(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-15
(45)【発行日】2024-04-23
(54)【発明の名称】骨の表面の癒着型歯科スクリュー
(51)【国際特許分類】
A61C 7/26 20060101AFI20240416BHJP
A61C 8/00 20060101ALI20240416BHJP
A61C 7/12 20060101ALI20240416BHJP
【FI】
A61C7/26
A61C8/00 Z
A61C7/12
(21)【出願番号】P 2023117666
(22)【出願日】2023-07-19
【審査請求日】2023-07-19
(31)【優先権主張番号】10-2022-0130548
(32)【優先日】2022-10-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】523177610
【氏名又は名称】イーワイヤーライナー カンパニー リミテッド
【氏名又は名称原語表記】E- WIRELIGNER CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】123a, business incubator center 150, Bugahyeon-ro, Seodaemun-gu Seoul 03759 (KR)
(74)【代理人】
【識別番号】100107456
【氏名又は名称】池田 成人
(74)【代理人】
【識別番号】100162352
【氏名又は名称】酒巻 順一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100123995
【氏名又は名称】野田 雅一
(72)【発明者】
【氏名】チュン, ユン シク
【審査官】細川 翔多
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2016/136913(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2008/0254401(US,A1)
【文献】登録実用新案第3106853(JP,U)
【文献】中国特許出願公開第108245265(CN,A)
【文献】特開2013-141582(JP,A)
【文献】登録実用新案第3098461(JP,U)
【文献】米国特許出願公開第2014/0363788(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61C 7/26
A61C 7/12
A61C 8/00
A61C 7/14
A61C 7/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
骨の表面の癒着型歯科スクリューであって、
ベースとして、
第1ベース面、
前記第1ベース面に反対となる第2ベース面と、
前記第1ベース面と前記第2ベース面との間のサイドベース面と、
前記第1ベース面に配置されたホールと、
前記ホールに形成された第1噛み合わせ部と、
を含む、前記ベースと、
ヒーリングキャップとして、
第1キャップ面と、
前記第1キャップ面に反対となり、前記ホールの少なくとも一部に対面する第2キャップ面と、
前記第1キャップ面と前記第2キャップ面との間に位置して前記ホールの少なくとも一部に対面するサイドキャップ面と、
前記サイドキャップ面に形成され、前記第1噛み合わせ部と噛み合わせるように構成された第2噛み合わせ部と、
前記第1キャップ面に配置されたリセースと、
を含む、前記ヒーリングキャップと、
前記ヒーリングキャップを前記ベースに結合させるように構成されたハンドルを含み、
前記ベースは、前記第2ベース面の端に沿って配列された複数の貫通体をさらに含み、
前記複数の貫通体は、
前記第2ベース面に連結された第1ピアシング面と、
前記第2ベース面から離隔された第2ピアシング面と、
前記第1ピアシング面と前記第2ピアシング面との間の複数のサイドピアシング面と、
を含み、
前記第1ピアシング面は第1面積を有し、前記第2ピアシング面は前記第1面積よりも大きい第2面積を有する、歯科スクリュー。
【請求項2】
前記複数のサイドピアシング面は、
外部サイドピアシング面と、
前記外部サイドピアシング面に反対となる内部サイドピアシング面と、
前記外部サイドピアシング面と前記内部サイドピアシング面との間の複数の周縁方向サイドピアシング面と、
を含む、請求項1に記載の歯科スクリュー。
【請求項3】
前記複数のサイドピアシング面は、前記第1ピアシング面から前記第2ピアシング面に行くほど増加する幅を有する、請求項1に記載の歯科スクリュー。
【請求項4】
前記第2ピアシング面は、前記第1ピアシング面に対して傾斜している、請求項1に記載の歯科スクリュー。
【請求項5】
前記複数のサイドピアシング面は湾曲している、請求項1に記載の歯科スクリュー。
【請求項6】
前記ベースは、前記第2ベース面の端の内側に形成された凹部をさらに含む、請求項1に記載の歯科スクリュー。
【請求項7】
前記第1噛み合わせ部及び前記第2噛み合わせ部はねじ山をそれぞれ含む、請求項1に記載の歯科スクリュー。
【請求項8】
前記ハンドルは、前記リセースと噛み合わせるように構成された突出部を含む、請求項1に記載の歯科スクリュー。
【請求項9】
前記ハンドルは、
第1シャフト端部面、前記第1シャフト端部面に反対となる第2シャフト端部面、及び前記第1シャフト端部面と前記第2シャフト端部面との間のサイドシャフト面を含むシャフトと、
前記サイドシャフト面に形成され、前記第1噛み合わせ部と噛み合わせるように構成された第3噛み合わせ部と、
を含む、請求項1に記載の歯科スクリュー。
【請求項10】
骨の表面の癒着型歯科スクリューであって、
ベースとして、
第1ベース面と、
前記第1ベース面に反対となる第2ベース面と、
前記第1ベース面と前記第2ベース面との間のサイドベース面、
前記第1ベース面に配置されたホールと、
前記ホールに形成された第1噛み合わせ部と、
を含む前記ベースと、
ハンドルとして、
第1シャフト端部面と、
前記第1シャフト端部面に反対となる第2シャフト端部面と、
前記第1シャフト端部面と前記第2シャフト端部面との間のサイドシャフト端部面と、
前記サイドシャフト端部面に形成され、前記第1噛み合わせ部と噛み合わせるように構成された第2噛み合わせ部と、
を含む、前記ハンドルを含み、
前記ベースは、前記第2ベース面の端に沿って配列された複数の貫通体をさらに含み、
前記複数の貫通体は、
前記第2ベース面に連結された第1ピアシング面と、
前記第2ベース面から離隔した第2ピアシング面と、
前記第1ピアシング面と前記第2ピアシング面との間の複数のサイドピアシング面と、
を含み、
前記第1ピアシング面は第1面積を有し、前記第2ピアシング面は前記第1面積よりも大きい第2面積を有する、歯科スクリュー。
【請求項11】
前記複数のサイドピアシング面は、
外部サイドピアシング面と、
前記外部サイドピアシング面に反対となる内部サイドピアシング面と、
前記外部サイドピアシング面と前記内部サイドピアシング面との間の複数の周縁方向サイドピアシング面と、
を含む、請求項10に記載の歯科スクリュー。
【請求項12】
前記複数のサイドピアシング面は、前記第1ピアシング面から前記第2ピアシング面に行くほど増加する幅を有する、請求項10に記載の歯科スクリュー。
【請求項13】
前記第2ピアシング面は、前記第1ピアシング面に対して傾斜している、請求項10に記載の歯科スクリュー。
【請求項14】
前記複数のサイドピアシング面は湾曲している、請求項10に記載の歯科スクリュー。
【請求項15】
前記ベースは、前記第2ベース面の端の内側に形成された凹部をさらに含む、請求項10に記載の歯科スクリュー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は一般に歯科スクリューに関し、例えば、骨の癒着(osseointegration)によって骨の表面(bone surface)にボンディングされるように構成された歯科スクリューに関する。
【背景技術】
【0002】
口腔組織のうち骨に固定されて使用される歯科矯正用アンカーリング装置が開発されている。このようなアンカーリング装置は、骨と一体化されるまで約2ヵ月程度の長い時間の間に骨に固定される。従って、アンカーリング装置が外部からの口腔組織の汚染を防止しながらも、長い時間の間に骨に円満に固定されるためにアンカーリング装置と骨との間に癒着が重要である。例えば、公開特許公報KR10-2020-0112499Aは、歯科矯正用アンカーリング装置及びシステムを開示している。前述した背景技術は、本開示の導出し過程で保持したり習得したもので、必ず本開示の出願前に一般公衆に公開された公知技術とは言えない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本開示の一様態は、骨の表面に安定的に保持される歯科スクリューを提供することにある。本開示の一様態は、骨の表面に対する癒着の可能性を増加させる歯科スクリューを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0004】
一実施形態によれば、歯科スクリューは骨の表面の癒着型歯科スクリューであってもよい。歯科スクリューは、ベースとして、第1ベース面、前記第1ベース面に反対となる第2ベース面と、前記第1ベース面と前記第2ベース面との間のサイドベース面と、前記第1ベース面に配置されたホールと、前記ホールに形成された第1噛み合わせ部とを含む前記ベースと、ヒーリングキャップとして、第1キャップ面と、前記第1キャップ面に反対となり、前記ホールの少なくとも一部に対面する第2キャップ面と、前記第1キャップ面と前記第2キャップ面との間に位置して前記ホールの少なくとも一部に対面するサイドキャップ面と、前記サイドキャップ面に形成され、前記第1噛み合わせ部と噛み合わせるように構成された第2噛み合わせ部と、前記第1キャップ面に配置されたリセースを含む前記ヒーリングキャップと、前記ヒーリングキャップを前記ベースに結合させるように構成されたハンドルを含み、前記ベースは、前記第2ベース面の端に沿って配列された複数の貫通体をさらに含み、前記複数の貫通体は、前記第2ベース面に連結された第1ピアシング面と、前記第2ベース面から離隔された第2ピアシング面と、前記第1ピアシング面と前記第2ピアシング面との間の複数のサイドピアシング面とを含み、前記第1ピアシング面は第1面積を有し、前記第2ピアシング面は前記第1面積よりも大きい第2面積を有することができる。
【0005】
一実施形態において、前記複数のサイドピアシング面は、外部サイドピアシング面と、前記外部サイドピアシング面に反対となる内部サイドピアシング面と、前記外部サイドピアシング面と前記内部サイドピアシング面との間の複数の周縁方向サイドピアシング面とを含むことができる。
【0006】
一実施形態において、前記複数のサイドピアシング面は、前記第1ピアシング面から前記第2ピアシング面に行くほど増加する幅を有することができる。
【0007】
一実施形態において、前記第2ピアシング面は、前記第1ピアシング面に対して傾斜することができる。
【0008】
一実施形態において、前記複数のサイドピアシング面は湾曲することができる。
【0009】
一実施形態において、前記ベースは、前記第2ベース面の端の内側に形成された凹部をさらに含むことができる。
【0010】
一実施形態において、前記第1噛み合わせ部及び前記第2噛み合わせ部はねじ山をそれぞれ含むことができる。
【0011】
一実施形態において、前記ハンドルは、前記リセースと噛み合わせるように構成された突出部を含むことができる。
【0012】
一実施形態において、前記ハンドルは、第1シャフト端部面、前記第1シャフト端部面に反対となる第2シャフト端部面、及び前記第1シャフト端部面と前記第2シャフト端部面との間のサイドシャフト面を含むシャフトと、前記サイドシャフト面に形成され、前記第1噛み合わせ部と噛み合わせるように構成された第3噛み合わせ部とを含むことができる。
【0013】
一実施形態において、歯科スクリューは、骨の表面の癒着型歯科スクリューであってもよい。 歯科スクリューは、ベースとして、第1ベース面と、前記第1ベース面に反対となる第2ベース面と、前記第1ベース面と前記第2ベース面との間のサイドベース面、前記第1ベース面に配置されたホールと、前記ホールに形成された第1噛み合わせ部とを含む前記ベースと、ハンドルとして、第1シャフト端部面と、記第1シャフト端部面に反対となる第2シャフト端部面と、前記第1シャフト端部面と前記第2シャフト端部面との間のサイドシャフト端部面と、前記サイドシャフト端部面に形成され、前記第1噛み合わせ部と噛み合わせるように構成された第2噛み合わせ部とを含む前記ハンドルを含み、前記ベースは、前記第2ベース面の端に沿って配列された複数の貫通体をさらに含み、前記複数の貫通体は、前記第2ベース面に連結された第1ピアシング面と、記第2ベース面から離隔した第2ピアシング面と、前記第1ピアシング面と前記第2ピアシング面との間の複数のサイドピアシング面とを含み、前記第1ピアシング面は第1面積を有し、前記第2ピアシング面は前記第1面積よりも大きい第2面積を有することができる。
【0014】
一実施形態において、前記複数のサイドピアシング面は、外部サイドピアシング面と、前記外部サイドピアシング面に反対となる内部サイドピアシング面と、前記外部サイドピアシング面と前記内部サイドピアシング面との間の複数の周縁方向サイドピアシング面とを含むことができる。
【0015】
一実施形態において、前記複数のサイドピアシング面は、前記第1ピアシング面から前記第2ピアシング面に行くほど増加する幅を有することができる。
【0016】
一実施形態において、前記第2ピアシング面は、前記第1ピアシング面に対して傾斜することができる。
【0017】
一実施形態において、前記複数のサイドピアシング面は湾曲することができる。
【0018】
一実施形態において、前記ベースは、前記第2ベース面の端の内側に形成された凹部をさらに含むことができる。
【発明の効果】
【0019】
一実施形態によれば、歯科スクリューは、骨の表面に安定的に保持されることができる。一実施形態によれば、歯科スクリューは、骨の表面に対する癒着可能性を増加し得る。一実施形態に係る歯科スクリューの効果は、以上で言及されたものなどに限定されず、言及されない異なる効果は、下記の記載によって当業者にとって明確に理解できるものである。
【図面の簡単な説明】
【0020】
本開示の特定の実施形態の上述した、そして他の様態、特徴、及び利点は、添付の図面を参照して以下の詳細な説明から明白になるのであろう。
【
図2】一実施形態に係る歯科スクリューの斜視図である。
【
図3】一実施形態に係る歯科スクリューの分解斜視図である。
【
図7】一実施形態に係る
図6のベースの7-7ラインに沿った断面図である。
【
図8】一実施形態に係るヒーリングキャップの斜視図である。
【
図9】一実施形態に係るヒーリングキャップの平面図である。
【
図10】一実施形態に係る
図9のヒーリングキャップの10-10ラインに沿った断面図である。
【
図11】一実施形態に係るハンドルを一方向から見た斜視図である。
【
図12】一実施形態に係るハンドルを他方向から見た斜視図である。
【
図13】一実施形態に係る歯科スクリューの斜視図である。
【
図14】一実施形態に係る歯科スクリューの分解斜視図である。
【
図15】一実施形態に係るハンドルの平面図である。
【
図16】一実施形態に係る
図15のハンドルの16-16ラインに沿った平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、添付する図面を参照しながら実施形態を詳細に説明する。しかし、実施形態には様々な変更が加えられてもよく、特許出願の権利範囲がこのような実施形態によって制限されたり限定されることはない。実施形態に対する全ての変更、均等物ないし代替物が権利範囲に含まれるものとして理解しなければならない。
【0022】
実施形態で用いられる用語は、単に、説明を目的として使用されたものであり、限定しようとする意図として解釈されることはない。単数の表現は、文脈上、明白に異なる意味をもたない限り複数の表現を含む。本明細書において、「含む」又は「有する」等の用語は明細書上に記載した特徴、数字、ステップ、動作、構成要素、部品又はこれらを組み合わせたものが存在することを示すものであって、1つ又はそれ以上の他の特徴や数字、ステップ、動作、構成要素、部品、又はこれを組み合わせたものなどの存在又は付加の可能性を予め排除しないものとして理解しなければならない。
【0023】
異なるように定義さがれない限り、技術的であるか又は科学的な用語を含むここで用いる全ての用語は、本実施形態が属する技術分野で通常の知識を有する者によって一般的に理解されるものと同じ意味を有する。一般的に用いられる予め定義された用語は、関連技術の文脈上で有する意味と一致する意味を有するものと解釈すべきであって、本明細書で明白に定義しない限り、理想的又は過度に形式的な意味として解釈されることはない。
【0024】
また、添付図面を参照して説明することにおいて、図面符号に関係なく、同じ構成要素は同じ参照符号を付与し、これに対する重複する説明は省略することにする。実施形態の説明において、関連する公知技術に対する具体的な説明が実施形態の要旨を不要に曖昧にするものと判断される場合、その詳細な説明を省略する。
【0025】
また、実施形態の構成要素を説明することにおいて、第1、第2、A、B、(a)、(b)などの用語を使用することができる。これらの用語は、その構成要素を他の構成要素と区別するためのものであり、その用語によって当該の構成要素の本質や順番、又は順序などが限定されない。いずれかの構成要素が他の構成要素に「連結」、「結合」又は「接続」されると記載されている場合、その構成要素は、その他の構成要素に直接連結されたり接続されるが、各構成要素間で別の構成要素が「連結」、「結合」又は「接続」され得ると理解できるのであろう。
【0026】
いずれかの実施形態に含まれる構成要素と共通の機能を含む構成要素は、他の実施形態で同じ名称を用いて説明することにする。逆の記載がない以上、いずれかの実施形態に記載した説明は他の実施形態にも適用され、重複する範囲で具体的な説明は省略することにする。
【0027】
【0028】
図1を参照すると、矯正装置100は、対象体10の睡眠における無呼吸を治療又は矯正するように構成されることができる。矯正装置100が適用される口腔構造において、周辺の歯に提供する影響が減少し得る。矯正装置100は、対象体10に適用されたとき、ユーザが感じられる異質感を減少又は除去し得る。矯正装置100はひとまず対象体10に適用されれば、半永久的に使用できる。
【0029】
一実施形態において、矯正装置100は、対象体10に固定されるよう構成された固定部110を含む。固定部110は、対象体10の第1顎骨11(例えば、上顎骨)の第1部分に固定されるように構成された第1歯科スクリュー111を含む。固定部110は、対象体10の第1顎骨11の第1部分とは異なる第1顎骨11の第2部分に固定されるように構成された第2歯科スクリュー112を含む。固定部110は、対象体10の第2顎骨12(例えば、下顎骨)に固定されるように構成された第3歯科スクリュー113を含む。第1顎骨11の第1部分及び第2部分は、第1顎骨11に配置されている歯の配列方向に沿って互いに離隔されてもよい。
【0030】
一実施形態において、矯正装置100は、第1歯科スクリュー111及び第1顎骨11の第1部分(例えば、組織表面)を接合するように構成された第1接合部114を含む。矯正装置100は、第2歯科スクリュー112及び第1顎骨11の第2部分(例えば、組織表面)を接合するように構成された第2接合部115を含む。矯正装置100は、第3歯科スクリュー113及び第2顎骨12の一部分(例えば、組織表面)を接合するように構成された第3接合部116を含む。
【0031】
一実施形態において、矯正装置100は、複数の歯科スクリュー111,112,113を連結るように構成された連結部120を含む。連結部120は、第1歯科スクリュー111と噛み合わせるように構成された第1フープ121を含む。第1フープ121は、第1顎骨11の上に配置されてもよい。連結部120は、第2歯科スクリュー112と噛み合わせるように構成された第2フープ122を含む。第2フープ122は、第1顎骨11上に配置されてもよい。連結部120は第3フープ123を含む。第3フープ123は第2顎骨12上に配置されてもよい。連結部120は、第1フープ121及び第2フープ122に連結されている第1バー124を含む。連結部120は、第2フープ122及び第3フープ123に連結されている第2バー125を含む。
【0032】
一実施形態において、矯正装置100は、第2顎骨12を牽引するように構成された牽引部130を含む。牽引部130は、第3歯科スクリュー113に向かって第3フープ123を牽引するように構成されている。牽引部130は弾性的に変形してもよい。牽引部130は、閉ループを形成してもよい。
【0033】
図2は、一実施形態に係る歯科スクリューの斜視図である。
図3は、一実施形態に係る歯科スクリューの分解斜視図である。
【0034】
図2及び
図3を参照すると、歯科スクリュー200(例えば、
図1の第1歯科スクリュー111、第2歯科スクリュー112及び/又は第3歯科スクリュー113)はベース210を含む。ベース210はベースボディー211を含む。ベースボディー211は、対象体(例えば、
図1の対象体10)の口腔構造(例えば、
図1の第1顎骨11及び/又は第2顎骨12)の表面上(on)に、又は、上に(above)に配置されてもよい。
【0035】
一実施形態において、ベース210は、複数(例えば、6個)の貫通体212を含んでもよい。複数の貫通体212は、対象体(例えば、
図1の対象体10)の口腔構造(例えば、第1顎骨11及び/又は第2顎骨12)内に掘り進むように構成されてもよい。複数の貫通体212が口腔構造を掘り進むとき、口腔構造から発生した生体学的な物質(例えば、血液)は、口腔構造とベースボディー211との間で流動される。ベースボディー211は、生体学的な物質によって口腔構造の表面にボンディング(例えば、癒着)される。
【0036】
一実施形態において、複数の貫通体212は、対象体(例えば、
図1の対象体10)の口腔構造(例えば、第1顎骨11及び/又は第2顎骨12)内で固定されるように構成されることができる。複数の貫通体212が口腔構造内に挿入されると、複数の貫通体212は、口腔構造から容易に抜け出さないように構成される。ベースボディー211は、口腔構造の表面上(on)に、又は、上で(above)安定的に保持され得る。
【0037】
一実施形態において、歯科スクリュー200は、ヒーリングキャップ220(healing cap)を含んでもよい。ヒーリングキャップ220は、ベース210周辺の軟組織(soft tissue)及び/又は硬組織(hard tissue)の治癒を補助するように構成される。ヒーリングキャップ220は、ベース210周辺の生体学的な物質(例えば、プラーク(plaque)のような残骸蓄積物(debris accumulation))からベース210を保護するように構成される。ヒーリングキャップ220は、ベース210に結合するように構成されてもよい。例えば、ヒーリングキャップ220は、ベース210にねじ結合されてもよい。
【0038】
一実施形態において、歯科スクリュー200は、ハンドル230を含む。ハンドル230は、外部入力(例えば、ユーザの力)によってヒーリングキャップ220をベース210に結合させるように構成されてもよい。ハンドル230は、ヒーリングキャップ220に合わせて結合するように構成されてもよい。ハンドル230及びヒーリングキャップ220を結合することで、ハンドル230に加えられる力がヒーリングキャップ220に伝達されることができる 。
【0039】
図4は、一実施形態に係るベースの斜視図である。
図5は、一実施形態に係るベースの平面図である。
図6は、一実施形態に係るベースの底面図である。
図7は、一実施形態に係る
図6のベースの7-7ラインに沿った断面図である。
【0040】
図4~
図7を参照すると、ベース210はベースボディー211を含む。ベースボディー211は、第1ベース面211A(例えば、ベースの前面)、第1ベース面211Aに反対となる第2ベース面211B(例えば、ベースの後面)、及び第1ベース面211Aと第2ベース面211Bとの間のサイドベース面211Cを含む。
【0041】
一実施形態において、第1ベース面211Aの直径又は幅は、第2ベース面211Bの直径又は幅よりも大きくてもよい。図示していない実施形態では、第1ベース面211Aの直径又は幅は、第2ベース面211Bの直径又は幅と実質的に同じであってもよい。図示していない実施形態では、第1ベース面211Aの直径又は幅は、第2ベース面211Bの直径又は幅より小さくてもよい。
【0042】
一実施形態において、サイドベース面211Cは曲面を含んでもよい。例えば、サイドベース面211Cは凸面を含んでもよい。図示していない実施形態では、サイドベース面211Cは実質的に線型的なプロファイルを有する面(例えば、フラット面)を含んでもよい。
【0043】
一実施形態において、ベース210は、複数の貫通体212を含む。複数の貫通体212は、第1ピアシング面212A(例えば、ピアシング前面)、第1ピアシング面212Aに反対となる第2ピアシング面212B(例えば、ピアシング後面)、第1ピアシング面212Aと第2ピアシング面212Bとの間にある外部サイドピアシング面212C、第1ピアシング面212Aと第2ピアシング面212Bとの間にあり、外部サイドピアシング面212Cに反対となる内部サイドピアシング面212D、及び第1ピアシング面212Aと第2ピアシング面212Bとの間、そして、外部サイドピアシング面212Cと内部サイドピアシング面212Dとの間にある複数(例えば、2つ)の周縁方向のサイドピアシング面212Eを含む。
【0044】
一実施形態において、第1ピアシング面212Aは、第2ベース面211Bに連結されてもよい。第1ピアシング面212Aは、第2ベース面211Bと実質的に同じ平面上にあってもよい。第1ピアシング面212A及び第2ベース面211Bは、一体にシームレスに連結されてもよい。
【0045】
一実施形態において、第2ピアシング面212Bは、第2ベース面211Bから離隔されてもよい。一実施形態において、第2ピアシング面212Bは、第1ピアシング面212Aに対して実質的に0ではない定められた角度に傾斜されている。一実施形態において、第2ピアシング面212Bは、第1ピアシング面211Aと実質的に平行してもよい。一実施形態において、第2ピアシング面212Bは、実質的に線型的なプロファイルを有する面(例えば、フラット面)を含んでもよい。
【0046】
一実施形態において、第2ピアシング面212Bの面積は、第1ピアシング面212Aの面積よりも大きくてもよい。これは、複数の貫通体212が対象体(例えば、
図1の対象体10)の口腔組織(例えば、
図1の第1顎骨11及び/又は第2顎骨12)を掘り進んで口腔組織内に挿入されたとき、外力により容易に逸脱しないようにすることができる。そのため、ベースボディー211は、口腔組織の表面上に安定的に保持されることができる。
【0047】
一実施形態において、外部サイドピアシング面212Cは、サイドベース面211Cに連結されている。一実施形態において、外部サイドピアシング面212C及びサイドベース面211Cは、一体にシームレスに連結されてもよい。一実施形態において、外部サイドピアシング面212Cは湾曲した面を含んでもよい。
【0048】
一実施形態において、内部サイドピアシング面212Dは、第2ベース面211Bに連結されている。一実施形態において、内部サイドピアシング面212D及び第2ベース面211Bは一体にシームレスに連結されてもよい。
【0049】
一実施形態において、内部サイドピアシング面212Dは、第1内部サイドピアシング面212D1を含む。第1内部サイドピアシング面212D1は、第2ベース面211Bと0でない決定された第1角度(例えば、約90度)を形成してもよい。第1内部サイドピアシング面212D1は、第2ベース面211Bに連結されてもよい。
【0050】
一実施形態において、内部サイドピアシング面212Dは、第2内部サイドピアシング面212D2を含む。第2内部サイドピアシング面212D2は、第1内部サイドピアシング面212D1と0でない決定された第2角度(例えば、約120度)に傾斜している。第2内部サイドピアシング面212D2は、第1内部サイドピアシング面212D1及び第2ピアシング面212Bに連結されてもよい。
【0051】
一実施形態において、複数の周縁方向サイドピアシング面212Eは、第1ピアシング面212Aと第2ピアシング面212Bとの間で可変する幅を有する。例えば、複数の周縁方向サイドピアシング面212Eは、第1ピアシング面212Aから第2ピアシング面212Bに向かう方向に増加する幅を有してもよい。例えば、複数の周縁方向サイドピアシング面212Eは、第1内部サイドピアシング面212D1に連結されている領域で第1勾配に増加する幅を有し、第2内部サイドピアシング面212D2に連結されている領域で第2勾配に増加する幅を有してもよい。
【0052】
一実施形態において、複数の貫通体212は第2ベース面211Bに配置されている。例えば、複数の貫通体212は、第2ベース面211Bの端に沿って第2ベース面211Bの周縁方向に配列されてもよい。
【0053】
一実施形態において、複数の貫通体212は互いに離隔してもよい。いずれか1つの対の隣接している貫通体212間の間隔は、他の一対の隣接している貫通体212間の間隔と実質的に同じであってもよい。
【0054】
一実施形態において、ベース210はホール213を含む。ホール213は、実質的に円筒状を含んでもよい。ホール213は、第1ベース面211Aから第2ベース面211Bにベース210を貫通してもよい。貫通体212の固定力に加えて、ホール213は、ヒーリングキャップ220及び/又はハンドル230の固定力を改善することができる。
【0055】
一実施形態において、ベース210は第1噛み合わせ部214を含む。第1噛み合わせ部214は、ホール213のサイド面に配置されてもよい。例えば、第1噛み合わせ部214は、ねじ山を含んでもよい。
【0056】
一実施形態において、ベース210は、凹部215(depression)を含む。凹部215は、第1ベース面211Aに向かう方向に第2ベース面211Bに配置されてもよい。
【0057】
一実施形態において、凹部215は、実質的に湾曲した面を含んでもよい。
【0058】
一実施形態において、凹部215は、中心領域A1と区分される枠領域A2を形成することができる。複数の貫通体212は、枠領域A2に配置されてもよい。複数の貫通体212は、中心領域A1に配置されなくてもよい。
【0059】
図8は、一実施形態に係るヒーリングキャップの斜視図である。
図9は、一実施形態に係るヒーリングキャップの平面図である。
図10は、一実施形態に係る
図9のヒーリングキャップの10-10ラインに沿った断面図である。
【0060】
図8~
図10を参照すると、ヒーリングキャップ220はキャップボディー221を含む。キャップボディー221は、第1キャップ面221A(例えば、キャップ前面)、第1キャップ面221Aに反対となる第2キャップ面221B(例えば、キャップ後面)、及び第1キャップ面221Aと第2キャップ面221Bとの間のサイドキャップ面221Cを含む。一実施形態によれば、ヒーリングキャップ220がベース(例えば、
図4~
図7のベース210)と結合するとき、第2キャップ面221Bは、ベースのホール(例えば、
図4~
図7のホール213)の底面を少なくとも部分的に対面し、サイドキャップ面221Cは、ベースのホールのサイド面を少なくとも部分的に対面してもよい。
【0061】
一実施形態において、キャップボディー221は実質的に円筒状を含んでもよい。
【0062】
一実施形態において、ヒーリングキャップ220はリセース222を含む。リセース222は多角形状を含んでもよい。例えば、リセース222は、六角形状を含んでもよい。図示していない例では、リセース222は、実質的に円形又は楕円形状を含んでもよい。リセース222は、第2キャップ面221Bに向かって第1キャップ面221Aに形成されてもよい。
【0063】
一実施形態において、ヒーリングキャップ220は、第2噛み合わせ部223を含む。第2噛み合わせ部223は、ベース(例えば、
図4~
図7のベース210)の第1噛み合わせ部214と噛み合わせるように構成されることができる。第2噛み合わせ部223は、サイドキャップ面221Cに配置されてもよい。第2噛み合わせ部223は、第1キャップ面221Aと第2キャップ面221Bとの間でサイドキャップ面221Cの一部に沿って、又は、実質的にサイドキャップ面221Cの全体に沿って延びてもよい。例えば、第2噛み合わせ部223はねじ山を含んでもよい。
【0064】
図11は、一実施形態に係るハンドルを一方向から見た斜視図である。
図12は、一実施形態に係るハンドルを他の方向から見た斜視図である。
【0065】
図11及び
図12を参照すると、ハンドル230はシャフト231を含む。シャフト231は、第1シャフト端部面231A、第1シャフト端部面231Aに反対となる第2シャフト端部面231B、及び第1シャフト端部面231Aと第2シャフト端部面231Bとの間のサイドシャフト面231Cを含む。第2シャフト端部面231Bは、ヒーリングキャップ(例えば、
図8~
図10のヒーリングキャップ220)のリセース(例えば、
図8~
図10のリセース222)の底面に対面してもよい。
【0066】
一実施形態において、シャフト231は実質的に円筒状を含んでもよい。
【0067】
一実施形態において、ハンドル230は第1突出部232を含む。突出部232は、第1シャフト端部面231Aから突出してもよい。
【0068】
一実施形態において、第1突出部232の突出の長さはシャフト231の長さと実質的に同じであってもよい。図示していない実施形態では、第1突出部232の突出の長さは、シャフト231の長さよりも大きくてもよい。図示していない実施形態では、第1突出部232の突出の長さはシャフト231の長さよりも小さくてもよい。
【0069】
一実施形態において、第1突出部232の直径又は幅は、シャフト231の直径又は幅よりも小さくてもよい。図示していない実施形態では、第1突出部232の直径又は、幅はシャフト231の直径又は幅と実質的に同じであってもよい。図示していない実施形態では、第1突出部232の直径又は幅はシャフト231の直径又は幅よりも大きくてもよい。
【0070】
一実施形態において、ハンドル230は第2突出部233を含む。第2突出部233は、第2シャフト端部面231Bから突出してもよい。第2突出部233は、ヒーリングキャップ(例えば、
図8~
図10のヒーリングキャップ220)のリセース(例えば、
図8~
図10のリセース222)と噛み合わせるように構成してもよい。例えば、第2突出部233は、多角形状(例えば、六角形状)を含んでもよい。図示していない例では、第2突出部233は実質的に円形又は楕円形状を含んでもよい。
【0071】
一実施形態において、第2突出部233の突出の長さは、第1突出部232の突出の長さよりも小さくてもよい。図示していない実施形態では、第2突出部233の突出の長さは第1突出部232の突出の長さと実質的に同じであってもよい。図示していない実施形態では、第2突出部233の突出の長さは第1突出部232の突出の長さよりも大きくてもよい。
【0072】
一実施形態において、第2突出部233の直径又は幅はシャフト231の直径又は幅よりも小さくてもよい。図示していない実施形態では、第2突出部233の直径又は幅はシャフト231の直径又は幅と実質的に同じであってもよい。図示していない実施形態では、第2突出部233の直径又は幅はシャフト231の直径又は幅よりも大きくてもよい。
【0073】
一実施形態において、第2突出部233の直径又は幅は、第1突出部232の直径又は幅よりも小さくてもよい。図示していない実施形態では、第2突出部233の直径又は幅は第1突出部232の直径又は幅と実質的に同じであってもよい。図示していない実施形態では、第2突出部233の直径又は幅は第1突出部232の直径又は幅よりも小さくてもよい。
【0074】
図13は、一実施形態に係る歯科スクリューの斜視図である。
図14は一実施形態に係る歯科スクリューの分解斜視図である。
【0075】
図13及び
図14を参照すると、歯科スクリュー200-1(例えば、
図1の第1歯科スクリュー111、第2歯科スクリュー112及び/又は第3歯科スクリュー113、及び/又は
図2及び
図3の歯科スクリュー200)はベース210及びハンドル230-1(例えば、
図2、
図3、
図11及び
図12のハンドル230)を含む。ハンドル230-1は、ベース210に結合するように構成されてもよい。ベース210は、ベースボディ211及び複数の貫通体212を含む。
【0076】
図15は、一実施形態に係るハンドルの平面図である。
図16は、一実施形態に係るド15のハンドルの16-16ラインに沿った平面図である。
【0077】
【0078】
一実施形態において、ハンドル230-1は、第3噛み合わせ部234を含む。第3噛み合わせ部234は、ベース(例えば、
図4~
図7のベース210)の第1噛み合わせ部(例えば、
図4~
図7の第1噛み合わせ部214)と噛み合わせるように構成されてもよい。一実施形態において、第3噛み合わせ部234はねじ山を含んでもよい。
【0079】
一実施形態において、第3噛み合わせ部234は、サイドシャフト面231Cに配置されてもよい。第3噛み合わせ部234は、第1シャフト端部面231Aと第2シャフト端部面231Bとの間でサイドシャフト面231Cの一部に沿って形成されてもよい。第3噛み合わせ部234は、第2シャフト端部面231Bから第1シャフト端部面231Aに向かってサイドシャフト面231Cに部分的に形成されてもよい。図示していない実施形態では、第3噛み合わせ部234は、第1シャフト端部面231Aと第2シャフト端部面231Bとの間で実質的にサイドシャフト面231Cの全体に沿って形成されてもよい。
【0080】
上述したように様々な実施形態が、たとえ限定された図面により説明されたが、当技術分野で通常の知識を有する者であれば、前記に基づいて様々な技術的修正及び変形を適用することができる。例えば、説明された技術が説明された方法とは異なる順に実行されたり、及び/又は説明されたシステム、構造、装置、回路などの構成要素が説明された方法とは異なる形態に結合又は組み合せられたり、他の構成要素又は均等物によって代替、置換されても、適切な結果を達成することができる。
【0081】
したがって、本発明の範囲は、開示された実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲と均等なものなどによって定められるものである。
【要約】 (修正有)
【課題】骨の表面に安定的に保持される歯科スクリューを提供する。
【解決手段】骨の表面の癒着型歯科スクリュー(200)は、ベース(210)、ヒーリングキャップ(220)、及びハンドル(230)を含む。ベース(210)は、骨を掘り進むように構成された複数の貫通体(212)を含んでもよい。ベース(210)近位側における貫通体(212)の面積は、ベース(210)遠位側における貫通体の面積よりも小さくてもよい。
【選択図】
図3