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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-15
(45)【発行日】2024-04-23
(54)【発明の名称】駐車支援装置、駐車支援方法
(51)【国際特許分類】
   B60R 99/00 20090101AFI20240416BHJP
   G08G 1/14 20060101ALI20240416BHJP
【FI】
B60R99/00 351
B60R99/00 320
B60R99/00 330
B60R99/00 371
G08G1/14 A
【請求項の数】 14
(21)【出願番号】P 2023551314
(86)(22)【出願日】2022-09-15
(86)【国際出願番号】 JP2022034639
(87)【国際公開番号】W WO2023053998
(87)【国際公開日】2023-04-06
【審査請求日】2023-09-07
(31)【優先権主張番号】P 2021159852
(32)【優先日】2021-09-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000004260
【氏名又は名称】株式会社デンソー
(73)【特許権者】
【識別番号】000003207
【氏名又は名称】トヨタ自動車株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001128
【氏名又は名称】弁理士法人ゆうあい特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】北浦 真司
(72)【発明者】
【氏名】日栄 悠
(72)【発明者】
【氏名】水瀬 雄樹
(72)【発明者】
【氏名】大林 幹生
【審査官】飯島 尚郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2021-000972(JP,A)
【文献】特開2018-176910(JP,A)
【文献】国際公開第2017/145364(WO,A1)
【文献】特開2018-138929(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60R 99/00
G08G 1/14
B60W 30/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
駐車場(PL)内における車両(V、Vo)の走行および駐車を支援する駐車支援装置であって、
前記車両に搭載された周辺監視センサ(3)で取得される前記車両の周辺情報に基づいて、前記駐車場内における前記車両を駐車するための駐車スペースを探索するスペース認識部(51c)と、
前記駐車場内での探索結果として得られた前記駐車スペースの中から前記車両を駐車させる目標駐車スペースの選択を促すための情報をユーザに向けて提供する情報提供部(54)と、
前記ユーザによって選択された前記目標駐車スペースに基づいて前記車両の目標駐車位置を設定する目標位置設定部(55)と、を備え、
前記情報提供部は、前記駐車場内において前記駐車スペースを探索しつつ前記駐車場内を走行する探索走行が行われている際に、前記駐車スペースにある複数の駐車枠を含む範囲を指定範囲とするエリア情報を前記ユーザに向けて提供するとともに、前記探索走行時の前記車両の走行速度に応じて、前記指定範囲の大きさおよび前記指定範囲の位置の少なくとも一方を変更する、駐車支援装置。
【請求項2】
前記情報提供部は、前記探索走行時の前記車両の走行速度が大きいほど前記指定範囲の大きさが拡大するように、前記指定範囲の大きさを変更する、請求項に記載の駐車支援装置。
【請求項3】
前記情報提供部は、前記探索走行時の前記車両の走行速度が大きいほど前記指定範囲の位置が前記車両から離れた位置にシフトするように、前記指定範囲の位置を変更する、請求項またはに記載の駐車支援装置。
【請求項4】
駐車場(PL)内における車両(V、Vo)の走行および駐車を支援する駐車支援装置であって、
前記車両に搭載された周辺監視センサ(3)で取得される前記車両の周辺情報に基づいて、前記駐車場内における前記車両を駐車するための駐車スペースを探索するスペース認識部(51c)と、
前記駐車場内での探索結果として得られた前記駐車スペースの中から前記車両を駐車させる目標駐車スペースの選択を促すための情報をユーザに向けて提供する情報提供部(54)と、
前記ユーザによって選択された前記目標駐車スペースに基づいて前記車両の目標駐車位置を設定する目標位置設定部(55)と、を備え、
前記情報提供部は、
前記駐車場内において前記駐車スペースを探索しつつ前記駐車場内を走行する探索走行が行われている際に、前記駐車スペースにある複数の駐車枠を含む範囲を指定範囲とするエリア情報を前記ユーザに向けて提供するとともに、前記目標駐車位置での前記車両の駐車向きに応じて、前記指定範囲の大きさおよび前記指定範囲の位置の少なくとも一方を変更するようになっており、
前記目標駐車位置に対して前記車両を前向きで駐車する場合、前記車両を後向きで駐車する場合に比べて、前記指定範囲の大きさが拡大するように、前記指定範囲の大きさを変更する、駐車支援装置。
【請求項5】
駐車場(PL)内における車両(V、Vo)の走行および駐車を支援する駐車支援装置であって、
前記車両に搭載された周辺監視センサ(3)で取得される前記車両の周辺情報に基づいて、前記駐車場内における前記車両を駐車するための駐車スペースを探索するスペース認識部(51c)と、
前記駐車場内での探索結果として得られた前記駐車スペースの中から前記車両を駐車させる目標駐車スペースの選択を促すための情報をユーザに向けて提供する情報提供部(54)と、
前記ユーザによって選択された前記目標駐車スペースに基づいて前記車両の目標駐車位置を設定する目標位置設定部(55)と、を備え、
前記情報提供部は、
前記駐車場内において前記駐車スペースを探索しつつ前記駐車場内を走行する探索走行が行われている際に、前記駐車スペースにある複数の駐車枠を含む範囲を指定範囲とするエリア情報を前記ユーザに向けて提供するとともに、前記目標駐車位置での前記車両の駐車向きに応じて、前記指定範囲の大きさおよび前記指定範囲の位置の少なくとも一方を変更するようになっており、
前記目標駐車位置に対して前記車両を前向きで駐車する場合、前記車両を後向きで駐車する場合に比べて、前記指定範囲の位置が前記車両から離れた位置にシフトするように、前記指定範囲の位置を変更する、駐車支援装置。
【請求項6】
前記指定範囲に含まれる前記駐車枠が前記車両の進行方向に対して斜めに傾いた斜め駐車枠である場合に、前記斜め駐車枠と前記車両との位置関係に基づいて、前記駐車向きが前向きおよび後向きのいずれであるかを推定する向き推定部(56)を備える、請求項4または5に記載の駐車支援装置。
【請求項7】
前記向き推定部は、
前記進行方向における前記車両から前記斜め駐車枠における手前側までの距離が奥側までの距離よりも小さいと前記駐車向きが前向きと判定し、
前記進行方向における前記車両から前記斜め駐車枠における奥側までの距離が手前側までの距離よりも小さいと前記駐車向きが後向きと判定する、請求項に記載の駐車支援装置。
【請求項8】
所定の目標経路に沿って前記車両を自動的に移動させる追従制御部(59)を備え、
前記追従制御部は、前記駐車場内において所定条件が成立すると、前記駐車場内を前記探索走行するために生成される探索経路を前記目標経路として前記探索経路に沿って前記車両を自動的に移動させる、請求項1、4、5のいずれか1つに記載の駐車支援装置。
【請求項9】
前記所定条件は、少なくとも前記目標駐車位置に前記車両を駐車させることができない場合に成立する、請求項に記載の駐車支援装置。
【請求項10】
前記目標経路を生成する経路生成部(57)を備え、
前記経路生成部は、前記目標位置設定部によって前記目標駐車位置が設定されると、前記目標駐車位置に至る駐車経路を前記目標経路として生成し、
前記追従制御部は、前記経路生成部によって前記駐車経路が生成されると、前記駐車経路に沿って前記目標駐車位置まで前記車両を自動的に移動させる、請求項に記載の駐車支援装置。
【請求項11】
前記情報提供部は、前記エリア情報を前記ユーザに向けて視覚的な態様で提供する、請求項1、4、5のいずれか1つに記載の駐車支援装置。
【請求項12】
駐車場(PL)内における車両(V、Vo)の走行および駐車を支援する駐車支援方法であって、
前記車両に搭載された周辺監視センサ(3)が取得した前記車両の周辺情報に基づいて、前記駐車場内における前記車両を駐車するための駐車スペースを探索することと、
前記駐車場内での探索結果として得られた前記駐車スペースの中から前記車両を駐車させる目標駐車スペースの選択を促すための情報をユーザに向けて提供することと、
前記ユーザによって選択された前記目標駐車スペースに基づいて前記車両の目標駐車位置を設定することと、を含み、
前記駐車場内において前記駐車スペースを探索しつつ前記駐車場内を走行する探索走行が行われている場合において前記駐車スペースの中から前記車両を駐車させる前記目標駐車スペースの選択を促す際には、前記駐車スペースにある複数の駐車枠を含む範囲を指定範囲とするエリア情報を前記ユーザに向けて提供するとともに、前記探索走行時の前記車両の走行速度に応じて、前記指定範囲の大きさおよび前記指定範囲の位置の少なくとも一方を変更する、駐車支援方法。
【請求項13】
駐車場(PL)内における車両(V、Vo)の走行および駐車を支援する駐車支援方法であって、
前記車両に搭載された周辺監視センサ(3)が取得した前記車両の周辺情報に基づいて、前記駐車場内における前記車両を駐車するための駐車スペースを探索することと、
前記駐車場内での探索結果として得られた前記駐車スペースの中から前記車両を駐車させる目標駐車スペースの選択を促すための情報をユーザに向けて提供することと、
前記ユーザによって選択された前記目標駐車スペースに基づいて前記車両の目標駐車位置を設定することと、を含み、
前記駐車場内において前記駐車スペースを探索しつつ前記駐車場内を走行する探索走行が行われている場合において前記駐車スペースの中から前記車両を駐車させる前記目標駐車スペースの選択を促す際には、前記駐車スペースにある複数の駐車枠を含む範囲を指定範囲とするエリア情報を前記ユーザに向けて提供するとともに、前記目標駐車位置での前記車両の駐車向きに応じて、前記指定範囲の大きさおよび前記指定範囲の位置の少なくとも一方を変更し、
前記目標駐車位置に対して前記車両を前向きで駐車する場合、前記車両を後向きで駐車する場合に比べて、前記指定範囲の大きさが拡大するように、前記指定範囲の大きさを変更する、駐車支援方法。
【請求項14】
駐車場(PL)内における車両(V、Vo)の走行および駐車を支援する駐車支援方法であって、
前記車両に搭載された周辺監視センサ(3)が取得した前記車両の周辺情報に基づいて、前記駐車場内における前記車両を駐車するための駐車スペースを探索することと、
前記駐車場内での探索結果として得られた前記駐車スペースの中から前記車両を駐車させる目標駐車スペースの選択を促すための情報をユーザに向けて提供することと、
前記ユーザによって選択された前記目標駐車スペースに基づいて前記車両の目標駐車位置を設定することと、を含み、
前記駐車場内において前記駐車スペースを探索しつつ前記駐車場内を走行する探索走行が行われている場合において前記駐車スペースの中から前記車両を駐車させる前記目標駐車スペースの選択を促す際には、前記駐車スペースにある複数の駐車枠を含む範囲を指定範囲とするエリア情報を前記ユーザに向けて提供するとともに、前記目標駐車位置での前記車両の駐車向きに応じて、前記指定範囲の大きさおよび前記指定範囲の位置の少なくとも一方を変更し、
前記目標駐車位置に対して前記車両を前向きで駐車する場合、前記車両を後向きで駐車する場合に比べて、前記指定範囲の位置が前記車両から離れた位置にシフトするように、前記指定範囲の位置を変更する、駐車支援方法。
【発明の詳細な説明】
【関連出願への相互参照】
【0001】
本出願は、2021年9月29日に出願された日本特許出願番号2021-159852号に基づくもので、ここにその記載内容が参照により組み入れられる。
【技術分野】
【0002】
本開示は、駐車場内における車両の走行および駐車を支援する駐車支援装置および駐車支援方法に関する。
【背景技術】
【0003】
従来、駐車場においてユーザが希望の駐車位置以外の位置に駐車されている場合、駐車場管理施設で希望の駐車位置の空き状況を監視し、希望の駐車位置が空くと車両を自動で希望の駐車位置に移動させるものが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2015-153145号公報
【発明の概要】
【0005】
特許文献1に記載の技術は、駐車場内における目標駐車位置が事前に特定可能な状況であることを前提としており、例えば、目標駐車位置を探索しながら駐車場内を走行するような状況を想定していない。
【0006】
本発明者らは、駐車場内における車両の走行および駐車を支援する場合について鋭意検討した。この結果、例えば、駐車場内を走行中に駐車スペースを探索する場合、駐車スペースの中から車両を駐車するのに適した駐車枠をピンポイントで特定することが困難であり、車両の目標駐車位置を設定することが困難であることが判った。理由としては、駐車場内を走行中に駐車スペースを探索する場合は利便性の観点で、駐車時よりも大きい速度で走行させる必要があることや、駐車場内に駐車スペースの特定を阻害する障害物(例えば、他の車両)が多く存在すること等が考えられる。
本開示は、車両を駐車するのに適した駐車枠を特定することが困難な状況であっても、車両の目標駐車位置を設定することが可能な駐車支援装置および駐車支援方法を提供することを目的とする。
【0007】
本開示の1つの観点によれば、
駐車支援装置は、駐車場内における車両の走行および駐車を支援するものであって、
車両に搭載された周辺監視センサで取得される車両の周辺情報に基づいて、駐車場内における車両を駐車するための駐車スペースを探索するスペース認識部と、
駐車場内での探索結果として得られた駐車スペースの中から車両を駐車させる目標駐車スペースの選択を促すための情報をユーザに向けて提供する情報提供部と、
ユーザによって選択された目標駐車スペースに基づいて車両の目標駐車位置を設定する目標位置設定部と、を備え、
情報提供部は、駐車スペースにある複数の駐車枠を含む範囲を指定範囲とするエリア情報をユーザに向けて提供する。
【0008】
本開示の別の観点によれば、
駐車支援方法は、駐車場内における車両の走行および駐車を支援するものであって、
車両に搭載された周辺監視センサが取得した車両の周辺情報に基づいて、駐車場内における車両を駐車するための駐車スペースを探索することと、
駐車場内での探索結果として得られた駐車スペースの中から車両を駐車させる目標駐車スペースの選択を促すための情報をユーザに向けて提供することと、
ユーザによって選択された目標駐車スペースに基づいて車両の目標駐車位置を設定することと、を含み、
駐車スペースの中から車両を駐車させる目標駐車スペースの選択を促す際には、駐車スペースにある複数の駐車枠を含む範囲を指定範囲とするエリア情報をユーザに向けて提供する。
【0009】
これらのように、駐車スペースにある複数の駐車枠を含む範囲を指定範囲とするエリア情報をユーザに提供し、提供した情報を基にユーザによって選択された目標駐車スペースから目標駐車位置を設定することが望ましい。これによると、スペース認識部にて車両を駐車するのに適した単一の駐車枠を特定することが困難な状況であっても、ユーザへのエリア情報の提供および目標駐車スペースの選択等を通じたユーザの認識能力の有効活用によって車両の目標駐車位置を設定することができる。
【0010】
なお、各構成要素等に付された括弧付きの参照符号は、その構成要素等と後述する実施形態に記載の具体的な構成要素等との対応関係の一例を示すものである。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】実施形態に係る自動駐車システムの概略構成図である。
図2】表示部への表示内容の一例を説明するための説明図である。
図3】探索走行時における表示部への表示内容の一部を説明するための説明図である。
図4】探索走行時における表示部への表示内容の変形例を説明するための説明図である。
図5】駐車場の一例を説明するための説明図である。
図6】駐車支援装置の車両制御部が実行する制御処理の一例を示すフローチャートである。
図7】車両制御部が実行する探索走行処理の一例を示すフローチャートである。
図8】車両の駐車向きを説明するための説明図である。
図9】探索走行時に車両制御部が実行する指定変更処理の一例を示すフローチャートである。
図10】車両制御部が実行する駐車支援処理の一例を示すフローチャートである。
図11】表示部に対してエリア情報として示す指定範囲の表示形態の第1変形例を説明するための説明図である。
図12】表示部に対してエリア情報として示す指定範囲の表示形態の第2変形例を説明するための説明図である。
図13】表示部に対してエリア情報として示す指定範囲の表示形態の第3変形例を説明するための説明図である。
図14】表示部に対してエリア情報として示す指定範囲の表示形態の第4変形例を説明するための説明図である。
図15】表示部に対してエリア情報として示す指定範囲の表示形態の第5変形例を説明するための説明図である。
図16】表示部に対してエリア情報として示す指定範囲の表示形態の第6変形例を説明するための説明図である。
図17】表示部に対してエリア情報として示す指定範囲の表示形態の第7変形例を説明するための説明図である。
図18】駐車場の他の例を説明するための説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本開示の一実施形態について図1図10に基づいて説明する。本実施形態では、本開示の駐車支援装置5および駐車支援方法を自動駐車システム1に適用した例について説明する。図1に示すように、自動駐車システム1は、周辺監視センサ3、各種ECU4、および駐車支援装置5を有する。駐車支援装置5は、周辺監視センサ3および各種ECU4に対して直接もしくは車内LAN(Local Area Network)等を介して通信可能に接続されている。
【0013】
周辺監視センサ3は、自身の車両V(以下、自車両Voとも呼ぶ)に搭載され、自車両Voの周辺環境を監視する自律センサである。例えば、周辺監視センサ3は、歩行者や他車両等の移動する動的物標、路上の構造物等の静止している静的物標といった自車両Voの周辺の立体物で構成される障害物、駐車場PLに関する情報である駐車情報を示す駐車枠、走行車線等を検知対象物として検知する。自車両Voには、周辺監視センサ3として、自車両Voの周囲の所定範囲を撮像する周辺監視カメラ31、探査波センサが備えられている。
【0014】
周辺監視カメラ31は、撮像装置に相当するもので、自車の周辺画像を撮影し、その撮像データをセンシング情報として駐車支援装置5へ出力する。ここでは、周辺監視カメラ31として、車両前方、後方、左右側方の画像を撮影する前方カメラ31a、後方カメラ31b、左側方カメラ31c、右側方カメラ31dを例に挙げているが、これに限るものではない。
【0015】
探査波センサは、探査波を出力すると共にその反射波を取得することで得られた物標との相対速度や相対距離および物標が存在する方位角等の測定結果をセンシング情報として駐車支援装置5へ逐次出力する。探査波センサは、自車両Voの周囲の所定範囲に探査波を送信するソナー32、ミリ波レーダ33、LiDAR(Light Detection and Rangingの略称)34を含んでいる。
【0016】
ソナー32は、探査波として超音波を用いた測定を行うものであり、車両Vに対して複数箇所に備えられ、例えば前後のバンパーに車両左右方向に複数個並べて配置されており、車両周囲に探査波を出力することで測定を行う。ミリ波レーダ33は、探査波としてミリ波を用いた測定を行う。LiDAR34は、探査波としてレーザ光を用いた測定を行う。ミリ波レーダ33およびLiDAR34は、共に、例えば車両Vの前方の所定範囲内に探査波を出力し、その出力範囲内において測定を行う。
【0017】
なお、本実施形態では、周辺監視センサ3として、周辺監視カメラ31、ソナー32、ミリ波レーダ33、LiDAR34を備えたものを例に挙げるが、これらのうちの1つもしくは複数の組み合わせによって周辺監視が行えれば良く、全て備えていなくても良い。
【0018】
また、駐車支援装置5は、地図データベース35およびGPS36に接続され、自車両Voの現在位置を測位可能になっている。なお、地図データベース35は、車載機器に構築されていてもよいし、車外の機器(例えば、外部サーバ)に構築されていてもよい。
【0019】
駐車支援装置5は、自動駐車システム1における駐車支援方法を実現するための各種制御を行うためのECU(すなわち、電子制御装置)を構成するものであり、CPU、記憶部50、I/O等を備えたマイクロコンピュータによって構成されている。
【0020】
記憶部50は、ROM、RAM、EEPROM等を含んでいる。すなわち、記憶部50は、RAM等の揮発性メモリと、EEPROM等の不揮発性メモリとを有している。記憶部50は、非遷移有形記録媒体で構成されている。
【0021】
駐車支援装置5は、駐車場PL内における自車両Voの走行および駐車を支援する装置である。駐車支援装置5は、駐車場PL内を走行している際に得られる自車両Voの周辺情報に基づいて、駐車場PL内において駐車場PL内における自車両Voを駐車するための駐車スペースSPを探索する。また、駐車支援装置5は、自車両Voが通るべき目標経路を生成する。目標経路には、駐車場PL内において駐車スペースSPを探索しつつ駐車場PL内を走行する探索走行時に車両Vが通るべき探索経路DP、自車両Voの駐車時に車両Vが通るべき駐車経路TPが含まれる。“周辺情報”とは、例えば、自車両Voの周辺の人や他車両等の動的物標、自車両Voの周辺の縁石、建物等の静的物標、各種標識、駐車枠、走行車線等の路面標示等の情報である。そして、駐車支援装置5は、例えば、探索走行時に、探索経路DPに沿って自車両Voを自動的に移動させる。また、駐車支援装置5は、駐車支援時に、駐車経路TPに沿って目標駐車位置SEPまで自車両Voを自動的に移動させる。なお、目標駐車位置SEPは、駐車経路TPの終点となる位置である。
【0022】
具体的には、駐車支援装置5は、図示しない駐車支援スイッチがユーザによって操作された場合等、駐車支援を行うことの指示が出されると、探索走行を開始する。駐車支援装置5は、探索走行時に、周辺監視センサ3のセンシング情報に基づいて、車両Vの探索経路DPにおける物標、自車両Voを駐車させるための駐車スペースSP等を認識する。これらの認識結果は、記憶部50のうち不揮発性メモリに逐次記憶され、駐車支援等に利用される。
【0023】
続いて、駐車支援装置5は、探索走行時に目標駐車スペースTSの選択を促すための情報をユーザに発信する。そして、駐車支援装置5は、ユーザによって選択された目標駐車スペースTSに基づいて、目標駐車位置SEPを設定した後、目標駐車位置SEPへの自車両Voの駐車支援を開始する。すなわち、駐車支援装置5は、探索走行時および駐車支援時の周辺監視センサ3のセンシング情報に基づいて、目標駐車位置SEPまでの駐車経路TPを生成し、その経路に従った経路追従制御を行う。具体的には、駐車支援装置5は、各種制御を実行する機能部として、認識処理部51、車両情報取得部52、車両制御部53を有した構成とされている。
【0024】
認識処理部51は、周辺監視センサ3からセンシング情報を入力し、そのセンシング情報に基づいて、駐車しようとしている自車両Voの周辺環境の認識、どのような駐車を行うシーンであるかのシーン認識、さらには自車両Voの周辺に存在する物体の認識を行う。ここでは、認識処理部51を画像認識部51a、空間認識部51b、およびフリースペース認識部51cによって構成している。
【0025】
画像認識部51aは、シーン認識、立体物認識、駐車枠・走行車線認識等を行う。画像認識部51aによる各種の認識は、センシング情報として入力された周辺監視カメラ31から撮像データを画像解析することで実現される。
【0026】
シーン認識では、駐車シーンがどのようなシーンであるか否かを認識する。例えば、駐車場PL内に障害物がなく自車両Voの目標駐車位置SEPへの駐車が特に制限されない通常の駐車シーンであるか、障害物によって自車両Voの目標駐車位置SEPへの駐車が制限される特殊な駐車シーンであるかの認識を行う。
【0027】
周辺監視カメラ31から入力される撮像データは、その周辺の様子が映し出されたものであるため、その画像を解析すれば、通常の駐車シーンであるか特殊な駐車シーンであるかを判別できる。例えば、撮像データから周囲の物体を検出し、その物体が自車両Voの走行や駐車の障害となるのであれば特殊な駐車シーンと判別できる。なお、シーン認識は、周辺監視カメラ31のセンシング情報だけでなく、探査波センサのセンシング情報に基づいて為されていてもよい。
【0028】
立体物認識では、動的物標や静的物標といった自車周辺に存在する立体物で構成される障害物を検知対象物として認識する。この立体物認識によって認識された検知対象物、好ましくはそのうちの静的物標の形状等に基づいて、上記したシーン認識や、障害物を含む駐車支援マップの生成が行われる。
【0029】
空間認識部51bは、立体物認識等を行う。空間認識部51bは、ソナー32、ミリ波レーダ33、LiDAR34の少なくとも1つからのセンシング情報に基づいて、自車両Voの周辺の空間内における立体物認識を行う。ここでの立体物認識については、画像認識部51aで行われる立体物認識と同様である。このため、画像認識部51aと空間認識部51bのいずれか一方が備えられていれば立体物認識を行うことができる。また、本実施形態の場合、空間認識部51bではシーン認識を行っていないが、空間認識部51bにおいて、ソナー32、ミリ波レーダ33、LiDAR34の少なくとも1つからのセンシング情報に基づいてシーン認識を行うこともできる。
【0030】
なお、画像認識部51aと空間認識部51bのいずれか一方によって立体物認識やシーン認識を行うことができるが、双方を用いることでより精度良い立体物認識やシーン認識を行うことが可能となる。例えば、画像認識部51aによる立体物認識やシーン認識を空間認識部51bによる立体物認識やシーン認識によって補完することで、より精度良く立体物認識やシーン認識を行うことが可能となる。
【0031】
フリースペース認識部51cは、駐車場PLの中からフリースペースとなっている場所を認識するフリースペース認識を行う。フリースペースは、例えば、駐車場PLの中で車両Vを駐車可能な駐車スペースSPを意味している。駐車スペースSPは、駐車場PLの中に設定された1つまたは複数の駐車枠によって構成されている。駐車枠は、駐車スペースSPにおいて一台の車両Vを駐車可能な大きさおよび形状を有するスペースであり、例えば、駐車場PL内に駐車区画線としての白線によってその領域が路面表示される。なお、駐車枠は、白線によって路面表示された領域だけでなく、他の車両Vの間にあるスペースや、輪止めが設けられたスペース等の車両Vが駐車可能な領域であってもよい。
【0032】
フリースペース認識部51cは、画像認識部51aや空間認識部51bによるシーン認識および立体物認識の認識結果に基づいて、駐車場PLでのフリースペースを認識している。例えば、シーン認識および立体物認識の結果から、駐車場PLの形状や他車両の駐車の有無を把握できるため、それに基づいて駐車場PLの中からフリースペースを認識している。また、フリースペース認識部51cでは、例えば、画像中の各ピクセルを、各ピクセルの周辺情報に基づいてカテゴリ分類するセマンティックセグメンテーションを利用して、画像中からフリースペースを特定する。本明細書では、フリースペース認識部51cが、自車両Voに搭載された周辺監視センサ3で取得される自車両Voの周辺情報に基づいて、駐車場PL内における自車両Voを駐車するための駐車スペースSPを探索する“スペース認識部”を構成している。
【0033】
車両情報取得部52は、他のECU4等から車両Vの操作量に関する情報を取得する。具体的には、車両情報取得部52は、車両Vに搭載されたアクセルポジションセンサ、ブレーキ踏力センサ、舵角センサ、車輪速センサ、シフトポジションセンサ等の各センサから出力される検出信号を取得する。
【0034】
車両情報取得部52は、車輪速センサのセンサ出力に基づいて、自車両Voの走行速度を求める。なお、走行速度は、車輪速センサ以外の機器の出力に基づいて得られるようになっていてもよい。
【0035】
車両制御部53は、探索走行および駐車支援に必要とされる各種制御を実行する。具体的には、車両制御部53は、各種制御を実行する機能部として、情報提供部54、目標位置設定部55、向き推定部56、経路生成部57、位置推定部58、追従制御部59を有した構成とされている。
【0036】
情報提供部54は、フリースペース認識部51cの探索結果により得られた駐車スペースSPの中から自車両Voを駐車させる目標駐車スペースTSの選択を促すための情報をユーザに向けて提供する。なお、目標駐車スペースTSは、駐車スペースSPの一部であって目標駐車位置SEPの候補となるスペースである。目標駐車スペースTSは、例えば、2つ以上の駐車枠を含んでいる。情報提供部54は、駐車スペースSPにある複数の駐車枠を含む範囲を指定範囲とするエリア情報をユーザに向けて提供する。
【0037】
具体的には、情報提供部54は、HMI(Human Machine Interfaceの略)45を利用してユーザに向けてエリア情報を提供する。HMI45は、ユーザに対して各種の支援を行うための機器である。HMI45は、表示部45aおよび音声入出力部45bを有する。
【0038】
表示部45aは、ユーザに向けて情報を視覚的な態様で提供する機器の1つである。表示部45aは、ナビゲーションシステムまたはメータシステムに用いられるタッチパネル式のディスプレイである。なお、表示部45aは、タッチ操作を受け付けないディスプレイ、ヘッドアップディスプレイ等が採用されていてもよい。
【0039】
音声入出力部45bは、ユーザに向けて情報を聴覚的な態様で提供する機器の1つである。音声入出力部45bは、音声入力部としてマイク、音声出力部としてのスピーカを備える。
【0040】
情報提供部54は、HMI45の表示部45aを通じて各種情報をユーザに向けて視覚的な態様で提供する。例えば、情報提供部54は、探索走行時に、図2に示すように、表示部45aの左側領域に自車両Voの進行方向の前方を映したカメラ視点画像Gcを表示し、表示部45aの右側領域に俯瞰画像Ghを表示する。なお、カメラ視点画像Gcおよび俯瞰画像Ghの表示位置や大きさ等は、一例であり、図2のものとは異なっていてもよい。なお、図2等では、
【0041】
ここで、カメラ視点画像Gcは、自車両Voの移動予定方向の風景を撮像するカメラ(本例では前方カメラ31a)のレンズの配設位置を視点とした画像である。また、俯瞰画像Ghは、自車両Voの直上に設定された仮想視点から投影曲面を見て所定の視野角に含まれる投影曲面における領域を画像として切り出した仮想視点画像に、仮想車両画像Gvを重畳した画像である。カメラ視点画像Gcおよび俯瞰画像Ghは、探索走行時および駐車支援時に周辺監視カメラ31で撮像された画像を基に生成される。
【0042】
また、情報提供部54は、探索走行時には、例えば、図3に示すように、カメラ視点画像Gcに対して、複数の駐車枠を含む範囲を指定範囲とするエリア情報を重畳させた重畳画像を表示部45aに表示する。
【0043】
図3に示す例では、自車両Voの左前方に映る複数の駐車枠および自車両Voの右前方に映る複数の駐車枠を囲む楕円形状の丸枠画像Gaをカメラ視点画像Gcに重畳させたものをエリア情報としてユーザに提供する。図3に示す画像のうち丸枠画像Gaが重畳された箇所が、ユーザが目標駐車スペースTSを選択可能な範囲(すなわち、指定範囲)を示している。なお、情報提供部54は、例えば、図4に示すように、俯瞰画像Ghに対して、長円形状の丸枠画像Ga1、Ga2を重畳させた重畳画像を表示部45aに表示するようになっていてもよい。
【0044】
情報提供部54は、上記画像表示に加えて、目標駐車スペースTSの選択を促すメッセージをユーザに向けて提供する。この情報提供は、例えば、目標駐車スペースTSの選択を促すメッセージの表示部45aへの表示または当該メッセージの音声入出力部45bからの音声出力によって実現される。例えば、情報提供部54は、目標駐車スペースTSの位置の指定するためのタッチ操作や発話を促すメッセージをユーザに向けて提供する。
【0045】
そして、情報提供部54は、目標駐車スペースTSの選択を促す情報をユーザに向けて提供した後、表示部45aのタッチ操作の操作信号、ユーザが発話した情報の認識結果に基づいて、ユーザによる目標駐車スペースTSの選択結果を取得する。なお、情報提供部54は、表示部45aに表示した選択ボタンの操作信号、表示部45aとは別に設けられた選択スイッチの操作信号に基づいて、ユーザによる目標駐車スペースTSの選択結果を取得するようになっていてもよい。なお、本実施形態のHMI45は、ユーザに向けた情報の提供だけでなく、ユーザによって操作される“操作部”を兼ねている。
【0046】
目標位置設定部55は、ユーザによって選択された目標駐車スペースTSに基づいて自車両Voの目標駐車位置SEPを設定する。例えば、ユーザが目標駐車スペースTSとして1つの駐車枠を選択した場合、目標位置設定部55は、選択された駐車枠を目標駐車位置SEPに設定する。また、ユーザが目標駐車スペースTSとして複数の駐車枠を選択した場合、目標位置設定部55は、選択された複数の駐車枠の中から1つの駐車枠を特定し、特定した駐車枠を目標駐車位置SEPに設定する。駐車枠の特定方法としては、例えば、ユーザの利便性を考慮して判断される。目標位置設定部55は、例えば、複数の駐車枠のうち、店舗等の建物BLの入口に近いものを優先して目標駐車位置SEPに設定する。
【0047】
向き推定部56は、エリア情報で示される指定範囲に含まれる駐車枠が自車両Voの進行方向に対して斜めに傾いた斜め駐車枠である場合に、当該斜め駐車枠と自車両Voとの位置関係に基づいて、駐車向きが前向きおよび後向きのいずれであるかを推定する。なお、前向き駐車は、自車両Voの前方から空きスペースに移動して駐車する方法である。また、後向き駐車は、自車両Voの後方から空きスペースに移動して駐車する方法である。
【0048】
経路生成部57は、シーン認識や立体物認識およびフリースペース認識の結果に基づいて、駐車場PL内において自車両Voが通るべき目標経路を生成する。具体的には、経路生成部57は、探索走行時に駐車場PL内を探索走行するための探索経路DPを目標経路として生成する。また、経路生成部57は、目標位置設定部55によって目標駐車位置SEPが設定されると、当該目標駐車位置SEPに至る駐車経路TPを目標経路として生成する。
【0049】
位置推定部58は、周辺監視センサ3によって逐次取得されるセンシング情報に基づいて、自車両Voの現在位置を推定する。位置推定部58は、例えば、探索走行時および駐車支援時に取得されるセンシング情報に基づいて現在位置を推定する。
【0050】
追従制御部59は、自車両Voの加減速制御や操舵制御等の車両運動制御を行うことで所定の目標経路に沿って自車両Voを自動的に移動させる。具体的には、追従制御部59は、位置推定部58で推定される自車両Voの現在位置と目標経路に基づいて、自車両Voを目標経路に沿って移動させる。例えば、追従制御部59は、駐車場PL内において所定条件が成立すると、探索経路DPに沿って自車両Voを自動的に移動させる。また、追従制御部59は、駐車支援時に駐車経路TPに沿って目標駐車位置SEPまで車両Vを自動的に移動させる。前述の所定条件は、例えば、駐車場PL内に侵入した場合や、駐車支援時において目標駐車位置SEPに自車両Voを駐車させることができない場合に成立する。追従制御部59は、探索走行時の走行速度を駐車支援時の走行速度(例えば、1~5km/m)以上の速度に設定する。なお、駐車場PL内に制限速度がある場合、追従制御部59は、その制限速度を上限にして走行速度を設定する。
【0051】
各種ECU4は、操舵制御を行うステアリングECU41、加減速制御を行うブレーキECU42、パワーマネージメントECU43、ライト、ドアミラー等の各種電装品の制御を行うボディECU44等が挙げられる。
【0052】
具体的には、追従制御部59は、車両情報取得部52を介して車両Vに搭載されたアクセルポジションセンサ、ブレーキ踏力センサ、舵角センサ、車輪速センサ、シフトポジションセンサ等の各センサから出力される検出信号を取得している。そして、追従制御部59は、取得した検出信号より各部の状態を検出し、探索経路DPおよび駐車経路TPに追従して自車両Voを移動させるべく、各種ECU4に対して制御信号を出力する。
【0053】
以上のようにして、本実施形態に係る自動駐車システム1が構成されている。続いて、このようにして構成された自動駐車システム1の作動について説明する。本実施形態では、図5に示すように、駐車スペースSPとして多数の駐車枠が設けられた駐車場PLに自車両Voを駐車させる場合を例にして説明する。図5に示す駐車場PLは、ショッピングセンタや高速道路のサービスエリア等に設置される建物BLの前の大規模なものを想定している。
【0054】
図5に示す駐車場PLには、駐車スペースSPとして、複数の駐車枠が横に並ぶ第1スペースSP1、第2スペースSP2、第3スペースSP3、第4スペースSP4が縦に並ぶように設けられている。第1スペースSP1と第2スペースSP2との間には、車両Vが走行するための通路が設けられている。また、第3スペースSP3と第4スペースSP4との間には、車両Vが走行するための通路が設けられている。第2スペースSP2と第3スペースSP3は、車両Vが通過できないように近接して配置されている。第4スペースSP4の両側には、駐車場PLの出入口ET1、ET2が設定されている。第1スペースSP1、第2スペースSP2、第3スペースSP3それぞれには、車両Vの進行方向に対して斜めに傾いた斜め駐車枠が複数設けられている。第4スペースSP4には、車両Vの進行方向に対して略直交する並列駐車枠が複数設けられている。なお、図5では、第1スペースSP1と第2スペースSP2との間の通路を一方の出入口ET1側から他方の出入口ET2側に向かって自車両Voが走行している状態を図示している。
【0055】
以下、駐車支援装置5の車両制御部53が実行する制御処理について図6を参照しつつ説明する。図6に示す制御処理は、例えば、駐車場PL内において図示しない駐車支援スイッチがユーザによって操作された場合等、駐車支援を行うことの指示が出されると車両制御部53によって実行される。自車両Voが駐車場PL内に位置するか否かは、例えば、地図データベース35およびGPS36を利用することによって判定することができる。なお、本フローチャートに示される各処理は、駐車支援装置5の各機能部によって実現される。また、本処理を実現する各ステップは、駐車支援方法を実現する各ステップとしても把握される。
【0056】
図6に示すように、車両制御部53は、ステップS100にて、認識処理を開始する。この認識処理では、周辺監視センサ3のセンシング情報に基づいて、認識処理部51によるシーン認識、立体物認識、フリースペース認識を開始する。
【0057】
続いて、車両制御部53は、ステップS110にて、駐車場PL内において駐車スペースSPを探索しつつ駐車場PL内を走行する探索走行を開始する。以下、ステップS110の探索走行処理の概要について、図7に示すフローチャートを参照しつつ説明する。
【0058】
図7に示すように、車両制御部53は、ステップS200にて、周辺監視センサ3によって逐次取得されるセンシング情報に基づいて、駐車枠および走行車線を特定する。そして、車両制御部53は、ステップS210にて、周辺監視センサ3によって逐次取得されるセンシング情報に基づいて、探索経路DPを生成する。このステップS210の処理は、車両制御部53の経路生成部57によって行われる。
【0059】
ここで、車両制御部53は、探索走行中に、カメラ視点画像Gcおよび俯瞰画像Ghに探索経路DPを示す画像を重畳したものを表示部45aに表示したり、音声入出力部45bを利用して探索経路DPをユーザにアナウンスしたりすることが望ましい。これによると、探索走行がどのようにして実施されるのかをユーザに伝えることができる。
【0060】
続いて、車両制御部53は、ステップS220にて、周辺監視センサ3によって逐次取得されるセンシング情報に基づいて、自車両Voの現在位置を推定する。このステップS220の処理は、車両制御部53の位置推定部58によって行われる。
【0061】
続いて、車両制御部53は、ステップS230にて、自車両Voの加減速制御や操舵制御等の車両運動制御を行うことで、探索経路DPに沿って自車両Voを自動的に移動させる探索走行を開始する。このステップS230の処理は、車両制御部53の追従制御部59によって行われる。
【0062】
図6のステップS110で探索走行が開始されると、車両制御部53は、ステップS120にて、駐車スペースSPにある複数の駐車枠を含む範囲を指定範囲とするエリア情報をユーザに向けて提供する。このステップS120の処理は、車両制御部53の情報提供部54によって行われる。
【0063】
ここで、駐車場PL内の駐車枠の空き状態を探索しながら走行する場合、自車両Voの走行速度が大きく制限され易い。このことは、駐車に要する時間が長くなったり、駐車場PL内で渋滞が生じ易くなったりすることから好ましくない。
【0064】
そこで、本実施形態の車両制御部53は、まずは、駐車枠の空き状態を考慮せずに、指定範囲を決定する。その後、車両制御部53は、駐車枠の空き状態についてユーザの認識能力を活用して目標駐車スペースTSを特定する。
【0065】
例えば、車両制御部53は、図3に示すように、カメラ視点画像Gcに楕円形状の丸枠画像Gaを重畳させたものをエリア情報として表示部45aに表示させるとともに、目標駐車スペースTSの選択を促すメッセージをユーザに向けて提供する。なお、図3に示す丸枠画像Gaは、ユーザが目標駐車スペースTSを指定するための指定範囲を示している。丸枠画像Gaの大きさは、複数の駐車枠を含む大きさとされている。
【0066】
自車両Voが第1スペースSP1と第2スペースSP2との間の通路を走行している場合、カメラ視点画像Gcには、左側に第1スペースSP1が映り、右側に第2スペースSP2が映る。第1スペースSP1および第2スペースSP2のいずれもが自車両Voの目標駐車スペースTSになり得る。このため、車両制御部53は、カメラ視点画像Gc中の第1スペースSP1に対応する領域に第1枠画像Ga1を重畳し、第2スペースSP2に対応する領域に対して第2枠画像Ga2を重畳する。
【0067】
ここで、例えば、自車両Voの走行速度が大きい場合は、指定範囲が大きい方が、ユーザが目標駐車スペースTSを選択し易い。また、自車両Voの走行速度が大きい場合に指定範囲の位置が自車両Voの近くになっている場合、短時間で指定範囲に到達してしまうことで、目標駐車スペースTSの選択が難しくなってしまう。
【0068】
また、例えば、図8に示すように、自車両Voを第1スペースSP1にある駐車枠に前向きで駐車する場合は、目標駐車位置SEP付近に到達前に駐車操作が開始される。一方、自車両Voを第2スペースSP2にある駐車枠に後向きで駐車する場合は、目標駐車位置SEP付近に到達後に駐車操作が開始される。このため、目標駐車位置SEPに対して自車両Voを前向きで駐車する場合、自車両Voを後向きで駐車する場合に比べて、早めに目標駐車位置SEPを決定する必要がある。
【0069】
これらを加味して、車両制御部53は、探索走行時の自車両Voの走行速度および駐車向きに応じて、丸枠画像Gaで指定する指定範囲の大きさおよび指定範囲の位置を変更する指定変更処理を実行する。この処理については、図9に示すフローチャートを参照しつつ説明する。なお、本処理は、情報提供部54によって行われる。
【0070】
図9に示すように、車両制御部53は、ステップS300にて、自車両Voの駐車向きを推定する。ユーザによって予め駐車向きが指定されている場合、標識等によって駐車向きが指定されている場合、その指定にしたがって駐車向きに設定する。
【0071】
ここで、図8に示すように、駐車スペースSPの駐車枠に斜め駐車枠が含まれている場合、斜め駐車枠と自車両Voとの位置関係に基づいて、駐車向きが前向きおよび後向きのいずれであるかを推定する。この推定処理は、車両制御部53の向き推定部56によって行われる。なお、この推定処理は、駐車スペースSPの駐車枠に斜め駐車枠が少なくとも1つある場合に実施されてもよいし、駐車スペースSPの駐車枠に斜め駐車枠が複数ある場合に実施されてもよい。
【0072】
具体的には、車両制御部53は、自車両Voの進行方向における自車両Voから斜め駐車枠における手前側までの距離Lfが奥側までの距離Lrよりも小さいと駐車向きが前向きと判定する。また、車両制御部53は、自車両Voの進行方向における自車両Voから斜め駐車枠における奥側までの距離Lrが手前側までの距離Lfよりも小さいと駐車向きが後向きと判定する。なお、自車両Voから斜め駐車枠における手前側までの距離Lfは、例えば、自車両Voから斜め駐車枠における手前側の基準位置(例えば、中央部分)までの長さである。また、自車両Voから斜め駐車枠における奥側までの距離Lrは、自車両Voから斜め駐車枠における奥側の基準位置(例えば、中央部分)までの長さである。なお、距離Lf、Lrは、上記のものとは異なる長さとして定義されていてもよい。
【0073】
例えば、図8に示すように、第1スペースSP1にある駐車枠は、斜め駐車枠における手前側までの距離Lf1が奥側までの距離Lr1よりも小さいので、駐車向きが前向きと判定する。また、第2スペースSP2にある駐車枠は、斜め駐車枠における奥側までの距離Lr1が手前側までの距離Lf2よりも小さいので、駐車向きが後向きと判定する。なお、図8に示すように、駐車区画線としての白線がある場合、車両制御部53は、白線の傾き状態に基づいて、駐車向きを推定するようになっていてもよい。また、車両制御部53は、例えば、自車両Voの周辺に駐車された車両Vの駐車向きを自車両Voの駐車向きとして推定するようになっていてもよい。
【0074】
続いて、車両制御部53は、ステップS310にて、自車両Voの走行速度が所定速度以上であるか否かを判定する。なお、所定速度は、例えば、駐車支援時に想定される走行速度(例えば、5~10km/h)に設定される。
【0075】
自車両Voの走行速度が所定速度以上である場合、車両制御部53は、ステップS320にて、駐車向きが前向きであるか否かを判定する。この判定処理は、ステップS300の駐車向きの推定結果に基づいて行われる。
【0076】
駐車向きが前向きである場合、車両制御部53は、ステップS330にて、丸枠画像Gaで指定する指定範囲が広範囲となるように枠の大きさを設定するとともに、指定範囲の位置が自車両Voから離れた位置にシフトするように、枠の位置を上方に設定する。
【0077】
前述したように第1スペースSP1は駐車向きが前向きとなる。このため、自車両Voの走行速度が所定速度以上である場合、第1スペースSP1に対応する領域には、当該領域の上方に広範囲となる第1枠画像Ga1を重畳させる。因みに、図8に示す第1枠画像Ga1では、4つの駐車枠を含む範囲が指定範囲として設定されている。なお、図8に示す第1枠画像Ga1は、一例であって異なる大きさや位置になっていてもよい。
【0078】
一方、自車両Voの走行速度が所定速度未満または自車両Voの駐車向きが後向きである場合、車両制御部53は、ステップS340に移行する。車両制御部53は、ステップS340にて、丸枠画像Gaで指定する指定範囲が狭い範囲となるように枠の大きさを設定するとともに、指定範囲の位置が自車両Voに近い位置にシフトするように、枠の位置を下方に設定する。
【0079】
前述したように第2スペースSP2は駐車向きが後向きとなる。このため、第2スペースSP2に対応する領域には、当該領域の下方に狭い範囲となる第2枠画像Ga2を重畳させる。因みに、図8に示す第2枠画像Ga2では、2つの駐車枠を含む範囲が指定範囲として設定されている。なお、図8に示す第2枠画像Ga2は、一例であって異なる大きさや位置になっていてもよい。
【0080】
また、図示しないが、自車両Voの走行速度が所定速度未満である場合、第1スペースSP1に対応する領域には、当該領域の下方に狭い範囲となる第1枠画像Ga1を重畳させる。この第1枠画像Ga1は、自車両Voの走行速度が所定速度以上となる際よりも少ない数の駐車枠を含む範囲が指定範囲として設定される。
【0081】
このようにしてエリア情報をユーザに向けて提供した後、車両制御部53は、ステップS130にて、ユーザによる目標駐車スペースTSの選択があったか否かを判定する。この判定処理は、例えば、表示部45aのタッチ操作の操作信号、ユーザが発話した情報の認識結果に基づいて行われる。
【0082】
車両制御部53は、目標駐車スペースTSの選択があるまで待機し、目標駐車スペースTSの選択があると、ステップS140に移行する。例えば、車両制御部53は、表示部45aのタッチ操作の操作信号、ユーザが発話した情報の認識結果に基づいて、ユーザによる目標駐車スペースTSの選択結果を取得すると、ステップS140に移行する。
【0083】
車両制御部53は、ステップS140にて、自車両Voの駐車支援を開始する。このステップS140の処理は、ユーザからの指示があった場合に開始されるようになっていてもよい。以下、ステップS140の駐車支援処理の概要について、図10に示すフローチャートを参照しつつ説明する。
【0084】
図10に示すように、車両制御部53は、ステップS400にて、ユーザによって選択された目標駐車スペースTSに基づいて、自車両Voの目標駐車位置SEPを決定する。このステップS400の処理は、車両制御部53の目標位置設定部55によって行われる。
【0085】
続いて、車両制御部53は、ステップS410にて、目標駐車位置SEPまでの駐車経路TPを生成する。このステップS410の処理は、車両制御部53の経路生成部57によって行われる。
【0086】
ここで、車両制御部53は、駐車支援中に、カメラ視点画像Gcおよび俯瞰画像Ghに駐車経路TPを示す画像を重畳したものを表示部45aに表示したり、音声入出力部45bを利用して駐車経路TPをユーザにアナウンスしたりすることが望ましい。これによると、駐車支援がどのようにして実施されるのかをユーザに伝えることができる。
【0087】
続いて、車両制御部53は、ステップS420にて、周辺監視センサ3によって逐次取得されるセンシング情報に基づいて、自車両Voの現在位置を推定する。このステップS420の処理は、車両制御部53の位置推定部58によって行われる。
【0088】
続いて、車両制御部53は、ステップS430にて、自車両Voの加減速制御や操舵制御等の車両運動制御を行うことで、駐車経路TPに沿って自車両Voを移動させ、目標駐車位置SEPに駐車する。このステップS430の処理は、車両制御部53の追従制御部59によって行われる。
【0089】
図6のステップS140で駐車支援が開始されると、車両制御部53は、ステップS150にて、目標駐車位置SEPに自車両Voを駐車可能であるか否かを判定する。この判定処理は、例えば、認識処理部51によって逐次取得される車両Vの駐車経路TPおよび目標駐車位置SEP付近の障害物の検知結果に基づいて行われる。
【0090】
目標駐車位置SEPに自車両Voを駐車可能である場合、車両制御部53は、ステップS160にて、目標駐車位置SEPへの駐車が完了したか否かを判定する。例えば、車両制御部53は、目標駐車位置SEPにて自車両Voのシフトポジションが駐車を意味するポジション(例えば、Pポジション)に切り替えられると、目標駐車位置SEPへの駐車が完了したと判定する。
【0091】
車両制御部53は、目標駐車位置SEPへの駐車が完了した場合は本制御処理を抜け、目標駐車位置SEPへの駐車が完了していない場合はステップS140に戻り、駐車支援を継続する。
【0092】
一方、目標駐車位置SEPに自車両Voを駐車不能である場合、目標駐車位置SEPへの駐車支援の継続ができず、別の場所に自車両Voを駐車する必要がある。このため、目標駐車位置SEPに自車両Voを駐車不能である場合、車両制御部53は、ステップS170にて、探索走行の継続の可否を問う問い合わせ情報をユーザに向けて提供する。この問い合わせ処理は、車両制御部53の情報提供部54によって行われる。車両制御部53は、表示部45aへの探索走行の継続の可否を問うメッセージ表示、音声入出力部45bから探索走行の継続の可否を問う音声の出力等によってユーザへの問い合わせ情報の提供を実現する。
【0093】
続いて、車両制御部53は、ステップS180にて、探索走行を継続するか否かを判定する。例えば、車両制御部53は、表示部45aのタッチ操作の操作信号またはユーザが発話した情報の認識結果に基づいて、探索走行の継続の可否に対するユーザの意向を認識することで、探索走行を継続するか否かを判定する。
【0094】
探索走行を継続する場合、車両制御部53は、ステップS110に戻る。すなわち、ユーザの意向が探索走行を継続するものである場合、車両制御部53は、駐車支援から探索走行に切り替える。
【0095】
一方、探索走行を継続しない場合、車両制御部53は、ステップS190にて、駐車支援を中止する。例えば、車両制御部53は、自車両Voの加減速制御や操舵制御等の車両運動制御を自動制御から手動制御に切り替える。
【0096】
以上説明した駐車支援装置5および駐車支援方法は、自車両Voに搭載された周辺監視センサ3が取得した自車両Voの周辺情報に基づいて、駐車場PL内における自車両Voを駐車するための駐車スペースSPを探索する。駐車支援装置5および駐車支援方法は、駐車場PL内での探索結果として得られた駐車スペースSPの中から自車両Voを駐車させる目標駐車スペースTSの選択を促すための情報をユーザに向けて提供する。駐車支援装置5および駐車支援方法は、ユーザによって選択された目標駐車スペースTSに基づいて自車両Voの目標駐車位置SEPを設定する。駐車支援装置5および駐車支援方法は、駐車スペースSPの中から自車両Voを駐車させる目標駐車スペースTSの選択を促す際には、駐車スペースSPにある複数の駐車枠を含む範囲を指定範囲とするエリア情報をユーザに向けて提供する。
【0097】
このように、駐車スペースSPにある複数の駐車枠を含む範囲を指定範囲とするエリア情報をユーザに提供し、提供した情報を基にユーザによって選択された目標駐車スペースTSから目標駐車位置SEPを設定することが望ましい。これによると、フリースペース認識部51cにて自車両Voを駐車するのに適した単一の駐車枠を特定することが困難な状況であっても、ユーザの認識能力の有効活用によって目標駐車位置SEPを設定することができる。
【0098】
また、本実施形態によれば、以下の効果を得ることができる。
【0099】
(1)情報提供部54は、駐車場PL内において駐車スペースSPを探索しつつ駐車場PL内を走行する探索走行が行われている際に、エリア情報をユーザに向けて提供する。
【0100】
フリースペース認識部51cにて自車両Voを駐車するのに適した駐車枠を特定することが困難な状況は、他車両等の障害物が多く存在する駐車場PL内での探索走行中に生じ易い。このため、探索走行中に、駐車スペースSPにある複数の駐車枠を指定範囲とするエリア情報をユーザに提供し、提供した情報を基にユーザによって選択された目標駐車スペースTSから目標駐車位置SEPを設定することが望ましい。
【0101】
(2)情報提供部54は、探索走行時の自車両Voの走行速度に応じて、指定範囲の大きさおよび指定範囲の位置の少なくとも一方を変更する。例えば、自車両Voの走行速度が大きい場合は、指定範囲が大きい方が、ユーザが目標駐車スペースTSを選択し易い。また、自車両Voの走行速度が大きい場合に指定範囲の位置が自車両Voの近くになっている場合、短時間で指定範囲に到達してしまうことで、目標駐車スペースTSの選択が難しくなってしまう。これらを考慮し、探索走行時の自車両Voの走行速度に応じて、指定範囲の大きさおよび指定範囲の位置の少なくとも一方が変更されるようになっていること望ましい。これによると、目標駐車位置SEP付近での急減速や余分な切り返しが低減され、利便性の向上を図ることができる。
【0102】
(3)情報提供部54は、探索走行時の自車両Voの走行速度が大きいほど指定範囲の大きさが拡大するように、指定範囲の大きさを変更する。これによれば、自車両Voの走行速度が大きい場合であっても、ユーザが目標駐車スペースTSを選択し易くなる。
【0103】
(4)情報提供部54は、探索走行時の自車両Voの走行速度が大きいほど指定範囲の位置が自車両Voから離れた位置にシフトするように、指定範囲の位置を変更する。これによれば、自車両Voの走行速度が大きい場合であっても、ユーザが指定範囲の中から目標駐車スペースTSを選択し易くなる。
【0104】
(5)情報提供部54は、目標駐車位置SEPでの自車両Voの駐車向きに応じて、指定範囲の大きさおよび指定範囲の位置の少なくとも一方を変更する。
【0105】
自車両Voを後向きで駐車する場合は、目標駐車位置SEP付近に到達後に駐車操作が開始される。一方、自車両Voを前向きで駐車する場合は、目標駐車位置SEP付近に到達前に駐車操作が開始される。このため、目標駐車位置SEPに対して自車両Voを前向きで駐車する場合、自車両Voを後向きで駐車する場合に比べて、早めに目標駐車位置SEPを決定する必要がある。これらを考慮し、目標駐車位置SEPでの自車両Voの駐車向きに応じて、指定範囲の大きさおよび指定範囲の位置の少なくとも一方が変更されるようになっていること望ましい。これによると、目標駐車位置SEP付近での急減速や余分な切り返しが低減され、利便性の向上を図ることができる。
【0106】
(6)情報提供部54は、目標駐車位置SEPに対して自車両Voを前向きで駐車する場合、自車両Voを後向きで駐車する場合に比べて、指定範囲の大きさが拡大するように、指定範囲の大きさを変更する。これによれば、目標駐車位置SEPに対して自車両Voを前向きで駐車する場合であっても、ユーザが指定範囲の中から目標駐車スペースTSを選択し易くなる。
【0107】
(7)情報提供部54は、目標駐車位置SEPに対して自車両Voを前向きで駐車する場合、自車両Voを後向きで駐車する場合に比べて、指定範囲の位置が自車両Voから離れた位置にシフトするように、指定範囲の位置を変更する。これによれば、目標駐車位置SEPに対して自車両Voを前向きで駐車する場合であっても、ユーザが指定範囲の中から目標駐車スペースTSを選択し易くなる。
【0108】
(8)駐車支援装置5は、指定範囲に含まれる駐車枠が自車両Voの進行方向に対して斜めに傾いた斜め駐車枠である場合に、斜め駐車枠と自車両Voとの位置関係に基づいて、駐車向きが前向きおよび後向きのいずれであるかを推定する向き推定部56を備える。このように、斜め駐車枠に対する駐車向きを自動的に判定可能に構成されていることが望ましい。
【0109】
(9)向き推定部56は、自車両Voの進行方向における自車両Voから斜め駐車枠における手前側までの距離Lfが奥側までの距離Lrよりも小さいと駐車向きが前向きと判定する。また、向き推定部56は、自車両Voの進行方向における自車両Voから斜め駐車枠における奥側までの距離Lrが手前側までの距離Lfよりも小さいと駐車向きが後向きと判定する。これによれば、斜め駐車枠に対する駐車向きを自動的に判定することができる。
【0110】
(10)駐車支援装置5は、所定の目標経路に沿って自車両Voを自動的に移動させる追従制御部59を備える。追従制御部59は、駐車場PL内において所定条件が成立すると、駐車場PL内を探索走行するために生成される探索経路DPを目標経路として探索経路DPに沿って自車両Voを自動的に移動させる。このように、探索走行時に探索経路DPに沿って自車両Voが自動的に移動するように構成されていれば、探索走行時のユーザの負担が軽減されることで、利便性を一層向上させることができる。
【0111】
(11)上述の所定条件は、少なくとも目標駐車位置SEPに自車両Voを駐車させることができない場合に成立する。このように、目標駐車位置SEPに自車両Voを駐車できない場合には、探索経路DPに沿って自車両Voが自動的に移動する探索走行に移行するようになっていることが望ましい。これによると、探索走行時のユーザの負担が軽減されることで、利便性を一層向上させることができる。なお、本実施形態では、駐車場PL内においてユーザ側から駐車支援を行うことの指示が出されると、探索走行が開始される。このため、上述の所定条件は、駐車場PL内においてユーザ側から駐車支援を行うことの指示が出された場合にも成立することになる。
【0112】
(12)駐車支援装置5は、駐車場PL内において自車両Voが通るべき目標経路を生成する経路生成部57を備える。経路生成部57は、目標位置設定部55によって目標駐車位置SEPが設定されると、目標駐車位置SEPに至る駐車経路TPを目標経路として生成する。追従制御部59は、経路生成部57によって駐車経路TPが生成されると、駐車経路TPに沿って目標駐車位置SEPまで自車両Voを自動的に移動させる。このように、駐車支援時に目標経路に沿って自車両Voが自動的に移動するように構成されていれば、駐車支援時のユーザの負担が軽減されることで、利便性を一層向上させることができる。
【0113】
(13)情報提供部54は、エリア情報をユーザに向けて視覚的な態様で提供する。これによると、ユーザは、駐車スペースSPに含まれる指定範囲を明確に把握した上で、当該駐車スペースSPの中から自車両Voを駐車させる目標駐車スペースTSを選択することができる。これによると、駐車支援の利便性の向上を図ることができる。
【0114】
(エリア情報の変形例)
上述の実施形態では、カメラ視点画像Gcに指定範囲を示す丸枠画像Gaを重畳させたものをエリア情報として表示部45aに表示させるものを例示したが、エリア情報として示す指定範囲の表示形態は、これに限定されない。エリア情報として示す指定範囲の表示形態は、例えば、以下のように変形可能である。
【0115】
[第1変形例]
例えば、車両制御部53は、図11に示すように、カメラ視点画像Gcに指定範囲を示す四角形状の角枠画像Gb1、Gb2を重畳させたものをエリア情報として表示部45aに表示させるようになっていてもよい。なお、角枠画像Gb1,Gb2は、四角形状に限らず、三角形状や五角形状等の他の多角形状になっていてもよい。
【0116】
[第2変形例]
また、車両制御部53は、図12に示すように、カメラ視点画像Gcに指定範囲を示す太線からなる範囲指定線Gd1、Gd2を重畳させたものをエリア情報として表示部45aに表示させるようになっていてもよい。
【0117】
[第3変形例]
上述の範囲指定線Gd1、Gd2は、図13に示すように、指定範囲の両端位置が強調されるようになっていてもよい。なお、範囲指定線Gd1、Gd2は、赤色等による色付けや点滅表示によって強調されるようになっていることが望ましい。このことは、前述の丸枠画像Ga、角枠画像Gb、または、後述のものにおいても同様である。
【0118】
[第4変形例]
また、車両制御部53は、図14に示すように、カメラ視点画像Gcに指定範囲を示す矢尻形状の矢印画像Ge1、Ge2を重畳させたものをエリア情報として表示部45aに表示させるようになっていてもよい。矢印画像Ge1、Ge2は、カメラ視点画像Gcに映るものの視認性を確保するために、半透明な態様で示されていることが望ましい。また、矢印画像Ge1、Ge2は、自車両Voからの距離に応じてその大きさが変化するようになっていることが望ましい。
【0119】
[第5変形例]
上述の矢印画像Ge1、Ge2は、図15に示すように、カメラ視点画像Gcにおいて他車両との干渉を避けた位置(例えば、自車両Voの走行用の通路がある位置)に重畳させることが望ましい。
【0120】
[第6変形例]
また、車両制御部53は、図16に示すように、カメラ視点画像Gcに、矢印画像Ge1、Ge2に加えて、駐車向きを示す車両VのポリゴンGp1、Gp2を重畳させたものをエリア情報として表示部45aに表示させることが望ましい。
【0121】
[第7変形例]
上述の矢印画像Ge1、Ge2は、矢尻形状のものに限定されない。矢印画像Ge1、Ge2は、例えば、図17に示すように、手の指で方向を示すイラスト画像が採用されていてもよい。
【0122】
(駐車場の他の例)
上述の実施形態では、駐車場PLとして斜め駐車枠を含んでいるものを例示したが、駐車場PLは、これに限定されない。駐車場PLは、例えば、図18に示すように、斜め駐車枠を含んでいなくてもよい。図示しないが、駐車場PLには、縦列駐車枠が含まれていてもよい。また、図示しないが、駐車場PLは、自車両Voの幅方向の両側に駐車スペースSPが設けられているものに限らず、自車両Voの幅方向の一方にだけ駐車スペースSPが設けられていてもよい。
【0123】
(他の実施形態)
以上、本開示の代表的な実施形態について説明したが、本開示は、上述の実施形態に限定されることなく、例えば、以下のように種々変形可能である。
【0124】
上述の実施形態では、駐車支援装置5の詳細な構成、探索走行および駐車支援の詳細について説明したが、駐車支援装置5および駐車支援方法は、上記のものに限定されず、その一部が異なっていてもよい。例えば、駐車支援装置5は、地図データベース35およびGPS36を含んでいるが、地図データベース35およびGPS36は必須ではなく、省略されていてもよい。
【0125】
上述の実施形態の情報提供部54は、駐車場PL内において探索走行が行われている際に、エリア情報をユーザに向けて提供しているが、これに限定されず、例えば、ユーザからの要求に応じてエリア情報を提供するようになっていてもよい。
【0126】
上述の実施形態の情報提供部54は、探索走行時の自車両Voの走行速度が所定速度以上であるか否かに応じて、指定範囲の大きさおよび指定範囲の位置それぞれを変更しているが、これに限定されない。情報提供部54は、例えば、探索走行時の自車両Voの走行速度に応じて、指定範囲の大きさおよび指定範囲の位置の少なくとも一方を漸次的または段階的に変更するようになっていてもよい。また、情報提供部54は、探索走行時の自車両Voの走行速度に応じて、指定範囲の大きさおよび指定範囲の位置のうち一方だけを変更するようになっていてもよい。なお、情報提供部54は、探索走行時の自車両Voの走行速度によらず、指定範囲を予め定められた大きさおよび位置に設定するようになっていてもよい。
【0127】
上述の実施形態の情報提供部54は、目標駐車位置SEPでの自車両Voの駐車向きに応じて、指定範囲の大きさおよび指定範囲の位置それぞれを変更しているが、これに限定されない。情報提供部54は、例えば、自車両Voの駐車向きに応じて、指定範囲の大きさおよび指定範囲の位置のうち一方だけを変更するようになっていてもよい。また、情報提供部54は、自車両Voの駐車向きによらず、指定範囲を予め定められた大きさおよび指定範囲の位置に設定するようになっていてもよい。また、上述の実施形態では、指定範囲として、図9に示す2つのパターンを例示したが、指定範囲は、上記のものに限定されない。情報提供部54は、例えば、自車両Voの走行速度に応じてステップ的に指定範囲の位置等を数段階変更したり、自車両Voの走行速度に応じて指定範囲の位置等をリニアに変更したりするようになっていてもよい。
【0128】
上述の実施形態の情報提供部54は、自車両Voの走行速度や駐車向き以外の要素によって指定範囲の大きさおよび指定範囲の位置それぞれを変更するようになっていてもよい。情報提供部54は、例えば、駐車場PL内の通路の幅方向における自車両Voの走行位置に応じて、指定範囲の大きさおよび指定範囲の位置それぞれを変更するようになっていてもよい。
【0129】
上述の実施形態の如く、駐車支援装置5は、指定範囲にある駐車枠が斜め駐車枠である場合に、駐車向きが前向きおよび後向きのいずれであるかを推定するようになっていることが望ましいが、これに限定されない。駐車支援装置5は、駐車向きの推定を行わないようになっていてもよい。
【0130】
上述の実施形態の駐車支援装置5は、探索走行時および駐車支援時それぞれにおいて目標経路を追従するように自車両Voを自動的に移動させるものを例示したが、目標経路の生成および目標経路の追従が行われることは必須ではない。すなわち、駐車支援装置5は、探索走行時に探索経路DPに沿って自車両Voを自動的に移動させる構成になっていなくてもよい。また、駐車支援装置5は、駐車支援時に駐車経路TPに沿って自車両Voを自動的に移動させる構成になっていなくてもよい。
【0131】
上述の実施形態の如く、情報提供部54は、エリア情報をユーザに向けて視覚的な態様で提供するようになっていることが望ましいが、これに限定されない。情報提供部54は、例えば、エリア情報をユーザに向けて聴覚的な態様(例えば、音声による通知)で提供するようになっていてもよい。
【0132】
上述の実施形態では、駐車支援装置5は、ユーザが選択した目標駐車スペースTSに基づいて目標駐車位置SEPを設定する例について説明したが、これに限定されない。駐車支援装置5は、例えば、駐車場PLの管理システムが駐車枠の空き状態に関する情報を有していない場合にだけ、ユーザが選択した目標駐車スペースTSに基づいて目標駐車位置SEPを設定するようになっていてもよい。なお、駐車支援装置5は、駐車場PLの管理システムが駐車枠の空き状態に関する情報を有する場合に、当該情報を管理システムから取得し、当該情報を用いて目標駐車位置SEPを設定するようになっていてもよい。
【0133】
上述の実施形態では、本開示の駐車支援装置5を大規模な駐車場PLでの駐車支援に適用した例について説明したが、これに限らず、駐車支援装置5は、複数の駐車枠が設けられた中規模または小規模な駐車場PLでの駐車支援にも適用することができる。
【0134】
上述の実施形態において、実施形態を構成する要素は、特に必須であると明示した場合および原理的に明らかに必須であると考えられる場合等を除き、必ずしも必須のものではないことは言うまでもない。
【0135】
上述の実施形態において、実施形態の構成要素の個数、数値、量、範囲等の数値が言及されている場合、特に必須であると明示した場合および原理的に明らかに特定の数に限定される場合等を除き、その特定の数に限定されない。
【0136】
上述の実施形態において、構成要素等の形状、位置関係等に言及するときは、特に明示した場合および原理的に特定の形状、位置関係等に限定される場合等を除き、その形状、位置関係等に限定されない。
【0137】
上述の実施形態において、センサから車両Vの外部環境情報を取得することが記載されている場合、そのセンサを廃し、車両Vの外部のサーバまたはクラウドからその外部環境情報を受信することも可能である。あるいは、そのセンサを廃し、車両Vの外部のサーバまたはクラウドからその外部環境情報に関連する関連情報を取得し、取得した関連情報からその外部環境情報を推定することも可能である。
【0138】
本開示の制御部及びその手法は、コンピュータプログラムにより具体化された一つ乃至は複数の機能を実行するようにプログラムされたプロセッサ及びメモリを構成することによって提供された専用コンピュータで、実現されてもよい。本開示の制御部及びその手法は、一つ以上の専用ハードウエア論理回路によってプロセッサを構成することによって提供された専用コンピュータで、実現されてもよい。本開示の制御部及びその手法は、一つ乃至は複数の機能を実行するようにプログラムされたプロセッサ及びメモリと一つ以上のハードウエア論理回路によって構成されたプロセッサとの組み合わせで構成された一つ以上の専用コンピュータで、実現されてもよい。また、コンピュータプログラムは、コンピュータにより実行されるインストラクションとして、コンピュータ読み取り可能な非遷移有形記録媒体に記憶されていてもよい。
【0139】
[本開示の特徴]
本開示は、以下の技術的な特徴を開示する。
【0140】
[開示1]
駐車場(PL)内における車両(V、Vo)の走行および駐車を支援する駐車支援装置であって、
前記車両に搭載された周辺監視センサ(3)で取得される前記車両の周辺情報に基づいて、前記駐車場内における前記車両を駐車するための駐車スペースを探索するスペース認識部(51c)と、
前記駐車場内での探索結果として得られた前記駐車スペースの中から前記車両を駐車させる目標駐車スペースの選択を促すための情報をユーザに向けて提供する情報提供部(54)と、
前記ユーザによって選択された前記目標駐車スペースに基づいて前記車両の目標駐車位置を設定する目標位置設定部(55)と、を備え、
前記情報提供部は、前記駐車スペースにある複数の駐車枠を含む範囲を指定範囲とするエリア情報を前記ユーザに向けて提供する、駐車支援装置。
【0141】
[開示2]
前記情報提供部は、前記駐車場内において前記駐車スペースを探索しつつ前記駐車場内を走行する探索走行が行われている際に、前記エリア情報を前記ユーザに向けて提供する、開示1に記載の駐車支援装置。
【0142】
[開示3]
前記情報提供部は、前記探索走行時の前記車両の走行速度に応じて、前記指定範囲の大きさおよび前記指定範囲の位置の少なくとも一方を変更する、開示2に記載の駐車支援装置。
【0143】
[開示4]
前記情報提供部は、前記探索走行時の前記車両の走行速度が大きいほど前記指定範囲の大きさが拡大するように、前記指定範囲の大きさを変更する、開示3に記載の駐車支援装置。
【0144】
[開示5]
前記情報提供部は、前記探索走行時の前記車両の走行速度が大きいほど前記指定範囲の位置が前記車両から離れた位置にシフトするように、前記指定範囲の位置を変更する、開示3または4に記載の駐車支援装置。
【0145】
[開示6]
前記情報提供部は、前記目標駐車位置での前記車両の駐車向きに応じて、前記指定範囲の大きさおよび前記指定範囲の位置の少なくとも一方を変更する、開示2ないし5のいずれか1つに記載の駐車支援装置。
【0146】
[開示7]
前記情報提供部は、前記目標駐車位置に対して前記車両を前向きで駐車する場合、前記車両を後向きで駐車する場合に比べて、前記指定範囲の大きさが拡大するように、前記指定範囲の大きさを変更する、開示6に記載の駐車支援装置。
【0147】
[開示8]
前記情報提供部は、前記目標駐車位置に対して前記車両を前向きで駐車する場合、前記車両を後向きで駐車する場合に比べて、前記指定範囲の位置が前記車両から離れた位置にシフトするように、前記指定範囲の位置を変更する、開示6または7に記載の駐車支援装置。
【0148】
[開示9]
前記指定範囲に含まれる前記駐車枠が前記車両の進行方向に対して斜めに傾いた斜め駐車枠である場合に、前記斜め駐車枠と前記車両との位置関係に基づいて、前記駐車向きが前向きおよび後向きのいずれであるかを推定する向き推定部(56)を備える、開示6ないし8のいずれか1つに記載の駐車支援装置。
【0149】
[開示10]
前記向き推定部は、
前記進行方向における前記車両から前記斜め駐車枠における手前側までの距離が奥側までの距離よりも小さいと前記駐車向きが前向きと判定し、
前記進行方向における前記車両から前記斜め駐車枠における奥側までの距離が手前側までの距離よりも小さいと前記駐車向きが後向きと判定する、開示9に記載の駐車支援装置。
【0150】
[開示11]
所定の目標経路に沿って前記車両を自動的に移動させる追従制御部(59)を備え、
前記追従制御部は、前記駐車場内において所定条件が成立すると、前記駐車場内を前記探索走行するために生成される探索経路を前記目標経路として前記探索経路に沿って前記車両を自動的に移動させる、開示2ないし10のいずれか1つに記載の駐車支援装置。
【0151】
[開示12]
前記所定条件は、少なくとも前記目標駐車位置に前記車両を駐車させることができない場合に成立する、開示11に記載の駐車支援装置。
【0152】
[開示13]
前記目標経路を生成する経路生成部(57)を備え、
前記経路生成部は、前記目標位置設定部によって前記目標駐車位置が設定されると、前記目標駐車位置に至る駐車経路を前記目標経路として生成し、
前記追従制御部は、前記経路生成部によって前記駐車経路が生成されると、前記駐車経路に沿って前記目標駐車位置まで前記車両を自動的に移動させる、開示11または12に記載の駐車支援装置。
【0153】
[開示14]
前記情報提供部は、前記エリア情報を前記ユーザに向けて視覚的な態様で提供する、開示1ないし13のいずれか1つに記載の駐車支援装置。
【0154】
[開示15]
駐車場(PL)内における車両(V、Vo)の走行および駐車を支援する駐車支援方法であって、
前記車両に搭載された周辺監視センサ(3)が取得した前記車両の周辺情報に基づいて、前記駐車場内における前記車両を駐車するための駐車スペースを探索することと、
前記駐車場内での探索結果として得られた前記駐車スペースの中から前記車両を駐車させる目標駐車スペースの選択を促すための情報をユーザに向けて提供することと、
前記ユーザによって選択された前記目標駐車スペースに基づいて前記車両の目標駐車位置を設定することと、を含み、
前記駐車スペースの中から前記車両を駐車させる前記目標駐車スペースの選択を促す際には、前記駐車スペースにある複数の駐車枠を含む範囲を指定範囲とするエリア情報を前記ユーザに向けて提供する、駐車支援方法。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18