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特許7472492故障予測装置及び該故障予測装置を備えた電子機器
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  • 特許-故障予測装置及び該故障予測装置を備えた電子機器 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-15
(45)【発行日】2024-04-23
(54)【発明の名称】故障予測装置及び該故障予測装置を備えた電子機器
(51)【国際特許分類】
   G03G 21/00 20060101AFI20240416BHJP
   B41J 29/38 20060101ALI20240416BHJP
   B41J 29/42 20060101ALI20240416BHJP
【FI】
G03G21/00 512
G03G21/00 386
B41J29/38 350
B41J29/42 F
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2019234131
(22)【出願日】2019-12-25
(65)【公開番号】P2021103221
(43)【公開日】2021-07-15
【審査請求日】2022-11-30
(73)【特許権者】
【識別番号】000006150
【氏名又は名称】京セラドキュメントソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100167302
【弁理士】
【氏名又は名称】種村 一幸
(74)【代理人】
【識別番号】100135817
【弁理士】
【氏名又は名称】華山 浩伸
(74)【代理人】
【識別番号】100141298
【弁理士】
【氏名又は名称】今村 文典
(74)【代理人】
【識別番号】100187492
【弁理士】
【氏名又は名称】新保 元啓
(74)【代理人】
【氏名又は名称】室之園 和人
(72)【発明者】
【氏名】坂口 翔一
(72)【発明者】
【氏名】平沼 洋一
【審査官】山下 清隆
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-144448(JP,A)
【文献】特開2019-159093(JP,A)
【文献】特開2006-065601(JP,A)
【文献】特開2015-034807(JP,A)
【文献】特開2003-223523(JP,A)
【文献】特開2006-347341(JP,A)
【文献】特開2016-060099(JP,A)
【文献】特開2003-263081(JP,A)
【文献】特開2015-187822(JP,A)
【文献】特開2006-201317(JP,A)
【文献】特開2001-305920(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03G 21/00
B41J 29/00-29/70
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像形成装置に設けられた所定部品の故障時期を予測する故障予測部と、
上記故障予測部が予測した上記所定部品の故障時期よりも前にユーザーが該所定部品を交換した場合に該ユーザーに付与される報酬を決定する報酬決定部と、
情報を表示する表示部と、
上記故障予測部により予測された故障時期が現時点から所定期間以内である上記所定部品である対象部品が存在するか否かを判定し、上記対象部品が存在すると判定された場合に、上記対象部品の情報と上記対象部品について予測された故障時期と上記対象部品について決定された上記報酬とを対応付けて上記表示部に表示させる表示制御部と、
上記所定部品が交換された場合に、交換された上記所定部品について決定されている報酬の情報と上記所定部品を交換した上記ユーザーを識別する情報とを対応付ける報酬データを生成し、上記報酬データを上記ユーザーの端末および所定のサーバーへ送信する報酬付与部とを備えた故障予測装置。
【請求項2】
請求項1記載の故障予測装置において、
上記報酬付与部は、上記所定部品を販売する店舗のレジと通信可能な上記サーバーへ上記報酬データを送信する、故障予測装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の故障予測装置において、
上記報酬決定部は、上記故障予測部により予測された上記所定部品の故障時期が、現時点から所定期間以内でない場合には、当該所定部品に対応する上記報酬を無しとして決定するように構成されている、故障予測装置。
【請求項4】
請求項3記載の故障予測装置において、
上記報酬決定部は、上記故障予測部により予測された上記所定部品の故障時期が、現時点から上記所定期間以内である場合には、現時点から上記予測された故障時期までの期間が長いほど上記報酬が増加するように該報酬の決定を行うように構成されている、故障予測装置。
【請求項5】
請求項1又は2に記載の故障予測装置を備えた上記画像形成装置
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、故障予測装置及び該故障予測装置を備えた電子機器
に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、複写機、プリンタ、ファクシミリ、又は複合機(MFP)等の電子機器において、消耗品等の部品の故障を未然に予測してユーザーに通知する故障予測装置を備えたものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2013-25060号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に示す故障予測装置では、消耗部品(所定部品)の故障時期を電子機器のユーザーに通知するだけで、ユーザーに所定部品の交換を積極的に行わせるような機能を有していない。このため、所定部品の故障時期が通知されたとしても所定部品を交換せずに放置するユーザーが現れる。このようなユーザーの多くは、所定部品を寿命一杯まで使用して交換した方がコスト面で有利と考えている。
【0005】
しかし、所定部品が寿命により故障すると電子機器が正常に作動しなくなる場合がある。そうなると、電子機器の管理者は、サービスマンを呼んで電子機器を正常な状態に復旧させる必要がある。この結果、ユーザーは、サービスマンによる復旧作業が完了するまで電子機器を利用することができず利用機会の喪失という不利益を被ることとなる。
【0006】
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、所定部品が寿命に達して電子機器が故障する前に、ユーザーに所定部品の交換を積極的に行わせることが可能な故障予測装置及び電子機器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の一局面に係る故障予測装置は、電子機器に設けられた所定部品の故障時期を予測する故障予測部と、上記故障予測部が予測した上記所定部品の故障時期よりも前にユーザーが該所定部品を交換した場合に該ユーザーに付与される報酬を決定する報酬決定部と、情報を表示する表示部と、上記故障予測部が予測した上記所定部品の故障時期と上記報酬決定部が決定した上記報酬とを対応付けて上記表示部に表示させる表示制御部と、上記所定部品が交換された場合に該交換時点において上記報酬決定部により決定されている報酬をユーザーに付与するための所定処理を実行する報酬付与部とを備えている。
【0008】
本発明の他の局面に係る電子機器は上記故障予測装置を備えている。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、所定部品が寿命に達して電子機器が故障する前に、ユーザーに消耗品の交換を積極的に行わせることが可能な故障予測装置及び電子機器が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1図1は、本実施形態に係る画像形成装置の制御ブロック図である。
図2図2は、タッチパネルに表示された機能選択画面を示す図である。
図3図3は、タッチパネルに表示された警告画面36を示す図である。
図4図4は、タッチパネルに表示された故障予測リスト詳細画面の一例を示す図である。
図5図5は、タッチパネルに表示された故障予測リスト詳細画面の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。尚、本発明は、以下の実施形態に限定されるものではない。
《実施形態》
【0012】
図1に示すように、本発明に係る画像形成装置1は、例えば複写機により構成されていて、画像形成装置本体2と、該画像形成装置本体2に装着された画像読取装置3とを有している。
【0013】
画像読取装置3は、原稿画像を光学的に読取ってその画像データを画像形成装置本体2に送信する。画像形成装置本体2では、画像読取装置3より送信された画像データをシート(用紙又はOHPシート等の記録材)に印刷するように構成されている。
【0014】
具体的には、画像形成装置本体2は、給紙部4、操作部5、画像形成部6、定着部7、排紙部8、搬送部9、センサー群10及びコントローラー20を有している。
【0015】
給紙部4は、シートを束状に積載した状態で収容する給紙カセットと、給紙カセット内のシートを画像形成部6へ供給する給紙ローラーとを有している。
【0016】
操作部5は、操作キー(図示省略)及びタッチパネル5aを有している。操作部5は、操作キー及びタッチパネル5aの操作を検知してその検知信号をコントローラー20に出力する。
【0017】
画像形成部6は、電子写真方式によりシートにトナー像を形成する。画像形成部6は、感光体ドラムと、感光体ドラムの周囲に配置された帯電器、現像器、転写ローラーなどを備えている。画像形成部6では、画像読取装置3により読取られた画像データに基づいて、給紙部4から供給されたシートにトナー像を転写する。
【0018】
定着部7は、加熱手段により加熱された定着ローラーと、該定着ローラーに圧接された加圧ローラーとを有している。定着部7は、定着ローラー及び加圧ローラー(何れも図示省略)のニップ部にシートを通過させることで、シートに担持されたトナー像を当該シートに定着させる。
【0019】
排紙部8は、複数の排紙ローラーを有していて、定着部7より供給されるシートを該複数の排紙ローラーによってシート排出トレイに排出する。シート排出トレイは、例えば画像形成装置本体2の側面に突設されている。
【0020】
搬送部9は、給紙部4と排紙部8との間のシート搬送路に設けられた複数の搬送ローラーを有していて、該複数の搬送ローラーによってシートを給紙部4から排紙部8に搬送する。
【0021】
センサー群10は、シート搬送路に沿って互いに間隔を空けて配置された複数のシート検知センサー10aと、消耗部品を検知する部品検知センサー10bとを有している。
【0022】
ネットワークインターフェース部11は、LANボード等の通信モジュールにより構成されている。ネットワークインターフェース部11は、LAN又はインターネットを介して携帯端末16及び後述する報酬付与サーバー17との間でデータの送受信を行う。
【0023】
コントローラー20は、CPU、ROM及びRAMを有するマイクロコンピューターにより構成されている。
【0024】
コントローラー20は、故障予測部21、消耗度合算出部22、報酬決定部23、表示制御部24及び報酬付与部25等の機能部を有している。この各機能部による処理は、コントローラー20のCPUによってROM内に記憶されたプログラムを実行することでソフトウェアとハードウェアとの協働により実現される。
【0025】
消耗度合算出部22は、ROM内に予め記憶された消耗部品リストを読込んで該消耗部品リスト(図示省略)に含まれる各消耗部品の消耗度合を算出する。本実施形態では、消耗部品の一例として、給紙ローラー、定着ローラー、感光体ドラム、及び複数の搬送ローラーが列挙されている。これらの消耗部品は、円筒状のドラム又はローラーを回転させながらシートを搬送下流側に送出す構成を有しているので外周面がシートと擦れることで摩耗が進行していく。消耗度合算出部22は、この摩耗量を寿命に達した時の摩耗量を基準とする百分率(%)で算出する。
【0026】
具体的には、消耗度合算出部22は、シートの理論搬送量K1とシートの実際の搬送量K2との搬送比率(=K1/K2)を算出し、算出した搬送比率に対応する各消耗部品の消耗度合(%)を算出する。この搬送比率と各消耗部品の消耗度合(%)との関係は予めROM内に相関データとして記憶されている。上記シートの理論搬送量K1は、例えば各消耗部品を駆動するモーターに所定期間内に付与されたパルス数を基に算出すればよい。また、上記シートの実際の搬送量K2は、シート搬送路に配置されたシート検知センサー10aからの検知信号を基に算出すればよい。尚、本実施形態では、消耗部品の摩耗量を百分率で算出するようにしているが、これに限ったものではなく、例えば絶対量や割合で算出するようにしてもよい。また、消耗部品の摩耗量を、別途設けた光学センサー等により直接検出して該検出した摩耗量を基に消耗度合を算出するようにしてもよい。
【0027】
故障予測部21は、例えば、消耗度合算出部22が算出した各消耗部品の消耗度合と各消耗部品の使用履歴(例えば、使用頻度、総使用時間等)とを基に各消耗部品の故障日を予測する。尚、本実施形態では、故障時期の一例として故障日を予測するようにしているが、これに限ったものではなく、日付け加えて時刻も予測するようにしてもよい。また、故障時期は、例えば12月12日から12月14日というように一定の範囲に跨っていてもよい。
【0028】
報酬決定部23は、消耗部品リストに挙げられた各消耗部品について、故障予測部21が予測した故障予測日を基に、画像形成装置1のユーザーに付与するべき報酬ポイント(報酬の一例)を算出する。具体的には報酬決定部23は、各消耗部品について、故障予測部21が予測した故障日が現時点から一ヶ月(所定期間の一例)以内である場合には、下記の式(1)に基づいて報酬ポイントの算出を行う。
【0029】
報酬ポイント = 部品価格×(100-消耗度合(%))÷100・・・・・・(1)
【0030】
一方、報酬決定部23は、各消耗部品について、故障予測部21が予測した故障日が現時点から一ヶ月以内でない場合(一ヵ月経過した日の翌日以後ある場合)には報酬ポイントを0に設定する。
尚、消耗部品が新規部品に交換された場合には、故障予測時期は通常、一ヶ月後よりも先になるので、報酬決定部23により算出される当該消耗部品の報酬ポイントは0になる。
【0031】
表示制御部24は、タッチパネル5aの表示内容を制御する。表示制御部24は、画像形成装置1の電源がオン操作されると、タッチパネル5aに機能選択画面30(図2参照)を表示する。
【0032】
機能選択画面30は、コピーボタン31、送信ボタン32、BOXボタン33、アプリ起動ボタン34及びアプリ起動ボタン35を含んでいる。コピーボタン31は、画像形成装置1に複写処理(スキャン及び印刷)を実行させるためのボタンであり、送信ボタン32は、ユーザーが選択したメールアドレスにスキャンデータを送信するためのボタンである。BOXボタン33は、スキャン画像を画像形成装置1に設定されたボックス(BOX)に保存する。アプリ起動ボタン34は、例えばOCR機能に基づくスキャン文章の翻訳アプリを起動するボタンである。アプリ起動ボタン35は、例えばインターネット上のストレージサーバーにスキャンデータをアップロードするアプリの起動ボタンである。ユーザーは、各ボタン31~35を指で操作することでそれぞれに割当てられた機能を画像形成装置1に実行させることができる。
【0033】
表示制御部24は、上記機能選択画面30においてコピーボタン31が押下されたことを検知すると、上記故障予測部21によって予測された故障日が現時点から一ヶ月以内(所定期間以内の一例)である消耗部品が存在するか否かを判定し、存在すると判定した場合にはタッチパネル5a上に警告画面36(図3参照)を表示させる一方、存在しないと判定した場合には警告画面36を表示せずに機能選択画面30(図2参照)の表示を維持する。尚、画像形成装置1は、コピーボタン31が押下された場合には、タッチパネル5a上に警告画面36が表示されたか否かに拘わらず複写処理を並行して実行する。
【0034】
警告画面36は、図3に示すように、現時点から一ヶ月以内の故障日を通知すると共に詳細確認を促すメッセージ36aと、消耗部品の故障に関する詳細を表示させるための詳細ボタン37と、当該警告画面36を閉じるための閉じるボタン38とを含んでいる。
【0035】
表示制御部24は、警告画面36にて詳細ボタン37が押下されたことを検知すると、
タッチパネル5aに故障予測リスト詳細画面40(図4参照)を表示させる。
【0036】
図4に示すように、故障予測リスト詳細画面40では、各消耗部品の名称と故障予測日と消耗度合と現時点における報酬とを対応付けた故障リスト表41を表示する。
【0037】
故障リスト表41は、タッチパネル5aの画面左側から画面右側に向かって並ぶ四つの列データ42~45から構成されている。第一列データ42は消耗部品のリストであり、第二列データ43は故障予測部21が予測した各消耗部品の故障日であり、第三列データ44は消耗度合算出部22が算出した各消耗部品の消耗度合であり、第四列データ45は、報酬決定部23によって各消耗部品ごとに算出された現時点の報酬ポイントである。
【0038】
報酬ポイントは、上述したように現時点から一ヶ月以内に故障予測日が到来する消耗部品についてのみ算出される。図4の例では、現時点の日付は故障予測リスト詳細画面40の右上隅に表示されているように2019年9月1日であるから、故障予測日が一ヵ月後の2019年10月1日以前の消耗部品(図4の例では定着ローラーのみ)について報酬ポイントが算出され、その他の消耗部品(図4の例では給紙ローラー、感光体ドラム、搬送ローラーA及び搬送ローラーB)については報酬ポイントは「なし」と決定されている。
【0039】
図5は、図4の状態から20日が経過した2019年9月20の故障予測リスト詳細画面40である。この例では、故障予測日が現時点から一ヶ月以内となる消耗部品として、定着ローラーに加えて給紙ローラーが追加されている。消耗度合については定着ローラーの消耗度合が75%から90%に進行し、給紙ローラーの消耗度合が70%から75%に進行しているが、その他の部品の消耗度合は変化していない。消耗度合の変化の仕方は一例であり、各消耗部品の材質や使用状況によって変化する。
【0040】
上記報酬付与部25(図1参照)は、各消耗部品を検知する部品検知センサー10bからの信号を基に、各消耗部品が新規部品に交換されたか否かを判定し、交換されたと判定した場合には、該消耗部品に対応する現時点の報酬ポイントの情報と、画像形成装置1のユーザーに割当てられたユーザー識別情報とを対応付けた報酬データを生成する(所定処理の一例)。ユーザー識別情報は、例えばユーザーID又はユーザーパスワード等で構成され、画像形成装置1の記憶部(図示省略)に記憶されている。上記部品検知センサー10bーは、消耗部品との間で通信可能な通信センサーであってもよい。
【0041】
上記報酬付与部25は、生成した報酬データをバーコード画像データに変換して、ネットワークインターフェース部11を介してユーザーの携帯端末16及び報酬付与サーバー17に送信する処理(所定処理の一例)を実行する。携帯端末16に送信されたバーコード画像データはユーザーにより所定フォルダに保存される。また、報酬付与サーバー17に送信されたバーコード画像データは、該報酬付与サーバー17内の記憶部17aに記憶される。上記報酬付与サーバー17は、消耗部品を販売する店舗のレジ18にLAN等の通信回線を介して接続されている。
【0042】
[報酬ポイントの使用方法]
次に、ユーザーの携帯端末16に送信される報酬ポイントの使用方法の一例を説明する。ユーザーは、報酬ポイントを使用する際には、消耗部品を販売する店舗のレジ18にて携帯端末16に記憶されたバーコード画像を提示すると、レジ18の店員がバーコードリーダーで該バーコード画像データの情報を読取り、読取った情報はバーコードリーダーから報酬付与サーバー17に送信される。この情報には、バーコード画像データの変換元情報であるユーザー識別情報と報酬ポイントの情報とが含まれている。
【0043】
報酬付与サーバー17では、バーコードリーダーから受信した情報に含まれるユーザー識別情報と、報酬付与サーバー17の記憶部17aに記憶された識別情報とを照合してユーザー認証を実行し、ユーザー認証に成功した場合には、ユーザー識別情報と紐付けされた上記報酬ポイント情報を読込むとともに、読込んだ報酬ポイントに対する消耗部品の割引き額を算出する。一例として、本実施形態では、報酬ポイント1Ptにつき1円を割り引き額として設定している。報酬付与サーバー17は、算出した割引額をレジ18に送信し、レジ18ではこの割引額を減算した金額を提示して消耗部品の購入代金の会計を実行する。
【0044】
尚、報酬ポイントの使用態様は、これに限ったものではなく、例えば、報酬付与サーバー17とネットバンキングシステムとを連動させて、ユーザーの口座に報酬ポイントに応じた金額を振り込むようにしてもよい。
【0045】
以上説明したように本実施形態の故障予測装置100(図1参照)は、画像形成装置1に設けられた消耗部品の故障時期を予測する故障予測部21と、故障予測部21が予測した消耗部品の故障時期よりも前にユーザーが該消耗部品を交換した場合に該ユーザーに付与される報酬を決定する報酬決定部23と、情報を表示するタッチパネル5aと、故障予測部21が予測した消耗部品の故障時期と報酬決定部23が決定した報酬とを対応付けてタッチパネル5aに表示させる表示制御部24と、消耗部品が交換された場合において該交換時点に報酬決定部23により決定されている報酬ポイントをユーザーに付与するための所定処理を実行する報酬付与部25とを備えている。
【0046】
この構成によれば、タッチパネル5aには、故障予測部21が予測した消耗部品の故障時期と報酬決定部23が決定した報酬とを対応付けた故障リスト表41が表示される。したがって、ユーザーは、故障リスト表41を見て、消耗部品をその故障予測日よりも前に交換した場合の報酬を容易に認識することができる。
【0047】
よって、消耗部品が寿命に達して故障する前に、ユーザーに該消耗部品の交換を行うよう動機付けすることができる。したがって、消耗部品が寿命に達して故障した後にサービスマンを呼んで消耗部品の交換をする場合に比べて、画像形成装置1の稼働停止時間(画像形成装置1が使用できない期間)を短縮してその有効利用を図ることができる。
【0048】
上記報酬決定部23は、故障予測部21により予測された消耗部品の故障時期が、現時点から一ヶ月以内(所定期間以内)でない場合には、当該消耗部品に対応する報酬を無しとして決定するように構成されている。
【0049】
この構成によれば、消耗部品の寿命が十分に残っているにも拘わらず交換時の報酬が提示されて消耗部品が不必要に交換されるのを防止することができる。これにより、消耗部品を寿命の直前(上記実施形態では一ヶ月前)までは有効活用することができる。
【0050】
上記報酬決定部23は、故障予測部21により予測された故障日が、現時点から一ヶ月以内である場合において、現時点から上記予測された故障時期までの期間が長いほど上記報酬ポイントが増加するように該報酬ポイントを決定する(上記式(1)参照)。
【0051】
この構成によれば、消耗部品を早期に交換するほどユーザーに多くの報酬ポイントが付与されることとなる。よって、ユーザーは、消耗部品を早期に交換するよう動機付けされるので、消耗部品が故障するまで放置される可能性を低減することができる。
【0052】
[他の実施形態]
上記実施形態では、報酬決定部23は、消耗部品が新規部品に交換されたと判定した場合に現時点における報酬ポイントを携帯端末16と報酬付与サーバー17とに送信するようにしているが、これに限ったものではない。すなわち、報酬決定部23は、消耗部品が新規部品に交換されたと判定した場合に、現時点における報酬ポイント情報と画像形成装置1の製造メーカーが発行する正規ユーザー専用の識別情報(記号、文字又は図形等)とをシートに印刷する処理(所定処理)を実行するだけでもよい。このシートは一種の割引券の役割を果たすものであり、このシートの提示を受けた販売店の店員は、シートに印刷された正規ユーザー用の識別情報を確認した上で当該シートに記載されている報酬ポイントに応じた割引きをレジ清算時に手動で行えばよい。
【0053】
上記実施形態では、故障予測部21は、画像形成装置1の使用頻度を考慮して消耗部品の故障日を予測するようにしているので、例えば画像形成装置1を一定期間使用せずに放置した場合には、故障予測部21は、この放置した期間だけ画像形成装置1の故障予測日を延長して算出する。したがって、予測される故障日が現時点の日付より前であることは考え難いが、故障予測部21における予測アルゴリズムの精度によっては予測される故障日が現時点よりも前になることもある。このように、故障予測日を過ぎてしまった場合には、報酬決定部23による報酬ポイントを所定程度(例えば式(1)における部品価格のの報酬ポイントの1/5~1/10程度)まで復活させるようにしてもよい。これにより、消耗部品の故障の蓋然性が極めて高い状況下において該消耗部品の交換をユーザーに強く促して消耗部品の故障に起因する画像形成装置1の非稼働時間を低減することができる。
【0054】
上記実施形態では、電子機器の一例として画像形成装置1を挙げて説明したが、これに限ったものではなく、電子機器は、例えば携帯電話やパソコン等であってもよい。
【0055】
上記実施形態では、画像形成装置1のタッチパネル5aを故障予測装置100の表示部として兼用しているが、これに限ったものではない。画像形成装置1のタッチパネル5aとは別に、故障予測装置100に専用の表示部を設けるようにしてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0056】
以上説明したように、本発明は、故障予測装置及び該故障予測装置を備えた電子機器について有用である。
【符号の説明】
【0057】
1 :画像形成装置(電子機器)
5a :タッチパネル(表示部)
20 :コントローラー
21 :故障予測部
22 :消耗度合算出部
23 :報酬決定部
24 :表示制御部
25 :報酬付与部
30 :機能選択画面
40 :故障予測リスト詳細画面
41 :故障リスト表
100 :故障予測装置
図1
図2
図3
図4
図5