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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-15
(45)【発行日】2024-04-23
(54)【発明の名称】画像処理装置
(51)【国際特許分類】
   H04N 1/00 20060101AFI20240416BHJP
【FI】
H04N1/00 127B
【請求項の数】 4
(21)【出願番号】P 2022537939
(86)(22)【出願日】2021-07-13
(86)【国際出願番号】 JP2021026215
(87)【国際公開番号】W WO2022019174
(87)【国際公開日】2022-01-27
【審査請求日】2023-01-13
(31)【優先権主張番号】P 2020124826
(32)【優先日】2020-07-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000006150
【氏名又は名称】京セラドキュメントソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003443
【氏名又は名称】弁理士法人TNKアジア国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】村川 剛
【審査官】松永 隆志
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-69726(JP,A)
【文献】特開2017-50743(JP,A)
【文献】特開2019-114112(JP,A)
【文献】特開2010-61562(JP,A)
【文献】特開2015-41341(JP,A)
【文献】特開2002-158790(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
リモート端末とリモート接続可能な画像処理装置であって、
前記リモート端末から送信された、前記画像処理装置とリモート画面を共有するためのリモート接続要求を受信する装置受信部と、
前記リモート接続要求に基づいて、前記リモート接続を設定し、前記リモート画面を設定する装置設定部と、
履歴ログが生成されないドキュメントデータ、又は、履歴ログが消去されたドキュメントデータを生成する装置処理部と、を含
前記装置設定部はさらに、リモートジョブボタンを含む前記リモート画面を設定し、
前記画像処理装置は、前記リモート画面を示すリモート画面情報を前記リモート端末に送信する装置送信部をさらに含み、
前記装置受信部はさらに、前記リモート端末において前記リモートジョブボタンが操作されたことを示すリモートジョブコマンドを受信し、
前記装置処理部は、前記リモートジョブコマンドに基づいて、前記履歴ログが生成されない前記ドキュメントデータ、又は、前記履歴ログが消去された前記ドキュメントデータを生成する、画像処理装置。
【請求項2】
前記リモート端末は、前記画像処理装置のメンテナンス作業を行なう、請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項3】
前記装置処理部は、
前記リモートジョブコマンドが、前記リモートジョブボタンがONに操作されたことを示す場合に、前記履歴ログが生成されない前記ドキュメントデータ、又は、前記履歴ログが消去された前記ドキュメントデータを生成し、
前記リモートジョブコマンドが、前記リモートジョブボタンがOFFに操作されたことを示す場合に、前記履歴ログが残されたドキュメントデータを生成する、請求項1に記載の画像処理装置。
【請求項4】
前記装置送信部はさらに、前記ドキュメントデータを前記リモート端末に送信する、請求項に記載の画像処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、電話番号を使用して、SIP(Session Initiation Protocol)でコンピューターと電子機器とを接続することによって、電子機器に対する操作用のウェブページをウェブブラウザーに表示し、コンピューターから電子機器を操作する遠隔接続システムを開示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2017-11564号公報
【発明の概要】
【0004】
しかしながら、コンピューターと電子機器とを遠隔接続して、コンピューターから電子機器を操作する際、画像を取得し、又は、画像を形成すると、一般的に、その都度、履歴ログが残る。そのため、電子機器側が認識していない作業の履歴が残ることになる。特許文献1は、履歴ログが残ることについての対策を開示していない。
【0005】
本発明は、リモート端末と画像処理装置とがリモート接続されている場合において、不要な履歴ログを残すことなく、ドキュメントデータを生成することができる画像処理装置を提供することを目的とする。
【0006】
本発明の一局面に係る画像処理装置は、リモート端末とリモート接続可能な画像処理装置である。画像処理装置は、装置受信部と、装置設定部と、装置処理部とを含む。装置受信部は、リモート端末から送信された、画像処理装置とリモート画面を共有するためのリモート接続要求を受信する。装置設定部は、リモート接続要求に基づいて、リモート接続を設定し、リモート画面を設定する。装置処理部は、履歴ログが生成されないドキュメントデータ、又は、履歴ログが消去されたドキュメントデータを生成する。装置設定部はさらに、リモートジョブボタンを含むリモート画面を設定する。画像処理装置は、リモート画面を示すリモート画面情報をリモート端末に送信する装置送信部をさらに含む。装置受信部はさらに、リモート端末においてリモートジョブボタンが操作されたことを示すリモートジョブコマンドを受信する。装置処理部は、リモートジョブコマンドに基づいて、履歴ログが生成されないドキュメントデータ、又は、履歴ログが消去されたドキュメントデータを生成する。
【発明の効果】
【0007】
本発明の画像処理装置によれば、リモート端末と画像処理装置とがリモート接続されている場合において、不要な履歴ログを残すことなく、ドキュメントデータを生成できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の一実施形態に係る画像処理装置を備える画像処理システムを示す図である。
図2】画像処理システムの構成を示すブロック図である。
図3】画像処理システムによる情報処理を示すシーケンスチャートである。
図4】画像処理システムによる情報処理を示すシーケンスチャートである。
図5】リモート端末に表示されるリモート画面を示す図である。
図6】画像処理システムによる情報処理の具体例を示す図である。
図7】画像処理システムによる情報処理を示すフローチャートである。
図8】画像処理システムによる情報処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、図中、同一又は相当部分については、同一の参照符号を付して、説明を繰り返さない。
【0010】
図1を参照して、本発明の一実施形態に係る画像処理システム1について説明する。図1は、本実施形態に係る画像処理システム1を示す図である。なお、図1で説明される本実施形態は、本発明のすべての実施形態に適用され得る。
【0011】
図1に示すように、画像処理システム1は、リモート端末100と、サーバー200と、画像処理装置300と、クラウド400とを備える。
【0012】
リモート端末100は、例えば、画像処理装置300のメンテナンスを行なうサービス会社に属する。リモート端末100は、サービス会社のサービスマンにより操作される。リモート端末100は、画像処理装置300とリモート接続されることにより、画像処理装置300をメンテナンスする。
【0013】
すなわち、リモート端末100は、画像処理装置300とリモート画面を共有して、画像処理装置300のメンテナンス作業を行なう。リモート画面は、リモート端末100が画像処理装置300のメンテナンス作業を行なう際に、リモート端末100の端末表示部12に表示される画面である。リモート端末100の一例としては、デスクトップパソコン、ノートパソコン、携帯電話、スマートフォン、又は、タブレットがある。
【0014】
サーバー200は、リモート端末100からリモート接続要求を受信し、リモート端末100と画像処理装置300とをリモート接続する。サーバー200の一例としては、デスクトップパソコンがある。
【0015】
画像処理装置300は、原稿をスキャンし、又は、シートに画像を形成し、さらに、外部端末との間で、画像信号を送受信する。画像処理装置300の一例としては、画像形成装置、MFP(Multi Function Printer)、ファクシミリ、又は、スキャナーがある。
【0016】
クラウド400は、インターネットを介して、ユーザーにコンピューター資源を提供するサービスである。クラウド400の一例としては、SaaS(Software as a Service)、PaaS(Platform as a Service)、又は、IaaS(Infrastructure as a Service)がある。
【0017】
以降の説明においては、サーバー200は、クラウド400であってもよい。また、クラウド400は、サーバー200を含んでもよい。以降、特段の説明を要さない限り、サーバー200の説明は、クラウド400にも適用され得るものとして説明する。
【0018】
リモート端末100と、サーバー200と、画像処理装置300と、クラウド400とは、回線Lで互いに接続されている。回線Lは、例えば、LAN(Local Area Network)、又は、WAN(Wide Area Network)である。回線Lは、無線回線又は有線回線に限定されない。
【0019】
次に、図2を参照して、本実施形態に係る画像処理システム1の具体的な態様を説明する。図2は、本実施形態に係る画像処理システム1の構成を示すブロック図である。
【0020】
図2に示すように、画像処理システム1は、リモート端末100と、サーバー200と、画像処理装置300とを備える。
【0021】
リモート端末100は、端末送信部10と、端末表示部12と、端末受信部14と、検知部16と、端末処理部18として機能する制御ユニット19と、を含む。
【0022】
端末送信部10は、リモート接続要求を送信する。リモート接続要求は、端末送信部10と画像処理装置300とで、リモート画面を共有できるよう、端末送信部10と画像処理装置300とを回線接続することを要求する信号を、サーバー200に送信することをいう。
【0023】
端末送信部10は、さらに、リモートジョブボタン20の操作に基づくリモートジョブコマンドを送信する。リモートジョブボタン20については、図5を参照して後述する。リモートジョブコマンドについては、図3を参照して後述する。
【0024】
なお、リモート接続要求は、画像処理装置300のメンテナンス作業をリモート端末100が行なうために、リモート端末100と画像処理装置300とを回線接続することを要求する信号を、サーバー200に送信することであってもよい。端末送信部10の一例は、コーデック(CODEC:CODER/DECODER)である。
【0025】
端末表示部12は、リモート画面を表示する。端末表示部12の一例は、ディスプレイである。ディスプレイは、タッチセンサーを有してもよい。リモート画面は、リモートジョブボタン20を含んでもよい。
【0026】
端末受信部14は、リモート画面情報を受信する。リモート画面情報は、リモート画面のデザイン、又は、レイアウトに関する情報である。例えば、ホーム画面でコピーを指示するためのボタン画像のデザイン若しくはレイアウトに関する情報、及び、ユーザーがボタン画像を指示した場合に遷移する、コピー枚数又はコピー濃度などを設定するための設定画面のデザイン若しくはレイアウトに関する情報である。端末受信部14の一例は、コーデックである。
【0027】
検知部16は、ユーザーによってリモートジョブボタン20が操作されたことを検知して、検知信号を出力する。検知部16の一例は、端末表示部12に組み込まれたタッチセンサーである。
【0028】
ユーザーによってリモートジョブボタン20が操作されると、検知部16はONを示す検知信号を出力する。ユーザーによってリモートジョブボタン20が操作されないとき、検知部16はOFFを示す検知信号を出力してもよい。
【0029】
制御ユニット19は、プロセッサー、RAM(Random Access Memory)、及びROM(Read Only Memory)等を含む。プロセッサーは、例えば、CPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro Processing Unit)、又はASIC(Application Specific Integrated Circuit)等である。制御ユニット19は、例えばROMに記憶されている制御プログラムが上記プロセッサーによって実行されることにより、端末処理部18として機能する。端末処理部18は、検知信号に基づいて、リモートジョブコマンドを生成する。
【0030】
サーバー200は、インストール部30、登録部32、及びサーバー処理部38として機能する制御ユニット33と、サーバー受信部34と、接続部36と、サーバー送信部40とを含む。
【0031】
制御ユニット33は、プロセッサー、RAM、及びROM等を含む。プロセッサーは、例えば、CPU、MPU、又はASIC等である。制御ユニット33は、例えばROMに記憶されている制御プログラムが上記プロセッサーによって実行されることにより、インストール部30、登録部32、及びサーバー処理部38として機能する。インストール部30は、リモート端末100が画像処理装置300のメンテナンス作業を行なうためのソフトウェアをダウンロードし、インストールする。インストール部30の一例は、実行ファイルなどのプログラムを実行するソフトウェアである。インストール部30は、登録部32にダウンロードされたソフトウェアを、実行ファイルでインストールする。
【0032】
登録部32は、メンテナンス作業を行なうためのソフトウェアを登録する。登録部32は、ソフトウェアを記憶領域60(図6において後述)に記憶する。登録部32は、さらに、リモート端末100のアドレスと、画像処理装置300のアドレスとを登録する。
【0033】
サーバー受信部34は、リモート端末100の端末送信部10から送信されたリモート接続要求を受信する。
【0034】
サーバー受信部34は、画像処理装置300から送信されたリモート画面情報を受信する。
【0035】
サーバー受信部34は、リモートジョブコマンドを受信する。サーバー受信部34は、リモート端末100のメンテナンス作業において、リモート端末100の端末送信部10から送信された、設定事項の変更情報を受信する。サーバー受信部34は、ドキュメントデータを受信する。サーバー受信部34の一例は、コーデックである。
【0036】
接続部36は、リモート接続要求に基づいて、リモート端末100と画像処理装置300とをリモート接続する。接続部36の一例は、モデム(MODEM:MODULATOR/DEMODULATOR)である。
【0037】
サーバー処理部38は、画像処理装置300から送信されたリモート画面情報を処理する。具体的には、サーバー処理部38は、画像処理装置300から送信されたリモート画面情報を受信して、リモート画面を取得する。
【0038】
サーバー処理部38は、画像処理装置300のメンテナンス作業によってリモート画面が遷移するたび、リモート端末100及び画像処理装置300に、遷移したリモート画面を示すリモート画面情報を出力する。
【0039】
サーバー処理部38は、リモートジョブコマンドを処理する。サーバー処理部38は、ドキュメントデータを処理する。
【0040】
サーバー送信部40は、リモート画面情報を送信する。サーバー送信部40は、リモートジョブコマンドを送信する。サーバー送信部40は、ドキュメントデータを送信する。サーバー送信部40の一例は、コーデックである。
【0041】
画像処理装置300は、装置表示部50と、装置受信部52と、装置設定部54及び装置処理部58として機能する制御ユニット51と、装置送信部56と、を含む。
【0042】
装置表示部50は、リモート画面を表示する。装置表示部50の一例は、ディスプレイである。ディスプレイは、タッチセンサーを有してもよい。
【0043】
装置受信部52は、リモート接続要求を受信する。装置受信部52は、リモート端末100の端末送信部10から送信されたリモート接続要求を、サーバー200を介して受信する。装置受信部52は、リモート画面情報を受信する。
【0044】
装置受信部52は、リモートジョブコマンドを受信する。装置受信部52は、サーバー200のサーバー送信部40により中継された設定事項の変更情報を受信する。装置受信部52の一例は、コーデックである。
【0045】
制御ユニット51は、プロセッサー、RAM、及びROM等を含む。プロセッサーは、例えば、CPU、MPU、又はASIC等である。制御ユニット53は、例えばROMに記憶されている制御プログラムが上記プロセッサーによって実行されることにより、装置設定部54及び装置処理部58として機能する。装置設定部54は、リモート接続要求に基づいて、リモート接続を設定し、リモート画面を設定する。装置設定部54は、ホーム画面と、メンテナンス作業に伴って変遷するリモート画面とをリモート画面情報として設定する。装置設定部54は、リモートジョブボタン20を含むリモート画面を作成し、リモート画面情報として設定する。
【0046】
装置設定部54は、メンテナンス作業において、リモート端末100及び画像処理装置300が、同じリモート画面を共有するようにしてもよい。
【0047】
すなわち、装置設定部54は、リモート端末100の端末表示部12が表示するリモート画面と、画像処理装置300の装置表示部50が表示するリモート画面とを同期又は連動させてもよい。
【0048】
サービス会社のサービスマンは、リモート端末100により、画像処理装置300のメンテナンス作業を行なう。リモート端末100の端末表示部12に表示されるリモート画面と、画像処理装置300の装置表示部50に表示されるリモート画面とが同期又は連動することにより、ユーザーは、画像処理装置300の装置表示部50に表示されるリモート画面で、メンテナンス作業の様子を目視できる。
【0049】
装置設定部54は、装置受信部52が受信した設定事項の変更情報に基づいて、画像処理装置300の設定を変更する。
【0050】
装置送信部56は、リモート画面情報を送信する。装置送信部56の一例は、コーデックである。
【0051】
装置処理部58は、リモートジョブコマンドに基づいて、履歴ログが生成されないドキュメントデータを生成する。又は、装置処理部58は、リモートジョブコマンドに基づいて、履歴ログが消去されたドキュメントデータを生成する。
【0052】
履歴ログについては、図4を参照して後述する。装置処理部58の詳細については、図4を参照して後述する。
【0053】
次に、図1図2に加え、さらに、図3図5を参照して、本実施形態に係る画像処理システム1による情報処理の一例を具体的に説明する。
【0054】
本実施形態に係る画像処理装置300は、リモート端末100と、画像処理装置300とを備える画像処理システム1における画像処理装置300である。画像処理装置300は、装置受信部52と、装置設定部54と、装置処理部58とを含む。
【0055】
装置受信部52は、リモート端末100から送信された、画像処理装置300とリモート画面を共有するためのリモート接続要求を受信する。装置設定部54は、リモート接続要求に基づいて、リモート接続を設定し、リモート画面を設定する。装置処理部58は、履歴ログが生成されないドキュメントデータ、又は、履歴ログが消去されたドキュメントデータを生成する。
【0056】
装置設定部54はさらに、リモートジョブボタン20を含むリモート画面を設定する。
【0057】
画像処理装置300は、装置送信部56をさらに含む。装置送信部56は、上記したリモート画面を示すリモート画面情報を送信する。
【0058】
装置受信部52はさらに、リモート端末100においてリモートジョブボタン20が操作されたことを示すリモートジョブコマンドを受信する。
【0059】
装置処理部58は、リモートジョブコマンドに基づいて、履歴ログが生成されないドキュメントデータ、又は、履歴ログが消去されたドキュメントデータを生成する。
【0060】
リモート端末100は、画像処理装置300のメンテナンス作業を行なう。
【0061】
図3及び図4は、画像処理システム1による情報処理を示すシーケンスチャートである。図5は、画像処理システム1において表示されるリモート画面を示す図である。
【0062】
図3は、リモート端末100、サーバー200、及び、画像処理装置300のそれぞれにおける情報処理を、時系列に示すシーケンスチャートである。
【0063】
図3に示すように、(1)端末送信部10は、画像処理装置300とリモート画面を共有するためのリモート接続要求を、サーバー200に送信する。具体的には、ユーザーは、画像処理装置300の不具合などを発見する。ユーザーは、サービス会社にメンテナンス作業を依頼する。サービス会社は、リモート端末100の端末送信部10からリモート接続要求を送信する。ただし、リモート接続要求は、メンテナンス作業を依頼する場合に限定されない。
【0064】
(2)サーバー200のサーバー受信部34(図2)は、リモート接続要求を受信する。
【0065】
(3)サーバー200の接続部36(図2)は、リモート端末100と、画像処理装置300とをリモート接続する。
【0066】
(4)画像処理装置300の装置受信部52(図2)は、リモート接続要求を受信する。
【0067】
(5)画像処理装置300の装置設定部54は、リモート接続要求に基づいて、リモート接続を設定する。装置設定部54は、ホーム画面と、メンテナンス作業に伴って変遷するリモート画面とをリモート画面情報のセットとして設定する。装置設定部54は、リモートジョブボタン20を含むリモート画面を作成し、リモート画面情報として設定する。
【0068】
(6)装置送信部56は、リモート画面情報のセットを送信する。
【0069】
(7)サーバー200のサーバー受信部34は、リモート画面情報のセットを受信する。
【0070】
(8)サーバー200のサーバー処理部38は、リモート画面情報のセットを処理する。サーバー処理部38は、リモート画面情報のセットを処理することにより、一例として、メンテナンス作業に伴って、ホーム画面、及び、ホーム画面から変遷するリモート画面を、リモート端末100及び画像処理装置300に供給及び設定できる。
【0071】
(9)サーバー200のサーバー送信部40は、リモート画面情報のセットを送信する。
【0072】
(10)画像処理装置300の端末受信部14は、リモート画面情報のセットを受信する。
【0073】
(11)画像処理装置300の端末表示部12は、リモートジョブボタン20を含むリモート画面を表示する。
【0074】
図5に端末表示部12に表示される画面の一例を示す。リモートジョブボタン20は、例えば、端末表示部12のホーム画面、及び、ホーム画面から変遷するリモート画面の一部に表示されるアイコンである。
【0075】
サービス会社のサービスマンは、端末表示部12に表示されたリモートジョブボタン20のON/OFFにより、後述するドキュメントデータに履歴ログを残すか否かを選択できる。
【0076】
例えば、サービスマンが、リモートジョブボタン20をONすると、メンテナンス作業において発生したドキュメントデータに、履歴ログは残らない。「履歴ログは残らない」は、「履歴ログは生成されない」と記載されてもよく、「履歴ログは消去される」と記載されてもよい。
【0077】
例えば、サービスマンが、リモートジョブボタン20をOFFすると、メンテナンス作業において発生したドキュメントデータに、履歴ログが残る。以降、「履歴ログが残る」は、「履歴ログが生成される」と記載されてもよく、「履歴ログが消去されない」と記載されてもよい。
【0078】
(12)検知部16は、リモートジョブボタン20が操作されたことを検知して、検知信号を出力する。
【0079】
(13)端末処理部18は、検知信号に基づいて、リモートジョブコマンドを生成する。端末処理部18は、検知信号がONを示す場合、ドキュメントデータに履歴ログを残さないことを示すリモートジョブコマンドを生成する。端末処理部18は、検知信号がOFFを示す場合、ドキュメントデータに履歴ログを残すことを示すリモートジョブコマンドを生成してもよい。
【0080】
(14)端末送信部10は、リモートジョブコマンドを送信する。
【0081】
(15)図4に示すように、サーバー200のサーバー受信部34は、リモートジョブコマンドを受信する。
【0082】
(16)サーバー処理部38は、リモートジョブコマンドを処理する。
【0083】
(17)サーバー送信部40は、リモートジョブコマンドを送信する。
【0084】
(18)画像処理装置300の装置受信部52は、リモートジョブコマンドを受信する。
【0085】
(19)画像処理装置300の装置処理部58は、リモートジョブコマンドに基づいて、履歴ログが生成されないドキュメントデータを生成する。又は、履歴ログが消去されたドキュメントデータを生成する。
【0086】
履歴ログは、例えば、ドキュメントデータのプロパティに示される、ドキュメントの名称、ユーザーの所属、処理日時、処理時刻、又はその他の情報等である。
【0087】
(20)装置送信部56は、ドキュメントデータを送信する。ドキュメントデータは、画像処理装置300の画像読取部62(図6で後述)によって読み取られた、原稿の画像データであってもよい。ドキュメントデータは、画像処理装置300の画像形成部によってシートに形成される画像を示す画像データであってもよい。ドキュメントデータは、画像処理装置300と外部の端末との間で送受信される画像データであってもよい。
【0088】
(21)サーバー200のサーバー受信部34は、ドキュメントデータを受信する。
【0089】
(22)サーバー200のサーバー処理部38は、ドキュメントデータを処理する。
【0090】
(23)サーバー200のサーバー送信部40は、ドキュメントデータを送信する。
【0091】
(24)リモート端末100の端末受信部14は、ドキュメントデータを受信する。
【0092】
(25)リモート端末100の端末表示部12は、ドキュメントデータに基づいて、画像を表示する。
【0093】
本実施形態によれば、リモート端末100と画像処理装置300とがリモート接続されている場合において、不要な履歴ログを残すことなく、ドキュメントデータを生成できる。
【0094】
また、本実施形態によれば、リモートジョブボタン20を設けることにより、リモート端末100と画像処理装置300とがリモート接続されている場合において、例えばサービスマンは、不要な履歴ログを残さず、ドキュメントデータを生成するか否かについて、選択することができる。
【0095】
また、本実施形態によれば、画像処理装置300のメンテナンス作業において、不要な履歴ログを残すことなく、ドキュメントデータを生成できる。
【0096】
次に、図6を参照して、画像処理システム1のさらに詳細な情報処理の具体例を説明する。図6は、画像処理システム1による情報処理の具体例を示す図である。
【0097】
図6は、主に、サーバー200から画像処理装置300に画像の読取りが指示された場合の、具体的な情報処理の手順を示す。
【0098】
図6において、画像処理装置300の装置処理部58は、一例として、記憶領域60と、画像読取部62と、I/F64(Interface)と、通信制御部58aと、遠隔処理制御部58bと、UI制御部58c(UI:User Interface)と、ジョブ制御部58dとを含む。
【0099】
図6は、フローF10~フローF44を含む。具体的には、以下の通りである。
【0100】
フローF10において、サーバー200のXMPP(Extensible Messaging and Presence Protocol)のコントローラーから、I/F64を通して、リモートパネル接続要求が入力される。
【0101】
フローF12において、通信制御部58aは、遠隔処理制御部58bに、リモートパネル接続要求を送信する。
【0102】
フローF14において、遠隔処理制御部58bは、リモートパネル接続要求が入力されたことを解釈する。遠隔処理制御部58bは、UI制御部58cに対して、リモートパネル接続の実行を指示する。
【0103】
フローF16において、UI制御部58cは、リモートパネル接続要求を受諾する応答を発信する。
【0104】
フローF18において、遠隔処理制御部58bは、リモートパネル接続要求を受諾する応答を中継する。
【0105】
フローF20において、通信制御部58aは、リモートパネル接続要求を受諾する応答を、I/F64を通して、サーバー200に送信する。通信制御部58aは、XMPPとしてのセッション接続をサーバー200と確立する。
【0106】
フローF22において、UI制御部58cは、端末表示部12(図5)の画像の変更があるたびに、画像のキャプチャー情報を取得し、RFBプロトコル(remote framebuffer)で出力する。
【0107】
フローF24において、通信制御部58aは、キャプチャー情報を、I/F64を通して、サーバー200に送信する。
【0108】
フローF26において、サービス会社のサービスマンが端末表示部12に表示されたリモートジョブボタン20を操作すると(図5)、サーバー200は、リモートジョブボタン20の画像の位置情報を送信し、位置情報の変更依頼のコマンド(リモートジョブコマンド)を送信する。
【0109】
フローF28において、通信制御部58aは、リモートジョブコマンドを中継する。
【0110】
フローF30において、UI制御部58cは、画像の変更位置を把握し、リモートジョブボタン20がユーザーにより操作されたことを検知する。UI制御部58cは、リモートジョブを実行する。
【0111】
フローF32において、ジョブ制御部58dは、画像読取部62に対し、画像読込要求を出力する。
【0112】
フローF34において、ジョブ制御部58dは、画像読取部62が生成した画像データを記憶領域60に記憶させる。
【0113】
フローF36において、ジョブ制御部58dは、画像データの記憶領域60における記憶位置情報を出力する。
【0114】
フローF38において、UI制御部58cは、遠隔処理制御部58bに対して、記憶位置情報を中継する。
【0115】
フローF40において、遠隔処理制御部58bは、記憶領域60から画像データを取得する。
【0116】
フローF42において、遠隔処理制御部58bは、HTTPS通信(Hypertext Transfer Protocol Secure)により、画像データを出力する。
【0117】
フローF44において、通信制御部58aは、I/F64を通して、画像データをサーバー200に出力する。
【0118】
次に、図7及び図8を参照して、本実施形態に係る画像処理システム1による情報処理を説明する。図7及び図8は、画像処理システム1による情報処理を示すフローチャートである。
【0119】
図7及び図8に示すように、フローチャートは、ステップS10からステップS58までを含む。具体的には次の通りである。
【0120】
図7に示すステップS10において、端末送信部10は、画像処理装置300とリモート画面を共有するためのリモート接続要求を、サーバー200に送信する。処理は、ステップS12に進む。
【0121】
ステップS12において、サーバー受信部34は、リモート接続要求を受信する。処理は、ステップS14に進む。
【0122】
ステップS14において、接続部36は、リモート端末100と、画像処理装置300とをリモート接続する。処理は、ステップS16に進む。
【0123】
ステップS16において、装置受信部52は、リモート接続要求を受信する。処理は、ステップS18に進む。
【0124】
ステップS18において、装置設定部54は、リモート接続を完了し、リモートジョブボタン20を含むリモート画面を設定する。処理は、ステップS20に進む。
【0125】
ステップS20において、装置送信部56は、リモート画面情報を送信する。処理は、ステップS22に進む。
【0126】
ステップS22において、サーバー受信部34は、リモート画面情報を受信する。処理は、ステップS24に進む。
【0127】
ステップS24において、サーバー処理部38は、リモートジョブボタン20を含むリモート画面情報を設定する。処理は、ステップS26に進む。
【0128】
ステップS26において、サーバー送信部40は、リモートジョブボタン20を含むリモート画面情報を送信する。処理は、ステップS28に進む。
【0129】
ステップS28において、端末受信部14は、リモートジョブボタン20を含むリモート画面情報を受信する。処理は、ステップS30に進む。
【0130】
ステップS30において、端末表示部12は、リモートジョブボタン20を含むリモート画面を表示する。処理は、ステップS32に進む。
【0131】
ステップS32において、検知部16は、リモートジョブボタン20が操作されたことを検知して、検知信号を出力する。処理は、ステップS34に進む。
【0132】
ステップS34において、端末処理部18は、検知信号に基づいて、リモートジョブコマンドを生成する。処理は、ステップS36に進む。
【0133】
ステップS36において、端末送信部10は、リモートジョブコマンドを送信する。処理は、図8に示すステップS38に進む。
【0134】
ステップS38において、サーバー受信部34は、リモートジョブコマンドを受信する。処理は、ステップS40に進む。
【0135】
ステップS40において、サーバー処理部38は、リモートジョブコマンドを処理する。処理は、ステップS42に進む。
【0136】
ステップS42において、サーバー送信部40は、リモートジョブコマンドを送信する。処理は、ステップS44に進む。
【0137】
ステップS44において、装置受信部52は、リモートジョブコマンドを受信する。処理は、ステップS46に進む。
【0138】
ステップS46において、装置処理部58は、リモートジョブコマンドに基づいて、履歴ログが生成されないドキュメントデータを生成する。又は、装置処理部58は、リモートジョブコマンドに基づいて、履歴ログが消去されたドキュメントデータを生成する。処理は、ステップS48に進む。
【0139】
ステップS48において、装置送信部56は、ドキュメントデータを送信する。ステップS50に進む。
【0140】
ステップS50において、サーバー受信部34は、ドキュメントデータを受信する。処理は、ステップS52に進む。
【0141】
ステップS52において、サーバー処理部38は、ドキュメントデータを処理する。処理は、ステップS54に進む。
【0142】
ステップS54において、サーバー送信部40は、ドキュメントデータを送信する。処理は、ステップS56に進む。
【0143】
ステップS56において、端末受信部14は、ドキュメントデータを受信する。処理は、ステップS58に進む。
【0144】
ステップS58において、端末表示部12は、ドキュメントデータに基づいて、画像を表示する。そして、処理は終了する。
【0145】
以上の通り、図面を参照しながら本発明の実施形態を説明した。但し、本発明は、上記の実施形態に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の態様において実施することが可能である。図面は、理解しやすくするために、それぞれの構成要素を主体に模式的に示しており、図示された各構成要素の厚み、長さ、又は個数等は、図面作成の都合上から実際とは異なる。また、上記の実施形態で示す各構成要素の材質、形状、又は寸法等は一例であって、特に限定されるものではなく、本発明の効果から実質的に逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
【産業上の利用可能性】
【0146】
本発明は、画像処理システムの分野に利用可能である。


図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8