(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-15
(45)【発行日】2024-04-23
(54)【発明の名称】射出装置
(51)【国際特許分類】
B29C 45/54 20060101AFI20240416BHJP
【FI】
B29C45/54
(21)【出願番号】P 2020118949
(22)【出願日】2020-07-10
【審査請求日】2023-04-10
(73)【特許権者】
【識別番号】300041192
【氏名又は名称】UBEマシナリー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100100077
【氏名又は名称】大場 充
(74)【代理人】
【識別番号】100136010
【氏名又は名称】堀川 美夕紀
(74)【代理人】
【識別番号】100130030
【氏名又は名称】大竹 夕香子
(74)【代理人】
【識別番号】100203046
【氏名又は名称】山下 聖子
(72)【発明者】
【氏名】入江 雄大
【審査官】和瀬田 芳正
(56)【参考文献】
【文献】特開平09-201854(JP,A)
【文献】特開昭63-151420(JP,A)
【文献】特表2003-534936(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B29C 45/54
B29C 45/50
B29C 45/53
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
プランジャバレルと、
前記プランジャバレルに挿入されるプランジャと、
前記プランジャに回転可能に配置されるスクリュと、
前記プランジャバレルが固定される前方支持部と、
前記前方支持部より後方側において前後方向に往復移動可能に設けられ、前記プランジャが固定される中間支持部と、
前記中間支持部の後方側において前後方向に往復移動可能に設けられ、前記スクリュが回転可能に支持される後方支持部と、を備え、
前記後方支持部は、
前記中間支持部とともに往復移動する架台に、前後方向に往復移動可能に支持される、
ことを特徴とする射出装置。
【請求項2】
前記前方支持部および前記中間支持部を支持する基台を備え、
前記架台は、
前記基台の上に前後方向に往復移動可能に載せられる、
請求項1に記載の射出装置。
【請求項3】
前記架台は、
前記中間支持部と一体的に構成される、
請求項1または請求項2に記載の射出装置。
【請求項4】
前記架台は、前記架台の後端側の下面が前記基台から離れる片持ち状をなす、
請求項
2に記載の射出装置。
【請求項5】
前記中間支持部の往復移動を担う第1移動機構を備え、
前記第1移動機構は、
第1駆動源と、前記第1駆動源により往復移動する第1移動部材とを要素として含み、
前記第1駆動源は、
前記前方支持部に支持され、
前記第1移動部材は、
前記中間支持部に、前後方向に推力が作用するように接続される、
請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の射出装置。
【請求項6】
前記第1駆動源は、前記前方支持部に支持される電動モータであり、
前記第1移動部材は、前記電動モータで動作するボールねじである、
請求項5に記載の射出装置。
【請求項7】
前記中間支持部と前記後方支持部の相対的な間隔の調整を担う第2移動機構を備え、
前記第2移動機構は、
第2駆動源と、前記第2駆動源により往復移動する第2移動部材とを要素として含み、
前記第2駆動源は、
前記中間支持部および前記後方支持部の一方に支持され、
前記第2移動部材は、
前記中間支持部および前記後方支持部の他方に、前後方向に推力が作用するように接続される、
請求項1から請求項6の何れか一項に記載の射出装置。
【請求項8】
前記第2駆動源は油圧シリンダからなり、
前記第2移動部材はピストンロッドからなる、
請求項7に記載の射出装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プランジャとスクリュを前進させて溶融樹脂材料を射出する射出装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
プランジャバレルに挿入される筒状のプランジャ内にスクリュを回転可能に配置し、スクリュの回転により溶融材料をプランジャバレル内に供給・計量するとともに、プランジャバレルに対してプランジャとスクリュを前進させてプランジャバレル内の溶融材料を射出する射出装置が知られている。例えば、特許文献1は、射出プランジャ(16)が固定されたハウジングブロック(37)とスクリュ(33)が保持されるスクリュ保持ブロック(38)の間に、スクリュ(33)の前後進機構である油圧シリンダ(53)が設けられる。ハウジングブロック(37)の後部面に突出形成されているガイド棒(54)によってスクリュ保持ブロック(38)が案内されることで、スクリュ(33)はその軸方向に移動可能とされる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
一般に射出装置において、スクリュの回転時、例えば樹脂の可塑化時にスクリュの外径面と射出プランジャの内径面との間の摺動面に局所的に凝着摩耗であるかじりが発生すると、安定した成形品の生産を阻害する。特許文献1を例にすると、スクリュを支持するスクリュ保持ブロックおよびプランジャを支持するハウジングブロックは、いずれも基台上を摺動する可動部材であるため、両部材を強固に固定することができない。また、可動部材である以上、摺動ガイド部材とのガタ(摺動クリアランス)を有するが、スクリュ保持ブロックとハウジングブロックはいずれも基台に対してそれぞれが互いに独立して摺動するため、ガタも互いに独立して存在する。このため、スクリュ保持ブロックとハウジングブロックの相対的位置は、基台に対するそれぞれのガタを持つため、ガタが2箇所存在する。この2箇所のガタが相乗するため大きなズレを発生させるおそれがある。これにより、ハウジングブロックに対するスクリュ保持ブロックの位置が大きくずれると、ハウジングブロックに支持されている射出プランジャの中心とスクリュ保持ブロックに支持されているスクリュの回転軸芯のズレも大きくなって、凝着摩耗が発生する場合がある。
【0005】
以上より、本発明は、射出プランジャとスクリュを前進させてプランジャバレル内部の溶融樹脂材料を射出する射出装置において、スクリュの回転時にスクリュの外径面と射出プランジャの内径面との間の摺動面に凝着摩耗が発生するのを抑えることのできる射出装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の射出装置は、プランジャバレルと、プランジャバレルに挿入されるプランジャと、プランジャに回転可能に配置されるスクリュと、プランジャバレルが固定される前方支持部と、前方支持部より後方側において前後方向に往復移動可能に設けられ、プランジャが固定される中間支持部と、中間支持部の後方側において前後方向に往復移動可能に設けられ、スクリュが回転可能に支持される後方支持部と、を備える。
【0007】
本発明の射出装置において、好ましくは、前方支持部および中間支持部を支持する基台を備える。この場合、架台は、基台の上に前後方向に往復移動可能に載せられる。
【0008】
本発明における架台は、好ましくは、中間支持部と一体的に構成される。
また、本発明における架台は、好ましくは、架台の後端側の下面が基台から離れる、片持ち状をなす。
【0009】
本発明の射出装置は、好ましくは、中間支持部の往復移動を担う第1移動機構を備える。
第1移動機構は、第1駆動源と、第1駆動源により往復移動する第1移動部材とを要素として含む。
第1駆動源は、前方支持部に支持される。
第1移動部材は、中間支持部に、前後方向に推力が作用するように接続される。
【0010】
第1駆動源は、好ましくは、前方支持部に支持される電動モータであり、第1移動部材は、好ましくは、電動モータで動作するボールねじである。
【0011】
本発明の射出装置は、好ましくは、中間支持部と後方支持部の相対的な間隔の調整を担う第2移動機構を備える。
第2移動機構は、第2駆動源と、第2駆動源により往復移動する第2移動部材とを要素として含む。
第2駆動源は、中間支持部および後方支持部の一方に支持される。
第2移動部材は、中間支持部および後方支持部の他方に、前後方向に推力が作用するように接続される。
【0012】
第2移動機構は、好ましくは、第2駆動源は油圧シリンダからなり、第2移動部材はピストンロッドからなる。
【発明の効果】
【0013】
本発明の射出装置によれば、後方支持部を支持する架台の変形を抑えることができるので、スクリュの外径面と射出プランジャの内径面との間の摺動面に凝着摩耗が発生するのを抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【
図1】本発明の実施形態に係る射出装置を側面方向から示す部分断面図である。
【
図2】本発明の実施形態に係る射出装置を平面方向から示す部分断面図である。
【
図3】本実施形態に係る射出装置の動作を示す図であって、(a)は可塑化・計量の準備の工程、(b)は可塑化・計量の工程を示す。
【
図4】
図3に引き続いて、本実施形態に係る射出装置の動作を示す図であって、(a)は射出の準備工程、(b)は射出工程を示す。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、添付図面を参照しながら、本発明の実施形態に係る射出装置1について説明する。
射出装置1は、図示を省略する型締装置と組み合わされることにより、射出成形機を構成する。射出装置1は、中間支持部60とともに往復移動する架台68に、後方支持部80が前後方向に移動可能に支持されることにより、スクリュ101の外径面101Sとプランジャ103の内径面103Sの摺動面に凝着摩耗が生ずるのを抑えることができる。
【0016】
[射出装置1の全体構成]
射出装置1は、
図1および
図2に示すように、支持部10と、支持部10に支持され、スクリュ101の前後方向への移動およびスクリュ101の回転を担う駆動部30と、スクリュ101を含み、樹脂の射出に関わる射出部100と、を備える。射出装置1は、第1移動機構50によるスクリュ101およびプランジャ103の前進動作を制御することにより、図示を省略する型締装置の金型に向けて溶融した樹脂を供給する。
射出装置1において、
図1などにFが記載されている側を前方、Bが記載されている側を後方と定義する。この前方Fおよび後方Bの定義は相対的な意味を含むものとする。
また、射出装置1について、幅方向W、長手方向Lおよび鉛直方向Hが
図1などに示すように定義される。
【0017】
[支持部10:
図1および
図2]
支持部10は、
図1および
図2に示すように、前方Fから後方Bに向けて延びるベッド11と、ベッド11の上に載置される基台13と、基台13の上であって基台13の後方Bの側に設けられる一対のガイドレール15,15と、を備える。
一対のガイドレール15,15は、
図2に示すように、幅方向Wに間隔をあけて基台13の上に固定されている。ガイドレール15,15には、後述する駆動部30の中間プレート61が、前方Fから後方Bに向けて、および、後方Bから前方Fに向けて摺動可能に載せられている。なお、本実施形態において、中間支持部60の前後方向への往復移動を実現することができるのであれば、その手段はガイドレール15,15に限らない。一例として、ガイドレール15,15が設けられる位置にガイド溝またはガイド壁などを設け、中間支持部60にこのガイドに沿って走行するローラや摺動板を設けることができる。
基台13は、射出装置1の重量を受けても、射出成形の動作に影響を与える変形が生じない程度の剛性を備えている。基台13がこの剛性を備えていることにより、架台68を変形が生じないか、変形が生じるとしても微小に抑えつつ架台68を支持できる。
【0018】
[駆動部30:
図1および
図2]
次に、駆動部30について説明する。
駆動部30は、
図1および
図2に示すように、支持部10の前方Fに設けられる前方支持部40と、前方支持部40よりも後方Bに設けられる中間支持部60と、中間支持部60よりも後方Bに設けられる後方支持部80、を備える。前方支持部40、中間支持部60および後方支持部80は、例えば鉄基金属の鋳造品から構成される。
【0019】
[前方支持部40:
図1および
図2]
前方支持部40は、
図1および
図2に示すように、支持部10の基台13の上に支持され、その位置が固定される。前方支持部40は、プランジャバレル105を支持する。また、前方支持部40は、中間支持部60の前後方向への往復移動を担う第1移動機構50を支持する。本実施形態ではプランジャバレル105を前方支持部40の前端面で支持しているが、プランジャバレル105の後端部を前方支持部40に嵌合することで支持してもよい。
【0020】
前方支持部40は、幅方向Wの中央において前後方向に貫通するプランジャ通路43と、幅方向Wの両端近傍のそれぞれにおいて前後方向に連なる第1支持孔45,45と、が形成される前方プレート41を備える。プランジャ通路43には、スクリュ101およびプランジャ103が前後方向に貫通して配置される。また、第1支持孔45,45は、それぞれにボールねじ51,51が前後方向に貫通し、かつ、回転可能にて配置される。前方プレート41は、剛体と見なし得る。後述する中間プレート61、後方プレート81も同様である。
【0021】
[第1移動機構50:
図2]
第1移動機構50は、中間支持部60を前後方向に往復移動させる。中間支持部60のこの移動は、プランジャ103および後方支持部80の前後方向の往復移動を伴う。
第1移動機構50は、
図2に示すように、一対のボールねじ51,51と、それぞれのボールねじ51,51に回転駆動力を与える電動モータ55,55と、を備える。ボールねじ51は本発明の第1移動部材の一例であり、電動モータ55は本発明の第1駆動源の一例である。なお、ボールねじ51および電動モータ55は、それぞれ公知の直線駆動アクチュエータ構成を採用することができる。また、第1移動機構50は、ボールねじ51,51のそれぞれの入力軸52,52に固定される入力プーリ53,53と、電動モータ55,55のそれぞれの出力軸56,56に固定される出力プーリ57,57と、を備える。入力プーリ53,53と出力プーリ57,57の間には、伝達ベルト58,58が巻き回されている。したがって、電動モータ55,55が回転駆動するとボールねじ51,51のボールねじ軸51A,51Aが回転する。
【0022】
それぞれのボールねじ51は、ボールねじ軸51Aと、ボールねじ軸51Aに嵌装されるボールねじナット51Bと、を備える。ボールねじ軸51Aは、前方プレート41の第1支持孔45に図示を省略するベアリングによって回転可能に支持され、ボールねじナット51Bは中間支持部60の第2支持孔65に嵌合される。つまり、ボールねじナット51Bは第2支持孔65を介して中間支持部60に回転不能に固定される。ボールねじナット51Bは、ボールねじ軸51Aの回転によって前後方向に往復移動する。この往復移動はボールねじ軸51Aに対して相対的な移動であるため、ボールねじ軸51Aの回転により、ボールねじナット51Bを嵌合する中間支持部60は、ボールねじナット51Bに生じる前後方向の推力を受けて往復移動する。
【0023】
第1移動機構50が以上のように構成されているので、電動モータ55,55が正回転動作または逆回転動作をすると、中間支持部60が前後方向に往復移動する。この移動は、後方支持部80の移動を伴う。
【0024】
本実施形態における第1移動機構50は、幅方向Wの両側に一つずつ設けられているが、本発明はこれに限定されない。例えば第1移動機構50を設ける場所を変更することにより、第1移動機構50を一つだけにすることもできるし、三つ以上にすることもできる。なお、電動モータ55の出力軸56とボールねじ51の入力軸52を、出力プーリ57、伝達ベルト58、入力プーリ53による公知の減速機構を介して連結する以外の手段を採用できる。例えば、電動モータ55にダイレクトドライブ型の高トルク低回転仕様の電動モータを適用するとともに、電動モータ55の出力軸56とボールねじ51の入力軸52を直接、例えばキーやスプラインあるいはフランジなどにより連結して駆動することもできる。
後述する第2移動機構90についても同様である。
【0025】
[中間支持部60:
図1および
図2]
次に、中間支持部60について説明する。
中間支持部60は、
図1および
図2に示すように、支持部10のガイドレール15,15に支持され、前後方向に往復移動、つまり前進または後退が可能とされる。中間支持部60は、プランジャ103を回転不能に固定するとともに、一対のボールねじナット51B,51Bを回転不能に支持する。
【0026】
中間支持部60は、
図2に示すように、幅方向Wの中央において前後方向に連なるプランジャ把持孔63と、幅方向Wの両端近傍のそれぞれにおいて前後方向に連なる第2支持孔65,65と、が形成される中間プレート61を備える。プランジャ把持孔63の内側には、スクリュ101およびプランジャ103が前後方向に貫通して配置される。また、第2支持孔65,65のそれぞれにはボールねじナット51B,51Bが回転不能に支持、つまり嵌合により固定される。ボールねじナット51B,51Bにはボールねじ軸51A,51Aが回転可能に支持されている。
【0027】
中間支持部60は、以上のように構成されるので、電動モータ55,55が正回転動作または逆回転動作をすると、プランジャ103を伴って、前後方向に往復移動する。
【0028】
中間プレート61の後端には、第2移動機構90のピストンロッド95の前端が固定される。ここで、第2移動機構90は、ピストンロッド95が前後方向への推力を作用させることにより、中間支持部60と後方支持部80の間隔を広くしたり狭くしたりすることができる。
第2移動機構90は、図示を省略する油圧源からシリンダ91に作動油を供給することで、ピストンロッド95を前後方向に往復移動させる。
第2移動機構90は、シリンダ91が後方支持部80に固定されている。したがって、第2移動機構90のピストンロッド95を前後方向に往復移動させることにより、中間支持部60と後方支持部80の間隔を広くしたり狭くしたりすることができる。
【0029】
中間プレート61には、
図1に示すように、鉛直方向Hに沿って射出成形の原料である固体状の樹脂を投入する投入口67が形成される。投入口67は、中間プレート61の上面からプランジャ把持孔63まで貫通しており、後述するプランジャ103の投入口104と連なる。したがって、投入される樹脂原料は、投入口67および投入口104を通って、プランジャ103の内部であってスクリュ101の周囲に供給される。
【0030】
中間支持部60は、
図1および
図2に示すように、中間プレート61の下方に連なり、かつ、後方Bに向けて延びる架台68を備える。架台68は、後述する後方支持部80を摺動可能に支持する。架台68は、中間プレート61と鋳造により一体的に形成することもできるし、中間プレート61と別体で作製し、その後に中間プレート61に締結や溶接などによって連結して一体化することもできる。したがって、電動モータ55およびボールねじ51の駆動により、中間支持部60が前後方向に往復移動すると、架台68も中間支持部60とともに前後方向に往復移動する。つまり、架台68の前進または後進は、後方支持部80の前進または後進を招く。
【0031】
中間プレート61と架台68を別体で作製する場合、
図1に示すように架台68を中間プレート61の下端面において連結してもよいし、架台68を中間プレート61の後端の側面において連結してもよい。また、架台68は、その鉛直方向Hまたは幅方向Wの厚さを前後方向において均一にしてもよいし、変化させてもよい。
【0032】
架台68の上には、幅方向Wに間隔をあけて、一対のガイドレール69,69が設けられており、後方支持部80は、このガイドレール69,69の上を前後方向に摺動可能とされる。後方支持部80の前後方向への往復移動の手段が他の手段を採用できることは前述の通りである。
【0033】
架台68は、中間支持部60の下方に設けられる。したがって、架台68を設置するのに必要なスペースは設置面積に制約を受けない鉛直方向Hに大きくとることができる。このため、架台68は、鉛直方向Hに十分な寸法(厚さ)を設けることができるので、鉛直方向Hの曲がり剛性を大きくできる。
また、架台68は、ガイドレール15,15を介して剛性の高い基台13に支持される。
以上より、後方支持部80の全重量が負荷されても、架台68の鉛直方向Hの曲がりなどの変形が生じないか生じたとしても微小に抑えられる。
また架台68は、鉛直方向Hに十分な寸法(厚さ)を設けることができるので、
図1に示すように、後端側の下面の一部が支持部10の上面から離れて浮き上がった片持ち状態としても、架台68の鉛直方向Hの曲がりなどの変形が生じないか生じたとしても微小に抑えられる。
【0034】
[後方支持部80:
図1および
図2]
次に、後方支持部80について説明する。
後方支持部80は、
図1および
図2に示すように、中間支持部60の架台68に前後方向に往復移動が可能に載置される。後方支持部80は、スクリュ101のスクリュ軸101Bを回転可能に支持するのに加えて、スクリュ101の回転機構85と、後方支持部80の前後方向の移動を担う第2移動機構90と、を支持する。
【0035】
後方支持部80は、幅方向Wの中央において前後方向に連なる出力軸83が内蔵される後方プレート81を備える。この出力軸83は、後方プレート81に前後方向に貫通して配置されるとともに図示を省略するベアリングを介して後方プレート81に回転可能に支持されている。また、出力軸83には、カップリング106によってスクリュ101のスクリュ軸101Bが連結固定される。
【0036】
[回転機構85:
図1および
図2]
回転機構85は、出力軸83を介してスクリュ101を回転させる。
回転機構85は、
図1および
図2に示すように、後方プレート81に支持される電動モータ86と、電動モータ86の出力軸87に固定される出力プーリ88と、を備える。また、回転機構85は、スクリュ軸101Bに連なる出力軸83に固定される入力プーリ110と、出力プーリ88と入力プーリ110の間に掛け回される伝達ベルト89と、を備える。
電動モータ86の回転動作が伝達ベルト89を介して出力軸83に伝えられ、スクリュ101が回転動作をする。
【0037】
[第2移動機構90:
図1および
図2]
第2移動機構90は、後方支持部80を前後方向に往復移動させる。この後方支持部80の往復移動は、架台68のガイドレール69に沿って行われ、かつ、中間支持部60に対する相対的な移動である。
第2移動機構90は、本実施形態においては、第2駆動源としての油圧シリンダから構成され、後方プレート81の幅方向Wの両端に設けられる一対のシリンダ91,91と、シリンダ91,91のそれぞれの内部に配置されるピストン93,93と、ピストン93,93のそれぞれに接続されるピストンロッド95,95と、を備える。それぞれのシリンダ91は、ピストン93より前方Fの第1油室94Fと、ピストン93より後方Bの第2油室94Bと、を備える。第2移動部材としてのピストンロッド95,95は、それぞれの前端が中間プレート61に接続し固定されている。
【0038】
第2移動機構90は、以上の構成を備えているので、第1油室94Fに作動油が供給されると、後方プレート81はピストンロッド95からの推力が作用されて前方Fに向けて移動(前進)し、中間支持部60と後方プレート81の間隔が狭くなる。また、第2油室94Bに作動油が供給されると、後方プレート81はピストンロッド95からの推力が作用されて後方Bに向けて移動(後退)し、中間支持部60と後方プレート81の間隔が広くなる。
後方プレート81は、中間支持部60の前後方向の往復移動に伴って前後方向に往復移動をする第1移動に加えて、中間支持部60に対して前後方向に相対的に往復移動する第2移動を行うことができる。なお、第2移動機構90によって後方プレート81が前方に移動すると、出力軸83に連結されたスクリュ101も前方に移動する。このとき、スクリュ101は前方に貯留した溶融樹脂から反力を受けるが、後方プレート81はこの反力をスクリュ101と出力軸83を介して受ける。第2移動機構90とスクリュ101は同一線上に配置されていないため、溶融樹脂からの反力は後方プレート81に回転モーメントを発生させることになる。この回転モーメントにより後方プレート81が傾くと、出力軸83に把持されたスクリュ101もプランジャ103に対して偏心あるいは傾きが発生するので、スクリュ101とプランジャ103の摺動面に囓りが発生する場合がある。よって、第2移動機構90の駆動時に後方プレート81に傾きが発生しないように、第2移動機構90は、スクリュ101の中心軸に対して軸対称に対となるように備えることが好ましい。
【0039】
本実施形態における第2移動機構90は、幅方向Wの両側に一つずつ設けられているが、本発明はこれに限定されない。第2移動機構90を設ける場所を変更することにより、第2移動機構90を一つだけにすることもできるし、三つ以上にすることもできる。
【0040】
[駆動部30のまとめ]
駆動部30の、前方支持部40、中間支持部60および後方支持部80について説明したが、それぞれについて要旨を以下に示す。
A:前方支持部40
(a)基台13上における固定された位置において、プランジャバレル105を支持するとともに、スクリュ101およびプランジャ103が前後方向に移動可能に貫通する。
(b)中間支持部60の前後方向の移動を担う第1移動機構50を支持する。
B:中間支持部60
(a)プランジャ103を支持しつつ、電動モータ55により前後方向に往復移動する。
(b)後方支持部80を支持する架台68が一体的に設けられている。
C:後方支持部80
(a)スクリュ101と連結した出力軸83を回転可能に支持しつつ、中間支持部60とともに前後方向に往復移動する。また、中間支持部60に対して前後方向に往復移動する。
(b)スクリュ101と連結した出力軸83を回転させる回転機構85を支持する。
(c)中間支持部60に対する相対的な前後方向の往復移動を担う、第2移動機構90を支持する。
【0041】
[射出部100:
図1および
図2]
射出部100は、
図1および
図2に示すように、スクリュ101と、スクリュ101の長手方向Lのほぼ全域を取り囲む筒状のプランジャ103と、を備える。また、射出部100は、前方支持部40よりも前方Fにおいてプランジャ103およびスクリュ101が挿入される筒状のプランジャバレル105と、プランジャバレル105の前端に設けられる射出ノズル107と、を備える。
【0042】
スクリュ101は、外周にらせん状に溝が形成される本体101Aと、本体101Aの後端に連なるスクリュ軸101Bと、を備える。スクリュ101は、出力軸83に連結されている。出力軸83は後方支持部80を前後方向に貫通し、かつ、後方支持部80に回転可能に支持される。後方支持部80を突き抜けて後方Bに露出する出力軸83の後端部には、後方支持部80の入力プーリ110が固定される。ただし、出力軸83は、前後方向については、後方支持部80に固定される。したがって、スクリュ101は、後方支持部80の前後方向の往復移動に伴って、前後方向に往復移動できる。
スクリュ101において、らせん状の溝を構成するフライト山部の頂面が、スクリュ101の外径面101Sを構成する。
【0043】
プランジャ103は、プランジャ把持孔63に嵌合されることで中間支持部60に固定される。したがって、プランジャ103は、中間支持部60の前後方向の往復移動に伴って、前後方向に往復移動できる。
プランジャ103には、射出成形の原料である固体樹脂からなる原料を投入する投入口104が形成されている。投入口104は、プランジャ103の内外を貫通している。投入口104は、中間支持部60に形成される投入口67と連通する。
また、プランジャ103は、その前端には、プランジャ103の内部でスクリュ101によって溶融された樹脂が外部に吐出される吐出口103Aを備えている。
プランジャ103の内部に収容されるスクリュ101は、プランジャ103の内部において、前後方向に往復移動できるとともに回転できる。
プランジャ103の周囲にはバンドヒータやカートリッジヒータなど電熱線ヒータ108が備えられており、図示を省略する電源から電熱線ヒータ108に電力を投入することにより、プランジャ103の内部の樹脂材料を加熱する。
【0044】
プランジャバレル105は、前方支持部40に固定される。前方支持部40の位置が基台13に固定されるので、プランジャバレル105もその位置が基台13に固定される。もっとも、プランジャバレル105の内部において、プランジャ103が前後方向に往復移動できるとともに、スクリュ101がプランジャ103の内部で回転可能で前後方向に往復移動できる。
【0045】
射出ノズル107は、プランジャバレル105の前端に固定される。プランジャバレル105の位置が固定されるので、射出ノズル107もその位置が固定される。
射出ノズル107は、その前端に設けられる射出孔107Aと、射出孔107Aに連なる樹脂通路107Bと、を備える。スクリュ101で可塑化されかつ計量された溶融樹脂は、樹脂通路107Bおよび射出孔107Aを通って、図示を省略される金型のキャビティに射出される。
【0046】
プランジャバレル105の周囲には電熱線ヒータ109が備えられており、図示を省略する電源から電熱線ヒータ109に電力を投入することにより、プランジャバレル105およびプランジャ103の内部の樹脂材料を加熱する。
【0047】
[射出装置1の動作:
図3および
図4]
次に、
図3および
図4を参照して、射出装置1の動作を説明する。ここで説明する射出装置1の動作は、以下を含んでいる。
図3(a):可塑化・計量の準備(樹脂流路開動作)
図3(b):可塑化・計量(溶融樹脂吐出)
図4(a):射出の準備(樹脂流路閉動作)
図4(b):射出(キャビティへの樹脂充填)
【0048】
[可塑化・計量の準備(樹脂流路開動作):
図3(a)]
図3(a)に示すように、プランジャ103の吐出口103Aからスクリュ101を微小量のストロークだけ後退させて、吐出口103Aを開口させる。そうすると、スクリュ101の先端とプランジャ103の間にプランジャ103の内部とプランジャバレル105を連通させる樹脂流路が形成され、プランジャバレル105の内部への溶融樹脂の供給が可能になる。この後、プランジャ103の内部で可塑化された溶融樹脂をプランジャバレル105の内部に流入させることにより、プランジャ103が後退して金型のキャビティに充填する溶融樹脂の計量を行うことができる。樹脂流路を形成するには、第2移動機構90を動作させて、後方支持部80を中間支持部60に対して後退させる。つまり、後方支持部80が後退することにより、後方支持部80の後方プレート81に連結されているスクリュ101が後退する。
この時点で、中間支持部60および後方支持部80は、最も前進した位置、つまり前進限または前進限近傍の所定位置に置かれている。
【0049】
[可塑化・計量(溶融樹脂吐出):
図3(b)]
次に、スクリュ101を回転することにより、樹脂原料を可塑化させる。この前提として、投入口67,104から所定量の樹脂原料が投入されている。スクリュ101の回転は、電動モータ86を駆動させることにより実現される。このときのスクリュ101および電動モータ86の回転の向きを正転とする。
【0050】
スクリュ101が回転するのと同期してまたは単独で、第1移動機構50の電動モータ55を回転させる。この回転を正転とする。電動モータ55が正転すると、中間支持部60および後方支持部80が一緒に後退する。中間支持部60の架台68に後方支持部80が載置されているからである。中間支持部60と後方支持部80の後退に伴って、スクリュ101およびプランジャ103が後退する。この一連の動作により、可塑化され溶融状態となった樹脂が、プランジャバレル105の内部に吐出されながらプランジャバレル105の内部に貯留されていく。スクリュ101およびプランジャ103の後退位置を特定することにより、吐出される溶融樹脂の量を特定(計量)できる。所定量が計量できたならば、スクリュ101の回転は停止され、かつ、第1移動機構50の動作は停止される。
【0051】
図3(b)は、プランジャ103が上記の一連の過程において、溶融樹脂の計量が完了した位置、つまりプランジャ103の計量完位置に置かれている。本発明の特徴説明の簡単のため、この計量完位置において、架台68の後方Bの片持ち状の部分は基台13から後方Bに突き出した状態で示してある。なお、突き出した状態は、後退限の位置にたどり着く途中から生じる。
【0052】
[射出準備(樹脂流路閉動作):
図4(a)]
次に、射出動作に備えて、スクリュ101を微小量だけ前進させプランジャ103の吐出口103Aに当接させて、
図4(a)に示すように、これまで形成されていた樹脂流路を閉じる。この動作は、先に説明した可塑化・計量の準備と逆の動作であり、第2移動機構90を動作させることにより、後方支持部80を中間支持部60に向けて微小量だけ前進させる。
【0053】
[射出(キャビティへの樹脂充填):
図4(b)]
樹脂流路が閉じたなら、スクリュ101とプランジャ103を前進させることで、金型のキャビティへの溶融樹脂の充填のための射出を行う。
このとき、電動モータ55を逆転させることにより、中間支持部60および後方支持部80を前進させる。そうすると、スクリュ101がプランジャ103とともに前進するので、プランジャバレル105の内部においてスクリュ101よりも前方Fに蓄えられていた溶融樹脂がノズルから図示を省略する金型のキャビティに向けて射出される。このとき、射出圧力に押されてスクリュ101がプランジャ103の前端部分に対して後退しようとする。しかし、吐出口103Aが開口して、プランジャバレル105の内部の溶融樹脂がプランジャ103の内部に逆流するのを防止するため、スクリュ101には第2移動機構90により前進方向に押し圧が加えられている。
プランジャ103が所定位置まで前進すると、一つのサイクルのキャビティへの溶融樹脂の充填は終了する。その後、次のサイクルの準備が行われる。
【0054】
[効 果]
次に、射出装置1が奏する効果を説明する。
[凝着摩耗抑制の効果]
射出装置1は、スクリュ101を保持する後方支持部80を支持する架台68を設ける。架台68の上にガイドレール69などの案内手段によって、後方支持部80が架台68の上で前後方向に往復移動が可能とされる。
架台68は、中間支持部60の下方に設けられるため、自重による曲げに耐えられる程の高剛性を得るのに必要な鉛直方向Hのスペースを大きくとることができる。このため架台68は鉛直方向Hに十分に厚い構造とすることができる。これにより架台68に、後方支持部80の全重量が負荷されたとしても、架台68の鉛直方向Hの曲がり変形が小さく抑えられる。
また、架台68は、ガイドレール15,15を介して剛性の高い基台13に支持されるので、仮に架台68の肉厚が薄くても、基台13の支持を受けることで鉛直方向Hの曲がり変形は小さい。これによっても、架台68に、後方支持部80の全重量が負荷されたとしても、架台68の鉛直方向Hの曲がり変形が小さく抑えられる。
また、後方支持部80が中間支持部60と一体に固定された架台68上においてガイドレール69に摺動可能に支持されている。したがって、後方支持部80と中間支持部60との相対位置を変動させるガタは、ガイドレール69における1箇所のガタのみとすることができるため、後方支持部80と中間支持部60との相対位置の変動を最小限に管理することが容易となる。
以上より、中間支持部60に支持されているプランジャ103の中心と後方支持部80に支持されているスクリュ101の回転軸芯のズレの発生を防止できるか、ズレが生じたとしても小さくできる。これにより、射出装置1によれば、スクリュ101の外径面101Sとプランジャ103の内径面103Sに偏当たりによる、スクリュ回転時、つまり可塑化時のスクリュ101の外径面101Sとプランジャ103の内径面103Sの摺動面に凝着摩耗、つまりかじりが生じるのを防止することができる。
【0055】
[長手方向Lの省スペース]
基台13の後端部は、中間支持部60が移動する前後方向の領域を案内するガイドレール15,15を備えるだけの長さを備えていればよい。ところが、架台68が、片持ち状とされることを前提とすれば、片持ち状となって基台13の後方Bに突き出した部分には、ガイドレール15,15を設ける必要がない。したがって、その分だけ基台13の長さを短くできるので、射出装置1が占める長手方向Lのスペースを小さく抑えることができる。つまり、射出装置1の設置スペースである基台13の長手方向Lのスペースは、架台68が最も後退した位置において、架台68の後端を包含する長さを備える必要がない。
【0056】
これ対し一般には、後方支持部80が、基台13に備えられたガイドレール15に案内される場合には、ガイドレール15は後方支持部80が移動する前後方向の距離以上の長さを有しなければならない。したがって、スクリュ取り外し時などのメンテナンスの際に、中間支持部60と後方プレート81との間の作業空間を増大させて作業性を向上させるために後方支持部80を大きく移動させることも想定すると、ガイドレール15もまた長尺とする必要がある。この場合、ガイドレール15を備える基台13も長くする必要があるが、架台68を片持ち状にすることにより、上記の通り基台13の長手方向Lのスペースは、架台68が最も後退した位置での架台68の後端を包含する長さを備える必要がない。これにより、基台13の長さを抑えることができる。
また、このとき架台68の後端側下面を基台13に対し浮き上がらせる段付きあるいはテーパによる凹み形状とすることが好ましい。これによると、架台68が基台13の後方Bに突き出した際に、架台68の下面に異物などが付着したとしても、架台68の前進時にガイドレール15の摺動部に付着異物が入り込んで摺動不良が発生するのを防止できる。
【0057】
また、射出装置1は、前方支持部40の前方プレート41が、中間支持部60の前後方向の往復移動を担う第1移動機構50の電動モータ55などを支持する。したがって、射出装置1によれば、電動モータ55やボールねじ51などを支持する別の部材を設ける必要がない。
例えば、後方支持部80よりも後方Bに電動モータ55などを支持するプレートを個別に設けることができる。しかし、この場合、部材数が増えるのに加えて、電動モータ55などを支持するプレートを固定するための台を備える必要があるため、長手方向Lに占めるスペースが大きくなる。
【0058】
上記以外にも、本発明の主旨を逸脱しない限り、上記実施形態で挙げた構成を取捨選択したり、他の構成に適宜変更したりすることが可能である。
【0059】
上記実施形態においては、後方支持部80の後方プレート81に第2移動機構90を支持する例を示したが、本発明はこれに限定されない。つまり、第2移動機構90は、中間支持部60と後方支持部80の相対的な間隔を変更するものであるから、中間支持部60でシリンダ91を支持し、ピストンロッド95の後端を後方支持部80に固定してもよい。
【0060】
上記実施形態においては、第1移動機構50が前方支持部40に支持される例を示したが、第1移動機構50が中間支持部60に支持される構造とすることもできるし、第1移動機構50を支持する支持部を前方支持部40、中間支持部60および後方支持部80とは別個に設ける構造とすることもできる。
【0061】
また、第1移動機構50は第1駆動源として電動モータ55を用いるとともにボールねじ51を第1移動部材として用いたが、本発明はこれに限定されない。例えば、リニアモータや油圧シリンダなどの直線往復移動することができる他の手段を用いることができる。同様に、第2移動機構90は第2駆動源として油圧シリンダを用いるとともに第2移動部材としてピストンロッド95を用いたが、本発明はこれに限定されない。例えば、電動駆動のボールねじやリニアモータなどの往復移動することができる他の手段を用いることができる。
【0062】
また、スクリュ101を回転駆動する回転機構85は電動モータ86と、電動モータ86の出力軸87に固定される出力プーリ88と、出力軸83に固定される入力プーリ110と、出力プーリ88と入力プーリ110の間に掛け回される伝達ベルト89による構成として示したが、本発明はこれに限定されない。例えば、ウォーム減速機や遊星減速機などの公知の減速機構を介してもよいし、駆動モータを一つの電動モータではなく、複数の電動モータを組み合わせで構成することもできる。
【符号の説明】
【0063】
1 射出装置
10 支持部
11 ベッド
13 基台
15 ガイドレール
30 駆動部
40 前方支持部
41 前方プレート
43 プランジャ通路
45 第1支持孔
50 第1移動機構
51 ボールねじ
51A ボールねじ軸
51B ボールねじナット
52 入力軸
53 入力プーリ
55 電動モータ
56 出力軸
57 出力プーリ
58 伝達ベルト
60 中間支持部
61 中間プレート
63 プランジャ把持孔
65 第2支持孔
67 投入口
68 架台
69 ガイドレール
80 後方支持部
81 後方プレート
83 出力軸
85 回転機構
86 電動モータ
87 出力軸
88 出力プーリ
89 伝達ベルト
90 第2移動機構
91 シリンダ
93 ピストン
94F 第1油室
94B 第2油室
95 ピストンロッド
100 射出部
101 スクリュ
101A 本体
101B スクリュ軸
101S 外径面
103 プランジャ
103A 吐出口
103S 内径面
104 投入口
105 プランジャバレル
105B 樹脂通路
106 カップリング
107 射出ノズル
107A 射出孔
107B 樹脂通路
108,109 電熱線ヒータ
110 入力プーリ