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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-15
(45)【発行日】2024-04-23
(54)【発明の名称】表示輝度調整方法および関連装置
(51)【国際特許分類】
   G09G 3/36 20060101AFI20240416BHJP
   G09G 3/34 20060101ALI20240416BHJP
   G09G 3/20 20060101ALI20240416BHJP
   G02F 1/133 20060101ALI20240416BHJP
   H04N 5/66 20060101ALI20240416BHJP
【FI】
G09G3/36
G09G3/34 J
G09G3/20 612U
G09G3/20 621E
G09G3/20 642E
G09G3/20 642D
G02F1/133 535
H04N5/66 102B
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2022560326
(86)(22)【出願日】2021-04-06
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-05-18
(86)【国際出願番号】 CN2021085589
(87)【国際公開番号】W WO2021204104
(87)【国際公開日】2021-10-14
【審査請求日】2022-11-07
(31)【優先権主張番号】202010270703.1
(32)【優先日】2020-04-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】504161984
【氏名又は名称】ホアウェイ・テクノロジーズ・カンパニー・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ジャン、シュウフェン
【審査官】西島 篤宏
(56)【参考文献】
【文献】特開2002-099250(JP,A)
【文献】国際公開第2014/129007(WO,A1)
【文献】特開2016-130866(JP,A)
【文献】特開2010-152174(JP,A)
【文献】特開2018-105979(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0120642(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2018/0075813(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09G 3/00 - 3/38
G02F 1/133
H04N 5/66
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示輝度調整方法であって、
電子機器が表示対象画像を取得する段階と、
前記電子機器が前記表示対象画像に基づいて、前記電子機器に接続された液晶ディスプレイパネルのバックライト区分それぞれの平均ピクセル輝度値を決定する段階であって、前記液晶ディスプレイパネルのバックライト領域が複数のバックライト区分に分割されている、決定する段階と、
前記電子機器が、バックライト区分それぞれの前記平均ピクセル輝度値に基づいて、バックライト区分それぞれに対応する初期調光デューティサイクルを決定する段階と、
前記電子機器が、バックライト区分それぞれに対応する前記初期調光デューティサイクルと駆動電流閾値データとに基づいて駆動電流値を決定する段階であって、前記駆動電流閾値データには上限駆動電流閾値および下限駆動電流閾値が含まれている、決定する段階と、
前記電子機器が前記駆動電流値に基づいて、前記液晶ディスプレイパネルが前記表示対象画像を表示するときに存在する前記バックライト領域の発光輝度を調整するように指示する段階と
前記電子機器が、バックライト区分それぞれに対応する前記初期調光デューティサイクルと前記駆動電流閾値データとに基づいて、バックライト区分それぞれに対応する実際の調光デューティサイクルを決定する段階と、
前記電子機器が、バックライト区分それぞれに対応する決定した実際の調光デューティサイクルそれぞれに基づいて、前記バックライト領域のバックライト区分それぞれの発光輝度を調整するよう指示する段階と
を備える、方法。
【請求項2】
前記電子機器は、バックライト区分それぞれに対応する前記初期調光デューティサイクルと駆動電流閾値データとに基づいて駆動電流値を決定する前記段階が具体的に、
前記電子機器が、前記バックライト区分に対応する前記初期調光デューティサイクルのうちの最大値および最小値と前記駆動電流閾値データとに基づいて前記駆動電流値を決定する段階を有する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
表示輝度調整方法であって、
電子機器が表示対象画像を取得する段階と、
前記電子機器が前記表示対象画像に基づいて、前記電子機器に接続された液晶ディスプレイパネルのバックライト区分それぞれの平均ピクセル輝度値を決定する段階であって、前記液晶ディスプレイパネルのバックライト領域が複数のバックライト区分に分割されている、決定する段階と、
前記電子機器が、バックライト区分それぞれの前記平均ピクセル輝度値に基づいて、バックライト区分それぞれに対応する初期調光デューティサイクルを決定する段階と、
前記電子機器が、バックライト区分それぞれに対応する前記初期調光デューティサイクルと駆動電流閾値データとに基づいて駆動電流値を決定する段階であって、前記駆動電流閾値データには上限駆動電流閾値および下限駆動電流閾値が含まれている、決定する段階と、
前記電子機器が前記駆動電流値に基づいて、前記液晶ディスプレイパネルが前記表示対象画像を表示するときに存在する前記バックライト領域の発光輝度を調整するように指示する段階と、
を備え、
前記電子機器は、バックライト区分それぞれに対応する前記初期調光デューティサイクルと駆動電流閾値データとに基づいて駆動電流値を決定する前記段階が具体的に、
前記電子機器が、前記バックライト区分に対応する前記初期調光デューティサイクルのうちの最大値および最小値と前記駆動電流閾値データとに基づいて前記駆動電流値を決定する段階を有する、方法。
【請求項4】
前記方法がさらに、
前記電子機器が、前記液晶ディスプレイパネルに搭載されたバックライト源の前記駆動電流閾値データを取得する段階を備える、請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記電子機器が、前記バックライト区分に対応する前記初期調光デューティサイクルのうちの最大値および最小値と前記駆動電流閾値データとに基づいて前記駆動電流値を決定する前記段階が具体的に、
前記電子機器が、前記バックライト区分に対応する前記初期調光デューティサイクルのうちの前記最大値および前記最小値と前記駆動電流閾値データとに基づいて電流ゲインを決定する段階と、
前記電子機器が、前記駆動電流閾値データおよび前記電流ゲインに基づいて前記駆動電流値を決定する段階と
を含む、請求項2または3に記載の方法。
【請求項6】
前記電子機器が、バックライト区分それぞれに対応する前記初期調光デューティサイクルと前記駆動電流閾値データとに基づいて、バックライト区分それぞれに対応する実際の調光デューティサイクルを決定する前記段階が具体的に、
前記電子機器が、バックライト区分それぞれに対応する前記初期調光デューティサイクルに基づいて、バックライト区分それぞれに対応する輝度ゲインを決定する段階と、
前記電子機器が、バックライト区分それぞれに対応する前記初期調光デューティサイクル、前記駆動電流閾値データ、およびバックライト区分それぞれに対応する前記輝度ゲインに基づいて、バックライト区分それぞれに対応する前記実際の調光デューティサイクルを決定する段階と
を有する、請求項1または2に記載の方法。
【請求項7】
前記電子機器が、バックライト区分それぞれに対応する前記初期調光デューティサイクル、前記駆動電流閾値データ、およびバックライト区分それぞれに対応する前記輝度ゲインに基づいて、バックライト区分それぞれに対応する前記実際の調光デューティサイクルを決定する前記段階が具体的に、
前記電子機器が、前記バックライト区分に対応する前記初期調光デューティサイクルのうちの最大値および最小値と前記駆動電流閾値データとに基づいて電流ゲインを決定する段階と、
前記電子機器が、前記電流ゲイン、バックライト区分それぞれに対応する前記初期調光デューティサイクル、およびバックライト区分それぞれに対応する前記輝度ゲインに基づいて、バックライト区分それぞれに対応する前記実際の調光デューティサイクルを決定する段階と
を含む、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
1つまたは複数のプロセッサと、液晶ディスプレイパネルと、1つまたは複数のメモリとを備えた表示デバイスであって、前記1つまたは複数のメモリおよび前記液晶ディスプレイパネルが前記1つまたは複数のプロセッサに結合されており、前記1つまたは複数のメモリがコンピュータプログラムコードを格納するように構成されており、前記コンピュータプログラムコードにはコンピュータ命令が含まれており、前記1つまたは複数のプロセッサが前記コンピュータ命令を実行すると、前記1つまたは複数のプロセッサが請求項1から7のいずれか一項に記載の方法を行うことが可能になる、表示デバイス。
【請求項9】
前記表示デバイスがテレビである、請求項8に記載の表示デバイス。
【請求項10】
コンピュータに、請求項1から7のいずれか一項に記載の方法を実行させるためのコンピュータプログラム。
【請求項11】
1つまたは複数のプロセッサと1つまたは複数のメモリとを備えたLCDバックライト制御装置であって、前記1つまたは複数のメモリが前記1つまたは複数のプロセッサに結合されており、前記1つまたは複数のメモリがコンピュータプログラムコードを格納するように構成されており、前記コンピュータプログラムコードにはコンピュータ命令が含まれており、前記1つまたは複数のプロセッサが前記コンピュータ命令を実行すると、前記LCDバックライト制御装置が請求項1から7のいずれか一項に記載の方法を行うことが可能になる、LCDバックライト制御装置。
【請求項12】
前記LCDバックライト制御装置がアプリケーションプロセッサである、請求項11に記載のLCDバックライト制御装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、2020年4月8日に中国国家知識産権局に出願された「表示輝度調整方法および関連装置(DISPLAY BRIGHTNESS ADJUSTMENT METHOD AND RELATED APPARATUS)」と題する中国特許出願第202010270703.1号に基づく優先権を主張し、当該中国特許出願はその全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本願は、ディスプレイ技術の分野に関し、具体的には表示輝度調整方法および関連装置に関する。
【背景技術】
【0003】
ハイダイナミックレンジ(high-dynamic range、HDR)10規格の確立に伴い、様々なHDR規格、例えば、HDR10、ハイブリッドログガンマ(hybrid log-gamma、HLG)、ドルビービジョン(Dolby Vision)、およびHDR10+が次々と推奨されて適用されている。HDR表示も、テレビ、モニタ、タブレットコンピュータ、および携帯電話などの表示デバイスにとって重要な機能になっている。
【0004】
HDR表示の重要指標がピーク輝度である。国際規格で規定されている最大ピーク表示輝度が、10000ニット(nit)である。しかしながら、材料、スクリーン製造工程、および消費電力などの要因によって、スクリーン上では、実際の番組素材のダイナミック輝度範囲が0ニットから4000ニットになる。例えば、最も優れた既存の液晶ディスプレイ(liquid crystal display、LCD)テレビのピーク輝度が約4000ニットであり、最も優れた既存の有機発光ダイオード(organic light-emitting diode、OLED)テレビのピーク輝度が約1000ニットであり、モニタ、コンピュータタブレット、スマートフォン、および携帯電話などの表示デバイスのピーク輝度が約1000ニットである。液晶ディスプレイ(liquid crystal display、LCD)はパッシブ型発光体であり、背面に搭載された発光ダイオードのバックライト源によって光を放射する。LCDスクリーンの静的コントラストの限界を克服するために、ローカル調光(local dimming)技術が浮上している。LCDスクリーンの小さい部分または領域のバックライトをローカル調光で調整して、LCDスクリーンのシャドー領域を暗くしたまま、別のハイライト領域を明るく保つことができる。HDR表示ピクチャの表示コントラストがローカル調光によって効果的に向上し得る。
【0005】
従来のローカル調光方法は次の通りである。まず、表示対象画像の平均ピクセルレベル(average pixel level、APL)情報を収集する。表示対象画像のAPLが規定の閾値より低い場合、高レベルの大電流を用いてスクリーンのバックライト源を駆動し、ローカルのハイライト領域がより高い輝度駆動能力を獲得できるようにする。表示対象画像のAPLが規定の閾値より高いまたはこれと等しい場合、低レベルの小電流を用いてスクリーンのバックライト源を駆動し、画像全体のピクチャ輝度レベルを保証する。次に、異なるピクチャ輝度分布に基づいて、異なるバックライト区分に異なるパルス幅変調(pulse width modulation、PWM)調光デューティサイクルを設定する。全体的な消費電力は、電源設計によってもたらされる能力を超えることはない。その結果、2つのレベルを用いた電流ローカル調光方法は大まかであり、頻繁にピクチャを切り替える際に急激な輝度変化を引き起こす可能性が高いため、ユーザ体験に影響を与えることになる。
【発明の概要】
【0006】
本願は表示輝度調整方法および関連装置を提供し、本願では、表示画像の内容に基づき、電源設計によりディスプレイパネルに供給される最大電流から最小電流までの間の電流を用いて、表示画像の表示輝度を自動的且つ継続的に調整する。このように、HDR表示のローカルピーク輝度、および動画の輝度の滑らかなグラデーションを両方とも保証することができ、ディスプレイパネルへの電源の電力供給能力が最大化されて、HDR表示効果が高まる。
【0007】
第1態様によれば、本願は表示輝度調整方法を提供し、本方法は、電子機器が表示対象画像を取得する段階を含む。電子機器は、表示対象画像に基づいて、液晶ディスプレイパネルのバックライト区分それぞれの平均ピクセル輝度値を決定する。液晶ディスプレイパネルのバックライト領域が複数のバックライト区分に分割されている。電子機器は、バックライト区分それぞれの平均ピクセル輝度値に基づいて、バックライト区分それぞれに対応する初期調光デューティサイクルを決定する。電子機器は、バックライト区分それぞれに対応する初期調光デューティサイクルと駆動電流閾値データとに基づいて駆動電流値を決定する。駆動電流閾値データには、上限駆動電流閾値および下限駆動電流閾値が含まれている。電子機器は、駆動電流値に基づいて、表示対象画像を表示するときに存在するバックライト領域の発光輝度を調整する。
【0008】
本願で提供される表示輝度調整方法によれば、表示画像の内容に基づき、電源設計によりディスプレイパネルに供給される最大電流から最小電流までの間の電流を用いて、表示画像の表示輝度を自動的且つ継続的に調整できる。このように、HDR表示のローカルピーク輝度、および動画の輝度の滑らかなグラデーションを両方とも保証することができ、ディスプレイパネルへの電源の電力供給能力が最大化されて、HDR表示効果が高まる。
【0009】
実現可能な一実装形態では、本方法はさらに、液晶ディスプレイパネルに搭載されたバックライト源の駆動電流閾値データを電子機器が取得する段階を含む。
【0010】
実現可能な一実装形態では、本方法はさらに、バックライト区分それぞれに対応する初期調光デューティサイクルと駆動閾値データとに基づいて、バックライト区分それぞれに対応する実際の調光デューティサイクルを電子機器が決定する段階を含む。電子機器は、バックライト区分それぞれに対応する決定された実際の調光デューティサイクルそれぞれに基づいて、バックライト領域のバックライト区分それぞれの発光輝度を調整する。このように、バックライト源の駆動電流とバックライト区分それぞれに対応する調光デューティサイクルとを、表示画像の内容に基づいて動的に調整し、さらに、画像コントラストを向上させて表示効果を高めることができる。
【0011】
実現可能な一実装形態では、電子機器がバックライト区分それぞれに対応する初期調光デューティサイクルと駆動電流閾値データとに基づいて駆動電流値を決定することは具体的に、電子機器がバックライト区分に対応する初期調光デューティサイクルのうちの最大値および最小値と駆動電流閾値データとに基づいて駆動電流値を決定することを含む。
【0012】
実現可能な一実装形態では、電子機器がバックライト区分に対応する初期調光デューティサイクルのうちの最大値および最小値と駆動電流閾値データとに基づいて駆動電流値を決定することは具体的に、まず、電子機器がバックライト区分に対応する初期調光デューティサイクルのうちの最大値および最小値と駆動電流閾値データとに基づいて電流ゲインを決定することを含む。次に、電子機器は、駆動電流閾値データおよび電流ゲインに基づいて駆動電流値を決定する。
【0013】
実現可能な一実装形態では、電子機器がバックライト区分それぞれに対応する初期調光デューティサイクルと駆動閾値データとに基づいてバックライト区分それぞれに対応する実際の調光デューティサイクルを決定することは具体的に、まず、電子機器がバックライト区分それぞれに対応する初期調光デューティサイクルに基づいてバックライト区分それぞれに対応する輝度ゲインを決定することを含む。次に、電子機器は、バックライト区分それぞれに対応する初期調光デューティサイクル、駆動電流閾値データ、およびバックライト区分それぞれに対応する輝度ゲインに基づいてバックライト区分それぞれに対応する実際の調光デューティサイクルを決定する。
【0014】
実現可能な一実装形態では、電子機器がバックライト区分それぞれに対応する初期調光デューティサイクル、駆動電流閾値データ、およびバックライト区分それぞれに対応する輝度ゲインに基づいてバックライト区分それぞれに対応する実際の調光デューティサイクルを決定することは具体的に、まず、電子機器がバックライト区分に対応する初期調光デューティサイクルのうちの最大値および最小値と駆動電流閾値データとに基づいて電流ゲインを決定し得ることを含む。次に、電子機器は、電流ゲイン、バックライト区分それぞれに対応する初期調光デューティサイクル、およびバックライト区分それぞれに対応する輝度ゲインに基づいて、バックライト区分それぞれに対応する実際の調光デューティサイクルを決定する。
【0015】
第2態様によれば、本願は表示デバイスを提供し、本デバイスは、液晶ディスプレイパネルと、1つまたは複数のプロセッサと、1つまたは複数のメモリとを含む。1つまたは複数のメモリおよび液晶ディスプレイパネルは、1つまたは複数のプロセッサに結合されている。1つまたは複数のメモリは、コンピュータプログラムコードを格納するように構成されており、コンピュータプログラムコードはコンピュータ命令を含む。1つまたは複数のプロセッサがコンピュータ命令を実行すると、表示デバイスは前述した態様の任意の実現可能な実装形態による表示輝度調整方法を行うことが可能になる。プロセッサはアプリケーションプロセッサAPであってよい。表示デバイスは、テレビ、タブレットコンピュータ、携帯電話、またはディスプレイであってもよい。
【0016】
第3態様によれば、本願は、コンピュータ命令を含むコンピュータ記憶媒体を提供する。コンピュータ命令が表示デバイスで実行されると、表示デバイスは、前述した態様のうちのいずれか1つに関する任意の実現可能な実装形態による表示輝度調整方法を行うことが可能になる。
【0017】
第4態様によれば、本願はコンピュータプログラム製品を提供する。コンピュータプログラム製品がコンピュータで実行されると、コンピュータは、前述した態様のうちのいずれか1つに関する任意の実現可能な実装形態による表示輝度調整方法を行うことが可能になる。
【0018】
第5態様によれば、本願は、1つまたは複数の機能モジュールを含む表示デバイスを提供する。1つまたは複数の機能モジュールは、前述した態様のうちのいずれか1つに関する任意の実現可能な実装形態における表示デバイスの輝度を調整する方法を行うように構成されている。表示デバイスは、テレビ、タブレットコンピュータ、携帯電話、またはディスプレイであってもよい。
【0019】
第6態様によれば、本願は、1つまたは複数のプロセッサおよび1つまたは複数のメモリを含むLCDバックライト制御装置を提供する。1つまたは複数のメモリは、1つまたは複数のプロセッサに結合されている。1つまたは複数のメモリは、コンピュータプログラムコードを格納するように構成されており、コンピュータプログラムコードにはコンピュータ命令が含まれている。1つまたは複数のプロセッサがコンピュータ命令を実行すると、LCDバックライト制御装置は、前述した態様のうちのいずれか1つに関する任意の実現可能な実装形態による表示輝度調整方法を行うことが可能になる。LCDバックライト制御装置は、アプリケーションプロセッサAPであってよい。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】本願の一実施形態による表示デバイスの構造に関する概略図である。
【0021】
図2】本願の一実施形態による液晶ディスプレイパネルの構造に関する概略図である。
【0022】
図3A】本願の一実施形態による直下ライト式バックライトLCDのバックライト層の構造に関する概略図である。
【0023】
図3B】本願の一実施形態による直下ライト式バックライトLCDのバックライト層の側面図に関する概略図である。
【0024】
図4A】本願の一実施形態によるエッジライト式バックライトLCDのバックライト層に関する構造の概略図である。
【0025】
図4B】本願の一実施形態によるエッジライト式バックライトLCDのバックライト層の側面図に関する概略図である。
【0026】
図5】本願の一実施形態による直下ライト式バックライトLCDのバックライト領域を区分けした概略図である。
【0027】
図6】本願の一実施形態によるエッジライト式バックライトLCDのバックライト領域を区分けした概略図である。
【0028】
図7】本願の一実施形態による表示輝度調整方法の概略フローチャートである。
【0029】
図8】本願の一実施形態による調光デューティサイクルおよび輝度ゲインの概略曲線図である。
【0030】
図9】本願の一実施形態による表示システムの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下では、添付図面を参照しながら、本願の実施形態における技術的解決手段を詳細に且つ明確に説明する。本願の実施形態の説明では、特に指定しない限り、「/」は「または」を示す。例えばA/Bは、AまたはBを示し得る。本明細書における「および/または」という用語は、関連する対象を説明するための対応関係を説明しているだけにすぎず、3つの関係が存在し得ることを示している。例えば、Aおよび/またはBは、以下の3つの場合を示し得る。すなわち、Aのみが存在する場合、AおよびBの両方が存在する場合、ならびにBのみが存在する場合である。さらに、本願の実施形態の説明では、「複数の~」は2つまたはそれより多いことを意味する。
【0032】
以下の「第1」および「第2」という用語は、説明の目的に供しているだけにすぎず、相対的な重要性を示すもしくは示唆するものとしても、示された技術的特徴の数を黙示的に示すものとしても理解されることはない。したがって、「第1」または「第2」によって限定される特徴は、1つまたは複数の特徴を明示的に含んでも、黙示的に含んでもよい。本願の実施形態の説明では、特に指定しない限り、「複数の~」は2つまたは2つより多いことを意味する。
【0033】
本願の実施形態が表示輝度調整方法を提供し、本方法では、表示画像の内容に基づき、電源設計によりディスプレイパネルに供給される最大電流から最小電流までの間の電流を用いて、表示画像の表示輝度を自動的且つ継続的に調整する。このように、HDR表示のローカルピーク輝度、および動画の輝度の滑らかなグラデーションを両方とも保証することができ、ディスプレイパネルへの電源の電力供給能力が最大化されて、HDR表示効果が高まる。
【0034】
以下では、本願による表示デバイス100の構造に関する概略図を説明する。
【0035】
図1に示すように、表示デバイス100は、プロセッサ111、メモリ112、無線通信処理モジュール113、電源スイッチ114、ディスプレイ115、オーディオモジュール116、およびスピーカ117を含んでよい。
【0036】
プロセッサ111は、1つまたは複数の処理ユニットを含んでよい。例えば、プロセッサ111は、アプリケーションプロセッサ(Application Processor、AP)、モデムプロセッサ、グラフィックス処理ユニット(Graphics Processing Unit、GPU)、画像信号プロセッサ(Image Signal Processor、ISP)、コントローラ、メモリ、ビデオコーデック、デジタル信号プロセッサ(Digital Signal Processor、DSP)、ベースバンドプロセッサ、および/またはニューラルネットワーク処理ユニット(Neural-network Processing Unit、NPU)を含んでよい。様々な処理ユニットが、独立したコンポーネントであってもよく、1つまたは複数のプロセッサに統合されてもよい。
【0037】
コントローラは、表示デバイス100の中枢部およびコマンドセンタであってよい。コントローラは、命令オペレーションコードおよび時系列信号に基づいて動作制御信号を生成して、命令読み出しおよび命令実行の制御を完了させることができる。
【0038】
メモリはさらに、プロセッサ110に配置されてもよく、命令およびデータを格納するように構成されている。いくつかの実施形態において、プロセッサ110に入っているメモリはキャッシュである。メモリは、プロセッサ110が使用したばかりの、または繰り返し使用する命令またはデータを格納してよい。プロセッサ110が命令またはデータを再度使用する必要がある場合、プロセッサは命令またはデータをメモリから直接的に呼び出すことができる。これにより、繰り返しアクセスが回避され、プロセッサ110の待機時間が削減されて、システム効率が向上する。
【0039】
メモリ112は、プロセッサ111に結合されており、様々なソフトウェアプログラムおよび/または複数の命令グループを格納するように構成されている。メモリ112は、コンピュータ実行可能プログラムコードを格納するように構成されてよく、実行可能プログラムコードには命令が含まれている。プロセッサ111は、メモリ112に格納された命令を実行することで、表示デバイス100の様々な機能アプリケーションおよびデータ処理を行う。メモリ112は、プログラム記憶領域およびデータ記憶領域を含んでよい。プログラム記憶領域には、オペレーティングシステム、および少なくとも1つの機能(例えば、サウンド再生機能および画像再生機能)に必要なアプリケーションなどが格納されてよい。データ記憶領域には、表示デバイス100を用いる過程で作成されたデータ(例えば、オーディオデータ、表示対象画像データ)などが格納されてよい。さらに、メモリ112は、高速ランダムアクセスメモリを含んでもよく、不揮発性メモリ、例えば、少なくとも1つの磁気ディスク記憶デバイス、フラッシュメモリ、またはユニバーサルフラッシュストレージ(universal flash storage、UFS)を含んでもよい。
【0040】
無線通信モジュール113は、表示デバイス100に適用される無線通信ソリューションを提供でき、このソリューションには、無線ローカルエリアネットワーク(wireless local area networks、WLAN)(例えば、ワイヤレスフィデリティ(wireless fidelity、Wi-Fi(登録商標))ネットワーク)、ブルートゥース(登録商標)(Bluetooth(登録商標)、BT)、全球測位衛星システム(global navigation satellite system、GNSS)、周波数変調(frequency modulation、FM)、近距離無線通信(near field communication、NFC)、および赤外線(infrared、IR)技術が含まれる。
【0041】
いくつかの実施形態では、無線通信処理モジュール113は、ブルートゥース(BT)通信処理モジュール113AおよびWLAN通信処理モジュール113Bを含んでよい。ブルートゥース(BT)通信処理モジュール113AおよびWLAN通信処理モジュール113Bのうちの一方または両方が、別のデバイスにより送られる信号(例えば、プローブ要求またはスキャン信号)を監視でき、また応答信号(例えば、プローブ応答またはスキャン応答)を送信できるので、別のデバイスは表示デバイス100を発見できるようになり、表示デバイス100は別のデバイスへの無線通信接続を確立して、ブルートゥースまたはWLANにおける1つまたは複数の無線通信技術を用いて別のデバイスと通信する。ブルートゥース(BT)通信処理モジュール113Aは、標準的なブルートゥース(BR/EDR)または低消費電力型ブルートゥース(Bluetooth low energy、BLE)のうちの一方または両方を含むブルートゥース通信ソリューションを提供できる。WLAN通信処理モジュール113Bは、Wi-Fi Direct(登録商標)、Wi-Fi LAN、またはWi-Fi SoftAPのうちの1つまたは複数を含むWLAN通信ソリューションを提供できる。
【0042】
電源スイッチ114は、電源によって表示デバイス100に供給される電力を制御するように構成されてよい。いくつかの実施形態では、電源スイッチ114は、外部電源によって表示デバイス100に供給される電力を制御するように構成されてよい。
【0043】
いくつかの実施形態では、表示デバイス100はさらに、バッテリ、充電管理モジュール、および電源管理モジュールを含んでもよい。バッテリは、表示デバイス100に電力を供給するように構成されてよい。充電管理モジュールは、充電器から充電入力を受け取るように構成されている。充電器は無線充電器であっても、有線充電器であってもよい。有線充電のいくつかの実施形態では、充電管理モジュールは、USBインタフェースを通じて有線充電器から充電入力を受け取ることができる。無線充電のいくつかの実施形態では、充電管理モジュールは、表示デバイス100の無線充電コイルを通じて無線充電入力を受け取ることができる。バッテリを充電する場合、充電管理モジュールはさらに、電源管理モジュールを通じて電子デバイスに電力を供給してもよい。電源管理モジュールは、バッテリおよび充電管理モジュールをプロセッサ111に接続するように構成されている。電源管理モジュールは、バッテリの入力および/または充電管理モジュールの入力を受け取り、プロセッサ111、メモリ112、ディスプレイ115、および無線通信モジュール113などに電力を供給する。電源管理モジュールはさらに、バッテリ容量、バッテリの充放電回数、およびバッテリの健康状態(漏電またはインピーダンス)などのパラメータを監視するように構成されてよい。いくつかの他の実施形態では、電源管理モジュールは代替的に、プロセッサ111に配置されてもよい。いくつかの他の実施形態では、電源管理モジュールおよび充電管理モジュールは代替的に、同じコンポーネントに配置されてもよい。
【0044】
ディスプレイ115は、画像およびビデオなどを表示するように構成されてよい。ディスプレイ115はディスプレイパネルを含む。本願の実施形態では、ディスプレイパネルは液晶ディスプレイ(liquid crystal display、LCD)を用いる。LCDとしては、直下ライト式バックライトLCDおよびエッジライト式バックライトLCDが挙げられ得る。
【0045】
図2は、本願の一実施形態によるLCDディスプレイパネルの構造に関する概略図である。
【0046】
図2に示すように、LCDディスプレイパネルは、バックライト層211、液晶層212、カラーフィルタ213、およびガラス基板214を含む。バックライト層211は、電流で駆動する白色光を表示するように構成されてよい。本願の実施形態では、バックライト層211により表示される白色光の輝度を、駆動電流の値および駆動電流のパルス幅変調(PWM)デューティサイクルを変えることで変化させ、ピクチャの全体的な輝度を変化させることができる。例えば、同じPWMデューティサイクルでは、駆動電流が大きいほど、バックライト層211により表示される白色光の輝度が高くなることを示している。別の例では、同じ値の駆動電流において、PWMデューティサイクルが大きいほど、バックライト層211により表示される白色光の輝度が高くなることを示している。
【0047】
カラーフィルタ213は、赤色、緑色、および青色という3種類のフィルタを含んでよい。それぞれのカラー表示ユニットのカラーフィルタ213で1つの色が与えられる。各ピクセルは、赤色、緑色、および青色という3種類のカラー表示ユニットを含んでよい。
【0048】
いくつかの実施形態では、カラーフィルタ213は、赤色、緑色、青色、および白色という4種類のフィルタを含んでよい。各ピクセルは、赤色、緑色、青色、および白色という4種類のカラー表示ユニットを含んでよい。
【0049】
液晶層212は、バックライト層211により表示され且つカラーフィルタ213に放射される白色光の量を制御する電圧制御信号を受け取るように構成されてよい。液晶層212は、バックライト層211により表示される白色光の、カラー表示ユニットそれぞれに放射される光量を個別に制御することができる。液晶層212は、ピクセルの様々なカラーフィルタに白色光が入射する割合を調整することで、ピクセルが様々な色を表示するように調整することができる。
【0050】
ガラス基板211は透明であり、LCDパネル全体を支えるように構成されてよい。
【0051】
本願の実施形態では、LCDディスプレイパネルとして2種類のディスプレイパネルが挙げられ、それぞれ直下ライト式バックライトLCDパネルおよびエッジライト式バックライトLCDパネルである。直下ライト式バックライトLCDパネルの構造がエッジライト式バックライトLCDパネルの構造と異なるのは、バックライト層である。
【0052】
図3Aは、本願の一実施形態による直下ライト式バックライトLCDパネルのバックライト層の構造に関する概略図である。図3Aに示すように、直下ライト式バックライトLCDパネルのバックライト層はバックライトプレートを含む。バックライトプレートには、行列状に配置された大量の発光ダイオード(light emitting diode、LED)バックライトが含まれている。バックライトプレートは大量のLEDバックライトを含んでよく、バックライトプレートは、電流で駆動する白色光を表示するように構成されてよい。
【0053】
図3Bは、本願の一実施形態による直下ライト式バックライトLCDパネルのバックライト層の側面図である。図3Bに示すように、バックライトプレートは、バックライトプレート上のLEDライトが白色光を特定の方向に表示するのを、電流で駆動することで可能にするように構成されてよい。
【0054】
図4Aは、本願の一実施形態によるエッジライト式バックライトLCDパネルのバックライト層の構造に関する概略図である。図4Aに示すように、エッジライト式バックライトLCDのバックライト層は、ライトガイドプレート(light guide plate、LGP)およびLEDライトストリップを含む。LEDライトストリップは、ライトガイドプレートの側縁部(例えば、下部側縁部)に配置されている。LEDライトストリップは、直線状に配置された複数のLEDライトを含む。
【0055】
いくつかの実施形態では、LEDライトストリップはさらに、エッジライト式バックライトLCDのライトガイドプレートの複数の側縁部に配置されて、2次元(2D)エッジライト式バックライトLCDを形成してよい。
【0056】
図4Bは、本願の一実施形態によるエッジライト式バックライトLCDパネルのバックライト層の側面図である。図4Bに示すように、LEDライトストリップにより表示される白色光がライトガイドプレートの側縁部から放射されるときに、ライトガイドプレートは放射白色光が特定の方向に放射されるのを可能にしてよい。
【0057】
本願の実施形態では、ディスプレイ115のバックライト領域が複数のバックライト区分に分割されてよい。ディスプレイ115が直下ライト式バックライトLCDである場合、ディスプレイ115のバックライト領域は、M×Nのバックライト区分に分割されてよく、MおよびNは両方とも1より大きい整数である。ディスプレイ115がエッジライト式バックライトLCDである場合、ディスプレイ115のバックライト領域は、T個のバックライト区分に分割されてよく、Tは1より大きい整数である。通常、直下ライト式バックライトLCDのバックライト領域は、エッジライト式バックライトLCDのバックライト領域より細かく分割され得る。したがって、サイズが同じディスプレイの場合、直下ライト式バックライトLCDを分割することで得られるバックライト区分の数が、エッジライト式バックライトLCDを分割することで得られるバックライト区分の数より多く、直下ライト式バックライトLCDを分割することで得られるバックライト区分の方が小さい。
【0058】
いくつかの実施形態では、ディスプレイ115が2次元(2D)エッジライト式バックライトLCDである場合、ディスプレイ115のバックライト領域はR×Sのバックライト区分に分割され得る。例えば、Rは4であってよく、Sは2であってよい。ディスプレイ115のバックライト領域は、8つのバックライト区分に分割され得る。
【0059】
図5は、本願の一実施形態による直下ライト式バックライトLCDのバックライト区分分割に関する概略図である。図5に示すように、直下ライト式バックライトLCDのバックライト領域が7×9のバックライト区分(すなわち、M=7およびN=9)に分割されてよい。バックライト区分[m,n]で、直下ライト式バックライトLCDのバックライト領域におけるm行目且つn列目のバックライト区分を表してよく、1≦m≦Mであり、1≦n≦Nである。例えば、バックライト区分[7,1]で、直下ライト式バックライトLCDのバックライト領域における7行目且つ1列目のバックライト区分を表してよい。
【0060】
図6は、本願の一実施形態によるエッジライト式バックライトLCDのバックライト区分分割に関する概略図である。図6に示すように、このエッジライト式バックライトLCDは1次元(1D)エッジライト式バックライトLCDである。1Dエッジライト式バックライトLCDのバックライト領域が16個(すなわち、L=16)のバックライト区分に分割されてよい。バックライト区分[t]を用いて、1Dエッジライト式バックライトLCDのバックライト領域におけるt番目のバックライト区分を表してよく、1≦t≦Tである。例えば、バックライト区分[4]で、1Dエッジライト式バックライトLCDのバックライト領域における4番目のバックライト区分を表してよい。
【0061】
本願の実施形態では、表示デバイス100は、ディスプレイ115のバックライト源の駆動電流値を変化させることで、バックライト領域の全体的な輝度レベルを制御できる。駆動電流が大きいほど、バックライト領域の全体的な輝度レベルが高くなることを示している。表示デバイス100は、バックライト領域におけるバックライト区分それぞれのPWM調光デューティサイクルを制御することで、バックライト区分間の表示輝度差を制御できる。
【0062】
PWM調光では、電流のオン時間およびオフ時間を制御することで、表示ユニットのオン時間およびオフ時間を制御し、表示ユニットの輝度を調整することになる。PWM調光デューティサイクルは、信号サイクルにおける、信号サイクル全体に対する電流のオン時間の比率であってよい。例えば、PWM調光デューティサイクルが100%である場合、表示ユニットの表示輝度が600ニットであり、PWM調光デューティサイクルが50%である場合、表示ユニットの表示輝度は300ニットになり得る。前述した例は、本願を説明するのに用いられるだけにすぎず、限定と解釈されるものではない。
【0063】
オーディオモジュール116は、デジタルオーディオ信号を出力のためにアナログオーディオ信号に変換するように構成されてよく、アナログオーディオ入力をデジタルオーディオ信号に変換するようにも構成されてよい。オーディオモジュール116はさらに、オーディオ信号の符号化および復号を行うように構成されてよい。いくつかの実施形態では、オーディオモジュール116はプロセッサ111に配置されてよく、または、オーディオモジュール116の一部の機能モジュールがプロセッサ111に配置されている。オーディオモジュール116は、バスインタフェース(例えば、UARTインタフェース)を通じてオーディオ信号を無線通信モジュール113に伝送し、ブルートゥーススピーカを通じてオーディオ信号を再生する機能を実装してよい。
【0064】
スピーカ117は、オーディオモジュール116により送信されたオーディオ信号を音信号に変換するように構成されてよい。
【0065】
いくつかの実施形態では、表示デバイス100はさらにマイクロフォンを含んでよく、これは「mic(マイク)」および「mike(マイク)」とも呼ばれており、音信号を電気信号に変換するように構成されている。音声制御命令を送信するときに、ユーザが口から音を発して、音信号をマイクロフォンに入力することができる。
【0066】
いくつかの実施形態では、表示デバイス100はさらに、有線ローカルエリアネットワーク(local area network、LAN)通信処理モジュール、高精細度マルチメディアインタフェース(high definition multimedia interface、HDMI(登録商標))通信処理モジュール、およびユニバーサルシリアルバス(universal serial bus、USB)通信処理モジュールを含んでよい。有線LAN通信処理モジュールは、有線LANを使って同じLAN内の別のデバイスと通信するように構成されてよく、さらに有線LANを使ってWANに接続するように構成されてよく、またWAN内のデバイスと通信してよい。HDMI通信処理モジュールは、HDMIインタフェースを通じて別のデバイスと通信するように構成されてよい。例えば、HDMI通信処理モジュールは、HDMIインタフェースを通じて、セットトップボックスにより送信されたHDRビデオデータを受信してよい。USB通信処理モジュールは、USBインタフェースを通じて別のデバイスと通信するように構成されてよい。
【0067】
本願の実施形態で提供される表示輝度調整方法によれば、電子機器は、表示画像の内容に基づき、電源設計によりディスプレイパネルに供給される最大電流から最小電流までの間の電流を用いて、表示画像の表示輝度を自動的且つ継続的に調整できる。このように、HDR表示のローカルピーク輝度、および動画の輝度の滑らかなグラデーションを両方とも保証することができ、ディスプレイパネルへの電源の電力供給能力が最大化されて、HDR表示効果が高まる。
【0068】
本願の実施形態では、電子機器は表示デバイスまたは表示装置などであってもよい。本願の以下の実施形態では、電子機器の一例として表示デバイスを用い、本願の実施形態で提供される表示輝度調整方法について説明する。
【0069】
以下では、本願の実施形態で提供される表示輝度調整方法について説明する。
【0070】
図7は、本願の一実施形態による表示輝度調整方法の概略フローチャートである。図7に示すように、本方法は以下の段階を含む。
【0071】
S701:表示デバイスが、ディスプレイに搭載されたバックライト源の駆動電流閾値データを取得する。
【0072】
駆動電流閾値データには上限駆動電流閾値および下限駆動電流閾値が含まれており、これらは、表示デバイスの電源が出荷前に設計される場合には、ディスプレイに搭載されたバックライト源に設定される。表示デバイスは、ディスプレイに搭載されたバックライト源用の電源管理モジュールにより設計された駆動電流閾値データをローカルメモリから取得してよい。
【0073】
S702:表示デバイスは表示対象画像を取得する。
【0074】
表示デバイスは表示対象画像を表示対象ビデオデータから取得してよく、表示対象画像は、ビデオデータの各フレームのピクチャである。例えば、表示デバイスがHDRビデオを再生しているときに、表示デバイスはHDRビデオのデータを解析し、表示対象画像として次のフレームのピクチャを取得してよい。
【0075】
実現可能な一実装形態では、表示対象画像は代替的に、ユーザが選択するピクチャであってもよい。例えば、HDRピクチャに対するユーザの表示操作が検出されたことに応答して、表示デバイスはHDRピクチャをローカルにまたはネットワークから取得し、このHDRピクチャを表示対象画像として用いてよい。
【0076】
S703:表示デバイスは、表示対象画像に基づいて、ディスプレイのバックライト区分それぞれの平均ピクセル輝度値を決定する。
【0077】
表示対象画像を取得した後に、表示デバイスは表示対象画像を画像情報(例えば、RGBデータ)に変換してよい。画像情報には、ディスプレイが表示対象画像を表示するときに存在する各ピクセルの輝度値が含まれている。表示デバイスは、画像情報(例えば、RGBデータ)に基づいて、バックライト区分それぞれの平均ピクセル輝度値を計算してよい。
【0078】
S704:表示デバイスは、バックライト区分それぞれの平均ピクセル輝度値とローカル調光アルゴリズムとに基づいて、バックライト区分それぞれに対応する初期調光デューティサイクルを決定する。
【0079】
ローカル調光(local dimming)アルゴリズムは、バックライト区分の平均ピクセル輝度値からバックライト区分の初期調光デューティサイクルへのマッピング関係を確立する。
【0080】
例えば、バックライト区分の平均ピクセル輝度値からバックライト区分の初期調光デューティサイクルへのマッピング関係は、表1に示され得る。
【表1】
【0081】
表1からは、平均ピクセル輝度値の値範囲が0~255になり得ることが分かる。バックライト区分の平均ピクセル輝度値が0である場合、バックライト区分の初期調光デューティサイクルは0%である。バックライト区分の平均ピクセル輝度値が1である場合、バックライト区分の初期調光デューティサイクルは6.25%である。バックライト区分の平均ピクセル輝度値が128である場合、バックライト区分の初期調光デューティサイクルは50%である。バックライト区分の平均ピクセル輝度値が255である場合、バックライト区分の初期調光デューティサイクルは100%である。表1は、本願を説明するのに用いられるだけにすぎず、限定と解釈されるものではない。
【0082】
例えば、表示デバイスに搭載されたディスプレイのバックライト領域が7×9、すなわち63個のバックライト区分に分割されてよい。表示デバイスは、63個のバックライト区分の初期調光デューティサイクルをそれぞれ、63個のバックライト区分それぞれの平均ピクセル輝度とローカル調光アルゴリズムとに基づいて計算してよい。前述した例は、本願を説明するのに用いられるだけにすぎず、限定と解釈されるものではない。
【0083】
ディスプレイが直下ライト式バックライト(2D)LCDである場合、バックライト区分それぞれの初期調光デューティサイクルが、duty0[m,n]で表されてよい。例えば、duty0[7,1]で、ディスプレイのバックライト領域における7行目且つ1列目のバックライト区分に対応する初期調光デューティサイクルを表すことができる。ディスプレイが1次元(1D)エッジライト式バックライトLCDである場合、バックライト区分それぞれの初期調光デューティサイクルが、duty0[t]で表されてよい。例えば、duty0[5]で、ディスプレイのバックライト領域における5番目のバックライト区分に対応する初期調光デューティサイクルを表すことができる。
【0084】
S705:表示デバイスは、バックライト区分に対応する初期調光デューティサイクルのうちの最大値および最小値と駆動電流閾値データとに基づいて、駆動電流値を決定する。
【0085】
バックライト区分の初期調光デューティサイクル間の極大差が大きいほど、バックライト源の駆動電流値が大きくなることを示しており、バックライト区分の初期調光デューティサイクル間の極大差が小さいほど、バックライト源の駆動電流値が小さくなることを示している。
【0086】
実現可能な一実装形態では、表示デバイスはまず、バックライト区分に対応する初期調光デューティサイクルのうちの最大値、初期調光デューティサイクルのうちの最小値、および駆動電流閾値データに基づいて電流ゲインを決定してよい。次に、表示デバイスは、電流ゲインおよび駆動電流閾値データに基づいて駆動電流値を決定してよい。
【0087】
表示デバイスは、バックライト区分の初期調光デューティサイクル間の極大差と駆動電流閾値データとに基づき、以下の数式(1)および数式(2)に従って電流ゲインを決定してよい。数式(1)および数式(2)は次の通りであってよい。
[数式(1)]
【数1】
[数式(2)]
【数2】
【0088】
前述した数式(1)および数式(2)において、i.gainは電流ゲインであり、duty0.maxはバックライト区分に対応する初期調光デューティサイクルのうちの最大値であり、duty0.minはバックライト区分に対応する初期調光デューティサイクルのうちの最小値であり、i.maxは上限駆動電流閾値であり、i.minは下限駆動電流閾値であり、i.gain.maxは最大電流ゲインである。
【0089】
実現可能な一実装形態では、電流ゲインを計算した後に、表示デバイスは、電流ゲインおよび下限駆動電流閾値に基づき、以下の数式(3)に従って駆動電流値を計算してよい。数式(3)は次の通りであってよい。
[数式(3)]
【数3】
【0090】
前述した数式(3)において、i1は駆動電流値であり、i.gainは電流ゲインであり、i.minは下限駆動電流閾値である。
【0091】
例えば、表示デバイスのバックライト区分に対応する初期調光デューティサイクルのうちの最大値duty0.maxは100%であってよく、バックライト区分に対応する初期調光デューティサイクルのうちの最小値duty0.minは50%であってよい。すなわち、バックライト区分の初期調光デューティサイクル間の極大差が50%であり、上限駆動電流閾値i.maxは100mAであり、下限駆動電流閾値i.minは20mAである。したがって、表示デバイスは、上限駆動電流閾値i.maxおよび下限駆動電流閾値i.minに基づき、前述した数式(2)に従って、最大電流ゲインi.gain.maxが4であると計算できる。次に、表示デバイスは、最大電流ゲインi.gain.max、初期調光デューティサイクルのうちの最大値duty0.max、および初期調光デューティサイクルのうちの最小値duty0.minに基づき、前述した数式(1)に従って、電流ゲインi.gainが2.0であると計算できる。次に、表示デバイスは、電流ゲインi.gainおよび下限駆動電流閾値i.minに基づき、前述した数式(3)に従って、駆動電流値が60mAであると計算できる。
【0092】
前述した例は、本願を説明するのに用いられるだけにすぎず、限定と解釈されるものではないことに留意されたい。前述した数式(1)、数式(2)、および数式(3)は単なる例にすぎない。具体的な実装において、表示デバイスは、バックライト区分の初期調光デューティサイクルのうちの最大値および最小値と駆動電流閾値データとに基づき、別の計算式に従って駆動電流値を決定してよい。これは、本願の本実施形態において限定されない。
【0093】
実現可能な一実装形態では、駆動電流値を決定した後に、表示デバイスは、決定した駆動電流値に基づいて、液晶ディスプレイパネルが表示対象画像を表示するときに存在するバックライト領域の発光輝度を個別に調整してよい。
【0094】
別の実現可能な実装形態では、駆動電流値を決定した後に、表示デバイスはさらに、例えば、表示デバイスの表示対象画像のRGBデータに基づき、別のデューティサイクル決定方法を用いて、液晶ディスプレイパネルのバックライト領域それぞれの調光デューティサイクルを決定してよい。表示デバイスは、駆動電流値と、表示対象画像のRGBデータに基づいて決定した調光デューティサイクルとに基づいて、液晶ディスプレイパネルのバックライト領域の発光輝度を調整してよい。
【0095】
S706:表示デバイスは、バックライト区分それぞれに対応する初期調光デューティサイクルに基づいて、バックライト区分それぞれに対応する輝度ゲインを決定してよい。
【0096】
表示デバイスは、バックライト区分それぞれに対応する初期調光デューティサイクルに基づき、初期調光デューティサイクルと輝度ゲインとの予め設定された対応関係を用いて、バックライト区分それぞれに対応する輝度ゲインを決定してよい。初期調光デューティサイクルと輝度ゲインとの予め設定された対応関係の記憶形態が、表の形態であっても、アルゴリズム機能の形態であってもよい。ここでは、これについて限定しない。
【0097】
例えば、図8は、初期調光デューティサイクルと輝度ゲインとの対応関係に関する概略曲線図である。図8に示すように、表示デバイスのディスプレイが直下ライト式バックライトLCDである場合、表示デバイスは、初期調光デューティサイクルと輝度ゲインとの対応関係として曲線1を用いてよい。表示デバイスのディスプレイがエッジライト式バックライトLCDである場合、表示デバイスは、初期調光デューティサイクルと輝度ゲインとの対応関係として曲線2を用いてよい。
【0098】
初期調光デューティサイクルが規定の閾値(例えば、5/16)より大きい場合、曲線2の初期調光デューティサイクルに対応する輝度ゲインが、曲線1の初期調光デューティサイクルに対応する輝度ゲインより大きいまたはこれと等しい。例えば、曲線1では、初期調光デューティサイクルが7/16より小さい場合、初期調光デューティサイクルに対応する輝度ゲインが1であり、初期調光デューティサイクルが7/16より大きい場合、初期調光デューティサイクルに対応する輝度ゲインは、初期調光デューティサイクルが増加するにつれて1.5まで徐々に増加する。曲線2では、初期調光デューティサイクルが3/16より小さい場合、初期調光デューティサイクルに対応する輝度ゲインが1であり、初期調光デューティサイクルが12/16より大きい場合、初期調光デューティサイクルに対応する輝度ゲインは1.5であり、初期調光デューティサイクルが7/16と12/16との間である場合、初期調光デューティサイクルに対応する輝度ゲインは、初期調光デューティサイクルが増加するにつれて1.5まで徐々に増加する。前述した例は、本願を説明するのに用いられるだけにすぎず、限定と解釈されるものではない。
【0099】
初期調光デューティサイクルと輝度ゲインとの対応関係において、初期調光デューティサイクルの値が離散的であってよい。例えば、初期調光デューティサイクルの最小単位が1/16であってよく、初期調光デューティサイクルの値が、1/16、2/16、3/16、4/16、5/16、6/16、7/16、8/16、9/16、10/16、11/16、12/16、13/16、14/16、15/16、または16/16であってよい。前述した例は、本願を説明するのに用いられるだけにすぎず、限定と解釈されるものではない。具体的な実装において、初期調光デューティサイクルの最小単位が、より小さくてもより大きくてもよい。
【0100】
直下ライト式バックライトLCDと比較すると、エッジライト式バックライトLCDのバックライト区分の方が大まかである。したがって、調光デューティサイクルと輝度ゲインとの対応関係として曲線1を用いることで、エッジライト式バックライトLCDの表示デバイスは、平均ピクセルレベル(average pixel level、APL)が低い画像表示シナリオにおいて高い輝度ゲインを得ることができる。
【0101】
実現可能な一実装形態において、表示デバイスはさらに、初期調光デューティサイクルと輝度ゲインとの対応関係を表の形態で格納してよい。例えば、初期調光デューティサイクルと輝度ゲインとの対応関係は、以下の表2に示され得る。
【表2】
【0102】
表2からは、初期調光デューティサイクルが7/16より小さいまたはそれと等しい場合、輝度ゲインが1になり得ることが分かる。初期調光デューティサイクルが8/16である場合、輝度ゲインは1.02であってよい。初期調光デューティサイクルが9/16である場合、輝度ゲインは1.04であってよい。初期調光デューティサイクルが10/16である場合、輝度ゲインは1.08であってよい。初期調光デューティサイクルが11/16である場合、輝度ゲインは1.18であってよい。初期調光デューティサイクルが12/16である場合、輝度ゲインは1.28であってよい。初期調光デューティサイクルが13/16である場合、輝度ゲインは1.38であってよい。初期調光デューティサイクルが14/16である場合、輝度ゲインは1.44であってよい。初期調光デューティサイクルが15/16である場合、輝度ゲインは1.48であってよい。初期調光デューティサイクルが16/16である場合、輝度ゲインは1.5であってよい。表2に示す前述した例は本願を説明するのに用いられるだけにすぎず、ここでは限定しない。
【0103】
S707:表示デバイスは、バックライト区分それぞれに対応する初期調光デューティサイクル、駆動電流閾値データ、およびバックライト区分それぞれに対応する輝度ゲインに基づいて、バックライト区分それぞれに対応する実際の調光デューティサイクルを決定する。
【0104】
表示デバイスは、バックライト区分に対応する初期調光デューティサイクルのうちの最大値および最小値と駆動電流閾値データとに基づいて、電流ゲインを決定してよい。次に、表示デバイスは、電流ゲイン、バックライト区分それぞれに対応する初期調光デューティサイクル、およびバックライト区分それぞれに対応する輝度ゲインに基づいて、バックライト区分それぞれに対応する実際の調光デューティサイクルを決定してよい。
【0105】
表示デバイスは、バックライト区分に対応する初期調光デューティサイクルのうちの最大値および最小値と駆動電流閾値データとに基づき、前述した数式(1)および数式(2)に従って電流ゲインを決定してよい。本願の本実施形態では、表示デバイスが段階S705で電流ゲインを計算している場合、電流ゲインを段階S706で改めて計算する必要はない。
【0106】
実現可能な一実装形態では、表示デバイスは、電流ゲイン、バックライト区分それぞれに対応する初期調光デューティサイクル、およびバックライト区分それぞれに対応する輝度ゲインに基づき、以下の数式(4)に従って、バックライト区分それぞれに対応する実際の調光デューティサイクルを決定してよい。数式(4)は次の通りであってよい。
[数式(4)]
【数4】
【0107】
前述した数式(4)において、duty1[m,n]は、バックライト領域におけるm行目且つn列目のバックライト区分に対応する実際の調光デューティサイクルである。duty0[m,n]は、バックライト領域におけるm行目且つn列目のバックライト区分に対応する初期調光デューティサイクルである。boost.gain[m,n]は、バックライト領域におけるm行目且つn列目のバックライト区分に対応する輝度ゲインである。i.gainは電流ゲインである。1≦m≦Mであり、1≦n≦Nであり、Mは表示デバイスのバックライト区分の行数であり、Nは表示デバイスのバックライト区分の列数である。
【0108】
表示デバイスに1次元(1D)エッジライト式バックライトLCDが搭載されている場合、duty1[t]はt番目のバックライト区分に対応する実際の調光デューティサイクルを表すのに用いられてよく、duty0[t]はt番目のバックライト区分に対応する初期調光デューティサイクルであり、boost.gain[t]はt番目のバックライト区分に対応する輝度ゲインであり、電流ゲインがi.gainで表されることに留意されたい。1≦t≦Tであり、Tは表示デバイスのバックライト区分の数である。
【0109】
すなわち、表示デバイスに1次元(1D)エッジライト式バックライトLCDが搭載されている場合、表示デバイスは、電流ゲイン、バックライト区分それぞれに対応する初期調光デューティサイクル、およびバックライト区分それぞれに対応する輝度ゲインに基づき、以下の数式(5)に従って、バックライト区分それぞれに対応する実際の調光デューティサイクルを決定してよい。数式(5)は次の通りであってよい。
[数式(5)]
【数5】
【0110】
例えば、表示デバイスのバックライト区分に対応する初期調光デューティサイクルのうちの最大値duty0.maxが100%であってよく、バックライト区分に対応する初期調光デューティサイクルのうちの最小値duty0.minが50%であってよい。すなわち、バックライト区分の初期調光デューティサイクル間の極大差が50%であり、上限駆動電流閾値i.maxが100mAであり、下限駆動電流閾値i.minが20mAであり、7行目且つ1列目のバックライト区分に対応する初期デューティサイクルduty0[7,1]が75%であり、7行目且つ1列目のバックライト区分に対応する輝度ゲインboost.gain[7,1]が1.28である。
【0111】
したがって、表示デバイスはまず、上限駆動電流閾値i.maxおよび下限駆動電流閾値i.minに基づき、前述した数式(2)に従って、最大電流ゲインi.gain.maxが4であると計算できる。次に、表示デバイスは、最大電流ゲインi.gain.max、初期調光デューティサイクルのうちの最大値duty0.max、および初期調光デューティサイクルのうちの最小値duty0.minに基づき、前述した数式(1)に従って、電流ゲインi.gainが2.0であると計算できる。次に、表示デバイスは、7行目且つ1列目のバックライト区分に対応する初期デューティサイクルduty0[7,1]と、7行目且つ1列目のバックライト区分に対応する輝度ゲインboost.gain[7,1]および電流ゲインi.gainとに基づき、前述した数式(4)に従って、7行目且つ1列目のバックライト区分に対応する実際の調光デューティサイクルduty1[7,1]が32%であると計算できる。
【0112】
前述した例は、本願を説明するのに用いられるだけにすぎず、限定と解釈されるものではない。
【0113】
本願の本実施形態では、前述した数式(4)および数式(5)は、本願を説明するのに用いられるだけにすぎず、限定と解釈されるものではない。具体的な実装において、表示デバイスは、バックライト区分それぞれに対応する初期調光デューティサイクル、駆動電流閾値データ、およびバックライト区分それぞれに対応する輝度ゲインに基づき、別の数式に従って、バックライト区分それぞれに対応する実際の調光デューティサイクルを決定してよい。
【0114】
本願の本実施形態では、段階S705は段階S706の前に行われてもよく、段階S705および段階S706または段階S707は同時に行われてもよく、段階S705は段階S707の後に行われてもよい。段階S705が段階S706の前に行われる場合、段階S705で決定された電流ゲインは段階S707で用いられてよい。段階S705が段階S707の後に行われる場合、段階S707で決定された電流ゲインは段階S705で用いられてよい。
【0115】
S708:表示デバイスは、駆動電流値とバックライト区分それぞれに対応する実際の調光デューティサイクルとに基づいて、表示対象画像を表示するときに存在するバックライト区分それぞれの発光輝度を制御する。
【0116】
本方法が表示デバイスにより行われる場合、表示デバイスは、決定された実際の調光デューティサイクルおよび駆動電流に基づいて(または、これらの段階で決定された駆動電流と、従来技術において決定された各区分の調光デューティサイクルとに基づいて)、バックライト区分それぞれの発光輝度を直接的に制御する。アプリケーションプロセッサがS701~S705を行った後に、またはさらにS706およびS707を行った後に、アプリケーションプロセッサは、アプリケーションプロセッサが位置しているデバイスのLCDディスプレイまたはアプリケーションプロセッサに接続されたLCDディスプレイに、これらの段階で決定された駆動電流と従来技術で決定された各区分の調光デューティサイクル(または、前述した段階で決定された各区分の駆動電流および調光デューティサイクル)に基づいて、バックライト区分それぞれの発光輝度を調整するよう指示してよい。
【0117】
実現可能な一実装形態では、バックライト区分の表示輝度の滑らかな変遷を保証するために、表示デバイスは、隣接するバックライト区分の実際の調光デューティサイクルに空間平滑化フィルタをかけることができる。次に、表示デバイスは、駆動電流値と、空間平滑化フィルタをかけた後に得られ且つバックライト区分それぞれに対応する実際の調光デューティサイクルとに基づいて、表示対象画像を表示するときに存在するバックライト区分それぞれの発光輝度を制御する。
【0118】
本願の本実施形態で提供される表示輝度調整方法によれば、表示画像の内容に基づき、電源設計によりディスプレイパネルに供給される最大電流から最小電流までの間の電流を用いて、表示画像の表示輝度を自動的且つ継続的に調整できる。このように、HDR表示のローカルピーク輝度、および動画の輝度の滑らかなグラデーションを両方とも保証することができ、ディスプレイパネルへの電源の電力供給能力が最大化されて、HDR表示効果が高まる。
【0119】
以下では、本願の実施形態で提供される表示システムについて説明する。
【0120】
図9は、本願の一実施形態による表示システム900の概略図である。表示デバイス100は、表示システム900を含んでよい。
【0121】
図9に示すように、表示システム900は液晶ディスプレイパネル901と処理モジュール902とを含んでよい。液晶ディスプレイパネル901は、直下ライト式バックライトLCDディスプレイパネルであっても、エッジライト式バックライトLCDディスプレイパネルであってもよい。液晶ディスプレイパネル901のバックライト領域には、いくつかのバックライト区分が含まれてよい。
【0122】
処理モジュール902は、液晶ディスプレイパネル901に搭載されたバックライト源の駆動電流閾値データを取得するように構成されてよい。
【0123】
処理モジュール902はさらに、表示対象画像を取得するように構成されてよい。
【0124】
処理モジュール902はさらに、表示対象画像を取得するように構成されてよい。
【0125】
処理モジュール902はさらに、バックライト区分それぞれの平均ピクセル輝度値とローカル調光アルゴリズムとに基づいて、バックライト区分それぞれに対応する初期調光デューティサイクルを決定するように構成されてよい。
【0126】
処理モジュール902はさらに、バックライト区分に対応する初期調光デューティサイクルのうちの最大値および最小値と駆動電流閾値データとに基づいて、駆動電流値を決定するように構成されてよい。
【0127】
処理モジュール902はさらに、バックライト区分それぞれに対応する初期調光デューティサイクルに基づいて、バックライト区分それぞれに対応する輝度ゲインを決定するように構成されてよい。
【0128】
処理モジュール902はさらに、バックライト区分それぞれに対応する初期調光デューティサイクル、駆動電流閾値データ、およびバックライト区分それぞれに対応する輝度ゲインに基づいて、バックライト区分それぞれに対応する実際の調光デューティサイクルを決定するように構成されてよい。
【0129】
処理モジュール902はさらに、駆動電流値とバックライト区分それぞれに対応する実際の調光デューティサイクルとに基づいて、液晶ディスプレイパネル901が表示対象画像を表示するときに存在するバックライト区分それぞれの発光輝度を制御するように構成されてよい。
【0130】
詳細については、図5に示す方法の実施形態を参照されたい。ここでは、詳細について改めて説明しない。
【0131】
本願の本実施形態で提供される表示システム900によれば、表示画像の内容に基づき、電源設計により液晶ディスプレイパネルに供給される最大電流から最小電流までの間の電流を用いて、表示画像の表示輝度を自動的且つ継続的に調整できる。このように、HDR表示のローカルピーク輝度、および動画の輝度の滑らかなグラデーションを両方とも保証することができ、ディスプレイパネルへの電源の電力供給能力が最大化されて、HDR表示効果が高まる。
【0132】
最後に、前述した実施形態は、本願の技術的解決手段の説明を意図しているだけにすぎず、本願の限定を意図するものではない。前述した実施形態を参照しながら本願を詳細に説明したが、当業者であれば、本願の実施形態の技術的解決手段の範囲から逸脱することなく、前述した実施形態で説明された技術的解決手段になお修正を行える、またはその一部の技術的特徴に等価な置き換えを行えることを理解するはずである。
図1
図2
図3A
図3B
図4A
図4B
図5
図6
図7
図8
図9