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特許7472721給紙装置の電気コネクターと該給紙装置の上側に設置される画像形成装置の電気コネクターとの接続構造
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  • 特許-給紙装置の電気コネクターと該給紙装置の上側に設置される画像形成装置の電気コネクターとの接続構造 図1
  • 特許-給紙装置の電気コネクターと該給紙装置の上側に設置される画像形成装置の電気コネクターとの接続構造 図2
  • 特許-給紙装置の電気コネクターと該給紙装置の上側に設置される画像形成装置の電気コネクターとの接続構造 図3
  • 特許-給紙装置の電気コネクターと該給紙装置の上側に設置される画像形成装置の電気コネクターとの接続構造 図4
  • 特許-給紙装置の電気コネクターと該給紙装置の上側に設置される画像形成装置の電気コネクターとの接続構造 図5
  • 特許-給紙装置の電気コネクターと該給紙装置の上側に設置される画像形成装置の電気コネクターとの接続構造 図6
  • 特許-給紙装置の電気コネクターと該給紙装置の上側に設置される画像形成装置の電気コネクターとの接続構造 図7
  • 特許-給紙装置の電気コネクターと該給紙装置の上側に設置される画像形成装置の電気コネクターとの接続構造 図8
  • 特許-給紙装置の電気コネクターと該給紙装置の上側に設置される画像形成装置の電気コネクターとの接続構造 図9
  • 特許-給紙装置の電気コネクターと該給紙装置の上側に設置される画像形成装置の電気コネクターとの接続構造 図10
  • 特許-給紙装置の電気コネクターと該給紙装置の上側に設置される画像形成装置の電気コネクターとの接続構造 図11
  • 特許-給紙装置の電気コネクターと該給紙装置の上側に設置される画像形成装置の電気コネクターとの接続構造 図12A
  • 特許-給紙装置の電気コネクターと該給紙装置の上側に設置される画像形成装置の電気コネクターとの接続構造 図12B
  • 特許-給紙装置の電気コネクターと該給紙装置の上側に設置される画像形成装置の電気コネクターとの接続構造 図13
  • 特許-給紙装置の電気コネクターと該給紙装置の上側に設置される画像形成装置の電気コネクターとの接続構造 図14
  • 特許-給紙装置の電気コネクターと該給紙装置の上側に設置される画像形成装置の電気コネクターとの接続構造 図15
  • 特許-給紙装置の電気コネクターと該給紙装置の上側に設置される画像形成装置の電気コネクターとの接続構造 図16
  • 特許-給紙装置の電気コネクターと該給紙装置の上側に設置される画像形成装置の電気コネクターとの接続構造 図17
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-15
(45)【発行日】2024-04-23
(54)【発明の名称】給紙装置の電気コネクターと該給紙装置の上側に設置される画像形成装置の電気コネクターとの接続構造
(51)【国際特許分類】
   G03G 21/16 20060101AFI20240416BHJP
   B41J 29/00 20060101ALI20240416BHJP
【FI】
G03G21/16 152
G03G21/16 120
B41J29/00 C
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2020144062
(22)【出願日】2020-08-28
(65)【公開番号】P2021039343
(43)【公開日】2021-03-11
【審査請求日】2023-07-24
(31)【優先権主張番号】P 2019155839
(32)【優先日】2019-08-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000006150
【氏名又は名称】京セラドキュメントソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100167302
【弁理士】
【氏名又は名称】種村 一幸
(74)【代理人】
【識別番号】100135817
【弁理士】
【氏名又は名称】華山 浩伸
(74)【代理人】
【識別番号】100141298
【弁理士】
【氏名又は名称】今村 文典
(74)【代理人】
【識別番号】100187492
【弁理士】
【氏名又は名称】新保 元啓
(72)【発明者】
【氏名】石井 晃
(72)【発明者】
【氏名】山田 雅之
【審査官】松本 泰典
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-25910(JP,A)
【文献】特開2019-134088(JP,A)
【文献】特開平7-295319(JP,A)
【文献】特開2011-215261(JP,A)
【文献】特開2012-118178(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03G 21/16
B41J 29/00
G03G 15/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
給紙装置の電気コネクターと、該給紙装置の上側に設置される画像形成装置の電気コネクターとの接続構造であって、
上記画像形成装置の電気コネクターは、該画像形成装置の底面から外側に露出して配置され、
上記給紙装置の電気コネクターは、該給紙装置の上面から外側に突出して配置され、
上記給紙装置は、該給紙装置の電気コネクターを保持した状態で該電気コネクターが上記画像形成装置の電気コネクターに接続される接続位置と、該接続位置から離間して該接続が解除された接続解除位置との間で水平移動可能なスライダーを有し、
上記画像形成装置には、ロック用被係合部を有するロック部材が固定され、
上記スライダーには、上記ロック用被係合部に係合可能なロック用係合部が設けられ、
上記スライダーが上記接続位置にある状態では、該スライダーの上記ロック用係合部が上記ロック部材の上記ロック用被係合部に係合することで上記ロック部材と上記スライダーとが上下方向に分離不能にロックされる一方、上記スライダーが上記接続解除位置にある状態では、該スライダーの上記ロック用係合部と上記ロック部材の上記ロック用被係合部との係合が解除されて上記スライダーと上記ロック部材とのロックが解除される、接続構造。
【請求項2】
請求項1記載の接続構造において、
上記スライダーは、手で把持可能な取手部を有していて、該取手部を通じた手動操作により上記接続位置と接続解除位置との間で移動可能に構成されている、接続構造。
【請求項3】
請求項2記載の接続構造において、
上記給紙装置は、上記スライダーを覆うボックス部材を備え、
上記取手部は、上記ボックス部材の外側に突出する使用状態と、上記ボックス部材に収容された折畳み状態とに切替え可能に構成されている、接続構造。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれか一項に記載の接続構造において、
上記ロック部材は、円柱状部と、該円柱状部の周面にその軸心を囲むように形成された上記ロック用被係合部としての溝部とを有し、
上記スライダーは、上下方向に貫通するとともに該スライダーの移動方向に延びる長孔状の貫通孔を有し、
上記貫通孔は、上記スライダーが接続解除位置にある状態では、上記ロック部材が該貫通孔を上下に通過するのを許容する一方、上記スライダーが接続解除位置から接続位置に移動すると、該貫通孔の縁部が上記溝部に係合して上記ロック用係合部として機能するように構成されている、接続構造。
【請求項5】
請求項4に記載の接続構造において、
上記貫通孔は、上記スライダーの移動方向に延びて上記ロック部材の上下方向の移動を許容する大径長孔部と、該大径長孔部の長手方向の一端部に連接されて該大径長孔部よりも小径の小径孔部とを有し、
上記小径孔部の縁部が上記ロック用係合部として機能する、接続構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、給紙装置の電気コネクターと該給紙装置の上側に設置される画像形成装置の電気コネクターとの接続構造に関する。
【背景技術】
【0002】
プリンタや複合機等の画像形成装置では、オプション給紙装置を画像形成装置の側方又は下方に装着する場合がある。オプション給紙装置を画像形成装置の下方に装着する場合、床面上にセットしたオプション給紙装置の上側に画像形成装置を重ねて設置する。その際、画像形成装置の下面に形成された位置決め孔をオプション給紙装置の上面に突設された位置決めピンに係合させることで、画像形成装置に対するオプション給紙装置の位置決めを行うとともに、画像形成装置の底面に突設された電気コネクターと給紙装置の上面に突設された電気コネクターとを嵌合接続させる。
【0003】
しかし、給紙装置の上面に電気コネクターを突設させる構成では、画像形成装置を給紙装置の上側に設置する際に、電気コネクターが画像形成装置と干渉して破損する虞がある。
【0004】
これに対して特許文献1では、給紙装置の電気コネクターを該給紙装置の上面よりも下側に退避させておき、画像形成装置の設置後に手動レバーを操作することで、給紙装置の電気コネクターを上昇させて画像形成装置の電気コネクターに嵌合接続するようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2012-118178号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記特許文献1に示す構成では、オプション給紙装置(給紙装置)の電気コネクターと画像形成装置の電気コネクターとを接続した後、給紙装置と画像形成装置との位置関係がずれて両コネクターの接続が外れないように、給紙装置と画像形成装置とを機械的に固定する作業が必要になる。この固定作業は通常、複数の固定金具を一つずつ螺子で固定することで行われるので、作業者の負担が大きいという問題がある。
【0007】
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、給紙装置とその上側に設置される画像形成装置との間の電気的接続作業及び機械的固定作業を容易に行えるようにすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る接続構造は、給紙装置の電気コネクターと、該給紙装置の上側に設置される画像形成装置の電気コネクターとの接続構造である。
【0009】
そして、上記画像形成装置の電気コネクターは、該画像形成装置の底面から外側に露出して配置され、上記給紙装置の電気コネクターは、該給紙装置の上面から外側に突出して配置され、上記給紙装置は、該給紙装置の電気コネクターを保持した状態で該電気コネクターが画像形成装置の電気コネクターに接続される接続位置と、該接続位置から離間して
該接続が解除された接続解除位置との間で水平移動可能なスライダーを有し、上記画像形成装置には、ロック用被係合部を有するロック部材が固定され、上記スライダーには、上記ロック用被係合部に係合可能なロック用係合部が設けられ、上記スライダーが接続位置にある状態では、該スライダーのロック用係合部が上記ロック部材のロック用被係合部に係合することで上記ロック部材と上記スライダーとが上下方向に分離不能にロックされる一方、上記スライダーが上記接続解除位置にある状態では、該スライダーのロック用係合部と上記ロック部材のロック用被係合部との係合が解除されて上記スライダーと上記ロック部材とのロックが解除される。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、給紙装置とその上側に設置される画像形成装置との間の電気的接続作業及び機械的固定作業を容易に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1図1は、実施形態における接続構造によって互いに電気的に接続された画像形成装置及びオプション給紙装置の内部構造を示す概略図である。
図2図2は、画像形成装置とオプション給紙装置とを分離して示す斜視図ある。
図3図3は、画像形成装置の骨格フレームを示す斜視図である。
図4図4は、オプション給紙装置の骨格フレームを示す斜視図である。
図5図5は、画像形成装置の骨格フレームをオプション給紙装置の骨格フレームの上面に組付けた状態を示す斜視図である。
図6図6は、図5のVI部を拡大して示す拡大斜視図である。
図7図7は、図6のVII-VII線断面図である。
図8図8は、画像形成装置とオプション給紙装置との境界部を後側から見た概略図である。
図9図9は、オプション給紙装置の骨格フレームと、電気コネクターを支持して骨格フレームに組付けられるスライダーとの組付け斜視図である。
図10図10は、電気コネクターを支持したスライダーを示す斜視図である。
図11図11は、スライダーの左側端部を上側から見た平面図である。
図12A図12Aは、制御ボックスに設けられた開閉扉から取手レバーを引出した状態を示す概略斜視図である。
図12B図12Bは、取手レバーが折畳まれて制御ボックス内に収容された状態を示す図12A相当図である。
図13図13は、スライダーのパイプ係合部を拡大して示す拡大平面図である。
図14図14は、スライダーの右側のパイプ係合部に形成されたロック用長孔の縁部が右側のロック部材に係合した状態を示す斜視図である。
図15図15は、スライダーの左側のパイプ係合部に形成されたロック用長孔の縁部が左側のロック部材に係合した状態を示す斜視図である。
図16図16は、ロック部材と該ロック部材が固定された取付ブラケットとの組付け斜視図である。
図17図17は、図14のXVII-XVII線断面図である
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。尚、本発明は、以下の実施形態に限定されるものではない。
【0013】
《実施形態》
図1は、オプション給紙装置20とその上側に設置された画像形成装置1とを示す概略構成図であり、オプション給紙装置20の電気コネクター500と画像形成装置1の電気コネクター600とは本実施形態の接続構造によって接続されている。尚、以下の説明に
おいて、前側、後側、左側及び右側は、画像形成装置1を基準として各図に示す方向軸の定義にしたがうものとする。
【0014】
オプション給紙装置20は下面に四つのキャスター21を有していて床面上に設置され、画像形成装置1はオプション給紙装置20の上側に重ねて設置されている。画像形成装置1は、後述する位置決め構造300によってオプション給紙装置20に対する前後方向及び左右方向の位置決めがなされている。
【0015】
オプション給紙装置20の後側の上面には電気コネクター500が突設され、画像形成装置1の後側の底面から外側に電気コネクター600が露出しており、両電気コネクター500,600が接続されることで画像形成装置1からオプション給紙装置20への給電が可能になっている。
【0016】
[画像形成装置1の構成]
上記画像形成装置1は、例えば胴内排紙型の複写機により構成されていて、画像形成装置本体2と、画像形成装置本体2の上側に設けられた画像読取装置3とを有している。画像読取装置3は、原稿画像を光学的に読み取ってその画像データを生成する。
【0017】
画像形成装置本体2内には、画像読取装置3にて読取った原稿の画像データを基にシートSに画像を転写形成する画像形成部4が設けられている。画像形成部4の下方には、レーザー光を照射する露光装置5が配置され、画像形成部4の上方には、転写ベルト6が配置されている。露光装置5の下方には、給紙装置7が上下に二段に亘って配置されている。下段の給紙装置7の下側には、後述するオプション給紙装置20が配置されている。転写ベルト6の右側の上方には、シートSに転写形成された画像に定着処理を施す定着部8が配置されている。画像形成装置本体2と画像読取装置3との間には、定着部8にて定着処理が施されたシートSを排出する排紙空間Vが設けられている。画像形成装置本体2の上面には、排紙空間Vに排出されたシートSを受け止める排紙トレイ部9が形成されている。
【0018】
画像形成装置本体2内には、各給紙装置7から排紙トレイ部9に向かって延びるシート搬送路T1とオプション給紙装置20からシート搬送路T1に合流するオプション用搬送路T2とが設けられている。給紙装置7は、前側に引き出し可能な給紙カセット7aを有しており、給紙カセット7a内には、シートS(例えば記録紙又はОHPシート等からなる)が束状に重ねた状態で収容されている。各給紙装置7は、ピックアップローラー7bによって最上位のシートSを一枚ずつ分離してシート搬送路T1に供給する。
【0019】
画像形成部4は、イエロー、マゼンタ、シアン、又はブラックに対応する4つの画像形成ユニット10を備えている。各画像形成ユニット10は、感光体ドラム11を有していて、露光装置5によって感光体ドラム11に書込まれた静電潜像を現像器により現像して各色のトナー像として可視化する。画像形成部4は、各画像形成ユニット10の感光体ドラム11に形成された各色のトナー像を転写ベルト6に順次転写して重ね合わせた後、給紙装置7又はオプション給紙装置20から供給されるシートSに転写する。
【0020】
定着部8は、加熱ローラー8aと加圧ローラー8bとを備えている。定着部8は、画像形成部4より供給されるシートSが両ローラー8a,8b間を通過する際に、シートSに担持されたトナー像を加熱及び加圧して該シートSに熱定着させる。定着処理後のシートSは排紙トレイ部9に排出される。
【0021】
画像形成装置本体2におけるシート搬送路T1及びオプション用搬送路T2に隣接する右側面には矩形状の開口部2aが形成されている。この開口部2aは、開閉カバー12に
より開閉可能になっている。上記開閉カバー12は、開口部2aの下側縁に沿って延びる軸部13に対して回動可能に支持されている。開閉カバー12は、この閉塞状態から軸部13を支点として画像形成装置本体2の外側(図1の右側)に回動することで開放される。ユーザーは開閉カバー12を開放することで、シート搬送路T1又はオプション用搬送路T2に詰まったジャム紙を処理可能になっている。
【0022】
[オプション給紙装置20の構成]
オプション給紙装置20は、画像形成装置1の下面に外付けで装着されている。オプション給紙装置20は、下面に四つのキャスター21を有する筐体22を有している。筐体22は、略直方体状に組まれた骨格フレーム200(図4参照)の各面を樹脂製の外装カバーにより覆うことで構成されている。筐体22には、左右方向に並ぶ一対の給紙カセット23,24が前側に引き出し可能に収容されている。各給紙カセット23,24には、シートSが束状に積層されて収容されている。各給紙カセット23,24の最大収容枚数は、画像形成装置1に標準装備された給紙カセット7aの最大収容枚数よりも多く設定されていて、大量印刷が必要な業務用途にも対応している。
【0023】
筐体22の上面の右側端部にはシート排出口22aが形成されている。筐体22内には、各給紙カセット23,24からシート排出口22aに至る第1シート搬送路U1及び第2シート搬送路U2が設けられている。両シート搬送路U1,U2は、シート排出口22aにて合流して画像形成装置1のオプション用搬送路T2に繋がっている。そして、オプション給紙装置20では、各給紙カセット23,24に収容された最上位のシートSをピックアップローラー23a,24aにより一枚ずつ分離して各シート搬送路U1,U2に供給する。各シート搬送路U1,U2に供給されたシートSは、シート排出口22aを通じて画像形成装置本体2内のオプション用搬送路T2に供給される。
【0024】
図2に示すように、オプション給紙装置20は、画像形成装置1から分離可能に構成されている。画像形成装置1は、上述のようにオプション給紙装置20の上面に設置されるが、この設置位置がずれていると、オプション給紙装置20による給紙動作時ジャムが発生したり、オプション給紙装置20の電気コネクター500が画像形成装置1の電気コネクター600に上手く嵌らずに給電不能になる等の不具合が発生する。
【0025】
このような不具合を防止するために、画像形成装置1とオプション給紙装置20とは位置決め構造300(図1参照)によって互いに位置決めされている。
【0026】
この位置決め構造300では、オプション給紙装置20の上面に左右一対のピン部材320を突設して、各ピン部材320を画像形成装置1の下面に形成された位置決め孔122aに係合させることで画像形成装置1の骨格フレーム100とオプション給紙装置20の骨格フレーム200との前後方向及び左右方向の位置関係を規制している。
【0027】
図3に示すように、画像形成装置1の骨格フレーム100は、断面矩形状のパイプ(横梁の一例)を組合わせて構成されている。具体的には、骨格フレーム100は、上端フレーム部110と、下端フレーム部120と、中間フレーム部130とを有している。上端フレーム部110及び下端フレーム部120は共に、左右方向に長い矩形枠状に形成されている。上端フレーム部110の上面は画像読取装置3の載置面を構成している。下端フレーム部120の下面は、オプション給紙装置20の骨格フレーム200との合わせ面を構成している。中間フレーム部130は、複数の横パイプ131と縦パイプ132とを組合わせて立体状に形成されており、上端フレーム部110と下端フレーム部120とは、中間フレーム部130を介して連結している。中間フレーム部130の後側面には、各色の画像形成ユニット10の後端面に当接する板金フレーム133が取付けられている。
【0028】
下端フレーム部120は、前後方向に間隔を空けて配置された前側横パイプ121及び後側横パイプ122と、左右方向に間隔を空けて配置された左側横パイプ123及び右側横パイプ124とを有している。後側横パイプ122の下面には、一対の位置決め孔122a(図1及び図7参照)が左右方向に間隔を空けて形成されている。この位置決め孔122aは、オプション給紙装置20に設けられたピン部材320と係合する。ピン部材320は、位置決め補助部材310と共にオプション給紙装置20の骨格フレーム200(図4参照)に取付けられる。左側横パイプ123及び右側横パイプ124の下面にはそれぞれ、前後方向に間隔を空けて並ぶ一対の防振用パッド125が取付けられている。この防振用パッド125の厚みは、画像形成装置1の下端フレーム部120とオプション給紙装置20の上端フレーム部110との間に形成される隙間よりもやや大きい。
【0029】
図4に示すように、オプション給紙装置20の骨格フレーム200は、上端フレーム部210と、下端フレーム部220と、中間フレーム部230とを有している。上端フレーム部210及び下端フレーム部220は共に、左右方向に長い矩形状に形成されている。上端フレーム部210の上面は、画像形成装置1の骨格フレーム100との合わせ面を構成している。下端フレーム部220の下面には、上記四つのキャスター21が取付けられている。下端フレーム部220には、オプション給紙装置20の左側給紙カセット23及び右側給紙カセット24を前後方向にガイドする三つのレール部材25が取付けられている。下端フレーム部220の後端部には、前後方向に延びる一対の支持パイプ240が接続されており、この一対の支持パイプ240により制御ボックス241(ボックス部材の一例)が支持される。制御ボックス241内には、オプション給紙装置20の動作を制御するための制御基板等が収容されている。
【0030】
中間フレーム部230は、上下方向に延びる四つの縦パイプ231からなり上端フレーム部210の四隅と下端フレーム部220の四隅とを連結している。
【0031】
上端フレーム部210は、左右方向に間隔を空けて配置された左側横パイプ211及び右側横パイプ212と、各横パイプ211,212の前端部同士を連結する補強板金213と、各横パイプ211,212の後端部同士を連結する後側横パイプ214とを有している。
【0032】
後側横パイプ214には、一対のピン部材320がそれぞれ位置決め補助部材310と共に取付けられている。後側横パイプ214には、電気コネクター500を支持するスライダー260が取付けられている。
【0033】
[位置決め補助部材310及びピン部材320の構成]
図5は、上述した画像形成装置1の骨格フレーム100(図3参照)をオプション給紙装置20の骨格フレーム200(図4参照)の上側に組付けた状態を示している。図6は、図5のVI部を拡大して示す拡大図であり、図7図6のVII-VII線断面図である。
【0034】
各図に示すように、位置決め補助部材310は、オプション給紙装置20の骨格フレーム200と画像形成装置1の骨格フレーム100との間に介在して双方に係合している。具体的には、位置決め補助部材310は、左右方向から見て断面H状に形成されている。
【0035】
より詳しくは、位置決め補助部材310は、オプション給紙装置20の後側横パイプ214の上面に載置される載置板部311と、載置板部311の上面側から突出する一対の上側延出部312と、載置板部311の下面側から突出する一対の下側延出部313とを有している。
【0036】
ピン部材320は、第1位置決めピン部321と、該第1位置決めピン部321よりも
小径の第2位置決めピン部322と、両ピン部321,322の境界に形成された座部323とを有している。そして、ピン部材320の第2位置決めピン部322が、位置決め補助部材310の位置決め孔311aとオプション給紙装置20の後側横パイプ214の位置決め孔214aとに嵌合することで、ピン部材320が該後側横パイプ214に位置決め固定されている。また、ピン部材320の第1位置決めピン部321が画像形成装置1の後側横パイプ122に形成された位置決め孔122aに嵌合することで、オプション給紙装置20に対する画像形成装置1の位置決めがなされている。位置決め補助部材310は、作業者が画像形成装置1をオプション給紙装置20の上側に設置する際に、一対の上側延出部312に形成されたガイド面312cによって、画像形成装置1の後側横パイプ122をピン部材320に近付くようにガイドする。そうして、位置決め補助部材310は、オプション給紙装置20に対する画像形成装置1の位置決め作業を補助する機能を有している。
【0037】
[電気コネクター500,600の接続構造の概略]
次に、図8を参照して、オプション給紙装置20の電気コネクター500と画像形成装置1の電気コネクター600との接続構造について説明する。
【0038】
画像形成装置1の電気コネクター600は、上下方向に厚みを有する偏平矩形状を呈している。電気コネクター600は、画像形成装置1の底面に形成された開口部(図示省略)から外側に露出している。電気コネクター600は、画像形成装置1の骨格フレーム100に固定された水平支持板(図示省略)の上面に固定されている。電気コネクター600の差込み口601は、オプション給紙装置20の電気コネクター500の差込み口501と対向するように右側(図8の左側)を向いている。
【0039】
オプション給紙装置20の電気コネクター500は、画像形成装置1の電気コネクター600と同様に、上下方向に厚みを有する偏平矩形状を呈している。電気コネクター500は、オプション給紙装置20の上面に形成された開口部(図示省略)から外側に突出している。電気コネクター500は、その差込み口501が左側(図8の右側)を向く状態でスライダー260に支持されている。
【0040】
スライダー260は、オプション給紙装置20の骨格フレーム200(図4参照)に左右方向にスライド可能に支持されている。より詳しくは、スライダー260は、オプション給紙装置20の電気コネクター500が画像形成装置1の電気コネクター600に接続される接続位置(図8の位置)と、該接続位置から右側(図8の左側)に離間して該接続が解除された接続解除位置との間でスライド可能に構成されている。
【0041】
スライダー260は、後述するように折り畳み式の取手レバー270(取手部の一例)に連結されている。作業者(ユーザーを含む)は、この取手レバー270を水平に展開して左右に押し引きすることでスライダー260を左右方向にスライドさせることができる。
【0042】
画像形成装置1には、スライダー260が接続解除位置から接続位置に到達したときにスライダー260をロックするロック機構150が設けられている。ロック機構150によってオプション給紙装置20に設けられた上記スライダー260がロックされることで、該画像形成装置1とオプション給紙装置20とが上下方向に分離不能に連結されるようになっている。ロック機構150の詳細は後述する。
【0043】
[スライダー260の詳細説明]
図9図11を参照してスライダー260の詳細構成を説明する。図9に示すように、スライダー260は、オプション給紙装置20の上端フレーム部210の一部である後側
横パイプ214に取付けられている。スライダー260は、後側横パイプ214に沿って左右方向に延設されており、スライダー260の左側端部には取手レバー270が折り畳み可能に連結されている。
【0044】
図9及び図10に示すように、スライダー260は、スライダー本体261と、オプション給紙装置20の後側横パイプ214に係合する左右一対のパイプ係合部262と、オプション給紙装置20の電気コネクター500が載置される載置板部263とを有している。
【0045】
スライダー本体261は、上側に開放する断面コ字状の柱状体からなる。スライダー本体261は、左右方向に水平に延びる矩形板状の底壁261a(図11にのみ示す)と、該底壁261aの後側端縁及び前側端縁からそれぞれ起立する前側壁261b及び後側壁261cとを有している。上記載置板部263は、後側壁261cの上端縁の左右方向の中間部から後側に突出している。図11に示すように、スライダー本体261の底壁261aの左側(図11の右側)の端部には、取手レバー270を取付けための矩形切欠部261dが形成されている。上記取手レバー270は、断面矩形状のパイプ部材により構成されていて、スライダー本体261の前側壁261bと後側壁261cとに跨る支持ピン271に回動可能に支持されている。取手レバー270は、支持ピン271を支点に鉛直に垂れ下がった折畳状態(図9及び図10参照)と、支持ピン271を支点とし水平に延びる展開状態とを切替え可能になっている。図12Aに示すように、取手レバー270は、制御ボックス241の外装カバーに設けられた開閉扉242を開くことで開口部241aから展開可能(引出し可能)になっている。取手レバー270は、展開状態では、この開口部241aを通じて制御ボックス241の外側に突出する一方、折り畳み状態では、図12Bに示すように制御ボックス241内に収まるように構成されている。
【0046】
図9及び図10に戻って、一対のパイプ係合部262は、スライダー本体261の前側壁261bに左右方向に間隔を空けて連接されている。各パイプ係合部262は、オプション給紙装置20の後側横パイプ214に上側から係合する断面コ字状に形成されている。具体的には、パイプ係合部262は、後側横パイプ214の後側面に対向する第1鉛直壁262aと、後側横パイプ214の上側面に当接する水平当接壁262bと、後側横パイプ214の前側面に対向する第2鉛直壁262cとを有している。第1鉛直壁262aと第2鉛直壁262cとの間隔は、後側横パイプ214の幅よりも僅かに大きい。
【0047】
各パイプ係合部262の第1鉛直壁262aには、左右方向に延びる取付用長孔262dが形成されている。この取付用長孔262dには、先端部にのみ螺子部が形成されたピン螺子264が貫通している。パイプ係合部262は、後側横パイプ214に対してピン螺子264を介して取外し不能に拘束される。
【0048】
また、パイプ係合部262の水平当接壁262bには、左右方向(スライダー260の移動方向)に延びるロック用長孔262e(貫通孔の一例)が形成されている。ロック用長孔262eには、後述するロック機構150のロック部材152が貫通する。
【0049】
ロック用長孔262eは、図13に示すように、大径長孔部262fと、大径長孔部262fよりも右側(図13の左側)に位置する小径孔部262gと、大径長孔部262fと小径孔部262gとを接続するテーパー部262hとを有している。大径長孔部262fは左右方向に延びる長孔形状を有しており、大径長孔部262fの孔径(幅)D1は、後述するロック部材152の外径よりも大きい。すなわち、大径長孔部262fは、ロック部材152の上下方向の通過を許容するように形成されている。小径孔部262gの孔径D2は後述するロック部材152のロック用溝部152dの直径と略等しい。テーパー部262hは、上側から見てハの字をなす一対の傾斜面により構成されている。該一対の
傾斜面は、左側から右側に向かって互いの間隔が徐々に狭くなるように形成されている。
【0050】
[ロック機構150の詳細説明]
次に、図8及び図14図17を参照してロック機構150の詳細を説明する。ロック機構150は、図8に示すように、左右方向に間隔を空けて配置された一対の取付ブラケット151と、各取付ブラケット151に固定されたロック部材152とを有している。
【0051】
右側のロック部材152は、図14に示すように、右側のパイプ係合部262に形成されたロック用長孔262eを貫通し、左側のロック部材152は、図15に示すように、左側のパイプ係合部262に形成されたロック用長孔262eを貫通している。図14及び図15は共に、スライダー260が上記接続位置(両電気コネクター500,600が接続される位置)にある状態を示しており、この接続位置では、後述するようにロック部材152がスライダー260に対して上下方向に分離不能にロックされる。
【0052】
左右の取付ブラケット151は、画像形成装置1の下端フレーム部120の一部を構成する後側横パイプ122に固定されている。
【0053】
図16に示すように、各取付ブラケット151は、断面L字状の板金部材により構成されている。具体的には、各取付ブラケット151は、画像形成装置1の後側横パイプ122の後側面に当接する鉛直板部151aと、鉛直板部151aの下端縁から前側に水平に突出する水平板部151bとを有している。鉛直板部151aの中央部には、固定用の螺子を挿通するための取付孔151cが形成されている。水平板部151bの中央部には、ロック部材152を圧入固定するための圧入孔151dが形成されている。
【0054】
図17は、図14のXVII-XVII線断面図である。ロック部材152は、円柱状部152aと、円柱状部152aの上面に形成された円板状の圧入部152bと、円柱状部152aの下端に連接されて下側ほど径が小さくなるテーパー部152cと、円柱状部152aの下端部にその軸心を囲むように形成されたロック用溝部152d(ロック用被係合部の一例)とを有している。
【0055】
圧入部152bは、取付ブラケット151の水平板部151bに形成された圧入孔151dに圧入されている。円柱状部152aの上面における圧入部152bの周囲を囲む段差面は水平板部151bの下面に当接している。円柱状部152aの下端部は、後側横パイプ214に形成された貫通孔214bに内挿されている。テーパー部152cは、円柱状部152aの下端部をロック用長孔262eに内挿する際の案内ガイドとして機能する。ロック用溝部152dは上下に対向する一対の溝面152e,152fを有しており、下側の溝面152fは、後側横パイプ214の上面に対して面一に形成されている。
【0056】
そして、スライダー260が接続解除位置から接続位置(図14図15及び図17の位置)に移動したときに、ロック部材152のロック用溝部152dに対して、スライダー260のロック用長孔262eの右側端縁部(小径孔部262gの端縁部)が係合して、ロック部材152とスライダー260とが上下方向に分離不能にロックされる。一方、スライダー260を接続位置から右側にスライドさせて接続解除位置に移動させると、画像形成装置1とオプション給紙装置20との電気的な接続が遮断されるとともに、スライダー260の小径孔部262gと、ロック部材152のロック用溝部152dとの係合が解除されてスライダー260及びロック部材152のロックが解除される。
【0057】
以上説明したように、本実施形態では、スライダー260を接続解除位置から接続位置に移動させることで、画像形成装置1とオプション給紙装置20との電気的な接続を確立できるだけでなく、画像形成装置1とオプション給紙装置20とを機械的に分離不能に固
定することができる。よって、画像形成装置1とオプション給紙装置20との電気的接続作業及び機械的固定作業を同時に行って作業負担を低減することができる。
【0058】
また、スライダー260は、手で把持可能な取手レバー270を有していて、取手レバー270を通じた手動操作により上記接続位置と接続解除位置との間で移動可能に構成されている。
【0059】
この構成によれば、スライダー260を直接で手で掴んで移動させる場合に比べて、スライダー260の移動操作を容易に行うことができる。
【0060】
取手レバー270は、制御ボックス241の外側に突出する使用状態と、制御ボックス241内に収容された折畳み状態とに切替え可能に構成されている。
【0061】
この構成によれば、取手レバー270を使用する必要がない状況では、取手レバー270を折り畳み状態にして制御ボックス241内に収容することができる。よって取手レバー270が制御ボックス241の外側に不必要に露出して見栄えが損なわれるのを防止することができる。
【0062】
また、スライダー260は、上下方向に貫通するロック用長孔262eを有している。スライダー260が接続解除位置にある状態では、ロック部材152がロック用長孔262eの大径長孔部262fに位置するため、ロック部材152は大径長孔部262fを通じて上下方向の移動が許容される。スライダー260が接続解除位置から接続位置に移動すると、ロック用長孔262eの縁部が、ロック部材152のロック用溝部152dに係合してロック用係合部として機能する。
【0063】
この構成によれば、画像形成装置1をオプション給紙装置20の上側に設置する際に、予め、スライダー260を接続解除位置に移動させておくことで、画像形成装置1に固定されたロック部材152が大径長孔部262fを通ってオプション給紙装置20の貫通孔214b(図17参照)に挿通される。よって、画像形成装置1をオプション給紙装置20の上面に設置する際に、ロック部材152がスライダー260と干渉することもない。ロック部材152の先端部が貫通孔214bに挿通された後は、スライダー260を接続位置に移動させるだけで、ロック用長孔262eの縁部をロック部材152のロック用溝部152dに係合させてロック部材152とスライダー260とを分離不能にロックすることができる。
【0064】
また、上記ロック用長孔262eは、上記大径長孔部262fと、該大径長孔部262fの長手方向の一端部に連接された小径孔部262gとを有し、小径孔部262gの縁部がロック用溝部152dに係合してロック用係合部として機能するように構成されている。
【0065】
この構成によれば、ロック用長孔262eのうちロック用溝部152dに係合する部分を小径孔部262gとして大径長孔部262fよりも小径にしたことで、ロック用長孔262e全体を大径長孔部262fで構成した場合に比べて、係合掛かり代を十分に確保してロック部材152とスライダー260とを確実にロックすることができる。
【産業上の利用可能性】
【0066】
以上説明したように、本発明は、給紙装置の電気コネクターと該給紙装置の上側に設置される画像形成装置の電気コネクターとの接続構造について有用であり、特に、プリンタ、ファクシミリー又は複合機(MFP)等の画像形成装置とそのオプション給紙装置との接続構造に有用である。
【符号の説明】
【0067】
1 :画像形成装置
7 :給紙装置
152 :ロック部材
152a :円柱状部
152d :ロック用溝部(ロック用被係合部)
252 :ロック部材
260 :スライダー
262f :大径長孔部
262g :小径孔部(ロック用係合部)
500 :電気コネクター
600 :電気コネクター
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12A
図12B
図13
図14
図15
図16
図17