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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-15
(45)【発行日】2024-04-23
(54)【発明の名称】スクロール型圧縮機
(51)【国際特許分類】
   F04C 29/02 20060101AFI20240416BHJP
【FI】
F04C29/02 311E
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2021011311
(22)【出願日】2021-01-27
(65)【公開番号】P2022114854
(43)【公開日】2022-08-08
【審査請求日】2023-04-14
(73)【特許権者】
【識別番号】000003218
【氏名又は名称】株式会社豊田自動織機
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】山本 詩織
(72)【発明者】
【氏名】山下 拓郎
(72)【発明者】
【氏名】神野 敬太
(72)【発明者】
【氏名】服部 友哉
(72)【発明者】
【氏名】前田 拓巳
【審査官】岸 智章
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2017/0058900(US,A1)
【文献】国際公開第2007/001034(WO,A1)
【文献】特開2006-144604(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F04C 29/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハウジングと、
前記ハウジングに回転可能に支持される回転軸と、
中央に吐出ポートが形成される固定基板、前記固定基板から起立する固定渦巻壁、及び前記固定基板から起立するとともに前記固定渦巻壁を囲繞する外周壁を有する固定スクロールと、
前記固定基板に対向する旋回基板、及び前記旋回基板から起立して前記固定渦巻壁と噛み合う旋回渦巻壁を有するとともに前記回転軸の回転に伴い公転する旋回スクロールと、
前記固定渦巻壁と前記旋回渦巻壁との間に区画形成される圧縮室と、
前記外周壁に形成される吸入ポートと、
前記外周壁の内側に形成されるとともに前記吸入ポートと連通する吸入室と、
前記ハウジング内に区画されて前記吐出ポートと連通するとともに前記圧縮室で圧縮された冷媒が吐出される吐出室と、
前記吐出室に吐出された前記冷媒から分離されたオイルが貯留される貯油室と、
前記固定スクロールに形成されるオイル供給口と、を備えているスクロール型圧縮機であって、
前記固定スクロールは、前記オイル供給口と同じ位置もしくは前記オイル供給口よりも前記回転軸の径方向外側に溝を有し、
前記溝は、前記旋回スクロールの公転に応じて、前記旋回基板によって少なくとも一部が閉塞され、
前記オイル供給口と前記溝とは、前記貯油室内のオイルを前記吸入室に供給するオイル供給通路の一部をなし、
前記吸入ポートは、前記吐出ポートを挟んで一対あり、
前記一対の吸入ポートの一方は、前記吐出ポートに対して重力方向の上側に位置する第1吸入ポートであり、前記一対の吸入ポートの他方は、前記吐出ポートに対して重力方向の下側に位置する第2吸入ポートであり、
前記固定スクロールは、前記固定渦巻壁と前記外周壁とを接続する接続部を有し、
前記接続部は、前記旋回スクロールの公転により前記旋回基板が間欠的に摺接する摺接面を有し、
前記溝は、前記摺接面に形成されるとともに前記吸入室と連通しており、
前記オイル供給口からのオイルは、前記第1吸入ポートに向かうように前記溝を経由して前記吸入室へ流入するとともに、前記第2吸入ポートに向かうように前記摺接面を伝って前記吸入室へ流入することを特徴とするスクロール型圧縮機。
【請求項2】
前記溝は、前記接続部における前記外周壁の周方向で前記第1吸入ポート側に位置する部分から前記第2吸入ポートに向かうように前記外周壁に沿って延びており、
前記溝における前記第2吸入ポート側の端部は閉塞しており、前記溝における前記第1吸入ポート側の端部は、前記接続部における前記外周壁の周方向で前記第1吸入ポート側に位置する部分に開口していることを特徴とする請求項1に記載のスクロール型圧縮機。
【請求項3】
前記オイル供給口は、前記摺接面における前記溝に対して前記回転軸の径方向内側で隣り合う部分に開口していることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のスクロール型圧縮機。
【請求項4】
前記オイル供給口は、前記旋回スクロールの公転により前記旋回基板によって開閉されることを特徴とする請求項3に記載のスクロール型圧縮機。
【請求項5】
前記オイル供給口は、前記溝の底面に開口していることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のスクロール型圧縮機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スクロール型圧縮機に関する。
【背景技術】
【0002】
スクロール型圧縮機は、ハウジングと、回転軸と、固定スクロールと、旋回スクロールと、を備えている。回転軸は、ハウジングに回転可能に支持されている。固定スクロールは、固定基板、固定渦巻壁、及び外周壁を有している。固定基板には、中央に吐出ポートが形成されている。固定渦巻壁は、固定基板から起立している。外周壁は、固定基板から起立するとともに固定渦巻壁を囲繞している。旋回スクロールは、旋回基板、及び旋回渦巻壁を有している。旋回基板は、固定基板に対向している。旋回渦巻壁は、旋回基板から起立して固定渦巻壁と噛み合っている。そして、旋回スクロールは、回転軸の回転に伴い公転する。
【0003】
固定渦巻壁と旋回渦巻壁との間には、圧縮室が区画形成されている。また、外周壁には、吸入ポートが形成されている。さらに、外周壁の内側には、吸入ポートと連通する吸入室が形成されている。また、ハウジング内には、吐出ポートと連通する吐出室が区画されている。吐出室には、圧縮室で圧縮された冷媒が吐出される。また、スクロール型圧縮機は、例えば特許文献1に開示されているように、吐出室に吐出された冷媒から分離されたオイルが貯留される貯油室と、貯油室内のオイルを吸入室に供給するオイル供給通路と、を備えている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2020-165362号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、このようなスクロール型圧縮機においては、オイル供給通路からのオイル流量が、圧縮機構の運転状況などによって変化することから不安定であり、固定スクロールと旋回スクロールとの間で部分的に潤滑不良が生じる虞がある。特に、吸入ポートが吐出ポートを挟んで一対ある場合では、一対の吸入ポートの双方に対して均等にオイル供給され難い場合に潤滑不良が生じ易い。よって、固定スクロールと旋回スクロールとの間の潤滑性を全体的に良好なものとするために、オイル供給通路からのオイルを、圧縮機構内において吸入室と連通された貯油空間に一時的に貯留することが望まれる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するスクロール型圧縮機は、ハウジングと、前記ハウジングに回転可能に支持される回転軸と、中央に吐出ポートが形成される固定基板、前記固定基板から起立する固定渦巻壁、及び前記固定基板から起立するとともに前記固定渦巻壁を囲繞する外周壁を有する固定スクロールと、前記固定基板に対向する旋回基板、及び前記旋回基板から起立して前記固定渦巻壁と噛み合う旋回渦巻壁を有するとともに前記回転軸の回転に伴い公転する旋回スクロールと、前記固定渦巻壁と前記旋回渦巻壁との間に区画形成される圧縮室と、前記外周壁に形成される吸入ポートと、前記外周壁の内側に形成されるとともに前記吸入ポートと連通する吸入室と、前記ハウジング内に区画されて前記吐出ポートと連通するとともに前記圧縮室で圧縮された冷媒が吐出される吐出室と、前記吐出室に吐出された前記冷媒から分離されたオイルが貯留される貯油室と、前記固定スクロールに形成されるオイル供給口と、を備えているスクロール型圧縮機であって、前記固定スクロールは、前記オイル供給口と同じ位置もしくは前記オイル供給口よりも前記回転軸の径方向外側に溝を有し、前記溝は、前記旋回スクロールの公転に応じて、前記旋回基板によって少なくとも一部が閉塞され、前記オイル供給口と前記溝とは、前記貯油室内のオイルを前記吸入室に供給するオイル供給通路の一部をなす。
【0007】
これによれば、オイル供給口からのオイルが、溝と旋回基板とで形成された空間内に一時的に貯留可能となるため、吸入室に供給するオイル流量を安定化させることができ、固定スクロールと旋回スクロールとの間の潤滑性を良好なものとすることができる。
【0008】
上記スクロール型圧縮機において、前記吸入ポートは、前記吐出ポートを挟んで一対あり、前記一対の吸入ポートの一方は、前記吐出ポートに対して重力方向の上側に位置する第1吸入ポートであり、前記一対の吸入ポートの他方は、前記吐出ポートに対して重力方向の下側に位置する第2吸入ポートであり、前記固定スクロールは、前記固定渦巻壁と前記外周壁とを接続する接続部を有し、前記接続部は、前記旋回スクロールの公転により前記旋回基板が間欠的に摺接する摺接面を有し、前記溝は、前記摺接面に形成されるとともに前記吸入室と連通しており、前記オイル供給口からのオイルは、前記第1吸入ポートに向かうように前記吸入室へ流入するとともに、前記第2吸入ポートに向かうように前記摺接面を伝って前記吸入室へ流入するとよい。
【0009】
これによれば、オイル供給口からのオイルが、第1吸入ポートに向かうように溝を経由して吸入室へ流入するとともに、第2吸入ポートに向かうように摺接面を伝って吸入室へ流入する。したがって、固定スクロールと旋回スクロールとの間で部分的に潤滑不良が生じてしまうことが抑制されるため、固定スクロールと旋回スクロールとの間の潤滑性をさらに良好なものとすることができる。
【0010】
上記スクロール型圧縮機において、前記オイル供給口は、前記摺接面における前記溝に対して前記回転軸の径方向内側で隣り合う部分に開口しているとよい。
これによれば、オイル供給口からのオイルが摺接面に流れ出るため、オイル供給通路からのオイルを、第2吸入ポートに向かうように摺接面を伝って吸入室へ流入し易くすることができる。
【0011】
上記スクロール型圧縮機において、前記オイル供給口は、前記旋回スクロールの公転により前記旋回基板によって開閉されるとよい。
これによれば、オイル供給口が、旋回スクロールの公転により旋回基板によって閉塞される際に、オイル供給口から摺接面に流れ出たオイルが、溝に向けて押し出される。したがって、オイル供給口からのオイルを、第1吸入ポートに向かうように溝を経由して吸入室へ流入し易くすることができる。
【0012】
上記スクロール型圧縮機において、前記オイル供給口は、前記溝の底面に開口しているとよい。
これによれば、オイル供給口からのオイルが溝内に流れ出るため、オイル供給通路からのオイルを、第1吸入ポートに向かうように溝を経由して吸入室へ流入し易くすることができる。
【発明の効果】
【0013】
この発明によれば、固定スクロールと旋回スクロールとの間の潤滑性を良好なものとすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】実施形態におけるスクロール型圧縮機を示す側断面図。
図2】固定スクロールの斜視図。
図3】固定スクロール及び旋回スクロールを示す断面図。
図4】固定スクロール及び旋回スクロールを示す断面図。
図5】固定スクロール及び旋回スクロールを示す断面図。
図6】固定スクロール及び旋回スクロールを示す断面図。
図7】別の実施形態における固定スクロール及び旋回スクロールを示す断面図。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、スクロール型圧縮機を具体化した一実施形態を図1図6にしたがって説明する。本実施形態のスクロール型圧縮機は、例えば、車両空調装置に用いられる。
図1に示すように、スクロール型圧縮機10は、筒状のハウジング11を備えている。ハウジング11は、モータハウジング12と、軸支ハウジング13と、吐出ハウジング14と、を有している。モータハウジング12、軸支ハウジング13、及び吐出ハウジング14は金属材料製であり、例えば、アルミニウム製である。また、スクロール型圧縮機10は、ハウジング11内に収容される回転軸15を備えている。
【0016】
モータハウジング12は、円板状の端壁12aと、端壁12aの外周縁から円筒状に延在する周壁12bと、を有する有底筒状である。周壁12bの軸線方向は、回転軸15の軸線方向に一致している。周壁12bの開口端には、雌ねじ孔12cが形成されている。また、周壁12bには、冷媒ガスを吸入する吸入口12hが形成されている。吸入口12hは、周壁12bにおける端壁12a側に位置する部分に形成されている。吸入口12hは、モータハウジング12内外を連通している。
【0017】
端壁12aの内面には、円筒状のボス部12dが突設されている。回転軸15の軸線方向の一方の端部である第1端部は、ボス部12d内に挿入されている。ボス部12dの内周面と回転軸15の第1端部の外周面との間には、転がり軸受16が設けられている。そして、回転軸15の第1端部は、転がり軸受16を介してモータハウジング12に回転可能に支持されている。
【0018】
軸支ハウジング13は、円板状の端壁17と、端壁17の外周部から筒状に延びる周壁18と、を有する有底筒状である。周壁18の軸線方向は、回転軸15の軸線方向に一致している。また、軸支ハウジング13は、周壁18の外周面における端壁17とは反対側の端部から回転軸15の径方向外側に向けて延びる円環状のフランジ壁19を有している。フランジ壁19の外周部は、モータハウジング12の周壁12bの開口端に接触している。フランジ壁19の外周部には、ボルト挿通孔19aが形成されている。ボルト挿通孔19aは、フランジ壁19を厚み方向に貫通している。フランジ壁19のボルト挿通孔19aは、モータハウジング12の雌ねじ孔12cに連通している。モータハウジング12及び軸支ハウジング13は、ハウジング11内に形成されるモータ室20を区画している。モータ室20内には、吸入口12hからの冷媒ガスが吸入される。
【0019】
端壁17の中央部には、円孔状の挿通孔17aが形成されている。挿通孔17aは、端壁17を厚み方向に貫通している。挿通孔17aには、回転軸15が挿通されている。回転軸15の軸線方向の他方の端部である第2端部側に位置する端面15eは、周壁18の内側に位置している。周壁18の内周面と回転軸15の外周面との間には、転がり軸受21が設けられている。そして、回転軸15は、転がり軸受21を介して軸支ハウジング13に回転可能に支持されている。したがって、回転軸15は、ハウジング11に回転可能に支持されている。
【0020】
モータ室20内には、電動モータ22が収容されている。電動モータ22は、筒状のステータ23と、ステータ23の内側に配置されるロータ24とから構成されている。ロータ24は、回転軸15と一体的に回転する。ステータ23は、ロータ24を取り囲んでいる。ロータ24は、回転軸15に止着されたロータコア24aと、ロータコア24aに設けられた図示しない複数の永久磁石と、を有している。ステータ23は、モータハウジング12の周壁12bの内周面に固定された筒状のステータコア23aと、ステータコア23aに巻回されたコイル23bと、を有している。そして、図示しない駆動回路によって制御された電力がコイル23bに供給されることによりロータ24が回転し、回転軸15がロータ24と一体的に回転する。
【0021】
吐出ハウジング14は、円板状の端壁14aと、端壁14aの外周縁から円筒状に延在する周壁14bと、を有している。周壁14bの軸線方向は、回転軸15の軸線方向に一致している。周壁14bの開口端は、フランジ壁19の外周部に接触している。周壁14bには、フランジ壁19のボルト挿通孔19aに連通するボルト挿通孔14cが形成されている。
【0022】
そして、フランジ壁19の外周部がモータハウジング12の周壁12bの開口端に接触するとともに、吐出ハウジング14の周壁14bの開口端がフランジ壁19の外周部に接触した状態で、各ボルト挿通孔14c,19aを通過するボルトB1が、モータハウジング12の雌ねじ孔12cにねじ込まれる。これにより、軸支ハウジング13がモータハウジング12の周壁12bに連結されるとともに、吐出ハウジング14が軸支ハウジング13のフランジ壁19に連結されている。したがって、モータハウジング12、軸支ハウジング13、及び吐出ハウジング14は、この順序で、回転軸15の軸線方向に並んで配置されている。
【0023】
スクロール型圧縮機10は、固定スクロール25と、旋回スクロール26と、を備えている。固定スクロール25及び旋回スクロール26は、吐出ハウジング14の周壁14bの内側に配置されている。固定スクロール25は、回転軸15の軸線方向において、旋回スクロール26よりも端壁14a側に位置している。
【0024】
図1及び図2に示すように、固定スクロール25は、固定基板25a、固定渦巻壁25b、及び外周壁である固定外周壁25cを有している。固定基板25aは、円板状である。固定基板25aの中央には、吐出ポート25hが形成されている。吐出ポート25hは、円孔状である。吐出ポート25hは、固定基板25aを厚み方向に貫通している。固定渦巻壁25bは、固定基板25aから端壁14aとは反対側に向けて起立している。固定外周壁25cは、固定基板25aの外周部から円筒状に起立している。固定外周壁25cは、固定渦巻壁25bを囲繞している。固定外周壁25cの開口端面は、固定渦巻壁25bの先端面よりも固定基板25aとは反対側に位置している。
【0025】
図1に示すように、旋回スクロール26は、旋回基板26a、及び旋回渦巻壁26bを有している。旋回基板26aは、円板状である。旋回基板26aは、固定基板25aに対向している。旋回渦巻壁26bは、旋回基板26aから固定基板25aに向けて起立している。旋回渦巻壁26bは、固定渦巻壁25bと噛み合っている。旋回渦巻壁26bは、固定外周壁25cの内側に位置している。固定渦巻壁25bの先端面は旋回基板26aに接触しているとともに、旋回渦巻壁26bの先端面は固定基板25aに接触している。そして、固定基板25a、固定渦巻壁25b、旋回基板26a、及び旋回渦巻壁26bによって、冷媒ガスを圧縮する圧縮室27が区画されている。したがって、スクロール型圧縮機10は、固定渦巻壁25bと旋回渦巻壁26bとの間に区画形成される圧縮室27を備えている。
【0026】
旋回基板26aにおける固定基板25aとは反対側の端面26eには、円筒状のボス部26cが突設されている。ボス部26cの軸線方向は、回転軸15の軸線方向に一致している。また、旋回基板26aの端面26eにおけるボス部26cの周囲には、円孔状の凹部26dが複数形成されている。複数の凹部26dは、回転軸15の周方向に所定の間隔をあけて配置されている。各凹部26d内には円環状のリング部材28が嵌着されている。また、軸支ハウジング13における吐出ハウジング14側の端面13eには、各リング部材28内に挿入されるピン29が突設されている。
【0027】
固定基板25aにおける旋回スクロール26とは反対側の面には、弁機構25vが取り付けられている。弁機構25vは、吐出ポート25hを開閉可能に構成されている。固定外周壁25cの開口端面には、位置決め凹部25dが複数形成されている。軸支ハウジング13の端面13eには、各位置決め凹部25d内に挿入される位置決めピン30が突設されている。そして、各位置決めピン30が各位置決め凹部25d内に挿入されることにより、固定スクロール25は、吐出ハウジング14の周壁14bの内側での回転軸15の軸線L1を回転中心とした回転が規制された状態で、軸支ハウジング13に対して位置決めされている。軸支ハウジング13の端面13eは、固定外周壁25cの開口端面とともに図示しない環状かつ板状の弾性プレートを挟持しつつ固定している。弾性プレートは、旋回スクロール26を固定スクロール25側へと常時押圧する。固定スクロール25は、軸支ハウジング13の端面13eと吐出ハウジング14の端壁14aとによって挟み込まれることにより、吐出ハウジング14の周壁14bの内側での回転軸15の軸線方向への移動が規制された状態で、吐出ハウジング14の周壁14bの内側に配置されている。
【0028】
回転軸15の端面15eには、回転軸15の軸線L1に対して偏心した位置から旋回スクロール26に向けて突出する偏心軸31が一体形成されている。偏心軸31の軸線方向は、回転軸15の軸線方向に一致している。偏心軸31は、ボス部26c内に挿入されている。偏心軸31の外周面には、バランスウェイト32が一体化されたブッシュ33が嵌合されている。バランスウェイト32は、ブッシュ33に一体形成されている。バランスウェイト32は、軸支ハウジング13の周壁18内に収容されている。旋回スクロール26は、ブッシュ33及び転がり軸受34を介して偏心軸31と相対回転可能に偏心軸31に支持されている。
【0029】
回転軸15の回転は、偏心軸31、ブッシュ33、及び転がり軸受34を介して旋回スクロール26に伝達され、旋回スクロール26は自転する。そして、各ピン29と各リング部材28の内周面とが接触することにより、旋回スクロール26の自転が阻止されて、旋回スクロール26の公転運動のみが許容される。これにより、旋回スクロール26は、旋回渦巻壁26bが固定渦巻壁25bに接触しながら公転運動し、圧縮室27の容積が減少することにより冷媒ガスが圧縮される。よって、旋回スクロール26は、回転軸15の回転に伴い公転する。バランスウェイト32は、旋回スクロール26が公転運動する際に旋回スクロール26に作用する遠心力を相殺して、旋回スクロール26のアンバランス量を低減する。
【0030】
モータハウジング12の周壁12bの内周面の一部には、第1溝35が複数形成されている。各第1溝35は、周壁12bの開口端に開口している。また、軸支ハウジング13のフランジ壁19の外周部には、各第1溝35にそれぞれ連通する第1孔36が形成されている。各第1孔36は、フランジ壁19を厚み方向に貫通する。さらに、吐出ハウジング14の周壁14bの内周面の一部には、各第1孔36にそれぞれ連通する第2溝37が形成されている。なお、図1では、図示の都合上、第1溝35、第1孔36、及び第2溝37をそれぞれ1つずつ図示している。
【0031】
図1及び図2に示すように、固定スクロール25の固定外周壁25cには、各第2溝37にそれぞれ連通する吸入ポート50が形成されている。本実施形態のスクロール型圧縮機10は、吸入ポート50を一対備えている。一対の吸入ポート50は、吐出ポート25hを挟んで位置している。各吸入ポート50は、固定外周壁25cを厚み方向に貫通している。
【0032】
図3に示すように、一対の吸入ポート50の一方は、吐出ポート25hに対して重力方向の上側に位置する第1吸入ポート51である。なお、図3以降では、重力方向を矢印Z1で示している。一対の吸入ポート50の他方は、吐出ポート25hに対して重力方向の下側に位置する第2吸入ポート52である。第1吸入ポート51及び第2吸入ポート52は、固定外周壁25cの径方向で互いに対向する位置にそれぞれ配置されている。なお、固定外周壁25cの径方向は、回転軸15の径方向に一致している。
【0033】
図2及び図3に示すように、固定スクロール25は、固定渦巻壁25bと固定外周壁25cとを接続する接続部53を有している。接続部53は、固定外周壁25cの内周面に沿って延びている。接続部53は、固定基板25aから起立している。接続部53は、固定外周壁25cの内周面に連続している。接続部53は、第2吸入ポート52から第1吸入ポート51に向かうように固定外周壁25cの内周面に沿って延びている。接続部53における固定外周壁25cの内周面とは反対側に位置する面である内周面は、弧状に湾曲している。接続部53の内周面は、固定外周壁25cの内周面に沿って延びている。接続部53は、固定渦巻壁25bの最外周部に連続している。接続部53の内周面は、固定渦巻壁25bの最外周部に位置する内周面に連続している。
【0034】
接続部53は、旋回スクロール26の公転により旋回基板26aが間欠的に摺接する摺接面54を有している。摺接面54は、接続部53における固定基板25aとは反対側の端面である。摺接面54は、平坦面状である。摺接面54は、固定外周壁25cの開口端面よりも固定基板25a寄りに位置している。摺接面54は、固定外周壁25cの内周面に連続している。摺接面54は、固定渦巻壁25bの先端面と同一平面上に位置している。摺接面54は、固定渦巻壁25bの最外周部に位置する先端面に連続している。
【0035】
図3図4図5、及び図6に示すように、スクロール型圧縮機10は、一対の吸入ポート50とそれぞれ連通する吸入室55を備えている。したがって、吸入室55は、第1吸入ポート51及び第2吸入ポート52にそれぞれ連通している。吸入室55は、固定外周壁25cの内側に形成されている。吸入室55は、固定外周壁25cの内側の空間のうち、旋回スクロール26の公転に伴って、第1吸入ポート51及び第2吸入ポート52の少なくとも一方に連通している空間である。吸入室55は、旋回スクロール26の位置によっては、第1吸入ポート51に連通し、第2吸入ポート52には連通していない空間であったり、第1吸入ポート51には連通しておらず、第2吸入ポート52に連通している空間であったり、さらには、第1吸入ポート51及び第2吸入ポート52の両方に連通している空間であったりする。
【0036】
図2図3図4図5、及び図6に示すように、接続部53は、溝56を有している。溝56は、摺接面54に形成されている。溝56は、吸入室55に連通している。溝56は、接続部53における固定外周壁25cの周方向で第1吸入ポート51側に位置する部分から第2吸入ポート52に向かうように固定外周壁25cに沿って延びている。溝56の底面56aは、平坦面状である。溝56の底面56aは、固定基板25aにおける旋回渦巻壁26b側の端面よりも固定外周壁25cの開口端面寄りに位置している。溝56における第1吸入ポート51側の端部は、接続部53における固定外周壁25cの周方向で第1吸入ポート51側に位置する部分に開口している。したがって、溝56は、吸入室55のうち、第2吸入ポート52よりも第1吸入ポート51寄りに位置する部分に連通している。
【0037】
溝56における第2吸入ポート52側の端部は、接続部53における固定外周壁25cの周方向で第2吸入ポート52側に位置する部分に開口していない。したがって、溝56における第2吸入ポート52側の端部は閉塞している。よって、摺接面54の一部は、固定渦巻壁の周方向で溝56と接続部53における固定外周壁25cの周方向で第2吸入ポート52側に位置する部分との間に位置している。また、摺接面54の一部は、固定外周壁25cの径方向で溝56と固定渦巻壁25bとの間に位置している。溝56は、旋回スクロール26の公転に応じて、旋回基板26aによって少なくとも一部が閉塞される。
【0038】
図1に示すように、モータ室20内の冷媒ガスは、各第1溝35、各第1孔36、各第2溝37、及び各吸入ポート50を通過して、吸入室55に吸入される。吸入室55に吸入された冷媒ガスは、旋回スクロール26の公転運動により圧縮室27内で圧縮される。
【0039】
スクロール型圧縮機10は、吐出室41を備えている。吐出室41は、ハウジング11内に区画されている。吐出室41は、吐出ハウジング14と固定スクロール25とによって区画されている。吐出室41は、吐出ポート25hと連通している。そして、吐出室41には、圧縮室27で圧縮された冷媒ガスが吐出ポート25hを介して吐出される。
【0040】
吐出ハウジング14と固定スクロール25との間には、環状のガスケット70が介在されている。ガスケット70は、金属製の薄板状である。ガスケット70の外周部は、固定基板25aの外周部に沿って延びている。そして、吐出ハウジング14と固定スクロール25との間は、ガスケット70によってシールされている。
【0041】
吐出ハウジング14内には、油分離室43が形成されている。油分離室43は、吐出ハウジング14の端壁14aの一部である細長筒状の外筒44内に形成されている。外筒44の軸線方向の一方の端部である第1端部は、吐出ハウジング14の端壁14aの外周面に開口している。外筒44の第1端部と吸入口12hとは外部冷媒回路49を介して接続されている。外部冷媒回路49は、凝縮器49a、膨張弁49b、及び蒸発器49cを有している。スクロール型圧縮機10及び外部冷媒回路49は、車両空調装置を構成している。
【0042】
スクロール型圧縮機10は、油分離器45を備えている。油分離器45は、吐出室41に吐出された後の冷媒ガスからオイルを分離する。油分離器45は、筒状である。油分離器45は、油分離器45の軸線方向が外筒44の軸線方向と一致した状態で外筒44の内周面に嵌め込まれることにより、外筒44内に取り付けられている。
【0043】
吐出ハウジング14は、吐出室41と油分離室43と連通する導入孔47を有している。導入孔47は、吐出室41に吐出された後の冷媒ガスを油分離室43に導入する。また、スクロール型圧縮機10は、貯油室42を備えている。貯油室42は、吐出ハウジング14の下部に形成されている。貯油室42には、油分離器45によって冷媒ガスから分離されたオイルが貯留される。
【0044】
スクロール型圧縮機10は、オイル供給通路60を備えている。オイル供給通路60は、ガスケット70の外周部に形成されるとともに貯油室42に連通する図示しない連通溝と、連通溝に連通するオイル供給口25fと、を有している。オイル供給口25fは、固定スクロール25に形成されている。オイル供給口25fの第1端はガスケット70の連通溝に連通している。
【0045】
図2に示すように、オイル供給口25fの第2端は、摺接面54に開口している。具体的には、オイル供給口25fは、摺接面54における溝56に対して固定外周壁25cの径方向内側で隣り合う部分に開口している。したがって、固定スクロール25は、オイル供給口25fよりも回転軸15の径方向外側に溝56を有している。オイル供給口25fは、溝56と固定渦巻壁25bとの間に開口している。
【0046】
図3図4図5、及び図6に示すように、オイル供給口25fは、旋回スクロール26の公転により旋回基板26aによって開閉される。具体的には、旋回スクロール26が公転し、例えば、旋回スクロール26が、図3図4、又は図5に示す位置に存在する場合、オイル供給口25fは、旋回基板26aによって閉塞されておらず、開放されている。また、旋回スクロール26が公転し、例えば、旋回スクロール26が、図6に示す位置に存在する場合、オイル供給口25fは、旋回基板26aによって閉塞されている。
【0047】
オイル供給口25fと溝56とは、貯油室42内のオイルを吸入室55に供給するオイル供給通路60の一部をなす。オイル供給口25fからのオイルは、旋回スクロール26の公転に応じて、旋回基板26aによって溝56の少なくとも一部が閉塞されたときに、溝56と旋回基板26aとで形成された空間内に一時的に貯留可能である。
【0048】
次に、本実施形態の作用について説明する。
圧縮室27内で圧縮されて吐出ポート25hを介して吐出室41内に吐出された冷媒ガスは、導入孔47を介して油分離室43内に導入される。油分離室43内に導入された冷媒ガスは、油分離器45の周囲を旋回する。これにより、冷媒ガスに含まれているオイルに遠心力が付与され、油分離室43内でオイルが冷媒ガスから分離される。オイルが分離された冷媒ガスは、油分離器45の下部開口から油分離器45内に流入するとともに油分離器45内を通過して、外筒44を介して外部冷媒回路49に流出する。
【0049】
外部冷媒回路49へ流出した冷媒ガスは、外部冷媒回路49の凝縮器49a、膨張弁49b、及び蒸発器49cを通過する。凝縮器49aや蒸発器49cを通過する冷媒ガスは、油分離室43によってオイルが分離された後の冷媒ガスであるため、凝縮器49aや蒸発器49cにオイルが付着してしまうことが抑制されている。したがって、凝縮器49aや蒸発器49cの熱交換効率が低下してしまうことが抑制されている。そして、冷媒ガスは、凝縮器49a、膨張弁49b、及び蒸発器49cを通過して、吸入口12hを介してモータ室20内に還流する。
【0050】
油分離室43内で冷媒ガスから分離されたオイルは、貯油室42に貯留される。貯油室42に貯留されたオイルは、オイル供給通路60の一部であるオイル供給口25fから摺接面54に流れ出る。オイル供給口25fから摺接面54に流れ出たオイルの一部は、摺接面54を伝って溝56に流れ込む。また、図6に示すように、オイル供給口25fが、旋回スクロール26の公転により旋回基板26aによって閉塞される際に、オイル供給口25fから摺接面54に流れ出たオイルが、溝56に向けて押し出され、摺接面54を伝って溝56に流れ込む。溝56に流れ込んだオイルは、溝56と旋回基板26aとで形成された空間内に一時的に貯留される。
【0051】
このとき、溝56は、吸入室55のうち、第2吸入ポート52よりも第1吸入ポート51寄りの部分に連通しているため、溝56に流れ込んだオイルは、吸入圧である吸入室55のうち、第2吸入ポート52よりも第1吸入ポート51寄りに位置する部分に向かって流れる。その結果、溝56内のオイルは、溝56から第1吸入ポート51に向かうように流れて吸入室55へ流入する。したがって、オイル供給口25fからのオイルは、第1吸入ポート51に向かうように溝56を経由して吸入室55へ流入する。
【0052】
また、オイル供給口25fから摺接面54に流れ出たオイルの一部は、自重によって摺接面54を伝って溝56に流れ込まずに第2吸入ポート52に向かうように流れ、吸入室55へ流入する。したがって、オイル供給口25fからのオイルは、第2吸入ポート52に向かうように摺接面54を伝って吸入室55へ流入する。
【0053】
このように、オイル供給通路60は、貯油室42に貯留されたオイルを吸入室55に供給する。吸入室55に供給されたオイルは、固定スクロール25と旋回スクロール26との間に供給されることにより、固定スクロール25と旋回スクロール26との間の潤滑性を良好なものとする。これにより、旋回スクロール26がスムーズに公転し、スクロール型圧縮機10の圧縮効率が向上する。
【0054】
上記実施形態では以下の効果を得ることができる。
(1)オイル供給口25fからのオイルが、溝56と旋回基板26aとで形成された空間内に一時的に貯留可能となるため、吸入室55に供給するオイル流量を安定化させることができ、固定スクロール25と旋回スクロール26との間の潤滑性を良好なものとすることができる。
【0055】
(2)オイル供給口25fからのオイルが、第1吸入ポート51に向かうように溝56を経由して吸入室55へ流入するとともに、第2吸入ポート52に向かうように摺接面54を伝って吸入室55へ流入する。したがって、固定スクロール25と旋回スクロール26との間で部分的に潤滑不良が生じてしまうことが抑制されるため、固定スクロール25と旋回スクロール26との間の潤滑性をさらに良好なものとすることができる。
【0056】
(3)オイル供給口25fは、摺接面54における溝56に対して回転軸15の径方向内側で隣り合う部分に開口している。これによれば、オイル供給口25fからのオイルが摺接面54に流れ出るため、オイル供給通路60からのオイルを、第2吸入ポート52に向かうように摺接面54を伝って吸入室55へ流入し易くすることができる。
【0057】
(4)オイル供給口25fは、旋回スクロール26の公転により旋回基板26aによって開閉される。これによれば、オイル供給口25fが、旋回スクロール26の公転により旋回基板26aによって閉塞される際に、オイル供給口25fから摺接面54に流れ出たオイルが、溝56に向けて押し出される。したがって、オイル供給口25fからのオイルを、第1吸入ポート51に向かうように溝56を経由して吸入室55へ流入し易くすることができる。
【0058】
なお、上記実施形態は、以下のように変更して実施することができる。上記実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
【0059】
図7に示すように、オイル供給口25fが、溝56の底面56aに開口していてもよい。オイル供給口25fは、溝56の内部に開口している。このように、固定スクロール25は、オイル供給口25fと同じ位置に溝56を有していてもよい。この場合でも、オイル供給口25fと溝56とは、貯油室42内のオイルを吸入室55に供給するオイル供給通路60の一部をなす。これによれば、オイル供給口25fからのオイルが溝56内に流れ出るため、オイル供給通路60からのオイルを、第1吸入ポート51に向かうように溝56を経由して吸入室55へ流入し易くすることができる。
【0060】
図7に示す実施形態では、オイル供給口25fが、溝56の底面56aに開口していたが、これに限らず、オイル供給口25fが、例えば、溝56を形成する側面に開口していてもよい。要は、オイル供給口25fが、溝56の内部に開口していれば、オイル供給口25fにおける溝56に対する開口位置は特に限定されるものではない。
【0061】
○ 実施形態において、オイル供給口25fが、摺接面54に対して、旋回スクロール26の公転により旋回基板26aによって開閉されずに常に開放される位置に開口していてもよい。
【0062】
○ 実施形態において、スクロール型圧縮機10は、固定スクロール25の固定外周壁25cに、第1吸入ポート51及び第2吸入ポート52に加えて、吸入ポート50がさらに形成されている構成であってもよい。
【0063】
○ 実施形態において、例えば、固定スクロール25の固定外周壁25cに、第2吸入ポート52が形成されていなくてもよい。要は、固定スクロール25の固定外周壁25cに形成される吸入ポート50は1つであってもよい。
【0064】
○ 実施形態において、スクロール型圧縮機10は、電動モータ22によって駆動されるタイプでなくてもよく、例えば、車両のエンジンによって駆動されるタイプであってもよい。
【符号の説明】
【0065】
10…スクロール型圧縮機、11…ハウジング、15…回転軸、25…固定スクロール、25a…固定基板、25b…固定渦巻壁、25c…外周壁である固定外周壁、25f…オイル供給口、25h…吐出ポート、26…旋回スクロール、26a…旋回基板、26b…旋回渦巻壁、27…圧縮室、41…吐出室、42…貯油室、50…吸入ポート、51…第1吸入ポート、52…第2吸入ポート、53…接続部、54…摺接面、55…吸入室、56…溝、56a…底面、60…オイル供給通路。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7