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特許7472621医用画像経時比較プログラム、医用画像経時比較方法及び医用画像経時比較システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-15
(45)【発行日】2024-04-23
(54)【発明の名称】医用画像経時比較プログラム、医用画像経時比較方法及び医用画像経時比較システム
(51)【国際特許分類】
   A61B 6/46 20240101AFI20240416BHJP
   G09G 5/00 20060101ALI20240416BHJP
   G09G 5/14 20060101ALI20240416BHJP
   G09G 5/377 20060101ALI20240416BHJP
   G09G 5/37 20060101ALI20240416BHJP
   G16H 30/40 20180101ALI20240416BHJP
   G06T 7/00 20170101ALI20240416BHJP
【FI】
A61B6/46 536P
G09G5/00 550H
G09G5/14 Z
G09G5/377 100
G09G5/37 600
G09G5/00 530T
G09G5/00 510D
G16H30/40
G06T7/00 616
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2020075201
(22)【出願日】2020-04-21
(65)【公開番号】P2021171197
(43)【公開日】2021-11-01
【審査請求日】2023-01-12
(73)【特許権者】
【識別番号】000005223
【氏名又は名称】富士通株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】嶋田 雅彦
【審査官】佐野 浩樹
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-175227(JP,A)
【文献】特開平04-333972(JP,A)
【文献】特開2009-148336(JP,A)
【文献】特開2013-052245(JP,A)
【文献】特開2004-033539(JP,A)
【文献】特開2013-169400(JP,A)
【文献】特開2017-062772(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2011/0311026(US,A1)
【文献】特開2011-092681(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 5/00 - 5/01 、 6/00 - 6/14 、
G06Q50/22 、
G06T 1/00 - 1/40 、 3/00 - 7/90 、
G06V10/00 -20/90 、30/418、40/16 、
40/20 、
G09G 5/00 - 5/36 、 5/377- 5/42 、
G16H10/00 -80/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
患者の肺を撮影した画像であって、患者を識別する患IDが対応付けられた画像を分割した複数の領域のそれぞれの特徴量を抽出し、
前記画像を撮影日時の順に並べて、各画像の前記特徴量の時系列の変化の度合いが所定値以上である領域にマークを付して表示装置に表示させ、
表示中の画像と同じ患者IDが対応付けられた画像を追加する操作が行われた場合であって、前記表示中の画像と前記追加される画像のうち、撮影日が最新の画像が、前記表示中の画像の方に含まれる場合、かつ、表示中の画像の数と追加される画像の数との合計が2以上である上限数を超える場合、表示中の画像のうち撮影日時が最新の1つのみを表示させ、追加される画像を前記上限数を越えないように撮影日が新しい順に表示させる
処理をコンピュータに実行させることを特徴とする医用画像経時比較プログラム。
【請求項2】
前記表示させる処理は、前記表示中の画像と前記追加される画像のうち、撮影日が最新の画像が、前記追加される画像の方に含まれる場合は、前記追加される画像のみを表示させることを特徴とする請求項1に記載の医用画像経時比較プログラム。
【請求項3】
患者の肺を撮影した画像であって、患者を識別する患IDが対応付けられた画像を分割した複数の領域のそれぞれの特徴量を抽出し、
前記画像を撮影日時の順に並べて、各画像の前記特徴量の時系列の変化の度合いが所定値以上である領域にマークを付して表示装置に表示させ、
表示中の画像と同じ患者IDが対応付けられた画像を追加する操作が行われると、表示中の画像の撮影日時、追加される画像の撮影日時、及び並べて表示可能な画像の上限数に基づき、前記表示中の画像と前記追加される画像のうち、撮影日時が最も新しい画像を少なくとも表示させ、
表示中の画像と異なる患者IDが対応付けられた画像を追加する操作が行われると、追加される画像のみを表示させる
処理をコンピュータに実行させることを特徴とする医用画像経時比較プログラム。
【請求項4】
患者の肺を撮影した画像であって、患者を識別する患IDが対応付けられた画像を分割した複数の領域のそれぞれの特徴量を抽出し、
前記画像を撮影日時の順に並べて、各画像の前記特徴量の時系列の変化の度合いが所定値以上である領域にマークを付して表示装置に表示させ、
表示中の画像と同じ患者IDが対応付けられた画像を追加する操作が行われた場合であって、前記表示中の画像と前記追加される画像のうち、撮影日が最新の画像が、前記表示中の画像の方に含まれる場合、かつ、表示中の画像の数と追加される画像の数との合計が2以上である上限数を超える場合、表示中の画像のうち撮影日時が最新の1つのみを表示させ、追加される画像を前記上限数を越えないように撮影日が新しい順に表示させる
処理をコンピュータが実行することを特徴とする医用画像経時比較方法。
【請求項5】
患者の肺を撮影した画像であって、患者を識別する患IDが対応付けられた画像を分割した複数の領域のそれぞれの特徴量を抽出し、
前記画像を撮影日時の順に並べて、各画像の前記特徴量の時系列の変化の度合いが所定値以上である領域にマークを付して表示装置に表示させ、
表示中の画像と同じ患者IDが対応付けられた画像を追加する操作が行われると、表示中の画像の撮影日時、追加される画像の撮影日時、及び並べて表示可能な画像の上限数に基づき、前記表示中の画像と前記追加される画像のうち、撮影日時が最も新しい画像を少なくとも表示させ、
表示中の画像と異なる患者IDが対応付けられた画像を追加する操作が行われると、追加される画像のみを表示させる
処理をコンピュータが実行することを特徴とする医用画像経時比較方法。
【請求項6】
医用画像経時比較装置と表示装置とを有する医用画像経時比較システムであって、
前記医用画像経時比較装置は、
患者の肺を撮影した画像であって、患者を識別する患IDが対応付けられた画像を分割した複数の領域のそれぞれの特徴量を抽出する抽出部と、
前記画像を撮影日時の順に並べて、各画像の前記特徴量の時系列の変化の度合いが所定値以上である領域にマークを付して表示装置に表示させ、表示中の画像と同じ患者IDが対応付けられた画像を追加する操作が行われた場合であって、前記表示中の画像と前記追加される画像のうち、撮影日が最新の画像が、前記表示中の画像の方に含まれる場合、かつ、表示中の画像の数と追加される画像の数との合計が2以上である上限数を超える場合、表示中の画像のうち撮影日時が最新の1つのみを表示させ、追加される画像を前記上限数を越えないように撮影日が新しい順に表示させる表示制御部と、
を有し、
前記表示装置は、
前記表示制御部の制御に応じて画面を表示することを特徴とする医用画像経時比較システム。
【請求項7】
医用画像経時比較装置と表示装置とを有する医用画像経時比較システムであって、
前記医用画像経時比較装置は、
患者の肺を撮影した画像であって、患者を識別する患IDが対応付けられた画像を分割した複数の領域のそれぞれの特徴量を抽出する抽出部と、
前記画像を撮影日時の順に並べて、各画像の前記特徴量の時系列の変化の度合いが所定値以上である領域にマークを付して表示装置に表示させ、表示中の画像と同じ患者IDが対応付けられた画像を追加する操作が行われると、表示中の画像の撮影日時、追加される画像の撮影日時、及び並べて表示可能な画像の上限数に基づき、前記表示中の画像と前記追加される画像のうち、撮影日時が最も新しい画像を少なくとも表示させ、表示中の画像と異なる患者IDが対応付けられた画像を追加する操作が行われると、追加される画像のみを表示させる表示制御部と、
を有し、
前記表示装置は、
前記表示制御部の制御に応じて画面を表示することを特徴とする医用画像経時比較システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医用画像経時比較プログラム、医用画像経時比較方法及び医用画像経時比較システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、びまん性肺疾患の患者の肺のCT画像を医師に提示し、診察を支援する症例検索システムが知られている。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0003】
【文献】富士通株式会社、「医用画像ソリューション HOPE DrABLE-GX」(https://www.fujitsu.com/jp/solutions/industry/healthcare/products/drablegx/)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の技術では、画像の比較を効率良く行うことができない場合があるという問題がある。例えば、肺の画像には、病気の進行に従って特徴が大きく変化する箇所と大きく変化しない箇所があると考えられるが、従来技術ではその違いを画像に明確に表示することは難しい場合がある。
【0005】
1つの側面では、画像の比較を効率良く行うことを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
1つの態様において、医用画像経時比較プログラムは、患者の肺を撮影した画像を分割した複数の領域のそれぞれの特徴量を抽出する処理をコンピュータに実行させる。医用画像経時比較プログラムは、画像を撮影日時の順に並べて、各画像の前記特徴量の時系列の変化の度合いが所定値以上である領域にマークを付して表示装置に表示させる処理をコンピュータに実行させる。
【発明の効果】
【0007】
1つの側面では、画像の比較を効率良く行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、医用画像経時比較システムの構成例を示す図である。
図2図2は、患者DBのデータ構造の例を示す図である。
図3図3は、症例DBのデータ構造の例を示す図である。
図4図4は、管理部の構成例を示す図である。
図5図5は、画像の入れ換えを説明する図である。
図6図6は、画像の入れ換えを説明する図である。
図7図7は、画像の入れ換えを説明する図である。
図8図8は、画像の入れ換えを説明する図である。
図9図9は、画像の入れ換えを説明する図である。
図10図10は、画像を表示する処理の流れを示すフローチャートである。
図11図11は、画像を入れ換える処理の流れを示すフローチャートである。
図12図12は、ハードウェア構成例を説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下に、本発明に係る医用画像経時比較プログラム、医用画像経時比較方法及び医用画像経時比較システムの実施例を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施例により本発明が限定されるものではない。また、各実施例は、矛盾のない範囲内で適宜組み合わせることができる。
【0010】
医用画像経時比較システムは、DBに蓄積された患者の画像を検索し、検索により得られた画像を表示することで、医師の診察を支援するシステムである。ここでの画像は、例えばCT画像等の医用画像である。例えば、医用画像経時比較システム1は、診察中の患者の画像に類似する画像をDBから取得し、当該取得した画像に対応付けられた疾患に関する情報を医師に提示することができる。これにより、医師は、提示された画像及び疾患に関する情報を参考にして診察を行うことができる。医用画像経時比較システムのユーザは、例えば医師である。
【0011】
図1は、医用画像経時比較システムの構成例を示す図である。図1に示すように、医用画像経時比較システム1は、医用画像経時比較装置10及び表示装置20を有する。また、医用画像経時比較装置10は、インタフェース部11、記憶部12及び制御部13を有する。
【0012】
インタフェース部11は、データの入出力、及び他の装置とのデータ通信を行うためのインタフェースである。また、例えば、インタフェース部11は、表示装置20に対し画像データを出力する。このとき、表示装置20は、インタフェース部11を介して受け取った画像データを基に画像を表示する。表示装置20は、例えばディスプレイ及びタッチパネルである。
【0013】
記憶部12は、制御部13が実行するプログラム及びプログラムの実行に必要なデータを記憶する記憶装置の一例である。記憶部12は、患者DB121、症例DB122及び画像DB123を記憶する。
【0014】
患者DB121には、患者ごとの情報が格納される。図2は、患者DBのデータ構造の例を示す図である。図2に示すように、患者DB121には、患者ごとの患者ID、氏名、性別、生年月日が格納される。図2の例では、患者IDが「0000000074」である患者の氏名が「患者 太朗」であり、性別が男であり、生年月日が「1950/1/1」であることが示されている。
【0015】
症例DB122には、検査結果が格納される。図3は、症例DBのデータ構造の例を示す図である。図3に示すように、症例DB122には、患者を識別する患者ID、画像を識別するUIDとともに、検査日と画像情報が格納される。
【0016】
画像情報f1、画像情報f2等は、例えば画像から抽出される特徴量である。画像情報は画像の類似度の計算等に用いられる。また、本実施例では、検査日は撮影日と同じであるものとする。
【0017】
図3の例では、患者IDが「0000000074」である患者のUIDが「1.1.1.1」である画像の検査日が「2019/9/15」であり、画像情報f1が「100」であり、画像情報f2が「300」であったことが示されている。
【0018】
画像DB123には、検査において得られた画像が格納される。画像DB123に格納された画像は、UIDにより一意に特定される。また、画像DB123の画像を取得するためのパスは、症例DB122に格納されていてもよい。
【0019】
制御部13は、例えば、CPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)等によって、内部の記憶装置に記憶されているプログラムがRAMを作業領域として実行されることにより実現される。また、制御部13は、例えば、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field Programmable Gate Array)等の集積回路により実現されるようにしてもよい。制御部13は、表示制御部131、抽出部132、検索部133及び管理部134を有する。
【0020】
表示制御部131は、制御部13の各処理部による処理の結果を基に生成される画像を表示装置20に表示させる。例えば、表示制御部131は、インタフェース部11を介して画像データを表示装置20に出力する。
【0021】
抽出部132は、画像から特徴量を抽出する。抽出部132は、画像全体の特徴量を抽出してもよいし、パッチごとの特徴量を抽出してもよい。
【0022】
ここで、パッチはCT画像を分割して得られる複数の領域である。例えば、パッチは、CT画像を分割して得られる16×16pixelの画像である。また、パッチごとの特徴と、あらかじめ定められた所定の陰影ごとの特徴との類似度を基に、陰影種類が得られる。例えば、医用画像経時比較システム1は、パッチから抽出した特徴量と、各陰影種類の特徴量との類似度を計算する機械学習モデルを利用して、各パッチに対応する陰影種類を検出することができる。
【0023】
検索部133は、患者の肺を撮影した第1の画像に類似する画像を、画像DB123から検索する。画像DB123は、所定の記憶領域の一例である。例えば、検索部133は、指定された画像の特徴量と画像DB123に格納された画像の特徴量との類似度を比較し、類似度が大きい順に所定数の画像を取得することができる。また、検索部133は、類似度が所定値以上、かつ指定されたその他の条件に合致する画像を取得してもよい。ここで、その他の条件には、患者ID及び各種カルテ情報が含まれる。また、その他の条件は、フラグが付与されているか否かであってもよい。
【0024】
表示制御部131は、画像を撮影日時の順に並べて、各画像の特徴量の時系列の変化の度合いが所定値以上である領域にマークを付して表示装置20に表示させる。抽出部132は、患者の肺を撮影した画像を分割した複数の領域のそれぞれの特徴量、すなわちパッチごとの特徴量を抽出することができる。表示制御部131は、複数の画像を並べて表示する際に、必ずしも全てのパッチを強調表示する必要はなく、例えば時系列で大きく変化したパッチのみを強調表示してもよい。なお、パッチの枠線は、マークの一例である。
管理部134は、画像を追加する操作が行われた場合に、既に表示中の画像と追加された画像を含めた全画像のうち、どの画像を画面に表示するかを管理する。図4は、管理部の構成例を示す図である。図4に示すように、管理部134は、画像表示管理部134a、表示患者管理部134b及び表示画像管理部134cを有する。また、管理部134は、読影ビューア30を介して画像の追加を受け付ける。
【0025】
読影ビューア30は、類似症例検査システムと連携したシステムであり、画像の表示を行う。読影ビューア30は、医用画像経時比較装置10又は表示装置20の機能として実現されてもよい。読影ビューア30は、管理部134に対し、1つ以上の画像と画像に関連する情報を入力する。画像に関連する情報には、画像に対応する患者ID及びUIDが含まれる。
【0026】
表示患者管理部134bは、表示される画像の患者IDを管理する。表示画像管理部134cは、表示される画像のUIDを管理する。画像表示管理部134aは、表示患者管理部134b及び表示画像管理部134cと各情報をやり取りして実際にどの画像を表示するかを表示制御部131に通知する。表示制御部131は、画像表示管理部134aからの通知に従って画像を表示する。
【0027】
表示制御部131は、患者の肺を撮影した画像を追加する操作が行われると、表示中の画像の撮影日時、追加される画像の撮影日時、及び並べて表示可能な画像の上限数に基づき、表示を制御する。このとき、表示制御部131は、表示中の画像と追加される画像のうち、撮影日時が最も新しい画像を少なくとも表示させる。
【0028】
ここで、表示中の画像を既存画像と呼ぶ。また、追加する操作の対象の画像を追加画像と呼ぶ。また、画面に1度に表示可能な画像の最大個数をNとする。また、既存画像の数をmとする。また、追加画像の数をnとする。追加画像が複数の場合、各画像の患者IDは同一であるものとする。このとき、管理部134は、以下のルールに従って表示する画像を決定する。ルール(1)から(3)のうち、(1)の優先度が最も高い。また、画像が新しいとは、画像に対応する検査日が新しいことを意味する。
(1)追加画像の患者IDと既存画像の患者IDが異なる場合、追加画像のみを検査日順に表示する。
(2)追加画像の中に既存画像の最新画像より新しいものがある場合、追加画像のみを検査日順に表示する。
(3)追加画像の中に既存画像の最新画像より古いもののみがある場合、ルール(3.1)又はルール(3.1)に従う。
(3.1)空きが十分である場合、すなわちm+n≦Nである場合、既存画像と追加画像の両方を検査日順に並べて表示する。
(3.2)空きが十分でない場合、すなわちm+n>Nである場合、既存画像のうちの最新の画像1つと追加画像とを検査日順に並べて表示する。(ただし、n=Nの場合は、追加画像のみを検査日順に表示する。)
【0029】
図5から図9に具体例を示し、既存画像と追加画像の入れ換えについて説明する。図5から図9は、画像の入れ換えを説明する図である。ここでは、画面に1度に表示可能な画像の最大個数を3とする。
【0030】
図5に示すように、患者Aの画像を3つ表示しているときに、患者Bの画像が1つ追加された場合、表示制御部131は、ルール(1)に従って、追加画像のみを表示させる。このように、表示制御部131は、患者と異なる患者の肺を撮影した画像を追加する操作が行われると、追加される画像のみを表示させる。
【0031】
図6に示すように、患者Aの画像を3つ表示しているときに、表示中のどの画像よりも新しい患者Aの画像が1つ追加された場合、表示制御部131は、ルール(2)に従って、追加画像のみを表示させる。このように、表示制御部131は、表示中の画像と追加される画像のうち、撮影日が最新の画像が、追加される画像の方に含まれる場合は、追加される画像のみを表示させる。
【0032】
図7に示すように、患者Aの画像を3つ表示しているときに、表示中の最新画像よりも古い患者Aの画像が1つ追加された場合であって、空きが十分にある場合、表示制御部131は、ルール(3.1)に従って、既存画像と追加画像の両方を表示させる。
【0033】
図8に示すように、患者Aの画像を3つ表示しているときに、表示中の最新画像よりも古い患者Aの画像が1つ追加された場合であって、空きが十分にない場合、表示制御部131は、ルール(3.2)に従って、既存画像のうちの最新の1つと追加画像とを表示させる。
【0034】
表示制御部131は、表示中の画像と追加される画像のうち、撮影日が最新の画像が、表示中の画像の方に含まれる場合であって、表示中の画像の数と追加される画像の数の合計が上限数を超える場合、ルール(3.2)に従って表示を制御する。すなわち、表示制御部131は、表示中の画像のうち撮影日が最新の画像を少なくとも表示させ、追加された画像を上限数を越えないように撮影日が新しい順に表示させる。
【0035】
図9に示すように、患者Aの画像を3つ表示しているときに、表示中の最新画像よりも古い患者Aの画像が2つ追加された場合であって、空きが十分にない場合、表示制御部131は、ルール(3.2)に従って、既存画像のうちの最新の1つと追加画像とを表示させる。
【0036】
図10は、画像を表示する処理の流れを示すフローチャートである。図10に示すように、まず、検索部133は、診断対象の画像と類似する画像を検索する(ステップS101)。次に、表示制御部131は、検索によって得られた画像を日付が新しい順に並べて表示させる(ステップS102)。
【0037】
図11は、画像を入れ換える処理の流れを示すフローチャートである。まず、表示可能な画像最大個数をN、表示中の画像(既存画像)の数をm(1≦m≦N)とする(ステップS201)。そして、追加画像n個の表示要求(n≦N)があったものとする(ステップS202)。
【0038】
既存画像と追加画像で患者が異なるか、又はn=Nである場合(ステップS203、No)、表示制御部131は、追加画像のみを並べて表示させる(ステップS204)。一方、既存画像と追加画像で患者が同じであり、かつn<Nである場合(ステップS203、Yes)であって、追加画像の中に、既存画像の最新画像より新しいものがある場合(ステップS205、Yes)、表示制御部131は、追加画像のみを並べて表示させる(ステップS204)。
【0039】
既存画像と追加画像で患者が同じである場合(ステップS203、Yes)であって、追加画像の中に、既存画像の最新画像より新しいものがない場合(ステップS205、No)、管理部134は、m+nがN以下であるか否かを判定する(ステップS206)。
【0040】
m+nがN以下でない場合(ステップS206、No)、表示制御部131は、既存画像のうち最新のものと追加画像を並べて表示する(ステップS207)。一方、m+nがN以下である場合(ステップS206、Yes)、表示制御部131は、既存画像と追加画像の両方を並べて表示する(ステップS208)。
【0041】
これまで説明してきたように、抽出部132は、患者の肺を撮影した画像を分割した複数の領域のそれぞれの特徴量を抽出する。表示制御部131は、画像を撮影日時の順に並べて、各画像の特徴量の時系列の変化の度合いが所定値以上である領域にマークを付して表示装置20に表示させる。このように、医用画像経時比較システム1は、画像を並べた際に、特徴が大きくことなる箇所を強調表示することができる。この結果、本実施例によれば、画像の比較を効率良く行うことができる。
【0042】
表示制御部131は、患者の肺を撮影した画像を追加する操作が行われると、表示中の画像の撮影日時、追加される画像の撮影日時、及び並べて表示可能な画像の上限数に基づき表示を制御する。このとき、表示制御部131は、表示中の画像と追加される画像のうち、撮影日時が最も新しい画像を少なくとも表示させる。ユーザが画像を追加する場合、少なくとも最新の画像を確認することを意図していると考えられる。そこで、医用画像経時比較システム1は、ユーザの意図を考慮して画像の表示を制御する。その結果、本実施例によれば、画像の比較を効率良く行うことができる。
【0043】
表示制御部131は、表示中の画像と追加される画像のうち、撮影日が最新の画像が、追加される画像の方に含まれる場合は、追加される画像のみを表示させる。これにより、医用画像経時比較システム1は、最新の画像を表示することができる。その結果、本実施例によれば、画像の比較を効率良く行うことができる。
【0044】
表示制御部131は、表示中の画像と追加される画像のうち、撮影日が最新の画像が、表示中の画像の方に含まれる場合であって、表示中の画像の数と追加される画像の数の合計が、上限数を超える場合は、以下のように表示を制御する。すなわち、表示制御部131は、表示中の画像のうち撮影日が最新の画像を少なくとも表示させ、追加された画像を上限数を越えないように撮影日が新しい順に表示させる。これにより、医用画像経時比較システム1は、最新の画像を表示することができる。その結果、本実施例によれば、画像の比較を効率良く行うことができる。
【0045】
表示制御部131は、患者と異なる患者の肺を撮影した画像を追加する操作が行われると、追加される画像のみを表示させる。この結果、本実施例によれば、異な患者の画像が同時に表示されないようにすることで、診断対象を混同してしまうことを防止することができる。
【0046】
上記文書中や図面中で示した処理手順、制御手順、具体的名称、各種のデータやパラメータを含む情報については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。また、実施例で説明した具体例、分布、数値等は、あくまで一例であり、任意に変更することができる。
【0047】
また、図示した各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。すなわち、各装置の分散や統合の具体的形態は図示のものに限られない。つまり、その全部又は一部を、各種の負荷や使用状況等に応じて、任意の単位で機能的又は物理的に分散・統合して構成することができる。さらに、各装置にて行われる各処理機能は、その全部又は任意の一部が、CPU及び当該CPUにて解析実行されるプログラムにて実現され、あるいは、ワイヤードロジックによるハードウェアとして実現され得る。
【0048】
図12は、ハードウェア構成例を説明する図である。図12に示すように、医用画像経時比較装置10は、通信インタフェース10a、HDD(Hard Disk Drive)10b、メモリ10c、プロセッサ10dを有する。また、図12に示した各部は、バス等で相互に接続される。
【0049】
通信インタフェース10aは、ネットワークインタフェースカード等であり、他のサーバとの通信を行う。HDD10bは、図1に示した機能を動作させるプログラムやDBを記憶する。
【0050】
プロセッサ10dは、図1に示した各処理部と同様の処理を実行するプログラムをHDD10b等から読み出してメモリ10cに展開することで、図1等で説明した各機能を実行するプロセスを動作させるハードウェア回路である。すなわち、このプロセスは、医用画像経時比較装置10が有する各処理部と同様の機能を実行する。具体的には、プロセッサ10dは、表示制御部131、抽出部132、検索部133及び管理部134と同様の機能を有するプログラムをHDD10b等から読み出す。そして、プロセッサ10dは、表示制御部131、抽出部132、検索部133及び管理部134等と同様の処理を実行するプロセスを実行する。
【0051】
このように医用画像経時比較装置10は、プログラムを読み出して実行することで学習類方法を実行する情報処理装置として動作する。また、医用画像経時比較装置10は、媒体読取装置によって記録媒体から上記プログラムを読み出し、読み出された上記プログラムを実行することで上記した実施例と同様の機能を実現することもできる。なお、この他の実施例でいうプログラムは、医用画像経時比較装置10によって実行されることに限定されるものではない。例えば、他のコンピュータ又はサーバがプログラムを実行する場合や、これらが協働してプログラムを実行するような場合にも、本発明を同様に適用することができる。
【0052】
このプログラムは、インターネット等のネットワークを介して配布することができる。また、このプログラムは、ハードディスク、フレキシブルディスク(FD)、CD-ROM、MO(Magneto-Optical disk)、DVD(Digital Versatile Disc)等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録され、コンピュータによって記録媒体から読み出されることによって実行することができる。
【符号の説明】
【0053】
1 医用画像経時比較システム
10 医用画像経時比較装置
11 インタフェース部
12 記憶部
13 制御部
20 表示装置
121 患者DB
122 症例DB
123 画像DB
131 表示制御部
132 抽出部
133 検索部
134 管理部
134a 画像表示管理部
134b 表示患者管理部
134c 表示画像管理部
201 患者情報表示欄
211 体積表
212 体積グラフ
221 チェックボックスリスト
231 陰影ヒストグラム
241 画像表示領域
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
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図9
図10
図11
図12