(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-15
(45)【発行日】2024-04-23
(54)【発明の名称】生体組織処理装置
(51)【国際特許分類】
C12M 1/00 20060101AFI20240416BHJP
A61M 1/00 20060101ALI20240416BHJP
B04B 3/00 20060101ALI20240416BHJP
B04B 7/12 20060101ALI20240416BHJP
B04B 7/16 20060101ALI20240416BHJP
B04B 11/04 20060101ALI20240416BHJP
C12M 1/33 20060101ALI20240416BHJP
【FI】
C12M1/00 Z
A61M1/00 140
A61M1/00 170
B04B3/00 A
B04B7/12
B04B7/16
B04B11/04
C12M1/33
(21)【出願番号】P 2021515579
(86)(22)【出願日】2019-10-10
(86)【国際出願番号】 US2019055651
(87)【国際公開番号】W WO2020077097
(87)【国際公開日】2020-04-16
【審査請求日】2022-09-22
(32)【優先日】2018-10-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2018-11-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】503220392
【氏名又は名称】ディーエスエム アイピー アセッツ ビー.ブイ.
【氏名又は名称原語表記】DSM IP ASSETS B.V.
【住所又は居所原語表記】Het Overloon 1, NL-6411 TE Heerlen,Netherlands
(74)【代理人】
【識別番号】100107456
【氏名又は名称】池田 成人
(74)【代理人】
【識別番号】100128381
【氏名又は名称】清水 義憲
(74)【代理人】
【識別番号】100162352
【氏名又は名称】酒巻 順一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100168734
【氏名又は名称】石塚 淳一
(72)【発明者】
【氏名】フィッシャー, ウィリアム ティー.
(72)【発明者】
【氏名】デカ, アミット
【審査官】西澤 龍彦
(56)【参考文献】
【文献】特表2017-511748(JP,A)
【文献】特開2012-044939(JP,A)
【文献】特開2012-040484(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0223554(US,A1)
【文献】特表2012-507298(JP,A)
【文献】特開2002-143722(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C12M
B04B
A61M
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
線維を含む生体組織を処理するための装置であって、
a.回転可能チャンバであって、前記回転可能チャンバが周囲で回転されるように配置された軸と、第1端部及び第2端部とを有し、側壁が、前記第1端部と前記第2端部との間に延在するテーパ状内面を有し、前記回転可能チャンバは、内部において、
i.前記軸から離れる
方向に
前記軸から延び生体組織の複数の線維を捕捉するように構成された複数のアームを含む線維収集器、
ii.前記軸から第1半径方向距離における第1出口、
iii.生体組織の成分の通過を制限するように構成された保持スクリーンであって、前記軸から第2半径方向距離において前記第2端部と接し、前記第2半径方向距離は、前記第1半径方向距離よりも小さい、保持スクリーン
を含む、回転可能チャンバと、
b.前記軸を中心に前記回転可能チャンバを回転させ、それにより遠心力場を生成するように構成された駆動ユニットであって、前記遠心力場の生成時、生体組織のサンプルが前記回転可能チャンバ内に存在するとき、前記サンプルは、成分の異なる比重に応じて少なくとも2つの成分層になる、駆動ユニットと
を備える装置。
【請求項2】
前記線維収集器は、回転可能である、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記線維収集器は、前記軸を中心に回転するように構成される、請求項1又は2に記載の装置。
【請求項4】
前記線維収集器は、ブラシ又は櫛である、請求項1~3のいずれか一項に記載の装置。
【請求項5】
前記回転可能チャンバは、前記線維収集器からぶら下がっている線維を壊して、前記線維から所望の脂肪細胞を解放させるように構成されたワイパをさらに含む、請求項1~4のいずれか一項に記載の装置。
【請求項6】
前記回転可能チャンバは、前記線維収集器からぶら下がっている線維を壊して、前記線維から所望の脂肪組織を解放させるように構成されたワイパをさらに含み、前記線維収集器は、前記ワイパが固定されたままである一方で回転可能である、請求項1~5のいずれか一項に記載の装置。
【請求項7】
前記保持スクリーンは、その内面に脂肪組織を保持するように構成される、請求項1~6のいずれか一項に記載の装置。
【請求項8】
前記第1出口は、物質が前記第1出口に達するために前記保持スクリーンを通過しなければならないように、前記保持スクリーンよりも前記軸から遠くに位置する、請求項1~7のいずれか一項に記載の装置。
【請求項9】
前記第1出口は、収集容器と流体連通している第1チャネルの開口部である、請求項1~8のいずれか一項に記載の装置。
【請求項10】
前記第1出口は、液体が前記第1出口から流れることができるか、前記第1チャネルを通して流れることができるかを決定する第1弁と流体連通している、請求項9に記載の装置。
【請求項11】
前記弁は、前記装置の動作の結果として自動的に動作する、請求項10に記載の装置。
【請求項12】
前記弁は、動的シールを含み、前記動的シールは、閉鎖しているときに前記チャネルを通した流れを制限し、且つ前記動的シールに加えられる力に応じて開放する、請求項10又は11に記載の装置。
【請求項13】
前記回転可能チャンバは、前記軸から第1半径方向距離における前記第1出口と、前記軸から第2半径方向距離における前記保持スクリーンと、前記軸から第3半径方向距離における前記ワイパと、前記軸から第4半径方向距離における外縁を有する前記線維収集器とを含み、前記第4半径方向距離は、前記第3半径方向距離よりも小さく、前記第3半径方向距離は、前記第2半径方向距離よりも小さく、及び前記第2半径方向距離は、前記第1半径方向距離よりも小さい、請求項5又は6に記載の装置。
【請求項14】
前記回転可能チャンバは、前記回転可能チャンバの基部の近くで油を捕集するためのオイルトラップを含み、フィルタが、前記回転可能チャンバの前記基部の上方に距離をおいて位置決めされ、それにより前記オイルトラップを形成する、請求項1~13のいずれか一項に記載の装置。
【請求項15】
前記駆動ユニットは、前記回転可能チャンバを振動させるように構成される、請求項1~14のいずれか一項に記載の装置。
【請求項16】
請求項1~15のいずれか一項に記載の装置を使用して実施される、サンプルを処理するためのプロセスであって、
a.回転可能チャンバ内にサンプルを導入するステップであって、前記サンプルは生体組織を含み、前記生体組織は線維を含み、前記回転可能チャンバは、前記回転可能チャンバが周囲で回転されるように配置された軸を有する、ステップと、
b.前記軸から離れる
方向に
前記軸から延び生体組織の複数の線維を捕捉するように構成された複数のアームを含む線維収集器を回転させることによって、前記回転可能チャンバ内で前記サンプルから線維を捕捉するステップと、
c.前記回転可能チャンバを回転させ、それにより成分の密度に基づいて前記サンプルを少なくとも2つの成分の層にするステップと、
d.前記回転可能チャンバの第1出口を介して前記サンプルから第1流体成分を除去するステップと、
e.前記回転可能チャンバから前記サンプルの所望の成分を回収するステップと
を含むプロセス。
【請求項17】
前記線維収集器は、ブラシ、櫛、複数のワイヤ、または絡み合った複数のアームである、請求項
16に記載のプロセス。
【請求項18】
前記サンプルから第1流体成分を除去した後且つ前記サンプルの前記所望の成分を回収する前に洗浄液を追加するステップをさらに含む、請求項
16又は
17に記載のプロセス。
【請求項19】
前記洗浄液を追加した後、前記回転可能チャンバを振動させるステップをさらに含む、請求項
18に記載のプロセス。
【請求項20】
前記サンプルの前記所望の成分を回収する前に、前記回転可能チャンバを再度回転させ、それにより成分の密度に基づいて前記サンプルを前記少なくとも2つの成分の層にするステップと、前記回転可能チャンバの前記第1出口を介して前記サンプルから第2流体成分を除去するステップであって、前記第2流体成分は、前記洗浄液を含む、ステップとをさらに含む、請求項
18又は
19に記載のプロセス。
【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
[関連出願の相互参照]
本出願は、2018年10月11日に出願された米国仮特許出願第62/744381号明細書及び2018年11月9日に出願された欧州特許出願公開第18205419.7号明細書に対する優先権を主張する国際出願であり、上記出願の各々の内容全体は、すべて参照により本明細書に援用される。
【0002】
[発明の分野]
本発明は、脂肪等の生体組織を処理するための装置及び方法に関する。このような装置は、例えば、形成外科の分野において有用であり得る。
【0003】
[背景]
多くの形成外科方法において、脂肪は、除去され、体内に再注入される。多くの場合、脂肪から、フリーオイル、チューメセント液及び細胞残屑を含有し得る線維及び液体を除去することが望ましい。線維を除去することにより、シリンジ及び針の詰まりを最小限にすることによって脂肪の再注入が容易になる。
【0004】
これを行う1つの方法は、脂肪組織と血球等の流体とが経時的に分離する重力デカンテーションである。この方法は、時間がかかりすぎ、且つ一般に脂肪を洗浄しない。脂肪を洗浄することを望む場合、第2デカンテーションステップが必要となる可能性があり、処置にさらに時間が追加される。
【0005】
第2方法は、脂肪を遠心分離機にかけることである。これにより、脂肪から液体を除去することができるが、一般に脂肪が除去されない。さらに、別個の洗浄ステップが必要である。
【0006】
第3方法は、ライフセル・コーポレーション(LifeCell Corporation)のRevolveTMシステムと呼ばれる装置である。RevolveTMシステムプロセスは、単一の装置において液体を分離し、洗浄を行い、脂肪を除去する。この装置は、手動の組織採取器と組み合わせて真空源を使用することを含む。組織採取器は、線維を収集及び保持するように構成された1つ又は複数の歯付き部材を含む。こうした装置は、国際公開第2012/006587号パンフレット、同第2013/106655号パンフレット、同第2014/039697号パンフレット、同第2014/110448号パンフレット及び同第2015/035221号パンフレットに開示されている。
【0007】
関連する可能性がある装置のさらなる例は、国際公開第2012/067658号パンフレット、同第2013/123216号パンフレット、同第2014/011213号パンフレット、同第2014/0164815号パンフレット、同第2014/154990号パンフレット、米国特許出願公開第2015093362号明細書、国際公開第2015/117007号パンフレット及び同第2018/044791号パンフレットに開示されている。
【0008】
[概要]
上記の文献にも関わらず、本技術分野において、生体組織処理、具体的には脂肪処理のための改善されたプロセス及び装置が必要とされている。
【0009】
一実施形態では、線維を含む生体組織を処理するための装置は、
a.回転可能チャンバであって、軸であって、回転可能チャンバがその周囲で回転されるように配置される、軸と、第1端部及び第2端部とを有し、側壁は、第1端部と第2端部との間に延在するテーパ状内面を含み、回転可能チャンバは、内部において、
i.線維収集器、
ii.前記軸から第1半径方向距離における第1出口、
iii.生体組織の成分の通過を制限するように構成された保持スクリーンであって、軸から第2半径方向距離において第2端部と接し、第2半径方向距離は、第1半径方向距離よりも小さい、保持スクリーン
を含む、回転可能チャンバ、
b.軸を中心に回転可能チャンバを回転させ、それにより遠心力場を生成するように構成された駆動ユニットであって、遠心力場の生成時、生体組織のサンプルが回転可能チャンバ内に存在するとき、サンプルは、成分の異なる比重に応じて少なくとも2つの成分層になる、駆動ユニット
を含む。
【0010】
一実施形態では、線維を含む生体組織を処理するための装置は、
a.回転可能チャンバであって、軸であって、回転可能チャンバがその周囲で回転されるように配置される、軸と、第1端部及び第2端部とを有し、側壁は、第1端部と第2端部との間に延在するテーパ状内面を含み、回転可能チャンバは、内部において、
i.線維収集器、
ii.前記軸から第1半径方向距離における第1出口、
iii.生体組織をより小さい断片に細分化するように構成された細分化スクリーンであって、軸から第2半径方向距離において前記第2端部と接し、第2半径方向距離は、第1半径方向距離よりも小さい、細分化スクリーン
を含む、回転可能チャンバ、
b.軸を中心に回転可能チャンバを回転させ、それにより遠心力場を生成するように構成された駆動ユニットであって、遠心力場の生成時、生体組織のサンプルが回転可能チャンバ内に存在するとき、サンプルは、成分の異なる比重に応じて少なくとも2つの成分層になる、駆動ユニット
を含む。
【0011】
一実施形態では、サンプルを処理するプロセスは、
a.回転可能チャンバ内にサンプルを導入するステップと、
b.回転可能チャンバ内でサンプルから線維を捕捉するステップと、
c.回転可能チャンバを回転させ、それにより成分の密度に基づいてサンプルを少なくとも2つの成分の層にするステップと、
d.回転可能チャンバの第1出口を介してサンプルから第1流体成分を除去するステップと、
e.回転可能チャンバからサンプルの所望の成分を回収するステップと
を含む。
【0012】
開示される本発明は、従来技術による装置よりも無菌であり、独立式であり、高速であり、小型であり、使用が容易であり、脂肪の除去が優れており、汚染物質の除去が優れており、油又は他の液体の除去が優れており、又は他の点で効果的であり得る点で従来技術と比較して有益であり得る。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【0014】
[説明]
本装置は、処理ユニットを含む。処理ユニットは、回転可能チャンバと、任意選択的に外側筐体とを含む。回転可能チャンバは、生物学的混合物を収容するように配置され、中心軸を有し、この中心軸を中心として回転可能チャンバが回転されるように配置される。回転可能チャンバは、オペレータが不注意で回転可能チャンバに触れる可能性がないことを確実にするように、外側筐体内に収容することができる。外側筐体は、回転可能チャンバから生物学的混合物を受け取るように配置することができ、回転可能チャンバの中心軸に対して同軸に配置することができる。一実施形態では、回転可能チャンバは、回転可能チャンバの長手方向軸を中心に回転可能である。
【0015】
回転可能チャンバは、側壁と基部とを含む。側壁は、テーパ状内面を有する。テーパ状内面は、液体を回転可能チャンバの出口に向かって移動するように付勢する。一実施形態では、回転可能チャンバは、第1端部及び第2端部を有し、それらの間に側壁が延在し、前記第1端部は、前記第2端部の直径よりも小さい直径を有する。一実施形態では、第2端部は、基部である。
【0016】
処理ユニットは、サンプル、例えば脂肪吸引物が回転可能チャンバ内に配置されることを可能にするポートを含む。一実施形態では、ポートは、シリンジ又はカテーテルのチップを受け入れるように構成される。一実施形態では、ポートは、サンプルの投入を可能にするように開放し、且つ処理ユニットを封止するように閉鎖することができるキャップを含む。
【0017】
回転可能チャンバは、回転可能チャンバ内に位置する線維収集器を含む。線維収集器は、脂肪吸引物内のコラーゲン線維等、サンプルから線維を収集するように構成される。こうした線維は、真空クリーナの回転ブラシの周囲に巻き付く紐の外観のように塊りになって線維収集器に巻き付く可能性がある。
【0018】
一実施形態では、線維収集器は、回転可能である。一実施形態では、線維収集器は、その中心軸を中心に回転可能である。一実施形態では、線維収集器は、回転可能チャンバの軸を中心に回転可能である。一実施形態では、線維収集器は、回転可能チャンバと同じ回転源に接続される。一実施形態では、線維収集器は、回転可能チャンバと同じ回転源に接続され、回転可能チャンバの回転源よりも低速で回転するように構成される。こうした構成は、例えば、歯車によって達成することができる。
【0019】
一実施形態では、
図1に示すように、線維収集器は、それ自体の回転源に接続される。一実施形態では、線維収集器に結合された回転源は、処理ユニットの最上部に存在し、線維収集器から分離して再使用することができる。
【0020】
一実施形態では、線維収集器は、回転可能チャンバと同じ回転周波数を有する。一実施形態では、線維収集器は、回転可能チャンバよりも低速の回転速度で回転するように構成される。一実施形態では、線維収集器は、回転可能チャンバよりも高速の回転周波数で回転するように構成される。一実施形態では、線維収集器は、回転可能チャンバの軸と同軸に又はその軸に近接して存在する。一実施形態では、線維収集器の外縁部は、軸から第4半径方向距離に存在する。一実施形態では、線維収集器は、軸から第5半径方向距離に存在する。
【0021】
一実施形態では、線維収集器は、組織の1つ又は複数の線維が捕捉され得る複数のアームを含む。一実施形態では、線維収集器は、軸を中心に回転するように構成される。一実施形態では、線維収集器は、軸から延在する複数のアーム、例えば軸に対して同軸である中心軸を有するシリンダの表面から離れて半径方向に延在するアームを含む。一実施形態では、線維収集器は、複数の絡み合ったアーム、例えばスチールウールを含む。一実施形態では、線維収集器は、複数のワイヤを含む。一実施形態では、線維収集器は、複数の剛毛を含む。一実施形態では、線維収集器のアームは、軸から離れて直線に延在する。一実施形態では、線維収集器は、ブラシである。一実施形態では、ブラシは、ナイロン製剛毛を含む。一実施形態では、線維収集器は、櫛である。一実施形態では、線維収集器は、らせん形ブラシを含む。一実施形態では、線維収集器は、円筒状ブラシを含む。
【0022】
基部からの線維収集器の高さは、少なくとも回転可能チャンバに提供されるサンプルの量と同程度の高さであるべきである。一実施形態では、線維収集器は、2インチ以下、1.5インチ以下、1インチ以下、0.75インチ以下又は0.5インチ以下の外径を有する。
【0023】
一実施形態では、線維収集器は、回転可能チャンバから取外し可能である。例えば、線維収集器は、回転可能チャンバを閉鎖するキャップから分離し、回転可能チャンバから取り外すことができる。これにより、動作後に回転可能チャンバ内に残っているサンプルの所望の成分を回収する前に、線維収集器内に収容された線維を内側チャンバから取り除くことができる。
【0024】
一実施形態では、回転可能チャンバは、ワイパをさらに含む。装置の動作中、線維は、線維収集器の上でともに一続きになり、線維収集器の外径を越えて延在する可能性がある。線維収集器から「ぶら下がっている」これらの線維は、非線維性脂肪組織等、サンプルの所望の要素を捕集する可能性がある。ワイパの機能は、これらのぶら下がっている線維を破壊して、所望の脂肪細胞が線維から解放されることを引き起こすことである。例えば、線維収集器が回転する際、線維収集器からぶら下がっている線維の一部は、ワイパに衝突し、ワイパは、線維を破壊し、非線維性組織を押し退ける。ワイパは、線維収集器からぶら下がっている線維を破壊し、所望の脂肪組織が線維から解放されることを引き起こすのに十分な剛性を有する。一実施形態では、ワイパは、円筒状ロッドである。
【0025】
一実施形態では、ワイパは、装置の動作中にワイパが線維収集器と接触しない位置において、線維収集器に近接して存在する。一実施形態では、線維収集器は、回転可能チャンバの回転軸に対して同軸であり、ワイパは、線維収集器の最外半径よりも大きい軸からの半径に存在する。
【0026】
一実施形態では、線維収集器は、ワイパが静止したままである一方で回転可能である。一実施形態では、ワイパは、線維収集器が静止したままである一方で回転可能である。一実施形態では、ワイパは、線維収集器と異なる回転周波数において線維収集器の周囲で回転可能である。
【0027】
回転可能チャンバは、保持スクリーンをさらに含む。保持スクリーンは、液体が通過することを可能にしながら、保持スクリーンの内部に特定の種の組織を実質的に保持するように構成される。一実施形態では、保持スクリーンは、その内面に脂肪組織を保持するように構成される。一実施形態では、保持スクリーンは、円筒状である。一実施形態では、保持スクリーンの表面は、側壁の内面に対して実質的に平行である。一実施形態では、保持スクリーンは、円錐台形である。一実施形態では、保持スクリーンは、回転可能チャンバとともに回転する。一実施形態では、保持スクリーンは、回転可能チャンバに対して静止している。一実施形態では、保持スクリーンは、回転可能チャンバの回転周波数よりも低い回転周波数で回転する。
【0028】
一実施形態では、保持スクリーンは、基部から離れて突出する。一実施形態では、保持スクリーンは、回転可能チャンバの軸の周囲に同心状に延在する。一実施形態では、保持スクリーンは、メッシュ状である。保持スクリーンは、金属若しくはポリマーワイヤ材料又は所望の物質が通過することを阻止する一方、流体の通過を可能にするのに十分なサイズの開口部を有する穿孔シートであり得る。
【0029】
回転可能チャンバは、第1出口を含む。一実施形態では、第1出口は、回転可能チャンバの基部の近くで側壁における等、回転可能チャンバの基部又は側壁に近接して回転可能チャンバの基部に位置する。一実施形態では、第1出口は、物質が第1出口に達するために保持スクリーンを通過しなければならないように、保持スクリーンよりも回転可能チャンバの回転軸から遠くに位置する。したがって、保持スクリーンは、生体組織の形態の障害物が出口に達することを妨げる役割をさらに果たすことができる。
【0030】
一実施形態では、第1出口は、第1チャネルの開口部である。第1チャネルは、血液、油又はチューメセント液等、サンプル内の望ましくない液体がサンプルの他の構成成分から分離された後、回転可能チャンバから吐出される通路としての役割を果たす。一実施形態では、第1チャネルは、サンプル内に存在する液体が第1チャネルを通して回転可能チャンバから漏れ出ることができるように構成される。第1チャネルを通して移動する液体の速度は、回転可能チャンバの回転中に増大することができる。
【0031】
一実施形態では、第1チャネルは、第1出口で開始し、収集容器で終端する。一実施形態では、第1チャネルは、収集容器と流体連通している。収集容器は、サンプルの遠心分離によって放出される流体を収集する。一実施形態では、装置は、収集容器を含む。一実施形態では、収集容器は、装置内又は
図1に示すような外側筐体内に収容される。一実施形態では、収集容器は、装置から別個に取外し可能である。
【0032】
一実施形態では、第1チャネルは、第1出口で開始し、外側筐体の外側で終端する。一実施形態では、装置は、収集容器を含まない。こうした実施形態では、第1チャネルは、外側筐体を越えて延在し、ユーザによって提供される容器内に向けられ得る。
【0033】
一実施形態では、第1出口は、液体が第1出口から流れることができるかどうかを決定する第1弁と流体連通している。一実施形態では、弁は、ユーザによって手動で操作可能である。一実施形態では、弁は、装置の動作の結果として自動的に動作する。
【0034】
一実施形態では、弁は、動的シールを含む。動的シールは、通常、閉鎖位置にあり、それによりチャネルを通した流れを制限し、且つ動的シールに加えられる力に応じて開放するシールである。力は、サンプルにより動的シールに加えることができるか、又は装置の回転により動的シールに加えることができる。一実施形態では、動的シールは、チャネル内に位置決めされたOリングを含む。
【0035】
一実施形態では、チャネルは、その経路がチャネルを通した液体の流れを制限するように構成される。一実施形態では、チャネルは、いずれかの箇所において、小さい方の直径を有する回転可能チャンバの端部に向かって傾斜している経路を含む。このように、サンプルの構成成分は、概して、サンプルに対する遠心力が、チャネルを通るようにサンプルの構成成分を向けるのに実質的に十分である時点まで回転可能チャンバ内に残る。一実施形態では、チャネルは、蛇行経路を含む。一実施形態では、チャネルは、実質的に直線であり、小さい方の直径を有する回転可能チャンバの端部に向かって上向きに角度が付けられている。
【0036】
一実施形態では、回転可能チャンバは、回転可能チャンバの回転軸から第1半径方向距離における第1出口と、軸から第2半径方向距離における保持スクリーンと、軸から第3半径方向距離におけるワイパと、軸から第4半径方向距離における、外縁を有する線維収集器とを含み、第4半径方向距離は、第3半径方向距離よりも小さく、第3半径方向距離は、第2半径方向距離よりも小さく、及び第2半径方向距離は、第1半径方向距離よりも小さい。
【0037】
一実施形態では、回転可能チャンバは、第1出口と異なる、軸からの半径方向距離における第2出口をさらに含む。第2出口は、第2チャネルの開口部であり得る。第2チャネルは、第2弁を含むことができる。さらなる出口、チャネル及び弁も存在し得る。
【0038】
一実施形態では、装置は、流体変位を可能にする1つ又は複数の排出口(図示せず)を組み込む。1つ又は複数の排出口は、空気が、流体がそれから押し退けられるチャンバに入ることを可能にするか、又は空気が、流体がそれから入るチャンバから出ることを可能にする。
【0039】
一実施形態では、内側チャンバは、トラップを含む。トラップは、回転可能チャンバの回転中にサンプルのいくつかの成分を捕集して、回転が停止した後、捕集された成分がサンプルの他の成分と混合することが阻止されるようにする、回転可能チャンバの底部にある領域である。一実施形態では、回転可能チャンバは、回転可能チャンバの基部の近くで油を捕集するためのオイルトラップを含む。
【0040】
一実施形態では、フィルタは、回転可能チャンバの基部の上方に距離をおいて位置決めされ、それによりトラップを形成する。フィルタは、遠心分離によって分離された可能性のある任意の油又は脂質画分から生体組織の成分を分離して維持するのに有用であり得る。例えば、保持スクリーンが存在する実施形態では、脂肪組織のサンプルは、以下の成分:中澄液、脂肪組織並びに油及び脂肪画分に分離することができる。概して、油及び脂肪画分は、回転可能チャンバの回転軸の最も近くに存在する。しかしながら、保持スクリーンの存在により、油及び脂質画分の第1部分は、保持スクリーンを通過し、中澄液に隣接して存在し、油及び脂質画分の第2部分は、保持スクリーンを通過せず、回転チャンバの回転軸により近い脂肪組織の内面に存在する。油及び脂質画分の第1部分は、中澄液とともに第1出口から排出することができる。回転が停止すると、フィルタが存在しない場合、油及び脂質画分の第2部分は、脂肪組織と望ましくなく混合する可能性がある。油及び脂質画分は、重力によりフィルタを通過するが、脂肪組織は、フィルタを通過しないため、フィルタは、脂肪組織から油及び脂質画分の第2部分を分離して維持するのに役立つ。
【0041】
一実施形態では、フィルタは、ディスクのような形状である。こうした実施形態は、
図1に示されている。一実施形態では、フィルタは、ステンレス鋼等の金属から作製される。一実施形態では、フィルタは、ナイロン等のプラスチックから作製される。一実施形態では、フィルタは、少なくとも0.025mm又は0.05mmの平均開口サイズを有する。一実施形態では、フィルタは、最大で0.25mm、0.2mm、0.15mm又は0.13mmの平均開口サイズを有する。
【0042】
一実施形態では、装置は、回転可能チャンバのための回転源としての役割を果たす駆動ユニットを含む。駆動ユニットは、好ましくは、処理ユニットに結合する。駆動ユニットは、回転可能チャンバを回転させる手段を含む。駆動ユニットは、好ましくは、回転可能チャンバを回転させるように構成された電気モータを含むが、ハンドクランク又は当業者に既知であり得る、回転可能チャンバを回転させる他の任意の手段も含むことができる。一実施形態では、駆動ユニットは、ハンドクランク及びばねを含み、駆動ユニットを巻き上げて、回転可能チャンバを回転させるためにばねを解放することができるように構成される。一実施形態では、駆動ユニットは、駆動ユニットを実質的な洗浄又は滅菌なしに再使用することができるように、処理ユニットから分離可能である。一実施形態では、処理ユニットは、使い捨てであるか、又は再使用することができるように洗浄及び滅菌することができる。
【0043】
十分な回転速度に達すると、生体組織サンプルは、成分の密度に基づいて少なくとも2つの成分の層になる。例えば、脂肪組織は、以下の成分の層になる:下澄液の層、油及び脂質を含む画分並びに濃縮脂肪組織の層。一実施形態では、それらの成分は、回転可能チャンバの側壁から以下の順序:中澄液、濃縮脂肪組織並びに油及び脂質画分で存在する。一実施形態では、それらの成分は、回転可能チャンバの側壁から以下の順序:中澄液、油及び脂質画分、保持スクリーンの内面に存在する濃縮脂肪組織並びにさらなる油及び脂質画分で存在する。
【0044】
図1は、本発明の一実施形態を示す。装置は、外側チャンバ2によって包囲される回転可能チャンバ1を含む。外側チャンバ2の目的は、回転可能チャンバ1を封入し、且つオペレータがそれに接触しないようにすることである。回転可能チャンバ1は、回転可能チャンバ1を回転するように駆動するモータ3に結合される。内側チャンバ1内に線維収集器4がある。線維収集器4は、内側シャフト6から延在する複数のアーム5を含む。内側シャフト6は、モータ7に接続され、モータ7は、線維収集器4を、回転可能チャンバ1とは独立して高速回転するように駆動する。装置は、シャフトの形態のワイパ8をさらに含む。ワイパ8は、線維収集器8から距離をおいて存在する。ワイパ8は、線維収集器4が回転し、それにより生体組織から線維を収集する際、線維収集器4からぶら下がっている線維を破壊するために、線維収集器4に対して静止して保持される。ワイパ8は、線維収集器4よりも大きい長さを有し、線維収集器4の全長にわたって延在する。
【0045】
図1に示す装置は、保持スクリーン9をさらに含む。保持スクリーン9は、円錐台形状を有する。保持スクリーン9は、その内面に生体組織を実質的に保持するようなサイズである。十分な速度で回転可能チャンバ1が回転すると、生体組織は、保持スクリーン9に押し付けられ、生体組織内に存在する流体が保持スクリーン9を通過してテーパ状側壁10に向かうことを可能にする。テーパ状側壁のテーパにより、それと接触する流体は、チャネル11に向かって進み、チャネル11は、弁に結合されて、弁によって流体を通過させるか又は停止することができる。チャネル11は、容器12に結合される。
図1に示す実施形態は、フィルタ13をさらに含む。フィルタ13は、回転可能チャンバが回転しなくなったとき、回転可能チャンバの基部に存在する油等の流体からいかなる生体組織も分離して維持する役割を果たす。
【0046】
一実施形態では、装置は、細分化スクリーンを含む。細分化スクリーンは、保持スクリーンの代わりに又は保持スクリーンに加えて存在し得る。保持スクリーンとは対照的に、細分化スクリーンは、組織をより小さい断片に細分化するために使用される。一実施形態では、細分化スクリーンは、組織をより小さい断片に細分化するように構成される。一実施形態では、細分化の行為は、脂肪組織に存在する複数の脂肪細胞を破断することを含む。細分化スクリーンは、例えば、脂肪組織から脂肪由来幹細胞等の多能性幹細胞を抽出するために有用であり得る。さらに、生体組織を細分化する前に線維を除去することにより、生体細胞をより容易に細分化することができる。一実施形態では、細分化スクリーンは、回転可能チャンバの回転軸からの第2半径方向距離よりも小さく且つ第3半径方向距離よりも大きい第6半径方向距離に存在する。一実施形態では、細分化スクリーンは、回転可能チャンバとともに回転する。
【0047】
細分化スクリーンは、保持スクリーンに関してすでに記載した特徴のすべてを有し得るが、組織を保持するのとは対照的に組織を細分化するために、スクリーンにおいてより大きい開口部を有し得る点が異なる。
【0048】
細分化スクリーンの目的は、組織を細分化することであるが、組織は、細分化スクリーンと接触したときに即座に細分化しない可能性がある。代わりに、組織は、細分化スクリーンにより幾分か保持される可能性がある。それは、組織を細分化するために細分化スクリーンを通して組織を付勢するために有益であり得る。一実施形態では、組織は、回転可能チャンバの回転軸から離れて側壁に向かうように付勢される。一実施形態では、装置は、細分化スクリーンを通して組織を付勢するように配置されたローラをさらに含む。一実施形態では、ローラは、ローラ軸と、ローラ軸を中心に回転可能なシリンダとを含む。一実施形態では、ローラ軸は、シリンダの中心ボアを通して延在する堅いワイヤから形成され、ワイヤは、内側チャンバ内の静止位置に固定することができるように取り付けられる。
【0049】
一実施形態では、ローラは、細分化スクリーンに近接して又は接触して存在する。ローラ軸又は細分化スクリーンのいずれかが回転可能チャンバとともに回転可能チャンバの回転軸を中心に回転すると、ローラは、細分化スクリーンの内面に蓄積した組織と接触することができ、それにより細分化スクリーンを通して組織を付勢する。一実施形態では、細分化スクリーンは、ローラ軸が静止したままである一方で回転可能である。一実施形態では、ローラは、細分化スクリーンの内面の近くに存在するが、細分化スクリーンと接触しない。一実施形態では、ローラは、環状スクリーンの内面に接して転がる。
【0050】
一実施形態では、駆動ユニットは、複数の速度で回転可能チャンバを回転させるように構成される。一実施形態では、駆動ユニットは、回転可能チャンバ内のサンプルに作用するG力が1000g以下、8000g以下又は5000g以下であるように回転可能チャンバを回転させるように構成される。一実施形態では、駆動ユニットは、洗浄機等の回転可能チャンバを振動させるように構成される。一実施形態では、駆動ユニットは、正弦波パターンで振動するように構成される。一実施形態では、駆動ユニットは、矩形波パターンで振動するように構成される。駆動ユニットは、オペレータが、特定の方向又は特定の速度等、特定のプロセスで回転可能チャンバを回転させるように駆動ユニットを指示することを可能にする、ボタン等の手動制御部を含むことができる。
【0051】
一実施形態では、生体組織のサンプルを処理するプロセスは、
a.回転可能チャンバ内にサンプルを導入するステップと、
b.回転可能チャンバ内でサンプルから線維を捕捉するステップと、
c.回転可能チャンバを回転させ、それにより成分の密度に基づいてサンプルを少なくとも2つの成分の層にするステップと、
d.回転可能チャンバの第1出口を介してサンプルから第1流体成分を除去するステップと、
e.回転可能チャンバからサンプルの所望の成分を回収するステップと
を含む。
【0052】
一実施形態では、プロセスは、線維収集器を回転させるステップをさらに含む。一実施形態では、プロセスは、所望の成分を回収する前に線維収集器を取り外すことにより、回転可能チャンバ内で成分から線維を分離するステップをさらに含む。
【0053】
一実施形態では、プロセスは、サンプルから第1流体成分を除去した後且つサンプルから所望の成分を回収する前に洗浄液を追加するステップをさらに含む。一実施形態では、洗浄液は、生理食塩水、乳酸リンゲル液又はリン酸緩衝生理食塩水である。一実施形態では、装置は、回転可能チャンバが回転している間に洗浄液を追加することができるように構成される。一実施形態では、プロセスは、洗浄液を追加した後に回転可能チャンバを振動させることをさらに含む。一実施形態では、プロセスは、回転可能チャンバを回転させ、それにより成分の密度に基づいてサンプルを少なくとも2つの成分の層にすることと、回転可能チャンバの第1出口を介してサンプルから第2流体成分を除去することであって、第2流体成分は、洗浄液を含む、除去することとをさらに含む。一実施形態では、プロセスは、サンプルの線維性含有物を、線維性含有物を捕捉するように線維収集器を独立して回転させることにより、除去するステップをさらに含む。
【0054】
一実施形態では、生体組織から線維及び液体を除去するプロセスは、
a.回転可能チャンバ内に生体組織を挿入するステップであって、回転可能チャンバは、回転可能チャンバ内において、組織の1つ又は複数の線維が捕捉され得る複数のアームを含む線維収集器を含む、ステップと、
b.線維収集器を回転させ、それにより組織から複数の線維を捕捉するステップと、
c.回転可能チャンバを回転させ、それにより遠心力によって組織から流体を除去するステップと、
d.回転可能チャンバから流体を排出するステップと、
e.回転可能チャンバから生体組織を回収するステップと
を含む。
【0055】
一実施形態では、プロセスは、保持スクリーン上に生体組織を保持するステップをさらに含む。一実施形態では、プロセスは、生体組織を細分化するステップをさらに含む。一実施形態では、プロセスは、細分化スクリーンを通して生体組織を付勢し、それにより生体組織を細分化するステップをさらに含む。プロセスは、本明細書に記載したように装置を利用して実施され得る。
【0056】
本発明を説明することに関連して(特に以下の特許請求の範囲に関連して)、「1つの(a)」、「1つの(an)」及び「その」という用語並びに同様の指示対象の使用は、本明細書において別段の指示がない限り又は文脈に明確に矛盾しない限り、単数形及び複数形の両方を包含するものと解釈されるべきである。「含む」、「有する」、「包含する」及び「含有する」という用語は、別段の言及がない限り、非限定的な用語(すなわち「含むが、限定されない」を意味する)として解釈されるべきである。本明細書における値の範囲の記載は、本明細書において別段の指示がない限り、単にその範囲内に含まれるそれぞれの別個の値に個々に言及する省略表現方法の役割を果たすように意図されており、それぞれの別個の値は、本明細書において個々に記載されているかのように本明細書に組み込まれる。本明細書で提供するあらゆる例又は例示的な文言(例えば、「等」)の使用は、単に本発明をよりよく明らかにするように意図されており、別段の主張がない限り、本発明の範囲に限定を与えるものではない。本明細書におけるいかなる文言も、いかなる非特許請求要素を本発明の実施に対して不可欠であるように示すものとして解釈されるべきではない。
【0057】
本明細書では、本発明を遂行するために本発明者らに既知である最良の形態を含む、本発明の好ましい実施形態について記載している。それらの好ましい実施形態の変形形態は、上述した説明を読むことで当業者に明らかとなり得る。本発明者らは、当業者が、こうした変形形態を適切に採用することを想定し、本発明者らは、本発明が、本明細書に具体的に記載されているもの以外の方法で実施されることを意図する。したがって、本発明は、適用可能な法律によって許可されるように、本明細書に添付の特許請求の範囲に記載されている主題のすべての変更形態及び均等物を含む。本発明の実施形態としていくつかの任意選択的な特徴を記載しているが、その記載は、別段特別な指示がなく、物理的に不可能でない限り、これらの実施形態のすべての組合せを包含し、且つ具体的に開示するように意図されている。
【0058】
[いくつかの例示的な実施形態のさらなる説明]
1.線維を含む生体組織を処理するための装置であって、
a.回転可能チャンバであって、軸であって、回転可能チャンバがその周囲で回転されるように配置される、軸と、第1端部及び第2端部とを有し、側壁は、第1端部と第2端部との間に延在するテーパ状内面を含み、回転可能チャンバは、内部において、
i.線維収集器、
ii.前記軸から第1半径方向距離における第1出口、
iii.生体組織の成分の通過を制限するように構成された保持スクリーンであって、軸から第2半径方向距離において第2端部と接し、第2半径方向距離は、第1半径方向距離よりも小さい、保持スクリーン
を含む、回転可能チャンバ、
b.軸を中心に回転可能チャンバを回転させ、それにより遠心力場を生成するように構成された駆動ユニットであって、遠心力場の生成時、生体組織のサンプルが回転可能チャンバ内に存在するとき、サンプルは、成分の異なる比重に応じて少なくとも2つの成分層になる、駆動ユニット
を含む装置。
【0059】
2.線維を含む生体組織を処理するための装置であって、
a.回転可能チャンバであって、軸であって、回転可能チャンバがその周囲で回転されるように配置される、軸と、第1端部及び第2端部とを有し、側壁は、第1端部と第2端部との間に延在するテーパ状内面を含み、回転可能チャンバは、内部において、
i.線維収集器、
ii.前記軸から第1半径方向距離における第1出口、
iii.生体組織をより小さい断片に細分化するように構成された細分化スクリーンであって、軸から第2半径方向距離において前記第2端部と接し、第2半径方向距離は、第1半径方向距離よりも小さい、細分化スクリーン
を含む、回転可能チャンバ、
b.軸を中心に回転可能チャンバを回転させ、それにより遠心力場を生成するように構成された駆動ユニットであって、遠心力場の生成時、生体組織のサンプルが回転可能チャンバ内に存在するとき、サンプルは、成分の異なる比重に応じて少なくとも2つの成分層になる、駆動ユニット
を含む装置。
【0060】
3.生体組織は、脂肪組織である、先行する例示的な実施形態の任意の1つによる装置。
【0061】
4.回転可能チャンバは、管状である、先行する例示的な実施形態の任意の1つによる装置。
【0062】
5.前記第1端部は、前記第2端部の直径よりも小さい直径を有する、先行する例示的な実施形態の任意の1つによる装置。
【0063】
6.回転可能チャンバは、回転可能チャンバの長手方向軸を中心に回転可能である、先行する例示的な実施形態の任意の1つによる装置。
【0064】
7.回転可能チャンバは、テーパ状である、先行する例示的な実施形態の任意の1つによる装置。
【0065】
8.回転可能チャンバは、少なくとも部分的に透明である、先行する例示的な実施形態の任意の1つによる装置。
【0066】
9.回転可能ユニットと駆動ユニットとを含む処理ユニットを含む、先行する例示的な実施形態の任意の1つによる装置。
【0067】
10.回転可能チャンバは、外側筐体によって封入される、先行する例示的な実施形態の任意の1つによる装置。
【0068】
11.処理ユニットは、外側筐体をさらに含む、先行する例示的な実施形態の任意の1つによる装置。
【0069】
12.外側筐体は、回転可能チャンバから生体混合物を受け取るように配置される、先行する例示的な実施形態の任意の1つによる装置。
【0070】
13.外側筐体は、回転可能チャンバの回転軸に対して同軸に配置される、先行する例示的な実施形態の任意の1つによる装置。
【0071】
14.第2端部は、回転可能チャンバの基部である、先行する例示的な実施形態の任意の1つによる装置。
【0072】
15.処理ユニット又は回転可能チャンバは、サンプルが回転可能チャンバ内に配置されることを可能にするポートを含む、先行する例示的な実施形態の任意の1つによる装置。
【0073】
16.ポートは、シリンジのチップを受け入れるように構成される、先行する例示的な実施形態の任意の1つによる装置。
【0074】
17.ポートは、カテーテルを受け入れるように構成される、先行する例示的な実施形態の任意の1つによる装置。
【0075】
18.ポートは、サンプルの投入を可能にするように開放し、且つ処理ユニットを封止するように閉鎖することができるキャップを含む、先行する例示的な実施形態の任意の1つによる装置。
【0076】
19.線維収集器は、サンプルから線維を収集するように構成される、先行する例示的な実施形態の任意の1つによる装置。
【0077】
20.線維収集器は、回転可能である、先行する例示的な実施形態の任意の1つによる装置。
【0078】
21.線維収集器は、その中心軸を中心に回転可能である、先行する例示的な実施形態の任意の1つによる装置。
【0079】
22.線維収集器は、回転可能チャンバの軸を中心に回転可能である、先行する例示的な実施形態の任意の1つによる装置。
【0080】
23.線維収集器は、回転可能チャンバと同じ回転源に接続される、先行する例示的な実施形態の任意の1つによる装置。
【0081】
24.線維収集器は、回転可能チャンバと同じ回転源に接続され、回転可能チャンバの回転源よりも低速に回転するように構成される、先行する例示的な実施形態の任意の1つによる装置。
【0082】
25.線維収集器は、回転可能チャンバに接続される回転源と異なる回転源に接続される、先行する例示的な実施形態の任意の1つによる装置。
【0083】
26.線維収集器は、それ自体の回転源に接続される、先行する例示的な実施形態の任意の1つによる装置。
【0084】
27.線維収集器に結合される回転源は、処理ユニットの最上部に存在し、線維収集器から分離して再使用することができる、先行する例示的な実施形態の任意の1つによる装置。
【0085】
28.線維収集器は、回転可能チャンバと同じ回転周波数を有する、先行する例示的な実施形態の任意の1つによる装置。
【0086】
29.線維収集器は、回転可能チャンバよりも低速の回転周波数で回転するように構成される、先行する例示的な実施形態の任意の1つによる装置。
【0087】
30.線維収集器は、回転可能チャンバよりも高速の回転周波数で回転するように構成される、先行する例示的な実施形態の任意の1つによる装置。
【0088】
31.線維収集器は、回転可能チャンバと同軸に又はそれに近接して存在する、先行する例示的な実施形態の任意の1つによる装置。
【0089】
32.線維収集器は、回転可能チャンバの回転軸から第5半径方向距離に存在する、先行する例示的な実施形態の任意の1つによる装置。
【0090】
33.線維収集器は、組織の1つ又は複数の線維が捕捉され得る複数のアームを含む、先行する例示的な実施形態の任意の1つによる装置。
【0091】
34.線維収集器は、回転可能チャンバの回転軸を中心に回転するように構成される、先行する例示的な実施形態の任意の1つによる装置。
【0092】
35.線維収集器は、軸から離れて延在する複数のアームを含む、先行する例示的な実施形態の任意の1つによる装置。
【0093】
36.線維収集器は、軸から半径方向に延在する複数のアームを含む、先行する例示的な実施形態の任意の1つによる装置。
【0094】
37.線維収集器は、複数の絡み合ったアームを含む、先行する例示的な実施形態の任意の1つによる装置。
【0095】
38.線維収集器は、複数のワイヤを含む、先行する例示的な実施形態の任意の1つによる装置。
【0096】
39.線維収集器は、複数の剛毛を含む、先行する例示的な実施形態の任意の1つによる装置。
【0097】
40.線維収集器のアームは、軸から離れて直線に延在する、先行する例示的な実施形態の任意の1つによる装置。
【0098】
41.線維収集器は、ブラシである、先行する例示的な実施形態の任意の1つによる装置。
【0099】
42.線維収集器は、櫛である、先行する例示的な実施形態の任意の1つによる装置。
【0100】
43.線維収集器は、らせん形ブラシを含む、先行する例示的な実施形態の任意の1つによる装置。
【0101】
44.線維収集器は、円筒状ブラシを含む、先行する例示的な実施形態の任意の1つによる装置。
【0102】
45.線維収集器の高さは、少なくとも回転可能チャンバに提供されるサンプルの量と同程度の高さであるべきである、先行する例示的な実施形態の任意の1つによる装置。
【0103】
46.線維収集器は、2インチ(5.08cm)以下、1.5インチ(3.81cm)以下、1インチ(2.54cm)以下、0.75インチ(1.91cm)以下又は0.5インチ(1.27cm)以下の外径を有する、先行する例示的な実施形態の任意の1つによる装置。
【0104】
47.線維収集器は、回転可能チャンバから取外し可能である、先行する例示的な実施形態の任意の1つによる装置。
【0105】
48.線維収集器は、回転可能チャンバを閉鎖するキャップから分離し、回転可能チャンバから取り外すことができる、先行する例示的な実施形態の任意の1つによる装置。
【0106】
49.回転可能チャンバは、ワイパをさらに含む、先行する例示的な実施形態の任意の1つによる装置。
【0107】
50.ワイパは、線維収集器からぶら下がっている線維を破壊して、線維から所望の脂肪細胞が解放されることを引き起こす、先行する例示的な実施形態の任意の1つによる装置。
【0108】
51.ワイパは、円筒状ロッドである、先行する例示的な実施形態の任意の1つによる装置。
【0109】
52.ワイパは、装置の動作中にワイパが線維収集器と接触しない位置で線維収集器に近接して存在する、先行する例示的な実施形態の任意の1つによる装置。
【0110】
53.線維収集器は、回転可能チャンバの回転軸に対して同軸であり、ワイパは、線維収集器の最外半径よりも大きい軸からの半径に存在する、先行する例示的な実施形態の任意の1つによる装置。
【0111】
54.線維収集器は、ワイパが固定されたままである一方で回転可能である、先行する例示的な実施形態の任意の1つによる装置。
【0112】
55.ワイパは、線維収集器が静止したままである一方で回転可能である、先行する例示的な実施形態の任意の1つによる装置。
【0113】
56.ワイパは、線維収集器と異なる回転周波数において線維収集器の周囲で回転可能である、先行する例示的な実施形態の任意の1つによる装置。
【0114】
57.保持スクリーンをさらに含む、先行する例示的な実施形態の任意の1つによる装置。
【0115】
58.保持スクリーンは、第2端部から突出する、先行する例示的な実施形態の任意の1つによる装置。
【0116】
59.保持スクリーンは、液体が通過することを可能にしながら、保持スクリーンの内部に特定の種の組織を実質的に保持するように構成される、先行する例示的な実施形態の任意の1つによる装置。
【0117】
60.保持スクリーンは、その内面に脂肪組織を保持するように構成される、先行する例示的な実施形態の任意の1つによる装置。
【0118】
61.保持スクリーンは、円筒状である、先行する例示的な実施形態の任意の1つによる装置。
【0119】
62.保持スクリーンの表面は、側壁の内面に対して実質的に平行である、先行する例示的な実施形態の任意の1つによる装置。
【0120】
63.保持スクリーンは、円錐台形である、先行する例示的な実施形態の任意の1つによる装置。
【0121】
64.保持スクリーンは、回転可能チャンバとともに回転する、先行する例示的な実施形態の任意の1つによる装置。
【0122】
65.保持スクリーンは、回転可能チャンバに対して静止している、先行する例示的な実施形態の任意の1つによる装置。
【0123】
66.保持スクリーンは、回転可能チャンバの回転周波数よりも低い回転周波数で回転する、先行する例示的な実施形態の任意の1つによる装置。
【0124】
67.保持スクリーンは、基部から離れて突出する、先行する例示的な実施形態の任意の1つによる装置。
【0125】
68.保持スクリーンは、回転可能チャンバの軸の周囲に同心状に延在する、先行する例示的な実施形態の任意の1つによる装置。
【0126】
69.保持スクリーンは、メッシュ状である、先行する例示的な実施形態の任意の1つによる装置。
【0127】
70.保持スクリーンは、金属若しくはポリマーワイヤ材料又は所望の物質が通過することを阻止する一方、流体の通過を可能にするのに十分なサイズの開口部を有する穿孔シートから作製される、先行する例示的な実施形態の任意の1つによる装置。
【0128】
71.第1出口は、回転可能チャンバの基部に近接して位置する、先行する例示的な実施形態の任意の1つによる装置。
【0129】
72.第1出口は、回転可能チャンバの基部の近くで側壁において位置する、先行する例示的な実施形態の任意の1つによる装置。
【0130】
73.第1出口は、側壁に近接して回転可能チャンバの基部に位置する、先行する例示的な実施形態の任意の1つによる装置。
【0131】
74.第1出口は、物質が第1出口に達するために保持スクリーンを通過しなければならないように、保持スクリーンよりも軸から遠くに位置する、先行する例示的な実施形態の任意の1つによる装置。
【0132】
75.第1出口は、第1チャネルの開口部である、先行する例示的な実施形態の任意の1つによる装置。
【0133】
76.第1チャネルは、サンプル内の望ましくない液体がサンプルの他の構成成分から分離された後、回転可能チャンバから吐出される通路としての役割を果たす、先行する例示的な実施形態の任意の1つによる装置。
【0134】
77.第1チャネルは、サンプル内に存在する液体が第1チャネルを通して回転可能チャンバから漏れ出ることができるように構成される、先行する例示的な実施形態の任意の1つによる装置。
【0135】
78.第1チャネルを通して移動する液体の速度は、回転可能チャンバの回転中に増大することができる、先行する例示的な実施形態の任意の1つによる装置。
【0136】
79.第1チャネルは、第1出口で開始し、収集容器で終端する、先行する例示的な実施形態の任意の1つによる装置。
【0137】
80.第1チャネルは、収集容器と流体連通している、先行する例示的な実施形態の任意の1つによる装置。
【0138】
81.収集容器を含む、先行する例示的な実施形態の任意の1つによる装置。
【0139】
82.収集容器は、装置内に収容される、先行する例示的な実施形態の任意の1つによる装置。
【0140】
83.収集容器は、外側筐体内に収容される、先行する例示的な実施形態の任意の1つによる装置。
【0141】
84.収集容器は、装置から別個に取外し可能である、先行する例示的な実施形態の任意の1つによる装置。
【0142】
85.第1チャネルは、第1出口で開始し、外側筐体の外側で終端する、先行する例示的な実施形態の任意の1つによる装置。
【0143】
86.収集容器を含まない、先行する例示的な実施形態の任意の1つによる装置。
【0144】
87.第1チャネルは、外側筐体を越えて延在し、ユーザによって提供される容器内に向けられ得る、先行する例示的な実施形態の任意の1つによる装置。
【0145】
88.第1弁をさらに含む、先行する例示的な実施形態の任意の1つによる装置。
【0146】
89.第1出口は、液体が第1出口から流れることができるか又は第1チャネルを通過して流れることができるかを決定する第1弁と流体連通している、先行する例示的な実施形態の任意の1つによる装置。
【0147】
90.弁は、ユーザによって手動で操作可能である、先行する例示的な実施形態の任意の1つによる装置。
【0148】
91.弁は、装置の動作の結果として自動的に動作する、先行する例示的な実施形態の任意の1つによる装置。
【0149】
92.弁は、動的シールを含む、先行する例示的な実施形態の任意の1つによる装置。
【0150】
93.動的シールは、通常、閉鎖位置にあり、それによりチャネルを通した流れを制限し、且つ動的シールに加えられる力に応じて開放する、先行する例示的な実施形態の任意の1つによる装置。
【0151】
94.動的シールは、チャネル内に位置決めされたOリングを含む、先行する例示的な実施形態の任意の1つによる装置。
【0152】
95.チャネルは、その経路がチャネルを通した液体の流れを制限するように構成される、先行する例示的な実施形態の任意の1つによる装置。
【0153】
96.チャネルは、いずれかの箇所において、小さい方の直径を有する回転可能チャンバの端部に向かって傾斜している経路を含む、先行する例示的な実施形態の任意の1つによる装置。
【0154】
97.チャネルは、蛇行経路を含む、先行する例示的な実施形態の任意の1つによる装置。
【0155】
98.チャネルは、実質的に直線であり、小さい方の直径を有する回転可能チャンバの端部に向かって上向きに角度が付けられている、先行する例示的な実施形態の任意の1つによる装置。
【0156】
99.回転可能チャンバは、回転可能チャンバの回転軸から第1半径方向距離における第1出口と、軸から第2半径方向距離における保持スクリーンと、軸から第3半径方向距離におけるワイパと、軸から第4半径方向距離における、外縁を有する線維収集器とを含み、第4半径方向距離は、第3半径方向距離よりも小さく、第3半径方向距離は、第2半径方向距離よりも小さく、及び第2半径方向距離は、第1半径方向距離よりも小さい、先行する例示的な実施形態の任意の1つによる装置。
【0157】
100.回転可能チャンバは、第1出口と異なる、軸からの半径方向距離における第2出口をさらに含む、先行する例示的な実施形態の任意の1つによる装置。
【0158】
101.回転可能チャンバは、第2出口に開口部がある第2チャネルをさらに含む、先行する例示的な実施形態の任意の1つによる装置。
【0159】
102.第2チャネルは、第2弁を含む、先行する例示的な実施形態の任意の1つによる装置。
【0160】
103.回転可能チャンバ内の流体変位を可能にする1つ又は複数の排出口を含む、先行する例示的な実施形態の任意の1つによる装置。
【0161】
104.内側チャンバは、トラップを含む、先行する例示的な実施形態の任意の1つによる装置。
【0162】
105.回転可能チャンバは、回転可能チャンバの基部の近くで油を捕集するためのオイルトラップを含む、先行する例示的な実施形態の任意の1つによる装置。
【0163】
106.フィルタは、回転可能チャンバの基部の上方に距離をおいて位置決めされ、それによりトラップを形成する、先行する例示的な実施形態の任意の1つによる装置。
【0164】
107.フィルタは、ディスクのような形状である、先行する例示的な実施形態の任意の1つによる装置。
【0165】
108.フィルタは、少なくとも0.025mm又は0.05mmの平均開口サイズを有する、先行する例示的な実施形態の任意の1つによる装置。
【0166】
109.フィルタは、最大で0.25mm、0.2mm、0.15mm又は0.13mmの平均開口サイズを有する、先行する例示的な実施形態の任意の1つによる装置。
【0167】
110.細分化スクリーンをさらに含む、先行する例示的な実施形態の任意の1つによる装置。
【0168】
111.細分化スクリーンは、組織をより小さい断片に細分化するために使用される、先行する例示的な実施形態の任意の1つによる装置。
【0169】
112.細分化スクリーンは、脂肪組織内に存在する複数の脂肪細胞を破断するように構成される、先行する例示的な実施形態の任意の1つによる装置。
【0170】
113.細分化スクリーンは、線維収集器よりも回転可能チャンバの回転軸から遠いが、保持スクリーンよりも軸の近くに存在する、先行する例示的な実施形態の任意の1つによる装置。
【0171】
114.細分化スクリーンは、軸からの第2半径方向距離よりも小さく且つ第3半径方向距離よりも大きい第6半径方向距離に位置する、先行する例示的な実施形態の任意の1つによる装置。
【0172】
115.細分化スクリーンは、円筒状である、先行する例示的な実施形態の任意の1つによる装置。
【0173】
116.細分化スクリーンの表面は、側壁の内面に対して実質的に平行である、先行する例示的な実施形態の任意の1つによる装置。
【0174】
117.細分化スクリーンは、円錐台形である、先行する例示的な実施形態の任意の1つによる装置。
【0175】
118.細分化スクリーンは、回転可能チャンバとともに回転する、先行する例示的な実施形態の任意の1つによる装置。
【0176】
119.細分化スクリーンは、回転可能チャンバに対して静止している、先行する例示的な実施形態の任意の1つによる装置。
【0177】
120.細分化スクリーンは、回転可能チャンバの回転周波数よりも低い回転周波数で回転する、先行する例示的な実施形態の任意の1つによる装置。
【0178】
121.細分化スクリーンは、基部から離れて突出する、先行する例示的な実施形態の任意の1つによる装置。
【0179】
122.細分化スクリーンは、回転可能チャンバの回転軸の周囲に同心状に延在する、先行する例示的な実施形態の任意の1つによる装置。
【0180】
123.細分化スクリーンは、メッシュ状である、先行する例示的な実施形態の任意の1つによる装置。
【0181】
124.保持スクリーンは、金属若しくはポリマーワイヤ材料又は組織の細分化を可能にするのに十分なサイズの開口部を有する穿孔シートから作製される、先行する例示的な実施形態の任意の1つによる装置。
【0182】
125.細分化スクリーンを通して組織を付勢するように配置されたローラをさらに含む、先行する例示的な実施形態の任意の1つによる装置。
【0183】
126.ローラは、ローラ軸と、ローラ軸を中心に回転可能なシリンダとを含む、先行する例示的な実施形態の任意の1つによる装置。
【0184】
127.ローラ軸は、シリンダの中心ボアを通して延在する堅いワイヤから形成され、ワイヤは、内側チャンバ内の静止位置に固定することができるように取り付けられる、先行する例示的な実施形態の任意の1つによる装置。
【0185】
128.ローラは、細分化スクリーンに近接して又は接触して存在する、先行する例示的な実施形態の任意の1つによる装置。
【0186】
129.細分化スクリーンは、ローラ軸が静止したままである一方で回転可能チャンバの回転軸を中心に回転可能である、先行する例示的な実施形態の任意の1つによる装置。
【0187】
130.ローラは、細分化スクリーンの内面の近くに存在するが、細分化スクリーンと接触しない、先行する例示的な実施形態の任意の1つによる装置。
【0188】
131.ローラは、細分化スクリーンの内面に接して転がる、先行する例示的な実施形態の任意の1つによる装置。
【0189】
132.駆動ユニットは、処理ユニットに結合する、先行する例示的な実施形態の任意の1つによる装置。
【0190】
133.駆動ユニットは、回転可能チャンバを回転させるように構成された電気モータを含む、先行する例示的な実施形態の任意の1つによる装置。
【0191】
134.駆動ユニットは、回転可能チャンバを回転させるハンドクランクを含む、先行する例示的な実施形態の任意の1つによる装置。
【0192】
135.駆動ユニットは、ハンドクランク及びばねを含み、駆動ユニットを巻き上げて、回転可能チャンバを回転させるためにばねを解放することができるように構成される、先行する例示的な実施形態の任意の1つによる装置。
【0193】
136.駆動ユニットは、駆動ユニットを実質的な洗浄又は滅菌なしに再使用することができるように、処理ユニットから分離可能である、先行する例示的な実施形態の任意の1つによる装置。
【0194】
137.処理ユニットは、使い捨てであるか、又は再使用することができるように洗浄及び滅菌することができる、先行する例示的な実施形態の任意の1つによる装置。
【0195】
138.駆動ユニットは、回転可能チャンバを複数の速度で回転させるように構成される、先行する例示的な実施形態の任意の1つによる装置。
【0196】
139.駆動ユニットは、回転可能チャンバ内のサンプルに作用するG力が1000g以下、8000g以下又は5000g以下であるように回転可能チャンバを回転させるように構成される、先行する例示的な実施形態の任意の1つによる装置。
【0197】
140.駆動ユニットは、回転可能チャンバを振動させるように構成される、先行する例示的な実施形態の任意の1つによる装置。
【0198】
141.駆動ユニットは、正弦波パターンで振動するように構成される、先行する例示的な実施形態の任意の1つによる装置。
【0199】
142.駆動ユニットは、矩形波パターンで振動するように構成される、先行する例示的な実施形態の任意の1つによる装置。
【0200】
143.回転可能チャンバが回転している間に洗浄液の追加を可能にするように構成される、先行する例示的な実施形態の任意の1つによる装置。生体組織のサンプルを処理するプロセスであって、
a.回転可能チャンバ内にサンプルを導入するステップと、
b.回転可能チャンバ内でサンプルから線維を捕捉するステップと、
c.回転可能チャンバを回転させ、それにより成分の密度に基づいてサンプルを少なくとも2つの成分の層にするステップと、
d.回転可能チャンバの第1出口を介してサンプルから第1流体成分を除去するステップと、
e.回転可能チャンバからサンプルの所望の成分を回収するステップと
を含むプロセス。
【0201】
144.生体組織のサンプルを処理するプロセスであって、
a.先行する例示的な実施形態の任意の1つによる装置を提供するステップと、
b.回転可能チャンバ内にサンプルを導入するステップと、
c.回転可能チャンバを回転させ、それにより成分の密度に基づいてサンプルを少なくとも2つの成分の層にするステップと、
d.回転可能チャンバの第1出口を介してサンプルから第1流体成分を除去するステップと、
e.回転可能チャンバからサンプルの所望の成分を回収するステップと
を含むプロセス。
【0202】
145.線維収集器を回転させるステップをさらに含む、先行する例示的な実施形態の任意の1つによるプロセス。
【0203】
146.生体組織から線維及び液体を除去するプロセスであって、
a.回転可能チャンバ内に生体組織を挿入するステップであって、回転可能チャンバは、回転可能チャンバ内において、組織の1つ又は複数の線維が捕捉され得る複数のアームを含む線維収集器を含む、ステップと、
b.線維収集器を回転させ、それにより生体組織から複数の線維を捕捉するステップと、
c.回転可能チャンバを回転させ、それにより遠心力によって生体組織から流体を除去するステップと、
d.回転可能チャンバから流体を排出するステップと、
e.回転可能チャンバから生体組織を回収するステップと
を含むプロセス。
【0204】
147.所望の成分を回収する前に線維収集器を取り外すことにより、回転可能チャンバ内で成分から線維を分離するステップをさらに含む、先行する例示的な実施形態の任意の1つによるプロセス。
【0205】
148.サンプルから第1流体成分を除去した後且つサンプルの所望の成分を回収する前に洗浄液を追加するステップをさらに含む、先行する例示的な実施形態の任意の1つによるプロセス。
【0206】
149.洗浄液は、生理食塩水、乳酸リンゲル液又はリン酸緩衝生理食塩水である、先行する例示的な実施形態の任意の1つによるプロセス。
【0207】
150.回転可能チャンバが回転している間に回転可能チャンバに洗浄液を追加するステップをさらに含む、先行する例示的な実施形態の任意の1つによるプロセス。
【0208】
151.洗浄液を追加した後に回転可能チャンバを振動させるステップをさらに含む、先行する例示的な実施形態の任意の1つによるプロセス。
【0209】
152.回転可能チャンバを回転させ、それにより成分の密度に基づいてサンプルを少なくとも2つの成分の層にし、且つ回転可能チャンバの第1出口を介してサンプルから第2流体成分を除去するステップをさらに含み、第2流体成分は、洗浄液を含む、先行する例示的な実施形態の任意の1つによるプロセス。
【0210】
153.線維収集器を独立して回転させることにより、サンプルの線維性含有物を除去するステップをさらに含む、先行する例示的な実施形態の任意の1つによるプロセス。
【0211】
154.保持スクリーンに生体組織を保持するステップをさらに含む、先行する例示的な実施形態の任意の1つによるプロセス。
【0212】
155.生体組織を細分化するステップをさらに含む、先行する例示的な実施形態の任意の1つによるプロセス。
【0213】
156.細分化スクリーンを通して生体組織を付勢し、それにより生体組織を細分化するステップをさらに含む、先行する例示的な実施形態の任意の1つによるプロセス。
【0214】
157.先行する例示的な実施形態の任意の1つの装置を利用して実施される、先行する例示的な実施形態の任意の1つによるプロセス。