(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-15
(45)【発行日】2024-04-23
(54)【発明の名称】車両用コネクタ
(51)【国際特許分類】
H01R 13/73 20060101AFI20240416BHJP
H01R 13/52 20060101ALI20240416BHJP
【FI】
H01R13/73 A
H01R13/52 302C
(21)【出願番号】P 2021015000
(22)【出願日】2021-02-02
【審査請求日】2023-06-30
(73)【特許権者】
【識別番号】000183406
【氏名又は名称】住友電装株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】鬼頭 由宇
(72)【発明者】
【氏名】和田 優樹
【審査官】山下 寿信
(56)【参考文献】
【文献】特表2017-504170(JP,A)
【文献】登録実用新案第3223195(JP,U)
【文献】国際公開第2020/110670(WO,A1)
【文献】国際公開第2013/061698(WO,A1)
【文献】特開2018-026287(JP,A)
【文献】米国特許第04772215(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01R 13/73
H01R 13/52
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部コネクタが挿抜可能な開口部を構成する筒状部と、前記筒状部の外周から外側に延びて車両に対して固定される外延固定部と、を有するハウジングと、
前記筒状部の先端側に固定される固定部材と、
前記固定部材に対して回動可能に支持され、前記開口部を開閉するカバー部材と、を備え、
前記筒状部は、前記筒状部の外周よりも内側に被取付構造を有し、
前記固定部材は、前記筒状部の外周よりも内側に取付構造を有し、前記取付構造と前記被取付構造とを用いて前記筒状部に固定されて
おり、
前記被取付構造は、前記筒状部の内面に設けられた被係合部であり、
前記取付構造は、前記被係合部と係合するロック片であり、
前記ハウジングは、前記筒状部の基端側に底部を有し、
前記底部は、前記外部コネクタの挿抜方向において前記被係合部と対応した位置に貫通孔を有している、車両用コネクタ。
【請求項2】
外部コネクタが挿抜可能な開口部を構成する筒状部と、前記筒状部の外周から外側に延びて車両に対して固定される外延固定部と、を有するハウジングと、
前記筒状部の先端側に固定される固定部材と、
前記固定部材に対して回動可能に支持され、前記開口部を開閉するカバー部材と、を備え、
前記筒状部は、前記筒状部の外周よりも内側に被取付構造を有し、
前記固定部材は、前記筒状部の外周よりも内側に取付構造を有し、前記取付構造と前記被取付構造とを用いて前記筒状部に固定されて
おり、
前記被取付構造は、前記筒状部の先端面に設けられた雌ネジ穴であり、
前記取付構造は、前記雌ネジ穴と対応した位置に設けられたネジ貫通孔であり、
前記固定部材は、前記ネジ貫通孔を貫通して前記雌ネジ穴に螺合されるネジによって前記筒状部に固定されている、車両用コネクタ。
【請求項3】
前記雌ネジ穴及び前記ネジ貫通孔は、90度間隔で設けられている、請求項
2に記載の車両用コネクタ。
【請求項4】
前記固定部材は、前記筒状部の先端面と連続する外周を全周に亘って覆う環状部と、前記環状部から突出して前記カバー部材を回動可能に支持するヒンジ構成部と、を有している、請求項1
から請求項3のいずれか1項に記載の車両用コネクタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、充電用インレット等の車両用コネクタに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、車両としては車両用コネクタを備えたものがあり、特に電気自動車やプラグインハイブリッド車は充電用の外部コネクタを接続するための車両用コネクタとして充電用インレットを備えている。そして、充電用インレットのハウジングは、先端側が車両の取付孔を貫通して外部に突出される筒状部と、筒状部の外周から延びて車両に対して筒状部の先端方向に突き当てられつつ固定される外延固定部とを有したものがある(例えば、特許文献1参照)。この充電用インレットのハウジングは、筒状部の先端側における外周から外側に膨出する一対の支持壁を有し、該支持壁に回動軸が支持され、該回動軸に筒状部の開口部を開閉するカバー部材が支持されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記のような充電用インレットでは、車両の取付孔をヒンジ構造の一部と筒状部とが通過可能な形状とする必要があり、車両の取付孔が大きくなってしまうという問題があった。また、上記のような充電用インレットでは、ハウジングが複雑な形状となると製造コストも増大するため、製造が容易な構造が求められている。
【0005】
本開示の目的は、車両の取付孔を小さくすることができるとともに、容易な製造を可能とした車両用コネクタを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の車両用コネクタは、外部コネクタが挿抜可能な開口部を構成する筒状部と、前記筒状部の外周から外側に延びて車両に対して固定される外延固定部と、を有するハウジングと、前記筒状部の先端側に固定される固定部材と、前記固定部材に対して回動可能に支持され、前記開口部を開閉するカバー部材と、を備え、前記筒状部は、前記筒状部の外周よりも内側に被取付構造を有し、前記固定部材は、前記筒状部の外周よりも内側に取付構造を有し、前記取付構造と前記被取付構造とを用いて前記筒状部に固定されている。
【発明の効果】
【0007】
本開示の車両用コネクタによれば、車両の取付孔を小さくすることができるとともに、容易な製造が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、一実施形態の充電用インレットを示す斜視図である。
【
図2】
図2は、一実施形態の充電用インレットを示す斜視図である。
【
図3】
図3は、一実施形態の充電用インレットを示す分解斜視図である。
【
図5】
図5は、別例の充電用インレットを示す斜視図である。
【
図6】
図6は、別例の充電用インレットを示す分解斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
[本開示の実施形態の説明]
最初に本開示の実施態様を列記して説明する。
本開示の車両用コネクタは、
[1]外部コネクタが挿抜可能な開口部を構成する筒状部と、前記筒状部の外周から外側に延びて車両に対して固定される外延固定部と、を有するハウジングと、前記筒状部の先端側に固定される固定部材と、前記固定部材に対して回動可能に支持され、前記開口部を開閉するカバー部材と、を備え、前記筒状部は、前記筒状部の外周よりも内側に被取付構造を有し、前記固定部材は、前記筒状部の外周よりも内側に取付構造を有し、前記取付構造と前記被取付構造とを用いて前記筒状部に固定されている。
【0010】
同構成によれば、カバー部材は筒状部の先端側に固定される固定部材に対して回動可能に支持されるため、例えば、筒状部の先端側における外側にヒンジ構造の一部が一体的に設けられた構成のものよりも車両の取付孔を小さくすることができる。すなわち、車両の取付孔を貫通させた状態の筒状部に固定部材と共にカバー部材を固定することで、筒状部の先端側における外側に配置されるヒンジ構造等が通過可能な取付孔とする必要がなくなり、取付孔を小さくすることができる。また、筒状部において固定部材を固定するための被取付構造は筒状部の外周よりも内側に設けられるため、ハウジングを容易に製造することが可能となる。例えば、被取付構造を筒状部の外周よりも外側に設けた場合では、ハウジングを外部コネクタの挿抜方向に一対の金型で成形する際に、外延固定部との関係でスライドコアが必要になるが、このスライドコアを必要とせずに被取付構造を成形することが可能となる。
【0011】
[2]前記固定部材は、前記筒状部の先端面と連続する外周を全周に亘って覆う環状部と、前記環状部から突出して前記カバー部材を回動可能に支持するヒンジ構成部と、を有していることが好ましい。
【0012】
同構成によれば、固定部材は、筒状部の先端面と連続する外周を全周に亘って覆う環状部と、環状部から突出してカバー部材を回動可能に支持するヒンジ構成部とを有するため、筒状部の先端側に強固に固定できるとともに、カバー部材を支持することができる。
【0013】
[3]前記被取付構造は、前記筒状部の内面に設けられた被係合部であり、
前記取付構造は、前記被係合部と係合するロック片であることが好ましい。
同構成によれば、被取付構造は、筒状部の内面に設けられた被係合部であり、取付構造は、被係合部と係合するロック片であるため、例えば、他の締結部材等を用いることなく固定部材を筒状部に容易に固定することができる。
【0014】
[4]前記ハウジングは、前記筒状部の基端側に底部を有し、前記底部は、前記外部コネクタの挿抜方向において前記被係合部と対応した位置に貫通孔を有していることが好ましい。
【0015】
同構成によれば、底部は、外部コネクタの挿抜方向において被係合部と対応した位置に貫通孔を有しているため、例えば、貫通孔を型の抜き孔としてハウジングを容易に成形できるとともに、貫通孔を水抜き孔として利用することができる。すなわち、ハウジングを外部コネクタの挿抜方向に一対の金型で成形する際に、貫通孔を型の抜き孔とすることで、例えばスライドコア等を必要とせずに被係合部を成形することが可能となる。また、筒状部の内側に雨滴等が浸入した場合は、貫通孔を水抜き孔として水を外部に排出することができる。
【0016】
[5]前記被取付構造は、前記筒状部の先端面に設けられた雌ネジ穴であり、前記取付構造は、前記雌ネジ穴と対応した位置に設けられたネジ貫通孔であり、前記固定部材は、前記ネジ貫通孔を貫通して前記雌ネジ穴に螺合されるネジによって前記筒状部に固定されていることが好ましい。
【0017】
同構成によれば、固定部材は、固定部材のネジ貫通孔を貫通して筒状部の雌ネジ穴に螺合されるネジによって筒状部に固定されるため、例えば、固定部材を筒状部に強固に固定することができる。
【0018】
[6]前記雌ネジ穴及び前記ネジ貫通孔は、90度間隔で設けられていることが好ましい。
同構成によれば、雌ネジ穴及びネジ貫通孔は、90度間隔で設けられるため、例えば、カバー部材が回動可能に支持されている部位、ひいてはカバー部材を開閉させる際の方向を固定部材の筒状部への固定時に90度間隔で自由に設定することができる。
【0019】
[本開示の実施形態の詳細]
本開示の車両用コネクタとしての充電用インレット10の具体例を、以下に図面を参照しつつ説明する。各図面では、説明の便宜上、構成の一部を誇張又は簡略化して示す場合がある。また、各部分の寸法比率については各図面で異なる場合がある。なお、本開示はこれらの例示に限定されるものではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。本明細書における「直交」は厳密に直交の場合のみでなく、本実施形態における作用効果を奏する範囲内で概ね直交の場合も含まれる。また、本明細書における「円」や「円弧」は厳密に円や円弧の場合のみでなく、本実施形態における作用効果を奏する範囲内で概ね円や円弧の場合も含まれる。
【0020】
(充電用インレットの全体構成)
図1~
図4に示すように、充電用インレット10は、ハウジング20と、端子30(
図4参照)と、固定部材40と、カバー部材50とを備えている。
【0021】
(ハウジング20の構成)
ハウジング20は、樹脂製である。
図2に示すように、ハウジング20は、外部コネクタ60が挿抜可能な開口部21を有する。詳しくは、ハウジング20は、筒状部22と、外延固定部23と、被取付構造としての被係合部24と、端子保持部25とを有している。
【0022】
筒状部22は、外部コネクタ60の挿抜方向に沿って延び、その内面によって前記開口部21を構成する。
図4に示すように、外延固定部23は、筒状部22の外周から外側に延びて車両Vに対して固定される。詳しくは、車両Vは、充電用リッドの内側に取付パネルV1を有している。取付パネルV1は取付孔V2を有している。また、外延固定部23は、筒状部22の軸方向から見て略四角形に形成され、その四隅近傍にそれぞれ固定孔23a(
図1から
図3参照)を有している。外延固定部23は、取付パネルV1に対して筒状部22の先端方向(
図4中、左方向)に突き当てられる。そして、外延固定部23は、取付パネルV1の図示しない孔及び固定孔23aを貫通してナットに螺合される図示しないボルトにて取付パネルV1に固定される。
【0023】
図3及び
図4に示すように、被係合部24は、筒状部22の外周よりも内側に設けられている。被係合部24は、筒状部22の内面における周方向の一部に設けられている。本実施形態では、被係合部24は、筒状部22の内面における周方向の4箇所に設けられている。本実施形態の被係合部24は、筒状部22の内面から凸設された凸部26における筒状部22の基端側の壁面である。
【0024】
図4に示すように、端子保持部25は、筒状部22の内側で端子30を保持する。詳しくは、ハウジング20は、筒状部22の基端側に底部27を有する。端子保持部25は、底部27から筒状部22の先端側に向かって延びている。端子保持部25は、筒状に形成され、その内側に端子30を保持する。なお、端子保持部25は、複数設けられ、それぞれ電源用の端子30aや信号用の端子30bを保持する。電源用の端子30aは車両Vに設けられた図示しないバッテリーと電気的に接続される。信号用の端子30bは車両Vに設けられた図示しない制御装置等と電気的に接続される。また、底部27は、外部コネクタ60の挿抜方向、すなわち、筒状部22の延びる方向において被係合部24と対応した位置に貫通孔27aを有している。
【0025】
(固定部材40の構成)
固定部材40は、樹脂製である。
図2及び
図4に示すように、固定部材40は、筒状部22の先端側に固定される。固定部材40は、筒状部22の外周よりも内側に取付構造としてのロック片41を有し、ロック片41と被係合部24とを用いて筒状部22に固定されている。固定部材40は、筒状部22に対して着脱可能である。
【0026】
詳述すると、
図2及び
図3に示すように、固定部材40は、前記ロック片41と、環状部42と、対向部43と、ヒンジ構成部としての一対の支持壁44と、一対の係止壁45とを有している。
【0027】
環状部42は、筒状部22の先端面と連続する外周を全周に亘って覆うように環状に形成されている。対向部43は、環状部42の一端から径方向内側に延びて筒状部22の先端面と対向する。
【0028】
ロック片41は、対向部43から筒状部22の基端側に延びて径方向に撓むことが可能とされ、被係合部24と係合する形状とされている。ロック片41は、被係合部24と係合した状態で、固定部材40の筒状部22からの離間を規制する。本実施形態のロック片41はU字状に形成されている。
【0029】
一対の支持壁44は、環状部42から径方向外側に突出してカバー部材50を回動可能に支持するヒンジ構成部を構成している。詳しくは、一対の支持壁44は、互いに環状部42の周方向に間隔を有しつつ平行に突出している。一対の支持壁44には、互いに渡るように回動軸46が固定されている。そして、回動軸46はカバー部材50を回動可能に支持している。
【0030】
一対の係止壁45は、環状部42から径方向外側に突出してカバー部材50を閉状態で係止する係止構成部を構成している。詳しくは、一対の係止壁45は、環状部42の周方向において、支持壁44とは180度間隔を有して突出している。一対の係止壁45は、互いに環状部42の周方向に間隔を有しつつ平行に突出している。一対の係止壁45には、互いに渡るように係止軸47が固定されている。そして、係止軸47はカバー部材50を閉位置で係止する。
【0031】
(カバー部材50の構成)
カバー部材50は樹脂製である。
カバー部材50は、固定部材40に対して回動可能に支持され、開口部21を開閉する。詳しくは、カバー部材50は、カバー本体部51と、支持部52と、係止部53とを有している。
【0032】
カバー本体部51は、円板状に形成されている。支持部52は、カバー本体部51の外縁の一部から径方向外側に突出して設けられている。支持部52は、その内部を回動軸46が貫通するように設けられることで回動軸46に対して回動可能とされている。これにより、カバー部材50は、固定部材40に対して回動可能に支持され、
図1に示す閉位置から
図2示す開位置まで回動可能とされる。
【0033】
係止部53は、カバー本体部51の外縁の一部から径方向外側に突出して設けられている。係止部53は、カバー本体部51の周方向において、支持部52とは180度間隔を有して突出している。係止部53は、カバー部材50が閉位置で係止軸47と係止可能とされている。本実施形態の係止部53は、一対の保持片54を有している。一対の保持片54は、カバー部材50が閉位置の状態で、互いの間に係止軸47を保持可能とされている。
【0034】
カバー本体部51において、固定部材40の対向部43と対向する位置には、ゴムやエラストマ等からなる環状の弾性部材55が固定されている。
次に、上記のように構成された充電用インレット10の作用について説明する。
【0035】
例えば、車両Vに設けられた図示しないバッテリーを充電する際、作業者等は、係止部53を手前に引っ張ることでカバー部材50を閉位置から開位置まで回動させることができる。そして、作業者等は、開口部21に外部コネクタ60を差し込むことで充電用インレット10を介してバッテリーを充電することができる。また、充電完了後は、作業者等は、カバー部材50を開位置から閉位置まで回動させることで開口部21を覆うことができる。
【0036】
次に、上記実施形態の効果を以下に記載する。
(1)カバー部材50は筒状部22の先端側に固定される固定部材40に対して回動可能に支持されるため、例えば、筒状部22の先端側における外側にヒンジ構造の一部が一体的に設けられた構成のものよりも車両Vの取付孔V2を小さくすることができる。すなわち、車両Vの取付孔V2を貫通させた状態の筒状部22に固定部材40と共にカバー部材50を固定することで、筒状部22の先端側に配置されるヒンジ構造が通過可能な取付孔V2とする必要がなくなり取付孔V2を小さくすることができる。
【0037】
また、筒状部22において固定部材40を固定するための被取付構造としての被係合部24は筒状部22の外周よりも内側に設けられるため、ハウジング20を容易に製造することが可能となる。例えば、被係合部24を筒状部22の外周よりも外側に設けた場合では、ハウジング20を一対の金型で成形する際に、外延固定部23との関係でスライドコアが必要になるが、このスライドコアを必要とせずに被係合部24を成形することが可能となる。
【0038】
(2)固定部材40は、筒状部22の先端面と連続する外周を全周に亘って覆う環状部42と、環状部42から突出してカバー部材50を回動可能に支持するヒンジ構成部としての一対の支持壁44とを有している。よって、筒状部22の先端側に固定部材40を強固に固定できるとともに、カバー部材50を回動可能に支持することができる。
【0039】
(3)被取付構造は、筒状部22の内面に設けられた被係合部24であり、取付構造は、被係合部24と係合するロック片41であるため、例えば、他の締結部材等を用いることなく固定部材40を筒状部22に容易に固定することができる。
【0040】
(4)底部27は、外部コネクタ60の挿抜方向、すなわち、筒状部22の延びる方向において被係合部24と対応した位置に貫通孔27aを有している。よって、例えば、貫通孔27aを型の抜き孔としてハウジング20を容易に成形できるとともに、貫通孔27aを水抜き孔として利用することができる。すなわち、ハウジング20を外部コネクタ60の挿抜方向に一対の金型で成形する際に、貫通孔27aを型の抜き孔とすることで、例えばスライドコア等を必要とせずに被係合部24を成形することが可能となる。また、筒状部22の内側に雨滴等が浸入した場合は、貫通孔27aを水抜き孔として水を外部に排出することができる。
【0041】
<変更例>
本実施形態は、以下のように変更して実施することができる。本実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
【0042】
・上記実施形態では、被取付構造は、筒状部22の被係合部24であり、取付構造は、固定部材40のロック片41であるとしたが、被係合部24及びロック片41は、筒状部22の外周よりも内側に設けられれば、他の被取付構造及び取付構造に変更してもよい。
【0043】
例えば、
図5及び
図6に示すように、変更してもよい。この例では、被取付構造としての被係合部24及び取付構造としてのロック片41は、設けられていない。被取付構造は、筒状部22の先端面に設けられた雌ネジ穴71である。また、取付構造は、固定部材40において、雌ネジ穴71と対応した位置に設けられたネジ貫通孔72である。雌ネジ穴71及びネジ貫通孔72は、90度間隔で設けられている。そして、固定部材40は、ネジ貫通孔72を貫通して雌ネジ穴71に螺合されるネジ73によって筒状部22に固定されている。
【0044】
なお、このような例とした場合、上記実施形態における被係合部24と対応した位置の貫通孔27aは設けなくてもよい。
このようにしても、上記実施形態の効果(1)と同様の効果を得ることができる。また、このようにすると、固定部材40は、固定部材40のネジ貫通孔72を貫通して筒状部22の雌ネジ穴71に螺合されるネジ73によって筒状部22に固定されるため、例えば、固定部材40を筒状部22に強固に固定することができる。
【0045】
また、雌ネジ穴71及びネジ貫通孔72は、90度間隔で設けられるため、カバー部材50が回動可能に支持されている部位、ひいてはカバー部材50を開閉させる際の方向を固定部材40の筒状部22への固定時に90度間隔で自由に設定することができる。例えば、固定部材40の筒状部22への固定時に、カバー部材50を左側に開く左開きや、カバー部材50を右側に開く右開きや、カバー部材50を上側に開く上開きとすることができる。
【0046】
・上記実施形態及び別例の被取付構造としての被係合部24や雌ネジ穴71の数は他の数に変更してもよい。
・上記実施形態及び別例の取付構造としてのロック片41やネジ貫通孔72の数は他の数に変更してもよい。
【0047】
・上記実施形態では、固定部材40は、環状部42と、対向部43と、一対の支持壁44と、一対の係止壁45とを有しているとしたが、これに限定されず、他の構成としてもよい。すなわち、固定部材40は、筒状部22の先端側に固定され、カバー部材50を支持し、筒状部22の外周よりも内側にロック片41等の取付構造を有していれば、他の構成に変更してもよい。
【0048】
・上記実施形態では、充電用インレット10に具体化したが、他の車両用コネクタに具体化してもよい。
【符号の説明】
【0049】
10 充電用インレット
20 ハウジング
21 開口部
22 筒状部
23 外延固定部
23a 固定孔
24 被係合部(被取付構造)
25 端子保持部
26 凸部
27 底部
27a 貫通孔
30 端子
30a 電源用の端子
30b 信号用の端子
40 固定部材
41 ロック片(取付構造)
42 環状部
43 対向部
44 支持壁(ヒンジ構成部)
45 係止壁
46 回動軸
47 係止軸
50 カバー部材
51 カバー本体部
52 支持部
53 支持部
54 保持片
55 弾性部材
60 外部コネクタ
71 雌ネジ穴(被取付構造)
72 ネジ貫通孔(取付構造)
73 ネジ
V 車両
V1 取付パネル
V2 取付孔