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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-15
(45)【発行日】2024-04-23
(54)【発明の名称】移動体充電システム
(51)【国際特許分類】
   H02J 50/90 20160101AFI20240416BHJP
   B64C 27/08 20230101ALI20240416BHJP
   B64D 27/24 20240101ALI20240416BHJP
   B64F 1/12 20060101ALI20240416BHJP
   H02J 7/00 20060101ALI20240416BHJP
【FI】
H02J50/90
B64C27/08
B64D27/24
B64F1/12
H02J7/00 301D
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2020022829
(22)【出願日】2020-02-13
(65)【公開番号】P2021129418
(43)【公開日】2021-09-02
【審査請求日】2023-01-16
(73)【特許権者】
【識別番号】000001247
【氏名又は名称】株式会社ジェイテクト
(74)【代理人】
【識別番号】110002583
【氏名又は名称】弁理士法人平田国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】流郷 謙一
【審査官】大濱 伸也
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-116013(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0297437(US,A1)
【文献】特開2019-122149(JP,A)
【文献】特開2017-124758(JP,A)
【文献】特開2017-135880(JP,A)
【文献】特開2019-201451(JP,A)
【文献】特開2014-187724(JP,A)
【文献】特開2018-014801(JP,A)
【文献】特開平04-067880(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02J 50/00-50/90
H02J 7/00-7/12
H02J 7/34-7/36
B64C 27/08
B64D 27/24
B64F 1/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
蓄電池に蓄電された電力により移動する移動体の前記蓄電池に対して充電装置から充電を行う移動体充電システムであって、
前記移動体は、前記充電装置から受電を行う受電部を有し、前記受電部により受電した電力を前記蓄電池に蓄電し、
前記充電装置は、前記受電部に結合される送電部と、前記受電部を前記送電部に結合される位置に移動させることが可能な移動部とを有し、
前記移動部は、前記送電部の周囲に配置された複数の電磁石を備え、
前記複数の電磁石の磁力によって前記受電部が前記送電部側に導かれる、
移動体充電システム。
【請求項2】
前記受電部及び前記送電部は、軟磁性体からなる芯材と、前記芯材の周囲に配置されたコイルとを有し、
前記磁力が前記受電部の前記芯材に作用する、
請求項1に記載の移動体充電システム。
【請求項3】
前記複数の電磁石は、前記送電部を囲む第1環状帯を構成する複数の第1電磁石と、前記第1環状帯の外側を囲む第2環状帯を構成する複数の第2電磁石とを含み、
前記第2環状帯の前記複数の第2電磁石に通電した後、前記第1環状帯の前記複数の第1電磁石に通電し、その後さらに前記送電部の前記コイルに通電する、
請求項2に記載の移動体充電システム。
【請求項4】
前記移動体は、自律飛行が可能な飛行体である、
請求項1乃至の何れか1項に記載の移動体充電システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、蓄電池に蓄電された電力により移動する移動体に対して充電装置から充電を行う移動体充電システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、所謂ドローン等の自律飛行体に充電を行うための装置として、特許文献1に記載のものが知られている。特許文献1に記載の飛行体給電装置は、ドローンが着陸する着陸台と、着陸台の中央部の下方に設けられた送電ユニットとを有している。ドローンの下部には受電コイルが設けられており、この受電コイルが送電ユニットの送電コイルと対向して電磁結合することで、電磁誘導によるドローンへの給電がなされる。着陸台は、周辺部に対して中央部が低く設定された扁平な逆四角錐台形状の傾斜部を有しており、ドローンが傾斜部に着陸した場合には、傾斜部の傾斜によってドローンが中央部に導かれる。そして、受電コイルと送電コイルとが正確に対向する状態となって高い効率で給電が可能となるとされている。
【0003】
また、自律飛行体を目標地点に自動で着陸させるための自動着陸システムとして、特許文献2に記載のものが知られている。この自動着陸システムでは、飛行体が機体の下面に設けられた撮像装置を備えており、撮像装置で取得した着陸ターゲットの画像に基づいて着陸ターゲットと飛行体との位置関係を演算し、この演算結果によって飛行体の着陸を制御する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2017-124758号公報
【文献】特開2012-071645号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
例えば特許文献2に記載されたもののように撮像装置で撮像した着陸位置の画像に基づいて飛行体の着陸を制御しても、例えば風等の外乱によっては、着陸位置が目標位置から外れてしまう場合がある。また、特許文献1に記載されたもののように着陸台に傾斜を設ければ、飛行体を着陸台の中央部に導くことができるようにも思われるが、飛行体を確実に着陸台の中央部に導くためには傾斜部の傾斜を大きくしなければならず、傾斜部の傾斜を大きくすれば、ドローンが中央部を通り過ぎた位置で停止してしまうおそれがあると考えられる。
【0006】
そこで、本発明は、移動体の受電部と充電装置の送電部とを正確に位置合わせすることが可能な移動体充電システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、上記の目的を達成するため、蓄電池に蓄電された電力により移動する移動体の前記蓄電池に対して充電装置から充電を行う移動体充電システムであって、前記移動体は、前記充電装置から受電を行う受電部を有し、前記受電部により受電した電力を前記蓄電池に蓄電し、前記充電装置は、前記受電部に結合される送電部と、前記受電部を前記送電部に結合される位置に移動させることが可能な移動部とを有し、前記移動部は、前記送電部の周囲に配置された複数の電磁石を備え、前記複数の電磁石の磁力によって前記受電部が前記送電部側に導かれる、移動体充電システムを提供する。
【発明の効果】
【0008】
本発明に係る移動体充電システムによれば、移動体の受電部と充電装置の送電部とを正確に位置合わせすることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】(a)は、飛行体が充電装置の着陸台に着陸した状態を示す図であり、(b)は、(a)のA-A線における断面図である。
図2】飛行体及び充電装置ならびに操作端末の構成例を示すブロック図である。
図3】(a)~(c)は、着陸台を上方から見た俯瞰図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
[実施の形態]
本発明の実施の形態に係る移動体充電システムついて、図1乃至図3を参照して説明する。なお、以下に説明する実施の形態は、本発明を実施する上での好適な具体例として示すものであり、技術的に好ましい種々の技術的事項を具体的に例示している部分もあるが、本発明の技術的範囲は、この具体的態様に限定されるものではない。なお、以下の説明において「上」及び「下」とは、鉛直方向の上・下をいうものとする。
【0011】
本実施の形態に係る移動体充電システムは、充電対象である移動体としての飛行体と、飛行体に対して充電を行う充電装置とによって構成されている。図1(a)は、飛行体1が充電装置2の着陸台20に着陸した状態を示している。図1(b)は、図1(a)のA-A線における断面図である。図2は、移動体充電システム100における飛行体1及び充電装置2、ならびにオペレータが飛行体1を操作するための操作端末3の構成例を示すブロック図である。図3(a)~(c)は、着陸台20を上方から見た俯瞰図である。
【0012】
飛行体1は、所謂ドローンであり、機体11と、機体11に搭載された第1乃至第4のモータ121~124と、第1乃至第4のモータ121~124によってそれぞれ回転駆動される第1乃至第4のプロペラ131~134と、操作端末3との無線通信を行う第1通信部141と、充電装置2との無線通信を行う第2通信部142と、例えばGPS(Global Positioning System)の人工衛星から発信されるGPS信号によって機体11の基準位置(例えば胴部110の中心部)の位置を検出する位置検出部15と、機体11の下方を撮像する撮像装置16と、第1乃至第4のモータ121~124にモータ電流を出力する電流出力部17と、電流出力部17から第1乃至第4のモータ121~124に出力されるモータ電流を調整して第1乃至第4のモータ121~124を制御する制御部18と、電源ユニット19とを備えている。
【0013】
機体11は、胴部110と、胴部110から放射状に延びる4本のアーム部111~114と、胴部110から下方に延びる複数の脚部115と、後述する受電部191を保持する保持部116とを備えている。第1乃至第4のモータ121~124は、4本のアーム部111~114のそれぞれに収容され、第1乃至第4のプロペラ131~134は、4本のアーム部111~114のそれぞれの先端部の上側に配置されている。なお、アーム部、モータ、及びプロペラの数は、4に限らず、5以上であってもよい。
【0014】
電源ユニット19は、充電装置2から誘導給電によって受電を行う受電部191と、受電部191で発生する交流電流を整流する整流回路192と、蓄電池193と、整流回路192によって整流された電圧によって蓄電池193を充電する充電回路194とを備えている。蓄電池193は、例えばリチウムイオン電池やニッケル水素電池等の二次電池、もしくは大容量のコンデンサであり、受電部191により受電した電力を蓄電する。蓄電池193に蓄電された電力は、電流出力部17に供給され、第1乃至第4のモータ121~124を駆動するために用いられる。すなわち、飛行体1は、蓄電池193に蓄電された電力により移動(飛行)する。
【0015】
受電部191は、軟磁性体からなる芯材191aと、芯材191aの周囲に配置された受電コイル191bとを有している。芯材191aとしては、透磁率が高い鉄等の金属を好適に用いることができる。受電コイル191bは、芯材191aの周囲に例えばエナメル線からなる導線を巻き回して形成されている。本実施の形態では、芯材191aが円柱状であり、その軸方向が鉛直方向に沿うように配置されている。受電部191は、図1(b)に示すように、機体11の保持部116内に収容されている。保持部116は、円筒状の円筒部116aと、円盤状の底部116bとを有する有底円筒状であり、芯材191aの下端面が底部116bに対向している。
【0016】
充電装置2は、飛行体1が着陸する着陸台20と、着陸台20の中心部に配置され、飛行体1の受電部191に結合される送電部21と、例えば商用電源を電圧変換及び周波数変換して送電部21に供給する電圧を生成する送電電源部22と、受電部191を送電部21に結合される位置に移動させることが可能な移動部23と、飛行体1との無線通信を行う通信部24と、飛行体1との無線通信によって得られた情報に基づいて送電電源部22及び移動部23を制御する制御部25とを有している。
【0017】
送電部21は、受電部191と同様に、軟磁性体からなる芯材21aと、芯材21aの周囲に配置された送電コイル21bとを有している。送電部21の芯材21aは、例えば受電部191の芯材191aと同径の円柱状である。
【0018】
移動部23は、図3(a)~(c)に示すように、送電部21の周囲に配置された複数の電磁石230を備えている。それぞれの電磁石230は、図1(b)に示すように、軟磁性体からなる芯材230aと、芯材230aの周囲に配置されたコイル230bとを有している。飛行体1の受電部191は、電磁石230の磁力が芯材191aに作用することで、電磁石230の磁力によって送電部21側に導かれる。
【0019】
本実施の形態では、移動部23が、送電部21を囲むように配置された複数の電磁石230からなる第1環状帯23aと、第1環状帯23aの外側を囲むように配置された複数の電磁石230からなる第2環状帯23bとを有している。図3(a)~(c)では、第1環状帯23a及び第2環状帯23bをそれぞれ破線で囲って示している。以下、複数の電磁石230のうち第1環状帯23aを構成する複数の電磁石230を第1電磁石231といい、第2環状帯23bを構成する複数の電磁石230を第2電磁石232という場合がある。図3(a)~(c)に示す例では、4個の第1電磁石231によって第1環状帯23aが構成され、8個の第2電磁石232により第2環状帯23bが構成されている。
【0020】
着陸台20は、表層板201と、表層板201の下側に配置されるベース板202とを有している。着陸台20には、送電部21を収容する送電部収容部20a、及び複数の電磁石230をそれぞれ収容する複数の電磁石収容部20bが形成されている。送電部収容部20a及び電磁石収容部20bは、表層板201を貫通しており、一部がベース板202に形成されている。送電部収容部20aの深さは、送電部21の芯材21aの上端面の高さが表層板201の表面201aと一致する高さである。また、電磁石収容部20bの深さは、電磁石230の芯材230aの上端面の高さが表層板201の表面201aと一致する高さである。
【0021】
制御部25は、飛行体1との無線通信によって飛行体1が着陸台20上に着陸したことを検知したとき、移動部23を制御して飛行体1を受電部191と送電部21とが結合する位置に導き、その後に送電電源部22を制御して高周波電圧を発生させ、飛行体1に給電する。
【0022】
操作端末3は、オペレータの操作を受け付ける操作部31と、飛行体1の第1通信部141との通信を行う通信部32と、操作部31によって受け付けた操作の内容に基づいて飛行体1に送信する指示情報を生成し、通信部32を制御して飛行体1との通信を行う通信制御部33とを有している。操作部31は、飛行体1の飛行方向や飛行速度、空中での停止(ホバリング)、及び着陸台20への着陸等の指示操作をオペレータから受け付けるためのスイッチや操作レバーを有している。
【0023】
操作端末3がオペレータから受け付けた操作の内容を示す指示情報は、操作端末3の通信部32から飛行体1の第1通信部141に送信され、飛行体1の制御部18が指示情報に基づいて第1乃至第4のモータ121~124を制御する。また、オペレータによって着陸台20への着陸が指示されると、飛行体1の制御部18は、位置検出部15及び撮像装置16から得られる情報に基づいて、飛行体1が自律飛行により着陸台20に着陸するように第1乃至第4のモータ121~124を制御する。この着陸の目標位置は、着陸台20の中心部であり、より詳細には、図1(b)に示すように受電部191の芯材191aと送電部21の芯材21aとが同軸線上に並ぶ位置である。
【0024】
しかしながら、例えば風等の外乱や、飛行体1の脚部115が着陸台20に当たった際の衝撃によって飛行体1がバウンドしてしまうこと等により、飛行体1の着陸位置が着陸台20の中心部からずれてしまう場合がある。また、オペレータが操作端末3を操作して飛行体1を着陸台20に着陸させる場合は、オペレータの操作技能の未熟さによっても、飛行体1の着陸位置が着陸台20の中心部からずれてしまう場合がある。
【0025】
送電部21から受電部191への送電効率は、受電部191の芯材191aと送電部21の芯材21aとが同軸線上に並ぶ場合に最も高く、受電部191の位置がこの理想的な位置から外れると、損失が多くなって送電効率が低くなる。また、受電部191が送電部21から大きく外れてしまうと、送電部21から受電部191への送電ができなくなる。このため、飛行体1が理想的な位置から外れた位置に着陸してしまった場合には、受電部191の芯材191aの中心位置と送電部21の芯材21aの中心位置とが近づくように、飛行体1を移動させることが望ましい。
【0026】
本実施の形態では、充電装置2の制御部25が移動部23を制御することで、飛行体1の着陸後に、受電部191の芯材191aの中心軸線と送電部21の芯材21aの中心軸線とが一致するように飛行体1を移動させる。次に、この移動部23の動作を、図3(a)~(c)を参照して説明する。
【0027】
図3(a)及び(b)では、複数の電磁石230のうち、コイル230bに通電されている電磁石230の芯材230aの上端面にクロスハッチングを付している。また、図3(c)では、送電コイル21bに通電された送電部21の芯材21aの上端面にクロスハッチングを付している。
【0028】
充電装置2の制御部25は、通信部24を介した飛行体1との通信により飛行体1が着陸台20に着陸したことを検知すると、第2環状帯23bの複数の第2電磁石232のコイル230bに通電する。これにより、受電部191が第2環状帯23bの外側に位置する状態で飛行体1が着陸台20に着陸した場合でも、第2電磁石232の磁力によって飛行体1が着陸台20の中心部に近づくように移動する。なお、この移動の際には、飛行体1の脚部115が表層板201の表面201aを滑走する。制御部25は、第2電磁石232への電流供給を飛行体1の移動に必要な時間を考慮した所定時間(例えば1秒以上)継続し、その後、第2電磁石232への電流供給を停止する。
【0029】
次に、充電装置2の制御部25は、第2電磁石232への電流供給を遮断した後、第1環状帯23aの複数の第1電磁石231のコイル230aに通電する。これにより、第1電磁石231の磁力によって飛行体1が着陸台20の中心部に向かってさらに近づくように移動する。また、制御部25は、第1電磁石231への電流供給を所定時間継続し、その後、第1電磁石231への電流供給を停止する。
【0030】
次に、充電装置2の制御部25は、第1電磁石231への電流供給を遮断した後、送電電源部22を制御して送電部21の送電コイル21bに電流を所定時間供給する。この電流は、送電部21に受電部191の芯材191aを吸引するための磁力を発生させるための励磁電流であり、その電圧の周波数は、受電部191への誘導給電を行う際の高周波に限らず、例えば直流であってもよい。
【0031】
その後、充電装置2の制御部25は、送電電源部22を制御して送電部21の送電コイル21bに高周波電流を供給し、受電部191への誘導給電を行う。これにより、飛行体1の蓄電池193が充電される。また、制御部25は、通信部24を介した飛行体1との通信により、蓄電池193の充電が完了したことを検知すると、送電コイル21bへの高周波電流の供給を停止する。
【0032】
(実施の形態の作用及び効果)
以上説明した本発明の実施の形態によれば、受電部191の芯材191aに作用する磁力によって受電部191が送電部21に近づくように飛行体1を移動させるので、受電部191と送電部21とを正確に位置合わせすることができる。そして、受電部191と送電部21とを位置合わせしてから送電部21から受電部191への誘導給電を開始するので、高い効率で飛行体1への給電を行うことができる。
【0033】
(付記)
以上、本発明を実施の形態に基づいて説明したが、この実施の形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではない。また、実施の形態の中で説明した特徴の組合せの全てが発明の課題を解決するための手段に必須であるとは限らない点に留意すべきである。
【0034】
また、本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲で、一部の構成を省略し、あるいは構成を追加もしくは置換して、適宜変形して実施することが可能である。例えば、上記の実施の形態では、充電対象の移動体が飛行体である場合について説明したが、これに限らず、例えば地上や水上を移動する移動体に対して充電を行う場合にも、本発明の移動体充電システムを適用することが可能である。
【0035】
また、上記の実施の形態では、送電部21から受電部191に対して誘導給電を行う場合について説明したが、これに限らず、例えば接点同士の接触による電気的な結合によって給電を行うようにしてもよい。
【0036】
また、上記の実施の形態では、第1環状帯23a及び第2環状帯23bが同心の円環状となるように複数の電磁石230を配置した場合について説明したが、これに限らず、例えば格子状に配置された複数の電磁石のうち一部の電磁石によって矩形状の第1環状帯を構成し、他の電磁石によって第1環状帯よりも大きい矩形状の第2環状帯を構成してもよい。また、第2環状帯の外側に第3環状帯を追加して設けてもよく、さらにその外側に第4環状帯を設けてもよい。
【0037】
また、上記の実施の形態では、受電部911を機体11の保持部116に保持した場合について説明したが、受電部911を機体11に対して水平方向に相対移動可能にフローティング支持してもよい。この場合、必ずしも飛行体1の全体を着陸台20上で移動させなくてもよいので、受電部191と送電部21との位置合わせを行いやすくなる。
【0038】
またさらに、上記の実施の形態では、飛行体1が着陸台20上を移動する際、脚部115が表層板201の表面201aを滑走する場合について説明したが、飛行体1を移動しやすくするため、脚部115の先端部に転動輪を有するキャスターを取り付けてもよい。
【符号の説明】
【0039】
100…移動体充電システム 1…飛行体(移動体)
191…受電部 191a…芯材
191b…受電コイル 193…蓄電池
2…充電装置 21…送電部
21a…芯材 21b…送電コイル
23…移動部 23a…第1環状帯
23b…第2環状帯 230…電磁石
図1
図2
図3