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特許7472491表示制御装置、表示装置、表示制御方法及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-15
(45)【発行日】2024-04-23
(54)【発明の名称】表示制御装置、表示装置、表示制御方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G08G 1/16 20060101AFI20240416BHJP
   G01C 21/36 20060101ALI20240416BHJP
   B60W 50/14 20200101ALI20240416BHJP
【FI】
G08G1/16 C
G01C21/36
B60W50/14
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2019232447
(22)【出願日】2019-12-24
(65)【公開番号】P2021101266
(43)【公開日】2021-07-08
【審査請求日】2022-11-30
(73)【特許権者】
【識別番号】308036402
【氏名又は名称】株式会社JVCケンウッド
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】三原 真哉
(72)【発明者】
【氏名】大木 靖久
【審査官】佐々木 佳祐
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-036086(JP,A)
【文献】特開2017-037634(JP,A)
【文献】国際公開第2018/088224(WO,A1)
【文献】特開2019-040630(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G08G 1/00-99/00
G01C 21/00-25/00
B60W 50/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
自車両に近接する近接車両の情報を取得する車両情報取得部と、
前記近接車両の情報に基づき、前記近接車両を表示する画像を表示させる表示制御部と、
を備え、
前記表示制御部は、前記近接車両を表示する第1画像と、前記第1画像よりも情報量を少なくした状態で前記近接車両を表示する第2画像とを、切り替えて表示させ、前記第2画像において、前記近接車両が前記自車両から離れるほど、前記近接車両の画像の透明度を高くして、前記近接車両と前記自車両との距離が所定距離以上になった場合に、前記近接車両が表示されなくする、
表示制御装置。
【請求項2】
前記表示制御部は、前記自車両と前期近接車両との相対的な位置関係が同じ場合に前記第2画像で表示される前記近接車両の数が、前記第1画像を表示した際に表示される前記近接車両の数よりも少なくなるように、前記第2画像を表示させる、請求項1に記載の表示制御装置。
【請求項3】
前記表示制御部は、前記自車両を鉛直方向の上方から見下ろす視点からの、前記近接車両を示す画像を、前記第1画像として表示し、前記自車両から進行方向前方を見る視点からの、前記近接車両を示す画像を、前記第2画像として表示する、請求項2に記載の表示制御装置。
【請求項4】
前記表示制御部は、前記第2画像において、前記近接車両の状況を示す状況情報画像を表示する、請求項1から請求項のいずれか1項に記載の表示制御装置。
【請求項5】
前記表示制御部は、前記近接車両が、前記自車両に近い位置にある第1状況と、前記近接車両が、前記第1状況よりも前記自車両に遠い位置にある第2状況とで、前記状況情報画像の表示内容を異ならせる、請求項に記載の表示制御装置。
【請求項6】
前記表示制御部は、前記状況情報画像を、前記自車両の側方側に設けられて前記自車両の側方の前記近接車両の状況を示す仮想の壁状の画像として表示する、請求項又は請求項に記載の表示制御装置。
【請求項7】
前記表示制御部は、前記第1画像において、前記自車両の他の車両への衝突の危険性を高くする前記近接車両を、他の前記近接車両とは異なる表示内容で表示させる、請求項1から請求項のいずれか1項に記載の表示制御装置。
【請求項8】
前記表示制御部は、前記自車両が自動運転モードである際に、前記自車両の走行状況に応じて、前記第1画像と前記第2画像とを切り替えて表示させる、請求項1から請求項のいずれか1項に記載の表示制御装置。
【請求項9】
前記表示制御部は、前記第1画像と、前記第2画像と、前記自車両が進行する経路を示す経路情報を含む第3画像とを、切り替えて表示させるものであり、前記自車両が手動運転モードである場合に、前記第3画像を表示させる、請求項に記載の表示制御装置。
【請求項10】
請求項1から請求項のいずれか1項に記載の表示制御装置と、
前記自車両に搭載されて、前記第1画像と前記第2画像とを切り替えて表示する表示部、
を備える、表示装置。
【請求項11】
自車両に近接する近接車両の情報を取得する車両情報取得ステップと、
前記近接車両の情報に基づき、前記近接車両を表示する画像を表示させる表示制御ステップと、
を含み、
前記表示制御ステップにおいては、前記近接車両を表示する第1画像と、前記第1画像よりも情報量を少なくした状態で前記近接車両を表示する第2画像とを、切り替えて表示し、前記第2画像において、前記近接車両が前記自車両から離れるほど、前記近接車両の画像の透明度を高くして、前記近接車両と前記自車両との距離が所定距離以上になった場合に、前記近接車両が表示されなくする、
表示制御方法。
【請求項12】
自車両に近接する近接車両の情報を取得する車両情報取得ステップと、
前記近接車両の情報に基づき、前記近接車両を表示する画像を表示させる表示制御ステップと、
をコンピュータに実行させるプログラムであって、
前記表示制御ステップにおいては、前記近接車両を表示する第1画像と、前記第1画像よりも情報量を少なくした状態で前記近接車両を表示する第2画像とを、切り替えて表示し、前記第2画像において、前記近接車両が前記自車両から離れるほど、前記近接車両の画像の透明度を高くして、前記近接車両と前記自車両との距離が所定距離以上になった場合に、前記近接車両が表示されなくする、
プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示制御装置、表示装置、表示制御方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
自車両の周囲の状況を、車載の表示装置に表示する表示制御装置が知られている。例えば特許文献1には、自動運転時において、乗員の意識に応じて地図情報の表示を切り替える旨が記載されている。また、このような車両用の表示制御装置においては、自車両の周囲の車両の情報を表示することが求められる場合もある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2015-108519号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、周囲の車両の情報量が少なすぎる場合は、乗員が周囲の状況を適切に判断できなくなるおそれが生じ、逆に周囲の車両の情報量が多すぎる場合は、かえって乗員の邪魔になることがあるなど、周囲の車両の情報を表示するためには改善の余地がある。すなわち、車両用の表示制御装置においては、状況に応じて、周囲の車両の情報を適切に表示することが求められている。
【0005】
本発明は、上記課題に鑑み、周囲の車両の情報を適切に表示することが可能な表示制御装置、表示装置、表示制御方法及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様にかかる表示制御装置は、自車両に近接する近接車両の情報を取得する車両情報取得部と、前記近接車両の情報に基づき、前記近接車両を表示する画像を表示させる表示制御部と、を備え、前記表示制御部は、前記近接車両を表示する第1画像と、前記第1画像よりも情報量を少なくした状態で前記近接車両を表示する第2画像とを、切り替えて表示させる。
【0007】
本発明の一態様にかかる表示装置は、前記表示制御装置と、自車両に搭載されて、前記第1画像と前記第2画像とを切り替えて表示する表示部と、を備える。
【0008】
本発明の一態様にかかる表示制御方法は、自車両に近接する近接車両の情報を取得する車両情報取得ステップと、前記近接車両の情報に基づき、前記近接車両を表示する画像を表示させる表示制御ステップと、を含み、前記表示制御ステップにおいては、前記近接車両を表示する第1画像と、前記第1画像よりも情報量を少なくした状態で前記近接車両を表示する第2画像とを、切り替えて表示する。
【0009】
本発明の一態様にかかるプログラムは、自車両に近接する近接車両の情報を取得する車両情報取得ステップと、前記近接車両の情報に基づき、前記近接車両を表示する画像を表示させる表示制御ステップと、をコンピュータに実行させるプログラムであって、前記表示制御ステップにおいては、前記近接車両を表示する第1画像と、前記第1画像よりも情報量を少なくした状態で前記近接車両を表示する第2画像とを、切り替えて表示する。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、周囲の車両の情報を適切に表示することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1図1は、本実施形態に係る車両の模式図である。
図2図2は、本実施形態に係る表示装置の模式的なブロック図である。
図3図3は、本実施形態に係る車両の車内を示す模式図である。
図4図4は、表示部に表示する画像の一例を示す図である。
図5図5は、手動運転画像の一例を示す図である。
図6図6は、第1画像の一例を示す図である。
図7図7は、第1画像の一例を示す図である。
図8図8は、第2画像の一例を示す図である。
図9図9は、第2画像の一例を示す図である。
図10図10は、第2画像の一例を示す図である。
図11図11は、第2画像の一例を示す図である。
図12図12は、第2画像の一例を示す図である。
図13図13は、本実施形態に係る画像の切り替えフローを説明するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下に、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下に説明する実施形態により本発明が限定されるものではない。
【0013】
図1は、本実施形態に係る車両の模式図である。本実施形態に係る車両Vは、自動運転が可能に構成された車両である。さらにいえば、車両Vは、手動運転と自動運転とを切り替え可能に構成される。手動運転とは、乗員が車両Vを操作して車両Vを走行させる運転モードを指す。自動運転とは、乗員の操作によらず、車両Vが自動で走行する運転モードを指す。ただし、本実施形態における自動運転は、少なくとも一部の運転を乗員が行うモードも含む。すなわち、本実施形態における自動運転とは、SAE(Society of Automotive Engineers) Internationalで規定されたレベル1からレベル5までを含む。さらにいえば、本実施形態における自動運転とは、レベル3からレベル5までの少なくとも1つであることが好ましく、レベル3及びレベル4のうちの少なくとも1つであることがより好ましい。手動運転と自動運転とは、例えば乗員によって切り替え可能である。
【0014】
本実施形態に係る表示システム1は、車両Vに搭載され、車両V内で画像を表示するシステムである。車両V内とは、例えば乗員の座席が設けられる車室内を指す。本実施形態では、表示システム1は、表示装置10と検出装置12とを備える。表示装置10は、後述する表示部22を備えて、表示部22に画像を表示させる。検出装置12は、車両Vに設けられて、車両Vの周囲の状況を検出するセンサである。より詳しくは、検出装置12は、車両Vに近接している車両である近接車両を、言い換えれば車両Vに近接している車両があるかを検出する。ここでの近接車両とは、車両Vから所定の検出距離の範囲内にある車両を指し、車両Vの周囲に存在する車両であるともいえる。より詳しくは、検出装置12は、車両Vに対する近接車両の位置と、車両Vと近接車両との間の距離とを検出する。すなわち、検出装置12は、車両Vに対し、近接車両がどの方向にどれだけ離れた距離にあるかを検出する。検出装置12は、例えばLIDAR(Light Detection and Ranging)センサであるが、それに限られず、撮像装置など任意の装置であってよい。また、検出装置12の数や、車両Vへの検出装置12の搭載位置も、任意である。
【0015】
表示装置10は、車両Vに設けられる。図2は、本実施形態に係る表示装置の模式的なブロック図である。図3は、本実施形態に係る車両の車内を示す模式図である。図2に示すように、表示装置10は、入力部20と、表示部22と、記憶部24と、通信部26と、制御部30とを備える。入力部20は、乗員の操作を受け付ける装置であり、例えばタッチパネルや操作ボタンなどである。表示部22は、画像を表示するディスプレイである。図3に示すように、表示部22は、車両V内に設けられる。車両V内には、フロントガラスFGやハンドルHNなどが備えられている。フロントガラスFGは、フロントウインドウ、風防ガラスとも呼ばれる。ハンドルHNは、運転者が操作するハンドルである。表示部22は、運転者が視認可能な位置に、例えばフロントガラスFGの鉛直方向下方側に、設けられる。ただし、表示部22の設けられる位置は、任意であってよい。表示部22は、例えば、いわゆるヘッドアップディスプレイとして、フロントガラスFGやサイドガラスなどに設けられてもよい。
【0016】
図2に示す記憶部24は、制御部30の演算内容やプログラムなどの各種情報を記憶するメモリであり、例えば、RAM(Random Access Memory)と、ROM(Read Only Memory)のような主記憶装置と、HDD(Hard Disk Drive)などの外部記憶装置とのうち、少なくとも1つ含む。通信部26は、検出装置12などの外部の装置と通信を行う通信モジュールであり、例えばアンテナなどである。
【0017】
画像処理装置としての制御部30は、演算装置、すなわちCPU(Central Processing Unit)である。制御部30は、車両情報取得部40と、切替情報取得部42と、表示制御部44とを含む。制御部30は、記憶部24からプログラム(ソフトウェア)を読み出して実行することで、車両情報取得部40と、切替情報取得部42と、表示制御部44とを実現して、それらによる処理を実行する。なお、制御部30は、1つのCPUによってこれらの処理を実行してもよいし、複数のCPUを備えて、それらの複数のCPUで、これらの処理を実行してもよい。また、車両情報取得部40と、切替情報取得部42と、表示制御部44との少なくとも一部を、ハードウェア回路で実現してもよい。
【0018】
車両情報取得部40は、近接車両の情報を取得する。車両情報取得部40は、検出装置12を制御して、検出装置12に近接車両の情報を取得させる。車両情報取得部40は、検出装置12が検出した近接車両の情報を取得する。本実施形態では、車両情報取得部40は、近接車両の情報として、車両Vに対する近接車両の位置と、車両Vと近接車両との間の距離とを取得する。また、車両情報取得部40は、近接車両の情報以外の情報も取得してよい。例えば、車両情報取得部40は、GPS(Global Positioninig System)と通信を行うことで、車両Vの地球座標や地図情報などを取得する。
【0019】
なお、本実施形態では、車両情報取得部40は、近接車両の情報を、検出装置12から取得するが、近接車両の情報の取得方法はそれに限られない。車両情報取得部40は、車両Vに備えられていない外部の装置から、近接車両の情報を取得してよい。例えば、車両情報取得部40は、GPSと通信を行って、GPSから、近接車両の情報を取得してもよい。また、道路などに車両を検出するセンサが設けられている場合、車両情報取得部40は、このセンサから、近接車両の情報を取得してよい。
【0020】
切替情報取得部42は、切替情報を取得する。切替情報は、表示制御部44が、表示部22に表示させる画像を切り替えるかを判断するための情報である。切替情報取得部42は、切替情報として、運転モード情報と、走行状況情報とを取得する。運転モード情報とは、車両Vの運転モードを示す情報である。すなわち、切替情報取得部42は、運転モード情報として、車両Vが手動運転モードであるか、自動運転モードであるかの情報を取得する。切替情報取得部42は、車両Vが現在手動運転モードに設定されている場合は、手動運転モードである旨を示す運転モード情報を取得し、車両Vが現在自動運転モードに設定されている場合は、自動運転モードである旨を示す運転モード情報を取得する。
【0021】
走行状況情報とは、車両Vが走行している状況を示す情報である。切替情報取得部42は、走行状況情報として、車両Vが第1状態であるか第2状態であるかの情報を取得する。第1状態とは、自動運転モードにおいて、乗員が自動運転に不安を覚えている状況で、車両Vが走行している状態を指す。第2状態とは、自動運転モードにおいて、乗員が自動運転に不安を覚えている度合いが第1状態よりも小さい状況で、車両Vが走行している状態を指す。すなわち、第2状態は、自動運転モードにおいて、自動運転に対する乗員の不安が少ない状況で、車両Vが走行している状態を指す。
【0022】
切替情報取得部42は、任意の方法で、第1状態であるか第2状態であるかの情報を取得してよい。例えば、乗員が第1状態であるか第2状態であるかを入力部20などに入力可能に設定されていてよい。この場合、例えば、乗員は、自動運転に不安を覚えている場合に、第1状態である旨を入力部20などに入力して、自動運転に不安を覚えていない場合に、第2状態である旨を入力する。そして、切替情報取得部42は、乗員の入力を検出することで、第1状態であるか第2状態であるかの情報を取得する。なお、入力部20への入力は、第1状態であるか、または第2状態であるかの2段階に限らず、2以上の任意の数の段階による入力でもよい。入力部20は、ダイヤル、レバー、複数のボタン(2段階の場合は1のボタンでもよい)、タッチパネルなど、2以上の任意の数の段階を入力可能なデバイスが好ましい。2を超える数の段階である場合、第1状態であるか第2状態であるかは、乗員毎に予め定められた段階を閾値として、閾値以上であるか否かにより判断してもよい。
【0023】
また例えば、切替情報取得部42は、乗員の生体情報に基づき、第1状態であるか第2状態であるかの情報を取得してよい。この場合例えば、表示システム1は、乗員の生体情報を検出するセンサを備えており、切替情報取得部42は、このセンサによる乗員の生体情報の検出結果から、第1状態であるか第2状態であるかを判断する。例えば、センサは乗員の心拍数を測定可能に構成されていてよい。この場合、切替情報取得部42は、センサが測定した乗員の心拍数が閾値以上である場合には、自動運転に不安を覚えているとして第1状態であると判断し、乗員の心拍数が閾値未満である場合には、自動運転に不安を覚えていないとして第2状態であると判断してよい。また例えば、センサは、乗員の視線を検出可能に構成されていてよい。この場合、切替情報取得部42は、センサが検出した乗員の視線が車外を向いている時間が閾値以上であったり、視線の向きを変化させる頻度が閾値以上であったりする場合には、第1状態であると判断し、乗員の視線が車外を向いている時間が閾値より少なかったり、視線の向きを変化させる頻度が閾値より少なかったりする場合には、第2状態であると判断してよい。また例えば、センサは、ハンドルHN、ブレーキペダル、及びアクセルペダルなど、車両Vを運転するための操作装置を乗員が触れているかを検出可能に構成されていてよい。この場合、切替情報取得部42は、乗員が操作装置に触れている時間が閾値以上である場合には、第1状態であると判断し、乗員が操作装置に触れている時間が閾値未満である場合には、第2状態であると判断してよい。
【0024】
また例えば、切替情報取得部42は、車両Vが走行している場所に基づき、第1状態であるか第2状態であるかの情報を取得してよい。この場合、切替情報取得部42は、車両Vが走行している場所の情報を取得する。例えば、切替情報取得部42は、GPSから、車両Vの地球座標を取得し、地図情報と車両Vの地球座標とに基づき、車両Vが現在走行している場所を検出する。そして、切替情報取得部42は、車両Vが現在走行している場所から、第1状態であるか第2状態であるかを判断する。例えば、切替情報取得部42は、車両Vが、初めて走行する場所を走行している場合には、第1状態であると判断し、以前に走行した場所を走行している場合には、第2状態であると判断してよい。ここで、以前に走行した場所は、自宅や職場、通学先などの定常的に移動する経路上の場所であることが好ましい。また、第1状態と判断される場所や第2状態と判断される場所が予め設定されていてもよい。これらの予め設定される場所は、所定の経路上の場所として設定されてもよいし、任意の地点から一定距離の範囲である場所、任意の行政区画の範囲である場所、任意の道路によって囲まれた範囲である場所などでもよい。この場合、切替情報取得部42は、車両Vが第1状態と判断される場所を走行している場合には、第1状態と判断し、車両Vが第2状態と判断される場所を走行している場合には、第2状態と判断してよい。また例えば、切替情報取得部42は、車両情報取得部40が取得した近接車両の情報に基づき、第1状態であるか第2状態であるかを判断してよい。例えば、切替情報取得部42は、近接車両の数が閾値以上である場合には、第1状態と判断し、近接車両の数が閾値未満である場合には、第2状態であると判断してよい。
【0025】
図4は、表示部に表示する画像の一例を示す図である。表示制御部44は、表示部22に画像を表示させる。図4に示すように、本実施形態では、表示制御部44は、表示部22に、画像P、PM1、PM2を表示させる。画像Pは、車両Vの走行状況を示す画像である。車両Vの走行状況を示す画像とは、車両Vがどのような状況で走行しているかを、言い換えれば、車両Vの周囲の状況を示す画像である。画像Pの表示内容については後述する。画像PM1、PM2は、車両Vの走行状態を示す画像である。図4の例では、画像PM1は、車両Vの速度を示す速度メータであり、画像PM2は、車両Vの回転数を示す回転数メータである。表示制御部44は、画像P、PM1、PM2を、同時に一画面で表示する。例えば、表示制御部44は、画像PM1と画像PM2との間に、画像Pが位置するように、画像P、PM1、PM2を表示させる。ただし、表示制御部44は、画像P、PM1、PM2を一画面で表示することに限られない。例えば、表示制御部44は、1画面に画像Pのみを表示してもよいし、画像Pを、別の情報を表示する画像と並べて表示してもよい。
【0026】
表示制御部44は、車両情報取得部40が取得した近接車両の情報に基づき、表示部22に、画像Pを表示させる。また、表示制御部44は、切替情報取得部42が取得した切替情報に基づき、画像Pの表示内容を切り替える。以下、画像Pについてより詳細に説明する。
【0027】
表示制御部44は、切替情報における運転モード情報に基づき、画像Pの表示内容を切り替える。具体的には、表示制御部44は、運転モード情報において、車両Vが手動運転モードであるとされている場合には、画像Pとして、手動運転画像PAを表示させ、車両Vが自動運転モードとされている場合には、画像Pとして、第1画像PB又は第2画像PCを表示させる。第1画像PB及び第2画像PCは、近接車両を表示する画像である。
【0028】
図5は、手動運転画像の一例を示す図である。手動運転画像PAは、車両Vの走行経路を表示する、いわゆるナビゲーション画面である。表示制御部44は、車両Vが進行する経路を示す経路情報と、経路上での車両Vの位置を示す自車位置情報とを、手動運転画像PAとして表示させる。より具体的には、手動運転画像PAは、自車位置画像A1と、経路画像A2と、事故位置画像A3と、渋滞経路画像A4と、遅延時間画像A5と、を含む。
【0029】
自車位置画像A1は、車両Vが進行する経路上での車両Vの位置を示す画像であり、自車位置情報であるともいえる。経路画像A2は、車両Vが進行する経路を示す画像であり、経路情報であるともいえる。表示制御部44は、車両情報取得部40が取得した車両Vの地球座標や、地図情報に基づき、自車位置画像A1と経路画像A2とを生成して、表示部22に表示させる。例えば、表示制御部44は、乗員が設定した車両Vの目的地と地図情報とから、車両Vの経路を設定し、設定した経路を、経路画像A2として表示させる。そして、表示制御部44は、車両Vの地球座標から、経路上での車両Vの現在位置を検出して、経路上での車両Vの現在位置を、自車位置画像A1として表示させる。ただし、車両Vの経路は、表示制御部44が設定することに限られず、表示制御部44は、例えば車両Vの制御装置が設定した経路の情報を取得して、経路画像A2として表示させてもよい。
【0030】
自車位置画像A1は、経路画像A2に重なるように表示される。車両Vの現在の位置は、現時点における経路の始点となるため、経路画像A2は、自車位置画像A1から、経路の終点までを結ぶ経路の画像として、表示される。また、経路画像A2は、車両Vの走行に伴い、車両Vの進行方向側にスクロールするように、表示が更新される。
【0031】
事故位置画像A3は、車両Vが進行する経路上で交通事故が発生した場合に、車両Vが進行する経路上での交通事故が起きた位置を示す画像である。事故位置画像A3は、経路画像A2上に重なるように表示される。表示制御部44は、例えば外部の装置から、交通事故が起きた位置の情報を取得して、その情報に基づき、事故位置画像A3を生成して、表示部22に表示させる。
【0032】
渋滞経路画像A4は、車両Vが進行する経路上で渋滞している区間を示す画像である。渋滞経路画像A4は、経路画像A2上に重なるように表示される。渋滞経路画像A4は、渋滞していない経路画像A2と区別可能な態様で、言い換えれば渋滞していない経路画像A2と異なる表示内容で、表示される。例えば、渋滞経路画像A4は、渋滞していない経路画像A2と異なる色で表示される。表示制御部44は、例えば外部の装置から、渋滞している区間の情報を取得して、その情報に基づき、渋滞経路画像A4を生成して、表示させる。
【0033】
遅延時間画像A5は、車両Vの目的地への当初の到着予定時刻に対する、現在の到着予定時刻の遅延時間を表示する。例えば、当初の到着予定時刻は、渋滞を加味しない場合の到着予定時刻であるが、現在の到着予定時刻は、渋滞を加味した場合の到着予定時刻である。表示制御部44は、渋滞している区間の情報などから最新の到着予定時刻を算出して、算出した到着予定時刻と当初の到着予定時刻との差分を算出する。表示制御部44は、この差分を、遅延時間画像A5として表示する。
【0034】
表示制御部44は、このようにして手動運転画像PAを表示部22に表示させるが、以上説明した手動運転画像PAは一例であり、手動運転画像PAの表示内容は以上の説明に限られない。
【0035】
図6及び図7は、第1画像の一例を示す図である。表示制御部44は、切替情報における運転モード情報において、車両Vが自動運転モードであるとされている場合には、画像Pとして、第1画像PB又は第2画像PCを表示させる。さらにいえば、表示制御部44は、自動運転モードの場合であって、切替情報における走行状況情報が第1状態を示している場合に、第1画像PBを表示部22に表示させる。すなわち、表示制御部44は、車両Vが自動運転モードで走行しており、かつ、乗員が自動運転に不安を覚えている場合には、第1画像PBを表示させる。第1画像PBは、近接車両を表示する画像である。以下、第1画像PBについて具体的に説明する。
【0036】
表示制御部44は、車両情報取得部40が取得した近接車両の情報に基づき、第1画像PBを生成して、表示部22に表示させる。図6に示すように、第1画像PBは、俯瞰画像として表示される。俯瞰画像とは、車両Vを鉛直方向の上方から見下ろす視点から、車両V及び近接車両を見たと仮定した場合の画像を指す。表示制御部44は、車両情報取得部40が取得した、車両Vに対する近接車両の位置と、車両Vと近接車両との間の距離とに基づき、車両Vと近接車両との位置関係を検出する。そして、表示制御部44は、車両Vと近接車両との位置関係に基づき、車両Vと近接車両とを鉛直方向の上方から見下ろす視点から見たと仮定した場合の俯瞰画像を、第1画像PBとして生成して、表示部22に表示させる。第1画像PBは、俯瞰画像であるため、車両Vの進行方向の前方側(進行方向側)の領域内に位置する近接車両の画像に加えて、車両Vの進行方向の後方側(進行方向と反対側)の領域内に位置する近接車両の画像も含まれる。
【0037】
第1画像PBは、自車画像B0と、自車レーン画像B1と、側方レーン画像B2と、近接車両画像B3とを含む。自車画像B0は、車両Vを示す画像である。自車レーン画像B1とは、車両Vが走行している経路を示す画像である。側方レーン画像B2は、車両Vが走行している経路の側方にある経路を示す画像である。近接車両画像B3は、近接車両を示す画像である。ここでの側方とは、車両Vの進行方向を前方とした場合の側方を指す。なお、図6では自車レーン画像B1と側方レーン画像B2とは同一方向のレーンであるが、同一方向に限らず、対向方向のレーンでもよい。
【0038】
表示制御部44は、自車レーン画像B1と重なるように、自車画像B0を表示させる。例えば、自車画像B0は、車両の形状を模した画像として、自車レーン画像B1上に表示される。表示制御部44は、車両Vの経路の情報を取得して、経路の情報に基づき、自車画像B0、自車レーン画像B1、及び側方レーン画像B2を生成して、表示させてよい。なお、自車画像B0は、第1画像PB内での位置が固定されており、車両Vの走行に合わせて、自車画像B0に対して、自車レーン画像B1、側方レーン画像B2、及び近接車両画像B3の少なくとも1つが相対的に動くように変化してよい。なお、自車画像B0を第1画像PB内で固定する位置は、第1画像PBの中央付近に限らず中央から左または右に偏った位置に固定してもよく、第1画像PBに表示させる情報量が増加するように、自車が走行するレーン、レーン数、走行している車両数などに基づいて固定する位置を決めてもよい。
【0039】
表示制御部44は、自車レーン画像B1又は側方レーン画像B2と重なるように、近接車両画像B3を表示させる。例えば、近接車両画像B3は、車両の形状を模した画像として表示される。表示制御部44は、車両Vと近接車両との位置関係に基づき、第1画像PB上での車両Vに対する近接車両の位置を算出する。そして、表示制御部44は、第1画像PB上での算出した近接車両の位置に、近接車両画像B3を表示させる。ここで、上述のように、車両Vに対し所定の検出距離範囲内にある車両が、近接車両として検出される。この場合、表示制御部44は、車両Vに対して検出距離範囲内の車両の全てを、すなわち検出された近接車両の全てを、近接車両画像B3として表示させてよい。ただし、表示制御部44は、車両Vに対して検出距離範囲よりも短い所定距離範囲内の近接車両を、近接車両画像B3として表示させてもよい。例えば、検出距離範囲内の車両数が所定数以上の場合や、車両Vの速度が所定値未満の場合などに、検出距離範囲よりも短い所定距離範囲内の近接車両を近接車両画像B3として表示させてもよい。いずれの場合においても、図6に示すように、表示制御部44は、自車画像B0の進行方向の前方側と、車両Vの進行方向の後方側との両方の近接車両を、近接車両画像B3として表示する。すなわち、表示制御部44は、車両Vに対して全方向に位置する近接車両を、近接車両画像B3として表示する。
【0040】
また、表示制御部44は、危険車両を検出し、危険車両を、危険車両でない近接車両とは異なる表示内容で表示させる。危険車両とは、車両Vの他の車両への衝突の危険性を高くする近接車両を指す。例えば、表示制御部44は、車両Vと衝突する危険性がある近接車両を、危険車両と判断する。以下、危険車両のうち、車両Vと衝突する危険性がある危険車両を、適宜、第1危険車両と記載する。表示制御部44は、車両Vとの間の距離が閾値以下となる近接車両を、第1危険車両と判断してよい。また例えば、表示制御部44は、車両Vに対して近づいてきており、かつ、車両Vとの間の距離が閾値以下となる近接車両を、第1危険車両と判断してよい。さらに言えば、表示制御部44は、車両Vに対する相対速度が所定値以上であって、車両Vに対して近づいてきており、かつ、車両Vとの間の距離が閾値以下となる近接車両を、第1危険車両と判断してよい。このような第1危険車両は、車両Vと衝突する危険性があるため、表示制御部44は、他の近接車両と異なる表示内容で表示させて、乗員が認識しやすいようにする。なお、第1危険車両の判断方法は、これらに限られない。
【0041】
また、表示制御部44は、その近接車両の挙動によって、他の近接車両と車両Vとが衝突する結果を招くおそれがある近接車両を、危険車両と判断する。以下、危険車両のうち、他の近接車両と車両Vとが衝突する結果を招くおそれがある危険車両を、適宜、第2危険車両と記載する。例えば、車両Vが走行しているレーンの前方に他のレーンから侵入する車両がある場合、その車両との車間距離をとるために、車両Vがブレーキをかける場合がある。その場合、車両Vと後方の車両との距離が短くなって、車両Vと後方の車両との衝突の危険性が高くなる。そのため、車両Vが走行しているレーンの前方に他のレーンから侵入する車両がある場合、その車両を、第2危険車両と判断してよい。この場合、例えば、表示制御部44は、車両Vの側方のレーンを車両Vよりも前方側で進行している近接車両が、車両Vのレーン側に移動することを検出した場合に、その車両Vが第2危険車両であると判断する。また例えば、表示制御部44は、車両Vと同じレーンで複数台先を走行している車両であって、急に減速した車両がある場合には、その車両を、第2危険車両と判断してよい。この場合、例えば、表示制御部44は、車両Vと同じレーンで複数台先を走行している近接車両の、車両Vに対する相対速度が、車両Vに近づく方向に所定値以上となることを検出した場合に、その近接車両が第2危険車両であると判断する。このような第2危険車両は、他の車両と車両Vとの衝突する危険性を増加させるため、表示制御部44は、他の近接車両と異なる表示内容で表示させて、乗員が認識しやすいようにする。なお、第2危険車両の判断方法は、これらに限られない。
【0042】
また、表示制御部44は、第1危険車両と第2危険車両とを、異なる表示内容で表示させる。図6は、車両Vの側方のレーンを車両Vよりも前方側で走行している近接車両が、車両Vのレーン側に移動しようとしているタイミングにおける、第1画像PBの例を示している。そして、図7は、その近接車両が車両Vのレーンに移動した後における、第1画像PBの例を示している。図6に示すように、表示制御部44は、車両Vの側方のレーンを車両Vよりも前方側で進行しており、かつ、車両Vのレーン側に移動しようとしている近接車両を、第2危険車両であると判断して、近接車両画像B3aとして表示させる。第2危険車両を示す近接車両画像B3aは、危険車両と判断されていない近接車両画像B3と、異なる表示内容で表示されている。例えば、近接車両画像B3aは、危険車両と判断されていない近接車両画像B3と異なる色で表示される。近接車両画像B3aは、例えば黄色で表示され、危険車両と判断されていない近接車両画像B3は、例えば灰色、黒色、青色などで表示されてもよい。
【0043】
第2危険車両が車両Vのレーンに進入した結果、車両Vは、減速して、後方の車両との車間距離が短くなる場合がある。図7に示すように、表示制御部44は、車両Vとの車間距離が閾値以下となった後方の車両を、第1危険車両であると判断して、近接車両画像B3bとして表示させる。第1危険車両を示す近接車両画像B3bは、危険車両と判断されていない近接車両画像B3と、異なる表示内容で表示されている。さらに、第1危険車両を示す近接車両画像B3bは、第2危険車両を示す近接車両画像B3aとも異なる表示内容で表示される。例えば、近接車両画像B3bは、危険車両と判断されていない近接車両画像B3、及び第2危険車両を示す近接車両画像B3aと、異なる色で表示される。近接車両画像B3bは、例えば赤色で表示されてよい。
【0044】
表示制御部44は、このようにして第1画像PBを表示部22に表示させるが、以上説明した第1画像PBは一例であり、第1画像PBの表示内容は以上の説明に限られない。
【0045】
次に、第2画像PCについて説明する。図8から図12は、第2画像の一例を示す図である。表示制御部44は、切替情報における運転モード情報において、車両Vが自動運転モードであるとされている場合であって、切替情報における走行状況情報が第2状態を示している場合に、第2画像PCを表示部22に表示させる。すなわち、表示制御部44は、車両Vが自動運転モードで走行しており、かつ、乗員が自動運転に不安を覚えている度合いが小さい場合には、第2画像PCを表示させる。第2画像PCは、近接車両を表示する画像である。
【0046】
第2画像PCは、第1画像PBよりも、情報量が少ない画像である。ここでの情報量とは、表示する近接車両の情報量を指す。すなわち、第2画像PCは、第1画像PBよりも、表示する近接車両の情報量が少ない。さらにいえば、車両Vが同じ状況、すなわち車両Vと近接車両との相対的な位置関係が同じである場合に第1画像PBと第2画像PCとを表示すると仮定した場合、第2画像PCで表示される近接車両の数は、第1画像PBで表示される近接車両の数よりも少なくなる。本実施形態では、第2画像PCは、車両Vの前方側を示す画像であり、車両Vから進行方向前方を見る視点からの、近接車両を示す画像であるといえる。表示制御部44は、車両情報取得部40が取得した、車両Vに対する近接車両の位置と、車両Vと近接車両との間の距離とに基づき、車両Vと近接車両との位置関係を検出する。そして、表示制御部44は、車両Vと近接車両との位置関係に基づき、車両Vから進行方向の前方を見る視点から近接車両を見たと仮定した場合の画像を、第2画像PCとして生成して、表示部22に表示させる。第2画像PCは、車両Vから前方側を見ている画像であるため、車両Vの進行方向の前方側の領域内に位置する近接車両の画像が含まれるが、車両Vの進行方向の後方側の領域内に位置する近接車両の画像は含まれない。すなわち、第2画像PCは、車両Vの進行方向の後方側の領域内に位置する近接車両の画像が含まれない分、表示される近接車両の情報量が、ここでは表示される近接車両の数が、第1画像PBより少なくなる。
【0047】
図8及び図9は、近接車両が表示されていない場合の第2画像PCを示している。図8に示すように、第2画像PCは、自車レーン画像C1と、側方レーン画像C2と、状況情報画像C3とを含む。本実施形態においては、第2画像PCには、自車である車両Vの画像が含まれない。
【0048】
自車レーン画像C1は、車両Vが走行している経路を示す画像である。側方レーン画像C2は、車両Vが走行している経路の側方にある経路を示す画像である。表示制御部44は、車両Vの幅に基づき、車両Vが走行している経路の幅を算出し、車両Vが走行している経路の幅を車両Vの進行方向Dに延在させた領域を、車両Vが走行している経路に設定する。そして、表示制御部44は、設定した車両Vが走行している経路を、自車レーン画像C1として、表示部22に表示させる。例えば、表示制御部44は、車両Vの幅よりも所定長さだけ両側方に広い幅を、車両Vが走行している経路の幅とする。また、道路に白線などでレーンが設定されている場合には、表示制御部44は、車両Vが走行しているレーンの両側方の白線に挟まれた領域を、自車レーン画像C1としてもよい。表示制御部44は、このようにして生成した自車レーン画像C1の側方側に、側方レーン画像C2が位置するように、側方レーン画像C2を生成して表示させる。図8の例では、側方レーン画像C2は、自車レーン画像C1の一方の側方側の側方レーン画像C2aと、他方の側方側の側方レーン画像C2bとを含む。ただし、側方レーン画像C2の数はそれに限られず、車両Vが走行している道路に応じて設定される。例えば2車線である場合には、側方レーン画像C2は、1つとなってよい。
【0049】
状況情報画像C3は、車両Vの側方側の近接車両の状況を示す画像であり、車両Vの側方側、言い換えれば、自車レーン画像C1の側方側に表示されている。ここで、自車レーン画像C1(車両Vが走行している経路)の側方側の辺に該当する領域を、辺CLとする。辺CLは、自車レーン画像C1と側方レーン画像C2との境界を示す領域であるともいえる。状況情報画像C3は、辺CL上に沿って形成されている。さらに言えば、状況情報画像C3は、辺CLから、第2画像PCにおける鉛直方向上方に延在する仮想の壁状の画像として、形成されている。状況情報画像C3は、端部C3Sから端部C3Tまで、車両Vの進行方向Dの前方側に向けて延在している。従って、状況情報画像C3は、端部C3Sから端部C3Tまで、自車レーン画像C1(車両Vが走行している経路)の側方を遮蔽する壁状の画像として、表示される。端部C3Sは、車両Vの進行方向Dにおいて任意の位置に設定されてよいが、例えば、車両Vの進行方向Dにおいて車両Vの先端部と同じ位置に設定してよい。また、端部C3Tは、端部C3Sよりも車両Vの進行方向Dの前方側で任意の位置に設定されよい。なお、状況情報画像C3は、所定の透明度を有する画像として表示されるため、後述する側方レーン画像C2上の近接車両画像C4は、状況情報画像C3と重なった位置にある場合でも、視認可能となる。また、図8の例では、自車レーン画像C1の両側方に、それぞれ側方レーン画像C2a、C2bが設けられているため、状況情報画像C3は、自車レーン画像C1と側方レーン画像C2aとの間に形成される状況情報画像C3aと、自車レーン画像C1と側方レーン画像C2bとの間に形成される状況情報画像C3bとを含む。
【0050】
図10から図12は、車両Vの前方に近接車両が存在している場合の第2画像PCを示している。図10に示すように、第2画像PCは、近接車両画像C4を含む。近接車両画像C4は、近接車両を示す画像である。表示制御部44は、自車レーン画像C1又は側方レーン画像C2と重なるように、近接車両画像C4を表示させる。例えば、近接車両画像C4は、車両の形状を模した画像として表示される。表示制御部44は、車両Vと近接車両との位置関係に基づき、第2画像PCとして表示される範囲内の近接車両の、すなわち車両Vの進行方向Dの前方側の領域内に位置する近接車両の、第2画像PC上での車両Vに対する位置を算出する。そして、表示制御部44は、算出した第2画像PC上での近接車両の位置に、近接車両画像C4を表示させる。この場合、表示制御部44は、車両Vの進行方向Dの前方側の領域内であって、車両Vから所定の表示距離範囲内に位置している車両を、近接車両画像C4として表示させる。すなわち、表示距離とは、近接車両が近接車両画像C4として表示される場合の、近接車両と車両Vとの間の距離の上限を指す。ここで、上述のように、車両Vに対し検出距離範囲内にある車両が、近接車両として検出される。本実施形態における表示距離は、任意に設定されてよいが、例えば、検出距離より短く設定されてよい。すなわち、表示制御部44は、車両Vの進行方向Dの前方側の領域内の近接車両のうち、表示距離範囲内にある近接車両を、近接車両画像C4として表示させてよい。ただし、表示距離が検出距離と同じ長さに設定されていてもよく、この場合は、表示制御部44は、車両Vの進行方向Dの前方側の領域内の近接車両の全てを、近接車両画像C4として表示させる。いずれの場合においても、表示制御部44は、自車画像B0の進行方向の前方側の領域内の近接車両を、近接車両画像B3として表示する。
【0051】
表示制御部44は、以上説明した状況情報画像C3と近接車両画像C4との表示内容を、車両Vと近接車両との位置関係に応じて変化させる。状況情報画像C3は、近接車両の有無や近接車両画像C4の表示に関わらず、第2画像PC上に表示されるが、近接車両と車両Vとの距離に応じて、表示内容が変化する。表示制御部44は、車両Vの側方側の近接車両が車両Vに近い位置にある第1状況と、車両Vの側方側の近接車両が第1状況よりも車両Vから遠い位置にある第2状況とで、状況情報画像C3の表示内容を異ならせる。本実施形態では、第1状況は、近接車両と車両Vとの距離が、所定距離範囲内にある状況を指し、第2状況とは、近接車両と車両Vとの距離が、所定距離範囲外にある状況を指す。すなわち、表示制御部44は、車両Vの側方側の近接車両が所定距離範囲内にある場合は、その近接車両が位置する側の状況情報画像C3を、第1態様で表示させ、車両Vの側方側の近接車両が所定距離範囲外にある場合は、状況情報画像C3を、第1態様とは異なる第2態様で表示させる。すなわち例えば、一方の側方側(例えば右側)の近接車両が所定距離範囲外にある場合は、一方の側方側(例えば右側)の状況情報画像C3aを、第1態様で表示させる。第1態様と第2態様とは、表示内容が異なれば任意の表示態様であってよいが、本実施形態では、表示制御部44は、第1態様と第2態様とで色を異ならせる。例えば、表示制御部44は、第1態様の状況情報画像C3を赤色とし、第2態様の状況情報画像C3を青色としてよい。また例えば、表示制御部44は、第1態様の状況情報画像C3を点滅させ、第2態様の状況情報画像C3を点滅させなくてよい。
【0052】
表示制御部44は、側方側の近接車両の車両Vに対する位置を問わず、側方側の近接車両が所定距離範囲にある場合には、状況情報画像C3を第1態様で表示させる。すなわち、表示制御部44は、側方側の近接車両が、車両Vの後方側の領域に位置する場合であっても、車両Vの前方側の領域に位置する場合であっても、所定距離範囲にある場合には、状況情報画像C3を第1態様で表示させる。また、ここでの処理距離は、任意に設定されてよいが、例えば、近接車両画像C4を表示する最大距離を指す表示距離と同じ長さに設定されてよい。
【0053】
図8から図11は、車両Vの一方の側方(ここでは右側)において、後方から車両Vに近接車両が近づいてきて、近接車両が車両Vを追い越して前方側に遠ざかってゆく場合の第2画像PCの例を示している。図8は、近接車両が、車両Vの一方の側方側のレーンにおいて、車両Vの後方側に位置している状態を示している。表示制御部44は、車両Vの後方の領域内の近接車両を表示しないため、図8に示す第2画像PCには、近接車両画像C4が表示されていない。また、図8の例では、車両Vの一方の側方側の近接車両は、車両Vの後方側の領域において、所定距離範囲外に位置している。そのため、図8に示す状況情報画像C3aは、第2態様で表示されている。また、車両Vの他方の側方側にも、所定距離範囲内に位置する車両が存在していないため、図8に示す状況情報画像C3bも、第2態様で表示されている。
【0054】
図9は、車両Vの一方の側方側のレーンの近接車両が、図8よりも車両Vに近づいて、所定距離範囲内に到達した状態を示している。図9においても、近接車両は車両Vの後方側にあるため、近接車両画像C4が表示されていない。一方、この近接車両は、車両Vの後方側の領域において、所定距離範囲内に位置している。そのため、図9に示す状況情報画像C3aは、第1態様で表示されている。このように、第2画像PCでは、車両が接近している場合、その車両側の状況情報画像C3aが第1態様で表示されるため、乗員は、車両が接近している旨を認識することができる。
【0055】
図10は、車両Vの一方の側方側のレーンの近接車両が、車両Vを追い抜いた状態を示している。すなわち、図10は、車両Vの前方側の領域内であって車両Vの一方の側方側に、近接車両が存在する場合の例を示している。図10においては、この近接車両は、車両Vから表示距離範囲内に位置しているため、近接車両画像C4として、一方の側方側の側方レーン画像C2a上に表示されている。また、この近接車両は、車両Vから所定距離範囲内に位置しているため、状況情報画像C3aは、第1態様で表示されている。
【0056】
図11は、車両Vの一方の側方側のレーンの近接車両が、図10の状態よりも車両Vから離れた状態を示している。図11においても、この近接車両は、車両Vから所定距離範囲内に位置しているため、状況情報画像C3aは、第1態様で表示されている。また、図11においても、この近接車両は、車両Vから表示距離範囲内に位置しているため、近接車両画像C4として表示されている。ただし、本実施形態においては、表示制御部44は、近接車両と車両Vとの距離に応じて、近接車両画像C4の表示内容を変化させる。ここでは、表示制御部44は、近接車両が車両Vから離れるほど、近接車両画像C4の透明度を高くする。すなわち、近接車両が車両Vから近いほど、近接車両画像C4が非透明となって視認されやすくなり、近接車両が車両Vから遠いほど、近接車両画像C4が透明となって視認され難くなる。そして、表示制御部44は、近接車両と車両Vとの距離が表示距離より長くとなった場合に、近接車両画像C4の透明度を最大にして、近接車両画像C4が表示されなくする。図11においては、図10の状態よりも、近接車両が車両Vから離れているが、この近接車両は、表示距離範囲内に位置している。そのため、図11における近接車両画像C4は、図10の近接車両画像C4より透明度は高いが、完全に透明となっておらず、半透明で表示されている。
【0057】
車両Vの一方の側方側のレーンの近接車両が、図11からさらに車両Vから離れた場合には、第2画像PCは、図8のように表示される。すなわちこの場合、近接車両は、車両Vの前方側において、車両Vから所定距離範囲外に位置するため、状況情報画像C3aは、第1態様から第2態様に切り替えて表示される。またこの場合、近接車両は、車両Vの進行方向Dの前方側において車両Vから表示距離範囲外に位置するため、近接車両画像C4が完全に透明となって、表示されなくなる。
【0058】
なお、状況情報画像C3の端部C3Sから端部C3Tまでの長さを、壁長さとすると、壁長さは、任意に設定されてよいが、例えば、近接車両画像C4が表示される表示距離と同じ長さであってよい。この場合、車両Vの前方の近接車両が、端部C3Tよりも前方側に移動すると、その近接車両の近接車両画像C4が非表示となりつつ、状況情報画像C3は、第1態様から第2態様に切り替わる。
【0059】
図8から図11の説明では、車両Vの側方側に近接車両がある場合の第2画像PCの変化の例を示していた。一方、図12は、車両Vと同じレーンに近接車両がある場合の第2画像PCの例を示している。車両Vと同じレーンに近接車両がある場合でも、近接車両画像C4の表示内容の変化は、図8から図11で示した変化と同様である。すなわち、近接車両画像C4は、車両Vの前方の領域内であって表示距離範囲内の近接車両を表示するものであり、車両Vから離れるほど透明度が高くなる。一方、車両Vと同じレーンに近接車両がある場合、側方の状況情報画像C3の代わりに、辺CLの表示内容が変化する。すなわち、表示制御部44は、車両Vと同じレーンの近接車両が所定距離範囲内にある場合、辺CLを、第1態様で表示させ、車両Vと同じレーンの近接車両が所定距離範囲外にある場合、辺CLを、第2態様で表示させる。辺CLの第1態様と第2態様とは、表示内容が異なれば任意の表示態様であってよいが、本実施形態では、表示制御部44は、第1態様と第2態様とで色を異ならせる。例えば、表示制御部44は、第1態様の辺CLを赤色とし、第2態様の辺CLを青色としてよい。
【0060】
図12は、車両Vと同じレーンであって前方にある近接車両が、所定距離範囲内にある場合の例を示している。この場合、辺CLa、CLbは、第1態様で表示される。また、車両Vと同じレーンであって前方にある近接車両が、表示距離範囲内にあるため、自車レーンC1画像上に、近接車両画像C4が表示される。なおこの場合、近接車両画像C4は、点灯するなど、表示内容が異なってもよい。また、車両Vと同じレーンであって前方にある近接車両が、所定距離範囲外にある場合には、例えば図8などに示すように、辺CLa、CLbは、第2態様で表示される。
【0061】
このように、辺CLは、車両Vと同じレーンの近接車両と車両Vとの距離に応じて、表示内容が変化する。すなわち、状況情報画像C3が、車両Vの側方での近接車両の状況を示す状況情報画像であり、辺CLが、車両Vと同じレーンでの近接車両の状況を示す状況情報画像であるということができる。
【0062】
表示制御部44は、このようにして第2画像PCを表示部22に表示させるが、以上説明した第2画像PCは一例であり、第2画像PCの表示内容は以上の説明に限られない。
【0063】
以上説明したように、表示制御部44は、切替情報に応じて、手動運転画像PAと、第1画像PBと、第2画像PCとを、切り替えて表示させる。表示制御部44は、手動運転画像PAと、第1画像PBと、第2画像PCとを、シームレスに切り替えることが好ましい。なお、以上の説明では、表示制御部44は、手動運転モードにおいて手動運転画像PAを表示させ、自動運転モードにおいて第1画像PB及び第2画像PCを表示させる。ただし、手動運転画像PA、第1画像PB、及び第2画像PCを表示させる際の運転モードはこれに限られない。例えば、手動運転モードにおいて手動運転画像PA、第1画像PB、及び第2画像PCを切り替えて表示してもよいし、自動運転モードにおいて手動運転画像PA、第1画像PB、及び第2画像PCを切り替えて表示してもよい。また、車両Vは、手動運転モードと自動運転モードとを切り替え可能な車両であることに限られず、例えば自動運転できない車両であってもよい。こうした車両の場合、第1状態であるか第2状態であるかの判断は、乗員が抱いている自動運転に対する不安の程度でなく、乗員が周囲状況を把握したい程度に基づいて判断してよい。
【0064】
また、本実施形態では、制御部30を含む表示装置10の全体が、車両Vに設けられていた。ただし、例えば制御部30は、表示装置10と別体の表示制御装置として構成されて、車両Vに設けられておらず、車両V外に設けられていてもよい。この場合、表示部22は、車両Vの外部の制御部30から、通信によって画像を受信して、表示する。また、制御部30の車両情報取得部40、切替情報取得部42、及び表示制御部44の少なくとも一部が、車両Vに設けられていなくてもよい。
【0065】
次に、表示装置10による画像の切り替えフローを、フローチャートに基づき説明する。図13は、本実施形態に係る画像の切り替えフローを説明するフローチャートである。図13に示すように、制御部30は、切替情報取得部42により、切替情報を取得する(ステップS10)。切替情報取得部42は、切替情報として、車両Vが手動運転モードであるか自動運転モードであるかを示す運転モード情報と、車両Vが第1状態であるか第2状態であるかを示す走行状況情報とを取得する。制御部30は、切替情報に基づき、車両Vが手動運転モードであるか自動運転モードであるかを判断し(ステップS12)、手動運転モードである場合(ステップS12;Yes)、表示制御部44により、手動運転画像PAを表示部22に表示させる(ステップS14)。ステップS14においては、例えば現在第1画像PBや第2画像PCを表示させていた場合、表示制御部44は、画像Pの表示内容を、第1画像PBや第2画像PCから、手動運転画像PAにシームレスに切り替える。
【0066】
一方、手動運転モードでない場合(ステップS12;No)、すなわち自動運転モードである場合、制御部30は、切替情報に基づき、車両Vが第1状態であるか第2状態であるかを判断する(ステップS16)。第1状態である場合(ステップS16;Yes)、制御部30は、表示制御部44により、第1画像PBを表示部22に表示させる(ステップS18)。ステップS18においては、例えば現在手動運転画像PAや第2画像PCを表示させていた場合、表示制御部44は、画像Pの表示内容を、現在手動運転画像PAや第2画像PCから、第1画像PBにシームレスに切り替える。一方、第1状態でない場合(ステップS16;No)、すなわち第2状態である場合、制御部30は、表示制御部44により、第2画像PCを表示部22に表示させる(ステップS20)。ステップS20においては、例えば現在手動運転画像PAや第1画像PBを表示させていた場合、表示制御部44は、画像Pの表示内容を、現在手動運転画像PAや第1画像PBから、第2画像PCにシームレスに切り替える。ステップS14、S18、S20を実行したら、ステップS15に進み、処理を終了する場合(ステップS15;Yes)は、本処理を終了し、終了しない場合(ステップS15;No)、ステップS10に戻り、処理を続ける。
【0067】
以上説明したように、本実施形態に係る表示制御装置としての制御部30は、車両Vに近接する近接車両の情報を取得する車両情報取得部40と、近接車両の情報に基づき、近接車両を表示する画像を表示させる表示制御部44とを備える。表示制御部44は、近接車両を表示する第1画像PBと、第1画像PBよりも情報量を少なくした状態で近接車両を表示する第2画像PCとを、切り替えて表示させる。ここで、車両Vに搭載された表示部22に近接車両の情報を表示する場合、車両Vの状況に応じて、近接車両の情報を適切に表示することが求められる。それに対し、本実施形態に係る制御部30は、近接車両を表示する第1画像PBと、第1画像PBよりも情報量を少なくした状態で近接車両を表示する第2画像PCとを、切り替えて表示させる。そのため、本実施形態に係る制御部30によると、車両Vの状況に応じて、第1画像PBと第2画像PCとを切り替えることが可能となり、車両Vの状況に応じて、乗員に提供する近接車両の情報量を異ならせることができる。そのため、本実施形態に係る制御部30によると、車両Vの状況に応じて、近接車両の情報を適切に表示することができる。
【0068】
さらに、例えば車両Vが自動運転モードで走行している場合、乗員が、自動運転に対して不安を覚える場合もあれば、不安が少ない場合もあるなど、車両Vの状況が変化する場合がある。例えば、自動運転に対して不安を覚えている場合には、乗員は、自動運転モードであっても、近接車両の情報を多く得たいと感じる傾向にある。一方、自動運転に対して不安を覚えていない場合には、乗員は、近接車両の情報をそれほど多く得る必要はないと考える傾向にある。実施形態に係る制御部30は、第1画像PBと第2画像PCとを切り替えることが可能であるため、例えば、乗員が自動運転に対して不安を覚えている場合には第1画像PBを表示して近接車両の情報を多く提供し、乗員が自動運転に対して不安を覚えていない場合には第2画像PCを表示して近接車両の情報量を減らすことが可能となる。そのため、本実施形態に係る制御部30によると、自動運転を行う車両Vに対して特に有効となる。
【0069】
また、表示制御部44は、第2画像PCで表示される近接車両の数が、車両Vが同じ状況にある場合に第1画像PBを表示した際に表示される近接車両の数よりも少なくなるように、第2画像PCを表示させる。本実施形態に係る制御部30によると、車両Vの状況に応じて、表示する近接車両の数を変化させることが可能となるため、車両Vの状況に応じて、近接車両の情報を適切に表示することができる。
【0070】
また、表示制御部44は、車両Vを鉛直方向の上方から見下ろす視点からの近接車両を示す画像を、第1画像PBとして表示し、車両Vから進行方向Dの前方を見る視点からの近接車両を示す画像を、第2画像PCとして表示する。本実施形態に係る制御部30によると、第1画像PBを俯瞰画像とすることで、例えば乗員が自動運転に対して不安を覚える場合に、車両Vの周囲全体における近接車両の情報を乗員に提供することで、乗員は近接車両の情報を十分に知ることができ、結果として不安が和らげられ易くなる。一方、制御部30によると、第2画像PCを、前方側を見る画像とすることで、例えば乗員が自動運転に対して不安を覚えていない場合に、近接車両の情報を減らすことで、乗員が情報過多と感じるおそれを抑制できる。
【0071】
また、表示制御部44は、第2画像PCにおいて、近接車両が車両Vから離れるほど、近接車両画像C4(近接車両の画像)の透明度を高くして、近接車両と車両Vとの距離が所定距離以上になった場合に、近接車両が表示されなくする。制御部30によると、近接車両が離れるほど近接車両画像C4の透明度を上げるため、近くの車両については乗員に適切に認知させつつ、乗員が情報過多と感じるおそれを抑制できる。
【0072】
また、表示制御部44は、第2画像PCにおいて、近接車両の状況を示す状況情報画像を表示する。制御部30によると、状況情報画像を表示することで、近接車両について乗員に適切に認知させつつ、乗員が情報過多と感じるおそれを抑制できる。
【0073】
また、表示制御部44は、近接車両が車両Vに近い位置にある第1状況と、近接車両が第1状況よりも車両Vに遠い位置にある第2状況とで、状況情報画像の表示内容を異ならせる。制御部30によると、近接車両が近い場合と遠い場合とで状況情報画像を異ならせることで、近くの車両については乗員に適切に認知させつつ、乗員が情報過多と感じるおそれを抑制できる。
【0074】
表示制御部44は、状況情報画像C3を、車両Vの側方側に設けられて車両Vの側方の近接車両の状況を示す仮想の壁状の画像として表示する。このように側方の仮想の壁として状況情報画像C3が表示されることで、乗員は、車両Vが進行している経路が壁に囲われて安全なものであるとのイメージを抱いたり、壁の表示内容が変化することで近くの車両があることを認知したりすることが可能となる。そのため、この制御部30によると、車両Vの状況に応じて、近接車両の情報を適切に表示することができる。
【0075】
また、表示制御部44は、第1画像PBにおいて、車両Vの他の車両への衝突の危険性を高くする近接車両である危険車両を、他の近接車両とは異なる表示内容で表示させる。この制御部30によると、第1画像PBにおいて危険車両の表示内容を異ならせることで、例えば乗員が自動運転に不安を覚えている状況において、近接車両の情報をより適切に提供することが可能となる。
【0076】
また、表示制御部44は、車両Vが自動運転モードである際に、車両Vの走行状況に応じて、第1画像PBと第2画像PCとを切り替えて表示させる。この制御部30によると、自動運転の際に第1画像PBと第2画像PCとを切り替えて表示させることで、自動運転時の車両Vの状況に応じて、近接車両の情報を適切に表示することができる。
【0077】
また、表示制御部44は、第1画像PBと、第2画像PCと、第3画像としての手動運転画像PAとを、切り替えて表示させる。手動運転画像PAは、車両Vが進行する経路を示す経路情報を含む。表示制御部44は、車両Vが手動運転モードである場合に、手動運転画像PAを表示させる。この制御部30によると、手動運転モードと自動運転モードとでこのように画像を切り替えることで、車両Vの状況に応じて、車両Vの周囲の情報を適切に表示することができる。
【0078】
また、本実施形態に係る表示装置10は、表示制御装置としての制御部30と、車両Vに搭載されて第1画像PBと第2画像PCとを切り替えて表示する表示部22と、を備える。この表示装置10は、第1画像PBと第2画像PCとを切り替えて表示するため、車両Vの状況に応じて、近接車両の情報を適切に表示することができる。
【0079】
以上、本発明の実施形態及び変形例を説明したが、これら実施形態及び変形例の内容により実施形態が限定されるものではない。また、前述した構成要素には、当業者が容易に想定できるもの、実質的に同一のもの、いわゆる均等の範囲のものが含まれる。さらに、前述した構成要素は適宜組み合わせることが可能であり、各実施形態及び変形例の構成を組み合わせることも可能である。さらに、前述した実施形態及び変形例の要旨を逸脱しない範囲で構成要素の種々の省略、置換又は変更を行うことができる。
【符号の説明】
【0080】
1 表示システム
10 表示装置
12 検出装置
22 表示部
30 制御部(表示制御装置)
40 車両情報取得部
42 切替情報取得部
44 表示制御部
C3 状況情報画像
C4 近接車両画像
P 画像
PA 手動運転画像
PB 第1画像
PC 第2画像
V 車両
図1
図2
図3
図4
図5
図6
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図10
図11
図12
図13