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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-15
(45)【発行日】2024-04-23
(54)【発明の名称】分析装置および分析装置の制御方法
(51)【国際特許分類】
   G01N 23/2206 20180101AFI20240416BHJP
   G01N 23/2252 20180101ALI20240416BHJP
   G01N 23/2251 20180101ALI20240416BHJP
【FI】
G01N23/2206
G01N23/2252
G01N23/2251
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2020014344
(22)【出願日】2020-01-31
(65)【公開番号】P2021120660
(43)【公開日】2021-08-19
【審査請求日】2022-05-17
(73)【特許権者】
【識別番号】000001993
【氏名又は名称】株式会社島津製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】坂前 浩
【審査官】小野 健二
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-179862(JP,A)
【文献】特開2003-098129(JP,A)
【文献】特開2003-007244(JP,A)
【文献】国際公開第2015/181961(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 23/00-23/2276
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
試料の表面の観察および分析を行なう分析装置であって、
前記試料の表面に電子線を照射する照射装置と、
前記試料の表面から放出される複数種類の検出信号をそれぞれ検出する複数種類の検出器と、
前記複数種類の検出信号にそれぞれ対応する複数種類の観察像を表示する表示部と、
前記照射装置および前記表示部を制御する制御部とを備え、
前記複数種類の検出器は、前記試料の表面から放出される特性X線を検出するための少なくとも1つの分光器を含み、
前記複数種類の検出信号は、前記少なくとも1つの分光器によりそれぞれ検出される少なくとも1つの特性X線を含み、
前記分析装置は、前記複数種類の観察像のうちの少なくとも2種類の観察像を前記表示部に同時に並べて表示する同時表示モードを有しており、前記少なくとも2種類の観察像の表示条件を含む観察条件データを保存するための記憶部をさらに備え、
前記同時表示モードにおいて、前記制御部は、前記記憶部に保存されている前記観察条件データに基づいて前記照射装置、前記複数種類の検出器および前記表示部の動作を設定するとともに、前記少なくとも2種類の観察像を前記表示部に表示し、
前記少なくとも2種類の観察像の表示条件は、前記表示部における前記少なくとも2種類の観察像のレイアウトに関する条件を含み、
前記少なくとも2種類の観察像のレイアウトに関する条件は、観察目的の元素の特性X線を検出するための分光器の分光波長に関する情報を含む、分析装置。
【請求項2】
前記複数種類の観察像の観察条件に関する設定を受け付ける操作部をさらに備え、
前記同時表示モードにおいて、前記操作部が前記少なくとも2種類の観察像の観察条件に関する設定を受け付けた場合には、前記制御部は、前記少なくとも2種類の観察像の前記観察条件データを生成して前記記憶部に保存する、請求項1に記載の分析装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記少なくとも2種類の観察像の観察条件データに対して、前記試料の観察目的に関連する情報を付記して前記記憶部に保存する、請求項2に記載の分析装置。
【請求項4】
前記操作部が前記同時表示モードの設定を受け付けた場合、前記制御部は、
前記記憶部に保存されている前記観察条件データのリストを前記表示部に表示し、
前記操作部が前記リストから1つの観察条件データを選択する操作を受け付けたときには、選択された前記観察条件データに基づいて前記少なくとも2種類の観察像を前記表示部に表示する、請求項2または3に記載の分析装置。
【請求項5】
前記少なくとも2種類の観察像の表示条件は、前記少なくとも2種類の観察像に対応する少なくとも2つの検出信号の表示条件を含む、請求項1から4のいずれか1項に記載の分析装置。
【請求項6】
前記観察条件データは、前記電子線の照射条件および、前記電子線の走査条件をさらに含む、請求項1から5のいずれか1項に記載の分析装置。
【請求項7】
試料の表面の観察および分析を行なう分析装置の制御方法であって、
前記分析装置は、
前記試料の表面に電子線を照射する照射装置と、
前記試料の表面から放出される複数種類の検出信号をそれぞれ検出する複数種類の検出器と、
前記複数種類の検出信号にそれぞれ対応する複数種類の観察像を表示する表示部とを含み、
前記複数種類の検出器は、前記試料の表面から放出される特性X線を検出するための少なくとも1つの分光器を含み、
前記複数種類の検出信号は、前記少なくとも1つの分光器により検出される少なくとも1つの特性X線を含み、
前記分析装置は、前記複数種類の観察像のうちの少なくとも2種類の観察像を前記表示部に同時に並べて表示する同時表示モードを有しており、
前記制御方法は、
前記少なくとも2種類以上の観察像の表示条件を含む観察条件データを記憶部に保存するステップと、
前記同時表示モードにおいて、前記記憶部に保存されている前記観察条件データに基づいて前記照射装置、前記複数種類の検出器および前記表示部の動作を設定するとともに、前記少なくとも2種類の観察像を前記表示部に表示するステップとを備え、
前記少なくとも2種類の観察像の表示条件は、前記表示部における前記少なくとも2種類の観察像のレイアウトに関する条件を含み、
前記少なくとも2種類の観察像のレイアウトに関する条件は、観察目的の元素の特性X線を検出するための分光器の分光波長に関する情報を含み、
前記表示するステップは、特性X線の観察像が表示対象に設定された場合に、前記分光波長に関する情報に基づいて、当該特性X線を検出する前記分光器を駆動するステップを含む、分析装置の制御方法。
【請求項8】
前記同時表示モードにおいて、前記少なくとも2種類の観察像の観察条件に関する設定を受け付けた場合には、少なくとも2種類の観察像の観察条件データを生成して前記記憶部に保存するステップをさらに備える、請求項7に記載の分析装置の制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、分析装置および分析装置の制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特開平8-320298号公報(特許文献1)には、電子マイクロアナライザ等のX線分析装置による試料の表面分析によって得られた試料表面の凹凸および元素分析の2次元的な情報を示す画像(観察像)を表示する表示方法が開示される。特許文献1では、1つの表面分析処理で得られた同一分析領域における複数の観察像を重ね合わせて表示するように構成される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開平8-320298号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
複数の観察像を同一画面に同時に表示することにより、分析者は、同一分析領域における複数の観察像を容易に比較することができる。これにより、分析者は、より詳細な分析を行なうための分析条件を適切かつ効率的に決定することが可能となる。
【0005】
一方で、分析者は、複数の観察像の各々が観察目的に適した画像となるように、観察条件を設定する作業を行なう必要がある。観察条件には、試料に照射する電子線の照射条件および走査条件、ならびに各画像の表示条件などの複数の条件が含まれている。分析者は、表示部に表示されている複数の画像の各々を参照しながら、これら複数の条件を設定する作業を行なう。この観察条件の設定作業は、複数の画像の同時表示を行なうたびに必要となることから、分析作業の効率を低下させることが懸念される。
【0006】
本開示は、上記の問題を解決するためになされたものであり、本開示の目的は、分析作業の効率を向上させることが可能な分析装置および分析装置の制御方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の一態様に係る分析装置は、試料の表面の観察および分析を行なう分析装置であって、試料の表面に電子線を照射する照射装置と、試料の表面から放出される複数の検出信号をそれぞれ検出する複数の検出器と、複数の検出信号にそれぞれ対応する複数の観察像を表示する表示部と、照射装置および表示部を制御する制御部とを備える。分析装置は、複数の観察像のうちの少なくとも2つの観察像を表示部に同時に並べて表示する同時表示モードを有する。分析装置は、少なくとも2つの観察像の表示条件を含む観察条件データを保存するための記憶部をさらに備える。同時表示モードにおいて、制御部は、記憶部に保存されている観察条件データに基づいて少なくとも2つの観察像を表示部に表示する。
【発明の効果】
【0008】
本開示によれば、分析作業の効率を向上させることが可能な分析装置および分析装置の制御方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】実施の形態に係る分析装置の一例である電子プローブマイクロアナライザの全体構成図である。
図2】同時表示モードにおける表示部の表示画面の一例を示す図である。
図3】データベースに保存されている観察条件リストを示す概略図である。
図4】EPMAにおける同時表示モードの観察条件を設定する処理の手順を説明するためのフローチャートである。
図5】観察条件データの構成例を説明するための図である。
図6】図のS06およびS08の処理の詳細を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本開示の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中の同一または相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。
【0011】
[分析装置の構成]
図1は、実施の形態に係る分析装置の一例である電子プローブマイクロアナライザ(EPMA:Electron Probe Micro Analyzer)の全体構成図である。本実施の形態に係る分析装置は、試料に電子線を照射して、試料から発生する様々な信号を検出して分析する電子線マイクロアナリシス法を用いて、試料の表面の観察および組成の分析を行なう装置である。本実施の形態に係る分析装置は、EPMAに限定されるものではなく、エネルギー分散型X線分析装置(EDS:Energy Dispersive Spectrometer)を搭載した走査電子顕微鏡(SEM:Scanning Electron Microscope)であってもよい。
【0012】
図1を参照して、EPMA100は、電子銃1と、偏向コイル2と、対物レンズ3と、試料ステージ4と、試料ステージ駆動部5と、複数の分光器6a,6bと、二次電子検出器7と、反射電子検出器8とを備える。また、EPMA100は、制御部10と、データ処理部11と、偏向コイル制御部9と、操作部15と、表示部16とをさらに備える。電子銃1、偏向コイル2、対物レンズ3、試料ステージ4、分光器6a,6bおよび検出器7,8は、図示しない計測室内に設けられ、X線の計測中は、計測室内は排気されて真空状態とされる。
【0013】
電子銃1は、試料ステージ4上の試料Sに照射される電子線Eを発生する励起源である。収束レンズ(図示せず)を制御することによって電子線Eの照射電流を調整することができる。偏向コイル2は、偏向コイル制御部9から供給される駆動電流により磁場を形成する。偏向コイル2により形成される磁場によって、電子線Eを偏向させることができる。
【0014】
対物レンズ3は、偏向コイル2と試料ステージ4上に載置される試料Sとの間に設けられ、偏向コイル2を通過した電子線Eを微小径に絞る。電子銃1、偏向コイル2および対物レンズ3は、試料へ向けて電子線を照射する「照射装置」を構成する。試料ステージ4は、試料Sを載置するためのステージであり、試料ステージ駆動部5により水平面内で移動可能に構成される。
【0015】
試料ステージ駆動部5による試料ステージ4の駆動および/または偏向コイル制御部9による偏向コイル2の駆動により、試料S上における電子線Eの照射位置を二次元的に走査することができる。走査範囲が比較的狭いときは、偏向コイル2による走査が行なわれ、走査範囲が比較的広いときは、試料ステージ4の移動による走査が行なわれる。
【0016】
分光器6a,6bは、電子線Eが照射された試料Sから放出される特性X線を検出するための機器である。図1の例では、2つの分光器6a,6bが示されているが、分光器の数はこれに限定されるものではなく、1つでもよいし、3以上であってもよい。各分光器の構成は、分光結晶を除いて同じであり、以下では、各分光器を単に「分光器6」と称する場合がある。
【0017】
分光器6aは、分光結晶61aと、検出器63aと、スリット64aとを含む。試料S上の電子線Eの照射位置と分光結晶61aと検出器63aとは、図示しないローランド円上に位置している。図示しない駆動機構によって、分光結晶61aは、直線62a上を移動しつつ傾斜され、検出器63aは、分光結晶61aに対する特性X線の入射角と回折X線の出射角とがブラッグの回折条件を満たすように、分光結晶61aの移動に応じて図示のように回動する。これにより、試料Sから放出される特性X線の波長スキャンを行なうことができる。
【0018】
分光器6bは、分光結晶61bと、検出器63と、スリット64bとを含む。分光器6bの構成は、分光結晶を除いて分光器6aと同様であるので、説明を繰返さない。なお、各分光器の構成は、上記のような構成に限られるものではなく、公知の各種の構成を採用することができる。
【0019】
二次電子検出器7は、電子線Eが照射された試料Sから放出される二次電子を検出するための機器である。
【0020】
反射電子検出器8は、電子線Eが照射された試料Sから放出される反射電子を検出するための機器である。
【0021】
制御部10は、CPU(Central Processing Unit)12と、メモリ13と、通信インターフェイス(I/F)14とを備える。メモリ13は、図示しないROM(Read Only Memory)およびRAM(Random Access Memory)を含む。CPU12は、ROMに格納されているプログラムをRAM等に展開して実行する。ROMに格納されるプログラムは、制御部10の処理手順が記されたプログラムである。ROMには、各種演算に用いられる各種テーブル(マップ)も格納されている。制御部10は、これらのプログラムおよびテーブルに従って、EPMA100における各種処理を実行する。処理については、ソフトウェアによるものに限られず、専用のハードウェア(電子回路)で実行することも可能である。通信I/F14は、インターネットなどの通信網に接続される、EPMA100は、通信I/F14を介して外部機器との間でデータを遣り取りする。
【0022】
データ処理部11も、図示は省略するが、CPUと、メモリと、入出力バッファとを含む。データ処理部11は、試料Sから放出される各種信号から試料Sの表面の観察像(二次電子像、反射電子像、特性X線像)を作成する。データ処理部11はさらに、分析対象の特性X線スペクトルを作成する。なお、データ処理部11は、制御部10と一体的に構成してもよい。
【0023】
偏向コイル制御部9は、制御部10からの指示に従って、偏向コイル2へ供給される駆動電流を制御する。予め定められた駆動電流パターン(大きさおよび変更速度)に従って駆動電流を制御することにより、試料S上において電子線Eの照射位置を所望の走査速度で走査することができる。
【0024】
操作部15は、EPMA100に対して分析者が各種指示を与えるための入力機器であり、例えばマウスやキーボード等によって構成される。表示部16は、分析者に対して各種情報を提供するための出力機器であり、例えば、分析者が操作可能なタッチパネルを備えるディスプレイによって構成される。なお、このタッチパネルを操作部15としてもよい。
【0025】
<同時表示モード>
EPMA100は、試料Sの表面に電子線を照射し、当該表面から放出される各種信号を利用して試料Sの表面の組織および形態の観察と局所元素分析とを行なうように構成される。EPMA100は、試料S上における電子線Eの走査中、試料Sの表面の観察像(特性X線像、二次電子像、反射電子像)を表示部16に表示する。これにより、分析者は、試料Sの表面をリアルタイムで観察することができる。
【0026】
EPMA100は、観察像の表示モードとして、複数の観察像のうちの少なくとも2つの観察像を同時に並べて表示させるモードを有している。本願明細書では、このような表示モードを「同時表示モード」とも称する。
【0027】
図2は、同時表示モードにおける表示部の表示画面の一例を示す図である。図2の例では、表示部16の表示画面には、6個の観察像I1~I6が並べて表示されている。観察像I1は、試料S上における電子線Eの照射位置の二次電子像である。二次電子像には、試料Sの表面の形状が映し出される。観察像I2は、当該照射位置の反射電子像である。反射電子像には、試料Sの表面の組成が映し出される。観察像I3~I6は、当該照射位置の特性X線像である。特性X線像には、試料S中に含まれる対象元素の分布が映し出される。なお、観察像I3~I6は、観察対象の元素が互いに異なる。
【0028】
同時表示モードにおいては、分析者は、複数の観察像I1~I6を比較することにより、二次電子像および/または反射電子像で着目した領域にどのような元素が分布しているのか、あるいは、特定の元素が分布している領域が二次電子像および/または反射電子像でどのように観察されるのか、といった知見を短時間で得ることができる。その結果、分析者は、より詳細な分析を行なうための分析条件を適切かつ効率的に決定することが可能となる。
【0029】
その一方で、同時表示モードを実行する際、分析者は、複数の観察像I1~I6の各々が観察目的に適した画像となるように、観察条件を設定する作業を行なう必要がある。観察条件には、電子線Eの照射条件、電子線Eの走査条件、および、各観察像の表示条件が含まれる。各観察像の表示条件には、二次電子像および反射電子像のコントラスト/ブライトネス条件、特性X線像の輝度変換条件、および表示部16における各観察像のレイアウト条件などが含まれる。
【0030】
分析者は、表示部16に表示される複数の観察像I1~I6の各々を参照しながら、これら複数の条件を設定する作業を行なう。この観察条件の設定作業は同時表示モードを行なうたびに必要となるため、分析作業の効率を低下させることが懸念される。
【0031】
そこで、本実施の形態に係るEPMA100においては、同時表示モードにおいて設定された観察条件を、1つのデータとして纏めることにより、当該データの保存および再利用を可能とする。以下の説明では、観察条件に関するデータを「観察条件データ」とも称する。
【0032】
具体的には、EPMA100は、分析者が上述した設定作業を行なうことによって生成された観察条件データを、データベース18に保存するように構成される。このデータベース18は、制御部10のメモリ内の不揮発性記憶領域に設けることができる。あるいは、EPMA100とネットワークを介して通信可能に接続された外部機器(例えば、ストレージなど)にデータベース18を設けることができる。ストレージは、例えば、HDD(Hard Disk Drive)またはSSD(Solid State Drive)などの不揮発性記憶装置などで構成することができる。データベース18は「記憶部」の一実施例に対応する。
【0033】
データベース18には、複数の観察条件データが保存されている。データベースは、保存されている複数の観察条件データをリスト化し、観察条件リストを作成する。図3は、データベース18に保存されている観察条件リストを示す概略図である。
【0034】
図3に示すように、観察条件リストには、過去に分析者により生成された観察条件データのファイル名が挙げられている。なお、観察条件データのファイル名は、分析者が任意に設定することができる。
【0035】
観察条件リストでは、各観察条件データに対して、観察目的を示す情報を付記することができる。観察目的を示す情報には、例えば、観察した試料に関する情報、および観察対象の元素に関する情報などを含めることができる。試料に関する情報としては、例えば、試料名や試料の物質名などの試料の識別情報を含めることができる。観察対象の元素に関する情報としては、例えば、観察対象の元素記号や元素名などの元素の識別情報を含めることができる。ただし、観察目的を示す情報は、これらの情報に限定されるものではなく、分析者が一意に観察目的を把握することができる態様で、分析者が任意に設定することができる。
【0036】
EPMA100は、分析者の操作に応じて、図3に示す観察条件リストを表示部16に表示するように構成される。分析者は、同時表示モードを実行する際、表示された観察条件リストから、使用したい観察条件データを選択することができる。具体的には、分析者は、各観察条件データに付記されている観察目的を参照することにより、自身の観察目的に一致または類似している観察条件データを選択することができる。EPMA100は、分析者が選択した観察条件データに含まれる観察条件に基づいて、EPMA100の各部の動作を設定する。
【0037】
これによると、分析者は、観察する試料が一致または類似している観察条件データ、および/または、観察対象の元素が一致または類似している観察条件データを再利用することができるため、自身が行なう観察条件の設定作業を省略または簡略化することができる。その結果、分析作業の効率を改善することができる。
【0038】
また、同一種類の複数の試料の観察を行なう場合には、分析者は、共通の観察条件データを繰り返し使用することによって、当該複数の試料を同じ観察条件で観察することができる。これによると、当該複数の試料間で観察結果の比較を簡易かつ正確に行なうことが可能となる。
【0039】
<観察条件の設定処理>
次に、本実施の形態に係るEPMA100における同時表示モードの観察条件を設定する処理について説明する。
【0040】
図4は、EPMA100における同時表示モードの観察条件を設定する処理の手順を説明するためのフローチャートである。図4のフローチャートは、制御部10がメモリ13に格納されるプログラムを読み出して実行することで実現することができる。
【0041】
図4を参照して、EPMA100が起動されると、制御部10は、ステップ(以下、単に「S」と表記する)01により、試料S上における電子線Eの照射位置の走査を開始する。S01では、制御部10は、予め設定されている初期条件に基づいて照射装置の駆動を制御する。具体的には、制御部10は、試料ステージ駆動部5による試料ステージ4の駆動、および/または、偏向コイル制御部9による偏向コイル2の駆動を制御する。この初期条件では、電子線Eの照射条件および走査条件はともにデフォルト値に設定されている。分光器6a,6b、二次電子検出器7および反射電子検出器8は、電子線Eが照射された試料Sから放出される特性X線、二次電子および反射電子をそれぞれ検出する。
【0042】
制御部10は、S02により、同時表示モードがオンに設定されたか否かを判定する。同時表示モードをオンにする操作入力を操作部15が受け付けた場合には、制御部10は、S0をYES判定として、S03以降の処理を起動する。
【0043】
制御部10は、S03では、予め設定されている初期条件に基づいて複数の観察像を表示部16に同時に並べて表示させる。この初期条件では、各観察像の表示条件(観察像のレイアウト条件および検出信号の表示条件)はデフォルト値に設定されている。
【0044】
制御部10は、S04により、データベース18に保存されている観察条件リスト(図3参照)を表示部16に表示する。観察条件リストには、過去に分析者により生成された観察条件データのファイル名が列挙されている。各観察条件データには、観察目的を示す情報が付記されている。制御部10は、観察条件リストを表示すると、分析者による観察条件データの選択を受け付け可能となる。
【0045】
制御部10は、観察条件リストの中から1つの観察条件データを選択する操作を操作部15が受け付けた場合、S05をYES判定として、S06の処理を起動する。制御部10は、S06では、選択された観察条件データに含まれている観察条件に基づいて、EPMA100の各部の動作を設定する。図5は、観察条件データの構成例を説明するための図である。
【0046】
図5に示すように、観察条件には、電子線の照射条件、電子線の走査条件、観察像のレイアウト条件および、検出信号の表示条件が含まれている。各条件は、少なくとも1つの設定項目を含んでいる。
【0047】
具体的には、電子線の照射条件は、設定項目として、電子線Eの加速電圧および照射電流を含む。電子線の走査条件は、設定項目として、電子線Eの走査倍率および走査速度を含む。
【0048】
観察像のレイアウト条件は、設定項目として、表示部16に同時に表示する観察像の個数および、観察像を表示させる検出信号の種類を含む。分析者は、EPMA100にて取得される複数の検出信号(二次電子、反射電子および特性X線)のうちの少なくとも2つの検出信号に対応する少なくとも2つの観察像を表示対象に設定することができる。
【0049】
なお、特性X線の観察像を表示対象に設定する場合には、分析者は、複数の分光器6(図1参照)のうち、観察目的の元素の特性X線を検出する分光器6の番号を指定するとともに、指定した番号の分光器6の分光波長を、観察目的の元素の特性X線の波長に設定することができる。指定された分光器6では、分光波長が設定された波長になるように、駆動機構によって分光結晶61および検出器63が駆動される。これにより、観察目的の元素の特性X線像を表示させることができる。上述した観察像を表示させる検出信号の種類には、分光器6の番号および分光器6の分光波長に関する情報を含めることができる。
【0050】
観察像のレイアウト条件の設定項目には、さらに、表示部16の画面上における各観察像の表示面積の比率、および各観察像の表示色を含めることができる。図2の例では、6個の観察像I1~I6を同じ大きさで均等に表示する構成を示したが、分析者は、観察目的に応じて各観察像の表示面積の比率を変更することにより、複数の観察像を互いに異なる大きさで表示させることができる。また、分析者は、観察像ごとに表示色を設定することにより、複数の観察像を互いに異なる色で表示させることができる。
【0051】
検出信号の表示条件は、設定項目として、二次電子像および反射電子像のコントラスト/ブライトネス条件を含む。二次電子像は、試料Sの表面の形状に応じた輝度分布を有している。反射電子像は、試料Sの組成分布に応じた輝度分布を有している。なお、反射電子は、試料を構成する元素の原子番号が大きいほど発生量が多くなる。分析者は、二次電子像および反射電子像の各々について、輝度分布が適切になるように、コントラストおよびブライトネスを設定することができる。
【0052】
検出信号の表示条件は、特性X線像の輝度変換条件をさらに含む。リアルタイムでの観察では、観察像の1画素当たりの特性X線の測定時間が短いため、測定できるX線強度(カウント数)が小さくなる傾向がある。データ処理部11が画素ごとのカウント数を、閾値を用いて二値化処理することにより、2次元の特性X線像を取得することができる。分析者は、対象元素の濃度分布が特性X線像に適切に反映されるように、二値化処理における閾値を設定することができる。
【0053】
に戻って、制御部10は、観察条件リストの中から観察条件データが選択されなかった場合には、S05をNO判定として、S07以降の処理を起動する。S07では、制御部10は、分析者による観察条件データの設定入力を受け付け可能となる。分析者は、表示部16に表示されている各観察像を参照しながら、操作部15を用いて、図5に示す観察条件に含まれる各設定項目について設定することができる。
【0054】
制御部10は、S08により、S07にて分析者により設定された観察条件に基づいて、EPMA100の各部の動作を設定する。制御部10はさらに、S09にて、S07にて分析者により設定された観察条件を、1つのデータとして纏めることにより、観察条件データを生成する。
【0055】
制御部10は、生成した観察条件データをデータベース18に保存する。この観察条件データの保存において、分析者は、観察条件データに任意のファイル名を与えることができる。また分析者は、観察条件データについて、観察目的を示す情報(例えば、試料名、観察対象の元素名など)を付加することができる。データベース18は、生成された観察条件データを、観察条件リスト(図5参照)に追加する。
【0056】
なお、S09では、分析者により設定された観察条件を、新たな観察条件データとして保存する構成としたが、制御部10は、データベース18に既に保存されている観察条件データを、分析者により設定された観察条件によって上書き更新することも可能である。分析者は、操作部15を通じて、設定した観察条件を、新たな観察条件データとしてデータベース18に保存するか、データベース18に保存されている既存の観察条件データを上書き更新するかについて、制御部10に指示することができる。
【0057】
図6は、図のS06およびS08の処理の詳細を示すフローチャートである。
【0058】
図6を参照して、制御部10は、最初にS10により、試料ステージ駆動部5による試料ステージ4の駆動および偏向コイル制御部9による偏向コイル2の駆動を停止させることにより、電子線Eの走査を停止する。
【0059】
次に制御部10は、S11により、分析者により選択または設定された観察条件に基づいて、電子線Eの照射条件を設定する。制御部10は、電子線Eの加速電圧および照射電流を観察条件にて設定されている加速電圧および照射電流にそれぞれ設定する。
【0060】
制御部10は、S12により、分析者により選択または設定された観察条件に基づいて、電子線Eの走査条件を設定する。制御部10は、電子線Eの走査倍率および走査速度を観察条件にて設定されている走査倍率および走査速度にそれぞれ設定する。
【0061】
制御部10は、S13により、分析者により選択または設定された観察条件に基づいて、観察像のレイアウト条件を設定する。具体的には、制御部10は、表示部16に同時に表示する観察像の個数および、観察像を表示させる検出信号の種類を、観察条件にて設定されている個数および種類にそれぞれ設定する。検出信号に特性X線が含まれている場合には、制御部10は、駆動機構によって、レイアウト条件にて指定されている分光器6の分光波長を、同条件にて設定されている波長(観察対象の元素の特性X線の波長)に設定する。制御部10はさらに、表示部16の画面上における各観察像の表示面積の比率および各観察像の表示色を、観察条件にて設定されている比率および表示色にそれぞれ設定する。
【0062】
制御部10は、S14では、分析者により選択または設定された観察条件に基づいて、検出信号の表示条件を設定する。制御部10は、二次電子像および反射電子像のコントラストおよびブライトネスを、観察条件にて設定されているコントラストおよびブライトネスにそれぞれ設定する。また、制御部10は、特性X線像の輝度変換処理(二値化処理)に用いる閾値を、観察条件にて設定されている閾値に設定する。
【0063】
S11~S14の処理によってEPMA100の各部の動作が設定されると、制御部10は、S15により、試料S上における電子線Eの照射位置の走査を開始する。S15では、制御部10は、S11およびS12にて設定された電子線Eの照射条件および走査条件で電子線Eの照射位置が試料S上を走査するように、照射装置の駆動を制御する。
【0064】
電子線Eの照射位置の走査が開始されると、S16により、分光器6a,6b、二次電子検出器7および反射電子検出器8は、電子線Eが照射された試料Sから放出される特性X線、二次電子および反射電子をそれぞれ検出する。
【0065】
制御部10は、S17により、複数の観察像を表示部16に同時に並べて表示させる。このとき、制御部10は、S13およびS14で設定された観察像の表示条件に基づいて、複数の観察像を表示させる。これにより、表示部16には、S14で設定された輝度分布を有する複数の観察像が、S13で設定されたレイアウトによって並べて表示される。
【0066】
制御部10は、S18により、同時表示モードがオフに設定されたか否かを判定する。同時表示モードをオフにする操作入力を操作部15が受け付けた場合には、制御部10は、S18をYES判定として、S17の処理を終了する。同時表示モードをオフにする操作入力を操作部15が受け付けていない場合には、制御部10は、S18をNO判定として、S15~S17の処理を継続する。
【0067】
なお、同時表示モードの実行中に観察条件を変更した場合には、分析者は、変更後の観察条件を、新たな観察条件データとしてデータベース18に保存するか、データベース18に保存されている既存の観察条件データを上書き更新するかについて、操作部15を通じて制御部10に指示することができる。
【0068】
また、上述した実施の形態では、EPMA100の制御部10に内蔵されたデータベース18に観察条件データを保存する構成例について説明したが、当該データベースをEPMA100とネットワークを介して通信可能に接続された外部機器(例えば、ストレージなど)に設ける構成とすることができる。この場合、データベースには、ネットワークを介して通信接続された他の分析装置で生成された観察条件データも保存することができる。これによると、分析者は、他の分析装置の観察条件データも再利用することができるため、分析作業の効率化を促進することが可能となる。
【0069】
[態様]
上述した複数の例示的な実施形態は、以下の態様の具体例であることが当業者により理解される。
【0070】
(第1項)一態様に係る分析装置は、試料の表面の観察および分析を行なう。分析装置は、試料の表面に電子線を照射する照射装置と、試料の表面から放出される複数の検出信号をそれぞれ検出する複数の検出器と、複数の検出信号にそれぞれ対応する複数の観察像を表示する表示部と、照射装置および表示部を制御する制御部とを備える。分析装置は、複数の観察像のうちの少なくとも2つの観察像を表示部に同時に並べて表示する同時表示モードを有する。分析装置は、少なくとも2つの観察像の表示条件を含む観察条件データを保存するための記憶部をさらに備える。同時表示モードにおいて、制御部は、記憶部に保存されている観察条件データに基づいて少なくとも2つの観察像を表示部に表示する。
【0071】
第1項に記載の分析装置によれば、分析者は、記憶部に保存されている観察条件データを利用することができるため、自身が行なう観察条件の設定作業を省略または簡略化することができる。その結果、分析作業の効率を改善することができる。また、同一種類の複数の試料の観察を行なう場合には、分析者は、共通の観察条件データを繰り返し使用することによって、当該複数の試料を同じ観察条件で観察することができる。これによると、当該複数の試料間で観察結果の比較を簡易かつ正確に行なうことが可能となる。
【0072】
(第2項)第1項に記載の分析装置は、複数の観察像の観察条件に関する設定を受け付ける操作部をさらに備える。同時表示モードにおいて、操作部が少なくとも2つの観察像の観察条件に関する設定を受け付けた場合には、制御部は、少なくとも2つの観察像の観察条件データを生成して記憶部に保存する。
【0073】
第2項に記載の分析装置によれば、分析者は、記憶部に保存されている観察条件データを再利用することができるため、自身が行なう観察条件の設定作業を省略または簡略化することができる。その結果、分析作業の効率を改善することができる。
【0074】
(第3項)第2項に記載の分析装置において、制御部は、少なくとも2つの観察像の観察条件データに対して、試料の観察目的に関連する情報を付記して記憶部に保存する。
【0075】
第3項に記載の分析装置によれば、分析者は、付記された情報を参照することで、観察する試料が一致または類似している観察条件データ、および/または、観察対象の元素が一致または類似している観察条件データを選択して再利用することが可能となる。また、同一種類の複数の試料の観察を行なう場合に、分析者は、共通の観察条件データを繰り返し使用することができる。
【0076】
(第4項)第2項または第3項に記載の分析装置において、操作部が同期表示モードの設定を受け付けた場合、制御部は、記憶部に保存されている観察条件データのリストを表示部に表示する。制御部は、操作部がリストから1つの観察条件データを選択する操作を受け付けたときには、選択された観察条件データに基づいて少なくとも2つの観察像を表示部に表示する。
【0077】
第4項に記載の分析装置によれば、分析者は、同時表示モードを実行する際、表示された観察条件リストから、使用したい観察条件データを選択することができる。これによると、分析者は、観察する試料が一致または類似している観察条件データ、および/または、観察対象の元素が一致または類似している観察条件データを選択して再利用することができる。また、同一種類の複数の試料の観察を行なう場合には、分析者は、共通の観察条件データを繰り返し使用することができる。
【0078】
(第5項)第1項から第4項に記載の分析装置において、少なくとも2以上の観察像の表示条件は、表示部における少なくとも2つの観察像のレイアウトに関する条件および、少なくとも2つの観察像に対応する少なくとも2以上の検出信号の表示条件を含む。
【0079】
第5項に記載の分析装置によれば、分析者は、同時表示する少なくとも2以上の観察像のレイアウトおよび、検出信号の表示条件の設定を省略または簡略化することができる。
【0080】
(第6項)第1項から第5項に記載の分析装置において、観察条件データは、電子線の照射条件および、電子線の走査条件をさらに含む。
【0081】
第6項に記載の分析装置によれば、分析者は、同時表示する少なくとも2以上の観察像について、電子線の照射条件および走査条件の設定を省略または簡略化することができる。
【0082】
(第7項)一態様に係る分析装置の制御方法は、試料の表面の観察および分析を行なう分析装置の制御方法である。分析装置は、試料の表面に電子線を照射する照射装置と、試料の表面から放出される複数の検出信号をそれぞれ検出する複数の検出器と、複数の検出信号にそれぞれ対応する複数の観察像を表示する表示部とを含む。分析装置は、複数の観察像のうちの少なくとも2つの観察像を表示部に同時に並べて表示する同時表示モードを有している。制御方法は、少なくとも2以上の観察像の表示条件を含む観察条件データを記憶部に保存するステップと、同時表示モードにおいて、記憶部に保存されている観察条件データに基づいて少なくとも2つの観察像を表示部に表示するステップとを備える。
【0083】
第7項に記載の制御方法によれば、分析者は、記憶部に保存されている観察条件データを利用することができるため、自身が行なう観察条件の設定作業を省略または簡略化することができる。その結果、分析作業の効率を改善することができる。また、同一種類の複数の試料の観察を行なう場合には、分析者は、共通の観察条件データを繰り返し使用することによって、当該複数の試料を同じ観察条件で観察することができる。これによると、当該複数の試料間で観察結果の比較を簡易かつ正確に行なうことが可能となる。
【0084】
(第8項)第7項に記載の分析装置の制御方法は、同時表示モードにおいて、少なくとも2つの観察像の観察条件に関する設定を受け付けた場合には、少なくとも2つの観察像の観察条件データを生成して記憶部に保存するステップをさらに備える。
【0085】
第8項に記載の分析装置の制御方法によれば、分析者は、記憶部に保存されている観察条件データを再利用することができるため、自身が行なう観察条件の設定作業を省略または簡略化することができる。その結果、分析作業の効率を改善することができる。
【0086】
なお、上述した実施の形態および変更例について、明細書内で言及されていない組み合わせを含めて、不都合または矛盾が生じない範囲内で、実施の形態で説明された構成を適宜組み合わせることは出願当初から予定されている。
【0087】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【符号の説明】
【0088】
1 電子銃、2 偏向コイル、3 対物レンズ、4 試料ステージ、5 試料ステージ駆動部、6,6a,6b 分光器、7 二次電子検出器、8 反射電子検出器、9 偏向コイル制御部、10 制御部、11 データ処理部、12 CPU、13 メモリ、14 通信I/F、15 操作部、16 表示部、18 データベース、100 分析装置、I1~I6 観察像、S 試料、E 電子線。
図1
図2
図3
図4
図5
図6