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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-15
(45)【発行日】2024-04-23
(54)【発明の名称】画像形成装置
(51)【国際特許分類】
   G03G 21/00 20060101AFI20240416BHJP
   G03G 21/16 20060101ALI20240416BHJP
【FI】
G03G21/00 510
G03G21/00 318
G03G21/16 161
【請求項の数】 3
(21)【出願番号】P 2020049063
(22)【出願日】2020-03-19
(65)【公開番号】P2021148961
(43)【公開日】2021-09-27
【審査請求日】2023-02-24
(73)【特許権者】
【識別番号】000006150
【氏名又は名称】京セラドキュメントソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100168583
【弁理士】
【氏名又は名称】前井 宏之
(72)【発明者】
【氏名】玉置 賢一
(72)【発明者】
【氏名】山岸 義弘
(72)【発明者】
【氏名】清水 保
(72)【発明者】
【氏名】猪谷 広佳
【審査官】山下 清隆
(56)【参考文献】
【文献】特開2005-178058(JP,A)
【文献】特開2012-198370(JP,A)
【文献】特開2013-195993(JP,A)
【文献】特開2005-173094(JP,A)
【文献】実開平06-060862(JP,U)
【文献】特開2012-133268(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03G 21/00
G03G 21/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
シートに画像を印刷する画像形成装置であって、
像担持体と、前記像担持体に圧接されるクリーニング部材とを有する画像形成ユニットと、
前記像担持体と前記クリーニング部材とを、前記像担持体の回転軸方向に沿って相対的に往復移動させるスラスト動作を実行する第1駆動部と、
前記第1駆動部を制御する制御部と、
前記画像形成ユニットの製造日時を示す製造日時情報を前記画像形成ユニットから読み取る読取部と、
前記画像形成ユニットの品質を保証する前記製造日時からの使用保証期間(Xl)に相当する期間を示す使用保証情報を記憶する記憶部と
を備え、
前記制御部は、
前記製造日時情報に基づいて、前記製造日時から前記画像形成装置に前記画像形成ユニットが装着された日時までの経過期間(Xi)を算出し、
前記経過期間(Xi)に基づいて、画像不良が発生するまでの残期間(Xr)を算出し、
前記残期間(Xr)が前記使用保証期間(Xl)に相当する期間よりも長いか否かを判定し、
前記残期間(Xr)が前記使用保証期間(Xl)に相当する期間よりも長くないと判定すると、所定の条件を満たすタイミングで、前記像担持体の周面に対する前記クリーニング部材の線圧が高くなるように、前記スラスト動作の停止、または、前記スラスト動作の速度の変更、及び、前記スラスト動作の周期の変更の少なくとも一方を前記第1駆動部に実行させる、画像形成装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記残期間(Xr)に基づいて、前記経過期間(Xi)からの前記第1駆動部による前記スラスト動作の実行をさせる期間を示すスラスト動作期間を算出し、
前記所定の条件を満たすタイミングは、前記画像形成装置に前記画像形成ユニットが装着された日時から前記スラスト動作期間が経過する日時を含む、請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記像担持体を回転駆動する第2駆動部と、
前記像担持体を回転駆動する際の前記第2駆動部のトルクを検出するトルク検出部と
を備え、
前記制御部は、前記トルク検出部の出力に基づいて、前記トルクが所定値以下であるか否かを判定し、
前記所定の条件を満たすタイミングは、前記トルクが前記所定値以下となるタイミングを含む、請求項1又は請求項2に記載の画像形成装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、画像形成装置が開示されている。特許文献1に開示の画像形成装置は、画像形成ユニットと、駆動機構とを備える。画像形成ユニットは、感光体ドラムと、クリーニングブレードとを含む。感光体ドラムは、トナー像を担持する。クリーニングブレードは、感光体ドラムの周面に残留するトナーをクリーニングする。クリーニングブレードは、ゴム製である。クリーニングブレードは、固設されており、感光体ドラムの周面に当接している。駆動機構は、感光体ドラムを回転させるとともに、感光体ドラムを感光体ドラムの軸方向に往復移動させる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2012-133268号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に開示の画像形成装置では、クリーニングブレードが感光体ドラムの周面に当接された時点(以下、「製造日時」と記載する。)から時間が経過するにつれて、クリーニングブレードを構成するゴムの永久ひずみの発生により、クリーニングブレードから感光体ドラムの中心方向へ加わる線圧が低下する。更に、特許文献1に開示の画像形成装置では、感光体ドラムを感光体ドラムの軸方向に往復移動させると、クリーニングブレードから感光体ドラムの中心方向へ加わる力が感光体ドラムの軸方向に分散し、線圧が低下する。
【0005】
画像形成装置は、製造日時から経過した期間(以下、「製造後経過期間」と記載する。)が画像形成ユニットの品質を保証する期間(以下、「使用保証期間」と記載する。)を超えた後も使用されることがある。使用保証期間は、製造日時からの期間を示す。例えば、製造日時から長期間経過した後に画像形成装置の使用が開始された場合、画像形成装置は、製造後経過期間が使用保証期間に相当する期間(以下、「使用保証相当期間」と記載する。)を超えた後も継続して使用される可能性がある。特許文献1に開示の画像形成装置は、製造後経過期間が使用保証相当期間を超えた後に継続して使用された場合、線圧の低下に伴い、感光体ドラムの周面に傷を発生させる可能性がある。更に、感光体ドラムの周面とクリーニングブレードとの間からトナー及び外添剤がすり抜けるおそれがある。その結果、特許文献1に開示の画像形成装置では、画像不良が発生するおそれがある。
【0006】
本発明は、上記課題に鑑み、画像形成ユニットの使用開始日時が製造日時から遅れ、製造後経過期間が使用保証相当期間を超えても、画像形成ユニットの品質を維持することができる画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る画像形成装置は、シートに画像を印刷する。当該画像形成装置は、画像形成ユニットと、第1駆動部と、制御部と、読取部と、記憶部とを備える。前記画像形成ユニットは、像担持体と、クリーニング部材とを有する。前記クリーニング部材は、前記像担持体に圧接される。前記第1駆動部は、スラスト動作を実行する。前記スラスト動作は、前記像担持体と前記クリーニング部材とを、前記像担持体の回転軸方向に沿って相対的に往復移動させる動作である。前記制御部は、前記第1駆動部を制御する。前記読取部は、製造日時情報を前記画像形成ユニットから読み取る。前記製造日時情報は、前記画像形成ユニットの製造日時を示す。前記記憶部は、使用保証情報を記憶する。前記使用保証情報は、前記画像形成ユニットの品質を保証する前記製造日時からの使用保証期間(Xl)に相当する期間を示す。前記制御部は、前記製造日時情報に基づいて、前記製造日時から前記画像形成装置に前記画像形成ユニットが装着された日時までの経過期間(Xi)を算出する。前記制御部は、前記経過期間(Xi)に基づいて、画像不良が発生するまでの残期間(Xr)を算出する。前記制御部は、前記残期間(Xr)が前記使用保証期間(Xl)よりも長いか否かを判定する。前記制御部は、前記残期間(Xr)が前記使用保証期間(Xl)よりも長くないと判定すると、所定の条件を満たすタイミングで、前記像担持体の周面に対する前記クリーニング部材の線圧が高くなるように前記第1駆動部を制御する。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、画像形成ユニットの使用開始日時が製造日時から遅れ、製造後経過期間が使用保証相当期間を超えても、画像形成ユニットの品質を維持することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の実施形態に係る画像形成装置を示す断面図である。
図2】本発明の実施形態に係る画像形成装置が備えるクリーナーを示す図である。
図3】本発明の実施形態に係る画像形成装置が備える感光体ドラム、クリーニングブレード、及び駆動機構を示す図である。
図4】本発明の実施形態に係る感光体ドラムを示す斜視図である。
図5】本発明の実施形態に係る画像形成装置の構成を示すブロック図である。
図6】圧接時間と、ブレード線圧との関係を示す図である。
図7】圧接時間と、ブレード線圧との関係を示す図である。
図8】圧接時間と、ブレード線圧との関係を示す図である。
図9】本発明の実施形態に係る画像形成装置のスラスト停止タイミング決定処理を示すフローチャートである。
図10】本発明の実施形態に係る画像形成装置のスラスト停止タイミング決定処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。なお、図中、同一又は相当部分については同一の参照符号を付して説明を繰り返さない。図面は、理解しやすくするために、それぞれの構成要素を主体に模式的に示しており、図示された各構成要素の形状等は、図面作成の都合上から実際とは異なる。
【0011】
図1を参照して、本発明の実施形態に係る画像形成装置1について説明する。図1は、画像形成装置1を示す断面図である。なお、図1において、X軸、Y軸、及びZ軸は互いに直交する。
【0012】
画像形成装置1は、シートPに画像を印刷する。本実施形態では、画像形成装置1は、フルカラープリンターである。図1に示すように、画像形成装置1は、給送部10、搬送部20、画像形成部30、定着部40、及び排出部50を備える。シートPは、例えば、普通紙、コピー紙、再生紙、薄紙、厚紙、光沢紙、又はOHP(Overhead Projector)シートを含む。
【0013】
給送部10は、カセット11を含む。カセット11は、複数のシートPを収容可能である。給送部10は、カセット11から搬送部20へシートPを給送する。給送部10は、ピックアップローラー、フィードローラー、及びリタードローラーを含む。
【0014】
搬送部20は、搬送経路を有する。搬送経路は、給送部10から排出部50まで延在している。搬送部20は、搬送経路に沿って、シートPを搬送する。搬送部20は、複数の搬送ローラー対を含む。
【0015】
画像形成部30は、画像形成処理を実行する。画像形成処理は、シートPにトナーを用いてカラートナー像を形成する処理を示す。カラートナー像は、画像の一例である。
【0016】
定着部40は、シートPを加熱及び加圧して、カラートナー像をシートPに定着させる。これにより、シートPにカラートナー像が印刷される。定着部40は、加熱部材、及び加圧部材を含む。
【0017】
排出部50は、シートPを画像形成装置1の外部に排出する。排出部50は、排出ローラー対を含む。
【0018】
次に、図1を参照して、画像形成部30の構成について更に説明する。
【0019】
画像形成部30は、露光ユニット31、Mユニット32M、Cユニット32C、Yユニット32Y、BKユニット32BK、中間転写ベルト33、2次転写ローラー34、1次転写ローラー35、除電ランプ36、及びトナー供給部37を含む。以下、Mユニット32M、Cユニット32C、Yユニット32Y、及びBKユニット32BKのうちの任意のいずれかを「交換ユニット32」と記載する場合がある。Mユニット32M、Cユニット32C、Yユニット32Y、及びBKユニット32BKの各々は、画像形成ユニットの一例である。
【0020】
Mユニット32M~BKユニット32BKの各々は、感光体ドラム61、帯電ローラー62、現像ローラー63、及びクリーナー64を含む。感光体ドラム61は、像担持体の一例である。
【0021】
感光体ドラム61は回転軸を中心軸として回転する。感光体ドラム61は、例えば正帯電型のOPC(有機感光体:Organic Photoconductor)ドラムである。あるいは、感光体ドラム61は負帯電型のOPCドラムである。本実施形態では、感光体ドラム61は、OPCドラムである。なお、感光体ドラム61の感光層611は、単層の感光層であってもよいし、多層の感光層であってもよい。
【0022】
帯電ローラー62は、感光体ドラム61の周面(感光層の表面)を帯電する。具体的には、帯電ローラー62は、感光体ドラム61の周面に接触して感光体ドラム61の周面に帯電バイアスを印加する。つまり、感光体ドラム61を帯電させる帯電方式は、ローラー帯電方式(接触帯電方式の一例)である。帯電ローラー62は、感光体ドラム61の周面との間で近接放電を起こして感光体ドラム61を帯電させる。本実施形態では、帯電バイアスは直流電圧である。感光体ドラム61の周面(感光層の表面)には、露光ユニット31によって静電潜像が形成される。
【0023】
除電ランプ36は、感光体ドラム61の周面(感光層の表面)の残留電荷を除去する。
【0024】
クリーナー64は、感光体ドラム61の周面に残留しているトナー(残留トナー)を除去する。また、クリーナー64は、シートPから発生する粉体(例えばセルロースの塊や填料の塊)が感光体ドラム61の周面に付着した場合には、その付着した粉体を除去し得る。以下、感光体ドラム61の周面に付着している残留トナー及び外添剤等の異物を纏めて「付着物」と記載する場合がある。クリーナー64の構成については、図2を参照して後述する。
【0025】
露光ユニット31は、画像データに基づく光をMユニット32M~BKユニット32BKの各々に含まれる感光体ドラム61に照射し、Mユニット32M~BKユニット32BKの各々に含まれる感光体ドラム61に静電潜像を形成する。
【0026】
Mユニット32Mは、静電潜像に基づきマゼンタ色のトナー像を形成する。Cユニット32Cは、静電潜像に基づきシアン色のトナー像を形成する。Yユニット32Yは静電潜像に基づきイエロー色のトナー像を形成する。BKユニット32BKは、静電潜像に基づきブラック色のトナー像を形成する。Mユニット32M~BKユニット32BKの各々は、画像形成装置1に着脱可能である。本実施形態では、Mユニット32M~BKユニット32BKは、同時に交換される。
【0027】
1次転写ローラー35は、感光体ドラム61の周面に形成されたトナー像を中間転写ベルト33の外表面に転写する。
【0028】
中間転写ベルト33は、その外表面に4色のトナー像が重畳して転写される。この結果、中間転写ベルト33の外表面にカラートナー像が形成される。
【0029】
2次転写ローラー34は、中間転写ベルト33の外表面に形成されたカラートナー像をシートPに転写する。
【0030】
現像ローラー63は、感光体ドラム61の周面にトナーを供給する。これにより、静電潜像に応じて感光体ドラム61の周面にトナーが付着し、静電潜像が現像される。この結果、感光体ドラム61の周面にトナー像が形成される。
【0031】
トナー供給部37は、カートリッジ37M、カートリッジ37C、カートリッジ37Y、及びカートリッジ37BKを含む。カートリッジ37Mは、マゼンタ色のトナーを収容する。カートリッジ37Cは、シアン色のトナーを収容する。カートリッジ37Yは、イエロー色のトナーを収容する。カートリッジ37BKは、ブラック色のトナーを収容する。カートリッジ37M~カートリッジ37BKは、それぞれ、Mユニット32M~BKユニット32BKの現像ローラー63にトナー(現像剤)を供給する。
【0032】
次に、カートリッジ37M~カートリッジ37BKに収容される現像剤について説明する。現像剤は、1成分現像剤であっても、2成分現像剤であってもよい。現像剤は、トナーを含む。2成分現像剤の場合は、トナーに加えて、キャリアを含む。
【0033】
トナーは、複数のトナー粒子(多数のトナー粒子)から構成される粉体である。トナー粒子は、トナー母粒子と外添剤とを含有し得る。外添剤はトナー母粒子の表面に付着する。トナー母粒子は、トナー母粒子用バインダー樹脂と、内添剤とを含有し得る。内添剤は、例えば、離型剤及び着色剤を含む。なお、必要がなければ、トナー粒子は外添剤を含有しなくてもよい。この場合、トナー母粒子がトナー粒子に相当する。また、トナー母粒子は、必要に応じて、内添剤として電荷制御剤及び/又は磁性粉を含有し得る。また、必要がなければ、トナー母粒子は内添剤を含有しなくてもよい。また、トナーは、カプセルトナーであってもよい。トナー母粒子の表面にシェル層を形成することで、カプセルトナーを製造することができる。
【0034】
次に、図1及び図2を参照して、クリーナー64について説明する。図2は、クリーナー64を示す図である。
【0035】
図2に示すように、クリーナー64は、クリーニングブレード641及びトナーシール642を含む。クリーニングブレード641は、クリーニング部材の一例である。
【0036】
クリーニングブレード641は、例えば、ゴム製である。クリーニングブレード641は、1次転写ローラー35よりも感光体ドラム61の回転方向Rの下流において、感光体ドラム61の周面に圧接される。具体的には、クリーニングブレード641の先端部が感光体ドラム61の周面に圧接される。クリーニングブレード641の基端部から先端部に向かう方向は、クリーニングブレード641の先端部と感光体ドラム61の周面との接触点において、回転方向Rの逆を向いて、回転方向Rと交差している。斯かる構成により、クリーニングブレード641は、感光体ドラム61の周面に付着した付着物(残留トナー等)を除去する。
【0037】
本実施形態では、感光体ドラム61の周面に対するクリーニングブレード641の線圧は、品質保証最小線圧(bmin)以上に設定されている。以下、感光体ドラム61の周面に対するクリーニングブレード641の線圧を「ブレード線圧」と記載する。ブレード線圧は、感光体ドラム61の周面に対して、クリーニングブレード641の先端部から感光体ドラム61の中心へ向かう方向へ加わる線圧を示す。品質保証最小線圧(bmin)は、画像不良が発生しないブレード線圧(N/m)の最小値を示す。そのため、ブレード線圧が品質保証最小線圧(bmin)未満であると、画像不良を発生する。品質保証最小線圧(bmin)は、クリーニングブレード641を構成するゴムの材質、及び画像形成装置1の構成等によって異なる。例えば、品質保証最小線圧(bmin)は、9.8N/m、12.3N/m、12.5N/m、又は14.2N/mである。品質保証最小線圧(bmin)については、図6を参照して後述する。
【0038】
ブレード線圧は、画像形成部30の駆動の停止時に、ロードセルを用いて測定される。詳しくは、画像形成装置1の感光体ドラム61の周面に対するクリーニングブレード641の当接位置に、感光体ドラム61の代わりにロードセルを配置した治具を作製する。ロードセルに対するクリーニングブレード641の当接角度を、23度に設定する。ロードセルに対してクリーニングブレード641を圧接させる。ロードセルを用いて、圧接開始から10秒後の線圧を測定して、測定値が得られる。
【0039】
トナーシール642は、1次転写ローラー35とクリーニングブレード641との間において、感光体ドラム61の周面に接触し、クリーニングブレード641によって除去及び回収された付着物(残留トナー等)の飛散を抑制する。
【0040】
次に、図3を参照して、感光体ドラム61及びその周辺部について説明する。図3は、感光体ドラム61、クリーニングブレード641、及びスラスト駆動部70を示す図である。
【0041】
図3に示すように、感光体ドラム61は、感光体ドラム61の回転軸方向Dに沿って延びる円筒状である。クリーニングブレード641は、回転軸方向Dに沿って延びる板状である。
【0042】
画像形成装置1は、スラスト駆動部70を更に備える。スラスト駆動部70が駆動すると、感光体ドラム61とクリーニングブレード641とが回転軸方向Dに沿って相対的に往復移動(スラスト)する。つまり、スラスト駆動部70は、感光体ドラム61とクリーニングブレード641とを、回転軸方向Dに沿って相対的に往復移動(スラスト)させる。以下、「スラスト駆動部70が感光体ドラム61とクリーニングブレード641とを回転軸方向Dに沿って相対的に往復移動させること」等を、「スラスト駆動部70がスラスト動作を実行する」等と記載する。但し、感光体ドラム61とクリーニングブレード641とを同時に往復移動させる機構は複雑な構成となることから、好ましくは、感光体ドラム61とクリーニングブレード641とのうちの一方を往復移動させる。また、クリーニングブレード641を往復移動させる機構は、感光体ドラム61を往復移動させる機構と比べて複雑な構成となることから、好ましくは、感光体ドラム61を往復移動させる。スラスト駆動部70は、第1駆動部の一例である。
【0043】
本実施形態では、スラスト駆動部70は、固設されたクリーニングブレード641に対して、感光体ドラム61を周期的に往復移動(スラスト)させる。スラスト駆動部70は、例えば、モーターのような駆動源、ギヤ列、複数のカム、及び複数の弾性部材を含む。クリーニングブレード641は、例えば画像形成装置1のハウジングに固定される。
【0044】
図3を参照して説明したように、本実施形態によれば、クリーニングブレード641に対して感光体ドラム61を回転軸方向Dに往復移動(スラスト)させる。これにより、クリーニングブレード641の先端部に堆積した堆積物が回転軸方向Dに移動するため、堆積物が偏在し難くなる。その結果、堆積物の偏在に起因する感光体ドラム61の周面の偏摩耗が抑制されて、感光体ドラム61の周面の摩擦係数が回転軸方向Dに沿って一定に保持される。従って、感光体ドラム61の周面の滑り性が保持されて、付着物や堆積物がクリーニングブレード641の先端部をすり抜け難くなる。また、感光体ドラム61の周面が偏摩耗すると、偏摩耗した箇所から付着物や堆積物がクリーニングブレード641の先端部をすり抜け易くなる。これに対し、本実施形態では、感光体ドラム61の周面の偏摩耗が抑制されるため、付着物や堆積物がクリーニングブレード641の先端部をすり抜け難くなる。
【0045】
また、本実施形態によれば、感光体ドラム61を往復移動させるため、簡易な構成で、感光体ドラム61とクリーニングブレード641とを、回転軸方向Dに沿って相対的に往復移動させることが可能となる。更に、クリーニングブレード641を往復移動させる場合と比較して、往復移動のために必要な駆動力を得やすく、また、クリーニングブレード641の両端部からのトナー漏れを抑制することが可能となる。
【0046】
次に、図4を参照して、感光体ドラム61について更に説明する。図4は、感光体ドラム61を示す斜視図である。
【0047】
図4に示すように、感光体ドラム61は、回転軸AXを中心軸として回転方向Rに回転する。回転軸方向Dは回転軸AXの延びる方向である。感光体ドラム61は、感光層611を含む。感光層611は、電荷発生剤、電荷輸送剤、及びバインダー樹脂を含有する。感光層611は更に、複数のフィラー粒子を含有する。本実施形態において、バインダー樹脂はポリカーボネート樹脂である。バインダー樹脂としてポリカーボネート樹脂が使用されることにより、クリーニングブレード641の先端部から感光層611に加わる圧接力が高くなっても、感光層611の摩耗を抑制することができる。よって、感光体ドラム61の長寿命化を図ることができる。
【0048】
次に、図1図5を参照して、画像形成装置1の構成について更に説明する。図5は、本実施形態に係る画像形成装置1の構成を示すブロック図である。
【0049】
図5に示すように、画像形成装置1は、読取部71と、回転駆動部72と、トルク検出部73と、通信部74と、記憶部75と、制御部76とを備える。回転駆動部72は、第2駆動部の一例である。
【0050】
Mユニット32M~BKユニット32BKの各々は、IC(Integrated Circuit)タグを有する。ICタグは、例えば、Mユニット32M~BKユニット32BKの各々の外周面に位置する。
【0051】
Mユニット32M~BKユニット32BKの各々のICタグは、ユニット情報を記憶している。ユニット情報は、使用情報、製造日時情報、及び品番情報を含む。使用情報は、Mユニット32M~BKユニット32BKのうちの対応する1つが新品であるか否かを示す。製造日時情報は、Mユニット32M~BKユニット32BKのうちの対応する1つの製造日時を示す。品番情報は、Mユニット32M~BKユニット32BKのうちの対応する1つの品番を示す。
【0052】
本実施形態では、読取部71は、第1読取部と、第2読取部と、第3読取部と、第4読取部とを有する。第1読取部は、Mユニット32MのICタグからユニット情報を読み取る。第2読取部は、Cユニット32CのICタグからユニット情報を読み取る。第3読取部は、Yユニット32YのICタグからユニット情報を読み取る。第4読取部は、BKユニット32BKのICタグからユニット情報を読み取る。
【0053】
本実施形態では、回転駆動部72は、Mユニット32M~BKユニット32BKの各々の感光体ドラム61を回転駆動させる。回転駆動部72は、例えば、モーターを含む。
【0054】
トルク検出部73は、Mユニット32M~BKユニット32BKの各々の感光体ドラム61を回転駆動する際の回転駆動部72のトルクを検出する。トルク検出部73は、例えば、磁歪式トルクセンサー、ひずみゲージ式トルクセンサー、圧電式トルクセンサー、光学式トルクセンサー、ばね式トルクセンサー、又は静電容量式トルクセンサーを含む。
【0055】
通信部74は、ネットワークを介して外部端末と通信する。通信部74は、外部端末から送信された画像形成ジョブデータを受信する。画像形成ジョブデータは、画像データ及び設定情報を示す。設定情報は、部数情報、片面/両面情報、及び白黒/カラー情報を含む。部数情報は、部数を示す。片面/両面情報は、シートPの片面に画像を形成するのか、シートPの両面に画像を形成するのかを示す。白黒/カラー情報は、白黒画像を形成するのか、カラー画像を形成するのかを示す。通信部74は、通信インターフェイスである。外部端末は、例えば、デスクトップ型パーソナルコンピューター、ノート型パーソナルコンピューター、タブレット端末、又はスマートフォンである。
【0056】
記憶部75は、HDD(Hard Disk Drive)、RAM(Random Access Memory)、及びROM(Read Only Memory)によって構成される。記憶部75は、画像形成装置1の各部の動作を制御するための制御プログラムを記憶する。記憶部75は、通信部74が受信した画像形成ジョブデータを記憶する。
【0057】
記憶部75は、使用保証情報を記憶する。使用保証情報は、Mユニット32M~BKユニット32BKの各々の使用保証期間(Xl)に相当する期間(以下、「使用保証相当期間(Xl´)」と記載する。)を示す。Mユニット32Mの使用保証期間(Xl)は、Mユニット32Mの品質を保証する期間であり、その期間は、Mユニット32Mの製造日時から開始する。Cユニット32C~BKユニット32BKの各々の使用保証期間(Xl)も、Mユニット32Mの使用保証期間(Xl)と同様である。例えば、使用保証期間(Xl)は、1年(8760時間)、3年(26280時間)、又は5年(43800時間)である。使用保証期間(Xl)の長さと、使用保証相当期間(Xl´)の長さとは、同一である。本実施形態では、Mユニット32M~BKユニット32BKの各々の使用保証期間(Xl)は同一である。
【0058】
記憶部75は、使用上限情報を記憶する。使用上限情報は、Mユニット32M~BKユニット32BKの各々の使用上限期間(Xf)を示す。Mユニット32Mの使用上限期間(Xf)は、Mユニット32Mの製造日時から、Mユニット32Mに由来する画像不良が発生するまでの最短の期間を示す。Cユニット32C~BKユニット32BKの各々の使用上限期間(Xf)も、Mユニット32Mの使用上限期間(Xf)と同様である。本実施形態では、Mユニット32M~BKユニット32BKの各々の使用上限期間(Xf)は同一である。使用上限期間(Xf)は、使用保証期間(Xl)よりも短い。使用上限期間(Xf)の詳細については、図6を参照して後述する。
【0059】
制御部76は、ハードウェア回路である。ハードウェア回路は、CPU(Central Processing Unit)のようなプロセッサーを含む。制御部76は、記憶部75に格納された制御プログラムを実行することにより、給送部10、搬送部20、画像形成部30、定着部40、排出部50、スラスト駆動部70、読取部71、回転駆動部72、通信部74、及び記憶部75を制御する。
【0060】
制御部76は、スラスト停止タイミング(Xs)を決定するためのスラスト停止タイミング決定処理を実行する。制御部76は、スラスト停止タイミング(Xs)に至るまでの期間、スラスト駆動部70にスラスト動作を実行させる。制御部76は、交換ユニット32の使用を開始してからの期間がスラスト停止タイミング(Xs)を超えると、それ以降、スラスト駆動部70にスラスト動作を実行させない。すなわち、スラスト停止タイミング(Xs)は、スラスト駆動部70によるスラスト動作の実行を停止(終了)させるタイミングを示す。スラスト停止タイミング決定処理の詳細については、図9及び図10を参照して後述する。
【0061】
次に、図6を参照して、ブレード線圧の予測式について説明する。図6は、圧接時間と、ブレード線圧との関係を示す図である。
【0062】
図6中、横軸は、圧接時間(時)を示す。圧接時間は、交換ユニット32の製造日時から、つまり感光体ドラム61の周面にクリーニングブレード641が圧接された日時から、経過した時間を示す。以下、圧接時間を「製造後経過期間」と記載する場合がある。縦軸は、ブレード線圧(N/m)を示す。実線は、ブレード線圧の予測曲線Gを示す。ブレード線圧の予測曲線Gは、圧接時間に対するブレード線圧の予測値を示す。ブレード線圧の予測曲線Gは、第1条件及び第2条件の下、導き出される。第1条件は、交換ユニット32が製造された時点から画像形成装置1が交換ユニット32を使用しているという条件である。第2条件は、スラスト駆動部70がスラスト動作を実行しているという条件である。ブレード線圧の予測曲線Gは、下記式(1)の予測式に基づく。プロットは、ブレード線圧の測定値を示す。bminは、品質保証最小線圧(N/m)を示す。Xfは、使用上限期間(時)である。使用上限期間(Xf)は、交換ユニット32の製造日時から、品質保証最小線圧(bmin)に対応する圧接時間までの期間を示す。Xlは、使用保証期間を示す。
【0063】
本発明者等は、圧接時間と、ブレード線圧との関係について鋭意研究した。そして、本発明者等は、交換ユニット32の製造日時からスラスト駆動部70がスラスト動作を実行している際、クリーニングブレード641を構成するゴムの永久歪みの発生に起因するブレード線圧の低下及びスラスト駆動部70の駆動に起因するブレード線圧の低下に着目した結果、圧接時間と、ブレード線圧との関係が、下記式(1)に示す予測式に近似することを見出した。
【0064】
【数1】
【0065】
式(1)中、Yは、ブレード線圧(N/m)を表す。Xは、圧接時間(時)を表す。a及びbの各々は、クリーニングブレード641を構成するゴムの特性、及びスラスト動作による線圧変化率等に基づく数値(N/m)を表す。
【0066】
図6に示すように、上記式(1)に示す予測式から求めたブレード線圧の予測値と、ブレード線圧の測定値とは対応する。従って、上記式(1)に示す予測式は、圧接時間の経過に伴う実際のブレード線圧の推移を予測できていることがわかる。また、交換ユニット32の使用開始日時が交換ユニット32の製造日時である場合、交換ユニット32の使用開始日時から交換ユニット32の使用保証期間(Xl)までスラスト駆動部70がスラスト動作を実行しても、画像不良が発生しないことがわかる。記憶部75は、予測式情報を記憶している。予測式情報は、上記式(1)に示す予測式を示す。
【0067】
次に、図7及び図8を参照して、交換ユニット32の使用開始日時が交換ユニット32の製造日時から遅れた場合における圧接時間と使用保証相当期間(Xl´)との関係について説明する。図7及び図8は、交換ユニット32の使用開始日時が交換ユニット32の製造日時から遅れた場合における圧接時間と、ブレード線圧との関係を示す図である。詳しくは、図7は、経過期間(Xi)が比較的短い場合における圧接時間と使用保証相当期間(Xl´)との関係を示す。図8は、経過期間(Xi)が比較的長い場合における圧接時間と使用保証相当期間(Xl´)との関係を示す。
【0068】
図7及び図8中、Xiは、交換ユニット32の製造日時から交換ユニット32の使用が開始された日時までの経過期間を示す。以下、Xiを「経過期間(Xi)」と記載する。Xl´は、使用保証相当期間を示す。Xrは、画像不良が発生するまでの残り期間を示す。以下、Xrを「残期間(Xr)」と記載する。残期間(Xr)は、使用上限期間(Xf)から経過期間(Xi)を減算した期間を示す。図8中、Xsは、スラスト停止タイミングを示す。スラスト停止タイミング(Xs)は、経過期間(Xi)に図9を参照して後述するスラスト動作期間を加算した期間を示す。
【0069】
図7に示すように、経過期間(Xi)が比較的短い場合、つまり「(Xi+Xl´)<Xf」の関係を満たす場合、使用保証相当期間(Xl´)が経過しても、圧接時間は、使用上限期間(Xf)に達しない。そのため、使用保証相当期間(Xl´)が経過した時点において、ブレード線圧は品質保証最小線圧(bmin)を上回り、画像不良は発生しない。
【0070】
一方、図8に示すように、経過期間(Xi)が比較的長い場合、つまり「(Xi+Xl´)>Xf」の関係を満たす場合、使用保証相当期間(Xl´)が経過する前に、圧接時間は、使用上限期間(Xf)に達する。そのため、使用保証相当期間(Xl´)が経過した時点において、ブレード線圧は品質保証最小線圧(bmin)を下回り、画像不良が発生する。
【0071】
そこで、発明者等は、鋭意研究した結果、上記式(1)に示す予測式に基づいて、ブレード線圧が品質保証最小線圧(bmin)に達する直前に、スラスト駆動部70の駆動を停止させることで、ブレード線圧がスラスト駆動部70を駆動させている場合よりも高くなり、圧接時間が使用上限期間(Xf)に達した場合であっても、交換ユニット32の品質を維持することができることを見出した。つまり、ブレード線圧が品質保証最小線圧(bmin)に達する直前において、スラスト駆動部70の駆動を停止させることで、ブレード線圧が高くなり、感光体ドラム61の周面とクリーニングブレード641との間からの付着物のすり抜けの発生を抑制することができることを見出した。更に、ブレード線圧が品質保証最小線圧(bmin)に達する直前において、つまりクリーニングブレード641を構成するゴムの永久歪みの発生に起因してブレード線圧が低下している状態において、スラスト駆動部70の駆動を停止させることで、クリーニングブレード641の先端部に外添剤が凝集しても、感光体ドラム61の周面に傷が発生しないことを見出した。例えば、図9及び図10を参照して後述するスラスト停止タイミング決定処理を制御部76に実行させることで、交換ユニット32の品質を維持することができることを見い出した。
【0072】
次に、図9及び図10を参照して、制御部76が実行するスラスト停止タイミング決定処理について説明する。図9及び図10は、本実施形態に係る画像形成装置1のスラスト停止タイミング決定処理を示すフローチャートである。
【0073】
図9及び図10に示すスラスト停止タイミング決定処理は、画像形成装置1に交換ユニット32が装着されたことに応じて、スタートする。
【0074】
ステップS10:図9に示すように、制御部76は、読取部71の出力に基づいて、画像形成装置1に装着された交換ユニット32が新品であるか否かを判定する。画像形成装置1に装着された交換ユニット32が新品であると制御部76が判定した場合(ステップS10:Yes)、処理は、ステップS11へ進む。画像形成装置1に装着された交換ユニット32が新品でないと制御部76が判定した場合(ステップS10:No)、処理は、終了する(図10参照)。
【0075】
ステップS11:制御部76は、読取部71が取得した製造日時情報に基づいて、経過期間(Xi)を算出する。処理は、ステップS12へ進む。
【0076】
ステップS12:制御部76は、経過期間(Xi)及び記憶部75が記憶する使用上限情報に基づいて、残期間(Xr)を算出する。処理は、ステップS13へ進む。
【0077】
ステップS13:制御部76は、残期間(Xr)が使用保証相当期間(Xl´)よりも長いか否かを判定する。残期間(Xr)が使用保証相当期間(Xl´)よりも長いと制御部76が判定すると(ステップS13;Yes)、処理は、図10に示すステップS15へ進む。残期間(Xr)が使用保証相当期間(Xl´)よりも長くないと制御部76が判定すると(ステップS13;No)、処理は、ステップS14へ進む。
【0078】
ステップS14:制御部76は、残期間(Xr)に基づいて、スラスト動作期間を算出する。スラスト動作期間は、経過期間(Xi)からのスラスト駆動部70にスラスト動作の実行をさせるまでの期間を示す。処理は、図10に示すステップS15へ進む。スラスト動作期間は、所定の条件を満たすタイミングの一例である。
【0079】
本実施形態では、制御部76は、残期間(Xr)に安全率を乗じて、スラスト動作期間を算出する。安全率は、クリーニングブレード641の材質であるゴムの特性、及びスラスト動作に起因するブレード線圧の低下等に応じて、適宜調整される。例えば、安全率は、0.7である。記憶部75は、安全率を記憶している。
【0080】
ステップS15:図10に示すように、制御部76は、交換ユニット32の使用開始日時から経過した期間をカウントする。制御部76は、交換ユニット32の使用開始日時から経過した期間がスラスト動作期間を超えているか否かを判定する。交換ユニット32の使用開始日時から経過した期間がスラスト動作期間を超えていると制御部76が判定した場合(ステップS15;Yes)、処理は、ステップS18へ進む。交換ユニット32の使用開始日時から経過した期間がスラスト動作期間を超えていないと制御部76が判定した場合(ステップS15;No)、処理は、ステップS16へ進む。
【0081】
ステップS16:制御部76は、トルク検出部73の出力に基づいて、感光体ドラム61を回転駆動する際の回転駆動部72のトルクを検出する。処理は、ステップS17へ進む。
【0082】
ステップS17:制御部76は、トルク検出部73の出力に基づいて、回転駆動部72のトルクが所定値以下であるか否かを判定する。回転駆動部72のトルクが所定値以下であると制御部76が判定した場合(ステップS17:Yes)、処理は、ステップS18へ進む。回転駆動部72のトルクが所定値以下でないと制御部76が判定した場合(ステップS17:No)、処理は、ステップS15へ戻る。
【0083】
所定値は、画像形成装置1の構成等に応じて適宜調整される。例えば、所定値は、14.5N/mである。記憶部75は、所定値を記憶している。
【0084】
ステップS18:制御部76は、スラスト駆動部70によるスラスト動作の実行を停止(終了)させることを決定する。処理は、終了する。
【0085】
このように、本実施形態では、画像形成装置1は、製造後経過期間が使用上限期間(Xf)に達する前にスラスト動作期間を決定する。換言すると、画像形成装置1は、交換ユニット32の使用開始日時に、スラスト動作期間を決定する。スラスト動作期間が経過するタイミングは、スラスト停止タイミング(Xs)の一例である。画像形成装置1は、製造後経過期間がスラスト動作期間に達すると、スラスト駆動部70の駆動を停止させることで、交換ユニット32の品質を維持することができる。更に、本実施形態では、画像形成装置1は、トルク検出部73の出力に基づいてブレード線圧の低下を把握し、ブレード線圧の低下率が予想以上である場合、製造後経過期間がスラスト動作期間に達する前に、スラスト駆動部70の駆動を停止させることで、交換ユニット32の品質を維持することができる。なお、ブレード線圧が所定値以下となるタイミングは、スラスト停止タイミング(Xs)の一例である。
【実施例
【0086】
以下、本発明の実施例について説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
【0087】
本実施例では、画像形成装置として、TASKalfa2550Ci(京セラドキュメントソリューションズ株式会社製)の40枚機改造機を用いた。この改造機の現像方式は、非磁性2成分ジャンピング現像方式である。
【0088】
本実施例では、交換ユニット32として、交換ユニットA、交換ユニットB、及び交換ユニットCを用いた。交換ユニットA、交換ユニットB、及び交換ユニットCの各々は、クリーニングブレード641の材質が異なる他は同様の構成である。
【0089】
[実施例1]
交換ユニット32として、交換ユニットAを用いた。実施例1では、交換ユニットAの製造日時のブレード線圧(以下、「初期線圧」と記載する。)、品質保証最小線圧(bmin)、及び使用保証期間(Xl)は以下のように設定されている。
初期線圧:20N/m
品質保証最小線圧(bmin):12.5N/m
使用保証期間(Xl):26280時間
使用上限期間(Xf):34607時間
【0090】
経過期間(Xi)は、8760時間であった。残期間(Xr)は、25847時間であった。つまり、残期間(Xr)は、使用保証期間(Xl)と同一の長さの使用保証相当期間(Xl´)よりも短かった。制御部76は、交換ユニットAの使用開始日時において、スラスト動作期間を算出した。スラスト動作期間は、18093時間であった。安全率は、0.7とした。
【0091】
実施例1の画像形成装置では、制御部76は、画像形成処理を画像形成部30に実行させると、スラスト動作をスラスト駆動部70に実行させた。更に、制御部76は、交換ユニット32の使用を開始してからの期間がスラスト動作期間を超えると、スラスト動作をスラスト駆動部70に実行させなかった。
【0092】
[比較例1]
比較例1の画像形成装置は、制御部76がスラスト動作をスラスト駆動部70に実行させない他は、実施例1と同様である。
【0093】
[比較例2]
比較例2の画像形成装置は、交換ユニット32の使用を開始してからの期間がスラスト動作期間を超えても、制御部76がスラスト動作をスラスト駆動部70に実行させた他は、実施例1と同様である。
【0094】
[実施例2]
交換ユニット32として、交換ユニットBを用いた。実施例2では、交換ユニットAの初期線圧、品質保証最小線圧(bmin)、及び使用保証期間(Xl)は以下のように設定されている。
初期線圧:20N/m
品質保証最小線圧(bmin):14.2N/m
使用保証期間(Xl):26280時間
使用上限期間(Xf):32204時間
【0095】
経過期間(Xi)は、6132時間であった。残期間(Xr)は、26072時間であった。つまり、残期間(Xr)は、使用保証期間(Xl)と同一の長さの使用保証相当期間(Xl´)よりも短かった。制御部76は、交換ユニットBの使用開始日時において、スラスト動作期間を算出した。スラスト動作期間は、18250時間であった。安全率は、0.7とした。
【0096】
実施例2の画像形成装置では、制御部76は、画像形成処理を画像形成部30に実行させると、スラスト動作をスラスト駆動部70に実行させた。更に、制御部76は、交換ユニット32の使用を開始してからの期間がスラスト動作期間を超えると、スラスト動作をスラスト駆動部70に実行させなかった。
【0097】
[比較例3]
比較例3の画像形成装置は、交換ユニット32の使用を開始してからの期間がスラスト動作期間を超えても、制御部76がスラスト動作をスラスト駆動部70に実行させた他は、実施例2と同様である。
【0098】
[実施例3]
交換ユニット32として、交換ユニットCを用いた。実施例3では、交換ユニットCの初期線圧、品質保証最小線圧(bmin)、及び使用保証期間(Xl)は以下のように設定されている。
初期線圧:20N/m
品質保証最小線圧(bmin):12.3N/m
使用保証期間(Xl):8760時間
使用上限期間(Xf):12671時間
【0099】
経過期間(Xi)は、4380時間であった。残期間(Xr)は、8291時間であった。つまり、残期間(Xr)は、使用保証期間(Xl)と同一の長さの使用保証相当期間(Xl´)よりも短かった。制御部76は、交換ユニットCの使用開始日時において、スラスト動作期間を算出した。スラスト動作期間は、5804時間であった。安全率は、0.7とした。
【0100】
実施例3の画像形成装置では、制御部76は、画像形成処理を画像形成部30に実行させると、スラスト動作をスラスト駆動部70に実行させた。更に、制御部76は、交換ユニット32の使用を開始してからの期間がスラスト動作期間を超えると、スラスト動作をスラスト駆動部70に実行させなかった。
【0101】
[比較例4]
比較例4の画像形成装置は、交換ユニット32の使用を開始してからの期間がスラスト動作期間を超えても、制御部76がスラスト動作をスラスト駆動部70に実行させた他は、実施例3と同様である。
【0102】
[実施例4]
交換ユニット32として、交換ユニットAを用いた。実施例4では、交換ユニットAの初期線圧、品質保証最小線圧(bmin)、及び使用保証期間(Xl)は以下のように設定されている。
初期線圧:15N/m
品質保証最小線圧(bmin):9.8N/m
使用保証期間(Xl):8760時間
使用上限期間(Xf):10932時間
【0103】
経過期間(Xi)は、2628時間であった。残期間(Xr)は、8304時間であった。つまり、残期間(Xr)は、使用保証期間(Xl)と同一の長さの使用保証相当期間(Xl´)よりも短かった。制御部76は、交換ユニットAの使用開始日時において、スラスト動作期間を算出した。スラスト動作期間は、5813時間であった。安全率は、0.7とした。
【0104】
実施例4の画像形成装置では、制御部76は、画像形成処理を画像形成部30に実行させると、スラスト動作をスラスト駆動部70に実行させた。更に、制御部76は、交換ユニット32の使用を開始してからの期間がスラスト動作期間を超えると、スラスト動作をスラスト駆動部70に実行させなかった。
【0105】
[比較例5]
比較例5の画像形成装置は、交換ユニット32の使用を開始してからの期間がスラスト動作期間を超えても、制御部76がスラスト動作をスラスト駆動部70に実行させた他は、実施例4と同様である。
【0106】
実施例1~4、比較例1~5の画像形成装置1に対して、交換ユニット32の使用開始日時から使用保証相当期間(Xl´)が経過した時点において、ドラム傷評価、すり抜け評価、及びユニット保証評価を行った。ドラム傷評価、すり抜け評価、及びユニット保証評価の各々の評価方法は、下記のとおりである。
【0107】
(ドラム傷評価)
印字率0.5%のシートPを5000枚連続印字し、感光体ドラム61の周面に傷が発生しているか否かを観察した。更に、印字したシートPに画像不良が発生しているか否かを確認した。感光体ドラム61の周面の観察結果から、以下の基準に従って、ドラム傷評価をした。
〇:感光体ドラム61の周面に傷が確認できなかった。印字したシートPに画像不良の発生を確認できなかった。
△:感光体ドラム61の周面に傷が確認できるが、印字したシートPに画像不良の発生を確認できなかった。
×:感光体ドラム61の周面に傷が確認できた。印字したシートPに画像不良の発生を確認できた。
【0108】
(すり抜け評価)
経過期間(Xi)から使用保証期間(Xl)に相当する期間が経過した時点において、印字率50%のシートPを5000枚連続印字し、帯電ローラー62の周面の汚染状態を目視にて観察した。帯電ローラー62の周面の観察結果から、以下の基準に従って、すり抜け評価をした。
〇:帯電ローラー62の周面に汚染を確認できなかった。
×:帯電ローラー62の周面に汚染が確認できた。
【0109】
すり抜け評価が「〇」であることは、感光体ドラム61の周面とクリーニングブレード641との間から付着物がすり抜けなかったことを意味する。また、すり抜け評価が「×」であることは、感光体ドラム61の周面とクリーニングブレード641との間から付着物がすり抜けたことを意味する。
【0110】
(ユニット保証評価)
ユニット保証評価は、以下の基準に従って、評価した。
〇:すり抜け評価及びドラム傷評価が「〇」
×:すり抜け評価及びドラム傷評価の少なくとも一方が「×」
【0111】
実施例1~4、比較例1~5の画像形成装置1の評価結果を表1に示す。
【0112】
【表1】
【0113】
比較例1では、制御部76は、スラスト動作をスラスト駆動部70に実行させなかった。そのため、比較例1の画像形成装置では、ドラム傷評価は「×」で、ユニット保証評価は「×」であった。つまり、比較例1では、製造後経過期間が使用保証相当期間(Xl´)を超えると、交換ユニット32の品質を維持することができないことがわかった。
【0114】
比較例2では、制御部76は、交換ユニット32の使用を開始してからの期間がスラスト動作期間を超えても、スラスト動作をスラスト駆動部70に実行させた。比較例2の画像形成装置では、交換ユニット32の使用開始日時において残期間(Xr)は使用保証相当期間(Xl´)よりも短かったため、すり抜け評価が「×」で、ユニット保証評価は「×」であった。すり抜け評価が「×」であったのは、スラスト駆動部70の駆動によるブレード線圧の低下に起因して、感光体ドラム61の周面とクリーニングブレード641との間から付着物がすり抜けたためと推測される。つまり、比較例2では、製造後経過期間が使用保証相当期間(Xl´)を超えると、交換ユニット32の品質を維持することができないことがわかった。
【0115】
一方、実施例1では、制御部76は、画像形成処理を画像形成部30に実行させると、スラスト動作をスラスト駆動部70に実行させた。更に、制御部76は、交換ユニット32の使用を開始してからの期間がスラスト動作期間を超えると、スラスト動作をスラスト駆動部70に実行させなかった。そのため、実施例1の画像形成装置では、交換ユニット32の使用開始日時において残期間(Xr)は使用保証相当期間(Xl´)よりも短かったが、ドラム傷評価及びすり抜け評価が「〇」で、ユニット保証評価は「〇」であった。つまり、実施例1では、製造後経過期間が使用保証相当期間(Xl´)を超えても、交換ユニット32の品質を維持することができることがわかった。
【0116】
比較例3では、制御部76は、交換ユニット32の使用を開始してからの期間がスラスト動作期間を超えても、スラスト動作をスラスト駆動部70に実行させた。比較例3の画像形成装置では、交換ユニット32の使用開始日時において残期間(Xr)は使用保証相当期間(Xl´)よりも短かったため、すり抜け評価が「×」で、ユニット保証評価は「×」であった。つまり、比較例3では、製造後経過期間が使用保証相当期間(Xl´)を超えると、交換ユニット32の品質を維持することができないことがわかった。
【0117】
一方、実施例2では、制御部76は、画像形成処理を画像形成部30に実行させると、スラスト動作をスラスト駆動部70に実行させた。更に、制御部76は、交換ユニット32の使用を開始してからの期間がスラスト動作期間を超えると、スラスト動作をスラスト駆動部70に実行させなかった。そのため、実施例1の画像形成装置では、交換ユニット32の使用開始日時において残期間(Xr)は使用保証相当期間(Xl´)よりも短かったが、ドラム傷評価及びすり抜け評価が「〇」で、ユニット保証評価は「〇」であった。つまり、実施例2では、製造後経過期間が使用保証相当期間(Xl´)を超えても、交換ユニット32の品質を維持することができることがわかった。
【0118】
比較例4では、制御部76は、交換ユニット32の使用を開始してからの期間がスラスト動作期間を超えても、スラスト動作をスラスト駆動部70に実行させた。比較例3の画像形成装置では、交換ユニット32の使用開始日時において残期間(Xr)は使用保証相当期間(Xl´)よりも短かったため、ドラム傷評価が「△」で、すり抜け評価が「×」で、ユニット保証評価は「×」であった。ドラム傷評価が「△」であったのは、経過期間(Xi)が長く、初期線圧が低かったためと推測される。つまり、比較例4では、製造後経過期間が使用保証相当期間(Xl´)を超えると、交換ユニット32の品質を維持することができないことがわかった。
【0119】
一方、実施例3では、制御部76は、画像形成処理を画像形成部30に実行させると、スラスト動作をスラスト駆動部70に実行させた。更に、制御部76は、交換ユニット32の使用を開始してからの期間がスラスト動作期間を超えると、スラスト動作をスラスト駆動部70に実行させなかった。そのため、実施例1の画像形成装置では、交換ユニット32の使用開始日時において残期間(Xr)は使用保証相当期間(Xl´)よりも短かったが、ドラム傷評価及びすり抜け評価が「〇」で、ユニット保証評価は「〇」であった。つまり、実施例3では、製造後経過期間が使用保証相当期間(Xl´)を超えても、交換ユニット32の品質を維持することができることがわかった。
【0120】
比較例5では、制御部76は、交換ユニット32の使用を開始してからの期間がスラスト動作期間を超えても、スラスト動作をスラスト駆動部70に実行させた。比較例3の画像形成装置では、交換ユニット32の使用開始日時において残期間(Xr)は使用保証相当期間(Xl´)よりも短かったため、すり抜け評価が「×」で、ユニット保証評価は「×」であった。つまり、比較例3では、製造後経過期間が使用保証相当期間(Xl´)を超えると、交換ユニット32の品質を維持することができないことがわかった。
【0121】
一方、実施例4では、制御部76は、画像形成処理を画像形成部30に実行させると、スラスト動作をスラスト駆動部70に実行させた。更に、制御部76は、交換ユニット32の使用を開始してからの期間がスラスト動作期間を超えると、スラスト動作をスラスト駆動部70に実行させなかった。そのため、実施例1の画像形成装置では、交換ユニット32の使用開始日時において残期間(Xr)は使用保証相当期間(Xl´)よりも短かったが、ドラム傷評価及びすり抜け評価が「〇」で、ユニット保証評価は「〇」であった。つまり、実施例4では、製造後経過期間が使用保証相当期間(Xl´)を超えても、交換ユニット32の品質を維持することができることがわかった。
【0122】
図1図10を参照して説明したように、画像形成装置1は、交換ユニット32と、スラスト駆動部70と、制御部76と、読取部71と、記憶部75とを備える。交換ユニット32は、感光体ドラム61と、クリーニングブレード641とを有する。制御部76は、製造日時情報に基づいて、交換ユニット32の製造日時から画像形成装置1に交換ユニット32が装着された日時までの経過期間(Xi)を算出する。制御部76は、経過期間(Xi)に基づいて、画像不良が発生するまでの残期間(Xr)を算出する。制御部76は、残期間(Xr)が使用保証相当期間(Xl´)よりも長いか否かを判定する。制御部76は、残期間(Xr)が使用保証相当期間(Xl´)よりも長くないと判定すると、所定の条件を満たすタイミングで、感光体ドラム61の周面に対するクリーニングブレード641の線圧が高くなるようにスラスト駆動部70を制御する。これにより、ブレード線圧は、交換ユニット32の使用開始日時が製造日時から遅れ、製造後経過期間が使用保証相当期間(Xl´)に達しても品質保証最小線圧(bmin)を下回りにくくなる。そのため、画像形成装置1は、交換ユニット32の使用開始日時が製造日時から遅れ、製造後経過期間が使用保証期間を超えても、交換ユニット32の品質を維持することができる。
【0123】
図1図10を参照して説明したように、制御部76は、残期間(Xr)が使用保証相当期間(Xl´)よりも長くないと判定すると、所定の条件を満たすタイミングで、スラスト駆動部70を制御して、スラスト動作の駆動を停止させる。スラスト駆動部70を駆動させていない場合のブレード線圧は、スラスト駆動部70の駆動を停止させている場合よりも高くなる。これにより、画像形成装置1は、簡易な構成で、交換ユニット32の品質を維持することができる。
【0124】
図1図10を参照して説明したように、制御部76は、残期間(Xr)に基づいて、スラスト動作期間を算出する。所定の条件を満たすタイミングは、画像形成装置1に交換ユニット32が装着された日時からスラスト動作期間が経過する日時を含む。つまり、製造後経過期間が使用上限期間(Xf)に達するまで、スラスト動作の実行は維持される。その結果、画像形成装置1は、交換ユニット32の品質を維持することができる。
【0125】
図1図10を参照して説明したように、画像形成装置1は、回転駆動部72と、トルク検出部73とを備える。制御部76は、トルク検出部73の出力に基づいて、トルクが所定値以下であるか否かを判定する。所定の条件を満たすタイミングは、トルクが所定値以下となるタイミングを含む。これにより、画像形成装置1は、製造後経過期間が使用保証相当期間(Xl´)を超えていなくても、トルクが高くなったタイミングで、ブレード線圧を大きくすることができる。よって、画像形成装置1は、交換ユニット32の品質を維持することができる。
【0126】
以上、図1図10を参照しながら本発明の実施形態を説明した。但し、本発明は、上記の実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の態様において実施することが可能である(例えば、下記に示す(1)~(7))。図面は、理解しやすくするために、それぞれの構成要素を主体に模式的に示しており、図示された各構成要素の厚み、長さ、個数等は、図面作成の都合上から実際とは異なる。また、上記の実施形態で示す各構成要素の材質や形状、寸法等は一例であって、特に限定されるものではなく、本発明の効果から実質的に逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
【0127】
(1)図1図10を参照して説明したように、本実施形態では、制御部76は、スラスト駆動部70の駆動を停止させることで、ブレード線圧を高めるが、本発明はこれに限定されない。例えば、制御部76は、スラスト駆動部70を制御して、スラスト速度及びスラスト周期の少なくとも一方を変更させて、ブレード線圧を高めてもよい。スラスト速度は、感光体ドラム61が1周(1回転)する間に感光体ドラム61とクリーニングブレード641とが相対的に移動する移動距離を示す。スラスト周期は、スラスト動作において、例えば、クリーニングブレード641に対して感光体ドラム61が1往復する間に感光体ドラム61が回転する回転数を示す。
【0128】
(2)図1図10を参照して説明したように、本実施形態では、スラスト停止タイミングは、トルクが所定値以下となるタイミングを含むが、本発明はこれに限定されない。スラスト停止タイミングは、トルクが所定値以下となるタイミングを含まなくてもよい。
【0129】
(3)図1図10を参照して説明したように、本実施形態では、画像形成装置1は、トルク検出部73を備えるが、本発明はこれに限定されない。画像形成装置1は、トルク検出部73を備えていなくてもよい。
【0130】
(4)図1図10を参照して説明したように、本実施形態では、感光体が有機感光体であるが本発明はこれに限定されない。例えば、感光体は、無機感光体であってもよい。
【0131】
(5)図1図10を参照して説明したように、本実施形態では、画像形成装置1は、プリンターであるが、本発明はこれに限定されない。例えば、画像形成装置1は、複合機であってもよい。
【0132】
(6)図1図10を参照して説明したように、本実施形態では、画像形成装置1は、ローラー帯電方式を採用しているが、本発明はこれに限定されない。例えば、画像形成装置1は、ベルト帯電方式、近接放電現象を利用する非接触帯電方式、又はコロナ放電によって感光体ドラム61を帯電させる方式(スコロトロン方式等)を採用してもよい。
【0133】
(7)図1図10を参照して説明したように、本実施形態では、帯電バイアスは、直流電圧であり、交流電圧を含まないが、本発明はこれに限定されない。例えば、帯電バイアスは、直流電圧に交流電圧が重畳された電圧であってもよい。
【産業上の利用可能性】
【0134】
本発明は、画像形成装置の分野に利用可能である。
【符号の説明】
【0135】
1 画像形成装置
32 交換ユニット、
61 感光体ドラム
641 クリーニングブレード
70 第1駆動部
71 読取部
75 記憶部
76 制御部
D 感光体ドラムの回転軸方向
図1
図2
図3
図4
図5
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図7
図8
図9
図10