(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-15
(45)【発行日】2024-04-23
(54)【発明の名称】情報処理システム、情報処理方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 10/1053 20230101AFI20240416BHJP
【FI】
G06Q10/1053
(21)【出願番号】P 2020023419
(22)【出願日】2020-02-14
【審査請求日】2022-11-21
(73)【特許権者】
【識別番号】000003193
【氏名又は名称】TOPPANホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100139686
【氏名又は名称】鈴木 史朗
(74)【代理人】
【識別番号】100169764
【氏名又は名称】清水 雄一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100147267
【氏名又は名称】大槻 真紀子
(72)【発明者】
【氏名】佐久間 淳介
(72)【発明者】
【氏名】奥村 尚志
(72)【発明者】
【氏名】片山 洋臣
【審査官】山田 倍司
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-094704(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2020/0019576(US,A1)
【文献】特開2003-006362(JP,A)
【文献】特開2019-008455(JP,A)
【文献】欧州特許出願公開第03598362(EP,A1)
【文献】韓国公開特許第10-2014-0108474(KR,A)
【文献】特開2004-252586(JP,A)
【文献】特開2020-129368(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1情報処理装置と、前記第1情報処理装置と通信する第2情報処理装置とを含む情報処理システムにおいて、
プログラムライブラリを有するソフトウェア開発プラットフォームと、
学歴又は資格の認定情報を管理する資格認定機関装置と、
を備え、
前記第1情報処理装置は、
エンジニアから取得された前記エンジニアのソフトウェア作成に関する経歴の正当性を認証する認証手段、
を備え、
前記認証手段は、前記ソフトウェア開発プラットフォームから、前記エンジニアのソフトウェア作成に関する作業の実績情報を取得し、前記資格認定機関装置から前記エンジニアの学歴又は資格の認定情報を取得し、取得した前記実績情報及び前記認定情報に基づいて前記経歴の正当性を認証し、
前記第2情報処理装置は、
前記認証手段により正当と認証された認証済みの経歴をデータベースに登録して管理する管理手段、
を備える情報処理システム。
【請求項2】
前記第1情報処理装置は、
前記認証済みの経歴を、予め設定された審査基準に基づいて評価する評価手段、
をさらに備え、
前記第2情報処理装置の前記管理手段は、
前記評価手段により評価された前記評価結果を前記認証済みの経歴に紐付けて前記データベースに登録して管理する、
請求項1に記載の情報処理システム。
【請求項3】
前記第2情報処理装置は、
依頼者より、前記第1情報処理装置を通じて
送信され
た経歴評価書の発行依頼
を受信することに応じて、前記認証済みの経歴に基づいて、前記エンジニアの経歴評価書を生成する経歴評価書生成手段と、
前記評価書生成手段により生成された前記経歴評価書を、前記依頼者により指定された提供先へ前記第1情報処理装置を通じて提供する提供手段と、
をさらに備える請求項
2に記載の情報処理システム。
【請求項4】
前記経歴評価書生成手段は、
前記認証済みの経歴に紐付けられている前記評価結果を含む前記経歴評価書を生成する、
請求項3に記載の情報処理システム。
【請求項5】
前記第2情報処理装置は、
前記認証済みの経歴に基づいて、前記エンジニアのソフトウェア作成能力を力量として計算し、計算した当該力量を前記データベースの認証済みの経歴に紐付けて登録する力量計算手段
をさらに備え、
前記経歴評価書生成手段は、
前記認証済みの経歴に紐付けられている前記評価結果を含む前記経歴評価書を作成する、
請求項3又は4に記載の情報処理システム。
【請求項6】
第1情報処理装置と、前記第1情報処理装置と通信する第2情報処理装置と
、プログラムライブラリを有するソフトウェア開発プラットフォームと、学歴又は資格の認定情報を管理する資格認定機関装置とを含む情報処理システムにおける情報処理方法において、
前記第1情報処理装置が実行するステップとして、
エンジニアから取得された前記エンジニアのソフトウェア作成に関する経歴の正当性を認証する認証ステップ、
を含み、
前記認証ステップにおいて、前記ソフトウェア開発プラットフォームから、前記エンジニアのソフトウェア作成に関する作業の実績情報を取得し、前記資格認定機関装置から前記エンジニアの学歴又は資格の認定情報を取得し、取得した前記実績情報及び前記認定情報に基づいて前記経歴の正当性を認証し、
前記第2情報処理装置が実行するステップとして、
前記認証ステップにおいて正当と認証された認証済みの経歴をデータベースに登録して管理する管理ステップ、
を含む、
情報処理方法。
【請求項7】
第1情報処理装置と、前記第1情報処理装置と通信する第2情報処理装置と
、プログラムライブラリを有するソフトウェア開発プラットフォームと、学歴又は資格の認定情報を管理する資格認定機関装置とを含む情報処理システムにおけるプログラムにおいて、
前記第1情報処理装置を制御するコンピュータに、
エンジニアから取得された前記エンジニアのソフトウェア作成に関する経歴の正当性を認証する認証ステップ、
を含む制御処理を実行させ、
前記認証ステップにおいて、前記ソフトウェア開発プラットフォームから、前記エンジニアのソフトウェア作成に関する作業の実績情報を取得し、前記資格認定機関装置から前記エンジニアの学歴又は資格の認定情報を取得し、取得した前記実績情報及び前記認定情報に基づいて前記経歴の正当性を認証させ、
前記第2情報処理装置を制御するコンピュータに、
前記認証ステップにおいて正当と認証された認証済みの経歴をデータベースに登録して管理する管理ステップ、
を含む制御処理を実行させる、
プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理システム、情報処理方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、例えばGithub等のソフトウェア開発のプラットホームにおいて、ソフトウェア開発プロジェクトのためのソースコードを管理するサービスが提供されている。
ソフトウェア開発プロジェクトに参加してソフトウェアの開発スキルを持ったエンジニアが、次のステップへキャリアアップする際に、Githubの登録内容を開示又は確認することが行われる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、近年においては、本人偽装等の行為が行われることから、企業に売り込みに来た人が、ソフトウェア開発プロジェクトで実際にソフトウェア開発を進めたエンジニアか、ソフトウェア開発にどの程度関わったか否かを確認する必要があるが、Githubは、そこまでの機能を持ち合わせておらず、本人確認ができないのが現状である。
つまり、企業としては、実際にエンジニアを雇い入れてみて、ソフトウェア開発プロジェクトで作業をさせるまでは、そのアエンジニアがどの程度の技能を持った人かはわからないのが現状である。
【0005】
本発明は、このような状況に鑑みてなされたものであり、正当と認められたエンジニアの経歴を管理し、エンジニアの経歴についての提供依頼に対して信頼性のあるエンジニアの経歴を提供することができるサービスを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明の一態様の情報処理システムは、
第1情報処理装置と、前記第1情報処理装置と通信する第2情報処理装置とを含む情報処理システムにおいて、
プログラムライブラリを有するソフトウェア開発プラットフォームと、
学歴又は資格の認定情報を管理する資格認定機関装置と、
を備え、
前記第1情報処理装置は、
エンジニアから取得された前記エンジニアのソフトウェア作成に関する経歴の正当性を認証する認証手段、
を備え、
前記認証手段は、前記ソフトウェア開発プラットフォームから、前記エンジニアのソフトウェア作成に関する作業の実績情報を取得し、前記資格認定機関装置から前記エンジニアの学歴又は資格の認定情報を取得し、取得した前記実績情報及び前記認定情報に基づいて前記経歴の正当性を認証し、
前記第2情報処理装置は、
前記認証手段により正当と認証された認証済みの経歴をデータベースに登録して管理する管理手段、
を備える。
本発明の一態様の上記情報処理システムに対応する情報処理方法及びプログラムも、本発明の一態様の情報処理方法及びプログラムとして提供される。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、エンジニアの経歴についての提供依頼に対して信頼性のあるエンジニアの経歴を提供することができるサービスを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】本発明の一実施形態に係る情報処理システムの適用対象となる本サービスの概要の一例を説明する図である。
【
図2】
図1の本サービスの適用対象となる情報処理システムの構成例を示す図である。
【
図3】
図2の情報処理システムのうちPDSサーバのハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
【
図4】
図2の情報処理システムの認証サーバ、及び
図3のPDSサーバの機能的構成のうち経歴登録処理、経歴参照処理、及び経歴評価書発行処理の際に機能する機能的構成の一例を示す機能ブロック図である。
【
図5】
図4の機能的構成を有する認証サーバ、及びPDSサーバにより実行される経歴登録処理、経歴参照処理、及び経歴評価書発行処理の流れの一例を説明するアローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施形態について図面を用いて説明する。
【0010】
図1は、本発明の一実施形態に係る情報処理システムが適用されるサービス(以下「本サービス」と呼ぶ)の概要の一例を説明する模式図である。
【0011】
本サービスは、Personal Data Store(以下「PDS」と略記する)に関連するサービスである。
PDSとは、例えばソフトウェア開発に携わるエンジニア個人がパーソナルデータを管理できるようにするためのデータベース(以下「DB」と呼ぶ)や当該DBを利用したサービスである。
ここで、パーソナルデータには、例えば個人の属性(以下「個人属性」と呼ぶ)に関する情報が含まれる。このような個人属性に関する情報を、以下、「個人属性情報」と呼ぶ。
具体的には例えば、個人属性情報には、その人個人についての経歴、特に個人情報や、学歴や職歴を含む経歴等、個人に関する各種の情報が含まれる。以下、個人属性情報のうち経歴に関する情報を「経歴情報」と呼ぶ。さらに「経歴情報」のうち、学歴に関する情報を「学歴情報」と呼び、また、職歴に関する情報を「職歴情報」と呼ぶ。
学歴情報には、エンジニア個人の学校における各講座の履修履歴(年、修得した授業科目名、単位数、評価)や成績等が含まれる。さらに、学歴情報には、学校に関する情報(学校名等)も含まれる。
職歴情報には、その会社等における、勤続年数(年、月を含む)、役職、年収といった情報や、エンジニアについての、スキル(例えば免許や資格)、本人の希望記入事項(勤務時間、その他希望)、評価等が含まれる。
個人属性情報を具体的に説明すると、エンジニア個人についての個人属性情報として、例えば氏名(漢字、読み仮名)、生年月日、年齢、性別、現住所、日中連絡先、電子メールアドレス(E-mail)、経歴(学歴及び職歴(年・月含む))、免許・資格、趣味・特技、最寄駅、配偶者有無、配偶者の扶養義務、本人の希望記入事項(勤務時間、その他希望)等といった個人情報が含まれる。
経歴には、学歴及び職歴の他、特に、エンジニア個人のソフトウェア開発のスキルを量るための実績情報として、例えばエンジニアが、自身で作成したソースコードを、一般に公開されているプログラムライブラリ等に提供したときの、プログラムコミット数、ステップ数、被参照数等が含まれる。
【0012】
(サービス内容)
本サービスでは、複数のエンジニアの個人毎に、その個人に関する属性(例えば経歴等)が、認証された後に登録され、一括して管理される。
ここで、経歴の認証として、例えば本実施形態では、その経歴について正当性を確認することが認証として行われる。
また、本サービスでは、このように一括されて管理されているエンジニアの経歴は、申請者からの申請に応じて参照されたり、経歴評価書が発行される。
即ち、本サービスには、エンジニアの経歴の一括管理といったサービスと、そのエンジニアの経歴についての参照や経歴評価書の発行といったサービスが含まれる。
さらに、本サービスでは、経歴は、所定の規則に従って正規化されるので、例えば本実施形態では、認証機関において、登録された経歴を審査してプロラグラムスキルを標準化(例えば正規化等)することで、エンジニアのプログラムスキルを統一して表示することができる。また、プログラムスキルを標準化した中でエンジニア毎に評価(例えばランク付け等)することで、エンジニア毎のプログラムスキルを判断することができる。
【0013】
以下、
図1を用いて本サービスのさらなる詳細について具体的に説明する。
図1は、本発明の情報処理システムの適用対象となる本サービスの概要を示す図である。
図1に示すように、本サービスは、エンジニアEの経歴を管理及び提供する本サービスの提供者Gと認証機関Aとにより提供される。
図1に示すように、エンジニアEが、Github3のようなソフトウェア開発プラットフォームを利用してソフトウェアの作成作業を行うと、ステップSF1において、作成されたソフトウェアは、Github3のプログラムライブラリに保管される。なお、Githubは、登録商標である。
Github3では、ソフトウェア自体の他、エンジニアEが、ソフトウェアのどの部分を作成したのか、又は修正したのか等の作業履歴についても保管される。
ステップSF2において、エンジニアEは、就職又は転職に先立ち、今まで培った自身のソフトウェア開発の経歴を認証機関Aが持つ認証サーバ2に一時登録する。
【0014】
認証機関Aでは、エンジニアEの経歴が認証サーバ2に登録されると、エンジニアEの経歴を確認すべく、ステップSF3において、認証サーバ2が、エンジニアEの経歴に含まれる学校やベンダ等の資格認定機関SやGithub3に問い合わせて、資格認定機関Sが持つ学歴や資格の認定情報やGithub3でのエンジニアEのソフトウェア作成に関する作業の実績情報を取得する。
ステップSF4において、認証サーバ2は、取得した学歴や資格の認定情報やソフトウェア作成に関する作業の実績情報と、登録されたエンジニアEの経歴とを照合することで、エンジニアEの経歴の正当性を確認する。これを認証という。
そして、ステップSF5において、認証サーバ2により認証された経歴(以下これを「認証済経歴」と呼ぶ)を本サービスの提供者Gが持つPDSサーバ1に登録する。
【0015】
ステップSF6において、例えば、エンジニアEは、所望のタイミングで(自身が就職又は転職を希望する際等)、自身が申請者となり、認証機関Aに対し自身の経歴評価書発行を申請する。経歴評価書発行申請は、認証機関Aの認証サーバ2を通じて本サービスの提供者GのPDSサーバ1に送られる。
ステップSF7において、本サービスの提供者GのPDSサーバ1は、自身のデータベースに保管されているエンジニアEの認証済経歴を基に作成した経歴評価書を認証サーバ2に提供する。以下、データベースをDBと呼ぶ。なお、PDSサーバ1は、ブロックチェーンB等との連携により、DBに保管されている情報の改ざんを防止する。
ステップSF8において、認証サーバ2は、申請者により申請された提供対象者(例えば転職対象の企業R等)に対して、本サービスの提供者GのPDSサーバ1から提供された経歴評価書を発行する。
【0016】
これにより、エンジニアEは、申請により本サービスの提供者Gから提示された信頼性のある自身の経歴評価書を就職又は転職予定の企業R等に提出することができる。
【0017】
また、本サービスの提供者Gに保管されているエンジニアEの経歴は、年月や転職した職歴毎にどのようなプロジェクトに携わったか等に区分して管理、つまり整理されており、エンジニアEは、自分自身の判断で経歴のうちどの経歴を提出するかを選択して認証機関Aに申請することで、該当する経歴が本サービスの提供者Gから認証機関Aに提供されるので、提出先の企業やプロジェクトに提出することができる。
【0018】
さらに、エンジニアEの経歴は、認証機関Aにおいて、一定の判断基準に基づき審査(評価)されてランク付けされるので、そのランク評価を本サービスの提供者Gが取得してエンジニアEの経歴に紐付けてDBに登録し管理する。
また、企業やプロジェクト等が依頼者となり、所望のエンジニアEの情報開示の依頼を認証機関Aを通じて本サービスの提供者Gに行うことで、信頼性のあるエンジニアEの経歴から具体的なスキルを知ることができるので、企業やプロジェクト等が望むエンジニアEを確保することができる。
【0019】
(標準化)
また、本サービスでは、オープン・ソース・ソフトウェアという商業プログラムにおいても広範囲に普及が進んできたプログラムライブラリ基盤に着目し、各プログラムライブラリに関する共通的な評価項目を設定して、例えば、ライブラリ管理者(実質的な品質管理者)のコミュニティでの評価を数値化する等の手法でスコアリングし、当該ライブラリにソースコードを提供したエンジニアEのプログラムコミット数、ステップ数、被参照数等の評価項目をさらに設定して、エンジニアEは、いつも通りソフトウェア開発作業を行うだけで評価ログが数値化(例えば正規化等)される仕組みが構築されている。
このように、一定の判断基準に基づいて、コミュニティでの評価がスコアリングされることで、エンジニアEの経歴を統一して表現することができ、情報の統一性及び同一性を担保できる。これにより、エンジニアEが企業やプロジェクト等に提供する情報に、統一性及び同一性を持たせることもできる。
【0020】
次に、
図2を用いて上述した本サービスの提供を実現化させる情報処理システムのネットワーク構成について説明する。
図2は、
図1の本サービスの適用対象となる情報処理システムの構成を示す図である。
【0021】
図2に示す情報処理システムは、PDSサーバ1、認証サーバ2、Github3、技術者端末4、企業装置5及び資格認定機関装置6(以下これを「認定装置6」と呼ぶ)を含むように構成されている。
PDSサーバ1、認証サーバ2、Github3、技術者端末4、企業装置5及び認定装置6の夫々は、インターネット等のネットワークNを介して相互に通信可能に接続されている。
【0022】
PDSサーバ1は、本サービスの提供者Gにより管理され、認証サーバ2と適宜通信をしながら、本サービスを実現するための各種処理を実行する。このように、本実施形態では、PDSサーバ1は、認証サーバ2を介して、Github3、技術者端末4、企業装置5及び認定装置6の夫々と各種情報を授受する。なお、当然ながら、PDSサーバ1は、認証サーバ2を介さずに、Github3、技術者端末4、企業装置5及び認定装置6と相互に各種情報を授受してもよい。
【0023】
認証サーバ2は、認証機関Aにより管理され、PDSサーバ1、Github3、技術者端末4、企業装置5及び認定装置6の夫々と適宜通信をしながら、エンジニアEの経歴の認証を行う。
具体的には例えば、認証サーバ2は、認定装置6から取得した資格情報及びGithub3から取得した実績情報に基づいて、エンジニアEが登録した経歴の正当か否かの確認を行うことで、エンジニアEの経歴の認証を行う。
【0024】
Github3は、ソフトウェア開発のプラットフォームとプログラムの格納場所であるプログラムライブラリを有しており、エンジニアEがソフトウェア開発のプラットフォームを通じてプログラミング作業等のソフトウェア開発を進めることができる。Github3には、ソフトウェア自体の他、エンジニアEが、ソフトウェアのどの部分を作成したのか、又は修正したのか等の作業履歴がエンジニアEの実績情報として保管される。
【0025】
技術者端末4は、エンジニアEにより操作され、例えばパーソナルコンピュータ、スマートフォン、タブレット等で構成される。技術者端末4は、エンジニアEが依頼者となり、認証サーバ2に対して、所望のエンジニアEの経歴について参照依頼や経歴評価書の提出又は提供の依頼をかけることができる。経歴評価書の提出を依頼する際に提供先を指定することで、企業やプロジェクト等へ経歴評価書を提出することができる。つまり技術者端末4は企業装置5にもなり得る。
【0026】
企業装置5は、企業やプロジェクト等の依頼者により管理され端末であり、認証サーバ2に対して、所望のエンジニアEの経歴についての参照依頼や所望のエンジニアEの経歴評価書の提供を依頼する。
認定装置6は、資格認定機関Sにより管理される装置であり、例えば学校やベンダが有する資格情報をDBで管理する就業実績システムや認定システム等を含む。
【0027】
次に、
図3を参照して、PDSサーバのハードウェア構成を示す図である。
図3に示すように、PDSサーバ1は、CPU(Central Processing Unit)11と、ROM(Read Only Memory)12と、RAM(Random Access Memory)13と、バス14と、入出力インターフェース15と、入力部16と、出力部17と、記憶部18と、通信部19と、ドライブ20と、を備えている。
【0028】
CPU11は、ROM12に記録されているプログラム、又は、記憶部18からRAM13にロードされたプログラムに従って各種の処理を実行する。
RAM13には、CPU11が各種の処理を実行する上において必要なデータ等も適宜記憶される。
CPU11、ROM12及びRAM13は、バス14を介して相互に接続されている。このバス14にはまた、入出力インターフェース15も接続されている。
入出力インターフェース15には、入力部16、出力部17、記憶部18、通信部19及びドライブ20が接続されている。
入力部16は、キーボードやマウス等で構成され、各種情報を入力する。
出力部17は、ディスプレイやスピーカ等により構成される。
【0029】
記憶部18は、ハードディスクやDRAM(Dynamic Random Access Memory)等で構成され、各種データを記憶する。
通信部19は、インターネットを含むネットワークNを介して他の装置(例えば
図2の認証サーバ2等)との間で通信を行う。
ドライブ20には、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、或いは半導体メモリ等よりなる、リムーバブルメディア21が適宜装着される。ドライブ20によってリムーバブルメディア21から読み出されたプログラムは、必要に応じて記憶部18にインストールされる。
また、リムーバブルメディア21は、記憶部18に記憶されている各種データも、記憶部18と同様に記憶することができる。
【0030】
なお、
図2の情報処理システムの認証サーバ2、Github3、技術者端末4、企業装置5及び認定装置6は、
図3に示したPDSサーバ1のハードウェア構成と基本的に同様の構成を有しており図示を省略する。以下では、認証サーバ2のハードウェア構成については、PDSサーバ1とハードウェアを混同しないように、CPU51、記憶部58、通信部59等として説明する。
【0031】
次に、
図4を参照して情報処理システムの機能的構成を説明する。
図4は、
図2の情報処理システムのうちPDSサーバ1及び認証サーバ2の機能的構成を示す図である。
【0032】
PDSサーバ1の記憶部18の一領域には、DB(PDS)41が設けられている。DB(PDS)には、エンジニアEの経歴がエンジニア毎に記憶(保管)されている。
PDSサーバ1のCPUにおいては、DB管理部31、力量算出部32、経歴提供部33及び情報変換部34等が機能する。
DB管理部31は、認証サーバ2により正当性が認証された認証済みの経歴をDB(PDS)41に登録して管理する。
力量算出部32は、認証済みの経歴に基づいて、エンジニアEのソフトウェア作成能力を力量として計算し、計算した当該力量をDB(PDS)41の認証済みの経歴に紐付けて登録する。
経歴提供部33は、認証サーバ2から依頼されたエンジニアEの経歴を、DB(PDS)41より抽出し、情報変換部34により生成された経歴評価書を、依頼者により指定された提供先へ認証サーバ2を通じて提供する。経歴に、評価結果や力量が紐付けられている場合は、それらの情報も抽出する。
【0033】
情報変換部34は、経歴提供部33によりDB(PDS)41から抽出された認証済経歴を、定型の経歴評価書の形態にフォーマット変換する。
情報変換部34は、経歴提供部33により抽出された認証済経歴に評価結果(ランク)が紐付けられている場合は、評価結果を含む経歴評価書を生成する。
また、情報変換部34は、経歴提供部33により抽出された認証済経歴に力量が紐付けられている場合は、力量を含む経歴評価書を生成する。
【0034】
認証サーバ2のCPUにおいては、サイト管理部70、経歴取得部71、認証部72、審査部73、登録部74及び照会部75が機能する。
サイト管理部70は、インターネット上にエンジニア関連の申請ウェブサイトを公開し、事前にアカウント登録したユーザに対して、所望のエンジニアの経歴に関する情報を提供する。ユーザには、例えばアカウント登録したエンジニアE本人の他、人材サービス業等の企業やプロジェクトメンバー、その他、一般の会社等が含まれる。
サイト管理部70は、受付部81を有する。受付部81は、申請ウェブサイトにログインしたユーザ、例えばエンジニアEにより入力フォーマットに入力されたエンジニアEの経歴に関する情報を受け付ける。
経歴に関する情報は、例えば氏名(漢字、かな)、生年月日、年齢、性別、現住所、日中連絡先、電子メールアドレス(E-mail)等の個人属性情報の他、例えばエンジニアEが自己申告した氏名、プロジェクト難易度、変更提案数、作業プログラム本数、レビュー・フィーバック結果等のソフトウェア開発に携わった経歴等が含まれる。
【0035】
経歴取得部71は、受付部81により受け付けられたエンジニアEの個人属性情報やソフトウェア開発に携わった経歴等を取得し、DB61に登録する。
認証部72は、エンジニアEから取得されたエンジニアEのソフトウェア作成に関する経歴の正当性を認証する。
具体的には、認証部72は、エンジニアEの氏名、プロジェクト難易度、変更提案数、作業プログラム本数、レビュー・フィードバック結果等のソフトウェア開発に携わった経歴を学校等の教育機関及びベンダを含む資格認定機関Sから取得する。
認証部72は、ソフトウェア開発のプラットホームであるGithub3及び人材を紹介するリファラルシステムへのAPI連携機能を有する。
API連携機能により、認証部72は、エンジニアEの氏名、プロジェクト難易度、変更提案数、作業プログラム本数、レビュー・フィーバック結果等のソフトウェア開発に携わった経歴をGithub3等から取得し、また学校等の教育機関及びベンダを含む資格認定機関SからエンジニアEの学歴や資格等の認定情報を取得する。
資格認定機関Sは、ネットワークNに接続された認定装置6を管理しており、認証部72は、認定装置6にアクセスしそのDBに検索をかけることで、エンジニアEの学歴(就学先の名称、入学、卒業等の時期)や夫々の時期にエンジニアEが得た資格等を含む認定情報を取得する。
【0036】
審査部73は、プログラムスキルランク判定機能(ランク評価の機能)等を有しており、エンジニアEの認証済みの経歴を、予め設定された審査基準に基づいて審査し、評価する。
具体的には、審査部73は、プログラムスキルを例えば5段階等に区分したランクのうち、エンジニアEのプログラムスキルがどのランクに属するかを評価する。
登録部74は、DB61に登録された認証済経歴の審査結果が出たときに、DB61に登録された認証済経歴をPDSサーバ1に登録する。なお、審査は必ずしも必須でない場合は、エンジニアEの経歴が認証されたDB61に登録されたときに、登録部74は、認証済経歴をPDSサーバ1に登録する。
【0037】
照会部75は、技術者端末4や企業装置5からの経歴に関する依頼内容に応じてPDSサーバ1にアクセスし、PDSサーバ1のDB(PDS)41から検索された当該依頼内容の経歴を技術者端末4や企業装置5に提供する。
経歴に関する依頼内容としては、例えば経歴の少なくとも一部の参照依頼の他、依頼者への経歴評価書の発行依頼や指定された発行先への経歴評価書の提出依頼等がある。
照会部75は、参照部91と発行部92を有する。
参照部91は、技術者端末4からのエンジニアE自身の経歴について、参照依頼があった場合、PDSサーバ1に参照依頼を行い、参照依頼に対してPDSサーバ1から返信されてきた経歴を技術者端末4に提供する。経歴の提供方法として、申請ウェブサイトのマイページに表示してもよく、電子メールで返信してもよい。
発行部92は、技術者端末4や企業装置5から経歴評価書の発行依頼があった場合、PDSサーバ1に経歴評価書発行依頼を行い、経歴評価書発行依頼に対してPDSサーバ1から返信されてきた経歴評価書を指定の発行先(技術者端末4や企業装置5等)へ発行(出力)する。発行(出力)する形態としては、紙媒体、電子媒体及びデータ(例えばPDFファイル等)がある。いずれも編集できない形態であればよい。
【0038】
上記機能的構成を有するPDSサーバ1及び認証サーバ2では、認証サーバ2において認証部72が、エンジニアEから取得されたエンジニアEのソフトウェア作成に関する経歴の正当性を認証し、PDSサーバ1のDB管理部31が、正当と認証された認証済みの経歴をDB(PDS)41に登録して管理するので、正当と認められたエンジニアEのソフトウェア作成に関する経歴を管理し、必要に応じて信頼のあるエンジニアEの経歴を提供することができる。
【0039】
続いて
図5のアローチャートを参照して情報処理システムの動作を説明する。まず、ステップS1乃至S13における経歴登録動作を説明する。
ステップS1において、エンジニアEが、技術者端末4よりGithub3にアクセスし、ソフトウェア開発のプラットホームにおいて、プログラミング作業を行い、プログラムライブラリに保存すると、その作業で作成されたソフトウェアの他、エンジニアEがソフトウェアのどの部分を作成したのか、又は修正したのか等の作業履歴がエンジニアEの実績情報として保管される。
【0040】
あるとき、エンジニアEが就職又は転職に先立ち、今まで培った自身のソフトウェア開発の経歴を認証機関Aの認証サーバ2に登録する。
具体的には、エンジニアEは、技術者端末4を介して認証サーバ2のサイト管理部70によりインターネット上に公開されているエンジニア関連の申請ウェブサイトにアカウント登録を行うことで、申請ウェブサイト内の経歴申請ページやマイページ等が利用可能になる。
【0041】
その後、エンジニアEは、技術者端末4を介して申請ウェブサイトにログインし、経歴申請ページを開き、ステップS2において、その経歴申請ページにある入力フォームに従い、自身の個人属性情報及び経歴を自己申告する形で入力する。
すると、認証サーバ2では、ステップS3において、経歴取得部71は、入力フォームに入力された個人属性情報及び経歴を取得し、DB61に登録する。
【0042】
認証部72は、DB61に登録されたエンジニアEの個人属性情報及び経歴の正当性を確認すべく、ステップS4において、Github3にアクセスし、エンジニアEの個人属性情の一部をキーワードにしてGithub3のDBを検索し、ステップS5において、検索結果として、エンジニアEの氏名、プロジェクト難易度、変更提案数、作業プログラム本数、レビュー・フィーバック結果等を含むソフトウェア開発に携わった経歴の実績をGithub3から取得する。
【0043】
また、認証部72は、学校等の教育機関及びベンダを含む資格認定機関Sの認定装置6にアクセスし、ステップS6において、エンジニアEの個人属性情の一部をキーワードにしてそのDBに検索をかけ、ステップS7において、検索結果として、認定装置6からエンジニアEの学歴や資格等の認定情報を取得する。
ステップS8において、認証部72は、エンジニアEから取得されたエンジニアEのソフトウェア作成に関する経歴の正当性を認証する。
具体的には、認証部72は、認定装置6から取得した学歴や資格等の認定情報やGithub3から取得した実績情報と、DB61に登録されたエンジニアEの経歴とを照合することで、エンジニアEの経歴の正当性を確認、つまり認証する。
認証の結果、正当性が確認されたエンジニアEの経歴は、ステップS9において、認証済経歴として、DB61に登録される。
また、ステップS10において、必要に応じて、認証結果をエンジニアEへ通知する。
【0044】
ステップS11において、審査部73は、エンジニアEの認証済経歴を、予め設定された審査基準に基づいて審査し、評価する。
具体的には、審査部73は、認証済経歴に含まれるエンジニアEのプロジェクト難易度、変更提案数、作業プログラム本数、レビュー・フィードバック結果等を審査基準と照合し5段階等に区分したランクのうち、エンジニアEのプログラムスキルがどのランクに属するかを評価し、評価したランクを認証済経歴に紐付けてDB61に登録する。
認証済経歴の評価結果が出ると、ステップS12において、登録部74は、DB61に登録された認証済経歴をPDSサーバ1に登録する。
PDSサーバ1への登録が完了すると、PDSサーバ1から登録完了通知が送信されるので、ステップS13において、登録部74は、PDSサーバ1から送信された登録完了通知を受信する。
【0045】
なお、PDSサーバ1に登録された認証済経歴については、登録部74からの制御により変更又は削除等が可能である。また、審査が必須でない場合もある。この場合は、エンジニアEの認証済経歴がDB61に登録されたときに、登録部74は、認証済経歴をPDSサーバ1に登録する。
【0046】
一方、PDSサーバ1では、DB管理部31が、ステップS21において、認証サーバ2において、正当性が認証された認証済経歴をDB(PDS)41に登録して管理する。
ステップS22において、必要に応じて、力量算出部32が、DB(PDS)41に登録された認証済経歴に基づいて、エンジニアEのソフトウェア作成能力を力量として計算し、計算した当該力量をDB(PDS)41の認証済経歴に紐付けて登録する。
力量は、認証サーバ2の審査部73により審査されるランクとは異なり、点数制とすることが考えられる。例えば100点満点のうちエンジニアEの力量は70点等としてもよい。また、エンジニアEのソフトウェア作成能力をプログラミングに限定して、いくつかのカテゴリ(例えばシステム系やグラフィック系等の分野)に分けて、夫々のカテゴリ毎に点数をつけてもよい。
【0047】
続いて、ステップS31乃至S35及びステップS41乃至S44の経歴提供動作を説明する。まずステップS31乃至S35において認証済経歴や評価の参照動作を説明する。
エンジニアEは、例えば自身が就職や転職の活動を始める際等に、ステップS31において、自身が依頼者となり、技術者端末4を介して認証機関Aの認証サーバ2に対し、事前に登録した自身の経歴(認証済みの経歴)や評価の参照依頼を行う。この際、エンジニアEは、自身の経歴のうち必要な情報を選択して指定できる。
ステップS31において、認証サーバ2では、照会部75の参照部91が、PDSサーバ1に対して参照依頼を行う。
【0048】
PDSサーバ1において、認証サーバ2から参照依頼を受信すると、経歴提供部33が、参照依頼に基づいて、DB(PDS)41を検索し、ステップS33において、当該エンジニアEの認証済経歴の中から指定された経歴を抽出し、ステップS34において、抽出した経歴を参照依頼に対する応答に含ませて認証サーバ2へ送信する。なお、経歴に評価結果が紐付けられていた場合は評価結果も抽出される。
認証サーバ2では、参照部91が、ステップS35において、PDSサーバ1から受信した応答に含まれる経歴を、エンジニアEのマイページにアップし、エンジニアEに提示する。
【0049】
続いて、ステップS41乃至S45において経歴評価書の発行動作を説明する。
例えばエンジニアEが就職又は転職希望の企業に履歴書を提出する際等に、エンジニアEが依頼者となり、ステップS41において、技術者端末4を介して認証機関Aの認証サーバ2に対し、事前に登録したアカウントでログインして、発行先の企業を指定して経歴評価書の発行申請を行う。
なお、事前にエンジニアEは、経歴評価書の発行申請に際して自身の経歴のうち開示してもよい情報を認証機関A及び本サービスの提供者Gに指定しておくものとする。
【0050】
ステップS42において、技術者端末4を介して経歴評価書の発行申請が行われると、認証サーバ2では、照会部75の発行部92が、PDSサーバ1に対して経歴評価書の発行依頼を行う。
【0051】
PDSサーバ1において、認証サーバ2から経歴評価書の発行依頼を受信すると、経歴提供部33が、経歴評価書の発行依頼に基づいて、DB(PDS)41を検索し、参照依頼のときと同じようにステップS33において、当該エンジニアEの認証済経歴の中から依頼された経歴を抽出する。
【0052】
経歴提供部33は、抽出した経歴を情報変換部34に渡し、ステップS43において、情報変換部34は、経歴を経歴評価書の形態に変換する。具体的には、情報変換部34は、例えば経歴のデータをPDFファイルに変換し、経歴提供部33に戻す。
経歴を経歴評価書の形態に変換する際に、経歴に評価結果や力量が紐付けられいた場合は、評価結果や力量を含む経歴評価書を生成する。
ステップS44において、経歴提供部33は、経歴評価書のPDFファイルを発行依頼に対する応答に含ませて認証サーバ2へ送信する。
【0053】
認証サーバ2では、発行部92が、ステップS45において、PDSサーバ1から受信した応答に含まれる経歴評価書のPDFファイルを、発行先として指定されている企業装置5に送る等して経歴評価書を発行する。
【0054】
このようにこの実施形態によれば、エンジニアEの経歴について認証サーバ2により認証された認証済経歴をPDSサーバ1にて管理し提供するので、エンジニアEの経歴の提供依頼に対して信頼性のある経歴を提供先へ提供することができる。
【0055】
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は、上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
【0056】
上記実施形態では、経歴評価書の発行を依頼する依頼者がエンジニアEで、提供先が転職先の企業という例で説明したが、ここに示した例は一例であり、この他、例えばエンジニアE自身が経歴評価書を取り寄せる場合(依頼者と提供先が同じ場合)、人材サービス業等の企業が依頼者となる場合、さらには転職先の企業が自らエンジニアEの経歴を確認するために依頼する場合もあり、これ以外に依頼者と提供先は様々な組み合わせやケースが想定される。
PDSサーバ1の経歴提供部33と情報変換部34等の機能については、PDSサーバ1から切り離して、別途、経歴参照・発行システムとして設けてもよい。また、認証サーバ2の審査部73の機能についても認証サーバ2から切り離して、別途、経歴審査システムとして設けてもよい。
【0057】
また、例えば、上述した一連の処理は、ハードウェアにより実行させることもできるし、ソフトウェアにより実行させることもできる。
また、1つの機能ブロックは、ハードウェア単体で構成してもよいし、ソフトウェア単体で構成してもよいし、それらの組み合わせで構成してもよい。
さらに、上記実施形態では、エンジニアEが、ソフトウェア開発に携わる者として一例を説明したが、エンジニアEは、技能習得者であり、技能習得作業を行って習得した技能の実務経歴を持つ者、例えば職人等であってもよい。即ち、ソフトウェアエンジニアに限定されず、また認証サーバ2により認証される経歴やPDSサーバ1により管理される経歴は、エンジニアEに関する経歴であればよい。
【0058】
また例えば、上述の実施形態において、認証機関Aは、PDSサーバ1を管理する本サービスの提供者Gとは独立した機関であるものと説明したが、特にこれに限定されない。
即ち、本サービスの提供者Gが、認証機関Aを含む運営者となり、PDSサーバ1と認証サーバ2による本サービスを提供してもよい。またその逆であってもよい。
【0059】
また例えば、上述した一連の処理は、ハードウェアにより実行させることもできるし、ソフトウェアにより実行させることもできる。
換言すると、
図4の機能的構成は例示に過ぎず、特に限定されない。
即ち、上述した一連の処理を全体として実行できる機能が情報処理システムに備えられていれば足り、この機能を実現するためにどのような機能ブロックを用いるのかは特に
図4の例に限定されない。また、機能ブロックの存在場所も、
図4に特に限定されず、任意でよい。例えば、PDSサーバ1の機能ブロックを認証サーバ2等に移譲させてもよい。逆に認証サーバ2の機能ブロックをPDSサーバ1等に移譲させてもよい。さらには、PDSサーバ1及び認証サーバ2の機能ブロックを認定装置6等に移譲させてもよいし、認定装置6等の機能ブロックをPDSサーバ1等に移譲させてもよい。
また、1つの機能ブロックは、ハードウェア単体で構成してもよいし、ソフトウェア単体で構成してもよいし、それらの組み合わせで構成してもよい。
【0060】
一連の処理をソフトウェアにより実行させる場合には、そのソフトウェアを構成するプログラムが、コンピュータ等にネットワークや記録媒体からインストールされる。
コンピュータは、専用のハードウェアに組み込まれているコンピュータであってもよい。
また、コンピュータは、各種のプログラムをインストールすることで、各種の機能を実行することが可能なコンピュータ、例えばサーバの他汎用のスマートフォンやパーソナルコンピュータ(これを「PC」と略記する)等であってもよい。
【0061】
このようなプログラムを含む記録媒体は、ユーザにプログラムを提供するために装置本体とは別に配布される図示せぬリムーバブルメディアにより構成されるだけでなく、装置本体に予め組み込まれた状態でユーザに提供される記録媒体等で構成される。
【0062】
なお、本明細書において、記録媒体に記録されるプログラムを記述するステップは、その順序に沿って時系列的に行われる処理はもちろん、必ずしも時系列的に処理されなくとも、並列的或いは個別に実行される処理をも含むものである。
また、本明細書において、システムの用語は、複数の装置や複数の手段等より構成される全体的な装置を意味するものとする。
【0063】
以上を換言すると、本発明が適用される情報処理システムは、上述の
図1の実施形態としての情報処理システムを含め、次のような構成を有する各種各様の実施形態を取ることができる。
【0064】
即ち、本発明が適用される情報処理システムは、
第1情報処理装置(例えば
図4の認証サーバ2等)と、前記第1情報処理装置と通信する第2情報処理装置(例えば
図4のPDSサーバ1等)とを含む情報処理システムにおいて、
前記第1情報処理装置(例えば
図4の認証サーバ2等)は、
エンジニアEから取得された前記エンジニアEのソフトウェア作成に関する経歴の正当性を認証する認証手段(例えば
図4の認証部72等)、
を備え、
前記第2情報処理装置(例えば
図4のPDSサーバ1等)は、
前記認証手段により正当と認証された認証済みの経歴をデータベース(例えば
図4のDB(PDS)41等)に登録して管理する管理手段(例えば
図4のDB管理部31等)、
を備える。
この構成を備えることにより、正当と認められたエンジニアEのソフトウェア作成に関する経歴を管理することで、エンジニアEの経歴についての提供依頼に対して信頼性のあるエンジニアEの経歴を提供することができる。
第1情報処理装置(例えば
図4の認証サーバ2等)は、
前記認証済みの経歴を、予め設定された審査基準に基づいて審査し評価する評価手段(例えば
図4の審査部73等)、
をさらに備え、
前記第2情報処理装置(例えば
図4のPDSサーバ1)の前記管理手段(例えば
図4のDB管理部31等)は、
前記評価手段により評価された前記評価結果を前記認証済みの経歴に紐付けて前記データベース(例えば
図4のDB(PDS)41等)に登録して管理する。
この構成を備えることにより、認証サーバ2で認証済みのエンジニアEの経歴を、一定の評価基準に基づいて評価(ランク付け)した評価値を当該経歴に紐付けて管理することで、PDSサーバ1が依頼者に提供する情報に信頼性を持たせることができる。
前記第2情報処理装置(例えば
図1のPDSサーバ1等)は、
依頼者より、前記第1情報処理装置(例えば
図4の認証サーバ2等)を通じて依頼された前記経歴評価書の発行依頼に対して、前記認証済みの経歴に基づいて、前記エンジニアEの経歴評価書を生成する経歴評価書生成手段(例えば
図4の情報変換部34等)と、
前記評価書生成手段により生成された前記経歴評価書を、前記依頼者により指定された提供先へ前記第1情報処理装置を通じて提供する提供手段(例えば
図4の経歴提供部33等)と、
をさらに備える。
この構成を備えることにより、依頼者からの経歴評価書提供依頼に対してエンジニアEの経歴を経歴評価書の形態で提供先に提供することで、提供先の企業やプロジェクト等では、エンジニアEのプログラムスキル(実力)を把握し易くなる。
前記経歴評価書生成手段(例えば
図4の情報変換部34等)は、
前記認証済みの経歴に紐付けられている前記評価結果(プログラムスキルランク)を含む前記経歴評価書を生成する、
ことにより、エンジニアEのプログラムスキルランクを含む経歴評価書を提供先へ提供することで、提供先の企業やプロジェクト等では、エンジニアEのプログラムスキルを他者との比較で判断することができる。
前記第2情報処理装置(例えば
図1のPDSサーバ1等)は、
前記認証済みの経歴に基づいて、前記エンジニアのソフトウェア作成能力を力量として計算し、計算した当該力量を前記データベースの認証済みの経歴に紐付けて登録する力量計算手段(例えば
図4の力量算出部32等)
をさらに備え、
前記経歴評価書生成手段(例えば
図4の情報変換部34等)は、
前記認証済みの経歴に紐付けられている前記評価結果を含む前記経歴評価書を作成する、
このように、依頼者からの経歴評価書提供依頼に対してエンジニアEの力量を含む経歴評価書を提供することで、依頼者は、求めるエンジニアEの実力を把握することができる。
【符号の説明】
【0065】
1・・・PDSサーバ、2・・・認証サーバ、3・・・Github、4・・・技術者端末、5・・・企業装置、6・・・認定装置、11、51・・・CPU、18、58・・・記憶部、59・・・通信部、31・・・DB管理部、32・・・力量算出部、33・・・経歴提供部、34・・・情報変換部、41・・・DB(PDS)、61・・・DB、71・・・経歴取得部、72・・・認証部、73・・・審査部、74・・・登録部、75・・・照会部、91・・・参照部、92・・・発行部