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特許7472644情報処理プログラム、情報処理方法、および情報処理装置
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-15
(45)【発行日】2024-04-23
(54)【発明の名称】情報処理プログラム、情報処理方法、および情報処理装置
(51)【国際特許分類】
   G06Q 10/0635 20230101AFI20240416BHJP
   G16H 40/20 20180101ALI20240416BHJP
【FI】
G06Q10/0635
G16H40/20
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2020084445
(22)【出願日】2020-05-13
(65)【公開番号】P2021179782
(43)【公開日】2021-11-18
【審査請求日】2023-02-09
(73)【特許権者】
【識別番号】000005223
【氏名又は名称】富士通株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104190
【弁理士】
【氏名又は名称】酒井 昭徳
(72)【発明者】
【氏名】中山 紗友梨
(72)【発明者】
【氏名】上村 拓也
【審査官】牧 裕子
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-081632(JP,A)
【文献】特開2019-049765(JP,A)
【文献】特開2004-157848(JP,A)
【文献】特開2020-027388(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 - 99/00
G16H 40/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の事象に対する指標値が所定の条件を満たしたことを検出し、
複数の時点のそれぞれで対象者が行った行動を特定可能な第1の情報に基づいて、前記事象に対する指標値が前記条件を満たした時点に対応する時間帯における前記事象に関連する行動の量を取得し、
取得した前記時間帯における前記事象に関連する行動の量と、過去の時間帯における前記事象に関連する行動の量とを比較し、
前記指標値の種類と、前記関連する行動の種類と、前記関連する行動の量の変化パターンと、原因との組み合わせを管理するテーブルを参照することで、前記事象に対する指標値が前記条件を満たす原因が発生していない場合に対する、前記原因が発生した場合の前記事象に関連する行動の量の変化傾向を特定可能な第2の情報に基づいて、比較した結果に対応する原因を特定する、
処理をコンピュータに実行させることを特徴とする情報処理プログラム。
【請求項2】
前記取得する処理は、
前記第1の情報に基づいて、前記時間帯における前記事象に関連する複数の行動のそれぞれの量を取得し、
前記比較する処理は、
取得した前記時間帯における前記事象に関連する複数の行動のそれぞれの量と、前記過去の時間帯における前記事象に関連する複数の行動のそれぞれの量とを比較し、
前記特定する処理は、
前記事象に対する指標値が前記条件を満たす原因が発生していない場合に対する、前記原因が発生した場合の前記事象に関連する複数の行動のそれぞれの量の変化傾向を特定可能な前記第2の情報に基づいて、前記比較した結果に対応する原因を特定する、ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理プログラム。
【請求項3】
前記時間帯における前記事象に対する指標値に関連する他の指標値の統計値を取得する、
処理を前記コンピュータに実行させ、
前記比較する処理は、
前記時間帯における前記事象に関連する行動の量および前記事象に対する指標値に関連する他の指標値の統計値と、前記過去の時間帯における前記事象に関連する行動の量および前記事象に対する指標値に関連する他の指標値の統計値とを比較し、
前記特定する処理は、
前記事象に対する指標値が前記条件を満たす原因が発生していない場合に対する、前記原因が発生した場合の、前記事象に関連する複数の行動のそれぞれの量の変化傾向および前記事象に対する指標値に関連する他の指標値の統計値の変化傾向を特定可能な前記第2の情報に基づいて、前記比較した結果に対応する原因を特定する、ことを特徴とする請求項1または2に記載の情報処理プログラム。
【請求項4】
前記事象に対する指標値が前記条件を満たす原因が発生していない場合に対する、前記原因が発生した場合の前記事象に関連する行動の量の変化傾向を特定可能な、入力された情報に基づいて、前記第2の情報を更新する、
処理を前記コンピュータに実行させることを特徴とする請求項1~3のいずれか一つに記載の情報処理プログラム。
【請求項5】
前記比較した結果、前記時間帯における前記事象に関連する行動の量と、前記過去の時間帯における前記事象に関連する行動の量との差分が閾値以下である場合、前記事象に関連する行動と、前記過去の時間帯に対する、前記時間帯における前記事象に関連する行動の量の変化傾向と、前記事象とを対応付けて出力し、
出力した結果、前記事象に対する指標値が前記条件を満たす原因を特定可能な、入力された情報に基づいて、前記第2の情報を更新する、
処理を前記コンピュータに実行させることを特徴とする請求項1~4のいずれか一つに記載の情報処理プログラム。
【請求項6】
前記複数の時点のそれぞれで前記対象者が行った行動を時間軸に沿って表示し、
前記原因が、前記複数の時点のいずれかで前記対象者が行った行動であれば、表示した前記時間軸における、前記対象者と、前記原因となる行動と、前記事象に関連する行動との少なくともいずれかを、特定の表示態様で表示する、
処理を前記コンピュータに実行させることを特徴とする請求項1~5のいずれか一つに記載の情報処理プログラム。
【請求項7】
前記複数の時点のそれぞれで前記対象者が行った行動を時間軸に沿って表示し、
前記時間軸と共に、特定した前記原因を示すメッセージを表示する、
処理を前記コンピュータに実行させることを特徴とする請求項1~6のいずれか一つに記載の情報処理プログラム。
【請求項8】
複数の行動のそれぞれを識別する名称に基づいて、前記複数の行動をグループ化する、
処理を前記コンピュータに実行させ、
前記取得する処理は、
前記第1の情報に基づいて、前記時間帯における前記事象に関連する行動を含むグループに属する1以上の行動のそれぞれの量に基づく統計量を取得し、
前記比較する処理は、
取得した前記統計量と、前記過去の時間帯における前記事象に関連する行動を含むグループに属する1以上の行動のそれぞれの量に基づく統計量とを比較し、
前記特定する処理は、
前記事象に対する指標値が前記条件を満たす原因が発生していない場合に対する、前記原因が発生した場合の前記事象に関連する行動の量の変化傾向を特定可能な第2の情報に基づいて、比較した結果に対応する原因を特定する、ことを特徴とする請求項1~7のいずれか一つに記載の情報処理プログラム。
【請求項9】
所定の事象に対する指標値が所定の条件を満たしたことを検出し、
複数の時点のそれぞれで対象者が行った行動を特定可能な第1の情報に基づいて、前記事象に対する指標値が前記条件を満たした時点に対応する時間帯における前記事象に関連する行動の量を取得し、
取得した前記時間帯における前記事象に関連する行動の量と、過去の時間帯における前記事象に関連する行動の量とを比較し、
前記指標値の種類と、前記関連する行動の種類と、前記関連する行動の量の変化パターンと、原因との組み合わせを管理するテーブルを参照することで、前記事象に対する指標値が前記条件を満たす原因が発生していない場合に対する、前記原因が発生した場合の前記事象に関連する行動の量の変化傾向を特定可能な第2の情報に基づいて、比較した結果に対応する原因を特定する、
処理をコンピュータが実行することを特徴とする情報処理方法。
【請求項10】
所定の事象に対する指標値が所定の条件を満たしたことを検出し、
複数の時点のそれぞれで対象者が行った行動を特定可能な第1の情報に基づいて、前記事象に対する指標値が前記条件を満たした時点に対応する時間帯における前記事象に関連する行動の量を取得し、
取得した前記時間帯における前記事象に関連する行動の量と、過去の時間帯における前記事象に関連する行動の量とを比較し、
前記指標値の種類と、前記関連する行動の種類と、前記関連する行動の量の変化パターンと、原因との組み合わせを管理するテーブルを参照することで、前記事象に対する指標値が前記条件を満たす原因が発生していない場合に対する、前記原因が発生した場合の前記事象に関連する行動の量の変化傾向を特定可能な第2の情報に基づいて、比較した結果に対応する原因を特定する、
制御部を有することを特徴とする情報処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理プログラム、情報処理方法、および情報処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、業務に問題が発生した場合、管理者は、従業員への聞き取り調査を実施し、または、従業員の行動を記録した業務ログを調査することにより、問題が発生した原因となった行動を把握し、今後同一の問題が発生しないよう施策を実施しようとすることがある。
【0003】
先行技術としては、例えば、計測された看護師の歩数および傾斜角度に基づいて看護師の行動特徴ベクトルを作成し、アクシデントが発生したときの行動特徴ベクトルに基づいて、特定のアクシデントについての辞書データを作成するものがある。また、例えば、組織内の行動データやコミュニケーションデータに基づいて、組織の問題解決に必要な有益な行動因子で構成される分析モデルを生成する技術がある。また、例えば、主体または主体の所属する組織の外的要素から、特定の行動を行った行動主体または行動主体の所属する組織の行動外的要素に基づいた行動発生モデルに適合する行動要因を抽出する技術がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2004-157614号公報
【文献】国際公開第2011/055628号
【文献】国際公開第2015/037499号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来技術では、問題が発生した原因となった行動を把握することは難しい。例えば、業務ログのデータ量が増加するほど、問題が発生した原因となった行動を把握する際に、管理者にかかる作業負担が増加することになる。
【0006】
1つの側面では、本発明は、問題が発生した原因を特定することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
1つの実施態様によれば、所定の事象に対する指標値が所定の条件を満たしたことを検出し、複数の時点のそれぞれで対象者が行った行動を特定可能な第1の情報に基づいて、前記事象に対する指標値が前記条件を満たした時点に対応する時間帯における前記事象に関連する行動の量を取得し、取得した前記時間帯における前記事象に関連する行動の量と、過去の時間帯における前記事象に関連する行動の量とを比較し、前記事象に対する指標値が前記条件を満たす原因が発生していない場合に対する、前記原因が発生した場合の前記事象に関連する行動の量の変化傾向を特定可能な第2の情報に基づいて、比較した結果に対応する原因を特定する情報処理プログラム、情報処理方法、および情報処理装置が提案される。
【発明の効果】
【0008】
一態様によれば、問題が発生した原因を特定することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、実施の形態にかかる情報処理方法の一実施例を示す説明図である。
図2図2は、情報処理システム200の一例を示す説明図である。
図3図3は、情報処理装置100のハードウェア構成例を示すブロック図である。
図4図4は、指標値管理テーブル400の記憶内容の一例を示す説明図である。
図5図5は、行動管理テーブル500の記憶内容の一例を示す説明図である。
図6図6は、指標値用閾値管理テーブル600の記憶内容の一例を示す説明図である。
図7図7は、条件管理テーブル700の記憶内容の一例を示す説明図である。
図8図8は、グループ管理テーブル800の記憶内容の一例を示す説明図である。
図9図9は、類似度用閾値管理テーブル900の記憶内容の一例を示す説明図である。
図10図10は、変化パターン管理テーブル1000,1100,1200の記憶内容の一例を示す説明図(その1)である。
図11図11は、変化パターン管理テーブル1000,1100,1200の記憶内容の一例を示す説明図(その2)である。
図12図12は、変化パターン管理テーブル1000,1100,1200の記憶内容の一例を示す説明図(その3)である。
図13図13は、探索幅管理テーブル1300の記憶内容の一例を示す説明図である。
図14図14は、関連行動量管理テーブル1400の記憶内容の一例を示す説明図である。
図15図15は、平時関連行動量管理テーブル1500の記憶内容の一例を示す説明図である。
図16図16は、マージン管理テーブル1600の記憶内容の一例を示す説明図である。
図17図17は、解析情報管理テーブル1700の記憶内容の一例を示す説明図である。
図18図18は、候補判定閾値管理テーブル1800の記憶内容の一例を示す説明図である。
図19図19は、候補管理テーブル1900の記憶内容の一例を示す説明図である。
図20図20は、管理者用端末203のハードウェア構成例を示すブロック図である。
図21図21は、行動記録端末204のハードウェア構成例を示すブロック図である。
図22図22は、状態検出装置205のハードウェア構成例を示すブロック図である。
図23図23は、情報処理装置100の機能的構成例を示すブロック図である。
図24図24は、情報処理装置100の動作の一例を示す説明図(その1)である。
図25図25は、情報処理装置100の動作の一例を示す説明図(その2)である。
図26図26は、情報処理装置100の動作の一例を示す説明図(その3)である。
図27図27は、表示させる画面の別の例を示す説明図である。
図28図28は、行動をグループ化する一例を示す説明図である。
図29図29は、第1の具体例における情報処理システム200の構成例を示す説明図である。
図30図30は、第1の具体例における情報処理装置100の機能的構成の具体例を示す説明図である。
図31図31は、情報処理装置100の動作の第1の具体例を示す説明図(その1)である。
図32図32は、情報処理装置100の動作の第1の具体例を示す説明図(その2)である。
図33図33は、第2の具体例における情報処理システム200の構成例を示す説明図である。
図34図34は、第2の具体例における情報処理装置100の機能的構成の具体例を示す説明図である。
図35図35は、情報処理装置100の動作の第2の具体例を示す説明図である。
図36図36は、全体処理手順の一例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に、図面を参照して、本発明にかかる情報処理プログラム、情報処理方法、および情報処理装置の実施の形態を詳細に説明する。
【0011】
(実施の形態にかかる情報処理方法の一実施例)
図1は、実施の形態にかかる情報処理方法の一実施例を示す説明図である。情報処理装置100は、所定の事象に対する指標値が所定の条件を満たした原因を特定するためのコンピュータである。
【0012】
ここで、所定の事象は、監視する対象である。所定の事象は、例えば、業務に関わり、業務に問題が発生しているか否かを判断する基準として、状態を監視する対象である。指標値は、所定の事象に関わる特徴量である。指標値は、例えば、所定の事象に関わる事物の量、または、所定の事象に関わる事物を識別する値などである。所定の条件は、業務に問題が発生したと判断する条件である。
【0013】
従来、業務に問題が発生した場合、管理者は、従業員への聞き取り調査を実施し、または、従業員の行動を記録した業務ログを調査することにより、問題が発生した原因となった行動を把握し、今後同一の問題が発生しないよう施策を実施しようとすることがある。この際、一つの問題に対して、原因として考え得る行動が複数存在する場合があり、原因ごとに、どのような施策を実施すればよいかは異なるため、問題が発生した原因となった行動を把握することが望まれている。
【0014】
しかしながら、問題が発生した原因となった行動を把握することは難しい。例えば、業務ログのデータ量が増加するほど、問題が発生した原因となった行動を把握する際に、管理者にかかる作業負担、作業時間、および、精神負担などが増加することになる。
【0015】
これに対し、業務に問題が発生し得る特定の行動と共に現れる確率が比較的高い他の行動を特定可能にするモデルを用いて、特定の行動が現れずとも、特定の行動と共に現れる確率が比較的高い他の行動が現れた際にアラートを出力する手法が考えられる。
【0016】
この手法では、問題が発生した原因となった行動を把握可能にすることは難しい。例えば、この手法では、特定の行動と直接的な関係性を有する他の行動しか検出することができず、問題が発生した大元の原因となった行動を検出することができない場合がある。換言すれば、この手法では、問題が発生した直接的または表層的な理由を把握可能にしたとしても、問題が発生した間接的または潜在的な原因を把握可能にすることができない。このため、この手法では、管理者にかかる作業負担、作業時間、および、精神負担などを低減することはできない。
【0017】
具体的には、医療分野において、ナースコールに対する患者の待ち時間が、許容範囲を超えたという問題が発生した場合が考えられる。この場合、ナースセンターに待機する看護師がいなかったという表層的な理由を把握可能にする他に、急な患者搬送に対処するため作業補助を行ったため、ナースセンターに待機する看護師がいなかったという潜在的な原因を把握可能にすることが望まれる。これに対し、問題が発生した原因となった行動を把握可能にすることは難しい。
【0018】
そこで、本実施の形態では、所定の事象に対する指標値が所定の条件を満たした原因を特定することができる情報処理方法について説明する。
【0019】
図1において、情報処理装置100は、第1の情報を記憶する。第1の情報は、対象者ごとに、複数の時点のそれぞれで対象者が行った行動を特定可能な情報である。対象者は、例えば、医療分野においては、看護師である。
【0020】
情報処理装置100は、第2の情報を記憶する。第2の情報は、所定の事象に対する指標値が所定の条件を満たす原因が発生していない場合に対する、当該原因が発生した場合の所定の事象に関連する行動の量の変化傾向を特定可能な情報である。行動の量は、行動を行った対象者の数に関する統計量、行動を行った時間に関する統計量、または、行動を行った領域の大きさに関する統計量などである。
【0021】
所定の事象は、例えば、医療分野においては、ナースコールである。指標値は、例えば、医療分野においては、ナースコールに対する患者の待ち時間である。所定の条件は、例えば、医療分野においては、ナースコールに対する患者の待ち時間が閾値を超えたことである。所定の条件は、業務に問題が発生したと判断する条件である。変化傾向は、例えば、所定の事象に対する指標値が所定の条件を満たす原因が発生した場合に、当該原因が発生していない場合に比べて、所定の事象に関連する行動の量に増加傾向があるか、または、減少傾向があるかを示す。
【0022】
(1-1)情報処理装置100は、所定の事象に対する指標値が所定の条件を満たしたことを検出する。情報処理装置100は、例えば、所定の事象に対する指標値を算出し、所定の事象に対する指標値が所定の条件を満たしたことを検出する。情報処理装置100は、具体的には、ナースコールに対する患者の待ち時間を算出し、ナースコールに対する患者の待ち時間が閾値を超えたことを検出する。
【0023】
(1-2)情報処理装置100は、第1の情報に基づいて、所定の事象に対する指標値が条件を満たした時点に対応する時間帯における所定の事象に関連する行動の量を取得する。時間帯は、例えば、所定の事象に対する指標値が条件を満たした時点を含む、所定の長さの時間幅である。所定の事象に関連する行動は、例えば、医療分野においては、ナースセンターに待機する行動である。情報処理装置100は、例えば、第1の情報に基づいて、ナースコールに対する患者の待ち時間が閾値を超えた時点の前後5分ずつを含む10分間における、ナースセンターに待機する行動を行った看護師の数を取得する。
【0024】
(1-3)情報処理装置100は、取得した時間帯における所定の事象に関連する行動の量と、過去の時間帯における所定の事象に関連する行動の量とを比較する。過去の時間帯は、所定の事象に対する指標値が所定の条件を満たしていない時間帯であり、業務に問題が発生していない時間帯である。過去の時間帯は、例えば、平時の時間帯である。過去の時間帯は、例えば、平時の1つの時点であってもよい。
【0025】
情報処理装置100は、例えば、取得したナースセンターに待機する行動を行った看護師の数と、平時にナースセンターに待機する行動を行った看護師の数とを比較する。情報処理装置100は、具体的には、ナースコールに対する患者の待ち時間が閾値を超えた場合に、平時に比べて、ナースセンターに待機する行動を行った看護師の数に増加傾向があるか否かを特定する。
【0026】
(1-4)情報処理装置100は、第2の情報に基づいて、比較した結果に対応する原因を特定する。情報処理装置100は、例えば、第2の情報のうち、ナースコールに対する患者の待ち時間が閾値を超えた場合に、ナースセンターに待機する行動を行った看護師の数に増加傾向があることに対応付けられた原因を検索する。情報処理装置100は、検索された原因を、今回ナースコールに対する患者の待ち時間が閾値を超えた原因として特定する。情報処理装置100は、管理者が参照可能に、特定した原因を示す情報を出力する。
【0027】
これにより、情報処理装置100は、所定の事象に対する指標値が所定の条件を満たした原因を特定することができる。換言すれば、情報処理装置100は、業務に問題が発生した原因を特定することができる。情報処理装置100は、管理者が、特定した原因を示す情報を参照して、今後業務に同一の問題が発生しないよう、施策を実施し易くすることができる。そして、情報処理装置100は、管理者にかかる作業負担、作業時間、および、精神負担などを低減することができる。
【0028】
情報処理装置100は、所定の事象に関連する行動の量の変化傾向に基づいて、業務に問題が発生した大元の原因となった行動を特定することができる。このため、情報処理装置100は、管理者が、業務に問題が発生した直接的または表層的な理由の他、業務に問題が発生した間接的または潜在的な原因を把握し易くすることができる。そして、情報処理装置100は、管理者にかかる作業負担、作業時間、および、精神負担などを低減することができる。
【0029】
ここでは、情報処理装置100が、所定の事象に対する指標値を算出する場合について説明したが、これに限らない。例えば、情報処理装置100が、所定の事象に対する指標値が所定の条件を満たしたことの通知を受信したことにより、所定の事象に対する指標値が所定の条件を満たしたことを検出する場合があってもよい。
【0030】
(情報処理システム200の一例)
次に、図2を用いて、図1に示した情報処理装置100を適用した、情報処理システム200の一例について説明する。
【0031】
図2は、情報処理システム200の一例を示す説明図である。図2において、情報処理システム200は、情報処理装置100と、情報蓄積装置201と、指標値管理装置202と、管理者用端末203と、行動記録端末204と、状態検出装置205とを含む。
【0032】
情報処理システム200において、情報処理装置100と情報蓄積装置201とは、有線または無線のネットワーク210を介して接続される。ネットワーク210は、例えば、LAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)、インターネットなどである。また、情報処理システム200において、情報処理装置100と指標値管理装置202とは、有線または無線のネットワーク210を介して接続される。
【0033】
また、情報処理システム200において、情報処理装置100と管理者用端末203とは、有線または無線のネットワーク210を介して接続される。また、情報処理システム200において、情報処理装置100と行動記録端末204とは、有線または無線のネットワーク210を介して接続される。また、情報処理システム200において、情報処理装置100と状態検出装置205とは、有線または無線のネットワーク210を介して接続される。
【0034】
また、情報処理システム200において、情報蓄積装置201と行動記録端末204とは、有線または無線のネットワーク210を介して接続される。また、情報処理システム200において、指標値管理装置202と行動記録端末204とは、有線または無線のネットワーク210を介して接続される。また、情報処理システム200において、行動記録端末204と状態検出装置205とは、有線または無線のネットワーク210を介して接続される。
【0035】
情報処理装置100は、図4図19に後述する各種テーブルを記憶する。情報処理装置100は、所定の事象に対する指標値の時系列データを、指標値管理装置202から受信し、図4に後述する指標値管理テーブル400に記憶する。
【0036】
情報処理装置100は、対象者の行動の時系列データを、情報蓄積装置201から受信し、図5に後述する行動管理テーブル500に記憶する。情報処理装置100は、対象者の行動を示す情報を、状態検出装置205から受信し、受信した対象者の行動を示す情報に基づいて、対象者の行動の時系列データを生成し、図5に後述する行動管理テーブル500に記憶してもよい。
【0037】
情報処理装置100は、図4図19に後述する各種テーブルに基づいて、業務に問題が発生した原因を特定する。情報処理装置100は、特定した原因を示す情報を、管理者用端末203に送信する。情報処理装置100は、例えば、サーバ、または、PC(Personal Computer)などである。
【0038】
情報蓄積装置201は、対象者の行動の時系列データを蓄積するコンピュータである。情報蓄積装置201は、対象者の行動を示す情報を、行動記録端末204から受信し、受信した対象者の行動を示す情報に基づいて、対象者の行動の時系列データを生成して蓄積する。情報蓄積装置201は、蓄積した対象者の行動の時系列データを、情報処理装置100に送信する。情報蓄積装置201は、例えば、サーバ、または、PCなどである。
【0039】
指標値管理装置202は、時点ごとに、所定の事象に対する指標値を算出するコンピュータである。指標値管理装置202は、算出した指標値に基づいて、所定の事象に対する指標値の時系列データを生成して蓄積する。指標値管理装置202は、蓄積した所定の事象に対する指標値の時系列データを、情報処理装置100に送信する。指標値管理装置202は、例えば、サーバ、または、PCなどである。
【0040】
管理者用端末203は、管理者によって用いられるコンピュータである。管理者用端末203は、業務に問題が発生した原因を示す情報を、情報処理装置100から受信する。管理者用端末203は、受信した原因を示す情報を、管理者が参照可能に出力する。管理者用端末203は、例えば、PC、タブレット端末、または、スマートフォンなどである。
【0041】
行動記録端末204は、対象者によって用いられるコンピュータである。行動記録端末204は、対象者の操作入力に基づき、対象者の行動を特定する。行動記録端末204は、例えば、対象者の操作入力に基づき、対象者の行動予定表の入力を受け付け、行動予定表に基づいて、それぞれの時点における対象者の行動を特定する。
【0042】
行動記録端末204は、センサ類2105(図21に後述)に基づき、対象者の行動を特定してもよい。行動記録端末204は、例えば、センサ類2105(図21に後述)に基づき、行動記録端末204の状態を、対象者の状態として検出し、対象者の状態に基づいて、対象者の行動を特定する。行動記録端末204は、具体的には、予め、位置ごとに行動を対応付けておき、対象者の位置を検出し、対象者の行動として、検出した対象者の位置に対応する行動を特定する。
【0043】
行動記録端末204は、対象者の行動を示す情報を、情報蓄積装置201に送信する。行動記録端末204は、対象者の行動を示す情報を、情報処理装置100に送信する。行動記録端末204は、例えば、PC、タブレット端末、スマートフォン、または、ウェアラブル端末などである。
【0044】
状態検出装置205は、所定の場所に設けられるコンピュータである。状態検出装置205は、対象者の行動を検出する。状態検出装置205は、例えば、センサ類2204(図22に後述)に基づき、対象者の行動を検出する。状態検出装置205は、具体的には、予め、位置ごとに行動を対応付けておき、対象者の位置を検出し、対象者の行動として、検出した対象者の位置に対応する行動を特定する。
【0045】
状態検出装置205は、対象者の行動を示す情報を、情報処理装置100に送信する。状態検出装置205は、例えば、カメラ機器、カードリーダー、または、IoT(Internet of Things)機器などである。
【0046】
ここでは、情報処理装置100が、情報蓄積装置201とは異なる装置である場合について説明したが、これに限らない。例えば、情報処理装置100が、情報蓄積装置201と一体である場合があってもよい。
【0047】
ここでは、情報処理装置100が、指標値管理装置202とは異なる装置である場合について説明したが、これに限らない。例えば、情報処理装置100が、指標値管理装置202と一体である場合があってもよい。
【0048】
ここでは、情報処理装置100が、管理者用端末203とは異なる装置である場合について説明したが、これに限らない。例えば、情報処理装置100が、管理者用端末203と一体である場合があってもよい。
【0049】
ここでは、情報処理装置100が、行動記録端末204とは異なる装置である場合について説明したが、これに限らない。例えば、情報処理装置100が、行動記録端末204と一体である場合があってもよい。
【0050】
ここでは、情報処理装置100が、状態検出装置205とは異なる装置である場合について説明したが、これに限らない。例えば、情報処理装置100が、状態検出装置205と一体である場合があってもよい。
【0051】
ここでは、情報蓄積装置201が、指標値管理装置202とは異なる装置である場合について説明したが、これに限らない。例えば、情報蓄積装置201が、指標値管理装置202と一体である場合があってもよい。
【0052】
ここでは、情報処理システム200が、情報蓄積装置201と、指標値管理装置202と、管理者用端末203と、行動記録端末204と、状態検出装置205とを含む場合について説明したが、これに限らない。例えば、情報処理システム200が、情報蓄積装置201と、指標値管理装置202と、管理者用端末203と、行動記録端末204と、状態検出装置205との少なくともいずれかを含まない場合があってもよい。
【0053】
(情報処理装置100のハードウェア構成例)
次に、図3を用いて、情報処理装置100のハードウェア構成例について説明する。
【0054】
図3は、情報処理装置100のハードウェア構成例を示すブロック図である。図3において、情報処理装置100は、CPU(Central Processing Unit)301と、メモリ302と、ネットワークI/F(Interface)303と、記録媒体I/F304と、記録媒体305とを有する。また、各構成部は、バス300によってそれぞれ接続される。
【0055】
ここで、CPU301は、情報処理装置100の全体の制御を司る。メモリ302は、例えば、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)およびフラッシュROMなどを有する。具体的には、例えば、フラッシュROMやROMが各種プログラムを記憶し、RAMがCPU301のワークエリアとして使用される。メモリ302に記憶されるプログラムは、CPU301にロードされることにより、コーディングされている処理をCPU301に実行させる。
【0056】
ネットワークI/F303は、通信回線を通じてネットワーク210に接続され、ネットワーク210を介して他のコンピュータに接続される。そして、ネットワークI/F303は、ネットワーク210と内部のインターフェースを司り、他のコンピュータからのデータの入出力を制御する。ネットワークI/F303は、例えば、モデムやLANアダプタなどである。
【0057】
記録媒体I/F304は、CPU301の制御に従って記録媒体305に対するデータのリード/ライトを制御する。記録媒体I/F304は、例えば、ディスクドライブ、SSD(Solid State Drive)、USB(Universal Serial Bus)ポートなどである。記録媒体305は、記録媒体I/F304の制御で書き込まれたデータを記憶する不揮発メモリである。記録媒体305は、例えば、ディスク、半導体メモリ、USBメモリなどである。記録媒体305は、情報処理装置100から着脱可能であってもよい。
【0058】
情報処理装置100は、上述した構成部の他、例えば、キーボード、マウス、ディスプレイ、プリンタ、スキャナ、マイク、スピーカーなどを有してもよい。また、情報処理装置100は、記録媒体I/F304や記録媒体305を複数有していてもよい。また、情報処理装置100は、記録媒体I/F304や記録媒体305を有していなくてもよい。
【0059】
(指標値管理テーブル400の記憶内容)
次に、図4を用いて、指標値管理テーブル400の記憶内容の一例について説明する。指標値管理テーブル400は、例えば、図3に示した情報処理装置100のメモリ302や記録媒体305などの記憶領域により実現される。
【0060】
図4は、指標値管理テーブル400の記憶内容の一例を示す説明図である。図4に示すように、指標値管理テーブル400は、時点と、内容と、指標値と、指標値番号とのフィールドを有する。指標値管理テーブル400は、時点ごとに各フィールドに情報を設定することにより、指標値管理情報がレコード400-aとして記憶される。aは、任意の整数である。
【0061】
時点のフィールドには、指標値が計測された時点tが設定される。内容のフィールドには、指標値の種類Iを示す説明文が設定される。指標値のフィールドには、時点tにおける、指標値番号xが割り振られた種類Iに属する、指標値I_x(t)が設定される。指標値番号のフィールドには、指標値の種類Iに割り振られた指標値番号xが設定される。
【0062】
(行動管理テーブル500の記憶内容)
次に、図5を用いて、行動管理テーブル500の記憶内容の一例について説明する。行動管理テーブル500は、例えば、図3に示した情報処理装置100のメモリ302や記録媒体305などの記憶領域により実現される。
【0063】
図5は、行動管理テーブル500の記憶内容の一例を示す説明図である。図5に示すように、行動管理テーブル500は、ユーザIDと、行動開始時点と、行動終了時点と、行動名と、行動番号とのフィールドを有する。行動管理テーブル500は、ユーザごとに各フィールドに情報を設定することにより、行動管理情報がレコード500-aとして記憶される。aは、任意の整数である。
【0064】
ユーザIDのフィールドには、対象者を識別するユーザID=uが設定される。行動開始時点のフィールドには、対象者が行動を開始した時点を示す行動開始時点Ds_u(i)が設定される。行動終了時点のフィールドには、対象者が行動を終了した時点を示す行動終了時点De_u(i)が設定される。行動名のフィールドには、行動の行動名A_u(i)が設定される。行動番号のフィールドには、行動名に割り振られた行動番号iが設定される。
【0065】
(指標値用閾値管理テーブル600の記憶内容)
次に、図6を用いて、指標値用閾値管理テーブル600の記憶内容の一例について説明する。指標値用閾値管理テーブル600は、例えば、図3に示した情報処理装置100のメモリ302や記録媒体305などの記憶領域により実現される。
【0066】
図6は、指標値用閾値管理テーブル600の記憶内容の一例を示す説明図である。図6に示すように、指標値用閾値管理テーブル600は、指標値番号と、閾値上限と、閾値下限とのフィールドを有する。指標値用閾値管理テーブル600は、指標値ごとに各フィールドに情報を設定することにより、閾値情報がレコード600-aとして記憶される。aは、任意の整数である。
【0067】
指標値番号のフィールドには、指標値の種類Iに割り振られた指標値番号xが設定される。閾値上限のフィールドには、種類Iの指標値に対する閾値判定に用いられる閾値上限TH-が設定される。閾値判定は、例えば、問題発生の検出の際に実施される。閾値下限のフィールドには、種類Iの指標値に対する閾値判定に用いられる閾値下限TH+が設定される。
【0068】
(条件管理テーブル700の記憶内容)
次に、図7を用いて、条件管理テーブル700の記憶内容の一例について説明する。条件管理テーブル700は、例えば、図3に示した情報処理装置100のメモリ302や記録媒体305などの記憶領域により実現される。
【0069】
図7は、条件管理テーブル700の記憶内容の一例を示す説明図である。図7に示すように、条件管理テーブル700は、指標値番号と、指標値等と、条件とのフィールドを有する。条件管理テーブル700は、指標値ごとに各フィールドに情報を設定することにより、条件情報がレコード700-aとして記憶される。aは、任意の整数である。
【0070】
指標値番号のフィールドには、指標値等の種類I’に割り振られた指標値番号xが設定される。指標値等のフィールドには、指標値等の種類I’を示す説明文が設定される。条件のフィールドには、指標値等に対する条件が設定される。条件は、業務の問題発生を判定する条件である。
【0071】
(グループ管理テーブル800の記憶内容)
次に、図8を用いて、グループ管理テーブル800の記憶内容の一例について説明する。グループ管理テーブル800は、例えば、図3に示した情報処理装置100のメモリ302や記録媒体305などの記憶領域により実現される。
【0072】
図8は、グループ管理テーブル800の記憶内容の一例を示す説明図である。図8に示すように、グループ管理テーブル800は、グループ番号と、行動リストとのフィールドを有する。グループ管理テーブル800は、グループごとに各フィールドに情報を設定することにより、グループ管理情報がレコード800-aとして記憶される。aは、任意の整数である。
【0073】
グループ番号のフィールドには、行動名のグループに割り振られたグループ番号が設定される。行動名のグループは、類似する行動名を含むグループである。行動リストのフィールドには、行動名のグループに属する行動名のリストが設定される。
【0074】
(類似度用閾値管理テーブル900の記憶内容)
次に、図9を用いて、類似度用閾値管理テーブル900の記憶内容の一例について説明する。類似度用閾値管理テーブル900は、例えば、図3に示した情報処理装置100のメモリ302や記録媒体305などの記憶領域により実現される。
【0075】
図9は、類似度用閾値管理テーブル900の記憶内容の一例を示す説明図である。図9に示すように、類似度用閾値管理テーブル900は、閾値のフィールドを有する。類似度用閾値管理テーブル900は、各フィールドに情報を設定することにより、閾値情報がレコード900-aとして記憶される。aは、任意の整数である。
【0076】
閾値のフィールドには、行動名の類似度に対する閾値判定に用いられる閾値THが設定される。
【0077】
(変化パターン管理テーブル1000,1100,1200の記憶内容)
次に、図10図12を用いて、変化パターン管理テーブル1000,1100,1200の記憶内容の一例について説明する。変化パターン管理テーブル1000,1100,1200は、例えば、図3に示した情報処理装置100のメモリ302や記録媒体305などの記憶領域により実現される。
【0078】
図10図12は、変化パターン管理テーブル1000,1100,1200の記憶内容の一例を示す説明図である。図10に示すように、変化パターン管理テーブル1000は、項目番号と、指標値タグと、行動番号と、関連行動と、変化パターンと、原因と、表示態様とのフィールドを有する。変化パターン管理テーブル1000は、業務に問題が発生する原因ごとに各フィールドに情報を設定することにより、変化パターン管理情報がレコード1000-aとして記憶される。aは、任意の整数である。
【0079】
項目番号のフィールドには、変化パターン管理情報に割り振られた項目番号が設定される。指標値タグのフィールドには、指標値の種類I、または、指標値の種類Iに割り振られた指標値番号xなどが設定される。行動番号のフィールドには、種類Iの指標値が条件を満たした原因を特定する際に着目される関連行動の行動名に割り振られた番号が設定される。関連行動のフィールドには、種類Iの指標値が条件を満たした原因を特定する際に着目される関連行動の行動名が設定される。
【0080】
変化パターンのフィールドには、平時に比べて、業務に問題を発生させる原因が発生している場合には、関連行動の行動量にどのような変化が現れるのかを示す変化パターンが設定される。変化パターンは、+であれば、増加する傾向があることを意味する。変化パターンは、-であれば、減少する傾向があることを意味する。原因のフィールドには、業務に問題を発生させる原因を示す情報が設定される。表示態様のフィールドには、業務に問題を発生させる原因を示す情報を表示する際の表示態様を特定する情報が設定される。次に、図11の説明に移行し、変化パターン管理テーブル1000の別の例である、変化パターン管理テーブル1100について説明する。
【0081】
図11に示すように、変化パターン管理テーブル1100は、項目番号と、指標値タグと、行動番号と、関連行動と、変化パターンと、原因と、表示態様とのフィールドを有する。変化パターン管理テーブル1100は、業務に問題が発生する原因ごとに各フィールドに情報を設定することにより、変化パターン管理情報がレコード1100-aとして記憶される。aは、任意の整数である。
【0082】
項目番号のフィールドには、変化パターン管理情報に割り振られた項目番号が設定される。指標値タグのフィールドには、指標値の種類I、または、指標値の種類Iに割り振られた指標値番号xなどが設定される。行動番号のフィールドには、種類Iの指標値が条件を満たした原因を特定する際に着目される関連行動の行動名に割り振られた番号が設定される。関連行動のフィールドには、種類Iの指標値が条件を満たした原因を特定する際に着目される関連行動の行動名が設定される。
【0083】
変化パターンのフィールドには、平時に比べて、業務に問題を発生させる原因が発生している場合には、関連行動の行動量にどのような変化が現れるのかを示す変化パターンが設定される。変化パターンは、+であれば、増加する傾向があることを意味する。変化パターンは、-であれば、減少する傾向があることを意味する。原因のフィールドには、業務に問題を発生させる原因を示す情報が設定される。表示態様のフィールドには、業務に問題を発生させる原因を示す情報を表示する際の表示態様を特定する情報が設定される。次に、図12の説明に移行し、変化パターン管理テーブル1000,1100の別の例である、変化パターン管理テーブル1200について説明する。
【0084】
図12に示すように、変化パターン管理テーブル1200は、項目番号と、指標値タグと、行動等番号と、関連行動等と、変化パターンと、原因と、表示態様とのフィールドを有する。変化パターン管理テーブル1200は、業務に問題が発生する原因ごとに各フィールドに情報を設定することにより、変化パターン管理情報がレコード1200-aとして記憶される。aは、任意の整数である。
【0085】
項目番号のフィールドには、変化パターン管理情報に割り振られた項目番号が設定される。指標値タグのフィールドには、指標値の種類I、または、指標値の種類Iに割り振られた指標値番号xなどが設定される。行動等番号のフィールドには、種類Iの指標値が条件を満たした原因を特定する際に着目される、関連行動の行動名、または、他の指標値に割り振られた番号が設定される。関連行動等のフィールドには、種類Iの指標値が条件を満たした原因を特定する際に着目される、関連行動の行動名、または、他の指標値の種類を示す説明文が設定される。
【0086】
変化パターンのフィールドには、平時に比べて、業務に問題を発生させる原因が発生している場合には、関連行動の行動量、または、他の指標値の統計値にどのような変化が現れるのかを示す変化パターンが設定される。変化パターンは、+であれば、増加する傾向があることを意味する。変化パターンは、-であれば、減少する傾向があることを意味する。原因のフィールドには、業務に問題を発生させる原因を示す情報が設定される。表示態様のフィールドには、業務に問題を発生させる原因を示す情報を表示する際の表示態様を特定する情報が設定される。
【0087】
(探索幅管理テーブル1300の記憶内容)
次に、図13を用いて、探索幅管理テーブル1300の記憶内容の一例について説明する。探索幅管理テーブル1300は、例えば、図3に示した情報処理装置100のメモリ302や記録媒体305などの記憶領域により実現される。
【0088】
図13は、探索幅管理テーブル1300の記憶内容の一例を示す説明図である。図13に示すように、探索幅管理テーブル1300は、指標値番号と、探索幅(前)と、探索幅(後)とのフィールドを有する。探索幅管理テーブル1300は、指標値の種類ごとに各フィールドに情報を設定することにより、探索幅情報がレコード1300-aとして記憶される。aは、任意の整数である。
【0089】
指標値番号のフィールドには、指標値の種類Iに割り振られた指標値番号xが設定される。探索幅(前)のフィールドには、種類Iの指標値が条件を満たした際に、種類Iの指標値が条件を満たした時点を基準として、関連行動の量を算出する時間帯を特定するための探索幅(前)が設定される。探索幅(前)は、0以上の値であり、単位が秒、分、または、時間などである。探索幅(後)のフィールドには、種類Iの指標値が条件を満たした際に、種類Iの指標値が条件を満たした時点を基準として、関連行動の量を算出する時間帯を特定するための探索幅(後)が設定される。探索幅(後)は、0以上の値であり、単位が秒、分、または、時間などである。
【0090】
(関連行動量管理テーブル1400の記憶内容)
次に、図14を用いて、関連行動量管理テーブル1400の記憶内容の一例について説明する。関連行動量管理テーブル1400は、例えば、図3に示した情報処理装置100のメモリ302や記録媒体305などの記憶領域により実現される。
【0091】
図14は、関連行動量管理テーブル1400の記憶内容の一例を示す説明図である。図14に示すように、関連行動量管理テーブル1400は、時間帯と、関連行動量とのフィールドを有する。関連行動量管理テーブル1400は、時間帯ごとに各フィールドに情報を設定することにより、関連行動量管理情報がレコード1400-aとして記憶される。aは、任意の整数である。
【0092】
時間帯のフィールドには、関連行動の量を算出した時間帯が設定される。時間帯は、例えば、所定の事象に対する指標値が条件を満たした時点を基準とした所定の長さの期間である。時間帯は、例えば、予め設定された0時台、1時台、2時台などの各期間のうち、所定の事象に対する指標値が所定の条件を満たした時点を含むいずれかの期間である。関連行動量のフィールドには、時間帯における関連行動の量が設定される。関連行動の量は、関連行動を行った対象者の数に関する統計量、関連行動を行った時間に関する統計量、または、関連行動を行った領域の大きさに関する統計量などである。
【0093】
関連行動量管理テーブル1400は、さらに、関連指標値のフィールドを有してもよい。関連指標値のフィールドには、時間帯における関連指標値の統計値が設定される。
【0094】
(平時関連行動量管理テーブル1500の記憶内容)
次に、図15を用いて、平時関連行動量管理テーブル1500の記憶内容の一例について説明する。平時関連行動量管理テーブル1500は、例えば、図3に示した情報処理装置100のメモリ302や記録媒体305などの記憶領域により実現される。
【0095】
図15は、平時関連行動量管理テーブル1500の記憶内容の一例を示す説明図である。図15に示すように、平時関連行動量管理テーブル1500は、時間帯番号と、時間帯と、平時関連行動量とのフィールドを有する。平時関連行動量管理テーブル1500は、時間帯ごとに各フィールドに情報を設定することにより、平時関連行動量管理情報がレコード1500-aとして記憶される。aは、任意の整数である。
【0096】
時間帯番号のフィールドには、関連行動の量を算出した、平時の時間帯に割り振られた時間帯番号が設定される。時間帯のフィールドには、関連行動の量を算出した、平時の時間帯が設定される。平時の時間帯は、例えば、予め設定された0時台、1時台、2時台などの各期間のうち、所定の事象に対する指標値が所定の条件を満たした時点を含むいずれかの期間である。平時関連行動量のフィールドには、平時の時間帯における関連行動の量が設定される。関連行動の量は、関連行動を行った対象者の数に関する統計量、関連行動を行った時間に関する統計量、または、関連行動を行った領域の大きさに関する統計量などである。
【0097】
平時関連行動量管理テーブル1500は、さらに、平時関連指標値のフィールドを有してもよい。平時関連指標値のフィールドには、平時の時間帯における関連指標値の統計値が設定される。
【0098】
(マージン管理テーブル1600の記憶内容)
次に、図16を用いて、マージン管理テーブル1600の記憶内容の一例について説明する。マージン管理テーブル1600は、例えば、図3に示した情報処理装置100のメモリ302や記録媒体305などの記憶領域により実現される。
【0099】
図16は、マージン管理テーブル1600の記憶内容の一例を示す説明図である。図16に示すように、マージン管理テーブル1600は、マージンと、項目番号と、行動番号とのフィールドを有する。マージン管理テーブル1600は、項目番号と行動番号とのペアごとに各フィールドに情報を設定することにより、マージン管理情報がレコード1600-aとして記憶される。aは、任意の整数である。
【0100】
マージンのフィールドには、今回の関連行動の変化パターンが、項目番号と行動番号とのペアに対応する変化パターンであるか否かを検証する際に用いられるマージンが設定される。項目番号のフィールドには、検証する変化パターンを特定するための項目番号が設定される。行動番号のフィールドには、検証する変化パターンを特定するための行動番号が設定される。
【0101】
(解析情報管理テーブル1700の記憶内容)
次に、図17を用いて、解析情報管理テーブル1700の記憶内容の一例について説明する。解析情報管理テーブル1700は、例えば、図3に示した情報処理装置100のメモリ302や記録媒体305などの記憶領域により実現される。
【0102】
図17は、解析情報管理テーブル1700の記憶内容の一例を示す説明図である。図17に示すように、解析情報管理テーブル1700は、行動番号と、行動名と、行動量と、平時行動量と、探索幅とのフィールドを有する。解析情報管理テーブル1700は、行動ごとに各フィールドに情報を設定することにより、解析情報がレコード1700-aとして記憶される。aは、任意の整数である。
【0103】
行動番号のフィールドには、業務に問題を発生させる行動となり得る行動に割り振られた行動番号lが設定される。行動名のフィールドには、業務に問題を発生させる行動となり得る行動の行動名Sn(l)が設定される。行動量のフィールドには、種類Iの指標値が条件を満たした時点を基準とした時間帯における、業務に問題を発生させる行動となり得る行動の量Sq(l)が設定される。平時行動量のフィールドには、平時における、業務に問題を発生させる行動となり得る行動の量Sq_ave(l)が設定される。探索幅のフィールドには、平時を特定するための探索幅Tcが設定される。
【0104】
(候補判定閾値管理テーブル1800の記憶内容)
次に、図18を用いて、候補判定閾値管理テーブル1800の記憶内容の一例について説明する。候補判定閾値管理テーブル1800は、例えば、図3に示した情報処理装置100のメモリ302や記録媒体305などの記憶領域により実現される。
【0105】
図18は、候補判定閾値管理テーブル1800の記憶内容の一例を示す説明図である。図18に示すように、候補判定閾値管理テーブル1800は、閾値上限と、閾値下限とのフィールドを有する。候補判定閾値管理テーブル1800は、各フィールドに情報を設定することにより、閾値情報がレコード1800-aとして記憶される。aは、任意の整数である。
【0106】
閾値上限のフィールドには、いずれかの行動が業務に問題を発生させるか否かを判定する際に用いられる閾値上限TH-が設定される。閾値下限のフィールドには、いずれかの行動が業務に問題を発生させるか否かを判定する際に用いられる閾値下限TH+が設定される。
【0107】
(候補管理テーブル1900の記憶内容)
次に、図19を用いて、候補管理テーブル1900の記憶内容の一例について説明する。候補管理テーブル1900は、例えば、図3に示した情報処理装置100のメモリ302や記録媒体305などの記憶領域により実現される。
【0108】
図19は、候補管理テーブル1900の記憶内容の一例を示す説明図である。図19に示すように、候補管理テーブル1900は、候補行動名と、候補パターンとのフィールドを有する。候補管理テーブル1900は、各フィールドに情報を設定することにより、候補管理情報がレコード1900-aとして記憶される。aは、任意の整数である。
【0109】
候補行動名のフィールドには、業務に問題を発生させ得る行動の行動名R_Aが設定される。候補パターンのフィールドには、業務に問題が発生する場合に、行動の量がどのように変化するのかを示す変化パターンとなり得る候補が設定される。
【0110】
(管理者用端末203のハードウェア構成例)
次に、図20を用いて、図2に示した情報処理システム200に含まれる管理者用端末203のハードウェア構成例について説明する。
【0111】
図20は、管理者用端末203のハードウェア構成例を示すブロック図である。図20において、管理者用端末203は、CPU2001と、メモリ2002と、ネットワークI/F2003と、記録媒体I/F2004と、記録媒体2005と、ディスプレイ2006と、入力装置2007とを有する。また、各構成部は、バス2000によってそれぞれ接続される。
【0112】
ここで、CPU2001は、管理者用端末203の全体の制御を司る。メモリ2002は、例えば、ROM、RAMおよびフラッシュROMなどを有する。具体的には、例えば、フラッシュROMやROMが各種プログラムを記憶し、RAMがCPU2001のワークエリアとして使用される。メモリ2002に記憶されるプログラムは、CPU2001にロードされることにより、コーディングされている処理をCPU2001に実行させる。
【0113】
ネットワークI/F2003は、通信回線を通じてネットワーク210に接続され、ネットワーク210を介して他のコンピュータに接続される。そして、ネットワークI/F2003は、ネットワーク210と内部のインターフェースを司り、他のコンピュータからのデータの入出力を制御する。ネットワークI/F2003は、例えば、モデムやLANアダプタなどである。
【0114】
記録媒体I/F2004は、CPU2001の制御に従って記録媒体2005に対するデータのリード/ライトを制御する。記録媒体I/F2004は、例えば、ディスクドライブ、SSD、USBポートなどである。記録媒体2005は、記録媒体I/F2004の制御で書き込まれたデータを記憶する不揮発メモリである。記録媒体2005は、例えば、ディスク、半導体メモリ、USBメモリなどである。記録媒体2005は、管理者用端末203から着脱可能であってもよい。
【0115】
ディスプレイ2006は、カーソル、アイコンあるいはツールボックスをはじめ、文書、画像、機能情報などのデータを表示する。ディスプレイ2006は、例えば、CRT(Cathode Ray Tube)、液晶ディスプレイ、有機EL(Electroluminescence)ディスプレイなどである。入力装置2007は、文字、数字、各種指示などの入力のためのキーを有し、データの入力を行う。入力装置2007は、キーボードやマウスなどであってもよく、また、タッチパネル式の入力パッドやテンキーなどであってもよい。
【0116】
管理者用端末203は、上述した構成部の他、例えば、プリンタ、スキャナ、マイク、スピーカーなどを有してもよい。また、管理者用端末203は、記録媒体I/F2004や記録媒体2005を複数有していてもよい。また、管理者用端末203は、記録媒体I/F2004や記録媒体2005を有していなくてもよい。
【0117】
(行動記録端末204のハードウェア構成例)
次に、図21を用いて、図2に示した情報処理システム200に含まれる行動記録端末204のハードウェア構成例について説明する。
【0118】
図21は、行動記録端末204のハードウェア構成例を示すブロック図である。図21において、行動記録端末204は、CPU2101と、メモリ2102と、ネットワークI/F2103と、タッチパネル2104と、センサ類2105とを有する。また、各構成部は、バス2100によってそれぞれ接続される。
【0119】
ここで、CPU2101は、行動記録端末204の全体の制御を司る。メモリ2102は、例えば、ROM、RAMおよびフラッシュROMなどを有する。具体的には、例えば、フラッシュROMやROMが各種プログラムを記憶し、RAMがCPU2101のワークエリアとして使用される。メモリ2102に記憶されるプログラムは、CPU2101にロードされることにより、コーディングされている処理をCPU2101に実行させる。
【0120】
ネットワークI/F2103は、通信回線を通じてネットワーク210に接続され、ネットワーク210を介して他のコンピュータに接続される。そして、ネットワークI/F2103は、ネットワーク210と内部のインターフェースを司り、他のコンピュータからのデータの入出力を制御する。
【0121】
タッチパネル2104は、カーソル、アイコンあるいはツールボックスをはじめ、文書、画像、機能情報などのデータを表示するディスプレイを有する。タッチパネル2104は、ディスプレイ上、または、ディスプレイ外周部に設けられ、タッチパネル2104上のユーザの接触位置を検出する検出装置を有する。検出装置は、例えば、抵抗膜方式、静電容量方式、超音波方式、光学方式、または、電磁誘導方式などを用いて、接触位置を検出する。タッチパネル2104は、ユーザの接触位置に応じて、文字、数字、各種指示などの入力を行う。
【0122】
センサ類2105は、行動記録端末204の状態を検出する。センサ類2105は、例えば、行動記録端末204の位置、動き、および向きのうち少なくともいずれかを検出する。センサ類2105は、具体的には、加速度センサを有する。また、センサ類2105は、地磁気センサ、光センサ、振動センサなどの少なくともいずれかを有してもよい。また、センサ類2105は、GPS(Global Positioning System)受信機を有し、行動記録端末204のGPS座標を検出してもよい。
【0123】
センサ類2105は、生体情報を取得する。センサ類2105は、例えば、生体情報として、脈拍、または、体温などに関する情報を取得する。センサ類2105は、マイクを有し、音声情報を取得する。センサ類2105は、短距離通信用の通信回路を有し、行動記録端末204の位置を検出する。短距離通信用の通信回路は、例えば、Wi-Fi(登録商標)用のアンテナを有する通信回路である。行動記録端末204は、上述した構成部の他、例えば、ディスクドライブ、ディスク、SSD、半導体メモリ、スキャナ、プリンタなどを有することにしてもよい。
【0124】
(状態検出装置205のハードウェア構成例)
次に、図22を用いて、図2に示した情報処理システム200に含まれる状態検出装置205のハードウェア構成例について説明する。
【0125】
図22は、状態検出装置205のハードウェア構成例を示すブロック図である。図22において、状態検出装置205は、CPU2201と、メモリ2202と、ネットワークI/F2203と、センサ類2204とを有する。また、各構成部は、バス2200によってそれぞれ接続される。
【0126】
ここで、CPU2201は、状態検出装置205の全体の制御を司る。メモリ2202は、例えば、ROM、RAMおよびフラッシュROMなどを有する。具体的には、例えば、フラッシュROMやROMが各種プログラムを記憶し、RAMがCPU2201のワークエリアとして使用される。メモリ2202に記憶されるプログラムは、CPU2201にロードされることにより、コーディングされている処理をCPU2201に実行させる。
【0127】
ネットワークI/F2203は、通信回線を通じてネットワーク210に接続され、ネットワーク210を介して他のコンピュータに接続される。そして、ネットワークI/F2203は、ネットワーク210と内部のインターフェースを司り、他のコンピュータからのデータの入出力を制御する。
【0128】
センサ類2204は、対象者の状態を検出する。センサ類2204は、例えば、対象者の位置、動き、および向きのうち少なくともいずれかを検出する。センサ類2204は、例えば、生体情報を取得する。センサ類2204は、例えば、生体情報として、指紋、または、顔貌などに関する情報を取得し、対象者の状態を検出する。センサ類2204は、例えば、撮像装置を含み、撮像装置で撮像した撮像画像に映る対象者の顔貌を認識し、対象者の状態を検出する。状態検出装置205は、上述した構成部の他、例えば、ディスクドライブ、ディスク、SSD、半導体メモリ、スキャナ、プリンタなどを有することにしてもよい。
【0129】
(情報処理装置100の機能的構成例)
次に、図23を用いて、情報処理装置100の機能的構成例について説明する。
【0130】
図23は、情報処理装置100の機能的構成例を示すブロック図である。情報処理装置100は、記憶部2300と、取得部2301と、検出部2302と、推定部2303と、算出部2304と、特定部2305と、更新部2306と、出力部2307とを含む。
【0131】
記憶部2300は、例えば、図3に示したメモリ302や記録媒体305などの記憶領域によって実現される。以下では、記憶部2300が、情報処理装置100に含まれる場合について説明するが、これに限らない。例えば、記憶部2300が、情報処理装置100とは異なる装置に含まれ、記憶部2300の記憶内容が情報処理装置100から参照可能である場合があってもよい。
【0132】
取得部2301~出力部2307は、制御部の一例として機能する。取得部2301~出力部2307は、具体的には、例えば、図3に示したメモリ302や記録媒体305などの記憶領域に記憶されたプログラムをCPU301に実行させることにより、または、ネットワークI/F303により、その機能を実現する。各機能部の処理結果は、例えば、図3に示したメモリ302や記録媒体305などの記憶領域に記憶される。
【0133】
記憶部2300は、各機能部の処理において参照され、または更新される各種情報を記憶する。記憶部2300は、所定の事象に対する指標値の時系列データを記憶する。所定の事象は、例えば、業務に関わる事象である。所定の事象は、例えば、医療分野においては、ナースコールである。指標値は、例えば、所定の事象に関連する物理量である。指標値は、例えば、所定の事象に関連する行動を行った対象者を識別する値であってもよい。指標値は、例えば、医療分野においては、ナースコールに対する患者の待ち時間である。指標値の時系列データは、例えば、図4に示した指標値管理テーブル400を用いて記憶される。記憶部2300は、例えば、図4に示した指標値管理テーブル400を記憶する。
【0134】
記憶部2300は、所定の条件を記憶する。所定の条件は、所定の事象に対する指標値に関する条件である。所定の条件は、例えば、所定の事象に対する指標値に基づいて、業務に問題が発生したと判断する条件である。所定の条件は、例えば、所定の事象に対する指標値が、所定の範囲外であることである。所定の条件は、例えば、指標値が識別する対象者が、特定の対象者以外であることであってもよい。所定の条件は、例えば、医療分野においては、ナースコールに対する患者の待ち時間が閾値を超えたことである。所定の条件は、例えば、図6に示した指標値用閾値管理テーブル600、または、図7に示した条件管理テーブル700を用いて記憶される。記憶部2300は、例えば、図6に示した指標値用閾値管理テーブル600、または、図7に示した条件管理テーブル700を記憶する。
【0135】
記憶部2300は、第1の情報を記憶する。第1の情報は、対象者ごとに、複数の時点のそれぞれで対象者が行った行動を特定可能な情報である。対象者は、例えば、業務に関わる者である。対象者は、例えば、医療分野においては、医師、または、看護師などの医療従事者である。第1の情報は、例えば、図5に示した行動管理テーブル500を用いて記憶される。記憶部2300は、例えば、図5に示した行動管理テーブル500を記憶する。
【0136】
記憶部2300は、行動のグループを示す情報を記憶する。行動のグループは、例えば、行動名が類似する行動のグループである。行動のグループを示す情報は、例えば、図8に示したグループ管理テーブル800を用いて記憶される。記憶部2300は、例えば、図8に示したグループ管理テーブル800を記憶する。記憶部2300は、類似の判定に用いられる閾値を記憶する。記憶部2300は、例えば、図9に示した類似度用閾値管理テーブル900を記憶する。
【0137】
記憶部2300は、第2の情報を記憶する。第2の情報は、所定の事象に対する指標値が所定の条件を満たす原因が発生していない場合に対する、当該原因が発生した場合の、所定の事象に関連する1以上の行動の量の変化傾向を特定可能な情報である。行動の量は、行動を行った対象者の数に関する統計量、行動を行った時間に関する統計量、または、行動を行った領域の大きさに関する統計量などである。統計量は、例えば、合計値、最大値、最小値、平均値、最頻値、中央値、分散、または、標準偏差などである。変化傾向は、例えば、所定の事象に対する指標値が所定の条件を満たす原因が発生した場合において、当該原因が発生していない場合に比べて、所定の事象に関連する行動の量に増加傾向があるか、または、減少傾向があるかを示す。変化傾向は、例えば、変化パターンである。
【0138】
第2の情報は、さらに、所定の事象に対する指標値が所定の条件を満たす原因が発生していない場合に対する、当該原因が発生した場合の、所定の事象に対する指標値に関連する他の指標値の統計値の変化傾向を特定可能であってもよい。変化傾向は、例えば、所定の事象に対する指標値が所定の条件を満たす原因が発生した場合において、当該原因が発生していない場合に比べて、所定の事象に対する指標値に関連する他の指標値の統計値に増加傾向があるか、または、減少傾向があるかを示す。変化傾向は、例えば、変化パターンである。第2の情報は、例えば、図10図12に示した変化パターン管理テーブル1000,1100,1200を用いて記憶される。記憶部2300は、例えば、図10図12に示した変化パターン管理テーブル1000,1100,1200を記憶する。
【0139】
記憶部2300は、所定のセンサを用いて対象者の状態を認識した結果を記憶する。対象者の状態は、対象者の位置、動き、または、向きなどである。対象者の状態は、例えば、対象者に対応する行動記録装置の状態に対応する。所定のセンサは、例えば、状態検出装置205が有するセンサ類2204である。
【0140】
取得部2301は、各機能部の処理に用いられる各種情報を取得する。取得部2301は、取得した各種情報を、記憶部2300に記憶し、または、各機能部に出力する。また、取得部2301は、記憶部2300に記憶しておいた各種情報を、各機能部に出力してもよい。取得部2301は、例えば、ユーザの操作入力に基づき、各種情報を取得する。取得部2301は、例えば、情報処理装置100とは異なる装置から、各種情報を受信してもよい。
【0141】
取得部2301は、指標値の時系列データを取得して記憶部2300に記憶する。取得部2301は、例えば、指標値の時系列データを、指標値管理装置202から受信することにより取得して記憶部2300に記憶する。
【0142】
取得部2301は、行動の時系列データを取得して記憶部2300に記憶する。取得部2301は、例えば、行動の時系列データを、情報蓄積装置201から受信することにより取得して記憶部2300に記憶する。
【0143】
取得部2301は、所定のセンサを用いて対象者の状態を認識した結果を取得して記憶部2300に記憶する。取得部2301は、例えば、所定のセンサを用いて対象者の状態を認識した結果を、状態検出装置205から受信することにより取得して記憶部2300に記憶する。
【0144】
取得部2301は、所定の事象に対する指標値が所定の条件を満たす原因が発生していない場合に対する、当該原因が発生した場合の所定の事象に関連する行動の量の変化傾向を特定可能な情報の入力を受け付ける。取得部2301は、例えば、所定の事象に関連する行動と、所定の事象に関連する行動の量の変化傾向と、所定の事象と、原因との組み合わせの入力を受け付ける。取得部2301は、具体的には、指標値の種類と、関連行動の種類と、関連行動の量の変化パターンと、原因との組み合わせの入力を受け付ける。取得部2301は、より具体的には、管理者用端末203との通信内容に基づき、管理者からの、指標値の種類と、関連行動の種類と、関連行動の量の変化パターンと、原因との組み合わせの入力を受け付ける。
【0145】
取得部2301は、所定の事象に対する指標値が所定の条件を満たす原因を特定可能な情報の入力を受け付ける。取得部2301は、例えば、所定の事象に関連する行動と、所定の事象に関連する行動の量の変化傾向と、所定の事象とを対応付けて出力した結果、原因の入力を受け付ける。取得部2301は、具体的には、指標値の種類と、関連行動の種類と、関連行動の量の変化パターンとに対応付ける、原因の入力を受け付ける。取得部2301は、より具体的には、管理者用端末203との通信内容に基づき、管理者からの、指標値の種類と、関連行動の種類と、関連行動の量の変化パターンとに対応付ける、原因の入力を受け付ける。
【0146】
取得部2301は、いずれかの機能部の処理を開始する開始トリガーを受け付けてもよい。開始トリガーは、例えば、ユーザによる所定の操作入力があったことである。開始トリガーは、例えば、他のコンピュータから、所定の情報を受信したことであってもよい。開始トリガーは、例えば、いずれかの機能部が所定の情報を出力したことであってもよい。
【0147】
取得部2301は、例えば、ユーザによる所定の操作入力があったことを、検出部2302と、算出部2304と、特定部2305と、更新部2306との処理を開始する開始トリガーとして受け付ける。取得部2301は、例えば、対象者の状態を認識した結果を取得したことを、推定部2303の処理を開始する開始トリガーとして受け付ける。
【0148】
検出部2302は、所定の事象に対する指標値が所定の条件を満たしたことを検出する。検出部2302は、例えば、指標値用閾値管理テーブル600に基づいて、所定の事象に対する指標値の種類に対応する所定の範囲を特定し、所定の事象に対する指標値が、特定した所定の範囲外になったことを検出する。
【0149】
検出部2302は、例えば、条件管理テーブル700に基づいて、所定の事象に対する指標値の種類に対応する所定の条件を特定し、所定の事象に対する指標値が、特定した所定の条件を満たしたことを検出する。検出部2302は、具体的には、指標値が識別する対象者が、特定の対象者以外であることを検出する。検出部2302は、より具体的には、指標値が識別する対象者が、医師または看護師ではなく、事務員であることを検出する。これにより、検出部2302は、業務に問題が発生したことを検出することができる。
【0150】
推定部2303は、所定のセンサを用いて対象者の状態を認識した結果に基づいて、第1の情報を生成する。推定部2303は、例えば、所定のセンサを用いて対象者の状態を認識した結果に基づいて、対象者の行動を推定し、第1の情報を生成する。推定部2303は、具体的には、予め位置ごとに対応付けられた行動のうち、認識された対象者の位置に対応付けられた行動を、対象者の行動として推定し、第1の情報を生成する。これにより、推定部2303は、対象者の行動を示す情報を、行動記録端末204から取得せずに済ませることができる。
【0151】
推定部2303は、複数の行動のそれぞれを識別する名称に基づいて、複数の行動をグループ化する。推定部2303は、例えば、行動名のペアごとに類似度を算出する。類似度は、例えば、Word2Vecである。推定部2303は、例えば、類似度用閾値管理テーブル900に基づいて、算出した類似度が閾値を超える行動名のペアを、類似する行動名のペアとして特定する。推定部2303は、例えば、類似する行動名のペアに対応する行動のペアを、同一のグループに分類する。これにより、推定部2303は、行動の量を纏めて扱うことが好ましい行動のペアを特定可能にすることができる。
【0152】
算出部2304は、第1の情報に基づいて、所定の事象に対する指標値が所定の条件を満たした時点に対応する時間帯における所定の事象に関連する行動の量を取得する。時間帯は、例えば、所定の事象に対する指標値が所定の条件を満たした時点である。時間帯は、例えば、所定の事象に対する指標値が所定の条件を満たした時点を含む、所定の長さの時間幅である。
【0153】
算出部2304は、例えば、変化パターン管理テーブル1000に基づいて、所定の事象に対する指標値に対応付けられた、所定の事象に関連する行動を特定する。算出部2304は、例えば、探索幅管理テーブル1300に基づいて、所定の事象に対する指標値が所定の条件を満たした時点を基準に、探索幅(前)の時点から、探索幅(後)の時点までの時間帯を特定する。算出部2304は、例えば、行動管理テーブル500に基づいて、特定した時間帯における、特定した行動の量を算出することにより取得する。これにより、算出部2304は、問題が発生した原因を特定する際に有用となる情報を得ることができる。
【0154】
算出部2304は、第1の情報に基づいて、所定の事象に対する指標値が所定の条件を満たした時点に対応する時間帯における所定の事象に関連する複数の行動のそれぞれの量を算出する。算出部2304は、例えば、変化パターン管理テーブル1100に基づいて、所定の事象に対する指標値に対応付けられた、所定の事象に関連する複数の行動を特定する。算出部2304は、例えば、探索幅管理テーブル1300に基づいて、所定の事象に対する指標値が所定の条件を満たした時点を基準に、探索幅(前)の時点から、探索幅(後)の時点までの時間帯を特定する。算出部2304は、例えば、行動管理テーブル500に基づいて、特定した時間帯における、特定した複数の行動のそれぞれの量を算出することにより取得する。これにより、算出部2304は、問題が発生した原因を特定する際に有用となる情報を得ることができる。
【0155】
算出部2304は、第1の情報に基づいて、所定の事象に対する指標値が所定の条件を満たした時点に対応する時間帯における所定の事象に関連する行動を含むグループに属する1以上の行動のそれぞれの量に基づく統計量を算出する。算出部2304は、例えば、変化パターン管理テーブル1000,1100,1200に基づいて、所定の事象に対する指標値に対応付けられた、所定の事象に関連する行動を特定する。算出部2304は、例えば、特定した行動を含むグループに属する1以上の行動を特定する。算出部2304は、例えば、探索幅管理テーブル1300に基づいて、所定の事象に対する指標値が所定の条件を満たした時点を基準に、探索幅(前)の時点から、探索幅(後)の時点までの時間帯を特定する。算出部2304は、例えば、行動管理テーブル500に基づいて、特定した時間帯における、特定した1以上の行動のそれぞれの量を算出することにより取得する。これにより、算出部2304は、問題が発生した原因を特定する際に有用となる情報を得ることができる。
【0156】
算出部2304は、所定の事象に対する指標値が所定の条件を満たした時点に対応する時間帯における所定の事象に対する指標値に関連する他の指標値の統計値を取得する。統計値は、例えば、合計値、最大値、最小値、平均値、最頻値、中央値、分散、または、標準偏差などである。算出部2304は、例えば、変化パターン管理テーブル1200に基づいて、所定の事象に対する指標値に関連する他の指標値を特定する。算出部2304は、例えば、探索幅管理テーブル1300に基づいて、所定の事象に対する指標値が所定の条件を満たした時点を基準に、探索幅(前)の時点から、探索幅(後)の時点までの時間帯を特定する。算出部2304は、例えば、指標値管理テーブル400に基づいて、特定した時間帯における、特定した他の指標値の統計値を算出することにより取得する。これにより、算出部2304は、問題が発生した原因を特定する際に有用となる情報を得ることができる。
【0157】
特定部2305は、取得した、所定の事象に対する指標値が所定の条件を満たした時点に対応する時間帯における所定の事象に関連する行動の量と、過去の時間帯における所定の事象に関連する行動の量とを比較する。過去の時間帯は、例えば、平時である。そして、特定部2305は、第2の情報に基づいて、比較した結果に対応する原因を特定する。
【0158】
特定部2305は、例えば、平時関連行動量管理テーブル1500に基づいて、平時の時間帯における関連行動の量を取得する。特定部2305は、例えば、所定の事象に対する指標値が所定の条件を満たした時点に対応する時間帯における所定の事象に関連する関連行動の量と、平時の時間帯における関連行動の量とを比較する。特定部2305は、例えば、比較した結果、平時の時間帯に比べて、所定の事象に対する指標値が所定の条件を満たした時点に対応する時間帯において、所定の事象に関連する関連行動の量に、どのような変化パターンがあるかを特定する。変化パターンは、増加する傾向、減少する傾向、増加減少しない傾向などである。これにより、特定部2305は、問題が発生した原因を特定する際に有用となる情報を得ることができる。
【0159】
特定部2305は、変化パターン管理テーブル1000に基づいて、指標値の種類と、関連行動の種類と、比較した結果特定された変化パターンとの組み合わせに対応付けられた原因を特定する。これにより、特定部2305は、今回、所定の事象に対する指標値が所定の条件を満たした原因として特定することができる。
【0160】
特定部2305は、取得した、所定の事象に対する指標値が所定の条件を満たした時点に対応する時間帯における所定の事象に関連する複数の行動のそれぞれの量と、過去の時間帯における所定の事象に関連する複数の行動のそれぞれの量とを比較する。特定部2305は、第2の情報に基づいて、比較した結果に対応する原因を特定する。
【0161】
特定部2305は、例えば、平時関連行動量管理テーブル1500に基づいて、平時の時間帯における複数の関連行動のそれぞれの量を取得する。特定部2305は、例えば、所定の事象に対する指標値が所定の条件を満たした時点に対応する時間帯における所定の事象に関連する複数の関連行動のそれぞれの量と、平時の時間帯における複数の関連行動のそれぞれの量とを比較する。特定部2305は、例えば、比較した結果、平時の時間帯に比べて、所定の事象に対する指標値が所定の条件を満たした時点に対応する時間帯において、所定の事象に関連する複数の関連行動のそれぞれの量に、どのような変化パターンがあるかを特定する。変化パターンは、増加する傾向、減少する傾向、増加減少しない傾向などである。これにより、特定部2305は、問題が発生した原因を特定する際に有用となる情報を得ることができる。
【0162】
特定部2305は、変化パターン管理テーブル1100に基づいて、指標値の種類と、複数の関連行動のそれぞれの種類と、比較した結果特定された変化パターンとの組み合わせに対応付けられた原因を特定する。これにより、特定部2305は、今回、所定の事象に対する指標値が所定の条件を満たした原因として特定することができる。
【0163】
特定部2305は、所定の事象に対する指標値が所定の条件を満たした時点に対応する時間帯における所定の事象に関連する行動の量と、過去の時間帯における所定の事象に関連する行動の量とを比較する。また、特定部2305は、所定の事象に対する指標値が所定の条件を満たした時点に対応する時間帯における所定の事象に対する指標値に関連する他の指標値の統計値と、過去の時間帯における所定の事象に対する指標値に関連する他の指標値の統計値とを比較する。そして、特定部2305は、第2の情報に基づいて、比較した結果に対応する原因を特定する。
【0164】
特定部2305は、例えば、平時関連行動量管理テーブル1500に基づいて、平時の時間帯における、関連行動の量、および、所定の事象に対する指標値に関連する他の指標値の統計値を取得する。特定部2305は、例えば、所定の事象に対する指標値が所定の条件を満たした時点に対応する時間帯における所定の事象に関連する関連行動の量と、平時の時間帯における関連行動の量とを比較する。特定部2305は、例えば、所定の事象に対する指標値が所定の条件を満たした時点に対応する時間帯における所定の事象に対する指標値に関連する他の指標値の統計値と平時の時間帯における所定の事象に対する指標値に関連する他の指標値の統計値とを比較する。
【0165】
特定部2305は、例えば、比較した結果、平時の時間帯に比べて、所定の事象に対する指標値が所定の条件を満たした時点に対応する時間帯において、所定の事象に関連する関連行動の量に、どのような変化パターンがあるかを特定する。また、特定部2305は、例えば、比較した結果、平時の時間帯に比べて、所定の事象に対する指標値が所定の条件を満たした時点に対応する時間帯において、所定の事象に対する指標値に関連する他の指標値の統計値にどのような変化パターンがあるかを特定する。これにより、特定部2305は、問題が発生した原因を特定する際に有用となる情報を得ることができる。
【0166】
特定部2305は、変化パターン管理テーブル1200に基づいて、所定の事象に対する指標値の種類と、関連行動の種類と、所定の事象に対する指標値に関連する他の指標値の種類と、特定された変化パターンとの組み合わせに対応付けられた原因を特定する。これにより、特定部2305は、今回、所定の事象に対する指標値が所定の条件を満たした原因として特定することができる。
【0167】
特定部2305は、取得した統計量と、過去の時間帯における所定の事象に関連する行動を含むグループに属する1以上の行動のそれぞれの量に基づく統計量とを比較する。そして、特定部2305は、第2の情報に基づいて、比較した結果に対応する原因を特定する。
【0168】
特定部2305は、例えば、平時関連行動量管理テーブル1500に基づいて、平時の時間帯における所定の事象に関連する行動を含むグループに属する1以上の行動のそれぞれの量に基づく統計量を算出する。特定部2305は、例えば、取得した統計量と、算出した統計量とを比較する。特定部2305は、例えば、比較した結果、平時の時間帯に比べて、所定の事象に対する指標値が所定の条件を満たした時点に対応する時間帯において、統計量に、どのような変化パターンがあるかを特定する。変化パターンは、増加する傾向、減少する傾向、増加減少しない傾向などである。これにより、特定部2305は、問題が発生した原因を特定する際に有用となる情報を得ることができる。
【0169】
特定部2305は、統計量の変化パターンを、関連行動の変化パターンとして採用する。特定部2305は、変化パターン管理テーブル1000に基づいて、指標値の種類と、関連行動の種類と、比較した結果特定された変化パターンとの組み合わせに対応付けられた原因を特定する。これにより、特定部2305は、今回、所定の事象に対する指標値が所定の条件を満たした原因として特定することができる。
【0170】
更新部2306は、所定の事象に対する指標値が所定の条件を満たす原因が発生していない場合に対する、原因が発生した場合の所定の事象に関連する行動の量の変化傾向を特定可能な、入力された情報に基づいて、第2の情報を更新する。更新部2306は、例えば、入力された、所定の事象に関連する行動と、所定の事象に関連する行動の量の変化傾向と、所定の事象と、原因との組み合わせに基づいて、第2の情報を更新する。更新部2306は、具体的には、入力された、指標値の種類と、関連行動の種類と、関連行動の量の変化パターンと、原因との組み合わせに基づいて、変化パターン管理テーブル1000,1100,1200を更新する。これにより、更新部2306は、第2の情報を更新し、業務に問題が発生した原因を特定する精度の向上を図ることができる。
【0171】
更新部2306は、所定の事象に対する指標値が所定の条件を満たす原因を特定可能な、入力された情報に基づいて、第2の情報を更新する。更新部2306は、例えば、所定の事象に関連する行動と、所定の事象に関連する行動の量の変化傾向と、所定の事象と、入力された原因との組み合わせに基づいて、第2の情報を更新する。更新部2306は、具体的には、指標値の種類と、関連行動の種類と、関連行動の量の変化パターンと、入力された原因との組み合わせに基づいて、変化パターン管理テーブル1000,1100,1200を更新する。これにより、更新部2306は、第2の情報を更新し、業務に問題が発生した原因を特定する精度の向上を図ることができる。また、更新部2306は、管理者が原因を入力すれば、第2の情報を更新可能にすることができ、管理者にかかる作業負担の低減化を図ることができる。
【0172】
出力部2307は、いずれかの機能部の処理結果を出力する。出力形式は、例えば、ディスプレイへの表示、プリンタへの印刷出力、ネットワークI/F303による外部装置への送信、または、メモリ302や記録媒体305などの記憶領域への記憶である。これにより、出力部2307は、いずれかの機能部の処理結果をユーザに通知可能にし、情報処理装置100の利便性の向上を図ることができる。
【0173】
出力部2307は、複数の時点のそれぞれで対象者が行った行動を時間軸に沿って表示する。出力部2307は、特定した原因が、複数の時点のいずれかで対象者が行った行動であれば、表示した時間軸における、対象者と、特定した原因となる行動と、所定の事象に関連する行動との少なくともいずれかを、特定の表示態様で表示する。特定の表示態様は、例えば、ハイライトである。
【0174】
出力部2307は、例えば、複数の時点のそれぞれで対象者が行った行動を時間軸に沿って示す画面を、管理者用端末203のディスプレイ2006に表示させる。出力部2307は、例えば、画面を、管理者用端末203のディスプレイ2006に表示させる際、時間軸における、対象者と、特定した原因となる行動と、所定の事象に関連する行動との少なくともいずれかを、特定の表示態様で表示させる。これにより、出力部2307は、対象者と、特定した原因となる行動と、所定の事象に関連する行動とを、管理者が把握し易くすることができる。
【0175】
出力部2307は、複数の時点のそれぞれで対象者が行った行動を時間軸に沿って表示する。出力部2307は、時間軸と共に、特定した原因を示すメッセージを表示する。出力部2307は、例えば、複数の時点のそれぞれで対象者が行った行動を時間軸に沿って示す画面を、管理者用端末203のディスプレイ2006に表示させる。出力部2307は、例えば、画面を、管理者用端末203のディスプレイ2006に表示させる際、時間軸と共に、特定した原因を示すメッセージを表示させる。これにより、出力部2307は、特定した原因を、管理者が把握し易くすることができる。また、出力部2307は、時間軸において、特定した原因が表示しにくい状況にも適用することができる。
【0176】
出力部2307は、比較した結果、所定の事象に対する指標値が所定の条件を満たした時点に対応する時間帯における所定の事象に関連する行動の量と、過去の時間帯における所定の事象に関連する行動の量との差分が閾値以下であるか否かを判定する。出力部2307は、閾値以下である場合、所定の事象に関連する行動と、過去の時間帯に対する、所定の事象に対する指標値が所定の条件を満たした時点に対応する時間帯における所定の事象に関連する行動の量の変化傾向と、所定の事象とを対応付けて出力する。これにより、出力部2307は、管理者が参照可能に、業務に問題が発生した原因を推定する際に有用な情報を出力することができる。
【0177】
(情報処理装置100の動作の一例)
次に、図24図26を用いて、情報処理装置100の動作の一例について説明する。
【0178】
図24図26は、情報処理装置100の動作の一例を示す説明図である。図24において、情報処理装置100は、医療分野に適用されるとする。指標値は、ナースコールに対する応答にかかった所要時間であるとする。対象者は、Aスタッフと、Bスタッフと、Cスタッフとであるとする。
【0179】
情報処理装置100は、グラフ2400に示す指標値の時系列データを取得する。グラフ2400において、直線2401は、指標値用閾値管理テーブル600に記憶された閾値下限を示し、業務に問題が発生したと判定する所定の条件を示す。説明の簡略化のため、閾値上限は存在しないものとする。情報処理装置100は、グラフ2411に示すAスタッフの行動の時系列データと、グラフ2412に示すBスタッフの行動の時系列データと、グラフ2413に示すCスタッフの行動の時系列データとを取得する。
【0180】
情報処理装置100は、指標値の時系列データに基づいて、時点2402において、指標値が閾値下限を超えたことを検出する。情報処理装置100は、時点2402を、問題発生時点として設定する。情報処理装置100は、探索幅管理テーブル1300に基づいて、問題発生時点を基準とした探索範囲2403を設定する。情報処理装置100は、設定した探索範囲2403における、Aスタッフの行動と、Bスタッフの行動と、Cスタッフの行動とを特定し、対象者ごとの行動の一覧2420を取得する。次に、図25の説明に移行する。
【0181】
図25において、情報処理装置100は、変化パターン管理テーブル1000を取得する。情報処理装置100は、変化パターン管理テーブル1000において、指標値の種類に対応付けられた関連行動を特定する。情報処理装置100は、対象者ごとの行動の一覧2420に基づいて、特定した関連行動の量を算出し、関連行動の量の一覧2501を取得する。図25の例では、関連行動の量は、関連行動を行った時間の和であるとする。情報処理装置100は、例えば、センター待機という関連行動の量0.2Hと、処置という関連行動の量3.9Hと、薬品管理という関連行動の量0.4Hとを算出する。
【0182】
情報処理装置100は、平時関連行動量管理テーブル1500に基づいて、平時における、特定した関連行動の量を取得する。情報処理装置100は、関連行動ごとに、算出した関連行動の量と、取得した関連行動の量とを比較する。図25の例では、情報処理装置100は、平時に比べて、センター待機という関連行動の量に減少傾向があることを特定する。
【0183】
情報処理装置100は、変化パターン管理テーブル1000に基づいて、比較した結果に対応する原因を特定する。図25の例では、情報処理装置100は、平時に比べて、センター待機という関連行動の量に減少傾向があるため、緊急搬送を原因として特定する。これにより、情報処理装置100は、問題が発生した原因を特定することができる。次に、図26の説明に移行する。
【0184】
図26において、情報処理装置100は、グラフ2400と、Aスタッフの名前と対応付けたグラフ2411と、Bスタッフの名前と対応付けたグラフ2412と、Cスタッフの名前と対応付けたグラフ2413とを含む画面2600を生成する。画面2600において、原因「緊急搬送」を特定する際に指標となった関連行動「センター待機」と、原因「緊急搬送」となった行動「搬送」と、行動「搬送」を行った対象者「Bスタッフ」とが、特定の表示態様で表示される。特定の表示態様は、例えば、ハイライト表示である。特定の表示態様は、例えば、矩形で囲った態様である。情報処理装置100は、画面2600の表示要求を、管理者用端末203に送信することにより、管理者用端末203に表示させる。
【0185】
これにより、情報処理装置100は、管理者が、原因「緊急搬送」を特定する際に指標となった関連行動「センター待機」を参照して、業務に問題が発生した直接的または表層的な理由を把握可能にすることができる。また、情報処理装置100は、管理者が、原因「緊急搬送」となった行動「搬送」と、行動「搬送」を行った対象者「Bスタッフ」とを参照して、業務に問題が発生した間接的または潜在的な原因を把握可能にすることができる。このため、情報処理装置100は、管理者にかかる作業負担、作業時間、および、精神負担などを低減することができる。
【0186】
ここでは、情報処理装置100が、変化パターン管理テーブル1000を参照して、1種の行動の量に基づき、原因を特定する場合について説明したが、これに限らない。例えば、情報処理装置100が、変化パターン管理テーブル1100を参照して、複数種の行動の量に基づき、原因を特定する場合があってもよい。また、例えば、情報処理装置100が、変化パターン管理テーブル1200を参照して、行動の量と、問題が発生したと検出した指標値以外の他の指標値の統計値とに基づき、原因を特定する場合があってもよい。
【0187】
例えば、変化パターン管理テーブル1000,1100,1200は、予め手動で作成されていてもよい。例えば、変化パターン管理テーブル1000,1100,1200は、予め手動で作成され、その後、管理者によって更新される場合があってもよい。
【0188】
また、例えば、変化パターン管理テーブル1000,1100,1200は、予め手動で作成され、その後、情報処理装置100により自動で更新される場合があってもよい。また、例えば、変化パターン管理テーブル1000,1100,1200は、情報処理装置100により自動で作成され、その後、情報処理装置100により自動で更新される場合があってもよい。
【0189】
情報処理装置100は、例えば、平時における行動の量と、問題が発生した時間帯における行動の量とを比較し、行動の量の差分に基づいて、変化パターン管理テーブル1000,1100,1200を、自動で作成、または、更新する。
【0190】
(表示させる画面の別の例)
次に、図27を用いて、情報処理装置100が、管理者用端末203に表示させる画面の別の例について説明する。
【0191】
図27は、表示させる画面の別の例を示す説明図である。図27の例では、情報処理装置100が、平時に比べて、処置という関連行動の量に増加傾向があるため、患者数過多を原因として特定したとする。
【0192】
図27において、情報処理装置100は、グラフ2400と、Aスタッフの名前と対応付けたグラフ2411と、Bスタッフの名前と対応付けたグラフ2412と、Cスタッフの名前と対応付けたグラフ2413とを含む画面2700を生成する。画面2700において、符号2701を付した原因「患者数過多」を示すメッセージ「!!患者数過多!!」が、グラフ2411~2413と併せて表示される。画面2700において、原因「患者数過多」を特定する際に指標となった関連行動「処置」が、特定の表示態様で表示される。情報処理装置100は、画面2700の表示要求を、管理者用端末203に送信することにより、管理者用端末203に表示させる。
【0193】
これにより、情報処理装置100は、対象者の行動が、業務に問題が発生した原因ではない状況でも、画面2700に、原因を示すメッセージを含めることができる。情報処理装置100は、管理者が、原因「患者数過多」を特定する際に指標となった関連行動「処置」を参照して、業務に問題が発生した直接的または表層的な理由を把握可能にすることができる。また、情報処理装置100は、管理者が、メッセージを参照して、業務に問題が発生した間接的または潜在的な原因を把握可能にすることができる。このため、情報処理装置100は、管理者にかかる作業負担、作業時間、および、精神負担などを低減することができる。
【0194】
図24図26の例では、情報処理装置100が、関連行動単位で、関連行動の量を扱う場合について説明したが、これに限らない。例えば、情報処理装置100が、行動をグループ化しておき、関連行動を含むグループに属する複数の行動の量を纏めて、関連行動の量として扱う場合があってもよい。
【0195】
(行動をグループ化する一例)
次に、図28を用いて、情報処理装置100が、行動をグループ化する一例について説明する。
【0196】
図28は、行動をグループ化する一例を示す説明図である。図28において、情報処理装置100は、Word2Vecを用いて、行動名のペアの類似度を算出する。情報処理装置100は、類似度用閾値管理テーブル900に基づいて、類似度が閾値を超えた行動名のペアに対応する行動のペアが、同一のグループに属するよう、複数の行動をグループ化する。図28の例では、情報処理装置100は、処置と患者応対との行動のペアを、同一のグループに分類したとする。情報処理装置100は、センター待機の行動を、単独で一つのグループに分類し、搬送の行動を、単独で一つのグループに分類する。
【0197】
その後、情報処理装置100は、問題発生時点を基準とした探索範囲2800を設定する。Aスタッフの行動は、グラフ2801に示される。Bスタッフの行動は、グラフ2802に示される。Cスタッフの行動は、グラフ2803に示される。情報処理装置100は、探索範囲2800における、関連行動の量を算出するにあたり、関連行動を含むグループに属する複数の行動の量の統計量を、関連行動の量として算出する。図28の例では、情報処理装置100は、例えば、グループごとに、センター待機という関連行動の量0.2Hと、処置という関連行動の量と患者応対という関連行動の量の合計3.9Hと、搬送という関連行動の量0.4Hとを算出する。
【0198】
情報処理装置100は、平時関連行動量管理テーブル1500に基づいて、平時における、関連行動の量を取得する。情報処理装置100は、グループごとに、算出した関連行動の量の統計量と、取得した関連行動の量の統計量とを比較する。図28の例では、情報処理装置100は、平時に比べて、センター待機という関連行動の量に減少傾向があることを特定する。
【0199】
情報処理装置100は、変化パターン管理テーブル1000に基づいて、比較した結果に対応する原因を特定する。図28の例では、情報処理装置100は、平時に比べて、センター待機という関連行動の量に減少傾向があるため、緊急搬送を原因として特定する。これにより、情報処理装置100は、問題が発生した原因を特定することができる。情報処理装置100は、行動をグループ化し、問題が発生した原因を特定する精度の向上を図ることができる。
【0200】
(情報処理装置100の動作の第1の具体例)
次に、図29図32を用いて、情報処理装置100の動作の第1の具体例について説明する。第1の具体例は、情報処理装置100が、対象者の行動を示すプロセスデータを、行動記録端末204から収集し、行動の時系列データを取得する場合に対応する。
【0201】
まず、図29を用いて、第1の具体例における情報処理システム200の構成例について説明する。
【0202】
図29は、第1の具体例における情報処理システム200の構成例を示す説明図である。第1の具体例では、情報処理システム200は、情報処理装置100と、情報蓄積装置201と、指標値管理装置202と、管理者用端末203と、行動記録端末204とを含む。ここで、情報処理装置100は、クラウド上に実現されてもよい。情報蓄積装置201は、クラウド上に実現されてもよい。指標値管理装置202は、クラウド上に実現されてもよい。
【0203】
次に、図30を用いて、第1の具体例における情報処理装置100の機能的構成の具体例について説明する。
【0204】
図30は、第1の具体例における情報処理装置100の機能的構成の具体例を示す説明図である。図30において、情報処理装置100は、問題判定部3001と、行動量算出部3002と、原因特定部3003と、表示制御部3004とを有する。情報処理装置100は、変化パターン管理テーブル1000と、平時関連行動量管理テーブル1500をと有する。
【0205】
情報処理装置100は、ユーザIDと対応付けられたプロセスデータを1以上取得し、1以上のプロセスデータに基づいて、行動の時系列データを1以上取得する。情報処理装置100は、指標値の時系列データを1以上取得する。
【0206】
問題判定部3001は、指標値に基づいて、各時点における問題の有無を判定し、問題発生時点を特定する。行動量算出部3002は、問題発生時点を基準に前後の時間を含む所定の時間帯を問題発生時間として特定し、行動の時系列データに基づいて、問題発生時間における関連行動に該当する行動を抽出し、関連行動の量を算出する。原因特定部3003は、平時における関連行動の量と、問題発生時間における関連行動の量とを比較し、変化パターン管理テーブル1000に基づいて、比較した結果に対応する原因を特定する。表示制御部3004は、関連行動と、原因とを、行動の時系列データと対応付けて、管理者用端末203に表示させる。
【0207】
次に、図31および図32を用いて、情報処理装置100の動作の第1の具体例について説明する。
【0208】
図31および図32は、情報処理装置100の動作の第1の具体例を示す説明図である。図31において、情報処理装置100は、行動記録端末204から、プロセスデータとして、ユーザIDに対応付けられた、表3100に示す行動予定表を取得する。情報処理装置100は、行動予定表に基づいて、ユーザID=uと、行動開始時点Ds_u(i)と、行動終了時点De_u(i)と、行動名A_u(i)との組み合わせを取得し、行動管理テーブル500に記憶する。この際、情報処理装置100は、行動が行われた場所、および、行動を共に行った他の対象者のユーザIDなどを、さらに対応付けて、行動管理テーブル500に記憶してもよい。
【0209】
情報処理装置100は、指標値I_x(t)を、指標値管理装置202から取得する。指標値管理装置202は、例えば、既存の業務システムに含まれ、指標値I_x(t)を算出しているとする。以下の説明では、指標値I_1(t)が、医療病棟のナースコールに対する応答時間であるとする。
【0210】
指標値I_x(t)は、例えば、製造業界に関する値であれば、生産数、不良品数、歩留まり、または、事故発生件数などであってもよい。指標値I_x(t)は、例えば、コールセンターに関する値であれば、平均処理時間、通話時間、後処理時間、応答率、または、平均応答速度などであってもよい。
【0211】
問題判定部3001は、I_x(t)を監視し、閾値TH1を超えた時点を、問題発生時点Tとする。閾値TH1は、例えば、指標値用閾値管理テーブル600により特定される。問題判定部3001は、例えば、I_x(t)>TH1であれば、問題発生時点T←tに設定する。
【0212】
この際、問題判定部3001は、一度、I_x(t)>TH1になった後、I_x(t)が一定時間続けて一定以下になるまで、問題発生時点Tを更新しないとする。問題判定部3001は、例えば、5分間I_x(t)<TH1が続くまでは、問題発生時点Tを更新しない。
【0213】
また、問題判定部3001は、一度、I_x(t)>TH1になった後、一定時間が経過するまで、問題発生時点Tを更新しないとしてもよい。これにより、問題判定部3001は、問題発生時点Tが短期的に変化を繰り返すことを防止することができ、情報処理装置100の動作安定性が低下することを防止することができる。
【0214】
問題判定部3001は、I_x(t)を監視し、閾値TH1を下回った時点を、問題発生時点Tとしてもよい。閾値TH1は、例えば、指標値用閾値管理テーブル600により特定される。問題判定部3001は、例えば、I_x(t)<TH1であれば、問題発生時点T←tに設定する。
【0215】
この際、問題判定部3001は、一度、I_x(t)<TH1になった後、I_x(t)が一定時間続けて一定以上になるまで、問題発生時点Tを更新しないとする。問題判定部3001は、例えば、5分間I_x(t)>TH1が続くまでは、問題発生時点Tを更新しない。
【0216】
また、問題判定部3001は、一度、I_x(t)<TH1になった後、一定時間が経過するまで、問題発生時点Tを更新しないとしてもよい。これにより、問題判定部3001は、問題発生時点Tが短期的に変化を繰り返すことを防止することができ、情報処理装置100の動作安定性が低下することを防止することができる。
【0217】
問題判定部3001は、I_x(t)を監視し、閾値上限TH-と閾値下限TH+との範囲を超えた時点を、問題発生時点Tとしてもよい。閾値上限TH-と閾値下限TH+とは、例えば、指標値用閾値管理テーブル600により特定される。問題判定部3001は、例えば、I_x(t)<TH-またはI_x(t)<TH+であれば、問題発生時点T←tに設定する。
【0218】
この際、問題判定部3001は、一度、範囲を超えた後、I_x(t)が一定時間続けて範囲内に収まるまで、問題発生時点Tを更新しないとする。問題判定部3001は、例えば、30秒間TH-≦I_x(t)≦TH+が続くまでは、問題発生時点Tを更新しない。
【0219】
また、問題判定部3001は、一度、範囲を超えた後、一定時間が経過するまで、問題発生時点Tを更新しないとしてもよい。これにより、問題判定部3001は、問題発生時点Tが短期的に変化を繰り返すことを防止することができ、情報処理装置100の動作安定性が低下することを防止することができる。
【0220】
問題判定部3001は、機械学習を用いて、業務に問題が発生した問題発生時点Tを特定してもよい。問題判定部3001は、例えば、時系列データの異常値検知手法を用いて、問題発生時点Tを特定する。問題判定部3001は、具体的には、k近傍法を用いて、指標値が近傍k個の指標値の平均値から一定以上離れた時点に、業務に問題が発生したと判定し、問題発生時点Tを特定する。問題判定部3001は、具体的には、指標値の予測モデルを用意しておき、予測モデルで予測される指標値と、実際の指標値との差分が一定以上である時点に、業務に問題が発生したと判定し、問題発生時点Tを特定する。
【0221】
問題判定部3001は、例えば、SVMを用いて、問題発生時点Tを特定する。問題判定部3001は、具体的には、指標値と、問題の有無のタグとを対応付けた学習データセットを用意しておき、C-Support Vector Classificationを用いて、分類境界を特定しておく。そして、問題判定部3001は、特定した分類境界に従って、業務に問題が発生したか否かを判定し、問題発生時点Tを特定する。問題判定部3001は、複数の指標値I_x(t)の組み合わせに基づいて、業務に問題が発生したか否かを判定してもよい。
【0222】
変化パターン管理テーブル1000は、項目番号j、行動番号kとして、指標値タグM_I(j)=指標値番号x、関連行動M_A(j,k)、関連行動の変化パターンM_P(j,k)、原因M_C(j)を対応付けて記憶している。変化パターン管理テーブル1000は、逐次更新されてもよい。
【0223】
行動量算出部3002は、Word2Vecを用いて、行動名A_u(i)同士のコサイン類似度を算出し、行動類似度sに設定する。行動量算出部3002は、行動類似度sが、類似度判定閾値TH2より大きいか否かを判定する。行動量算出部3002は、行動類似度sが類似度判定閾値TH2より大きくなる行動名A_u(i)同士を、類似する行動名としてグループ化する。行動量算出部3002は、グループ化した結果を、グループ管理テーブル800に記憶する。類似度判定閾値TH2は、例えば、類似度用閾値管理テーブル900により特定される。例えば、TH2=0.8である。
【0224】
行動量算出部3002は、探索幅管理テーブル1300を参照して、問題発生時点Tを基準に、探索時間範囲T-Ta_x~T+Tb_xを設定する。例えば、指標値番号1に対応するTa_1=20分、指標値番号1に対応するTb_1=0分である。Ta_x、Tb_xは、例えば、指標値の特性に合わせて予め設定される。
【0225】
行動量算出部3002は、探索時間範囲において、M_A(j,k)と一致するA_u(i)を探索する。行動量算出部3002は、M_A(j,k)と一致するA_u(i)があれば、正規化した関連行動の量Q(j,k)を算出する。この際、行動量算出部3002は、類似する関連行動の量は合算することとする。
【0226】
行動量算出部3002は、例えば、M_A(j,k)=A_u(i)であれば、Q(j,k)=Q(j,k)+{De_u(i)-Ds_u(i)}を算出する。行動量算出部3002は、M_A(j,k)ごとに、Q(j,k)を算出した後、単位時間当たりに正規化し、Q(j,k)を更新する。行動量算出部3002は、具体的には、Q(j,k)=Q(j,k)/{Ta_x+Tb_x}を算出する。
【0227】
ここでは、行動量算出部3002が、関連行動の量Q(j,k)を、対象者が関連行動を行った時間の合計に基づいて算出する場合について説明したが、これに限らない。例えば、行動量算出部3002が、関連行動の量Q(j,k)を、対象者1人当たりの関連行動を行った平均時間に基づいて算出する場合があってもよい。
【0228】
また、例えば、行動量算出部3002が、関連行動の量Q(j,k)を、関連行動を行った総人数、または、平均人数に基づいて算出する場合があってもよい。また、例えば、行動量算出部3002が、関連行動の量Q(j,k)を、対象者が関連行動を行った場所の総面積、または、平均面積に基づいて算出する場合があってもよい。
【0229】
行動量算出部3002は、業務に問題がないと判定された場合、業務に問題がないと判定された時点における、関連行動の量の平均値を算出し、平時における関連行動の量Q_ave(j,k)として平時関連行動量管理テーブル1500に記憶する。行動量算出部3002は、平時における関連行動の量Q_ave(j,k)を、関連行動の量Q(j,k)と同様の手法により算出する。平時における関連行動の量Q_ave(j,k)は、初期状態では規定値に設定されてもよい。行動量算出部3002は、例えば、定期的に、平時における関連行動の量Q_ave(j,k)を更新する。定期的とは、例えば、月に1度である。
【0230】
原因特定部3003は、マージン管理テーブル1600に基づいて、比較用のマージンM(j,k)を取得する。マージンM(j,k)は、例えば、指標値および関連行動の特性に合わせて予め設定される。マージンM(j,k)は、例えば、機械学習により設定されてもよい。
【0231】
原因特定部3003は、変化パターン管理テーブル1000を参照して、Q(j,k)とQ_ave(j,k)とを比較した結果に基づいて、原因Cを特定する。原因特定部3003は、例えば、M_P(j,k)=-であり、かつ、Q(j,k)<Q_ave(j,k)-M(j,k)であれば、C=M_C(j)と特定する。原因特定部3003は、例えば、M_P(j,k)=+であり、かつ、Q(j,k)>Q_ave(j,k)+M(j,k)であれば、C=M_C(j)と特定する。原因特定部3003は、Cが複数特定された場合、複数のCを、業務に問題が発生した原因と特定する。次に、図32の説明に移行する。
【0232】
図32において、表示制御部3004は、画面3200を生成する。画面3200は、指標値のグラフ3210と、Aスタッフの名前と対応付けた行動のグラフ3221と、Bスタッフの名前と対応付けた行動のグラフ3222と、Cスタッフの名前と対応付けた行動のグラフ3223とを含む。
【0233】
画面3200において、原因「緊急搬送」を特定する際に指標となった関連行動「センター待機」と、原因「緊急搬送」となった行動「搬送」と、行動「搬送」を行った対象者「Bスタッフ」とが、特定の表示態様で表示される。図32の例では、特定の表示態様は、矩形で囲った態様である。画面3200は、さらに、原因「緊急搬送」を特定する際に指標となった関連行動「センター待機」と、原因「緊急搬送」となった行動「搬送」と、行動「搬送」を行った対象者「Bスタッフ」との一覧3230を含む。表示制御部3004は、生成した画面3200の表示要求を、管理者用端末203に送信することにより、画面3200を、管理者用端末203に表示させる。
【0234】
これにより、情報処理装置100は、管理者が、原因「緊急搬送」を特定する際に指標となった関連行動「センター待機」を参照して、業務に問題が発生した直接的または表層的な理由を把握可能にすることができる。また、情報処理装置100は、管理者が、原因「緊急搬送」となった行動「搬送」と、行動「搬送」を行った対象者「Bスタッフ」とを参照して、業務に問題が発生した間接的または潜在的な原因を把握可能にすることができる。このため、情報処理装置100は、管理者にかかる作業負担、作業時間、および、精神負担などを低減することができる。
【0235】
情報処理装置100は、具体的には、業務に「カルテルが行われる」という問題が発生した場合、「他社と入札情報を共有する」という直接的な理由の他、「他社から話を持ち掛けられた」などの潜在的な原因を、管理者が把握可能にすることができる。また、業務に問題を発生させる潜在的な原因が複数考えられる場合がある。これに対し、情報処理装置100は、潜在的な原因が「上司から当然に引継ぎされた」、または、「他社から話を持ち掛けられた」などのいずれの理由であるかを特定することができ、潜在的な原因を精度よく特定することができる。
【0236】
情報処理装置100は、具体的には、業務に「ナースコールの応答時間が長い」という問題が発生した場合、「看護師がナースセンターに待機していない」という直接的な理由を把握可能にすることができる。さらに、情報処理装置100は、「緊急搬送が入った」などの潜在的な原因を、管理者が把握可能にすることができる。また、業務に問題を発生させる潜在的な原因が複数考えられる場合がある。これに対し、情報処理装置100は、潜在的な原因が「緊急搬送が入った」、「当直の看護師が少なかった」、または、「ナースコールの回数が平時より多かった」などのいずれの理由であるかを特定することができ、潜在的な原因を精度よく特定することができる。
【0237】
(情報処理装置100の動作の第2の具体例)
次に、図33図35を用いて、情報処理装置100の動作の第2の具体例について説明する。第2の具体例は、情報処理装置100が、対象者の行動を示すセンサデータを、状態検出装置205から収集し、行動の時系列データを取得する場合に対応する。
【0238】
まず、図33を用いて、第2の具体例における情報処理システム200の構成例について説明する。
【0239】
図33は、第2の具体例における情報処理システム200の構成例を示す説明図である。第2の具体例では、情報処理システム200は、情報処理装置100と、指標値管理装置202と、管理者用端末203と、状態検出装置205とを含む。ここで、情報処理装置100は、クラウド上に実現されてもよい。指標値管理装置202は、クラウド上に実現されてもよい。
【0240】
次に、図34を用いて、第2の具体例における情報処理装置100の機能的構成の具体例について説明する。
【0241】
図34は、第2の具体例における情報処理装置100の機能的構成の具体例を示す説明図である。図34において、情報処理装置100は、問題判定部3401と、プロセス推定部3402と、行動量算出部3403と、原因特定部3404と、表示制御部3405とを有する。情報処理装置100は、変化パターン管理テーブル1200と、平時関連行動量管理テーブル1500をと有する。
【0242】
情報処理装置100は、ユーザIDと対応付けられたセンサデータを1以上取得し、1以上のセンサデータに基づいて、行動の時系列データを1以上取得する。センサデータは、例えば、対象者の映像、または、対象者の音声などを含む。センサデータは、例えば、所定の装置の利用ログ、所定のシステムの利用ログ、所定のサービスの利用ログなどを含む。センサデータは、例えば、対象者の加速度、または、対象者の生体情報などを含む。情報処理装置100は、指標値の時系列データを1以上取得する。
【0243】
プロセス推定部3402は、ユーザIDと対応付けられたセンサデータに基づいて、各時点における対象者の行動を認識し、行動の時系列データを生成する。プロセス推定部3402は、さらに、ユーザIDと対応付けられたセンサデータに基づいて、指標値を生成してもよい。問題判定部3401は、指標値に基づいて、各時点における問題の有無を判定し、問題発生時点を特定する。行動量算出部3403は、問題発生時点を基準に前後の時間を含む所定の時間帯を問題発生時間として特定し、行動の時系列データに基づいて、問題発生時間における関連行動に該当する行動を抽出し、関連行動の量を算出する。原因特定部3404は、平時における関連行動の量と、問題発生時間における関連行動の量とを比較し、変化パターン管理テーブル1200に基づいて、比較した結果に対応する原因を特定する。表示制御部3405は、関連行動と、原因とを、行動の時系列データと対応付けて、管理者用端末203に表示させる。
【0244】
次に、情報処理装置100の動作の第2の具体例について説明する。状態検出装置205は、撮像装置を有し、顔認識技術により、対象者が映った映像を検出すると、対象者の映像と、撮影時点と、状態検出装置205の位置とを含むセンサデータを、対象者を識別するユーザIDと対応付けて、情報処理装置100に送信する。情報処理装置100は、状態検出装置205から、ユーザIDに対応付けられたセンサデータを取得する。
【0245】
情報処理装置100は、指標値I_x(t)を、指標値管理装置202から取得する。指標値管理装置202は、例えば、既存の業務システムに含まれ、指標値I_x(t)を算出しているとする。以下の説明では、指標値I_1(t)が、医療病棟のナースコールに対する応答時間であるとする。
【0246】
指標値I_x(t)は、例えば、製造業界に関する値であれば、生産数、不良品数、歩留まり、または、事故発生件数などであってもよい。指標値I_x(t)は、例えば、コールセンターに関する値であれば、平均処理時間、通話時間、後処理時間、応答率、または、平均応答速度などであってもよい。
【0247】
プロセス推定部3402は、センサデータに基づいて、ユーザID=u’と、行動開始時点Ds_u’(i)と、行動終了時点De_u’(i)と、行動名A_u’(i)との組み合わせを取得し、行動管理テーブル500に記憶する。
【0248】
行動名は、例えば、予め場所に対応付けられるとする。プロセス推定部3402は、例えば、対象者が病室に居れば、病室に対応付けられた行動名「患者応対」を特定する。プロセス推定部3402は、例えば、対象者が手術室に居れば、手術室に対応付けられた行動名「手術」を特定する。プロセス推定部3402は、例えば、対象者がナースセンターに居れば、ナースセンターに対応付けられた行動名「センター待機」を特定する。プロセス推定部3402は、複数の種類のセンサデータに基づいて、対象者の行動を認識してもよい。
【0249】
この際、プロセス推定部3402は、さらに、センサデータに基づいて、指標値を生成してもよい。指標値は、例えば、所定の場所に居る対象者を識別するユーザID、所定の場所に居る対象者の属性を識別する情報などである。属性は、例えば、職種である。職種は、具体的には、医師、看護師、事務員などである。
【0250】
問題判定部3401は、指標値I_x(t)と、プロセス推定部3402が生成した新たな指標値とを併せて、指標値I’_x(t)に設定する。問題判定部3401は、条件管理テーブル700に基づいて、I’_x(t)に対応する条件を取得する。問題判定部3401は、I’_x(t)を監視し、取得した条件を満たした時点を、問題発生時点Tに設定する。この際、問題判定部3401は、一度、条件を満たしたと判定した後、条件を満たさなくなってから一定時間が経過するまで、問題発生時点Tを更新しない。一定時間は、例えば、30秒である。
【0251】
変化パターン管理テーブル1200は、項目番号j’、行動等番号k’として、指標値タグM_I’(j’)=指標値番号x、関連行動M_A’(j’,k’)、関連行動の変化パターンM_P’(j’,k’)、原因M_C’(j’)を対応付けて記憶している。変化パターン管理テーブル1200は、逐次更新されてもよい。
【0252】
行動量算出部3403は、探索幅管理テーブル1300を参照して、問題発生時点Tを基準に、探索時間範囲T-Ta_x~T+Tb_xを設定する。例えば、指標値番号1に対応するTa_1=20分、指標値番号1に対応するTb_1=0分である。Ta_x、Tb_xは、例えば、指標値の特性に合わせて予め設定される。
【0253】
行動量算出部3403は、探索時間範囲において、M_A’(j’,k’)と一致するA_u’(i)を探索する。行動量算出部3403は、M_A’(j’,k’)と一致するA_u’(i)があれば、正規化した関連行動の量Q(j’,k’)を算出する。関連行動の量Q(j’,k’)は、例えば、関連行動を行った総人数に基づき算出される。
【0254】
行動量算出部3403は、例えば、M_A’(j’,k’)=A_u’(i)であれば、Q’(j’,k’)=Q’(j’,k’)+1を算出する。行動量算出部3403は、M_A’(j’,k’)ごとに、Q’(j’,k’)を算出した後、単位時間当たりに正規化し、Q’(j’,k’)を更新する。行動量算出部3403は、具体的には、Q’(j’,k’)=Q’(j’,k’)/{Ta_x+Tb_x}を算出する。
【0255】
行動量算出部3403は、所定の時間幅のうち、業務に問題がないと判定された時間幅における、関連行動の量の平均値を算出し、時間幅と対応付けて、平時における関連行動の量Q’_ave(j’,k’)として平時関連行動量管理テーブル1500に記憶する。所定の時間幅は、例えば、0時台、1時台、2時台などの各期間である。
【0256】
行動量算出部3403は、平時における関連行動の量Q’_ave(j’,k’)を、関連行動の量Q(j’,k’)と同様の手法により算出する。平時における関連行動の量Q’_ave(j’,k’)は、初期状態では規定値に設定されてもよい。行動量算出部3403は、例えば、定期的に、平時における関連行動の量Q’_ave(j’,k’)を更新する。定期的とは、例えば、月に1度である。
【0257】
原因特定部3404は、マージン管理テーブル1600に基づいて、比較用のマージンM(j’,k’)を取得する。マージンM(j’,k’)は、例えば、指標値および関連行動の特性に合わせて予め設定される。マージンM(j’,k’)は、例えば、機械学習により設定されてもよい。原因特定部3404は、0時台、1時台、2時台などの各期間のうち、問題発生時点Tに対応する期間に対応付けられた、平時における関連行動の量Q’_ave(j’,k’)を取得する。
【0258】
原因特定部3404は、変化パターン管理テーブル1200を参照して、Q’(j’,k’)とQ’_ave(j’,k’)とを比較した結果に基づいて、原因Cを特定する。原因特定部3404は、例えば、M_P(j’,k’)=-であり、かつ、Q’(j’,k’)<Q’_ave(j’,k’)-M(j’,k’)であれば、C=M_C(j’)と特定する。原因特定部3404は、例えば、M_P(j’,k’)=+であり、かつ、Q’(j’,k’)>Q’_ave(j’,k’)+M(j’,k’)であれば、C=M_C(j’)と特定する。
【0259】
原因特定部3404は、関連行動または関連指標値と、変化パターンとのペアが複数あれば、すべてのペアが示す条件を満たす場合、C=M_C(j’)と特定する。原因特定部3404は、原因Cが複数特定された場合、複数の原因Cを、業務に問題が発生した原因と特定する。
【0260】
原因特定部3404は、原因Cが特定されなかった場合、管理者用端末203との通信により、管理者からの原因Cの入力を受け付け、入力された原因Cに基づいて、変化パターン管理テーブル1200を更新する場合があってもよい。
【0261】
この場合、原因特定部3404は、例えば、行動量算出部3403と同様に、行動量Sq(l)を算出する。原因特定部3404は、例えば、A_u’(i)に基づいて、すべての行動名を特定し、行動名Sn(l)として、解析情報管理テーブル1700に記憶する。
【0262】
原因特定部3404は、例えば、探索時間範囲T-Ta_x~T+Tb_xにおいて、行動名Sn(l)の行動を行っている対象者の数を、問題発生時間における行動の量Sq(l)として算出する。原因特定部3404は、例えば、問題発生時間における行動の量Sq(l)を、単位時間当たりに正規化し、正規化後の問題発生時間における行動の量Sq(l)を、解析情報管理テーブル1700に記憶する。原因特定部3404は、具体的には、Sq(l)=Sq(l)/{Ta_x+Tb_x}と正規化する。
【0263】
原因特定部3404は、例えば、平時の時間帯における行動の量Sq_ave(l)を算出する。原因特定部3404は、具体的には、解析情報管理テーブル1700に基づいて、探索幅Tcを取得する。原因特定部3404は、具体的には、平時の時間帯T+Tb_x~T+Tb_x+Tcにおける、行動名Sn(l)の行動を行っている対象者の数を、平時の時間帯における行動の量Sq_ave(l)として算出する。
【0264】
原因特定部3404は、例えば、平時の時間帯における行動の量Sq_ave(l)を、単位時間当たりに正規化し、正規化後の平時の時間帯における行動の量Sq_ave(l)を、解析情報管理テーブル1700に記憶する。原因特定部3404は、具体的には、Sq_ave(l)=Sq_ave(l)/Tcと正規化する。
【0265】
原因特定部3404は、例えば、問題発生時間における行動の量Sq(l)と、平時の時間帯における行動の量Sq_ave(l)とを比較する。原因特定部3404は、例えば、比較した結果に基づいて、業務に問題が発生した原因と対応付ける候補となる、行動名R_Aと変化パターンR_Pとのペアを特定し、候補管理テーブル1900に記憶する。
【0266】
原因特定部3404は、具体的には、候補判定閾値管理テーブル1800に基づいて、閾値TH5と閾値TH6とを取得する。原因特定部3404は、具体的には、Sq(l)-Sq_ave(l)>TH5であれば、R_A←Sn(l)と設定し、R_P←+と設定する。原因特定部3404は、具体的には、Sq_ave(l)-Sq(l)>TH6であれば、R_A←Sn(l)と設定し、R_P←-と設定する。
【0267】
原因特定部3404は、例えば、候補管理テーブル1900に基づいて、行動名R_Aと変化パターンR_Pとのペアを、管理者用端末203に送信する。管理者用端末203は、受信した行動名R_Aと変化パターンR_Pとのペアを、管理者が参照可能に出力し、管理者から、行動名R_Aと変化パターンR_Pとのペアに、原因を対応付けるか否かの指示を受け付ける。管理者用端末203は、原因を対応付ける指示を受け付けた場合、さらに、原因の入力を受け付ける。
【0268】
管理者用端末203は、原因を対応付けるか否かの指示を、原因特定部3404に送信し、入力された原因があれば、入力された原因を併せて原因特定部3404に送信する。原因特定部3404は、原因を対応付ける指示と、入力された原因とを受信すると、行動名R_Aと変化パターンR_Pとのペアに、入力された原因を対応付けて、変化パターン管理テーブル1200に追加する。原因特定部3404は、例えば、M_I(j)←既存の指標値番号xと重複しない値、M_A(j,k)←R_A、M_P(j,k)←R_P、M_C(j)←入力された原因と設定し、変化パターン管理テーブル1200に追加する。これにより、原因特定部3404は、今後、業務に問題が発生した原因を、精度よく特定可能にすることができる。
【0269】
次に、図35を用いて、第2の具体例における表示例について説明する。
【0270】
図35は、情報処理装置100の動作の第2の具体例を示す説明図である。図35において、表示制御部3405は、画面3500を生成する。画面3500は、指標値のグラフ3510と、Aスタッフの名前と対応付けた行動のグラフ3521と、Bスタッフの名前と対応付けた行動のグラフ3522と、Cスタッフの名前と対応付けた行動のグラフ3523とを含む。
【0271】
画面3500において、原因「患者数過多」を示すメッセージ「!!患者数過多!!」が、グラフ3521~3523と併せて表示される。画面3500において、原因「患者数過多」を特定する際に指標となった関連行動「処置」が、特定の表示態様で表示される。表示制御部3405は、生成した画面3500の表示要求を、管理者用端末203に送信することにより、画面3500を、管理者用端末203に表示させる。
【0272】
これにより、情報処理装置100は、対象者の行動が、業務に問題が発生した原因ではない状況でも、画面3500に、原因を示すメッセージを含めることができる。情報処理装置100は、管理者が、原因「患者数過多」を特定する際に指標となった関連行動「処置」を参照して、業務に問題が発生した直接的または表層的な理由を把握可能にすることができる。また、情報処理装置100は、管理者が、メッセージを参照して、業務に問題が発生した間接的または潜在的な原因を把握可能にすることができる。このため、情報処理装置100は、管理者にかかる作業負担、作業時間、および、精神負担などを低減することができる。
【0273】
情報処理装置100は、具体的には、業務に「カルテルが行われる」という問題が発生した場合、「他社と入札情報を共有する」という直接的な理由の他、「他社から話を持ち掛けられた」などの潜在的な原因を、管理者が把握可能にすることができる。また、業務に問題を発生させる潜在的な原因が複数考えられる場合がある。これに対し、情報処理装置100は、潜在的な原因が「上司から当然に引継ぎされた」、または、「他社から話を持ち掛けられた」などのいずれの理由であるかを特定することができ、潜在的な原因を精度よく特定することができる。
【0274】
情報処理装置100は、具体的には、業務に「ナースコールの応答時間が長い」という問題が発生した場合、「看護師がナースセンターに待機していない」という直接的な理由を把握可能にすることができる。さらに、情報処理装置100は、「緊急搬送が入った」などの潜在的な原因を、管理者が把握可能にすることができる。また、業務に問題を発生させる潜在的な原因が複数考えられる場合がある。これに対し、情報処理装置100は、潜在的な原因が「緊急搬送が入った」、「当直の看護師が少なかった」、または、「ナースコールの回数が平時より多かった」などのいずれの理由であるかを特定することができ、潜在的な原因を精度よく特定することができる。
【0275】
(全体処理手順)
次に、図36を用いて、情報処理装置100が実行する、全体処理手順の一例について説明する。全体処理は、例えば、図3に示したCPU301と、メモリ302や記録媒体305などの記憶領域と、ネットワークI/F303とによって実現される。
【0276】
図36は、全体処理手順の一例を示すフローチャートである。図36において、情報処理装置100は、指標値の時系列データと、特徴値の時系列データとを取得する(ステップS3601)。特徴値は、例えば、センサ値である。
【0277】
次に、情報処理装置100は、指標値が閾値を超えるか否かを判定する(ステップS3602)。ここで、閾値を超えない場合(ステップS3602:No)、情報処理装置100は、全体処理を終了する。一方で、閾値を超える場合(ステップS3602:Yes)、情報処理装置100は、ステップS3603の処理に移行する。
【0278】
ステップS3603では、情報処理装置100は、指標値が閾値を超えた問題発生時点を特定する(ステップS3603)。次に、情報処理装置100は、特徴値の時系列データに基づいて、複数の対象者のそれぞれが、複数の時点のそれぞれで行った行動を認識する(ステップS3604)。そして、情報処理装置100は、対象者ごとの行動を記録した行動の時系列データを生成する(ステップS3605)。
【0279】
次に、情報処理装置100は、変化パターン管理テーブル1000,1100,1200を取得する(ステップS3606)。そして、情報処理装置100は、問題発生時点を含む問題発生時間における対象者の行動を選択する(ステップS3607)。
【0280】
次に、情報処理装置100は、変化パターン管理テーブル1000,1100,1200に基づいて、選択した行動が、関連行動であるか否かを判定する(ステップS3608)。ここで、関連行動である場合(ステップS3608:Yes)、情報処理装置100は、ステップS3609の処理に移行する。一方で、関連行動ではない場合(ステップS3608:No)、情報処理装置100は、ステップS3610の処理に移行する。
【0281】
ステップS3609では、情報処理装置100は、問題発生時間における関連行動の量を更新する(ステップS3609)。そして、情報処理装置100は、ステップS3610の処理に移行する。
【0282】
ステップS3610では、情報処理装置100は、すべての行動を選択したか否かを判定する(ステップS3610)。ここで、未選択の行動がある場合(ステップS3610:No)、情報処理装置100は、ステップS3608の処理に戻る。一方で、すべての行動を選択している場合(ステップS3610:Yes)、情報処理装置100は、ステップS3611の処理に移行する。
【0283】
ステップS3611では、情報処理装置100は、平時における関連行動の量を取得する(ステップS3611)。次に、情報処理装置100は、変化パターン管理テーブル1000,1100,1200を参照して、算出した関連行動の量と、取得した平時における関連行動の量とを比較した結果に基づいて、原因を特定する(ステップS3612)。
【0284】
そして、情報処理装置100は、特定した原因と、関連行動と、関連行動を行った対象者とを把握可能に、行動の時系列データと併せて表示する(ステップS3613)。その後、情報処理装置100は、全体処理を終了する。
【0285】
ここで、情報処理装置100は、図36の一部ステップの処理の順序を入れ替えて実行してもよい。また、情報処理装置100は、図36の一部ステップの処理を省略してもよい。
【0286】
以上説明したように、情報処理装置100によれば、所定の事象に対する指標値が所定の条件を満たしたことを検出することができる。情報処理装置100によれば、複数の時点のそれぞれで対象者が行った行動を特定可能な第1の情報に基づいて、事象に対する指標値が条件を満たした時点に対応する時間帯における事象に関連する行動の量を取得することができる。情報処理装置100によれば、取得した時間帯における事象に関連する行動の量と、過去の時間帯における事象に関連する行動の量とを比較することができる。情報処理装置100によれば、事象に対する指標値が条件を満たす原因が発生していない場合に対する、原因が発生した場合の事象に関連する行動の量の変化傾向を特定可能な第2の情報に基づいて、比較した結果に対応する原因を特定することができる。これにより、情報処理装置100は、所定の事象に対する指標値が所定の条件を満たした原因を特定することができる。換言すれば、情報処理装置100は、業務に問題が発生した原因を特定することができる。
【0287】
情報処理装置100によれば、事象に対する指標値が条件を満たす原因が発生していない場合に対する、原因が発生した場合の事象に関連する複数の行動のそれぞれの量の変化傾向を特定可能な第2の情報を記憶することができる。情報処理装置100によれば、第1の情報に基づいて、時間帯における事象に関連する複数の行動のそれぞれの量を取得することができる。情報処理装置100によれば、取得した時間帯における事象に関連する複数の行動のそれぞれの量と、過去の時間帯における事象に関連する複数の行動のそれぞれの量とを比較することができる。情報処理装置100によれば、第2の情報に基づいて、比較した結果に対応する原因を特定することができる。これにより、情報処理装置100は、複数の行動に基づいて、所定の事象に対する指標値が所定の条件を満たした原因を特定することができる。
【0288】
情報処理装置100によれば、事象に対する指標値が条件を満たす原因が発生していない場合に対する、原因が発生した場合の、行動の量の変化傾向、および、指標値に関連する他の指標値の統計値の変化傾向を特定可能な第2の情報を記憶することができる。情報処理装置100によれば、時間帯における事象に対する指標値に関連する他の指標値の統計値を取得することができる。情報処理装置100によれば、時間帯における事象に関連する行動の量および事象に対する指標値に関連する他の指標値の統計値と、過去の時間帯における事象に関連する行動の量および事象に対する指標値に関連する他の指標値の統計値とを比較することができる。情報処理装置100によれば、第2の情報に基づいて、比較した結果に対応する原因を特定することができる。これにより、情報処理装置100は、行動の他、他の指標値も参照して、所定の事象に対する指標値が所定の条件を満たした原因を特定することができる。
【0289】
情報処理装置100によれば、事象に対する指標値が条件を満たす原因が発生していない場合に対する、原因が発生した場合の事象に関連する行動の量の変化傾向を特定可能な、入力された情報に基づいて、第2の情報を更新することができる。これにより、情報処理装置100は、所定の事象に対する指標値が所定の条件を満たした原因を特定する精度の向上を図ることができる。
【0290】
情報処理装置100によれば、比較した結果、時間帯における事象に関連する行動の量と、過去の時間帯における事象に関連する行動の量との差分が閾値以下であるか否かを判定することができる。情報処理装置100によれば、閾値以下である場合、事象に関連する行動と、過去の時間帯に対する、時間帯における事象に関連する行動の量の変化傾向と、事象とを対応付けて出力することができる。情報処理装置100によれば、出力した結果、事象に対する指標値が条件を満たす原因を特定可能な、入力された情報に基づいて、第2の情報を更新することができる。これにより、情報処理装置100は、所定の事象に対する指標値が所定の条件を満たした原因を特定する精度の向上を図ることができる。
【0291】
情報処理装置100によれば、複数の時点のそれぞれで対象者が行った行動を時間軸に沿って表示することができる。情報処理装置100によれば、原因が、複数の時点のいずれかで対象者が行った行動であれば、表示した時間軸における、対象者と、原因となる行動と、事象に関連する行動との少なくともいずれかを、特定の表示態様で表示することができる。これにより、情報処理装置100は、所定の事象に対する指標値が所定の条件を満たした原因を把握し易くすることができる。
【0292】
情報処理装置100によれば、複数の時点のそれぞれで対象者が行った行動を時間軸に沿って表示することができる。情報処理装置100によれば、時間軸と共に、特定した原因を示すメッセージを表示することができる。これにより、情報処理装置100は、所定の事象に対する指標値が所定の条件を満たした原因を把握し易くすることができる。
【0293】
情報処理装置100によれば、複数の行動のそれぞれを識別する名称に基づいて、複数の行動をグループ化することができる。情報処理装置100によれば、第1の情報に基づいて、時間帯における事象に関連する行動を含むグループに属する1以上の行動のそれぞれの量に基づく統計量を取得することができる。情報処理装置100によれば、取得した統計量と、過去の時間帯における事象に関連する行動を含むグループに属する1以上の行動のそれぞれの量に基づく統計量とを比較することができる。情報処理装置100によれば、事象に対する指標値が条件を満たす原因が発生していない場合に対する、原因が発生した場合の事象に関連する行動の量の変化傾向を特定可能な第2の情報に基づいて、比較した結果に対応する原因を特定することができる。これにより、情報処理装置100は、行動名に表記ゆれがある場合に適用することができ、所定の事象に対する指標値が所定の条件を満たした原因を特定する精度の向上を図ることができる。
【0294】
情報処理装置100によれば、所定のセンサを用いて対象者の状態を認識した結果に基づいて、第1の情報を生成することができる。これにより、情報処理装置100は、対象者が、自身の行動の予定を記録していない状況にも適用することができる。
【0295】
情報処理装置100によれば、事象に関連する行動の量に、事象に関連する行動を行った対象者の数に関する統計量、事象に関連する行動を行った時間に関する統計量、または、事象に関連する行動を行った領域の大きさに関する統計量を採用することができる。これにより、情報処理装置100は、所定の事象に対する指標値が所定の条件を満たした原因を特定するにあたり有用な性質を有する行動の量を採用することができる。
【0296】
情報処理装置100によれば、時間帯に、事象に対する指標値が条件を満たした時点を採用することができる。これにより、情報処理装置100は、事象に対する指標値が条件を満たした時点における行動の量に基づき、所定の事象に対する指標値が所定の条件を満たした原因を特定することができる。
【0297】
情報処理装置100によれば、時間帯に、事象に対する指標値が条件を満たした時点を含む、所定の長さの時間幅を採用することができる。これにより、情報処理装置100は、事象に対する指標値が条件を満たした時点を含む時間帯における行動の量に基づき、所定の事象に対する指標値が所定の条件を満たした原因を特定することができる。このため、情報処理装置100は、業務に問題が発生する前または後の行動を参照することができ、所定の事象に対する指標値が所定の条件を満たした原因を特定する精度の向上を図ることができる。
【0298】
情報処理装置100によれば、条件に、指標値が、所定の範囲外であることを採用することができる。これにより、情報処理装置100は、指標値が、所定の範囲外になった場合に、問題が発生したと判定することができる。
【0299】
情報処理装置100によれば、条件に、指標値が識別する対象者が、特定の対象者以外であることを採用することができる。これにより、情報処理装置100は、指標値が識別する対象者が、特定の対象者以外である場合に、問題が発生したと判定することができる。
【0300】
なお、本実施の形態で説明した情報処理方法は、予め用意されたプログラムをPCやワークステーションなどのコンピュータで実行することにより実現することができる。本実施の形態で説明した情報処理プログラムは、コンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録され、コンピュータによって記録媒体から読み出されることによって実行される。記録媒体は、ハードディスク、フレキシブルディスク、CD(Compact Disc)-ROM、MO(Magneto Optical disc)、DVD(Digital Versatile Disc)などである。また、本実施の形態で説明した情報処理プログラムは、インターネットなどのネットワークを介して配布してもよい。
【0301】
上述した実施の形態に関し、さらに以下の付記を開示する。
【0302】
(付記1)所定の事象に対する指標値が所定の条件を満たしたことを検出し、
複数の時点のそれぞれで対象者が行った行動を特定可能な第1の情報に基づいて、前記事象に対する指標値が前記条件を満たした時点に対応する時間帯における前記事象に関連する行動の量を取得し、
取得した前記時間帯における前記事象に関連する行動の量と、過去の時間帯における前記事象に関連する行動の量とを比較し、
前記事象に対する指標値が前記条件を満たす原因が発生していない場合に対する、前記原因が発生した場合の前記事象に関連する行動の量の変化傾向を特定可能な第2の情報に基づいて、比較した結果に対応する原因を特定する、
処理をコンピュータに実行させることを特徴とする情報処理プログラム。
【0303】
(付記2)前記取得する処理は、
前記第1の情報に基づいて、前記時間帯における前記事象に関連する複数の行動のそれぞれの量を取得し、
前記比較する処理は、
取得した前記時間帯における前記事象に関連する複数の行動のそれぞれの量と、前記過去の時間帯における前記事象に関連する複数の行動のそれぞれの量とを比較し、
前記特定する処理は、
前記事象に対する指標値が前記条件を満たす原因が発生していない場合に対する、前記原因が発生した場合の前記事象に関連する複数の行動のそれぞれの量の変化傾向を特定可能な前記第2の情報に基づいて、前記比較した結果に対応する原因を特定する、ことを特徴とする付記1に記載の情報処理プログラム。
【0304】
(付記3)前記時間帯における前記事象に対する指標値に関連する他の指標値の統計値を取得する、
処理を前記コンピュータに実行させ、
前記比較する処理は、
前記時間帯における前記事象に関連する行動の量および前記事象に対する指標値に関連する他の指標値の統計値と、前記過去の時間帯における前記事象に関連する行動の量および前記事象に対する指標値に関連する他の指標値の統計値とを比較し、
前記特定する処理は、
前記事象に対する指標値が前記条件を満たす原因が発生していない場合に対する、前記原因が発生した場合の、前記事象に関連する複数の行動のそれぞれの量の変化傾向および前記事象に対する指標値に関連する他の指標値の統計値の変化傾向を特定可能な前記第2の情報に基づいて、前記比較した結果に対応する原因を特定する、ことを特徴とする付記1または2に記載の情報処理プログラム。
【0305】
(付記4)前記事象に対する指標値が前記条件を満たす原因が発生していない場合に対する、前記原因が発生した場合の前記事象に関連する行動の量の変化傾向を特定可能な、入力された情報に基づいて、前記第2の情報を更新する、
処理を前記コンピュータに実行させることを特徴とする付記1~3のいずれか一つに記載の情報処理プログラム。
【0306】
(付記5)前記比較した結果、前記時間帯における前記事象に関連する行動の量と、前記過去の時間帯における前記事象に関連する行動の量との差分が閾値以下である場合、前記事象に関連する行動と、前記過去の時間帯に対する、前記時間帯における前記事象に関連する行動の量の変化傾向と、前記事象とを対応付けて出力し、
出力した結果、前記事象に対する指標値が前記条件を満たす原因を特定可能な、入力された情報に基づいて、前記第2の情報を更新する、
処理を前記コンピュータに実行させることを特徴とする付記1~4のいずれか一つに記載の情報処理プログラム。
【0307】
(付記6)前記複数の時点のそれぞれで前記対象者が行った行動を時間軸に沿って表示し、
前記原因が、前記複数の時点のいずれかで前記対象者が行った行動であれば、表示した前記時間軸における、前記対象者と、前記原因となる行動と、前記事象に関連する行動との少なくともいずれかを、特定の表示態様で表示する、
処理を前記コンピュータに実行させることを特徴とする付記1~5のいずれか一つに記載の情報処理プログラム。
【0308】
(付記7)前記複数の時点のそれぞれで前記対象者が行った行動を時間軸に沿って表示し、
前記時間軸と共に、特定した前記原因を示すメッセージを表示する、
処理を前記コンピュータに実行させることを特徴とする付記1~6のいずれか一つに記載の情報処理プログラム。
【0309】
(付記8)複数の行動のそれぞれを識別する名称に基づいて、前記複数の行動をグループ化する、
処理を前記コンピュータに実行させ、
前記取得する処理は、
前記第1の情報に基づいて、前記時間帯における前記事象に関連する行動を含むグループに属する1以上の行動のそれぞれの量に基づく統計量を取得し、
前記比較する処理は、
取得した前記統計量と、前記過去の時間帯における前記事象に関連する行動を含むグループに属する1以上の行動のそれぞれの量に基づく統計量とを比較し、
前記特定する処理は、
前記事象に対する指標値が前記条件を満たす原因が発生していない場合に対する、前記原因が発生した場合の前記事象に関連する行動の量の変化傾向を特定可能な第2の情報に基づいて、比較した結果に対応する原因を特定する、ことを特徴とする付記1~7のいずれか一つに記載の情報処理プログラム。
【0310】
(付記9)所定のセンサを用いて前記対象者の状態を認識した結果に基づいて、前記第1の情報を生成する、
処理を前記コンピュータに実行させることを特徴とする付記1~8のいずれか一つに記載の情報処理プログラム。
【0311】
(付記10)前記事象に関連する行動の量は、前記事象に関連する行動を行った前記対象者の数に関する統計量、前記事象に関連する行動を行った時間に関する統計量、または、前記事象に関連する行動を行った領域の大きさに関する統計量である、ことを特徴とする付記1~9のいずれか一つに記載の情報処理プログラム。
【0312】
(付記11)前記時間帯は、前記事象に対する指標値が前記条件を満たした時点である、ことを特徴とする付記1~10のいずれか一つに記載の情報処理プログラム。
【0313】
(付記12)前記時間帯は、前記事象に対する指標値が前記条件を満たした時点を含む、所定の長さの時間幅である、ことを特徴とする付記1~11のいずれか一つに記載の情報処理プログラム。
【0314】
(付記13)前記条件は、前記指標値が、所定の範囲外であることを示す、ことを特徴とする付記1~12のいずれか一つに記載の情報処理プログラム。
【0315】
(付記14)前記指標値は、前記事象に関連する行動を行った対象者を識別する値であり、
前記条件は、前記指標値が識別する対象者が、特定の対象者以外であることを示す、ことを特徴とする付記1~13のいずれか一つに記載の情報処理プログラム。
【0316】
(付記15)所定の事象に対する指標値が所定の条件を満たしたことを検出し、
複数の時点のそれぞれで対象者が行った行動を特定可能な第1の情報に基づいて、前記事象に対する指標値が前記条件を満たした時点に対応する時間帯における前記事象に関連する行動の量を取得し、
取得した前記時間帯における前記事象に関連する行動の量と、過去の時間帯における前記事象に関連する行動の量とを比較し、
前記事象に対する指標値が前記条件を満たす原因が発生していない場合に対する、前記原因が発生した場合の前記事象に関連する行動の量の変化傾向を特定可能な第2の情報に基づいて、比較した結果に対応する原因を特定する、
処理をコンピュータが実行することを特徴とする情報処理方法。
【0317】
(付記16)所定の事象に対する指標値が所定の条件を満たしたことを検出し、
複数の時点のそれぞれで対象者が行った行動を特定可能な第1の情報に基づいて、前記事象に対する指標値が前記条件を満たした時点に対応する時間帯における前記事象に関連する行動の量を取得し、
取得した前記時間帯における前記事象に関連する行動の量と、過去の時間帯における前記事象に関連する行動の量とを比較し、
前記事象に対する指標値が前記条件を満たす原因が発生していない場合に対する、前記原因が発生した場合の前記事象に関連する行動の量の変化傾向を特定可能な第2の情報に基づいて、比較した結果に対応する原因を特定する、
制御部を有することを特徴とする情報処理装置。
【符号の説明】
【0318】
100 情報処理装置
200 情報処理システム
201 情報蓄積装置
202 指標値管理装置
203 管理者用端末
204 行動記録端末
205 状態検出装置
210 ネットワーク
300,2000,2100,2200 バス
301,2001,2101,2201 CPU
302,2002,2102,2202 メモリ
303,2003,2103,2203 ネットワークI/F
304,2004 記録媒体I/F
305,2005 記録媒体
400 指標値管理テーブル
500 行動管理テーブル
600 指標値用閾値管理テーブル
700 条件管理テーブル
800 グループ管理テーブル
900 類似度用閾値管理テーブル
1000,1100,1200 変化パターン管理テーブル
1300 探索幅管理テーブル
1400 関連行動量管理テーブル
1500 平時関連行動量管理テーブル
1600 マージン管理テーブル
1700 解析情報管理テーブル
1800 候補判定閾値管理テーブル
1900 候補管理テーブル
2006 ディスプレイ
2007 入力装置
2104 タッチパネル
2105,2204 センサ類
2300 記憶部
2301 取得部
2302 検出部
2303 推定部
2304 算出部
2305 特定部
2306 更新部
2307 出力部
2400,2411~2413,2801~2803,3210,3221~3223,3510,3521~3523 グラフ
2401 直線
2402 時点
2403,2800 探索範囲
2420,2501,3230 一覧
2600,2700,3200,3500 画面
3001,3401 問題判定部
3002,3403 行動量算出部
3003,3404 原因特定部
3004,3405 表示制御部
3100 表
3402 プロセス推定部
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