(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-15
(45)【発行日】2024-04-23
(54)【発明の名称】熱サイクルを実現するように構成された熱機械及びかかる熱機械によって熱サイクルを実現する方法
(51)【国際特許分類】
F01C 1/063 20060101AFI20240416BHJP
F01C 21/06 20060101ALI20240416BHJP
F01C 21/18 20060101ALI20240416BHJP
F01K 7/36 20060101ALI20240416BHJP
【FI】
F01C1/063
F01C21/06
F01C21/18
F01K7/36
(21)【出願番号】P 2019572751
(86)(22)【出願日】2018-06-12
(86)【国際出願番号】 IB2018054254
(87)【国際公開番号】W WO2019008457
(87)【国際公開日】2019-01-10
【審査請求日】2021-05-25
(31)【優先権主張番号】102017000074290
(32)【優先日】2017-07-03
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
(73)【特許権者】
【識別番号】519462089
【氏名又は名称】アイ.ヴイ.エー.アール. エス.ピー.エー.
【氏名又は名称原語表記】I.V.A.R. S.P.A.
(74)【代理人】
【識別番号】100107456
【氏名又は名称】池田 成人
(74)【代理人】
【識別番号】100162352
【氏名又は名称】酒巻 順一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100123995
【氏名又は名称】野田 雅一
(72)【発明者】
【氏名】オリボッティ, セルジョ
【審査官】小関 峰夫
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2015/114602(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F01C 1/063
F01C 1/18
F01C 21/00
F01K 7/36
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
熱流体によって動作し、熱流体の単方向の連続運動を特徴とする熱空気及び水蒸気を使用する複合熱サイクルによって機能するように構成される、熱サイクルを実現する熱機械(121)であって、
前記熱機械(121)は、駆動ユニット(1)を備え、
前記駆動ユニット(1)は、
環状チャンバ(12)の境界を内部で画定し、前記環状チャンバ(12)の外部にある導管と流体連通している入口開口又は放出開口(15’、16’、15”、16”、15’’’、16’’’)を有する筐体(2)であり、各入口開口又は放出開口(15’、16’、15”、16”、15’’’、16’’’)が、前記環状チャンバ(12)内に作業流体に対する膨張/圧縮経路を画定するように、隣り合う入口開口及び放出開口から角度的に隔置されている、筐体(2)と、
前記筐体(2)内に回転可能に設置された第1の回転体(4)及び第2の回転体(5)であり、前記第1の回転体(4)及び前記第2の回転体(5)の各々が、前記環状チャンバ(12)内で摺動可能な3つのピストン(7a、7b、7c、9a、9b、9c)を有し、前記回転体(4、5)のうちの一方(4)の前記ピストン(7a、7b、7c)が、他方の回転体(5)の前記ピストン(9a、9b、9c)と角度的に互い違いにされ、角度的に隣り合うピストン(7a、9a、7b、9b、7c、9c)が、6つの可変体積チャンバ(13’、13”、13’’’、14’、14”、14’’’)の境界を画定する、第1の回転体(4)及び第2の回転体(5)と、
前記第1の回転体(4)及び前記第2の回転体(5)に動作可能に連結された1次シャフト(17)と、
前記第1の回転体(4)及び前記第2の回転体(5)と前記1次シャフト(17)との間に動作可能に介在し、互いに対してずれている前記第1の回転体(4)及び前記第2の回転体(5)のそれぞれの第1及び第2の周期的に可変の角速度(ω1、ω2)による回転運動を、前記1次シャフト(17)の一定の角速度を有する回転運動に変換するように構成された動力伝達装置(18)であり、前記回転体(4、5)の各々の前記周期的に可変の角速度(ω1、ω2)で、前記1次シャフト(17)の全周回転ごとに6つの変動周期を与えるように構成された動力伝達装置(18)と
を備え、
前記駆動ユニットは、前記熱流体によって動作する回転式体積エキスパンダであり、
前記熱機械(121)は、さらに、
2つの前記ピストン(9c、7c)が互いから離れる運動後、前記入口開口(15’’’)を通過している前記熱流体が、前記チャンバ(13’’’)内へ吸引される、前記駆動ユニット(1)の第1の区分と、
前記2つのピストン(7c、9a)が互いの方へ向かう運動後、前に吸引された前記熱流体が、前記チャンバ(14’’’)内で圧縮され、次いで前記放出開口(16’’’)、パイプ(44’)、及び逆止め弁(44a)を通過する際、補償タンク(44)内へ運搬される、前記駆動ユニット(1)の第2の区分と、
圧縮された前記熱流体を蓄積し、第1のパイプ(44”、42’)及び前記逆止め弁(44b)を介してその後の使用のために連続モードで利用可能にするように構成された補償タンク(44)と、
第2のパイプ(42’~97’)を介して前記駆動ユニット(1)と流体連通しており、加熱器(41)に入る前に前記熱流体を予熱するように構成された再生器(42)と、
バーナ(40)によって生み出される熱エネルギーを使用して蛇管コイル内を循環している前記熱流体を過熱するように構成された加熱器(41)と、
燃焼チャンバ(40A)が取り付けられたバーナ(40)であり、様々なタイプの燃料によって動作するのに適しており、必要な熱エネルギーを前記加熱器(41)に供給することが可能であるバーナ(40)と、
第3のパイプ(41’、41”、41’’’)を介して前記加熱器(41)と流体連通しており、前記ピストンを回転させてする仕事を生み出す目的で、前記入口開口(15’、15”)を介して前記加熱器(41)内の圧力下で高温に加熱された前記熱流体を受け取り、それぞれ前記ピストン(9a、7a-9b-7b)によって境界が画定された前記チャンバ(13’、13”)内で膨張させることが可能である、前記駆動ユニット(1)の第3の区分と、
前記放出開口(16’、16”)及び第4のパイプ(45’、45”、46)を介して前記再生器(42)と流体連通しており、2対のピストン(7a、9b-7b、9c)が互いの方へ向かう前記運動によってもたらされる前記2つのチャンバ(14’、14”)の体積の低減により、排出熱流体が強制的に放逐される、前記駆動ユニット(1)の第4の区分と
を備え、
前記駆動ユニット(1)と流体連通している前記再生器(42)は、前記排出熱流体から熱エネルギーを獲得し、前記熱エネルギーを使用して前記加熱器(41)へ送るべき前記熱流体を予熱するようにさらに構成され、
前記熱機械(121)は、前記再生器の低温出口と前記加熱器(41)の入口との間に動作可能に介在する冷却器(43)を備え、
温度T1で前記冷却器(43)から出た前記熱流体が、第6のパイプ(43')内へ進み、凝縮液トラップ(93)を通過し、そこで前記熱流体中の水が凝縮され、空気から分離され、温度T1'で第7のパイプ(93')内へ進み、吸引開口(15''')を通過し、前記2つのピストン(9c-7c)が互いから離れる運動後、前記第1の区分の前記チャンバ(13''')内へ吸引される、熱機械(121)。
【請求項2】
前記駆動ユニット(1)の前記第1の区分が、周囲空気を前記チャンバ(13’’’)内へ吸引することができるように、パイプ(93)を介して外部環境と流体接続しており、前記熱機械(121)が、蒸留水タンク(97a)と流体接続しており、事前定義された量の蒸留水を空気回路(42’’’)内で噴射器(97)によって噴射することを可能にするように配置された定量ポンプ(97b)を備え、前記事前定義された量が、前記駆動ユニット(1)の単位電力を増大させること及び
前記環状チャンバ(12)の潤滑を確保することが可能である、請求項1に記載の熱機械(121)。
【請求項3】
前記トラップ(93)によって前記空気から前に抽出された凝縮水が、高圧ポンプ(94)によって押され、第5のパイプ(93”、94’)を通って進み、噴射器(97)に到達し、前記噴射器(97)が、事前定義された量の凝縮水を空気回路(42’’’)内で噴射するように配置され、前記事前定義された量が、前記駆動ユニット(1)の単位電力を増大させること及び
前記環状チャンバ(12)の潤滑を確保することが可能である、請求項1に記載の熱機械(121)。
【請求項4】
前記トラップ(93)によって前記空気から前に抽出された凝縮水が、高圧ポンプ(94)によって押され、第5のパイプ(93”、94’)を通って進み、蒸発器(95)に到達し、前記蒸発器(95)が、前記凝縮水を加熱して気化させ、事前定義された量の水蒸気を空気回路(42’’’)内で噴射するように配置された噴射器(97)へ送るように構成され、前記事前定義された量が、前記駆動ユニット(1)の単位電力を増大させること及び
前記環状チャンバ(12)の潤滑を確保することが可能であり、
前記蒸発器(95)が、その高温側で、前記高圧ポンプ(94)と前記噴射器(97)との間に動作可能に介在し、
前記蒸発器(95)が、その低温側で、前記駆動ユニット(1)の出口から放逐された前記排出熱流体を、入ってくる流体として受け取り、前記排出熱流体から残留熱エネルギーを獲得し、前記残留熱エネルギーを使用して前記加熱器へ送るべき前記熱流体を予熱するように構成されている、請求項1に記載の熱機械(121)。
【請求項5】
前記トラップ(93)によって前記空気から前に抽出された凝縮水が、高圧ポンプ(94)によって押される、第5のパイプ(93”、94’)を通って進み、蒸発器(95)に到達し、前記蒸発器(95)が、前記凝縮水を加熱して気化させ、過熱器(96)へ送るように構成され、前記過熱器(96)が、前記バーナ(40)の下流で高温燃焼ヒュームからエネルギーを抽出することによって、前記蒸発器(95)から出た飽和蒸気を過熱して飽和蒸気部にエネルギーを供給するように構成され、
前記過熱器(96)が、前記気化された過熱凝縮水を噴射器(97)へ送るように構成され、前記噴射器(97)が、事前定義された量の過熱水蒸気の噴射を空気回路(42’’’)内で可能にするように配置され、前記事前定義された量が、前記駆動ユニット(1)の単位電力をさらに増大させること及び
前記環状チャンバ(12)の潤滑を確保することが可能であり、
前記蒸発器(95)が、その高温側で、前記高圧ポンプ(94)と前記過熱器(96)との間に動作可能に介在し、
前記蒸発器(95)が、その低温側で、前記駆動ユニット(1)の出口から放逐された前記排出熱流体を、入ってくる流体として受け取り、前記排出熱流体から残留熱エネルギーを獲得し、前記残留熱エネルギーを使用して前記加熱器へ送るべき前記熱流体を予熱するように構成されている、請求項1に記載の熱機械(121)。
【請求項6】
前記熱機械(121)には冷却回路が設けられており、
前記冷却回路が、
前記バーナ(40)の上流に位置する第1のレキュペレータ(98)であり、燃焼空気が環境から引き込まれる、第1のレキュペレータ(98)と、
前記駆動ユニット(1)に付随する冷却ユニット(空間2R)と、
前記高温燃焼ヒュームの出口経路に沿って、前記バーナ(40)及び前記加熱器(41)の下流に位置する第2のレキュペレータ(100)と、
前記第1のレキュペレータ(98)、前記冷却ユニット(2R)、及び前記第2のレキュペレータ(100)を直列に連結して円形の経路を形成し、ある量の冷却流体を支える複数の冷却パイプ(2’、98’、99’、100’)と、
前記回路内に位置しており、前記冷却回路内に前記冷却流体の循環をもたらすように、前記複数の冷却パイプのうちの1つのパイプで動作可能に活動する冷却ポンプ(99)と
を備え、
前記第1のレキュペレータ(98)が、前記燃焼空気へ熱エネルギーを引き渡すことによって、前記冷却流体を冷却するように構成され、
前記冷却ユニット(2R)が、前記駆動ユニットから前記冷却流体への熱エネルギーの伝達によって、前記駆動ユニット(1)を冷却するように構成され、前記冷却流体が温度の上昇を受け、
前記第2のレキュペレータ(100)が、前記高温燃焼ヒュームから熱エネルギーを獲得することによって、前記冷却流体を加熱するように構成されている、請求項5に記載の熱機械(121)。
【請求項7】
前記熱機械(121)には補助流体回路が設けられており、
前記補助流体回路が、
高温燃焼ヒュームの出口経路に沿って、前記バーナ(40)及び前記加熱器(41)の下流に位置する補助レキュペレータ(101)と、
前記補助レキュペレータを通過し、1つ又は複数の補助使用に連結されるように構成された複数の補助パイプ(101’、103’、104’)と、
前記回路内に位置しており、補助回路内に循環をもたらすように、前記複数の補助パイプのうちの1つのパイプで動作可能に活動する補助ポンプ(104)と
を備え、
前記補助レキュペレータ(101)が、前記燃焼ヒュームからエネルギーを回収し、前記補助回路内を循環している前記流体へ前記エネルギーを伝達するように構成され、したがって前記エネルギーを補助使用(103)に利用可能である、請求項1~6のいずれか一項に記載の熱機械(121)。
【請求項8】
前記バーナ(40)の上流に位置しており、環境から燃焼空気を引き込んで前記バーナ(40)へ強制的に送り、燃焼プロセスに送り込むように構成されたファン(92)、及び/又は
前記熱機械の前記パイプに沿って位置しており、単方向における前記熱流体の循環を容易にし、逆方向における前記熱流体の流出を防止するように構成された1つ若しくは複数の逆止め弁(44a、44b、42a)
をさらに備える、請求項1~7のいずれか一項に記載の熱機械(121)。
【請求項9】
熱流体によって動作し、熱流体の単方向の連続運動を特徴とする熱空気及び水蒸気を使用する複合熱サイクルによって機能するように構成される熱サイクルを実現する方法であって、
請求項1~8のいずれか一項又は複数項に記載の熱機械(121)を配置するステップと、
以下のステップを実施するステップと
を含み、
前記以下のステップが、
前記駆動ユニット(1)の前記1次シャフト(17)及び前記動力伝達装置(18)を開始し、前記ピストン(7a、7b、7c、9a、9b、9c)の運動を開始するステップと、
前記バーナ(40)を起動し、燃焼プロセスを開始するステップと、
前記熱機械内を循環している前記熱流体が事前に確立された最小動作状態に到達したとき、前記駆動ユニット(1)が、独立して回ることを可能にするのに必要とされる仕事を生み出すステップと、
前記2つのピストン(9c-7c)が互いから離れる運動後、前記熱流体が吸引開口(15’’’)を通って前記チャンバ(13’’’)内へ吸引されるステップと、
前記2つのピストン(7c-9a)が互いの方へ向かう運動後、前に吸引された前記熱流体が前記チャンバ(14’’’)内で圧縮され、T1’からT2への温度の上昇を受け、前記放出開口(16’’’)を通過し、前記補償タンク(44)に到達するステップと、
前記ピストンの回転及びその結果の前記入口開口(15’、15”)の開放/閉鎖によって決定される間欠性により、前記熱流体が前記タンク(44)から流出し、前記再生器(42)を通過し、そこでT2からT2’への温度の上昇を受けるステップと、
前記熱流体が前記加熱器(41)を通過し、そこで熱エネルギーを受け取り、温度がT2”からT3へ上昇するステップと、
前記ピストン(7a-7b)が前記入口開口(15’、15”)を開放したとき、
前記環状
チャンバ(12)内で回転し、過熱された前記熱流体が、膨張チャンバ(13’、13”)へ通されて膨張し、その温度がT3からT4へ低下し、それにより前記ピストンが回転するため、有用な仕事を生み出すステップと、
前記ピストン(7a-9b、7b-9c)が互いの方へ向かう運動後、前記チャンバ(14’、14”)の体積が減少し、前記排出熱流体が、前記駆動ユニット(1)から放逐されて、前記放出開口(16’、16”)及び前記再生器(42)を通過し、そこで依然として保持していた熱エネルギーの一部を引き渡し、T4からT4’への温度の低下を受けるステップと
を含む、方法。
【請求項10】
前記熱流体を前記チャンバ(13’’’)内へ吸引する前記ステップで、前記熱流体は、温度T1’で環境から吸引された空気であり、
前記方法が、
タンク(97a)から蒸留水を引き込むステップと、
定量ポンプ(97b)を起動し、噴射器(97)によって所与の量の蒸留水を回路内へ導入し、以てT2’からT2”へのその結果の熱流体の温度の低下をもたらすステップと
を含み、
前記再生器(42)を通過する前記ステップ後、前記排出熱流体が雰囲気中へ放出される、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
温度T1で冷却器(43)から出た前記熱流体が、前記第6のパイプ(43’)内へ進み、凝縮液トラップ(93)を通過し、そこで前記熱流体中の水が凝縮され、空気から分離され、温度T1’で前記第7のパイプ(93’)内へ進み、前記吸引開口(15’’’)を通過し、前記2つのピストン(9c-7c)が互いから離れる運動後、前記第1の区分の前記チャンバ(13’’’)内へ吸引されるステップと、
前記トラップ(93)によって前記空気から前に抽出された凝縮水が、高圧ポンプ(94)によって押され、第5のパイプ(93”、94’)を通って進み、噴射器(97)に到達するステップと
をさらに含み、
前記噴射器(97)が、事前定義された量の凝縮水の噴射を空気回路(42’’’)内で可能にするように配置され、前記事前定義された量が、前記駆動ユニット(1)の単位電力を増大させること及び前記
環状チャンバ(12)の潤滑を確保することが可能である、請求項9に記載の方法。
【請求項12】
温度T1で冷却器(43)から出た前記熱流体が、前記第6のパイプ(43’)内へ進み、凝縮液トラップ(93)を通過し、そこで前記熱流体中の水が凝縮され、空気から分離され、温度T1’で前記第7のパイプ(93’)内へ進み、前記吸引開口(15’’’)を通過し、前記2つのピストン(9c-7c)が互いから離れる運動後、前記第1の区分の前記チャンバ(13’’’)内へ吸引されるステップと、
前記トラップ(93)によって前記空気から前に抽出された凝縮水が、高圧ポンプ(94)によって押され、第5のパイプ(93”、94’)を通って進み、蒸発器(95)に到達するステップと
をさらに含み、
前記蒸発器(95)が、前記凝縮水を加熱して気化させ、事前定義された量の水蒸気の噴射を空気回路(42’’’)内で可能にするように配置された噴射器(97)へ送るように構成され、前記事前定義された量が、前記駆動ユニット(1)の単位電力を増大させること及び前記
環状チャンバ(12)の潤滑を確保することが可能であり、
前記蒸発器(95)が、その低温側で、前記駆動ユニット(1)の出口から放逐された前記排出熱流体を、入ってくる流体として受け取り、前記排出熱流体から残留熱エネルギーを獲得し、前記残留熱エネルギーを使用して前記加熱器へ送るべき前記熱流体を予熱するように構成されている、請求項9に記載の方法。
【請求項13】
温度T1で冷却器(43)から出た前記熱流体が、前記第6のパイプ(43’)内へ進み、凝縮液トラップ(93)を通過し、そこで前記熱流体中の水が凝縮され、空気から分離され、温度T1’で前記第7のパイプ(93’)内へ進み、前記吸引開口(15’’’)を通過し、前記2つのピストン(9c-7c)が互いから離れる運動後、前記第1の区分の前記チャンバ(13’’’)内へ吸引されるステップと、
前記トラップ(93)によって前記空気から前に抽出された凝縮水が、高圧ポンプ(94)によって押され、第5のパイプ(93”、94’)を通って進み、蒸発器(95)に到達するステップと
をさらに含み、
前記蒸発器(95)が、前記凝縮水を加熱して気化させ、過熱器(96)へ送るように構成され、過熱器(96)が、前記バーナ(40)の下流で高温燃焼ヒュームからエネルギーを抽出することによって、前記蒸発器(95)から出た飽和蒸気を過熱して前記蒸発器(95)へエネルギーを供給するように構成され、
前記過熱器(96)が、過熱水蒸気を噴射器(97)へ送るように構成され、前記噴射器(97)が、事前定義された量の前記過熱水蒸気の噴射を空気回路(42’’’)内で可能にするように配置され、前記事前定義された量が、前記駆動ユニット(1)の単位電力をさらに増大させること、全体的な収率を増大させること、及び前記
環状チャンバ(12)の潤滑を確保することが可能であり、
前記蒸発器(95)が、その低温側で、前記駆動ユニット(1)の出口から放逐された前記排出熱流体を、入ってくる流体として受け取り、前記排出熱流体から残留熱エネルギーを獲得し、前記残留熱エネルギーを使用して前記加熱器へ送るべき前記熱流体を予熱するように構成されている、請求項9に記載の方法。
【請求項14】
冷却回路を配置するステップであって、
前記冷却回路が、
前記バーナ(40)の上流に位置する第1のレキュペレータ(98)であり、燃焼空気が環境から引き込まれる、第1のレキュペレータ(98)と、
前記駆動ユニット(1)に付随する冷却ユニット(空間2R)と、
前記高温燃焼ヒュームの出口経路に沿って、前記バーナ(40)及び前記加熱器(41)の下流に位置する第2のレキュペレータ(100)と、
前記第1のレキュペレータ(98)、前記冷却ユニット(2R)、及び前記第2のレキュペレータ(100)を直列に連結して円形の経路を形成し、ある量の冷却流体を支える複数の冷却パイプ(2’、98’、99’、100’)と、
前記回路内に位置しており、前記冷却回路内に前記冷却流体の循環をもたらすように、前記複数の冷却パイプのうちの1つのパイプで動作可能に活動する冷却ポンプ(99)と
を備える、配置するステップと、
以下のステップ、すなわち
前記第1のレキュペレータ(98)によって、前記燃焼空気へ熱エネルギーを引き渡すことによって前記冷却流体を冷却するステップと、
前記冷却ユニット(2R)によって、前記駆動ユニットから前記冷却流体への熱エネルギーの伝達によって前記駆動ユニット(1)を冷却するステップであり、前記冷却流体が温度の上昇を受ける、冷却するステップと、
前記第2のレキュペレータ(100)によって、前記高温燃焼ヒュームから熱エネルギーを獲得することによって前記冷却流体を加熱するステップと
を実施するステップと
をさらに含む、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
補助流体回路を配置するステップであって、
前記補助流体回路が、
高温燃焼ヒュームの出口経路に沿って、前記バーナ(40)及び前記加熱器(41)の下流に位置する補助レキュペレータ(101)と、
前記補助レキュペレータを通過し、1つ又は複数の補助使用に連結されるように構成された複数の補助パイプ(101’、103’、104’)と、
前記回路内に位置しており、補助回路内に循環をもたらすように、前記複数の補助パイプのうちの1つのパイプで動作可能に活動する補助ポンプ(104)と
を備える、配置するステップと、
以下のステップを実施するステップと、
を含み、前記以下のステップが、
補助レキュペレータ(101)によって、燃焼ヒュームからエネルギーを回収するステップと、
前記補助回路内を循環している前記流体へ前記エネルギーを伝達するステップと、
前記エネルギーを補助使用(103)に利用可能にするステップと、
を含む、請求項9~14のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、運動伝達システム及びそのいくつかの特有の機能的構成を装備した「回転駆動ユニット」を備える「熱機械(heat machine)」に関し、この熱機械は、その最初の基準としてジュール-エリクソン熱サイクルを有するにもかかわらず、それらの熱サイクルを補足及び改善し、革新的な複合熱サイクルを実現し、空気及び水蒸気の混合物によって動作し、より大きい単位電力、総合効率の大幅な増大、及びピストンが回転するシリンダの効率的な潤滑を得る。本発明はさらに、熱サイクルを実現する方法に関する。
【0002】
特に、本発明は、概して再生可能資源からの電気エネルギーの生産、電気エネルギー及び熱の複合生成の分野、輸送の分野、並びに自動車分野に適用することができる。
【背景技術】
【0003】
熱力学サイクルに関するいくつかの歴史的考察は、同じ出願人の名で国際公開第2015/114602号によって公開された特許出願の説明にすでに記載されており、したがって以下では、本発明の主題に関連しているジュール-エリクソンサイクルに由来する新しい「脈動熱サイクル」を特徴とする熱機械としての使用に関する最も顕著な部分についてのみ言及することが有用であると考えられる。
【0004】
[エリクソン機関に関する歴史的記述]
エリクソン「熱空気」機関の第1の設計及び生産は、1826年に行われ、最初は再生なしで、総合効率はそれほど大きくなかった。
【0005】
1833年、バルブ及び熱レキュペレータを装備した新しいエリクソン機関が構築され、総合効率の大幅な増大が得られた。
【0006】
1853年、エリクソン「熱空気」機関が構築され、船舶で使用され、220kWの電力を総合効率13.3%で生成することが可能であった。
【0007】
その後、数年間で数千台のエリクソン機関が生産され、米国内の船舶及び産業研究所において使用された。
【0008】
1855年~1860年の間に、3,000台近くの低電力(600W)エリクソン機関が構築された。これらは米国、ドイツ、フランス、及びスウェーデンで販売及び使用された。
【0009】
これらの機関は非常に高い信頼性及び頑健性を有していたので、灯台に設置されたある機関は、運転開始から30年以上にわたって動作し続けた。
【0010】
全面的には明らかにされていない理由のため、エリクソン機関はそのとき初めて、従来の蒸気機関、次いでより強力で小型の内燃機関に取って代わられた。
【0011】
[閉回路エリクソンサイクルの概略図]
閉回路で動作する往復運動機関の使用を特徴とするエリクソンサイクルが、
図4に概略的に表されており、以下の主要な構成要素から構成される。
E 膨張シリンダ
E1~E2 膨張シリンダ入口放出弁
R 熱交換器/レキュペレータ
K 熱交換器/シンク
C 圧縮シリンダ
C1~C2 圧縮シリンダ入口放出弁
H 「熱流体」加熱器。
【0012】
前記
図4を参照すると、エリクソン機関は以下のように機能する。
シリンダC内で、まずピストンの下降運動の結果、バルブC1を通過している熱流体(温度T1)が吸引され、次いでピストンの上昇運動の結果、所定の比に対応する最大値に到達するまで圧縮される。
圧縮された熱流体は次いで、バルブC2を通過し、シリンダCから出る(温度T2)。
熱流体は次いで、レキュペレータR内へ進み、熱を受け取って加熱される(温度T2’まで)。
熱流体は次いで、加熱器H内へ進み、熱を受け取ってさらに加熱される(温度T3まで)。
熱流体は次いで、バルブE1を通過してシリンダEに入り、膨張によってピストンの下降運動をもたらし、有用な仕事を生み出す。
すでに膨張した熱流体は、ピストンの上昇運動の結果、次いでシリンダから放出され、バルブE2を通過する(低減された温度T4)。
熱流体は次いで、レキュペレータRを通過して熱を引き渡す(低減された温度T4’に到達するまで)。
熱流体は次いで、シンクKを通過してさらに熱を引き渡し(温度T1に到達するまで)、前のサイクルに完全に同一の新しいサイクルをそこから開始することができる。
【0013】
[ジュール閉サイクルの概略図]
閉回路で動作する連続回転運動を伴うターボ機械の使用を特徴とするジュールサイクルが、
図5に概略的に表されており、以下の主要な構成要素から構成される。
E 膨張タービン
R 熱交換器/レキュペレータ
K 熱交換器/シンク
C 圧縮タービン
H 「熱流体」加熱器。
【0014】
前記
図5を参照すると、ジュールのターボ機械は以下のように動作する。
タービンCの高速回転運動の結果、熱流体(温度T1)が吸引され、所定の最大値まで圧縮される。
圧縮された熱流体は次いで、タービンCから出る(温度T2)。
熱流体は次いで、レキュペレータR内へ進み、熱を受け取って加熱される(温度T2’まで)。
熱流体は次いで、加熱器H内へ進み、熱を受け取ってさらに加熱される(温度T3まで)。
熱流体は次いで、タービンEに入り、膨張によってタービン自体の回転運動をもたらし、有用な仕事を生み出す。
すでに膨張した熱流体は次いで、タービンEから放出される(低減された温度T4)。
熱流体は次いで、レキュペレータRを通過して熱を引き渡す(低減された温度T4’に到達するまで)。
熱流体は次いで、シンクKを通過してさらに熱を引き渡し(温度T1に到達するまで)、サイクルを終了する。
【0015】
[概略的考察]
全体的に、多様な熱力学サイクルによって機能する様々な熱機械が開発されており、まだ実験段階にあるものもある。
【0016】
しかし、本出願人は、すでに産業化された解決策でも多くの制限があることを見出した。これは特に、小電力から中電力の自立型発電機(50KWh未満)を駆動するために使用される機関に当てはまる。
【0017】
今日、実際には以下の駆動ユニットが、発電機を駆動するために慣習的に使用されている。
機械的に複雑で騒音が大きく、特に汚染性があり、相当な保守を必要とする往復内燃機関。
より低汚染性であるが、良好な総合効率を有するために低速で動作する必要があり(交番流再生器の使用によって課される制限)、したがって非常に重くて煩雑であるスターリングエンジン。
特に汚染性があることに加えて、小型の適用分野では経済的に競争力がないガスタービン。
特定のサイズの蒸気生成器を使用する必要を所与として、固定式コジェネレーションの適用分野のみで強い競争力がある可能性があるが、小型の移動の適用分野でも有益に使用するためにはさらなる技術革新を必要とする、ランキン又はランキン-ヒルンサイクルを使用するエキスパンダ。
【0018】
概して、従来技術の解決策はすべて、汚染、低効率、機械的な複雑さ、及び高い保守費用の問題に加えて、特に満足できない費用便益比も特徴とし、共同入居住宅及び居住施設の市場におけるコジェネレーションの普及を大幅に制限している。
【0019】
本出願人はまた、そのような熱機械の使用を家庭内環境における車両及びマイクロコジェネレーションまで広げたいと考えた場合、小型さ及び総合効率が基本となることを観察した。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0020】
[本出願人によって提案される革新的な解決策]
この状況において、本出願人は、熱空気及び水蒸気を使用する革新的な複合熱サイクルによって動作することが可能であり、以てサイクル自体の段階中にエネルギーを回収することによってより大きいエネルギーを利用することが可能である、単位電力及び総合効率の大幅な増大を伴う新しい「熱機械」を提案し、周知の駆動ユニットのピストンが摺動するシリンダを潤滑させるという大きな問題をさらに解決するという目的を定めた。
【0021】
特に、エリクソン及びジュールサイクルと比較すると、本発明によって導入される革新は、熱サイクルの3つの異なる可能な動作構成で識別することができる。
【0022】
再生の下流に水の噴射を単独で備える第1の構成では、以下の結果が得られる。
摩擦及び摩耗の低減による駆動ユニットのシリンダの潤滑、並びにその結果として生じる機械効率の増大、
シリンダ内で膨張した熱流体の流量及び分子量の増大による単位電力の増大、
導入された水が凝縮され、その吸引前に空気から分離されるため、負の圧縮仕事が増大しないこと、
蒸発によって吸収される熱の量が質量単位当たり非常に大きいことによる総合効率のわずかな減少。
【0023】
再生の下流にエネルギーの回復によって得られた飽和蒸気の噴射を備える第2の構成では、以下の結果が得られる。
摩擦及び摩耗の低減による駆動ユニットのシリンダの潤滑、並びにその結果として生じる機械効率の増大、
シリンダ内で膨張した熱流体の流量及び分子量の増大による単位電力の増大、
導入された水が凝縮され、その吸引前に空気から分離されるため、負の圧縮仕事が増大しないこと、
蒸発によって吸収される熱の量が蒸発器によって実現されるエネルギーの回復によって補償されることによる総合効率の増大。
【0024】
再生の下流にエネルギーの回復及び燃焼ヒュームからのエネルギーの回復によって得られた過熱蒸気の噴射を備える第3の構成では、以下の結果が得られる。
摩擦及び摩耗の低減による駆動ユニットのシリンダの潤滑、並びにその結果として生じる機械効率の増大、
シリンダ内で膨張した熱流体の流量、分子量、及びエンタルピーの増大による単位電力のさらなる増大、
導入された水が凝縮され、その吸引前に空気から分離されるため、負の圧縮仕事が増大しないこと、
蒸発によって吸収される熱の量が蒸発器によって実現されるエネルギーの回復及び過熱によって得られるエンタルピーの増大によって補償されることによる総合効率のさらなる増大。
【0025】
したがって、本発明の基礎にある目的は、その様々な態様及び/又は実施形態において、任意の場所及び任意の目的で使用することが可能であるが、好ましくは電気エネルギーの生産に使用することが可能である、複数の熱源を使用すること及び相当な機械エネルギー(仕事)を生成することが可能な新しい「熱機械」を提供することによって、従来技術の解決策の欠点の1つ又は複数をなくすことである。
【0026】
本発明のさらなる目的は、高い熱力学的効率及び優れた出力重量比を特徴とする新しい「熱機械」を提供することである。
【0027】
本発明のさらなる目的は、容易に構築することができる簡単な機械構造を特徴とする「駆動ユニット」を装備した新しい「熱機械」を提案することである。
【0028】
本発明のさらなる目的は、低減された生産費用を特徴とする新しい「熱機械」を生産することを可能にすることである。
【課題を解決するための手段】
【0029】
これらの目的、及び以下の説明の過程でさらに明らかになるあらゆる他の目的は、一連の特定の態様を特徴とする「駆動ユニット」に依拠する新しい「熱機械」によって実質上実現される。
【0030】
一態様では、本発明は、熱サイクルを実現する熱機械に関し、この熱機械は、熱流体によって動作し、
駆動ユニットを備え、駆動ユニットは、
環状チャンバの境界を内部で画定し、環状チャンバの外部にある導管と流体連通している適当な寸法の入口開口又は放出開口を有する筐体であり、各入口開口又は放出開口が、環状チャンバ内に作業流体に対する膨張/圧縮経路を画定するように、隣り合う入口開口及び放出開口から角度的に隔置されている、筐体と、
前記筐体内に回転可能に設置された第1の回転体及び第2の回転体であり、2つの回転体の各々が、環状チャンバ内で摺動可能な3つのピストンを有し、回転体のうちの一方のピストンが、他方の回転体のピストンと角度的に互い違いにされ、角度的に隣り合うピストンが、6つの可変体積チャンバの境界を画定する、第1の回転体及び第2の回転体と、
前記第1及び第2の回転体に動作可能に連結された1次シャフトと、
前記第1及び第2の回転体と1次シャフトとの間に動作可能に介在し、互いに対してずれている前記第1及び第2の回転体のそれぞれの第1及び第2の周期的に可変の角速度による回転運動を、1次シャフトの一定の角速度を有する回転運動に変換するように構成された動力伝達装置であり、回転体の各々の周期的に可変の角速度で、1次シャフトの全周回転ごとに6つの変動周期を与えるように構成された動力伝達装置とを備える。
【0031】
一態様では、前記駆動ユニットは、前記熱流体によって動作する回転式体積エキスパンダである。
【0032】
一態様では、熱機械は、2つのピストンが互いから離れる運動後、入口開口を通過している熱流体がチャンバ内へ吸引される、駆動ユニットの第1の区分を備える。
【0033】
一態様では、熱機械は、2つのピストンが互いの方へ向かう運動後、前に吸引された熱流体がチャンバ内で圧縮され、次いで放出開口、パイプ、及び逆止め弁を通過する際、補償タンク内へ運搬される、前記駆動ユニットの第2の区分を備える。
【0034】
一態様では、熱機械は、圧縮熱流体を蓄積し、特有のパイプ及び逆止め弁を介してその後の使用のために連続モードで利用可能にするように構成された前記補償タンクを備える。
【0035】
一態様では、熱機械は、特有のパイプを介して流体連通しており、加熱器に入る前に熱流体を予熱するように構成された再生器を備える。
【0036】
一態様では、熱機械は、バーナによって生み出される熱エネルギーを使用して蛇管コイル内(すなわち、燃焼チャンバの周りに配置され、加熱器を画定するパイプ内)を循環している熱流体を過熱するように構成された前記加熱器を備える。
【0037】
一態様では、熱機械は、燃焼チャンバが取り付けられた前記バーナを備え、前記バーナは、様々なタイプの燃料によって動作するように構成され、必要な熱エネルギーを加熱器に供給することが可能である。
【0038】
一態様では、熱機械は、特有のパイプを介して前記加熱器と流体連通しており、前記ピストンを回転させて仕事を生み出す目的で、入口開口を介して加熱器内の圧力下で高温に加熱された熱流体を受け取り、それぞれピストンによって境界が画定されたチャンバ内で膨張させるように構成された前記駆動ユニットの第3の区分を備える。
【0039】
一態様では、熱機械は、放出開口及び特有のパイプを介して再生器と流体連通しており、2対のピストンが互いの方へ向かう運動によってもたらされる2つのチャンバの体積の低減により、排出熱流体が強制的に放逐される、前記駆動ユニットの第4の区分を備える。
【0040】
一態様では、前記駆動ユニットと流体連通している前記再生器は、排出熱流体から熱エネルギーを獲得し、それを使用して加熱器へ送るべき熱流体を予熱するように構成される。
【0041】
一態様(
図6の概略図参照)では、駆動ユニットの第1の区分は、周囲空気をチャンバ内へ吸引することができるように、特有のパイプを介して外部環境と流体接続している。
【0042】
一態様(
図6の概略図参照)では、熱機械は、蒸留水タンクと流体接続しており、事前定義された量の蒸留水を空気回路内で噴射器によって噴射することを可能にするように配置された定量ポンプを備え、前記事前定義された量は、駆動ユニットの単位電力を増大させること及びシリンダの潤滑を確保することが可能である。
【0043】
一態様(
図7の概略図参照)では、熱機械は、再生器の低温出口と加熱器の入口との間に動作可能に介在する冷却器を備える。
【0044】
一態様(
図7の概略図参照)では、温度T1で冷却器から出た熱流体は、特有のパイプ内へ進み、凝縮液トラップを通過し、そこで熱流体中の水が凝縮され、空気から分離され、温度T1’でさらなる特有のパイプ内へ進み、吸引開口を通過し、2つのピストンが互いから離れる運動後、前記第1の区分のチャンバ内へ吸引される。
【0045】
一態様(
図7の概略図参照)では、高圧ポンプによって押されると、トラップによって空気から前に抽出された凝縮水は、特有のパイプを通って進み、噴射器に到達し、噴射器は、事前定義された量の凝縮水を空気回路内で噴射するように配置され、事前定義された量は、駆動ユニットの単位電力を増大させること及びシリンダの潤滑を確保することが可能である。
【0046】
一態様(
図8の概略図参照)では、熱機械は、再生器の低温出口と加熱器の入口との間に動作可能に介在する冷却器を備え、温度T1で冷却器から出た熱流体は、パイプ内へ進み、凝縮液トラップを通過し、そこで熱流体中の水が凝縮され、空気から分離され、温度T1’でさらなるパイプ内へ進み、吸引開口を通過し、2つのピストンが互いから離れる運動後、前記第1の区分のチャンバ内へ吸引され、高圧ポンプによって押されると、トラップによって空気から前に抽出された凝縮水は、特有のパイプを通って進み、蒸発器に到達し、蒸発器は、凝縮水を加熱して気化させ、事前定義された量の気化凝縮水を空気回路内で噴射するように配置された噴射器へ送るように構成され、事前定義された量は、駆動ユニットの単位電力を増大させること及びシリンダの潤滑を確保することが可能である。
【0047】
一態様(
図8の概略図参照)では、蒸発器は、その高温側で、前記高圧ポンプと前記噴射器との間に動作可能に介在し、蒸発器は、その低温側で、駆動ユニットの出口から放逐された排出熱流体を、入ってくる流体として受け取り、この排出熱流体から残留熱エネルギーを獲得し、それを使用して加熱器へ送るべき熱流体を予熱するように構成される。
【0048】
一態様(
図11の概略図参照)では、熱機械は、再生器の低温出口と加熱器の入口との間に動作可能に介在する冷却器を備え、温度T1で冷却器から出た熱流体は、パイプ内へ進み、凝縮液トラップを通過し、そこで熱流体中の水が凝縮され、空気から分離され、温度T1’でパイプ内へ進み、吸引開口を通過し、2つのピストンが互いから離れる運動後、前記第1の区分のチャンバ内へ吸引され、高圧ポンプによって押されると、トラップによって空気から前に抽出された凝縮水は、パイプを通って進み、蒸発器に到達し、蒸発器は、凝縮水を加熱して気化させ、過熱器へ送るように構成され、過熱器は、バーナの下流で高温燃焼ヒュームからエネルギーを抽出することによって、蒸発器から出た飽和蒸気を過熱して蒸発器へエネルギーを供給するように構成される。
【0049】
一態様(
図11の概略図参照)では、過熱器は、気化された過熱凝縮水を噴射器へ送るように構成され、噴射器は、事前定義された量の前記過熱された気化凝縮水の噴射を空気回路内で可能にするように配置され、事前定義された量は、駆動ユニットの単位電力をさらに増大させること及びシリンダの潤滑を確保することが可能である。
【0050】
一態様(
図11の概略図参照)では、蒸発器は、その高温側で、前記高圧ポンプと前記過熱器との間に動作可能に介在し、蒸発器は、その低温側で、駆動ユニットの出口から放逐された排出熱流体を、入ってくる流体として受け取り、この排出熱流体から残留熱エネルギーを獲得し、それを使用して加熱器へ送るべき熱流体を予熱するように構成される。
【0051】
一態様(
図12の概略図参照)では、熱機械は冷却回路を装備し、冷却回路は、
バーナの上流に位置する第1のレキュペレータであり、燃焼空気が環境から引き込まれる、第1のレキュペレータと、
駆動ユニットに付随する冷却ユニット(又は空間)と、
高温燃焼ヒュームの出口経路に沿って、バーナ及び加熱器の下流、好ましくは前記過熱器の下流に位置する第2のレキュペレータと、
前記第1のレキュペレータ、前記冷却ユニット、及び前記第2のレキュペレータを直列に連結して円形の経路を形成し、ある量の冷却流体(好ましくは水)を支える複数の冷却パイプと、
前記回路内に位置しており、冷却回路内に前記冷却流体の循環をもたらすように、前記複数の冷却パイプのうちの1つのパイプで動作可能に活動する冷却ポンプとを備える。
【0052】
一態様(
図12の概略図参照)では、第1のレキュペレータは、前記燃焼空気へ熱エネルギーを引き渡すことによって、前記冷却流体を冷却するように構成され、冷却ユニットは、駆動ユニットから冷却流体への熱エネルギーの伝達によって、駆動ユニットを冷却するように構成され、冷却流体は温度の上昇を受け、第2のレキュペレータは、高温燃焼ヒュームから熱エネルギーを獲得することによって、前記冷却流体を加熱するように構成される。
【0053】
一態様(
図6、
図7、
図8、
図11、
図12の概略図参照)では、熱機械は、補助流体回路を備える。一態様では、補助流体回路は、
高温燃焼ヒュームの出口経路に沿って、バーナ及び加熱器の下流、好ましくは過熱器の下流に位置する補助レキュペレータと、
前記補助レキュペレータを通過し、1つ又は複数の補助使用、好ましくは空間加熱のためのデバイス及び/又は家庭用熱湯のための生産ユニットに連結されるように構成された複数の補助パイプと、
前記回路内に位置しており、前記補助回路内に循環をもたらすように、前記複数の補助パイプのうちの1つのパイプで動作可能に活動する補助ポンプとを備える。
【0054】
一態様では、補助レキュペレータは、燃焼ヒュームから可能な限り多くのエネルギーを回収し、前記補助回路内を循環している流体へそれを伝達するように構成され、したがって前記エネルギーを前記補助使用に利用可能である。
【0055】
一態様では、熱機械は、バーナの上流にあり、環境から燃焼空気を引き込んで前記バーナへ強制的に送り、燃焼プロセスに送り込むように構成されたファンを備える。
【0056】
一態様では、熱機械は、熱機械のパイプに沿って位置しており、単方向における熱流体の循環を容易にし、逆方向における熱流体の流出を防止するように構成された1つ又は複数の逆止め弁を備える。
【0057】
その独立した態様では、本発明は、熱サイクルを実現する方法に関し、この方法は、熱流体によって動作し、
熱機械を配置するステップと、
複数のステップを実施するステップとを含む。
【0058】
一態様では、前記複数のステップは、
駆動ユニットの1次シャフト及び動力伝達装置の運動を開始し、6つのピストンの運動を開始するステップと、
バーナを起動し、燃焼プロセスを開始するステップと、
熱機械内を循環している熱流体が事前に確立された最小動作状態に到達したとき、駆動ユニットは、独立して回ることを可能にするのに必要とされる仕事を生み出すステップと、
2つのピストンが互いから離れる運動後、熱流体は吸引開口を通ってチャンバ内へ吸引されるステップと、
2つのピストンが互いの方へ向かう運動後、前に吸引された熱流体がチャンバ内で圧縮され、T1’からT2への温度の上昇を受け、放出開口を通過し、補償タンクに到達するステップと、
ピストンの回転及びその結果の入口開口の開放/閉鎖によって決定される間欠性により、熱流体はタンクから流出し、再生器を通過し、そこでT2からT2’への温度の上昇を受けるステップと、
熱流体は加熱器を通過し、そこで熱エネルギーを受け取り、温度がT2”からT3へ上昇するステップと、
ピストンが入口開口を開放したとき、環状シリンダ内で回転し、過熱熱流体は、膨張チャンバへ通されて膨張し、その温度がT3からT4へ低下し、それによりピストンが回転するため、有用な仕事を生み出すステップとを含む。
【0059】
一態様では、熱機械を配置する前記ステップで、前記熱機械は、本発明の態様の1つ若しくは複数及び/又は添付の請求項の1つ若しくは複数の組合せによるものである。
【0060】
一態様(
図6の概略図参照)では、ピストンが互いの方へ向かう運動後、チャンバの体積が減少し、排出熱流体は駆動ユニットから放逐されて、放出開口及び再生器を通過し、そこで依然として保持していた熱エネルギーの一部を引き渡し、T4からT4’への温度の低下を受ける。
【0061】
一態様(
図6の概略図参照)では、熱流体をチャンバ内へ吸引するステップで、前記熱流体は、温度T1’で環境から吸引された空気である。
【0062】
一態様(
図6の概略図参照)では、この方法は、
タンクから蒸留水を引き込むステップと、
定量ポンプを起動し、噴射器によって所与の量の蒸留水を回路内へ導入し、以てT2’からT2”へのその結果の熱流体の温度の低下をもたらすステップとを含み、
再生器を通過するステップ後、排出熱流体が雰囲気中へ放出される。
【0063】
一態様(
図7の概略図参照)では、この方法は、
温度T1で冷却器から出た熱流体が、パイプ内へ進み、凝縮液トラップを通過し、そこで熱流体中の水が凝縮され、空気から分離され、温度T1’でパイプ内へ進み、吸引開口を通過し、2つのピストンが互いから離れる運動後、前記第1の区分のチャンバ内へ吸引されるステップと、
高圧ポンプによって押されると、トラップによって空気から前に抽出された凝縮水は、パイプを通って進み、噴射器に到達するステップとをさらに含み、噴射器は、事前定義された量の凝縮水の噴射を空気回路内で可能にするように配置され、事前定義された量は、駆動ユニットの単位電力を増大させること及びシリンダの潤滑を確保することが可能である。
【0064】
一態様(
図8の概略図参照)では、この方法は、
温度T1で冷却器から出た熱流体が、パイプ内へ進み、凝縮液トラップを通過し、そこで熱流体中の水が凝縮され、空気から分離され、温度T1’でパイプ内へ進み、吸引開口を通過し、2つのピストンが互いから離れる運動後、前記第1の区分のチャンバ内へ吸引されるステップと、
高圧ポンプによって押されると、トラップによって空気から前に抽出された凝縮水は、パイプを通って進み、蒸発器に到達するステップとをさらに含み、蒸発器は、凝縮水を加熱して気化させ、事前定義された量の凝縮水の噴射を空気回路内で可能にするように配置された噴射器へ送るように構成され、事前定義された量は、駆動ユニットの単位電力を増大させること及びシリンダの潤滑を確保することが可能であり、
前記蒸発器は、その低温側で、駆動ユニットの出口から放逐された排出熱流体を、入ってくる流体として受け取り、この排出熱流体から残留熱エネルギーを獲得し、それを使用して加熱器へ送るべき熱流体を予熱するように構成される。
【0065】
一態様(
図11の概略図参照)では、この方法は、
温度T1で冷却器から出た熱流体が、パイプ内へ進み、凝縮液トラップを通過し、そこで熱流体中の水が凝縮され、空気から分離され、温度T1’でパイプ内へ進み、吸引開口を通過し、2つのピストンが互いから離れる運動後、前記第1の区分のチャンバ内へ吸引されるステップと、
高圧ポンプによって押されると、トラップによって空気から前に抽出された凝縮水は、パイプを通って進み、蒸発器に到達するステップとをさらに含み、蒸発器は、凝縮水を加熱して気化させ、過熱器へ送るように構成され、過熱器は、バーナの下流で高温燃焼ヒュームからエネルギーを抽出することによって、蒸発器から出た飽和蒸気を過熱して蒸発器へエネルギーを供給するように構成され、
前記過熱器は、過熱された気化凝縮水を噴射器へ送るように構成され、噴射器は、事前定義された量の前記過熱された気化凝縮水の噴射を空気回路内で可能にするように配置され、事前定義された量は、駆動ユニットの単位電力をさらに増大させること、総合効率を増大させること、及びシリンダの潤滑を確保することが可能であり、
前記蒸発器は、その低温側で、駆動ユニットの出口から放逐された排出熱流体を、入ってくる流体として受け取り、この排出熱流体から残留熱エネルギーを獲得し、それを使用して加熱器へ送るべき熱流体を予熱するように構成される。
【0066】
一態様(
図12の概略図参照)では、この方法は、
冷却回路を配置するステップであって、冷却回路が、
バーナの上流にある第1のレキュペレータであり、燃焼空気が環境から引き込まれる、第1のレキュペレータ、
駆動ユニットに付随する冷却ユニット(又は空間)、
高温燃焼ヒュームの出口経路に沿って、バーナ及び加熱器の下流、好ましくは前記過熱器の下流に位置する第2のレキュペレータ、
前記第1のレキュペレータ、前記冷却ユニット(又は空間)、及び前記第2のレキュペレータを直列に連結して、円形の経路を形成し、ある量の冷却流体(好ましくは水)を支える複数の冷却パイプ、
前記回路内に位置しており、冷却回路内に前記冷却流体の循環をもたらすように、前記複数の冷却パイプのうちの1つのパイプで動作可能に活動する冷却ポンプを備える、配置するステップと、
以下のステップを実施するステップであって、
前記第1のレキュペレータによって、前記燃焼空気へ熱エネルギーを引き渡すことによって、冷却流体を冷却するステップ、
前記冷却ユニットによって、駆動ユニットから冷却流体への熱エネルギーの伝達によって駆動ユニットを冷却するステップであり、冷却流体が温度の上昇を受ける、冷却するステップ、
前記第2のレキュペレータによって、高温燃焼ヒュームから熱エネルギーを獲得することによって、前記冷却流体を加熱するステップを含む、実施するステップとをさらに含む。
【0067】
一態様(
図6、
図7、
図8、
図11、
図12の概略図参照)では、この方法は、
補助流体回路を配置するステップであって、補助流体回路が、
高温燃焼ヒュームの出口経路に沿って、バーナ及び加熱器の下流、好ましくは前記過熱器の下流に位置する補助レキュペレータ、
前記補助レキュペレータを通過し、1つ又は複数の補助使用、好ましくは空間加熱のためのデバイス及び/又は家庭用熱湯のための生産ユニットに連結されるように構成された複数の補助パイプ、
前記回路内に位置しており、前記補助回路内に循環をもたらすように、前記複数の補助パイプのうちの1つのパイプで動作可能に活動する補助ポンプを備える、配置するステップと、
以下のステップを実施するステップであって、
前記補助レキュペレータによって、燃焼ヒュームから可能な限り多くのエネルギーを回収するステップ、
前記補助回路内を循環している流体へ前記エネルギーを伝達するステップ、
補助使用のための前記エネルギーを用意するステップを含む。
【0068】
一態様では、駆動ユニットは、
トロイダルシリンダ(又は環状シリンダ)を画定する内部空洞を装備した筐体によって形成されたエンジンブロックと、
トロイダルシリンダ(又は環状シリンダ)内に回転可能に収容されたピストンの2つのトライアドであり、各トライアドがそれぞれの駆動回転体に連結され、2つのトライアドのピストンが互いに交互に入れ替わる、2つのトライアドと、
特有のケース内に収容された4つの3ローブギアの列を有し、ピストンの2つのトライアドとの間で運動を伝達するように構成及び設計された3軸動力伝達装置であって、1次シャフト(又は駆動シャフト)、第1の2次シャフト、及び第2の2次シャフトを備え、各2次シャフトが駆動回転体を介してピストンのそれぞれのトライアドに連結される、動力伝達装置と、
それぞれ第1及び第2の補助シャフトに連結され、筐体内に回転可能に設置された第1の回転体及び第2の回転体であり、2つの回転体の各々が、互いから120°角度的にずれて環状チャンバ内で摺動可能な3つのピストンと機械的に一体であり、回転体の一方のピストンが、他方の回転体のピストンと角度的に互い違いにされ、したがって角度的に隣り合うピストンが、作製された6つの可変体積チャンバの各々を形成し、その境界を画定する、第1の回転体及び第2の回転体とから実質上構成される。
【0069】
一態様では、環状チャンバは、長方形又は正方形の断面を有し、嵌合する形状のピストンは、それぞれ長方形又は正方形である。
【0070】
一態様では、環状チャンバは、円形の断面を有し(トロイダルに延びる)、嵌合する形状のピストンは、円形の断面を有する(トロイダルに延びる)。
【0071】
一態様では、トロイダルシリンダ(又は環状シリンダ)は、高温熱流体をシリンダに入れるための複数の相互に別個の入口開口と、排出熱流体を排出するための複数の相互に別個の放出開口とを装備する。
【0072】
一態様では、6つのチャンバの各々は、1次シャフトの全周回転(360°)ごとに3回膨張し、3回収縮する。
【0073】
一態様では、熱流体の通過に使用される入口/放出開口はすべて、トロイダル(又は環状)シリンダの筐体に作られる。
【0074】
一態様では、トロイダルシリンダ(又は環状シリンダ)は、冷却熱流体をシリンダに入れるための1つ又は複数の入口開口と、補償タンク内の圧縮熱流体を排出するための1つ又は複数の放出開口とを装備する。
【0075】
一態様では、動力伝達装置を収容しているケースの入口/放出開口に対する手動又は自動の角回転によって、熱力学的効率を最適化するために、より早く又はより遅くくるように、熱サイクルの位相の時間を調節することが可能である。
【0076】
一態様では、動力伝達装置を収容しているケースの入口/放出開口に対する手動又は自動の角回転によって、エンジン装置の自立的開始を可能にするために、より早く又はより遅くくるように、熱サイクルの位相の時間を調節することが可能である。
【0077】
一態様では、ピストンの第1のトライアドは第1の回転体の一体部分であり、ピストンの第2のトライアドは第2の回転体の一体部分である。
【0078】
一態様では、2つの回転体の各々の3つのピストンは、互いから角度的に等距離である。
【0079】
一態様では、回転体の各々の3つのピストンは、互いに一体的に回転するように、ともに堅く連結される。
【0080】
一態様では、第1の2次シャフトは中実であり、一方の端部が第1の3ローブギアに、反対側の端部が第1の回転体に、一体的に接合される。
【0081】
一態様では、第2の2次シャフトは中空であり、一方の端部がそれぞれの第2の3ローブギアに、反対側の端部が第2の回転体に、一体的に接合される。
【0082】
一態様では、1次シャフト(又は駆動シャフト)は、互いから60°あけて位置決めされた第1及び第2の3ローブギアに一体的に接合される。
【0083】
一態様では、駆動ユニットの動力伝達装置は、
第1の回転体が取り付けられた第1の補助シャフトと、
第2の回転体が取り付けられた第2の補助シャフトと、
1次シャフトへ係止され、互いから60°の角度だけ角度的にずれている第1の3ローブギア及び第2の3ローブギアと、
第1の補助シャフトへ係止された第3の3ローブギアと、
第2の補助シャフトへ係止された第4の3ローブギアとを備え、
第1の3ローブギアは、第3の3ローブギアと機能的に動作し、第2の3ローブギアは、第4の3ローブギアと機能的に動作する。
【0084】
一態様では、第1の補助シャフトは、第2の補助シャフト内へ同軸に挿入され、又は逆も同様である。
【0085】
一態様では、1次シャフトの軸線は、第1のシャフト及び第2のシャフトの軸線に平行に適当に距離をあけて配置される。
【0086】
一態様では、各3ローブギアは、そのローブ間に凹面及び/又は平面及び/又は凸面の連結部分を有する。
【0087】
一態様では、各3ローブギアは、その定義から推論することができるように、実質上三角形のプロファイルを有する。
【0088】
すべての態様で、1次シャフト(又は駆動シャフト)の一定の角速度を有する回転が、2つの2次シャフトの回転の角速度の周期的変動をもたらす。
【0089】
すべての態様で、1次シャフト(又は駆動シャフト)は、第1及び第2の2次シャフト並びにトロイダルシリンダ(又は環状シリンダ)内を回転しているピストンの対応するトライアドの角速度の周期的循環変動をもたらし、可変体積及び比を有する6つの別個の回転チャンバの作製を可能にする。
【0090】
一態様では、ピストンと1次シャフト(又は駆動シャフト)との間の運動の伝達は、第1及び第2の2次シャフトを1次シャフトに連結する3ローブギアの列によって得られ、1次シャフト(又は駆動シャフト)が一定の角速度で回転するのに対して、2つの2次シャフトは、1次シャフトより周期的に速い、等しい、又は遅い角速度で回転することを特徴とする。
【0091】
一態様では、本発明の概念に対する偏見なしに、駆動ユニットは、ピストンの2つのトライアドと1次シャフトとの間で運動を伝達するあらゆる任意のシステムを装備することができ(たとえば、米国特許第5147191号、欧州特許出願公開第0554227号、及び台湾公開特許第1296023号に記載ものなど)、一定の角速度を有する1次シャフトの回転運動を、ピストンの2つのトライアドに機能的に連結された2つの2次シャフトの周期的に可変の角速度を有する回転運動に変換することが可能な任意の機構を採用することが可能である。
【0092】
すべての態様で、駆動ユニットは、好適な熱流体運搬導管によって、様々な構成要素及び様々な区分を駆動ユニットの対応する入口/放出開口に動作可能に連結することができるように構成することができる。
【0093】
一態様では、駆動ユニットは、トロイダルシリンダ(又は環状シリンダ)内で動くことによって、ピストンのトライアド自体が熱流体の入口/放出開口の開放及び閉鎖をもたらすため、入口/放出弁及び関連する機構を一切含まない。
【0094】
一態様では、駆動ユニットを使用する熱機械は、入口/放出開口を開閉する機能においてピストンの仕事を支援することによって熱サイクルを最適化するように、熱流体運搬導管内に適当に位置決めされた逆止め弁を装備することができる。
【0095】
一態様では、駆動ユニットを使用する熱機械は、すべての最大エネルギーを提供して、有用な仕事を生み出すように働きながら、普通なら失われるはずのすべてのエネルギーを可能な限り多く回収することを可能にするように構成された1つ又は複数の熱流体加熱器及び/又はレキュペレータを備えることができる。
【0096】
一態様では、駆動ユニットは、任意の目的で利用可能な電気エネルギーを生み出すことが可能な生成器に連結される。
【0097】
一態様では、駆動ユニットは、任意の目的で利用可能な機械エネルギーを生み出すことが可能である。
【0098】
一態様では、駆動ユニットを使用する熱機械は、プロセスの様々な段階で熱流体の送達圧力及び/又は温度を調節するように構成された熱エネルギー調節システムを備える。
【0099】
一態様では、駆動ユニットは、駆動ユニットが熱流体を圧縮及び膨張させる機能を実行することができるため、元のジュール-エリクソン動作サイクルによって機能するように構成することができる。
【0100】
一態様では、駆動ユニットを使用する「熱機械」は、熱流体の単方向の連続運動を特徴とする熱空気及び水蒸気を使用する新しい「脈動熱サイクル」によって機能するように構成される。
【0101】
一態様では、駆動ユニットは、任意の熱源によって加熱された熱流体の流れを使用して機械エネルギーを生み出すことが可能な装置として用いるのに好適である。
【0102】
一態様では、循環熱流体の加熱は、燃料バーナ(たとえば、ガスバーナ)、又はたとえば太陽電池エネルギー、バイオマス、未精製燃料、高温の産業廃棄物、若しくは熱流体自体を必要最小限の温度に加熱するのに好適な別の熱源などの任意の他の外部熱源を使用して実現することができる。
【0103】
追加の特徴は、それぞれ以下に関する本発明の熱機械及びその使用のいくつかの好ましい実施形態の以下の詳細な説明からさらに明らかになる。
リサイクル不可の蒸留水の噴射によって熱流体(通常は空気)が補完され、その主目的が、ピストンが摺動するシリンダの潤滑及び駆動ユニットの単位電力の増大である、新しい「開」動作サイクルに関する第1の機能的構成(
図6参照)、
凝縮水の噴射によって熱流体(通常は空気)が補完され、その主目的が、ピストンが摺動するシリンダの潤滑及び駆動ユニットの単位電力の増大である、新しい「閉」動作サイクルに関する第2の機能的構成(
図7参照)、
飽和水蒸気の噴射によって熱流体(通常は空気)が補完され、ピストンが摺動するシリンダの潤滑及び駆動ユニットの単位電力の増大に加えて、熱サイクルの総合効率の改善も可能にする、新しい「閉」動作サイクルに関する第3の機能的構成(
図8参照)、
過熱水蒸気の噴射によって熱流体(通常は空気)が補完され、ピストンが摺動するシリンダの潤滑及び駆動ユニットの単位電力の大幅な増大に加えて、熱サイクルの総合効率の大幅な改善も可能にする、新しい「閉」動作サイクルに関する第4の機能的構成(
図11参照)、
過熱水蒸気の噴射によって熱流体(通常は空気)が補完され、ピストンが摺動するシリンダの潤滑及び駆動ユニットの単位電力の大幅な増大に加えて、熱サイクルの総合効率の大幅な改善を可能にし、循環している流体の熱エネルギーの完全な回復も可能にする、新しい「閉」動作サイクルに関する第5の機能的構成(
図12参照)。
【0104】
第1に、好ましくは熱流体として使用されるガスは一般的な「空気」であるが、以下に提示及び説明するように、本発明の概念に対する偏見なしに、水蒸気により適しているより好適な任意の他のガスを使用することもできることに留意されたい。
【0105】
また、「静止」状態で、使用される熱流体(通常は空気及び水)は周辺の環境と同じ温度であり、閉回路の解決策において、シリンダ及びパイプ内では、大気圧以外の圧力を適宜選択することもできることを指摘することも有用である。
【0106】
その完全性において、新しい熱サイクルは、非限定的な例として与えられる本発明による熱機械の5つの主要な構成に関して後述するように、導入、圧縮、加熱、蒸発、過熱、膨張(有用な仕事を生み出す)、追放、及び凝縮という流体の複数の熱力学的変動ステップにおいて、連続モードで実施される。
【0107】
図12に表す熱機械の最も完全な機能的構成は、単位電力の大幅な増大、総合効率の大幅な増大、及び水蒸気によるシリンダ/ピストンシステムの効率的な潤滑を得るために、熱流体の使用を特徴とする「脈動熱サイクル」と従来定義される新しい熱力学サイクルを実現するように構成された、先行する態様の1つ又は複数による駆動ユニット(1)を備える熱機械(121)に関し、熱流体は、好ましくは空気及び蒸留水から構成され、好適には駆動ユニット1内でその膨張前に加熱、気化、及び過熱される。
【0108】
この構成では、サイクルの開始が冷却空気の吸引と同時に行われ、熱機械は、
循環している熱流体から熱を抽出して熱流体を冷却し、次いでユニット(1)内で吸引/圧縮される空気の質量を増大させるように構成された「冷却器」(43)と、
循環熱流体を「圧縮」及び「膨張」させる機能を有する4つ又は6つのピストンを含む「駆動ユニット」(1)と、
圧縮熱流体の「脈動」循環を最適化するように採用された好適な逆止め弁を装備した「補償タンク」(44)と、
ユニット(1)から放逐された排出熱流体から熱を抽出して、次いで加熱される熱流体を予熱するように構成された「再生器」(42)と、
凝縮水を蒸気に変換し、再生器(42)をすでに通過した排出熱流体からさらなるエネルギーを抽出するように構成された「蒸発器」(95)と、
高温燃焼ヒュームからエネルギーを抽出することによって、「蒸発器」(95)から出た飽和蒸気を過熱して飽和蒸気にエネルギーを提供することが可能であり、熱サイクルに相当な利点を有する「過熱器」(96)と、
循環熱流体を加熱して、仕事を生み出す後の能動膨張ステップに必要な熱エネルギーを循環熱流体に提供するという目的を有する「加熱器」(41)と、
循環している水蒸気を凝縮し、連続モードで再利用することを可能にするように構成された放出器/分離器(93)と、
凝縮水を再循環させるように構成された高圧ポンプ(94)と、
回路内への過熱蒸気の導入に最善の状態をもたらすように構成された「噴射器」(97)と、
駆動ユニット(1)を理想的な動作温度で維持し、雰囲気への放出前に燃焼ヒュームからさらなるエネルギーを回収するように構成された「交換器」(98)、ポンプ(99)、第1の「レキュペレータ」(100)、第2のレキュペレータ(101)とを備える。
【0109】
特に、熱機械内の循環流体の運動は、ピストンの回転運動によって調整され、ピストンの回転運動は、入口/放出開口の開放/閉鎖をもたらすことによって、この新しい熱サイクルを特徴付ける特定の非常に高い頻度の「脈動」作用を生成する。たとえば、1次シャフトの1,000rpmの回転速度は、厳密に循環熱流体の毎秒100パルスに対応する。
【0110】
添付の図及び図面を参照する際、これらの図及び図面は、限定ではなく例示のみを目的として提供されていることに留意されたい。
【図面の簡単な説明】
【0111】
【
図1】本発明で利用可能な駆動ユニットの概略正面図である。
【
図2a】
図1の駆動ユニットの中心本体の側断面図である。
【
図2b】運動伝達システムの一区分を有する
図1の駆動ユニットの中心本体の変形形態の側断面図である。
【
図3】
図1の駆動ユニットの運動伝達システムの一部を形成する3ローブギアの列の正面図である。
【
図4】往復運動を伴うピストンを装備した機関によって実施される閉回路エリクソンサイクルの動作図である。
【
図5】単一シャフトタービンによって実施される閉回路ジュールサイクルを有する熱機械の動作図である。
【
図6】水の噴射を伴う空気から構成される熱流体の使用を特徴とする「開回路」構成における本発明による熱機械の第1の可能な実施形態を概略的に示す図である。
【
図7】水蒸気の凝縮物の噴射を伴う空気から構成される熱流体の使用を特徴とする「閉回路」構成における本発明による熱機械の第2の可能な実施形態を概略的に示す図である。
【
図8】飽和水蒸気の噴射を伴う空気から構成される熱流体の使用を特徴とする「閉回路」構成における本発明による熱機械の第3の可能な実施形態を概略的に示す図である。
【
図9】凝縮水の蒸発によって取得可能なエネルギー回復を示す機能図である。
【
図10】サイクル内での凝縮水の蒸発及び過熱水蒸気の使用によって取得可能なエネルギーの増大を示す機能図である。
【
図11】過熱水蒸気の噴射を伴う空気から構成される熱流体の使用を特徴とする「閉回路」構成における本発明による熱機械の第4の可能な実施形態を概略的に示す図である。
【
図12】過熱水蒸気の噴射を伴う空気から構成される熱流体の使用を特徴とし、駆動ユニットの熱安定化を伴うエネルギー回復システムを装備した、「閉回路」構成における本発明による熱機械の第5の可能な実施形態の概略的に示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0112】
[熱機械内で用いられる駆動ユニットの詳細な説明]
図1、
図2a、
図2b、
図3を参照すると、(1)は、その全体として、好ましくは熱空気及び水蒸気によって動作する新しい「脈動熱サイクル」内で「圧縮器/エキスパンダ」として用いられる「駆動ユニット」を示す。
【0113】
駆動ユニット1は、座部3の内部の境界を画定する筐体2を備える。
【0114】
図示の非限定的な実施形態では、筐体2は、ともに接合された2つの半体部分2a、2bから構成される。
【0115】
座部3内には、同じ軸線「X-X」の周りを回転する第1の回転体4及び第2の回転体5が収容される。
【0116】
第1の回転体4は、第1の円筒体6と、第1の円筒体6から放射状に延び、第1の円筒体6に堅く連結又は一体化された3つの第1の要素7a、7b、7cとを有する。
【0117】
第2の回転体5は、第2の円筒体8と、第2の円筒体8から放射状に延び、第2の円筒体8に堅く連結又は一体化された3つの第2の要素9a、9b、9cとを有する。
【0118】
回転体4の要素7a、7b、7cは、互いから角度的に等距離にあり、すなわち各要素は、隣り合う要素から平均して120°の角度「α」(各要素の対称面間で測定される)だけ隔置される。
【0119】
回転体5の要素9a、9b、9cは、互いから角度的に等距離にあり、すなわち各要素は、隣り合う要素から平均して120°の角度「α」(各要素の対称面間で測定される)だけ隔置される。
【0120】
第1の円筒体6及び第2の円筒体8は、それぞれの底面10、11で横に並べて設置され、同軸である。
【0121】
第1の回転体4の3つの第1の要素7a、7b、7cは、軸線方向に沿ってさらに延び、第2の回転体5の第2の円筒体8の径方向外方の位置に配置された突出部分を有する。
【0122】
第2の回転体5の3つの第2の要素9a、9b、9cは、軸線方向に沿ってさらに延び、第1の回転体4の第1の円筒体6の径方向外方の位置に配置された突出部分を有する。
【0123】
3つの第1の要素7a、7b、7cは、環状チャンバ12の円周範囲に沿って、3つの第2の要素9a、9b、9cと互い違いにされる。
【0124】
第1の要素7a、7b、7c及び第2の要素9a、9b、9cの各々は、放射状区分(
図1)内に、回転軸線「X-X」に向かって収束する実質上台形のプロファイルを有し、軸線方向区分(
図2a、
図2b)内に、実質上円形又は長方形のプロファイルを有する。
【0125】
第1の要素7a、7b、7c及び第2の要素9a、9b、9cの各々は、限定ではなく純粋に近似として、約38°の角度サイズを有する。
【0126】
第1の円筒体6及び第2の円筒体8の径方向外方の周囲面は、座部3の内面とともに、環状チャンバ12の境界を画定する。
【0127】
したがって、環状チャンバ12は、第1の要素7a、7b、7c及び第2の要素9a、9b、9cによって、可変体積の「回転チャンバ」13’、13”、13’’’、14’、14”、14’’’に分割される。特に、各可変体積「回転チャンバ」は、第1の要素7a、7b、7cの1つ及び第2の要素9a、9b、9cの1つによって(筐体2の径方向内方の表面及び円筒体6、8の径方向外方の表面に加えて)、境界が画定される。
【0128】
最初の
図2aでは、第1の要素7a、7b、7c及び第2の要素9a、9b、9cの各々は、その軸線方向断面において、実質上円形のプロファイルを有し、環状チャンバ12も同様に、「トロイダル」として画定される円形の断面を有する。
【0129】
図2bの変形形態では、第1の要素7a、7b、7c及び第2の要素9a、9b、9cの各々は、その軸線方向断面において、長方形(又は正方形)のプロファイルを有し、環状チャンバ12も同様に、長方形(又は正方形)の断面を有する。
【0130】
環状チャンバ12の内壁と、上述した第1の要素7a、7b、7c及び第2の要素9a、9b、9cの各々との間には、チャンバ12自体内のピストン4、5の回転運動及び要素7a、7b、7c、9a、9b、9cの摺動を可能にするためなどの空間が残っている。
【0131】
第1の要素7a、7b、7c及び第2の要素9a、9b、9cは、図示の駆動ユニット1のピストンであり、可変体積回転チャンバ13’、13”、13’’’、14’、14”、14’’’は、前記駆動ユニット1の作業流体の圧縮及び/又は膨張のためのチャンバである。
【0132】
入口開口又は放出開口15’、16’、15”、16”、15’’’、16’’’(好適なサイズ及び形状)は、筐体2の径方向外方に壁の中に作られ、環状チャンバ12へ開いており、以下にさらに示すように、環状チャンバ12の外部にある導管と流体連通している。
【0133】
各入口開口又は放出開口15’、16’、15”、16”、15’’’、16’’’は、駆動ユニット1の異なる個々の各機能的構成の要件に適合するように、適切な方法で角度的に隔置される。
【0134】
駆動ユニット1は、回転軸線「X-X」に平行に回転軸線「X-X」から距離をあけて筐体2に回転可能に取り付けられた1次シャフト17と、1次シャフト17と回転体4、5との間に機械的に介在する動力伝達装置18とをさらに備える。
【0135】
動力伝達装置18は、第1の回転体4が係止される第1の補助シャフト19と、第2の回転体5が係止される第2の補助シャフト20とを備える。第1の補助シャフト19及び第2の補助シャフト20は、回転軸線「X-X」と同軸である。第2の補助シャフト20は管状であり、第1の補助シャフト19の一部分を内部に収容する。第1の補助シャフト19は、第2の補助シャフト20内で回転することができ、第2の補助シャフト20は、筐体2内で回転することができる。
【0136】
第1の3ローブギア23が、1次シャフト17へ係止される。第1の3ローブギアの隣に、第2の3ローブギア24が1次シャフト17へ係止される。第2の3ローブギア24は、第1の3ローブギア23に対して60°の角度「Δ」だけ角度的にずれている1次シャフト17に取り付けられる。2つの3ローブギア23及び24は、1次シャフト17とともに回転する。
【0137】
第3の3ローブギア25が、第1の補助シャフト19へ係止され(第1の補助シャフト19と一体的に回転するように)、第3の3ローブギア25の歯は、第1の3ローブギア23の歯と精密に噛み合う。
【0138】
第4の3ローブギア26が、第2の補助シャフト20へ係止され(第2の補助シャフト20と一体的に回転するように)、第4の3ローブギア26の歯は、第2の3ローブギア24の歯と精密に噛み合う。
【0139】
上述した3ローブギア23、24、25、26の各々は、丸めた頂点27と、頂点27間に介在する連結部分28とを有するほぼ等辺三角形のプロファイルを有し、連結部分28は、凹面、平面、又は凸面とすることができる。
【0140】
ギアの頂点27及び連結部分28の形状を変化させることで、回転運動中の補助シャフト19、20の周期的角運動の値を事前に確立することが可能になる。
【0141】
動力伝達装置18の構造は、1次シャフト17の全周回転中に、2つの回転体4、5もまた、周期的に可変の角速度で互いからずれているが全周回転し、全周360°回転する間に、隣り合うピストン7a、9a、7b、9b、7c、9cが、互いから離れて互いの方へ向かうように3回動くことを誘起するようになっている。したがって、6つの可変体積チャンバ13’、13”、13’’’、14’、14”、14’’’の各々は、1次シャフト17の全周回転ごとに3回膨張し、3回収縮する。
【0142】
言い換えれば、6つのピストン7a、7b、7c、9a、9b、9cのうちの隣り合うピストンの対は、周期的に可変の角速度の回転中、環状チャンバ12内で隣り合うピストンの2つの面が実質上互いに隣接する第1の位置と、同じ面が許容される限り最大に角度的に隔置される第2の位置との間で可動である。純粋に例として、第1の位置で、隣り合うピストンの2つの面は、互いから約1°角度的に隔置されるのに対して、第2の位置で、2つの同じ面は、互いから約81°角度的に隔置される。
【0143】
6つの可変体積チャンバ13’、13”、13’’’、14’、14”、14’’’は、第1の群の3つのチャンバ13’、13”、13’’’及び第2の群の3つのチャンバ14’、14”、14’’’から構成される。第1の群の3つのチャンバ13’、13”、13’’’が最小体積を有する(ピストンが最小の往復距離で互いに隣接する)とき、他の3つのチャンバ14’、14”、14’’’(第2の群)は、最大体積を有する(ピストンが最大の往復距離をあける)。
【0144】
本発明の革新的な態様をより良好に明確化及び強調する目的で、5つの主要な機能的構成について、精密かつ詳細に以下に説明する。
【0145】
本発明による「脈動熱サイクル」によって動作するように構成された新しい熱機械(121)の動作について説明するために、駆動ユニット(1)では、各々互いに隣り合う2つのピストンによって境界が画定された環状シリンダ内で回転する6つの周期的に可変体積のチャンバ(13’、13”、13’’’、14’、14”、14’’’)の各々において、多様な吸引、圧縮、膨張、及び追放機能が周期的に実行されることに言及することによって開始する必要がある。
【0146】
図13は、本発明による熱機械の一部分の拡大図を示し、この部分は、
図6、
図7、
図8、
図11、及び
図12に示す5つの構成で同一に用いられる駆動ユニットに関し、以下の5つの説明(A、B、C、D、E)の主題である。駆動ユニット1の要素及び熱機械121の構成要素への駆動ユニット1の連結を識別するために使用される
図13に含まれる参照番号は、
図6、
図7、
図8、
図11、及び
図12に示される対応する要素にも該当する。
【0147】
簡単にするために、以下の5つの説明(A、B、C、D、E)では、熱機関(121)の異なる区分内で熱流体がたどる経路について、単一の完全な熱サイクルを含んだ場合と同様に説明する。実際には、駆動シャフトの回転(360°の回転角度に対応する)ごとに、6つ以上の完全な熱サイクルが実施される。
【0148】
[A.
図6に表す機能的構成によって動作する熱機械121の詳細な説明]
単独のジュール-エリクソンサイクル及び単独の「駆動ユニット」と比較すると、この構成によって導入される新規性は、「複合」動作サイクルの実現に関し、熱流体は、空気及び水の混合物(蒸気に変換される)であり、これは、総合効率のわずかな減少にもかかわらず、シリンダ(ピストンが摺動する)の潤滑を確保し、より高い単位電力を得ることを可能にする。
【0149】
図6を参照すると、ピストンが配置される位置で、サイクルの以下の主要なステップを識別することができる。
【0150】
[A1 運動を開始する]
まず、すべての制御及び調節デバイスが特有の補助電気ライン(図示せず)を介して電力供給されることに留意して、熱機械121の開始が以下のように行われる。
1次シャフト17(
図2bに見られる)及び6つのピストン7a、7b、7c、9a、9b、9cを動かす伝達システム全体が、スタータモータを介して回転を開始し、したがってサイクルの開始のための準備状態を生じさせる。
蒸留水97bを計量する定量ポンプが起動される。
ファン92が起動される。
調節弁91(燃料Fの噴射を制御する)に作用することによってバーナ40が起動され、燃焼プロセスが開始される。
循環熱流体が所定の最小動作状態に到達したとき、駆動ユニット1は、自立的に動作することができるように必要な仕事を生み出すことが可能である。
【0151】
[A2 周囲空気を吸引するステップからサイクルを開始する]
温度T1’で環境から吸引された空気は、パイプ93内へ進み、吸引開口15’’’を通過し、2つのピストン9c-7cが互いから離れる運動後、チャンバ13’’’内へ吸引される。
【0152】
[A3 吸引空気を圧縮及び回復するステップ]
2つのピストン7c-9aが互いの方へ向かう運動後、前に吸引された空気がチャンバ14’’’内で圧縮され(通常は最小比1:4及び最大比1:20によって事前設定される限界まで)、T1’からT2への温度の上昇を受け、放出開口16’’’、パイプ44’、及び逆止め弁44aを通過し、補償タンク44内で終了し、そこで即時使用のために利用可能なままである。
【0153】
[A4 圧縮熱流体を予熱するステップ]
ピストンの回転及びその結果の入口開口15’、15”の開放/閉鎖によって決定される間欠性により、空気はタンク44から流出し、パイプ44”及び逆止め弁44bを通過し、パイプ44’’’を通って進み、再生器42内へ進む(そこでT2からT2’への温度の上昇を受ける)。
【0154】
[A5 蒸留水を空気導管内へ噴射するステップ]
再生器42から出た空気は、パイプ42’を通って進み、逆止め弁42aを通過し、パイプ42’’’内へ進む。
【0155】
蒸留水は、タンク97aから引き込まれて、パイプ97”を通って進み、定量ポンプ97b内で高圧を受け、温度Tcでパイプ97’’’内へ運ばれ、噴射器97によって、パイプ42’’’内へ導入され、そこで混合の結果、そうして形成された混合物は、T2’からT2”への温度の低下を受ける。
【0156】
[A6 循環熱流体を過熱するステップ]
混合された熱流体は、パイプ97’を通って進み、加熱器41(燃焼チャンバ40Aに隣り合い、多燃料バーナ40を装備する)を通過し、そこで熱エネルギーを受け取り、T2”からT3へ温度を上昇させる。
【0157】
[A7 過熱熱流体を膨張させて有用な仕事を生み出すステップ]
ピストン7a-7bが、環状シリンダ内で矢印によって示す運動方向に回転することによって、入口開口15’~15”を開放したとき、パイプ41’、41”、41’’’を流れている過熱熱流体は、膨張チャンバ13’及び13”内へ導入され、そこで膨張し(T3からT4へ温度が低下する)、ピストンを回転させることによって、有用な仕事を生み出す。
【0158】
[A8 排出熱流体からのエネルギーを追放及び回収するステップ]
ピストン7a-9b及び7b-9cが互いの方へ向かう運動後、チャンバ14’及び14”の体積が減少し、排出熱流体(前のサイクルですでに膨張している)が駆動ユニット1から放逐されて、2つの放出開口16’、16”を通過し、パイプ45’、45”、45’’’を通って流れ、再生器42を通過し(そこで依然として保持していた熱エネルギーの一部を引き渡し、T4からT4’への温度の低下を受ける)、次いでパイプ42”を通過する際、雰囲気中へ放出され、したがって熱サイクルが終了する。
【0159】
[A9 燃焼ヒュームの温度の低下によるエネルギーの回復]
熱機械に対して想定される機能は、補助使用(空間の加熱及び/又は家庭用熱湯の生産など)向けの熱エネルギーを提供することでもあると考えて、高温ヒュームが雰囲気中へ(導管102を通って)放出される前に、温度を可能な限り低下させることによって、残留エネルギーはすべて回収される(可能な凝縮によってさらなるエネルギーを回収することも可能である)。この目的を実現するために、特有の流体回路が使用され、以下の運搬モードが採用され、補助使用103からの入ってくる熱流体(通常は水)が、パイプ103’内へ進み、循環ポンプ104によって押されると、パイプ104’内へ進み、低い温度Tfでレキュペレータ101に到達し、次いでレキュペレータ101を通過する際、Th7からTh2へのヒュームSの温度の低下により、熱エネルギーを獲得し、より高温Tgまで加熱され、パイプ101’を介して、補助使用130及び所期の目的に利用可能になる。
【0160】
[B.
図7に表す機能的構成によって動作する熱機械121の詳細な説明]
単独のジュール-エリクソンサイクル及び単独の「駆動ユニット」と比較すると、この構成によって導入される新規性は、「複合」動作サイクルの実現に関し、熱流体は、空気及び水の混合物(蒸気に変換される)であり、これは、総合効率のわずかな減少にもかかわらず、シリンダ(ピストンが摺動する)の潤滑を確保し、より高い単位電力を得ることを可能にする。
【0161】
図7を参照すると、ピストンが配置される位置で、サイクルの以下の主要なステップを識別することができる。
【0162】
[B1 熱機械121の運動を開始する]
まず、すべての制御及び調節デバイスが特有の補助電気ライン(図示せず)を介して電力供給されることに留意して、熱機械121の開始が以下のように行われる。
1次シャフト17(
図2bに見られる)及び6つのピストン7a、7b、7c、9a、9b、9cを動かす伝達システム全体が、スタータモータを介して回転を開始し、したがってサイクルの開始のための準備状態を生じさせる。
凝縮水ポンプ94が起動される。
ファン92が起動される。
調節弁91(燃料Fの噴射を制御する)に作用することによってバーナ40が起動され、燃焼プロセスが開始される。
循環熱流体が所定の最小動作状態に到達したとき、駆動ユニット1は、自立的に動作することができるように必要な仕事を生み出すことが可能である。
【0163】
[B2 冷却熱流体を吸引するステップからサイクルを開始する]
温度T1で冷却器43から出た熱流体は、パイプ43’内へ進み、凝縮液トラップ93を通過し(そこで熱流体中の水が凝縮され、空気から分離される)、温度T1’でパイプ93’内へ進み、吸引開口15’’’を通過し、2つのピストン9c-7cが互いから離れる運動後、チャンバ13’’’内へ吸引される。
【0164】
[B3 吸引熱流体を圧縮及び回復するステップ]
2つのピストン7c-9aが互いの方へ向かう運動後、前に吸引された空気がチャンバ14’’’内で圧縮され(通常は最小比1:4及び最大比1:20によって事前設定される限界まで)、T1’からT2への温度の上昇を受け、放出開口16’’’、パイプ44’、及び逆止め弁44aを通過し、補償タンク44内で終了し、そこで即時使用のために利用可能なままである。
【0165】
[B4 圧縮熱流体を予熱するステップ]
ピストンの回転及びその結果の入口開口15’、15”の開放/閉鎖によって決定される間欠性により、空気はタンク44から流出し、パイプ44”及び逆止め弁44bを通過し、パイプ44’’’を通って進み、再生器42内へ進む(そこでT2からT2’への温度の上昇を受ける)。
【0166】
[B5 凝縮水を引き込むステップ]
高圧ポンプ94によって押されると、トラップ93によって空気から前に抽出された凝縮水は、パイプ93”及び94’を通って流れる(温度T1”)。
【0167】
[B6 凝縮水を空気導管内へ噴射するステップ]
再生器42から出た空気は、パイプ42’を通って進み、逆止め弁42aを通過し、パイプ42’’’内へ進み、噴射器97を介して、凝縮水が導入される。空気と凝縮水の混合の結果、混合物はT2’からT2”への温度の低下を受ける。
【0168】
[B7 循環熱流体を過熱するステップ]
混合された熱流体は、パイプ97’を通って進み、加熱器41(燃焼チャンバ40Aに隣り合い、多燃料バーナ40を装備する)を通過し、そこで熱エネルギーを受け取り、T2”からT3へ温度を上昇させる。
【0169】
[B8 過熱熱流体を膨張させて有用な仕事を生み出すステップ]
ピストン7a-7bが、環状シリンダ内で矢印によって示す運動方向に回転することによって、入口開口15’~15”を開放したとき、パイプ41’、41”、41’’’を流れている過熱熱流体は、膨張チャンバ13’及び13”内へ導入され、そこで膨張し(T3からT4へ温度が低下する)、ピストンを回転させることによって、有用な仕事を生み出す。
【0170】
[B9 排出熱流体からのエネルギーを追放及び回収するステップ]
ピストン7a-9b及び7b-9cが互いの方へ向かう運動後、チャンバ14’及び14”の体積が減少し、排出熱流体(前のサイクルですでに膨張している)が駆動ユニット1から放逐されて、2つの放出開口16’、16”を通過し、パイプ45’、45”、45’’’を通って流れ、再生器42を通過し(そこで依然として保持していた熱エネルギーの一部を引き渡し、T4からT4’への温度の第1の低下を受ける)。
【0171】
[B10 排出熱流体のさらなる冷却によるサイクルの終了]
熱流体は、パイプ42”内へ進み、冷却器43に到達し、そこからサイクルを継続し、連続モードで繰り返すことができる。
【0172】
[B11 燃焼空気を予熱するプロセスの最適化によるエネルギーの回復]
環境から引き込まれた燃焼空気は、ファン92によって押されて、冷却器43内へ進み、そこでエネルギーを獲得し、Th1からTh3へ温度が上昇し、したがって燃焼プロセスを容易にする。
【0173】
[B12 燃焼ヒュームの温度の低下によるエネルギーの回復]
熱機械に対して想定される機能は、補助使用(空間の加熱及び/又は家庭用熱湯の生産など)向けの熱エネルギーを提供することでもあると考えて、高温ヒュームが雰囲気中へ(導管102を通って)放出される前に、温度を可能な限り低下させることによって、残留エネルギーはすべて回収される(可能な凝縮によってさらなるエネルギーを回収することも可能である)。この目的を実現するために、特有の流体回路が使用され、以下の運搬モードが採用され、補助使用103からの入ってくる熱流体(通常は水)が、パイプ103’内へ進み、循環ポンプ104によって押されると、パイプ104’内へ進み、低い温度Tfでレキュペレータ101に到達し、次いでレキュペレータ101を通過する際、Th7からTh2へのヒュームSの温度の低下により、熱エネルギーを獲得し、より高温Tgまで加熱され、パイプ101’を介して、補助使用130及び所期の目的に利用可能になる。
【0174】
[C.
図8に表す機能的構成によって動作する熱機械121の詳細な説明]
単独のジュール-エリクソンサイクル及び単独の「駆動ユニット」と比較すると、この構成によって導入される新規性は、「複合」動作サイクルの実現に関し、熱流体は、空気及び水の混合物(蒸気に変換される)であり、これは、シリンダ(ピストンが摺動する)の潤滑を確保し、より高い単位電力を得ることを可能にし、総合効率の改善も可能にする。
【0175】
図8を参照すると、ピストンが配置される位置で、サイクルの以下の主要なステップを識別することができる。
【0176】
[C1 熱機械121の運動を開始する]
まず、すべての制御及び調節デバイスが特有の補助電気ライン(図示せず)を介して電力供給されることに留意して、熱機械121の開始が以下のように行われる。
1次シャフト17(
図2bに見られる)及び6つのピストン7a、7b、7c、9a、9b、9cを動かす伝達システム全体が、スタータモータを介して回転を開始し、したがってサイクルの開始のための準備状態を生じさせる。
凝縮水ポンプ94が起動される。
ファン92が起動される。
調節弁91(燃料Fの噴射を制御する)に作用することによってバーナ40が起動され、燃焼プロセスが開始される。
循環熱流体が所定の最小動作状態に到達したとき、駆動ユニット1は、自立的に動作することができるように必要な仕事を生み出すことが可能である。
【0177】
[C2 冷却熱流体を吸引するステップからサイクルを開始する]
温度T1で冷却器43から出た熱流体は、パイプ43’内へ進み、凝縮液トラップ93を通過し(そこで熱流体中の水が凝縮され、空気から分離される)、温度T1’でパイプ93’内へ進み、吸引開口15’’’を通過し、2つのピストン9c-7cが互いから離れる運動後、チャンバ13’’’内へ吸引される。
【0178】
[C3 吸引熱流体を圧縮及び回復するステップ]
2つのピストン7c-9aが互いの方へ向かう運動後、前に吸引された空気がチャンバ14’’’内で圧縮され(通常は最小比1:4及び最大比1:20によって事前設定される限界まで)、T1’からT2への温度の上昇を受け、放出開口16’’’、パイプ44’、及び逆止め弁44aを通過し、補償タンク44内で終了し、そこで即時使用のために利用可能なままである。
【0179】
[C4 圧縮熱流体を予熱するステップ]
ピストンの回転及びその結果の入口開口15’、15”の開放/閉鎖によって決定される間欠性により、空気はタンク44から流出し、パイプ44”及び逆止め弁44bを通過し、パイプ44’’’を通って進み、再生器42内へ進む(そこでT2からT2’への温度の上昇を受ける)。
【0180】
[C5 凝縮水を気化/過熱するステップ]
高圧ポンプ94によって押されると、トラップ93によって空気から前に抽出された凝縮水は、パイプ93”及び94’を通って流れ、蒸発器95を通過し、そこで加熱/気化される(T1”からTaへの温度の上昇により、液体から蒸気へ状態を変化させる)。
【0181】
[C6 飽和蒸気を空気導管内へ噴射するステップ]
再生器42から出た空気は、パイプ42’を通って進み、逆止め弁42aを通過し、パイプ42’’’内へ進み、噴射器97を介して、パイプ95’内で運搬される飽和蒸気が導入される。空気と飽和蒸気の混合の結果、熱流体は質量の増大及びT2’からT2”への温度の低下を受ける。
【0182】
[C7 循環熱流体を過熱するステップ]
混合された熱流体は、パイプ97’を通って進み、加熱器41(燃焼チャンバ40Aに隣り合い、多燃料バーナ40を装備する)を通過し、そこで熱エネルギーを受け取り、T2”からT3へ温度を上昇させる。
【0183】
[C8 過熱熱流体を膨張させて有用な仕事を生み出すステップ]
ピストン7a-7bが、環状シリンダ内で矢印によって示す運動方向に回転することによって、入口開口15’~15”を開放したとき、パイプ41’、41”、41’’’を流れている過熱熱流体は、膨張チャンバ13’及び13”内へ導入され、そこで膨張し(T3からT4へ温度が低下する)、ピストンを回転させることによって、有用な仕事を生み出す。
【0184】
[C9 排出熱流体からのエネルギーを追放及び回収するステップ]
ピストン7a-9b及び7b-9cが互いの方へ向かう運動後、チャンバ14’及び14”の体積が減少し、排出熱流体(前のサイクルですでに膨張している)が駆動ユニット1から放逐されて、2つの放出開口16’、16”を通過し、パイプ45’、45”、45’’’を通って流れ、再生器42を通過し(そこで依然として保持していた熱エネルギーの一部を引き渡し、T4からT4’への温度の第1の低下を受ける)、次いでパイプ42”内へ進み、蒸発器95を通過し、そこで
図9の区域Q95に概略的に表すように、保持している熱エネルギーの一部を再び引き渡し、T4’からT4”への温度の第2の低下を受け、有用なエネルギーの回復を可能にする。
【0185】
[C10 排出熱流体のさらなる冷却によるサイクルの終了]
熱流体は、パイプ95”内へ進み、冷却器43に到達し、そこからサイクルを継続し、連続モードで繰り返すことができる。
【0186】
[C11 燃焼空気を予熱するプロセスの最適化によるエネルギーの回復]
環境から引き込まれた燃焼空気は、ファン92によって押されて、冷却器43内へ進み、そこでエネルギーを獲得し、Th1からTh3へ温度が上昇し、したがって燃焼プロセスを容易にする。
【0187】
[C12 燃焼ヒュームの温度の低下によるエネルギーの回復]
熱機械に対して想定される機能は、補助使用(空間の加熱及び/又は家庭用熱湯の生産など)向けの熱エネルギーを提供することでもあると考えて、高温ヒュームが雰囲気中へ(導管102を通って)放出される前に、温度を可能な限り低下させることによって、残留エネルギーはすべて回収される(可能な凝縮によってさらなるエネルギーを回収することも可能である)。この目的を実現するために、特有の流体回路が使用され、以下の運搬モードが採用され、補助使用103からの入ってくる熱流体(通常は水)が、パイプ103’内へ進み、循環ポンプ104によって押されると、パイプ104’内へ進み、低い温度Tfでレキュペレータ101に到達し、次いでレキュペレータ101を通過する際、Th7からTh2へのヒュームSの温度の低下により、熱エネルギーを獲得し、より高温Tgまで加熱され、パイプ101’を介して、補助使用130及び所期の目的に利用可能になる。
【0188】
[D.
図11に表す機能的構成によって動作する熱機械121の詳細な説明]
単独のジュール-エリクソンサイクル及び単独の「駆動ユニット」と比較すると、この構成によって導入される新規性は、「複合」動作サイクルの実現に関し、熱流体は、空気及び水の混合物(過熱蒸気に変換される)であり、これは、シリンダ(ピストンが摺動する)の潤滑を確保し、より高い単位電力を得ることを可能にし、総合効率の改善も可能にする。
【0189】
図11を参照すると、ピストンが配置される位置で、サイクルの以下の主要なステップを識別することができる。
【0190】
[D1 熱機械121の運動を開始する]
まず、すべての制御及び調節デバイスが特有の補助電気ライン(図示せず)を介して電力供給されることに留意して、熱機械121の開始が以下のように行われる。
1次シャフト17(
図2bに見られる)及び6つのピストン7a、7b、7c、9a、9b、9cを動かす伝達システム全体が、スタータモータを介して回転を開始し、したがってサイクルの開始のための準備状態を生じさせる。
凝縮水ポンプ94が起動される。
ファン92が起動される。
調節弁91(燃料Fの噴射を制御する)に作用することによってバーナ40が起動され、燃焼プロセスが開始される。
循環熱流体が所定の最小動作状態に到達したとき、駆動ユニット1は、自立的に動作することができるように必要な仕事を生み出すことが可能である。
【0191】
[D2 冷却熱流体を吸引するステップからサイクルを開始する]
温度T1で冷却器43から出た熱流体は、パイプ43’内へ進み、凝縮液トラップ93を通過し(そこで熱流体中の水が凝縮され、空気から分離される)、温度T1’でパイプ93’内へ進み、吸引開口15’’’を通過し、2つのピストン9c-7cが互いから離れる運動後、チャンバ13’’’内へ吸引される。
【0192】
[D3 吸引熱流体を圧縮及び回復するステップ]
2つのピストン7c-9aが互いの方へ向かう運動後、前に吸引された空気がチャンバ14’’’内で圧縮され(通常は最小比1:4及び最大比1:20によって事前設定される限界まで)、T1’からT2への温度の上昇を受け、放出開口16’’’、パイプ44’、及び逆止め弁44aを通過し、補償タンク44内で終了し、そこで即時使用のために利用可能なままである。
【0193】
[D4 圧縮熱流体を予熱するステップ]
ピストンの回転及びその結果の入口開口15’、15”の開放/閉鎖によって決定される間欠性により、空気はタンク44から流出し、パイプ44”及び逆止め弁44bを通過し、パイプ44’’’を通って進み、再生器42内へ進む(そこでT2からT2’への温度の上昇を受ける)。
【0194】
[D5 凝縮水を気化/過熱するステップ]
高圧ポンプ94によって押されると、トラップ93によって空気から前に抽出された凝縮水は、パイプ93”及び94’を通って流れ、蒸発器95を通過し、そこで加熱/気化され(T1”からTaへの温度の上昇により、液体から蒸気へ状態を変化させる)、パイプ95’を通って進み、過熱器96を通過する(そこでさらなるエネルギーを獲得し、TaからTbへ温度を上昇させる)。
【0195】
[D6 過熱蒸気を空気導管内へ噴射するステップ]
再生器42から出た空気は、パイプ42’を通って進み、逆止め弁42aを通過し、パイプ42’’’内へ進み、噴射器97を介して、パイプ96’内で運搬される過熱蒸気が導入される。空気と過熱蒸気の混合の結果、
図10の区域Q96概略的に表すように、熱流体はエネルギーの増大及びT2’からT2”への温度の上昇を受け、有用なエネルギーの回復を可能にする。
【0196】
[D7 循環熱流体を過熱するステップ]
混合された熱流体は、パイプ97’を通って進み、加熱器41(燃焼チャンバ40Aに隣り合い、多燃料バーナ40を装備する)を通過し、そこで熱エネルギーを受け取り、T2”からT3へ温度を上昇させる。
【0197】
[D8 過熱熱流体を膨張させて有用な仕事を生み出すステップ]
ピストン7a-7bが、環状シリンダ内で矢印によって示す運動方向に回転することによって、入口開口15’~15”を開放したとき、パイプ41’、41”、41’’’を流れている過熱熱流体は、膨張チャンバ13’及び13”内へ導入され、そこで膨張し(T3からT4へ温度が低下する)、ピストンを回転させることによって、有用な仕事を生み出す。
【0198】
[D9 排出熱流体からのエネルギーを追放及び回収するステップ]
ピストン7a-9b及び7b-9cが互いの方へ向かう運動後、チャンバ14’及び14”の体積が減少し、排出熱流体(前のサイクルですでに膨張している)が駆動ユニット1から放逐されて、2つの放出開口16’、16”を通過し、パイプ45’、45”、45’’’を通って流れ、再生器42を通過し(そこで依然として保持していた熱エネルギーの一部を引き渡し、T4からT4’への温度の第1の低下を受ける)、次いでパイプ42”内へ進み、蒸発器95を通過し、そこで
図10の区域Q95に概略的に表すように、保持している熱エネルギーの一部を再び引き渡し、T4’からT4”への温度の第2の低下を受け、有用なエネルギーの回復を可能にする。
【0199】
[D10 排出熱流体のさらなる冷却によるサイクルの終了]
熱流体は、パイプ95”内へ進み、冷却器43に到達し、そこからサイクルを継続し、連続モードで繰り返すことができる。
【0200】
[D11 燃焼空気を予熱するプロセスの最適化によるエネルギーの回復]
環境から引き込まれた燃焼空気は、ファン92によって押されて、冷却器43内へ進み、そこでエネルギーを獲得し、Th1からTh3へ温度が上昇し、したがって燃焼プロセスを容易にする。
【0201】
[D12 燃焼ヒュームの温度の低下によるエネルギーの回復]
熱機械に対して想定される機能は、補助使用(空間の加熱及び/又は家庭用熱湯の生産など)向けの熱エネルギーを提供することでもあると考えて、高温ヒュームが雰囲気中へ(導管102を通って)放出される前に、まず過熱器96を通過し(そこで温度がTh7からTh6へ低下する)、次いで温度を可能な限り低下させることによって、残留エネルギーはすべて回収される(可能な凝縮によってさらなるエネルギーを回収することも可能である)。この目的を実現するために、特有の流体回路が使用され、以下の運搬モードが採用され、補助使用103からの入ってくる熱流体(通常は水)が、パイプ103’内へ進み、循環ポンプ104によって押されると、パイプ104’内へ進み、低い温度Tfでレキュペレータ101に到達し、次いでレキュペレータ101を通過する際、Th6からTh2へのヒュームSの温度の低下により、熱エネルギーを獲得し、より高温Tgまで加熱され、パイプ101’を介して、補助使用130及び所期の目的に利用可能になる。
【0202】
[E.
図12に表す最も完全な機能的構成によって動作する熱機械121の詳細な説明]
単独のジュール-エリクソンサイクル及び単独の「駆動ユニット」と比較すると、この構成によって導入される新規性は、「複合」動作サイクルの実現に関し、熱流体は、空気及び水の混合物(過熱蒸気に変換される)であり、これは、シリンダ(ピストンが摺動する)の潤滑を確保し、より高い単位電力を得ることを可能にし、総合効率の大幅な改善も可能にする。
【0203】
図12を参照すると、ピストンが配置される位置で、サイクルの以下の主要なステップを識別することができる。
【0204】
[E1 熱機械121の運動を開始する
まず、すべての制御及び調節デバイスが特有の補助電気ライン(図示せず)を介して電力供給されることに留意して、熱機械121の開始が以下のように行われる。
1次シャフト17(
図2bに見られる)及び6つのピストン7a、7b、7c、9a、9b、9cを動かす伝達システム全体が、スタータモータを介して回転を開始し、したがってサイクルの開始のための準備状態を生じさせる。
凝縮水ポンプ94が起動される。
水ポンプ99に電源が投入される。
ファン92が起動される。
調節弁91(燃料Fの噴射を制御する)に作用することによってバーナ40が起動され、燃焼プロセスが開始される。
循環熱流体が所定の最小動作状態に到達したとき、駆動ユニット1は、自立的に動作することができるように必要な仕事を生み出すことが可能である。
【0205】
[E2 冷却熱流体を吸引するステップからサイクルを開始する]
冷却器43から出た熱流体(温度T1)は、パイプ43’内へ進み、凝縮液トラップ93を通過し(そこで熱流体中の水が凝縮され、空気から分離される)、温度T1’でパイプ93’内へ進み、吸引開口15’’’を通過し、2つのピストン9c-7cが互いから離れる運動後、チャンバ13’’’内へ吸引される。
【0206】
[E3 吸引熱流体を圧縮及び回復するステップ]
2つのピストン7c-9aが互いの方へ向かう運動後、前に吸引された空気がチャンバ14’’’内で圧縮され(通常は最小比1:4及び最大比1:20によって事前設定される限界まで)、T1’からT2への温度の上昇を受け、放出開口16’’’、パイプ44’、及び逆止め弁44aを通過し、補償タンク44内で終了し、そこで即時使用のために利用可能なままである。
【0207】
[E4 圧縮熱流体を予熱するステップ]
ピストンの回転及びその結果の入口開口15’、15”の開放/閉鎖によって決定される間欠性により、空気はタンク44から流出し、パイプ44”及び逆止め弁44bを通過し、パイプ44’’’を通って進み、再生器42内へ進む(そこでT2からT2’への温度の上昇を受ける)。
【0208】
[E5 凝縮水を気化/過熱するステップ]
高圧ポンプ94によって押されると、トラップ93によって空気から前に抽出された凝縮水は、温度T1”でパイプ93”及び94’を通って流れ、蒸発器95を通過し、そこで加熱/気化され(T1”からTaへの温度の上昇により、液体から蒸気へ状態を変化させる)、パイプ95”を通って進み、過熱器96を通過する(そこでさらなるエネルギーを獲得し、TaからTbへの温度の上昇を受ける)。
【0209】
[E6 過熱蒸気を空気導管内へ噴射するステップ]
再生器42から出た空気は、パイプ42’を通って進み、逆止め弁42aを通過し、パイプ42’’’内へ進み、噴射器97を介して、パイプ96’内で運搬される過熱蒸気が導入される。空気と過熱蒸気の混合の結果、
図10の区域Q96概略的に表すように、熱流体はエネルギーの増大を受け、その温度はT2’からT2”へ上昇し、有用なエネルギーの回復を可能にする。
【0210】
[E7 循環熱流体を過熱するステップ]
混合された熱流体は、パイプ97’を通って進み、加熱器41(燃焼チャンバ40Aに隣り合い、多燃料バーナ40を装備する)を通過し、そこで熱エネルギーを受け取り、T2”からT3へ温度を上昇させる。
【0211】
[E8 過熱熱流体を膨張させて有用な仕事を生み出すステップ]
ピストン7a-7bが、環状シリンダ内で矢印によって示す運動方向に回転することによって、入口開口15’~15”を開放したとき、パイプ41’、41”、41’’’を流れている過熱熱流体は、膨張チャンバ13’及び13”内へ導入され、そこで膨張し(T3からT4へ温度が低下する)、ピストンを回転させることによって、有用な仕事を生み出す。
【0212】
[E9 排出熱流体からのエネルギーを追放及び回収するステップ]
ピストン7a-9b及び7b-9cが互いの方へ向かう運動後、チャンバ14’及び14”の体積が減少し、排出熱流体(前のサイクルですでに膨張している)が駆動ユニット1から放逐されて、2つの放出開口16’、16”を通過し、パイプ45’、45”、45’’’を通って流れ、再生器42を通過し(そこで依然として保持していた熱エネルギーの一部を引き渡し、T4からT4’への温度の第1の低下を受ける)、次いでパイプ42”内へ進み、蒸発器95を通過し、そこで
図10の区域Q95に概略的に表すように、保持している熱エネルギーの一部を再び引き渡し、T4’からT4”への温度の第2の低下を受け、有用なエネルギーの回復を可能にする。
【0213】
[E10 排出熱流体のさらなる冷却によるサイクルの終了]
熱流体は、パイプ95’内へ進み、冷却器43に到達し、そこからサイクルを継続し、連続モードで繰り返すことができる。
【0214】
[E11 エネルギーの回復による駆動ユニット1の最適化された冷却]
レキュペレータ98内で冷却された水(温度Tc)は、ポンプ99によって常に循環するように維持され、パイプ98’~99’を通って流れ、駆動ユニット1内に形成された特有の空間2Rを通過し(そこで冷却動作を実行することによって、TcからTdへの温度の上昇を受ける)、パイプ2’を通って進み、レキュペレータ100を通過し(そこで熱エネルギーを獲得し、TdからTeへ温度を上昇させる)、パイプ100’を通って進み、最終的にレキュペレータ98に到達し、そこでその経路が終了する。空間2Rは、駆動ユニット1に対する冷却ユニットを構成する。パイプ2’、98’、99’、及び100’は、冷却パイプを構成する。第1のレキュペレータ98、第2のレキュペレータ100、冷却ポンプ99、及び冷却パイプの空間2R(又は冷却ユニット)は、熱機械の冷却回路をともに構成する。
【0215】
[E12 燃焼空気を予熱するプロセスの最適化によるエネルギーの回復]
温度Th1で環境から引き込まれた燃焼空気は、ファン92によって押されて、冷却器43内へ進み(そこでエネルギーを獲得し、温度をTh3へ上昇させる)、レキュペレータ98内へ進む(そこでさらなるエネルギーを獲得し、温度をTh5へ上昇させる)。
【0216】
予熱された空気は、バーナ40内で、調節弁91を通って運搬された燃料と混合され、燃焼チャンバ40A内へ導入され、そこで、高温で混合されたガスは、最適の燃焼を受け、したがって有害な放出を低減させることができる。
【0217】
[E13 燃焼ヒュームの温度の低下によるエネルギーの回復]
燃焼によって生み出される温度Th7の高温ヒュームは、まず温度Th6へ冷却され(過熱器96を通過する)、次いで温度Th4へさらに冷却され(レキュペレータ100を通過する)、次いで熱機械に対して想定される機能は、補助使用(空間の加熱及び/又は家庭用熱湯の生産など)向けの熱エネルギーを提供することでもあると考えて、高温ヒュームが雰囲気中へ(導管102を通って)放出される前に、温度を可能な限り低下させることによって、残留エネルギーはすべて回収される(可能な凝縮によってさらなるエネルギーを回収することも可能である)。この目的を実現するために、特有の流体回路が使用され、以下の運搬モードが採用され、補助使用103からの入ってくる熱流体(通常は水)が、パイプ103’内へ進み、循環ポンプ104によって押されると、パイプ104’内へ進み、低い温度Tfでレキュペレータ101に到達し、次いでレキュペレータ101を通過する際、Th4からTh2へのヒュームの温度の低下により、熱エネルギーを獲得し、より高温Tgまで加熱され、パイプ101’を介して、補助使用130及び所期の目的に利用可能になる。
【0218】
パイプ101’、103’、及び104’は、補助パイプを構成する。補助レキュペレータ101、補助ポンプ104、及び補助パイプは、熱機械121の冷却回路をともに構成する。
【0219】
このように考案された本発明は、多数の修正形態及び変形形態が可能であり、それらはすべて本発明の概念の範囲内であり、上述した構成要素は、他の技術的に同等の要素に置き換えることもできる。
【0220】
本発明は、重要な利点を実現する。第1に、本発明は、従来技術の欠点の少なくともいくつかを克服することを可能にする。
【0221】
さらに、本発明による熱機械及び関連する方法は、任意の場所及び任意の用途で用いることができるが、好ましくは電気エネルギーの生産に用いることができるため、様々な熱源を使用すること及び機械エネルギー(仕事)を生成することが可能である。
【0222】
さらに、本発明による熱機械は、高い熱力学的効率及び優れた出力重量比を特徴とする。
【0223】
加えて、本発明による熱機械は、容易に生産できる簡単な構造を特徴とする。
【0224】
さらに、本発明による熱機械は、低減された生産費用を特徴とする。