細C)を受けるためのキャビティも示す、
図9Aに示す主ハウジング本体の正面図を示す図である。
【
図9C】同じくバイパスバルブアクチュエータを示す、第2段中空フィルタの第2の端部からオフセットされた出口ダクトポートを示す
図9Aに示すMaVEフィルタ装置の正面図を示す図である。
【
図9D】バイパスバルブを含むスリーブを示す
図9Aに示された詳細Bの拡大図を示す図である。
【
図9E】弁が開いているときに、スリーブ及びバイパスバルブを通る空気流の方向を示す中央に配置された矢印も含む、バイパスバルブ及びバイパスバルブ板、並びにバイパスバルブアクチュエータを含むスリーブの右側の断面図を示す図である(一定の角度で配置されたバルブシャフト及びスリーブ内に垂直に配置されたバルブプレートも示す)。
【
図9F】バルブが開いているときに、スリーブ及びバイパスバルブを通る空気流の方向を示す矢印を含む、
図9Eに示されたスリーブ及びバイパスバルブアクチュエータの左側を示す図である。
【
図9G】バイパスバルブ及びバイパスバルブプレート、並びに
図9Fに示されたバイパスバルブに取り付けられたバイパスバルブアクチュエータを含むスリーブの正面図である。
【
図9H】
図9Fに示されたバイパスアクチュエータ及びスリーブの上面図である。
【
図9I】
図9Aに示されたMaVEフィルタ装置の等角背面図を示す図である。
【
図9J】スパイダプレートの正面斜視図の図である。
【
図9K】スパイダプレートの背面斜視図の図である。
【
図10】高効率微粒子空気/揮発性有機化合物(HEPA/VOC)フィルタを通して再循環空気を濾過することを含む、新鮮な航空機及び再循環空気が空気混合ユニット並びにミスト及び蒸気除去(MaVE)フィルタ装置を通過し、続いて航空機を通過する方法を示す環境制御システム(ECS)の概略図を示す図である。
【
図11】本発明の一態様によるMaVEフィルタ装置を含む航空機空気を濾過するためのシステムにおけるバイパスバルブの流れを制御するための制御システムの例示的な概略図を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
[0019]ECSシステムでは、新鮮な空気と再循環された(高効率微粒子空気/揮発性有機化合物(HEPA/VOC)フィルタを通して濾過された)空気の両方が、航空機の種類に応じて様々な割合で、典型的には、約50%~60%の新鮮な空気、及び約40%~50%の濾過された再循環空気で、航空機客室を通して分配される。新鮮な空気は、空気圧及び温度を調整する2つの空調パック(
図4を参照されたい)を介してエンジン又は補助動力装置(APU)のいずれかからECSに送達される。特定の外気条件(例えば、地上動作)の間、空調パックは、空気中に存在する水蒸気をミストの形態の自由水として凝縮する。自由含水量を処理する能力がなければ、自由水は、湿潤によってVOCフィルタの効率に悪影響を及ぼす可能性があり、これは細菌の増殖をもたらし、不快な臭気を客室に導入するおそれがあり、又はプリーツ付きフィルタ媒体(単数又は複数)全体で圧力損失を増加させる可能性がある。
【0010】
[0020]好適には、本発明によるミスト及び蒸気除去器(MaVE)フィルタ(複数の場合もある)の態様は、客室空気から自由水を(例えば、ミストの形態で)除去し、自由水が吸着要素を湿らせ、VOC性能を低下させることを防止する(従来のECSシステムと組み合わされた本発明の態様を示す
図4を参照されたい)。さらに、自由水の流れを管理することは、差圧の増加を最小限に抑え、したがって、必要なレベルの換気空気流を維持するECSの能力に対する可能性のある悪影響を低減又は回避する。別の利点では、除去された自由水/自由水滴は、MaVEフィルタの下流の空気流に再導入され、ECSの蒸発冷却機能を維持することができる。
【0011】
[0021]本発明の一態様は、第1段中空フィルタ及び第2段中空フィルタを備えるMaVEフィルタであって、(a)第1段中空フィルタは、第1のハウジングの第1の端部及び第1のハウジングの第2の端部を有する第1のハウジングを備え、第1のハウジング内には、(i)活性炭及び/又は活性粘土を含む第1の吸着要素、及び(ii)第1の吸着要素を取り囲む第1の疎水性プリーツ付き中空多孔質媒体が配置され、第1段中空フィルタは、第1のハウジングの第1の端部に連結された第1のエンドキャップを含み、(b)第2段中空フィルタは、第2のハウジングの第1の端部及び第2のハウジングの第2の端部を有する第2のハウジングを備え、第2のハウジング内には、(iii)活性炭及び/又は活性粘土を含む第2の吸着要素、及び(iv)第2の吸着要素を取り囲む第2の疎水性プリーツ付き中空多孔質媒体が配置され、第2段中空フィルタは、第2のハウジングの第2の端部に連結された第2のエンドキャップを含み、(c)第1のハウジングの第2の端部は、中間エンドキャップによって第2のハウジングの第1の端部に連結され、中間エンドキャップは、第1のハウジングの第2の端部と第2のハウジングの第1の端部との間に第1のドレインチャネルを含み、第2のエンドキャップは、第2のハウジングの第2の端部に第2のドレインチャネルを含む、第1段中空フィルタ及び第2段中空フィルタを備えるMaVEフィルタを提供する。
【0012】
[0022]MaVEフィルタの一態様では、第1の吸着要素及び第1の疎水性プリーツ付き中空多孔質媒体はそれぞれ、テーパ状構成を有する。
【0013】
[0023]MaVEフィルタの好ましい態様では、フィルタは、第1の吸着要素の端部に封止された第1の吸着要素エンドキャップであって、第1の吸着要素エンドキャップは中間エンドキャップに接触する、第1の吸着要素エンドキャップと、第2の吸着要素の端部に封止された第2の吸着要素エンドキャップであって、第2の吸着要素エンドキャップは第2のエンドキャップに接触する、第2の吸着要素エンドキャップをさらに備える。
【0014】
[0024]MaVEフィルタの典型的な態様では、第1の疎水性プリーツ付き中空多孔質媒体は中間エンドキャップによって保持され、第2の疎水性プリーツ付き中空多孔質媒体はエンドキャップによって保持される。
【0015】
[0025]MaVEフィルタの別の態様では、中間エンドキャップは、第1のドレインチャネルに対して6mm~18mmの範囲のドレインギャップを提供し、第2のエンドキャップは、第2のドレインチャネルに対して6mm~18mmの範囲のドレインギャップを提供する。
【0016】
[0026]MaVEフィルタの好ましい態様では、第1及び第2段フィルタは各々、それぞれの第1及び第2の外側ケージ並びにそれぞれの第1及び第2の内側コアを含み、いくつかの態様では、第1及び第2段フィルタは各々、吸着要素と内側コアとの間に配置されたそれぞれの有孔ケージをさらに含む。
【0017】
[0027]典型的には、MaVEフィルタは、第1のハウジングの第2の端部を中間エンドキャップに連結する少なくとも2つの接合構成体と、第2のハウジングの第2の端部を第2のエンドキャップに連結する少なくとも2つの追加の接合構成体とを含む。
【0018】
[0028]本発明の別の態様は、(a)主ハウジング本体と、主ハウジング本体の第1の端部に連結された入口ダクトと、主ハウジング本体の第2の端部に連結された出口ダクトとを含む主ハウジング、及び(b)入口ダクトと出口ダクトとの間の主ハウジング内に配置されたミスト及び蒸気除去フィルタの一態様を備えるミスト及び蒸気除去フィルタ装置を提供する。
【0019】
[0029]本発明のさらに別の態様では、航空機客室空気を濾過する方法は、航空機空気をミスト及び蒸気除去フィルタ装置の一態様に通すこと及び/又は航空機空気を航空機空気を濾過するためのシステムの態様に通すことを含む。一態様では、方法はまた、第1の疎水性プリーツ付き中空多孔質媒体の上流表面に自由水を収集することと、第2の疎水性プリーツ付き中空多孔質媒体の上流表面に自由水を収集することとを含む。好ましい態様では、方法は、第1の疎水性プリーツ付き中空多孔質媒体の上流表面に収集された自由水を第1のドレインチャネルに通すことと、第2の疎水性プリーツ付き中空多孔質媒体の上流表面に集められた自由水を第2のドレインチャネルに通すこととを含む。
【0020】
[0030]一態様では、方法は、ドレインチャネルに沿って水を通過させ、浮遊した自由水を下流の換気空気流に再導入し、それによって空気流が換気ダクトに沿って進行すると水を再蒸発させることをさらに含む。除去された水は、膜の上面に沿って(フィルタに沿った空気の流れによって推進されて)水ドレインチャネルに移動し、そこで水はMaVEフィルタをバイパスして下流の空気流に再同伴される。再同伴されると、液滴の形態の自由水は、換気ダクトに沿って空気流内を移動すると蒸発することができ、システムがこの追加の蒸発冷却効果を利用し続けることを可能にする。
【0021】
[0031]例示的には、追加の蒸発冷却に関して、一定の体積の自由水滴が再蒸発されると、熱の形態のエネルギーが蒸発によって空気(顕熱)から水滴(潜熱)に本質的に伝達される。これは、自由水を含む空調パックによって送達された冷気と、より温かい再循環空気とを混合することによって提供され得る。送達される冷却のレベル(KWで定義される)は、その日の特定の環境条件及び航空機内で達成される目標条件に依存する。例えば、空気1Kg当たり1gの水の自由含水量が空調パックによって送達された場合、達成される追加の冷却効果は、1.7KWもの追加の冷却を送達することができる。
【0022】
[0032]本発明の別の態様では、航空機空気を濾過するためのシステムが提供され、システムは、MaVEフィルタ装置の一態様を含み、中空スリーブ内に配置された旋回可能なバイパスプレートを含むバイパスバルブをさらに備え、中空スリーブは、主ハウジング本体と出口ダクトとの間に配置され、中空スリーブは、バイパスバルブが開かれたときにMaVEフィルタを部分的にバイパスするMaVEフィルタ装置を通る航空機空気流路を提供する。
【0023】
[0033]システムの一態様では、第1の吸着要素及び第1の疎水性プリーツ付き中空多孔質媒体はそれぞれ、テーパ状構成を有する。代替的又は追加的に、システムの態様は、MaVEフィルタが、第1の吸着要素の端部に封止された第1の吸着要素エンドキャップであって、第1の吸着要素エンドキャップが中間エンドキャップに接触する、第1の吸着要素エンドキャップと、第2の吸着要素の端部に封止された第2の吸着要素エンドキャップであって、第2の吸着要素エンドキャップが第2のエンドキャップに接触する、第2の吸着要素エンドキャップとをさらに含むことと、第1の疎水性プリーツ付き中空多孔質媒体が、中間エンドキャップに保持されること、及び第2の疎水性プリーツ付き中空多孔質媒体が、エンドキャップに保持されることと、中間エンドキャップが、第1のドレインチャネルに対して6mm~18mmの範囲のドレインギャップを提供し、第2のエンドキャップが、第2のドレインチャネルに対して6mm~18mmの範囲のドレインギャップを提供することと、MaVEフィルタが、第1のハウジングの第2の端部を中間エンドキャップに連結する少なくとも2つの接合構成体、及び第2のハウジングの第2の端部を第2のエンドキャップに連結する少なくとも2つの追加の接合構成体を含むことと、第1段中空フィルタが、第1段外側ケージ及び第1段内側コアを含むことと、第2段中空フィルタが、第2段外側ケージ及び第2段内側コアを含むことと、のうちの1つ以上を含む。
【0024】
[0034]本発明の別の態様は、航空機客室空気を濾過する方法を提供し、方法は、航空機空気を濾過するためのシステムの態様に航空機空気を通過させること含み、システムは、(A)主ハウジング本体、主ハウジング本体の第1の端部に連結された入口ダクト、及び主ハウジング本体の第2の端部に連結された出口ダクトを含む主ハウジングを備えるミスト及び蒸気除去フィルタ装置、並びに第1段フィルタ及び第2段フィルタを備えるミスト及び蒸気除去(MaVE)フィルタを備えるミスト及び蒸気除去フィルタ装置であって、(a)第1段中空フィルタは、第1のハウジングの第1の端部及び第1のハウジングの第2の端部を有する第1のハウジングを備え、第1のハウジング内には、(i)活性炭及び/又は活性粘土を含む第1の吸着要素、及び(ii)第1の吸着要素を取り囲む第1の疎水性プリーツ付き中空多孔質媒体が配置され、第1段中空フィルタは、第1のハウジングの第1の端部に連結された第1のエンドキャップを含み、(b)第2段中空フィルタは、第2のハウジングの第1の端部及び第2のハウジングの第2の端部を有する第2のハウジングを備え、第2のハウジング内には、(iii)活性炭及び/又は活性粘土を含む第2の吸着要素、及び(iv)第2の吸着要素を取り囲む第2の疎水性プリーツ付き中空多孔質媒体が配置され、第2段中空フィルタは、第2のハウジングの第2の端部に連結された第2のエンドキャップを含み、第1のハウジングの第2の端部は、中間エンドキャップによって第2のハウジングの第1の端部に連結され、中間エンドキャップは、第1のハウジングの第2の端部と第2のハウジングの第1の端部との間に第1のドレインチャネルを含み、第2のエンドキャップは、第2のハウジングの第2の端部に第2のドレインチャネルを含み、ミスト及び蒸気除去フィルタ装置は、入口ダクトと出口ダクトとの間の主ハウジング内に配置されている、ミスト及び蒸気除去フィルタ装置、を備え、システムはさらに、(B)主ハウジング本体と出口ダクトとの間に配置される中空スリーブ内に配置された、旋回可能なバイパスプレートを含むバイパスバルブであって、バイパスバルブが開放されると、中空スリーブが、MaVEフィルタを部分的にバイパスするMaVEフィルタ装置を通る航空機空気流路を提供する、バイパスバルブを備える。好ましくは、方法はまた、バイパスバルブを閉じることと、MaVEフィルタを通して航空機空気を流すこととを含む。
【0025】
[0035]いくつかの態様では、方法は、バイパスバルブを閉じることと航空機空気をMaVEフィルタを通して流すことを交互に繰り返すこと、及びバイパスバルブを開くこと、並びにMaVEフィルタを部分的にバイパスしながら、航空機空気をMaVEフィルタ装置を通して流すことを含む。
【0026】
[0036]システムの一態様を通して航空機客室空気を濾過する態様は、第1の疎水性プリーツ付き中空多孔質媒体の上流表面に自由水を収集すること及び第2の疎水性プリーツ付き中空多孔質媒体の上流表面に自由水を収集することを含むことができ、第1の疎水性プリーツ付き中空多孔質媒体の上流表面に収集された自由水を第1の第1のドレインチャネルに通すこと、及び第2の疎水性プリーツ付き中空多孔質媒体の上流表面上に収集された自由水を第2のドレインチャネルに通すことをさらに含むことができる。
【0027】
[0037]ここで、本発明の構成要素のそれぞれを以下により詳細に説明するが、同様の構成要素は、同様の参照記号を有する。
【0028】
[0038]
図1A~
図1Iに示される本発明による、MaVEフィルタ500の態様は、第1段中空フィルタ100及び第2段中空フィルタ200を備え、第1段中空フィルタは、第1のハウジングの第1の端部151と、第1のハウジングの第2のエンドプレート152Aを含む第1のハウジングの第2の端部152とを有する第1のハウジング150を備え、第1のハウジング内には、活性炭及び/又は活性粘土を備える第1の吸着要素170と、第1の吸着要素を取り囲む第1の疎水性プリーツ付き中空多孔質媒体180とが配置され、第1の疎水性プリーツ付き中空多孔質媒体180は、上流表面181及び下流表面182を有し、第1段フィルタは、第1のハウジングの第1の端部に連結された第1のエンドキャップ110を備え、第2段中空フィルタは、第2のハウジングの第1の端部251と、第2のハウジングの第2の端部252を有する第2のハウジング250とを備え、第2のハウジング内には、活性炭及び/又は活性粘土を備える第2の吸着要素270と、第2の吸着要素を取り囲む第2の疎水性プリーツ付き中空多孔質媒体280とが配置され、第2の疎水性プリーツ付き中空多孔質媒体280は、上流表面281及び下流表面282を有し、第2段中空フィルタは、接合構成体496(
図1I)によって第2のハウジングの第2の端部に連結された第2のエンドキャップ210を含み、第1のハウジングの第2の端部は、中間エンドキャップ310によって第2のハウジングの第1の端部に連結され、第1のハウジングの第2の端部は、接合構成体495によって中間エンドキャップに連結され、中間エンドキャップは、第1のハウジングの第2の端部と第2のハウジングの第1の端部との間に第1のドレインチャネル311を含み、第2のエンドキャップは、第2のハウジングの第2の端部に第2のドレインチャネル211を含む。
【0029】
[0039]疎水性プリーツ付き中空多孔質媒体180、280は、媒体の上流表面で凝縮した水蒸気を収集して排出し、航空機空気から空中微粒子を除去し、吸着要素170、270は揮発性有機化合物(VOC)を吸収する。ドレインチャネルを通って上流表面から収集及び排水された自由水は、本質的にMaVEフィルタをバイパスし、ECS性能に対する過剰な圧力損失の影響を最小限に抑える。
図1B及び
図8Bに示される態様では、ドレインチャネルは、フィルタ500並びに第1段及び第2段中空フィルタ100、200の略水平軸に対して垂直に配置されている。
【0030】
[0040]典型的には、中間エンドキャップは、第1のドレインチャネルに対して6mm~18mmの範囲の、好ましくは、10mm~14mmの範囲のドレインギャップを提供し、第2のエンドキャップは、第2のドレインチャネルに対して6mm~18mmの、好ましくは、10mm~14mmの範囲のドレインギャップを提供する。
【0031】
[0041]典型的には、段フィルタ100、200の態様は、疎水性プリーツ付き中空多孔質媒体及び吸着要素(継ぎ目で互いに接合された各外側ケージ、
図1Aはケージ230の継ぎ目230Aを示す)を保持及び保護するためのそれぞれの第1及び第2の外側有孔ケージ130、230、及び各段フィルタの構造的完全性を維持するためのそれぞれの第1及び第2の内側コア(有孔ケージとして示されている)160、260(
図1Dを参照されたい)を含む。好ましくは、
図1B、
図1D、及び
図8Aに示されるように、段フィルタ100、200は、例えば吸着要素の粒子移動を防止するために、吸着要素と内側コアとの間に配置されたそれぞれの有孔ケージ140、240を含む。
【0032】
[0042]いくつかの態様では、
図1B、及び
図1G、
図1H、及び
図1Iに示されるように、ハウジングの端部152及び172並びにエンドキャップ310は、クリップロック135、235、335によって第1段及び第2段中空フィルタの端部に連結され、各クリップロックは、フック136(第1のハウジングの第2の端部上)、236(第2のハウジングの第2の端部上)、336(中間エンドキャップ上)、及びそれぞれのフックを受け入れる内側ケージ130(第2の端部の第1の内側ケージ)、230(第2の内側ケージの第1の端部及び第2の端部上)のそれぞれの端部にあるスロット101、402、403を備える。一態様では、各端部に2つのクリップロックがある。
【0033】
[0043]MaVEフィルタ500の好ましい態様では、フィルタは、
図1B及び
図1Fに示されるように(第1のハウジングの第2の端部が
図1Bに示されるような接合構成体によって中間エンドキャップに連結される接合構成体495と、第2のハウジングの第2の端部が
図1Iに示されるような第2のエンドキャップに接合される接合構成体496と同様に)、接合構成体195によって第1のエンドキャップ110(
図3A~
図3Cを参照されたい)に取り付けられたノーズコーン190(
図2A~
図2Bを参照されたい)を含む。好適には、ノーズコーンを含むことは、フィルタの空気力学的形状を改善し、乱流に関連する圧力損失を低減することができる。ノーズコーンが閉じられると、空気は、ノーズコーン190及び第1のエンドキャップ110(
図8Bも参照されたい)を通るのではなく、外側有孔ケージを通ってフィルタに入る。
【0034】
[0044]様々な接合構成体が、本発明の態様における使用に適している。例えば、
図1B、
図1F、及び
図1I(
図1Hは、接合構成体の雄部195A(495A、496Aも同様)を示す)は、雄部(195A、495A、496A)及び雌部(195B、495B、496B)、並びに、必要に応じて、ハウジング端部をエンドキャップにロックするため部分間の接着剤を備える接合構成体を示す。典型的には、エンドキャップは、ハウジング端部に面する(典型的には、チャネルの他端で閉じられた)チャネルの端部に開口部を雌部に提供するチャネルを含み、雄部は、チャネルの内壁と係合する肩部を含む。
【0035】
[0045]本発明の態様は、関連するハウジング端部並びにエンドキャップ及び/又はノーズコーンのそれぞれについて、典型的には少なくとも2つ、好ましくは3つ以上の任意の数の接合構成体を含むことができ、図示の態様は、ハウジング端部及びエンドキャップのそれぞれについて6つ含む。
【0036】
[0046]好ましくは、
図1B~
図1D及び
図9Aに示される態様では、第1の吸着要素170及び第1の疎水性プリーツ付き中空多孔質媒体180はそれぞれ、第1のハウジングの第1の端部151でより狭く、第1のハウジングの第2の端部152でより広いテーパ状構成を有する。好適には、テーパ状構成は、空気流を改善し、フィルタ全体で圧力損失を低減することができ、第2の吸着要素及び第2の疎水性プリーツ付き中空多孔質媒体の非テーパ状構成と組み合わせると、利用可能な疎水性プリーツ付き中空多孔質媒体の面の面積を最大化することができる。
【0037】
[0047]MaVEフィルタ500の図示の態様では、フィルタは、第1の吸着要素170の第2の端部172に封止された第1の吸着要素エンドキャップ175(
図4A~
図4Cを参照されたい)であって、中間エンドキャップ310(
図5A~
図5Cを参照されたい)に接触する、第1の吸着要素エンドキャップ175と、第2の吸着要素280の第2の端部272に封止された第2の吸着要素エンドキャップ275(
図6A~
図6Cを参照されたい)であって、第2のエンドキャップ210(
図7A~
図7Cを参照されたい)に接触する、第2の吸着要素エンドキャップと、をさらに備える。
【0038】
[0048]好ましくは、第1の疎水性プリーツ付き中空多孔質媒体の第2の端部は中間エンドキャップ310によって保持され、第2の疎水性プリーツ付き中空多孔質媒体の第2の端部は第2のエンドキャップ210によって保持される。疎水性プリーツ付き中空多孔質媒体の第2の端部はエンドキャップ(エンドキャップに封止されるのではなく、例えばポッティングされる)によって保持されるため、プリーツ付き端部は開いたままで(例えば、
図1D及び
図8Bを参照されたい。
図1Dは、特に、第2の疎水性プリーツ付き多孔質媒体の開いた第2の端部を示し、第1の疎水性プリーツ付き多孔質媒体の開いた第2の端部は、同じように配置されている)、
図8Bに示されるように、自由水が疎水性プリーツ付き中空多孔質媒体の上流表面からドレインチャネルを通って通過し、濾過空気流に戻るための開放経路を提供する。
【0039】
[0049]プリーツ付き疎水性多孔質媒体は、任意の適切な細孔構造、例えば、細孔サイズ(例えば、バブルポイントによって、又は例えば、米国特許第4,340,479号明細書に記載されているKLによって証明されるか、あるいは毛細管凝縮流動ポロメトリーによって証明される)、平均流量細孔(MFP)サイズ(例えば、ポロメータを使用して特徴付けられる場合、例えば、Porvair Porometer(Porvair plc,Norfolk,UK)、又はPOROLUX(Porometer.com;Belgium)の商標で入手可能なポロメータ)、細孔評価、細孔直径(例えば、例えば、米国特許第4,925,572号明細書に記載されている修正OSU F2試験を使用して特徴付けられる場合)、又は除去評価媒体を有することができる。使用される細孔構造は、例えば、除去される粒子のサイズ、及び濾過された空気の所望の流出レベルに依存する。いくつかの態様では、疎水性多孔質媒体(典型的には、膜、好ましくはポリテトラフルオロエチレン(PTFE)膜)は微孔性であり、3マイクロメートル~20マイクロメートルの範囲、好ましくは5マイクロメートル~20マイクロメートルの範囲の細孔サイズを有する。代替的又は追加的に、いくつかの態様では、疎水性多孔質媒体(典型的には、膜、好ましくはPTFE膜)は、7mbar~25mbarの範囲、好ましくは10mbar~20mbarの範囲の水侵入圧を有する。
【0040】
[0050]いくつかの態様では、吸着媒体は、1インチ当たり6~12個の細孔の範囲内の、例えば1インチ当たり10個の細孔を有する多孔質基材(例えば、発泡体)上に固定化される。追加的又は代替的に、多孔質基材(例えば、約10mmの厚さを有する基材)上に固定化された吸着媒体は、1.0m/sで40Pa未満、又は0.35m/sで10Pa未満の圧力損失を有する場合がある。吸着媒体は、沸点が50℃以上の揮発性有機化合物を吸着する。適切な媒体及び基材は当技術分野で既知であり、市販されている。
【0041】
[0051]プリーツ付き疎水性多孔質媒体は、任意の所望の臨界湿潤表面張力(例えば、米国特許第4,925,572号明細書に定義されているCWST)を有し得る。CWSTは、当技術分野で知られているように、例えば、米国特許第5,152,905号、第5,443,743号、第5,472,621号、及び第6,074,869号にさらに開示されているように選択され得る。疎水性多孔質媒体が多孔質PTFE膜であるこれらの態様では、CWSTは、典型的には24~28ダイン/cm(24~28×10-5N/cm)の範囲である。
【0042】
[0052]フィルタは、異なる構造及び/又は機能を有することができる追加の要素、層、又は構成要素、例えば、前濾過、支持、排水、間隔、及び緩衝作用のうちの任意の1つ以上のうちの少なくとも1つを含むことができる。
【0043】
[0053]参照のために
図9A~
図9Eを使用すると、本発明によるMaVEフィルタ装置1000の図示の態様は、主ハウジング本体1100と、主ハウジング本体の第1の端部1101に連結された入口ダクト1201と、主ハウジング本体の第2の端部1102に連結された出口ダクト1202とを含む主ハウジング1200と、入口ダクトと出口ダクトとの間の主ハウジング内に配置されたMaVEフィルタ500の図示された態様と、を備える。入口ダクトの入口ポート及び/又は出口ダクトの出口ポートは、フィルタの端部からオフセットされてもよく、例えば、ポートは、MaVEフィルタの直線軸(第1のフィルタの第1の端部から第2のフィルタの第2の端部)からオフセットされてもよい。
図9Cに示されるように、出口ダクト1202の出口ダクトポート1202Aは、航空機内で利用可能な空間次第で、必要に応じてフィルタ200の第2の端部からオフセットされ得る。代替的又は追加的に、入口ダクト1201の入口ダクトポート1201Aは、航空機内で利用可能な空間次第で、必要に応じてフィルタ100の第1の端部からオフセットされ得る。
【0044】
[0054]好ましい態様では、主ハウジング本体の第2の端部1102は、例えば、MaVEフィルタが回転しないように、MaVEフィルタは主ハウジング内の所定の位置にロックされ得るように、MaVEフィルタ上の戻り止め構成体を受け入れるための少なくとも1つのキャビティを含む。参照のために
図1B、
図1E、及び
図9Bを使用すると、MaVEフィルタの図示の態様は、主ハウジング本体の第2の端部のキャビティ1100A、1100B、及び1100Cに嵌合する、第2のエンドキャップ210上の3つの戻り止め構成体291A、291B、及び291C(外側に突出したバヨネットを含んで示される、
図1Eの292Bを参照)を含む。戻り止め構成体は、各々がばね及びボールベアリングを包含するねじ付きステンレス鋼ハウジングを含み、ばねはボールベアリングに荷重を加えており、バヨネットは、MaVEフィルタが主ハウジング本体内に挿入されると、ばね荷重ボールベアリングを受け入れるロック位置のキャビティ内の所定の位置にロックするように(例えば、約5°)回転する。
図1E(497Bを参照)及び
図7A(497A~497Cを参照)は、挿入されたハウジング(複数の場合もある)の位置(a)を示す。
【0045】
[0055]参照のために
図9A及び
図9Iに示される態様を使用すると、MaVeフィルタ装置は、入口ダクト1201をハウジング本体の第1の端部1101にクランプする第1のクランプ構成体1401(
図9Aは第1のクランプ構成体なしで接触する入口ダクト及び第1の端部を示し、
図9Iは第1のクランプ構成体によって一緒にクランプされた構造を示す)と、出口ダクト1202を主ハウジング本体の第2の端部1102にクランプする第2のクランプ構成体1402(
図9Aは第2のクランプ構成体なしで接触する出口ダクト及び第2の端部を示し、
図9Iは第2のクランプ構成体によって一緒にクランプされた構造を示す)を含む。クランプ構成体はvバンドクランプとして示されているが、様々なクランプ構成体が適切であり、当技術分野で知られている。この図示された態様では、スパイダプレート1600(第1のハウジングの第1の端部の内側に嵌合され、フィルタの第1のエンドキャップと係合することによってフィルタを半径方向に支持する、
図9J~
図9Kを参照されたい)が、入口ダクトとハウジング本体の第1の端部との間に配置され、また第1のクランプ構成体によってクランプされる。
【0046】
[0056]典型的には、2つ以上のMaVEフィルタ装置(及び後述する2つ以上のシステム)、より典型的には、3つ以上のMaVEフィルタ装置(及び3つ以上のシステム)が航空機において利用され、空気混合ユニット(ミキサチャンバ)の下流の分配ライン内のダクトを製造する元の機器のセクションに取って代わる。いくつかの態様では、5つのMaVEフィルタ装置又はMaVEフィルタ装置を含む5つのシステムが利用され、それぞれ別個の分配ライン(例えば、
図10を参照されたい)にある。好ましくは、入口ダクト及び出口ダクトの使用は、最小限の圧力損失で、標準化されたハウジングを所望の位置に嵌合させ、既存の航空機ダクトと接合することを可能にする。入口及び出口ダクト並びに/又は関連するダクトポートは、様々な利用可能な空間で使用するように構成され得る。例えば、上述し、
図9Cに示されるように、出口ダクトポートは、フィルタ200の第2の端部からオフセットされ得る。
【0047】
[0057]好ましい態様では、航空機空気を濾過するためのシステム2000は、MaVEフィルタ装置1000を備え、旋回可能なバイパスプレート1501を含むバイパスバルブ1500をさらに備え、バイパスバルブは、第1の端部1301及び第2の端部1302を有する中空スリーブ1305内に配置され、スリーブ1305は、主ハウジング本体と出口ダクトとの間に配置され、スリーブは、バイパスバルブが開いているときに、MaVEフィルタ500を部分的にバイパスするMaVEフィルタ装置を通る航空機空気流路を提供する(すなわち、バイパスプレートは、スリーブを通る開放流路を提供するように旋回される。航空機空気の一部分がスリーブ及び出口ダクトポート1202Aを通過する間、第1段フィルタ及び第2段フィルタ、並びに第2のエンドキャップを通過することを含む、航空機空気の一部分がフィルタ500を通過するので、MaVEフィルタは完全にはバイパスされない)。いくつかの態様では、MaVEフィルタを部分的にバイパスすることは、航空機空気をスリーブ及び出口ダクトポートに通す前に、いくらかの空気をMaVEフィルタ500の少なくとも1つの構成要素(第1段及び/又は第2段フィルタなど)に通すことを含むことができるが、第2のエンドキャップを通過させない。
【0048】
[0058]
図9C及び
図9Hに示される態様はまた、バイパスバルブ1500を作動させるためのステッパモータを含むバイパスバルブアクチュエータ1510を示す。バイパス弁が閉じているとき(すなわち、バイパスプレートが、スリーブを通る流路を遮断するように枢動される)、航空機空気は、スリーブではなく(第2のエンドキャップを通ることを含む)MaVEフィルタ500を通って流れる。
【0049】
[0059]いくつかの態様では、バイパスバルブは、スリーブを通る流れを遮断するのではなく、スリーブを通る流れを減少させるために、バイパスプレートが完全な枢動よりも少なく枢動されるように操作され得る。
【0050】
[0060]当技術分野で知られているように、バルブアクチュエータ及びステッパモータなどの様々なバイパスバルブ及び関連する構成要素が好適である。市販のバルブ及び関連する構成要素が好適である。
【0051】
[0061]スリーブは、例えばvバンドクランプ及び/又はエラストマースリーブなどのクランプ構成体によって取り付けられ得る。例示的には、
図9Lは、中空スリーブの第1の端部1301と、第1の端部1301(中空スリーブ入口)を主ハウジング本体に封止し、2つのバンドクランプ(1403A、1403B)として示されるクランプ構成体1403で定位置にクランプされたエラストマースリーブ1325と、vバンドクランプとして示されるクランプ構成体1404によって主ハウジング本体エンドキャップ1105にクランプされた中空スリーブ(中空スリーブ出口)の第2の端部1302とを示す。
【0052】
[0062]制御システム2500(例えば、モータ制御ユニット)は、航空機空気を濾過するための様々なシステム2000と通信し(システム2000内のバイパスバルブ(複数の場合もある)を制御し、航空機BUS及びセンサからデータを受信し、モータ制御ユニットにコマンドを送信する中央処理装置と通信するための例示的な制御システムを示す
図11を参照されたい)、例えば、システム2000は、飛行デッキ供給ライン及び4つの客室分配ダクトの各々の低圧分配ラインに設置され、再循環ファン性能(例えば、再循環ファンストール)、ミキサー室圧力(例えば、25mbar以上などの過圧ミキサチャンバ)、ダクトの流れの不均衡(単一ライン/個別ダクトの閉塞)、飛行デッキへの低流量(コックピット流量減少)のいずれかのうちの1つ以上などの目標ECSパラメータを監視するためのセンサを含む。バイパスバルブ(複数の場合もある)の動作(作動又は開放)により、MaVEフィルタ(複数の場合もある)がバイパスされるようになり、1つ以上の目標ECSパラメータが達成されると、キャビン及び飛行デッキに空気流が確実に維持されるようになる。特定の目標パラメータ及び/又は目標パラメータの特定の値若しくは速度並びに動作のタイミングは、例えば、特定の航空機及び/又は航空機製造業者の要件に応じて変化し得る。
【0053】
[0063]好ましくは、
図9Aに示すように、航空機空気を濾過するためのシステム2000は、第1段フィルタ100の上流の一方のフィルタ装置1000内に配置された少なくとも一つの上流差圧センサ1801(例えば、単一のフィルタ装置の入口ダクトに嵌合される)と、第2段フィルタ200の下流のフィルタ装置1000の各々に配置された少なくとも一つの下流差圧センサ1802(例えば、各フィルタ装置の出口ダクトに嵌合される)とを含む。例えば、(以下でより詳細に説明する)
図11を参照すると、1801は差圧センサSP1(上流に配置され、1つのシステム2000内の1つのフィルタ装置1000の入口ダクトに嵌合される)を表し、航空機がそれぞれ別個のMaVEフィルタ装置を含む5つのシステムを含む場合、1802(下流に配置され、他の各システム2000内の各フィルタ装置1000の出口ダクトに嵌合される)はSP1も含むシステム内のSP3を表すことができ、1802は他の4つのシステム(上流差圧センサ1801を含まない)内のSP4、SP5、SP6、及びSP7を(個別に)表すことができる。
【0054】
[0064]
図11は、システム2000内のMaVEフィルタ装置に連結されたバイパスバルブを制御する制御システム2500(例えば、モータ制御ユニット)内の差圧センサの例示的な配置を示し(「STBD」は右舷(右側)を指し、ポートは左側を指し、「D/S」は下流を指し、「Aft」は後部を指し、「DP」は差圧を指す)。したがって、例えば、再循環ファンが停止するのを防止して、再循環空気流を維持し、再循環ファンを保護するため、センサSP1及びセンサSP2から導出されたファン差圧(差圧センサSP1及びSP2)は、再循環フィルタハウジングに組み込まれた既存の圧力テーピングに連結される。これらのテーピングが再循環フィルタとファンとの間に位置付けられると、正圧ではなく減圧がファンによって生成され、センサSP8に対して、流れ状態の導出が可能になり、ファンの流れが、例えば26~34mbarの差圧などの目標パラメータ値(速度)を下回らないことが保証される。コックピットの流れに関して、例えば、バイパスバルブが開いている場合、コックピットラインに閉塞がある場合、又は再循環ファンの流れが最小要件を下回る場合(例えば、したがって、下流の静止差分、例えば、センサSP5~センサSP6が監視され得る)、流れを維持することができる。下流の静止差分を監視することは、各MaVE装置の下流の静止圧力の差によって示される、個々のダクト閉塞を反映し得る。通常の動作条件下で長期間にわたって認証限界(例えば、25mbar)を超過することからミキサー室を保護することは、MaVE装置の上流に配置された監視センサSP8によって提供され得る。
【0055】
[0065]目標パラメータの特定の値及び動作のタイミングは、例えば特定の航空機に応じて変化し得るが、以下は、制御システムによる継続的な監視(例えば、弁が開いて一時的な閉塞状態と永続的な閉塞状態とを区別する場合であっても)の一例であり、バイパスバルブが作動される(作動/開放される)場合、W分(例えば、5分)の動作後、制御システムはバイパスバルブ(複数の場合もある)を閉じる必要があり、その後目標パラメータ値のいずれかにX分(例えば、2分)以内に到達した場合、バイパスバルブ(複数の場合もある)は再作動され、制御システムは、バイパスバルブ閉鎖サイクルをさらに2回、1回はさらにY分(例えば、15分)後に、次いで必要に応じてさらにZ分(例えば、30分)後に繰り返す。第3の試みの後に、バイパスバルブの作動が依然としてトリガされる場合、すべてのバイパスバルブが作動されたままであり、閉鎖のチェックが行われる(例えば、1時間ごと)。
【0056】
[0066]以下の実施例は、本発明をさらに例示するが、もちろん、その範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。
【実施例】
【0057】
[0067]この実施例は、本発明の一態様によるMaVEフィルタ装置が水噴射速度の範囲にわたって水を管理することを実証する。MaVEフィルタ装置は、全期間にわたって2.5~3.0mbarの最大フィルタ差圧で60分間以上にわたって350ml/分の水噴射速度で安定した動作を示す。
【0058】
[0068]結果は、水管理機能のないプロトタイプのフィルタ装置と比較される。これらのプロトタイプフィルタ装置は、20ml/分の水噴射速度で安定した動作を示すが、200ml/分で検証すると、フィルタ全体で圧力降下が9.5mbar増加し、試験は、フィルタ差圧が11.5mbarになる16分後に終了する。
【0059】
[0069]本明細書で引用される刊行物、特許出願、及び特許を含むすべての参考文献は、各参考文献が個別にかつ明確に参照により組み込まれることが示され、その全体が本明細書に記載される場合、同程度に、参照により本明細書に組み込まれる。
【0060】
[0070]本発明を説明する文脈(特に以下の特許請求の範囲の文脈)において、「1つの(a)」、「1つの(an)」、「その(the)」、及び「少なくとも(at least one)」という用語及び同様の指示対象の使用は、本明細書で特に指示されない限り、又は文脈と明らかに矛盾しない限り、単数及び複数の両方を包含すると解釈されるべきである。「少なくとも1つ」という用語に続いて1つ以上の項目のリスト(例えば、「A及びBのうちの少なくとも一方」)が使用される場合、本明細書で特に指示されない限り、又は文脈と明らかに矛盾しない限り、列挙された項目(A又はB)あるいは列挙された項目の2つ以上の任意の組み合わせ(A及びB)から選択される1つの項目を意味すると解釈されるべきである。「備える(comprising)」、「有する(having)」、「含む(including)」、及び「含有する(containing)」という用語は、特に明記しない限り、非限定的な用語(すなわち、「含むが、それに限定されない」を意味する)と解釈されるべきである。本明細書における値の範囲の列挙は、本明細書に別段の指示がない限り、範囲内に含まれる各別個の値を個別に参照する簡略方法として役立つことを意図しているにすぎず、各別個の値は、本明細書に個別に列挙されているかのように本明細書に組み込まれる。本明細書に記載のすべての方法は、本明細書に別段の指示がない限り、又は文脈と明らかに矛盾しない限り、任意の適切な順序で実行することができる。本明細書で提供されるありとあらゆる例又は例示的な言語(例えば、「など(such as)」)の使用は、単に本発明をよりよく明らかにすることを意図しており、特に請求されない限り、本発明の範囲を限定するものではない。本明細書におけるいかなる言語も、特許請求されていない要素を本発明の実施に必須であると示すと解釈されるべきではない。
【0061】
[0071]本発明を実施するための本発明者らに知られている最良の形態を含む、本発明の好ましい態様を本明細書に記載する。これらの好ましい態様の変形は、前述の説明を読むことで当業者には明らかになり得る。本発明者らは、当業者がそのような変形を適切に使用することを期待しており、本発明者らは、本発明が本明細書に具体的に記載されている以外の方法で実施されることを意図している。したがって、本発明は、適用法によって許容されるように、添付の特許請求の範囲に列挙された主題のすべての修正及び均等物を含む。さらに、本明細書に別段の指示がない限り、又は文脈と明らかに矛盾しない限り、そのすべての可能な変形における上述の要素の任意の組み合わせが本発明に包含される。
【符号の説明】
【0062】
100…第1段中空フィルタ、101…スロット、110…第1のエンドキャップ、130…第1の外側有孔ケージ、内側ケージ、135…クリップロック、136…フック、140…有孔ケージ、150…第1のハウジング、151…第1のハウジングの第1の端部、152…第1のハウジングの第2の端部、152A…第2のエンドプレート、160…内側コア、170…第1の吸着要素、172…第1の吸着要素170の第2の端部、175…第1の吸着要素エンドキャップ、180…第1の疎水性プリーツ付き中空多孔質媒体、181…上流表面、182…下流表面、190…ノーズコーン、195…接合構成体、195A…接合構成体の雄部、200…第2段中空フィルタ、210…第2のエンドキャップ、211…第2のドレインチャネル、230…第2の外側有孔ケージ、230A…ケージ230の継ぎ目、235…クリップロック、236…フック、240…有孔ケージ、250…第2のハウジング、251…第2のハウジングの第1の端部、252…第2のハウジングの第2の端部、260…内側コア、270…第2の吸着要素、270…第2の吸着要素280の第2の端部、275…第2の吸着要素エンドキャップ、280…第2の疎水性プリーツ付き中空多孔質媒体、第2の吸着要素、281…上流表面、282…下流表面、291A…戻り止め構成体、291B…戻り止め構成体、291C…戻り止め構成体、310…中間エンドキャップ、311…第1のドレインチャネル、335…クリップロック、336…フック、402…スロット、403…スロット、495…接合構成体、496…接合構成体、500…MaVEフィルタ、1000…MaVEフィルタ装置、1100…主ハウジング本体、1100A…キャビティ、1100B…キャビティ、1100C…キャビティ、1101…主ハウジング本体の第1の端部、1102…主ハウジング本体の第2の端部、1105…主ハウジング本体エンドキャップ、1200…主ハウジング、1201…入口ダクト、1201A…入口ダクトポート、1202…出口ダクト、1202A…出口ダクトポート、1301…中空スリーブの第1の端部、1302…中空スリーブの第2の端部、1305…中空スリーブ、1325…エラストマースリーブ、1401…第1のクランプ構成体、1402…第2のクランプ構成体、1403…クランプ構成体、1404…クランプ構成体、1500…バイパスバルブ、1501…旋回可能なバイパスプレート、1510…バイパスバルブアクチュエータ、1600…スパイダプレート、1801…上流差圧センサ、1802…下流差圧センサ、2000…システム、2500…制御システム