(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-15
(45)【発行日】2024-04-23
(54)【発明の名称】情報提供装置
(51)【国際特許分類】
G16H 30/00 20180101AFI20240416BHJP
【FI】
G16H30/00
(21)【出願番号】P 2021007177
(22)【出願日】2021-01-20
【審査請求日】2023-08-15
(73)【特許権者】
【識別番号】392026693
【氏名又は名称】株式会社NTTドコモ
(73)【特許権者】
【識別番号】504157024
【氏名又は名称】国立大学法人東北大学
(74)【代理人】
【識別番号】100088155
【氏名又は名称】長谷川 芳樹
(74)【代理人】
【識別番号】100113435
【氏名又は名称】黒木 義樹
(74)【代理人】
【識別番号】100121980
【氏名又は名称】沖山 隆
(74)【代理人】
【識別番号】100128107
【氏名又は名称】深石 賢治
(72)【発明者】
【氏名】豊岡 継泰
(72)【発明者】
【氏名】檜山 聡
(72)【発明者】
【氏名】土井 千章
(72)【発明者】
【氏名】荒木 尊士
(72)【発明者】
【氏名】佐々木 啓一
(72)【発明者】
【氏名】小坂 健
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼橋 哲
(72)【発明者】
【氏名】飯久保 正弘
(72)【発明者】
【氏名】日原 大貴
(72)【発明者】
【氏名】泉田 一賢
【審査官】三橋 竜太郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-036188(JP,A)
【文献】特開2019-155027(JP,A)
【文献】特開2021-039748(JP,A)
【文献】特開2017-070638(JP,A)
【文献】国際公開第2016/203622(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G16H 10/00-80/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザの口腔疾患のリスクの程度に関する情報を提供する情報提供装置であって、
特徴情報に予め関連付けられ口腔疾患ごとに規定された補正パラメータに基づいて、前記ユーザの口腔画像に基づいて判定された所定の口腔疾患の程度を示すリスクレベルを補正するリスクレベル補正部であって、前記特徴情報は、口腔疾患の程度に影響を与えるユーザの特性または習慣の有無または程度を示し、前記補正パラメータは、前記ユーザが該補正パラメータに関連付けられた前記特徴情報を有する場合に、前記ユーザの口腔疾患の前記リスクレベルを増加又は減少させる量を示す値である、リスクレベル補正部と、
補正された前記リスクレベルである補正リスクレベルを出力する出力部と、
を備える情報提供装置。
【請求項2】
前記ユーザの特性または習慣に関する情報を検出可能な装置からの該情報の受信、及び、前記ユーザによる入力の少なくともいずれか一つに基づいて、前記特徴情報を取得する特徴情報取得部、をさらに備える、
請求項1に記載の情報提供装置。
【請求項3】
前記特徴情報取得部は、加速度センサ、ジャイロセンサ、情報の通信が可能な電動歯ブラシに内蔵されたセンサ、生体ガスセンサ、pHセンサ、血糖値センサ、カメラ及びGPS装置の少なくともいずれか一つから、前記ユーザの特性または習慣に関する情報を受信する、
請求項2に記載の情報提供装置。
【請求項4】
前記特徴情報は、粘性・糖分・酸性度の高い食品の摂取習慣の有無、洗口液の使用習慣の有無、歯磨き時間、食後に歯磨きをするまでの経過時間、喫煙習慣の有無、飲酒習慣の有無、頬杖をつく習慣の有無、うつぶせ寝をする習慣の有無、下を向く傾向の有無、生体メタンガスの量、糖尿病の有無、生体アセトンガスの有無、生体アルデヒド濃度、食事時間、唾液量、口腔内の細菌の種類及び量、唾液のpH、及びメタゲノム解析に基づく情報の少なくともいずれか一つを示す情報を含む、
請求項1~3のいずれか一項に記載の情報提供装置。
【請求項5】
補正パラメータ更新部、をさらに備え、
前記特徴情報がユーザの特性または習慣の程度を示す情報である場合に、前記リスクレベル補正部は、前記特徴情報が、予め設定された所定の閾値を超える場合に、対応する前記リスクレベルを前記補正パラメータに従って減少または増加させ、
前記補正パラメータ更新部は、
予め設定された所定期間において複数の口腔疾患のうちの一の口腔疾患に関する前記リスクレベルが所定値以下であった場合に、前記特徴情報に関しての前記リスクレベルを減少させる基準となる所定の閾値を、前記所定期間における前記特徴情報に示されるユーザの特性または習慣の程度に基づいて変更し、
前記所定期間において前記一の口腔疾患の前記リスクレベルが所定値以上であった場合に、前記特徴情報に関してのリスクレベルを増加させる基準となる所定の閾値を、前記所定期間における前記特徴情報に示されるユーザの特性または習慣の程度に基づいて変更する、
請求項1から4のいずれか一項に記載の情報提供装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、口腔疾患のリスクの程度に関する情報を提供する情報提供装置に関する。
【背景技術】
【0002】
歯を撮像した画像に基づいてう蝕及び歯質欠損等の診断を行う技術が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
歯等の画像を含む口腔画像に基づく診断は、視覚的に認識可能な現在の状態に基づく診断であるので、その診断に基づいて提供される情報の精度は十分に高くなかった。また、従来の診断は、現在の状態を表す画像に基づくので、将来における潜在的な疾患の状態の変化の可能性に関する情報を提供できなかった。
【0005】
そこで、本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、口腔疾患のリスクの程度に関する精度の高い情報を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、本発明の一形態に係る情報提供装置は、ユーザの口腔疾患のリスクの程度に関する情報を提供する情報提供装置であって、特徴情報に予め関連付けられ口腔疾患ごとに規定された補正パラメータに基づいて、ユーザの口腔画像に基づいて判定された所定の口腔疾患の程度を示すリスクレベルを補正するリスクレベル補正部であって、特徴情報は、口腔疾患の程度に影響を与えるユーザの特性または習慣の有無または程度を示し、補正パラメータは、ユーザが該補正パラメータに関連付けられた特徴情報を有する場合に、ユーザの口腔疾患のリスクレベルを増加又は減少させる量を示す値である、リスクレベル補正部と、補正されたリスクレベルである補正リスクレベルを出力する出力部と、を備える。
【0007】
上記の形態によれば、口腔画像に基づいて判定された口腔疾患のリスクレベルが、特徴情報に基づいて補正される。特徴情報は、口腔画像とは別に取得される情報であって、口腔疾患の程度に影響を与えるユーザの特性または習慣を示す情報であるので、口腔画像に基づくリスクレベルの精度を高めることが可能となる。
【発明の効果】
【0008】
本発明の一形態によれば、口腔疾患のリスクの程度に関する精度の高い情報を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本実施形態の情報提供装置を含む情報提供システムの装置構成を示す図である。
【
図2】本実施形態の情報提供装置の機能的構成を示すブロック図である。
【
図4】リスクレベル記憶部に記憶されているリスクレベルの例を示す図である。
【
図5】特徴情報記憶部に記憶されている特徴情報の例を示す図である。
【
図6】補正パラメータ記憶部に記憶されている補正パラメータの例を示す図である。
【
図7】補正されたリスクレベルの例を示す図である。
【
図8】補正パラメータの更新のために蓄積された特徴情報及びリスクレベルからなる学習データの例を示す図である。
【
図9】更新された補正パラメータの例を示す図である。
【
図10】情報提供装置における情報提供方法の処理内容を示すフローチャートである。
【
図11】情報提供プログラムの構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明に係る情報提供装置の実施形態について図面を参照して説明する。なお、可能な場合には、同一の部分には同一の符号を付して、重複する説明を省略する。
【0011】
図1は、本実施形態に係る情報提供装置を含む情報提供システムの装置構成を示す図である。
図1に示されるように、情報提供システム1は、ネットワークNを介して互いに通信可能に構成された情報提供装置10及び端末Tを含む。
【0012】
情報提供装置10は、ユーザの口腔疾患のリスクの程度に関する情報を提供する装置である。口腔疾患は、例えば、う蝕、歯周病、顎関節症及び口腔癌等であるが、口腔において生じる疾患であれば限定されない。
【0013】
端末Tは、ユーザにより操作及び参照される端末であって、情報提供装置10との間で情報を送受信する。なお、
図1では、3台の端末Tが示されているが、端末Tの台数は図示された例に限定されない。
【0014】
図2は、本実施形態に係る情報提供装置10の機能的構成を示す図である。
図2に示すように、情報提供装置10は、機能的には、画像取得部11、リスクレベル判定部12、特徴情報取得部13、リスクレベル補正部14、補正パラメータ更新部15及び出力部16を備える。情報提供装置10の各機能部11~16は、
図2に例示されるように、一つの装置に構成されてもよいし、複数の装置に分散されて構成されてもよい。
【0015】
情報提供装置10の各機能部11~16は、リスクレベル記憶部20、特徴情報記憶部30及び補正パラメータ記憶部40といった記憶手段にアクセス可能に構成されている。
【0016】
リスクレベル記憶部20は、リスクレベル判定部12により判定された各ユーザの口腔疾患ごとのリスクレベルを記憶している記憶手段である。リスクレベルの詳細については後述される。
【0017】
特徴情報記憶部30は、特徴情報取得部13により取得された各ユーザの特徴情報を記憶している記憶手段である。特徴情報は、口腔疾患の程度に影響を与えるユーザの特性または習慣の有無または程度を示す情報であって、その詳細については後述される。
【0018】
補正パラメータ記憶部40は、特徴情報に予め関連付けられた補正パラメータを記憶している記憶手段である。補正パラメータは、各口腔疾患のリスクレベルの増加量または減少量を示す値であって、その詳細については後述される。
【0019】
リスクレベル記憶部20、特徴情報記憶部30及び補正パラメータ記憶部40は、情報提供装置10内に構成されてもよいし、情報提供装置10からアクセス可能に構成された他の装置に構成されてもよい。
【0020】
なお、
図2に示したブロック図は、機能単位のブロックを示している。これらの機能ブロック(構成部)は、ハードウェア及びソフトウェアの少なくとも一方の任意の組み合わせによって実現される。また、各機能ブロックの実現方法は特に限定されない。すなわち、各機能ブロックは、物理的又は論理的に結合した1つの装置を用いて実現されてもよいし、物理的又は論理的に分離した2つ以上の装置を直接的又は間接的に(例えば、有線、無線などを用いて)接続し、これら複数の装置を用いて実現されてもよい。機能ブロックは、上記1つの装置又は上記複数の装置にソフトウェアを組み合わせて実現されてもよい。
【0021】
機能には、判断、決定、判定、計算、算出、処理、導出、調査、探索、確認、受信、送信、出力、アクセス、解決、選択、選定、確立、比較、想定、期待、見做し、報知(broadcasting)、通知(notifying)、通信(communicating)、転送(forwarding)、構成(configuring)、再構成(reconfiguring)、割り当て(allocating、mapping)、割り振り(assigning)などがあるが、これらに限られない。たとえば、送信を機能させる機能ブロック(構成部)は、送信部(transmitting unit)や送信機(transmitter)と呼称される。いずれも、上述したとおり、実現方法は特に限定されない。
【0022】
例えば、本発明の一実施の形態における情報提供装置10は、コンピュータとして機能してもよい。
図3は、本実施形態に係る情報提供装置10のハードウェア構成の一例を示す図である。情報提供装置10は、物理的には、プロセッサ1001、メモリ1002、ストレージ1003、通信装置1004、入力装置1005、出力装置1006、バス1007などを含むコンピュータ装置として構成されてもよい。
【0023】
なお、以下の説明では、「装置」という文言は、回路、デバイス、ユニットなどに読み替えることができる。情報提供装置10のハードウェア構成は、
図3に示した各装置を1つ又は複数含むように構成されてもよいし、一部の装置を含まずに構成されてもよい。
【0024】
情報提供装置10における各機能は、プロセッサ1001、メモリ1002などのハードウェア上に所定のソフトウェア(プログラム)を読み込ませることで、プロセッサ1001が演算を行い、通信装置1004による通信や、メモリ1002及びストレージ1003におけるデータの読み出し及び/又は書き込みを制御することで実現される。
【0025】
プロセッサ1001は、例えば、オペレーティングシステムを動作させてコンピュータ全体を制御する。プロセッサ1001は、周辺装置とのインターフェース、制御装置、演算装置、レジスタなどを含む中央処理装置(CPU:Central Processing Unit)で構成されてもよい。例えば、
図2に示した各機能部11~16などは、プロセッサ1001で実現されてもよい。
【0026】
また、プロセッサ1001は、プログラム(プログラムコード)、ソフトウェアモジュールやデータを、ストレージ1003及び/又は通信装置1004からメモリ1002に読み出し、これらに従って各種の処理を実行する。プログラムとしては、上述の実施の形態で説明した動作の少なくとも一部をコンピュータに実行させるプログラムが用いられる。例えば、情報提供装置10の各機能部11~16は、メモリ1002に格納され、プロセッサ1001で動作する制御プログラムによって実現されてもよい。上述の各種処理は、1つのプロセッサ1001で実行される旨を説明してきたが、2以上のプロセッサ1001により同時又は逐次に実行されてもよい。プロセッサ1001は、1以上のチップで実装されてもよい。なお、プログラムは、電気通信回線を介してネットワークから送信されても良い。
【0027】
メモリ1002は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体であり、例えば、ROM(Read Only Memory)、EPROM(Erasable Programmable ROM)、EEPROM(Electrically Erasable Programmable ROM)、RAM(Random Access Memory)などの少なくとも1つで構成されてもよい。メモリ1002は、レジスタ、キャッシュ、メインメモリ(主記憶装置)などと呼ばれてもよい。メモリ1002は、本発明の一実施の形態に係る情報提供方法を実施するために実行可能なプログラム(プログラムコード)、ソフトウェアモジュールなどを保存することができる。
【0028】
ストレージ1003は、コンピュータ読み取り可能な記録媒体であり、例えば、CD-ROM(Compact Disc ROM)などの光ディスク、ハードディスクドライブ、フレキシブルディスク、光磁気ディスク(例えば、コンパクトディスク、デジタル多用途ディスク、Blu-ray(登録商標)ディスク)、スマートカード、フラッシュメモリ(例えば、カード、スティック、キードライブ)、フロッピー(登録商標)ディスク、磁気ストリップなどの少なくとも1つで構成されてもよい。ストレージ1003は、補助記憶装置と呼ばれてもよい。上述の記憶媒体は、例えば、メモリ1002及び/又はストレージ1003を含むデータベース、サーバその他の適切な媒体であってもよい。
【0029】
通信装置1004は、有線及び/又は無線ネットワークを介してコンピュータ間の通信を行うためのハードウェア(送受信デバイス)であり、例えばネットワークデバイス、ネットワークコントローラ、ネットワークカード、通信モジュールなどともいう。
【0030】
入力装置1005は、外部からの入力を受け付ける入力デバイス(例えば、キーボード、マウス、マイクロフォン、スイッチ、ボタン、センサなど)である。出力装置1006は、外部への出力を実施する出力デバイス(例えば、ディスプレイ、スピーカー、LEDランプなど)である。なお、入力装置1005及び出力装置1006は、一体となった構成(例えば、タッチパネル)であってもよい。
【0031】
また、プロセッサ1001やメモリ1002などの各装置は、情報を通信するためのバス1007で接続される。バス1007は、単一のバスで構成されてもよいし、装置間で異なるバスで構成されてもよい。
【0032】
また、情報提供装置10は、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP:Digital Signal Processor)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、PLD(Programmable Logic Device)、FPGA(Field Programmable Gate Array)などのハードウェアを含んで構成されてもよく、当該ハードウェアにより、各機能ブロックの一部又は全てが実現されてもよい。例えば、プロセッサ1001は、これらのハードウェアの少なくとも1つで実装されてもよい。
【0033】
次に、情報提供装置10の各機能部について説明する。画像取得部11は、ユーザの口腔画像を取得する。具体的には、画像取得部11は、例えば、ユーザの端末Tにより撮像され、ユーザの端末Tから送信された口腔画像を取得する。口腔画像は、静止画であっても動画であってもよい。例えば、う蝕、歯周病及び口腔癌等のリスクレベルの判定のためには、静止画が用いられてもよい。例えば、顎関節症のリスクレベルの判定のためには、咀嚼動作及び顎の開口運動等を表す動画が用いられてもよい。
【0034】
リスクレベル判定部12は、画像取得部11により取得された口腔画像に基づいて、各ユーザの口腔疾患ごとのリスクレベルを判定する。リスクレベル判定部12は、周知の技術及び解析手法によりリスクレベルを判定してもよい。具体的には、リスクレベル判定部12は、ニューラルネットワークを含んで構成される判定モデルによりリスクレベルを判定してもよい。即ち、リスクレベル判定部12は、口腔画像と口腔疾患名及び疾患の程度(リスクレベル)を示す正解ラベルとのペアからなる学習データを用いた機械学習により構築された判定モデルに、ユーザの口腔画像を入力することにより、リスクレベルを得ることができる。リスクレベルが判定される口腔疾患の種別は、例えば、う蝕、歯周病、顎関節症及び口腔癌等であるが、これらの例に限定されない。また、リスクレベル判定部12は、咀嚼動作の差異の顎の動きを表した動画に基づいて、周知の手法により顎関節症のリスクレベルを判定してもよい。
【0035】
リスクレベル判定部12は、判定したリスクレベルをリスクレベル記憶部20に記憶させてもよい。
図4は、リスクレベル記憶部20に記憶されているリスクレベルの例を示す図である。
図4に示されるように、リスクレベル記憶部20は、各ユーザの口腔疾患種ごとのリスクレベルを記憶している。本実施形態の例では、リスクレベルは5段階で表される。例えば、ユーザu01の、歯周病のリスクレベルは「3」であり、顎関節症のリスクレベルは「2」であり、口腔癌のリスクレベルは「1」である。
【0036】
特徴情報取得部13は、特徴情報を取得する。特徴情報は、口腔疾患の程度に影響を与えるユーザの特性または習慣の有無または程度を示す情報である。
【0037】
特徴情報取得部13は、ユーザの特性または習慣に関する情報を検出可能な装置からの当該情報の受信及びユーザによる入力のいずれかに基づいて特徴情報を取得してもよい。
【0038】
具体的には、例えば端末T及びその他の装置において、ユーザの特性または習慣に関する情報をアンケートとしてユーザに入力させる場合には、特徴情報取得部13は、ユーザにより入力されたアンケートの情報を、特徴情報として取得できる。
【0039】
また、特徴情報取得部13は、ユーザが所有及び保持等する装置により検出されたユーザの特性または習慣を、特徴情報として取得してもよい。具体的には、特徴情報取得部13は、ユーザが所有及び保持等する装置に搭載されたセンサによる検出情報を、特徴情報として取得できる。例えば、コンピュータと無線または有線により通信可能な電動歯ブラシに内蔵されたセンサにより、ユーザの歯磨きの時間が検出される場合には、特徴情報取得部13は、ネットワークNによる通信を介して、歯磨きの時間の情報を電動歯ブラシから取得できる。電動歯ブラシに内蔵されているセンサは、例えば、加速度センサ及びジャイロセンサ等であってもよいし、その他のセンサでもよい。
【0040】
また、特徴情報取得部13は、加速度センサ及びジャイロセンサ等のセンサ(装置)により検出された情報を、特徴情報として取得してもよい。特徴情報の検出のためのセンサは、ユーザに装着されるウェアラブルデバイスに搭載されていてもよいし、端末Tに構成されていてもよい。より具体的には、ユーザの手首に装着されるウェアラブルデバイスのセンサにより、ユーザの歯磨きの動作を検出できるので、特徴情報取得部13は、歯磨きの動作の継続時間を特徴情報として取得できる。
【0041】
また、ユーザに装着された加速度センサ及びジャイロセンサ等により、周知の技術によりユーザの姿勢の推定が可能であるので、顎関節症を発症した多数の人の姿勢の情報を統計的に解析することにより、顎関節症を発症しやすい人が習慣として取りがちな姿勢の情報が得られる。特徴情報取得部13は、ユーザが顎関節症を発症しやすい姿勢を取る習慣があるか否かを、加速度センサ及びジャイロセンサ等が搭載された装置から取得できる。
【0042】
また、特徴情報取得部13は、画像情報及び位置情報に基づいて得られる情報を、特徴情報として取得してもよい。画像情報を取得するカメラ及び位置情報を取得するGPS装置等は、ユーザに装着されるウェアラブルデバイスに搭載されていてもよいし、端末Tに構成されていてもよい。
【0043】
例えば、カメラにより取得された画像情報から、たばこ、灰皿等のオブジェクトを検出したり、予め記憶された喫煙所の画像とのマッチング等を行うことにより、ユーザが喫煙所に滞在したことの検出が可能である。また、GPS装置等により取得された位置情報を、予め記憶された喫煙所の位置情報と照合することにより、ユーザが喫煙所に滞在したことの検出が可能である。特徴情報取得部13は、喫煙所におけるユーザの滞在を、当該ユーザの喫煙習慣を示す特徴情報として取得できる。従って、特徴情報取得部13は、画像情報及び位置情報に基づいて、特定の場所に関連するユーザの習慣を、特徴情報として取得できる。
【0044】
特徴情報の例を以下に列記するが、これらの例に限定されない。これらの特徴情報は、加速度センサ、ジャイロセンサ、生体ガスセンサ、pHセンサ、血糖値センサ、カメラ及びGPS装置等のセンサのいずれかにより取得されてもよい。また、特徴情報取得部13は、メタゲノム解析に基づく情報を特徴情報として取得してもよい。
・粘性・糖分・酸性度の高い食品の摂取習慣の有無
・洗口液の使用習慣の有無
・歯磨き時間
・食後に歯磨きをするまでの経過時間
・喫煙習慣の有無
・飲酒習慣の有無
・頬杖をつく習慣の有無
・うつぶせ寝をする習慣の有無
・下を向く傾向の有無
・生体メタンガスの量(呼気及び皮膚等から放散されるガスの量)
・糖尿病の有無
・生体アセトンガスの有無(呼気及び皮膚等から放散されるガス)
・生体アルデヒド濃度(呼気及び皮膚等から放散されるガスの濃度)
・食事時間
・唾液量
・口腔内の細菌の種類及び量(例えば、唾液中のストレプトコッカス属細菌の量)
・唾液のpH
【0045】
特徴情報取得部13は、取得した特徴情報を特徴情報記憶部30に記憶させてもよい。
図5は、特徴情報記憶部30に記憶されている特徴情報の例を示す図である。
図5に示されるように特徴情報記憶部30は、特徴情報の項目として予め規定された、ユーザにおける習慣の有無及びユーザの特性を示す値を、ユーザごとに記憶している。
【0046】
例えば、特徴情報記憶部30は、ユーザu01は、「粘性・糖分・酸性度の高い食品の摂取習慣」、「洗口液の使用習慣」及び「頬杖」をつく習慣等を有することを示す特徴情報を記憶している。また、特徴情報記憶部30は、ユーザu01の「歯磨き時間」が「4分」であることを示す特徴情報を記憶している。なお、歯磨き時間は、所定期間(例えば、現在以前の1週間など)における歯磨きの時間の平均時間であってもよい。
【0047】
リスクレベル補正部14は、特徴情報に予め関連付けられた補正パラメータに基づいて、リスクレベルを補正する。補正パラメータは、ユーザが当該補正パラメータに関連付けられた特徴情報を有する場合に、当該ユーザの口腔疾患のリスクレベルを増加又は減少させる量を示す値である。
【0048】
図6は、補正パラメータ記憶部40に記憶されている補正パラメータの例を示す図である。
図6に示されるように、補正パラメータ記憶部40は、口腔疾患の種別ごとに、特徴情報に関連付けられた補正値を示す補正パラメータを記憶している。
【0049】
例えば、歯周病に関連付けられた補正パラメータの一つは、ユーザが特徴情報「粘性・糖分・酸性度の高い食品の摂取習慣」を有する場合に、当該ユーザの歯周病のリスクレベルを2段階増加(++)させることを示す。また、歯周病に関連付けられた補正パラメータの一つは、ユーザが特徴情報「洗口液の使用習慣」を有する場合に、当該ユーザの歯周病のリスクレベルを1段階減少(-)させることを示す。
【0050】
また、歯周病に関連付けられた補正パラメータの一つは、ユーザが特徴情報「歯磨き時間(長い)」を有する場合に、当該ユーザの歯周病のリスクレベルを2段階減少(--)させることを示す。なお、補正パラメータ記憶部40は、補正パラメータに関連付けられた特徴情報をユーザが有するか否かを判定するための閾値を併せて記憶している。具体的には、リスクレベル補正部14は、あるユーザの歯磨き時間が「5分以上」であることを特徴情報として取得した場合に、当該ユーザが、特徴情報「歯磨き時間(長い)」を有すると判断する。
【0051】
なお、後述されるように、補正パラメータは、ユーザごとに更新及びカスタマイズされることが可能であるので、
図6に示される例は、一のユーザに関する補正パラメータの例である。
【0052】
続いて、
図7を併せて参照しながら、リスクレベルの補正の具体例を説明する。
図7は、補正されたリスクレベルの例を示す図である。
図4に示されるように、ユーザu01の歯周病のリスクレベルは、リスクレベル判定部12により「3」であることが判定されている。リスクレベル補正部14は、特徴情報記憶部30を参照して(
図5参照)、ユーザu01が、歯周病のリスクレベルの補正に関する特徴情報として、「粘性・糖分・酸性度の高い食品の摂取習慣」及び「洗口液の使用習慣」を有すること、並びに、歯磨き時間が「4分」であることを取得する。
【0053】
リスクレベル補正部14は、補正パラメータ記憶部40を参照して、「粘性・糖分・酸性度の高い食品の摂取習慣」に関連付けられた補正値「++(2段階増加」及び「洗口液の使用習慣」に関連付けられた補正値「-(1段階減少)」を取得する。なお、ユーザu01の歯磨き時間は「4分」であって、歯磨き時間に関する閾値を満たさないので、歯磨き時間に関連付けられた補正値は取得されない。
【0054】
リスクレベル補正部14は、補正前の歯周病のリスクレベル「3」に対して、取得された2つの補正値「++(2段階増加」,「-(1段階減少)」を適用して、補正後のリスクレベル「4」を算出し、
図7に示されるように、補正後のリスクレベルをリスクレベル記憶部20に記憶させる。
【0055】
また、
図4に示されるように、ユーザu02の顎関節症のリスクレベルは、リスクレベル判定部12により「3」であることが判定されている。リスクレベル補正部14は、特徴情報記憶部30を参照して(
図5参照)、ユーザu02が、顎関節症のリスクレベルの補正に関する特徴情報として、「頬杖」及び「うつぶせ寝」を有することを取得する。
【0056】
リスクレベル補正部14は、補正パラメータ記憶部40を参照して、「頬杖」に関連付けられた補正値「+(1段階増加」及び「うつぶせ寝」に関連付けられた補正値「+(1段階増加)」を取得する。
【0057】
リスクレベル補正部14は、補正前の顎関節症のリスクレベル「3」に対して、取得された2つの補正値「+(1段階増加」,「+(1段階増加」を適用して、補正後のリスクレベル「5」を算出し、
図7に示されるように、補正後のリスクレベルをリスクレベル記憶部20に記憶させる。
【0058】
図8及び
図9と共に再び
図2を参照して、補正パラメータの更新について説明する。前述のとおり、特徴情報は、ユーザの特性または習慣の程度を示す情報であってもよい。かかる場合に、リスクレベル補正部14は、特徴情報が予め設定された所定の閾値を超える場合に、対応する口腔疾患のリスクレベルを補正パラメータに従って減少または増加させてもよい。
【0059】
このような、特徴情報が所定の閾値を超える場合にリスクレベルを補正することを規定している補正パラメータに関して、補正パラメータ更新部15は、特徴情報に関してのリスクレベルを増加または減少させる基準となる所定の閾値を、所定期間における特徴情報に示されるユーザの特性または習慣の程度に基づいて変更してもよい。
【0060】
具体的には、補正パラメータ更新部15は、予め設定された所定期間において複数の口腔疾患のうちの一の口腔疾患に関するリスクレベルが所定値以下であった場合に、特徴情報に関してのリスクレベルを減少させる基準となる所定の閾値を、所定期間における特徴情報に示されるユーザの特性または習慣の程度に基づいて変更してもよい。
【0061】
図8は、補正パラメータの更新のために蓄積された、ユーザu01の所定期間における特徴情報及びリスクレベルからなる学習データの例を示す図である。即ち、
図8に示される学習データは、特徴情報記憶部30に記憶された特徴情報及びリスクレベル記憶部20に記憶されたリスクレベルの抜粋である。
図8に示されるように、1月1日~1月31日の1ヶ月の所定期間において、ユーザu01の歯周病に関するリスクレベルは、所定値としての1以下である。また、この1ヶ月間の全ての日において、特徴情報としての歯磨き時間は、3分以下といった程度である。このような場合において、補正パラメータ更新部15は、「歯磨き時間」が「5分以上」である場合にリスクレベルを2段階減少(「--)」)させることを規定した補正パラメータ(
図6参照)に関しての閾値「5分以上」を、所定期間における歯磨き時間が3分以下という程度であったことに基づいて、「3分以上」に変更する。
【0062】
図9は、更新された補正パラメータの例を示す図である。補正パラメータ更新部15は、
図9に示されるように、ユーザu01の補正パラメータにおける特徴情報「歯磨き時間(長い)」に関する閾値を「3分以上」に変更し、変更した閾値を補正パラメータ記憶部40に記憶させる。
【0063】
図8及び
図9を参照して説明した例の他に、補正パラメータ更新部15は、予め設定された所定期間において複数の口腔疾患のうちの一の口腔疾患に関するリスクレベルが所定値以上であった場合に、特徴情報に関してのリスクレベルを増加させる基準となる所定の閾値を、所定期間における特徴情報に示されるユーザの特性または習慣の程度に基づいて変更してもよい。
【0064】
即ち、以下の例は図示されないが、例えば1ヶ月間といった所定期間において、ユーザu01の歯周病に関するリスクレベルが、所定値としての4以上であって、その所定期間の全ての日において、特徴情報としての歯磨き時間が、4分以上といった程度である場合に、補正パラメータ更新部15は、「歯磨き時間」が「2分未満」である場合にリスクレベルを2段階増加(「++)」)させることを規定した補正パラメータに関しての閾値「2分未満」を、所定期間における歯磨き時間が4分以上という程度であったことに基づいて、「4分未満」に変更してもよい。
【0065】
このように機能する補正パラメータ更新部15により、所定期間におけるユーザの特性または習慣の程度及びリスクレベルの推移といったユーザの実際の状況に合わせて、補正パラメータによるリスクレベルの補正の要否を判定するための閾値を適切に変更することが可能となる。
【0066】
再び
図2を参照して、出力部16は、リスクレベル補正部14により補正されたリスクレベルである補正リスクレベルを出力する。出力の態様は限定されないが、出力部16は、端末Tの表示装置に補正リスクレベルを表示させてもよいし、所定の記憶手段に補正リスクレベルを記憶させてもよい。
【0067】
図10は、情報提供装置10における情報提供方法の処理内容を示すフローチャートである。
【0068】
ステップS1において、画像取得部11は、ユーザの口腔画像を取得する。例えば、画像取得部11は、ユーザの端末Tにより撮像され、ユーザの端末Tから送信された口腔画像を取得してもよい。
【0069】
ステップS2において、リスクレベル判定部12は、ステップS1において取得された口腔画像に基づいて、各ユーザの口腔疾患ごとのリスクレベルを判定する。
【0070】
ステップS3において、リスクレベル補正部14は、判定対象のユーザの特徴情報を、例えば特徴情報記憶部30の参照により取得する。
【0071】
ステップS4において、リスクレベル補正部14は、取得された特徴情報が、リスクレベルの補正の条件として補正パラメータに関連付けられた特徴情報に該当するか否かを判定する。取得された特徴情報が補正パラメータに関連付けられた特徴情報に該当すると判定された場合には、処理はステップS5に進む。一方、取得された特徴情報が補正パラメータに関連付けられた特徴情報に該当すると判定されなかった場合には、処理はステップS6に進む。
【0072】
ステップS5において、リスクレベル補正部14は、口腔疾患のリスクレベルを補正する。具体的には、リスクレベル補正部14は、ステップS4において特徴情報が該当すると判定された補正パラメータに基づいて、対応する口腔疾患のリスクレベルを補正する。
【0073】
一方、ステップS6において、リスクレベル補正部14は、リスクレベルの補正を実施しない。
【0074】
ステップS7において、出力部16は、リスクレベル補正部14により補正された補正リスクレベルまたは未補正のリスクレベルを出力する。
【0075】
次に、コンピュータを、本実施形態の情報提供装置10として機能させるための情報提供プログラムについて説明する。
図11は、情報提供プログラムの構成を示す図である。
【0076】
情報提供プログラムP1は、情報提供装置10における情報提供処理を統括的に制御するメインモジュールm10、画像取得モジュールm11、リスクレベル判定モジュールm12、特徴情報取得モジュールm13、リスクレベル補正モジュールm14、補正パラメータ更新モジュールm15及び出力モジュールm16を備えて構成される。そして、各モジュールm11~m16により、画像取得部11、リスクレベル判定部12、特徴情報取得部13、リスクレベル補正部14、補正パラメータ更新部15及び出力部16のための各機能が実現される。
【0077】
なお、情報提供プログラムP1は、通信回線等の伝送媒体を介して伝送される態様であってもよいし、
図11に示されるように、記録媒体M1に記憶される態様であってもよい。
【0078】
以上説明した本実施形態の情報提供装置10、情報提供方法及び情報提供プログラムP1では、口腔画像に基づいて判定された口腔疾患のリスクレベルが、特徴情報に基づいて補正される。特徴情報は、口腔画像とは別に取得される情報であって、口腔疾患の程度に影響を与えるユーザの特性または習慣を示す情報であるので、口腔画像に基づくリスクレベルの精度を高めることが可能となる。
【0079】
また、別の形態に係る情報提供装置では、ユーザの特性または習慣に関する情報を検出可能な装置からの該情報の受信、及び、ユーザによる入力の少なくともいずれか一つに基づいて、特徴情報を取得する特徴情報取得部、をさらに備えることとしてもよい。
【0080】
上記形態によれば、リスクレベルの精度を高めるために有用な特徴情報を得ることができる。
【0081】
また、別の形態に係る情報提供装置では、特徴情報取得部は、加速度センサ、ジャイロセンサ、情報の通信が可能な電動歯ブラシに内蔵されたセンサ、生体ガスセンサ、pHセンサ、血糖値センサ、カメラ及びGPS装置の少なくともいずれか一つから、前記ユーザの特性または習慣に関する情報を受信することとしてもよい。
【0082】
上記形態によれば、精度を高めるために有用な特徴情報を、ユーザが意図することなく容易に取得できる。
【0083】
また、別の形態に係る情報提供装置では、特徴情報は、粘性・糖分・酸性度の高い食品の摂取習慣の有無、洗口液の使用習慣の有無、歯磨き時間、食後に歯磨きをするまでの経過時間、喫煙習慣の有無、飲酒習慣の有無、頬杖をつく習慣の有無、うつぶせ寝をする習慣の有無、下を向く傾向の有無、生体メタンガスの量、糖尿病の有無、生体アセトンガスの有無、生体アルデヒド濃度、食事時間、唾液量、口腔内の細菌の種類及び量、唾液のpH、及びメタゲノム解析に基づく情報の少なくともいずれか一つを示す情報を含むこととしてもよい。
【0084】
上記形態によれば、リスクレベルに影響を与えうる種々の情報をリスクレベルの補正に用いることができる。
【0085】
また、別の形態に係る情報提供装置では、補正パラメータ更新部、をさらに備え、特徴情報がユーザの特性または習慣の程度を示す情報である場合に、リスクレベル補正部は、特徴情報が、予め設定された所定の閾値を超える場合に、対応するリスクレベルを補正パラメータに従って減少または増加させ、補正パラメータ更新部は、予め設定された所定期間において複数の口腔疾患のうちの一の口腔疾患に関するリスクレベルが所定値以下であった場合に、特徴情報に関してのリスクレベルを減少させる基準となる所定の閾値を、所定期間における特徴情報に示されるユーザの特性または習慣の程度に基づいて変更し、所定期間において一の口腔疾患のリスクレベルが所定値以上であった場合に、特徴情報に関してのリスクレベルを増加させる基準となる所定の閾値を、所定期間における特徴情報に示されるユーザの特性または習慣の程度に基づいて変更することとしてもよい。
【0086】
上記形態によれば、所定期間におけるユーザの特性または習慣の程度及びリスクレベルの推移といったユーザの実際の状況に合わせて、補正パラメータによるリスクレベルの補正の要否を判定するための閾値を適切に変更することが可能となる。
【0087】
以上、本実施形態について詳細に説明したが、当業者にとっては、本実施形態が本明細書中に説明した実施形態に限定されるものではないということは明らかである。本実施形態は、特許請求の範囲の記載により定まる本発明の趣旨及び範囲を逸脱することなく修正及び変更態様として実施することができる。したがって、本明細書の記載は、例示説明を目的とするものであり、本実施形態に対して何ら制限的な意味を有するものではない。
【0088】
本明細書で説明した各態様/実施形態は、LTE(Long Term Evolution)、LTE-A(LTE-Advanced)、SUPER 3G、IMT-Advanced、4G、5G、FRA(Future Radio Access)、W-CDMA(登録商標)、GSM(登録商標)、CDMA2000、UMB(Ultra Mobile Broadband)、IEEE 802.11(Wi-Fi)、IEEE 802.16(WiMAX)、IEEE 802.20、UWB(Ultra-WideBand)、Bluetooth(登録商標)、その他の適切なシステムを利用するシステム及び/又はこれらに基づいて拡張された次世代システムに適用されてもよい。
【0089】
本明細書で説明した各態様/実施形態の処理手順、シーケンス、フローチャートなどは、矛盾の無い限り、順序を入れ替えてもよい。例えば、本明細書で説明した方法については、例示的な順序で様々なステップの要素を提示しており、提示した特定の順序に限定されない。
【0090】
入出力された情報等は特定の場所(例えば、メモリ)に保存されてもよいし、管理テーブルで管理してもよい。入出力される情報等は、上書き、更新、または追記され得る。出力された情報等は削除されてもよい。入力された情報等は他の装置へ送信されてもよい。
【0091】
判定は、1ビットで表される値(0か1か)によって行われてもよいし、真偽値(Boolean:trueまたはfalse)によって行われてもよいし、数値の比較(例えば、所定の値との比較)によって行われてもよい。
【0092】
本明細書で説明した各態様/実施形態は単独で用いてもよいし、組み合わせて用いてもよいし、実行に伴って切り替えて用いてもよい。また、所定の情報の通知(例えば、「Xであること」の通知)は、明示的に行うものに限られず、暗黙的(例えば、当該所定の情報の通知を行わない)ことによって行われてもよい。
【0093】
以上、本開示について詳細に説明したが、当業者にとっては、本開示が本開示中に説明した実施形態に限定されるものではないということは明らかである。本開示は、請求の範囲の記載により定まる本開示の趣旨及び範囲を逸脱することなく修正及び変更態様として実施することができる。したがって、本開示の記載は、例示説明を目的とするものであり、本開示に対して何ら制限的な意味を有するものではない。
【0094】
ソフトウェアは、ソフトウェア、ファームウェア、ミドルウェア、マイクロコード、ハードウェア記述言語と呼ばれるか、他の名称で呼ばれるかを問わず、命令、命令セット、コード、コードセグメント、プログラムコード、プログラム、サブプログラム、ソフトウェアモジュール、アプリケーション、ソフトウェアアプリケーション、ソフトウェアパッケージ、ルーチン、サブルーチン、オブジェクト、実行可能ファイル、実行スレッド、手順、機能などを意味するよう広く解釈されるべきである。
【0095】
また、ソフトウェア、命令などは、伝送媒体を介して送受信されてもよい。例えば、ソフトウェアが、同軸ケーブル、光ファイバケーブル、ツイストペア及びデジタル加入者回線(DSL)などの有線技術及び/又は赤外線、無線及びマイクロ波などの無線技術を使用してウェブサイト、サーバ、又は他のリモートソースから送信される場合、これらの有線技術及び/又は無線技術は、伝送媒体の定義内に含まれる。
【0096】
本開示において説明した情報、信号などは、様々な異なる技術のいずれかを使用して表されてもよい。例えば、上記の説明全体に渡って言及され得るデータ、命令、コマンド、情報、信号、ビット、シンボル、チップなどは、電圧、電流、電磁波、磁界若しくは磁性粒子、光場若しくは光子、又はこれらの任意の組み合わせによって表されてもよい。
【0097】
なお、本開示において説明した用語及び/又は本明細書の理解に必要な用語については、同一の又は類似する意味を有する用語と置き換えてもよい。
【0098】
本明細書で使用する「システム」および「ネットワーク」という用語は、互換的に使用される。
【0099】
また、本明細書で説明した情報、パラメータなどは、絶対値で表されてもよいし、所定の値からの相対値で表されてもよいし、対応する別の情報で表されてもよい。
【0100】
本開示で使用する「判断(determining)」、「決定(determining)」という用語は、多種多様な動作を包含する場合がある。「判断」、「決定」は、例えば、判定(judging)、計算(calculating)、算出(computing)、処理(processing)、導出(deriving)、調査(investigating)、探索(looking up、search、inquiry)(例えば、テーブル、データベース又は別のデータ構造での探索)、確認(ascertaining)した事を「判断」「決定」したとみなす事などを含み得る。また、「判断」、「決定」は、受信(receiving)(例えば、情報を受信すること)、送信(transmitting)(例えば、情報を送信すること)、入力(input)、出力(output)、アクセス(accessing)(例えば、メモリ中のデータにアクセスすること)した事を「判断」「決定」したとみなす事などを含み得る。また、「判断」、「決定」は、解決(resolving)、選択(selecting)、選定(choosing)、確立(establishing)、比較(comparing)などした事を「判断」「決定」したとみなす事を含み得る。つまり、「判断」「決定」は、何らかの動作を「判断」「決定」したとみなす事を含み得る。また、「判断(決定)」は、「想定する(assuming)」、「期待する(expecting)」、「みなす(considering)」などで読み替えられてもよい。
【0101】
本開示で使用する「に基づいて」という記載は、別段に明記されていない限り、「のみに基づいて」を意味しない。言い換えれば、「に基づいて」という記載は、「のみに基づいて」と「に少なくとも基づいて」の両方を意味する。
【0102】
本明細書で「第1の」、「第2の」などの呼称を使用した場合においては、その要素へのいかなる参照も、それらの要素の量または順序を全般的に限定するものではない。これらの呼称は、2つ以上の要素間を区別する便利な方法として本明細書で使用され得る。したがって、第1および第2の要素への参照は、2つの要素のみがそこで採用され得ること、または何らかの形で第1の要素が第2の要素に先行しなければならないことを意味しない。
【0103】
「含む(include)」、「含んでいる(including)」、およびそれらの変形が、本明細書あるいは特許請求の範囲で使用されている限り、これら用語は、用語「備える(comprising)」と同様に、包括的であることが意図される。さらに、本明細書あるいは特許請求の範囲において使用されている用語「または(or)」は、排他的論理和ではないことが意図される。
【0104】
本明細書において、文脈または技術的に明らかに1つのみしか存在しない装置である場合以外は、複数の装置をも含むものとする。
【0105】
本開示の全体において、文脈から明らかに単数を示したものではなければ、複数のものを含むものとする。
【符号の説明】
【0106】
1…情報提供システム、10…情報提供装置、11…画像取得部、12…リスクレベル判定部、13…特徴情報取得部、14…リスクレベル補正部、15…補正パラメータ更新部、16…出力部、20…リスクレベル記憶部、30…特徴情報記憶部、40…補正パラメータ記憶部、M1…記録媒体、m10…メインモジュール、m11…画像取得モジュール、m12…リスクレベル判定モジュール、m13…特徴情報取得モジュール、m14…リスクレベル補正モジュール、m15…補正パラメータ更新モジュール、m16…出力モジュール、P1…情報提供プログラム、T…端末。