IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 京都電子工業株式会社の特許一覧

特許7473198振動式密度計、及び振動式密度計における気泡混入判定方法
<>
  • 特許-振動式密度計、及び振動式密度計における気泡混入判定方法 図1
  • 特許-振動式密度計、及び振動式密度計における気泡混入判定方法 図2
  • 特許-振動式密度計、及び振動式密度計における気泡混入判定方法 図3
  • 特許-振動式密度計、及び振動式密度計における気泡混入判定方法 図4
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-04-15
(45)【発行日】2024-04-23
(54)【発明の名称】振動式密度計、及び振動式密度計における気泡混入判定方法
(51)【国際特許分類】
   G01N 9/00 20060101AFI20240416BHJP
   G01N 11/16 20060101ALN20240416BHJP
【FI】
G01N9/00 D
G01N11/16 B
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2020174557
(22)【出願日】2020-10-16
(65)【公開番号】P2022065825
(43)【公開日】2022-04-28
【審査請求日】2023-07-19
(73)【特許権者】
【識別番号】000161932
【氏名又は名称】京都電子工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100141586
【弁理士】
【氏名又は名称】沖中 仁
(72)【発明者】
【氏名】谷口 弘晃
【審査官】鴨志田 健太
(56)【参考文献】
【文献】特開平7-286880(JP,A)
【文献】特開平9-196730(JP,A)
【文献】登録実用新案第3181293(JP,U)
【文献】特開平5-180680(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 9/00
G01N 11/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
試料セルに収容した被測定試料の密度を測定する振動式密度計であって、
前記試料セルに振動を励起させる励振手段と、
励起された前記試料セルの振動周期を測定する測定手段と、
第一駆動力、及び当該第一駆動力より小さい第二駆動力で前記励振手段を駆動させる駆動制御手段と、
前記第一駆動力で励起された前記試料セルの第一振動周期と前記第二駆動力で励起された前記試料セルの第二振動周期との差に基づいて、前記試料セル内の気泡の有無を判定する判定手段と
を備える振動式密度計。
【請求項2】
前記第二駆動力は、前記第一駆動力の1/5~1/2倍の駆動力である請求項1に記載の振動式密度計。
【請求項3】
前記第一振動周期は、前記励振手段の駆動力が前記第一駆動力から前記第二駆動力に変更される直前に前記測定手段により測定された振動周期であり、
前記第二振動周期は、前記励振手段の駆動力が前記第二駆動力に変更されてから8~10秒の間の任意の時点で前記測定手段により測定された振動周期である請求項1又は2に記載の振動式密度計。
【請求項4】
前記判定手段は、前記第一振動周期と前記第二振動周期との差が1.5×10-2μ秒以上である場合、前記気泡が存在すると判定する請求項1~3の何れか一項に記載の振動式密度計。
【請求項5】
前記被測定試料の粘度は、200mPa・s以下である請求項1~4の何れか一項に記載の振動式密度計。
【請求項6】
前記試料セルは、U字管であり、
前記判定手段は、前記U字管の先端から固定端までの1/2以下の区間における前記気泡の有無を判定する請求項1~5の何れか一項に記載の振動式密度計。
【請求項7】
試料セルに収容した被測定試料の密度を測定する振動式密度計において、前記試料セルへの気泡の混入を判定する気泡混入判定方法であって、
第一駆動力で前記試料セルに振動を励起させる第一励振ステップと、
前記第一駆動力で励起された前記試料セルの第一振動周期を測定する第一測定ステップと、
前記第一駆動力より小さい第二駆動力で前記試料セルに振動を励起させる第二励振ステップと、
前記第二駆動力で励起された前記試料セルの第二振動周期を測定する第二測定ステップと、
前記第一振動周期と前記第二振動周期との差に基づいて、前記試料セル内の気泡の有無を判定する判定ステップと
を包含する気泡混入判定方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、試料セルに収容した被測定試料の密度を測定する振動式密度計、及び振動式密度計における気泡混入判定方法に関する。
【背景技術】
【0002】
振動式密度計は、一端を固定した試料セルに液体の被測定試料を収容して振動させ、その振動周期から被測定試料の密度を演算する装置である(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
振動式密度計における演算は、被測定試料を収容した試料セルの振動周期をTとすると、下記の式(1):
ρsample = K × T + K ・・・(1)
によって被測定試料の密度ρsampleを求めるものである。ここで校正パラメータK、Kは、既知の密度をもつ2種類の基準物質をそれぞれ基準温度において試料セルに収容して振動させたときの密度及び振動周期に基づいて決定される定数である。そのため、被測定試料が収容された試料セルの振動周期を、基準温度と異なる温度で測定すると、算出される密度の値に誤差が生じる。
【0004】
特許文献1の振動式密度計は、断熱材、ペルチェ素子を備えた銅ブロック等の温度制御手段を用いて試料セルの温度を基準温度に保つように制御することで、被測定試料の密度の算出における誤差の発生を抑制することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2011-38810号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
振動式密度計における密度の算出では、測定温度だけではなく、試料セルへの気泡の混入も誤差要因となる。そのため、従来は、試料セルへの被測定試料の導入及び振動周期の測定を繰り返すことで、算出される密度に変化がなくなった場合に試料セルから気泡が排出されたことを確認していた。
【0007】
しかしながら、被測定試料の導入を繰り返すと、そのたびに試料セルの温度変化が生じる。特許文献1の振動式密度計では、被測定試料の導入から試料セルが基準温度に達するまで待機する必要があるため、試料セルからの気泡の排出を確認するために被測定試料の導入を繰り返すと、測定時間が長くなるという問題があった。
【0008】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、試料セルへの被測定試料の導入を繰り返すことなく、試料セルへ混入した気泡を検出することができる振動式密度計、及び振動式密度計における気泡混入判定方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するための本発明に係る振動式密度計の特徴構成は、
試料セルに収容した被測定試料の密度を測定する振動式密度計であって、
前記試料セルに振動を励起させる励振手段と、
励起された前記試料セルの振動周期を測定する測定手段と、
第一駆動力、及び当該第一駆動力より小さい第二駆動力で前記励振手段を駆動させる駆動制御手段と、
前記第一駆動力で励起された前記試料セルの第一振動周期と前記第二駆動力で励起された前記試料セルの第二振動周期との差に基づいて、前記試料セル内の気泡の有無を判定する判定手段と
を備えることにある。
【0010】
本構成の振動式密度計によれば、試料セルに振動を励起させる励振手段と、励起された試料セルの振動周期を測定する測定手段と、第一駆動力、及び第一駆動力より小さい第二駆動力で励振手段を駆動させる駆動制御手段と、第一駆動力で励起された試料セルの第一振動周期と第二駆動力で励起された試料セルの第二振動周期との差に基づいて、試料セル内の気泡の有無を判定する判定手段とを備えることにより、気泡の排出を確認するために試料セルへの被測定試料の導入及び振動周期の測定を繰り返す必要がなく、試料セルに被測定試料が収容された状態のままで気泡の有無を判定することができる。従って、本構成の振動式密度計では、被測定試料の導入の繰り返しに伴う複数回の試料セルの温度変化が生じることがなく、気泡の有無を短時間で判定することができる。その結果、気泡の混入による誤差の発生を防ぎながら、被測定試料を導入してから密度を測定するまでの時間も短縮することができる。
【0011】
本発明に係る振動式密度計において、
前記第二駆動力は、前記第一駆動力の1/5~1/2倍の駆動力であることが好ましい。
【0012】
本構成の振動式密度計によれば、第二駆動力が第一駆動力の1/5~1/2倍の駆動力であることにより、第一振動周期と第二振動周期との差が顕著なものとなるため、試料セル内の気泡の有無を正確に判定することが可能となる。
【0013】
本発明に係る振動式密度計において、
前記第一振動周期は、前記励振手段の駆動力が前記第一駆動力から前記第二駆動力に変更される直前に前記測定手段により測定された振動周期であり、
前記第二振動周期は、前記励振手段の駆動力が前記第二駆動力に変更されてから8~10秒の間の任意の時点で、前記測定手段により測定された振動周期であることが好ましい。
【0014】
本構成の振動式密度計によれば、第一振動周期が、励振手段の駆動力が第一駆動力から第二駆動力に変更される直前に測定手段により測定された振動周期であり、第二振動周期が、励振手段の駆動力が第二駆動力に変更されてから8~10秒の間の任意の時点で測定手段により測定された振動周期であることにより、第一振動周期と第二振動周期との差がより顕著なものとなり、試料セル内の気泡の有無の判定がより正確なものとなる。
【0015】
本発明に係る振動式密度計において、
前記判定手段は、前記第一振動周期と前記第二振動周期との差が1.5×10-2μ秒以上である場合、前記気泡が存在すると判定することが好ましい。
【0016】
本構成の振動式密度計によれば、判定手段が、第一振動周期と第二振動周期との差が1.5×10-2μ秒以上である場合、試料セル内の気泡の有無を確実に判定することができる。
【0017】
本発明に係る振動式密度計において、
前記被測定試料の粘度は、200mPa・s以下であることが好ましい。
【0018】
被測定試料の粘度が高いほど、第一振動周期と第二振動周期との差は小さくなる傾向がある。本構成の振動式密度計によれば、被測定試料の粘度が200mPa・s以下であることにより、被測定試料の粘度による影響を抑えて、試料セル内の気泡の有無を判定することができる。
【0019】
本発明に係る振動式密度計において、
前記試料セルは、U字管であり、
前記判定手段は、前記U字管の先端から固定端までの1/2以下の区間における前記気泡の有無を判定することが好ましい。
【0020】
振動式密度計における密度の算出では、U字管の先端から固定端までの1/2以下の区間に気泡が存在すると、誤差が大きくなる。本構成の振動式密度計によれば、試料セルがU字管であり、判定手段がU字管の先端から固定端までの1/2以下の区間における気泡の有無を判定することにより、実用上十分な精度で被測定試料の密度を算出することができる。
【0021】
上記課題を解決するための本発明に係る気泡混入判定方法の特徴構成は、
試料セルに収容した被測定試料の密度を測定する振動式密度計において、前記試料セルへの気泡の混入を判定する気泡混入判定方法であって、
第一駆動力で前記試料セルに振動を励起させる第一励振ステップと、
前記第一駆動力で励起された前記試料セルの第一振動周期を測定する第一測定ステップと、
前記第一駆動力より小さい第二駆動力で前記試料セルに振動を励起させる第二励振ステップと、
前記第二駆動力で励起された前記試料セルの第二振動周期を測定する第二測定ステップと、
前記第一振動周期と前記第二振動周期との差に基づいて、前記試料セル内の気泡の有無を判定する判定ステップと
を包含することにある。
【0022】
本構成の気泡混入判定方法によれば、第一駆動力で試料セルに振動を励起させる第一励振ステップと、第一駆動力で励起された試料セルの第一振動周期を測定する第一測定ステップと、第一駆動力より小さい第二駆動力で試料セルに振動を励起させる第二励振ステップと、第二駆動力で励起された試料セルの第二振動周期を測定する第二測定ステップと、第一振動周期と第二振動周期との差に基づいて、試料セル内の気泡の有無を判定する判定ステップとを包含することにより、気泡の排出を確認するために試料セルへの被測定試料の導入及び振動周期の測定を繰り返す必要がなく、試料セルに被測定試料が収容された状態のままで気泡の有無を判定することができる。従って、本構成の気泡混入判定方法では、被測定試料の導入の繰り返しに伴う複数回の試料セルの温度変化が生じることがなく、気泡の有無を短時間で判定することができる。その結果、気泡の混入による誤差の発生を防ぎながら、被測定試料を導入してから密度を測定するまでの時間も短縮することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
図1図1は、本発明に係る振動式密度計の構成図である。
図2図2は、測定手段における振動周期の測定結果を示す図である。
図3図3は、試料セルにおける気泡の位置を模式的に示す図である。
図4図4は、被測定試料の導入後に温度の変化がある状態での気泡が混入していない試料セルにおける振動周期の測定結果を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明の振動式密度計、及び振動式密度計における気泡検出方法について説明する。ただし、本発明は、以下に説明する実施形態や図面に記載される構成に限定されることを意図しない。
【0025】
<振動式密度計>
図1は、本発明に係る振動式密度計1の構成図である。振動式密度計1は、液体の被測定試料を収容した試料セル10を振動させて、その振動周期を測定するための測定部100と、測定された振動周期から被測定試料の密度を演算する演算部200とを備える。
【0026】
<測定部>
測定部100は、断熱材等からなるケース52内に収容された、試料セル10、励振手段20、及び測定手段30を備える。
【0027】
試料セル10は、U字型のガラス管である。試料セル10の先端(ガラス管の曲管部分)10aには薄板状の永久磁石11が接着剤等により固着されている。試料セル10の固定端(ガラス管の両管口部)10bは、ホルダ51によって固定され、このホルダ51は、ケース52に固定されている。試料セル10の一方の管口はホルダ51を介して被測定試料を導入するサンプリングチューブに接続され、他方の管口はホルダ51を介して測定の完了した被測定試料を排出する排液チューブに接続されている。サンプリングチューブ、排液チューブには樹脂チューブ等を使用することができ、試料セル10への被測定試料の導入及び排液は、例えば、排液チューブにベリスタポンプ等のポンプ(不図示)を接続し、このポンプにより吸引することにより実行することができる。また、多くの被測定試料を連続的に自動で測定するために、サンプリングチューブは、自動サンプラに接続することも可能である。
【0028】
試料セル10の先端10a付近には、サーミスタ等の温度センサ40が配されている。試料セル10の温度は、温度センサ40により測定された温度に基づいて、ペルチェ素子(不図示)等の熱電素子を備えたアルミニウム等の金属からなる恒温ブロック53によって、予め定められた基準温度となるようにフィードバック制御されている。
【0029】
試料セル10を構成するガラス管の肉厚は、0.2mm以下であることが好ましい。ガラス管の肉厚が0.2mm以下であれば、試料セル10の熱伝導性が優れたものとなるため、基準温度と異なる温度の被測定試料が導入された場合にも、被測定試料の導入から試料セル10が基準温度に達するまでの時間が短くなり、短時間で密度を測定することができる。ガラス管の肉厚が0.2mmを超える場合、ガラス管の熱伝導性が低下し、被測定試料の導入から試料セル10が基準温度に達するまでの時間が長くなることで、密度の測定に比較的長い時間が必要となる虞がある。試料セル10の先端10aから固定端10bまでの長さLは、60~90mmであることが好ましい。長さLが上記の範囲にあれば、被測定試料を収容した状態での振動周期が適切なものとなり、気泡の混入の判定精度を向上させることができる。長さLが上記の範囲から外れる場合、被測定試料を収容した状態での振動周期が過剰に短くなったり、長くなったりすることで、気泡の混入の判定精度が劣るものとなる虞がある。また、振動式密度計1は、浮ひょう型比重計等に比べて少量の被測定試料の密度測定に用いられるため、試料セル10の容積は、1mL以下であることが好ましい。
【0030】
励振手段20は、永久磁石11に対向する位置に配置された駆動コイルである。励振手段20は、駆動コイルに所定周波数の駆動電流が流されることによって生じる磁界変化を永久磁石11に作用させることにより、試料セル10に振動を励起させる。この試料セル10の振動は後述する測定手段30によって検出され、さらに、検出信号に基づいて試料セル10の振動周期に同期した駆動電流が駆動コイルに流される。この結果、試料セル10は、駆動コイルに流れる駆動電流の周波数に共振して、固有振動周期で振動することになる。励振手段20は、後述する駆動制御手段80によって駆動コイルに印加される電圧又は駆動コイルに流される電流が制御されることによって駆動力が変更される。
【0031】
測定手段30は、LED31、及び受光素子32からなる。LED31、及び受光素子32は、試料セル10を構成するU字型のガラス管の曲管部分を、延伸方向に挟んで配置されている。LED31から出射され試料セル10を透過する光は、試料セル10が振動すると、その振動周期に合わせて強度が変動する。透過光を連続的に受光している受光素子32が、この透過光の変動を検出した検出信号に基づいて、試料セル10の振動周期が測定される。なお、測定手段30は、光学式の測定に限らず、他の方式で試料セル10の振動周期を測定してもよい。例えば、測定手段30は、試料セル10の先端10aに固定された永久磁石11に対向する位置に配された検出コイルによって構成してもよい。試料セル10の振動にともなう永久磁石11の移動により生じる磁界変化を、この検出コイルで検出することによって、その検出信号から試料セル10の振動周期を測定することができる。
【0032】
<演算部>
演算部200は、CPU、メモリ、ストレージ等を有するコンピュータにおいて、メモリに記録されているプログラムをCPUが読み出して実行することで、振動式密度計1の動作を制御する機能が実現されるよう構成したり、その一部又は全部の機能を実行する集積回路として構成することができる。演算部200は、従来の振動式密度計において密度演算を実現する手段である周波数検出手段60、及び算出手段70に加えて、励振手段20を駆動させる駆動制御手段80、及び気泡の有無を判定するための判定手段90を備えている。演算部200は、さらに恒温ブロック53のペルチェ素子の動作を制御する。
【0033】
周波数検出手段60は、水晶発振器(不図示)からのクロック信号を参照して、測定手段30の受光素子32が出力した検出信号から、試料セル10の振動周期を算出する。周波数検出手段60は、算出した試料セル10の振動周期を、算出手段70、及び判定手段90に出力する。
【0034】
算出手段70は、周波数検出手段60から入力された振動周期を用いて、上述の式(1)によって被測定試料の密度を算出する。算出手段70において算出された被測定試料の密度は、表示部(不図示)への表示や、ストレージへの記録に供される。算出手段70による被測定試料の密度の算出を終了した後、演算部200は、排液チューブに接続したポンプ、サンプリングチューブに接続した自動サンプラ等に測定の完了を通知する。これにより、試料セル10内の被測定試料の排液、及び新たな被測定試料の試料セル10への導入が実行される。
【0035】
駆動制御手段80、及び判定手段90は、本発明に特有の構成である。本発明では、駆動制御手段80、及び判定手段90の動作によって、試料セル10への気泡の混入を判定する。
【0036】
駆動制御手段80は、励振手段20に、試料セル10に振動を励起させる駆動力を変更させる機能を有する。励振手段20が試料セル10を振動させる駆動力は、励振手段20に駆動電流が流されることによって生じる磁界変化の大きさに比例するため、駆動制御手段80は、駆動コイルに印加する電圧又は駆動コイルに流す電流をデジタル-アナログ変換回路(以下、「D/Aコンバータ」と称する。)等によって設定することにより、励振手段20の駆動力を制御することができる。この電圧又は電流の大きさに比例して、試料セル10に生じる振動の振幅も変化する。駆動制御手段80は、このような電圧又は電流による制御によって、被測定試料の密度を測定するための通常の動作時には、励振手段20を第一駆動力で駆動させ、気泡の混入を判定する動作時には、励振手段20を第一駆動力から一時的に第二駆動力で駆動させる。第二駆動力は、第一駆動力の1/5~1/2倍であることが好ましい。第二駆動力が上記の範囲であれば、試料セル10に気泡が存在していないときと、気泡が存在しているときとで、振動周期の変化が大きく異なるものとなり、気泡の有無を正確に判定することができる。第二駆動力が第一駆動力の1/5倍未満である場合、又は第二駆動力が第一駆動力の1/2倍を超える場合、試料セル10に気泡が存在していないときと、気泡が存在しているときとで、振動周期の変化が類似するものとなり、気泡の有無を正確に判定することができない虞がある。
【0037】
判定手段90は、第一駆動力で駆動する励振手段20によって励起された試料セル10において、測定手段30により測定された振動周期(以下、「第一振動周期」と称する。)と、第二駆動力で駆動する励振手段20によって励起された試料セル10において、測定手段30により測定された振動周期(以下、「第二振動周期」と称する。)とを取得し、第一振動周期と第二振動周期との差の絶対値(以下、「振動周期差」と称する。)に基づいて、試料セル10内の気泡の有無を判定する。具体的には、判定手段90は、第一振動周期と、第二振動周期との振動周期差が1.5×10-2μ秒以上である場合に、気泡の存在を検出する。ここで、第一振動周期は、励振手段20の駆動力が第一駆動力から第二駆動力に変更される直前に測定手段30により測定された振動周期であることが好ましく、第二振動周期は、励振手段20の駆動力が第二駆動力に変更されてから8~10秒の間の任意の時点で測定手段30により測定された振動周期であることが好ましい。
【0038】
<気泡混入判定動作>
図2は、測定手段30における振動周期の測定結果を示す図である。図3は、試料セル10における気泡の位置を模式的に示す図である。図2(a)に示す測定結果は、被測定試料として水を用い、試料セル10の温度が20℃で安定した状態で、気泡が混入していない試料セル10において振動周期を測定したものである。図2(b)に示す測定結果は、被測定試料として水を用い、試料セル10の温度が20℃で安定した状態で、先端10aの位置(図3における位置A)に気泡が混入している試料セル10において振動周期を測定したものである。図2(a)、及び(b)において、振動周期は1.75秒周期で測定している。
【0039】
図2(a)に示す気泡が混入していない試料セル10における振動周期の測定では、駆動制御手段80は、励振手段20を、時刻t0まで第一駆動力で駆動させた後、時刻t0から8.75秒後のt1までの期間において第二駆動力で駆動させ、時刻t1以降は再び第一駆動力で駆動させる。このとき、第二駆動力での駆動時に励振手段20の駆動コイルに流れる電流が、第一駆動力での駆動時に励振手段20の駆動コイルに流れる電流の1/4倍となるように、D/Aコンバータの出力を設定することによって、第二駆動力を第一駆動力の1/4倍に制御した。このような制御により、気泡が混入していない試料セル10では、励振手段20を第一駆動力で駆動させた時刻t0まで振動周期がおおよそ一定となり、時刻t0に励振手段20の駆動力を第一駆動力から第二駆動力に低下させると、振動周期も一時的に低下し、駆動力の低下からおよそ5測定周期(8.75秒)で、駆動力を変更する直前の時刻t0での振動周期と近い値まで回復する。時刻t1に励振手段20の駆動力を第二駆動力から第一駆動力に上昇させると、振動周期も一時的に上昇し、駆動力の上昇からおよそ5測定周期(8.75秒)で、再び時刻t0での振動周期と近い値まで回復する。このような振動周期の変動パターンに起因して、この測定では、励振手段20の駆動力が第一駆動力から第二駆動力に変更される直前の時刻t0に測定された第一振動周期と、励振手段20の駆動力が第二駆動力に変更されてから8.75秒後の時刻t1に測定された第二振動周期との振動周期差d1は、3.7×10-3μ秒と小さなものとなる。このように、振動周期差d1が、試料セル10における気泡の存在を判定する閾値1.5×10-2μ秒未満となることで、判定手段90は、試料セル10に気泡が混入していないと判定することができる。
【0040】
一方、図2(b)に示す気泡が混入している試料セル10における振動周期の測定においても、図2(a)の場合と同様に、駆動制御手段80は、励振手段20を、時刻t0まで第一駆動力で駆動させた後、時刻t0から8.75秒後の時刻t1までの期間において第二駆動力で駆動させ、時刻t1以降は再び第一駆動力で駆動させる。このような制御により、気泡が混入している試料セル10では、時刻t0に励振手段20の駆動力を第一駆動力から第二駆動力に低下させると、気泡が混入していない試料セル10とは逆に、振動周期が一時的に上昇する。さらに、気泡が混入していない試料セル10では、駆動力の変更からおよそ5測定周期(8.75秒)で、駆動力を変更する直前の時刻t0での振動周期に近い値まで回復したが、気泡が混入している試料セル10では、駆動力の変更からおよそ5測定周期(8.75秒)経過した時点まで、振動周期が継続して上昇する。このような振動周期の変動パターンに起因して、この測定では、励振手段20の駆動力が第一駆動力から第二駆動力に変更される直前の時刻t0に測定された第一振動周期と、励振手段20の駆動力が第二駆動力に変更されてから8.75秒後の時刻t1に測定された第二振動周期との振動周期差d2は、2.6×10-1μ秒と大きなものとなる。このように、振動周期差d2が、試料セル10における気泡の存在を判定する閾値1.5×10-2μ秒以上となることで、判定手段90は、試料セル10に気泡が混入していると判定することができる。
【0041】
<測定温度>
試料セル10の温度が、振動周期差に及ぼす影響を検討した。図4は、被測定試料の導入後に温度の変化がある状態での気泡が混入していない試料セル10における振動周期の測定結果を示す図である。図4に示す振動周期の測定では、被測定試料として水を用い、試料セル10の温度を基準温度である20.0℃に維持するように、演算部200が恒温ブロック53のペルチェ素子を制御している状態で、試料セル10に21℃の被測定試料を導入している。駆動制御手段80は、通常は励振手段20を第一駆動力で駆動させたが、被測定試料の導入から試料セル10の温度が基準温度である20.0℃に達するまでに、5つの期間で8.75秒ずつ励振手段20を第二駆動力で駆動させた。このとき、第二駆動力での駆動時に励振手段20の駆動コイルに流れる電流が、第一駆動力での駆動時に励振手段20の駆動コイルに流れる電流の1/4倍となるように、D/Aコンバータの出力を設定することによって、第二駆動力を第一駆動力の1/4倍に制御した。
【0042】
試料セル10の温度が20.1℃未満であるときに励振手段20を第二駆動力で駆動させた場合、第一駆動力から第二駆動力に変更される直前に測定された第一振動周期と、励振手段20の駆動力が第二駆動力に変更されてから8.75秒後に測定された第二振動周期との振動周期差d13が6.3×10-3μ秒となり、振動周期差d14が0μ秒となり、振動周期差d15が3.7×10-3μ秒となる。これらの振動周期差は、試料セル10における気泡の存在を判定する閾値1.5×10-2μ秒未満であり、気泡が混入していないと判定することができる。このように、本発明の振動式密度計1において、試料セル10への気泡の混入を判定するときの試料セル10の温度は、基準温度との差が0.1℃未満であることが好ましい。
【0043】
一方、試料セル10の温度が20.1℃を超えるときに励振手段20を第二駆動力で駆動させた場合、第一駆動力から第二駆動力に変更される直前に測定された第一振動周期と、励振手段20の駆動力が第二駆動力に変更されてから8.75秒後に測定された第二振動周期との振動周期差d11が8.4×10-2μ秒となり、振動周期差d12が3.3×10-2μ秒となる。このように、試料セル10の温度が、基準温度から0.1℃を超えて高いときは、試料セル10に気泡が混入していなくとも、第一振動周期と第二駆動力との振動周期差が、試料セル10における気泡の存在を判定する閾値1.5×10-2μ秒以上となる。そのため、本発明の振動式密度計1では、試料セル10への気泡の混入の判定を実行するときに試料セル10の温度と基準温度との差が0.1℃以上である場合、試料セル10における気泡の存在を判定する閾値は、温度変化により想定される振動周期の上昇値から1.5×10-2μ秒大きく設定することが好ましい。
【0044】
<試料セルにおける気泡の位置>
試料セル10における気泡の位置が、振動周期差に及ぼす影響を検討した。被測定試料として水を用い、試料セル10において、図3に示すA~Eの各位置に気泡が存在する状態、及び気泡が存在しない状態で、試料セル10の温度が20℃で安定してから、励振手段20を第一駆動力で駆動させた後、第二駆動力で8.75秒駆動させ、その後に再び第一駆動力で駆動させることにより、第一駆動力から第二駆動力に変更される直前に測定された第一振動周期と、励振手段20の駆動力が第二駆動力に変更されてから8.75秒後に測定された第二振動周期との振動周期差を測定した。このとき、第二駆動力での駆動時に励振手段20の駆動コイルに流れる電流が、第一駆動力での駆動時に励振手段20の駆動コイルに流れる電流の1/4倍となるように、D/Aコンバータの出力を設定することによって、第二駆動力を第一駆動力の1/4倍に制御した。また、図3に示すA~Eの各位置に気泡が存在する状態、及び気泡が存在しない状態で、算出手段70において、密度を算出した。
【0045】
【表1】
【0046】
表1に示すように、試料セル10の先端10aから固定端10bまでの1/2以下の区間の位置A、B、又はCに気泡が存在する場合、算出手段70において算出される密度は、試料セル10に気泡が混入していない場合に算出手段70において算出される密度と比較して、その差は最大で2.0×10-2g/cmとなり、2.0%の誤差が生じている。位置A、B、又はCに気泡が存在する場合、第一振動周期と第二振動周期との振動周期差は、2.5×10-1μ秒以上となる。このように、位置A、B、又はCの何れに気泡が存在する場合にも、振動周期差が、試料セル10における気泡の存在を判定する閾値1.5×10-2μ秒より大きくなる。そのため、判定手段90は、試料セル10の先端10aから固定端10bまでの1/2以下の区間に気泡が存在する場合、試料セル10において気泡が存在していることを検出することができ、算出手段70において算出される密度は、気泡の存在による誤差が生じているものとして取り扱うことが可能となる。
【0047】
一方、試料セル10の固定端10bから先端10aまでの1/2以下の区間の位置D、Eに気泡が存在する場合、第一振動周期と第二振動周期との振動周期差は、3.3×10-3μ秒以下となる。そのため、判定手段90では、試料セル10における気泡の存在を検出する閾値1.5×10-2μ秒に基づいて、試料セル10において気泡が存在していることを検出することはできない。しかしながら、試料セル10において位置D、又はEに気泡が存在する場合、算出手段70において算出される密度は、試料セル10に気泡が混入していない場合に算出手段70において算出される密度と比較して、その差が1.4×10-3g/cm以下であり、誤差は0.14%以下に留まる。そのため、試料セル10において位置D、又はEに気泡が存在したとしても、その気泡の有無に関わらず、算出手段70において算出される密度は、実用上十分な精度を有するものとして取り扱うことができる。
【0048】
<被測定試料の粘度>
被測定試料の粘度が、振動周期差に及ぼす影響を検討した。密度が0.85g/cmであり、粘度が42mPa・sである粘度標準液JS50、密度が0.86g/cmであり、粘度が172mPa・sである粘度標準液JS200、又は密度が0.87g/cmであり、粘度が436mPa・sである粘度標準液JS500を被測定試料として用い、試料セル10において、図3に示すA~Eの各位置に気泡が存在する状態、及び気泡が存在しない状態で、試料セル10の温度が20℃で安定してから、励振手段20を第一駆動力で駆動させた後、第二駆動力で8.75秒駆動させ、その後に再び第一駆動力で駆動させることにより、第一駆動力から第二駆動力に変更される直前に測定された第一振動周期と、励振手段20の駆動力が第二駆動力に変更されてから8.75秒後に測定された第二振動周期との振動周期差を測定した。このとき、第二駆動力での駆動時に励振手段20の駆動コイルに流れる電流が、第一駆動力での駆動時に励振手段20の駆動コイルに流れる電流の1/4倍となるように、D/Aコンバータの出力を設定することによって、第二駆動力を第一駆動力の1/4倍に制御した。また、図3に示すA~Eの各位置に気泡が存在する状態、及び気泡が存在しない状態で、算出手段70において、密度を算出した。表2は、被測定試料として粘度標準液JS50を用いた場合の測定結果を示し、表3は、被測定試料として粘度標準液JS200を用いた場合の測定結果を示し、表4は、被測定試料として粘度標準液JS500を用いた場合の測定結果を示す。
【0049】
【表2】
【0050】
表2に示すように、被測定試料として粘度が42mPa・sである粘度標準液JS50を用いた場合、試料セル10の先端10aから固定端10bまでの1/2以下の区間の位置A、B、又はCに気泡が存在すると、算出手段70において算出される密度は、試料セル10に気泡が混入していない場合に算出手段70において算出される密度と比較して、その差は最大で4.7×10-3g/cmとなり、0.6%の誤差が生じている。位置A、B、又はCに気泡が存在する場合、第一振動周期と第二振動周期との振動周期差は、4.8×10-2μ秒以上となる。このように、被測定試料として粘度標準液JS50を用いた場合、位置A、B、又はCの何れに気泡が存在しても、振動周期差が、試料セル10における気泡の存在を判定する閾値1.5×10-2μ秒より大きくなる。そのため、判定手段90は、被測定試料として粘度が42mPa・sである粘度標準液JS50を用いた場合にも、試料セル10の先端10aから固定端10bまでの1/2以下の区間に気泡が存在すると、試料セル10において気泡が存在していることを検出することができ、算出手段70において算出される密度は、気泡の存在による誤差が生じているものとして取り扱うことが可能となる。
【0051】
【表3】
【0052】
表3に示すように、被測定試料として粘度が172mPa・sである粘度標準液JS200を用いた場合、試料セル10の先端10aの位置Bに気泡が存在すると、算出手段70において算出される密度は、試料セル10に気泡が混入していない場合に算出手段70において算出される密度と比較して、その差が4.0×10-3g/cmとなり、0.5%の誤差が生じている。位置Bに気泡が存在する場合、第一振動周期と第二振動周期との振動周期差は、3.5×10-2μ秒となる。このように、粘度標準液JS200を用いた場合、位置Bに気泡が存在すると、振動周期差が、試料セル10における気泡の存在を判定する閾値1.5×10-2μ秒より大きくなる。そのため、判定手段90は、被測定試料として粘度が172mPa・sである粘度標準液JS200を用いた場合には、試料セル10の先端10a近傍に気泡が存在すると、試料セル10において気泡が存在していることを検出することができ、算出手段70において算出される密度は、気泡の存在による誤差が生じているものとして取り扱うことが可能となる。
【0053】
一方、位置A、C~Eに気泡が存在する場合、第一振動周期と第二振動周期との振動周期差は、8.0×10-3μ秒以下となる。そのため、被測定試料として粘度が172mPa・sである粘度標準液JS200を用いた場合、判定手段90では、試料セル10における気泡の存在を検出する閾値1.5×10-2μ秒に基づいて、試料セル10において気泡が存在していることを検出することはできない。しかしながら、被測定試料として粘度が172mPa・sである粘度標準液JS200を用いた場合、試料セル10において位置A、C~Eに気泡が存在すると、算出手段70において算出される密度は、試料セル10に気泡が混入していない場合に算出手段70において算出される密度と比較して、その差が1.4×10-3g/cm以下であり、誤差は0.17%以下に留まる。そのため、被測定試料として粘度が172mPa・sである粘度標準液JS200を用いた場合、試料セル10において位置A、C~Eに気泡が存在したとしても、その気泡の有無に関わらず、算出手段70において算出される密度は、実用上十分な精度を有するものとして取り扱うことができる。
【0054】
【表4】
【0055】
表4に示すように、被測定試料として粘度が436mPa・sである粘度標準液JS500を用いた場合、試料セル10の先端10aの位置Bに気泡が存在すると、算出手段70において算出される密度は、試料セル10に気泡が混入していない場合に算出手段70において算出される密度と比較して、その差は2.6×10-3g/cmとなり、0.3%のある程度大きい誤差が生じている。しかしながら、被測定試料として粘度が436mPa・sである粘度標準液JS500を用いた場合、位置A~Eの何れに気泡が存在しても、第一振動周期と第二振動周期との振動周期差は、6.3×10-3μ秒以下となり、試料セル10に気泡が存在しない場合の振動周期差3.0×10-3μ秒との極めて近い値となるため、振動周期差に基づいて試料セル10における気泡の有無を判定することは困難である。
【0056】
以上の検討から、被測定試料の粘度が振動周期差に及ぼす影響を考慮した場合、本発明の振動式密度計1において、試料セル10への気泡の混入によって算出手段70において算出される密度に誤差が生じる場合に、適切に試料セル10における気泡を検出するためには、被測定試料の粘度は、200mPa・s以下であることが好ましい。
【0057】
以上のように、本発明に係る振動式密度計1は、励振手段20を第一駆動力で駆動させたときに測定手段30により測定される試料セル10の第一振動周期と、励振手段20の駆動力を第二駆動力に変更した後に測定手段30により測定される試料セル10の第二振動周期との振動周期差に基づいて、試料セル10内の気泡の有無を判定することができるため、被測定試料の密度測定に先立って気泡の排出を確認するために試料セル10への被測定試料の導入及び振動周期の測定を繰り返す必要がなく、試料セル10に被測定試料が収容された状態のままで気泡の有無を判定することができる。従って、被測定試料の導入の繰り返しに伴う複数回の試料セル10の温度変化が生じることがなく、気泡の有無を短時間で判定することができる。その結果、気泡の混入による誤差の発生を防ぎながら、被測定試料を導入してから密度を測定するまでの時間も短縮することができる。
【産業上の利用可能性】
【0058】
本発明の振動式密度計は、清涼飲料の濃度管理等の各種試料の密度測定に利用することができる。
【符号の説明】
【0059】
1 振動式密度計
10 試料セル
10a 先端
10b 固定端
20 励振手段
30 測定手段
80 駆動制御手段
90 判定手段
図1
図2
図3
図4