(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-15
(45)【発行日】2024-04-23
(54)【発明の名称】照明装置、照明装置の制御方法、外観検査装置、及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G01N 21/84 20060101AFI20240416BHJP
【FI】
G01N21/84 E
(21)【出願番号】P 2020049324
(22)【出願日】2020-03-19
【審査請求日】2021-07-05
【審判番号】
【審判請求日】2022-12-02
(73)【特許権者】
【識別番号】000227205
【氏名又は名称】NECプラットフォームズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100103894
【氏名又は名称】家入 健
(72)【発明者】
【氏名】山本 哲一郎
(72)【発明者】
【氏名】小松 聖
【合議体】
【審判長】樋口 宗彦
【審判官】渡戸 正義
【審判官】渡▲辺▼ 純也
(56)【参考文献】
【文献】特開平11-183389(JP,A)
【文献】特開2010-19657(JP,A)
【文献】特開2015-219162(JP,A)
【文献】特開2001-304835(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N21/84-21/958
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の光源と、
前記第1の光源の近傍に設けられた第2及び第3の光源と、
光源制御部と、を備え、
前記第1の光源は、被外観検査物に対してハーフミラー、又はプリズムを介して第1の照明光を照射し、
前記第1の照明光は、前記被外観検査物の像を結像する結像光学系の光軸と同一軸である照射光軸を有する同軸落射照明であり、
前記第2及び第3の光源は、前記被外観検査物に対して前記ハーフミラー、又は前記プリズムを介して第2及び第3の照明光をそれぞれ照射し、
前記第2及び第3の照明光の出射光軸は、前記第1の照明光の出射光軸と平行であり、
前記第1、第2及び第3の照明光が照射された前記被外観検査物の表面の照射部位において、前記第1
、第2及び第3の照明光の
光束が、前記結像光学系の光軸とそれぞれ交差
すると仮定した場合において
、前記第1、第2及び第3の照明光それぞれの光束のうち前記結像光学系の光軸と交差する光線を、前記第1、第2及び第3の照明光の照射光軸
と仮定したとき、
前記第1、第2及び第3の照明光の光束は広がり、それぞれ、前記仮定された前記第1、第2及び第3の照明光の照射光
軸を含み、
前記第2の照明光は、前記第2の照明光の照射光軸と前記第1の照明光の照射光軸とが交差して成す照明角度が0度超過、5度以下の範囲内である光線を含み、
前記第3の照明光は、前記第3の照明光の照射光軸と前記第1の照明光の照射光軸とが交差して成す照明角度が0度超過、5度以下の範囲内である光線を含み、
前記第1、第2、及び第3の照明光の照射光軸は、前記被外観検査物が搬送される方向に並び、
前記第1、第2及び第3の光源の光源色は、赤外色、白色、紫外色から選択された1つであり、
前記光源制御部は、
前記被外観検査物の搬送量1ライン分に相当する時間において、前記第1、第2及び第3の光源を
順次、排他的に点灯する、
照明装置。
【請求項2】
前記第1の照明光の照射光軸は、前記第2及び第3の照明光の照射光軸の間に位置する、
ことを特徴とする請求項1に記載の照明装置。
【請求項3】
前記光源制御部は、前記第1の光源、前記第2の光源、前記第3の光源を排他的に点灯させることによって、前記第1の照明光、前記第2の照明光、及び前記第3の照明光をそれぞれ前記被外観検査物の少なくとも一部に照射する、
ことを特徴とする請求項1
又は2に記載の照明装置。
【請求項4】
前記第1、第2及び第3の光源の光源色は、赤外色、白色、紫外色から選択された1つであり、かつ、全て同じである、
ことを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載の照明装置。
【請求項5】
前記第1、第2及び第3の光源の光源色は、
赤外色、白色、紫外色から選択された1つであり、かつ、それぞれ異なる、
ことを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載の照明装置。
【請求項6】
照明装置と、
撮像部と、を備え、
前記照明装置は、
第1の光源と、前記第1の光源の近傍に設けられた第2及び第3の光源と、光源制御部と、を備え、
前記第1の光源は、被外観検査物に対してハーフミラー、又はプリズムを介して第1の照明光を照射し、
前記第1の照明光は、前記被外観検査物の像を結像する結像光学系の光軸と同一軸である入射光軸を有する同軸落射照明であり、
前記第2及び第3の光源は、前記被外観検査物に対して前記ハーフミラー、又は前記プリズムを介して第2及び第3の照明光をそれぞれ照射し、
前記第2及び第3の照明光の出射光軸は、前記第1の照明光の出射光軸と平行であり、
前記第1、第2及び第3の照明光が照射された前記被外観検査物の表面の照射部位において、前記第1
、第2及び第3の照明光の
光束が、前記結像光学系の光軸とそれぞれ交差
すると仮定した場合において
、前記第1、第2及び第3の照明光それぞれの光束のうち前記結像光学系の光軸と交差する光線を、前記第1、第2及び第3の照明光の照射光軸
と仮定したとき、
前記第1、第2及び第3の照明光の光束は広がり、それぞれ、前記仮定された前記第1、第2及び第3の照明光の照射光
軸を含み、
前記第2の照明光は、前記第2の照明光の照射光軸と前記第1の照明光の照射光軸とが交差して成す照明角度が0度超過、5度以下の範囲内である光線を含み、
前記第3の照明光は、前記第3の照明光の照射光軸と前記第1の照明光の照射光軸とが交差して成す照明角度が0度超過、5度以下の範囲内である光線を含み、
前記第1、第2、及び第3の照明光の照射光軸は、前記被外観検査物が搬送される方向に並び、
前記第1、第2及び第3の光源の光源色は、赤外色、白色、紫外色から選択された1つであり、
前記光源制御部は、
前記被外観検査物の搬送量1ライン分に相当する時間において、前記第1の光源、前記第2及び第3の光源を
順次、排他的に点灯し、
前記撮像部は、前記光源制御部が、
前記被外観検査物の搬送量1ライン分に相当する時間において、前記第1の光源、前記第2及び第3の光源を
順次、排他的に点灯したときに前記被外観検査物を撮像し、前記第1の光源のみを点灯したときに
搬送量1ライン分の領域を撮像した画像と、前記第2の光源のみを点灯したときに
搬送量1ライン分の領域を撮像した画像と、前記第3の光源のみを点灯したときに
搬送量1ライン分の領域を撮像した画像とを生成する、
外観検査装置。
【請求項7】
第1の光源と、
前記第1の光源の近傍に設けられた第2及び第3の光源と、を備え、
前記第1の光源は、被外観検査物に対してハーフミラー、又はプリズムを介して第1の照明光を照射し、
前記第1の照明光は、前記被外観検査物の像を結像する結像光学系の光軸と同一軸である照射光軸を有する同軸落射照明であり、
前記第2及び第3の光源は、前記被外観検査物に対して前記ハーフミラー、又は前記プリズムを介して第2及び第3の照明光をそれぞれ照射し、
前記第2及び第3の照明光の出射光軸は、前記第1の照明光の出射光軸と平行であり、
前記第1、第2及び第3の照明光が照射された前記被外観検査物の表面の照射部位において、前記第1
、第2及び第3の照明光の
光束が、前記結像光学系の光軸とそれぞれ交差
すると仮定した場合において
、前記第1、第2及び第3の照明光それぞれの光束のうち前記結像光学系の光軸と交差する光線を、前記第1、第2及び第3の照明光の照射光軸
と仮定したとき、
前記第1、第2及び第3の照明光の光束は広がり、それぞれ、前記仮定された前記第1、第2及び第3の照明光の照射光
軸を含み、
前記第2の照明光は、前記第2の照明光の照射光軸と前記第1の照明光の照射光軸とが交差して成す照明角度が0度超過、5度以下の範囲内である光線を含み、
前記第3の照明光は、前記第3の照明光の照射光軸と前記第1の照明光の照射光軸とが交差して成す照明角度が0度超過、5度以下の範囲内である光線を含
み、
前記第1、第2、及び第3の照明光の照射光軸は、前記被外観検査物が搬送される方向に並び、
前記第1、第2及び第3の光源の光源色は、赤外色、白色、紫外色から選択された1つである照明装置の制御方法において、
前記被外観検査物の搬送量1ライン分に相当する時間において、前記第1、第2及び第3の光源を
順次、排他的に点灯するステップを含む、
照明装置の制御方法。
【請求項8】
第1の光源と、
前記第1の光源の近傍に設けられた第2及び第3の光源と、を備え、
前記第1の光源は、被外観検査物に対してハーフミラー、又はプリズムを介して第1の照明光を照射し、
前記第1の照明光は、前記被外観検査物の像を結像する結像光学系の光軸と同一軸である照射光軸を有する同軸落射照明であり、
前記第2及び第3の光源は、前記被外観検査物に対して前記ハーフミラー、又は前記プリズムを介して第2及び第3の照明光をそれぞれ照射し、
前記第2及び第3の照明光の出射光軸は、前記第1の照明光の出射光軸と平行であり、
前記第1、第2及び第3の照明光が照射された前記被外観検査物の表面の照射部位において、前記第1
、第2及び第3の照明光の
光束が、前記結像光学系の光軸とそれぞれ交差
すると仮定した場合において
、前記第1、第2及び第3の照明光それぞれの光束のうち前記結像光学系の光軸と交差する光線を、前記第1、第2及び第3の照明光の照射光軸
と仮定したとき、
前記第1、第2及び第3の照明光の光束は広がり、それぞれ、前記仮定された前記第1、第2及び第3の照明光の照射光
軸を含み、
前記第2の照明光は、前記第2の照明光の照射光軸と前記第1の照明光の照射光軸とが交差して成す照明角度が0度超過、5度以下の範囲内である光線を含み、
前記第3の照明光は、前記第3の照明光の照射光軸と前記第1の照明光の照射光軸とが交差して成す照明角度が0度超過、5度以下の範囲内である光線を含
み、
前記第1、第2、及び第3の照明光の照射光軸は、前記被外観検査物が搬送される方向に並び、
前記第1、第2及び第3の光源の光源色は、赤外色、白色、紫外色から選択された1つである照明装置として動作するコンピュータに、
前記被外観検査物の搬送量1ライン分に相当する時間において、前記第1、第2及び第3の光源を
順次、排他的に点灯するステップを実行させる、
プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、照明装置、照明装置の制御方法、外観検査装置、及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に開示の検査装置では、検査対象のワークに定められた撮像対象領域毎に、その領域内の検査対象領域全体を照明できる大きさの拡散光を照射するとともに、ワークからの正反射光を撮像できるように、カメラおよび光源を位置合わせする。この位置合わせが行われる都度、光源の点灯範囲をその出射面の一部にあたる領域のみに限定して、検査対象領域の一部分を照明するスポット照明と、点灯範囲を限定せずに検査対象領域全体を照明する全体照明とを順に実行し、照明毎にカメラに撮像を実行させる。これによって、成形体の表面の凹凸欠陥および平滑性不良の双方を、同じ光学系を用いて、効率良くかつ精度良く検出することができるとしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、このような検査装置では、検査対象の表面の欠陥の検出精度が低下することがあった。
【0005】
本開示の目的は、上述した課題を鑑み、検査対象の表面の欠陥の検出精度が低下することを回避することができる照明装置、照明装置の制御方法、外観検査装置、及びプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示の実施の形態の一つに係る照明装置は、
第1の光源と、
前記第1の光源の近傍に設けられた第2及び第3の光源と、
光源制御部と、を備え、
前記第1の光源は、被外観検査物に対してハーフミラー、又はプリズムを介して第1の照明光を照射し、
前記第1の照明光は、前記被外観検査物の像を結像する結像光学系の光軸と同一軸である照射光軸を有する同軸落射照明であり、
前記第2及び第3の光源は、前記被外観検査物に対して前記ハーフミラー、又は前記プリズムを介して第2及び第3の照明光をそれぞれ照射し、
前記第2及び第3の照明光の照射光軸は、前記第1の照明光の照明射光軸とそれぞれ交差し、
前記光源制御部は、前記第1、第2及び第3の光源を排他的に点灯する。
【0007】
本開示の実施の形態の一つに係る外観検査装置は、
照明装置と、
撮像部と、を備え、
前記照明装置は、
第1の光源と、前記第1の光源の近傍に設けられた第2及び第3の光源と、光源制御部と、を備え、
前記第1の光源は、被外観検査物に対してハーフミラー、又はプリズムを介して第1の照明光を照射し、
前記第1の照明光は、前記被外観検査物の像を結像する結像光学系の光軸と同一軸である入射光軸を有する同軸落射照明であり、
前記第2及び第3の光源は、前記被外観検査物に対して前記ハーフミラー、又は前記プリズムを介して第2及び第3の照明光をそれぞれ照射し、
前記第2及び第3の照明光の入射光軸は、前記第1の照明光の入射光軸に対してそれぞれ交差し、
前記光源制御部は、前記第1の光源、前記第2及び第3の光源を排他的に点灯し、
前記撮像部は、前記光源制御部が、前記第1の光源、前記第2及び第3の光源を排他的に点灯したときに前記被外観検査物を撮像し、前記第1の光源のみを点灯したときに撮像した画像と、前記第2の光源のみを点灯したときに撮像した画像と、前記第3の光源のみを点灯したときに撮像した画像とを生成する。
【0008】
本開示の実施の形態の一つに係る照明装置の制御方法は、
第1の光源と、
前記第1の光源の近傍に設けられた第2及び第3の光源と、を備え、
前記第1の光源は、被外観検査物に対してハーフミラー、又はプリズムを介して第1の照明光を照射し、
前記第1の照明光は、前記被外観検査物の像を結像する結像光学系の光軸と同一軸である照射光軸を有する同軸落射照明であり、
前記第2及び第3の光源は、前記被外観検査物に対して前記ハーフミラー、又は前記プリズムを介して第2及び第3の照明光をそれぞれ照射し、
前記第2及び第3の照明光の照射光軸は、前記第1の照明光の照明射光軸とそれぞれ交差する照明装置の制御方法において、
前記第1、第2及び第3の光源を排他的に点灯するステップを含む。
【0009】
本開示の実施の形態の一つに係るプログラムは、
第1の光源と、
前記第1の光源の近傍に設けられた第2及び第3の光源と、を備え、
前記第1の光源は、被外観検査物に対してハーフミラー、又はプリズムを介して第1の照明光を照射し、
前記第1の照明光は、前記被外観検査物の像を結像する結像光学系の光軸と同一軸である照射光軸を有する同軸落射照明であり、
前記第2及び第3の光源は、前記被外観検査物に対して前記ハーフミラー、又は前記プリズムを介して第2及び第3の照明光をそれぞれ照射し、
前記第2及び第3の照明光の照射光軸は、前記第1の照明光の照明射光軸とそれぞれ交差する照明装置として動作するコンピュータに、
前記第1、第2及び第3の光源を排他的に点灯するステップを実行させる。
【発明の効果】
【0010】
本開示によれば、検査対象の表面の欠陥の検出精度が低下することを回避できる照明装置、照明装置の制御方法、外観検査装置、及びプログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】実施の形態1にかかる照明装置を示す模式図である。
【
図2】実施の形態1にかかる照明装置の要部を示す側面図である。
【
図3】実施の形態1にかかる照明装置の要部を示す正面図である。
【
図4】実施の形態1にかかる照明装置の一動作例を示す模式図である。
【
図5A】実施の形態1にかかる照明装置を備えた外観検査装置の一例を示す模式図である。
【
図5B】実施の形態1にかかる照明装置を備えた外観検査装置の一例の要部を示す底面図である。
【
図6】実施の形態1にかかる外観検査装置の一例の制御ブロック図である。
【
図7A】実施の形態1にかかる外観検査装置の制御方法を示すフローチャートである。
【
図7B】実施の形態1にかかる外観検査装置の制御方法を示すフローチャートである。
【
図8】実施の形態1にかかる外観検査装置の一例の各構成の動作を示すタイミングチャートである。
【
図9】実施の形態1にかかる照明装置の変形例1を示す模式図である。
【
図10】実施の形態1にかかる照明装置の要部の変形例2を示す側面図である。
【
図11】実施の形態1にかかる照明装置の変形例3を示す模式図である。
【
図12】実施の形態1にかかる照明装置の変形例3の要部を示す側面図である。
【
図13】実施の形態1にかかる照明装置の変形例3の要部を示す正面図である。
【
図14】実施の形態1にかかる照明装置の変形例3の要部を示す側面図である。
【
図15】実施の形態1にかかる照明装置の変形例3の要部を示す平面図である。
【
図16】実施の形態1にかかる照明装置の変形例4を示す模式図である。
【
図17A】実施の形態1にかかる外観検査装置の変形例5を示す模式図である。
【
図17B】実施の形態1にかかる外観検査装置の変形例5の要部を示す底面図である。
【
図18】外観検査装置に含まれるハードウェアの一構成例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明を適用した具体的な実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。ただし、本発明が以下の実施形態に限定される訳ではない。また、説明を明確にするため、以下の記載及び図面は、適宜、簡略化されている。
【0013】
(実施の形態1)
図1~
図3を参照して実施の形態1について説明する。
図1は、実施の形態1にかかる照明装置を示す模式図である。
図2は、
図1に示す照明装置の要部を示す側面図である。
図3は、
図2に示す要部を示す正面図である。
【0014】
なお、当然のことながら、
図1及びその他の図面に示した右手系XYZ座標は、構成要素の位置関係を説明するための便宜的なものである。通常、Z軸プラス向きが鉛直上向き、XY平面が水平面であり、図面間で共通である。
【0015】
図1に示すように、照明装置101は、ハーフミラー2と、光源群3とを備える。照明装置101と、撮像デバイス1とは、外観検査装置を構成する。外観検査装置は、例えば、ラインスキャナ、ラインスキャンカメラ、エリアスキャナ、又はエリアスキャンカメラである。
【0016】
撮像デバイス1は、被外観検査物W1(ワークとも称する)の上方(ここでは、Z軸方向プラス側)に設けられている。撮像デバイス1は、撮像対象を撮像して画像データを生成するものであればよい。撮像デバイス1は、例えば、CCD(Charge Coupled Device)センサやCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)センサである。撮像デバイス1は、被外観検査物W1における所定の面積を有するエリア(領域)を撮像する二次元センサ(エリアセンサ)であってもよい。撮像デバイス1は、被外観検査物W1におけるライン状領域を撮像して、ライン状画像を生成するものであってもよい。撮像デバイス1は、例えば、受光素子列を備えてもよい。当該受光素子列は、一方向に並んだ複数の受光素子を含む。撮像デバイス1の代わりに、被外観検査物W1の像を結像する結像光学系を配置してもよい。
【0017】
なお、被外観検査物W1は、搬送装置(図示略)等によって、搬送方向X1(ここでは、X軸方向プラス側)に搬送される。なお、当該搬送装置は、上記した外観検査装置の外部装置である。当該搬送装置は、例えば、ローラコンベア、又はベルトコンベアである。撮像デバイス1の光軸Z1は、被外観検査物W1の表面W1aの主な部位と略垂直に交差する。
【0018】
ハーフミラー2は、撮像デバイス1と、被外観検査物W1との間に設けられている。光源群3は、ハーフミラー2の側方(ここでは、X軸方向マイナス側)に設けられている。
【0019】
光源群3は、第1の光源31と、第2の光源32と、第3の光源33とを含む。第1の光源31と、第2の光源32と、第3の光源33として、例えば、砲弾型LED(発行ダイオード)を利用してもよい。第2の光源32と、第3の光源33とは、第1の光源31の近傍に設けられている。第1の光源31と、第2の光源32と、第3の光源33とは、相互に隣接していてもよいし、所定の間隔を空けて配置されていてもよい。また、第2の光源32と、第3の光源33とは、第1の光源31を挟んでもよい。
【0020】
第1の光源31は、被外観検査物W1に対してハーフミラー2を介して第1の照明光L41を照射する。具体的には、
図1及び
図2に示すように、第1の光源31は、第1の照明光L41を出射光軸L41aに沿って出射する。出射光軸L41aは、搬送方向X1に延びる。第1の照明光L41の少なくとも一部は、ハーフミラー2によって反射されて、被外観検査物W1に照射する。すると、被外観検査物W1による反射光がハーフミラー2を通過して撮像デバイス1の撮像面に到達し、被外観検査物W1がこの撮像面において結像する。撮像デバイス1の光軸Z1と第1の照明光L41の照射光軸L41bとは、同一軸である。そのため、第1の照明光L41は、撮像デバイス1の光軸Z1と同一軸である照射光軸L41bを有する同軸落射照明である。
【0021】
第2の光源32は、被外観検査物W1に対してハーフミラー2を介して第2の照明光L42を照射する。具体的には、第2の光源32は、第2の照明光L42を出射光軸L42aに沿って出射する。出射光軸L42aは出射光軸L41a側に傾斜して延びる。第2の照明光L42の少なくとも一部は、ハーフミラー2によって反射されて、被外観検査物W1に照射する。第2の照明光L42の照射光軸L42bは、第1の照明光L41の照射光軸L41bと交差する。照射光軸L42bと照射光軸L41bとが交差する場所は、被外観検査物W1の表面W1aの照射部位W1bであるとよい。照射光軸L42bと照射光軸L41bとが交差して成す照明角度β12は、0(零)度超過、5度以下の範囲内であればよい。照明角度β12の上限値は、0.5、1.0、1.5、2.0、2.5度のいずれかであるとよく、照明角度β12の上限値は、2.0度であると好ましく、さらに好ましくは、1.0度である。出射光軸L42aと出射光軸L41aとが交差して成す角度α32は、照明角度β12が上記範囲内にあるように決めるとよい。
【0022】
第3の光源33は、被外観検査物W1に対してハーフミラー2を介して第3の照明光L43を照射する。具体的には、第3の光源33は、第3の照明光L43を出射光軸L43aに沿って出射する。出射光軸L43aは出射光軸L41a側に傾斜して延びる。第3の照明光L43の少なくとも一部は、ハーフミラー2によって反射されて、被外観検査物W1に照射する。第3の照明光L43の照射光軸L43bは、第1の照明光L41の照射光軸L41bと交差する。照射光軸L43bと照射光軸L41bとが交差する場所は、被外観検査物W1の表面W1aの照射部位W1bであるとよい。照射光軸L43bと照射光軸L41bとが交差して成す照明角度β13は、0(零)度超過、5度以下の範囲内であればよい。照明角度β13の上限値は、0.5、1.0、1.5、2.0、2.5度のいずれかであるとよく、照明角度β13の上限値は、2.0度であると好ましく、さらに好ましくは、1.0度である。出射光軸L43aと出射光軸L41aとが交差して成す角度α33は、照明角度β13が上記範囲内にあるように決めるとよい。
【0023】
照射光軸L41bは、照射光軸L42bと照射光軸L43bとの間に位置するとよい。照射光軸L41b、照射光軸L42b、照射光軸L43bは、搬送方向X1に並ぶとよい。
【0024】
第1の光源31、第2の光源32、及び第3の光源33の光源色は、多種多様であり、例えば、赤外色、白色、紫外色でもよい。第1の光源31、第2の光源32、及び第3の光源33の光源色は、全て同じでもよいし、それぞれ異なっていてもよい。
【0025】
図3に示すように、第1の光源31は、例えば、複数のLEDチップ30を備えてもよい。同様に、第2の光源32、及び第3の光源33は、複数のLEDチップ30を備えてもよい。複数のLEDチップ30は、所定の方向(ここでは、Y方向)に並んでいるとよい。
【0026】
(動作例)
次に、
図4を参照して、照明装置101を用いて被外観検査物W2を照明する一例について説明する。
図4は、
図1に示す照明装置の一動作例を示す模式図である。被外観検査物W2の表面W2aには、欠陥W2bがある。欠陥W2bは、表面W2aから突起する。
【0027】
図4に示すように、第3の照明光L43が欠陥W2bに照射され、反射光L53が欠陥W2bから反射する。反射光L53が、撮像デバイス1の光軸Z1に沿って進む。反射光L53の光軸と撮像デバイス1の光軸Z1とが同一軸である。よって、第3の照明光L43は同軸落射照明と実質的に同じ照明である。撮像デバイス1は、第3の照明光L43による反射光L53を取得し、明るさが良好な画像を生成することができる。
【0028】
一方、第1の照明光L41、及び第2の照明光L42が欠陥W2bに照射され、反射光L51、L52が欠陥W2bから反射する。反射光L51、L52は、進むにつれて撮像デバイス1の光軸Z1から離れる。反射光L53の光軸と撮像デバイス1の光軸Z1とが同一軸でない。第1の照明光L41、及び第2の照明光L42は同軸落射照明にならない。
【0029】
第1の照明光L41、第2の照明光L42、及び第3の照明光L43に照射した欠陥W2bは、表面W2aに対して傾斜しているから、反射光L51ではなく反射光L53のみが、撮像デバイス1の光軸Z1に沿って進んだと考えられる。また、欠陥W2bが凹んでいる場合、第2の照明光L42が同軸落射照明と実質的に同じ照明である。従って、被外観検査物W2の表面W2aには、欠陥があっても、第2の照明光L42、及び第3の照明光L43のいずれかが同軸落射照明と実質的に同じ照明になり得る。そのため、被外観検査物W2を容易に同軸落射照明と実質的に同じ照明を行うことができる。よって、第1の照明光L41、第2の照明光L42、及び第3の照明光L43によって、欠陥の有無にかかわらず、被外観検査物を容易に同軸落射照明と実質的に同じ照明を行うことができる。これによって、良好な明るさを有する撮像画像を生成して、検査対象の表面の欠陥W2bの検出精度が低下することを回避することができる。特に、被外観検査物W2の表面W2aが鏡面である場合、又は光沢がある場合でも、検査対象の表面の欠陥W2bの検出精度が低下することを回避できて好ましい。
【0030】
また、上記した各構成、例えば、被外観検査物W1、W2、撮像デバイス1、ハーフミラー2、光源群3を所定の位置及び向きに高い精度で設置しなくても、第1の照明光L41、第2の照明光L42、及び第3の照明光L43のいずれかが同軸落射照明と実質的に同じ照明になり得る。
【0031】
(外観検査装置の一例)
次に、
図5A及び
図5Bを参照して、実施の形態1にかかる照明装置を備えた外観検査装置の一例を示す模式図である。
図5Aは、
図1に示す照明装置を備えた外観検査装置の一例を示す模式図である。
図5Bは、
図5Aに示す外観検査装置の一例の要部を示す底面図である。
【0032】
図5A及び
図5Bに示すように、外観検査装置201は、照明装置101と、CCDセンサ80と、レンズ84とを備える。外観検査装置201は、スキャナである。CCDセンサ80は、
図1に示す撮像デバイス1の一例である。CCDセンサ80は、CCD基板81と、光電変換素子82とを備える。光電変換素子82は、CCD基板81に設けられている。光電変換素子82は、所定の方向(ここでは、Y方向)に1列に並ぶ。
【0033】
ここで、第1の光源31、第2の光源32、及び第3の光源33が第1の照明光L41、第2の照明光L42、及び第3の照明光43をそれぞれ被外観検査物W1の表面W1aにおける照射部位W1bに照射し、反射光L51、L52、L53を反射する。反射光L51、L52、L53のうち、少なくとも1つが、レンズ84で結像する。また、この少なくとも1つが、光電変換素子82に結像する。光電変換素子82が、光電変換することによって、照射部位W1bを示す画像を出力する。
【0034】
(制御構成)
次に、
図6を参照して外観検査装置201の制御構成について説明する。
図6は、
図5Aに示す外観検査装置の一例の制御ブロック図である。
【0035】
図6に示すように、外観検査装置201は、外部同期インタフェース11と、撮像系システム制御部12と、光源制御部13と、撮像デバイス制御部14と、画像処理部15と、画像インタフェース16とを備える。
【0036】
外部同期インタフェース11は、被外観検査物W1を搬送する搬送装置から、被外観検査物W1の搬送量に応じた外部同期信号を取得する。外部同期インタフェース11は、適宜、外部同期信号を処理した後、撮像系システム制御部12に出力する。
【0037】
撮像系システム制御部12は、外部同期信号を取得する。この取得した外部同期信号は、例えば、被外観検査物W1の搬送量が1ライン増加する度に生成される1パルスの信号である。このような場合、当該搬送装置が被外観検査物W1を1ライン移動すると、撮像系システム制御部12は、パルスの信号を当該搬送装置から取得する。この取得した外部同期信号は、当該搬送装置がモータを用いて被外観検査物W1を搬送する場合、当該モータの回転子の回転変位に相当し、例えば、エンコーダ信号である。撮像系システム制御部12は、適宜、外部同期信号に基づいて、光源制御部13、撮像デバイス制御部14、画像処理部15にそれぞれ制御信号を出力する。
【0038】
光源制御部13は、撮像系システム制御部12から制御信号を取得すると、第1の光源31、第2の光源32、第3の光源33を排他的に点灯させる。言い換えると、光源制御部13は、第1の光源31、第2の光源32、第3の光源33の順に、点灯、消灯の制御を行う。具体的には、光源制御部13は、第1の光源31のみを所定の期間点灯した後、第1の光源31を消灯する。そして、光源制御部13は、第2の光源32のみを所定の期間点灯した後、第2の光源32を消灯する。最後に、光源制御部13は、第3の光源33のみを所定の期間点灯した後、第3の光源33を消灯する。これによって、第1の照明光L41、第2の照明光L42、第3の照明光L43を被外観検査物W1の少なくとも一部にそれぞれ照射する。
【0039】
撮像デバイス制御部14は、光源制御部13の制御信号の取得と略同じタイミングにおいて、撮像系システム制御部12から制御信号を取得する。撮像系システム制御部12は、第1の光源31、第2の光源32、第3の光源33の点灯と同じタイミングにおいて撮像デバイス1に撮像させるように、駆動信号を撮像デバイス1に送る。このとき、撮像デバイス1は、第1の光源31、第2の光源32、及び第3の光源33を点灯するタイミング(時点)において、1ライン分の光電変換動作を行い、画像データを生成する。撮像デバイス1は、この生成した画像データを画像処理部15に出力する。すなわち、この場合、外部同期インタフェース11が外部同期信号を被外観検査物W1の搬送量1ライン分、取得すると、撮像デバイス1は、第1の光源31、第2の光源32、第3の光源33の光源毎、計3ライン分の画像データを画像処理部15に出力する。被外観検査物W1が1ライン分搬送されたとき、撮像デバイス1は、第1の光源31、第2の光源32、及び第3の光源33の光源の点灯によって、それぞれ1ライン分の画像データを生成する。そのため、撮像デバイス1から出力される画像データは、3ライン分のデータに相当する。
【0040】
画像処理部15は、撮像デバイス1から画像データを取得し、この取得した画像データを適宜、画像処理を行う。
【0041】
画像インタフェース16は、例えば、カメラリンク、USB(ユニバーサル・シリアル・バス)3.0、CXP(CoaXPress(登録商標))等である。画像インタフェース16は、画像処理部15から画像処理された画像データを取得する。画像インタフェース16は、この取得した画像データを、適宜処理した後、例えば、上位の検査システムに画像データを出力する。上位の検査システムは、例えば、コンピュータ等である。
【0042】
(制御方法)
次に、
図7A及び
図7Bを参照して、実施の形態1にかかる外観検査装置の制御方法について説明する。
図7A及び
図7Bは、
図5Aに示す外観検査装置の制御方法を示すフローチャートである。
【0043】
外観検査装置201は、電源投入され、システム初期化を行う(ステップST101)。続いて、上記検査システムからの撮像開始コマンドを待つ(ステップST102:NO)。撮像開始コマンドを受ける(ステップST102:YES)と、外部同期信号取得を待つ(ステップST103、ST104:NO)。言い換えると、外観検査装置201は、待機している。外部同期信号を取得する(ステップST104:YES)と、被外観検査物W1における搬送量1ライン相当分を撮像する制御を開始する(ステップST105)。ステップST105では、第1の光源31、第2の光源32、第3の光源33、計3つの光源の点灯消灯動作と撮像デバイス1の撮像制御とを行う。計3つの光源の画像データを取得した後(ステップST106:YES)、撮像を終了するか継続かを判定する(ステップST107)。撮像を継続する場合(ステップST107:NO)、ステップST103に戻る。撮像を終了する場合(ステップST107:YES)、終了処理を行う(ステップST108)。そして、ステップST102に戻る。
【0044】
(タイミングチャート)
次に、
図8を参照して、実施の形態1にかかる外観検査装置の一例の各構成の動作について説明する。
図8は、
図5Aに示す外観検査装置の一例の各構成の動作を示すタイミングチャートである。
【0045】
被外観検査物W1が1ライン分搬送すると、外部同期信号(ここでは、エンコーダ信号)が1パルス発生する。被外観検査物W1の搬送量1ライン分に相当する時間と、外部同期信号の1周期とは、同じである。
【0046】
外部同期信号の1周期において、光源制御部13は、第1の光源31、第2の光源32、第3の光源33を順次、排他的に点灯制御している。
【0047】
図6に示す撮像系システム制御部12が、外部同期信号の1周期において、駆動信号を撮像デバイス1に3回送る。言い換えると、被外観検査物W1の搬送量1ライン分に相当する時間は、撮像デバイス1の駆動信号ΦTGの間隔の3倍である。撮像デバイス1は、駆動信号を取得する毎に、被外観検査物W1において搬送量1ライン分の領域を撮像する。
【0048】
具体的には、外部同期信号を取得すると、第1の光源31によって被外観検査物W1を照明し、撮像デバイス1が1回目の駆動信号を取得して被外観検査物W1において搬送量1ライン分の領域を撮像する。続いて、第2の光源32によって被外観検査物W1を照明し、撮像デバイス1が2回目の駆動信号を取得して被外観検査物W1において搬送量1ライン分の領域を撮像する。さらに、第2の光源32によって被外観検査物W1を照明し、撮像デバイス1が3回目の駆動信号を取得して被外観検査物W1において搬送量1ライン分の領域を撮像する。再び外部同期信号を取得すると、同様の照明と撮像とを繰り返す。よって、各光源に照射された被外観検査物W1を示す撮像画像を取得することができる。
【0049】
(変形例)
次に、
図9~
図17Bを参照して、実施の形態1にかかる照明装置、及び外観検査装置の変形例について説明する。
【0050】
(変形例1)
図9に示す照明装置102は、
図1に示す照明装置101の一変形例である。照明装置102は、ハーフミラー2ではなくプリズム6を備えるところを除いて照明装置101と同じ構成を備える。照明装置101と同様に、第1の光源31は、被外観検査物W1に対してプリズム6を介して第1の照明光L41を照射する。また、第2の光源32は、被外観検査物W1に対してプリズム6を介して第2の照明光L42を照射する。また、第3の光源33は、被外観検査物W1に対してプリズム6を介して第3の照明光L43を照射する。
【0051】
照明装置102の構成によれば、照明装置101と同様に、
図4に示す被外観検査物W2の表面W2aには、欠陥W2bがあっても、被外観検査物W2を容易に同軸落射照明と実質的に同じ照明を行うことができる。容易に同軸落射照明と実質的に同じ照明を行うことができるから、良好な明るさを有する撮像画像を生成して、検査対象の表面の欠陥W2bの検出精度が低下することを回避することができる。
【0052】
(変形例2)
光源群を除いて、
図1に示す照明装置101と同じ構成を備える照明装置101の一変形例がある。当該変形例は、
図10に示す光源群3aを備える。
図10に示す光源群3aは、
図2に示す光源群3の一変形例である。光源群3aは、第2の光源32、及び第3の光源33の向きを除いて、光源群3と同じ構成を備える。
【0053】
出射光軸L42aは出射光軸L41aから離れる方向に傾斜して延びる。出射光軸L43aは出射光軸L41aから離れる方向に傾斜して延びる。光源群3aとハーフミラー2との角度関係は、
図1に示す光源群3とハーフミラー2との角度関係と同じであればよい。具体的には、照射光軸L42bと照射光軸L41bとが交差して成す照明角度β12は、0(零)度超過、5度以下の範囲内であればよい。光源群3aにおける出射光軸L42aと出射光軸L41aとが交差して成す角度α32aは、照明角度β12が上記範囲内にあるように決めるとよい。照射光軸L43bと照射光軸L41bとが交差して成す照明角度β13は、0(零)度超過、5度以下の範囲内であればよい。光源群3aにおける出射光軸L43aと出射光軸L41aとが交差して成す角度α33aは、照明角度β13が上記範囲内にあるように決めるとよい。例えば、光源群3aにおける角度α32aは、光源群3における角度α33と同じである。光源群3aにおける角度α33aは、光源群3における角度α32と同じである。
【0054】
(変形例3)
図11に示す照明装置101aは、
図1に示す照明装置101の一変形例である。照明装置101aは、光源群3bを除いて、照明装置101と同じ構成を備える。
【0055】
光源群3bは、第1の光源31b、第2の光源32b、及び第3の光源33bを備える。第1の光源31bは、その向きと第1の照明光とを除いて、第1の光源31と同じ構成を備える。同様に、第2の光源32bは、その向きと第2の照明光とを除いて、第2の光源32と同じ構成を備える。同様に、第3の光源33bは、その向きと第3の照明光とを除いて、第3の光源33と同じ構成を備える。
【0056】
第1の光源31bの照明光L44は、
図1に示す第1の光源31の照明光L41と比較して指向性が低い。言い換えると、照明光L44の光束は、照明光L41の光束と比較して大きく広がる。同様に、第2の光源32bの照明光L45は、
図1に示す第2の光源32の照明光L42と比較して指向性が低い。言い換えると、照明光L45の光束は、照明光L42の光束と比較して大きく広がる。同様に、第3の光源33bの照明光L46は、
図1に示す第3の光源33の照明光L43と比較して指向性が低い。言い換えると、照明光L46の光束は、照明光L43の光束と比較して大きく広がる。
【0057】
第1の光源31bは、
図1に示す照明光L41の出射光軸L41aが第1の光源31bの照明光L44の光束の内側に入る向きに配置すればよい。同様に、第2の光源32bは、
図1に示す照明光L42の出射光軸L42aが第2の光源32bの照明光L45の光束の内側に入る向きに配置すればよい。同様に、第3の光源33bは、
図1に示す照明光L43の出射光軸L43aが第3の光源33bの照明光L46の光束の内側に入る向きに配置すればよい。
【0058】
図12に示すように、第2の照明光L45の出射光軸L45aと、第3の照明光L46の出射光軸L46aとは、第1の照明光L44の出射光軸L44aと平行でもよい。第1の照明光L44、第2の照明光L45、及び第3の照明光L46の光束は、広がる。そのため、第1の照明光L44、第2の照明光L45、及び第3の照明光L46の光束は、
図1に示す照射光軸L41bと、照射光軸L42bと、照射光軸L43bに沿う光線をそれぞれ含む。出射光軸L45aと、出射光軸L46aとが、出射光軸L44aと平行であっても、第2の照明光L45、及び第3の照明光L46は、照明角度β12、及び照明角度β13がそれぞれ、0(零)度超過、5度以下の範囲内である光線を含む。
【0059】
よって、照明装置101と同様に、第1の照明光L44、第2の照明光L45、及び第3の照明光L46によって、被外観検査物の表面における欠陥の有無にかかわらず、被外観検査物を容易に同軸落射照明と実質的に同じ照明を行うことができる。従って、良好な明るさを有する撮像画像を生成して、検査対象の表面の欠陥の検出精度が低下することを回避できる。
【0060】
なお、第1の光源31は、例えば、
図13~
図15に示すLEDチップ30aを複数備えてもよい。同様に、第2の光源32、及び第3の光源33は、複数のLEDチップ30aを備えてもよい。LEDチップ30aは、出射面311から出射光軸313に沿って照明光312を出射する。照明光312の光束は、広がる。具体的には、照明光312の光束の外縁は、出射面311から進行するにつれて出射光軸313から離れる。照明光312の光束は、
図2に示すLEDチップ30の照明光の光束と比較して大きく広がる。
【0061】
よって、第1の光源31bの向きは、
図1に示す第1の光源31の向きと比較して範囲が広い。そのため、第1の光源31bは、第1の光源31と比較して必要な設置精度が低く、容易に設置できる。同様に、第2の光源32bの向きは、
図1に示す第2の光源32の向きと比較して範囲が広い。そのため、第2の光源32bは、第2の光源32と比較して必要な設置精度が低く、容易に設置できる。同様に、第3の光源33bの向きは、
図1に示す第3の光源33の向きと比較して範囲が広い。そのため、第3の光源33bは、第3の光源33と比較して必要な設置精度が低く、容易に設置できる。以上より、光源群3bは、
図1に示す光源群3と比較して容易に設置できてよい。
【0062】
(変形例4)
図16に示す照明装置102aは、
図11に示す照明装置101aの一変形例である。照明装置102aは、ハーフミラー2ではなくプリズム6を備えるところを除いて照明装置101aと同じ構成を備える。照明装置101aと同様に、第1の光源31bは、被外観検査物W1に対してプリズム6を介して第1の照明光L44を照射する。また、第2の光源32bは、被外観検査物W1に対してプリズム6を介して第2の照明光L45を照射する。また、第3の光源33bは、被外観検査物W1に対してプリズム6を介して第3の照明光L46を照射する。
【0063】
照明装置102aの構成によれば、照明装置101aと同様に、
図4に示す被外観検査物W2の表面W2aには、欠陥W2bがあっても、被外観検査物W2を容易に同軸落射照明と実質的に同じ照明を行うことができる。容易に同軸落射照明と実質的に同じ照明を行うことができるから、良好な明るさを有する撮像画像を生成して、検査対象の表面の欠陥W2bの検出精度が低下することを回避することができる。
【0064】
(変形例5)
図17Aに示す外観検査装置202は、
図5Aに示す外観検査装置201の一変形例である。外観検査装置202は、撮像デバイスを除いて、外観検査装置201と同じ構成を備える。CCDセンサ280は、
図1に示す撮像デバイス1の一例である。
図17Bに示すように、CCDセンサ280は、CCD基板81と、光電変換素子群85とを備える。光電変換素子群85は、CCD基板81に設けられている。光電変換素子群85は、光電変換素子列85a、85b、85cを備える。光電変換素子列85a、85b、85cは、所定の方向(ここでは、Y方向)に1列に並ぶ複数の光電変換素子である。光電変換素子列85a、85b、85cは、並列する。
【0065】
ここで、第1の光源31、第2の光源32、及び第3の光源33が第1の照明光L41、第2の照明光L42、及び第3の照明光43をそれぞれ被外観検査物W1の表面W1aにおける照射部位W1bに照射し、反射光L51、L52、L53を反射する。反射光L51、L52、L53のうち、少なくとも1つが、レンズ84で結像する。また、この少なくとも1つが、光電変換素子群85、つまり、光電変換素子列85a、85b、85cに結像する。光電変換素子群85が、光電変換することによって、照射部位W1bを示す画像をそれぞれ出力する。具体的には、光電変換素子列85a、85b、85cは、それぞれ、照射部位W1bにおいて異なるライン又はエリアを示す画像を出力する。よって、外観検査装置202は、1度の撮像により、3つ異なるライン又はエリアを示す画像を出力できる。
【0066】
(他の実施の形態等)
また、上記実施の形態に係る照明装置101、101a、102、102a、及び外観検査装置201、202は、次のようなハードウェア構成を備えることができる。
図18は、照明装置101、102、及び外観検査装置201、202に含まれるハードウェア構成の一例を示す図である。上述した様々な実施の形態において、照明装置101、101a、102、102a、及び外観検査装置201、202における処理の手順を説明したように、本発明は処理方法としての形態も採り得る。
【0067】
図18に示す照明装置300は、インタフェース303とともに、プロセッサ301及びメモリ302を備える。上述した実施の形態で説明した外観検査装置201の制御構成(
図6参照)は、プロセッサ301がメモリ302に記憶された制御プログラムを読み込んで実行することにより実現される。つまり、このプログラムは、プロセッサ301を外観検査装置201の制御構成、例えば、撮像系システム制御部12等、又はその一部として機能させるためのプログラムである。このプログラムは、
図6の外観検査装置201に、その制御構成、又はその一部における処理を実行させるためのプログラムであると言える。
【0068】
上述したプログラムは、様々なタイプの非一時的なコンピュータ可読媒体(non-transitory computer readable medium)を用いて格納され、コンピュータ(情報通知装置を含むコンピュータ)に供給することができる。非一時的なコンピュータ可読媒体は、様々なタイプの実体のある記録媒体(tangible storage medium)を含む。非一時的なコンピュータ可読媒体の例は、磁気記録媒体(例えばフレキシブルディスク、磁気テープ、ハードディスクドライブ)、光磁気記録媒体(例えば光磁気ディスク)を含む。さらに、この例は、CD-ROM(Read Only Memory)、CD-R、CD-R/Wを含む。さらに、この例は、半導体メモリ(例えば、マスクROM、PROM(Programmable ROM)、EPROM(Erasable PROM)、フラッシュROM、RAM(Random Access Memory))を含む。また、プログラムは、様々なタイプの一時的なコンピュータ可読媒体(transitory computer readable medium)によってコンピュータに供給されてもよい。一時的なコンピュータ可読媒体の例は、電気信号、光信号、及び電磁波を含む。一時的なコンピュータ可読媒体は、電線及び光ファイバ等の有線通信路、又は無線通信路を介して、プログラムをコンピュータに供給できる。
【0069】
さらに、上述した様々な実施の形態において、外観検査装置における処理の手順を説明したように、本開示は、照明装置、及び外観検査装置の制御方法としての形態も採り得る。また、上述のプログラムは、照明装置、及び外観検査装置にこのような制御方法を実行させるためのプログラムであると言える。
【0070】
なお、本発明は上記実施の形態に限られたものではなく、趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。
【符号の説明】
【0071】
101、101a、102、102a 照明装置
201、202 外観検査装置
1 撮像デバイス 2 ハーフミラー
3、3a、3b 光源群
31、31b、32、32b、33、33b 光源
6 プリズム
11 外部同期インタフェース 12 撮像系システム制御部
13 光源制御部 14 撮像デバイス制御部
15 画像処理部 16 画像インタフェース
80、280 CCDセンサ 81 CCD基板
82 光電変換素子 84 レンズ
85 光電変換素子群 85a、85b、85c 光電変換素子列
300 照明装置 301 プロセッサ
302 メモリ 303 インタフェース
311 出射面 312 照明光
313 出射光軸
L41、L44 第1の照明光
L41a、L44a 出射光軸 L41b 照射光軸
L42、L45 第2の照明光
L42a、L45a 出射光軸 L42b 照射光軸
L43、L46 第3の照明光
L43a、L46a 出射光軸 L43b 照射光軸
L5、Z7 光軸
L51、L52、L53 反射光
ST101、ST102、ST103、ST104、ST105、T106、ST107、ST108 ステップ
W1、W2 被外観検査物
W1a、W2a 表面 W1b 照射部位
W2b 欠陥
X1 搬送方向
α32、α32a、α33、α33a 角度 β12、β13 照明角度