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特許7472697画像形成装置、システム、方法およびプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-15
(45)【発行日】2024-04-23
(54)【発明の名称】画像形成装置、システム、方法およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   H04N 1/00 20060101AFI20240416BHJP
   G06F 3/12 20060101ALI20240416BHJP
   B41J 29/38 20060101ALI20240416BHJP
【FI】
H04N1/00 127Z
G06F3/12 310
G06F3/12 334
G06F3/12 336
G06F3/12 385
H04N1/00 912
B41J29/38 401
B41J29/38 801
B41J29/38 201
【請求項の数】 26
(21)【出願番号】P 2020123645
(22)【出願日】2020-07-20
(65)【公開番号】P2022020253
(43)【公開日】2022-02-01
【審査請求日】2023-05-17
(73)【特許権者】
【識別番号】000001270
【氏名又は名称】コニカミノルタ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】近藤 敦士
【審査官】松永 隆志
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-072514(JP,A)
【文献】特開平05-221095(JP,A)
【文献】特開2002-205443(JP,A)
【文献】特開2016-115263(JP,A)
【文献】特開2015-049838(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 1/00
G06F 3/12
B41J 29/38
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネットワークに接続された第1のNIC(Network Interface Card)および第2のNICと、
画像形成装置を制御する制御部とを備え、
前記制御部は、
前記第1のNICに、プライマリIP(Internet Protocol)アドレスを設定し、
前記第2のNICに、他の画像形成装置のNICに設定されているプライマリIPアドレスをセカンダリIPアドレスとして設定し、
前記第1のNICを有効にし、
前記第2のNICを無効にし、
前記プライマリIPアドレス宛のジョブを前記画像形成装置のジョブとして実行し、
前記他の画像形成装置が前記セカンダリIPアドレス宛のジョブを実行できないことを検出したことに基づいて、前記第2のNICを有効にして、前記セカンダリIPアドレス宛のジョブを実行する、画像形成装置。
【請求項2】
前記第1のNICは、生存確認メッセージを前記セカンダリIPアドレス宛に送信し、
前記制御部は、さらに、一定時間または一定回数以上、前記生存確認メッセージに対する応答がないことに基づいて、前記他の画像形成装置が前記セカンダリIPアドレス宛のジョブを実行できないと判定する、請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記生存確認メッセージは、pingメッセージまたはSNMP(Simple Network Management Protocol)メッセージである、請求項2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記制御部は、さらに、前記他の画像形成装置から、前記ジョブの代行要求メッセージを受信したことに基づいて、前記他の画像形成装置が前記セカンダリIPアドレス宛のジョブを実行できないと判定する、請求項1~3のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記制御部は、さらに、前記画像形成装置または記他の画像形成装置を管理するサーバーから、前記ジョブの代行要求メッセージを受信したことに基づいて、前記他の画像形成装置が前記セカンダリIPアドレス宛のジョブを実行できないと判定する、請求項1~3のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項6】
ジョブの履歴を格納するための記憶部をさらに備え、
前記制御部は、さらに、
前記セカンダリIPアドレス宛のジョブの実行履歴を前記記憶部に格納し、
前記他の画像形成装置の復旧を検出したことに基づいて、前記セカンダリIPアドレス宛のジョブの実行履歴を前記他の画像形成装置に送信する、請求項1~5のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記制御部は、前記他の画像形成装置から、前記プライマリIPアドレス宛のジョブの実行履歴を受信したことに基づいて、前記プライマリIPアドレス宛のジョブの実行履歴を前記記憶部に格納する、請求項6に記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記制御部は、受信した前記セカンダリIPアドレス宛のジョブが、前記画像形成装置が実行できないジョブであることに基づいて、当該ジョブの廃棄または強制実行の選択の入力を受け付ける、請求項6に記載の画像形成装置。
【請求項9】
前記制御部は、
受信した前記セカンダリIPアドレス宛のジョブが、前記画像形成装置が実行できないジョブであることに基づいて、当該実行不可能なジョブを前記記憶部に格納し、
前記他の画像形成装置の復旧を検出したことに基づいて、前記画像形成装置が実行できないジョブを前記他の画像形成装置に送信する、請求項6に記載の画像形成装置。
【請求項10】
前記制御部は、さらに、前記画像形成装置が前記プライマリIPアドレス宛のジョブを実行できないことを検出したことに基づいて、前記セカンダリIPアドレス宛に、ジョブの代行要求メッセージを送信する、請求項1~9のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項11】
前記制御部は、前記画像形成装置が前記プライマリIPアドレス宛のジョブの実行可能な状態に復旧したことを検出したことに基づいて、前記セカンダリIPアドレス宛に、ジョブの代行停止要求メッセージを送信する、請求項10に記載の画像形成装置。
【請求項12】
前記制御部は、さらに、前記第2のNICを有効化した後に、前記セカンダリIPアドレスの衝突を検出したことに基づいて、前記第2のNICを無効化する、請求項1~11のいずれかに記載の画像形成装置。
【請求項13】
第1の画像形成装置と、
第2の画像形成装置と、
前記第1および第2の画像形成装置を管理するサーバーとを備え、
前記第1の画像形成装置は、
第1のIPアドレスが設定された第1のNICと、
第2のIPアドレスが設定された第2のNICとを含み、
前記第1のNICは有効化されており、
前記第2のNICは無効化されており、
前記第2の画像形成装置は、
前記第2のIPアドレスが設定された第3のNICと、
前記第1のIPアドレスが設定された第4のNICとを含み、
前記第3のNICは有効化されており、
前記第4のNICは無効化されており、
前記サーバーは、
前記第2の画像形成装置から取得した状態情報に基づいて、前記第2の画像形成装置が前記第2のIPアドレス宛のジョブを実行できないことを検出し、
前記第1の画像形成装置に、ジョブの代行要求メッセージを送信し、
前記第1の画像形成装置は、前記ジョブの代行要求メッセージを受信したことに基づいて、前記第2のNICを有効にして、前記第2のIPアドレス宛のジョブを実行する、システム。
【請求項14】
画像形成装置を制御する方法であって、
第1のNICに、プライマリIPアドレスを設定するステップと、
第2のNICに、他の画像形成装置のNICに設定されているプライマリIPアドレスをセカンダリIPアドレスとして設定するステップと、
前記第1のNICを有効にするステップと、
前記第2のNICを無効にするステップと、
前記プライマリIPアドレス宛のジョブを前記画像形成装置のジョブとして実行するステップと、
前記他の画像形成装置が前記セカンダリIPアドレス宛のジョブを実行できないことを検出したことに基づいて、前記第2のNICを有効にして、前記セカンダリIPアドレス宛のジョブを実行するステップとを含む、方法。
【請求項15】
生存確認メッセージを前記セカンダリIPアドレス宛に送信するステップと、
一定時間または一定回数以上、前記生存確認メッセージに対する応答がないことに基づいて、前記他の画像形成装置が前記セカンダリIPアドレス宛のジョブを実行できないと判定するステップとをさらに含む、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記生存確認メッセージは、pingメッセージまたはSNMP(Simple Network Management Protocol)メッセージである、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記他の画像形成装置から、前記ジョブの代行要求メッセージを受信したことに基づいて、前記他の画像形成装置が前記セカンダリIPアドレス宛のジョブを実行できないと判定するステップをさらに含む、請求項14~16のいずれかに記載の方法。
【請求項18】
前記画像形成装置または前記他の画像形成装置を管理するサーバーから、前記ジョブの代行要求メッセージを受信したことに基づいて、前記他の画像形成装置が前記セカンダリIPアドレス宛のジョブを実行できないと判定するステップをさらに含む、請求項14~16のいずれかに記載の方法。
【請求項19】
前記セカンダリIPアドレス宛のジョブの実行履歴を記憶部に格納するステップと、
前記他の画像形成装置の復旧を検出したことに基づいて、前記セカンダリIPアドレス宛のジョブの実行履歴を前記他の画像形成装置に送信するステップとをさらに含む、請求項14~18のいずれかに記載の方法。
【請求項20】
前記他の画像形成装置から、前記プライマリIPアドレス宛のジョブの実行履歴を受信したことに基づいて、前記プライマリIPアドレス宛のジョブの実行履歴を前記記憶部に格納するステップをさらに含む、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
受信した前記セカンダリIPアドレス宛のジョブが、前記画像形成装置が実行できないジョブであることに基づいて、当該ジョブの廃棄または強制実行の選択の入力を受け付けるステップをさらに含む、請求項19に記載の方法。
【請求項22】
受信した前記セカンダリIPアドレス宛のジョブが、前記画像形成装置が実行できないジョブであることに基づいて、当該実行不可能なジョブを前記記憶部に格納するステップと、
前記他の画像形成装置の復旧を検出したことに基づいて、前記画像形成装置が実行できないジョブを前記他の画像形成装置に送信するステップとをさらに含む、請求項19に記載の方法。
【請求項23】
前記画像形成装置が前記プライマリIPアドレス宛のジョブを実行できないことを検出したことに基づいて、前記セカンダリIPアドレス宛に、ジョブの代行要求メッセージを送信するステップをさらに含む、請求項14~22のいずれかに記載の方法。
【請求項24】
前記画像形成装置が前記プライマリIPアドレス宛のジョブの実行可能な状態に復旧したことを検出したことに基づいて、前記セカンダリIPアドレス宛に、ジョブの代行停止要求メッセージを送信するステップをさらに含む、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
前記第2のNICを有効化した後に、前記セカンダリIPアドレスの衝突を検出したことに基づいて、前記第2のNICを無効化するステップをさらに含む、請求項14~24のいずれかに記載の方法。
【請求項26】
請求項14~25のいずれかに記載の方法を1以上のプロセッサに実行させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、画像形成装置に関し、より特定的には、画像形成装置のジョブの代行に関する。
【背景技術】
【0002】
近年のオフィス環境では、複数台のMFP(Multifunction Peripheral)等の画像形成装置が1つのフロアで使用されることがある。ユーザーは複数の画像形成装置をPC(Personal Computer)等に登録して使用することができる。実際には、ユーザーは、特定の1台を集中して使用することが多い。
【0003】
上記のような環境において、ユーザーが普段使用する画像形成装置がメンテナンスまたは故障等で使用できなくなった際に、ユーザーは、画像形成装置の使用不能に気付かずに、普段使用する画像形成装置にジョブを送信することがある。その場合、ユーザーは、ジョブをキャンセルし、他の画像形成装置にジョブを送信し直す等の煩雑な操作を実行する必要がある。
【0004】
ジョブの代行に関し、例えば、特開2015-210604号公報(特許文献1)は、「ファームウェアのダウンロード中に、自装置でしか行えない画像データ送信ジョブまたは受信ジョブの受付を、選択したジョブ処理装置に代行させるように、自装置のプライマリIPアドレスとジョブを代行するジョブ処理装置のセカンダリIPアドレスを交換し、ファームウェアのダウンロード後に、交換したIPアドレスを再交換して元に戻す。また、IPアドレスを交換して元に戻した後、前記ジョブの受付を代行したジョブ処理装置により受け付けられたジョブを該ジョブ処理装置から受信して実行する」ジョブ処理装置を開示している([要約]参照)。
【0005】
また、ジョブの代行に関する他の技術が、例えば、特開2012-056117号公報(特許文献2)に開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特開2015-210604号公報
【文献】特開2012-056117号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1および2に開示された技術によると、画像形成装置が故障したとき等に、ユーザーに特別な操作を要求することなく、ジョブを実行できなくなった画像形成装置の代わりに他の画像形成装置にジョブを実行させることができない。したがって、画像形成装置が故障したとき等に、ユーザーに特別な操作を要求することなく、ジョブを実行できなくなった画像形成装置の代わりに他の画像形成装置にジョブを実行させるための技術が必要とされている。
【0008】
本開示は、上記のような背景に鑑みてなされたものであって、ある局面における目的は、画像形成装置が故障したとき等に、ユーザーに特別な操作を要求することなく、ジョブを実行できなくなった画像形成装置の代わりに他の画像形成装置にジョブを実行させるための技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
ある実施の形態に従う画像形成装置は、ネットワークに接続された第1のNIC(Network Interface Card)および第2のNICと、画像形成装置を制御する制御部とを備える。制御部は、第1のNICに、プライマリIP(Internet Protocol)アドレスを設定し、第2のNICに、他の画像形成装置のNICに設定されているプライマリIPアドレスをセカンダリIPアドレスとして設定し、第1のNICを有効にし、第2のNICを無効にし、プライマリIPアドレス宛のジョブを画像形成装置のジョブとして実行し、他の画像形成装置がセカンダリIPアドレス宛のジョブを実行できないことを検出したことに基づいて、第2のNICを有効にして、セカンダリIPアドレス宛のジョブを実行する。
【0010】
ある局面において、第1のNICは、生存確認メッセージをセカンダリIPアドレス宛に送信する。制御部は、さらに、一定時間または一定回数以上、生存確認メッセージに対する応答がないことに基づいて、他の画像形成装置がセカンダリIPアドレス宛のジョブを実行できないと判定する。
【0011】
ある局面において、生存確認メッセージは、pingメッセージまたはSNMP(Simple Network Management Protocol)メッセージである。
【0012】
ある局面において、制御部は、さらに、他の画像形成装置から、ジョブの代行要求メッセージを受信したことに基づいて、他の画像形成装置がセカンダリIPアドレス宛のジョブを実行できないと判定する。
【0013】
ある局面において、制御部は、さらに、画像形成装置または記他の画像形成装置を管理するサーバーから、ジョブの代行要求メッセージを受信したことに基づいて、他の画像形成装置がセカンダリIPアドレス宛のジョブを実行できないと判定する。
【0014】
ある局面において、画像形成装置は、ジョブの履歴を格納するための記憶部をさらに備える。制御部は、さらに、セカンダリIPアドレス宛のジョブの実行履歴を記憶部に格納し、他の画像形成装置の復旧を検出したことに基づいて、セカンダリIPアドレス宛のジョブの実行履歴を他の画像形成装置に送信する。
【0015】
ある局面において、制御部は、他の画像形成装置から、プライマリIPアドレス宛のジョブの実行履歴を受信したことに基づいて、プライマリIPアドレス宛のジョブの実行履歴を記憶部に格納する。
【0016】
ある局面において、制御部は、受信したセカンダリIPアドレス宛のジョブが、画像形成装置が実行できないジョブであることに基づいて、当該ジョブの廃棄または強制実行の選択の入力を受け付ける。
【0017】
ある局面において、制御部は、受信したセカンダリIPアドレス宛のジョブが、画像形成装置が実行できないジョブであることに基づいて、当該実行不可能なジョブを記憶部に格納し、他の画像形成装置の復旧を検出したことに基づいて、画像形成装置が実行できないジョブを他の画像形成装置に送信する。
【0018】
ある局面において、制御部は、さらに、画像形成装置がプライマリIPアドレス宛のジョブを実行できないことを検出したことに基づいて、セカンダリIPアドレス宛に、ジョブの代行要求メッセージを送信する。
【0019】
ある局面において、制御部は、画像形成装置がプライマリIPアドレス宛のジョブの実行可能な状態に復旧したことを検出したことに基づいて、セカンダリIPアドレス宛に、ジョブの代行停止要求メッセージを送信する。
【0020】
ある局面において、制御部は、さらに、第2のNICを有効化した後に、セカンダリIPアドレスの衝突を検出したことに基づいて、第2のNICを無効化する。
【0021】
他の実施の形態に従うと、システムが提供される。このシステムは、第1の画像形成装置と、第2の画像形成装置と、第1および第2の画像形成装置を管理するサーバーとを備える。第1の画像形成装置は、第1のIPアドレスが設定された第1のNICと、第2のIPアドレスが設定された第2のNICとを含み、第1のNICは有効化されており、第2のNICは無効化されている。第2の画像形成装置は、第2のIPアドレスが設定された第3のNICと、第1のIPアドレスが設定された第4のNICとを含み、第3のNICは有効化されており、第4のNICは無効化されている。サーバーは、第2の画像形成装置から取得した状態情報に基づいて、第2の画像形成装置が第2のIPアドレス宛のジョブを実行できないことを検出し、第1の画像形成装置に、ジョブの代行要求メッセージを送信する。第1の画像形成装置は、ジョブの代行要求メッセージを受信したことに基づいて、第2のNICを有効にして、第2のIPアドレス宛のジョブを実行する。
【0022】
他の実施の形態に従うと、画像形成装置を制御する方法が提供される。この方法は、第1のNICに、プライマリIPアドレスを設定するステップと、第2のNICに、他の画像形成装置のNICに設定されているプライマリIPアドレスをセカンダリIPアドレスとして設定するステップと、第1のNICを有効にするステップと、第2のNICを無効にするステップと、プライマリIPアドレス宛のジョブを画像形成装置のジョブとして実行するステップと、他の画像形成装置がセカンダリIPアドレス宛のジョブを実行できないことを検出したことに基づいて、第2のNICを有効にして、セカンダリIPアドレス宛のジョブを実行するステップとを含む。
【0023】
ある局面において、方法は、生存確認メッセージをセカンダリIPアドレス宛に送信するステップと、一定時間または一定回数以上、生存確認メッセージに対する応答がないことに基づいて、他の画像形成装置がセカンダリIPアドレス宛のジョブを実行できないと判定するステップとをさらに含む。
【0024】
ある局面において、生存確認メッセージは、pingメッセージまたはSNMP(Simple Network Management Protocol)メッセージである。
【0025】
ある局面において、方法は、他の画像形成装置から、ジョブの代行要求メッセージを受信したことに基づいて、他の画像形成装置がセカンダリIPアドレス宛のジョブを実行できないと判定するステップをさらに含む。
【0026】
ある局面において、方法は、画像形成装置または他の画像形成装置を管理するサーバーから、ジョブの代行要求メッセージを受信したことに基づいて、他の画像形成装置がセカンダリIPアドレス宛のジョブを実行できないと判定するステップをさらに含む。
【0027】
ある局面において、方法は、セカンダリIPアドレス宛のジョブの実行履歴を記憶部に格納するステップと、他の画像形成装置の復旧を検出したことに基づいて、セカンダリIPアドレス宛のジョブの実行履歴を他の画像形成装置に送信するステップとをさらに含む。
【0028】
ある局面において、方法は、他の画像形成装置から、プライマリIPアドレス宛のジョブの実行履歴を受信したことに基づいて、プライマリIPアドレス宛のジョブの実行履歴を記憶部に格納するステップをさらに含む。
【0029】
ある局面において、方法は、受信したセカンダリIPアドレス宛のジョブが、画像形成装置が実行できないジョブであることに基づいて、当該ジョブの廃棄または強制実行の選択の入力を受け付けるステップをさらに含む。
【0030】
ある局面において、方法は、受信したセカンダリIPアドレス宛のジョブが、画像形成装置が実行できないジョブであることに基づいて、当該実行不可能なジョブを記憶部に格納するステップと、他の画像形成装置の復旧を検出したことに基づいて、画像形成装置が実行できないジョブを他の画像形成装置に送信するステップとをさらに含む。
【0031】
ある局面において、方法は、画像形成装置がプライマリIPアドレス宛のジョブを実行できないことを検出したことに基づいて、セカンダリIPアドレス宛に、ジョブの代行要求メッセージを送信するステップをさらに含む。
【0032】
ある局面において、方法は、画像形成装置がプライマリIPアドレス宛のジョブの実行可能な状態に復旧したことを検出したことに基づいて、セカンダリIPアドレス宛に、ジョブの代行停止要求メッセージを送信するステップをさらに含む。
【0033】
ある局面において、方法は、第2のNICを有効化した後に、セカンダリIPアドレスの衝突を検出したことに基づいて、第2のNICを無効化するステップをさらに含む。
【0034】
他の実施の形態に従うと、上記の方法を1以上のプロセッサに実行させるためのプログラムが提供される。
【発明の効果】
【0035】
ある実施の形態に従うと、画像形成装置が故障したとき等に、ユーザーに特別な操作を要求することなく、ジョブを実行できなくなった画像形成装置の代わりに他の画像形成装置にジョブを実行させることが可能である。
【0036】
この開示内容の上記および他の目的、特徴、局面および利点は、添付の図面と関連して理解される本開示に関する次の詳細な説明から明らかとなるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0037】
図1】ある実施の形態に従う画像形成装置100を含むシステム構成の一例を示す図である。
図2】画像形成装置100のジョブの代行の流れの一例を示す図である。
図3】画像形成装置100Aが画像形成装置100Bの状態を検出する方法の第1の例を示す図である。
図4】画像形成装置100Aが画像形成装置100Bの状態を検出する方法の第2の例を示す図である。
図5】画像形成装置100Aが画像形成装置100Bの状態を検出する方法の第3の例を示す図である。
図6】画像形成装置100の外観の一例を示す図である。
図7】画像形成装置100の回路構成の一例を示す図である。
図8】画像形成装置100におけるジョブの代行要求を送信する手順の一例を示す図である。
図9】画像形成装置100におけるジョブの代行の手順の一例を示す図である。
図10】画像形成装置100における復旧処理の手順の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0038】
以下、図面を参照しつつ、本開示に係る技術思想の実施の形態について説明する。以下の説明では、同一の部品には同一の符号を付してある。それらの名称および機能も同じである。したがって、それらについての詳細な説明は繰り返さない。
【0039】
<A.適用例>
本実施の形態に従う画像形成装置は、他の画像形成装置が故障した場合等において、他の画像形成装置に対するジョブを代行することができる。ここでの「ジョブの代行」とは、例えば、ある画像形成装置Xが故障したとき等に、画像形成装置Yが、故障した画像形成装置X宛のジョブを受信して当該ジョブを実行することを意味する。以下、図1図5を参照して、2台の画像形成装置が設置されたオフィスを例に、本実施の形態に従う画像形成装置の構成、およびその動作について説明する。
【0040】
図1は、本実施の形態に従う画像形成装置100を含むシステム構成の一例を示す図である。図1に示すシステムにおいて、画像形成装置100Aと、画像形成装置100Bと、端末103とが、ネットワーク104に接続されている。以下、画像形成装置100A,100Bを総称する場合は画像形成装置100と表す。図1に示す構成は一例であり、システムの構成例はこれに限られるわけではない。ある局面において、任意の台数の画像形成装置100と、任意の台数の端末103とがネットワーク104に接続されていてもよい。
【0041】
ネットワーク104は、有線ネットワーク、無線ネットワーク、またはこれらの組み合わせであってもよい。ある局面において、ネットワーク104は、イーサネット(登録商標)であってもよい。その場合、画像形成装置100A,100Bおよび端末103は、ハブ、スイッチまたはWi-Fi(登録商標)(Wireless Fidelity)のアクセスポイント等によって、ネットワーク104に接続され得る。
【0042】
端末103は、例えば、PC(Personal Computer)、タブレット、スマートフォンまたはその他の任意の情報処理装置である。ユーザーは、端末103から画像形成装置100A,100Bのいずれかにジョブを送信する。
【0043】
画像形成装置100A,100Bは、端末103から受信したジョブを実行する。画像形成装置100A,100Bの各々は、2枚のNIC(Network Interface Card)を備える。例えば、画像形成装置100Aは、NIC101AおよびNIC102Aを備える。画像形成装置100Bは、NIC101BおよびNIC102Bを備える。
【0044】
次に、これらの2枚のNIC101の役割について説明する。図1の例では、画像形成装置100Aは、管理者からの設定入力等に基づいて、NIC101Aに、プライマリIP(Internet Protocol)アドレス「192.168.0.11」を設定している。また、画像形成装置100Aは、NIC102Aに、セカンダリIPアドレス「192.168.0.10」を設定している。画像形成装置100Aは、通常、プライマリIPアドレスが割り当てられたNIC101Aのみを有効化し、セカンダリIPアドレスが割り当てられたNIC102Aを無効化する。
【0045】
同様に、画像形成装置100Bは、管理者からの設定入力等に基づいて、NIC101Bに、プライマリIPアドレス「192.168.0.10」を設定している。また、画像形成装置100Aは、NIC102Bに、セカンダリIPアドレス「192.168.0.11」を設定している。画像形成装置100Bは、通常、プライマリIPアドレスが割り当てられたNIC101Bのみを有効化し、セカンダリIPアドレスが割り当てられたNIC102Bを無効化する。
【0046】
「NICの有効化」とは、NICが、当該NICに割り当てられたIPアドレス宛のメッセージを送受信できるようにすることである。逆に、「NICの無効化」とは、NICが、当該NICに割り当てられたIPアドレス宛のメッセージを送受信できないようにすることである。
【0047】
「プライマリIPアドレス」は、各画像形成装置100が自装置に対するジョブを受け付けるときのIPアドレスとして使用される。例えば、画像形成装置100AのプライマリIPアドレスは、「192.168.0.11」である。そのため、端末103が「192.168.0.11」宛のジョブをネットワーク104に送信した場合、画像形成装置100Aは、当該ジョブを自装置宛のジョブとして受信して実行する。
【0048】
また、画像形成装置100BのプライマリIPアドレスは、「192.168.0.10」である。そのため、端末103が「192.168.0.10」宛のジョブをネットワーク104に送信した場合、画像形成装置100Bは、当該ジョブを自装置宛のジョブとして受信して実行する。
【0049】
「セカンダリIPアドレス」は、各画像形成装置100が他の画像形成装置100に対するジョブを代理で受け付けるときのIPアドレスである。当該セカンダリIPアドレスは、他の画像形成装置100のプライマリIPアドレスと同じである。図1に示す例では、画像形成装置100AのセカンダリIPアドレス「192.168.0.10」は、画像形成装置100BのプライマリIPアドレス「192.168.0.10」と同じである。
【0050】
画像形成装置100Aは、画像形成装置100Bがジョブを実行できなくなったことを検出した場合、セカンダリIPアドレスが割り当てられたNIC102Aを有効化して、画像形成装置100Bに対するジョブを受信して代行する。
【0051】
同様に、画像形成装置100BのセカンダリIPアドレス「192.168.0.11」は、画像形成装置100AのプライマリIPアドレス「192.168.0.11」と同じである。画像形成装置100Bは、画像形成装置100Aがジョブを実行できなくなったことを検出した場合、セカンダリIPアドレスが割り当てられたNIC102Bを有効化して、画像形成装置100Aに対するジョブを受信して代行する。ジョブの代行の詳細については図2を参照して説明する。
【0052】
図2は、画像形成装置100のジョブの代行の流れの一例を示す図である。図2を参照して、画像形成装置100Aが画像形成装置100Bのジョブを代行する手順について説明する。
【0053】
図2に示す例では、端末103のユーザーは、普段、画像形成装置100Bを使用している。そのため、端末103は、通常、画像形成装置100BのプライマリIPアドレス「192.168.0.10」宛にジョブを送信する。
【0054】
仮に、画像形成装置100Bがメンテナンスモードに移行したり、故障したりした場合、NIC101Bは無効化される。画像形成装置100Aは、画像形成装置100Bがジョブを処理できないか、またはNIC101Bが無効化されたことを検出すると、NIC102Aを有功化する。
【0055】
上述したように、NIC102Aに割り当てられたセカンダリIPアドレス「192.168.0.10」は、NIC101Bに割り当てられたプライマリIPアドレス「192.168.0.10」と同じである。そのため、IPアドレス「192.168.0.10」宛のジョブは、NIC102Aに転送される。NIC102Aが有効化されている間、NIC101Bは無効化されているためIPアドレスの衝突も発生しない。
【0056】
そのため、仮に画像形成装置100Bが故障している場合でも、端末103のユーザーは、普段通り、IPアドレス「192.168.0.10」宛にジョブ200を送信することで、画像形成装置100Aにジョブ200を代行させることができる。
【0057】
図3は、画像形成装置100Aが画像形成装置100Bの状態を検出する方法の第1の例を示す図である。図3に示す例では、画像形成装置100Bが画像形成装置100Aに対して、画像形成装置100Bの状態を通知するためのメッセージ300を送信する。
【0058】
画像形成装置100Bは、NIC101Bを無効化するとき、画像形成装置100Aに対して、メッセージ300を送信してもよい。この場合のメッセージ300は、画像形成装置100Bがジョブを処理できないことを示すメッセージ、または、ジョブの代行依頼メッセージであると言える。画像形成装置100Aは、メッセージ300を受信したことに基づいて、NIC102Aを有効化する。画像形成装置100Bは、メッセージ300を送信した後に、または、メッセージ300に対する応答を受信した後に、NIC101Bを無効化する。
【0059】
ある局面において、画像形成装置100Bは、メーカーのサポートマンからの入力を受け付けて、メンテナンスモードに入ったことに基づいて、画像形成装置100Aに対して、メッセージ300を送信してもよい。他の局面において、画像形成装置100Bは、紙またはトナー等の消耗品切れ、もしくは部品の故障等を検出したことに基づいて、画像形成装置100Aに対して、メッセージ300を送信してもよい。
【0060】
他の例として、画像形成装置100Bは、画像形成装置100Aに、定期的にメッセージ300を送信してもよい。画像形成装置100Aは、一定期間以上メッセージ300を受信していないことに基づいて、NIC102Aを有効化する。この場合のメッセージ300は、画像形成装置100Bの生存を知らせるメッセージであると言える。
【0061】
次に、画像形成装置100AがNIC102Aを有効化して画像形成装置100Bのジョブの代行を開始してから、画像形成装置100Bが復旧した場合の各画像形成装置100A,100Bの動作について説明する。
【0062】
ある局面において、画像形成装置100Bは、自装置が復旧したことに基づいて、画像形成装置100Aに対して、ジョブの代行の停止要求(NIC102Aの無効化要求)を送信してもよい。この場合、画像形成装置100Aは、ジョブの代行の停止要求を受信したことに基づいて、NIC102Aを無効化する。その後、画像形成装置100Bは、NIC101Bを有効化する。
【0063】
また、他の局面において、画像形成装置100Aは、NIC102Aに割り当てられたセカンダリIPアドレスの衝突を検出したことに基づいて、画像形成装置100Bが復旧したと判定して、NIC102Aを無効化してもよい。
【0064】
また、他の局面において、画像形成装置100Aは、代行したジョブの結果リスト(ジョブの履歴)を残しておき、画像形成装置100Bが復旧したと判定したことに基づいて、代行したジョブの結果リストを画像形成装置100Bに送信してもよい。この場合、画像形成装置100Bは、受信したジョブの結果リストを自装置内のストレージ(図示せず)内のジョブ履歴に追加する。
【0065】
また、他の局面において、画像形成装置100Aは、NIC102Aを介して受信したジョブ(セカンダリIPアドレス宛のジョブ)を実行できなかった場合、当該ジョブを一時的に自装置内のストレージに保存する。例えば、画像形成装置100Aがフィニッシャーを備えてない場合に、ジョブがステープル処理を含むとき、当該ジョブは画像形成装置100Aに実行できないジョブとなる。画像形成装置100Aは画像形成装置100Bが復旧したと判定したことに基づいて、画像形成装置100Aが実行できなかったジョブを画像形成装置100Bに送信してもよい。この場合、画像形成装置100Bは、受信したジョブを実行する。また、他の局面において、画像形成装置100Aは、画像形成装置100Aが実行できないジョブを受信したことに基づいて、画像形成装置100Aのパネル(図示せず)に、ジョブの廃棄、強制実行等の選択をユーザーに促す画面を表示し、ユーザーの入力に基づいて、ジョブを処理してもよい。
【0066】
なお、画像形成装置100Aは、画像形成装置100Aが実行できなかったジョブを外部のサーバー等に保存してもよい。この場合、画像形成装置100Bは、復旧後に、外部のサーバーに保存されたジョブを取得して実行する。
【0067】
図4は、画像形成装置100Aが画像形成装置100Bの状態を検出する方法の第2の例を示す図である。図4に示す例では、画像形成装置100Aが画像形成装置100Bに対して、画像形成装置100Bの状態を調べるためのメッセージ400を送信する点で、図3に示す例と異なる。
【0068】
画像形成装置100Aは、画像形成装置100Bに、定期的にメッセージ400(生存確認メッセージ)を送信してもよい。画像形成装置100Aは、メッセージ400の送信後から一定期間以上応答メッセージを受信していないことに基づいて、または、メッセージ400を一定回数以上送っても応答メッセージがないことに基づいて、画像形成装置100Bがジョブを実行できないと判定して、NIC102Aを有効化する。ある局面において、メッセージ400は、pingメッセージであってもよい。また、他の局面において、メッセージ400は、SNMP(Simple Network Management Protocol)メッセージであってもよい。また、他の局面において、メッセージ400は、その他の任意のプロトコルに準拠したメッセージであってもよい。
【0069】
画像形成装置100AがNIC102Aを有効化して画像形成装置100Bのジョブの代行を開始してから、画像形成装置100Bが復旧した場合の各画像形成装置100A,100Bの動作については、図3と同様である。
【0070】
図5は、画像形成装置100Aが画像形成装置100Bの状態を検出する方法の第3の例を示す図である。図5に示す例では、画像形成装置100Aが管理サーバー500を介して画像形成装置100Bの状態を検出する点で、図3および図4に示す例と異なる。
【0071】
画像形成装置100A,100Bは、管理サーバー500と接続されている。管理サーバー500は、定期的に各画像形成装置100A,100Bと通信して、各画像形成装置100A,100Bの状態情報を取得する。当該状態情報は、例えば、画像形成装置100の消耗品が切れたこと、NICを含む部品の故障、画像形成装置100の動作モード等に関する情報を含む。
【0072】
管理サーバー500は、例えば、画像形成装置100Bから取得した状態情報に基づいて、画像形成装置100Bがジョブを実行できないと判定したとする。この場合、管理サーバー500は、画像形成装置100Aに対して、ジョブの代行要求(NIC102Aの有効化要求)を送信する。画像形成装置100Aは、管理サーバー500からジョブの代行要求を受信したことに基づいて、NIC102Aを有効化する。
【0073】
ある局面において、管理サーバー500は、画像形成装置100Aにジョブの代行要求を送信すると共に、画像形成装置100BにNIC101Bの無効化要求を送信してもよい。他の局面において、画像形成装置100Bは、自装置内で画像形成装置100Bがジョブを実行できるか否かを判定し、当該判定の結果に基づいて、NIC101Bの有効/無効を切り替えてもよい。
【0074】
次に、画像形成装置100AがNIC102Aを有効化して画像形成装置100Bのジョブの代行を開始してから、画像形成装置100Bが復旧した場合の各画像形成装置100A,100Bの動作について説明する。
【0075】
ある局面において、管理サーバー500は、画像形成装置100Bから取得した状態情報に基づいて、画像形成装置100Bが復旧したと判定してもよい。その場合、管理サーバー500は、画像形成装置100Aに対して、ジョブの代行の停止要求(NIC102Aの無効化要求)を送信する。画像形成装置100Aは、管理サーバー500からジョブの代行の停止要求を受信したことに基づいて、NIC102Aを無効化する。
【0076】
管理サーバー500は、画像形成装置100Aが代行したジョブの結果リストおよび/または画像形成装置100Aが実行できなかったジョブについても、画像形成装置100Aから画像形成装置100Bに転送してもよい。この場合、画像形成装置100Bは、受信したジョブの結果リストを自装置内のストレージ内のジョブ履歴に追加する。また、画像形成装置100Bは、画像形成装置100Aが実行できなかったジョブを実行する。他の局面において、画像形成装置100A,100Bは、画像形成装置100Bの復旧時に、図3を参照して説明した処理手順を実行してもよい。
【0077】
上記の図1図5に示す例では、画像形成装置100Aが画像形成装置100Bのジョブを代行する手順について説明したが、本実施の形態に従う画像形成装置100の動作はこれに限られない。ある局面において、画像形成装置100Bは、図1図5に示した手順を用いて、画像形成装置100Aの代わりに、画像形成装置100Aのジョブを実行してもよい。
【0078】
他の局面において、画像形成装置100A,100Bは、図1図5に示した各メッセージを相互に送受信し合ってもよい。また、他の局面において、3台以上の画像形成装置100が使用されてもよい。その場合、各画像形成装置100のセカンダリIPアドレスは、他のいずれかの画像形成装置100のプライマリIPアドレスと同じである。
【0079】
<B.ハードウェア構成>
次に、図6および図7を参照して、本実施の形態に従う画像形成装置100Aのハードウェア構成について説明する。図6は、画像形成装置100の外観の一例を示す図である。画像形成装置100は、画像形成部150と、排出トレイ160と、原稿読取部105と、給紙部140と、パネル60とを備える。原稿読取部105は、自動原稿送り装置110と、イメージスキャナー120と、原稿給紙台125と、原稿排紙台130とを含む。
【0080】
画像形成部150は、給紙部140から搬送されてくる媒体に対して印刷処理を実行する。画像形成部150は、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)、キー・プレート(K)のそれぞれのトナー像を形成するイメージングユニット(図示せず)と、定着部(図示せず)とを含む。イメージングユニットは、給紙部140から搬送されてくる媒体にトナーを転写する。媒体が定着部を通過すると、トナーが媒体に定着する。最後に、媒体は排出トレイ160に排出される。
【0081】
給紙部140は、印刷処理において使用される各種媒体を格納する。画像形成装置100は、複数の給紙部140を備え、各給紙部140に異なるサイズまたは種類の媒体を格納してもよい。
【0082】
原稿読取部105は、原稿を読み取り、読み取った原稿を文書データとして取り込む。自動原稿送り装置110は、原稿給紙台125(手差しトレイとも呼ぶ)に載置された原稿を搬送して、原稿排紙台130に排出する。イメージスキャナー120は、自動原稿送り装置110によって搬送される原稿をスキャンして文書データとして画像形成装置100内に取り込む。ある局面において、A4用紙およびA3用紙等の異なるサイズの原稿が原稿給紙台125に載置されてもよい。
【0083】
図7は、画像形成装置100の回路構成の一例を示す図である。図7を参照して、本実施の形態に従う画像形成装置100の回路構成について説明する。ある局面において、図7に示す各構成の一部または全ては、電子回路、ソフトウェア、またはセンサーおよびアクチュエーターまたはこれらの組み合わせを含んでいてもよい。
【0084】
画像形成装置100は、制御部700と、原稿読取回路704と、画像受信回路705と、現像回路706と、定着回路707と、記憶部708と、ファクシミリ回路709と、有線インターフェイス710と、無線インターフェイス711と、ユーザー認証回路712と、パネル60とを備える。パネル60は、表示部61と、操作部62とを含む。
【0085】
制御部700は、CPU(Central Processing Unit)701と、RAM(Random Access Memory)702と、ROM(Read Only Memory)703とを含む。CPU701は、RAM702に読み込まれた各種プログラムおよびデータを実行または参照する。ある局面において、CPU701は、組み込みCPUであってもよいし、FPGA(Field Programmable Gate Array)であってもよいし、またはこれらの組み合わせ等によって構成されてもよい。CPU701は、画像形成装置100の各種機能を実現するためのプログラムを実行し得る。
【0086】
RAM702は、CPU701によって実行されるプログラムと、CPU701によって参照されるデータとを格納する。ある局面において、RAM702は、DRAM(Dynamic Random Access Memory)またはSRAM(Static Random Access Memory)により実現されてもよい。
【0087】
ROM703は、不揮発性メモリーであり、CPU701によって実行されるプログラムを格納してもよい。その場合、CPU701は、ROM703からRAM702に読み出されたプログラムを実行する。ある局面において、ROM703は、EPROM(Erasable Programmable Read Only Memory)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable Read Only Memory)またはフラッシュメモリーにより実現されてもよい。
【0088】
原稿読取回路704は、原稿読取部105がスキャンした原稿を文書データに変換する。CPU701は、原稿読取回路704を介して、文書データを取得し得る。ある局面において、原稿読取回路704は、取得した文書データを記憶部708に保存してもよい。
【0089】
画像受信回路705は、有線インターフェイス710または無線インターフェイス711を介して、文書データを取得する。ある局面において、画像受信回路705は、取得した文書データを記憶部708に保存してもよい。
【0090】
現像回路706は、画像形成装置100が取り込んだ文書データの現像処理を行う。ある局面において、現像回路706は、イメージングユニットを含む現像機能のための各種アクチュエーターを制御する回路を含んでいてもよい。定着回路707は、定着部のモーターおよびヒーター等を制御する。
【0091】
記憶部708は、不揮発性メモリーであり、画像形成装置100の電源が切れた状態でもデータを保存しておくことができる。記憶部708は、CPU701が実行または参照する任意のプログラムおよびデータを保存し得る。ある局面において、記憶部708は、HDD(Hard Disk Drive)またはSSD(Solid State Drive)により実現されてもよい。CPU701は、必要に応じて各種プログラムを記憶部708からRAM702に読み込み、当該読み込まれたプログラムを実行することができる。
【0092】
ファクシミリ回路709は、電話回線を用いたファクシミリにより、文書データの送受信を行う。ある局面において、ファクシミリ回路709は、ファクシミリの通信制御機能を持つ回路および電話回線の通信ポートを含んでいてもよい。
【0093】
有線インターフェイス710は、有線のネットワーク機器と接続される。ある局面において、有線インターフェイス710は、有線LAN(Local Area Network)ポートを含んでいてもよい。無線インターフェイス711は、無線のネットワーク機器と接続される。ある局面において、無線インターフェイス711は、Wi-Fi(登録商標)(Wireless Fidelity)モジュール等を含んでいてもよい。有線インターフェイス710および無線インターフェイス711は、TCP/IP(Transmission Control Protocol/Internet Protocol)、UDP(User Datagram Protocol)等の通信プロトコルを用いてデータを送受信し得る。
【0094】
ユーザー認証回路712は、画像形成装置100を使用するユーザーの認証処理を行なう。ユーザー認証回路712は、外部の認証サーバーと連携してもよいし、しなくてもよい。ある局面において、制御部700がユーザー認証回路712の機能を備えていてもよい。
【0095】
表示部61は、液晶モニター、有機EL(Electro Luminescence)モニター等を含む。液晶モニター、有機ELモニター等は、タッチセンサーを含み、操作メニューを表示すると共に、ユーザーからのタッチによる入力を受け付けることができる。操作部62は、複数のボタンを含み、タッチパネルと同様に、ユーザーからの入力を受け付けることができる。ある局面において、操作部62は、表示部61に重ね合わせられるタッチセンサーを含んでいてもよい。
【0096】
ある局面において、画像形成装置100は、例えば、有線インターフェイス710または無線インターフェイス711等を介して、端末103からジョブを受信し得る。ジョブとは、例えば、画像のプリント等を含み得る。画像形成装置100は、受信したジョブに基づいて、現像回路706および定着回路707等を用いてジョブを実行する。
【0097】
<C.フローチャート>
次に、図8図10を参照して本実施の形態に従う画像形成装置100の処理手順について説明する。ある局面において、CPU701は、図8図10の処理を行うためのプログラムをROM703または記憶部708からRAM702に読み込んで、当該プログラムを実行してもよい。他の局面において、当該処理の一部または全部は、当該処理を実行するように構成された回路素子の組み合わせとしても実現され得る。
【0098】
図8は、画像形成装置100におけるジョブの代行要求を送信する手順の一例を示す図である。図8に示す処理は、例えば、図3における、画像形成装置100Bが画像形成装置100Aにジョブの代行を要求する処理に相当する。
【0099】
ステップS810において、CPU701は、画像形成装置100がジョブを実行可能であるか否かを判定する。CPU701は、画像形成装置100がジョブを実行可能であると判定した場合(ステップS810にてYES)、制御をステップS810に移す。そうでない場合(ステップS810にてNO)、CPU701は、制御をステップS820に移す。
【0100】
ステップS820において、CPU701は、セカンダリIPアドレス宛にサービスの代行要求を送信する。本ステップの処理は、図3において、画像形成装置100Bが、画像形成装置100AのNIC101Aに対して、サービスの代行要求を送信する処理に相当する。
【0101】
ステップS830において、CPU701は、プライマリIPアドレスのNICを無効化する。本ステップの処理は、図3において、画像形成装置100BがNIC102Bを無効化する処理に相当する。
【0102】
図9は、画像形成装置100におけるジョブの代行の手順の一例を示す図である。図9に示す処理は、例えば、図3図5における、画像形成装置100Aが実行し得る処理に相当する。
【0103】
ステップS905において、CPU701は、セカンダリIPアドレス宛に、生存確認要求を送信する。例えば、本ステップの処理は、図4における、画像形成装置100Aがメッセージ400を送信する処理に相当する。
【0104】
ステップS910において、CPU701は、生存確認要求を送信してから一定時間以内に応答があるか否かを判定する。CPU701は、生存確認要求を送信してから一定時間以内に応答があると判定した場合(ステップS910にてYES)、制御をステップS905に移す。そうでない場合(ステップS910にてNO)、CPU701は、制御をステップS915に移す。
【0105】
ステップS915において、CPU701は、ジョブの代行要求を受信したか否かを判定する。CPU701は、ジョブの代行要求を受信したと判定した場合(ステップS915にてYES)、制御をステップS920に移す。そうでない場合(ステップS915にてNO)、CPU701は、制御をステップS920に移す。ある局面において、CPU701は、ステップS905,S910の処理、またはステップS915の処理のいずれか片方のみを実行してもよい。
【0106】
ステップS920において、CPU701は、セカンダリIPアドレスを割り当てられたNICを有効化する。本ステップの処理は、例えば、図3または図4等において、画像形成装置100AがNIC102Aを有効化する処理に相当する。
【0107】
ステップS925において、CPU701は、セカンダリIPアドレス宛のジョブを受信したか否かを判定する。CPU701は、セカンダリIPアドレス宛のジョブを受信したと判定した場合(ステップS925にてYES)、制御をステップS930に移す。そうでない場合(ステップS925にてNO)、CPU701は、制御をステップS935に移す。
【0108】
ステップS930において、CPU701は、代行したジョブの履歴を記憶部708に保存する。ある局面において、CPU701は、さらに、実行できなかったジョブを記憶部708または外部のサーバー等に保存してもよい。
【0109】
ステップS935において、CPU701は、セカンダリIPアドレスの重複(IPアドレスの衝突)を検出したか否かを判定する。CPU701は、セカンダリIPアドレスの重複を検出したと判定した場合(ステップS935にてYES)、制御をステップS940に移す。そうでない場合(ステップS935にてNO)、CPU701は、制御をステップS925に移す。
【0110】
ある局面において、CPU701は、ステップS935において、他の画像形成装置100または管理サーバー500からジョブの代行の停止要求(セカンダリIPアドレスが割り当てられたNICの無効化要求)を受信したか否かを判定してもよい。この場合、CPU701は、ジョブの代行の停止要求を受信した場合(ステップS935にてYES)、制御をステップS940に移す。そうでない場合(ステップS935にてNO)、CPU701は、制御をステップS925に移す。
【0111】
ステップS940において、CPU701は、セカンダリIPアドレスが割り当てられたNICを無効化する。ステップS945において、CPU701は、代行したジョブの結果リストをセカンダリIPアドレス宛(復旧した他の画像形成装置100宛)に送信する。ある局面において、CPU701は、さらに、実行できなかったジョブをセカンダリIPアドレス宛に送信してもよい。
【0112】
図10は、画像形成装置100における復旧処理の手順の一例を示す図である。図10に示す処理は、例えば、図3における、画像形成装置100Bの復旧処理に相当する。
【0113】
ステップS1010において、CPU701は、セカンダリIPアドレスからジョブの結果リストを受信したか否かを判定する。復旧した画像形成装置100のセカンダリIPアドレスは、ジョブを代行した画像形成装置100のプライマリIPアドレスである。すなわち、本ステップの処理は、復旧した画像形成装置100が、ジョブを代行した画像形成装置100から、代行したジョブの結果リスト(ステップS945にて送信されたジョブの結果リスト)を受信したか否かを判定する処理である。
【0114】
CPU701は、セカンダリIPアドレスからジョブの結果リストを受信したと判定した場合(ステップS1010にてYES)、制御をステップS1020に移す。そうでない場合(ステップS1010にてNO)、CPU701は、制御をステップS1010に移す。
【0115】
ステップS1020において、CPU701は、受信したジョブの結果リストを画像形成装置100の記憶部708内のジョブ履歴に登録する。ある局面において、CPU701は、さらに、ジョブを代行した画像形成装置100から、ジョブを代行した画像形成装置100が実行できなかったジョブのリストを取得してもよい。この場合、CPU701は、ジョブを代行した画像形成装置100が実行できなかったジョブを実行する。
【0116】
以上説明したように、本実施の形態に従う画像形成装置100は、プライマリIPアドレスを割り当てられたNICと、セカンダリIPアドレスを割り当てられたNICとを備える。画像形成装置100に割り当てられたプライマリIPアドレスは、他の画像形成装置100のセカンダリIPアドレスに対応し、画像形成装置100に割り当てられたセカンダリIPアドレスは、他の画像形成装置100のプライマリIPアドレスに対応する。
【0117】
画像形成装置100は、当該構成を備えることにより、他の画像形成装置100がジョブを実行できなくなった場合に、セカンダリIPアドレスを割り当てられたNICを有効化することで、ユーザーに特別な操作を要求することなく、ジョブを代行することができる。
【0118】
今回開示された実施の形態は全ての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本開示の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内で全ての変更が含まれることが意図される。また、実施の形態および各変形例において説明された開示内容は、可能な限り、単独でも、組合わせても、実施することが意図される。
【符号の説明】
【0119】
60 パネル、61 表示部、62 操作部、100 画像形成装置、103 端末、104 ネットワーク、105 原稿読取部、110 自動原稿送り装置、120 イメージスキャナー、125 原稿給紙台、130 原稿排紙台、140 給紙部、150 画像形成部、160 排出トレイ、200 ジョブ、300,400 メッセージ、500 管理サーバー、700 制御部、701 CPU、702 RAM、703 ROM、704 原稿読取回路、705 画像受信回路、706 現像回路、707 定着回路、708 記憶部、709 ファクシミリ回路、710 有線インターフェイス、711 無線インターフェイス、712 ユーザー認証回路。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10