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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-15
(45)【発行日】2024-04-23
(54)【発明の名称】回転電機及び電機子
(51)【国際特許分類】
   H02K 11/25 20160101AFI20240416BHJP
   H02K 3/38 20060101ALI20240416BHJP
【FI】
H02K11/25
H02K3/38 A
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2020181142
(22)【出願日】2020-10-29
(65)【公開番号】P2022071979
(43)【公開日】2022-05-17
【審査請求日】2023-02-15
(73)【特許権者】
【識別番号】000004260
【氏名又は名称】株式会社デンソー
(74)【代理人】
【識別番号】100121821
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 強
(74)【代理人】
【識別番号】100139480
【弁理士】
【氏名又は名称】日野 京子
(74)【代理人】
【識別番号】100125575
【弁理士】
【氏名又は名称】松田 洋
(74)【代理人】
【識別番号】100175134
【弁理士】
【氏名又は名称】北 裕介
(72)【発明者】
【氏名】岡村 知晋
(72)【発明者】
【氏名】平井 健介
(72)【発明者】
【氏名】倉沢 忠博
【審査官】中島 亮
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-225959(JP,A)
【文献】特開2019-110676(JP,A)
【文献】特開2016-019410(JP,A)
【文献】特開2016-015798(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02K 11/25
H02K 3/30- 3/52
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
3相の電機子巻線(30)がY結線されて巻装される電機子(10)を有する回転電機において、
周方向に離間した前記電機子巻線の巻線端部同士を接続する中性線バスバー(451)と、
前記中性線バスバーに取り付けられ、前記中性線バスバーの温度を検出する温度センサ(80)と、を備え、
前記中性線バスバーは、前記電機子の周方向に延びるバスバー本体(50)と、前記バスバー本体に設けられ、前記巻線端部と接合される複数の接続端子(51U,52U,51V,52V,51W,52W)と、前記温度センサを挟み込んで保持する曲げ部(53)と、を有し、
前記バスバー本体は、離間する第1部位(501)と第2部位(502)とを有し、前記第1部位及び前記第2部位には、それぞれ1又は複数の接続端子が設けられており、
前記第1部位と前記第2部位との間には、前記第1部位と前記第2部位とを電気的に接続する前記曲げ部が設けられており、
前記第1部位において、前記曲げ部との接続箇所(501a)と、前記周方向において前記曲げ部に最も近い接続端子(52V)との間には、前記電機子の軸方向又は前記電機子の径方向に延びる第1延伸部(55)が設けられ、
前記第2部位において、前記曲げ部との接続箇所(502a)と、前記周方向において前記曲げ部に最も近い接続端子(51W)との間には、前記電機子の軸方向又は前記電機子の径方向に延びる第2延伸部(56)が設けられており、
前記曲げ部は、前記温度センサを挟持する挟持面(53d)が前記軸方向に対して垂直になるように設けられている回転電機。
【請求項2】
前記曲げ部は、前記バスバー本体に対して前記径方向に突出し、前記軸方向に折り返されて設けられ、
前記軸方向において前記曲げ部の開口端部のうち第1の開口端部(53a)は、前記第1部位の周方向端部に接続され、前記開口端部のうち第2の開口端部(53b)は、前記第2部位の周方向端部に接続され、
前記中性線バスバー及び前記温度センサは、樹脂部材(60)により覆われることにより、一体化され、
前記樹脂部材は、前記曲げ部と前記温度センサとを押さえるための押圧部材(91,92)に対応し、前記軸方向における前記曲げ部の外面を露出させる貫通孔(62,63)が形成されており、
前記第1部位の周方向端部は、前記第2延伸部と周方向に対向し、
前記貫通孔のうち前記第1の開口端部側の外面を露出させる前記貫通孔(62)は、前記第1部位の周方向端部と前記第2延伸部との間において、前記第1部位の周方向端部よりも前記第2延伸部の側にはみ出すように、設けられている請求項1に記載の回転電機。
【請求項3】
3相の電機子巻線(30)がY結線されて巻装される電機子(10)を有する回転電機において、
周方向に離間した前記電機子巻線の巻線端部同士を接続する中性線バスバー(451)と、
前記中性線バスバーに取り付けられ、前記中性線バスバーの温度を検出する温度センサ(80)と、を備え、
前記中性線バスバーは、前記電機子の周方向に延びるバスバー本体(50)と、前記バスバー本体に設けられ、前記巻線端部と接合される複数の接続端子(51U,52U,51V,52V,51W,52W)と、前記温度センサを挟み込んで保持する曲げ部(53)と、を有し、
前記バスバー本体は、離間する第1部位(501)と第2部位(502)とを有し、前記第1部位及び前記第2部位には、それぞれ1又は複数の接続端子が設けられており、
前記第1部位と前記第2部位との間には、前記第1部位と前記第2部位とを電気的に接続する前記曲げ部が設けられており、
前記第1部位において、前記曲げ部との接続箇所(501a)と、前記周方向において前記曲げ部に最も近い接続端子(52V)との間には、前記電機子の軸方向又は前記電機子の径方向に延びる第1延伸部(55)が設けられ、
前記第2部位において、前記曲げ部との接続箇所(502a)と、前記周方向において前記曲げ部に最も近い接続端子(51W)との間には、前記電機子の軸方向又は前記電機子の径方向に延びる第2延伸部(56)が設けられており、
前記曲げ部は、前記バスバー本体に対して前記径方向に突出し、前記軸方向に折り返されて設けられ、
前記軸方向において前記曲げ部の開口端部のうち第1の開口端部(53a)は、前記第1部位の周方向端部に接続され、前記開口端部のうち第2の開口端部(53b)は、前記第2部位の周方向端部に接続され、
前記中性線バスバー及び前記温度センサは、樹脂部材(60)により覆われることにより、一体化され、
前記樹脂部材は、前記曲げ部と前記温度センサとを押さえるための押圧部材(91,92)に対応し、前記軸方向における前記曲げ部の外面を露出させる貫通孔(62,63)が形成されており、
前記第1部位の周方向端部は、前記第2延伸部と周方向に対向し、
前記貫通孔のうち前記第1の開口端部側の外面を露出させる前記貫通孔(62)は、前記第1部位の周方向端部と前記第2延伸部との間において、前記第1部位の周方向端部よりも前記第2延伸部の側にはみ出すように、設けられている回転電機。
【請求項4】
前記中性線バスバー及び前記温度センサは、樹脂部材により覆われることにより、一体化されており、
前記樹脂部材には、鉤状に形成され、前記温度センサの導線を引っ掛けることが可能な留め具(61)が設けられている請求項1~3のうちいずれか1項に記載の回転電機。
【請求項5】
3相の電機子巻線(30)がY結線されて巻装される電機子(10)を有する回転電機において、
周方向に離間した前記電機子巻線の巻線端部同士を接続する中性線バスバー(451)と、
前記中性線バスバーに取り付けられ、前記中性線バスバーの温度を検出する温度センサ(80)と、を備え、
前記中性線バスバーは、前記電機子の周方向に延びるバスバー本体(50)と、前記バスバー本体に設けられ、前記巻線端部と接合される複数の接続端子(51U,52U,51V,52V,51W,52W)と、前記温度センサを挟み込んで保持する曲げ部(53)と、を有し、
前記バスバー本体は、離間する第1部位(501)と第2部位(502)とを有し、前記第1部位及び前記第2部位には、それぞれ1又は複数の接続端子が設けられており、
前記第1部位と前記第2部位との間には、前記第1部位と前記第2部位とを電気的に接続する前記曲げ部が設けられており、
前記第1部位において、前記曲げ部との接続箇所(501a)と、前記周方向において前記曲げ部に最も近い接続端子(52V)との間には、前記電機子の軸方向又は前記電機子の径方向に延びる第1延伸部(55)が設けられ、
前記第2部位において、前記曲げ部との接続箇所(502a)と、前記周方向において前記曲げ部に最も近い接続端子(51W)との間には、前記電機子の軸方向又は前記電機子の径方向に延びる第2延伸部(56)が設けられており、
前記中性線バスバー及び前記温度センサは、樹脂部材により覆われることにより、一体化されており、
前記樹脂部材には、鉤状に形成され、前記温度センサの導線を引っ掛けることが可能な留め具(61)が設けられている回転電機。
【請求項6】
前記留め具は、樹脂製であり、前記樹脂部材に一体化されており、
前記留め具のうち、前記導線の接触面は、平面又は曲面により形成されている請求項4又は5に記載の回転電機。
【請求項7】
3相の電機子巻線(30)がY結線されて巻装される電機子(10)において、
周方向に離間した前記電機子巻線の巻線端部同士を接続する中性線バスバー(451)と、
前記中性線バスバーに取り付けられ、前記中性線バスバーの温度を検出する温度センサ(80)と、を備え、
前記中性線バスバーは、前記電機子の周方向に延びるバスバー本体(50)と、前記バスバー本体に設けられ、前記巻線端部と接合される複数の接続端子(51U,52U,51V,52V,51W,52W)と、前記温度センサを挟み込んで保持する曲げ部(53)と、を有し、
前記バスバー本体は、離間する第1部位(501)と第2部位(502)とを有し、前記第1部位及び前記第2部位には、それぞれ1又は複数の接続端子が設けられており、
前記第1部位と前記第2部位との間には、前記第1部位と前記第2部位とを電気的に接続する前記曲げ部が設けられており、
前記第1部位において、前記曲げ部との接続箇所(501a)と、前記周方向において前記曲げ部に最も近い接続端子(52V)との間には、前記電機子の軸方向又は前記電機子の径方向に延びる第1延伸部(55)が設けられ、
前記第2部位において、前記曲げ部との接続箇所(502a)と、前記周方向において前記曲げ部に最も近い接続端子(51W)との間には、前記電機子の軸方向又は前記電機子の径方向に延びる第2延伸部(56)が設けられており、
前記曲げ部は、前記温度センサを挟持する挟持面(53d)が前記軸方向に対して垂直になるように設けられている電機子。
【請求項8】
3相の電機子巻線(30)がY結線されて巻装される電機子(10)において、
周方向に離間した前記電機子巻線の巻線端部同士を接続する中性線バスバー(451)と、
前記中性線バスバーに取り付けられ、前記中性線バスバーの温度を検出する温度センサ(80)と、を備え、
前記中性線バスバーは、前記電機子の周方向に延びるバスバー本体(50)と、前記バスバー本体に設けられ、前記巻線端部と接合される複数の接続端子(51U,52U,51V,52V,51W,52W)と、前記温度センサを挟み込んで保持する曲げ部(53)と、を有し、
前記バスバー本体は、離間する第1部位(501)と第2部位(502)とを有し、前記第1部位及び前記第2部位には、それぞれ1又は複数の接続端子が設けられており、
前記第1部位と前記第2部位との間には、前記第1部位と前記第2部位とを電気的に接続する前記曲げ部が設けられており、
前記第1部位において、前記曲げ部との接続箇所(501a)と、前記周方向において前記曲げ部に最も近い接続端子(52V)との間には、前記電機子の軸方向又は前記電機子の径方向に延びる第1延伸部(55)が設けられ、
前記第2部位において、前記曲げ部との接続箇所(502a)と、前記周方向において前記曲げ部に最も近い接続端子(51W)との間には、前記電機子の軸方向又は前記電機子の径方向に延びる第2延伸部(56)が設けられており、
前記曲げ部は、前記バスバー本体に対して前記径方向に突出し、前記軸方向に折り返されて設けられ、
前記軸方向において前記曲げ部の開口端部のうち第1の開口端部(53a)は、前記第1部位の周方向端部に接続され、前記開口端部のうち第2の開口端部(53b)は、前記第2部位の周方向端部に接続され、
前記中性線バスバー及び前記温度センサは、樹脂部材(60)により覆われることにより、一体化され、
前記樹脂部材は、前記曲げ部と前記温度センサとを押さえるための押圧部材(91,92)に対応し、前記軸方向における前記曲げ部の外面を露出させる貫通孔(62,63)が形成されており、
前記第1部位の周方向端部は、前記第2延伸部と周方向に対向し、
前記貫通孔のうち前記第1の開口端部側の外面を露出させる前記貫通孔(62)は、前記第1部位の周方向端部と前記第2延伸部との間において、前記第1部位の周方向端部よりも前記第2延伸部の側にはみ出すように、設けられている電機子。
【請求項9】
3相の電機子巻線(30)がY結線されて巻装される電機子(10)において、
周方向に離間した前記電機子巻線の巻線端部同士を接続する中性線バスバー(451)と、
前記中性線バスバーに取り付けられ、前記中性線バスバーの温度を検出する温度センサ(80)と、を備え、
前記中性線バスバーは、前記電機子の周方向に延びるバスバー本体(50)と、前記バスバー本体に設けられ、前記巻線端部と接合される複数の接続端子(51U,52U,51V,52V,51W,52W)と、前記温度センサを挟み込んで保持する曲げ部(53)と、を有し、
前記バスバー本体は、離間する第1部位(501)と第2部位(502)とを有し、前記第1部位及び前記第2部位には、それぞれ1又は複数の接続端子が設けられており、
前記第1部位と前記第2部位との間には、前記第1部位と前記第2部位とを電気的に接続する前記曲げ部が設けられており、
前記第1部位において、前記曲げ部との接続箇所(501a)と、前記周方向において前記曲げ部に最も近い接続端子(52V)との間には、前記電機子の軸方向又は前記電機子の径方向に延びる第1延伸部(55)が設けられ、
前記第2部位において、前記曲げ部との接続箇所(502a)と、前記周方向において前記曲げ部に最も近い接続端子(51W)との間には、前記電機子の軸方向又は前記電機子の径方向に延びる第2延伸部(56)が設けられており、
前記中性線バスバー及び前記温度センサは、樹脂部材により覆われることにより、一体化されており、
前記樹脂部材には、鉤状に形成され、前記温度センサの導線を引っ掛けることが可能な留め具(61)が設けられている電機子。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、回転電機及び電機子に関する。
【背景技術】
【0002】
回転電機は、多相の電機子巻線が電機子コアに巻装された電機子を有する。この電機子巻線をY結線する場合、中性線バスバーを介して、中性点を接続するものが知られている(例えば、特許文献1,2)。特許文献1,2では、この中性線バスバーに温度センサを固定し、当該温度センサを介して、コイル温度を検出するようにしている。
【0003】
特許文献1の中性線バスバーでは、バスバー本体に、ステータ内周側にU字形状に折り返された曲げ部を有しており、当該曲げ部に温度センサを挟み込んで保持している。また、特許文献2の中性線バスバーも同様に、バスバー本体を折り返された曲げ部に温度センサを固定する。なお、特許文献2の中性線バスバーにおいては、樹脂成型する際に、押圧部材により、曲げ部と温度センサを押さえて確実に中性線バスバーに温度センサを接触させるようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2019-110676号公報
【文献】特許第5996917号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、曲げ部は、中性線バスバーにおいて、複数の接続端子の間におけるバスバー本体を曲げて設けられている。そして、中性線バスバーの接続端子は、通常、巻線端部との接合位置に合わせてその位置が調整される。このため、上記のように、接続端子の間のバスバー本体を曲げて曲げ部を設けた場合、周方向両側の各接続端子が位置調整されることにより、曲げ部にその歪みが生じる場合があった。すなわち、曲げ部の開口部分が広がり、温度センサを中性線バスバーに当接させることができず、また、温度センサの位置を固定することが困難となる場合があった。
【0006】
なお、特許文献2においても、樹脂成型後に、押圧部材は取り除かれ、その状態で接続端子の位置調整が行われることが通常であるため、同様の問題が生じうる。
【0007】
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、温度センサを中性線バスバーに適切に保持しつつ、中性線バスバーの接続端子の位置調整を容易に行うことができる回転電機及び電機子を提供することを主たる目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するための第1の手段は、3相の電機子巻線がY結線されて巻装される電機子を有する回転電機において、周方向に離間した前記電機子巻線の巻線端部同士を接続する中性線バスバーと、前記中性線バスバーに取り付けられ、前記中性線バスバーの温度を検出する温度センサと、を備え、前記中性線バスバーは、前記電機子の周方向に延びるバスバー本体と、前記バスバー本体に設けられ、前記巻線端部と接合される複数の接続端子と、前記温度センサを挟み込んで保持する曲げ部と、を有し、前記バスバー本体は、離間する第1部位と第2部位とを有し、前記第1部位及び前記第2部位には、それぞれ1又は複数の接続端子が設けられており、前記第1部位と前記第2部位との間には、前記第1部位と前記第2部位とを電気的に接続する前記曲げ部が設けられており、前記第1部位において、前記曲げ部との接続箇所と、前記周方向において前記曲げ部に最も近い接続端子との間には、前記電機子の軸方向又は前記電機子の径方向に延びる第1延伸部が設けられ、前記第2部位において、前記曲げ部との接続箇所と、前記周方向において前記曲げ部に最も近い接続端子との間には、前記電機子の軸方向又は前記電機子の径方向に延びる第2延伸部が設けられている。
【0009】
第1部位において、曲げ部との接続箇所と、周方向において前記曲げ部に最も近い接続端子との間には、軸方向又は径方向に延びる第1延伸部が設けられ、第2部位において、曲げ部との接続箇所と、周方向において曲げ部に最も近い接続端子との間には、軸方向又は径方向に延びる第2延伸部が設けられている。このため、接続端子と巻線端部とを接合するために、接続端子の位置を調整する際、第1部位及び第2部位のうち、接続端子が設けられている側の部分をわずかに変形させても、その変形に基づく歪みは、延伸部により吸収される。つまり、延伸部が、歪みの緩衝部材となり、接続端子の位置調整の影響を抑制し、曲げ部が変形し、それに伴い温度センサの位置がずれたり、温度センサとうまく接触できなくなったりすることを防止できる。よって、温度センサの温度検出精度が低下することを抑制できる。
【0010】
第2の手段は、第1の手段において、前記曲げ部は、前記温度センサを挟持する挟持面が前記軸方向に対して垂直になるように設けられている。
【0011】
これにより、温度センサを、曲げ部により面接触させることができ、温度センサの軸方向における位置決めが容易に行うことができる。
【0012】
第3の手段は、第1又は第2の手段において、前記曲げ部は、前記バスバー本体に対して前記径方向に突出し、前記軸方向に折り返されて設けられ、前記軸方向において前記曲げ部の開口端部のうち第1の開口端部は、前記第1部位の周方向端部に接続され、前記開口端部のうち第2の開口端部は、前記第2部位の周方向端部に接続され、前記中性線バスバー及び前記温度センサは、樹脂部材により覆われることにより、一体化され、前記樹脂部材は、前記曲げ部と前記温度センサとを押さえるための押圧部材に対応し、前記軸方向における前記曲げ部の外面を露出させる貫通孔が形成されており、前記第1部位の周方向端部は、前記第2延伸部と周方向に対向し、前記貫通孔のうち前記第1の開口端部側の外面を露出させる前記貫通孔は、前記第1部位の周方向端部と前記第2延伸部との間において、前記第1部位の周方向端部よりも前記第2延伸部の側にはみ出すように、設けられている。
【0013】
曲げ部は、バスバー本体に対して径方向に突出し、軸方向に折り返されて設けられているため、径方向内側及び周方向に開口する。このため、周方向又は径方向において温度センサの取付角度を調整することができ、取付を容易に行うことができる。
【0014】
また、樹脂部材には、曲げ部と温度センサとを押さえるための押圧部材に対応する貫通孔が設けられている。つまり、温度センサ及び曲げ部を押圧部材で押さえつけた状態で、樹脂部材で中性線バスバー及び温度センサが覆われる。このため、温度センサの位置を設計通りの位置に配置することができ、かつ、曲げ部と温度センサとが接触するように、しっかりと押さえつけることができる。
【0015】
さらに、貫通孔のうち第1の開口端部側の外面を露出させる貫通孔は、第1部位の周方向端部と第2延伸部との間において、第1部位の周方向端部よりも第2延伸部の側にはみ出すように、設けられている。つまり、第1の開口端部側の外面を露出させる貫通孔に対応する押圧部材は、第1部位の周方向端部と第2延伸部との間において、第1部位の周方向端部よりも第2延伸部の側にはみ出すように、設けられている。このため、樹脂成型を行う際、押圧部材により、第2延伸部が第1部位に接触し、第1部材と第2部材との間で、電流が曲げ部を通過せずに、短絡してしまうことを防止できる。これにより、曲げ部を通って、第1部材と第2部材との間で電流を流すことができ、温度センサによる中性線バスバーの温度検出精度が低下することを抑制できる。
【0016】
第4の手段は、第1~第3のうちいずれかの手段において、前記中性線バスバー及び前記温度センサは、樹脂部材により覆われることにより、一体化されており、前記樹脂部材には、鉤状に形成され、前記温度センサの導線を引っ掛けることが可能な留め具が設けられている。
【0017】
導線を留め具に引っ掛けることが可能なため、温度センサの導線を接続する前に、バスバーユニットを移動させる際、バスバーユニットから導線が垂れ下がり、邪魔となることを防止することができる。
【0018】
第5の手段は、第4の手段において、前記留め具は、樹脂製であり、前記樹脂部材に一体化されており、前記留め具のうち、前記導線の接触面は、平面又は曲面により形成されている。
【0019】
留め具のうち、導線の接触面を、平面又は曲面により形成することにより、接触面に凹凸がなくなり、すなわち、アンダーカットがなくなり、樹脂成型を容易に行うことができる。
【0020】
第6の手段は、3相の電機子巻線がY結線されて巻装される電機子において、周方向に離間した前記電機子巻線の巻線端部同士を接続する中性線バスバーと、前記中性線バスバーに取り付けられ、前記中性線バスバーの温度を検出する温度センサと、を備え、前記中性線バスバーは、前記電機子の周方向に延びるバスバー本体と、前記バスバー本体に設けられ、前記巻線端部と接合される複数の接続端子と、前記温度センサを挟み込んで保持する曲げ部と、を有し、前記バスバー本体は、離間する第1部位と第2部位とを有し、前記第1部位及び前記第2部位には、それぞれ1又は複数の接続端子が設けられており、前記第1部位と前記第2部位との間には、前記第1部位と前記第2部位とを電気的に接続する前記曲げ部が設けられており、前記第1部位において、前記曲げ部との接続箇所と、前記周方向において前記曲げ部に最も近い接続端子との間には、前記電機子の軸方向又は前記電機子の径方向に延びる第1延伸部が設けられ、前記第2部位において、前記曲げ部との接続箇所と、前記周方向において前記曲げ部に最も近い接続端子との間には、前記電機子の軸方向又は前記電機子の径方向に延びる第2延伸部が設けられている電機子。
【0021】
上記構成により、接続端子と巻線端部とを接合するために、接続端子の位置を調整する際、第1部位及び第2部位のうち、接続端子が設けられている側の部分をわずかに変形させても、その変形に基づく歪みは、延伸部により吸収される。つまり、延伸部が、歪みの緩衝部材となり、接続端子の位置調整の影響を抑制し、曲げ部が変形し、それに伴い温度センサの位置がずれたり、温度センサとうまく接触できなくなったりすることを防止できる。よって、温度センサの温度検出精度が低下することを抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】固定子の平面図。
図2】固定子鉄心の平面図。
図3】固定子巻線の結線を示す図。
図4】バスバーの積層状態を示す斜視図。
図5】バスバーユニットの斜視図。
図6】第1の中性線バスバーを示す斜視図。
図7】温度センサの取付態様を示す斜視図。
図8】バスバーユニット及び押圧部材の斜視図。
図9】バスバーユニットの一部を示す平面図。
図10】バスバーユニットの一部を示す斜視図。
図11】第1の中性線バスバーの一部を示す斜視図。
図12】上側貫通孔を示す斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明に係る回転電機の実施形態を図面に基づいて説明する。なお、以下の実施形態及び変形例相互において、互いに同一もしくは均等である部分には、図中、同一符号を付しており、同一符号の部分についてはその説明を援用する。この実施形態の回転電機としてのモータは、車両用電動機として用いられる。
【0024】
本実施形態のモータは、永久磁石界磁型のものであり、具体的には3相巻線を有する永久磁石界磁型同期機である。モータは、図1に示す電機子としての円筒形状の固定子10や、回転子(図示略)など、を備える。本実施形態において、回転子は、周知の構成でよく、例えば、IPM型(Interior Permanent Magnet:埋め込み磁石型)の回転子であっても、SPM型(Surface Permanent Magnet:表面磁石側)の回転子であってもよい。また、回転子として、界磁巻線側の回転子を採用してもよい。回転子は、固定子10に対して、回転軸を中心にして回転可能に配置されている。
【0025】
以下、本実施形態において、軸方向とは、固定子10の軸方向、つまり、回転子の回転軸の軸方向のことを示す(図において矢印Y1で示す)。径方向とは、固定子10の径方向、つまり、回転子の回転軸の径方向のことを示す(図において矢印Y2で示す)。周方向とは、固定子10の周方向、つまり、回転子の回転軸の周方向のことを示す(図において矢印Y3で示す)。
【0026】
図1及び図2に示すように、固定子10は、円環状をなし、回転子の外周側において径方向に対向して配置される電機子コアとしての固定子鉄心20(ステータコア)と、固定子鉄心20に巻装された電機子巻線としての固定子巻線30(ステータコイル)と、固定子巻線30の巻線端部を接続する接続部材としてのバスバーユニット40と、を有している。
【0027】
図2に示すように、固定子鉄心20は、円環状のバックヨーク(バックコア)21と、バックヨーク21から径方向内側へ突出し周方向に所定距離を隔てて配列された複数のティース22とを有し、隣り合うティース22の間にスロット23(ステータスロット)が形成されている。固定子鉄心20においてスロット23は周方向に等間隔に設けられ、そのスロット23に固定子巻線30が巻装される。
【0028】
次に、固定子巻線30について説明する。固定子巻線30は、略矩形断面(平角断面)の一定太さの電気導体を略U字状に成形した分割導体としての導体セグメント35を、スロット23に挿入し、それらの端部を接続して構成されている。なお、導体セグメント35の端部を接続して、固定子巻線30を構成することは、周知であるため、詳細な説明を省略する。
【0029】
このように構成されることにより、本実施形態では、図3に示すように、U相、V相、W相の各相の固定子巻線30U,30V,30Wが形成される。各相の固定子巻線30U,30V,30Wは、それぞれ4つの部分巻線31U~34U,31V~34V,31W~34Wが並列に接続(4パラレル)されることにより、構成されている。そして、各相の固定子巻線30U,30V,30Wは、Y結線(スター結線)されている。
【0030】
この固定子巻線30は、図示しないインバータ等の電力交換器を介して、組電池などの電源に接続されており、電源から電力(交流電力)が供給されることで磁束を発生する。固定子巻線30において、インバータなどに接続されている動力線は、バスバーユニット40を介して各相の固定子巻線30U,30V,30Wに接続されている。同様に、固定子巻線30は、バスバーユニット40を介してY結線されている。
【0031】
次に、バスバーユニット40について詳しく説明する。図4に示すように、バスバーユニット40は、同相の巻線端部同士を接続する各相バスバー40U,40V,40Wと、固定子巻線30の中性線(中性点)を形成する中性線バスバー45と、を有する。そして、図5に示すように、バスバーユニット40は、各相バスバー40U,40V,40Wと、中性線バスバー45と、が積層された状態で全体が樹脂部材60により覆われ、一体化されて構成されている。
【0032】
そして、図1に示すように、バスバーユニット40は、固定子鉄心20に対して、複数の固定部材100(ピンなど)を介して固定されている。その際、バスバーユニット40は、固定子鉄心20の軸方向における一方側に配置される。そして、バスバーユニット40は、固定子巻線30の径方向外側においてバックヨーク21の径方向の寸法範囲内であって、かつ、コイルエンドの軸方向の寸法範囲内に配置される。コイルエンドとは、固定子巻線30のうち、固定子鉄心20から軸方向に突出する部分のことである。
【0033】
次に、各相バスバー40U,40V,40Wについて説明する。各相バスバー40U,40V,40Wは、断面矩形状の平角線により形成されており、長辺同士が対向するように、軸方向に積層されている。つまり、最も面積が広い主面同士が対向するように、各相バスバー40U,40V,40Wは、軸方向に積層されている。各相バスバー40U,40V,40Wは、軸方向にそれぞれ所定距離離間しており、その間に樹脂部材60を介在させて、絶縁状態で積層されている。
【0034】
本実施形態において、各相バスバー40U,40V,40Wのうち、V相バスバー40Vが軸方向において最も固定子鉄心20の側に近い位置に配置されており、U相バスバー40Uが軸方向において最も固定子鉄心20の側に遠い位置に配置されている。そして、W相バスバー40Wは、軸方向においてV相バスバー40VとU相バスバー40Uとの間に配置されている。このため、各相バスバー40U,40V,40Wの関係性において、V相バスバー40Vは、下層に配置され、W相バスバー40Wは、中間層に配置され、U相バスバー40Uは、上層に配置される。
【0035】
次に、V相バスバー40Vについて説明する。V相バスバー40Vは、軸方向から見た場合、円弧状に形成されており、その周方向端部は、周方向においてほぼ180度の角度で離間している。V相バスバー40Vの周方向端部には、V相の部分巻線31V~34Vの巻線端部に対して、それぞれ接続される接続端子41V~44Vが設けられている。4つの接続端子41V~44Vのうち、周方向両端のうち一端側には、2つの接続端子41V,42Vが設けられ、他端側には、残りの2つの接続端子43V,44Vが設けられている。つまり、接続端子41V,42Vは、接続端子43V,44Vに対して周方向において180度の角度で離間している。なお、接続端子41Vと接続端子42Vとの間の角度は、スロット23の角度に相当する。接続端子43Vと接続端子44Vとの間の角度も同様である。
【0036】
各接続端子41V~44Vは、V相バスバー40Vの外周に設けられている。そして、各接続端子41V~44Vは、V相バスバー40Vの外周から、軸方向において固定子鉄心20とは反対側に延びるように形成されている。より詳しくは、各接続端子41V~44Vは、V相バスバー40Vの外周から、径方向外側に突出した後、軸方向に屈曲している。各接続端子41V~44Vの先端部分は、細くなっており、図1に示すように、この先端部分に巻線端部がそれぞれ溶接などにより接続(接合)されている。また、V相バスバー40Vは、周方向において対称に形成されている。
【0037】
次に、W相バスバー40Wについて説明する。W相バスバー40Wは、軸方向から見た場合、円弧状に形成されており、その周方向端部は、周方向においてほぼ180度の角度で離間している。W相バスバー40Wの周方向端部には、W相の部分巻線31W~34Wの巻線端部に対して、それぞれ接続される接続端子41W~44Wが設けられている。接続端子41W~44Wは、接続端子41V~44Vと同様に設けられている。
【0038】
また、W相バスバー40Wは、周方向においてV相バスバー40Vに対して、反時計回り方向に所定角度αずらして、V相バスバー40Vの軸方向の上側(固定子鉄心20とは反対側)に積層されている。このため、W相バスバー40Wの周方向両端のうち一端側は、V相バスバー40Vと重ならないようになっている。つまり、周方向両端のうち一端側は、W相バスバー40WがV相バスバー40Vよりも反時計回り方向へ所定角度αだけ突出しており、他端側は、V相バスバー40VがW相バスバー40Wよりも時計回り方向へ所定角度αだけ突出している。
【0039】
次に、U相バスバー40Uについて説明する。U相バスバー40Uは、軸方向から見た場合、円弧状に形成されており、その周方向端部は、周方向においてほぼ180度の角度で離間している。U相バスバー40Uの周方向端部には、U相の部分巻線31U~34Uの巻線端部に対して、それぞれ接続される接続端子41U~44Uが設けられている。接続端子41U~44Uは、接続端子41W~44W,41V~44Vと同様に設けられている。
【0040】
また、U相バスバー40Uは、周方向においてW相バスバー40Wに対して、時計回り方向に所定角度α×2だけずらして、W相バスバー40Wの軸方向の上側(固定子鉄心20とは反対側)に積層されている。つまり、U相バスバー40Uは、V相バスバー40Vに対して、時計回り方向に所定角度αずらして、配置されている。
【0041】
次に中性線バスバー45について説明する。中性線バスバー45は、1対設けられており、それぞれ円弧状に形成されている。中性線バスバー45は、各相バスバー40U,40V,40Wよりも短く、例えば、周方向において所定角度α×2程度の大きさである。
【0042】
中性線バスバー45は、周方向に分かれて配置されており、それぞれ各相バスバー40U,40V,40Wに対して軸方向において上側に積層されている。中性線バスバー45のうち第1の中性線バスバー451は、周方向において、各相バスバー40U,40V,40Wよりも少しだけ突出するように配置されている。より詳しくは、第1の中性線バスバー451は、周方向一端側において各相バスバー40U,40V,40Wのうち最も突出するW相バスバー40Wよりも周方向に決められた角度だけずらして配置されている。そして、中性線バスバー45のうち第2の中性線バスバー452は、回転中心を中心として、周方向において第1の中性線バスバー451の反対側、つまり、180度ずれた位置に配置されている。
【0043】
次に第1の中性線バスバー451について詳しく説明する。図6に示すように、第1の中性線バスバー451は、周方向に延びるバスバー本体50と、バスバー本体50に設けられ、巻線端部と接合される複数の接続端子51U,52U,51V,52V,51W,52Wと、温度センサ80を挟み込んで保持する曲げ部53と、を有する。なお、図3に示すように、第1の中性線バスバー451に接続される部分巻線31U,32U,31V,32V,31W,32Wの巻線端部とは、各相バスバー40U,40V,40Wに接続される巻線端部とは反対側の端部である。
【0044】
バスバー本体50は、周方向に離間する第1部位501と第2部位502とを有する。第1部位501と第2部位502は、それぞれ周方向に沿って略円弧状に形成されているとともに、径方向に扁平となる平角線により構成されている。
【0045】
バスバー本体50の第1部位501には、接続端子51U,52U,51V,52V,51W,52Wのうち、U相の固定子巻線30Uの巻線端部が接続される2つの接続端子51U,52Uと、V相の固定子巻線30Vの巻線端部が接続される2つの接続端子51V,52Vが設けられている。図4及び図6に示すように、接続端子51U,52U,51V,52Vは、周方向において、バスバーユニット40の周方向端部側から、接続端子52V→接続端子51V→接続端子52U→接続端子51Uの順番で設けられている。
【0046】
各接続端子51U,52U,51V,52Vは、図4及び図6に示すように、各相毎に対となるように、周方向において所定角度αを空けて、設けられている。各接続端子51U,52U,51V,52Vは、第1部位501の内周に設けられている。そして、各接続端子51U,52U,51V,52Vは、第1部位501の内周から、軸方向において固定子鉄心20とは反対側に延びるように形成されている。より詳しくは、各接続端子51U,52U,51V,52Vは、第1部位501の内周から、径方向内側に突出した後、軸方向に屈曲している。各接続端子51U,52U,51V,52Vの先端部分に巻線端部がそれぞれ溶接などにより接続(接合)されている。
【0047】
第1部位501は、径方向においてW相バスバー40Wの接続端子41W,42Wと重なる箇所がある。このため、当該接続端子41W,42Wとの絶縁を確実にする必要がある。そこで、第1部位501において、接続端子41W,42Wが配置される箇所には、接続端子41W,42Wを逃すように、径方向内側に凹む凹部54aが設けられている。
【0048】
同様に、第1部位501は、径方向においてV相バスバー40Vの接続端子41V,42Vと重なる箇所がある。このため、当該接続端子41V,42Vとの絶縁を確実にする必要がある。そこで、第1部位501において、接続端子41V,42Vと重なる箇所には、接続端子41V,42Vを逃すように、径方向内側に凹む凹部54bが設けられている。
【0049】
また、第1部位501において、周方向において第2部位502の側となる端部501aと、接続端子51U,52U,51V,52Vのうち第2部位502に最も近い接続端子52Vとの間には、軸方向に延びる第1延伸部55が設けられている。この第1延伸部55により、第1部位501の端部501aは、接続端子51U,52U,51V,52Vが設けられた接続部分501bに対して、軸方向において下側(固定子鉄心20の側)にずれている。
【0050】
具体的には、図4に示すように、第1の中性線バスバー451が各相バスバー40U,40V,40Wに積層された際、第1部位501の端部501aが、中間層となるW相バスバー40Wと同じ高さとなる程度に、第1延伸部55の軸方向における長さ寸法が設定されている。
【0051】
図6に示すように、バスバー本体50の第2部位502には、W相の固定子巻線30Wの巻線端部が接続される2つの接続端子51W,52Wが設けられている。接続端子51W,52Wは、周方向において、バスバーユニット40の周方向端部側から、接続端子52W→接続端子51Wの順番で設けられている。各接続端子51W,52Wの構成は、接続端子51U,52U,51V,52Vと同様である。
【0052】
また、第2部位502において、周方向において第1部位501の側となる端部502aと、接続端子51W,52Wのうち第1部位501に最も近い接続端子51Wとの間には、軸方向に延びる第2延伸部56が設けられている。この第2延伸部56により、第2部位502の端部502aは、接続端子51W,52Wが設けられた接続部分502bに対して、軸方向において下側(固定子鉄心20の側)にずれている。
【0053】
具体的には、図4に示すように、第1の中性線バスバー451が各相バスバー40U,40V,40Wに積層された際、第2部位502の端部502aが、下層となるV相バスバー40Vと同じ高さとなる程度に、第2延伸部56の軸方向における長さ寸法が設定されている。
【0054】
曲げ部53は、バスバー本体50の外周側に設けられており、バスバー本体50に対して径方向外側に突出している。具体的には、曲げ部53は、軸方向(図6において破線の矢印方向)に折り返されて略U字形状に設けられており、その開口端部53a,53bが、第1部位501の周方向端部501a及び第2部位502の周方向端部502aにそれぞれ接続されている。
【0055】
なお、曲げ部53の開口端部53a,53bは、径方向において内側の部分であり、曲げ部53の底部53cが、径方向において外側の部分であるものとする。つまり、軸方向において曲げ部53の開口端部53a,53bのうち上側に位置する第1の開口端部53aは、第1部位501の周方向端部501aの外周側に接続されている。また、軸方向において曲げ部53の開口端部53a,53bのうち下側(固定子鉄心20の側)に位置する第2の開口端部53bは、第2部位502の周方向端部502aの外周側に接続されている。
【0056】
なお、前述したように、第1部位501の端部501a及び第2部位502の端部502aは、延伸部55,56により、接続部分501b,502bに対して軸方向にずれている。このため、曲げ部53も同様に、延伸部55,56により、接続部分501b,502bに対して軸方向にずれていることとなる。具体的には、図4に召すように、軸方向において、曲げ部53は、中間層のW相バスバー40Wと下層のV相バスバー40Vとの間に配置されることとなる。
【0057】
以上説明したように、曲げ部53は、第1部位501と第2部位502との間に設けられ、第1部位501と第2部位502とを電気的に接続していることとなる。つまり、固定子巻線30U,30Vから接続端子51U,52U,51V,52Vへ入出力される電流は、第1部位501の接続部分501b→第1延伸部55→第1部位501の端部501a→曲げ部53→第2部位502の端部502a→第2延伸部56→第2部位502の接続部分502b→接続端子51W,52Wと流れ、固定子巻線30Wに入出力されることとなる。
【0058】
また、第1延伸部55は、第1部位501における曲げ部53との接続箇所(端部501a)と、周方向において曲げ部53に最も近い接続端子52Vとの間に、設けられているともいえる。また、第2延伸部56は、第2部位502における曲げ部53との接続箇所(端部502a)と、周方向において曲げ部53に最も近い接続端子51Wとの間に、設けられているともいえる。
【0059】
そして、図7に示すように、曲げ部53は、軸方向両側から、温度センサ80を挟み込むようにして、温度センサ80を固定している。このため、曲げ部53は、温度センサ80を挟持する挟持面53dが軸方向に対して垂直になるように設けられているといえる。温度センサ80は、周方向において曲げ部53の側方から挿入されている。具体的には、温度センサ80は、バスバーユニット40の端部側から中央側に向かって差し込まれるように、曲げ部53に挿入されている。
【0060】
次に第2の中性線バスバー452について説明する。第2の中性線バスバー452には、第1の中性線バスバー451と同様に、部分巻線33U,34U,33V,34V,33W,34Wの巻線端部と接続される6つの接続端子53U,54U,53V,54V,53W,54Wが設けられている。なお、図3に示すように、第2の中性線バスバー452に接続される部分巻線33U,34U,33V,34V,33W,34Wの巻線端部とは、各相バスバー40U,40V,40Wに接続される巻線端部とは反対側の端部である。
【0061】
図4に示すように、各接続端子53U,54U,53V,54V,53W,54Wは、各接続端子51U,52U,51V,52V,51W,52Wと同様にして設けられている。そして、第2の中性線バスバー452は、第1の中性線バスバー451の各接続端子51U,52U,51V,52V,51W,52Wに対して、回転中心を中心として各接続端子53U,54U,53V,54V,53W,54Wが対称となるように、第1の中性線バスバー451から周方向に離れて配置されている。
【0062】
また、第2の中性線バスバー452は、径方向において、W相バスバー40Wの接続端子43W,44Wと重なる箇所がある。このため、当該接続端子43W,44Wとの絶縁を確実にする必要がある。そこで、第2の中性線バスバー452において、接続端子43W,44Wと重なる箇所には、接続端子43W,44Wを逃すように、径方向内側に凹む凹部54cが設けられている。
【0063】
同様に、第2の中性線バスバー452は、径方向において、V相バスバー40Vの接続端子43V,44Vと重なる箇所がある。このため、当該接続端子43V,44Vとの絶縁を確実にする必要がある。そこで、第2の中性線バスバー452において、接続端子43V,44Vと重なる箇所には、接続端子43V,44Vを逃すように、径方向内側に凹む凹部54dが設けられている。
【0064】
そして、中性線バスバー45及び各相バスバー40U,40V,40Wが積層された状態で全体が樹脂部材60により覆われることにより、これらが一体化されて、バスバーユニット40が構成されている。図5に示すように、樹脂部材60は、各バスバー40U,40V,40W,45を覆う際、それらの接続端子41U~44U,41V~44V,41W~44W,51U~54U,51V~54V,51W~54Wを覆わないようにしている。つまり、各接続端子41U~44U,41V~44V,41W~44W,51U~54U,51V~54V,51W~54Wは、樹脂部材60から径方向内側又は外側に突出し、その露出した状態で軸方向に沿って延びるように設けられている。
【0065】
樹脂部材60は、周方向において、各バスバー40U,40V,40W,45を覆うように、円弧状に設けられている。樹脂部材60は、各バスバー40U,40V,40W,45を覆う際、軸方向において各バスバー40U,40V,40W,45の間を埋めるように、樹脂を介在させている。これにより、軸方向において、各バスバー40U,40V,40W,45の間の距離を一定に保ち、絶縁を行うようになっている。
【0066】
また、樹脂部材60は、図8に示すように、第1の中性線バスバー451の曲げ部53の間に、温度センサ80を挟持している状態で第1の中性線バスバー451とともに温度センサ80の少なくとも一部を樹脂で覆って一体化させている。
【0067】
また、樹脂部材60の周方向両端には、鉤状に形成され、温度センサ80の導線81を引っ掛けることが可能な留め具としてのフック61がそれぞれ設けられている。このフック61は、樹脂製であり、樹脂成型される際、樹脂部材60の一部として設けられている。つまり、樹脂部材60に一体化されている。また、図8及び図9に示すように、フック61は、軸方向において上方に向かって鉤状となるように形成されており、弾性変形させて、導線81を挟み込ませるように構成されている。また、フック61のうち、導線81の接触面(内側の面)は、略J字状に形成されている。つまり、導線81の接触面は、平面又は曲面により形成されており、導線81と係合するような凹凸が形成されていない。なお、フック61は、L字状に形成されていてもよく、突起のみであってもよい。
【0068】
また、図8図10に示すように、樹脂部材60において、曲げ部53を覆っている箇所には、樹脂部材60を軸方向に貫通する貫通孔62,63が設けられている。図8は、バスバーユニット40を、軸方向上側(固定子鉄心20とは反対側)から見た場合における斜視図である。図9は、バスバーユニット40の周方向端部を、軸方向上側(固定子鉄心20とは反対側)から見た場合における平面図であり、図10は、バスバーユニット40の周方向端部を、軸方向下側(固定子鉄心20の側)から見た場合における斜視図である。
【0069】
図9に示すように、貫通孔62,63のうち、上側貫通孔62は、軸方向において樹脂部材60の上側に設けられており、当該上側貫通孔62を介して曲げ部53の軸方向の上面(外側の上面)が露出するようになっている。図10に示すように、貫通孔62,63のうち、下側貫通孔63は、軸方向において樹脂部材60の下側に設けられており、当該下側貫通孔63を介して曲げ部53の軸方向の下面(外側の下面)が露出するようになっている。
【0070】
この貫通孔62,63の形成方法について説明する。第1の中性線バスバー451を樹脂で覆う際、前述したように、温度センサ80を曲げ部53に取り付けたまま、金型内に配置して、樹脂成型を行う。樹脂成型を行う際、一般的には、高圧の樹脂が射出されるため、第1の中性線バスバー451が撓んで、若しくは揺れて曲げ部53が歪む場合がある。この場合、曲げ部53の保持力が弱くなって、曲げ部53によって挟持された温度センサ80の配置がずれてしまう可能性や、曲げ部53と温度センサ80との接触が不十分になる可能性がある。
【0071】
そこで、金型内において、曲げ部53の上面及び下面を軸方向両側から略円柱形状の押圧部材91,92(図8図10参照)により押圧した状態で、樹脂成型を行う。これにより、樹脂成型時に、曲げ部53に温度センサ80を確実に挟持させ、温度センサ80の配置がずれてしまうことや、曲げ部53と温度センサ80との接触が不十分になることを抑制することができる。そして、樹脂形成が完了した後、押圧部材91,92を抜き取ることにより、樹脂部材60には、曲げ部53と温度センサ80とを押さえるための押圧部材91,92に対応し、軸方向における曲げ部53の外面を露出させる貫通孔62,63がそれぞれ形成されることとなる。
【0072】
なお、押圧部材91,92のうち、第1の押圧部材91が、曲げ部53の上面を押圧するものである。また、押圧部材91,92のうち、第2の押圧部材92が、曲げ部53の下面を押圧するものである。
【0073】
ところで、図11に示すように、第1部位501の端部501aは、周方向において第2延伸部56に対して、離間した状態で対向している。ただし、その離間距離は、かなり短いものである。このため、樹脂成型時において、樹脂の射出圧により、第1の中性線バスバー451が歪んで、第1部位501の端部501aと第2延伸部56とが接触した状態で、樹脂成型されてしまう虞がある。第1部位501の端部501aと第2延伸部56とが接触すると、接触箇所で短絡が生じ、第1部位501の端部501aから、曲げ部53を介さずに、第2延伸部56を介して第2部位502に電流が流れてしまう。この場合、温度センサ80を電流経路に配置することができず、コイル温度の検出精度が低下してしまう。
【0074】
そこで、第1の開口端部53a側の上面の押圧する第1の押圧部材91は、第1部位501の端部501aと第2延伸部56との間において、第1部位501の端部501aよりも第2延伸部56の側にはみ出すように、その形状及び押圧位置が定められている。これにより、樹脂成型時において、第1の中性線バスバー451が歪んで、第2延伸部56が第1部位501の端部501aに近づいたとしても、第1の押圧部材91が干渉して、第1部位501の端部501aと第2延伸部56とが接触することを防止できる。
【0075】
これにより、図12に示すように、第1の押圧部材91に対応し、第1の開口端部53a側の外面(上面)を露出させる上側貫通孔62は、次のような形状となる。すなわち、上側貫通孔62は、第1部位501の周方向端部501aと第2延伸部56との間において、第1部位501の周方向端部501aよりも第2延伸部56の側にはみ出す(破線で示す)ように、設けられていることとなる。
【0076】
上記実施形態によれば、以下の優れた効果を有する。
【0077】
従来において、中性線バスバーには、固定子巻線の温度(コイル温度)を検出するために、温度センサが取り付けられている。コイル温度は、固定子巻線への電流制御や、熱による不良を防止するために用いられるため、精度が要求されている。このため、温度センサは、中性線バスバーにおいて電流が流れる経路上に設置されることが望ましい。つまり、異なる相の接続端子の間に、温度センサが配置されることが望ましい。また、温度センサと中性線バスバーとの接触を確実にして、固定するため、従来から、中性線バスバーを折り曲げた曲げ部に温度センサを取り付けることが一般的であった。
【0078】
しかしながら、中性線バスバーの各接続端子は、固定子巻線に接続される際に、径方向や周方向における位置が調整されるものである。そして、各接続端子の位置が調整されると、その歪みが曲げ部に伝わり、曲げ部が広がって、温度センサの固定が緩くなり、ずれてしまう場合や中性線バスバーとの接触が十分でなくなってしまう虞があった。
【0079】
そこで、本実施形態では、第1の中性線バスバー451の第1部位501において、曲げ部53との接続箇所(端部501a)と、曲げ部53に最も近い接続端子52Vとの間に、軸方向に延びる第1延伸部55を設けた。また、第2部位502において、曲げ部53との接続箇所(端部502a)と、曲げ部53に最も近い接続端子51Wとの間に、軸方向に延びる第2延伸部56を設けた。このため、第1部位501及び第2部位502のうち、各接続端子51U~54U,51V~54V,51W~54Wが設けられている側の接続部分501b,502bをわずかに変形させても、その変形に基づく歪みは、第1延伸部55及び第2延伸部56により吸収される。
【0080】
このため、各接続端子51U~54U,51V~54V,51W~54Wと巻線端部とを接合するために、各接続端子51U~54U,51V~54V,51W~54Wの位置を調整する際、曲げ部53が変形することを抑制できる。つまり、第1延伸部55及び第2延伸部56が、歪みの緩衝部材となり、各接続端子51U~54U,51V~54V,51W~54Wの位置調整の影響を抑制し、曲げ部53が変形し、それに伴い温度センサ80の位置がずれたり、温度センサ80とうまく接触できなくなったりすることを防止できる。よって、温度センサ80の温度検出精度が低下することを抑制できる。
【0081】
曲げ部53は、温度センサ80を挟持する挟持面53dが軸方向に対して垂直になるように設けられている。これにより、温度センサ80を、曲げ部53により面接触させることができ、温度センサ80の軸方向における位置決めが容易に行うことができる。
【0082】
曲げ部53は、バスバー本体50に対して径方向に突出し、軸方向にU字形状に折り返されて設けられているため、径方向内側及び周方向に開口する。このため、周方向又は径方向において温度センサ80の取付角度を調整することができ、取付を容易に行うことができる。
【0083】
また、樹脂部材60には、曲げ部53と温度センサ80とを押さえるための押圧部材91,92に対応する貫通孔62,63が設けられている。このため、温度センサ80及び曲げ部53を押圧部材91,92で押さえつけた状態で、樹脂部材60で第1の中性線バスバー451及び温度センサ80を覆うことができる。したがって、温度センサ80の位置を設計通りの位置に配置することができ、かつ、曲げ部53と温度センサ80とが確実に接触するように、しっかりと押さえつけることができる。
【0084】
さらに、貫通孔62,63のうち曲げ部53の第1の開口端部53a側の外面を露出させる上側貫通孔62は、第1部位501の端部501aと第2延伸部56との間において、第1部位501の端部501aよりも第2延伸部56の側にはみ出すように、設けられている。つまり、上側貫通孔62に対応する第1の押圧部材91は、第1部位501の端部501aと第2延伸部56との間において、第1部位501の端部501aよりも第2延伸部56の側にはみ出すように、設けられている。
【0085】
このため、樹脂成型を行う際、第1の押圧部材91により、第2延伸部56が第1部位501に接触し、第1部位501と第2部位502との間で、電流が曲げ部53を通過せずに、短絡してしまうことを防止できる。これにより、曲げ部53を通って、第1部位501と第2部位502との間で電流を流すことができ、温度センサ80による中性線バスバー45の温度検出精度が低下することを抑制できる。
【0086】
樹脂部材60には、鉤状に形成され、温度センサ80の導線81を引っ掛けることが可能なフック61が設けられている。これにより、温度センサ80の導線81を接続する前に、バスバーユニット40を移動(搬送)させる際、バスバーユニット40から導線81が垂れ下がり、組み立ての邪魔となることを防止することができる。
【0087】
フック61のうち、導線81の接触面は、平面又は曲面により形成されている。このため、接触面に凹凸がなくなり、すなわち、アンダーカットがなくなり、樹脂成型を容易に行うことができる。
【0088】
第1部位501の端部501a及び第2部位502の端部502aは、軸方向において、積層された各相バスバー40U,40V,40Wの寸法範囲内に配置されるように、各延伸部55,56の長さ寸法が設定されている。つまり、第1部位501の端部501aは、軸方向において、中間層のW相バスバー40Wの高さと同程度となるように、第1延伸部55の軸方向における長さ寸法が設定されている。また、第2部位502の端部502aは、軸方向において、下層のV相バスバー40Vの高さと同程度となるように、第2延伸部56の軸方向における長さ寸法が設定されている。また、第1延伸部55及び第2延伸部56は、ともに軸方向に沿って真っすぐに伸びており、径方向に延びていない。これにより、バスバーユニット40の軸方向及び径方向における長さ寸法を抑制することができる。
【0089】
(変形例)
上記実施形態において、その構成の一部を変更してもよい。以下、上記実施形態の変形例について説明する。
【0090】
・上記実施形態では、バスバーユニット40に、中性線バスバー45を含ませて、各相バスバー40U,40V,40Wと一体化していたが、一体化しなくてもよい。
【0091】
・上記実施形態において、中性線バスバー45、及び各相バスバー40U,40V,40Wが積層される順序は、任意に変更してもよい。また、周方向においてずらして配置されていたが、ずらさなくてもよい。
【0092】
・上記実施形態において、中性線バスバー45は、径方向に扁平となる平角線であったが、その断面形状は任意に変更してもよい。軸方向に扁平となる平角線であってもよいし、円形や楕円形状であってもよい。
【0093】
・上記実施形態において、延伸部55,56は、径方向に延びていてもよい。
【0094】
・上記実施形態において、曲げ部53は、径方向内側に突出するように設けられていてもよい。
【0095】
・上記実施形態において、延伸部55,56の軸方向における長さ寸法を任意に変更してもよい。また、曲げ部53が、軸方向において各相バスバー40U,40V,40Wよりも下側(固定子鉄心20の側)に配置されていてもよい。また、延伸部55,56は、接続部分501b,502bから軸方向上側に延びるように形成されていてもよい。また、曲げ部53が、軸方向において各相バスバー40U,40V,40Wの上側(固定子鉄心20の反対側)に配置されていてもよい。
【0096】
・上記実施形態において、第1部位501に、凹部54a,54bが設けられていなくてもよい。
【0097】
・上記実施形態において、曲げ部53は、軸方向に折り曲げられるように構成されていたが、径方向に折り曲げられるように構成されていてもよい。
【0098】
・上記実施形態において、樹脂成型時に、押圧部材91,92により曲げ部53の外面を押圧しなくてもよい。これに伴い、樹脂部材60に、貫通孔62,63が設けられていなくてもよい。
【0099】
・上記実施形態において、第1の押圧部材91は、任意に形状を変形してもよい。例えば、第1の押圧部材91は、第1部位501の端部501aと第2延伸部56との間において、第1部位501の端部501aよりも第2延伸部56の側にはみ出すように、設けられていなくてもよい。これに伴い、上側貫通孔62も、第1部位501の端部501aと第2延伸部56との間において、第1部位501の端部501aよりも第2延伸部56の側にはみ出すように、設けられていなくてもよい。
【0100】
上記実施形態において、導線81を引っ掛けるフック61は、その数や配置を任意に変更してもよい。また、フック61を設けなくてもよい。
【0101】
・上記実施形態において、回転電機としてのモータは、車両用電動機として用いられるが、車両用に限定する必要はなく、例えば、航空機の電動機など、他の用途に利用される電動機として用いられてもよい。
【符号の説明】
【0102】
10…固定子、30…固定子巻線、50…バスバー本体、51U~54U,51V~54V,51W~54W…接続端子、53…曲げ部、55…第1延伸部、56…第2延伸部、80…温度センサ、451…第1の中性線バスバー、501…第1部位、502…第2部位。
図1
図2
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図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12