(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-15
(45)【発行日】2024-04-23
(54)【発明の名称】包装容器及び包装容器を成形するための展開体
(51)【国際特許分類】
B65D 5/52 20060101AFI20240416BHJP
B65D 5/54 20060101ALI20240416BHJP
【FI】
B65D5/52 K
B65D5/54 301Z
(21)【出願番号】P 2020013990
(22)【出願日】2020-01-30
【審査請求日】2022-11-22
(73)【特許権者】
【識別番号】000129493
【氏名又は名称】株式会社クラウン・パッケージ
(74)【代理人】
【識別番号】110000110
【氏名又は名称】弁理士法人 快友国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】工藤 陽介
(72)【発明者】
【氏名】木野本 弘樹
【審査官】米村 耕一
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-058339(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2013/0146504(US,A1)
【文献】特開2014-184967(JP,A)
【文献】特開2011-219103(JP,A)
【文献】米国特許第06109514(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 5/42-5/54
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の正面板と、
前記第1の正面板に連続している第1の右側面板と、
前記第1の正面板に連続している第1の左側面板と、
前記第1の正面板に連続しておらず、前記第1の右側面板に重ねて配置される第2の右側面板と、
前記第1の正面板に連続しておらず、前記第1の左側面板に重ねて配置される第2の左側面板と、
前記第1の正面板と前記第1の右側面板と前記第1の左側面板とを含む第1の板セットを、前記第2の右側面板と前記第2の左側面板とを含む第2の板セットから分離するための分離手段と、を備え、
前記第1の右側面板は、前記第2の右側面板に連結しており、
前記第1の左側面板は、前記第2の左側面板に連結しており、
前記第1の右側面板と前記第2の右側面板とは、右側接着部で互いに接着されており、
前記第1の左側面板と前記第2の左側面板とは、左側接着部で互いに接着されており、
前記分離手段は、
前記第1の右側面板に配置される右側回動部と、
前記第2の右側面板に配置される右側切離部と、
前記第1の左側面板に配置される左側回動部と、
前記第2の左側面板に配置される左側切離部と、を備え、
前記右側回動部は、
前記右側接着部を含んでおり、
前記第1の右側面板において、部分的に第1の右側ミシン目によって囲まれているとともに、前記第1の右側ミシン目が途切れている部分を軸にして、前記第1の右側面板に対して回動可能であり、
前記右側切離部は、
前記右側接着部を含んでおり、
全面的に前記右側回動部に接触しており、
前記第2の右側面板の前記
第1の右側面板側に位置する上端縁から前記右側接着部を挟む位置まで延びる一対の第2の右側ミシン目によって挟まれており、
前記左側回動部は、
前記左側接着部を含んでおり、
前記第1の左側面板において、部分的に第1の左側ミシン目によって囲まれているとともに、前記第1の左側ミシン目が途切れている部分を軸にして、前記第1の左側面板に対して回動可能であり、
前記左側切離部は、
前記左側接着部を含んでおり、
全面的に前記左側回動部に接触しており、
前記第2の左側面板の前記第1の左側面板側に位置する上端縁から前記左側接着部を挟む位置まで延びる一対の第2の左側ミシン目によって挟まれており、
前記第2の右側面板は、前記第1の右側面板側の前記上端縁において、前記一対の前記第2の右側ミシン目の間で前記第1の板セットに連結されており、
前記第2の左側面板は、前記第1の左側面板側の前記上端縁において、前記一対の前記第2の左側ミシン目の間で前記第1の板セットに連結されている、包装容器。
【請求項2】
前記第2の右側面板は、前記右側切離部の前記第1の右側面板側の前記上端縁と反対側の端に配置されている右側開口を備え、
前記第2の左側面板は、前記左側切離部の前記第1の左側面板側の前記上端縁と反対側の端に配置されている左側開口を備え、
前記分離手段は、さらに、
前記第1の右側面板において前記右側開口に重なる位置に配置されており、前記右側開口に向かって押圧されると、前記右側開口に向かって回動する右側回動片を備え、
前記第1の左側面板において前記左側開口に重なる位置に配置されており、前記左側開口に向かって押圧されると、前記左側開口に向かって回動する左側回動片を備える、請求項1に記載の包装容器。
【請求項3】
前記第2の板セットは、さらに、
前記第2の右側面板と前記第2の左側面板との間において、前記第1の正面板に対して、前記第2の右側面板及び前記第2の左側面板を挟んで対向する背面板と、
前記背面板の上端側において前記包装容器の上端部を覆う天面板と、をさらに備え、
前記天面板は、前記背面板に対して、背側ミシン目によって、切離可能に配置されている、請求項1又は2に記載の包装容器。
【請求項4】
前記第1の板セットは、
前記第1の右側面板に連続する第1の右側天面板と、
前記第1の左側面板に連続する第1の左側天面板と、を備え、
前記第2の板セットは、前記第2の右側面板に連続する天面板を備えておらず、前記第2の左側面板に連続する天面板を備えていない、請求項1から3のいずれか一項に記載の包装容器。
【請求項5】
前記第2の板セットは、さらに、前記第2の右側面板と前記第2の左側面板との間に配置され、前記包装容器
の正面部を形成するための第2の正面板をさらに備え、
前記第1の正面板は、前記第2の正面板の上端の一部に重複しており、
前記第2の正面板の下端の一部は、前記第1の正面板に覆われていない、請求項1から4のいずれか一項に記載の包装容器。
【請求項6】
前記第2の板セットに取り付けられる表示片であって、前記包装容器から前記第1の板セットが分離された後に、外部に露出する平面を有する前記表示片を、さらに備える、請求項1から5のいずれか一項に記載の包装容器。
【請求項7】
前記表示片は、
前記第2の板セットに回動可能に連続されており、
前記包装容器を展開した場合に、前記第1の板セットにおいて、前記包装容器の表面側に位置する面と同一平面上の表示面を有しており、
前記包装容器から前記第1の板セットを分離した後に、前記表示片が前記第2の板セットに回動されることによって、前記表示面が外部から視認可能に配置される、請求項6に記載の包装容器。
【請求項8】
包装容器を成形するための展開体であって、
前記包装容器の正面部を形成するための第1の正面板と、
前記包装容器の右側面部を形成するための第1の右側面板であって、前記第1の正面板に連続している前記第1の右側面板と、
前記包装容器の右側面部を形成するための第2の右側面板であって、前記第1の正面板に連続していない前記第2の右側面板と、
前記包装容器の左側面部を形成するための第1の左側面板であって、前記第1の正面板に連続している前記第1の左側面板と、
前記包装容器の左側面部を形成するための第2の左側面板であって、前記第1の正面板に連続していない前記第2の左側面板と、を備え、
前記展開体は、前記第1の正面板と前記第1の右側面板と前記第1の左側面板とを含む複数枚の板である第1の板セットが、前記第2の右側面板と前記第2の左側面板とを含む複数枚の板である第2の板セットに対して回転することによって、前記第1の右側面板が前記第2の右側面板に接触し、かつ、前記第1の左側面板が前記第2の左側面板に接触するように、構成されており、
前記展開体は、前記展開体から前記包装容器が成形された後に、前記包装容器から前記第1の板セットを分離するための分離手段を備え、
前記第1の右側面板と前記第2の右側面板とは、前記包装容器が成形された後に互いに接着される右側接着部を備え、
前記第1の左側面板と前記第2の左側面板とは、前記包装容器が成形された後に互いに接着される左側接着部を備え、
前記分離手段は、
前記第1の右側面板に配置される右側回動部と、
前記第2の右側面板に配置される右側切離部と、
前記第1の左側面板に配置される左側回動部と、
前記第2の左側面板に配置される左側切離部と、を備え、
前記右側回動部は、
前記右側接着部を含んでおり、
前記第1の右側面板において、部分的に第1の右側ミシン目によって囲まれているとともに、前記第1の右側ミシン目が途切れている部分を軸にして、前記第1の右側面板に対して回動可能であり、
前記右側切離部は、
前記右側接着部を含んでおり、
全面的に前記右側回動部に接触しており、
前記第2の右側面板の前記
第1の右側面板側に位置する上端縁から前記右側接着部を挟む位置まで延びる一対の第2の右側ミシン目によって挟まれており、
前記左側回動部は、
前記左側接着部を含んでおり、
前記第1の左側面板において、部分的に第1の左側ミシン目によって囲まれているとともに、前記第1の左側ミシン目が途切れている部分を軸にして、前記第1の左側面板に対して回動可能であり、
前記左側切離部は、
前記左側接着部を含んでおり、
全面的に前記左側回動部に接触しており、
前記第2の左側面板の前記第1の左側面板側に位置する上端縁から前記左側接着部を挟む位置まで延びる一対の第2の左側ミシン目によって挟まれており、
前記第2の右側面板は、前記第1の右側面板側の前記上端縁において、前記一対の前記第2の右側ミシン目の間で前記第1の板セットに連結されており、
前記第2の左側面板は、前記第1の左側面板側の前記上端縁において、前記一対の前記第2の左側ミシン目の間で前記第1の板セットに連結されている、展開体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書は、一部を分離させることによって内容物を露出させることが可能な包装容器及び包装容器を成形するための展開体を開示する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、販売用陳列ケースとなる本体と、本体の上部の開口を閉塞する蓋体と、を備える包装箱が開示されている。本体の正面板は、当該正面板の上端から当該正面板の中央部分まで伸びる破断線によって区画される正面分離板を有する。蓋体の正面板は、当該正面板の下端から上方に向かって伸びる破断線によって区画される正面分離板を有する。本体の正面分離板と蓋体の正面分離板とは糊付けされている。蓋体の正面分離板を破断するための力が加えられると、蓋体の正面分離板と共に本体の正面分離板も破断される。これにより、包装箱から蓋体を分離することができ、本体に収容されている内容物を露出させることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記の特許文献1の技術では、本体と蓋体とが別々の展開体によって構成されているので、本体と蓋体とを分離した後に本体に分離跡が残りにくく、分離後の本体の見栄えがよい。しかしながら、本体を成形するための展開体と、蓋体を成形するための展開体と、を別々に準備する必要がある。この場合、2枚の展開体を製造するためのコストが高くなり得る。
【0005】
本明細書では、分離可能な包装容器を1枚の展開体から成形することが可能な技術を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本明細書では、包装容器を開示する。包装容器は、第1の正面板と、前記第1の正面板に連続している第1の右側面板と、前記第1の正面板に連続している第1の左側面板と、前記第1の正面板に連続しておらず、前記第1の右側面板に重ねて配置される第2の右側面板と、前記第1の正面板に連続しておらず、前記第1の左側面板に重ねて配置される第2の左側面板と、前記第1の正面板と前記第1の右側面板と前記第1の左側面板とを含む第1の板セットを、前記第2の右側面板と前記第2の左側面板とを含む第2の板セットから分離するための分離手段と、を備え、前記第1の右側面板は、前記第2の右側面板に連結しており、前記第1の左側面板は、前記第2の左側面板に連結している。
【0007】
上記の構成によると、包装容器から第1の板セットを分離することによって、第2の板セットに開口を形成することができる。この構成では、第1の右側面板と第2の右側面板とが互いに連結されているとともに、第1の左側面板と第2の左側面板とが互いに連結されている。これにより、包装容器を1枚の展開体から成形することができる。
【0008】
前記第1の右側面板と前記第2の右側面板とは、右側接着部で互いに接着されており、前記第1の左側面板と前記第2の左側面板とは、左側接着部で互いに接着されており、前記分離手段は、前記第1の右側面板に配置される右側回動部と、前記第2の右側面板に配置される右側切離部と、前記第1の左側面板に配置される左側回動部と、前記第2の左側面板に配置される左側切離部と、を備え、前記右側回動部は、前記右側接着部を含んでおり、前記第1の右側面板において、部分的に第1の右側ミシン目によって囲まれているとともに、前記第1の右側ミシン目が途切れている部分を軸にして、前記第1の右側面板に対して回動可能であり、前記右側切離部は、前記右側接着部を含んでおり、全面的に前記右側回動部に接触しており、前記第2の右側面板の前記1の右側面板側に位置する端縁から前記右側接着部を挟む位置まで延びる一対の第2の右側ミシン目によって挟まれており、前記左側回動部は、前記左側接着部を含んでおり、前記第1の左側面板において、部分的に第1の左側ミシン目によって囲まれているとともに、前記第1の左側ミシン目が途切れている部分を軸にして、前記第1の左側面板に対して回動可能であり、前記左側切離部は、前記左側接着部を含んでおり、全面的に前記左側回動部に接触しており、前記第2の左側面板の前記第1の左側面板側に位置する端縁から前記左側接着部を挟む位置まで延びる一対の第2の左側ミシン目によって挟まれていてもよい。この構成によれば、右側回動部を第1の右側面板に対して回動させて、第1の右側ミシン目及び一対の第2の右側ミシン目を破断させることによって、右側接着部を、右側切離部とともに第2の右側面板から分離させることができる。同様に、左側回動部を第1の左側面板に対して回動させることによって、左側接着部を、左側切離部とともに第2の左側面板から分離させることができる。これにより、容易に第1の板セットを第2のセットから分離することができる。
【0009】
前記第2の右側面板は、前記第1の右側面板側の前記端縁において、前記一対の前記第2の右側ミシン目の間で前記第1の板セットに連結されており、前記第2の左側面板は、前記第1の左側面板側の前記端縁において、前記一対の前記第2の左側ミシン目の間で前記第1の板セットに連結されていてもよい。この構成によれば、右側回動部を第1の右側面板に対して回動させて、第1の右側ミシン目及び一対の第2の右側ミシン目を破断させることによって、第1の板セットと第2の右側面板との連結部分を第2の右側面板から分離させることができる。同様に、左側回動部を第1の左側面板に対して回動させて、第1の左側ミシン目及び一対の第2の左側ミシン目を破断させることによって、第1の板セットと第2の左側面板との連結部分を第2の左側面板から分離させることができる。これにより、第1の板セットを、第2の板セットから容易に分離することができる。
【0010】
前記第2の右側面板は、前記右側切離部の前記第1の右側面板側の前記端縁と反対側の端に配置されている右側開口を備え、前記第2の左側面板は、前記左側切離部の前記第1の左側面板側の前記端縁と反対側の端に配置されている左側開口を備え、前記分離手段は、さらに、前記第1の右側面板において前記右側開口に重なる位置に配置されており、前記右側開口に向かって押圧されると、前記右側開口に向かって回動する右側回動片を備え、前記第1の左側面板において前記左側開口に重なる位置に配置されており、前記左側開口に向かって押圧されると、前記左側開口に向かって回動する左側回動片を備えていてもよい。この構成によれば、使用者は、指等で右側回動片を押圧することによって、右側回動部に指等を引っ掛けることができる。この結果、右側回動部を容易に回動させることができる。左側回動部も同様である。
【0011】
前記第2の板セットは、さらに、前記第2の右側面板と前記第2の左側面板との間において、前記第1の正面板に対して、前記第2の右側面板及び前記第2の左側面板を挟んで対向する背面板と、前記背面板の上端側において前記包装容器の上端部を覆う天面板と、をさらに備え、前記天面板は、前記背面板に対して、背側ミシン目によって、切離可能に配置されていてもよい。この構成によれば、背側ミシン目を破断させることによって、天面板を第2の板セットから分離させることができる。これにより、分離後の第2の板セットに配置される包装容器の内容物を視認し易くすることができる。
【0012】
前記第1の板セットは、前記第1の右側面板に連続する第1の右側天面板と、前記第1の左側面板に連続する第1の左側天面板と、を備え、前記第2の板セットは、前記第2の右側面板に連続する天面板を備えておらず、前記第2の左側面板に連続する天面板を備えていなくてもよい。この構成では、第1の板セットを第2の板セットから分離させた後の第2の板セットでは、第2の右側面板及び第2の左側面板に、天面板が配置されない。このため、分離後の第2の板セットに形成される開口から、包装容器の内容物を視認し易くすることができる。
【0013】
前記第2の板セットは、さらに、前記第2の右側面板と前記第2の左側面板との間に配置され、前記包装容器の前記正面部を形成するための第2の正面板をさらに備え、前記第1の正面板は、前記第2の正面板の上端の一部に重複しており、前記第2の正面板の下端の一部は、前記第1の正面板に覆われていなくてもよい。この構成によれば、第1の正面板を小さくすることができる。これにより、展開体自体を小さくすることができる。
【0014】
前記第2の板セットに取り付けられる表示片であって、前記包装容器から前記第1の板セットが分離された後に、外部に露出する平面を有する前記表示片を、さらに備えていてもよい。この構成によれば、第2の板セットを用いて内容物を展示する際に、表示片に包装容器の内容物の広告等を表示することができる。
【0015】
前記表示片は、前記第2の板セットに回動可能に連続されており、前記包装容器を展開した場合に、前記第1の板セットにおいて、前記包装容器の表面側に位置する面と同一平面上の表示面を有しており、前記包装容器から前記第1の板セットを分離した後に、前記表示片が前記第2の板セットに回動されることによって、前記表示面が外部から視認可能に配置されていてもよい。表示片は、第1の板セットの包装容器の表面に位置する面と同一平面上に位置する表示面を有しているために、展開体に広告や内容物を表す文字等を印刷する際に、第1の板セットの包装容器の表面に位置する面と表示面とを含む展開体の一方の面のみに印刷を実行することによって、包装容器の表面と表示面との両方に、印刷を実行することができる。
【0016】
上記のいずれかの包装容器を成形するための展開体も新規で有用である。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図4】第1実施例の包装容器の分離方法を説明するための斜視図を示す。
【
図5】
図4に続く第1実施例の包装容器の分離方法を説明するための斜視図を示す。
【
図6】
図5に続く第1実施例の包装容器の分離方法を説明するための斜視図を示す。
【
図7】第1実施例の分離後の包装容器の斜視図を示す。
【
図10】第2実施例の分離後の包装容器の斜視図を示す。
【
図12】第3実施例の分離後の包装容器の斜視図を示す。
【
図13】第4実施例の包装容器の正面斜視図を示す。
【
図14】第4実施例の包装容器の背面斜視図を示す。
【
図16】第4実施例の分離後の包装容器の斜視図を示す。
【0018】
(第1実施例)
図1~
図7を参照して、第1実施例の包装容器2を説明する。
図1に示される包装容器2は、食品、日用品等の内容物を収容するための容器である。包装容器2は、直方体形状を有する。変形例では、包装容器2は、立方体形状、多角形柱形状等の他の形状を有していてもよい。包装容器2は、例えば、内容物を販売する店舗に届けられる。そして、
図4~
図7に示されるように、店舗において包装容器2の一部が分離されることによって、内容物を露出させることができる。これにより、内容物を包装容器から取り出すことなく、内容物を店舗に陳列することができる。
【0019】
図3は、包装容器2を形成するための展開体10を示す。図中の破線はミシン目を示し、一点鎖線は折曲線を示す。折曲線は、例えば、展開体10の製造過程において押圧された箇所である。換言すると、折曲線は、他の部分と比べて折り曲げ易い箇所である。また、図中のハッチングは、両面テープ、接着剤等の接着部の位置を示す。包装容器2、展開体10は、本実施例では段ボール紙から成形されるが、変形例では段ボール紙以外の紙から成形されてもよい。また、別の変形例では、包装容器2、展開体10は、プラスチック等の紙以外の材料から成形されてもよい。
【0020】
展開体10は、包装容器2の正面部を形成するための正面板20、22と、包装容器2の天面部を形成するための天面板30、32、34、36と、包装容器2の右側面部を形成するための右側面板40、42と、包装容器2の左側面部を形成するための左側面板50、52と、包装容器2の底面部を形成するための底面板60、62、64、66と、包装容器2の背面部を形成するための背面板72と、を備える。
【0021】
天面板30と右側面板40と左側面板50とは正面板20に連続している。一方、他の板22、32、34、36、42、52、60、62、64、66、72は、正面板20に連続していない。右側面板42と左側面板52と底面板62とは正面板22に連続している。一方、他の板20、30、32、34、40、50、60、64、66、72は、正面板22に連続していない。背面板72は、右側面板42と連続している。底面板60は左側面板52に連続しており、底面板64は右側面板42に連続しており、底面板66は背面板72に連続している。天面板32は、背面板72に連続している。天面板34は、左側面板50に連続している。天面板36は右側面板40に連続している。
【0022】
右側面板40は、端縁100において、天面板36と回動可能に連続している。天面板36の右側面板40の反対側に位置する端縁(
図2の下端縁)には、右側面板42が連続している。天面板36は、右側面板42の右側面板40側の端縁104において、右側面板42と連続的に連結している。左側面板50は、端縁102において、天面板34と回動可能に連続している。天面板34の左側面板50の反対側に位置する端縁(
図2の下端縁)には、左側面板52が連続している。天面板34は、左側面板52の左側面板50側の端縁106において、左側面板52と連続的に連結している。端縁100と端縁102とは、同一直線上に存在しており、端縁104と端縁106とは、同一直線上に存在している。
【0023】
複数枚の板20,30,40,50、34、36を含む第1の板セット4が、複数枚の板22,32,42,52,60、62、64、66,72を含む第2の板セット6に対して、端縁104、106において回転可能に構成されている。第1の板セット4が第2の板セット6に対して180度回転すると、
図1及び
図2に示すように、包装容器2において、第1の板セット4が第2の板セット6の外側であって上側に、配置される。
【0024】
包装容器2では、右側面板40の表面が右側面板42の表面に接触し、左側面板50の表面が左側面板52の表面に接触する。ここで、
図3に示されるように、右側面板42の表面には右側接着部120が設けられており、左側面板52の表面には左側接着部130が設けられている。包装容器2では、右側面板40の表面と右側面板42の表面とが右側接着部120によって接着され、左側面板50の表面と左側面板52の表面とが左側接着部130によって接着される。これにより、包装容器2の右側面部及び左側面部のそれぞれにおいて隙間が形成されるのを抑制することができる。なお、変形例では、右側面板40の表面に右側接着部が設けられてもよいし、左側面板50の表面に左側接着部が設けられてもよい。
【0025】
包装容器2では、右側面板40が右側面板42の外側に配置される。右側面板40は、右側面板42によりも上下方向の長さが短い。このため、右側面板42の下端部分の一部は、右側面板40から露出している。右側面板40の下端縁は、背面側に進むのに従って、上方に傾斜している。このため、右側面板42の右側面板40からの露出部分は、背面に向かって広くなる。左側面板50と左側面板52とのそれぞれは、右側面板40と右側面板42とのそれぞれと、左右対称に配置されている。
【0026】
右側面板40と左側面板50との間には、正面板20が配置されている。正面板20は、包装容器2の正面部を形成する。正面板20の上端には、天面板30が配置されている。天面板30は、包装容器2の上端の一部を覆う。正面板20の下方には、正面板22が配置されている。正面板22は、右側面板42と左側面板52との間に位置している。正面板22は、包装容器2の下端から正面板20の下端の一部に重複する位置まで延びている。正面板22は、正面板20の内側に配置され、上端部において、正面板20の下端部と重複している。正面板20の下端は、包装容器2の下端よりも上方に位置している。
【0027】
右側面板42と左側面板52との間には、正面板22と、右側面板42及び左側面板52を挟んで、背面板72が対向して配置されている。背面板72は、包装容器2の背面部を形成する。包装容器2は、背面板72に重複する板を備えていない。
【0028】
背面板72の上端には、天面板32が連結されている。天面板32は、包装容器2の上端の一部を覆う。背面板72には、上下方向の中間位置に、右側面板42から左側面板52まで延びるミシン目74が配置されている。天面板32は、正面板20の上端に連結されている天面板30とともに、包装容器2の天面部を形成する。
【0029】
包装容器2では、4枚の底面板60、62、64、66によって、底面部が構成されている。底面板60は左側面板52の下端に連結され、底面板62は正面板22の下端に連結され、底面板64は右側面板42の下端に連結され、底面板66は背面板72の下端に連結されている。
【0030】
(包装容器2の作製方法)
次いで、
図3に示す展開体10から包装容器2を作製する方法を説明する。最初に、展開体10において、第1の板セット4を、端縁104、106において第2の板セット6に対して回転させる。この結果、第1の板セット4が回転軸110、112で折り曲げられて、第2の板セット6に重なって配置される。右側面板40は、全面的に右側面板42に接触する。同様に、左側面板50は、全面的に左側面板52に接触する。また、正面板20の下端部が、正面板22の上端部に重なって接触する。このとき、端縁104が端縁100に重複し、端縁106が端縁102に重複するように、回転される。この結果、天面板36の端縁104に連続する連続片36aは、天面板36の他の部分に対して折曲線36bで折り曲げられ、天面板36の他の部分に重なって配置される。同様に、天面板34の端縁106に連続する連続片34aは、天面板34の他の部分に対して折曲線34bで折り曲げられ、天面板34の他の部分に重なって配置される。
【0031】
右側面板42の右側接着部120と左側面板52の左側接着部130のそれぞれには、予め接着材を配置しておく。これにより、右側接着部120によって右側面板42が右側面板40に接着され、左側接着部130によって左側面板52が左側面板50に接着される。一方、正面板20と正面板22とは接着されない。
【0032】
第1の板セット4と第2の板セット6が重なった状態では、正面板20と右側面板40との境界の折曲線220と、正面板22と右側面板42との境界の折曲線222と、が互いに重なる位置に配置される。同様に、正面板20と左側面板50との境界の折曲線224と、正面板22と左側面板52との境界の折曲線226と、が互いに重なる位置に配置される。
【0033】
次いで、正面板20と右側面板40とが直角に配置され、正面板22と右側面板42とが直角に配置され、折曲線224において正面板20と左側面板50とが直角に配置され、折曲線226において正面板22と左側面板52とが直角に配置されるように、折曲線220、222、224、226で折り曲げる。さらに、右側面板42と背面板72との境界の折曲線272において、右側面板42と背面板72とが直角に配置されるように折り曲げる。これにより、右側面板40、42と左側面板50、52と、正面板20、22と、背面板72と、によって、包装容器2の周面部を形成する四角筒形状が形成される。なお、左側面板52と背面板72とは、左側面板52に回動可能に連続する接着片82が、背面板72の内側の面に接着されることによって、連結される。
【0034】
次いで、底面板60と左側面板52とが直角に配置され、底面板62と正面板22とが直角に配置され、底面板64と右側面板42とが直角に配置され、底面板66と背面板72とが直角に配置されるように、折曲線260、262、264、266で折り曲げる。このとき、底面板60、62を、底面板62に設けられる接着部162において接着する。同様に、底面板64、66を、底面板66に設けられる接着部166において接着する。そして、底面板60、62の組み合わせと、底面板64、66の組み合わせと、を係合させることによって、底面部を形成する。これにより、天面部が開放された状態の包装容器2が形成される。
【0035】
底面板60、64のそれぞれには、折曲線268、269のそれぞれが配置されている。この構成では、包装容器2用の折畳部材を作製することができる。具体的には、底面板60を折曲線260において左側面板52に対して鋭角に配置されるように、底面板62を折曲線262において正面板22に対して鋭角に配置されるように、底面板64を折曲線264において右側面板42に対して鋭角に配置されるように、底面板66を折曲線266において背面板72のそれぞれに対して鋭角に配置されるように、底面板60、62、64、66を、各板40、42、50、52、20、22、72で囲まれる空間に向かって折り曲げる。同時に、底面板60を折曲線268で折り曲げ、底面板64を折曲線269で折り曲げる。これにより、右側面板40と正面板20とが折曲線220で回動されて広がるとともに、右側面板42と正面板22とが折曲線222で回動されて広がる。同様に、左側面板52と背面板72とが回動されて広がる。一方、左側面板50と正面板20とが折曲線224で回動されて折り畳まれるとともに、左側面板52と正面板22とが折曲線226で回動されて折り畳まれる。また、背面板72と右側面板42とが折曲線272で回動されて折り畳まれる。これにより、包装容器2の折畳部材が作製される。
【0036】
この構成によれば、例えば包装容器2を作製する工場から納入先まで、包装容器2に内容物を配置しない状態で搬送する際に、包装容器2用の折畳部材で搬送することによって、包装容器2が嵩張らずに済む。また、折畳部材から包装容器2を作製する際には、各板20、22、40、42、50、52、72を隣接する板に対して回動させることによって、四角筒形状が形成される。これにより、底面板60、62、64、66は、各板20、22、40、42、50、52、72の動きに追従して、底面部を形成することによって、包装容器2を容易に作製することができる。
【0037】
折曲線232において天面板32と背面板72とが直角に配置されるように折り曲げ、折曲線230において天面板30と正面板20とが直角に配置されるように折り曲げる。これにより、包装容器2が作製される。
【0038】
(分離手段)
次に、
図1に示すように、包装容器2を第1の板セット4と第2の板セット6との2つに分離するための分離手段300について説明する。
図3に示すように、分離手段300は、右側面板40に配置される回動部340と、右側面板42に配置される切離部342と、右側面板42に配置される開口342aと、左側面板50に配置される回動部350と、左側面板52に配置される切離部352と、左側面板52に配置される開口352aと、を備える。
【0039】
回動部340は、ミシン目340bで囲まれている。ミシン目340bは、右側接着部120の前後方向の両側において、端縁100から底面部に向かって延びており、右側接着部120の下端よりも下方において、円弧形状で繋がっている。ミシン目340bは、端縁100には形成されていない。即ち、ミシン目340bは、回動部340を部分的に囲んで、一部で途切れている。回動部340は、右側接着部120を全体的に含んでいる。なお、変形例では、ミシン目340bは、端縁100以外の位置、例えば、端縁100よりも下方で途切れていてもよい。
【0040】
回動部340は、下端部に、回動片340aを備える。回動片340aは、回動部340の他の部分に対して折曲線340cを介して連結している。回動片340aは、半円形状を有する。
【0041】
切離部342は、回動部340に全面的に接触している。切離部342は、右側接着部120で、回動部340に接着されている。切離部342は、右側接着部120の前後方向の両側において、右側面板42の上端縁42aから底面部に向かって延びる一対のミシン目342bによって挟まれている。一対のミシン目342bは、右側接着部120の下端までよりも下方であって、回動片340aよりも上方まで延びている。一対のミシン目342bの前後方向の間隔は、ミシン目340bの前後方向の間隔よりも短い。一対のミシン目342bの下端側には、開口342aが配置されている。開口342aは、前後方向において、一対のミシン目342bの一方から他方まで延びている。開口342aは、回動片340aよりも大きく、回動片340aが回動することによって、挿入可能になるように、回動片340aに重なって配置されている。
【0042】
左側面板50の回動部350は、回動部340と同様の構成を有し、左右対称に配置されている。即ち、回動部350は、ミシン目340bと同様に、端縁102から延びるミシン目350bによって部分的に囲まれている。回動部350は、左側接着部130を全体気に含んでおり、下端部に、回動片340aと同様の回動片350aを備える。
【0043】
切離部352は、切離部342と同様の構成と有し、左右対称に配置されている。即ち、切離部352は、左側面板52の上端縁52aから底面部に向かって延びる一対のミシン目352bによって挟まれている。一対のミシン目352bは、一対のミシン目342bと同様の構成を有している。一対のミシン目352bの下端には、開口342aと同様の開口352aが配置されている。
【0044】
(包装容器2の開封方法)
次いで、
図4~
図6を参照して、包装容器2の開封方法を説明する。まず、
図4に示すように、使用者は、自身の手指等を使って、回動片340a、350aを、包装容器2の内側に向かって矢印A方向に押圧する。これにより、回動片340aは、折曲線340cを中心に回動し、開口342aに挿入され、包装容器2の収容空間内まで回動する。同様に、回動片350aは、折曲線350cを中心に回動し、開口352aに挿入され、包装容器2の収容空間内まで回動する。
【0045】
次いで、
図5に示すように、使用者は、回動片340a、350aが配置されていた箇所から、包装容器2内に手指を挿入して、回動部340を端縁100を中心に回動させるとともに、回動部350を端縁102を中心に回動させることができる。これにより、切離部342は、右側面板42から切り離され、切離部352は、左側面板52から切り離される。切離部342、352は、回動部340、350よりも小さく形成されているため、回動部340、350の回動に追従して、回動することができる。
【0046】
次いで、
図6に示すように、背面板72に配置されるミシン目74を破断させる。この結果、第1の板セット4を、第2の板セット6から分離することができる。なお、第2の板セット6の天面板32は、包装容器2を閉封するために、天面板30、右側面板40、及び、左側面板50の少なくともいずれかにテープ等によって固定されている。背面板72のミシン目74を破断させることによって、天面板32は、第1の板セット4とともに、第2の板セット6の他の部分から分離することができる。
【0047】
天面板32が使用者によって後から第1の板セット4に固定される点を除くと、第1の板セット4と第2の板セット6とは、接着部120、130のみで接着されている。このため、分離手段300を用いて、
図4~
図6に示すように、回動部340、350を回動させることによって、第1の板セット4と第2の板セット6とを、容易に分離させることができる。また、天面板32は、背面板72のミシン目74を破断させるだけで済む。なお、ミシン目74は、背面板72と天面板32の境界に位置していてもよいし、天面板32に位置していてもよい。
【0048】
図7に示すように、開封後の包装容器2は、正面部に正面板22が配置されているだけであるため、店舗等の陳列棚に陳列した時に、内容物を外部から視認し易くなる。また、開封後の包装容器2では、上端に板が残っていないため、内容物を視認する際に邪魔にならない。左右側面板42、52では、正面板22よりも上方の部分において、前端縁が後方に位置している。これにより、開封後の包装容器2の開口部分を広くすることができる。さらに、左右側面板42、52では、前端縁と上端縁との連結部分が湾曲している。これにより、包装容器2から内容物を取り出す際に、前端縁と上端縁との連結部分が邪魔にならないように避けられている。
【0049】
また、第1の板セット4は、第2の板セット6の正面板22の上端の一部に重なるように配置され、包装容器2の下端まで延びていない。この構成によれば、展開体10の寸法を小さくすることができる。
【0050】
包装容器2では、1枚の展開体10から形成される。これにより、複数の展開体を準備せずに済む。
【0051】
(第2実施例)
図8~
図10を参照して、第2実施例の包装容器402について、第1実施例の包装容器2と異なる点を説明する。包装容器402では、右側面板440、左側面板450及び正面板420のそれぞれが、右側面板40、左側面板50及び正面板20のそれぞれと異なる。また、底面板460、462、464、466のそれぞれの形状が、底面板60、62、64、66のそれぞれの形状と異なる。右側面板440は、右側面板40と比較して、上下方向に長く、包装容器402の下端付近まで延びている。右側面板440のその他の構成は、右側面板40と同様である。左側面板450は、右側面板440に対して左右対称に配置されている。
【0052】
正面板420は、右側面板440側の端部において、右側面板440に連続して、包装容器402の下端まで延びている。正面板420のその他の構成は、正面板20と同様である。
図9に示すように、底面板460、462、464、466は、それぞれ長方形の平板形状を有する。底面板460、462、464、466では、底面板462、466のそれぞれを正面板22と背面板72のそれぞれに対して垂直に配置されるように回動させた後、底面板460、464のそれぞれを左側面板52と右側面板42のそれぞれに対して垂直に配置されるように回動させることによって、包装容器2の底面部を形成する。なお、底面板460、464をテープ等で固定する。
【0053】
包装容器402は、さらに、正面板420の下端に、表示片480を備える。表示片480は、正面板420とミシン目480aを介して連続的に連結されている。表示片480は、正面板22に接触している。表示片480は、正面板22に接着部480bを介して接着されている。
図10に示すように、表示片480は、第1の板セット4が第2の板セット6から分離された後、外部に露出する平面状の表示面480cを有する。この構成によれば、表示片480に内容物の広告や説明等を印刷することによって、内容物を陳列したときに、表示片480の内容を確認することができる。また、表示面480cは、展開体410において、正面板420、右側面板840、左側面板450及び天面板30のうち、包装容器402の外部に露出する面と同一平面に配置される。このため、展開体410を製造する際に、正面板420、右側面板440、左側面板450及び天面板30の外部に露出する面に、内容物の説明や使用者名等を印刷する際に、表示面480cにも印刷することができる。このため、表示面480cに別途、印刷処理を実行せずに済む。
【0054】
包装容器402によっても、包装容器2と同様の効果を奏することができる。
【0055】
(第3実施例)
図11~
図12を参照して、第3実施例の包装容器502について、第1実施例の包装容器2と異なる点を説明する。なお、包装容器502は、
図1及び
図11の展開体510に示されるように、底面部以外、包装容器2と外観が共通している。包装容器502では、正面板22に直接的に連結される表示片580が配置されている。また、包装容器502は、包装容器402と同様に、底面板460、462、464、466を備える。包装容器502のその他の構成は、包装容器2の構成と同様である。
【0056】
表示片580は、正面板22に回動可能に連結されている。
図12に示すように、包装容器502が開封されると、表示片580は、第1の板セット4が第2の板セット6から分離された後、外部に露出する平面状の表示面580cを有する。表示面580cは、展開体510において、正面板20、右側面板40、左側面板50及び天面板30のうち、包装容器502の外部に露出する面と同一平面に配置される。これにより、表示片480と同様の効果を奏する。
【0057】
包装容器502によっても、包装容器2と同様の効果を奏することができる。
【0058】
(第4実施例)
図13~
図16を参照して、第4実施例の包装容器602について、第1実施例の包装容器2と異なる点を説明する。包装容器2では、正面板20、22及び背面板72の左右方向の長さは、右側面板40、42及び左側面板50、52の前後方向の長さよりも短い。一方、包装容器602では、正面板620、622及び背面板672の左右方向の長さは、右側面板640、642及び左側面板650、652の前後方向の長さよりも長い。なお、他の構成についても同様に、包装容器602の左右方向の長さが前後方向の長さよりも長いため、上記した第1~第3実施例の包装容器2、402、502とは異なる構成となるが、対応する構成については、同一の符号が付されている。
【0059】
また、包装容器602は、右側面板642に直接的に連結される表示片680が配置されている。また、包装容器602は、包装容器402と同様に、底面板460、462、464、466を備える。
【0060】
表示片680は、右側面板642に回動可能に連結されている。
図16に示すように、表示片680は、折曲線680aに沿って折りたたまれる。折りたたまれた表示片680は、挿入片680bを表示片680と右側面板640の間に配置される挿入孔680dが挿入されることによって、折りたたまれた状態で維持される。表示片680は、第1の板セット4が第2の板セット6から分離された後、外部に露出する平面状の表示面680cを有する。表示面680cは、展開体610において、正面板620、右側面板640、左側面板650のうち、包装容器602の外部に露出する面と同一平面に配置される。これにより、表示片680と同様の効果を奏する。
【0061】
包装容器602によっても、包装容器2と同様の効果を奏することができる。
【0062】
以上、本発明の実施形態について詳細に説明したが、これらは例示に過ぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。
【0063】
(変形例1)上記の各実施例において、接着部120,130(
図1参照)を設けなくてもよい。この場合、分離手段300は、第1の板セット4と第2の板セット6とが連結を分離させる位置に配置されていればよい。
【0064】
(変形例2)第1実施例において、正面板20(
図1参照)の表面と正面板22の表面とを接着するための接着部が設けられてもよい。この場合、正面板20は、正面板22の全面を覆っていてもよい。他の実施例でも同様である。
【0065】
(変形例3)第1実施例では、第1の板セット4は、正面板30、右側面板40、左側面板50及び天面板30を備える。しかしながら、第1の板セット4は、例えば、包装容器2の背面部を構成する背面板等、他の板を備えていてもよい。また、第1の板セット4は、天面板30を備えていなくてもよい。この場合、第2の板セット6の天面板32が、包装容器2の天面部を形成していてもよい。第2の板セットも同様に、正面板22、右側面板42、左側面板52、天面板32、底面板60、62、64、66及び背面板72以外の板を備えていてもよいし、正面板22、天面板32、背面板72の少なくともいずれかの板を備えていなくてもよい。他の実施例でも同様である。
【0066】
(変形例4)第1実施例では、回動片340aは、回動部340の他の部分に対して折曲線340cを介して連結している。しかしながら、回動片340aは、回動部340と分離されて、あるいは、分離可能に配置されていてもよい。例えば、折曲線340cは、ミシン目又はスリット(即ち切れ込み)であって、回動片340aが、回動部340と分離可能に配置されていてもよい。この場合、回動片340aは、ミシン目又はスリット部分以外の個所で、右側面板40に回動可能に連結されていてもよい。この構成では、使用者は、実施例と同様に、自身の手指等を使って、回動片340aを、包装容器2の内側に向かって矢印A方向に押圧することにより、回動片340aが右側面板40に対して回動して、回動部340から離間するとともに開口342aに挿入され、包装容器2の収容空間内まで回動してもよい。回動片350aも同様であってもよい。また、他の実施例でも同様である。
【0067】
また、本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組合せに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成するものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
【符号の説明】
【0068】
2:包装容器、4:第1の板セット、6:第2の板セット、10:展開体、20、22:正面板、30、32、34、36:天面板、40、42:右側面板、42a:上端縁、50、52:左側面板、52a:上端縁、72:背面板、74:ミシン目、120:右側接着部、130:左側接着部、300:分離手段、340、350:回動部、340a、350a:回動片、340b、350b:ミシン目、340c、350c:折曲線、342、352:切離部、342a、352a:開口、342b、352b:ミシン目