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特許7472898店舗装置、店舗システム、決済方法、およびプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-15
(45)【発行日】2024-04-23
(54)【発明の名称】店舗装置、店舗システム、決済方法、およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   G07G 1/12 20060101AFI20240416BHJP
   G07G 1/06 20060101ALI20240416BHJP
   G07G 1/00 20060101ALI20240416BHJP
   G07C 9/37 20200101ALI20240416BHJP
   G07C 9/38 20200101ALI20240416BHJP
   G06K 7/10 20060101ALI20240416BHJP
【FI】
G07G1/12 331D
G07G1/06 Z
G07G1/00 311D
G07C9/37
G07C9/38
G06K7/10 268
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2021503489
(86)(22)【出願日】2020-02-10
(86)【国際出願番号】 JP2020005129
(87)【国際公開番号】W WO2020179374
(87)【国際公開日】2020-09-10
【審査請求日】2023-01-11
(31)【優先権主張番号】P 2019038667
(32)【優先日】2019-03-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100110928
【弁理士】
【氏名又は名称】速水 進治
(72)【発明者】
【氏名】三浦 和樹
(72)【発明者】
【氏名】高畠 真彩
【審査官】山本 裕太
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-250694(JP,A)
【文献】特開2012-181872(JP,A)
【文献】特開2011-129038(JP,A)
【文献】特開2006-331069(JP,A)
【文献】特開2010-286916(JP,A)
【文献】特開2010-204858(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第108573376(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G07G 1/12
G07G 1/06
G07G 1/00
G07C 9/37
G07C 9/38
G06K 7/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
個々の商品に付されたタグをゲートに設けられた読取装置で読み取ることで得られるタグ記録情報と、当該タグから受信した電波の強度とを含むタグ読取結果を、前記ゲートを通過する人物を特定する人物特定情報と対応付けて登録する読取結果登録手段と、
人物毎の前記タグ読取結果に基づいて購入商品を確定する購入商品確定手段と、
確定した前記購入商品の決済処理を実行する決済手段と、
前記決済処理に対する電子レシートを発行する電子レシート発行手段と、
を備え、
前記読取結果登録手段は、第1の人物に関する第1のタグ読取結果と、前記第1の人物の次に前記ゲートを通過した第2の人物に関する第2のタグ読取結果の双方に同一タグに関するタグ記録情報が含まれている場合、前記同一タグから受信した電波の強度の大きさに基づいて、前記第1のタグ読取結果を確定させる、
店舗装置。
【請求項2】
前記読取結果登録手段は、前記同一タグから受信した電波の強度の大きさに基づいて、前記第1のタグ読取結果および前記第2のタグ読取結果のいずれか一方を修正する修正処理を実行する、
請求項1に記載の店舗装置。
【請求項3】
前記読取結果登録手段は、前記第1のタグ読取結果および前記第2のタグ読取結果のうち、前記同一タグから受信した電波の強度が小さい方のタグ読取結果に含まれる、前記同一タグに関するタグ記録情報を削除する、
請求項2に記載の店舗装置。
【請求項4】
前記読取結果登録手段は、所定の閾値未満の強度の電波が前記第1のタグ読取結果に含まれている場合に、前記修正処理を実行する、
請求項2または3に記載の店舗装置。
【請求項5】
所定の閾値未満の強度の電波が前記第1のタグ読取結果に含まれていない場合、
前記読取結果登録手段は、前記第1のタグ読取結果を確定させ、
前記購入商品確定手段は、前記第1のタグ読取結果に基づいて前記第1の人物の購入商品を確定させ、
前記決済手段は、前記第1の人物の購入商品の決済処理を実行する、
請求項1から4のいずれか1項に記載の店舗装置。
【請求項6】
前記第1の人物が前記ゲートを通過した後、前記第2の人物が前記ゲートを通過しないまま所定時間が経過した場合、
前記読取結果登録手段は、前記第1のタグ読取結果を確定させ、
前記購入商品確定手段は、前記第1のタグ読取結果に基づいて前記第1の人物の購入商品を確定させ、
前記決済手段は、前記第1の人物の購入商品の決済処理を実行する、
請求項1から5のいずれか1項に記載の店舗装置。
【請求項7】
前記ゲートは入り口側に人感センサを有しており、
前記第1の人物が前記ゲートを通過している間に前記人感センサで前記第2の人物が検出されなかった場合、
前記読取結果登録手段は、前記第1のタグ読取結果を確定させ、
前記購入商品確定手段は、前記第1のタグ読取結果に基づいて前記第1の人物の購入商品を確定させ、
前記決済手段は、前記第1の人物の購入商品の決済処理を実行する、
請求項1から5のいずれか1項に記載の店舗装置。
【請求項8】
個々の商品に付されたタグを読み取る読取装置を備えるゲートと、
個々の商品に付されたタグをゲートに設けられた読取装置で読み取ることで得られるタグ記録情報と、当該タグから受信した電波の強度とを含むタグ読取結果を、前記ゲートを通過する人物を特定する人物特定情報と対応付けて登録する読取結果登録手段と、
人物毎の前記タグ読取結果に基づいて購入商品を確定する購入商品確定手段と、
確定した前記購入商品の決済処理を実行する決済手段と、
前記決済処理に対する電子レシートを発行する電子レシート発行手段と、
を備え、
前記読取結果登録手段は、第1の人物に関する第1のタグ読取結果と、前記第1の人物の次に前記ゲートを通過した第2の人物に関する第2のタグ読取結果の双方に同一タグに関するタグ記録情報が含まれている場合、前記同一タグから受信した電波の強度の大きさに基づいて、前記第1のタグ読取結果を確定させる、
店舗システム。
【請求項9】
コンピュータが、
個々の商品に付されたタグをゲートに設けられた読取装置で読み取ることで得られるタグ記録情報と、当該タグから受信した電波の強度とを含むタグ読取結果を、前記ゲートを通過する人物を特定する人物特定情報と対応付けて登録し、
第1の人物に関する第1のタグ読取結果と、前記第1の人物の次に前記ゲートを通過した第2の人物に関する第2のタグ読取結果の双方に同一タグに関するタグ記録情報が含まれている場合、前記同一タグから受信した電波の強度の大きさに基づいて、前記第1のタグ読取結果を確定し、
人物毎の前記タグ読取結果に基づいて購入商品を確定し、
確定した前記購入商品の決済処理を実行し、
前記決済処理に対する電子レシートを発行する、
ことを含む決済方法。
【請求項10】
コンピュータを、
個々の商品に付されたタグをゲートに設けられた読取装置で読み取ることで得られるタグ記録情報と、当該タグから受信した電波の強度とを含むタグ読取結果を、前記ゲートを通過する人物を特定する人物特定情報と対応付けて登録する手段、
第1の人物に関する第1のタグ読取結果と、前記第1の人物の次に前記ゲートを通過した第2の人物に関する第2のタグ読取結果の双方に同一タグに関するタグ記録情報が含まれている場合、前記同一タグから受信した電波の強度の大きさに基づいて、前記第1のタグ読取結果を確定する手段、
人物毎の前記タグ読取結果に基づいて購入商品を確定する手段、
確定した前記購入商品の決済処理を実行する手段、および、
前記決済処理に対する電子レシートを発行する手段、
として機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、店舗での会計処理を支援する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
商品に付与された無線タグを読み取るアンテナを有するゲートを店舗の会計場所に設置し、顧客が商品の入ったカートと共にゲートを通過することによって、カート内の商品を一括で読み取るシステムに関する技術の一例が、下記特許文献1に開示されている。特許文献1には、商品に付与された無線タグからの信号が複数のゲートのアンテナで受信されることで誤った商品が登録されることを防止するため、各アンテナでの信号の受信強度に基づいて各ゲートでの無線タグの読取結果を修正する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2010-250694号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に開示されるような商品読取用のゲートにおいて、先の人物がゲートを通過するのを待っている人物の購入商品を、誤って認識してしまうケースもある。上述の特許文献1の技術では、このケースにおける商品の誤認識を防ぐことができない。
【0005】
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものである。本発明の目的の一つは、タグを使って商品を認識するゲートにおいて商品の誤認識を防止する技術を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の店舗装置は、
個々の商品に付されたタグをゲートに設けられた読取装置で読み取ることで得られるタグ記録情報と、当該タグから受信した電波の強度とを含むタグ読取結果を、前記ゲートを通過する人物を特定する人物特定情報と対応付けて登録する読取結果登録手段と、
人物毎の前記タグ読取結果に基づいて購入商品を確定する購入商品確定手段と、
確定した前記購入商品の決済処理を実行する決済手段と、
前記決済処理に対する電子レシートを発行する電子レシート発行手段と、
を備え、
前記読取結果登録手段は、第1の人物に関する第1のタグ読取結果と、前記第1の人物の次に前記ゲートを通過した第2の人物に関する第2のタグ読取結果の双方に同一タグに関するタグ記録情報が含まれている場合、前記同一タグから受信した電波の強度の大きさに基づいて、前記第1のタグ読取結果を確定させる。
【0007】
本発明の店舗システムは、
個々の商品に付されたタグを読み取る読取装置を備えるゲートと、
個々の商品に付されたタグをゲートに設けられた読取装置で読み取ることで得られるタグ記録情報と、当該タグから受信した電波の強度とを含むタグ読取結果を、前記ゲートを通過する人物を特定する人物特定情報と対応付けて登録する読取結果登録手段と、
人物毎の前記タグ読取結果に基づいて購入商品を確定する購入商品確定手段と、
確定した前記購入商品の決済処理を実行する決済手段と、
前記決済処理に対する電子レシートを発行する電子レシート発行手段と、
を備え、
前記読取結果登録手段は、第1の人物に関する第1のタグ読取結果と、前記第1の人物の次に前記ゲートを通過した第2の人物に関する第2のタグ読取結果の双方に同一タグに関するタグ記録情報が含まれている場合、前記同一タグから受信した電波の強度の大きさに基づいて、前記第1のタグ読取結果を確定させる。
【0008】
本発明の決済方法は、
コンピュータが、
個々の商品に付されたタグをゲートに設けられた読取装置で読み取ることで得られるタグ記録情報と、当該タグから受信した電波の強度とを含むタグ読取結果を、前記ゲートを通過する人物を特定する人物特定情報と対応付けて登録し、
第1の人物に関する第1のタグ読取結果と、前記第1の人物の次に前記ゲートを通過した第2の人物に関する第2のタグ読取結果の双方に同一タグに関するタグ記録情報が含まれている場合、前記同一タグから受信した電波の強度の大きさに基づいて、前記第1のタグ読取結果を確定し、
人物毎の前記タグ読取結果に基づいて購入商品を確定し、
確定した前記購入商品の決済処理を実行し、
前記決済処理に対する電子レシートを発行する、
ことを含む。
【0009】
本発明のプログラムは、
コンピュータを、
個々の商品に付されたタグをゲートに設けられた読取装置で読み取ることで得られるタグ記録情報と、当該タグから受信した電波の強度とを含むタグ読取結果を、前記ゲートを通過する人物を特定する人物特定情報と対応付けて登録する手段、
第1の人物に関する第1のタグ読取結果と、前記第1の人物の次に前記ゲートを通過した第2の人物に関する第2のタグ読取結果の双方に同一タグに関するタグ記録情報が含まれている場合、前記同一タグから受信した電波の強度の大きさに基づいて、前記第1のタグ読取結果を確定する手段、
人物毎の前記タグ読取結果に基づいて購入商品を確定する手段、
確定した前記購入商品の決済処理を実行する手段、および、
前記決済処理に対する電子レシートを発行する手段、
として機能させる。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、タグを使って商品を認識するゲートにおいて商品の誤認識を防止する技術が提供される。
【図面の簡単な説明】
【0011】
上述した目的、およびその他の目的、特徴および利点は、以下に述べる好適な実施の形態、およびそれに付随する以下の図面によってさらに明らかになる。
【0012】
図1】第1実施形態に係る店舗システムの構成を例示する図である。
図2】店舗装置のハードウエア構成を例示するブロック図である。
図3】第1実施形態の店舗システムにより実行される処理の流れを示すシーケンス図である。
図4】第1の人物がゲートを通過した後の記憶領域の状態を例示する図である。
図5】第2の人物がゲートを通過した後の記憶領域の状態を例示する図である。
図6】第1のタグ読取結果が修正された後の記憶領域の状態を例示する図である。
図7】第2の人物がゲートを通過した後の記憶領域の状態を例示する図である。
図8】第2のタグ読取結果が修正された後の記憶領域の状態を例示する図である。
図9】第2の人物がゲートを通過した後の記憶領域の状態を例示する図である。
図10】各商品とRFタグとの対応関係を定義する情報の一例である。
図11】第2実施形態の店舗装置により実行される処理の流れを例示するフローチャートである。
図12】第3実施形態の店舗装置により実行される処理の流れを例示するフローチャートである。
図13】第3実施形態の変形例における店舗システムの構成を例示する図である。
図14】第3実施形態の変形例で実行される処理の流れを例示するフローチャートである。
図15】電子レシートの発行後に端末上に表示される画面の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施形態について、図面を用いて説明する。尚、すべての図面において、同様な構成要素には同様の符号を付し、適宜説明を省略する。また、特に説明する場合を除き、各ブロック図において、各ブロックは、ハードウエア単位の構成ではなく、機能単位の構成を表している。また、図中の矢印の向きは、情報の流れを分かり易くするためのものであり、特に説明のない限り通信の方向(一方向通信/双方向通信)を限定しない。
【0014】
[第1実施形態]
図1は、第1実施形態に係る店舗システム1の構成を例示する図である。図1に示されるように、店舗システム1は、店舗装置10およびゲート20を含んで構成される。
【0015】
<基本的な決済処理の流れ>
図1に例示される店舗システム1では、以下のような流れの決済処理が行われる。
【0016】
まず、来店した人物(顧客)は、入れ物C(買い物用の袋、かご、またはカート等)に購入する商品を入れる。ここで、個々の商品には、RFID(Radio Frequency IDentification)用のRF(Radio Frequency)タグTが付与されている。RFタグTはIC(Integrated Circuit)タグや電子タグとも呼ばれる。RFタグTは、パッシブ型のタグであってもよいし、アクティブ型のタグであってもよい。例えば、パッシブ型のRFタグは、タグ読取装置220からの電波を受信することで動作電力を得て、RFタグ内の情報を信号化してタグ読取装置220に発信する。また、アクティブ型のRFタグは、内蔵の電源を動力としてRFタグ内の情報を信号化し、タグ読取装置220に発信する。ここで、RFタグTは、各個体固有の識別情報を記憶している。RFタグTを用いることにより、複数の同種商品(JAN(Japan Article Number)コードといった商品識別情報が同じである2つ以上の商品)を個別に認識することができる。
【0017】
顧客は、来店前に、自身の端末30にインストールされた専用のアプリケーションをインストールし、初期設定を完了させておく。例えば、顧客の個人情報および顧客の顔画像を登録する。登録される個人情報は、例えば、氏名、住所、電話番号、支払方法(クレジットカード番号、デビットカード番号、電子マネー決済種別、自動引き落とし用の口座番号など)を含む。なお、顧客の顔画像は、店舗の専用端末において撮影して登録するようにしてもよい。店舗を訪れた顧客は、購入する商品を入れ物Cに入れた後、その入れ物Cを持ってゲート20を通過する。人物がゲート20を通過する際、入れ物Cに入っている商品に付与されたRFタグTが読み取られ、その顧客の購入商品が店舗システム1において認識される。そして、詳しくは後述する処理を経て顧客の購入商品が確定されると、その人物に紐付けられた支払手段の情報(クレジットカードの情報や引き落とし口座の情報など)を使って、商品代金の支払い処理が実行される。その後、購入商品の情報や支払金額の情報などを含む電子レシートが、顧客が所持する端末30に送信される。端末30は、電子レシートを受信すると、音声、振動、画面表示などによって電子レシートを受信したことを通知する。端末30上で通知に応答(例えば、画面上の表示をタッチするなど)すると、後述の図15に示すような画面が端末30に表示される。図15は、電子レシートの発行後に端末30上に表示される画面の一例を示す図である。顧客は、当該画面を操作して決済処理の内容を示す電子レシートを閲覧することができる。
【0018】
<ゲート20の機能構成>
ゲート20は、当該ゲート20を通過する人物を特定するため情報(以下、「人物特定情報」とも表記)を取得する人物特定情報取得装置210と、当該人物が購入する個々の商品に付与されたRFタグを読み取るためのタグ読取装置220と、を有する。
【0019】
一例として、人物特定情報取得装置210はカメラモジュールを含んで構成される。この場合、人物特定情報取得装置210は、ゲート20に入場する人物P(顧客)の顔を含む画像(以下、「顔画像」とも表記)を生成できるように位置および向きが調整された状態で設置される。人物特定情報取得装置210は、カメラモジュールによって生成された顔画像を、人物特定情報として取得する。この顔画像は、ゲート20を通過する人物の顔認証処理に利用される。顔認証処理では、事前に登録された人物(例えば、店舗の会員など)の顔画像とのマッチングを行って、事前に登録された人物か否かが判定される。なお、顔認証処理は、人物特定情報取得装置210で実行されてもよいし、図示しないサーバ装置で実行されてもよい。
【0020】
他の一例として、人物特定情報取得装置210は、人物(顧客)を一意に特定可能な情報を有するカード(例えば、クレジットカード、電子マネーカード、店舗会員カードなど)を読み取るカードリーダーモジュールを含んで構成される。この場合、人物特定情報取得装置210は、各カードに記憶されている人物特定情報を、カードリーダーモジュールを介して取得する。そして、人物特定情報取得装置210が取得した人物特定情報と、事前に登録された各人物の情報(カード情報)とを照合して個人を認証する処理が行われる。なお、この認証処理は、人物特定情報取得装置210で実行されてもよいし、図示しないサーバ装置で実行されてもよい。
【0021】
他の一例として、人物特定情報取得装置210は、人物(顧客)を一意に特定可能な情報がエンコードされたコードシンボル(1次元コードや2次元コード)を読み取るコードリーダーモジュールを含んで構成される。この場合、人物特定情報取得装置210は、例えばスマートフォンなどの携帯端末にインストールされたアプリケーションによって当該携帯端末の画面上に表示されたコードシンボルや紙などの媒体に印字されたコードシンボルから人物特定情報を取得する。そして、人物特定情報取得装置210が取得した人物特定情報と、事前に登録された各人物の情報(例えば、アプリケーションインストール時に発行されるユーザIDなど)とを照合して個人を認証する処理が行われる。なお、この認証処理は、人物特定情報取得装置210で実行されてもよいし、図示しないサーバ装置で実行されてもよい。
【0022】
上述の人物特定情報を使った認証処理が成功した場合、当該認証された人物はゲート20を通過することを許可される。例えば、認証処理が成功した場合には、ゲート20の入り口側の図示しない扉が開放される。その他にも、図示しない通知装置(スピーカー、ディスプレイ、ランプ等)がゲート20に設けられており、認証処理が成功した場合に、当該通知装置が、通過が許可されたことを聴覚的または視覚的に通知するように構成されていてもよい。
【0023】
なお、人物特定情報取得装置210は、ここで例示した複数のモジュールを組み合わせて含むように構成されていてもよい。また、図示されていないが、人物特定情報取得装置210は、ゲート20とは別の単体の装置として、ゲート20とは異なる位置に設けられていてもよい。例えば、人物特定情報取得装置210は、ゲート20から少し離れた位置(例えば、ゲート20の入り口と待機場所との間の領域など)や店舗の出入り口などに設けられていてもよい。
【0024】
具体的な例として、カメラモジュールを有する人物特定情報取得装置210が店舗の出入口に設けられている場合を考える。この場合、人物特定情報取得装置210は、当該カメラモジュールで生成された画像を用いて顔認証等を行うことによって、その画像に写る人物の人物特定情報を取得することができる。またこの場合、店舗装置10は、当該人物がゲート20の付近に来たタイミング(時刻)と、タグ読取装置220においてRFタグ(商品)が読み取られたタイミング(時刻)とを比較して、タグ読取結果と人物特定情報との対応関係を把握することができる。なお、人物がゲート20の付近に来たタイミングは、店舗内に設置したカメラの画像を用いて当該人物を追跡することによって把握される。例えば、店舗装置10は、人物の動線を生成する既知のアルゴリズムを用いて、認識した人物を追跡し、当該人物の動線の終端(現在位置)とゲート20の基準位置(例えば、入り口の位置)との差分が所定の閾値未満となったときに、「人物がゲート20の付近に来た」と判断できる。
【0025】
タグ読取装置220は、ゲート20の側壁部(図中の符号20A、20Bで示す部分)に設けられる。なお、ゲート20の側壁部20Aおよび20Bは、入れ物Cと人物が同時に通過できるような幅で設けられている。タグ読取装置220は、各商品に付与されたRFタグTと通信し、各RFタグTの記憶領域(図示せず)に格納されている情報(以下、「タグ記録情報」とも表記)を取得する。
【0026】
ここで、RFタグTの記憶領域には、個体固有の識別情報(タグID)が少なくとも格納されている。RFタグTの記憶領域には、そのタグが付与された商品に関する情報が更に格納されていてもよい。RFタグTの記憶領域に記憶されているタグ記録情報(タグID、または、タグIDおよび商品情報を含む情報)は、RFタグTから発せられる電波によって搬送される。また、タグ読取装置220は、各商品に付与されたRFタグTのタグ記録情報を読み取った際の電波の強度を測定し、電波の強度を示す情報と当該電波によって搬送されたタグ記録情報とを対応付ける。
【0027】
図1では示されていないが、複数のゲート20が並列して設けられていてもよい。複数のゲート20が並列して設けられる場合、図示しない電波シールド部材(例えば、アルミシートなど)を、各ゲート20の側壁部20A、20Bの外側に配置するのが好ましい。側壁部20A、20Bの外側に配置される電波シールド部材によって、例えば次のような効果が得られる。即ち、ある人物がゲート20を通過した際、その人物が購入する商品に付与されたRFタグTの電波を、隣接する他のゲート20が誤って受信する可能性を低減させるという効果が得られる。
【0028】
なお、ゲート20の構成は、図1の例に制限されない。例えば、タグ読取装置220は、ゲート20の一部としてゲート20に組み込まれていてもよいし、ゲート20とは別の単体の装置として設けられていてもよい。
【0029】
<店舗装置10の機能構成>
図1に示されるように、本実施形態の店舗装置10は、読取結果登録部110、購入商品確定部120、決済部130、および電子レシート発行部140を備える。
【0030】
読取結果登録部110は、ゲート20でのRFタグTの読取結果(以下、「タグ読取結果」とも表記)を人物毎に登録する。まず、読取結果登録部110は、タグ読取結果と人物特定情報とを、ゲート20から取得する。人物特定情報は、ゲート20を通過する人物(顧客)を特定するための情報である。人物特定情報は、上述したような人物特定情報取得装置210の各種モジュールを用いて取得され、店舗装置10に送信される。タグ読取結果は、個々の商品に付与されたRFタグTをタグ読取装置220で読み取ることによって得られるタグ記録情報と、当該タグ記録情報の読取時に各RFタグTから受信した電波の強度を示す情報と、を含む。そして、読取結果登録部110は、ゲート20から取得したタグ読取結果と人物特定情報とを対応付けて図示しない記憶領域に登録する。
【0031】
ここで、読取結果登録部110は、特定の条件が満たされた場合に、読取結果登録部110により登録された、人物毎のタグ読取結果を修正する修正処理を実行する。ここでいう「特定の条件」とは、第1の人物に関するタグ読取結果と、当該第1の人物の次にゲート20を通過した第2の人物に関するタグ読取結果の双方に同一のRFタグTに関するタグ記録情報が含まれていることである。以下の説明において、第1の人物に関するタグ読取結果を「第1のタグ読取結果」と、第2の人物に関するタグ読取結果を「第2のタグ読取結果」とも表記する。また、以下の説明において、この同一のRFタグTを、「同一RFタグ」とも表記する。読取結果登録部110は、特定の条件が満たされた場合、同一RFタグから受信した電波の強度の大きさに基づいて、第1のタグ読取結果および第2のタグ読取結果のいずれか一方を修正する処理を実行する。この修正処理が実行されることによって、第1の人物に関する第1のタグ読取結果の内容(すなわち、第1の人物の購入商品)が確定される。
【0032】
図1の例で説明すると、符号P1で示される人物が「第1の人物」、符号P2で示される人物が「第2の人物」に相当する。第1の人物P1がゲート20を通過したときに、読取結果登録部110は、第1の人物P1に関するタグ読取結果(第1のタグ読取結果)と、当該第1の人物P1の人物特定情報とを取得する。そして、読取結果登録部110は、これらの情報を互いに対応付けて登録する。また、第1の人物P1がゲート20を通過した後、第2の人物P2がゲート20を通過したときに、読取結果登録部110は、第2の人物P2に関するタグ読取結果(第2のタグ読取結果)と、当該第2の人物P2の人物特定情報とを取得する。そして、読取結果登録部110は、これらの情報を互いに対応付けて登録する。また、第2のタグ読取結果が取得されたことに応じて、読取結果登録部110は、第1のタグ読取結果と第2のタグ読取結果とを照合し、第1のタグ読取結果および第2のタグ読取結果の双方に同一RFタグのタグ記録情報が含まれているか否かを判定する。第1のタグ読取結果および第2のタグ読取結果の双方に同一RFタグのタグ記録情報が含まれている場合、読取結果登録部110は、第1のタグ読取結果および第2のタグ読取結果のいずれか一方を修正する。一方、第1のタグ読取結果および第2のタグ読取結果の双方に同一RFタグのタグ記録情報が含まれていない場合、読取結果登録部110は、第1のタグ読取結果および第2のタグ読取結果のいずれも修正しない。
【0033】
購入商品確定部120は、上述の処理で登録(場合によっては修正)された人物毎のタグ読取結果に基づいて、各人物の購入商品を確定する。
【0034】
決済部130は、購入商品確定部120により確定された購入商品の決済処理を実行する。例えば、決済部130は、以下のように動作する。まず、決済部130は、タグ読取結果に基づいて確定された購入商品の決済処理を行う際、そのタグ読取結果に対応付けられた人物特定情報を取得する。そして、決済部130は、取得した人物特定情報と予め紐付けられている、支払手段の情報(クレジットカードや引き落とし口座の情報など)を使って、購入商品の決済処理を実行する。
【0035】
電子レシート発行部140は、決済部130により実行された決済処理に対応する電子レシートを発行する。例えば、電子レシート発行部140は、決済処理の内容を基に電子レシートデータを生成し、当該電子レシートデータを端末30に送信する。この場合、電子レシート発行部140は、人物特定情報に予め紐付けられた端末30の宛先情報を使って、電子レシートデータを端末30に送信することができる。また、電子レシート発行部140は、生成した電子レシートデータを、決済処理において取得された人物特定情報と対応付けて図示しないサーバ装置などに記憶するように構成されていてもよい。この場合、顧客は、図示しないサーバ装置にアクセスして電子レシートデータを端末30にダウンロードすることによって、電子レシートを確認することができる。
【0036】
<店舗装置10のハードウエア構成例>
店舗装置10は、各機能構成部を実現するハードウエア(例:ハードワイヤードされた電子回路など)で実現されてもよいし、ハードウエアとソフトウエアとの組み合わせ(例:電子回路とそれを制御するプログラムの組み合わせなど)で実現されてもよい。以下、店舗装置10がハードウエアとソフトウエアとの組み合わせで実現される場合について、さらに説明する。
【0037】
図2は、店舗装置10のハードウエア構成を例示するブロック図である。
【0038】
店舗装置10は、バス1010、プロセッサ1020、メモリ1030、ストレージデバイス1040、入出力インタフェース1050、及びネットワークインタフェース1060を有する。
【0039】
バス1010は、プロセッサ1020、メモリ1030、ストレージデバイス1040、入出力インタフェース1050、及びネットワークインタフェース1060が、相互にデータを送受信するためのデータ伝送路である。ただし、プロセッサ1020などを互いに接続する方法は、バス接続に限定されない。
【0040】
プロセッサ1020は、CPU(Central Processing Unit) やGPU(Graphics Processing Unit)などで実現されるプロセッサである。
【0041】
メモリ1030は、RAM(Random Access Memory)などで実現される主記憶装置である。
【0042】
ストレージデバイス1040は、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)、メモリカード、又はROM(Read Only Memory)などで実現される補助記憶装置である。ストレージデバイス1040は店舗装置10の各機能(読取結果登録部110、購入商品確定部120、決済部130、電子レシート発行部140など)を実現するプログラムモジュールを記憶している。プロセッサ1020がこれら各プログラムモジュールをメモリ1030上に読み込んで実行することで、各プログラムモジュールに対応する各機能が実現される。
【0043】
入出力インタフェース1050は、店舗装置10と図示しない周辺機器とを接続するためのインタフェースである。周辺機器は、例えば、キーボードやマウスなどの入力機器、ディスプレイ(タッチパネルディスプレイ)やスピーカーなどの出力機器を含む。なお、入出力インタフェース1050には、上述したような入力機器や出力機器が接続されていなくてもよい。
【0044】
ネットワークインタフェース1060は、店舗装置10をネットワークに接続するためのインタフェースである。このネットワークは、例えばLAN(Local Area Network)やWAN(Wide Area Network)である。ネットワークインタフェース1060がネットワークに接続する方法は、無線接続であってもよいし、有線接続であってもよい。店舗装置10は、ネットワークインタフェース1060を介して、ゲート20の人物特定情報取得装置210やタグ読取装置220といった外部装置と通信可能に接続される。
【0045】
なお、図2に例示される構成はあくまで一例であり、店舗装置10を含むハードウエアの構成は図2の例に制限されない。
【0046】
<処理の流れ>
図3を用いて、本実施形態の店舗システム1により実行される処理の流れを説明する。図3は、第1実施形態の店舗システム1により実行される処理の流れを示すシーケンス図である。
【0047】
まず、第1の人物がゲート20を通過する際(S102)、人物特定情報取得装置210によって、当該第1の人物のおよび人物特定情報が取得される。また、タグ読取装置220によって第1の人物が購入する商品のRFタグが読み取られ、当該第1の人物に関するタグ読取結果(第1のタグ読取結果)が取得される。ゲート20において取得された、第1のタグ読取結果および第1の人物の人物特定情報は、店舗装置10に送信される。読取結果登録部110は、ゲート20から取得した第1のタグ読取結果と第1の人物の人物特定情報とを互いに対応付けて、ストレージデバイス1040などの記憶領域に登録する(S104)。
【0048】
第1の人物がゲート20を通過した後、第2の人物がゲート20を通過すると(S106)、人物特定情報取得装置210によって、当該第2の人物の人物特定情報が取得される。また、タグ読取装置220によって第2の人物が購入する商品のRFタグが読み取られ、当該第2の人物に関するタグ読取結果(第2のタグ読取結果)が取得される。ゲート20で取得された、第2のタグ読取結果および第2の人物の人物特定情報は、店舗装置10に送信される。読取結果登録部110は、ゲート20から取得した第2のタグ読取結果と第2の人物の人物特定情報とを互いに対応付けて、ストレージデバイス1040などの記憶領域に登録する(S108)。
【0049】
店舗装置10で第2のタグ読取結果が取得されると、読取結果登録部110は、第1のタグ読取結果と第2のタグ読取結果とを照合し、第1のタグ読取結果と第2のタグ読取結果の双方に、同一RFタグのタグ記録情報が存在するか否かを判定する(S110)。第1のタグ読取結果と第2のタグ読取結果の双方に、同一RFタグのタグ記録情報が存在する場合(S110:YES)、読取結果登録部110は、第1のタグ読取結果と第2のタグ読取結果のいずれか一方を修正する(S112)。一方、第1のタグ読取結果と第2のタグ読取結果の双方に、同一RFタグのタグ記録情報が存在していない場合(S110:NO)、読取結果登録部110は、第1のタグ読取結果と第2のタグ読取結果のいずれも修正しない。S112の処理で第1のタグ読取結果および第2のタグ読取結果のいずれか一方が修正された場合、或いは、S110の処理で同一RFタグのタグ記録情報が存在していないことが判明した場合に、第1のタグ読取結果が確定する。そして、購入商品確定部120は、確定した第1のタグ読取結果に基づいて、第1の人物の購入商品を特定する(S114)。
【0050】
そして、決済部130は、S114の処理で確定した第1の人物の購入商品の情報を用いて、決済処理(商品代金の支払処理)を実行する(S116)。そして、電子レシート発行部140は、決済処理に対応する電子レシートデータを発行する(S118)。例えば、電子レシート発行部140は、第1の人物が所持する端末に、決済処理の結果に基づいて生成された電子レシートのデータを送信する。また、電子レシート発行部140は、決済処理の結果に基づいて生成された電子レシートのデータを、第1の人物の人物特定情報と対応付けて図示しないサーバ装置に送信してもよい。後者の場合、例えば、端末にインストールされたアプリケーションなどを介して第1の人物の人物特定情報がサーバ装置に送信されることによって、その人物特定情報に対応付けられた電子レシートデータがサーバ装置から端末に送信される。
【0051】
<処理の具体例>
以下、本実施形態の店舗装置10により実行される処理について、具体例を挙げて説明する。
【0052】
まず、第1の人物がゲート20を通過することによって、第1の人物に関する情報が、メモリ1030やストレージデバイス1040といった所定の記憶領域に登録される(例:図4)。図4は、第1の人物がゲート20を通過した後の記憶領域の状態を例示する図である。図4によれば、ゲート20のタグ読取装置220は、第1の人物の通過時に、タグID「T1001」、タグID「T1002」、およびタグID「T2001」によって個々に識別される3つのタグ(すなわち、3つの商品)を読み取ったことが分かる。また、ゲート20のタグ読取装置220は、タグID「T1001」、タグID「T1002」、およびタグID「T2001」から、それぞれ、「85」の強度、「90」の強度、「50」の強度の電波をそれぞれ受信したことが分かる。
【0053】
次に、第2の人物がゲート20を通過することによって、第2の人物に関する情報が、メモリ1030やストレージデバイス1040といった所定の記憶領域に更に登録される(例:図5)。図5は、第2の人物がゲート20を通過した後の記憶領域の状態を例示する図である。図5によれば、ゲート20のタグ読取装置220は、第2の人物の通過時に、タグID「T3001」、タグID「T4001」、およびタグID「T2001」によって個々に識別される3つのタグ(すなわち、3つの商品)を読み取ったことが分かる。また、ゲート20のタグ読取装置220は、タグID「T3001」、タグID「T4001」、およびタグID「T2001」から、それぞれ、「85」の強度、「90」の強度、「80」の強度の電波をそれぞれ受信したことが分かる。
【0054】
ここで、図5中の点線で示すように、第1の人物に関するタグ読取結果(第1のタグ読取結果)と第2の人物に関するタグ読取結果(第2のタグ読取結果)の双方に、同一RFタグのタグ記録情報(タグID「T2001」)が含まれている。すなわち、図5の例において、上述の「特定の条件」が満たされている。図5に例示されるように第1のタグ読取結果と第2のタグ読取結果の双方に同一RFタグのタグ記録情報が含まれている場合、読取結果登録部110は、当該同一RFタグから受信した電波の強度に基づいて、第1のタグ読取結果および第2のタグ読取結果のいずれか一方を修正する。
【0055】
具体的には、読取結果登録部110は次のように動作する。まず、読取結果登録部110は、第1のタグ読取結果に含まれている同一RFタグの電波強度と、第2のタグ読取結果に含まれている同一RFタグの電波強度とを比較し、電波強度が小さい方のタグ読取結果を特定する。そして、読取結果登録部110は、電波強度が小さい方として特定したタグ読取結果に含まれている、同一RFタグに関するタグ記録情報を物理的または論理的に削除する。
【0056】
図5の例では、第1のタグ読取結果に含まれる電波強度の方が小さいため、読取結果登録部110は、当該第1のタグ読取結果に含まれるタグID「T2001」の情報を削除する。その結果、所定の記憶領域に記憶される情報は、例えば図6に示されるような状態となる。図6は、第1のタグ読取結果が修正された後の記憶領域の状態を例示する図である。この場合、第1のタグ読取結果は、図6の状態で確定する。
【0057】
ここで、第1の人物および第2の人物がゲート20を通過した結果、所定の記憶領域の状態が図7に示されるような状態であったとする。図7は、第2の人物がゲート20を通過した後の記憶領域の状態を例示する図である。図7の例では、点線で示すように、第1の人物に関するタグ読取結果(第1のタグ読取結果)と第2の人物に関するタグ読取結果(第2のタグ読取結果)の双方に、同一RFタグのタグ記録情報(タグID「T2001」)が含まれている。すなわち、図7の例において、上述の「特定の条件」が満たされている。
【0058】
図7の例では、第2のタグ読取結果に含まれる電波強度の方が小さいため、読取結果登録部110は、当該第2のタグ読取結果に含まれるタグID「T2001」の情報を削除する。その結果、所定の記憶領域に記憶される情報は、例えば図8に示されるような状態となる。図8は、第2のタグ読取結果が修正された後の記憶領域の状態を例示する図である。この場合、第1のタグ読取結果は、図8の状態で確定する。
【0059】
また、第1の人物および第2の人物がゲート20を通過した結果、所定の記憶領域の状態が図9に示されるような状態であったとする。図9は、第2の人物がゲート20を通過した後の記憶領域の状態を例示する図である。図9の例において、第1のタグ読取結果に含まれているタグ記録情報は、「T1001」、「T1002」、および「T4002」であり、第2のタグ読取結果に含まれているタグ記録情報は「T3001」、「T4001」、「T2001」である。すなわち、図9の例において、上述の「特定の条件」が満たされていない。よって、図9の例では、読取結果登録部110は、第1のタグ読取結果および第2のタグ読取結果のいずれも修正しない。この場合、第1のタグ読取結果は、図9の状態で確定する。
【0060】
購入商品確定部120は、確定した第1のタグ読取結果に基づいて、第1の人物の購入商品を確定する。例えば、購入商品確定部120は、図10に例示されるようなRFタグと商品との対応関係を示す情報を用いて、第1のタグ読取結果から第1の人物の購入商品を特定することができる。図10は、各商品とRFタグとの対応関係を定義する情報の一例である。図10に例示される情報では、各RFタグの識別情報(タグID)が、そのRFタグが付与された商品の商品情報に対応付けられている。例えば、第1のタグ読取結果が図6の状態で確定した場合、購入商品確定部120は、図10に例示される情報を用いて、第1の人物の購入商品を、「商品Aを2つ」と特定することができる。また例えば、第1のタグ読取結果が図8の状態で確定した場合、購入商品確定部120は、図10に例示される情報を用いて、第1の人物の購入商品を、「商品Aを2つ、および、商品Bを1つ」と特定することができる。また例えば、第1のタグ読取結果が図9の状態で確定した場合、購入商品確定部120は、図10に例示される情報を用いて、第1の人物の購入商品を、「商品Aを2つ、および、商品Dを1つ」と特定することができる。そして、店舗装置10は、第1の人物の購入商品を確定した結果に基づいて、決済処理を実行する。なお、各RFタグに決済処理に用いる商品の情報が記憶されている場合、各人物のタグ読取結果にはその商品情報が含まれる。この場合、決済部130は、第1の人物に関するタグ読取結果(すなわち、第1の人物の購入商品)が確定した後、そのタグ読取結果に含まれる商品情報を用いて決済処理を実行することができる。そして、電子レシート発行部140は、決済処理の内容に基づいて電子レシートを発行する。
【0061】
以上、本実施形態によれば、個々の商品に付与されたRFタグを基に商品を認識するゲート20をある人物が通過する際に、当該ゲート20の近傍に存在する別の人物の購入商品に付与されたRFタグが誤って読み取られることで、商品の誤認識が発生するのを防止できる。これにより、ゲート20を有する店舗システム1は、各人物の決済処理を正確に実行することができる。
【0062】
[第2実施形態]
ゲート20のタグ読取装置220で受信する電波の強度は、タグ読取装置220とRFタグとの位置関係(タグ読取装置220とRFタグとの相対的な向きや距離)によって変動する。例えば、ゲート20の外側(ゲート20の手前の待機場所など)にRFタグが位置している場合、ゲート20の内側にRFタグが位置している場合と比較して、タグ読取装置220で受信されるRFタグからの電波の強度が減衰する。つまり、各RFタグから受信した電波の強度を使えば、ある時点でタグ読取装置220によって読み取られたRFタグが、その時点でゲート20を通過している人物とは異なる人物が購入する商品に付与されているか否かを推定することができる。
【0063】
<機能構成>
そこで、本実施形態の読取結果登録部110は、所定の閾値未満の強度の電波が第1のタグ読取結果に含まれている場合に、先に説明したような修正処理を実行するように構成される。すなわち、本実施形態の読取結果登録部110は、第1の人物がゲート20を通過する際にタグ読取装置220によって読み取られた全てのRFタグについて基準(所定の閾値)以上の強度の電波が受信できた場合、先に説明したような修正処理を実行しない。第1の人物がゲート20を通過する際、全てのRFタグから基準以上の大きさの強度の電波を受信できた場合(すなわち、所定の閾値未満の強度の電波が第1のタグ読取結果に含まれていない場合)には、第2の人物の購入商品に付与されたRFタグの電波をタグ読取装置220が受信した可能性が低いと推定できる。この場合、読取結果登録部110は、第2の人物に関するタグ読取結果が取得されるのを待つことなく、第1のタグ読取結果を確定させる。そして、購入商品確定部120が当該第1のタグ読取結果に基づいて第1の人物の購入商品を確定し、決済部130が当該第1の人物の購入商品について決済処理を実行する。なお、本実施形態の店舗装置10は、上述の点を除き、第1の実施形態と同様の構成(図1に描写される構成)を有する。
【0064】
なお、上述の「所定の閾値」は、例えば、RFタグがゲート20の内側に位置する状態での電波強度、または、RFタグがゲート20の外側に位置する状態での電波強度を試験的に計測した結果に基づいて決定できる。例えば、前者の状態で電波強度を試験的に計測した結果に基づく統計値(平均値、中央値など)が「80」で、後者の状態で電波強度を試験的に計測した結果に基づく統計値(平均値、中央値など)が「50」であったとする。この場合、「50」から「80」の間の任意の値が、修正処理を実行するか否かを決定するための閾値として設定され得る。例えば、これらの2つの統計値の中間に位置する値(具体的には、「65」)が、修正処理を実行するか否かを決定するための閾値として設定される。
【0065】
<処理の流れ>
図11を用いて、本実施形態の処理の流れを説明する。図11は、第2実施形態の店舗装置10により実行される処理の流れを例示するフローチャートである。本図で例示される処理は、図3のS104の処理の後に実行される。
【0066】
まず、読取結果登録部110は、第1のタグ読取結果に含まれる各RFタグから受信した電波の強度に関する情報を参照し、第1の人物がゲート20を通過した際に所定の閾値未満の強度の電波を受信したか否かを判定する(S202)。ここで、所定の閾値は、例えばメモリ1030といった、読取結果登録部110がアクセス可能な記憶領域に予め記憶されている。
【0067】
第1の人物がゲート20を通過した際に所定の閾値未満の強度の電波を受信した場合(S202:YES)、読取結果登録部110は、当該第1のタグ読取結果を修正処理の対象と識別する(S204)。例えば、読取結果登録部110は、第1のタグ読取結果が修正処理の対象か否かを識別するための情報(対象識別フラグ)を「1(処理対象であることを示す値)」に設定する。対象識別フラグが「1」に設定されている場合、第2の人物がゲート20を通過して第2のタグ読取結果が取得されたことに応じて(図3のS106)、読取結果登録部110は、第1実施形態で説明したような修正処理を実行する。具体的には、読取結果登録部110は、第1のタグ読取結果と第2のタグ読取結果とを照合する処理を実行する(図3のS110)。そして、第1のタグ読取結果と第2のタグ読取結果の双方に同一RFタグのタグ記録情報が含まれていた場合、読取結果登録部110は、第1実施形態で説明したように、第1のタグ読取結果と第2のタグ読取結果のいずれか一方を修正する(図3のS112)。
【0068】
一方、第1の人物がゲート20を通過した際に所定の閾値未満の強度の電波を受信していない場合(S202:NO)、読取結果登録部110は、当該第1のタグ読取結果を修正処理の対象外と識別する(S206)。例えば、読取結果登録部110は、上述の対象識別フラグを「0(処理対象でないことを示す値)」に設定する。第1のタグ読取結果の対象識別フラグが「0」に設定されている場合、読取結果登録部110は、当該第1のタグ読取結果の内容を確定させる。
【0069】
なお、本図の処理において、第1のタグ読取結果が修正処理の対象外と識別された段階で当該第1のタグ読取結果が確定する。よって、購入商品確定部120は、第2のタグ読取結果の取得を待たずして、第1のタグ読取結果に基づいて第1の人物の購入商品を確定することができる(図3のS114)。
【0070】
以上、本実施形態の構成では、第2の人物の購入商品に付与されたRFタグの電波をタグ読取装置220が受信していないと推定できる場合、第1の人物の購入商品がその時点で確定する。これにより、第1の人物の決済処理をスムーズに完了させることが可能となる。
【0071】
<変形例>
第1のタグ読取結果において少なくとも1つのRFタグの電波強度が所定の閾値未満であった場合、当該RFタグが第2の人物の購入商品に付与されたものである(すなわち、当該RFタグが同一RFタグに該当する)可能性がある。そのため、当該第1のタグ読取結果は、第2の人物がゲート20を通過して第2のタグ読取結果が得られるまで確定させることができない。ここで、第2のタグ読取結果において、全てのRFタグの電波強度が所定の閾値以上である場合、読取結果登録部110は、第2のタグ読取結果(第2の人物の購入商品)と共に、第1のタグ読取結果(第1の人物の購入商品)を確定させることができる。第1のタグ読取結果において電波強度が所定の閾値未満であったRFタグが同一RFタグに該当する場合には、第2のタグ読取結果における当該同一RFタグの電波強度が第1のタグ読取結果における当該同一RFタグの電波強度よりも大きいことが確定する。このため、この場合には、読取結果登録部110は、第2のタグ読取結果をそのまま確定させるとともに、第1のタグ読取結果に対して修正処理を実行して第1のタグ読取結果を確定させることができる。また、第1のタグ読取結果において電波強度が所定の閾値未満であったRFタグが同一RFタグに該当しない場合には、当該RFタグが第2の人物の購入商品に付与されたものではないことが確定する。よって、この場合は、読取結果登録部110は、修正処理を行わずに、第1のタグ読取結果と第2のタグ読取結果を確定させることができる。
【0072】
[第3実施形態]
ある人物がゲート20を通過するときにそのゲート20の近傍に他の人物がいなければ、他の人物が購入する商品のRFタグをゲート20が誤って読み取る可能性は低くなる。そこで、本実施形態の店舗装置10は、ゲート20の近傍の他の人物の存否を判別し、その結果に応じて第1の人物のタグ読取結果を確定させて決済処理を実行する構成を更に有する。本実施形態の店舗装置10は、以下で説明する点を除き、第1の実施形態と同様の構成(図1に描写される構成)を有する。
【0073】
<第1の機能構成例>
一例として、読取結果登録部110は、第1の人物がゲート20を通過した時刻と、第2の人物がゲート20を通過した時刻との差分から、第1の人物がゲート20を通過したときに、第2の人物がゲート20の近傍に存在したか否かを判別するように構成されていてもよい。例えば、読取結果登録部110は、第1の人物がゲート20を通過してから、第2の人物がゲート20を通過しないまま所定時間が経過した場合、第1のタグ読取結果を確定させる。なお、「所定時間」は、任意の値(例えば数分~十数分など)とすることができる。そして、購入商品確定部120が当該第1のタグ読取結果に基づいて第1の人物の購入商品を確定し、決済部130が当該第1の人物の購入商品について決済処理を実行する。
【0074】
<処理の流れ>
図12を用いて、本実施形態の処理の流れを説明する。図12は、第3実施形態の店舗装置10により実行される処理の流れを例示するフローチャートである。
【0075】
まず、読取結果登録部110は、ゲート20から第1の人物に関するRFタグの読取結果(第1のタグ読取結果)と当該第1の人物の人物特定情報に加え、第1の人物がゲート20を通過した時刻(以下、「第1の通過時刻」とも表記)を取得し、所定の記憶領域に登録する(S302)。
【0076】
ここで、ある人物がゲート20を通過した時刻は、その人物がゲート20に入った時刻であってもよいし、その人物がゲート20から出た時刻であってもよい。ある人物がゲート20に入った時刻は、例えば、ゲート20の入り口付近に設けた入場者検知用のセンサ(図示せず)を用いて取得できる。同様に、ある人物がゲート20から出た時刻は、例えば、ゲート20の出口付近に設けた退場者検知用のセンサ(図示せず)を用いて取得できる。また、ある人物がゲート20を通過した時刻は、ゲート20で商品が読み取られた(タグ読取装置220が動作した)時刻であってもよい。その他にも、ある人物がゲート20を通過した時刻は、ゲート20がRFタグの読取結果および人物特定情報を店舗装置10に送信した時刻、或いは、店舗装置10がRFタグの読取結果および人物特定情報をゲート20から受信した時刻であってもよい。
【0077】
読取結果登録部110は、S302の処理で取得した第1のタグ読取結果を、一律に修正処理の対象と識別する(S304)。例えば、読取結果登録部110は、第1のタグ読取結果が修正処理の対象か否かを識別するための情報(対象識別フラグ)を「1(処理対象であることを示す値)」に設定する。対象識別フラグが「1」に設定されている場合、第2の人物がゲート20を通過して第2のタグ読取結果が取得されたことに応じて、第1実施形態で説明したような修正処理を含む処理(図3のS108~S118)が実行される。
【0078】
そして、読取結果登録部110は、第1の人物がゲート20を通過してから所定時間が経過したか否かを判定する(S306)。例えば、読取結果登録部110は、店舗装置10が持つシステム時刻等とS302で取得した第1の通過時刻との差分が、所定時間を超えたか否かを判定する。ここで、所定時間に関する情報は、例えばメモリ1030といった、読取結果登録部110がアクセス可能な記憶領域に予め記憶されている。
【0079】
第1の人物がゲート20を通過してから所定時間が経過していない場合(S306:NO)、読取結果登録部110は、第2の人物に関するタグ読取結果を取得したか否かを更に判定する(S308)。第2の人物に関するタグ読取結果が未だ取得されていない場合(S308:NO)、読取結果登録部110は、第1の人物がゲート20を通過してから所定時間が経過するまで(S306:YES)、第2のタグ読取結果が取得されるのを待つ。そして、第1の人物がゲート20を通過してから所定時間が経過する前に第2の人物に関するタグ読取結果が取得された場合(S308:YES)、処理は図3のS108に遷移する。
【0080】
一方、第2の人物に関するタグ読取結果が取得されないまま所定時間が経過した場合(S306:YES)、読取結果登録部110は、当該第1のタグ読取結果を修正処理の対象外と識別する(S310)。例えば、読取結果登録部110は、上述の対象識別フラグを「0(処理対象でないことを示す値)」に設定する。対象識別フラグが「0」に設定されている場合、第2の人物がゲート20を通過して第2のタグ読取結果が取得されたとしても、読取結果登録部110は修正処理(図3のS112)を実行しない。
【0081】
なお、本図の処理において、第1のタグ読取結果が修正処理の対象外と識別された段階で当該第1のタグ読取結果が確定する。よって、購入商品確定部120は、第2のタグ読取結果の取得を待たずして、第1のタグ読取結果に基づいて第1の人物の購入商品を確定することができる(図3のS114)。そして、決済部130が当該第1の人物の購入商品について決済処理を実行し(図3のS116)、電子レシート発行部140が当該決済処理に基づいて電子レシートを発行する(図3のS118)。
【0082】
以上、本実施形態では、第1の人物がゲート20を通過したときにゲート20の近傍に第2の人物がいなかったと推定できる場合、言いかえると、第2の人物の購入商品に付与されたRFタグの電波をタグ読取装置220が受信していないと推定できる場合に、第1の人物の購入商品がその時点で確定し、確定した購入商品の情報に基づいて決済処理が実行される(図3のS114、S116)。本実施形態の構成によれば、第1の人物の決済処理をスムーズに完了させることが可能となる。
【0083】
<変形例>
本実施形態の変形例として、ゲート20の入り口側近傍に人感センサを設け、第1の人物がゲート20を通過しているときに、ゲート20の近傍に第2の人物が存在するか否かを判定できるようにしてもよい(例:図13)。
【0084】
図13は、第3実施形態の変形例における店舗システム1の構成を例示する図である。図示されるように、本変形例の店舗システム1において、ゲート20は、ゲート20の近傍(例:ゲート20の待機場所の近傍)に人感センサ230を備えている。本変形例では、店舗装置10は、RFタグの読取結果と人物特定情報に加え、人感センサ230の出力結果を取得する。ここで、人感センサ230は、例えば、赤外線を用いるセンサである。また、人感センサ230は、カメラモジュールを備える撮像装置であってもよい。この場合、人感センサ230は、当該カメラモジュールによって生成される画像または当該画像から抽出可能な特徴量を、第2の人物の存否を判別可能な情報として店舗装置10に出力する。店舗装置10は、人感センサ230の出力を、例えば、図2のネットワークインタフェース1060を介して取得することができる。
【0085】
本変形例の読取結果登録部110は、第1の人物がゲート20を通過している間に、人感センサ230で他の人物(第2の人物)が検出されなかった場合に、修正処理を省略する。つまり、第1の人物がゲート20を通過している間に、ゲート20の入り口側の近傍に設けられた人感センサで他の人物(第2の人物)が検出されなかった場合、読取結果登録部110は、第1の人物に関するタグ読取結果を確定させる。なお、読取結果登録部110は、ゲート20の内部に設けられた別のセンサの出力やタグ読取装置220の読取動作の状態に基づいて、第1の人物がゲート20を通過しているか否かを判別することができる。そして、購入商品確定部120が当該第1のタグ読取結果に基づいて第1の人物の購入商品を確定し、決済部130が当該第1の人物の購入商品について決済処理を実行する。
【0086】
図14は、第3実施形態の変形例で実行される処理の流れを例示するフローチャートである。
【0087】
まず、読取結果登録部110は、ゲート20から第1の人物に関するRFタグの読取結果(第1のタグ読取結果)と当該第1の人物の人物特定情報と共に、人感センサ230の出力を取得する(S402)。
【0088】
そして、読取結果登録部110は、S402の処理で取得した人感センサ230の出力に基づいて、当該人感センサ230で第2の人物が検出されているか否かを判定する(S404)。
【0089】
人感センサ230で第2の人物が検出されている場合(S404:YES)、読取結果登録部110は、S402の処理で取得した第1のタグ読取結果を修正処理の対象と識別する(S406)。例えば、読取結果登録部110は、第1のタグ読取結果が修正処理の対象か否かを識別するための情報(対象識別フラグ)を「1(処理対象であることを示す値)」に設定する。対象識別フラグが「1」に設定されている場合、第2の人物がゲート20を通過して第2のタグ読取結果が取得されたことに応じて、第1実施形態で説明したような修正処理を含む処理(図3のS108~S118)が実行される。
【0090】
一方、人感センサ230で第2の人物が検出されていない場合(S404:NO)、S402の処理で取得した第1のタグ読取結果を修正処理の対象外と識別する(S408)。例えば、読取結果登録部110は、上述の対象識別フラグを「0(処理対象でないことを示す値)」に設定する。対象識別フラグが「0」に設定されている場合、第2の人物がゲート20を通過して第2のタグ読取結果が取得されたとしても、読取結果登録部110は修正処理(図3のS112)を実行しない。
【0091】
なお、本図の処理において、第1のタグ読取結果が修正処理の対象外と識別された段階で当該第1のタグ読取結果が確定する。よって、購入商品確定部120は、第2のタグ読取結果の取得を待たずして、第1のタグ読取結果に基づいて第1の人物の購入商品を確定することができる(図3のS114)。そして、決済部130が当該第1の人物の購入商品について決済処理を実行し(図3のS116)、電子レシート発行部140が当該決済処理に基づいて電子レシートを発行する(図3のS118)。
【0092】
以上、本変形例によっても、上述の第3実施形態の効果が得られる。
【0093】
以上、図面を参照して本発明の実施の形態について述べたが、本発明はこれらに限定されて解釈されるべきものではなく、本発明の要旨を逸脱しない限りにおいて、当業者の知識に基づいて、種々の変更、改良等を行うことができる。実施形態に開示されている複数の構成要素は、適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素からいくつかの構成要素を削除してもよいし、異なる実施形態の構成要素を適宜組み合わせてもよい。
【0094】
また、上述の説明で用いたシーケンス図や複数のフローチャートでは、複数の工程(処理)が順番に記載されているが、各実施形態で実行される工程の実行順序は、その記載の順番に制限されない。各実施形態では、図示される工程の順番を内容的に支障のない範囲で変更することができる。また、上述の各実施形態は、内容が相反しない範囲で組み合わせることができる。
【0095】
上記の実施形態の一部または全部は、以下の付記のようにも記載されうるが、以下に限られない。
1.
個々の商品に付されたタグをゲートに設けられた読取装置で読み取ることで得られるタグ記録情報と、当該タグから受信した電波の強度とを含むタグ読取結果を、前記ゲートを通過する人物を特定する人物特定情報と対応付けて登録する読取結果登録手段と、
人物毎の前記タグ読取結果に基づいて購入商品を確定する購入商品確定手段と、
確定した前記購入商品の決済処理を実行する決済手段と、
前記決済処理に対する電子レシートを発行する電子レシート発行手段と、
を備え、
前記読取結果登録手段は、第1の人物に関する第1のタグ読取結果と、前記第1の人物の次に前記ゲートを通過した第2の人物に関する第2のタグ読取結果の双方に同一タグに関するタグ記録情報が含まれている場合、前記同一タグから受信した電波の強度の大きさに基づいて、前記第1のタグ読取結果を確定させる、
店舗装置。
2.
前記読取結果登録手段は、前記同一タグから受信した電波の強度の大きさに基づいて、前記第1のタグ読取結果および前記第2のタグ読取結果のいずれか一方を修正する修正処理を実行する、
1.に記載の店舗装置。
3.
前記読取結果登録手段は、前記第1のタグ読取結果および前記第2のタグ読取結果のうち、前記同一タグから受信した電波の強度が小さい方のタグ読取結果に含まれる、前記同一タグに関するタグ記録情報を削除する、
2.に記載の店舗装置。
4.
前記読取結果登録手段は、所定の閾値未満の強度の電波が前記第1のタグ読取結果に含まれている場合に、前記修正処理を実行する、
2.または3.に記載の店舗装置。
5.
所定の閾値未満の強度の電波が前記第1のタグ読取結果に含まれていない場合、
前記読取結果登録手段は、前記第1のタグ読取結果を確定させ、
前記購入商品確定手段は、前記第1のタグ読取結果に基づいて前記第1の人物の購入商品を確定させ、
前記決済手段は、前記第1の人物の購入商品の決済処理を実行する、
1.から4.のいずれか1つに記載の店舗装置。
6.
前記第1の人物が前記ゲートを通過した後、前記第2の人物が前記ゲートを通過しないまま所定時間が経過した場合、
前記読取結果登録手段は、前記第1のタグ読取結果を確定させ、
前記購入商品確定手段は、前記第1のタグ読取結果に基づいて前記第1の人物の購入商品を確定させ、
前記決済手段は、前記第1の人物の購入商品の決済処理を実行する、
1.から5.のいずれか1つに記載の店舗装置。
7.
前記ゲートは入り口側に人感センサを有しており、
前記第1の人物が前記ゲートを通過している間に前記人感センサで前記第2の人物が検出されなかった場合、
前記読取結果登録手段は、前記第1のタグ読取結果を確定させ、
前記購入商品確定手段は、前記第1のタグ読取結果に基づいて前記第1の人物の購入商品を確定させ、
前記決済手段は、前記第1の人物の購入商品の決済処理を実行する、
1.から5.のいずれか1つに記載の店舗装置。
8.
個々の商品に付されたタグを読み取る読取装置を備えるゲートと、
個々の商品に付されたタグをゲートに設けられた読取装置で読み取ることで得られるタグ記録情報と、当該タグから受信した電波の強度とを含むタグ読取結果を、前記ゲートを通過する人物を特定する人物特定情報と対応付けて登録する読取結果登録手段と、
人物毎の前記タグ読取結果に基づいて購入商品を確定する購入商品確定手段と、
確定した前記購入商品の決済処理を実行する決済手段と、
前記決済処理に対する電子レシートを発行する電子レシート発行手段と、
を備え、
前記読取結果登録手段は、第1の人物に関する第1のタグ読取結果と、前記第1の人物の次に前記ゲートを通過した第2の人物に関する第2のタグ読取結果の双方に同一タグに関するタグ記録情報が含まれている場合、前記同一タグから受信した電波の強度の大きさに基づいて、前記第1のタグ読取結果を確定させる、
店舗システム。
9.
前記読取結果登録手段は、前記同一タグから受信した電波の強度の大きさに基づいて、前記第1のタグ読取結果および前記第2のタグ読取結果のいずれか一方を修正する修正処理を実行する、
8.に記載の店舗システム。
10.
前記読取結果登録手段は、前記第1のタグ読取結果および前記第2のタグ読取結果のうち、前記同一タグから受信した電波の強度が小さい方のタグ読取結果に含まれる、前記同一タグに関するタグ記録情報を削除する、
9.に記載の店舗システム。
11.
前記読取結果登録手段は、所定の閾値未満の強度の電波が前記第1のタグ読取結果に含まれている場合に、前記修正処理を実行する、
9.または10.に記載の店舗システム。
12.
所定の閾値未満の強度の電波が前記第1のタグ読取結果に含まれていない場合、
前記読取結果登録手段は、前記第1のタグ読取結果を確定させ、
前記購入商品確定手段は、前記第1のタグ読取結果に基づいて前記第1の人物の購入商品を確定させ、
前記決済手段は、前記第1の人物の購入商品の決済処理を実行する、
8.から11.のいずれか1つに記載の店舗システム。
13.
前記第1の人物が前記ゲートを通過した後、前記第2の人物が前記ゲートを通過しないまま所定時間が経過した場合、
前記読取結果登録手段は、前記第1のタグ読取結果を確定させ、
前記購入商品確定手段は、前記第1のタグ読取結果に基づいて前記第1の人物の購入商品を確定させ、
前記決済手段は、前記第1の人物の購入商品の決済処理を実行する、
8.から12.のいずれか1つに記載の店舗システム。
14.
前記ゲートは入り口側に人感センサを有しており、
前記第1の人物が前記ゲートを通過している間に前記人感センサで前記第2の人物が検出されなかった場合、
前記読取結果登録手段は、前記第1のタグ読取結果を確定させ、
前記購入商品確定手段は、前記第1のタグ読取結果に基づいて前記第1の人物の購入商品を確定させ、
前記決済手段は、前記第1の人物の購入商品の決済処理を実行する、
8.から12.のいずれか1つに記載の店舗システム。
15.
コンピュータが、
個々の商品に付されたタグをゲートに設けられた読取装置で読み取ることで得られるタグ記録情報と、当該タグから受信した電波の強度とを含むタグ読取結果を、前記ゲートを通過する人物を特定する人物特定情報と対応付けて登録し、
第1の人物に関する第1のタグ読取結果と、前記第1の人物の次に前記ゲートを通過した第2の人物に関する第2のタグ読取結果の双方に同一タグに関するタグ記録情報が含まれている場合、前記同一タグから受信した電波の強度の大きさに基づいて、前記第1のタグ読取結果を確定し、
人物毎の前記タグ読取結果に基づいて購入商品を確定し、
確定した前記購入商品の決済処理を実行し、
前記決済処理に対する電子レシートを発行する、
ことを含む決済方法。
16.
前記コンピュータが、
前記同一タグから受信した電波の強度の大きさに基づいて、前記第1のタグ読取結果および前記第2のタグ読取結果のいずれか一方を修正する修正処理を実行する、
ことを更に含む15.に記載の決済方法。
17.
前記コンピュータが、
前記第1のタグ読取結果および前記第2のタグ読取結果のうち、前記同一タグから受信した電波の強度が小さい方のタグ読取結果に含まれる、前記同一タグに関するタグ記録情報を削除する、
ことを更に含む16.に記載の決済方法。
18.
前記コンピュータが、
所定の閾値未満の強度の電波が前記第1のタグ読取結果に含まれている場合に、前記修正処理を実行する、
ことを更に含む16.または17.に記載の決済方法。
19.
前記コンピュータが、
所定の閾値未満の強度の電波が前記第1のタグ読取結果に含まれていない場合、
前記第1のタグ読取結果を確定させ、
前記第1のタグ読取結果に基づいて前記第1の人物の購入商品を確定させ、
前記第1の人物の購入商品の決済処理を実行する、
ことを更に含む15.から18.のいずれか1つに記載の決済方法。
20.
前記コンピュータが、
前記第1の人物が前記ゲートを通過した後、前記第2の人物が前記ゲートを通過しないまま所定時間が経過した場合、
前記第1のタグ読取結果を確定させ、
前記第1のタグ読取結果に基づいて前記第1の人物の購入商品を確定させ、
前記第1の人物の購入商品の決済処理を実行する、
ことを更に含む15.から19.のいずれか1つに記載の決済方法。
21.
前記ゲートは入り口側に人感センサを有しており、
前記コンピュータが、
前記第1の人物が前記ゲートを通過している間に前記人感センサで前記第2の人物が検出されなかった場合、
前記第1のタグ読取結果を確定させ、
前記第1のタグ読取結果に基づいて前記第1の人物の購入商品を確定させ、
前記第1の人物の購入商品の決済処理を実行する、
ことを更に含む15.から19.のいずれか1つに記載の決済方法。
22.
コンピュータを、
個々の商品に付されたタグをゲートに設けられた読取装置で読み取ることで得られるタグ記録情報と、当該タグから受信した電波の強度とを含むタグ読取結果を、前記ゲートを通過する人物を特定する人物特定情報と対応付けて登録する手段、
第1の人物に関する第1のタグ読取結果と、前記第1の人物の次に前記ゲートを通過した第2の人物に関する第2のタグ読取結果の双方に同一タグに関するタグ記録情報が含まれている場合、前記同一タグから受信した電波の強度の大きさに基づいて、前記第1のタグ読取結果を確定する手段、
人物毎の前記タグ読取結果に基づいて購入商品を確定する手段、
確定した前記購入商品の決済処理を実行する手段、および、
前記決済処理に対する電子レシートを発行する手段、
として機能させるためのプログラム。
23.
前記コンピュータを、
前記同一タグから受信した電波の強度の大きさに基づいて、前記第1のタグ読取結果および前記第2のタグ読取結果のいずれか一方を修正する修正処理を実行する手段、
として更に機能させるための22.に記載のプログラム。
24.
前記コンピュータを、
前記第1のタグ読取結果および前記第2のタグ読取結果のうち、前記同一タグから受信した電波の強度が小さい方のタグ読取結果に含まれる、前記同一タグに関するタグ記録情報を削除する手段、
として更に機能させるための23.に記載のプログラム。
25.
前記コンピュータを、
所定の閾値未満の強度の電波が前記第1のタグ読取結果に含まれている場合に、前記修正処理を実行する手段、
として更に機能させるための23.または24.に記載のプログラム。
26.
前記コンピュータを、
所定の閾値未満の強度の電波が前記第1のタグ読取結果に含まれていない場合に、
前記第1のタグ読取結果を確定させ、
前記第1のタグ読取結果に基づいて前記第1の人物の購入商品を確定させ、
前記第1の人物の購入商品の決済処理を実行する手段、
として更に機能させるための22.から25.のいずれか1つに記載のプログラム。
27.
前記コンピュータを、
前記第1の人物が前記ゲートを通過した後、前記第2の人物が前記ゲートを通過しないまま所定時間が経過した場合に、
前記第1のタグ読取結果を確定させ、
前記第1のタグ読取結果に基づいて前記第1の人物の購入商品を確定させ、
前記第1の人物の購入商品の決済処理を実行する手段、
として更に機能させるための22.から26.のいずれか1つに記載のプログラム。
28.
前記ゲートは入り口側に人感センサを有しており、
前記コンピュータを、
前記第1の人物が前記ゲートを通過している間に前記人感センサで前記第2の人物が検出されなかった場合、
前記第1のタグ読取結果を確定させ、
前記第1のタグ読取結果に基づいて前記第1の人物の購入商品を確定させ、
前記第1の人物の購入商品の決済処理を実行する手段、
として更に機能させるための22.から26.のいずれか1つに記載のプログラム。
29.
前記読取結果登録手段は、所定の閾値未満の強度の電波が前記第1のタグ読取結果に含まれており、かつ、所定の閾値未満の強度の電波が前記第2のタグ読取結果に含まれていない場合に、前記第1のタグ読取結果および前記第2のタグ読取結果を確定させる、
1.から7.のいずれか1つに記載の店舗装置。
30.
前記読取結果登録手段は、所定の閾値未満の強度の電波が前記第1のタグ読取結果に含まれており、かつ、所定の閾値未満の強度の電波が前記第2のタグ読取結果に含まれていない場合に、前記第1のタグ読取結果および前記第2のタグ読取結果を確定させる、
8.から14.のいずれか1つに記載の店舗システム。
31.
前記コンピュータが、
所定の閾値未満の強度の電波が前記第1のタグ読取結果に含まれており、かつ、所定の閾値未満の強度の電波が前記第2のタグ読取結果に含まれていない場合に、前記第1のタグ読取結果および前記第2のタグ読取結果を確定させる、
ことを更に含む15.から21.のいずれか1つに記載の決済方法。
32.
前記コンピュータを、
所定の閾値未満の強度の電波が前記第1のタグ読取結果に含まれており、かつ、所定の閾値未満の強度の電波が前記第2のタグ読取結果に含まれていない場合に、前記第1のタグ読取結果および前記第2のタグ読取結果を確定させる手段、
として更に機能させるための22.から28.のいずれか1つに記載のプログラム。
【0096】
この出願は、2019年3月4日に出願された日本出願特願2019-038667号を基礎とする優先権を主張し、その開示の全てをここに取り込む。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15