(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-15
(45)【発行日】2024-04-23
(54)【発明の名称】蓄電装置
(51)【国際特許分類】
H01M 50/284 20210101AFI20240416BHJP
H01M 50/209 20210101ALI20240416BHJP
H01M 50/296 20210101ALI20240416BHJP
H01G 11/78 20130101ALI20240416BHJP
【FI】
H01M50/284
H01M50/209
H01M50/296
H01G11/78
(21)【出願番号】P 2019192449
(22)【出願日】2019-10-23
【審査請求日】2022-09-12
(73)【特許権者】
【識別番号】507151526
【氏名又は名称】株式会社GSユアサ
(74)【代理人】
【識別番号】100153224
【氏名又は名称】中原 正樹
(72)【発明者】
【氏名】飛鷹 強志
(72)【発明者】
【氏名】川内 智弘
(72)【発明者】
【氏名】楠 寿樹
(72)【発明者】
【氏名】宮脇 康貴
(72)【発明者】
【氏名】時井 敦志
【審査官】小森 重樹
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-046611(JP,A)
【文献】特開2017-208481(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 50/20-50/298
H01G 11/78
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
蓄電素子と、
前記蓄電素子に電気的に接続される基板と、
前記基板を保持する基板保持部と、を備える蓄電装置であって、
前記蓄電装置は、複数の前記蓄電素子を備え、
前記基板及び前記基板保持部は、前記複数の前記蓄電素子の並び方向において、前記蓄電装置の端部に位置し、
前記基板保持部は、前記基板を圧入状態で固定する固定部を有する
蓄電装置。
【請求項2】
前記基板には貫通孔が形成されており、
前記固定部は、前記基板保持部の前記基板との対向面から突出し、かつ、先端部に向かうほど細くなる突起であり、前記貫通孔に挿入されて圧入された状態で、前記基板を前記対向面から離間した位置で固定する
請求項
1に記載の蓄電装置。
【請求項3】
前記固定部は、前記基板の板面が鉛直方向と交差する方向に向いた姿勢で、前記基板を固定する
請求項1
または2に記載の蓄電装置。
【請求項4】
さらに、前記基板保持部に取り付けられるカバー部を備え、
前記カバー部は、前記基板の前記カバー部へ向かう方向への移動を規制する規制部を有する
請求項1~
3のいずれか1項に記載の蓄電装置。
【請求項5】
前記カバー部は、前記基板保持部に対して回動可能に取り付けられている
請求項
4に記載の蓄電装置。
【請求項6】
前記基板は、前記カバー部が前記基板保持部に対して回動する軸のある側とは異なる側の端部に、コネクタを有する
請求項
5に記載の蓄電装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、蓄電素子と基板とを備える蓄電装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、蓄電素子と基板とを備える蓄電装置が広く知られている。例えば、特許文献1には、複数の電池セル(蓄電素子)から構成される電池スタックと、電池スタックに固定される蓋部材と、複数の電池セルの各端子に電気的に接続される基板と、を備え、基板が、蓋部材に固定された電池ユニット(蓄電装置)が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
基板を備える蓄電装置において、基板の設置、メンテナンスまたは交換等の作業の際に、基板を容易に着脱できる構成が望まれる。しかし、上記従来の蓄電装置は、基板が、ネジ止めによって蓋部材に固定されている(特許文献1の
図3~5等参照)ため、ネジを取り付けたり取り外したりしてからでないと基板を着脱することができない。このように、本願発明者は、上記従来の蓄電装置では、基板を容易に着脱することができないという問題があることを見出した。
【0005】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、基板を容易に着脱することができる蓄電装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明の一態様に係る蓄電装置は、蓄電素子と、前記蓄電素子に電気的に接続される基板と、前記基板を保持する基板保持部と、を備え、前記基板保持部は、前記基板を圧入状態で固定する固定部を有する。
【0007】
これによれば、蓄電装置において、基板を保持する基板保持部は、基板を圧入状態で固定する固定部を有している。このように、基板を基板保持部に圧入により固定することで、ネジを取り付けたり取り外したりするような作業を行う必要がないため、基板保持部に対して基板を容易に着脱することができる。
【0008】
また、前記基板には貫通孔が形成されており、前記固定部は、前記基板保持部の前記基板との対向面から突出し、かつ、先端部に向かうほど細くなる突起であり、前記貫通孔に挿入されて圧入された状態で、前記基板を前記対向面から離間した位置で固定することにしてもよい。
【0009】
これによれば、基板保持部の固定部は、先端部に向かうほど細くなる突起であり、基板の貫通孔に圧入された状態で、基板を基板保持部の対向面から離間した位置で固定する。このように、基板保持部に先細り形状の突起を設けて、当該突起を基板の貫通孔に圧入することで、簡易な構成で、基板保持部に対して基板を容易に着脱することができる。また、基板を基板保持部の対向面から離間した位置で固定することで、基板の裏面(対向面側の面)にも部品を配置することができる。
【0010】
また、前記固定部は、前記基板の板面が鉛直方向と交差する方向に向いた姿勢で、前記基板を固定することにしてもよい。
【0011】
基板の板面が鉛直方向と交差する方向に向いた状態では、基板をネジ止め等で固定する場合には、基板を基板保持部に対して着脱しにくい。このため、基板を固定部によって基板保持部に圧入により固定することで、簡単な構成で、基板保持部に対して基板を容易に着脱することができる。
【0012】
また、さらに、前記基板保持部に取り付けられるカバー部を備え、前記カバー部は、前記基板の前記カバー部へ向かう方向への移動を規制する規制部を有することにしてもよい。
【0013】
基板は、ネジ止めではなく、基板保持部の固定部に圧入により固定されているため、固定部から抜けてしまうおそれがある。このため、基板保持部に取り付けられたカバー部に、基板のカバー部側への移動を規制する規制部を設ける。これにより、基板保持部の固定部に圧入により固定された基板が、固定部から抜けてしまうのを抑制することができる。
【0014】
また、前記カバー部は、前記基板保持部に対して回動可能に取り付けられていることにしてもよい。
【0015】
これによれば、カバー部が、基板保持部に対して回動可能に取り付けられているため、カバー部を基板保持部に対して回動させることで、カバー部を基板保持部に対して容易に開閉させることができる。これにより、基板保持部にカバー部が取り付けられている場合でも、基板保持部に対して基板を容易に着脱することができる。
【0016】
また、前記基板は、前記カバー部が前記基板保持部に対して回動する軸のある側とは異なる側の端部に、コネクタを有することにしてもよい。
【0017】
これによれば、基板のコネクタは、カバー部が基板保持部に対して回動する軸のある側とは異なる側の端部に配置されているため、カバー部を回動させる際に、コネクタまたはコネクタに接続されたケーブルが邪魔になるのを抑制することができる。これにより、ケーブルをコネクタに取り付けた状態でカバー部を回動させることができる等、カバー部を容易に回動させることができるため、基板保持部に対して基板を容易に着脱することができる。
【0018】
なお、本発明は、蓄電装置として実現することができるだけでなく、固定部を有する基板保持部、または、当該基板保持部及び基板としても実現することができる。
【発明の効果】
【0019】
本発明における蓄電装置によれば、基板を容易に着脱することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】実施の形態に係る蓄電装置の外観を示す斜視図である。
【
図2】実施の形態に係る蓄電装置を蓄電ユニットと基板ユニットとに分離した場合の構成を示す斜視図である。
【
図3】実施の形態に係る蓄電ユニットを分解した場合の各構成要素を示す分解斜視図である。
【
図4】実施の形態に係る基板ユニットを分解した場合の各構成要素を示す分解斜視図である。
【
図5】実施の形態に係る基板ユニットの構成を示す斜視図、断面図及び側面図である。
【
図6】実施の形態に係る基板ユニットの構成を示す断面図である。
【
図7】実施の形態に係る基板ユニットにおいてカバー部が開放された状態での構成を示す斜視図、正面図及び側面図である。
【
図8】実施の形態に係る外装体支持体の基板ユニット取付部に対して基板保持部を回動させた状態での構成を示す斜視図及び断面図である。
【
図9】実施の形態に係る基板ユニットのケーブル配置部にケーブルが配置された状態での構成を示す斜視図である。
【
図10】実施の形態に係る蓄電装置のケーブルの接続構成を示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施の形態(その変形例も含む)に係る蓄電装置について説明する。なお、以下で説明する実施の形態は、いずれも包括的または具体的な例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態などは、一例であり、本発明を限定する主旨ではない。また、各図において、寸法等は厳密に図示したものではない。
【0022】
また、以下の説明及び図面中において、1つの蓄電素子における一対(正極側及び負極側)の電極端子の並び方向、蓄電素子の容器の短側面の対向方向、または、蓄電ユニットの外装体の長側面の対向方向を、X軸方向と定義する。複数の蓄電素子の並び方向、蓄電素子の容器の長側面の対向方向、蓄電ユニットの外装体の短側面の対向方向、蓄電ユニットと基板ユニットとの並び方向、または、基板ユニットの基板保持部と基板とカバー部との並び方向を、Y軸方向と定義する。蓄電ユニットの外装体支持体と外装体蓋体との並び方向、蓄電素子とバスバーとの並び方向、蓄電素子の容器本体と蓋部との並び方向、または、上下方向を、Z軸方向と定義する。これらX軸方向、Y軸方向及びZ軸方向は、互いに交差(本実施の形態では直交)する方向である。なお、使用態様によってはZ軸方向が上下方向にならない場合も考えられるが、以下では説明の便宜のため、Z軸方向を上下方向として説明する。
【0023】
また、以下の説明において、例えば、X軸プラス方向とは、X軸の矢印方向を示し、X軸マイナス方向とは、X軸プラス方向とは反対方向を示す。Y軸方向及びZ軸方向についても同様である。また、以下では、Y軸マイナス方向を第一方向とも呼び、Z軸マイナス方向またはZ軸プラス方向を第二方向とも呼ぶ場合がある。さらに、平行及び直交などの、相対的な方向または姿勢を示す表現は、厳密には、その方向または姿勢ではない場合も含む。例えば、2つの方向が直交している、とは、当該2つの方向が完全に直交していることを意味するだけでなく、実質的に直交していること、すなわち、例えば数%程度の差異を含むことも意味する。
【0024】
(実施の形態)
[1 蓄電装置1の全般的な説明]
まず、本実施の形態における蓄電装置1の構成について説明する。
図1は、本実施の形態に係る蓄電装置1の外観を示す斜視図である。
図2は、本実施の形態に係る蓄電装置1を蓄電ユニット10と基板ユニット20とに分離した場合の構成を示す斜視図である。
図3は、本実施の形態に係る蓄電ユニット10を分解した場合の各構成要素を示す分解斜視図である。
【0025】
蓄電装置1は、外部からの電気を充電し、また外部へ電気を放電することができる装置であり、本実施の形態では、略直方体形状を有している。例えば、蓄電装置1は、電力貯蔵用途または電源用途等に使用される。具体的には、蓄電装置1は、例えば、自動車、自動二輪車、ウォータークラフト、船舶、スノーモービル、農業機械、建設機械、または、電気鉄道用の鉄道車両等の移動体の駆動用またはエンジン始動用等のバッテリ等として用いられる。上記の自動車としては、電気自動車(EV)、ハイブリッド電気自動車(HEV)、プラグインハイブリッド電気自動車(PHEV)及びガソリン自動車が例示される。上記の電気鉄道用の鉄道車両としては、電車、モノレール及びリニアモーターカーが例示される。また、蓄電装置1は、家庭用または発電機用等に使用される定置用のバッテリ等としても用いることができる。
【0026】
これらの図に示すように、蓄電装置1は、蓄電ユニット10と、蓄電ユニット10に取り付けられる基板ユニット20と、を備えている。まず、蓄電ユニット10の構成について、詳細に説明する。蓄電ユニット10は、Y軸方向に長尺の略直方体形状を有する電池モジュール(組電池)である。具体的には、蓄電ユニット10は、複数の蓄電素子11と、バスバーフレーム12と、複数のバスバー13と、これらを収容する外装体本体14、外装体支持体15及び外装体蓋体17からなる外装体18と、を有している。また、蓄電ユニット10には、ケーブル30が接続されている。なお、蓄電ユニット10は、複数の蓄電素子11を拘束する拘束部材(エンドプレート、サイドプレート等)等を有していてもよい。
【0027】
蓄電素子11は、電気を充電し、また、電気を放電することのできる二次電池(単電池)であり、より具体的には、リチウムイオン二次電池等の非水電解質二次電池である。蓄電素子11は、扁平な直方体形状(角形)を有しており、本実施の形態では、16個の蓄電素子11がY軸方向に並んで配列されている。なお、蓄電素子11の形状、配置位置及び個数等は、特に限定されない。また、蓄電素子11は、非水電解質二次電池には限定されず、非水電解質二次電池以外の二次電池であってもよいし、キャパシタであってもよい。また、蓄電素子11は、二次電池ではなく、使用者が充電をしなくても蓄えられている電気を使用できる一次電池であってもよい。さらに、蓄電素子11は、固体電解質を用いた電池であってもよい。また、蓄電素子11は、ラミネート型の蓄電素子とすることもできる。
【0028】
具体的には、蓄電素子11は、金属製の容器11aを備え、容器11aの蓋部には、金属製の電極端子である正極端子11b及び負極端子11cが設けられている。また、隣り合う蓄電素子11同士の間には、スペーサ11dが配置されている。なお、容器11aの蓋部には、電解液を注液するための注液部、及び、容器11a内の圧力上昇時にガスを排出して圧力を開放するガス排出弁等が設けられていてもよい。また、容器11aの内方には、電極体(蓄電要素または発電要素ともいう)及び集電体(正極集電体及び負極集電体)等が配置され、電解液(非水電解質)などが封入されているが、詳細な説明は省略する。
【0029】
ここで、正極端子11b及び負極端子11cは、容器11aの蓋部から上方(Z軸プラス方向)に向けて突出して配置されている。そして、複数の蓄電素子11が有する最も外側の正極端子11b及び負極端子11cが、ケーブル30に接続されることにより、蓄電装置1が、外部からの電気を充電し、また外部へ電気を放電することができる。ケーブル30は、蓄電装置1(蓄電素子11)を充放電するための電流(充放電電流、主電流ともいう)が流れる電線(主回路ケーブル、電源ケーブル、電力ケーブル、電源線、電力線ともいう)であり、正極側の正極電源ケーブル31と、負極側の負極電源ケーブル32とを有している。つまり、複数の蓄電素子11のうちの、Y軸プラス方向の端部の蓄電素子11の正極端子11bに、ケーブル30の正極電源ケーブル31が接続され、Y軸マイナス方向の端部の蓄電素子11の負極端子11cに、ケーブル30の負極電源ケーブル32が接続される。
【0030】
バスバーフレーム12は、バスバー13と他の部材との電気的な絶縁、及び、バスバー13の位置規制を行うことができる扁平な矩形状の部材である。バスバーフレーム12は、例えば、ポリカーボネート(PC)、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)等の、後述する基板ユニット20の基板収容部100で列挙する材質と同様の絶縁部材により形成されている。具体的には、バスバーフレーム12は、複数の蓄電素子11の上方に載置され、複数の蓄電素子11に対して位置決めされる。また、バスバーフレーム12上には、バスバー13が載置されて位置決めされている。これにより、バスバー13は、複数の蓄電素子11に対して位置決めされて、当該複数の蓄電素子11が有する正極端子11b及び負極端子11cに接合される。また、バスバーフレーム12は、外装体18の中蓋として、外装体本体14の補強を行う機能も有している。
【0031】
バスバー13は、複数の蓄電素子11上(バスバーフレーム12上)に配置され、複数の蓄電素子11の電極端子同士を電気的に接続する矩形状の板状部材である。バスバー13は、例えば、アルミニウム、アルミニウム合金、銅、銅合金、ステンレス鋼等の金属で形成されている。本実施の形態では、バスバー13は、隣り合う蓄電素子11の正極端子11bと負極端子11cとを接続することで、16個の蓄電素子11を直列に接続している。なお、蓄電素子11の接続の態様は上記には限定されず、直列接続及び並列接続がどのように組み合わされていてもよい。
【0032】
また、バスバー13、または、蓄電素子11の電極端子には、ケーブル13aが接続されている。ケーブル13aは、蓄電素子11の電圧計測用、温度計測用、または、蓄電素子11間の電圧バランス用の電線(通信ケーブル、制御ケーブル、通信線、制御線ともいう)である。なお、バスバー13または蓄電素子11の電極端子には、蓄電素子11の温度を計測するためのサーミスタ(図示せず)が配置されているが、説明は省略する。また、ケーブル13aのY軸マイナス方向の端部には、コネクタ13bが接続されている。コネクタ13bは、後述する基板ユニット20の基板200に接続されるコネクタである。つまり、ケーブル13aは、コネクタ13bを介して、蓄電素子11の電圧及び温度等の情報を、基板ユニット20の基板200に伝達する。また、ケーブル13aは、基板200の制御によって、電圧が高い蓄電素子11を放電させて、蓄電素子11間の電圧をバランスさせる機能も有している。
【0033】
外装体18は、蓄電ユニット10の外装体を構成する矩形状(箱状)の容器(モジュールケース)である。つまり、外装体18は、蓄電素子11等の外方に配置され、蓄電素子11等を所定の位置で固定し、衝撃などから保護する。ここで、外装体18は、外装体18の本体を構成する外装体本体14と、外装体本体14を支持する外装体支持体15と、外装体18の蓋体(外蓋)を構成する外装体蓋体17と、を有している。
【0034】
外装体本体14は、上面に開口が形成された有底矩形筒状のハウジングである。外装体本体14は、例えば、PC、PP、PE等の、後述する基板ユニット20の基板収容部100で列挙する材質と同様の絶縁部材により形成されている。外装体支持体15及び外装体蓋体17は、外装体本体14を保護(補強)する部材である。外装体支持体15及び外装体蓋体17は、例えば、ステンレス鋼、アルミニウム、アルミニウム合金、鉄、メッキ鋼板等の金属製の部材により形成されている。なお、外装体支持体15及び外装体蓋体17は、同じ材質の部材で形成されていてもよいし、異なる材質の部材で形成されていてもかまわない。
【0035】
外装体支持体15は、外装体本体14を下方(Z軸マイナス方向)から支持する部材であり、底部15aと、基板ユニット取付部16と、接続部15b及び15cと、を有している。底部15aは、蓄電装置1の底部を構成する、XY平面に平行かつY軸方向に延設された平板状かつ矩形状の部位であり、外装体本体14の下方に配置される。基板ユニット取付部16は、底部15aのY軸マイナス方向側の端部からZ軸プラス方向に立設された平板状かつ矩形状の部位であり、基板ユニット20が取り付けられる。接続部15bは、基板ユニット取付部16のZ軸プラス方向側の端部に配置され、Y軸マイナス方向に突出する部位であり、外装体蓋体17と接続される。接続部15cは、底部15aのY軸プラス方向側の端部からZ軸プラス方向に立設され、かつ、Y軸プラス方向に突出する部位であり、外装体蓋体17と接続される。
【0036】
外装体蓋体17は、外装体本体14の上面の開口を塞ぐように配置される部材であり、天面部17aと、接続部17b及び17cと、を有している。天面部17aは、蓄電装置1の上面部を構成する、XY平面に平行かつY軸方向に延設された平板状かつ矩形状の部位であり、外装体本体14の上方に配置される。接続部17bは、天面部17aのY軸マイナス方向側の端部に配置され、Z軸マイナス方向に延び、かつ、Y軸マイナス方向に突出する部位であり、外装体支持体15の接続部15bと接続される。接続部17cは、天面部17aのY軸プラス方向側の端部からZ軸マイナス方向に延び、かつ、Y軸プラス方向に突出する部位であり、外装体支持体15の接続部15cと接続される。このように、外装体支持体15及び外装体蓋体17は、外装体本体14を上下方向から挟み込んだ状態で、接続部15b及び15cと接続部17b及び17cとがネジ止め等で接続されることで固定される構成となっている。
【0037】
基板ユニット20は、蓄電ユニット10が有する蓄電素子11の状態の監視、及び、蓄電素子11の制御を行うことができる機器である。本実施の形態では、基板ユニット20は、蓄電ユニット10の長手方向の端部、つまり、蓄電ユニット10のY軸マイナス方向側の側面に取り付けられる扁平な矩形状の部材である。具体的には、基板ユニット20は、蓄電ユニット10の外装体18が有する外装体支持体15に設けられた基板ユニット取付部16に、回動可能に取り付けられる。この基板ユニット20の構成について、以下に詳細に説明する。
【0038】
[2 基板ユニット20の構成の説明]
図4は、本実施の形態に係る基板ユニット20を分解した場合の各構成要素を示す分解斜視図である。
図5は、本実施の形態に係る基板ユニット20の構成を示す斜視図、断面図及び側面図である。具体的には、
図5の(a)は、
図2に示された基板ユニット20を、外装体支持体15の基板ユニット取付部16に取り付けた状態での構成を示す斜視図である。
図5の(b)は、基板ユニット取付部16と基板保持部110との取付構成を示す断面図である。
図5の(c)は、基板保持部110とカバー部120との取付構成を示す側面図である。
図6は、本実施の形態に係る基板ユニット20の構成を示す断面図である。具体的には、
図6は、
図5の(a)の基板ユニット20をVI-VI断面で切断した場合の構成を示す断面図である。
【0039】
図7は、本実施の形態に係る基板ユニット20においてカバー部120が開放された状態での構成を示す斜視図、正面図及び側面図である。具体的には、
図7の(a)は、
図5に示された基板ユニット20において基板保持部110に対してカバー部120を回動させた状態での構成を示す斜視図である。
図7の(b)は、基板200の貫通孔230及び基板保持部110の固定部116をY軸マイナス方向から見た場合の構成を示す部分正面図である。
図7の(c)は、基板保持部110とカバー部120との取付構成を示す部分側面図であり、
図5の(c)に対応する図である。
【0040】
図8は、本実施の形態に係る外装体支持体15の基板ユニット取付部16に対して基板保持部110を回動させた状態での構成を示す斜視図及び断面図である。具体的には、
図8の(a)は、基板ユニット取付部16に対して基板保持部110を回動できるまで(基板保持部110の回動が規制されるまで)回動させた状態での構成を示す斜視図である。
図8の(b)は、基板ユニット取付部16と基板保持部110との取付構成を示す断面図であり、
図5の(b)に対応する図である。
【0041】
これらの図に示すように、基板ユニット20は、基板収容部100と、基板収容部100内に収容される基板200と、を有している。つまり、基板収容部100は、基板200を収容して所定の位置で固定し、当該基板200を衝撃等から保護する。基板収容部100は、例えば、ポリカーボネート(PC)、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)、ポリスチレン(PS)、ポリフェニレンサルファイド樹脂(PPS)、ポリフェニレンエーテル(PPE(変性PPEを含む))、ポリエチレンテレフタラート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル(PFA)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリエーテルサルフォン(PES)、ABS樹脂、若しくは、それらの複合材料等の絶縁部材、または、絶縁塗装をした金属等により形成されている。基板収容部100は、これにより、基板200が外部の金属部材等に接触することを回避する。なお、基板200の電気的絶縁性が保たれる構成であれば、基板収容部100は、金属等の導電部材で形成されていてもよい。
【0042】
また、基板収容部100は、立設された姿勢で、蓄電ユニット10の外装体18の水平方向(具体的には、Y軸マイナス方向(第一方向))の側面(外装体支持体15の基板ユニット取付部16)に、回動可能に取り付けられる。基板収容部100は、基板200を保持する基板保持部110と、基板保持部110に取り付けられるカバー部120と、を有している。つまり、基板200、並びに、基板収容部100(基板保持部110及びカバー部120)は、立設された姿勢で、蓄電ユニット10のY軸マイナス方向(第一方向)に配置される。以下、これら基板200、並びに、基板収容部100が有する基板保持部110及びカバー部120の構成について、詳細に説明する。
【0043】
[2.1 基板200の説明]
基板200は、蓄電ユニット10に電気的に接続される回路基板(監視基板)である。具体的には、基板200は、上述のケーブル13a及びコネクタ13bを介して蓄電素子11に電気的に接続されることで、蓄電素子11の電圧及び温度等の情報を取得し、蓄電素子11の充電状態及び放電状態等の状態を監視する。また、基板200は、ケーブル13aを用いて蓄電素子11を放電させて、蓄電素子11間の電圧をバランスさせる制御基板としての機能も有している。基板200には、Y軸プラス方向側の板面、及び、Y軸マイナス方向側の板面の双方に、部品(図示せず)が実装されている。なお、基板200は、蓄電素子11の制御は行わず、蓄電素子11の状態の監視のみ行うことにしてもよい。
【0044】
さらに具体的には、基板200は、コネクタ210及び220と、貫通孔230と、を有している。コネクタ210及び220は、基板200の外周部分のうちの、Z軸マイナス方向側(後述するカバー部120が基板保持部110に対して回動する軸のある側)とは異なる側の端部に配置されている。本実施の形態では、基板200のZ軸プラス方向側の端部のX軸方向両側に、2つのコネクタ210がX軸方向に並んで配置され、基板200のX軸マイナス方向側の端部のZ軸マイナス方向側に、2つのコネクタ220がZ軸方向に並んで配置されている。
【0045】
コネクタ210は、差込口がZ軸プラス方向(基板200の板面に並行な方向)に向いた状態で基板200のY軸マイナス方向側の板面に配置されており、当該差込口に上述のコネクタ13bが着脱可能な構成となっている(
図7の(a)参照)。コネクタ220は、差込口がY軸マイナス方向に向いた状態で基板200のY軸マイナス方向側の板面に配置されており、カバー部120の開口部124を介して、当該差込口に外部のコネクタ(図示せず)が着脱可能な構成となっている(
図5の(a)、
図7の(a)参照)。開口部124は、カバー部120のX軸マイナス方向側の端部のZ軸マイナス方向側の、コネクタ220と対応する位置に形成された矩形状の貫通孔である。
【0046】
貫通孔230は、基板200をY軸方向に貫通する矩形状の貫通孔である。本実施の形態では、基板200の外周部分に、複数(6つ)の貫通孔230が配置されている。つまり、基板200のZ軸プラス方向側の端部に、3つの貫通孔230がX軸方向に並んで配置され、基板200のZ軸マイナス方向側の端部に、3つの貫通孔230がX軸方向に並んで配置されている。具体的には、
図7の(b)に示すように、貫通孔230は、Z軸方向よりもX軸方向の方が長さが長くなるように形成されており、基板保持部110の固定部116が挿入(圧入)される。この貫通孔230に固定部116が挿入(圧入)される構成の詳細な説明については、後述する。
【0047】
[2.2 基板保持部110及びカバー部120の説明]
基板保持部110は、蓄電ユニット10と基板200との間に配置され、基板200を保持する部材である。また、上述の通り、基板保持部110は、立設された姿勢で、蓄電ユニット10の外装体支持体15の基板ユニット取付部16に、回動可能に取り付けられる。基板保持部110は、保持部本体111と、第一基板側取付部112を有する把持部115と、第一保持部側取付部113と、上側取付部114と、固定部116と、を有している。
【0048】
カバー部120は、基板200のY軸マイナス方向(第一方向)に配置されて、基板保持部110の開口を塞ぐ部材であって、基板保持部110に対して開閉自在に取り付けられる。具体的には、カバー部120は、基板保持部110に対して回動可能に取り付けられる。カバー部120は、上述の開口部124に加え、カバー部本体121と、第一カバー側取付部122と、第二カバー側取付部123と、ケーブル配置部125と、基板規制部126(
図6、
図7等参照)と、を有している。
【0049】
[2.2.1 保持部本体111及びカバー部本体121の説明]
保持部本体111は、基板保持部110の本体を構成する部位であり、第一保持部壁部111aと、第二保持部壁部111bと、を有している。第一保持部壁部111aは、基板ユニット取付部16と基板200との間に配置される、XZ平面に平行な平板状かつ矩形状の部位である。第二保持部壁部111bは、第一保持部壁部111aの外周縁からY軸マイナス方向に突出し、基板200の周囲を囲う平板状かつ矩形状の部位である。本実施の形態では、第二保持部壁部111bは、基板200のX軸方向両側、Z軸マイナス方向側、及び、Z軸プラス方向側の一部を囲うように配置されている。
【0050】
カバー部本体121は、カバー部120の本体を構成する部位であり、第一カバー壁部121aと、第二カバー壁部121bと、を有している。第一カバー壁部121aは、保持部本体111の第一保持部壁部111aとで基板200を挟む位置に配置される、XZ平面に平行な平板状かつ矩形状の部位である。第二カバー壁部121bは、第一カバー壁部121aの外周縁からY軸プラス方向に突出し、基板200の周囲、及び、第二保持部壁部111bの周囲を囲う平板状かつ略矩形状の部位である。本実施の形態では、第二カバー壁部121bは、基板200及び第二保持部壁部111bのX軸方向両側及びZ軸プラス方向側を囲うように配置されている。
【0051】
[2.2.2 第一基板側取付部112の説明]
第一基板側取付部112は、基板保持部110における蓄電装置1の底部15a側(Z軸マイナス方向側)に配置され、蓄電ユニット10に対して回動可能に取り付けられる部位である。具体的には、基板保持部110のZ軸マイナス方向側かつX軸方向両端部に、2つの第一基板側取付部112が配置されている。また、蓄電ユニット10の基板ユニット取付部16は、第一基板側取付部112が取り付けられる第一蓄電側取付部16aを有している。つまり、基板ユニット取付部16のZ軸マイナス方向側かつX軸方向両端の、2つの第一基板側取付部112に対応する位置に、2つの第一蓄電側取付部16aが配置されている。
【0052】
具体的には、
図5の(a)及び(b)等に示すように、第一基板側取付部112は、YZ平面で切断した場合の断面形状が円形状または十字形状(+形状、X字形状)の、X軸方向に延びる柱状の軸体である。第一蓄電側取付部16aは、外装体支持体15の底部15aのY軸マイナス方向側の端部からZ軸プラス方向に延び、Y軸マイナス方向に折り曲げられて、かつ、Z軸マイナス方向に折り曲げられた部位である。つまり、第一蓄電側取付部16aは、Z軸プラス方向側の面がZ軸プラス方向に突出し、かつ、Z軸マイナス方向側の面がZ軸プラス方向に凹んだ形状を有している。言い換えれば、第一蓄電側取付部16aは、Z軸マイナス方向側の部位が開口し、かつ、Z軸プラス方向に凹んだ、X軸方向から見て逆U字形状を有している。
【0053】
そして、この第一蓄電側取付部16aの凹んだ部分に、第一基板側取付部112が挿入されて配置されている。言い換えれば、第一基板側取付部112のY軸方向両側及びZ軸プラス方向側を囲うように、第一基板側取付部112のY軸方向両側及びZ軸プラス方向側に、第一蓄電側取付部16aが配置される。これにより、第一基板側取付部112は、第一蓄電側取付部16aよりも蓄電装置1の底部15a側(Z軸マイナス方向側)に配置されることとなる。
【0054】
また、
図8に示すように、第一基板側取付部112は、第一蓄電側取付部16aに対して回動可能(回転可能)な構成を有している。つまり、第一基板側取付部112が第一蓄電側取付部16aに対して回動(回転)することにより、基板保持部110が、第一基板側取付部112を軸として基板ユニット取付部16に対して回動(回転)する。また、後述する把持部115の傾斜面115aが、基板ユニット取付部16の下部に設けられた壁部16bに当接することにより、基板保持部110が基板ユニット取付部16に対して傾斜した状態で、基板保持部110の基板ユニット取付部16に対する回動が規制される。壁部16bは、外装体支持体15の底部15aのY軸マイナス方向側の端部における2つの第一蓄電側取付部16aの間から、Z軸マイナス方向に延びる平板状かつ矩形状の部位であり、蓄電装置1をラック(複数の蓄電装置1を収容する部材)の棚板2(
図10参照)等に取り付けるために用いられる。
【0055】
これにより、基板保持部110は、基板ユニット取付部16に対して約45°回転した状態で回動が規制され、この状態で、基板保持部110を基板ユニット取付部16から取り外すことができる。具体的には、基板保持部110を基板ユニット取付部16に対して回動させながら、後述する上側取付部114の第二基板側取付部114aを、後述する基板ユニット取付部16の第二蓄電側取付部16cから取り外す。そして、基板保持部110を基板ユニット取付部16に対して約45°回動させた後に、基板保持部110をZ軸マイナス方向に移動させることで、基板保持部110を基板ユニット取付部16から取り外すことができる。
【0056】
また、基板保持部110を基板ユニット取付部16に取り付ける場合には、基板保持部110が基板ユニット取付部16に対して約45°傾いた状態で、第一基板側取付部112をZ軸マイナス方向から第一蓄電側取付部16aに挿入して取り付ける。そして、基板保持部110を基板ユニット取付部16に近付くように回動させて、上側取付部114の第二基板側取付部114aを、基板ユニット取付部16の第二蓄電側取付部16cに取り付ける。このようにして、蓄電ユニット10に対する基板保持部110の着脱(基板ユニット20の着脱)を行うことができる。なお、基板保持部110が基板ユニット取付部16に対して規制される角度は、基板保持部110を基板ユニット取付部16に対して着脱できる角度であれば、45°には限定されず、どのような角度であってもよい。
【0057】
[2.2.3 第一保持部側取付部113及び第一カバー側取付部122の説明]
第一保持部側取付部113は、基板保持部110における蓄電装置1の底部15a側(Z軸マイナス方向側)に配置され、カバー部120が取り付けられる部位である。具体的には、基板保持部110のZ軸マイナス方向側かつX軸方向両端部の第一基板側取付部112よりも外側に、2つの第一保持部側取付部113が配置されている。また、第一保持部側取付部113には、カバー部120の第一カバー側取付部122が取り付けられる。
【0058】
第一カバー側取付部122は、カバー部120における蓄電装置1の底部15a側(Z軸マイナス方向側)に配置され、基板保持部110に対して回動可能に取り付けられる部位である。具体的には、カバー部120のZ軸マイナス方向側かつX軸方向両端部における、2つの第一保持部側取付部113に対応する位置に、2つの第一カバー側取付部122が配置されている。つまり、第一カバー側取付部122は、第二カバー壁部121bのうちのX軸方向両側の側壁部のZ軸マイナス方向側の端部に配置されている。
【0059】
具体的には、
図5の(a)及び(c)等に示すように、第一保持部側取付部113は、X軸方向から見て円形状の、X軸方向に延びる円柱状の軸体である。第一カバー側取付部122は、Y軸マイナス方向側の部位が開口し、かつ、Y軸プラス方向に凹んだ、X軸方向から見て逆C字形状を有している。そして、この第一カバー側取付部122の凹んだ部分に、第一保持部側取付部113が挿入されて配置されている。言い換えれば、第一保持部側取付部113のZ軸方向両側及びY軸プラス方向側を囲うように、第一保持部側取付部113のZ軸方向両側及びY軸プラス方向側に、第一カバー側取付部122が配置される。これにより、第一カバー側取付部122は、第一保持部側取付部113よりも、カバー部120から基板保持部110に向かう方向(Y軸プラス方向)側に配置されることとなる。
【0060】
また、
図7の(a)及び(c)に示すように、第一カバー側取付部122は、第一保持部側取付部113に対して回動可能(回転可能)な構成を有している。つまり、第一カバー側取付部122が第一保持部側取付部113に対して回動(回転)することにより、カバー部120が、第一保持部側取付部113を軸として基板保持部110に対して回動(回転)する。また、第一カバー側取付部122近傍に設けられた回動規制部127(
図7の(c)参照)が、基板保持部110に当接することにより、カバー部120の基板保持部110に対する回動が規制される。つまり、回動規制部127は、カバー部本体121の第一カバー壁部121aの下端面に配置された平面状の部位であり、基板保持部110の下部(把持部115等)のY軸マイナス方向側の面に当接することにより、カバー部120の基板保持部110に対する回動を規制する。
【0061】
これにより、本実施の形態では、カバー部120は、基板保持部110に対して90°回転した状態で回動が規制され、この状態で、基板200を基板保持部110に対して着脱することができる。具体的には、カバー部120を基板保持部110に対して回動させながら、後述する第二カバー側取付部123を、上側取付部114の第二保持部側取付部114bから取り外す。そして、カバー部120を基板保持部110に対して約90°回動させた後に、基板200を基板保持部110に対して着脱することができる。これにより、カバー部120を基板保持部110から取り外すことなく、基板200を基板保持部110に対して着脱することができる。
【0062】
また、この状態で、カバー部120をZ軸プラス方向に移動させることで、カバー部120を基板保持部110から取り外すこともできる。カバー部120を基板保持部110から取り外した場合には、カバー部120が基板保持部110に直交した状態で、第一保持部側取付部113をZ軸マイナス方向から第一カバー側取付部122に挿入することで、カバー部120を基板保持部110に対して取り付けることができる。そして、カバー部120を基板保持部110に近付くように回動させると、第二カバー側取付部123を第二保持部側取付部114bに取り付けることができる。このようにして、基板保持部110に対するカバー部120の着脱も行うことができる。なお、カバー部120が基板保持部110に対して規制される角度は、カバー部120を基板保持部110に対して着脱できる角度であれば、90°には限定されず、90°±10°等、どのような角度であってもよい。当該角度が90°より大きい場合には、基板200を交換しやすく、当該角度が90°より小さい場合には、基板200の落下を抑制することができる。
【0063】
[2.2.4 上側取付部114及び第二カバー側取付部123の説明]
上側取付部114は、基板保持部110におけるZ軸プラス方向側(底部15aとは反対側)のX軸方向中央部に配置され、蓄電ユニット10及びカバー部120に対して係合可能に取り付けられる部位である。具体的には、上側取付部114は、蓄電ユニット10に係合することで蓄電ユニット10に対して取り付けられる第二基板側取付部114aと、カバー部120に係合することでカバー部120に対して取り付けられる第二保持部側取付部114bと、を有している。
【0064】
第二基板側取付部114aは、
図6等に示すように、上側取付部114のZ軸マイナス方向側に配置され、Z軸マイナス方向に突出する突起である。また、蓄電ユニット10の基板ユニット取付部16は、Z軸プラス方向側のX軸方向中央部の第二基板側取付部114aに対応する位置に、第二基板側取付部114aが取り付けられる第二蓄電側取付部16cを有している。第二蓄電側取付部16cには、矩形状の開口部16dが形成されている。そして、第二基板側取付部114aは、Z軸プラス方向から開口部16dに挿入されて、開口部16dのY軸マイナス方向側の端縁と係合することで、第二蓄電側取付部16cと係合する。これにより、基板保持部110と蓄電ユニット10とがZ軸プラス方向側で係合する。
【0065】
また、第二保持部側取付部114bは、上側取付部114のZ軸プラス方向側に配置され、Z軸マイナス方向に突出する突起であり、カバー部120の第二カバー側取付部123が取り付けられる。第二カバー側取付部123は、カバー部120におけるZ軸プラス方向側(底部15aとは反対側)のX軸方向中央部に配置される部位であり、Z軸プラス方向に突出する突起123aを有している。この突起123aが、第二保持部側取付部114bのY軸プラス方向側に配置されて、第二保持部側取付部114bとY軸方向において係合することで、カバー部120と基板保持部110とがZ軸プラス方向側で係合する。このように、第二カバー側取付部123は、基板保持部110に係合することで基板保持部110に対して取り付けられる部位である。
【0066】
[2.2.5 把持部115の説明]
把持部115は、基板保持部110における蓄電装置1の底部15a側(Z軸マイナス方向側)のX軸方向中央部に配置された、蓄電装置1を把持するための取っ手である。具体的には、把持部115は、上述の第一基板側取付部112を両端部に有する、X軸方向に長い部位である。つまり、上述の通り、把持部115は、少なくとも一部(第一基板側取付部112)が、蓄電ユニット10の少なくとも一部(第一蓄電側取付部16a)よりも、蓄電装置1の底部15a側に配置されることとなる。本実施の形態では、把持部115は、基板保持部110と一体的に形成されている。
【0067】
このように、蓄電装置1のY軸マイナス方向側において、把持部115が取っ手として機能する。また、蓄電装置1のY軸プラス方向側においては、蓄電ユニット10の外装体支持体15の接続部15c及び外装体蓋体17の接続部17cが接続された部位が、取っ手(第2の把持部)として機能する(
図2参照)。この第2の把持部の定義は、特に限定されず、接続部15c及び接続部17cの双方ではなく、例えば、接続部15cのみを第2の把持部と称してもよいし、接続部15c、または、接続部15c及び接続部17cのX軸方向中央部分を第2の把持部と称してもよいし、その他の部分を第2の把持部と称してもよい。第2の把持部は、板金が下に折り返されて、作業者が把持する際にエッジとならないように形成されている。なお、外装体支持体15の接続部15b及び外装体蓋体17の接続部17bが接続された部位は、カバー部120によって覆われる。
【0068】
また、把持部115は、蓄電ユニット10側(Y軸プラス方向側)の面に、蓄電装置1の底部15aに向かうほど(Z軸マイナス方向に向かうほど)蓄電ユニット10とは反対方向(Y軸マイナス方向)に傾斜する傾斜面115aを有している。つまり、把持部115は、Y軸マイナス方向の面がXZ平面に平行な面であるのに対し、Y軸プラス方向の面はXZ平面から傾斜した面となっている。なお、傾斜面115aの傾斜角は特に限定されないが、把持部115を把持できる(または把持しやすい)ように、把持部115のY軸プラス方向側に作業者の手の指を挿入できる(または挿入しやすい)角度に傾斜しているのが好ましい。本実施の形態では、傾斜面115aは、鉛直方向に対して約45°に傾斜している。
【0069】
また、把持部115には、蓄電ユニット10側(Y軸プラス方向側)の面に、蓄電ユニット10とは反対方向(Y軸マイナス方向)に凹んだ把持部凹部115bが形成されている(
図6参照)。つまり、把持部凹部115bは、把持部115の傾斜面115aがY軸マイナス方向に凹んで形成された凹部である。本実施の形態では、把持部115の傾斜面115aに、X軸方向に並ぶ2つの把持部凹部115bが形成されている。または、当該2つの把持部凹部115bの間、及び、当該2つの把持部凹部115bのX軸方向両側に、傾斜面115aが形成されている、とも言える。言い換えると、当該2つの把持部凹部115bの間、及び、当該2つの把持部凹部115bのX軸方向両側(把持部115のふちの部分)に、壁部が配置され、当該壁部に傾斜面115aが形成されている。なお、把持部凹部115bの大きさ、形状及び個数は特に限定されないが、把持部115を把持できる(または把持しやすい)ように、作業者の手の指が挿入できる(または挿入しやすい)大きさ、形状及び個数であるのが好ましい。
【0070】
さらに、把持部115のZ軸マイナス方向の先端が手前(Y軸マイナス方向)に突出し、当該先端にR形状がついており、作業者が把持部115を把持する際に把持部115のエッジが作業者の手に食い込むようなことを抑制することができている。
【0071】
[2.2.6 固定部116及び基板規制部126の説明]
固定部116は、基板200の板面が鉛直方向(Z軸方向)と交差する方向に向いた姿勢で、基板200を固定する部位であり、本実施の形態では、基板200の板面が水平方向(Y軸方向)に向いた姿勢で、基板200を固定する。具体的には、固定部116は、基板保持部110の基板200との対向面(保持部本体111の第一保持部壁部111aのY軸マイナス方向側の面)からY軸マイナス方向に突出する突起であり、基板200を圧入状態で固定する。なお、固定部116は、基板200とは導通することなく、非導通状態で基板200を固定する。
【0072】
本実施の形態では、第一保持部壁部111aの外周部分に、複数(6つ)の固定部116が配置されている。つまり、第一保持部壁部111aのZ軸プラス方向側の端部に、3つの固定部116がX軸方向に並んで配置され、第一保持部壁部111aのZ軸マイナス方向側の端部に、3つの固定部116がX軸方向に並んで配置されている。つまり、固定部116は、基板200に形成された貫通孔230に対応する位置に配置されている。
【0073】
具体的には、
図6及び
図7の(b)等に示すように、固定部116は、先端部に向かうほど細くなる突起であり、基板200の貫通孔230に挿入されて圧入された状態で、基板200を固定する。つまり、固定部116は、Y軸マイナス方向に向かうほど、X軸方向及びZ軸方向における幅が小さくなるテーパ形状を有している。また、固定部116は、Y軸方向から見て十字形状(+形状)を有しており、Z軸方向において、貫通孔230の内面と当接し、圧縮されて、貫通孔230に圧入される。なお、固定部116は、貫通孔230との位置がずれても貫通孔230に挿入可能なように、X軸方向においては、貫通孔230の内面には当接しない構成を有している。また、固定部116は、基板200を、基板200との対向面(第一保持部壁部111aのY軸マイナス方向側の面)から離間した位置で固定する。つまり、基板200と第一保持部壁部111aとの間には、空間が形成されている。
【0074】
なお、固定部116及び貫通孔230の大きさ及び形状は、固定部116を貫通孔230に圧入状態で挿入できるのであれば、特に限定されない。例えば、固定部116及び貫通孔230は、Y軸方向から見て、円形状、楕円形状、長円形状、三角形状、その他の多角形状等であってもよく、固定部116は、X軸方向においても、貫通孔230の内面と当接し、圧縮されることにしてもよい。また、固定部116及び貫通孔230の個数及び配置位置についても、特に限定されない。
【0075】
また、基板200のY軸マイナス方向側に、カバー部120の基板規制部126が配置される。基板規制部126は、カバー部本体121の第一カバー壁部121aのY軸プラス方向側の面から、Y軸プラス方向に突出する突起であり、基板200のカバー部120へ向かう方向(Y軸マイナス方向)への移動を規制する。基板200がY軸マイナス方向へ移動しようとすると、基板規制部126の先端が基板200に当接するため、基板200のY軸マイナス方向への移動が規制される。つまり、固定部116が基板200のY軸プラス方向への移動を規制するため、基板200は、固定部116と基板規制部126とによって、Y軸方向両側への移動が規制される。
【0076】
本実施の形態では、第一カバー壁部121aの外周部分に、複数(4つ)の円筒形状の基板規制部126が配置されている。つまり、基板規制部126は、基板200の外周部分、かつ、Y軸方向から見て固定部116と重ならない位置に、配置されている。なお、基板規制部126の大きさ、形状、個数及び配置位置等は、上記には限定されない。
【0077】
[2.2.7 ケーブル配置部125の説明]
次に、
図9及び
図10も用いて、カバー部120のケーブル配置部125の構成について説明する。
図9は、本実施の形態に係る基板ユニット20のケーブル配置部125にケーブル30が配置された状態での構成を示す斜視図である。具体的には、
図9は、
図1に示された蓄電装置1のY軸マイナス方向側の端部を拡大して示す斜視図である。
図10は、本実施の形態に係る蓄電装置1のケーブル30の接続構成を示す正面図である。具体的には、
図10は、蓄電装置1をZ軸方向に2つ並べてケーブル30を接続した状態を、Y軸マイナス方向側から見た場合の構成を示している。
【0078】
ケーブル配置部125は、カバー部120における蓄電装置1の底部15aとは反対側(Z軸プラス方向側)のX軸プラス方向側の端部に配置され、ケーブル30の正極電源ケーブル31が配置される部位である。
図4、
図5及び
図9等に示すように、ケーブル配置部125は、第一凹部125aと、開閉規制部125bと、傾斜部125cと、ケーブル規制部125dと、を有している。
【0079】
第一凹部125aは、カバー部120のZ軸プラス方向側の壁部(第三カバー壁部とも称する)の上面のうちのX軸プラス方向側の端部が、Z軸マイナス方向(第一方向と交差する第二方向)に凹んだ凹部である。第一凹部125aは、第一カバー壁部121aの前面(Y軸マイナス方向の面)が凹んだ凹部である、とも言える。具体的には、第一凹部125aは、カバー部120をY軸方向に貫通するように形成されたY軸方向に延びる凹部であり、内方に正極電源ケーブル31が配置される。
【0080】
開閉規制部125bは、第一凹部125aのX軸プラス方向に配置される、XZ平面に平行な平板状かつ矩形状の壁部である。つまり、開閉規制部125bは、第一カバー壁部121aのZ軸プラス方向側かつX軸プラス方向側の端部からZ軸プラス方向に延設された部位、または、第一カバー壁部121aのZ軸プラス方向側かつX軸プラス方向側の端部の一部である。開閉規制部125bは、Y軸マイナス方向に正極電源ケーブル31が配置されることで、カバー部120が基板保持部110に対して開閉するのを規制する。具体的には、開閉規制部125bは、カバー部120が基板保持部110に対して回動するのを規制する。また、この場合、開閉規制部125bは、基板保持部110が基板ユニット取付部16に対して回動するのも規制する。
【0081】
傾斜部125cは、第一凹部125aと開閉規制部125bとの間に配置され、開閉規制部125bに対して傾斜した平板状かつ矩形状の壁部である。具体的には、傾斜部125cは、X軸プラス方向に向かうほどY軸マイナス方向に向かうように傾斜して配置されている。第一凹部125aに配置された正極電源ケーブル31が、開閉規制部125bのY軸マイナス方向に配置される場合に、傾斜部125cのY軸マイナス方向にも正極電源ケーブル31が配置される。
【0082】
ケーブル規制部125dは、第一凹部125aと開閉規制部125bとの間、かつ、傾斜部125cのZ軸プラス方向に配置される、XY平面に平行な平板状かつ矩形状の壁部である。つまり、ケーブル規制部125dは、X軸マイナス方向かつY軸マイナス方向に突出して配置されている。第一凹部125aに配置された正極電源ケーブル31が、開閉規制部125bのY軸マイナス方向に配置される場合に、ケーブル規制部125dのZ軸マイナス方向に正極電源ケーブル31が配置される。これにより、ケーブル規制部125dは、Z軸プラス方向(第一方向と交差する第二方向)における正極電源ケーブル31の移動を規制する。
【0083】
以上のような構成において、
図10に示すように、複数の蓄電装置1をラックの棚板2に取り付けて、一の蓄電装置1(例えば蓄電装置1a)の正極電源ケーブル31を、他の蓄電装置1(例えば蓄電装置1b)の負極電源ケーブル32に接続する。具体的には、Z軸方向に並んだ2つの蓄電装置1a及び1bにおいて、蓄電装置1aの正極電源ケーブル31に接続されたコネクタ33を、蓄電装置1bの負極電源ケーブル32に接続されたコネクタ34に接続する。
【0084】
この場合、蓄電装置1aの正極電源ケーブル31は、開閉規制部125bのY軸マイナス方向を通過しないと、蓄電装置1bの負極電源ケーブル32に接続できないように、長さ等が調整されている。つまり、正極電源ケーブル31は、一端が、一の蓄電装置1の蓄電ユニット10に電気的に接続されるとともに、他端が、外部の導電部材(他の蓄電装置1の負極電源ケーブル32)に接続される。そして、開閉規制部125bは、正極電源ケーブル31が当該外部の導電部材に接続された状態において、正極電源ケーブル31のY軸プラス方向に配置される。
【0085】
このように、カバー部120は、正極電源ケーブル31が外部の導電部材に接続された状態において、少なくとも一部(開閉規制部125b)が、正極電源ケーブル31のY軸プラス方向(第一方向とは反対方向)に配置される構成となっている。つまり、正極電源ケーブル31は、蓄電ユニット10から突出してY軸マイナス方向(第一方向)に延び、第一凹部125a内に配置される。そして、正極電源ケーブル31は、カバー部120の少なくとも一部(傾斜部125c及び開閉規制部125b)のY軸マイナス方向(第一方向)に配置されて、外部の導電部材に接続される。これにより、カバー部120の基板保持部110に対する開閉(回動)が規制され、かつ、ケーブル規制部125dによって、正極電源ケーブル31のZ軸プラス方向への移動も規制される。
【0086】
[3 効果の説明]
以上のように、本発明の実施の形態に係る蓄電装置1によれば、基板200を保持する基板保持部110は、基板200を圧入状態で固定する固定部116を有している。このように、基板200を基板保持部110に圧入により固定することで、ネジを取り付けたり取り外したりするような作業を行う必要がないため、基板保持部110に対して基板200を容易に着脱することができる。また、基板200を基板保持部110に圧入により固定することで、ネジのような部材を必要としないため、部品点数の低減を図ることができる。
【0087】
また、基板保持部110の固定部116は、先端部に向かうほど細くなる突起であり、基板200の貫通孔230に圧入された状態で、基板200を基板保持部110の対向面から離間した位置で固定する。このように、基板保持部110に先細り形状の突起を設けて、当該突起を基板200の貫通孔230に圧入することで、簡易な構成で、基板保持部110に対して基板200を容易に着脱することができる。また、基板200を基板保持部110の対向面から離間した位置で固定することで、基板200の裏面(対向面側の面)にも部品を配置することができる。
【0088】
また、基板200の板面が鉛直方向と交差する方向に向いた状態では、基板200をネジ止め等で固定する場合には、基板200を基板保持部110に対して着脱しにくい。このため、基板200を固定部116によって基板保持部110に圧入により固定することで、簡単な構成で、基板保持部110に対して基板200を容易に着脱することができる。このことは、蓄電装置1の数量が多い場合の組立作業、及び、メンテナンス作業等で極めて効果的である。
【0089】
また、基板200は、ネジ止めではなく、基板保持部110の固定部116に圧入により固定されているため、固定部116から抜けてしまうおそれがある。このため、基板保持部110に取り付けられたカバー部120に、基板200のカバー部120側への移動を規制する基板規制部126を設ける。これにより、基板保持部110の固定部116に圧入により固定された基板200が、固定部116から抜けてしまうのを抑制することができる。
【0090】
また、カバー部120が、基板保持部110に対して回動可能に取り付けられているため、カバー部120を基板保持部110に対して回動させることで、カバー部120を基板保持部110に対して容易に開閉させることができる。これにより、基板保持部110にカバー部120が取り付けられている場合でも、基板保持部110に対して基板200を容易に着脱することができる。
【0091】
また、基板200のコネクタ210及び220は、カバー部120が基板保持部110に対して回動する軸のある側とは異なる側の端部に配置されている。このため、カバー部120を回動させる際に、コネクタ210及び220、または、コネクタ210及び220に接続されたケーブルが邪魔になるのを抑制することができる。これにより、ケーブルをコネクタ210及び220に取り付けた状態でカバー部120を回動させることができる等、カバー部120を容易に回動させることができるため、基板保持部110に対して基板200を容易に着脱することができる。
【0092】
また、コネクタ210は、基板200のZ軸プラス方向側の端部に配置され、かつ、差込口がZ軸プラス方向(基板200の板面に並行な方向)に向いているため、コネクタ13bの着脱が容易であり、ケーブル13aが基板200の板面上に配置されることもない。これにより、基板保持部110に対して基板200を容易に着脱することができる。
【0093】
また、蓄電装置1は、蓄電素子11を有する蓄電ユニット10と、基板200及び基板収容部100を有し蓄電ユニット10に取り付けられる基板ユニット20と、を備え、基板ユニット20の基板収容部100は、蓄電装置1を把持するための把持部115を有している。このように、基板ユニット20の基板収容部100に把持部115を設けることで、基板ユニット20が邪魔になって蓄電装置1を把持できない、または、基板ユニット20を避けて蓄電装置1を把持するのに複雑な構造になってしまうというようなことがない。これにより、把持部115を用いて蓄電装置1を容易に把持することができるため、蓄電装置1を容易に移動(持ち上げたり、引き抜いたりする等)させることができる。例えば、
図10に示したように、蓄電装置1をラックの棚板2まで運ぶために蓄電装置1を持ち上げる作業、及び、蓄電装置1を棚板2に載置してから押し込んだり引き抜いたりする作業を、容易に行うことができる。
【0094】
また、蓄電装置1において、外装体支持体15に板金加工で把持部を設けることができれば、把持部を容易に設けることができるが、蓄電装置1をラックの棚板2等に取り付けるために、外装体支持体15に壁部16bを設けている。このため、外装体支持体15に容易に把持部を設けることができず、別部材の把持部を取り付ける等の必要があった。このようなことから、基板ユニット20の基板収容部100に把持部115を設けることで、部品点数が増加するようなことがなく、把持部115を容易に構成することができる。
【0095】
なお、基板ユニット20において、基板200は、基板保持部110に対して圧入により固定されている。このため、把持部115を把持することで基板ユニット20が多少変形しても、基板200が基板保持部110に対して動くことができるため、基板200が変形等損傷するのを抑制することができる。
【0096】
また、基板ユニット20が、蓄電ユニット10の長手方向(Y軸方向)の端部に取り付けられることで、把持部115も、蓄電ユニット10の長手方向の端部に取り付けられる。これにより、重量物である蓄電装置1を当該長手方向で把持することができるため、蓄電装置1を安定して把持することができ、蓄電装置1を容易に移動させることができる。
【0097】
また、基板ユニット20の把持部115の少なくとも一部(第一基板側取付部112)が、蓄電ユニット10の少なくとも一部(第一蓄電側取付部16a)よりも蓄電装置1の底部15a側に配置される。これにより、把持部115を持って蓄電装置1を持ち上げようとした場合等に、把持部115が蓄電ユニット10に対して移動するのが規制される。把持部115が蓄電ユニット10に対して移動するのが規制されると、基板ユニット20が蓄電ユニット10から外れるのが抑制される。このように、把持部115を持って蓄電装置1を移動させる際に、基板ユニット20が蓄電ユニット10から外れてしまうのを抑制することができるため、蓄電装置1を容易に移動させることができる。
【0098】
また、基板ユニット20は、蓄電ユニット10に底部15a側で接続されているため、把持部115を把持して蓄電装置1を移動させようとする際に作用する力の支点が、基板ユニット20の当該底部15a側、つまり、基板200から離れた場所に位置することとなる。この場合、力点を、支点よりもZ軸マイナス方向(下方)の位置とすることにより、作用点は、支点よりもZ軸プラス方向(上方)の位置になる。ここで、第一基板側取付部112の位置(第一蓄電側取付部16aの位置)が支点であり、作業者が把持部凹部115bに差し込んだ指先の腹の位置が力点である。
【0099】
例えば、蓄電装置1の交換等で、蓄電装置1を手前(Y軸マイナス方向)に引っ張って、移動させる状況を想定する。この場合、作業者は、基板ユニット20の把持部115の把持部凹部115bに指を挿入し、手前に引っ張ることで、蓄電装置1を移動させる。この際、当該指の位置(力点)が第一基板側取付部112の位置(支点)よりもZ軸マイナス方向に配置されていれば、基板ユニット20の上方が作用点となり、蓄電ユニット10を押す方向(Y軸プラス方向)に作用する。仮に、当該指の位置(力点)が第一基板側取付部112の位置(支点)よりも上方に位置する場合、基板ユニット20が、
図8に示したように回動して蓄電ユニット10から外れようとする。これに対し、当該指の位置(力点)が第一基板側取付部112の位置(支点)よりも下方に位置する場合には、基板ユニット20が蓄電ユニット10を押圧することで、基板ユニット20が蓄電ユニット10から外れるのが抑制される。
【0100】
なお、当該指の位置(力点)を第一基板側取付部112の位置(支点)よりも下方に配置させるために、把持部凹部115bは、Z軸方向において、比較的低い位置にまでしか凹んでいないのが好ましい。本実施の形態では、把持部凹部115bは、第一基板側取付部112よりも少し高い位置まで凹んでいるが、第一基板側取付部112の位置と同じ高さ、または、第一基板側取付部112の位置よりも低い位置までしか凹んでいなくてもよい。
【0101】
また、基板ユニット20の把持部115の蓄電ユニット10側の面に把持部凹部115bが形成されていることで、把持部115と蓄電ユニット10との間に作業者の手の指等を挿入しやすくすることができるため、把持部115を掴みやすくすることができる。これにより、蓄電装置1を容易に把持することができるため、蓄電装置1を容易に移動させることができる。
【0102】
また、基板ユニット20の把持部115の蓄電ユニット10側の面に傾斜面115aが形成されていることで、把持部115と蓄電ユニット10との間に作業者の手の指等を挿入しやすくすることができるため、把持部115を掴みやすくすることができる。これにより、蓄電装置1を容易に把持することができるため、蓄電装置1を容易に移動させることができる。
【0103】
また、蓄電装置1は、蓄電素子11を有する蓄電ユニット10と、基板200及び基板収容部100を有し蓄電ユニット10に取り付けられる基板ユニット20と、を備え、基板収容部100において、カバー部120は、基板保持部110に対して回動可能に取り付けられる第一カバー側取付部122を有している。このように、カバー部120が基板保持部110に対して回動可能に取り付けられていることで、カバー部120を基板保持部110に対して容易に回動させることができるため、基板200に対してカバー部120を容易に開閉することができる。これにより、基板200に容易にアクセスすることができるため、基板200のメンテナンス等の作業(基板200の設置、修理または交換等)を容易に行うことができる。このことは、蓄電装置1の数量が多い場合の組立作業、及び、メンテナンス作業等で極めて効果的である。以下についても、同様である。
【0104】
また、カバー部120の第一カバー側取付部122が、蓄電装置1の底部15a側とは反対側(上側)に配置されていると、カバー部120を基板保持部110に対して回動させる際に、カバー部120を持ち上げる必要があり、基板200のメンテナンス等の作業を行いにくい場合がある。このため、第一カバー側取付部122を、カバー部120における蓄電装置1の底部15a側(下側)に配置する。これにより、蓄電装置1の底部15a側で第一カバー側取付部122が回動するため、基板200のメンテナンス等の作業を容易に行うことができる。
【0105】
また、基板収容部100において、カバー部120の第一カバー側取付部122は、基板保持部110の第一保持部側取付部113よりも、カバー部120から基板保持部110に向かう方向側に配置される。これにより、カバー部120が基板保持部110から外れようとしても、第一保持部側取付部113によって第一カバー側取付部122の移動が規制されるため、カバー部120が基板保持部110から外れるのを抑制することができる。また、第一カバー側取付部122を第一保持部側取付部113に対して90°回転させると、第一カバー側取付部122が第一保持部側取付部113の上方に配置されるため、カバー部120が基板保持部110から落下するのを抑制することができる。
【0106】
また、基板収容部100のカバー部120は、第一カバー側取付部122に加えて、基板保持部110に係合する第二カバー側取付部123を有している。これにより、カバー部120を、第一カバー側取付部122と第二カバー側取付部123との双方で基板保持部110に対して取り付けることができるため、基板保持部110に対してカバー部120をより強固に取り付けることができる。
【0107】
また、基板収容部100において、カバー部120が、基板保持部110に対する回動を規制する回動規制部127を有していることで、基板保持部110に対するカバー部120の回動が規制される。これにより、カバー部120が、回動しすぎて他の部材に接触したり基板保持部110から落下したりするのを抑制することができるため、基板200のメンテナンス等の作業を容易に行うことができる。
【0108】
また、蓄電装置1は、蓄電素子11を有する蓄電ユニット10と、基板200及び基板保持部110を有し蓄電ユニット10に取り付けられる基板ユニット20と、を備え、基板保持部110は、蓄電ユニット10に対して回動可能に取り付けられる第一基板側取付部112を有している。このように、基板ユニット20の基板保持部110が蓄電ユニット10に対して回動可能に取り付けられていることで、基板ユニット20を蓄電ユニット10に対して容易に回動させることができる。これにより、基板ユニット20を、蓄電ユニット10に対して容易に移動させたり着脱させたりすることができるため、基板200に対する作業を容易に行うことができる。このことは、蓄電装置1の数量が多い場合の組立作業、及び、メンテナンス作業等で極めて効果的である。以下についても、同様である。
【0109】
また、基板保持部110の第一基板側取付部112が蓄電装置1の底部15a側とは反対側(上側)に配置されていると、基板ユニット20を蓄電ユニット10に対して回動させる際に、基板ユニット20を持ち上げる作業が必要になる。このため、第一基板側取付部112を、基板保持部110における蓄電装置1の底部15a側(下側)に配置する。これにより、蓄電装置1の底部15a側で第一基板側取付部112が回動するため、基板ユニット20を蓄電ユニット10に対して容易に移動させたり着脱させたりすることができ、基板200に対する作業を容易に行うことができる。
【0110】
また、第一基板側取付部112が、蓄電ユニット10の第一蓄電側取付部16aよりも蓄電装置1の底部15a側に配置されることで、基板ユニット20を把持して蓄電装置1を持ち上げようとした場合等に、第一基板側取付部112が蓄電ユニット10に対して移動するのが規制される。これにより、第一基板側取付部112が蓄電ユニット10に対して移動して基板ユニット20が蓄電ユニット10から外れるのを抑制することができる。また、第一基板側取付部112を、第一蓄電側取付部16aから当該底部15a側に移動させる(引き抜く)ことで、基板ユニット20を蓄電ユニット10から容易に取り外すことができる。
【0111】
また、基板保持部110は、第一基板側取付部112に加えて、蓄電ユニット10に係合する第二基板側取付部114aを有している。これにより、基板ユニット20を、第一基板側取付部112と第二基板側取付部114aとの双方で蓄電ユニット10に対して取り付けることができるため、蓄電ユニット10に対して基板ユニット20をより強固に取り付けることができる。
【0112】
また、基板ユニット20が、基板保持部110に取り付けられるカバー部120を有している場合、基板200に対する作業の際に、基板200に容易にアクセスできるのが好ましい。このため、カバー部120に、基板保持部110に対して回動可能に取り付けられる第一カバー側取付部122を設ける。これにより、カバー部120を基板保持部110に対して回動させて開閉させることで、基板200に容易にアクセスすることができるため、基板200に対する作業を容易に行うことができる。
【0113】
また、基板200のY軸マイナス方向(第一方向)に配置されるカバー部120は、正極電源ケーブル31が外部の導電部材に接続された状態において、少なくとも一部が、正極電源ケーブル31のY軸プラス方向(第一方向とは反対方向)に配置されている。このように、基板200の外側にカバー部120を配置し、かつ、正極電源ケーブル31が外部の導電部材(隣り合う蓄電装置1の負極電源ケーブル32等)に接続された状態において、カバー部120の少なくとも一部(開閉規制部125b)を正極電源ケーブル31の内側(Y軸プラス方向)に配置する。これにより、カバー部120を開放する際に、正極電源ケーブル31が邪魔になって、カバー部120を開放することができない。つまり、正極電源ケーブル31を外部の導電部材(上記実施の形態では、他の蓄電装置1の負極電源ケーブル32のコネクタ34)から取り外して、正極電源ケーブル31を移動させないとカバー部120を開放できないため、基板200に対する作業を行うことができない。したがって、基板200に対する作業を行う前に、蓄電装置1の正極電源ケーブル31と外部の導電部材との接続が切り離されるため、安全性の向上を図ることができる。つまり、複数の蓄電素子11が直列接続された蓄電装置1が複数直列接続されて蓄電設備が構成される場合、当該蓄電設備の総電圧は、例えば数百から数千ボルトの高電圧となる。このような高電圧下でのメンテナンス等の作業を行う場合に、確実に電源ケーブルが取り外されるため、安全性の向上を図ることができる。
【0114】
また、蓄電装置1において、正極電源ケーブル31が、蓄電ユニット10から突出してY軸マイナス方向に延びることで、カバー部120をY軸マイナス方向に横切り、カバー部120の少なくとも一部のY軸マイナス方向に配置されて、外部の導電部材に接続される。このように、正極電源ケーブル31が、カバー部120の少なくとも一部を巻き込む(抱き込む)ように配置される。これにより、正極電源ケーブル31が、外部の導電部材に接続された状態において、カバー部120が開放するのを抑制することができるため、安全性の向上を図ることができる。
【0115】
また、カバー部120のZ軸マイナス方向(第二方向)に凹んだ第一凹部125aに正極電源ケーブル31を配置することで、正極電源ケーブル31をカバー部120に対して位置決めすることができる。このため、正極電源ケーブル31を、安定的に、カバー部120の少なくとも一部のY軸マイナス方向に配置することができる。これにより、正極電源ケーブル31が、外部の導電部材に接続された状態において、カバー部120が開放するのを抑制することができるため、安全性の向上を図ることができる。
【0116】
また、カバー部120が、ケーブル規制部125dによって正極電源ケーブル31のZ軸プラス方向(第二方向)における移動を規制することで、正極電源ケーブル31がカバー部120のY軸マイナス方向から移動してしまうのを抑制することができる。これにより、正極電源ケーブル31が、外部の導電部材に接続された状態において、カバー部120が開放するのを抑制することができるため、安全性の向上を図ることができる。
【0117】
また、カバー部120が、基板保持部110に対して回動可能に取り付けられているため、カバー部120を開放して基板200を取り外すには、カバー部120を基板保持部110に対して回動させる必要がある。しかし、カバー部120の少なくとも一部が正極電源ケーブル31のY軸プラス方向に配置されていると、カバー部120を回動させることができない。これにより、正極電源ケーブル31を外部の導電部材から取り外して、正極電源ケーブル31を移動させないとカバー部120を開放できないため、安全性の向上を図ることができる。
【0118】
[4 変形例の説明]
以上、本実施の形態に係る蓄電装置1について説明したが、本発明は、上記実施の形態には限定されない。つまり、今回開示された実施の形態は、全ての点で例示であって制限的なものではなく、本発明の範囲は特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれる。
【0119】
例えば、上記実施の形態では、基板ユニット20は、蓄電ユニット10の長手方向(Y軸方向)の端部に取り付けられていることとした。しかし、基板ユニット20は、蓄電ユニット10のX軸方向またはZ軸方向の端部に取り付けられていることにしてもよい。
【0120】
また、上記実施の形態では、基板保持部110の第一保持部側取付部113とカバー部120の第一カバー側取付部122とは、蓄電装置1の底部15a側(Z軸マイナス方向側)に配置されていることとした。しかし、第一保持部側取付部113及び第一カバー側取付部122は、Z軸プラス方向側またはZ軸方向中央部等、どのような位置に配置されていてもよい。
【0121】
また、上記実施の形態では、基板保持部110の第一保持部側取付部113は軸体であり、カバー部120の第一カバー側取付部122の開口している側から挿入されて配置されることとした。しかし、第一保持部側取付部113及び第一カバー側取付部122の形状は、特に限定されない。例えば、第一カバー側取付部122は、どの方向の部位が開口していてもよいし、開口がない貫通孔であって当該貫通孔に第一保持部側取付部113が挿入される構成でもよい。または、第一保持部側取付部113と第一カバー側取付部122とが逆の構成を有している、つまり、第一カバー側取付部122が軸体であり、第一保持部側取付部113に挿入されることにしてもよい。さらに、カバー部120は、基板保持部110に対して回動可能に取り付けられていなくてもよい。
【0122】
また、上記実施の形態では、カバー部120は、基板保持部110に取り付けられる第一カバー側取付部122及び第二カバー側取付部123を有していることとした。しかし、カバー部120は、第二カバー側取付部123を有していなくてもよいし、第一カバー側取付部122を有していなくてもよい。基板保持部110側についても同様である。また、カバー部120は、回動規制部127を有していなくてもよい。
【0123】
また、上記実施の形態では、基板保持部110の第一基板側取付部112と蓄電ユニット10の第一蓄電側取付部16aとは、蓄電装置1の底部15a側(Z軸マイナス方向側)に配置されていることとした。しかし、第一基板側取付部112及び第一蓄電側取付部16aは、Z軸プラス方向側またはZ軸方向中央部等、どのような位置に配置されていてもよい。
【0124】
また、上記実施の形態では、基板保持部110の第一基板側取付部112は軸体であり、蓄電ユニット10の第一蓄電側取付部16aはZ軸マイナス方向側の部位が開口しており、第一基板側取付部112が第一蓄電側取付部16aに挿入されて配置されることとした。しかし、第一基板側取付部112及び第一蓄電側取付部16aの形状は、特に限定されない。例えば、第一蓄電側取付部16aは、どの方向の部位が開口していてもよいし、開口がない貫通孔であって当該貫通孔に第一基板側取付部112が挿入される構成でもよい。または、第一基板側取付部112と第一蓄電側取付部16aとが逆の構成を有している、つまり、第一蓄電側取付部16aが軸体であり、第一基板側取付部112に挿入されることにしてもよい。さらに、基板保持部110は、蓄電ユニット10に対して回動可能に取り付けられていなくてもよい。
【0125】
また、上記実施の形態では、基板保持部110は、蓄電ユニット10に取り付けられる第一基板側取付部112及び第二基板側取付部114aを有していることとした。しかし、基板保持部110は、第二基板側取付部114aを有していなくてもよいし、第一基板側取付部112を有していなくてもよい。蓄電ユニット10側についても同様である。
【0126】
また、上記実施の形態では、基板保持部110の固定部116は、先端部に向かうほど細くなる突起であり、基板200を基板保持部110の対向面から離間した位置で固定することとした。しかし、固定部116は先細り形状でなくてもよく、基板200を基板保持部110の対向面に当接させた状態で固定してもよい。
【0127】
また、上記実施の形態では、基板200は、板面が鉛直方向と交差する方向に向いた姿勢で固定されることとした。しかし、基板200は、板面が鉛直方向に向いた姿勢で(水平方向に)固定されてもよい。
【0128】
また、上記実施の形態では、カバー部120は基板規制部126を有していることとした。しかし、基板200を固定部116で強固に固定できるのであれば、カバー部120は基板規制部126を有していなくてもよい。または、カバー部120が基板規制部126を有する代わりに、基板200を、固定部116等に接着剤等で固定することにしてもよい。
【0129】
また、上記実施の形態では、基板200のコネクタ210及び220は、カバー部120が基板保持部110に対して回動する軸のある側とは異なる側の端部に配置されていることとしたが、当該軸のある側に配置されていてもよい。
【0130】
また、上記実施の形態では、カバー部120の開閉規制部125bが、正極電源ケーブル31のY軸プラス方向(第一方向とは反対方向)に配置されることとした。しかし、開閉規制部125bは、負極電源ケーブル32または通信ケーブル等の正極電源ケーブル31以外のケーブルのY軸プラス方向に配置されることにしてもよい。または、カバー部120は、ケーブル規制部125dを有していなくてもよく、さらに、開閉規制部125bを有していなくてもよい。
【0131】
また、上記実施の形態では、正極電源ケーブル31が接続される外部の導電部材として、隣り合う蓄電装置1の負極電源ケーブル32を例示した。しかし、当該外部の導電部材として、隣り合う蓄電装置1の正極電源ケーブル31、隣り合わない蓄電装置1の負極電源ケーブル32または正極電源ケーブル31、複数の蓄電装置1を制御する外部の制御装置等、種々のものを例示することができる。
【0132】
また、上記実施の形態では、基板収容部100は、基板保持部110とカバー部120とを有していることとしたが、基板収容部100は、カバー部120を有していないことにしてもよい。または、基板収容部100は、基板保持部110を有していないことにしてもよい。この場合、基板200は、カバー部120に取り付けられればよいし、把持部115は、カバー部120に設けられていればよい。なお、基板収容部100が基板保持部110を有している場合でも、基板200は、カバー部120に取り付けられることにしてもよいし、把持部115は、カバー部120に設けられていることにしてもよい。つまり、把持部115は、基板収容部100に設けられていればよい。
【0133】
また、上記実施の形態では、基板ユニット20の把持部115には、傾斜面115a及び把持部凹部115bが形成されていることとした。しかし、把持部115には、傾斜面115a及び把持部凹部115bの少なくとも一方が形成されていないことにしてもよい。または、基板ユニット20には、把持部115が設けられていないことにしてもよい。
【0134】
また、上記実施の形態及びその変形例に含まれる構成要素を任意に組み合わせて構築される形態も、本発明の範囲内に含まれる。
【0135】
また、本発明は、蓄電装置1として実現することができるだけでなく、固定部116を有する基板保持部110、または、基板保持部110及び基板200としても実現することができる。
【産業上の利用可能性】
【0136】
本発明は、リチウムイオン二次電池などの蓄電素子を備えた蓄電装置に適用できる。
【符号の説明】
【0137】
1、1a、1b 蓄電装置
2 棚板
10 蓄電ユニット
11 蓄電素子
11a 容器
11b 正極端子
11c 負極端子
11d スペーサ
12 バスバーフレーム
13 バスバー
13a、30 ケーブル
13b、33、34、210、220 コネクタ
14 外装体本体
15 外装体支持体
15a 底部
15b、15c、17b、17c 接続部
16 基板ユニット取付部
16a 第一蓄電側取付部
16b 壁部
16c 第二蓄電側取付部
16d、124 開口部
17 外装体蓋体
17a 天面部
18 外装体
20 基板ユニット
31 正極電源ケーブル
32 負極電源ケーブル
100 基板収容部
110 基板保持部
111 保持部本体
111a 第一保持部壁部
111b 第二保持部壁部
112 第一基板側取付部
113 第一保持部側取付部
114 上側取付部
114a 第二基板側取付部
114b 第二保持部側取付部
115 把持部
115a 傾斜面
115b 把持部凹部
116 固定部
120 カバー部
121 カバー部本体
121a 第一カバー壁部
121b 第二カバー壁部
122 第一カバー側取付部
123 第二カバー側取付部
123a 突起
125 ケーブル配置部
125a 第一凹部
125b 開閉規制部
125c 傾斜部
125d ケーブル規制部
126 基板規制部
127 回動規制部
200 基板
230 貫通孔