(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-15
(45)【発行日】2024-04-23
(54)【発明の名称】通知管理装置、通知管理方法、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/10 20120101AFI20240416BHJP
G06Q 30/0203 20230101ALI20240416BHJP
【FI】
G06Q50/10
G06Q30/0203
(21)【出願番号】P 2019237951
(22)【出願日】2019-12-27
【審査請求日】2022-09-16
(73)【特許権者】
【識別番号】000003193
【氏名又は名称】TOPPANホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100139686
【氏名又は名称】鈴木 史朗
(74)【代理人】
【識別番号】100169764
【氏名又は名称】清水 雄一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100147267
【氏名又は名称】大槻 真紀子
(72)【発明者】
【氏名】長原 優
(72)【発明者】
【氏名】大野 博樹
(72)【発明者】
【氏名】竹内 大佑
(72)【発明者】
【氏名】三田 貴之
【審査官】青柳 光代
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2017/216893(WO,A1)
【文献】特開2003-091617(JP,A)
【文献】特開2018-151922(JP,A)
【文献】特開2004-192244(JP,A)
【文献】特開2019-012511(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 - 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の質問項目からなるアンケートを、前記複数の質問項目のうち一部の
質問項目からなる第1質問項目と、前記複数の質問項目のうち前記第1質問項目とは異なる
残りの質問項目からなる第2質問項目とに
分割し、
メッセージングサービスを利用して前記第1質問項目に対応する質問メッセージをユーザ端末に通知し、
前記ユーザ端末からウェブサイトへのアクセスが行われると前記第2質問項目に対応するウェブアンケート
を前記ユーザ端末に表示さ
せる処理を行うことによって、前記メッセージングサービスと前記ウェブサイトを併用して前記アンケートを通知するアンケート制御部と、
前記質問メッセージに対する前記ユーザ端末からの応答状況に基づいて、前記ウェ
ブサイトに
アクセスするための情報を含む案内メッセージを、前記ユーザ端末に通知するか否かを判定する判定部と、
を備える、通知管理装置。
【請求項2】
複数の質問項目からなるアンケートを、前記複数の質問項目のうち
選択肢を選択して回答する質問項目からなる第1質問項目と、
入力フォームに回答を入力して回答する第2質問項目とに
分割し、
メッセージングサービスを利用して前記第1質問項目に対応する質問メッセージをユーザ端末に通知し、
前記ユーザ端末からウェブサイトへのアクセスが行われると前記第2質問項目に対応するウェブアンケート
が前記ユーザ端末に表示さ
せる処理を行うことによって、前記メッセージングサービスと前記ウェブサイトを併用して前記アンケートを通知するアンケート制御部と、
前記質問メッセージに対する前記ユーザ端末からの応答状況に基づいて、前記ウェ
ブサイトに
アクセスするための情報を含む案内メッセージを前記ユーザ端末に通知するか否かを判定する判定部と、
を備える、通知管理装置。
【請求項3】
コンピュータである通知管理装置により実行される通知管理方法であって、
前記通知管理装置のアンケート制御部が、複数の質問項目からなるアンケートを、前記複数の質問項目のうち一部の
質問項目からなる第1質問項目と、前記複数の質問項目のうち前記第1質問項目とは異なる
残りの質問項目からなる第2質問項目とに
分割し、
メッセージングサービスを利用して前記第1質問項目に対応する質問メッセージをユーザ端末に通知し、
前記ユーザ端末からウェブサイトへのアクセスが行われると前記第2質問項目に対応するウェブアンケート
を前記ユーザ端末に表示さ
せる処理を行うことによって、前記メッセージングサービスと前記ウェブサイトを併用して前記アンケートを通知し、
前記通知管理装置の判定部が、前記質問メッセージにおける前記ユーザ端末からの応答状況に基づいて、前記ウェ
ブサイトに
アクセスするための情報を含む案内メッセージを、前記ユーザ端末に通知するか否かを判定する、
通知管理方法。
【請求項4】
コンピュータである通知管理装置により実行される通知管理方法であって、
前記通知管理装置のアンケート制御部が、複数の質問項目からなるアンケートを、前記複数の質問項目のうち
選択肢を選択して回答する質問項目からなる第1質問項目と、
入力フォームに回答を入力して回答する第2質問項目とに
分割し、
メッセージングサービスを利用して前記第1質問項目に対応する質問メッセージをユーザ端末に通知し、
前記ユーザ端末からウェブサイトへのアクセスが行われると前記第2質問項目に対応するウェブアンケート
を前記ユーザ端末に表示さ
せる処理を行うことによって、前記メッセージングサービスと前記ウェブサイトを併用して前記アンケートを通知し、
前記通知管理装置の判定部が、前記質問メッセージにおける前記ユーザ端末からの応答状況に基づいて、前記ウェ
ブサイトに
アクセスするための情報を含む案内メッセージを、前記ユーザ端末に通知するか否かを判定する、
通知管理方法。
【請求項5】
コンピュータを、請求項1
又は請求項
2に記載の通知管理装置として動作させるためのプログラムであって、前記コンピュータを前記通知管理装置が備える各部として機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通知管理装置、通知管理方法、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
企業がアンケートを取ることにより、ユーザが、その企業の製品やサービス、担当者の対応や、その企業そのものに満足しているのか不満なのかを探り、製品の改善に役立てようとする試みがある。このようなアンケートを行う場合、アンケートの返戻率を高める必要がある。紙のアンケートは一般的に返戻率が高いため有効である。紙のアンケートとは、アンケートを印刷した印刷物をユーザ宛に郵送し、ユーザにアンケートを記入してもらった後に送り返してもらうタイプのアンケートである。しかしながら、紙のアンケートは、印刷や郵送のコストがかかってしまう。
【0003】
一方、コンピュータ、及びインターネット等の通信ネットワーク技術の発展に伴い、メッセージングサービスを利用して情報を通知する技術が開発されている。メッセージングサービスは、例えば、RCS(Rich Communication Services)、SMS(Short Message Service)、及びMMS(Multimedia Messaging Service)などの機能を利用してメッセージ等を送受信する仕組みである。RCSは、携帯電話用のインスタントメッセンジャーを端末レベルで実現するための規格であり、通信に用いるユーザアカウントとして電話番号を使用するものである。また、RCSでは、送信することができる文字数の上限が従来のSMSやMMSよりも大きく設定されている。メッセージングサービスを用いた通知には、印刷や郵送のコストがかからない。このため、紙のアンケートに代えて、メッセージングサービスを利用したアンケートを行うことが考えられる。特許文献1では、チャット形式を採用することによりユーザが楽しくアンケートを回答することができるようにすると共に、ユーザに情報提供をする技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、ユーザがその企業の製品に満足しているのか不満なのかを聞くのみでは、アンケート結果を製品の改善に役立てるのは困難である。製品の改善に役立てようとすれば、ユーザがその企業の製品のどこに満足しており、どこに不満があるのかを、更に具体的に尋ねる必要がある。この場合、アンケートの項目が増えてしまう。アンケートの項目が増えると、ユーザは、アンケートに多くの項目が掲載されていることを認識した時点でアンケートに答える意欲を失ってしまう。このため、アンケートの項目が多い場合に返戻率が低下してしまう、という問題があった。
【0006】
本発明は、このような状況に鑑みてなされたもので、アンケートの項目が多い場合であっても、アンケートの返戻率が低下することを抑制することができる通知管理装置、通知管理方法、及びプログラムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の上述した課題を解決するために、本発明は、複数の質問項目からなるアンケートを、前記複数の質問項目のうち一部の質問項目からなる第1質問項目と、前記複数の質問項目のうち前記第1質問項目とは異なる残りの質問項目からなる第2質問項目とに分割し、メッセージングサービスを利用して前記第1質問項目に対応する質問メッセージをユーザ端末に通知し、前記ユーザ端末からウェブサイトへのアクセスが行われると前記第2質問項目に対応するウェブアンケートを前記ユーザ端末に表示させる処理を行うことによって、前記メッセージングサービスと前記ウェブサイトを併用して前記アンケートを通知するアンケート制御部と、前記質問メッセージに対する前記ユーザ端末からの応答状況に基づいて、前記ウェブサイトにアクセスするための情報を含む案内メッセージを、前記ユーザ端末に通知するか否かを判定する判定部と、を備える、通知管理装置である。
また、本発明は、複数の質問項目からなるアンケートを、前記複数の質問項目のうち選択肢を選択して回答する質問項目からなる第1質問項目と、入力フォームに回答を入力して回答する第2質問項目とに分割し、メッセージングサービスを利用して前記第1質問項目に対応する質問メッセージをユーザ端末に通知し、前記ユーザ端末からウェブサイトへのアクセスが行われると前記第2質問項目に対応するウェブアンケートが前記ユーザ端末に表示させる処理を行うことによって、前記メッセージングサービスと前記ウェブサイトを併用して前記アンケートを通知するアンケート制御部と、前記質問メッセージに対する前記ユーザ端末からの応答状況に基づいて、前記ウェブサイトにアクセスするための情報を含む案内メッセージを前記ユーザ端末に通知するか否かを判定する判定部と、を備える、通知管理装置である。
【0010】
また、本発明は、コンピュータである通知管理装置により実行される通知管理方法であって、前記通知管理装置のアンケート制御部が、複数の質問項目からなるアンケートを、前記複数の質問項目のうち一部の質問項目からなる第1質問項目と、前記複数の質問項目のうち前記第1質問項目とは異なる残りの質問項目からなる第2質問項目とに分割し、メッセージングサービスを利用して前記第1質問項目に対応する質問メッセージをユーザ端末に通知し、前記ユーザ端末からウェブサイトへのアクセスが行われると前記第2質問項目に対応するウェブアンケートを前記ユーザ端末に表示させる処理を行うことによって、前記メッセージングサービスと前記ウェブサイトを併用して前記アンケートを通知し、前記通知管理装置の判定部が、前記質問メッセージにおける前記ユーザ端末からの応答状況に基づいて、前記ウェブサイトにアクセスするための情報を含む案内メッセージを、前記ユーザ端末に通知するか否かを判定する通知管理方法である。
【0011】
また、本発明は、コンピュータを、上記に記載の通知管理装置として動作させるためのプログラムであって、前記コンピュータを前記通知管理装置が備える各部として機能させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、アンケートの項目が多い場合であっても、アンケートの返戻率が低下することを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】実施形態に係る通知システム1の構成の例を示すブロック図である。
【
図2】実施形態に係る通知管理装置10の構成の例を示すブロック図である。
【
図3】実施形態に係る通知情報120の構成の例を図である。
【
図4】実施形態に係る応答情報121の構成の例を示す図である。
【
図5】実施形態に係るユーザ端末30の表示の例を示す図である。
【
図6】実施形態に係るユーザ端末30の表示の例を示す図である。
【
図7】実施形態に係るユーザ端末30の表示の例を示す図である。
【
図8】実施形態に係るユーザ端末30の表示の例を示す図である。
【
図9】実施形態に係るユーザ端末30の表示の例を示す図である。
【
図10】実施形態に係る通知管理装置10が行う処理の流れ示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。
【0015】
図1は、実施形態に係る通知システム1の構成の例を示すブロック図である。通知システム1は、例えば、通知管理装置10と、企業サーバ20と、複数のユーザ端末30(ユーザ端末30-1、30-2、…、30-N)とを備える。通知管理装置10と、企業サーバ20と、ユーザ端末30とは、通信ネットワークNWにより通信可能に接続する。なお、
図1の例では、通知システム1が一つの通知管理装置10で構成された場合の例を示しているが、通知システム1は複数の通知管理装置10を含んで構成されていてもよい。また、通知システム1は、複数の企業サーバ20を含んで構成されていてもよい。
【0016】
通知システム1は、企業サーバ20からの要求に応じたメッセージをユーザ端末30に通知するシステムである。本実施形態におけるメッセージには、ユーザ端末30に通知する内容が含まれる。通知する内容には、例えば、テキスト、イラストなどの図や写真を含む静止画像や動画像、及び音などが含まれる。
【0017】
通知管理装置10は、企業サーバ20から通知要求を受信する。ここでの通知要求は、顧客のユーザ端末30に通知を行うように要求する信号である。通知要求には、例えば、通知を依頼する依頼元(企業)に関する情報、通知を行う宛先である通知先(ユーザ)のに関する情報、及び通知の内容を示す情報が含まれる。通知管理装置10の構成については後で詳しく説明する。
【0018】
企業サーバ20は、通知システム1を利用して顧客(ユーザ)に通知を行う企業等のサーバ装置である。企業サーバ20は、例えば、通信部21と、制御部22とを備える。通信部21は、通信ネットワークNWを介して通知管理装置10と通信を行い、通知管理装置10に通知要求を送信する。制御部22は、企業サーバ20を統括的に制御する。
【0019】
企業サーバ20は、通知システム1を利用して顧客(ユーザ)にアンケートを通知する。アンケートは、多くのユーザに同じ内容の質問をして回答を求め、得られた多くの回答に統計処理を行うことにより質問に対する意識や傾向等を調査する調査手法である。企業サーバ20は、例えば、企業が提供する製品やサービスに関する満足度を調査するために、複数の質問からなるアンケートをユーザのユーザ端末30に通知する旨の通知要求を行う。
【0020】
ユーザ端末30は、スマートフォン、タブレット端末、PC(Personal Computer)、携帯電話機、ゲーム用コンソール、タッチパッド、電子書籍用リーダ、又はウェアラブル端末等であり、メッセージングサービスを行うアプリケーションプログラムがインストールされた端末である。また、ユーザ端末30は、Web(ウェブ)ブラウジング機能を備え、通信ネットワークNWを介して外部のサイトを参照することができる。
【0021】
ユーザ端末30は、例えば、通信部31と、表示部32と、制御部33とを備える。通信部31は、通信ネットワークNWを介して通知管理装置10と通信を行い、通知管理装置10からメッセージングサービスを利用した通知を受信する。表示部32は、通知管理装置10から受信した通知の内容を表示する。制御部33は、ユーザ端末30を統括的に制御し、例えば、通知管理装置10からの通知の内容を表示部32に表示させると共に、通知があったことがユーザに認識されるような音の出力や、表示(例えば、バナー画像等の表示)を行う。
【0022】
通信ネットワークNWは、例えば、インターネット、WAN(Wide Area Network)、LAN(Local Area Network)、プロバイダ装置、無線基地局、専用回線などのうちの一部または全部を含む通信網である。
【0023】
本実施形態における通知は、メッセージングサービスを利用して行われる。メッセージングサービスは、例えば、RCS、SMS、及びMMSなどの機能を利用してメッセージを送受信する仕組みである。メッセージサービスは、双方向の通信である。通知は、例えば、メッセージングサービスのチャット機能を利用して行われる。この場合、ユーザ端末30にアンケートに係る質問が通知されると、企業のチャットルームにて、当該質問に対応する吹き出し形式のメッセージ320(
図5参照)が表示されると共に、質問に対する回答として選択可能なボタン321(
図5参照)が表示される。メッセージと320と共に、当該メッセージに示された質問の内容に応じたボタン321が表示されることにより、ユーザば、回答に対応するボタン321をタッチ操作するだけで、容易にアンケートに回答することができる。このため、アンケートの返戻率を高めることが可能である。アンケートの質問項目が通知されるメッセージは、「質問メッセージ」の一例である。
【0024】
一方、本実施形態において、アンケートは、複数の質問項目からなる。企業は、自社の製品やサービスがユーザにどのように感じられているかを調査し、よりよい製品やサービスに改善していきたいという要求がある。このような企業側の要求に応えるためには、「企業の製品に満足しているか」、或いは「製品を知人や友人に勧めたいと思うか」などといった大局的な質問のみでは不足である。具体的に改善すべきポイントを明確にするには、ユーザがどのような点に満足していて、どのような点に不満を持っているか等の、より詳細な回答を得る必要がある。より詳細な回答を得るためには、アンケートにて複数の質問を行う必要がある。
【0025】
このような複数の質問項目からなるアンケートの、全ての質問項目を、順にメッセージングサービスにて通知すると、いかに個々の質問に回答することが容易であったとしても、ユーザの負担を増加させてしまう。このため、アンケートの返戻率を低下させてしまう可能性がある。
【0026】
この対策として、本実施形態では、メッセージサービスと、Webサイトを併用してアンケートを通知する。具体的に、通知管理装置10は、アンケートの一部の質問項目を、メッセージングサービスを利用して通知する。ここで、メッセージングサービスを利用して通知されるアンケートの一部の質問項目は、「第1質問項目」の一例である。
【0027】
「第1質問項目」は、任意に決定されてよいが、ユーザにさほど負担がかからないように決定されることが望ましい。これにより、ユーザに負担をかけずに回答を得ることが可能である。この場合、例えば、「第1質問項目」の質問の数を、所定の閾値(例えば、5項目)以下とする。或いは、「第1質問項目」は、YESかNOのいずれかで回答が可能なものとするようにしてもよい。
【0028】
或いは、「第1質問項目」は、企業が最も知りたい質問項目に決定されるようにしてもよい。ユーザは、最初の1問や2問であれば、最後の方の質問項目と比較して、質問に回答する傾向にある。これにより、企業が最も知りたい質問項目の回答を優先的に得ることが可能である。この場合、企業サーバ20は、アンケートの通知要求を行う際に、質問項目ごとの回答優先度を対応付けて通知する。
【0029】
或いは、「第1質問項目」は、アンケートの質問項目ごとの返戻率に応じて決定されるようにしてもよい。例えば、アンケートの返戻率が、他の質問項目と比較して低い質問項目がある場合、その質問項目を「第1質問項目」として選択するようにしてもよい。ユーザは、最初の1問や2問であれば、最後の方の質問項目と比較して、質問に回答する傾向にある。このため、アンケートの返戻率が低い質問項目の返戻率を向上させることが可能である。
【0030】
或いは、「第1質問項目」は、ユーザ端末30に表示可能な情報量に応じて決定されるようにしてもよい。メッセージングサービスにおいて、メッセージは、チャット形式(対話形式)で行われ、双方向からそれぞれ通知されたメッセージが時系列に応じた所定の方向(タイムライン方向)に沿って表示される。すなわち、メッセージングサービスを利用してアンケートを行うと、質問メッセージとその応答に係るメッセージが、タイムライン方向に沿って次々に表示される。
【0031】
このため、メッセージングサービスを利用して質問を次々に通知するアンケートを実施すると、通常のメッセージを通知する場合と比較して、特に、アンケート以外の他のメッセージが埋もれ易くなってしまう。アンケートを実施中に、その他のメッセージが通知されると、アンケートに係る質問メッセージとその応答によって他のメッセージがタイムライン方向に流されてしまい、他のメッセージがユーザに認識されなくなってしまう可能性がある。
【0032】
この対策として、「第1質問項目」の情報量が多くなり過ぎないようにして、適切な量に抑制されることが望ましい。ここでの適切な量とは、例えば、他のメッセージが質問メッセージに埋もれてしまわない目安となる量であり、例えば、メッセージを表示させた場合に、ユーザ端末30の表示画面の面積に対する所定の割合(例えば、25%)以下となるような情報量である。こうすることで、ユーザがアンケートに回答している場合であっても、他のメッセージが通知された時にその通知を認識することができる。
【0033】
通知管理装置10は、アンケートの残りの質問項目を、Webサイトを利用して通知する。ここで、Webサイトを利用して通知されるアンケートの残りの質問項目は、「第2質問項目」の一例である。
【0034】
通知管理装置10は、メッセージングサービスを利用して通知した質問項目に回答があった場合に、残りのアンケートの質問項目が掲載されたWebサイトのURL(Uniform Resource Locator)を通知する。メッセージングサービスにて質問項目に回答をしたユーザの方が、質問項目に回答しなかったユーザよりもアンケートに興味があり、引き続きアンケートに回答する傾向にあると考えられるためである。これにより、興味のあるユーザから効率よくアンケートの回答を得ることが可能である。
【0035】
通知管理装置10は、残りのアンケートの質問項目が掲載されたWebサイトのURLを通知する条件を任意に設定してよい。例えば、通知管理装置10は、メッセージングサービスを利用して通知した質問項目の全てに回答したユーザにURLを通知する。或いは、通知管理装置10は、メッセージングサービスを利用して通知した質問項目のうち所定の割合以上の質問に回答したユーザにURLを通知するようにしてもよい。
【0036】
図2は、実施形態に係る通知管理装置10の構成の例を示すブロック図である。通知管理装置10は、例えば、通信部11と、記憶部12と、制御部13とを備える。通信部11は、通信ネットワークNWを介して、通知管理装置10、及びユーザ端末30と通信を行う。記憶部12は、HDD(Hard Disk Drive)やフラッシュメモリ、RAM(Random Access Memory)などである。記憶部12は、制御部13が有する機能部がその機能を発揮するために実行されるプログラムや、プログラムが実行される際に用いられるデータを記憶する。記憶部12には、例えば、通知情報120と、応答情報121とが記憶される。
【0037】
図3は、実施形態に係る通知情報120の構成の例を図である。通知情報120は、企業サーバ20から通知された通知要求に応じた通知を行うために用いられる情報である。通知情報120は、例えば、通知要求ごとに作成される。通知情報120は、例えば、メッセージID、依頼元、通知先、通知属性、などの項目を備える。
【0038】
メッセージIDには、通知するメッセージを一意に識別する識別情報が示される。
依頼元には、依頼元に関する情報が示される。依頼元には、例えば、IDと名称とアカウントとが示される。IDは依頼元の企業等を一意に識別する識別情報である。メッセージングサービスがSMSを利用するものである場合、IDを、例えば、企業の電話番号等に対応させる場合がある。名称はIDに対応する企業等の名称である。アカウントはIDに対応する企業等からの通知に用いられるメッセージングサービスのアカウントである。
通知先には、通知先に関する情報として、例えば、IDと名称とアカウントとが示される。IDは通知先のユーザを一意に識別する識別情報である。名称はIDに対応するユーザの名称である。アカウントはIDに対応するユーザへの通知に用いられるメッセージングサービスのアカウントである。アカウントは、例えば、予め定められた文字列、或いは数字である。アカウントには、例えば、メッセージングサービスに用いられる電話番号が紐づけられている場合がある。
【0039】
通知属性には、ユーザに通知する内容に関する情報が示される。通知属性には、例えば、通知日時、シナリオID、シナリオ名称、及び通知種別が含まれる。通知日時は、依頼元から依頼された通知の日時である。シナリオIDは、通知するシナリオを一意に識別する識別情報である。ここでのシナリオとは、通知する内容のひな形を示す情報である。シナリオ名称は、シナリオIDに対応するシナリオの名称である。通知種別は、通知をしてよいか事前に確認する必要が有るか否かを示す情報である。
【0040】
図3の例では、依頼元が企業Xであり、企業Xのメッセージングサービスのアカウントが、xxxxxであること、及び通知先がユーザCであることが示されている。また、企業XからユーザCへの通知は、YY年MM月DD日の10:00に行われることか示されている。通知の内容は、シナリオID(0101)に基づいて作成されるアンケートに関する内容であることが示されている。この通知は、アンケートの質問項目の一部がメッセージングサービスにて通知される。また、メッセージングサービスにて通知したアンケートの一部に対する応答の状況に応じて、残りのアンケートが掲載されたWebサイトに誘導することが示されている。
【0041】
図4は、実施形態に係る応答情報121の構成の例を示す図である。応答情報121メッセージを通知したユーザからの応答に関する情報である。応答情報121は、ユーザに通知したメッセージごとに生成される。応答情報121は、例えば、メッセージIDと、質問項目(Q1と記載)などの項目を備える。
メッセージIDには、通知したメッセージを一意に識別する識別情報が示される。
Q1は、質問項目に関する情報であり、例えば、通知日時、応答有無、応答日時、応答内容などの項目を備える。通知日時は、質問項目が通知された日時である、応答有無は質問に対する応答が有ったか否かを示す情報である。応答日時は、質問に対する応答があった日時である。応答内容は、質問に対する回答(応答)の内容である。
図4の例では、質問項目Q1がYY年MM月DD日の10:00に通知され、質問項目Q1に対する応答がYY年MM月DD日の10:03にあり、その回答は「20代」という内容であったことが示されている。
【0042】
図2に戻り、制御部13は、例えば、アンケート制御部130と、判定部131と、通知制御部132と、装置制御部133とを備える。
アンケート制御部130は、企業サーバ20から通知された複数の質問項目からなるアンケートを、「第1質問項目」と、「第2質問項目」とに
分割する。アンケート制御部130は、「第1質問項目」に対応する質問メッセージをユーザ端末に通知する。アンケート制御部130は、「第2質問項目」に対応するアンケートをWe
bサイトに掲載する。ここで、「第2質問項目」に対応するアンケートは「ウェブアンケート」の一例である。つまり、アンケート制御部130は、We
bサイト上で閲覧可能なウェブアンケートを、ウェブブラウザを用いてアクセス可能なサイトに表示させる。
【0043】
判定部131は、質問メッセージに対するユーザ端末30からの応答状況に基づいて、案内メッセージを、ユーザ端末30に通知するか否かを判定する。例えば、判定部131は、ユーザ端末30から質問メッセージに対する応答があった場合、案内メッセージを、ユーザ端末30に通知する。案内メッセージは、ウェブアンケートのサイトに関する情報を含む。ウェブアンケートのサイトに関する情報とは、ウェブアンケートに誘導するためにユーザに示す情報であって、例えば、ウェブアンケートが掲載されたサイトのURLである。
【0044】
通知制御部132は、質問メッセージ、及び案内メッセージをユーザ端末30に通知する。例えば、通知制御部132は、第1項目に応じた質問メッセージを作成し、作成した質問メッセージを、ユーザ端末30に通知する。また、通知制御部132は、判定部131によって案内メッセージを通知すると判定された場合、案内メッセージを作成し、作成した案内メッセージを、ユーザ端末30に通知する。
【0045】
装置制御部133は、通知管理装置10を統括的に制御する。装置制御部133は、例えば、通信部11を介して企業サーバ20からの通知要求が受信された場合、その内容を通知情報120として記憶部12に記憶させる。装置制御部133は、通信部11を介してユーザ端末30から質問メッセージに対する応答が受信された場合、その内容を応答情報121として記憶部12に記憶させる。装置制御部133は、通知制御部132によって作成された通知メッセージや案内メッセージを、通信部11を介してユーザ端末30に通知する。
【0046】
ここで、ユーザ端末30にメッセージが表示される表示態様の例を、
図5~
図9を用いて説明する。
図5~
図9は、実施形態に係るユーザ端末30の表示の例を示す図である。
【0047】
図5には、最初の質問メッセージ320が表示部32に表示された例が示されている。この例では、「Q1.お客様の年代を教えてください」と記載された質問メッセージ320が表示されている。また、この例では、質問メッセージ320に対し、その回答に用いられる「20代」~「50代」がそれぞれ記載されたボタン321が示されている。ユーザ端末30の画面を視認したユーザにより、何れかのボタン321を選択する操作がなされると、選択された内容に応じた回答が、通知管理装置10に通知される。ユーザ端末30から質問事項に対する回答が通知管理装置10に通知されると、次の質問に対応する質問メッセージが通知管理装置10からユーザ端末30に通知される。
【0048】
図6には、5番目の質問メッセージ320が表示部32に表示された例が示されている。例えば、この例では、「Q5.対応は満足いただけましたか」と記載された質問メッセージ320が表示されている。また、この例では、質問メッセージ320に対し、その回答に用いられる「満足」、「普通」、「不満」がそれぞれ記載されたボタン321が示されている。ユーザ端末30の画面を視認したユーザにより、何れかのボタン321を選択する操作がなされると、選択された内容に応じた回答が、通知管理装置10に通知される。ユーザ端末30から「第1質問項目」の最後の質問事項に対する回答が通知管理装置10に通知されると、
図7や
図8に示すような案内メッセージが通知管理装置10からユーザ端末30に通知される。
【0049】
図7には、案内メッセージが表示部32に表示された例が示されている。例えば、この例では、「ご回答ありがとうございます。追加のアンケートに、ご回答いただけますか。」と記載された案内メッセージ320が表示されている。また、この例では、案内メッセージ320に対し、その回答に用いられる「はい」、「いいえ」がそれぞれ記載されたボタン321が示されている。ユーザ端末30の画面を視認したユーザにより、何れかのボタン321を選択する操作がなされると、選択された内容に応じた回答が、通知管理装置10に通知される。ユーザ端末30からアンケートに回答する旨の回答が通知管理装置10に通知されると、
図8に示すようなURLが掲載された案内メッセージが通知管理装置10からユーザ端末30に通知される。或いは、「はい」のボタンがURLとリンクするように設定されてもよい。
【0050】
図8には、案内メッセージが表示部32に表示された例が示されている。例えば、この例では、「下記サイトでアンケートにお答えください。http://www.xxx…」と記載された案内メッセージ320が表示されている。ユーザ端末30の画面を視認したユーザにより、URLをタッチする操作などがなされると、ウェブアンケートが掲載されたWebサイトに遷移する。
【0051】
図9には、Webサイトを利用して通知されるアンケートが表示部32に表示された例が示されている。例えば、この例では、「アンケート 6問目…」などと記載された入力フォーム322が表示されている。ユーザ端末30の画面を視認したユーザにより、入力フォームに回答が入力されると、その回答が通知管理装置10によって取得される。
【0052】
図10は、実施形態に係る通知管理装置10が行う処理の流れ示すフローチャートである。
通知管理装置10は、企業サーバ20からアンケートの通知要求を取得する(ステップS10)。
通知管理装置10は、取得したアンケートの質問項目から、メッセージングサービスを利用して通知する質問項目を選択する(ステップS11)。すなわち、アンケートの質問項目を、「第1質問項目」と第2質問項目とに
分割する。
通知管理装置10は、ステップS11で選択した質問項目に対応する質問メッセージを通知する(ステップS12)。
通知管理装置10は、ステップS12で通知した質問メッセージに対する応答の状況(応答状況)が所定の条件を充足するか否かを判定する(ステップS13)。ここでの所定の条件とは、案内メッセージを通知する条件である。例えば、通知管理装置10は、通知した質問メッセージの全てに応答が有ったか否かを判定する。例えば、通知管理装置10は、通知した質問メッセージのうち所定の割合以上の質問項目に応答が有ったか否かを判定する。
通知管理装置10は、所定の条件を充足すると判定した場合、案内メッセージを通知する(ステップS14)。
【0053】
以上説明したように、実施形態の通知管理装置10は、アンケート制御部130と、判定部131とを備える。アンケート制御部130は、複数の質問項目からなるアンケートを、「第1質問項目」と、「第2質問項目」とに分割し、「第1質問項目」に対応する質問メッセージをユーザ端末に通知し、「第2質問項目」に対応するウェブアンケートを、ウェブブラウザを用いてアクセス可能なサイトに表示させる。判定部131は、質問メッセージに対するユーザ端末30からの応答状況に基づいて、ウェブアンケートのサイトに関する情報(例えばURL)を含む案内メッセージを、ユーザ端末30に通知するか否かを判定する。これにより、実施形態の通知管理装置10は、メッセージングサービスと、Webサイトとの両方を利用してアンケートを実施することが可能である。これにより、まずは少量の質問をメッセージングサービスで通知し、その応答状況に応じて、Webサイトに誘導するか否かを決定することができる。
【0054】
ここで比較例として、Webサイトのみでアンケートを通知する場合を考える。アンケートの全ての項目に回答をするユーザが2割程度、まったく回答しないユーザが7割程度、最初の数問のみ回答するが最後までたどり着くことができずに離脱してしまうユーザが1割程度存在すると仮定する。Webサイトのアンケートフォームでは、全ての質問項目に回答がなされた時点で、回答内容を送信する場合がほとんどであるため、最初の数問のみ回答したユーザが、回答を送信することはほぼない。このため、比較例においては、100人のうち20人程度の回答のみを得ることができ、残りの8割のユーザからは回答を得ることができない。
【0055】
これに対し、本実施形態では、メッセージングサービスとWebサイトとを併用させてアンケートを通知する。メッセージングサービスによるアンケートの場合、チャット形式で通知がなされる。このため、通知管理装置10は、ユーザから1つの質問項目に回答がなされれば、その1つの回答を逐一取得することができる。このため、本実施形態の通知管理装置10においては、100人のうち、質問項目全ての回答を20人程度のユーザから得られることに加えて、メッセージングサービスにより通知した数問の回答を10人程度のユーザから得ることができる。
【0056】
したがって、Webサイトのみでアンケートを通知する場合と比較して、ユーザの負担を低減させ、アンケートの返戻率を向上させることができる。
【0057】
また、実施形態の通知管理装置10では、判定部131は、質問メッセージに対する応答があった場合、案内メッセージを、ユーザ端末30に通知する。これにより、実施形態の通知管理装置10では、アンケートに興味がある可能性が高いユーザをWebサイトに案内することでとの、効率よく回答を得ることができる。
【0058】
また、実施形態の通知管理装置10では、第1質問項目は、ユーザ端末30に表示可能な情報量に応じて決定される。これにより、実施形態の通知管理装置10では、第1質問項目の情報量を、ユーザ端末30に表示可能な範囲、或いはユーザ端末30に他のメッセージが通知された場合に、当該他のメッセージが埋もれてしまわない範囲に抑えることが可能である。したがって、ユーザがアンケートに回答している場合であっても、他のメッセージが通知された時にその通知を認識することができる等、メッセージングサービスの利便性が損なわれないようにすることが可能である。
【0059】
上述した実施形態における通知管理装置10の全部または一部をコンピュータで実現するようにしてもよい。その場合、この機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することによって実現してもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD-ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時間の間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持しているものも含んでもよい。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよく、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであってもよく、FPGA等のプログラマブルロジックデバイスを用いて実現されるものであってもよい。
【0060】
以上、この発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。
【符号の説明】
【0061】
1…通知システム
10…通知管理装置
11…通信部
12…記憶部
120…通知情報
121…応答情報
13…制御部
130…アンケート制御部
131…判定部
132…通知制御部
133…装置制御部
20…企業サーバ
30…ユーザ端末