(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-15
(45)【発行日】2024-04-23
(54)【発明の名称】画像形成装置
(51)【国際特許分類】
H04N 1/00 20060101AFI20240416BHJP
B41J 21/00 20060101ALI20240416BHJP
B41J 29/00 20060101ALI20240416BHJP
B41J 29/38 20060101ALI20240416BHJP
【FI】
H04N1/00 C
B41J21/00 Z
B41J29/00 H
B41J29/38 206
(21)【出願番号】P 2020001015
(22)【出願日】2020-01-07
【審査請求日】2022-12-28
(73)【特許権者】
【識別番号】000006150
【氏名又は名称】京セラドキュメントソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003443
【氏名又は名称】弁理士法人TNKアジア国際特許事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100129997
【氏名又は名称】田中 米藏
(72)【発明者】
【氏名】吉岡 哲也
(72)【発明者】
【氏名】福島 経介
(72)【発明者】
【氏名】金光 重中
(72)【発明者】
【氏名】堀 清志
(72)【発明者】
【氏名】松前 慶作
(72)【発明者】
【氏名】吉田 敏信
(72)【発明者】
【氏名】ジャッド アイザック
【審査官】橘 高志
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-081318(JP,A)
【文献】特開2018-101852(JP,A)
【文献】特開2013-008253(JP,A)
【文献】特開2011-110803(JP,A)
【文献】特開2018-064212(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 1/00
B41J 21/00
B41J 29/00
B41J 29/38
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
記録紙に画像を形成する画像形成部と、
前記画像形成部に前記記録紙を搬送する搬送部と、
前記画像形成部及び前記搬送部を制御することによって、前記画像形成部に画像データに基づく画像を前記記録紙に形成させる制御部と、
前記画像データに基づいて、当該画像データが示す画像から前記記録紙の搬送方向に延びる直線を有する矩形を検出する矩形検出部と、
前記矩形検出部により検出された、前記搬送方向に直交する方向において隣り合う矩形間を2等分する中心線を検出する中心線検出部と、を備え、
前記制御部は、更に、前記記録紙に対して、前記中心線検出部により算出された中心線の位置に、前記搬送方向に沿って、ミシン目、切れ目、及び折り目のいずれかを形成するための加工処理を行
い、
前記矩形検出部は、別の矩形に内包される矩形を検出対象から外す画像形成装置。
【請求項2】
ミシン目刃を含んで構成されるミシン目カッターを単数又は複数有し、前記記録紙に対して前記搬送方向に沿ってミシン目を加工するミシン目加工部と、
前記ミシン目カッターを、前記記録紙にミシン目を加工する位置に移動させる移動機構と、を更に備え、
前記制御部は、前記移動機構の動作を制御し、前記中心線検出部により算出された中心線の位置に前記ミシン目刃が配置されるように、前記ミシン目カッターを移動させることで、ミシン目を形成するための前記加工処理を行う請求項
1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
表示部と、
前記表示部の表示制御を行う表示制御部と、
ユーザーによる操作に基づいて指示を受け付ける操作部と、を更に備え、
前記表示制御部は、前記中心線検出部により算出された中心線に基づいて、前記画像データが示す画像に、ミシン目、切れ目、及び折り目のいずれかが形成される位置を示したプレビュー画像を前記表示部に表示させると共に、
前記プレビュー画像においてユーザーからの前記位置の変更の指示が前記操作部に受け付けられると、ユーザー指示による変更後の前記位置を示したプレビュー画像を前記表示部に表示させ、
前記制御部は、前記プレビュー画像の表示時にユーザーから変更後の内容を了解する指示が前記操作部に受け付けられると、前記記録紙に対して、変更後の位置にミシン目、切れ目、及び折り目のいずれかを形成するための加工処理を行う請求項1
又は請求項
2に記載の画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置に関し、特に、記録紙にミシン目等を形成する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
コンビニエンスストア等の窓口業務の仕事に、チケットの発券や通信販売商品の受け渡しなどがある。来店者に渡すチケットや、商品の受け渡しの際に必要となる領収書等の帳票は、プリンター等の画像形成装置によって印刷される。そして、店員は必要に応じて、画像形成装置によって作成された印刷物から帳票等を切り取る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
印刷物にミシン目や切れ目があれば、店員は切り取りをスムーズに行うことができるが、ミシン目等がなければ、ハサミ等の切断するための道具を使用することになるので、手間であり、綺麗に切り取ることも難しくなる。そのため、ミシン目等が予め形成された用紙に、帳票等を印刷するのが一般的である。
【0005】
ところが、一つの窓口で扱われる帳票等の種類は少なくなく、サイズも異なるため、ミシン目等の位置も種類毎に異なる。そのため、店員はその都度、種類に応じた用紙を手差しトレイにセットする必要があり、大変手間である。
【0006】
用紙の種類毎に、給紙カセットを準備できれば、手差しトレイへのセットを不要にすることはできるが、用紙の種類と同じだけ、給紙カセットを用意しなければならず、現実的とは言えない。
【0007】
上記特許文献1に、画像が印刷されるロール紙に、頁と頁との間にミシン目を形成する技術について記載されている。しかしながら、上記技術は、ロール紙の幅方向に沿って、ミシン目を形成するものであり、上記技術をカット紙(例えば、A4判の普通紙)に採用することは困難である。
【0008】
本発明は、上記の事情に鑑みなされたものであり、帳票等が印刷される記録紙の適切な位置にミシン目等の形成を可能にすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一局面に係る画像形成装置は、記録紙に画像を形成する画像形成部と、前記画像形成部に前記記録紙を搬送する搬送部と、前記画像形成部及び前記搬送部を制御することによって、前記画像形成部に画像データに基づく画像を前記記録紙に形成させる制御部と、前記画像データに基づいて、当該画像データが示す画像から前記記録紙の搬送方向に延びる直線を有する矩形を検出する矩形検出部と、前記矩形検出部により検出された、前記搬送方向に直交する方向において隣り合う矩形間を2等分する中心線を検出する中心線検出部と、を備え、前記制御部は、更に、前記記録紙に対して、前記中心線検出部により算出された中心線の位置に、前記搬送方向に沿って、ミシン目、切れ目、及び折り目のいずれかを形成するための加工処理を行う。
【0010】
また、本発明の一局面に係る画像形成装置は、記録紙に画像を形成する画像形成部と、前記画像形成部に前記記録紙を搬送する搬送部と、前記画像形成部及び前記搬送部を制御することによって、前記画像形成部に画像データに基づく画像を前記記録紙に形成させる制御部と、前記画像データに基づいて、複数の画像を取り囲み、前記記録紙の搬送方向に延びる直線を有する外接矩形を検出する外接矩形検出部と、前記外接矩形検出部により検出された、前記搬送方向に直交する方向において隣り合う外接矩形間を2等分する中心線を検出する中心線検出部と、を備え、前記制御部は、更に、前記記録紙に対して、前記中心線検出部により算出された中心線の位置に、前記搬送方向に沿って、ミシン目、切れ目、及び折り目のいずれかを形成するための加工処理を行う。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、記録紙に形成される画像から矩形(例えば、枠のある領収書)又は外接矩形(例えば、枠のない領収書)が検出され、隣り合う矩形間又は外接矩形間を2等分する中心線が検出され、その位置に搬送方向に沿って、ミシン目等が形成される。従って、帳票等が印刷される記録紙の適切な位置に、ミシン目等を形成することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本発明の第1実施形態に係る画像形成装置の構造を示す概略的な部分透過正面図である。
【
図2】(A)(B)は、ミシン目加工部の一例を概略的に示す図である。
【
図3】第1実施形態に係る画像形成装置の主要内部構成を概略的に示す機能ブロック図である。
【
図4】画像から検出する矩形を説明するための図である。
【
図5】画像から検出する矩形を説明するための図である。
【
図6】第1実施形態に係る画像形成装置における制御ユニットで行われる処理の一例を示すフローチャートである。
【
図7】表示部に表示される操作画面の一例を示す図である。
【
図8】第2実施形態に係る画像形成装置の主要内部構成を概略的に示す機能ブロック図である。
【
図9】画像から検出する外接矩形を説明するための図である。
【
図10】第3実施形態に係る画像形成装置の主要内部構成を概略的に示す機能ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の一実施形態に係る画像形成装置について図面を参照して説明する。
図1は、本発明の第1実施形態に係る画像形成装置の構造を示す概略的な部分透過正面図である。画像形成装置1は、例えば、コピー機能、プリンター機能、スキャナー機能、及びファクシミリ機能のような複数の機能を兼ね備えた複合機であり、装置本体11に、原稿給送部6、原稿読取部5、画像形成部12、定着部13、及び給紙部14を含んで構成されている。また、画像形成装置1は、給紙部14から画像形成部12及び定着部13を経由して、排出口71まで記録紙Pを搬送する搬送部19を備える。更に、画像形成装置1は、フィニッシャーとしてのミシン目加工部50を備える。
【0014】
搬送部19は、給紙部14と排出口71とを繋ぐ搬送路191と、搬送路191の適所に設けられた複数の搬送ローラー192と、排出口71の近くに設けられた、装置本体11から記録紙Pを排出するための排出ローラー193と、を備える。
【0015】
給紙部14は、装置本体11の底部に設けられ、記録紙Pを収容する給紙カセット141を備える。
【0016】
画像形成部12は、給紙部14の上方に設けられ、感光体ドラム121と、帯電装置122と、露光装置123と、現像装置124と、転写装置125と、を備える。
【0017】
感光体ドラム121は、像担持体であり、回転軸を中心にして回転可能に構成され、表面にトナー像を担持する。帯電装置122は、感光体ドラム121の表面を帯電させる。露光装置123は、レーザー光を照射することによって、感光体ドラム121の表面に潜像を形成する。
【0018】
現像装置124は、感光体ドラム121の表面に形成された潜像をトナーで可視化する。転写装置125は、感光体ドラム121の表面からトナー像が記録紙Pへ転写する位置に設けられ、感光体ドラム121との間で転写ニップ部を形成する。
【0019】
原稿給送部6は、原稿読取部5の上面に図略のヒンジ等によって開閉可能に構成され、原稿給送部6は、原稿読取部5の図略のコンタクトガラス上に載置された原稿を読み取る場合に原稿押さえカバーとして機能する。また、原稿給送部6は、ADF(Auto Document Feeder)であり、原稿載置トレイ61に載置された原稿を原稿読取部5へ供給する。
【0020】
原稿読取部5は、原稿給送部6により供給された原稿、又はコンタクトガラス上に載置されている原稿の画像を、光学的に読み取り、そして画像データを生成する。画像形成部12は、画像読取動作により生成された画像データ等に基づいて、給紙部14から給紙される記録紙Pにトナー像を形成する。
【0021】
定着部13は、画像形成部12によりトナー像が形成された記録紙Pを加熱及び加圧して、トナー像を記録紙Pに定着させるものであり、定着処理が施された記録紙Pは排出口71からミシン目加工部50を通過して、図略の排出トレイに排出される。
【0022】
ミシン目加工部50について説明する。
図2(A)及び(B)は、
図1中の矢印A1方向からミシン目加工部50を見た概略図である。ミシン目加工部50は、ミシン目カッター51Aを排出口71の長手方向(記録紙Pの搬送方向と直交する幅方向)に移動可能にするためのワイヤー54Aとを備え、更に、ミシン目カッター51Bを排出口71の長手方向に移動可能にするためのワイヤー54Bと、を備える。以降、ミシン目カッター51A及び51Bを単に「ミシン目カッター51」とも称し、ワイヤー54A及び54Bを単に「ワイヤー54」とも称す。
【0023】
ミシン目カッター51A,51Bは、排出口71から排出される記録紙Pに、搬送方向に沿ってミシン目を加工するためのロータリーミシン目刃52A,52B(以降、単に「ロータリーミシン目刃52」とも称す)と、ロータリーミシン目刃52A,52Bを支持する支持部53A,53Bと、を含んで構成される。ミシン目カッター51は、着脱可能であり、例えば、ミシン目のようなスリットではなく、薄皮1枚程度の厚みを記録紙Pに残すための切れ目カッターに取り換え可能とされている。ミシン目加工部50は、更に、後述する移動機構55及び動力伝達部56(
図3)を備えている。
【0024】
図3は、第1実施形態に係る画像形成装置1の主要内部構成を概略的に示す機能ブロック図である。画像形成装置1は、制御ユニット10、原稿給送部6、原稿読取部5、画像形成部12、記憶装置81、定着部13、給紙部14、操作部47、及びミシン目加工部50を含んで構成されている。
【0025】
記憶装置81は、HDD(Hard Disk Drive)又はSSD(Solid State Drive)等である。記憶装置81は、各種の制御プログラムを記憶すると共に、画像形成部12に予め設定された書類(例えば、チケットや帳票)を作成させるためのアプリケーションを記憶する。
【0026】
操作部47は、ユーザーから各所指示を受け付けるためのハードキーを有し、画像形成装置1が実行可能な各種動作及び処理について、操作者から、画像形成動作実行指示等の指示を受け付ける。操作部47は、操作者への操作案内等を表示する表示部473を備えている。また、操作部47は、表示部473が有するタッチパネルを介して、表示部473に表示されている操作画面に対するユーザーによる操作(タッチ操作)に基づく、ユーザーからの指示の入力を受け付ける。
【0027】
表示部473は、LCD(Liquid Crystal Display)からなる。表示部473は、タッチパネルを備えている。操作者は画面表示されるボタンやキーに触れる操作を行うと、タッチパネルにより、タッチ操作された位置に対応付けられた指示が受け付けられる。
【0028】
ミシン目加工部50は、ミシン目カッター51(
図2)と、移動機構55と、動力伝達部56と、を備える。移動機構55は、ミシン目カッター51を幅方向に移動させるワイヤー54(
図2)を含んで構成される。動力伝達部56は、モーター及びギア等から構成される。すなわち、動力伝達部56は、移動機構55に、回転駆動力を変換して直線的な駆動力をミシン目カッター51A及び51Bにそれぞれ付与する駆動源である。動力伝達部56による当該駆動力は、ワイヤー54Aに沿ってミシン目カッター51Aを移動させ、ワイヤー54Bに沿ってミシン目カッター51Bを移動させる。
【0029】
制御ユニット10は、プロセッサー、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、及び専用のハードウェア回路を含んで構成される。プロセッサーは、例えばCPU(Central Processing Unit)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、又はMPU(Micro Processing Unit)等である。制御ユニット10は、制御部100と、表示制御部101と、矩形検出部102と、中心線検出部103と、を備えている。
【0030】
制御ユニット10は、記憶装置81に記憶されている制御プログラムに従った上記プロセッサーによる動作により、制御部100、表示制御部101、矩形検出部102、及び中心線検出部103として機能する。但し、制御部100等は、制御ユニット10による制御プログラムに従った動作によらず、それぞれハードウェア回路により構成することも可能である。以下、特に触れない限り、各実施形態について同様である。
【0031】
制御部100は、画像形成装置1の全体的な動作制御を司る。制御部100は、原稿給送部6、原稿読取部5、画像形成部12、記憶装置81、定着部13、給紙部14、操作部47、及びミシン目加工部50と接続され、これら各部の駆動制御等を行う。例えば、制御部100は、操作部47により受け付けられたユーザーからの選択や指示に従って、画像形成部12を制御することによって、画像形成部12に画像データに基づく画像を記録紙Pに形成させる。
【0032】
制御部100は、記録紙Pに対して、中心線検出部103により算出された中心線の位置に、記録紙の搬送方向に沿って、ミシン目、切れ目、及び折り目のいずれかを形成するための加工処理を行う。
【0033】
例えば、制御部100は、上記加工処理として、予め設定された「ミシン目加工機能」を使用する場合には、ミシン目加工部50に記録紙Pに対してミシン目加工を行わせ、「ミシン目加工機能」を使用しない場合(すなわち、通常の画像形成動作を行う場合)には、ミシン目加工部50にミシン目加工を行わせない、という処理を行う。
【0034】
具体的には、制御部100は、「ミシン目加工機能」を使用する場合には、動力伝達部56の動作を制御し、移動機構55を介して、ミシン目カッター51を移動させて、ロータリーミシン目刃52(
図2)をミシン目付与に適した位置に配置し、一方、「ミシン目加工機能」を使用しない場合には、動力伝達部56の動作を制御し、移動機構55を介して、ミシン目カッター51を移動させて、ロータリーミシン目刃52を記録紙Pに当たらない位置に配置する。なお、「ミシン目加工機能」使用のオン・オフの指示は、ユーザーによる操作で操作部47に入力され、制御部100が当該指示に応じて、上記制御を行う。
【0035】
表示制御部101は、表示部473の表示制御を行う。例えば、表示制御部101は、プレビュー画像を表示部473に表示させる。
【0036】
矩形検出部102は、記録紙Pに形成する画像を示す画像データに基づいて、当該画像から記録紙Pの搬送方向に延びる直線を有する矩形を検出する。但し、矩形検出部102は、別の矩形に内包される矩形を検出対象から外す。例えば、矩形検出部102は、既知の技術により、画像データが示す画像からエッジ画素を抽出し、エッジ画素から複数の直線を抽出し、抽出した複数の直線から矩形を検出し、その矩形のうち、搬送方向に延びる直線を有するものを検出し、検出した矩形の左上の座標情報と、右下の座標情報とを、中心線検出部103に出力する。
【0037】
図4に示すような画像から矩形を検出する場合について説明する。画像G1は、記録紙Pに形成される画像(枠のある領収書が3つ)の一例であり、記録紙Pは矢印A2方向に搬送される。矩形検出部102は、画像G1を示す画像データに基づいて、画像G1から9つの矩形R1乃至R9を検出する。但し、矩形R4乃至R9については、別の矩形R1乃至R3それぞれに内包されるため、検出対象から外し、矩形検出部102は、矩形R1乃至R3それぞれの左上の座標情報と、右下の座標情報とを、中心線検出部103に出力する。
【0038】
中心線検出部103は、矩形検出部102により検出された、記録紙搬送方向に直交する方向において隣り合う矩形間を2等分する中心線(搬送方向に平行な直線)を検出する。まず、中心線検出部103は、矩形検出部102から出力された、矩形R1乃至R3それぞれの左上及び右下の座標情報に基づいて、隣り合う矩形を検出する。次に、中心線検出部103は、隣り合う矩形R1と矩形R2との間を2等分する中心線CL1と、矩形R2と矩形R3との間を2等分する中心線CL2と、を検出する。
【0039】
図4に示した矩形R1乃至R3は同じ大きさであるが、
図5に示すように、画像G2に含まれる、矩形R11と矩形R12との大きさが異なっていたとしても、矩形検出部102は、矩形R11,R12を検出し、中心線検出部103は、隣り合う矩形R11と矩形R12との間を2等分する中心線CL11を検出する。
【0040】
制御部100は、動力伝達部56の動作を制御し、移動機構55を介して、中心線CL1の位置にロータリーミシン目刃52Aが配置されるようにミシン目カッター51Aを移動させ、中心線CL2の位置にロータリーミシン目刃52Bが配置されるようにミシン目カッター51Bを移動させる。これにより、制御部100による制御で、記録紙Pに対して、中心線検出部103により算出された中心線の位置に、搬送方向に沿って、ミシン目が形成される。
【0041】
次に、画像形成装置1における制御ユニット10で行われる処理の一例を
図6に示すフローチャートに基づいて説明する。
【0042】
制御部100は、画像形成の対象とする画像データが指定されて記録紙Pへの画像形成の実行指示がユーザーによる操作で操作部47に受け付けられたとき(S1)、「ミシン目加工機能」の使用がオン状態になっているかどうかを判断する(S2)。制御部100が、「ミシン目加工機能」の使用がオン状態になっていると判断した場合(S2でYES)、矩形検出部102は、上記画像形成の対象とする画像データが示す画像から、記録紙Pの搬送方向に延びる直線を有する矩形を検出する(S3)。
【0043】
制御部100は、矩形検出部102により矩形が2つ以上検出されたか否かを判断し(S4)、矩形検出部102により矩形が2つ以上検出されたと判断した場合(S4でYES)、中心線検出部103は、矩形検出部102により検出された、隣り合う矩形間を2等分する中心線を検出する(S5)。
【0044】
続いて、表示制御部101は、表示部473の表示制御を行い、中心線検出部103により算出された中心線に基づいて、画像データが示す画像に、ミシン目が形成される位置を示したプレビュー画像を表示部473に表示させる(S6)。ユーザーは、当該表示を視認することで、表示部473に表示された内容で良いかどうかを判断する。
【0045】
図7は、表示部473に表示される操作画面の一例である。表示制御部101は、中心線の位置を示した上記プレビュー画像の一例であるプレビュー画像PG1と、「OK」と記された選択ボタンB1と、「キャンセル」と記された選択ボタンB2とを有する操作画面を表示させる。
【0046】
制御部100は、表示部473に表示された内容を了解するユーザーからの指示があったかどうかを判断し(S7)、例えば、「OK」と記された選択ボタンB1がユーザーによってタッチされて、ユーザーから表示内容を了解する指示が操作部47に受け付けられたと判断した場合(S7でYES)、制御部100は、動力伝達部56の動作を制御し、移動機構55を介して、上記中心線の位置にロータリーミシン目刃52が配置されるように、ミシン目カッター51を移動させる(S8)。
【0047】
その後、制御部100は、画像形成部12、定着部13、給紙部14、及び搬送部19等の動作を制御して、記録紙Pに対する画像形成に関する工程を実行する(S9)。この後、処理は終了する。これにより、搬送部19により排出口71から排出された記録紙Pの中心線CL1,CL2の位置にミシン目が形成される。
【0048】
一方、制御部100が、例えば「キャンセル」と記された選択ボタンB2がユーザーによってタッチされることにより、ユーザーから表示内容を了解しない指示が操作部47に受け付けられた判断した場合(S7でNO)、処理は終了する。
【0049】
また、S2において、制御部100は、「ミシン目加工機能」の使用がオフ状態になっていると判断した場合(S2でNO)、又は、S4において、矩形検出部102により矩形が2つ以上検出されていないと判断した場合(S4でNO)、動力伝達部56の動作を制御し、移動機構55を介して、記録紙Pに当たらない位置にロータリーミシン目刃52が配置されるように、ミシン目カッター51を移動させる(S10)。その後、制御部100は、画像形成部12、定着部13、給紙部14、及び搬送部19等の動作を制御して、記録紙Pに対する画像形成に関する工程を実行する(S9)。この後、処理は終了する。
【0050】
上記第1実施形態によれば、記録紙Pに形成される画像から矩形(例えば、枠のある領収書)が検出され、隣り合う矩形間を2等分する中心線が検出され、その位置に搬送方向に沿って、ミシン目が形成される。従って、帳票等が印刷される記録紙の適切な位置(ミシン目を形成すべき位置)に、ミシン目を形成することが可能になる。
【0051】
なお、別の実施形態として、
図7に示したようにミシン目の位置を示したプレビュー画像が表示部473に表示されているときに、ミシン目の位置のユーザー変更を受け付け可能にし、当該プレビュー画像においてユーザーからの上記位置の変更の指示が操作部47に受け付けられたときに、表示制御部101は、ユーザー指示による変更後の位置を示したプレビュー画像を表示部473に表示させる。
【0052】
そして、制御部100は、当該プレビュー画像の表示時にユーザーから変更後の内容を了解する指示が操作部47に受け付けられると、ミシン目加工部50により記録紙Pに、変更後の位置にミシン目を形成させる。これにより、ミシン目を形成させる位置をユーザーが補正することができるので、ユーザーが望む位置に、より確実にミシン目を形成させることが可能になる。
【0053】
図8は、第2実施形態に係る画像形成装置の主要内部構成を概略的に示す機能ブロック図である。上記第2実施形態に係る画像形成装置は、
図3に示した第1実施形態に係る画像形成装置と、制御ユニット10が外接矩形検出部104を備える点で相違する。第2実施形態では、第1実施形態と同様の構成については説明を省略する。
【0054】
外接矩形検出部104は、既知の技術により、記録紙Pに形成する画像を示す画像データに基づいて、当該画像データに含まれる複数の画像を取り囲み、記録紙Pの搬送方向に延びる直線を有する外接矩形を検出する。例えば、外接矩形検出部104は、処理対象の画像を2値化し、離れた距離が一定距離以下である黒画素の塊を検出し、黒画素の塊に外接し、記録紙Pの搬送方向に延びる直線を有する外接矩形を検出する。そして、外接矩形検出部104は、検出した外接矩形の左上の座標情報と、右下の座標情報とを、中心線検出部103に出力する。
【0055】
図9に示すような画像から外接矩形を検出する場合について説明する。画像G3は、記録紙Pに形成される画像(枠のない領収書が3つ)の一例であり、記録紙Pは矢印A2方向に搬送される。外接矩形検出部104は、画像G3を示す画像データに基づいて、画像G3から3つの外接矩形BR1乃至BR3を検出する。そして、外接矩形検出部104は、外接矩形BR1乃至BR3それぞれの左上の座標情報と、右下の座標情報とを、中心線検出部103に出力する。
【0056】
中心線検出部103は、外接矩形検出部104により検出された、隣り合う外接矩形間を上記搬送方向に直交する方向において2等分する中心線(搬送方向に平行な直線)を検出する。まず、中心線検出部103は、外接矩形検出部104から出力された、外接矩形BR1乃至BR3の左上及び右下の座標情報に基づいて、隣り合う外接矩形を検出する。次に、中心線検出部103は、隣り合う外接矩形BR1と外接矩形BR2との間を2等分する中心線CL21と、外接矩形BR2と外接矩形BR3との間を2等分する中心線CL22と、を検出する。
【0057】
上記第2実施形態によれば、記録紙Pに形成される画像から外接矩形(例えば、枠のない領収書)が検出され、隣り合う矩形間を2等分する中心線が検出され、その位置に搬送方向に沿って、ミシン目が形成される。従って、枠のない帳票等が印刷される記録紙の適切な位置(ミシン目を形成すべき位置)に、ミシン目を形成することも可能になる。
【0058】
上記第1及び第2実施形態では、隣り合う矩形又は外接矩形間を2等分する中心線の位置に、ミシン目を形成する場合について説明しているが、ミシン目カッター51の代わりに、切れ目カッターを装備すれば、記録紙Pに切れ目を形成することができる。
【0059】
また、別の実施形態として、ミシン目や切れ目を記録紙Pに形成するのではなく、制御部100は、画像形成部12を制御して、上記中心線の位置に破線等の線分画像を記録紙Pに形成することにより、折り目を形成するようにしてもよい。ミシン目や切れ目ではなく、折り目を形成すると、別の用途に利用することが可能となり、印刷物(例えば、封筒に入れるチラシ)を折る作業の効率化を図ることができる。
【0060】
図10は、第3実施形態に係る画像形成装置の主要内部構成を概略的に示す機能ブロック図である。上記第3実施形態に係る画像形成装置は、
図3に示した第1実施形態に係る画像形成装置と、記憶装置81が位置記憶部82を備える点で相違する。第3実施形態では、第1実施形態と同様の処理は説明を省略する。
【0061】
位置記憶部82は、ミシン目、切れ目、及び折り目のいずれかの位置を示す位置データを記憶する。
【0062】
制御部100は、位置記憶部82に記憶されている位置データに基づいて、記録紙Pに対して、当該位置データが示す位置に、搬送方向に沿って、ミシン目、切れ目、及び折り目のいずれかを形成する。
【0063】
この構成により、第4実施形態では、事前に用意された位置データを利用する。これにより、矩形検出や、外接矩形検出、中心線算出の処理を省き、処理の効率化を図る。
【0064】
本発明は上記実施の形態の構成に限られず種々の変形が可能である。また、上記実施形態では、本発明に係る画像形成装置の一実施形態として複合機を用いて説明しているが、これは一例に過ぎず、例えば、コピー機能やプリンター機能を有した他の画像形成装置でもよい。
【0065】
また、上記実施形態では、
図1乃至
図10を用いて上記実施形態により示した構成及び処理は、本発明の一実施形態に過ぎず、本発明を当該構成及び処理に限定する趣旨ではない。
【符号の説明】
【0066】
1 画像形成装置
12 画像形成部
47 操作部
50 ミシン目加工部
51 ミシン目カッター
52 ロータリーミシン目刃
55 移動機構
82 位置記憶部
100 制御部
101 表示制御部
102 矩形検出部
103 中心線検出部
104 外接矩形検出部
473 表示部