(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-15
(45)【発行日】2024-04-23
(54)【発明の名称】情報処理プログラム、情報処理方法および情報処理装置
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/16 20240101AFI20240416BHJP
【FI】
G06Q50/16
(21)【出願番号】P 2020033366
(22)【出願日】2020-02-28
【審査請求日】2022-11-17
(73)【特許権者】
【識別番号】000005223
【氏名又は名称】富士通株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】勝野 純一郎
【審査官】小山 和俊
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-003975(JP,A)
【文献】特開2010-003119(JP,A)
【文献】特開2007-148475(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の提供サービスの利用要求を受け付け、
前記利用要求を受け付けた場合に、当該利用要求の要求元の識別情報と、記憶部に記憶した前記提供サービスに関する複数のアカウントの中の、利用可能状態であるアカウントとを対応付けて記憶するとともに、対応付けを行ったアカウントを利用不可の状態に更新し、
対応付けを行った前記アカウントを用いて前記提供サービスのサーバに対して前記利用要求を送信し、
前記提供サービスのサーバからの返信に基づいて所定の利用結果が得られたか否かを判定し、
前記所定の利用結果が得られた場合、前記要求元の識別情報に前記提供サービスの利用に伴う課金に関する情報を対応付けて記憶するとともに、対応付けを行った前記アカウントを利用可能の状態に更新
し、前記所定の利用結果が所定の期間に得られなかった場合、前記要求元の識別情報に前記課金に関する情報を対応付けて記憶することなく、対応付けを行った前記アカウントを利用可能の状態に更新する、
処理をコンピュータに実行させることを特徴とする情報処理プログラム。
【請求項2】
前記所定の提供サービスは、地番を含む前記利用要求をもとに、当該地番に対応する登記情報を提供するサービスである、
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理プログラム。
【請求項3】
前記送信する処理は、前記利用要求を受け付けた場合に、前記要求元の識別情報に対応づけて記憶された前記複数のアカウント以外のアカウントが存在する場合に、前記複数のアカウント以外のアカウントを用いて前記提供サービスのサーバに対して前記利用要求を送信する、
ことを特徴とする請求項1または2に記載の情報処理プログラム。
【請求項4】
前記受け付ける処理は、前記提供サービスに関するアカウントを代行して前記提供サービスを利用する場合の前記要求元からの利用要求を受け付ける、
ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の情報処理プログラム。
【請求項5】
所定の提供サービスの利用要求を受け付け、
前記利用要求を受け付けた場合に、当該利用要求の要求元の識別情報と、記憶部に記憶した前記提供サービスに関する複数のアカウントの中の、利用可能状態であるアカウントとを対応付けて記憶するとともに、対応付けを行ったアカウントを利用不可の状態に更新し、
対応付けを行った前記アカウントを用いて前記提供サービスのサーバに対して前記利用要求を送信し、
前記提供サービスのサーバからの返信に基づいて所定の利用結果が得られたか否かを判定し、
前記所定の利用結果が得られた場合、前記要求元の識別情報に前記提供サービスの利用に伴う課金に関する情報を対応付けて記憶するとともに、対応付けを行った前記アカウントを利用可能の状態に更新
し、前記所定の利用結果が所定の期間に得られなかった場合、前記要求元の識別情報に前記課金に関する情報を対応付けて記憶することなく、対応付けを行った前記アカウントを利用可能の状態に更新する、
処理をコンピュータが実行することを特徴とする情報処理方法。
【請求項6】
所定の提供サービスの利用要求を受け付ける請求受付部と、
前記利用要求を受け付けた場合に、当該利用要求の要求元の識別情報と、記憶部に記憶した前記提供サービスに関する複数のアカウントの中の、利用可能状態であるアカウントとを対応付けて記憶するとともに、対応付けを行ったアカウントを利用不可の状態に更新するアカウント特定部と、
対応付けを行った前記アカウントを用いて前記提供サービスのサーバに対して前記利用要求を送信し、前記提供サービスのサーバからの返信に基づいて所定の利用結果が得られたか否かを判定する請求処理部と、
前記所定の利用結果が得られた場合、前記要求元の識別情報に前記提供サービスの利用に伴う課金に関する情報を対応付けて記憶するとともに、対応付けを行った前記アカウントを利用可能の状態に更新
し、前記所定の利用結果が所定の期間に得られなかった場合、前記要求元の識別情報に前記課金に関する情報を対応付けて記憶することなく、対応付けを行った前記アカウントを利用可能の状態に更新する利用実績登録部と、
を有することを特徴とする情報処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、情報処理プログラム、情報処理方法および情報処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、利用者は、請求に応じた不動産の登記情報の提供などの、様々な提供サービスをネットワークを介して利用することが可能となっている。例えば、提供サービスを利用する場合、利用者は、予め設定しておいたアカウントを用いて、PC(Personal Computer)等の端末より提供サービスの機能を利用する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開平11-296583号公報
【文献】特表平6-500878号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記の従来技術では、利用者が提供サービスに関するアカウントを所持していないと、容易な提供サービスの利用が困難な場合があるという問題がある。例えば、利用者が所定の提供サービスを利用する際に、その提供サービスに関するアカウントを所持していない場合はアカウントを設定する手間が生じることとなる。
【0005】
1つの側面では、提供サービスの容易な利用を支援できる情報処理プログラム、情報処理方法および情報処理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
1つの案では、情報処理プログラムは、受け付ける処理と、アカウントを利用不可の状態に更新する処理と、送信する処理と、判定する処理と、アカウントを利用可能の状態に更新する処理とをコンピュータに実行させる。受け付ける処理は、所定の提供サービスの利用要求を受け付ける。アカウントを利用不可の状態に更新する処理は、利用要求を受け付けた場合に、利用要求の要求元の識別情報と、記憶部に記憶した提供サービスに関する複数のアカウントの中の、利用可能状態であるアカウントとを対応付けて記憶するとともに、対応付けを行ったアカウントを利用不可の状態に更新する。送信する処理は、対応付けを行ったアカウントを用いて提供サービスのサーバに対して利用要求を送信する。判定する処理は、提供サービスのサーバからの返信に基づいて所定の利用結果が得られたか否かを判定する。アカウントを利用可能の状態に更新する処理は、所定の利用結果が得られた場合、要求元の識別情報に提供サービスの利用に伴う課金に関する情報を対応付けて記憶するとともに、対応付けを行ったアカウントを利用可能の状態に更新する。
【発明の効果】
【0007】
提供サービスの容易な利用を支援できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、サービス利用の概要を説明する説明図である。
【
図2】
図2は、端末におけるアカウントの選択を例示するフローチャートである。
【
図3】
図3は、実施形態にかかる情報処理装置の機能構成例を示すブロック図である。
【
図4】
図4は、実施形態にかかる情報処理装置の動作例を示すフローチャートである。
【
図5】
図5は、アカウントの管理画面を説明する説明図である。
【
図6】
図6は、実施形態にかかる情報処理装置のハードウエア構成の一例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を参照して、実施形態にかかる情報処理プログラム、情報処理方法および情報処理装置を説明する。実施形態において同一の機能を有する構成には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。なお、以下の実施形態で説明する情報処理プログラム、情報処理方法および情報処理装置は、一例を示すに過ぎず、実施形態を限定するものではない。また、以下の各実施形態は、矛盾しない範囲内で適宜組みあわせてもよい。
【0010】
図1は、サービス利用の概要を説明する説明図である。
図1に示すように、個人や法人などの利用者5は、運用会社4に対して、運用会社4とは別の提供サービス(例えば登記情報提供サービスであり、以下、単に「提供サービス」と呼ぶ)の利用申請を予め行う(S1)。この利用申請は、提供サービスの運用会社4を介した代行利用の申請であり、例えば登記情報提供サービスにおける登記情報の請求代行の利用申請である。
【0011】
本実施形態では、提供サービスの一例として、地番などを含む照会に対し、該当する不動産の登記情報を提供する登記情報提供サービスを挙げる。なお、提供サービスは、不動産の登記情報提供サービスに限定するものではなく、例えば法人名などを含む照会に対し、該当する商業の登記情報を提供するサービスであってもよい。また、提供サービスが提供する情報は、登記情報に限定するものではなく、著者名や題名などを含む照会に対し、該当する学術雑誌を提供するサービスであってもよい。また、提供サービスは、利用請求のあった所定の処理(例えば計算処理など)を行い、処理結果を提供するサービスであってもよい。
【0012】
運用会社4では、利用者5からの利用申請をもとに、利用者5ごとの設定を管理する設定管理DB21に利用設定を行う(S2)。具体的には、運用会社4では、設定管理DB21に対する読み書きを行うAPI(Application Programming Interface)などを介して、利用申請のあった利用者5の識別情報に対応付けて提供サービスの利用登録を行う。これにより、利用者5について、登記情報提供サービスにおける登記情報の請求代行の利用が登録される。
【0013】
利用者5は、自身が利用する端末2より、提供サービスに対する利用要求を行う(S3)。具体的には、利用者5は、登記情報を特定するための地番などを含む請求を端末2を介して行う。
【0014】
端末2は、提供サービスの利用要求について、端末2と対応付けた提供サービスの登録アカウント(端末登録アカウント)、提供サービスのサーバ3に予め登録したサーバ登録アカウント、利用申請を行った利用者5のアカウント(代行アカウント)のうちのいずれかのアカウントを用いて、登記情報を取得する(S3a、S3b、S3c)。
【0015】
すなわち、利用者5は、提供サービスに関するアカウントを所持していない場合であっても、例えば代行アカウントを用いて登記情報を取得することができ、新たにアカウントを設定しなくてもよい。
【0016】
なお、端末登録アカウント、サーバ登録アカウントまたは代行アカウントのいずれのアカウントを用いて登記情報を取得するかの、アカウントの選択は、設定状況によって端末2で選択される。
【0017】
図2は、端末2におけるアカウントの選択を例示するフローチャートであり、端末2側のコンピュータが実行する処理例である。
【0018】
図2に示すように、端末2では、メモリの設定情報などを参照することで、提供サービスに関するアカウント情報を端末2に設定しているか否かを判定する(S30)。
【0019】
端末2にアカウント情報を設定している場合(S30:Yes)、端末2は、設定されたアカウント情報をもとに、端末登録アカウントを利用して提供サービスのサーバ3にアクセスし(S31)、登記情報を取得する。
【0020】
端末2にアカウント情報を設定していない場合(S30:No)、端末2は、例えば利用者5の識別情報に関連付いた法人等としてアカウント情報をサーバ3に設定しているかを、サーバ3に問い合わせて判定する(S32)。
【0021】
サーバ3にアカウント情報を設定している場合(S32:Yes)、端末2は、サーバ3に設定されたアカウント情報をもとに、サーバ登録アカウントを利用して(S33)、サーバ3より登記情報を取得する。
【0022】
サーバ3にアカウント情報を設定していない場合(S32:No)、端末2は、請求代行の利用を設定管理DB21に設定しているかを、運用会社4のサーバである情報処理装置1に問い合わせて判定する(S34)。具体的には、端末2は、利用者5の識別情報をもとにした請求代行の利用登録を情報処理装置1に問い合わせる。情報処理装置1は、端末2からの問い合わせに応じて設定管理DB21を参照し、識別情報に対応する利用者5の利用登録の有無を回答する。
【0023】
請求代行の利用を設定している場合(S34:Yes)、端末2は、利用者5の識別情報とともに、登記情報の請求依頼を情報処理装置1に対して行い、代行アカウントを利用して(S35)、情報処理装置1を介してサーバ3より登記情報を取得する。
【0024】
請求代行の利用を設定していない場合(S34:No)、端末2は、アカウント設定が必要な旨のメッセージを表示画面なのに表示し(S36)、利用者5に対してアカウント設定(請求代行の利用申請を含む)を促す。
【0025】
図1に戻り、情報処理装置1は、代行アカウントの利用に伴う請求依頼を端末2より受け付けると(S4)、提供サービスを利用するための複数のアカウントを記憶するアカウント管理DB23を参照する。
【0026】
運用会社4は、提供サービスを利用するためのアカウントを予め提供サービスより複数取得おき、アカウントの管理画面(
図5参照)などにより取得した複数のアカウントのアカウント情報をアカウント管理DB23に登録する。
【0027】
アカウント管理DB23は、提供サービスに関するアカウントごとのアカウント情報を記憶するデータベースである。具体的には、アカウント管理DB23は、アカウントごとに、例えばアカウント名、アカウントの識別情報(ID)、アカウントのパスワード(PW)およびステータス情報を記憶する。ステータス情報は、排他ロックの有無(利用可能の状態/利用不可の状態)、認証エラーの有無、パスワード期限切れの有無など、アカウントに関する各種ステータスを示す。
【0028】
情報処理装置1は、アカウント管理DB23に登録していた複数のアカウントの中で、排他ロックされておらず、パスワード期限切れ等のエラーのない利用可能なアカウントを特定する。次いで、情報処理装置1は、特定した運用会社4のアカウントを用いて、提供サービスのサーバ3に対して登記情報を請求する(S5)。このとき、情報処理装置1は、利用するアカウントを排他ロックしてアカウントの排他制御を行うことで、同一アカウントの多重使用を抑止する。
【0029】
次いで、情報処理装置1は、提供サービスのサーバ3より登記情報を取得した場合(S6)、取得した登記情報を端末2へ通知する(S7)。また、情報処理装置1は、請求依頼時に端末2より通知された利用者5の識別情報をもとに、利用者5ごとの利用実績を管理する実績管理DB22に対し、請求元(利用者5)に関する利用実績の登録を行う(S8)。
【0030】
具体的には、情報処理装置1は、請求元である利用者5について、提供サービスの利用(登記情報の請求)に伴う課金に関する情報を実績管理DB22に登録する。一例として、情報処理装置1は、提供サービスに対して支払う登記情報の取得に要する実費の他、代行アカウントの利用費を含めた課金額を実績管理DB22に登録する。
【0031】
運用会社4では、実績管理DB22に対する読み書きを行うAPIなどを介して、利用者5に関する利用実績を確認する(S9)。具体的には、運用会社4は、利用者5ごとの利用実績に伴って実績管理DB22に登録された課金額を確認する。
【0032】
次いで、運用会社4は、利用実績に伴い生じた課金額をもとに、請求書を作成し、作成した請求書を利用者5に対して送付する(S10)。これにより、運用会社4は、代行アカウントによる提供サービスの利用(登記情報の取得)に伴う利用料金を利用者5より集金する。
【0033】
図3は、実施形態にかかる情報処理装置1の機能構成例を示すブロック図である。
図3に示すように、情報処理装置1は、通信部10、記憶部20および制御部30を有する。
【0034】
通信部10は、制御部30の制御のもと、LAN(Local Area Network)や通信ケーブルなどを介して他の機器(例えば端末2)と通信を行う。通信部10は、例えば、NIC(Network Interface Card)などによって実現される。
【0035】
記憶部20は、例えば、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ(Flash Memory)などの半導体メモリ素子や、HDD(Hard Disk Drive)などの記憶装置に対応する。記憶部20は、設定管理DB21、実績管理DB22、アカウント管理DB23などを格納する。
【0036】
制御部30は、請求受付部31、アカウント特定部32、請求処理部33、利用実績登録部34および通知部35を有する。制御部30は、CPU(Central Processing Unit)やMPU(Micro Processing Unit)などによって実現できる。また、制御部30は、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)などのハードワイヤードロジックによっても実現できる。
【0037】
請求受付部31は、端末2より代行アカウントの利用要求(請求依頼)を受け付ける処理部である。具体的には、請求受付部31は、通信部10を介した通信により、地番などを含む照会と、請求元の利用者5の識別情報とを端末2より受け付ける。
【0038】
アカウント特定部32は、請求受付部31より代行アカウントの利用要求を受け付けた場合に、アカウント管理DB23の複数のアカウントの中から利用可能な状態のアカウントを特定する処理部である。
【0039】
具体的には、アカウント特定部32は、利用要求を受け付けた場合、アカウント管理DB23の各アカウントのステータス情報を参照し、排他ロックされておらず、パスワード期限切れ等のエラーのない利用可能なアカウントを特定する。なお、利用可能なアカウントが複数ある場合は、任意のアカウントをランダムに選択してもよい。次いで、アカウント特定部32は、特定したアカウントについて、利用要求の請求元(利用者5)の識別情報で排他ロック有り(利用不可の状態)として、アカウント管理DB23のステータス情報を更新する。
【0040】
請求処理部33は、アカウント特定部32が特定したアカウント、すなわち利用者5の識別情報を対応付けた上でステータス情報を利用不可に更新したアカウントを用いて、提供サービスのサーバ3に対し、端末2からの利用要求を請求する処理部である。具体的には、請求処理部33は、アカウント特定部32が特定したアカウントの識別情報(ID)やパスワード(PW)をアカウント管理DB23より読み出し、サーバ3に対して特定したアカウントでログイン認証を行う。次いで、請求処理部33は、端末2からの請求依頼に応じた登記情報の請求を行う。次いで、請求処理部33は、提供サービスのサーバ3からの返信に基づいて、所定の利用結果(例えば請求した登記情報)が得られたか否かを判定する。
【0041】
なお、請求処理部33は、要求元の識別情報に対応づけて記憶された複数のアカウント以外のサーバ登録アカウントが存在し、そのサーバ登録アカウントによる利用要求を受け付けた場合(
図2、S33参照)には、サーバ登録アカウントを用いて提供サービスのサーバ3に対して利用要求を送信する。具体的には、請求処理部33は、アカウント管理DB等に予め設定されたサーバ登録アカウントの識別情報(ID)やパスワード(PW)を読み出し、サーバ3に対してサーバ登録アカウントでログイン認証を行う。次いで、請求処理部33は、端末2からの請求依頼に応じた登記情報の請求を行う。
【0042】
利用実績登録部34は、所定の利用結果が得られた場合に、実績管理DB22に利用実績を登録する処理部である。具体的には、利用実績登録部34は、所定の利用結果(例えば請求した登記情報)が得られた場合、要求元(利用者5)の識別情報に提供サービスの利用に伴う課金に関する情報を対応付けて実績管理DB22に記憶する。また、利用実績登録部34は、アカウント管理DB23において、利用要求の請求元(利用者5)の識別情報で排他ロックして対応付けを行ったアカウントを、利用可能の状態(排他ロックなし)に更新する。
【0043】
なお、利用実績登録部34は、所定の利用結果が所定の期間(例えばサーバ3の処理に最大で要すると見込まれる数十秒程度の間)に得られなかった場合、実績管理DB22に利用実績を登録することなく、アカウント管理DB23において排他ロックしたアカウントを排他ロックなし(利用可能の状態)に更新する。
【0044】
通知部35は、端末2より受け付けた代行アカウントの利用要求(請求依頼)に応じて、通信部10を介して要求元の端末2へ通知を行う処理部である。具体的には、通知部35は、請求依頼に応じた登記情報をサーバ3より取得した場合、取得した登記情報を端末2へ通知する。また、通知部35は、登記情報の取得に失敗した場合や、アカウント管理DB23に利用可能なアカウントがない場合などは、エラーメッセージを端末2へ通知する。
【0045】
図4は、実施形態にかかる情報処理装置1の動作例を示すフローチャートである。
図4に示すように、処理が開始されると、請求受付部31は、端末からの請求依頼を通信部10を介して受信する(S40)。
【0046】
次いで、アカウント特定部32は、アカウント管理DB23よりアカウントのステータスを取得し(S41)、利用可能なアカウントの有無を判定する(S42)。利用可能なアカウントがない場合(S42:No)、通知部35は、利用不可のメッセージを端末2に通知し(S43)、処理を終了する。
【0047】
利用可能なアカウントがある場合(S42:Yes)、アカウント特定部32は、利用可能なアカウントの中から代行アカウントとして利用するアカウントを特定する(S44)。次いで、アカウント特定部32は、特定したアカウントについて、利用要求の請求元(利用者5)の識別情報で排他ロック有りとして、アカウント管理DB23のステータスを利用不可に更新する(S45)。
【0048】
次いで、請求処理部33は、アカウント特定部32が特定したアカウントで登記情報提供サービスのサーバ3に対して登記情報を請求し(S46)、サーバ3からの返信に基づいて登記情報の取得の有無を判定する(S47)。
【0049】
登記情報が未取得である場合(S47:No)、利用実績登録部34は、処理を待機する。なお、利用実績登録部34は、登記情報の未取得が所定の期間(例えばサーバ3の処理に最大で要すると見込まれる数十秒程度の間)継続する場合は、待機を解除してS49へ処理を進める。
【0050】
登記情報が取得済みである場合(S47:Yes)、利用実績登録部34は、依頼元の利用者5の利用実績(課金情報など)を実績管理DB22に登録する(S48)。次いで、利用実績登録部34は、アカウント管理DB23において排他ロック有りとしたアカウントのステータスを排他ロックなし(利用可)に更新する(S49)。
【0051】
次いで、通知部35は、取得した登記情報を依頼元の端末2へ通知し(S50)、処理を終了する。
【0052】
図5は、アカウントの管理画面を説明する説明図である。
図5に示すように、情報処理装置1は、運用会社4の管理端末などからの要求に応じて、アカウント管理DB23の内容を読み出した管理画面Gを管理端末上に表示する。この管理画面Gでは、アカウント管理DB23に登録された複数のアカウントそれぞれについて、識別情報(ID)、パスワード(PW)、ステータスなどのアカウント情報G1が表示される。
【0053】
これにより、運用会社4の管理者は、アカウントの状態を容易に確認することができる。また、運用会社4の管理者は、管理画面G上のボタン操作などにより、提供サービスより取得したアカウントの登録や、不要なアカウントの削除を行うことができる。
【0054】
以上のように、情報処理装置1は、請求受付部31と、アカウント特定部32と、請求処理部33と、利用実績登録部34と、通知部35とを有する。請求受付部31は、所定の提供サービスの利用要求(登記情報の請求)を受け付ける。アカウント特定部32は、利用要求を受け付けた場合に、利用要求の要求元の識別情報と、アカウント管理DB23に記憶した提供サービスに関する複数のアカウントの中の、利用可能状態であるアカウントとを対応付けて記憶する。また、アカウント特定部32は、アカウント管理DB23において対応付けを行ったアカウントを利用不可の状態に更新する。利用実績登録部34は、対応付けを行ったアカウントを用いて提供サービスのサーバ3に対して利用要求(登記情報の請求)を送信し、サーバ3からの返信に基づいて所定の利用結果(例えば登記情報)が得られたか否かを判定する。また、利用実績登録部34は、所定の利用結果が得られた場合、要求元の識別情報に提供サービスの利用に伴う課金に関する情報を対応付けて実績管理DB22に記憶するとともに、アカウント管理DB23において対応付けを行ったアカウントを利用可能の状態に更新する。通知部35は、得られた利用結果(例えば登記情報)を要求元に通知する。
【0055】
これにより、情報処理装置1は、提供サービスのアカウントを所持していない利用者5においても、アカウント管理DB23で管理している提供サービスのアカウントで代行することで、提供サービスの機能(例えば登記情報の取得)を利用可能とする。したがって、情報処理装置1は、利用者5における提供サービスの容易な利用を支援できる。
【0056】
また、所定の提供サービスは、地番を含む利用要求をもとに、地番に対応する登記情報を提供するサービスである。これにより、利用者5は、登記情報の提供サービスでアカウントを所持していない場合でも、情報処理装置1を介して容易に登記情報の取り寄せを行うことができる。
【0057】
また、請求処理部33は、利用要求を受け付けた場合に、要求元の識別情報に対応づけて記憶された複数のアカウント以外のアカウント(例えばサーバ登録アカウント)が存在する場合に、複数のアカウント以外のアカウントを用いて提供サービスのサーバ3に対して利用要求を送信する。これにより、提供サービスに関するサーバ登録アカウント等を所持している利用者5は、サーバ登録アカウントでの利用要求により、情報処理装置1を介して提供サービスを利用することができる。
【0058】
また、請求受付部31は、提供サービスに関するアカウントを代行して提供サービスを利用する場合の要求元からの利用要求を受け付ける。このように、利用者5は、例えば提供サービスに関するアカウントを自身が所持していない場合は情報処理装置1を介したアカウントの代行で提供サービスの機能を利用してもよい。また、利用者5は、自身が提供サービスに関するアカウントを所持いている場合は自身のアカウントで提供サービスを利用してもよい。
【0059】
また、利用実績登録部34は、所定の利用結果が所定の期間に得られなかった場合、課金に関する情報を対応付けて実績管理DB22に記憶することなく、アカウント管理DB23において対応付けを行ったアカウントを利用可能の状態に更新する。このように、所定の利用結果が所定の期間に得られず、情報処理装置1を介したアカウントの代行で提供サービスの利用が出来なかったと見なせる場合には、課金することなく、アカウントを利用可能な状態に戻してもよい。
【0060】
なお、図示した各装置の各構成要素は、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各装置の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部または一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的または物理的に分散・統合して構成することができる。
【0061】
また、情報処理装置1で行われる各種処理機能は、CPU(またはMPU、MCU(Micro Controller Unit)等のマイクロ・コンピュータ)上で、その全部または任意の一部を実行するようにしてもよい。また、各種処理機能は、CPU(またはMPU、MCU等のマイクロ・コンピュータ)で解析実行されるプログラム上、またはワイヤードロジックによるハードウエア上で、その全部または任意の一部を実行するようにしてもよいことは言うまでもない。また、情報処理装置1で行われる各種処理機能は、クラウドコンピューティングにより、複数のコンピュータが協働して実行してもよい。
【0062】
ところで、上記の実施形態で説明した各種の処理は、予め用意されたプログラムをコンピュータで実行することで実現できる。そこで、以下では、上記の実施形態と同様の機能を有するプログラムを実行するコンピュータ(ハードウエア)の一例を説明する。
図6は、実施形態にかかる情報処理装置1のハードウエア構成の一例を示すブロック図である。
【0063】
図6に示すように、情報処理装置1は、各種演算処理を実行するCPU101と、データ入力を受け付ける入力装置102と、モニタ103と、スピーカー104とを有する。また、情報処理装置1は、記憶媒体からプログラム等を読み取る媒体読取装置105と、各種装置と接続するためのインタフェース装置106と、有線または無線により外部機器と通信接続するための通信装置107とを有する。また、情報処理装置1は、各種情報を一時記憶するRAM108と、ハードディスク装置109とを有する。また、情報処理装置1内の各部(101~109)は、バス110に接続される。
【0064】
ハードディスク装置109には、上記の実施形態で説明した請求受付部31、アカウント特定部32、請求処理部33、利用実績登録部34および通知部35等における各種の処理を実行するためのプログラム111が記憶される。また、ハードディスク装置109には、プログラム111が参照する各種データ112が記憶される。入力装置102は、例えば、操作者から操作情報の入力を受け付ける。モニタ103は、例えば、操作者が操作する各種画面を表示する。インタフェース装置106は、例えば印刷装置等が接続される。通信装置107は、LAN(Local Area Network)等の通信ネットワークと接続され、通信ネットワークを介した外部機器との間で各種情報をやりとりする。
【0065】
CPU101は、ハードディスク装置109に記憶されたプログラム111を読み出して、RAM108に展開して実行することで、請求受付部31、アカウント特定部32、請求処理部33、利用実績登録部34および通知部35等に関する各種の処理を行う。なお、プログラム111は、ハードディスク装置109に記憶されていなくてもよい。例えば、情報処理装置1が読み取り可能な記憶媒体に記憶されたプログラム111を読み出して実行するようにしてもよい。情報処理装置1が読み取り可能な記憶媒体は、例えば、CD-ROMやDVDディスク、USB(Universal Serial Bus)メモリ等の可搬型記録媒体、フラッシュメモリ等の半導体メモリ、ハードディスクドライブ等が対応する。また、公衆回線、インターネット、LAN等に接続された装置にこのプログラム111を記憶させておき、情報処理装置1がこれらからプログラム111を読み出して実行するようにしてもよい。
【0066】
以上の実施形態に関し、さらに以下の付記を開示する。
【0067】
(付記1)所定の提供サービスの利用要求を受け付け、
前記利用要求を受け付けた場合に、当該利用要求の要求元の識別情報と、記憶部に記憶した前記提供サービスに関する複数のアカウントの中の、利用可能状態であるアカウントとを対応付けて記憶するとともに、対応付けを行ったアカウントを利用不可の状態に更新し、
対応付けを行った前記アカウントを用いて前記提供サービスのサーバに対して前記利用要求を送信し、
前記提供サービスのサーバからの返信に基づいて所定の利用結果が得られたか否かを判定し、
前記所定の利用結果が得られた場合、前記要求元の識別情報に前記提供サービスの利用に伴う課金に関する情報を対応付けて記憶するとともに、対応付けを行った前記アカウントを利用可能の状態に更新する、
処理をコンピュータに実行させることを特徴とする情報処理プログラム。
【0068】
(付記2)前記所定の提供サービスは、地番を含む前記利用要求をもとに、当該地番に対応する登記情報を提供するサービスである、
ことを特徴とする付記1に記載の情報処理プログラム。
【0069】
(付記3)前記送信する処理は、前記利用要求を受け付けた場合に、前記要求元の識別情報に対応づけて記憶された前記複数のアカウント以外のアカウントが存在する場合に、前記複数のアカウント以外のアカウントを用いて前記提供サービスのサーバに対して前記利用要求を送信する、
ことを特徴とする付記1または2に記載の情報処理プログラム。
【0070】
(付記4)前記受け付ける処理は、前記提供サービスに関するアカウントを代行して前記提供サービスを利用する場合の前記要求元からの利用要求を受け付ける、
ことを特徴とする付記1乃至3のいずれか一に記載の情報処理プログラム。
【0071】
(付記5)前記アカウントを利用可能の状態に更新する処理は、前記所定の利用結果が所定の期間に得られなかった場合、前記要求元の識別情報に前記課金に関する情報を対応付けて記憶することなく、対応付けを行った前記アカウントを利用可能の状態に更新する、
ことを特徴とする付記1乃至4のいずれか一に記載の情報処理プログラム。
【0072】
(付記6)所定の提供サービスの利用要求を受け付け、
前記利用要求を受け付けた場合に、当該利用要求の要求元の識別情報と、記憶部に記憶した前記提供サービスに関する複数のアカウントの中の、利用可能状態であるアカウントとを対応付けて記憶するとともに、対応付けを行ったアカウントを利用不可の状態に更新し、
対応付けを行った前記アカウントを用いて前記提供サービスのサーバに対して前記利用要求を送信し、
前記提供サービスのサーバからの返信に基づいて所定の利用結果が得られたか否かを判定し、
前記所定の利用結果が得られた場合、前記要求元の識別情報に前記提供サービスの利用に伴う課金に関する情報を対応付けて記憶するとともに、対応付けを行った前記アカウントを利用可能の状態に更新する、
処理をコンピュータが実行することを特徴とする情報処理方法。
【0073】
(付記7)前記所定の提供サービスは、地番を含む前記利用要求をもとに、当該地番に対応する登記情報を提供するサービスである、
ことを特徴とする付記6に記載の情報処理方法。
【0074】
(付記8)前記送信する処理は、前記利用要求を受け付けた場合に、前記要求元の識別情報に対応づけて記憶された前記複数のアカウント以外のアカウントが存在する場合に、前記複数のアカウント以外のアカウントを用いて前記提供サービスのサーバに対して前記利用要求を送信する、
ことを特徴とする付記6または7に記載の情報処理方法。
【0075】
(付記9)前記受け付ける処理は、前記提供サービスに関するアカウントを代行して前記提供サービスを利用する場合の前記要求元からの利用要求を受け付ける、
ことを特徴とする付記6乃至8のいずれか一に記載の情報処理方法。
【0076】
(付記10)前記アカウントを利用可能の状態に更新する処理は、前記所定の利用結果が所定の期間に得られなかった場合、前記要求元の識別情報に前記課金に関する情報を対応付けて記憶することなく、対応付けを行った前記アカウントを利用可能の状態に更新する、
ことを特徴とする付記6乃至9のいずれか一に記載の情報処理方法。
【0077】
(付記11)所定の提供サービスの利用要求を受け付ける請求受付部と、
前記利用要求を受け付けた場合に、当該利用要求の要求元の識別情報と、記憶部に記憶した前記提供サービスに関する複数のアカウントの中の、利用可能状態であるアカウントとを対応付けて記憶するとともに、対応付けを行ったアカウントを利用不可の状態に更新するアカウント特定部と、
対応付けを行った前記アカウントを用いて前記提供サービスのサーバに対して前記利用要求を送信し、前記提供サービスのサーバからの返信に基づいて所定の利用結果が得られたか否かを判定する請求処理部と、
前記所定の利用結果が得られた場合、前記要求元の識別情報に前記提供サービスの利用に伴う課金に関する情報を対応付けて記憶するとともに、対応付けを行った前記アカウントを利用可能の状態に更新する利用実績登録部と、
を有することを特徴とする情報処理装置。
【0078】
(付記12)前記所定の提供サービスは、地番を含む前記利用要求をもとに、当該地番に対応する登記情報を提供するサービスである、
ことを特徴とする付記11に記載の情報処理装置。
【0079】
(付記13)前記請求処理部は、前記利用要求を受け付けた場合に、前記要求元の識別情報に対応づけて記憶された前記複数のアカウント以外のアカウントが存在する場合に、前記複数のアカウント以外のアカウントを用いて前記提供サービスのサーバに対して前記利用要求を送信する、
ことを特徴とする付記11または12に記載の情報処理装置。
【0080】
(付記14)前記請求受付部は、前記提供サービスに関するアカウントを代行して前記提供サービスを利用する場合の前記要求元からの利用要求を受け付ける、
ことを特徴とする付記11乃至13のいずれか一に記載の情報処理装置。
【0081】
(付記15)前記利用実績登録部は、前記所定の利用結果が所定の期間に得られなかった場合、前記要求元の識別情報に前記課金に関する情報を対応付けて記憶することなく、対応付けを行った前記アカウントを利用可能の状態に更新する、
ことを特徴とする付記11乃至14のいずれか一に記載の情報処理装置。
【符号の説明】
【0082】
1…情報処理装置
2…端末
3…サーバ
4…運用会社
5…利用者
10…通信部
20…記憶部
21…設定管理DB
22…実績管理DB
23…アカウント管理DB
30…制御部
31…請求受付部
32…アカウント特定部
33…請求処理部
34…利用実績登録部
35…通知部
101…CPU
102…入力装置
103…モニタ
104…スピーカー
105…媒体読取装置
106…インタフェース装置
107…通信装置
108…RAM
109…ハードディスク装置
110…バス
111…プログラム
112…各種データ
G…管理画面
G1…アカウント情報