(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-15
(45)【発行日】2024-04-23
(54)【発明の名称】プラガブル光モジュール、光通信システム及び光通信方法
(51)【国際特許分類】
H04B 10/572 20130101AFI20240416BHJP
H04B 10/40 20130101ALN20240416BHJP
H04B 10/61 20130101ALN20240416BHJP
【FI】
H04B10/572
H04B10/40
H04B10/61
(21)【出願番号】P 2023068915
(22)【出願日】2023-04-20
(62)【分割の表示】P 2022053260の分割
【原出願日】2016-02-01
【審査請求日】2023-04-20
(31)【優先権主張番号】P 2015043203
(32)【優先日】2015-03-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100103894
【氏名又は名称】家入 健
(72)【発明者】
【氏名】野村 林太郎
【審査官】後澤 瑞征
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第01/03349(WO,A1)
【文献】特開平8-279802(JP,A)
【文献】特開2010-283644(JP,A)
【文献】特開2009-81512(JP,A)
【文献】特許第4643220(JP,B2)
【文献】特開2007-165470(JP,A)
【文献】国際公開第2012/113447(WO,A1)
【文献】特開2011-151210(JP,A)
【文献】特開2014-240889(JP,A)
【文献】特開2014-236420(JP,A)
【文献】特開2009-071345(JP,A)
【文献】Wladek Forysiak and Donald Scott Govan,Progress Toward 100-G Digital Coherent Pluggables Using InP-Based Photonics,JOURNAL OF LIGHTWAVE TECHNOLOGY,2014年,Vol.32, No.16,p.2925-2934
【文献】Shogo Yamanaka et al.,100 Gb/s CFP coherent transceiver enabled by power-optimized DSP,OECC/ACOFT 2014 PDP PAPERS,2014年,http://www.oecc-acoft2014.org/wp-content/uploads/THPDP1-4oecc2014Abstract00724.pdf
【文献】P. C. Koh et al.,Ultralow power dissipation widely-tunable transmitter optical subassembly for 10 Gb/s pluggable transceivers.,2009 Conference on Optical Fiber Communication [online],2009年,[2024年3月4日検索], インターネット <URL: https://ieeexplore.ieee.org/stamp/stamp.jsp?tp=&arnumber=5032910>,<DOI: 10.1364/OFC.2009.OWJ6>
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 10/572
H04B 10/40
H04B 10/61
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部光伝送装置に挿抜可能な電気コネクタと、
コネクタ付光ファイバが挿抜可能な光コネクタと、
第1の波長を有する光を出力可能な光源と、
電気信号に応じて前記第1の波長を有する光を変調し、第1の光信号を出力する光変調器と、
前記光変調器から出力された前記第1の光信号の光強度を調整可能であり、前記第1の光信号を前記コネクタ付光ファイバに出力する光強度調整部と、
前記外部光伝送装置からの波長切替指示に応じて、波長切替動作を実行する制御部と、を備え、
前記制御部は、前記波長切替動作を、
前記光強度調整部が前記第1の光信号を遮断し、
前記第1の光信号が遮断された後に前記光源は、出力する前記光の波長を前記第1の波長から第2の波長へ切り替え、
前記光の波長を前記第1の波長から前記第2の波長へ切り替えた後に、前記外部光伝送装置からの指示に応じて、前記光強度調整部が、前記第2の波長を有する光が変調された第2の光信号を前記コネクタ付光ファイバに出力するように制御することを特徴とする、
プラガブル光モジュール。
【請求項2】
前記制御部は、前記波長切替動作を、さらに、
前記光源が前記第1の波長を有する光の出力を停止する
ように制御することを特徴とする、
請求項1に記載のプラガブル光モジュール。
【請求項3】
前記制御部は、前記波長切替動作を、さらに、
出力する前記光の波長を前記第1の波長から前記第2の波長へ切り替えた後に、前記光源が前記第2の波長を有する光を出力する
ように制御することを特徴とする、
請求項2に記載のプラガブル光モジュール。
【請求項4】
前記制御部は、前記外部光伝送装置からの要求に応じて当該外部光伝送装置に対して状態を通知する
ことを特徴とする、
請求項1乃至3のいずれかに記載のプラガブル光モジュール。
【請求項5】
前記光源が出力する前記光の波長を前記第1の波長から前記第2の波長へ切り替えた後に、前記制御部は、前記第2の波長を有する光への切り替え完了を前記外部光伝送装置に対して通知する
ことを特徴とする、
請求項1乃至4のいずれかに記載のプラガブル光モジュール。
【請求項6】
前記光源からの光を分岐する光分岐部と、
前記分岐された光と干渉させることで入力光信号を受信するコヒーレント光受信器と、
をさらに備える、
請求項1乃至5のいずれかに記載のプラガブル光モジュール。
【請求項7】
前記光源が出力する前記光の波長を前記第1の波長から前記第2の波長へ切り替えた後に、前記制御部は、前記コヒーレント光受信器のパラメータを設定する
ことを特徴とする、
請求項6に記載のプラガブル光モジュール。
【請求項8】
コネクタ付光ファイバと、
プラガブル光モジュールと、
前記プラガブル光モジュールを制御可能な外部光伝送装置と、を備え、
前記プラガブル光モジュールは、
前記外部光伝送装置に挿抜可能な電気コネクタと、
前記コネクタ付光ファイバが挿抜可能な光コネクタと、
第1の波長を有する光を出力可能な光源と、
電気信号に応じて前記第1の波長を有する光を変調し、第1の光信号を出力する光変調器と、
前記光変調器から出力された前記第1の光信号の光強度を調整可能であり、前記第1の光信号を前記コネクタ付光ファイバに出力する光強度調整部と、
前記外部光伝送装置からの波長切替指示に応じて、波長切替動作を実行する制御部と、を備え、
前記制御部は、前記波長切替動作を、
前記光強度調整部が前記第1の光信号を遮断し、
前記第1の光信号が遮断された後に前記光源は、出力する前記光の波長を前記第1の波長から第2の波長へ切り替え、
前記光の波長を前記第1の波長から前記第2の波長へ切り替えた後に、前記外部光伝送装置からの指示に応じて、前記光強度調整部が、前記第2の波長を有する光が変調された第2の光信号を前記コネクタ付光ファイバに出力するように制御することを特徴とする、
光通信システム。
【請求項9】
前記制御部は、前記波長切替動作を、さらに、
前記光源が前記第1の波長を有する光の出力を停止する
ように制御することを特徴とする、
請求項8に記載の光通信システム。
【請求項10】
前記制御部は、前記波長切替動作を、さらに、
出力する前記光の波長を前記第1の波長から前記第2の波長へ切り替えた後に、前記光源が前記第2の波長を有する光を出力する
ように制御することを特徴とする、
請求項9に記載の光通信システム。
【請求項11】
前記制御部は、前記外部光伝送装置からの要求に応じて当該外部光伝送装置に対して状態を通知する
ことを特徴とする、
請求項8乃至10のいずれかに記載の光通信システム。
【請求項12】
前記光源が出力する前記光の波長を前記第1の波長から前記第2の波長へ切り替えた後に、前記制御部は、前記第2の波長を有する光への切り替え完了を前記外部光伝送装置に対して通知する
ことを特徴とする、
請求項8乃至11のいずれかに記載の光通信システム。
【請求項13】
前記光源からの光を分岐する光分岐部と、
前記分岐された光と干渉させることで入力光信号を受信するコヒーレント光受信器と、
をさらに備える、
請求項8乃至12のいずれかに記載の光通信システム。
【請求項14】
前記光源が出力する前記光の波長を前記第1の波長から前記第2の波長へ切り替えた後に、前記制御部は、前記コヒーレント光受信器のパラメータを設定する
ことを特徴とする、
請求項13に記載の光通信システム。
【請求項15】
プラガブル光モジュールにおいて、
第1の波長を有する光を出力し、
電気信号に応じて前記第1の波長を有する光を変調して第1の光信号を出力し、
前記第1の光信号の光強度を調整可能な光強度調整部から、前記第1の光信号をコネクタ付光ファイバに出力し、
外部光伝送装置からの波長切替指示に応じて、波長切替動作を実行し、
前記波長切替動作を、
前記第1の光信号を遮断し、
前記第1の光信号が遮断された後に、出力する前記光の波長を前記第1の波長から第2の波長へ切り替え、
出力する前記光の波長を前記第1の波長から前記第2の波長へ切り替えた後に、前記外部光伝送装置からの指示に応じて、前記第2の波長を有する光が変調された第2の光信号を前記コネクタ付光ファイバに出力する
ように制御することを特徴とする、
光通信方法。
【請求項16】
前記波長切替動作を、さらに、
前記第1の波長を有する光の出力を停止する
ように制御することを特徴とする、
請求項15に記載の光通信方法。
【請求項17】
前記波長切替動作を、さらに、
出力する前記光の波長を前記第1の波長から前記第2の波長へ切り替えた後に、前記第2の波長を有する光を出力する
ように制御することを特徴とする、
請求項16に記載の光通信方法。
【請求項18】
前記外部光伝送装置からの要求に応じて、当該外部光伝送装置に対して状態を通知する
ことを特徴とする、
請求項15乃至17のいずれかに記載の光通信方法。
【請求項19】
出力する前記光の波長を前記第1の波長から前記第2の波長へ切り替えた後に、前記第2の波長を有する光への切り替え完了を前記外部光伝送装置に対して通知する
ことを特徴とする、
請求項15乃至18のいずれかに記載の光通信方法。
【請求項20】
前記光を分岐し、
前記分岐された光と干渉させることで入力光信号をコヒーレント受信する、
請求項15乃至19のいずれかに記載の光通信方法。
【請求項21】
出力する前記光の波長を前記第1の波長から前記第2の波長へ切り替えた後に、前記コヒーレント受信におけるパラメータを設定する
ことを特徴とする、
請求項20に記載の光通信方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はプラガブル光モジュール、光通信システム及び光通信方法に関する。
【背景技術】
【0002】
光通信システムにおいては、光信号の送受信に用いられる光モジュールが搭載される。例えば、WDM(Wavelength Division Multiplex)ネットワークの予備系で用いられる波長可変光送信装置が提案されている(特許文献1)。この波長可変光送信装置では、波長切替の際に波長が目標値に到達、安定してから、コントローラが光ゲートの状態を遮断から通過に切り替える。他にも、波長切替中の光出力を遮断する波長可変光源内臓装置(特許文献2)、集積レーザ装置(特許文献3)及び波長可変光出力装置(特許文献4)が提案されている。
【0003】
一方で、例えばSFP(Small Form Factor Pluggable)やXFPなどの規格の光通信システムにおいて、波長可変プラガブル光モジュールの利用が進展している。波長可変プラガブル光モジュールは、光通信装置のソケットに挿抜可能な光トランシーバである。波長可変プラガブル光モジュールの制御を実施する際、波長可変プラガブル光モジュールはホスト側である光通信装置から制御情報を受け取る。そして、受け取った制御情報に応じて、波長可変プラガブル光モジュールの動作の切替えや変更が行われる。
【0004】
波長可変プラガブル光モジュールにおいては、光通信装置から波長の切替えを要求される場合がある。波長の切替え要求を受け付けた場合、波長可変プラガブル光モジュールは、自律的に切替え動作を実行・完了することが求められる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2001-268015号公報
【文献】特開2004-62105号公報
【文献】特開2007-158057号公報
【文献】特開2008-28569号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところが、発明者は上述の手法には、以下に示す問題点があることを見出した。波長可変プラガブル光モジュールにおいて波長の切替えを実施する場合、切替えタイミングのずれや切替え前後の光源の状態の不安定性により、光伝送路上に不安定な光信号や誤った波長の光信号が送出されてしまうことがある。不安定な光信号や誤った波長の光信号が送出されてしまうと、通信の不具合や通信品質の劣化を招来する。
【0007】
更に、特許文献1~4に記載の構成とは異なり、波長可変プラガブル光モジュールは、波長可変プラガブル光モジュール搭載されるシステムの通信ホストである外部装置からの制御に応じて、波長切替を実行しなければならない。そのため、波長可変プラガブル光モジュールは、外部装置の要求に応じて、不安定な光信号や誤った波長の光信号が送出を防止しつつ、光信号の波長切替を行わなければならないという特有の課題を有する。
【0008】
本発明は、上記の事情に鑑みて成されたものであり、波長可変プラガブル光モジュールが外部から波長切替を要求された場合に、波長の切替処理が完了する前に光伝送路上に光信号が送出されることを防止することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一態様であるプラガブル光モジュールは、外部光伝送装置に挿抜可能な電気コネクタと、コネクタ付光ファイバが挿抜可能な光コネクタと、第1の波長を有する光を出力可能な光源と、電気信号に応じて前記第1の波長を有する光を変調し、第1の光信号を出力する光変調器と、前記光変調器から出力された前記第1の光信号の光強度を調整可能であり、前記第1の光信号を前記コネクタ付光ファイバに出力する光強度調整部と、前記外部光伝送装置からの波長切替指示に応じて、波長切替動作を実行する制御部と、を備え、前記制御部は、前記波長切替動作を、前記光強度調整部が前記第1の光信号を遮断し、前記第1の光信号が遮断された後に前記光源は、出力する前記光の波長を前記第1の波長から第2の波長へ切り替え、前記光の波長を前記第1の波長から前記第2の波長へ切り替えた後に、前記外部光伝送装置からの指示に応じて、前記光強度調整部が、前記第2の波長を有する光が変調された第2の光信号を前記コネクタ付光ファイバに出力するように制御することを特徴とするものである。
【0010】
本発明の一態様である光通信システムは、コネクタ付光ファイバと、プラガブル光モジュールと、前記プラガブル光モジュールを制御可能な外部光伝送装置と、を備え、前記プラガブル光モジュールは、前記外部光伝送装置に挿抜可能な電気コネクタと、前記コネクタ付光ファイバが挿抜可能な光コネクタと、第1の波長を有する光を出力可能な光源と、電気信号に応じて前記第1の波長を有する光を変調し、第1の光信号を出力する光変調器と、前記光変調器から出力された前記第1の光信号の光強度を調整可能であり、前記第1の光信号を前記コネクタ付光ファイバに出力する光強度調整部と、前記外部光伝送装置からの波長切替指示に応じて、波長切替動作を実行する制御部と、を備え、前記制御部は、前記波長切替動作を、前記光強度調整部が前記第1の光信号を遮断し、前記第1の光信号が遮断された後に前記光源は、出力する前記光の波長を前記第1の波長から第2の波長へ切り替え、前記光の波長を前記第1の波長から前記第2の波長へ切り替えた後に、前記外部光伝送装置からの指示に応じて、前記光強度調整部が、前記第2の波長を有する光が変調された第2の光信号を前記コネクタ付光ファイバに出力するように制御することを特徴とするものである。
【0011】
本発明の一態様である光通信方法は、プラガブル光モジュールにおいて、第1の波長を有する光を出力し、電気信号に応じて前記第1の波長を有する光を変調して第1の光信号を出力し、前記第1の光信号の光強度を調整可能な光強度調整部から、前記第1の光信号をコネクタ付光ファイバに出力し、外部光伝送装置からの波長切替指示に応じて、波長切替動作を実行し、前記波長切替動作を、前記第1の光信号を遮断し、前記第1の光信号が遮断された後に、出力する前記光の波長を前記第1の波長から第2の波長へ切り替え、出力する前記光の波長を前記第1の波長から前記第2の波長へ切り替えた後に、前記外部光伝送装置からの指示に応じて、前記第2の波長を有する光が変調された第2の光信号を前記コネクタ付光ファイバに出力するように制御することを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、波長可変プラガブル光モジュールが外部から波長切替を要求された場合に、波長の切替処理が完了する前に光伝送路上に光信号が送出されることを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【
図1】実施の形態1にかかる波長可変プラガブル光モジュールの構成を模式的に示すブロック図である。
【
図2】実施の形態1にかかる波長可変プラガブル光モジュールが搭載される光通信システムの要部構成例を示すブロック図である。
【
図3】実施の形態1にかかる光信号出力部の構成例を示すブロック図である。
【
図4】実施の形態1にかかる波長可変プラガブル光モジュールを光ファイバ側から見た場合の斜視図である。
【
図5】、実施の形態1にかかる波長可変プラガブル光モジュールを光通信装置側から見た場合の斜視図である。
【
図6】実施の形態1にかかる波長可変プラガブル光モジュールの波長切替動作を示すシーケンス図である。
【
図7】実施の形態2にかかる波長可変プラガブル光モジュールの構成を模式的に示すブロック図である。
【
図8】実施の形態2にかかる波長可変プラガブル光モジュールの波長切替動作を示すシーケンス図である。
【
図9】実施の形態3にかかる波長可変プラガブル光モジュールの構成を模式的に示すブロック図である。
【
図10】実施の形態3にかかる光受信部の構成例を示すブロック図である。
【
図11】実施の形態3にかかる波長可変プラガブル光モジュールの受信側の波長切替動作を示すシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。各図面においては、同一要素には同一の符号が付されており、必要に応じて重複説明は省略される。
【0015】
実施の形態1
実施の形態1にかかる波長可変プラガブル光モジュール100について説明する。
図1は、実施の形態1にかかる波長可変プラガブル光モジュール100の構成を模式的に示すブロック図である。
図2は、実施の形態1にかかる波長可変プラガブル光モジュール100が搭載される光通信システム1000の要部構成例を示すブロック図である。
図2に示すように、波長可変プラガブル光モジュール100は、コネクタ付きの光ファイバ91のコネクタ部が挿抜可能に構成される。コネクタ付きの光ファイバ91のコネクタとしては、例えばFC型コネクタやMU型コネクタを用いることができる。波長可変プラガブル光モジュール100は、通信ホストである光通信装置92から入力される制御信号CON1に基づいて制御される。なお、波長可変プラガブル光モジュール100は、制御信号CON1とともに、光通信装置92からデータ信号を受信することも可能である。この場合、波長可変プラガブル光モジュール100は、受信したデータ信号に基づいて変調した光信号LSを出力することができる。光通信装置92は、例えば、波長可変プラガブル光モジュール100からの通信データ信号又は波長可変プラガブル光モジュール100に入力する通信データ信号のフレーム処理等の通信データ処理を行う。
【0016】
波長可変プラガブル光モジュール100は、プラガブル電気コネクタ11、光信号出力部13、光強度調整部14、制御部12及びプラガブル光レセプタ15を有する。
【0017】
プラガブル電気コネクタ11は、光通信装置92に対して挿抜可能に構成される。プラガブル電気コネクタ11は、光通信装置92から出力される電気信号である制御信号CON1を受け取って、制御部12に制御信号CON1を転送する。また、プラガブル電気コネクタ11は、制御部12から出力される電気信号を光通信装置92に転送してもよい。
【0018】
制御部12は、光通信装置92からプラガブル電気コネクタ11を介して入力される制御信号CON1に基づいて、光信号出力部13及び光強度調整部14の動作を制御する。具体的には、制御部12は、光信号出力部13へ出力する制御信号CON2により、光信号出力部13が出力する光信号LS(第1光信号とも称する)の波長を切替えることができる。また、制御信号CON2には変調信号が含まれており、光信号出力部13は変調信号に応じて光信号LSを変調する。また、制御部12は、光強度調整部14へ出力する制御信号CON3により、光強度調整部14から出力される光信号LSの光強度を調整することができる。
【0019】
光信号出力部13は、所定の変調方式で変調された所定の波長の光信号LSを出力する。光信号出力部13から出力される光信号LSの波長は可変である。つまり、光信号出力部13は、制御部12から出力される制御信号CON2に応じて、波長可変範囲内の単一波長の光信号LSを出力する。光信号出力部13は、位相変調、振幅変調、偏波変調などの各種の変調方式で、又は、各種の変調方式を組み合わせて光信号LSを変調することができる。
【0020】
光信号出力部13の構成例について説明する。
図3は、実施の形態1にかかる光信号出力部13の構成例を示すブロック図である。光信号出力部13は、波長可変光源121及び光変調部122を有する。波長可変光源121は、例えば、半導体レーザとリング共振器などの波長可変手段とで構成され、出力光Lorigを出力する。出力光Lorigは、制御信号CON2により制御される。変調信号MOD光変調部122は、例えばマッハツェンダ型の光変調器である。なお、
図1及び2では図示しなかったが、光変調部122は、光通信装置92からプラガブル電気コネクタ11を介して入力される通信データ信号に対応した変調信号MODに応じて、出力光Lorigを変調した光信号LSを出力する。例えば、変調信号MODは、図示しない駆動回路が、光通信装置92から入力される通信データ信号に応じて出力する。
【0021】
光強度調整部14は、光信号出力部13から出力される光信号LSを減衰又は遮断することで、光信号LSの光強度を調整することができる。上述のとおり、光強度調整部14は、制御部12から出力される制御信号CON3に応じて、光信号LSの光強度を調整する。光強度調整部14は、例えば光アッテネータを用いることができる。
【0022】
プラガブル光レセプタ15(第1プラガブル光レセプタとも称する)は、外部のコネクタ付きの光ファイバ91(第1光伝送路とも称する)のコネクタが挿抜可能に構成される。プラガブル光レセプタ15は、光強度調整部14から出力される光信号LSを、光ファイバ91に送出する。
【0023】
波長可変プラガブル光モジュール100の外観を示す。
図4は、実施の形態1にかかる波長可変プラガブル光モジュール100を光ファイバ91側から見た場合の斜視図である。
図4に示す符号61は、波長可変プラガブル光モジュール100の上面を示す。
図4に示す符号62は、プラガブル光レセプタ15の光ファイバ91のコネクタの差込口を示す。
図5は、実施の形態1にかかる波長可変プラガブル光モジュール100を光通信装置92側から見た場合の斜視図である。
図5に示す符号63は、波長可変プラガブル光モジュール100の下面を示す。
図5に示す符号64は、プラガブル電気コネクタ11の光通信装置92との接続部を示す。
【0024】
続いて、波長可変プラガブル光モジュール100の波長切替動作について説明する。
図6は、実施の形態1にかかる波長可変プラガブル光モジュール100の波長切替動作を示すシーケンス図である。
【0025】
ステップS11:波長切替指示受領
波長可変プラガブル光モジュール100が波長λ1の光信号LSを光ファイバ91へ出力している状態において、制御部12は、光通信装置92から光信号の波長切替指示が含まれる制御信号CON1を受け取る。
【0026】
ステップS12:光信号の遮断処理
制御部12は、波長切替指示に基づいて、光信号の遮断処理を行う。具体的には、制御部12は、制御信号CON3を用いて、光強度調整部14に対して光信号LSを遮断するよう指示する。光強度調整部14は、制御信号CON3に応じて、光信号LSを遮断する。また、制御部12は、制御信号CON2を用いて、光信号出力部13に対して光信号LSの出力停止を指示することで光信号の遮断処理を行うこともできる。なお、制御部12は、光信号の遮断処理を行う際に、光強度調整部14に対する光信号LSの遮断指示と光信号出力部13に対する光信号LSの出力停止指示とを並行して行うことも可能である。
【0027】
ステップS13:波長切替指示
制御部12は、波長切替指示に基づいて、光信号出力部13に対して、光信号LSの波長をλ1からλ2(λ1≠λ2)へ切替えることを指示する。これにより、光信号出力部13は、光信号LSの波長をλ1からλ2へ切替える。この際、光信号出力部13は、光信号LSの出力を停止してから、波長をλ1からλ2へ切替える処理を行ってもよい。
【0028】
ステップS14:出力再開指示
波長切替の完了後、制御部12は、光信号LSの出力再開処理を行う。具体的には、制御部12は、光信号LSを所定の光強度に調整するように光強度調整部14を制御する。これにより、光ファイバ91には波長λ2の光信号LSが出力される。
【0029】
制御部12は、ステップS12又はS13において、光信号出力部13の光信号の出力を停止していた場合、ステップS14の光強度調整部14の制御の前に、波長切替後の波長λ2の光信号LSを出力するように、光信号出力部13を制御してもよい。
【0030】
以上、本構成によれば、光通信装置92の指示によって波長可変プラガブル光モジュールが光信号の波長を切替えるときに、確実に光信号の出力を遮断する。これにより、波長切替中の不安定な光信号が送出されることを防止することができる。そして、波長切替が完了した後に光信号を送出するので、所望の波長及び安定性を有する光信号を波長可変プラガブル光モジュールから送出することができる。
【0031】
実施の形態2
実施の形態2にかかる波長可変プラガブル光モジュール200について説明する。
図7は、実施の形態2にかかる波長可変プラガブル光モジュール200の構成を模式的に示すブロック図である。波長可変プラガブル光モジュール200は、実施の形態1にかかる波長可変プラガブル光モジュール100の制御部12を制御部16に置換した構成を有する。なお、波長可変プラガブル光モジュール200は、制御信号CON1とともに、光通信装置92からデータ信号を受信することも可能である。この場合、波長可変プラガブル光モジュール200は、受信したデータ信号に基づいて変調した光信号LSを出力することができる。波長可変プラガブル光モジュール200のその他の構成は波長可変プラガブル光モジュール100と同様であるので、説明を省略する。
【0032】
制御部16の波長切替動作は、制御部12と比較して相違する。以下、波長可変プラガブル光モジュール200の波長切替動作について説明する。
図8は、実施の形態2にかかる波長可変プラガブル光モジュール200の波長切替動作を示すシーケンス図である。
【0033】
ステップS21:波長切替指示受領
波長可変プラガブル光モジュール200が波長λ1の光信号LSを光ファイバ91へ出力している状態において、制御部16は、
図6に示すステップS11と同様に、光通信装置92から光信号LSの波長切替指示が含まれる制御信号CON1を受け取る。
【0034】
ステップS22:光信号の遮断処理
制御部16は、
図6に示すステップS12と同様に、波長切替指示に基づいて光信号の遮断処理を行う。具体的には、制御部16は、制御信号CON3を用いて、光強度調整部14に対して光信号LSを遮断するよう指示する。光強度調整部14は、制御信号CON3に応じて、光信号LSを遮断する。また、制御部16は、制御信号CON2を用いて、光信号出力部13に対して光信号LSの出力停止を指示することで光信号の遮断処理を行うこともできる。なお、制御部16は、光信号LSの遮断処理を行う際に、光強度調整部14に対する光信号LSの遮断指示と光信号出力部13に対する光信号LSの出力停止指示とを並行して行うことも可能である。
【0035】
ステップS23:波長切替指示
制御部16は、
図6に示すステップS13と同様に、波長切替指示に基づいて、光信号出力部13に対して、光信号LSの波長をλ1からλ2(λ1≠λ2)へ切替えることを指示する。これにより、光信号出力部13は、光信号LSの波長をλ1からλ2へ切替える。この際、光信号出力部13は、光信号LSの出力を停止してから、波長をλ1からλ2へ切替える処理を行うものとする。
【0036】
波長切替に完了後に、制御部12は、光信号出力部13に設けられた光変調部(
図3の光変調部122)に、波長λ2の光信号の変調に用いるパラメータを設定してもよい。このパラメータ設定は、制御部12が制御信号CON1に基づいて行ってもよいし、外部からの信号に依ることなく制御部12が自律的に行ってもよい。
【0037】
ステップS24:波長切替完了通知
制御部16は、光通信装置92に対して、波長切替処理が完了したことを通知する。ここでは、制御部16は、波長切替処理が完了したことを通知する情報を含む通知信号INFを、プラガブル電気コネクタ11を介して光通信装置92へ出力する。
【0038】
ステップS25:出力再開指示受領
光通信装置92は、波長切替処理が完了したことを通知する情報を含む通知信号INFを受けて、制御部16へ光信号の出力処理を実行することを制御信号CON1によって指示する。この際、光通信装置92は、波長可変プラガブル光モジュール200が出力する光信号LSを受信する装置の安定状況をモニタし、受信が可能になった時点で光信号の出力処理を実行することを指示してもよい。
【0039】
ステップS26:出力再開指示
制御部16は、光通信装置92から光信号の出力処理の実行指示に応じて、光信号LSの出力再開処理を行う。具体的には、制御部16は、光信号LSを所定の光強度に調整するように光強度調整部14を制御する。これにより、光ファイバ91には波長λ2の光信号LSが出力される。
【0040】
制御部16は、ステップS22又はS23において、光信号出力部13の光信号の出力を停止していた場合、ステップS26の光強度調整部14の制御の前に、波長切替後の波長λ2の光信号LSを出力するように、光信号出力部13を制御してもよい。
【0041】
以上、本構成によれば、波長可変プラガブル光モジュール100と同様に、光通信装置92の指示によって波長可変プラガブル光モジュールが光信号の波長を切替えるときに、確実に光信号の出力を遮断する。これにより、波長切替中の不安定な光信号が送出されることを防止することができる。そして、波長切替が完了した後に光信号を送出するので、所望の波長及び安定性を有する光信号を送出することができる。
【0042】
また、本構成によれば、外部の光通信装置92が波長切替の進捗状況をモニタし、波長切替が完了した後に光信号の出力再開を指示する。そのため、より確実に波長切替中の不安定な光信号が送出されることを防止できる。また、上述のように、光通信装置92は、波長可変プラガブル光モジュール200が出力する光信号LSを受信する装置の安定状況をモニタし、受信が可能になった時点で光信号の出力処理を実行することを指示することもできる。つまり、波長可変プラガブル光モジュール200が実装されるシステムのタイミング要求に応じて光信号の出力再開を指示することができるので、システム全体の運用状況に合わせた光信号の波長切替を行うことができる。
【0043】
実施の形態3
実施の形態3にかかる波長可変プラガブル光モジュール300について説明する。
図9は、実施の形態3にかかる波長可変プラガブル光モジュール300の構成を模式的に示すブロック図である。波長可変プラガブル光モジュール300は、実施の形態1にかかる波長可変プラガブル光モジュール100にプラガブル光レセプタ17と光受信部18とを追加し、波長可変プラガブル光モジュール100の光信号出力部13を光信号出力部20に、制御部12を制御部19に置換した構成を有する。波長可変プラガブル光モジュール300では、光信号出力部13、光強度調整部14及びプラガブル光レセプタ15が送信側を構成し、プラガブル光レセプタ17及び光受信部18が受信側を構成する。なお、波長可変プラガブル光モジュール100は、制御信号CON1とともに、光通信装置92からデータ信号(例えば、
図9に示すデータ信号DAT)を受信することも可能である。この場合、波長可変プラガブル光モジュール100は、受信したデータ信号に基づいて変調した光信号LSを出力することができる。波長可変プラガブル光モジュール300のその他の構成は波長可変プラガブル光モジュール100と同様であるので、説明を省略する。
【0044】
光信号出力部20は、波長可変光源21、光分岐器22及び光変調部23を有する。波長可変光源21は、複数の波長の光を出力可能であり、所定の波長の光を選択的に出力可能である。波長可変光源21から出力される光Lorigは、光分岐器22で分岐されることで、送信側(光L1)及び受信側(局部発振光LO)の両方に光を出力できる。波長可変光源21は、例えば、半導体レーザなどの光源デバイス、リング共振器などの波長可変デバイスおよび駆動回路等の周辺電気回路が集積されたITLA(Integrable Tunable Laser Assembly)等を有するものとして構成することができる。光変調部23は、光分岐器22からの光L1を変調(位相変調・振幅変調)して光信号LSを生成する。例えば、光変調部23は、マッハツェンダ型の変調器等で構成される。光信号LSの変調は、プラガブル電気コネクタ11を介して、制御信号CON1に基づいて制御部19から出力される変調信号MODに応じて行われる。なお、光Lorigの分岐は光分岐器22によることに限定されるものではなく、適宜他の光分岐手段を用いることができる。
【0045】
プラガブル光レセプタ17(第2プラガブル光レセプタとも称する)は、受信側のプラガブル光レセプタであり、受信用のコネクタ付きの光ファイバ93(第2光伝送路とも称する)のコネクタが挿抜可能に構成される。コネクタ付きの光ファイバ93のコネクタとしては、例えばFC型コネクタやMU型コネクタを用いることができる。プラガブル光レセプタ17は、光ファイバ93を通じて送信元からの光信号IN(第2光信号とも称する)が入力される。
【0046】
光受信部18は、例えば、デジタルコヒーレント光受信器として構成される。光受信部18は、プラガブル光レセプタ17介して受け取った外部からの光信号INを電気信号であるデータ信号DATに変換し、プラガブル電気コネクタ11を介してデータ信号DATを光通信装置へ出力する。光受信部18は、波長可変の光受信器であり、制御部19からの制御信号CON4によって受信に用いる設定パラメータを更新できるように構成される。
【0047】
光受信部18は、例えば、DP-QPSK(Dual-Polarization Quadrature Phase-Shift Keying)光信号を電気信号に復調するデジタルコヒーレント受信を行う受信器である。
図10は、実施の形態3にかかる光受信部18の構成例を示すブロック図である。
図10に示すように、光受信部18は、偏光ビームスプリッタ(Polarization Beam Splitter:以下、PBSと表記する)31、PBS32、90°ハイブリッド33及び34、光電変換器(O/E:Optical/Electrical converter)41~44、アナログ/デジタル変換器(ADC:Analog to Digital Converter)51~54及びデジタル信号処理部(Digital Signal Processor、以下DSPと表記する)35を有する。
【0048】
PBS31には、プラガブル光レセプタ17を介して、DP-QPSK光信号が入力する。PBS31は、入力したDP-QPSK光信号を、直交する2つの偏波成分に分離する。具体的には、PBS31は、入力したDP-QPSK光信号を、互いに直交するx偏波成分xinとy偏波成分yinとに分離する。x偏波成分xinは90°ハイブリッド33に入力し、y偏波成分yinは90°ハイブリッド34に入力する。
【0049】
光分岐器22からの光は、局部発振光としてPBS32に入力する。本実施の形態では、局部発振光は、所定の周波数を有するCW(Continuous Wave)光である。PBS32は、局部発振光を、直交する2つの偏波成分(x偏波成分LOx及びy偏波成分LOy)に分離する。局部発振光のx偏波成分LOxは90°ハイブリッド33に入力し、局部発振光のy偏波成分LOyは90°ハイブリッド34に入力する。
【0050】
90°ハイブリッド33は、局部発振光のx偏波成分LOxとx偏波成分xinとを干渉させることで検波し、I(In-phase:同相)成分(以下、xin-I成分)と、I成分と位相が90°異なるQ(Quadrature:直交)成分(以下、Xin-Q成分)と、を検波光として出力する。90°ハイブリッド34は、局部発振光のy偏波成分LOyとy偏波成分Yinとを干渉させることで検波し、I成分(以下、yin―I成分)及びQ成分(以下、yin―Q成分)を検波光として出力する。
【0051】
光電変換器41~44は、90°ハイブリッド33及び34が出力する4つの光信号(xin-I成分、xin-Q成分、yin-I成分及びxin-Q成分)のそれぞれを光電変換する。そして、光電変換器41~44は、光電変換により生成したアナログ電気信号を、それぞれADC51~54に出力する。具体的には、光電変換器41は、xin-I成分を光電変換し、生成したアナログ電気信号をADC51に出力する。光電変換器42は、xin-Q成分を光電変換し、生成したアナログ電気信号をADC52に出力する。光電変換器43は、yin-I成分を光電変換し、生成したアナログ電気信号をADC53に出力する。光電変換器44は、yin-Q成分を光電変換し、生成したアナログ電気信号をADC54に出力する。
【0052】
ADC51~54は、光電変換器41~44が出力するアナログ電気信号を、それぞれデジタル信号に変換し、変換したデジタル信号をDSP35に出力する。
【0053】
DSP35は、入力するデジタル信号に所定の偏波分離デジタル信号処理を行い、復調した信号を含むデータ信号DATを出力する。データ信号DATは、プラガブル電気コネクタ11を介して、外部の光通信装置92に出力される。
【0054】
次いで、波長可変プラガブル光モジュール300の波長切替動作について説明する。送信側の波長切替動作については、
図8に示す波長可変プラガブル光モジュール200の波長切替動作と同様であるので、重複する説明を省略する。
【0055】
なお、波長可変プラガブル光モジュール300の送信側の波長切替動作では、
図8のステップS23に対応する波長切替に完了後に、制御部19は、光信号出力部20に設けられた光変調部(
図9の光変調部23)に、波長λ2の光信号の変調に用いるパラメータを設定してもよい。このパラメータ設定は、制御部19が制御信号CON1に基づいて行ってもよいし、外部からの信号に依ることなく制御部19が自律的に行ってもよい。
【0056】
波長可変プラガブル光モジュール300の受信側の波長切替動作について説明する。
図11は、実施の形態3にかかる波長可変プラガブル光モジュール300の受信側の波長切替動作を示すシーケンス図である。
【0057】
ステップS31:波長切替指示受領
波長可変プラガブル光モジュール200が波長λ1の光信号INが光ファイバ93から入力されている状態において、制御部16は、
図6に示すステップS11と同様に、光通信装置92から光信号の波長切替指示が含まれる制御信号CON1を受け取る。この際、光通信装置92は、通信状況に応じて光信号INの波長切替を自ら決定してもよいし、送信元等の外部装置の要求に応じて波長切替を波長可変プラガブル光モジュール300へ指示してもよい。
【0058】
ステップS32:波長切替指示
制御部19は、波長切替指示に基づいて、光信号出力部20の波長可変光源21に対して、出力光Lorigの波長をλ1からλ2(λ1≠λ2)へ切替えることを指示する。これにより、波長可変光源21は、光信号の波長をλ1からλ2へ切替える。この際、波長可変光源21、光信号の出力を停止してから波長をλ1からλ2へ切替える処理を行うものとする。これにより、光受信部18に出力される局部発振光LOの波長がλ1からλ2へ切替えられる。
【0059】
ステップS33:受信パラメータ更新
制御部19は、制御信号CON4に応じて、光受信部18が波長切替後の波長λ2の受信に用いる受信パラメータを更新(ないしは設定)する。
【0060】
ステップS34:受信再開
制御部19は、制御信号CON4によって、光受信部18に光信号INの受信再開を指示する。これを受けて、光受信部18は、波長λ2の光信号INの受信を再開する。
【0061】
以上、本構成によれば、波長可変プラガブル光モジュール100と同様に、光通信装置92の指示によって波長可変プラガブル光モジュールが光信号の波長を切替えるときに、確実に光信号の出力を遮断する。これにより、波長切替中の不安定な光信号が送出されることを防止することができる。そして、波長切替が完了した後に光信号を送出するので、所望の波長及び安定性を有する光信号を送出することができる。
【0062】
また、本構成によれば、受信した光信号の検波に用いる局部発振光の波長を切り替えることができる。これにより、波長可変範囲内の所望の波長の光信号を復調することができる。よって、複雑な変調方式の光信号を受信することができる。
【0063】
更に、本構成では、送信側と受信側とで波長可変光源21を共有するので、送受信一体型の波長可変プラガブル光モジュール300の小型化を実現することもできる。なお、本実施の形態において、送信側と受信側とが、それぞれ波長可変光源を有していてもよいことは言うまでもない。また、本構成では、プラガブル光レセプタ17から波長多重光信号を受信するようにしてもよい。この場合、波長可変光源21から出力する光信号と光受信部18にて干渉する波長の光信号のみが検波される。従って、波長多重光信号から、特定の光信号の波長を選択的に受信することができる。
【0064】
その他の実施の形態
なお、本発明は上記実施の形態に限られたものではなく、趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。例えば、上述の実施の形態において、光通信装置92が波長可変プラガブル光モジュールにステータス要求を行うこともできる。この際、波長可変プラガブル光モジュールの制御部は、光通信装置92からプラガブル電気コネクタ11を介してステータス要求を受け取る。波長可変プラガブル光モジュールの制御部は、ステータス要求を受け取った時点での波長可変プラガブル光モジュールの運転状況を、プラガブル電気コネクタ11を介して光通信装置92に通知する。具体的には、波長可変プラガブル光モジュールの制御部は、波長切替動作中であるか否かを光通信装置92に通知することができる。また、波長可変プラガブル光モジュールの制御部は、波長切替動作中には、
図6、
図8、
図11に示す各ステップのいずれの処理段階であるか(例えば、光信号の遮断(ステップS12)が完了した状態、波長切替(ステップS13)が完了した状態など)を、光通信装置92に通知することができる。更に、光信号出力部13に含まれる波長可変光源や光変調部の動作安定状態などを光通信装置92に通知することもできる。
【0065】
例えば、上述の実施の形態において、波長可変プラガブル光モジュールが波長切替動作を行っている間に、光通信装置92が波長可変プラガブル光モジュールに光信号の出力停止を指示する場合が想定され得る。この際、波長可変プラガブル光モジュールの制御部は、光通信装置92からプラガブル電気コネクタ11を介して光信号の出力停止の指示を受け取る。しかし、波長可変プラガブル光モジュールは波長切替動作の最中であるため、光信号の出力停止の指示を受け付けないようにしてもよい。これにより、重複する動作要求による誤動作の発生を防止することができる。また、光通信装置92からプラガブル電気コネクタ11を介して光信号の出力停止の指示を受け取った場合に、波長切替動作が完了した後に、光信号の出力停止を実行してもよい。これにより、重複する動作要求を順序に従って処理し、光通信装置92が要求する所望の処理を確実に実行することができる。なお、光通信装置92が波長可変プラガブル光モジュールに対して、光信号の出力開始、及び、光信号の出力停止を適宜指示できることは言うまでもない。
【0066】
上述の実施の形態においては、波長可変プラガブル光モジュール制御部が光通信装置92からの制御信号CON1に応じて、波長可変光源、光変調部及び光強度調整部を制御するものとして説明したが、これは例示にすぎない。波長可変プラガブル光モジュール制御部は、外部からの制御信号によらず、自律的に波長可変光源、光変調部及び光強度調整部を制御することもできる。
【0067】
上述の実施の形態において、プラガブル電気コネクタ11を介した制御信号のやり取りは、MDIO(Management Data Input/Output)やI2C(Inter-Integrated Circuit)といった技術を適用することで実現することができる。
【0068】
上述の実施の形態においては、光信号出力部が出力する光信号の強度をモニタし、例えば光信号出力部に設けられた波長可変光源の光出力強度をフィードバック制御してもよい。この場合、光信号出力部が出力する光信号の一部を光分岐器などで分岐し、分岐した光信号をフォトダイオードなどの受光素子で監視する。そして、監視結果を制御部に通知することで、制御部は光信号出力部が出力する光信号の強度をフィードバック制御できる。
【0069】
上述の実施の形態においては、光強度調整部が出力する光信号の強度をモニタし、例えば光強度調整部での光強度や光信号出力部に設けられた波長可変光源の光出力強度をフィードバック制御してもよい。この場合、光強度調整部が出力する光信号の一部を光分岐器などで分岐し、分岐した光信号をフォトダイオードなどの受光素子で監視する。そして、監視結果を制御部に通知することで、制御部は光信号出力部が出力する光信号の強度、及び、光強度調整部が調整する光強度の一方又は両方をフィードバック制御できる。
【0070】
上述の実施の形態3にかかる波長可変プラガブル光モジュール300では、実施の形態2にかかる波長可変プラガブル光モジュール200と同様に、制御部19が波長切替の完了を光通信装置92に通知し(
図8のステップS24に相当)、光通信装置92が制御部19に光信号の出力再開を指示し(
図8のステップS25に相当)、制御部19が光信号の出力再開の指示に応じて光信号出力部20に光信号の出力を再開させて(
図8のステップS22に相当)もよい。
【0071】
実施の形態においては、光受信部18は、DP-QPSK光信号を受信するものとして説明したが、これは例示に過ぎない。例えば、QAM(quadrature amplitude modulation)等の他の変調信号を受信可能に構成されてもよい。
【0072】
上記の実施の形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載され得るが、以下には限られない。
【0073】
(付記1)光伝送装置に対して挿抜可能に構成され、前記光伝送装置と、通信データ信号及び制御信号を通信可能であるプラガブル電気コネクタと、前記通信データ信号に対応する光信号の波長を選択的に出力可能に構成された光信号出力部と、前記光信号の光強度を調整可能である光強度調整部と、光ファイバが挿抜可能に構成され、前記光強度調整部から出力される前記光信号を前記光ファイバへ出力可能であるプラガブル光レセプタと、前記プラガブル電気コネクタからの前記制御信号に応じて波長切替動作を制御する制御部と、を備え、前記制御部は、前記制御信号に含まれる波長切替指示に応じて、前記光強度調整部に前記光信号の出力を遮断することを指示し、前記光信号の遮断後に、前記光信号出力部に前記光信号の波長切替を指示し、前記波長切替動作後に、前記光強度調整部に前記光信号の出力を指示する、波長可変プラガブル光モジュール。
【0074】
(付記2)前記制御部は、前記波長切替動作の状態に関する情報を前記光伝送装置に通知し、前記制御部は、前記光伝送装置からの出力指示に応じて、前記光強度調整部に前記光信号の出力を指示する、付記1に記載の波長可変プラガブル光モジュール。
【0075】
(付記3)前記制御部は、前記光伝送装置からのステータス情報の要求に応じて、前記波長切替動作の状態に関する情報を前記光伝送装置に通知する、付記2に記載の波長可変プラガブル光モジュール。
【0076】
(付記4)前記制御部は、前記光伝送装置からの出力停止指示に応じて、前記光強度調整部に対して前記光信号の出力停止を指示する、付記1乃至3のいずれか一に記載の波長可変プラガブル光モジュール。
【0077】
(付記5)前記制御部は、前記波長切替動作の実行中に前記出力停止指示を受けた場合、前記波長切替動作を優先して実行する、付記4に記載の波長可変プラガブル光モジュール。
【0078】
(付記6)前記制御部は、前記波長切替動作の実行中に前記出力停止指示を受けた場合、前記波長切替動作を実行後に、前記光信号の出力停止を指示する、付記4又は5に記載の波長可変プラガブル光モジュール。
【0079】
(付記7)光伝送装置に対して挿抜可能に構成され、前記光伝送装置と、通信データ信号及び制御信号を通信可能であるプラガブル電気コネクタと、前記通信データ信号に対応する第1光信号の波長を選択的に出力可能に構成された光信号出力部と、前記第1光信号の光強度を調整可能である光強度調整部と、第1光ファイバが挿抜可能に構成され、前記光強度調整部から出力される前記第1光信号を前記第1光ファイバへ出力可能である第1プラガブル光レセプタと、前記プラガブル電気コネクタからの前記制御信号に応じて波長切替動作を制御する制御部と、第2光ファイバが挿抜可能に構成され、前記第2光ファイバから第2光信号を入力可能な第2プラガブル光レセプタと、前記第2プラガブル光レセプタを介して入力される前記第2光信号と、所定の波長の光と、を干渉させることで受信可能な光受信部と、を備え、前記制御部は、前記制御信号に含まれる波長切替指示に応じて、前記光強度調整部に前記第1光信号の出力を遮断することを指示し、前記第1光信号の遮断後に、前記光信号出力部に前記第1光信号の波長切替を指示し、前記波長切替動作後に、前記光強度調整部に前記第1光信号の出力を指示する、前記光受信部は、受信した前記第2光信号に対応する電気信号を、前記プラガブル電気コネクタを介して前記光伝送装置に出力する、波長可変プラガブル光モジュール。
【0080】
(付記8)前記制御部は、前記波長切替動作の状態に関する情報を前記光伝送装置に通知し、前記制御部は、前記光伝送装置からの出力指示に応じて、前記光強度調整部に前記第1光信号の出力を指示する、付記7に記載の波長可変プラガブル光モジュール。
【0081】
(付記9)前記制御部は、前記光伝送装置からのステータス情報の要求に応じて、前記波長切替動作の状態に関する情報を前記光伝送装置に通知する、付記8に記載の波長可変プラガブル光モジュール。
【0082】
(付記10)前記制御部は、前記光伝送装置からの出力停止指示に応じて、前記光強度調整部に対して前記第1光信号の出力停止を指示する、付記7乃至9のいずれか一に記載の波長可変プラガブル光モジュール。
【0083】
(付記11)前記制御部は、前記波長切替動作の実行中に前記出力停止指示を受けた場合、前記波長切替動作を優先して実行する、付記10に記載の波長可変プラガブル光モジュール。
【0084】
(付記12)前記制御部は、前記波長切替動作の実行中に前記出力停止指示を受けた場合、前記波長切替動作を実行後に、前記第1光信号の出力停止を指示する、付記10又は11に記載の波長可変プラガブル光モジュール。
【0085】
(付記13)前記光信号出力部は、波長可変光源と、前記波長可変光源から出力される光を分岐する光分岐部と、前記光分岐部で分岐された光の一方を変調して前記第1光信号を出力する光変調部と、を備え、前記光受信部は、前記光分岐部で分岐された光の他方と前記第2光信号とを干渉させて、前記第2光信号を受信する、付記7乃至12のいずれか一に記載の波長可変プラガブル光モジュール。
【0086】
(付記14)前記制御部は、前記波長切替動作後に、前記第2光信号に応じた受信設定を前記光受信部に指示する、付記7乃至13のいずれか一に記載の波長可変プラガブル光モジュール。
【0087】
(付記15)前記第2プラガブル光レセプタは、前記第2光ファイバから、前記第2光信号を含む波長多重光信号を入力可能であり、前記光受信部は、前記波長多重光信号と、前記所定の波長の光とを干渉させることで、前記第2光信号を選択的に受信可能である、付記7乃至13のいずれか一に記載の波長可変プラガブル光モジュール。
【0088】
(付記16)光信号を伝送する光ファイバと、前記光ファイバが挿抜可能に構成され、前記光ファイバに前記光信号を出力する波長可変プラガブル光モジュールと、前記波長可変プラガブル光モジュールが挿抜可能に構成され、前記波長可変プラガブル光モジュールを制御する光伝送装置と、を備え、前記波長可変プラガブル光モジュールは、前記光伝送装置に対して挿抜可能に構成され、前記光伝送装置と、通信データ信号及び制御信号を通信可能であるプラガブル電気コネクタと、前記通信データ信号に対応する光信号の波長を選択的に出力可能に構成された光信号出力部と、前記光信号の光強度を調整可能である光強度調整部と、光ファイバが挿抜可能に構成され、前記光強度調整部から出力される前記光信号を前記光ファイバへ出力可能であるプラガブル光レセプタと、前記プラガブル電気コネクタからの前記制御信号に応じて波長切替動作を制御する制御部と、を備え、前記制御部は、前記制御信号に含まれる波長切替指示に応じて、前記光強度調整部に前記光信号の出力を遮断することを指示し、前記光信号の遮断後に、前記光信号出力部に前記光信号の波長切替を指示し、前記波長切替動作後に、前記光強度調整部に前記光信号の出力を指示する、光通信システム。
【0089】
(付記17)前記制御部は、前記波長切替動作の状態に関する情報を前記光伝送装置に通知し、前記制御部は、前記光伝送装置からの出力指示に応じて、前記光強度調整部に前記光信号の出力を指示する、付記16に記載の光通信システム。
【0090】
(付記18)前記制御部は、前記光伝送装置からのステータス情報の要求に応じて、前記波長切替動作の状態に関する情報を前記光伝送装置に通知する、付記17に記載の光通信システム。
【0091】
(付記19)前記制御部は、前記光伝送装置からの出力停止指示に応じて、前記光強度調整部に対して前記光信号の出力停止を指示する、付記16乃至18のいずれか一に記載の光通信システム。
【0092】
(付記20)前記制御部は、前記波長切替動作の実行中に前記出力停止指示を受けた場合、前記波長切替動作を優先して実行する、付記19に記載の光通信システム。
【0093】
(付記21)前記制御部は、前記波長切替動作の実行中に前記出力停止指示を受けた場合、前記波長切替動作を実行後に、前記光信号の出力停止を指示する、付記19又は20に記載の光通信システム。
【0094】
(付記22)光信号を伝送する第1光ファイバ及び第2光ファイバと、前記第1光ファイバ及び第2光ファイバが挿抜可能に構成され、前記第1光ファイバに第1光信号を出力し、前記第2光ファイバから第2光信号が入力する波長可変プラガブル光モジュールと、前記波長可変プラガブル光モジュールが挿抜可能に構成され、前記波長可変プラガブル光モジュールを制御する光伝送装置と、を備え、前記波長可変プラガブル光モジュールは、前記光伝送装置に対して挿抜可能に構成され、前記光伝送装置と、通信データ信号及び制御信号を通信可能であるプラガブル電気コネクタと、前記通信データ信号に対応する第1光信号の波長を選択的に出力可能に構成された光信号出力部と、前記第1光信号の光強度を調整可能である光強度調整部と、第1光ファイバが挿抜可能に構成され、前記光強度調整部から出力される前記第1光信号を前記第1光ファイバへ出力可能である第1プラガブル光レセプタと、前記プラガブル電気コネクタからの前記制御信号に応じて波長切替動作を制御する制御部と、第2光ファイバが挿抜可能に構成され、前記第2光ファイバから第2光信号を入力可能な第2プラガブル光レセプタと、前記第2プラガブル光レセプタを介して入力される前記第2光信号と、所定の波長の光と、を干渉させることで受信可能な光受信部と、を備え、前記制御部は、前記制御信号に含まれる波長切替指示に応じて、前記光強度調整部に前記第1光信号の出力を遮断することを指示し、前記第1光信号の遮断後に、前記光信号出力部に前記第1光信号の波長切替を指示し、前記波長切替動作後に、前記光強度調整部に前記第1光信号の出力を指示する、前記光受信部は、受信した前記第2光信号に対応する電気信号を、前記プラガブル電気コネクタを介して前記光伝送装置に出力する、光通信システム。
【0095】
(付記23)前記制御部は、前記波長切替動作の状態に関する情報を前記光伝送装置に通知し、前記制御部は、前記光伝送装置からの出力指示に応じて、前記光強度調整部に前記第1光信号の出力を指示する、付記22に記載の光通信システム。
【0096】
(付記24) 前記制御部は、前記光伝送装置からのステータス情報の要求に応じて、前記波長切替動作の状態に関する情報を前記光伝送装置に通知する、付記23に記載の光通信システム。
【0097】
(付記25)前記制御部は、前記光伝送装置からの出力停止指示に応じて、前記光強度調整部に対して前記第1光信号の出力停止を指示する、付記22乃至24のいずれか一に記載の光通信システム。
【0098】
(付記26)前記制御部は、前記波長切替動作の実行中に前記出力停止指示を受けた場合、前記波長切替動作を優先して実行する、付記25に記載の光通信システム。
【0099】
(付記27)前記制御部は、前記波長切替動作の実行中に前記出力停止指示を受けた場合、前記波長切替動作を実行後に、前記光信号の出力停止を指示する、付記25又は26に記載の光通信システム。
【0100】
(付記28)前記光信号出力部は、波長可変光源と、前記波長可変光源から出力される光を分岐する光分岐部と、前記光分岐部で分岐された光の一方を変調して前記第1光信号を出力する光変調部と、を備え、前記光受信部は、前記光分岐部で分岐された光の他方と前記第2光信号とを干渉させて、前記第2光信号を受信する、付記22乃至27のいずれか一に記載の光通信システム。
【0101】
(付記29)前記制御部は、前記波長切替動作後に、前記第2光信号に応じた受信設定を前記光受信部に指示する、付記22乃至28のいずれか一に記載の光通信システム。
【0102】
(付記30)前記第2プラガブル光レセプタは、前記第2光ファイバから、前記第2光信号を含む波長多重光信号を入力可能であり、前記光受信部は、前記波長多重光信号と、前記所定の波長の光とを干渉させることで、前記第2光信号を選択的に受信可能である、付記22乃至28のいずれか一に記載の光通信システム。
【0103】
(付記31)光伝送装置に対して挿抜可能に構成され、前記光伝送装置と、通信データ信号及び制御信号を通信可能であるプラガブル電気コネクタと、前記通信データ信号に対応する光信号の波長を選択的に出力可能に構成された光信号出力部と、前記光信号の光強度を調整可能である光強度調整部と、光ファイバが挿抜可能に構成され、前記光強度調整部から出力される前記光信号を前記光ファイバへ出力可能であるプラガブル光レセプタと、を有する波長可変プラガブル光モジュールにおいて、前記プラガブル電気コネクタを介して受け取った前記制御信号に含まれる波長切替指示に応じて、前記光強度調整部に前記光信号の出力を遮断することを指示し、前記光信号の遮断後に、前記光信号出力部に前記光信号の波長切替を指示し、前記波長切替動作後に、前記光強度調整部に前記光信号の出力を指示する、波長可変プラガブル光モジュールの波長切替方法。
【0104】
(付記32)前記波長切替動作の状態に関する情報を前記光伝送装置に通知し、前記光伝送装置からの出力指示に応じて、前記光強度調整部に前記光信号の出力を指示する、付記31に記載の波長可変プラガブル光モジュールの波長切替方法。
【0105】
(付記33)前記光伝送装置からのステータス情報の要求に応じて、前記波長切替動作の状態に関する情報を前記光伝送装置に通知する、付記32に記載の波長可変プラガブル光モジュールの波長切替方法。
【0106】
(付記34)前記光伝送装置からの出力停止指示に応じて、前記光強度調整部に対して前記光信号の出力停止を指示する、付記31乃至33のいずれか一に記載の波長可変プラガブル光モジュールの波長切替方法。
【0107】
(付記35)前記波長切替動作の実行中に前記出力停止指示を受けた場合、前記波長切替動作を優先して実行する、付記34に記載の波長可変プラガブル光モジュールの波長切替方法。
【0108】
(付記36)前記波長切替動作の実行中に前記出力停止指示を受けた場合、前記波長切替動作を実行後に、前記光信号の出力停止を指示する、付記34又は35に記載の波長可変プラガブル光モジュールの波長切替方法。
【0109】
(付記37)光伝送装置に対して挿抜可能に構成され、前記光伝送装置と、通信データ信号及び制御信号を通信可能であるプラガブル電気コネクタと、前記通信データ信号に対応する第1光信号の波長を選択的に出力可能に構成された光信号出力部と、前記第1光信号の光強度を調整可能である光強度調整部と、第1光ファイバが挿抜可能に構成され、前記光強度調整部から出力される前記第1光信号を前記第1光ファイバへ出力可能である第1プラガブル光レセプタと、第2光ファイバが挿抜可能に構成され、前記第2光ファイバから第2光信号を入力可能な第2プラガブル光レセプタと、前記第2プラガブル光レセプタを介して入力される前記第2光信号と、所定の波長の光と、を干渉させることで受信可能な光受信部と、を有する波長可変プラガブル光モジュールにおいて、前記光受信部に、受信した前記第2光信号に対応する電気信号を、前記プラガブル電気コネクタを介して前記光伝送装置に出力させ、前記プラガブル電気コネクタを介して受け取った前記制御信号に含まれる波長切替指示に応じて、前記光強度調整部に前記第1光信号の出力を遮断することを指示し、前記第1光信号の遮断後に、前記光信号出力部に前記第1光信号の波長切替を指示し、前記波長切替動作後に、前記光強度調整部に前記第1光信号の出力を指示する、波長可変プラガブル光モジュールの波長切替方法。
【0110】
(付記38)前記波長切替動作の状態に関する情報を前記光伝送装置に通知し、前記光伝送装置からの出力指示に応じて、前記光強度調整部に前記第1光信号の出力を指示する、付記37に記載の波長可変プラガブル光モジュールの波長切替方法。
【0111】
(付記39)前記光伝送装置からのステータス情報の要求に応じて、前記波長切替動作の状態に関する情報を前記光伝送装置に通知する、付記38に記載の波長可変プラガブル光モジュールの波長切替方法。
【0112】
(付記40)前記光伝送装置からの出力停止指示に応じて、前記光強度調整部に対して前記第1光信号の出力停止を指示する、付記37乃至39のいずれか一に記載の波長可変プラガブル光モジュールの波長切替方法。
【0113】
(付記41)前記波長切替動作の実行中に前記出力停止指示を受けた場合、前記波長切替動作を優先して実行する、付記40に記載の波長可変プラガブル光モジュールの波長切替方法。
【0114】
(付記42)前記波長切替動作の実行中に前記出力停止指示を受けた場合、前記波長切替動作を実行後に、前記第1光信号の出力停止を指示する、付記40又は41に記載の波長可変プラガブル光モジュールの波長切替方法。
【0115】
(付記43)前記光信号出力部は、波長可変光源と、前記波長可変光源から出力される光を分岐する光分岐部と、前記光分岐部で分岐された光の一方を変調して前記第1光信号を出力する光変調部と、を備え、前記光受信部は、前記光分岐部で分岐された光の他方と前記第2光信号とを干渉させて、前記第2光信号を受信する、付記37乃至42のいずれか一に記載の波長可変プラガブル光モジュールの波長切替方法。
【0116】
(付記44)前記波長切替後に、前記第2光信号に応じた受信設定を前記光受信部に指示する、付記37乃至43のいずれか一に記載の波長可変プラガブル光モジュールの波長切替方法。
【0117】
(付記45)前記第2プラガブル光レセプタは、前記第2光ファイバから、前記第2光信号を含む波長多重光信号を入力可能であり、前記光受信部は、前記波長多重光信号と、前記所定の波長の光とを干渉させることで、前記第2光信号を選択的に受信可能である、付記37乃至43のいずれか一に記載の波長可変プラガブル光モジュールの波長切替方法。
【0118】
以上、実施の形態を参照して本願発明を説明したが、本願発明は上記によって限定されるものではない。本願発明の構成や詳細には、発明のスコープ内で当業者が理解し得る様々な変更をすることができる。
【0119】
この出願は、2015年3月5日に出願された日本出願特願2015-43203を基礎とする優先権を主張し、その開示の全てをここに取り込む。
【符号の説明】
【0120】
11 プラガブル電気コネクタ
12、16、19 制御部
13、20 光信号出力部
14 光強度調整部
15、17 プラガブル光レセプタ
18 光受信部
20 光信号出力部
21、121 波長可変光源
22 光分岐器
23、122 光変調部
31、32 偏光ビームスプリッタ(PBS)
33、34 90°ハイブリッド
35 DSP
41~44 光電変換器
51~54 アナログ/デジタル変換器(ADC)
91、93 光ファイバ
92 光通信装置
100、200、300 波長可変プラガブル光モジュール
1000 光通信システム
CON1~CON4 制御信号
DAT データ信号
IN 光信号
INF 通知信号
L1 光
LO 局部発振光
LS 光信号
MOD 変調信号