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特許7473164デジタルサイネージシステム、コンテンツ提供方法、制御装置、及びプログラム
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  • 特許-デジタルサイネージシステム、コンテンツ提供方法、制御装置、及びプログラム 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-15
(45)【発行日】2024-04-23
(54)【発明の名称】デジタルサイネージシステム、コンテンツ提供方法、制御装置、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   H04L 67/02 20220101AFI20240416BHJP
   G06F 3/01 20060101ALI20240416BHJP
   G06F 3/0488 20220101ALI20240416BHJP
   G06Q 50/10 20120101ALI20240416BHJP
   G09F 19/00 20060101ALN20240416BHJP
【FI】
H04L67/02
G06F3/01 510
G06F3/0488
G06Q50/10
G09F19/00 Z
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2020043827
(22)【出願日】2020-03-13
(65)【公開番号】P2021144561
(43)【公開日】2021-09-24
【審査請求日】2022-09-21
(73)【特許権者】
【識別番号】501041894
【氏名又は名称】チームラボ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100116850
【弁理士】
【氏名又は名称】廣瀬 隆行
(74)【代理人】
【識別番号】100165847
【弁理士】
【氏名又は名称】関 大祐
(72)【発明者】
【氏名】猪子 寿之
【審査官】白井 亮
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-167689(JP,A)
【文献】特開2014-017581(JP,A)
【文献】特開2018-169504(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04L 67/02
G06F 3/01
G06F 3/0488
G06Q 50/10
G09F 19/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の電子コンテンツを選択可能に表示する表示手段と、
前記コンテンツの選択を受け付けるセッションを、前記セッションを特定するための固有の識別情報であるセッションIDを設定することにより管理するセッション管理手段と、
ユーザによる前記コンテンツの選択を受け付ける入力手段と、
前記セッション中にユーザにより選択された前記コンテンツを特定するための固有の識別情報であるコンテンツID、前記セッションIDと関連付けて保持する保持手段と、
前記セッションごとに前記保持手段によって保持された前記コンテンツにアクセスするためのアクセス情報を作成するアクセス情報作成手段と、
前記アクセス情報から外部装置によって読み取り可能なコードを作成するコード発行手段と、を備える
デジタルサイネージシステム。
【請求項2】
複数の電子コンテンツを選択可能に表示する表示手段と、
前記コンテンツの選択を受け付けるセッションを管理するセッション管理手段と、
ユーザによる前記コンテンツの選択を受け付ける入力手段と、
前記セッション中にユーザにより選択された前記コンテンツに関する情報を保持する保持手段と、
前記保持手段によって保持された前記コンテンツにアクセスするためのアクセス情報を作成するアクセス情報作成手段と、
前記アクセス情報から外部装置によって読み取り可能なコードを作成するコード発行手段と、を備え、
前記表示手段及び前記入力手段は、複数のタッチパネルディスプレイによって構成されており、
前記セッション管理手段は、個別のタッチパネルディスプレイごとに前記セッションを管理する
デジタルサイネージシステム。
【請求項3】
複数の電子コンテンツを選択可能に表示する表示手段と、
前記コンテンツの選択を受け付けるセッションを管理するセッション管理手段と、
ユーザによる前記コンテンツの選択を受け付ける入力手段と、
前記セッション中にユーザにより選択された前記コンテンツに関する情報を保持する保持手段と、
前記保持手段によって保持された前記コンテンツにアクセスするためのアクセス情報を作成するアクセス情報作成手段と、
前記アクセス情報から外部装置によって読み取り可能なコードを作成するコード発行手段と、を備え、
前記表示手段及び前記入力手段は、一又は複数のタッチパネルディスプレイによって構成されており、
前記システムは、前記タッチパネルディスプレイに近接したユーザを検出する人感センサをさらに備え、
前記セッション管理手段は、前記人感センサによって検出されたユーザごとに前記セッションを管理する
デジタルサイネージシステム。
【請求項4】
前記表示手段は、前記コンテンツを記号化又は縮小化したアイコン画像を複数表示するものであり、
前記入力手段は、前記アイコン画像の選択を受け付ける
請求項1から請求項3のいずれかに記載のシステム。
【請求項5】
複数の電子コンテンツを選択可能に表示する工程と、
前記コンテンツの選択を受け付けるセッションを、前記セッションを特定するための固有の識別情報であるセッションIDを設定することにより管理する工程と、
ユーザによる前記コンテンツの選択を受け付ける工程と、
前記セッション中にユーザにより選択された前記コンテンツを特定するための固有の識別情報であるコンテンツID、前記セッションIDと関連付けて保持する工程と、
前記セッションごとに保持された前記コンテンツにアクセスするためのアクセス情報を作成する工程と、
前記アクセス情報を外部装置によって読み取り可能なコードに変換する工程と、を含む
デジタルサイネージシステムによるコンテンツ提供方法。
【請求項6】
複数の電子コンテンツを表示装置に選択可能に表示させるコンテンツ表示部と、
前記コンテンツの選択を受け付けるセッションを、前記セッションを特定するための固有の識別情報であるセッションIDを設定することにより管理するセッション管理部と、
前記セッション中にユーザにより入力装置を介して選択された前記コンテンツを特定するための固有の識別情報であるコンテンツID、前記セッションIDと関連付けて保持する選択コンテンツ保持部と、
前記セッションごとに前記選択コンテンツ保持部によって保持された前記コンテンツにアクセスするためのアクセス情報を作成するアクセス情報作成部と、
前記アクセス情報から外部装置によって読み取り可能なコードを作成するコード発行部と、を備える
制御装置。
【請求項7】
コンピュータを、請求項6に記載の制御装置として機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、デジタルサイネージシステムや、コンテンツ提供方法、制御装置、コンピュータプログラムに関する。具体的に説明すると、本発明に係るシステムは、ディスプレイに表示されている複数の電子コンテンツの中から任意のコンテンツをユーザに選択させ、その選択されたコンテンツをユーザが自己の端末装置で自由に閲覧できるようにするためのものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、ディスプレイにより構成された電子看板に二次元コード(例えばQRコード(登録商標))を表示し、そのコードを携帯端末で読み取ったユーザに対して、商品の割引などの特典を示すクーポン画像を提供することのできるデジタルサイネージシステムが知られている(特許文献1)。二次元コードには、URL等のアクセス情報を埋め込むことが可能であるため、クーポン画像に限らず、画像や、動画、音楽、地図情報等の電子コンテンツをユーザに対して提供できる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2018-169504号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、特許文献1に開示された従来のデジタルサイネージシステムは、ディスプレイに予め二次元コードを表示しておくことを想定したものであるため、システム側あるいは店舗側にて選定したコンテンツをユーザに対して一方的に提供しているに過ぎないといえる。このため、このシステムでは、ユーザが任意のコンテンツを選択する余地がなく、双方向性(インタラクティブ性)に欠けるという問題がある。
【0005】
また、複数のコンテンツにそれぞれ二次元コードを割り当てておき、ユーザが任意のコンテンツを選択したときに、そのコンテンツに割り当てられた二次元コードをディスプレイ上に表示するという仕組みを構築することも考えられる。しかしながら、その場合、ユーザが複数のコンテンツを入手することを希望した場合、複数の二次元コードを一つひとつ読み取らなければならず、ユーザの手間が増えるとともに、コンテンツの一覧性に欠けるという問題がある。
【0006】
そこで、本発明は、ユーザが希望するコンテンツを簡単に一括して提供することのできるデジタルサイネージシステムを実現することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の発明者は、上記の従来発明の問題点を解決する手段について鋭意検討した結果、複数の電子コンテンツを選択可能に表示して、一定条件下のセッション期間中にユーザによって選択されたコンテンツを逐次保持するとともに、ここで保持されたコンテンツに一括してアクセスするためのアクセス情報を作成して、このアクセス情報から二次元コード等を発行することとした。これにより、二次元コードを端末装置でスキャンすることで、ユーザは自身が選択した任意のコンテンツを簡単に一括して入手できるようになる。そして、本発明者は、上記知見に基づけば従来技術の課題を解決できることに想到し、本発明を完成させた。具体的に説明すると、本発明は以下の構成・工程を有する。
【0008】
本発明の第1の側面は、デジタルサイネージシステムに関する。本発明に係るデジタルサイネージシステムは、表示手段、セッション管理手段、保持手段、アクセス情報作成手段、及びコード発行手段を含む。表示手段は、複数の電子コンテンツを選択可能に表示する。電子コンテンツの種類は特に限定されないが、例えば画像、動画、音楽、地図、書籍、クーポン、ゲーム、プログラムなどの電子著作物が含まれる。表示手段は、一又は複数のディスプレイ装置によって構成される。セッション管理手段は、コンテンツの選択を受け付けるセッションを管理する。セッションは、例えば、ユーザによるコンテンツの選択操作により開始され、選択操作の終了、ユーザの離脱、あるいは一定期間経過によって終了する。入力手段は、ユーザによるコンテンツの選択を受け付ける。入力手段は、タッチパネルなどのディスプレイと一体化された入力装置であってもよい、マウスやキーボード等のディスプレイとは別体の入力装置であってもよいし。保持手段は、セッション中にユーザにより選択されたコンテンツに関する情報を少なくとも一時的に保持する。アクセス情報作成手段は、保持手段によって保持されているコンテンツにアクセスするためのアクセス情報を作成する。アクセス情報の例は、コンテンツを記憶しているインターネット上のWebサーバのアドレスを示すURLや、コンテンツが格納されているファイルやディレクトリの場所を示すパス情報である。コード発行手段は、アクセス情報から外部装置(主にユーザの端末装置)によって読み取り可能なコードを作成する。コードの例は、バーコードの様な一次元コードやQRコード(登録商標)の様な二次元コードである。コード発行手段によって発行されたコードは、表示手段に表示することとしてもよいし、プリンター等によって印刷用紙に印刷されてもよい。上記構成により、ユーザは、自己の端末装置でコードを読み取ることで、ディスプレイ上で選択した一又は複数のコンテンツに簡単アクセスできる。また、複数のコンテンツが一括してユーザの端末装置に提供されるため、ユーザ所望のコンテンツを一覧表示することができる。
【0009】
本発明に係るデジタルサイネージシステムにおいて、表示手段及び入力手段は、複数のタッチパネルディスプレイによって構成されていることが好ましい。具体的には、複数のタッチパネルディスプレイを平行に並べて、一つの大きなディスプレイ面を形成すると良い。この場合に、セッション管理手段は、個別のタッチパネルディスプレイごとにセッションを管理するとこととしてもよい。ディスプレイ面に表示されたコンテンツを選択する際に、ユーザは基本的に一つのタッチパネルディスプレイを操作するものと想定される。このため、タッチパネルディスプレイごとにセッションを管理することで、一人のユーザが任意に選択した複数のコンテンツをまとめて保持することが容易になる。
【0010】
本発明に係るデジタルサイネージシステムにおいて、表示手段及び入力手段は、一又は複数のタッチパネルディスプレイによって構成されていることが好ましい。この場合に、本発明に係るシステムは、タッチパネルディスプレイに近接したユーザを検出する人感センサをさらに備えることとしてもよい。また、セッション管理手段は、人感センサによって検出されたユーザごとにセッションを管理することとしてもよい。本発明においては、タッチパネルディスプレイに表示されているコンテンツを複数人が同時に選択する状況も想定される。この場合に、人感センサにより各ユーザの立ち位置やそのユーザが操作しているタッチパネルディスプレイを特定し、ユーザごとにセッションを設定することで、ユーザが任意に選択した複数のコンテンツをまとめて保持することが容易になる。特に、一つのタッチパネルディスプレイを複数人が同時に操作する状況においては、タッチパネルディスプレイごとにセッションを設定することが難しくなるが、この場合でも、人感センサを用いることで、各ユーザに対してセッションを割り当てることが可能になる。
【0011】
本発明に係るデジタルサイネージシステムにおいて、表示手段は、コンテンツを記号化又は縮小化したアイコン画像(サムネイル画像ともいう)を複数表示するものであり、入力手段は、アイコン画像の選択を受け付けるものであってもよい。これにより、ユーザは、表示手段によって表示されているコンテンツの中から任意のものを選択しやすくなる。
【0012】
本発明の第2の側面は、デジタルサイネージシステムによるコンテンツ提供方法に関する。第2の側面に係るコンテンツ提供方法は、上記した第1の側面に係るデジタルサイネージシステムにより実行され得る。コンテンツ提供方法は、複数の電子コンテンツを選択可能に表示する工程と、ユーザによるコンテンツの選択を受け付ける工程と、コンテンツの選択を受け付けるセッション中にユーザにより選択されたコンテンツに関する情報を少なくとも一時的に保持する工程と、保持されたコンテンツにアクセスするためのアクセス情報を作成する工程と、アクセス情報から外部装置によって読み取り可能なコードに作成する工程とを含む。
【0013】
本発明の第3の側面は、タッチパネルディスプレイ等の制御装置に関する。本発明に係る制御装置は、コンテンツ表示部、セッション管理部、選択コンテンツ保持部、アクセス情報作成部、及びコード発行部を備える。コンテンツ表示部は、複数の電子コンテンツを表示装置に選択可能に表示させる。セッション管理部は、コンテンツの選択を受け付けるセッションを管理する。選択コンテンツ保持部は、セッション中にユーザにより入力装置を介して選択されたコンテンツに関する情報を少なくとも一時的に保持する。アクセス情報作成部は、選択コンテンツ保持部によって保持されたコンテンツにアクセスするためのアクセス情報を作成する。コード発行部は、アクセス情報を外部装置によって読み取り可能なコードに変換する。
【0014】
本発明の第4の側面は、コンピュータプログラムに関する。本発明に係るプログラムは、汎用的なコンピュータを、第3の側面に係る制御装置として機能させる。プログラムは、インターネットを介してダウンロード可能なものであってもよいし、CD-ROM等の記録媒体に格納されたものであってもよい。
【発明の効果】
【0015】
本発明のデジタルサイネージシステムによれば、ユーザが希望するコンテンツを簡単に一括して提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
図1図1は、デジタルサイネージシステムの概要を模式的に示している。
図2図2は、デジタルサイネージシステムの機能構成を示したブロック図である。
図3図3は、コンテンツデータベース内のデータ構造を模式的に表している。
図4図4は、ディスプレイ制御装置によるコンテンツ提供処理の例を表したフロー図である。
図5図5は、端末装置がコンテンツを入手するための処理を複数パターンに分けて模式的に示している。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、図面を用いて本発明を実施するための形態について説明する。本発明は、以下に説明する形態に限定されるものではなく、以下の形態から当業者が自明な範囲で適宜変更したものも含む。
【0018】
図1は、本発明の一実施形態に係るデジタルサイネージシステム100の概要を示している。図1(a)に示されるように、本実施形態に係るデジタルサイネージシステム100は、複数のタッチパネルディスプレイ20によって一つの大型ディスプレイを構築している。この大型ディスプレイには、例えば画像や、動画、音楽などの電子コンテンツを示すアイコンが複数個表示されている。大型ディスプレイの前では複数のユーザが画面を見ているが、各ユーザはディスプレイに表示されている電子コンテンツのアイコンを任意に選択できる。また、本実施形態では、大型ディスプレイの付近に、ディスプレイに接近したユーザを検知する人感センサ30が設けられている。この人感センサ30によってユーザの立ち位置を検出することで、どのユーザがどのタッチパネルディスプレイ20を操作しているのかを特定できる。
【0019】
図1に示した例では、大型ディスプレイは5台のタッチパネルディスプレイ20により構成されており、人感センサ30によって大型ディスプレイの前に3人のユーザが存在することが検知されている。このとき、例えば左から3台目のタッチパネルディスプレイ20を操作して、左から2番目のユーザがコンテンツを選択したとする。この場合、この2番目のユーザのコンテンツ選択操作に対して、一つのセッションが割り当てられる。例えば、図1(b)に示されるように、セッションを特定するための固有の識別情報であるセッションIDが設定される。この例では、左から3台目のタッチパネルディスプレイ20左から2番目のユーザが操作していることを特定するために、便宜的に「monitor3_userB」というセッションIDを設定している。このセッションは、例えば当該ユーザがコンテンツの選択操作を終了させたり、当該ユーザが大型ディスプレイから離れたり、あるいは当該ユーザによる操作が検出されなくなってから所定時間が経過したといったような所定の終了条件を満たすまで継続する。
【0020】
また、図1に示した例では、セッション継続中に、3つのコンテンツがユーザによって選択されている。各コンテンツには、それぞれコンテンツ固有の識別情報であるコンテンツIDが割り当てられており、ユーザによって選択されたコンテンツのコンテンツIDが、セッションIDと関連付けて一時的に保持される。図1(b)に示した例では、セッションIDに対して、「item001」、「item002」、及び「item003」という3つのコンテンツIDが関連付けて保持される。
【0021】
次に、ユーザによるコンテンツの選択操作が完了すると、デジタルサイネージシステム100は、ユーザによって選択された3つのコンテンツに一括してアクセスするための独自のアクセス情報を作成する。例えば、これらのコンテンツに汎用的なWebブラウザでアクセスする場合には、「https://******/?item_id=item0001&0002&0003」といったようなURLが作成され、これらのコンテンツに専用のアプリケーションを利用してアクセスする場合には、「******://DIW/scan?item0001&0002&0003」といったようなパスが作成される。このアクセス情報は、セッションごとに作成されるものであり、またそのセッション中に選択されたコンテンツに応じて適宜変化するユニークなものである。
【0022】
次に、図1(c)に示されるように、デジタルサイネージシステム100は、上記のアクセス情報が埋め込まれたQRコード(登録商標)などの二次元コードを発行する。ここで発行された二次元コードは、セッション中にユーザが操作していたタッチパネルディスプレイ20(具体的には左から3番目のもの)に表示される。そして、コンテンツを選択したユーザは、自分のスマートフォンなどの端末装置40を利用して、タッチパネルディスプレイ20に表示されている二次元コードを読み取る。すると、端末装置40には、タッチパネルディスプレイ20で選択した3つのコンテンツ(item001,item002,item003)をまとめたリストが表示され、ユーザはこのリストから各コンテンツを入手あるいは閲覧することができる。このように、本発明のデジタルサイネージシステム100によれば、各ユーザが大型のディスプレイから選択した複数のコンテンツに対して、自分の端末装置40から簡単かつ一括的にアクセスすることができる。
【0023】
続いて、図3から図5を参照して、デジタルサイネージシステム100の上記機能を実現するための具体的な構成について説明する。図2は、デジタルサイネージシステム100の機能ブロックの一例、図3はコンテンツDB(データベース)のデータ構造例、図4はディスプレイ制御装置10のコード発行処理の一例、図5は二次元コードからコンテンツを入手ためのパターンを、それぞれ示している。
【0024】
図2に示されるように、本実施形態において、デジタルサイネージシステム100は、ディスプレイ制御装置10、複数のタッチパネルディスプレイ20、人感センサ30、端末装置40、及びコンテンツ管理サーバ50を備えている。コンテンツ管理サーバ50は、インターネットなどのネットワークを介して、ディスプレイ制御装置10と端末装置40に対して相互に通信可能に接続されている。なお、コンテンツ管理サーバ50は、主にコンテンツDB52を有し、ここに格納されているコンテンツをネットワークを介してディスプレイ制御装置10及び端末装置40に提供する役割を担うが、コンテンツDB52をディスプレイ制御装置10及び端末装置40のローカルに設けることも可能であり、その場合にはコンテンツ管理サーバ50を省略することも可能である。
【0025】
ディスプレイ制御装置10は、複数のタッチパネルディスプレイ20の表示制御を行うためのコンピュータである。ディスプレイ制御装置10は、複数のタッチパネルディスプレイ20に対して所定のコンテンツを選択可能に表示するとともに、タッチパネルディスプレイ20に対して入力されたコンテンツの選択情報を受け付ける。また、ディスプレイ制御装置10は、人感センサ30にも接続されており、タッチパネルディスプレイ20に近接したユーザの位置情報(具体的には人感センサ30からユーザまでの距離と方向、あるいは座標情報)を受け付ける。ディスプレイ制御装置10は、基本的に、ユーザによって選択された一又は複数のコンテンツへのアクセス情報を作成し、そのアクセス情報が埋め込まれた二次元コードを発行する中核的な役割を担う。図2に示されるように、ディスプレイ制御装置10は、処理部11、記憶部12、及び通信部13を備える。
【0026】
ディスプレイ制御装置10の処理部11は、ディスプレイ制御装置10が備える他の要素11~13とタッチパネルディスプレイ20を制御する処理を行う。処理部11としては、CPU又はGPUといったプロセッサを利用することができる。処理部11は、記憶部12に記憶されているコンピュータプログラムに従い、タッチパネルディスプレイ20の表示制御処理や二次元コードの発行処理を実行する。本実施形態において、処理部11は、コンテンツ表示部11a、セッション管理部11b、選択コンテンツ保持部11c、アクセス情報作成部11d、及びコード発行部11eという機能ブロックを含む。これらの機能ブロック11a~11eの詳細について、図4を参照して後述する。
【0027】
ディスプレイ制御装置10の記憶部12は、処理部11での演算処理等に用いられる各種の情報を記憶するための要素である。記憶部12は、汎用的なコンピュータを、本システム100におけるディスプレイ制御装置10として機能させるプログラムを記憶している。記憶部12は、処理部11による演算処理の途中経過などを書き込む又は読み出すためのメモリとしての機能を有していてもよい。記憶部12には、例えば、コンテンツ管理サーバ50からダウンロードしたコンテンツのデータや、ユーザにより選択されたコンテンツに関する情報(コンテンツID、その他のメタデータ)が記憶される。記憶部12のストレージ機能は、例えばHDD及びSDDといった不揮発性メモリによって実現できる。また、記憶部12のメモリ機能は、RAMやDRAMといった揮発性メモリにより実現できる。
【0028】
ディスプレイ制御装置10の通信部13は、コンテンツ管理サーバ50との間で、インターネット等のネットワークを介して情報の授受を行うための要素である。通信部13は,処理部11の制御に従って,様々なデータをコンテンツ管理サーバ50へ送信したりコンテンツ管理サーバ50から受信することができる。
【0029】
タッチパネルディスプレイ20は、ディスプレイ制御装置10の制御に従って、主にコンテンツの表示と、コンテンツの選択操作の入力を行うための表示装置である。タッチパネルディスプレイ20としては、既存の製品を利用することができる。例えば、タッチパネルディスプレイ20は、液晶ディスプレイや有機ELディスプレイといったディスプレイ装置(表示手段)の前面に、透明のタッチパネル(入力手段)が設けられている。タッチパネルは、例えば、公知の静電容量方式、電磁誘導方式、赤外線方式、又は抵抗膜方式により、ユーザの手指が接触したことを検知し、その座標情報を得る。なお、本発明においては、ディスプレイ装置に表示されたコンテンツをユーザが選択できれば十分であるため、タッチパネルディスプレイ20に代えて、ディスプレイ装置などの表示手段と、マウスやキーワード、あるいはトラックパッドなどの入力手段とを別々に設けることとしてもよい。また、本発明においては、図1(a)に示したように、複数のタッチパネルディスプレイ20を並べて、一つの大型ディスプレイを構築することが好ましい。また、この場合に、ディスプレイ制御装置10は、複数のタッチパネルディスプレイ20を一つのディスプレイ面と見做して、各タッチパネルディスプレイ20の境界を超えてコンテンツなどが表示されるように、各タッチパネルディスプレイ20を制御することが好ましい。また、タッチパネルディスプレイ20が複数存在する場合には、各タッチパネルディスプレイ20にそれぞれ固有のディスプレイIDが割り当てられる。
【0030】
人感センサ30は、タッチパネルディスプレイ20の近傍に配置され、タッチパネルディスプレイ20に接近してきたユーザの位置情報を取得する。人感センサ30の例は、超音波方式のセンサである。超音波方式の人感センサ30は、所定の検知範囲に超音波を発信し、検知対象物(主にユーザ)からの反射波を受信することによって得られた検知結果により、検知対象物の有無やその位置情報を検出するものである。人感センサ30は、その他に、赤外線方式、可視光を用いた光学方式、焦電方式、超音波を用いた音感方式、床面に配置された感圧方式、あるいはこれらを組み合わせたもの等の公知のものを用いることができる。
【0031】
端末装置40は、ユーザによって所持される携帯型情報通信端末であり、例えばスマートフォンやタブレット型端末を用いることができる。端末装置40は、例えば、処理部41、記憶部42、通信部43、撮影部44、出力部45、及び操作部46を有する。なお、図2では、端末装置40の機能構成として一般的なものを例示している。本システムでは、端末装置40が複数台存在することを想定しているが、各端末装置40はすべてが同じ構成を有している必要はなく、異なる構成を有していてもよい。
【0032】
端末装置40の処理部41は、端末装置40が備える他の要素42~46を制御する処理を行う。処理部41としては、CPU又はGPUといったプロセッサを利用することができる。処理部41は、基本的に、記憶部42に記憶されているコンピュータプログラムを読み出し、このプログラムに従って他の要素を制御する。
【0033】
端末装置40の記憶部42は、処理部41での演算処理等に用いられる情報を記憶するための要素である。記憶部42は、汎用的な携帯型の情報通信端末を、本システムおける端末装置40として機能させるためのプログラムを記憶している。具体的に説明すると、本システムにおいて、端末装置40は、タッチパネルディスプレイ20に表示された二次元コードを撮影し、そのコードに埋め込まれたアクセス情報を読み取って、コンテンツを閲覧又は取得する機能を持つ。これらの機能は、専用のアプリケーションプログラムによって実行されてもよいし、各機能ごと(撮影機能、コード読み取り機能、コンテンツの閲覧・取得機能)にプログラムが用意されていてもよい。また、記憶部42には汎用的なWebブラウザのプログラムが格納されており、このWebブラウザを利用してコンテンツの閲覧又は取得を行うこともできる。また、記憶部42には、コンテンツ管理サーバ50から取得(ダウンロード)したコンテンツを保存することもできる。記憶部42のストレージ機能は、例えばHDD及びSDDといった不揮発性メモリによって実現できる。記憶部42のメモリ機能は、RAMやDRAMといった揮発性メモリにより実現できる。
【0034】
端末装置40の通信部43は、コンテンツ管理サーバ50との間で、インターネット等のネットワークを介して情報の授受を行うための要素である。通信部43は、処理部41の制御に従って、各種情報をコンテンツ管理サーバ50へ送信したりコンテンツ管理サーバ50から受信することができる。
【0035】
撮影部44は、静止画又は動画の画像データを取得するためのカメラであり、タッチパネルディスプレイ20に表示された二次元コードを読み取るために利用される。撮影部44によって取得された画像データは、処理部41へと送出され所定の演算処理が行われた後に、記憶部42に保存される。処理部41では、画像データに含まれる二次元コードから、そこに埋め込まれたアクセス情報を抽出すればよい。カメラは、例えば、レンズ、メカシャッター、シャッタードライバ、CCDイメージセンサユニットやCMOSイメージセンサユニットといった光電変換素子、光電変換素子から電荷量を読み出し画像データを生成するデジタルシグナルプロセッサ(DSP)、ICメモリなどで構成される。
【0036】
出力部45は、端末装置40を所持するユーザに向けて各種の情報を出力するための要素である。処理部41で演算処理された情報は、出力部45によって出力される。出力部45は、公知の情報通信端末に利用されている種々の外部出力装置を採用することができる。出力部45の例は、ディスプレイ、スピーカ、フラッシュライト、及びバイブレータであるが、これらに限定されない。例えば、出力部45は、画像や動画を表示したり音楽を再生するなど、コンテンツの内容に応じた出力装置を用いればよい。
【0037】
操作部46は、ユーザから端末装置40に対する情報の入力を受け付けるための要素である。操作部46を介して入力された情報は、処理部41へと伝達される。操作部46は、公知の情報通信端末に利用されている種々の入力装置を採用することができる。操作部46の例は、タッチパネル、ボタン、カーソル、マイクロフォン、キーボード、及びマウスであるが、これらに限定されない。また、操作部46を構成するタッチパネルは、出力部45を構成するディスプレイと共に、タッチパネルディスプレイを構成していてもよい。
【0038】
コンテンツ管理サーバ50は、インターネット上でコンテンツのデータを管理するためのWebサーバである。コンテンツ管理サーバ50は、一台のサーバ装置によって構成されたものであってもよいし、複数のサーバ装置にその機能を分担させることによって構築されたものであってもよい。コンテンツ管理サーバ50は、処理部51、コンテンツDB52、及び通信部53を備える。コンテンツ管理サーバ50の処理部51としては、CPU又はGPUといったプロセッサを利用することができる。コンテンツDB52は、複数のコンテンツを、固有のコンテンツIDに関連付けて記憶したデータベースである。コンテンツDB52は、その他にコンテンツのメタデータを記憶していてもよい。コンテンツ管理サーバ50の通信部53は、ディスプレイ制御装置10及び端末装置40との間で、インターネット等のネットワークを介して情報の授受を行うための要素である。
【0039】
また、図3に示されるように、コンテンツDB52は、各コンテンツを複数の階層にわたってカテゴリ分けして記憶していてもよい。図3に示した例では、大カテゴリ、中カテゴリ、小カテゴリ、及びコンテンツの4階層構造となっており、コンテンツは小カテゴリに属し、小カテゴリは中カテゴリに属し、中カテゴリは大カテゴリに属する。なお、各コンテンツやカテゴリは、例えばコンテンツ1が小カテゴリaだけでなく小カテゴリbにも属するようにするといったように、一つの上位カテゴリだけでなく、複数の上位カテゴリに属することとしてもよい。
【0040】
データベースが階層構造となっている場合、ディスプレイ制御装置10は、タッチパネルディスプレイ20に、各コンテンツをカテゴリに分けて表示させる。具体的には、ディスプレイ上にまず一又は複数の大カテゴリが表示され、その中から任意の大カテゴリを選択すると、選択された大カテゴリに属する一又は複数の中カテゴリが表示され、その中から任意の中カテゴリを選択すると、選択された中カテゴリに属する一又は複数の小カテゴリが表示され、その中から任意の小カテゴリを選択すると、選択された小カテゴリに属する一又は複数のコンテンツが表示される。このようにコンテンツをカテゴリ分けすることで、コンテンツDB52に大量のコンテンツが記憶されている場合でも、ユーザが好みのコンテンツを探し出しやすくなる。
【0041】
続いて、図3を参照して、ディスプレイ制御装置10による二次元コードの発行処理について説明する。ディスプレイ制御装置10のコンテンツ表示部11aは、コンテンツ管理サーバ50のコンテンツDB52に記憶されているコンテンツを、タッチパネルディスプレイ20に表示させる(ステップS1)。コンテンツは、コンテンツ管理サーバ50からディスプレイ制御装置10にリアルタイムに配信されるものであってもよいし、予めディスプレイ制御装置10にダウンロードされたものであってもよい。ここで、コンテンツ表示部11aは、各コンテンツをユーザが選択可能な態様でタッチパネルディスプレイ20に表示する。例えば、図1(a)に示されるように、複数のコンテンツのアイコン画像を複数のタッチパネルディスプレイ20にランダムに表示することとしてもよいし、図3にて例示したように各コンテンツをカテゴリに分けて表示することとしてもよい。
【0042】
次に、人感センサ30により、タッチパネルディスプレイ20へのユーザの接近が検出され、その検出情報がディスプレイ制御装置10に入力される(ステップS2)。ディスプレイ制御装置10のセッション管理部11bは、人感センサ30による検出情報に基づいてユーザの所在を特定する。
【0043】
次に、タッチパネルディスプレイ20によりユーザのタッチ操作が検出され、その検出情報がディスプレイ制御装置10に入力される(ステップS3)。このとき、人感センサ30の検出情報によりユーザの所在が特定されているため、セッション管理部11bは、どのユーザがどのタッチパネルディスプレイ20を操作しているのかを特定することができる。
【0044】
セッション管理部11bは、コンテンツの表示中に、ユーザの接近が検出され、かつ、タッチパネルディスプレイ20の操作が検出された場合に、セッションを開始する(ステップS4)。このセッションは、所定の条件を満たすことによってステップS13にてセッションが終了されるまで継続する。
【0045】
セッション開始後、まず、セッション管理部11bは、ユーザによるタッチパネルディスプレイ20を介したコンテンツの一連の選択操作に対して固有のセッションIDを設定する(ステップS5)。セッションIDの設定方法の例としては、第一に操作しているユーザのみを特定する方法、第二に操作されているディスプレイのみを特定する方法、第三にユーザとディスプレイの両方を特定する方法がある。具体的には、上記第一の方法では、人感センサ30の検出情報に基づいて、例えば「userA」、「userB」などといったように、ユーザごとにセッションIDを割り当てる。また、上記第二の方法では、タッチパネルディスプレイ20の検出情報に基づいて、例えば「monitor1」、「monitor2」などといったように、操作されているタッチパネルディスプレイ20ごとにセッションIDを割り当てる。また、上記第三の方法では、人感センサ30とタッチパネルディスプレイ20の両方の検出情報に基づいて、例えば「monitor1_userA」、「monitor2_userB」などといったように、ユーザとタッチパネルディスプレイ20の両方を特定可能なセッションIDを割り当てる。なお、複数のタッチパネルディスプレイ20にはそれぞれ固有のディスプレイIDが設定されており、「monitor1」等はこのディスプレイIDに相当する。本発明のシステムにおいては、一つのタッチパネルディスプレイ20を複数のユーザが同時に操作している場合や、あるユーザが選択操作の途中でタッチパネルディスプレイ20の前から立ち去った後に別のユーザが同じタッチパネルディスプレイ20を操作するような場合も想定される。このような場合でも、各ユーザの選択操作に対して個別のセッションIDを割り当てるために、上記第三の方法でセッションIDを設定することが最も好ましい。
【0046】
次に、ディスプレイ制御装置10の選択コンテンツ保持部11cは、タッチパネルディスプレイ20に表示されたコンテンツがユーザによって選択されたか否かを判断する(ステップS6)。ユーザによりコンテンツが選択された場合には、選択コンテンツ保持部11cは、そのコンテンツのコンテンツIDをセッションIDと関連付けて一時的に保持する(ステップS7)。コンテンツIDは、セッションが終了まで保持されればよい。また、一つのセッション中に、ユーザは複数のコンテンツを選択することができる。複数のコンテンツが選択された場合には、各コンテンツのコンテンツIDがすべて同じセッションIDに関連付けて保持される。
【0047】
次に、セッション管理部11bは、ユーザによるコンテンツの選択操作が終了したか否かを判断する(ステップS8)。例えば、タッチパネルディスプレイ20に選択終了ボタンを表示させておき、このボタンが押されたときにコンテンツの選択操作が終了したと判断すればよい。また、選択可能なコンテンツの数に所定の上限を設けておき、選択されたコンテンツの数が上限に達したときに選択操作が終了したと判断してもよい。
【0048】
ユーザにより一又は複数のコンテンツが選択され、その後選択終了が確認された場合、ディスプレイ制御装置10のアクセス情報作成部11dは、選択されたコンテンツに一括してアクセスするためのユニークなアクセス情報を作成する(ステップS9)。アクセス情報は、図1(b)に例示したように、例えば選択されたコンテンツを特定するための情報(主に各コンテンツのコンテンツIDやファイル名)を含むURL又はパスとすればよい。例えば、図1(b)の例では、コンテンツIDが「item001」、「item002」、及び「item003」である3つのコンテンツが選択されているが、この場合には、例えば「https://******/?item_id=item0001&0002&0003」といったように、これらのコンテンツIDをURLのディレクトリ名に含めればよい。なお、上記URLの「******」は、ドメイン名(FQDN)を示している。
【0049】
次に、ディスプレイ制御装置10のコード発行部11eは、アクセス情報作成部11dによって作成されたアクセス情報がパラメータとして付与されたQRコード(登録商標)等の二次元コードを発行する(ステップS10)。なお、コード発行部11eは、二次元コードに限らず、バーコードなどの一次元コードを発行することとしてもよい。コード発行部11eによって発行された二次元コードは、通常、ユーザが操作しているタッチパネルディスプレイ20に表示される。なお、ユーザが操作しているタッチパネルディスプレイ20は、セッションIDに含まれているタッチパネルディスプレイ20のディスプレイIDや人感センサ30の検出情報に基づいて特定すればよい。また、コード発行部11eは、プリンター等によって印刷用紙に印刷する方法によって、二次元コードをユーザに提供することもできる。
【0050】
コード発行部11eによって二次元コードが発行された場合、セッション管理部11bは、そのセッションを終了させる(ステップS13)。セッション終了後は、記憶部12に保持されているセッションIDと、それに関連付けられたコンテンツIDを消去してもよい。また、セッションIDとコンテンツIDは、一定期間保持したままとすることもできる。
【0051】
一方で、セッション開始(ステップS4)後、コンテンツが選択されず(ステップS6)、また選択終了の確認ができない場合(ステップS7)、セッション管理部11bは、ユーザがタッチパネルディスプレイ20の前から離脱したか否かを判断する(ステップS11)。具体的には、人感センサ30によって同一のユーザの所在が検出されている場合にはユーザは離脱していないと判断できるが、同一のユーザの検出が途切れた場合にはそのユーザは離脱したものと判断する。セッション管理部11bは、ユーザが離脱したものと判断した場合には、そのセッションを終了させる(ステップS13)。また、ユーザが離脱していない場合であっても、コンテンツの選択操作がなされず一定時間が経過した場合(ステップS12)には、セッション管理部11bは、そのユーザはコンテンツを選択する意思がないものと見做して、そのセッション終了させる(ステップS13)。セッションを終了させるまでの時間は適宜設定することができるが、1分~5分程度とすることが好ましい。
【0052】
続いて、図5を参照して、ディスプレイ制御装置10が発行した二次元コードを利用して、ユーザが選択したコンテンツにアクセスする方法について説明する。図5(a)に示した態様は、端末装置40のWebブラウザを介して、コンテンツ管理サーバ50から各コンテンツのデータを入手する方法である。図5(a)に示されるように、端末装置40は、二次元コードを読み取ると、そこに付与されているURLを参照してコンテンツ管理サーバ50にアクセスする。また、このURLには、ユーザが選択した一又は複数のコンテンツを特定するための情報(主にコンテンツID)が含まれている。コンテンツ管理サーバ50は、URLに含まれるコンテンツID等を参照して、コンテンツDB52からそのコンテンツIDに一致するコンテンツのデータを読み出し、端末装置40へと送信する。端末装置40は、コンテンツ管理サーバ50からコンテンツのデータを受け取ると、各コンテンツをリスト形式で一覧表示する。これにより、ユーザは、タッチパネルディスプレイ20で自らが選択したコンテンツに、自分の端末装置40から一括的にアクセスすることができうる。なお、コンテンツ管理サーバ50は、端末装置40にコンテンツのデータをダウンロードさせることとしてもよいし、端末装置40にコンテンツをストリーミング配信することとしてもよい。
【0053】
図5(b)に示した態様は、端末装置40のWebブラウザ又は専用アプリケーションにて、APIを通じてコンテンツのデータを入手する方法である。端末装置40は、二次元コードを読み取ると、そこに付与されている指令情報に従って、Webブラウザ又は専用アプリケーションを起動する。その後、端末装置40は、二次元コードに付与されているコンテンツを特定するための情報(主にコンテンツID)をAPIを通じて管理サーバ50へ送信する。管理サーバ50は、端末装置40からコンテンツID等を受け取ると、コンテンツDB52からそのコンテンツIDに一致するコンテンツのデータを読み出し、端末装置40へと送信する。端末装置40は、コンテンツ管理サーバ50からコンテンツのデータを受け取ると、各コンテンツをリスト形式で一覧表示する。この場合も、コンテンツのデータは、ダウンロード又はストリーミング配信のいずれかの方法で端末装置40に提供することができる。
【0054】
図5(c)に示した態様は、専用アプリケーション内のデータとして、すべてのコンテンツのデータを予め端末装置40に保存しておく方法である。端末装置40は、二次元コードを読み取ると、そこに付与されている指令情報に従って、専用アプリケーションを起動する。また、端末装置40は、二次元コードに付与されているコンテンツを特定するための情報(主にコンテンツID)に基づいて、自己の記憶部42からコンテンツのデータを読み出して、各コンテンツをリスト形式で一覧表示する。この場合、携帯端末40は、インターネットにアクセスせずにコンテンツを出力することができるため、インターネットに繋がらない環境でコンテンツを出力するような場合に有効である。なお、この場合には、コンテンツDB52自体が端末装置40内に存在することとなるため、図2に示したコンテンツ管理サーバ50は不要となる。
【0055】
以上、本願明細書では、本発明の内容を表現するために、図面を参照しながら本発明の実施形態の説明を行った。ただし、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、本願明細書に記載された事項に基づいて当業者が自明な変更形態や改良形態を包含するものである。
【産業上の利用可能性】
【0056】
本発明は、デジタルサイネージシステムなどに関する。従って、本発明は、広告産業やエンターテインメント産業において利用し得る。
【符号の説明】
【0057】
10…ディスプレイ制御装置 11…処理部
11a…コンテンツ表示部 11b…セッション管理部
11c…選択コンテンツ保持部 11d…アクセス情報作成部
11e…コード発行部 12…記憶部
13…通信部 20…タッチパネルディスプレイ
30…人感センサ 40…端末装置
41…処理部 42…記憶部
43…通信部 44…撮影部
45…出力部 46…操作部
50…コンテンツ管理サーバ 51…処理部
52…コンテンツデータベース 53…通信部
100…デジタルサイネージシステム
図1
図2
図3
図4
図5