(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-15
(45)【発行日】2024-04-23
(54)【発明の名称】端末管理装置および保守端末装置
(51)【国際特許分類】
G06F 9/44 20180101AFI20240416BHJP
【FI】
G06F9/44
(21)【出願番号】P 2023501966
(86)(22)【出願日】2021-02-26
(86)【国際出願番号】 JP2021007427
(87)【国際公開番号】W WO2022180803
(87)【国際公開日】2022-09-01
【審査請求日】2023-02-21
(73)【特許権者】
【識別番号】000236056
【氏名又は名称】三菱電機ビルソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003199
【氏名又は名称】弁理士法人高田・高橋国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】長徳 典宏
(72)【発明者】
【氏名】小澤 匡史
(72)【発明者】
【氏名】小口 明彦
【審査官】▲はま▼中 信行
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2002/019198(WO,A1)
【文献】特開2018-025890(JP,A)
【文献】特開2013-250853(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0239653(US,A1)
【文献】特開2014-178837(JP,A)
【文献】特開2017-162277(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 9/44
G06Q 10/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
携帯装置から情報を受信する受信部と、
保守端末装置の画面に表示された前記保守端末装置の証明書情報を表す情報を撮影することで前記携帯装置が
前記保守端末装置から取得した
前記証明書情報と前記携帯装置が前記証明書情報を取得したときに前記携帯装置が測位した前記携帯装置の位置の情報とを前記受信部が前記携帯装置から受信した場合に、前記証明書情報を持つ前記保守端末装置の存在する位置が前記証明書情報を取得したときの前記携帯装置の位置であることを示す保管情報を作成する保管情報作成部と、
前記保守端末装置に対して前記証明書情報を表す情報を前記画面に表示させる指令を送信する遠隔制御部と、
を備えた端末管理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、端末管理装置および保守端末装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、エレベーターの保守端末装置の管理システムを開示する。当該管理システムによれば、端末管理装置は、保守端末装置の位置を把握し得る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載の管理システムにおいて、保守端末装置は、測位機能を用いて測位した自身の位置の情報を端末管理装置に通知する。このため、保守端末装置に測位機能が設けられていない場合、保守端末装置の保管場所を管理することができない。
【0005】
本開示は、上述の課題を解決するためになされた。本開示の目的は、測位機能が設けられていない保守端末装置の保管場所を管理することができる端末管理装置および保守端末装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示に係る端末管理装置は、携帯装置から情報を受信する受信部と、保守端末装置の画面に表示された保守端末装置の証明書情報を表す情報を撮影することで携帯装置が保守端末装置から取得した証明書情報と携帯装置が証明書情報を取得したときに携帯装置が測位した携帯装置の位置の情報とを受信部が携帯装置から受信した場合に、証明書情報を持つ保守端末装置の存在する位置が証明書情報を取得したときの携帯装置の位置であることを示す保管情報を作成する保管情報作成部と、保守端末装置に対して証明書情報を表す情報を画面に表示させる指令を送信する遠隔制御部と、を備えた。
【発明の効果】
【0008】
本開示によれば、端末管理装置は、保守端末装置の証明書情報を取得したときの携帯装置の位置の情報を用いて保守情報を作成する。このため、測位機能が設けられていない保守端末装置の保管場所を管理することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】実施の形態1における端末管理システムの概要を示す図である。
【
図2】実施の形態1における端末管理システムのブロック図である。
【
図3】実施の形態1における端末管理装置のハードウェア構成図である。
【
図4】実施の形態2における端末管理システムのブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本開示を実施するための形態について添付の図面に従って説明する。なお、各図中、同一または相当する部分には同一の符号が付される。当該部分の重複説明は適宜に簡略化ないし省略される。
【0011】
実施の形態1.
図1は実施の形態1における端末管理システムの概要を示す図である。
【0012】
図1に示されるように、端末管理システム1は、保守端末装置2と携帯装置3と端末管理装置4と確認装置5とを備える。
【0013】
保守端末装置2は、エレベーターの保守作業の際に作業員が利用する装置である。保守端末装置2は、作業員が持ち運び得るように設けられる。
【0014】
携帯装置3は、作業員が持ち運び得るように設けられる。携帯装置3は、画像を撮影し得るよう設けられる。携帯装置3は、全地球測位システム(GPS)を利用して自身の位置の情報を把握し得るよう設けられる。
【0015】
例えば、端末管理装置4は、図示されない建築物に設けられる。端末管理装置4は、保守端末装置2と通信し得るよう設けられる。端末管理装置4は、携帯装置3と通信し得るよう設けられる。
【0016】
例えば、確認装置5は、端末管理装置4と同じ建築物に設けられる。確認装置5は、端末管理装置4が作成した情報を表示し得るよう設けられる。
【0017】
作業員は、保守端末装置2を用いてエレベーターの故障診断作業を行った後、保守端末装置2を保管する位置へ移動する。具体的には、作業員は、保守端末装置2を自宅に保管する。当該位置において、作業員は、保管場所を端末管理装置4へ登録する作業を行う。
【0018】
この作業において、作業員は、保守端末装置2に対して保守端末装置2に固有の証明書情報を可視化させる操作を行う。この場合、保守端末装置2は、証明書情報を表す情報を表示する。例えば、保守端末装置2は、証明書情報を表す2次元コードを表示する。
【0019】
作業員は、表示された2次元コードを携帯装置3で撮影する。携帯装置3は、当該撮影した情報から保守端末装置2の証明書情報を取得する。この際、携帯装置3は、保守端末装置2の証明書情報を取得した時の携帯装置3の位置の情報を作成する。その後、携帯装置3は、作業員に操作されることで、証明書情報と携帯装置3の位置の情報とを端末管理装置4へ送信する。
【0020】
端末管理装置4は、証明書情報と携帯装置3の位置の情報とを受信する。端末管理装置4は、携帯装置3の位置が当該証明書情報を持つ保守端末装置2の存在する保管場所であることを示す保管情報を記憶する。
【0021】
例えば、作業員の管理者は、確認装置5を介して端末管理装置4に保守情報を表示させる。管理者は、確認装置5に表示された保管情報に基づいて当該保守端末装置2が適切な場所に保管されていることを確認する。
【0022】
次に、
図2を用いて、端末管理システム1を説明する。
図2は実施の形態1における端末管理システムのブロック図である。
【0023】
図2に示されるように、保守端末装置2は、画面6と証明書情報記憶部7と証明書情報表示部8とを備える。
【0024】
画面6は、情報を表示する。
【0025】
証明書情報記憶部7は、証明書情報を記憶する。例えば、証明書情報記憶部7は、製造時に保守端末装置2のシリアルナンバーの情報を含む証明書情報を記憶する。
【0026】
証明書情報表示部8は、作業者からの操作に基づいて、証明書情報記憶部7に記憶された証明書情報を表す情報を作成する。例えば、証明書情報表示部8は、証明書情報を変換して証明書情報を示す2次元コードの情報を作成する。証明書情報表示部8は、証明書情報を示す2次元コードを画面6に表示させる。
【0027】
携帯装置3は、測位部9と撮影部10と情報取得部11と位置情報作成部12と送信部13とを備える。
【0028】
測位部9は、携帯装置3に設けられたGPS機能を利用することで携帯装置3の位置を測位する。
【0029】
撮影部10は、作業者からの操作に基づいて、携帯装置3に設けられたカメラを用いて静止画を撮影する。撮影部10は、撮影した静止画の画像情報を作成する。
【0030】
情報取得部11は、撮影部10が作成した画像情報を解析することで保守端末装置2の証明書情報を取得する。具体的には、情報取得部11は、撮影部10が証明書情報を示す2次元コードの画像情報を作成した場合、当該2次元コードの画像情報から当該2次元コードを表示した保守端末装置2の証明書情報を取得する。
【0031】
位置情報作成部12は、情報取得部11が証明書情報を取得したときに、測位部9が測位した携帯装置3の位置の情報を作成する。
【0032】
送信部13は、情報取得部11が取得した証明書情報と位置情報作成部12が作成した携帯装置3の位置の情報とを対応づける。送信部13は、作業者からの操作に基づいて、証明書情報と携帯装置3の位置の情報とを端末管理装置4に送信する。
【0033】
端末管理装置4は、受信部14と保管情報記憶部15と保管情報作成部16と外部表示部17とを備える。
【0034】
受信部14は、携帯装置3から送信された情報を受信する。
【0035】
保管情報記憶部15は、保守端末装置2の証明書情報と保守端末装置2の保管場所の情報とが対応付けられた保管情報を記憶する。
【0036】
保管情報作成部16は、受信部14が受信した携帯装置3の位置の情報を取得する。保管情報作成部16は、携帯装置3の位置の情報に対応付けられた証明書情報を持つ保守端末装置2の保管場所が当該携帯装置3の位置であることを示す保管情報を作成する。保管情報作成部16は、保管情報を保管情報記憶部15に記憶させる。
【0037】
外部表示部17は、管理者から要求があった場合、保管情報記憶部15に記憶された保管情報を確認装置5に表示させる。
【0038】
以上で説明した実施の形態1によれば、携帯装置3は、保守端末装置2から証明書情報を取得する。端末管理装置4は、証明書情報と携帯装置3の位置の情報とを端末管理装置4に送信する。端末管理装置4は、保守端末装置2の証明書情報と保守端末装置2の位置の情報とに基づいて保管情報を作成する。このため、測位機能が設けられていない保守端末装置2の保管場所を管理することができる。
【0039】
また、保守端末装置2は、証明書情報を示す情報を携帯装置3に撮影されるように画面6に表示する。携帯装置3は、証明書情報を示す情報を撮影することで保守端末装置2から証明書情報を取得する。携帯装置3は、当該証明書情報を自身の位置の情報と共に端末管理装置4に送信する。このため、保守端末装置2と携帯装置3とが通信を行うことなく携帯装置3が証明書情報を取得することができる。また、携帯装置3が証明書情報を取得したときの位置と保守端末装置2が保管されている場所とが一致していることを担保することができる。
【0040】
なお、保守端末装置2は、証明書情報を表すURL等のアドレスが記載された文字列を表示してもよい。この場合、携帯装置3は、通信回線を介して当該アドレスに記載されたサーバから保守端末装置2の証明書情報を取得してもよい。また、携帯装置3は、当該アドレスに記載された文字列を証明書情報として端末管理装置4へ送信してもよい。この場合、端末管理装置4は、当該アドレスに記載されたサーバから保守端末装置2に固有の情報を取得してもよい。
【0041】
なお、証明書情報表示部8は、保守端末装置2を使用する作業員を識別する情報等の付帯情報が付加された証明書情報を示す2次元コードの情報を作成してもよい。この場合、携帯装置3は、当該付帯情報が付加された証明書情報を保守端末装置2から取得し、端末管理装置4へ送信してもよい。
【0042】
なお、携帯装置3は、携帯電話基地局情報に基づいて携帯装置3の位置を測位してもよい。
【0043】
なお、端末管理装置4は、保守端末装置2が保管されているべき場所の情報を記憶してもよい。この場合、端末管理装置4は、保守端末装置2が保管されているべき場所と保管情報に示された保守端末装置2が保管されている場所とが一致しない場合、その旨を確認装置5に表示させてもよい。
【0044】
次に、
図3を用いて、端末管理装置4を構成するハードウェアの例を説明する。
図3は実施の形態1における端末管理装置のハードウェア構成図である。
【0045】
端末管理装置4の各機能は、処理回路により実現し得る。例えば、処理回路は、少なくとも1つのプロセッサ100aと少なくとも1つのメモリ100bとを備える。例えば、処理回路は、少なくとも1つの専用のハードウェア200を備える。
【0046】
処理回路が少なくとも1つのプロセッサ100aと少なくとも1つのメモリ100bとを備える場合、端末管理装置4の各機能は、ソフトウェア、ファームウェア、またはソフトウェアとファームウェアとの組み合わせで実現される。ソフトウェアおよびファームウェアの少なくとも一方は、プログラムとして記述される。ソフトウェアおよびファームウェアの少なくとも一方は、少なくとも1つのメモリ100bに格納される。少なくとも1つのプロセッサ100aは、少なくとも1つのメモリ100bに記憶されたプログラムを読み出して実行することにより、端末管理装置4の各機能を実現する。少なくとも1つのプロセッサ100aは、中央処理装置、処理装置、演算装置、マイクロプロセッサ、マイクロコンピュータ、DSPともいう。例えば、少なくとも1つのメモリ100bは、RAM、ROM、フラッシュメモリ、EPROM、EEPROM等の、不揮発性または揮発性の半導体メモリ、磁気ディスク、フレキシブルディスク、光ディスク、コンパクトディスク、ミニディスク、DVD等である。
【0047】
処理回路が少なくとも1つの専用のハードウェア200を備える場合、処理回路は、例えば、単一回路、複合回路、プログラム化したプロセッサ、並列プログラム化したプロセッサ、ASIC、FPGA、またはこれらの組み合わせで実現される。例えば、端末管理装置4の各機能は、それぞれ処理回路で実現される。例えば、端末管理装置4の各機能は、まとめて処理回路で実現される。
【0048】
端末管理装置4の各機能について、一部を専用のハードウェア200で実現し、他部をソフトウェアまたはファームウェアで実現してもよい。例えば、保管情報を作成する機能については専用のハードウェア200としての処理回路で実現し、保管情報を作成する機能以外の機能については少なくとも1つのプロセッサ100aが少なくとも1つのメモリ100bに格納されたプログラムを読み出して実行することにより実現してもよい。
【0049】
このように、処理回路は、ハードウェア200、ソフトウェア、ファームウェア、またはこれらの組み合わせで端末管理装置4の各機能を実現する。
【0050】
図示されないが、保守端末装置2の各機能も、端末管理装置4の各機能を実現する処理回路と同等の処理回路で実現される。携帯装置3の各機能も、端末管理装置4の各機能を実現する処理回路と同等の処理回路で実現される。
【0051】
実施の形態2.
図4は実施の形態2における端末管理システムのブロック図である。なお、実施の形態1の部分と同一又は相当部分には同一符号が付される。当該部分の説明は省略される。
【0052】
図4に示されるように、実施の形態2において、端末管理装置4は、遠隔制御部18を備える。
【0053】
遠隔制御部18は、保守端末装置2の証明書情報表示部8に対して画面6に証明書情報を示す2次元コードを表示させる表示指令を送信する。
【0054】
保守端末装置2において、証明書情報表示部8は、端末管理装置4の遠隔制御部18から表示指令を受信した場合に、画面6に証明書情報の2次元コードを表示させる。
【0055】
以上で説明した実施の形態2によれば、端末管理装置4は遠隔制御部18を備える。保守端末装置2は、表示指令を受信した場合に画面6に証明書情報の2次元コードを表示させる。このため、作業員に対して保管場所の登録作業を促すことができる。その結果、保守端末装置2の保管場所の管理をより確実に行うことができる。
【0056】
なお、保守端末装置2は、証明書情報表示部8は、保守員が操作しても画面6に証明書情報の2次元コードを表示させず、表示指令を受信した場合にのみ画面6に証明書情報の2次元コードを表示させてもよい。このため、不正な保管をする意図のある人間が、都合の良い状況で保管場所を登録する作業を行うことを抑制することができる。その結果、セキュリティ性を向上させることができる。
【0057】
なお、遠隔制御部18は、保守端末装置2に表示指令を送信するときに、一時的な認証コードを示す情報を保守端末装置2に送信してもよい。この場合、遠隔制御部18は、付帯情報として当該認証コードを示す情報と証明書情報とを示す2次元コードを画面6に表示させてもよい。端末管理装置4は、証明書情報と当該認証コードを示す情報とを携帯装置3から受信したことを確認することで、保守端末装置2が適切に管理されていると判定してもよい。具体的には、保管情報作成部16は、証明書情報に対応付けられた当該認証コードを受信した場合にのみ、保管情報を作成してもよい。このため、保守端末装置2の保管場所の管理におけるセキュリティ性が向上する。
【産業上の利用可能性】
【0058】
以上のように、本開示に係る端末管理装置または保守端末装置は、保守端末を管理するシステムに利用できる。
【符号の説明】
【0059】
1 端末管理システム、 2 保守端末装置、 3 携帯装置、 4 端末管理装置、 5 確認装置、 6 画面、 7 証明書情報記憶部、 8 証明書情報表示部、 9 測位部、 10 撮影部、 11 情報取得部、 12 位置情報作成部、 13 送信部、 14 受信部、 15 保管情報記憶部、 16 保管情報作成部、 17 外部表示部、 18 遠隔制御部、 100a プロセッサ、 100b メモリ、 200 ハードウェア