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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-15
(45)【発行日】2024-04-23
(54)【発明の名称】半導体装置
(51)【国際特許分類】
   H01L 29/78 20060101AFI20240416BHJP
   H01L 21/28 20060101ALI20240416BHJP
   H01L 29/06 20060101ALI20240416BHJP
   H01L 29/423 20060101ALI20240416BHJP
   H01L 29/49 20060101ALI20240416BHJP
   H01L 29/12 20060101ALI20240416BHJP
   H01L 21/336 20060101ALI20240416BHJP
   H01L 29/861 20060101ALI20240416BHJP
   H01L 29/868 20060101ALI20240416BHJP
【FI】
H01L29/78 652Q
H01L21/28 301B
H01L21/28 301R
H01L29/06 301G
H01L29/06 301V
H01L29/58 G
H01L29/78 652C
H01L29/78 652F
H01L29/78 652G
H01L29/78 652J
H01L29/78 652K
H01L29/78 652N
H01L29/78 652P
H01L29/78 652S
H01L29/78 652T
H01L29/78 653A
H01L29/78 657C
H01L29/78 657F
H01L29/78 658E
H01L29/78 658J
H01L29/91 E
H01L29/91 L
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2020070561
(22)【出願日】2020-04-09
(65)【公開番号】P2021168334
(43)【公開日】2021-10-21
【審査請求日】2023-03-13
(73)【特許権者】
【識別番号】000005234
【氏名又は名称】富士電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104190
【弁理士】
【氏名又は名称】酒井 昭徳
(72)【発明者】
【氏名】星 保幸
【審査官】田付 徳雄
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2014/038064(WO,A1)
【文献】国際公開第2018/221032(WO,A1)
【文献】特開2015-072944(JP,A)
【文献】特開2009-123899(JP,A)
【文献】特開2004-088001(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0303288(US,A1)
【文献】特開2014-067763(JP,A)
【文献】米国特許第07049668(US,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 29/78
H01L 21/28
H01L 29/06
H01L 29/423
H01L 29/49
H01L 29/12
H01L 21/336
H01L 29/861
H01L 29/868
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
シリコンよりもバンドギャップの広い半導体からなる半導体基板と、
前記半導体基板の内部に設けられた第1導電型の第1半導体領域と、
前記半導体基板の第1主面と前記第1半導体領域との間に設けられた第2導電型の第2半導体領域と、
前記半導体基板の第1主面と前記第2半導体領域との間に選択的に設けられた第1導電型の第3半導体領域と、
前記半導体基板の第1主面から前記第3半導体領域および前記第2半導体領域を貫通して前記第1半導体領域に達するトレンチと、
前記トレンチの内部にゲート絶縁膜を介して設けられたゲート電極と、
前記ゲート電極を覆う層間絶縁膜と、
深さ方向に前記層間絶縁膜を貫通して前記ゲート電極に達する複数のコンタクトホールと、
前記層間絶縁膜の上に互いに離れて設けられ、深さ方向に前記層間絶縁膜を介して前記ゲート電極に対向し、前記コンタクトホールにおいて前記ゲート電極に接する、前記ゲート電極よりも低抵抗な複数のゲート導電層と、
前記第3半導体領域および前記第2半導体領域に電気的に接続された第1電極と、
前記半導体基板の第2主面に設けられた第2電極と、
を備え
前記半導体基板の第1主面に平行な第1方向に直線状に延在する複数の前記ゲート電極がストライプ状に配置されたストライプ構造であり、
すべての前記ゲート電極は電気的に接続され、
前記ゲート導電層は、複数の前記ゲート電極のそれぞれの上に前記層間絶縁膜を介して設けられ、前記第1方向に点在していることを特徴とする半導体装置。
【請求項2】
シリコンよりもバンドギャップの広い半導体からなる半導体基板と、
前記半導体基板の内部に設けられた第1導電型の第1半導体領域と、
前記半導体基板の第1主面と前記第1半導体領域との間に設けられた第2導電型の第2半導体領域と、
前記半導体基板の第1主面と前記第2半導体領域との間に選択的に設けられた第1導電型の第3半導体領域と、
前記半導体基板の第1主面から前記第3半導体領域および前記第2半導体領域を貫通して前記第1半導体領域に達するトレンチと、
前記トレンチの内部にゲート絶縁膜を介して設けられたゲート電極と、
前記ゲート電極を覆う層間絶縁膜と、
深さ方向に前記層間絶縁膜を貫通して前記ゲート電極に達する複数のコンタクトホールと、
前記層間絶縁膜の上に互いに離れて設けられ、深さ方向に前記層間絶縁膜を介して前記ゲート電極に対向し、前記コンタクトホールにおいて前記ゲート電極に接する、前記ゲート電極よりも低抵抗な複数のゲート導電層と、
前記第3半導体領域および前記第2半導体領域に電気的に接続された第1電極と、
前記半導体基板の第2主面に設けられた第2電極と、
を備え、
前記ゲート電極がマトリクス状に配置されたセル構造であり、
前記ゲート導電層は、前記半導体基板の第1主面に平行な第1方向に互いに隣り合う前記ゲート電極にそれぞれ接して、当該ゲート電極同士を電気的に接続し、
複数の前記ゲート導電層によって、すべての前記ゲート電極が電気的に接続され、
前記第3半導体領域は、前記ゲート絶縁膜を介して複数の前記ゲート電極の周囲を囲み、
前記第2半導体領域は、前記半導体基板の第1主面に平行で前記第1方向と直交する第2方向に、前記第3半導体領域を介して前記ゲート電極に対向することを特徴とする半導体装置。
【請求項3】
シリコンよりもバンドギャップの広い半導体からなる半導体基板と、
前記半導体基板の内部に設けられた第1導電型の第1半導体領域と、
前記半導体基板の第1主面と前記第1半導体領域との間に設けられた第2導電型の第2半導体領域と、
前記半導体基板の第1主面と前記第2半導体領域との間に選択的に設けられた第1導電型の第3半導体領域と、
前記半導体基板の第1主面から前記第3半導体領域および前記第2半導体領域を貫通して前記第1半導体領域に達するトレンチと、
前記トレンチの内部にゲート絶縁膜を介して設けられたゲート電極と、
前記ゲート電極を覆う層間絶縁膜と、
深さ方向に前記層間絶縁膜を貫通して前記ゲート電極に達する複数のコンタクトホールと、
前記層間絶縁膜の上に互いに離れて設けられ、深さ方向に前記層間絶縁膜を介して前記ゲート電極に対向し、前記コンタクトホールにおいて前記ゲート電極に接する、前記ゲート電極よりも低抵抗な複数のゲート導電層と、
前記第3半導体領域および前記第2半導体領域に電気的に接続された第1電極と、
前記半導体基板の第2主面に設けられた第2電極と、
を備え、
前記第2半導体領域の、前記第1電極との電気的接触部がマトリクス状に配置されたセル構造であり、
複数の前記電気的接触部は、それぞれ前記第3半導体領域に周囲を囲まれ、
前記ゲート電極は、複数の前記第3半導体領域の周囲を囲む格子状に設けられ、
前記ゲート導電層は、前記ゲート電極の上に前記層間絶縁膜を介して、互いに隣り合う前記第3半導体領域の間を所定方向に点在することを特徴とする半導体装置。
【請求項4】
シリコンよりもバンドギャップの広い半導体からなる半導体基板と、
前記半導体基板の内部に設けられた第1導電型の第1半導体領域と、
前記半導体基板の第1主面と前記第1半導体領域との間に設けられた第2導電型の第2半導体領域と、
前記半導体基板の第1主面と前記第2半導体領域との間に選択的に設けられた第1導電型の第3半導体領域と、
前記半導体基板の第1主面から前記第3半導体領域および前記第2半導体領域を貫通して前記第1半導体領域に達するトレンチと、
前記トレンチの内部にゲート絶縁膜を介して設けられたゲート電極と、
前記ゲート電極を覆う層間絶縁膜と、
深さ方向に前記層間絶縁膜を貫通して前記ゲート電極に達する複数のコンタクトホールと、
前記層間絶縁膜の上に互いに離れて設けられ、深さ方向に前記層間絶縁膜を介して前記ゲート電極に対向し、前記コンタクトホールにおいて前記ゲート電極に接する、前記ゲート電極よりも低抵抗な複数のゲート導電層と、
前記第3半導体領域および前記第2半導体領域に電気的に接続された第1電極と、
前記半導体基板の第2主面に設けられた第2電極と、
を備え、
前記ゲート電極がマトリクス状に配置されたセル構造であり、
複数の前記ゲート電極は、それぞれ前記ゲート絶縁膜を介して前記第3半導体領域に周囲を囲まれ、
前記第2半導体領域の、前記第1電極との電気的接触部は、複数の前記第3半導体領域の周囲を囲む格子状に設けられ、
前記ゲート導電層は、互いに隣り合う前記ゲート電極にそれぞれ接して、当該ゲート電極同士を電気的に接続し、
複数の前記ゲート導電層によって、すべての前記ゲート電極が電気的に接続されることを特徴とする半導体装置。
【請求項5】
前記ゲート導電層は、前記第1方向に長い矩形状の平面形状を有し、前記第1方向の両端部でそれぞれ前記ゲート電極に接することを特徴とする請求項1に記載の半導体装置。
【請求項6】
シリコンよりもバンドギャップの広い半導体からなる半導体基板と、
前記半導体基板の内部に設けられた第1導電型の第1半導体領域と、
前記半導体基板の第1主面と前記第1半導体領域との間に設けられた第2導電型の第2半導体領域と、
前記半導体基板の第1主面と前記第2半導体領域との間に選択的に設けられた第1導電型の第3半導体領域と、
前記半導体基板の第1主面から前記第3半導体領域および前記第2半導体領域を貫通して前記第1半導体領域に達するトレンチと、
前記トレンチの内部にゲート絶縁膜を介して設けられたゲート電極と、
前記ゲート電極を覆う層間絶縁膜と、
深さ方向に前記層間絶縁膜を貫通して前記ゲート電極に達する複数のコンタクトホールと、
前記層間絶縁膜の上に互いに離れて設けられ、深さ方向に前記層間絶縁膜を介して前記ゲート電極に対向し、前記コンタクトホールにおいて前記ゲート電極に接する、前記ゲート電極よりも低抵抗な複数のゲート導電層と、
前記第3半導体領域および前記第2半導体領域に電気的に接続された第1電極と、
前記半導体基板の第2主面に設けられた第2電極と、
前記第1半導体領域をドリフト領域とし、前記第2半導体領域をベース領域とする第1絶縁ゲート型電界効果トランジスタと、
前記半導体基板の第1主面と前記第1半導体領域との間であって、前記第2半導体領域とは異なる領域に設けられた第2導電型の第4導電型領域と、
前記第1半導体領域をドリフト領域とし、前記第4導電型領域をベース領域とし、前記第1絶縁ゲート型電界効果トランジスタと同じ構造の複数のセルを、前記第1絶縁ゲート型電界効果トランジスタよりも少ない個数で有する第2絶縁ゲート型電界効果トランジスタと、
を備えることを特徴とする半導体装置。
【請求項7】
前記第1半導体領域をドリフト領域とし、前記第2半導体領域をベース領域とする第1絶縁ゲート型電界効果トランジスタと、
前記半導体基板の第1主面と前記第1半導体領域との間であって、前記第2半導体領域とは異なる領域に設けられた第2導電型の第4導電型領域と、
前記第1半導体領域をドリフト領域とし、前記第4導電型領域をベース領域とし、前記第1絶縁ゲート型電界効果トランジスタと同じ構造の複数のセルを、前記第1絶縁ゲート型電界効果トランジスタよりも少ない個数で有する第2絶縁ゲート型電界効果トランジスタと、
を備えることを特徴とする請求項1~のいずれか一つに記載の半導体装置。
【請求項8】
前記ゲート電極はポリシリコン層であり、
前記ゲート導電層はチタン、窒化チタンまたはアルミニウムからなる金属層であることを特徴とする請求項1~7のいずれか一つに記載の半導体装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、半導体装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、高電圧や大電流を制御するパワー半導体装置には、例えば、バイポーラトランジスタやIGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor:絶縁ゲート型バイポーラトランジスタ)、MOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor:金属-酸化膜-半導体の3層構造からなる絶縁ゲートを備えたMOS型電界効果トランジスタ)など複数種類あり、これらは用途に合わせて使い分けられている。
【0003】
例えば、バイポーラトランジスタやIGBTは、MOSFETと比べて電流密度が高く大電流化が可能であるが、高速にスイッチングさせることができない。具体的には、バイポーラトランジスタは数kHz程度のスイッチング周波数での使用が限界であり、IGBTは数十kHz程度のスイッチング周波数での使用が限界である。一方、MOSFETは、バイポーラトランジスタやIGBTに比べて電流密度が低く大電流化が難しいが、数MHz程度までの高速スイッチング動作が可能である。
【0004】
また、MOSFETは、IGBTと異なり、半導体基板(半導体チップ)の内部にp型ベース領域とn-型ドリフト領域とのpn接合で形成される寄生ダイオードを内蔵し、この寄生ダイオードを自身を保護するための還流ダイオードとして使用可能である。このため、MOSFETをインバータ用デバイスとして用いた場合に、MOSFETに外付けの還流ダイオードを追加して接続することなく使用することができるため、経済性の面でも注目されている。
【0005】
パワー半導体装置の構成材料として、シリコン(Si)が用いられている。市場では大電流と高速性とを兼ね備えたパワー半導体装置への要求が強く、IGBTやMOSFETはその改良に力が注がれ、現在ではほぼ材料限界に近いところまで開発が進んでいる。このため、パワー半導体装置の観点からシリコンに代わる半導体材料が検討されており、低オン電圧、高速特性、高温特性に優れた次世代のパワー半導体装置を作製(製造)可能な半導体材料として炭化珪素(SiC)が注目を集めている。
【0006】
炭化珪素は、化学的に非常に安定した半導体材料であり、バンドギャップが3eVと広く、高温でも半導体として極めて安定的に使用することができる。また、炭化珪素は、最大電界強度もシリコンより1桁以上大きいため、オン抵抗を十分に小さくすることができる半導体材料として期待される。このような炭化珪素の特長は、炭化珪素だけでなく、シリコンよりもバンドギャップの広いすべての半導体(以下、ワイドバンドギャップ半導体とする)も同様に有する。
【0007】
また、MOSFETでは、大電流化に伴い、半導体チップのおもて面に沿ってチャネル(反転層)が形成されるプレーナゲート構造とする場合と比べて、ゲートトレンチの側壁に沿って半導体チップのおもて面と直交する方向にチャネルが形成されるトレンチゲート構造とすることはコスト面で有利である。その理由は、トレンチゲート構造が単位面積当たりの単位セル(素子の構成単位)密度を増やすことができるため、単位面積当たりの電流密度を増やすことができるからである。
【0008】
単位面積当たりの電流密度を増加させた分、単位セルの占有体積に応じた温度上昇率が高くなるため、放電効率の向上と信頼性の安定化とを図るために両面冷却構造が必要になる。さらに、パワー半導体装置の主動作を行うメイン半導体素子と同一の半導体基板に、当該メイン半導体素子を保護・制御するための回路部として電流センス部、温度センス部および過電圧保護部等の高機能部を配置した高機能構造とすることで信頼性を向上させたパワー半導体装置が提案されている。
【0009】
従来の半導体装置の構造について説明する。図28は、従来の半導体装置を半導体基板のおもて面側から見たレイアウトを示す平面図である。図28には、ソースパッド221aの外周の輪郭を破線で示す。また、図28には、互いに隣り合うトレンチ237の間に設けられた各部と、ゲート絶縁膜238と、を図示省略する。図29は、図28の頂点AA,AA’を対頂点とする矩形枠内を拡大して示す平面図である。活性領域201の断面構造は、活性領域201の全域にわたって図29と同じ断面構造となっている。
【0010】
図28,29に示す従来の半導体装置220は、炭化珪素からなる半導体基板(半導体チップ)210の活性領域201の有効領域(以下、メイン有効領域とする)201aに、メイン半導体素子211として縦型MOSFETを有する。メイン半導体素子211は、半導体基板210のおもて面に平行な第1方向Xに直線状に延在する単位セルを、半導体基板210のおもて面に平行でかつ第1方向Xと直交する第2方向Yに隣接して複数配置したストライプ構造である。
【0011】
メイン半導体素子211の単位セルのトレンチゲート構造は、トレンチ237、ゲート絶縁膜238およびゲート電極239(斜線のハッチング部)で構成される。ゲート電極239は、トレンチ237の内部にゲート絶縁膜238を介して埋め込まれたポリシリコン(poly-Si)層であり、第1方向Xに直線状に延在する。ゲート電極239は、活性領域201の周囲を略矩形状に囲むポリシリコン層で構成されたゲートランナー224(斜線のハッチング部)の1組の対辺と直交して当該1組の対辺それぞれに両端部が連結されている。
【0012】
ソースパッド221aはメイン有効領域201aに配置され、ゲートパッド221bは活性領域201の、メイン有効領域201aを除く領域(以下、メイン無効領域とする)201bに配置される。ソースパッド221aおよびゲートパッド221bにそれぞれSおよびGと付す。符号235~236,240,240aは、それぞれn+型ソース領域、p++型コンタクト領域、層間絶縁膜およびコンタクトホールである。符号202はエッジ終端領域である。符号Zは半導体基板110の深さ方向である。
【0013】
また、単位セルをマトリクス状に配置したセル構造の縦型MOSFETについて開示されている(例えば、下記特許文献1~3参照。)。下記特許文献1,2では、互いに隣り合う単位セルのそれぞれ中心に配置されたゲート電極同士が当該ゲート電極間において半導体基板のおもて面上にゲート電極と同じ材料で形成されたゲート配線層で連結されている。下記特許文献3では、マトリクス状に配置されたp++型コンタクト領域の1つをそれぞれ中心に配置した各単位セルがp++型コンタクト領域の周囲を囲む格子状のトレンチで区画されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0014】
【文献】特開2016-058656号公報
【文献】特開2004-207289号公報
【文献】特開2012-178536号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
従来のストライプ構造(図28の半導体装置220参照)や、ソース電極とのコンタクトを形成するp++型コンタクト領域を単位セルの中心に配置した従来の一般的なセル構造(例えば上記特許文献3参照)では、ソース電極とのコンタクト(電気的接触部)を除いて、半導体基板の表面(トレンチの内壁を含む)のほぼ全面がゲート電位のポリシリコン層で覆われる。このため、半導体基板とゲート電位のポリシリコン層との間のゲート絶縁膜の表面積が広く、ゲート絶縁膜の静電容量で決まる入力容量が大きい。
【0016】
入力容量が大きいと、高周波数での駆動損失が大きく、単位セルごとにゲート電圧Vgの電圧波形153が振動し、ゲート閾値電圧Vthがばらつく。これによって、並列接続された単位セル間でゲート遅延時間によるアンバランスが発生しやすく、単位セルごとにターンオフ時のドレイン・ソース間電圧Vdsの電圧波形の立ち上がりが異なってくる。このため、MOSFET全体で、ドレイン・ソース間電圧Vdsの電圧波形152やドレイン・ソース間電流Idsの電流波形151が振動しやすい(後述する図26参照)。
【0017】
この発明は、上述した従来技術による課題を解消するため、電圧波形や電流波形の振動を抑制することができる半導体装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0018】
上述した課題を解決し、本発明の目的を達成するため、この発明にかかる半導体装置は、次の特徴を有する。シリコンよりもバンドギャップの広い半導体からなる半導体基板の内部に、第1導電型の第1半導体領域が設けられている。前記半導体基板の第1主面と前記第1半導体領域との間に、第2導電型の第2半導体領域が設けられている。前記半導体基板の第1主面と前記第2半導体領域との間に選択的に、第1導電型の第3半導体領域が設けられている。トレンチは、前記半導体基板の第1主面から前記第3半導体領域および前記第2半導体領域を貫通して前記第1半導体領域に達する。
【0019】
ゲート電極は、前記トレンチの内部にゲート絶縁膜を介して設けられている。層間絶縁膜は、前記ゲート電極を覆う。複数のコンタクトホールは、深さ方向に前記層間絶縁膜を貫通して前記ゲート電極に達する。複数のゲート導電層は、前記層間絶縁膜の上に互いに離れて設けられ、深さ方向に前記層間絶縁膜を介して前記ゲート電極に対向し、前記コンタクトホールにおいて前記ゲート電極に接する。前記ゲート導電層は、前記ゲート電極よりも低抵抗である。第1電極は、前記第3半導体領域および前記第2半導体領域に電気的に接続されている。第2電極は、前記半導体基板の第2主面に設けられている。
【0020】
また、この発明にかかる半導体装置は、上述した発明において、前記半導体基板の第1主面に平行な第1方向(X)に直線状に延在する複数の前記ゲート電極がストライプ状に配置されたストライプ構造である。すべての前記ゲート電極は電気的に接続されている。前記ゲート導電層は、複数の前記ゲート電極のそれぞれの上に前記層間絶縁膜を介して設けられ、前記第1方向に点在していることを特徴とする。
【0021】
また、この発明にかかる半導体装置は、上述した発明において、前記ゲート電極がマトリクス状に配置されたセル構造である。前記ゲート導電層は、前記半導体基板の第1主面に平行な第1方向に互いに隣り合う前記ゲート電極にそれぞれ接して、当該ゲート電極同士を電気的に接続する。複数の前記ゲート導電層によって、すべての前記ゲート電極が電気的に接続されている。前記第3半導体領域は、前記ゲート絶縁膜を介して複数の前記ゲート電極の周囲を囲む。前記第2半導体領域は、前記半導体基板の第1主面に平行で前記第1方向と直交する第2方向に、前記第3半導体領域を介して前記ゲート電極に対向することを特徴とする。
【0022】
また、この発明にかかる半導体装置は、上述した発明において、前記第2半導体領域の、前記第1電極との電気的接触部がマトリクス状に配置されたセル構造である。複数の前記電気的接触部は、それぞれ前記第3半導体領域に周囲を囲まれている。前記ゲート電極は、複数の前記第3半導体領域の周囲を囲む格子状に設けられている。前記ゲート導電層は、前記ゲート電極の上に前記層間絶縁膜を介して、互いに隣り合う前記第3半導体領域の間を所定方向に点在することを特徴とする。
【0023】
また、この発明にかかる半導体装置は、上述した発明において、前記ゲート電極がマトリクス状に配置されたセル構造である。複数の前記ゲート電極は、それぞれ前記ゲート絶縁膜を介して前記第3半導体領域に周囲を囲まれている。前記第2半導体領域の、前記第1電極との電気的接触部は、複数の前記第3半導体領域の周囲を囲む格子状に設けられている。前記ゲート導電層は、互いに隣り合う前記ゲート電極にそれぞれ接して、当該ゲート電極同士を電気的に接続する。複数の前記ゲート導電層によって、すべての前記ゲート電極が電気的に接続されることを特徴とする。
【0024】
また、この発明にかかる半導体装置は、上述した発明において、前記ゲート導電層は、第1方向に長い矩形状の平面形状を有し、第1方向の両端部でそれぞれ前記ゲート電極に接することを特徴とする。
【0025】
また、この発明にかかる半導体装置は、上述した発明において、第1絶縁ゲート型電界効果トランジスタ、第2導電型の第4導電型領域、および、第2絶縁ゲート型電界効果トランジスタを備える。前記第1絶縁ゲート型電界効果トランジスタは、前記第1半導体領域をドリフト領域とし、前記第2半導体領域をベース領域とする。前記第4導電型領域は、前記半導体基板の第1主面と前記第1半導体領域との間であって、前記第2半導体領域とは異なる領域に設けられている。前記第2絶縁ゲート型電界効果トランジスタは、前記第1半導体領域をドリフト領域とし、前記第4導電型領域をベース領域とし、前記第1絶縁ゲート型電界効果トランジスタと同じ構造の複数のセルを、前記第1絶縁ゲート型電界効果トランジスタよりも少ない個数で有することを特徴とする。
【0026】
また、この発明にかかる半導体装置は、上述した発明において、前記ゲート電極はポリシリコン層である。前記ゲート導電層はチタン、窒化チタンまたはアルミニウムからなる金属層であることを特徴とする。
【0027】
上述した発明によれば、ゲート電極上に層間絶縁膜を介して選択的にゲート導電層を設けることで、ゲート電極を構成するポリシリコン層による抵抗成分で生じるゲート抵抗増加を抑制することができる。これによって、メイン半導体素子のターンオフ時、メイン半導体素子の単位セルごとのゲート閾値電圧のばらつきを抑制することができる。このため、メイン半導体素子の並列接続された単位セル間でゲート遅延時間によるアンバランスが発生しにくい。
【発明の効果】
【0028】
本発明にかかる半導体装置によれば、電圧波形や電流波形の振動を抑制することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0029】
図1】実施の形態1にかかる半導体装置を半導体基板のおもて面側から見たレイアウトを示す平面図である。
図2図1の頂点A1,A1’を対頂点とする矩形枠内を拡大して示す平面図である。
図3図1の活性領域の断面構造を示す断面図である。
図4図1の活性領域の断面構造を示す断面図である。
図5図2のメイン有効領域の断面構造を示す断面図である。
図6A図2のメイン有効領域の断面構造を示す断面図である。
図6B図2のメイン有効領域の断面構造の別の一例を示す断面図である。
図7A図2のメイン有効領域の断面構造を示す断面図である。
図7B図2のメイン有効領域の断面構造の別の一例を示す断面図である。
図8図2のメイン有効領域の断面構造を示す断面図である。
図9】実施の形態1にかかる半導体装置の製造途中の状態を示す断面図である。
図10】実施の形態1にかかる半導体装置の製造途中の状態を示す断面図である。
図11】実施の形態1にかかる半導体装置の製造途中の状態を示す断面図である。
図12】実施の形態1にかかる半導体装置の製造途中の状態を示す断面図である。
図13】実施の形態1にかかる半導体装置の製造途中の状態を示す断面図である。
図14】実施の形態1にかかる半導体装置の製造途中の状態を示す断面図である。
図15】実施の形態2にかかる半導体装置を半導体基板のおもて面側から見たレイアウトを示す平面図である。
図16図15の頂点B1,B1’を対頂点とする矩形枠内を拡大して示す平面図である。
図17図16のメイン有効領域の断面構造を示す断面図である。
図18図16のメイン有効領域の断面構造を示す断面図である。
図19】実施の形態3にかかる半導体装置を半導体基板のおもて面側から見たレイアウトを示す平面図である。
図20】実施の形態4にかかる半導体装置を半導体基板のおもて面側から見たレイアウトを示す平面図である。
図21図20のメイン有効領域の断面構造を示す断面図である。
図22図20のメイン有効領域の断面構造を示す断面図である。
図23図20のメイン有効領域の断面構造を示す断面図である。
図24図20のメイン有効領域の断面構造を示す断面図である。
図25】実施例のターンオフ時の電圧波形および電流波形を示す特性図である。
図26】従来例のターンオフ時の電圧波形および電流波形を示す特性図である。
図27】実施例の逆回復耐量による遮断電流の電流量を示す特性図である。
図28】従来の半導体装置を半導体基板のおもて面側から見たレイアウトを示す平面図である。
図29図28の頂点AA,AA’を対頂点とする矩形枠内を拡大して示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下に添付図面を参照して、この発明にかかる半導体装置の好適な実施の形態を詳細に説明する。本明細書および添付図面においては、nまたはpを冠記した層や領域では、それぞれ電子または正孔が多数キャリアであることを意味する。また、nやpに付す+および-は、それぞれそれが付されていない層や領域よりも高不純物濃度および低不純物濃度であることを意味する。なお、以下の実施の形態の説明および添付図面において、同様の構成には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。
【0031】
(実施の形態1)
実施の形態1にかかる半導体装置は、シリコン(Si)よりもバンドギャップが広い半導体(ワイドバンドギャップ半導体)を半導体材料として用いて構成される。ここでは、実施の形態1にかかる半導体装置を構成するワイドバンドギャップ半導体材料として炭化珪素(SiC)を用いた場合を例に、実施の形態1にかかる半導体装置の構造について説明する。図1は、実施の形態1にかかる半導体装置を半導体基板のおもて面側から見たレイアウトを示す平面図である。
【0032】
図1には、ソースパッド21aの外周の輪郭またはソースパッド21aの端部の終端位置を破線で示す(図15,19,20においても同様)。また、図1では、互いに隣り合うトレンチ37aの間に設けられた各部(n+型ソース領域35aおよびp++型コンタクト領域36a)、ゲート絶縁膜38aおよび層間絶縁膜40を図示省略する。図2は、図1の頂点A1,A1’を対頂点とする矩形枠内を拡大して示す平面図である。メイン有効領域1aの断面構造はメイン有効領域1aの全域にわたって図2と同じ断面構造である。
【0033】
図1に示す実施の形態1にかかる半導体装置20は、炭化珪素からなる同一の半導体基板(半導体チップ)10の活性領域1に、メイン半導体素子11と、当該メイン半導体素子11を保護・制御するための1つ以上の回路部と、を有する。活性領域1は、半導体基板10の略中央(チップ中央)に設けられている。メイン半導体素子11は、半導体装置20の主動作を行う縦型MOSFETであり、後述するソースパッド21aにより互いに並列接続された複数の単位セル(素子の機能単位)で構成される。
【0034】
メイン半導体素子11は、活性領域1の有効領域(以下、メイン有効領域とする)1aに配置されている。メイン有効領域1aは、メイン半導体素子11のオン時に、半導体基板10の裏面からおもて面に向かう方向(深さ方向Zに対して反対方向)にメイン半導体素子11の主電流(ドリフト電流)が流れる領域である。メイン有効領域1aは、例えば略矩形状の平面形状を有し、活性領域1の大半の表面積を占める。略矩形状の平面形状のメイン有効領域1aの3辺が後述するエッジ終端領域2に隣接する。
【0035】
メイン半導体素子11を保護・制御するための回路部は、例えば、電流センス部12、温度センス部13、過電圧保護部(不図示)および演算回路部(不図示)等の高機能部であり、活性領域1のメイン無効領域1bに配置される。メイン無効領域1bは、メイン半導体素子11の単位セルが配置されていない領域であり、メイン半導体素子11として機能しない。メイン無効領域1bは例えば略矩形状の平面形状を有し、略矩形状の平面形状のメイン有効領域1aの残りの1辺とエッジ終端領域2との間に配置される。
【0036】
エッジ終端領域2は、活性領域1と半導体基板10の端部(チップ端部)との間の領域であり、活性領域1に隣接して、活性領域1の周囲を囲み、半導体基板10のおもて面側の電界を緩和して耐圧を保持する機能を有する。エッジ終端領域2には、例えばフィールドリミッティングリング(FLR:Field Limiting Ring)や接合終端(JTE:Junction Termination Extension)構造等の一般的な耐圧構造(不図示)が配置される。耐圧とは、半導体装置が誤動作や破壊を起こさない限界の電圧である。
【0037】
エッジ終端領域2において半導体基板10のおもて面上に、フィールド絶縁膜(不図示)を介して、ポリシリコン(poly-Si)層からなるゲートランナー24(斜線のハッチング部)が設けられている。ゲートランナー24は、活性領域1とエッジ終端領域2との境界に沿って略矩形状に活性領域1の周囲を囲む。ゲートランナー24上に、ゲートランナー24に接して、金属層からなるゲート配線層(不図示)が設けられている。ゲート配線層は、ゲートランナー24に沿って延在し、略矩形状に活性領域1の周囲を囲む。ゲートランナー24およびゲート配線層は、後述するゲートパッド21bに電気的に接続されている。
【0038】
メイン半導体素子11は、半導体基板10のおもて面に平行な第1方向Xに直線状に延在する複数の単位セルを、半導体基板10のおもて面に平行でかつ第1方向Xと直交する第2方向Yに隣接して配置したストライプ構造である。また、メイン半導体素子11は、トレンチ37aの内部にゲート絶縁膜38aを介して埋め込んだゲート電極39a(斜線のハッチング部)を備えたトレンチゲート構造であり、ゲート電極39a上に、ゲート電極39aに接して、ゲート電極39aよりも低抵抗なゲート導電層21c(格子のハッチング部)を有する。
【0039】
トレンチ37aは、単位セルが延在する方向と同じ第1方向Xに直線状に延在する。トレンチ37aの両端部は、例えば活性領域1とエッジ終端領域2との略矩形状の平面形状の境界の1組の対辺にそれぞれ達する。ゲート電極39aは、単位セルが延在する方向と同じ第1方向Xに直線状に延在するポリシリコン層である。ゲート電極39aは、活性領域1の周囲を略矩形状に囲むゲートランナー24の1組の対辺と直交して当該1組の対辺それぞれに両端部が連結されている。
【0040】
ゲート導電層21cは、ゲート電極39aが延在する方向と同じ第1方向Xに長い略長方形状の平面形状をなし、第1方向Xに所定間隔で点在している。ゲート導電層21cは、例えばチタン(Ti)、窒化チタン(TiN)またはアルミニウム(Al)等の金属材料で形成される。ゲート導電層21cは、ゲート電極39a上において層間絶縁膜40の上に設けられ、長手方向(第1方向X)の両端部それぞれで層間絶縁膜40の第3コンタクトホール40c(図6A参照)を介してゲート電極39aに接する(図6A参照)。
【0041】
すべてのゲート導電層21cは、ゲート電極39aを介してゲートランナー24に電気的に接続されている。第1方向Xに最も外側のゲート導電層21cがゲート配線層に連結されてもよい。ゲート導電層21cは、ゲート電極39aの、深さ方向Zに自身に対向する部分で、ゲート電極39aを構成するポリシリコン層による抵抗成分で生じるゲート抵抗増加を抑制して、並列接続された単位セル間でのゲート遅延時間によるアンバランスの発生を抑制する機能を有する。ゲート導電層21cの寸法や配置間隔は設計条件に応じて種々変更される。
【0042】
メイン半導体素子11のn+型ソース領域35aおよびp++型コンタクト領域36aは、互いに隣り合うトレンチ37a間にそれぞれ選択的に配置され、層間絶縁膜40の第1コンタクトホール40aに露出されている。互いに隣り合うトレンチ37a間において、ゲート電極39aが延在する方向と同じ第1方向Xに、n+型ソース領域35aとp++型コンタクト領域36aとが交互に繰り返し配置されている。p++型コンタクト領域36aは、例えば第2方向Yにゲート導電層21cに対向する。
【0043】
+型ソース領域35aは、トレンチ37aの側壁においてゲート絶縁膜38aに接する。n+型ソース領域35aは、互いに隣り合うトレンチ37a間においてp++型コンタクト領域36aの周囲を囲む梯子状の平面形状をなす。このため、n+型ソース領域35aは、トレンチ37aの側壁に沿って第1方向Xに延在する部分と、第1方向Xに互いに隣り合うp++型コンタクト領域36a間に挟まれた部分と、を有する。n+型ソース領域35aは、例えば第2方向Yにゲート導電層21cに対向していない。
【0044】
メイン半導体素子11のソースパッド(電極パッド)21aは、メイン有効領域1aにおいて半導体基板10のおもて面上に配置される。メイン半導体素子11のソースパッド21aは、当該ソースパッド21a以外の電極パッドおよびゲート導電層21cと離れて配置されている。メイン半導体素子11は、他の回路部に比べて電流能力が大きい。このため、メイン半導体素子11のソースパッド21aはメイン有効領域1aのほぼ全面を覆う。ソースパッド21aの平面形状は種々変更可能である。
【0045】
例えば、ソースパッド21aとゲート導電層21cとの階層が同じである場合、ソースパッド21aは、ゲート導電層21cと離れて、ゲート導電層21cの周囲を囲む格子状の平面形状であってもよいし、互いに隣り合う各トレンチ37a間においてそれぞれ第1方向Xに延在する複数の直線部によるストライプ状で、かつ当該直線部の端部同士を連結した平面形状であってもよい。また、ソースパッド21aは、メイン有効領域1aと略同じ平面形状で、ゲート導電層21cの上に層間絶縁膜を介して配置されてもよい。
【0046】
ソースパッド21a以外の電極パッドは、メイン無効領域1bにおいて半導体基板10のおもて面上に互いに離れて配置される。ソースパッド21a以外の電極パッドとは、メイン半導体素子11のゲートパッド21b、電流センス部12の電極パッド(OCパッド)22、温度センス部13の電極パッド(アノードパッドおよびカソードパッド)23a,23b、過電圧保護部の電極パッド(以下、OVパッドとする:不図示)、および演算回路部の電極パッド(不図示)等である。
【0047】
ソースパッド21a以外の電極パッドは、例えば略矩形状の平面形状を有し、後述する端子ピン48b~48d(図3,4参照)やワイヤー(不図示)の接合に必要な表面積を有する。図1には、ソースパッド21a以外の電極パッドがメイン無効領域1bとエッジ終端領域2との境界に沿って一列に配置された場合を示す。また、図1には、ソースパッド21a、ゲートパッド21b、OCパッド22、アノードパッド23aおよびカソードパッド23bを、それぞれS、G、OC、AおよびKと付した矩形状に図示する(図15,19,20においても同様)。
【0048】
電流センス部12は、メイン半導体素子11に並列接続され、メイン半導体素子11と同じ条件で動作して、メイン半導体素子11に流れる過電流(OC:Over Current)を検出する機能を有する。電流センス部12は、メイン半導体素子11と離れて配置されている。電流センス部12は、メイン半導体素子11と同一構成の単位セルを、メイン半導体素子11の単位セルの個数(例えば1千個以上程度)よりも少ない個数(例えば10個程度)で備えた縦型MOSFETであり、メイン半導体素子11よりも表面積が小さい。
【0049】
電流センス部12の単位セルは、半導体基板10の、OCパッド22で覆われた領域の一部の領域(以下、センス有効領域とする)12aに配置されている。電流センス部12の単位セルは、半導体基板10のおもて面に平行な方向に互いに隣接して配置される。電流センス部12の単位セルが互いに隣接する方向は、例えば、メイン半導体素子11の単位セルが互いに隣接する方向と同じである。電流センス部12の単位セルは、OCパッド22により互いに並列接続されている。
【0050】
また、半導体基板10の、OCパッド22で覆われた領域のうち、センス有効領域12aを除く領域は、電流センス部12として機能しないセンス無効領域12bである。センス無効領域12bには、電流センス部12の単位セルが配置されていない。メイン無効領域1bの、センス有効領域12aを除く領域のほぼ全域において、半導体基板10のおもて面の表面領域に、センス有効領域12aから後述するp型ベース領域34b(図3,4参照)が延在している。
【0051】
温度センス部13は、ダイオードの温度特性を利用してメイン半導体素子11の温度を検出する機能を有する。温度センス部13は、アノードパッド23aおよびカソードパッド23bの直下に配置されている。温度センス部13は、例えば、半導体基板10のおもて面の層間絶縁膜40上に設けられたポリシリコン(poly-Si)層で構成されたポリシリコンダイオードであってもよいし、半導体基板10の内部に形成されたp型領域とn型領域とのpn接合で形成された拡散ダイオードであってもよい。
【0052】
過電圧保護部(不図示)は、例えばサージ等の過電圧(OV:Over Voltage)からメイン半導体素子11を保護するダイオードである。電流センス部12、温度センス部13および過電圧保護部は、演算回路部により制御される。演算回路部は、電流センス部12、温度センス部13および過電圧保護部の出力信号に基づいてメイン半導体素子11を制御する。演算回路部は、CMOS(Complementary MOS:相補型MOS)回路など複数の半導体素子で構成される。
【0053】
次に、実施の形態1にかかる半導体装置20の断面構造について説明する。図3,4は、図1の活性領域の断面構造を示す断面図である。図5,6A,7A,8は、図2のメイン有効領域の断面構造を示す断面図である。図6B,7Bは、図2のメイン有効領域の断面構造の別の一例を示す断面図である。図3には、メイン有効領域1aおよび電流センス部12の断面構造(図1の切断線X1-X2-X3-X4における断面構造)を示す。図4には、メイン有効領域1a、センス有効領域12aおよび温度センス部13の断面構造(図1の切断線X1-X2、切断線X3-X4および切断線Y1-Y2における断面構造)を示す。
【0054】
図3,4のメイン有効領域1aおよびセンス有効領域12aにはそれぞれ一部の単位セルを示す。図5,6A,7A,8は、それぞれ図2の切断線A2-A2’、切断線A3-A3’、切断線A4-A4’および切断線A5-A5’における断面構造であり、ソースパッド21aが格子状の平面形状である場合の断面構造を示している。図6B,7Bは、切断線A3-A3’および切断線A4-A4’における断面構造の別の一例である。図2の切断線A4-A4’および切断線A5-A5’は、図1の切断線X1-X2に平行で、図1の切断線X1-X2と異なる断面を通る。図5,6A,6B,7A,7B,8では、ソースパッド21a上の配線構造を図示省略する(図21~24においても同様)。
【0055】
メイン半導体素子11は、メイン有効領域1aにおいて半導体基板10のおもて面側に、p型ベース領域34a、n+型ソース領域35a、p++型コンタクト領域36a、トレンチ37a、ゲート絶縁膜38aおよびゲート電極39aで構成されたトレンチゲート構造のMOSゲート(金属-酸化膜-半導体の3層構造からなる絶縁ゲート)を有する。半導体基板10は、炭化珪素からなるn+型出発基板71のおもて面上にn-型ドリフト領域32およびp型ベース領域34aとなる各炭化珪素層72,73を順にエピタキシャル成長させてなる。
【0056】
+型出発基板71は、メイン半導体素子11および電流センス部12のn+型ドレイン領域31となる。半導体基板10の、p型炭化珪素層73側の主面をおもて面とし、n+型出発基板71側の主面(n+型出発基板71の裏面)を裏面とする。ここでは、メイン半導体素子11、および、メイン半導体素子11を保護・制御する回路部がピン状の配線部材(後述する端子ピン48a~48d)を用いた同一構成の配線構造を有する場合を例に説明するが、ピン状の配線部材に代えて、ワイヤーを用いた配線構造としてもよい。
【0057】
トレンチ37aは、半導体基板10のおもて面(p型炭化珪素層73の表面)から深さ方向Zにp型炭化珪素層73を貫通してn-型炭化珪素層72に達する。トレンチ37aの内部には、上述したようにゲート絶縁膜38aを介してゲート電極39aが設けられている。互いに隣り合うトレンチ37a間において、半導体基板10のおもて面の表面領域に、p型ベース領域34a、n+型ソース領域35aおよびp++型コンタクト領域36aがそれぞれ選択的に設けられている。
【0058】
+型ソース領域35aおよびp++型コンタクト領域36aは、半導体基板10のおもて面とp型ベース領域34aとの間に、p型ベース領域34aに接してそれぞれ選択的に設けられている。n+型ソース領域35aおよびp++型コンタクト領域36aは、半導体基板10のおもて面に露出されている。この半導体基板10のおもて面に露出とは、n+型ソース領域35aおよびp++型コンタクト領域36aが後述する層間絶縁膜40の第1コンタクトホール40aの内部で後述するNiSi膜41aに接することである。
【0059】
+型ソース領域35aは、トレンチ37aの側壁においてゲート絶縁膜38aに接する。n+型ソース領域35aは、第2方向Yに最も外側(チップ端部側)のトレンチ37aよりも外側には設けられていない(図3,4)。p++型コンタクト領域36aは、n+型ソース領域35aよりもトレンチ37aから離れて設けられている。p++型コンタクト領域36aは設けられていなくてもよい。この場合、p++型コンタクト領域36aに代えて、p型ベース領域34aが半導体基板10のおもて面まで達する。
【0060】
半導体基板10の内部において、p型ベース領域34aとn+型ドレイン領域31(n+型出発基板71)との間に、p型ベース領域34aおよびn+型ドレイン領域31に接して、n-型ドリフト領域32が設けられている。p型ベース領域34aとn-型ドリフト領域32との間に、これらの領域に接して、n型電流拡散領域33aが設けられていてもよい。n型電流拡散領域33aは、キャリアの広がり抵抗を低減させる、いわゆる電流拡散層(Current Spreading Layer:CSL)である。
【0061】
また、半導体基板10の内部において、p型ベース領域34aよりもn+型ドレイン領域31に近い位置に、トレンチ37aの底面にかかる電界を緩和させる第1,2p+型領域61a,62aが設けられていてもよい。第1p+型領域61aは、p型ベース領域34aと離れて設けられ、深さ方向Zにトレンチ37aの底面に対向する。第2p+型領域62aは、互いに隣り合うトレンチ37a間に、第1p+型領域61aおよびトレンチ37aと離れて設けられ、かつp型ベース領域34aに接する。
【0062】
層間絶縁膜40は、半導体基板10のおもて面のほぼ全面に設けられ、ゲート電極39aを覆う。すべてのゲート電極39aが上述したようにゲートランナー24(図1参照)に連結されている。メイン有効領域1aにおいて深さ方向Zに層間絶縁膜40を貫通する第1,3コンタクトホール40a,40cが設けられている。第1コンタクトホール40aは、互いに隣り合うトレンチ37a間において第1方向Xに延在する直線状に設けられ、n+型ソース領域35aおよびp++型コンタクト領域36aを露出する(図5,6A,7A,8)。
【0063】
ニッケルシリサイド(NiSi、Ni2Siまたは熱的に安定なNiSi2:以下、まとめてNiSiとする)膜41aは、第1コンタクトホール40aの内部において半導体基板10にオーミック接触し、n+型ソース領域35aおよびp++型コンタクト領域36aに電気的に接続されている。p++型コンタクト領域36aが設けられていない場合、p++型コンタクト領域36aに代えて、p型ベース領域34aが第1コンタクトホール40aに露出され、NiSi膜41aに電気的に接続される。
【0064】
メイン有効領域1aにおける層間絶縁膜40およびNiSi膜41aの表面全体に、層間絶縁膜40およびNiSi膜41aの表面に沿ってバリアメタル46aが設けられている。バリアメタル46aは、バリアメタル46aの各金属膜間またはバリアメタル46aを挟んで対向する領域間での相互反応を防止する機能を有する。バリアメタル46aは、例えば、第1窒化チタン(TiN)膜42a、第1チタン(Ti)膜43a、第2TiN膜44aおよび第2Ti膜45aを順に積層した積層構造を有していてもよい。
【0065】
第1TiN膜42aは、層間絶縁膜40の表面全体を覆う。第1TiN膜42aは、NiSi膜41aが形成された部分における半導体基板10のおもて面上には設けられていない。第1Ti膜43aは、第1TiN膜42aおよびNiSi膜41aの表面に設けられている。第2TiN膜44aは、第1Ti膜43aの表面に設けられている。第2Ti膜45aは、第2TiN膜44aの表面に設けられている。バリアメタル46aは、例えば、温度センス部13には設けられていない。
【0066】
ソースパッド21aは、第2Ti膜45aの表面全面に設けられ、バリアメタル46aおよびNiSi膜41aを介してn+型ソース領域35aおよびp++型コンタクト領域36aに電気的に接続されている。ソースパッド21aは、例えば、5μm程度の厚さのアルミニウム(Al)膜、アルミニウム-シリコン(Al-Si)膜またはアルミニウム-シリコン-銅(Al-Si-Cu)膜であってもよい。ソースパッド21a、バリアメタル46aおよびNiSi膜41aはメイン半導体素子11のソース電極として機能する。
【0067】
第3コンタクトホール40cは、ゲート電極39a上において第1方向Xに点在し、ゲート電極39aを選択的に露出する(図5,6A,7A,8)。ゲート導電層21cは上述したように第1方向Xに所定間隔で点在しており、複数のゲート導電層21cが第1方向Xに所定間隔で互いに離れて設けられている。これら複数のゲート導電層21cは、それぞれ第1方向Xに互いに隣り合う2つの第3コンタクトホール40c間に延在して、当該2つの第3コンタクトホール40cの内部に埋め込まれている(図6A)。
【0068】
ゲート導電層21cの両端部は、それぞれ異なる第3コンタクトホール40cの内部においてゲート電極39aに接し、ゲート電極39aに電気的に接続されている。ゲート導電層21cは、例えば、バリアメタル46aを構成する金属膜と同時に形成されたTi膜もしくはTiN膜、または金属積層膜であってもよいし、ソースパッド21aと同時に形成されたアルミニウムを含む金属膜であってもよいし、バリアメタル46aを構成する1層以上の金属膜およびソースパッド21aと同時に形成された金属積層膜であってもよい。図6,7には、ゲート導電層21cの下層に、バリアメタル46aと同時に形成されたバリアメタル46cを図示する。
【0069】
ソースパッド21aの上には、めっき膜47aおよびはんだ層(不図示)を介して、端子ピン48aの一方の端部が接合されている。端子ピン48aの他方の端部は、半導体基板10のおもて面に対向するように配置された金属バー(不図示)に接合されている。また、端子ピン48aの他方の端部は、半導体基板10を実装したケース(不図示)の外側に露出し、外部装置(不図示)と電気的に接続される。端子ピン48aは、半導体基板10のおもて面に対して略垂直に立てた状態でめっき膜47aにはんだ接合されている。
【0070】
端子ピン48aは、所定直径を有する丸棒状(円柱状)の配線部材であり、外部の接地電位(最低電位)に接続される。端子ピン48aは、ソースパッド21aの電位を外部に取り出す外部接続用端子である。第1,2保護膜49a,50aは例えばポリイミド膜である。第1保護膜49aは、ソースパッド21aの表面のめっき膜47a以外の部分と、ゲート導電層21cと、を覆う。第1保護膜49aによってソースパッド21aとゲート導電層21cとが電気的に絶縁される。第2保護膜50aは、めっき膜47aと第1保護膜49aとの境界を覆う。
【0071】
ドレイン電極51は、半導体基板10の裏面(n+型出発基板71の裏面)全面にオーミック接触している。ドレイン電極51上には、例えば、Ti膜、ニッケル(Ni)膜および金(Au)膜を順に積層した積層構造でドレインパッド(電極パッド:不図示)が設けられている。ドレインパッドは、絶縁基板の例えば銅箔等で形成された金属ベース板(不図示)にはんだ接合され、当該金属ベース板を介して冷却フィン(不図示)のベース部に少なくとも一部が接触している。
【0072】
このように半導体基板10のおもて面のソースパッド21aに端子ピン48aを接合し、かつ裏面のドレインパッドを絶縁基板の金属ベース板に接合することで、半導体基板10は両主面それぞれに冷却構造を備えた両面冷却構造となっている。半導体基板10で発生した熱は、半導体基板10の裏面のドレインパッドに接合された金属ベース板を介して冷却フィンのフィン部から放熱され、かつ半導体基板10のおもて面の端子ピン48aを接合した金属バーから放熱される。
【0073】
電流センス部12は、メイン無効領域1bのセンス有効領域12aにおいて半導体基板10のおもて面側に、p型ベース領域34b、n+型ソース領域35b、p++型コンタクト領域36b、トレンチ37b、ゲート絶縁膜38bおよびゲート電極39bで構成されたトレンチゲート構造のMOSゲートを有する。電流センス部12は、メイン半導体素子11と同じストライプ構造(図1,2参照)であってもよいし、従来のストライプ構造(図28参照)や従来の一般的なセル構造(例えば上記特許文献3参照)であってもよい。
【0074】
電流センス部12がメイン半導体素子11と同じストライプ構造である場合、メイン半導体素子11のゲート導電層21cと同じ構成で、層間絶縁膜40の上において深さ方向Zにゲート電極39bに対向する位置に、両端部がゲート電極39bに接するゲート導電層(不図示)が設けられる。この場合、OCパッド22は、電流センス部12のゲート導電層に対して、メイン半導体素子11のソースパッド21aのゲート導電層21cに対する構成と同様の構成となる。
【0075】
p型ベース領域34bは、半導体基板10のおもて面の表面領域のn-型領域32aにより、メイン半導体素子11のp型ベース領域34aと分離されている。p型ベース領域34bは、例えばセンス有効領域12aからメイン無効領域1bのほぼ全域に延在している。電流センス部12は、メイン半導体素子11と同様に、n型電流拡散領域33bおよび第1,2p+型領域61b,62bを有していてもよい。電流センス部12は、メイン半導体素子11と同様に、p++型コンタクト領域36bを有していなくてもよい。
【0076】
ゲート電極39bは、ゲートランナー24を介してゲートパッド21b(図1参照)に電気的に接続されている。ゲート電極39bは、層間絶縁膜40に覆われている。センス有効領域12aにおいて深さ方向Zに層間絶縁膜40を貫通して半導体基板10に達する第2コンタクトホール40bが設けられている。第2コンタクトホール40bは、互いに隣り合うトレンチ37b間において第1方向Xに延在する直線状に設けられ、n+型ソース領域35bおよびp++型コンタクト領域36bを露出する。
【0077】
センス有効領域12aにおいて半導体基板10のおもて面には、メイン半導体素子11と同様に、NiSi膜41bおよびバリアメタル46bが設けられている。バリアメタル46bは、センス無効領域12bにおける層間絶縁膜40上に延在している。OCパッド22は、バリアメタル46bの表面全面に、ソースパッド21aと離れて設けられ、バリアメタル46bおよびNiSi膜41bを介してn+型ソース領域35bおよびp++型コンタクト領域36bに電気的に接続されている。
【0078】
NiSi膜41bは、第2コンタクトホール40bの内部において半導体基板10にオーミック接触し、n+型ソース領域35bおよびp++型コンタクト領域36bに電気的に接続されている。p++型コンタクト領域36bが設けられていない場合、p++型コンタクト領域36bに代えて、p型ベース領域34bが第2コンタクトホール40bに露出され、NiSi膜41bに電気的に接続される。符号42b~45bは、それぞれバリアメタル46bを構成する第1TiN膜、第1Ti膜、第2TiN膜および第2Ti膜である。
【0079】
OCパッド22は、例えば、ソースパッド21aと同じ材料で、ソースパッド21aと同時に形成される。OCパッド22、バリアメタル46bおよびNiSi膜41bは、電流センス部12のソース電極として機能する。電流センス部12がゲート導電層を有する場合、電流センス部12のゲート導電層は、例えば、メイン半導体素子11のゲート導電層21cと同じ積層構造の金属膜で構成され、メイン半導体素子11のゲート導電層21cと同じように、ゲート電極39bを介してゲートランナー24に電気的に接続される。
【0080】
OCパッド22上に、ソースパッド21a上の配線構造と同じ配線構造で、端子ピン48bが接合される。端子ピン48bは、端子ピン48aよりも小さい直径を有する丸棒状(円柱状)の配線部材であり、外部の抵抗体(不図示)を介してOCパッド22を接地電位に接続する。端子ピン48bは、OCパッド22の電位を外部に取り出す外部接続用端子である。符号47b,49b,50bは、それぞれOCパッド22上の配線構造を構成するめっき膜および第1,2保護膜であり、ソースパッド21a上の配線構造と同じように配置される。
【0081】
メイン有効領域1aのp型ベース領域34aおよびセンス有効領域12aのp型ベース領域34bは、半導体基板10の表面領域の図示省略するn-型領域により、素子分離のためのp型領域(不図示)と分離されている。素子分離のためのp型領域とは、エッジ終端領域2に活性領域1の周囲を囲む略矩形状に設けられ、活性領域1とエッジ終端領域2とを電気的に分離する寄生ダイオードをn-型ドリフト領域32とのpn接合で形成するフローティングのp型領域である。
【0082】
温度センス部13は、例えば、p型アノード領域であるp型ポリシリコン層81とn型カソード領域であるn型ポリシリコン層82とのpn接合で形成されたポリシリコンダイオードである(図4)。p型ポリシリコン層81およびn型ポリシリコン層82は、メイン無効領域1bにおいて、層間絶縁膜40上に設けられている。温度センス部13は、層間絶縁膜40により、半導体基板10、メイン半導体素子11および電流センス部12と電気的に絶縁されている。
【0083】
アノードパッド23aおよびカソードパッド23bは、それぞれ、これらを覆う層間絶縁膜83の第4,5コンタクトホール83a,83bにおいてp型ポリシリコン層81およびn型ポリシリコン層82に接する。アノードパッド23aおよびカソードパッド23bは、例えば、ソースパッド21aと同じ材料で、ソースパッド21aと同時に形成される。アノードパッド23a上およびカソードパッド23b上には、それぞれ、ソースパッド21a上の配線構造と同じ配線構造で端子ピン48c,48dが接合されている。
【0084】
端子ピン48c,48dは、それぞれアノードパッド23aおよびカソードパッド23bの電位を外部に取り出す外部接続用端子である。端子ピン48c,48dは、温度センス部13の電流能力に応じた所定の直径を有する丸棒状の配線部材である。符号47c,47dは、それぞれアノードパッド23a上の配線構造およびカソードパッド23b上の配線構造を構成するめっき膜である。符号49c,50cは、それぞれ温度センス部13上の配線構造を構成する第1,2保護膜である。
【0085】
また、メイン無効領域1bには、メイン半導体素子11のゲートパッド21bを配置したゲートパッド部14が設けられている(図1参照)。ゲートパッド21bは、メイン無効領域1bにおける層間絶縁膜40上に、他の電極パッドと離れて設けられている。ゲートパッド21bは、例えば、ソースパッド21aと同じ材料で、ソースパッド21aと同時に形成される。ゲートパッド21b上には、ソースパッド21a上の配線構造と同じ配線構造で、端子ピン(不図示)が接合されている。
【0086】
実施の形態1にかかる半導体装置20の動作について説明する。メイン半導体素子11のソース電極(ソースパッド21a)に対して正の電圧(順方向電圧)がドレイン電極51に印加された状態で、メイン半導体素子11のゲート電極39aにゲート閾値電圧以上の電圧が印加されると、メイン半導体素子11のp型ベース領域34aのトレンチ37aに沿った部分にチャネル(n型の反転層)が形成される。それによって、メイン半導体素子11のn+型ドレイン領域31からn+型ソース領域35aへ向かって電流が流れ、メイン半導体素子11がオンする。
【0087】
メイン半導体素子11と同じ条件で、電流センス部12のソース電極(OCパッド22)に対して正の電圧(順方向電圧)がドレイン電極51に印加された状態で、電流センス部12のゲート電極39bにゲート閾値電圧以上の電圧が印加されると、電流センス部12のp型ベース領域34bのトレンチ37bに沿った部分にチャネル(n型の反転層)が形成される。それによって、電流センス部12のn+型ドレイン領域31からn+型ソース領域35bへ向かって電流(以下、センス電流とする)が流れ、電流センス部12がオンする。
【0088】
メイン半導体素子11のオン時に、電流センス部12をオンさせた状態とする。電流センス部12にセンス電流が流れることで、電流センス部12のn+型ソース領域35bと接地点との間に接続された抵抗体(不図示)で電圧降下が生じる。メイン半導体素子11に流れる電流の大きさに応じて電流センス部12のセンス電流が大きくなるため、当該抵抗体での電圧降下も大きくなる。したがって、この抵抗体での電圧降下の大きさを監視することで、メイン半導体素子11での過電流を検知可能である。
【0089】
一方、メイン半導体素子11は、ゲート電極39aにゲート閾値電圧未満の電圧が印加されたときに、第1,2p+型領域61a,62aとn型電流拡散領域33aおよびn-型ドリフト領域32とのpn接合が逆バイアスされることで、オフ状態を維持する。電流センス部12のゲート電極39bにもゲート閾値電圧未満の電圧が印加され、電流センス部12は、第1,2p+型領域61b,62bとn型電流拡散領域33bおよびn-型ドリフト領域32とのpn接合が逆バイアスされることで、オフ状態を維持する。
【0090】
メイン半導体素子11は、上述したようにゲート導電層21cを有することで、ゲート電極39aを構成するポリシリコン層による抵抗成分で生じるゲート抵抗増加が抑制されている。このため、メイン半導体素子11のターンオフ時、メイン半導体素子11の単位セルごとのゲート閾値電圧Vthのばらつきを抑制することができる。これによって、メイン半導体素子11の並列接続された単位セル間でゲート遅延時間によるアンバランスが発生しにくく、メイン半導体素子11のゲート電圧Vgの電圧波形143が振動しにくい。
【0091】
したがって、メイン半導体素子11の各単位セルでターンオフ時のドレイン・ソース間電圧Vdsの電圧波形の立ち上がりをほぼ同じにすることができ、ドレイン電極51の面内においてドレイン電位を略同じにすることができる。これによって、メイン半導体素子11のドレイン・ソース間電圧Vdsの電圧波形142を振動しにくくすることができ、メイン半導体素子11のターンオフ時のドレイン・ソース間電流Idsの電流波形141の振動を抑制することができる(後述する図25参照)。
【0092】
ここで、ソースパッド21aがメイン有効領域1aと略同じ平面形状であり、ゲート導電層21cの上に層間絶縁膜40を介してソースパッド21aを配置する場合の変形例を図6B,7Bに示す。図6B,7Bは、それぞれ図6A,7Aに相当する部分の変形例である。図6B,7Bのゲート導電層21c(ハッチング部分)の配置以外の構成は、図6A,7Aと同じである。ソースパッド21aをメイン有効領域1aと略同じ平面形状とする場合、例えば、層間絶縁膜40の内部に埋め込むようにゲート導電層21cを配置すればよい。
【0093】
このように層間絶縁膜40の内部にゲート導電層21cを埋め込むことで、層間絶縁膜40上に、メイン有効領域1aと略同じ平面形状でソースパッド21aを配置することができる。これにより、ソースパッド21aの面積を広くとることができるため、ソース電極の電位を外部に接続する構造が簡便となる。このような構成に用いるゲート導電層21cとしては、チタンや窒化チタン、およびこれらの積層膜を用いることができる。また、タンタル、タングステン、モリブデンなど他の高融点金属やその窒化物を用いてもよい。
【0094】
次に、実施の形態1にかかる半導体装置20の製造方法について説明する。図9~14は、実施の形態1にかかる半導体装置の製造途中の状態を示す断面図である。図9~14には、メイン半導体素子11のみを示すが、同一の半導体基板10に作製されるすべての半導体素子(図1~5,6A,7A,8を参照)の各部はメイン半導体素子11の各部と同じ不純物濃度および深さの各部と同時に形成される。
【0095】
まず、図9に示すように、炭化珪素からなるn+型出発基板(半導体ウエハ)71として、例えば窒素(N)ドープの炭化珪素単結晶基板を用意する。次に、n+型出発基板71のおもて面に、n+型出発基板71よりも低濃度に窒素がドープされたn-型炭化珪素層72をエピタキシャル成長させる。メイン半導体素子11が耐圧3300Vクラスである場合、n-型炭化珪素層72の厚さt1は、例えば30μm程度であってもよい。
【0096】
次に、図10に示すように、フォトリソグラフィおよび例えばAl等のp型不純物のイオン注入により、メイン有効領域1aにおいてn-型炭化珪素層72の表面領域に、第1p+型領域61aおよびp+型領域91をそれぞれ選択的に形成する。第1p+型領域61aおよびp+型領域91は、例えば、第2方向Y(横方向:図3,4参照)に交互に繰り返し配置され、第1方向X(奥行き方向:図3,4参照)にストライプ状に延在する。
【0097】
次に、フォトリソグラフィおよび例えば窒素等のn型不純物のイオン注入により、メイン有効領域1aの全域にわたってn-型炭化珪素層72の表面領域にn型領域92を形成する。n型領域92は、第1p+型領域61aとp+型領域91との間に、これらp+型領域61a,91に接して形成される。n型領域92と、p+型領域61a,91と、の形成順序を入れ替えてもよい。
【0098】
互いに隣り合うp+型領域61a,91間の距離d2は例えば1.5μm程度である。p+型領域61a,91は、例えば深さd1および不純物濃度がそれぞれ0.5μm程度および5.0×1018/cm3程度である。n型領域92の深さd3および不純物濃度は、例えば、それぞれ0.4μm程度および1.0×1017/cm3程度である。n-型炭化珪素層72の、イオン注入されていない部分がn-型ドリフト領域32となる。
【0099】
次に、図11に示すように、n-型炭化珪素層72上にさらに例えば窒素等のn型不純物をドープしたn-型炭化珪素層を例えば0.5μm程度の厚さt2でエピタキシャル成長させて、n-型炭化珪素層72の厚さを厚くする。これによって、n-型炭化珪素層72の厚さが所定厚さになる。n-型炭化珪素層72の厚さを増した部分72aの不純物濃度は、例えば3×1015/cm3であってもよい。
【0100】
次に、フォトリソグラフィおよびAl等のp型不純物のイオン注入により、n-型炭化珪素層72の厚さを増した部分72aに、p+型領域91に達するp+型領域93を選択的に形成する。次に、フォトリソグラフィおよび例えば窒素などのn型不純物のイオン注入により、n-型炭化珪素層72の厚さを増した部分72aに、n型領域92に達するn型領域94を選択的に形成する。
【0101】
これによって、深さ方向Zに隣接するp+型領域91,93同士が連結されて第2p+型領域62aが形成される。深さ方向Zに隣接するn型領域92,94同士が連結されてn型電流拡散領域33aが形成される。p+型領域93およびn型領域94の不純物濃度等の条件は、例えばそれぞれp+型領域91およびn型領域92と同様である。p+型領域93とn型領域94との形成順序を入れ替えてもよい。
【0102】
次に、図12に示すように、n-型炭化珪素層72上に、例えばAl等のp型不純物をドープしたp型炭化珪素層73をエピタキシャル成長させる。p型炭化珪素層73の厚さt3および不純物濃度は、例えば、それぞれ1.3μm程度および4.0×1017/cm3程度である。ここまでの工程により、n+型出発基板71上にn-型炭化珪素層72およびp型炭化珪素層73を順に積層した半導体基板10(半導体ウエハ)が作製される。
【0103】
次に、フォトリソグラフィおよびイオン注入を1組とする工程を異なる条件で繰り返し行い、メイン有効領域1aにおいてp型炭化珪素層73の表面領域に、n+型ソース領域35aおよびp++型コンタクト領域36aをそれぞれ選択的に形成する。メイン有効領域1aのp型炭化珪素層73の、n+型ソース領域35aおよびp++型コンタクト領域36aと、n-型炭化珪素層72と、の間の部分がp型ベース領域34aとなる。
【0104】
次に、イオン注入で形成した拡散領域(第1,2p+型領域61a,62a、n型電流拡散領域33a、n+型ソース領域35aおよびp++型コンタクト領域36a)について、例えば1700℃程度の温度で2分間程度の熱処理(活性化アニール)により不純物活性化を行う。活性化アニールは、すべての拡散領域の形成後にまとめて1回行ってもよいし、イオン注入により拡散領域を形成するごとに行ってもよい。
【0105】
次に、図13に示すように、フォトリソグラフィおよびエッチングにより、半導体基板10のおもて面からn+型ソース領域35aおよびp型ベース領域34aを貫通してn型電流拡散領域33aに達し、深さ方向Z(縦方向:図3,4参照)に第1p+型領域61aに対向するトレンチ37aを形成する。トレンチ37aは、例えば、第1p+型領域61aに達して、第1p+型領域61aの内部で終端してもよい。
【0106】
次に、図14に示すように、半導体基板10のおもて面およびトレンチ37aの内壁に沿ってゲート絶縁膜38aを形成する。ゲート絶縁膜38aは、例えば、酸素(O2)雰囲気中において1000℃程度の温度で半導体表面を熱酸化することで形成した熱酸化膜であってもよいし、高温酸化(HTO:High Temperature Oxide)による堆積膜であってもよい。
【0107】
次に、トレンチ37aの内部に埋め込むように、半導体基板10のおもて面に例えばリン(P)ドープのポリシリコン層を堆積する。次に、フォトリソグラフィおよびエッチングにより、当該ポリシリコン層を選択的に除去して、ポリシリコン層の、ゲート電極39aとなる部分のみをトレンチ37aの内部に残す。ゲート電極39aと同時に、例えばエッジ終端領域2にゲートランナー24を形成してもよい。
【0108】
また、上述したようにメイン半導体素子11のMOSゲートの各部を形成する際に、同一の半導体基板10に作製されるすべての半導体素子(電流センス部12、過電圧保護部(不図示)および演算回路部(不図示)等の高機能部:図3,4参照)の各部について、メイン半導体素子11の各部と同じ不純物濃度や深さの各部と同時に形成すればよい。
【0109】
メイン半導体素子11は、半導体基板10のおもて面の表面領域に形成された島状のp型ベース領域34a内に配置することで、p型ベース領域34aとn-型ドリフト領域32とのpn接合分離により、同一の半導体基板10に作製される他の半導体素子と分離される。電流センス部12は、メイン半導体素子11と同じ構造で、半導体基板10のおもて面の表面領域に形成された島状のp型ベース領域34b内に配置すればよい。
【0110】
次に、ゲート電極39aを覆うように、半導体基板10のおもて面全面に、例えばBPSG(Boro Phospho Silicate Glass)等やPSG(Phospho Silicate Glass)等の層間絶縁膜40を例えば1μmの厚さで形成する。温度センス部13は、層間絶縁膜40上にp型ポリシリコン層81およびn型ポリシリコン層82(図4参照)を形成し、層間絶縁膜83で覆えばよい。
【0111】
次に、フォトリソグラフィおよびエッチングにより、深さ方向Zに層間絶縁膜40およびゲート絶縁膜38aを貫通する第1~3コンタクトホール40a~40cを形成する。深さ方向Zに層間絶縁膜83を貫通する第4,5コンタクトホール83a,83bを形成する。第1コンタクトホール40aには、メイン半導体素子11のn+型ソース領域35aおよびp++型コンタクト領域36aを露出させる。
【0112】
第2コンタクトホール40bには、電流センス部12のn+型ソース領域35bおよびp++型コンタクト領域36bを露出させる。第3コンタクトホール40cには、メイン半導体素子11のゲート電極39aを露出させる。第4,5コンタクトホール83a,83bには、それぞれ温度センス部13のp型ポリシリコン層81およびn型ポリシリコン層82を露出させる。次に、熱処理により層間絶縁膜40,83を平坦化(リフロー)する。
【0113】
次に、層間絶縁膜40のみを覆う第1TiN膜42aを形成する。次に、半導体基板10のおもて面の、第1コンタクトホール40aに露出される部分にNiSi膜41aを形成する。次に、NiSi膜41aおよび第1TiN膜42aを覆うように、第1Ti膜43a、第2TiN膜44aおよび第2Ti膜45aを順に積層してバリアメタル46aを形成する。次に、第2Ti膜45a上にソースパッド21aを堆積する。
【0114】
また、第2コンタクトホール40b内にも、NiSi膜41aおよびバリアメタル46aと同時に、これらの金属膜と同じ構成で、それぞれNiSi膜41bおよびバリアメタル46bを形成する。第2~5コンタクトホール40b,40c,83a,83b内にも、ソースパッド21aと同時に、ソースパッド21aと同じ構成で、それぞれ、OCパッド22、アノードパッド23aおよびカソードパッド23bを形成する。
【0115】
また、第3コンタクトホール40c内にも、NiSi膜41a、バリアメタル46aおよびソースパッド21aのいずれか1層以上の金属膜と同時に、単層か、または2層以上の積層構造のゲート導電層21cを形成する。また、半導体基板10の裏面にオーミック接触するドレイン電極51を形成し、ドレイン電極51の表面に例えばTi膜、Ni膜および金(Au)膜を順に積層してドレインパッド(不図示)を形成する。
【0116】
次に、半導体基板10のおもて面にポリイミドからなる第1保護膜49a~49cを選択的に形成し、これら第1保護膜49a~49cの開口部にそれぞれ異なる各電極パッド21a,21b,22,23a,23bを露出させる。次に、一般的なめっき前処理の後、一般的なめっき処理により、電極パッド21a,21b,22,23a,23bの、第1保護膜49a~49cの開口部に露出する部分にめっき膜47a~47dを形成する。
【0117】
次に、熱処理(ベーク)によりめっき膜47a~47dを乾燥させる。次に、ポリイミドからなる第2保護膜50a~50cを形成し、めっき膜47a~47dと第1保護膜49a~49cとの各境界を覆う。次に、熱処理(キュア)によりポリイミド膜(第1保護膜49a~49cおよび第2保護膜50a~50c)の強度を向上させる。次に、めっき膜47a~47d上に、それぞれはんだ層により端子ピン48a~48dを接合する。
【0118】
その後、半導体基板10(半導体ウエハ)をダイシング(切断)して個々のチップ状に個片化することで、図1~5,6A,7A,8に示す半導体装置20が完成する。
【0119】
以上、説明したように、実施の形態1によれば、ゲート電極上に層間絶縁膜を介して選択的にゲート導電層を設けることで、ゲート電極を構成するポリシリコン層による抵抗成分で生じるゲート抵抗増加を抑制することができる。これによって、メイン半導体素子のターンオフ時、メイン半導体素子の単位セルごとのゲート閾値電圧のばらつきを抑制することができる。このため、メイン半導体素子の並列接続された単位セル間でゲート遅延時間によるアンバランスが発生しにくく、メイン半導体素子の電圧波形が振動することを抑制することができる。
【0120】
(実施の形態2)
次に、実施の形態2にかかる半導体装置の構造について説明する。図15は、実施の形態2にかかる半導体装置を半導体基板のおもて面側から見たレイアウトを示す平面図である。図15では、互いに隣り合うトレンチ37a’の間に設けられた各部(n+型ソース領域35a’およびp++型コンタクト領域36a’)、ゲート絶縁膜38a’および層間絶縁膜40を図示省略する。図16は、図15の頂点B1,B1’を対頂点とする矩形枠内を拡大して示す平面図である。
【0121】
メイン有効領域1aの断面構造は、メイン有効領域1aの全域にわたって図16と同じ断面構造となっている。図17,18は、図16のメイン有効領域の断面構造を示す断面図である。図17,18は、それぞれ図16の切断線B3-B3’および切断線B4-B4’における断面構造である。図16の切断線B2-B2’および切断線B5-B5’における断面構造は、それぞれ図5,8の符号35a~39aを符号35a’~39a’に代えたものである。
【0122】
実施の形態2にかかる半導体装置20’が実施の形態1にかかる半導体装置20(図1参照)と異なる点は、第1方向Xに点在するゲート電極39a’(斜線のハッチング部)の1つを単位セルの中心に配置したセル構造とする点である。
【0123】
実施の形態2において、n+型ソース領域35a’およびp++型コンタクト領域36a’は、互いに隣り合うトレンチ37a’間にそれぞれ選択的に配置され、層間絶縁膜40の第1コンタクトホール40aに露出されている。第2方向Yに互いに隣り合うトレンチ37a’間において、n+型ソース領域35a’とp++型コンタクト領域36a’とが第1方向Xに交互に繰り返し配置されている。p++型コンタクト領域36a’は、例えば第2方向Yにゲート導電層21c’に対向する。また、第1方向Xにおいて互いに隣り合うトレンチ37a’の間には、n+型ソース領域35a’が設けられている。
【0124】
+型ソース領域35a’は、p++型コンタクト領域36a’およびトレンチ37a’の周囲を囲む梯子状の平面形状をなす。このため、メイン半導体素子11’の単位セルは、ゲート電極39a’を中心に配置し、ゲート電極39a’の周囲をn+型ソース領域35a’で囲んで、かつn+型ソース領域35a’よりも中心から離れた位置にp++型コンタクト領域36a’を配置した構成となっている。
【0125】
トレンチ37a’は、少なくとも第1方向Xに互いに隣り合うようにマトリクス状に配置されている。図15には、トレンチ37a’が第1方向Xおよび第2方向Yにそれぞれ互いに隣り合うように点在する場合を示す。各トレンチ37a’は、例えば第1方向Xに長い略長方形状の平面形状をなす。トレンチ37a’の内部には、ゲート絶縁膜38a’を介してゲート電極39a’が設けられている。複数のゲート電極39a’は、互いに離れて配置されている。
【0126】
ゲート電極39a’の長手方向(第1方向X)の両端部は、層間絶縁膜40のそれぞれ異なる第3コンタクトホール40c’に露出されている。ゲート電極39a’とゲート導電層21c’とは第1方向Xに交互に繰り返し配置されている(図16参照)。第1方向Xに互いに隣り合うゲート電極39a’の対向する端部同士は、同一のゲート導電層21c’に接して電気的に接続されている(図17参照)。
【0127】
ゲート導電層21c’(格子のハッチング部)は、例えば第1方向Xに長い略長方形状の平面形状をなす。ゲート導電層21c’は層間絶縁膜40の上に設けられ、深さ方向Zに少なくとも両端部がゲート電極39a’に対向する。ゲート導電層21c’は、長手方向(第1方向X)の両端部で第1方向Xに隣り合うゲート電極39a’の対向する両端部に接し、中央部で深さ方向Zに層間絶縁膜40を介してn+型ソース領域35a’に対向する。符号46c’はバリアメタルである。
【0128】
ゲート導電層21c’によりすべてのゲート電極39a’が電気的に接続されていればよく、第1方向Xに互いに隣り合うゲート電極39a’の間にゲート導電層21c’が配置されていない箇所が存在してもよい。電流センス部12は、メイン半導体素子11’と同じセル構造であってもよい。メイン半導体素子11’のセル構造を、実施の形態1の電流センス部12に適用してもよい。また、実施の形態1の図6B,7Bの構成を適用して、ゲート導電層21c’を層間絶縁膜40の中に埋め込まれた構造とし、メイン有効領域1aのほぼ全面にソースパッド21aを設ける構成としてもよい。
【0129】
以上、説明したように、実施の形態2によれば、ゲート電極を単位セルの中心に配置したセル構造とすることで、ストライプ構造(図28参照)や、p++型コンタクト領域を単位セルの中心に配置した従来の一般的なセル構造(例えば上記特許文献3参照)と比べて、半導体基板とゲート電極との間のゲート絶縁膜の表面積が小さくなり、ゲート絶縁膜の静電容量で決まる入力容量が小さくなる。
【0130】
また、各単位セルのゲート電極同士を電気的に接続するゲート導電層と、半導体基板と、の間の層間絶縁膜は比較的厚さの厚い酸化膜であるため、入力容量に寄与しにくい。入力容量が小さくなることで、メイン半導体素子のスイッチング時間が短くなり、駆動損失が小さくなるため、メイン半導体素子の単位セルごとのゲート電圧の電圧波形の振動が抑制されて、実施の形態1と同様の効果を得ることができる。
【0131】
また、従来の一般的なセル構造では、破壊耐量が低い。その理由は、高電圧および大電流の条件でのスイッチングや、短絡耐量が不可欠な動作モードにおいて、単位セルの中心に配置された表面積の狭いp++型コンタクト領域とソース電極とのコンタクトに大電流が集中しやすいからである。これに加えて、各単位セルの外周端部は半導体基板の端部(チップ端部)付近と同様に電界が集中しやすいからである。
【0132】
一方、実施の形態2によれば、ソース電極とのコンタクトを形成するp++型コンタクト領域が単位セルの外周に配置されていることで、単位セルの中心から外側に向かってドレイン・ソース間電流が拡がる。これにより、ソース電極とp++型コンタクト領域とのコンタクトに大電流が集中しにくく、かつ単位セルの外周に電界が集中しにくい。このため、従来の一般的なセル構造と比べて、破壊耐量を高くすることができる。
【0133】
また、従来の一般的なセル構造では、微細化すると、p++型コンタクト領域の表面積が小さくなり、ソース電極とp++型コンタクト領域とのコンタクト抵抗が大きくなる。一方、実施の形態2によれば、ソース電極とp++型コンタクト領域とのコンタクトを、ストライプ構造と同様に第1方向に長く延在させることができるため、第2方向に互いに隣り合うトレンチ間を狭くして微細化しても、コンタクト抵抗を維持することができる。
【0134】
(実施の形態3)
次に、実施の形態3にかかる半導体装置の構造について説明する。図19は、実施の形態3にかかる半導体装置を半導体基板のおもて面側から見たレイアウトを示す平面図である。図19の切断線C2-C2’および切断線C4-C4’ともに同じ断面構造であり、図7Aの符号35a~39a,21cをそれぞれ符号135a~139a,121cに代えたものである。図19の切断線C3-C3’における断面構造は、図6Aの符号37a~39a,21cをそれぞれ符号137a~139a,121cに代えたものである。
【0135】
実施の形態3にかかる半導体装置120が実施の形態1にかかる半導体装置20(図1参照)と異なる点は、メイン半導体素子111を、p++型コンタクト領域136aを単位セルの中心に配置したセル構造とした点である。メイン半導体素子111は、ソースパッド21aとのコンタクト(電気的接触部)を除いて、メイン有効領域1aにおける半導体基板110の表面(トレンチ137aの内壁を含む)のほぼ全面がゲート電極139a(斜線のハッチング部)で覆われ、ゲート電極139a上にゲート導電層121c(格子のハッチング部)を有する。
【0136】
具体的には、実施の形態3において、p++型コンタクト領域136aは、第1方向Xおよび第2方向Yにそれぞれ所定間隔で互いに隣り合うマトリクス状に配置されている。各p++型コンタクト領域136aの周囲は、それぞれn+型ソース領域135aに略矩形状に囲まれている。トレンチ137aは、n+型ソース領域135aの周囲を矩形状に囲む格子状に設けられている。この格子状に配置されたトレンチ137aにより単位セルが区画されている。
【0137】
図19において、頂点C1,C1’を対頂点とする矩形枠で囲む部分がメイン半導体素子111の1つの単位セルである。トレンチ137aの内部に、ゲート絶縁膜138aを介してゲート電極139aが設けられている。ゲート導電層121cは、例えば第1方向Xに長い略長方形状の平面形状をなし、ゲート電極139aの上において層間絶縁膜40の上に設けられ、第1方向Xに所定間隔で点在している。図19では、層間絶縁膜40(図6A,7A参照)を図示省略する。
【0138】
また、ゲート導電層121cは、例えば第2方向Yに長い略長方形状の平面形状をなし、ゲート電極139aの上において層間絶縁膜40の上に設けられ、第2方向Yに所定間隔で点在している。これによって、ゲート導電層121cは、第1方向Xおよび第2方向Yにそれぞれ所定間隔で互いに隣り合うマトリクス状に配置されている。ゲート導電層121cは、第1方向Xに互いに隣り合うn+型ソース領域135a間、および第2方向Yに互いに隣り合うn+型ソース領域135a間に配置されている。ここで、実施の形態1の図6B,7Bの構成を適用して、ゲート導電層121cは、層間絶縁膜40の内部に埋め込まれた構成としてもよい。
【0139】
電流センス部12は、メイン半導体素子111と同じセル構造であってもよい。メイン半導体素子111のセル構造を、実施の形態1,2の電流センス部12に適用してもよい。
【0140】
以上、説明したように、実施の形態3によれば、p++型コンタクト領域を単位セルの中心に配置したセル構造とした場合においても、実施の形態1と同様の効果を得ることができる。
【0141】
(実施の形態4)
次に、実施の形態4にかかる半導体装置の構造について説明する。図20は、実施の形態4にかかる半導体装置を半導体基板のおもて面側から見たレイアウトを示す平面図である。図21~24は、図20のメイン有効領域の断面構造を示す断面図である。図21~24は、それぞれ図20の切断線D2-D2’、切断線D3-D3’、切断線D4-D4’および切断線D5-D5’における断面構造であり、ソースパッド21aが格子状の平面形状である場合の断面構造を示している。
【0142】
実施の形態4にかかる半導体装置120’が実施の形態2にかかる半導体装置20’(図15参照)と異なる点は、メイン半導体素子111’の各単位セルが、マトリクス状に配置されたゲート電極139a’(斜線のハッチング部)の1つをそれぞれ中心に配置し、ゲート電極139a’の周囲を囲む格子状のp++型コンタクト領域136a’で区画されている点である。図20の頂点D1,D1’を対頂点とする矩形枠で囲む部分がメイン半導体素子111’の1つの単位セルである。図20では、層間絶縁膜40(図22~24参照)を図示省略する。
【0143】
実施の形態4において、トレンチ137a’は、第1方向Xおよび第2方向Yにそれぞれ所定間隔で互いに隣り合うマトリクス状に配置されている。各トレンチ137a’は、例えば略正方形状の平面形状をなす。ゲート電極139a’は、トレンチ137a’の内部にゲート絶縁膜138a’を介して設けられている。複数のゲート電極139a’は、互いに離れて配置されている。例えば第1方向Xに互いに隣り合うゲート電極139a’同士は、層間絶縁膜40の異なる第3コンタクトホール40c’に露出されている。
【0144】
各トレンチ137a’の側壁に沿って、ゲート電極139a’の周囲を略矩形状に囲むn+型ソース領域135a’が設けられている。p++型コンタクト領域136a’は、マトリクス状に配置されたn+型ソース領域135a’の周囲を格子状に囲む。n+型ソース領域135a’およびp++型コンタクト領域136a’を露出する層間絶縁膜40の第1コンタクトホール40a’は、例えばp++型コンタクト領域136a’と同じ格子状の平面形状で配置されている。
【0145】
ゲート導電層121c’(格子のハッチング部)は、実施の形態2と同様に、例えば第1方向Xに長い略長方形状の平面形状をなし、層間絶縁膜40の上に設けられ、第3コンタクトホール40c’を介してゲート電極139a’に接する。ゲート電極139a’とゲート導電層121c’とは、実施の形態2と同様に、第1方向Xに交互に繰り返し配置されている(図20参照)。第1方向Xに互いに隣り合うゲート電極139a’同士は、同一のゲート導電層121c’に接して電気的に接続されている(図22参照)。
【0146】
ゲート導電層121c’は、長手方向(第1方向X)の端部で深さ方向Zにゲート電極139a’に対向し、中央部で深さ方向Zに層間絶縁膜40を介してn+型ソース領域135a’およびp++型コンタクト領域136a’に対向する。すべてのゲート電極139a’が電気的に接続されてゲート電位となっていればよく、ゲート導電層121c’の配置は種々変更可能である。第1方向Xに互いに隣り合うゲート電極139a’の間にゲート導電層121c’が配置されない箇所が存在してもよい。
【0147】
電流センス部12は、メイン半導体素子111’と同じセル構造であってもよい。メイン半導体素子111’のセル構造を、実施の形態1~3の電流センス部12に適用してもよい。
【0148】
以上、説明したように、実施の形態4によれば、ゲート電極を単位セルの中心に配置したセル構造とした場合においても、実施の形態1~3と同様の効果を得ることができる。
【0149】
(実施例1)
上述した実施の形態1にかかる半導体装置20(図1~5,6A,7A,8参照)の電圧・電流波形について検証した。図25は、実施例1のターンオフ時の電圧波形および電流波形を示す特性図である。上述した実施の形態1にかかる半導体装置20(以下、実施例1とする)のターンオフ時のドレイン・ソース間電流Idsの電流波形141、ドレイン・ソース間電圧Vdsの電圧波形142、およびゲート電圧Vgの電圧波形143を図25に示す。
【0150】
図26は、従来例のターンオフ時の電圧波形および電流波形を示す特性図である。比較として、従来の半導体装置220(以下、従来例とする:図28,29参照)のターンオフ時のドレイン・ソース間電流Idsの電流波形151、ドレイン・ソース間電圧Vdsの電圧波形152、およびゲート電圧Vgの電圧波形153を図26に示す。従来例が実施例1と異なる点は、ゲート導電層21cを備えていない点である。
【0151】
図25に示す結果から、実施例1においては、メイン半導体素子11のターンオフ時、メイン半導体素子11の単位セルごとのゲート閾値電圧Vthのばらつきを抑制することができ、実施例1全体のゲート電圧Vgの電圧波形143が振動しにくいことが確認された。これによって、メイン半導体素子11のドレイン・ソース間電圧Vdsの電圧波形142を振動しにくくすることができ、メイン半導体素子11全体のターンオフ時のドレイン・ソース間電流Idsの電流波形141の振動を抑制することができることが確認された。
【0152】
一方、図26に示す結果から、従来例では、メイン半導体素子211のドレイン・ソース間電流Idsの電流波形151、ドレイン・ソース間電圧Vdsの電圧波形152、およびゲート電圧Vgの電圧波形153ともに振動することが確認された。従来例では、メイン半導体素子211の単位セルごとに、ゲート閾値電圧Vthがばらついて、ドレイン・ソース間電圧Vdsの電圧波形の立ち上がりが異なってくることで、メイン半導体素子211全体のドレイン・ソース間電圧Vdsの電圧波形152が振動しやすいからである。
【0153】
(実施例2)
上述した実施の形態2にかかる半導体装置20’(図15~18参照)の逆回復耐量について検討した。図27は、実施例2の逆回復耐量による遮断電流の電流量を示す特性図である。上述した実施の形態2にかかる半導体装置20’(以下、実施例2とする)と、上述した従来例と、でメイン半導体素子11’,211のターンオフ時に、メイン有効領域1a,201aのp型ベース領域を通ってソースパッド21a,221aへ引き抜かれる正孔電流(遮断電流)の電流量を比較した結果を図27に示す。
【0154】
図27に示すように、実施例2は、従来例と比べて、メイン半導体素子11’のターンオフ時に、メイン有効領域1aのp型ベース領域34aを通ってソースパッド21aへ引き抜かれる正孔電流の電流量が多くなることが確認された。従来例と比べて、入力容量が小さく、メイン半導体素子11’のスイッチング時間が短いことで、駆動損失が小さくなり、メイン半導体素子11’全体のターンオフ時のドレイン・ソース間電流Idsの電流波形141の振動が抑制されるからであると推測される。
【0155】
以上において本発明は、上述した各実施の形態に限らず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変更可能である。例えば、実施の形態2~4において、単位セルの中心に配置されたゲート電極やp++型コンタクト領域の平面形状は種々変更可能であり、円形状や楕円状、矩形以外の多角形状であってもよい。また、実施の形態1,2において、ゲート電極が延在する方向を、第1方向に代えて第2方向としてもよい。また、ゲート導電層は層間絶縁膜の内部に埋め込まれた構成とし、ソースパッドを全面に設ける構成としてもよい。
【0156】
また、上述した各実施の形態を、メイン無効領域に電流センス部とゲートパッドのみを配置した構成としてもよいし、従来構造(図28参照)のようにメイン無効領域にゲートパッドのみを配置した構成としてもよい。また、炭化珪素を半導体材料にすることに代えて、炭化珪素以外のワイドバンドギャップ半導体とした場合においても本発明を適用可能である。また、本発明は、導電型(n型、p型)を反転させても同様に成り立つ。
【産業上の利用可能性】
【0157】
以上のように、本発明にかかる半導体装置は、高電圧や大電流を制御するパワー半導体装置に有用である。
【符号の説明】
【0158】
1 活性領域
1a メイン有効領域
1b メイン無効領域
2 エッジ終端領域
10,110 半導体基板
11,11’,111,111’ メイン半導体素子
12 電流センス部
12a センス有効領域
12b センス無効領域
13 温度センス部
14 ゲートパッド部
20,20’,120,120’ 半導体装置
21a ソースパッド(電極パッド)
21b ゲートパッド(電極パッド)
21c,21c’,121c,121c’ ゲート導電層
22 OCパッド(電極パッド)
23a アノードパッド(電極パッド)
23b カソードパッド(電極パッド)
24 ゲートランナー
31 n+型ドレイン領域
32 n-型ドリフト領域
32a n-型領域
33a,33b n型電流拡散領域
34a,34b p型ベース領域
35a,35a’,35b,135a,135a’ n+型ソース領域
36a,36a’,36b,136a,136a’ p++型コンタクト領域
37a,37a’,37b,137a,137a’ トレンチ
38a,38a’,38b,138a,138a’ ゲート絶縁膜
39a,39a’,39b,139a,139a’ ゲート電極
40,83 層間絶縁膜
40a,40a’,40b,40c,40c’,83a,83b コンタクトホール
41a,41b NiSi膜
42a,42b 第1TiN膜
43a,43b 第1Ti膜
44a,44b 第2TiN膜
45a,45b 第2Ti膜
46a,46b,46c バリアメタル
47a~47d めっき膜
48a~48d 端子ピン
49a~49c 第1保護膜
50a~50c 第2保護膜
51 ドレイン電極
61a,61b,62a,62b,91,93 p+型領域
71 n+型出発基板
72 n-型炭化珪素層
72a n-型炭化珪素層の厚さを増した部分
73 p型炭化珪素層
81 p型ポリシリコン層
82 n型ポリシリコン層
92,94 n型領域
d1 p+型領域の深さ
d2 互いに隣り合うp+型領域間の距離
d3 n型領域の深さ
t1 n-型炭化珪素層の、n+型出発基板上に最初に積層する厚さ
t2 n-型炭化珪素層の、厚さを増した部分の厚さ
t3 p型炭化珪素層の厚さ
X 半導体基板のおもて面に平行な方向(第1方向)
Y 半導体基板のおもて面に平行でかつ第1方向と直交する方向(第2方向)
Z 深さ方向
図1
図2
図3
図4
図5
図6A
図6B
図7A
図7B
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26
図27
図28
図29